鵜飼章の手記
鵜飼・章 2019年1月20日
こんにちは。
突然何を言いだすんだと思うかもしれないけど、僕はよく自分を見失う。
だから、自分の観察日記をつける事にしたんだ。
きみも僕という動物のことを知ってみる?
好きにはならなくていいよ。
ヒトには合う合わないがある、当たり前のことだ。
(鵜飼がなにか書きたいときに書く日記スレです)
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鵜飼・章
2019年2月23日
物心ついてから一度も泣いた覚えがない。御堂さんが壊れたら、僕はきちんと悲しめるだろうか。無理かもしれない。
鵜飼・章
2019年2月28日
【2019/2/28】御堂さんがすごくご機嫌で返ってきた(誤字ではない)……。修理が終わった記念に江戸で悪党退治をしてきたらしい。強いなあ。江戸土産だといって、戦国武将の浮世絵をくれた。本多正信という人らしい。「章様に似ていらっしゃると思って!」と言っていたけれど、調べたら仲間に腰抜けとか、腸が腐っているとか何とか言われていた人らしい……単に「肩に鳥が乗っているから」という理由で選んでくれたものだと思いたい。
https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=4522
鵜飼・章
2019年3月14日
【2019/3/13】えっ……御堂さんもあのきらきらした河童と戦ってきたんだ……。バーゲンを狙う河童ってこれまたすごいね。いい江戸小紋の振袖が買えたみたいで、御堂さんはご機嫌だ。……家臣の人たちは疲れた顔をしていたから、お茶を出した。なんでも可愛いと言うことで悪名高い僕だけど、女の子に可愛いと言うと厄介事を招くから、こういうときは無難に『似合うね』ですませることにしている。
https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=5260
鵜飼・章
2019年3月15日
そういえば、今日はホワイトデーだったのか。先日の話の続きを書くと、お返しが面倒発言以来、みんな僕に気を遣ってチョコをくれなくなってしまった。最近は真心のたいせつさがわかったので、頑張って選ぶようにしているけど、僕が喜ぶと思って選んだ品物はたいてい女の子受けがよくない。ヒトの心ってむずかしいな……。
鵜飼・章
2019年3月17日
【2019/3/17】ヒトを斬ったらそのヒトの心がみえるなら、どんなにいいだろうかと、未だに僕は時々考える。そんな考えで人の命をうばったことはないつもりだけど……なんとなく、あの場所へ来ていた。まだすこし事件の痕跡が残っていたけど、これもやがて風化していくんだろうな。けれど、血のにおいが消えたところで、遺された人たちの心の傷が癒えるわけじゃない。ヒトのために僕はなにができるんだろうと、改めて考える結果になった。
https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=5234
鵜飼・章
2019年3月23日
【2019/3/23】『知ることが叶わないものを欲し、わからないものを羨む』怪物。僕そのものだな。ただ僕には愛がわからないから、実質僕の人間性はオブリビオンにも劣ると判明してしまった。人類として複雑だ。けれど、あの村の人たちが見知らぬ花を造るように、心もまた造れるものだろう。それが贋物だったとしても、造ろうとする意思がたいせつなんだと思う。外から見れば本物であれば、それでいい。
https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=5473
鵜飼・章
2019年3月23日
…どうして僕は現場でこういうことを言わないんだろう。でも、うっかり口走って報告書に『僕は愛を知らない怪物…』などと書かれたくない。そんな複雑なイェーガー心なんだ。
鵜飼・章
2019年3月23日
改めて振り返ると『このご遺体は昔獣に襲われた村の人かもしれない……』と言いながら、その死体を肉食獣に食べさせるという非人間行動をしてしまった。こういう所だ。気をつけないと。
鵜飼・章
2019年4月6日
そういえば、元号が変わるらしい。友人がわざわざ教えてくれた。『章は知らなそうだから』とLINEで言われてしまったけど、なんだと思われているんだろう。……確かに猟兵家業が忙しくて地球のことを忘れがちだけど、そこまで酷くはない。と思いたい。生まれたときから平成だったから、変な感じだな……ゆとり世代と呼ばれて育ってきた僕らも過去の人間になるのか。あと約一ヶ月、心して生きよう。
鵜飼・章
2019年4月18日
【2019/4/16】都内屈指のワルの巣窟として有名な鮭高……その悪名は隣の千葉にも轟いていたし、もちろん僕も知ってる。東京にはたまに画材を買いに行ったりしていたけど、電車で見かける鮭高生とは極力目を合わせないようにしていたな……懐かしい。僕は浮きすぎて逆に不良に一目おかれるタイプの浮き方をしていたから、カツアゲとかはあまりされなかったんだけど。でも、報告書を読む限り意外に楽しそうな高校だった。行ってみないとわからないものだ。
https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=6301
鵜飼・章
2019年4月18日
【2019/4/17】プールに行ったはずの生徒たちが土埃と煤まみれになって帰ってきた。僕の予知が不完全だったばっかりに、皆を危険な目にあわせてしまったみたいだ……たぶん、嘘泣きの練習より他にすることがある気がする。かなり大がかりな罠だったみたいだけど、ひとまず一般生徒たちも含めて皆なんとか帰ってきてくれてよかった。今日も元気に探索へ出掛けていった彼らの無事を祈って。
https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=6096
鵜飼・章
2019年5月1日
令和だ……気づいたら床に転がって寝ていた。いつもどおりの朝。
鵜飼・章
2019年5月1日
【2019/4/28】僕が生まれるずっと前に、もう地球は丸いと証明されていて、どこまでいっても世界の果てには辿り着けないのだと子どものころは思っていたっけ。でもそれだって平面的な話で、過去や未来や異世界まで視野に入れれば、ほんとうに世界には終わりがないのだと思う。世界のすべてを知ることはできなくても、歩みを止めたらこんな奇跡的な景色にたどりつくことすらないんだ。だから僕らは旅をしてしまう。僕らはいくつ、世界の果てを見つけられるのかな。
https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=7093
鵜飼・章
2019年5月8日
マインドコントロールという技は、僕が26年余りのヒト的生活を通して経験則的に身につけた『こうすれば優しく見えるはず理論』をやや過剰気味に実行することにより、一時的に人智を超えたレベルの慈愛を発揮できるシステム……つまり僕の心をコントロールできるはず、なんだけど。周りから見ると何かがおかしいようで、同レベルの恐怖を与えてしまうばかりか、ユーベルコードとして認定されてしまった。この腑に落ちない感じをヒトはせつないと呼ぶのかもしれない。
https://tw6.jp/garage/gravity/show?gravity_id=60906
鵜飼・章
2019年5月8日
【2019/5/8】かなりの個人差がある部分だけれど、ヒトが一生のうち料理および食事に費やす時間は3年~10年ほどと言われている。で、あるからして、僕は昆虫採集をしたり本を読んだりする時間を確保するために食事を抜くことが恒常化していったわけだけど、それはそれとして、ご飯はたまに食べるとすごくおいしい。3歩歩くとその事実を忘れてしまうんだけど……鴉のから揚げおいしかったなあ。僕が生命を維持するエネルギーになった生き物たちのためにも、まだしばらくは生きてないとだめかな。面倒だ。
https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=8572
鵜飼・章
2019年5月8日
ちなみに、本当にまったく食事を摂らないと作業能率が落ちてそれはそれで非効率なので、フィールドワーク中に食べられそうな木の実や草や昆虫をつまみ食いすることで補っている。そういう事を繰り返していたら、だいたい何を食べても平気な身体になっていた。人類の進化には無限の可能性がある。
鵜飼・章
2019年5月16日
【2019/5/14】ヒトというのは飽きっぽい生き物で、バズった動物たちはその後飽きられ、大量に捨てられる運命にある。だから、僕はカワイイを浪費するタイプの女子にはあまり優しくしないことにしているんだけど、彼女たちは僕の素っ気ない態度ですらカワイイの対象として消費しようとするので、つくづく強い生き物だ。御堂さんも僕のことをペットか何かだと思っているのかもしれない。
https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=9113
鵜飼・章
2019年6月15日
【2019/5/21】ウインドゼファー、か……何だか、変わったオブリビオンだったな。いや、色物という意味でなら、他の幹部やドン・フリーダムのほうが、恐らくよほど変だったけれど。彼女はこんな所でこんな事をしているべき存在だったのだろうか。……そういえば、興味深い事に、一部の猟兵が彼女へ過剰ともいえる感情的な反応を見せていた。理屈や科学では説明できないもの……所謂、『前世の記憶』というのかな。封じられていたそれが、目覚めたような。これはひょっとしたら、この世界の謎を解く大きな手がかりになりえるのかもしれない。
https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=9398
鵜飼・章
2019年6月15日
【2019/5/26】御堂さんが歩くたびに異様な地響きがしていたので、どうしたのかと訊ねたらウインドゼファーを倒すためにパーツを交換して重量アップをはかったらしい……。力士かな。……御堂さん……いや、御堂茜は、やはり危険な存在だと、改めて思う。彼女の異常な正義感が良い方向に働いているうちはいいけど、そうでなくなった時、僕は彼女をなんの躊躇いもなく『壊す』だろう。それとも、僕が彼女に『悪』として成敗されるほうが早いだろうか。その終わり方はきっとどちらも正しくて、どちらも正しくない。……答えはひとまず『現状維持』か。
https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=9363
鵜飼・章
2019年6月15日
【2019/5/28】まあそんなわけで戦争も終わったので、休暇を兼ねてロンドンに行ってきた。いつのまにか知り合っていた三寸釘さんとアリンさんも一緒だったけど、アリンさんは随分御堂さんと意気投合してみたいだったな……三寸釘さんを御堂さんの被害者にしてしまったのは申し訳なかった、と思っておくべきだろう。最後はなぜかスーパーロボット大戦になっていたけど、大英博物館も回れたし、いい休暇だった。明日からまたいつもの仕事か……頑張ろう。
https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=8069
鵜飼・章
2019年6月15日
【2019/5/29】そう、明日から頑張ろうって……思ってはいたんだ。思っては。星羽でコーヒーを飲んでくるだけでお金が貰えるって言うんだもの……行くよね。実際ほぼその通りで終わってしまったので、いい仕事だったなあ。鴉たちの羽根はあの後ちゃんと抜けたけど、ちょっと勿体なかったな。滅多に見られないけど、食べすぎでころころ丸く太った鴉はとても可愛いんだ……僕は世界にそれを訴えたい。
https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=8155
鵜飼・章
2019年6月16日
【2019/6/8】美大卒だと話すと、意外だと言う人と、ああそんな感じだよねと言う人がいる。特に絵を描くのが好きなわけじゃない。あそこではみんなが浮いているから、僕一人が浮かなくてもよかったというだけだ。絵は、そこそこの適正と上手く描くための理論があれば、ある程度のレベルまでは上達できるものだ。保管場所を覚えているのも、一応仕事道具だからというだけ。そんな理由で描いてきた品々だけど、何かの役に立つならと手放してきた。僕の絵があそこで何かの意味を持ってくれるなら、無から産まれるものがあるという証明になるだろう。
https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=5425
鵜飼・章
2019年6月16日
……それにしても、あの一見平穏そうな村に対する、妙に不吉な印象は拭えなかった。まだ何かあるのかもしれないな。今後も注意しておくに越したことはないだろう。
鵜飼・章
2019年6月16日
……花降さんに言われた、気をつけてね、って言葉が、妙に心に引っ掛かっている。僕に心なんてあったのか、という話だけど。女の子の勘は妙に当たるというから、何かあるのかもしれないな。だとしたら、それは……杞憂であればいいけど。
鵜飼・章
2019年7月14日
それでも理解を放棄することは、僕がわざわざ人間として産まれた意味の崩壊を意味する。僕の示した『現実的な解決』に対するあの少女の反応と、自由な歌声を聴いて、僕はそう思考する。あと、ベルナルドさんは僕の笛を下手だとはっきり言ってくれた。とてもいい人だ。
鵜飼・章
2019年7月14日
【2019/6/26】……この珍妙な事件の報告書を読み返して、改めて疑問に思う。僕は、こんなにラーメンに執着していただろうかと……恐らく何者かの意志の介入を受けていたのだろうけれど、それはそれとして二郎ラーメンはおいしいよね。いわし色に染まる空なんて滅多に見られるものではないし、いい休暇だった。(……と書かれた後、『休暇』に二重線が引いてある。一応『仕事』と書き直したようだ)
https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=9866
鵜飼・章
2019年7月14日
【2019/7/3】リュカさんに誘われて宇宙の旅へ行ってきた。思えば、僕ら猟兵は日常的に宇宙旅行を楽しんでいるんだな。そういう意味ではZOZOTOWNの社長に勝っている。……ZOZOTOWNのことは置いておいて、僕が偶然あの場にいなかったら、あの鯨はまったく別の末路を辿っていたのかもしれない。愛とか友情とか僕はよくわからないけど、二頭が寄り添って星の海を泳ぐ姿はとても美しかった。……という訳で、先週ラーメン屋を恐喝して口止め料をいただいた件は許されたい。
https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=10567
鵜飼・章
2019年7月14日
……。このノートもいっぱいになってきたな。そろそろ新しいノートに移ろう。