16
かふぇはいこいのばしょであらねばならぬ

#UDCアース #呪詛型UDC #ふらぺっち


●ごちゅうもんをどうぞ
 UDCアースの各地に店舗を展開する、その名を知らぬものはほぼ居ないであろうという知名度を誇るコーヒーチェーン店「星羽珈琲店」は、平日祝日を問わずいつも大賑わい。
 この店のウリのひとつは、メニューに記載されている内容を自分好みに変更することができる点であった。シロップを変更したり、ホイップクリームを増量したり……。
 いわゆる「通」になると、それらの希望を主に店員が使用する用語で客の方から指定することもあるという。そんな様子を、人々は畏怖の念を込めて「呪文を唱えている」と言ったりするとかしないとか。
 自分好みのオリジナルの一杯を手にする喜びたるや、たまらないものだろう。

 ――しかし、そんな「呪文」を悪用し、邪神召喚の儀式を行おうとする輩がいるという!

『グランデバニラノンファットアドリストレットショットノンソースアドチョコレートチップエクストラパウダーエクストラホイップ抹茶クリームフラペチーノ』
『グランデバニラ……の、ノンファ……何?』
『グランデバニラノンファットアドリストレットショットノンソースアドチョコレートチップエクストラパウダーエクストラホイップ抹茶クリームフラペチーノ! ちゃんと覚えてもらわねば困る、邪神様をお迎えする為の神聖なる祝詞であるぞ!』
『う、うう……メモ見ながら注文しちゃダメですかね』
『ダメ』

●どりっぷこーひーはとうじつちゅうならやすねでおかわりできる
「毎度ながら定刻通りのお集まりを有難う、早速だが今回の事件の説明を始めようと思う」
 グリモアベースの一角で猟兵たちに囲まれたニコ・ベルクシュタイン(虹の未来視・f00324)の手には、普段なら彼自身である懐中時計が収まっているはずなのだが、今回は少し様子が違った。懐中時計の代わりにプラスチック製のフタがついたスリーブ付き紙コップを片手に、ニコは周囲の風景をUDCアースに、そしてお洒落な外観のカフェらしきものに変える。

「俺も良く私用で通っているコーヒーチェーン「星羽珈琲店」に、邪教の者の魔の手が伸びている。皆もご存知やも知れぬが、此の店はメニューのカスタマイズが出来るのだが、極端な内容のものになると正直「最早何を言っているのか分からない」レベルの「呪文」と化す。其れを利用して、店先でごく普通の客を装って邪神召喚の呪文を堂々と唱え、しかも其れを流行らせてゆくゆくは本当に邪神を召喚してしまおうと目論んでいるのだ」
 まさかそういう方向で攻めて来るとは思わなんだ、と軽く頭を抱えながらニコは続ける。

「先ず皆に頼みたいのは、此の「星羽珈琲店」で邪教徒の妨害をしてきて欲しい、という事だ。予知で視えた邪教徒は指定された「呪文」を完璧には覚えきれていないようでな、皆が少しでも横槍を入れればすぐあやふやになってしまい、容易く妨害をすることが出来るだろう」
 例えば、横から別のオーダーを差し挟むとか、勝手に割り込んで自分好みのオーダーをするとか、いっそ呪文なぞ知るかとシンプルに注文をしても良い。サイドメニューであるフードの種類も豊富なので、折角だからその辺も楽しんで来てはどうかとさえニコは言う。

「可哀想になる位邪魔をしてやって良い、神聖なる「星羽珈琲店」を標的にするとは不埒な輩よ、出来れば俺が直々に赴きたかったが、今回は皆の支援に徹するとしよう」
 気がつけばニコの姿は猟兵の埒外の存在たる証――即ち「真の姿」に変わっていた。無駄に。アッ多分この人普通にこのコーヒーショップのファンなんだなと察する猟兵たち。

「ひとつ気をつけて貰いたいのが、此の事件がただでは終わら無さそうな気配を見せていることだ。ひと段落したかと思ったら突然奇妙な出来事が起きる、という可能性がありそうでな。其の辺りの具体的な内容までは見通せず申し訳無い、最後まで油断無く事に当たって欲しい」
 ろくでもない理由で無駄に真の姿を晒しながら、ニコは其れでも虹色の星型のグリモアを起動させると転移の準備に入る。

「――時間厳守で、全員で無事に帰って来る事。約束してくれ」


かやぬま
●ごあいさつ
 初めまして、こんにちは。かやぬまと申します。
 呪文を唱えることはあまり無いですが、オススメのカスタマイズは(略)

 第1章は日常、UDCアースで人気のカフェ「星羽珈琲店」で邪神召喚の呪文を妨害するという名目で普通に好きなメニューを注文して、思い切りカフェでのひとときを満喫してきて下さい。席の心配は不要です、運良く空いていたということにしちゃってOKです。
 第2章ではとある冒険パートが皆様を待ち受けております。挑戦をお待ちしております。
 第3章は集団戦となります、手強いUDCの群れをちぎっては投げしていただきます。

●ごあんない
 第1章のプレイング受付は、恐れ入りますが
 「2019/05/02 AM8:31」
 からとさせて頂きたく思います。それより前にプレイングを頂戴しても、恐れ入りますが流してしまうこととなってしまいますので、ご注意下さい。
 第2章以降も調整が入る可能性がございます、随時マスターページやツイッター等でご確認頂けますと幸いです。

 それでは、皆様の楽しいプレイングをお待ちしております!!
166




第1章 日常 『どうせ呼ぶなら邪神よりフラペチーノ!』

POW   :    長い呪文なんか言えるか!!コーヒーはコーヒーだ!

SPD   :    呪文を唱える暇を与えるな!!会話はスピードだ!!

WIZ   :    巧みにオリジナルブレンドで呪文を阻害しよう!!邪神?残念ドリンクだ!!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●どりんくですかじゃしんですか
 「星羽珈琲店」のレジカウンターでは、今まさにニコニコな笑顔の店員とガチガチに緊張した男――邪教徒である――が、向かい合っていた。一見「場の雰囲気に気圧されちゃったのかなあのお客さん」程度の雰囲気に思われるが、邪教徒の男は重大な使命を背負い、文字通り儀式に臨む構えで口を開こうとする。が――。

(「どどどどうしよう、やっぱりあやふやでちゃんと言える自信がない!」)

 冷静に考えれば、何故この男でなければならなかったのかという疑問が出てくる。オーダーのことを「祝詞」と告げた、そもそもの指示を出した人間自らが赴いてくれば話は早かったのではないか。その辺は多分、上の人は他の色々なことで忙しいのだろうということで収めていただければ幸いである。

 猟兵たちが転送されてきたのは、そんな「星羽珈琲店」の入り口の真ん前。自動ドアをくぐれば、目の前には戦場であるレジカウンターがある。そこで、まごまごしている男をあの手この手で妨害しつつ、ついでに飲食を堪能すれば良い。ね、簡単でしょ?

「お客様、よろしければ本日のお勧めは――」
「……!!」
 オーダーを決めかねていると勘違いされた男が、遂に店員の方からお声掛けをされる。意を決して口を開かんとする邪教の男を、今こそ阻止するのだ!

●うけつけじかん
 「5/2 AM8:31」からとなります、よろしくお願い致します!
●しめきりました
「5/5 23:58」をもちまして、プレイングの受付を〆切らせて頂きます。申し訳ありませんがご了承下さいませ、たくさんのご参加に心から感謝致します!
榎・うさみっち
猟兵の仕事で星羽珈琲店に行けるだなんて!
ここは分厚いパンケーキも美味いんだよな!
抹茶~♪まっちゃっちゃの~ちゃっちゃっちゃ~♪
と鼻歌交じりでレッツ横入り

頼むものはもう決めている!抹茶だ!
ブラベミルクチェンジアドチョコソースアドチョコチップホイップマシマシ抹茶フラペチーノ1つ!
フードメニューで抹茶パンケーキダブルも宜しく!
こっちもホイップマシマシで!
支払いは俺の同居人のグリモア猟兵のツケで!
え、だめ?

ん~っ抹茶尽くしでうめぇうめぇ!
俺はな…全世界にうさみっちゆたんぽを広めたいという夢があるんだけど
もうひとつ、この抹茶スイーツの素晴らしさも
全世界にお届けしたいという気持ちも最近芽生えているんだ…



●おーだー・うさみっち!
(「猟兵の仕事で星羽珈琲店に行けるだなんて! ここは分厚いパンケーキも美味いんだよな!」)
 本来ならば店舗の入口の「外側」に転送される予定だった猟兵たちの中で、唯一のっけから店舗の中、しかもちょうど邪教徒の後ろの位置に転送された榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)は、周囲に広がるコーヒーショップのシャレオツな雰囲気にご満悦気分。
 ちなみになぜうさみっちだけいきなり店内転送だったのかというと、フェアリーの体型では店舗の自動ドアを開けることが出来ないだろうというグリモア猟兵なりの配慮だった。実際そこんとこどうなんでしょうね?

「抹茶~♪ まっちゃっちゃの~ちゃっちゃっちゃ~♪」
「おわっ!?」
「いらっしゃいませ!」
 鼻歌交じりでさも当然かのごとく邪教徒の男の横にふよふよ浮いて並ぶと、ぶっちゃけ事実上の横入りなのだが、まるで後からやってきた連れのごとし。男は突如現れたちっちゃいピンクの塊にギョッとするが、店員は一切動じることなく笑顔でお出迎え。

(「頼むものはもう決めている! 抹茶だ!」)
 うさみっちは迷わず口を開き、口をパクパクさせるばかりの男を置いて注文した。
「ブラベミルクチェンジアドチョコソースアドチョコチップホイップマシマシ抹茶フラペチーノひとつ! フードメニューで抹茶パンケーキダブルも宜しく!」
「なっ……このピンクの生き物、祝詞を……!?」
「ブラベミルクチェンジアドチョコソースアドチョコチップホイップマシマシ抹茶フラペチーノひとつに、抹茶パンケーキのダブルでございますね、かしこまりました!」
 ちなみにうさみっちが注文したドリンクの具体的な内容は、使用されているミルクの種類をブラベと呼ばれる、いわゆるミルクとホイップ前のクリームを合わせたものに変更し、チョコチップとチョコソースを追加し、ホイップクリームを増量した抹茶フラペチーノを指す。通常の状態より全体的に甘さを楽しめるカスタマイズである。

「パンケーキもホイップマシマシで! 支払いは俺の同居人のグリモア猟兵のツケで!」
「申し訳ございません、当店ツケ払いはご利用いただけません……」
「え、ダメ? そっか~しょうがないな~」
 店員から心底ごめんなさいという顔でお詫びをされて、元々無茶を言った側であるにも関わらずうさみっちがクネクネと身体を動かしながら、どこからともなく人間が扱うサイズの何かのカードを取り出す。
「星羽カードでお支払いですね、いつもありがとうございます!」
(「えっ……!? このピンク、手慣れすぎてない……!?」)
 邪教の男はすっかり圧倒されてしまって、自分の番であることも忘れて一歩後ずさってしまう。うさみっちが出した磁気カードは、あらかじめ中に任意の金額をチャージしておいて、後で決済に使用することができるプリペイドカード的なものだ。
 しかもうさみっちが期間限定販売だったカップの形をした特殊な星羽カードを出したものだから、店員の方も心なしか嬉しそうだ。最後にフェアリーサイズにするか聞かれると、人間サイズで! と即答するうさみっち。更にビビる邪教の男。

「ありがとうございます、お隣のカウンターでしばらくお待ち下さい!」
「じゃっ!」
 会計を済ませたうさみっちが片手をズビシとキメて商品受け渡しカウンターの方へとぶーんぶーんと去っていく。再び邪教の男に向けられる店員の目線に、頭の中からすっかり「祝詞」がすっ飛んでしまった男は口をパクパクするばかりだった。

「ん~っ抹茶尽くしでうめぇうめぇ!」
 一方その頃うさみっちは、人間サイズで提供されたカスタマイズした抹茶フラペチーノと抹茶パンケーキ(ダブル)を、口元をホイップでベッタベタにしながらすごい勢いで堪能していた。お前の胃袋は宇宙か……!?
「俺はな……全世界に「うさみっちゆたんぽ」を広めたいという夢があるんだけど、もうひとつ、この抹茶スイーツの素晴らしさも全世界にお届けしたいという気持ちも最近芽生えているんだ……」
 確保した席から窓の外を見やり、ふと壮大な野望をつぶやくうさみっち。ちなみにうさみっち、抹茶スイーツは大好きだが抹茶そのものは苦くてちょっと苦手なんだそう。

 抹茶スイーツ、美味しいですからね! 布教、頑張ってください!

「お客様、よろしければ本日のおすすめは」
「アッお願いちょっと待って」
 邪教の男の受難は、まだ始まったばかり――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鵜飼・章
仕事という名目で白昼堂々星羽に来た僕
星羽は大学の頃にたまに行っていた気がする
あの頃覚えた呪文は青春の思い出だ
まだ唱えられるかな…

東京の大学生面で都会風を吹かせながら
まごまごしている邪教徒の横から失礼
お先に注文いいですか?
アイスグランデノンバニラキャラメルエクストラソースソイキャラメルマキアートください
あとエビアボ

邪教徒さんエビアボって知ってる?
期間限定メニューのエクストラビターアップルボヘミアンカプチーノのことだよ
注文頑張ってね
UCで震えるほどの敗北感と緊張を与えつつ
親切風に大ボラを吹聴して
僕は普通にエビとアボカドのサンドをいただきます

窓の外から鴉たちが物欲しそうに見てる…
よしなさいと目で合図



●おーだー・あきら!
 今度こそ店舗の外から普通に自動ドアをくぐり、やって来たのは鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)。「仕事」という名目で白昼堂々星羽にやってきた章は、思い返せば大学生だった頃にたまに来ていた気がするなと、どこか懐かしい気持ちで小洒落た店内を見渡す。
(「あの頃覚えた呪文は青春の思い出だ、まだ唱えられるかな……」)
 当時の自分を今の自分に憑依させるような感覚で、東京の大学生面で都会風を吹かせながら歩を進めると、まごまごしている邪教の男の横から颯爽とカウンターに登場!

「失礼、お先に注文いいですか?」
「えっ、あっ」
「お決まりでしたらお伺いします!」
 あまりにも自然に、そして丁寧に横からやって来たものだから、邪教の男は思わず半身を引いてしまい、店員もあっさり章の申し出を受け入れた。

「アイスグランデノンバニラキャラメルエクストラソースソイキャラメルマキアートください、あとエビアボ」
 ここまで一息に言い切ると、チラリと邪教の男の方を見る章。男の顔に明らかに同様の色が走る。章さん呪文完璧じゃないですかヤダー! 冷たい、上から二番目のサイズの、バニラシロップを増量したキャラメルソースに変更して、ミルクも豆乳に変更したキャラメルマキアートとは、まさにお洒落さんが注文するキャラメル尽くしの一品!
(「こっ……この男も、祝詞を……!? いや、しかし内容が違う……!」)

 しかし、邪教の男には祝詞というか呪文というかのアレソレの他に、もうひとつ気になることが出来てしまった。
「……エビアボ?」
 そう、章が呪文ついでにしれっと注文した、星羽珈琲店のメニューにしては妙に短い名前の商品。一体、その正体とは……!?
「邪教徒さんエビアボって知ってる?」
 食い付いた。してやったりという気持ちを裡に秘め、章はそっと【模範解答(マインドコントロール)】を発動させながら、優しさと、それでいて恐ろしいナニカを言葉に乗せて邪教の男に話しかける。ド直球に邪教徒さんと言われたことすら気づかない。
「エビアボはね、期間限定メニューのエクストラビターアップルボヘミアンカプチーノのことだよ。注文頑張ってね」
「……っ!!!」
 会計をスマートに済ませて受け渡しカウンターへと向かうその去り際に、章は邪教の男の肩にポンと手を置く。反射的に男の身体がビクンと跳ねる。何だろう、この、この……圧倒的敗北感と、極度の緊張は……!?
 かろうじて崩折れそうになるのをこらえつつも、身体の震えが止まらない。さもありなん、章のユーベルコードの威力は半端ない。むしろよく耐えたね的な状態である。男は今度こそ本当に去りゆく章の背中を、ただ畏怖の念をもって見送ることしかできなかった……。

「お待たせ致しました、アイスグランデノンバニラキャラメルエクストラソースソイキャラメルマキアートひとつと、エビとアボカドのサンドでございます」
「ありがとう」
 ――エビアボの正体見たり、何のことはない、普通のエビとアボカドのサンドだった。邪教の男は見事に大ボラを吹聴された訳だが、もはやそれに気付くこともない。

 いい感じに注文できたキャラメルマキアートとエビアボサンドをトレイに乗せて、確保できたのは外の景色が良く見える窓際の席であった。日差しが眩しいということも別段なく、程良い陽気が気分を高揚させてくれるようでさえある。
「……あれは」
 ふと章が窓の外を見ると、ガラスの向こう側から章の良き友である鴉たちが、明らかに物欲しそうな目でこちらを見ているではありませんか。
(「――よしなさい、他のお客様もいるんだよ」)
 章も目でそう合図を送ると、残念そうにしつつも鴉たちは解散していく。ふう、と一息ついて、今度こそ本当に章はキャラメルマキアートに口をつけたのだった。

「う、ううう……」
 さあ、今度こそお客様の番ですよ。そんな圧を感じながら、邪教の男は必死に「祝詞」を思い出そうと頭を抱えるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鮫島・冴香
星羽珈琲店…良いわよね。私も好きでよく利用するわ。
他のチェーン店だけど、学生時代はカフェでバイトをしていたの。
だから『呪文』を覚えるのは苦手ではない、かしらね。

■妨害
邪教徒の詠唱中に
「あ、店員さん、すみません。このタンブラーが欲しいのですが…」
「限定色って販売終了ですか?」
等と気を散らすような質問を店員さんに投げかける。
「あなただったら、どちらお好みかしら?」
と唐突に聞いてみたり。

ある程度の邪魔が出来たら、
ソイラテとチョコレートケーキを注文し、
文庫本(推理小説)と共に幸せを満喫する。
(多少の喧騒がある方が読書が捗るのよね)

(だけど…)

…喧騒が過ぎるわよ…!(邪教徒睨み)

※アドリブ&絡み大歓迎♡



●おーだー・さえか!
(「星羽珈琲店……良いわよね。私も好きで良く利用するわ」)
 次に店舗の前に現れたのは鮫島・冴香(Sexy Sniper・f13873)、他のチェーン店ではあるが学生時代にカフェでアルバイトをしていた経歴を持つ、いわば「呪文」に対する適性が非常に高い人物である。

 一方邪教の男はいよいよ目をぐるぐるさせ始める。どうしよう、来る客みんなあっさりと長々とした「祝詞」を唱えていく。でもそれは指示された内容のものではないから、全然参考にすることができない。どうしよう……!
 そこに洗練された都会の女性という表現がふさわしいたたずまいの冴香が満を持して入店してきた。冴香の目的も、無論邪教徒の男の妨害である。
 人間、追い詰められると意外と何とかなるものなのかも知れない。背後に新たなる客――冴香の気配を感じるや、急に肝心の「祝詞」が脳裏に蘇ったのである。

「店員さん!」
「はい、お決まりですか?」
 遂にその時が来た――ニコニコと邪教の男の注文を待つ店員に、男は意を決して口を開く。
「グランデバニラ……ノン、ファット、アドリストレット……ショット……」
「あ、店員さん、すみません。このタンブラーが欲しいのですが……」
 残念! 邪教の男の祝詞は間違ってはいなかったのだが、いかんせんたどたどしい上に、何よりもまず声が小さい! そんなことでは星羽で注文はできないぞ! 実際ほら、冴香さんに「詠唱」をしていると気づかれずに横から質問をされてしまったではありませんか!
「あっ、かしこまりました! ありがとうございます、承りますね」

 冴香が手にしたタンブラーは普段から在庫を持っている、いわゆるレギュラーのデザインであった。しかし、欲を言えば同じ形状でもデザインが異なる、期間限定のものが欲しかった冴香は、本気で欲しい半分妨害半分でさらに口をはさんでいく。
「これの限定色って、販売終了ですか?」
「あれっ、ごめんなさい! 売り場に出ていませんでしたか? まだ在庫ございます」
「あ……あの、あれ、しまった……!」
 冴香と店員とのやりとりに詠唱を妨害された結果、せっかく思い出した祝詞をまたスコーンと忘れてしまう邪教の男。そこに突如ズイとふたつのタンブラーが差し出される。ハッと顔を上げると、そこにはシンプルなデザインと華やかな桜をあしらったデザイン、ふたつのタンブラーを見せる冴香の姿があった。
「あなただったら、どちらお好みかしら?」
「えっ……じゃ、じゃあ、こっち……」
「限定の桜デザインね、やっぱりこれ、素敵よね。じゃあ店員さん、こちらを」
「かしこまりました!」

 ああ、折角の祝詞が。顔を覆う邪教の男を尻目に、冴香はついでにとソイラテと丸い形が可愛いチョコレートケーキを注文し、限定タンブラーが入った紙袋と共におひとりさま用の席を確保する。
(「多少の喧騒がある方が、読書が捗るのよね」)
 鞄から文庫本を取り出し、しおりをはさんでおいたページを開きながら、チョコレートケーキにフォークを刺して一口頬張ると、幸せを満喫する冴香。ちなみに文庫本のジャンルは推理小説だ。作者は現代推理小説の超有名人で、今度映画化されるらしい。

(「この本、面白いものね。映画化も納得だわ、いい出来になると良いのだけれど」)
 そんなことを思いながらページをめくっていると、レジカウンターの方から嗚咽が聞こえてくるではないか。邪教の男があまりの悔しさに思わず声を上げてしまったのだ。

「……喧騒が過ぎるわよ……!」
「ヒッ……!」
 遠くからでも明らかに伝わる冴香の圧に、すみませんと鼻をすする邪教の男であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

満月・双葉
居候先もカフェなのでこれは危ない

見張りはかえるのマスコットさんにお手伝いいただき
僕、早口言葉は得意なんです
くらえっ
トゥー●ーパー●ナルリストレットベンティ●ーパーセントアンドエクストラ●イエクストラチョコ●ートエクストラホ●イトモカエクストラバ●ラエクストラキャ●メルエクストラヘー●ルナッツ●クストラクラシックエクストラ●ャイエクストラ●ョコレートソースエクストラキャ●メルソースエクストラ●ウダーエクストラ●ョコレートチップエクストラ●ーストエクストラア●スエクストラ●イップエクス●ラトッピングダーク●カチップクリームフ●ペチーノ

(はたと)…態々真の姿になってまでまさか新手の変t(失礼)



●おーだー・ふたば!
 邪教徒の男が涙を拭きながらよろよろと立ち上がると、店員がそれを心底心配そうにカウンター越しに様子をうかがう。不審者扱いしないあたりが優しい。
 そこへやって来た新たな刺客は満月・双葉(星のカケラ・f01681)、虹色の翼が自動ドアに引っ掛からないように気をつけつつ入店すると、すぐに件の邪教の男とレジカウンターが目に入ってきた。なるほどこれを妨害すればよいと。

(「居候先もカフェなのでこれは危ない」)
 そういう事情なら確かに使命感も帯びますね、わかります。双葉は【カエルの大捜索】で動くカエルのマスコットを召喚し、男を見張るように指示を出す。その一方で双葉本人はごくごく自然にカウンターの前に立つと、男がまだ祝詞を唱えそうにないことをカエルさん越しに確認しつつ、口を開いた。

「トゥー●ーパー●ナルリストレットベンティ●ーパーセントアドエクストラ●イエクストラチョコ●ートエクストラホ●イトモカエクストラバ●ラエクストラキャ●メルエクストラヘー●ルナッツ●クストラクラシックエクストラ●ャイエクストラ●ョコレートソースエクストラキャ●メルソースエクストラ●ウダーエクストラ●ョコレートチップエクストラ●ーストエクストラア●スエクストラ●イップエクス●ラトッピングダーク●カチップクリームフ●ペチーノください」
「と、所々にピー音入りましたが何となくはわかりました!」
「さすがは店員さん、話が早いです」
 そして僕は早口言葉が得意なんです、と胸を張りつつ、実に210文字近くに及ぶ実質最長の呪文を見事唱えきった双葉。

 持ち帰りで、マイタンブラー持参で、でもベンティサイズの量が入るタンブラーってありましたっけと思いつつ多分何とかするんだろうなあということで、エスプレッソも入れて、ミルクは低脂肪。ソイも多めに追加して、盛れるシロップ7種類は全部入れて、上にかかるソース2種類もがっつり追加、パウダーとチョコチップも多めにして、フラペチーノ専用のコーヒー味を追加するためのローストも外さない。氷と、ココアパウダーとホイップもマシマシに。そんな、ダークモカチップクリームフラペチーノがここに爆誕した。大丈夫? 本当に飲める? 主に味的な意味で。

 星羽珈琲店の、ありとあらゆる要素が詰め込まれた欲張りさんフラペチーノをテイクアウトで注文した双葉さんと、ただ呆然とそれを見ていることしかできなかった邪教の男。カエルさんを見張りにつけるまでもなかったかも知れませんね!

 そんな訳ですごいことになったダークモカチップクリームフラペチーノを手に店を出た双葉ははたとあることに思い当たる。

(「……態々真の姿になってまで、まさか新手の変t」)
 それグリモア猟兵が聞いたら泣いちゃうと思うんで、お手柔らかにお願いします……! あと注文したドリンクは責任持ってちゃんと飲んで下さいね!

大成功 🔵​🔵​🔵​

狭筵・桜人
このコーヒーチェーン店は学生にも人気ですね。
現役高校生の出番ですか?

入店後はレジに直行。
邪教徒の横から女性店員さんに声をかけまーす。

やあやあお姉さん。今日って何時上がりです?
良かったらこのあと一緒に遊びません?
え?注文?じゃあカフェラテのミルク抜きでホイップ追加して
コーヒーをココアに変更で。サイズ?ベンティ。

それで連絡先とか教えてくれたりは……
お会計?この人と一緒で!
邪教徒の肩を叩きお会計を押し付けますねえ。
ごちそうさまです!

えー、じゃあデートするなら
このお兄さんと私どっちがいいです?
と邪教徒を巻き込んだまま出来たココアを受け取りに行って
席について放ったらかします。
ンッフフ。気まずくなあれ。



●おーだー・おと!
 邪教徒の男の心は折れそうで折れない、そこがなかなかにしぶとい。ここまで猟兵たちのあらゆる妨害に遭ってきても、なんやかんやで立ち直るのだ。店員も、こうなったらこの男の注文を何としても聞き届けようと、根気よく待ち続ける。

(「このコーヒーチェーン店は学生にも人気ですね。現役高校生の出番ですか?」)
 闇に舞い降りた天才……違った、星羽に舞い降りた春色の高校生、狭筵・桜人(不実の標・f15055)が自動ドアをくぐり入店してきたのは、その時だった。桜人は迷わずレジに直行するや、再び祝詞にチャレンジしようとしていた邪教の男の横から店員に声をかける。今まで黙っててすまなかった……この店員さんは女性なんだ……。
「やあやあお姉さん。今日って何時上がりです? 良かったらこのあと一緒に遊びません?」
「待って、横入りで注文するならまだしもナンパとか、待って」
「あはは……ありがとうございます、ご注文はございますか?」
 注文されるなら横入りも特に気にしなかったんかい! そんなツッコミを入れたくなる邪教の男と、慣れた対応で桜人の誘いをいなしつつ注文を促す女性店員。カオスだ!

「え? 注文? じゃあカフェラテのミルク抜きでホイップ追加してコーヒーをココアに変更で。サイズ? ベンティ」
 ちょっと皆さんベンティサイズ好きすぎやしませんかね、確かに人によっては価格差がさほどないなら一番大きいサイズにしようという感じでベンティにすることもあるそうですけど! あと桜人さん、わかりやすい注文で親切だなとは思うんですが内容的にもはやカフェラテの原型とどめてませんね!? いや、いいんですが!

 かしこまりました、とオーダーを受けてお会計に移る店員に、桜人はあきらめずにアタックを仕掛ける。
「それで連絡先とか教えてくれたりは……お会計? この人と一緒で!」
「ファッ!?」
 それはもういい笑顔で邪教の男の肩を叩きお会計を押し付ける桜人と、いきなり話を振られて奇声を上げる男。完全に桜人オンステージ状態である。
「ごちそうさまです!」
 結局本当にお会計を男に任せることに成功した桜人は、手をひらひらさせながら受け取りカウンターに向かおうとして――駄目押しをした。

「えー、じゃあデートするならこのお兄さんと私どっちがいいです?」
「ファーーーーーーーー」
 目を白黒とさせる邪教の男を置いて、今度こそ本当に受け取りカウンターまでココアを取りにレジカウンターを後にする桜人。ちょうど良く空いた席につくと遠目にレジカウンターを眺め、取り残された邪教の男を完全に放置プレイするという鬼畜の所業に出た。

(「ンッフフ。気まずくなあれ」)
 端正な顔立ちしてやることなすことえげつないですねこの人は! ココア楽しんでいって下さいね!

「……」
「……」
 女性店員は、ぶっちゃけ邪教の男の好みのタイプであった。対する女性店員からすれば、桜人も邪教の男も一介の客に過ぎないという認識であった。変に意識してしまいもじもじする男と、気を取り直して笑顔の通常営業に戻る店員。

 二人の間に流れる空気が、桜人の目論見通り気まずくなった瞬間であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

銀座・みよし
うふふ…普段は紅茶派なのでございますけど、コーヒーだって嗜むのでございます
呪文の阻止が主題ではありますが、折角ですしコーヒーも楽しむことといたします

とはいえ苦いものは飲めないわけなのでございまして…
ゆえに今回は甘いやつを所望いたします
ゆっくりと呪文の成立を阻止するように【時間稼ぎ】をしながらオーダーを伝えます

えっと、ホットのカフェモカで一番小さなサイズのいちごフレーバーの生クリームは少な目で…チョコシロップとココアパウダーいっぱい!
…なストロベリー・カフェモカくださいな!
あ、あとこちらのビスケットもいっしょにくださいな

無事に受け取れたら暖かい席でいただきますね
(アドリブなど歓迎です!



●おーだー・みよし!
 おかしい。あれだけ邪魔をしてくれるなと思っていた乱入者たちを、邪教徒の男は今むしろ待ち望んでいた。誰でもいい、この気まずい雰囲気をブレイクしてくれと……!
 その時、自動ドアが開いて人影が――いや、ピンク色を基調とした愛らしいシャーマンズゴーストの、しかもメイド服姿の女の子が現れたではないか!
 女神かな? そう男が思ったのも無理はない。ナイスタイミングで入店してきてくれたのだから。あとメイド服可愛いとも思った。さすが邪教徒、邪念も多い。

「うふふ……普段は紅茶派なのでございますけど、コーヒーだって嗜むのでございます」
 メイド服姿のピンクのシャーマンズゴースト――銀座・みよし(おやしきのみならいメイド・f00360)は、優雅な立ち居振る舞いでしずしずとレジカウンターに近付くと、横入りを詫びるかのようにそっとスカートを両手でつまんで一礼し、店員と向き合った。
(「呪文の阻止が主題ではありますが、折角ですしコーヒーも楽しむことといたします」)

「いらっしゃいませ! 本日はいかがなさいますか?」
 すんなり横入りに成功したみよしは思案する。小首をかしげる様も愛らしい。
(「とはいえ苦いものは飲めないわけなのでございまして……ゆえに今回は甘いやつを所望いたします」)
「えっと、ホットのカフェモカで一番小さなサイズの、いちごフレーバーの生クリームは少な目で……」
 みよしのオーダーは呪文でこそないものの、非常にわかりやすいものであった。邪教の男が一転して眉根を寄せるが、注文は伝われば何でも良いのだ。
 しかもみよしは――あえてゆっくりと、そう、男の祝詞を阻止するように、時間稼ぎをしているのだ! 恐ろしい子……!

「チョコシロップとココアパウダーいっぱい! ……なストロベリー・カフェモカくださいな!」
「かしこまりました! フードもご一緒にいかがですか?」
「あ、あとこちらのビスケットもいっしょにくださいな」
「ありがとうございます! それではお会計は……」
 苦いものが駄目なみよしでも、星羽珈琲店は楽しめる。みよしのカスタマイズは実に的確で、かつ美味しそうな組み合わせとなった。邪教の男も色々な意味でみよしと店員の一連のやり取りに見入ってしまい、祝詞のことを一時完全に忘れていたという。

 ついでにビスケットにホイップクリームの追加を勧められたみよしは、是非にとそれを注文してお会計を済ませ、無事に受け取りカウンターでストロベリー・カフェモカとビスケット(ホイップ添え)を手にすることができた。
 今日のUDCアースは良い天気で、窓際の席は程良く暖かく心地良い。そんな特等席をゲットしたみよしは、そっと手を合わせていただきますをすると、ストロベリー・カフェモカを一口すすりながらお屋敷と、主人である老女主人――マダムに想いを馳せる。

(「いつもは紅茶をお淹れしておりますけれど、マダムはコーヒーも嗜まれるかしら?」)
 空いている二人席の片方の椅子に目線を向けつつ、いつかマダムとご一緒できることもあるかも知れない――そんなことを思い、ふふと微笑むみよしであった。

「……ハッ、いかんいかん、祝詞を……」
「お客様?」
 邪教の男は、改めて祝詞を思い出そうと必死だった。めげない人だなあ!

大成功 🔵​🔵​🔵​

クロト・ラトキエ
今日の僕はビジネスマン…
こんな格好ですが!
仕事中のビジネスマンですとも…!
猟兵の仕事中なのは本当ですし?
ぼっちでも寂しくなんか無いですからね…!!

という訳で?
「トゥゴートールエクストラホットオールミルクツーパーセントイングリッシュブレックファーストティーラテでいきましょうか…」
とか待ちの間に迷ったフリで教徒の後ろでぽそーっと。

まー本注文は
「持ち帰りでトールのイングリッシュブレックファーストティーラテ、オールミルクで。熱めで低脂肪乳でお願いします」
とか言うんですけどね!

店員にも分かり易い方が良いでしょう?
此方も飲みたい物を間違いなく飲めるのが一番ですし。
それにしても…カロリー高そうな邪神ですね…



●おーだー・くろと!
 猟兵の特性として、どんなにその場にそぐわないような格好をしていても、一般人はそれをいぶかしがることはない、というものがある。
 星羽珈琲店の前に現れたクロト・ラトキエ(TTX・f00472)は、その外見は傍目に見れば……ダークセイヴァー出身かな? と思わせるようなものであったが、UDCアースの街を行く人々がその格好を不思議がったりすることは一切なく。

(「今日の僕はビジネスマン……こんな格好ですが! 仕事中のビジネスマンですとも……!」)
 猟兵の仕事中なのは本当ですし? うん、間違ってない!
(「ぼっちでも寂しくなんか無いですからね……!!」)
 大丈夫! みんなソロで注文してる! 安心して下さいクロトさん!!

 という訳でおひとりさま、星羽珈琲店にご来店である。クロトの目に飛び込んで来たのは、予知された通りレジカウンターで注文という名の祝詞を上げようとする邪教の男と、ニコニコ笑顔で待ち受ける店員の姿であった。
 この男ですか、と独りごちながら邪教の男の後ろにぴったり張り付くクロト。男は祝詞を思い出しかけていた所に再度圧を感じ、焦りからまた祝詞を思い出せなくなってしまった。
 そこでクロトが追撃をかける。横入りこそしないものの、待ちの間に迷ったフリで、ぼそっとこう言ったのである。

「トゥゴートールエクストラホットオールミルクツーパーセントイングリッシュブレックファーストティーラテでいきましょうか……」

「……! また新手か……!?」
 ハッと振り返る邪教の男が目にしたのは、柔らかい笑みと眼鏡が良く似合う男性の姿。何となく星羽珈琲店の雰囲気に違和感なく溶け込んでいる気がする。思わず男が一歩引いてしまった所を見逃さず、クロトはすっとレジカウンターの前に進み出る。
「持ち帰りでトールのイングリッシュブレックファーストティーラテ、オールミルクで。熱めで低脂肪乳でお願いします」
「かしこまりました、ありがとうございます!」
 めっちゃ分かりやすいオーダーありがとうございます! 一応付記だけしておくとオールミルクというのは主にティーラテでお湯とミルクを使うところを全部ミルクで頼む、という意味です! クロトさんなかなかに通ですね!

「この男……敢えて祝詞を使わないとは……!?」
 その気になれば呪文もお手の物のはずのクロトが、実際注文をする時は分かりやすい手段を選択したことに、邪教の男が思わず疑問の句を漏らす。
「店員にも分かり易い方が良いでしょう? 此方も飲みたい物を間違いなく飲めるのが一番ですし」
 ド直球の正論であった。これには男も押し黙ってしまう。果ては自分は何をやっているのだとまで思ってしまう始末。
 そんな男を置いて、クロトは受け取りカウンターで無事にテイクアウトの熱々なティーラテを手にすると、目的は果たしたと悠々星羽珈琲店を後にする。

「それにしても……カロリー高そうな邪神ですね……」
 祝詞の内容が理解できるクロトだからこそ、予知で聞いた祝詞で実際に出てくる抹茶フラペチーノを想像しては、そんな感想を漏らしてしまう。

 果たして、邪神召喚の儀の行方はどうなるのか――!?

大成功 🔵​🔵​🔵​

更級・杏月
あー、わかる。アレは呪文だよねー
でも飲み物も食べ物も美味しいから、つい通っちゃうんだー

邪教徒さんが呪文を唱え始める横から、
「お兄さん遅いよー、オレ先に注文していい?」
ってイライラした演技で割り込み。
呪文のような注文をすると思わせて、俺の秘伝のオーダー方法で妨害しちゃうよ!
「これの普通の大きさのひとつ」
ってメニュー表の抹茶の下のバニラのやつ指差し。
「で、めっちゃ甘くしてください!」
と、カスタムを店員さん任せにする、必殺・プロにお願い戦法。
呪文など唱えずとも、この超甘バニラフラペがオレの手に!

ほあー、あまうまー♪
オレ、つい最近までこの上に盛られたクリームは最初にスプーンで食べるものだと思ってたんだ



●おーだー・あづき!
 祝詞を唱えずとも……美味しいドリンクが手に入る……!?
 邪神召喚の儀とは……一体……!?
 次々と現れては様々な趣向を凝らして邪教徒の男を妨害していく猟兵たち。そして次第に己を見失いつつある男。この調子で行けば、完全に祝詞のことなど忘れて、一人の普通の客として更生する目もあるかも知れない……!?

(「あー、わかる。アレは呪文だよねー」)
 予知の内容を聞かされた時から、更級・杏月(橙の月とヤミウサギ・f08404)はうんうんと頷いて理解を示していた。今こうして実際に星羽珈琲店の前に立ち、自動ドアをくぐって目に飛び込んで来た光景――それは、頭を抱えている邪教の男でも、笑顔の店員でもなく、ショーケースにずらりと並ぶフードメニューだった。
(「でも飲み物も食べ物も美味しいから、つい通っちゃうんだー」)
 そう、杏月は星羽の常連さんだったのだ! 常日頃から通っている星羽の店舗に入ると感じる、実家のような安心感たるや。人によっては雰囲気に気圧されて入れないとまで言う星羽、実は言うほど恐くないからみんなよろしくね!

 おっといけないお仕事お仕事、と目線をレジカウンターに向けると、そこにはたどたどしくも祝詞を上げようと頑張る邪教の男と店員が向かい合っている姿があった。
「お兄さん遅いよー、オレ先に注文していい?」
 杏月はそこへわざとらしい声音でイライラした演技をしながら割って入る。
「あ、ああ、申し訳ない……」
 シュンとした男が素直に一歩引く。すっかり負け犬状態である。もっと頑張って!

 ああ、この少年は一体どんな見事な祝詞を上げるのか……と邪教の男が見守る中、杏月は――。
(「ふっふっふ、オレの秘伝のオーダー方法で妨害しちゃうよ!」)
 す、と広げられたメニュー表の、抹茶の下のバニラの文字を指差し。
「これの普通の大きさのひとつ」
 とだけイイ声で言い放った! シンプル!
 えっ、コレください式なの!? と目を丸くする邪教の男は更に驚愕する。
「で、めっちゃ甘くしてください!」
 カスタマイズを店員さんにお任せするという、必殺『プロにお願い』戦法! 杏月は財布を開きあの星羽カードを取り出しながら、邪教の男に向けて言う。
「どうだ、呪文など唱えずとも、この超甘バニラフラペがオレの手に!」
「くっ……!!」
 強いて言うならトールエクストラシロップバニラクリームフラペチーノとなるだろうか、呪文自体も短めなのだが、やはり店員さんにお任せするのが最適解とも言えよう。

「だが……だが、祝詞を正しく上げなければ、邪神様はおいでになられない……!」
 本日何度目か数えきれない顔を覆う仕草をする男をよそに、杏月は無事超甘バニラフラペをゲットする。
 席については任務完了、これは自分へのご褒美だとばかりに超甘バニラフラペを堪能する杏月。
「ほあー、あまうまー♪」
 ストローでフラペチーノを飲んではご機嫌の杏月くん、カメラ目線でこう言いました。

「オレ、つい最近までこの上に盛られたクリームは、最初にスプーンで食べるものだと思ってたんだ……」

 そういう飲み方もアリだと思いますよ!

大成功 🔵​🔵​🔵​

向坂・要
まさか本当にいるとはねぇ……
たしかに呪文みてぇだとか話しちゃいましたが……

とはいえお仕事お仕事っと…

信者がいねぇかさりげなく様子見
邪魔するように店員に声かけてさせてもらいますぜ

ブラックコーヒーが多いんですがたまには違うのも、ってね

ちょいといいですかぃ?
トールアイスライトアイスエクストラミルクラテ、でよかったですかね?
おススメって言われましてね

【コミュ力】も生かし邪魔にならない程度に店員と相談と会話を楽しみ
ついでにおススメとかあるか聞いてみますかね

邪教徒が立ち去るようならそっと八咫影戯をその影に仕込んでおくつもりですぜ

っとそうだ
あとで取りに来るんで持ち帰りも一つ、おすすめでたのめますかぃ?
……



●おーだー・かなめ!
「まさか本当にいるとはねぇ……たしかに呪文みてぇだとか話しちゃいましたが……」
 とはいえお仕事お仕事、っと。そう言いながら星羽珈琲店にやって来たのは向坂・要(黄昏通り雨・f08973)。妖狐かな? 人狼かな? エッ、ヤドリガミ!? そんな見た目をしている要さん、特に耳としっぽについて言及されることなくすんなりとご入店です。
 お客さん多くね? と思う方も多いかも知れませんが、ここ星羽珈琲店は席の確保がどちゃくそ難しいと言われるほど常に客でごった返している人気店なのです!

 入店した要は、悪い邪教徒はいねぇかと店内をさりげなく様子見する。そして程なく邪教の男と店員が向かい合っている光景を目にすると、すかさず邪魔をするように横から店員に向けて声をかけた。もはや男も横入りされるのには慣れてしまったのか、スッと身体を引いてしまう。だからもっと頑張ろうよ!

(「ブラックコーヒーが多いんですがたまには違うのも、ってね」)
 そんな思惑を秘めつつ、要は朗らかに店員に話しかける。
「ちょいといいですかぃ? トールアイスライトアイスエクストラミルクラテ、でよかったですかね? おススメって言われましてね」
「はい、まろやかな風味になりますので確かにおススメです!」
「ほぅ、そいつぁいいことを聞きましたぜ。実際に飲むのが楽しみですわ」
 邪教の男が思わず呆然となるほど、流れるように会話を楽しむ要と店員。コミュ力が仕事をすればざっとこんなもんよ状態である。

「ついでに、店員さんのおススメとかあれば聞きてぇんですが」
「そうですね……お客様、ティーは飲まれますか? ゆずシトラスティーの茶葉をミントシトラスかユースベリーにチェンジすると、風味が変わって楽しいですよ!」
 ちなみに店舗内ではミントシトラス派とユースベリー派の二手に割れているらしく、この女性店員はユースベリー派だそうな。

 会話を楽しみつつも、チラと横目で邪教の男の動向を確認する要。もしもすごすごと退店するようであれば、その影に【八咫影戯(ヤタエイギ)】を仕込んで追跡に使用するつもりであったが、男に立ち去る様子は見られない。ホントにしぶといですね!

「……っとそうだ、あとで取りに来るんで持ち帰りも一つ、おススメでたのめますかぃ?」
「では、先程おススメさせていただいたティーのカスタマイズでお作り致しますね!」
 店員はそれはもう嬉しそうに、要の追加オーダーを受ける。誰かへのお土産にするのか、それとも自分が事件を解決させてからのお楽しみにするのか、明らかになるのはもう少し先のことであった。

「あの店員さん、やっぱり可愛いなあ……」
 邪教徒さん! お仕事はどうしたんですか!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

インディゴ・クロワッサン
乱入アドリブ大歓迎!

えーと…何か、猟兵さんに僕の知らない所でめっちゃくちゃお世話になった気がするけど、これは…気のせいかな…?

まぁいいや、抹茶ラテにしよーっと
「 トール抹茶ラテソイミルクでー」
あ、ケースの中のやつも美味しそうだなぁ…
「それと…キッシュとスコーンもくーださい」
\じゃかちーん/
抹茶ラテ作ってる間に、一応袋にいれて荷物に偽装したサムライブレイドで席を確保して、束の間の平和を楽しもうか
「………ふわぁ~………」
大欠伸をしてから、出来上がった豆乳抹茶ラテとキッシュとスコーンを持って席に戻って
「いっただっきまーす♪」

食べ始めても【聞き耳】そばだてて【情報収集】するのは忘れないよ☆



●おーだー・いんでぃご!
(「えーと……何か、猟兵さんに僕の知らない所でめっちゃくちゃお世話になった気がするけど、これは……気のせいかな……?)
 謎の既視感めいたものを抱きながら、インディゴ・クロワッサン(藍染め三日月・f07157)が星羽珈琲店にやって来た。依頼だとか旅団だとか、色々な場所で猟兵のニアミスとかは良くあることなので、気のせいかも知れないし気のせいじゃないかも知れないですね!

「まぁいいや、抹茶ラテにしよーっと」
 入店するなり迷いなくレジカウンターに向かってつかつかと歩み寄ると、邪教徒の男がレジの前から離れている隙を突いてすかさずオーダーをするインディゴ。
「トール抹茶ラテソイミルクでー」
「かしこまりました!」
 ミルクを豆乳に変える、オーソドックスかつ美味しいカスタマイズ。アレルギー事故を防ぐためにソイ変更の確認として可愛い札を渡されながら、インディゴは隣のショーケースに目を向ける。そこには数々のフードメニューがずらりと並んでいた。
(「あ、ケースの中のやつも美味しそうだなぁ……」)
 そんなインディゴの様子に気がついたのか、店員が声をかけてくる。
「フードも何かお取りしましょうか?」
「じゃあそれと……キッシュとスコーンもくーださい」
「ありがとうございます!」

 じゃかちーん♪ と小気味良い音を立てて、お会計が終わる。先に温めてもらったベーコンとほうれん草のキッシュと、チョコレートのスコーンをトレイに乗せて、あらかじめ荷物――一見棒か何かが入っているように見える袋だが、その中身は何と侍ブレイドである――を置いて確保しておいた席に、後から完成した豆乳抹茶ラテを追加して戻るインディゴ。

「いっただっきまーす♪」
 それはもう、至福のひと時であった。美味しいフードとドリンクを好きなだけ買って、つかの間の平和を楽しむ。仕事とはいえ、文字通り美味い話もあったものである。
 しかし、ただ普通に飲んで食ってをしているだけではなかった。インディゴが確保した席はレジカウンターのすぐ近くで、聞き耳を立てればすぐ会話が聞こえてくる場所なのである。
 邪教の男に何か動きがあれば、こちらもいつでも動けるように情報収集をする。その辺抜かりないあたりが素晴らしい、猟兵の鑑と言っても過言ではないかも知れない。

(「さて、邪教徒はここからどう動くかな?」)
 スコーンをもっしゃもっしゃしつつも、レジ周辺の会話に集中するインディゴ。聞こえてきたのは――。

「……客様、よろしければ本日の……めは……」
「……え、いえ、頼みたいものは……るんです……」
 本日何度目かもう分からない、例のやり取りが繰り広げられていた。

「……ふわぁ~……」
 これには思わずインディゴも大あくびである。実に平和なひと時であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーイ・コスモナッツ
くだんの邪教徒の真後ろに並んでしまいました
がんばって呪文を妨害しなければ!

でも、どうやって?

『横から別のオーダーを差し挟むとか、
勝手に割り込んで自分好みのオーダーをするとか』

ニコさんはああおっしゃいましたけれど、
皆さんこうして並んで待っているのに、
私だけ割り込んだりするわけには……

などと思案した末に取り出したのは、
UDCアース製の通信端末(スマホ)です

もしもし
ハイ、ワタクシです
今?
星羽珈琲店で並んでいます
何店かって?
ええと、ここ、何店っていったかな
たしかナントカ駅前店……

などと通話しているふり(棒読み)で妨害します
これでもじゅうぶんマナー違反なので、
後ろのかたには申し訳ないです……

アドリブ歓迎



●おーだー・ゆーい!
 あきらめない邪教徒の男も男だが、決して苛立ちだとかそういう困った様子を見せない店員も店員で大したものである。有名店の店員ともなると、そのあたりの対応も手慣れたものなのだろうか。
 レジカウンターを挟んで攻防を繰り広げる邪教の男の真後ろに、運良くというか何というか、並べたというか並んでしまったというか、ユーイ・コスモナッツ(宇宙騎士・f06690)は正直な所を言うと困惑していた。

『横から別のオーダーを差し挟むとか、勝手に割り込んで自分好みのオーダーをするとか』
 というグリモア猟兵の提案を思い出しつつ、自分の後ろにもすぐ続々と列ができる様をチラと振り返って確認しては、そんなことはできないと躊躇ってしまうのだ。
(「ニコさんはああおっしゃいましたけれど、皆さんこうして並んで待っているのに、私だけ割り込んだりするわけには……」)
 割り込みなど、それこそ騎士道に反する代表的なギルティ行為である。ちなみに普段の宇宙騎士スタイルから学生服スタイルにモードチェンジしているユーイさん、控えめに言ってめっちゃ可愛いです。

 それはさておき、眼前でああでもないこうでもないといつまでもウダウダやっている邪教の男には、ユーイの後ろに並んでいる他の客たちも辟易しつつある様子。
 何はともあれ、行動を起こさなくては。思案した末にユーイが取り出したのは、UDCアース製の通信端末――スマートフォンであった。
 あたかも着信があったかのごとく画面をひとつタップすると、ユーイの演技が始まった。
「もしもし。ハイ、ワタクシです。今? 星羽珈琲店で並んでいます」
 一人称が普段と違う時点で懸命な読者諸君はお察しかも知れませんが、通話しているフリなので完全に棒読みちゃん状態です。
 ただし目的はあくまで祝詞の阻止なので、真後ろでよく通る声で通話をされては、ただでさえ声が小さいことが証明されてしまっている邪教の男にとっては致命傷だ!
「せ、せっかくもう少しで祝詞が思い出せそうなのに……後ろの女の子の声が邪魔で……!」

「何店かって? ええと、ここ、何店っていったかな。たしかナントカ駅前店……」
「○○駅前店ですよお嬢さん!!」
「きゃっ!?」
 突如振り返り正確な店名を教えてくれちゃう邪教の男に心底びっくりするユーイ、危うくスマホを取り落としそうになるもかろうじて耐える。
 そこで男が振り返ったのを見た後方の客から、決まっていないなら先を譲ってはどうかと至極真っ当な提案がなされる。キレていないあたり客層の民度が高いのだろうか。
「……ど、どうぞ」
「あっ、は、はい! こちらこそ電話なんてマナー違反で、申し訳ありません!」
 素直に順番を譲られながら、マナー違反を詫びるユーイ。お互いペコペコと頭を下げながらすれ違うという珍光景を繰り広げることとなったが、結果的には祝詞を阻止したのでオッケーです!

 ところで、ユーイさんは何を注文するんですか?
「あっ……」
 ノープランでしたー!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

荒谷・つかさ
(すまほのたんまつとにらめっこしている)
ぐらん……?のんふぁ……?ちこちっぷばに……?ふらぺっち……?
(あたまから ゆげがでている)
(じゅもんを おぼえられない!)

(――十数分後)
筋力は……こういう時無力だわ……
(おーばーひーと なう)

こうなったら最後の手段よ。
男が呪文唱えてる横から注文するわ。
覚えられたのはこれ一つだけど、割り込めば妨害にはなるはず。
「ブラックコーヒー」一つ。
あとついでにオススメのサイドメニューなんかも注文するわ。
折角だし予めニコさんから聞いてメモとっておこう。
(MSにお任せの意)

飲みきったら再度、何度でも注文。
勿論ブラックコーヒーで。
……かかった値段は経費で下りるわよね?



●おーだー・つかさ!
 荒谷・つかさ(風剣と炎拳の羅刹巫女・f02032)は、戦が始まる前から下準備を頑張った。それはもう、ものすごく頑張った。
 すまーとふぉんの端末とにらめっこをして、転送されて入店するギリギリまで呪文の勉強をしていたのだ。
「ぐらん……? のんふぁ……? ちこちっぷばに……? ふらぺっち……?」
 うん、確かに呪文ですね! ふらぺっちとか言葉の響きが可愛いですね、でもちょっと惜しい! アッ、そうこうしている間につかささんの頭から湯気が! これ絶対オーバーヒートしてますよね!? 無理しないで!!

 ――十数分後。
「筋力は……こういう時無力だわ……」
 やっぱりオーバーヒートじゃないか! マジ無理しないで!!
 つかさはキッと星羽珈琲店の店先を見上げると、決心したかのようにずいと足を踏み出して自動ドアを開ける。先程までの行列は解消され、今はレジカウンターにはまたしても笑顔の店員と邪教の男の二人だけになっていた。

(「こうなったら、最後の手段よ」)
 ズンズンとレジカウンター目がけて突き進み、邪教の男がたどたどしく祝詞を上げつつある所に横からドーンと注文を叩きつけた。
「ブラックコーヒー、ひとつ」
 漢前だ! かろうじてこれひとつだけは覚えられたのか! 頑張った!!
 つかさは更に懐から何かのメモを取り出して、折り畳まれていたそれを開くと読み上げる。
「バターミルクビスケット、ホイップクリーム添えで」
「お決まりですね、かしこまりました!」
 申し訳ございません、お先にこちらのお客様から承りますと申し訳なさそうに邪教の男に詫びる店員。本日……何度目だろう……?
 余談だが、つかさメモの正体はおススメのサイドメニューを教えて欲しいとグリモア猟兵に頼んだ結果である。プラス50円と控えめな価格であるとはいえ、有料のオプションを付けさせるとか初心者に優しくないチョイスだなあ。

「こちらのレシートをお見せいただければ、当日中でしたら同じサイズのブラックコーヒーが150円でご注文いただけますので、よろしければご利用下さいね」
「何……ですって……?」
 確かにグリモア猟兵は特定のドリンクはお代わりが安価で可能だとは言っていたが、自分のオーダーがドンピシャで該当するとは。願ったり叶ったりである。
 他のメニューと異なり、ブラックコーヒーに関してはレジカウンターから直接提供される。温められたビスケット(クリーム添え)とコーヒーを受け取って、つかさは一旦席について普通に堪能する。美味しい。
「たまにはこういうのも、悪くないかも知れないわね……」
 そう言いつつ、あっという間にトレイの上のものを胃の中に収めると、つかさは再度レジカウンターに向かう。もちろんその手には、レシートがしっかりと握り締められていた。

「ヒッ、また来た……!」
 邪教の男が本能的に身の危険を感じて素直にレジを譲る。レシートを見せながらブラックコーヒーを注文するつかさ。ワンモアコーヒーですね、かしこまりましたと笑顔でレシートを回収する店員。
 この儀式阻止の光景が、この後延々と繰り返されたという。

「……かかった値段は、経費で下りるわよね?」
 領収書……もらってきていただければ幸いです……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

モモ・マジェンタ
モモもやってみたかったんだよねー!でもさ、どこで区切ればいいかわかりづらいんだよね。ってことを話しながら単語ごちゃまぜにして邪魔しちゃえー!
本人と話せなくても周りの人と会話してそれを聞かせるって方法もあるしね!だから教えてほしいなー、ラノファット?ノファットどっち?ノットなのにクリームマシマシって矛盾してない?あ、モモの注文はモカフラペチーノでちょっと苦めにしてソースかけて下さい!あとクッキーも!



●おーだー・もも!
 祝詞を上げようとするも文字通り鬼の形相でブラックコーヒーを横から注文されを幾度と無く繰り返し、邪教徒の男の頭の中はブラックコーヒーで塗り替えられる寸前まで来ていた。しかし逆に、強く祝詞を思い出そうとする意思が同時に働き、今までで一番ハッキリと祝詞を上げられそうな所まで来ていた。来てしまっていた。
 そんな世界の危機に駆け付けたのは、モモ・マジェンタ(三拍子そろった自由人・f17863)だった。

 入店するなり真っ先に男のもとへ駆け寄ると――また横入りかと身構えた邪教の男に向かって、突然話しかけたではないか!
「呪文でしょ? モモもやってみたかったんだよねー!」
「なっ……!?」
「いらっしゃいませ!」
 今度こそ完全にお連れ様かと思われたか、暖かく店員に迎えられるモモ。一方であなた誰なんですかという顔の男に、お構いなしに会話を続ける。
「でもさ、どこで区切ればいいかわかりづらいんだよね」
「そ……そうなんだ! せめて、区切り所さえわかれば少しは……」
「ねえねえ、ラノファット? ノファット? どっち? ノットなのにクリームマシマシって矛盾してない?」
「うっ……そ、それは……」
 そもそも自分自身、呪文もとい祝詞が正しく言えない立場である邪教の男は、モモのマシンガントークと質問に、返す言葉が見つけられずにいた。
 しかも、わざと間違ったところで区切った単語や微妙に違う単語を交えて話しかけるものだから、せっかく思い出しかけていた脳内の祝詞がまたしてもあやふやになってしまう。まさにモモの思惑通りの展開であった。

「あ、モモの注文はモカフラペチーノで」
 思い出したように店員の方を向くと、おもむろに注文をキメるモモ。
「ちょっと苦めにしてソースかけて下さい! あとクッキーも!」
 あまりにもあっさりと注文をこなしてしまうモモの姿に、ますます困惑する男。そんな男を置いて、じゃねー☆ と手を振りながら受け取りカウンターへとモモは移動する。

 クッキーはいわゆるチョコチップクッキー的なものが大きなサイズになったもので、充分食べごたえがある一品だ。ほんのり温めてもらったクッキーと、カスタマイズしたモカフラペチーノを堪能しながら、モモは遠巻きにレジカウンターを眺めていた。

「あの人、普通に飲んだり食べたりできればいいのにねー」
 それが叶いそうで叶わなくて、なかなか難しいのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

杜鬼・カイト
あのまごついてるのが、邪教徒の人かな?
オレは別に恨みとかないけど、とことん邪魔してあげよう(にっこり)

「注文いいですかー!?」
明るい声で店員さんを惹きつける
「えーっと、温かいほうじ茶ラテで、ミルクは豆乳にチェンジ、ホイップクリーム追加の、キャラメルソーストッピングで!」
「あ、サイズはトールでお願いしまーす」
フード類も注文しちゃおう
「あと、チョコチップクッキーも欲しいなぁ~」

邪魔ってこんなものでいいかな?
さーてと、後のことは他の猟兵くん達に任せて、注文したメニューをしっかり味わわなくっちゃね♪

■アドリブ歓迎



●おーだー・かいと!
 邪教徒の男の頭の中は、今までで一番混乱してしまっていた。間違った情報が紛れ込んできてしまったせいで、祝詞があやふやどころか、そもそも違うもので思い出されてしまう可能性が出てきたからだ。
 もういっそ自分が飲みたいドリンクを、この可愛い店員さん任せのアレンジでお願いしてしまいたい……そんな邪念さえ脳裏をよぎる。

 そんな風にまごついている男の様子を見つけた杜鬼・カイト(アイビー・f12063)は、一目でああこの人かと納得する。
(「オレは別に恨みとかないけど、とことん邪魔してあげよう」)
 ――ものすごくいい笑顔で、ひどいことを決意した。

「注文いいですかー!?」
 明るい声に思わずはい、と返事をする店員が目にしたものは、セーラー服に身を包んだ、赤と青のオッドアイが印象的な美少女――もとい、美少年であった。邪教の男などは完璧にカイトを女の子だと思い込み、ついつい見惚れてしまう有様である。
「えーっと、温かいほうじ茶ラテで、ミルクは豆乳にチェンジ、ホイップクリーム追加の、キャラメルソーストッピングで!」
 何だこの美少女……注文まで完璧ではないか……。そんな風に呆然とする邪教の男は、すっかり祝詞のことを忘れている。だから! もっとさあ! 頑張ろうよぉ!!
「かしこまりました、サイズはいかがなさいますか?」
「あ、サイズはトールでお願いしまーす」
 そうやり取りを交わしつつ、カイトの目線はフードが並ぶショーケースへと。
「あと、チョコチップクッキーも欲しいなぁ~」
「ありがとうございます!」
 チョコチップクッキー、本日(猟兵サイドで)二回目のご注文です。人気ですね!

(「邪魔って、こんなものでいいかな?」)
 チラリと男の方を見ると、何故か男もカイトの方を見ていた。心なしか視線がいやらしい気がする。カイト的にはオレ可愛いからしょうがないね! という感じかも知れないが……。
 とにかく、邪教の男は祝詞どころではなくなってしまったらしい。任務完了とばかりにカイトは受け取りカウンターでカスタマイズしたほうじ茶ラテとクッキーを手にして、あらかじめ確保しておいた席につく。

「さーてと、後のことは他の猟兵くん達に任せて、注文したメニューをしっかり味わわなくっちゃね♪」
 そう、このお仕事は、注文したメニューを堪能するまでがお仕事なのだ! その点、自分好みのカスタマイズを存分に施したカイトは抜かりない。美味しいほうじ茶ラテとチョコチップクッキーを、ゆるりと楽しんでいくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真守・有栖
とっっっても気合いが入ってるわね!?
それほどまでに思い入れのあるお店なのね……分かったわ!
何を隠そう、流れの巫女とはこの私!祝詞なら巫狼たる私にお任せあれ!

…………。

ぽかーん。

皆が何を言ってるのかさっっっぱり分からないわ!?
これが茶屋で流行りの祝詞なのね!?
わぅう……流行に乗れぬとは狼の名折れよ!

ずずいっと邪教徒に割って入り、大きく深呼吸。……いくわよ!

せぇーの。すみませーん!
うるふとくもりほいっぷわふわふきゃらめるそーすわっふりでちょこわふっとなくりーむわおーんふらぺちーの!下さいな!
あ、それと!そーせーじぎゅぎゅっとわふわふなほっとうるふも一緒に!

わぐわぐ。ずずーっ。
とっっても美味しいわ!



●おーだー・ありす!
(「セーラー服の美少女尊かった……ハッ、いかんいかん。邪神様復活の儀という大任を担っている身で美少女にうつつを抜かしている場合ではない! さっきからめっちゃくちゃ邪魔されまくりな気がするが、今度こそ……!」)
 邪教徒の男は、まだめげていなかった。そりゃあ確かに途中途中でもっと頑張れよとは言いましたが、相当鋼のメンタルしてますよねこの人。その情熱がもっと、こう、まっとうな方向に向かってくれれば良かったのに……。

 だが、そんな邪教の男の決意を踏みにじるかのごとく、猟兵の魔の手はまだまだ伸び続けるのだ。今もほら、星羽珈琲店の入り口に立つ真守・有栖(月喰の巫女・f15177)の姿が――!
「とっっっても気合いが入ってるわね!? それほどまでに思い入れのあるお店なのね……分かったわ!」
 自分をグリモアベースから送り出したグリモア猟兵の、無駄に晒された真の姿を見て有栖は「とりあえずお前がこの店大好きなのは分かった」とばかりに天を仰ぎながらその熱意に応えんと、一歩踏み出して自動ドアを開ける。
「何を隠そう、流れの巫女とはこの私! 祝詞なら巫狼たる私にお任せあれ!」
 そうか! ちょいちょい忘れそうになりますが、有栖さん人狼の巫女さんでしたね! じゃあ祝詞とあらばチョチョイのチョイですね!

 自信満々で入店した有栖は、レジカウンターにちょっとした列が出来ているのを目撃し、そっと最後尾に並ぶ。そして、人狼の大きなお耳をぴこぴこさせながら、先に注文している先客の注文――祝詞の内容に耳をそばだてる。

「……」
「ベンティバニラアドショットチョコレートソースアドチョコレートチップアドホイップマンゴーパッションフラペチーノで」
「かしこまりました!」
「……」
「ショートソイオールミルクアドリストレットショットノンシロップチョコレートソースアドホイップフルリーフチャイラテ下さい」
「ありがとうございます!」
「……」

 ぽかーん。

「……み、皆が何を言ってるのかさっっっぱり分からないわ!? これが茶屋で流行りの祝詞なのね!?」
 列にはしっかり並んだまま、バッと振り返り頭を抱える有栖。しかしすぐに改めて前を向き、決意のまなざしでしっかとレジカウンターを見据えれば、何と自分のすぐ前に並んでいた男性の順番が来ているではないか。しかも、何やらもだもだしている。――こいつだ、こいつが邪教徒だ!
「はっ、まさか……この気配、邪教徒ね!?」
 察した有栖はずずいっとレジカウンターと邪教の男との間に身体をねじ込むようにして乱入、そして大きく深呼吸をした。ああまた横入りされたとしょんもりする邪教の男を押しのけ、笑顔で迎えてくれた店員に向かって――。
(「……いくわよ!」)

「せぇーの。すみませーん! うるふとくもりほいっぷわふわふきゃらめるそーすわっふりでちょこわふっとなくりーむわおーんふらぺちーの! 下さいな! あ、それと! そーせーじぎゅぎゅっとわふわふなほっとうるふも一緒に!」

 ~しばらくお待ち下さい~

 店員は笑顔というより微笑ましいという感じの表情になりながら、有栖にメニューを開いて見せながら、今どんな系統のドリンクが飲みたいか、どんな気分か、アレルギーはあるかなど懇切丁寧に会話で適切な注文を引き出して、有栖を受け取りカウンターへとニコニコしながら送り出した。
 ああ、このお姉さんは呪文で注文をしてみたかったんだな、という所から始まり、でも残念ながら勝手にトールエクストラホイップアドキャラメルソース……ベースになるフラペチーノの種類は? これはきちんと確認しないと! という店員のプロ魂に火がついたのだった。

 結果、有栖が手にしたのは、バニラクリームフラペチーノにシトラス果肉を追加して、ミルクをブレベに変更し、シロップをホワイトモカに変更したものだった。店員のイチオシらしい。
 ちなみに、店員にガイドされる有栖の様子を脇で見ていた邪教徒の男は、ああなんてうらやましいとぐぬぬ状態だったとか。

「わぐわぐ。ずずーっ。とっっても美味しいわ!」
 それは良かったです!

大成功 🔵​🔵​🔵​

古高・花鳥
ふふふ、呪文阻止がなんですか
わたしは現役の女子高生ですから、この程度は恐らく楽勝だと思います......全然行ったことないんですけどね
雰囲気のためにセーラー服姿で赴きましょう、もちろん刀も忘れずに

ええと、どうしましょうか
思ったよりメニューが多くて迷っちゃいます......
ああでも、これなんか期間限定ですしなんだか可愛い色で美味しそうです
あっでも、抹茶味だなんて魅力的なものまで
シロップ追加、ステキな響き......
ええと、結構お値段張るのですね、うーん

じゃあ、わたしは普通のホットコーヒーにしますね!
シンプルなもので、その質を味わう、それこそステキな楽しみ方だと思いますから

(アドリブ絡み歓迎です)



●おーだー・かちょう!
 このサブタイトルだとまるで課長がオーダーをキメているみたいで申し訳ないなと思いつつ、この法則で通しちゃってるんで古高・花鳥(月下の夢見草・f01330)さんにおかれましては、何卒お許しいただきたく……!

 それはさておき、星羽珈琲店に清楚を絵に描いたような女子高生が舞い降りた。女子高生――花鳥は、しずしずと店内に入ると、ちょうど誰も並んでいないレジカウンターを目にする。邪教徒の男は? レジから少し離れて一人作戦会議してます!

(「ふふふ、呪文阻止がなんですか。わたしは現役の女子高生ですから、この程度は恐らく楽勝だと思います」)

 若い子の記憶力ってすごいなって、歳を取ってから初めて思い知るんですよね。いやそんな生々しい話はやめよう。誰も幸せにならない。
 花鳥はレジの傍らで独り言をブツブツ言っている男を一瞥すると、レジの前に立つ。

(「……全然、行ったことないんですけどね」)

 花鳥さん、初星羽であった。デビュー戦じゃないですか! 雰囲気作りにと身にまとったセーラー服姿があまりにもマッチしていたから全然そうは見えませんでした! セーラー服に帯刀姿って映えますね……。

「いらっしゃいませ!」
「ええと、どうしましょうか」
 カウンターに広げられたメニューの予想以上のバリエーションの豊かさに、迷ってしまう花鳥。店員の方はもう慣れたもので、ニコニコしながら花鳥を見守っている。
「ああでも、これなんか期間限定ですし、なんだか可愛い色で美味しそうです」
「美味しいですよ! いつも早い時間に売り切れてしまってご迷惑をおかけしているんですが、今日はまだお出しできます」
「あっでも、抹茶味だなんて魅力的なものまで」
「抹茶はレギュラーメニューですが、人気ですね! シロップを追加したりもできますよ」
「シロップ追加、ステキな響き……」

 ほう、と花鳥が頬に手を添えてため息をつく。そして、その傍で邪教の男がピクリと反応してレジの方を見た。抹茶……シロップ追加……そう、祝詞にはそんな内容が含まれていた気がする!
「あっ、あのっ」
 男が、今こそ今まで散々やられてきた横入りを、やり返す時だと口を開き――レジで今まさにオーダーを決めかねているのが可憐なる女子高生だと気づき――止めた。
 そういうとこやぞお前!! 真面目に邪教徒の仕事して!!

「ええと、結構お値段張るのですね、うーん……」
 猟兵のお仕事の一環なので、その気になれば経費で落ちると言えば落ちるのだが、それでもやはり普通の金銭感覚で行けば、星羽珈琲店で盛大にカスタマイズするとそれなりの金額が飛んでいく。そして悩んだ末に、花鳥が出した結論は――。
「……じゃあ、わたしは普通のホットコーヒーにしますね」
「かしこまりました! 普通サイズですと、トールでよろしいですか?」
「はい、それでお願いします」

 花鳥は席につくと、ホットコーヒーを受け取る時に店員と交わしたやり取りを思い出す。

 ――シンプルなもので、その質を味わう、それこそステキな楽しみ方だと思いますから。
 そう言った花鳥に深く相槌を打ちながら、店員はホットコーヒーを手渡してくれた。
 ――本日のお豆は、エチオピアの契約農園で採れたものなんです。ほんのりオレンジの風味がすると思いますから、是非、楽しんで下さいね。

 熱々のホットコーヒーを一口すすり、目を閉じて口の中で味が広がっていくのを感じる。確かに、苦味の中にオレンジのような酸味が混ざっていた。

「……呪文なんて唱えられなくても、大丈夫なんですね」
 機会があればまた来よう、そう思う花鳥であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

五百雀・斗真
ニコさん、真の姿になるほどカフェ好きだったとは…
でも分かる…カフェで好きな飲み物や食べ物で一息つくのは最高だものね
呪文のような注文はできないけれど、僕も儀式の妨害を頑張ろう

レジに並んで自分の番が来たら、飲み物は季節限定のを選んで
トレーに乗る量のフードメニューを左から順番に注文して席に着く
といっても全部食べ終わったら、また注文しに行ってひたすら食べるのを繰り返すんだけどね
上手く妨害できてるといいな

ここのカフェ、飲み物も食べ物も美味しい…♪
体内にいる大田さんが美味しいもので上機嫌になってるし
全フードメニューを制覇するつもりでもぐもぐ
もし制覇できたらまた同じように左から順番に注文しよう

※アドリブ歓迎



●おーだー・とうま!
(「ニコさん、真の姿になるほどカフェ好きだったとは……」)
 グリモア猟兵が真の姿を晒すほどの事態とは何事かと思えば、贔屓のコーヒーショップが狙われている上に、自身がそれを解決しに来られないからだとは。
 五百雀・斗真(人間のUDCエージェント・f15207)はグリモアベースでの光景を思い出しながら、転送を受けて星羽珈琲店の前に降り立つ。
(「でも分かる……カフェで好きな飲み物や食べ物で一息つくのは最高だものね」)
 斗真は理解を示しながら、今まで先にやって来た猟兵たちと同じように自動ドアをくぐり、星羽珈琲店の中に足を踏み入れた。
「……呪文のような注文はできないけれど、僕も儀式の妨害を頑張ろう」
 そういうね、斗真さんの健気なところ、好きでしかないです。頑張って!

 レジカウンターには数人の先客がいたが、皆サクサクと注文していくので回転は早い。普通に並んだ斗真の順番もすぐに回ってきた。あれ? 邪教徒の男は? 何やら女子高生尊い……アッいかんいかん……とかブツブツ言ってますよ。
「いらっしゃいませ!」
「ええと、期間限定のフラペチーノ、まだありますか?」
「はい、本日は大丈夫です!」
「じゃあそれをひとつと……」
 良かった、連日早々に完売してしまうと聞いていたので運が良かった。そう思いながら斗真は、フードが並ぶショーケースに目を向ける。
「フードもご一緒にいかがですか?」
「お願いします、左手前にあるスコーン三種類全部と、チョコチップクッキー、デニッシュ二種類両方とも……とりあえず以上で。トレイ、二つに分かれても大丈夫です」
「か、かしこまりました!」
 一瞬店員に動揺の色が見えたが、稀にこういう一人で大量のメニューを注文して、本当に一人で平らげてしまう猛者は実在する。大丈夫、このお兄さんもきっと残さず食べてくれる。そう信じて、店員は自慢の笑顔で斗真のオーダーに応じた。

 一方、ようやく我に返ってレジの様子を遠巻きに見ていた邪教の男は、斗真の凄まじいオーダーに目を剥いて驚いていた。馬鹿な、何だあのフードの量は。連れがいて先に席について待っているとしか思えない。あと期間限定のフラペチーノってそんなにレアなのか。気になるではないか。

 そんなこんなで自分の祝詞のことも忘れて斗真のオーダーに仰天しっぱなしの邪教の男を残して、お会計を済ませた斗真は本当に二つ分のトレイに分かれてしまった自分のオーダーを、二回に分けて確保しておいたテーブル席に運ぶと、よいしょと席につく。
「ここのカフェ、飲み物も食べ物も美味しい……♪」
 キーマカレーと卵が乗ったデニッシュを切り分けて口に運びながら、斗真は心底嬉しそうに微笑む。ほわわんとしたオーラが出そうな雰囲気である。
(「体内にいる大田さんが美味しいもので上機嫌になってるし」)
 大田さんとは、斗真の中に宿っているUDCの名前である。薄墨色の触手の形状をしており、いざ戦闘となると献身的に斗真を守ってくれる、頼もしい存在だ。
 なるほど確かに、体内のUDCの分もと思えば、この斗真のいい食べっぷりにも納得が行く。デニッシュ二種とクッキーは既に消え、スコーンも残すところ最後のひとつが半分食べかけ。

「全部食べ終わったら、また注文しに行ってひたすら食べるから、何度でも邪魔ができるね」
 斗真さん、上手く行けば全フードメニューを制覇できる。邪教の男、エンドレスで妨害される。いいことずくめですね!

「まだ食べてないもの、たくさんあるからなあ……次はタルトやケーキで攻めてみよう」
 よし決めた、と席を立つ斗真。レジで邪教徒と鉢合わせて怯まれるのは、もう少し後のお話――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

白神・杏華
「ハッ、そこのお兄さん!
私はここのお店をよく利用している学生です。だから、どんな商品がほしいか言ってくれたら私が注文するよ!」
と、声をかけて注文を妨害するよ。
というか、たぶん「どんな感じの商品」って聞いても答えは帰ってこないよね。実在しない商品なわけだし。

さらにまごついているならこちらからおすすめをいくつか紹介するよ。
「スッキリした感じのが好きだったらアイスグランデアドショットツーパーセントライトキャラメルソースランバチップラテ!
コーヒーな気分だったらホットショートリストレットダブルバニラエクストラホイップエクストラホットエクストラコーヒー!
……とかがオススメだよ!」



●おーだー・きょうか!
 なんか見た目の割にめっちゃくちゃフード注文しまくる人がいてこわい……!
 自分が見た光景が幻であって欲しいと頬をつねって、痛い痛いとなる邪教徒の男。なにやってだこいつ。傍から見れば完全に不審者ムーブである。ただでさえ長時間滞在しているにも関わらず、注文ひとつまともに出来ていないのだから。
 ――だが! ガチのマジで無駄に不屈の精神の持ち主である邪教の男は、フードメニュー絶対制覇するマンが立ち去ったタイミングを見計らって、またしてもレジカウンターに向かう!
 ――そして! 邪教の男があきらめないなら、あきらめるまで猟兵がやって来る! 次なる刺客は――白神・杏華(普通の女子高生・f02115)、17歳! 普通の女子高生だ! どうだ邪教徒よ、お前の好きな現役女子高生だぞ!

 だがしかし、杏華が邪教の男のすぐ後ろに並んでも、比類なき集中力でオーダー……もとい、祝詞を今度こそあげてやると躍起になっている男は、その存在に気付かない。ああもったいない。
 だから。
「ハッ、そこのお兄さん!」
「はヒィ!?」
 こちらから、声をかけることにした。思えば今まで多くの猟兵たちがこの男をありとあらゆる手で妨害してきたが、まともに会話をしようと声をかけたのは杏華が初めてかも知れない。多分きっとそう。
 だから、男も明確に自分に向けてかけられた声に、思わず奇声を上げてしまう。振り返ればそこには、ブレザーがよく似合う女子高生が立っているではないか。

「な、なな、なんでしょ……」
 女子高生が……自分に声をかけてきた……。マジかよという顔で普通に受け答えをする男に、よし来たとばかりに杏華が話を続ける。
「私はここのお店をよく利用している学生です。だから、どんな商品がほしいか言ってくれたら、私が注文するよ!」
「そ、それは……」
 邪教の男は口ごもる。正直なところを言うと願ってもない申し出なのだが、問題が二つあった。一つは、自分でも「どんな感じの商品」なのかが実のところは良く分かっていないこと。もう一つは、あくまでも邪教の信徒である自分が祝詞を上げないと本来の目的は達成できないということ。

(「……というか、たぶん「どんな感じの商品」って聞いても答えは返ってこないよね。実在しない商品なわけだし」)
 杏華の思惑はほぼほぼ当たっていた。さすが鋭い。案の定というか前述の理由によりというか、男は杏華の申し出に対して、まごつくばかり。
 そんな邪教の男の様子を見た杏華の作戦は続く。ならばこちらからおすすめをいくつか紹介しちゃおう作戦である。

「スッキリした感じのが好きだったら、アイスグランデアドショットツーパーセントライトキャラメルソースランバチップラテ!」
「……!!」
 冷たい上から二番目のサイズ、エスプレッソショットを追加してミルクを低脂肪乳に変更、上にかけるキャラメルソースは少なめで……んん!? チョコレートコーヒーチップ系って今やってましたっけ!? 今度確認します! そんな感じのラテをおススメする杏華さん。突然のガチ祝詞に女子高生こわいと認識を改めてしまう。

「コーヒーな気分だったら、ホットショートリストレットダブルバニラエクストラホイップエクストラホットエクストラコーヒー! ……とかがオススメだよ!」
「二種類も!?」
 親切だなあ杏華さん! ちなみに一応付記させていただくと、温かい一番小さいサイズの、エスプレッソショット少なめにしてバニラシロップを追加、ホイップマシマシの通常より熱めにしたコーヒー……ですよね……!

 やばい。美味しそうなのは辛うじて分かるんだけど具体的な味が全然イメージできない。自分が指定された祝詞を把握できないのは、それが理由なのか……!?
 事ここに至って、ようやく自分の問題点に気付いてしまった邪教の男。上司も上司でその辺不親切でしたね……。

 頭を抱えてしまった男をよそに、杏華は自分で提案した呪文のうち、あっさりした方を颯爽とオーダーして、無事ラテを受け取ると存分に堪能していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミルヒ・フェアトラーク
アドリブ歓迎
スポンサー企業様の為にもミルヒは乳製品激推しです!
グランデじゃなくてベンティサイズはダメですか?

じっと見られたら緊張するかな
よぉ~しネットに配信してみんなに見て貰っちゃお
動画撮影ドローンスタンバイ!
さぁ挑戦者さんはとっても長いカスタマイズ上手く言えるでしょうか
ミルヒが生中継で実況しちゃいます

今の時期ならミルヒは苺の限定がオススメでーす
「パーソナルベンティーツーパーセントアドチョコレートソース
チョコレートチップエクストラパウダーエクストラアイスエクストラホイップ
エクストラトッピングストロベリーベリーマッチフラッペチーノレッド」で!
ミルヒマイカップ持参で参加です
カロリーは気にしちゃダメ



●おーだー・みるひ!
 遂に自身が祝詞を上げられない理由に気付いてしまった邪教徒の男。でも不親切な上司に対しての不満は不思議と湧いてはこなかった。ちゃんと確認しなかった自分が悪い――そう、男はどこまでもポジティブな性格なのだった! だからその性格をどうかまっとうな道に向けて欲しい……!

 行くぞ、最後の戦いだ。その決意で、レジカウンターに向かう邪教の男。祝詞は変わらずあやふやだが、崇拝する邪教の神を思えばきっと、おそらく、上手くいく……!
 そう信じつつ、口を開こうとしたその時だった。
「スポンサー企業様の為にもミルヒは乳製品激推しです!」
「えっ」
 背後からの突然の愛らしい声に思わず振り返れば、そこにはミルヒ・フェアトラーク(目指せ!本契約☆・f15000)の姿があった。良かったな! 現役女子高生ではないけれど、ガチのアイドルだぞ! 可愛いぞ!

「いらっしゃいませ!」
 徹頭徹尾笑顔の店員に迎えられたミルヒは、持参したマイタンブラーを見せながら尋ねる。
「グランデじゃなくてベンティサイズはダメですか?」
「お客様、すごいですね! その大きさのタンブラーならベンティもギリギリ大丈夫です! なかなかないサイズですよ」
 店員に素直に感心され、さらには目の前の美少女がマイタンブラー持参のガチ勢であると知り驚愕する男からガン見され、ミルヒは思わずドキドキしてしまう。

「じっと見られたら緊張するかな……よぉ~し、ネットに配信してみんなに見て貰っちゃお!」
「「えっ」」
 ここに来て遂に店員と邪教の男の声がハモった。まさかの! ネット配信生中継!
 既にミルヒはレジカウンターにカメラを向けた動画撮影ドローンをスタンバイさせていた。準備がいいですね!?
「さぁ挑戦者さんはとっても長いカスタマイズ上手く言えるでしょうか、ミルヒが生中継で実況しちゃいます!」
「ええっ……!?」
 突然ドローンのカメラを自分に向けられ、ミルヒに隣に迫られ、あからさまに動揺する邪教の男。そう、既に配信は始まっていたのだ! ガチのマジで世界中のみんなが見てますよ!

 男を挑戦者に見立てて紹介しつつも、自分のオーダーも忘れないミルヒ。お店の宣伝をするかのごとくカメラ目線で例のでっかいタンブラーをずいと差し出しながら――。
「今の時期ならミルヒは苺の限定がオススメでーす! パーソナルベンティーツーパーセントアドチョコレートソースチョコレートチップエクストラパウダーエクストラアイスエクストラホイップエクストラトッピングストロベリーベリーマッチフラッペチーノレッドで!」
 うわすげえの来ちゃった! えっと、マイタンブラーに一番大きいサイズの、ミルクを低脂肪乳に変更してチョコレートソースとチョコレートチップを追加、上にかけるパウダー増量で……おお、氷増やしますか! ホイップもマシマシで、元々のトッピングも多めにした……ああ、あの、そろそろ終売のいちごの赤い方ですね! なんて欲張りさんだ!

「恐れ入ります、もしかしたらタンブラーから少しあふれてしまうかも知れませんが……」
「大丈夫です! あとカロリーも気にしちゃダメ!」
 あくまでもカメラ目線で、申し訳なさそうに言う店員さんと一緒にフレーム内におさまりながら、モニタの向こうの良い子のみんなに大事な念押しをする。そう、アイドルはどれだけ食べても太らないのがお約束。むしろ甘い物でできているまであるからね!

「さあ、挑戦者さん! あなたの番ですよ!」
 元気良くマイクを向ける仕草で邪教の男に声をかけるミルヒさん。当然なうおんえあー。多分これ今までで一番圧がかかるシチュエーションですよ!

「……い、い、今のお姉さんと同じものを……下さい……!」
「かしこまりました……!」

 遂に、遂に男が……店員に、注文をした……!
 心なしか男の目にも、店員の目にも、涙がうっすら浮かんでいるように見えた。
 店員は感動で、男は……使命を達成できなかった悲しさ、ですかね……?
 その一部始終を、ミルヒの生中継はしっかりバッチリ映していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『命懸けのかくれんぼ』

POW   :    足を使って虱潰しに捜索する

SPD   :    技能を活かして情報を集める

WIZ   :    罠を張って脱獄囚を誘い出す

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

●ごあんない
 第2章のプレイング受付日時は、追ってご連絡致します。今しばらくお待ち下さい!
●えまーじぇんしー
 星羽珈琲店での壮絶な戦いは、猟兵たちの勝利に終わった。それはもうめっちゃくちゃしぶとかった邪教徒の男の心を折り、普通の(普通かな?)注文をさせるに至ったのだ。
 猟兵たちが、そして邪教の男が、各々星羽珈琲店自慢のフードやドリンクを堪能していたその時だった。

「……緊急速報?」

 それは、今や誰もが持っていても過言ではないといえるコミュニケーションツール――スマートフォンに突如ポップアップした通知だった。表示を見るに、

『速報:○○刑務所から凶悪犯罪で投獄されていた囚人が脱獄しました。周辺に潜んでいる可能性があります、市民の皆様は速やかに避難して下さい』

 恐らく、スマートフォンに搭載されているGPSの位置情報から要警戒地域に滞在中の全ての人々に一斉送信されたのだろう。店内のあちらこちらでざわつきが聞こえる。スマートフォンを持っていない人々も、それを耳にして大体の事情は察することができた。

 ――ひとつ気をつけて貰いたいのが、此の事件がただでは終わら無さそうな気配を見せていることだ。

 猟兵たちは、グリモア猟兵の言を思い出す。自分たちが呼ばれたということは――オブリビオンが絡んでいると見て、ほぼ間違いないだろう。
 とにもかくにも、まずは店を出てその脱獄したという凶悪犯を探さねばならない。……しかし、どうやって?

 その時、スマホを使ってニュースサイトの動画を見ていた一般客のひとりが声を上げる。
「見て見て、犯人の写真出てる!」
「何だって!?」
 元々は連れの友人に向けて画面を向けたはずが、あっという間に少しでもターゲットの情報が欲しい猟兵たちに囲まれる。あなたたち何なんですか!?

 ――猟兵たちが覗き込んだスマホの画面には、大きくて丸々とした、鳥の姿が映し出されていた。

●ごあんない
 現時点より、プレイング受付を再開致します。大変お待たせ致しました。
 〆切は特に設けません(執筆中に成功数に達し次第終了とお考え頂ければ大丈夫です)、お待ちしております!
鵜飼・章
大きくて丸い烏…いや、鳥
大変だ
でもまだサンドを食べ終わっていないし
キャラメルマキアートも残っているので
僕はあえて店を出ないという選択をする
サボる訳じゃない
星羽を守ってるんだ
捜索はUCで呼んだ高校生ぼくが頑張る

↓以下ぼく

ええ…
とりあえず僕に渡されたオカリナを吹いて
この辺りの野生の鴉を集める
【動物と話す】のはぼくにも出来るから
鴉達に星羽のクッキーをあげつつ
大きくて丸い鳥見なかったか訊いてみるね
鴉は賢くて警戒心が強いんだ
自分の縄張りに見慣れない鳥がいたら覚えている気がする
餌につられて凶悪犯本人が来るかもしれないし
はい、ご飯だよ…えっ今の子?

手掛かりは仲間の人に共有
鴉さん…僕呼んできて
まだ食べてるよ…


荒谷・つかさ
なにあの、丸っこい……鳥?
そういえばこないだきまふーで似たようなのに温風吹きかけられたような。
……ともあれ、こいつを探せばいいのかしら。

流石の私も身体能力に自信があるとはいえ、このUDCアースの市街地で虱潰しは骨ね。
こういう時は頭数を揃えるに限る……ということで、とても久しぶりに【百騎野攻・獣神突撃】(※SPD)発動。
「瑞智」と「疾風」を39体ずつ複製し、瑞智達には路地を中心に地上の狭い所を捜索、疾風達には上空から見渡しての情報収集をさせるわ。

私は引き続き星羽のコーヒー飲みながら彼らの得た情報を集めてノートに纏めるわね。
必要なら他の猟兵ともすまほ番号交換して情報の纏め担当をするわ。



●ひなんかんこくなんてきこえないちーむ
 突然の非現実的な一報に、店内はざわめく。一目散に退店する客もいれば、下手に動くとかえって危険ではとその場に留まることをあえて選択する客もちらほら。そんな客に丁寧に声をかけて回る店員たちの姿をよそに、二人の男女が向かい合って全く動じることのないそぶりで飲食を続けていた。

(「大きくて丸い烏……いや、鳥。大変だ。でもまだサンドを食べ終わっていないし」)
 しかもかなり大きいサイズのキャラメルマキアートもまるっと残っている。そんな鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)と、
(「なにあの、丸っこい……鳥? そういえばこないだきまふー(※キマイラフューチャーです)で似たようなのに温風吹きかけられたような」)
 本日何度目かのブラックコーヒーおかわりかももはや分からない域に到達した荒谷・つかさ(風剣と炎拳の羅刹巫女・f02032)が。
 互いに黙々と手元にある食べ物や飲み物をもぐもぐごっくんしながら、二人はとある目的のためにあえて店内に残るという選択をしたのだった。決してサボタージュなんてことではない、ですよね? 章さん?
(「――そう、サボる訳じゃない。星羽を守ってるんだ。捜索はユーベルコードで呼んだ高校生「ぼく」が頑張る」)
 ええっ!? 現役男子高校生時代の章さんを拝見できるんですか!? おっと失礼本音が! つ、つかささんも真面目にお仕事してくれていますよね!?
(「……ともあれ、こいつを探せばいいのかしら」)
 ずずっとブラックコーヒーを一口すすりながら、スマホの画面に映し出されたニュースサイトの画像を見るつかさ。そこには確かに、間違いなく、黄色と黄緑色が鮮やかな、大きくて丸っこい鳥の画像があった。良かった、ちゃんとお仕事してた!

「お客様、速報はご覧になられましたか? お客様方の安全を考慮して、一時閉店を検討しておりまして……」
「大丈夫、この店は僕たちが守るので」
「そうね、じきに落ち着くから大丈夫よ」
「えっ、あ、はい……」
 章とつかさの身を案じ声をかけてくる店員を一瞥もせず、二人はただひたすらに食べたり飲んだりを続けていた――が。
 その一方で、章とつかさそれぞれから使命を帯びたモノたちが、星羽珈琲店を飛び立ち街に繰り出していたのだ。

(「流石の私も身体能力に自信があるとはいえ、このUDCアースの市街地で虱潰しは骨ね」)
 こういう時は頭数を揃えるに限る……ということで、つかさが発動したのは【百騎野攻・獣神突撃(ワイルドハント・ビーストチャージ)】たるユーベルコード。
 「瑞智」の名を持つ白い大蛇と「疾風」の名を持つ鷹をなんと39体ずつ召喚し、探索にあたらせるという驚異の人海戦術ならぬ獣海戦術を取る。
 瑞智たちには路地を中心に地上の狭いところを、一方の疾風たちには上空から見渡しての捜索を、陸空同時のローラー作戦でつかさが指示を出してそれぞれに行わせる。

(「……あれだけ目立つ見た目のはずだからすぐ見つかると思ったけど、さすがは脱獄囚というべきかしら、なかなか引っかからないわね……ん?」)
 それまで互いに集中していて顔を合わせずにいた二人のうち、つかさの方が思わず顔を上げて向かいの席に座る章を見る。見られている側の章は逆にキャラメルマキアートを吸い上げるのを中断して、ただ沈黙していた。集中状態が極限近くにまで達しているのだろうか。

 ――つかさの放った疾風のうち一体が捉えた光景は、章のユーベルコード【量子力学的多元宇宙論の証明(パラレルワールド)】により召喚された「ぼく」――現在は青年である章の、高校生時代の姿――が、店を出る前に本体である「僕」こと章から手渡されたオカリナを吹き、近辺に生息する野生の鴉を集めている姿だった。
 場所にして「ぼく」が行動可能な範囲でもある約1km圏内ギリギリの所だった。星羽珈琲店がある繁華街からは程良く離れた住宅街の公園のようだ。

 「ぼく」こと高校生の章は今の章こと「僕」と比べて内向的でおとなしい傾向にある。ええっと……と少々周囲の目を気にしつつオカリナに口を添え、優しい音色を奏でると、さすがは章というべきか、あっという間に鴉たちが周囲にわっと集まってきたではないか。
(「動物と話すのはぼくにも出来るから、鴉達に「僕」からもらってきた星羽のクッキーをあげつつ……」)
 高校生の章は小脇に抱えていた紙袋をここぞとばかりに開けると、中から丸くて大きなクッキーを取り出し、鴉たちが食べやすいようにとなるべく小さく割ったり砕いたりしてやりつつ、そっと地面にまいて食べさせてやる。

「……君達、この辺で、こう、黄色と黄緑色の、大きくて丸い鳥、見なかった?」
「クワッ、クワッ(うめぇ、うめぇ)」
「クワーッ(おい、人間が話しかけてきてるぞ、何か知ってたら返事してやれよ)」
「クワッ……カーッ(黄色と黄緑色の鳥? ああ――)」

 鴉たちを上手く手なづけながら「ぼく」は思う。
(「鴉は賢くて警戒心が強いんだ、自分の縄張りに見慣れない鳥がいたら覚えている気がする」)
 そんな期待を込めて、一羽一羽と根気よく会話のやりとりをしているうちに、心なしか地響きがしたかのように思えたのは気のせいだろうか。
「ゲェーッ!(おい、人間、そいつじゃないか?)」
「はい、ご飯だよ……えっ?」
 クッキーをまくのが間に合わず、手のひらに乗せる先からついばまれていくものだから、ちょっと痛いなと思いつつ目線が思わずくちばしにばかり行ってしまっていたのだが――ある鴉の声にハッと顔を上げると、またしても地響きと共に今度は遠ざかっていく、黄色と黄緑色の、大きくて丸っこい巨体の鳥がしっぽを向けて去っていくではないか!
「今の子!?」
「クエッ(そうそう)」
「クワッ!(待て人間、俺はまだ食べてない)」
「お、追わなきゃ……って、そうかごめんね、まだ食べてない子がいるのか……」
 不公平は良くない、そんな気持ちが勝ってしまうのは鴉かわいさ故か。お前の方がかわいいよ案件なんですが!

「……仕方ない、もう食べた鴉さん……「僕」呼んできて……」
「クワー(しょうがねえな、礼はするぜ)」

 ――そんな一部始終を「僕」こと青年の章と、疾風を通じてつかさとが、星羽珈琲店のほぼ静まり返った店内で見守っていた。
 動物と話すことにはあいにくと通じていないつかさからすれば高校生の章と鴉たちとのやり取りはとても不可思議なものだったが、そこは事情を察した章が肝心のシーンで同時通訳を入れてくれたため、情報の共有が可能となった。親切な解説つきです!

 つかさは温めになったブラックコーヒーを一気に飲み干すと、自分が派遣した小さな調査員たちと章からの情報をガリガリとノートにまとめ上げる。

『○○公園にて目標(たーげっと)の目撃情報あり、周辺の猟兵は注意されたし』

 そしてすかさず事前に「こんなこともあろうかと」式に他の猟兵たちと交換しあったSNSのチャットグループ内に発言をするつかさ。すごい、つかささんがスマホ使いこなしてる……! いや何でもないです失礼しました!

 さあ、いきなり重要な情報を手にすることが出来た猟兵たちは、見事大きくて丸っこい鳥を発見することはできるのだろうか!?

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

満月・双葉
【SPD】大きくて 丸々とした 鳥!(食べ頃だ食わなきゃ☆)(カエルに後頭部突撃くらって正気に戻る)
さて、情報収集をしましょうか。
カエルを街に解き放ち、噂話や目撃情報を集めさせます。後で大根あげるから…とっとと探しておいで

自分でも何とかしてみましょう
先ずは近くのJKやOLっぽい人達にコミュ力でキャピキャピの女子を装い話しかけてみたり、DKやオッサン等に知的な少女や…等それ相応の伽羅は作りつつ。(尚無表情)
目撃情報等聞ければ、アートで似顔絵的なものを作りつつ(その絵を描く手際も話題としつつ)

話しかけられない場合は目立たない様にその場におり、聞き耳を立てておきます

長い名前の飲み物美味しい(ずずー)


真守・有栖
…………とっっってもきょうあくじゃないの。
これはすっっっごい一大事だわ!?

おおきくて。まるまるな。そして、これはおそらく……。
はんにんの姿にぴん!と尻尾が反応してしまったわ。
えぇ、これは逃がしておけない相手よね!きっと!

安心なさい。
おねえさんと、このお店のためにも。
犯人をもふ……ぱぱっと捕まえてくるから!
ごちそうさま!美味しかったわ、また来るわね!

店員のおねえさんとお店に別れを告げて、此処からは探狼の本領発揮よ!

この狼のおめめは誤魔化せないわ!(じぃっ)
現場を辿れば、ほら。犯鳥の痕跡を示す(たぶん)もふっとした羽が所々に。
すりすり、くんくん。毛触りを堪能しつつ、落ちた羽毛と匂いを追って捜索よ!



●たぶんすまほもってなさそうさんちーむ
 人にはそれぞれ事情がある。訳あってスマホが持てなかったり、扱うのが苦手だったり。そんな訳で、せっかくの最新情報が残念ながら届かなかった猟兵たちがいるのもまた事実。……がんばれ! あと、スマホお持ちでしたらホントごめんなさい!

「……とっっってもきょうあくじゃないの。これはすっっっごい一大事だわ!?」
 時をさかのぼること少々、星羽珈琲店でレジカウンターの女性店員にニュースサイトの画面を見せてもらった真守・有栖(月喰の巫女・f15177)は、犯人として提供された画像の主を見て、ティンと来るものがあった。
「おおきくて。まるまるな。そして、これはおそらく……」
 犯人の姿にぴん! ともふもふな尻尾が反応してしまう。
「えぇ、これは逃がしておけない相手よね! きっと!」
 有栖はこの大きくて丸っこい鳥にものすごい既視感を覚えていた。色こそ違うが、体型はほぼ同じ。つい最近も、羽毛まみれになるほど存分にもふった気が……?

 有栖はおもむろにすっくと立ち上がると、レジカウンター内で最後まで残ろうとする笑顔が自慢の店員に向けて、胸に手を添えて宣言する。
「安心なさい。おねえさんと、このお店のためにも。犯人をもふ……ぱぱっと捕まえてくるから! ごちそうさま! 美味しかったわ、また来るわね!」
「あ……ありがとう、ございます……!」
 本当は不安で胸がいっぱいだった店員のお姉さんの涙目に見送られながら、有栖は店を飛び出していったのだった。ちょっと待って今もふって言いました?

 一方で、電子機器を手に取り使用しようものなら何故かそれらがことごとく爆発してしまうという非常に不憫な体質を持つため当然スマホも所持していない……いや、できない事情がある満月・双葉(星のカケラ・f01681)も、事前に店内で親切なお隣の席の一般客からニュースサイトの画像を見せてもらっていた。
(「大きくて、丸々とした、鳥!」)
 食べ頃だ食わなきゃ☆ ジャカジャカチーン♪ と音でもしそうな勢いで思い至った双葉の後頭部に、ユーベルコード【カエルの大捜索】で召喚したカエルさんが迷いなく突撃して渾身の頭突きが襲いかかる! 痛そうで痛くない少し痛い頭突き! ふたばは しょうきに もどった!

「……さて、情報収集をしましょうか」
 勢いでポテンと地に落ちたカエルさんにしゃがみ込みつつ手を貸して立ち上がらせてやると、双葉はカエルさんに件の鳥の噂話や目撃情報を集めてくるよう指示を出す。
「後で大根あげるから……とっとと探しておいで」
 カエルって大根好きなんですか!? 食べるんですか……!? ねえ……!!

 店員と星羽珈琲店とに別れを告げた有栖は、ここからは探狼の本領発揮とばかりにまずは周辺の景色をじぃっと見つめる。
「この狼のおめめは誤魔化せないわ! 現場を辿れば、ほら……」
 じーーーーーーーーーーーーっ。今やほとんど人の気配も消えてしまった街並みを、ものすごい集中力で隅々まで見つめる有栖。その甲斐あってか、本当に良く見ないと気付かないような遠くの路地に、黄緑色の羽毛が一つ落ちていることに気付いた。狼のおめめすげえ!
「……やっぱり! 犯鳥の痕跡を示す(たぶん)もふっとした羽が所々に!」
 換毛期かな? というくらいに良い加減で点々と、ほぼ等間隔に路地伝いに落ちている黄緑色と……たまに黄色い羽が落ちているではないか。

 すりすり。くんくん。
 何をしていらっしゃるので……? もちろん、羽毛の毛触りを堪能しているんですよ……! 羽毛だけでこれですから、本体に遭遇したらどうなってしまうのか……!
「(すーはー)よし、落ちた羽毛と匂いを追って捜索よ!」
 傍から見るとまるで有栖の方が罠にかかっているようにも見えなくもないが、多分大丈夫……なはず……! おおかみさんはつよくてやさしいから!

 そんな有栖が向かっているまさにその場所の近くに、奇しくも双葉はやって来ていた。自分でも何とかしてみましょうということで情報収集を試みたは良いが、避難するようにとの速報を受けた市民たちは、強制力はないとはいえ屋外に居ては危険だと判断したのか、そのほとんどが街の外から姿を消してしまっていたのだ。
 せっかくのコミュ力で女子高生やOLっぽい人たちに狙いを定めて、ここぞとばかりにキャピキャピな女子を装い話しかけてみたりしようと思っていたのに……。
 男子高校生やおっさん相手には知的な少女キャラで攻めたりしようと思っていたのに……。

 人が! いない! こうなったら誰でもいい、軽率にこんな時でも外を出歩いていてくれ……!
 そんな気持ちで一度天を仰ぎ、再び視線を街並みに戻すと――正面から、人影がやってくるではないか! 神は……実在した……? いや一応主にヒーローズアースっていう世界に軽率に存在はしますね……。すげえ時代になりましたね……。

 双葉がいよいよ声をかけようとしたその人影には、大きなお耳と尻尾が生えていた。
「あっ……!」
「あなた、は」
 そう、点々と落ちていた羽毛を追ってやってきた有栖と、双葉がここで遭遇したのだ。
 ちょうどそこへ、双葉が派遣していたカエルさんが、その身の丈以上はありそうな羽毛を一枚一所懸命抱えて戻ってきた。
「そう、それよ! その羽毛をたどっていけば……」
「……なるほど、犯人……もとい、犯鳥の居場所にたどり着けるという訳ですか」

 力強く頷き、羽毛が続く先を示す有栖。せっかくだからと二人で点々と落ち続けているカラフルな羽毛を追跡することにした。

 ――二人が向かう先には、公園があった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ユーイ・コスモナッツ
・POW
大きくて丸々とした鳥……
そんな目立つ容貌なら、
探しあてるのはそう難しくないはず

だとすれば捜索に必要なのは、
まずは足!
次に目!
最後に根性です!

そしてそのどれもが、
私の得意分野です
自慢の「視力」を活かしながら、
街中を「ダッシュ」で駆けまわって探します

高いところのほうが見つけやすいかなあ?
きっとそうだ、
よーし、反重力シールドも使っちゃえ!

水分補給は、
星羽珈琲店でタンブラーと一緒に買ったアイスティで。
きちんと腰かけてからいただきますよ
最初に飲んだコーヒーも良かったけれど、
お茶もおいしいや

……はっ、いけないいけない
つい休憩が長引いちゃった

※アドリブ大歓迎です



●だいたいのことはきあいでなんとかなる
 スマホの画面に映し出された、大きくて丸々とした鳥の姿。ユーイ・コスモナッツ(宇宙騎士・f06690)は、そんなに目立つ容貌ならば探しあてるのはそう難しくないはずと踏んで、元気良く星羽珈琲店を飛び出していった。

「だとすれば捜索に必要なのは……まずは足! 次に目! 最後に根性です!!」
 おおっと! 星羽に残って頭脳戦してる人たちとは真逆のアプローチだ! そうですね根性は大事ですね!

「――そしてそのどれもが、私の得意分野です」
 星羽で呪文を阻止するのにはそれはもう必死だったが、これなら任せてくださいとばかりに意気揚々と街を行くユーイ。速報で警戒区域とされた範囲はそれなりに広かったが、ユーイご自慢の脚力でそれはもうすごい勢いでダッシュしつつも、私視力もすごいんです的にしっかり街並みを見落としのないように捜索していく。

 だが、残念なことに走るのに夢中になっていて、懐のスマホにSNSのメッセージが届いたことにすぐには気付けなかった。
 ユーイの捜索範囲に本当に不運なことに羽毛が落ちている箇所がなかったこともあり、地上からの捜索は空振りに終わってしまった。

「うーん……高いところのほうが見つけやすいかなあ?」
 ひとしきり街を見回ったが、予想以上に苦戦を強いられたユーイは、ならば空からならどうだと思い立つ。
「きっとそうだ! よーし、反重力シールドも使っちゃえ!」
 で、出たー! 反重力シールドさんだー! 信じられるか……これ、カテゴリは宇宙バイクなんだぜ……。どう見ても盾です本当にありがとうございました……。
 文字通りの反重力で宙に浮く大きな盾にヒョイと飛び乗ると、華麗な騎乗テクニックで人気の失せた街の上空を駆けて回るユーイ。

 なるほど本当に人がいませんね、などと思いながら、ならば尚のこと大きくて丸々とした鳥はもっと目立っても良いのでは? と改めてユーイは考える。
 写真で見た鳥は、黄色と黄緑色の二色の羽毛をまとっていた。そんなものが闊歩していたら、すぐに分かるはずなのに……?

 意気込みすぎたのが逆に良くなかったのかな、そういえば喉も渇いたし、ちょっとだけなら休憩してもいいよね。
 遂にユーイは一旦捜索を打ち切って、たまたま目に入った公園に降り立つと、木製のベンチにふうと腰かける。
 そして取り出したのは、先刻星羽で買ったタンブラー。その中には、その場で淹れてもらったアイスティーが!(なお実際は恐らくその場では淹れてもらえないと思われますが、きっと今回はタンブラーを洗って淹れてくれたんだということで!)

「んぐ。……最初に飲んだコーヒーも良かったけれど、お茶もおいしいや」
 走り回って飛び回って程良く疲れた身体に、冷たいままのアイスティーが染みわたる。そしてそういえば、と遂にユーイはスマホの画面を確認する。

『○○公園にて目標(たーげっと)の目撃情報あり、周辺の猟兵は注意されたし』

 なんと、即席で猟兵同士で作成したSNSのチャットグループ内にこんな文言があるではないか!
「○○公園、って……」

 ――ここじゃないですかー!!

成功 🔵​🔵​🔴​

狭筵・桜人
◼️WIZ

まだ飲んでたのに……。

鳥ですか?
じゃあペットショップに向かいまーす。

そういえば私リスを飼ってるんですよ。リス。
名前は非常食っていうんですけど。
鳥のエサとついでにリスのエサを買い足してー……
領収書お願いします。宛名はニコ・ベルクシュタイン様で。

私用品を経費で落としたい時はですね
こうして合わせ買いするのがコツなんですよ。
ワンポイントアドバイスです!

さてさて、見晴らしのいい通りに鳥のエサをまいて。
あとは張り込んで犯人が現れるのを待ちましょう。
でもこれって別の鳥がたくさん来ちゃったりしません?
見つかったら怒られるやつです?
逃げる算段つけとこう。

見かけたらUCで【追跡】。仲間と情報共有します。



●とりをさがすならやっぱりここでしょう
「まだ飲んでたのに……」
 いたいけな邪教徒の心を弄んで(?)飲むココアは美味しかったですか……? 思わずそう聞きたくなるが、狭筵・桜人(不実の標・f15055)はちゃんと真面目に街に捜索へと赴いていた。

「鳥ですか? じゃあペットショップに向かいまーす」
 星羽珈琲店の店内で犯人としてアップされていた画像を見た桜人が真っ先に向かったのは、最近の都市ではすっかり珍しくなった独立型店舗を構えるとあるペットショップ。
 小さい店舗だと犬や猫だけの取扱いであることも多いが、驚いたことにこのペットショップではそれだけにとどまらず、小動物の扱いもあったのだ。もちろん、鳥も守備範囲内である。やったぜ。

 入店すると真っ先に桜人が向かったのは、鳥のエサが並ぶ棚。とりあえず一番高いこれでいいやと値札を見て判断し一袋手に取ると、その足で向かったのはレジ……ではなく、小動物全般のエサの棚の方であった。ついでにと何故かリスのエサも一袋追加してようやくレジに向かう桜人。
 お会計をしながら、桜人はレジに立つ店主と思しき人物に気さくに話しかけた。

「そういえば私リスを飼ってるんですよ。リス」
「鳥とリスの両方を飼ってるのかい、お兄さん」
 店主らしき壮年の男性はほう、という顔で応える。
「ええ、まあ。リスの名前は非常食っていうんですけど」
「えっ」
 鳥のことはひとまず曖昧にしつつ、むしろさらりとすごい話をする桜人。一体どこからどこまでが本当なんです……?

「あっ、領収書お願いします。宛名は『ニコ・ベルクシュタイン』様で」
「はいはい、ニコ……ベルク……? すまないねお兄さん、ちょっと長くて聞き取れなかったんで、ここに書いてもらっても?」
 ボールペンとメモ用紙を渡されながら、ここで桜人さんからのワンポイントアドバイス!

「私用品を経費で落としたい時はですね、こうして合わせ買いするのがコツなんですよ」

 ちょっとおおおおお!!!?? カメラ目線でキメてもねえええええ!!! ガチのマジでグリモア猟兵宛てに経費請求する人が居ますかああああああ!!? 居ますねえええええええ!!! 悪い子だ! 今回だけですからね!? あと絶対よそのグリモア猟兵さん宛てにやっちゃダメですからね!? 約束ですよ!

 ――さて。こうして無事に(?)鳥のエサをゲットした桜人は、見晴らしのいい通りに早速エサをまき、自分は物陰に隠れ張り込んで犯人……もとい犯鳥が現れるのをひたすら待つことにした。
 そうして待つことしばし、徐々にさまざまな鳥たちが集まり始め、小さな鳥をより大きな鳥が追いやりを繰り返し、遂には鴉がやってくるに至った。
(「……これってもしかして、見つかったら怒られるやつです?」)
 そうですね……控えめに言ってもご近所さんから怒られる案件ですね……。
(「逃げる算段つけとこう」)
 桜人がそう思いながら辺りを見回した、ほんの一瞬だった。

 ――ズシイィィィ……ン。

 すごい地響きと共に、大きくて丸々とした、黄色と黄緑色の巨体が、鴉たちを蹴散らすように舞い降りた。
 巨体の主は、鳥のエサを吸い込むように片っ端から食べ尽くし、あっという間にまた飛び立ってしまった。

「……っ、【影の追跡者の召喚】!」
 だが、その一瞬さえあれば良かった。巨大な鳥の影が空に消えてしまう前に、桜人はいつでも発動できるようにしていたユーベルコードを発動させた。
 召喚された「影の追跡者」は、狙いを巨大な鳥と定めて追跡を開始する。同時に桜人はスマホを取り出すと、あらかじめ参加していた猟兵同士の即席チャットグループに発言をした。

『犯鳥を目撃しました ただいま絶賛追跡中です 恐らく○○公園に向かっていると思われます』

 それから間もなく、別の猟兵からも該当の公園での目撃情報が届くのだが、それはまた別のお話――。

成功 🔵​🔵​🔴​

五百雀・斗真
…鳥?
どう見ても、鳥…だよね
凶悪犯らしいけれど、どんな罪で捕まってたんだろう…?
って、今はそこを気にしてる場合じゃないか
スマホを見せてくれたお客さんに、どこのサイトの動画か聞いて
自分のスマホで同じところを見てみよう

うーん…どのあたりにいるか目星をつけたいし
鳥と一緒に何か気になる看板やお店、或いは場所を特定できないか
【情報収集】で調べてみよう
何か掴めたら、お土産用のお菓子を買ってから捜索を開始するね

んー…大きくて丸い鳥だったし、見つけやすいかな?
何となく体型的に食べ物に惹かれそうな気がするので
お土産に買ったお菓子を置いて、物陰から様子をみよう
見つけたら【影の追跡者】で追跡するね

※アドリブ歓迎



●みょうじのよみはいおじゃくです
(「鳥……? どう見ても鳥……だよね」)
 五百雀・斗真(人間のUDCエージェント・f15207)は、まさにスマホでニュースサイトの画面を見せた一般客のすぐそばに席を確保していた。なので、決して覗き見をした訳ではないのだが、否が応でも自分も真っ先に画面を見ることとなってしまった。
(「凶悪犯らしいけれど、どんな罪で捕まってたんだろう……?」)
 思わずそんなことに思いを馳せてしまう斗真。いやいや今はそこを気にしてる場合じゃないかと、スマホを見せた一般客に声をかける。

「すみません、どこのサイトの動画なのか、教えてもらってもいいですか……?」
「ああ、これはね……」
 一般客は一人でも多くの人と情報を共有したいという思いがあったのか、快く斗真の求めに応じてくれた。教えてもらったニュースサイトの名前で検索をかけると、斗真は自分のスマホでも改めて同じページを見る。

(「……色は、黄色と黄緑色か。でも、見た目以外のことは、さすがにわからないか」)
 ゴッドペインターでもある斗真にとって、色の情報はことのほか重要だった。しかし、ニュースサイトではあくまで「脱走犯は大きくて丸々とした、黄色と黄緑色の鳥」であることしか伝えてくれない。速報性を重視した結果である、やむを得まい。

(「うーん……どのあたりにいるか目星をつけたいし……」)
 店内にいた猟兵仲間と取り急ぎ作成されたSNSのチャットグループにあわあわしつつ参加して、店を後にする斗真。街をゆっくりと見て回り、得意の情報収集で気になる看板や店舗をチェックしたり――そう、たとえば鳥だけにペットショップとか――

 ペットショップ……領収書……ウッ、頭が。

 ……失礼しました。とにかく斗真さん、鳥の居場所を特定できないかと頑張りました。別の猟兵さんもそうだったんですが、大きくて丸い鳥だから発見は比較的容易だろうと……思うでしょう? これがね、なかなかね! 難しくて!

「……ん? この色……」
 ふと視界に飛び込んで来た、都会の街並みには一見してそぐわないと分かる「色」。それは、黄緑色の鳥の羽根だった。それを手に取ると、斗真は確信する。
「近くに、いる」
 そう呟くと、この状況でまだ店を開けていてくれた百貨店に飛び込み、いわゆるデパ地下に行くと、手近な洋菓子店で焼菓子の詰め合わせを購入する斗真。プレゼント包装は丁寧にお断りしつつ、紙袋を手に急いで外に戻った。

「何となく体型的に食べ物に惹かれそうな気がするんだ……」
 斗真の体内のUDC、大田さんもまるで同意するかのような意思を伝えてくる。頼もしい相棒の同意は実に心強く、それではと斗真はさっそく購入した焼菓子詰め合わせの箱を開け、惜しげもなくそれを往来の真ん中に置き自身は物陰から様子をうかがうことにした。

 ――待つことしばし。突如、見張っていた焼菓子の上を大きな影が覆った。
(「……来た、かな?」)
 次いで、ものすごい風圧。羽ばたきによるものだろう。そして、着地による地響きに思わず飛び上がりそうになる。
(「うわっ……想像してたよりも……大きい……!」)
 斗真の眼前には、ニュースサイトで確認した姿と同じ、大きくて丸々とした黄色と黄緑色の鳥の姿があった。鳥はばくりと一口で斗真が置いた焼菓子を食べてしまったが、鳥って……焼菓子食べても平気でしたっけ……教えて下さい鳥クラスタの皆様……!

「【影の追跡者の召喚】……そおっとね、気をつけてね」
 食べるものを食べたら用は済んだということなのか、あっという間に再びその巨体をいかなる力でか羽ばたきで舞い上がらせると、飛び去ってしまう巨大な鳥。
 その尻尾を逃すまいと、斗真はすかさず「影の追跡者」を召喚してその後を追わせる。

『五百雀です 鳥を見つけたので影の追跡者をつけました 多分ですが、目的地は○○公園だと思いますのでよろしくお願いします』

 猟兵たちのチャットグループに発言したすぐ後、そうだと思いついて付け加える。

『あと、焼菓子を買ったので後でみんなで食べませんか?』

 しかも斗真さんの自腹ですよ……! やさしいですね……!

成功 🔵​🔵​🔴​

鮫島・冴香
…ご馳走様でした(手を合わせ)

…囚人が脱獄…!?(スマホを見て)
ここまで報道されているならば警察は既に動いているわよね
知人の交通課に連絡とって検問箇所と状況を… ※休職中の刑事
…鳥?

オブリビオン、ということね…
警察の対処も信じつつ、私も足で捜索するわ

■行動
スマホのSNSを逐一チェックし、犯人画像などに写り込む
景色や看板、手がかりを元に聞き込みや脚を使って捜索活動を行う

鳥の写真を道行く人に見せながら
「この鳥、もしくは景色に見覚えはないかしら?」と聞き込み
情報なくても
「有難う。危ないからこのまま避難をお願いするわ」と
被害なさそうなお店への誘導を

見つけたら他の猟兵に連絡を!

※アドリブ&絡み大歓迎!


クロト・ラトキエ
僕だって~、スマホぐらい持ってるんですよ?
こんな格好ですが!(UDCアースでも浮かない)

同じサイトにアクセスしてみて。
どう見てみても鳥は鳥であって。
この写真、収監されてた凶悪犯なんですよね…?
この世界の住人がこの見た目に疑問を抱かないのがまず謎で。
写り込んでる他の何かが犯人の可能性も考えてみて。
…まさか、練習させてた上の者とか、あの教徒の中途半端な祝詞で、
邪神が不完全に顕現した――なんてオチじゃないですよね…?

兎にも角にも。
持ち帰りオーダーしてた自分ナイス。
カップ片手に外に出てみます。
美味い珈琲(これは紅茶ですけど)にならば、囚人だろうが鳥だろうが邪神だろうが、
ふらふら~と寄って…きません??



●しょうごうがえいごのひとちーむ
「……囚人が脱獄……!? そこのあなた、猟兵ね? スマホは確認できる?」
「もちろん! 僕だって~、スマホぐらい持ってるんですよ?」
 鮫島・冴香(Sexy Sniper・f13873)とクロト・ラトキエ(TTX・f00472)の二人は、互いに自身の所持するスマホで突如飛び込んで来た凶報を確認し合う。

「……どう見ても鳥は鳥であって。この写真、収監されてた凶悪犯なんですよね……?」
 クロトからすれば、この世界の住人がこの見た目に疑問を抱かないのがまず謎で。だがそれは、誰ならぬクロトがこの世界の住人から「何のコスプレですか?」と問われないのとほぼ同義であるとは、誰が言えよう。

「……そうね、それは間違いなさそう。ここまで報道されているならば、警察は既に動いているわよね」
 そう言いつつ冴香はアドレス帳から『交通課 石橋』の項目をタップし、電話を発信しながら店の外に出るべく席を立つ。緊急事態とはいえ、店内での通話はいささか憚られた故に。
「え、ええっ、まさか彼女……」
 そのまさかだった。冴香は現在こそ理由あって休職をしているが、実は猟兵であると同時に刑事でもあるのだ。ここぞと人脈を活かして情報収集をしようという訳だ。

 クロトは驚愕しつつも、自身でも何とか情報を得られないかと件のニュースサイトにアクセスし、やっぱりどう見ても鳥なんだよなあと嘆息する。
(「写り込んでる他の何かが犯人、という可能性もあるのでは……?」)
 そう考え、クロトは二本の指で画像を拡大してじっくりと観察するが、写真は恐らく刑務所から提供されたものなのか、街中での目撃情報ではなく明らかに屋内で撮られたものであった。
「……まさか、練習させてた上の者とか、あの教徒の中途半端な祝詞で、邪神が不完全に顕現した――なんてオチじゃないですよね……?」
 大きくて丸々とした鳥。それが犯人、もとい犯鳥。それはどうやら揺るぎない事実のようで。認めざるを得ないようで。クロトは思わず、星羽珈琲店の洒落たシーリングファン付きの照明を見上げてしまった。

 一方、一度店の外に出て通話を始めた冴香は。
「――それで、状況は? 検問箇所があれば……」
『鮫島さん、それがですね……相手が空を飛ぶものですから、検問が実質機能しないんです』
「何ですって? 飛ぶ? あの……大きくて丸々とした巨体で!?」
『そうなんです……! 鮫島さんなら大丈夫かとは思いますが、どうか無理はしないで下さいね』
「……ありがとう、でも大丈夫よ。皆の対処を信じてはいるけれど、どうしても力及ばないその時は……私とその仲間たちとで、必ずこの事件を解決してみせるから」
 そう言うと、簡単な締めの挨拶と共に通話を終える。人々が鳥を大真面目に犯人と目している時点で、既にこれは立派なオブリビオン案件だと、そう冴香は確信するに至った。

 通話を終えたその足で直接街に繰り出しても良かったのだが、ひとつやり残したことがあると星羽珈琲店の店内に戻る冴香。
「――おや、お戻りで」
「ええ、まだ片付けが済んでいなかったから」
 声をかけたクロトに、冴香はテーブルの上に乗ったソイラテがほんの少しだけ残るマグカップを手に取ると、一気に飲み干して返却カウンターへと向かう。空になったマグカップを所定の場所にそっと置くと、両の手のひらを合わせて。
「(……ご馳走様でした)」
 読書も飲食も中断させられてしまったけれど、お仕事ならば仕方なし。素敵なひと時をありがとうと感謝の念をひとつ置いて、冴香は踵を返す。

「他の猟兵の皆と、SNSでチャットグループを作れないかしら? グループ自体は私が立てるから、皆は参加してくれるだけでいいわ」
「なるほど、承知しました。お安いご用ですよ、随時情報も共有できますしね」
 便利な時代になったものである、そう思いながら手際良く即席の猟兵ネットワークを構築する冴香とクロト。二人は手分けして猟兵と思われる者たちに声をかけ、可能な限りの参加を促すと、あっという間にそれなりの規模のグループが完成したではないか。

「それじゃあ、私たちも捜索に出発しましょうか」
 刑事らしく、捜査は足でと意気込む冴香に、クロトは持ち帰りでオーダーしていたティーラテを軽く掲げ、柔らかい笑みを浮かべて返す。
「ふふ、良い捜査のお供になりそうです」
「あら、真面目に捜査してくださるかしら?」
 そう言いつつも、笑みで応える冴香であった。

 二人は手分けして街をじっくり調べて回りつつ、随時スマホで猟兵同士のSNSグループチャットをはじめ、世界最大級の利用者数を誇るSNSもチェックして、最新の情報を常に確保することに努めていた。
 SNSに飛び交う情報はまさに玉石混交、情報の取捨選択を誤ると大変なことになってしまうこともある。とあるSNSのタイムライン上では鳥と聞いてすかさず自宅の愛鳥画像を自慢しあう大会が始まってしまっており、とても事件どころではなく。

「……困ったわね、これはいよいよ現場の情報が大事になってきそうだわ」
 スマホの画面を閉じ、ふうとため息ひとつ、冴香が街を見渡す。道行く人がいれば声をかけ、鳥を見かけなかったか聞きつつ避難を促そうと思っていたのだが、既に避難済みなのか屋内に引きこもっているのか、一般人の気配はない。
 そこで同じくスマホから目を離したクロトが、ふと呟いた。
「……美味いコーヒーや紅茶にならば、囚人だろうが鳥だろうが邪神だろうが、こう、ふらふら~と寄って……きません?」
 芳しい紅茶の香りがよく漂うようにと、神コップにかぶせられたプラスチック製のフタを開けるクロト。

 その時だった。一瞬だった。

 ――ぶわっ! ものすごい風圧と共に二人の猟兵は大きな影に覆われる。どこから現れた!? それを問う間もなく飛来した「大きくて丸々とした鳥」は、ズシイィィィ……ンと地響きを立てて着地するや、クロトが手にしていたティーラテ入りの紙コップをパクリとくわえ、一気に首を上にして中身を飲み干したではないか。

「……寄って、きた……!」
「れ、連絡を!」
 幸い自身には傷一つない、ただまさかの出来事に驚愕するクロトと、スマホに搭載されたGPSを活用し、現在の位置情報を添えつつグループチャットに発言する冴香。

『○○○通りにて犯鳥と接触』

 取り急ぎ、端的に。そしてあっという間に再び地を蹴って飛び去ってしまう鳥を見送った二人は、程なくして他の猟兵からの発言を受けて、とある公園へと向かうこととなる――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

白神・杏華
……えっ? 画像ミスとかじゃなくて? ニュースサイトの人が画像間違えて貼ったんじゃないの? 鳥なの?
鳥なんだ……。鳥かぁ……。刑務所に凶悪犯罪で投獄されていた鳥……?

ええーーーっと。なんか常識が大きく揺らぐ感じがあるけど、とにかく私もスマホで調べてみようか。
その脱獄犯が何で逮捕されていたのか、罪状は何か。
強盗だったら銀行とか、無差別な攻撃とかだったら人の多い場所とか。調べる範囲はある程度罪状で調べられるかも。
場所を絞り込んだら【影の追跡者の召喚】
私と影の追跡者、二人分の視界で色んな所を探すよ。

いやしかし、鳥? 凶悪犯罪を働いた鳥? しかもなんかすごい丸い鳥……? なんで?


更級・杏月
刑務所から脱獄って…
まさか、刑務官倒して出てきた…!?
それに、大きくて丸い鳥……
んー、その鳥に捕まって空から逃げた。のかな?

飲みかけのバニラのやつ片手に、
【第六感】と【野生の勘】で凶悪犯のいるかもーな方向に進みながら
【情報収集】【コミュ力】で大きくて丸い鳥を見た人に聴き込む
凶悪犯の話は怖がられちゃうから、大きくて丸い鳥を見なかったか聞く方向で。
【動物と話す】で動物にも聞いてみよう
鳥とかなら見てる子も多そう

凶悪犯や大きくて丸い鳥を見つけることができたらUC【追跡☆みにうさぴょんまる】でホシの後を追ってもらう
オレもバニラのやつ啜りながら後を追う

*連携、アドリブ歓迎*



●にわかにはしんじがたいですよね
 白神・杏華(普通の女子高生・f02115)と更級・杏月(橙の月とヤミウサギ・f08404)の二人は、ほぼ同時に星羽珈琲店を後にし、店先で思わず顔を合わせた。

「……あの、これって、画像ミスとかじゃなくて……?」
「なあ、刑務所から脱獄って……」

 ほぼ同時に口を開いた杏華と杏月の心はひとつ。
『大きくて丸々とした鳥が凶悪犯で、脱獄囚とかマジ?』
 という思いだった。

「まさか、刑務官倒して出てきた……!?」
「私思うんだけど、これってニュースサイトの人が画像間違えて貼ったんじゃないかなって……」
「んー。もしかしたら、その鳥に捕まって空から逃げた。とか?」
「でも結局鳥は絡んでくるんだ……この図体で空を飛ぶんだ……」
「大きくて丸い鳥……」
「鳥なんだ……鳥かぁ……」

 二人は揃ってガチのマジで鳥なのだろうかとギリギリまでいぶかしむ。せめて情報源が新聞であったなら記事の信憑性もほぼ保証されているのにと、杏華は改めてスマホで表示させていた件のニュースサイトを改めて確認する。鳥だ。何度リロードしても犯人とされるものを示す画像は鳥のままだ。
「速報しなきゃ! って焦って間違えた画像を貼っちゃって、そろそろ気付くかなって思ったけど……」
 ブラウザアプリの、くるんと円を描く矢印部分を何度繰り返しタップしても、記事が修正される様子はない。
「……刑務所に凶悪犯罪で投獄されていた鳥……?」
 杏華の中の常識が、大きく揺らいだ気がした。

「……と、とりあえず、これから街に出て犯人……鳥……? まあ、探すわけだけど、凶悪犯って言うと怖がられちゃうから、あくまで大きくて丸い鳥を探してるっていう体で行こうか?」
 そう提案する杏月の手にはあの超甘カスタマイズのバニラフラペが。飲みかけの所でとんでもねえ事件が舞い込んできて、あわててひとまず店の外に出たは良いが、という状態だったのだ。
 一般人のほとんどもあの速報を見たことだろう、正体が本当に鳥だろうが実は人でしたというオチだろうが、凶悪犯という響きはどちらにしてもよろしくない。細やかな心遣いである。

「そ、そうだね……でももうちょっとだけ、下調べしてみようか」
 頷きながらも杏華は慣れた手つきでスマホを操作し、脱獄犯についての情報を思いつく限りの検索ワードを使って調べ上げる。己の勘に任せてさっそく街に繰り出そうとしていた杏月も、おっと思わず杏華のスマホを覗き込む。
(「うっわ、フリック入力の速度めっちゃ速いぞこの子!」)
 シュババババ。まさしくそんな擬音がピッタリだなあなどと思いつつ、激甘バニラフラペを隙あらばすする杏月。そうこうしているうちに杏華が小さく声を上げた。

「……名前は『セキセイさま』、罪状は……『かわいいから』……???」
「……ほへ???」
 杏華は真剣だった。それはもう真剣に調べた。脱獄犯の罪状がわかれば――例えば強盗だったならば銀行であるとか、無差別な凶行に及んだのならば人の多い場所であるとか、ある程度捜索する場所を絞り込む手がかりになればと思っていた。
 それが……紙媒体でも歴史ある信頼するに足るとある大手の新聞社が発信したニュースの過去ログで判明した、厳然たる事実であった。

「こ、こ、これじゃあ……場所を絞り込むどころじゃ……」
 思わずスマホを持ったまま顔を覆いしゃがみこんでしまう杏華に、しっかりしろとばかりに杏月が精一杯のはげましの声をかける。
「そ、そこまで分かれば充分! 多分なんだけどこっちの方にいそうな気がするから、とりあえず行こっか!?」
「う、うう……そうだね、こうなったらひたすら探すっきゃないよね……」
 立ち上がるとパンパンとスカートを数度叩き、杏華は杏月の勘を頼りに二人で捜索を開始することにした。
 そりゃあ確かにかわいいは罪とか言いますけれど、本当にその罪状で、しかも鳥が服役するなんて誰が思いますか……。

 車も人の往来もすっかり消えてしまった街を行く杏月と杏華は、これでは誰かから目撃情報を聞き出そうにも叶わないと一瞬途方に暮れかけたが、ある大通りから一歩入った住宅街の路地で杏月が発見したモノにより、事態は急転する。

「ね……ネコチャーン……!」
「えっ!?」
 思わず声を上げた杏月の方を見た杏華は、次にその杏月が熱い視線を送る先に目をやり状況を把握する。
 人間は速報を見て早々に避難をしてしまったが、動物においてはお構いなし。路地を行く茶トラの猫が、二人の正面からトコトコと歩いてくるではないか。
 杏月はすかさずしゃがみ込み茶トラと目線を合わせると、再度ネコチャーン……と声をかける。一瞬ピタリと歩みを止める茶トラのネコチャーン。しまった。警戒されたか!?

「ニャニャン、ニャー(こんにちは、この辺で大きくて丸い鳥を見なかった?)」
「! ニャーオ(お前、話せるクチか)」
(「こ、これが……動物と話すテクニック……!」)
 あえて相手の言語に合わせることで歩み寄りの姿勢を見せていく高度な会話術により、杏月は見事茶トラとのコミュニケーションに成功する。一方の杏華は一人と一匹がニャンニャン言っているだけにしか聞こえないながらも、ああそういうことなんだなと察する。猟兵同士だもの。

「ニャニャ、ニャン(黄色と黄緑のやたらデカい鳥なら○○公園の方に飛んでいったぜ、ついさっきのことだからまだいるかはわからんが)」
「ニャーーーン(ありがとう! バッチリ!!)」
 なんということでしょう、茶トラさんから具体的な場所の指定が! 激しく首を縦に振りつつサムズアップする杏月と、なるほどわからん的な顔をする杏華。

「……あれ、メッセージが」
 そこで杏華が懐からの微かな振動に気付く。SNSの新着情報だ。

『○○公園にて目標(たーげっと)の目撃情報あり、周辺の猟兵は注意されたし』

「「○○公園!!」」
 杏月と杏華の声が見事にハモる。もはやユーベルコードを発動させるまでもなかった。スリっと杏月の足にすれ違いざまに身体をすり寄せた茶トラを二人でお礼代わりに数度なでてやると、指定された公園に向けて走り出すのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 集団戦 『セキセイさま』

POW   :    ガブリジャス
【嘴で噛み付くこと】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    あわだまおいしい
戦闘中に食べた【あわだま】の量と質に応じて【全身の羽毛】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    セキセイまみれ
【沢山のセキセイインコ】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

●ごあんない
 第3章のプレイング受付日時は、追ってご連絡致します。今しばらくお待ち下さい!
●きょうあくだつごくしゅう、けんげん
 あるいは無人の街を駆け己の足で、またあるいは星羽珈琲店を拠点として、猟兵たちは力を合わせ『凶悪なる脱獄囚』の調査を行った。
 結果、たどり着いたのは――繁華街からやや離れた住宅街に設けられた、比較的大きな規模の公園だった。近年、鉄製の遊具などは万が一を懸念されて撤去されたりしがちだが、ここではどうやらそういうことにはならずに残されているようだ。

 ――曰く、犯人ならぬ犯鳥は「大きくて丸々とした、黄色と黄緑色の羽毛を持つ」。
 ――曰く、犯鳥の罪状は「かわいすぎるから」。

 公園に集まった猟兵たちは、敵は一体いかなる存在なのかと改めていぶかしむ。いや、具体的な姿形も罪状も明白にはなったのだが、それでもやはり……ねえ?
 そんな時だった。猟兵たちの頭上が不意に暗くなる。ハッと顔を上げたその先には、大きくて丸々とした、黄色と黄緑色の……!

「セキセイインコ……!?」

 そう、あまりにも丸っこすぎてそう認識するのに若干時間がかかったが、落ち着いてよく見れば、この鳥はセキセイインコと呼ぶのがふさわしいだろう。

『シツレイナ! セキセイサマトヨベ!』
「シャベッタアアアアアア!!?」

 そう。人間の言葉を。セキセイさま(自称)は甲高い声で発したのだ。そりゃ多少のことには慣れっこの猟兵さんたちだってビビりますわ。しょうがないね!
 しかも、セキセイさまのサプライズはまだ終わらない。片羽をバッと上げると、突如周辺の空から、ほぼ見分けのつかない同個体的な存在が、わんさか集まってきたではないか! そう、これはボス戦ではない。集団戦だ……!

『ニンゲンナンカニトッツカマルトハ、オマエモシクジッタナア』
『バーカ、ワザトツカマッテカラニゲルノガタノシインダヨ』
『ワカルワー、チョットモフラセテヤレバチョロイカラナー』

 人間を完全に下に見た会話を繰り広げるセキセイさまたち。可愛いナリで可愛げのない内容、嫌いじゃないぜっていう人もいるのではないでしょうか。
 ところが、聞き捨てならない決定的なセリフが飛び出した所で、このセキセイさまの本性が暴かれる!

『ホントハ、テナヅケタニンゲンニマッチャフラペヲサシイレサセテカラダッソウシヨウトオモッテタンダガ……イツマデタッテモコナイカラ、モウイイヤッテ』

 お前か! お前が邪神様の正体だったんか! こりゃ可愛いは罪だわ! 倒さなきゃ!
 猟兵たちが各々の得物を構える。近隣の住人は既に自主避難済み、思う存分戦える。
 さあ、街の平和を取り戻すべく、戦いに挑むのだ……!

●ごあんない
 プレイングの受付は「5/22(水) AM8:31」より承らせて下さい。
 長らくお待たせしてしまい大変申し訳ございません、最後の戦い、皆様のお力添えを頂戴できますと幸いに存じます。よろしくお願い致します!
満月・双葉
その毛毟らせろ。布団にすっから。
中身はうちのねこ(っていう名前の猫)が食べたいってさ。
(姉にフルートで以下略)

うちもフラぺみたいなのあれば繁盛するかなぁ…(はっ)ニコさんが真の姿で来店……

敵の攻撃は余裕があれば、大根や馬の置物で武器受けして、シードバッシュで殴り飛ばします。
余裕がなければオラトリオベールのオーラ防御で受け止めて…僕の手にかかればライターが武器改造されます。(ライターの火花が自分の漏れ出た魔力でちゃっかしてドカン【属性攻撃】(炎))


手に負えなければユーベルコードで手伝ってくれていたおねーちゃんと一体化して
真の姿(黒いヤツ)でスピードを上げて魔力で練り上げた刀で切り刻みます


向坂・要
コーヒーのお供は焼き鳥ですかぃ
いや、どっちかってーと手羽先の方がいいんですかねぇ?

あー、でもあんま美味しそうじゃありやせんね
なんて嘯いて

静かに放たれた八咫影戯で広がった感覚に【第六感】もあわせ視覚に頼らず全体を俯瞰で捉え
「右眼の視線の先の空間」という認識を座標とし生み出された暉焔の炎は時に合わさり時に分かれ敵のみを燃やしていく

(味方との連携、絡み、アドリブ歓迎)

戦闘後は
帰りに頼んでおいたドリンクを回収しないと、と思いつつ
(そういや兄さんの好み聞き損ねてましたねぇ。ついでに限定品もあれば買って帰りますかねぇ)なんてニコさんへのお土産(サプライズ)を楽しげに考え



●せきせいさまのゆうこうかつよう
 もっふもふ。もふもっふ。一体だけかと思われた凶悪犯ことセキセイさまが突如仲間を呼んだことにより、公園はもふりフェスティバル……いや、オブリビオンだらけの戦場と化した。
 見た目こそ愛らしいがどの個体も揃って腹黒そうなセキセイさまたちを、猟兵たちは一羽残さず骸の海に還さねばならない。そうして最初の一歩を踏み出したのは満月・双葉(星のカケラ・f01681)と向坂・要(黄昏通り雨・f08973)の二人だった。

「その毛毟らせろ、布団にすっから」
「コーヒーのお供は焼き鳥ですかぃ」
『ヒェッ……カイマクカラサツイタカイ……』

 果たしてセキセイさまの抜け毛は布団にできるようなフワフワ素材なのだろうか。確かにこれだけの数のセキセイさまから色々むしれば布団の一枚もできるかも知れないが、寝心地の方はどうなのだろう。
 そんな訳で、のっけから羽毛や肉を直球で狙われて思わずおののくセキセイさま。この猟兵ども、戦う前から既に勝った気でいやがる……! 勝って素材をゲットする前提で話をしてやがる……!
 もちろん、それくらいの気概で戦に臨むくらいがちょうど良いというもの。さてどうしてくれようかと、双葉と要は言葉を続ける。

「中身はうちのねこ(註:そういう名前の猫です)が食べたいってさ……あ痛っ」
「いや、どっちかってーと手羽先の方がいいんですかねぇ……って大丈夫ですかぃ?」
 羽毛はお布団にした上で、残された肉の部分は猫に食べさせたいと直球で願望をぶつけた双葉の後頭部を、ユーベルコード【死した片割れ(ミツキカナ)】によって召喚された双子の姉が手にしたフルートで容赦なくぶん殴る。フルートは鈍器だった……?
 そんな過激なツッコミを目にした要は思わず双葉の身を案ずるも、まあ多分大丈夫でしょうといよいよセキセイさまに向き直る。

「あー、でもあんま美味しそうじゃありやせんね」
『ウマイウマクナイノモンダイジャナイ!』

 食べるの前提で話するのやめて!? そんな思いをいっぱいに込めて、セキセイさまは両羽を広げる。するとどこからともなく、今度はちっちゃな……というか、一般的なサイズのセキセイインコがそれはもうたくさん現れて、双葉と要目がけて襲いかかる!

「あいたた……何かこんな映画があったような気がしますね」
 したたかに殴打された後頭部をさすりながら何とか立ち直った双葉は、迫る大量のセキセイインコたちに対して愛用の大根(冷静に考えるとこれ結構なパワーワードですよね)を真一文字になるように構え、くちばしや足による地味に痛そうな攻撃を受け流していく。
 要もまともに向かい合うと視界を一面の黄色と黄緑に染め上げられそうになるのを回避すべく、持ち前の第六感を活かしつつ『戦場全体を俯瞰で捉える』ことに意識を集中させる。

「くっ……僕の大根を、つついて食べるとは……」
「満月の姉さんさっきから本当に大丈夫ですかぃ!?」
 さあ反撃だとユーベルコードを発動させようとしていた要が、防御に使っていた大根を次々とついばまれて徐々に文字通り削られていく双葉をまたしても気遣う。盾代わりに使っていた武器そのものがなくなってしまっては、さすがに危ない。
「大丈夫、こういう時のオラトリオヴェールによるオーラ防御です!」
 散々ついばまれてボロボロになった大根を思い切って放り投げた双葉は、虹色の光のヴェールで襲いかかるセキセイインコの群れから身を守りつつ、手にしたのは一見何の変哲もないライター。

「……僕の手にかかれば、ライターもほらこの通り」
『ピイィーーーーッ!!?』
 一瞬、双葉が不敵に笑んだような気がした。直後、火花を散らしたライターが爆発を起こし、付近のセキセイインコたちを巻き込んでいく!
 何が起きたのか? 双葉から常にあふれ出ている魔力が、炎の属性を持って火花に引火したのだ。一種の武器改造とも言えるこのような用途であれば便利だが、この体質のせいでスマホも所持できないというのだからなかなかに難しい。

 一方の要も双葉の様子を見て今度こそ本当に大丈夫でしょうと判断し、今度こそ自身の反撃に集中をする。今、要が視ている光景は俯瞰の景色。その中でも特に『右眼の視線の先の空間』という認識をまるで地図でも見ているかのように座標として――。
「――避けられますかぃ?」
『ピッ、ピーーーーッ!!』
 要の右目は眼帯によって覆われている。だが、実際の視覚に頼らず認識として把握さえすれば、必殺の【暉焔(キエン)】は発動する。生み出された炎は渦を巻くように要の周囲を取り囲んでいたセキセイインコたちを、時に合わさり時に分かれ、次々と燃やしていく。

「満月の姉さん、行けますかぃ?」
「そうですね、セキセイさまを毟らなければ」
 むしるむしらないはさておき、敵の攻撃を退けただけではいけない。本体であるセキセイさまの数も減らさねば。
 双葉は先程召喚した姉を呼び寄せると、何やらゴニョゴニョとやり取りをした末に――今度はフルートで殴打されることなく、自らの身体に取り込んだではないか。
 するとみるみる双葉の外見が変わっていく。黒髪ロングのツインテールに深いスリットの入った色気溢れる衣装のこれは――真の姿だ!

『ナ、ナンダト……!?』
「お黙りなさい、捌きますよ」
『ギャアーーーーーッ!』
 そう言いつつ、既に双葉は行動していた。猛然とセキセイさまに襲いかかると、逆手に持った二振りの刀で、答えは聞いてないとばかりに本当に切り刻んでいく。それにしても悲鳴まで可愛くないんですね……。

 アッこれもう任せておいても大丈夫なヤツだと遠巻きに眺めつつ、要は星羽珈琲店にて持ち帰りで注文しておいたドリンクのことに思いを馳せる。
(「帰りに忘れずに取りに行かないと……そういや兄さんの好み聞き損ねてましたねぇ」)
 ザシュッザシュッと双葉さんが元気にセキセイさまをさばいている横で、ついでに限定品もあれば買って帰りますかねぇ、とグリモア猟兵へのサプライズお土産を楽しげに考える要さん。お心遣い……恐れ入ります……!

 ある程度セキセイさまをさばいた(物理)双葉も、さすがに疲れたのかふぅと一息ついて周囲を見回す。せっかく呼んだ大量の援軍をいきなり無双状態でなぎ倒され、ヒェッとその丸っこい身体を震わせるセキセイさまたちを見て、アッこれなら余裕だわと判断し、最初に訪問した星羽珈琲店と自身が店員を勤める喫茶店に思考を巡らせる。

(「うちもフラペみたいなのあれば繁盛するかなぁ……」)
 そしてここでハッとなる双葉。
(「フラペを用意したら、ニコさんが真の姿で来店……」)
 しません! すまんな! あと喫茶店経営頑張って下さい!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

榎・うさみっち
星羽珈琲店で抹茶フラペチーノを飲んでパンケーキを食べて
更に小腹が空いたからサンドイッチとデニッシュとプリンを
楽しんでいたらいつの間にか邪神が見つかっていただと!

ちっさくて可愛いのに生意気な態度だなこいつら!
うさみっち様が口の聞き方ってものを教えてやんよ!

戦闘中はずっと【動物と話す】を試みる
これでもっと会話がスムーズになる、つまり
台詞に平仮名と漢字が入って読みやすくなるはず!(メタ)

いでよ【こんとんのやきゅみっちファイターズ】!
向かってくるセキセイさまを容赦なく球代わりにホームランしてやる!
ただ釘バットは可哀想だから応援用バットにしといてやろう!
やきゅみっち推し球団がプリントされた特別仕様だ!


杜鬼・カイト
ちょっと!?
オレが星羽珈琲店でほうじ茶ラテとクッキー堪能してる間に事件進展してるじゃん!?
いつまでも呑気してる場合じゃない、オレも加勢しに行かなきゃ!
急いで現場に向かう

相手はセキセイインコ?
とっても可愛い見た目してるけど……
「まあでも、敵だっていうんだから、仕方ないよね」
「じゃあ、遠慮なく壊してあげるね♪」
薙刀を構えて笑顔で宣言

可愛い見た目に騙されないように警戒しながら
【聞き耳】による音をたよりに【見切り】で敵の攻撃を回避
セキセイインコに囲まれそうになったら薙刀の【なぎ払い】で牽制、と同時にその【衝撃波】で攻撃

可愛いのは認めるけど、手加減とかしないから
本気でやりあおうね♪

■アドリブ歓迎



●きっさてんでのんびりしてるまに
「星羽珈琲店で抹茶フラペを飲んでパンケーキを食べて、更に小腹が空いたからサンドイッチとデニッシュとプリンを楽しんでたら、いつの間にか邪神が見つかっていただと!」
「ちょっと!? オレが星羽珈琲店でほうじ茶ラテとクッキー堪能してる間に事件進展してるじゃん!?」

 仲良しさんかな? 榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)と杜鬼・カイト(アイビー・f12063)の二人は、凶悪犯脱獄の報にも動じることなくゆるりと星羽でのひと時を堪能していたご様子。
 そんな二人も「邪神発見」の猟兵SNSチャットグループからの一方にはさすがに反応せざるを得なかったのか、急遽現場として記された公園に飛んだり走ったりしながら駆け付けたのだった。

『ナンダァ……テメェラ……アノカフェニイタノカ……』
 最初のジェノサイドを逃れ今なお多数残るセキセイさまの中から、抹茶フラペをご所望した個体――脱獄囚の本体だ――がゆらりと殺意マシマシで一歩(?)前に出る。
「あぁん? ちっさくて可愛いのに生意気な態度だなこいつら!」
「そうだね、とっても可愛い見た目してるけど……」
 お前がそれを言うか、そんなツッコミを入れたくなった方も多いのではないだろうか。うさみっちがちっさくて可愛い身体で目一杯の身振り手振りを交えながらお怒りになる。
 一方、事前に得た情報で「相手はセキセイインコ」ということは把握していたものの、実際に目にするまではギリギリまで半信半疑だったカイトも、セキセイさまたちのこの言動にはなるほどと納得してしまう。

「まあでも、敵だっていうんだから、仕方ないよね」
 ちゃきっと笑顔で愛用の薙刀を構えるカイトさん、目が! 目が笑ってません! 殺る気に満ち満ちてます! ねえ本当に仕方ないって思ってます!?
「うさみっち様が口の聞き方ってものを教えてやんよ!」
 シャキーン! と片腕をピンと伸ばしてポーズを決めるうさみっちさんも熱い教育的指導をぶちかます気マンマンです。アレかな? 可愛いのに口が悪いキャラ被り絶対許さない明王かな?

『面白い……ピンクの塊、どう教えてくれるってんだ?』
 説明しよう! ここからはうさみっちの「動物と話す」テクニックで、セキセイさまたちの口調がオールカタカナから通常の漢字とひらがなで構成された、読みやすい様式に変換されます! ありがとうさみっち!

「ん、ヤっちゃう? じゃあ、遠慮なく壊してあげるね♪」
 薙刀の切っ先を向けて、カイトはそれはもう良い笑顔で宣言した。コワイ! 態度はデカいが意外とビビリなセキセイさまたち、その構えだけで既にヒェッとなる。思い出されるのは先程の虐殺……明日は我が身か、我が身なのか!?(そうです)

「いでよ! 【こんとんのやきゅみっちファイターズ】!」
 うさみっちも次は指先を高々と天に向け、ユーベルコードを発動させる。UDCアースで活躍中の2リーグ12球団を余すところなく網羅したユニフォームを身にまとったうさみっち野球団が釘バットや鉄球を手にして――ない!?
「何か釘バットは可哀想だから今日は応援用バットにしといてやろう!」
 温情措置だ――! うさみっち野球団はそれぞれの推し球団オフィシャルグッズでもある、応援の時に打ち鳴らす二本一組の応援用バットを手にしていた。

『ビビるんじゃねえ! 俺たちのもふもふをもってすれば、あんな薙刀屁でもねえ!』
『ナメられたものだな、手加減などしている余裕あんのか?』
 ああ、平易な表記にしてもやっぱりお口が悪いことには変わりなかった。これは救いようがないなと、何となく分かってはいたものの改めて再確認させられたカイトとうさみっちは、それぞれの戦いを開始する。

(「可愛い見た目に騙されないようにって思ってたけど……」)
 口を開けば台無しだね、そう思いつつカイトは自身に向けて放たれた大量のセキセイインコたちを一瞥し、そっと瞳を閉じて集中する。
 よく耳を澄まし聞き耳を立て、セキセイインコのさえずりや羽音に深く注意を傾ける。四方八方から迫り来る気配の中から、ひときわ音の大きな箇所に気付くや否や、カイトは瞳を閉じたまま半身だけ反らしてすいとセキセイインコの飛びかかりを回避。
(「突っつこうとする直前に鳴くの、バレバレだから止めたら? って教えてあげた方がいいかな?」)
 無論、本当に助言をする気は毛頭ないが。ふふ、と知れず笑みが漏れるカイトを、遂にセキセイインコの群れが数に物を言わせて包囲した。

『ピイィーーーーッ!!』
「――【巫覡載霊の舞】」

 一斉に鋭いくちばしで襲いかかろうと一際大きい鳴き声を上げたセキセイインコたちを迎え撃つように、カイトがその赤と青に彩られた瞳を開き、ユーベルコードを発動させる。
 肉体はより高位の存在である神霊体へと変化し、手にした薙刀が淡い光をまとう。カイトは愉しげにそれを思い切り左から右へと大きく振るい、セキセイインコたちをまとめてなぎ払う!
「可愛いのは認めるけど、手加減とかしないから。本気でやりあおうね♪」
『ピッ、ピィッ!?』
 横に薙いだ薙刀を半ば無理やり戻すように大きく頭上に振り上げると、にっこり笑顔でカイトはぶぉんと薙刀を振り下ろす。
『ピピーーーーッ!!』
 全力で振り下ろされた薙刀から放たれた衝撃波は、まさにカイトの本気だった。すさまじい勢いでカイトの視界にいたセキセイインコたちが吹き飛ばされていく。

「……ひと段落したら、帰りにまた星羽に寄ろうかな。兄さまにもお土産買って帰ろ♪」
 次はお前だ、そう言わんばかりに薙刀でセキセイさまを指し示す。早く片付けて、愛しの兄さまの許へ帰ろう。邪魔をするなら――許さないよ?

 一方のうさみっちは、一般的な体格の人間から見てもばかでっかいセキセイさまを、召喚したやきゅみっちたちを駆使してパカーンパカーンと次々ホームランしていた。
『き、貴様……! そのちみっこいボディのどこにそんな力が……!?』
 次々と日中の星となり消えていく仲間を為す術もなく見送りながら、セキセイさまのうちの一体が狼狽した様子で言葉を漏らす。
「やきうはな! 体格じゃねーってことを! 思い知れ!」
 そう、恵体信仰は最早昔の話……おっと話が完全に脱線してしまう。やめようこの話は。とにかくうさみっち監督率いるやきゅみっち軍団による重量打線は、隣のカイトに負けず劣らずの戦果を上げていた。やったねやきゅみっち! 打者全員安打も夢じゃないね!

『おのれ……こうなったら乱闘じゃ! 監督の貴様からツブす!』
「なっ!? 審判呼ぶぞテメー! 退場覚悟なんだろうな!」
 遂にキレたセキセイさまの一体が、猛然とうさみっちの背後を取り至近距離からのガブリシャスを狙う。間一髪のところで小さな身体を活かして回避するうさみっち、内心ドキドキヒヤヒヤであった。

 ――この日の試合は、壮絶な乱打戦となった末に、二桁得点を上げたやきゅみっちファイターズの勝利となった。やったねやきゅみっち! 今日はヒーローインタビューよ!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

真守・有栖
もふもふ。しゃべる。なまいき。

とっっっても可愛いじゃないの!?
この愛くるしさは現行犯だわ!
これはすぐに逮捕(もふもふ)しなくてはいけないわね!?

犯鳥の一羽は抹茶ふらぺをご所望、と?

ふん。この迅狼たる私にそんな要求が……通すに決まってるわ!待っててっ

わおーん!と狼に変身っ

わっふわっふと地を駆け、空を駆け。
全力疾走でお店に戻り、お姉さん特製の抹茶ふらぺを注文!
慎重かつ迅速に公園にお持ち帰りするわ!

ぜぇ…っ……これが飲みたかったんでしょ?
大人しく確保(もふもふ)されるなら、飲ませてあげてもいいわよ?

ふーん。そう?
いらないなら私が飲むわよ?

犯鳥ぐるーぷとの交渉。
互いに譲らぬ話し合いの行方は如何に……!


クロト・ラトキエ
本当に邪神でしたかー。
しかも祝詞ではなく只のオーダーでしたかー…
実にツッコミ不可避!
何だかんだとアラフォーですので、世のcawaiiはよく分かりませんが、
アレが人様にとって『モフりたい』なる形状なのは分かります。
群れるといっそ威圧感半端ないと思うんですけどね!
とりあえず(主に中身が)大変凶悪犯なのは理解しましたので、
ささっとヤっちゃいましょうか♪

トリニティ・エンハンス使用、風の魔力で攻撃力強化。
…丸いですねぇ。
チョコやホイップ足してる場合ではないのでは?
見切りにて負傷は極力避けつつ、
カウンター気味に嘴へ鋼糸を掛け、引き断つ2回攻撃。

それにしても、可愛いが罪になる…。
何とも油断ならない話ですね!



●はなせばわかる、はなせば
 こんだけ数揃えりゃ負ける気せーへん状態だったセキセイさまサイドの雲行きがいよいよ怪しくなってきた。公園にはまだまだもふもふしたセキセイさまが満ち満ちているが、猟兵たちの手にかかれば実は結構チョロいことが明らかになりつつある……!

『ウ、ウウ……オノレリョウヘイ、スキカッテシヤガッテ』
 ぷるぷると丸々とした身を震わせるセキセイさまに、クロト・ラトキエ(TTX・f00472)が耐えきれず声をかけた。
「本当に邪神でしたかー。しかも祝詞ではなく只のオーダーでしたかー……」
 実にツッコミ不可避! 見た目の可愛さで崇拝の対象にまで成り上がり、挙句信徒に要求したのは抹茶フラペ。マジかよそれでいいのかUDCアースの邪教事情。

「もふもふ。しゃべる。なまいき」
 その横で魅力的な肢体をセキセイさまに負けないくらいふるふるさせながら、真守・有栖(月喰の巫女・f15177)が小さく呟く。おや、とその様子を見たクロトが次に耳にしたのは、有栖渾身の、魂の叫びだった。
「……とっっっても可愛いじゃないの!? この愛くるしさは現行犯だわ! これはすぐに逮捕(訳:もふもふ)しなくてはいけないわね!?」
『ヒェッ……ベツノイミデヤベーノキタ……!』
「ああ……」
 セキセイさまが本能的に今までとは別種の身の危険を感じ、クロトが「言わんとすることは分かる」的な声を発する。

(「何だかんだとアラフォーですので、世のcawaiiはよく分かりませんが……アレが人様にとって『モフりたい』なる形状なのは分かります」)
 クロトさんアラフォーってマジすか……でも人間って男女を問わず歳を重ねるにつれて深みを増していくのでそれはそれで良きです……。
 そんな訳で、有栖がセキセイさまをもふもふの刑に処したいという気持ちにも理解を示す。ひとまず様子を見守ることにした。

 有栖はずずいと一歩踏み出すと、ずらりと並んだセキセイさまたちをそれはもうじっくりとねっとりと眺める。
「犯鳥の一羽は抹茶ふらぺをご所望、と?」
『オ、オウ……コイツデス……』
『コラ! ソンナアッサリトウリトバスナ!!』
 見た目はまったくおんなじ個体であるセキセイさまたちの中から、手羽で背中を押されてずずいと有栖の前に突き出される格好となったのは、まぎれもない今回の事件の元凶その人ならぬ鳥であった。それにしてもあっさりと味方を売るなあ!
 有栖は遂にご対面を果たした犯鳥にさらに迫ると、人差し指を突き付けて言葉を紡ぐ。

「ふん。この迅狼たる私にそんな要求が……」
『ヨウキュウガ……!?』
「通すに決まってるわ! 待っててっ」
『エッッ』

 今自分がやり取りした会話の内容をよく理解できないでいるセキセイさま(脱獄囚の凶悪犯)をその場に残し、わおーん! とちょっとわざとらしい感じが拭えない遠吠えをひとつ、狼に変身するや有栖は突然走り去り公園を後にしてしまった!

『……ナ、ナンダッタンダ』
「すみませんね、ちょっとだけ待っててもらっていいですか?」
 自然と取りなす側の立場になってしまったクロトが、咄嗟の機転を利かせて人当たり……いや、鳥当たり? の良い笑みでセキセイさまを待機状態に持っていく。
 実のところはクロトも有栖が何を考えて狼変身で走り去ってしまったのか把握できていないのだが、ここは味方を信じるしかないと踏んだのだ。

 わっふわっふと地を駆け、空を駆け(【止足“空駆”】により、こんな芸当も出来ちゃうのだ)、狼の脚力を活かして全力疾走でやって来たのは――星羽珈琲店。
 人間の姿に戻ると急いで店内に飛び込み、何といまだにレジカウンターに立っていた店員のお姉さんの姿を確認するや、有栖は店員に頼み込む。
「お姉さん! お願い、オススメのカスタマイズでとびっきり美味しい抹茶フラペを作って!」
「は、はい……! こんな大変な時にご来店ありがとうございます、では……」
 何やらダカダカとレジを高速で打つ店員のお姉さん。あれこれカスタマイズしているのだろう、有栖の期待は高まるばかり。思わず尻尾が揺れてしまう。

「――では、グランデバニラノンファットアドリストレットショットノンソースアドチョコレートチップエクストラパウダーエクストラホイップ抹茶クリームフラペチーノで承らせていただきます!」
 じゃかじゃかちーん☆ お会計を済ませて受け取りカウンターに向かう有栖に、抹茶フラペを作ってくれた別の店員さんが、持ち帰りと聞いて丁寧にカップ固定用の厚紙を敷いた紙袋に入れて手渡してくれる。

(「良かった、これなら狼の姿でも口にくわえて持ち運べるわ! さすが星羽珈琲店、親切丁寧!」)
 洒落た星のロゴが入ったショッパーを手に店を後にした有栖は再び狼変身、今度は慎重かつ迅速に街を駆け抜け、公園に抹茶フラペをお届けに上がる!

「戻ったようですね……あ、あの紙袋は!」
『オ、オマエ……マサカ……』
 一定の距離を置きつつ互いに手を出さず有栖の帰りを待っていたクロトとセキセイさまたちが、公園の入口でぜえはあと荒い息をつきながら星羽珈琲店の紙袋を手に立つ有栖をいっせいに見る。

「ぜぇ……っ……これが、飲みたかったんでしょ?」
 紙袋から仰々しく取り出したるは、まさに邪教徒たちがオーダーという名の祝詞で手に入れたかったカスタマイズの抹茶フラペそのものであった。
『ソレハ!』
「おっと、大人しく確保(訳:もふもふ)されるなら、飲ませてあげてもいいわよ?」
『……イヤ、リョウヘイガモッテキタマッチャフラペナド、ノメルワケガ』
「ふーん。そう? いらないなら私が飲むわよ?」
『マ、マテ! イラナイトマデハイッテナイ!!』

 抹茶フラペにストローをわざとらしくゆっくりと差し、これまたわざとらしくストローの先端を口元に運ぶ仕草をしてみせる有栖。控えめに言ってエロい。アッすみません何でもないです!
 セキセイさまも、待って待って待ち続けて、ついに我慢の限界で脱獄までキメてしまうレベルで飲みたがっていたカスタム抹茶フラペがそこにあると思うと、不倶戴天の敵である猟兵が持ってきたものだというのに……心が、揺らぐ……!

(「犯鳥ぐるーぷとの交渉。互いに譲らぬ話し合いの行方は如何に……!」)
 内心では極限に近い緊張状態にある有栖、抹茶フラペを持つ手に自然と力が入るのを何とかこらえつつ、セキセイさまの様子をうかがう。
『……ホントウニ、モフモフダケデイインダナ』
「……っ!」
 思わずぱぁっと顔を輝かせる有栖に、そっと両羽を広げて暗に「来い」と示すセキセイさま。
 その胸の中に、有栖は抹茶フラペを片手に思い切り飛び込んでいく……!

 もふっ。

 こうして今回も、羽毛まみれになっていく有栖さんでした。抹茶フラペ? セキセイさま(凶悪犯)がおいしくいただきました!

●これでおわりじゃないんだよなあ
「……さて、群れるといっそ威圧感が半端ない残りのセキセイさまの皆さん!」
『ナ、ナンダ!』
「とりあえず、皆さんが(主に中身的な意味で)大変な凶悪犯なのは理解しましたので、ささっとヤっちゃいますね♪」
『マテ! ヤラカシタノハイマモフモフサレテイルアイツデアッテ』

 問答無用である。凶悪犯の援軍に来た時点でお前ら全員共犯だから!
 【トリニティ・エンハンス】の、風の魔力で攻撃力を強化することを選択したクロトは、至近に迫るセキセイさまの風体を見て改めて思う。
(「……丸いですねぇ。チョコやホイップ足してる場合ではないのでは?」)
 ただでさえ高カロリーなフラペを、色々マシマシにしているあたりがその要ダイエット案件なボディの原因なのでは? などと思いつつ、繰り出されるくちばしアタックをヒョイとかわす。

『オレノコンシンノイチゲキヲ……!』
「すみませんねぇ、見切りにならちょっとばかり自信がありまして」
 悔しがるセキセイさまに、飄々とした笑みで返すクロトは、これで終わりではないとカウンター気味についぞ今自分を狙って突き出されたくちばしに鋼糸を引っ掛けると、思い切り容赦なく――引き断った。

『……ッ!!』
 痛かっただろうが、それも一瞬。セキセイさまはあっという間に骸の海へと還される。クロトは鋼糸をキュイッと引くと、いまだ群れをなすセキセイさまを見やる。

「……さて、次はどなたから行きますか?」

 一方の有栖さんは、めっちゃくちゃ羽毛まみれになりながらもふもふを堪能していました。もふもふされている側のセキセイさま(凶悪犯)も、ねんがんの抹茶フラペを手に入れてご満悦のご様子。
 win-winの関係とは良く言ったものですが、後でそいつもちゃんとやっつけましょうね!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユーイ・コスモナッツ
あの丸々とした風体なら、
小回りはきかないはず……だけど、
私のサイズで叩いたり斬ったりしても、
有効なダメージは与えられなさそう

そこで私は考えました

この一帯に巨体がひしめきあっている状況を利用して、
セキセイさま同士を、
空中でごっつんこ!させられないかと

そうと決まれば行動です
【流星の運動方程式】で宙に舞って、
セキセイさまの上を取ります
そこでシールドから飛び降りて、
セキセイさまの頭の上に着地!
あは、ふかふかで気持ち良いや

ここからが私の「騎乗」技能の見せどころ
羽毛をひっぱったりくすぐったりして、
手近なセキセイさまと空中衝突するよう操ります

巻き添えをくわないタイミングで
反重力シールドをつかまえて離脱します


更級・杏月
ピーチャン達が邪神様だったなんて!
こ、これはかなり凶悪な(可愛さ)…!
…ピーチャン、抹茶じゃなくてごめんだけど、バニラフラペ飲む?
(しかも飲みかけでさらにごめんだけど…!

剣振り回して【2回攻撃】
ピーチャン達はたくさんいるから【範囲攻撃】と【衝撃波】で周りの個体も攻撃
ピーチャン達にたかられたら
あぁっ、可愛い地獄…!
とか言いつつも【殺気】放ったり【激痛耐性】で頑張って耐えて、
【うさぴょんまるにお願い】して追い払ってもらう

ピーチャン達は抹茶フラペ押しなんだね
今度頼んでみるよ!(ただし激甘カスタムで

*アドリブ・連携歓迎*


白神・杏華
セキセイインコ……セキセイインコだね……。そうだね……。
世の中不思議なこともあるもんだね……?

でもセキセイインコなら、その生態もインコと同じなはず。
インコは確か、人には見えない紫外線がはっきり見えてて、激しい光は人間よりも更に苦手なはず。動物園でもフラッシュ禁止だしね。
ユーベルコード「セキセイまみれ」で放たれた大量のセキセイインコに対して、タクティカルライトを照らすよ。ごめんねー……!
そうなれば、インコは光の方には寄ってこないはず。それは明確な弱点だよね!
透破抜きを発動。呼び出したインコは光に弱い! それが弱点だよ!



●けちらしたりあだなつけたりろんぱしたり
 公園を満たしてしまいそうな数が揃っていたセキセイさまたちの群れも、猟兵たちの活躍により順調にその数を減らしつつあった。
 しかしまだまだ健在な個体も多く、何より事件の元凶となった個体が抹茶フラペをうまうましているという状態である。
 悲しいけどこれオブリビオン案件なのよね、一羽残らず蹴散らしていただかないと……!

「ピーチャン達が邪神様だったなんて!」
 飲みかけの激甘バニラフラペを思わず取り落としそうになるのを何とか堪えつつ、更級・杏月(橙の月とヤミウサギ・f08404)が衝撃の事実に打ち震える。こ、これはかなり凶悪な(可愛さ)……!
「セキセイインコ……セキセイインコなんだね……そうだね……」
 画面ではお見せできませんがぐるぐる目になっていると思われる白神・杏華(普通の女子高生・f02115)が、杏月のすぐ隣でうわ言のように繰り返す。
 普通の女子高生である杏華にとって、一般的に連想されるセキセイインコと眼前のセキセイさまとの存在自体の乖離は、ちょっと刺激が強すぎたのかも知れない。

「……ピーチャン、抹茶じゃなくてごめんだけど、バニラフラペ……飲む?」
 杏月はと言えば、意外とあっさりとセキセイさまのことを受け入れただけに留まらず、ピーチャンなる愛称までつける余裕っぷりである。しかも自らの愛する激甘バニラフラペをも差し出そうとしている! 聖人かな!?
「あっあっ、しかもオレの飲みかけでさらにごめんだけど……!」
『イ、イヤ……フラペガスキナノハアイツナンデ……』
 周囲のセキセイさまたちが一斉に目線を公園の奥の方に向ける。そこには猟兵にもふもふされるがままに抹茶フラペを堪能している個体がいるではないか。

「話は聞かせてもらいました! とりあえず手近なセキセイさまからやっつけましょう!」
 ここで颯爽と現れたのはユーイ・コスモナッツ(宇宙騎士・f06690)。常識人来た! これで勝つる! いや常識人すぎてお目々ぐるぐるになっちゃってる杏華さんもいる! 杏月くんも本気出せば強いから! 勝ったな風呂入ってくる!

(「あの丸々とした風体なら、小回りはきかないはず……。だけど、私のサイズで叩いたり斬ったりしても、有効なダメージは与えられなさそう」)
 セキセイさまを慎重に観察しつつ、ユーイが頭の中で分析をする。実のところはセキセイさまと圧倒的な体格差があるフェアリーさんがボコボコにしていたりもするんですが、そこはそれ。

「白神さん、更級さん。私、考えました!」
「ユーイちゃん……!?」
「おおっ、何? 何!?」
 ピコーンと頭上に豆電球を飛び出させるユーイに、杏華と杏月がどうしたどうしたと反応する。ところでこの豆電球で閃いた表現って、LED電球が普及した今だともはや通じない層までありそうですね。心配です。頼む伝わってくれ。

 ユーイは杏華と杏月に耳を貸すようジェスチャーを送ると、集合したところでセキセイさまには聞こえないようにそっと囁く。
「この一体に巨体がひしめきあっている状況を利用して、セキセイさま同士を空中でごっつんこ! させられないかと」
「なるほど、じゃあ私は……援護に回ろうかな」
「オッケー、オレは攻めていくよ!」
 っしゃー! 最後はノリと勢いで円陣を組んで〆ると、三人は一気に散開する。

『オワカレハスンダカ? ゼンインチマツリニアゲテヤル!』
 うわあ物騒な台詞が飛び出したぞ! これもうどの個体が凶悪犯でどの個体がそうでないかとかもう関係ないな!
「では! ユーイ・コスモナッツ、いざ尋常に参りますっ!」
 名乗りも凛々しく、ユーイは【流星の運動方程式(フルアクセルシューティングスター)】を発動させ反重力シールドに飛び乗りあっという間に宙に舞うと、セキセイさまの頭上を取る。
『ニンゲンフゼイガソラヲトブカ、ヨカロウナラバクウチュウセンダ!』
「いいえ、あなたたちはそこにいて下さい!」
 そう言うと同時に、ユーイは何と反重力シールドからおもむろに飛び降りて――真下にいたセキセイさまの頭の上にもふっと着地したではないか!

 これにはセキセイさまもびっくり、一方のユーイは思わずきゅっとしがみ付く。
「あは、ふかふかで気持ち良いや」
『コ、コラ! カッテニモフモフスルナ! オカネトルゾ!』
 逆に言えばお金さえ払えばもふらせてくれるってこと……? 遠目に見守っていた杏華がふと思う。
 そんな杏華は、難を逃れたセキセイさまがちょうど背を向けていた杏月目がけてごくごく一般的なセキセイインコの群れを召喚してぶつけようとしたのを見て、おもむろにつぶやいた。

「――セキセイインコなら、その生態もインコと同じなはず」
『ナニ……?』
 これまでの普通の女子高生オーラから一転、猟兵のそれを隠すことなくむき出しにした杏華は、鋭い視線と舌鋒でセキセイさまと、喚び出されたは良いものの飛びかかるタイミングを逃したセキセイインコの群れに攻めかかる!
「インコは確か、人には見えない紫外線がはっきり見えてて、激しい光は人間よりも更に苦手なはず」
 動物園でもフラッシュ禁止だしね、と付け加える杏華に、ぐぬっとした顔をするセキセイさま。その一瞬の隙を突き、杏華は心底申し訳なさそうにしながら――取り出したのは「タクティカルライト」。ポケットサイズでナイター用照明並の光を放つヤベーやつだ!
 「ごめんねー……!」

 ぺかー。

『うおっっっまぶしっっっ』
『ピィィィィィ!!!』
 思わず目を背ける……というか体ごと光に背を向けるセキセイさまたちとセキセイインコたち。無理無理、絶対無理。
 それを確認した杏華は、油断なく照明をかざしたまま【透破抜き(ディバンク・ブランク)】を発動させて宣言する。
「『喚び出したインコは光に弱い』! それが弱点だよ!」
『クッソオオオオ! チカラガ、チカラガフウジラレルウウウ!』
 電光掲示板の存在からは少しばかり離れているはずの住宅街の公園の中空に、突如良くできたホログラムの広告のようなものが浮かび上がる。そこには、杏華が指摘したセキセイさまの攻撃の弱点が派手に表示されていた。うん、広告費高そうなイメージある。

 ともあれ、セキセイインコの群れでの攻撃は封じることができた。だが、本来杏華に向けて放たれるはずだった至近距離からの強烈なくちばしの一撃が、まだ残っている。
『トッタ!』
「――っ!」
 はっと杏華が振り向けば、セキセイさまのくちばしはすぐ目の前――万事休すかと思われたその時、両者の間にすかさず割って入ったのは、杏月だった。
「させないよっ!」
 勇ましい声と共に、横薙ぎに振るわれたのは「タイヨウの剣」。セキセイさまの黄緑色の羽毛が舞う。まだまだ、と返す刀でさながら十文字斬りのように勢いのままに上から下へと振り下ろされた剣は、セキセイさまを為す術もなく骸の海に還していく。

「ピーチャン達、見れば見るほどたくさんいるよね……」
『バカイエ! コレデモジュウブンオマエラニヘラサレタンダゾ!』
 正直な感想を述べた杏月に対し、半ば八つ当たりで同胞を葬られた憤りをあらわにするセキセイさまたち。しかし、だからといってかける情けは――なくもないが。飲みかけのバニラフラペで良ければ。
 ちなみにそのバニラフラペは、公園のベンチの上に避難済みだ。文字通り存分にその腕をふるえる杏月は、一歩踏み込むとブォン! と音が鳴る勢いで太陽のルーン文字が煌めく魔法剣を今一度横薙ぎにする。
 その勢いで生じた衝撃波が、広範囲にわたってみっちり布陣したセキセイさまに襲いかかる!

『チョウシニノルナヨ! ムソウゲーノツモリカ!』
「ごめん! ちょっと何言ってるのかわかんない!」
 意外とゲーム脳だったセキセイさま、杏月に華麗にスルーされる。しかしセキセイさまはめげない、何せ数の上ではいまだ優位を保っているのだから。
 囲め囲めとわいわいもふもふ杏月に迫るセキセイさま。完全にたかってますね!
「あぁっ、可愛い地獄……!」
 思わず杏月が声を上げる。しかしその歓喜としか取れない言葉とは裏腹に、放たれる殺気が結構すごい。お前らこそ調子に乗りやがって最後は皆殺しだかんな的な。コワイ! 実家のご両親が泣いてますよ!(捏造です)

 囲まれてたかられて時にツンツン突かれてもめげない、だって男の子だから。いやすみませんコレ激痛耐性でしたね。耐えつつ杏月は、遂に奥の手を繰り出した。
「……お願い、うさぴょんまる。オレに力を貸して!」
『……キヲツケロ、ナニカ……クルゾ!』
 セキセイさまが本日何度目かも分からない身の危険を感じ、杏月から距離を置こうとしたその時だった。
 ユーベルコード【うさぴょんまるにお願い】により召喚された、その名もズバリ「うさぴょんまる」なる巨大な黒ウサギが、主にむらがるセキセイさまたちをそのムキムキな腕でぺいっと追い払った。もふもふ対もふもふになるかと思ったらコレだよ!

「ありがとう、うさぴょんまる……!」
 服のほこりを払いながら立ち上がる杏月は、一連の凶行(?)を目撃して打ち震えるセキセイさまたちに向けて、無邪気に言った。
「ピーチャン達は抹茶フラペ推しなんだね、今度頼んでみるよ!」
『ア、イヤ、マッチャスキナノハアクマデアイツデ』
『オレハドッチカトイエバダークモカガ』
 一羽の好みが全体の好みにされては困ると、セキセイさまたちが口々に主張をする。
 それを右から左に聞き流しつつ、どうすれば抹茶フラペを激甘にカスタムできるか思案する杏月くんであった。

 さて、セキセイさまの上に乗っかったユーイさんですが。
「ふふ、もふもふも堪能したことですし、私の『騎乗』テクニックをご覧あれ!」
『アッアッ、ヒッパラナイデ! アアーッ!』
『オイヤメロバカ、コッチニクルナ!!』
 乗っかったセキセイさまの黄色い羽毛を引っ張ったり、羽毛に手をズボッと突っ込んでお肌をくすぐったり。これが……セキセイインコを乗りこなすテクニック……!?
 たまらず頭上に乗ったユーイを振り落とそうと、渾身の力を込めて羽ばたきフワリと宙に浮いたセキセイさまは、同じく飛んで難を逃れようとした別の個体と運悪く――というか、これこそがユーイの狙いだったのだが――空中で衝突してしまった。

 ゴツーーーーーーン!!

 盛大に激突した二体のセキセイさま、哀れ脱落である。乗っていたセキセイさまが消滅する直前、ユーイはそのお身体を踏み台にして跳躍すると、宙に浮いていた反重力シールドのちょうど裏側にあった持ち手を掴みぶら下がる。
「いいもふもふでした、でも巻き添えを喰うわけにはいきませんので……」
 ワイワイとはるか足元でひしめき合うセキセイさまを見下ろしながら、ユーイはヒットアンドアウェイでその場を離脱していった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

古高・花鳥
情報収集および捜索を行ってくれた方々、ありがとうございました

それで、これがそのオブリビオン......ひゃあ、かわいい! ......けれど
オブリビオンである以上は刀を振るわねばなりません
幸い大きな被害もなければ、真っ黒な悪意があるわけでもないようですし......精一杯の情けくらいは

【居合域】で嘴の攻撃を「見切り」ます
それらを【居合受】で全て受け流すように弾き続けて......狙うのは確実に急所を狙える瞬間です
苦しませず一太刀で断てるように【月下抜刀流・花鳥一閃】を

セキセイインコさん、次生まれ変わる時があるのなら、普通のセキセイインコとして出会えることを祈ってます

(アドリブ、絡み歓迎です)


インディゴ・クロワッサン
アドリブ連携大歓迎~
抱えてた依頼は粗方終わったから、戻って来たんだけど…
「うん。でっかい鳥だね」
まぁいいや、町の平和はどうでもいいけど、さっさと倒しちゃおうk………
(暫くの間)
「…ねぇ。あの鳥切り刻んでミンチにしていい?」(とっても低い声。【恐怖を与える】かも)
何か、腹立つ。
【POW】
UC:限定降臨・藍薔薇纏ウ吸血鬼を使用してから【力溜め】しつつ飛び込んで【なぎ払い】で【先制攻撃】。
その流れで【怪力】も加えた【衝撃波】も放ちながら
無駄に力を入れた【気絶攻撃】と【吹き飛ばし】で周囲のセキセイ様を散らせたら、やつあたりで一羽に【吸血】&【生命力吸収】。
「うん、まだロイミフラペの方が美味しいや」



●かえってきたりょうへいたち
 セキセイさまたちは、自分たちを捜索する猟兵たちの数をある程度予測した上で、充分オーバーキルできるだけの戦力を揃えた、つもりだった。
 それが蓋を開けてみたらどうだろう、気がつけば最初に集合した時と比べて実に半数近くの同胞たちが骸の海に還されているではないか。

 セキセイさまたちの最大の誤算は「捜索に参加していた猟兵たちが最大戦力ではなかった」ということに尽きる。中には「星羽珈琲店でずっとまったりしていたり、急遽他の用事で席を外したがまた戻ってきた」猟兵も存在したのだ。
 そう、公園に今まさに馳せ参じた古高・花鳥(月下の夢見草・f01330)とインディゴ・クロワッサン(藍染め三日月・f07157)の二人のように――!

「情報収集および捜索を行ってくれた方々、ありがとうございました」
 先に公園に集合していた探索チームの猟兵たちに、胸に手を当てて深く一礼する花鳥。何という心遣い……そして奥ゆかしさ……!
「それで、これがそのオブリビオン……? ひゃあ、かわいい!」
 お前のほうがかわいいよ! おっと失礼! 花鳥さん、ついセキセイさまの見た目に見惚れてしまう。セキセイさまもこれにはまんざらでもないご様子。

 一方、並行して抱えていた依頼を無事完遂して舞い戻ってきたインディゴも、これ本当に最初はこの倍の数いたの? という顔で居並ぶセキセイさまの姿を見やる。
「うん、でっかい鳥だね」
『ショウガクセイナミノカンソウダナ』
 カチンと来る返しをされた。これはひどい。町の平和はどうでもいいけどさっさと倒しちゃおうとか思っていたところにこれだから、インディゴは思わず押し黙ってしまう。

「……クロワッサン、さん?」
「……」
 これは様子がおかしいと、思わず花鳥がインディゴの様子をうかがう。しばし沈黙を保っていたインディゴが、しばしの間を置いて、遂に口を開いた。

「……ねぇ、あの鳥切り刻んでミンチにしていい?」
「えっ……」
『ヒェッ……』
 ものごっつい低音のイケボだった。そして内容が非常に物騒だった。思わず両手を口元に当てて仰天してしまう花鳥に、本日もう何度目かもわからなくなった身震いをするセキセイさまたち。

「……そう、ですね。オブリビオンである以上は、わたしも刀を振るわねばなりません」
 緊急速報こそ出たものの、実際に一般人や家屋に大きな被害があったかと言えばそんなことはなく。
 だが、真っ黒な悪意があるわけでもないと思ってはいたのだが、今までの猟兵たちとのやり取りをざっと聞くに、このセキセイさまたちは腹の中まで真っ黒であるという可能性も否定できなくなってしまった。

(「……やっぱり、斬ろう。でも、せめて精一杯の情けくらいは……」)
 憤りのままに開幕からユーベルコードを発動させようとしているインディゴをちらり横目にしつつ、花鳥はせめて自分と対峙する相手にはと意を決して佩いている「無銘の打刀」に手をかける。

「我が身に流れし藍色の血よ――【限定降臨・藍薔薇纏ウ吸血鬼(テンポーレア・アオフヴァッヘン)】」
 何と言えば良いのか、このオブリビオンたちは――見ているだけで無性に腹が立つ。故に、最初からクライマックスで行くことにした。インディゴはその代償も顧みず、惜しげもなく己の身を藍色の薔薇を纏うヴァンパイアへと変貌させる。
 でも良かったねセキセイさま、これまだガチのマジの本気じゃないから! もっと本気出すと翼の数が増えたり理性がぶっ飛んだりするそうだから! まだ温い!

『チクショウ、ヤッテヤロウジャネエカヨコノヤロウ!!』
『イクゾオオオオ! オレタチノコンシンノカミツキヲクラエエエエエ!』
 半ばヤケクソ気味になった数体のセキセイさまが、まるで特攻隊のごとく、構えた花鳥と瞑目するインディゴの二人に向かって突撃していく。

「……もっと、愛らしいお言葉遣いかと思っていましたのに。ちょっと、残念です」
『ナ……ニッ……』
 刀に手をかけたまま精神を極限まで集中させていた花鳥の、ほんの一瞬の落胆の言葉と共に、セキセイさま渾身のガブリシャスは空を切る。
 花鳥は、抜刀していた。そしてその刀の鎬(しのぎ)の部分でセキセイさまのくちばしを受け流したのだ。
『ドケッ! オレガヤル!』
『イヤオレダ!』
 一体しのいでもすぐ次が来る。しかしそれらを次々と、文字通り流れるような動作でさばき、弾き、刀を振るいながら花鳥が狙うのは――!?

(「今です……!」)
 くちばしを弾き、のけぞらせたセキセイさまのむき出しになった喉元。そこを狙い澄まして、花鳥は慣れた手つきで刀を鞘に収めると、セキセイさま目がけ突進する。

「月下抜刀、一の太刀!」

 それは、必殺の【月下抜刀流・花鳥一閃】。逆手の居合抜きが一太刀でセキセイさまを両断した。斬られた側は、何が起きたかも理解できぬまま、消滅していく。
 それで良い。花鳥の願いは、苦しませずに相手を送ることだったのだから。

 花鳥が大立ち回りを演じている隙に、そっと力を溜めていたインディゴ――藍薔薇の吸血鬼は、よそ見をしていたセキセイさまの群れの真っただ中に飛び込むなり、その長く伸びた鋭い爪を振るい先手を取っておもむろになぎ払った。
『オワアアア!? ソ、ソウダ、モウヒトリイタンダッタ!』
『ヒキョウダゾリョウヘイ!!』
「どの口が言うんだか……!」
 卑怯だなんて、数の暴力で蹂躙しようと目論んだ側にだけは言われたくない。そういうとこやぞお前! やっぱ腹立つわ!

 そんな訳で、自然と振るう腕に力がこもる。もはやこれは怪力の域だ。何なら衝撃波だって出せちゃう。インディゴさん、これはサービスだとばかりに周囲のセキセイさまを気絶する勢いでおもむろに殴打したり、掌底で公園の柵まで吹っ飛ばしたり。
『ヤ、ヤッテラレネエ……オレハヘヤニモドラセテモラウ!』
「どこへ、行くんだい?」

 がしっ。

 翼を広げて飛んで逃走を目論んだ一体が、インディゴに足をむんずと掴まれ地面に引きずり下ろされる。そして――。

 がぶり。

『アアアアアア!?』
「うん、まだロイミフラペの方が美味しいや」

 ぺっ。

 もうこれほとんど八つ当たりですよね状態である。無造作にインディゴに吸血され生命力まで吸われたセキセイさまが、無慈悲な台詞と共に地に放り投げられる。
 ロイミフラペ、てっきり終売になるかと思ってたんで、まだ飲めることに感謝しかないです。美味しいですよね。

 そんな惨状をチラ見しつつ、花鳥はそっと目を閉じて想いを馳せる。
(「セキセイインコさん、次生まれ変わる時があるのなら、普通のセキセイインコとして出会えることを祈ってます」)
 そうですね……こう、花鳥さんが、愛らしいセキセイインコを指に乗せてる様子とか、きっと絵になりますよね……。一緒に祈らせてください……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

荒谷・つかさ
抹茶ふらぺが好き……
なるほどわかったわ。
こいつらの正体は量産型うさみ(※以後の音声は編集されました)

ともあれ、愛らしい見た目でもオブリビオンはオブリビオン。
一羽残さず片付けるわ。
でも、さすがにこの市街地で広域殲滅破壊系コード使うと巻き込み被害がアレよね……
仕方ない、一羽ずつ仕留めるか。

やることは簡単。
接近して、掴んで、燃やすだけ!
(※【鬼神爆炎掌】発動)
嘴攻撃は見切って、逆にその胸ぐらか眉間をわしっと掴んで以下略。
手の届く範囲に居るなら、積極的に。

仕事を終えたらニコさんにお土産を買って帰りましょ。
(星羽に戻って抹茶ふらぺベンティ一つ購入、カップにジト目×口イラスト入りの「抹茶ふらぺっち」仕様)


ミルヒ・フェアトラーク
アドリブ&連携歓迎

えぇっ!あのセキセイさんが邪神の正体!?
インコなのに抹茶フラッペチーノ好きだったの!?
でも無脂肪乳より鳥用ミルクの方がいいんじゃ…?
それとフラッペチーノとの出会いも何かあったのか気になるから
ちょっと聞けたらインタビューしてみたいかも
出会いの秘話とか召喚の切欠ってありますかぁ?

まるまるころで可愛いけど…それとコレとは別問題!
かわいいは正義だけど、悪い鳥さんは退治しないとねっ
もふりたくもなるけど…うぅーん、がーまーんーっ!!

いっぱいのセキセイさんにはこっちもいっぱいの
【エレクトロレギオン】で対抗しまーっす
ミルヒレベルが上がって機体数も倍に増えたんだからっ
105体ならどーですかぁ?



●たんたいこうげきとぜんたいこうげき
 主に舐めプが原因で、甚大な被害を受けつつあるセキセイさまサイド。猟兵を甘く見たらこうなります、ご査収ください状態である。
 だが、それでも残されたセキセイさまは頑張り続ける。何故なら、自分たちは戦うべくしてここに集ったのだから……!

「えぇっ! あのセキセイさんが邪神の正体!?」
『サマヲツケロヨデコスケヤロウ』
『マテ、アイテハオンナノコダ』
『シカモカワイイゾ』
 可愛い声を上げ、セキセイさまさえ魅了するのは星羽珈琲店でゲリラ生放送を敢行したミルヒ・フェアトラーク(目指せ!本契約☆・f15000)。今まで散々お口の悪さで猟兵たちの神経を逆撫でしてきたのが嘘のようだ。

「インコなのに抹茶フラペ好きだったの!? でも無脂肪乳より鳥用ミルクの方がいいんじゃ……?」
『イヤアノ、ダカラ、マッチャガスキナノハアイツ……』
『オレタチオブリビオンダカラ……タブンヘイキッツウカ……』
 セキセイさまの一体が手羽で指し示した方には、抹茶フラペを平らげ満足気に――しかしその周りには抜け毛が大量に落ちていた――呑気に横になっている個体がいた。
 飲み物の適性に関しては問題ないらしい。だってオブリビオンだもの。

 果たしてこのオブリビオンが何故抹茶フラペを欲しがったか、出会い的なものも非常に気になるミルヒは、ちょっと当事者(寝てる)に話を聞けないか、本当に――本当に何気ない所作で寝ている個体に懐から取り出したマイクを向けて問いかけた。
「お休み中のところすみませーん! 抹茶フラペとの出会いの秘話とか、召喚の切欠ってありますかぁ?」
『……ムニャムニャ……ウゥーン……スヤァ』
 駄目だ、これ完璧に寝てる。今一応戦闘中ですよ!? いいですよミルヒさん、やっちゃっていいですよ!

「……ダメみたいですねー!」
 てへぺろ☆ 結構今回の事件の肝になる部分の質問だったんですが残念! ミルヒは潔くあきらめると、他のセキセイさまに向き直って可愛いポーズを決める。

 その一部始終を見守っていた荒谷・つかさ(風剣と炎拳の羅刹巫女・f02032)は、なるほどねと一人何かを納得したように深く頷いた。
「抹茶ふらぺが好き……なるほどわかったわ。こいつらの正体は量産型うさm」
 おっとそこまでだ!! 以後の音声は編集させていただきます!! すまんな!!

 何事もなかったかのようにミルヒに近づくと、つかさはいまだその巨体で圧をかけてくるセキセイさまたちを見据えて言う。
「ともあれ、愛らしい見た目でもオブリビオンはオブリビオン。一羽残らず片付けるわ」
「そうですね、まるまるころで可愛いけど……それとコレとは別問題!」
 要するに『お前たちが可愛いのは良くわかった、だがぶちころがす』。そういう結論だった。セキセイさまたちは知ってた定期という顔をする。

「かわいいは正義だけど、悪い鳥さんは退治しないとねっ」
『クッ……ヤルシカナイノカ……』
 そう、可愛いは正義である。バーチャルアイドルなんていう可愛いの化身を前にしては、さすがのセキセイさまもうっかり戦意喪失しそうになるというもの。
 だが少し待って欲しい。もう一人、羅刹という修羅の化身とも言えるお方がいらっしゃるのだ。セキセイさま、もうちょっと緊張感持って!

(「もふりたくもなるけど……うぅーん、がーまーんーっ!!」)
(「……でも、さすがにこの市街地で広域殲滅破壊系コード使うと、巻き込み被害がアレよね……」)
 それぞれに思惑を秘め、遂にミルヒとつかさが揃ってセキセイさまに対峙する。

「仕方ない、一羽ずつ仕留めるか」
「いっぱいのセキセイさんには、こっちもいっぱいの【エレクトロレギオン】で対抗しまーっす」
「「えっ」」
 同時に口を開いた二人は、一瞬互いの顔を見る。かたや周囲の被害を鑑みて一体ずつの撃破を狙い、かたや数には数で勝負に出るという。

「……い、いいわ。お互い頑張りましょう」
「はーい!」
『ケッキョクコウナルンダナ……!』
 こうして、つかさ&ミルヒvsセキセイさまたちの戦いが幕を開けた。

 つかさのやることは実に簡単で、分かりやすかった。
『クラエーッ!!』
「そちらから近づいてくれるなんて、ねっ!」
 どのみち、接近して距離を詰めるつもりだった。つかさはくちばしでガブリと噛み付こうとしてきた個体の頭部――正確には眉間だ――をおもむろに引っ掴むと。

「私のこの手が砕いて燃やす……悪を滅ぼせと唸りを上げるッ! 【鬼神爆炎掌(オウガ・バーニングエンド)】!」
『ア、アチイイイイイ!!!』

 燃やした。つかさの手から発せられた炎が、またたく間にセキセイさまを包み込み、文字通り灰燼に帰していく。そう、今のつかさに捕まったが最後、セキセイさまは皆ことごとく同じ末路をたどる運命なのだ……!

 またヤベーやつ来たよと震えながら、一部のセキセイさまはあえてミルヒの方を狙う。使役する大量のセキセイインコで圧倒すればあるいは。そう思ったのだが。
「ミルヒ、レベルが上がって機体数も倍に増えたんだからっ! 105体ならどーですかぁ?」
『ヒャ、ヒャクゴタイ!!?』
 小型の戦闘用機械兵器が、しかしセキセイさまがまさに誇ろうとした数の暴力を以てセキセイインコを迎撃する!
 機械兵器は一撃を喰らえば消滅してしまう存在ではあるが、セキセイインコの群れをかい潜った個体さえ数体いれば、本体のセキセイさまを直接狙うことができる。
「やっちゃえー!」
『イタッ、イタイ! イタイ! ギャクタイデス!』
 この期に及んでいたいけな鳥さんアピールしてもダメです。機械兵器につんつんされて、確実にダメージを喰らうセキセイさまの姿が、そこにはあった。

 一方のつかさは、何故か敢えて次々と殺到してくるセキセイさまたちを片っ端から引っ掴んでは燃やすのローテーションに入っていた。何なの? 君たちマゾなの? というくらいに綺麗に燃やされに行っている。
(「これはもしかして、いわゆる『巻きに入っている』っていうやつかしら……」)
 いやそんなことはないですよ! セキセイさまとの戦いはもうちょっとだけ続くんじゃよ!

 何しろ敵の方から間合いに飛び込んできてくれるのだから好都合、つかさは掴んで燃やしてを繰り返しながら考え事をする余裕を見せていた。
(「仕事を終えたらニコさんにお土産を買って帰りましょ」)
 全部片付いたら星羽珈琲店に戻って、抹茶フラペの一番大きいサイズを持ち帰りで一つ買おう。カップにはつかさ自らジト目にばってん口のイラストを描いた「抹茶ふらぺっち」仕様にするんだ……。
 ここまで考えると普通は死亡フラグに見えますよね? ところが相手はつかささんです、大丈夫! ごあんしんです! あとお気遣いありがとうございます恐れ入ります!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鮫島・冴香
(…か、可愛い…!)
内心キュンとトキメキつつも
(でもオブリビオンは倒さないと…!)
気合を入れ、クールな眼差しで敵を見据え
「行くわよ…!」

■戦闘
熱線銃を構え敵を撃つ
(派手な色だから的としては最高ね…!)
仲間の誤射に注意しつつ、仲間いれば
「援護するわ!」と後方から射撃を

なるべく敵を寄せ集めるように
UC【サイコキネシス】で公園の遊具で簡易バリケードを作り
敵を一か所に集めるように誘導&敵に近づかせないよう動く

(抹茶じゃないけど…!)
「ほぅら、チョコよ」
自分の好物であるチョコミントを投げ、喰いつかせたら
「ごめんなさい、次は普通のセキセイインコに転生してね…」
と熱線銃で一網打尽に

※アドリブ&絡み大歓迎♡


銀座・みよし
んまぁ!コーヒーの呪文がここに繋がっていただなんて!
でも抹茶フラペをご所望してたのは色合い的な意味なのかしら…?
とにかく可愛いけど可愛くない邪神討伐にございます!

それではこちらも喋る存在を…スフィンクスさーん!出番にございますー!
いえ、あの…出オチというか出なぞなぞ出現でなくとも大丈夫でございますよ…?

えっ…これは相手にこちら側の知性の【存在感】を見せ付け、【恐怖を与える】行為だから大事?
そっか、大事かな…大事かも…?
彼らが正解したらどうなるので(猫ぱんちスフィンクスVer)
…それはそれとして倒すのでございますね!
じゃあわたくしはスフィンクスさんの援護射撃をしますね…

(連携やアドリブなど歓迎!



●せきせいさまとちょこみんととなぞなぞ
 何度でも繰り返させていただくが、戦闘が始まった直後、戦場と化したこの公園はあたり一面セキセイさまでごった返していた。それはもう通勤ラッシュの電車内かなっていうくらいに。
 それがどうだろう、主に猟兵たちの奮戦とセキセイさまたちの色々な誤算とによって、今や車内は快適に……ではなく、公園のスペースにはかなりの余裕ができるほど、セキセイさまたちの数は減らされていた。

『オイ、イツマデネテルンダオマエ!』
『オレタチダッテウマイモンクッタリノンダリシタインダゾ!』
『ンン~~~~~(ムニャムニャ)』
 人の金で飲む抹茶フラペは美味かったか……? 諸悪の根源である個体は猟兵のひとりに散々もふり倒されるという目に遭ったものの、それと引き換えにねんがんの抹茶フラペを手に入れて、もう満足ですという風にお休みモードである。
 だが、他のセキセイさまたちは当然ながらまったくもって何一つ満足していない。サティスファクションが足りていない。これはいけません。

 そんなセキセイさまたちの様子をやや遠巻きに――そう、これは決して内心その見た目の愛らしさにキュンとトキメくあまり足を止めてしまっているのではない――見つめていたのは、鮫島・冴香(Sexy Sniper・f13873)。
(「……か、可愛い……! でもオブリビオンは倒さないと……!」)
 さすがは猟兵、オブリビオンぶちころがすべしの精神は忘れない。トキメキを胸の裡に秘めたまま、冴香は気合いを入れてクールな眼差しでワイワイやっているセキセイさまたちを見据えると。
「行くわよ……!」
 ジャケットの前ボタンを外すと左脇のショルダーホルスターから熱線銃を抜き放つ!

 一方、優雅な所作で公園にやって来た銀座・みよし(おやしきのみならいメイド・f00360)は、星羽珈琲店での素敵なひと時を思い出しながら、今まさに眼前に広がっている光景に思わず声を上げた。
「――んまぁ! コーヒーの呪文がここに繋がっていただなんて!」
 そうですよね、まさかあの時は最終的にこんな邪神が裏で糸を引いていただなんて想像もできませんでしたよね。
「でも、抹茶フラペをご所望してたのは色合い的な意味なのかしら……?」
 ああなるほど……! 体毛的な親近感……! そこの所どうなんですかセキセイさま!
『シルカ! タマタマコイツガマッチャズキダッタダケダロ!』
『イイカラハヤクオキロヨー』
「あらあら、見た目は可愛いけどお口の方が可愛くないですわね……それでは、邪神討伐にございます!」
 そう、みよしも立派なメイドであると同時に立派な猟兵でもある。お屋敷でのそれとは異なる、もう一つのお仕事のお時間です!

(「共に戦う仲間がいる……となれば、誤射には充分気をつけなければ」)
 セキセイさまはド派手なカラーリングの羽毛の持ち主であり、的として狙いを定めるには最高の存在なのだが、動き回る余裕ができた今の状態でむやみやたらに熱線銃を撃って味方に当ててしまってはいけない。
 冴香は細心の注意を払いつつ、みよしに向けて声をかける。
「みよしさん、援護するわ! 思うように動いて頂戴!」
「冴香様……!」
 みよしは心強い言葉を得て、いよいよセキセイさまと対峙する。
(「それではこちらも喋る存在を……」)
 まだ幼さが残る爪が愛らしい両の手をメガホンのように口元に当てると、みよしは思い切り『喚んだ』。

「スフィンクスさーん! 出番にございますー!」
「スープやサラダの上にて、豚(ブタ)の来訪を告げし者とは、だれだ?」
『エッッ』
 出オチならぬ出なぞなぞをキメながら、小柄なみよしの身長のゆうに二倍はありそうなスフィンクスさんがその偉容を現す! アレかー! 謎かけして解けなかったら食い殺しちゃうアレかー!
 これには距離を置いて見守っていた冴香も思わず熱線銃を取り落としそうになる。呆気に取られたというよりは、むしろなぞなぞの答えを考えるのに気を取られてしまったというべきか。

「いえ、あの……出オチというか出なぞなぞ出現でなくとも大丈夫でございますよ……?」
 召喚主のみよしも、また始まってしまったという顔でおずおずとスフィンクスさんをたしなめるが、逆にスフィンクスさんから真顔で見つめ返されてしまう。
「えっ……『これは相手にこちら側の知性の存在感を見せ付け、恐怖を与える行為だから大事』……?」
 そうなのかしら? セキセイさまたちの方に試しに目線を向けてみるみよし。セキセイさまたちは――残った個体の知恵を結集させるべく、公園の一角にギュッギュと寄せ集まって何やら相談をしていた。

『オイ、ワカルカ……!? スープヤサラダノウエデ……』
『ブタノライホウヲツゲル……!? ダメダ、サッパリワカンネエ』
『ワザワザスープヤサラダッテシテイスルノガアヤシインダガ……』

「そっか、大事かな……大事かも……?」
 なぞなぞに真剣に取り組むセキセイさまたちを見て、納得し始めてしまうみよしさんであった。

(「こ、答えは後でみよしさんから教えてもらいましょう……! 私は今のうちに!」)
 セキセイさまたちが勝手に寄せ集まってくれたのを好機と見て、冴香はすかさず【サイコキネシス】で公園の遊具をセキセイさまの集団のまわりにさながらバリケードのように設置する。これで包囲は完了、敵が突然こちらに近づいてくることもない。

 ああでもないこうでもないと相談を続けるセキセイさまたちを眺めつつ、みよしはふとスフィンクスさんに疑問を投げかけようとした、その時だった。
『スープヤサラダ……ブタガクル……』
『クル……ブタ……イヤ、ワカッタゾ! 『クルトン』ダナ!』
「スフィンクスさん、彼らが正解したらどうなるのでs」

 ぺちーん☆

 スフィンクスさんの強烈な猫パンチが、一撃でセキセイさまを仕留めた。ちなみにこのスフィンクスさん、元々はライオンさんだったそうで。そうか……ネコ科かあ……。
「……それはそれとして倒すのでございますね!」
 答えても死、答えられなくても死。結構エグいですねスフィンクスさん! 答えを知られては生かしちゃおけねえとばかりに次々目についたセキセイさまに猫パンチ(スフィンクスさんVer)をお見舞いしていく傍らで、みよしは「アルダワ製のパワフルですごい箒」を構えて自身も前に進み出る。
「じゃあわたくしは、スフィンクスさんの援護射撃をしますね……」
 そういうことならば弓の方を持ち出すべきだったかも知れないが、公園のお掃除も兼ねてということであえての箒チョイスをさせていただきました! 吸引力の変わらないただ一つの箒って感じしますね!(吸わない)

 結局、オブリビオンと猟兵は殺す合う運命なのかしら……。そう嘆息したかどうかは冴香のみが知ることだが、とりあえず目の前で繰り広げられる微笑ましいのかむごたらしいのかちょっと判別がつかない光景に、つい情が湧いてしまった冴香は、携帯していたカバンから自身の好物でもあるチョコミントを手近なセキセイさまに向かって放り投げる。
「ほぅら、チョコよ」
『……! ウメェウメェ!』
 セキセイさまにチョコミントは気に入ってもらえたようだ。美味しそうについばんでいる様子にうんうんと頷きながら、冴香はそれでも心を鬼にして熱線銃を向ける。

「……ごめんなさい、次は普通のセキセイインコに転生してね……」
『ギャアアアアアア!!!??』
『アバッババババババ』
 熱線銃から放たれるのは、弾丸ではなく文字通りのビームである。広範囲攻撃が可能なブラスターでもって、バリケードに包囲されて逃げ場を失っていたセキセイさまたちは、その大半を焼け焦げさせられる羽目に陥ったのだった。

 ちなみに移動させた公園の遊具は、戦闘終了後きちんと冴香さんが元の位置に戻しました。アフターフォローも万全!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鵜飼・章
働かないとだめ?
だめかあ…
でも僕もただサボタージュしていた訳じゃない
ほら、取っておいで
買ってきた抹茶フラぺを【投擲】でぶん投げる
一つしかないから奪い合うといい
その隙に攻撃だ

ところで気になる事があるんだけど
あのあわ玉を食べたら僕の鴉ももふもふになるのかな…
気になったら試さずにはいられない性分なんだ
ぼくから返してもらったオカリナを使って
UC【無神論】で動きを止めた隙に
【盗み攻撃】で鴉にあわ玉を横取りさせよう
大きくて丸い鴉、出来るといいな

いくら可愛くても悪い子はおしおきだよ
もこもこの鴉たち、飛びづらそうだけど
逆に敵をもふもふして総攻撃だ
…これ戦闘後は元に戻るんだよね?
これから暑い季節だから心配だな…


狭筵・桜人
五百雀さん(f15207)と同行します。

えっ?集団戦?
五百雀さんにまかせてうしろでサボろうと思ってたのに……
アッハイ頑張りまーす。

厄介なのは飛行能力ですよね。
フワッと飛びそうなやつからUCで止めてしまうので。
ほらほら今ならお触りし放題ですよ五百雀さん。
ガッと捕まえてからあげにしてやってくださいねえ!
しない?あの、それ違うインコ……。

なんて牧歌的な光景……いや予想はしてましたけど。
この技あんまり連発出来ないんですよね。
でも可愛い鳥さんにヒドイことすると好感度が下がる……。
よし私も触りにいきます。

ふわふわ~かわいい~ハイここでカメラあっちに向けてもらっていいです?
ヨシ!自動拳銃で【零距離射撃】。


五百雀・斗真
狭筵桜人(f15055)と同行

セキセイさま、わんさかいるね
集団戦、大変だけど頑張ろう桜人君

桜人君はセキセイさまの動きを止めるのを考えてくれてるんだね
ありがとう、助かるよ…って、え、動きの止まったセキセイさまに触れてもいいの?
じゃ、じゃあ…触れそうなら触ってみるね(触りたかった

うーん、大田さんは可愛いもの好きだから今回は守りに徹して貰って
僕がかりそめスプレーで
セキセイさまにボタンインコの色を吹き付けてマヒ攻撃をしよう
か、唐揚げにはしないよ

もしセキセイまみれが来たら
【コードキャンセル】でインコ攻撃を相殺

桜人君、ふわふわ好きなのかな
微笑ましい
カメラをあっちに?
いいけれど、どうs ……
(目を閉じ、合掌



●せきせいさまよやすらかに
『ムニャムニャ……ハッ!? オ、オレハイツノマニ……』
 猟兵から抹茶フラペで買収された挙句戦闘中にも関わらず満足のあまり爆睡していた諸悪の根源たるセキセイさま、遂にお目覚めの時を迎える。
 そして、自分の記憶の限りでは公園いっぱいにぎゅうぎゅう詰めになるほど集めたはずの同胞たちが、今や十数体ほどにまで減りに減っている現実と直面し、打ち震えた。

『オノレリョウヘイ……! ヨ、ヨクモ、オレノナカマタチヲ……!』
「えっ……ちょっと待って、僕たちまだ何もしてない……」
 ねえ、という風に同行の狭筵・桜人(不実の標・f15055)へと同意を求める五百雀・斗真(人間のUDCエージェント・f15207)だったが。

「いやあ、なるべく働きたくないでござる精神で今まで様子をうかがってましたが、いい感じに他の人たちが数を減らしてくれましたねー」
 それでもいまだなお十数匹残っているセキセイさまの巨体が視界のほとんどを占めている様相に、桜人はひとつ嘆息すると、傍らに立つ鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)に目線を送る。

「……動かないとだめ? だめかあ……」
「この数だとさすがに、ですねえ。私も五百雀さんにまかせてうしろでサボろうと思ってたのに……」
 しれっと斗真任せにしようとしていた魂胆をぶっちゃける章と桜人。うわあひどい。これ集団戦ですよ! みんなで力を合わせて頑張りましょうよ!

「あはは……セキセイさま、これでも本当に減ったのかな? まだわんさかいるように見えるけど……」
 大変だけど頑張ろうね桜人君、となんやかんやで頼りになる相棒に声をかけつつ。
「章さんも、よろしくお願いします」
 共闘することとなった章へもぺこりと一礼する斗真。ええ子や……!
「うん、よろしくね。僕もただサボタージュしていた訳じゃない所をお見せしよう」
「アッハイ頑張りまーす」
 何といつの間にか星羽珈琲店の紙袋を手に下げていた章がその手を軽く掲げて応じると、桜人も一見気の抜けたような返事をしつつも、その視線は油断なくセキセイさまたちを見据えていた。

『ヤッテヤロウジャネエカコノヤロウ! ハンパナイトコミセテヤルヨオマエラ!』
 ――最後の戦いが、遂に始まった。

 その初手を取ったのは章だった。おもむろに紙袋の中から取り出したのは――星羽珈琲店謹製の抹茶フラペではないか!
「ほら、取っておいで」

 ぶぉん。

 そう言うなり章は抹茶フラペの容器を絶妙なコントロールで投擲した。途中でこぼれることもなく、綺麗な曲線を描いてセキセイさまたちのちょうど中心に、重力に逆らうことなく落ちていく。

『マ、マッチャフラペダ!』
『テメエフザケンナ! サッキノンダダロ!』
『ソウダソウダ、ツギハオレガノムンダ!』

(「そうそう、一つしかないからね。奪い合うといい」)
 目論見通り壮絶な抹茶フラペ争奪戦を開始したセキセイさまたちを満足気に見やると、章は斗真と桜人の方を向く。
「さあ、この隙に攻撃だ」
「はい、ありがとうございます! よし、行こう桜人君」
「幸先がいいですねえ、では私たちも行きますか」
 いよいよUDCエージェントコンビが行動を開始する。セキセイさまたちは、自分たちの手羽の間をぽーんぽーんと行ったり来たりする抹茶フラペに夢中だ。

『イタダキィ!』
 その時、一体のセキセイさまがその巨体からは想像もできない程の勢いで――宙に浮いた。
(「そうそう、その飛行能力が厄介なんですよね」)
 桜人は、セキセイさまを捜索する過程で「敵は空を飛ぶ」という情報を事前に得ていた。よって、実際の戦闘に突入した時にもその能力が大きな障害になるであろうと踏んでいたのだ。
「五百雀さん、ああやってフワッと飛ぶやつから動きを止めていきますので」
「桜人君ありがとう、助かるよ」
 人当たりの良い笑みで返す斗真に、ああまあ悪くないですねと思いつつ、桜人は今まさに抹茶フラペに手羽をかけようとする個体に目線を送った。

『ナッ……!? カ、カラダガ、オモイ……!』
 宙を舞っていたはずのセキセイさまの身体が、突如ズシンと地に墜ちる。
 桜人は、ただセキセイさまを「視た」訳ではなかった。眼球――というよりさらにその奥の「眼窩」から、その体内に宿したUDCが持つ力である邪視を放ち、射抜かれた相手の動きを呪いの力で止めてしまう【虚の孔(ブラインド・ミスルトウ)】を発動させたのだ。
『ナーニヤッテンダオマエ……グウッ!?』
『マ、マッチャフラペガ……!』
 我も我もと飛び立とうとする個体から、一体ずつ着実に地面を舐める羽目に陥っていくセキセイさまたち。

 その様子を愉快げに眺めていた桜人は、斗真の背中を押す。
「ほらほら、今ならお触りし放題ですよ五百雀さん」
「えっ、あの、動きの止まったセキセイさまに触れてもいいの?」
 実は斗真さん、セキセイさまに触れられるものなら触れてみたかったのです。そして何ということでしょう、おあつらえ向きに身動きが取れず抵抗もかなわないセキセイさまたちがゴロゴロと。
「じゃ、じゃあ……触れそうなら触ってみるね」
 おずおずと転がっているセキセイさまのまるっとしたボディに手を伸ばす斗真。

 もふっ。

「……っ!!」
 その絶妙な感触に思わず息を呑んでしまう斗真に、そんな様子を見た桜人が声をかける。
「いいですよー、その調子でガッと捕まえてからあげにしてやってくださいねえ!」
「か、唐揚げにはしないよ……!」
 やめて! セキセイさまが誤解しておびえちゃう! いや戦闘中なんで存分にビビらせて大丈夫なんですけど!

(「うーん、大田さんは可愛いもの好きだから今回は守りに徹してもらって……」)
 いまだ桜人の力により身動きが取れずにいるセキセイさまをもふもふしながら、斗真はどう攻撃をしたものかと思案する。その結論は――。

「五百雀さん、あの、それ違うインコ……」
 ニコニコと見守っていた桜人が思わずツッコミを入れるレベルで、斗真が「攻撃」をしたセキセイさまは、その体毛の色をガラリと変えられてしまっていた。
 黄色と黄緑色で構成されていたはずのセキセイさまの姿は、斗真が愛用する「かりそめスプレー」で、強いて言うなら頭部が茶色く身体の大半が青いブルーボタンインコのカラーリングに塗り替えられてしまったのだ。

「どうかな? 桜人君」
「うーん、これはショックで見事にマヒしてますねえ」
 スプレーアーティストの本領発揮とばかりにどや! と相棒の方を見る斗真に、冷静な答えを返す桜人。攻撃が効いているならまあいいかなという感じである。

『セ……セキセイインコノアイデンティティをウバウ、キチクノショギョウ……!』
「あっまだ動けるのがいましたね」
「ちょっと待って桜人君、僕を盾にするのやめよう!?」
 難を逃れたセキセイさまの一体が、ゆらりと羽根を広げると、斗真目がけて大量のセキセイインコを召喚する! 本日何度目かな!?

 斗真は逃げも隠れもせず、正面からセキセイインコの群れに向き直ると。
「……その技、さっきからたくさん使っていたよね。【コードキャンセル】……!」
『ナニ……ッ!?』
 何と、斗真もまったく同じ攻撃――セキセイインコの群れを召喚し、真っ正面から迎撃させて、そのことごとくを相殺して見せたのだ。
 目論見通りに事が進み安堵する斗真の後ろからひょこっと顔を出した桜人が、すかさず邪神の視線でセキセイさまの動きを止める。ついでだからこの子ももふもふしちゃおう……と新たなもふもふに手を突っ込む斗真(とUDCの大田さん)。

(「なんて牧歌的な光景……いや予想はしてましたけど。この技あんまり連発できないんですよね、五百雀さんには悪いんですが」)
 でも可愛い鳥さんにヒドイことをすると(世間的な)好感度が下がる……。しばし思案した後、桜人もセキセイさまを触りにいくことにした。

「あれ、桜人君もふわふわ好きなのかな」
 ふふ、微笑ましいな。そんな素直な感想を抱きつつ、後からやって来た桜人にももふもふを堪能させてあげようと少し身体の位置をずらす斗真。
「ふわふわ~かわいい~ハイここでカメラあっちに向けてもらっていいです?」
 突然のカメラ目線で、あえてそれを別の方に向けろと要求する桜人。
「こ、このカメラをあっちに? いいけれど、どうs」

 ッターン!

 乾いた銃声が響き渡る。カメラを明後日の方向に向けながら斗真が目撃してしまった光景は、セキセイさまの眉間に突き付けた自動拳銃による、無慈悲なる零距離射撃。
「……」
 斗真は、思わず目を閉じて合掌してしまった。カメラに映ってなければいいってもんじゃねーぞ的なツッコミはこの際置いておこう、だってこれ仁義なき戦いだもの。

●じんぎなきたたかいのおわり
 散々宙を舞い、争奪戦の対象となった抹茶フラペは、勃発した戦闘のどさくさによって結局元の持ち主である章の元に戻ってきていた。
 セキセイさまたちのチームワークを乱した、魔性のビバレッジ。
 ひとまずそれを公園のベンチに置いて手を空けると、章はもはや片手で数えられるほどにまで減ったセキセイさまを見つめつつ、真顔で口を開いた。

「ところで、気になる事があるんだけど」
『……ナンダ』
「そのあわ玉を食べたら、僕の鴉ももふもふになるのかな……」
『マッテ』
「ごめん、気になったら試さずにはいられない性分なんだ」

 章の言にものすごく嫌な予感を覚えたセキセイさまが心からの待ったをかけるが、当然、黙ってそれに従う章ではない。答えは聞いてない状態じゃないですか! ヤダー!
 セキセイさま捜索の際に協力してくれた、高校生の姿をした分身である「ぼく」から返却を受けたオカリナにそっと口をつけると、章は形容しがたい――強いて言うなら上手くはないが下手でもない「虚無」の音色と言うべきか――メロディを奏でる。
『グッ……ソノフエノオトヲ……ヤメルンダ……!』
 先程の、桜人のユーベルコードとは異なるアプローチではあるが、これもまた敵対する相手の動きを止める、その名も【無神論(ニヒリズム)】なる必殺技。

「さあ、あわ玉をもらっておいで」
「クワーッ!」
 親愛なる主の命を受け、鴉たちが一斉に抵抗かなわぬセキセイさまから、隠し持っていたあわ玉を次々と奪い取っていく。もらうというかもはや強奪の域なんですが、こまけぇこたぁいいんだよの精神で参りましょう。

(「大きくて丸い鴉、出来るといいな」)
 ほんわかとした期待にそっと胸を躍らせつつ、章はあわ玉を嬉しそうについばむ鴉たちを見守る。すると――。

 もふっっ。

 あわ玉を食べた鴉たちが、次々ともふもふのもこもこにその姿を変えていく……!
『アア……オレタチノアワダマガ……』
『マッチャフラペモケッキョクノメナカッタ……モウダメダ……』
 かろうじて口を開くことができたセキセイさまたちが、諦念にまみれた表情を浮かべる。ホントに食い意地ばっかり張ってるな君たちは!

「……いくら可愛くても、悪い子はおしおきだよ」
 さあ、行っておいでとセキセイさまたちを指で指し示す章に、もこもこになった鴉たちが、ちょっと普段よりも飛びづらそうにしながら一斉にもふもふの総攻撃をかける。

『アアーーーーッ!!』
『オレタチガ、オレタチガモフラレテオワルナンテーッ』
 もふもふぎゅっぎゅ。一体、また一体とセキセイさまたちは消滅していき――。

『マッチャ……フラペ……』
 遠くのベンチに置かれた抹茶フラペに手羽を伸ばしながら、遂に最後の一体が骸の海へと還されていった。抹茶フラペならもう飲んだでしょ! 往生しなさい!

 オブリビオンの完全消滅を確認した章は、ひと仕事終えた可愛い鴉たちを迎えつつ思う。
(「……これ、もうすぐ元に戻るんだよね?」)
 これから暑い季節だからこのままだと困るな、心配だな……。

 ――初夏の陽気にしては、日差しが強すぎて。
 あの星羽珈琲店では、ますます冷たい飲み物が売れるんだろうな。

 色々とすったもんだあったが、無事事件を解決できたことに胸を撫で下ろす猟兵たちの姿だけが、公園には残されていたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月29日


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#UDCアース
🔒
#呪詛型UDC
#ふらぺっち


30




種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト