バトルオブフラワーズ④〜ツラいとカラいは同じ漢字
キマイラフューチャーでの戦争は、着実に猟兵たちの活躍により『システム・フラワーズ』への道のりが切り開かれつつある。
しかし、この『ザ・フードステージ』は、まだまだ強敵揃い。
そのステージのひとつを守る怪人『オンナマズ』は、壁一面が真っ赤に染まった部屋で、真っ赤に染まった担々麵をすすりながら真っ赤なピザを頬張っていた。
「アア~ッ!! カラいカラい!! めっちゃカラい!」
オンナマズは分厚い唇を更に腫れ上がらせて、ステージに溢れかえる激辛料理をこれでもかと貪り続ける。カレー、ピザ、ドリア、ラーメン、パン、などなど!
ここにある食べ物が全て激辛、凄辛、超辛のオンパレード!
「あ~、旨辛すぎて、ぬらぬらしちゃう~っ!」
食べるたびに体を震わせながら恍惚の笑みを浮かべる怪人が、今回の敵だ!
グリモア猟兵の蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)が、ハバネロカレーを猟兵たちに振舞いながら予知の解説を始めた。
「みんな、戦争おつかれさまだよっ! なかなかいいペースっ! このまま中枢部の『システム・フラワーズ』への道を切り開くために、『ザ・ステージ』の攻略にいってもらいたいんだよっ!」
予知によれば、このステージは『ザ・フードステージ』という大食いバトル。
怪人の大好物が大量に山積みになったステージ内では、怪人は食べることによりパワーアップすることが出来るルールが設けられている。故に、通常の戦闘方法では猟兵に勝ち目はない。
しかも単純に総攻撃で怪人を倒したとしても、ルール違反で強制敗北となってしまう。
「だから、このステージの特殊ルールを利用するんだよっ!」
このステージの特殊ルールは『オオグイフードバトル』!
好物を食べまくるオブリビオン以上の大食いで料理を食べる事ができたならば、立場は逆転し、猟兵の強力なユーベルコードの攻撃で、オブリビオンを攻撃する事が出来るのだ!
「今回は激辛料理で『オオグイフードバトル』だよっ! 全ての料理が唐辛子で真っ赤だから、辛い物好きの猟兵のみんな、頑張ってねっ! あ、味変したいのなら、マスタードとワサビ、持ってっていいよっ!」
果たして、辛さの種類の味変が意味があるのだろうか?
ともかく、レモンの頭上のグリモアがキマイラフューチャーへと導いてゆく。
七転 十五起
思っていた以上に戦争、ハイペースですね!
七転十五起、なぎてんはねおきです。
さあ、激辛料理の大食いバトルです!
よくテレビ番組の企画で見かけるアレです。
皆様の激辛LOVEの心意気と大食いテクニックを、プレイング文字数いっぱいに叩き込んでくださいませ!
それと、どんな料理もすべて激辛ですが、料理の種類は問いません。
食べたい激辛料理があれば、プレイングで指定してください。
それでは、皆様の激辛プレイングをお待ちしております!
第1章 ボス戦
『怪人『オンナマズ』』
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POW : ジャイアントナマズ
自身の身長の2倍の【巨大ナマズ怪人 】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD : ナマズ人召喚
レベル×1体の、【後頭部 】に1と刻印された戦闘用【ナマズ人】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : 矢ナマズ発射!
レベル×5本の【雷 】属性の【刺さるデンキナマズ】を放つ。
イラスト:烏鷺山
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠鳥渡・璃瑠」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
鵜飼・章
蛇塚さんハバネロカレーご馳走様
食べても食べても何故か満たされない
そんな時激辛が虚無を埋めてくれるんだ
【大食い】【激痛耐性】あと【毒耐性】もあるから
どんな料理も【早業】で行儀よく食べる
ブートジョロキアとカイエンペッパーはそのままいけるし
タバスコとラー油は飲み物だ
つらいとからいは同じ漢字でも
一本足せば幸せだよね(粒マスタードをかけながら
自ら内臓にダメージを与える事で僕にもヒトの痛みが解る
僕は辛い物を食べる事で万物の嘆きと共鳴し
大地の声を聴いているんだ
可哀想に
今も二つに割れた地球が泣いてる…
あふれ出る【優しさ】で【恐怖を与える】事で敵を妨害
きみには聞こえないならUCでおしおきだ
本当に泣いてるよ
多分ね
その『ザ・ステージ』は目の冴えるような赤・朱・紅で埋め尽くされていた。
世界中のありとあらゆる激辛料理がここにはひしめき合っており、それを怪人『オンナマズ』はぬめぬめとした体液を纏わせながら、ひたすら己の中へ詰め込んでいた。
「あ~っ! マジ旨辛だわぁ~っ! 激辛料理サイコー!」
「そうだね、激辛料理はいいものだよね」
「誰よ!? ハッ!? このステージにやってこれるってことは、猟兵ね!?」
「そうだ、僕は猟兵だ」
そう言いながら、ここへ転送してくれたグリモア猟兵手製のハバネロカレーの皿を持ち込んで、真顔でむしゃむしゃ頬張るのは鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)である。
「ハバネロカレー、御馳走様でした」
激辛カレーを食べても平然としている鵜飼。
彼の生来の神経の図太さ、そして痛みと毒に強い体質が、彼をハバネロの脅威から守っているのだ。
「食べても食べても何故か満たされない……そんな時、激辛が僕の虚無を埋めてくれるんだ」
「なるほどね? 激辛に一家言ありってカンジね? でも、激辛料理であたしに敵うなんて思わないでっ!」
オンナマズはその言葉を裏付けるように、更に激辛料理を食すペースをアップ!
「さぁ、この勢いについてこれるかしらっ? ……て、何してるの?」
怪人は鵜飼が地面をコンコンコンして、出現させたイスとテーブルをセット。
行儀よくテーブルクロスまで掛けて椅子に座って両手を合わせていた。
「いただきます。え、どんな状況でも食事は食事だけど? だったら礼儀正しく食べないと」
「はははははは! そんなチンタラ食べてたら一生あたしに勝てっこないわね!?」
笑いながら激辛ミートソースパスタを余裕の表情ですするオンナマズ。
しかし、それが慢心であることを、怪人はすぐに思い知った。
最初はジョロキアが練り込まれた激辛ハンバーグに手を付けた鵜飼。
「はむ……んぐ……もぐもぐ……おかわり」
それをたったの3口で平らげた。
「一口がでかっ! そして飲み込むの早っ!?」
怪人がたじろぐのを意に介さず、鵜飼は次の激辛味噌煮込みうどんに手を付ける。
「ちゅるるるるるるるるるるる……ごくごく、ごく……ぷあぁ。お代わり」
「麺を一口ですすった!? しかも煮えたぎるスープを一気飲み!?」
怪人は鵜飼の早業かつ大食いっぷりに戦慄する。
こいつ人間か?
猟兵には人間種以外の種族のものも存在する。
だが、目の前の鵜飼はどう考えても人間だ。
だからこそ、怪人はビビり始めていた。
え、待って、ヤバくね?
「ブートジョロキアとカイエンペッパーはそのままいけるし、タバスコとラー油は飲み物だ」
鵜飼は絶望的な辛党であった。
その言葉通り、トッピングのブートジョロキアを鞘ごと丸のまま、まるで朝食のトーストを食べるかのように平然と咀嚼している!
これが当たり前だと言わんばかりに!
さらに鵜飼は自前の粒マスタードのキャップを捻ると、激辛スペアリブの上ににょろ~んと絞り出した。
「“つらい”と“からい”は同じ漢字。でも、一本足せば“幸せ”だよね」
真っ赤な肉汁を滴らせるスペアリブに、黄色い真一文字を乗せてかぶり付く鵜飼。
その表情は、これまでの食事の時とは比べ物にならないほど多幸感に満ちていた。
なんかほら、両目をめっちゃキラッキラさせてるやん、絶対美味しいって感激してるやつやん、あのリアクション!
(ただし激辛である)
「こ、これはとんでもない挑戦者が現れたわね!?」
負けじと激辛ちゃんぽんをすする怪人。
しかし、激辛とはすなわち、激痛である。
いくら激辛好きとはいえ、怪人も内臓へのダメージを避けることが出来ずにいた。
「くっ……! こればっかりは仕方がないわね……!」
「仕方がない? おかしなことを言うんだね?」
鵜飼は激辛味噌ラーメンを堪能しながら語りだす。
「僕は昔から情が欠けてると言われていたけど、それでも人間になりたいと思って努力している。だから、自ら内臓にダメージを与える事で僕にもヒトの痛みが解る。僕は辛い物を食べる事で万物の嘆きと共鳴し、大地の声を聴いているんだ」
「あのー、何を言っているのかサッパリ分からないんだけど……」
怪人は鵜飼の独白の内容に、茫然として食べる手が止まってしまった。
更に鵜飼の独白は続く。
「可哀想に。今も二つに割れた地球が泣いてる……。でも閉じるのは待って、もう少しの辛抱だから。中枢部の『システム・フラワーズ』に侵入したオブリビオンたちをすぐにやっつけてあげるから」
激辛料理を食べながら、キマイラフューチャーの割れた地球に対してスケールの大きすぎる慈愛っぷりを披露。
それを到底理解できないオンナマズは、鵜飼の存在を極めてやべー奴だと認識。
「いやいやいやいや! マジで激辛料理の食べ過ぎてどうかしちゃった??」
「え、君には、聞こえないの? 同じ激辛料理を食べているのに、この地球の泣き声と悲しみの声が……」
「いいえ?」
怪人と鵜飼、完全に認識を違えた瞬間である。
「いや、なんか付き合ってられないわ! ぶん殴って追い出してあげる!」
えも言えぬ恐怖にかられたオンナマズは、一気に80人のナマズ人を召喚!
対して、鵜飼はがっかりと肩を落として怪人を見遣る。
「そう、きみには聞こえないなら、僕のユーベルコードでおしおきだ」
「81人対1人! 圧倒的数の暴力でぶっ飛ばすわ! 行くわよっ!」
「「ナマーズ!!」」
雪崩のように押し寄せてくるナマズ人たちを前に、鵜飼は祝詞めいて詠唱する。
その手には、図鑑『自然数の集合』が開かれており、ページには『鵜象無象』と書かれたカラスが描かれていた。
「人類は滅んだ。美しい朝が来る」
突如、図鑑から暴風めいた黒い奔流が空中へ放たれ、それは一気に拡散して鵜飼の頭上を旋回し続ける!
鵜飼の『人という存在に対する諦念』を背負ったカラスの群れが、81人のナマズ人を見定めると、一斉にカァカァと泣き喚いて急降下を開始!
「さぁ、概念もろとも食い散らかせ――<裏・三千世界(サンゼンセカイリバース)>……」
一瞬で目の前は地獄絵図と化した。
ナマズ人の心臓は漆黒のクチバシで啄まれてゆく。
心臓だけではなく、目玉、喉笛、体中のありとあらゆる箇所を啄まれて抉られてゆく!
召喚されたカラスは、人喰いカラスだった。
「ぎゃああっ!? 魚類は鳥類に弱いんだってば! 逃げろぉっ!!」
オンナマズは傷だらけになりながらも、召喚したナマズ人を囮にしてステージの奥へ逃亡。
第1ラウンドは、猟兵である鵜飼が勝利を収めた。
そして猟兵たちは、怪人を追い詰めるべく後を追うことにした。
大成功
🔵🔵🔵
石狩・和人
【一応POW行動】
へぇ、辛いものの食べ放題か。
俺、こう見えてグルメなんだよね♪
甘口辛口なんでもござれ、俺に食えないモノなんてないぞ。ふふふ
まずは激辛担々麺を頂いてみよう。四川風っていうんだっけ?その後には激辛麻婆豆腐丼かなー。頂いたものは残さずキレイに平らげるさ。
さて、美味しくいただきますか……!
【激痛耐性、火炎耐性、大食い、早業】
たくさん食べてもすばやく動ける自信はあるよ?
最初は遠距離からスリングショットで攻撃してみようかな?
ある程度向こうの体力を削ったら【瞬迅・猛狐炎陣閃】で!
【2回攻撃、炎の属性攻撃、見切り、なぎ払い】
【アドリブ、改変、共闘はMS様にお任せします】
数宮・多喜
【アドリブ改変大歓迎】
えっ、なんだって本当かい!?
激辛料理食べ放題ってマジかよ!
ぃヤッター!なぁなぁ、マイデスソース持ってっていいよな!?
『早業』で手近なピザにタバスコ一本ぶっ掛けて、
そのままいただきまーす!
あ、そこの麻婆豆腐も花椒もうちょい追加で。
でもってトムヤムクンまであるのかよ!
なんだよここは激辛天国かよー!
時々【時縛る糸】で敵さんの眼前からも料理をちょろまかして、
その辛さに酔いしれながら食べ続ける。
そういやナマズも、ちゃんと泥抜きすれば淡白な味らしいよな。
でもってそれって……激辛のベースにぴったりだよなぁ?
『マヒ攻撃』を込めた『属性攻撃』の『範囲攻撃』で
足止めしつつ脅かしてやろうかね?
夢ヶ枝・るこる
激辛料理で大食い対決、ですかぁ。
元々[辛い物]は好きですし、丁度、先日[甘い物]を大量にいただいた分、反動で[辛い物]が欲しくなっておりましたから、丁度良いかもしれませんねぇ。
大食いの経験は豊富とは言えませんが、[肉体][精神]の両面に於いて、少し前に相当な量をいただいた時の感覚が残っておりますから、今なら何とか出来る気がしますぅ。
[ピザ]をメインにいただきますぅ。
幾ら好きでも、同じ味を食べ続ければ飽きが来ますから、[肉をピザで挟んで、チーズをかける]等のアレンジを入れて対応しましょう。
[自然な状態]ですと、[体重]が増えても胸の増量になるだけですし、カロリーは一切気にしない、ということで。
猟兵たちはザ・ステージの奥へ怪人『オンナマズ』を追い詰めた。
逃げ切れないと悟ったオンナマズは、猟兵へ向き直って再び激辛料理をむしゃむしゃと食べ始めた。
「こうなったら! 食べまくってパワーアップよ!」
ボロボロのオンナマズが激辛料理を食べるたびに、何故か少しずつ傷が癒えてゆくではないか。
そうはさせないと2人の猟兵がステージ内の激辛料理に手を付け始めた。
「へぇ、辛いものの食べ放題か。俺、こう見えてグルメなんだよね♪」
ホンドギツネの妖狐族の少年、石狩・和人(急尾の猛狐・f06901)が舌なめずりをする。
「甘口辛口なんでもござれ、俺に食えないモノなんてないぞ。ふふふ。頂いたものは残さずキレイに平らげるさ。」
「石狩様は激辛料理の大食い対決はお得意なのですね」
バーチャルキャラクターの夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はにこやかに石狩に微笑む。
「激辛料理で大食い対決、ですかぁ。元々辛い物は好きですし、丁度、先日、依頼で甘い物を大量にいただいた分、反動で辛い物が欲しくなっておりましたから、丁度良いかもしれませんねぇ」
夢ヶ枝は確かに、先日、他の世界で甘味まみれになってゴロゴロと転がるほどまで太りまくったのだが……。
「大食いの経験は豊富とは言えませんが、肉体・精神の両面に於いて、少し前に相当な量をいただいた時の感覚が残っておりますから、今なら何とか出来る気がしますぅ」
ん、ん~っ! アルダワ魔法学園でのデブ依頼の事は、その豊満な胸の奥へそっとしまっておくんだ、いいね?
「とにかく、今回も食べ放題ですよねぇ? 思いっきり堪能しますぅ」
「えっ、なんだって本当かい!?」
夢ヶ枝の話を聞き付けた数宮・多喜(激走サイキックライダー・f03004)は、その表情をぱぁっと明るく花咲かせた。
「激辛料理食べ放題ってマジかよ! ぃヤッター!なぁなぁ、マイデスソース持ってっていいよな!? ていうか既に持ってきてるけどな!!」
数宮がいうやいなや、手近にある激辛ピザにマイデスソースをまるまる一本ぶちまけると、そのまま満面の笑みのままかぶり付いた!
「いただきまーす! あむっ! んん~っ! 最っ高~!」
「私もピザをいただきますぅ」
夢ヶ枝もデスソースが滴るほどに掛かったピザを数宮とシェアして口の中へ。
「やっぱり、この辛さ、堪らないのですぅ」
「俺もデスソースピザに挑戦したい! さて、美味しくいただきますか……!」
ここで石狩もエントリー!
猟兵は唐突な激辛ピザパーティーを開催!
これには怪人、茫然と猟兵3人をうらやましそうに眺めるだけしかできない。
「え、そういう事するの? ボッチのワタシに精神的ダメージを与えようって作戦? ちょ、え、いいなぁ? ワタシもそれ、食べてみたいんだけど? 一口ちょうだい?」
「いやだよ、自分のところのピザを食べろよー! 怪人がイェーガーピザパに混ざってくんなよー!」
数宮が鬱陶しそうに怪人をシッシッと手で払いながら、更に追いデスソースをピザに振りかけ始めた……。
既にデスソース2本目、消費!
「怪人さんは大人しく、あちらの壁に向かって黙々と食べるのがお似合いですぅ」
激辛ピザに飽き足らず、激辛チョリソーを激辛ピザで巻いてオリジナル激辛料理を捜索しだす夢ヶ枝もまた、怪人の参加にはかなり後ろ向きの態度。
「そうやって俺たちの食べる分を減らそうって魂胆だな? 騙されないぞ?」
石狩は激辛担々麺にシフトチェンジ。豪快に激辛麺をすすりながら、怪人の同行に警戒の色を示す。
「うう……。いいわよ、ボッチでも最後に勝つのはワタシよ……!」
オンナマズは気落ちしながら、壁に向かい合って黙々と激辛フライドチキンを食べ始める。
こうして、猟兵たちは知らず知らずのうちに怪人の精神に重大なダメージを与えることに成功した。
ここで石狩が更に料理を乗り換える。
「次は激辛麻婆豆腐丼かなー。さっきの担々麺といい、こういう味付けって四川風っていうんだっけ?」
「そうだな。とにかく、美味い事には変わらねぇ。あ、そこの麻婆豆腐丼は花椒もうちょい追加で。でもってトムヤムクンまであるのかよ! やばい! なんだよ、ここは激辛天国かよー!」
テンション青天井の数宮は、更にペースアップ!
今までの誰よりも激辛料理をこよなく愛し、そして完膚なきまでに食い尽くしてゆく様は、まるで神の偉業を目の当たりにしているかのようだ。
数宮の周囲にある激辛料理は、あっという間に彼女の意の中に吸い込まれてゆき、すぐさま戦闘力へと換算されてゆく。
「おい、オンナマズとかいったな? 今、何皿食べたか数えてみろよ?」
怪人は数宮の急な質問に戸惑いながらも、自分が完食した皿の数を数え始めた。
「え、ええ。いいわよ? ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ……」
「ところで、今、なんどきだい?」
「……?」
数宮の問い掛けを聞いたオンナマズの動きが完全に制止した。
目にも止まらぬ速さで、数宮は怪人の主観時間の39秒分を停止させる思念波を放ったのだ。
これが数宮のユーベルコード『時縛る糸(クロノスタシス)』である。
「おい、今だ! 怪人の周りの食べ物、ごっそりこっちへちょろますよ!」
猟兵3人は慌ててオンナマズの周辺から食料を奪い取ると、何事もなかったかのように食事を再開。
「おう、ありがとよ」
数宮が怪人に声を掛けると、再び怪人の時間は動き出す。
そして目の前からすっかり食べ物の山がなくなったことに気が付き、慌てふためきだす。
「ちょ、ちょっと! それはワタシの食べ物よ! 返して!」
「へぇ、おかしなことを言うね? 別に誰も食べ物でもないはずだけど?」
石狩は紅く染まったマズルを舌でぺろぺろと舐めながら怪人を見遣る。
「太ることを心配してくださるのなら、お構いなくぅ。私、胸に栄養が集中しやすい体質なんで、大きくなるのは胸だけなんですぅ。ですので、カロリーは一切気にしない、ということで」
そう語る夢ヶ枝の胸はだらしないほどに豊満だった。
「そういやナマズも、ちゃんと泥抜きすれば淡白な味らしいよな。でもってそれって……激辛のベースにぴったりだよなぁ?」
ギラリ!
数宮の双眸が怪しく輝く!
オンナマズは自身に迫る身の危険を察知し、すぐさま臨戦態勢へ移行!
「た、食べられて堪るものですか! ワタシはただ、ナマズを愛しているだけで、食材じゃないわ!」
すっかり恐怖で縮みあがる怪人だが、猟兵たちは情け容赦なく責め立ててゆく。
「たくさん食べてもすばやく動ける自信はあるよ?」
石狩はスリングショットで後方からオンナマズを連続狙撃!
ぺちぺちとぶつかる鉄球がオンナマズのぬらぬらした皮膚に突き刺さる。
地味に痛い!
「いたたたっ! もう怒ったわ!」
オンナマズは身長3m強の巨大ナマズ人間を召喚!
「ぺしゃこんこにしてあげるわ!」
巨大なナマズ人の拳が猟兵の頭上へ落とされる!
だが、そうはさせないと数宮がふたたび問いかける。
「さっきも聞いたんだが、今、なんどきだい?」
「……!」
すると、再びオンナマズは巨人とともに停止。
この隙に夢ヶ枝は疾風の如く駆け寄り、サムライブレイドを抜き払う!
「真っ二つですぅ!」
剣刃一閃! 巨大ナマズ人を一刀両断!
「はっ!? 今、ワタシは何を? って、また何かされたの!?」
消失してゆく巨大ナマズ人に気が付いたオンナマズ、今度は数で圧倒しようとする。
「出てきて、ナマズ人! そして融合よ!」
「「ナマーズ!!」」
80人のナマズ人が召喚されると、次々と融合を開始!
額の数字がどんどん上昇してゆき、4人の『20』と額に掛かれたマッチョなナマズ人が爆誕する。
「さぁ、ゆきなさい! 猟兵たちを蹴散らすのよ!」
「「ナマァーズッ!」」
屈強なナマズ人たちが猟兵たちを襲う!
しかし、石狩は敢えて前に進み出る!
そして霊刀オオトリのファンタステックな柄に手を掛けると、鞘からバーニアめいた炎が噴出!
「俺はもう振り返らない! この刃は……護る為にあるんだ!!」
石狩はジェット噴射めいた炎の居合斬りを放つと、筋肉ナマズ人の上半身と下半身が焼けこげながらキレイに分割されてしまった!
更に数宮はサイキックナックルに稲妻のサイキックエナジーを込めると、向かってくる筋肉ナマズ人の顎を強かに突きあげる!
「ドラァッ!」
「アババババババ!?」
感電して全身から煙を立ち上らせながら絶命するナマズ人!
そして夢ヶ枝もまた袈裟斬りにナマズ人を一刀両断!
「そんな!? あ、あたしを守りなさい!」
残る筋肉ナマズ人を盾にするオンナマズ。
だが、それは無意味だと言わんばかりに石狩が縮地めいて距離を詰める。
「瞬迅――」
柄に手を掛ける。地獄の釜の蓋を開けるか如く噴き出す紅蓮の炎が鞘に収まり切れずに吹き上がり、もはやそれはプロミネンスめいた炎の刃となって音速で振るわれる!
「猛狐炎陣閃! ハァッ!!」
石狩の一振りは、一度に2人の怪人の胴体をいとも容易く通過してゆき、切り口を焼き焦がしながら上下バラバラに切断する!
「グワーッ切断! サヨナラ!」
オンナマズは断末魔を上げながら大爆発!
身体を四散させ、それを見た猟兵たちは勝利を確信するのだった。
ステージの上を見上げると、何やら無数の花弁が降り注いでくるではないか。
その花弁はいつしか、どこかへ繋がる道へと変化してゆく。
これは、もしや『システム・フラワーズ』へ繋がる道……!?
猟兵たちの戦いは、いよいよ幹部怪人との激闘に突入する!!
大成功
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