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じょおうさまのやぼうははてしなく

#UDCアース

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#UDCアース


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●えまーじぇんしー
「済まない、緊急事態だ。皆、急ぎUDCアースへと渡って欲しい」
 ともすれば事件の説明さえ省略して転移を開始しようとするニコ・ベルクシュタイン(虹の未来視・f00324)を、これまた訳もわからぬまま集められた猟兵たちがどうどうと制する。
 しばらくのち、ようやく落ち着きを取り戻したニコが平身低頭の上で説明を開始した。

「……先程は大変失礼した、UDCアースで『世界征服』を目論むオブリビオンの存在が確認された。世界の危機だ」
「世界征服」
「そうだ、事前に予知出来て本当に良かった。首謀者は……悪の女幹部」
「悪の女幹部」
 ニコの口から淡々と語られる荒唐無稽とも思える内容の話に、思わずおうむ返しをする猟兵たち。だが、このグリモア猟兵が冗談を言ったところなど、今まで見たこともないのもまた事実であり。

「手下にはカエル頭のエージェントを多数引き連れていることが確認出来た。先ずは彼奴等をなぎ倒してから、ボスである女幹部を狙って貰いたい」
 普段は厳重な守りで固められているという敵のアジトだが、社員研修で大半のカエルエージェントが出払っているのだという。警備が手薄になっている今こそ好機である、そうニコは力説した。

「社員研修……」
 またしても飛び出したパワーワードを思わず復唱する猟兵もいたとかいないとか。
「……恐らく、福利厚生などもしっかり整備されているのだろうな。カエルエージェントも女幹部も『世界征服』という目的に対するモチベーションが非常に高い。だが!」
 ニコが珍しく声を張り上げる。バンと音がしそうなほど振った腕の先には3Dホロモニタと、そこに投射された豪華なホテルの風景が!
「其処は俺達猟兵も負けてはおらぬ。皆が無事此の任務を達成した暁には、此の豪華五つ星ホテルに無料でご招待しようではないか!」
「豪華五つ星ホテル!」
 猟兵たちの復唱が途端に喜色を帯びる。それを見たニコが満足げに虹色の星型のグリモアを輝かせながら、転移の準備を始める。

「俺が皆を転移させるのは敵のアジトの真ん前だ。完全に油断しているので、ドンと奇襲を掛けてしまって構わない。流石に女幹部は手強いだろうが、皆ならば大丈夫だと信じている。其れでは、武運を祈っているよ」


かやぬま
 初めまして、こんにちは。かやぬまと申します。
 全世界制覇ツアーのUDCアース編です、せっかくの異形と怪異に満ちたこの世界でこんなことになってしまったのは、ひとえに私めの責任です。先んじてお詫び申し上げます。
 それでもよろしければ、しばしお付き合い頂けますと幸いです。

 第三章の日常パートでのみ、PC様からお誘いがあった場合に限りグリモア猟兵のニコがお邪魔致します。何か付き合わせたいことなどがございましたら、お気軽にお申し付け下さいませ。
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第1章 集団戦 『エージェント・アマガエル』

POW   :    はねかえる
【強靭な肉体 】による素早い一撃を放つ。また、【あらかじめ跳ね回る】等で身軽になれば、更に加速する。
SPD   :    いろいろつかえる
いま戦っている対象に有効な【エージェントひみつ道具 】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    死亡フロッグ
自身の【死亡フラグをつい立ててしまう言動 】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

佐倉・理仁
悪の幹部だ?
世界征服だぁ?
お前らみたいのが変な事するから、俺は巻き込まれて……くそ、俺だってやってやるよ。


……あ、ヤベェこれ絶対道に迷うやつだ。
でもまあ俺は一人じゃない。猟兵仲間ってのも居るんだろ?いけるいける…。
俺がビビってどうするよ、【リザレクト・オブリビオン】を『高速詠唱』
呼び出すのはカエルの毒で死んだ(自己申告)騎士、蛇のような姿の邪竜。
「未練があるだろ? 好きにしろよ。」
俺は全力の「逃げ足」で死霊の影に隠れる!
俺は一般人みたいなもんなんだよ、特撮はお前らに任せたっ。

死亡フラグ立てて自己強化とは、体張りすぎだろ。
「よぉ、そのセリフはやめときな。今日は最悪の日だぜ」

アドリブ共闘歓迎!


赤星・緋色
おっけー、緊急事態なんだね。急ぐよ!
で、何をすればいいんだっけ?

なるほどー
悪者が相手なら容赦はいらないね!
という訳で。
ふははははー、出てきたなカエルどもめー
貴様らなど私が蹴散らしてくれるわー

はい。そんな感じで、ガジェットショータイム!
今回ご紹介しますのは、魔導蒸気で駆動するドライヤー
超高温の温風で乾燥させてあげるよ(ミイラみたいに干からびる敵な意味で)
カエルみたいな両生類は乾燥に弱いからね!
属性攻撃の属性は……乾燥?

集団戦だし技能の範囲攻撃で一気にぶわーってやっていくよ
敵の中に飛び込んで、敵を盾にするなんかも使ってぶわーって
近くに他の猟兵がいたら一応援護してあげようかな



●やってやろうじゃねえかよこのやろう
「悪の幹部だ? 世界征服だぁ? お前らみたいなのが変な事するから、俺は巻き込まれて……」
 グリモアベースから敵の拠点の真ん前に転送された佐倉・理仁(死霊使い・f14517)は、突然踵を返してずんずん歩き出し、かえって目的地から遠ざかっていってしまうではないか。
「くそ、俺だってやってやるよ。……あ、ヤベェこれ絶対道に迷うやつだ」
 そりゃあ迷いますよ既に到着している場所からあえて動いちゃうんですもの。方向音痴ってもはや才能のひとつなのかも知れませんね。

(でもまあ俺は一人じゃない。猟兵仲間ってのも居るんだろ? いけるいける……)
 俺がビビってどうするよ。そう自分に言い聞かせて若干変な汗をかきつつなおも歩を進める理仁の両肩に突然何者かの手が置かれる。そして半ば強制的に来た道の方へとぐるりと身体の向きを変えさせられると、目的地である敵の拠点まで強制送還という名のグイグイ押しが始まる。
「おっけー、緊急事態なんだね。急ぐよ!」
 理仁の軌道修正を行ったのは猟兵仲間の赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)だった。赤を基調としたいわゆるスチームパンク調の衣装が洒落た少年だ。突如明後日の方向に進みだしてしまった理仁を見かねたのか、それともたまたま通りがかっただけなのか、何にせよ理仁が救われたのは事実である。
「お、おう、助かったぜ。これで敵のアジトに乗り込めるってモンだ」
「うん! で、何をすればいいんだっけ?」
 緋色の口から衝撃の言葉が飛び出したのは、スタート地点に戻ってきた時だった。

 一方その頃、一見普通の雑居ビルに見える悪の秘密組織のアジトを守るアマガエル頭のエージェントたちは、入口の自動ドアや玄関ホールに置かれた置物などを布で丁寧に磨きながら、一応有事に備えていた――つもりだった。
 だってまさか思わないじゃない、警備が手薄になった隙を突かれて敵襲があるだなんてそんな絵に描いたような展開。
 なので普通に自動ドアをくぐって理仁と緋色が入ってきても、最初はお客様かな? などと思ってしまった彼らを誰が責められようか。まあ懲戒モノなんですけどね!

「【リザレクト・オブリビオン】――未練があるだろ? 好きにしろよ」
 悠々と先手を取った理仁が驚くべき速さで「カエルの毒で死んだ(※自己申告です)騎士」と「蛇のような姿の邪竜」と喚び出すと、そこでようやく敵襲だと気付いた帰るエージェントが大慌てで戦闘態勢に入る。

『ケロッ!? 面倒な研修を免除されてラッキーと思っていたのに!!』
『まさか……猟兵!? ピンチだケロ、今日のシフトはギリギリの人数で回しているのに!!』
 シフト制。何と生々しい。一人でも風邪とかでコケると大惨事じゃないですか。だが猟兵が敵であるオブリビオンのそんな事情を考慮する訳もなく。理仁の喚び出した騎士と邪竜が容赦無くカエルエージェントたちに襲いかかる。特に心なしか騎士のカエルエージェントたちへの攻撃が苛烈を極めている気がするのは、やはり自身の死因とかそういうものの絡みであろうか。
 騎士と邪竜がエージェントたちを蹴散らしている間、召喚者の理仁は逃げ足を活かして先程までカエルの一人が丁寧に磨いていた置物の陰に隠れて様子をうかがっていた。
(俺は一般人みたいなもんなんだよ、特撮はお前らに任せたっ)
 特撮て。でも特撮ですね。死霊の騎士と邪竜がカエル頭のエージェントと大立ち回りですからね。しかし高みの見物を決め込もうとした理仁の背中を、カエルエージェントの一人が懐から取り出した拳銃で狙っていた!

 危うし、と思われたその時、救世主はまたしても現れた。
「なるほどー、悪者が相手なら容赦はいらないね!」
『ゲロッ!?』
 拳銃を構えたカエルエージェントの更に後ろから、手刀の一撃で昏倒させた緋色がいい笑顔で周囲を見回す。もはや玄関ホールは本日出勤のカエルエージェントでいっぱいだ。お昼休憩中の者も緊急招集されたに違いない。
「――という訳で。ふははははー、出てきたなカエルどもめー。貴様らなど私が蹴散らしてくれるわー」
 そう言うなり緋色は、今しがた昏倒させたばかりのカエルの首根っこを引っつかむと、それを盾にするようにカエルエージェントたちのまっただ中に突撃していく!

『く、来るケロ! 撃て撃て! 迎撃ケロ!』
『駄目ケロ、そんなことをしたらあいつが!』
 味方を思う心が仇になったか、自陣深く緋色の侵入を許したカエルエージェントたちのほぼ中心で、ポイッと盾にしたカエルを放り捨てた緋色のオンステージが始まった。
「はい。そんな感じで、ガジェットショータイム!」
 空いた手で取り出したのは、何やらゴテゴテと装飾が施された――ドライヤー。
「今回ご紹介しますのは、魔導蒸気で駆動するドライヤー。超高温の温風で乾燥させてあげるよ」
『ヒエッ……』
「カエルみたいな両生類は乾燥に弱いからね! それそれー」
 ゴオオォォーーーーーー。COOL、LOW、HIGHと三種類選択出来るモードは当然HIGH、しかも追加でTURBOなるボタンまで押されて殺意全開の熱風がカエルエージェントたちを襲う!

『アアーッ! 乾く! 乾いていくぅー!!』
『なっ、何て血も涙もない攻撃なんだケロ!』
『誰かっ、有効なエージェントひみつ道具を出してケロォ!』
『(ガサゴソ)焼け石に水かも知れないが、き、霧吹きとか』
「あははは、効いてる効いてるー」

 阿鼻叫喚の地獄絵図と化したカエルエージェントたちと、何の悪びれもなく笑いながらドライヤーの熱風をまんべんなく浴びせていく緋色。カエルエージェントたちは必死に霧吹きで水分を補おうとするが、追いつかない。

『くっ……こんな所でやられてたまるか! 俺は、今日仕事が終わったらケーキを買って帰って、娘の誕生日を祝うと約束しているんだケロ……!』

 あっ。
 とあるカエルエージェントの台詞を聞いた理仁が、置物の陰から思わず身を乗り出した。死亡フラグ立てて自己強化とは、体張りすぎだろうとは思っていたが。
「よぉ、そのセリフはやめときな。今日は最悪の日だぜ」
『ケ……ロ?』
 いかに身体能力を強化しようと、それを上回る力で圧倒されては意味もなく。カエルエージェントは理仁の「影」に潜む得体の知れぬ災厄により、何が起こったかも分からぬままその場に崩れ落ちる。

 かのカエルエージェントにとって、まさに『最悪の日』となった瞬間であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

山路・紅葉
🐰うわー…悪の組織、何かのテレビ番組みたい…
🐺…アンタ、割と自分もそんな感じになってるの、忘れたの?
🐰う!?

と、とにかく悪い事はダメだよ!頑張って止めないと
か、カエルさん?わっ、跳ね回ってる!?
えっと…敵の移動を"追跡"と予測をして"見切り"、敵の攻撃に合わせて二丁銃で"カウンター"をすればいいんだよね?
使うコードは『Black Bloom』、その性質上"零距離射撃"になるから気を付けないと…
正式な猟兵になってからの初めての戦い…頑張ろう、織子ちゃん!

※アドリブ・絡み歓迎



●ふたりでひとり
 カエルエージェントたちが、軒並みしなびた状態から互いを必死に霧吹きで水分補給し合い命をつなごうとしているという、ある種奇っ怪な光景を尻目にしつつ現れたのは山路・紅葉(白い兎と黒い犬・f14466)という猟兵であった。

「うわー……悪の組織、何かのテレビ番組みたい……」
「……アンタ、割と自分もそんな感じになってるの、忘れたの?」
「う!?」

 今度はカエルエージェントたちが紅葉を奇っ怪なものを見るような目を向ける番だった。このお嬢さん……一人で会話をしている……!?
 違うのだ。紅葉の名誉のために解説をさせて欲しい。紅葉は過去にそれこそまさに悪の組織と言うべき存在に拉致された上、改造手術を施されてしまったという経歴を持っている。その時埋め込まれた試験兵器『黒犬』が自我を持った存在――織子と名付けられた――との共生をしているという状況なのだ。
 よって、紅葉と言葉を交わした存在は――人口UDC刻印兵器『黒犬』こと織子であり、独立した人格存在なのである。決して一人芝居などではない。

 しかし、カエルエージェントからしてみれば紅葉と織子が猟兵である以上、平穏な日常を突如破壊しにやってきた驚異であることに代わりはなく。悪の組織に平穏な日常なるものが果たして存在するのかはさて置き。

『よし、だいぶ潤ってきたケロ……猟兵め、今度こそ遅れは取らないケロ!』
「と、とにかく悪い事はダメだよ!」
 お肌をツヤツヤさせながら次々と立ち上がるカエルエージェントたちを前に、至極まっとうな言葉をかける紅葉。いつの間にかニュッと姿を現した織子もうんうんと首肯して同意する。心強い味方だ。

(頑張って止めないと……!)
 優しげな表情をキリッと引き締め、紅葉はカエルエージェントの動きを慎重に観察する。するとどうだろう、カエルたちは突如縦横無尽に跳ね回り始めたではないか!
「か、カエルさん? わっ、跳ね回ってる!?」
『ケロケロケロ、恐れおののけ猟兵! この動きを見切れるかな!?』
 カエルたちの飛び跳ねるスピードは徐々に速まっていき、必死に目で追っていた紅葉の限界をも超えようとしていた。しかし、ひとつだけ分かったことがある。
 ――規則性だ。カエルたちの動きには一定の法則があり、決してランダムではなかった。これならば、予測も可能というものである。

(……次、来るわよ)
(ありがとう織子ちゃん、分かった!)

 至近距離で囁きに近い言葉を交わした二人(?)は、強靭な肉体でもって素早い一撃を放ってきたカエルエージェントを、思い切り前転して回避する。
『ケロ!?』
 まさかかわされるとは思っていなかったのだろう、次いで襲いかかるカエルたちを、地を蹴り横っ飛びで、または軽く半身を後ろに反らしていなしていく紅葉と織子。

 そして、それだけでは終わらなかった。

 自分こそが捕らえてみせると飛びかかってきたカエルエージェントがギリギリ射程内――銃口から30cmに接近するまで、我慢強く待って、待って――
『ケローーーっ!!』
「この距離なら外さない! 【Black Bloom(ブラックブルーム)】!」
 カエルエージェント渾身の飛び蹴りを迎撃するかのように、紅葉のユーベルコードが火を吹いた。二丁のカスタムハンドキャノン「スコル」と「ハティ」による超高速かつ大威力の一撃……いや二撃と言うべきか、それが至近距離で放たれたのだからたまらない。カエルエージェントは叫び声を発する余裕さえなく、文字通り吹っ飛ばされた。
 一方の紅葉は、すさまじい反動に必死に足を踏ん張って耐えていた。自分も反対側に吹っ飛んでいたらそれはそれで絵になっただろうか、と思わなくもなかったが、やはりここは格好良く決めたいではないか。そう思って。

「……正式な猟兵になってからの初めての戦い……頑張ろう、織子ちゃん!」
 まだまだ居並ぶカエルエージェントを前に、今や頼もしい存在である織子に語りかけると、紅葉は次の獲物は誰だとばかりに「スコル」と「ハティ」を油断なく構えるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

明智・珠稀
【変装】で己も黒スーツに着替えつつ

女王様…(トゥンク)
どんな女王様でしょうか、そしてカエルさん達はどんな福利厚生なのでしょうか、気になります、ふふ。
私も下僕に…いえいえ、戦闘に参加いたします、ふふ!

■戦闘
「さぁカエルさん、遊びましょう…!!」
嬉々として躍り出るド変態。
手には黒革の鞭
「女王様にはどんなことをされてるのですか?こんな感じですかっ?もっとですか?」
鬼気迫る表情で鞭を振るうド変態【殺気】【恐怖を与える】

「こんな風に踏みつけてくださるのですかっ?」
とレガリアスシューズで踏みつけたり
女王様への期待を昂らせながら
UC【青薔薇吐息】も使用し大暴れしたいお年頃

※アドリブ&絡み&ネタ大歓迎です❤️


鵜飼・章
『無料』
僕はその言葉に弱い
無料体験と聞けば大体何でもする駄目な人なんだ
また釣られてしまったよ…

仲間と協力して迅速に奇襲を
突入後すぐUC【現在完了】を使い
油断中の敵を刺して身体能力を下げるね
きみは【スナイパー】だよ
虫達にそう言い聞かせて放ち
目立たずこっそり敵を襲わせる

僕に有効なひみつ道具って何だろう
鴉避けグッズとかかな…嫌だな
やめなよこの子達をいじめるのは
【投擲/早業/スナイパー】で武器を投げ
何が来ても的確に壊せるよう準備
針で敵もろとも【串刺し】にし
壁等に固定しよう

ヒトみたいな蛙、可愛いな
標本がいい?
解剖がいい?
痛くしないから大丈夫
【優しさ/恐怖を与える】で怯えさせ
味方や虫が攻撃する隙を作れれば


杜鬼・カイト
豪華ホテル!?
いいねいいねー、ニコくんてば太っ腹。
世界征服だか、悪の女幹部だか知らないけど、要は倒せばいいんでしょ?
んじゃまあ、ここにいる敵からさくっとやっちゃおうか。
なぎなたを手に【殺気】を放ち、カエル達に【恐怖を与える】

敵との間合いは付かず離れず。
距離を詰められたら、なぎなたを振り回して【なぎ払い】間合いをとる。
ぴょんぴょん跳ねまわられるのは目障りだなぁ。
敵の動きを封じるために【永遠の愛を誓え】を使用。
「じっとしてなよ。すぐに壊してあげるから」
微笑みながらなぎなたを振るう。

■アドリブ歓迎



●きょうふをあたえる×3
 本日アジトを守る役目を与えられ「出勤」していたカエルエージェントたちの数は哀れ半数近くまで減り、いよいよ「本部」にいる自分たちの上司――件の「女幹部」にも連絡が行っているであろう頃合いに、次いで三人の猟兵たちが踏み入ってきた。

「『無料』――僕はその言葉に弱い。無料体験と聞けば大体何でもする駄目な人なんだ」
 そしてこうして、また釣られてしまったよ……。そう軽く天を仰ぐのは鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)。大丈夫? 今まで無料体験のあとに高額の契約を迫られたりしなかった? 今回は大丈夫だから安心して!?

「豪華ホテル!? いいねいいねー、ニコくんてば太っ腹。世界征服だか、悪の女幹部だか知らないけど、要は倒せばいいんでしょ?」
 あっ次は戦闘民族が来た。杜鬼・カイト(アイビー・f12063)である。彼女――いや、セーラー服にその身を包みながらも男性である彼もまた、任務成功のご褒美を楽しみにする一人であった。

 二人は何はともあれ協力して迅速なる奇襲を――と思っていたのだが、どうしても「変装」で己もカエルエージェントよろしく黒スーツに着替えたいという明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)を、律儀にも待ってあげたのだ。
 そんな珠稀は対峙する悪の組織の内情に思いを馳せていた。
「女王様……(トゥンク)。どんな女王様でしょうか、そしてカエルさん達はどんな福利厚生なのでしょうか、気になります、ふふ」
 多分、今回の襲撃で殉職したエージェントの遺族には手厚い補償が為されるのではないでしょうか。先程は家族を残して散ったカエルもいましたしね。

「私も下僕に……いえいえ、戦闘に参加いたします、ふふ!」
「んじゃまあ、ここにいる敵からさくっとやっちゃおうか」
 そうして三人揃ったところで、カエルエージェントたちも覚悟を決めて身構える!

 これが、カエルエージェントたちにとってのある意味地獄の始まりとも知らずに……。

 なぎなたを手にむき出しの殺気を放ち、初手からダイレクトな恐怖を与えることを狙うカイト。カエルたちとの間合いは付かず離れずだが、ひりつくような感覚に耐えかねたカエルたちの方から思わず「あの」台詞が口からこぼれる。

『何て殺気だ……次は俺の番ケロか、今日は仕事上がったら彼女に婚約指輪を渡そうと思っていたのに』
「婚約指輪? 素敵だね、渡せるといいね! ところでオレの自慢の指輪を見てくれない?」
『ケロ……っ』

 カエルエージェントの方から間合いを詰めるどころかむしろ殺気を放ったままのセーラー服男子(かわいい)がつかつかと迫ってくるのだ。思わず声も出ようというもの。
「……じっとしてなよ。すぐに、壊してあげるから」
 ふふ、と妖艶な笑みを浮かべた少年は、左手薬指にはめられた「緑碧玉の指輪」をずいとカエルに近づけると、囁くようにユーベルコードを発動させた。

「――【永遠の愛を誓え(シンデモハナレナイ)】」

 その言葉と同時に、指輪からアイビーの蔦がぶわっと放たれ、それはみるみるうちにカエルをぐるぐる巻きに拘束する。星のような形の葉が愛らしいアイビーは、しかし今は凶悪なる拘束具と化して、カエルを決して逃さない。
 そうして、婚約者に渡すべく用意した指輪を別室の鞄に潜ませたままのカエルエージェントは、微笑んだままなぎなたを躊躇いなく振るったカイトによって、哀れその生命を散らせたのであった。

「ふふ、こんなアブナイお仕事してたら、こんなことになるくらい覚悟の上だよね?」

 あくまで笑みを崩さないカイトの姿に、恐怖の念をさらに深めるカエルエージェントたちであった。

 一連の様子を為す術もなく見ているしかなかった他のカエルエージェントたち。彼らが無事で済むかといえば、当然そんなはずもなく。
(本当は突入後すぐに発動させて隙を突きたかったけれど、今なら今で行けそうだね)
 騒動の陰に隠れつつ、章は密やかに【現在完了】を発動させ「手足の神経を麻痺させる蜂」「一時的に視力を奪う蠍」「意識障害を招く毒蜘蛛」の三種の虫を召喚する。
 味方の哀れな最期に気を取られている他のカエルエージェントたちを狙うには絶好の機会だ。目立たず、こっそりと、襲撃せよと指示を出す章。

(――いいかい、きみは『スナイパー』だよ。静かなる狙撃手だ。相手に気付かれぬまま仕留めるんだ。やれるね?)

 虫たちは言葉なきものではあるが、主である章の意思は確かに伝わったのであろう。間もなくしてカエルたちが次々と手足を硬直させ、あるいは突如視界を失いフラフラと彷徨い始め、その場に立っていられなくなる個体さえ現れる。――成功だ。
『し、しっかりするケロ! みんなどうしたケロ!』
 幸か不幸か難を逃れたカエルが一体、バタバタと倒れ伏した仲間たちを必死に揺さぶる。そうしてハッと顔を上げた先には、お勤めご苦労さまという体で虫たちを喚び戻す章の姿があった。

『お、お前のしわざケロ!?』
「だったらどうするのかな?」
 カエルの厳しい声にも動じず、飄々と返す章。その手には「少年の日の思い出」と銘打たれた――「何か」をピン留めするための、針。
『む、虫使いか! これ以上はさせないケロ!』
 そう言ってカエルエージェントが取り出したひみつ道具はズバリ、虫除けスプレー。次はないぞとの強い意思を感じたが、それでも章の表情は崩れない。
「……やめなよ、この子達をいじめるのは」
 そう言うやいなや腕を振り、手にしていた針を目にも留まらぬ速さで投擲する!
『ケロ……っ!?』
 気がついた時には、カエルの左の掌が章の針で壁に縫い留められていた。その様まるで――カエルの解剖の下準備だ。強固に固定された左手を何とかしようと必死で、カエルエージェントはゆっくりと近づいてきていた章に、ギリギリまで気が付かなかった。

「――ヒトみたいな蛙、可愛いな」
『ケロっ!!?』
 突如至近距離でささやかれて声を上げるカエル。構わず章は続ける。
「標本がいい? 解剖がいい? 痛くしないから大丈夫」
 カエルの顎(にあたる部分)にそっと指を添えながら、あくまで優しく語りかける章であったが、その言葉の意図は明らかに「怯えさせる」ことにあった。
 いっそ先程の虫たちの攻撃で倒れ伏していた方がまだマシであったやも知れない、極限の恐怖に震えるしかなかったカエルエージェントであった。

(攻撃するなら今だよ、どうぞ存分に)
 そう目配せした章がすっと身を引くと同時に、待ってましたとばかりに嬉々として躍り出てきたのは珠稀である。今日も元気だド変態。
「さぁカエルさん、遊びましょう……!!」
 その手に握られていたのは、黒革の鞭であった。それを見たいまだ拘束されたままのカエルエージェントがヒッと息を呑む。

「女王様にはどんなことをされてるのですか? こんな感じですかっ?(ビシッ)もっとですか?(ビシィッ)」
 鬼気迫る表情で鞭を振るう珠稀からは、カイトとも章ともまた違った殺気と恐怖を与える意思がダダ漏れしていた。恐怖の種類にもいろいろあるんですね!
 左手を固定されて逃げることが出来ないカエルエージェントは、珠稀の絶妙な鞭さばきに確実にダメージを与えられながらも、心なしか頬を赤らめているようにも見えた。えっちょっと待って本当にそういうアレでソレなんですか。

「こんな風に! 踏みつけてくださるのですか?」
 珠稀の責めは鞭打ちだけにとどまらず、レガリアスシューズでの踏みつけにまで及ぶ。とどめとばかりに【青薔薇吐息】を両手を広げながら展開し、無数の青薔薇の花弁を舞い散らせて大暴れする珠稀。その胸に潜ませるのは、まだ見ぬ女王様への期待と昂ぶりであった。

 ――幻想的でさえある青薔薇の花弁が舞い散り終えたあと、そこにはぐったりとして動かないカエルエージェントたちの姿があった。その表情は一様に「恐怖に歪んたかのようなもの」であったという。おおひどい、いったいだれがこんなことを!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ロダ・アイアゲート
グリモア猟兵の仕事ばかりで現場に行けてませんでしたからね、私も猟兵として戦いたいです。

社員研修に福利厚生…
そこら辺のブラックな企業よりよほどまともに見えますね、世界征服さえなければ。

本音を言うなら宇宙バイク【Meteor】で轢いてしまいたいところですが、あの位の大きさでは可愛いバイクが凹んでしまいそうなので、ガトリングガン【Aiming at a shot】でハチの巣に出来れば。
ユーベルコード01でAiming at a shotを強化。
仲間を巻き込まないように気を付けつつ、銃弾を撃ち込みましょう。
『Do not provide, such as escape(逃げ道など与えない)』


オリアナ・フォルケ
なるほど、つまりこれはアレでしょう?
無事にカエルことが出来たら君に言いたいことがあるんだ…とかそういうこと仰るのでしょう?
プロポーズという一つの愛の終着点へ向かう、決して負けられぬ戦い。
よろしくてよ。
私がその愛が本物かどうか試して差し上げます。かかってらっしゃいな。

【恋の熱視線】を使用し身体能力が上がろうと避けようのない胸の高鳴りと焦がれる恋の熱さをプレゼント。
恋に破れ嫉妬に狂う者達の『呪詛』をまとったフォルケッタで応戦。
逃げ場ごと潰すような『なぎ払い』や胸を貫かんとする『串刺し』で
乗り越えるべき愛の試練の役目を果たしますわ。
例えそんなフラグを立てていなくとも、私の中ではそうなっているので。


ヘスティア・イクテュス
UDCアース…悪の女幹部これキマイラフューチャーと場所間違えてない?大丈夫?


社員研修、世知辛い世の中ね…
わたし達はさっさと倒してニコの財布で豪華五つ星ホテル豪遊するわよ
豪遊するわよ!ニコのお財布(ry


相手が不利な行動するならあえて狙わない手はないわよね
増大後?
……この勝負に勝ったらニコの財(ry

そういえば味方に処断されるパターンの死亡フラグってあるわよね(チラッ)ほら、そこの貴方今がチャンスよ寝返りなさい
あなたとわたしはきっとわかりあえるわ(棒)


ミサイルを相手に撃ち込んで、土煙
やったかしら!?


というか同じ顔のモブの時点で死亡フラグよね?
戦闘終了後
次週、さらば、女幹部。決闘開始!



●しぼうふらぐはおられない
 誤解を恐れずに言えば、ドS三人衆と呼ぶに相応しい猟兵チームが満足げに立ち去っていった後には、ほんの一握りの、死ぬに死ねない理由を持った猛者カエルばかりがかろうじて踏みとどまっていた。

『死ぬ訳にはいかないケロ……こんなところで……俺にはまだ……!』

 月給は平均以上、完全週休二日制、有給休暇取得可能、関連施設割引サービス、エトセトラ、エトセトラ。率直に言って死と隣り合わせの仕事ではあるが、その分福利厚生については言うことがない。
 同僚も気の良い奴らばかり、種族も同じで意気投合するのも容易だった。上司である女幹部も若干癖のある性格をしてはいるが、基本的には部下思いの良き上司だった。
 故に、仕事内容:世界征服という荒唐無稽かつ実現不可能にも思えた仕事内容にも、今日まで邁進して来られたのだ。

「なるほど、これは確かにそこら辺のブラックな企業よりよほどまともに見えますね。……世界征服さえなければ」
 どこからか手に入れた『悪の組織勤務概要』なる書類をパラリパラリとめくって目を通していたロダ・アイアゲート(天眼石・f00643)が納得した様子でカエルエージェントたちを見る。
 グリモア猟兵である彼女は今まで主に予知の仕事を中心にこなしてきており、現場に出る機会になかなか恵まれずにいたという。言うなれば、前線で奮戦する猟兵としての記念すべき第一歩だ。

 ロダの前に立ちはだかった一体のカエルエージェントは言う。
『あ……あんたたちが強いのは分かったケロ、と……投降する、見逃してケロ……』
『なっ!?』
『裏切るケロか!?』
 軽くどよめきが起こる玄関ロビー。ロダさえ道を開ければ、カエルは一目散に出口から逃走出来る立ち位置にいる。
(……所詮はオブリビオン、私が買いかぶりすぎていただけでしたか)
 呆れたという意思表示としてため息ひとつ、ロダは無言で横にずれる。ありがたいと頭を何度も下げつつその横を通り抜けていくカエル。

『――かかったな、こうして命乞いをするフリをして背中から襲いかかる作戦ケロ!』
「……でしょうね、それも立派な死亡フラグですから」
『ケロ……?』

 本音を言うなら愛機の宇宙バイク「Meteor」で轢いてしまいたいところであったが、カエルエージェント程度の大きさでは可愛いバイクが(色々な意味で)凹んでしまいそうだと考え、携帯型蒸気ガトリングガン「Aiming at a shot」でハチの巣にすることを選んだ。
 そう、生殺与奪権はロダの側にあるのだ。蛇にでも睨まれたのごとくその場に固まってしまったカエルエージェントの眼の前で、ロダは着々と準備を進めていく。
 ユーベルコード【Ubelcode01:Strengthening】により強化を施された「Aiming at a shot」の銃口が、小賢しい策を弄したカエルへと無慈悲に向けられる。

「――Do not provide, such as escape」
 果たして、カエルにロダの言葉は届いただろうか。身体中穴だらけとなり散った今となっては、知るすべもなく。

 ――逃げ道など与えない。
 言葉通り、ロダはカエルエージェントを逃がすことなく屠ってみせたのだ。

 そんな様子を横目に、残り二体となったカエルエージェントのうち一体に身の丈ほどはあろうかという金色のフォークを突き付けながら、オリアナ・フォルケ(恋愛成就の金色フォーク・f09185)は言い放った。
「なるほど、つまりこれはアレでしょう? 『無事にカエルことが出来たら君に言いたいことがあるんだ……』とかそういうこと仰るのでしょう?」
『なっ、なぜそれを……!』
 地味にリア充率高くありませんかねこのカエルエージェントたち。さっきも今晩プロポーズ予定だったカエルとかいましたよね。儚く散りましたけど。

「プロポーズという一つの愛の終着点へ向かう、決して負けられぬ戦い」
 一言一言に重みを持たせながらオリアナがカエルへと一歩一歩近づいていく。
「よろしくてよ。私がその愛が本物かどうか試して差し上げます」
 その言葉に覚悟を決めたのか、カエルエージェントが身構える。
「――かかってらっしゃいな」
 見目麗しきお嬢様然としたオリアナが不敵に微笑むのを合図として、決戦が幕を開けた。

 死亡フラグを立て、恋人を残して死の危険に自らを晒すことによって増大した身体能力を頼りに、己の拳で殴りかかってくるカエルエージェント。
 それをしっかりと見据えるオリアナは、視線にユーベルコードの力を乗せる。
「――【恋の熱視線(ズグアルド)】」
『ケ……ケロ……っ』
 何が起こったのかも分からぬまま、カエルエージェントの動きが鈍る。どうしようもない胸の高鳴りと、焦がれるような恋の熱さが、命のやり取りをしているこんな時に突如襲いかかったのだ。

「さあ、私を愛の試練とお思いなさいな。乗り越えるべきものであると心得なさい!」
『ケロ……くっ、あいつの、ためにも……!』
 カエルエージェントが想い人の顔(きっと同じアマガエルなのだろう)を思い浮かべながら、オリアナの言葉に応えるようにファイティングポーズを取り直す。
 対するオリアナは恋に破れ嫉妬に狂う者達の「呪詛」をまとった金色の「フォルケッタ・アモローゾ」で応戦する。
 巨大なフォルケッタによるなぎ払いは予測は出来ても回避は難しく、カエルエージェントを掠めていく。そして数度の斬り結びの末、その胸の鼓動を物理的に止めてやらんと真っすぐ突き出されたフォルケッタは、遂にカエルエージェントの胸を深々と貫いたのだった。

 フォルケッタを引き抜くと、どさりと前のめりに倒れ伏すカエルエージェント。それを静かに見下ろすと、オリアナは少しだけさみしげにまぶたを伏した。
「……悲劇に終わるのもまたひとつの愛の形、見届けさせていただきましたわ」

 そしてついに最後の一体となったカエルエージェントと対峙したのは、ヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長(自称)・f04572)であった。「悪の女幹部」と最初に聞いた時
(キマイラフューチャーの事件と間違えてない? 大丈夫?)
 と思った彼女だったが、どれだけ事の経緯を見守り続けても、これがUDCアース世界での事件であることに間違いはないという裏付けがなされていくばかりで、軽く頭を抱えるのであった。

「社員研修、世知辛い世の中ね……。わたし達はさっさと倒してニコの財布で豪華五つ星ホテルで豪遊するわよ!」
 他人の金で豪華ホテルで優雅なひと時を過ごしたい。何というストレートな欲望だろうか。しかしヘスティアはまだ知らない、事前に約束された豪華五つ星ホテルを手配してくれるのはUDC組織の方々であり、かのグリモア猟兵ではないということを。

 ともあれ、カエルエージェントが律儀にも死亡フラグを立てるべく不利な行動をしてくれることは今までの実例で証明が果たされていた。これを利用しない手はない。
(ふっふっふ、この勝負に勝ったらニコの財布で……)
 後に真実を知ったヘスティアが泣き崩れやしないかが心配になる思考である。

 気を取り直して、ヘスティアは思考を切り替える。
(そういえば、味方に処断されるパターンの死亡フラグってあるわよね……?)
 チラッ。
 カエルエージェントの方を見るヘスティア。最後の一体となったカエルエージェントに、甘い言葉を投げかける。
「ほら、そこの貴方、今がチャンスよ寝返りなさい」
『ケロ!?』
 確かに、もはやエージェント側に勝ち目はない。これ以上戦っても無駄に命を散らすだけかも知れない。そう心揺らすカエルに、ヘスティアの言葉は強く響いた。
「あなたとわたしはきっとわかりあえるわ」
 ――たとえそれが、あからさまな棒読み口調だったとしても。

『くっ……その通り、かも知れないケロ……』
 もちろん、このカエルエージェントもただでは転ばない覚悟であった。この言葉で自分は強化される。そこからの起死回生を狙うのだ。
『だが……っ! 我々アマガエルエージェントにも、意地があるケロっ!!』
 そこへ無慈悲に撃ち込まれるヘスティアの【マイクロミサイル】。大量の焼夷弾とも呼べるミサイルが次々と起爆して、周囲一体はもうもうとした煙に包まれた。

「――やったかしら!?」
 ヘスティアさんひょっとしてそれわざとですか。それともお約束にはお約束で返すお作法か何かですか。当然ながらその台詞を言ったものが見るものは……。
 そこには満身創痍ながら立ち尽くす黒服もボロボロのカエルエージェントの姿が!

「なんちゃって、織り込み済みよ(はあと)」
 追撃のミサイルが、今度こそ最後のカエルエージェントを粉微塵に吹き飛ばした。
「……というか、同じ顔のモブの時点で既に死亡フラグよね?」
 一番言ってはいけない部分を、最後の最後に言ってしまうヘスティアであった。

 ――次週! 『さらば、女幹部』
 決闘開始!(よみかたはおまかせします)

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『悪の女幹部』

POW   :    今週の巨大化獣
【今週の巨大化獣 】の霊を召喚する。これは【パンチ】や【キック】で攻撃する能力を持つ。
SPD   :    戦闘員召喚
レベル×5体の、小型の戦闘用【悪の組織員 】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
WIZ   :    悪の女幹部のおしおき
【剣 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠蓮賀・蓮也です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●たとえぶかがいなくとも
『拠点敵襲、至急戻られたし』
 部下たちの社員研修とは別に、幹部会議なるものに出席していた「悪の女幹部」にもたらされた一報は、彼女を急遽拠点(外観は普通の雑居ビルです)へと取って返させるに充分なものであった。
 そして、現地に到着した女幹部――名をレジーナと言うのだが――が見たものは、破壊の限りを尽くされた玄関ホールと、床にゴロゴロ転がる可愛い部下のアマガエルたち、そして――手ぐすね引いて待ち構えていた、忌まわしき『猟兵』。

「アンタたち……よくも、よくも好き勝手してくれたわね……! 可愛い部下の仇はアタシが取る、どこからでもかかっていらっしゃい!!」

 上司としてはなかなか理想的な存在なのだろう、だがしかし彼女もやはりオブリビオン。倒すべき敵である。猟兵たちよ、今こそ決戦の時だ――!!
オリアナ・フォルケ
先の戦いでは非常に悲しい結果となってしまいましたけれど。
破れるものもあるからこそ、その結びつきは尊く愛おしい。

女幹部様におかれましては
恋心を抱えたまま散った部下のことが頭をよぎり、
自身の恋愛に踏み切れなくなることもあるでしょうけれど。
それでもなお抗いがたい衝動に襲われるのが恋と言うもの!
どうぞ不安に駆られませんよう。
皆様の恋を分け隔てなく応援するこの私が
【恋愛式・超理論】をもって保証させていただきますわ!
あ、結果報告もお待ちしておりますわね。

召喚獣は『なぎ払い』で近寄らせないよう牽制を兼ねつつ攻撃し
私に近寄って来ましたらフォルケッタの先を向け、
カウンターよろしく『串刺し』を狙ってまいりますわ。


杜鬼・カイト
わ~、なんかいかにもな人でてきたね!?
あんたが悪の女幹部くんかー。仇とりだなんて、部下思いの良い上司だね。
「じゃあ、キミも部下のところに送ってあげるね?」
【殺気】を隠すことなく笑顔でなぎなたを構える。

敵の攻撃は【見切り】や【武器受け】で躱す。
狙いは女幹部のみ。巨大化獣とか悪の組織員とか、ぽっと出てきた奴らがオレの邪魔をするっていうなら、バラバラに壊しちゃうよ?
「邪魔だ、どけよ。……それとも、壊されたいのかな?」
笑顔で【恫喝】【恐怖を与える】

それにしても、悪の女幹部ならもっと非道なことしてくれないと、これじゃあオレが悪いみたいじゃない?

■アドリブ歓迎


佐倉・理仁
あれが親玉か……あれ、幹部か。味方だったら俺も嬉しかったかもなぁ。(こっそり隠れたまま)


カエルへの怒り収まらぬ騎士を冥界に送り返しつつ、【災厄の日】の準備にかかる。さっさと帰れって…。『高速詠唱』

殴られても斬られても俺はおしまいだ、とにかく逃げて隠れる。
呼び出す死霊は…さっきのカエルエージェント連中だっ。
「そら、感動の再会だぜ。泣いて喜びな!
大嵐と共に降り注げ!

どれも術で縛った死霊……雨の中にあっても、さっきからのほら、何かもう……酷い死に姿で現れる。
鳴け、鳴け。
親分に飛びついてきな。

落ちた死霊はすぐに上に転送して落とし直す。
この喉のお陰で、一度に色々出来んだよ!

アドリブ共闘歓迎!


ロダ・アイアゲート
人の上に立つ素質が十分なだけに勿体ないですが、こちらもご褒美がかかっていますからね…手加減はしませんよ

しかし私は他の方に比べて火力がないですからね
ここは時間稼ぎに徹しましょう
Ubelcode02:Captureを発動
戦闘員召喚というユーベルコードですが、数が多くても一撃で倒されてしまっては意味がないのでは?
私のガトリングガンを乱射させたらあっという間に数減らせますよ
とうまく挑発してユーベルコードを使用させることが出来れば、あとは援護射撃と2回攻撃を使って乱射して排除
数を減らせば実証成功となりますから、【捕縛機能を搭載したガジェット】に悪の女幹部を捕まえてもらいましょう

※アドリブ・共闘大歓迎



●あくのおんなかんぶ、じゅなんのひ
「あれが親玉か……あれ、幹部か」
 そう、残念ながら社長とかそういうトップの人ではなく、中間管理職の人なのだ。
(味方だったら俺も嬉しかったかもなぁ)

 玄関ロビーに辛うじて残った半壊状態の像の陰にこっそり隠れた状態で、佐倉・理仁(死霊使い・f14517)は遂に姿を現した悪の女幹部を眺める。そのさらに後ろでは、カエルへの怒りがいまだ収まらない先程召喚された死霊騎士が、もう打ち止めかとまるでカエルエージェントのおかわりを要求するかの視線を理仁に向けてくる。
「いや、お前はもうさっさと帰れって……」
「……(しゅん)」
 死霊を扱うのも大変である。理仁は手をひらひらさせつつ死霊騎士を半ば無理矢理冥界に送り返すと、次なる術の準備を始める。

(殴られても斬られても俺はおしまいだ、とにかく逃げて隠れる。女幹部の相手は――こいつらだ!)
「死が、お前を攫いに来る。――【死霊召喚・災厄の日(サイアクノヒ)】」
 理仁が像の陰から半身だけをひょこりと出して発動させたのは、今まさに彼岸の者となったカエルエージェントたちの死霊であった。そこで初めて理仁の存在に気付いた女幹部が、部下の死を冒涜するも同然の行為に憤り、すらりと佩いていた剣を抜き放ち、呻く。
『アンタ……! くっ、この子たちを吹っ掛けてくるなんて、卑劣な……!』
 そう、部下思いの上司である女幹部に、いくら既に死霊と成り果てた身とは分かっていても、それを傷つけるような行為ができようはずもなく。
「そら、感動の再会だぜ。泣いて喜びな!」
 室内にも関わらず、ユーベルコードの効果で発生した大嵐と共に降り注ぐカエルエージェントの死霊と、響き渡る理仁の悪そうな声。これもうどっちが悪役かわかんにゃい…。

『ああ、アンタたち……酷い目に遭って逝ったんだね……ウッ』
 先程の猟兵たちとの色々な意味で壮絶な戦いで散ったカエルエージェントたちの様々な死に様をそのまま忠実に再現した姿は、女幹部に反撃を許さない。降り注ぎ、まとわりつき、怨嗟の声を聞かせて色々な意味でのダメージを与えていく。
「いいぞ、鳴け、鳴け。親分に飛びついて来な」
 地に落ちたカエルは休息を与えられることもなく理仁の再詠唱のより再び天から落ちる存在と化す。

『おのれ猟兵……アンタたちには人の心ってモンが無いのかい!?』
 悪の女幹部やってる人に言われたくないですぅー。そう言い返す代わりに、不敵に笑う理仁であった。

 そんな理仁と女幹部の様子を、ある種危険な瞳の輝きでもって見つめる存在があった。杜鬼・カイト(アイビー・f12063)である。
「わ~、なんかいかにもな人でてきたね!? 何かちょっといきなりやられてるけど」
『う、うっさいわね! ちょっと調子を狂わされただけよ! それよりアンタも猟兵? ここからはアタシも心を鬼にして行くからね、こうは行かないわよ!』
「ほほー、あんたが悪の女幹部くんかー。仇とりだなんて部下思いの良い上司だね」
 カイトはあくまでニッコニコの笑みを崩さない。しかしこれから二人が行うのは命(タマ)の奪り合いである。笑顔でなぎなたを構えると、むき出しの殺意が女幹部を襲う!
『くっ……! あ、アンタ……っ』
「……じゃあ、キミも部下のところに送ってあげるね?」

 カイトの狙いは女幹部ただ一人、余計な邪魔が入ろうものなら片手間に粉砕するつもりだった。だが女幹部も己の身ひとつでカイトと渡り合う覚悟をしたのか、手にした剣でカイトのなぎなたを巧みにさばく。
「ふぅん、やるじゃない」
『伊達に幹部任されちゃいないってコトよ――『ボク』!』
「……っ」
 挑発的な言葉と共に鋭く突き出された剣の切っ先を、しかしカイトは冷静に見切るとなぎなたの先の刃で小気味良い音を立てて弾く。
「キミ、本当に壊されたいのかな?」
 返す刀、ならぬなぎなたで、体勢を整えきれていない女幹部の肩口を思い切り斬りつけるカイト。呻く女幹部。

『ふ、ふふ、やるわねぇ……』
「何感心してるの? 悪の女幹部ならもっと非道いことしてくれないと」
 カイトは像の陰に再び引っ込んだ理仁の方をチラリと見てから、続ける。
「――これじゃあオレたちが悪者みたいじゃない?」
『あぁら今更、アタシからしてみれば、アンタたちは悪も悪、相容れない存在よ!』
 肩口を押さえながらも毅然と返す女幹部に、カイトは思わず満足げな笑みを浮かべるのであった。

「人の上に立つ素質が十分なだけに勿体ないですが、こちらもご褒美がかかっていますからね……手加減はしませんよ」
 豪華五つ星ホテルの効果がてきめんなようで何よりです、ロダ・アイアゲート(天眼石・f00643)さん。眼前で繰り広げられるどっちが悪役かわからないでショーを冷静に観察しつつ、ロダは自分なりの作戦を立てる。

(しかし私は他の方に比べて火力がないですからね、ここは時間稼ぎに徹しましょう)
 まあまあそう言わずという所ではあるが、自己申告ならば仕方がない。ロダは【Ubelcode02:Capture】を発動させて、女幹部の攻撃の弱点を実証して動きを封じ、他の猟兵に直接の攻撃を託す案を実行に移す――が。

「これは……戦闘員ではなく、巨大化獣!?」
『オーッホッホッホッホ! アタシの可愛い今週のズッキュンドッキュンビーストちゃん、やっておしまいっ!!』
『ウオオオォォォーーーーー!!』
 もしもロダがSPDに属するユーベルコードで攻撃を図ったならば、予想通り戦闘員が召喚されただろう。だが【Ubelcode02:Capture】の属性はPOWであり、女幹部もそれに呼応して【今週の巨大化獣】で対抗してきたという訳だ。

(……予定が少々狂いましたが、要は『弱点の実証』さえできれば良い訳です、落ち着いて行きましょう)
 巨大化獣はロダ目がけてこれまた巨大な拳を振り下ろそうとした。しかしロダは避ける仕草ひとつ見せずに声だけを発する。
「――いいでしょう、その拳、振るって見せなさい。ただし、ここに転がるカエルエージェントたちの骸はもちろんのこと、建物そのものが崩壊しますよ」
『ヌッ……!?』
『ちょっ、ハッタリよ! アンタ霊体なんだからヘーキヘーキ! やっちゃいなさいな!!』
 でも一応パンチはやめとくね、という体で拳を下ろした巨大化獣は、今度は右足を大きく後ろに振ってキックに切り替え――

 ドゴォ!!!!!

 巨大化獣のかかとがビルの壁に派手に激突し、ビル全体がヤバい揺れ方をした。
『オウッ……』
 ものすごく申し訳なさそうな顔で女幹部を見る巨大化獣。ぐぬぬという顔をする女幹部。そしてその様子を見て確信したロダがビシリと指をさして宣言する。

「――あなたのそのユーベルコードの弱点は、狭い所では使えないこと。そう、この玄関ロビーのような場所では!」
『うぐっ……!?』
 実証成功。捕縛機能を搭載したガジェットがあっという間に女幹部を捕まえてその場に拘束した。

(……ガトリングガンの出番がなかったのは残念ですが、何とか成功して良かったです)
 徹頭徹尾表情を変えずにここまで戦ってきたロダだったが、内心では色々とあったのである。

 拘束され膝をつく女幹部の元につかつかと歩み寄ったのは、オリアナ・フォルケ(恋愛成就の金色フォーク・f09185)だった。
『くっ殺せとでも言うと思ったかしら? それはジャンル違いってヤツよ――え?』
 そうですよねそれは女騎士の担当ですからね、そう思った矢先に女幹部の頬にそっと掌を添えながらオリアナは語りだす。
「……先の戦いでえは非常に悲しい結果となってしまいましたけれど」
『えっ』
「破れるものもあるからこそ、その結びつきは尊く愛おしい――」
『ちょっと、アンタ何を言って!?』
 困惑する女幹部を置いていく勢いで、オリアナはバッと立ち上がると片手を胸に当て、もう片方の手を天高くかざして、拘束されたままの女幹部に滔々と説く。

「女幹部様におかれましては、恋心を抱えたまま散った部下のことが頭をよぎり、自身の恋愛に踏み切れなくなることもあるでしょうけれど」
(……た、確かに。同期入社(?)の気になるアイツだって、同じ仕事をしている以上はいつどうなってもおかしくない……)
 どうやら女幹部にもちょっと気になる人がいるらしい。幹部クラスになるとそうそう命の危機には晒されないだろうが、現在進行形でピンチを迎えているのだからやっぱり保障などないのだ。それでも――。
「――それでもなお抗いがたい衝動に襲われるのが恋と言うもの!」
『!!』
 この恋愛の権化のごとき女、自分の思考を読んでいるのか!? 思わず狼狽した表情を見せた女幹部に、オリアナは微笑みを返す。
「どうぞ不安に駆られませんよう。皆様の恋を分け隔てなく応援するこの私が」
 そう言って大きく天に掲げていた手を、女幹部を指差しながら振り下ろす。

「【恋愛式・超理論(エクストリーム・ラブレッスン)】をもって、保証させていただきますわ!!」
『はうっ……!!!』
 今まで語られた恋愛論は単純にして明快、そして重い。オリアナの言葉は女幹部の精神にズンと来た。どれくらい来たかというと、女幹部を中心として玄関ロビーの床がことごとく破壊されるほどに来た。

『オ、ウオオォォ……!』
 これはさすがに静観していられないと、先程ロダに行動のことごとくを危険だと指摘された巨大化獣が動く。極力周辺への被害を出すまいと懸命になってせせこましく動く巨大化獣を見たオリアナは、愛用の身の丈ほどある金色のフォルケッタを牽制を兼ねてなぎ払う。
 「――あ、結果報告もお待ちしておりますわね」
 それでも果敢に向かってくる巨大化獣を、カウンター気味にフォルケッタで串刺しにしながら、振り返って女幹部にそう言い添えるオリアナ。

(アタシ、この戦いを生き延びたら……アイツに告白しよう……)
 部下よろしく、死亡フラグを立てていくスタイルの女幹部であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

鵜飼・章
仕事熱心そうな人だからあれが効くかも
大変失礼致しました
私こういう者です
【コミュ力】を発揮して【先制攻撃】で礼儀正しく名刺を渡し怒りを削いでみる
企業戦士なら対応せずにはいられない筈だ

ここだけの話
猟兵から転職を考えてるんですよ
悪の博士枠の求人あります?
【言いくるめ】で真剣に転職相談
まあ大嘘だけど
その間にUC【ヘンペルのカラス】を使用
白い鴉に敵の背後をとらせ
【スナイパー】で命中させる

真面目なきみがたぶん答えない質問はこれ
『ボスの正体はだれ』
拷問に負けて答えたら答えたで
精神的ダメージを負うだろう
嘘つきの悪い子はおしおきだ
個人的には嫌いじゃないけどね

失敗した時は【見切り】で攻撃をかわし
鴉を操って応戦する


明智・珠稀
ふ、ふふ。ついに出会えましたね女王様…!
さぁ、貴女のホワイトな女王様っぷりを見せてください…!
(UC【どちらがお好みですか?】で女明智を召喚
【早着替え】【変装】で女明智は女王様スタイルに)

■対女王
「さぁ、思う存分戦ってください、そしてその技の数々を盗ませてください…!」
男明智は妖刀を、女明智は鞭を構え。
自分同士&仲間と共に連携し女王に迫り猛攻を
敵のUC悪の組織員が発生したら、そちらにターゲットを変更し
妖刀&鞭で叩きまくり数を減らす
(レジーナさん…貴女がオブリビオンでなければ
 様々な技を伝授いただきたかったです…!
 貴女の飴や鞭に溺れたかったです、ふふ…!)

※アドリブ、絡み&ネタ大歓迎です♡



●きけんなおとこたち
 女王様こと悪の女幹部が、どちらが悪者なのかいよいよ真剣に分からなくなってくる立場に置かれながら死亡フラグを立てたところで、新たなる猟兵は現れた。

「ふ、ふふ。ついに出会えましたね女王様……!」
『女王様ってアンタねえ!』
 その外見から、悪の女幹部を通り越して組織内でも女王様扱いされることもしばしばだった女幹部。最初からクライマックスと言わんばかりの恍惚とした表情で女幹部を見つめる明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)は、構わず自身の欲望をフルバーストさせる。
「さぁ、貴女のホワイトな女王様っぷりを見せてください……!」
『ホワイトな女王様って何よ! 新しすぎるでしょ!!』
 女幹部のツッコミもそろそろ追いつかなくなる頃であろう、それを知ってか知らずか珠稀はユーベルコード【どちらがお好みですか?】を発動させて、何と『女体化した自分』を召喚した!便宜上「女珠稀」と呼称すると、女珠稀は女幹部とは対照的なスレンダーボディにボンデージ衣装という、完全に女王様を意識したスタイルに早着替えをしてみせると、艶めかしいポーズを決めながら珠稀の隣に立つ。

『クッ……そこまで言うならもう女王様でも何でもいいわよ! このレジーナ、容赦はしないっ!!』
 聞かれてもいないのに本名を名乗り上げつつ、女幹部はバッと右腕を振るう。するとどこからともなく小さな悪の組織員がワラワラと現れては珠稀と女珠稀目がけてワーッとどこか憎めない声を上げながら襲いかかってきた!
「さぁ、思う存分戦ってください、そしてその技の数々を盗ませてください……!」
『アンタたち!! この変態をさっさとヤッちゃって頂戴!!』
 遂に女王様に変態呼ばわりされてしまった。しかしそんな罵倒さえ心地よいのか、珠稀は妖刀を、女珠稀は鞭(いわゆるバラ鞭と呼ばれる形状をしていた)をそれぞれ構え、迫る悪の組織員(ちっちゃい)をバッサバッサとなぎ倒していく。むしろ逆に珠稀と女珠稀とが女幹部に迫る勢いではないか!

「一撃で消滅する儚さ……これもまた、悪の美学なのですね……!」
『ちょ、待ちなさい、やめて、近寄るんじゃないわよー!!』
 完全にドン引きモードに入りながらも、なお数にモノを言わせて戦闘員(ちっちゃい)を繰り出し続ける女幹部と、それを片っ端から妖刀と鞭で叩きまくり削っていく珠稀ズ。

(レジーナさん……貴女がオブリビオンでなければ、様々な技を伝授いただきたかったです……! 貴女の飴や鞭に溺れたかったです、ふふ……!)
 珠稀がそう思いながら、女幹部とカエルエージェントたちが繰り広げていたであろう日常に思いを馳せる。基本的には厳しいが、ふと見せる優しさに主従関係が強固なものとされていくその過程に。そして、具体的な飴と鞭の内容に。
 最終的に互いが体力の限界に達してそれぞれその場に膝をつくまで、女幹部と珠稀ズの壮絶な戦いは続いた。これが河川敷での殴り合いならば、互いに大の字になって倒れ込むながら沈みゆく夕日を見つめながら友情を育んだレベルだったろう。

『はあ、はあ……変態のくせに、なかなか、根性あるじゃないの……』
「はあ、はあ……光栄です女王様、願わくば貴女の飴と鞭に」
『言わせないわよ……この変態……!』

 二人して片膝をつきながら、最後まで熱い応酬を交わす女幹部と珠稀であった。

(そろそろいいかな)
 玄関ロビーに置かれてここまで奇跡的に無傷でいた大きな観葉植物の鉢植えの陰から様子をうかがっていた鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)が、珠稀が他の猟兵に引きずられて退場していくのを見送りつつ入れ替わるように女幹部の前に立つ。

『つ、次の相手はアンタって訳ね……どうやら変態ではなさそうだけど……』
 警戒する項目が完全に「変態であるか否か」になってしまったのは大変気の毒な話だ。この女幹部、想像以上に真面目なのかも知れない。
(仕事熱心そうな人だからあれが効くかも)
「(味方が)大変失礼致しました、私こういう者です」
『め……名刺?』
 あまりにも自然な、流れるようなムーブでさも当然のように先手を取っての名刺交換の申し出。章のこの行動には企業戦士でもある女幹部は対応せずにはいられない、気がつけば胸元から(!!)自分の名刺を取り出して、章とどうもどうもと互いに頭を下げあいながら名刺交換を滞りなく行ってしまった。

 よしこれなら、と章が女幹部に耳打ちをする。
「……ここだけの話、猟兵からの転職を考えてるんですよ。悪の博士枠の求人あります?」
『……あ、あら、猟兵稼業も大変なのかしら。悪の博士枠? アンタ、ソッチ系のワルなの? アレって募集要項かなりキツいけど……』
「――は、だれ?」
『え?』
 章の迫真の演技に、見事に女幹部がノッて来た。悪の博士になるにはと真摯にアドバイスをしてくれる女幹部の背後には――密かに章が発動させた【ヘンペルのカラス】により放たれた「白い鴉」の姿。狙いを定めた白い鴉は、迷いなく女幹部の背中に両足を突き立てる――!

『あうっ……! な、何!?』
 背中に突然走った痛みの正体を確認しようと背中を見たいが、眼前の謎めいた青年からもまた目が離せない――ようやくだが、本能的に、危険を察知したのだ。
 章は女幹部の目をまっすぐに見据えて、こう質問をした。

「ボスの正体はだれ?」

『……っ!!』
 女幹部の表情がみるみる苦悶のそれに変貌していく。至極簡単な質問であった、それ故に女幹部が受けるダメージの威力は非常に高かった。章としては、この責め苦に屈して真実を告げたらそれはそれで、女幹部はそんな自分を嫌悪して精神的なダメージを負うだろうと思っていた。
 だが、結論から言うと、女幹部は最後まで自分の上司である組織のトップの正体を明かすことはなかった。床にへたり込み息も絶え絶えの女幹部を見下ろしながら、章は愉快げに言い放つ。

「嘘つきの悪い子はおしおきだ、個人的には嫌いじゃないけどね」

 悪の組織の博士役も、なかなか捨てがたかったけれども。
 熱く説明をしてくれた女幹部の様子を思い出しながら、そう思う章であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

赤星・緋色
ふぅーはははー、あらわれおったな悪の幹部め!
今ここが貴様の年貢の納め時だー

ん?
今どこからでもかかってこいって……
迷彩、忍び足、目立たないの技能を使って最初の像の裏側に回って
相手の背後側からの奇襲を仕掛けるよ

はい、今回使用しましたのは、魔導蒸気で駆動する高圧洗浄器です
しつこい汚れをしっかり落とします
車、家など屋外の汚れから、ヴァンパイア、悪の幹部といったオブリビオンの掃除に最適です

相手の攻撃は悪の組織員召喚ね
「可愛い部下の仇はアタシが取る」とか言いながらまた犠牲者が
ひどーい、おにー、あくまー、あくのかんぶー!
敵を盾にするも駆使して面倒だから範囲攻撃で適当に流して倒そ

こうして悪は滅びたのだった!


ヘスティア・イクテュス
ようやっと上のお出ましね。待ちくたびれたわ
貴方を倒すと豪華五つ星ホテルでニコでお財布が待ってるの

さぁ、そのへんに転がるモブのように今日こそ楽にしてあげる!


他の猟兵が戦うのをミスティルテインで援護射撃
ピンチの時は転がる部下にミスティルテインを突きつけて
動くな、かわいいこの子がどうなってもいいのかしら?と笑み
ほらほら、避けると手が滑ってこの子を撃ってしまうかもね?


そこから、逆転、人質を奪還されたら最終手段
ゴーレムを呼び出して搭乗よ!

さぁ、かかってきなさい女幹部。
…自身は動けないけどゴーレムは動くわよね?

ロボ対怪人戦ってロマンよね
ゴーレムパンチ!



最後はふっ、正義は勝つのよとドヤ顔を


満月・双葉
理想的な上司ですね。…そして理想的な…誰がまな板ですか(ぶっ飛ばそうそうしよう)
僕だってね、僕だってね、遺伝問題さえなければあんな感じで…ちっ、ママめ。
悪の組織員…数の多さに引けはとりません。(手)数の多さで勝負です

一撃で消滅するなら自分達で消えてください。敵を盾にする
オーラ防御、盾受け、武器受けで攻撃を凌いだり、第六感や野菜の…野生の勘、視力で見切ります

本は殴るもの(気絶攻撃)
置物は投げるもの(投擲)
大根は突き刺すもの(串刺し・目潰し)
桜姫で命を吸い取る(吸血・生命力吸収)…巨乳遺伝子も吸いたかった
虹瞳で命の減る恐怖を与える

トドメは大根で…誰がまな板だ。
(なおずっとしりあすふぇいす)


山路・紅葉
🐰何とかなりそうだったけど…幹部さんが来たよ!?
🐺丁度いいじゃない。紅葉交代よ。ワタシにもやらせなさい
🐰了解、お願い織子ちゃん。『Black Bout』!

さーてワタシ(織子)の番よ、腕が鳴るわね
基本的に敵の攻撃を"オーラ防御"で防ぎつつ"カウンター"で"怪力"頼りでぶん殴るわよ
巨大化獣?いいじゃない!『Black Blade』で巨大剣を作り、ソイツを蹴り飛ばして攻撃ッ!
反動で幹部と一旦距離を取り、そっちに向かって"ダッシュ"!
思いきり"ジャンプ"して足にBladeで刃を展開…これでトドメよ!イェーガーキックッ!
私達の…勝ちよ!

🐰…織子ちゃんも大分日常に馴染んだよね…

※アドリブ・絡み歓迎



●とどめをさすのはあなた
「ふぅーはははー、あらわれおったな悪の幹部め! 今ここが貴様の年貢の納め時だー」
「ようやっと上のお出ましね。待ちくたびれたわ」
 赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)とヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長(自称)・f04572)の二人が、身も心もボロボロになった女幹部の前に立ちはだかった。二人とも悪の女幹部を倒すべくやってきた正義の猟兵のはずなのだが、どうも絵面的に立場が逆転してしまっているような気がするのは気のせいだろうか。

「何とかなりそうだったけど……幹部さんが来たよ」
「丁度いいじゃない。紅葉、交代よ。ワタシにもやらせなさい」
「了解、お願い織子ちゃん――【Black Bout】!」
 一歩後方に控えていた山路・紅葉(白い兎と黒い犬・f14466)と相棒の織子は、肉体の主導権を交代させて、織子を前面に出してきた。

 そしてさらに後方から、新たに増援として登場したひとりの猟兵がやってくる。
「理想的な上司ですね。……そして理想的な……」
 そう言いながら満月・双葉(星のカケラ・f01681)は、目線を真下――自分の胸元に落とす。
「誰がまな板ですか」
 ぶっ飛ばそう、そうしよう。
 誰もまな板だなんて言っていないのにぶっ飛ばされることになった女幹部には同情を禁じ得ないが、人間誰しもコンプレックスに触れられると多少なりともこうなるよね、しょうがないね!

 こうして集った四人の猟兵が、女幹部との長き戦いに終止符を打つべく、今立ち上がる――!

「貴方を倒すと豪華五つ星ホテルでニコでお財布が待ってるの。さぁ、そのへんに転がるモブのように今日こそ楽にしてあげる!」
 ――などと供述しており。ヘスティアの『人の金でホテルで豪遊したい』精神は黄金色に輝いているかのごとく。
「みんな、援護射撃は私に任せて! 大丈夫、危なくなったらすぐ合流するわ」
 ヘスティアさんそれ死亡フラグじゃあないですかね。しかし他の猟兵はあえてそれを止めずにヘスティアの言葉に甘えることにした。

『調子に乗るな猟兵っ! 勝った気でいるんじゃないわよっ!!』
「ねえ、さっき『どこからでもかかってこい』って言ったよね?」
『な……っ!?』
 時に風景に溶け込み、全力の忍び足を駆使し、目立たないことに注力して、そっと女幹部の背後を取ることに成功した緋色が、女幹部の耳元に話しかける。そしてお言葉に甘えて攻撃を仕掛けることにしたのだった。
「はい、今回使用しましたのは、魔導蒸気で駆動する高圧洗浄器です」
 ちょっと待ってそれを人に向けるのはヤバない?? いや相手オブリビオンだけど!! 構わず緋色は実演販売のお兄さんよろしくいい笑顔で続ける。
「しつこい汚れをしっかり落とします。車、家など屋外の汚れから、ヴァンパイア、悪の幹部といったオブリビオンの掃除に最適です」
 用途がジャストフィットだった!! 嫌な予感が頂点に達した女幹部が緋色の方を振り向くと同時に――高圧洗浄器の一撃が顔面を直撃したのだった。

『あ……アタシはヨゴレじゃないわよ……失礼ね……』
 それでもよろよろと立ち上がる女幹部が次に見たものは、紅葉の肉体の主導権を譲渡された織子の姿だった。
「さーてワタシの番よ、腕が鳴るわね」
『随分と仲がいいようねぇ、アタシは今ちょっと忙しいから。この子とでも遊んでて頂戴!』
 もはやなりふり構わずといった様子の女幹部は、高圧洗浄器で受けたダメージを回復する時間稼ぎとして巨大化獣を喚び出し、織子に向けてけしかける。
「巨大化獣? いいじゃない!」
 対する織子は嬉々として構え、『黒犬』の黒いオーラで構築された【Black Blade】の巨大な剣の柄を――握るのではなく「蹴り飛ばして」攻撃を仕掛けた!
『グルオォォォォ!!!』
 予想外の方向から猛スピードで飛んできた黒き巨大剣は、巨大化獣の脇腹付近に深々と突き刺さる。一方の織子は蹴りの反動で女幹部と距離を取ると、不敵な笑みを浮かべた。

「僕だってね、僕だってね、遺伝問題さえなければあんな感じで……」
 ちっ、ママめ。内心で舌打ちする双葉。そうですか、ご母堂もまな板でしたか。アッすみませんごめんなさい何でもないです! ぶたないで!
 そんな双葉さんのお相手は巨大化獣です、今しがた脇腹に織子さんが一撃かましたヤツです。デカけりゃあイイってモンじゃないってことを、証明してやって下さい!

『ウオオォォォ!!!』
 まだまだ動ける巨大化獣、遂に開き直って大きく腕を振りかぶり建物の一部を派手に破壊しながら、双葉目がけて拳を叩きつけようとする。しかしそこは一挙一動をしっかりと見ていた双葉には通用せず、たやすく回避されてしまう。
「――話になりませんね、やはり僕の相手はあなたでなければ」
『おのれ……!』
 たたらを踏む巨大化獣には目もくれず、自分(の胸部)を見据える双葉にヒエッとなりながらも、女幹部は逆転の目を求めて思案する。巨大化獣が苦戦しているならば――。

「『可愛い部下の仇はアタシが取る』とか言いながらまた犠牲者出るじゃん! ひどーい、おにー、あくまー、あくのかんぶー!!」
 悪の組織員(ちっちゃい)が次々と召喚されてくるのを、まともに相手をするのも面倒だとばかりに適当な一体を引っつかむとそれをぶつけて文字通り相殺したり、強く当たって後は流れで状態で範囲攻撃を駆使してなぎ倒していく緋色。
『あ、アンタたちの尊い犠牲は忘れない……!』
 こうしてまたひとつ、部下の犠牲を背負った女幹部であった。大丈夫? 肩こってない?

 女幹部はふと、支援に専念するヘスティアの存在に目を向ける。その視線に気付いたヘスティアはすかさず足元に転がっていたカエルエージェントに愛銃「ミスティルテイン」の銃口を突きつけて声を上げた。
「動くな、かわいいこの子がどうなってもいいのかしら?」
 すごく悪い笑みを浮かべながら言うヘスティア。これもう完全に善悪の立場逆転してますよね。どうしてこうなった。
 女幹部は理解していた。ヘスティアの言は単なるハッタリだと。この場に息のあるカエルエージェントはもういないのだから。
「ほらほら、避けると手が滑ってこの子を撃ってしまうかもね?」
 ――しかし、撃つなら撃てとは、最後まで言えなかった。そのかわり、女幹部は銃口を突きつけられた部下を、ミスティルテインで撃ち抜かれることを承知の上で奪還しにヘスティア目がけてダッシュしたのだ!
「きゃっ……!」
 一瞬のことに怯んだ隙を突かれ人質にしたカエルエージェントを奪われたヘスティアは、思わず女幹部の方を見る。物言わぬ存在と化した人質を静かにロビーの隅に横たえると、いまだ健在な巨大化獣と共にヘスティアを睨みつけてきた。

「くっ……こうなったら最終手段よ!【プログラム:ゴーレム】!!」
『……行きなさい、今週のズッキュンドッキュンビースト!!』
 巨大化した敵と味方ががっぷり四つって燃えますよね。ぼくはだいすきです。――が、残念ながらユーベルコードの仕様上、ヘスティアが変身した全長10mのゴーレムは「あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない」ことに変わりはなく。

「そのまま巨大化獣を押さえていてちょうだい、後は任せなさい!」
「遂にこの時が来ましたね……ぶっ飛ばさせてもらいます」
 あわや大ピンチかと思われた所に、心強い援軍が現れた。双葉と織子だ。
 織子は全力の助走をつけると高々と床を蹴って舞い上がり、片足に【Black Blade】で構築した黒い刃を纏わせる。

 同時に双葉がパーカーの裾を両手でつまんで広げると、何故か次々と武器がポロポロと中から出てきたではないか。
「本は殴るもの」
 赤ん坊の頃、兄に読み聞かせられた有難い本は今や撲殺武器と化してしまった。
「置物は投げるもの」
 父親の部屋から持ってきた馬の置物は、これ絶対武器じゃないよね。
「大根は突き刺すもの」
 待って、ちょっと待って、この大根何でこんな凶悪なオーラ出してるの!?
「桜姫で命を……巨乳遺伝子も吸いたかった……」
 さすがの呪剣も巨乳遺伝子は吸えないと思うよ!
 そうして怒涛の武器攻撃の乱舞を、一瞬の間に叩き込んだ双葉は、虹色の輝きを放つ「虹瞳」の名を持つサイバーアイで、いよいよ間近に迫った死の恐怖を女幹部に与えてみせた。

『あ……ああ……アタシは……』
 一歩、二歩、後ずさる女幹部。そこへ上空から織子の刃が迫る!
「これでトドメよ! イェーガーキックッ!!」
『あーーーーーーーーれーーーーーーーーーー!!!』
 女幹部が爆発して消滅する直前、ちょっと待ってこれだけはやらせてと言わんばかりに、双葉が大根でポカリと女幹部の頭を叩きながら
「誰がまな板だ」
 と言ってやったことを申し添えておく。

「私達の……勝ちよ!」
「……織子ちゃんも大分日常に馴染んだよね……」
「こうして悪は滅びたのだった!(ぶい)」
「ふっ、正義は勝つのよ」
 立場を元に戻した紅葉と織子、緋色、そしてドヤ顔でキメるヘスティア。
 組織自体が壊滅した訳ではないので、第二第三の世界征服計画が立案されるかも知れない。しかし、猟兵(イェーガー)あるかぎり、それは何度でも阻止されるであろう。そう、今回のように――!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『高級ホテルで優雅な一夜』

POW   :    プールやフィットネスで汗を流したり、レストランで料理を満喫する

SPD   :    ホテル内を探検したり、上質な空間で作業に没頭する

WIZ   :    ホテル内のバーや客室、ロビーなどで静かな時間を過ごす

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ごうかいつつぼしほてるのすごさをみよ
 熾烈な戦いを制した猟兵たちに約束通り提供されたのは、UDCアース屈指の由緒正しき高級ホテルであった。エントランスホールの団体様歓迎の一覧にも、きちんと猟兵御一行様的な記載があった。

 ちなみにこのホテルを手配してくれたのはグリモアベースでも俺個人でもなくUDC組織の皆様なので、感謝はそちらにするように、とは某グリモア猟兵の言であった。
満月・双葉
やれやれ凄い敵でした。

奢って貰えるのならホテルのレストランで大豆のフルコース等を…大豆のサラダ、大豆ハンバーグ、豆乳に豆乳プリン
無駄と分かっていてもやってしまう悲しさ。
しかしこれが人間と言うものでしょう。

ちっママめ…(物凄い寒気を感じて)……ちょっ、ちょっと戦い(はしゃぎ)すぎましたかね
まぁ、色々感じるのは僕の人間性がまだ無事の範疇にあるということで喜んでおきましょう。(表情筋は死滅してるけど)
さて、後はのんびりと命が育む景色など楽しむとしましょうかね…


山路・紅葉
🐰こんな所に招待されるなんて…猟兵ってすごいなぁ…
🐺アンタがそういうならそうなんだろうけど…結局何しに来たのよ?
🐰…何しようか?

うーん…私達だけで贅沢するのは孤児院のみんなに申し訳ないんだけど…
報酬として招待されたからには何かしら楽しむべきだよね…
えっと何があるかな…レストラン?
…皆には悪いけど、おなか一杯食べよう織子ちゃん!(※特徴)

それに、こういう場所ならおみやもあるかも…皆にはそれで…

※アドリブ・絡み歓迎


赤星・緋色
そんな……
「此の豪華五つ星ホテルに無料でご招待しようではないか!」
なんて言ってたからニコさんのポケットマニーから出てると思ったのに!
(膝から崩れ落ちる)
UDC組織の人たちのコストって分かったら全力で楽しめないよ
(全力で楽しまないとは言ってない)

うぇーい!
スイーツビュッフェ行こうスイーツビュッフェ
もしなくてもあるもの食べに行くんだけど
時期的にストロベリーだよね
旬じゃなくても食べるんだけどね!
折角来たんだし出来るだけたくさんの種類食べてこ

うん
なんか思い出すとすごい苦戦したような記憶あるし、絶体絶命とかになってたよねきっと
だからちゃんと正当な報酬としてなんやかんやもらっておかないと


杜鬼・カイト
やった、ホテルホテルーー!
語彙力ないから「とにかくすっごい」としか言い表せないけど、こんなホテルでゆっくりしていいなんて最高だよね。
UDC組織のみんな、感謝。

いろんな人と楽しく過ごしたいな~。
ニコくんも声かけたら来てくれるのかな?
悪の女幹部の世界征服って野望を打ち破ったわけだし、せっかくだからみんなでパーッとやろうよ。

ホテルだから「高級ビュッフェ」あるよね?
美味しいものたくさん食べたい。
目についた美味しそうなもの、たくさんお皿にとっていく。
へーきへーき、オレ育ち盛りだから。これくらい普通じゃない?
他の人に食べさせたり、他の人がとってきたものをおねだりしたり自由気まま。

■アドリブ歓迎



●けんらんごうかなびゅっふぇれすとらん
「そんな……!」
「いや、決して騙したつもりは無かったのだ」
「『此の豪華五つ星ホテルに無料でご招待しようではないか!』なんて言ってたから、ニコさんのポケットマニーから出てると思ったのに!」
「そ、其れは」

 此度の戦いで活躍してくれた猟兵たちに高級ホテルでのご褒美を約束したのは、確かに他ならぬ予知者のニコ・ベルクシュタイン(虹の未来視・f00324)だ。しかし彼の説明の仕方に問題があったのか、多くの猟兵が五つ星ホテルはニコが自腹を切って用意してくれたものだと思ってしまったのもまた事実であり。
 こうしてニコの前で膝から崩折れて顔を覆ってしまった赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)もまたその一人であった。
「UDC組織の人たちのコストって分かったら……全力で楽しめないよ……」
(俺の財布からなら一向に構わないと申すか)
 複雑な顔をするニコを尻目に、えぐえぐと声を出す緋色。当然これは泣き真似で、顔を覆った手の指と指の間からチラリとニコと、その向こうに見えるレストランの景色に思わずニヤリとしてしまう緋色であった。

「ま、まあ何だ。赤星も奮戦してくれたと聞く。出処はさて置き、此の先にはレストランがある。ディナーからデザートまでビュッフェ形式で何でも揃っているので――」
「うぇーい!!」
 デザートビュッフェがあると聞くや緋色は跳ねるように立ち上がり、ニコを置いてレストラン内へと駆け出していった。
(うん、なんか思い出すとすごい苦戦したような記憶あるし。絶体絶命とかになってたよねきっと)
「――だから、ちゃんと正当な報酬としてなんやかんやもらっておかないと!」

「やった、ホテルホテルー!!」
 緋色と同じくビュッフェ目当てでレストランにやってきた杜鬼・カイト(アイビー・f12063)が、入れ替わるようにニコの前に立つ。
「あっ、ニコくん!」
「杜鬼の――妹君か。此の度は助力を有難う。連戦で腹も減っただろう、此処ではシェフが常駐しているので、例えば目の前でローストビーフを切り分けて貰えたりするそうだ。是非、堪能していって欲しい」
「ローストビーフ!? やったあ! オレ語彙力ないから『とにかくすっごい』としか言い表せないけど、こんなホテルでゆっくりしていいなんて最高だよね」
 いやいや、誰だって語彙を失うものさとか、UDC組織の皆に改めて感謝だとか、そんな会話を交わした後、カイトもいざビュッフェ会場へと挑むこととなった。

「いろんな人と楽しく過ごしたいな~。悪の女幹部の世界征服って野望を打ち破ったわけだし、せっかくだからみんなでパーッとやろうよ」
 ね、と取り皿を手にしながらカイトが声を掛けた相手は、先客でもあった満月・双葉(星のカケラ・f01681)。双葉が既に皿に乗せていた料理は――大豆のフルコース。大豆のサラダ、大豆ハンバーグ、豆乳に、豆乳プリン……。
 その徹底した大豆フルコースっぷりに思わず目を見張るカイトに気付いた双葉は、ああと声をかける。

「やれやれ、凄い敵でした」
「そ、そうだね……にしても、何でこんな、大豆ばっかり……?」
 自分でもたくさん取るつもりではあったし、逆に他人が美味しそうなものを取っていたらおねだりをしようとさえ思っていたカイトも、これには思わずおずおずとなってしまう。
「……大豆イソフラボンは……『効く』と言われているんですよ……」
「(あっ)」
「……無駄と分かっていてもやってしまう悲しさ。しかし、これが人間と言うものでしょう」
 聡いカイトは察した。故に、深くは追求しないでおいたし、双葉から貴重な大豆をむしり取ることもしないでおいた。食材は肉に魚に野菜と何でもある、さーて片っ端から食べちゃうぞーとそそくさと大皿に挑むべくその場を離れたカイトを見送ると、双葉は大豆フルコースを堪能すべく席に着く。

「ちっ、ママめ……」
 改めて自らの胸元を見ると、知れず口をつく悪態。しかし直後に謎の強烈な悪寒に襲われぶんぶんと首を振る。
「……ちょっ、ちょっと戦い(と書いてはしゃぐと読む)すぎましたかね」
(まぁ、色々感じるのは僕の人間性がまだ無事の範疇にあるということで、喜んでおきましょう)
 ――表情筋は死滅してるけど。大丈夫、それでもきちんと伝わるものは、確かにある。
「さて、後はのんびりと命が育む景色など楽しむとしましょうかね……」

 そう言ってふと箸を止めて顔を上げた双葉が見たものは、例の切り分けたてホカホカのローストビーフを無事ゲットしてご満悦なカイトや、スイーツをピンポイントに攻めることにした緋色(楽しまないとは言ってない)が、今がまさに旬なストロベリースイーツを、UDCアース各地の名産と銘打たれた様々な種類をほぼほぼ制覇する勢いで皿に乗せ、さらにそれを見たカイトが負けてられないとばかりに目についた美味しそうな料理を片っ端から皿に乗せていく様子だった。

「杜鬼の、大丈夫か? 全部食べきれるのか……?」
 思わず心配になって近づいてきたニコに、カイトは良い笑顔で答える。
「へーきへーき、オレ育ち盛りだから。これくらい普通じゃない?」
 それよりニコ食ってる? ちょっと分けようか? と逆に聞かれる始末である。そしてよりどりみどりのブランド苺スイーツを全力で堪能する緋色。

(……楽しそうで、何よりです)
 まるで子を見守るようなやさしいまなざしを送る双葉が、そこにはいた。

 一方、賑やかな様子を見せるレストランの入口で、あと一歩が踏み出せずに何やらもそもそと会話を交わす少女の姿があった。
「こんな所に招待されるなんて……猟兵ってすごいなぁ……」
「アンタがそういうならそうなんだろうけど……結局何しに来たのよ?」
「……何しようか?」

 そう、山路・紅葉(白い兎と黒い犬・f14466)と相棒の織子だ。孤児院で暮らしているという経歴の持ち主である彼女(たち)は、自分たちだけでこのような贅沢をするのは、残してきた孤児院の皆に申し訳ないという気持ちから、今ひとつはっちゃけることができずにいたのだ。
(……でも、報酬として招待されたからには、何かしら楽しむべきだよね……)
 そう。緋色も言っていたが、これは正当な評価にして対価である。紅葉の言は至極もっともなものであった。そんな訳でやってきたのがここ、ビュッフェレストランの会場であった。
「レストラン? ……皆には悪いけど、おなか一杯食べよう織子ちゃん!」
 実は大食い紅葉ちゃん、決意を固めるとついにレストランへと突入した!

「もぐもぐ……すみません、これっておみやにしてもらうって出来ませんか……?」
 思いっきり料理を頬張りながら、気になった料理を次々と包んでもらう紅葉。その横で織子もバクバク食べているが、さすがは豪華五つ星ホテルの従業員、それを見ても動じることがない。すごい。

 レストランの喧騒は、いまだおさまりそうになく――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

明智・珠稀
【WIZ】
~ホテルのBARで一時を~

「マスター、私に合うカクテルを」
黒スーツに身を包み。
バーでダンディにグラスを傾け、アンニュイな表情で一人酒を楽しむ。

物憂げな表情の明智。
しかしその内心では
(あぁ、レジーナさんのあのツッコミ、蛙さん達、とても素敵でした…! しかもあのちっちゃい悪の組織員さん達の愛らしさたるや…!
お持ち帰りして撫でくり回したかった…!あぁ、素敵な時間…!)
そっと頬を染め
(私もぜひホワイトな女王様っぷりを身につけたいものですね)
ふふ、と笑うド変態。

「さて、せっかくですからプールも楽しみたいですね」
席を立つド変態。
「全裸は…駄目ですかそうですか」

※アドリブ、絡み、ネタ大歓迎です♡


ヘスティア・イクテュス
プールやエステ等を楽しんだ後
つやっつやな状態でレストランでお高い紅茶を一服


ニコをみかけて声をかけるわ
御機嫌ようニコ、ニコも楽しんでるかしら?


流石五つ星ね、戦争の疲れがとれるわ
紅茶も満足できるレベルだし

それにしてもニコの財布で豪遊できないのは残念だったわ
ほら、知り合いと組織のお金じゃ少し気分が違うでしょ?

あっ、そうだ。お土産の方もUDC組織の人が出してくれるのかしら
そうなら、ちょっと一緒に見に行かない?とお誘い






わたし帰ったら皆にお土産を配るんだ


オリアナ・フォルケ
豪華五つ星ホテル!
恋愛的な方面で拝見しますと
プロポーズの聖地ともいえるのではと気になっておりましたの。
夜景の見えるレストランで君の瞳に乾杯だとかするものなのでしょう?
恋愛観察にいそしみながら、お食事をいただきたいですわ。

テーブルマナーは完璧に。
同僚ともいえるフォークはより美しく使えるように一層気を使いますわ。
フォークさばきの綺麗さで相手を惚れさせる戦法とかいかがでしょう?
もしくは逆に、気になる方が近くを通った際にうっかりフォークを
落として拾って貰った際に手と手が触れ……
きゃー!完璧ですわね!
別の出会い方であれば、さっそくカエルの皆様にも教えてさしあげたのに…
ちょっぴり残念ですわね。



●こうきゅうほてるにはふくすうのれすとらんがあるんだぞ
 場所は変わって、ここは小洒落たバーが併設された、先程のビュッフェスタイルレストランより一回りほど規模が小さなレストラン。ここでも数名の猟兵たちが、己を労うべくそれぞれの方法で羽根を伸ばしていた。

「豪華五つ星ホテル! 恋愛的な方面で拝見しますと、プロポーズの聖地ともいえるのではと気になっておりましたの」
 こと恋愛についてはその出自からか一家言持つオリアナ・フォルケ(恋愛成就の金色フォーク・f09185)が、夜景の美しさにほうとため息をひとつつきながらウェイターに席の希望を耳打ちで伝える。
 そうしてオリアナが通された席は、夜景はもちろん、他の客もひと目で視野に入れることができる場所であった。
(夜景の見えるレストランで『君の瞳に乾杯』だとかするものなのでしょう? 恋愛観察にいそしみながら、お食事をいただきたいですわ)

 そうして運ばれてきた料理を口に運ぶオリアナのテーブルマナーは……完璧だった。さすがはフォークのヤドリガミ、同僚ともいえるフォークに対しては、より美しく使えるようにと一層の気を遣う。
 そんなことをしながらふとオリアナは思う――フォークさばきの綺麗さで相手を惚れさせる戦法などはいかがだろうか?
 いやいや、もしくは逆に、気になる人が近くを通った際にうっかりフォークを落として、拾ってもらった際に手と手が触れ合い――

(きゃーっ! 完璧ですわね!!)
 内心悲鳴にも近い声を上げつつ、オリアナは思わず両手を頬に当ててぶんぶんと首を振る。惜しむらくは、この恋愛大作戦をあのカエルたちに教えてあげられなかったことだろうか。
「別の出会い方であれば、さっそくカエルの皆様にも教えてさしあげたのに……」
 ちょっぴり残念ですわね、と少しだけさみしげにしたのも一瞬。
 せっかくの食事なのだからと、オリアナは再び華麗なテーブルマナーを駆使して豪華フルコースを堪能するのだった。

 同じレストランの別の席では、事前にプールやエステを思う存分楽しんでツヤッツヤな状態になったヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長(自称)・f04572)が、お高い茶葉をふんだんに使って淹れられた、これまたお高いティーカップに注がれた紅茶を一服していた。
 そこへ、皆は楽しめているだろうかと密かに様子を見て回っていたニコが通りかかったものだから、ヘスティアはそんなニコへと声をかけた。
「御機嫌ようニコ、ニコも楽しんでるかしら?」
「ヘスティアか、お気遣いを有難う。なんやかやで皆が楽しそうにしてくれていてひと安心だよ」
 座っても? と向かいの席の背もたれに手をかけるニコに、どうぞと掌を向けるヘスティア。

「流石五つ星ね、戦争の疲れが取れるわ。紅茶も満足できるレベルだし」
「其れは何より、UDC組織の皆もきっと喜ぶだろう」
「それにしてもニコの財布で豪遊できないのは残念だったわ」
 ほら、知り合いと組織のお金じゃ少し気分が違うでしょ? とニッコリ笑うヘスティアに、向かいの椅子に座った途端これはひどいと深く沈み込むニコ。
「……皆から言われるのだが、そんなに俺の個人資産で豪遊がしたかったのか」
「ふふ。あっ、そうだ。お土産の方もUDC組織の人が出してくれるのかしら! そうなら、ちょっと一緒に見に行かない?」
 紅茶を飲み終えたヘスティアが、席を立つとニコの側に回り込んでその手を取る。誘いに応じるように席を立つと、ニコはホテルのショッピングエリアがあると言いながらヘスティアを先導する。

「わたし……帰ったら皆にお土産を配るんだ……」
「ヘスティアよ、死亡フラグはもう良いのだ……」

 慎ましやかにボケツッコミを交わしていくヘスティアとニコの近くには、バーカウンターがあった。そこには、他の客が思わず目線を向けてしまう程の美青年が一人酒を楽しんでいる姿があった。
 黒いスーツに身を包み、ダンディにグラスを傾け、アンニュイな表情で我知らず周囲の人々を虜にするこの男の名は明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)。物憂げなその表情の下では何を思うのか、人々はそれぞれに思いを馳せる。

 では、たまちゃんinバーカウンターの内心をここで盛大に暴露しちゃおうかな!
(あぁ、レジーナさんのあのツッコミ、蛙さん達、とても素敵でした……。しかあもあのちっちゃい悪の組織員さん達の愛らしさたるや……! お持ち帰りして撫でくり回したかった……! ああ、素敵な時間……!)
 ここまでノンブレス。壮絶なる戦闘だったはずなのだが、珠稀にとっては一貫して甘美なひと時であったのだろう。色々と思い出してはそっと珠稀は頬を染める。

(私もぜひ、ホワイトな女王様っぷりを身につけたいものですね)

 ふふ、と思わず漏れる笑み。何も知らない人々は美青年の微笑にひとり、またひとりと卒倒していく。罪な男よ、明智・珠稀……!

「さて、せっかくですからプールも楽しみたいですね」
 そう言って席を立つ珠稀――いや、ド変態。一糸まとわぬ、生まれたままの姿で、まあ要するに全裸で泳ぎたかったのだが、先に確認したところ、さすがにそれはと丁重にお断りされたのだという。

「全裸は……駄目ですか、そうですね」

 あきらめの良いたまちゃんであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鵜飼・章
さて
無料だからと来たけど
いつも安宿に泊まっているからか
街で鴉とお話していたら
よくゴミ捨て場で寝てしまうからか

ふふ、寒気がすごい

これが五つ星ホテルの輝き
眩しすぎて眩暈がしてきた
せめて服を着替えてくるべきだった
場違いすぎる

ご飯も最近食べていない気がするけど
ニコさん…僕は部屋で寝てくるよ
顔色が悪いのは元からだから平気…たぶん

うわすごい
ベッドが広くてふわふわだ
でもすぐに鴉に占領されてしまった
うん、いいよ…僕は床で寝るから
寝る前にちゃんと体を洗お?
はしゃぐ鴉達を何とか捕まえお風呂に連行
ドライヤーで乾かして
はあ
疲れた…床に倒れこむ
本気で転職を考えるな

うん
皆羽根がふわふわでいい香り
僕は学んだ
五つ星ってすごい



●はぶあぐっどないと
「ニコさん……僕は部屋で寝てくるよ」
「鵜飼、大丈夫か? 食事も摂っていないようだし、何より顔色がよろしくない」
「顔色が悪いのは元からだから平気……たぶん」

 鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)がニコとそんなやり取りを交わして、案内されたのはホテル最上階のとあるプレミアムな一室だった。
「……さて、無料だからと来たけど。いつも安宿に泊まっているからか、街で鴉とお話していたらよくゴミ捨て場で寝てしまうからか」
 エントランスから先に歩を進めることなく、章は独りごちる。目の前に広がる光景は果てしなく豪奢で、おもてなしの精神に満ち満ちていて――。

 ――ふふ、寒気がすごい。

(これが五つ星ホテルの輝き、眩しすぎて眩暈がしてきた)
 せめて服を着替えてくるべきだった、場違いすぎる。章は思わず自分の服を見てしまう。いいのよ! おもてなしされる側なんだから気にしなくていいのよ!
 ふらふらと引き寄せられるようにベッドにどさりと沈み込む章。その感触に思わず息を呑む。
(うわすごい、ベッドが広くてふわふわだ)
 だがしかし、かけがえのない友人でもある鴉たちにあっという間にベッドは占領されてしまう。とても嬉しそうにしている友人たちに優しいまなざしを向けながら、章は言う。
「うん、いいよ……僕は床で寝るから。でも、寝る前にちゃんと体を洗お?」

 菩薩かな? そう思わず口走りたくなるような優しさで、はしゃぐ鴉たちを何とか捕まえて、これまた広い広いバスルームに連行する。わしゃわしゃと一羽一羽丁寧に洗うとドライヤーでこれまた一羽一羽丁寧に乾かし、今度こそベッドに放ってやる。

「はあ、疲れた……」
 そう言うと章は本当に床に倒れ込んでしまった。
(本気で転職を考えるな)
 悪の女幹部に名刺を渡しながら、マッドサイエンティスト的な枠はないか質問したことを思い出す。

 そこへ、バサバサと集まってくる鴉たち。やはり主と一緒が良いのだろうか。
「……うん、皆、羽根がふわふわでいい香り」

(僕は学んだ。五つ星ってすごい)

 いい香りがする大切な友人たちに囲まれて、いつしか章は眠りに落ちていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

榎・うさみっち
待たせたな!ヒーローは遅れてやってくる!
さぁ、敵はどこだぁー!
(もう倒したと聞き)…え!?

……というわけで、ニコ(f00324)に飯を奢られてやることにしたぜ!
レストランの窓から見える景色にキャッキャしたり
メニューの端から端まで全部ー!と頼もうとしてニコに止められたり
この特上サーロインステーキで我慢してやる!
うめぇ…うめぇ…人の金で食う肉がこんなにうまいなんて…

うち貧乏のくせに家主がアホみたいに浪費してて~
せめて俺だけでも節約しないと家がもたないっちゅーねん
大体あんにゃろ、あんなんで将来…
などと酒が入ったようにニコに語りだす

あ、デザートにパンケーキとジャンボパフェとアフタヌーンティー追加で🎂


ロダ・アイアゲート
ここからはご褒美タイムですね。
飲食出来ない体なので、他の方の邪魔にならないようにバーの雰囲気や音楽を楽しむとしましょう。

やはり働きやすい職場、仕事に見合った報酬は大切ですね。今回の件でそれが学べてよかったと思います。

もし他の猟兵の方がいたら色々とお話を伺ってみるものいいかもしれませんね。
同じグリモア猟兵としてニコさんにもお聞きしたいところですが、きっと彼も見て回るところがあると思いますし、無理に誘うのは控えましょう。
もしお見えになられたらお話を伺えばいいですし。
あ、その時は「あちらのお客様からです」っていうことをやってみたいですね、私のポケットマネーではないので格好がつかないですけれど。



●そしてよるはふけていく
 無事に前線に立つ猟兵としての初陣を勝利で飾ったロダ・アイアゲート(天眼石・f00643)も、ここからはご褒美タイムですねと豪華五つ星ホテルにやってきた。
 大半の猟兵が飲食を楽しむ中、ロダは飲食ができない体であるため、気を遣ってバーの雰囲気や音楽を楽しむべくカウンターに一人腰掛けて頬杖をついていた。

(やはり働きやすい職場、仕事に見合った報酬は大切ですね。今回の件でそれが学べてよかったと思います)

 果たして自分たちグリモア猟兵は、送り出す猟兵に相応の対価を与えられているのだろうか。もしかしたらそこまで考える必要はないかも知れないが、良い機会なので、例えば同じグリモア猟兵であるニコに話が聞けたら――ロダがそう思った矢先に、その声は聞こえてきた。

「待たせたな! ヒーローは遅れてやってくる! さぁ、敵はどこだぁー!」

 ロダが声の方を見れば、そこには全長17cm程のピンク色の塊が――飛んでいた。静まる室内にいたたまれなくなったロダが思わずピンク色の塊ことフェアリーの榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)に声をかける。
「敵でしたら……もう倒しました。世界征服の危機は去ったのです」
「……え!?」
「どうした、騒々しい……うさみ!」
 普通に驚愕するうさみっちと、声を聞いて駆けつけたニコとが次々口を開く。

「……ロダは済まない、食事が楽しめないお身体とは存じ上げず、まこと申し訳無い」
「いえ、お気になさらず。充分楽しんでいますよ」
 バーカウンターに流れるジャズなどの音楽は本当に心地良いのだから、嘘はついていない。雰囲気も言うことなし、ロダなりに満喫していることをニコに伝える。
「申し訳ない、俺は少しあのフェアリーに付き合ってくるが、何かあれば遠慮無くお申し付け頂きたく」
 まるで予知をした後猟兵たちを送り出す時のように深々と一礼すると、ニコは足早にうさみっちの待つテーブルへと向かっていった。それを見送ったロダは、あることを思いつく――。

「……というわけで、飯を奢られてやることにしたぜ!」
 さすがは五つ星ホテル、フェアリー用の各種設備も万全のようで、ちょうどテーブルで食事ができるように上手いこと準備が整えられていた。
「戦の場には居なかったとしても、こうして場を盛り上げてくれるのは素直に嬉しい。うさみよ、来てくれて有難う」
「おう! この窓際の席ってのがまた最高だな! 夜景きれい!」
 キャッキャとはしゃぎながらうさみっちは、どさくさに紛れてウェイターにメニュー(ちっちゃい)の端から端まで全部とオーダーをしようとしてニコからメニュー(ちっちゃい)を取り上げられた。
「うさみよ、いくらお前の胃袋がフェアリーランド仕様だからとて、端から端までは無いだろう。勿体無い事は止めなさい」
「ちぇー、じゃあこの特上サーロインステーキで我慢してやる!」

 なんやかやで話がまとまった結果、うさみっちは半ば涙を流しながら特上サーロインステーキを堪能することとなった。
「うめぇ……うめぇ……人の金で食う肉がこんなにうまいなんて……」
「何も間違ってはいないが改めて聞くとえげつない言葉であるよ……」
 ちゃっかりうさみっちと同じ特上サーロインステーキを口に運びながら、ニコが返す。

「うち貧乏のくせに家主がアホみたいに浪費してて~」
「俺もグリモア猟兵の稼ぎを多少は入れている筈なのだが、そうか、無駄遣いか……」
「せめて俺だけでも節約しないと家がもたないっちゅーねん! 大体あんにゃろ、あんなんで将来……」
 うさみっちくん、お酒でも入ったのかな? そんな風に疑われかねないテンションでうさみっちがニコに語りだす。ああ此れは長丁場になるなと察したニコが追加オーダーをすべくウェイターにメニューを持ってきてもらおうと軽く手を挙げると、やってきたウェイターにうさみっちが元気良く言い放った。

「あ、デザートにパンケーキとジャンボパフェとアフタヌーンティー追加で!」
「だから食べ切れる量にしなさいと先程言ったであろうが!!」
 ワイワイ言い合う二人の間に、そっと薫り高い紅茶が一人に一杯ずつ運ばれてきた。頼んだか? ううん頼んでない! そんなアイコンタクトをするニコとうさみっちに、ウェイターから衝撃の一言が発せられた。

「あちらのお客様からです」
「「こ、これが伝説の、あちらのお客様からです攻撃かー!!」」

 ウェイターが掌で示した先には、バーカウンターに腰掛けるロダの姿。
(私のポケットマネーではないので、格好がつかないですけれど)
 そう思いつつも、凄い……だとかすげえ!だとか繰り返し言いながら感動するニコとうさみっちの姿に、思わず笑みを漏らすロダであった。

 ――こうして、ご褒美の夜は更けていく――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月02日


挿絵イラスト