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絡繰り匣と夜桜灯篭

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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 ――桜があれほど美しいのには、何か理由がある。そうは思わないかい?

 特にこのお屋敷の桜は立派だ。早咲きで、もう満開を迎える。
 いや、桜だけではないな。お屋敷も敷地も、そして奥の蔵も……全て立派じゃがな。
 このお屋敷? ああ、もう随分誰も人は住んでおらんよ。
 蔵は……あれ程立派で大きな二階建ての石蔵じゃ、昔はお宝も沢山あっただろうな。

 ああ、あの蔵といえば……こんな話を聞いたことがある。
 あの蔵の中には、『桜姫の絡繰り匣』っちゅう、呪われた匣があるらしい。
 大層美しいが殿方に全く興味のない娘さんが、このお屋敷には住んどったのだがな。
 そんな美しい娘さんじゃ、求婚者があとを絶たんかったって話や。
 そこで困った娘さん、こう言い寄ってくる殿方に提案したんだと。

『この絡繰り匣は私の心です。鍵を見つけ匣を開いた方の求婚を受け入れましょう。正し、この匣は私の心、無闇にこじ開けたり、匣を蔵から持ち出さぬよう』

 それは錠前の掛かった、美しい桜の装飾が施された絡繰り匣だったそうな。
 付属の鍵でないと開けるのは至難の業な、特別な絡繰りが施されておったようで。
 そりゃあもう、皆必死で鍵を探し回ったらしいが。
 だが結局、誰も匣の鍵を見つけることは叶わんかったそうな。
 鍵などないのではないかと言う者もおったが、娘はそれをきっぱりと否定した。
 鍵は必ずこの蔵の中にあります、と。
 鍵は何処にあるんか、また匣の中身は何なのか――。
 しかし、誰も分からぬまま、娘さんは暫くして病気で亡くなったそうな。
 その後も、次々とこの屋敷の人が亡くなって、結局誰もおらんくなって。
 匣を持ち出そうとした輩が不可解な死を遂げたという話まで……何かに呪われた様に。
 その匣が持ち出されたと言う話は聞かんから。もしかしたら、まだ蔵にあるかもな。
 今も、娘さんの肖像画や細々した日用品、箪笥、衣類、骨董品……。
 金目の物は盗まれたりもしとるが、いまだ色々な品が所狭しと置かれておるらしいぞ。
 だが――盗みに入るなど、変な気は起こさん方がええ。
 美しく咲く桜が妖しく騒めいて……呪いの匣に、命を吸い取られるかもしれんからな。


「桜の装飾が施された匣か、他人事とは思えぬな」
 ふむ、と。桜模様の硯箱のヤドリガミである筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)は、そう呟いた後。
 集まってくれて感謝する、と改めて猟兵達に頭を下げて。見えた予知を告げ始める。
「サムライエンパイアで、或る男がオブリビオンの群れに襲われる事を予知した。オブリビオンらがその後、村に攻め入れば悲劇が起こってしまう。その前に、討伐をお願いする」
 予知に見た被害者の男は、盗人だという。
 盗みに入る家を物色していたところ、村人から『桜姫の絡繰り匣』の話を聞いて。
 今は無人の大きなお屋敷の奥にある蔵に興味を持ち、盗みに入ろうとしたようだが。
 運悪く、偶然敷地内でオブリビオンの群れに遭遇し、命を散らしてしまうのだという。
「皆が現場に到着すれば、その姿を見て男は盗みに入るのを諦め居なくなるだろうので、男への対処などは特に必要はないだろう。現場到着後、屋敷の敷地内に侵入し、オブリビオンの群れを倒して欲しい」
 桜の咲き誇る庭はかなり広く、乱戦になっても障害になるものなどはないだろう。
 まず襲い掛かってくるのは、名刀を妖刀に変化させる量産型ヤドリガミの集団だという。その後、その集団の頭であるらしき、猿面を被った武者との戦闘となる。
「猿面の武者は血生臭い戦も勿論好むが、言葉や歌や演奏等にも強い執着も持っているのだという。それらを気に入ると乗ってきて、隙などが大きく生じるかもしれない」
 集団の頭である猿面武者は、普通に戦っても全く問題はないが。
 短歌、俳句、川柳、都々逸、創作落語、ラップ等々……どのような言葉遊びでも気に入れば乗ってくるようであるし、同様に歌の種類なども問わないらしい。もし心得があるのならば、試してみてもいいのではないか。
 それからふと清史郎は一息置いて。少し思案した後、こうも続ける。
「村人が話していた『桜姫の絡繰り匣』。呪われている云々は所詮村人の噂話に過ぎないだろうが、まだその存在は蔵の中にあるようだ。勿論その鍵もな。匣自体、もうかなり古く劣化しているようなので、猟兵の手で容易に開けられそうだが……その匣の鍵を探したり、その匣の謎を解くか等に関しては、皆に任せよう」

 そして清史郎は、微かに表情を緩め、こう続ける。
「この現場の近くで、その日の夜、春の季節の行事として、夜桜の祭りが催されるようだ。折角の機会だ、俺は帰還の前にこの祭りに寄ってみようと思っている」
 早咲きの桜が満開に咲き誇る村の、春の季節の恒例行事。
 それは、夜になると桜の木々や花々を、数多の灯篭が一斉に仄かに照らすのだという。
 月と星と灯篭の光に照らされた、満開の早咲き桜。
 帰還前に、そんな春の景色を愛で楽しむというのも、良いではないか。
「村の特産物である酒や飲み物、食べ物等の出店も出るようであるし、勿論弁当などを用意し持参してもいいだろう。敷物を広げ夜桜の宴会を楽しむのも良いし、夜桜の景色を歩き散策するのも良いし、穴場を見つけ静かに愛でるのもまたいいだろう」
 俺も気の向くまま過ごしていると思うので、出会ったら声でもかけてくれ、と。
 清史郎はそう微笑んでから。
 その前にオブリビオンの討伐も頼む――そう、掌にグリモアの桜を咲かせたのだった。


志稲愛海
 志稲愛海です。
 よろしくお願いいたします!

 ※ご連絡※ 第1章プレイングは、3/2土曜日朝8:30から受付開始します。
 それ以前に送信いただいたものは流れる可能性があります。

 今回は、謎の絡繰り匣がある屋敷でのオブリビオン討伐と、夜桜灯篭の祭りのシナリオをお送りします。
 各章の内容は、以下です。

 第1章:模倣刀『偽村雨』との集団戦。
 第2章:猿面武者とのボス戦。(絡繰り匣の謎解き)
 第3章:灯篭に照る夜桜の祭りを楽しむ。

 第1章と第2章は、基本純戦ですが。
 各章終了後、次の章の詳細をオープニングに追加します。
 また、プレイング受付開始日時などの連絡をOPや個人ページ、Twitterで連絡いたしますので、ご確認の上ご参加をお願いします。

 そして匣の謎解きは、あくまでおまけ要素です。
 匣に関するプレイングをかける場合は、第2章にてお願いします。
 第1章で謎解きプレイングかけても採用できません。
 匣に関するリプレイは、第2章最後に皆様分纏めて掲載予定です。
 匣に関するプレイングをかけた方に関しては、戦闘部分を短めに先に掲載、戦闘全て終了後に匣に関するリプレイを皆さん分纏めて掲載……と分けさせていただきます。掲載日も別になるかもしれませんことご了承ください。

 第3章は、満開の夜桜をお楽しみいただけます!
 第3章のみ、お声かけいただいた場合、グリモア猟兵の筧・清史郎もご一緒させていただきます。

 第1章からでもボス戦から参戦でも、夜桜のみのご参加でも大歓迎です!
 お好きな章にご参加いただければ嬉しいです!

●お願い
 ご一緒に行動したい方がいらっしゃいましたら【お相手のお名前と、fからはじまるID】もしくは【グループ名】のご記入をお願いします。
 ご記入ない場合、お相手と離れてしまうかもしれませんのでお忘れなく。
 ソロ描写ご希望の場合は【ソロ】とご記入下さい。

 グループ参加の場合は、送信のタイミングが各人離れていると、失効日の都合上、採用できず流さざるをえなくなる場合があります。
 同時や同日でなくて全く構いませんので、一日前後程度の誤差だと助かります。
 【1人可】と書いていただければ、お相手さんが参加されなかった場合も描写いたします。
 大きな問題のあるプレイングや上記の理由で採用できない場合をのぞき、基本参加者様全員採用したく思っております!

 それでは、ご参加お待ちしております!
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第1章 集団戦 『模倣刀『偽村雨』』

POW   :    雹刃突
【呼び起こした寒気】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    怨呪流血斬
自身に【過去の被害者の怨念】をまとい、高速移動と【止血し難くなる呪い】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    氷輪布陣
【氷柱】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を凍らせて】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。

イラスト:ボンプラム

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

御剣・刀也
偽物の村雨か
紛い物がどこまで言っても本物に成れない様に、紛い物は所詮紛い物
俺の獅子吼で全部砕いてやる

雹刃突は遠距離攻撃もできそうなので距離を取られないように気を付ける。
間合いだったら突き技に突き技で対抗して正面から打ち砕く
怨呪流血斬は高速移動されると厄介なので先読みして動く。斬られても浅い傷ならば出血を気にせず戦い続ける。出血がちょっと酷いなら距離を取って筋肉を締めて止血する
氷輪布陣は氷柱が飛んでくるので斬り捨てるか避けるかしながら突っ込む
「模倣は悪い事じゃない。が、そこから先に進む強い意志がなければ模倣は模倣で終わる。お前らにその意思はあるか?人でないお前らに、人の強さを見せてやる!」


ステラ・エヴァンズ
【御剣・刀也さん(f00225)と行動】
絡繰り匣…心そそられる響きでは御座いますが、今は頭の片隅に置くに留めましょう
此度の目的は夜桜ですから…無粋な方々を追い払うと致しましょうか

刀也さんの背中を請け負います
天津星を振るって【なぎ払い】【吹き飛ばし】で蹴散らしながら斬り伏せましょう
近づかせない事が第一なので彼の人に背後から近づこうものなら須く攻撃対象です
身を呈す事になっても傷つける事は何人たりとも許しません
距離があるなら【衝撃波】か【ジャッジメント・クルセイド】
雹刃突と氷輪布陣には【第六感】で回避
氷輪布陣で凍った地形は【ジャッジメント・クルセイド】で砕き壊せるかやってみましょうか

アドリブご自由に



 きっとあれが、本来ならばオブリビオンの刃に倒れていた盗人だろうか。
 現場に到着した猟兵たちの姿を見るやいなや、そそくさと足早にこの場を去る男がひとり。
 今頃彼は、今日は運が悪い、とでも思っているだろうが……これほどの幸運はないだろう。
 何せ、命が助かったのだから。
 そして、そんな盗人の男が興味を示したのが――村人が語った『桜姫の絡繰り匣』。
 そんな村人の噂話に興味を惹かれるのは、何もこの男だけではない。
 ステラ・エヴァンズ(泡沫の星巫女・f01935)にとっても、それは好奇心を擽られる代物ではあるが。
(「絡繰り匣……心そそられる響きでは御座いますが、今は頭の片隅に置くに留めましょう」)
 匣の謎よりも、まず解決せねばならないことがある。
 屋敷の敷地内へと足を運んだ猟兵たちを迎えるのは、満開の早咲き桜。
 薄紅に色づいた花々を、不意に吹き抜ける風がざわりと揺らして。まるで雪の様に、ひらり天から降る花弁。
 それは美しくも妖しく。もしかしたら……招かれざる存在をも、この場に呼んでしまったのかもしれない。
「……現れましたね」
 目的の夜桜を、憂いなく心から楽しみたいから。
 無粋な方々を追い払うと致しましょうか――ステラは偃月を描く刃を構え、現れた野暮な存在を見遣った。
 春を告げる桜の景色にそぐわぬ、水気を纏った刀を携えた者の集団。
 偽物の村雨か、と。御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)も見る人を魅了するほどの美しき鋭さを誇る刀を構えながら。
 背を請け負うというステラに頷き、敵の群れを改めて見据えて。
「紛い物がどこまでいっても本物に成れない様に、紛い物は所詮紛い物」
 俺の獅子吼で全部砕いてやる――そう戦場を真紅に染めるべく、敵前へと躍り出る。
 刹那、偽村雨が呼び起こし刃に纏わせるのは、寒気を呼ぶ雹。
 一足一刀の間合いから、同時に踏み出した一歩。凍てつきし鋭き突きが刀也を貫かんと妖しく閃いた、瞬間。
『……!?』
 寒気を帯びた刃よりも早く。真っ向から繰り出された剛剣の一突きが、妖刀の化身を刺し貫いて。
 砲火に対抗するべく生み出された目にも止まらぬ剣撃が、凍てついた敵から真紅の色を飛沫かせる。
 そんな刀也へと、姑息にも背後から斬りかからんとする存在があろうものならば。
「決して……近づかせはしません」
 身を呈す事になっても傷つける事は何人たりとも許さない――普段は柔らかな琥珀色の瞳に宿るは、凛とした星の如き煌めき。
 ステラの振るう鋭利な月の軌跡が無粋な妖刀たちを薙ぎ、斬り伏せていく。
 だがそんなステラ目掛け布陣されるは、凍てつく氷輪。
 しかし、唸りを上げ繰り出された氷柱は、戦場に舞う綺羅星を捉えることはできない。
 第六感を駆使し氷輪の陣を躱したステラは、氷に覆われた地に星光纏う指先を向けた。その眩き光で、再び春の風景を取り戻さんとするように。
 はしる鮮血も、ごく浅いもの。
 刀也は負った掠り傷など気にも留めず、距離を取らせぬよう、素早く敵の懐へと飛び込んで。
「模倣は悪い事じゃない。が、そこから先に進む強い意志がなければ模倣は模倣で終わる。お前らにその意思はあるか?」
 所詮、意思など感じない、模倣でしかない斬撃を見切り躱して。
「人でないお前らに、人の強さを見せてやる!」
 獅子の吼号の如く唸りを上げ煌めく不屈の一閃が。
 無粋な氷を溶かすかの如く、戦場を真紅に染め上げたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フレイ・ブラッドセイバー
集団戦なら私の出番ですね
ユーベルコードの「我は戦神、叛逆の魔神なり」が発揮できるみたいですが…
見知らぬだれかと……いや、連携できなくても問題ないですよね。え?ぼっち?知らない。
一応前衛ですので後衛の方をカバーできるようには立ち位置を調整しておきましょうか

戦闘中はクールなメイドさん
戦闘時、真剣な時の口調はステータスの通り

その首!もらった!

鼻歌
めーでー
この世を滅ぼす愛でめーばえたふんふんふんふんふんふーん


篝・倫太郎
さってと……
早咲きの桜が綺麗に咲いてくれてるつーのに、無粋じゃねぇの
とっとと還って貰うとすっか

エレクトロレギオン使用
華焔刀で先制攻撃からのなぎ払いで二回攻撃

ニセモノが大挙したって名刀にゃなれねぇよ
とっとと失せろつの!

敵のすべてのユーベルコードでの攻撃には
召喚した機械兵器に身代わりになって貰う事で対応
特に、流血斬と布陣は自身が狙われてなくても積極的に当ててく
止血し難いのはこの後のボス戦に差し支えるし
戦闘力高めるのもダメージ増える結果になりそーだもんよ

機械兵器が間に合わず
自身が対象になっている場合は華焔刀でいなして、受け流す

補足
エンパイア出身
実は久々の故郷での花見と酒を楽しみにしている


アルノルト・ブルーメ
早咲きの桜、とは中々に風情があるね
尤も、風情を理解出来そうにないモノが居るようだけれど

此処は君達の居て良い場所じゃない
骸の海に還ると良いよ、オブリビオン?

咎力封じ使用
先制攻撃で範囲攻撃
そうだね、串刺しなんてどうだい?

文化が違うから、君達のそれとは形状が違うけれどね
僕のVictoriaとLienhardは切れ味が良くてね?
気を付けないと、喰らい尽すよ

流血斬はViperを家屋などに飛ばし、フックを掛けて跳躍する事で回避
雹刃突と布陣はVictoriaとLienhardで受け流すようにして対応を
負傷による出血がある場合はVictoriaを起動させて攻撃に使用

Viper使用時は桜を傷付けないよう注意する



 一足早い春を告げる、薄紅色の桜花。
 もう見頃の満開。はらり舞う花弁が、既に主のおらぬ庭にも、春の彩りを積もらせていく。
「早咲きの桜、とは中々に風情があるね」
 アルノルト・ブルーメ(暁闇の華・f05229)はそう、柔く緑の瞳を細めるけれども。
 尤も、風情を理解出来そうにないモノが居るようだけれど――と。
 そう、ふと印象を変えた瞳で見据える視線の先には……訪れる春を阻まんとする、寒気を帯びた刃を持つ無粋な輩たち。
 そんな偽村雨の大群に怯むことなく。
「めーでー、この世を滅ぼす愛でめーばえたふんふんふんふんふんふーん」
 戦場に鼻歌を響かせるのは、フレイ・ブラッドセイバー(瀟洒な血濡れのメイド・f00013)。
 いやむしろ、群れている敵は好都合。
「集団戦なら私の出番ですね」
 フレイは見知らぬだれかと連携……いや、たとえ連携できなくても問題ありません。
「……え? ぼっち? 知らない」
 いいえ、ぼっちでは決してありませんから!
「――攻撃対象確認。これより攻撃行動に移り、敵を殲滅します。曲芸――『我は戦神、叛逆の魔神なり』!」
 先程まで鼻歌を歌っていた陽気なメイドさんから、クールなメイドさんへとその雰囲気を変えて。
 声高らかに詠唱を響かせれば……そこには、戦場に立つメイドがふたり。
 生み出した分身と共に、後方を担う仲間をカバーするべく、敵前へと躍り出るフレイ。
 そんな桜舞う戦場を、ぐるりと見回してから。
 懐郷の如き色を琥珀の瞳に宿しつつ。
 同時に、その薄紅に、密かに心躍るような気持ちも滲ませながらも。
「さってと……早咲きの桜が綺麗に咲いてくれてるつーのに、無粋じゃねぇの」
 篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)が桜色の戦場へと喚ぶのは、無数の戦闘用機械兵器。
 そして、迫る偽村雨が成さんとする氷柱は、咲き誇る桜を凍えさせてしまうから。
 とっとと還って貰うとすっか――そう、黒に舞い踊る朱き焔の刃を構えた刹那。
 敵が動くよりも、早く。
『……!』
「ニセモノが大挙したって名刀にゃなれねぇよ」
 ――とっとと失せろつの! と。
 その無粋な氷を溶かさんと、倫太郎が振るう美しい刃紋の薙刀が、偽村雨たちを薙ぎ払っていく。
 同時に、戦闘用機械兵器たちが戦場を駆けて。
 召喚主の倫太郎だけでなく、偽村雨の怨念纏う一撃から猟兵たちを護らんと、積極的にその刃を肩代わりしていく。
 止血し難い傷はこの後のボス戦に差し支えるし、戦闘力を高められるのも受ける傷を深める結果になりそうだから。
 そんな倫太郎の戦闘用機械兵器の1体が、雹纏う寒気の突きを受けて消滅した瞬間。
 偽村雨に生じた一瞬の隙を、ふたりのメイドは見逃さない。
「その首! もらった!」
 ふたりのフレイが振るう紅き新月の長剣が、桜咲く戦場に鋭く閃けば。
 握る刃の紅が、飛沫き返るその色を浴びて。さらにその紅の濃さを増した。
 美しき桜の風景に見合わぬ、怨念の気。
 その邪気纏う呪いを受ければ、容易には止められぬ赤が滴る傷を負うというが。
 だが……それは、怨念の呪いをその身に受けた場合。
 偽村雨が禍々しい呪いを戦場に放射した瞬間。桜色の空へと、ばさり大きく翻る、闇色の外套。
 決して桜を傷つけぬようにと。アルノルトは毒蛇の異名を持つ『Viper』を、主不在の立派な屋敷へと放って。
 フックを掛け、薄紅の花弁舞う空へと大きく跳躍し、呪いの放射からすかさず身を躱せば。
「そうだね、串刺しなんてどうだい?」
 文化が違うから、君達のそれとは形状が違うけれどね、と。
 まるで二つ、呼応し合うかの如く対の閃きを纏うのは、ナイフ形状の『Victoria』と『Lienhard』。
「僕のVictoriaとLienhardは切れ味が良くてね? 気を付けないと、喰らい尽すよ」
 だがそんなアルノルトの忠告も、無粋な妖刀どもにとっては時既に遅し。
 鋭き光が垣間見える瞳に映す敵へと、桜花弁舞う空から放たれた拷問具と黒剣の刃が唸りを上げて。
「此処は君達の居て良い場所じゃない。骸の海に還ると良いよ、オブリビオン?」
 風情の欠片もない妖刀の身を宣言通り、容赦なく刺し貫いたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

出水宮・カガリ
【ヤド箱】団長(朔)と、ステラと、指潰しの(ペイン)と、くろうと
盗人とは言え、ひと
ひとなら、守るべきだが…盗人か…

過去の怨念を己の武器とするとは、いかにもオブリビオンらしい
死して残る怨念…カガリは結構、嫌いな部類なのだが
怖いのではなく
その執念が、嫌いだ

【錬成カミヤドリ】で【鉄門扉の盾】を複製、自分の周囲を覆う形で展開
盾は【不落の傷跡】【拒絶の隔壁】で強化している
呪詛や氷結にも耐性があるからな、そう簡単には盾を越えられまい
偽村雨が斬りかかってくれば、盾に破魔の効果を付けて吹き飛ばす
【命の篝火】の破魔の炎で、焼き祓う事もできるだろうか
仲間に危機が及ぶようであれば、盾を飛ばして守れるようにする


ステラ・アルゲン
【ヤド箱】
カガリ、朔殿、ペイン殿、クロウ殿と参戦。

はてさて、匣の秘密も気になりますがまずはこのオブリビオンを蹴散らすとしましょう。

【赤星の剣】による炎の【属性攻撃】を発生させ、それを【なぎ払い】することによって広範囲の敵を纏めて斬り倒す。

そのような冷気、我が炎にて打ち破ってみせよう!

クロウ殿の風の支援を受けつつ【高速詠唱】にて【2回攻撃】をし、隙を見せることなく素早く攻撃し呼び起こされる冷気もこれにて払う。
もし攻撃を受けそうだったら【武器受け】で受け流す。
他の味方や屋敷に炎が燃え移りそうだったらすぐに消すように心がけておきます。


ペイン・フィン
【ヤド箱】で参加。他の猟兵との絡みもOK.

妖刀、か……。
……あまり、良いものじゃ無い、ね。

コードを使用。
複製するのは石抱き石“黒曜牛頭鬼”。
周囲に展開する形で出して、妖刀狙いで攻撃するよ。
また、味方への攻撃を、盾代わりにしてガードしようかな。

……。
……お休み、ね。


杜鬼・クロウ
【ヤド箱】
アドリブ◎

「絡繰り匣ねェ。ソイツも気になるが今は目の前の敵だ。
同じヤドリガミと相反するとは、ヤりづれェぜ…(複雑な表情だが剣筋に迷いと躊躇い無し)
救いは、この手で葬るしかねェんだろ。
(綺麗な桜の下には死人あり。果たしてこの桜は何をもって咲き誇っているのやら」

前衛
仲間と声掛けあい連携
桜の噎せ返る匂いに双眸細め息を吐く
玄夜叉の刃を指で撫ぞり構える

【煉獄の魂呼び】使用
禍鬼は棍棒で敵を蹴散らす
霆で援護

先制攻撃・鎧無視攻撃で敵を一刀両断
敵の攻撃は剣で武器受け・カウンターか見切りで回避
カガリの盾利用し身を隠しつつ隙見て攻撃
ステラの炎のタイミングで属性攻撃・2回攻撃
風宿し火の勢いを強くし合わせ技


雛月・朔
チーム【ヤド箱】で参加、連携
主武器:薙刀、念動力、【WIZ判定】
UC:巫覡載霊の舞
【心情】
猟兵なので許されるとはいえ、人様のお屋敷に勝手に入るのは気が引けてしまいますね。お邪魔します、っと。
なぞかけは好きですけど大体は答えが分からず、誰かに聞いてしまうんですよね。鍵の答えが分かってすっきりして帰れるといいのですが…。
【戦闘】
早々にUC『巫覡載霊の舞』を振るい敵の数を減らします。
予知にあった敵の氷柱は、念動力で弾いて軌道を変えられるか試します。
できれば敵に投げ返したり遠くに着地させたいものです。たぶんステラさん達の炎で溶けるでしょうが…。
『何が目的かは知りませんが…、ここで全員折れてください』



 見事に咲き誇る早咲きの桜など目にも止めずに。
 猟兵たちの姿を見て、そそくさと退散するひとりの男。
 その後姿を複雑な表情で見送るのは、真っ直ぐな紫を帯びた瞳。
 ――盗人とは言え、ひと。
「ひとなら、守るべきだが……盗人か……」
 出水宮・カガリ(荒城の城門・f04556)にとって、男の道徳に反する行いに思うところはあれど……もうこれで、人の命が散ることはなくなった。
 だが、運良く命を拾ったこの男が今後どうするかは、確認する術もない。
 カガリはそんな男へとくるりと背を向け、【ヤドリガミの箱庭】の旅団仲間とともに屋敷へと足を運ぶ。
「猟兵なので許されるとはいえ、人様のお屋敷に勝手に入るのは気が引けてしまいますね」
 お邪魔します、っと――そっと遠慮気味に。
 雛月・朔(たんすのおばけ・f01179)も、皆と共に敷地内へと足を踏み入れて。
 同時に……ざわりと、妖しいほど見事な早咲き桜が風に揺れて騒めく。
 この屋敷の奥の蔵にあるという、『桜姫の絡繰り匣』。
 ヤドリガミである身としては、古く歴史のある蔵やその中にあるという骨董品などに興味を抱くのは勿論のこと。
 村人が語った、絡繰り匣の謎。
「なぞかけは好きですけど大体は答えが分からず、誰かに聞いてしまうんですよね」
 鍵の答えが分かってすっきりして帰れるといいのですが……と。
 朔はそう、庭に入ったと同時に視界に映る立派な蔵へと漆黒の瞳を向けながら。瞳と同じ色の髪を、桜の枝葉揺らす風に躍らせた。
 そして――満開の桜が見守る、広々とした庭へと差し掛かった、その時。
「……!」
 ゆうらりと現れたのは、数多の妖刀の化身。
 その存在は――猟兵として在る自分たちヤドリガミとは、似て非なる輩。
 そんな敵の群れに、凛とした星の如き光を宿す青き瞳を向けて。
「はてさて、匣の秘密も気になりますがまずはこのオブリビオンを蹴散らすとしましょう」
 スラリと、ステラ・アルゲン(流星の騎士・f04503)が抜くのは、青き騎士の剣。
「絡繰り匣ねェ。ソイツも気になるが今は目の前の敵」
 風に騒めく度に揺蕩う、噎せ返るような桜の香。
 杜鬼・クロウ(風雲児・f04599)は赤と青の双眸細め、ふっと息を吐いてから。
 スッと指で撫ぞった玄夜叉の刃を構え、零す。
「同じヤドリガミと相反するとは、ヤりづれェぜ……」
 眼前の敵も、自分たちといわば同種族ではあるが。
「救いは、この手で葬るしかねェんだろ」
 複雑な表情ながらも、その瞳に躊躇の色は一切無い。
「妖刀、か……」
 逆に、表情こそ隠れていて分からないが。
「……あまり、良いものじゃ無い、ね」
 ペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)は、その邪悪な気配と殺気に、そう言の葉を紡ぐ。
 まるで春の訪れを阻むかのように――妖刀に宿る怨念と寒気。
 猟兵とオブリビオン。刹那、相反する立場のヤドリガミ同士が、刃を交える。
「では皆さん、いきましょうか。すべて破壊してあげましょう」
 戦いの火蓋を切って落としたのは、赤き『鳳翼』の羽ばたきの如き、大きな一薙ぎ。
 ヤドリガミが集う旅団の長を務める朔に合わせ、息の合った動きで偽村雨を迎え撃つ猟兵たち。
「杜鬼クロウの名を以て命ずる。拓かれし黄泉の門から顕現せよ! ――贖罪の呪器……混淆解放(リベルタ・オムニス)──血肉となりて我に応えろ!」
 クロウの声に呼応し、戦場へと降り立つは、禍鬼。
 布陣される氷輪ごと敵を一刀両断するべく振るわれるのは、吸った血のいろを帯びた赤錆の棍棒。瞬間、戦場に轟き妖刀へと走る霆。
 敵が呼び起こし刃に宿すのが、寒気を帯びた雹であるならば。
 ステラがその剣身に纏わせるは、燃え盛る紅蓮の炎。
「そのような冷気、我が炎にて打ち破ってみせよう!」
 妖刀が寒気の一閃を放つ、それよりも速く。
 凍てついた雹をも一瞬で溶かすような、ステラの鮮やかな炎の剣技が、周囲の敵を纏めて薙ぎ払う。
 そしてペインへと向けられるのは、受ければ癒し難い怨念の刃。
 禍々しいその一撃が見舞われんと振り上げられた、瞬間。
「……残念だけど……届かないよ」
『ッ!』
 ペインが腕を振るうと同時に。
 周囲に展開された石抱き石“黒曜牛頭鬼”が、妖刀へと容赦なく襲い掛かれば。
「過去の怨念を己の武器とするとは、いかにもオブリビオンらしい」
 死して残る怨念……カガリは結構、嫌いな部類なのだが、と。
 同じく迫る怨呪流血斬の呪いにも一切動じる気配はなく。
「怖いのではなく。その執念が、嫌いだ」
『……!!』
 そう簡単には越えられまい――放射された呪いごと、妖刀の刃を防ぎ吹き飛ばすカガリ。
 その鉄門扉の盾をより強固にするのは、陥落した城門の無念と、いかなる脅威も遮断するという強い意志。
 そして――共に戦場駆ける仲間達を護り切るという、決して揺るがせたくない矜持。
 妖刀を斬り、薙ぎ、叩き伏せていく仲間達の元へとカガリの複製した盾が飛べば。
 盾に阻まれた一撃に生じた、偽村雨の隙を逃さずに。
 ……ほんと、嫌だな……そう呟きながらも、再び戦場に成した“黒曜牛頭鬼”が指だけでなく、妖刀の身体を残酷なまでに圧し潰して。
「……。……お休み、ね」
 妖刀の断末魔を聞きながら、すぐに別の敵へと視線を向けるペイン。
 そして布陣された氷輪から氷柱が放たれるも。
 猟兵たちには、当たらない。
「何が目的かは知りませんが……、ここで全員折れてください」
 朔の念動力が迫る氷柱を弾き、その軌道を大きく変えた刹那。
「いきます、クロウ殿!」
「悪ィが、偽物なンかに負けられねェからなァ。風に煽られた炎、篤と味わいなァ!」
『!!』
 赤く燃えろ、我が星よ――ステラの振り上げる剣を染める紅蓮の炎が、クロウの巻き起こした風に煽られ、さらにその色を鮮やかに燃やして。
 戦場の寒気を溶かし焼き尽くさんと、風を宿す衝撃と赤き流星の如き一閃が同時に、妖刀の身体を斬り叩き伏せる。
 そしてクロウは、鮮やかな星の如く煌めく炎に照る桜をふと見上げる。
 ……綺麗な桜の下には死人あり。果たしてこの桜は何をもって咲き誇っているのやら――と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

戒道・蔵乃祐
月夜さん(f01605)と参加しています

雪融けの──
って。貴方達は風流とは無縁なのですか

実用性、或いは由来に刻まれた業に引きずられているのか
量産型オブリビオンとは言えど、付喪憑きにはかわりないでしょうに

ヒトガタではなく、ただの人斬り刀として在ればまだ。世界の敵になどならなかったかもしれないでしょうにね…。


氷輪布陣は火界呪で対抗
氷柱はかばう、氷結・激痛・呪詛耐性、オーラ防御と武器受けで月夜さんを僕の後ろに下がらせて
なぎ払いと範囲、破魔の属性攻撃で有利地形の設置を妨害する火炎放射を浴びせます

仏法の加護に斯様な攻撃は効かぬ
天下泰平に仇なす無法者、侍帝猟兵が裁いて砕く!
目眩ましで月夜さんの吶喊を援護


月夜・玲
【戒道・蔵乃祐 f09466】
戒道さんと同行

う、謎解きかあ…
結構苦手なんだよね頭使うの
まあとりあえず、目の前の敵を倒しちゃおう
じゃ、行こっか戒道さん

《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀、二刀流で攻めるよ
【I.S.T.起動】を発動して他の装備品等をパージして身軽になって戦闘開始!
戒道さんと連携して地道に数を減らしていこうか
背中は任せたよ、戒道さん?

二刀流での『2回攻撃』『なぎ払い』で纏めて攻撃!

こっちも身軽になってるんだよ、相手の高速移動にだって対応して見せるさ
『第六感』での回避、当たる場合は『オーラ防御』でガード

さあ、素早さ勝負といこうじゃないか!



 美しすぎるゆえにどこか妖しい、桜が咲き誇る庭で。 
「う、謎解きかあ……」
 結構苦手なんだよね頭使うの、と。
 そう呟くのは、月夜・玲(頂の探究者・f01605)。
 この屋敷に住んでいた桜の如き美しい姫が、その思いを託したという、絡繰りの匣の謎。
 メカニックの技術や知識は豊富な玲にとって、謎解きは正直不得手な分野であるが。
 そんな謎解きに挑むも挑まないも、その前に……片づけなければいけない案件がある。
 桜の妖艶な美しさに誘われて来てしまったのか。
 姿を現したのは、数多の偽村雨の妖刀たち。
「雪融けの──って。貴方達は風流とは無縁なのですか」
 まさにその禍々しい殺気は、無粋以外の何物でもない。
 実用性、或いは由来に刻まれた業に引きずられているのか、と敵の群れを見遣りながらも。
「量産型オブリビオンとは言えど、付喪憑きにはかわりないでしょうに」
 戒道・蔵乃祐(荒法師・f09466)は思わずそう、その無粋さに、ひとつ溜息を漏らして。
「ヒトガタではなく、ただの人斬り刀として在ればまだ。世界の敵になどならなかったかもしれないでしょうにね……」
 ある意味、邪悪な刃を振るう刀の慣れ果てに、哀れささえも抱く。
 そんな妖刀たちへと言の葉を紡ぐ蔵乃祐と並んで。
 まあとりあえず、目の前の敵を倒しちゃおう、と。
 玲は、還りつく為の力と再誕の為の詩――『《RE》Incarnation』と『Blue Bird』の二振りをすかさず抜刀して。
「じゃ、行こっか戒道さん」
 ――Imitation sacred treasure……今こそその力を此処に!
 ガジェットをパージし軽くなったその身を戦場へと躍らせる。
「背中は任せたよ、戒道さん?」
 蔵乃祐にその背を預け加速し、二振りの刃を振り翳して。敵前へと、一気に斬り込んでいく。
 そんな玲へと、偽村雨が怨念纏いし呪いの衝撃を放射せんと動きをみせるも。
 こっちも身軽になってるんだよ、と……それよりも速く、二刀流の斬撃が敵の身に赤き色を飛沫かせて。
 ノウマク サンマンダ バザラダン カン――蔵乃祐の詠唱とともに戦場に灯るは、無数の不動明王の炎。
 無粋な妖刀が布陣した氷輪から生み出されし、凍てついた氷柱も。
「仏法の加護に斯様な攻撃は効かぬ。天下泰平に仇なす無法者、侍帝猟兵が裁いて砕く!」
 あっという間に溶け、激しく燃え盛る炎に相殺され、無と化し消え失せる。
 そして隙が生じた妖刀へと、玲は狙いを定めて。
 ――さあ、素早さ勝負といこうじゃないか!
 高速移動する敵を凌駕せんと、炎に照る桜色の花弁が降り積もる地面を大きく蹴って、さらに加速する。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

飛鳥井・藤彦
【WIZ】

ええ桜やなぁ。
丁度花見したいなぁって思ってたんや。
さっさと無粋な輩を片付けて観桜会と洒落こもうやないの。

氷柱を避けつつ、何体か纏めて僕の間合いに入るように立ち回り。
「狂い咲きの藤、堪能したってや」
着物の袖から符を取り出し、詠唱代わりに一首詠んで【藤花繚乱】発動。

凍った場所で戦うんは足滑らせそうでおっかないなぁ。
無闇矢鱈に動くより、向かってきた奴らを手にした大筆・輝紅篠画で【なぎ払い】【吹き飛ばし】つつ戦わせて貰いましょ。

あ、数はそれなりにおるみたいやし、その場におる他の猟兵の皆さんとはうまく協力したいなぁ。
視野を広く持って、周り見つつ戦うよう意識してみますわ。


アルノルト・クラヴリー
エンパイアには伝承が多いと聞くが、
聴く何れにも風情があるな……美姫の残した絡繰り匣とは
これ以上呪いだなどと伝わらん様、祭りの前に一仕事しようか
なぁフィー、夜桜の中のフライトはお前も気持ちが良いだろうな

基本は竜騎士の槍・竜槍状態での立ち回り
竜槍状態解除時はルーンソードで
接敵し、物理攻撃は武器で受け払う
数が多い場合は、範囲攻撃も活用

寒気の攻撃には、即座竜槍状態を解除し【蒼の息吹】
氷柱にも同様だ
地に落ちる前に溶かし尽くせ、フィー
仮に地形が凍っても、炎のブレスで即座に溶かそう

呪詛には耐性はあるものの、多少の負傷は止むを得んだろうな
高速移動への対応には【白の息吹】
足元を凍結させ、追い討ちは仲間へ託そう


宵鍔・千鶴
絡繰の匣に、開くための鍵は心と同等。
なるほど、俺なら桜姫への求婚そっちのけで
そっちの解明に熱を入れちまいそう

…蔵の中も興味が湧いて疼くけど
先ずは庭掃除、と洒落込もうぜ

引きずり地を削りながら携えた獲物の大鋏
腕に絡み付く蔦と薔薇の棘は主の血を飲んで更に大きく
…仕事だ、ネメシス
相棒の名を静かに呼ぶのは自身を奮う覚悟のそれ
必要ならば敵UCを警戒し咎力封じで捕縛し動きを止め
躊躇いなく大鋏で断ち切り

この綺麗な春の花、…桜姫の遺したものを
汚い赫に染めたくは無ぇから
刃を振り翳せば舞い散る花びらに
桜が散るよりも早く、ああ、早く
こいつを散らせなければ

※アドリプ・絡み歓迎



 猟兵たちを静かに迎え入れるのは、満開の早咲き桜。
 風に戦ぐ薄紅が、はらりくるり、舞っては降り積もる――まるで、雪の様に。
「エンパイアには伝承が多いと聞くが、聴く何れにも風情があるな……美姫の残した絡繰り匣とは」
 眼前の桜の様に、妖しくも美しい噂話。
 アルノルト・クラヴリー(華烈・f12400)はこの世界特有の趣を感じながら、相棒のフィーと共に、桜花弁が振り誘う庭へと足を向けて。
「絡繰の匣に、開くための鍵は心と同等」
 なるほど、俺なら桜姫への求婚そっちのけでそっちの解明に熱を入れちまいそう――。
 宵鍔・千鶴(nyx・f00683)は、庭の奥に見えてきた蔵へと、好奇心の色を宿した視線を向けるけれども。
「……蔵の中も興味が湧いて疼くけど。先ずは庭掃除、と洒落込もうぜ」
 心擽る謎を解くことを、まるで阻むかのように。ゆらりと現れた無粋な存在を、紫の色を湛える瞳に映して。
 構えるは、歩んできた道を刻むように引き摺り地を削ってきた、義憤の大鋏。
 アルノルトも、春の訪れを告げる風景にそぐわぬ禍々しい数多の気配に、緑を帯びる瞳を細めて。
「これ以上呪いだなどと伝わらん様、祭りの前に一仕事しようか」
 美しき姫がこれ以上誤解されぬようにと手にするは、青き竜槍。
 そしてふと桜色の空を見上げ、幼くも頼り甲斐のある相棒へと、声を掛ける。
 ――なぁフィー、夜桜の中のフライトはお前も気持ちが良いだろうな、と。
「ええ桜やなぁ。丁度花見したいなぁって思ってたんや」
 写生するかのように、ふと指で作った枠越しに桜の景色を見上げてから。
 身の丈ほどもある大筆を構えるのは、飛鳥井・藤彦(浮世絵師・藤春・f14531)。
 そして抱く思いは、この場にいる皆と、きっと同じ。
 さっさと無粋な輩を片付けて観桜会と洒落こもうやないの――と。
 刹那、現れた妖刀・偽村雨が布陣するのは、凍えるような氷輪。
 寒い冬へと逆戻りさせるかのような、凍てつきし陣が生み出した氷柱が戦場に成されると同時に、唸りを上げる。
 だが――まるで、春霞に溶けるかのように。
 青白磁の着物の袖を翻し、襲い来る氷柱の衝撃を躱した藤彦は。
「凍った場所で戦うんは足滑らせそうでおっかないなぁ」
 氷柱が直撃し凍結した地面を避けるように、桜色の花筵へと着地した後。
 すかさず水気纏う刃を振りかざしてきた輩を、簡素だが手馴染みの良い輝紅篠画で薙ぎ吹き飛ばした。
 庭に咲き誇る桜が春を告げるのならば。
「……仕事だ、ネメシス」
 自身を奮う覚悟を静かに告げるのは、相棒の名。
 腕に絡み付く蔦と薔薇の棘が、主の血を飲み更に大きくなり、刃へと絡みついて甘い花を咲かせれば。
 千鶴が繰り出すは、ネメシスの鋭利な閃き。それは、纏う禍々しき怨念ごと敵を断ち切り、飛沫いた妖刀の血をも糧にせんと吸い尽くす。
 まるで雨を纏うかのように、水気を帯びる刃。
 その鋭き斬撃を受け止め払い、緑の瞳に鋭さを宿すと同時に。狙い澄まし放たれたアルノルトの鋭撃が、敵の身を穿き貫けば。
 妖しき刃の雨を雹へと変えたまた別の偽村雨へと容赦なく見舞われるのは、竜の姿へと瞬時に変化したフィーの吐く蒼の息吹。
 蒼く激しい竜の息吹が、呼んだ寒気や雹ごと妖刀の身体を燃やし尽くして。
 さらに、くるりと桜色の空を泳ぐように舞いながら。
 フィー、と一鳴きした幼竜が次に吐いた息吹は、妖刀の纏う水気さえも凍らせる白の彩。
 その白き息吹がオブリビオンの足元を凍らせ、動きを封じれば。
 よくやったと、柔く瞳を細め青き相棒を労い、仲間を信じ追い討ちを託すアルノルト。
 同時に、その無粋さの罪を償わせんとするように。千鶴が展開し解き放った処刑具が確りと敵へと嵌り、捕縛して。
 動けぬ妖刀どもを巻き込むよう位置取らんと、敵の只中へと地を蹴って。
 藤彦が手にするは、美しい絵と短歌が描かれた符。
「狂い咲きの藤、堪能したってや」
 そして――恋しけば形見にせむと我がやどに植ゑし藤波今咲きにけり……そう一句、詠まれた刹那。
 握る輝紅篠画が綻び、まるで妖刀が凍らせた地面を塗り替えるかの如く。
 藤花繚乱――戦場へと、妖刀の存在を断つ、美しくも鋭利な藤の花弁を戦場へと舞わせて。
「この綺麗な春の花、……桜姫の遺したものを、汚い赫に染めたくは無ぇから」
 夜色の外套をはためかせ、儚く散り積もる桜花弁を天へと舞わせながら。
 千鶴は断罪の大鋏を振るい、妖刀を躊躇なく断ち切っていく。
 桜が散るよりも早く、ああ、早く――こいつを散らせなければ、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

太刀緒・朔
箱の謎も気になるけど、先ずは集団戦だよね、頑張る。
模倣刀ねぇ、……まぁ、私の刀の方が斬れるかな!

【WIZ】

戦闘はいつも通り大太刀を使って斬り結んでいこう
【早業】で抜刀し、【フェイント】も使って【薙ぎ払う】
敵の攻撃後の隙を狙ってそのまま【カウンター】
【第六感】も駆使して敵の攻撃全般を警戒しておく

うーん、寒いのは苦手なんだけれどもな
氷柱とか寒気対策として【月影の鎮め火】で炎を二つだけ出す
一つは体に纏わせておいてカウンターというか氷柱が当たらない用、一つは氷柱に当てに行き、溶かして蒸発出来るならさせたい感じです
大太刀に炎纏わせて斬ったりとかしたら効きます?

アドリブ歓迎、他の方と共闘可能なら喜んで。


明智・珠稀
ふ、ふふ。
素敵な謎かけをされるお嬢様がいらしたのですね。
ぜひ存命中にお会いしたかったものです。
そしてその箱とやらも気になります。 とっても素敵なのでしょうね、ふふ!

■戦闘
妖刀を構え
「さぁ、刀と刀のぶつかり合いです、ふふ!」
と目につく敵に【ダッシュ】で近づき
【2回攻撃】【鎧無視攻撃】で
激しい斬撃を。
レガリアスシューズで足技も交え
舞うように華麗に敵達に攻撃を加えて行く。
「く、ふふ、愉悦ですね…!」

敵のUCにはオーラシールドの盾受け、また
【氷結耐性】で耐えつつ
「氷すらも溶かすほどの熱い私の愛に包まれてください…!」
と、UC【青薔薇を吐息】にて広範囲に【カウンター】攻撃を

※アドリブ&絡み大歓迎です!



 立派な庭に咲き誇る桜も、確かに妖しいけれども。
「ふ、ふふ。素敵な謎かけをされるお嬢様がいらしたのですね」
 そう笑むのは、妖艶で美しい容姿の青年。
 ぜひ存命中にお会いしたかったものです、と明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)は桜姫への思いを口にして。
 とっても素敵なのでしょうねと、彼女が残した匣にも興味を示す。
 そして匣の謎がきになっているのは、太刀緒・朔(斬り結ぶモノ・f08368)も同じだけれど。
 その前にまず……やるべきことがある。
 庭に現れたのは、数多の妖刀のオブリビオン。
 朔はぐるりと琥珀色の瞳で敵の群れを見遣った後。
「模倣刀ねぇ、……まぁ、私の刀の方が斬れるかな!」
 素早く抜刀するは、無銘ながらも美しい大太刀。
 いや、誇るのは刀の美しさだけではない。
 偽村雨の刃が振るわれるその前に放たれた目にも止まらぬ一閃が、妖刀の身を容赦なく斬り伏せる。
 誇るのは美しさと、その切れ味の鋭さ。
 戦場を舞う朔の動きに合わせ、大太刀の刃が閃いて。
 敵に生じた隙を逃さず、フェイントを入れた薙ぎ払いや返す刀の斬撃が敵を蹴散らしていく。
「さぁ、刀と刀のぶつかり合いです、ふふ!」
 珠稀も紫の煌めきを纏うかの如き妖刀を構えた刹那、大きく地を蹴って。
 闇の呪詛が籠められた外套を桜舞う戦場に靡かせ、握る刀と同じ彩を宿す瞳に映した敵へと、激しく斬りかかっていく。
 オブリビオンを斬り伏せていく、無銘の大太刀と紫の妖刀。
 だが、敵もただ斬られてばかりではない。
 戦場に展開されるのは、凍てつく氷の陣。
 布陣された氷輪から生み出される氷柱がふたり目掛け、同時に唸りを上げるも。
「うーん、寒いのは苦手なんだけれどもな」
 炎を断つ故、焔を制す――朔が生み出すは、静かに燃える、二つの月影の鎮め火。
 鎮め火のひとつは、氷柱をいなすべく身体に纏わせて。
 放たれたもうひとつの炎が、氷柱を溶かし蒸発させ、衝撃を相殺する。
 そして、さらにもうひとつ。
「大太刀に炎纏わせて斬ったりとかしたら効きます?」
『……!』
 刹那、刃に降る雨さえも昇華させるかの如く燃え上がる朔の大太刀の一閃が、オブリビオンをまた1体、叩き斬ったのだった。
 もうひとつ生み出され繰り出された、偽村雨の氷柱。
 その凍えるような衝撃を受け止めたのは、珠稀が翳す、気で成された盾。
 そんな、成した者の心で彩が変わるという盾が刹那、紫から青へと色を変えて。
 同時に、紫を帯びていた妖刀が綻び、青薔薇の花弁へと、刃のカタチを変えれば。
「氷すらも溶かすほどの熱い私の愛に包まれてください……!」
 鋭利な青薔薇の花弁に込めた愛が戦場に迸り、オブリビオンどもを、躯の海へと還したのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

華折・黒羽
※アドリブ、他者絡み歓迎

もう桜の咲く季節なんだな。
久しく桜を眺めていない気がする…脚を運んでみるのも悪くはない、か。
そうとなれば、花見には不似合いな客人にはご退出頂こう。

【POW】
桜には個人的な思い入れもある。…踏みにじらないでもらおうか。
屠と隠で応戦
烏の羽翼を広げたり猫の身体で跳躍したりと機動力を活かして
敵の攻撃は基本隠で流すか避けるが、当たって傷を負っても一切退かず
もし呪いを受けてしまった場合は【啜り鳴く、饑い】でその血を逆に利用する
血を啜った屠は刃渡りの長さを伸ばし打刀程から大太刀程に変化、その強度も上がる

使用技能:生命力吸収、鼓舞、武器受け、野生の勘、盾受け、カウンター、気合い


桐崎・早苗
残された陰の気、祓い調えなければなりませぬね。
不肖この私、早苗も助力いたしましょう。
陰陽の家、桐崎の早苗…いざ参ります…!
●戦闘
【狐火の舞】による行動阻害や延焼により味方を援護しつつ私も刀や符で戦いまょう。

可能なら【五行調律符】による味方の異常の回復や【五行乱調符】による敵の妨害を交えたい所。
呪詛や破魔の技能も相手への攻撃に活用できますでしょうか。

刀の銘などは主に刀工によるもの…作り手の名を騙る…作り手を誇れぬ刀などは、叩き折る方が供養となるやもしれませぬ。

・他のユーベルコードの使用やアドリブも歓迎いたします


葦野・詞波
夜桜に、絡繰り匣のうわさか。

どちらも気にならない訳ではないが、先ずは刀狩りからか。
名刀妖刀の切味、どれほどのものか。

接敵前の肩慣らし、連中のど真ん中目掛けて槍投げだ。
衝撃波で幾許倒れてくれれば儲け物か。
刺突や斬撃は見切れるかは怪しいが
致命傷になり得るものを見極めて避けるとしよう。
多少の切り傷は甘んじて

数多もの斬れ味を味わいに向かうは中心
範囲攻撃・なぎ払いを駆使し存分に派手に大立回り

しかし、桜が美しい理由か。
短命の儚さ。散り際の潔さ。夜桜の妖しさ。
魅せられ、惑わされ。

色々だろうが、昔の誰だったか。
美しい花があるのであって
花に美しさがあるわけではないのだと言ったのは。
……言葉遊びが過ぎるか。



 縁取られた青き双眸に映り舞うのは、満開の薄紅。
「もう桜の咲く季節なんだな」
 久しく桜を眺めていない気がする……華折・黒羽(掬折・f10471)はそう、見上げた空に呟いて。
 脚を運んでみるのも悪くはない、か――と。
 一足早い春の訪れを感じるべく、サムライエンパイアの地へと降りた立ったのだが。
「そうとなれば、花見には不似合いな客人にはご退出頂こう」
 桜を愛でるその前に。やらなければならないことが、ある。
 ……ひとつは、美しい夜桜の宴。
 そしてもうひとつ、猟兵たちの興味をそそるのは。
「夜桜に、絡繰り匣のうわさか」
 そう――『桜姫の絡繰り匣』。
 葦野・詞波(赤頭巾・f09892)にとっても、その存在は気にならない訳ではないが。
 先ずは刀狩りからか、と。
 足を踏み入れた庭にゆらりと現れた数多の妖刀へと、染まらずの銀花咲く瞳を向けた。
 名刀を妖刀に変えるという、その禍々しい存在。
「残された陰の気、祓い調えなければなりませぬね」
 不肖この私、早苗も助力いたしましょう、と。
 魑魅魍魎と戦ってきた一族の者として、桐崎・早苗(天然風味の狐娘・f10614)も、桜咲く戦場へと赴いて。
「陰陽の家、桐崎の早苗……いざ参ります……!」
 ――さあ、ご堪能ください、と。
 妖狐の地が色濃く出ている耳と尻尾を揺らしながら、桜花弁とともに戦場を舞う。
 一つが二つ……二つが四つ……四つが八つ……。
 揺らめく幻火を戦場に喚ぶ、『狐火の舞』を。
 その数多の狐火が、氷の陣から生まれし氷柱を溶かし蒸発させて。
 さらに敵の動きを阻害せんと、氷柱の創造主である偽村雨をも延焼させるべく放たれれば。
「桜には個人的な思い入れもある。……踏みにじらないでもらおうか」
「名刀妖刀の切味、どれほどのものか」
 その名の通り、夜に溶け込むかのような漆黒が、雹を呼び寒気を纏う刃の一振りを受け止めて。
 躯の海から来たる招かれざる輩を屠らんと、黒羽の握る漆黒の刃が閃き、妖刀の身を叩き斬れば。
 同時に、詞波の投じた『大祓詞』と『Zilant』が地に刺さるやいなや、衝撃波を生んで敵を巻き込む。
 刃と刃が交わる、斬り合い。
 猫の身軽さと広げた烏の羽翼で、凍えるような敵の刃を躱していく黒羽。
 詞波も、その水気を帯びる妖刀の放つ斬撃を見切り裂けるべく、桜舞う戦場に赤頭巾の下の曖昧な色を帯びる白黒の髪を靡かせる。
 だが敵も、元は名刀であった刀。
「……!」
 はしる一筋の鮮血。
 だが、多少の傷を受けることは想定内。滲む赤を気にも留めず、詞波は敵の只中へと飛び込んで。
 存分に派手に大立回りを演じてみせる。
 そして黒羽も、傷を負っても退きはしない。
 むしろ生じたその赤き色を、漆黒の刃の糧にして。
「啜れ、屠。―――空腹、なんだろう?」
 打刀程の刃渡りであった屠は主の血を啜り、その長さを、大太刀程にまで変化させたのだった。
 そんな傷を負っても尚、敵へと刃を振るい薙ぎ払い続ける仲間を支えんと。
「応急処置ですが……。五行、其の和を取り戻し給え……五行調律符!」
 早苗が戦場へと投じるのは、陰陽の五行のバランスを整える五枚の霊符。
 早苗は仲間達を支援しつつも、強い呪詛が込められた呪符を妖刀目掛け飛ばして。
 金色の髪を桜色の空へと躍らせ、退魔のために作られた刀で敵を斬りながら紡ぐ。
「刀の銘などは主に刀工によるもの……作り手の名を騙る……作り手を誇れぬ刀などは、叩き折る方が供養となるやもしれませぬ」
 そして詞波は敵の只中で得物を振るいながらも、満開の桜を瞳に映しつつ思う。
 短命の儚さ。散り際の潔さ。夜桜の妖しさ。魅せられ、惑わされる――そんな、桜が美しい理由を。
 それから、昔の誰だったか。こう言ったことを思い出す……美しい花があるのであって、花に美しさがあるわけではないのだ、と。
 だがすぐに……言葉遊びが過ぎるか、と。眼前の敵の身体を、容赦なく鋭利な槍の一撃で貫いたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

フィリオ・グラースラム
フィオ、寒いのは平気ですの!
フィオのお家はもっともっと寒い所にありますもの。【氷結耐性】

でも、せっかく咲いたお花さんが凍ってしまわないか心配ですの…
雪ちゃん!雪ちゃんは今回はドラゴンの姿のまま
敵がお花の所に行かないよう、守るんですのよ

フィオも前の方で、炎の【属性攻撃】で頑張りますの!
火の粉がお花に飛んだら大変ですから剣だけメラメラさせて
トリニティエンハンスで力を高めて寒気も氷柱も振り払ってみせますの

騎士として、剣での勝負に後れを取る訳には行きませんにょー!
大きい方との闘う時は、まずは足を崩しますのよ
にゃ?ジャ、【ジャンプ】すればちゃんと上の方にも攻撃できますのよ!
足を狙うのは作戦なんですのー!


新堂・ゆき
あらあら、ニセモノさん達が沢山いますね。
カラクリの匣は開かなくても見てみたい思いはありますし、まずはこの
集団退治ですね。
討伐に来ている猟兵さん達と協力していきますね。
舞で周囲の敵をまとめて攻撃する。
他の猟兵さんの攻撃の当たり具合を見て取れて、倒せそうな個体は
優先して攻撃する。
他には月照丸で威力よりは攻撃回数にウエイトを置いて戦闘する。
何か人形繰りや人形の手入れに必要な技術でも思い付くといいのですけど。
まだまだ頑張りますっ。


アルトリウス・セレスタイト
武の魂というやつには縁がない
無粋で済まんが消えると良い

破天で掃討
高速詠唱・全力魔法・2回攻撃・範囲攻撃・鎧無視攻撃など駆使し、爆ぜる魔弾の嵐で蹂躙する面制圧飽和攻撃

狙いは細かくせず、敵性個体のいる辺りをすべて収めるつもりで
味方には当てない程度に考える

絶え間なく撃ち続け攻撃の隙を与えず
周囲諸共飲み込む爆撃で回避の余地も残さず
仮に此方への攻撃があっても纏めて飲み込む心算
攻撃の密度と物量で全て圧殺する

※アドリブ歓迎



 桜咲く庭に現れた、水を纏う刀を携えしヤドリガミの群れ。
 だが……その存在は、猟兵に非ず。
 見事に咲き誇る桜を愛でる風流な心を持っている様子も、当然なさそうである。
「あらあら、ニセモノさん達が沢山いますね」
 そんな無頃の海から湧いて出たオブリビオンを見遣り、そう紡ぐのは、新堂・ゆき(洗朱・f06077)。
 満開を迎えた早咲き桜は勿論だが。
 村人が言っていた、『桜姫の絡繰り匣』も気になるところ。
 開かなくても見てみたい思いはあると、そう心に思いながらも。
「まずはこの集団退治ですね」
 桜は桜でも、秋に咲く桜。そんな薄紅を帯びた装束を纏うゆきは、月の如き輝きと牙の如き鋭さを持つ刃を構えた刹那。
『……!』
 戦場に弧を描き放たれた薙刀の一振りが、衝撃波を伴い、偽村雨を薙ぎ払っていく。
 そして同時に戦場に突如響くのは、激しい衝撃音。
「武の魂というやつには縁がない。無粋で済まんが消えると良い」
 アルトリウス・セレスタイト(原理の刻印・f01410)が敵の只中へと見舞う、爆ぜる魔弾の嵐。
 その嵐を、兎に角敵がいる場所へと成し、妖刀を掃討していかんと爆ぜさせる。
 だが敵もただそこに在る人形などではない。
 禍々しい怨念を纏い、寒気を呼ぶ雹を成し、布陣した氷輪から氷柱を生み出し、猟兵たちへと迫る。
 だが、フィリオ・グラースラム(煌氷の刃・f10324)はそんな冷気如きでは怯まない。
「フィオ、寒いのは平気ですの! フィオのお家はもっともっと寒い所にありますもの」
 ただ気がかりなのは……春という季節を待ち侘び、ようやく花を咲かせた桜が、この寒さで凍ってしまわないかということ。
 だから今回は、竜槍ではなく、ドラゴンの姿。
「雪ちゃん! 敵がお花の所に行かないよう、守るんですのよ」
 そんな主の声に応えるかの如く、一鳴きして。雪の如き桜花弁舞うの空を泳ぐように舞う白き竜。
 満開の桜の花は、頼もしい相棒に任せて。
「騎士として、剣での勝負に後れを取る訳には行きませんにょー!」
 フィリオは火の粉が桜に飛ばぬよう、白の女王様から賜ったというルーンソードに炎宿しを構えて。
 その熱き炎の刃で禍々しい氷を払い、敵の足元を崩さんと、勇ましく戦場を駆ける。
「にゃ? ジャ、ジャンプすればちゃんと上の方にも攻撃できますのよ!」
 足を狙うのは届かないからではありません! 作戦なのです!!
 フィリオは騎士らしく正々堂々、妖刀と相対して。
 小柄な身体を利用し、偽村雨の雹を宿す刃の一突きを素早くかわすと。
「小さいと思っていると、痛い目に遭いますのよ!」
『……!!』
 作戦通り、敵の足元へと鋭い斬撃をお見舞いして。
 妖刀の体勢が大きく崩れた隙を見逃さず、舞い振るわれるゆきの月牙刀の衝撃がオブリビオンを躯の海へと還す。
 そんな仲間の猟兵たちには当たらぬよう、配慮はしつつも。
「行き止まりだ」
 敵に攻撃する隙すら与えぬほどの絶え間ない魔弾を撃ち続けるアルトリウス。
 もしも相手が攻撃を仕掛けてきたとしても……それすら飲み込むほどの密度と物量。
 まさに攻撃は最大の防御、迫る敵を圧殺するべく、次々と青く輝く魔弾の弾幕を生み出していく。
 そんな桜花弁と雹と青き魔弾が入り乱れる戦場に踊るのは――ゆきが操る月照丸。
 数が多い敵を鑑み、手数を重視して巧みに糸を操り月照丸で攻撃を重ねながらも。
 何か人形繰りや人形の手入れに必要な技術でも思い付くといいのですけど、と。
 そんな向上心を抱き、月照丸に息を吹き込むように。
 ゆきは実戦であるこの場でも様々な試みを行うべく、仲間と共に敵を屠りながらも、十指に結びつけた糸を操っていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ヴァーリ・マニャーキン
旦那の來鯉(f03164)と参加

抜けば玉散る氷の刃にしても津田越前守助広の方にしてもこんな贋作許せないわね
家の旦那様が一緒だし全力で行かせて貰うわよ?

攻撃は基本『全力魔法』で『鎧無視攻撃』の『マヒ攻撃』
可能な限り『傷口をえぐる』
イメージは氷の刃

連携重視
攻撃のタイミングを合わせたり來鯉が敢えて避けさせた敵に『マヒ攻撃』を喰らわせたり來鯉の七縛符を喰らった敵に速攻で攻撃を叩き込んだり來鯉に投擲して貰い敵の群れの頭上に来た直後にUCで剣に変化

増えた重さで落下速度を上げダメージを叩き込んだ直後に元に戻り來鯉の元に離脱

或る程度敵が減って来たら改めて剣に変化し來鯉に振るわれる
可能ならマヒ攻撃の魔力を纏う


祟・來鯉
嫁のヴァーリ(f02553)と参加

邪を退け、妖を治める退魔の刀の偽物が人を犠牲にするなんて笑えない冗談だし家の嫁さんも怒ってるし全力で行くッス


連携重視

攻撃のタイミングを合わせる
敢えて避けやすい方向がある大振りな攻撃をして敵を意図した方向に避けさせてヴァーリの攻撃の援護
ヴァーリのマヒ攻撃の直後に『破魔』の力を込めた『怪力』の一撃で『鎧砕き』
ヴァーリに攻撃しようとした敵に七星七縛符を使用して阻止

UC使用補助に『怪力』でヴァーリを敵の頭上に投擲し叩き込んだ後の此方の離脱の援護等をする


ヴァーリがUCを使用後は剣になったヴァーリを『怪力』で振るい『破魔』の『属性攻撃』で『鎧無視攻撃』を叩き込みながら戦闘



 桜花弁降る庭に現れた妖刀を映す紫色の瞳に宿る感情は、怒り。
「抜けば玉散る氷の刃にしても津田越前守助広の方にしてもこんな贋作許せないわね」
 ヴァーリ・マニャーキン(ヤドリガミの咎人殺し・f02553)は、そう大きく首を振って。
 ――家の旦那様が一緒だし全力で行かせて貰うわよ?
 そう構えるは、摩訶鉢特摩地獄の如き凍気を宿す、紅蓮の華を咲かせし氷の刃。
 祟・來鯉(羅刹の陰陽師・f03164)はそんなすぐ隣に並ぶヴァーリの表情を、青き瞳に映しながらも。
「邪を退け、妖を治める退魔の刀の偽物が人を犠牲にするなんて笑えない冗談だし、家の嫁さんも怒ってるし、全力で行くッス」
 強き霊符を手に、ヴァーリとともに、オブリビオンの群れを迎え撃つ。
 眼前に迫る妖刀の数は、決して少なくはないが。
 他の猟兵たちも次々と戦場へと送られてきているし……それに、何より。
「來鯉、いくわよ」
「お前らなんかふたりの前では敵じゃないっすよ!」
 いくら数だけ多くても、有象無象の紛い物など、息の合ったふたりの前では何の意味も成さない。
 ヴァーリへと寒気纏う雹の刃を突き立てんとしてきた妖刀へと、誘導するような大振りの攻撃を來鯉が仕掛ければ。
 意図した位置へと身を翻し躱した敵に刹那見舞われるのは、マヒを与える衝撃。
 さらにマヒの衝撃を浴び動きが鈍った敵へと、來鯉は一気に間合いを詰めて。
 叩きつけるのは、防御をも崩すような、破魔の力を宿した怪力の一撃。
 そして、ヴァーリの背後に迫る敵の存在に気付いた來鯉が。
「させないっすよ!」
 七星の加護が宿る護符を、すかさず投じれば。
 傷口をえぐるように、來鯉の護符が捕縛した敵へと、麻痺を与える魔力を孕んだ衝撃を見舞ったヴァーリ。
 ――そして。
「戦場を駆けし勇猛なる大僧正が携えた氷の刃よ、千人の敵を斬り伏せし者よ! わが身に宿り、我が身を刃へと変じさせよ!」 
 刹那、ヴァーリはその身を、巨大な氷の刃で出来た金剛石の切れ味の刃へと変えて。
 來鯉の手によって敵の真っ只中へと投擲された鋭利な氷の刃の重い一撃が、敵を刺し貫く。
 それから愛する人の元へと戻ったヴァーリは、再びその姿を鋭く凍てついた刃に変えて。
『……!』
 刃となったヴァーリを振るい、持てる有効な技能を駆使する來鯉は。
 ふたり呼吸のあった連携を重ね、紛い物の敵を次々と薙いでいくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レイラ・エインズワース
祇条・結月(f02067)サンと

桜の装飾の呪いの匣
デモ、その箱が娘さんの心ダト、言うナラ
呪いに満ちた匣ダなんて、言いたくないナァ
呪いの品カァ、ごめんネ、祇条サン
なんでもないヨ

サァサ、なりそこないの同族サン
お相手してあげるヨ!
敵が多数ならこちらも数デ
相手の高速移動による突進や攻撃の斜線をふさぐヨウニ、包囲して展開させるヨ
私は後ろから指示に集中
祇条サンの攻撃が通るヨウニ、後ろからは分かるようナ隙間を用意しておくネ
例えそれが名刀だったとしてモ
統制の取れた軍隊に勝てるカナ

……人を死に誘う呪いの品だナンテ
言われたくないヨネ、貴方だって
だから必ず、開けに行くカラ、サ

アドリブ・絡み歓迎ダヨ
好きに動かしてネ


祇条・結月
レイラ・エインズワース(f00284)と

ここでこれ以上、人死には出したくない。
匣にはお姫様の想いが詰まってる。どんな想いで残したものにしても。
それをこれ以上「呪いの品」にはしたくないから。
……レイラ? どうして、謝るの?

敵は集団、高速移動手段も持ってる。
兵団でレイラが敵を抑えてくれるけど、万一抜けてくる敵がいる場合に備えて僕はレイラをカバーできる位置で戦う。
銀の糸で【罠使い】や【敵を盾にする】を駆使したり【投擲】で【援護射撃】して敵の接近や反撃を制限していって、隙をついて
≪銀の雨≫を降らせて確実に四肢を貫いて戦闘力を奪ってく
……油断はしない。動けなくても確実に一人ずつとどめを刺してく。



 こんなにも美しく満開に咲き誇っている桜の庭。
 そして、この屋敷に住んでいたという桜の姫君。
「ここでこれ以上、人死には出したくない」
 祇条・結月(キーメイカー・f02067)は桜舞う春の景色をその赤き瞳に映しながらも、そう紡ぐ。
 桜の姫君が遺したという、絡繰り匣の謎。
「匣にはお姫様の想いが詰まってる。どんな想いで残したものにしても」
 託された心が、どんなものであろうとも――それをこれ以上「呪いの品」にはしたくないから。
 レイラ・エインズワース(幻燈リアニメイター・f00284)も、思いは結月と同じ。
「桜の装飾の呪いの匣。デモ、その箱が娘さんの心ダト、言うナラ、呪いに満ちた匣ダなんて、言いたくないナァ」
 それからレイラはふと、赤の彩が灯る瞳を結月へと向けて。
「呪いの品カァ、ごめんネ、祇条サン」
「……レイラ? どうして、謝るの?」
 零した言の葉に首を傾ける彼に、なんでもないヨ、と返してから。
「サァサ、なりそこないの同族サン。お相手してあげるヨ!」
 不躾にも桜の庭に現れた敵の群れを見遣る。
 そして庭に響かせるその声が紡ぐのは……強欲なる領主の夢。
「――潰えた夢を数えヨウ。繁栄への願い、富への渇望。全てを手中に収めんとした領主の見た夢。過去の幻だとしても、今再び夢は舞い戻る」
 それと同時に戦場に現れるのは、華美な武装に身を包んだ領主と近衛兵団。
「突進や攻撃の斜線をふさイデ!」
 レイラがそう命じれば、すかさずそれに従い動く近衛兵団たち。
 携えるその水と氷を帯びた妖刀の刃は確かに鋭く、元は名刀なだけある代物かもしれないが。
「例えそれが名刀だったとしてモ、統制の取れた軍隊に勝てるカナ」
 敵が多数ならば、こちらも数で対抗をと。
 妖刀の刃とレイラの近衛兵団たちが戦場で激しくぶつかり合って。
 抜けてくる敵がいようものならば――それ以上、接近や反撃は許さぬと。
 結月が銀の鍵から成した糸の煌めきを張り巡らせれば。
「そう簡単には、逃がさない……!」
 その密やかなる罠にかかり、隙が生じた妖刀へと降り注ぐ、四肢や急所を射抜く刃の雨。
 鋭利な銀の閃きでオブリビオンを躯の海に還した結月は……油断はしない、と。
 レイラをカバーできる位置を保ちながらも、すぐさま次の敵へと視線を移し、再び戦場に鋭利な雨を降らせるべく銀の煌めきを張り巡らせる。
 桜が咲く風景を、桜姫の思いを。これ以上、穢さぬように。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鏡島・嵐
判定:【SPD】
【ほしのたね】グループで行動。

詩とか歌に演奏、なぁ……。まあ自信はねえけど、やってみっか。
匣の謎と噂の夜桜も気になるけど、とりあえずは露払いだよな……(震えを堪え、拳を握る)

《我が涅槃に到れ獣》使用。クゥが向こうのスピードについて行けるならそのまま高速戦闘、無理ならスピード勝負には付き合わず、〈フェイント〉とかで動きを乱し、隙を突いて攻撃を仕掛ける。
呪いは〈呪詛耐性〉で凌ぐ。
余裕があるなら〈援護射撃〉や〈目潰し〉でリュカやルーナ、それ以外の仲間で苦戦してる奴にも支援を飛ばす。
(震えを虚勢で隠しながら)……無理なんか、してねえよ。心配すんな、リュカ。


ルーナ・リェナ
【ほしのたね】のみんなと

持ち主の心が詰まった匣かぁ
見てみたいような、そっとしておいてあげたいような
でもそれより前に片付けないといけないことがあるね

妖剣が出たらイエロにお願いして範囲攻撃
その後は目立たないよう、敵の死角に移動
隙を見つけて倒せそうな相手から攻撃
集中攻撃を受けてる人がいたら
フェイントをかけたりおびき寄せたりして
その人から注意を逸らす

敵の足元が凍ったらソルに頼んで炎の属性攻撃
氷が解けたら戦闘力も元に戻るよね


リュカ・エンキアンサス
【ほしのたね】のみんなと
匣の鍵…ね。そういうものは、見つからないほうが浪漫だって思うのはひねくれてるかな

それはそれとして。
距離があるうちは銃で射撃をばら撒いて、近くなればナイフを抜いて攻撃を捌く
前に出るのは柄じゃないけれども、
大事なみんなに怪我でもさせられたらかなわないからね
なるべく周囲に気を配って、危なそうところをフォロー、かばう
倒せそうなやつから的確に処理して、数を減らしていこう
重い一撃とかは難しいけれど、手は早いから
嵐お兄さんも無理してないかも注意する
なるべくるーなお姉さんは敵に狙われないように立ち回る
俺は戦いしか能がないから。だからこそ出来ることでみんなの役に立てれば言いなって思うんだ



 桜色が踊る空に揺れる彩は、光に透けた七色。
 ルーナ・リェナ(アルコイーリス・f01357)は、キイチゴのような瞳にふと、庭の奥に佇む蔵を映して。
「持ち主の心が詰まった匣かぁ」
 見てみたいような、そっとしておいてあげたいような……そう小さく首を傾け、ビスケットの髪を揺らせば。
「匣の鍵……ね」
 リュカ・エンキアンサス(蒼炎の・f02586)も続いて呟くけれど。
 そういうものは、見つからないほうが浪漫だって思うのはひねくれてるかな、なんて。
 謎は謎のままであるからこそ心惹かれるものではないかと、そっと思う。
 ルーナはそんな匣の謎に、持ち前の好奇心を擽られながらも。
 おもむろに視線を、桜色の花筵が広がる庭へと戻して。
「でもそれより前に片付けないといけないことがあるね」
「匣の謎と噂の夜桜も気になるけど、とりあえずは露払いだよな……」
 ルーナの言葉に頷きつつ。鏡島・嵐(星読みの渡り鳥・f03812)は震えを堪えるかのように、ぐっと拳を握った。
 刹那姿を現したのは――春の訪れにそぐわぬ、禍々しい冷気を帯びる存在。
 妖刀と成り果てた、躯の海から来たるヤドリガミの群れ。風流の欠片もない無粋な輩たちである。
 その不穏な気配を感じてか、ざわりと、冷たい風に揺れ大きく騒めく桜花。
 そして、現れた数多の敵へとすかさず放たれたのは。
「イエロ、お願い!」
 ルーナの、敵の生命力を奪う牙を剥く凍竜。
 静かに降る桜花弁を荒々しく躍らせるほどの衝撃波を繰り出し、妖刀どもを纏めて薙ぎ払えば。
 まるで夜明けに煌めく無数の星の如く。戦場にばら撒かれるのは、リュカの『灯り木』から撃ち出された弾丸。
 そして、無数の薬莢を桜色の地面に散らばせつつも。
「嵐お兄さん」
 リュカはその青の瞳を、ふと嵐へと向ける。
 そんな掛けられた声に宿る色に。嵐は、よく通る響きでこう返すのだった。
「……無理なんか、してねえよ。心配すんな、リュカ」 
 戦いに抱く怖さからくる震えを――そんな虚勢で、隠しながら。
 でも、嵐はその恐怖から逃げはしない。
「我ら光と影。共に歩み、共に生き、共に戦うもの。その証を此処に、その連理を此処に。……力を貸してくれ、クゥ!」
 握る拳に力を込めて。焔纏いし黄金の獅子を戦場へと解き放ち騎乗し、共に妖刀との高速戦闘を受けて立つ。
 イエロを放ったルーナも、桜色の花霞に紛れるかのように敵の目を掻い潜りながら戦場を飛び回って。クゥの牙で体勢を崩した妖刀の隙を見逃さず、すかさず舞う花弁の隙間から攻撃を繰り出せば。
 前に出るのは柄じゃないけれども――と、そう零しながらも。
 妖刀の振るう呪いの刃を掻い潜り、夜更けに彩られたマフラーを桜舞う戦場に靡かせて。
 躊躇なく地を蹴り敵の懐に入ったリュカが放った素早く鋭い斬撃が、梅が咲いてそして散るかの如く、戦場に鮮やかな赤を飛沫かせた。
 それから、凍った地に春を取り戻すかのように、ソルの炎で氷を溶かさんとするルーナを庇うような位置を取って。
 嵐の援護射撃を受けながらも、鋭い閃きとともに、リュカは桜色の地面を再び蹴る。
 俺は戦いしか能がないから――だからこそ出来ることでみんなの役に立てればいいなって思うんだ、と。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

蘭・七結
トモエさん(f02927)と

姫君の遺した奇怪の匣
複雑に重なる絡繰りは、まるで閉ざしたココロ
鋼のような心。硝子細工のような心
ヒトのココロは複雑で、答えのないパズルのようだわ
ひとつずつ解けば、あなたに触れられるのかしら

呪詛の放射を舞うように見切って
『彼岸』と『此岸』の双刀で薙ぎ払い
凍結の氷柱を射抜く、焔の一撃
それは常闇に差し込んだ陽光のような
優しいあなたの、あたたかなぬくもりを感じるわ

あなたたちの怨念も、呪詛も
ひとつにまとめて、融かし尽くして
新たなひとつに結びなおしましょうか
〝満つる暗澹〟
甘美なる毒に沈んで、歪(ひず)みなさい
散りゆくあなたたちに〝果て〟をお見せしましょう

✼アドリブ歓迎です


五条・巴
七結(f00421)と一緒に

無理やりこじ開けちゃいけないよ、匣も、人の心も。
いつか自然と開かれる時を待つのも乙というものじゃないかな。

たしか、八犬伝の刀、だったかな?偽物でもヤドリガミになる程だ、間合いに入らない所から仕掛けさせてもらうよ。
さあ、仕合をしようか

"薄雪の星"で「火属性」の矢を連射
【援護射撃】【2回攻撃】で仲間の死角から来る敵を打ち倒していく
薙ぎ払い、舞い踊るようにも見える彼女の背を見ながら、戦いに集中出来るように邪魔なものは退治するよ。

氷輪布陣で地形を凍らせようとしても無駄だよ。火の灯る矢を凍った地面に打ち付け氷を解かす。
寒いのは苦手なんだ。春を遠のかせないでくれ。

●アドリブ歓迎



(「姫君の遺した奇怪の匣……複雑に重なる絡繰りは、まるで閉ざしたココロ」)
 それはきっと――鋼のような心。硝子細工のような心。
 蘭・七結(恋一華・f00421)は桜降る庭で、桜姫の絡繰りの匣に秘められし、その心を想いながら。
「ヒトのココロは複雑で、答えのないパズルのようだわ」
 ――ひとつずつ解けば、あなたに触れられるのかしら。
 そうそっと、紫晶石の瞳を細める。
「無理やりこじ開けちゃいけないよ、匣も、人の心も」
 宿す表情と同じ柔らかな響きを持つ声は、五条・巴(見果てぬ夜の夢・f02927)のもの。
 無理に開こうとすれば、それは余計に、更に頑なに閉ざされてしまう絡繰り。
 そしてそんな行為は、無粋というもの。
 巴は、今も匣が在るという石蔵へと、ふと紺青を帯びる視線を向け、思う。
 いつか自然と開かれる時を待つのも乙というものじゃないかな――と。
 いや……無理に匣や心をこじ開けんとする者だけではない。
 待ち侘びた春の訪れを邪魔するような、怨念纏う寒気を振り撒くオブリビオンも、十分に無粋だ。
 それは水気を帯び、抜けば玉散ると言われた名刀の模造。
「たしか、八犬伝の刀、だったかな?」
 だが、偽物でもヤドリガミになる程のもの。
 巴は自分たちに向けられる殺気と怨念を感じながらも、気を抜くことなく敵の群れを見遣って。
 ――さあ、仕合をしようか。
 紫色を描き咲く三日月に、炎の花を灯した矢を番える。
 同時に、銀の髪を桜色の戦場に躍らせて。妖刀が繰り出した禍々しい呪詛の放射をひらり、舞うように躱すと。
 七結が振るうのは、白にあか――『彼岸』と『此岸』の、残華の双刀。
 刹那、白牙が、その〝あか〟をより鮮やかなものにして。
 舞い踊るかのような七結の背を瞳のプルシアンブルーで映し、そして護るように。
 ――空を見てご覧。君を射抜くのは、彼女だよ。
 間合いに入らない位置から、七結の死角から来る邪魔な敵を射ぬかんと、火の灯る矢を放っていく巴。
 しかし、妖刀もただ双刀に斬り伏せられ、射抜かれるだけでなく。
 凍えるような氷輪の布陣を成し、氷柱を生み出して、猟兵たちへと繰り出さんとするも。
「凍らせようとしても無駄だよ」
 ……寒いのは苦手なんだ。春を遠のかせないでくれ、と。
 狙いを定め躊躇なく解き放たれた炎纏う巴の『薄雪の星』の矢が、その氷を撃ち貫き溶かせば。
 優しいあなたの、あたたかなぬくもりを感じるわ……七結は、戦場に春を取り戻さんと燃える焔に、そう紫の瞳を細めるも。
「あなたたちの怨念も、呪詛も。ひとつにまとめて、融かし尽くして、新たなひとつに結びなおしましょうか」
 堕ちてゆくの つめたい夜へ――甘美なる毒に沈んで、歪みなさい、と。
「散りゆくあなたたちに〝果て〟をお見せしましょう」
 暗澹たる猛毒で満たした数多の香水瓶を、戦場に在る敵へと放つのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フレズローゼ・クォレクロニカ
🍓 リルおにいちゃ(f10762)と一緒に!
アドリブ等歓迎

やったー!リルおにいちゃとお出かけだー!そわそわした様子の彼が気になりつつもルンルン気分にお耳をぴこり
筆を取り出して目前の敵にビシッと突きつけ
せっかくのリルおにいちゃとのお出かけ、
邪魔なんかさせないんだから

空中戦で舞い上がり見切りで攻撃は躱しちゃう
真っ赤な炎の薔薇を描いて
マヒ攻撃ものせて全力魔法で攻撃してくよ
リルおにいちゃが歌ったならば、聴き惚れるのを必死に我慢して、女王陛下は赤が好きで爆破するよ!
氷の月下美人に赤と白の薔薇をご覧あれ

ボクだってリルおにいちゃを守るんだ

だって
キミは
ボクの大事であるけれど
それ以上に…櫻宵の、大事だからね!


リル・ルリ
■ フレズローゼ(f01174)と一緒
アドリブ歓迎

今日はフレズに、おにいちゃんらしいところを見せるんだ
伝えたいことがあるから
彼女に、僕を認めてほしいから

「フレズ、大丈夫。フレズは僕が守るからね」
庇うように前へでて、見据える
僕は弱くないと、彼が教えてくれた
だから大丈夫
【歌唱】を活かして歌うのは「氷楔の歌」
凍らせて動きを鈍らせて
フレズの魔法を当てやすくするよ
君の氷の上からも凍らせて塗りかえてあげる
爆ぜて、凍らせて、また爆ぜさせて

フレズの絵と僕の歌
僕らの舞台を作り上げようか
【野生の勘】と【空中戦】でひらり攻撃を躱し

「ねぇフレズ。僕らもなかなか、息があっているんじゃないかな?」
視線を合わせて笑ってみる



 広い庭に咲き誇る桜は、もう満開の見頃。
 そんな、薄紅色の花弁の絨毯を、心躍る様子で進むのは、フレズローゼ・クォレクロニカ(夜明けの国のクォレジーナ・f01174)。
 ……やったー! リルおにいちゃとお出かけだー!
 何だかそわそわした彼――リル・ルリ(瑠璃迷宮・f10762)の様子が気になりつつも。
 ルンルン気分にお耳をぴこり、円な苺月の瞳をキラキラと輝かせて。リルとの一足早い春のお出かけに、フレズローゼは嬉しさを隠せない。
 でも……そんな楽しいひと時の前に。やらないといけないことがある。
「せっかくのリルおにいちゃとのお出かけ、邪魔なんかさせないんだから」
 現れたのは――春色の景色に似合わない、凍えるような刀を握るオブリビオンの群れ。
(「今日はフレズに、おにいちゃんらしいところを見せるんだ」)
 そしていつも以上に気合いを入れ、依頼に臨むリル。
 ――伝えたいことがあるから。彼女に、僕を認めてほしいから。
 月光ヴェールの尾鰭を桜色の空に泳がせ、リルはフレズローゼを庇うように前へと出て、妖刀の群れを見据える。
「フレズ、大丈夫。フレズは僕が守るからね」
 その凪いだ湖面のような薄花桜色の瞳に宿るは、星のように眩い煌めき。
(「僕は弱くないと、彼が教えてくれた」)
 ――だから大丈夫。
 リルは禍々しい殺気を放つ偽村雨たちをも恐れず、果敢に立ち向かわんと戦場を泳ぐ。
 でもそんな気持ちは、フレズローゼにとっても同じ。
「ボクだってリルおにいちゃを守るんだ」
 リルは、フレズローゼにとって大事。でもそれ以上に、櫻宵の大事だから。
 大事な人の大事、だからとっても大事。
 戦場に、美しくもどこかいつもよりも勇ましさを感じるような。そんな『氷楔の歌』に、思わず聞き惚れてしまいそうになりながらも。
「枯れ木に花を咲かせるように、美しい《赤》の世界を描きだしてみようか!」
 フレズローゼは美しい旋律が響く戦場の敵の只中に、赤と白の薔薇を咲かせて。
『!』
 外側と内側、その両方で薔薇たちを爆ぜさせる。
 そして偽村雨も、布陣した氷輪から氷柱を生み出し放ってくるけれど。
 ふたり同時に、桜花弁と一緒に天へとくるり、その衝撃を踊り躱して。
「君の氷の上からも凍らせて塗りかえてあげる」
 ――凍てつく吐息に君を重ねて 氷の指先で爪弾いて 踊れ 躍れ 氷華絢爛――君の熱 全て喰らい尽くすまで。
 邪悪な氷に凍った地面を塗り替えるように、そんなリルの歌に呼応して、美しき氷華の月下美人が咲き誇れば。
「氷の月下美人に赤と白の薔薇をご覧あれ」
 再び赤と白の薔薇が咲き誇り、そして大きく爆ぜる。
 それは、フレズの絵とリルの歌――一緒に作り上げる、ふたりの舞台。
 爆ぜて、凍らせて、また爆ぜさせて……守り、守られ、お互いがお互いを守って。
 たくさんいる敵も、ふたりで立ち向かえば、怖くなんてない。
 そんな中、リルはふと、薄花桜色の瞳にフレズローゼを映して。
「ねぇフレズ。僕らもなかなか、息があっているんじゃないかな?」
「うん、ボクもそう思っていたところだよ、おにいちゃ」
 桜舞う戦場で、視線を合わせ交わし合って――ふたりで、笑ってみせる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アルバ・アルフライラ
何だ、此奴等は
桜にでも惹かれたか、それとも娘の婿に立候補だったりな
軽口を叩くも――瞳は鋭く敵を見据える
ふふん、その鈍で私を砕けるか…試してみるか?

模倣刀共が扱うのは氷
ならばと仕込み杖で描いた魔方陣
召喚するは【愚者の灯火】
叶う限りの広範囲に展開する事で多くの敵を焼き尽くそう
ああ勿論、念の為に桜を傷つけぬよう配慮はするとも
敵の攻撃は第六感を頼りに見切り
可能であれば魔術の炎で相殺も試みよう
氷柱だらけにされては雅に欠ける故な
炎を操り融解させる事も忘れぬさ

他猟兵への支援は決して惜しまず
死角を狙われる、又は隙を狙われる様な事がなきよう
隙を補う様に高速詠唱にて魔術を行使

(従者、敵以外には柔らかな敬語を話す)


緋薙・冬香
「心を秘めた絡繰り匣、か。素敵ね」
まあ殿方はたまったものじゃないと思うけど(笑)
解いてほしいと思うのが乙女心、と綺麗にまとめましょうか
…こうやって心が目に見えていたら楽なのにね?

さて、仕掛けるわよ
「あなたは私を止められるかしら?」
『血筋に眠る浄化の炎』を使うわ
一部合体させて5つの火球にまとめあげてから、ぶん投げる
「私の炎とあなたの氷、どちらの温度が振り切れてるか、勝負よ!」
とか言いつつ、これは攻撃兼牽制
本命はベシュトラーフングでの攻撃
不意をうって死角を取って
「綺麗に斬り裂いてあげる」
糸による一閃で一気に仕留めるわ
悪いわね、私、戦場では遠慮しないタイプなの
冬の香りは滅びをもたらす闇の先触れよ?



 桜舞う屋敷の蔵に眠るという、桜姫の絡繰り匣。
「心を秘めた絡繰り匣、か。素敵ね」
 薄紅の花弁が舞う中、緋薙・冬香(針入り水晶・f05538)は、そうは言うけれど。
 ……まあ殿方はたまったものじゃないと思うけど、と。大人びた美しい容姿に笑みを宿して。
「解いてほしいと思うのが乙女心、と綺麗にまとめましょうか」
 そう、男泣かせな姫の絡繰り匣を綺麗にまとめてあげた後、呟く。
 ……こうやって心が目に見えていたら楽なのにね? と。
 だが刹那、桜の庭に姿をみせるのは、そんな乙女心を察することなどできそうもない無粋な存在。
「何だ、此奴等は」
 アルバ・アルフライラ(双星の魔術師・f00123)は、現れた禍々しい有象無象へと視線を向けつつも、続ける。
「桜にでも惹かれたか、それとも娘の婿に立候補だったりな」
 その口調こそ、軽口のようではあるが。
 燃ゆる星を秘する瞳は、確りと敵の群れを見据えている。
「ふふん、その鈍で私を砕けるか……試してみるか?」
 まるで、尾を引く流星を追うかのように。桜舞う戦場に編まれ描かれるのは――『愚者の灯火』を喚ぶ魔方陣。
 眼前の妖刀たちの刃は、水気を帯び氷を生み出すもの。
 ならばと……アルバが戦場に灯すのは、燃え盛る魔法の炎。
 その灯火が数多の敵を焼き尽くさんと、無粋な輩へと目掛け容赦なく放たれれば。
 桜の戦場に燃え上がるのは、魔法で成されたものとはまた異なる炎。
「あなたは私を止められるかしら?」
 ――緋は火なりて、私はこの世ならざるを薙ぎ、祓うモノなり。目覚めよ……!
 冬香は、緋色に輝く浄化の炎を生み出し、それを幾つも重ね合わせて。
 成した5つの火球を敵目掛け、思い切りぶん投げる。
「私の炎とあなたの氷、どちらの温度が振り切れてるか、勝負よ!」
 氷と炎の、真っ向からの力勝負!
 ――かと、見せかけて。
『……!』
「綺麗に斬り裂いてあげる」
 実は、それはフェイク。
 十指で巧みに操るは、鋭い闇色の糸。
 その名の通り、招かれざるべき存在に『私刑』を与えんとばかりに容赦なくその糸が閃けば。
「悪いわね、私、戦場では遠慮しないタイプなの」
 妖刀の身をズタズタに斬り刻み、飛沫く赤に沈める――冬の香りは滅びをもたらす闇の先触れよ? と。
 そんな冬香目掛けて。また別の妖刀が、布陣した氷輪から成した氷柱をぶつけんと繰り出してくるも。
 その衝撃は、彼女には届かない。
 冬香に氷柱が届くよりも、速く。
「氷柱だらけにされては雅に欠ける故な」
 流麗なる一振りが天へと再び陣を描いて。
 高速詠唱にて再び生み出されたアルバの魔法の炎が、その邪悪な氷を相殺し、跡方なく浄化させたのだった。
 ああ、勿論……燃やし尽くすのは、無粋なオブリビオンだけ。
 美しく咲き誇る雅な桜は、傷つけはしない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

日隠・オク
サクラコさん(f09974)と参加です。

アドリブも歓迎

村への被害を食い止めるため、オブリビオン、やっつけます。
盗人のおかげでオブリビオンが予知できてたともいうんでしょうか、盗みはよくないことですが…。


集団のヤドリガミに斬り込みます。

サクラコさんと協力
出してもらったライオンに一緒に乗って、私のUCはシーブズ・ギャンビット

協力態勢、慣れてきました。
連携した力、見せつけましょう!

敵の速度も速いですが、こちらのスピードだって、負けません。
ヒットアンドアウェイですね。がんばります。

はい、任されました!

ナイフくるくる持ち、構え、いきます!


鏡彌・サクラコ
【オクちゃんf10977と一緒】
盗賊さんは運がいいですねい
盗みをやめて改心するきっかけになりますように

さて偽村雨とはヤドリガミに近い雰囲気を感じますねい
とはいえ、相手は呪われしオブリビオン。親しみなどはわきませんとも

怨呪流血斬
過去の被害者の怨念?嫌な相手ですねい(眉をひそめ
高速移動がお得意だというなら、こちらはそれを上回ればよろしい
UCを使用。オクちゃんも一緒に乗せて高速移動勝負でいす!
呪いとやらは軌跡を予想して回避
攻撃はオクちゃんに任せました!



 グリモアの桜に導かれ、辿り着いた先。
 満開の桜が見事に咲く屋敷に背を向け、去っていった男。
 猟兵たちの姿をみるやいなや逃げるようにいなくなったあの男がきっと、予知された盗人であるだろう。
 桜花弁が舞う中、鏡彌・サクラコ(鏡界に咲く花・f09974)は金を彩る瞳で、その背を見送る。
「盗賊さんは運がいいですねい」
「盗人のおかげでオブリビオンが予知できてたともいうんでしょうか」
 盗みはよくないことですが……と。
 そう、少し複雑な色を宿す日隠・オク(カラカラと音が鳴る・f10977)の言葉に、サクラコは小さく頷きながらも。
 あの盗人が今後どう行動するのか、それを確認する術はないが。
 運良く命を拾った盗人が、盗みをやめて改心するきっかけになりますように、と――そう願うのみ。
 そんな何処かへと去った男とは逆に、桜咲く屋敷の敷地内へと足を向けるオクとサクラコ。
 ……桜の庭に現れるという、躯の海から来たる招かれざる存在。
 それを野放しにすれば、儚く散るのは盗人の命だけではない。
 オクはふと顔を上げ、ざわりと揺れては散る桜花弁の景色に、ふと目を凝らして。
(「村への被害を食い止めるため、オブリビオン、やっつけます」)
 緑色の瞳に映る禍々しい存在――オブリビオンの群れを見据えた。
 現れたオブリビオンは、怨念に縛られ妖刀と化した、量産型ヤドリガミの集団。
 銅鏡のヤドリガミであるサクラコにとって、そんな偽村雨たちは、どこか近い雰囲気を感じる気もするが。
「相手は呪われしオブリビオン。親しみなどはわきませんとも」
 オブリビオンを討ち倒すことに、何の躊躇もない。
 そしてサクラコが桜色の戦場に喚ぶのは――ふさふさ鬣と鋭い牙を持つ、金色に輝く百獣の王。
「乗るでいす、オクちゃん!」
「はい、サクラコさん!」
 薄紅の花弁が舞うと同時に地を蹴ったオクも、確りとその鬣に掴まって。サクラコと一緒に、黄金のライオンへと騎乗する。
 刹那、それに対抗するかの如く。眼前の妖刀たちもその身に禍々しき怨念を纏って。水気を帯びる刃を振り翳し、迫り来る。
「過去の被害者の怨念? 嫌な相手ですねい」
 サクラコは、迫る敵が漲らせる怨念や殺気に、思わず眉を顰めるも。
「高速移動がお得意だというなら、こちらはそれを上回ればよろしい」
 ――高速移動勝負でいす!
 そう高らかに響く声と同時に。吹き抜ける春の風を切り、颯爽と、桜舞う戦場を駆ける黄金のライオン。
 妖刀が放射する呪いも、桜色の空へと大きく跳躍した獅子は勿論、サクラコやオクにも届かない。
 確かに偽村雨の動きは素早く、その刃を受ければ、軽い傷では済まないだろう。
 ……でも。
「攻撃はオクちゃんに任せました!」
「はい、任されました!」
 ――こちらのスピードだって、負けません。
 おもむろにパーカーを脱いだオクは、くるくると宙に遊ばせたナイフを掴み、ぐっと握って。
 構えると同時に、サクラコの声に従い駆ける黄金のライオンの動きに合わせ地に降り立ち、シンプルな諸刃の閃きを妖刀目掛け振るう。
 そして、飛沫く赤に染まった花弁が舞う中、再び迎えに来た獅子の背に飛び乗って。
「オクちゃん、どんどんいくでいす!」
「はい、連携した力、見せつけましょう!」
 協力態勢、慣れてきました、と。
 桜舞い上がる中、息の合った絶妙なコンビネーションで、敵を容赦なく斬り伏せていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

香神乃・饗
匣は私の心……っすか。なんてもの遺して逝くんっすか。
大馬鹿者っす。ほんっと、大馬鹿者っす。
本人が居ないなら言っても無駄っすけどね!
さ!大掃除ターイムっす!
殺気を消して静かに行動するっす
隠れきれない場合は剛糸で敵を絡めとり盾にしてガード

香神占いを使い続け10秒後の移動先を予想し、その過程に剛糸を仕掛けひっかけて回るっす
引っかかった奴を苦無で狙って暗殺していくっす

たとえどんな幻が見えても構わず斬るっす
戦場には、2つの存在しかないっす
戦友か、敵か、向かってくるなら全て敵っす
その姿もその嘆きも苦しみも全て消すべき過去っす

もし斬られても迷わず覚悟を決めぶった斬るっす
この体はその程度の呪いでは消えないっす


泉宮・瑠碧
桜か
話には聞いていたし、本でも見た事はあるが…
本物は初めてだ
前々から見てみたいと思っていたが
…愛でる前にする事があるな

主は第六感を駆使しつつ
消去水矢で破魔と援護射撃

寒気には風を纏う矢で払い
怨念や呪いの放射には破魔を宿して射る
氷柱は可能な限り着弾前に宙で消せる様に

…大丈夫とは思うが
念の為、桜の樹に害が及ばない様に
氷柱の他に位置取りにも気は付ける
大体の植物は寒さに弱いからな

自身への攻撃は
基本は見切り
避け切れない場合は精霊の守護と森の気によるオーラ防御
氷結耐性と呪詛耐性も使用

刀自体に罪は無いし、このヤドリガミもそうだが…
斬り合う以外で人と交流する術を知らなかったのだろうか
…倒す事しか出来ず、すまない



 満開に咲き誇る早咲きの桜。それを見れば、大抵の者は、美しいと感じるだろうが。
 純粋にその美しさに感動する者もいれば、どこか美しすぎる花に妖しさや畏怖の念すら抱く者もいるだろう。
 同様に、桜姫が遺したという絡繰り匣の話を聞いた猟兵たちの、抱く思いも様々。
 その謎を解きたいと思う者、無闇にこじ開けるものではないと思う者、神秘的な情緒を感じる者。
 そんな中、香神乃・饗(東風・f00169)が匣に抱く思いは。
「匣は私の心……っすか。なんてもの遺して逝くんっすか」
 大馬鹿者っす。ほんっと、大馬鹿者っす――そう、舞い降る桜の中、繰り返し零す。
 しかしもう既に、桜の姫君の命は儚く散って。遺されたのは、物言わぬ匣だけ。
 饗はそんな絡繰り匣を遺した娘に、思うことはあれど。
「本人が居ないなら言っても無駄っすけどね!」
 屋敷の敷地へと踏み入れ、桜咲く庭へと向かう。
 この場に赴いた目的は……絡繰り匣では、ないから。
「桜か。話には聞いていたし、本でも見た事はあるが……本物は初めてだ」
 ざわりと大きく揺れるたび、雪の如くひらりと舞う薄紅を、その深い青の瞳に映しながら。
 泉宮・瑠碧(月白・f04280)は、この世界の春を彩る桜色の空を見上げた。
 本で見た桜も十分に美しかったが。実際に見る桜は、ただそれだけではない、神秘的ないろを秘めている気がする。
 ……でも。
「前々から見てみたいと思っていたが……愛でる前にする事があるな」
 視線を広い庭へと戻し、現れた存在――妖刀・偽村雨の群れを見遣った。
 この場へと赴いた目的のは、オブリビオンの群れを躯の海へと還すこと。
「さ! 大掃除ターイムっす!」
 合わせ香神は御見通し――まるでその鏡面で、近い未来を視たかのように。
 饗が閃く糸を桜舞う戦場に張り巡らせれば、面白いようにその仕掛けに絡まる妖刀。
 偽村雨はすかさずその糸から逃れようと踠き、水気を纏う刃を振るわんとするも。
 そんな隙など、与えるわけはない。
「解こうとしても無駄っす!」
『……ッ!』
 招かれざるその存在を暗殺するかの如く。呪われし刀目掛け振り翳されるは、両刃の暗器。
 饗の握る苦無が的確に急所を穿ち貫き、赤を飛沫かせるとともに、敵の息の根を確実に止める。
 相手は、風流の心など到底持ち合わせてないだろうオブリビオン。
 布陣する氷輪から生み出されし氷の柱が、闇雲に桜舞う戦場へと放たれるも。
「……其れは木の葉、其れは流れる一点、其れは一矢にて散り得る」
 優美に咲き誇る桜を護る様に射られたのは、消去水矢――アクア・イレイズ、力や魔力を阻害する魔法の矢。
 水の精霊の力を借りた、瑠碧の水の魔力を帯びる一矢が、地面を凍らせんとする氷の塊を着弾前に撃ち砕く。
「大体の植物は寒さに弱いからな」
 折角訪れんとしている、花々が咲き乱れる春。
 そんな季節を、禍々しい冷気で、冬に逆戻りさせるわけにはいかないから。
 激しい戦場をはらりひらり舞う桜花弁。だが、そんな桜咲く中に在るのは。
「戦場には、2つの存在しかないっす」
 そう――戦友か、敵か。
「向かってくるなら全て敵っす」
 怨念を帯び振るわれた刃が一筋の赤をはしらせたのにも構わずに。
 その姿も、その嘆きも苦しみも、全て消すべき過去っす――饗は流れる鮮やかな赤を、花弁の如く戦場に散らせながらも。
「この体はその程度の呪いでは消えないっす」
 張り巡らせた糸の陣に掛かり絡まった敵を、覚悟を乗せた得物でぶった斬り、仕留めていく。
 そして、淡く長い青の髪を春色の空に靡かせて。
 偽村雨の斬撃を見切り、躱した瑠碧は。
「刀自体に罪は無いし、このヤドリガミもそうだが……斬り合う以外で人と交流する術を知らなかったのだろうか」
 禍々しい殺気を放つ刃を握る妖刀を深青の瞳で捉え、再び水の精霊に願い破魔の魔力宿す消去水矢を生み出して。
「……倒す事しか出来ず、すまない」
 その言の葉と同時に、至近距離から、決して避けられぬ鋭い一矢を放ち。怨念に囚われた敵の身を、射貫いたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

千家・菊里
【花守】で連携、※共通遵守
アドリブ・絡みも歓迎

花に嵐とは言いますが、これ程無粋な"雨"に見舞われようとは――
せめて血の雨までは降らぬよう、早急に暗雲を晴らしましょうか

さて、妖刀には妖刀を――と行きたい所でしたが、此度は護りを主に受け持ちましょう
オーラ防御と破魔の力を乗せたフォックスファイア放ち、寒気・怨念・氷等の相殺を試行
皆が存分に力を奮えるよう、後衛より戦況をよく見て炎を展開
特に敵が多い・強い所は合体強化しカバー
逆に衰弱察すれば炎揺らめかせ、仲間への合図兼敵の眩惑に

上記最優先の上で、余裕あれば早業にて付近の敵へ一太刀

邪を退け妖を治めるどころか邪を招く贋物共は、一つ残らず叩き折ってくれましょう


呉羽・伊織
【花守】連携
※共通遵守
アドリブ等歓迎

噂の娘然り桜然り、花の魅力ってのはホント底知れねーなァ――盗人どころか遂にはこんな連中まで引き寄せちまうなんて

兎にも角にも、自然に散るなら未だしも、祭の前にこんな雨で散らされちゃ敵わねーわな

妖も呪も上等
ソイツは俺も得意分野だ
贋作に負ける訳にゃいかねー
一丁、鎬削りに行くとしよーか

俺は中~前衛で遊撃
衰弱>他に気を取られた敵から、確実に仕留めるべく動く

妖剣解放の高速移動は攻防共に活用
早業と暗殺応用で死角や影に回り、衝撃波で武器落としや二回攻撃、目潰し狙う
敵の攻撃は呪詛耐性&高速の残像で軽減狙いつつ、第六感で観察続けて見切りに繋ぐ

無粋な雨も目論見も、露と消してやる


花川・小町
【花守】
※共通
桜に被害及ばぬよう注意
流弾阻み、護りつつ立回る

アドリブ・絡み歓迎

折角の花の宴に、とんだ余興がついてきたものね

興醒めも良いところな妖達には、一刻も早く退場願いましょう

私は基本後衛に
但し八雲爺様の負担過多なら前衛に

いずれにしても常に巫覡載霊の舞で神霊体となり攻撃軽減
寿命なんて構いやしない
早く平和に祭を楽しめるなら、それで良いわ

敵の集団戦法、或いは各個体の癖等探り、何か掴めば多彩な皆と共有し即座に対策

狙いは皆に合わせ、衝撃波で一閃
敵多数時はなぎ払いで纏めて対処
地形凍結時も上記で砕けないか図るわ

花に寄せる心すら無き無情な雨も、冬を呼び戻す冷たき刃も、此処にはそぐわぬもの
鎮まりなさいな


重松・八雲
【花守】で参戦
※共通遵守
アドリブ等大歓迎

祭と聞いて飛んで来てみれば、呼ばれぬ客まで来おったか
桜の下で血祭等言語道断
狼藉者は悉く払い除けてくれようぞ!

儂は真正面より敵に挑む
役所は矛にして盾
目につく敵へ片っ端から剣刃一閃
敵の気を引くべく、存在感見せ一暴れ
小回り利かぬ単純な輩、と侮るでないぞ
――そこは若人達の腕を買っておるが故の立回りよ!

同時に後衛や消耗者をかばう事も忘れず
盾としてはオーラ防御を軸に
雹や氷は野生の勘も頼り刀で斬り払い、呪は残像での回避や呪詛耐性にて凌げぬか図る

そして脳筋なれど、単に斬るだけが能ではない(?)
敵の太刀筋の見極めも常に意識し、攻守の糧に

火花は散らせど、桜花は散らすまいて!



 ふと天を見上げれば、満開の淡紅色。
 それは、見る者の心を惹きつけて止まない、美しく儚く……そしてどこか妖艶な彩り。
「噂の娘然り桜然り、花の魅力ってのはホント底知れねーなァ」
 まるで自分たちを誘うかように。呉羽・伊織(黒羽・f03578)は、くるり空から降ってきたひとひらを、そっと掌で受け止めてから。
 秘めたる鋭さをそっと垣間見せた赤の瞳を、薄紅の花筵敷かれた庭へと向けた。
 ――盗人どころか遂にはこんな連中まで引き寄せちまうなんて、と。
 現れたのは……訪れる春が咲くのを阻むような、禍々しい殺気を帯びる雨。
「折角の花の宴に、とんだ余興がついてきたものね」
「花に嵐とは言いますが、これ程無粋な"雨"に見舞われようとは――」
 風流に洒落こもうとした花の宴に水をさす、不届きな存在。
 花川・小町(花遊・f03026)の言葉に同意するように、千家・菊里(隠逸花・f02716)も小さくふるりと首を振って。
「兎にも角にも、自然に散るなら未だしも、祭の前にこんな雨で散らされちゃ敵わねーわな」
「せめて血の雨までは降らぬよう、早急に暗雲を晴らしましょうか」
 伊織にゆるり笑みを向けた後、菊里も湧いて出た敵の群れへと向き合えば。
「興醒めも良いところな妖達には、一刻も早く退場願いましょう」
 絢爛に咲かせた微笑みで綺麗な顔を粧いながらも。桜色の戦場を舞うべく、漆黒の髪を吹く春の風に躍らせる小町。
 そんな若人達と共に桜の庭に赴いた重松・八雲(児爺・f14006)は。
「祭と聞いて飛んで来てみれば、呼ばれぬ客まで来おったか」
 桜の下で血祭等言語道断――そう、豪快な濤乱刃の一振りを構えた刹那。
「狼藉者は悉く払い除けてくれようぞ!」
 先陣を切り、妖刀の群れの只中へと大きく地を蹴ると。
 剛胆な立ち回りをみせ一暴れ、 真正面から当たるを幸い敵を斬っていく。
 だがそんな八雲も、ただ力技だけで闇雲に突っ込んでいるわけではない。
「贋作に負ける訳にゃいかねー。一丁、鎬削りに行くとしよーか」
「さて、妖刀には妖刀を――と行きたい所でしたが、此度は護りを主に受け持ちましょう」
 ふっと音も立てず接敵し、敵の死角に入った伊織の握る闇に染む暗器が密かに閃きをみせると同時に。
 菊里が戦場に灯すのは、妖しく激しい数多の狐火。
 妖刀どもが放つ怨念や氷の塊を溶かし打ち消さんと、破魔宿す揺らめきを喚んで。
「小回り利かぬ単純な輩、と侮るでないぞ」
 ――そこは若人達の腕を買っておるが故の立回りよ!
 目の前の妖刀を豪快に叩き斬りながらも、八雲は厳つい顔に信頼の笑みを宿す。
 抜く手も見せぬ、風を切る刃。伊織の放つ鋭撃が敵の目を狙い視覚を潰し、急所を的確に突いて確実にその息の根を止める。
 そして、ふわり桜色の戦場を流れる、綺麗な漆黒の髪。
「早く平和に祭を楽しめるなら、それで良いわ」
 寿命なんて構いやしない――そう、刹那的に。
 美しく舞い放たれ薙いだ小町の生み出す衝撃が、無粋な紛い物の刃を蹴散らしていく。
 妖刀どもも春の風景を寒い冬に戻さんと、その呪われし刃に寒気や雹を呼ぶも。
「妖も呪も上等。ソイツは俺も得意分野だ」
 剣筋を見切り、雹を纏う一突きを素早く躱した伊織は。
 ――無粋な雨も目論見も、露と消してやる。
 怨念纏わせた冷ややかなる黒刀を振るい、容赦なくまた一振り、偽村雨ごと折って。
 幾本もの氷柱へとそれぞれ見舞われるは、薙刀の衝撃波と合わさりさらに燃え上がった狐火。
「邪を退け妖を治めるどころか邪を招く贋物共は、一つ残らず叩き折ってくれましょう」
「花に寄せる心すら無き無情な雨も、冬を呼び戻す冷たき刃も、此処にはそぐわぬもの」
 鎮まりなさいな――桜を護る様に放たれた小町の衝撃が敵を薙ぎ。菊里の目にも止まらぬ一太刀が、偽村雨へと見舞われれば。
 矛にして盾――単に斬るだけが能ではない、と。
 野生の勘と残像を駆使し、寒気を纏う敵の一突きをすかさず躱した八雲は、皆を護るよう立ち回りながらも。
「火花は散らせど、桜花は散らすまいて!」
 相手の太刀筋見極め繰り出した強烈な斬撃で。
 その寒気や怨念ごと吹き飛ばすかのように、豪快に敵を斬り伏せる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アオイ・フジミヤ
【WIZ】
『桜姫の絡繰り匣』も気になるけど、何より桜が見たい。
咲いているところを見たことがないの。一番愛する花なのに。
自分の眼で見たいものを見る、私の生きる目的。
オブリビオン達には静かになってもらうわ。

怨呪流血斬が厄介ね、数は多いようなのできっと怪我をしている人が多いでしょう。
まずは怪我をしている人をLanikaiで癒す。

【戦闘知識1】刀の勉強もしてきたの、折れず曲がらずよく切れる。
強靭だけれど、確か低温になりすぎると折れやすくなる……
でも今回は氷のオブリビオンなんだよね!?
という事でNaluに炎の【属性攻撃】を纏わせて攻撃して様子見。
温度差には弱いかもしれないだろうし。

アドリブ、絡み歓迎


シェーラ・ミレディ
ふむ、ふむ。なんとも艶やかな桜だが、憂いの影というには、些か無遠慮な来客だなぁ。盗人しかり、オブリビオンしかり。
せめて僕だけでも雅に舞うとしよう。

敵の氷柱での攻撃を見切り、カウンターで早業&クイックドロウ。『相思相愛』で氷柱を撃ち落とすぞ。
地形が凍ったとしても撃ち抜いて無効化だ。
馬鹿め! 敵が強化されるのを見過ごすとでも思ったか?

四丁の銃をジャグリングの要領で操り、敵が桜を傷付けぬよう挑発でもしておこうか。(パフォーマンス、存在感、誘惑、殺気)
「無粋な量産品が、唯一無二たる僕に敵うはずがなかろう」
なにせ僕の身体は特注品の一点ものだからな! ……高いのが、難点だが。


上月・衒之丞
ふむ……「心を囲いし匣」でありんすか。
興味は尽きんせんな。
が、まずは出来損ないの刀を断てと。
ようざんしょ、あちきの「糸」に断てぬものはありんせん。

正面から糸で斬りかかりいす。
糸を巧みに手繰り、刀を「斬る」としんしょ。
「先に申しんした。あちきに斬れぬものなどありんせんと。無明弦月流……師走」

断てぬものはありんせん。
たとえそれが形のないものであろうとも。
故に、「寒気」も断つし、「視線」だって斬る。
視線を断ち、そこにいるのに見えなくなる。これが無明弦月流の奥義、神無月。
「どこを探しなんしか。もう手遅れでありんすよ」
見えないのならあちきの獲物でありんす。
一人ずつ「暗殺」していきんしょ。


ヴェイゼル・ベルマン
へぇ、見事な屋敷だな
桜もスゲェ――っと、景色に目を奪われてる場合じゃねぇや
偽村雨ねぇ……偽物に負ける訳にゃいかねぇし、
こいつ等を放置したら、そのうち村人達を襲うかもしれねぇしな
そんな未来は阻止しねぇと
『気合い』入れていくぜ

近くの猟兵とは協力すっか
雷の『属性(攻撃)』を纏う【旋風撃】で『範囲攻撃』するぜ
雷の力で纏めて痺れさせてやらぁ(『マヒ攻撃』)
マヒさせる事で、敵の攻撃や回避の動作を鈍く出来りゃ良いな

敵の攻撃は、動作をよく見て『見切り』で回避
高命中の攻撃は、煌焔の『盾受け』でしっかり防ぐぜ
敵が寒気を使ってくるなら、こっちは炎の盾で対抗だ、ってな
攻撃後の隙は見逃さず『カウンター』で『なぎ払い』だ



 咲いたグリモアの桜に導かれやってきた、サムライエンパイア。
 アオイ・フジミヤ(青碧海の欠片・f04633)は、風に乗ってふわり舞い飛んできたひとひらを見つけて。
 見事な早咲き桜が咲いているという屋敷へと、海の青を湛える瞳を向けた。
 その屋敷に住んでいたという美しい娘。
 そしてそんな姫君が遺したという匣が蔵には眠っているらしいが。
「『桜姫の絡繰り匣』も気になるけど、何より桜が見たい」
 アオイは、肩に乗せたマリモや仲間の猟兵たちとともに屋敷の敷地へと足を踏み入れて。
 奥へと進むたび、風に舞う花弁の密度が濃くなるのを感じながら。
 ――咲いているところを見たことがないの。一番愛する花なのに。
 次第に近づくその気配は……春の訪れを告げる、満開の薄紅色。
 そして現れたのは――眼前に広がった、美しくも儚い景色には似合わない、無粋な輩たち。
「自分の眼で見たいものを見る、私の生きる目的。オブリビオン達には静かになってもらうわ」
 愛する花を、この眼で心ゆくまで楽しむために。アオイは咲き誇る桜から、妖刀の群れへと視線を移す。
 広く立派な屋敷の庭に、堂々たる姿で咲き誇る桜花。
 でも、その妖艶な美しさゆえに。時には……招かれざる存在をも、呼んでしまうのかもしれない。
「ふむ、ふむ。なんとも艶やかな桜だが、憂いの影というには、些か無遠慮な来客だなぁ」
 盗人しかり、オブリビオンしかり、と。
 シェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)は、満開の桜を映した紫色の瞳をそっと細める――せめて僕だけでも雅に舞うとしよう、と。
 同時に、赴きの心など持たぬように偽村雨が戦場に成すのは、凍えるような氷柱。
 だが、唸りを上げ襲い来る氷の柱にも、怯む様子もなく。
「そんなものが、僕に通用するとでも?」
 その動きを確りと見据え狙いを定めるように。シェーラが素早く構えるは、何丁もの和の趣きを冠する銃。
 刹那、構造的な欠陥を貫く弾丸が撃ち込まれれば。煌めきとともに桜色の戦場へと砕け散る氷塊。
 その落ちた残骸が、性懲りもなく地を覆わんとするも。
「馬鹿め! 敵が強化されるのを見過ごすとでも思ったか?」
 それすらも撃ち抜き、春色の花弁積もる地面を氷で支配することを、許さない。
 ざわりと風に揺れる満開の早咲き桜。そして、桜の姫君が遺したという、絡繰り匣の謎。
「ふむ……『心を囲いし匣』でありんすか。興味は尽きんせんな」
「へぇ、見事な屋敷だな。桜もスゲェ」
 奥に見える蔵へと、興味の色を宿した赤の瞳を向けるのは、上月・衒之丞(泡沫の遊女・f11255)。
 一方、ヴェイゼル・ベルマン(焔斬り・f13471)の漆黒の瞳が映すのは、戦場を春色に染める桜の樹。
 だがすぐに、景色に目を奪われてる場合じゃねぇや、と向きなおして。
「偽村雨ねぇ……偽物に負ける訳にゃいかねぇし、こいつ等を放置したら、そのうち村人達を襲うかもしれねぇしな」
 ヴェイゼルは、殺気を纏い迫る有象無象の妖刀へと眼光鋭い視線を投げ、気合いを入れる――そんな未来は阻止しねぇと、と。
 そして、桜姫の絡繰り匣は、衒之丞の興味を擽るけれど。
「が、まずは出来損ないの刀を断てと」
 ――ようざんしょ、あちきの「糸」に断てぬものはありんせん。
 刹那、戦場へと閃くのは、視認すら難しいという無明弦月流の鋼線の絃術。
「先に申しんした。あちきに斬れぬものなどありんせんと。無明弦月流……師走」
「見せてやるぜ、とっておきをなァ!」
 焔々が飛び回る桜色の空に握る得物を旋回させ、ヴェイゼルがその刃に雷を呼べば。
『……ッ!』
 瞬間、放たれし雷撃の旋風が、偽村雨たちへと纏めて見舞われて。
 すかさず、その雷が直撃し痺れを伴った妖刀の身を断たんと、巧みに操られた衒之丞の糸が密やかに放たれる。
 其れが断つのは、何も敵の肉体だけではない。
「断てぬものはありんせん。たとえそれが形のないものであろうとも」
 妖刀が纏う禍々しい「寒気」も……それに、その「視線」さえも。
『!!』
 刹那、幾本もの赤き線が敵の身にはしり、その彩が鮮やかに桜色の天へと飛沫く。
 そこにいるのに見えなくなる――これが無明弦月流の奥義、神無月。
 戦場に在る心強い猟兵の仲間達。そんな仲間へと見舞われる、厄介な妖刀の刃だが。
「――私の“海”、命を護って」
 “海の鬼”が降らせる癒しの雨が、アオイの体力と引き換えに、皆の傷を瞬時に塞いで。
 宿す水気を雹へと変えた刃から放たれる突きが、ヴェイゼル目掛け繰り出されるも。
「そっちが寒気を使ってくるなら、こっちは炎の盾で対抗だ」
 煌焔から成された燃え盛る炎が盾と成って。
 凍えるような刃を防いだ瞬間、逆に隙のできた妖刀の身体へと、反撃の衝撃を叩き込む。
 そして、桜花弁舞う空に順に投じられるのは、四丁の銃。
 ジャグリングをするように得物を舞わせては掴み、敵の意識を自分たちへと向くよう誘うシェーラ。
 春の趣きを理解できぬ輩が、桜を傷つけぬように。
「無粋な量産品が、唯一無二たる僕に敵うはずがなかろう。なにせ僕の身体は特注品の一点ものだからな!」
 そのかわり……高いのが、少々難点ではあるが。
 舞い振る花弁の間隙を縫い、再び撃ち出された四丁の銃から繰り出される彩色銃技の弾丸が、その言葉に偽りなく模造刀を撃ち抜いていけば。
「折れず曲がらずよく切れる。強靭だけれど、確か低温になりすぎると折れやすくなる……温度差には弱いかもしれない」
 事前に得てきた戦闘知識を利用し、アオイは光の加減で様々なあおの表情をみせる七節棍に、炎を宿して。
 もう数えるほどに減った妖刀へと、思い切り炎の一撃をお見舞いする。
 そして。
「どこを探しなんしか。もう手遅れでありんすよ」
 嫋やかに、でも確実に。
 ――見えないのならあちきの獲物でありんす。
 最後の偽村雨の息の根を、密かに閃いた糸の斬撃で、容赦なく断ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『猿面武者』

POW   :    不見
レベル×1個の【陰火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
SPD   :    不言
予め【鉤爪を構えておく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
WIZ   :    不聞
自身が戦闘で瀕死になると【狐面や狸面を被った武者の亡霊】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。

イラスト:もめん子

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は秋稲・霖です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


【第2章の追加情報を『3月10日(日)』に追記いたします。掲載までもう暫くお待ちください。オープニング追加後から、第2章のプレイングの受け付けを開始いたします。それ以前に送信されたプレイングは流れる可能性がありますので、掲載後からの送信をお願いいたします】
 禍々しき雨を宿す妖しの刃が、猟兵たちの手で全て折れたその時も。
 庭に堂々と座する桜の樹は、はらはらと、ただ妖艶な薄紅を静かに舞わせるだけ。
 だが……不意に吹き抜けた一陣の風がその枝葉を大きく揺らし、戦場に桜吹雪が舞った、その時だった。 
『……良き哉、良き哉。我が求むのは強者と斬り結ぶ事』
 地の底から響くような声。
 その主は――明らかに先程の烏合の衆とは違った、強者の気を纏う赤ら顔の猿面武者。
 猿面武者は、謡うように更に言の葉を紡ぐ。
『我が好むのは、血と強者と戦と、そして芸事。我を存分に愉しませてみよ!』
 現れし猿面武者は武人であると同時に、言葉や歌や演奏等に強い執着を持つ風流者でもあるようだ。
 だが言葉遊びや音楽の種類に特に拘りがあるわけではないようで、聴くもの見るものがとにかく気に入れば、ご機嫌になるという。
 ご機嫌になれば、戦いから気が逸れ、隙が生じるかもしれない。
 短歌、俳句、川柳、都々逸、創作落語、ラップ、ミュージカル、ポップス、ロック、ダンス等々……もし芸能に心得があれば、試してみるのも良いだろう。
 だが、無理に付き合う必要も全くない。
 その場合は猿面武者は戦いを愉しむべく全力で向かってくるため、気が逸れている時よりは強敵となるだろうが。
 無理に何かしようとするくらいならば、真っ向から斬り結び、討つことに集中した方が良い場合もあるかもしれない。
『さあ、いざ! 死合おうぞ、謡おうぞ、舞おうぞ』
 戦いの舞台は、桜色の花筵。
 猟兵たちはその戦場という舞台の上で、どんな立ち回りを演じるのか。

 そして――花筵の舞台の奥に鎮座する、立派な石蔵。
 此処には『桜姫の絡繰り匣』が、今でもあるのだという。
 猿面武者との激しい戦いが繰り広げられている最中は、蔵には近づくことはできない。
 なのでまずは、必ず猿面武者を倒して。
 それから、姫君の謎を紐解きたい者は、石蔵へと足を向けることも可能だ。
 勿論、姫君の匣の謎は解く必要は全くない。
 猿面武者との戦闘のみに集中し、蔵には寄らなくても一向に構わない。
 むしろ、猿面武者との戦闘が疎かになっては本末転倒。
 あくまでも謎解きは、ついでに……という意識でいて欲しい。
 石蔵は立派な2階建て。金目のものは盗まれているようだが。
 まだ蔵の中は、生前屋敷の者たちが使用していた日用品や骨董品で犇めいているという。
 立派な蔵であるためか、沢山の書物が収納された文書庫や、姫君の衣裳部屋にもなっていたらしき鏡台のある畳の間まである。
 絡繰り匣自体は特に隠されているわけでもなく、難なく見つかるだろう。
 ただ、その匣には、確りと鍵がかかっている。
 しかしその匣も古く朽ちており、猟兵たちであれば、鍵がなくとも少し力を込めれば容易に開くだろう。
 もしも鍵が見つからなかった場合、鍵を探したい者が探索を終えた後にでも。
 そっと少しだけ、中身を覗いてみても、許されるのではないか。

●マスターより補足
 猿面武者との戦いにおける芸事は必須では全くありません。
 普通に戦っていただいて結構です。試してみたい方のみ、お試しください。
 絡繰り匣に関しては、完全におまけ要素です。
 戦闘リプレイを全員分お返しし終え、戦闘が終了した後、別でリプレイを掲載いたします。
 そのため、戦闘シーンと絡繰り匣のシーンの掲載が別日になる可能性が高いこと、ご了承ください。
 また、絡繰り匣に関してプレイングをかけた場合、戦闘シーンの描写は少なくなります。
 絡繰り匣の謎はあくまでおまけ要素です。
 匣の謎をメインにプレイングかけた場合、戦闘重視でプレイングかけていただいた方よりも描写量が少なくなるをことご了承の上、送信ください。
 匣のことには触れず、戦闘のみに集中していただくプレイングでも全く構いません(むしろ歓迎)。
 逆に、絡繰り匣の謎のみのプレイングは失効日の都合上、高い可能性でお返しすることになると思います。
 あくまで第2章のメインは猿面武者との戦闘です。
 戦闘をし終えた後に、謎を解きたい方のみ石蔵を探索しても構いません、という程度に考えていただければと。
 後の補足は、最初のOPやマスターコメントにある通りです。
 プレイング送信締切などのお知らせは決定次第随時、マスター個別ページ等に掲載いたします。合わせてご確認いただければ幸いです。
ステラ・エヴァンズ
【刀也さん(f00225)と行動】
匣の事は気にはなりますが、他の方々にお任せしましょう

現身の人なる吾や亡き人を
偲びて汝れを海へ還さむ

いえ、ただの独り言で御座います
此度も背を守りつつ戦闘を
双方の剣戟の合間や隙を見計らって相手を休ませぬよう【なぎ払い】【吹き飛ばし】で攻撃
距離があるなら【衝撃波】
不見は【ふき飛ばし】と【衝撃波】の風圧で合体する前に鎮火
不言に対しては注意深く観察する事と【第六感】で避け
可能であればそのまま足に不意打ちし返す刀で首狙い
亡霊が現れたら刀也さんが本体との戦闘に集中できるよう引き付けます
【巫覡載霊の舞】で攻撃を軽減しつつ応対
また刀也さんがお怪我をされてたら【星天光雨】で治療を


御剣・刀也
ステラ・エヴァンズ(f01935)と一緒に参加

芸を見せろだ?俺の武芸は見世物じゃねぇよ
演武が出来ない訳じゃねぇが、てめぇに見せるようなもんじゃねぇ
大人しく斬られな。馬鹿猿

不見で炎を放たれたら避けるか斬り払うかして突っ込む
不言で不動の体勢になったらその時間に応じて戦闘力が上がるのでさっさと攻撃してその体勢を崩す
不聞で武者亡霊が召喚されたらあと一歩の所まで来ているので背中はステラに任せ、前面の敵に集中する
「良いもんだな。背中を任せられる相手が居るってな。とっととくたばれこの馬鹿猿。俺はステラと夜桜を楽しみに来たんだからよ!」



 猿面武者が降り立った舞台は、桜色の花筵。
 刻む歩武は踊る様に軽やかで、くるり回るたび、花弁を空へと舞い上がらせる。
 だが……纏うその気は風流とは程遠く、血生臭く忌まわしい。
 そしてオブリビオンは猟兵たちに求める。
 存分に愉しめるような、血飛沫と花弁舞う、死合いと芸事を。
『さぁ、我を存分に愉しませてみよ!』
 そう、何処か愉快気に言い放つ猿面武者だが。
「芸を見せろだ? 俺の武芸は見世物じゃねぇよ。演武が出来ない訳じゃねぇが、てめぇに見せるようなもんじゃねぇ」
 そんなオブリビオンの要求に付き合ってやる義理は、全くない。
 ――大人しく斬られな。馬鹿猿!
 刀也は美しくも鋭い獅子の一振りを手に、花弁敷かれた地を大きく蹴って。
『死合いを望むか、それもまた良き!』
 刹那、桜色の戦場に灯るのは、無数の妖しき陰火。
 刀也の身を焦がし激しく燃やさんと、四方八方から、猿面武者が生み出した炎が襲い掛かる。
 それを、心得ている天武古砕流の剣技を持って、バサリと豪快に斬り払っていく刀也。
 そんな様子に、猿面武者は愉快そうにこう続ける。
『ほう、では……これではどうだ?』
 瞬間、幾つかの炎が合わさり……さらに強大な炎と化して。
 唸りを上げ、刀也目掛け放たれる猛火。
「!」
 またひとつ炎を振り払った刀也は、そんな激しい炎に反応を示すも。
 その勢いは既に目前にまで迫っていて。直撃は免れない……そう思われた、その時。 
「させません……!」
 刀也を燃やさんとするその激しい炎を打ち消したのは、ステラのふるった偃月を描く一薙ぎ。
 さらに、青き流星の如く、美しく長い髪を桜の戦場に靡かせて。
 再び合体せんとする陰火を吹き飛ばさんと、『天津星』が再び半月の閃きを生み出せば。
 大切な人の背は請け負うと――そう、誓ったから。
 ぶつけられた衝撃波の風圧で、星の様に火の粉を散らし鎮火する陰火。
 そして桜を脅かす妖しの炎が全て消滅した瞬間。
 まるでその剣筋の道をあけるかのように。ひらり、左右に分かれる桜花弁。
『……!』
「この切っ先に一擲をなして乾坤を賭せん!!」
 一気に猿面武者との間合いを詰めた刀也の刃が、目にも止まらぬ速さで振り下ろされる。
 その速さをたとえるのならば、雲耀。
 猿面武者は、咄嗟に鉤爪でその太刀を防がんと受け止めるも。
 そんな雲耀の如き一撃に対し、防ぐだけでも手一杯な猿面武者に。決して、休む暇など与えず。
『くっ!』
 双方の剣戟の合間を確りと見計らい放たれた薙ぐ様な衝撃波が、武者の身に直撃する。
「良いもんだな。背中を任せられる相手が居るってな」
 その青の瞳は猿面武者を映したままではあるけれど。
 常に強く感じるのは、愛しい星の如き煌めき。
 自分の背を任せられる大切な存在があるからこそ、前だけを見据えられるのだ。
「現身の人なる吾や亡き人を偲びて汝れを海へ還さむ」
 ……いえ、ただの独り言で御座います、と。
 そう付け加えられたにも関わらず、詠まれたステラの言の葉に、ぴくりと反応を示す猿面武者。
 そして、その隙を見過ごさずに。
「とっととくたばれこの馬鹿猿。俺はステラと夜桜を楽しみに来たんだからよ!」
『ぐ、っ!』
 鋭い牙の如き獅子の刃が猿をぶった斬らんと、吼える様に唸りをあげた。
 楽しみなのは猿の相手などではない。星月夜に舞う桜を、共に愛でることだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フィリオ・グラースラム
にゃ?お歌を歌えば気を引けますの?
フィオ、面白いお歌なら1つ知っておりますの!

お猿さんが爪を構えたり、何か召喚しようとしてきたら
歌ってみますのよ

9人の王がおりました
八首竜がやってきて
7人の王を食べました
六花の女王は泣きました
5人の騎士が集まって
四方を氷で封じれば
3度の吹雪が竜を討つ
最後にニコニコ笑うのは
白の女王ただ1人!

隙を見せたのなら
【見切った】炎の攻撃を
雪ちゃんで【串刺し】にして近づいて
すかさずドラゴニックエンドですのよ!

気にって貰えなかった時は
トリニティエンハンスで防御力を上げて
みなさまをお守りしますの

…オブリビオンに気に入っていただけなくても
フィオ、くやしくなんて…ありませんにょー!


篝・倫太郎
芸事、なぁ……
そう言うのは得意な奴に任せっから
俺は戦闘に集中させて貰うぜ

華焔刀で先制攻撃
続けてなぎ払いで2回攻撃

エレクトロレギオン使用
召喚した機械兵器は陽動と他同行者支援
不聞使用時は召喚された亡霊の視野の阻害を一任
不見使用時は機械兵器を身代わりに当てに行く
不言使用時は華焔刀でいなして受け流し

よぅ、知ってっか?
つか、知ってるだろ?
武も通じれば、芸にも勝るってよ
演舞じゃなくて、演武ってな

とくとご覧あれ、ってヤツだ……!

亡霊召喚だぁ?無粋も無粋じゃねぇか
芸事好む割にゃ、粋じゃねぇとか芸事好き、返上したらどうだ?
おっと、赤い仮面が益々赤いぜ?
図星だったか?

補足
戦闘が苦境佳境になるほど羅刹紋は濃く浮かぶ


明智・珠稀
…ほぅ。
芸事がお好きなのですね、猿面さん。
それでは是非私の芸事をご覧いただき
仲間の手で気持ちよく逝っていただきましょう、ふふ!

■行動
UC【どちらがお好みですか?】で女性化した明智を召喚。
女体化明智が【早着替え】【変装】により
和風アイドル衣装に変身★
『貴方のハートにズッキュン♥️燕返し!トキメキたまちゃん、出陣です、ふふ!』
『それでは聴いてください、【たまちゃんのラブソング】!』
アイドル笑顔で歌い踊る。
男明智はサウンドウェポン【三味線】にて、三味線とは思えないロックで激しい曲を奏でつつ
「あんみつ大好き、たまちゃーん!」
などコールを行うド変態

※アドリブ&絡み大歓迎♥️
ネタ全フリでごめんなさい…!


來米良亭・ぱん太
「そういうことでしたら、あっしも一席お耳汚しを」
 楽しませつつ攪乱する方向性で。
 リンゴ箱と緋毛氈、座布団持参で即席高座を作って一席。
 演目は猿つながりで『猿後家』原作に近い上方風で長いバージョンを。演じてる間に、他の猟兵さんたちが、芸の準備をしたり戦闘態勢を整える一助になればいいなと。
 落語自体がダジャレ満載な作品ですが、噺が終わったところで、UC発動。
「お後がよろしいようで。ではこれにて、猿が去る。なんちゃって~!」
 ブリザードでもなんでも吹かせてください。他の猟兵さんの攻撃タイミングを作る補助的な働きができれば。
 もちろんダジャレ変更可っす。
※アドリブ連携ネタ大歓迎



 元はといえば、神社の境内など屋外で活動を続けていたという上方落語。
 そして今日の寄席も野外……淡紅色の花筵が舞台。
 舞い降る花弁の下に設けられたのは、リンゴ箱と緋毛氈、座布団で作られた即席高座。
『さぁさ、我を愉しませてみろ!』
「そういうことでしたら、あっしも一席お耳汚しを」
 猿面武者の声に応えるかのように。
 一肌脱がんと、この場に赴いたのは、來米良亭・ぱん太(魔術落語家・f07970)。
 開演の寄席太鼓代わりに、ぱしんと扇子を景気よく鳴らせば。
「暫くの間、落語でお付き合い願いましょう」
 さぁ、小噺のはじまり!
 その演目は――相手が猿面なだけに、猿つながりで、上方風の『猿後家』を。
「ここに登場します後家さん、後家さんとはご主人に先立たれおひとりになられた奥様のことでありますが。ある大きなお店の女将さん、旦那はもう亡くなりまして、何不自由なく暮らしておりましたものの。その女将さん……なんの因果か、顔が猿にそっくりという」
『ほうほう、猿似の後家とな』
 ぱん太の落語に、即座に食いつく猿面武者。
 原作に近い上方風『猿後家』は、少々長めの噺ではあるものの。
「……門を抜けますとね、何故だか凄い人だかりができておりまして。掻き分けてみると、そこには猿回しが……アッ!!」
 ぱん太の絶妙な間の取り方や演目自体のダジャレ満載な作風、大きな身振り手振りが、聴く者を飽きさせはしない。
 むしろ、猿面武者の気を引いてる隙に……仲間の芸の準備や戦闘態勢を整える一助になれば、と。
 ――そして。
「……『サル』とつく言葉が禁句な中。誰に似ているのかと問う後家さんに、ようひひ(楊貴妃)に似てござります、 と。思わず口を滑らしてしくじった様は、まるで『木から落ちたサル』――いえ、『木から落ちた猫』でございます」
 見事にオチもつき、やんやと手を打つ猿面武者。
『これはこれは、愉快な噺であった!』
 ここが戦場だということも忘れ、猿面武者はすっかり上機嫌のようだ。
 そんな様子に、ふっと不意に笑みを宿して。
「お後がよろしいようで。ではこれにて、猿が去る。なんちゃって~!」
 ぱん太が満を持して吹かせるのは……敵は勿論、時々味方をも凍えさせるような、ダジャレのブリザード!?
『さむ……っ!?』
 思わずぶるりと身震いする猿面武者。
 そしてそんな敵前に、次に勢いよく飛び出してきたのは。
『貴方のハートにズッキュン♥️燕返し! トキメキたまちゃん、出陣です、ふふ!』
 ……和風アイドル!?
 その正体とは!
「芸事がお好きなのですね、猿面さん。それでは是非私の芸事をご覧いただきましょう、ふふ!」
 ユーベルコード『どちらがお好みですか?』によって現れた、女体化した珠稀です!
 ぱん太の稼いだ時間や、早着替えや変装の技能を駆使して。
 トキメキたまちゃんへとメタモルフォーゼした、女体化珠稀は。
『それでは聴いてください、【たまちゃんのラブソング】!』
 桜舞うステージで、渾身のアイドルソングを披露!
 一方、男の珠稀本体は。
 お気に入りのサウンドウェポン【三味線】に魂を込め、激しくロックに掻き鳴らしながらも。
「あんみつ大好き、たまちゃーん!」
 熱く激しい変態コール!!
 たまちゃんは何といっても、黙っていれば妖艶美青年な珠稀の女体版。
『おおお、何という別嬪……たまちゃーん!!』
 その別嬪さと熱い三味線ビートのラブソングに、猿面武者もすっかり首ったけ!?
 そしてたまちゃんに夢中で、戦いのことは頭から抜けているものの、興奮のあまりか、爪を構えんとする猿面武者に。
「にゃ? お歌を歌えば気を引けますの?」
 フィオ、面白いお歌なら1つ知っておりますの! と。
 たまちゃんとはまた違う方向できゅんとしてしまう、ぬいぐるみのような猫さん……もとい、フィリオの歌声が、桜舞う戦場に響く。

 9人の王がおりました
 八首竜がやってきて
 7人の王を食べました
 六花の女王は泣きました
 5人の騎士が集まって
 四方を氷で封じれば
 3度の吹雪が竜を討つ
 最後にニコニコ笑うのは
 白の女王ただ1人!

『これはまた、興味深い歌であるな!』
 伝統芸能の落語に、魂揺さぶる和風アイドルステージ、そしてフィリオの面白いお歌。
 全く違った趣きの芸事にすっかり上機嫌な様子の猿面武者は、踊るように戦場に陰火を躍らせて。
 舞わせるように解き放つが……気が逸れているため、その軌道は不安定。
 フィリオはその炎の間隙を縫い、ダッと桜色の戦場を駆けると。
「お歌だけでなく、雪ちゃんの一撃も披露しますの!」
『……!? ぐっ』
 すかさず低い位置から、握る雪ちゃんこと白き竜槍で思い切り敵を串刺しにせんと、鋭き突きを繰り出して。
 刹那、雪の如く花弁舞い降る空を泳ぐ白のドラゴンが、上機嫌な猿へと、その鋭き牙を剥く。
 そして振るわれるは、黒に焔が舞い踊る美しき刃の一薙ぎ。
「芸事、なぁ……そう言うのは得意な奴に任せっから、俺は戦闘に集中させて貰うぜ」
 さらにもう一薙ぎ、倫太郎の薙刀が焔の華を咲かせるかの如く振るわれれば。
 その動きに合わせて、くるり、桜花弁も戦場に舞い遊ぶ。
『く、貴様は死合いを望むか?』
 まだ芸事の余韻に浸っている様子ながらも、体勢を整えんとする猿面武者に。
 ――よぅ、知ってっか? つか、知ってるだろ?
 そう『華焔刀』を構えつつ、倫太郎は投げかけて。
「武も通じれば、芸にも勝るってよ。演舞じゃなくて、演武ってな」
 とくとご覧あれ、ってヤツだ……! と。
 刹那、再び戦場に華の焔が乱れ踊るように、舞うかの如く薙刀の刃が振るわれると同時に。
 召喚した戦闘用機械兵器たちが、桜色の花筵敷かれた戦場を縦横無尽に駆け巡る。
 予知によれば、猿面武者は陰火の他に、狐面や狸面を被った武者の亡霊をも放ってくるのだというが。
「亡霊召喚だぁ? 無粋も無粋じゃねぇか。芸事好む割にゃ、粋じゃねぇとか芸事好き、返上したらどうだ?」
『……我が好むのは、血と強者と戦と、そして芸事!』
 まだ浮かれたまま振るわれた鉤爪を、確りと美しい刃紋が映える刃で受け止めて。
「おっと、赤い仮面が益々赤いぜ? 図星だったか?」
 茶化すように言の葉を投げながらも、芸にも勝る鋭い一薙ぎを返すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レイラ・エインズワース
祇条・結月(f02067)サンと

さっきのコト気にしてるのカナ?
別に、昔のコトだカラ、気にしなくてもいいノニ
匣は目の前、サァ押し通らせてもらうヨ

武者の亡霊、お化けの扱いには多少慣れてるカラ
芸術とは程遠い魔法使いだケド、朗々と、響くように歌うように
【高速詠唱】で【全力魔法】の魔力を織り込んで唱えるヨ
呼び出した【呪詛】を籠めた腕で武者を絡めとって、祇条サンが狙いやすいヨウニ
また、狐面や狸面を被った武者が出た時も呪いの腕で動きを止めて
他の味方が戦いやすい場を作るヨ

終わったら、匣の鍵探しに
曰くがついたまま、呪いと言われたまま、
ヤドリガミになるのは本当につらいから、ネ

アドリブ・絡み歓迎ダヨ
好きに動かしてネ


祇条・結月
レイラ・エインズワース(f00284)と

……謝らせたことも、謝らないとって思わせることを言った自分にも、もやもやする。
だめだな。集中しなきゃ

武人と言えば聞こえはいいけど村を狙うくらい、見境はないんだろ? だったら、そっちの流儀に合わせる理由はないよ
場合に寄っては【かばう】ことも考えてレイラをカバーできる位置で戦う
敵の≪不言≫を妨害するため絶えず苦無を【投擲】
甲冑は頑丈だろうけど、【スナイパー】も駆使して甲冑の継ぎ目から関節を狙って敵の戦闘力を奪っていく

戦闘後は、匣の鍵を探しに
……わかってる。僕が勝手に、悩んでるだけだ、って
それでも今は。この呪いだけでも。解いておきたいと思うから



 はらり、ひらりと、地に少しずつ降り積もる桜花弁のように。
 結月の心にも、密かに降り積もる思い。
(「……謝らせたことも、謝らないとって思わせることを言った自分にも、もやもやする」)
 それは花霞如く霞がかかった様で……掴み所もなく、今はただもどかしいけれど。
 ――だめだな。集中しなきゃ、と。
 すぐにそう軽く首を振って。
 赤を帯びる瞳を、改めて眼前の猿面武者へと向ける結月。
 そして揺らめくランタンに仄かに照る、そんな隣の結月の横顔を見つめながら。
(「さっきのコト気にしてるのカナ?」)
 別に、昔のコトだカラ、気にしなくてもいいノニ……そう、そっとレイラは思うけれど。
 桜姫の謎が込められた匣は、もう目の前。
 そのためには、邪魔な猿面武者を退かさないといけないから。
「……サァ押し通らせてもらうヨ」
 桜色の戦場で、再び敵と相まみえる。
『我を愉しませろ、さぁ、さぁ!』
 踊るように鉤爪を構える猿面武者。
 戦を好み風流を愉しむ武人と言えば、聴こえはいいけれど。
「村を狙うくらい、見境はないんだろ? だったら、そっちの流儀に合わせる理由はないよ」
 猿面武者が好むという言葉遊びにも、そして戦闘能力を上げんと鉤爪を構えることにも、付き合う気は更々ないと。
 戦場に舞う花弁の如く降らせるは、四肢や急所を射抜く銀の閃き。
 結月の手から放たれたクナイ・ダートが、その鉤爪を構えさせぬと、絶えず降り注がれて。
「武者の亡霊、お化けの扱いには多少慣れてるカラ」
 芸術とは程遠い魔法使いだケド、と本人は言うけれど。
 朗々と、響くように歌うように――レイラの紡ぐ詠唱が瞬時に全力で魔力を編み出して。
 桜色の戦場に灯る幻燈が、舞う花弁を仄かな紫に染め上げる。
 そして怨念を纏う紫焔が妖しく揺らめいた刹那。
『!』
「自分のしたコト、覚えてないノ? だってほら、こんなにキミを仲間に入れたがってルヨ?」
 これまで一体何人の人間に害を成してきたのか。
 猿面武者の身体を掴まんと、桜舞う空へと目掛け、幾つも伸びる亡者の腕。
 そんなレイラの盾になるように位置を取りながらも。
 動きが鈍った相手を見据え、結月は確りと狙いを定めて。
「そう簡単には逃がさないって、言っただろ……!」
『! くっ』
 投じられた鋭利な苦無の刃が、硬い甲冑の継ぎ目の間隙を射抜き。的確に、敵の関節を穿つ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヴァーリ・マニャーキン
旦那の來鯉(f03164)と共に再度戦場に

こういう武人は全力で行かないと、よね

戦闘の際はUCで剣に
可能なら多分氷属性の『全力魔法』を刀身に込めた『マヒ攻撃』の『属性攻撃』を

又、來鯉の攻撃の際どう動かせばよりダメージを与えやすく『傷口をえぐる』事が出来るかや敵の動きを『見切り』剣を振るう方向、回避方向の指示等を行う
指示は基本、咄嗟に動きやすい様に事前に決めて話し合っておいた単語で

陰火は特に動きを警戒『見切り』を

投擲された際は敵が避けた瞬間を狙い剣から人の姿に戻り『マヒ攻撃』を込めた氷の『属性魔法』の『マヒ攻撃』を『鎧無視攻撃』状態で叩き込む
敵も油断は一回限りだろうから速攻で來鯉の元に戻り再び剣に


祟・來鯉
嫁のヴァーリと(f02553)共に戦う

ま芸事の類はおいらは料理のみっすからねえ
其の辺は他の人に任せて全力で死合うっス!

普段はUCによる防御力向上をし攻撃の際のみ攻撃力を向上させる等使い分ける
『怪力』により剣となったヴァーリを振るい『破魔』の『属性攻撃』により甲冑と甲冑の間を狙った『鎧無視攻撃』を行う
其の際は次に続く人の為に『鎧砕き』も
又、剣を振るう方向や回避する方向等はヴァーリの指示に必ず従う


相手の隙を突く為に『怪力』による剣の投擲も行いヴァーリとの連携での攪乱も行う

陰火は後方に跳躍する等し空中に駆け此方を追いかけている所を『破魔』の『属性攻撃』による『なぎ払い』で対応

他の人との連携等歓迎



『……死合おうぞ、謡おうぞ、舞おうぞ!』
「ま、芸事の類はおいらは料理のみっすからねえ」
 得手とする芸事といえば料理、特に和食を好む來鯉であるが……芸事に関してはどうやら、猿面武者ご所望のものではないらしいから。
「其の辺は他の人に任せて全力で死合うっス!」
「こういう武人は全力で行かないと、よね」
 再び切って落とされる、桜の花筵の上での戦い。
 ヴァーリも、來鯉と共に戦場へと躍り出て。再びその身を、転生氷刃アルマース――金剛石の巨大な氷の刃へと変えれば。
「全力でいくっすよ!」
 怪力を駆使し、千人の敵を斬り伏せし者の刃へと変じたヴァーリを握り、桜舞う中、地を蹴る來鯉。
『!』
 振り降ろされた強烈な氷の刃を、猿面武者の鋭利な鉤爪が確りと受け止めるも。
「右脇よ、來鯉。振り切り抉って」
『くっ!』
「鉤爪が来る、右に。左脇腹が空いたわ」
 ヴァーリの指示通り、右脇を抉るように振り抜いた來鯉の刃を、何とか猿面武者は右の鉤爪で防いで。
 反撃の左爪を振り下ろすも、魔力纏い防御力を高めた來鯉に素早く躱され、逆に生じた隙を攻め込まれる。
 己は決して動けないけれど、氷の刃と化したヴァーリの端的な指示と。纏う魔力を使い分け、嫁の言葉を信頼し躊躇なく動く來鯉は、まさに阿吽の呼吸。
 強敵である猿面武者といえど、そんな鮮やかな連携による攻撃を、紙一重で防いでいる状況。
 だが……ただ攻められ続ける程、行儀のよい猿ではない。
 刹那、戦場に生じるのは――数多の妖しい炎。
「陰火よ」
「了解っす!」
 短くそれだけ言った手元のヴァーリに、來鯉はこくりと頷いて。
『その刃、解かしてくれようぞ!』
 後方に跳躍しそれをまんまと追従してきた炎を、破魔の力宿す一薙ぎで払った後。
『!』
 來鯉はすかさず敵の隙を突くように、氷の刃を投げ放つ。
 そして舞うように身を翻し猿面武者がその一投を避けた……その時だった。
「隙あり、ね!」
 剣から素早く人の姿に戻ったヴァーリが放つのは、敵の意表をついた、痺れるような衝撃。
『……!』
 纏う鎧をも関係ないと言わんばかりのそんな攻撃に、猿面武者が微かに体勢を崩した刹那。
 再び氷の刃と化したヴァーリを怪力をもって振り翳し、間合いを詰めた來鯉が狙うは……甲冑と甲冑の間。
 痺れで反応が僅かに鈍くなった猿面武者の鎧ごと砕かんと、攻撃に転じるその力に魔力を乗せて。
『!!』
 迷わず思い切り、切れ味の良い氷の刃を敵へと叩きつける。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アルノルト・ブルーメ
芸事は他の人に任せて戦闘に集中しようか
芸事、ものによっては桜がとても素敵な演出になりそうだから
観る事に集中出来ないのは些か勿体ないけれど

血統覚醒使用
芸事に気が逸れたタイミングを見計らって先制攻撃
芸事に気が逸れる気配がないようなら
こちらに意識が向いてない状態を見計らって先制攻撃

2回攻撃で傷口を抉ってあげようか
炎による攻撃はViperで叩き落す
亡霊が召喚された場合はVictoriaとLienhardで応戦
自身・敵不問で出血がある場合はそれを元にVictoriaを起動し対応

さぁ……観るばかりじゃなく、君も踊って良いんだよ?
オブリビオン

寧ろ、悔いのない様に踊れ
そして、骸の海に早々に還るといい


青葉・颯夏
芸事……
特に拘りはないみたいだけど、この世界だと相棒はそぐわないわね
イリュジオンは置いて、いつもはしまい込んでる竜笛を持っていく
……相手が猿なら、あたしはこの笛で竜になるわ

かけるのは、命
あなたが気に入らなかったとしても
やすやすと渡すわけにはいかないけれど
それくらい、演奏にすべてをかける
叶わなければ死合うまで


泉宮・瑠碧
僕は、風の精霊を竪琴…小さなリラに変え
楽器演奏と歌唱で気を逸らそう
特に、桜の樹の危機や構え・攻撃する気配を感じたら

直接倒す事にはならない分
歌唱にはシンフォニック・キュアも乗せて援護を
内心、人前での芸事は恥ずかしいが
…好きには違いないからな

静かで穏やかな曲に望郷の唄を

緑溢れる森に聳える大樹
流れる川は陽光が煌めき
何も無いけれど、全てが在った
慎ましくも穏やかな小さな世界…
遠くから見ていた、その一つ一つを思い出し
人が思い描く故郷へ寄せて、紡ぐ

ふと
昔…自由になれたら吟遊詩人になって、一緒に世界を回ろうと…
姉様と笑って話したのはいつの事だったか
終ぞ、叶いはしなかったけれど

僕は、姫の心という匣には…触らない


ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
せっかくだから言葉遊びに付き合ってもらうわね。
「いくさばに まうはやいばか りょうけんか」(戦場に 舞うは刃か 猟犬か)と上の句を。
下の句を待ちつつ、10秒の集中。
返歌が来たら、
「されどさだめは しゅんかのごとし」(されど定めは 春霞の如し)
と虚しさと美しさを歌ってから、ユーベルコード【千里眼射ち】で攻撃ね。

終わったら桜姫の絡繰り匣のなぞ解きをしてみましょうか。
『この匣は私の心』ね。
なら娘さんの肖像画の心臓のあたりを探してみたいわね。
ちょっとだけわくわくするわ。



 激しい死合いが続いていた桜の戦場に、ふと響く旋律。
(「芸事……特に拘りはないみたいだけど、この世界だと相棒はそぐわないわね」)
 他の猟兵が披露する芸事に対して、猿面武者は予知通りジャンル問わず食いついているが。
 和の趣き漂うこのサムライエンパイアに、ライニッシュ式バンドネオンは少々合わないのではと。
 青葉・颯夏(悪魔の申し子・f00027)が今回手にしたのは、相棒のイリュジオンではなく。
「……相手が猿なら、あたしはこの笛で竜になるわ」
 いつもはしまい込んでいる、籐巻きの竜笛。
 そしてそっと、師を模したというその笛を奏で始める颯夏。
 その旋律に乗せるのは――命。
 かけるのは、命……でも、そうやすやすと渡すわけにはいかない。
 たとえ、この旋律が気に入られなくても。
 けれど、それくらい全身全霊をかけて、覚悟を決めて。
 颯夏は竜の笛をひたすら吹き続ける。
 そして……その竜の笛の音に共鳴するように響き始める、小さな竪琴の音色。
 水の精霊が姿を変えたリラを奏で、それに歌を乗せる瑠碧が響かせるのは、聴く猟兵たちの傷をも癒す旋律。
 芸事を披露することは内心、少し恥ずかしいけれども。
「……好きには違いないからな」
 こうやって精霊たちと音を生み出し、奏で合うことは、好きだから。
 瑠碧は桜降る中、リラで弾く静かで穏やかな曲に、望郷の唄を乗せ響かせる。
 零れるように溢れる緑豊かな森、静かにでも堂々と聳え優しい葉音を鳴らす大樹。
 キラキラと陽光の輝きを纏い流れる川は、清く澄んでいて――何も無いけれど、全てが在った場所。
 瑠碧の脳裏に鮮やかに広がる風景は、遠くから見ていた、慎ましくも穏やかな小さな世界……。
 瑠碧は精霊たちと共に旋律を紡ぐ。人が思い描く故郷へ寄せて。
 そしてふと思い出すのは……姉と笑って話した、あの日のこと。
 ――自由になれたら吟遊詩人になって、一緒に世界を回ろう。
 交わし合った言葉は、叶いはしなかったけれど。
 でも、自分は今こうやって……世界を渡り、旋律を奏でている。
 護りたいと思う、沢山のもののために。
 猿面武者はそんな二人の生み出す旋律に聞き惚れるかのように、じっと耳を傾けていたが。
 せっかくだから言葉遊びに付き合ってもらうわね、と。
 ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は、こんな上の句を投げかける。
「いくさばに まうはやいばか りょうけんか」
『ほう……連歌か、宜しい』
 戦場に舞うは刃か猟犬か――それに、猿面武者はこう返す。
『いずれにしても しぶくちのはな』
 何れにしても飛沫く血の華――ギラリと妖しく光る瞳を向け、そう返された下の句。
 10秒の集中を終えたヴィオレッタは、宝珠の如き藍と紫の瞳で猿面武者の姿を捉えると。
「されどさだめは しゅんかのごとし」
 されど定めは春霞の如し――そう、虚しさと美しさを表す言の葉を紡いで。
 瞬間、ふわりと、結わえた金の髪が春風に乗り、流れるように大きく揺れれば。
 桜の花弁が舞い遊ぶ、その間隙を縫うかのように。 
『なっ!?』
 すっかり気を緩めている猿面武者へと撃ち出されたのは、狙い定めた鋭き一矢。
 心得のある猟兵たちが、次々と披露する芸事。
「ものによっては桜がとても素敵な演出になりそうだから、観る事に集中出来ないのは些か勿体ないけれど」
 芸事は他の人に任せて戦闘に集中しようか、と。
 アルノルトは、響く旋律や交わした連歌にかまけてすっかり戦闘に対し気がそがれている猿面武者へと、瞳を向けた。
 だがその彩は、普段の柔い緑ではなく――血の如き、真紅の色。
 同時に、戦場に再び生み出され揺らめくのは、猿面武者の成した数多の陰火。
 受け継ぎしヴァンパイアの血を覚醒させたアルノルトは、闇色に染まった外套を蝙蝠の羽の如くバサリと桜色の空へと翻して。
「さぁ……観るばかりじゃなく、君も踊って良いんだよ? オブリビオン」
『……!』
 その名の通り、まるで毒蛇が牙を剥くように。
 戦場を縦横無尽に舞う『Viper』が、燃え盛る怪火を叩き落せば。
 ……傷口を抉ってあげようか、と。
 普段とは全く印象を変えたその瞳に垣間見えるのは、容赦なき深い赤の閃き。
『ぐぅっ!』
 瞬間、猿面武者の腕から渋く赤。
 その彩りさえも、起動した『Victoria』の糧として。
 ――寧ろ、悔いのない様に踊れ。
「そして、骸の海に早々に還るといい」
 美しい桜の舞台に、オブリビオンは不要だから。
 無粋な輩を骸の海に還すべく。
 一見ナイフの如き拷問具がその鋭さを増し、唸りを上げ繰り出される。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

シェーラ・ミレディ
桜姫の絡繰り匣には、正直心惹かれるが……。
そちらは他の者に任せて、僕は敵の方に専念しよう。
姫の心を開かせるより、守る方が重要だろう?

芸能であれば何でもいいとは、随分と雑食だなぁ。
彩色銃技では、敵の攻撃を回避する足運びを舞踊と捉え、これを精霊に奉納し力を借りる……というような術理が技のひとつにあるのだが。押し通せるか?
生憎と未熟な僕では、踊りながら銃弾に精霊を付与するまでには至っていないが。それでも踊るように避けるぐらいはできるぞ。
『彩色銃技・歩法・双宿双飛』。
空を蹴って桜吹雪と共に舞いながら、ただの銃弾でもお見舞いしよう。

※アドリブ&絡み歓迎


アルトリウス・セレスタイト
芸か
ああ、俺のやっていることは概ね大道芸かもしれんな

虚空で掃討
包囲の形で転移してくる攻撃はそうそう躱せんだろう
仮に躱されても、躱した分だけ抉られ飲まれる
万一それも躱されても有利な場が増えるのでそれを利用し継続する
高速詠唱・全力魔法・2回攻撃・範囲攻撃・鎧無視攻撃など持てる技能は活用
種明かしはしないが見世物には十分な見栄えだろう

迫られた時に備え、魔弾の幾らかを腕に装填する形で力を溜めておく
間近に迫られたら第六感も無視せず見切りつつ、それなりの怪力で拳撃と一緒に直に叩き付けておくとしよう
白兵術式など芸にしては面白みもないがそこは勘弁してほしい


新堂・ゆき
この猿面、オブリビオンでなければ古きよき品のような気がします。
全然関係のない事ですけれど。
芸事は敵に見せるものではないですね。
私は純粋に死合いさせていただきます。私には戦う事しかないから。
月照丸、いきましょう。
ユーベルコードの舞は敵への葬送の舞いにでも。
桜の花に見送られる事すら、あなたには勿体ない。
不見の炎は増えてきたら舞でまとめて攻撃します。
そろそろかえるべき場所に戻して差し上げます。
後で桜の花をゆっくり見たいです。


太刀緒・朔
○WIZ

大太刀で【フェイント】も交え攻撃
【カウンター】を叩き込む際は【怪力】を使い全力で
効かなそうな鎮め火をぶつけてでも、鉤爪を構える時間なんて作らせない
可能なら【早業】で斬って掛かろう

【歌唱】自信が無いから出来る人がいるならお任せします!!
「朱に染まりて狒狒はなくすか 花の雅もその香も」
気を逸らせば有利では?という場面で詠ってみたいです
言葉遊びも桜舞うこの場所も粋だけど、血生臭いのは無粋じゃない?

亡霊は大太刀に【破魔】も載せて叩き切りたい

戦闘後石蔵行きます
【第六感】で【失せ物探し】鍵を探す
春とか桜に関係在りそうなものを中心に見ていくかな
見つからなかったら【鍵開け】

アドリブ・共闘・協力歓迎です



 戦場でぶつかり合う、力と力。
 だが、そんな激しい死合いなど、どこ吹く風。
 あくまで優雅に、そして儚く。はらり、ひらりと、ただ静かに舞う桜花弁。
 そんな桜色の花筵が積もる庭の奥に座するは――立派な石蔵。
 その中に在るという、謎が詰まった絡繰り匣。
(「桜姫の絡繰り匣には、正直心惹かれるが……。そちらは他の者に任せて、敵の方に専念しよう」)
 絡繰り匣のことは、確かに気にはなるけれども。
 ――姫の心を開かせるより、守る方が重要だろう?
 シェーラはそう、四丁各々についたその名の通り、四季や花の景色を思わせる銃を構えて。
 再び桜舞う戦場に彩色の衝撃を添えんと、討つべき敵へと、紫の視線を向ける。
 蔵に存在する桜姫の絡繰り匣も、かなり古い代物であるようだが。
『次は、何で我を愉しませる? 血や戦か? それとも芸事か?』
 桜舞台で謡うかの様に口を開く猿面武者の顔を、ゆきは真っ直ぐに見つめて。
「この猿面、オブリビオンでなければ古きよき品のような気がします」
 芸事を好む性質や面自体の作りから、ふとそう思うも。
「芸事は敵に見せるものではないですね。私は純粋に死合いさせていただきます」
 私には戦う事しかないから――紡いだ言の葉と同時に桜花弁の中、舞い踊らせるは月照丸。
 猿面武者の声に……芸か、と。
 ひとつ、そう呟いたアルトリウスは。
「ああ、俺のやっていることは概ね大道芸かもしれんな」
 淡青の輝きを纏い、散る桜花弁にまた違った彩を重ねれば。
 そのいろは刹那、無数の魔弾と成り、猿面武者を包囲し転移する。
 同時に、微かに動く、ゆきの細くしなやかな十指。
「月照丸、いきましょう」
 そしてさらに、勢い良く地を蹴り、花弁を再び舞い上がらせながら一気に猿面武者との距離を縮めたのは、朔。
「鉤爪を構える時間なんて、作らせません」
『!』
 軽くフェイントを入れながらも、握る無銘の大太刀を振るい、素早い動きで斬ってかかる。
 猿面武者はすかさずその鋭利な爪でその豪快な斬撃を受け止めて。逆手の爪を、朔へと目掛け、振り下ろすも。
 それを躱し、全力を込めた大太刀の一撃をさらに返す朔。
 猿面武者はその面の通り、猿の様に身軽に桜色の天へと跳躍し、反撃の一閃から逃れて。
『望むのは、死合いか』
 桜色の花筵の上へとふわり着地する。
 だが……その春の訪れを告げていた彩が一変、青き虚空へと様相を変えれば。
「――飲まれろ」
『く、ぅっ!』
 猿面武者目掛け四方八方から降り注ぐ、無数の淡青の魔弾。
 それを弾かんと舞う様に両の鉤爪を空へと躍らせるも、被弾は免れない。
「種明かしはしないが見世物には十分な見栄えだろう」
 青の色に飛沫く赤のいろ。
 だが、大きく爪を振るう猿面武者は、何とかその被弾を最小限に留めて。
 反撃に転じるべく、鋭き鉤爪を今度は眼前のシェーラへと振り下ろさんとするも。
「芸能であれば何でもいいとは、随分と雑食だなぁ」
 ――押し通せるか?
 敵の攻撃を確りと見据えながら展開するは、『彩色銃技・歩法・双宿双飛』――桜舞う空へと大きく地を蹴る。
 それはまるで、舞踊の如き足運び。
 踊るように空を舞いながら、精霊に奉納し力を借りる……これも、彩色銃技のひとつ。
 だが、まだ舞踏と共に銃弾に精霊の力を宿すまでには至っていないシェーラであるけれども。
 春の色めきを漂わせる空を蹴り、桜吹雪と共に舞いながら。
「踊るように避けるぐらいはできるぞ」
 鋭利な鉤爪から逃れると、桜色の天から狙いを定め、四丁の銃の引き金を次々と引く。
 そんな銃弾の雨を避けんと身を翻した猿面武者が次に目にするのは、葬送の舞。
「桜の花に見送られる事すら、あなたには勿体ない」
 さらり流れるようにゆきが黒髪を踊らせた刹那、猿面武者へと、強烈な衝撃波が放たれれば。
 ――そろそろかえるべき場所に戻して差し上げます。
 月照丸を伴い、桜色の花筵の舞台で、ゆきはくるりともう一舞。
 無粋な輩を直ぐにでも躯の海へと還して……桜の花を、ゆっくり見たいから。
 そして繰り出された衝撃波や弾丸に、微かに揺らいだ敵のその隙を見逃さず。
「朱に染まりて狒狒はなくすか 花の雅もその香も」
 そう詠うのは、朔。
 そして、ぴくりと一瞬興味を示し、反応した猿面武者へと。
「言葉遊びも桜舞うこの場所も粋だけど、血生臭いのは無粋じゃない?」
 無銘ながらも鋭い切れ味を誇る美しい大太刀を全力で振るい、見舞うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

日隠・オク
サクラコさん(f09974)と参加です

敵が鉤爪を構えてる間は攻撃は避けたいです

ライオンに乗り当たらずに近づき、攻撃を仕掛けること
敵の動きをよく見て戦います

演芸、見せられればよかったのですが、この場所でなにか素敵なものを見せられる気がしなくて
戦闘に集中します。
敵が強敵だとしても、一撃でもくらわせます


絡繰り箱、姫の心なら開けないほうがいいのかな、とも思いますが、正直中身はちょっと気になります。
それに、いつまでも心が蔵の中に取り残されているというのもかわいそうですよね。
心を開かなかった姫の鍵、絡繰り箱の中とか、中心とか、箱自体にくっついてはいないでしょうか。
鍵を探してみます。


鏡彌・サクラコ
【オクちゃんf10977と一緒】
なかなか強者オーラを放つ敵ですねい
真剣に対応しましょう

和歌の一つも詠んでみようと思いつきはしましたが
過去の作品は覚えていても、自身で詠むのは難しいものですねい
そういう訳で戦闘に集中いたします

お調子者に付き合ってやる道理はないでいす!(雅が足りない)

UC展開
オクちゃんを乗せて高速で敵の周囲を動きます
その構え、見切ったでいす!
敵の鉤爪の攻撃を敢えて誘い、その隙を狙って反撃します
攻撃はオクちゃんに任せました!

桜色の花筵
この舞台でサクラコが勝つのは必定ですねい

姫の心が蔵の中にあるのならば。鍵は姫の肖像画に隠されているはず
たぶん心臓の辺りに
額縁の裏を開けて探してみます



 無数に湧いて出た有象無象の模造刀が消え失せて。
 その喧噪もすっかり消えた今――桜の舞台に現れたのは、赤ら顔の猿。
 猿面をつけた武者は、強敵な武人でもあり、また言葉や音楽を好む風流者であるのだという。
 だが……いくら風流を気取っていても。
 相手は、躯の海から来たるオブリビオン。
『もっともっと、我を愉しませろ! 戦場に舞い、刃を交わし合い、斬り合い、言の葉を紡ぎ合おうぞ!』
 面の下の妖しい瞳をギラつかせる、猿面の武者。
「なかなか強者オーラを放つ敵ですねい」
 その隙のない様は、見るだけで手練れであることがわかるが。
 真剣に対応しましょう、と。
 そう戦闘に臨むサクラコの声に、オクもこくりと頷く。
 言葉や歌や演奏等に強い執着を持つというオブリビオン。
 そんな敵を緑色の瞳で見遣りながら。
「演芸、見せられればよかったのですが」
 ふと、そう零すオク。
 だが、桜舞うこの場所でなにか素敵なものを見せられる気がしなくて、と続けて。
 芸事が披露できないならばと、戦闘に集中するべく、シンプルな諸刃の短剣を構えれば。
 今度はサクラコが、オクの言葉に同意するように頷いて。
「和歌の一つも詠んでみようと思いつきはしましたが、過去の作品は覚えていても、自身で詠むのは難しいものですねい」
 やはり、オクと同じく。
「そういう訳で戦闘に集中いたします。お調子者に付き合ってやる道理はないでいす!」
 敵の趣味趣向になど付き合っていられないと、桜舞う戦場に、再び黄金のライオンを召喚する。
 いえ、決して雅が足りない……なんてことは、あるような、ないような。
 でも、気を取り直して!
「いくでいす、オクちゃん!」
「はい!」
 刹那、ふたりを乗せた黄金のライオンが桜色の地面を大きく蹴れば。
 ぐるり、猿面武者の隙を伺う様に、縦横無尽に駆け回る。
 強敵の猿面武者に無闇に近づけば、その鋭利な爪を受けてしまうかもしれない。
 二人は獅子の上から、敵の次の動きを確りと見定めて。
 取っていた構えを解き、鋭い鉤爪を振るわんとする猿面武者の一挙一動を逃さぬよう見つめていた、次の瞬間。
「その構え、見切ったでいす!」
 大きく振るわれた爪の鋭撃を黄金のライオンがひらり躱した刹那、敵に生じた隙。
「オクちゃん、任せました!」
「はい、いきます!」
 ――敵が強敵だとしても、一撃でもくらわせます、と。
 素早い動きから放たれたナイフの一撃が、猿面武者へと目掛け、閃く。
『ぐ……っ!』
 そしてライオンの上へと、再びオクを迎えながら。
 桜吹雪の中、赤き血を飛沫かせる敵を、油断せずに見据えながらも。
 サクラコは隣のオクを映した金色の瞳を細め、笑む。
 ――桜色の花筵、この舞台でサクラコが勝つのは必定ですねい、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ペイン・フィン
【ヤド箱】で参加

さて、
かなりの強敵と、見たよ。
……これは、補助に回った方が、良さそう、かな?

歌とか、そういうのは、学がないけど、
ひとまず、やるだけやってみようか……。
……でも、恥ずかしいなぁ……。

『春はまだ
  焦がれ重ねる
   サクラソウ』

戦闘中、隙を見てコードを使用。
1つは毒湯”煉獄夜叉”。目と炎を封じようと周囲に撒く。
1つはナイフ”インモラル”。喉と両腕を封じようと狙う。
1つは猫鞭”キャット・バロニス”。耳と亡霊を狙ってなぎ払う。

……さて、どこまで通用したかは分からないけど、
これなら、どうかな……?


ステラ・アルゲン
【ヤド箱】で参加

美しき桜が舞い散る中で戦闘とは実に雅なものだな
さてお前は斬り合いと芸事を好むか
ならば我が主より受け継ぎしこの剣術による剣舞にてお相手しよう!

【戦闘知識】から主の姿を思い描きその動きをなぞるように
剣の先から腕や足まで。あらゆる神経を研ぎ澄まし踊りの【礼儀作法】と【祈り】を込めた剣舞
敵の炎を鎮めるように剣身に水【属性攻撃】を纏わせ【武器受け】にて【なぎ払い】
水と舞い散る桜さえ舞の美しさを高める演出とし【誘惑】に近い形で魅了する

さぁこの輝ける星の剣を受けきれるか?

優雅に舞うが次に放つは強烈な一閃だ


雛月・朔
【ヤド箱】
主武器:薙刀、WIZ

●心情
これだけ綺麗な場所なら詩のひとつやふたつ生まれそうですね、猿の詩も聞いてみたいくらいです。

●行動
私とペインさんとステラさんで芸能により猿の気を引いて隙が出来たところに一斉に攻撃する作戦。
『亡き姫に、問うこと叶わぬ、桜夢』
『散る花が、抱く思いは、空を越え、我等誘いし、桜花の縁』
隙が出来たら全力のUC『巫覡載霊の舞』を猿に叩き込みます。
猿のUCから亡霊が出る可能性がありますがまとめて斬ります。

●鍵
石倉にお姫様が使っていた衣装部屋がそのまま…お姫様が石倉に住んでいたようにも受け取れる話ですが…。
箱=石蔵の例えなら扉の周りに鍵がありそうなのでそちらを捜索します。


出水宮・カガリ
【ヤド箱】団長(朔)と、ペインと、ステラと

桜吹雪に、桜姫の石倉
惜しむらくは、カガリはこの雅に釣り合うだけの芸を持っていないという事だな
この扉に免じて、立ち合ってくれまいか、猿面の

【鉄門扉の盾】を【不落の傷跡】【拒絶の隔壁】で強化
他の攻め手を阻むことの無いように、それでも猿面の攻撃を押し返せるよう注意を払おう
念動力で盾を飛ばすこともするぞ

ああ、でも
とどめを前に、亡者がわらわらとするようなら
少しばかり、化生の力、使わせてもらおうか
【化生の魔眼】を発動させた上で、【追想城壁】を

亡都の扉は此処に在り
決して開かぬ黄泉戸の塞と知れ



 ふと一瞬空を仰げば。見上げた紫の彩にも、はらりひらりと映り舞う桜花弁。
 そんな桜色の空に、花弁と共に金の髪を躍らせながらも。
 桜吹雪の景色の奥――桜姫の石蔵へと視線を移すカガリ。
 それは戦場とは思えぬ、雅な春の風景。
 庭に敷かれた花筵は勿論、桜の彩りを宿している。
 そんな一面桜色に染まった舞台に立って。
「桜吹雪に、桜姫の石蔵。惜しむらくは、カガリはこの雅に釣り合うだけの芸を持っていないという事だな」
 ――この扉に免じて、立ち合ってくれまいか、猿面の。
 紫色の瞳が捉えたその姿は、猿面を被った武者。
 風流者であるらしき猿面武者が所望する芸事に関しては、期待に応えられそうにないと思うカガリであるが。
『良き、良き。戦場を舞おうぞ、死合おうぞ!』
 芸事と同時に、血や戦を好むオブリビオン。
 カガリは、己の本体でもある城門の鉄門扉から成した盾を構え、猿面武者を迎え撃つ。
 傷痕に刻み込まれた陥落した城門の無念と、いかなる脅威も遮断するという強い意志を、再びその盾に宿して。
 盾の後ろに脅威は通さぬと、その防御力をより強固にする。
 ペインも桜の戦場に現れた敵を見遣り、先程の有象無象とは強さが違うことを感じ取りながら。
「……これは、補助に回った方が、良さそう、かな?」
 旅団の仲間と連携するべく、己の役割を確認しつつ。
「歌とか、そういうのは、学がないけど、ひとまず、やるだけやってみようか……」
 ……でも、恥ずかしいなぁ……と、どこか照れは隠せないながらも。
 芸事を好む敵の隙を少しでも作るべく、こう一句、詠んでみる。

 ――春はまだ 焦がれ重ねる サクラソウ――。

 それに続くのは、朔。
「これだけ綺麗な場所なら詩のひとつやふたつ生まれそうですね、猿の詩も聞いてみたいくらいです」
 春の訪れを感じる風景をそうくるりと見回した後、口にするのは、やはり桜の句。

 ――亡き姫に、問うこと叶わぬ、桜夢。
 ――散る花が、抱く思いは、空を越え、我等誘いし、桜花の縁。

『ほう、桜や春に関する句か』
 二人の詠んだ句に耳を傾け、一瞬動きが止まる猿面武者。
 そんな敵に生じた隙を決して見逃さずに。
「私たちの句はどうでしたか? お気に召したでしょうか」
「じゃあ……これは、どうかな……?」
『!』
 刹那、ペインが放った、毒湯”煉獄夜叉”とナイフ”インモラル”こそ、猿の如き身のこなしで避けたものの。
 猫鞭”キャット・バロニス”が、詠まれた句に気を取られていた猿面武者の耳を狙い、激しく唸りを上げて。
 くるりと桜花弁と共に舞いながら朔が振るい繰り出すのは、赤き鳳翼のはばたきの如き大きな一薙ぎ。
 気が逸れペインの猫鞭で揺らいだ敵へと、己の数秒間の命を代償に強烈な衝撃波を叩き込めば。桜色の空を翔け、敵へと迷いなく飛ばされる盾。
 瞬間、振るわれた、猿面武者の鋭利な鉤爪も。
 仲間達の攻め手を阻むことのないよう位置取ったカガリの強固な鉄門扉の盾が確りと受け止め、びくともせず押し返す。
 ――そして。
「美しき桜が舞い散る中で戦闘とは実に雅なものだな」
 そう細められるのは、桜舞う空のような青き瞳。
 ステラは、仲間の攻撃を浴び、一旦距離を取った猿面武者へと視線を映して。
「さて、お前は斬り合いと芸事を好むか」
 スッと抜くは、流星から生まれし魔剣。
「ならば我が主より受け継ぎしこの剣術による剣舞にてお相手しよう!」
 その構えは、まるで――主の姿。
 いや、構えだけではない。剣の先から腕や足まで、ひとつひとつの動き全てにおいて。
 思い描いた主をなぞるように、神経を研ぎ澄まし、桜の舞台で披露される剣舞。
 その無駄のない動きに合わせるかのように舞う花弁もくるり軌道を変え、青き剣の軌道が流星の如く尾を引く。
『ふむ、我も舞おうぞ!』
 刹那、ステラの剣舞の美しさに惹かれてか、猿面武者が戦場に陰火を生めば。
 妖炎鎮める水を纏わせた刃で舞う様に薙ぎ、水と桜の彩りが、洗練された剣舞にさらに華を添えた。
 そして――戦いよりも、すっかり舞うことに夢中になっている猿面武者に。
「さぁ、この輝ける星の剣を受けきれるか?」
 桜花弁を従わせるかのように舞い上がらせ地を蹴った、ステラの斬撃が叩き込まれる。
『……! ぐうっ!』
 優雅ながらも、勢いをつけた強烈な一撃。
 それをモロに受け、思わず大きく身体を揺らすオブリビオンだが。
「!」
 瞬間、戦場に喚ばれし存在は、狐面や狸面を被った武者の亡霊。
 だが……その亡霊たちも、朔の振るう鳳翼の大きな刃やペインの猫鞭”キャット・バロニス”によって、纏めて斬り裂かれ薙ぎ払われて。
 カガリが発動させるは、見たものの自由意志を奪う化生の瞳。
 そして、魔眼に囚われた亡霊武者は、成す術もなく。
 ――亡都の扉は此処に在り、決して開かぬ黄泉戸の塞と知れ。
 城壁の幻影によって、桜の舞台から、跡形なく姿を消していく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

浮世・綾華
黒羽(f10471)と

黒羽くんが頑張ってるって聞いて
おにーさんが助っ人に来ましたよっと

フェイント、誘惑あたりを使いつつ
黒羽の笛の音に合わせるように
巫覡載霊の舞で神霊体になってから舞いを披露する
万が一気が引けなくても攻撃軽減もできるし
攻撃にも入りやすくなるしな
いちおー戦巫女なわけデスヨ
(まあ昔、あの人を喜ばせるために
踊ったりしてたっつーのが一番なんだが)

隙ができればそのまま衝撃波を
それから鉄屑ノ鳥籠に紅を落として
咎力封じも併用、敵を拘束
黒羽が攻撃に集中できるように

タイミングみて俺もやるケドな
月華ノ刃、問いはひとつ
ものは試しだ
――匣の鍵ってどこにあんの?
なあ、言ってみろよ


華折・黒羽
綾華さん(f01194)と
なんとかは遅れて登場、ってやつですか
…別に頼んでないですけど

この人相手にすると何故か対抗心に火が燈る
少し上がった息を隠す様に屠を収め揺へと持ち変えた

「芸事」が見たいなら一つ披露してやる

一呼吸置き篠笛を吹き始め
綾華さんが舞い始めれば見合うだけの演奏を
“あの子”の笑顔が思考を染め穏やかになる胸中が音色に乗る

頃合見計らい音色を「演奏」から「攻撃」へ
獣舞ふ有明で烏影喚び猿面に
綾華さんの攻撃・動きに合わせ
隙を見て再び屠を構え素早く間合いへと

猿なんかが鍵の在処とか知ってるんですか?
と試しに煽ってみようか

使用技能:生命力吸収、第六感、鼓舞、おびき寄せ、カウンター、武器受け、楽器演奏



 激しく血生臭い死合いなど気にする様子もなく、はらりひらり、舞い降り続ける桜花弁。
 その彩りがしんしんと降り積もり、いつしか、淡い花筵が一面に敷かれている。
 そんな早咲き桜が美しい庭に足を踏み入れたのは、浮世・綾華(❂美しき晴天❂・f01194)。
「黒羽くんが頑張ってるって聞いて、おにーさんが助っ人に来ましたよっと」
「なんとかは遅れて登場、ってやつですか」
 ……別に頼んでないですけど、と。
 ふっと少し上がった息を隠す様に、屠を収めた黒羽は、かわりに揺をその手に取って。
 何故か対抗心という火が心に燈る相手からふいっと、一瞬、青の視線を逸らすけれど。
『さぁ、我に何をみせてくれるのか? 血か、それとも芸事か?』
「……「芸事」が見たいなら一つ披露してやる」
 黒羽は一呼吸置いた後、おもむろに、時を刻んだ篠笛を吹き始める。
 対抗心は燈るけれども……ひらり、神霊体と成り披露される綾華の舞いに見合うだけの演奏を、と。
 浮かぶ“あの子”の笑顔が思考を染めあげ、黒羽の脳裏に咲けば。
 響く鈴声の如き音色は想いと呼応し、凪いだ海の様に、穏やかないろを仄かに纏う。
 その笛の音に合わせ、舞い上がる桜花弁をともなうように、軽やかに舞いながら。
 いちおー戦巫女なわけデスヨ、と。綾華はそう、赤の瞳を細めるけれど。
(「まあ昔、あの人を喜ばせるために、踊ったりしてたっつーのが一番なんだが」)
 春めいた色を宿す花筵の舞台で、桜花弁とともに舞い遊戯ぶ。
 でも……舞を鑑賞する今回の客は、決して喜ばせたい人ではない。
『……良き、良き。もっと舞おうぞ、踊ろうぞ』
 赤ら顔の猿面をかぶった、上機嫌な武者。
 いつまでもオブリビオンを喜ばせる義理など、ないから。

 ――舞えや踊れや、獣達。有明の下に身を照らせ。
 ――吹かば其の音は、友への語らい。

 穏やかで美しい音色が、桜の戦場に烏影を喚べば。
 くるりひらり、舞いながらも放たれる、薙ぐような衝撃波。
『な……くっ!!』
 笛の音と舞いに感け、すっかり気を緩めていた猿面武者は、迫る衝撃への反応が一瞬遅れて。
 何とか繰り出された攻撃を躱したものの、大きくその体勢を崩す。
 だがそんな猿を、決して逃したりはしない。
 『鉄屑ノ鳥籠』に紅が落ちれば、散る花弁の彩は白。可憐に踊るように、猿を捉えんとその牙を剥くと同時に。
「――匣の鍵ってどこにあんの?」
 ……なあ、言ってみろよ、と。
 月華ノ刃を展開し、花弁の刃舞わせる綾華が投げかけた問いは……桜姫が遺した匣の謎。
 そして、桜降り積もる舞台を踊るように蹴り、敵との間合いを一気に詰めながら。
「猿なんかが鍵の在処とか知ってるんですか?」
 黒に閃く屠を振るい、綾華に続いて、そう煽ってみる黒羽。
 そんな二人の言葉に、ぴくりと猿面武者は反応を示して。
『……鍵の在り処……鍵……我が、知りたき事……鍵は……』
 鉤爪を構えつつ、そう――どこか未練のいろを滲ませた声色で。
 問いに答えるというよりも、それは譫言のように。
 猿面武者は繰り返し、紡ぐのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アルノルト・クラヴリー
仲間が芸振る舞う内は見守り楽しむ心でいるが、
生憎と俺はこの風情に見合う芸を持ち合わせていない
せいぜい武芸の類だ
一度刃が躍るものなら、喜び勇んで振る舞おう

基本は竜騎士の槍、竜槍状態での立ち回り
竜槍解除時はvif(バスタードソード)で

炎は槍の取り回しで相殺しながら、
耐性生かして前へ、懐へ飛び込もう
【蒼の息吹】で打ち払うのも良いな
フィー、お前の炎も披露してやれ

鉤爪構える手には【白の息吹】
それほどに爪を誇示したいなら手伝おう

瀕死の折にもまだ振る舞う力があるか
だが同じ手繰り返すだけなら対策もまた同じことだ
強い手合いとの戦いは望む所。…だが長く付き合う気も無い
すまんな、今日はこのあと夜桜の花見と決めている


緋薙・冬香
血と戦いはノーサンキューだけど
強者と芸事が好みっていうのは良いポイントね
「それじゃあ、私の舞踏をお見せするわ」
その目に刻んで、そしてやられてちょうだい?

スカイダンサーの本領発揮ね
スカイステッパーで飛びながら
パフォーマンスや残像を混じえて
敵の目を誘惑する空の舞踏をお見せしましょう!

隙を見つけたら空中から仕掛けるわよ!
飛び蹴り急降下…と見せかけてだまし討ち
死角に回ってフェアトラークの光の刃で斬り裂いてあげる
「私の早業、いかが?」
冬の香りがもたらす舞踏、堪能いただけたなら幸い
帰る前の土産に持っていくといいわ!(蹴り技で攻撃しながら)


アオイ・フジミヤ
届くかな、私の”オト”

【WIZ】
猿さんのUCを無効にするために注意を逸らそう
一瞬でも動きを止めることができたら、高速詠唱でkuuを唱える
猿さん、私の歌を聴いてください

故郷の唄”さくらびと”
暖かい南の国では決して咲かない”桜”に焦がれた唄
見たことのない薄い紅の花弁が雪のように降り注ぐ姿に想いを馳せる
片恋を、夢を唄うような儚い唄

祈るように響く声で丁寧に歌う
馥郁たる柔らかな声

かつて故郷で海の巫女として神事に歌うことが多かった
過去は鬱々たるものだったけれど、音楽は救いだったから

心の箱か
心を、こじ開けたくなんかないなぁ
そのままにしよう
ふふ、桜姫様の心なら、桜姫様の肖像画に隠されていたりして



 ――ふわり、ひらり。春の様相を見せ始めた空から舞い降る色は、優しく淡く。
 静かに積もり敷かれた花筵はいつの間にか、一面の桜の彩り。
 沢山の花に囲まれ、無数に咲くいろを、これまでいっぱい見てきたけれど。
 こんなにも……見たことのない花にずっと心惹かれていた理由が、わかったような気がする。
 でも――そんな美しい景色に似合わぬ、禍々しき存在。
『さぁ、次は何で我を愉しませてくれる? 芸か、それとも血湧きたつ戦か』
 鋭い鉤爪を閃かせ、妖しい瞳を細める猿面武者。
 そんな猿面武者へと声を投げるのは、いつもの様にマリモを肩に乗せたアオイ。
「猿さん、私の歌を聴いてください」
 そしてアオイが桜の舞台で披露するのは――故郷の唄、”さくらびと”。
 ……それはまるで、片恋。
 暖かい南の国では決して咲かない”桜”に恋焦がれ、夢を唄うような、儚い唄。
 見たことのない薄い紅の花弁がはらり、雪のように降り注ぐ姿に、想いを馳せた旋律。
 そう……今まさに眼前に広がる、この景色の様に。
『……ほう、これは美しい』
 猿面武者すら、そう感嘆を零すような。
 祈るように、丁寧に歌い上げるのは――舞い降る桜のように柔らかく。
 そして、ふわりとよい香りさえも感じさせるような、優しい声。
 かつては故郷で海の巫女として、神事に歌うことが多かったアオイだけれど。
 鬱々たる過去に彩りを添え、救ってくれたのは……音楽だったから。
 そんな、柔らかな歌声が響く桜色の戦場で。
「血と戦いはノーサンキューだけど、強者と芸事が好みっていうのは良いポイントね」
 すっかり歌に聴き入っている猿面武者を見据えつつ、大人びた綺麗な笑みを宿した冬香は。
「それじゃあ、私の舞踏をお見せするわ」
 スカイダンサーの本領発揮!
 大きく地を蹴り、積もる花弁を大きく舞い上がらせて。
 桜吹雪舞う空をも蹴り、生み出した残像とともに、くるり華麗にそして艶やかに、春の彩溢れる宙を舞う。
 それは敵の目さえも誘惑するような、空の舞踏。
『桜を焦がれる唄に、空を舞う舞踏か。なかなか良い』
 勿論、猿面武者もご機嫌の様子。
 だが――次の瞬間。
「それは光栄だわ。じゃあ……私の舞踏、その目に刻んで、そしてやられてちょうだい?」
 刹那、桜舞う空から放たれるのは、飛び蹴りの急降下……かと思われたが。
『何っ!?』
 桜の花筵に着地した瞬間、冬香は一気に敵との距離を詰めて。
 死角に回り瞬時に振るうのは、掲げた指輪から成された、『契約』の名を持つ光の刃。
 その赤き意志の斬撃が、猿面武者の腕から、刃の閃きと同じ色の鮮血の華を飛沫かせれば。
『く、うっ!』
「私の早業、いかが?」
 冬の香りがもたらす舞踏、堪能いただけたなら幸い――そう艶やかに、冬香はもう一度笑むけれど。
 オブリビオンは、躯の海に返さなけれいけない存在だから。
「帰る前の土産に持っていくといいわ!」
 再び花筵の薄紅を大きく空へと舞わせ、文字通り、踊る様に蹴りを繰り出した。
 そんな仲間達の歌を訊き、空翔ける舞踏を、楽しむ心で見守っているのはアルノルト。
 本人曰く、この風情に見合う芸は持ち合わせていないというが。
 言葉遊びや歌ではないけれど――披露できる芸といえば、武芸の類。
 一度刃が躍るものなら、喜び勇んで振る舞おう、と。
 握る青き竜槍に向けた緑色の瞳を一度、柔く細めてから。
 頼り甲斐ある幼き相棒を携え、桜の花筵敷かれた舞台へと、アルノルトも躍り出る。
『くっ!』
 刹那、戦場に灯るのは、数多の妖しき陰の炎。
 だが芸事にうつつを抜かしている猿の放つ陰火など、躱すのに造作もない。
 吹き抜ける春風に身を任せるかの様に、靡くロングコートの裾をバサリと翻し、旋回させた竜槍で炎を消し飛ばして。
 くるり廻る竜槍の動きに合わせ、桜花弁が天へと舞い遊ぶ中――躊躇なくアルノルトが飛び込むは、敵の懐。
 そしてふっと、青き槍を桜色の空へと解放してやれば。
「フィー、お前の炎も披露してやれ」
 その声に応える様に一回転、天に遊んだ幼竜の口から漏れる焔のいろは、激しく燃ゆる蒼。
 そしてその蒼き息吹が、陰火を纏めて打ち払うと同時に。
 アルノルトが猿へと見舞うのは、鮮やかな光纏うバスタードソードの一閃。
『ちいっ!』
 猿面武者は紙一重でその刃を鉤爪で受け止め、すかさず逆手の爪で鋭撃を返すも。
 放たれた鉤爪の一撃は、確りと、春光に煌めく剣で受け止められる。
 強い手合いとの戦いは望む所――そう、言いたいところだが。
「すまんな、今日はこのあと夜桜の花見と決めている」
 アルノルトは、受け止めた猿の爪を振り払うと同時に。
 ――長く付き合う気は無い。
 そう言わんばかりの容赦なき閃きを再び放ち、妖竜舞う桜色の空に、赤き血の花を鮮やかに咲かせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リル・ルリ
■ フレズローゼ(f01174)と一緒
アドリブ歓迎

「嗚呼、やってみよう。フレズと僕の舞台だ。全力で、歌うよ」
そうだね、魅せてあげよう
フレズを優しく撫でて微笑み
可愛い妹みたいなキミの、素晴らしい絵画をいかせるように
フレズの絵の世界に、僕が歌を添えるから

歌うのは――「恋の歌」

恋に憧れ恋を知って、惑い焦がれるようにもがいて――自覚した
熱くて苦しくて心地よい、恋の歌だ
【歌唱】を活かして響かせる
至高の歌を聴いていけ
余所見なんてさせないからな

溺れるように焼き尽くす
フレズの描いた物語にのせて
そう、僕は人魚姫
泡になるその前に、全てを焼いてしまおうか

瞳を閉じれば浮かぶ、舞い散る桜
櫻の君の愛しい笑顔
嗚呼、これが―


フレズローゼ・クォレクロニカ
🍓 リルおにいちゃ(f10762)と一緒に!
アドリブ等歓迎

芸事?といえば、リルおにいちゃの歌にボクの絵じゃないか!
ふふん、お猿さんに魅せてあげよう!
ボク達のハーモニーを!

リルおにいちゃの歌を最高に映えさせる舞台を!ボクがアートと全力魔法で描いて作る!
さあさあ、聴いておくれ、見ておくれ
――恋を知った人魚の「恋の歌」
それはかの人魚姫の様に
無垢で、情熱的で献身的で――とてもボクには真似出来ない

海底から陸上へ、ミュージカルのように移り変わる魔法の絵画(グラフィティスプラッシュ)と、リルおにいちゃの熱く焦がれる至高の歌で
キミを骸に送ってあげる

それにしても
リルおにいちゃ…本当に愛しそうに
幸せそうに歌うね



 眼前に広がるのは、ひらり花弁降る桜色の舞台。
 そしてその只中にいるのは――血と戦と、芸事を好むというオブリビオン。
 でも、フレズローゼとリルにとっては、そんな敵の趣向はむしろお誂え向き!
「芸事? といえば、リルおにいちゃの歌にボクの絵じゃないか!」
 そう苺月の瞳を煌めかせるフレズローゼに、リルもすぐに頷いて。
「嗚呼、やってみよう。フレズと僕の舞台だ。全力で、歌うよ」
「ふふん、お猿さんに魅せてあげよう! ボク達のハーモニーを!」
 ぐっと気合を入れる、そんな可愛い妹のようなフレズローゼに、優しく微笑んだリルは。
 そうだね、魅せてあげよう――そう、甘く柔らかな蜂蜜蕩ける苺ミルクの髪をそっと撫でてあげる。
 そんな手の感触に、嬉しそうな笑顔を返した後。
「リルおにいちゃの歌を最高に映えさせる舞台を! ボクがアートと全力魔法で描いて作る!」
 フレズローゼが描く今日のキャンバスは、桜色の春空。
 花弁たちが舞い遊ぶ舞台で、二人が織り成すものがたりの――はじまりはじまり。
「さあさあ、聴いておくれ、見ておくれ――恋を知った人魚の「恋の歌」」
 それは、ある人魚が焦がれた、恋のはなし。
 ――人魚姫の恋のうた、恋し焦がれて泡となれ……嗚呼、このアイで すべてを妬いて、焼いてしまえたら――。
 恋に憧れ、恋を知って。惑い焦がれるようにもがいて――自覚した。
 リルが玲瓏たる美しい歌声で歌い上げるのは、そんな……熱くて苦しくて心地良い、恋の歌。
 そして、海底から陸上へ。切なく、でも情熱的に。
 桜色のキャンバスに描き出されていくのは、ミュージカルのように移り変わる、魔法の絵画。
 それは、かの人魚姫の様に――無垢で、情熱的で献身的で……とてもボクには真似出来ない、と。
 歌声に合わせ、響く旋律を描いていきながら。
 月光ヴェールの尾鰭を揺らし歌う、虹の色彩纏う月下美人を見つめ、そっと思うフレズローゼ。
 そして、リルも。
(「可愛い妹みたいなキミの、素晴らしい絵画をいかせるように。フレズの絵の世界に、僕が歌を添えるから」)
 ――余所見なんてさせないからな。
 そう春色のキャンバスに七彩の歌声を重ね、至高の歌を響かせていく。
 だが……その人魚のうたは、ただ美しいだけではない。
「リルおにいちゃの熱く焦がれる至高の歌で、キミを骸の海に送ってあげる」
 物語を歌う旋律も終盤に差し掛かった刹那……これまで、二人が生み出す歌や絵に聞き見惚れていた、猿面武者の様子が一変する。
『……!!』
 そう、僕は人魚姫――泡になるその前に、全てを焼いてしまおうか。
 まるで、激しい人魚の恋が燃え上がるかのように。敵の身を焦がすのは、リルの放つ灼熱の炎。
 そして、恋のうたものがたりが佳境に入ったその時。
 リルの閉じた瞳に鮮やかに咲くのは――舞い散る桜と、櫻の君の愛しい笑顔。
 嗚呼、これが――そうふいに零れるのは、声にならない想い。
 フレズローゼは歌い紡がれる人魚の恋の行方を想いながらも、そっともう一度、苺月の瞳に煌めく瞳を細めるのだった。
 それにしても、リルおにいちゃ……本当に愛しそうに、幸せそうに歌うね、と。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ルーナ・リェナ
【ほしのたね】のみんなと

嵐の歌を聴きながら、敵の様子をよく観察
思わず聞きほれちゃいそうだけど今はじっと我慢がまん

相手の動きが鈍くなったらリュカと式夜に目配せをしてから散開
目立たないように移動して敵の死角へ
自分の方が目立っていたり、嵐に攻撃が行きそうになったら
見切りで攻撃をよけながら敵を引き付ける
隙をついてソルとイエロで全力で攻撃


鏡島・嵐
判定:【WIZ】
【ほしのたね】の皆と。

おれは別に強くなんかねぇし、戦うのも怖ぇんだけどな。……やるしかねぇか。
それにしても、戦うんと芸とどっちが好きなんだコイツ? 何考えてんのかわっかんねえ……。

《笛吹き男の凱歌》に合わせて〈歌唱〉を使用。歌を歌って猿面の気を逸らせねえか試す。
……昔から、おれが歌うと皆ぽかんとして黙っちまうんだよな。なんでだ?(自分の美声に無自覚)
おれが作った隙を突いた攻撃はリュカやルーナ、式夜がやってくれると信じる。
芸を披露してるこっちを優先的に攻撃するとは考えにくいけど、もし攻撃されるなら〈見切り〉を併用して防御に努めるぞ。


リュカ・エンキアンサス
【ほしのたね】のみんなで。
芸事はね…みっちり教えられてセンスないってさじを投げられたから
銃なら外さないのにな…

とにかく嵐お兄さんが歌うなら、その間にルーナお姉さんと目配せをして目立たないように移動する
相変わらずいい声してるな、と思いながらも油断はしない
敵が隙を見せたら、もしくは二人が危険に陥るようであったら発砲しそのまま戦闘に移る
ルーナお姉さんが敵をひきつけてくれるようなら、その隙に飛び込んで、ナイフを抜いて接近戦を仕掛けよう
…あの爪をこれ(ナイフ)で受けるのは結構骨が折れそうだけど
やれるところまでやってみよう
芸事なんかでは頼りきりになってしまうから、
戦闘では俺がみんなのことしっかり守らないと


両角・式夜
【ほしのたね】の皆と

「やあやあ我こそは地より産まれし偉大なる竜である!!」
嵐殿の歌が途切れる、または敵が攻撃に移ろうとしたら大見得をきってやろう
文武両道とは、なかなか見所のある相手ではないか!
どうだ、嵐殿の声は素晴らしかっただろう?わしもそう思う!

ルーナ殿とリュカ殿が動き易いよう、矢面にはわしが立とう。攻撃は最大の防御なり、だ。雷刃衝を何度でも叩き付けてやる!
【戦闘知識】と【第六感】で致命傷になりそうな攻撃は出来るだけ被害を抑え、相手の【不言】を誘発させられればな、と
【不聞】を使用されたら全員が抑え込まれ無いように、何体か引き受けるなどして注意しよう



 桜花弁が舞い振り積もる、花筵の舞台。
 もしも芸事に才があるのならば。この桜色の舞台で披露すれば、さぞ風流であっただろうが。
(「芸事はね……みっちり教えられてセンスないってさじを投げられたから」)
 銃なら外さないのにな……そうそっと、小さくリュカは息を吐くも。
 自分でなくとも、芸事に長けている者はいるから。
「……やるしかねぇか」
 そう聞こえた声に、青の瞳を向ける。
 その視線の先には、嵐の姿。
(「おれは別に強くなんかねぇし、戦うのも怖ぇんだけどな」)
 だが、先程零した呟きに偽りはない。
 ぐっと震える手を握りしめ、嵐は眼前に広がる桜色の戦場を見据えて。
『どうした、何か芸事をみせてみろ。そして斬り合い、死合おうぞ!』
「それにしても、戦うんと芸とどっちが好きなんだコイツ?」
 何考えてんのかわっかんねえ……と。
 赤ら顔の猿の思考が理解できず、首をひとつ傾げた。
 だがそれも仕方あるまい、相手はオブリビオンである。
 改めて、嵐は気を取り直して。
「魔笛の導き、鼠の行軍、それは常闇への巡礼なり。……耳を塞ぐなよ?」
 刹那、桜花弁とともに戦場に踊るのは――思わず聴き入ってしまうほどの、美しい旋律。
 道化師の演奏に合わせ披露される、嵐の歌声。
『ほうほう……これは、これは』
 桜舞う戦場に響き渡る美しい歌声に、つい耳を傾け、暫し動きを止める猿面武者。
 だが、当の嵐は。
(「……昔から、おれが歌うと皆ぽかんとして黙っちまうんだよな。なんでだ?」)
 歌に聴き入り、動きを止めた猿面武者の様子に、歌い続けながらもふと首を傾けている。
 そう……嵐自身、自分の美声に無自覚なのである。
 本人は自分の美声に気付いていないようであるが。
 その歌声は、猿面武者の動きを止めるだけでなく、共に赴いた仲間達の戦闘力をも高めて。
 ただひたすらに、歌うことに専念する嵐。作った隙を突いた攻撃は共に赴いた皆がやってくれると、信じているから。
(「思わず聞きほれちゃいそうだけど、今はじっと我慢がまん」)
 心地良く響く美声を耳にしつつ。ルーナは敵の様子を窺うように、ラズベリーのような瞳で猿面武者を見遣って。
 相変わらずいい声してるな、と。改めてリュカも思うも、決して油断はしない。
 猿面武者が嵐の歌に完全に気を取られている中、桜の花霞に紛れるかのように。
 互いに視線を合わせ、目配せしたルーナとリュカは散開し、それぞれが敵の死角へと目立たぬよう位置取らんとすれば。
「やあやあ我こそは地より産まれし偉大なる竜である!!」
 逆に敵の気を引くかのように、声高らかに大見得を切るのは、両角・式夜(銀錫赤竜・f01415)。
 式夜は赤い着流しの袖をひらり、桜の風景に舞わせながら、敵前へと躍り出て。
「どうだ、嵐殿の声は素晴らしいだろう? わしもそう思う!」
 紅い刀身の重い刀に、白光するほど強き雷を纏わせた刹那。
 攻撃は最大の防御なり――ぶん回すように豪快に、眼前の猿へと雷刃の一撃を叩きつける。
『くぅっ!』
 歌に聴き入っていた猿面武者は躱すことを諦め、その重い一撃を何とか鉤爪で受け止めるも。
 刹那、猿目掛け牙を剥くのは、凍竜と赤に燃えるドラゴン。
 桜花弁の間隙を縫い解き放たれたドラゴンたちが、敵を喰らわんと唸りを上げれば。
 薄紅のいろを舞い上がらせながら地を蹴って。隙が生じた敵の懐に入ったリュカの握る『散梅』の閃きが、猿を狩らんと振るわれる。
 それを、まさに猿の如き身のこなしで躱した武者は、反撃と言わんばかりに大きく鋭利な爪を見舞わんと振り翳すも。
(「……あの爪をこれで受けるのは結構骨が折れそうだけど」)
 やれるところまでやってみよう……そう敵を見据え、ナイフを構えた瞬間。
「何度でも叩き付けてやる!」
 再び美しい歌声満ちる戦場にはしるのは、式夜の振るう『都祁愚姉香』の雷閃。
 その閃きが鉤爪を弾き、ソルとイエロの牙が再び猿へと襲い掛かって。まだ歌の余韻から抜け出せぬ様子の敵の体勢を崩した刹那。
 ――俺がみんなのことしっかり守らないと。
 青星の如き輝きを灯した瞳で、確りと狙い定めて。
『う、ぐぅっ!!』
 よく研がれたリュカのナイフの鋭撃が、歌声響く桜色の戦場に、鮮やかに飛沫く赤の花弁を舞わせたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

戒道・蔵乃祐
月夜さん(f01605)と参加しています

雪融けの
流れが響く
せせらぎの
音色が誘う
渓流釣り

春の訪れ、貴方の心中が映す情景は如何に?


問い掛けで月夜さんへの警戒を逸らします

戦闘中に余計な考え事とは命知らずな方ですね。でもそれが貴方に備わった性分なら。仕方無いかもしれないかな

貴方もオブリビオンである以前に、何かしらの謂われがあるヤドリガミなのかもしれませんから


🔴真の姿を解放。神降ろしでヴィシュヌ神の権能を借り受けた破魔の力を発揮

クイックドロウ、早業で『毘紐天動輪』を投擲。念動力で軌道制御。なぎ払いの範囲攻撃により不聞の亡霊武者を一掃

返す刀の2回攻撃で、猿面武者本体を属性付きの鎧無視攻撃で切断します


月夜・玲
【戒道・蔵乃祐 f09466】
戒道さんと同行

絡繰り匣も気になるけど…まずは目の前の敵だね
ガチンコ勝負と行こうじゃないか!
…決して芸事が苦手な訳じゃないからね
いや、得意でも無いんだけどさ…

●戦闘
武装をパージし《RE》IncarnationとBlue Birdの二刀流で継続戦闘
【高速演算】を使用
距離を取り『2回攻撃』を活用しながら衝撃波で攻撃
『第六感』で敵の攻撃行動を警戒しながら回避行動に努めるよ
回避しきれない時は手持ちの武器と『オーラ防御』でガード!


●絡繰り匣
蔵に寄って謎解きの見物
だって気になるじゃん
で、心…心かあ…
鏡台とか怪しいけど、真っ先に調べてそうだし…
中身は案外空っぽだったりしてね?



 一面、桜色の花筵が敷かれた、その庭の最奥。
 桜花弁に飾られながら、ただ静かに。だが、堂々と座するのは……立派な石蔵。
 この中に、噂の『桜姫の絡繰り匣』があるのだという。
 だが――その蔵へ行くのを阻むかのように。
 立ち塞がるは、猿面のオブリビオン。
「絡繰り匣も気になるけど……まずは目の前の敵だね」
 ――ガチンコ勝負と行こうじゃないか!
 玲は桜舞う天に、一房の青流れる黒髪をふわり靡かせながら、武装をパージして。
 UDCの力の限定的な再現を目指したという四振りの模造神器のうち、引き続き『《RE》Incarnation』と『Blue Bird』の二振りを構える。
 そんな戦闘態勢に入った玲に、妖しく光る瞳を向ける猿面の武者。
『芸事ではなく、死合いを望むか?』
「……決して芸事が苦手な訳じゃないからね」
 いや、得意でも無いんだけどさ……と。ちょっぴり苦笑する玲。
 各世界の技術やサブカルチャーのことならば興味深々、メカのことならば得意分野であるが。
 明らかにそれらは、眼前のオブリビオンのご所望のものではない。
 そんな玲に代わって。

 ――雪融けの 流れが響く せせらぎの 音色が誘う 渓流釣り――。

 そう桜舞う中で詠むのは、蔵乃祐。
『……ほう、今の季節に相応しい句だ』
 言葉に強い興味関心を持っているという猿面武者がそう、蔵乃祐の句に気を取られたその時。
 解放されるは――真の姿。
 その身に降ろし、乗り移らせ借り受けるは、破魔の力有するヴィシュヌ神の権能。
「――法輪駆動。即ちクンダーラヴァルティン」
 刹那、猿面武者に印が向けられたと思ったと同時に。
 猿面武者の身を斬り裂かんと、桜舞う戦場を飛ぶは、円月描くチャクラムの刃。
『! くっ』
 決して逃がさぬと、念動力で軌道制御された『毘紐天動輪』の刃が、詠まれた句に気が向いていた猿面武者の腕に鮮やかな鮮血をはしらせて。
「戦闘中に余計な考え事とは命知らずな方ですね」
 蔵乃祐はそう言葉を投げながらも思う。
 それが備わった性分なら、仕方無いかもしれないかな、と。
「貴方もオブリビオンである以前に、何かしらの謂われがあるヤドリガミなのかもしれませんから」
 だが、猿面武者の素性を知る手立てはないし、猿自身の口からも聞けそうにはないから。
 蔵乃祐は猿の気を玲から逸らすべく、こう問うてみる。
「春の訪れ、貴方の心中が映す情景は如何に?」
 その瞬間――桜色の戦場に現れたのは、狐面や狸面を被った武者の亡霊たち。
「……貴方達も風流とは無縁なのですか」
 風流者どころか、桜にはそぐわない無粋な風景に、蔵乃祐は再び小さく嘆息を吐くも。
「――I.S.T起動。サポートモード、敵行動予測開始」
 その隙に距離を取り、I.S.Tを起動して。
 展開された『高速演算』の衝撃波が、現れたばかりの亡霊を纏めて斬り、そしてもう一閃。
 蔵乃祐も、広範囲を巻き込むほど大きく、災魔の邪気を取り込み続けそのものに成り果てたといわれる魔刃をふるい、亡霊を薙ぎ払っていく。
 ――そして。
『……が、っ!』
 返す刀で一刀、さらに二刀。
 桜散る戦場で、纏う武者鎧ごと猿面武者を切断するべく。強烈な一撃を敵へと見舞ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

五条・巴
七結(f00421)と一緒に

生憎音楽は鑑賞専門でね、芸術も専門分野が違う。
仲間たちの演奏の邪魔にならないよう、花を添えさせてもらおう。

相棒の銃であるエーデルワイスで撃つのはホローポイント弾
被弾するとほら、花が咲くんだ。君の身体に。
美しいだろう?
ああ、君の血の色で鉛も綺麗に輝くね。

仲間の邪魔にならないところへ七結と誘導していくよ。
花を咲かせたくないなら、君も舞ってごらんよ。
僕らが見ててあげる。

七結の花に抱かれた、その美しい姿のままで終わらせてあげよう。
「明けの明星」で手足を突き刺しその場へ縫い付ける
おやすみ、良い夢を


蘭・七結
トモエさんと(f02927)共に
アドリブ等歓迎

芸術は鑑賞専門、ね
あなたが求む芸当は持ち合わせていないけれど
戦も、お好きなのでしょう
満足できるように、散らしてあげる

陰の炎は舞うように見切り
トモエさんと、いざなうようおびき寄せ
まるで鬼ごっこのようで、愉しいわ
あなたに相応しい舞台をあげる
強いお人。さあ、手の鳴る方へ

トモエさんが咲かせる花
血を啜って、咲き誇る花
ああ。芸術的で、とても美しいわ

ねえ、あかいお花は、お好き?
ナユがあなたを仕上げてあげる
美しい〝あか〟をご覧あれ
〝紅恋華〟
牡丹一花で色を添えて
色鮮やかな〝芸術〟のできあがり
愛しき花たちに抱かれて眠りなさい
きっと、共に逝ってくれるでしょう



 一陣の春風が吹き抜けるたびに。ざわり揺れる桜の樹から、はらりひらり、舞い散る花弁。
 それは、まるで春空から降る雪の様で。
 解けぬ薄紅は戦場に降り積もり、ただ静かに、春のいろを敷き詰める。
 そんな絶え間なく降る桜花弁の中。
『我が求むるは、血滾る戦と芸事なり!』
 そう繰り返し声を上げるのは、赤ら顔の猿面武者。
 桜色の花筵が敷かれた舞台で披露する芸事は、より趣き深いものになるだろうが。
 七結と巴にとって、猿が求める芸術は鑑賞専門、芸術でも専門分野が違う。
 ……けれども。
「あなたが求む芸当は持ち合わせていないけれど、戦も、お好きなのでしょう」
 満足できるように、散らしてあげる――桜花弁が儚く散る戦場で、七結は舞う桜色と一緒に、銀の髪をふわり空へ遊ばせて。
 芸事の心得がある仲間達の邪魔にならぬよう、でも、その芸術に花を添える様に。
 巴が構えるのは、その名の通りエーデルワイスの花が彫られた繊細な銃。
 だが、高貴な白花の銃が咲かせるのは、また違ったいろの花。
 刹那、打ち出されたホローポイント弾を鉤爪で弾かんとする猿面武者であったが。
『……っ!』
「被弾するとほら、花が咲くんだ。君の身体に」
 ――美しいだろう?
 そうふっと細めた巴の藍色の瞳に映る彩は、赤。
 全ての銃弾を躱しきることができなかった猿の身体に咲いたのは、鮮やかに飛沫いた血の花。
 高貴な白花から咲いた弾丸は外見だけではなく、敵の内側にも大きな衝撃を与えて。
「ああ、君の血の色で鉛も綺麗に輝くね」
「トモエさんが咲かせる花。血を啜って、咲き誇る花。ああ。芸術的で、とても美しいわ」
 そう飛び散り咲いた色にふわり笑んで。
 巴と七結は、猿面武者を誘うかの如く。
 共に桜色の戦場に遊戯ぶように地を蹴り、一度は地に積もった桜花弁を再び天へと舞わせる。
 刹那、戦場に灯された数多の陰の炎のいろも、赤。
「まるで鬼ごっこのようで、愉しいわ」
 決して鬼さんに捕まらぬようにと。ひらり、燃え盛るその間隙を縫うように、炎を舞い躱して。
「あなたに相応しい舞台をあげる、強いお人」
 さあ、手の鳴る方へ――そう猿を導いた先は。
 芸に心得ある仲間の邪魔にならぬような、庭の奥に敷かれた花筵の上。
「花を咲かせたくないなら、君も舞ってごらんよ」
 積もる桜花弁をひらり舞い上がらせていた巴は、誘った新しい舞台で改めて猿面武者と向き合って。
 七結は、猿面の強者に問う――ねえ、あかいお花は、お好き? と。
 春風に吹かれそっと揺れるのは、銀髪飾るあかい牡丹の一花。
 瞬間、桜花弁だけでなく天から降り注ぐのは、『紅恋華』。
『!!』
「ナユがあなたを仕上げてあげる。美しい〝あか〟をご覧あれ」
 血を帯びた、牡丹一花の時雨であった。
 牡丹一花で色を添えれば、鮮やかな〝芸術〟のできあがり。
「七結の花に抱かれた、その美しい姿のままで終わらせてあげよう」
 おやすみ、良い夢を――そう、二度と覚めぬ夢へと敵を誘うは、煌めく『明けの明星』。
 そして巴が射た無数の彗星の如き矢に宿るは、雷の力。
『ぐ……っ!』
「愛しき花たちに抱かれて眠りなさい。きっと、共に逝ってくれるでしょう」
 まるで、稲光の如く。
 放たれ、はしる矢が猿の手足を突き刺し、桜の花筵へと、縫い付ける。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

重松・八雲
【花守】
※共通遵守
アドリブ等歓迎

ほう、芸事とは面白い
ならば存分に盛り上げてしんぜよう
我が奥義を刮目せよ!
今必殺の鰌掬――はい失礼致した!
(然し歴とした民俗芸能、うっかり敵が乗ってきた時は披露をば)

ごほん
一先ず芸事は若人達に一任
儂は合の手を入れ鼓舞や援護しつつ隙窺い、気が逸れた所で蜂の様に刺す
もとい剣刃一閃で鎧砕きや武器落としを

舞手や弾手に触れるは厳禁
盾としても抜かりなく
不見は火炎耐性で凌ぎつつ、吹き飛ばしで掻消したり合体妨害
不言・不聞は常に動作観察し、見切りと武器受けで対処

さて、宴もたけなわじゃが、そろそろお開きと致そうか!

・匣
興味はあれど斯様な爺が暴いては無粋よな
そっと結末を見守るに留めよう


千家・菊里
【花守】
※共通遵守
アドリブ歓迎

(はいはい爺様は良い子にしてましょうね、と生暖かく流し)
またとんだ大嵐が舞い込んで来た事で
芸は兎も角桜に血風等、それこそ無風流というものでしょう

ともあれ貴女が舞うというのなら、お付き合い致しますよ――我らが花の君(諧謔染みた調子で笑い)

即興なれど小町さんに合わせ三味線を
基本は舞う桜を表し穏やかに緩やかに
――そして敵が十分に上機嫌となれば、激しく一転
同時に早業・2回攻撃で七星七縛符放ち、武者・亡霊諸共捕縛

我らの花は鮮烈苛烈
見惚れ過ぎにはご用心

・匣
興味がないといえば嘘になりますが、謎は謎のままというのも一興
つまる所、俺はどう転んでも満足――一目だけ蔵を窺ってから花見へ


花川・小町
【花守】※共通:引き続き桜に被害及ばぬよう注意
アドリブ等歓迎

(八雲爺様には無言でにっこりと笑顔向け)
随分と良い御趣味な真打が出てきたものね
芸だけならば、喜んで乗って差し上げましょう

(それはどうも、と諧謔に軽く返して扇を翳し)
大した事は出来ないけれど、桜と音色に合わせ、舞をひとさしご覧に入れる
風に踊る花弁の様に、時に緩やかに、時に気儘に
攻撃が来るならひらりとかわしつつ、機を窺って
――そうして上手く気が逸れたなら、忽ちに残像と早業で巫覡載霊の舞に転じ一撃

――戦だ血だのなんて御免よ
斯様な宴は仕舞いにしましょう

・匣
心惹かれる噺ではあるけれど、そうね
何となく、触れずにいたい気持ちも大きい

私も見守るだけに


呉羽・伊織
【花守】※共通遵守
アドリブ歓迎

宴会芸にゃ未だ早いわ、そりゃもうちと後に取っときな爺サン!
(こっちまでひでー前座出すトコだった、と肩竦め)

冗談は兎も角、ホント困った真打が出たな
俺芸とかほぼ無縁なんだケド
(言いつつ懐には篠笛が一つ)
…何が何処で役立つか分かんねーモンだな

姐サンの舞に添えるにゃ力不足かもしんねーケド、出来る限り映えるよーに頑張りマスとも

調子は仲間と舞う花に合わせ、緩やかに
奏でながら敵の様子探り、隙生じれば即妖剣解放
早業と高速移動で死角へ回り、武器落としや目潰しを

テメェにゃ贅沢過ぎる、最期の宴は愉しめたかい

・匣
姫君の心、な
好奇心半分、そっとしときたい気持ち半分で、一応見届けに行こーかな


鳳来・澪
【花守】※共通遵守
アドリブ歓迎

出遅れてもうたけど、こっから援護頑張るね…って芸かぁ!
なんやおもろいこと言う相手やね
うちこういう芸なら得意やねんけど…
(扇子で軽くこつんと、八雲じっちゃんにツッコミ入れ)

冗談は置いといて――皆の邪魔せんよう、うちも精一杯努めるわ
小町姐さんとは釣り合わんとは思うけど、対の舞手として、踊る花弁と音色と共に緩やかに舞を
敵の様子を見て、隙を掴んだら皆と合わせて鮮やかに転調――攻勢へ
流れるように巫覡載霊の舞へと移って、破魔の力加えた衝撃波を
これで陰火とか亡霊とか多少なり抑えられるとええんやけど

余興は仕舞
これ以上、姫君の庭を荒らす真似は許さへん

・匣
うちも静かに、見守るだけに



 くるり、ひらりと舞い遊ぶその彩は、春の訪れを告げる淡紅。
 舞い降るその彩は庭一面に積もる花筵に。空を仰げばそこには、満開に咲き誇る早咲きの桜が。
 出遅れてもうたけど、こっから援護頑張るね、と。
 そんな桜の庭に咲いた一輪は、白き夏椿。
 そして――駆けつけた鳳来・澪(鳳蝶・f10175)が皆と合流した、その時。
『我が好むのは、血と強者と戦と、そして芸事なり!』
 そう紡ぐのは、風流な桜吹雪の景色には不似合いな、禍々しき存在。
 そんな存在――猿面を付けた武者のオブリビオンが求めるのは、血が湧き踊り斬り結ぶ死合いと、そして言の葉や歌や舞いを愉しむ芸事。
「……って芸かぁ! なんやおもろいこと言う相手やね」
「ほう、芸事とは面白い」
 澪の上げた声に頷き、ずいっとまず前へと出たのは八雲。
 そんな八雲が、桜舞う舞台でいざ披露せんとする芸事とは!
「ならば存分に盛り上げてしんぜよう。我が奥義を刮目せよ! 今必殺の鰌掬――」
「うちこういう芸なら得意やねんけど……」
 ――こつんっ。
 絶妙なタイミングで、じっちゃんに扇子ツッコミを入れる澪。
 ツッこまれた八雲は、はい失礼致した! と、その厳つい見目に笑みを宿すも。
『鰌掬いか、それも滑稽でたまには良き!』
 意外と食いついてきた!? 歴とした民俗芸能ですからね!
 そんな意外と雑食すぎる風流者なオブリビオンに、うっかり必殺の鰌掬いを披露するのも良いのだが。
「宴会芸にゃ未だ早いわ、そりゃもうちと後に取っときな爺サン!」
「はいはい爺様は良い子にしてましょうね」
 こっちまでひでー前座出すトコだった、と肩竦める伊織と。生暖かくさらっと流す、菊里。
 ――そんな愉快な冗談は、兎も角。
「またとんだ大嵐が舞い込んで来た事で。芸は兎も角桜に血風等、それこそ無風流というものでしょう」
「ホント困った真打が出たな」
「皆の邪魔せんよう、うちも精一杯努めるわ」
 見遣る視線の先には――赤ら顔の猿面武者。
 花見で鰌掬いを披露するにも、まずはこの猿面武者を何とかしなくてはいけない。
 そして……ごほん、と咳払いし、芸事は任せたと言う八雲の代わりに。
「随分と良い御趣味な真打が出てきたものね」
 芸だけならば、喜んで乗って差し上げましょう――ひらり、舞うように桜舞う舞台に立ったのは、小町。
「俺、芸とかほぼ無縁なんだケド……何が何処で役立つか分かんねーモンだな」
 姐サンの舞に添えるにゃ力不足かもしんねーケド、出来る限り映えるよーに頑張りマスとも、と。
 伊織がふと懐から取り出し手にしたのは、一本の篠笛。
「貴女が舞うというのなら、お付き合い致しますよ――我らが花の君」
 そう三味線を手にしつつ、諧謔染みた調子で笑む菊里に。
 それはどうも、と小町は軽く返して。パッと花のように開花させ翳すは、扇一面。
「小町姐さんとは釣り合わんとは思うけど……」
 そして、対の舞手として並ぶのは、澪。
 ゆるり扇を翻し、舞い上がる桜花弁を伴って――いざ、舞をひとさし。
 春風に乗って舞い踊る、薄紅色の花弁の様に。
 時に緩やかに、時に気儘に……そんな小町の舞に合わせ響く、三味線と笛の音。
 澪も、小町と桜花弁と音色と共に、桜色の舞台に舞う。
 穏やかに緩やかに――満開に咲き綻ぶ桜の下流れるは、優雅で趣き溢れたひととき。
 そんな若人達の見事な芸に合の手を入れる八雲は、ふと視線を映して。
『良き、良き! もっともっと、舞おうぞ!』
 皆の舞を愉快そうに鑑賞しながらも、すっかり上機嫌な様子である猿を見遣れば。
 桜吹雪に彩られた舞台で披露されている舞も――いよいよ、山場を迎える。
 緩やかにたおやかに、流れるように舞われていたその演舞が、一変。
「――戦だ血だのなんて御免よ」
「余興は仕舞。これ以上、姫君の庭を荒らす真似は許さへん」
 斯様な宴は仕舞いにしましょう――そう神霊体と成った舞姫たちがくるり舞った刹那、猿に見舞われるは、強烈な衝撃波。
「我らの花は鮮烈苛烈。見惚れ過ぎにはご用心」
 刹那、桜花弁の間隙を縫い舞い飛ぶは、菊里の手から放たれた七星の縛符。
『なっ!?』
 舞の鑑賞にかまけていた猿は、妖しい光を纏う瞳を大きく見開くも。
 時すでに遅し――まんまと七星七縛符に捕らわれ、動きを封じられて。
 狐面や狸面を被った亡霊を戦場に喚ぶも……花の如き舞い手たちの繰り出す破魔の衝撃波が、亡霊どもを次々と吹き飛ばしていく。
 ――そして。
「テメェにゃ贅沢過ぎる、最期の宴は愉しめたかい」
「さて、宴もたけなわじゃが、そろそろお開きと致そうか!」
 疾風の如く死角へと回った伊織の握る、闇に染む風切が音も立てず、その名の通り風を切って。猿の鉤爪を弾き落とし、狙った目へと斬撃を見舞えば。
 ――これで、血が飛沫く無粋な宴もたけなわ。
 八雲から振るわれるは、豪快な濤乱刃。
 狙い定めた蜂の一刺しの如き鋭い一撃が、猿面武者の身を貫き穿つのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

桐崎・早苗
試す価値はありそうにございますね。
【狐火の舞】にて、炎で魅せることはできましょうか。

●舞
狐火を段々と増やしながらゆらりゆらりと。時に桜や雪の散るが如き、時に舞う蝶の如き、時に川のせせらぎや海の波間の如き…。
狐火のゆらぎに合わせ二刀を持ちて演舞の舞いも試みたいとのろ。円の動きを基調とした戦いをするので、その場で剣を振るえば舞のように見えるでしょうか。

【桐紋の治癒符】も使いたく。
これらにて味方への支援としたいところ

・アドリブやアレンジ歓迎です
●戦闘様式
・右に刀、左に短刀の二刀流
・右を前に向けた半身の構え
・基本は片足を軸に円の動きや半歩動くことで避けたり武器で受け流す動き


アルバ・アルフライラ
魔方陣より召喚するは【暴虐たる贋槍】
範囲攻撃にて彼奴の使役する亡霊諸共串刺しにしてくれる
回避されようが息を吐く暇すら与えぬよう
高速詠唱にて次々に魔槍を降り注ぐ
風に舞い上がる花弁も美しかろう
無論、桜には危害を加えぬさ
猛者相手に加減は許されぬ
他の猟兵との連携は惜しまず
隙を突かれぬよう常に警戒

黙して秘する
薄紅の花
誘われるは
誰そ彼か
…以前或る本で目にした伝承
桜の下には死体が埋まっていて
それ故彼の花は美しいのだとか
――さて、埋められるのは誰であろうな?

武者を骸の海へ沈めた後
赴く先は絡繰り匣待つ石蔵
姫の心を開く鍵…はて、何処に在るのだろうな
探せど探せど見つからぬ場所…
…意外と日記等に挟まれているやも知れん


香神乃・饗
剛糸で熱闘
苦無で暗殺
夜桜 猿面に云う さようなら

鍵は匣の中っす
鍵は必ず蔵中にある匣を蔵から出すなと言われた理由っす
匣を壊さない様開き確認

求婚者はこう言えばよかったはずっす
「鍵は匣の中にある
匣が朽ち自然に開く迄待つ
それ迄共に過ごそう
まずはお友達から始めよう」
朽ちる迄過ごせば貴方に恋に結婚に興味を持てるかもしれない
それ迄待って欲しいって事っす
人には限られた時しかないというのにっす
呆れる様なため息

この匣貰えないっすか
オブリビオンに利用されないよう処分するっす
役目は終わったっす
ヤドリガミになれないなら葬るっす
心残りがないよう

蔵中で完全破壊
語りべに証拠写真見せ
お炊き上げをしたと結末を広めて貰い呪いを解く


氷條・雪那
言葉や歌……多少は教わりもしましたが
あまり身に付きませんでしたね
どちらかといえば、私は聴く方が好きだったのでしょう
……今はもう聴けない事を思えば
もう少し、母上から習っておけば良かったと思わなくもありませんが

ですが、私は武士
歌や言葉ではなくこの腕と刀で、勝ってみせましょう

「我が名は氷條・雪那。いざ、推して参る」

【残像】と【見切り】で致命傷となる敵の攻撃は回避しつつ
多少は傷や火傷は負っても構わぬと【覚悟】を決めて敵に接近

避け切れぬ炎は【気合】と【破魔】の力を込めて
氷の【属性攻撃】で一刀両断し無効化

【2回攻撃】によって敵がバランスを崩した隙を突いて
【剣刃一閃】で斬り掛かる


宵鍔・千鶴
相見えた猿面を見遣り
敵前で芸披露とは愉快な話じゃねぇの。自慢できる程の芸事は持たないが、そうだな。
……さしずめ、こいつを使って剣舞なんてどうだ?

【POW】
覚醒により増幅された身体をより軽やかに猫のようにしなやかに猿面の鉤爪の間合いに注意をしながら
大鋏に咲いた薔薇が桜花弁に混じり舞散り踊る
焼却せんとする陰火は断ち切るようにくるくる器用に鋏を回して本体への奇襲が叶うように
……なあ、俺の踊りは愉しんで貰えたか?猿面の、
他の皆や桜を燃やさせない、失くすことは赦さない

匣の鍵は時を経て簡単に壊せて、気になるけれど。
これはアンタの心、なんだろ?姫さん。
ならばそっと閉じたまま。
桜の花弁だけを箱へと置いて



 春風が吹き抜ける庭に、儚く舞い散っては積もる無数の桜花弁。
 この庭に最初に足を踏み入れた時に比べて、敷かれ積もる一面の花筵のいろは、より深く濃くなっている気がする。
 そして桜花弁を空へと再び舞い上がらせながら。
 或る者は、桜の舞台でたおやかに舞い。
 また或る者は、聴く者の心を奪う歌声を披露して。
 笛や三味線などの楽器の音色が響き渡り、詠まれる句や小噺の言葉遊びも。
 そして――躯の海から来たる、招かれざる存在を討つために。
 そう……猟兵たちによって一番数多く披露される芸事は、武芸。
 だが、猿面武者と猟兵たちの桜舞台での戦いも。
 いよいよ――終わりがみえてきたようだ。
『く……死合おうぞ、舞おうぞ……! 我は戦と血と、芸事を、求む!』
 猟兵達の披露する芸事に気を取られ、激しい攻撃を受けてきた猿面武者。
 その上体は大きく揺らぎ、滴る赤が、薄紅の絨毯に濃い色を落としている。
 それでも、オブリビオンは求め続ける。
『我を愉しませろ……死合いや芸事で!』
 予知で聞いた話や、今までの戦いを見れば。
 強敵である猿面武者も、芸事を見せて上機嫌にすれば、大きな隙が生じる。
 そして披露する芸に関しては、そう拘りがないという。
「試す価値はありそうにございますね」
 そう、桜花弁が舞い遊ぶ花筵の舞台に立つのは、早苗。
 早苗が猿面武者へと披露するのは、狐火を喚ぶ舞い。
 一つが二つ……二つが四つ……四つが八つ……狐火の数を徐々に増やしながら、ゆらりゆらりと。
 時には――はらり、ひらり、春の空に舞う桜や雪の散るが如く。
 また時には、訪れた春を歓ぶかように美しき羽を広げ舞う蝶の如く。
 そしてまた、心地良く響き優しく流れる川のせせらぎや、青く深く揺らめく海の波間の如く……。
 金髪の髪を桜色の天へと躍らせ、舞いながら。
 早苗はゆらり、どこか妖艶な狐の炎を生み出し、揺らめかせて。
 さらに、狐火のゆらぎに合わせ、二刀を持ちて。
 披露するは、漣の如き刀と桐崎に伝わる退魔刀を振るう演舞の舞い。
 その剣筋はまるで舞いを舞っているかのように、くるりくるり大きな円を描き、斬撃を放っていく。
 それと同時に飛ぶは、仲間の傷を癒す桐崎の一族に伝わる霊符。
 美しく魅せながらも、味方の支援も忘れない。
「言葉や歌……多少は教わりもしましたが、あまり身に付きませんでしたね」
 桜の舞台に舞う仲間を見ながら、そう呟くのは氷條・雪那(凍刃・f04292)。
 だが、そんな芸事に、興味がなかったというわけではない。
 どちらかといえば、私は聴く方が好きだったのでしょう、と。
 戦場にこれまでいくつも響いていた、様々な色を宿す歌声を雪那は思い返しつつも。
(「……今はもう聴けない事を思えば、もう少し、母上から習っておけば良かったと思わなくもありませんが」)
 ふと青き瞳を一瞬だけ伏せ、蘇る懐かしき旋律に思い馳せるも。
 だが……今の雪那は、戦場に立ち、刀を振るう武士。
 歌や言葉ではなく。武士として、この腕と刀で、勝ってみせましょう――そう、伏せていた瞳を開くと。
 真っ直ぐと、斬るべき敵へと向け、そして桜舞い振る戦場に声を響かせ名乗る。
「我が名は氷條・雪那。いざ、推して参る」
 同じく、猿面をつけた武者を紫の瞳で見遣るのは、千鶴。
「敵前で芸披露とは愉快な話じゃねぇの」
 それから、自慢できる程の芸事は持たないが、そうだな……と。
 暫し思案した後――やはり、披露する芸といえば、これ。
「……さしずめ、こいつを使って剣舞なんてどうだ?」
 刹那、紫を湛えていた瞳の色が、血の如き赤へとその彩を変えて。
 能力が飛躍的に高まり増幅された身体を、より軽やかに、猫のようにしなやかに。
 降り積もった桜花弁を吹雪に変え、空に還すように大きく地を蹴ると、猿面の鉤爪との間合いをはかりながら得物を構える。
 その手に握る大鋏に咲くは、赤き薔薇の花。
 はらりと舞うその真紅のいろが、桜の放つ無数の薄紅と混ざり、儚くも優雅に戦場で踊り戯れて。
『くうっ!!』
 仲間の舞に見惚れ動きの鈍っている猿も、無数の陰火を激しく燃やし生み出すも。
 焦がさんと炎燃え盛る、その前に。
 甘い花を咲かせた『Nemesis』の鋭き刃を、くるくると器用に桜花弁舞う空へと旋回させて。
 禍々しき炎を断ち切る如く打ち消しながら、千鶴はその赤き瞳で、眼前の敵を捉える。
「……なあ、俺の踊りは愉しんで貰えたか? 猿面の」
 他の皆や桜を燃やさせない、失くすことは赦さない――そう、敵へと赤の視線を投げて。
 容赦なく、無粋な猿を、鋭利な二刃で断ち切る。
 そんな赤が渋く戦場に、刹那、描き出される魔方陣。
『く……まだまだ!』
 その言葉とは裏腹に、足元が覚束なくなりながらも。
 猿面のオブリビオンが戦場に喚ぶのは、狐面や狸面をかぶった、亡霊武者達。
 だが、そんな風流の欠片もない有象無象も。
 亡霊諸共串刺しにしてくれる――そうアルバが召喚した、風の属性宿す『暴虐たる贋槍』が。猿面武者と亡霊武者の身を、纏めて刺し貫いて。
 猿の如き身のこなしで、何とかその直撃を免れた猿面武者をも。桜色の天から降り注ぐ魔槍の閃きが、決して逃しはしない。
 だが勿論、突き刺し穿つのは、敵のみ。
 風に舞い上がる花弁も美しかろう……そう青き瞳を細め、戦場をぐるりと見回した後。
 美しく咲き誇る早咲きの桜を見遣り、呟く。
「無論、桜には危害を加えぬさ」
 そして、共に戦場に舞う猟兵たちと連携をはかって。
 満身創痍ではあるが、決して隙をつかれぬよう警戒は怠らず。
 こう、ふとアルバは口にする。
 
 黙して秘する
 薄紅の花
 誘われるは
 誰そ彼か――。

 それは……以前、或る本で目にしたという伝承。
「桜の下には死体が埋まっていて、それ故彼の花は美しいのだとか」
 それから、見事に咲き誇る桜姫の庭の桜を青の瞳で見上げてみる――さて、埋められるのは誰であろうな? と。
『く……ぐうっ、死合おうぞ……舞おう、ぞ!』
 大きく上体を揺らしつつ、まだ鉤爪を構え、戦う意思をみせる猿面武者。
 そんな敵に――夜桜 猿面に云う さようなら、と。
 饗は閃く糸を放ち、握る苦無を容赦なくふるって。
 右に握る刀を前に構え、左には短刀を握る二刀流の剣技で。
 ふるわれた鉤爪を、片足を軸にくるり円を描くように避けた早苗は、舞う様に猿へと斬撃を見舞って。
 今にも崩れ落ちそうな敵へと繰り出されたのは――氷の一閃。
 残像を駆使し、猿面武者の放つ鋭撃を見切った雪那は、戦場に灯る陰火をも恐れずに。
 炎を一刀両断し斬り裂いて踏み出し、一太刀、さらにもう一太刀と、敵へと見舞えば。
 その剣撃に猿面武者が大きくバランスを崩した、絶好の隙を見逃さずに。
「……これで、仕舞いです」
『! う、ぐ……っ!!』
 短くそう言い放ったと同時に――バサリと。
 雪那の放った氷を宿す一閃が、猿面武者の身を容赦なく叩き斬ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『季節の行事』

POW   :    体力が尽きるまで全力で楽しむ

SPD   :    イカサマを辞することなく楽しむ

WIZ   :    効率よく無駄なく全てを楽しむ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


<今後の運営スケジュールのお知らせ>

🌸3/17(日):絡繰り匣の謎に関するリプレイ公開
 (都合により、2章最後ではなく、3章最初に掲載を変更しております)
🌸3/17(日):夜桜灯篭の祭りに関する追加情報掲載
 (まだプレイング受付開始ではありません)
🌸3/18(月)8:30~:第3章プレイング受付開始

※今回はお誘いあわせなどのご相談が早めにできるように、と。
 プレイング送信受付前から、第3章の追加情報を掲載する予定ですが。
 3/18(月)8:30よりも前に送信されたプレイングは、ほぼ確実に一旦返却となります。
 再送は勿論大歓迎ですが、高い確率で一旦返金となりますのでご注意ください!


●桜姫の絡繰り匣
 桜色降る春の風景を、それぞれが舞い、踊り、駆け、翔ける。
 そんな、見事な立ち回りを演じ切った猟兵たちが禍々しき存在を討ち倒した、桜舞う武舞台。
 だが、まるで何事もなかったかの様に……今はまた、ただ深々と静かに。
 風にざわりと揺れ零れ散る花弁が、主無き庭を、積もるそのいろで支配している。
 そして――桜色の花筵が敷かれた、その奥に佇むのは。
 『桜姫の絡繰り匣』があるという、立派な石蔵。
 目的は、庭に現れるオブリビオンを討つこと。それを達すれば、絡繰り匣の噂話は紐解く必要はない。
 現に、赴いた猟兵たちの、絡繰り匣に対する思いは千差万別であった。
 娘のこころがしまわれた匣を、そっとしておきたい。謎は謎のままにしておく方が美しい……等々。
 夜桜の宴に向けて、既に庭を去った猟兵たちも多い中。
 いまだこの場に留まっているのは、桜姫の思いの行く末を見届けんとする者や、その謎を紐解かんとする者たち。
 桜色の花筵を歩き、共に匣の鍵を探すべく石蔵へと向かうのは、レイラと結月。
「曰くがついたまま、呪いと言われたまま、ヤドリガミになるのは本当につらいから、ネ」
 そう言った隣のレイラの姿を、結月はその赤の瞳に映しながら。
(「……わかってる。僕が勝手に、悩んでるだけだ、って」)
 はらり、舞い降ってきた桜花弁をひとひら。そっと掌に乗せつつも、思う。
 ――それでも今は。この呪いだけでも。解いておきたいと思うから……と。
 石蔵に鍵はかかっておらず、中へは容易く入れたが。
 重厚な扉を開いた瞬間、主無き時間の長さを思わせる様な埃っぽさと独特の古き匂いに、思わず咽せ返る。
 そして――謎をしまいこんだ、桜姫の絡繰り匣。
 謎めいた噂話があるにしては拍子抜けなほど、それはあっさりと見つかる。
 後は、石蔵の中にあるというこの匣の鍵が、何処にあるのか。
 ……見るからに古びた匣にかけられた錠前を外すことは簡単であるし、気にはなるけれど。
「これはアンタの心、なんだろ? 姫さん」
 ならばそっと閉じたまま――千鶴はそう、匣の姿を映した紫昏の瞳を細めて。
 そっと添えたのは、姫君のこころを飾るような、桜のひとひら。
「お姫様が使っていた衣装部屋がそのまま……お姫様がここに住んでいたようにも受け取れる話ですが……」
 雛月・朔は、石蔵にある衣裳部屋らしき畳の間や娘の鏡台を見遣りながら、感じる。
 箱は、石蔵の例えではないかと。
 ならばと、探してみるのは、蔵の扉周辺。
 全ての武者たちを骸の海へ沈めた後、アルバも、絡繰り匣待つ石蔵へ。
「姫の心を開く鍵……はて、何処に在るのだろうな」
 そう呟きつつもアルバが向かったのは、沢山の蔵書並ぶ書庫や娘が使用していた鏡台。
「探せど探せど見つからぬ場所……意外と日記等に挟まれているやも知れん」
 探すは、娘のこころが記されているかもしれぬ一冊。
 玲も石蔵に足を踏み入れ、気になる石蔵探索を見物しながらも。
「で、心……心かあ……鏡台とか怪しいけど、真っ先に調べてそうだし……」
 自身も、娘が使っていたと思われる鏡台を調べてみつつ思う。
「中身は案外空っぽだったりしてね?」
 気になるのは、鍵の在り処と――その匣の中身。
「『この匣は私の心』ね」
 絡繰り匣の鍵探し。そんな謎解きに、ちょっぴりわくわくしながらも。
 ヴィオレッタが気になるのは、蔵に置かれている娘の肖像画の、心臓のあたり。
 同じく、娘の肖像画の心臓部分に目をつけたサクラコが、額縁の裏をそっと開けてみるも。
「なかったでいす。肖像画にはありませんでしたね」
 そんなサクラコの声を聞いて。オクはそっと、朽ち気味な桜の匣を手に取ると。
 匣自体に鍵がついていないかとくるくる回してみてみるも……表に見えているところには、鍵はない。
 絡繰り箱、姫の心なら開けないほうがいいのかな、とも、思うのだけれど。
「いつまでも心が蔵の中に取り残されているというのも、かわいそうですよね」
 もうひとつ――気になっている場所を確認するべく。匣の錠前へと、手をかける。
 第六感や失せ物探しの技能を駆使し、春や桜に関係ありそうなものを中心に鍵を探していた太刀緒・朔も、匣の元へとやってきて。
 他の場所には目もくれず、迷うことなく絡繰り匣目指しやってきた饗も、一緒に。
 鍵を外し、匣を開けてみることにする。
 少し力を入れれば、カチリと難なく外れる錠前。
 そして、匣を開けば――。
「鍵は必ず蔵中にある、匣を蔵から出すなと言われた理由っす」
 中に入っていたのは……錠前に合わせてみればぴたりと嵌る、絡繰り匣の鍵であった。
 予想通りの鍵の在り処を確認した後、饗は溜息をつく。
「鍵は匣の中にある、匣が朽ち自然に開く迄待つ。それ迄共に過ごそう、まずはお友達から始めよう……求婚者はこう言えばよかったはずっす」
 朽ちる迄過ごせば貴方に恋に結婚に興味を持てるかもしれない。それ迄待って欲しいって事っす、と。
「人には限られた時しかないというのにっす」
 呆れる様にそう言った饗に、オクは少し考えるような仕草をして呟く。
「桜の姫は、自分の心を匣と重ねて、誰かに開いて欲しかったんじゃないでしょうか」
 今は傾かないこの気持ちも、自分の心を開く鍵のような存在がもしも現れればと……そんな願いも、こめて。
 そして無理にこじ開けた者がいれば、はっきりとその心に応えることはできないと。
 匣の中に鍵があることで、示したかったのかと。
 だが……その本当のこころは、誰にもわからない。
 男女の違い、そして各人の考え方の差で、何とでも解釈できる。
 饗は、ヤドリガミになれないなら、心残りがないようにと。
 そして噂の語りべに証拠写真見せ、お炊き上げをしたと結末を広めて貰い呪いを解かんと――匣を壊そうと、その手に取るも。
「……俺が壊すまでもなかったっすね」
 錠前が外れたことでバランスを失った匣は、ぼろりと、朽ち崩れ落ちて。
 同時にきっと、娘のこころも……桜舞う庭の石蔵から解放されたに、違いないだろう。

●夜桜灯篭の宴
 青く高く澄んでいた空を今染め上げているのは、夜のいろ。
 夜空に舞う桜花弁が仄かに、春の漆黒に、ひらりくるりと彩りを添えて。
 その薄紅に煌めきを与えるのは――朧気な光を放つ、灯篭の燈火。

「人びとに害を成す恐れのあったオブリビオンの討伐を成してくれて、感謝する」
 清史郎はそう、やって来た猟兵たちに丁寧に頭を下げ、礼を言ってから。
「帰還まで、俺は夜桜灯篭の祭りを楽しもうと思う。皆も、思い思いに夜桜を楽しんでくれればと」
 そう微笑んでから。桜舞う夜空を見上げ、続ける。
「俺が生を受けたのも、この桜の時期。だからだろうか……いつ見ても、この薄紅には心惹かれる」
 満開の桜のグリモアを咲かせる清史郎が生まれたのがこの時期であるというのは、彼が桜模様の硯箱で在ったのを思えば、容易に想像できることであるが。
「お互い、夜桜の祭りを楽しもう」
 もし祭りの会場で見かけたら、よかったら声でも掛けてくれ、と。
 清史郎はそう雅に笑み、祭りの会場となっている村まで歩き出すのだった。
 
 今宵は丁度、村の季節の祭りであるという――夜桜灯篭の祭りの日。
 見事に咲き誇る早咲きの桜の下に、数多の灯篭が灯されて。
 幻想的な輝きを増した夜桜を心ゆくまで楽しもうと、毎年行われているのだという。
 また、村の特産物である酒や飲み物、食べ物等の出店も多く出るようである。
 特に桜にちなんだ地酒、甘口の『陽桜里(ひおり)』と辛口の『薄宵桜(うすよいざくら)』は、有名な銘柄の日本酒だという。
 酒が飲めない未成年には、アルコールのない桜フレーバー香る、桜茶や桜と苺のフレッシュジュース、桜の紅茶なども有名のようだ。
 食べ物が買える出店は、一般的に祭りでみられる食べ物や酒の肴になりそうなものならば、一通り揃っているというが。
 中には、サムライエンパイア特有の珍味などもあり、おつまみかわりに挑戦してみるのも良いかもしれない。
 探してみれば、食べたいと思っているものがきっと見つかるだろう。
 勿論、花見らしく、用意した弁当や飲み物を持参しても構わない。
 敷物を広げ、夜桜の下、賑やかに宴会を楽しむのも良いし。
 舞い遊ぶ花弁の中、夜桜照るの景色をふらり歩き、散策するのもまた良し。
 誰もいない穴場を見つけ、静かに照る桜を愛でるのも、またいいだろう。
 月と星と灯篭の光に照らされた、満開の早咲き桜。 
 そんな、訪れた刹那的な春の宵をどう過ごすか――それは、貴方次第。
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
夜の桜の根元に腰かけて、ゆっくりとした時間を過ごすわね。
考えすぎていた謎解きも終わって、ちょっとだけお酒にも興味はあるけどお店の人からNGがでたわけで。
「・・・見かけはともかく本当はヤドリガミで長い時間を生きてきたのだから、お酒だっていいじゃない」

せめて紅茶でもいただきながら、桜の花枝とその隙間から見え隠れする星空を見ましょう。
瞬く光にちょっとだけ感傷的になるかもだけど。
「・・・桜の花は、人の心を惑わせるの」



 ふと仰いだ空が、赤橙から夜の彩りへと、いつの間にかそのいろを変えた頃。
 ぽつり、またひとつぽつりと、村人の手で灯される灯篭の燈火。
 今日は――早咲きの桜を心行くまま愛で楽しむ、夜桜灯篭の祭りの日。
 そして、仄かに照る桜花弁が雪の如く、はらりひらりと天から舞い降る中。
 それぞれの楽しい春の夜のひとときが、はじまる。

 すっかり宵色に覆われた空から、ひらり降る桜花弁。
 そんな薄紅色を舞わせている立派な大樹の根本に腰掛け、ゆっくりとした時間を過ごしながらも。
 何だかほんのちょっぴりだけ、どこか不服気にみえるのは、ヴィオレッタ。
「……見かけはともかく本当はヤドリガミで長い時間を生きてきたのだから、お酒だっていいじゃない」
 そう零すその手には、良い香りのする桜紅茶が。
 桜姫の絡繰り匣に関する謎も少しだけ考えすぎていたけれど、無事に解決して。
 さぁ、お祭りでは、ちょっとだけ興味のあるお酒に挑戦……してみようかと思ったのに。
 見た目完全に少女であるヴィオレッタは当然、お店の人からお酒を振舞って貰えなかったのである。
 本当は100歳超えているヤドリガミである、と主張したところで、お酒を貰えそうにはない。
 なので、かわりにおすすめされた桜の香漂う紅茶を仕方なく受け取ったのである。
 だが、ちょっぴりぼやいていたヴィオレッタの心を慰めるかのように。
 薄紅のひとひらが、ふわり、夜空から舞い降りてきて。
 ふと見上げた藍と紫の宝珠に宿るのは――薄紅咲き誇る枝花の間から零れる、星の瞬き。
 灯篭に照らされた桜花弁が、そんな星空に、特別な春の煌めきを加えて。
 それはどこか……見る人を感傷に浸らせる、神秘的で刹那的な、絢爛の耀い。
 ヴィオレッタにとっても、それは例外ではなく。
 柔い飴色に浮かんでは揺れる薄紅のひとひらに。
「……桜の花は、人の心を惑わせるの」
 そうそっと、美しい宝珠の瞳を細めたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御剣・刀也
ステラ・エヴァンズ(f01935)と一緒に参加

POW行動

夜桜か。ようやく見れる。これを楽しみに闘ってきたんだからな

ステラに膝枕してもらって夜桜を眺めつつのんびりする
夜桜を眺めながら
「はー。あれだけ苦労した後だからかな。夜桜が人一倍綺麗に見える」
ステラに頭か頬を撫でられたらくすぐったそうにしつつも嫌な顔はせず、したいようにさせる。
桜もきれいだが、ステラもきれいだなぁ
思わず口に出た言葉を否定せず、笑いながら膝枕され、気持ちよくなればそのまま寝てしまうかもしれない
「頑張った甲斐があったってもんだ」


ステラ・エヴァンズ
【御剣・刀也さん(f00225)と行動】
人々の喧騒を遠くに聞きながら桜の樹の根元辺りにでも腰を下ろして
膝をポンポンして招くように笑いかけます
労いも兼ねて刀也さんに膝枕を致しましょう

そのまま桜をゆっくり見上げその美しさに「綺麗…」と魅入っては感嘆の息を一つ
膝の重みを感じながら視線を落とし、何となしに慈しむ様に頭を撫でては微笑んで
思わずそれ以上をしそうになったら我慢なのですっ
その…は、はしたない女だと思われるのは嫌だから…

膝枕は少し恥ずかしくて顔も赤いかもですが…甘えてもらえるのは嬉しいのです
…甘やかせるのは私の特権、みたいで
初めてのお花見でしたけど、刀也さんと一緒に見れて良かった…幸せです、私



 見上げれば、夜空から舞い振る無数の花弁。
 仄かに照る灯篭の燈火が、さらにその美しさに光を添えて。
 ふわり、ひらりと……優しく静かに、積もっていく。
 青空を舞う桜花弁は生憎、ゆっくりと眺めることができなかったけれど。
「夜桜か。ようやく見れる」
 ――これを楽しみに闘ってきたんだからな、と。
 確りこの手で憂いを断った今、心行くまで夜桜を楽しまんと、刀也は花弁映す青の瞳を細めて。
 賑やかな祭りや人々の喧噪を遠くに聞きながらステラが腰をおろしたのは、花弁降らせる桜の大樹の下。
 薄紅の絨毯が敷かれた樹の根元に座ったステラは、桜降る景色に立つ刀也に微笑みを向けて。
 招くように、膝をポンポン――労いも兼ねて、彼に膝枕を。
 そして今度は二人で一緒に、星と桜花弁輝く夜空をゆっくりと見上げれば。
「綺麗……」
 零れるのは、感嘆の一息。
 開けた視界に広がる、幻想的な春の宵の風景。
「はー。あれだけ苦労した後だからかな。夜桜が人一倍綺麗に見える」
 膝枕をして貰いながらも、その美しさを暫しのんびりと眺める刀也。
 ……じわりと膝に感じる重みと、伝わり混ざり合う温もり。
 ステラはふと視線を落とすと、何となしに慈しむように微笑んで――愛しい人の頭を、そっと撫でる。
 そんなしなやかな掌の感触に、ちょっぴりくすぐったそうにしつつも。
 嫌な顔など全くせず、したいようにさせてくれるる刀也に……思わずステラは、もう少しだけ、踏み込んで触れたくなるけれど。
 恥ずかしさで頬を仄かに染めながらも、今はぐっと我慢。
(「その……は、はしたない女だと思われるのは嫌だから……」)
 そんなステラの葛藤を、知ってか知らずか。
 ふと刀也は寝ころんだまま、その手を伸ばして。
「桜もきれいだが、ステラもきれいだなぁ」
 愛しい人の髪を飾る薄紅のひとひらを摘まみつつ……自然と出たのは、そんな言葉。
 でも、それは本心だから。否定する必要もなく、膝枕されたまま。
「頑張った甲斐があったってもんだ」 
 いつしか、膝越しに伝わる熱にうとうと、気持ち良くなって……気が付けば、寝てしまったけれど。
 そっと、夜空のような色をした彼の頭を、再びステラは優しく撫でる。
 甘やかせるのは私の特権、みたいで……なんて。そう、嬉しく思いつつ。
 顔はきっと赤いだろうけれど、甘えて貰うのは嬉しいから。
 ――それに。
 満開の桜と舞う花弁、星が瞬く夜空……そして感じる、自分の膝枕で眠る大切な人の体温。
「初めてのお花見でしたけど、刀也さんと一緒に見れて良かった」
 ステラは桜舞う景色の中、そっと、大切な人を映す星のような瞳を細めた。
 ……幸せです、私、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フレズローゼ・クォレクロニカ
🍓 リルおにいちゃ(f10762)と一緒
アドリブ等歓迎

誰もいない穴場
2人でふわりと飛んできた
桜と苺のフレッシュジュースを飲みながら一緒に夜桜を見下ろす

で、ボクにお話ってなに?
なんて
照れ恥じらうその様子からもう何となくわかる

紡がれる言葉と
初々しい乙女のような彼に思わず笑顔が
……気づいてたよ、おにいちゃ
キミが、櫻宵に恋してることくらいずっと前から
バレてないと思ってた?

照れて慌てる姿も可愛い
ここに至るまでの彼の必死さに恋の歌に
。かなわないな
ボクは確かに櫻宵が好き
でも櫻宵はママみたいなものだから
なんて笑って

だから
幸せにしてあげて
あの不器用で
誰より幸せを望みながら
自らそれを遠ざけようとする櫻を

約束だよ


リル・ルリ
■ フレズローゼ(f01174)と一緒
アドリブ歓迎

美しい夜に美しい桜
フレズの横に腰掛けて桜茶をこくり
「フレズ、あの……」
話が
緊張で少し手が震えて
いざ話そうとすると照れて恥ずかしくなってくるのだけど
「え、と……僕ね。僕は……櫻宵のこと……好きになって、しまった、」
フレズも彼のこと、好いているから
フレズは僕にとって、妹みたいに可愛い存在だから――傷つけてしまったらと思うと、怖くて
「て、え、バレて?!そ、そんな……僕はしっかり秘めていたはず」
赤面して慌てる
そんな馬鹿な

――うん
しあわせにする
嗚呼
彼は不器用でポンコツだからな
でも、僕の呪縛を砕いてくれて心の氷を溶かしてくれたひと
だから僕も

約束
フレズ
任せて



 夜空を彩るのは、朧に染まった桜花弁と。
 ふわりと飛んできたふたりの、七彩の煌めき。
 ここまでくれば――花弁降らせる桜の樹を除けば、ふたりきり。
 そんな誰もいない穴場までやってきたフレズローゼは、桜の樹の下に腰をおろして。
 桜と苺のフレッシュジュースを手に、隣に座ったリルへと、こう声を掛ける。
「で、ボクにお話ってなに?」
 伝えたいことがあるから、そして認めてほしいから――そう必死に、桜色の戦場で自分を守ってくれた彼が、これから口にすること。
 フレズローゼに促されたリルは、良い香り漂う桜茶をこくりと飲んでから。
「フレズ、あの……」
 話が、と紡ぐも――緊張で、少し手は震えてしまうし。いざ話そうとすると照れてしまって、恥ずかしくなってくるのだけど。
 でも、伝えたいって一心で、戦闘も頑張ったのだから……リルは意を決し、ゆっくりと、こう紡いだのだった。
「え、と……僕ね。僕は……櫻宵のこと……好きになって、しまった、」
 フレズローゼも彼のことを好いていると、リルはよく知っていて。
 そして、妹みたいに可愛い存在である彼女を――傷つけてしまったらと思うと、怖くて……。
 リルは恐る恐る、薄花桜色の瞳をそっと、フレズローゼへと向けてみるも。
 そこには、自分を見つめる笑顔が。
 話ってなに、と、そう問いはしたけれど。
 照れ恥じらうその様子から、フレズローゼには、もう何となくわかっていたから。
 そしてリルが紡いだ言葉と、初々しい乙女のような姿を円な苺月に映したまま、フレズローゼは返す。
「……気づいてたよ、おにいちゃ」
 ――キミが、櫻宵に恋してることくらいずっと前から、と。
 そんな歌うような声に、リルは思わず、薄花桜を大きく見開いて。
「て、え、バレて!? そ、そんな……僕はしっかり秘めていたはず」
 そんな馬鹿な、なんて、顔を赤に染めながら慌てるけれど。
「バレてないと思ってた?」
 そんな様子も可愛い、と笑みつつ。
 フレズローゼが思い出すのは、ここに至るまでの彼の必死さや恋の歌。
 あの熱く切ない歌声やひたむきな姿は――恋をしているひとにしか出せない、特別なものだったから。
 かなわないな、と。そうフレズローゼは苺月の瞳を細めた後。
 真っ直ぐに彼を見つめ、そして紡ぐ。
「ボクは確かに櫻宵が好き。でも櫻宵はママみたいなものだから」
 だから――幸せにしてあげて、と。
 まるで、ふたりの話を密やかに聞いている、薄紅色の花のような。
 あの不器用で、誰より幸せを望みながら……自らそれを遠ざけようとする櫻を――。
 フレズローゼにとっても彼は、とても大切なひとだから。
 そして、そう笑うフレズローゼの瞳を見つめ返して。
 ――うん、しあわせにする。
 こくりと、迷いなく頷くリル。
 それから、ふと小さく首を傾けて。
「嗚呼、彼は不器用でポンコツだからな」
 ぽつりと呟くけれど。
 でも――その愛しい櫻は、呪縛を砕いてくれて心の氷を溶かしてくれたひと。
 だから僕も……リルはそう、フレズローゼと小指同士を絡ませる。
 約束――約束だよ、と。
 あのひとを思わせるような、宵色に美しく舞う桜の景色の中で。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

香神乃・饗
筧師匠ご案内お疲れさまっす!
誕生日おめでとうっす!誕生日は何日なんっすか?
春爛漫、良い頃っすね!
じゃあ今日は俺が師匠の為に奮発するっすおごるっす!
そういうの好きなんっすか?
今まで聞いたことなかったっすから

師匠はあの女、どう思うっす

簡単な事でよかったんっすかね
心を開いて欲しい、なんて俺はご免蒙るっす!面倒臭い女はお断りっす!

随分と幸せな女っす
最期まで自分を貫いたんっすから

困る程モテるって凄いっすね!いやー俺もモテてみたいっす!
キャッキャされるのって良いじゃないっすか?
はっ……師匠には黙ってても女が寄ってくるんじゃないっすか
今も順番待ちの女が居るじゃないっすか?この絶対的イケメン力!流石師匠っす!


終夜・嵐吾
せーちゃん、あっそびにきたぞ~い!
いっしょに甘いもん食べながら桜を愛でて、酒をたしなもう。

そいえばこの時期に生まれたんじゃろ? なんかお祝いせんとな……
よし、この出店の中で気に入りのものをひとつ、プレゼントしよ!
特産のものでもなんでもええよ。
もう見てきたか?それともまだか?
もう見ておるなら、わしはまだじゃから案内してくれると嬉しいんじゃよ。
まだなら一緒にまわろ!

酒も甘口と辛口があると…せーちゃんどっちが好き?
む、雅に試飲するの。せーちゃんのふるまいはうまれながらのものじゃなぁ。せーちゃんらしくてええと思うよ。いっしょに遊ぶん楽しいしの!
あ、わし辛口が好き。
さて気に入りのものは、決まったかの?



 桜がひらり舞い降る中、交わされるのは、いつもの労いの言葉。
「筧師匠ご案内お疲れさまっす!」
「饗も、赴いてくれて有難う」
 春爛漫、良い頃っすね! そう笑む饗に、ああ、と清史郎も頷いて。
 今月27日に誕生日を迎えるという彼を、饗は出店へと誘う。
「じゃあ今日は俺が師匠の為に奮発するっすおごるっす!」
 そんな饗のお言葉に甘え、清史郎が選んだのは――抹茶クリームあんみつ。
「そういうの好きなんっすか? 今まで聞いたことなかったっすから」
「甘いものはとても好きだ」
 そう返しながらも、饗も甘味などひとつどうだ? と。
 同じ店で買った苺大福をひとつ、お返しに。
 それを、有難くいただくっす、と手にした後。
 饗は清史郎に、こう訊ねる。
「師匠はあの女、どう思うっす。簡単な事でよかったんっすかね」
 ……心を開いて欲しい、なんて俺はご免蒙るっす! 面倒臭い女はお断りっす!
 そう首を振った後、呆れたように嘆息して。
「随分と幸せな女っす。最期まで自分を貫いたんっすから」
 そんな言葉に、赤の瞳を細めた清史郎は、饗らしいな、と言った後。
「俺は逆に、あの姫君は、奥ゆかしくそして芯の強い女性だったのだなと。昔の女性は、己の心を主張することなど、時代的に難しかっただろうから……心の匣とその鍵の在り処、俺には大変興味深かった」
 それから、ふっと――それに女性とは面倒臭いものだ、そこがまた我々と違って面白い……そうは思わないか? と。
 そう、雅に微笑む。
 饗は、そんなもんなんっすかね、と首を大きく傾けながらも。
「困る程モテるって凄いっすね! いやー俺もモテてみたいっす! キャッキャされるのって良いじゃないっすか?」
 求婚者が絶えなかったという桜の姫君を、ちょっぴり羨ましく思うけれど。
「はっ……師匠には黙ってても女が寄ってくるんじゃないっすか。今も順番待ちの女が居るじゃないっすか?」
「俺か? 饗こそ、明快ゆえに好かれるのではないか?」
 この絶対的イケメン力! 流石師匠っす! と力説する饗に、きょとんとする清史郎であったが。
 改めて、有難う非常に美味しかった、と。
 奢って貰った抹茶クリームあんみつの礼を、饗に伝えたのだった。
 そして……そんな清史郎の姿を見つけて。
「せーちゃん、あっそびにきたぞ~い!」
 声を掛けてきたのは、終夜・嵐吾(灰青・f05366)。
「おお、らんらん」
 清史郎は振り返り、雅な微笑みを咲かせて。
「いっしょに甘いもん食べながら桜を愛でて、酒をたしなもう」 
「甘いものに、桜に、酒か。それは、とても良いな」
 二つ返事で、嵐吾の誘いに乗ったのだった。
「そいえばこの時期に生まれたんじゃろ? なんかお祝いせんとな……よし、この出店の中で気に入りのものをひとつ、プレゼントしよ!」
 特産のものでもなんでもええよ、と言いつつ、いこいこ! と。
 賑やかな出店へと清史郎を連れ出して。男子二人で、いざお買い物!
 足を運んだのは、小物並ぶ民芸品の出店。
「気に入りのものは、決まったかの?」
 清史郎がふと見つけて手にしたのは、硯箱の彼らしい、桜模様の筆置きと。
 もうひとつ……可愛い狐さんのついた小さな根付。
「ああ。此方の狐さんは、俺からの礼だ」
「せーちゃん、わしにもって……お祝いのプレゼントにならんじゃろ」
「細かいことは気にするな。では、次は酒をたしなみに行こうか」
 買い物を済ませ贈り物を交換した後、ふたりが次に向かうのは、有名な銘柄の日本酒が振舞われている出店。
「甘口と辛口があると……せーちゃんどっちが好き?」
 嵐吾の問いに、どれ、と。くいっと試飲してみる清史郎に。
 む、雅に試飲するの。せーちゃんのふるまいはうまれながらのものじゃなぁ……と。
 何をしても何だか雅になる清史郎に笑う嵐吾。
 清史郎は、自分ではよく分からないが……と、ふと首を傾けつつも。
「せーちゃんらしくてええと思うよ。いっしょに遊ぶん楽しいしの!」
「ああ、俺もらんらんと遊ぶのはとても楽しい」
 いつも有難う、らんらん――改めてそう、雅な笑みを、嵐吾へと。
 そして。
「あ、わし辛口が好き」
「俺は甘口が好みだな。では、どちらもいただこうか」
 ……お楽しみは、まだまだこれから。
 夜空に舞い振る美しい桜を共に愛でながら。二人仲良く、酒盛りと洒落込むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴァーリ・マニャーキン
旦那の來鯉(f03164)と参加

花を見ながらのんびりお茶を飲み、のんびりと過ごす
とりあえず、クッキー辺りを作って持っていく

膝枕したりキスをしたりとイチャイチャ
旦那がしてくれる事は喜んで受け入れるし御礼にクッキーを口移しでなんかもする

ふふ、綺麗な桜よねえ
こうして旦那様と夜桜を見ながらのんびりデートできるなんて本当に嬉しいわ

私はどっちかというと剣になって振るわれる方がメインだったから其処まで疲れてないわよ?
旦那様こそお疲れさま
戦う姿もかっこよかったわよ?

こんなに桜が綺麗なんだもの、わざわざ私達の方を見る人なんていないんじゃないかしら?
まあ、見られたとしても見せつけちゃえば良いと思うけれどね?


祟・來鯉
嫁のヴァーリ(f02553)と参加
花を見ながらのんびり過ごす
折角の行楽だしおにぎりとか桜の花の塩漬けののった桜餅等を用意し桜茶を楽しむ

嫁にあ~んと食べさせたり優しく嫁の髪を手ですいたりと仲良く
嫁のしてくれる事も喜んで受け入れる

うん、綺麗な桜っスねえ
こうしてヴァーリと一緒に花を見れて嬉しいっスよ

そういえば戦闘お疲れさまっス
気をつけては居たつもりっすけど戦いッスから負担はかけちゃってると思うっス
本当は旦那として嫁さんに負担かけたくないんっすけどね・・・

ヴァーリの方こそ何時も綺麗っすけど剣の姿も綺麗だったっすよ?
おいらの自慢の嫁さんっす

まあ夫婦仲が良い事は良い事っすからねえ
恥ずかしがる事でもないか



 見事に開花した早咲き桜の大樹の下には。
 夜空をくるり舞う桜の花弁も羨むほどの、仲睦まじい夫婦の姿が。
 並ぶのは、來鯉が用意したおにぎりや桜の花の塩漬けののった桜餅に。
 ヴァーリが持参したクッキー。勿論、桜のお茶も忘れずに。
「ヴァーリ、あ~んっス」
「じゃあお返しに旦那様にも、はい、あ~ん」
 來鯉が桜餅を嫁へとあ~んすれば。ヴァーリは口移しで、クッキーのお返しを彼へ。
 そして、灯篭と星月夜に照る嫁の銀色の髪を、來鯉はそっと優しく手ですいてあげて。
 そんな旦那に、膝枕をしてあげるヴァーリ。
 桜舞う中――見つめ合い、キスを交わして。柔らかな互いの唇の感触に、微笑み合う。
「ふふ、綺麗な桜よねえ」
「うん、綺麗な桜っスねえ」
 二人揃って、口にした言の葉も。
 思うことも、一緒――こうして二人で夜桜を見ながらのんびりできることが、嬉しい。
 灯篭に照らされた桜の花弁が、夜空に舞う美しい風景を眺めつつ。
 來鯉がふと気にかけるように言ったのは、先のオブリビオンとの戦いのこと。
「そういえば戦闘お疲れさまっス。気をつけては居たつもりっすけど戦いッスから負担はかけちゃってると思うっス」
 本当は旦那として嫁さんに負担かけたくないんっすけどね……と。
 そんな來鯉の優しさに紫色の瞳を細めつつ、ヴァーリは首を振って。
「私はどっちかというと剣になって振るわれる方がメインだったから其処まで疲れてないわよ?」
 旦那様こそお疲れさま、と。そう労った後、微笑みとともに、こう続ける。
「戦う姿もかっこよかったわよ?」
 剣と化した自分を振るう來鯉の格好良い姿を、誰よりも近くでみていたのは、ヴァーリだから。
 そして來鯉も、誰でもない自分が振るった美しい金剛石の巨大な氷刃を思い返しては。
「ヴァーリの方こそ何時も綺麗っすけど剣の姿も綺麗だったっすよ?」
 おいらの自慢の嫁さんっす、と。
 そっと、大切な人の銀髪に降ってきた桜のひとひらを、愛し気に取ってあげたのだった。
 漆黒の空から降る数多の彩りは、仄かな燈火に照る薄紅。
 降り積もる桜色の世界は、二人きり――というわけには、いかないけれど。
「こんなに桜が綺麗なんだもの、わざわざ私達の方を見る人なんていないんじゃないかしら?」
「まあ夫婦仲が良い事は良い事っすからねえ、恥ずかしがる事でもないか」
 そう、桜降る景色の中、ふたり笑い合って。
 ――まあ、見られたとしても見せつけちゃえば良いと思うけれどね?
 通りかかった誰かや夜空に踊る桜花弁にさえ、まるで見せつけるかのように――ヴァーリはもう一度、愛しい旦那様と、そっと唇を重ねたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

祇条・結月
レイラ・エインズワース(f00284)と

うん。無事に終わってよかった。
誰かに開けて欲しいんだとは思ってた。けど、鍵の在り処は実は全然見当つかなかったんだ。
……難しいな。心の在り処って

そうだね。せっかくだし楽しんで帰ろう
夜の桜、いいよね。昼間みたいにわいわいと、は似合わないけど夜に照らし出される花も綺麗で。少し、妖しくて。

お酒かぁ。皆好きだよね。
飲める年になったら、もう一回ここへ夜桜を見に来てもいいかもね。今夜は飲めなかったリベンジに。……なんて、先の話をしたら鬼が大笑いしそう

……それは知らなかったな。やってみよっか。
君は。何を願うんだろ?
あはは。そっか。そうだね。
みんなが元気に、がいいよね


レイラ・エインズワース
祇条・結月(f02067)サンと

無事に討ち取れて、箱も開いてよかったヨ
鍵は心の中に
もしかしたら見つけてほしかったのかもしれないネ
ネ、すっごく難しい

さってと、せっかくの夜桜、楽しんでいコウ
お昼に見上げるのモ、もちろん大好きなんだケド
夜の桜も風情があるヨネ
灯火に照らされながら、自分も角灯をかざして、桜を見上げて歩くヨ

夜は寒いカラ暖かいお茶を
お酒もいつか飲んでみたいネ
せっかくだカラ、桜の香りの和菓子と合わせて座って桜を見上げナガラ
そういえば、落ちる花びらを途中でキャッチできタラ
願いゴトがかなうっていうヨネ
試してミル?

私は、みんな元気に過ごせるヨウニ、なんてネ

アドリブ・絡み歓迎ダヨ
好きに動かしてネ



 仄かに灯篭に照る花弁が、ひらりくるりと降り積もる。
 そんな桜色に染め上げられた夜の道を、並んで歩きながら。
「無事に討ち取れて、箱も開いてよかったヨ」
「うん。無事に終わってよかった」
 レイラと結月がふと思い馳せるのは、桜の姫君のこと。
 絡繰り匣に込めた姫のこころと、鍵の隠し場所。
「誰かに開けて欲しいんだとは思ってた。けど、鍵の在り処は実は全然見当つかなかったんだ」
「鍵は心の中に。もしかしたら見つけてほしかったのかもしれないネ」
 こころであるという匣を開くその鍵は、施錠されたその中に――それは一見、拒絶とも取れるけれど。
 でも、それでももし、こころの匣を開けてくれる人が現れたのならば……そんな姫の願いが、垣間見える気がする。
 結月はふと、満開に綻ぶ早咲きの桜を見上げて。
 ……難しいな。心の在り処って。
 そうぽつりと、言の葉を零せば。
 ……ネ、すっごく難しい。
 同じ様に桜舞う天を仰いで、レイラもこくりと頷く。
 桜を見ていると、不思議とその儚さ故か、つい感傷に浸ってしまうけれど。
 折角だから、楽しんで帰りたい。
 ふたりは気を取り直し、夜の闇に浮かび上がる美しい夜桜を眺める。
「お昼に見上げるのモ、もちろん大好きなんだケド、夜の桜も風情があるヨネ」
「夜の桜、いいよね。昼間みたいにわいわいと、は似合わないけど夜に照らし出される花も綺麗で。少し、妖しくて」
 昼でも夜でも、春を告げるその花は、美しいことには変わりはないのだけれど。
 何故だか……同じ桜でも、青空の下で見るものと夜闇の中で見るものでは、印象が違って。
 夜の桜は、より風情があって神秘的で、どこか妖艶な印象さえ受ける。
 そんな桜を仄かに照らすのは、祭りの灯篭と――レイラが掲げる、角灯の煌めく紫焔。
 夜空に瞬く星と柔らかく照る月、灯る数多の光のいろ。
 結月とレイラは、そんな無数の輝きと舞い降る花弁を見上げながら歩いて。
 見つけた出店で、桜の香り漂うお茶を調達しつつも。
 ひときわ賑わっている、銘酒の出店へと視線を向けた。
 まだ、酒を飲める年には、お互いなっていないけれど。
「お酒もいつか飲んでみたいネ」
「お酒かぁ。皆好きだよね。飲める年になったら、もう一回ここへ夜桜を見に来てもいいかもね。今夜は飲めなかったリベンジに」
 口にしたその言の葉は……鬼が大笑いしそうな、先の話。
 今は、酒は飲めないけれど。でも出店で、お茶菓子にぴったりな桜の香りの和菓子を見つけて。
 立派な桜の木の下にふたり座りながら、一休憩。
 桜茶の香りが優しく鼻をくすぐり、口に広がる和菓子の甘さに思わず小さく笑み零しながらも。
 レイラは、夜空から降る、雪のような花弁を見上げる。
「そういえば、落ちる花びらを途中でキャッチできタラ、願いゴトがかなうっていうヨネ」
 ……試してミル?
 そう赤い瞳を細めるレイラの声に、結月は立ち上がって。
「……それは知らなかったな。やってみよっか」
 くるりと舞う桜空へと、ぐんと手を伸ばしてみる。
「……結構これ、難しいな」
「ホラ、祇条サン。マタ沢山降ってキタヨ」
 春風が吹き抜け、ざわりと桜の枝葉が大きく揺れた刹那――巻き起こるのは、桜吹雪。
 今度はふたりで、舞い踊る桜花弁に手を伸ばしてみながらも。
 ――君は。何を願うんだろ?
 そんな結月の視線に気付いたレイラは、くすりと笑んで。
「私は、みんな元気に過ごせるヨウニ、なんてネ」
「あはは。そっか。そうだね。みんなが元気に、がいいよね」
 結月は満面の笑顔を咲かせながら、ふと――これじゃ、駄目かな? と。
 レイラの髪を飾る桜のひとひらを、そっと摘まんで。
 夜の空に沢山の花弁が舞い踊る中、二人顔を見合わせ、楽し気に笑い合うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フィリオ・グラースラム
これがサムライエンパイアの有名なお花、桜ですのね!
戦闘の時も見えてはいましたけれど
近くで見ると、ピンクで、丸いお星さまみたいで
可愛いお花ですにょー!

お父様とお母さまにも見せて差し上げたいですけれど
落ちてくる花びらでしたら
持って帰っても大丈夫ですかしら

(花びら空中キャッチチャレンジ)
……桜の花びらさん、中々手ごわいですの

にゃ、清史郎のにーさま、こんばんはですのよ!
べ、別に遊んでいたわけでは…遊ばれていたわけでもないにょですー!

そういえば、にーさまはもうすぐお誕生日なんですの?
事前に言ってくださいましたら、もっと何か
ええと、い…今はこんなもにょしか…
いちごのキャンディー、甘くて美味しいですのよ



 夜の空をくるりと踊る、薄紅色の花弁。
 満開を迎える早咲き桜の景色は、この世界独特の風流さを感じる。
「これがサムライエンパイアの有名なお花、桜ですのね!」
 フィリオは夜空に輝く星の様に、彩りの異なる双眸をキラキラと輝かせて。
「戦闘の時も見えてはいましたけれど、近くで見ると、ピンクで、丸いお星さまみたいで可愛いお花ですにょー!」
 先程まではじっくりと見ることが出来なかった可愛らしい花に、はしゃいだように声をあげる。
 そんな花を、お父様とお母様にも見せて差し上げたい……フィリオはそうふと、桜の木を見上げてみて。
「落ちてくる花びらでしたら、持って帰っても大丈夫ですかしら」
 いざ、花びら空中キャッチチャレンジ!!
 でも……ひらりくるり、春風に乗って舞い遊ぶ花弁の動きは思いのほか自由で。
 ピンクの肉球を掲げ、何度も夜空へとニャニャッと繰り出してみるけれど。
「……桜の花びらさん、中々手ごわいですの」
 なかなかつかまえることができない花びらさん。
 そんなフィリオを、何気に微笑まし気に見守っていたのは、清史郎。
「楽しそうだな、フィリオ」
「にゃ、清史郎のにーさま、こんばんはですのよ!」
 声を掛けられたフィリオは、ぺこりと丁寧にお辞儀をした後。
「べ、別に遊んでいたわけでは……遊ばれていたわけでもないにょですー!」
 にこにこ自分を見ている清史郎に、慌ててぶんぶんと首を振る。
 そんなフィリオへと、清史郎はふいに手を伸ばして。
「桜の花弁、ちゃんと取れていたな」
 フィリオの頭を飾っていた可愛いひとひらを、彼女へと手渡したのだった。
 それを、ありがとうですにょー! と受け取って、大事にしまってから。
「そういえば、にーさまはもうすぐお誕生日なんですの? 事前に言ってくださいましたら、もっと何か……」
 そう呟きながらも、がさごそと持ち物を探って。
 ええと、い……今はこんなもにょしか……と。
 フィリオが清史郎にそっと差し出したのは、キャンディー。
「いちごのキャンディー、甘くて美味しいですのよ」
「有難う、フィリオ。とても嬉しい」
 清史郎はそのプレゼントを有難く受け取った後。
「では、これは俺からの礼だ」
 サムライエンパイアの苺の甘味だ、と。
 先程出店で買った小ぶりの可愛い苺大福を、フィリオにもひとつ、お裾分け。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シェーラ・ミレディ
用意された茶を飲みつつ桜を愛で、姫の麗しさに思いを馳せる。

──嗚呼、やはり。
聞こえた鍵の在り処に感想を漏らす。
匣の中か、件の姫が四六時中持ち歩いていたのだろうとは思っていたが……まぁ、今更か。
姫のまわりに集った男どもは、余程目が悪かったのだろうなぁ。彼女の胸の内を見抜くこともできないとは!
彼らが慌てふためく姿が、せめて姫の慰めになっていれば良かったのだが。
――真相は既に、骸の海の澱となっていよう。どうか安らかに。

※アドリブ&絡み歓迎



 漆黒の夜空から、はらりひらりと、絶え間なく舞い降る薄紅の花弁。
 ただでさえ綺麗なその彩を、仄かに照らす燈火がより一層、美しく際立たせて。
 夜の桜は、とても神秘的で幻想的で……どこか、妖艶さまで感じさせる。
 そしてそんな美しき春宵の風景の中、絵になるような少年がひとり。
 ──嗚呼、やはり。
 ふわりと香る桜茶を口に運び、桜の景色を楽しみながらも。
 シェーラはそう、紫を湛える瞳を細め漏らす。
 聞こえてきた、桜姫の絡繰り匣を開けるその鍵の在り処。
 そんな、匣にこころ重ねた姫の麗しさに、シェーラは暫し思いを馳せる。
 匣を開ける鍵は……施錠された、その中に。
 件の姫が四六時中持ち歩いていたのだろうとは思っていたが……まぁ、今更か、などと呟きながらも。
「姫のまわりに集った男どもは、余程目が悪かったのだろうなぁ」
 ――彼女の胸の内を見抜くこともできないとは! と。
 ふっと思わず、ひとつ大きく息をつく。
 だが同時に、所詮その程度の男どもではこの姫とは釣り合わなかっただろう、とも。
 そして……ふと落とした、視線の先。
 ひらり、桜茶へと舞い降り浮かんだ、薄紅のひとひら。
 シェーラは香りも味も、そして目でも、桜の茶を楽しみながら。
 夜空を愛でつつも思うのだった。
 ――真相は既に、骸の海の澱となっていよう。
 だから……どうか安らかに、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

篝・倫太郎
よし!飲む!飲むぞー!
つー訳で屋台で陽桜里も薄宵桜も購入して飲む!

桜に献杯してからぐいっとな

っかー!
一仕事した後の一杯ってどーしてこーも美味いんだろなぁ
地酒と一緒に購入したエンパイア特有の珍味を肴に夜桜堪能!

清史郎は誕生日おめでとさんなー?

つーか、ヤドリガミって、あれか?
やっぱヤドリガミとして人の姿になった時が誕生日になんのか?
元々の品が完成した時が誕生日になんのか?

ま、それはいっか
どっちが誕生日でもさして重要じゃねぇや
今、此処にいる、つーんが割と俺にとっちゃ重要な方だしよ

おめでとうとんでもって、ありがとさんな

補足
大酒飲みで強い
そして、大喰らい
酒は楽しく飲んでナンボというタイプ

※アドリブ歓迎



 夜空から降る桜花弁と、それを照らす灯篭の光。
 そんな桜狩りも存分に楽しむけれど。
「よし! 飲む! 飲むぞー!」
 倫太郎が迷わず足を運んだのは、日本酒が振舞われる出店。
 勿論、この地の銘酒であるという、甘口の陽桜里も辛口の薄宵桜も、どちらも購入して。
 見上げた夜空に咲き誇る桜に、献杯してから。
「っかー! 一仕事した後の一杯ってどーしてこーも美味いんだろなぁ」
 ぐいっと景気よく、労いの一杯を。
 スッと喉を通る感触と深みのある味の地酒を楽しみながら、サムライエンパイア特有の珍味を酒の肴に。
 干物の焼き串や酒粕に漬けた干し肉など、塩辛さが酒にとても良く合う。
 そんな春の夜の酒盛りを楽しんでいた倫太郎であるが。
「清史郎は誕生日おめでとさんなー?」
 ふと通りかかった清史郎を見つけ、もうすぐ誕生日であるという彼にそう声を掛けて。
 祝いの言葉感謝する、と笑む清史郎にふと訊いてみる。
「つーか、ヤドリガミって、あれか? やっぱヤドリガミとして人の姿になった時が誕生日になんのか? 元々の品が完成した時が誕生日になんのか?」
「他のヤドリガミの皆はどうか分からないが。俺の場合は、どちらも同じ日だったからな」
「そーなのか。それだと、分かりやすいな」
 倫太郎はそう言いながらも、一杯どうよ? と清史郎にも酒を勧めながら。
「ま、それはいっか。どっちが誕生日でもさして重要じゃねぇや」
 今、此処にいる、つーんが割と俺にとっちゃ重要な方だしよ、と。
 桜舞い降る夜空を見上げて――改めて、清史郎と共に、乾杯を。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マレーク・グランシャール
【藤紫】今鶴羽(f10403)と

新人猟兵の今鶴羽と共に桜見へ

俺も右も左も分からぬ新人の頃、先輩猟兵にサムライエンパイアの祭りに連れて来て貰った
今鶴羽はこの世界の出身なのか?
だけどお前は髪も目も紫色だから桜と言うより藤の花のようだ
薄紅を差したらもっと生えそうだな
(髪に桜の花を飾ってやる。相手がヤドリガミなので性別は気にしない)

そう言えばお前は飲めるクチか?
俺は飲むより食べる方が好きだが、食べるなら何でも奢るぞ
俺も少しは戦えるようになってきたから先輩ヅラさせてくれ

飲んで気分が良くなってきたら演奏でも披露しよう
ちょうど今回の事件を担当したグリモア猟兵・清史郎が誕生日間近だ
祝いに一曲


白藤・今鶴羽
【藤紫】マレーク(f09171)と

・よろしくおねがいします(ぺこり)
・(基本的にはちゃんとついて歩くけど、気になるものがあると気を取られてそちらにふらふら)
・お菓子おいしいです(もぐもぐ)
・「初めて食べた」ような気がします(=この世界の出身ではなさそう)
・お酒は「頼むからやめて」と言われたことが、あるような…無いような…?(玉虫色の回答)
試してみましょうか?(小首傾げ)
・(マレークは)普段はどんなお仕事を?
・桜にさわら…さらわ…攫われる、というやつですね、聞いたことがあります
・誕生日。得難いご縁(年に一回ですからね)。今日も、明日も、明後日も。来年のその日へと巡る日々に、彩りがありますように。



 ――桜というのは、不思議な花だ。
 美しく儚く、風情があることは同じであるが。
 昼と夜の表情が他の花よりも、大きく違う気がする。
 青空に映える昼桜は可憐で。麗らかな陽に包まれて、淡く柔い彩を降らせるけれど。
 漆黒に浮かび上がる夜桜は艶やかで。月に照り舞い降る彩は、まるで人の心を惑わすような……どこか妖しい美しさを湛えている気がする。
 そんな夜桜を灯篭の燈火で照らし、愛で楽しむという、春の祭り。
 マレーク・グランシャール(黒曜飢竜・f09171)は、新人猟兵の白藤・今鶴羽(ヤドリガミのゴッドペインター・f10403)を連れ、今宵この夜桜の祭りへと足を運んでいた。
 自分が右も左も分からぬ新人の頃、先輩猟兵に連れてきて貰ったように。
 この世界の祭りに連れて来られたあの時に比べれば、猟兵としての活動も随分と板についてきただろうし。 
「そう言えばお前は飲めるクチか? 俺は飲むより食べる方が好きだが、食べるなら何でも奢るぞ」
 俺も少しは戦えるようになってきたから先輩ヅラさせてくれ、と。
 そう続けたマレークへと返ってきたのは、何とも曖昧な……所謂、玉虫色の回答。
「お酒は、頼むからやめてと言われたことが、あるような……無いような……?」
 試してみましょうか? と、今鶴羽は小首を傾げるけれど。
 だが残念ながら、ヤドリガミとはいえ、彼はまだ肉体年齢では未成年。先輩と杯を酌み交わすのは、もう少しだけお預けだ。
 今鶴羽は逸れぬ程度にマレークに着いていきながらも、珍しい出店の品があれば、ふらふらと誘われるけれど。
 なかでも興味を惹いたのは、サムライエンパイア特有のお菓子・団子であった。
「お菓子おいしいです」
 そう、奢った団子をもぐもぐと頬張る今鶴羽と共に。
 買った団子を口にしながら、ふと、訊ねてみるマレーク。
「今鶴羽はこの世界の出身なのか?」
「このお菓子、初めて食べたような気がします」
 その言葉から、どうやら今鶴羽は、この世界の出身ではなさそうである。
 そして、刹那――春の夜風が吹き抜け、ざわりと桜の枝葉を大きく揺らせば。
 より一層舞い散りはじめた桜花弁が夜空で渦を巻き、薄紅色の小さな嵐となる。
「桜吹雪、か」
「桜にさわら……さらわ……攫われる、というやつですね」
 聞いたことがあります、と。そう頷く今鶴羽を瞳に映したマレークは。
 そっと、その手を伸ばして。
「だけどお前は髪も目も紫色だから、桜と言うより藤の花のようだ」
 ――薄紅を差したらもっと生えそうだな。
 そう、藤色の髪に、桜いろの花を咲かせてあげたのだった。
 それからふたりはふと、通りかかったグリモア猟兵・清史郎へと声を掛ける。
「誕生日。得難いご縁。今日も、明日も、明後日も。来年のその日へと巡る日々に、彩りがありますように」
 今鶴羽の祝辞に、有難う、と笑み返す清史郎に。
 美味しい地酒や食べ物を楽しみ、気分が良くなってきたマレークも彼を祝うべく。
「祝いに一曲」
「良いな、是非。拝聴させていただこう」
 静かに降り積もる夜桜の花筵の舞台で。
 最近覚えたという演奏を一曲、披露するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月舘・夜彦
ロビン殿(f06319)と参加
夜桜を見に散策へ行きましょう

ロビン殿は着物は初めての様ですが良く似合っておりますね
私からすれば其方の装いの方が馴染みがありますので落ち着きます

桜は今年で数度見ておりますが何度見ても飽きないもの
夜桜は特に幻想的で現である事を忘れてしまいそうです
ロビン殿は誕生日でしたが、祝うに相応しい場所ならば良いです
……祝いにその桜を飾れば良いのですか?
お安い御用です、その金の髪にも桜は映える事でしょう
喜んで頂けたのならば幸いです

もう暫し夜桜を楽しむとしましょう
お手をどうぞ
村であれ夜道を歩くのは確か
迷う事が無いように、お手を引いてお供させて頂きます


ロビン・テヘラ
夜彦(f01521)と

若草色の着物に藤色の帯を締めて
足元も赤い鼻緒の履物で可愛らしく
今日はお姫様気分なの
しずしずと歩くわ
エスコート、よろしくね

綺麗な夜桜…光が当たって夜空に浮かんで見えるみたい
夢のように曖昧なその景色は甘い余韻を残すよう
綺麗な桜と、それに負けないくらい素敵な夜彦を見れてとても眼福
お祝いもしてくれてありがとう
何も欲しいと思わないけど…これ、髪に飾ってくれる?
と、落ちたばかりの桜の花を一輪手渡し
似合うかしらと微笑を浮かべるわ

そうね、もう少し楽しみましょう
あ…あのね、手を握っても良いかしら
疾しいことはないけれど、
桜の精に手を引かれぬように
繋いでくれたら、引かれるままに



 燈された灯篭に朧に照らされた夜桜も、幻想的で綺麗だけれど。
 そんな目を奪われるほどの風景に添えられたのは、陽の彩りで縁取ったような貌の、着飾った美しき花。
 今日はお姫様気分なの――そうしずしずと歩くロビン・テヘラ(勿忘の駒鳥・f06319)の今宵の格好は、彼女には珍しい着物姿。
 若草色の着物に藤色の帯を締め、赤い鼻緒の履物で足元まで可愛らしく。金の髪を結わえ纏めている。
「ロビン殿は着物は初めての様ですが良く似合っておりますね」
 私からすれば其方の装いの方が馴染みがありますので落ち着きます、と。
 そう緑を帯びる瞳を細める月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)に、ロビンは舞い降る桜の如きいろをした唇を開き、微笑む。
「エスコート、よろしくね」
 そんな今宵のお姫様に、勿論喜んで、と夜彦は笑み返して。
 二人並んで夜桜を愛でながら、灯篭の燈火に誘われるように、桜いろ積もる花筵の上を歩く。
「桜は今年で数度見ておりますが何度見ても飽きないもの。夜桜は特に幻想的で現である事を忘れてしまいそうです」
「綺麗な夜桜……光が当たって夜空に浮かんで見えるみたい」
 夢のように曖昧なその景色は、甘い余韻を残すようだと。ロビンは感嘆の溜息を小さく漏らすと同時に。
 すぐ隣で夜空に咲く桜を見上げる夜彦の横顔を映した涼やかな藍の双眸を細める。
 ――綺麗な桜と、それに負けないくらい素敵な夜彦を見れてとても眼福、と。
 そんな双眸に気付いて、ふと夜彦が視線を返せば。
「ロビン殿は誕生日でしたが、祝うに相応しい場所ならば良いです」
「お祝いもしてくれてありがとう。何も欲しいと思わないけど……これ、髪に飾ってくれる?」
 そうロビンが夜彦へと手渡したのは――春の夜風が運んでくれた、落ちたばかりの桜花一輪。
「……祝いにその桜を飾れば良いのですか? お安い御用です、その金の髪にも桜は映える事でしょう」
 髪を飾ることに関しては、お手の物。
 竜胆の簪のヤドリガミである夜彦は、スッと、美しい金色の髪に春の彩りを飾って。
 似合うかしらと微笑みを浮かべるロビンに、喜んで頂けたのならば幸いですと笑み返してから。
 桜咲いたお姫様とともに、もう暫し夜桜を楽しむべく空を仰ぐ。
 そんな夜彦に……ロビンはもうひとつ、こんなお願いを。
「あ……あのね、手を握っても良いかしら」
 疾しいことはないけれど――桜の精に手を引かれぬように、と。
 灯篭が燈り真っ暗ではないにしろ、夜道を歩くのは確かだから。
「お手をどうぞ」
 迷う事が無いように、お手を引いてお供させて頂きます――そう夜彦の手が、ロビンのものと重なった刹那。
 互いにじわりと伝わる、相手の温もり。
 そしてその温もりが混ざり合うのを感じながら、ロビンは桜降る夜空の下を揺蕩う。
 先の言葉通りエスコートしてくれるその大きな手が、導くままに。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アルノルト・ブルーメ
世界が異なっても、桜は変わらずに儚げに咲くね

夜桜を見上げてゆるゆると過ごそう
折角だから、夜桜のお供に地酒も頂こうかな

辛口の薄宵桜を一献
今年の花への感謝と……
来年も同じように見事な花を咲かせる事を祷りを込めて
軽く杯を掲げてから味わう

うん、僕の好きな味わいだ
酒の肴には……そうだね、珍味も良いけど
煮付けや煮込みのようなものがあればいいね
陽が落ちるとまだ少し肌寒いから

もう少しして……
本格的な桜の時期になれば余り気にならないだろうけれど、ね
そんな時期が来たら、あの子と花見も悪く無さそうだ
付き合ってくれるかは判らないけれど

あぁ、清史郎くんは誕生日おめでとう?
これからの一年、君に多くの幸がありますように……



 見上げた緑の瞳に映り、はらりと舞い散る桜花弁。
 その姿はとても美しく……同時に、どこか切なさを感じてしまうは何故だろうか。
「世界が異なっても、桜は変わらずに儚げに咲くね」
 アルノルトは、薄紅舞う緑を帯びた瞳を、そうそっと細めてから。
 折角だからと、幻想的な灯篭に照る夜桜をお供にと、地酒が振舞われている出店へ。
 この地の有名な銘酒は、甘口の陽桜里と辛口の薄宵桜、2種類あるのだというが。
 アルノルトが選んだのは、辛口の薄宵桜。
 そしてふと、星月と桜花弁と灯篭の燈火の彩が混ざり合う空へと、杯を掲げる。
 ――今年の花への感謝と……来年も同じように見事な花を咲かせる事を祷りを込めて。
 そんな春の宵に乾杯した後、くいっと口にした薄宵桜は。
「うん、僕の好きな味わいだ」
 絶えず静かに降る桜のように上品で、夜にみせる花の艶やかさを思わせるような、少し大人な味わい。
 地酒だけではなく、酒の肴も、花見には必須。
 サムライエンパイア特有の珍味も良いのだけれど。
 今日のアルノルトの酒の肴は、大根といかの煮付けやモツ煮込み。
 夜桜を愛で、美味しい酒やつまみを堪能しながらも。
 桜の枝葉を大きく揺らす春風が吹き抜け、アルノルトの夜を纏ったような漆黒の髪を揺らした。
 もうすぐそこまで、春はやって来ているけれど……やはり陽が落ちると、まだ少し肌寒いから。
「もう少しして……本格的な桜の時期になれば余り気にならないだろうけれど、ね」
 風に揺れ、より多くの桜花弁が舞い踊る中で、アルノルトは思う。
 そんな時期が来たら――あの子と花見も悪く無さそうだ、と。
 そして、付き合ってくれるかは判らないけれど、と父親の色を灯した緑色の瞳を柔く細めた。
 それからアルノルトが見つけたのは、ひとりのグリモア猟兵。
「あぁ、清史郎くんは誕生日おめでとう?」
「わざわざ祝いの言葉を有難う。感謝する」
 そう祝辞に笑み返す清史郎に、アルノルトはこう続けたのだった。
 ――これからの一年、君に多くの幸がありますように……と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

桐崎・早苗
祭りは眺めて楽しみます。静かなところが好きだというのもあります。
それにこうして眺めていると、此度私達が守りしものを実感出来ます故。

カラクリのはこは見つかった様子でございますね。

桜は庭木としては陽、宴会において陰とみなされます。
これは宴会を陽と見立て対に見たためであり、捉え方で変化するもの。
同様に人を想う心も、些細な加減や変化、そして捉え方により良くも悪くもなると私は考えます。
故に、ここに宿りし様々な想い達も同様なもの。
どうか匣にまつわる想いたちが迷わず安らかに在れますように。…五行、其の和を取り戻し給え…

良き月、そして楽しげな宴。良き花見の肴にございます
明日はきっと、良き日となりましょう



 出店が並ぶような賑やかな場所から、少し離れた桜の木の下で。
 春の季節の訪れを告げる灯篭燈す夜桜祭りを眺め楽しむのは、早苗。
 静かなところが好きだという趣向通り、早苗の周囲には、ただはらはらと舞う無数の桜花弁だけ。
 そんな花弁降る中、ふと思うのは。
「カラクリのはこは見つかった様子でございますね」
 桜姫が遺したという、絡繰り匣のこと。
 どうやら石蔵に眠っていた匣が開かれ、鍵の在り処も判明したようだが。
(「桜は庭木としては陽、宴会において陰とみなされます。これは宴会を陽と見立て対に見たためであり、捉え方で変化するもの」)
 同様に人を想う心も――些細な加減や変化、そして捉え方により良くも悪くもなると。早苗はそう、考えていて。
 賑やかな喧噪を遠くに見つめながら、ふわりと尻尾を揺らし、満開に咲く桜へと願うように紡ぐ。
「故に、ここに宿りし様々な想い達も同様なもの。どうか匣にまつわる想いたちが迷わず安らかに在れますように」
 ……五行、其の和を取り戻し給え……と。
 それからふと、桜色舞う夜空を仰げば。
 瞬く星と柔く輝く月、漆黒に踊る空一面の花弁。
 ――良き月、そして楽しげな宴。良き花見の肴にございます。
 早苗はそう、春の宵を楽しむように瞳を細めて。
「明日はきっと、良き日となりましょう」
 ぴこりと耳を揺らしながら、見上げる桜の花の様に、笑みを咲かせるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

明智・珠稀
お嬢様の浪漫溢れる匣…
時間を共に過ごせることが幸福…。
幸せになっていただきたかったです、ね。

(祭りの賑やかさに)
…せっかくです。
夜桜を楽しませていただきましょう…!

桜は大好きです。
芽吹く桜も満開に咲き誇った絢爛な桜も、散りゆく桜もどれも愛おしい。
葉桜となっても、来年への楽しみとなります、ふふ。

おや、地酒もあるのですか…!
辛口の「薄宵桜」をいただきましょう…!
お酒のお供にあんみつ…は流石にありませんかね、ふふ!

■ご挨拶
おや、清史郎さん…!
雅な清史郎さんと美しい桜、とても風流ですね…!
今すぐに絵画を描きたい程です…!(うっとり)
どうぞ良きお誕生日をお迎えくださいね、ふふ!

※アドリブ、絡み大歓迎♡



 青空に映える昼桜は、可憐で優しい彩りだけれど。
 眼前に降る夜桜の美しさは、どこか儚く憂い気を帯びているような気がする。
 まるで、終幕を迎えた桜姫と絡繰り匣の物語のように。
「お嬢様の浪漫溢れる匣……時間を共に過ごせることが幸福……。幸せになっていただきたかったです、ね」
 はらりと散る桜を見上げながら、珠稀はそう、ぽつりと呟くけれど。
「……せっかくです。夜桜を楽しませていただきましょう……!」
 夜桜の様に、妖艶で美しい紫色の瞳を細めて。灯篭燈る桜の道を、歩き出す。
 満開に咲いた、仄かな光に照る早咲きの桜。
 そんな薄紅の彩を愛でながら、桜は大好きです、と笑む珠稀。
「芽吹く桜も満開に咲き誇った絢爛な桜も、散りゆく桜もどれも愛おしい。葉桜となっても、来年への楽しみとなります、ふふ」
 どの桜も、珠稀は好きだけど。
 儚いからこそ美しいと、そういわれる桜。
 今宵の様に満開に咲く桜花を愛でることができるのは、ほんの僅かのひとときだけだから。
 珠稀は紫の双眸にも桜花爛漫、薄紅の花を咲かせる。
 それから、賑やかな出店並ぶ桜の広場で。
「おや、地酒もあるのですか……! 辛口の『薄宵桜』をいただきましょう……!」
 辛口の『薄宵桜』を選んで、くいっとひとくち。
 その味わいは桜のように上品で、夜に揺蕩う花弁の景色の様に、深く大人びた味わい。
 日本酒は辛口を選んだので、酒の肴は甘いあんみつでも……そう周囲を見回してみれば。
「おや、清史郎さん……!」
 見つけたのは、桜のグリモアを咲かせる清史郎と……彼が食べている、桜のあんみつ。
「あんみつ、あるのですね……!」
「先程、抹茶クリームあんみつを友人に奢って貰ったのだが。限定だと謳われていた桜あんみつもやはり気になり、食べてみようかと」
 そう雅に微笑む甘党の彼は、何気に本日2杯目のあんみつらしい。
 食べる姿も麗しいと。そう、ふふっと笑む珠稀は、改めて清史郎を見つめて。
「雅な清史郎さんと美しい桜、とても風流ですね……! 今すぐに絵画を描きたい程です……!」
 桜模様の硯箱だというだけあり、桜舞う景色が様になっている清史郎に、うっとりとした後。
「どうぞ良きお誕生日をお迎えくださいね、ふふ!」
「有難う、祝いの言葉、嬉しく思う」
 清史郎は珠稀の祝辞に笑み返し、そして続ける。
 よかったら、あんみつの出店まで案内しようか? と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アオイ・フジミヤ
薄宵桜を買って、のんびり桜を眺めよう

村の奥、月夜に照らされた古い桜の木は、ぽかんと空いていて
灯篭はあまりないけれど、月明かりで十分

太い枝に上って座る お酒を口に運んで
自分が「桜人」になれるだなんて思わなかった
18歳になるまで、小さな村から一歩も出ることができなかったから

頬に触れる花弁に微笑む
世界はきれいだ、もっともっといろんなものが見たい

でも……桜の美しさを上回るものはむずかしいね

セイさんを見かければ桜の木に隠れて声を変えておばけのフリ
そこ行くセイさん、良い夜かな?

綺麗ね、桜
この時がたとえ一瞬でも、私はきっとずっと覚えているよ
セイさんにもこれから、そういう”一瞬”がたくさん訪れるといいな



 遠くに燈る沢山の灯篭が、夜の漆黒を仄かに彩って。
 祭りに訪れた人たちで賑わう夜桜舞う景色を、さらに幻想的にしている。
 でも……今アオイの前に佇む古い桜の木には、灯篭もないし、周囲に人もいない。
 けれど桜を照らす輝きは、月明かりで十分。
 村の奥で密かに咲く桜の大樹の立派な枝へと上り、腰を下ろしてから。
 アオイが口にするのは、辛口の地酒『薄宵桜』。
 心なしか、ほんのり桜いろに頬を染めながら。
 アオイは見事に咲き誇る眼前の薄紅を、海の如き青の瞳にも咲かせ、ふと零す。
 ――自分が「桜人」になれるだなんて思わなかった、と。
 故郷には決して咲かない桜。それに焦がれる片恋の儚い唄『さくらびと』。
 18歳になるまで、そんな小さな村から一歩も出ることができなかったから……咲いているところを見たことがなかった、一番愛する花。
 その花が今、すぐ目の前で――アオイのためだけに、満開に咲き誇っている。
「世界はきれいだ、もっともっといろんなものが見たい」
 小さな村から出た少女は、世界の広さとその無限の可能性を知って。
 自分の眼で見たいものを見る、そんな生きる目的を見つけた。
 だから、片恋で終わると思っていた一番愛する花を、こうやって見ることができたし。
 桜への恋は実っても……これからも、アオイの生きる目的は変わらない。
「でも……桜の美しさを上回るものはむずかしいね」
 アオイはようやく出会えた、何ものにも代え難い彩を宿す花々に、思わずそうぽつり。
 それほど――やはり、一番愛するこの花は、美しいから。
 そして枝から降りたアオイは、ふと……視線を別のところに映して。
 桜の後ろに隠れて、こう、おばけのフリを。
「そこ行くセイさん、良い夜かな?」
 清史郎はそんな声に、雅な微笑みを宿して。
「アオイか? 今宵は、とても良い夜だな」
「なんで私ってわかったの?」
 声色も変えて脅かそうと思ったのに、と姿を現しつつ、大きく首を傾けるけれど。
 そんなアオイにくすりと笑んで、清史郎は言った。
「俺をセイさんと呼ぶのは、アオイだけだからな」
「あっ、そっか……」
 アオイは清史郎の言葉に納得した後。ふと、彼の隣で、改めて桜を眺める。
「綺麗ね、桜。この時がたとえ一瞬でも、私はきっとずっと覚えているよ」
「桜は、儚いからこそ美しいと……たとえ咲くのが刹那的でも、いや刹那的だからこそ、この美しさを俺たちは忘れないのだろうな」
 そんな清史郎の言葉に、アオイは頷きながらも。ぽつりと、こう言の葉を零す。 
「セイさんにもこれから、そういう”一瞬”がたくさん訪れるといいな」
「俺にも……アオイにも、な」
 清史郎は再び柔い微笑みを宿しながら。
 アオイの海彩の髪に降り積もった花弁を、そっと優しく摘まんだのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

五条・巴
七結(f00421)と一緒に

お疲れ様。
匣も開かれたようだし、敵も倒せた。
あとは楽しむだけだね。

七結に桜を見に行こう、と誘って露店の方へ。
地酒は飲めないけれど、桜の紅茶やジュースもあるみたいだよ。何を飲もう?

露店の飲み物や食べ物を軽く買って、桜がよく見える所へ場所取りしたら、お花見の始まり。

柔らかな日差しと賑やかな露店、桜の舞う暖かい光景が先程の戦闘での気持ちを優しく解してくれる。
エンパイアの桜も綺麗だろう?
七結に見せれて良かった。

優しく降り注ぐ桜の花びらに喜び日が暮れるその時まで、たわいない話をしながら、ゆっくり過ごすよ。

来年も、もちろん
一緒に桜を見に行こう。


蘭・七結
トモエさん(f02927)と

絡繰り匣は、姫のココロそのもの
此処では叶わなかったようだけれど
別の世界で、ステキな縁に巡り会えますよう

心地の好い倦怠感を感じながら
桜の宴へと誘う声に、自然と足取りは軽く
柔和に笑む彼の元へと歩を寄せて
ナユは、サクラの紅茶とお菓子が気になるわ

トモエさんに案内された場所
四方に広がる薄紅の光景をじいと眺める
美しいサクラに囲まれながら、紅茶をひと口
本当に、トモエさんの言ったとおり
和国の春は、とても美しいわ

日が翳り、夕闇を迎える花景色
ステキな時間をありがとう、トモエさん
もしも叶うのならば。
来年も、あなたと共にサクラが観たいと
ナユのおねだり。聞いて下さるかしら



 漆黒の空に舞う夜の桜も、言葉で言い表せないような美しさなのだけど。
 一日のうち極僅かな時間にしか見られない、そんな空のいろに舞う桜もまた、特別。
 桜舞う屋敷に別れを告げ、並んで歩く七結と巴は、ふと桜姫の匣のことを思う。
 絡繰り匣は、姫のココロそのもの。
 此処では叶わなかったようだけれど。でも別の世界で、ステキな縁に巡り会えますよう……。
 そう、心から願う七結に。
「匣も開かれたようだし、敵も倒せた。あとは楽しむだけだね」
 桜を見に行こう――巴は澄んだ紺青の瞳を細め、桜の宴へと誘う。
 依頼を成し憂いを断つことができて。心地の好い倦怠感を覚えながら。
 そんな春めいた誘いに応じる七結の足取りは軽く、柔く笑む彼の元へと、歩を寄せる。
 そして辿り着いたのは、出店が並ぶ賑やかな喧噪の中。
「地酒は飲めないけれど、桜の紅茶やジュースもあるみたいだよ。何を飲もう?」
「ナユは、サクラの紅茶とお菓子が気になるわ」
 店に並ぶ食べ物や飲み物も、ひらり降る彩りと同じ、桜いろ。
 七結と巴はそんな露店の飲み物や食べ物を軽く買った後、桜がよく見える場所を見つけ確保して。
 楽しいお花見の、始まり。
 随分傾いてはきているものの、天から降るのは、柔らかな日差し。
 そして、人の声で賑やかな、活気ある露店。
 そんな平和そのものな、桜舞う暖かい光景を眺めていると――先程の戦闘での気持ちが、優しく解される気がする。
 そう思いながらも、巴は隣で薄紅のいろをじいっと眺めている七結に、ふと問う。
「エンパイアの桜も綺麗だろう?」
「本当に、トモエさんの言ったとおり。和国の春は、とても美しいわ」
 四方に広がる薄紅に囲まれ、美しいサクラの光景に包まれながらも。
 巴の言葉に頷きつつ、桜の香がする紅茶を、七結はひとくち口に運んで。
 七結に見せれて良かった……巴はそう、再び笑み返す。
 優しく陽に煌めいては降り注ぐ、桜の花弁。
 そんな美しく可憐な桜色の綻びに喜び、日が暮れるその時まで。ふたりはゆっくり、他愛のない会話を交わして。
 いつの間にか、青かった空が、赤橙のいろへと表情を変える。
 眼前には――夕闇を迎えた、幻想的な花景色。
 そして、つい今まで夕焼けの赤に照っていた花弁をかわりに照らし始めるのは、仄かに燈りはじめた灯篭の光。
「ステキな時間をありがとう、トモエさん」 
 刹那的な桜の景色をみせてくれた彼に、そう礼を言いながらも。
 赤橙から今度は漆黒へといろを変え、ふわり舞う夜桜を愛でながら……七結は巴に、こんなおねだりを。
 もしも叶うのならば――来年も、あなたと共にサクラが観たい、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

泉宮・瑠碧
同じ桜でもそれぞれ違いそうなので
僕は散策して夜桜見物を

繊細だと聞いたからな
一定距離から一本一本眺め…木々の様子も見ておこう
それとなく住民に伝える位だが

清史郎を見付ければ、誕生日おめでとう

焼くケーキはまだ作れないし
作れても流石に持ってくるのは難しいので…
祝いになるか分からないが
籐籠に詰めてきた苺やオレンジのミニタルトを渡そう

桜模様の硯箱とは聞いていたが…
硯箱は以前に写経で見たし、桜も今回見られたからな
想像は出来る様になった

降る花弁でどんな模様か考えようと思ったが…
これだけ花びらが散ると、綺麗でも樹が心配になるな
その分、次の命にもなるのだろうが
精一杯生きている感じはする

…来年も、元気に咲くと良いな



 灯篭の燈火に照らされ、満開に咲き誇る早咲きの桜。
 並ぶ桜の薄紅は壮観で。どの木も、一斉に花を咲かせて春の訪れを告げる。
 けれど……同じ桜でも勿論、一本一本、それぞれ違う木。
 瑠碧は咲き綻ぶ夜桜を見ながら、周囲を散策して。
「……繊細だと聞いたからな」
 一定距離から一本一本、桜を眺め……木々の様子を見ておく。
 何かあれば、それとなく住民に伝えようと思っていたが。
 此処は桜の祭りを催すほどの村。
 普段から桜の木々は大切にされているらしく、気になるところも、既に手が加えられ補われている。
 そんな様子を見て、瑠碧はホッと安心したように深い青の瞳を細めてから。
「清史郎、誕生日おめでとう」
 偶然出会った清史郎へと、祝いの言葉を。
 そして、この桜の時期に生まれたという彼に。
「焼くケーキはまだ作れないし、作れても流石に持ってくるのは難しかったので……祝いになるか分からないが」
 瑠碧が手渡したのは、苺やオレンジのミニタルトが詰まった籐籠。
「祝辞の言葉だけでなく、このような甘味まで。有難う、嬉しい」
「桜模様の硯箱とは聞いていたが……硯箱は以前に写経で見たし、桜も今回見られたからな。想像は出来る様になった」
 グリモアの桜をその掌にいつも咲かせている、桜模様の硯箱。
 そんな彼と関わるうちに、それがどういものなのかを知ることができてきて。
 そう紡いだ瑠碧に、清史郎は普段通り、雅に微笑むのだった。
「そうか。また写経もしに来てくれ」
 星や月の輝きにも負けないほど、美しく照る桜の花弁。
 降る花弁でどんな模様か考えようと思っていた瑠碧であるが。
「これだけ花びらが散ると、綺麗でも樹が心配になるな」
 だが、こうも聞いたことがある――桜は儚いからこそ美しい、と。
 そして今年の桜が散っても。また来年には、人びとを魅了するような美しい花を咲かせるだろう。
「その分、次の命にもなるのだろうが。精一杯生きている感じはする」
 瑠碧はそう、満開に咲き誇る夜桜を見上げて。
 優しく吹き抜ける風に揺れ、雪のように花弁を降らせる桜の木に、そっと微笑む。
 ……来年も、元気に咲くと良いな、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

華折・黒羽
綾華さん(f01194)と

珍しく揶揄いの意図がない言葉には
密かに驚きつつも素直にありがとうございます、と

…舞が綺麗だったんで
感化されたんじゃないですかね

やはり何処か捻くれた言い方をしてしまいながらも
見上げれば夜を飾る桜に目を縫い留め
薀蓄には何気ない相槌

手に花弁を乗せ何かを考えてる様子の相手には
目線は送れども何も聞かず
ただ静かに桜が舞い踊る様を眺める時間
手に持ったまま減らない桜茶には数枚の花弁

その時間に終わりを告げたかと思えば
矢継ぎ早に投げられる問いには眉寄せ渋い顔
まず答える間を作ってくださいよ

俺が一番好きなのは…桜です
覚えてなくていいですよ

――俺が一番見たい「桜」は、きっとまだ見つからないから


浮世・綾華
黒羽(f10471)と

黒羽の篠笛、綺麗だったな
揄う意図はない、素直に目を細める
辛口の薄宵桜をくいっと味わえば上機嫌に笑い
そーですか、そりゃあどうも

桜、綺麗だなあ
今となっては花見といえば桜だケド
もっとずっと昔は梅を愛でてたんだと
そんな薀蓄を得意げに口にしながら
酒に浮かぶ桜をゆぅらりと揺らして

黒羽は、桜はすきか?
それとも別の花の方がすき?
じゃあ何の花?

やぁだよ
俺は俺のペースでしゃべるとけらけら
揶揄うというよりは、陽気な酔っ払い
――へえ、そっか
最後にぽつと落とされた言葉には
それ以上問うことはせず
見つかるといいな?
目を細め、それから
彼の髪についた花びらに手を伸ばした



 青空に舞っていた可憐な昼桜とは、また違って。
 どこか心惑わす妖しさを秘めたような、艶やかな美しさを放つ夜桜。
 そんな夜桜の魔力か何かかと、一瞬だけ思ってしまったような。
「黒羽の篠笛、綺麗だったな」
 揄う意図のいろのない、細められたその赤の瞳と言の葉。
 そんな綾華に密かに驚きつつも、ありがとうございます、と。素直にそう返した黒羽であったが。
「……舞が綺麗だったんで。感化されたんじゃないですかね」
 やはり続けたその言葉は、何処か捻くれた言い方。
 そして、ふと天を仰げば……縁取られた青の双眸にも、ひらり、夜桜が舞い降る。
 そんな、普段通りに戻った黒羽の返答に。
「そーですか、そりゃあどうも」
 くいっと、辛口の『薄宵桜』を味わいつつ、綾華は上機嫌に笑って。
 桜、綺麗だなあ――そう零した後、得意顔で語るのは、薀蓄。
「今となっては花見といえば桜だケド、もっとずっと昔は梅を愛でてたんだと」
「そうなんですか」
 それをさらっと何気ない相槌で返した黒羽であったが。
 ふと杯に満ちる『薄宵桜』へと舞い降り、浮かんだひとひらをゆぅらり揺らす綾華に向けるのは、目線のみに。
 静かに降る夜桜の花弁が、ただしんしんと積もり、漆黒の夜に仄かな薄紅を添えて。
 そのいろは、黒羽の手にある減らない桜茶にも、はらりと舞い降る。
 だが――幻想的な桜舞う静寂の時間は、やはり、長くは続かず。
「黒羽は、桜はすきか? それとも別の花の方がすき? じゃあ何の花?」
 突如、矢継ぎ早に投げられた、綾華のそんな問い。
 そんないきなりの質問攻めに、黒羽は眉を寄せ渋い顔をして。
「まず答える間を作ってくださいよ」
「やぁだよ。俺は俺のペースでしゃべる」
 そうけらけらと笑う綾華は、完全に陽気な酔っ払い。
 そんな酔っ払いに、はあっとひと息吐きながらも。
「俺が一番好きなのは……桜です」
 覚えてなくていいですよ、と相変わらず捻くれた言の葉を添えた後。
 まるで咲いた夜桜の花弁が、はらりと零れ落ちるように。
 ――俺が一番見たい「桜」は、きっとまだ見つからないから。
 そう、ぽつりと紡ぐ黒羽。
「――へえ、そっか」
 ……見つかるといいな?
 綾華はそんなひとひらの呟きに、ただ、それだけ返して。
 その姿を映した赤の瞳をもう一度細めると。
 黒羽の夜の如きいろをした髪に舞い降りた桜花弁へと――そっと、その手を伸ばした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

新堂・ゆき
夜桜灯篭の祭りですか。
せっかくの桜です。お祭りの雰囲気を楽しみつつ、お花見といきましょうか。
スイーツに疎いので、地酒をいただきながら夜桜見物です。
陽桜里を選択
清史郎さんにお祝いを言いつつ声をかけさせていただきます。
何でも誕生日とか。
桜の花の綺麗な季節とはまたよき時期ですね。
サムライエンパイア特有の珍味?ご存知でしたらオススメを聞いてみます。
お酒をいただきながら、桜を見て。
これを見ても何も感じなくなってしまったら、その時は私はどこかに心を
置いてきぼりにしてしまっているのでしょうね。
ああ、こんな変な話をするつもりじゃなかったのに。
また、いつかの機会には甘味をご紹介下さると嬉しいです。



 ただでさえ、夜空に咲く桜はどこか妖しく艶やかだというのに。
 燈された灯篭の光が、その美しさをより際立たせている。
「夜桜灯篭の祭りですか」
 そんな、待ち侘びた春の季節を愛でる祭りを楽しむべく、ゆきも足を運んでいた。
 咲き誇る桜の花を愛でることができる時間は、とても短い。
 だから、早咲き桜が満開に咲いている今宵は、貴重な夜かもしれないから。
 せっかくの桜です――お祭りの雰囲気を楽しみつつ、お花見といきましょうか、と。
 桜降る中、出店並ぶ賑やかな広場を巡ってみるゆき。
 生憎、スイーツに疎いので。出店で買った、甘口の地酒『陽桜里』を手に、夜桜見物を。
 そしてゆきはふと、見かけた清史郎に声を掛ける。
「清史郎さん、何でも誕生日とか。桜の花の綺麗な季節とはまたよき時期ですね」
「有難う、ゆき。確かに、今は桜の咲く良き時期だな。桜の祭り、楽しんでいるか?」
 そう微笑み返す彼に、こう訊ねてみるゆき。
「サムライエンパイア特有の珍味、ご存知でしたらオススメなどありますか?」
 甘味はまたいつかの機会に――そう続けようとしたが。
「サムライエンパイアの珍味か。烏賊や鮭の干物などは、酒と良く合うが。個人的には、甘い物もなかなか酒の肴にお勧めだ」
「甘味、ですか?」
「ああ。どら焼きや羊羹など、意外と日本酒と合う。みたらし団子などの甘辛いものも良いな」
 そうにこにこ微笑む彼は、やはり甘党のようだ。
 そんな彼お勧めの桜色のどら焼きを買ってみながら。
 ゆきは優しい甘さの『陽桜里』を味わいつつ、ふと夜に舞う桜を見上げ、言の葉を零す。
「……これを見ても何も感じなくなってしまったら、その時は私はどこかに心を置いてきぼりにしてしまっているのでしょうね」
 それから、はっと我に返って。
 ああ、こんな変な話をするつもりじゃなかったのに……なんてゆきは一瞬思ったけれど。
「そうだな。いつまでも、桜は勿論……四季や自然を美しいと思う心は、忘れたくはないな」
 その掌に桜のグリモアを咲かせる硯箱はそう、ゆきに微笑むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルーナ・リェナ
【ほしのたね】のみんなと

ねえねえ、ここでしか食べられないものが欲しいなぁ
目についた、お酒の入ってないものをひととおり
ぜーんぶ買いながら先へ進む
バスケットに入れておけばいつでも美味しく食べられるしね
途中で清史郎に会ったらお誕生日おめでとうって声をかける
プレゼントはバスケットの中に手を入れてもらって、掴んだものをあげるよ
誕生日って1年頑張りましたってお祝いじゃない?

お酒は飲めないけどおつまみは美味しそう!
式夜が食べてるのと同じの、買ってみようかな
うー……しょっぱい
クロエとわけたりんご飴で口直し
あ、嵐、たこやきたべる?
クロエの真似してふーふーしてから差し出す


リュカ・エンキアンサス
【ほしのたね】のみんなと
桜を見るのは初めてじゃないけれど、こうしてみるとやっぱりなんだか特別な気分がするなって、感慨深く
屋台、珍味…
味のことはいまひとつわからないけれども、うん
なんだかよくわからないけど、適当に分けて(と、言いつつ式夜お姉さんのものをつまみ、嵐お兄さんのものをつまみ
え。ちょっと待ってクロエお姉さん
そういう…恥ずかしいのは…ちょっとやめよう
何か照れるし

射的ね、わかった
取り尽す勢いで頑張るよ
一発で4つ狙えないかな…ん?そういう遊びじゃない?
標的はあの熊だね
うん、期待していて

誕生日を祝うって俺にはよくわからないけど
射的でもらえたものの中に何か贈れるのあったかな
いいのがあればお祝いを


鏡島・嵐
【ほしのたね】の皆と行動。
やれやれ、やっと落ち着いて夜桜見物できるな。
せっかくの祭りなんだし、いろいろ楽しみてぇな。

まずは皆で夜店に繰り出すとしますか。
……あー、どれも美味そう。酒はまだ年齢的に呑めねぇから、直感で食いてえもの選んで買ってみる。
……リュカとかクロエとかにすげえ食いしん坊とかって思われそうだけど、おれは別にそこまでじゃねえからな。あればあっただけちゃんと食うってだけだ(※世間ではそれを食いしん坊と言う)
あとは射的に真剣になるリュカをからかったり。

勿論食うだけじゃなくて、ちゃんと夜桜も見てるぞ。
……うん、こっちもすげえ綺麗。
咲いてるときも散るときも綺麗なのが桜のいいところだよな。


両角・式夜
【ほしのたね】の皆と

いやぁ、ひと戦いした後の酒は格別であるな!
わしは甘口の陽桜里が呑みたいなぁ。
酒を片手に皆と夜店に屋台周りをしよう!

さてはて、酒の肴になる物はあるかな……
お、イカや鮭の乾きものなんてあるのか!
後は何か塩辛い物とか無いかな?
ん?ルーナ殿も食べてみたいか?酒の肴だから、ちょっと塩っ辛いぞ。
嵐殿や皆が買った物もちょいちょい摘まみつつ、夜店とかも巡ろう。射的があればリュカ殿なら独壇場だろうな。クロエ殿と一緒に景品をねだろうかな。
何?清史郎殿はもうすぐ誕生日でしたか!これはめでたい!
夜桜の元でワイワイ騒ぐのも、また乙なものだな!


クロエ・アルページュ
【ほしのたね】

みんなお疲れ様ですわ
ここからはわたくしとも遊んでくださいませ
たくさんたくさん楽しみましょう!

まぁお酒!わたくしも一口よろしいかしら
これでも嗜む程度は呑めますのよ
乾き物に甘いものも、交互に食べる満足感
ルーナ、一緒に林檎飴はいかがでしょう
ひとりでは多すぎますもの、シェアしましょう?
あとたこ焼きというものを食べてみたいですわ!
リュカ、ほらふーふーして差し上げますのどうぞ
あら照れてお可愛いですわ
ふふ、嵐は食いしん坊さんでしたのね、わたあめもいかがかしら
射的!でしたらあの大きなくまさんがいいですわね

まぁ清史郎のお誕生日、おめでとうございますわ
夜桜と賑わう景色、素敵な日を彩られたかしら



 艶やかに咲き誇る薄紅は、待ち侘びた春の訪れを告げると同時に。
 あっという間に、儚くはらりと散ってしまうけれど。
 灯篭の燈火に照らされ、夜空に浮かび上がる早咲きの桜は、今が満開の見頃。
「桜を見るのは初めてじゃないけれど、こうしてみるとやっぱりなんだか特別な気分がするな」
 星瞬く夜空に舞い遊ぶ桜花弁を見上げ、感慨深く呟くリュカに頷きながらも。
「やれやれ、やっと落ち着いて夜桜見物できるな。せっかくの祭りなんだし、いろいろ楽しみてぇな」
 まずは皆で夜店に繰り出すとしますか、と。
 美味しそうなものが並ぶ出店へと、早速視線がいく嵐。
 そして、見事オブリビオンを討ち依頼を完遂した皆を労うのは、クロエ・アルページュ(eine wilde Rose・f02406)。
「みんなお疲れ様ですわ。ここからはわたくしとも遊んでくださいませ」
 たくさんたくさん楽しみましょう! そう蒼銀の瞳を細めて。
 一仕事終えて空いただろうおなかを満たしてあげるべく、出店並ぶ喧噪の中、皆を促し歩き出す。
「屋台、珍味……」
 味のことはいまひとつわからないけれども、うん、と。
 リュカはそう小さく首を傾けるも。
 皆と一緒に促されるまま、とりあえず出店を巡ってみて。
「ねえねえ、ここでしか食べられないものが欲しいなぁ」
 ルーナは、あんみつに苺大福、みたらしや三色や餡の団子……等々。
 とにかくその好奇心旺盛なその瞳に映ったものを、ひととおり全部買って。 
 いつでも美味しく食べられるようにと、バスケットへと入れておく。
「いやぁ、ひと戦いした後の酒は格別であるな!」
 式夜が足を向けた出店は、甘口と辛口、2種類の地酒が振舞われている出店。
「わしは甘口の陽桜里が呑みたいなぁ」
 2種類のうち、甘口の『陽桜里』を購入した式夜は。
 美味しく飲みやすい甘口の酒を片手に、皆と屋台巡り!
「まぁお酒! わたくしも一口よろしいかしら」
 これでも嗜む程度は呑めますのよ、と。
 そう笑むクロエにも、式夜は店でもうひとつ貰ったお猪口を手渡してから。
 ふたりでカチリと杯を合わせ、夜桜に乾杯を。
 だがやはり、酒を呑むならば、おつまみも欲しいところ。
「さてはて、酒の肴になる物はあるかな……お、イカや鮭の乾きものなんてあるのか! 後は何か塩辛い物とか無いかな?」
「お酒は飲めないけどおつまみは美味しそう! 式夜が食べてるのと同じの、買ってみようかな」
 イカや鮭の乾きものを見つけ、買った式夜の手の中の酒の肴に、興味津々なルーナ。
「ん? ルーナ殿も食べてみたいか? 酒の肴だから、ちょっと塩っ辛いぞ」
 そんなルーナに、炙った鮭とばをお裾分けしてみる式夜だったが。
「うー……しょっぱい」
 まだ少し、その塩辛さはルーナの舌には合わないよう。
 そんなルーナに差し出されるのは、飴を纏った真っ赤な果実。
「ルーナ、一緒に林檎飴はいかがでしょう。ひとりでは多すぎますもの、シェアしましょう?」
「甘くておいしい! ありがとうクロエ」
 ルーナは、クロエとふたりでわけっこした甘いりんご飴で、無事にお口直し。
 そして、ルーナも色々なものを買って歩いているけれど。
「……あー、どれも美味そう」
 年齢的に酒が飲めないかわりに、直感で食べたいものを次々と選んでは買ってみる嵐。
「嵐お兄さん……随分たくさん買ってるね」
「ふふ、嵐は食いしん坊さんでしたのね、わたあめもいかがかしら」
 リュカとクロエの視線を感じ、嵐は大きく首を振るけれど。
「すげえ食いしん坊とかって思われそうだけど、おれは別にそこまでじゃねえからな。あればあっただけちゃんと食うってだけだ」
 世間では、それを食いしん坊といいます!
 そんな、沢山美味しそうなものを買っていく嵐は、勿論自分の分だけでなく、皆にもお裾分け。
 なんだかよくわからないけど、適当に分けて……と、リュカも、皆と買ったものをシェアし合うけれど。
「あとたこ焼きというものを食べてみたいですわ!」
 見つけたタコ焼きを買ってきたクロエは、にっこりと笑んで。
「リュカ、ほらふーふーして差し上げますの。どうぞ」
「え。ちょっと待ってクロエお姉さん。そういう……恥ずかしいのは……ちょっとやめよう」
 何か照れるし、と。思わず青い瞳を見開いて、そう遠慮するも。
「あら照れてお可愛いですわ」
 そんなリュカの反応に、ふふ、とクロエが微笑めば。
「あ、嵐、たこやきたべる?」
「くれるのか? 旨そうだな!」
 クロエの真似してふーふーしてから差し出されるルーナのたこ焼きを受け取って。
 あればあっただけちゃんと食うって言っただろ、と。
 念のため、嵐はそう言っておくのだった。
 そして、皆で美味しいものを沢山交換こし合い、おなかも随分満足になってきた頃。
「射的か、リュカ殿なら独壇場だろうな」
 ふと式夜が見つけたのは、景品が並ぶ射的の屋台。
「射的! でしたら、あの大きなくまさんがいいですわね」
「わしはあのキラキラした置物が欲しいな、リュカ殿」
「わたしも、もふもふしたかわいいぬいぐるみとか欲しいかな」
 クロエと式夜とルーナにそう何気におねだりされて。 
「射的ね、わかった。取り尽す勢いで頑張るよ。標的はあの熊と置物と、もふもふだね。」
 うん、期待していて。銃なら外さない、と。
 お目当ての景品だけでなく、並ぶもの全て撃ち落とす心積もりで射的に臨むリュカ。
「一発で4つ狙えないかな……」
「おぉ、すげぇ真剣だな、リュカ。って、一発で4つ!?」
「……ん? そういう遊びじゃない?」
 嵐は銃を構え狙い定めるリュカをからかうように口を開きつつも、その動向を見守って。
 引き金をひいた瞬間、的確に狙い通り、バタバタと倒れていく4つの景品。
 それから言うまでもなく……最低限の弾数で、全ての景品をリュカは撃ち落としたのだった。
 さすがに全て貰うのは荷物になるため、皆が欲しいものなど数個だけ景品を受け取ってから。
 夜桜が舞う中、楽し気に歩いていた皆がふと見かけたのは。
「あ、清史郎。お誕生日おめでとう!」
「ルーナ。桜の祭り、楽しんでいるか? 祝いの言葉も感謝する」
 そう、雅に微笑む清史郎。
「何? 清史郎殿はもうすぐ誕生日でしたか! これはめでたい!」
「まぁ清史郎のお誕生日、おめでとうございますわ。夜桜と賑わう景色、素敵な日を彩られたかしら」
「有難う。お陰様で、とても良き日だ」
「プレゼントはバスケットの中に手を入れてもらって、掴んだものをあげるよ」
 誕生日って1年頑張りましたってお祝いじゃない? と。
 そうバスケットを差し出すルーナに、ではお言葉に甘えようか、と。
 笑んだ清史郎が掴んだのは、甘党の彼が好きな桜色の羊羹。
 誕生日を祝うって俺にはよくわからないけど、とリュカは首を傾けるけれど。
「射的でもらえたものの中に何か贈れるのあったかな……これとか、どうかな」
「おお、これは良いもふもふだな」
 渡されたもふもふひよこのぬいぐるみに、頂いてもいいのだろうかと、嬉しそうに微笑む清史郎は。
 これは祝ってくれた礼だ、と。桜色をした小ぶりの苺大福をひとつずつ、皆へとお裾分けするのだった。
 出店を皆で回って買い物をして、美味しいものも沢山食べて、射的で遊んで。
 祭りを、かなり満喫しているけれど。
 勿論、食べたり遊んだりだけではありません。ちゃんと、灯篭に照る夜桜も見ています。
「……うん、こっちもすげえ綺麗。咲いてるときも散るときも綺麗なのが桜のいいところだよな」
 そう改めて、桜色の彩舞い踊る夜空を仰いだ嵐に、式夜も満足気に頷く。
「夜桜の元でワイワイ騒ぐのも、また乙なものだな!」
 春の宵を舞い遊ぶ、桜花弁たちのように。
 たまには皆で賑やかに仲良く、こんなひとときを過ごすのもまた乙で。
 そして何より――とても、楽しい。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ペイン・フィン
【ヤド箱】で参加。
他の猟兵との絡みもOK。

せっかくだし、いろいろと食べ物を貰ってこようかな。
念のため、自分の分の食事は持ってきたけど、
ここでしか食べられないものがあるなら、ね。

あれこれと、目についた物を取ってきたら。
夜桜見つつ清史郎の誕生日のお祝い。
自分はともかく、生まれた日というのは、大事に祝う物だし、ね。
おめでとう。清史郎。

のんびり、夜桜を見ながら、食事。
できれば、皆と、食べ物を交換したりも、したいかな。


ステラ・アルゲン
【ヤド箱】で参加

さて戦いの後は夜桜ですね
そういえば清史郎殿が誕生日でしたか
お誕生日おめでとうございます、清史郎殿!

屋台で甘い物を片っ端から揃えます
花見団子はもちろん饅頭、大福、桜餅や羊羹などなど
和菓子を皿に並べてバースデーケーキ紛いの物にならないでしょうか?

……ついでに屋台で自分の分も確保しておく
せっかくのサムライエンパイアで和菓子が食べられるとあっては見逃すわけにはいきません

夜桜眺めつつ、桜の紅茶を飲んで花見団子などを頂きたいと思います
花より団子にはなってないはず……です

(アドリブOK)


杜鬼・クロウ
【ヤド箱】
アドリブ多め歓迎
筧・清史郎とも絡めれば

「夜桜灯篭の祭ねェ…たまには悪くねェな。お前らとも一緒だしなァ。
甘すぎるのはそんな好きじゃねェが和菓子は好みだ」

ステラやカガリ達と屋台で甘味や特産物を調達
桜餅、ひよこの形の饅頭、味噌田楽、揚げ物系、珍味(お任せ)を買う(エンパイアの特産品は詳しい方
好物の錦玉羹も見つけたら、それを清史郎の誕生日祝いに
夜空色に桜の花弁と煌きを閉じ込めたもの

「そういや誕生日なンだってなァ、清史郎。ほらよ。ささやかだが俺も」

夜桜眺めて乾杯
ワイワイ春の宴会を楽しみ食べる
誰かに珍味を食べさせたい
誰か余興したら盛り上げる
以前、春告鳥の笛を吹いた事があるので興が乗れば軽く披露


出水宮・カガリ
【ヤド箱】※アドリブ絡み歓迎
桜姫の心も、無事解放されたか
憂いが無くなって何より、何より

さて、夜桜灯篭か
せいしろうは今回もご苦労様だ
生まれがこの時期だそうだな、めでたい、めでたい
屋台で何か調達して、皆で祝おうか
それがいい、それがいい
しかし、何がいいものかなぁ…
甘味は他のものが揃えるだろうし、むしろ棚買いしそうだし
珍味…とやらを探してみようかなぁ
カガリは酒は飲めないが

一通り買い揃えたら、皆と夜桜の下で祝いを
…夜桜灯篭、か
カガリの都では、花篝り、というものがあった
灯篭でなく、篝火で夜桜を見るものだ
エンパイアにも、きっとありそうだが…いや、いや

桜の硯とこの景色を見られた事、覚えておきたいと思う



 美しい薄紅舞う屋敷の、桜姫の絡繰り匣の噂。
 目的は、桜の庭に現れるオブリビオンどもの討伐ではあったけれど。
「桜姫の心も、無事解放されたか。憂いが無くなって何より、何より」
 カガリは、聞いた絡繰り匣の物語の終幕に、そう瞳を細めながら。
 さて、夜桜灯篭か、と……眼前に数多照る、灯篭の光へと視線を映した。
「戦いの後は夜桜ですね」
 カガリに並んで灯篭の燈火を見つめ、星瞬く空に舞い踊る桜をステラも見上げて。
「夜桜灯篭の祭ねェ……たまには悪くねェな。お前らとも一緒だしなァ」
「みんなで、のんびり、楽しみたいね」
 クロウとペインも夜桜降る祭りの喧噪へと、旅団の仲間達と足を向けた。
 そしてカガリは清史郎へと、グリモア猟兵の務めの労いの言葉を掛けた後。
「せいしろうは生まれがこの時期だそうだな、めでたい、めでたい」
「そういえば清史郎殿が誕生日でしたか。お誕生日おめでとうございます、清史郎殿!」
「赴いてくれた皆に礼を言うのは俺の方だ。それに祝辞まで、有難う」
 清史郎は、カガリやステラに礼を言いつつ、そう微笑み返して。
「屋台で何か調達して、皆で祝おうか。それがいい、それがいい」
 皆で、桜降る祝いの夜宴を――と。
 そのためにはまず、食べ物や飲み物の調達から。
「せっかくだし、いろいろと食べ物を貰ってこようかな。ここでしか食べられないものもありそうだし、ね」
 念のため、自分の分の食事は持ってきたペインだけど。
 ぐるりと出店を見回してみただけでも、この世界特有のものが沢山ありそうだから。
 目についた物を、色々と貰ってくることに。
「しかし、何がいいものかなぁ……」
 甘味は他のものが揃えるだろうし、むしろ棚買いしそうだし……と。
 カガリの紫色の瞳がふと映すのは、隣のステラの姿。
 そんな視線に気付いて。
「カガリ、どうかしました?」
「……いや、なんでもない。カガリは、珍味……とやらを探してみようかなぁ」
 首を傾けるステラに、カガリはそう返してから。
「くろうやせいしろうは、この世界のことは詳しかったりするのだろうか?」
「エンパイアの特産品は詳しい方だなァ。まァでも、気になるモン持ってくればいンじゃねェか?」
「好みはあるが、この世界の食べ物は基本、美味なものが多いからな」
 美味しいものが多いというサムライエンパイアだが、各人の好みもあるので。
 とりあえずクロウの言うように、それぞれが気になるものを出店で探すことに。
 さすが詳しいというだけあり、桜餅にひよこの形の饅頭、味噌田楽に揚げ物系に、珍味も忘れずに。クロウはめぼしいものを一通り買って。
「……お、コレも買っとかねェとなァ」
 視線の先に見つけたものを買いに、桜降る喧噪の中、歩き出す。
 そして、花見団子は勿論、饅頭、大福、桜餅や羊羹などなど。
「……和菓子を皿に並べて、バースデーケーキ紛いの物にならないでしょうか?」
 甘い物を片っ端から揃えるのは、ステラ。
 そして……自分の分の甘味の確保もついでにと、抜かりはない。
 いや、甘いもの好きとして、これは絶好の機会。
「せっかくのサムライエンパイアで和菓子が食べられるとあっては、見逃すわけにはいきません」
 そんな気合十分のステラに。
「……ステラ、ステラ」
 別の店を見ていたカガリが、ふと声を掛けてきて。
「どうしました? カガリ」
「あそこの店に、マカロンがあったぞ。抹茶とかあずきとか、限定の桜とか……この世界の味のものだったが」
 その言葉に、ぱっと青い瞳を星の様に輝かせて。
「本当ですか!? 行ってきます!」
 ありがとう、カガリ! と。思わず駆け出すステラの後姿を見送りながら。
 カガリはステラを映した紫色の瞳を、そっと柔く細めるのだった。
 そしてペインも、色々な出店を回ってみて。
「あ、これも、おいしそう。あれは、何かな……?」
 あれにこれにと、気になったものをとりあえず沢山集めてきて。
 夜桜咲く絶好の場所で――春の宴の、はじまり。
 まずはみんなで、桜降る空に飲み物を掲げて……乾杯!
「おめでとう。清史郎。自分はともかく、生まれた日というのは、大事に祝う物だし、ね」
「ペインも今月が誕生日ではなかったか? お互い、この桜の時期に生まれたのだな。おめでとう」
 もしよかったら、と。清史郎はペインへと、買ってきた苺大福を勧めて。
 ペインも彩りが綺麗で目についた3色団子を差し出して、交換こ。
 ステラは仄かに桜香る紅茶を飲みながら、花見団子やこの時期限定だという和桜のマカロンを口に運びながら。
「花より団子にはなってないはず……です」
 灯篭に照り、舞い降る夜桜も、確りと堪能する。
 皿に盛られた和菓子を見れば――花より団子ではなく、花も団子も、と言ったところか。
 そんな贅沢に盛られた和菓子を前に。
「甘すぎるのはそんな好きじゃねェが、和菓子は好みだ」
 クロウも桜餅やひよこの形の饅頭を味わいながら。
「ほら、お前らもどうだ?」
「これは……なんだ?」
「甘くはなさそうですが……」
「……ちょっと、食べてみようかな?」
 イカの塩辛や変わり種の漬物など、この世界以外ではなかなか見かけない珍味を勧めてみて。
 興味津々それを食べてみた皆の反応を、一通り楽しんだ後。 
「そういや誕生日なンだってなァ、清史郎。ほらよ。ささやかだが俺も」
「錦玉羹か、良いな。甘くて美しくて好きだ。有難う」
 夜空色に桜の花弁と煌きを閉じ込めた……そんな好物を、清史郎に。
 そして祝いにと披露するのは――春告鳥の笛の音。
「……夜桜灯篭、か。カガリの都では、花篝り、というものがあった。灯篭でなく、篝火で夜桜を見るものだ」
 クロウの奏でる笛の音を聞きながら、灯篭の燈火に照る夜桜を眺め、そう口にするカガリ。
 この世界にもきっと同じようなものがありそうだが、とは思いつつも。
「花篝り、か。篝火に照る夜桜も、さぞ美しいだろうな。こうやって皆と共に、見てみたいものだ」
 そう、ふっと天を仰ぐ、桜の化身のような友人に。
 カガリは頷きながらも、こう言の葉を返すのだった。
 桜の硯とこの景色を見られた事も、覚えておきたいと思う――と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

重松・八雲
【花守】
アドリブ歓迎
筧殿も良ければ是非に!

(屋台の品々を腕一杯に抱え、ほくほく顔で桜の下へ)
さてさて、お待ちかね!
改めて、今必殺の鰌――と行きたかったが、既に皆花と団子に夢中ときた!
くっ、しかしこう見事な桜の前では儂も霞む(?)というもの
致し方ない、此処は儂も全力で花も団子も楽しむとしよう!

(酒には滅法弱い為、澪と桜茶や甘味を広げに広げ)
満天満開の桜に、彩豊かな甘味――これぞ極楽だのう!
(屋台制覇目指し、いざ開宴!の前に音頭は任せた!と伊織と菊里見遣り)
乾杯!
いやはや、目出度き事この上ないのう!
この花々の如くに、幸い咲く日々が続くよう祈っておるよ

――む、膝とな
ならば特別にこの爺が貸してやろう!


千家・菊里
【花守】
アドリブ歓迎
清史郎さんも宜しければ是非

(屋台で散々寄道した後、満面の笑みで花筵広げ)
余興は既にお腹一杯ですが(爺様をまたさらっと流し)、花に団子は別腹
――もとい是こそ本命
心置きなく、心行くまで、目一杯腹一杯楽しみましょう
(暗雲も呪いも晴れた様で何よりと、一瞬蔵の方へ目を伏せ)

花を愛でつつ花に御酌頂けるなんて、贅沢極まりないですねぇ
と、その前に僭越ながら――
平和な夜桜灯篭の宴を祝し(目配せ一つ交わし伊織に続きを委ね)――乾杯
お誕生日、おめでとう御座います
この桜と灯が織り成す光景の様に、光と幸溢れる一年を

そして素敵な祭の一時に、心から感謝を
(哀れな誰かを尻目に、花も酒も甘味も存分に味わい)


呉羽・伊織
【花守】アドリブ歓迎
清史郎も良けりゃ寄ってくかい
相変わらず妙な集団で悪いケド!

さて、今日ぐらいは贅沢しねーとな
って小町姐サンはお手柔らかに!(酒や肴を運びつつ)
(憂いや呪いは晴れたなら、もう何も――と、先刻迄の事は胸の内にそっとしまい――序でに爺サンの事もさくっと忘れ、ほぼ花と団子しか目にない男)

飲兵衛組の相手は勘弁だケド、花の御酌は喜んで!
さて、そんじゃ――(菊里に続け)清史郎の新たな一年を祝して、乾杯!
誕生日おめでとーな!
良い桜と祭に恵まれて何よりだ
同じく、幸い咲き誇る日々を願ってる

(目も腹も思う存分に満たし)
あー酔ったら責任取って膝貸してネ小町姐…うわ何でもナイ!

願わくは、来年もまた――


花川・小町
【花守】
アドリブ歓迎
良ければ清史郎君もご一緒に

そうそ、花の宴はぱぁっとやらなきゃね
ふふ、心躍ってならないわ
(伊織ちゃんに笑顔向けつつ一頻り屋台回り、酒と甘味をこれでもかと選んで席へ)
(一度だけ蔵を振り返るも言葉は紡がず――凶兆も呪も霧散したなら、後はそれ以上に晴れやかな時を手向けに)

さて、それじゃ仕切り直しに御酌でも
この先の舞は桜に任せ、私達は身も心も潤す絶景に酔いしれるとしましょ
(乾杯交わし)良き哉、良き哉――あの台詞は今にこそ相応しい
お誕生日おめでとう
どうぞ花の祝福続く日々を

(見え透いた演技はよしなさいよと笑いつつ、燈に浮かぶ花へと祈願を一つ――移ろう季節の先々にも、幸が在り続けますよう)


鳳来・澪
【花守】アドリブ歓迎
清史郎さんも是非
おすすめの甘味とかもあったら教えてね!

祭や宴はやっぱ華やかに、晴れやかに楽しまんとね!
(姫君に一時祈りを捧げた後、結局必殺が不発に終わったり財布が軽くなったりした面々をどんまい~と適当にあしらい)

にしてもほんまに、落ち着いて見たら一層心惹かれる光景やね
夜桜に灯篭に屋台まで、目移りが止らへんわ
(じっちゃんと色々広げつつ、るんるんと周囲見渡し――準備整えば一際笑顔咲かせて乾杯し)
お誕生日おめでと!
よう映えるというか絵になるというか、ほんに桜が似合いはるね
どうか今宵のように、華やかで穏やかな一年を!

(桜と灯と幸で満ちる光景を目と心に焼きつけ)
ええ一時を、おおきに!



 まるで何事もなかったかのように、ただ、しんしんと。
 降り積もる桜花弁が、主無き庭を再びそのいろで静かに浸蝕しはじめ。幾重にも舞い重なった薄紅は、白く煙る花霞となる。
 敢えて、何も紡ぐ言の葉はない。
 只、一度だけ、思い思いに振り返り――真に春の訪れを迎えた桜姫の物語の終焉に、目を伏せ、祈りを捧げながら。
 憂いも呪いも晴れたならと……その胸の内にだけ、そっとしまい。桜吹雪に霞む石蔵から背を向け、揃って歩き出す。
 ……そんな静寂に包まれた桜の庭とは、うって変わって。
 辿り着いた喧噪は、沢山の人が集い様々な出店並ぶ、夜桜灯篭の祭り。
 夜桜を愛でる春の宴となれば、まず必要なものは、美味な食べ物や甘味や酒。
「さて、今日ぐらいは贅沢しねーとな」
「そうそ、花の宴はぱぁっとやらなきゃね。ふふ、心躍ってならないわ」
 そう美しくも楽し気な笑顔を咲かせ、小町は一頻りぐるりと出店を巡って。
 小町姐サンはお手柔らかに! と口にしつつも、彼女がこれでもかと選んだ酒や甘味を運ぶ伊織は、ふと見つけた友人に声を掛ける。
「清史郎も良けりゃ寄ってくかい」
 相変わらず妙な集団で悪いケド! と添えられた言葉に、清史郎は柔らかく笑んで。
「そうだな。お言葉に甘えて、お邪魔させて頂こうか」
 それにしても大量の荷物だな、と、伊織の助太刀をせんとするも。
「清史郎さん、伊織なら心配無用ですよ。ぱし――いえ、ああいうことは得意でしょうから」
 さ、気にせず参りましょう、と菊里がゆるり笑めば。
 戦利品をほくほく腕一杯に抱えた八雲も頬を緩め、厳つい印象のその顔を綻ばせて。
「妙な連中の集まりで申し訳ないが、筧殿も良ければ是非に!」
「祭や宴はやっぱ華やかに、晴れやかに楽しまんとね!」
 パッと笑顔の華咲かせた澪に清史郎も頷き、皆とともに、満開に綻ぶ早咲き桜の木の下へ。
 そして、ついに――満を持して!?
「さてさて、お待ちかね! 改めて、今必殺の鰌――」
「余興は既にお腹一杯ですが、花に団子は別腹――もとい是こそ本命。心置きなく、心行くまで、目一杯腹一杯楽しみましょう」
 さらっと再びまた爺様を流しつつ、菊里は、敷いた花筵に先程買った戦利品をずらり並べて。
 必殺の余興をやらかさんとした八雲の事もサクッと忘れ、ほぼ花と団子しか目にない伊織。
 そんな、既に花と団子に夢中な皆の様子に、必殺技はまたしても不発となったが。
「くっ、しかしこう見事な桜の前では儂も霞むというもの。致し方ない、此処は儂も全力で花も団子も楽しむとしよう!」
 そうです、美しく舞う夜桜の下では、それも致し方ありません!
 そんなじっちゃんを、どんまい~と適当にあしらいながらも。
「にしてもほんまに、落ち着いて見たら一層心惹かれる光景やね。夜桜に灯篭に屋台まで、目移りが止らへんわ」
 澪は改めて、眼前に広がる春の宵の風景を眺めた後。
「満天満開の桜に、彩豊かな甘味――これぞ極楽だのう!」
 そう言い放った、酒には滅法弱いが、甘味をこよなく愛する八雲と共に。
 るんるんと桜茶や甘味を広げに広げて。
「これは良いな。俺も、甘味はとても好きだ」
「おお、筧殿も甘味を嗜まれるのか! 気が合いますなあ!」
「清史郎さん、おすすめの甘味とかあったら教えてね!」
 同じ甘いものに目がない者同士、意気投合……?
 そして、甘いものも非常に良いけれど……花見といえばやはり、酒がつきもの。
「さて、それじゃ仕切り直しに御酌でも」
 この先の舞は桜に任せ、私達は身も心も潤す絶景に酔いしれるとしましょ――と。
 調達した地酒の入った徳利を手に、酒を嗜む者達へと御酌する小町に。
「花を愛でつつ花に御酌頂けるなんて、贅沢極まりないですねぇ」
「飲兵衛組の相手は勘弁だケド、花の御酌は喜んで!」
 夜桜降る中、艶やかな美しさの花から注がれた桜の銘酒に、菊里も伊織も瞳を細めて。
「清史郎君はお酒はどうかしら」
「嗜む程度だが、酒もとても好きだ。有難う、頂こう」
 では小町にはよかったら俺が、と、御酌を返す清史郎。
 そして皆の手元に飲み物が行き渡れば。
 屋台制覇目指し、いざ開宴! ――の前に、音頭は任せた! と。
 八雲が見遣るのは、伊織と菊里。
「では、僭越ながら――平和な夜桜灯篭の宴を祝し」
「――清史郎の新たな一年を祝して、乾杯!」
 そう、目配せ交わし音頭を取った二人に続いて――乾杯! と。
 灯篭に照る夜桜の花見が、いざ開宴。
 清史郎はそんな乾杯の音頭に、不意をつかれたような表情を一瞬宿すも。
 すぐに、桜の様に柔らかな微笑みを皆へと返す。
「有難う。とても嬉しい」
「いやはや、目出度き事この上ないのう! この花々の如くに、幸い咲く日々が続くよう祈っておるよ」
「誕生日おめでとーな! 良い桜と祭に恵まれて何よりだ。同じく、幸い咲き誇る日々を願ってる」
「お誕生日おめでと! よう映えるというか絵になるというか、ほんに桜が似合いはるね。どうか今宵のように、華やかで穏やかな一年を!」
 ひとりひとりと杯を合わせ、祝辞の礼を告げる清史郎に。
「お誕生日おめでとう。どうぞ花の祝福続く日々を」
 良き哉、良き哉――あの台詞は今にこそ相応しい、と。
 華やかな笑顔を再び小町も咲かせて。
 口にした桜の銘酒に、月の様な瞳を細めれば。
「お誕生日、おめでとう御座います。この桜と灯が織り成す光景の様に、光と幸溢れる一年を」
 そして素敵な祭の一時に、心から感謝を――菊里もそう、清史郎や皆と杯を触れ合わせる。
 月と星と灯篭に照る桜花弁が舞い彩る、春の宵空の下。
 賑やかに、でも穏やかに――沢山の美味な食事や甘味は勿論、交わされる尽きぬ会話もまた、良き酒の肴。
 伊織は夜桜を愛で、くいっと酒を口に運びながら、整ったその顔にへらりと笑みを宿して。
「あー酔ったら責任取って膝貸してネ小町姐……」
「――む、膝とな。ならば特別にこの爺が貸してやろう!」
 ……うわ何でもナイ! と、慌てて前言撤回!
 そんな伊織に、見え透いた演技はよしなさいよと笑いつつも。
 小町はふと、燈に浮かぶ花へと祈願を一つ――移ろう季節の先々にも、幸が在り続けますよう、と。
 そして、膝枕こそ失敗したけれど。
 伊織も、花見を存分に楽しむ皆へと視線を向け、はらりと杯に舞い降り浮かんだ薄紅に、そっと、赤の瞳を細めた。
 願わくは、来年もまた――と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月守・ユエ
桜…見るのは久しぶりかもしれない…

月と灯篭に照らされて綺麗だなぁ
嗚呼、今日は月も穏やかな光で…とっても素敵なお花見日和だね

自分の中の人格に話しかけるように呟く
――キミも楽しそうで何よりだよ
なんて、もう一つの人格…月影は言う

ずーっと幼い頃…大切な人と見た気がするんだよね
だからとても懐かしく感じる

片手に陽桜里を持って、暫く桜を楽しんでいた

ふと視界に清史郎さんを見つける
思い立って彼に近づいていくと

「こんばんは♪清史郎さん!
お祭り、楽しんでる?
地酒もとっても美味しいよ。もう、飲んだ…?」
なんて他愛もない話題を振ってみる
桜もとっても綺麗だね!
来てみて正解だったよ♪
なんて子供みたいに無邪気に笑う



 ふと夜空を仰げば、漆黒に舞い遊ぶ薄紅のいろ。
 そんな無数の花弁に、星や月や燈された灯篭の光が煌めきを加えて。
 春の夜を、幻想的な風景へと変える。
「桜……見るのは久しぶりかもしれない……」
 月と灯篭に照らされて綺麗だなぁ、と。そう、月のような金色の瞳を細めて。
「嗚呼、今日は月も穏やかな光で……とっても素敵なお花見日和だね」
 月守・ユエ(月ノ歌葬曲・f05601)が話しかけるのは、彼女の中のもうひとりの自分。
 そして、そんなもう一つの人格……月影は言う。
 ――キミも楽しそうで何よりだよ、と。
 ユエは月光と灯篭に照り、仄かな輝きを纏う桜花弁を眺めながら。
 ふと、微かに首を傾ける。
「ずーっと幼い頃……大切な人と見た気がするんだよね」
 それが誰かは、分からないのだけれど。でも、大切な人だったような気がする。
 だから――とても懐かしく感じる、と。
 記憶を辿っても、その人には今は辿り着けないけれど……。
 そんな感覚をユエは覚えながらも。
 甘口の地酒『陽桜里』をお供に、暫く夜桜を眺め楽しんでいた。
 そんな桜色の風景に……ふと、知った顔が。
 ユエは思い立って、そんな『彼』に近づいて。
「こんばんは♪ 清史郎さん! お祭り、楽しんでる?」
 そう、声を掛けたのだった。
 ユエの声に、清史郎は優しく微笑みを返して。
「ああ、満喫している。ユエはどうだ?」
「うん♪ とても楽しいよ、地酒もとっても美味しいし。もう、飲んだ……?」
「甘口の『陽桜里』も辛口の『薄宵桜』も試飲したが、どちらかといえば甘口の方が好みだったな」
「あ! 僕も!」
 交わすのは、他愛もない会話。でも、それもとても楽しくて。
「桜もとっても綺麗だね! 来てみて正解だったよ♪」
 子供みたいに無邪気に笑うユエに、ああ、訪れてよかった、と。
 夜桜舞い降る中、真紅の瞳をそっと細めたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

雛月・朔
絡繰り匣の謎も解けてすっきりしました。お姫様が存命のうちに、抱く思いを汲むことが出来る御仁と出会えなかったのは残念ですが…。

あとは清史郎さんのご厚意に甘えてお祭り見物ですね。
夜桜と灯篭、とても素敵な組み合わせです。でも私は静かにお花見をしたいのでお祭り会場から少し離れたところに行き、念動力で自分の身体をふわふわと浮かせ、上空から地上の桜と灯篭の灯りを楽しもうと思います。
辺り一面埋めつくす桜色と仄かな灯りはまさに絶景、これを静かに独り占めなんてとても贅沢ですね。

帰りに清史郎さんへ絶景のお礼と、誕生日祝いを兼ねた桜とうぐいす模様の扇子を購入していきます。お誕生日おめでとうございます、清史郎さん。



 桜降り積もる庭の、その奥に佇む石蔵。
 その中に在ると噂の桜姫の絡繰り匣。そして匣を開けるための鍵の在り処。
 この地に今回訪れた目的は、オブリビオン討伐で。
 絡繰り匣に関しては、紐解く必要はなかったのだけれど。
 まるで、ふわふわと宙に浮く幽霊かのように。
 朔は念動力で自分の身体を浮かせながら。
「絡繰り匣の謎も解けてすっきりしました。お姫様が存命のうちに、抱く思いを汲むことが出来る御仁と出会えなかったのは残念ですが……」
 周囲に誰もいない、少し離れた場所で、そうふと呟く。
 確かに、桜の姫君のこころの鍵を開けるような相手は現れなかったが。
 いつまでも蔵に閉じ込められているよりは、猟兵達の手でそのこころを解き放ってあげられて、よかったのかもしれない。
 朔は舞う花弁と一緒に、漆黒の髪と赤い髪紐を揺らしながら、夜空をひらりふわりと移動して。
「夜桜と灯篭、とても素敵な組み合わせです」
 静かにお花見ができる、村の奥に佇む桜の大樹佇む場所までやって来た。
 遠くにみえる、数多の灯篭の燈火。そしてそれに朧に照らされる、無数の桜花弁。
 ふわり桜舞う上空から、朔は、地上の桜と光を楽しんで。
「辺り一面埋めつくす桜色と仄かな灯りはまさに絶景、これを静かに独り占めなんてとても贅沢ですね」
 そんな特別な春の夜の風景を静かに、でも目一杯堪能するのだった。
 そして……その帰り道。
 祭りの喧噪の中、通りかかった清史郎へと朔は声を掛けて。
「清史郎さん、おかげさまで夜桜の絶景を楽しめました。ありがとうございます」
「それはよかった。団長にはいつも世話になっているからな。役に立てたのならば光栄だ」
 そう、微笑む清史郎に。
 朔が手渡したのは――購入しておいた、桜とうぐいす模様の扇子。
「お誕生日おめでとうございます、清史郎さん」
「お祝いまで有難う。そういう団長も、同じ月の生まれだったな」
 清史郎はそう言ってから、もしよかったら――と。
 どこの出店で買ったのか、ちょっとゆる可愛いカピバラさんの形をした甘いお饅頭を、お返しに。

大成功 🔵​🔵​🔵​

日隠・オク
サクラコさん(f09974)と

素敵な桜です。
灯篭に照らされた桜は、普段見る桜とまた違って見えて
出来た影でまた綺麗に見えます

食べ物の出店にも興味津々に
いくつかの出店で買った食べ物を持って、桜の紅茶も持って

座れるところがあれば座ってゆっくり見たいです

サクラコさんの名前にも桜の文字が入っていますね
とても綺麗な名前です

夜桜を見ながら食事、おいしいです。


鏡彌・サクラコ
【オクちゃんf10977と一緒】
わー!満開でいす!
夜桜が灯りに照らされて
まるで夢の中にいるように感じます
上ばかりみているとふわふわとしてしまって
ちょっとよろけてしまったり
足下注意ですねい

出店にはどんな食べ物があるかしら?
縁日で買えそうな飴やら焼きとうもろこしやら色々いただいてしまいましょう

用意しておいた敷物を広げて席を作りますねい
オクちゃんもこちらにいらっしゃいませ

ありがとでいす
サクラコも自分の名前は気に入ってますよ
この季節はそのせいもあってわくわくしますねい

ゆったりのんびりした時間を楽しみます



 今宵の夜空に煌めくのは、無数の星と淡い月と、そして灯篭の燈火。
 その仄かな光に照らされて浮かび上がる桜花弁は、より幻想的で。
 見上げれば、春風にゆれるたび、薄紅のいろを降らせる、桜の樹。
「わー! 満開でいす!」
 空に浮かぶ月のような金色の瞳にも、夜空と同じように、映した桜色の花弁を降らせながら。
 サクラコはオクと一緒に、灯篭照る春の夜の桜祭りへと来ていた。
 ただでさえ、夜に咲く桜は神秘的に見えるのに。
「夜桜が灯りに照らされて、まるで夢の中にいるように感じます」
 灯篭の燈火に朧に照る桜花弁は、どこか妖艶にすら思えて。
 そう、まるで――春の夜の夢、みたい。
 そんな夢心地な気分に浸りながら。
「素敵な桜です」
 オクもふと舞い降る夜桜を見上げれば。
「灯篭に照らされた桜は、普段見る桜とまた違って見えて。出来た影でまた綺麗に見えます」
 夜空から降ってきたひとひらを、その緑色の瞳で追いかけて。
 降り積もった桜の花筵には、踊るような数多の桜影が。
 二人はそんな夜空を眺めながら、出店を目指し歩いていたけれど。
「上ばかりみているとふわふわとしてしまって、ちょっとよろけてしまったり。足下注意ですねい」
 雪の様に積もった桜の花弁に足を取られないよう、少し注意しながら歩いて。
「出店にはどんな食べ物があるかしら? 縁日で買えそうな飴やら焼きとうもろこしやら色々いただいてしまいましょう」
 美しい桜の花も勿論ですが……美味しいものも、忘れません!
 花も団子も、そのどちらとも楽しむべく。興味津々、色々な出店を覗いてみて。
 あれもこれもとつい美味しそうで色々買った食べ物と、桜の紅茶も購入。
 それから、花弁舞わせる大樹の下に、サクラコは持参した敷物を敷いて。
「オクちゃんもこちらにいらっしゃいませ」
「ありがとうございます、サクラコさん」
 二人並んで、ゆっくりと美味しいものを食べながら。
 灯篭に照る夜桜を、改めて眺める。
 オクは出店で買った飴を口に運び、薄紅の花を満開に咲かせる木々を見つめ、言った。
「サクラコさんの名前にも桜の文字が入っていますね」
 とても綺麗な名前です――と。
「ありがとでいす、サクラコも自分の名前は気に入ってますよ」
 そんなオクの言葉に、サクラコはそっと瞳を細めて。
「この季節はそのせいもあってわくわくしますねい」
 春の訪れを告げる桜にわくわくしながらも、ゆったりのんびりとした時間を楽しんで。
「夜桜を見ながら食事、おいしいです」
 やはり、花も団子も――どちらも目一杯、楽しむ所存。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御堂・茜
少し早いですが清史郎様(f00502)のご生誕をお祝いに!
他の方との交流も歓迎です

皆様こちらです!
御堂、朝から早起きしてお弁当を作り
よい場所を確保しておきました!
夜桜が美しく見える場所に敷物を広げ
重箱につめたお弁当をその上に

白身の殻から顔を出すまんまる茹で卵のひよこさん
海苔とスライスチーズやハムで顔をつけた
わんちゃんやネコちゃんのおにぎり
真ん中には清史郎様の似顔絵を描いたちらし寿司
桜でんぶでお花を散らして…
もふもふと桜に囲まれる清史郎様
御堂渾身の『きゃらべん』にございます!

地酒も購入してございます
お好きな方には御堂がお注ぎ致しますね!
わたくしもほろ酔い程度に嗜みつつ
賑やかな花見に致しましょう!



 はらりと灯篭の燈火に照る桜花弁が舞う、春の景色の中。
 ――清史郎様、こちらです!!
 御堂・茜(ジャスティスモンスター・f05315)の呼び声に、清史郎は微笑んで。
「御堂、朝から早起きしてお弁当を作り、よい場所を確保しておきました!」
「確かに、此処の夜桜は絶景だな。朝早くから準備してくれたのか?」
「ええ! 御堂の力作を、御覧下さい!!」
 そう敷物の上に広げられるのは、重箱につめたお弁当!
 その力作ぶりを前に、おお、と思わず感嘆の声をあげる清史郎。
 白身の殻から顔を出す、まんまる茹で卵のひよこさんに。
 海苔とスライスチーズやハムで顔をつけた、わんちゃんやネコちゃんのおにぎり。
 さらに。
「真ん中には清史郎様の似顔絵を描いたちらし寿司に、桜でんぶでお花を散らして……もふもふと桜に囲まれる清史郎様です!」
 そう、これこそ――御堂渾身の『きゃらべん』にございます!! と。
 清史郎はまじまじと、そう言い放つ茜の『きゃらべん』を興味深そうに見つめて。
「愛らしい上に、とても美味しそうだな。もふもふと桜に囲まれる俺とは……茜の発想も天晴だ」
 ものすごく、嬉しそう。
 そして……では、このひよこさんから頂こうか、と。
 ゆで卵のひよこさんを雅に口に運んでから。
「地酒も購入してございます。御堂がお注ぎ致しますね!」
「色々と有難う。では、茜の御酌は俺が」
「そんな……!! 誕生日の近い清史郎様に、御酌させるなど……!!」
「まぁ、そう言わず。ひよこさんもとても美味だった」
「ひよこさんだけでなく、わんちゃんやネコちゃん、清史郎様も是非食べてくださいませ!」
 にこにこと笑む清史郎に、茜も地酒を注がれれば。
「では、この夜桜灯篭の宴に」
「そして、清史郎様のお誕生日に……!」
 ――乾杯! と。
 ひらりふわりと桜舞う夜空に杯を掲げて。
 共に、賑やかで愉快な桜の宵を楽しむのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

氷條・雪那
あまり、お酒には強い方ではないのですが
折角なので陽桜里を頂いてみましょう
(一口飲んでみてから)
……流石に甘口なだけあって、飲みやすいですね

ジュースも気になるので
後で何か食べ物と一緒に買おうと思いつつ
夜桜を眺めます
姫の心はそのままで、と考えていたので
結果は敢えて聞いてません

……お祖父様にも、声を掛けるべきだったでしょうか
いえ、何だか散々お酒を飲んだ挙句
泥酔した後始末をする羽目になる予感がしますし
今夜は静かに桜を楽しむ事にしましょう

筧殿(f00502)の姿を見掛ければ
何を飲んでいるのかと訊ねてみます
ついでに筧殿が食べた中で
お勧めのつまみがあれば、それにも挑戦してみようかと



 仄かな灯篭の燈火に照らされた夜桜が、桜の彩りを降らせる中。
(「あまり、お酒には強い方ではないのですが……折角なので『陽桜里』を頂いてみましょう」)
 雪那が選んだ飲み物は、甘口の地酒『陽桜里』。
 それは、青空に映える昼桜のような爽やかなのど越しだと聞いていたが。
 くいっと、ひとくち試しに口に運んでみれば。
「……流石に甘口なだけあって、飲みやすいですね」
 酒に強くはない雪那も納得の飲みやすさ。
 でもやはり、桜にちなんだジュースも気になるので、食べ物と一緒に調達しようと。
 そう思いつつ――まずは、満開に咲き綻んだ夜桜を愛でることに。
 桜といえば、絡繰り匣にそのこころを託した姫君のことが、ふと思い出されるけれど。
 姫の心はそのままで――そう考えていた雪那は、姫君の絡繰り匣の終焉がどのようなものだったのか知らない。
 だが敢えて、その結果は聞かない。
 それが雪那なりの、絡繰り匣の物語に対するけじめだから。
 それから雪那はふと美しい桜を眺めながら、こうぽつりと。
「……お祖父様にも、声を掛けるべきだったでしょうか」
 いや、何だか散々お酒を飲んだ挙句、泥酔した後始末をする羽目になる予感が――。
 そんな、想像に易い展開に苦笑しながらも。
「今夜は静かに桜を楽しむ事にしましょう」
 こくりとひとり、雪那は頷く。
 そんな時、雪那の傍を偶然通りかかったのは、清史郎。
「筧殿は何を飲んでいるのですか?」
「俺は、甘口の地酒『陽桜里』を頂いている」
「奇遇ですね、私も『陽桜里』を」
 清史郎は、『陽桜里』の注がれた杯を掲げた雪那に微笑んで。
「では一杯、俺とも乾杯してくれないか」
 ふたり、軽く杯を合わせ――灯篭に照る美しい夜桜に、乾杯を。
「筧殿が食べた中で、お勧めのつまみはありますか?」
 お勧めがあればそれにも挑戦してみようかと、と。
 そう言った雪那に。
「俺の個人的なおすすめのつまみは、桜餡のどら焼きだな。甘い餡に、桜の塩漬けが良いアクセントになっている」
「つまみに……甘味、ですか?」
 にこにこと微笑む甘党の清史郎の答えに、一瞬きょとんとするも。
 つまみにするかはともかく――桜餡のどら焼きは買ってみようと。
 桜花弁が舞い降る景色の中、そう密かに思う雪那であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴェイゼル・ベルマン
人混みから少し離れた場所
桜の根元に腰掛け、焔々と共に静かに花見を
出店で買った酒や焼き鳥を楽しんで
薄宵桜か……この景色に合う良い酒だな、気に入ったぜ
ほらよ、お前も食うか?と焔々に焼き鳥を差し出して
旨い酒とつまみで花見たぁ、贅沢な時間だよな
ほろ酔いでご機嫌な様子

筧の姿を見掛けたら、挨拶くれぇはしとくか
よお、楽しんでるか?と片手を上げて
そういや、この時期が誕生日なんだってな
桜咲く季節か、お前によく似合ってるじゃねぇか
っと、そうだ
荷物をガサゴソ探ると、包みを取り出して
大したもんじゃねぇが、これやるよ
桜の花が焼印された三食団子、さっき出店で買ったやつだけどな
誕生日おめでとさん、良い一年になるといいな



 出店が並んだ祭りの広場は、花見に興じる人々で活気に満ち溢れているけれど。
 敢えてヴェイゼルが足を運んだのは、人混みから少し離れた場所。
 遠くに数多燈る灯篭の柔い輝きを眺めながら、密かに満開を迎えている桜の根元に腰掛けて。
 桜吹雪とともに陽気にくるり桜空を泳ぐ焔々と共に、静かに夜桜の花見を。
「薄宵桜か……この景色に合う良い酒だな、気に入ったぜ」
 出店で買ったのは、辛口の地酒『薄宵桜』。
 眼前に広がる静かな夜に咲く桜の様に、上品でちょっぴり辛口な大人の味わい。
 そして酒とともに買った焼き鳥を、酒の肴に楽しみながら。
「……ほらよ、お前も食うか?」
 焔々に焼き鳥を差し出せば、嬉しそうにぱくり。
 そんな相棒の姿に、漆黒の瞳を細めて。
「旨い酒とつまみで花見たぁ、贅沢な時間だよな」
 ほろ酔いでご機嫌なヴェイゼル。
 そんな彼の前を通りかかったのは――桜のグリモアを咲かせていた、見かけた顔。
「よお、楽しんでるか?」
「ああ、おかげさまで、今宵は良い夜だ」
 片手を上げ声を掛けたヴェイゼルに、清史郎はそう笑み返して。
「そういや、この時期が誕生日なんだってな。桜咲く季節か、お前によく似合ってるじゃねぇか……っと、そうだ」
 ガサゴソ探った荷物から取り出したのは、何かが包まれた紙。
「大したもんじゃねぇが、これやるよ」
 それは――桜の花が焼印された、三食団子。
「さっき出店で買ったやつだけどな」
「甘いものはとても好きだ。有難う」
 甘党の清史郎は、嬉しそうに赤の瞳を細めて。
 誕生日おめでとさん、良い一年になるといいな――そんな祝辞の言葉に、再び礼を言った後。
 仄かに照る夜桜を一度、仰いだ後。
 もしよければ、と――清史郎はヴェイゼルと焔々に、桜色をした小ぶりの苺大福を、お裾分け。

大成功 🔵​🔵​🔵​

飛白・刻
【nyx】で参加

お疲れ、千鶴
夜桜見物とはいい誘いを貰った
灯籠の柔い灯がまた良いものだ

甘い物は普段あまり口にはしない分
鯛焼きに、りんご飴、見るだけでも甘みが漂いそうだ
そちらの糖分は二人に任せよう
言うて自分は乾き物やらチーズやらへと手を伸ばす
爺臭い、知るものか
…ところで千鶴、それは餌付けのつもりか?

桜の名を謳う銘酒を交互に味わっていればハルベルの問い
糖度やら酸味やらで変わったりするが
言って俺もそこまで詳しくはない、最終は好みだと


常ではあるが和装も相まって
己が浮かれ見えるのではないかと密か思いもしつつ
事実、こうして誰かと語り見るも悪くない
灯に静か散る花弁もいい肴だと


ハルベル・ロウ
【nyx】
まずは一仕事終えてきた千鶴を軽く労う
「良い仕事は出来たかよ」
急かされるまま三人連れ立って出店巡りへ

有名らしい地酒が二種類、正直名前以外の差が分からねえ
「なあ刻、甘口と辛口ってどう違うんだ」
どうあれ両方飲むけどよ

酒の肴になりそうな物を探しつつ屋台を覗く
好きな物を答えようにも、そもそも屋台を見るのが初めてなモンで
とりあえず気になった物を指さしておく(りんご飴)
千鶴の言う鯛焼きも気になるが

珍味に関してはノータッチ
刻の反応を見て楽しむことにする。いい酒の肴になりそうだ

故郷にも居住世界にも無い花は物珍しい
満開の花を咲かせた木の根元で、降ってきた花びらを捕えつつ
夜桜灯篭の祭りだったか。悪くねえな


宵鍔・千鶴
【nyx】

昼間とはまた違う灯籠の明かりを帯びた夜桜が綺麗
桜姫に感謝をし二人から労いの言葉に満足気に頷く

おなかへった。何か食べいこ。
先程から鳴り止まない腹の虫に
同行してくれた二人を初めて見る出店へと急かす

地酒が美味しいんだって。ハルも刻も試してみれば?
俺は悔しいけれどお酒は我慢
ふわふわ香る桜紅茶で一息つけば心が和らぐ
何食べよう。たい焼きは…って思わず探し
ハルは何が好き?
指されたリンゴ飴に一緒に食べてみようと
差出し自分もぱくり。甘酸っぱい
甘味に手を出さない刻に徐に珍味手渡してみる
ほら、おつまみだよー(ぶんぶん)
餌付けは否定しない

満足したら
夜桜の花びら舞う根元で一休みも良いかも



 春めいてきた陽に静かに煌めき、青空に映えていた昼桜も綺麗であったけれど。
 眼前に咲き誇る夜の桜はまた、昼のものとは印象を変えている。
 どこか妖艶で、幻想的で。
 仄かに照る灯篭の燈火が、より一層、宵闇に薄紅の彩を浮かび上がらせている。
 そんな夜桜を見上げ……綺麗だと。
 今宵の夜空と同じように、その紫昏の瞳に桜花弁を舞わせながら――千鶴はそっと、桜姫に感謝を。
 そして千鶴を待ちつつ、夜桜見物とはいい誘いを貰った、と。
 飛白・刻(if・f06028)は、眼前の風景に、藍色の瞳を細める。
「灯籠の柔い灯がまた良いものだ」
 仄かな燈火に朧に照る桜花弁。決して眩く主張などしないその優しい光がまた、夜桜の艶やかな美しさをより際立たせている。
 それから刻はふと、待ち人の姿を見つけて。
「お疲れ、千鶴」
「良い仕事は出来たかよ」
 ハルベル・ロウ(スロウホワイト・f13579)と共に、一仕事終えてきた千鶴に労いを。
 そんな二人の言葉に、千鶴は満足気に頷いてから。
「おなかへった。何か食べいこ」
 先程からきゅるると鳴り止まない腹の虫に、刻とロウの二人を、初めてみる出店へと急かした。
 出店並ぶ賑やかな広場で周囲を見回して。目についたのは、人一倍繁盛している店。
「地酒が美味しいんだって。ハルも刻も試してみれば?」
 それは、有名な地酒が振舞われている出店であった。
 悔しいけれど、千鶴はまだお酒は我慢。
 かわりに、心和らぐような、ふわふわ香る桜紅茶で一息。
 この地の銘酒は、甘口の『陽桜里』と辛口の『薄宵桜』の二種類があるというが。
「なあ刻、甘口と辛口ってどう違うんだ」
 正直名前以外の差が分からねえ、とロウは首を傾けるけれど。
 どうあれ、両方飲んでみることには違いない。
 刻も、甘口と辛口、桜の名を謳う銘酒を交互に味わっていたが。
「糖度やら酸味やらで変わったりするが。言って俺もそこまで詳しくはない、最終は好みだと」
「好み、ねえ」
 ロウはまずは、眼前を舞う花弁の様な――辛口の『薄宵桜』から、試飲してみることに。
「何食べよう。たい焼きは……」
 ……あった、と。
 腹ペコな千鶴が見つけたのは、最近お気に入りのたい焼きが売っている出店。
 普通の餡子も美味しいけれど、この季節限定だという、桜餡のたい焼きを買ってみて。
「ハルは何が好き?」
「好きな物を答えようにも、そもそも屋台を見るのが初めてなモンで」
 千鶴が見つけたたい焼きも気になりつつ、酒の肴になりそうな物を探していたロウはそう答えながらも。
 とりあえず、気になった物を指さしておく。
 それは――まんまる大きな、りんご飴。
 千鶴は指されたそれを買って、ロウと共に食べてみれば。
 ……甘酸っぱい、と。
 周囲を覆う飴とりんご本来の酸っぱさが混ざり合ったその味に、そう零す。
 そんな糖分は二人に任せよう、と見守りながら。
「爺臭い、知るものか」
 乾き物やらチーズやらへと手を伸ばす刻。
 そして、甘味に手を出さない刻へと千鶴が手渡したのは――珍味の、炙った鮭とばや塩辛。
「ほら、おつまみだよー」
 そんな、珍味をぶんぶんする千鶴に。
「……ところで千鶴、それは餌付けのつもりか?」
 またひとくち酒を運んだ後、こう言ったのだった。
 いや、ある意味、餌付けのようなものであるかもしれない。
 そして、ロウはそんな珍味に関してはノータッチ。
 逆に、いい酒の肴になりそうだ、と。試しに珍味を食べてみる刻の反応を楽しまんと見守るのだった。
「ん……なかなかいける」
 お酒と相性抜群な珍味をもぐもぐと、刻は口にしながらも。
 夜桜舞う春の宵、常ではあるが身に纏い袖揺れる和装も相まって。
 己が浮かれて見えるのではないか――そう、密か思いもしつつ。
 ――事実、こうして誰かと語り見るも悪くない。
 灯に静か散る花弁もいい肴だと、そうも思うのだった。
 ロウも、燈火に照り、雪の様に降り注ぐ薄紅を見上げてみる。
 故郷にも居住世界にも無い、物珍しい花。
 それは、今まで見たことがない、独特の雰囲気を持つ花で。
 どこか儚いけれど……でも、とても美しい。
 そしてふと、満開に綻ぶ桜花咲いた木の根元で、舞い降ってきたひとひらを捉えつつ。
「夜桜灯篭の祭りだったか。悪くねえな」 
 そう、瞳を細めたロウの隣で。
 薄紅のいろを積もらせながら――満足したように、千鶴は一休み。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アルノルト・クラヴリー
地酒と幾らかの肴を手に
夜桜の見える、静かな場所に腰落ち着け

美しいな、夜の桜も
灯篭の揺れる光が照らす様は、昼とは異なる趣だ
なぁ、フィー?

肩の相棒竜に声掛ければ、
離れはしないが、落ち着かない様子でパタパタと羽を震わせる
はは、行きたいなら行ってこい
はぐれない様に見える位置でな
夜桜の空へフィーを放って

桜花潜り、戯れる楽しそうなフィーを眺め一人盃を傾ける
知る顔には笑顔で声掛け
――清史郎。お前は甘口辛口、どちらが好みだ?
良ければ共にと、『陽桜里』『薄宵桜』、望む方を注ぎ渡そう

祝いは直接言葉にせずとも、
心中には祝福込めて、言葉と酒を交わす時間
清史郎は良い季節に生まれたな
花にも、世界にも祝福されているみたいだ



 心地良い春の夜風が、銀色の髪をさわりと優しく揺らすと同時に。
 ざわり枝葉を鳴らし揺れた大樹から降り注ぐのは、薄紅の彩り。
 青空に映える満開の桜も可憐であったけれど。
 夜空に浮かび上がる眼前の桜は、また、全く違った表情をみせている。
 地酒と幾らかの肴を手に。アルノルトは、そんな夜桜を静かに愛でるべく、立派な桜の木の下に腰を落ち着けて。
「美しいな、夜の桜も。灯篭の揺れる光が照らす様は、昼とは異なる趣だ」 
 ――なぁ、フィー?
 舞い降る桜花弁に興味津々な幼き相棒に、ふと声を掛ければ。
 乗っている肩から離れこそしないが。パタパタと羽を震わせるその様子は落ち着きがなく、そわそわ。
 そんな相棒に、アルノルトは柔く緑色の瞳を細めて。
「はは、行きたいなら行ってこい。はぐれない様に見える位置でな」
 星と月、そして灯篭の燈火の光が仄かに照る夜桜の空へと、無邪気な幼竜を解き放てば。
 満開に咲き誇る桜花の霞に潜り、花弁と戯れるように天泳ぐフィーを眺め、アルノルトは一人盃を傾けはじめる。
 そして――通りかかったのは、その掌に桜のグリモアを咲かせていた、見知った顔。
「桜咲く春の宵、楽しんでいるか?」
「――清史郎。お前は甘口辛口、どちらが好みだ?」
 アルノルトの問いに、俺は甘口が好みだな、と。
 清史郎も暫し、花弁と竜舞う夜桜の宴に同席する。
 そして和やかなひとときに響くのは、普段通りの他愛のない会話。
 祝いは直接言葉にせずとも――酒と言葉をこうやって交わすだけで、十分だから。
 アルノルトは、夜桜舞う景色にまるで溶け込むような、隣の友人にふと瞳を細めて。
「清史郎は良い季節に生まれたな。花にも、世界にも祝福されているみたいだ」
 清史郎はその言葉に、赤を湛えた瞳をふっと細めて。
「確かに、こうやってアルノルトと花を愛で酒を酌み交わせる、とても良い季節だな」
 ――もう一杯どうだ?
 そう桜の銘が付いた酒を、アルノルトへと勧めたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミーチェ・グレース
…やはり、知らない人が多い所に行くのは、怖い
賑やかさへ心引かれるも、その勇気がわたくしには無くて…
ここなら、誰も…

不意に聞こえた足音に樹の陰へと身を隠し
しゃらり、星の装飾が鳴ってしまう
…誰?
長い髪とドレスを押さえつつ窺い

藍色の髪に澄んだ赫い双眸
確か…此処へ連れてきてくださったグリモアの…

そっと姿をお見せし、カーテシーを
非礼をお詫び申し上げます
…別世界へ訪れるのは初めてで…
清史郎さま…
わたくしは、ミーチェと申します

…この花は、初めて目にします
夜にこそ映える儚さに時間を忘れて見入ってしまう
星も、月も、寄り添い合うよう
散る様を美しいと思ったのも、初めて…
掌に舞い込む花弁に、小さく微笑んで

☆アレンジ可



 春の訪れを祝う、季節の行事。
 灯篭に照る夜桜を愛で楽しむそんな祭りは、やはり活気に満ちているけれど。
 ……やはり、知らない人が多い所に行くのは、怖い。
 賑やかさに対して、心惹かれるけれど。
 やはり、ミーチェ・グレース(星の皇女・f15320)には、まだそこに足を向ける勇気はなくて。
「ここなら、誰も……」
 そうそっと、村の奥――誰の姿もない場所にやって来たのだけれど。
 不意に聞こえた足音に、慌てて満開に咲く桜の陰へと身を隠してしまうミーチェ。
 でも、しゃらり――星の装飾が鳴ってしまって。
「……誰?」
 優しい春風に靡く、絹の如くしなやかな銀紫の長い髪とドレスを押さえつつ、窺ってみれば。
「驚かせてしまったか? すまない」
 そう自分の姿を映すのは、藍色の髪の男の赫い双眸。
「確か……此処へ連れてきてくださったグリモアの……」
「筧・清史郎だ」
 そう名乗り、優しく笑む清史郎に。
「非礼をお詫び申し上げます……別世界へ訪れるのは初めてで……清史郎さま……わたくしは、ミーチェと申します」
 そっと姿をみせたミーチェは、ドレスを摘まんでカーテシーを。
「ミーチェはこの世界を訪れるのが初めてなのだな」
 清史郎はそれから、こう続ける。
 ――満開に桜が咲く、良い時期に訪れたな、と。
「……この花は、初めて目にします」
 この花は、桜というのだと。
 清史郎から聞いたミーチェは、夜空に浮かぶ満開の花をふと見上げて。
「夜にこそ映える儚さに時間を忘れて見入ってしまう……星も、月も、寄り添い合うよう……散る様を美しいと思ったのも、初めて……」
 そう、眼前の夜桜に感嘆の息をひとつつき、言の葉を紡いで。
 刹那、星の皇女を微笑ませたのは――ひらり掌の中に舞い降ってきた、薄紅いろのひとひら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

誘名・櫻宵
🌸アドリブや絡み歓迎

桜、桜、夜闇に散って
散っては咲いて

宵の桜
夜桜灯篭

桜番傘くるり翻し
雨のように花弁舞わせる桜を見あげ
今宵も美しく
あなた達は何を吸ってそんなにも綺麗に咲いているの?
あなた達は誰のために咲いているのかしら?
花屑のあたしにはわからない
幸せそうに楽しそうに桜を見上げ微笑む皆を見やれば思う

誰かを笑顔にするを咲かせる桜
あたしもそうなれたらいいのに
愛しいあなたの為に咲く櫻に
けれどあたしは
花を散らすことしかできないわ

しんみりしてしまうのは
桜がこんなにも美しいから
桜のお酒を一口飲んで微笑んで

刹那一瞬の幸福にこの身を浸すことが許されるなら
花あかりの下をゆるり歩くのも悪くない
桜の宵の抱く
夢のように



 灯篭の燈火が朧に浮かび上がらせるは、夜闇に散る宵の桜。
 それは、くるり翻した桜番傘に落ちて。
 咲いては散り、そして降り注ぐ、薄紅いろの雨となる。
 そんな止まぬ春色の雨を降らせる桜の木を見上げるのは、誘名・櫻宵(誘七屠桜・f02768)。
「今宵も美しく、あなた達は何を吸ってそんなにも綺麗に咲いているの?」
 櫻宵の声に反応したかの様に、ざわり、春風に枝葉を揺らす桜。
 揺れた大樹から、より一層、薄紅の彩りが降り注ぐ中。
 櫻宵はもうひとつ、満開に咲く桜たちに問う。
 ――あなた達は誰のために咲いているのかしら?
 だが、その答えを聞く前に。
「……花屑のあたしにはわからない」
 ふと柔い桜の瞳を伏せ、小さく首を横に振る。
 そして再度、顔をあげれば……その花霞の双眸が映すのは。
 幸せそうに楽しそうに――桜を見上げ、微笑む人々の顔。
 そんな夜桜を心から愛でる人たちを見遣り、櫻宵は、桜の木から零れ落ちる花弁の様に。
「誰かを笑顔にするを咲かせる桜。あたしもそうなれたらいいのに」
 ――愛しいあなたの為に咲く櫻に。
 そう、思いのひとひらを、はらりと零した。
「……けれどあたしは、花を散らすことしかできないわ」
 儚く散り積もった薄紅色の花筵の上を歩きながら、櫻宵はもう一度、そっと息をつくけれど。
 しんみりしてしまうのは、きっと……桜がこんなにも、美しいから。
 それから櫻宵は、桜の銘がついたお酒を一口飲んで微笑みを咲かせる。
 ――刹那一瞬の幸福にこの身を浸すことが許されるなら、花あかりの下をゆるり歩くのも悪くない。
 桜の宵の抱く、夢のように……。
 そして、ふと目の前にはらり降ってきた薄紅のひとひらを、しなやかな指先で掬い取ると。
 櫻宵は、ただ散るだけだったその桜花弁を、優しく吹く春の夜風に乗せた。
 せめて、誰かに……愛しいあなたに。
 この灯篭に照る美しい薄紅いろの幸せが、届きますように――と。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月25日


挿絵イラスト