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桜、サクラ、さくら尽くし

#サクラミラージュ

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#サクラミラージュ


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●さくらいろの執着
 ――あのね、知ってる?
 わたし、知ってるの。
 この世界はいつだって幻朧桜が咲いているけれど。
 でもやっぱり、春の季節は特別。
 この時期はね、街もさくらいろでいっぱいになるんだって。

 さくらに彩られた美味しいものも沢山あるの。
 女の子の中で話題なのは、おしゃれな古民家ベーカリー。
 期間限定の、色々な味が楽しめるさくらのかたちをしたパンが大人気なんですって。
 古民家カフェにはこの時期だけ、さくらパフェやさくらケーキもあるらしいの。
 それに、メンチカツやコロッケやカレーパン、さくらいろした動物さんの中華まん。
 桜ドーナツやお団子やたい焼き……そんな甘味まで、歩きながら食べられるそうよ。
 それにね、あのね、知ってる?
 お寿司が回っている店や、焼いたお肉が食べ放題なお店なんてものもあるのよ?

 あとはね、お買い物もいっぱいできるの。
 さくらの簪や装飾、練り香水に桜のコスメ、綺麗なショールでお洒落もしてみたいし。
 さくらの小物や雑貨も見てみたいし、さくらいろの万年筆や便箋も欲しいわ。
 わたし、いつも本をたくさん読んでいるから、古書堂や古本市にも行ってみたいな。
 好きな作家は、櫻居・四狼先生なの。貴方のおすすめも教えて欲しいな。
 一緒に寝られる、大きなさくらいろの動物さんぬいぐるみなんてあるかしら?
 フリーマーケットでは、掘り出し物が見つかるかも。

 それに何より、この時期の花の園で観られる夜桜は、一等綺麗なんですって。
 春の夜、花の園の桜はキラキラとライトアップされていて。
 そんな幻想的な中、みんなお花見を楽しんでいるそうよ。
 食べ物やお酒が買える屋台も出るし、さくらあんみつが美味しい茶屋もあるわ。
 事前に買っておいたものやお弁当を食べている人も多いみたい。
 花の園は広いから、きっとかくれんぼだって出来ちゃうわ。
 そしてね、あのね……わたし、いきたいの。
 この花の園の奥にある、一番古くて大きなさくらの木のところに。
 ……何故って? それはね――。

 ふふ、よく知っているでしょう?
 でもね……ぜんぶ、知っているだけで……その何処にもわたし、いったことがないの。
 だから、一度でいいから……さくらがいっぱいの街を、たくさん巡ってみたいの。
 だって、ずっとずっと、おかあさんに言われていたから。

 ――「人に見つかれば殺されてしまう」って。

 そしてね、あのね、わたしは――。

●さくら尽くしの一日
「今年も、桜咲く季節が巡って来たな」
 そもそも、サクラミラージュの世界は年中幻朧桜が咲いてはいるが、と。筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)は予知を聞きに来てくれた皆に礼を告げつつ微笑みながらも、視た予知の内容を語り始める。
「帝都に、ことさらに傷ついた影朧が現れることが予知された。影朧は皆、多かれ少なかれ傷つき生まれる「弱いオブリビオン」なのだが、その中でもこの影朧は特に儚く、弱く感じられる。余程の辛い「過去」が具現化したのだろう」
 そんな儚く弱い影朧が帝都に現れた理由、それは。
「この影朧は「果たせなかった執着」を叶えようと、雑踏でごった返す帝都の只中に現れるようだ。彼女は、ヤオフーという戦う術を持たぬ怪異となり、春の街を沢山楽しむべく進んでいるという。彼女は「人に見つかれば殺されてしまう」、そう母親からずっと守られ隠されてきた存在だというが。だからこそ、生前見たり聞いたりするだけしかできなかった、少女らしいひとときへの憧れが強い執着となったのではないかと」
 通常ならば、帝都を脅かす影朧は即座に斬るのが掟。
 だが、ひとたび無害と分かれば、帝都桜學府の目的である「影朧の救済」を優先するべきだ。
「なので今回は、「果たせなかった執着」を叶えるために歩き始める影朧を、目的地まで導いて欲しい。そのためには、影朧が現れたことでパニックになる帝都の人々を安心させ、宥めることも必要だ。彼女は、心残りがなくなるまで遊ぶことが望みであり、そしてそれが果たされれば己の死を受け入れる」
 つまり今回の依頼は、歩き始めたヤオフーに同行して。
 彼女の「執着」を果たさせてあげて欲しいと、そういうわけだ。
 そんな彼女の「執着」は、さくらいろに満ちた街を巡る一日を目一杯楽しむこと。
「彼女は、街で噂のグルメを満喫したり、買い物をしたり、花の園で夜桜を楽しみたいようだ。ずっとついていなくとも、彼女が通りかかる店や場所で皆が見守ってくれるだけでも、猟兵がいるという安心感を店の人や周囲の人は抱くだろうし。何より、皆も一緒に楽しんでくれれば、彼女もさらに楽しい気持ちが満ちるだろうので。皆も、さくらいろに溢れる街を楽しみつつ、少女の執着を果たさせてあげて欲しい」
 清史郎はそれから改めて、よろしく頼む、と皆に頭を下げた後。
 掌に満開桜を咲かせ、猟兵達をさくらいろに染まった帝都へと導く。


志稲愛海
 志稲愛海です。
 よろしくお願いします!

 ※ご連絡※ 第1章は、3/5(金)朝8:31より受付開始します。
 第1章の断章をOP公開後に掲載致します。

 今回の依頼内容は以下です。
 全章イベシナ風です、後述する各章詳細をご確認下さい。

 第1章:討つべき怪異・ヤオフー(ボス戦)
 第2章:はかない影朧、町を歩く(冒険)
 第3章:うたう花の園(日常)

 全章POW/SPD/WIZは気にせずOKです。
 どの章からでも、気になった章のみのご参加も歓迎です。
 目安として、各章受付開始予定日を記しておきます(あくまで予定です)
 同行等の相談の参考になればと。

 全章、影朧に必ずしも同行せずOKです。
 猟兵がいるというだけで、十分な安心感を一般人に与えられるので。
 存分に楽しんでいただく行動で大丈夫です!

 第1章は、グルメ編です。
 ずらり店が並ぶ商店街で、グルメを満喫できます。
 古民家ベーカリーや古民家カフェで買い物したり一休みしたり。
 食べ歩きを楽しんだり、回転寿司や焼肉食べ放題の店もあります。
 影朧は、そんなお店や食べ物を見て回るだけで満足するかと。

 第2章は、買い物編です。受付開始は、3/14(日)の予定です。
 桜等のアクセサリーやコスメ、小物や雑貨や文具などは勿論。
 古本屋や蚤の市巡りもできます。
 ホワイトデーの時期なので贈り物を探すのも良いかもです。

 第3章は、夜桜花見編です。受付開始は、3/24(水)の予定です。
 ライトアップされた夜桜が楽しめる花の園で、お花見ができます。
 1章で買った物やお弁当持参もOKですし。
 並ぶ屋台でも、酒類等の飲み物や食べ物が調達できます。
 花の園にある茶屋から夜桜を愛でる事もできます。
 この章に限り、お声掛けあれば清史郎もご一緒させて頂きます。

 公序良俗に反する事、他人への迷惑行為、未成年の飲酒喫煙は厳禁です。
 各章、詳細を記載した断章を受付前に掲載します。
 締切等はMS個別ページやTwitterでお知らせします。

●お願い
 同行者がいる場合は【相手の名前(呼称推奨)と、fからはじまるID】又は【グループ名】のご記入をお忘れなくお願いします。

 グループ参加の人数制限はありません、お一人様~何人ででもどうぞ!
 ですが、ご指定の同行者が参加していない場合は返金となる可能性もあります。

 可能な限り皆様書かせて頂きたく思っています。
 お気軽にご参加ください!
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第1章 ボス戦 『討つべき怪異・ヤオフー』

POW   :    もういいかい、もういいよ
戦場全体に、【周囲の環境に合わせ、木々や路地などの幻影】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
SPD   :    つかまえてごらん!
肉体の一部もしくは全部を【狐】に変異させ、狐の持つ特性と、狭い隙間に入り込む能力を得る。
WIZ   :    あのね、秘密よ
自身と自身の装備、【手を繋いでいる】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はオクターヴィア・オパーリンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ――ぴこぴこ、ゆらゆら。
 耳と尻尾を揺らしながら、きょろりと周囲を見回し歩き出すヤオフー。
 ……「人に見つかれば殺されてしまう」、そう言われて隠されていたから。
 帝都の人の多さに、若干警戒や躊躇いが垣間見えるけれど。
 でも必要以上に敵意などを向けられなければ、「果たせなかった執着」を叶える事に興味津々。
 物珍し気に、少女は歩き出す。さくらいろでいっぱいの街を。

 少女が話によく聞いていたのは、街で楽しめるグルメ。
 自分が食べるという事よりも、噂の食べ物や店、それを美味しそうに食べる人を実際に見るだけで執着も満たされるだろうが。勧められれば若干は口にすることもあるかもしれない。
 また、影朧の出現に、店の人や客が不安に思い、騒ぎ立てたりパニックになる可能性もあるが。
 いくら戦う術がないヤオフーとはいえ、オブリビオンには違いないし。
 彼女が心行くまで執着を果たせるよう、一般人を安心させることも必要だ。
 ヤオフーに敵と思われぬよう、そっとであったり、友好的に同行する事は勿論。
 影朧が通る道すがらにある店に猟兵がいるというだけで、一般人たちは安心するだろうので。
 街にある店などでグルメを楽しみつつ、店の人や客に猟兵がいるという安心感を抱かせながら、ヤオフーが通る様子を見守り見届け見送るのも、れっきとした仕事だ。

 そんなヤオフーが通ったり覗いたりする店は様々。
 狐尻尾をゆうらり揺らしながら、興味深くあちこちてくてく歩き回るだろうが。
 その中でもやはり、よく耳にしていた流行りの店は、気になる模様。

 まずは、古民家ベーカリー。
 今の時期人気なのが、一口大サイズの桜花弁の形をした『さくらパン』。
 これは、小さ目の桜花弁型のパンの中に、チョコ・カスタード・生クリーム・各種ジャム・小豆などの甘いものから、ハムチーズ・ツナマヨ・マヨコーン・ミニウインナー・カレー・明太子等の甘くないものや、何も入っていないプレーンのものがあり。それをいくつかお好みで組み合わせれば、桜の花のようになる……という、女の子に人気の、映える上に美味しいと評判のパンのようだ。
 あとは定番のクロワッサンやパンオショコラ、シナモンロールや、お洒落なイートスペースでいただけるスープとよく合うバケットやバタール、自慢の食パンで作ったホットサンド、フルーツなどの甘いものから定番の玉子やハムを挟んだサンドイッチなども美味しいと評判だ。
 また、店に並ぶパンはどれも、花見の際の軽食やお土産に持ち帰りもできるし、イートインスペースでいただくこともできる。イートインでいただく際は珈琲や紅茶やソフトドリンク、シチューやコーンやポタージュなどのカップスープもセットで注文できるという。

 そして、定番の人気を誇るアンティークな古民家カフェー。
 やはり春の時期限定で、桜をイメージした桜色のクリームソーダや桜パフェや桜色のパンケーキ、桜色のアイスクリン、桜餅などのさくらいろのスイーツは勿論。通常メニューのクリームソーダやアップルパイ、チーズケーキやコーヒーゼリー等、他スイーツも沢山。桜紅茶や桜珈琲や桜抹茶などの桜ドリンクは、甘いもの好きでも甘いものが苦手な人でも、甘さが調節出来て良いだろう。おなかがすいていれば、ウィンナー入りナポリタンやオムライスなどもいただけるという。窓からみえる桜の景色と共に、美味しいひとときが楽しめるだろう。
 古民家ベーカリーやカフェーには、店員や客が勿論いるので。
 猟兵達が店内にいれば、ヤオフーが立ち寄ったり覗いたりしても、パニックにはならないだろう。

 また、各種食べ歩きも楽しめる。
 メンチカツやコロッケやカレーパン等、さくさく揚げたて食べ歩きの定番は勿論。
 今の時期は、さくらいろをした動物さんの中華まんもおすすめ。
 犬さんが肉まん、猫さんがあんまん、ウサギさんがピザまん、パンダさんが黒胡麻まん、クマさんがカレーマンらしい。
 甘味だって勿論、食べ歩きできる。
 桜ドーナツやさくらいろのたい焼き、各種串団子、桜ソフトクリームや桜クレープなども購入できる。

 他にも街には、グルメを楽しめる店がずらりと並ぶ。
 回転寿司や焼き肉食べ放題の店、行列ができるラーメン店なども帝都で話題だ。
 その他、帝都にありそうな店や食べ物は大体あるだろうので、好きなものを探してみるのもいいだろう。
 いくつかの店を回ったりと、食い倒れるのもまた一興だ。

 これは依頼では勿論あるのだが――だからこそ、存分に自分達も街を楽しめば。
 ヤオフーも楽しい気持ちにきっとなるだろうし、周囲の一般人も安心するので。
 あまり仰々しく騒ぎ立てずヤオフーを導きつつも。
 普段通り、皆も楽しく振舞って欲しい。

 ――さぁ、さくらいろに満ちた一日の、はじまり。
 まずは、美味しいものを満喫しよう。
セラフィム・ヴェリヨン
凛是さま(f10319)と
会話は「《》」で括ったスマホの電子音声
喋れません

本当に賑やかですわね
影朧も楽しげで、少しほっとします
出来るなら悲しみや苦しみは
遠くあって欲しいから

呼ぶ声には神妙に頷いて
きっと恐ろしがってる方もいらっしゃるはずだから
和らげないととは思うけれど
…ええ、せっかくだもの
ちょっぴりたのしんだっていいはず

まぁ、あざらしまん…!
また逢えてうれしいですわ
他の子も気になるけれど
やっぱりあのまるもち具合に誘われて
私もあざらしまんを

3、2、1、の指折りは少し慣れたから
きっと前よりも綺麗に撮れるわ
そしたら今度は桜のフレームを探してみたい
この世界での楽しい思い出を飾っておきたいんです


終夜・凛是
セラ(f12222)と

人のにぎわいがすごい
けど、皆楽しそう
あいつも楽しそう…(影朧と同じように耳をぴこりと動かして)
何もしなさそうだけど、いるだけで不安な人もいるのもわかる

セラ、俺達も行こう
俺は…あの店の人に安心してもらいたい
中華まんの店だ
…どうぶつまんもちょっと気になるし

!!
セラ、ここにもあいつがいる
あざらしまん…ほかにもいっぱい(そわ)
悩む、けど。俺はあざらしまんにする
セラは?
だよな、うん。一緒の選ぶと思ってた

…今日は、写真はとらないのか?
きっと前より上手にカメラに収まる
3,2,1の声に合わせ、表情をきりっと、ばっちりなはず
桜のフレーム?確かにどこかにありそうだな
探しに行こう、これ食べたら



 ひらり、はらり、舞う彩りはさくらいろ。
 この世界にはいつだって幻朧桜が咲いているけれど。
 でもやはり春という季節は、きっと特別だから。
「人のにぎわいがすごい」
 きょろりと橙の視線を巡らせながらも、終夜・凛是(無二・f10319)は続ける。
「けど、皆楽しそう」
「《本当に賑やかですわね》」
 こくりと波の様に海色の髪を春風に揺らしながらセラフィム・ヴェリヨン(Trisagion・f12222)が頷けば、スマーとフォンの電子音声が彼女の言の葉を紡いで。
 ふと周囲を見回していた凛是の瞳が捉えたのは、ぴこぴこゆらゆら。
「あいつも楽しそう……」
 楽し気に耳や尻尾を動かしつつも、興味深々歩いているヤオフーの姿。
 慣れない人の多さにそわりとはしているようだが、いまのところ敵意もない様子で楽しそうであるけれど。
(「何もしなさそうだけど、いるだけで不安な人もいるのもわかる」)
 影朧に気付けば騒ぎこそしないが、やはり何処か不安気な人々の姿が。
「《影朧も楽しげで、少しほっとします》」
 ヤオフーと同じ様にぴこりと動く凛是の耳に目を細めた後。
 セラフィムも彼の視線をそっと追って、見つめる彼女に思う。
(「出来るなら悲しみや苦しみは、遠くあって欲しいから」)
 今にも春の空へと溶けてゆきそうな、散りゆく桜のような儚く弱い存在。
 ヤオフーは怪異でありオブリビオンであるけれど。
 でも、せめて……と。ふたりもその心に願うからこそ。
「セラ、俺達も行こう」
 俺は……あの店の人に安心してもらいたい、って。
 聞こえた凛是の呼ぶ声と紡がれた言葉に、セラフィムは神妙に頷いてから。
(「きっと恐ろしがってる方もいらっしゃるはずだから、和らげないと」)
 ヤオフーの姿を見て動揺を隠せない店員がいる中華まんの店へと、彼へと向かいながらも思う。
 ……ええ、せっかくだもの。ちょっぴりたのしんだっていいはず、って。
 いや、猟兵である自分達が傍に居れば店の人も安心するし、ヤオフーだってそれでより楽しめるだろうけれど。
「……どうぶつまんもちょっと気になるし」
 凛是自身の尻尾も、話に聞いたどうぶつまんとのご対面に、そわそわゆらり。
 そして店にやって来た自分達が猟兵だと知って、ホッとした店員の様子を見た後。
「!!」
 ぴこんっと刹那、思わず立つ狐耳。
 だって、目の前に並ぶどうぶつまんの中にいたのだから。
「セラ、ここにもあいつがいる」
 あざらしまん……と。
 そんな凛是の声に、セラフィムも銀の瞳をぱちくりと瞬かせて。
「《まぁ、あざらしまん……! また逢えてうれしいですわ》」
 思わぬ再会に、そう紡ぐ言の葉。
「……ほかにもいっぱい」
 あざらしまんは勿論、ほかほか並ぶどうぶつさんたち。
 二人並んで、じっとそんなどうぶつまん達を暫し見遣るけれど。
「悩む、けど。俺はあざらしまんにする。セラは?」
「《他の子も気になるけれど。私もあざらしまんを》」
 やっぱり誘われるのは、あのまるもち具合。
 そんなセラフィムの選択に、凛是はこくりと頷きつつもふっと瞳を細める。
「だよな、うん」
 ……一緒の選ぶと思ってた、って。
 そして、優しいさくらミルク味だというあざらしまんをひとつずつ手にすれば。
「……今日のこいつは、さくらみたいな色、だ」
「《この前の子と、兄弟かもしれませんね》」
 セラフィムの言葉に、……兄弟、と。
 それだけ呟いて、あざらしまんをじっと見つめて。
「《やはりこれ、……買い占めますか?》」
 やっぱり耳をぺそりとさせて睨めっこしている凛是に、セラフィムがそう柔く笑ってみせれば。
 そんな彼女へとふと視線を向けて、凛是はこう訊ねる。
「……今日は、写真はとらないのか?」
 この間はちょっとまだ慣れてなかったけれど。
 3,2,1の指折りだって、少し慣れたし。
 きっと前より上手にカメラに収まることができそうだから、もっと綺麗に撮れるに違いない。
 そしてあの時と同じ様にスマートフォンを構え、ふたり身体を寄せながらも。
 セラフィムは電子音声でこう紡ぐ。
 ……そしたら今度は桜のフレームを探してみたい、って。
「《この世界での楽しい思い出を飾っておきたいんです》」
「桜のフレーム? 確かにどこかにありそうだな」
 凛是は3,2,1の声に合わせ、表情をきりっ。
 ばっちりなはず、とちょっぴり満足気に尻尾を揺らし頷きつつも。
 あざらしまんとやっぱり自分と同じ様に睨めっこしているセラフィムへと紡ぐ。
 ――探しに行こう、これ食べたら、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

永倉・祝
秋人くん(f24103)と。
さて、ヤオフーの未練がなくなるくらい楽しい1日にしましょう。

散策の始まりです…その秋人くん。
手を繋いでも?いえこの方が僕が幸せなだけと言うだけなのですが。ヤオフーも手を繋ぎますか?その方が周りの人も安心するでしょうし。

夜は夜桜でお花見と行きたいのでそこで食べる軽食にパンを買いましょうか。
このさくらパン素敵ですね好きなものを五つ選べば桜の花になる訳ですね。
カスタードにいちごジャム、マヨコーンにウインナー。さぁ、あと一つは…ヤオフーが選んでください。
…なるほど物を買うと言う経験も少ないでしょうからそれもいい経験になるでしょうね。少し離れたところから見守りましょう。


鈴白・秋人
祝さん(f22940)と
(手を繋いでと言われ)
勿論ですわ
さぁ、参りましょう
(二人に手を差し出し)

ここは持ちますから、お好きなものを選んでくださいましね?
ふふ、ヤオフーは何を選ぶのかしら?
祝さんの選ぶパンも気になるわ
個数は欲望のままに幾らでもいいですわよ?
わたくしは蜜がけのデニッシュに致しましょう

お会計の時はヤオフーにお金を渡し、数えて教えながら支払いをさせてみますわ
ヤオフーにとっては初めてのお買い物という事になるかしら?

この後他にも楽しく回りたいですから水分補給に飲み物だけ持ち帰りに致しましょうか
お腹が空くと思いますから、多少ですけれど塩飴をお供に

ヤオフーと祝さんの可愛らしいお口に放りますわね



 まるでおちてしまいそうに深い漆黒の瞳にもはらり舞い振るのは、桜花弁のいろ。
 そして、普段被っているキャスケット帽に舞い降った桜花弁を、慣れたようにそっと手にしてから。
「さて、ヤオフーの未練がなくなるくらい楽しい1日にしましょう」
 影朧の姿を見つけ言った永倉・祝(多重人格者の文豪・f22940)は、ふと嫋やかに隣を歩む鈴白・秋人(とうの経ったオトコの娘・f24103)へと視線を映して。
 散策の始まりです……と続けつつも、こんな提案を。
「その秋人くん。手を繋いでも?」
 ……いえこの方が僕が幸せなだけと言うだけなのですが、と付け加えて。
 そして――勿論ですわ、と。こくり頷いて、秋人がその手を差し出せば。
 彼の手に掌を添えた後、きょろきょろと興味津々歩いているヤオフーにも祝は声を掛けてみる。
「ヤオフーも手を繋ぎますか?」
(「その方が周りの人も安心するでしょうし」)
 いくら無害だと言っても、ヤオフーが影朧だと知れば帝都の人々は不安がるだろうし。
 自分達猟兵が手を繋いでいれば、随分とそれも解消できるだろうから。
『手……? こう?』
 ヤオフーは祝の言葉に、最初こそきょとんとするも。
 差し出されたふたりの手に、小さなその手をそっと重ねて。
「さぁ、参りましょう」
 手を繋いでいざ、美味しそうな匂いがそこかしこから漂う、さくらいろの街へ。
 そして向かうは、ヤオフーも興味を持っていた、古民家ベーカリー。
「夜は夜桜でお花見と行きたいのでそこで食べる軽食にパンを買いましょうか」
『パン、いっぱいあるのね……!』
 そう目移りしているヤオフーに、祝が指差してあげるのは、帝都の乙女たちの話題をさらっているという噂のパン。
「このさくらパン素敵ですね。好きなものを五つ選べば桜の花になる訳ですね」
「ここは持ちますから、お好きなものを選んでくださいましね? 個数は欲望のままに幾らでもいいですわよ?」
 秋人がそう続ければ、ぱっとヤオフーの瞳にも嬉しそうないろが咲いて。
(「ふふ、ヤオフーは何を選ぶのかしら? 祝さんの選ぶパンも気になるわ」)
 彼女たちが何を選ぶのか、秋人も密かに心躍らせつつも見守っていれば。
「カスタードにいちごジャム、マヨコーンにウインナー。さぁ、あと一つは……ヤオフーが選んでください」
『わたしが? えっと、じゃあ……これ!』
 女の子らしい甘いチョコのはなびらを、ヤオフーがちょこんと並べれば――トレイに咲いた桜の花。
 そんな祝とヤオフーが咲かせた花に瞳細めてから。
「わたくしは蜜がけのデニッシュに致しましょう」
 秋人は甘いデニッシュを加えたトレイとお金を、ヤオフーへ。
「お買い物、やってみますか? これをレジに持って行って買うんです」
『……買う? どうやって?』
「商品と、このお金を渡して……」
 そう教えながらも、彼女に支払いをさせてみる秋人。
 わたわたしつつも楽しそうにお金を渡すヤオフーを見つめながら。
 ――ヤオフーにとっては初めてのお買い物という事になるかしら? って。
「……なるほど物を買うと言う経験も少ないでしょうからそれもいい経験になるでしょうね」
 祝もそう、少し離れたところから見守って。
 買えた、と戦利品をほくほく抱えるヤオフーに、よくできましたね、とふたりで褒めてあげる。
 それから、古民家ベーカリーで買ったパンを頂いてから。
「この後他にも楽しく回りたいですから水分補給に飲み物だけ持ち帰りに致しましょうか」
 これからの散策の準備も万端……と言いたいところだけれど。
 ――お腹が空くと思いますから、多少ですけれど、と。
 秋人がヤオフーと祝の口に放ってあげるのは、ころりお供の塩飴を。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

薬師神・悟郎
【湯煙】4人
仲良しの友人達と一緒

腹が減ってはなんとやら
まずは腹ごしらえだ
今後に備えて、しっかり食べておかないとな

回転寿司に焼き肉食べ放題、ラーメンまであるとはこの世界の食文化も進んでいるんだな
皆は何が食べたい?
希望があればそこへ行こう

カフェーの春限定も気になるが…自分で思っているより小食な俺はそれらを食べただけで腹一杯になる気がする
できるだけ多くの種類を食べたいが…
ありがとう、千秋。その提案は凄く嬉しい
牛の団子も美味そうだ。遠慮なく一口貰おう

また、ベーカリーでは花見の時に食べるもの、また今回来られなかった友人達への土産として購入しておきたい
壱華も同じ考えだったか!ならば、沢山買っていかないとな


紅殻・牛
【湯煙】
…そうさな、腹が減ってはなんとやら。もりもり食べねばな
なんと、奉行と…千秋の焼く肉美味そうであるなー

…さくらカフェー、おお、さくら色のめんこいのが沢山だ
むむ、これは迷う…やはり花には団子故ベコは団子しよかな。団子全種と桜ドーナツと桜ソフトクリームと桜…む?ベコは牛故にたんと食べれるのでな、えへん。「さくら」全制覇良いな…壱華、お付き合い致そう。歩きつつ気になったものあらば買い食い買い食い。さぁさぁ悟郎、一口どうぞだ

…パンをお土産、良いな。ベーカリーのさくらぱん全種類もりもり買うのだ、もりもり。他のももりもり。小麦の焼ける香…ベコ大好きだ
古風町並みによき香りに桜とな…いとおかし、であるな


和泉・壱華
皆苗字呼び捨て

いざ、花見!……の、前の腹ごなしだな
何々…すっげぇ沢山の店あんだなぁ
これは迷うわ…皆はなにするよー?

あっ俺も、さくらパフェとかさくらケーキとか…
季節限定のやつ気になってたんだよ!
皆でちょっとづつ分けて食えば、色んなもん食えてお得感があるよな
そしてあわよくば、「さくら」の付く限定もんを全部制覇してぇ
って、紅殻めっちゃ食う気満々じゃん!よっしゃ、一緒に制覇しようぜ!
あ、草野分かる、こういうのを思い出とか記憶を残しておきたいよなぁ


おう、俺もパン買って帰りたいと思ってたんだ
もちろん、後で食べれるようにとお土産にな!
やっぱ、ここでもさくら系を買うべきか…。


草野・千秋
【湯煙】

ご馳走がいっぱい
迷ってしまいますね
僕ね、昔から焼肉奉行だったんですよ
焼き加減みて焼けた所から皆さんの所に配ってくやつ
今はサイバーアイの視力があるので見極めも万全

そして桜カフェーの薄ピンクのスイーツに食べ物、綺麗ですねぇ
UDCアースにも桜を模したドリンクやスイーツはありますが、やっぱりサクラ世界の桜カフェーは違います
この世界に電波は通ってないですが
僕ちょっとスマホで写真撮りたいです

悟郎さん少食でしたね、そういえば
ならば少しづつシェアしましょう
僕は桜色ねこちゃんまんを食べたいです、あんまん好きで

ベーカリーのパンを今回来られなかった方へのお土産に
今しか吸えない春の空気を思い切り体に吸い込む



 ――桜、サクラ、さくらいろ。
 訪れた世界は今日も幻朧桜が咲き誇っているけれど。
 ふわり桜花弁を乗せた春風が運んでくるのは、食欲をそそる沢山の美味しそうな匂い。
 年中桜が咲き誇るサクラミラージュでも、春はお花見の季節。
 いや、桜が咲く世界だからこそ、再び巡ってきた春は特別なものなのかもしれない。
 そんな春や桜咲く時期、仲良しの友人達で楽しむ事といえば、やはり花見であるだろうけれど。
「腹が減ってはなんとやら、まずは腹ごしらえだ」
 ……今後に備えて、しっかり食べておかないとな、と。
 さくらいろと美味しいものの匂いに満ちた街をぐるりと見回すのは、薬師神・悟郎(夜に囁く蝙蝠・f19225)。
 だって今日は一日、あれもこれも満喫し尽くす気で友人達に声を掛けたのだから。
 その言葉にこくこくと頷くのは、紅殻・牛(エンギモノ・f27526)。
「……そうさな、腹が減ってはなんとやら。もりもり食べねばな」
「いざ、花見! ……の、前の腹ごなしだな」
 やはり眠そうに見えるのはいつものことだけど、るんたーと足取り軽く食べる気満々な牛の隣で。
 和泉・壱華(天華繚梅・f03780)も勿論同意するように頷きながらも。
「何々……すっげぇ沢山の店あんだなぁ」
 桜舞う青の瞳で見回してみれば、帝都にずらりと並ぶ店は思わず目移りするほど沢山。
 漂ってくる匂いは勿論、賑やかな呼び込みの声や人気店にできている行列を見れば、どれも気になってさらに迷ってしまう。
「回転寿司に焼き肉食べ放題、ラーメンまであるとはこの世界の食文化も進んでいるんだな」
 ……皆は何が食べたい? 希望があればそこへ行こう、と。
 悟郎は友人達に訊ねてみるけれど。
「これは迷うわ……皆はなにするよー?」
「ご馳走がいっぱい。迷ってしまいますね」
 壱華の悩まし気な声を聞きながら、草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)もペリドットの瞳を巡らせてみるけれど。
「僕ね、昔から焼肉奉行だったんですよ」
 ……焼き加減みて焼けた所から皆さんの所に配ってくやつ、と。
 ふと目に付いたのは、大人気な焼肉食べ放題の店。
 そう……グループにひとりいてくれたら重宝する、それが焼肉奉行。
 食べ頃を見極め、均等にさっと配ってゆく……判断力や見切り、何よりも気配り必須な重要な役割であるが。
「今はサイバーアイの視力があるので見極めも万全」
 千秋に任せておけば、安泰な気しかしない。
「なんと、奉行と……千秋の焼く肉美味そうであるなー」
 牛もそんな頼もしい奉行に世話される気満々であるけれど。
 今日はおなかいっぱいでも、色々な種類のものを食べたいから。
 皆が足を運んだのは、さくらいろの美味しさで満ちた、どこか懐かしい雰囲気が漂う店。
「桜カフェーの薄ピンクのスイーツに食べ物、綺麗ですねぇ」
「……さくらカフェー、おお、さくら色のめんこいのが沢山だ」
 そう……古民家を改装して店にしたという、さくらいろのカフェー。
 出迎えてくれた、首が動く桜色の動物さんたちの置物を順にちょんと揺らす牛の隣で、千秋は早速頂けるものを品定め。
「UDCアースにも桜を模したドリンクやスイーツはありますが、やっぱりサクラ世界の桜カフェーは違います」
「カフェーの春限定も気になるが……それらを食べただけで腹一杯になる気がする」
 悟郎も、今の時期しか食べられないという限定のものに心惹かれるけれど。
 でも、自分でも多少は分かってはいるのだ。思っているよりも小食であることを。
「できるだけ多くの種類を食べたいが……」
「悟郎さん少食でしたね、そういえば」
 聞こえた悟郎の悩まし気な呟きに、千秋が返したのはこんな解決方法。
「ならば少しづつシェアしましょう」
 ええ、皆でちょっとずつ交換こして味わえば、おなかがいっぱいにならず沢山のものを楽しめます。
「ありがとう、千秋。その提案は凄く嬉しい」
「あっ俺も、さくらパフェとかさくらケーキとか……季節限定のやつ気になってたんだよ! 皆でちょっとづつ分けて食えば、色んなもん食えてお得感があるよな」
 千秋の言葉に、同じ様に選びかねていた壱華も勿論乗るに決まっています。
 だって壱華には、密かな野望が。
「そしてあわよくば、「さくら」の付く限定もんを全部制覇してぇ」
 春限定のさくらのものを、全制覇!
 そんな、全制覇に意欲をみせる壱華であるが。
「むむ、これは迷う……やはり花には団子故ベコは団子しよかな。団子全種と桜ドーナツと桜ソフトクリームと桜……」
「って、紅殻めっちゃ食う気満々じゃん!」
 マイペースだけど何気にめっちゃ買っている牛に、思わず瞳をぱちくり。
 そして壱華にツッコまれつつ、あれもこれも手にしながら。
「……む? ベコは牛故にたんと食べれるのでな」
 ちょっぴり得意気に、えへん。
 ということで、いっぱい食べる気満々だから。
「「さくら」全制覇良いな……壱華、お付き合い致そう」
「よっしゃ、一緒に制覇しようぜ!」
 全制覇に向けて、あれもこれもと。美味しい「さくら」もあっという間に満開。
 それから、両手いっぱいお買い上げした牛は、んしょ、と早速作戦開始。
「さぁさぁ悟郎、一口どうぞだ」
「牛の団子も美味そうだ。遠慮なく一口貰おう」
「僕は桜色ねこちゃんまんを食べたいです、あんまん好きで」
 限定の桜色のお団子も、さくらねこちゃんまんも、皆で分けっこ!
 ……の、その前に。
「この世界に電波は通ってないですが、僕ちょっとスマホで写真撮りたいです」
「あ、草野分かる、こういうのを思い出とか記憶を残しておきたいよなぁ」
 千秋と壱華は、すちゃっとスマホを取り出して、ぱしゃり。
 そして店員が声を掛けてくれたから、シャッターをお任せして……皆でも1枚、記念写真。
 それからカフェーで買った戦利品を交換こしつつ、道行く店で気になったものがあれば勿論、買い食い買い食い。
 食べ歩きも存分楽しみながら、次にやって来た目的地はここ。
「古民家ベーカリーでは花見の時に食べるもの、また今回来られなかった友人達への土産として購入しておきたい」
「おう、俺もパン買って帰りたいと思ってたんだ。もちろん、後で食べれるようにとお土産にな!」
「壱華も同じ考えだったか! ならば、沢山買っていかないとな」
「……パンをお土産、良いな」
「ベーカリーのパンを今回来られなかった方へのお土産に、いいですね。どんなものがあるんでしょうか」
 花見にも土産にも良さそうなパンが買えるという、古民家ベーカリー。
 それから悟郎は一瞬、店の看板の前で立ち止まって。
「やっぱ、ここでもさくら系を買うべきか……」
 心惹かれるのはやはり、お店も一推しのさくらのもの。
 そしてベーカリーの扉を潜れば、そっと細められるとろんとした牛の瞳。
 だって瞬間、ふわりと鼻を擽ったから。
「小麦の焼ける香……ベコ大好きだ」
 香ばしくて優しくて、美味しそうな香りが。
 それから焼きたてのパンが並ぶ店内をぐるり見回して。
「ベーカリーのさくらぱん全種類もりもり買うのだ、もりもり」
 さくらぱん全種類は勿論、他の気になったものも、もりもり。
 千秋も、パンの良い香りは勿論。ふと思い切り、体にすうっと吸い込む。
 今しか吸えない、春の空気を。
 そして、悟郎や壱華と一緒に、美味しいさくらを沢山トレイに取っていきつつ。
 牛も千秋と一緒に春の空気を感じながら、友人たちと楽しむ今に呟きを咲かせる。
「古風町並みによき香りに桜とな……」
 ――いとおかし、であるな、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

花色・なでし子
「まずは、たーくさん美味しいもの食べよっか」
なにがいいかな〜と嬉しそうに思案しつつ
安心させるように自分の左手をヤオフーの右手に重ねる

懐かしい香りに惹かれて古民家ベーカリーへ
期間限定のさくらパンに2人して目を輝かせる
なでし子はジャムや生クリームを組み合わせて幸せそうに微笑む

「食べ歩きに、桜色のたい焼きなんてどうかな?」
ちょっぴり塩の効いた桜あんがなんだか海水みたいで不思議な気持ち
降ってきた桜の花弁がヤオフーの髪に
それを優しく払いながら、妹がいたらこんな感じなのかなとふと考える

ちらりと横目に見たヤオフーの顔が嬉しそうで、春の日差しのように心がとってもぽかぽかした



 さくらいろの街を、きょろきょろ、そわそわ。
 狐耳と尻尾を揺らすヤオフーを見つけ、とてとて舞う様に歩み寄るのは、鮮やかな撫子色の少女。
「まずは、たーくさん美味しいもの食べよっか」
 そう花色・なでし子(迷子の花鳥・f32501)に声を掛けられたヤオフーは、ぱっとさくらのように笑み咲かせて。
 安心させるようにとそうっと重ねられたなでし子の左手には、最初こそきょとりとするけれど。
 なにがいいかな〜と嬉しそうに思案する彼女を真似て、なにがいいかな〜って尻尾を揺らしながら。
 握られたその手を握り返して、さくらいろに染まる帝都を並んで歩き出す。
 そしてふたりの鼻をふわりと擽ったのは、甘くて香ばしい匂い。
 懐かしい香りに惹かれて足を向けたのは――そう、お洒落な古民家ベーカリー。
 それからふたり並んで瞳をキラキラ輝かせ見つめるのは、期間限定のさくらパン。
 味も沢山あるから、うんうん一緒に悩みに悩んで。
「なでし子はジャムや生クリームに。ヤオフーは?」
『わたしも、甘いものがいいわ。えっと、この黄色いクリームのと、小豆のと……』
 トレイに咲くのは、ふたりで選んだ美味しくて甘い桜の花と、幸せそうな微笑み。
 でも、まだまださくらいろの美味しいものはたくさん。
「食べ歩きに、桜色のたい焼きなんてどうかな?」
 古民家ベーカリーをヤオフーと一緒に満喫した後、なでし子が見つけたのは、たい焼き。
 でもこれもやっぱり、春の季節だからこそ味わえる限定モノ。
 はむりと並んで食べてみれば、顔を見合わせて笑み合う。
 ……ちょっぴり塩の効いた桜あんがなんだか海水みたいで不思議な気持ち、って。
 そしてふと、なでし子は手を伸ばしながらも考える。
 ヤオフーの髪に降ってきた桜の花弁を優しく払いながら……妹がいたらこんな感じなのかな、なんて。
 それからちらりと横目に見てみれば、ヤオフーの顔がにこにこ嬉しそうで。
 心もとってもさくらいろ、春の日差しのようにあったかぽかぽか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベスティア・クローヴェル
シルヴィア(f00384)と参加

この間の旅行のお礼にと声をかけてみたけれど、楽しんでくれるだろうか
不安そうにシルヴィアの顔を見上げ、楽しそうな様子に胸を撫で下ろす
その呼び方は流石に古い

目移りしながら歩いて回り、足を止めたのは古民家ベーカリーの前

美味しいものを食べるなら、色々な味を楽しめた方がいい
言うが早いか手を握って店の中へ

どれにしようかと真剣に眺め、選んでいくのは甘いパンばかり

買ったパンは夜桜を眺めながら食べようか
食べ歩きより、花見をしながら食べた方がきっと乙だと思うんだ

微笑みながら手を握り、商店街の奥へとどんどん引っ張っていく
この奥には色々な小物が売ってるんだって
せっかくだし、見に行こう


シルヴィア・ジェノス
ベスティア(f05323)と参加
誘って頂いてとっても嬉しいわ!ふふっ、今日はサクラミラージュでデート!エスコートお願いするね、ダーリン?なんてね!と冗談を言ってみたり

古民家ベーカリー!趣があって素敵な店
ベスティアさんに引っ張られて店の中、普段より少し強引な感じに少し驚きながらも「きっと楽しくて仕方ないのね」と微笑ましくなる
わあ、桜の形をしたパン!可愛い!期間限定?それなら絶対買わなきゃ
美味しそうと思ったものぜーんぶ買っちゃうわ

夜桜と一緒に?あら、それは良いわね!綺麗な桜と素敵な友達をお供に…よりおいしく食べられそう
今からもう夜が楽しみね…ってあらあらそんなに慌てなくてもお店は逃げないわよ!



 春風にひらり舞い踊る花弁が、帝都の街をより一面さくらいろに染めて。
 そんな春の景色に並ぶのは、太陽と月のようないろ。
 ベスティア・クローヴェル(太陽の残火・f05323)はふいに、ちらりと。
 月の如き銀の髪揺らす、シルヴィア・ジェノス(月の雫・f00384)を見上げてみる。
(「この間の旅行のお礼にと声をかけてみたけれど、楽しんでくれるだろうか」)
 向けた赤の瞳に密かに宿るのは、そんなどこか不安そうな色。
 けれど、見上げた視線の先にあったのは。
「誘って頂いてとっても嬉しいわ!」
 桜の花に負けないくらいに咲いている、満面の笑顔。
「ふふっ、今日はサクラミラージュでデート! エスコートお願いするね、ダーリン?」
 ……なんてね! と冗談さえ言ってみせるシルヴィアに、ベスティアは瞳を細めながらも。
「その呼び方は流石に古い」
 楽しそうな彼女の様子に、ホッと胸を撫で下ろす。
 それからきょろりと、並ぶ沢山の店に目移りしながら歩いて回っていれば。
 ふとその足が、ある店の前で止まって。
「美味しいものを食べるなら、色々な味を楽しめた方がいい」
 言うが早いか、シルヴィアの手を握って店の中へと向かうベスティア。
 そんな、彼女の興味を惹いた店は。
「古民家ベーカリー! 趣があって素敵な店」
 そう……帝都の乙女たちにも人気だという、古民家ベーカリー。
 ちりんと鈴の音を鳴らし扉開けば、ふわりと鼻を擽る、香ばしくて美味しそうな焼きたてパンの香り。
 そんなベスティアに引っ張られ、店の中へと共に足を運びながらも。
 シルヴィアは一瞬少し驚く。彼女の、普段よりもちょっぴり強引な感じに。
 でもすぐに微笑ましくなる――きっと楽しくて仕方ないのね、って。
 古民家ベーカリーに並ぶパンの種類は豊富で、どれも美味しそうなことは勿論、見目も華やか。
「わあ、桜の形をしたパン! 可愛い!」
 シルヴィアの目を惹いたのは、色々な味が楽しめる話題のさくらパン。
 その映えるような可愛さは勿論なのだけれど。
「期間限定? それなら絶対買わなきゃ」
 添えられているのは、期間限定という、とても心擽られる言葉。
 春の季節だけしか味わえないならば、買わない選択肢はありません!
 そんな桜花弁型のパンをいくつもトレイへと嬉々と乗せ、美味しそうな桜の花を咲かせるシルヴィアの隣で。
 どれにしようかとじっと真剣に眺めつつも、ベスティアが選んでいくのは甘いパンばかり。
 それから美味しそうと思ったものを全部買う気満々なシルヴィアに、こう提案を。
「買ったパンは夜桜を眺めながら食べようか」
 ……食べ歩きより、花見をしながら食べた方がきっと乙だと思うんだ、って。
 そして沢山の戦利品を抱え、ほくほくと笑みを零しながらも。
「夜桜と一緒に? あら、それは良いわね!」
 勿論、シルヴィアも賛成!
「綺麗な桜と素敵な友達をお供に……よりおいしく食べられそう」
 今からもう夜が楽しみね……なんて、続けようとした刹那。
 ふわりと感じたのは、ふいに握られた掌の温もり。
「この奥には色々な小物が売ってるんだって」
 ――せっかくだし、見に行こう。
 そう微笑み向けられながら、そわそわ逸るように手を引かれて。
 そんな、さくらいろの街の奥へとどんどん引っ張っていくベスティアに……ってあらあら、と。
 シルヴィアも、咲かせた笑みを返す。
 ――そんなに慌てなくてもお店は逃げないわよ! って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

真宮・響
【真宮家】で参加

件の影朧は家から出して貰えなかったのかもしれないね。籠の鳥みたいに。町で楽しみたいのが彼女の望みなら果たしてやりたいね。私は元々深窓の令嬢でねえ。町に出されることは稀だった。他人事とは思えないんだ。

サクラミラージュといったら食べ歩きだろう。子供達は手に持って食べれるメンチカツやコロッケが大好物だ。奏なら、動物の形をした中華まんは目が無いだろう。3人で食べれば全種類は制覇可能だね。

件の影朧の子を見掛けたら、中華まんを奢ってあげようか。奏は気が合いそうな気がするね。並んで仲良く食べている姿に微笑むよ。奏にとってこういう経験は大切だ。まあ、財布は隙間風が吹き始めているが。


真宮・奏
【真宮家】で参加

人に見つかれば殺されてしまう・・・影朧になった女の子の実家に何か事情があったことは予想できますが、女の子らしいお出掛けが出来ないまま死んでしまって可哀想です!!私も戦場を渡り歩いていますから気持ちは凄く分かるんです。

帝都といえば食べ歩き!!特に手に持って食べれるメンチカツやコロッケは最高です。家族で動物の形をした中華まんを全種類制覇しましょう!!

影朧の子に会ったら、並んで歩きながら中華まんを食べたいです!!ええ、春の装いの町、素敵ですよね。一緒に楽しみましょう。こういう女の子同士で街を楽しむ、一度体験して見たかったんですよ!!ああ、楽しいなあ。


神城・瞬
【真宮家】で参加

まあ、帝都も色々組織がありますし、件の影朧の子の家も事情があったんでしょう。でも、女の子の楽しみを奪うやり方は余りにもその子が可哀想です。ええ、楽しんで欲しいですね、春の装いの帝都を。

サクラミラージュも結構行ってますので、食べ歩きの楽しさは良く知ってます。特に歩きながら食べれるメンチカツやコロッケは最高です。ええ、家族で動物の形をした中華まんも全種類制覇してしまいましょう。

件の影朧の子に会ったら普通の女の子に対するように優しく声を掛け、中華まんを差し出します。影朧の子と並んで仲良く中華まんを食べる奏の姿に微笑みます。戦場暮らしの奏に取って、こういう時間は、大切ですから。



 はらりひらりと、舞う桜花弁が染める彩は勿論なのだけれど。
 街をゆく女の子たちがはしゃぐように咲かせる笑みも、ぱっと明るい満開のさくらいろ。
 そんなすれ違った年頃の乙女たちの楽しそうな姿を見送って。
 真宮・響(赫灼の炎・f00434)は桜咲く街を歩みながらも思う。
(「件の影朧は家から出して貰えなかったのかもしれないね。籠の鳥みたいに」)
 件の影朧――ヤオフーの「果たせなかった執着」。
 それは、さくらいろに満ちた街を巡る一日を目一杯楽しむこと、だという。
 きっと籠の鳥の如く何処かに隠されながらも、ずっと外の世界に憧れを持っていたのかもしれない。
 そしてその気持ちが、響には分かる気がするのだ。
(「私は元々深窓の令嬢でねえ。町に出されることは稀だった。他人事とは思えないんだ」)
 今でこそこうやって家族と共に世界を渡り歩き、猟兵として戦場に身を置くことが多い身であるけれど。
 元は歴史ある街の名家の令嬢の出自である響は、箱入り娘として大事に育てられた。
 生活に不自由することなんて、一切なかったのだけれど。
 でも響が選んだ道は、恋に落ちた放浪の戦士との駆け落ち同然の家出。
 元々豪快でおおらかな彼女にとって、周囲が羨む様な何の不自由もない生活は、今思えば籠の中の様で。
 だから、影朧に過去何があったかは分からないけれど。
 町に出ることが稀だった響にとって、外の世界に思い馳せるヤオフーのことが他人事とは思えないのだ。
「町で楽しみたいのが彼女の望みなら果たしてやりたいね」
「女の子らしいお出掛けが出来ないまま死んでしまって可哀想です!!」
 そんな母の言葉に大きく頷くのは、真宮・奏(絢爛の星・f03210)。
 また響とは少し違った部分で、奏もヤオフーと同じような気持ちになることもあるから。
 人に見つかれば殺されてしまう……影朧になった彼女の実家に何か事情があったことは予想できるし。
 自分は籠の中の鳥とは逆に、色々な場所へと行き来しているのだけれど。
(「私も戦場を渡り歩いていますから気持ちは凄く分かるんです」)
 女の子らしいお出掛け、というものには縁遠くて。
 だから、それに憧れる思いはとてもよくわかるのだ。
 いくら猟兵で腕っぷしが強くったって、奏は年頃の女の子なのだから。
 袴姿で楽し気に友達と街を歩いている少女たちが、ちょっぴり羨ましく思うのも無理はない。
 だからこそ同じ様に、事情があってそんなひとときを過ごせなかった影朧の執着を果たしてあげたいのだ。
 そして神城・瞬(清光の月・f06558)は、隣を歩く奏を見つめながらも。
「ええ、楽しんで欲しいですね、春の装いの帝都を」
 そうこくりと、同意する様に頷きつつ思う。
(「まあ、帝都も色々組織がありますし、件の影朧の子の家も事情があったんでしょう」)
 何か理由があって、ヤオフーは隠されていたのだろうことは想像つくが。
 街を楽しむという普通ならば何の変哲もないことが、果たせなかった執着となっていることを思えば。
(「でも、女の子の楽しみを奪うやり方は余りにもその子が可哀想です」)
 そう思わずにはいられない。仕事ではあるけれど、わくわくしている奏の姿を見れば尚の事。
 とはいえ、猟兵としての仕事も確りと成す気持ちは第一に。
 無害とはいえ、影朧の姿に不安を抱く人たちを安心させるためにも、3人はさくらいろの街を歩く。
 下手に警戒していることを悟られては、影朧の興味が街を楽しむことから逸れてしまう可能性もあるから。
 影朧や街の人の様子は気にかけながらも、家族で街を楽しむことが今できる最善の行動。
 そしてこの世界の街で楽しめることといえば、やはりまずはこれ。
(「サクラミラージュといったら食べ歩きだろう。子供達は手に持って食べれるメンチカツやコロッケが大好物だ」)
 響がそう思ったと同時に上がる、弾む様な声。
「帝都といえば食べ歩き!! 特に手に持って食べれるメンチカツやコロッケは最高です」
 母が思っている通り、メンチカツやコロッケの店に心躍らせている奏。
 いや、それは奏だけではない。響が、子供達、と思った通りに。
(「サクラミラージュも結構行ってますので、食べ歩きの楽しさは良く知ってます」)
 ……特に歩きながら食べれるメンチカツやコロッケは最高です、と。
 瞬も勿論、考えていることは同じ。
 でも、それだけではなくて。
 揚げたてほくほくメンチカツやコロッケを買って、はむりと味わう子供達を見つめつつも。
 響がふと目を遣るのは、ほかほか湯気がたちのぼっている中華まんの店。
(「奏なら、動物の形をした中華まんは目が無いだろう」)
 可愛いと美味しいが一緒になったどうぶつさんの中華まんを、奏が放っておくわけはないから。
 メンチカツやコロッケの次は、迷わずどうぶつまんが売っているその店へ。
 店先に並ぶ中華まんのどうぶつさんたちは、味も種類もいくつもあって、選ぶとなると迷ってしまうけれど。
「家族で動物の形をした中華まんを全種類制覇しましょう!!」
「3人で食べれば全種類は制覇可能だね」
「ええ、家族で動物の形をした中華まんも全種類制覇してしまいましょう」
 家族みんなで全種類制覇すれば、選ぶ悩みも解決です!
 そしてどうぶつまんを眺めていれば、丁度通りかかったのはヤオフー。
「そこのお嬢さん、中華まんを奢ってあげようか」
『わたし? そのどうぶつさん、くれるの?』
 響の申し出に、きょろきょろ周囲を見回し歩いていたヤオフーは一瞬瞳を瞬かせるも。
 すぐに嬉しそうに尻尾をゆらりと揺らして。
「色々あるけど、どれがいいんだい?」
『えと、えっと……じゃあ、この甘そうな猫がいいな!』
「猫さんあんまんですね、どうぞ。熱いですから気を付けてくださいね」
「一緒に並んで歩きながら中華まんを食べましょう!!」
 普通の女の子に対するように優しく接する瞬から、差し出された猫さんあんまんを受け取って。
 奏の声に、うんっと頷いて一緒に歩き出すヤオフー。
 それから奏とヤオフーは同時にはむりとどうぶつまんを食べてから、顔を見合わせて笑いあう。
『この猫さんもおいしいし、さくらいっぱいの街はたのしいね』
「ええ、春の装いの町、素敵ですよね。一緒に楽しみましょう」
 そうほこほこと仲良さげに歩くふたりの姿を見つめつつ微笑む、響と瞬。
「奏とは気が合いそうな気がするね」
 そんな響の言葉に頷く瞬も、そっとこう思うから。
(「戦場暮らしの奏に取って、こういう時間は、大切ですから」)
 奏だって女の子、戦いと戦いの合間にこういう時間を過ごすことも必要であると思うし。
「こういう女の子同士で街を楽しむ、一度体験して見たかったんですよ!!」
 ……ああ、楽しいなあ。
 そう満開に咲いた娘の笑顔をみれば、響も笑み宿してしまう。
 まあ、財布は隙間風が吹き始めているが……なんて、少しだけ肩を竦めるけれど。
 ――奏にとってこういう経験は大切だ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

パウル・ブラフマン
【邪蛸】
エイリアンツアーズの皆で春の社員旅行…の前に!
ジャスパーとお仕事兼
食べ歩きデートをエンジョイしちゃうよ♪

持前の【コミュ力】を活かして
店員さん達に明るく声掛け、緊張を和らげたいな。
ヤオフーちゃんを見かけたら
フレンドリーに話しかけて、困っていたら手助けしよう。
あっ、オレも同じヤツ食べたいな~♪
一緒に注文しちゃおっか☆

さくらパンをイートインスペースでイタダキマス!
オレは明太子をチョイス☆
ヤオフーちゃんのと合わせてちょうど5個で桜の形だね♪
ジャスパーのあーんに応えながら
ひょっとして妬いた?と挑発的な笑みを。

あとは…あの露店で桜ドーナツも買っていこ!
エイツアの皆とお花見の席でシェアしたいなって♪


ジャスパー・ドゥルジー
【邪蛸】
彼女が心置きなくうろつけるように
俺らも可能な限りいろんなもん食うしかないっしょ!
腹はバッチリ空いてるか?
今日は食い倒れようぜ、パウル
まずどれから行こうか
俺はやっぱりさくらパンが気になるなあ
桜の花を模るなら五つ、かな
小豆にカスタード、チーズにウインナー
そして忘れちゃいけないさくらジャム

満喫しつつヤオフーの様子を伺う
もし彼女が何か買いたそうで店員が怖がってたりしたら
心配ねえよって促してやろうかな
パウルは何選んだ?
なるほどヤオフーのと合わせて…
俺が頼んだのも食べていいぜ、とパウルの口元にさくらパンを持って行ってみたり
妬…俺とパウルの仲で妬く必要ある?(ちょっと図星)

皆と一緒の花見も楽しみだな



 再びやってきた桜の季節の楽しみといえば、やっぱりお花見。
 そして今年も、エイリアンツアーズの皆で春の社員旅行……のその前に!
 さくらいろに染まった街を一足先に歩くのは、パウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)。
 その隣には勿論、ジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)の姿が。
 クルーたちと合流する前に、ちょっぴりだけ……ふたりきりの、食べ歩きデート。
 いや、今回は、街を楽しむことも猟兵の仕事のうち。
「彼女が心置きなくうろつけるように、俺らも可能な限りいろんなもん食うしかないっしょ!」
 影朧の彼女――ヤオフーが街を楽しみたいという執着を果たせるように。
 猟兵である自分達が楽しむことによって、周囲の不安がる人々を安心させることができるから。
 そしてジャスパーは、パウルへと改めて向き直って。
「腹はバッチリ空いてるか?」
 ――今日は食い倒れようぜ、パウル。
 そうぐっと何気に気合を入れつつ、悪魔尻尾をそわりゆらゆら。
 そんな密かに張り切っているジャスパーに頷きながら。
「食べ歩きデートをエンジョイしちゃうよ♪」
 にこにこ微笑まし気に、パウルも笑み返す。
 そしてやって来たのは、帝都の乙女にも人気だという古民家ベーカリー。
 焼き立てパンの良い香りが漂う店内を、まずどれから行こうか、と。
 桜の様なピンクと紫混ざる視線をぐるり巡らせるジャスパーの目に留まったのは。
「俺はやっぱりさくらパンが気になるなあ」
 期間限定と謳われた、一番人気らしい可愛い桜花弁型のパン。
「桜の花を模るなら五つ、かな」
 ジャスパーはトレイに美味しい桜を咲かせるべく、手を伸ばして。
 小豆にカスタード、チーズにウインナーのものをひょいっと取った後。
 そして最後に、忘れちゃいけないさくらジャムを乗せれば――満開に咲いた桜の花の完成。
 それからふと満喫しながらも、店に入って来たヤオフーの様子を窺えば。
 きょろり視線を巡らせる影朧に、不安げな店員たちの姿が。
 それにいち早く気付いたパウルは、持ち前のコミュ力を活かして。
「そのパンも美味しそう♪ ひとつ貰ってもいいかな?」
 焼きたてパンを並べにきた店員に明るく声を掛け、緊張を和らげて。
 そっとさり気なく会計を済ませながら、ジャスパーもレジの店員へとこう言葉を掛ける――心配ねえよ、って。
 そんなジャスパーの姿に瞳を細めつつ、パウルが次に向かったのはヤオフーの元。
「ヤオフーちゃんは、どれが好き?」
『わたしはね、このさくらパンが人気ってきいたから、これが気になってるの』
 声を掛けて来たパウルに、そうヤオフーは答えつつも。
 ……でもどうやったら買えるかしらないの、と続ければ。
「あっ、オレも同じヤツ食べたいな~♪ 一緒に注文しちゃおっか☆」
 フレンドリーに話しかけながらも、困っている彼女を手助けするパウル。
 そしてふたりで一緒に、きゃっきゃ楽しくさくらパンを選んで買って。
 さくらパンをイートインスペースでイタダキマス!
「パウルは何選んだ?」
「オレは明太子をチョイス☆ ヤオフーちゃんのと合わせてちょうど5個で桜の形だね♪」
『うん、一緒にえらんだの!』
「なるほどヤオフーのと合わせて……」
 ねーっとふたりで顔を見合わせるパウルとヤオフーに、ふうん、とジャスパーは目を向けてから。
「俺が頼んだのも食べていいぜ」
 パウルの口元に、甘いさくらジャムのさくらパンを持っていってみれば。
 喜んでそれに、あーん、って応えながらも。
「ひょっとして妬いた?」
 パウルがふっとジャスパーに向けるのは、挑発的な笑み。
 その言葉に、ぱちくり瞳を瞬かせてから。
「妬……俺とパウルの仲で妬く必要ある?」
 パウルが半分食べたさくらパンの残りを、ぱくりと口に頬張りつつも。
 何でもない顔をしてみせるジャスパーだけど……ゆうらりそわりと揺れている悪魔尻尾。
 そんな何気にちょっと図星だった様子に、ふふっと笑ってから。
 ヤオフーと分かれた後、再び街をふたり並んで歩き出したパウルは視線を改めて巡らせて。
「あとは……あの露店で桜ドーナツも買っていこ! エイツアの皆とお花見の席でシェアしたいなって♪」
「皆と一緒の花見も楽しみだな」
 ジャスパーと一緒に、クルーたちの人数分の桜ドーナツもお買い上げ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
食べ歩きがご所望、と。
なるほどなるほど。

ということでカフェーで待ち構えるわ。
「桜尽くしスイーツコースをお願い」

甘いものは別腹、しかもヤドリガミだから太らない。
「んっ、あまーい」
と緊張感ゼロでにっこにこよ。

ヤオフーが来たら手招きして食べさせてあげるわ。
ほら、あーん、よ。あーん。

将来的にも人に危害がない影朧なら、無理にどうこうするつもりはないわ。
私だって呪いの宝石よ。
せいぜいお互い楽しみましょう?



 さくらいろに染まった春の帝都に漂うのは、たくさんの美味しそうな匂い。
 街を訪れている人々の声は勿論、店の呼び込みの声も賑やかで心惹かれるし。
 流行に敏感な女学生たちがウワサしている一品も、気になるところ。
 そんな聞いた事しかない街の様子に興味深々、きょろりと視線を巡らせ歩くヤオフー。
 そう……影朧である彼女が果たしたい執着、それは――。
「食べ歩きがご所望、と」
 ……なるほどなるほど、と。
 聞いた予知を思い返しながら、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)はこくこくと数度頷いて。
 待ち構えるのは、美味しいメニューがたくさんある、古民家カフェーへ!
 それから案内された席について速攻、店員に注文を。
「桜尽くしスイーツコースをお願い」
 いえ、これも、影朧が来たらきっと不安になるだろう人々を安心させるためです!
 そして桜尽くしなスイーツがずらりテーブルに並べられた後。
 早速、すちゃりとスプーンを構えて。
 期間限定のさくらパフェをひと掬い、はむりと口に運んでみれば。
「んっ、あまーい」
 緊張感ゼロでにっこにこ……!?
 いいえ、これも猟兵の仕事です、きっと。
 それにヴィオレッタは何て言ってもヤドリガミ。
「甘いものは別腹、しかもヤドリガミだから太らない」
 いくら甘い物を食べても、多分太りません??
 そんなこんな、全力でスイーツコースを満喫していれば。
 やって来たヤオフーを手招きして、向かいの席に座らせてから。
「ほら、あーん、よ。あーん」
『あーん? こう? ……ん、おいしいー!』
 あーんと、桜ケーキを食べさせてあげるヴィオレッタ。
 それから、ほわほわ嬉しそうに笑むヤオフーを見て思う。
(「将来的にも人に危害がない影朧なら、無理にどうこうするつもりはないわ」)
 ……私だって呪いの宝石よ、と。
 そして、これも食べる? と、今度は桜ドーナツを再びヤオフーにあーんしてあげながらも。
 ヴィオレッタは、いろの違う宝珠の瞳をそっと細める――せいぜいお互い楽しみましょう? って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フリル・インレアン
ふええ、アヒルさん、見つかってしまいます隠れてください。
お話を聞いた時から、まるではじめてのおつかいみたいで何だかドキドキしています。
私達はこの小さな冒険を影ながら見守るんですよ。



 さくらいろに染まった春の帝都は、いつもよりも華やかな感じがして。
 道行く人々も、春のお出掛けに、心も声も弾ませているよう。
 そして並ぶ店にも、たくさん咲いているのはさくらのいろ。
 春の季節の期間限定、と聞けば、思わず惹かれてしまうというのが乙女心。
 帝都の流行りに敏感な乙女たちがウワサする店だって、外せない。
 そうあちこち、興味津々にきょろきょろと。
 視線を巡らせるのは影朧――ヤオフー。
 彼女は、果たせなかった執着……さくらいろの街を目一杯満喫することに夢中。
 ……いや、それは何も、ヤオフーだけではなくて。
「ふええ、アヒルさん、見つかってしまいます隠れてください」
 フリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)の隣でテンションがあがっている様子のアヒルさんも一緒??
 けれど、あまり張り切って、ヤオフーをびっくりさせてもいけないから。
 逸るアヒルさんを窘めつつも、そっと大きなつばの帽子を押さえ、影朧の少女を見守るフリル。
 それからツンツンとアヒルさんに催促され突かれて。
 傍のお店で売っていたさくらいろのたい焼きを買ってから。
(「お話を聞いた時から、まるではじめてのおつかいみたいで何だかドキドキしています」)
 ヤオフーを驚かさないよう、アヒルさんと桜たい焼きを食べつつも、後をついていく。
 特に隠れなくてもいいといえば、いいのだけど。
 でも、街をうきうき巡るその姿は、眺めているだけでもとても楽しそうだから。
 見るものひとつひとつに瞳をキラキラ輝かせる様子を見失わないように、そっと。
 ――私達はこの小さな冒険を影ながら見守るんですよ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

浮世・綾華
【灼熱】

(確かにハジメテみたらおかしく見えるのかもしれない?)

ほんと、めっちゃ回ってる
確かに。メリーゴーランドは止まるもんな
(絡繰りか、魔法か…)

回遊魚
どうなんだろ
色々取りやすいからとかじゃない?
後で調べてみよ

嗚呼、マグロがツンとするわけじゃなくて
ネタとシャリの間に挟まってるワサビだよ
俺もマグロ食べよ
…まわってこねー!
あ、フツーに頼んでもいーの?
大将~

ベルが咲かせた桜なと言葉を返しつつ
俺は背びれ辺りから
――桜餡、うま
瞬くエドガーに笑って
いや、頭だけ残るのも可哀想な気もしてきた
何処から食べるのが正解なのかねえ
舞い降る桜を仰ぎながらのんびりと

あら、意外と食いしん坊?
ふ、エドガーは花より団子派かしら


エドガー・ブライトマン
【灼熱】
へえ~、あれがすしというヤツなんだ
米の上に魚の切り身が乗っている。おかしいなあ!

あんなに回っているのは、回遊魚を表しているのかな
ある種の芸術なんだろうか。私の知らない文化だ…
何を食べようかな
人気者なの?じゃあ私もマグロ~(アヤカ君の手前で取る)
本当だ、ちょっとスッとするね

フフ、ベル君。鼻が痛いのかい?私はワサビ得意なのかも
鯛焼き、おいしいよね!コレは私も知ってるよ
きれいな桜を眺めながら食べると、一層おいしく感じられる
不思議だよね。花の魔法のよう

えっ可哀想?
平気で頭からかぶりついていた

頭から食べてもおいしかったよ
もうひとつ食べようっと。実は私はふたつ買っていたのさ
花も団子も、私はスキさ!


ベル・ルヴェール
【灼熱】

まずは寿司屋へ乗り込もう。本当に回っているな。
メリーゴーランドよりよく回っている。
僕はマグロを食べる。マグロは人気者なんだ。
アヤカとエドガーは何を食べるんだ?
ツンとした!マグロはツンとする食べ物か。
このツンとしたやつがワサビか。

寿司を食べたら鯛焼きを食べよう。
桜を見ながら鯛焼きを食べる。
アヤカの見せてくれた桜が沢山ある。
本物の桜は綺麗だな。

鯛焼きはどこから食べれば良いんだ?
頭から行くのは可哀想だな。
僕は尻尾から食べよう。エドガーは頭から?!
アヤカの言うように頭だけが残るのも可哀想だな。
難しい問題だ。

やっとあんこに辿り着いた。
甘くて美味しいな。ワサビのツンも鯛焼きのお陰で消えそうだ。



 春の訪れに心躍る人々の声で溢れた、さくらいろに染まる帝都の中でも。
 より賑やかで活気のある人気の店で味わえるもの、それは――。
「へえ~、あれがすしというヤツなんだ」
 エドガー・ブライトマン(“運命”・f21503)がじぃっと見つめている……そう、寿司!
 眼前の目新しい寿司を興味深々眺めながら、楽し気に青い瞳を細めて。
「米の上に魚の切り身が乗っている。おかしいなあ!」
 そう笑み咲かせるエドガーをむしろじぃっと見つめているのは、浮世・綾華(千日紅・f01194)。
 目の前には、マグロにイカ、サーモン等々……特に奇抜ではない、定番の寿司たち。
 そんな、ごく普通のネタの寿司だけれど。
(「確かにハジメテみたらおかしく見えるのかもしれない?」)
 綾華も一緒に、美味しそうな寿司たちを眺めてみる。
 いや、寿司屋は寿司屋でも、他の食事ができる店とはちょっと違う。
「本当に回っているな」
 これまたじぃっと、流れゆく回る寿司を見つめるのは、ベル・ルヴェール(灼熱の衣・f18504)。
 回る寿司――そう此処は、サクラミラージュの世界でも話題沸騰の回転寿司屋であるのだ。
「ほんと、めっちゃ回ってる」
 綾華も目の前を通過していく寿司を見送りつつ、こくりと頷いて。
 ベルはふと、同じ様にくるりと回る、あるものを思い出す。
 それは、キラキラピカピカと光る世界を回っていたもの。
 けれど改めてまじまじと回る寿司たちを見てみれば、似て非なるもの。
「メリーゴーランドよりよく回っている」
 だって、頭に浮かんだ遊園地のそれよりも。
 ひたすらぐるぐると、目の前の寿司たちは回っているから。
「確かに。メリーゴーランドは止まるもんな」
 誰かに取られるまで、ひたすら回り続ける寿司たち。
 言われてみれば、どういう原理で回っているのだろうか。
(「絡繰りか、魔法か……」)
 綾華は友人たちの言葉で、はじめて回転寿司と深く向き合うことに。
 そんなふと思案する綾華や回る寿司を見つめているベルと共に寿司を眺めていたエドガーは、ピンと閃く。
 そう、魚たちは寿司になる前から回っていることに気付いたのだ。
「あんなに回っているのは、回遊魚を表しているのかな」
「回遊魚、どうなんだろ」
「ある種の芸術なんだろうか。私の知らない文化だ……」
 回り続ける寿司を感心するように改めて見つめ、芸術性を見出したエドガーであるが。
「色々取りやすいからとかじゃない?」
 ……後で調べてみよ、と言いながらも、何気に現実的でごもっともな見解を返す綾華。
 だがここは水族館や博物館ではなく、寿司屋だから。
「僕はマグロを食べる」
 本来するべき目的を口にするベル。
 回転寿司ははじめてであるけれど、でもベルは知っているから。
「マグロは人気者なんだ。アヤカとエドガーは何を食べるんだ?」
 マグロは寿司の王道、皆の人気者であるということを。
 そして宣言通り、ひょいっとマグロを取るベルの言葉を聞いて。
 何を食べようかな、と呟きを落としていたエドガーもその手を伸ばす。
「人気者なの? じゃあ私もマグロ~」
 寿司が流れてゆくその前に、無事にエドガーもマグロをゲット。
 それから周囲の皆を真似て、ちょんっと醤油をつけて、ふたり一緒にはむりと食べてみれば。
「ツンとした! マグロはツンとする食べ物か」
「本当だ、ちょっとスッとするね」
 ぱちくりと瞳を瞬かせるベルに、こくりと頷くエドガー。
 人気者のマグロは、ツンとする味……??
 そんなきょとりとするふたりの反応を見つつ、綾華はツンの正体を教えてあげる。
「嗚呼、マグロがツンとするわけじゃなくて。ネタとシャリの間に挟まってるワサビだよ」
「このツンとしたやつがワサビか」
 綾華の言葉に、ベルは聞いた事のあるワサビという伏兵にもう一度瞳を瞬かせた後。
 今度は、間に挟まっているというワサビという存在を意識しつつ。
「もうひとつ、マグロを食べよう」
「じゃあ私もマグロ~」
 再びマグロが流れてくるのを、エドガーとふたりでじっと待って。
「俺もマグロ食べよ」
 綾華もマグロを食べんと、寿司が回るレーンへと目を遣って待つけれど。
「マグロがきたな」
「本当だ、マグロが回って来たね」
 ――ひょい、ひょいっ。
 ベルとエドガーが伸ばした手が、再びマグロの皿をゲット。
 そして。
「……まわってこねー!」
 綾華のところまでマグロ、回ってきません……!
 そう回転寿司の洗礼を受ける綾華であったが。
「あ、フツーに頼んでもいーの?」
 周囲のサクミラっ子たちが普通に注文している様子に気が付いて。
 大将~と声を掛ければ、ようやく無事にマグロを握って貰えました!
 それから皆で回転寿司を存分に満喫した後。
 さくらいろの街をぶらり、再び歩いていれば――見つけたのは、これ。
「次は、鯛焼きを食べよう」
「鯛焼き、おいしいよね! コレは私も知ってるよ」
 魚は魚でも今度は寿司ではなく、魚のかたちをしたたい焼き!
 そして皆で出来立ての桜たい焼きを、咲き誇る桜を眺めながら食べることに。
 それからベルは、ふと春いろの空を見上げて。
「アヤカの見せてくれた桜が沢山ある」
 緑の瞳にも桜花弁を舞わせながら、そっと細める――本物の桜は綺麗だな、と。
 ベルは桜を見たことがある。綾華が描き、咲かせてくれた桜を。
 彼は、もっとうまい人はいっぱいいると言ったけれど。
「ベルが咲かせた桜な」
 そう笑む綾華の絵が上手かったからこそ、あんなに綺麗に咲かせることが出来たと思うから。
 満開の、サクラの夢を。
 そんなことを思いながら本物の桜を見上げた後。
 今度は手元のたい焼きへと視線を移し、ふと首を傾けるベル。
「鯛焼きはどこから食べれば良いんだ?」
「俺は背びれ辺りから――桜餡、うま」
 早速、はむりと口にした綾華は桜風味の味に笑み零して。
「頭から行くのは可哀想だな。僕は尻尾から食べよう」
 ベルもいざ、くるりと尻尾を上に向けるけれど。
 ――かぷり。
「エドガーは頭から!?」
 普通に何の躊躇もなく頭からかぶりついたエドガーの様子に、思わず瞳を見開いて。
「えっ可哀想?」
 今度はエドガーが、瞳をぱちくり。
 そんな瞬く様子に綾華も笑って。
「いや、頭だけ残るのも可哀想な気もしてきた」
「アヤカの言うように頭だけが残るのも可哀想だな」
 ……難しい問題だ。
 そう、桜たい焼きと睨めっこするベル。
「何処から食べるのが正解なのかねえ」
 舞い降る桜を仰ぎながらのんびりと、はむはむ食べ進める綾華やエドガーを見遣りつつ。
 ベルも意を決し、やはり尻尾からちまちまと食べていけば。
「やっとあんこに辿り着いた。甘くて美味しいな。ワサビのツンも鯛焼きのお陰で消えそうだ」
「フフ、ベル君。鼻が痛いのかい? 私はワサビ得意なのかも」
 エドガーはちょっぴり得意げに、そう笑んで言ってから。
 頭から食べてもおいしかったよ、と尻尾の部分まで完食して、ご馳走様……かと思いきや。
「もうひとつ食べようっと。実は私はふたつ買っていたのさ」
 何気に取り出し手にしたのは、ふたつめのたい焼き。
「あら、意外と食いしん坊? ふ、エドガーは花より団子派かしら」
「花も団子も、私はスキさ!」
 綾華の言葉にエドガーはそう、一等うつくしい王子スマイルを満開に咲かせて。
 はらり空を春色に染めるさくらいろ瞳に舞わせながら、ふたつめのたい焼きもはむり。
「不思議だよね。花の魔法のよう」
 ――きれいな桜を眺めながら食べると、一層おいしく感じられる、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルーシー・ブルーベル
【夜来】

ええ、ここがサクラミラージュ!
サクラはいつもキレイだけれど今日は特に
お花も春が嬉しいのかな
エルネストさんのお庭もキレイよ?

穴の空いたドーナツ!
お店は彼方ね
ルーシーはたい焼きが気になる
お店は、お隣ね?
なら両方食べちゃおう!

ドーナツの穴からのぞくあなたの瞳
ふふ!ルーシーもお返し
此方からも良く見えるわ
一口齧ると桜色の生地がさっくりふわり
サクラの香りする!
しょっぱいのは葉っぱ?

桜色のたい焼きってかわいい
中にあんこって、お豆を甘く煮たのが入ってるの
ルーシーはたい焼き尻尾から食べる派よ
あなたは頭と尻尾どちらから?…まさかの、まんなか
おいしいの言葉は我が事みたいに嬉しい

モチロン!もっと楽しみましょう


エルネスト・ナフツ
【夜来】

のぅ、娘よ。ここがサクラの世界かえ?
光を遮るヴェールを纏って行こう。
話に聞いたとおりのうつくしい世界じゃ。
夜の支配する我の住処とは大違いよ。

あまいかおりが充満しておる。穴の開いたかしはどこかえ。
我は穴の開いたかしがたのしみでのぅ。
主の気にしておったさかなのかしも食べたいぞ。

ほぅ。これがどーなつか。穴の開いたかしは面白いの。
この穴から主が見える。だのにあまじょっぱくておいしいぞ。
たいやきだったな。これは黒い物がつまっておる。
あんこ。これがあんこか。あまくておいしいのぅ。
我は真ん中から食べよう。ほぅ。主は尻尾からか。

サクラの世は知らぬことばかりじゃ。のぅ。我をもっと案内をしてくれるかえ?



 ふわりと桜花弁を舞わせる春風がそっと揺らすのは、光を遮るヴェール。
 そんなひらり纏うヴェールの奥から青の瞳を巡らせて。
「のぅ、娘よ。ここがサクラの世界かえ?」
 そう訊ねるエルネスト・ナフツ(神の聖者・f27656)に、ルーシー・ブルーベル(ミオソティス・f11656)はこくこく頷く。
「ええ、ここがサクラミラージュ! サクラはいつもキレイだけれど今日は特に」
 いつだってこの世界には幻朧桜が咲いてはいるのだけれど。
 今日はまた一等、美しく咲き誇っているように感じられて。
 そしてルーシーにはその理由がわかる気がする――お花も春が嬉しいのかな、って。
 眩しいほどの春の陽気はぽかぽかと温かくて。
 真っ青な空に舞う桜たちが添えるのは、春のいろ。
「話に聞いたとおりのうつくしい世界じゃ。夜の支配する我の住処とは大違いよ」
 そうふと降って来た花弁をひとつ、掌で受け止めてみつつも紡いだエルネストに。
 ルーシーは視線を向け、こう返す。
「エルネストさんのお庭もキレイよ?」
 春に咲くいろも、夜に咲くいろも、どっちも綺麗だから。
 それからふたり、並んでさくらいろの街を歩いてみれば。
「あまいかおりが充満しておる」
 春風に乗って漂ってくるのは、あまいかおり。
 そしてきょろり、エルネストは視線を巡らせてみる。
 今日の彼女には実は、お目当てがあるのだから。
「穴の開いたかしはどこかえ。我は穴の開いたかしがたのしみでのぅ」
「穴の空いたドーナツ!」
 そう……ルーシーの言う様に、それは――ドーナツ!
 ――お店は彼方ね、と。
 早速エルネストが所望するドーナツ屋さんをルーシーは見つけて。
「ルーシーはたい焼きが気になる」
 ドーナツ屋さんへと足を向けながらも呟くけれど。
「お店は、お隣ね?」
 たい焼き屋さんは、ドーナツ屋さんとお隣同士。
 ルーシーと共に店の前へとやってきたエルネストは、ウワサの穴の開いた菓子を見つけた後、隣のたい焼き屋さんにも目を向けて。
「主の気にしておったさかなのかしも食べたいぞ」
 さかなのかしにも興味津々。
 そうなれば、もう決まりです。
「なら両方食べちゃおう!」
 ドーナツもたい焼きも、どちらもふたり分お買い上げ!
「ほぅ。これがどーなつか。穴の開いたかしは面白いの」
 ――この穴から主が見える。
 刹那開いた穴から覗く、青の瞳。
 桜いろをしたドーナツ越しに自分を見つめるそんなエルネストの姿に、ルーシーは思わず笑み零して。
「ふふ! ルーシーもお返し。此方からも良く見えるわ」
 同じ様に、さくらいろの穴から青い瞳を覗かせて、彼女を見つめてお返しを。
 それからはむり、ひとくち口にしてみれば。
「サクラの香りする!」
「あまじょっぱくておいしいぞ」
「しょっぱいのは葉っぱ?」
 桜色の生地がさっくりふわり。
 甘くて、そしてちょっぴりしょっぱい味が絶妙に美味しくて。
 思わず顔を見合せ、頷き合うふたり。
 でも、買ったのはさくらいろのドーナツだけではありません。
「桜色のたい焼きってかわいい」
「たいやきだったな。これは黒い物がつまっておる」
 じぃ、とそうさくらいろのたい焼きを見つめるエルネストに、ルーシーはその正体を教えてあげる。
「中にあんこって、お豆を甘く煮たのが入ってるの」
「あんこ。これがあんこか」
 それから、念願のたい焼きをルーシーはいざ、口にしようとするけれど。
 やはりたい焼きといえば、気になるのはこれ。
「ルーシーはたい焼き尻尾から食べる派よ。あなたは頭と尻尾どちらから?」
 そんな問いに、エルネストはたい焼きへと視線を向けてから。
「ほぅ。主は尻尾からか。我は真ん中から食べよう」
「……まさかの、まんなか」
 尻尾でも頭でもない、まさかの真ん中派……!?
 そして、ぱくりと言の葉通り真ん中から食べ始めた彼女に、ルーシーは瞳を一瞬ぱちくりとさせるけれど。
「あまくておいしいのぅ」
 そう聞こえた声に、満開の微笑みを咲かせる。
 だって、おいしいの言葉は、我が事みたいに嬉しいから。
 それから、はむはむとたい焼きを食べ進めながら。
「サクラの世は知らぬことばかりじゃ」
 ……のぅ。我をもっと案内をしてくれるかえ?
 エルネストにそう視線と言葉を向けられたルーシーは、すぐにこくりと頷き返す。
 ――モチロン! もっと楽しみましょう、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

佐那・千之助
クロト(f00472)、
彼女は見るだけで満足するらしいが
願わくば目一杯たのしい時間をあげたいな

ヤオフー、モフモフー…!
この時点で私は目一杯楽しい
ハッ驚かせた?決して怪しい者ではないのじゃ
是非一緒に遊びたいのじゃよ

焼きたてのパンの匂いにふらりと惹かれ
私も貰う、と彼の花弁ひとつ頂いて
ふかふか、あったか、最高…

そして古民家カフェの甘い誘惑に目移り
お腹に余裕ある?行っていい?
行こ!
女の子と一緒なら入りやすいのう
桜ケーキと頂く桜の葉が良きアクセントで延々食べられそう
お嬢さんもしっかり召し上がれ
クロトは私のケーキを一口お食べ
はいお口あけて

あ、お肉のいい匂い。肉は別腹じゃよね?
散歩して小腹を空かせたら大丈夫


クロト・ラトキエ
千之助(f00454)が…
既に目一杯楽しんでいます…。
いえ、行動としては間違って無いんですけど。
ほらほら。驚かせちゃダメですよ?

…とはいえ、まぁ。
花弁のパン。組み合わせると花になるらしいのですが。
僕はそんなに食べられないので、
貰っていただけると助かるのですけど…
なんて、ヤオフーに水を向け。

ちゃんと楽しめているだろうか。
桜紅茶に口付けながら、彼女の様子を窺う。
僕は…こういう生き方をしてきたモノは、
野生には嫌われ易いから。
千之助…は聞くまでも無いのでさて置いて!
よく食べるなぁ。これが若さか…。

はいはい、なんて。
彼と彼女の後について食べ歩き
(但し自分は専ら見る専
仕事、ですけど
…楽しそうなのは、良い事



 ――桜、サクラ、さくらいろ。
 帝都の街をふんわりと彩るのは、そんなやさしい春のいろ。
 そして、そんな賑やかな雑踏の中、きょろりと。
 興味津々、視線を巡らせているのは……影朧。
 けれどその影朧、ヤオフーに人を襲う意思などは今のところ見られず。
 逆にそわりと狐尻尾を揺らしながら、キラキラと外の世界に瞳を輝かせている。
 とはいえ彼女は影朧、周囲の人たちは不安に思っている様子だから。
 そんな帝都の人たちを安心させるべく、ヤオフーに歩み寄りながらも。
(「彼女は見るだけで満足するらしいが、願わくば目一杯たのしい時間をあげたいな」)
 佐那・千之助(火輪・f00454)は彼女へと声を掛ける。
 さくらいろの街を存分にヤオフーが楽しめるように。
 果たせなかった執着を叶えてあげたいから。
 そのためにはやはり、自分達も楽しむべきだと。
 ――ヤオフー、モフモフー……!
 千之助は嬉々として、もふもふな狐尻尾とお耳のヤオフーへと突撃!?
 ……うん、確かに自分達が楽しくしていれば、ヤオフーも楽しい気持ちになるだろうけれど。
「この時点で私は目一杯楽しい」
「既に目一杯楽しんでいます……」
 幸せそうにヤオフーをもふもふする千之助を見遣り零すのは、クロト・ラトキエ(TTX・f00472)。
 此方が敵意をみせなければ、影朧の興味は街を楽しむ事に向くとは聞いていたし。
 ……いえ、行動としては間違って無いんですけど。
 クロトはそう呟いた後、幸せそうな千之助に声を掛ける。
「ほらほら。驚かせちゃダメですよ?」
「ハッ驚かせた? 決して怪しい者ではないのじゃ」
 クロトの声に、千之助は瞳を瞬かせ言った後。
『……あなたたちは?』
 そうじいっと自分達を見上げるヤオフーへと優しい笑みを向ける。
 ――是非一緒に遊びたいのじゃよ、って、
 そんな敵意どころか嬉々とした千之助の様子に、うん遊ぶ! とヤオフーも頷いて。
 一緒に楽しく、さくらいろの街を並んで歩き出せば。
(「……とはいえ、まぁ」)
 そうちらり、クロトもるんるん楽し気なふたりの様子をそっと見守りながらも、続いて。
 千之助が刹那、ふらりと惹かれたのは――焼きたてのパンの匂い。
 そんな、帝都の乙女たちもウワサしている人気の古民家ベーカリーへと3人も足を運んで。
 美味しそうに並ぶパンを、ぐるりと見回してみたクロトの目に入ったのは。
「花弁のパン。組み合わせると花になるらしいのですが」
 桜花弁のカタチをした、さくらパン。
 様々な味があるそれを5つ組み合わせれば、桜の花になるというから。
 ひょいっととりあえずトレイに美味しそうな桜花を咲かせ、購入してみながらも。
 きょろきょろと興味はあるけれど、どうすればいいかわからない様子のヤオフーへと水を向けてみるクロト。
「僕はそんなに食べられないので、貰っていただけると助かるのですけど……」
 それからイートインコーナーへと皆で赴けば。
「はい、好きな味をどうぞ」
『えっと……じゃあ、わたしはこれ!』
 ヤオフーはカスタードが入った花弁を。
 そして、私も貰う、と。
 千之助も彼の花弁をひとつ摘まんで、口へと運んでみれば。
「ふかふか、あったか、最高……」
 焼きたてふかふかなパンの香ばしさやあったかさと、あまい桜ジャムの美味しさに。
 ぱあっと咲かせる、幸せのいろ。
 それから、ベーカリーを堪能すれば、次は。
「お腹に余裕ある? 行っていい?」
『わたしもいきたい!』
 ――行こ!
 そううきうきと向かうのは、目移りしてしまいそうな甘い誘惑でいっぱいの、古民家カフェ。
「女の子と一緒なら入りやすいのう」
 見回す客層はやはり女子が多いから、男ふたりでは少々入り辛い気もするけれど。
 でもヤオフーがいれば、そんなこと気にする必要もなし。
 早速、それぞれ注文してみて。
「桜の葉が良きアクセントで延々食べられそう」
 口にした桜ケーキの美味しさに千之助は笑み零した後。
『わ……つめたいっ、でもおいしい!』
「お嬢さんもしっかり召し上がれ」
 桜いろのアイスクリンを食べて瞳輝かせるヤオフーに優しく声を向ける。
 そしてそんなヤオフーの様子を窺うように見つめながらも、クロトは思う。
 ……ちゃんと楽しめているだろうか、と。
(「僕は……こういう生き方をしてきたモノは、野生には嫌われ易いから」)
 けれど、眼前のヤオフーはとても楽しそうであるし。
 ふとちらりと、視線を移してみれば。
(「千之助……は聞くまでも無いのでさて置いて!」)
 そこには、見るからに楽しそうな彼の姿。
 その視線に気が付いて、千之助は桜ケーキをひとくちフォークに刺してから。
「クロトは私のケーキを一口お食べ」
 ――はいお口あけて、と。
 嬉しそうにあーんを促す彼に従いながらも、クロトは思うのだった。
 ……よく食べるなぁ。これが若さか……、って。
 そんな若さ溢れる千之助の食欲はまだまだ止まらない。
「あ、お肉のいい匂い。肉は別腹じゃよね?」
 お肉は別腹……!? ええ、これぞ若さ。
 ちょっと若さが足りないと胃もたれしそうなチョイスだけれど。
「散歩して小腹を空かせたら大丈夫」
 そうるんるん歩く千之助に、はいはい、なんて頷きながら。
 同じくるんるん並ぶヤオフーと彼について、クロトも食べ歩きを楽しむ。
 でも流石に肉は別腹ではないから――専ら、見る専ですけれど。
 それからクロトは、さくらいろの街をふたりとゆきながらも。
 彼らを見守る青の瞳を、ふっと細める。
(「仕事、ですけど」)
 ……楽しそうなのは、良い事、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

灰神楽・綾
【不死蝶】
梓と一緒に訪れたのは回転寿司のお店
お寿司といえば、グリードオーシャンの戦争中にも食べたよね
あの時は手巻き寿司だったけど

定番のメニューから変わり種まで
想像以上にたくさんのネタがあってびっくり
すごい、生ハムやハンバーグが乗ったのもあるよ
どれにしようか悩むなぁ~
悩んだら全部食べちゃえばいいよね
ひょいひょいと次々にお皿を確保していく
あっ、サイドメニューのラーメンやデザートも美味しそう

お寿司といえばわさびは外せないよね
備え付けのわさびを大量に盛り付けていただきまーす
んーっ、ネタもシャリもわさびも全部おいしいっ
生臭さも全然無くてぱくぱく食べられる

あはは、焔にはわさび寿司はまだ早かったかなー?


乱獅子・梓
【不死蝶】
あー、お前が仁義なきロシアン寿司対決を仕掛けていたやつな
手巻き寿司作りは意外と楽しかったなぁ…なんて思い出し

綾のやつ、次々と景気良く食っているが
これ最終的にいくらになるんだろうか…
ウニに大トロに、ラーメンまで頼んでいるし
回転寿司は合計金額が予想しづらいからこわい
…うん、今はそういうことを考えるのはやめよう
美味しく食べることに集中しよう

焔と零にも寿司を食わせてやっていたわけだが
待ち切れなかったのか、焔が皿の上の寿司を盗み食い
あっ、その皿は…!!
途端にジタバタと悶える焔
…それ、綾の大量のわさび入りの寿司だぞ…
勝手に食うからバチが当たったんだぞ
悶える焔も可愛いなぁなんて思いながら撫で撫で



 ひらりと桜舞う帝都でも人気だという、話題の店。
 灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)が乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)と一緒に食べに訪れたのは――。
「お寿司といえば、グリードオーシャンの戦争中にも食べたよね。あの時は手巻き寿司だったけど」
 そう、寿司です!
 けれど戦争中に食べたのは、寿司は寿司でも、自分達でくるりと巻いて食べる手巻き寿司。
「あー、お前が仁義なきロシアン寿司対決を仕掛けていたやつな」
 梓の脳裏にふと蘇るのは、梓が敵に仕掛けていたロシアン寿司対決の光景。
 そして、手巻き寿司作りは意外と楽しかったなぁ……なんて思い出しながらも。
 眼前の寿司たちを見遣ってみる。
 あの時は手巻き寿司だったけれど――今日は、回る寿司。
 ふたりがやって来たのは、帝都の回転寿司屋。
 マグロやサーモンやイカなど、定番の寿司は勿論のこと。
「すごい、生ハムやハンバーグが乗ったのもあるよ」
 想像以上にたくさんのネタが回っている様子に、綾はびっくり。
 そんな寿司やおかずになりそうなものだけでなく、流れてきたプリンにも何気に心惹かれながら。
「どれにしようか悩むなぁ~」
 そうきょろりと目移りする綾だけれど。
 でもこういう時はどうするのが最適か、ちゃんと知っています。
 ……悩んだら全部食べちゃえばいいよね。
 そう、全部食べれば万事解決!?
 そして、ひょいひょいと、流れてくる皿を次々と確保していく綾。
「あっ、サイドメニューのラーメンやデザートも美味しそう」
 ラーメンやパフェや、さっき見送ったプリンも確保です!
 そんな幸せそうにどんどん取っては食べている姿を見遣りつつも。
「綾のやつ、次々と景気良く食っているが、これ最終的にいくらになるんだろうか……」
 ……ウニに大トロに、ラーメンまで頼んでいるし、と。
 どうしてもおかん属性的に、そこが気になる梓。
(「回転寿司は合計金額が予想しづらいからこわい」)
 けれどまぁ、これも猟兵としての仕事であるし。
 きっと多分、サアビスチケットとかで何とかなるに違いない。
 ……何とかなりますよね?
「……うん、今はそういうことを考えるのはやめよう」
 そう考えているうちにも高く積み重なっていく皿に、ついに思考を放棄する梓。
 そしてこう心に決めるのだった。
 ……美味しく食べることに集中しよう、って。
 そんな梓のそわそわな心の内など知る由もなく。
「お寿司といえばわさびは外せないよね」
 綾はそう言うやいなや、備え付けのわさびも大量にもりもり盛り付けて。
 にこにこ笑み咲かせ、いただきまーす!
「んーっ、ネタもシャリもわさびも全部おいしいっ」
 ……生臭さも全然無くてぱくぱく食べられる、とご満悦。
 ツーン? そんなもの無縁です、ええ。
 そして、もう美味しく楽しもうと、現実から目を逸らした梓も。
 焔と零にも寿司を甲斐甲斐しく取りつつ、食べさせてあげていたのだけれど。
「あっ、その皿は……!!」
 待ち切れなかったのか――焔がぱくり、皿の上の寿司を盗み食い!
 いや……普通の寿司ならば、ちょっぴりメッと言うだけで済んだのだけど。
 ――!?
 刹那、まるでそれこそ火を噴きそうな様子で、ジタバタと悶える焔。
 そう――焔が食べたのは、よりによって。
「……それ、綾の大量のわさび入りの寿司だぞ……」
「あはは、焔にはわさび寿司はまだ早かったかなー?」
 そんな襲いくるツーンに、ごろごろジタバタ悶える焔に。
 水を飲ませてあげながらも、梓は言って聞かせる。
「勝手に食うからバチが当たったんだぞ」
 そして、しゅんと尻尾を垂らし項垂れる焔を撫で撫でしつつも、思うのだった。
 ――悶える焔も可愛いなぁ、なんて。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

宵鍔・千鶴
【紫桜】

限定、って言葉に弱くて
春色の古民家カフェ、行ってみる?

メニューも桜尽くし
食べれる範囲で網羅しよう

俺は桜紅茶と桜パンケーキにアップルパイ
アイス入りの桜くれーぷも
シャトは何にする?

テーブルにずらり並ぶ甘味に
美味しいはシェアしよう
あれもこれもとシャトの口元へ運んで
甘い反撃には微笑んで
ふふ、じゃあお言葉に甘えてって口を開ける

桜のきみが桜を食べてるの一寸不思議、かも

視界に映るヤオフーもきっと、幸福な顔で
甘味を堪能出来てると良いな

窓外の薄紅色がはらりと落ちるを視線追いかけて
けれど今日は傍らにも綺麗な桜
シャトと美味しいもの食べに行く約束
一緒出来て良かった
まだ、楽しい時間は此れから


シャト・フランチェスカ
【紫桜】

おや、奇遇
僕も好きだよ、限定って言葉
こんなこともあろうかと
朝食はばっちり抜いてあるのさ

ふふ、それじゃあ
桜色のソーダに桜パフェ
桜餅も頼んじゃおうかな
だってせっかく、きみと一緒なんだもの

これってやっぱり共食いかな?

む、そうきたか…
美味しい、そして、あざといぞ
負けじと千鶴にも甘い桜の反撃を
おとなしく口を開けたまえ

美味しいも幸せも
こうして共有できるんだね
ああ、彼女もきっと
今日は怪異なんかじゃない、ただのヤオフーとして笑ってほしい

きみの目線を追えば自然と笑みが零れ
見慣れた花だけど
初めて見る彩みたいに鮮やかだ

約束、叶えてくれてありがとう、千鶴
長くて短い一日が始まる
今日ばかりは筆を置いて楽しむよ



 咲き誇る桜の花たちは、ふたりにとって縁深く見慣れたものではあるけれど。
 春の香りに包まれた空に咲くそのいろは、何だか特別な気がする。
 いや、特別に思うのはきっと――こうやってふたり、並んで歩いているから。
 それに実際、この季節は特別なのだ。
「春色の古民家カフェ、行ってみる?」
 ……限定、って言葉に弱くて、と。
 宵鍔・千鶴(nyx・f00683)がそうちらり、視線向ければ。
「僕も好きだよ、限定って言葉」
 シャト・フランチェスカ(侘桜のハイパーグラフィア・f24181)はちょっぴり得意げに胸を張ってみせつつも続ける。
「こんなこともあろうかと、朝食はばっちり抜いてあるのさ」
 準備も万端、この季節にしか出会えない限定を頂くために。
 そしてレトロな雰囲気咲く古民家カフェの席について、ぱらりとメニューをめくれば。
 そこに踊るのは心擽る限定の文字と、美味しそうに咲く桜たち。
「メニューも桜尽くしだね。食べれる範囲で網羅しよう」
 千鶴はぐっと気合をいれつつ、そわり目移りしながらも。
「俺は桜紅茶と桜パンケーキにアップルパイ、アイス入りの桜くれーぷも」
 ……シャトは何にする?
 そう、さくらいろ巡らせるきみへと訊ねてみれば。
「ふふ、それじゃあ、桜色のソーダに桜パフェ。桜餅も頼んじゃおうかな」
 細められた春のいろが千鶴を映し、綴られる言の葉。
 ――だってせっかく、きみと一緒なんだもの、って。
 それからテーブルにずらりと並ぶ、さくらいろの甘味たち。
 千鶴はそれを、すいっと掬い上げて。
「美味しいはシェアしよう」
 あれもこれもとシャトの口元へ。
「む、そうきたか……」
 差し出されるそれらを、シャトはもぐもぐ口にしつつ。
「美味しい、そして、あざといぞ」
 ――おとなしく口を開けたまえ。
 負けじと千鶴に向けるのは、甘い桜の反撃。
 そんな嬉しくて甘い仕返しに微笑んで。
「ふふ、じゃあお言葉に甘えて」
 喜んでぱかりと口を開ける千鶴。
 そして彼と仲良く交換こしながらも、シャトはふと思う。
「これってやっぱり共食いかな?」
「桜のきみが桜を食べてるの一寸不思議、かも」
 そうじぃと瞳を向ける千鶴に、笑み返すシャト。
 ――美味しいも幸せも、こうして共有できるんだね、って。
 それから千鶴はふと、視界に映る彼女へと視線を向ける。
「ヤオフーもきっと、幸福な顔で甘味を堪能出来てると良いな」
 それは、古民家カフェーへとやって来たヤオフーの姿。
 一瞬だけ店内の人達も不安な表情を浮かべたけれど。
 でも千鶴やシャトをはじめ、猟兵達の姿がこの場にある事で安心してくれている。
 そんな様子を見遣った後、シャトもヤオフーへと目を向けて頷く。
「ああ、彼女もきっと。今日は怪異なんかじゃない」
 ……ただのヤオフーとして笑ってほしい、って。
 それから千鶴はふと追いかける。窓外にはらりと落ちる薄紅色を。
 そんな彼の視線を追えば、自然とシャトにも零れ咲く笑み。
「見慣れた花だけど、初めて見る彩みたいに鮮やかだ」
 そして千鶴は紫のいろに、一等満開に咲く花の姿を映す。
 ――今日は傍らにも綺麗な桜、と。
「シャトと美味しいもの食べに行く約束、一緒出来て良かった」
「約束、叶えてくれてありがとう、千鶴」
 これから始まるのは、長くて短い一日。
「今日ばかりは筆を置いて楽しむよ」
 そう綴るシャトの声に、千鶴は微笑みと言の葉を返す。
 ――まだ、楽しい時間は此れから、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月舘・夜彦
【華禱】
倫太郎はパンが大好きですからね
話を聞いて、此処は行くべきと思っておりました
予想していた通り、とても嬉しそうです

色々な種類があるようで、どれにするか迷いますね
なるほど……甘いものも塩辛いものも楽しめるようにしましょう
お惣菜はツナマヨ、マヨコーン、カレー、あとは……ピザ、明太子
定番だからこそ、お店の味付けを知れるような気がします

おや、ホットサンドもですか
それでは私は卵とミートソースのもので、飲み物は牛乳にします

ふふ、チーズが落ちないように気を付けて食べてくださいね
影朧の姿を見送った後、向けられたホットサンドを食べる
温められたチーズは美味しいですね
では倫太郎、ミートソースもどうぞ?


篝・倫太郎
【華禱】
やっべ、テンション上がるわぁ……
みたいな顔をしてたんだろうな、俺

なんか夜彦がいつもの顔してる……
微笑ましいものを見る顔してる

でもいいや
パンだよ、パン
さくらパンはほら、あれだ
甘いのと惣菜系でそれぞれ一輪作る感じでどう?
甘いのはあんたも子供達も好きだろ?
チョコ・カスタード、ピーナツバター、小豆に林檎ジャム!
惣菜は……夜彦の食べたいのにしようぜ?

んで、折角だからさ
イートでホットサンドを珈琲と一緒に戴こ

ホットサンドはチーズ入ってれば後はお任せ!

へへ、夜彦、夜彦
チーズ伸び~るぅ

やってきたホットサンドに齧り付いて
伸びるチーズに夜彦の名を呼んで笑い
影朧の姿を二人で見送ってから

ほら、お裾分け!あーん?



 桜が満開に咲いた春色の街は、ただでさえ心躍るけれど。
 月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)はやって来た店へと足を踏み入れ、ふと翡翠の視線を向けて。
「倫太郎はパンが大好きですからね。話を聞いて、此処は行くべきと思っておりました」
 篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)を見つめ、にこにこ。
 ……予想していた通り、とても嬉しそうです、って。
 そんな夜彦をちらりと見て、篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は思う。
(「なんか夜彦がいつもの顔してる……微笑ましいものを見る顔してる」)
 だから店に入った瞬間、きっとこうだったのだろうと。
 ――やっべ、テンション上がるわぁ……。
(「みたいな顔をしてたんだろうな、俺」)
 いや、実際にそう思ったことに間違いはないから。
 ……でもいいや。パンだよ、パン。
 香ばしい焼きたての匂い漂う中、そううきうきと琥珀の視線を巡らせる。
「色々な種類があるようで、どれにするか迷いますね」
 夜彦は嬉しそうな倫太郎と共に、並ぶ沢山のパンを見遣るけれど。
 ふたりで一緒に選ぶのは、この店の一番人気だという限定のパン。
「さくらパンはほら、あれだ。甘いのと惣菜系でそれぞれ一輪作る感じでどう?」
 そう……花弁のカタチをした、さくらパン。
 色々な味を集めれば咲くのは、美味しい桜の花。
 それを甘い物と惣菜系、ひとつずつ咲かせようという倫太郎の提案に、こくりと夜彦も頷いて。
「なるほど……甘いものも塩辛いものも楽しめるようにしましょう」
「甘いのはあんたも子供達も好きだろ?」
 ――チョコ・カスタード、ピーナツバター、小豆に林檎ジャム!
 あっという間にトレイに咲いたのは、倫太郎が選んだ甘いパンの桜。
「惣菜は……夜彦の食べたいのにしようぜ?」
「お惣菜はツナマヨ、マヨコーン、カレー、あとは……ピザ、明太子にしましょう」
 夜彦が選んだ花弁たちは、定番で間違いないもの。
「定番だからこそ、お店の味付けを知れるような気がします」
 そんな、やはり生真面目な彼と彼らしいチョイスに、今度は倫太郎が微笑まし気ににこにこするけれど。
 夜彦はふとあるものを見つけ、翡翠の瞳を細める。
 だってきっと、もっと彼の顔に笑みが咲くと思ったから。
「倫太郎、これも買いましょう」
「……!」
 刹那、ぱあっとテンションが上がったように、やっぱり思わず綻ぶ倫太郎の顔。
 ふたりで作ったさくらぱんの隣に乗せたのは――そう、淡いさくらいろをしたメロンパン。
 それから、わくわくと倫太郎は、夜彦の袖をくいくい引いて。
「んで、折角だからさ。イートでホットサンドを珈琲と一緒に戴こ」
「おや、ホットサンドもですか。それでは私は卵とミートソースのもので、飲み物は牛乳にします」
「あ、俺のホットサンドはチーズ入ってれば後はお任せ!」
 イートインスペースで、出来立てあつあつのホットサンドをいただきます!
「へへ、夜彦、夜彦。チーズ伸び~るぅ」
 やってきたハムとチーズのホットサンドに齧り付いて、びよーんと。
 チーズを伸ばしつつ、夜彦の名を呼んで笑う倫太郎。
「ふふ、チーズが落ちないように気を付けて食べてくださいね」
 そんな子供のようにはしゃぐ姿に、夜彦もつられて笑み咲かせながら。
 横目でちらりと楽しそうな影朧の姿を無事に見送った後。
「ほら、お裾分け! あーん?」
 向けられた倫太郎のホットサンドを、ぱくりと口にした夜彦は。
「温められたチーズは美味しいですね」
 ――では倫太郎、ミートソースもどうぞ?
 そう一等嬉しそうな彼にも、お返しのあーんを。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

狐煌・詩雲
鵺宵(f30417)と

影朧が満足するように、街の人が不安がらないように、私たちも思い切り楽しみましょう

古民家カフェーに寄っていくわ
ヤオフーはカフェーに入りたそうにしているかしら?
なんだか放っておけないし、誘ってみようと思うのだけど
良いわよね、鵺宵?

店内も良い雰囲気じゃない
本当ね、窓からの景色も素敵だわ
どれも美味しそうで全部食べてみたいくらいだけど、私は桜色のクリームソーダと桜パフェにするわ
鵺宵とヤオフーはどうする?

ふふ、どのメニューも可愛いわねえ
ええ、ありがと。そのパンケーキも食べたかったから嬉しいわ
う~ん、美味しい。このパフェ、仄かに桜が香るわね
二人はどう? 美味しくいただいてるかしら?


村瀬一・鵺宵
狐煌さん(f30620)と

影朧も街の人も僕たちも、楽しく過ごせるように尽力しましょう

ええ、誘ってみましょうか
ヤオフーさんにも楽しんで欲しいですしね
怖がらせないように優しく挨拶します
こんにちは、このカフェーが気になりますか?
よろしければ、僕たちとご一緒します? 食事は人数が多い方が楽しいですので

窓から見える桜も綺麗ですね
ええっと、僕は桜色のパンケーキと桜紅茶にします
パンケーキはシェアできそうなので、よろしければお二人にもお分けしますよ

テーブルの上が桜尽くしですね
優しい色に心和みます
お二人もどうぞ(パンケーキを切り分けて)
ええ、ふわふわで美味しいですよ
ヤオフーさんも楽しんでくれていると良いですね



 春を迎えたさくらいろの帝都は、たくさんの人たちで賑やかで。
 そこに現れたのは、きょろきょろとあちこちに視線を巡らせている影朧。
 けれどその影朧、ヤオフーの興味は、桜咲く街の風景に釘づけ。
 予知によれば、彼女は敵意を向けられたりしなければ無害であるようであるが
 それでもやはり影朧、道行く人達もその姿を見れば不安を抱いてしまうだろうし。
 そうなれば街を目一杯楽しみたいヤオフーの執着も果たせないかもしれないから。
「影朧が満足するように、街の人が不安がらないように、私たちも思い切り楽しみましょう」
「影朧も街の人も僕たちも、楽しく過ごせるように尽力しましょう」
 狐煌・詩雲(牡丹一華《紅》・f30620)の言葉に、村瀬一・鵺宵(奇談ヲ求ム者・f30417)もこくりと頷く。
 ヤオフーも、帝都の人たちも、そして自分達も楽しむこと。
 これがきっと、今回の案件の最適な解決方法だから。
 そんなふたりが足を向けるのは、帝都でも人気の高い古民家カフェー。
 そして、雰囲気の良いレトロな建物が見えてきたと同時に、ふたりは気が付く。
 カフェーに入りたそうにしている様子の、ヤオフーに。
 詩雲は春風にそっと白い長髪を揺らしながら、薄紫の視線を鵺宵へと向ける。
「なんだか放っておけないし、誘ってみようと思うのだけど」
 ……良いわよね、鵺宵? と。
 そんな彼女の提案に、すぐに頷く鵺宵。
「ええ、誘ってみましょうか。ヤオフーさんにも楽しんで欲しいですしね」
 それから怖がらせないように、優しくヤオフーへと挨拶をしてみる。
「こんにちは、このカフェーが気になりますか?」
 声を掛けられたヤオフーは、瞳をぱちくりと瞬かせるけれど。
 向けられた優しい声色と微笑みに、素直にこくこく頷いて。
「よろしければ、僕たちとご一緒します? 食事は人数が多い方が楽しいですので」
『いいの? うれしい!』
 誘いの声に、ぱっと笑顔を咲かせる。
 そして3人で一緒に、店の中へと足を運べば。
「店内も良い雰囲気じゃない」
「窓から見える桜も綺麗ですね」
「本当ね、窓からの景色も素敵だわ」
 詩雲と鵺宵の言葉を聞いた店員の粋な計らいで、一等桜が眺められる窓側の席へ案内されて。
 ぱらりとメニューを広げてみれば、そこにもいっぱいのさくらいろ。
「どれも美味しそうで全部食べてみたいくらいだけど、私は桜色のクリームソーダと桜パフェにするわ。鵺宵とヤオフーはどうする?」
「ええっと、僕は桜色のパンケーキと桜紅茶にします。パンケーキはシェアできそうなので、よろしければお二人にもお分けしますよ」
『パンケーキくれるの? じゃあ、わたしは……さくらのケーキ!』
 それぞれ、気になるものを注文すれば。
「ふふ、どのメニューも可愛いわねえ」
「テーブルの上が桜尽くしですね、優しい色に心和みます」
 眼前に満開に咲くのは、甘くて美味しそうなさくらたち。
 そして……お二人もどうぞ、と。
 鵺宵が早速、パンケーキを切り分けてお裾分けすれば。
「ええ、ありがと。そのパンケーキも食べたかったから嬉しいわ」
『わたしも……! ありがとうっ』
 詩雲とヤオフーに同時に咲いた微笑み。
 それから詩雲はスプーンでさくらの彩りをひと掬いして。
 はむりと、口に運んでみれば。
「う~ん、美味しい。このパフェ、仄かに桜が香るわね」
 ふわりと広がるのは、幸せな春の味。
 そしてふたりへと笑み向けて、訊ねてみる。
「二人はどう? 美味しくいただいてるかしら?」
「ええ、ふわふわで美味しいですよ」
『ケーキも、とってもおいしい』
 鵺宵は、そうほわほわ笑みつつ美味しそうに食べる彼女の姿を見守りながらも。
 そっと、琥珀色の瞳を細める。
 ――ヤオフーさんも楽しんでくれていると良いですね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

朱赫七・カムイ
⛩神歌

春爛漫の麗しい気配を感じるね
縁深く好ましい桜の彩に心が和らぎ弾むようだ
桜は私達にとって大切
そして私の愛し子の生誕を祝う贈り物を探さないとね

リル、カフェーに行ってみようか
洒落たカフぇが物珍しくてついつい周囲を見渡してしまう
綺麗な店だ
無邪気にメニューを見やる人魚の可愛らしさに笑みが浮かぶ
リル、この桜そぉだを2人で飲もう
桜色にバニラのアイスクリンを浮かべてもらおうね
私?もちろん桜ぱんけーきだよ
ふかふかで美味しい…これが無くては始まらないよ
リルはチーズケーキが好きなの?
一口貰えばふわりと溶ける未知なるケーキの食感
噫、実に美味だよ

ケーキを?それはいい
頑張ってつくろう
その為にも
しかと味を刻みつけねば


リル・ルリ
🐟神歌

みてみて!どこもかしこも桜づくしだよ!
僕らの大好きな桜がたくさんだ!
カムイと一緒に桜色の街を楽しむんだよ
僕らの櫻のお誕生日の贈り物を決めるっていう大事な目的

うん!かへにいこう
メニュー片手にきらきら
カムイの好きなぱんけき、もあるよ
どれがいいかな
桜そぉだを一緒に頼んで……あとは
僕はね、桜のちずけき、にするんだ
カムイはやっぱり桜のぱんけき?
君は本当にぱんけきがすきだね
僕にも一切れ頂戴!僕のちずけき、を食べさせてあげる

嬉しげに頬張る君が可愛らしくて
思わず笑みが零れてしまう

お誕生日は桜のけぇきを作りたいね
2人なら作れるよ、きっと!

まずは美味しい味を覚えとかなきゃね
カムイ、けぇきをお代わりするぞ!



 ひらりひらり、さくらいろの空を泳ぐように。
「みてみて! どこもかしこも桜づくしだよ!」
 ――僕らの大好きな桜がたくさんだ!
 そうはしゃぐように紡ぐリル・ルリ(『櫻沫の匣舟』・f10762)がぱあっと咲かせるのは、満開の笑顔。
「春爛漫の麗しい気配を感じるね」
 ……縁深く好ましい桜の彩に心が和らぎ弾むようだ、と。
 朱赫七・カムイ(約倖ノ赫・f30062)も朱砂の彩咲く桜の龍瞳を柔く細めてから。
 ふたり並んでいざ、賑やかに華やぐさくらいろの街へ。
 桜は自分達にとって、とても大切な花で。
 そんな桜舞う帝都を一緒に楽しむのは、勿論なのだけれど。
 きりっと、カムイへと視線を向けるリル。
「僕たちには、大事なみっしょんがあるんだ。ね、カムイ!」
「私の愛し子の生誕を祝う贈り物を探さないとね」
 そう……自分達の大切な櫻への贈り物を決める、大事な大事なみっしょん。
 そして、しーっとふたり顔を見合わせて。
 ――櫻にはまだ、ないしょだよ。
 ――私達だけの秘め事だ。
 ふふっと笑み合いながら、仲良く内緒話。
 それから、ふたりが足を運んだのは。
「リル、カフェーに行ってみようか」
「うん! かへにいこう」
 帝都の乙女たちの間でも噂だという、古民家カフェー。
 ……綺麗な店だ、と。
 さくらいろで満ちた洒落た店内を、カムイはついつい見渡してしまって。
「カムイの好きなぱんけき、もあるよ」
 ……どれがいいかな、って。
 メニュー片手にきらきら瞳輝かせるリルへと視線移せば、その愛らしさに浮かぶ笑み。
 そしてカムイは、リルにこんな提案を。
「リル、この桜そぉだを2人で飲もう」
 そんな声に勿論、うん! と頷いて。
「桜そぉだを一緒に頼んで……あとは……僕はね、桜のちずけき、にするんだ」
 リルは薄花桜に朱のいろを映して、小さくこてりと首を傾ける。
「カムイはやっぱり桜のぱんけき?」
「私? もちろん桜ぱんけーきだよ」
 迷うことなく即、そう返すカムイ。
 そんな全く揺るぎない彼にわらって。
「君は本当にぱんけきがすきだね。僕にも一切れ頂戴! 僕のちずけき、を食べさせてあげる」
 注文した甘いさくらたちがテーブルに咲けば、リルはふわふわの桜チーズケーキをカムイへお裾分け。
「リルはチーズケーキが好きなの?」
 そう紡ぎながらも、ぱくり。
 差し出されたそれを口にしてみれば……刹那ほわりと宿るのは、幸せそうな笑顔。
「噫、実に美味だよ」
 ふわりと溶ける、未知なるケーキの食感に。
 そしてリルも思わず笑みを零してしまう。
 嬉しげに頬張る眼前の彼の姿が、可愛らしくて愛しくて。
 それからリルは再びきりりと、カムイと作戦会議を。
「お誕生日は桜のけぇきを作りたいね」
「ケーキを? それはいい。頑張ってつくろう」
「2人なら作れるよ、きっと!」
 そして真剣な顔でふたり、じいっと美味しいふわふわチーズケーキを見つめて。
「その為にも、しかと味を刻みつけねば」
「まずは美味しい味を覚えとかなきゃね」
 リルは、ぐっと気合いを入れてメニューをぱらり。
 ――カムイ、けぇきをお代わりするぞ! って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リシェア・リン
※アドリブ歓迎

わああっ、美味しそうなものがいっぱい…!
うぅん…どれにしようか悩んじゃう
甘いもの沢山もいいけど…(小さくお腹を撫で)

やっぱりさくらパンは食べておきたいかなぁ
明太子やカレー等いくつか見繕って、花形に拵えて
写真も忘れずに、っと(スマホでぱしゃり)
んー、ふわふわもちもちで美味しい!

うーん、他にも色々あって目移りしちゃうなぁ…(尻尾ぱたぱた)
全部制覇は難しいから、いくつか旅団のみんなのお土産にしようっと
この美味しさを独り占めなんて、勿体無いものね

ね、ヤオフーちゃん
世界はあなたが思ってるより、残酷じゃないと思うのよ
だってほら、みんな幸せそうな笑顔でしょう?



 帝都の街を春に彩る、桜の花たちにも負けないくらいに。
「わああっ、美味しそうなものがいっぱい……!」
 ぱあっと満開に笑み咲かせるのは、リシェア・リン(薫衣草・f00073)。
 そして、紫水晶の視線を周囲にきょろりと巡らせながらも。
「うぅん……どれにしようか悩んじゃう」
 甘いもの沢山もいいけど……と、小さくお腹を撫で撫で。
 ふわり鼻を擽る甘い香りにも、ゆうらり尻尾が揺れてしまうくらい心惹かれるけれど。
 向かったのは、帝都の乙女たちもウワサしているという人気の店。
「やっぱりさくらパンは食べておきたいかなぁ」
 今の時期しか味わえないさくらパンが食べられるという、古民家ベーカリーへ。
 そして並ぶ焼きたての桜花弁たちの中身は、色々な味。
 その中から、明太子やカレー等々、気になったものをいくつか見繕えば。
 トレイに咲いたのは、美味しそうな桜の花。
 それを早速、いただきまーす! ……と口にする、その前に。
「写真も忘れずに、っと」
 スマ―トフォンでぱしゃり、写真撮影も抜かりありません。
 それからぱくり、摘まんだ桜花弁を頬張ってみれば。
「んー、ふわふわもちもちで美味しい!」
 口の中にふわっと満開に咲くのは、ほっぺが落ちそうな食感と美味しさ。
 そんなさくらパンを、ほわほわ幸せそうに味わいつつも。
「うーん、他にも色々あって目移りしちゃうなぁ……」
 尻尾をぱたぱた、きょろりと視線を巡らせるリシェア。
 そしてひょいひょいっと、再びトレイに美味しそうなパンを取っていく。
「全部制覇は難しいから、いくつか旅団のみんなのお土産にしようっと」
 ――この美味しさを独り占めなんて、勿体無いものね、って。
 そんなトレイに乗せられた美味しそうなパンたちを、ひょこりと覗き込んで。
『わぁ、おいしそう!』
 そう声を上げたヤオフーへと、リシェアは優しく咲かせた微笑みと言の葉を贈る。
「ね、ヤオフーちゃん。世界はあなたが思ってるより、残酷じゃないと思うのよ」
 ――だってほら、みんな幸せそうな笑顔でしょう? って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

木常野・都月
【KOR】

影朧は敵だけど…こういう事なら協力したいな。
食べた事あるものも、無い物もいっぱい。

このフカフカ?が中華まん?
なんかずっと触っていたいような……。
でも、いただきます!

…ん!美味い!
チィ、食べてみろ、これ美味いぞ!

それに…油揚げのラスク?って言うんですか?
お菓子のような…おかずのような…不思議なもの。

!これも美味しい!
パリパリしてて、いつもの油揚げとは違う感じがします!

そういえば、妖狐って油揚げ好きって聞きますよね。
妖狐だからか分からないけど、俺は油揚げ好きです!

チィは精霊様だけど、油揚げ好きだし……。
美味しいですよね(パリパリ)!
チィにも油揚げのラスクをあげながら、楽しみたいな。


シホ・エーデルワイス
【KOR】

そうですね
思う存分漫遊してもらいましょう

それにしてもヤオフーさんの様な戦う意志が無い影朧は珍しいです


桜學府の情報網で油揚げのラスクがあるお店を情報収集し
ヤオフーさんと皆の分も含めて複数種類買い
皆で食べ比べします

プレーン、シナモン、黒糖、キャラメル、抹茶
桜味もあるかしら?

はい
油揚げで作られたラスクです
クロムさんもどうぞ

どちらかというと
これはもうお菓子ですね
都月さんのチィさんも気に入るとは!

有士郎さんも記憶が無いのですか?
…私も思い出の記憶は殆どありません
食べると何か思い出すかもしれませんね


あと桜クレープは聞いた事も想像も難しいので食べてみたい
何を包んでどんな味か楽しみ(詳細な描写希望)


クロム・エルフェルト
【KOR】人に害を為さないのなら。心残りのお手伝い、するよ。

心配そうな人が居たら、ヤオフーに気取られぬよう腰の刀をポンポンと触り
「何かあれば事が起こる前に斬る」と安心させる
尤も、そんな事になって欲しくは無いのだけど

利き手は常に開けた状態で食べ歩きを楽しむ

シホさん、それは?
お揚げのお菓子、初めて見た。
抹茶味を分けて貰って、一口
これ……! ん、美味しい!(尻尾ぶんぶん)

有士郎さんは、記憶が無い? そっ……か。
今迄見てきた中でお揚げが嫌いな妖狐は居なかった
有士郎さんも大丈夫。な筈。きっと。……たぶん。

中華まんにも興味津々、ヤオフーと都月くんにも分けてみようかな
皆で食べると、何倍も美味しいから。ね。


織銀・有士郎
【KOR】
随分ささやかな執念だな……それすら叶わぬ世を儚むところだ。
ま、せいぜい彼女のひと時が満足いくものになるよう尽力しようかい。

……さて、中華まんに酒まんじゅうなるものがある話。
しかも動物の形をしているようだが……猿か狸の形でもしてるのか?
とりあえず、仲間やヤオフーの分も買ってみんなで食うか。

油揚げのラスクか。クロムと都月が旨そうに食べてるのは大好物だからかね?
記憶が無いせいで自分の好物かは解らんが……ん、シホもか。
そうだな、故郷の味で何か思い出すものがあるかもしれないな。

さて、流石に甘いものに囲まれていると渋いものが欲しくなる。
どこかで落ち着きながら緑茶を飲むのも良いかもな。



 ひらりはらり、賑やかな帝都の街を一面染めるのは、舞い降る桜花弁たち。
 賑やかな街はすっかり春色、さくらいろ。
 そんな喧騒の中、狐耳と尻尾をぴょこりゆうらゆら。
 きょろきょろ興味深そうに視線を巡らせるのは、ひとりの少女。
 だが……彼女は、執着を果たさんと帝都を歩く影朧。
 とはいえ、儚く弱く、無害な存在であるという。
 そして影朧――ヤオフーの執着とは、さくらいろに染まった街を目一杯楽しむこと。
「影朧は敵だけど……こういう事なら協力したいな」
 木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)はそっとヤオフーの後をついていきつつも、きょろりと視線を巡らせながら呟く。
 ……食べた事あるものも、無い物もいっぱい、って。
 ずらり並ぶ店は沢山で、ふわり春風が運んでくる美味しそうな匂い。
 ヤオフーだけでなく、美味しそうなものがいっぱいの街は、ついわくわく心擽られてしまう。
 そんな帝都の街を思い切り楽しみたい、それがヤオフーの執着だというが。
「随分ささやかな執念だな……それすら叶わぬ世を儚むところだ」
 影朧の様子を窺いつつも、そう紡ぐのは織銀・有士郎(織りなす銀の一振り・f17872)。
 詳しくは分からないが、彼女は隠されていたのだという。
 それが外への憧れ、執着となったようであるが。
「ま、せいぜい彼女のひと時が満足いくものになるよう尽力しようかい」
「そうですね。思う存分漫遊してもらいましょう」
 有士郎にこくりと頷くのは、シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)。
 今のところ、聞いた話の通りヤオフーは人に害を与えるような様子は皆無だ。
 慣れぬ人々の喧騒に時折躊躇う様子は見えるものの、無闇に影朧に近づかぬようさり気なく帝都桜學府が人々を誘導していることもあり、ヤオフーの興味は完全にさくらいろの街を楽しむことに向いている。
 そんな様子を見つめ、シホは改めて思う。
「それにしてもヤオフーさんの様な戦う意志が無い影朧は珍しいです」
「人に害を為さないのなら。心残りのお手伝い、するよ」
 クロム・エルフェルト(縮地灼閃の剣狐・f09031)もまた、影朧の執着を果たしてやりたいと赴いたひとり。
 通常ならば、帝都を脅かす影朧は即座に斬るのが掟。
 だが無害ならば、帝都桜學府の目的である影朧の救済を、というのが方針であるのだけれど。
 でもやはりヤオフーが影朧だと知れば、帝都の人は不安げであるから。
 下手に影朧を刺激しないためにも、何より街の人に安心して貰いたいから。
「何かあれば事が起こる前に斬る」
 ヤオフーに気取られぬよう腰の刀をポンポンと触り、ヤオフーを見て表情が強張っている店先の人たちにそう声を掛ければ。
 猟兵がいると知って、ホッと表情を和らげる人々。
 そんな人たちの様子を見て藍色の瞳を細めながらも、でもやっぱり、クロムはそっと思う。
 ……尤も、そんな事になって欲しくは無いのだけど、って。
 帝都の街の人にとって、自分達猟兵の存在はとても心強いもの。
 だから、猟兵がいるということを示すべく、さくらいろの街を歩くのだけれど。
 折角ならば、自分達も楽しむに越した事はない。
「……さて、中華まんに酒まんじゅうなるものがある話」
 有士郎の興味を惹いているのは、話に聞いた中華まんや酒まんじゅう。
 いや、ただの中華まんや酒まんじゅうではありません。
「しかも動物の形をしているようだが……猿か狸の形でもしてるのか?」
 さくらいろをした、動物さん。
 それを聞いて視線を巡らせたクロムの耳が、ピコリ。
 ウワサの中華まんの店を見つけ、皆と共に足を向ければ。
 じいっと興味津々、ほかほかの中華まんやお饅頭の動物さんと暫しお見合いを。
 それからふと、同じ様に匂いにつられやって来たヤオフーへと、クロムは訊ねてみる。
「一緒に、食べる?」
『いいの? うん、食べる!』
「皆で食べると、何倍も美味しいから。ね」
「とりあえず、みんなやヤオフーの分も買って食うか」
 有士郎もそうこくり頷きつつ、いくつか中華まんと酒まんじゅうを見繕って購入して。
「このフカフカ? が中華まん?」
 なんかずっと触っていたいような……なんて、そうっとふにふにしてみながらも。
 都月はさくらいろの犬さん中華まんに、瞳をぱちくりさせるけれど。
「でも、いただきます!」
 はむりとひとくち食べてみれば、ぱあっと咲く笑顔。
「……ん! 美味い! チィ、食べてみろ、これ美味いぞ!」
「都月くん、猫さんもいる? ヤオフーも、どうかな」
 犬さん肉まんをチィにも分けてあげる都月と、ヤオフーにもクロムが差し出すのは、猫さんまん。
『わあ、猫さん……甘くて美味しい!』
 猫さんまんは、あまーいあんまん。
 そして、その隣で。
「……狸?」
 何気に狸さんの酒まんじゅうを見つめる有士郎。
 何となく、よく知る愛らしいまめだぬきに似ている様な……気もしなくない。
 そんな可愛くて美味しい中華まんが並ぶ店の隣にも、ふと立ち寄ってみるシホ。
 その店で帝都の乙女たちが買っているのは、桜クレープ。
 期間限定の桜クレープはやはり、この店の人気看板メニューのようだけれど。
(「聞いた事も想像も難しいので食べてみたい」)
 ……何を包んでどんな味か楽しみ、と。
 そわり、ひとつ注文してみれば。
 さくらいろをしたもちもち生地に包まれているのは、春色の甘味。
 ふんだんに使われているのは、桜花弁の形に切った甘酸っぱいイチゴ。真白の生クリームとふんわり桜いろの餡が彩りと甘さを添えて。仕上げに乗せられるのは、小振りな抹茶アイスと桜の葉入りのふたつのアイスに、一口サイズの桜餅。
 春を思わせるのはいろだけでなく、ふんわり桜の香も。
 そして食べてみれば、クリームや桜餡や桜餅の甘さは勿論。桜の葉の微かなしょっぱさや抹茶味、苺の甘酸っぱさがいいアクセントに。
 そんな桜クレープを満喫してから。シホはさらにその二軒隣の、桜學府の情報網で事前に情報収集していた、あるお店へ。
 皆とヤオフーの分も含め、店に並ぶ目的のものを複数種類買った後、再び皆の元へ。
 シホが買ったもの、それは。
「シホさん、それは?」
「はい、油揚げで作られたラスクです。クロムさんもどうぞ」
 ふと首を傾け問うクロムに、シホは買ってきたものを差し出す――油揚げのラスクを。
 だって、共に食べ歩いている皆も、そしてヤオフーも、油揚げが好きだと言われている狐さん。
「プレーン、シナモン、黒糖、キャラメル、抹茶、限定の桜味もありました」
「……油揚げのラスク? って言うんですか?」
 お菓子のような……おかずのような……と。
 そう不思議そうに見つめる都月と一緒に、狐尻尾をそわそわゆらり。
「お揚げのお菓子、初めて見た」
 利き手は常に開けた状態ではあるけれど。クロムはいくつかある味の中からひとつ、抹茶味を選んでみて。
 都月は限定の桜味を、ヤオフーもキャラメル味を貰ってから。
 一緒にはむり、食べてみれば。 
「! これも美味しい!」
「これ……! ん、美味しい!」
『すごく、おいしい!』
 3人のお耳が、同時にぴこんっ。
 そんな揃ってキラキラ目を輝かせている姿に、有士郎は瞳細めて。
「油揚げのラスクか。クロムと都月が旨そうに食べてるのは大好物だからかね?」
「そういえば、妖狐って油揚げ好きって聞きますよね。妖狐だからか分からないけど、俺は油揚げ好きです!」
 都月は言った後、先輩はどうですか? と有士郎へと視線を向ける。
 そんな彼女も、同じ妖狐だから。
「記憶が無いせいで自分の好物かは解らんが……」
「有士郎さんは、記憶が無い? そっ……か」
 クロムはそう答えた有士郎の言葉に、呟きを落とした後。
 顔を上げて、彼女にも油揚げのラスクをそっと勧めてみる。
「今迄見てきた中でお揚げが嫌いな妖狐は居なかった。有士郎さんも大丈夫。な筈。きっと。……たぶん」
 そしてシホも、有士郎の声に反応を示す。
「有士郎さんも記憶が無いのですか? ……私も思い出の記憶は殆どありません」
「ん、シホもか」
 思い出の記憶がない過去。
 忘れてしまったのか、思い出せないだけなのか、それとも――それはどうか、分からないけれど。
「食べると何か思い出すかもしれませんね」
「そうだな、故郷の味で何か思い出すものがあるかもしれないな」
 シホの差し出した黒糖のラスクをひとつ、手にしてみる有士郎。
 妖狐は概ね油揚げが好きだから、何か思い出すことがあるかもしれないし。
「チィは精霊様だけど、油揚げ好きだし……。美味しいですよね!」
 パリパリと嬉しそうにラスクを口に運ぶ都月の言う通り、何よりとても美味しいから。
 そして有士郎もはむりとひとくち、油揚げラスクを口にしてみれば。
 刹那、ぴこりと微かに揺れる狐耳。
 そんな様子に、シホは瞳を細めながらも。
「どちらかというと、これはもうお菓子ですね」
 ふと、パリパリ美味しそうな音がする方へと視線を移してみれば。
「チィさんも気に入るとは!」
 都月から貰ってはむはむもぐもぐ、うきうきと尻尾を揺らしながら食べているチィの姿に瞳を思わず瞬かせる。
 やはり精霊でも、狐さんは油揚げが好き。
 それから皆で色々な味を食べ比べして、美味しく油揚げラスクを平らげた後。
「さて、流石に甘いものに囲まれていると渋いものが欲しくなる」
 どこか懐かしい味がしたような気もしながらも、有士郎は再び皆とさくらいろの街を歩き出す。
 ――どこかで落ち着きながら緑茶を飲むのも良いかもな、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

高塔・梟示
千隼(f23049)君と

影朧の子じゃないが
いい匂いばかりで惹かれてしまうな
何処か気になる店はあるかい?
振返って千隼君に尋ねて

お互い健啖家じゃないから
春を楽しめるものにしようか
古民家カフェーは如何だろう

指引く彼女に微笑み
眺めの良い席を勧めて
わたしは桜紅茶とアップルパイを
…君も同じのを?ご一緒出来るのは嬉しいものさ
なら桜のアイスクリンもつけようか

いい香りだね
春というにはまだ寒いが桜の香りと
景色を見ればそれも忘れてしまいそうだ
おや、春を運ぶのは蝶じゃないかい?と戯れ返して

ふふ、一休みしたら影朧の目付役として
彼方此方覗いて行かねばね
花見の軽食に少し持帰るのもいい
今度は君の好きなものを教えてくれたら


宵雛花・千隼
梟示(f24788)と

あの子の執着が果たせますよう
名を呼ぶ声に微笑んで歩み出す

迷って見回す先、丁度目を留めた古民家カフェに誘う彼を見上げて指先を引き
そこが良いわ、梟示

席からの眺めに瞳を輝かせ
心浮立つのはワタシも、きっと影朧もね
…ワタシも彼と同じ物を
決めていたの、アナタが頼む物が食べてみたくて
恋う方の好きな物は知りたいもの

ええ、良い香り
桜景色はいつまでも見ていられるのだわ
春が来たのが嬉しいのはいつぶりかしら
きっと春告げの神様がいらしてくれたのね、なんて冗談めかし

御目付け役を忘れぬようにしないと
軽食にならチーズタルトは如何かしら
ワタシの?と瞬き嬉しげに笑み頷いて
ええ、桜の一日は始まったばかりだもの



 賑やかな帝都の街をひらりと染める彩りは、桜、サクラ、さくらのいろ。
 春の訪れを感じる空の下、ぴこりゆらりと耳や尻尾を揺らしながら、興味津々街を歩くのは――影朧。
 けれどその影朧、ヤオフーは弱く儚く……そして、ただ叶えたいだけなのだ。
 さくらいろの街を、こうやって歩いてみたいとを。
 ――あの子の執着が果たせますよう。
 春風に揺れる白磁のいろをふわり、桜空に躍らせながら。
 楽し気に歩くヤオフーを見守る宵雛花・千隼(エニグマ・f23049)は、そっとそう願いつつも。
「影朧の子じゃないが、いい匂いばかりで惹かれてしまうな」
 ……千隼君、何処か気になる店はあるかい?
 名を呼ばれ問われたその声に咲かせるのは、彼へと向けた微笑み。
 高塔・梟示(カラカの街へ・f24788)はそんな彼女の隣に並びながら。
 賑やかな帝都の街をぐるり見回してみれば。
「お互い健啖家じゃないから、春を楽しめるものにしようか」
 ふと目に入ったのは、春色に満ちた雰囲気の良さそうな店。
「古民家カフェーは如何だろう」
 そう紡がれた提案に、千隼は橙の瞳を細めてしまう。
 だって、迷って見回す先。丁度自分も、目を留めた店だったから。
 そして彼を見上げて指先を引き、こくりと頷いて千隼は歩み出す。
 ――そこが良いわ、梟示、って。
 梟示は指引く彼女に微笑み、カフェーの扉を潜って。青空にひらり舞う桜の風景がよく臨める、眺めの良い席を勧めてから。
 ぱらりとメニューめくれば、そこにも美味しそうなさくらが満開。
 それから店員へとオーダーを告げれば。
「わたしは桜紅茶とアップルパイを」
「……ワタシも彼と同じ物を」
 千隼の声に、ふと琥珀の髪を微か揺らし首を傾ける。
「……君も同じのを?」
 そんな彼に、こくりと頷いて。
「決めていたの、アナタが頼む物が食べてみたくて」
 千隼は続ける――恋う方の好きな物は知りたいもの、って。
 そう笑う彼女に、梟示も笑み返して。
「ご一緒出来るのは嬉しいものさ」
 もうひとつ、春のいろを追加する。
「なら桜のアイスクリンもつけようか」
 席からの眺めに瞳を輝かせ、テーブルに並ぶさくらたちに瞳細める千隼。
 ……心浮立つのはワタシも、きっと影朧もね、と。
 そう、視界の端で同じ様にわくわくしているヤオフーの姿を見遣りながら。
 そして洒落たティーカップを手にしてみれば、ふわり漂うさくらの気配。
「いい香りだね。春というにはまだ寒いが、桜の香りと景色を見ればそれも忘れてしまいそうだ」
「ええ、良い香り。桜景色はいつまでも見ていられるのだわ」
 ……春が来たのが嬉しいのはいつぶりかしら。
 千隼はそれから眼前の彼を見つめ、笑って紡ぐ。
「きっと春告げの神様がいらしてくれたのね」
 そんな冗談めかしたいろを湛える声に、戯れ返して。
「おや、春を運ぶのは蝶じゃないかい?」
 顔を見合せ、笑みあうのは……春を告げ春を運び、春を共に楽しむ、神様と蝶。
「ふふ、一休みしたら影朧の目付役として、彼方此方覗いて行かねばね」
「御目付け役を忘れぬようにしないと」
 そう、それが自分達の今日の大事な仕事。
 その為に、さくらいろの街を沢山、楽しく歩いて回らないとだから。
「花見の軽食に少し持帰るのもいい」
「軽食にならチーズタルトは如何かしら」
 おなかがすいては目付け役もできぬと、花見に備えた相談も。
 それから梟示は、ふと彼女を映した瞳を細めて続ける。
「今度は君の好きなものを教えてくれたら」
 だって、恋う人の好きな物は梟示だって知りたいから。
「ワタシの?」
 そんな彼の言の葉に、ぱちりと瞬いた後。
 嬉しげに笑み頷いて千隼は咲かせた笑みを返す。
 ――ええ、桜の一日は始まったばかりだもの、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

城野・いばら
類と/f13398

年中咲いてる桜さんも春は嬉しいのかな
いばらは暖かくなってうきうきで
冬の間出歩けなかった分もね、沢山見て回りたい

知らない食べ物に、漂う匂いは
本当、目移りしちゃうのばかりね
アリスの食べ物や味に疎いいばらには
どれも不思議で新鮮に見えるの
類、あれは何?って進めば止まり
…影朧さんもそうなのかな

ね、ね、鯛焼きはあるかしら?
出発前に聞いた食べ物探せば
想像よりも丸い魚さんで
以前食べた焼魚みたいなの?と
背中から食べれば…しょっぱくなくて
甘いって目ぱちぱち

わ、類のパンダさんも可愛いね
お言葉に甘えて頂けば、ふわんと…複雑なお味で
いばらのもねどうぞって頭と尻尾を分けるの
皆で食べた方が楽しいもの、ね?


冴島・類
いばらさん(f20406)と

帝都は桜の季節を迎えればより楽しげだ
いばらさんの足取りは軽やかで微笑ましく
目移りしそうなのが沢山だね
食べるなら、持ち歩けるのがいいかな

桜色の鯛焼きを見つけたら
あった、と手招き
お魚の鯛の形だろう?
どんな味がするかは、食べる迄のお楽しみ
はは、その子は海で生まれてないからね

僕は動物型の中華まんが気になるな
どれも可愛いが、ぱんだ君とかいい匂いだ

道すがらヤオフーがいたら
一緒に彼女も気になるの覗いたりできたら
影朧と言えど、傷つける気の無い子の願い
叶えてあげたい

いばらさんも、君も
ひと口いるかい?
可愛さ堪能したら、ぱんだ君を割って二人に
お返しの尾も有り難く
ああ、楽しいは一緒だとより



 訪れたこの世界では、いつだって桜の花を見る事ができるのだけれど。
 でもやはり、訪れたこの季節は、きっと特別。
「年中咲いてる桜さんも春は嬉しいのかな」
 城野・いばら(茨姫・f20406)は暖かくなってうきうきと心躍らせながら、さくらいろの街をぐるりと見回して思う。
 桜さんたちもうきうきしているみたい、って。
 それから、隣を歩く冴島・類(公孫樹・f13398)を見上げ、続ける。
「冬の間出歩けなかった分もね、沢山見て回りたい」
(「帝都は桜の季節を迎えればより楽しげだ」)
 類も賑やかなさくらいろの街に、そう瞳を細めてから。
 るんるんと足取り軽やかないばらを微笑ましく見つめつつ、紡ぐ。
「目移りしそうなのが沢山だね」
「知らない食べ物に、漂う匂いは本当、目移りしちゃうのばかりね」
 食べ物や味に疎いいばらにとって、並ぶ食べ物たちや春風が運ぶ美味しそうな匂いは、どれだって不思議で新鮮に見えて。
「類、あれは何?」
 興味を惹いたものあれば足を止め、また気になったものを見つけては進んでゆく。
 そして、同じ様にぴこぴこ狐耳や狐尻尾を揺らし、きょろりと視線巡らせているヤオフーの姿を見つけたいばらはふと思う。
 ……影朧さんもそうなのかな、って。
 そんな彼女に問われたものを、ひとつずつ答えて教えてあげながらも。
「食べるなら、持ち歩けるのがいいかな」
 そう首を傾け、呟きを落とす類だけれど。
「ね、ね、鯛焼きはあるかしら?」
 定めた目的の店は、出発前にいばらが聞いた、鯛焼きが売っている店へ。
 そして一緒にきょろり、探してみれば。
 ……あった、とひらり手招きする類。
 見つけたのはそう、彼女ご所望の桜色の鯛焼き。
 買ったそれをひとつ、いばらは手にしてみて。
 いばらはじっと見つめる想像よりも丸い魚さんに、瞳をぱちくり。
「お魚の鯛の形だろう?」
「以前食べた焼魚みたいなの?」
 いばらはそっと食べる前に、類に聞いてみるけれど。
 返ってきたのは、こんな言の葉。
 ――どんな味がするかは、食べる迄のお楽しみ、って。
 それからわくわくドキドキ、背中からはむりと食べてみれば。
 もっとぱちぱち、瞳を瞬かせるいばら。
 だって、焼魚みたいにしょっぱくなくて……ふんわり、甘かったから。
「はは、その子は海で生まれてないからね」
 類はそんないばらの反応に、楽し気に笑み咲かせた後。
「僕は動物型の中華まんが気になるな」
 ちょうど近くにあった中華まんの店を覗いてみれば。
『わ、どうぶつさん!』
 動物さんの中華まんに誘われてやって来たのは、ヤオフー。
 そんな彼女も一緒に、並ぶ動物さんたちを眺めて。
「どれも可愛いが、ぱんだ君とかいい匂いだ」
 ほかほか出来立ての動物さんたちの中でも、類が気になったのは、さくらいろのパンダ君。
 それをひとつ購入して、じっと暫くパンダ君と見つめあってから。
「いばらさんも、君も、ひと口いるかい?」
「わ、類のパンダさんも可愛いね」
『いいの? わぁい!』
 可愛さ堪能したら、ぱんだ君を割って二人へとお裾分け。
 それからいばらと並んで、ほくほくはむりとパンダ君を頬張るヤオフーを見て、類は思う。
 ――影朧と言えど、傷つける気の無い子の願い……叶えてあげたい、って。
 そしてヤオフーと一緒にお言葉に甘えて頂いたパンダ君は、ふわんと……いばらには、複雑なお味で。
「いばらのもね、どうぞ」
 桜たい焼きさんも類とヤオフーに、お返しとお裾分け。
 ありがとう! と、ぱあっと笑み咲かせるヤオフーに、いばらも笑み返して。
「皆で食べた方が楽しいもの、ね?」
 そう紡がれた言葉を聞けば、さくらいろの尾を有り難く受け取った類もこくりと頷く。
 ――ああ、楽しいは一緒だとより、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

誘名・櫻宵
【櫻守】

桜は隠すのが上手なのよう
ひとも、心もね

桜が祝福してくれているのだもの
楽しまなければ損だわ
こんな時は

焼肉よー!
桜に焼肉、最高の女子会の予感がするわね、千織!
あら、初めてなのね!
なら尚更楽しまなきゃ
私は焼肉得意なのよう
桜色をじゅわりと焼く
程よいところですくいとって
シンプルに桜塩がいいかしら!
おーいし!
どんどん焼くからたんと食べるのよ!
私?私もしっかり食べているわ
あなたの笑顔でお腹も満ちる

塩っぱいもの食べたら甘いのが食べたくなったわね
素敵!
次は和風パフェーよ!
桜ホイップに白玉に蕩けるように美味だこと
わらび餅入だわ!

次はね、次はお団子は如何?
桜あんの鯛焼きも!
まだまだ桜色の女子会は終わらないわ


橙樹・千織
【櫻守】

色んな桜が楽しめるようですねぇ
まずは何処から行きましょうか?
ヤオフーと同じ獣耳尻尾をぴこゆら
同じ特徴のある人がいればきっと目立ちにくいから

え?焼肉?女子会って焼肉するものなのです?
ふふふ、いいですよ
私、焼肉のお店は初めてです
あら、美味しいお肉
桜塩も良い風味で
櫻宵さん焼くの上手ですねぇ
焼いてばかりではなく食べてくださいな

櫻宵さん、櫻宵さん
和風パフェですって
行きませんか?ときらきら
桜のホイップにわらび餅がのって
中にも桜のゼリー!
はわぁ…可愛らしくて食べるのが勿体ない…
ぱくん、と一口食べればふわりと微笑む

さて、この次は何処に?
ふふふ、そうしましょう
ふらりゆらり花弁のように彼方此方へ寄り道を



 帝都の街を染める彩りは、ふたりにとって縁深いさくらのいろ。
 けれど巡ってきた春の帝都に満ちるそのいろは、満開に咲き誇る花だけでなくて。
「色んな桜が楽しめるようですねぇ」
 橙樹・千織(藍櫻を舞唄う面影草・f02428)の言葉のように、色々なさくらでいっぱい。
 そして……まずは何処から行きましょうか? と、猫耳をぴこり、尻尾をゆらゆら。
 そんな千織がそっと向ける視線の先には、ヤオフーの姿が。
 ヤオフーは無害だというが、それでもやはり影朧を見れば、帝都の人も不安に思うだろうから。
 興味津々に狐耳と尻尾をぴこぴこゆらりとさせている彼女と同じ特徴のある人がいれば、きっと目立ちにくいからと……千織はそう同じ様に、ぴこぴこゆらり。
 ……いや、それだけではなくて。
 やはり賑やかなさくらいろの街に、心も耳も尻尾も踊るから。
 そんな千織と共に、ひらり街をゆきながら。
 ――桜は隠すのが上手なのよう。ひとも、心もね。
 誘名・櫻宵(爛漫咲櫻・f02768)はそう、春咲く桜霞の瞳を細めた後。
「桜が祝福してくれているのだもの。楽しまなければ損だわ」
 ……こんな時は、とわらって。
 それから千織へと視線を向ければ、気合いを入れて言い放つ。
 ――焼肉よー!!
 そう、焼肉! 肉です!
「桜に焼肉、最高の女子会の予感がするわね、千織!」
「え? 焼肉? 女子会って焼肉するものなのです?」
 千織は思わぬ焼肉の声に、ぱちりと瞳を瞬かせるけれど。
 すぐに、ふわふわと笑んで返す。
「ふふふ、いいですよ。私、焼肉のお店は初めてです」
「あら、初めてなのね! なら尚更楽しまなきゃ」
 そして帝都でも人気だという焼肉食べ放題の店へと嬉々と赴けば。
 いざ始まるのは、さくらいろの焼肉女子会!
「私は焼肉得意なのよう」
 桜色をじゅわりと手際良く網に乗せて、程よい絶妙の焼き具合ですくいとる櫻宵。
 それからテーブルを見回し、手にしたのは。
「シンプルに桜塩がいいかしら!」
 美味しいさくらの味。桜塩で、いただきます!
 そう皿に乗せられたお肉を、おすすめの桜塩でぱくり。
 千織がひとつ、口に運んでみれば。
「あら、美味しいお肉。桜塩も良い風味で。櫻宵さん焼くの上手ですねぇ」
 ほわり、美味しさに咲き零れる笑み。
 櫻宵もはむりと食べれば、おーいし! と綻ぶ笑顔。
 そして再びひょいっと、いい感じに焼けた肉をすくって。
「どんどん焼くからたんと食べるのよ!」
 張り切って肉を焼いては皿に置いてくれる櫻宵に、千織はこう声を。
「櫻宵さんも焼いてばかりではなく食べてくださいな」
 そんな言葉に、櫻宵はにこにこ笑みを咲かせて返す。
「私? 私もしっかり食べているわ」
 だって、ふわふわ宿る笑顔でお腹も満ちる心地だから。
 そして美味しいお肉でおなかもいっぱい、大満足……ではあるのだけど。
「塩っぱいもの食べたら甘いのが食べたくなったわね」
 そう――女子にとって、甘い物は別腹ですから!
「櫻宵さん、櫻宵さん。和風パフェですって」
 ……行きませんか? と、瞳をきらきら。
 女子会の二次会にぴったりな古民家カフェーを見つけた千織が、そう提案すれば。
「素敵! 次は和風パフェーよ!」
 うきうきそわそわ、いざ堪能するのは、さくらの和風パフェ!
 さくらいろのふわふわホイップに、わらび餅や白玉がのって。
 器の中にも、キラキラ綺麗で美味しい桜のゼリーが。
「はわぁ……可愛らしくて食べるのが勿体ない……」
「桜ホイップに白玉に蕩けるように美味だこと。わらび餅入だわ!」
 そうはしゃいだように、甘いさくらいろを口に運ぶ櫻宵に続いて。
 千織も、ぱくん、と一口食べてみれば……満開の微笑みが、ふわり。
 ふたりでキャッキャ、甘い女子会も存分に楽しみ尽くしします!
 けれど、ふたりの女子会は、まだまだこれから。
「さて、この次は何処に?」
「次はね、次はお団子は如何? 桜あんの鯛焼きも!」
 焼肉、和風パフェとくれば……次は、食べ歩きです!
 逸るように足取り軽く、さくらいろの街をゆく櫻宵に並んで。
「ふふふ、そうしましょう」
 千織も頷きながら、ゆうらり尻尾を揺らして、春の帝都を練り歩く。
 ふらりゆらり、街を染める桜花弁のように――彼方此方へ、美味しい寄り道を楽しみながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

不知火・琥珀
【藍(f06808)と】

回転ずし!
こはくは初めてだぞ

目の前を通過していく寿司におろおろ
なかなかにタイミングがむずかしいな、これは…!

たまご…あぁ、のがした
いなりずし…あぁ、のがした

らん、回転ずしというものは
とてつもない、しれん、なのだな…!
らん、らんはどうだ
このしれん、のりこえられるか…!?

流れてくるデザートにはぶるりと震えて

あ、あれは、すしではないよな?
らん、こはくの見まちがいでないなら、すいーつが、くるぞ…!
あれはきっと『高なんいど』に、ちがいない…!
らん、らんはあれ、取れるか?

なんだかんだと回転寿司を堪能し
落ち着けば浮かぶのは、親しい羅刹の姿

らん、次はぜんもさそって
回転ずしに、いどむぞ!


不知火・藍
【琥珀様(f06806)と】
春爛漫
彼の少女が存分に想いを果たせるように
賑わいの一端となりましょうか

主人と二人
立ち寄ったのは回転寿司屋
寿司は先日も楽しんだが
流れる寿司とやらに興味惹かれて飛び込む

…本当に皿が流れておる
しかも思いのほか速い
まさしく、試練ですね
頷きつつも、苦戦する主の姿に和む

ここは私にお任せください
袖をたくし上げ
主のすいーつの為に、いざ

と、構えたところで隣に浚われるすいーつ



つ、次こそは…っ

そうすったもんだしながらも
様々な寿司や料理を堪能し

強敵でしたね、回転寿司

こういった手合いはどこぞの羅刹が得意な筈だな…

ふと物足りなさを感じたのは
主も同じだったようで思わず笑う

ええ、そうしましょう



 さくらいろの街を主とふたりでうきうき歩く、春爛漫のお出掛け。
 いや、勿論存分に楽しむ気は満々であるが。
 不知火・藍(藍澄鏡・f06808)がそっと見遣るのは、狐耳と尻尾を揺らし歩く影朧の姿。
 無害であるという影朧、ヤオフーの果たせなかった執着。
 それは、さくらいろに満ちた街を楽しむこと。
 けれどそのためには、影朧の姿を見て不安に思う帝都の人々を安心させることが必要だから。
(「彼の少女が存分に想いを果たせるように、賑わいの一端となりましょうか」)
 自分達猟兵が楽しむ姿をみせることが、今回の仕事。
 ということで、不知火・琥珀(不知火家当主・f06806)と共に藍が立ち寄ったのは。
「回転ずし! こはくは初めてだぞ」
 そう……主の言うように、帝都でも人気だという回転寿司屋。
 手巻き寿司であれば、先の戦争の際も存分に楽しんだのだけれど。
 流れる寿司とやらに興味惹かれて、いざ飛び込んでみたふたり。
 そして実際に、回り流れる寿司を目の前にすれば。
「らん、すしが回ってるぞ……!」
「……本当に皿が流れておる。しかも思いのほか速い」
 思わず、じいっと流れゆく寿司を乗せた皿たちをガン見する主従。
 けれど見てばかりでは、おなかは満たされない。むしろ鳴る一方だから。
 いざ、美味しい寿司を食べ……ようと、したのだけれど。
「なかなかにタイミングがむずかしいな、これは……!」
 目の前を次々と通過していく寿司に、琥珀はおろおろ。
 ――たまご……あぁ、のがした。
 ――いなりずし……あぁ、のがした。
 手が届かぬ位置まであっという間に流れていった、たまごやいなりずしを見送りつつも。
 藍へと視線を向け、紡ぐ琥珀。
「らん、回転ずしというものは、とてつもない、しれん、なのだな……!」
「まさしく、試練ですね」
 そうこくりと頷きつつも、藍はそっと瞳を細める。苦戦する主の姿に和むから。
「らん、らんはどうだ。このしれん、のりこえられるか……!?」
 琥珀は再びめげずに、流れゆく寿司へと立ち向かわんとするけれど。
 刹那、円らな瞳をより大きく見開き、ぶるりと震えてしまう。
 だって……流れてきているのが見えた、それは。
「あ、あれは、すしではないよな?」
 なんと、寿司ではなかったから。
 そして琥珀は、藍へと告げる。
「らん、こはくの見まちがいでないなら、すいーつが、くるぞ……!」
 寿司ではなく……皿に乗っているのは、さくらいろのパフェ。
 しかもこう記してあるのだ、期間限定、と。
 ――あれはきっと『高なんいど』に、ちがいない……!
「らん、らんはあれ、取れるか?」
 そう視線を主から向けられれば、勿論。
「ここは私にお任せください」
 スッと、やる気満々おもむろに、袖をたくし上げる藍。
 そして――主のすいーつの為に、いざ!
 そう狙い定め、試練を乗り越えんと構えるも。
「……あっ」
 さらっと颯爽と、隣に浚われるすいーつ。
 なんという試練、流れてきませんでした……!
「……つ、次こそは……っ」
 回転寿司、あるある。
 そんな厳しい洗礼を受けつつ、そうすったもんだしながらも。
 ちょっぴり慣れてきて、色々な寿司や料理をなんだかんだ無事堪能すれば。
 ふと落ち着いた琥珀の脳裏に浮かぶのは……親しい羅刹の彼の姿。
 そして藍も。
「強敵でしたね、回転寿司」
 ……こういった手合いはどこぞの羅刹が得意な筈だな……なんて。
 思うのは、同じ彼のこと。
「らん、次はぜんもさそって、回転ずしに、いどむぞ!」
 それから向けられたその言葉に、思わず笑み宿す藍。
 だって、物足りなさを感じたのは、主も同じだったようだから。
 だから藍は、こくりと頷いて答える。
 ――ええ、そうしましょう、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

飛砂・煉月
ハク、今日のサクミラは一段と桜色で溢れてる
うん…春って感じ、するよなぁ

今日もオレ達は食べ歩きしよっか
後で花見の予定も有るしね
硝子の友に食べさせてあげたい味探しだ

やっぱり桜に因んだものがイイよね~
お、中華まんだ
犬さんは勿論
硝子の友がよく端末スタンプで使う猫さんも
よしバランスよくカレーの熊さんも足しちゃお
相棒と二人で食べるからまだよゆーよゆー

桜ドーナツに桜たい焼き
ソフトにクレープも頬張って
贅沢に存分に桜色を食べ歩けば
ほっぺただって落ちちゃうかも?

お花見の差し入れは…
中華まんは犬さんと猫さん
甘いのは持ち運びやすいドーナツとたい焼きにしよっか
もー、ハクってば足りないって顔してる
なら桜団子も足してこっか



 春空に舞う桜花弁と、まるでじゃれ合うかのように。
 くるりとはしゃぐような相棒に声を掛けるのは、飛砂・煉月(渇望の黒狼・f00719)。
「ハク、今日のサクミラは一段と桜色で溢れてる」
 ――うん……春って感じ、するよなぁ、って。
 さくらいろに染まった世界の空気を、そっと吸い込んでみてから。
 ふわり春風に乗って漂う香りに瞳細め、共にいざさくらいろの街へ。
 そんなふたりの目的は、勿論。
「今日もオレ達は食べ歩きしよっか」
 そう、食べ歩き!
「後で花見の予定も有るしね。硝子の友に食べさせてあげたい味探しだ」
 自分達と、硝子の友の分も、美味しいもの探しに出発。
 そんな帝都の店に踊るのは、季節限定、という心擽られる文言。
「やっぱり桜に因んだものがイイよね~」
 けれど、春の季節限定の桜な食べ物は、目移りするほどいっぱい。
 そしてきょろり、改めて視線を巡らせてみれば。
「お、中華まんだ」
 見つけたのは、ほくほく美味しそうな湯気が立つ中華まんの店。
 それに、ただの中華まんではなく……さくらいろをした、動物さんのかたち。
 そして並ぶ動物さん達を、ハクとじっと暫し見つめた後。
 煉月が選んだのは、犬さんは勿論、硝子の友がよく端末スタンプで使う猫さんも。
 いえ、それだけではなく。
「よしバランスよくカレーの熊さんも足しちゃお」
 まだよゆーよゆー、と笑んでは、色々な動物さんをお買い上げしてゆく。
 でもきっと全然大丈夫、だって相棒と二人で食べるのだから。
 さらに、桜ドーナツに桜たい焼き、桜ソフトに桜クレープももぐもぐぱくりと頬張って。
 贅沢に存分に桜色を食べ歩けば、思わず頬を押さえてしまう。
「ほっぺた、落ちてない?」
 大丈夫、落ちていません!
 そしてちゃんと、お花見の差し入れも確保します!
「中華まんは犬さんと猫さん、甘いのは持ち運びやすいドーナツとたい焼きにしよっか」
 でもその言葉に、何だか妙にそわりとするハク。
 煉月はそんな相棒の姿を見て笑いつつも、こう続ける。
「もー、ハクってば足りないって顔してる」
 ――なら桜団子も足してこっか、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

東雲・円月
※絡み、アドリブ大歓迎

いやァ、たまにはひとりもいいですねェ
ちょっと寂しいかもって思いましたが、これだけ人がいれば大丈夫ですね
っても、ずっと一人ってのもなんですし、誰かに声でもかけてみましょうか
……ナンパじゃないですよ?
ちょっとかわいい女の子と1,2個ほど屋台を回ろうってだけですよ
すぐお別れしますし。それはもう

敵……って言うとちょっと違うかな?
オブリビオンとは戦うばかっかり、ってワケじゃないんですねェ
楽しそうでなによりです。俺ものんびりしますかねェ

肉を食べ放題っていいですねェ
最近ちょっとオシャレな食べモノばかり食べてたんで
……ひとりならでは、誰に気を遣うでもなく貪り食う!ってのでいきましょうか



 さくらいろでいっぱいの街を、花弁と共に、ふらりひらりと歩きながら。
「いやァ、たまにはひとりもいいですねェ」
 そう瞳を細めるのは、東雲・円月(桜花銀月・f00841)。
 ちょっと寂しいかもって、来る前は思ったりもしたけれど。
 春を迎えた帝都は、暖かい季節の到来に心躍らせる人たちでいっぱい。
 ……これだけ人がいれば大丈夫ですね、とそう呟きを落としてから。
(「っても、ずっと一人ってのもなんですし、誰かに声でもかけてみましょうか」)
 円月は、ふと傍を歩く帝都の乙女に、こう訊ねてみる。
「この街のこと、あまり知らなくて。おすすめの店があれば、教えてくれませんか?」
「それなら、桜たクレープはどう? 今、大人気よ」
「よかったら、店まで案内してくれたら嬉しいな。あ、勿論、クレープ奢りますよ?」
 ……ナンパじゃないですよ?
(「すぐお別れしますし。それはもう」)
 ちょっとかわいい帝都女子と、ちょっぴりだけ美味しい店を回ろうっていうだけです、ええ。
 それからクレープの店へと連れて行って貰って、ついでに桜たい焼きも一緒に楽しんでから。
 乙女とわかれた後、ふと円月は瞳に映ったひとりの少女の姿を立ち止まって見遣る。
 ――敵……って言うとちょっと違うかな? と。
 きょろきょろと周囲を興味津々見回しながら歩く、ヤオフーを見つけて。
(「オブリビオンとは戦うばかっかり、ってワケじゃないんですねェ」)
 それから、色々なものに瞳輝かせるその顔を確認した後、また再び街を歩き出す。
 ――楽しそうでなによりです。俺ものんびりしますかねェ、って。
 それから春風に乗って漂ってくるのは、食欲をそそる匂い。
「肉を食べ放題っていいですねェ」
 最近ちょっとオシャレな食べモノばかり食べてたんで、とそう呟きつつ、心惹かれるままに。
 人で賑わう焼肉食べ放題の店へと吸い込まれてゆく円月。
 ………ひとりならでは、誰に気を遣うでもなく貪り食う! ってのでいきましょうか、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

千家・菊里
【花守】おたまも連れ食べ歩き
(早速中華まん一式の袋抱えほくほくしつつ
影朧見守る序でにちゃっかり目移りもして)
やれやれ、嘆く暇があるなら食べる方に口を動かした方が幸せになれますよ
おたまもそう言っています
(おたまは伊織をかじかじしている!
――たぶんそれちょうだいとおねだりしている、筈?)
はいはい
妙なものの拾い食いは駄目ですよおたま
お腹壊すと悲しいですからね
ふふ、良い子なぴよこさんと亀さんにも後でおやつ買ってあげましょうねぇ

(動物用おやつ探す序で
次は古民家に吸い込まれ)
これは後でお花見のお供に頂きましょうか
ふふふ、花に負けじと幸せ満開にしましょう
(桜パンの大輪を三輪咲かせ――つまり十五個並べ満足げ)


呉羽・伊織
【花守】ぴよこと亀も一緒に
(影朧見守りつつ桜クレープ楽しみ)
(うっかり目が合った動物まんは食べ辛かったので我慢――したのに、隣で容赦なく齧る男に何とも言えぬ目を向け)
くっ…相変わらず花もなけりゃ容赦もない…!
どーせならハイカラ美人サンと仲良く分けっことかしながら食べ歩きたかったー!
(と嘆けばお供達からの視線に刺された上に齧られ)
…ぴよこと亀に牙剥かないのは誉めてやろう
でもヒトを齧るのはめーって言ってるでしょ!(と言いつつも分けてあげた)
おい躾の方向が可笑しいぞ
拾い食いって何!?

(ぴよ亀の分も探そ…としたらまたほいほいと!)
ソレは賛成だケド――ねぇ、何人で食べる気?
全く何処も彼処もホント満開で!



 さくらいろに染まる、春爛漫の街を並んで歩くのは、やっぱり野郎ふたり……?
 いいえ、今日は千家・菊里(隠逸花・f02716)と呉羽・伊織(翳・f03578)ふたりではありません。
 おたまやぴよこや亀も一緒です!
 そんな賑やかな御一行だけでなく……美味しい匂いでいっぱいの街を楽しんで歩くのは、ヤオフー。
 伊織は街をゆく影朧を見守りつつも、楽しむのは桜クレープ。
 いえ、早速、袋を抱えほくほくしつつ菊里が一式頬張る中華まんも、美味しそうだったのですけれど。
「くっ……相変わらず花もなけりゃ容赦もない……!」
 うっかり目が合ってしまった動物まんは、やっぱり食べ辛かったので我慢――したのに。
 はむはむもぐもぐと、隣で容赦なく幸せそうに動物さんを齧る菊里に、何とも言えぬ目を向ける伊織。
「どーせならハイカラ美人サンと仲良く分けっことかしながら食べ歩きたかったー!」
「やれやれ、嘆く暇があるなら食べる方に口を動かした方が幸せになれますよ」
 そしてそんな伊織の嘆きは相変わらずさらっと流しつつも。
 菊里は中華まんを堪能しつつ、序でにちゃっかり他にも目移りしながらも。
 ――おたまもそう言っています、とにこにこ。
 その、おたまなのですけれど。
「……ぴよこと亀に牙剥かないのは誉めてやろう。でもヒトを齧るのはめーって言ってるでしょ!」
 伊織をかじかじしています……!?
 いえ、たぶんそれちょうだいとおねだりしている、筈?
 そんなおたまに、菊里はちゃんと言って聞かせる。
「はいはい、妙なものの拾い食いは駄目ですよおたま。お腹壊すと悲しいですからね」
「おい躾の方向が可笑しいぞ。拾い食いって何!?」
「ふふ、良い子なぴよこさんと亀さんにも後でおやつ買ってあげましょうねぇ」
 やっぱり、伊織の声は聞こえていません。
 そして動物用おやつ探す序でに、次は古民家へとふたり吸い込まれて。
「これは後でお花見のお供に頂きましょうか」
 菊里はほくほく、早速また戦利品をゲット!
 そしてそれを見て、伊織は思わず瞳を瞬かせる。
 ……いや、よく知っているのですけれど。
 むしろ、いつものことなのですけれど……でも。
「ソレは賛成だケド――ねぇ、何人で食べる気?」
「ふふふ、花に負けじと幸せ満開にしましょう」
 菊里がトレイに咲かせたのは、桜パンの大輪三輪。
 つまり、花弁パン十五個!
 そんな花弁をずらり並べ、満足げなにこにこ笑顔を見て、伊織はふっと瞳細める。
 ――全く何処も彼処もホント満開で! って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴォルフガング・ディーツェ
隠されたもの、此の世の春を謳歌出来なかったもの、か
…ヤオフー、こんな怪物で良ければ付き合おう

カフェーは見ているだけで愉しいものだ
飲食物は勿論、外観からして個性に溢れているものよな

ヤオフー、君はどのお店が気になったかな?
嗚呼、慌てなくて良い。時間はまだまだあるのだから

決まらないならそれも良い、迷う贅沢を君は知るべきだ
店に入らなくても食べ物は買えるさ

例えば桜の花散るクローテッドクリームのスコーン
たくさんのフレーバーのアイスクリン
夜空を閉じ込めたような星型の果物が沈むブルーソーダ

同じものをヤオフー、君にも
食べるだけが楽しみじゃないさ、見た目も綺麗なものは心弾むから
甘えて良いんだ、許されて良いんだよ



 さくらいろに満ちたこの街の風景はきっと、きょろりと視線を巡らせるヤオフーの憧れだったのだろう。
 けれどそれを見る事は、生前の彼女には叶わなかった。
(「隠されたもの、此の世の春を謳歌出来なかったもの、か」)
 ヴォルフガング・ディーツェ(花葬ラメント・f09192)は儚く弱いその存在に、そっと瞳を細めてから。
 街を歩く彼女へと、声を掛ける。
 ……ヤオフー、こんな怪物で良ければ付き合おう、って。
 そしてふと目に入ったのは、帝都の乙女たちでいっぱいの古民家カフェー。
「カフェーは見ているだけで愉しいものだ。飲食物は勿論、外観からして個性に溢れているものよな」
 期間限定のさくらスイーツがいっぱいのカフェーは大人気。
 お洒落な外観を見るだけでも、心が躍るようであるし。
「ヤオフー、君はどのお店が気になったかな?」
『えっと……いっぱいあって、迷っちゃう』
 色々と目移りするのも、当然のこと。
 そうきょろりと視線巡らせる彼女に、ヴォルフガングは笑んで返す。
「嗚呼、慌てなくて良い。時間はまだまだあるのだから」
 そして、うーんうーんと悩むヤオフーに、こう続ける。
「決まらないならそれも良い、迷う贅沢を君は知るべきだ。店に入らなくても食べ物は買えるさ」
 今まではこうやって迷う楽しさだって、きっと彼女は知らなかっただろうから。
 けれど決まらない様子に、そっと助け船も出してあげる。
「例えば桜の花散るクローテッドクリームのスコーン。たくさんのフレーバーのアイスクリンに、夜空を閉じ込めたような星型の果物が沈むブルーソーダ……なんて、どうかな?」
『どれも素敵で、おいしそう!』
 そうぱあっと笑み咲かせる少女に、ヴォルフガングはこくりと頷いて。
「同じものをヤオフー、君にも。食べるだけが楽しみじゃないさ、見た目も綺麗なものは心弾むから」
 ふたり分、一緒のものを購入して差し出しながらも。
 ヴォルフガングは柔い笑みを向け、眼前のひとりの少女の姿を見守る。
 ――甘えて良いんだ、許されて良いんだよ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『はかない影朧、町を歩く』

POW   :    何か事件があった場合は、壁になって影朧を守る

SPD   :    先回りして町の人々に協力を要請するなど、移動が円滑に行えるように工夫する

WIZ   :    影朧と楽しい会話をするなどして、影朧に生きる希望を持ち続けさせる

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 一休みしているベンチでも、楽しそうに足をぶらんぶらん。
『おいしいものを、こんなにいっぱい食べたの、はじめて!』
 狐耳をぴこぴこ尻尾をゆらりと、興奮したように話すヤオフ―。
 勿論、その食べ物や飲み物自体も、とても美味しかったのだけれど。
『わたしね、はじめてお金払ってお買い物したの。パンを買ったのよ。みんなとさくらパンでお花もたくさん作ったの。わたしはチョコやカスタードのはなびらを選んだわ。あとはね……そう、さくらいろの甘いおさかな! カフェーでいっぱいの甘い物をあーんってして貰ったし、さくらケーキにアイスクリンも食べたのよ。あ、中華まんや油揚げのラスクもとってもおいしかった! ぱんださんとおさかなさんのしっぽも分けて貰ったの。素敵なスコーンやアイスクリンやブルーソーダもおいしかったわ』
 そう、ふふっと笑顔を綻ばせるヤオフ―は、こう見ると街を楽しむ普通の少女の様であるけれど。
 吹き抜ける春風が、桜花弁をくるり空へと舞わせれば……少女の姿も、ゆらりと朧げに揺らめく。
 いくら無害だと言われても、やはり彼女は影朧……オブリビオンには違いない。
 ヤオフーに敵と思われぬよう、そっとであったり、友好的に同行する事は勿論。
 影朧が通る道すがらにある店に猟兵がいるというだけで、一般人たちは安心するだろうから。
 街にある店を巡り、店の人や客に猟兵がいるという安心感を抱かせながら、ヤオフーが通る様子を見守るのも、引き続き大事な猟兵の仕事だ。
 弱く儚い存在の彼女に残されている時間は――あと僅かだから。

『おなかいっぱいになったから、次はかわいいものがたくさんあるお店を見てまわりたいな!』
 美味しさ満開のさくらいろの帝都グルメの次にヤオフ―が興味を示したのは、街に並ぶ色々なお店巡り。
 帝都女子に人気のアクセサリーショップも、今の時期は春爛漫。袴によく似合う合う簪から、指輪やネックレスなどの定番のもの、ペアで買えるもの、ショールや帽子などの服飾品まで、目映りするほど種類もデザインも様々。
 練り香水や色々な種類のさくらコスメが並ぶ店は、ちょっと背伸びしたい女の子たちの憧れ。
 乙女で賑わうそんな店に少し入り辛い男子には、色々なものが並ぶ雑貨店ならばきっと大丈夫。日常で使える文具や日用品もお洒落で可愛いとテンションもあがるし、置き物などのインテリアも、今の時期は春の彩りでいっぱい。
 また、最近帝都で話題の、もふもふしたぬいぐるみ専門店もあるという。さまざまな動物さんや形や大きさのもふもふは、休息のお供にひとつ欲しいところ。
 万年筆とインクの専門店では、限定の桜柄の万年筆と桜色のインクが今の時期だけ販売されていて。さらにこの店では、自分の好きな色のインクを作って自作のインクに名前も付けられるという。表紙や紙を選んでオリジナルノートも作れるらしい。
 それに、色々な本がたくさん揃った、古書堂が並ぶ通りも。流行りのものから少しマニアックなものまで、沢山の物語が紡がれた小説は勿論。文献や図鑑や絵本、レシピ本や雑誌などまで、どんなジャンルの本でも探せば見つかりそうだ。
 また、さくらいろで満ちた街の広場では、フリーマーケットや古本市が開かれている。一見安価なガラクタに見えても、実は貴重なお宝かもしれないし。お値打ち価格の掘り出し物が見つかるかもしれないし、見て回るだけでもきっと楽しい。
 自分へのお土産は勿論、誰かへの贈り物を探すのもいいし。一緒に選び合って交換こなども良いだろう。

『どんなものがあるのかな、たのしみ!』
 ぴょんっと休憩していたベンチから立ち上がって、ヤオフ―は再び歩き始める。
 さくらいろのまちを悔いなく楽しみたいという、その思いのままに。 
真宮・響
【真宮家】で参加

お腹を満たした後はお買い物だね。え?奏はヤオフーと化粧品を見たい?女の子だねえ。・・・瞬は本を見に行くんだね。まあ、瞬に化粧品店はちょっと無理か。アタシは奏の方に付いていくから行っておいで。

奏も17歳だから大人の階段を上り始める頃。育ちが名家だから化粧品の知識はあるよ。奏とヤオフーが迷っていたら似合うのをアドバイスしてあげようかね。娘達が選んでる間にこっそりと自分の分のコスメも購入。女だからね、アタシも。子供達の為にもいつまでも綺麗でいたい。娘達が購入したら早速メイクしてあげようかね。女性は化粧のやり方も熟達した方がいいし。

うん、二人とも花のように綺麗だよ(微笑)


真宮・奏
【真宮家】で参加

お腹一杯になりましたし、お買い物しましょう!!ヤオフー、女の子はやっぱり化粧品です!!瞬兄さんは、本屋さんですか。流石に瞬兄さんでも化粧品店は無理ですね。いい本が見つかるといいですね。

(ヤオフーと一緒に並んでるコスメを見る)う~ん・・・素敵なものばかりですが戦場暮らしの私には良く分かりません・・・あ、母さんが選んでくれるんですね。流石のセンスですね。

化粧品を買ったら、ヤオフーと一緒に母さんにメイクをして貰います。(ヤオフーと顔を見合わせてにっこり)綺麗になりましたっ!!これが女の子としての醍醐味ですね(目をキラキラ)


神城・瞬
【真宮家】で参加

さて、お腹一杯になりましたか?お買い物は・・・女性3人で化粧品店ですか。女性同士の楽しみに男の僕が入るのも気が引けるので、僕は本屋行きます。ええ、欲しい本があるんです。

古本屋に行って贔屓の文豪の小説を探します。この文豪の星空や宇宙を題材にした小説、好きなんです。ああ、いいのがあった。帰って読みましょう。

(目の端にメンチカツやコロッケなどのレシピ本が目に入る)・・・あの食べ歩きの美味しさを再現するのもいいですね。(こっそり買う本に加えてレジへ)なんか買い過ぎた感もしますが、満足ですね。さあ、女性陣と合流しますか。



 まずは、さくらいろの街で美味しい物を沢山存分に堪能して。
「さて、お腹一杯になりましたか?」
 神城・瞬(清光の月・f06558)の言葉に、こくりと頷く真宮・奏(絢爛の星・f03210)。
 いや、まだ食べようと思えば、いくらでも奏は美味しく頂けるのだけれど。
 帝都のグルメは勿論、今日はいっぱい色々なことを楽しみたいから。
 奏は、ぐっと気合を入れるように、次の目的を口にする。
「お腹一杯になりましたし、お買い物しましょう!!」
 美味しい食べ物の次に楽しむは……そう、お買い物!
「お腹を満たした後はお買い物だね」
 真宮・響(赫灼の炎・f00434)もうきうきした娘の様子にこくりと頷いて。
 奏は再び通りかかったヤオフ―に声を掛けて、お目当ての店をびしりと言い放つ。
「ヤオフー、女の子はやっぱり化粧品です!!」
 そんな奏のチョイスに、響は一瞬瞳をぱちくりさせてから。
「え? 奏はヤオフーと化粧品を見たい?」
 微笑まし気に、いきたーい! とはしゃぐヤオフ―にも目を向けて続ける。
 ――女の子だねえ、って。
「お買い物は……女性3人で化粧品店ですか」
 そんな奏やヤオフ―を見て、瞬はふと考えてから。
「女性同士の楽しみに男の僕が入るのも気が引けるので、僕は本屋行きます」
 一旦ここは別行動を取ることにする。
「瞬兄さんは、本屋さんですか。流石に瞬兄さんでも化粧品店は無理ですね」
「……瞬は本を見に行くんだね。まあ、瞬に化粧品店はちょっと無理か。アタシは奏の方に付いていくから行っておいで」
 勿論、女性陣も瞬を化粧品店へと一緒に連れて行こうとは思わないから、すぐに了承して。
「いい本が見つかるといいですね」
「ええ、欲しい本があるんです」
 待ち合わせ場所を決めてから、それぞれ化粧品店と古書堂へと向かう。
 そして賑やかな帝都の中でも、女の子でいっぱいのさくらコスメ専門店は大人気。
(「奏も17歳だから大人の階段を上り始める頃」)
 娘と同じくらいの年の帝都乙女の姿も、店には沢山。そういうお年頃真っ只中である。
 でも興味深々、奏とヤオフ―は並ぶコスメを見つめてはみるけれど。
「う~ん……素敵なものばかりですが戦場暮らしの私には良く分かりません……」
『きれいな色がいっぱいだけど、わたしもよくわかんない……』
 戦場を渡り歩く日々を送る猟兵の奏と存在を隠されて外に出たことがなかったヤオフ―には、どれがいいかわからない。
 けれど、そんな時に素養があり心強いのは、響。
「育ちが名家だから化粧品の知識はあるよ」
 今でこそ、家族と戦場を巡る環境に身を置いてはいるけれど。
 年頃の時期は、綺麗なドレスを纏ってお化粧だって慣れたものであったから。
 迷う奏とヤオフーに、アドバイスをしてあげる。
「あ、母さんが選んでくれるんですね」
「奏は元気な色が似合うと思うよ。ヤオフ―は可愛い雰囲気の色かね。これとかどうだい?」
「なるほど、流石のセンスですね」
『わぁ、かわいい色! あ、パタパタ顔につける粉も見たいな!』
「私も見たいです!」
 奏には明るめの元気ないろのものを、ヤオフ―には薄いピンクのチークを乗せてあげてから。  
 次に、さくらパウダーをふたりが見ている間に、響もこっそり自分に似合う色を選んで購入する。
(「女だからね、アタシも。子供達の為にもいつまでも綺麗でいたい」)
 いくつになっても、女性は乙女。
 普段は戦場に在ったとしても、そうではない時はひとりの女性だから。
 綺麗でいたいという気持ちこそ、忘れてはいけない大事なこと。
 それからいくつか、それぞれ選んだコスメを買ってあげてから。
「早速メイクしてあげようかね。女性は化粧のやり方も熟達した方がいいし」
 響は確り下地で整えてから、ぱたりとパウダーとチークを軽くはたいて。
 さくらルージュをスッと引いてあげる。
 そして手鏡を渡してあげれば。
「綺麗になりましたっ!!」
『わ、すごい! ありがとうっ』
 ぴこり嬉しそうに耳や尻尾を揺らすヤオフ―と、奏は綺麗にあった顔を見合わせてにっこり。
 そんなふたりに、響も大きく頷いて。
「うん、二人とも花のように綺麗だよ」
「これが女の子としての醍醐味ですね」
『女の子は、きれいにしておかなきゃね!』
 目をキラキラさせる眼前のふたりはやっぱり、年頃の女の子。
 そんな女性陣が桜コスメ選びを楽しんでいる同じ頃。
 古本屋に足を踏み入れた瞬が探すのは、贔屓の文豪の小説。
「この文豪の星空や宇宙を題材にした小説、好きなんです」
 ほどなくお目当ての文豪の小説が並ぶ本棚を見つけ、手を伸ばして。
 数冊手に取って、中身を少しだけ吟味してから。
「ああ、いいのがあった」
 ――帰って読みましょう、と。
 満足気に赤い瞳を細めて、帰ってからのお楽しみに密かに嬉しくなる。
 そして、会計……を、しようとしたのだけれど。
 ふと目に入った或る本に足を止めてから、そっと手に取ってみる。
 それは――メンチカツやコロッケなどのレシピ本。
「……あの食べ歩きの美味しさを再現するのもいいですね」
 美味しそうに頬張っていた母や妹の姿を思い返しつつも。
 こっそりレシピ本も買うものに加えて、レジへ。
「なんか買い過ぎた感もしますが、満足ですね」
 たまには好きな物を沢山買うことも、とても楽しいから。
 瞬は戦利品を抱えて、帝都の街を歩き出す。
 ――さあ、女性陣と合流しますか、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
今度は先回りしてアクセサリーショップで待機よ。
前を通りかかったヤオフーを手招き確保。

髪に桜簪を当てて、
「これが似合うと思うわよ?」
後は私自身のリボンを指しつつ
「桜色のリボンとかも良いんじゃないかしら…?」
色々と一緒に選んであげるわ。
お支払いはこちら持ちよ。
ええ。喜んでくれればうれしいけど。

ヤオフーと別れた後で思う事。
桜、ね。
とても艶やかで美しく華やかで。

「そして儚いわ」



 さくらいろに染まる帝都に、ずらりと並ぶ沢山の店。
 先程は、スイーツ尽くしを美味しく頂いた古民家カフェーであったけれど。
 目移りしてしまうほどの店の中から、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)がチョイスしたのは、帝都の乙女たちが瞳輝かせ訪れる憧れの店。
(「今度は先回りしてアクセサリーショップで待機よ」)
 ヴィオレッタが待ち構えるのは、そう――人気のアクセサリーショップ。
 それから暫くすれば、相変わらずきょろきょろしながらも店の前を通りかかるヤオフ―。
 そんな彼女を、ちょいちょいっと手招きして。
 とことこやって来たところを、確保!
 それからそっと、髪に当てたのは――桜簪。
「これが似合うと思うわよ?」
『わ、きれい……! えへへ、似合う?』
 そう鏡に映る桜咲かせた己の髪を眺め、喜ぶヤオフ―に。
「桜色のリボンとかも良いんじゃないかしら……?」
 ヴィオレッタ自身のリボンを指しつつ、提案してみれば。
『わたしも、同じかんじのリボンにしたい……!』
「色々と一緒に選んであげるわ。お支払いはこちら持ちよ」
 そして選んであげたのは、濃いいろから淡いいろに変化する桜の彩り纏うリボン。
 それをきゅっと結んで上げて、ありがとう! と笑むヤオフーに。
 ヴィオレッタは色の違う宝珠の瞳を柔く細める。
 ――ええ。喜んでくれればうれしいけど、って。
 それから、リボンを揺らし再び街を歩き出したその姿を見送った後。
 ふと、ひらり春に舞う桜花弁たちを見上げて。
「桜、ね。とても艶やかで美しく華やかで」
 ヴィオレッタはこう、呟きを落とす。
「そして儚いわ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

薬師神・悟郎
【湯煙】4人

一年中桜が咲く世界の春を模した品々は他では中々見られないものばかりだろうと楽しみにしていた

俺は可愛い奥さんに贈る物を…とはいえ、具体的に何をとは決まっていないから、皆の買い物に付き合いつつ探すつもりだ

この世界ならではの赤べこも個性があって面白い
牛の良い友達になるだろう
髪飾りは壱華の艶やかな黒髪に映えるだろうな
小物なら手鏡なども貴方に合いそうだがどうぁ?
桜色のぬいぐるみも可愛らしい
春の温もりや香りまでして癒されそうだ

さて、贈り物だが…着物や簪、耳飾り…どれも素晴らしい品ばかりで迷いに迷う
いっそ全部買ってしまおうか
……大量の荷物になりそうだな
持ち帰る時に皆に協力を仰がねばならなくなるか


草野・千秋
【湯煙】

いやー、食べましたねぇ
もうお腹がぽんぽこです
悟郎さんの贈り物探しと、お腹がこなれるのも兼ねて買い物散策です

悟郎さんのお買い物、大切な方にいいものがみつかるといいですね
お着物とか桜の世界ですし雅やかなものがみつかりそうです
ペアでつけられるのもよさそうですが簪とか一点物もなかなか

べこさんは……この世界の赤べこ、桜色のべこさんなんてあったり?
壱華さんは髪飾りとかアクセ?黒い髪に映えそうで素敵なのです

おっと、僕の買い物も
えっと、この桜色のもちもちした大きなぬいぐるみとかいいですね
このつぶらな瞳がたまらない
寝る時とかぎゅーってしたいやつ

たくさん買い物をしても大丈夫
怪力自慢の僕が持ちますので


紅殻・牛
【湯煙】
…腹ごしらえ完了、土産山盛り、お腹満タンるんるんだ
さて、したらば散策、いざ買い物
グルメも桜がたんとあったが、物も桜桜しておるな

…さくらカフェーにあった、首が動く桜色の動物さんたちの置物が気になるのでな。其を探してみよか。カクカクする置物あらば赤ベコな置物もあるやもしれぬ、今年はベコ年の丑年であるしな。桜な赤ベコ友達大捜索。是非仲間に加えねばだ

…壱華はぽかぽかした色が似合うでな。梅に桜…うむ、めんこいぞ
…おお、このクッションもちもちで良きだぞ。千秋、千秋、もちもちだ……おお、これは眠くなる
…ほほぅ悟郎は大事な人への贈り物探してであるか。ベコお手伝い致すぞ。力持ち故、荷物持ちはお任せあれだ


和泉・壱華
【湯煙】

いやぁ、食った食った!
桜系の食い物があんなにあるなんてなァ、見るのも楽しかったぜ
よっし、腹拵えも終わった事だ…次は買い物だな

おぉ、やっぱここも桜関係多いなぁ
んー…俺は髪飾りやアクセが気になる…
どーだろ、似合うか?
(うーん、と梅結びされた紐に桜の装飾が施された物を手に取っては悩み)
(姉へのお土産に、青桜の装飾がある簪をさり気なく手に持ち)

紅殻は…桜色の動物か、ベコの友達になりそうだな
あ、桜柄のベコとかいそうじゃね?
草野は大きいぬいぐるみかー
もちもちしてるやつだと手放せなくなりそうだ

薬師神は贈り物選びか―あ、ペンダントやブレスレットもあるぜ
確かにこれは悩むなァ
何か参考になれるといいんだが…



 帝都いっぱいに咲く桜たちは、綺麗に愛でる花だけではなくて。
「いやー、食べましたねぇ。もうお腹がぽんぽこです」
 そう満足気におなかをさすさすする草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)が存分に満喫したように、美味しい桜でいっぱいで。
「……腹ごしらえ完了、土産山盛り、お腹満タンるんるんだ」
「いやぁ、食った食った! 桜系の食い物があんなにあるなんてなァ、見るのも楽しかったぜ」
 買った美味しい土産を確り抱えつつ、ほこほこるんるんする紅殻・牛(エンギモノ・f27526)に、和泉・壱華(天華繚梅・f03780)も頷いて。
 桜尽くしなグルメたちを堪能して、目でも舌でもご満悦。
 けれど今日はもうおなかいっぱいだけれど、ふと千秋は奉行としてこう皆へと提案する。次の機会あれば、焼肉にもいきましょう、と。
 そんな次の約束も交わしつつ、再び皆でさくらいろの街を歩く。
 でも今度のお目当てはは、食べる物ではなくて。
「よっし、腹拵えも終わった事だ……次は買い物だな」
「さて、したらば散策、いざ買い物」
 そう……買い物です!
「一年中桜が咲く世界の春を模した品々は他では中々見られないものばかりだろうと楽しみにしていた」
 薬師神・悟郎(夜に囁く蝙蝠・f19225)も勿論、春爛漫であるだろう品々に心躍らせるけれど。
 同時に、大切な目的があるのだ。
「俺は可愛い奥さんに贈る物を……とはいえ、具体的に何をとは決まっていないから、皆の買い物に付き合いつつ探すつもりだ」
 翠玉の可愛い妻への贈り物を探すという目的が。
 でもやはり、ひとりでは探すより皆にも助言などして貰えると嬉しいから。
「悟郎さんの贈り物探しと、お腹がこなれるのも兼ねて買い物散策です」
 千秋は色々と歩いて満腹なおなかを少しこなれさせるべく、そして悟郎の贈り物探しに協力しつつも、自分も目一杯楽しむつもり。
 そんな特に何を贈るか決めていないというのならば、何でも拘らず色々なものが並ぶ雑貨屋へ。
「おぉ、やっぱここも桜関係多いなぁ」
「グルメも桜がたんとあったが、物も桜桜しておるな」
 足を踏み入れれば、やはり店内も桜が満開。
 そして壱華は周囲をぐるりと一通り見回してから。
「んー……俺は髪飾りやアクセが気になる……」
 髪飾りなどの装飾品が並ぶ棚へ。
 そんな艶やかな黒髪揺らす壱華に、悟郎と千秋の思うことは同じ。
「髪飾りは壱華の艶やかな黒髪に映えるだろうな」
「壱華さんは髪飾りとかアクセ? 黒い髪に映えそうで素敵なのです」
 見目麗しき黒髪美形な彼に、似合わないはずがない。
 ただ、より似合うものはどれか……色々と手に取っては、当ててみたりしながら。
 うーん、と悩みつつも壱華が手にしたのは、梅結びされた紐に桜の装飾が施された一品。
「……壱華はぽかぽかした色が似合うでな」
 牛はそう悩む彼の手に咲くいろを見て、こくり。
 そんな牛に後押しされて、そっと己に宛がってみれば。
「どーだろ、似合うか?」
 ちらりと向けられた視線に、ぐっと牛もお墨付き。
「梅に桜……うむ、めんこいぞ」
「おう、美人だろ!」
 とても美人でよくお似合いです!
 さらに、ふと悟郎が見つけたのは。
「小物なら手鏡なども貴方に合いそうだがどうだ?」
 梅に桜な、揃いのデザインの小物。購買意欲を擽りまくりです。
 そして散々悩みつつ、梅に桜のものをいくつか手にしながらも。
 壱華はそっと、青桜咲く簪もさり気なくそれに加える。姉へのお土産にと。
 それからきょろりと牛が探すのは、先程ちょんちょん揺らして戯れた子たち。
「……さくらカフェーにあった、首が動く桜色の動物さんたちの置物が気になるのでな。其を探してみよか」
「紅殻は……桜色の動物か、ベコの友達になりそうだな」
 それを聞いていた店員が、首が動く動物さんはこちらですよと、親切に案内してくれれば。
「おおお、沢山いるではないか」 
 猫さんに犬さん兎さん、いっぱい並んでいる首が動くアニマルズ。
 そんな桜色の動物さん達を見つめ、千秋はふとこう口にする。
「べこさんは……この世界の赤べこ、桜色のべこさんなんてあったり?」
「あ、桜柄のベコとかいそうじゃね?」
 壱華も、うんうんと頷いて。
 牛はぐるり視線を巡らせ、眠そうながらも並々ならぬ気合い十分。
「カクカクする置物あらば赤ベコな置物もあるやもしれぬ、今年はベコ年の丑年であるしな」
 ――桜な赤ベコ友達大捜索。是非仲間に加えねばだ、と。
 そしてほどなく、ついに出逢うのだった。
 桜な赤ベコ友達、発見です……!
 丸みを帯びたフォルムと首がゆらゆらと揺れる、赤べこならぬ桜べこを。
 この子は勿論お買い上げして、るんるん連れて帰る予定だけど。
 ひとつだけじゃ、ちょっぴり桜べこさんも寂しいかもしれないから。
 もうひとつ、ちっちゃなミニサイズの桜べこさんも一緒に、親子でお持ち帰り。
 そんな桜べこさんに挨拶しつつ見つめ合う牛に、悟郎は微笑まし気に瞳細める。
「この世界ならではの赤べこも個性があって面白い」
 ……牛の良い友達になるだろう、って。
 そして、つい皆のものを選んであげたり助言してばかりだったけれど。
「おっと、僕の買い物も」
 千秋のお目当ては――もっちもちの一品。
「えっと、この桜色のもちもちした大きなぬいぐるみとかいいですね」
 ――ぽふぽふ、もふんもふん。
 さくらいろをしたゆるかわ猫さんのぬいぐるみをもふもふしつつも呟く。
 ……このつぶらな瞳がたまらない、って。
「草野は大きいぬいぐるみかー。もちもちしてるやつだと手放せなくなりそうだ」
 そんな壱華が言う様に、もうすでに手放せない心地に……!?
「寝る時とかぎゅーってしたいやつ」
「桜色のぬいぐるみも可愛らしい。春の温もりや香りまでして癒されそうだ」
「……おお、このクッションもちもちで良きだぞ」
 千秋の持っている猫さんと同じ、ウシさん型のクッションを牛は手にして。
 ――ぽふりっ。
「千秋、千秋、もちもちだ……おお、これは眠くなる」
 すやぁといつの間にか埋もれつつ、瞬く間におやすみなさい……?
 それから皆総手で選ぶのは。
「さて、贈り物だが……」
「……ほほぅ悟郎は大事な人への贈り物探してであるか」
「悟郎さんのお買い物、大切な方にいいものがみつかるといいですね」
 そう――悟郎が奥さんのために探す、贈り物。
「薬師神は贈り物選びか―。あ、ペンダントやブレスレットもあるぜ」
「お着物とか桜の世界ですし雅やかなものがみつかりそうです。ペアでつけられるのもよさそうですが簪とか一点物もなかなか」
 千秋が言う一点物のの簪や雅やかなものは絶対妻に似合うし。
「着物や簪、耳飾り……どれも素晴らしい品ばかりで迷いに迷う」
「確かにこれは悩むなァ」
 何か参考になれるといいんだが……と一緒に悩みつつも呟く壱華に。
 翡翠の葉に桜が添う一点物の簪や、ゆうらり揺れる桜花の耳飾り、春爛漫なブレスレット、翠玉と金の石に桜咲いたペアのネックレス――。
 悟郎はもう、迷いに迷うならばと、こんな提案を……?
「いっそ全部買ってしまおうか」
 もう気になるもの、全部お買い上げ!?
 けれど、全部買ってしまえば心配なのは。
「……大量の荷物になりそうだな。持ち帰る時に皆に協力を仰がねばならなくなるか」
 両手で抱えるほど大量になってしまう戦利品。
 でもそれも、ひとりじゃないから。
「たくさん買い物をしても大丈夫。怪力自慢の僕が持ちますので」
「ベコもお手伝い致すぞ。力持ち故、荷物持ちはお任せあれだ」
 やはり頼もしい友のお言葉に甘えて――やはり、全部買いするしかありません……!?

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ベスティア・クローヴェル
シルヴィア(f00384)と参加

手を引いてやってきたのはアクセサリーショップ
シルヴィアには日頃世話になっているから、そのお礼にプレゼントするよ

小物類は普段身に着けないし、どういったものがいいのだろう…
なんて悩んでいると掲げられたネックレス
軽く合わせて、どう似合う?なんて、ね

店内を二人で見て回りながら、ふと目に留まったのは満月を模したロケットペンダント
手に取って中を開けてみると、写真が納められるようになっている様子

そういえばシルヴィアは彼氏がいたよね
写真をこれに入れて、持ち歩いたら?

会えない時に写真を見て思い出したりすれば、寂しさも多少は癒えるんじゃない?
なんて笑いながら、プレゼントとして渡そう


シルヴィア・ジェノス
ベスティア(f05323)と行動

素敵なアクセサリーが沢山!え、贈り物?嬉しいわ!
それじゃあ私もベスティアさんに何かプレゼントするわ、贈り合いっこしましょ?

折角だから桜モチーフのものを贈りたいわ
自分用のものも物色しつつ店内を巡る

見つけたネックレスについている小さめの桜の花は、夜桜を思わせる色
ベスティアさん、これ、これを貴方に贈るわ
色も落ち着いているし、派手すぎないし…きっと貴方に似合うと思うの、どう?とベスティアさんの前に掲げてみせて
ん、似合っているわ、バッチリ!

まあ素敵なロケットペンダント!え、あの人の写真を?な、なんか、は、恥ずかしい…っ
でもありがとうね、大事にするわと照れつつ微笑み受け取る



 今日は何だか、ちょっぴり積極的。
 それはきっと満開の帝都の賑やかさと、楽しいふたりのお出掛けに心躍っているから。
 そう逸るようにシルヴィア・ジェノス(月の雫・f00384)の手を引いて。
 ベスティア・クローヴェル(太陽の残火・f05323)が訪れたのは、春の煌めきに溢れる店。
「素敵なアクセサリーが沢山!」
 ぐるり店内を見回したシルヴィアの言葉通り、帝都女子にも人気のアクセサリーショップ。
 そしてキラキラ瞳輝かせる彼女に、ベスティアはこんな提案を。
「シルヴィアには日頃世話になっているから、そのお礼にプレゼントするよ」
「え、贈り物? 嬉しいわ!」
 それからすぐに、シルヴィアはこう追加の提案を。
「それじゃあ私もベスティアさんに何かプレゼントするわ、贈り合いっこしましょ?」
 互いが互いのものを選んで交換こし合えば、楽しさも嬉しさも、もっと満開に綻ぶだろうから。
 そうと決まれば、シルヴィアは早速、並ぶアクセサリーたちへと視線を向けて。
「折角だから桜モチーフのものを贈りたいわ」
 やはり此処は、桜のものを選びたいところ。
 自分用のものも物色しつつ、彼女に一等似合う桜を探して店内を巡ってみれば。
 ふと瞳に飛び込んできたのは、夜桜を思わせる小さめの桜花咲いたネックレス。
「小物類は普段身に着けないし、どういったものがいいのだろう……」
 そして、うーんとそう悩んでいるベスティアへと声を掛けるシルヴィア。
「ベスティアさん、これ、これを貴方に贈るわ。色も落ち着いているし、派手すぎないし……きっと貴方に似合うと思うの、どう?」
 その掲げられたネックレスをそっと受け取ってから。
「どう似合う?」
 ……なんて、ね、って。
 軽く合わせて笑んで返すベスティアに、シルヴィアはこくこく大きく頷く。
「ん、似合っているわ、バッチリ!」
 そしてシルヴィアが夜に咲く桜を贈るのならば……ベスティアの目にふと留まったのは、夜に浮かぶ満月。
 アンティークレトロな月に、そっと一輪の桜が密やかに咲くデザインのペンダントは、シルヴィアにぴったりだと思ったから。
 そして手に取った満月を開いてみれば、それは写真が納められるようになっているロケットペンダント。
「まあ素敵なロケットペンダント!」
 自分の手元の円描く月を見つめ言ったシルヴィアに、ベスティアは視線を映して。
「そういえばシルヴィアは彼氏がいたよね。写真をこれに入れて、持ち歩いたら?」
「え、あの人の写真を?」
「会えない時に写真を見て思い出したりすれば、寂しさも多少は癒えるんじゃない?」
 彼女の言葉に、ぱちくりと瞳瞬かせるシルヴィア。
 そして、桜のようないろに染まった頬を両手でそっと押さえつつも呟きを落とす。
「……な、なんか、は、恥ずかしい……っ」
 そんな様子に笑いながら、会計を済ませて。
 互いに選び合った、とっておきのアクセサリーをふたり、交換こ。
 それから互いに礼を告げ合い、笑みあってから。
 ……大事にするわ、って。
 そう照れつつ微笑み咲かせたシルヴィアの頬は、やっぱりまだほんのり、さくらいろ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

高塔・梟示
千隼(f23049)君と

年頃の子が好きそうな店が沢山あるね
前を行く影朧と同じく
何処か楽しげな彼女の問いに頷いて
勿論、是非ご一緒させてくれるかい?

春色に染まった店内を眺め
ベーシックな黒も桜柄も良い
少し迷って、白い月の色した万年筆に
夜桜の意匠があしらわれた品を選んで
紫陽花色のインクも一緒に包んで貰おう
…わたしに?有難う、とても嬉しいよ
では、お返しを差上げなくては
御礼は此方こそさ
では、夜桜色のインクにしようか

古書堂も、時間があれば古本市も覗いて行こう
探している本が見つかるかもしれない
これも仕事のうち、と言い訳して笑い
甲斐性があるってことなら喜ばしいとも、なんて
言合える相手がいるから暖かいのかもね


宵雛花・千隼
梟示(f24788)と

影朧の姿を視界に留めながら店を見渡し
自分で思うより足取り軽く彼を見上げて
梟示、万年筆や古書にご興味は?
頷きに嬉しげに微笑んで

春色溢れる万年筆の並び
桜柄にも好きな色や月の意匠にも誘われてしまうわ
千寿菊と桜があしらわれた夜色の万年筆を見つければ
包んで貰って彼へ差し出し
…贈り物をしても良い?
楽しい春の日へ誘って下さったお礼に
ワタシにも下さるの?
ふふ、嬉しい。ありがとう
インクも付ければ良かった…あ
なら、梟示は何色が良い?
なんて訊くのはずるいかしら

古書堂も古本市も行きたいわ
影朧も行くようだし、お仕事にと笑って
近頃少し甘え過ぎかしら
ふふ、ならどうぞ甘えさせて
アナタといる春は暖かいもの



 さくらいろに満ちる帝都に賑やかな花を添えているのは、袴姿のハイカラさんな帝都女子。
 そんな彼女たちが噂しそうな、華やかな店が並ぶ通りを歩きながら。
「年頃の子が好きそうな店が沢山あるね」
 視線を巡らせるのは、高塔・梟示(カラカの街へ・f24788)。
 梟示ひとりでは、少々足を向けにくい女子色に染まった店も多いけれど。
 でも、今日はそんな店にだって少しは臆せず入れるかもしれない。
 だって隣に、一等素敵な年頃のお嬢さんが一緒なのだから。
 そしてもうひとり、きょろきょろと色々な店を興味津々見つめるヤオフ―の姿。
 そんな影朧を視界に留めながらも。
 宵雛花・千隼(エニグマ・f23049)も並ぶ沢山の店をくるりと見渡して。
 彼を見上げると、弾むいろを咲かせた声で問いかけてみる。
「梟示、万年筆や古書にご興味は?」
 自分で思うより、そう軽い足取りで。
 梟示は何処か楽しげな彼女の問いに、こくりと頷いてから。
「勿論、是非ご一緒させてくれるかい?」
 嬉しげに微笑む千隼と共に、まず向かうは万年筆専門店。
 赴き溢れるレトロな店内に足を踏み入れれば、ずらりと桜咲かせた万年筆たち。
 けれど澄んだ青空であったり、燃える様な夕焼け色であったり、宵闇に咲いていたり。
 ひとことに桜柄の万年筆と言っても、纏ういろは様々。
 桜柄だけでなく、上品シンプルなものからアンティークなものまで、見ているだけでも楽しくなりそうな品揃え。
 梟示はそんな春色に染まった店内を眺めた後、並ぶ万年筆を眺めてみて。
「ベーシックな黒も桜柄も良い」
「桜柄にも好きな色や月の意匠にも誘われてしまうわ」
 千隼の声を聞きながら、いくつか気になったものを手に取りつつも、少し迷ってしまうけれど。
 選んだのは、白い月の色した万年筆。そんな白月の軸に、はらりと夜桜の意匠があしらわれた一品。
 それともうひとつ、紫陽花の色を咲かせるインクも一緒に。
 そんな選んだ万年筆とインクを包んで貰えば。
「……贈り物をしても良い?」
 ――楽しい春の日へ誘って下さったお礼に、って。
 千隼が差し出したのは、先に包んで貰っていた贈り物。
 それは瞳に飛び込んできた、千寿菊と桜があしらわれた夜色の万年筆。
「……わたしに? 有難う、とても嬉しいよ」
 そんな彼女の贈り物に、梟示は礼を告げてから。
 柔く咲かせた笑みとともに綴る――では、お返しを差上げなくては、って。
「ワタシにも下さるの? ふふ、嬉しい。ありがとう」
「御礼は此方こそさ」
 けれどそんな彼に笑み向けてから、ふと千隼は微か首を傾ける。
「インクも付ければ良かった……あ」
 でもそんな呟きも、すぐに解決。
「なら、梟示は何色が良い?」
 やはり添えるなら、彼の好きないろを。
 ……なんて訊くのはずるいかしら、って。
 瞳細めちらり見上げる彼女に、梟示はこんなリクエストを。
「では、夜桜色のインクにしようか」
 はらり美しく宵色に咲く、夜桜のいろを。
 それからふたりが行きたいと紡いだ店は、同じ。
「古書堂も、時間があれば古本市も覗いて行こう」
 ……探している本が見つかるかもしれない。
 そう楽し気に紡いだ梟示に、千隼もこくり頷いて笑う。
「古書堂も古本市も行きたいわ。影朧も行くようだし、お仕事に」
「ああ、これも仕事のうち、さ」
 そんな言い訳をすれば、さくらいろの街を再び並んで歩き出す。
 そして千隼は彼へとふと訊ねてみる。
「近頃少し甘え過ぎかしら」
「甲斐性があるってことなら喜ばしいとも」
 なんて……言合える相手がいるから暖かいのかもね、と。
 そう春風にふわり乗って返ってきた声に、千隼は春爛漫の笑み綻ばせる。
「ふふ、ならどうぞ甘えさせて」
 優しい春空に白磁の髪を躍らせながら。
 ――アナタといる春は暖かいもの、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月舘・夜彦
【華禱】
沢山パンを頂きましたので街のお店を回りましょう
此処は雑貨屋に古書堂もあるようです
倫太郎は行きたい所はありますか?

では、広場に行きたいです
フリーマーケットには古い物も沢山並んでいるようで見てみたいのです
骨董品は過去の文化や流行りを知るには良い物です
この世界の歴史を知るには此処かと

花瓶や壺、木製の置き鏡に棚
おや……これは飾り箱でしょうか?
木製で蓋や箱の側面に花模様の螺鈿がされております
倫太郎、私はこれにします
貴方から頂いた物や出掛けで買った物を仕舞っていこうかと
そうですね、この子も長く使えばヤドリガミになるかもしれません

倫太郎は……私の為に?
私も貴方に梳いて貰うのが好きなので嬉しいです


篝・倫太郎
【華禱】
色々あるみたいだな

さっきのパン屋、俺の行きたいトコだったから
今度はあんたの行きたいトコ行こうぜ?
あんたと一緒なら、どこだって楽しいから

ん、ホント知識欲旺盛だな
夜彦の言葉にそう返せば
少し照れたような顔を見せてくれる
そんなとこも含めて、あんたが大好きだよ

じゃあ、色々な骨董品を見て回ろう
手を繋いでのんびりと見て回る

……色々あるなぁ
夜彦が決めた小箱を眺めて
告げられた言葉にはふにゃっと緩い笑みが零れる

寝室の棚に置こうぜ、それ
俺?俺はね、これ

そう示したのは欠けのない、綺麗な綺麗な黄楊の櫛
あんたの髪、これで梳きたいって思ったから

そう笑ってそっと一言

こいつらも、いつかはヤドリガミになったらいいのにな



 さくらいろの帝都に満ちるのは、賑やかな人々の声。
 並ぶ店々は、春の季節のお出掛けを満喫する人たちでいっぱい。
 そんな人たちが安心して街を満喫できるように、猟兵達も影朧がゆく帝都の街を歩いて回っているのだが。
 どうせ巡るのであれば、満喫するに越した事はない。
 美味しい古民家ベーカリーで腹拵えをして、土産もばっちり買った後。
「色々あるみたいだな」
 ふわりまだ香ばしい小麦の香りがする戦利品の入った紙袋をほくほく抱えながら、再び歩き出した帝都の街をぐるり見回してみるのは、篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)。
「沢山パンを頂きましたので街のお店を回りましょう」
 月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)も彼と荷物を半分こしつつ、並んで共に歩きながら。
 倫太郎へと訊ねてみれば。
「此処は雑貨屋に古書堂もあるようです。倫太郎は行きたい所はありますか?」
「さっきのパン屋、俺の行きたいトコだったから。今度はあんたの行きたいトコ行こうぜ?」
 すぐに返って来たのは、そんなこたえと柔い視線。
 ――あんたと一緒なら、どこだって楽しいから、って。
 そんな倫太郎に笑み返してから、夜彦が選んだ行き先は。
「では、広場に行きたいです」
 フリーマーケットや古本市が開催されていると聞いた、街の広場。
「フリーマーケットには古い物も沢山並んでいるようで見てみたいのです。骨董品は過去の文化や流行りを知るには良い物です」
 ……この世界の歴史を知るには此処かと、と。
 そう続いた彼らしい選択や理由に、倫太郎は笑みと共に返す。
「ん、ホント知識欲旺盛だな」
 真面目で、そして好奇心も知識欲も旺盛な夜彦らしいし。
 自分の言葉に少し照れたような表情を見せるその様子も、とても愛おしいから。
 倫太郎は広場へと足を向けながら、こう続ける。
 ――そんなとこも含めて、あんたが大好きだよ、って。
 さくらいろに染まった帝都をのんびりと一緒に堪能するために、いつも通り手を繋いで。
 そして辿り着いた広場に並ぶのは、様々な品物たち。
 一応、古本や衣服や雑貨など、出店しているものの大まかな分類はされているようなので。
「じゃあ、色々な骨董品を見て回ろう」
 向かうのは、夜彦ご所望の骨董品が並べてある店が集まっている一帯。
「……色々あるなぁ」
 そう周囲を見回す倫太郎と共に店を巡りながら。
 夜彦は興味津々、花瓶や壺、木製の置き鏡に棚などを手にとっては眺めてみて。
「サムライエンパイアに似た物もありますが、西洋風の物も多いですね。和洋折衷、という雰囲気ですか」
 大正の世であるこの世界に見られるモノの特徴を、そう楽しそうに分析しつつも。
 ふと目についた一品を手にしてみる。
「おや……これは飾り箱でしょうか?」
 それは蓋や側面に花模様の螺鈿が施されている、木製の飾り箱。
 ぱかりと開いたり、虹色の花を一通り眺めたりした後。
「倫太郎、私はこれにします」
 夜彦は倫太郎に笑んで続ける。
「貴方から頂いた物や出掛けで買った物を仕舞っていこうかと」
 倫太郎は彼が手にしている美しくレトロな小箱を眺めつつも。
 告げられた言葉に思わず零れるのは、ふにゃっと緩い笑み。
 そして、こう提案する。
「寝室の棚に置こうぜ、それ」
 彼の箱の中身が増えていくのを、一緒に見たいから。
 それから、倫太郎は何かありましたか? と訊ねられれば。
「俺? 俺はね、これ」
 倫太郎は既に心に決めていた一品を示して。
 春風にふわり靡く夜の様ないろを瞳に映し、続ける。
「あんたの髪、これで梳きたいって思ったから」
 倫太郎がそう手に取ったのは、欠けのない、綺麗な綺麗な黄楊の櫛。
 飴色に美しく艶めくそれは、手入れもよくされていることがわかる。
「……私の為に?」
 夜彦は瞳を瞬かせてから、嬉しそうに翡翠のいろを細めて。
「私も貴方に梳いて貰うのが好きなので嬉しいです」
「こいつらも、いつかはヤドリガミになったらいいのにな」
 そっと笑みと共に紡がれた声に、そうですね、とこくり頷く。
 ――この子も長く使えばヤドリガミになるかもしれません、と。
 大切にされ美しく髪に咲いて飾ってきた、己の様に。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

佐那・千之助
クロト(f00472)と

ヤオフ―よ、先程はモフモフに暴走して失礼した…
とてもこのままでは私の気が済まぬ…!
お詫びに何か贈らせてほしい

何がよいかな?好きな物ある?
他の猟兵も何か彼女に贈るなら
持ち切れなくて困らぬよう容れ物が良いかな
風呂敷ってもう古い?ポーチ?トート?
店員さんに流行を聞きつつ彼女が好いた物を贈ろう

クロトにはホワイトデーの贈り物をしたい
装飾品、帯、羽織。一つ一つ彼に宛がい吟味
えぇ…全部似合う…美人すぎてつらい…(感激涙目
悶え悩み、選んだのは桜の簪
彼は花が好きだし、白に近い桜が綺麗な黒髪に映えるから
普段使いしなくても眺めて嬉しくなるかな…と
自分用には桜苺のクッションを
大満足なのじゃよ


クロト・ラトキエ
千之助(f00454)と、
ヤオフーと。巡る街は、きっと自分一人では踏み入る事の無い世界。
仕事で訪れる事は多いんですけどね。
ただ純粋に『楽しめ』というのは…
オーダーなら熟しましょう。
けれど二人と共にあらば、そういうわけにも…。

だから、きっと。
リュックなんかもありますよ?なんて稀に口出しつつ、
色々物珍しかろう彼女と、よく知る貌をした彼を眺めて。
選んだ品に付ける桜飾りでも贈ろうかと。

って、僕?
いえ、今は彼女の方を…。
放っとけないのではとか、
彼の都度オーバーな反応とか、聊か慌てつつ…
簪…。
嬉しい、と。温もる心が止まない。
己の持つ簪は、命を守る物に過ぎぬから…

ありがとう。大事にする
満足中の彼に、微笑って



 お洒落で美味しいパンやスイーツ、そしてがっつりと肉まで。
 帝都の街で、色々な美味しい物を沢山満喫……したのだけれど。
 おなかいっぱいになって少し落ち着けば、佐那・千之助(火輪・f00454)はふと頭を抱えて。
「ヤオフ―よ、先程はモフモフに暴走して失礼した……」
 モフモフに滾った己のふるもっふな行動をヤオフ―に詫びてから。
『ううん、大丈夫だよ。もふもふされて楽しかったよ!』
「それでも、とてもこのままでは私の気が済まぬ……! お詫びに何か贈らせてほしい」
 モフモフ堪能させて貰った詫びと礼にと、彼女が好きな物を探しに行くことに。
 そんなやり取りを微笑ましく眺めつつ、クロト・ラトキエ(TTX・f00472)は一通り周囲を見回してみて。
 ふたりと共に、さくらいろの街を歩きながらも思う。
(「仕事で訪れる事は多いんですけどね」)
 潜伏とか市街戦とかで、違う意味で賑やかな街は沢山これまで訪れてきたが。
 眼前に広がるふたりと巡る街は、至って平和で……きっと自分一人では踏み入る事の無い世界。
 いや、これも一応、猟兵としての仕事ではあるから。
(「ただ純粋に『楽しめ』というのは……オーダーなら熟しましょう」)
 そうクロトは思いつつも、きゃっきゃはしゃぐ連れ達を見遣る。
 けれど二人と共にあらば、そういうわけにも……なんて。
 そして見つめる青の瞳を、そっと細める。
 ……だから、きっと、って。
 そんな3人が足を運んだのは、色々なものが所狭しと並ぶ雑貨屋。
 様々な物が選べる此処ならば、ヤオフ―の気に入るものがあるだろうと。
 だが同時に、沢山のものがあるから。
「何がよいかな? 好きな物ある?」
『わあ、素敵なものがいっぱい……』
 あれもこれもと、目移りしてしまうという悩みが。
 それから千之助は、ふと考えて。
「他の猟兵も何か彼女に贈るなら、持ち切れなくて困らぬよう容れ物が良いかな」
 確かに、既にいくつか紙袋を持っている彼女の荷物が、これからも増えるであろうことは歴然。
「風呂敷ってもう古い? ポーチ? トート?」
 店員さんに流行を聞きつつ、目についたものを手にしてみる千之助。
 ヤオフ―も一緒に、どれがいいかなぁと散々迷っている様子だから。
「リュックなんかもありますよ?」
 そうクロトが付け加えて口にすれば。
「おお、流石はクロト! ヤオフ―、このモフモフリュックは?」
『モフモフ、かわいい! それにするっ』
 試しにちょこんと、桜色をしたモフモフ猫さんのリュックを背負ってみた姿のヤオフーに、ついそっと顔を覆ってしまう千之助。
「モフモフに、モフモフ……」
 いや、彼女自身もいたく気に入った様子なので。
 モフモフ桜猫さんなリュックをお買い上げ!
 そんな色々物珍しそうに色々視線巡らせる彼女と、よく知る貌をした彼を眺めて。
「よかったらこれもどうぞ」
 一緒に購入した桜が真ん中にあしらわれたリボンブローチを、クロトは桜猫さんに飾ってあげる。
 ということで、買い物も無事終わり……ではなく。
 千之助は店の中再びぐるりと見回す。
 ――クロトにはホワイトデーの贈り物をしたい、と。
 そして、装飾品、帯、羽織……一つ一つ彼に宛がい吟味し始めれば。
「って、僕? いえ、今は彼女の方を……」
 そうちらりと、クロトはヤオフ―に目を向けるけれど。
 ヤオフ―は店員さんとお喋りを楽しんでいる模様。
 なので、その様子を視界の端に捉えつつも、宛がわれるがままになっていれば。
「えぇ……全部似合う……美人すぎてつらい……」
 感激涙目で、再び顔を覆う千之助。
 そんな彼の都度の反応に、ちょっぴり慌てつつも。
 悶え悩みまくっていた千之助は、ふと見つけたそれを手にしてみる。
(「彼は花が好きだし、白に近い桜が綺麗な黒髪に映えるから」)
 それは――桜の簪。
「普段使いしなくても眺めて嬉しくなるかな……と」
 そう紡いだ彼の手の中で揺れる桜を見つめて。
 クロトはそっと呟きを咲かせる。
「簪……」
 ――嬉しい、と。
 訪れた春の季節のように、ぽかぽかと温もる心が止まないのを感じながら。
 だって、自分も簪は所持はしているのだけれど。
(「己の持つ簪は、命を守る物に過ぎぬから……」)
 そして、大満足なのじゃよ、なんて。
 自分用にとほくほく、モフモフもちもち桜苺クッションを抱き締めている千之助へと。
 クロトは受け取った簪の桜の様に、柔く美しい笑みを咲かせ、紡ぐ。
 ――ありがとう。大事にする、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

永倉・祝
秋人くん(f24103)と。
次は何処に行きましょうか?
沢山あるのでヤオフーだけでなく僕も迷ってしまいます…。
文具だと僕の場合すぐに消耗してしまいますし。

お化粧品?マネキュアですかなるほどいいですね。
マニュキュアならヤオフーに塗って上げられますしそうしましょうか。

沢山の色がありますね…定番の赤やピンクから黒や白なんかも。これなんかはラメが入っていますね。試供品もありますしいろいろ試してみますか?(ヤオフーの指を彩るマニュキュアに笑って)
ふふ、沢山試しましたね。
ヤオフーはどれが気に入りましたか?
じゃあ、それにしましょう(GMにお任せ)
これなら…最後まで身につけていられますしね。


鈴白・秋人
祝さん(f22940)と

(これから何処へ行こうかと考え)
そうですわ
2人を化粧品売り場へ連れて行きましょう
ヤオフーも女の子ですもの
そういうものに興味が湧くかも知れませんし
化粧は流石に難しいでしょうから、マニキュアを試してみましょうか
ふふ。2人は何色が似合って何色が好きかしら?
興味深いですわね

あらあら、ヤオフーは全ての指に沢山の色を載せるのかしら?(温かく見守ったり、手伝ったりしつつ)
遊び心があって、大変よろしいですわね。ふふ

祝さんはお試しにならないの?
わたくしが色を乗せて差し上げましょうか

折角ですから一色、揃いの色を同じ指に塗る事にしましょう
こうしていると、華やかな気持ちになって楽しいですわね



 さくらいろ満開の帝都の古民家ベーカリーで、確りとおなかを満たして。
 お金を払う事も覚えたヤオフ―と一緒に、今度は街で買い物を。
「次は何処に行きましょうか?」
 永倉・祝(多重人格者の文豪・f22940)はそうぐるりと賑やかな街に視線を巡らせつつも。
「沢山あるのでヤオフーだけでなく僕も迷ってしまいます……」
 文具だと僕の場合すぐに消耗してしまいますし、と悩まし気に紡ぐ。
 そんな祝と共に、これから何処へ行こうかと考えていた鈴白・秋人(とうの経ったオトコの娘・f24103)は。
 帝都乙女達が沢山入ってゆく店を見つけ、こう提案を。
「そうですわ。化粧品売り場はいかがでしょう? ヤオフーも女の子ですもの」
 そういうものに興味が湧くかも知れませんし、と興味深々街を見つめるヤオフ―に目を遣れば。
 言ってみたい! とぴょこり跳ねる良い反応。
 そして3人で、さくらコスメの店へと足を踏み入れて。
「化粧は流石に難しいでしょうから、マニキュアを試してみましょうか」
「マニキュアですか、なるほどいいですね。マニキュアならヤオフーに塗って上げられますしそうしましょうか」
 そんな彼の言葉にこくりと頷いてから、祝は色とりどりのマニキュアが並ぶ棚へと目を向けて。
「ふふ。2人は何色が似合って何色が好きかしら?」
 ……興味深いですわね、と。
 秋人も楽しそうに笑み咲かせ、微笑まし気に見守る。
「沢山の色がありますね……定番の赤やピンクから黒や白なんかも。これなんかはラメが入っていますね」
『わ、いろんな色がたくさん! それに、キラキラしてるっ』
「試供品もありますしいろいろ試してみますか?」
 祝の声に、うん! とわくわく自分の指にマニキュアを塗り塗りしてみるヤオフー。
 そんな彼女の姿を見て、ふたりは思わず微笑んでしまう。
「あらあら、ヤオフーは全ての指に沢山の色を載せるのかしら?」
『あっ、ちょっとはみ出ちゃった』
「ふふ、乾く前にコットンで整えれば大丈夫ですわ」
 コットンの先に少しリムーバーをつけて、はみ出した部分を落としてあげたりと。
 温かく見守りつつも、手伝ってあげる秋人。
 そして楽しく塗り塗りし終わって。
『見て、きれい!』
 得意気に手を広げてみせるヤオフーの爪は、とってもカラフル。
「ふふ、沢山試しましたね」
「遊び心があって、大変よろしいですわね。ふふ」
 そんな全部違う色を乗せた小さな爪に、ふたりはそう笑んで返してから。
「ヤオフーはどれが気に入りましたか?」
 祝がそう訊ねてみれば、うーんうーんと暫し悩んだ後。
『この、美味しそうで可愛い色が好き!』
 ヤオフ―が選んだのは、桜苺という名のついた女の子らしいキュートなマニキュア。
「じゃあ、それにしましょう」
 祝はその桜苺のいろを瞳に映しながら、そっと続ける。
 これなら……最後まで身につけていられますしね、って。
 そして秋人は、今度はそんな彼女へと声を。
「祝さんはお試しにならないの? わたくしが色を乗せて差し上げましょうか」
 それから、……僕? ときょとりとする祝に似合ういろを、いくつか見繕ってから。
「折角ですから一色、揃いの色を同じ指に塗る事にしましょう」
 選んだのは、椿のような落ち着いたガーネット色のマニキュア。
 そのいろを揃いで爪へと塗りながら、秋人はふわり微笑みを咲かせる。
 ――こうしていると、華やかな気持ちになって楽しいですわね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルーシー・ブルーベル
【夜来】

キレイで可愛い小物がいっぱい!
エルネストさんはヌイグルミ、ご存じなのね
ルーシーもヌイグルミだいすき!
えへ、ありがとう
この蒼ウサギはララっていうの
あなたが見たのはどんなコだった?
くまさん!
ぼろぼろになっても……きっと愛されていたのでしょうね

お店はあそこね
ヌイグルミさんがいっぱい!
色々あって悩んでしまうけれど、ううん
これにする
ルーシー位の大きさのカピバラさん!
確かにお顔がほのぼの
それにもふもふがとても気持ち良いの

あなたはどのコが気になる?
ルーシーが?いいの?……真剣に選ぶわ!
そうね、フクロウさんも可愛いし……
あ、真っ白なオコジョさんはどう?
このコも夜に会えるし
白は神様のお使いなんですって!


エルネスト・ナフツ
【夜来】

ほぅ。見知らぬものであふれておる。
主のぬいぐるみもかわいいのぅ。
蒼い主はララと申すか。よろしくのぅ。
我の元に来ておった子らは皆々ぼろぼろのぬいぐるみを持っておった。
くま。てでぃべあと申すのか。

かぴ、ばら
なんとも平和な顔をしておる。
こやつもくまと同じ色をしておるのだな。
いやされる顔よのぅ。
我は悩んでしもうて。

我は夜の神ゆえ、夜に会うフクロウもよかろうて
娘よ。すまぬが我に似合いのぬいぐるみを選んではくれぬか?
我はここにいるすべてのぬいぐるみが欲しくなってしもうての。
オコジョ。こやつは知らぬ生き物じゃ。
ほぅ。夜に神の使いとな。
主の選んだオコジョに我も名を付けて可愛がるとしよう。



 さくらいろの街は、美味しいものもたくさんあったけれど。
「キレイで可愛い小物がいっぱい!」
「ほぅ。見知らぬものであふれておる」
 並ぶ店には、キラキラ可愛いものもいっぱい。
 そんな店々をきょろりとふたり並んで、見て歩きながら。
 光を遮るヴェールの奥の青がふと映したのは、ルーシー・ブルーベル(ミオソティス・f11656)が抱っこしているウサギさん。
「主のぬいぐるみもかわいいのぅ」
 そう言ったエルネスト・ナフツ(神の聖者・f27656)に、嬉し気に笑んで。
「えへ、ありがとう。この蒼ウサギはララっていうの」
 ルーシーが作ったの、とちょっぴり得意げにララを彼女の目の前に掲げて。
「蒼い主はララと申すか。よろしくのぅ」
「エルネストさんはヌイグルミ、ご存じなのね。ルーシーもヌイグルミだいすき!」
 ぺこりとララに挨拶した後、こくりと頷くエルネスト。
「我の元に来ておった子らは皆々ぼろぼろのぬいぐるみを持っておった」
「あなたが見たのはどんなコだった?」
 その問いに、思い返す様にエルネストは答える。
「くま。てでぃべあと申すのか」
「くまさん! ぼろぼろになっても……きっと愛されていたのでしょうね」
 ルーシーはそうぎゅうとララを抱きしめつつ、そう紡いでから。
 お店はあそこね、と向かうのは帝都の女の子に人気だという店。
 その店に一歩。足を踏み入れれば。
「ヌイグルミさんがいっぱい!」
 思わず瞳を輝かせ、声を上げるルーシー。
 ずらりと店いっぱいに並ぶ、可愛いヌイグルミたちに出迎えられて。
 そんなヌイグルミ専門店へと赴いたふたりは、早速色々なヌイグルミさんを手に取ってみて。
「色々あって悩んでしまうけれど、ううん……これにする!」
 目移りしつつもルーシーが抱きしめるのは、彼女と同じくらいの大きさのカピバラさん!
「かぴ、ばら」
 エルネストは、そうルーシーが選んだ、かぴばらとやらをじいっと見つめて。
「なんとも平和な顔をしておる。こやつもくまと同じ色をしておるのだな」
 ……いやされる顔よのぅ、と。
 ゆるふわ可愛いその顔を見つめつつ、瞳細める。
「確かにお顔がほのぼの。それにもふもふがとても気持ち良いの」
 ルーシーもそうこくこく頷きつつも、カピバラさんをもふもふしながら。
 カピバラさんと見つめ合っているエルネストに、こう訊ねてみる。
「あなたはどのコが気になる?」
「我は悩んでしもうて。我は夜の神ゆえ、夜に会うフクロウもよかろうて」
 エルネストはそう首を傾けた後、ルーシーへとこんなお願いを。
「娘よ。すまぬが我に似合いのぬいぐるみを選んではくれぬか?」
 ……我はここにいるすべてのぬいぐるみが欲しくなってしもうての、と。
 そんなエルネストの申し出に、ルーシーは瞳をぱちくりさせるけれど。
「ルーシーが? いいの?」
 ……真剣に選ぶわ!
 そう、きりっと気合を入れて、ヌイグルミさんたちへと改めて向き直って。
「そうね、フクロウさんも可愛いし……」
 先程、彼女も口にしていたフクロウさんを見てみるけれど。
 ふと、その隣にちょこりといた子を見つけ、手にしてみて。
「あ、真っ白なオコジョさんはどう? このコも夜に会えるし、白は神様のお使いなんですって!」
 ずいっと差し出してみたのは、オコジョさん!
「オコジョ。こやつは知らぬ生き物じゃ」
 ……ほぅ。夜に神の使いとな、と。
 エルネストはそう再び、じいっとオコジョさんを見つめた後。
 こやつにしよう、と受け取って、モフモフしてみつつも。
 ルーシーの抱いているララをふと見遣り、こう続ける。
 ――主の選んだオコジョに我も名を付けて可愛がるとしよう、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シャト・フランチェスカ
【紫桜】

万年筆とインクがこんなに…
すごい!
ねこ宛ら瞳を爛々とさせて振り返る

あのさ、
お互いをイメージしてインクを選んでみない?
完成するまでは内緒だよ

きみと出逢った月の夜
傍に寄れば夜色の髪に紫がかった艷を見た
だからきみにはこんな彩
凛としたパープルブラック
ほら、
滲んだ部分に宵の紫が染み出してくるんだ

万年筆は黒曜石を思わせる漆黒
蓋の部分に真紅の石が嵌っているのはね
きみの耳飾りに少し似ているなって

物書きなのに語彙が無くなっちゃうよ
ふふ、嬉しいな
これで綴る物語はきっと優しい

千鶴と桜の世界を巡れるだけで特別な日なのに
こんなに楽しくていいのかな
心配になってしまうくらいだ

うん
活字好きなのも僕らの共通項だもの


宵鍔・千鶴
【紫桜】

目移りする程の品揃え
店の中も少しインクの馨り
シャト、嬉しそう
眸瞬くきみにゆっくり見ていこう、と

お互いのイメージか
その提案乗った、楽しそうだ

初めて見たきみは月明かりに咲いた淡花
紫と薄紅が綺麗に混ざり合って宵に融けてた
レトロ小瓶に詰めたきみへの彩は葡萄染色
桜花のハーバリウムガラスペンを選び
シャトへは珍しい万年筆のが良いかなって

宵色落とし滲む紫に文字を書く度楽しくなりそう
耳飾りとお揃いの万年筆も有難う
折角だからシャトに手紙でも認めようか

自分のいろを選んで貰うのは擽ったいけど
きみから視える俺が識れて嬉しい
シャト、未だ楽しいこと待ってるよ
もっと特別な日にしちゃおう

手を差し伸べてさあ、次は古書堂へ



 賑やかな帝都は、さくらいろに溢れているけれど。
 足を踏み入れた瞬間、シャト・フランチェスカ(侘桜のハイパーグラフィア・f24181)を迎え入れたのは、数え切れないほど沢山のいろ。
「万年筆とインクがこんなに……すごい!」
 そんな彼女の声を聞きながら、宵鍔・千鶴(nyx・f00683)も店内をぐるり見回して。
 目移りする程の品揃えと、ふわりと漂う微かなインクの馨りと。
(「シャト、嬉しそう」)
 何より、心躍らせたその姿に、つられて笑みも咲いてしまう。
 そんな彼女に千鶴はこう声を掛ける。
「ゆっくり見ていこう」
 わくわく逸る気持ちもあるけれど、じっくり楽しく選びたいから。
 そんな彼にくるり、大好きな猫さながら瞳を爛々とさせて、シャトが振り返れば。
「あのさ、お互いをイメージしてインクを選んでみない?」
 選んでみないかと提案してみるのは、互いのもの。
「お互いのイメージか。その提案乗った、楽しそうだ」
 自分のものもいいけれど、きっと相手のことを考えながら選ぶのはもっと楽しそうだし。
 相手がどんなものを選んでくれるかも、わくわくするから。
 そうすぐにこくりと頷いた千鶴に、シャトはふふっと笑む。
 人差し指を口元に当てて――完成するまでは内緒だよ、って。
 そしてシャトは早速、様々な彩りが並んだインク瓶へと視線を巡らせて。
 思い浮かべるいろは、きみと出逢った月の夜のもの。
 月の光が降る中、傍に寄って見れば――瞳に飛び込んできたのは、夜色の髪が纏う艷やかな紫。
 そう……その時にみたものと同じ、凛としたパープルブラック。
 そして、すらりと試しに備え付けの紙にそのいろを走らせてみれば。
 満足気にそっと瞳細める。
 ……ほら、滲んだ部分に宵の紫が染み出してくるんだ、って。
 その艶やかな紫を飲ませる万年筆も、夜のいろ。
 黒曜石を思わせる漆黒の軸に、蓋に煌めく真紅の石。
 そんなシャトと、千鶴も同じ。
 思い浮かべたいろはやっぱり、初めて見たきみのいろ。
 月明かりに咲いた淡花は、紫と薄紅が綺麗に混ざり合って宵に融けていたから。
 レトロな小瓶にそうっと詰めたきみへの彩は――あの時と同じ、美しいいろたちが融け合った葡萄染色。
 それを浸すペンは、きっと物綴るきみは沢山持っていると思うから、と。
 千鶴が手にしたのは、桜花咲く煌めきのもの。
 そして互いに選び終われば……楽しいお披露目と、心躍る交換こ。
「シャトへは珍しい万年筆のが良いかなって。ハーバリウムのガラスペンにしてみたんだ」
 そう渡された煌めく桜を閉じ込めたガラスペンと葡萄染色詰まったインク瓶に、シャトは瞳を輝かせて。
「物書きなのに語彙が無くなっちゃうよ」
 ふふ、嬉しいな、と笑み零しながら紡ぐ。
 ……これで綴る物語はきっと優しい、って。
 そしてシャトも、彼へと選んだいろたちを。
「蓋の部分に真紅の石が嵌っているのはね、きみの耳飾りに少し似ているなって」
「文字を書く度楽しくなりそう。耳飾りとお揃いの万年筆も有難う」
 そんな宵色落とし滲む紫で書きたいと思ったのは。
「折角だからシャトに手紙でも認めようか」
 そう――彼女への手紙。
 選んで貰うのはちょっぴり擽ったいけど。
 そんな自分のいろを見つめながら、千鶴は微笑む。
 ……きみから視える俺が識れて嬉しい、って。
 そしてシャトは貰ったいろを見つめながら、こう呟きを落とす。
「千鶴と桜の世界を巡れるだけで特別な日なのに、こんなに楽しくていいのかな」
 ――心配になってしまうくらいだ、って。
 そんな彼女に、千鶴はふるりと首を振って。
「シャト、未だ楽しいこと待ってるよ」
 もっと特別な日にしちゃおう、って手を差し伸べる。
 だって、心配するにはまだ早いから。まだまだ、楽しいことはこれからもいっぱい。
 そして……さあ、次は古書堂へ、と。
 紡ぎ導く彼に、シャトも頷いて。
 ――うん、活字好きなのも僕らの共通項だもの、って。
 ふたり並んで、今度は活字溢れるひとときを綴りに。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ベル・ルヴェール
【灼熱】

僕は文具に興味はあるがこうして手にする機会はなくてな。
随分と賑わっている。サクラが愛されているのはとても分かるな。
僕もこの世界のサクラはとても綺麗だと思う。

エドガーは羽ペンか。あれはとてもかっこいいと思う。
オリジナルノートも気になる。作ったら僕も何か書こう。
例えば今日のアインの様子とか。
僕の気になったペンはこのガラスのペンだ。
繊細な柄が僕の一族に伝わる物と似ているから親近感がわいた。

なに、アヤカ!インクからサクラの匂いがするのか?!
けどインクは食べれないぞ?そういうインクなのか。
僕もそのインクを買おう。一族の皆も驚くだろうな。
ノートは僕もサクラの柄にしよう。サクラの匂いはするか?


浮世・綾華
【灼熱】

サクラミラージュに桜の季節ってのもあって
どこも桜を象ったもんが多い感じかしら

エドガーは文具がみたんだっけ
日記つけてるって言ってたな
普段はどんなことを書くんだ?ひみつ?
俺らのことも?
(どんなふうに書かれるのか気になるなぁ)
アイン日記
いいねえ、アインの成長の記録だ

桜の万年筆とインクを買おう
桜色のインク――あ、ほんのり桜の香りもする
あはは、香りを楽しむインクなんだろ

鶯のかおり…
ちょっと本気で考えたわ
エドガーは冗談とか言わないイメージだった

折角だからおりじなるのノートも作ろーぜ
ペンとインクも買ったんだし、揃えてーじゃん
練色の表紙に桜を舞わせ――俺も猫の日記でもつけようかなぁ
猫を2匹、歩かせた


エドガー・ブライトマン
【灼熱】
桜の季節というのは、この国にとって特に盛り上がる時期なのかもね
きっとあの花を愛しているひとが多いのだろう

そう、愛用の羽ペンがあるから
インクを買おうかなっておもっている
ううん、全然ヒミツじゃない
その日の出来事とか、おいしかった食べ物の名前とか
今日はベル君とアヤカ君のコトも書こうかなあ

ベル君のガラスのペンとてもキレイだ
私の羽ペンと同じくらいかっこいいよ

私は鶯色のインクにしよう
へえ桜の香りが?私のインクも鶯の香りがするな
フフ、冗談だよ

ノートって自分で作れるんだ。すごいや
こういうのを選ぶのって迷ってしまうんだけれど
なんとなくキレイだと思った浅葱色の表紙
桜色の糸で綴じて
二人の日記も読んでみたいな



 この世界には、年中散ることなく幻朧桜が咲いているのだけれど。
 ひらりと薄紅の花弁踊る春空を仰いだ後。
 浮世・綾華(千日紅・f01194)は、さくらいろの街をぐるりと見回しつつも、ふと紡ぐ。
「サクラミラージュに桜の季節ってのもあって、どこも桜を象ったもんが多い感じかしら」
 何度かこれまで訪れたことのあるこの世界には、いつだって桜の花が咲いているのに。
 何処となく、春を迎えた帝都の街をゆく人達はいつもよりも心躍らせているような気がして。
 開いた花だけでなく、巡らせた視線の先に見える店々にも桜が満開に咲いている。
 そんな綾華の声に、ベル・ルヴェール(灼熱の衣・f18504)もこくりと頷いて。
「随分と賑わっている。サクラが愛されているのはとても分かるな」
「桜の季節というのは、この国にとって特に盛り上がる時期なのかもね」
 エドガー・ブライトマン(“運命”・f21503)が言う様に、馴染み深い花だからこそ、この世界の人達にとって春は特別なものなのかもしれないし。
 青い瞳にも見つめる桜いろを舞わせながら、エドガーはこう続ける。
「きっとあの花を愛しているひとが多いのだろう」
 サクラミラージュの人たちに縁深く愛しい春の訪れを告げる花。
 けれどその花を美しいと思うのはきっと、この世界に在る者だけではない。
 ベルも、はじめて本物を見た桜を改めて見つめ紡ぐ。
「僕もこの世界のサクラはとても綺麗だと思う」
 そんなさくらいろでいっぱいの街をふたりとぶらり歩きながら。
「エドガーは文具がみたいんだっけ」
 エドガーへとそう視線を向ける綾華。
 先程は回転寿司屋で、人気者のマグロも、マグロ以外も、ちゃんと沢山食べられたから。
 おなかが満足した次は、賑やかな街で買い物でもと。
 足を向けてみるのは、話に聞いた、万年筆やインクなどが並ぶという店。
「そう、愛用の羽ペンがあるから。インクを買おうかなっておもっている」
「エドガーは羽ペンか。あれはとてもかっこいいと思う」
「日記つけてるって言ってたな。 普段はどんなことを書くんだ?」
 ……ひみつ? なんて。
 ベルの言葉に続いて、赤の瞳を細めさらに問う綾華に、ふるりと首を横に振るエドガー。
「ううん、全然ヒミツじゃない。その日の出来事とか、おいしかった食べ物の名前とか。今日はベル君とアヤカ君のコトも書こうかなあ」
 みんなで食べた愉快な回る寿司やマグロを食べたことは、是非書き記しておきたいし。
 それに、これから楽しむ事だって全部、日記に残しておきたいものになるだろう。
 そうなれば、エドガーの日記に、綾華やベルが出てこないわけはないから。
 けれど綾華は、そんなエドガーの言の葉に数度瞳を瞬かせてから。
「俺らのことも?」
 心の中でふとそわりと思う――どんなふうに書かれるのか気になるなぁ、って。
 それから、辿り着いた店の中へと入ってみれば、所狭しと並ぶのは沢山の万年筆や色とりどりのインク瓶やノート。
 ベルは興味津々、それらをそっと手にしてみつつも口を開く。
「僕は文具に興味はあるがこうして手にする機会はなくてな。オリジナルノートも気になる。作ったら僕も何か書こう」
 そして日記を書いているというエドガーに倣って、ベルが書いてみようと一番に思い浮かんだのは。
「例えば今日のアインの様子とか」
 まんまるでずんぐりでふかふかな、猫みたいな大きさをしたアインの様子。
「アイン日記。いいねえ、アインの成長の記録だ」
 綾華がそう再び微笑まし気に瞳細める中、ベルはふと見つけたそれに手を伸ばして。
 そっと取った煌めきをふたりにも見せてみる。
「僕の気になったペンはこのガラスのペンだ。繊細な柄が僕の一族に伝わる物と似ているから親近感がわいた」
「ベル君のガラスのペンとてもキレイだ。私の羽ペンと同じくらいかっこいいよ」
 エドガーも自分の羽ペンと同じくらいかっこいいとお墨付きの、輝きと繊細な文様纏うガラスペンを。
 そして綾華が決めたのは、この店イチオシの一品。
「桜の万年筆とインクを買おう」
 春爛漫ないろを湛えた小瓶を手に取ってみれば。ふわり微か漂うのは、春の匂い。
「桜色のインク――あ、ほんのり桜の香りもする」
 その声に、ベルは瞳をぱちくりさせた後、見開いて。
「なに、アヤカ! インクからサクラの匂いがするのか!?」
 そうじいっと綾華の手の中に咲くさくらいろの小瓶を見つめつつも、首を傾ける。
「けどインクは食べれないぞ?」
 そんな様子や言葉に、綾華は思わず笑ってしまって。
「あはは、香りを楽しむインクなんだろ」
「そういうインクなのか」
 もう一度、瓶に詰まったさくらいろを見つめた後、こくりとひとつ頷くベル。
「僕もそのインクを買おう。一族の皆も驚くだろうな」
 そして、そんなふたりの隣で色々吟味していたエドガーが選んだのは。
「私は鶯色のインクにしよう」
 同じ春を思わせる色でも、春をうたい囀る鳥の如きいろ。
 それからふたりの会話を聞いて、こう続ける。
「へえ桜の香りが? 私のインクも鶯の香りがするな」
 そっと鶯色が満ちたインク瓶を近づけて。
 その言葉に、今度は綾華が瞳を瞬かせる番。
「鶯のかおり……」
 桜の香りであれば想像もつくけれど……果たして鶯の香りとはどんなものなのか。
 そう、鶯色のインクをじっと見つめてしまう綾華に、エドガーは悪戯っぽく笑んで返す。
 ……フフ、冗談だよ、って。
「ちょっと本気で考えたわ。エドガーは冗談とか言わないイメージだった」
 綾華は意外そうにそう口にするけれど、新しく発見した彼のお茶目な一面に笑んでから。
 ふたりに、こんな提案を。
「折角だからおりじなるのノートも作ろーぜ。ペンとインクも買ったんだし、揃えてーじゃん」
 それに、今日さらに知ったふたりのことを、そっと書き留めておくのもいいかもしれないから。
「ノートって自分で作れるんだ。すごいや」
 エドガーはその提案に頷き、きょろりと再び店内に視線を巡らせつつ。
(「こういうのを選ぶのって迷ってしまうんだけれど」)
 いくつか目移りしつつも選んだのは……なんとなくキレイだと思った、浅葱色の表紙。
 そんな瑞々しく爽やかな青緑の色合いを綴じる糸は、桜色。
 そして世界で自分だけのノートを作りつつ、エドガーはふたりへと目を向ける。
「二人の日記も読んでみたいな」
 綾華が選んだ表紙の色は、白みを帯びた薄い黄色。そんな練色に桜をひらり舞わせてから。
「――俺も猫の日記でもつけようかなぁ」
 てくてく、ちょこり。猫を2匹、歩かせる。
 ベルもふたりと同じ様に、彩りや柄を選んでみて。
「ノートは僕もサクラの柄にしよう」
 それからふいに、手にした自分だけのそれを顔に近づけて、そうっと嗅いでみる。
 ――サクラの匂いはするか? って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メリル・チェコット
メルちゃん(f05874)

可愛いあなたの手を引いて
繰り出すのはさくらいろの街
どこのお店も桜だらけ!
メルちゃん、すごいねっ

お目当ては桜コスメ
今日はね、わたしがメルちゃんをプロデュース!
いつもと違う雰囲気で、好きな人をドキッとさせちゃおう

メルちゃんは肌が白いから淡い色も似合うよね
桜色のチークなんてどう?
薄紅のルージュもいいなぁ
わ、ほんと?
なら一緒の買っちゃおうかな

ねぇねぇ、この桜コスメ、メルちゃんに試してみてもいい?
……あ、やっぱり!とっても可愛い!
メリルにもいいの?
ふふ、お願いします
嬉しさと楽しさで頬がへにゃり

袋を抱えてうきうき
お揃い!
いいね、探しに行こう!
サクラミラージュらしく簪なんてどう?


メール・ラメール
メリルちゃん(f14836)と

手を引かれてあわあわ
朗らかな彼女の笑顔はどこまでも眩しい
ほんとすごいわ、春爛漫ね

ふたりで桜コスメ探し
アタシの片思いのために選んでくれるの、とっても嬉しいけれどなんだか居た堪れない…!
アタシのアレは、恋だとか愛だとかキレイなものじゃないような、ああ
誤魔化すようにメリルちゃんに似合うコスメ選びに集中
その薄紅のルージュはメリルちゃんにも似合いそうね

メイクしてくれるの?
メリルちゃんの素直な言葉がやっぱり恥ずかしい
後でメリルちゃんにもさせてね?

気付いたら買い物袋がたくさん
でもまだイロイロ気になるから
ねえねえメリルちゃん
せっかくだからお揃いのもの買ってもいいかしら、なんて!



 帝都を春のいろに染め上げる、桜たちに負けないくらいに。
「どこのお店も桜だらけ! メルちゃん、すごいねっ」
 うきうきわくわく、可愛いあなたの手を引いて。
 爛漫に笑顔咲かせるメリル・チェコット(ひだまりメリー・f14836)が足取り軽く繰り出すのは、沢山の店が並ぶさくらいろの街。
 そんな彼女に手を引かれて、あわあわしつつも。
「ほんとすごいわ、春爛漫ね」
 楽し気で朗らかなおひさまのいろを見つめ、そっとつられて笑み零すメール。
 春のひかり纏う髪を揺らしながら、あたたかな陽だまりと舞うさくらのいろを映した双眸……そんな彼女の笑顔はどこまでも眩しい、って。
 そしてふたりが向かうお目当ては、帝都乙女にも大人気の桜コスメの店!
「今日はね、わたしがメルちゃんをプロデュース!」
 ――いつもと違う雰囲気で、好きな人をドキッとさせちゃおう、なんて。
 にぱっと笑みつつも気合十分なメリルに、ぱちくり瞳瞬かせるメール。
 いや、すごく嬉しいのだ。嬉しいのだけれど。
(「アタシの片思いのために選んでくれるの、とっても嬉しいけれどなんだか居た堪れない……!」)
 ……アタシのアレは、恋だとか愛だとかキレイなものじゃないような、ああ、って。
 あわわと色々な思いを錯綜させつつも、頬まで思わずさくらいろに染めながら。
「メルちゃんは肌が白いから淡い色も似合うよね、桜色のチークなんてどう? 薄紅のルージュもいいなぁ」
「その薄紅のルージュはメリルちゃんにも似合いそうね」
 色々と誤魔化す様に、るんるん自分のために彩を選んでくれているメリルに似合うコスメ選びに集中するメール。
 そんな彼女の声に、ぱっと笑み咲かせて。
「わ、ほんと? なら一緒の買っちゃおうかな」
 もう1本、メリルは同じ乙女いろのルージュを取るべく、手を伸ばす。
 けれど似合うのは分かっていても、そわり逸る心は抑えられないから。
「ねぇねぇ、この桜コスメ、メルちゃんに試してみてもいい?」
「メイクしてくれるの?」
 そう訊き返すメールに、メリルはこくり頷いた後。
 すうっと桜ルージュをその唇に引いてあげれば。
「……あ、やっぱり! とっても可愛い!」
 色づくのは、恋も叶いそうなキュートな乙女いろ。
 そんな素直な言葉を聞けば、やっぱり恥ずかしく思ってしまうけれど。
「後でメリルちゃんにもさせてね?」
 そうメールが紡ぐのは、お返しの約束。
 メリルはそんな声に一瞬、瞳をぱちりとさせるも。
「メリルにもいいの? ふふ、お願いします」
 すぐに笑み咲かせて、嬉しさと楽しさで頬がへにゃり。
 だからふたりで、あれはどう? これも可愛い、それ似合うと思う! なんて。
 キャッキャ様々な色やコスメを夢中で選べば――気付いたら、買い物袋がたくさん。
 でもそんな戦利品を抱えて街を歩くことだって、嬉しくてうきうきしちゃうし。
「ねえねえメリルちゃん。せっかくだからお揃いのもの買ってもいいかしら」
 ……お揃い! と、心擽る言葉にメリルは瞳をキラキラ輝かせつつも。
 メールのその手を再び引いて、さくらいろの街へ。
 ――いいね、探しに行こう! って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

硲・葎
ユエさん(f05601)と。
わ、素敵!色んなお店があるね!
せっかく可愛い女の子と来たんだもん。アクセサリーとか、コスメを見てみたいよね。
「ユエさんに似合いそうなのは……あ、この桜色のリップクリームどうかな?香りも優しいし、色も合ってると思うよ」
テスターで試してみたりして、彼女に似合うコスメを選んであげたいな。
私もせっかくだし、同じリップクリームを色違いで買ってみよう!
「ふふ、やっぱりこういうのいいなあ。可愛いって好きな人に思ってもらいたいもんね」
パタパタと恥ずかしそうに手を振り
「想い人と言うか、ちょっと気になってる人はいるけど」
目を逸らして。
ユエさんもいつかそういう人ができたら教えてほしいな。


月守・ユエ
葎ちゃん(f01013)と

コスメのお店に連れてきてもらうと
わぁ…と興味津々にコスメを見つめる
「桜色…僕に似合うかな?
こういうお色、あまり試した事ないから
ちょっとドキドキしちゃうかもっ」
彼女にすすめられるままテスターで色を合わせてみたりする
コスメとか正直疎いから
教えてもらう事がいっぱいだ
葎ちゃんはどんなお色のリップを選んだのだろう?
気になって彼女が手に取った物を覗き込んでみたり
「あら?好きな人?
葎ちゃんには気になる想い人がいるんだね
ふふ、どおりで気合いが入ってるわけだ♪」
恋する乙女かぁ
僕はまだ恋とかした事ないから
純粋に可愛くなりたい彼女の姿は愛らしい
僕?…僕はできるかなぁ
でも…その時は教えるよ♪



 賑やかな春の帝都を彩るのは、春爛漫な品が並ぶたくさんの店々。
「わ、素敵! 色んなお店があるね!」
 硲・葎(流星の旋律・f01013)はそう一通り、ぐるりと視線を巡らせた後。
 ふと目に留まったのは、帝都の乙女たちでいっぱいの店。
 そして隣を歩く月守・ユエ(皓月・f05601)へと目を移しながら。
「せっかく可愛い女の子と来たんだもん。アクセサリーとか、コスメを見てみたいよ」
 わくわくと彼女を促し葎が向かうのは、桜コスメやアクセサリーが並ぶ春色溢れる店。
 そんな桜コスメのお店に足を踏み入れれば、思わず、わぁ……と。
 ユエは声を零しつつ、興味津々に様々ないろをしたコスメたちを見つめて。
 葎は早速、いくつか見繕って探してみることに。
「ユエさんに似合いそうなのは……」
 ユエに一番似合ういろを。
 そして、選んだのは。
「あ、この桜色のリップクリームどうかな? 香りも優しいし、色も合ってると思うよ」
「桜色……僕に似合うかな? こういうお色、あまり試した事ないからちょっとドキドキしちゃうかもっ」
 ほんのり淡く優しい、さくらいろ。
 そんなユエを、鏡の前へと手招きして。
「テスターで試してみようか」
 彼女に似合うコスメを選んであげたいな、って。
 そうスッと艶やかな唇に引いてあげれば。
 色づくのは、満月の瞳と夜を思わせる漆黒髪に咲いた夜桜のいろ。
 そしてすすめられるまま色を合わせてみたりしつつ、ユエはそっと嬉し気に笑み咲かせる。
(「コスメとか正直疎いから、教えてもらう事がいっぱいだ」)
 それからふと思う――葎ちゃんはどんなお色のリップを選んだのだろう? と。
 そう気になっていれば、同時に紡がれる葎の声。
 ――私もせっかくだし、同じリップクリームを色違いで買ってみよう! って。
 それから、乙女いろのリップを見つめながら零れる笑みとこんな言の葉。
「ふふ、やっぱりこういうのいいなあ。可愛いって好きな人に思ってもらいたいもんね」
 そんな彼女の声に、ユエは月のいろをした瞳をぱちりとさせてから。
「あら? 好きな人? 葎ちゃんには気になる想い人がいるんだね。ふふ、どおりで気合いが入ってるわけだ♪」
 ……恋する乙女かぁ、なんて。
 微笑まし気に、隣の葎を見つめながらも思う。
(「僕はまだ恋とかした事ないから、純粋に可愛くなりたい彼女の姿は愛らしい」)
 葎は向けられた視線や言葉に、仄かに頬までさくらいろに染めながらも。
 恥ずかしそうに、手をパタパタ。
「想い人と言うか、ちょっと気になってる人はいるけど」
 そっと、照れたように目を逸らしてしまうけれど。
 ちらりと再びユエへと視線向けてから、こんなお願いを。
「ユエさんもいつかそういう人ができたら教えてほしいな」
 そんな葎に、ユエはこくりと頷いて、約束。
「僕? ……僕はできるかなぁ。でも……その時は教えるよ♪」
 気になる人ができるかは、まだ分からないけれど。
 でもふたりで咲かせるさくらいろの様な恋バナは、きっと楽しいに違いないから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

朱赫七・カムイ
⛩神歌

私達が楽しむこともまた、彼の影朧を救うことにも繋がると信じて同志たる人魚に笑みかける

賑やかな街だね、リル
どんな店にいこうか

折角だからケーキを作る以外に贈り物をしよう
衣類に化粧品は…覗いたが何も分からない
……リルは化粧をしなくても美しいと思われる

リル!見てご覧
綺麗な万年筆とインクがある
そなたは万年筆を、私はインクを選んで共に贈るのはどうだろうか?

そなたなら間違いない万年筆を選ぶだろうと頷いて
インクをつくる
愛しい巫女に相応しい、桜色を

甘くて優しくて少しだけ切なくて
儚く、そして強かな──戀櫻の彩

小瓶の中の戀色の桜を揺らがせる
密やかに朱色の想いをとかし託す

リル、選べた?
之は…見事だね
私も楽しみだ


リル・ルリ
🐟神歌

うん!カムイ!
僕らが楽しむのだって大事なんだから!

ふふー、賑やかさも楽しいね
そうだなぁと色んな店を覗く
お洋服もお化粧も僕はわからないな…絶対、彼が選んだ方がせんすがいいと思う
(見本の口紅をべっとり塗って)
…拭くよ!

わぁ綺麗!
ぺんとインクだ!
カムイ、これにしよう!
僕はペンを選ぶぞ!櫻はいつも筆だから、ペン先がやわこい方がいいのかな?
悩みつつ、美しい桜色に、螺鈿細工の櫻が彩る万年筆を手にとる
これ、きれい
僕の選んだこのペンで、僕にもらぶれたぁを書いて欲しいなぁ、なんて望みがひろがる

これにしたよ、カムイ!
カムイのインク……すごく綺麗だね
甘いのに美しくて強くて…このぺんと一緒にぷれぜんとしよう!



 眼前をゆくのは、さくらいろの街を楽しそうに歩くヤオフーの姿。
 そんな様子をそっと見守りながら、朱赫七・カムイ(約倖ノ赫・f30062)は隣をゆく同志たる人魚に笑みかける。
 ……私達が楽しむこともまた、彼の影朧を救うことにも繋がると信じて、と。
 そして届いた彼の声に、リル・ルリ(『櫻沫の匣舟』・f10762)もこくりと大きく頷く。
「うん! カムイ! 僕らが楽しむのだって大事なんだから!」
 自分達が楽しくすれば、ヤオフーだって、影朧を見て不安に思っている人々だって、みんな楽しくなるだろうから。
 さくらいろに染まった帝都を存分に満喫するべく、街を巡るふたり。
「賑やかな街だね、リル」
「ふふー、賑やかさも楽しいね」
「どんな店にいこうか」
 春の季節を迎えて、より賑やかさを咲かせる帝都をぐるりと見回しつつも。
 カムイは、こんな提案を。
「折角だからケーキを作る以外に贈り物をしよう」
 美味しいケーキを作ってあげられるように、さっきは沢山ばっちり味見したから。
 今度は、ケーキ以外のプレゼントを探すみっしょん!
 そうだなぁと、ふとリルが覗いてみたのは、お洒落な服飾店や桜コスメの店。
 けれど、ふたりそわりと並んで、きょろり視線を巡らせてはみるものの。
「衣類に化粧品は……何も分からない」
「お洋服もお化粧も僕はわからないな……絶対、彼が選んだ方がせんすがいいと思う」
 ふたり、どちらも疎かった。
 むしろリルの言う様に、こういうものを選ぶのは麗しい櫻の彼の方がずっと得意だろう。
 でもふと、リルは目についた見本の口紅を手に取ってみて。
 試しにぺたぺた、べっとり唇に塗ってみるけれど。
 カムイは思わず、朱砂の彩を大きく見開いてから。
 そうっと、リルへと告げる。
「……リルは化粧をしなくても美しいと思われる」
 そして鏡をみてみたリルも、薄花桜の瞳をぱちり瞬かせてから。
「……拭くよ!」
 ごしごしと拭き取って、なかったことにする。
 それからふたり頭を悩ませつつ、再び街をゆけば。
 刹那、カムイの瞳に飛び込んできたのは、様々な客層の人々で賑わう店。
「リル! 見てご覧。綺麗な万年筆とインクがある」
 そこは、帝都でも人気の万年筆やインクがずらり並ぶ店。
 店内に足を踏み入れれば、ふたりを迎えるのは数え切れないほどのいろ。
「わぁ綺麗! ぺんとインクだ!」
 ――カムイ、これにしよう!
 そう向けられたリルの言葉にカムイも同意し、さらにこんな提案を。
「そなたは万年筆を、私はインクを選んで共に贈るのはどうだろうか?」
 その言葉に、ぐっと気合十分、頼もしくリルも頷いて。
「僕はペンを選ぶぞ!」
「そなたなら間違いない万年筆を選ぶだろう」
 ペンは信頼する同志に任せて、カムイはインクをつくる。
 贈るいろは、もう決まっている。
(「愛しい巫女に相応しい、桜色を」)
 甘くて優しくて少しだけ切なくて。儚く、そして強かな──戀櫻の彩を。
 その戀色の桜を小瓶の中へと揺らがせて。
 そして密やかにとかし託して落とすのは、朱色の想い。
「櫻はいつも筆だから、ペン先がやわこい方がいいのかな?」
 リルは彼のいつもの様子を思い返しながらも、うんうん悩みつつ。
「……これ、きれい」
 一目見て心惹かれたいろを手に取ってみる。
 美しい桜色に、螺鈿細工の櫻が彩る万年筆を。
 そして、これにしよう! とわくわく心躍らせながらも、そっと望みがひろがる。
 ……僕の選んだこのペンで、僕にもらぶれたぁを書いて欲しいなぁ、なんて。
「リル、選べた?」
「これにしたよ、カムイ!」
「之は……見事だね」
 丁度声を掛けてきたカムイに、リルはえっへん選んだペンを見せてから。
「カムイのインク……すごく綺麗だね。甘いのに美しくて強くて……」
 小瓶に詰まった戀櫻の彩に瞳を輝かせ、続ける。
 ――このぺんと一緒にぷれぜんとしよう! って。
 そしてふたりで選んだ彼への贈り物を、一緒にくるり綺麗に包んで貰いながら。
 カムイはリルに微笑みを咲かせる。
 ……私も楽しみだ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

飛砂・煉月
差し入れの食べ物を片手に歩けば色んな品
あっは、まだ少し待ち合わせ迄、時間も有るし
一寸だけ寄り道していこっか、ハク

さくらの香水…かぁ
普段は苦手だから避けてるけど
此の香りは好きかも
春に色付く桜みたいに優しく何処までも広がっていく様な
柄じゃないけどお土産に
苦手じゃないとイイなーなんて言いながら
三つの瓶をお買い上げ

あとはもふもふの縫い包み
キーホルダーくらいのサイズ無いかな?
鍵とかスマホに付けれる感じの
種類は犬と猫で
解ってるってハクおまえのもだろ?
…竜はあるかな
とりあえず翼が付いてる子を探して
おまえのはサイズ30cmの一寸大きめの奴ね

さって、そろそろ待ち合わせに行こっか
云わずともチョイスはバッチリでしょ



 さくらいろの街の美味しい物を、ハクと一緒にいっぱい探して見て回って。
 とっておきのものを選んで、差し入れの戦利品を片手に、再び賑やかな帝都を歩けば。
 飛砂・煉月(渇望の黒狼・f00719)の瞳に映るのは、色んな心擽る品たち。
 そして美味しいものを堪能してご機嫌な様子のハクに、もっと楽しいこんな提案を。
「あっは、まだ少し待ち合わせ迄、時間も有るし。一寸だけ寄り道していこっか、ハク」
 そう……持ち掛けたのは、わくわくする寄り道の相談。
 それから、人でいっぱいの店を覗けば、そこは桜コスメの店。
「さくらの香水……かぁ。普段は苦手だから避けてるけど、此の香りは好きかも」
 あまり強い香りは苦手だけれど。
 ふわり漂うそれは、春に色付く桜みたいに優しくて。
 あたたかな春風に乗って、何処までも広がっていく様な香り。
「苦手じゃないとイイなー」
 なんて言いながら……柄じゃないけど、ってお土産に。
 三つの瓶を、お買い上げ。
 それから立ち寄ったのは、たくさんのもふもふぬいぐるみたちが並ぶ店。
「キーホルダーくらいのサイズ無いかな? 鍵とかスマホに付けれる感じの」
 そしていい感じの大きさのものを見つければ、連れて帰るのは、犬さんと猫さん。
 それから何か訴える様なハクに笑って。
「解ってるってハクおまえのもだろ?」
 ……竜はあるかな、って。
 そう視線を巡らせてみれば、竜っぽい翼が付いてる子を発見!
 そんなハクには、特別に。
「おまえのはサイズ30cmの一寸大きめの奴ね」
 おっきいもふもふを!
 それから気付けば、荷物もいっぱいになったけれど。
「さって、そろそろ待ち合わせに行こっか」
 煉月はハクと一緒に、軽い足取りで待ち合わせ場所へ。
 ――云わずともチョイスはバッチリでしょ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フリル・インレアン
ふえぇ、だから、アヒルさん隠れてくださいってば。
はじめてのおつかいはこうしてこっそり後をつけるのがいいんですよ。
あ、ほら古本屋さんに入っていきましたよ。
あっ、ヤオフーさんが見ているのは櫻居先生の本じゃないですか。
私、まだ読んだことのない本ですよ。
ふえぇ、今出ていったら見つかってしまいますし、どうしましょう。
ああ、ヤオフーさんが外に出ていってしまいます。
あの本を買っていたら、ヤオフーさんを見失ってしまいます。
どうか、この仕事が終わるまであの本が売り切れませんように。



 さくらいろの街を、うきうきと歩き回るヤオフ―。
 そしてそうっとその後を追って、引き続き見守る構えのフリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)であるのだけれど。
「ふえぇ、だから、アヒルさん隠れてくださいってば」
 こっそりと尾行する様子もなくガンガン進もうとするアヒルさんを引き留めつつ、必死に言って聞かせる。
「はじめてのおつかいはこうしてこっそり後をつけるのがいいんですよ」
 手助けしてあげるのもいいかもしれないけれど。
 でもやっぱり、自由にさせつつも見守るのがいいと。
 フリルはそう思うのだけれど。
 ツンツンとくちばしで突いてくるアヒルさんに気を取られていれば。
「あ、ほら古本屋さんに入っていきましたよ」
 うっかり、見失うところでした!
 そして彼女を追って古本屋に入りつつも、物陰から様子を窺っていれば。
 刹那、フリルの瞳が大きく見開かれる。
 その視線の先は――ヤオフ―が手に取っている一冊の小説本。
「あっ、ヤオフーさんが見ているのは櫻居先生の本じゃないですか。私、まだ読んだことのない本ですよ」
 サクラミラージュで人気の高いイケメン作家のもの。
 しかもまだフリルが未読のものな上に、先生のサイン付の限定品であったのだ。
 けれど、それを欲しいフリルだけれど。
「ふえぇ、今出ていったら見つかってしまいますし、どうしましょう」
 そして……そうこう悩んでいるうちに。
「ああ、ヤオフーさんが外に出ていってしまいます」
 一通り古本屋を満喫したヤオフ―が店を出てしまう。
 まだ一応、何冊かお目当ての本は残ってはいるのだけれど。
「あの本を買っていたら、ヤオフーさんを見失ってしまいます」
 購入している間に、ヤオフーに置いて行かれるのは明らか。
 だからフリルは、ぐっと今は我慢して。
 街を歩きだした彼女を再びそうっと追いつつも祈るのだった。
 ――どうか、この仕事が終わるまであの本が売り切れませんように、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

東雲・円月
解っていたけれど、いやァ、周りはカップルが多いですねェ。

……ヤオフーさんと少し回りますか。
あっあー、怪しい者ではございませんよォ?
いや、ちょっと怪しいか、怪しいかも。でも大丈夫ですよ。

あ、フリーマーケットですねェ。
ここは色んな物が売られていて、面白いんですよねェ。
ほら、例えばこういうの。
春っぽい桜色のショール。買ったけど使わなかった系です。良くあります。
折角だし買ってあげましょうか。
フリーマーケットはものがとにかく安いので、お気兼ねなくって感じです。
きっと似合いますよ。かわいいですしね、貴方。

あ、この首飾りいいな。素朴で。
個人的に買っておこうかな。使いやすそうだし。
女の子にも似合いそうだし。



 ロングヘアー靡かせた可愛い帝都乙女と、ある意味甘く美味しい時間を過ごして。
 がっつりと、お一人様焼き肉食べ放題だって存分に満喫した後。
 再びさくらいろの街を歩き出した、東雲・円月(桜花銀月・f00841)であったが。
(「解っていたけれど、いやァ、周りはカップルが多いですねェ」)
 賑やかな街を仲良く歩いているのは、やはり心なしかカップルの姿が多め。
 まぁひとりも気侭であるし、帝都乙女にまた声を掛けるのも良いのだけれど。
 ふと円月の瞳に入ったのは、ぴこぴこゆらりとと狐耳や狐尻尾を揺らしながら歩いている一人の少女の姿。
 おなかもそれなりに満ち足りたし、一応依頼を請けて此処にいることもあるし。
(「……ヤオフーさんと少し回りますか」)
 円月はきょろりと街を見回しているヤオフ―へと声を掛けるけれど。
「ヤオフーさん、よかったら俺と一緒に少し回りませんか……あっあー、怪しい者ではございませんよォ?」
『……!?』
 驚いたように耳をぴこっと立てて振り返った彼女へと、笑んでみせるけれど。
「……いや、ちょっと怪しいか、怪しいかも。でも大丈夫ですよ」
『ううん、声かけられてちょっぴりびっくりしただけだよ』
 何とかヤオフ―の警戒も解けた模様……?
 そして並んで歩いていたふたりが通りかかったのは、街の広場。
「あ、フリーマーケットですねェ。ここは色んな物が売られていて、面白いんですよねェ」
『ふりーまーけっと? おもしろい?』
 そうこてりと首を傾けるヤオフ―に、ええ、と頷いてから。
「ほら、例えばこういうの」
 円月が手にしたのは、春らしい彩り纏う桜色のショール。
 この季節になると欲しくなって、つい買ってしまうような一品であるが。
「買ったけど使わなかった系です。良くあります」
 結局は箪笥の肥やしとなってしまうような、あるあるなもの。
『わぁ、きれい!』 
「折角だし買ってあげましょうか」
 いいの? と自分を見上げるヤオフ―にこくりと頷く円月。
「フリーマーケットはものがとにかく安いので、お気兼ねなくって感じです」
 値札を見れば案の定、この金額では普通は買えないような破格のお値段。
 買ってすぐ箪笥に仕舞われっぱなしだったのか、状態も良いものであったので。
「きっと似合いますよ。かわいいですしね、貴方」
『えへへ、ありがとう!』
 買ってあげた桜色をふわりと巻いてあげて、円月は笑んで告げる。
 思った通りかわいいですね、なんて。
 それから、ほわほわ喜んでショールを春風に靡かせている彼女から、ふと視線を再び並ぶ商品へと移してみれば。
「あ、この首飾りいいな。素朴で」
 ……個人的に買っておこうかな。使いやすそうだし、と。
 ふと手に取ったのは、桜がそっと咲いた素朴な印象のペンダント。
 それもお買い上げしつつ、円月は藍色の瞳を細める――女の子にも似合いそうだし、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シホ・エーデルワイス
【KOR】

櫻居先生の本は私も興味があります

クロムさんが挙げた作品は
短編集『桜ノ匣庭』に収録されている小説ですね?

有士郎さんもですか
ええ
聞いた話ですが『蛍の迷ひ路』が恋愛の末に心中する話しです
折角ですし買って読んでみます
(どんな恋愛を経てラストはどんな美しい心中に至ったか概要希望)

…禁断の恋か…


都月さんは文字よりも色々な絵が載っている本が好きなのでしょうか?


ぬいぐるみ…
戦いに身を置く私には不要と思っていたが
恋人の顔が過り
【救園】の置物に良いかもと思い直し私と恋人の妖狐に似た物を作る
実は可愛いモフモフ大好き


クロムさん
ヤオフーさんのぬいぐるみにこれも付けて良いかしら?
桜色のショールと私の髪の花を挿す


クロム・エルフェルト
【KOR】 有士郎さんの声に狐耳をぴここっ
酒壺、私も欲しい。
時機が合ったら、今度お供させて欲しいな。

本屋さんで手にした、桜柄が綺麗な装丁の2冊
『帝都学園殺人事件』と、『桜雪ミステリ-トレイン』
べすとせらぁ、お薦めって書いてあったからきっと面白い筈
(後日、強烈なデジャブに陥る模様)

高級寝台列車の冊子で見かけたぬいぐるみのお店
『お好みぐるみ』を見に行ってみる
髪、服、耳に尻尾
自由に組み合わせができるんだね
黒い尻尾が三本と……黒い耳
孔雀色の服を着せれば
ん。ヤオフー、出来た。
シホさんの飾りつけ?
勿論。むしろ、私からお願いしたい。
完成した人形をヤオフーに渡そう

皆に似たのも作って
ランダムに渡してみよう、かな


織銀・有士郎
【KOR】
さて、こういった所なら良い酒壺とかありそうだが……ん、クロムも興味あるのか?
まぁヤオフーは子供っぽいし、別の機会に改めるかな。

そいやヤオフーは櫻居・四狼の本が好きだったな。
この作家関連で「一度命を絶て」とか妙な依頼に関わったことはあるが、どんな本を書いているのか興味あるな。
都月も本が好きみたいだし、まずは本屋に行ってみるか。

ヤオフーのお勧めは何かあるか?
シホは恋愛ものか……この人、そういったジャンルも書くのな。
べすとせらぁの作品も妙なリアリティがあって面白そうだ。
とりあえず色々買って後で読むかね。

ぬいぐるみの店は……まぁ酒吞みには不釣り合いか。
楽しむ皆を静かに眺めているとしよう。


木常野・都月
【KOR】

本屋だ!(尻尾ぶんぶん)
ほら、俺、文字覚えたのってつい最近なんで、楽しいんです。
といっても、まだ難しい本は読めないんですけどね。

図鑑も人や世界の事がいっぱい載ってて飽きない。

俺が読めそうな子供向けの本とかあるかな……。

ポチ公物語……。
(パラ)犬の話かな?
……うん、これ面白そうだ。
これ買ってきます!

皆は……(うわ。難しそうな本読んでる)。

クロムさん達と一緒にぬいぐるみを見に行こう。

皆組み合わせて、可愛いのを作ってる。

俺も……。
なんだろう、キマイラみたいな…。
でも愛嬌があって可愛いかも。
チィ、どうだ?可愛いだろ?
あ……大丈夫、チィの方が可愛いから!
まった、ぬいぐるみに攻撃はダメだ!



 さくらいろの街を行き交う人たちが楽しんでいるのは、何もグルメだけではない。
 だって帝都には、色々なものがたくさんあるから。
 買い物もまた、お楽しみのひとつ。
「さて、こういった所なら良い酒壺とかありそうだが」
 甘い物を堪能し、茶で口直しも兼ねて一服し終えた後。
 賑やかな街を見合し言った織銀・有士郎(織りなす銀の一振り・f17872)の声に、狐耳がぴここっ。
「酒壺、私も欲しい」
「……ん、クロムも興味あるのか?」
 ぶんぶん尻尾も揺らしながら瞳を輝かせるクロム・エルフェルト(縮地灼閃の剣狐・f09031)であるけれど。
 きょとりとしているヤオフ―に目を向け、有士郎は続ける。
「まぁヤオフーは子供っぽいし、別の機会に改めるかな」
 一応今は、請け負った依頼を遂行中でもある身。
 ヤオフ―が街を楽しめるように。
 なので、今日のところは彼女に合わせ、良い酒壺探しはお預けだけれど。
「時機が合ったら、今度お供させて欲しいな」
 どうせなら依頼などではない機会にゆっくり探したいから、それはまたのお楽しみに。
 とりあえず、ヤオフ―が好きそうなところへと行ってみることにするけれど。
『あそこのお店にいってみたいな』
 そうヤオフ―が指差した店を見て、狐耳がぴここっ。
「本屋だ!」
 尻尾ぶんぶん、思わず声を上げるのは、木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)。
 それから皆と共に、再び歩き出したヤオフ―を追いながら、都月は嬉しそうに続ける。
「ほら、俺、文字覚えたのってつい最近なんで、楽しいんです」
 野生の狐さんだった都月が文字を覚えたのは最近だから、まだ難しい本は読めないのだけれど。
 でも、覚えたてだからこそ、本を読むのが今、彼にとってとても楽しいのだ。
「そいやヤオフーは櫻居・四狼の本が好きだったな。都月も本が好きみたいだし、まずは本屋に行ってみるか」
 有士郎はそう足取り軽く本並ぶ店へと向かうヤオフ―や都月に続いて、歩みを進めて。
 訪れた本屋で、クロムはふと桜柄が綺麗な装丁の本をその手に取る。
 その本のタイトルは『帝都学園殺人事件』と『桜雪ミステリートレイン』。
「べすとせらぁ、お薦めって書いてあったからきっと面白い筈」
「クロムさんが手にしている作品は、短編集『桜ノ匣庭』に収録されている小説ですね?」
 ……櫻居先生の本は私も興味があります、と。
 そう続けたシホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)に、有士郎も頷く。
「この作家関連で「一度命を絶て」とか妙な依頼に関わったことはあるが、どんな本を書いているのか興味あるな」
「有士郎さんもですか」
 シホが有士郎に返せば、ヤオフ―も、わたしも! と手をあげて。
『わたしね、いっぱい先生の本、読んでるよ! だって、外には出られなかったから。どのお話知ってる?』
「ええ、聞いた話ですが『蛍の迷ひ路』が恋愛の末に心中する話のようですね」
『そうだよ! きれいだけど、切ないお話だよ』
 そんなヤオフ―の話を聞いたシホは『蛍の通い路』の本を手に取って。
 ……折角ですし買って読んでみます、と紡ぎつつも、裏表紙に載っているあらすじに目を通してみる。
 帝都から離れた山奥で小さな旅館『蛍灯庵』を営む女性が恋に落ちたのは、度々宿を訪れる宿泊客。
 そしてふたりは恋に落ち、彼は蛍が舞い遊ぶ路を通って彼女へと足しげく通うのだけれど。
 実は彼は帝都で権力を持つ華族の跡取り息子であり、望まぬ婚約者がいた。
 そう……ふたりが落ちたのは、身分違いの禁断の恋。
 さらに、ふたりの恋を知った彼の父や婚約者の策略で、ふたりは引き離されかけるけれど――。
「……禁断の恋か……」
 ぽつりと呟きを落とすシホ。
 この話の存在を初めて知った時の、自分を思い出して。
 そして本の裏表紙には、ネタバレになるからそこまでしか書いていなかったけれど。
 後で、シホは本を読んで知る事になる。
 恋に落ちたふたりは蛍と桜花弁舞う中、手を繋いだまま。互いに毒を含んだ唇を合わせて心中をはかったことを。永遠に共にあることを、誓いながら。
「シホは恋愛ものか……この人、そういったジャンルも書くのな。ヤオフーのお勧めは何かあるか?」
 有士郎はシホの手にした本に目を向けながらも、そうヤオフ―に聞いてみれば。
『やっぱり、短編集『桜ノ匣庭』は名作がたくさんだからおもしろいよ! べすとせらぁのものばかりだし』
「べすとせらぁの作品も妙なリアリティがあって面白そうだ。とりあえず色々買って後で読むかね」
「べすとせらぁはきっと面白い筈」
 もう一度そうこくこく頷くクロムだが、今の彼女は知らない。
 買ったべすとせらぁを読んだ後日、強烈なデジャブに陥ることを。
 それからシホはふと、楽し気に見つけた本を開いている都月へと視線を向ける。
「都月さんは文字よりも色々な絵が載っている本が好きなのでしょうか?」
 そんな彼が見ているのは、人や世界の事がいっぱい載っていて飽きない図鑑。
 それから図鑑も面白いけれど、ぐるりと周囲を見回してみて。
「俺が読めそうな子供向けの本とかあるかな……」
 瞳に飛び込んできた一冊の本を手に取って、パラリと捲ってみる。
「ポチ公物語……。犬の話かな?」
 そして、こくりと頷いて決める。
「……うん、これ面白そうだ。これ買ってきます!」
 そうるんるんと会計に向かわんとする都月は、皆は……と、ちらり見てみれば。
(「うわ。難しそうな本読んでる」)
 まさか大きなプリンに何度も下敷きになっていたあの人が書いた本だとは、思わずに。
 それから皆それぞれ、気になる本を購入してから。
 本屋を出て、次に向かうのは……クロムが、高級寝台列車の冊子で見かけた時から気になっていた店。
 その名も、『お好みぐるみ』。
「髪、服、耳に尻尾。自由に組み合わせができるんだね」
 それは、自分が好きなぬいぐるみが作れる店。
 早速、クロムは作ってみることに。
「黒い尻尾が三本と……黒い耳、孔雀色の服を着せて……」
 ――ん。ヤオフー、出来た、って。
『わあ! わたし?』
 そうきゃっきゃ喜ぶヤオフ―だけど、これだけではなくて。
「クロムさん、ヤオフーさんのぬいぐるみにこれも付けて良いかしら?」
「シホさんの飾りつけ? 勿論。むしろ、私からお願いしたい」
 クロムお快諾をうけたシホが、ふわりヤオフ―ぐるみに纏わせたのは、桜色のショールと髪に咲くエーデルワイスの花。
 そして完成した人形をヤオフーに渡せば、ぱあっと綻ぶ笑顔。
 そんなヤオフ―の様子を見届けてから、シホはふと周囲を見回しつつも呟きを落とす。
「ぬいぐるみ……」
 戦いに身を置く自分には不要だと思っていけれど。
 シホもぬいぐるみを作ってみることに。
 救園の置物に良いかもと思い直したし……何より、恋人の顔が過ったから。
 自分と妖狐の恋人に似た、可愛くてモフモフな子たちを。
「皆組み合わせて、可愛いのを作ってる」
 都月もそうクロムやシホの様子を見て、俺も……とやってみることにしたけれど。
(「なんだろう、キマイラみたいな……。でも愛嬌があって可愛いかも」)
 色々と組み合わせて作ってみたぬいぐるみを、じいっと見つめた後。
「チィ、どうだ? 可愛いだろ?」
 そう、精霊のチィに見せてみたのだけれど。
 チィ、と鳴いたその声は……何だか少し拗ねてる?
「あ……大丈夫、チィの方が可愛いから!」
 それに気づいて、都月は慌てて続けるけれど。
 ――まった、ぬいぐるみに攻撃はダメだ!
 尻尾でぶんっと、チィがぬいぐるみに攻撃を……!?
「ぬいぐるみの店は……まぁ酒吞みには不釣り合いか」
 有士郎はそう、楽しむ皆を静かに眺めていたけれど。
 ふと目が合ったのは、たぬきのぬいぐるみ。
 クロムはそれぞれ楽しむ皆を、ぐるりと見回してから。
 もう一度パーツの並んだ棚へと視線を巡らせながら、こんな楽しい目論見を。
 ――皆に似たのも作って、ランダムに渡してみよう、かな、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

終夜・凛是
セラ(f12222)と

あいつもお腹いっぱいなったかな
次は買い物?
フォトフレーム、きっといいのがある
色んな物ならんでるな…
でもどこに行けばいいのか多すぎて迷う
セラ、気になる店とかあるか?
あっち?うん、いいよ、行こ

綺麗なものがいっぱいある
万年筆、これは不思議な事は何もおこらない普通のか
セラ、楽しそうと瞳細めつつ、フォトフレームと探す
普通の木枠の物を手に取るけれど、ちょっと物足りない感じでそっと戻し

セラが手にしたフォトフレームを目に
蝶も飛んでて、桜一杯はこの世界っぽい
この世界で撮った写真を飾るには良さそうと自然と尻尾を揺れる

それ、ふたつある?
ふたつあるならそれにしよ

お揃い、と言っていいのかは迷って


セラフィム・ヴェリヨン
凛是さま(f10319)と

今度はお買い物ができる場所なのですね
ここならフォトフレームも見つけられるかしら
お付き合い頂けますか?

ヤオフーをそっと見守りながら
ふわり風が運んできた桜の薫りが気になって
凛是さま、あちらへ行ってみませんか?

呼ぶのはレトロな小物店
練香水や桜色の万年筆なんかも愛らしくて
ついつい目移りしてしまう
そうね、これは普通のペンみたい、と
いつかの筆選び思って微笑み

あ、これ
とてもきれい
ステンドグラス地に桜が咲いて
繊細な蝶の飾りもうつくしい

凛是さま、これなんていかがでしょう?

買うなら同じものを2つ
お友達記念に
お揃いで、とこそり唇だけに乗せて
写真出来たら渡しに行きますから
お茶でもしましょうね



 さくらいろに満ちた街を、再び歩き出したヤオフ―。
 そんな彼女の様子をちらりと見つつ、終夜・凛是(無二・f10319)は思う。
(「あいつもお腹いっぱいなったかな」)
 けれどご機嫌に揺れる尻尾を見れば、聞かなくても美味しい物をたくさん食べて嬉しそうなのがわかるから。
「……次は買い物?」
 凛是はそう、賑やかな街を見回してみて。
「《今度はお買い物ができる場所なのですね。ここならフォトフレームも見つけられるかしら》」
 セラフィム・ヴェリヨン(Trisagion・f12222)は隣に並ぶ彼へと、電子音声に乗せたお願いを。
 ――お付き合い頂けますか? って。
 それにこくり、凛是は頷く。フォトフレーム、きっといいのがある、と。
 けれど、こんなに物が沢山あれば、良いフォトフレームもあるだろうが。
(「色んな物ならんでるな……でもどこに行けばいいのか多すぎて迷う」)
 どこに売っているか、探す店を選ぶのも迷ってしまうから。
 ヤオフーをそっと見守っている彼女へと凛是は訊ねてみる。
「セラ、気になる店とかあるか?」
 セラフィムはその声にふと顔を上げてから。
「《凛是さま、あちらへ行ってみませんか?》」
 そう彼と一緒に、街を歩き出す。
 海色の髪を躍らせる春風がふわり運んできた、桜の薫りが気になったから。
「あっち? うん、いいよ、行こ」
 そしてセラフィムと共に、凛是が春風に呼ばれたのは――レトロな小物店。
 並ぶのは、優しい春を思わせる練香水や桜色の万年筆。
 そんな愛らしいいろたちに、セラフィムはついつい目移りしてしまって。
「……綺麗なものがいっぱいある」
 そうぽつりと呟きを落としながらも、ふと凛是が手に取ってみたのは万年筆。
 万年筆は、こうやってつい最近手に取ったことがあるのだけれど。
「万年筆、これは不思議な事は何もおこらない普通のか」
 ふとその時の連れをそうっと真似て、さくら、って書いてみたものの。
 綺麗ないろのインクが文字を綴っただけだったから。
 そんな彼の言葉や姿に、微笑むセラフィム。
「《そうね、これは普通のペンみたい》」
 いつかの楽しい魔法の筆選びを思って。
 それから色々と覗き込んでみたり、手に取ってみたりしている彼女を見て。
(「セラ、楽しそう」)
 凛是はそう瞳細めつつも、お目当てのものを探す。
 そう……セラとアザラシまんと一緒に撮った写真を入れる、フォトフレームを。
 それから、見つけた普通の木枠の物を手に取って、じいっとみるけれど。
 ……ちょっと物足りない感じ、ってそっと戻してみる。
 そんな時、耳に届いた言の葉。
「《あ、これ……とてもきれい》」
 その声に、凛是は振り返って。
 彼女が持っているそれを見遣れば、お耳もぴこり。
 ステンドグラス地に咲いた満開の桜に戯れているのは、繊細な蝶の飾りたち。
「蝶も飛んでて、桜一杯はこの世界っぽい」
 ゆうらり自然と尻尾も揺れるくらい――この世界で撮った写真を飾るには良さそう、って。
「《凛是さま、これなんていかがでしょう?》」
「それ、ふたつある? ふたつあるならそれにしよ」
 きっといいのがあるって、そう思った通りに。
 ふたつ同じ物を手にした凛是は、ちょっぴりだけ一瞬迷う……お揃い、と言っていいのかは。
 そして、セラフィムも。
「《買うなら同じものを、お友達記念に》」
 こそり唇だけに乗せる……お揃いで、と。
 そんなふたつの桜満開なフォトフレームをレジへと持っていきながら。
 セラフィムは電子音声に乗せて、凛是とこんな約束を。
 ――写真出来たら渡しに行きますから、お茶でもしましょうね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

狐煌・詩雲
鵺宵(f30417)と

私、ヤオフーのこと気に入っちゃったわ。可愛いんだもの
あの子を誘ってアクセサリーショップに行きましょ

へえ、色々なアクセサリーがあるわね
欲しいものは特に決めてないけど……
こうして三人で色々見るのも楽しいじゃない?

見てちょうだい、ここは組紐を使ったアクセサリーが並んでるみたい
可愛いわねえ
これなんてヤオフーに似合うんじゃない?
桜色の組紐で出来たピンキーリングよ
左手小指にはめる指輪は願いを叶えるおまじない
あんたが今日を楽しく過ごせるように、私からプレゼントしてあげる
遠慮せず受け取りなさいな

あら?
鵺宵も何か買ったのかしら?
大事そうに何かをしまっていた気がするけれど
ちょっと気になるわね


村瀬一・鵺宵
狐煌さん(f30620)と

ヤオフーさんを誘ってですか
きっと彼女も喜ぶと思いますよ

本当に色々ありますね
狐煌さんは、何か欲しいものはあるんですか?
ふふ、そうですね

組紐ですか、桜モチーフや春らしい色のものも多いですね
可愛らしい指輪で、確かにヤオフーさんに似合いそうです
狐煌さん、とても楽しそうですね。ヤオフーさんも楽しんでいるでしょうか
お二人の笑顔が見られれば、僕も温かい気持ちになりますよ

ああ、そうだ
内緒で狐煌さんへの贈り物を買っていきましょう
バレンタインのお返しを選びたいと思っていたので
この桜の花飾りがついた組紐ブレスレットが素敵ですね、これにしましょう
後でお渡しするので、大事に鞄にしまっておきます



 甘くて美味しい桜尽くしを、沢山一緒に古民家カフェーで楽しんだけれど。
 一旦は別行動をしたものの、やっぱり狐煌・詩雲(牡丹一華《紅》・f30620)はその姿を探してみる。
「私、ヤオフーのこと気に入っちゃったわ。可愛いんだもの」
 今度は買い物をしたいと、帝都の街を彷徨っているヤオフ―の姿を。
「あの子を誘ってアクセサリーショップに行きましょ」
「ヤオフーさんを誘ってですか。きっと彼女も喜ぶと思いますよ」
 詩雲の言葉に頷いて、村瀬一・鵺宵(奇談ヲ求ム者・f30417)も周囲に視線巡らせてみれば。
 きょろりと興味津々ひとりで歩いているヤオフ―を難なく発見。
 一緒にと誘えば、お耳と尻尾をぴこぴこゆらゆら、嬉しそうに頷くから。
 また3人で一緒に向かうのは、帝都でも人気のアクセサリーショップ。
「へえ、色々なアクセサリーがあるわね」
「本当に色々ありますね。狐煌さんは、何か欲しいものはあるんですか?」
 そんなさり気なく訊ねた鵺宵の声に、詩雲は微か首を傾けてからこう答える。
「欲しいものは特に決めてないけど……こうして三人で色々見るのも楽しいじゃない?」
 そして……ふふ、そうですね、と笑む彼とヤオフ―へと声を掛ける。
「見てちょうだい、ここは組紐を使ったアクセサリーが並んでるみたい。可愛いわねえ」
「組紐ですか、桜モチーフや春らしい色のものも多いですね」
 鵺宵の言葉を聞きながら、詩雲は並ぶ組紐のアクセサリーたちをじっと見つめ吟味して。
「これなんてヤオフーに似合うんじゃない?」
 ふと手にしたのは、小さな円環。
『すごくちっちゃい指輪だね?』
「可愛らしい指輪で、確かにヤオフーさんに似合いそうです」
「桜色の組紐で出来たピンキーリングよ」
 そして詩雲は、きょとりとするヤオフ―の手を取ると。
 ――左手小指にはめる指輪は願いを叶えるおまじない。
 そう、桜のいろを咲かせた指輪を、彼女の左手の小指にスッと嵌めて。
「あんたが今日を楽しく過ごせるように、私からプレゼントしてあげる」
 ……遠慮せず受け取りなさいな、って。
『わぁ、かわいい! ありがとうっ』
 たのしくすごせるかな、なんて、えへへって笑うヤオフ―も勿論だけど。
 鵺宵はヤオフーが楽しんでいる様子を見た後、そっと瞳を細め思う。
(「狐煌さん、とても楽しそうですね」)
 ……お二人の笑顔が見られれば、僕も温かい気持ちになりますよ、と。
 それからふと――ああ、そうだ、と。
 鵺宵は、他にも楽しそうにアクセサリーを眺めているふたりと、ちょっぴりだけ店内で別行動を。
 選びたいと思っていたものをこっそり買うために。
(「内緒で狐煌さんへの贈り物を買っていきましょう」)
 それは秘密のバレンタインのお返し。
 そして並ぶアクセサリーの中からひとつ、目に留まったものを手に取ってみる。
(「素敵ですね、これにしましょう」)
 桜の花飾りが咲いた、組紐ブレスレットを。
 それからそっと会計を済ませ、大事に鞄にしまっておく鵺宵。
 後で渡す、その時のために。
 けれどそんな彼の様子に気が付いて。
「あら? 鵺宵も何か買ったのかしら?」
 詩雲はそう、不思議そうに呟くけれど。
 大事そうに彼がしまったそれが何かまでは、見えなかったから。
 もう一度首を傾けてから思うのだった――ちょっと気になるわね、って。
 でもそれが何かは……まだもう少しだけ、詩雲には内緒。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

乱獅子・梓
【不死蝶】
訪れたのはメンズ向けのアクセサリーショップ
おぉ…綾の目がいつもに増してキラキラしている
普段からじゃらじゃらアクセサリつけてるもんな
でも俺も同じ男として見ていてそれなりにテンションが上がる

ふと、目にとまったアクセサリにビビッと来て
これ、綾に似合うんじゃないか?
見つけたのは蝶の模様が掘られたシルバーリング
綾といえばやっぱり蝶
これくらいシンプルなデザインなら
どんな服装にも合うんじゃないかと思って

桜模様のリング…意外なチョイスだな
きっと自分では選ばなかったであろうデザイン
でも綾が選んでくれたのなら
何だかとても良い物に思えてきた

ところで、俺も綾もシルバーリングって
ある意味ペアリングでは…?(照


灰神楽・綾
【不死蝶】
そろそろ新しいアクセ欲しいと思ってたんだ
リングにブレスレットにイヤーカフに…
あれもいいなぁこれもいいなぁと目移り

わぁ…いいねコレ、気に入っちゃった
蝶のデザインが素敵なのはもちろんだけど
梓が俺の為に選んでくれたというのが嬉しい
即お買い上げ决定

それじゃあ俺も梓に合うアクセサリー選んであげるね
梓ならやっぱりドラゴンのリングやペンダント?
でもちょっと派手過ぎるかなー…
色々と悩んだ末に選んだのは
桜の模様が掘られたシルバーリング
偶然にも梓が俺に選んでくれた蝶のリングの隣に置かれてた
この世界にも、今の季節にもぴったりなデザイン
桜って女性的なイメージだけど
これなら梓でもつけやすいかなって



 春のお出掛け日和である帝都で、回る寿司をおなかいっぱい食べた後は。
 腹ごなしも兼ね、街を巡ってお買い物。
 灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)はうきうきと、足を運んだ店の中を見回して。
「そろそろ新しいアクセ欲しいと思ってたんだ」
 あれもいいなぁこれもいいなぁと目移りする。
 リングにブレスレットにイヤーカフに……やって来たのはそう、メンズ向けのアクセサリーショップ。
(「おぉ……綾の目がいつもに増してキラキラしている」)
 店を訪れた瞬間、早速色々手に取ってみては悩むその姿を、乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)は微笑ましく見守りながらも。
(「普段からじゃらじゃらアクセサリつけてるもんな」)
 そう納得しつつも、ぐるりと並ぶ商品へと視線を巡らせてみる。
 綾も楽しそうだけれど……でも俺も同じ男として見ていてそれなりにテンションが上がる、って。
 それから、眺めていた視線がふととまって。
「これ、綾に似合うんじゃないか?」
 伸ばした手に取ってみたのは、ビビッときた、蝶の模様が彫られたシルバーリング。
 ――綾といえばやっぱり蝶、ってそう思うし。
「これくらいシンプルなデザインなら、どんな服装にも合うんじゃないかと思って」
 仰々しくないデザインは合わせやすく、普段使いもできそう。
 そんな差し出された銀の蝶舞う指輪を見つめ、綾は思わず声を上げる。
「わぁ……いいねコレ、気に入っちゃった」
 自分といえばと言ってくれた蝶のデザインが素敵なのは、もちろんなのだけど。
 ……梓が俺の為に選んでくれたというのが嬉しい、って。
 そう蝶のシルバーリングを受け取って嵌めてみれば、もう即お買い上げ决定!
 けれど、選んで貰うだけではなくて。
「それじゃあ俺も梓に合うアクセサリー選んであげるね」
 綾は、梓に似合うものを探すべく、再びアクセサリーならぶケースを見て回って。
「梓ならやっぱりドラゴンのリングやペンダント? でもちょっと派手過ぎるかなー……」
 いくつかドラゴンがあしらわれたものを手にしてみるけれど。
 格好良いものの、ちょっと攻めているゴツゴツなデザインのものが多め……?
 そして色々と悩みまくった末、綾が梓へと選んだのは。
 偶然にも梓が選んでくれた蝶のリングの隣に置かれていた、この世界にも、今の季節にもぴったりなデザイン。
 彫られた桜の模様が咲く、シルバーリング。
「桜って女性的なイメージだけど、これなら梓でもつけやすいかなって」
「桜模様のリング……意外なチョイスだな」
 きっと自分では選ばなかったであろうデザインを、まじまじと梓は見つめながらも思う。
 何だかとても良い物に思えてきた、って。
 だって、綾が選んでくれたものなのだから。
 そしてそっと嵌めてみた後、互いに選び合ったリングをした手を並べてみれば。
 梓はふと、こんなことを思ってしまう。
(「ところで、俺も綾もシルバーリングって」)
 ――ある意味ペアリングでは……? なんて。
 何気に照れつつも、にこにこ嬉しそうな隣の綾を見た後。
 何故かそっと、零の様子を窺う様に見遣りながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

城野・いばら
類と/f13398

食べ歩き楽しかったね
知らない食べ物も、味もいっぱい知れて
春らんらんだわ
いばらのお願い、叶ったから
次は類のお買い物なのよ

万年筆屋さん?
独りならご縁なかっただろう、品あるその場所
並んだイロや書く物の珍しさに、わぁと小さく溢し
ううん、いばらは羽ペンを使ってて…
専門のお店なら羽や硝子のもあるかしら?
かわいい便箋とかも…
ヤオフー見かけたら一緒に探そうってお誘いしちゃう

類のお目当てはあったかな
作るその様子に、重ねるイロが気になるけれど
もう良いよの合図までは
お邪魔しないようそっと眺め、楽しみに

世界で一つのあなたに逢えたら、こんにちはを
お名前…うん、聞かせてほしいな
桜イロの似合う貴女見つめて


冴島・類
いばらさん(f20406)と

いい具合にお腹も膨れましたねえ
お買い物…なら、お言葉に甘え
お付き合いをお願いして

向かうは万年筆のお店
インクを作るって楽しそうで
こんなに沢山から選んで
混ぜたら世界で一つの色になるんだって
いばらさんって、万年筆お持ちです?
ふむ…あ、硝子のぺんもみたいな
あればどちらも一本後で買おう

物珍しそうな姿に笑い、色を選ぶ
折角だと二人の横顔を見つめ企んで

白は混ぜる中にはないかな?
雪の名をつけられた薄い青か、明るい緑を一色目に
二色目は…ヤオフーと歩いた今日から桜色
三色目は黄色系を少し
色味混ぜる際は真剣に

出来れば、ご覧と手招き
名前はヤオフーにつけてとお願いしてみようかな
今日からできた色だ



 帝都の街には、はじめてのものが沢山。
 さくらいろの甘いお魚に、お裾分けして貰ったパンダ君。
 ヤオフ―とも一緒に、いっぱい美味しいものを分け合って。
 城野・いばら(茨姫・f20406)は、春らんらん。
 だって、たくさん知れたから。
「食べ歩き楽しかったね」
 知らない食べ物も、味もいっぱい。
「いい具合にお腹も膨れましたねえ」
 そして隣でこくりと頷く冴島・類(公孫樹・f13398)に、いばらはこう紡ぐ。
「いばらのお願い、叶ったから。次は類のお買い物なのよ」
「お買い物……なら、お言葉に甘えて」
 類は嬉しい彼女の申し出に、お付き合いをお願いして。
 気になっている店へと向かって、さくらいろの帝都を歩き出す。
「インクを作るって楽しそうで」
 話に聞いていた、万年筆とインクの店へ。
 店に入れば迎えてくれる、小瓶に揺らめく数多の色たちを見回すだけでも心躍るのに。
「こんなに沢山から選んで、混ぜたら世界で一つの色になるんだって」
 この店では、自分の好きないろのインクを作れて、名前も付けられるという。
 同じ青でも、青空のようであったり、深海のいろであったり、夜みたいないろであったり。
 ひとつのいろだけでも、数え切れないほどの色味があるから……作るのはそう、自分だけのいろ。
「万年筆屋さん?」
 いばらにとって、独りなら縁もなかっただろう品々。
 けれど思わず、わぁと小さく溢してしまう。並んだイロや書く物の珍しさに。
「いばらさんって、万年筆お持ちです?」
「ううん、いばらは羽ペンを使ってて……専門のお店なら羽や硝子のもあるかしら? かわいい便箋とかも……」
「ふむ……あ、硝子のぺんもみたいな。あればどちらも一本後で買おう」
 いばらにとって、はじめての万年筆。
 インクを飲ませたそれでお手紙も書いてみたいから、便箋も一緒に探して。
 キラキラ輝くガラスペンも綺麗で、色々あって目移りしてしまうから。
「ね、ね、一緒に探そう」
 ちょうど同じ店に入って来たヤオフ―に声をかけて。
 うん! と嬉しそうに言った彼女と並んで、じいっと真剣にペンや便箋選びを。
 そんな物珍しそうな姿に笑いつつも、類は小瓶に詰める色を選ぶ。
 折角だと二人の横顔を見つめ、企みながら。
 そんな彼を、ちらりといばらは見つめてみるけれど。
(「類のお目当てはあったかな」)
 色を選んで作るその様子に、重ねるイロたちが気になりつつも……お邪魔しないようそっと眺めるだけにしておく。
 もう良いよの合図を、楽しみに。
 そして類がまず手にしたのは、いばらと自分の瞳のような明るい緑。
(「二色目は……ヤオフーと歩いた今日から桜色」)
 それから最後に、おひさまのような黄色系を少しだけ加えて。
 選んだ彩りを、類が真剣に混ぜてみれば――世界にひとつだけのいろの、出来上がり。
 それをインク瓶へと注いだ後、ご覧とふたりを手招きして。
 世界で一つのあなたに、いばらは、こんにちはを。
 けれど、そんなあなたのお名前を知らないから。
 親である類を見れば。
「名前はヤオフーにお願いしてみようかな」
「お名前……うん、聞かせてほしいな」
 今日からできた色の名づけを任せるのは、桜イロの似合う貴女。
 そしてヤオフ―は、えっとねぇ……って少し悩んだ後。
 笑顔をぱあっと咲かせ、こう続ける。
 今日は楽しくて、るんるんらんらんだから――『らんらん桜』! って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

橙樹・千織
【櫻守】

櫻宵さんご機嫌ですねぇ
高下駄の音にくすくす笑って

ほんと、綺麗な色
レースの桜も細かくて素敵ですねぇ
あら、この桜の帯飾りも可愛い

新作?
後ろからそっと覗き込んで
ちーく…とは?
はわわわ…さ、櫻宵さん落ち着いてくださいな!?
櫻宵さんの方が美人ですよ!?

そ、その…
エンパイアにある物以外はさっぱりなので…
どんなのがいいのか教えてもらえませんか?
女の自分よりも詳しい様子にちょっとしゅん

へ?あ、手ですか?
そっと差し出した手
彩られる爪にぱちぱちと瞬いて
櫻宵さん器用ですねぇ
とっても綺麗です!

ふふ、それは素敵な桜

せっかくですし、櫻宵さんも欲しい物ありません?
色々していただいたお礼をさせてくださいな


誘名・櫻宵
【櫻守】

からりころり、高下駄ならして桜の街を嬉々として歩みゆく

千織、千織
見てこの桜のショール!レェスまで桜があしらわれていてかぁいい
あなたに合わせて無邪気にはしゃぐ
自然興味が向くのはかぁいらし、桜色のコスメたち
新作だなんてうきうきしちゃう!
そうね、桜花弁のチークは如何?
あなたの大きな瞳を際立てる、あえかな橙も似合うと思うのよ
唇に塗る、うる艶の紅も良いわ
千織は美人だから、大人っぽい彩も似合うわ
そうだ
手を出して?
するり伸びたあなたの爪に、彩をのせて
青空に咲く桜のネイルで飾る
どうかしら?
最近覚えたの!

祝いの祈りを込めたお守り桜

次はどこに行く?
あらいいの?私まで
じゃあそうね
角飾りを選んで貰おうかしら!



 賑やかなさくらいろの街を、からりころりと高らかに。
 高下駄ならし嬉々として歩みゆく姿に、橙樹・千織(藍櫻を舞唄う面影草・f02428)は思わずくすくす。
「櫻宵さんご機嫌ですねぇ」
 焼肉スイーツ女子会だけでは、勿論乙女たちの楽しい時間は終わらないから。
 誘名・櫻宵(爛漫咲櫻・f02768)は、ふと見かけた店へとからころ、足取り軽く駆けて。
「千織、千織。見てこの桜のショール! レェスまで桜があしらわれていてかぁいい」
「ほんと、綺麗な色。レースの桜も細かくて素敵ですねぇ」
 自分に桜いろを合わせては無邪気にはしゃぐ彼に、千織はこくりと頷いてから。
「あら、この桜の帯飾りも可愛い」
 色々な桜がいっぱい溢れた、店の中へ。
 服飾品やアクセサリーも良いけれど、櫻宵の興味が自然と向くのは、やはりこれ。
「新作だなんてうきうきしちゃう!」
 帝都乙女達にも人気な、桜色のコスメたち。
「新作?」
 そんな櫻宵の声に、きょとり首を傾けながらも後ろからそっと覗き込む千織だけれど。
「そうね、桜花弁のチークは如何?」
「ちーく……とは? えっ、櫻宵さん?」
「あなたの大きな瞳を際立てる、あえかな橙も似合うと思うのよ」
 そうスウッと千織の頬を染めるいろは、橙桜。
 それから櫻宵はふと、見本の口紅を1本手にしてみて。
「あら、妙な減り方してるわ、この紅」
 なんだかべったり塗られた後のような口紅に首を傾けつつも、まずは自分の唇に引いてみて。
「千織には、もう少しうる艶の紅が良いわね」
 どこぞの人魚が唇にべっとり塗った紅を戻してから。
「千織は美人だから、大人っぽい彩も似合うわ」
 きゃっきゃ、千織に似合いの大人なうる艶の紅を引いてあげれば。
 見立て通りの色っぽい仕上がりに、どやぁと満足顔。
「はわわわ…さ、櫻宵さん落ち着いてくださいな!? 櫻宵さんの方が美人ですよ!?」
 千織はそう慌てつつも、ふと鏡を見つめて。
「そ、その……エンパイアにある物以外はさっぱりなので……」
 ちらりと櫻宵を見つめ、そっとこんなお願いを。
 ……どんなのがいいのか教えてもらえませんか? って。
 エンパイアにも頬紅はあったけれど、選ぶほど種類はなかったし、拘らなかったからよくわからないし。
 何より……女の自分よりも詳しい櫻宵の様子に、ちょっとしゅん。
 そんな何気にお耳をぺたり、尻尾もしょんぼりしてしまった千織に。
 櫻宵は笑み咲かせつつ、こう紡ぐ。
「そうだ、手を出して?」
「……へ? あ、手ですか?」
 その声に顔を上げてから、言われた通りそっと手を差し出せば。
 するり伸びた彼女の爪に、櫻宵は彩をのせて咲かせてゆく――青空に咲く桜を。
 そんな桜が満開になってゆく爪に、ぱちぱちと瞬いて。
「どうかしら? 最近覚えたの!」
「櫻宵さん器用ですねぇ。とっても綺麗です!」
 ふわふわ笑み返す千織に、そうっと櫻宵は密やかな言の葉を咲かせる。
 ――祝いの祈りを込めたお守り桜よ? って。
「ふふ、それは素敵な桜」
 そう、自分の爪に咲いたお守りを見つめる千織に、櫻宵は訊ねる。
「次はどこに行く?」
「せっかくですし、櫻宵さんも欲しい物ありません? 色々していただいたお礼をさせてくださいな」
 そんな千織の申し出に、櫻宵は咲って。
「あらいいの? 私まで」
 じゃあそうね……と楽し気に桜に満ちた店内を見回して、リクエストを。
 ――角飾りを選んで貰おうかしら! って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

不知火・琥珀
【藍(f06808)と】
おお、すごい人だ
にぎやかだな、らん!

らん、らん、こはくは人形がほしい!

らんの手を引いて、ぬいぐるみのたくさんいる店へ

おお、これはすごいな
これだけ色々なのがいるなら、こはくのもとめるやつも、いるにちがいない

探すのは、藍色の人形
青鬼の人形を抱き上げて、らんに見せる

いたぞ、こいつだ!
こいつを、こはくのけらいにする!

らんの色をしていて、おまけにちょっとぜんにも似ている
これは、いっしょに帰るしかないだろう?

らんはきつねにするのか?
こはくみたいなしっぽだな、おそろいだ!

尻尾ふりふりと喜んで
ちゃんと帰るまで、人形は抱いていく

おれのけらいだからな
ちゃんとこはくがつれて帰ってやらねばだ!


不知火・藍
【琥珀様(f06806)と】
人形ですか
では話に聞いたあの店ですね
手を引かれながら主と共にもふもふな店内へ

個性豊かなぬいぐるみ達
なるほど、確かに愛らしいな(主が一番かわいいが(副音声)
琥珀様、気に入ったものはありましたか?
青鬼…はて、鬼と言えば赤では
私の色?
何たる光栄。誰かさんと似ているのはやや複雑ですが
主が嬉しそうなので、良し

では私はこの子狐を、と抱き上げ
円な赤い瞳が琥珀様にそっくりでしょう
それに、これで留守番役も寂しくなかろう
もちろん本物の魅力には敵わぬが

家来との言葉に内心嫉妬しつつも
主の様子に笑み零れ
さすが琥珀様
主の鏡ですね

町も賑わっているようで何より
少女にも皆にも、良い縁がありますよう



 回る寿司と戦いを繰り広げ、おなかもいっぱいになれば。
 再びくりだすのは、さくらいろに満ちる帝都の街。
「おお、すごい人だ。にぎやかだな、らん!」
 不知火・琥珀(不知火家当主・f06806)はその人の多さに、耳をぴょこりとさせるけれど。
 ぎゅうと握った隣の不知火・藍(藍澄鏡・f06808)を引きながらも、こう告げる。
「らん、らん、こはくは人形がほしい!」
「人形ですか。では話に聞いたあの店ですね」
 藍はこくりとひとつ頷き、主に手を引かれながら。
 いざ向かうのは、もふもふぬいぐるみがたくさんいるという店へ。
 そして店内へと足を踏み入れれば、琥珀の円らな瞳がぱちり。
「おお、これはすごいな」
 けれど、所狭しと並ぶいっぱいのもふもふを眺めながら。
 琥珀は早速、探してみることに。
「これだけ色々なのがいるなら、こはくのもとめるやつも、いるにちがいない」
 もとめるお目当てのもふもふを。
 藍も、個性豊かなぬいぐるみ達をぐるりと見遣ってから。
「なるほど、確かに愛らしいな」
 ……主が一番かわいいが、と安定の副音声。
 そんな従者にとって断トツ一番かわいい主がもとめるものとは。
 ……クマさん? 兎さん? 猫さんそれとも犬さん……?
 いや、どれも悶えるほど全部可愛い。それを抱っこしている主が。
 そう妄想を滾らせつつも、ふと藍は訊ねてみる。
「琥珀様、気に入ったものはありましたか?」
 刹那、お目当てを見つけて手を伸ばした琥珀は、それを抱き上げて。
「いたぞ、こいつだ! こいつを、こはくのけらいにする!」
 らんに見せるのは、青鬼のもふもふぬいぐるみ……?
 そんな主のチョイスに、ふと首を傾ける藍。
「青鬼……はて、鬼と言えば赤では」
 けれど、選んだ理由を聞けば。
「らんの色をしていて、おまけにちょっとぜんにも似ている。これは、いっしょに帰るしかないだろう?」
「私の色? 何たる光栄」
 その尊さに心が満ち溢れる。
 誰かさんと似ているのは、やや複雑ではあるけれど。
(「主が嬉しそうなので、良し」)
 そんな藍も、ふと目の前にいた子を抱き上げてみる。
 ……では私はこの子狐を、と。
「らんはきつねにするのか? こはくみたいなしっぽだな、おそろいだ!」
 そうぶんぶん尻尾を振る主が可愛い。
 いや、尻尾だけではない。
「円な赤い瞳が琥珀様にそっくりでしょう」
 そう、どやぁと得意顔をしてから。
 深い藍瞳をそっと細め、呟きを落とす。
「それに、これで留守番役も寂しくなかろう」
 ……もちろん本物の魅力には敵わぬが、と。
 青鬼さんをぎゅうと抱きしめる主をガン見しながら。
 そして見つけたもふもふを一緒に連れて帰るべく、会計を済ませてから。
 尻尾ふりふりと喜んで、琥珀は人形を自分で抱いて街を歩き出す。
「おれのけらいだからな。ちゃんとこはくがつれて帰ってやらねばだ!」
 ちゃんと帰るまで、しっかりと。
 そんな、家来、と主抱きしめられている青鬼に、めらりと内心嫉妬しつつも。
「さすが琥珀様。主の鏡ですね」
 主の様子に、笑みも零れて。
 逸れないようにと手を繋ぎながら、さくらいろの街を見回した藍は。
(「町も賑わっているようで何より」)
 主と同じ様に尻尾をふりふり歩くヤオフ―の姿を見つけ、そっと心の内で願う。
 ――少女にも皆にも、良い縁がありますよう、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

千家・菊里
【花守】
(引き続き影朧を見守り)
ふふ、謳歌されている様で何よりですねぇ
ではでは、彼女も俺達も悔いなき様に参りましょう
全く、目を輝かせた乙女(?)なら両肩にいるじゃないですか
(ね、とわくわくするぴよこさん&亀さんを見て)

あ、おたまは新しいごはん用食器がほしいらしいです
あとおやつのレシピ本も――ふふふ、街巡りもさることながら、帰ってからもまた楽しみでなりませんね
(おたまは伊織の裾を引き、桜色の大皿や花見弁当箱、華やか春レシピ満開な本へ誘導し、作って?という目で見上げている!)

おや、伊織はやはりそういう趣味ですか
ともあれ、贈物選びならば俺も是非
幸せ満開な時間が咲く様に――良い品が見つかると良いですね


呉羽・伊織
【花守】
ああ、平和に笑顔咲かせてるよーで――好奇心も乙女心も、晴れ晴れと満たされると良いな
嗚呼、オレも女の子ときらきらした時間を過ごしたかったナ~!
…いや分かってるヨ
ぴよこと亀にも可愛いの買ったげるからな!

ってお前らは何また早速食気まっしぐらに!
今も帰ってからも楽しい気分が続くのは良いコトだが!
(何故菊里じゃなくてオレを見るのと思いつつも、おたまに押し負け色々買い回り――両手に花どころかまた両手に食気の塊状態に)

オレは癒しがホシ…(と、ふと目に留まったぬい屋の前で固まり)
いやコレは…ぴよこや亀のお昼寝枕とか、あと贈物にも良さげだなって思っただけだから!
ほら、一等もふくて幸せそーな顔のを探すぞ!



 さくらいろの街を歩きながら、ぴこりゆらりと。
 ご機嫌に揺れているヤオフ―の耳や尻尾を見つめ、その道行きを見守りながら。
「ふふ、謳歌されている様で何よりですねぇ」
「ああ、平和に笑顔咲かせてるよーで――好奇心も乙女心も、晴れ晴れと満たされると良いな」
「ではでは、彼女も俺達も悔いなき様に参りましょう」
 そう紡いだ千家・菊里(隠逸花・f02716)に、ちらりと目を向けた呉羽・伊織(翳・f03578)はいつものように溜息交じりに言の葉を零す。
「嗚呼、オレも女の子ときらきらした時間を過ごしたかったナ~!」
「全く、目を輝かせた乙女なら両肩にいるじゃないですか」
 そんな伊織に、溜息をつき返してから。
 ……ね、と菊里はわくわくした様子の乙女たちを見つめる。
 彼の肩で色々エンジョイしている、ぴよこと亀さんに。
 ウン、まぁきらきら帝都女子ではないけれど。
「……いや分かってるヨ。ぴよこと亀にも可愛いの買ったげるからな!」
 伊織の言葉に、両肩の乙女たちはきらきらと期待の眼差し。
 そしてさらにそんな太っ腹な伊織に、しれっと菊里は付け加える。
「あ、おたまは新しいごはん用食器がほしいらしいです。あとおやつのレシピ本も――」
 ……ふふふ、街巡りもさることながら、帰ってからもまた楽しみでなりませんね、と。
 きらきら、笑顔を宿しながら。
 そして、おたまにくいくい裾を引かれ見つめられて。
 何気に、桜色の大皿や花見弁当箱、華やか春レシピ満開な本へと誘導されながら。
「ってお前らは何また早速食気まっしぐらに! 今も帰ってからも楽しい気分が続くのは良いコトだが!」
 ――作って? と。
 きらきらした目で見上げているおたまに、伊織は思うのだった。
 ……何故菊里じゃなくてオレを見るの、と。
 でもそれに抗えるわけもなく、押し負け色々買い回り――案の定、両手に花どころかまた両手に食気の塊状態になりつつも。
「オレは癒しがホシ……」
 そこまで紡いだ後、ふと足を止めて固まる伊織。
 その視線の先には――もふもふかわいい、ぬいぐるみ屋さん。
「おや、伊織はやはりそういう趣味ですか」
「いやコレは……ぴよこや亀のお昼寝枕とか、あと贈物にも良さげだなって思っただけだから!」
 ……まさか浮気? みたいな目で見て来る両肩の乙女たちに、そう言い訳……いや誤解をときつつも。
 もふもふの贈り物と聞けば、菊里も頷いて。
「ともあれ、贈物選びならば俺も是非」
「ほら、一等もふくて幸せそーな顔のを探すぞ!」
 両肩の乙女達がまだ向けるジト目から視線を逸らしつつ、ぬいぐるみ屋へと足を向ける伊織。
 そんな彼に続いて菊里も、食尽くしさくら尽くしな帝都の街をおたまと歩き出す。
 ……幸せ満開な時間が咲く様に――良い品が見つかると良いですね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

嘉納・日向
【エイリアンツアーズ】
『ひーなちゃん、めいっぱい楽しんでおいで!』
そう、親友の声に見送られて

えーと、確か広場に集合……

バイト先の皆さんと遊ぶのは、初めて
ちょっと緊張したけれど、朗らかな人達で一安心

私、アクセ買ってみたんです
花が繋がったブレスレットと、髪留めと
思いきりオシャレなもの、一度買ってみたかったんですよ
手伝ってもらって飾りをつけて、
ちょっと照れ笑い
……えへへ、似合ってますかね

わわ、コスメすっごく可愛い!
いいですね桜色って。花弁も、葉っぱの色も
ぬいぐるみも可愛いな……お土産なんですね?きっと喜んでもらえますよ
インクもきれい……、ジャスパーさんとパウルさんの色ですね。素敵。


ジャスパー・ドゥルジー
【エイリアンツアーズ】
皆とも合流して買い物を楽しむぜ
めいっぱい楽しんだ後は
広場で買ったものを見せあいっこ

俺は乙女だからさくらコスメの店でいろいろ買い込んじまった
このアイシャドウとかすげえかわいいっしょ
桜がちりばめられたパレットにはパールホワイトにピンクとグリーン
花びらの淡いグラデを再現してもいいし
葉色も添えたら桜餅みたいでこれまたかわいい

って日向のもめちゃくちゃ可愛いな!
な、つけてみてよ
エリックのは土産かァ
定番と見せかけてこの地ならではの桜飾りつき
めっちゃ喜んでもらえそう
パウルのは…それ、俺達の色?
思わず笑みが漏れる

こんだけたくさん素敵なもんが溢れてたら
ヤオフーだってきっと満足してくれるよな


エリック・シェパルド
【エイリアンツアーズ】
中華まんを食べながらぬいぐるみを物色
動物…特に犬となると、戦いで世話になってる人狼の女性が浮かぶ
「感謝の土産でも買ってくか」
流行とか分かんねぇがとりあえずぬいぐるみにすればハズレはねぇな

「…ってな感じで持ってるやつが土産品で、俺のって訳じゃねぇからな?」
桜の飾りがついた黒い犬のぬいぐるみを持ちながら集合した仲間に話すぜ
褒められれば尻尾が揺れる

へぇ、アクセサリーか植物がモチーフのやつって綺麗だよな。てかセンスすげぇ良いな…(羨ましそう)
桜の化粧品も綺麗な色してんな…ジャスパーさんは器用なんだな。今度見せてくれよ
万年筆か!へぇ~こういうのは黒しかねぇと思ってたが綺麗なもんだな


パウル・ブラフマン
【エイリアンツアーズ】
桜をめぐる春の社員旅行、いよいよスタートだね♪
各自買い物を済ませたら
待ち合わせ場所の広場に集合☆

エリックさんのぬいぐるみ、春っぽくてメチャ可愛い!
ジャスパーの言に頷いて。
うん、触り心地も良さそうだし喜ばれそうだね♪

日向ちゃんのアクセも超イイカンジ!
髪留め付けてみる?
普段から長髪を結うの手伝ってるし、任せて☆

ジャスパーのコスメに眩しそうに隻眼を細めて。
オレが買ったのは
おうち用の万年筆と、インクだよ。
『JYATAKO』とラベルにレタリングで記されたインクは
藤色と水色のグラデーションが映えるオーダーメイド。

桜吹雪の中で
去りゆくヤオフーちゃんを見かけたら
陽気に手を振って見送ろう。



 再び訪れたぽかぽかあたたかな春の季節と、満開に綻ぶ桜の花たち。
 いや、この世界にはいつだって桜は咲いてはいるけれど。
 賑やかな街を見ても、やはりこの季節の桜は特別。
 ということで!
 ――桜をめぐる春の社員旅行、いよいよスタートだね♪
 一足先に街に繰り出していたパウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)は、エイツアクルーの皆と、待ち合わせ場所の広場に集合☆
 ……の、その前に。
 合流するのは、それぞれ気になった好きな店で、買い物を済ませてから。
 はむりと、中華まんとコーラを買って口にしながらさくらいろの街を歩いているのは、クルーのひとりであるエリック・シェパルド(狼のおまわりさん・f26560)。
 そんな彼が足を運んだのは、もふもふふわふわな動物さんがたちさん並ぶ、ぬいぐるみ専門店。
 ぐるりと見回してみるだけで、たくさんの種類の動物さんがいるけれど。
 ふとその中で、エリックの目に留まったのは。
(「動物……特に犬となると、戦いで世話になってる人狼の女性が浮かぶ」)
 黒いいろをした、もふもふな犬のぬいぐるみ。
 それをひょいっと手にして、じっと見つめてから。
「感謝の土産でも買ってくか」
 ……流行とか分かんねぇがとりあえずぬいぐるみにすればハズレはねぇな、と。
 そうこくり頷きつつも、同じ犬のぬいぐるみを手に、じいっと自分とぬいぐるみを交互に見ている小さな子の視線に気付いて。
 念のため、エリックは優しくその子に教えてあげる……俺は犬じゃなくて狼な? って。
 さくらいろの帝都へお出掛けすることは、わくわくしつつも、ちょっとドキドキするけれど。
『ひーなちゃん、めいっぱい楽しんでおいで!』
 いつもの様に能天気に呑気に、そう親友の声が見送ってくれたから。
 買い物を済ませた嘉納・日向(ひまわりの君よ・f27753)は、きょろりと視線を巡らせる。
「えーと、確か広場に集合……」
 今日は、バイト先の春の社員旅行。
 バイト先の人達と遊ぶのは初めてだから、ちょっと緊張するけれど。
 ふいに、日向、日向ちゃんこっちー♪ と先に来ていた皆に手招かれて。
 向けられた朗らかな声や笑顔に、一安心。
 ジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)は、参加メンツが全員揃ったことを確認して。
「何かいいものあったか? 買ったもの見せあいっこしようぜ」
 買い物することも勿論だけど、買ったものを見せあいっこするのも、買い物の楽しみで醍醐味。
 ということで皆できゃっきゃと、早速戦利品のお披露目会のはじまり!
 まず皆が注目するのはやはり、エリックが抱っこしている犬さん。
 そんな視線に、エリックはこれまでの経緯を説明して。
「……ってな感じで持ってるやつが土産品で、俺のって訳じゃねぇからな?」
 桜の飾りがゆらり揺れる黒い犬のぬいぐるみをもふもふ持ちながら、皆に話せば。
「エリックさんのぬいぐるみ、春っぽくてメチャ可愛い!」
「エリックのは土産かァ。定番と見せかけてこの地ならではの桜飾りつき、めっちゃ喜んでもらえそう」
「うん、触り心地も良さそうだし喜ばれそうだね♪」
 揺れる桜の飾りに抜かりなく目を付けたジャスパーの言葉に、パウルも頷いて。
 日向ももふもふ可愛い黒犬さんを見つめ、瞳を細める。
「ぬいぐるみも可愛いな……お土産なんですね? きっと喜んでもらえますよ」
 そんな皆の褒め言葉に、そうか? と。
 返すエリックの尻尾も、満更でもなさそうにゆうらゆら。
 そして春らしい買い物をしたのは、彼だけでなく。
「私、アクセ買ってみたんです」
 そっと日向が取り出して皆に見せるのは、花が繋がって咲くブレスレットと髪留め。
「って日向のもめちゃくちゃ可愛いな!」
「日向ちゃんのアクセも超イイカンジ!」
「へぇ、アクセサリーか植物がモチーフのやつって綺麗だよな。てかセンスすげぇ良いな……」
 春爛漫な日向のキュートな戦利品に声をあげるジャスパーとパウルの隣で、感心しつつも羨ましそうに口にするエリック。
 そんな皆の声に、日向は嬉し気に笑みと共に返す。
「思いきりオシャレなもの、一度買ってみたかったんですよ」
 でも、折角のお出掛けだから。
「な、つけてみてよ」
「髪留め付けてみる? 普段から長髪を結うの手伝ってるし、任せて☆」
 ジャスパーとパウルにそう促され、手伝って貰って。
「……えへへ、似合ってますかね」
 髪に咲いた春にちょっと照れながらも、ほわり零れるのは太陽のような笑み。
 そしてジャスパーがゲットしたものも、春のいろが爛漫。
「俺は乙女だからさくらコスメの店でいろいろ買い込んじまった」
 ……このアイシャドウとかすげえかわいいっしょ、と。
 桜がちりばめられたパレットを開けば、パールホワイトにピンクとグリーン。
 春の陽光に煌めく桜みたいに、パールの入った白とピンクで花びらの淡いグラデ-ションを再現してもいいし。
「葉色も添えたら桜餅みたいでこれまたかわいい」
 グリーンを乗せれば、まるで桜餅のような春らしい乙女カラーも楽しめる。
「わわ、コスメすっごく可愛い!」
 やはり乙女、日向は試しにジャスパーがスッと手の甲に乗せてみた発色の良い春色に声を上げて。
「いいですね桜色って。花弁も、葉っぱの色も」
「桜の化粧品も綺麗な色してんな……ジャスパーさんは器用なんだな。今度見せてくれよ」
 エリックも、お洒落で器用そうな彼にそう声を。
 そんな何気にうきうき揺れる悪魔尻尾と、彼の買った桜コスメに眩しそうに隻眼を細めてから。
 ……パウルは? と視線向けられれば、自分も買ったものをお披露目。
「オレが買ったのは、おうち用の万年筆と、インクだよ」
 その小瓶に詰められたいろを見つめ、ラベルにレタリングされた文字にジャスパーは気が付く。
「パウルのは……それ、俺達の色?」
 そして思わず漏れるのは、嬉しいいろを咲かせた笑み。
 藤色と水色のグラデーションが映えるそのいろは――『JYATAKO』。
 世界でひとつだけの、自分達色のインク。
「万年筆か! へぇ~こういうのは黒しかねぇと思ってたが綺麗なもんだな」
「インクもきれい……、ジャスパーさんとパウルさんの色ですね。素敵」
 エリックと日向も、小瓶に揺らめくふたりだけの彩りや、そのいろを飲ませる万年筆を微笑まし気に見つめる。
 ぬいぐるみにアクセサリー、コスメに万年筆やインク。
 同じ春を思わせるものでも千差万別、色々なものがある帝都の街。
 そんな皆の戦利品をほこほこ見つめていたジャスパーは、ふと顔を上げて。
「こんだけたくさん素敵なもんが溢れてたら、ヤオフーだってきっと満足してくれるよな」
 視界の端に、さくらいろの街を歩くヤオフ―を見つけてそう口にすれば。
「ヤオフーちゃん♪ 楽しんでるー?」
 桜吹雪の中、ぶんぶんと陽気に手を振るパウル。
 そして桜尽くしの街に去りゆくその姿を皆で見送る。
 手も尻尾も嬉しそうに振り返す――満開の笑顔を楽し気に咲かせた、彼女を。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『うたう花の園』

POW   :    花々が生い茂る場所へと散策する。

SPD   :    花弁や春風につられ、花見を楽しむ。

WIZ   :    春が訪れゆく景色を静かに見守る。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 憧れていたさくらいろの街で、グルメも買い物も沢山満喫して。
 ぴこりゆらりと狐耳や尻尾を揺らして歩くヤオフ―の顔には、終始笑顔が咲いていた。
 それはヤオフ―が存分に執着を果たせるよう、周囲の人たちの不安をそっと取り除きつつも、彼女に優しく付き添ったり見守ってくれた猟兵たちのおかげであることに間違いはない。
 薄っすらおませにお化粧して貰って、ピンキーリングを嵌めた小さな手、爪も綺麗に彩られて。お洒落なショールやリボンをひらりと得意気に躍らせながら、ぴょこりとリュックを揺らし、ぬいぐるみや本を大事そうに抱えて……インクや便箋だってみんなと選んだのよ、って。
 そう嬉し気に話しながらも、ヤオフーの足は、帝都の街のはずれの方へ。
 隠され外を知らなかった彼女が、あともうひとつだけ、行きたい場所。
 それは――満開桜が咲く、うたう花の園。

 今の時期、夜の花の園はライトアップがされていて。
 満開に咲き誇る幻朧桜を愛でる花見客で賑わっているのだという。
 花の園の中心にある広場では、賑やかに花見が楽しめる。
 広場の周辺には食べ物や飲み物が買える出店が並んでいる。出店では、わた飴やチョコバナナやリンゴ飴などの定番の甘味は勿論。香ばしい焼きトウモロコシや焼き鳥、イカ焼きやタコ焼き、焼きそばやお好み焼きなどの鉄板焼きなどの食べ物も勿論調達できるし。成人していれば、定番のビールや、『桜酔』という名のふわり優しい飲み口の日本酒、他にも各種アルコール類も用意されているようであるし。未成年や酒が苦手な人にも、ライトアップした桜をイメージしたというピカピカ光る桜色のソーダや、その他ソフトドリンクが買えるという。
 また、祭りなどで見かける様な、光る桜の玩具や触覚の様な光る桜カチューシャなども売っているらしい。
 勿論、街で買っておいたものや弁当などの持ち込みも可能であるので。
 桜の下でシートを敷いたり、設置してあるベンチに座ったり、ぶらり食べ歩きしながら、夜桜を楽しめる。
 また、花の園の広場の奥には茶屋もある。
 この茶屋の窓からも夜桜は楽しめるというので、ライトアップされた桜を静かに眺めながら、甘味などをいただくのもまた乙だろう。桜餅やどら焼きや花見団子などの和菓子や、桜茶をはじめとした茶が頂けるというが。その中でも特に、さくらあんみつが人気のようだ。
 勿論、この広場や茶屋にも一般の人たちがいるし、ヤオフ―を見たら驚いて不安がるかもしれないが。
 猟兵達が大丈夫だと楽しんでいれば、帝都の人たちも安心して、必要以上に騒いだりはしないだろう。
 それが、執着を果たしたいヤオフ―のためにもなるので。
 広場や茶屋で楽しんでいる様子を一般の人達に見せつつ、彼女が通りすぎるのを見守る事も、猟兵の役割のひとつだ。

 そして……茶屋を過ぎた、そのさらに奥。
 そこには、この花の園にある桜の中で、一番古くて大きな木があるのだというが。
 ヤオフ―はどうやら、この桜の木の元へと行きたいらしい。
 そう――この場所が、彼女の執着の果て。
 この場所は広場の入口から少し距離があったり、出店や茶屋の様に周囲に食べ物や飲み物を買える場所がないからか、一般の人の姿はほぼないが。
『そこでね、かくれんぼしておきなさいって言われたの。でもね……わたしを見つけてくれるひとは、いなかったんだ』
 ――もういいかい、まぁだだよ……もういいよ、もういいよもういいよ……もう、いいよ?
 ヤオフ―はそう言った後、猟兵達にこう笑いかける。
『そうだ! またそこで、かくれんぼしましょ? あなたが鬼ね! それで、わたしのこと……見つけてね』
 ふふっと尻尾を揺らしながら、そうヤオフ―は笑んでから。
 綺麗ないろで塗られた指先を、ちょこんと夜桜の空に掲げて。
 夜桜に溶けるような笑顔を咲かせ、うたう。
『かーくれんぼするひと、このゆび、とーまれっ』

●マスターより
 第3章は、ライトアップされた夜桜満開の花の園を自由に楽しんで頂く内容です。
 できること等は概ねOPや断章の通りですが。
 出店や茶屋で買えるものは、OPや断章に記載ないものでも、違和感ないものならばあるかと。
 なので、ありそうなものであれば、お好みのものをご指定頂けばと。
 これまでの章と同様、ヤオフ―に同行したり構ったりせずとも問題ありません。
 皆様が楽しんでいる姿が、周囲の一般の人を安心させますので。
 お花見を楽しむ行動だけでも全く構いません。

 ヤオフーと遊んでいただける方は、ヤオフ―はうろちょろしていますので。
 必ずしも、各個別又は1グループのリプレイ内にて、彼女の執着の結末を見届ける描写が叶うとは限りませんことご了承いただければと。
 そのかわり、シナリオの最後の締めに、ヤオフ―の執着の結末を描ければとは考えています(あくまで予定です)

 そしてこの章に限り、お声掛け頂いた場合のみ、清史郎もご一緒させて頂きます。
 その他に関しましては、OPやOP公開時のマスターコメントをご確認ください。
 送信締切等の連絡事項も、MS個別ページやタグ、Twitter等でお知らせ致します。
椚・一叶
トリス(f27131)と同行
夜桜見物、の前に食い物調達
焼き鳥食べたい
トリスもいるのなら、全ての屋台を制覇するか?
というのは冗談で
焼き鳥、焼きそば…あ、とうもろこしも絶対美味い
甘いやつは…
花見といえば団子か?

これ以上は持ちきれない
険しい顔で他のは誘惑断ち切って夜桜見物へ
夜桜、昼の雰囲気とはがらり、変わる
ほうと食い物のこと忘れて見惚れ

トリス、儂のこと分かってきたな
と、にやり
何でも飲めるとも
儂に飲めない酒などない
桜の前では飲みっぷりを披露するより
静かに飲みたい気分だが
ここではずっと咲いていようとも
本来はすぐ散る
急ぐよりゆるり飲む

次は新緑の季節だ
まだ見ぬ景色、ツマミになる景色
酒飲みながら考えようか


鳥栖・エンデ
イチカ君(f14515)と同行
花の園で夜桜見物だ〜
折角だからお酒楽しみたいとこだけど
並ぶ屋台にも色々と目移り
やっぱり摘むならお肉類が良いよね
焼鳥に焼きそばにタコ焼きとか……
甘いのも和も洋も良いなぁ
イチカ君は何食べるんだい
残さず食べる役はボクにお任せあれ〜

桜色ソーダも惹かれつつ酒類も買ったら
夜桜よく見えそうなところに腰掛けて
普段あんまり飲まないから
果実酒のものを選んだけども
得意なお酒ってあったりするかい?
何でも飲めそうな雰囲気するする〜

景色もツマミになるんだなぁ、と感心しながら
次はどんなもの見てみたい?
好きなものに囲まれたら思い出も
沢山になりそうだよねぇ…なんてね



 この世界にはいつだって、幻朧桜が咲いているけれど。
 でもやっぱり、桜に縁深いこの世界にとって、春はきっと特別な季節。
 満開に咲き誇る中、賑やかに花見を楽しむ人たちを見れば。
 そんな春爛漫な夜を歩きながら。
「花の園で夜桜見物だ〜。折角だからお酒楽しみたいとこだけど」
「焼き鳥食べたい」
「やっぱり摘むならお肉類が良いよね」
 椚・一叶(未熟者・f14515)の一言に、鳥栖・エンデ(悪喰・f27131)もこくこく頷いて。
 夜桜見物……の前に食い物調達。主に肉類の。
 いや、肉は勿論、沢山並ぶ屋台にも色々と目移りしてしまうけれど。
 きょろりと視線巡らせるエンデを、一叶はちらり。
「トリスもいるのなら、全ての屋台を制覇するか?」
 ……というのは冗談だけれど。
「焼鳥に焼きそばにタコ焼きとか……甘いのも和も洋も良いなぁ。イチカ君は何食べるんだい」
「焼き鳥、焼きそば……あ、とうもろこしも絶対美味い。甘いやつは……花見といえば団子か?」
 そう、そこかしこから漂ってくる美味しそうな匂いに悩みまくる一叶に、エンデはにこにこ。
「残さず食べる役はボクにお任せあれ〜」
 そんなわくわくな笑顔を見れば、冗談ではなく、何だか本当に全制覇もできそうかもしれない……?
 しかし刹那、食べ切れるかどうかというおなかの問題ではない自体に直面する一叶。
「これ以上は持ちきれない」
 両手で抱えられる量の方に、限界があったのだ。
 そんなちょっぴりしゅんとしたような険しい顔で、他の誘惑を何とか断ち切って。
 一叶はエンデと共に夜桜を眺めるべく、よく見えそうなところを見つけて並んで腰掛ければ。
「夜桜、昼の雰囲気とはがらり、変わる」
 ほうと溜息と共に呟きを落とし、食べ物のことも暫し忘れて。
 ライトアップされた満開の夜桜に見惚れてしまう。
 エンデはそんな一叶に、ふいにこう訊ねる。
「普段あんまり飲まないから、果実酒のものを選んだけども。得意なお酒ってあったりするかい?」
 桜色ソーダにも惹かれつつ買った、酒類を手に。
 そして、酒と聞けば。
「トリス、儂のこと分かってきたな」
 にやりと笑み宿し、続ける一叶。
「何でも飲めるとも。儂に飲めない酒などない」
「何でも飲めそうな雰囲気するする〜」
 そんなエンデの声に、一叶はえっへん得意顔をするけれど。
 でも、ふと桜色の天を仰ぎながら、紡ぐ。
「桜の前では飲みっぷりを披露するより、静かに飲みたい気分だが」
 ……ここではずっと咲いていようとも、本来はすぐ散る、と。
 だから今日は――急ぐよりゆるり飲む、って。
 桜は美しく、そして儚い花であるから。
 そんな一叶と、美味しいものを摘みながら光に照らされる桜空を眺めて。
「景色もツマミになるんだなぁ」
 エンデはそう感心しながらも、再び一叶へと訊ねてみる。
 ――次はどんなもの見てみたい? って。
「次は新緑の季節だ」
 一叶は問われた声にそう答えるけれど。
 かちりとエンデと杯を重ね乾杯しながら、付け加える。
 ……酒飲みながら考えようか、って。
 そんな彼に、こくりと頷いて。
 エンデは、ひらり春の景色を染めゆく桜たちのいろを眺め、楽しみながらも。
 ほわりと笑み咲かせ、紡ぐ。
 ――好きなものに囲まれたら思い出も沢山になりそうだよねぇ……なんてね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

草野・千秋
【湯煙】

楽しい時間が過ぎるのはあっという間です
これも時間の魔法なのでしょう
いつかは現実に帰らないとなのですが
今はまだこの桜の世界に浸っていましょう

べこさんはカチューシャですか、お可愛いらしい
桜コンプリートし隊には僕も!
桜ソーダも写真映えしそうですね
ちょっと撮らせて貰っても?

おや、悟郎さん桜酔の日本酒飲みたいのです?
いいでしょう、僕も一緒しましょう
一応結構いけるクチで
その土地の名物の食べ物飲み物は現地で食べたりした方がいいとUDCアースでも聞きました
壱華さんは来年のお誕生日には成人でしたか
べこさんの提案がとてもお優しい、なら来年の成人祝いのためのボトルでも買いますかね

乾杯!


薬師神・悟郎
【湯煙】4人

時間が過ぎるのもあっと言う間だ
桜が照らされる姿に人並みの感想ではあるが美しいと思う

出店は出店の良さがある
昼に訪れた店とは違う開放的で賑やかな魅力がたまらない
桜色のソーダは分かるが、どういう原理で光っているんだろうな

マスコット的な可愛らしさを持つ牛にはカチューシャが似合いそうだ
べこ達とお揃いで触覚を揺らす様子はきっとなごむだろう

千秋は酒は飲めたか?
桜酔という日本酒が気になるんだが、一人で飲むのは寂しくて
良かったら一杯付き合ってくれ

ここにも沢山のさくらを使った和菓子があるらしい
壱華のセンスで花見で食べる菓子を選んでくれないか?

これだけ揃えばきっと楽しい花見になる
一番良い桜を探しに行こう


紅殻・牛
【湯煙】
…気がつけばもう日が
むむ、愉しい時は過ぎるのが早い不思議。そしてあんなに食べたのにお腹がすく不思議。さてさて屋台にて買い食いをば
しかし、闇夜に照らされた桜ほんに趣深い

…ほう?ベコにはカチューシャとな?悟郎にお墨付き頂いたならば付けねばなるまいて。キキと一緒に付けてゆらゆらかくかくぴかぴか
…桜ソーダ、桜コンプリートし隊故にのむのむ。千秋、写真撮るならばお手伝いしますぞ?はい、ちーず。皆も一緒にちーず
…む!桜酔、ベコも……おとと、壱華はお酒はあと一年後、であったか…。したらばベコ、お土産に桜酔を買って帰る故、誕生日に一緒に飲もか。したら一緒にコンプリートだ
ベコはお酌係専属。桜酔は成人の日に


和泉・壱華
【湯煙】

買い食いも買い物も楽しくて、何がメインか忘れそうだったぜ…
これからが本番だよな!

おぉ、すげぇ…
陽の下で見る桜も綺麗だが、夜の桜は幻想的だなぁ
それに、いい香りだ

っと、はぐれねぇようにしねぇと
紅殻にカチューシャ?いいじゃん、似合うぜ!
触角はねぇけど俺ともお揃い、ってな(昼に買った桜髪飾りを見せ

花見の菓子か、どれもいいが…
この桜羊羹と練り切りがいいんじゃねぇか
まぁ、桜全種買うけどな!

後は…えぇー、桜コンプリートするのに酒があるのか…!
飲める3人が羨ましいぜ
俺は来年まで飲めねぇから、桜ソーダでリーチ止まりかぁ
え、いいのか紅殻?!俺はすげぇ嬉しいけど…!
へへっ、来年一緒にコンプリートしようなっ!



 思えばまさに、今日一日ずっとさくら尽くし。
 美味しい桜に、楽しい桜、そして。
「時間が過ぎるのもあっと言う間だ」
 薬師神・悟郎(夜に囁く蝙蝠・f19225)はふと、ひらり花弁舞う夜空を見上げて紡ぐ。
 ……人並みの感想ではあるが美しいと思う、と。
 ライトアップされた桜が、その光を纏い仄かに照る姿に。
 美味しい桜に、楽しい桜――そして、美しい桜。
「楽しい時間が過ぎるのはあっという間です。これも時間の魔法なのでしょう」
 草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)の言うように、春色の宵に舞ういろは魔法の様で。
 千秋も悟郎と共に夜桜咲く天を仰ぎながら……あともう少しだけ。
「いつかは現実に帰らないとなのですが、今はまだこの桜の世界に浸っていましょう」
 桜いろの魔法に、酔いしれることに。
 そんな、仄かに光る桜花弁が遊ぶ空を見上げてから。
「……気がつけばもう日が。むむ、愉しい時は過ぎるのが早い不思議」
 紅殻・牛(エンギモノ・f27526)は、おなかをさすさす。
「そしてあんなに食べたのにお腹がすく不思議」
 ふいに、くぅと鳴った腹の虫に。
 ということで……さてさて屋台にて買い食いをば、と。
 いざ、賑やかな広場へと足を向けるけれど。
 やっぱり、気付けば牛も眺めてしまう。
 ――しかし、闇夜に照らされた桜ほんに趣深い、って。
「買い食いも買い物も楽しくて、何がメインか忘れそうだったぜ……」
 和泉・壱華(天華繚梅・f03780)も夜桜が満開に咲き誇る中を皆と歩きながら。
 ぐるりと春の花の園を見回して、ぐっと気合いを入れる。
 ……これからが本番だよな! って。
 そう、夜桜を愛でながらの花見、これが本日の一番の目的。
 屋台で色々と調達した後も、ゆっくり眺められるのだけれど。
 壱華もライトアップされてより煌めく桜たちに目を遣れば、思わず溜息と共に漏れる声。
「おぉ、すげぇ……陽の下で見る桜も綺麗だが、夜の桜は幻想的だなぁ」
 ……それに、いい香りだ、って。
 ふわり漂う淡い春の香に、青い瞳をそっと細める。
 そして皆でやって来たのは、沢山の出店が並ぶ、賑やかな広場。
 グルメも買い物も、帝都の街で存分に楽しんだのだけれど。
「出店は出店の良さがある。昼に訪れた店とは違う開放的で賑やかな魅力がたまらない」
 それから悟郎はふと、ある屋台へと視線を向ける。
 列ができているほど人気な、桜ソーダの店に。
 いや、話に聞いた時から何気に気になっていたのだ。
「桜色のソーダは分かるが、どういう原理で光っているんだろうな」
 しゅわりとした桜色の飲料というのは想像できるのだが、ピカピカと何故光るのかと。
 ライトアップされた桜をイメージしているそれはどうやら、よく現物を見てみれば。
 よく祭りなどで見る電球のカタチをしたソーダのように、LEDライトが容器に仕掛けられたもの……らしい。
 そして、どの出店よりもピカピカ光っている店を見つけて。
 悟郎は牛にこう、勧めてみる。
「マスコット的な可愛らしさを持つ牛にはカチューシャが似合いそうだ」
 ……べこ達とお揃いで触覚を揺らす様子はきっとなごむだろう、と。
 そっと手に取ってみたそれを、彼に試しに手渡してみる。
 触覚の様にみょんみょん揺れる桜のピカピカがついたカチューシャを。
「……ほう? ベコにはカチューシャとな?」
 牛はじいっと暫しそれを見つめて、受け取ってから。
「悟郎にお墨付き頂いたならば付けねばなるまいて」
 すちゃりと装着し、きらきらみょんみょん。
 キキも揃いで付ければ、ふたり一緒に、ゆらゆらかくかくぴかぴか。
「べこさんはカチューシャですか、お可愛いらしい」
 そのキュートさは、千秋もお墨付き。
 そして桜を見つめているうちに、早速出店へと向かう皆に気付いて。
 ……っと、はぐれねぇようにしねぇと、と、足早に追いついてから。
「紅殻にカチューシャ? いいじゃん、似合うぜ!」
 ぴかぴかゆらゆらさせている牛に、壱華は言った後。
 街で買ったばかりの桜髪飾りを見せて、笑み向ける。
 ……触角はねぇけど俺ともお揃い、ってな、って。
 光る桜が揺れるカチューシャをつけた牛やキキと同じ様に。
 艶やかな黒髪に、桜を咲かせながら。
 そんな壱華に、悟郎はこんなお願いを。
「ここにも沢山のさくらを使った和菓子があるらしい。壱華のセンスで花見で食べる菓子を選んでくれないか?」
「花見の菓子か、どれもいいが……この桜羊羹と練り切りがいいんじゃねぇか」
 壱華は目でも舌でも楽しめそうな、桜の和菓子を選びつつも。
 さくらのカタチや名をした和菓子も、そして光る桜ソーダもお買い上げするつもり。
 だって、今日は桜尽くしなのだから。
「まぁ、桜全種買うけどな!」
「桜コンプリートし隊には僕も!」
「……桜ソーダ、桜コンプリートし隊故にのむのむ」
 皆で、桜コンプリートし隊!
 そして受け取った桜色のソーダもぴかぴか。
「桜ソーダも写真映えしそうですね。ちょっと撮らせて貰っても?」
「千秋、写真撮るならばお手伝いしますぞ?」
 スマートフォン構える千秋がより映える1枚を撮れるように――はい、ちーず。
 そして今度は、全員をちょいちょいっと手招きをして。
 満開の夜桜を背景にもう一度、皆と、ちーず!
 そんな、眩く光る桜ソーダもだけれども。
 悟郎はもうひとつ、気になっていたものを見つけ、千秋へと声を掛ける。
「千秋は酒は飲めたか? 桜酔という日本酒が気になるんだが、一人で飲むのは寂しくて」
 ……良かったら一杯付き合ってくれ、って。
「おや、悟郎さん桜酔の日本酒飲みたいのです? いいでしょう、僕も一緒しましょう」
 そうすぐに頷く千秋は、実は結構いけるクチ。
 それに、この時期にこの世界でしか飲めないものだから。
「その土地の名物の食べ物飲み物は現地で食べたりした方がいいとUDCアースでも聞きました」
 是非、この機会に飲んでおきたいところ。
 そんなふたりの声に、同じ様に興味をそそられる牛だけれど。
「……む! 桜酔、ベコも……」
「後は……えぇー、桜コンプリートするのに酒があるのか……! 俺は来年まで飲めねぇから、桜ソーダでリーチ止まりかぁ」
 ……飲める3人が羨ましいぜ、と。
 そう桜全制覇を誰よりも意欲的に目指していた壱華は、ちょっぴりしょんぼり。
「おとと、壱華はお酒はあと一年後、であったか……」
「壱華さんは来年のお誕生日には成人でしたか」
 次の誕生日がくれば成人するけれど、今はまだ酒は飲めないから。
 けれど、牛はピコンと、カチューシャをつけた頭で閃く。
 壱華は来年まで飲めないけれど、でも来年になれば飲めるから。
「したらばベコ、お土産に桜酔を買って帰る故、誕生日に一緒に飲もか。したら一緒にコンプリートだ」
 飲めるようになったその時に、コンプリートを果たせばいいと。
 そんな牛の名案に、しゅんとしていた壱華の顔に再びぱっと笑みが咲いて。
「え、いいのか紅殻!? 俺はすげぇ嬉しいけど……!」
「ベコはお酌係専属。桜酔は成人の日に」
 彼の言葉に、キキみたいにこくこく頷く牛。
「へへっ、来年一緒にコンプリートしようなっ!」
「べこさんの提案がとてもお優しい、なら来年の成人祝いのためのボトルでも買いますかね」
 千秋はそう、悟郎と共に飲む分と、壱華が成人してから飲む用のボトルを購入してから。
 まずは一足早く――悟郎と杯を重ね合わせ、乾杯!
 牛と壱華の桜ソーダとも乾杯してから。
 悟郎は屋台で買った桜満開の戦利品に瞳を細め、夜桜が綻び咲く春の中、皆と再び歩き出す。
「これだけ揃えばきっと楽しい花見になるな」
 なんていったって今日は全制覇、桜、サクラ、さくら尽くしな一日だから。
 一番良い桜を探しに行こう、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

永倉・祝
秋人くん(f24103)と。
さて、かくれんぼの前に腹ごしらえといきましょうか。パン屋さんでパンを買ったでしょう?
それを食べながら夜桜でお花見です。
(紙の上に桜の花の形にパンをのせて)
あの時ヤオフーが選んだのはチョコでしたがそれ以外のものも食べていいですから。
桜…綺麗ですね。
やはりこの世界の桜は特別な気がします。
こんな風に思うのは僕がこの世界の生まれでない証拠なのかもしれません…。
ですがこの桜が沢山の影朧を癒す姿を何度も見てきました…。

オブリビオンを待つのは骸の海ですが影朧を待つのは転生です。
ですからヤオフー。生まれ変わってまた会いましょう。
だから今日の別れは笑顔で送ります。


鈴白・秋人
祝さん(f22940)と

3人で色々な所を巡ってきましたから、少しお腹が空きましたわね
でも、あと少し我慢して、1番立派な桜の下で戦利品を広げましょう
桜型のパンと飲み物、マニキュアを広げて今日1日の感想を言い合いましょうか?

ふふ。その前に腹ごしらえかしら?

パンを頬張る2人が可愛らしくて、思わずクスリとし、
3人仲良く手を繋いで歩けた事を嬉しく思ったり…
ヤオフーがわたくし達を連れ出してくださった事に心からの感謝を

あなたの姿に癒されて、こうして立派な桜も見れて…わたくし達も幸せですわ

必ずまた、いらっしゃいな!
そう頭を撫でて、飛び切りの優しい笑顔で見送りますわ
楽しい1日の最後に悲しみは似合わないですもの



 沢山一緒に、美味しいものを買ったり食べたりして。
 お買い物だって、いっぱいの店を楽しく見て回ったから。
 日も落ちた頃になれば、くぅとおなかの虫も鳴りそうに。
「3人で色々な所を巡ってきましたから、少しお腹が空きましたわね」
 鈴白・秋人(とうの経ったオトコの娘・f24103)は、そう永倉・祝(多重人格者の文豪・f22940)とヤオフ―に声をかけてから。
「でも、あと少し我慢して、1番立派な桜の下で戦利品を広げましょう」
 向かうのは、花の園の中でも一等大きくて、満開に咲いた桜の木の元へ。
 その下で楽しく見せ合うのは、さくらいろの街で買ったものたち。
「桜型のパンと飲み物、マニキュアを広げて今日1日の感想を言い合いましょうか?」
 桜の木の下に並んで座って、秋人はそうヤオフ―を見るけれど。
 狐耳と尻尾をそわりと揺らすその様子に、思わずくすり。
「ふふ。その前に腹ごしらえかしら?」
 ヤオフ―は桜咲くこの花の園で、かくれんぼがしたいと言っていたけれど。
 戦利品を見ながら感想を楽しく言い合うことも、かくれんぼも、ちょっぴりお預け。
「さて、かくれんぼの前に腹ごしらえといきましょうか」
 祝のそんな声に、ヤオフ―のお耳が嬉しそうにぴこり。
 わくわく尻尾を揺らす姿に、祝は古民家ベーカリーの袋を開いて。
「パン屋さんでパンを買ったでしょう? それを食べながら夜桜でお花見です」
 紙の上に桜の花の形にパンをのせ、ヤオフ―の膝にもちょこんと同じ様にしてあげながら。
「あの時ヤオフーが選んだのはチョコでしたがそれ以外のものも食べていいですから」
『いいの? やったー! んと……じゃあ、チョコと……いちごジャム!』
「チョコといちごジャムですね。はい、どうぞ」
『わぁい、いただきまーすっ』
 そうやり取りしながらも、美味しい桜の花弁をはむり。
 並んで食べる様子を見つめ、秋人は思わずクスリ。パンを頬張る2人が可愛らしくて。
 そして、嬉しそうにパンをちまちま食べる姿を見つめ、そっと思う。
 3人仲良く手を繋いで街を歩けた事が嬉しかったから。
 ――ヤオフーがわたくし達を連れ出してくださった事に心からの感謝を、って。
「桜……綺麗ですね。やはりこの世界の桜は特別な気がします」
 祝はヤオフ―と一緒にさくらパンを味わいながらも、ふとライトアップされた夜桜を見上げて。
「こんな風に思うのは僕がこの世界の生まれでない証拠なのかもしれません……」
 そうぽつりと呟きを落とすけれど。
 ヤオフ―へと視線を向け、続ける。
「ですがこの桜が沢山の影朧を癒す姿を何度も見てきました……」
 ――オブリビオンを待つのは骸の海ですが影朧を待つのは転生です、って。
 そして祝は、ヤオフ―を映した瞳を優しく細める。
「ですからヤオフー。生まれ変わってまた会いましょう」
 ……だから今日の別れは笑顔で送ります、と。
「あなたの姿に癒されて、こうして立派な桜も見れて……わたくし達も幸せですわ」
『わたしもね、とーっても楽しかった! ありがとう、また遊ぼうね!』
 ヤオフ―はそうふたりに、えへへ、と楽しそうに笑って。
「必ずまた、いらっしゃいな!」
 秋人は彼女の頭をよしよし撫でてあげてから、飛び切りの優しい笑顔で見送る。
 ――楽しい1日の最後に悲しみは似合わないですもの、って。
 そして夜桜に溶ける様に、ぴょこりと再び歩きだしながらも。
 何度も振り返っては手を振るその姿を、見えなくなるまでふたりは見守る。
 夜桜に導かれるように転生へと向かって歩き出す、朧に霞んでゆく小さなその後姿を。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レヴァイア・ラザフォード
【燈憶】

人生初のお出かけ
洋菓子を作って、皆で分けっこの予定
肉球マドレーヌ、一口サイズのわんわんタルト、うさぎのムースケーキを持って
桜を皆で見る、との事でワクワクしつつも初めての経験にドキドキ


はわ…夜の…桜…キレイ……です…

ライトアップされた桜は綺麗で思わず感動
こんなに綺麗な桜は初めてで、何もかもが初めての事だらけ
思わずキョロキョロ
皆とはぐれない様に気を付けつつ、花見ポイントへ

あ…お、俺…取り分け…する、の…持ってきた……です…

紙皿、紙コップ、割り箸と使い捨て出来る物をきっちり持参
取り分けもお手伝い

ほんのり灯る和紙のランタンが、更に幻想的な演出に
旅団の皆とここに来れてよかったと、思わず微笑み


カルディア・アミュレット
【燈憶】
こんなに賑やかなお花見ははじめて
はりきってお弁当作ってみたの
おにぎりに唐揚げ、フライドポテト
卵焼きにたこさんウィンナー
お弁当の定番をつめてみたの

皆が買い出しに行っている間
お花見準備
レジャーシートを敷くのを手伝い
シートの中心に紙灯籠風のランタンを置く
桜模様をしてるから
灯を燈した時に桜の花びらの模様が影に映るの

みんな、買い出し…ありがとう
美味しそうな食べ物いっぱい
お酒も買ってきたのね
飲める人で一緒にいただきましょうか
わたしもご一緒するわ…

お酒はあまり強くないけど
嗜む程度なら

持ち寄った食べ物を皆で食べて
どれも美味しくて心が幸せに綻ぶ
皆が楽しそうでよかった

ほわり
嬉しい感情をそっと噛みしめる


瑞月・苺々子
【燈憶】

初めて出来た仲間たちと眺める夜桜。
故郷から遠く離れた地の夜桜も、変わらず美しいに違いない。
今は両親がいないのだから、幼さ故に皆が困らないようにお利口にしなきゃと楽しみつつも張り切っているようだ。

ハルアと共に屋台に買い出しへ。嬉しそうに駆け寄って。
ももも一緒に行ってお手伝いするの!

色んな屋台があって目移りしちゃうの。
ベビーカステラも美味しそう。お花見だから桜の形なのかしら?
みんなが作って持ち寄った、お弁当やスイーツも絶対美味しいよね。
でも、軽くつまめるように焼鳥やお好み焼きがあっても良さそう。お酒に合うって聞いたけれど本当かな?

戻ったら皆の様子を真似て、準備のお手伝いも頑張ります。


イリーネ・コルネイユ
【燈憶】

初めての夜桜のお花見
ご機嫌に鼻歌まじりに準備を
ゲニウスくん、素敵な場所を見つけてくださってありがとうございます
私はフルーツサンドを作ってきました

美味しそうな食べ物に瞳をきらきらさせ
幸せに緩む頬をおさえる
何から食べようかな、迷ってしまいますねぇ

お酒も楽しみにしていましたの
桜酔という日本酒、気になっていました!
(お酒は大好きだけど、のんびり楽しみたいから今日は少し控え目に)
飲めない方もノンアルコールで一緒に乾杯しましょう!

幻想的な夜桜とカルディアちゃんが作った優しい明かりのランタン
傍には皆が居て、とっても贅沢な気分

ほろ酔い気分で会話を楽しんで
また皆でこんな風におでかけできたら嬉しいですわ


ハルア・ガーラント
【燈憶】

前日に帝都でおすすめの和菓子店で桜餅、大福、三色団子あたりを購入します

当日は屋台も見に行きたいな
苺々子さん、一緒に行きましょうか
ふたりで屋台を見て回り、買い物が済んだら戻って準備のお手伝い

持ち寄った料理やスイーツ、飲み物はどれも美味しそう
色んなものをちょっとづつ頂きますね
ん、これって花より団子派になるのかしら

お酒は弱いのですが少しなら大丈夫
桜に因んだお酒なんて素敵
乾杯してゆっくり飲み進めます

舞い散る桜とランタンの影を楽しみつつ
柔らかな灯りに照らされる皆の姿を見て思います
ここでこうしてお花見ができて嬉しい

お酒のせいかな、ふわふわして温かくて
揺れるハンモックにもついウトウトしちゃいそう


ノヴァ・フォルモント
【燈憶】

出店で調達した飲み物の袋を提げ
皆が準備している場所へ
桜に因んだ日本酒や、桜色のソーダは特に珍しい
花見にも合うだろうと少し多めに

お弁当やサンドイッチ、美味しそうなデザートに
桜の光が舞う和紙の灯籠もまた風情がある
皆が持ち寄ったもので素敵な花見会場が出来たみたいだな

取り分けて貰った物を頂きつつ
せっかくなので俺も少しお酒をご一緒しようか

幻朧桜で見慣れたと思っていた桜も
時と場所が違えばまた見え方も変わるものだな
見上げれば夜空に咲く桜色の海
…とても綺麗だ

皆の楽しげな様子を穏やかに眺めつつ
緩りと目を細めて
こんな風に賑やかに過ごす感覚は何時振りか
そう感じてしまうは
少々酔いが回ったせいかもな


ゲニウス・サガレン
【燈憶】

はっはっは、花見場所取り隊参上
人通りから少し奥に入っている場所、見上げると桜が見える位置が良いね
仲間のために場所を設えて待っていたよ
レジャーシートに椅子・テーブルを用意、ハンモックも用意しておこう!

さて、私はみんなが用意してくれた、おにぎりや団子をいただきながら、お茶でもいただこうか
みんなありがとう!……食べきれるかな?
レヴァイア君も食器、ありがとう
カルディア店長のランタンの明るさが上品なおかげで、星と夜桜とランタンが同時に楽しめるね……穏やかだなぁ
(ハンモックに横になり、夜空と桜を見上げる)

あ、そうだ! 出店で金魚すくいしてこなきゃ! 今日こそ1匹獲るぞ!



 春の園にうたう夜桜は、ただ花開き咲き誇るだけでも美しいというのに。
「はわ……夜の……桜……キレイ……です……」
 レヴァイア・ラザフォード(ももいろうさぎ・f03923)が見上げる桜花は、光に照らされながら煌めき咲いている。
 そんなライトアップされた桜は綺麗で、レヴァイアは思わず感動してしまうけれど。
 同時に、わくわくドキドキ。桜を皆で見る、という経験は初めてだから。
 いや、桜を皆でみることだけではない。彼にとって、これが人生初のお出かけ。
 こんなに綺麗な桜は初めてで、何もかもが初めての事だらけ。
 だから思わず、桜とお揃いのいろをした髪を揺らして、思わずキョロキョロしてしまうけれど。
 皆とはぐれない様に気を付けつつ、迷子にならないよう桜舞う花の園を進んで。
 瑞月・苺々子(苺の花詞・f29455)にとっても、今宵が初めて。
 天を仰げば咲き誇っているのは、初めて出来た仲間たちと眺める夜桜。
 ……故郷から遠く離れた地の夜桜も、変わらず美しいに違いない、って。
 訪れる前から、そう思ってはいたのだけれど。
 月を思わせる髪にひらり、じゃれる様に舞い降る桜花弁たちは、淡い光を放っていて。
 そんな春のいろを眺め楽しみつつも、苺々子は密かに張り切るようにぐっと心に思う。
(「皆が困らないようにお利口にしなきゃ」)
 今は両親がいないし、幼さ故に迷惑をかけないようにと。
 そして同じ様に花見に訪れている人々の喧騒を潜り抜けて。
 辿り着いた目的の地で、燈屋≪Memoria≫にいつも集う皆を待っていたのは、ゲニウス・サガレン(探検家を気取る駆け出し学者・f30902)。
 さかのぼる事、数時間前。
「はっはっは、花見場所取り隊参上」
 まだ人も疎らな時間からこの場に訪れていたゲニウスは、ぐるりと桜咲く園を一通り見回して。
「人通りから少し奥に入っている場所、見上げると桜が見える位置が良いね」
 希望通りの特等席を確保、レジャーシートを敷いて。
 椅子やテーブルは勿論、ハンモックまで用意して、仲間のために場所を設えて待っていたのである。
「ゲニウスくん、素敵な場所を見つけてくださってありがとうございます」
 そんな場所を取ってくれていた彼に、イリーネ・コルネイユ(彷徨う黒紗・f30952)はぺこりと。
 くすんだ長い金の髪を揺らし、微笑み湛える冬空の瞳を細め礼を言ってから。
 早速色々準備を始める。ふんふん~♪ とご機嫌に鼻歌まじりで。
 だってイリーネにとっても、夜桜のお花見は初めてだから。
 そんな皆の元へとやって来たのはノヴァ・フォルモント(待宵月・f32296)。
 その手に提げている袋には、出店で調達した飲み物が。
 けれど、ただ普通の飲み物だけではなくて。
(「桜に因んだ日本酒や、桜色のソーダは特に珍しい」)
 ……花見にも合うだろう、と。
 今の時期のこの場所でしか飲めない桜いろの飲み物たちは、少し多めに。
 そして前日に予め、帝都でおすすめの和菓子店で和スイーツをいくつか買っておいたのだけれど。
「屋台も見に行きたいな」
 そう呟いたハルア・ガーラント(宵啼鳥・f23517)の声に、苺々子はぴょこり手を挙げて。
「ももも一緒に行ってお手伝いするの!」
「苺々子さん、一緒に行きましょうか」
 ハルアの声にこくりと大きく頷いた後、タタッと嬉しそうに駆け寄って。
 ふたりで、広場に並ぶ屋台に買い出しへ。
「色んな屋台があって目移りしちゃうの。ベビーカステラも美味しそう。お花見だから桜の形なのかしら?」
「美味しそうだし、桜の形が可愛いですね。人数分買っていきましょうか」
 皆も色々と弁当やスイーツなどを作って持ち寄るって言っていたし。
 それは絶対に美味しいと、苺々子もわかっているけれど。
「でも、軽くつまめるように焼鳥やお好み焼きがあっても良さそう」
 それからふと、こてりと首を傾けて続ける。
 ……お酒に合うって聞いたけれど本当かな? って。
 まだお酒が飲めない苺々子には、わからないことだけれど。
 そんな、ふたりが買い出しに行っている間に。
 レジャーシートをばさり、敷くのを手伝った後。
 カルディア・アミュレット(命の灯神・f09196)が灯すのは、桜花弁舞う燈火。
 中心に置いた紙灯籠風のランタンに明かり灯せば、淡い光の中をひらり舞うのは、影の桜花弁。
 そしてカルディアは、燈火纏う赤の瞳を細める。
 ……こんなに賑やかなお花見ははじめて、って。
 それから、いそいそと広げて並べてみる。
「はりきってお弁当作ってみたの」
 おにぎりに唐揚げ、フライドポテト、卵焼きにたこさんウィンナーまで。
「お弁当の定番をつめてみたの」
「私はフルーツサンドを作ってきました」
 カルディアの花見弁当と一緒に、イリーネもごろりと果実を挟んだお手製のサンドイッチを並べて。
 レヴァイアも、肉球マドレーヌに一口サイズのわんわんタルト、うさぎのムースケーキ。皆で分けっこするために作ってきた洋菓子を取り出して。
「あ……お、俺……取り分け……する、の……持ってきた……です……」
 紙皿や紙コップや割り箸などの、使い捨てが出来る物もきっちりと持参。
「レヴァイア君、食器ありがとう」
 そんな彼からゲニウスが紙皿を受け取って、礼を言えば。
 買い出しに言っていた、ハルアと苺々子も戻って来て。
 ハルアは事前に買っておいた桜餅、大福、三色団子などの和菓子と一緒に。
 苺々子と一緒に、買って来た桜のベビーカステラや、おつまみにも良さそうな焼鳥やお好み焼きも並べて。
「みんな、買い出し……ありがとう」
 カルディアはほわりと微笑む……美味しそうな食べ物いっぱい、って。
「皆が持ち寄ったもので素敵な花見会場が出来たみたいだな」
 ノヴァは皆に、それぞれ希望の飲み物を配りながらも、仄かに照る朱い黄昏色の瞳を細める。
 お弁当やサンドイッチ、美味しそうなデザートに……桜の光が舞う和紙の灯籠もまた風情がある、と。
 それから皆で夜桜の下、並ぶ料理を見遣りながらも。
「何から食べようかな、迷ってしまいますねぇ」
「どれも美味しそう、色んなものをちょっとずつ頂きますね」
 瞳をきらきらさせ、幸せに緩む頬をおさえるイリーネの隣で。
 ハルアは少しずつ皿に取りながらもふと思う。
 ――ん、これって花より団子派になるのかしら、なんて。
 ゲニウスもおにぎりや団子をいただきながらお茶を飲みつつ、改めてぐるりと視線巡らせてみれば。
「みんなありがとう! ……食べきれるかな?」
 豪勢なご馳走に礼を言いつつも、豪華すぎて別の心配が……?
 そして、桜の下でわいわい楽しいお花見といえば。
「お酒も買ってきたのね。飲める人で一緒にいただきましょうか」
「お酒も楽しみにしていましたの。桜酔という日本酒、気になっていました!」
 カルディアの声に、お酒は大好きなイリーネもわくわく。
 いえ、のんびり楽しみたいから今日は少し控え目にしておきますよ?
「せっかくなので俺も少しお酒をご一緒しようか」
 ノヴァはそう調達してきた日本酒『桜酔』を、飲める皆と楽しむべく取り出して。 
「桜に因んだお酒なんて素敵。お酒は弱いのですが少しなら大丈夫」
「わたしもご一緒するわ……お酒はあまり強くないけど、嗜む程度なら」
「飲めない方もノンアルコールで一緒に乾杯しましょう!」
 まだお酒が飲めないレヴァイアや苺々子は、ピカピカしゅわりと光る桜色のサイダーを手に。
 美しくライトアップされた夜桜の下で――乾杯!
 優しい春のような口当たりの日本酒や桜花のようないろを咲かせたサイダーを、それぞれのペースでゆっくりと飲み進める。
 カルディアは、持ち寄った食べ物を皆で食べながらも、心が綻ぶ。
 どれも美味しくて幸せで、それになによりも。
 ……皆が楽しそうでよかった、って。
 ライトアップされた夜桜は宵色に浮かび上がる様に、はらりひらりと綺麗だけれど。
 でも、皆が見ている景色は、さらに優しいいろを纏っているから。
「カルディア店長のランタンの明るさが上品なおかげで、星と夜桜とランタンが同時に楽しめるね……穏やかだなぁ」
 カルディアの灯した、仄かな明かりに照らされて。
 そんな、ゆうらり揺れるハンモックにごろりと横になって、まだ見たことが無いような夜空と桜の景色を眺めるゲニウスの声に頷いて。
「幻朧桜で見慣れたと思っていた桜も、時と場所が違えばまた見え方も変わるものだな」
 ノヴァも夜空に浮かぶ月と同じ色の髪を春風に微か揺らしながら、ふと天を仰いで。
 そっと呟きを落とす……とても綺麗だ、って。
 夜空に咲く桜色の海を、その瞳の中にも湛えながら。
 ハルアも、舞い散る桜とランタンの影の花弁も楽しみつつ。柔らかな灯りに照らされる皆の姿へと視線を巡らせ、思う。
(「ここでこうしてお花見ができて嬉しい」)
(「傍には皆が居て、とっても贅沢な気分」)
 幻想的な夜桜とカルディアが作った優しい明かりのランタンを見つめ、イリーネもそう心に紡いで。
 ほんのり灯る和紙のランタンの幻想的な光に、レヴァイアも思わず微笑みを零す。
 ……旅団の皆とここに来れてよかった、って。
 そして、皆の楽しげな様子を穏やかに眺めつつ、緩りと目を細めて。
 ――こんな風に賑やかに過ごす感覚は何時振りか、なんて。
 ノヴァがそう感じてしまうは、満開の桜に少々酔ったせいかもしれない。
 いや、桜に酔っているのは、何も彼だけではなくて。
(「お酒のせいかな、ふわふわして温かくて……」)
 仄かに顔も心なしか桜のようないろに染まっているハルアは、ゆらゆら揺れるハンモックにも、ついウトウト。
 そして同じ様に、ハンモックの上でゆらりと春の景色を眺めていたゲニウスだけれど。
 ハッと上体を起こし、思い出したようにこう口にする。
「あ、そうだ! 出店で金魚すくいしてこなきゃ!」
 ……今日こそ1匹獲るぞ! って。
 そんな彼の声に笑みつつも、ほろ酔い気分で会話を楽しんで。
 イリーネは皆を見回して、『桜酔』を嬉々と口にしつつも紡ぐ。
「また皆でこんな風におでかけできたら嬉しいですわ」
 そしてその言葉にこくりと頷きながら、カルディアも改めて噛みしめる。
 皆で眺める夜桜舞う中、ほわりと優しく灯る――嬉しい感情を。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

真宮・響
【真宮家】で参加

(可愛い装いのヤオフーが駆けていく姿を見て)あの子は大丈夫そうだね。奏のお腹が鳴っているようだから夜ご飯食べようか。子供達はお祭りの屋台も大好きだからねえ。(こっそり財布の中身を確認)

(ノリノリでどんどん屋台で買い物をする奏を見て)確か、奏の食べるものは全部筋肉にいくんだっけ?凄く特な体質してるね。ああ、焼きそばやお好み焼きは私も好むところだ。(こっそり『桜酸』を購入)あの子・・・ヤオフーもこうして人が楽しんでる所を見たかったんだろう。どんな事情があろうとも、若いころは色々経験をした方がいい。

・・・しんみりしてしまったね。屋台で買ったものを夜桜を見ながら食べようか。


真宮・奏
【真宮家】で参加

(可愛くなったヤオフーが嬉しそうに駆けていくのをみて)追いかけたいのは山々ですが・・・お腹が空いて力が出ないです~。(ヘロヘロして座り込む)はい、屋台でパワーチャージです!!

焼き鳥、イカ焼き、焼きもろこし、たこ焼き・・・ああ、全部制覇したい!!兄さんは・・・密にチョコバナナとリンゴ飴、両手に持ってませんか?甘味好きですものね。ええ、食べたものは全部筋肉にいきますから!!凄く動きますし!!

どんなお家の事情があっても、楽しみはありませんと。私も悔いなく生きたいですね。(夜桜見ながら)うん、美味しくて幸せです~(一杯食べ物を口に詰めて顔がハムスターみたいに膨らんでる)


神城・瞬
【真宮家】で参加

(見違えるように晴れやかな笑顔のヤオフーが駆けていくのを見て)さて、こちらのお嬢さんは・・・パワー切れですか。まあ、一日中歩き回りましたからね。僕もお腹が空いてきたかも。屋台、行きましょうか。

奏が屋台の食べ物を制覇していく勢いの傍でこっそり僕は水飴やチョコバナナやりんご飴の甘味をチェック。ええ、屋台の甘味も好きですし。あ、焼き鳥とかも食べます。・・・母さん、財布の中身大丈夫ですか。

夜桜はこの季節ではの楽しみですね。華やかで儚い、優美な女性の象徴の桜ですから、ヤオフーもこの桜の中で楽しんでみたかったんでしょう。年頃の女の子なら、納得できる感情です。ここにいる奏のように。



 ライトアップされた夜桜が照る中、ぴょこりきょろりと歩くヤオフ―。
 けれどその装いは、最初に出会った時とは違っていて。
 さくらコスメでほんのりおませにお化粧したその姿は、見違えるほど可愛らしい。
 そんなヤオフ―が楽しくきゃっきゃと駆けてゆく様を見つめながらも。
「追いかけたいのは山々ですが……お腹が空いて力が出ないです~」
 ヤオフ―と一緒にさくらコスメで可愛く彩って貰った真宮・奏(絢爛の星・f03210)は、思わずヘロヘロと座り込んでしまう。
 嬉しそうに花の園をゆくヤオフ―を追いかける力も出ないくらい、おなかぺこぺこで。
 いや、もうきっと、彼女を追いかけなくてもいいのだと。
「あの子は大丈夫そうだね」
 真宮・響(赫灼の炎・f00434)は、笑顔咲かせ駆けてゆくその姿を見て思うし。
 見違えるように晴れやかな笑顔のヤオフーを見送りつつも、神城・瞬(清光の月・f06558)が視線映すのは、ぺたんと座り込んでいる奏の姿。
 ということで。
「さて、こちらのお嬢さんは……パワー切れですか。まあ、一日中歩き回りましたからね」
「奏のお腹が鳴っているようだから夜ご飯食べようか」
「はい、屋台でパワーチャージです!!」
 美味しい物が沢山並ぶ屋台で、おなかを満たして元気を補給です!
 座り込んでしまっていた奏も、夜ご飯と聞けば瞳キラキラ、食欲そそる匂いにつられて張り切って屋台へと。
 けれど、おなかすいているのは奏だけではないから。
「僕もお腹が空いてきたかも。屋台、行きましょうか」
「子供達はお祭りの屋台も大好きだからねえ」
 瞬とともに、奏を追う様に歩き出した響は、何気にこっそりと確認しておく……財布の中身を。
 そんな母の心、まさに子知らず。いや、知られないようにチェックしたのだけれど。
「焼き鳥、イカ焼き、焼きもろこし、たこ焼き……ああ、全部制覇したい!!」
 屋台に売っている美味しそうなものを全制覇するという、そんな野望を口にする奏。
 それからふと、ぱちりと瞳を瞬かせる。
「兄さんは……密にチョコバナナとリンゴ飴、両手に持ってませんか? 甘味好きですものね」
 こっそりと水飴やチョコバナナやりんご飴等の甘味をチェックして両手に握る、甘いものが好きな瞬に。
「ええ、屋台の甘味も好きですし」
 瞬は奏に、そうこくりと頷いてから。
 あ、焼き鳥とかも食べます……と、良い匂い漂わせる焼き鳥の屋台を見るけれど。
 ノリノリでどんどん買い物をする奏の姿に、思わず響にこう訊ねるのだった。
「……母さん、財布の中身大丈夫ですか」
 今日は確かに、1日中さくらいろの街を巡って、買い物も沢山したけれど。
 でもやっぱり、瞳を輝かせる腹ペコな子供達を見れば、財布が軽くなっても致し方ない。
 そして、改めてまじまじと響は見つめる。
「確か、奏の食べるものは全部筋肉にいくんだっけ? 凄く特な体質してるね」
 それにしても、幸せそうに本当によく食べる奏を。
「ええ、食べたものは全部筋肉にいきますから!! 凄く動きますし!!」
 よく食べるけど、それ以上に動いているから何も問題はありません。
 そして焼き鳥を買った後、イカ焼き、焼きもろこし、たこ焼きと、お目当てのものを買いまわってから。
「焼きそばやお好み焼きも美味しそうです!」
「ああ、焼きそばやお好み焼きは私も好むところだ」
 ソースの香ばしい匂いにふらり誘われて、焼きそばとお好み焼きも追加です。
 あと、それともうひとつ……こっそりと響が買った『桜酔』の日本酒も。
 それからふと響は、屋台並ぶ賑やかな広場の様子を瞳に映しながらもそっと紡ぐ。
「あの子……ヤオフーもこうして人が楽しんでる所を見たかったんだろう」
 ……どんな事情があろうとも、若いころは色々経験をした方がいい、って。
 自分が歩んできたこれまでのことを、思い返しつつも。
 そしてそれは、決してヤオフーだけではなくて。
「どんなお家の事情があっても、楽しみはありませんと」
 ……私も悔いなく生きたいですね、って。
 そう口にする奏や瞬に対しても、同じだから。
 それから……しんみりしてしまったね、なんて瞳を細めた後。
「屋台で買ったものを夜桜を見ながら食べようか」
 光に照って舞う夜桜がよく臨める場所に3人並んで、買った食べ物たちをいただきます。
 瞬は甘い戦利品を存分に堪能しながらも、天を仰いで。
「夜桜はこの季節ではの楽しみですね。華やかで儚い、優美な女性の象徴の桜ですから、ヤオフーもこの桜の中で楽しんでみたかったんでしょう」
 そう言った後、眼前の奏の姿へと視線を映せば、思わず笑ってしまう。
「うん、美味しくて幸せです~」
 夜桜見ながらも、一杯食べ物を口に詰めてハムスターみたいに膨らんでいる奏の顔に。
 そんな楽しくて美味しくて、幻想的な桜の景色。
 瞬は改めて花も甘味も楽しみながら、桜の木の下で思う……年頃の女の子なら、納得できる感情です、と。
 目の前で幸せそうに笑む――ここにいる、奏のように。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ベスティア・クローヴェル
シルヴィア(f00384)と参加

さくらパンを片手に広場に向かう途中、目に入るのは沢山の出店
私は今持っている分だけで足りるけれど、隣を歩くシルヴィアはどうだろう
シルヴィアの様子を窺いながら、袖を引っ張って出店の方を指差して

出店が色々出てるみたいだけど、何か追加で食べ物でも買う?

さくらパンに桜色のソーダ
そして見上げると綺麗な夜桜
食べることも忘れて、ただただ見惚れるばかり

綺麗だね

そっとシルヴィアの髪へと手を伸ばし、摘まみ取るのは桜の花びら
今日は付き合ってくれてありがとう、と微笑みかける

あと何回、こうして遊びに行けるかわからないけれど
出来る事なら来年もこうして、花見が出来たらいいな


シルヴィア・ジェノス
ベスティア(f05323)と行動

わわ、屋台が沢山!食べ物も玩具も売っているのね!
え、勿論追加で買いますとも!いーっぱい食べるんだから!
林檎飴にイカ焼き、焼きそばも良いわね!桜ソーダも綺麗ね、是非買いましょう。光る桜カチューシャも頭につけましょう

もぐもぐと食べたり、ベスティアさんと喋ったりしながら眺める夜桜
昼とはまた違った趣があって…綺麗
夢のような、とはまさにこのことね

触れられた髪に桜の花びら
ベスティアさんが恋人になったような感じがして、少し恥ずかしくなりつつ微笑み返すわ

こちらこそ誘ってくれてありがとう
来年も再来年も、何回だって来ましょう
後何回、なんて『終わり』のことなんて考えないで、ね?



 光に照らされた桜花弁が舞う夜を、ふたり並んで歩きながら。
 花の園の広場へと向かう途中、ベスティア・クローヴェル(太陽の残火・f05323)の赤い瞳に映るのは沢山の出店。
 そんな賑やかな店からは、春風にふわり乗って、美味しそうな匂いがいっぱい漂ってくるけれど。
 ベスティアの手には、古民家ベーカリーで買ったさくらパンが。
 ……でも。
(「私は今持っている分だけで足りるけれど、隣を歩くシルヴィアはどうだろう」)
 そうそっと、隣のシルヴィア・ジェノス(月の雫・f00384)の方を見遣れば。
「わわ、屋台が沢山! 食べ物も玩具も売っているのね!」
 食いしん坊な彼女が出店へと視線を巡らせている瞳は、案の定キラキラ。
 そんな彼女の様子を窺いながら、ベスティアはくいくいと袖を引っ張って。
「出店が色々出てるみたいだけど、何か追加で食べ物でも買う?」
 出店の方を指差し、そう提案を。
 刹那、ぱっと桜にも負けないくらい満開に笑顔が咲いて。
「え、勿論追加で買いますとも! いーっぱい食べるんだから!」
 うきうき心躍るように足取り軽く、シルヴィアは嬉々と追加してゆく。
「林檎飴にイカ焼き、焼きそばも良いわね! 桜ソーダも綺麗ね、是非買いましょう。光る桜カチューシャも頭につけましょう」
 あれもこれもと、気になった食べ物や飲み物は勿論。
 みょんみょん揺れる、光る桜が咲いたカチューシャもお揃いでふたつ。
 そんな光る桜カチューシャもちゃんと、すちゃり頭に着けたシルヴィアと一緒に。
 ピカピカしゅわりと弾ける春色のソーダを買ってから。
 さくらパンに桜色のソーダ……そして、見上げれば綺麗な夜桜。
 ベスティアは食べることも忘れて。
 そんな春の夜を彩る桜たちに、ただただ見惚れるばかりで。
 はらり舞う桜花弁の様に、感嘆の声を落とす。
 ……綺麗だね、って。
 シルヴィアも、沢山買った戦利品を美味しくもぐもぐ食べたりしながら、仄かな光に照る夜桜を眺めて。
 ベスティアの呟きに、こくりと頷く。
「昼とはまた違った趣があって……綺麗」
 ……夢のような、とはまさにこのことね、なんて。
 それからベスティアはふと、隣のシルヴィアを見つめながら。
 柔い月の光纏う髪へと、そっと手を伸ばせば。
「今日は付き合ってくれてありがとう」
 微笑みかけつつも摘まみ取るのは、桜のひとひら。
 そしてひらり舞う春のいろたちをシルヴィアと眺めながら、続ける。
「あと何回、こうして遊びに行けるかわからないけれど」
 ――出来る事なら来年もこうして、花見が出来たらいいな、って。
 優しく触れられた髪に、舞い降ってきた桜の花びら。
 彼女が恋人になったような感じがして、シルヴィアは少し恥ずかしくなりつつも。
 ベスティアへと、こう言の葉を返す。
「こちらこそ誘ってくれてありがとう。来年も再来年も、何回だって来ましょう」
 仄かに染まった、柔いさくらいろの微笑みを咲かせて――後何回、なんて『終わり』のことなんて考えないで、ね? って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

宵雛花・千隼
梟示(f24788)と

昼間の街も賑やかだったけれど
人の多さに竦みかけ、冗談めかされた手をつい強く握る
…離しては嫌よ
子供のようと笑わないでね、とぽそり

ええ、レモンタルトね
飲物は…ならワタシは温かな甘い桜茶を

花景色を見ながら進み、静寂に安堵して
桜の下に腰掛ける彼の隣へ肩を寄せ
ふふ、乾杯

本当に綺麗
見事な花景に知らず泣いて
桜は好きよ、ただ本当は夜桜が少し怖かったの
けれどアナタとなら怖くはないと微笑み
掬う指に涙が止まる
…ありがとう

忘れないわ。忘れて欲しくないのだわ
影朧にも、アナタにも。それが我儘でも
私を忘れないで
桜の中にどうぞ消えないで
紡ぎ、繋ぐ手を引寄せて
引寄せられた温もりの中にあなたの香りを確かめる


高塔・梟示
千隼(f23049)君と

四季咲きでも見頃は今なのだろう
まるでお祭りだ
冗談めかし、逸れないようにと手を差出す
おや…ではこのままで
揶揄わないさと肩竦め

昼間タルトを買ったんだっけ
なら屋台で飲物を選んで行こう
千隼君は如何する?
わたしも同じで、甘くないものを

景色眺め花の園の奥へ
人気のない桜の下に腰掛けて
宴には少し静かだけれど、乾杯しようか

満開の下から見る夜桜の綺麗なこと
…怖い?美しいものはそう思えるのさ
花びらのように落ちた涙を掬い
良かった、君と同じ桜を見られて嬉しいよ

「私を忘れないで」
確か欧州の花言葉だったか
影朧にも、わたし達にも
忘れ得ぬ日であるように願おう
花が散っても消えはしない
繋いだ手ごと引寄せて



 春を過ぎれば、はらりひらりと儚く散る……なんてことは、この世界の桜に限っては、ないのかもしれないけれど。
 それでも、うたう花の園を楽しむ帝都の人々の様子を目にすれば。
 ……四季咲きでも見頃は今なのだろう、って。
 高塔・梟示(カラカの街へ・f24788)にもそう分かる。
 桜に縁深いこの世界の人々にとっても、春は心躍る特別な季節なのだと。
 そんな賑やかな様子に……まるでお祭りだ、なんて。
 冗談めかしながらもひらり差し出すのは、大きな手のひら。
 宵雛花・千隼(エニグマ・f23049)へと、逸れないようにと。
 そしてそっと細い指が触れ、手が重ねられれば。
「……離しては嫌よ」
 ……子供のようと笑わないでね、って。
 ぽそり落とされた声と同時に、ぎゅっと強く握られる手の感触。
 昼間の街も賑やかだったけれど……人の多さとその喧騒に、竦みかけて。
 そんな彼女へと、梟示は視線を向けてから。
「おや……ではこのままで」
 そっと肩を竦めてみせる。揶揄わないさ、と。
 そしてちょっぴり怖気づいた心を安心させる様な優しい熱を、掌で共有しながらも。
 美味しそうな匂い漂わせる沢山の出店へと目を向けつつ、梟示はふと口にする。
「昼間タルトを買ったんだっけ」
「ええ、レモンタルトね」
 春風が運んでくる匂いは確かに美味しそうだけれど。
 さくらいろの街で、夜桜を眺めながらいただく軽食はもう購入済だから。
「なら屋台で飲物を選んで行こう。千隼君は如何する?」
「飲物は……ならワタシは温かな甘い桜茶を」
 返ってきた声に頷いてから、梟示は出店で調達を。
 ……わたしも同じで、甘くないものを、と。
 同じものをふたつ。甘くない、あたたかな桜茶を。
 そして賑やかな出店並ぶ広場をするりと抜けて。
 景色眺めながら向かうは、花の園の奥。
 人気のない桜の下に腰掛けて、梟示はふわり桜香る茶をそっと夜空へ掲げて。
「宴には少し静かだけれど、乾杯しようか」
 静寂に安堵しつつ彼の隣へ肩を寄せて、千隼は小さく笑み咲かせる。
 ……ふふ、乾杯、って。
 それからふと天を仰げば、静かに広がる見事な花景。
「――本当に綺麗」
 そんな声と一緒に、はらりはらりと――橙の瞳から知らず涙零して。
 千隼はぽろぽろ雫落つる瞳で彼を見上げ、紡ぐ。
「桜は好きよ、ただ本当は夜桜が少し怖かったの」
 ……けれどアナタとなら怖くはない、って。そう微笑みながら。
 梟示はそんな花びらのようにはらはらと落ちる涙を、伸ばした指先でそっと掬い上げて。
「……怖い? 美しいものはそう思えるのさ」
 触れた指先の優しさを感じれば、止まる涙。
 それから……ありがとう、ってそう告げれば。
「良かった、君と同じ桜を見られて嬉しいよ」
 返ってきた声に、千隼は笑みと言の葉を咲かせる。
「忘れないわ。忘れて欲しくないのだわ。影朧にも、アナタにも。それが我儘でも」
 ……私を忘れないで。
 ……桜の中にどうぞ消えないで。
 そして繋ぐ手を引き寄せ、確かめる。
 引き寄せられ包まれた温もりの中の、彼の香りを。
「「私を忘れないで」、確か欧州の花言葉だったか。影朧にも、わたし達にも、忘れ得ぬ日であるように願おう」
 梟示はそう繋いだ手ごと彼女を引き寄せて、満開に咲き誇る夜桜を共に眺める。
 確り優しく掴まえたまま、離さずに――花が散っても消えはしない、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

硲・葎
ユエさん(f05601)と。
屋台だー!
せっかくだし、満喫しちゃお!花より団子とか言われそうだけど、今日は気にしない!
「私、焼きそば食べたーい!」
ユエさんの手を引き、屋台を色々回っちゃお!
「ユエさん、食べたいのある?」
彼女の食べたいものも探しながら、夜桜の写真を撮ってみたり。
「この写真はお土産に、と。ユエさん、ツーショット撮ろう、ツーショット!」
彼女とここに来た記念を残したいから。スマホで自撮りしておこう。また嬉しい記念が増えたや。
ユエさんから写真が欲しいって
言われるなんて!ふふ、嬉しいな!
「もちろん!データ渡すね!」
ふわりと落ちてきた花弁はあの人へのお土産に。


月守・ユエ
葎さん(f01013)と
ふふ、いっぱい食べ物があるね♪
うんうん!今日くらい気にしないで満喫したって罰はあたらないよ。
「じゃあ、僕は…あ!たこ焼きにしよっ」
たこ焼きの屋台を指さして
ぱぁっと無邪気な笑みを葎さんに向ける

夜桜はとっても幻想的で大好き
はらはらと落ちる桜の花びらに手を伸ばして楽しむ

「ほえ?ツーショット?…うん!撮ろうか♪」
写真。せっかくの良き景色
新しくできた友人である彼女と撮って思い出にしよう
彼女の傍に寄り添ってカメラのレンズに笑顔を向ける
新し友達の記念の証として

「ね。あとで、そのお写真、僕にもちょうだい?」
お部屋に飾りたいんだ
楽しかった思い出を、いつでも思い出せるように♪



 ライトアップされた夜桜が満開の、花の園をふたり並んで歩きながら。
「屋台だー!」
「ふふ、いっぱい食べ物があるね♪」
 その足取りと同じように、弾むように上がった硲・葎(流星の旋律・f01013)の声に、月守・ユエ(皓月・f05601)も笑んで返して。
「せっかくだし、満喫しちゃお!花より団子とか言われそうだけど、今日は気にしない!」
「うんうん! 今日くらい気にしないで満喫したって罰はあたらないよ」
 ……屋台を色々回っちゃお! って。
 葎は流行るように、ユエの手を引きながらも。
「私、焼きそば食べたーい! ユエさん、食べたいのある?」
 そう訊ねてみれば。
 並ぶ沢山の屋台をぐるりと見回した後、ユエはひとつの屋台を指さして。
「じゃあ、僕は……あ! たこ焼きにしよっ」
 葎に向けるのは、ぱぁっと無邪気な笑み。
 そんな彼女の食べたいものも探しながら。
「……この写真はお土産に、と」
 パシャリと撮ってみるのは、仄かに光る夜桜の写真。
 そしてたこ焼き屋に向かいながらも、ユエはそっと手を伸ばしてみる。
「夜桜はとっても幻想的で大好き」
 月の光が降り注ぐ下、歌う様に紡ぎ楽しみながら――はらはらと落ちる桜の花びらを追って。
 葎はそんなユエへとこう声を掛ける。
「ユエさん、ツーショット撮ろう、ツーショット!」
 彼女とここに来た記念を残したいから。スマホで自撮りしておこう、って。
「ほえ? ツーショット? ……うん! 撮ろうか♪」
 ユエは一瞬だけ瞳をぱちりと瞬かせるも。
 ――写真。せっかくの良き景色。
 そして新しくできた友人である彼女との思い出にと。
 傍に寄り添ってカメラのレンズに咲かせるのは、勿論満開の笑顔。
 新しい友達の記念の証として。
「また嬉しい記念が増えたや」
 撮った写真を確かめながら、そう表情を綻ばせる葎。
 それからユエはそんな彼女に、こうお願いを。
「ね。あとで、そのお写真、僕にもちょうだい?」
 ……お部屋に飾りたいんだ、って。
「楽しかった思い出を、いつでも思い出せるように♪」
「もちろん! データ渡すね!」
 写真が欲しいって言ってくれたことがまた、葎は嬉しくて。
 ふふ、と再び笑み宿した後、ふと満開に咲く夜桜を見上げてみれば。
 そっと手を伸ばし掴まえたのは、ふわりと落ちてきた桜花弁。
 そして頬をさくらいろに、仄かに色づかせながら。
 葎は、大切に掌の中のひとひらを包み込む――あの人へのお土産に、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

篝・倫太郎
【華禱】
夜彦と奥にある桜の古木を観に行く
勿論、手はしっかり繋いで

賑やかなのも悪くないけど……
流石にずっとだと少しばかり疲れちまう

あ、でも帰りには『桜酔』買って帰ろうぜ?
んで、家で一緒に呑も?

古木の下で皆と戯れるヤオフーを見遣って
夜彦……あの子と遊びたい?

ん-……俺はいいかな
かくれんぼって、実はちょっと苦手

隠れてる時にさ、見つけて貰えなかったらって思っちまうの
それもあって、少し怖い……って言ったら笑う?

夜彦の言葉にゆるっと笑うとしっかりと手を繋ぎ直す

それに、俺、探すの下手だから……
あんただけは絶対に見つける自信あるんだけど

だから、遊べないけど見届けるのはしようかと思って

ぅん、離したら嫌だよ、夜彦


月舘・夜彦
【華禱】
倫太郎と桜の古木を観に行きます
どちらが先にでもなく、手を繋いで並んで歩く

私達には賑やかな所よりも静かな所が合うのでしょう
此処でならば貴方の声もよく聞こえる

ふふ、そうですね
お酒は買って帰りましょう
それから子供達には桜の玩具や飲み物も

何を買おうか話しながら、遠くで遊んでいるヤオフー達に気付く
その様子を視線で追っていた所を倫太郎に気付かれて

彼女の手伝いをしようかどうかと
……怖い?
続いた理由を知れば、握っていた手に力を込めて
私ならば見つけてみせます
その為に貴方の所へ行けるように術も覚えたのですよ

……彼女は彼等に任せても大丈夫そうです
私には貴方が離れないように、こうして手を繋ぐ使命がありますから



 はらり、ひらりと光を纏った桜花弁たちが舞い遊ぶ春の夜。
 もういつもの、当たり前のことだから。
 どっちが先に手を伸ばしたかなんて、わからないけれど。
 月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)は、篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)としっかり手を繋いで並んで歩く。
 夜桜が満開に咲き誇る、うたう春の花の園を。
 そして賑やかな広場をすり抜け、ゆったり人々が一息つく茶屋をも通り過ぎて。
 ふたりで観に行くのは、奥にある桜の古木。
 奥へと進むたび、あれほど賑やかだった声や音も聞こえなくなって。人の姿も次第に疎らに。
 今日一日、帝都の街を歩き回って。確かに、とても楽しかったのだけれど。
「賑やかなのも悪くないけど……流石にずっとだと少しばかり疲れちまう」
 そうぽつりと春の静寂の中、言葉を落とした倫太郎に。
「私達には賑やかな所よりも静かな所が合うのでしょう」
 夜彦は笑んで返す――此処でならば貴方の声もよく聞こえる、って。
 そんな彼に頷いて、倫太郎は琥珀の瞳をそっと細めるけれど。
「あ、でも帰りには『桜酔』買って帰ろうぜ? んで、家で一緒に呑も?」
「ふふ、そうですね。お酒は買って帰りましょう。それから子供達には桜の玩具や飲み物も」
 帰ってからも一緒に桜に酔えるように、自分達の土産と。
 出店で見かけた、ピカピカ光っていた桜の玩具や飲み物を、子供達へと買って帰ろうと。
 楽しい土産の相談をしていれば……ふと、夜彦は気付く。
 ――もういいかい、もういいよ、って。
 遠くでかくれんぼして遊んでいるヤオフー達に。
 倫太郎は、そんな彼の視線の先に気付いて。
「夜彦……あの子と遊びたい?」
 古木の下で皆と戯れるヤオフーを見遣りながらも、訊ねてみれば。
「彼女の手伝いをしようかどうかと……」
「んー……俺はいいかな」
 倫太郎は、ぽつりと呟きを落とすかのように続ける。
 ……かくれんぼって、実はちょっと苦手、って。
 それから自分を見つめる夜彦へと、視線を向けて紡ぐ。
「隠れてる時にさ、見つけて貰えなかったらって思っちまうの」
 ――それもあって、少し怖い……って言ったら笑う? って。
「……怖い?」
 最初こそ、きょとりと首を傾けた夜彦も、その理由を知れば優しく微笑んで。
 握っていた手に力を込めて、真っ直ぐに彼へと告げる。
「私ならば見つけてみせます」
 ……その為に貴方の所へ行けるように術も覚えたのですよ、と。
 そんな届いた夜彦の言葉に、倫太郎はゆるっと笑ってから。
 しっかりと手を繋ぎ直して、自分の姿を映す翡翠のいろを見つめ返す。
「それに、俺、探すの下手だから……」
 ……あんただけは絶対に見つける自信あるんだけど、って。
 そう、もう一度笑って。
「だから、遊べないけど見届けるのはしようかと思って」
「……彼女は彼等に任せても大丈夫そうです」
 夜彦も倫太郎と一緒に、遠くで楽しそうに遊ぶヤオフー達を見守る事にする。
 だって、夜彦にはやるべき大切なことがあるから。
「私には貴方が離れないように、こうして手を繋ぐ使命がありますから」
 夜桜に決して攫われないように、攫わせなどさせないように。
 自分達はふたりでひとつ――いつだって、傍に。
 そして昔は、かくれんぼがちょっと怖かったけれど。
 でも夜彦の手を握り返す今の倫太郎は、怖くなんてない。
「ぅん、離したら嫌だよ、夜彦」
 こうやってふたりで、しっかりと手を繋いでいるから。
 何処にいたって見つけるし、見つけてくれるって……ちゃんと、知っているから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
お酒…なんというか私の方に執着が残りそう。
ということでこれ以上悪影響が(私に)出ないうちに奥の桜の木の元へ。

かくれんぼ、ね。
なら参加させてもらおうかしら、と指先にタッチよ。

こちらが鬼ならゆっくりヤオフーを探しましょう。

ゆるりゆるりと木の周りをまわって、桜の花を透かし見て。
さては桜の根の間かしら?

「きっと、見つけてほしかったのね」

私はヤオフーの願いを叶えられるのかしら。



 影朧であるヤオフーの執着は、さくらいろの帝都で目一杯遊ぶこと。
 それが果たされているかどうかは、うきうき狐耳や尻尾を揺らしている彼女をみれば一目瞭然で。
 きょろりと夜桜咲く賑やかな花の園の奥へと、ご機嫌に歩いている。
 けれど……出店がずらり並ぶ賑やかな広場をゆきながら。
 ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は、ふるりと首を微か横に振る。
 ――なんというか私の方に執着が残りそう、って。
 そんな彼女の視線の先にあるのは、この地の銘酒『桜酔』。
 そう、お酒である。
 ヤドリガミである彼女は本当は、成人にお釣りがくるほど長生きであるのだけれど。
 どこからどうみても少女の見目である彼女には、いつもの如く酒は振舞って貰えそうにない。
 ということで、これ以上悪影響が出ないうちにと、奥の桜の木の元へ。主に自分に影響が出そうだから。
 そして到着すれば、丁度ヤオフーがご機嫌にピンッと指を掲げてうたっている。
『かーくれんぼするひと、このゆび、とーまれっ』
「かくれんぼ、ね。なら参加させてもらおうかしら」
 ヴィオレッタはそう、小さな指先にタッチして、その指にとまってから。
 みんなが鬼ね! とはしゃぐヤオフーをゆっくり探すことに。
 花の園の奥は、ただひたすら静かに夜桜が咲き誇っていて。
 吹く春風にさわりと薄紅が揺れては、ひらりひらりと舞い落ちる。
 そんな春の夜を、ゆるりゆるりと。木の周りをまわって、桜の花を透かし見て。
 ヴィオレッタは、ぴょこりと飛び出て揺れる狐尻尾に、藍と紫の双眸を細める。
 ――さては桜の根の間かしら? って。
 それから……見つけた、って紡いであげれば。
 見つかっちゃった! と、ぱあっと咲く満開の笑顔。
 そんなヤオフーを見つめ、ヴィオレッタは思うのだった。
「きっと、見つけてほしかったのね」
 そして朧に霞むその姿に――私はヤオフーの願いを叶えられるのかしら、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

戀鈴・シアン
【狼硝】

桜霞に黒と白
友の姿は見紛うことなく手を振り返して
ふふ、随分買ってくれてる
半分持つよ

今日はこんなに近くで見られるなんて
ほら見て、花弁も掴めた

わ、猫に犬に鯛に…甘味がたくさん
幸せな匂い
好いね、半分こ
でも可愛い子たちの顔を割るのは可哀想かも、なんて
それもそうか、と幸せをシェアして

そうだ、飲み物
此処に来る途中に買ってきたよ
桜珈琲に桜ラテに桜茶
二人共、好きなの選んで

え、こんなにいいの?
可愛い猫…あはは、ハクのはその大きいやつか
この香水はレンの好きな香り?
瓶を光に透かしてみる
俺みたい、か
へへ、ありがと
俺の為に選んでくれたなんて嬉しくない筈はなくて
次は俺から何か贈らせて
また一つ、きみとの『やくそく』


飛砂・煉月
【狼硝】

夜闇に薄紅咲き誇る中
シアン~
こっちこっちって手をぶんぶん
オレ差し入れとお土産選んできたよ
あっは、持つのもシェアなんて最高じゃん

夜桜がよく見える場所で
今日は近くで
ね、見てオレも掴めた
おっそろーい

桜色の猫のあんまんと犬の肉まん
半分こしよっか
食べられない方が可哀想だよ
あと桜のたい焼きとドーナツもあるぞ~

飲み物普通に忘れてたけどシアンなーいす
じゃオレは桜珈琲
ハクは桜ラテ貰おうかな

あ、未だ有るよー
桜香水ともふ猫キーホルダーがお土産!
残りの縫ぐるみも見せよ
香水は優しい馨がしたからお揃い
瓶もシアンみたいに透き通ってて綺麗でしょ

あっは、次はシアンの番?
ん、楽しみだな~
夜桜の中増えたキミとの
『やくそく』



 いつだって散ることなく咲いている、幻朧桜だけれど。
 でも桜に縁深いこの世界の人々にとっても、春はやっぱり特別な季節に違いない。
 桜花うたう園は、そんな花見を楽しむ人たちで賑やかだけれど。
 夜闇に薄紅のいろが咲き誇る園をゆく戀鈴・シアン(硝子の想華・f25393)は、決して見紛うことなんてない。
 桜霞の彩りの中、シアン~こっちこっち、って。
 自分を見つけてぶんぶん手を振る、黒と白の友のいろを。
 先に待っていた飛砂・煉月(渇望の黒狼・f00719)はハクと一緒に、傍に駆け寄ってきたシアンに得意顔。
「オレ差し入れとお土産選んできたよ」
 さくらいろの街で買った、沢山の戦利品に。
 そんな友の様子にも、とても沢山の荷物にも、思わず笑み零れて。
「ふふ、随分買ってくれてる。半分持つよ」
「あっは、持つのもシェアなんて最高じゃん」
 早速シアンは仲良く煉月と、荷物もシェアして半分こ。
 そして暫く歩いてみれば、夜桜がよく見える場所を見つけて。
「今日はこんなに近くで見られるなんて」
 はらはらと舞い遊ぶ花弁たちと、くるり指先で追いかけっこすれば。
 シアンはぱっと笑み咲かせ、煉月へとそっと掌を開いてみせてみる。
「ほら見て、花弁も掴めた」
「ね、見てオレも掴めた」
 煉月もじゃれるように追った花弁をしっかりと掴まえて。
 ハクの頭の上にもひらり、ひとひらが舞い降る。
 そんな手の中や頭の上の薄紅を交互に見遣りながら、顔を見合せて笑いあう。
 ――おっそろーい、って。
 そして夜桜の下で煉月が広げるのは、美味しい桜色の戦利品。
「わ、猫に犬に鯛に……甘味がたくさん」
 ……幸せな匂い、って。
 そう硝子の如く澄んだ青を細めるシアンに、煉月はこんな提案を。
「桜色の猫のあんまんと犬の肉まん、半分こしよっか」
「好いね、半分こ」
 シアンは一度は、そうこくりと頷いたものの。
 改めて、じいっと猫さんと犬さんを見つめ、呟く。
「でも可愛い子たちの顔を割るのは可哀想かも、なんて」
 そんな声に、煉月はあはっと笑んでから。
「食べられない方が可哀想だよ」
 ……あと桜のたい焼きとドーナツもあるぞ~、って。
 さらに甘味の追撃をしてみせれば。
 シアンは彼の言葉に笑んでから、もう一度頷く。
 それもそうか、と幸せをシェアしながら。
 そして、美味しい食べ物は沢山買っておいた煉月だけれど。
 喉が少し乾いてふと気づく。普通に飲み物のことを忘れていたことに……!?
 けれど、そんな様子に気付いて。
「そうだ、飲み物。此処に来る途中に買ってきたよ」
 シアンが差し出すのは、丁度買ってきてくれていた飲み物。
「シアンなーいす」
「桜珈琲に桜ラテに桜茶、二人共、好きなの選んで」
「じゃオレは桜珈琲。ハクは桜ラテ貰おうかな」
 食べ物と飲み物を自然と分担し合う、見事なふたりの連携プレイ。
 ハクも嬉しそうに桜ラテをこくこく飲んで。
 ほうっと一息……つくのは、まだちょっぴりだけお預け。
「あ、未だ有るよー。桜香水ともふ猫キーホルダーがお土産!」
「え、こんなにいいの?」
 そうぱちくりと瞳瞬かせるシアンにお土産を手渡しながら、煉月がついでにと見せるのはぬいぐるみ。
 ハクも一緒に、見て見て、と言わんばかりに得意気に鳴いて。
「可愛い猫……あはは、ハクのはその大きいやつか」
 シアンはふたりが見せるぬいぐるみさんに和んだ後、渡された香水へと視線を向けてから。
「この香水はレンの好きな香り?」
「香水は優しい馨がしたからお揃い。瓶もシアンみたいに透き通ってて綺麗でしょ」
 煉月の言葉を耳にして、優しい香を閉じ込めた瓶を光に透かしてみる。
 そして青の瞳をそっと細め、言の葉を零す――俺みたい、か……って。
 それから、へへ、ありがと、って。咲かせるのは、満開の笑み。
 だって、自分の為に選んでくれたなんて、嬉しくない筈はないから。
 だから今度は、って。
「次は俺から何か贈らせて」
 シアンは紡ぐ――また一つ、きみとの『やくそく』を。
「あっは、次はシアンの番?」
 煉月も、そんな夜桜の中増えたキミとの『やくそく』に笑みを咲かせ返す。
 ――ん、楽しみだな~って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

四季杜・刹那
【箱園】
盟約を交わした姉妹たちと共に
緋衣は「姉様」と呼ぶ

この世界はずっと桜が咲いているのだったわね
ええ、とても素敵な世界ね
こんなに幻想的な世界があるだなんて、感動したわ

ふふ、灯埜が心配しているわ
ゆっくり歩いていきましょうか、姉様

あらあら、姉様。素敵な代物じゃない
流石ね
うん…好き香りがするわ
1つ買ってみましょうか?

…ドーナツ、アタシも食べたいわ?
分けてちょうだい?灯埜、姉様

噫、四神様方には……美味しい食べ物でも買って行きましょうか?
屋台の定番メニューを端から端まで…なんて、ね?(ふふ、)
…きっと、なんでも喜んでいただけるわよ
あなたがいいと思ったの買っていきなさいな


御子神・緋衣
【箱園】
盟約を交わした妹達、灯埜、刹那と。

ここがサクラミラージュ……どこもかしこも桜!
灯埜の所は桃の花よね。似ているけど違う……不思議ね。

来てよかったわ! 存っ分に楽しむわよ!
屋台は全制覇するわ!勿論、妹達も一緒に食べ歩きね。
妹達を引っ張りだこにする勢いよ!

ほら、灯埜!一緒に桜ドーナツ食べましょ!
私も初めて見るわ。穴が空いてるのね?
ん〜♪美味しい!灯埜も美味しい?
勿論刹那も一緒に食べましょうよ♪
灯埜、気に入ったみたいね♪

刹那、刹那!練り香水とかあるわ!
刹那にとても合うんじゃない?
心が落ち着く良い香りじゃない。買ってみましょうよ。

あとはお留守番中の四神達に、お土産買わないと♪
えぇ、もっちろんよ♪


珂神・灯埜
【箱園】
契りを交わした義姉二人と
※無表情デフォ

空を仰ぎ薄紅花弁を目で追い
灯埜が統治する場所では桃の花弁が舞っていますが
微妙に花弁が違うのですね

あねさま。緋衣姉さま
楽しい事は逃げません。ゆっくり見て回りましょう
どぉなつ?食べ物ですか

薄紅に色付いた甘味
食への興味は殆どないが
緋衣の笑顔を曇らせぬよう口許へ運ぶ

甘い。桜の味とはこのようなものなんですね
ん、嫌いじゃないです
刹那姉さまも如何でしょうか?
他にも餅や団子もあるそうですよ

甘味好きは無自覚
もぐもぐドーナツ頬張り
無くなれば心なしかしょんぼり

手軽に薫りを纏えるんですね
うん、刹那姉さまに似合ってます

それではお土産も見て参りましょう
どぉなつも買いましょうね



 仄かな光纏う花弁が、はらりひらりと。春の夜をさくらいろに染めて。
 そんな春の色に、右だけ結わえた黄味がかった橙のいろを躍らせて。はしゃぐ様に巡らせるのは山吹の瞳。
「ここがサクラミラージュ……どこもかしこも桜!」
 神でありながら天楓治める黄龍の巫女として屋敷から出ることのない御子神・緋衣(緋黄彩の結わい・f32508)にとって、桜舞い踊る世界の風景は物珍しくて。
 ……ええ、とても素敵な世界ね、って。
 こくりと緋衣に頷いてから、春を象徴する花を見上げ感嘆の言の葉を落とす刹那。
「この世界はずっと桜が咲いているのだったわね。こんなに幻想的な世界があるだなんて、感動したわ」
 桜といえば、春の季節に咲き誇って散りゆく花。
 けれどこの世界には、そんな桜が常に咲き誇っているというけれど。
 でもやはり、四彩に在り四季を司る女神である刹那には分かるのだ。この世界においても、満開に桜が咲く季節は春なのだと。
 春を彩る薄紅のいろ。珂神・灯埜(徒神・f32507)はくすんだ金色の眸で空を仰ぎ、くるり踊る薄紅を目で追って。
「灯埜が統治する場所では桃の花弁が舞っていますが、微妙に花弁が違うのですね」
 そっと広げた掌にひらり落ちて来た花弁をじいっと見つめてみる。
 似たような薄紅の花弁は華影でも目にするのだけれど。こうやって見てみると、知っているものとはまた違っていて。
「灯埜の所は桃の花よね。似ているけど違う……不思議ね」
 緋衣は、灯埜の掌の中のいろを一緒に覗き込む。
 そんな足取り弾む緋衣や刹那に視線を向けて。
「あねさま。緋衣姉さま。楽しい事は逃げません。ゆっくり見て回りましょう」
「ふふ、灯埜が心配しているわ。ゆっくり歩いていきましょうか、姉様」
 聞こえた妹の声に、刹那は姉へとそう笑んで。
 3人並んで、賑やかな花の園の広場の出店を見て回る。
 そして、きょろりと巡らせた山吹のいろが見つけたものは。
「ほら、灯埜! 一緒に桜ドーナツ食べましょ!」
 出店に並んだ、さくらいろをした甘味。それを試しに買ってみて。
「どぉなつ? 食べ物ですか」
「私も初めて見るわ。穴が空いてるのね?」
 相変わらず無表情ではあるものの、こてりと首を傾ける灯埜と一緒に。
 空いた穴から、春の景色をひょこり覗き込んでみる緋衣。
 そしてそうっとひとくち、ぱくりと口にしてみれば。
「ん〜♪ 美味しい! 灯埜も美味しい?」
 広がる優しい甘さに、ぱあっと綻ぶ笑顔。
 食への興味は殆どないのだけれど、でもそんな緋衣の笑顔を曇らせぬようにと。
 薄紅に色付いたどぉなつという甘味を、灯埜も己の口許へと、はむりと運んで。
「甘い。桜の味とはこのようなものなんですね」
 ……ん、嫌いじゃないです、と。
 雪結晶揺れる白縹の髪を微か揺らして、もう一度こくり。
 そんなふたりの様子を見ていた刹那も。
「……ドーナツ、アタシも食べたいわ? 分けてちょうだい? 灯埜、姉様」
 さくらいろの甘味を、姉妹たちお強請りすれば。
「勿論刹那も一緒に食べましょうよ♪」
「刹那姉さまも如何でしょうか?」
 みんなで仲良く、春色纏うドーナツを分けっこ。
 そして何気に灯埜は再び出店を見回して。
「他にも餅や団子もあるそうですよ」
 意識していないけれど、灯埜がちょっと気になるのは、甘い物たち。
 だから、もぐもぐ頬張っていたドーナツが無くなってしまえば、心なしかしょんぼりしてしまう。
「灯埜、気に入ったみたいね♪」
 そんな灯埜の様子に緋衣は笑ってから。
 さくらいろの甘味を食べ終わったその時、ふと春風に乗ってふわり漂う香りに気付いて。
 その香がする方へと視線を向け、辿ってみれば。
「刹那、刹那! 練り香水とかあるわ!」
 ……刹那にとても合うんじゃない? って。
 そう緋衣がタタッと足を向けたのは、練り香水が並ぶ出店。
「あらあら、姉様。素敵な代物じゃない。流石ね」
 刹那は姉に勧められたそれを、そうっと手に取ってみて。
「うん……好き香りがするわ。ひとつ買ってみましょうか?」
「心が落ち着く良い香りじゃない。買ってみましょうよ」
「手軽に薫りを纏えるんですね。うん、刹那姉さまに似合ってます」
 緋衣と灯埜のお墨付きを貰えば、買わないという選択はありません。
 食べ物は勿論、賑やかな出店は様々な春が爛漫。
 そんなさくらいろでいっぱいの夜をゆく緋衣は、ぐっと気合を入れる。
「来てよかったわ! 存っ分に楽しむわよ!」
 ……屋台は全制覇するわ! って。
 それは当然、ひとりでではなくて。妹達も一緒に食べ歩き。
 妹達を引っ張りだこにする勢いで、るんるんとあちこち歩いて回らんとする緋衣だけれど。
「噫、四神様方には……美味しい食べ物でも買って行きましょうか?」
 ……屋台の定番メニューを端から端まで……なんて、ね? って。
 そう、ふふ、と笑む刹那も。
「あとはお留守番中の四神達に、お土産買わないと♪」
「それではお土産も見て参りましょう」
 やっぱりその表情は変わらない様に見えるけれど。
「どぉなつも買いましょうね」
 先程食べたどぉなつが何気にそわり、忘れられない灯埜も。
 ふたりとも、姉と一緒に満喫する気は満々だから。
 ……えぇ、もっちろんよ♪ って、灯埜に笑み返し歩む緋衣に続いて。
「あなたがいいと思ったの買っていきなさいな」
 刹那はふたりへとふわり、穏やかな春のような笑みを咲かせる。
 ……きっと、なんでも喜んでいただけるわよ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エルネスト・ナフツ
【夜来】

夜のサクラもきれいなものじゃな
さきほど購入したオコジョのココもよろこんでおろうて
主のピピはどうだ?

主の言っておったさくらのソーダ
我も気になっておったのだよ
ほぅ。緑色のソーダはしゅわしゅわとするのかえ
ただの水のようにもみえるが、我も飲んでみるとしよう
主の真似をしてのむぞ。未知なる感覚だ
これがしゅわしゅわというのか
我の口のなかもしゅわしゅわとしておるぞ

わたあめ、光るカチューシャ。不思議なものばかりだ
くもをたべるちいさき子らの不思議な光景よ
ありがとう。くもは甘くい。おいしいよ。
ココにもカチューシャをくれるか?
どうだ。ピピとお揃いじゃ。
ルーシーと我も買おう。皆でお揃いじゃ。


ルーシー・ブルーベル
【夜来】

見て見て、桜が満開よ
夜桜って桜の白が映えてきれいね

さっき買ったカピバラさんをピピって名付けて、いっしょに連れていくの
エルネストさんのココさんもかわいい
もちろんピピも大よろこびよ!

桜ソーダ、気になっているの
緑色のは飲んだ事あるけれど、桜色は初めて
しゅわしゅわやさしい香りでおいしい
緑もしゅわしゅわするのよ
何時か飲んで頂きたいな

ソーダを片手に出店もめぐりましょう
あ!ワタアメがある!だいすきなの
雲みたいで甘くてフシギ
あなたにもひとつどうぞ
わあ桜カチューシャも!下さいな!
ピピの頭にのせて……どう?似合う?
ココさんにもエルネストさんにも、はい!
んふふ、よく似合ってるわ
みんなでオソロイって楽しい!



 いつだってこの世界には、幻朧桜が咲き誇っているし。
 昼間巡った帝都の街も、さくらいろに満ちていたけれど。
「見て見て、桜が満開よ。夜桜って桜の白が映えてきれいね」
「夜のサクラもきれいなものじゃな」
 光に照らされ淡く光る夜の桜は、また違ったいろをしている。
 そんな夜桜を眺め楽しみながらも、エルネスト・ナフツ(神の聖者・f27656)はふと視線を落として。
「さきほど購入したオコジョのココもよろこんでおろうて」
 ……のぅ? と、じいっと見つめ語り掛けるのは、先程店から連れ帰ったオコジョのココ。
 そしてもふもふ、ルーシー・ブルーベル(ミオソティス・f11656)へと目を向ければ。
「主のピピはどうだ?」
「もちろんピピも大よろこびよ!」
 ……エルネストさんもココさんもかわいい、なんて。
 同じく店で出逢った、ピピって名前を付けたカピバラさんをぎゅっと抱っこして。
 いっしょに連れてゆくルーシーも、大きくこくり。
 そしてルーシーがきょろり、巡らせる瞳で探すのは。
「桜ソーダ、気になっているの」
 ピカピカしゅわり、春のいろをした飲み物。
 エルネストも、うむ、と頷いて。
「主の言っておるさくらのソーダ、我も気になっておったのだよ」
「緑色のは飲んだ事あるけれど、桜色は初めて」
 ルーシーは早速買ってみた薄紅色のソーダを、じっと見つめてから。
「緑もしゅわしゅわするのよ。何時か飲んで頂きたいな」
「ほぅ。緑色のソーダはしゅわしゅわとするのかえ」
 エルネストに緑色のソーダのことを教えてあげつつ、そうっと桜色のソーダを口にしてみれば。
「しゅわしゅわやさしい香りでおいしい」
 まるで春のような、淡く優しい香りや口当たり。
「ただの水のようにもみえるが、我も飲んでみるとしよう」
 エルネストもルーシーを真似て。
 桜ソーダを口へと運んでみた瞬間、瞳をぱちくり。
「未知なる感覚だ。これがしゅわしゅわというのか」
 ……我の口のなかもしゅわしゅわとしておるぞ、って。
 水にはない、しゅわりとする初めての炭酸の感覚に。
 そんな春色をしたソーダを片手に、賑やかな出店を巡ってみるふたり。
 そして、ルーシーが見つけたのは。
「あ! ワタアメがある! だいすきなの」
 ふわふわまんまるい、わたあめ。
 それも勿論嬉々と買って、はむり……雲みたいで甘くてフシギ、って。
 呟いた口の中ですうっと溶けてゆく、甘ーいふわふわ。
「くもをたべるちいさき子らの不思議な光景よ」
「あなたにもひとつどうぞ」
 そう紡ぐエルネストにも、ルーシーは甘い雲をお裾分けして。
 ありがとうと礼を告げてから、試しに食べてみれば。
「くもは甘い。おいしいよ」
 エルネストの口の中にも、ふわり甘い美味しさが。
 そして並ぶ出店は、食べ物のものばかりではなくて。
 ひときわピカピカしている店に並ぶのは、光る桜たち。
「わあ桜カチューシャも! 下さいな!」
「わたあめ、光るカチューシャ。不思議なものばかりだ」
「ピピの頭にのせて……どう? 似合う?」
 ルーシーはピピの頭にちょこりと光る桜カチューシャをつけてみて。
「ココさんにも、はい!」
「ココにもカチューシャをくれるか?」
 手渡された同じものを、エルネストもココにも装着。
 ……どうだ。ピピとお揃いじゃ、と。
 ちょっぴり得意げに言ってから、ルーシーへとこんな提案を。
「ルーシーと我も買おう。皆でお揃いじゃ」
 その声にルーシーは、オソロイ! と瞳を煌めかせた後。
「エルネストさんにも、はい!」
 ピピやココみたいに、ふたり仲良く早速すちゃり。
「んふふ、よく似合ってるわ」
 ルーシーはピカピカ光る桜を、みんなと一緒にみょんみょん揺らしながら。
 楽しさいっぱいの笑みを満開に咲かせる。
 ――みんなでオソロイって楽しい! って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

東雲・円月
リシェア(f00073)と合流

あ、リシェアじゃないか。奇遇だねェ。それとも運命かな?
折角だし一緒に歩こうか?
……って、なんで解るの?!
いやあれは別にナンパとかデートとかでは……あるかもしれない

こほん。
夜桜っては本当に、色合いとかその他もろもろ含めて最高だなー
ライトアップあってこそってとこも好きだな、自然と不自然の調和って言うの?

あ、そうだ。これ
お昼にフリーマーケットで買ったものだけど、良かったらどうかな?
偶然、出会えた記念にね
お。それは嬉しいな。好みってのもまた奇遇だね。買っておいて良かった
お礼なんていいよ、リシェアは身体を大事にしてくれたらそれでいい

あ、一緒に何か食べようか
買ってきてあげるよ


リシェア・リン
円月さん(f00841)と合流

わ、円月さんも来てたのね
どう?何か楽しい事はあった?
…あ、円月さんの事だもの。綺麗な人とデートしてたとか?
ふふ、当たってるでしょ

本当、綺麗ねぇ
暗い中に桜の木がふわぁって浮かび上がってるみたいで
昼間見る桜とはまた違った綺麗があると思うの

…え、これを私に?くれるの?
嬉しい…!ちゃんと私の好みまで分かってくれてるのね
私は…まさか円月さんと会うなんて思ってなかったから
雑貨屋さんでは何も買ってないけど…また今度お礼に、ね?

食べたいもの?うーん、そうだなぁ
ちょっと寒くなってきたし、スパイスの効いた辛いものはどうかしら
美味しく食べて温まれれば一石二鳥だもの、ね



 春の訪れを楽しむ人たちで賑やかな、さくらいろにうたう花の園。
 そんな風景の中、東雲・円月(桜花銀月・f00841)は知った顔を見つけて。
「あ、リシェアじゃないか。奇遇だねェ。それとも運命かな?」
「わ、円月さんも来てたのね」
「折角だし一緒に歩こうか?」
 リシェア・リン(薫衣草・f00073)はそんな誘いに頷きながらも。
「どう? 何か楽しい事はあった? ……あ、円月さんの事だもの。綺麗な人とデートしてたとか?」
「……って、なんで解るの!?」
 ぱちくりと瞳瞬かせる彼に笑み向けて。
「ふふ、当たってるでしょ」
「いやあれは別にナンパとかデートとかでは……」
 慌ててそう口にする円月だけれど、ふと呟くように続ける。
 ……あるかもしれない、って。
 でもまぁ、それはそれとして。
 こほん、と気を取り直した後、光纏う夜の桜をふたり見上げてみて。
「夜桜っては本当に、色合いとかその他もろもろ含めて最高だなー」
「本当、綺麗ねぇ」
「ライトアップあってこそってとこも好きだな、自然と不自然の調和って言うの?」
「暗い中に桜の木がふわぁって浮かび上がってるみたいで、昼間見る桜とはまた違った綺麗があると思うの」
 そう会話を交わしながらも、春爛漫のお花見を。
 そんな桜空を見上げる彼女の横顔へと、円月はふと視線を移してから。
「あ、そうだ。これ、お昼にフリーマーケットで買ったものだけど、良かったらどうかな?」
 ……偶然、出会えた記念にね、って。
 手渡すのは、桜がそっと咲いた首飾り。
「……え、これを私に? くれるの? 嬉しい……! ちゃんと私の好みまで分かってくれてるのね」
「お。それは嬉しいな。好みってのもまた奇遇だね。買っておいて良かった」
 女の子に似合いそうって、買っておいた甲斐がありました。
 そして嬉しそうに尻尾をゆらゆら、贈られた桜を見つめてから。
 リシェアはふと、彼を見上げて。
「私は……まさか円月さんと会うなんて思ってなかったから、雑貨屋さんでは何も買ってないけど……また今度お礼に、ね?」
「お礼なんていいよ、リシェアは身体を大事にしてくれたらそれでいい」
 円月はそう自分を見つめる彼女に笑んでみせた後。
 漂ってきた良い匂いにつられるように、賑やかな出店へと足を向ける。
「あ、一緒に何か食べようか。買ってきてあげるよ」
「食べたいもの? うーん、そうだなぁ。ちょっと寒くなってきたし、スパイスの効いた辛いものはどうかしら」
 ……美味しく食べて温まれれば一石二鳥だもの、ね、って。
 そんなリシェアのチョイスに、何気にかなりの辛党である円月は再び笑み返す。
 ――俺達気が合うね、やっぱり運命かな? なんて。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フリル・インレアン
ふええ、ですからアヒルさん、隠れてください。
ふぇ、見つかってしまいました。
アヒルさんが全然隠れてくれないからですよ。
ふえ?最初から気づかれていたって、そうなのですか?
だから、アヒルさんは最初から隠れようとしなかったのですね。
私一人で舞い上がってて恥ずかしいです。
そういえば、かくれんぼでしたね。
今度は私が鬼ってことですね。
数を数えますから隠れてくださいね。

あれ?アヒルさんは隠れないのですか?
私ひとりじゃ絶対に見つけられないって、ひどいですよ。



 帝都の街は何気に、そうっと身を隠せる場所が色々あったけれど。
 訪れている人の姿は多いとはいえ、花の園は広々としていて、街の中に比べると隠れるところも少ないから。
「ふええ、ですからアヒルさん、隠れてください」
 相変わらず一切隠れる気なくヤオフーの後をつけるアヒルさんに。
 フリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)がそう、言った甲斐もなく。
『帽子のおねえさんとアヒルさん、みーつけた!』
「ふぇ、見つかってしまいました」
 くるり振り返ってキャッキャとはしゃぐヤオフーに、ついに見つかってしまいました!?
 いや、ヤオフ―のはじめてのおつかいを影からじっと見守っていた……つもりだったのだけれど。
 フリルは、大きく開いた赤の瞳をぱちくり。
「ふえ? 最初から気づかれていたって、そうなのですか?」
 ……だから、アヒルさんは最初から隠れようとしなかったのですね、って。
 実はとっくに見つかっていたことに、今更気付いて。
 ……私一人で舞い上がってて恥ずかしいです、なんて思わず大きな帽子のつばを押さえてしまうけれど。
『ね、かくれんぼ好きでしょ? かくれんぼするひと、このゆびとーまれっ』
「そういえば、かくれんぼでしたね」
 今までは、自分達が見つからないように隠れていたけれど。
「今度は私が鬼ってことですね。数を数えますから隠れてくださいね」
 わかった! って元気に頷くヤオフ―を見てから。
 1,2,3……って数えようとしたのだけれど。
「あれ? アヒルさんは隠れないのですか?」
 かくれんぼなのにやっぱり隠れようとしないアヒルさんの様子に、不思議そうに首をこてり。
 そして、その理由を聞いてみれば。
「私ひとりじゃ絶対に見つけられないって、ひどいですよ」
 そうアヒルさんに不服申し立てするフリルだけれど。
 いえ、通常でもフリルだけが鬼をするのは、何となくちょっぴり不安なのに。
 何気に夜の桜吹雪の中でするかくれんぼは、確かに見つける難易度高いかもしれません……?

大成功 🔵​🔵​🔵​

メリル・チェコット
メルちゃん(f05874)と

きゅう、とお腹の音が鳴る
……!
いっぱいお買い物したからお腹空いちゃった

そろそろライトアップの時間!
出店で色々買って、奥の大きい桜のところでご飯にしない?
うんうん、食べ物の調達しにいこー!

色とりどりの出店に目移りしつつもついついはしゃいで
迷ったら両方買っちゃおうよ!
あ、わたあめ!
メリルこれ大好きなんだぁ、ひつじみたいでかわいいの
桜のソーダも気になる……何で光ってるんだろう?
ふふふ、メルちゃんのそういうところ、メリル好きだよ

あれもこれもって欲張っちゃった
両手にいっぱい幸せを抱えて
わあっ、ありがとう!
えへへ、幸せって限りがないね
後でメリルのわたあめも半分こしようっ


メール・ラメール
メリルちゃん(f14836)と出店巡り

お腹のおとが聞こえてくすくす
じゃあ、同じくらいいーっぱい食べなきゃね

あら、もうそんな時間?それは大変!
ライトアップの瞬間も見たいものね
腹が減ってはなんとやら!
お腹いっぱいでライトアップも楽しみましょ!

何買おうか悩んじゃう
りんご飴食べたい…クレープもいいな…
メリルちゃん綿菓子選ぶと思った!
とってもメリルちゃんらしいもの
…うーん、ぴかぴか光ってるのはライトかしら
UDCでそういうの見たことあるけど…、浪漫がない?
彼女の言葉にはほんのり赤く

ふふ、甘いものだらけになっちゃった
そうだメリルちゃん、これ食べる?
差し出したのはいちご飴
一緒に遊んでくれてありがとうの気持ち!



 帝都乙女も夢中な桜コスメで、気分もちょっぴりオトナ気分……と思っていたけれど。
 ――きゅう。
 ふいに鳴ったのは、メリル・チェコット(ひだまりメリー・f14836)のお腹の音。
「……! いっぱいお買い物したからお腹空いちゃった」
 そうちょっぴり照れた様に頬をさくらいろに染めるメリルに、くすくす笑って。
「じゃあ、同じくらいいーっぱい食べなきゃね」
 メール・ラメール(砂糖と香辛料・f05874)が見回すのは、広場に沢山並ぶ食べ物の出店。
 いや、ふんわり食欲をそそる美味しそうな匂いが、春風に乗ってあっちこっちからするから。
 メリルのお腹の虫が鳴ってしまうのも納得。
 それに――そろそろ、桜がライトアップされる時間だから。
「出店で色々買って、奥の大きい桜のところでご飯にしない?」
「あら、もうそんな時間? それは大変! ライトアップの瞬間も見たいものね」
 花も団子も、両方欲張って楽しむ気満々なふたりは、桜舞う賑やかな雑踏の中、張り切って歩き出す。
 だって、腹が減ってはなんとやら!
「お腹いっぱいでライトアップも楽しみましょ!」
「うんうん、食べ物の調達しにいこー!」
 けれど、色とりどりの出店にきょろりと目移りしてしまって。
「何買おうか悩んじゃう。りんご飴食べたい……クレープもいいな……」
 うーんと悩まし気に呟きを落とすメールに、メリルはこんな名案を。
「迷ったら両方買っちゃおうよ!」
 悩んじゃうのなら、折角だから両方買えばまるっと解決なのです。
 むしろ出店の食べ物を全部食べちゃいたいくらい、どれも美味しそうだけれど。
 悩むのも楽しくて、ついついはしゃいでしまう。
 そしてメリルも、巡らせていた陽だまりのようないろの瞳で見つける。
 しゅわりと甘い、まんまるなふわふわを。
「あ、わたあめ! メリルこれ大好きなんだぁ、ひつじみたいでかわいいの」
 そんなメリルの声に、メールはうんうんと頷く。
「メリルちゃん綿菓子選ぶと思った! とってもメリルちゃんらしいもの」
 だって、ふわふわも甘い物も好きだってこと、わかっていたし。
 くるくるふわふわな可愛いそれは、すごく彼女らしいから。
 そしてメリルはうきうき、早速わたあめを買った後。
「桜のソーダも気になる……何で光ってるんだろう?」
 じいっと、しゅわしゅわなさくらいろを不思議そうに見つめてみれば。
「……うーん、ぴかぴか光ってるのはライトかしら。UDCでそういうの見たことあるけど……」
 そこまで言って、メールはメリルへと目を向け、ふと続ける。
 ……浪漫がない? って。
 でも、それがまたとっても彼女らしくて。
「ふふふ、メルちゃんのそういうところ、メリル好きだよ」
 思わず笑み零してしまうメリル。
 そんな言葉に、ぱちりと紫の瞳を瞬かせてから。
 まるで桜のようないろに、ほんのり染まるメールのほっぺた。
 そして色々悩んで、結局気になったものを沢山お買い上げすれば。
「あれもこれもって欲張っちゃった」
「ふふ、甘いものだらけになっちゃった」
 気付けば、甘いものでいっぱい。
 でも、それだけではありません。
 メールがふとメリルへと差し出したものも勿論、甘いもの。
「そうだメリルちゃん、これ食べる?」
 ……一緒に遊んでくれてありがとうの気持ち! って。
 渡されたのは、つやつやの甘さを纏った、いちご飴。
 それにいっぱいなのは、甘いものだけではなくて。
「わあっ、ありがとう! 後でメリルのわたあめも半分こしようっ」
 ――えへへ、幸せって限りがないね、なんて。
 幸せも爛漫、メリルは桜に負けないくらい、ぱあっと満開に笑顔を咲かせて。
 美味しくて甘いものを沢山、仲良くふたりで半分こ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エドガー・ブライトマン
【灼熱】
へえ、桜のおもちゃ!やはりあの花は愛されているらしい
ぴかぴかと光っているね。夜だから一層輝かしい

私もペンライトを買っちゃおう
フフ、ベル君ったら可愛らしいな~
これって文字も書けるんだ!じゃあ暗闇のなかでも手記が書けちゃう
便利な代物じゃないか

でもスイッチを入れたまま書こうとするとちょっと眩しいな…
おや、スイッチを押す回数で光り方が変わるのかい?
何度か押すと七色に輝き始めた。これどうやって止まるの?

うん、私は桜色のソーダにする。これも光るんだってさ
もう私光りすぎだよ
ソーダを飲みながらゆっくり歩いて
座れる場所も探そうか

やれやれ、仕方ない大人たちだなあ~
眠っているひとを起こすことも王子の役目かな


ベル・ルヴェール
【灼熱】

見ろ!サクラのオモチャだ!
通りすがりの者子がサクラのペンライトを持っていた。
僕もあれが欲しい。あれを持って夜のサクラの中を歩きたい。
あとは酒がだな。ペンライトと酒を見つけたら座る場所でも探すか?

サクラのペンライトはかわいいな。
それにサクラと同じ色をしている。それに振ると面白い。
僕はサクラのペンライトを振って遊ぶ。
ボタン?どこだ?……あった!
おお。すごいな。楽しい。

エドガーはジュースを飲むか?
サクラのソーダがある。……僕もサクラのソーダが気になってきたな。
僕も貰おう。それから酒を買って、と。
欲張りすぎたな。手が塞がってしまった。
アヤカありがとう。
酒もうまい。僕も寝たら起こしてくれ。


浮世・綾華
【灼熱】

そーそ、一番大事なやつを忘れずに
おっけー。さて、何処にあるかしら

折角だし、俺も買おうかしら
ペンライトを振ってはしゃぐベルが子供みたいで笑っていると
近くにいた子供がそれを使い文字を書いて遊んでいた
手紙…時間は越えられないケド
少し遠くにいるひとになら届きそーだ

自分をスイッチを入れてみる――無意識に二回押してしまっていたらしい
ちかちかと明滅するペンライトに
おぉ。と小さく声をあげ不思議そうに見つめた

店員さーん、袋とか貰えます?
これに入れて運ぼ
ほんとだ、光る王子様
ふふ、似合ってるよ

零さないようにゆっくり歩く
夜桜も楽しめるし、ちょうどいいかな

酒を飲んでのんびり
寝そうになったら起こしてネ、エドガー



 春の夜にひらりと桜花弁降らせる夜桜も、光を纏って煌めいているけれど。
 ベル・ルヴェール(灼熱の衣・f18504)の瞳に飛び込んできたのは、通りすがりの子の手に握られた光る桜色。
「見ろ! サクラのオモチャだ!」
「へえ、桜のおもちゃ! ぴかぴかと光っているね」
 弾む様なベルの声に、エドガー・ブライトマン(“運命”・f21503)も興味津々。
 ぱちりと瞬かせた瞳を煌めく桜の玩具へと向けて思う。
 ……やはりあの花は愛されているらしい、って。
 それに、ぴかぴか咲く愛されしその花は、夜だから一層輝かしくて。
「僕もあれが欲しい。あれを持って夜のサクラの中を歩きたい」
 ぴかぴかの桜を買うというベルの決意は、紡ぐ声を聞けば、完全に揺るぎない。
 そんな桜のペンライトと、そしてお目当てはもうひとつ。
「あとは酒だな。ペンライトと酒を見つけたら座る場所でも探すか?」
 ベルの言葉に、浮世・綾華(千日紅・f01194)もこくりと頷いて。
「そーそ、一番大事なやつを忘れずに」
 おっけー、と笑み返せば、ぐるりと赤の視線を巡らせてみる。
 ……さて、何処にあるかしら、と。桜色のペンライトと酒を探して。
 けれど何といっても、ぴかぴかのキラキラ。
「サクラのペンライトはかわいいな。それにサクラと同じ色をしている」
 並ぶ出店の中でもひときわ煌めくその店は、すぐに見つかって。
 早速ひとつうきうきと買ってみたベルは、先程見かけた子を真似て。
「それに振ると面白い」
 ピカピカの桜色を、ふるふる。
 みょんみょんと揺れては光るさくらいろに愉快な気持ちになって。
 ついはしゃいだように、くるり舞う桜花弁たちと戯れて遊ぶ。
 そんな子供みたいなベルの姿に、エドガーと綾華は思わず笑ってしまって。
「フフ、ベル君ったら可愛らしいな~。私もペンライトを買っちゃおう」
「折角だし、俺も買おうかしら」
 皆、ぴかぴかのキラキラなお揃いに。
 それからふと綾華は、きゃっきゃ楽しそうにペンライトを振っている子供を見て気付く。
 ただ闇雲に振っているだけでなく……花やハートや星、それに文字を書いて遊んでいることに。
 エドガーも、遊ぶ子供たちのそんな発想に目を見張って。
「これって文字も書けるんだ! じゃあ暗闇のなかでも手記が書けちゃう。便利な代物じゃないか」
 確かに、ペンライト……ペン、と名がついているだけあるね、と。
 感心した様に、まじまじと手元のぴかぴかを眺めれば。
「手紙……時間は越えられないケド、少し遠くにいるひとになら届きそーだ」
 綾華もそう口にしつつ、ふたりと同じものを購入してみる。
 それから早速、エドガーも何か春の夜にしたためてみようと思うのだけれど。
「でもスイッチを入れたまま書こうとするとちょっと眩しいな……」
 ちょっとぴかぴかすぎる光に、ふと首を傾けた――その時だった。
 ……おぉ、と小さく声をあげた綾華が握るペンライトが、ちかちかと明滅しているではないか。
 そんなふたりのものとは違う光り方をしている自分のペンライトを、綾華は不思議そうに暫し見つめるも。
 スイッチを入れてみた時――どうやら無意識に、ぽちぽち二回押してしまっていたらしい。
「おや、スイッチを押す回数で光り方が変わるのかい?」
「ボタン? どこだ? ……あった!」
 エドガーとベルも早速、綾華に倣ってスイッチをもう一回、ぽちっ。
「おお。すごいな。楽しい」
 ぴかぴかのキラキラに、ちかちかも加わって。
 そんなさくらいろを見つめるベルの瞳の煌めきも、増し増しに。
 さらにぽちぽち、何度かスイッチをエドガーが押してみれば――今度は、虹みたいに七色に輝き始めるペンライト。
 そんな鮮やかな彩りに、思わず再び皆で感嘆の声を上げるけれど。
 エドガーはぺかぺか色が変わってゆくそれを見つめながら、もう一度首を傾げる。
「これどうやって止まるの?」
 そしてスイッチを長押しすればオフになると分かるまで、あーだこーだと暫くぴかぴかに対し試行錯誤していた3人であったけれど。
 ようやく落ち着けば、今度はもうひとつのお目当てを探してみる。
 とはいえ、未成年のエドガーはまだ酒は飲めないから。
「エドガーはジュースを飲むか? サクラのソーダがある」
 ベルが見つけたのは、しゅわりと弾けるさくらいろのソーダが売っている店。
 そんな春の彩りへと目を遣りつつ、エドガーは頷いてから。
「うん、私は桜色のソーダにする。これも光るんだってさ」
 思わず、くすりと笑ってしまう――もう私光りすぎだよ、って。
「ほんとだ、光る王子様。ふふ、似合ってるよ」
「……僕もサクラのソーダが気になってきたな。僕も貰おう」
 鮮やかな光が誰よりも似合う王子様に綾華がそう笑み零せば。
 べルもサクラのソーダと、あとそれから酒も……買おうとしたのだけれど。
 ハッとある事に気付くのだった。
「欲張りすぎたな。手が塞がってしまった」
 ペンライトに桜ソーダ、それに日本酒『桜酔』を、一度に持てないということに。
 けれど、すぐに名案を思い付く綾華。
「店員さーん、袋とか貰えます?」
 ……これに入れて運ぼ、って。
「アヤカありがとう」
 しっかりソーダは蓋をして貰って、ペンライトと一緒に貰った袋に入れて。
 もう片手には、桜花弁を映した水面をゆらりと揺らす『桜酔』。
 それを零さないようにと、そうっと慎重にベルと歩きながら。
「夜桜も楽しめるし、ちょうどいいかな」
 さくらいろが舞い遊ぶ春の夜空へと、綾華は目を向けて。
「ゆっくり歩いて、座れる場所も探そうか」
 エドガーも、やっぱりぴかぴか光っている桜ソーダを手に、絶好の景色が臨める場所をきょろり探してみる。
 それからいい感じに夜桜が楽しめそうなところを見つけ、皆で乾杯してから。
 桜の名を冠した酒を、ひとくち飲んでみれば。
「酒もうまい」
 ベルはそう、ふわり春の如く淡い飲み口の酒に、満足気に呟きを落として。
 綾華もこのままでは、いろんな桜に酔ってしまいそうだから。
「寝そうになったら起こしてネ、エドガー」
「僕も寝たら起こしてくれ」
 ベルと一緒に、エドガーにお願いを。
 そんな、すでにふにゃりと、桜にほろ酔い気分なふたりにエドガーは笑う。
「やれやれ、仕方ない大人たちだなあ~」
 でも――眠っているひとを起こすことも王子の役目かな、なんて。
 さくらいろの春眠に、例えふたりがすやぁと誘われてしまっても、その時はお任せあれ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

狐煌・詩雲
鵺宵(f30417)と

出店で食べ物と飲み物も買ったし、少しゆっくりしようかしらね
あそこのベンチに座りましょ

昼間の桜も綺麗だったけど、夜桜も綺麗ね
こんな綺麗な桜の中で、美味しいものが食べれるなんて最高だわ
私はタコ焼きにするけど、鵺宵はどれにする?
「ふーふー、あーん」してくれれば火傷しないけど(チラチラ)
あら、それは残念(フフ、ついからかいたくなるのよね)

え、え、これ昼間のショップで見た組紐のアクセサリーじゃない
何か買ってると思ってたけど、これだったのね
確かに期待してるって言ったけど……
鵺宵から貰えるものなら、なんだって嬉しいわよ
着けてくれる?(腕を差し出して)
ありがと、鵺宵
大切にするわね


村瀬一・鵺宵
狐煌さん(f30620)と

ゆっくり腰掛けながら、買ってきたものをいただきましょうか

昼と夜では雰囲気が違いますね、綺麗です
この景色の中だと、食事も更に美味しくなりそうですよね
僕は焼き鳥をいただきましょう
狐煌さん、タコ焼きは熱いので気を付けて下さいね
えっと……そんなに見ても、しませんよ
恥ずかしいですし

そろそろ組紐ブレスレットを渡しましょう
少し緊張しますね
あの、狐煌さん……これを
バレンタインの時にお返しを期待していると言っていましたよね
僕なりに素敵だと思うものを選びましたが……気に入っていただけると嬉しいです
あ、はい、いいですよ(そっと、狐煌さんの腕につけ)
よくお似合いです
喜んでもらえて良かったです



 さくらいろに染まった帝都の街も、色々と巡って買い物を楽しんだけれど。
「出店で食べ物と飲み物も買ったし、少しゆっくりしようかしらね」
 ……あそこのベンチに座りましょ、って。
 白い髪を春風に微か揺らしながら言った狐煌・詩雲(牡丹一華《紅》・f30620)の提案に、村瀬一・鵺宵(奇談ヲ求ム者・f30417)も頷いて。
「ゆっくり腰掛けながら、買ってきたものをいただきましょうか」
 並んで座った後、ふと光纏う桜花弁が舞う春の夜空をふたり、見上げてみる。
「昼間の桜も綺麗だったけど、夜桜も綺麗ね」
「昼と夜では雰囲気が違いますね、綺麗です」
 同じ桜のはずなのに、昼間に見たものとは違ういろ。
 ライトアップされた夜桜はより一層、幻想的な彩りを放っていて。
「こんな綺麗な桜の中で、美味しいものが食べれるなんて最高だわ」
「この景色の中だと、食事も更に美味しくなりそうですよね」
 勿論、そんな美しい花もだけど、美味しいものも存分に満喫します!
 そして詩雲は早速、出店で買った作り立ての戦利品へと薄紫の視線巡らせて。
「私はタコ焼きにするけど、鵺宵はどれにする?」
「僕は焼き鳥をいただきましょう」
 鵺宵はまだ熱々な湯気がたっている彼女の手元へと視線向けて続ける。
 ――狐煌さん、タコ焼きは熱いので気を付けて下さいね、って。
 そんな向けられた言葉に、詩雲は瞳細め笑んでから。
「「ふーふー、あーん」してくれれば火傷しないけど」
 何気に彼の顔を、チラチラ。
 けれど、一瞬だけ瞳をぱちりと瞬かせたものの。
「えっと……そんなに見ても、しませんよ」
 ……恥ずかしいですし、と。
 そうぽつりと続けた鵺宵の呟きに、詩雲は楽しそうに笑む。
「あら、それは残念」
 ……フフ、ついからかいたくなるのよね、なんて心の中で思いながら。
 そしてたこ焼きをふーふーする猫舌な彼女に、今度は鵺宵がちらりと目を向けて。
 ……少し緊張しますね。
 なんて思いつつも、そうっと息をひとつ吐いてから。
 そろそろ渡しましょう、と意を決し取り出したのは。
「あの、狐煌さん……これを」
 桜の花飾りが咲いた、組紐ブレスレット。
「バレンタインの時にお返しを期待していると言っていましたよね。僕なりに素敵だと思うものを選びましたが……」
「え、え、これ昼間のショップで見た組紐のアクセサリーじゃない」
 彼がアクセサリーショップで何かを買っていた事は、気付いていた詩雲だけれど。
「何か買ってると思ってたけど、これだったのね」
 まさか自分への贈り物だとは、思いもしなくて。
 気に入っていただけると嬉しいです、と。
 続いた鵺宵の言葉に笑み返し、こんなお強請りを。
「鵺宵から貰えるものなら、なんだって嬉しいわよ」
 腕を差し出して――着けてくれる? って。
「あ、はい、いいですよ」
 鵺宵は細くしなやかな彼女の腕にそっと、選んだ桜を添わせ咲かせて。
「よくお似合いです。喜んでもらえて良かったです」
「ありがと、鵺宵」
 詩雲は自分の手首を飾る桜を見つめる薄紫を、そっと細めてから。
 嬉しそうに笑み咲かせ、紡ぐ――大切にするわね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

朱赫七・カムイ
⛩神歌

リル、見てご覧
美しい桜だね
……あの子もこの桜達に見送られ、廻る天へかえるのだね
無事に辿り着けるといいな
祈り、少しだけ、思い出して懐かしむ
あれからもう半年たったのだね

私は、今此処に生きている
その喜びと奇跡と幸福を噛み締めているよ
両手には愛しい子への贈り物
まさか、また──あの子の生まれた日を
君がかえってきてくれた日を、祝うことができるなんて

わ!
頬に当てられた冷たさに思わず声をあげる
リル、これは……桜のそぉだ?
光っていて綺麗だね
ヨルも同じだ
2人と1匹で乾杯をして桜と共に楽しもう
…それは私も心配だ

噫、私はひとりではない
生きることが楽しい
リル、そばに居てくれてありがとう
隠れたこころをみつけてくれて


リル・ルリ
🐟神歌

わぁー!綺麗!
何時も桜は咲いているけれど、見る度に特別だって思うよ!
桜と共に天へかえる──それは、僕らが前の「君」を見送った時と同じで
大切な存在を守るために、救う為に果てない苦しみと呪詛を引き受けていた「君」を思い出す
君は、紛うことなき彼の神だ
心を赦す、救える存在
だから、僕は──君に賭けている

カムイ。今きみは、ここにいるよ
こうして僕らと生きてるんだ
えい、とこっそり買った桜そぉだをほっぺにつけて驚かせちゃう!
ふふー、驚いた?
ヨルも持ってるよ!皆で飲もう!
お酒もあったけど…櫻が飲んでなきゃいいけど…
酒癖悪いからね

カムイは独りじゃないからね
当たり前だよ!
カムイは僕の大切な友達で、同志だもん!



 それは、ふたりにとって一等大切で特別な、愛おしい花。
「リル、見てご覧。美しい桜だね」
「わぁー! 綺麗! 何時も桜は咲いているけれど、見る度に特別だって思うよ!」
 ひらりと招く様に掌に花弁遊ばせ、宵の春空見上げる朱赫七・カムイ(約倖ノ赫・f30062)の声に、リル・ルリ(『櫻沫の匣舟』・f10762)もぱあっと笑み咲かせる。
 いつもすぐ傍で見ている花、咲いているいろ。
 でも、咲き誇るこの花の彩りはやっぱり、いつだって愛しくて仕方がないから。
 そしてそんな光纏う夜桜を眺めていたカムイは、花霞の中に見つける。
「……あの子もこの桜達に見送られ、廻る天へかえるのだね」
 楽しそうにぴょこりと歩く、ヤオフーの姿を目にして。
 ――無事に辿り着けるといいな、と。
 祈り、そして少しだけ。
「あれからもう半年たったのだね」
 思い出して懐かしむ。正しき輪廻へと導かれた、あの時のいろを。
 そんなカムイの落とした呟きに、リルも思い出す。
(「桜と共に天へかえる――それは、僕らが前の「君」を見送った時と同じで」)
 果てない苦しみと呪詛を引き受けていた「君」のことを。
 大切な存在を守るために、救う為に。
 そしてずっと傍で彼のことを見てきて、「君」のことを語る言の葉を聞いて、咲いた笑みの理由を知っているから。
 だからこそ、リルは思うのだ。
(「君は、紛うことなき彼の神だ。心を赦す、救える存在」)
 だから、僕は――君に賭けている、って。
 呪に喰われぬよう、あの時だって、ちゃんとずっと彼を守ってくれていた「君」に。
 そんなリルが向ける薄花桜に、カムイは朱砂の彩を重ねて。
「私は、今此処に生きている。その喜びと奇跡と幸福を噛み締めているよ」
 ふと朱を向けるのは、リルと選んだ、両手いっぱいの愛しい子への贈り物。
「まさか、また――あの子の生まれた日を。君がかえってきてくれた日を、祝うことができるなんて」
「カムイ。今きみは、ここにいるよ。こうして僕らと生きてるんだ」
 だからリルは……えい、と。
 生きている実感をと、カムイのほっぺにぺたり。
「……わ!」
 思わず声を上げてしまうほど冷たい、こっそり買っておいた桜そぉだを。
 そして作戦大成功、大きく瞳見開くカムイにリルは笑み零す。
「ふふー、驚いた?」
「リル、これは……桜のそぉだ? 光っていて綺麗だね」
「ヨルも持ってるよ! 皆で飲もう!」
 その言葉に視線を下ろしてみれば、きゅっと得意気に桜ソーダを両手で持っているヨルの姿が。
 カムイは、ヨルも同じだ、と頷き笑んでから。
 愛しいいろを湛えるソーダを、ふたりと1匹で春の夜に掲げる――乾杯、って。
 満開に咲いた桜と共に、楽しみながら。
 そしてカムイは、改めてリルに紡ぐ。
「リル、そばに居てくれてありがとう。隠れたこころをみつけてくれて」
 ――噫、私はひとりではない。生きることが楽しい、って。
 そんな眼前で美しく咲く満開の笑みに、リルは瑠璃に移ろう秘色の髪をこくこくと揺らして。
「カムイは独りじゃないからね。当たり前だよ!」
 真っ直ぐに彼を見つめ、続ける――カムイは僕の大切な友達で、同志だもん! って。
 そして、桜そぉだ美味しいね! なんて、笑い合うけれど。
 ふとリルに過ぎるのは、こんな不安。
「お酒もあったけど……櫻が飲んでなきゃいいけど……」
 ……酒癖悪いからね、って。
 そんなリルの声に、カムイもすぐに大きく頷く。
「……それは私も心配だ」
 思う事はふたり同じ。
 だって自分達は何ていったって、咲き誇る愛し櫻を守る、同志なのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

誘名・櫻宵
【櫻守】

お腹も心も満ちて、春うららな気分だわ
千織!
桜も満開で私達を招いているかのようよ!
噫、私もこんな美しい春の日に、桜の下でしにたいものね
なんて、冗談よ
半分だけね
からりらころり
ご機嫌に歩みを進める

何か食べる?
やっぱりここはりんご飴かしら
私、好きなのよね
けれどもっと好きなのは──『桜酔』
お酒よ
せっかくの桜だもの、ねぇ千織
一緒に一杯如何かしら?
……私のかぁいい神様と人魚には内緒でね!なんてウインクひとつ

盃ひとつ飲み干せば
ふわり春心地
ねぇ千織、なでてかぁいがって下さらない?
するり、甘えてしなだれかかる
頬をするり擦り寄せる
甘えさせて頂戴な

隠れ鬼?
童子のようでよいわねぇ
ふわふわ花弁と共に飛んでゆけそう


橙樹・千織
【櫻守】

ふふ、ほんと桜づくしの素敵な一日になりましたねぇ
満開の桜もとても綺麗で…
はい?今、なんと??
不穏な言の葉にはニッコリと聞き返し
ほんと目が離せないわね、てそっと苦笑する

そうですねぇ…
何かつまめる物を買って一番奥の桜を見に行きませんか?
りんご飴、いいですねぇ
あら、私も桜酔気になっていたんです
ふふふ、内緒ですねぇ
しぃー、と指を立てて

あらあら、櫻宵さん早くないですか?
同じ量を飲んでいたはずだけれど…と
盃片手にゆるりと尻尾を揺らしてきょとり
ふふ、甘えるのは構いませんよ
なんだか私より猫っぽいのでは?
くすくす笑ってそっと撫でて

ああ、そうでした
隠れ鬼するのでしたねぇ
さぁて、何処に行ったのかしら



 美味しく楽しい桜色の女子会に、乙女色爛漫なお買い物。
「お腹も心も満ちて、春うららな気分だわ」
 光纏う夜桜が咲き誇る中、舞う様にひらりと振り返って。
「千織! 桜も満開で私達を招いているかのようよ!」
 ぱあっと笑み咲かせた、誘名・櫻宵(爛漫咲櫻・f02768)だけれど。
「ふふ、ほんと桜づくしの素敵な一日になりましたねぇ。満開の桜もとても綺麗で……」
「噫、私もこんな美しい春の日に、桜の下でしにたいものね」
 ふふっと妖艶に咲う櫻宵の不穏な言の葉に、橙樹・千織(藍櫻を舞唄う面影草・f02428)はニッコリと聞き返す。
「……はい? 今、なんと??」
「なんて、冗談よ」
 ……半分だけね、なんて、くすりとその心を零れ咲かせながら。
 櫻宵は春の宵へと歩み進める。ご機嫌に高下駄ならして、からりらころりと。
 そんな悪戯にわらう櫻を追って、千織はそっと苦笑する。
 ――ほんと目が離せないわね、って。
 そして色々な出店がずらりと並ぶ、花の園の広場へとやってくれば。
「千織、何か食べる?」
「そうですねぇ……何かつまめる物を買って一番奥の桜を見に行きませんか?」
 花見のお供を調達してゆくことに。
 櫻宵は賑やかな広場を、一通りぐるり見回してから。
「やっぱりここはりんご飴かしら。私、好きなのよね」
 あまく艶やかな飴を纏った、まんまる真っ赤なりんご飴が売っている出店を探して。
「りんご飴、いいですねぇ」
 ふわふわとそう笑んで返す千織に、櫻宵は内緒話をするかのように囁く。
「けれどもっと好きなのは――『桜酔』。お酒よ」
 ……せっかくの桜だもの、ねぇ千織、って。
「一緒に一杯如何かしら?」
 そんな魅力的なお誘いに、千織も尻尾がそわりゆらり。
「あら、私も桜酔気になっていたんです」
 そんなすぐに返ってきた良い返事を聞いて、櫻宵はぱちりとウインクひとつ。
「……私のかぁいい神様と人魚には内緒でね!」
「ふふふ、内緒ですねぇ」
 しぃー、と指を立てて、ナイショないしょ。
 きっとふたりで、酒を飲んでいないかと、そう話していそうだけど……内緒で一杯だけ。
 嬉々と千織と盃合わせた後、るんるん、くいっと、ひとつ飲み干せば。
 ふわり、ほわほわ春心地に。
「ねぇ千織、なでてかぁいがって下さらない?」
 刹那、するりと千織に甘えてしなだれかかる櫻宵。
 そんな彼の様子に、盃片手にゆるりと尻尾を揺らして、きょとり。
「あらあら、櫻宵さん早くないですか? 同じ量を飲んでいたはずだけれど……」
「ふふ、甘えさせて頂戴な」
 頬をするりと擦り寄せ、へにょりとしな垂れかかる櫻宵の様子に、千織はくすくすと笑って。
「ふふ、甘えるのは構いませんよ。なんだか私より猫っぽいのでは?」
 ご所望通り、そっと撫で撫で。
 そんな気紛れ猫の様な酔っ払いは、遠くから聞こえてきた声にふふっと笑む。
 ……かくれんぼするひと、このゆびとーまれ、って。
「隠れ鬼? 童子のようでよいわねぇ」
「ああ、そうでした。隠れ鬼するのでしたねぇ」
 ……ふわふわ花弁と共に飛んでゆけそう、なんて咲う櫻宵と一緒に、ヤオフ―の指にとまった後。
 千織は橙の視線を、うたう春の花の園にきょろりと巡らせてみる。
 ――さぁて、何処に行ったのかしら、って。
 探す子が増えないようにと……やっぱり目が離せない、ほわほわ揺蕩う彼のことを、何気にしっかりと掴んだまま。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

千家・菊里
【花守】
(最後までそっと影朧を見守り、見送り)
後はもう、大丈夫そうですね

という訳で、ふふふ――満を持して桜パンの出番ですね
このパンを主役に、先ずは広場にて桜酔で乾杯し、屋台の品々をおかずやデザートに楽しんだり――そして締めに奥のお茶屋さんでおかわり一服、というフルコースで如何でしょう?
(伊織をスルーし、おたまと一緒に突然清史郎さんに手を振り声をかけた!)
折角の場ですし、誕生日のお祝いも兼ねて是非にと

(花弁を6:6:3でわけっこしつつ、色々広げに広げ)
花も宴も華やかで幸せ極まりないですねぇ
ではでは、この桜尽くしの景色の様に――幸い尽くしな一年を願って、乾杯を

(おたま共々満開で満腹で大満足な笑顔)


呉羽・伊織
【花守】
(遠目ながら、最後まで良い道行を願い影朧を見送り)
ああ
心配は無用な、良い雰囲気してたな

――一方その頃、オレはあまりの食気に乾いた笑顔を浮かべるのであった!
いやホントその大輪食べき…れるよネ~
お前もある意味心配無用だったネ~
嗚呼…こんな両手に花(弁パン)…ちがう、こーじゃない…っ
ってヒトを無視って一体誰に同意求め――あ~清史郎か~!(もうフルコース確定だなコレと悟った顔)
飯に次ぐ飯の話は兎も角!誕生日祝いは大賛成だ!
(両肩でぴよ亀もわいわい祝福の舞?をしている!)

何その分け方!別に良いケド!ホント風情も容赦もなく崩すな~!(花弁3つ渡され)

満開の桜達のよーな華やかで穏やかな一年を!乾杯!



 はらりひらりと光纏う桜花弁舞う春の夜を、ぴょこぴょこと歩んで。
 花の園の奥へと辿り着いたヤオフーを遠目ながら――最後まで良い道行を、と。
 そう願いつつ、最後まで見守ってから。
「後はもう、大丈夫そうですね」
「ああ。心配は無用な、良い雰囲気してたな」
 千家・菊里(隠逸花・f02716)の声に頷いた呉羽・伊織(翳・f03578)は、花霞の中、他の猟兵とかくれんぼを始めた彼女を見て笑んだ後。
 その場をそっと離れた……のだけれど。
「という訳で、ふふふ――満を持して桜パンの出番ですね」
 一方で、即聞こえたそんなあまりの食気に、乾いた笑顔を浮かべる伊織であった……!
 ……いや、まぁいつものことなのですけれど。
 それにしても、ほくほく菊里が並べるのは、美味しそうなさくらパン。しかも、花弁十五個の三輪も。
 そんな大輪のパンに、伊織は遠い目をするけれど。
「いやホントその大輪食べき……れるよネ~。お前もある意味心配無用だったネ~」
 普通に食べちゃうよネ~ウン、知ってる!
 そしていつも通り、色々言っている伊織をスルーしつつ。
「このパンを主役に、先ずは広場にて桜酔で乾杯し、屋台の品々をおかずやデザートに楽しんだり――そして締めに奥のお茶屋さんでおかわり一服、というフルコースで如何でしょう?」
「ああ、それは良いな」
「ってヒトを無視って一体誰に同意求め――あ~清史郎か~!」
 突然おたまと一緒に菊里が手を振り声を掛け、いつの間にかしれっと頷いている清史郎を見れば、伊織はもう悟った顔。
 ……もうフルコース確定だなコレ、と。
 まぁ、でも。
「折角の場ですし、誕生日のお祝いも兼ねて是非にと」
「飯に次ぐ飯の話は兎も角! 誕生日祝いは大賛成だ!」
 菊里の言葉には、こくりと頷いて同意して。
 そんな伊織の両肩を、何気に清史郎はガン見する。
 わいわいと多分祝福の舞をしているらしい、ぴよこと亀さんを。
 ということで、まずはフルコースの主役のパンをわけっこする菊里。
 15個ある花弁パンを、6個、6個、3個に。
 そして当然のように花弁3つ渡された伊織は、やはりツッコまずにはいられない。
「何その分け方! 別に良いケド! ホント風情も容赦もなく崩すな~!」
 そんな伊織の声に、清史郎はああ、と今更気付いたみたいな視線を向けて。
「では、俺の花弁チョコパンを半分こするか? 伊織」
「いやだから、何でそんな分け方!? 気持ちだけでダイジョウブ……アリガト……」
 最後の方はカタコトになりながらも、やはり謎の分け方をする友の、その気持ちだけ受け取ることにして。
 伊織は3つあるさくらパンのうちの花弁ふたつを、片手にひとつずつ、手にしてみれば。
「よかったですね、伊織。両手に花じゃないですか」
「おお、ある意味春がきたな、伊織」
「嗚呼……こんな両手に花……ちがう、こーじゃない……っ」
 掛けられた声に、そうふるふると首を横に振ってから。
 再び即、両手に花弁パンを本当に幸せそうに、ほくほくもぐもぐぺろりと食べるふたりを後目に。
 嘆きながらもひとくち、はむり。
 ……味はすごく、春爛漫で美味しいデス。
 それから『桜酔』を注いだ盃を、満開の夜桜咲く天へと掲げて。
「ではでは、この桜尽くしの景色の様に――幸い尽くしな一年を願って、乾杯を」
「満開の桜達のよーな華やかで穏やかな一年を!」
「これからの一年も、共に楽しく過ごせれば」
 ――乾杯!
 有難う、とふたりに礼を告げ、笑む清史郎と共に。
 菊里と伊織は、色々な桜尽くしの春に酔う。
 おたまやぴよこや亀共々……満開で満腹で大満足な笑顔を咲かせて。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

不知火・琥珀
【藍(f06808)と】
おお、見事なさくらだな、らん!

満開の桜を見上げながら、繋いだらんの手を引いて屋台へ

らん、らん
りんごあめだ!りんごあめ!
お、あのふわふわしたの面白いな、雲みたいだ!
む、ちょこばななも、気になる…!

色んなすいーつに、目をきらきら
でもすしも食べたし、全部を食べるのは難しそうだ

どうしたらいい?とらんを見上げて
む、そうか、お持ち帰りにすればいいのか
ぜんへのお土産にも、なるしな!

新しい家来と、たくさんのおみやげを抱えて
周りを、ぐるりと見て

ここにはたくさん人がいるが、みんな、とても楽しそうだな
こはくはな、えがおを見るのが、とても好きだ
だからな、こはくも今、とても楽しい
らんは、どうだ?


不知火・藍
【琥珀様(f06806)と】

ええ、美しいですね…

光に彩られた夜桜見上げ、ほぅと感嘆漏らすも
花より団子、と引かれた手にくすりと笑う

りんごあめ、わたあめ、ちょこばなな
ふむ、どれも良いですね(主が食べる姿を想像しながら)

ですが確かに今日は食べ過ぎですね、と笑って
土産にする、という手がありますよ
それならば焼きトウモロコシやタコ焼きなども買っていきましょうか
おや、あのカチューシャも良いのでは

そうしてたくさんの土産を手に
主から零れた言葉はとても優しい
そんな貴方の笑顔が何より嬉しいから

…ええ、私も楽しくて、幸せですよ

嗚呼、そしてもうひとつ
見たい笑顔があるのです
行きましょうか、あの桜の元へ

少女の笑顔を、探しに



 楽しく巡った帝都の街にも、桜の花は咲き誇っていたけれど。
「おお、見事なさくらだな、らん!」
 うんと首を伸ばして見上げる不知火・琥珀(不知火家当主・f06806)の瞳に映るのは、昼に見たものと全く印象を変えたさくらいろ。
 そんな、満開に咲いた光纏う夜桜を眺める主と、確りと手を繋いで。
「ええ、美しいですね……」
 不知火・藍(藍澄鏡・f06808)も、ほぅと美しい春の景色に感嘆漏らすも。
「らん、らん。りんごあめだ! りんごあめ!」
 くいくいと逸るように引かれた手に、くすりと笑う。
「お、あのふわふわしたの面白いな、雲みたいだ! む、ちょこばななも、気になる……!」
 まさに花より団子、真剣にうーんうーんと悩む主の姿に。
 それから、ふと屋台を見回して呟きを落とす藍。
「りんごあめ、わたあめ、ちょこばなな。ふむ、どれも良いですね」
 つやつやまんまるな、りんごあめを食べる主……可愛い。
 ふわふわ甘い、わたあめをしゅわりと頬張る主……最高。
 串に刺さったちょこばななを、一生懸命あーんと口にする主……尊い。
 そんな、主が食べる姿を想像しながら。
 そしてそっと妄想をしては顔を覆う従者を後目に、色んなすいーつに瞳をきらきらさせる琥珀だけれど。
 むぅ、とこんな悩みに直面する。
「でもすしも食べたし、全部を食べるのは難しそうだ」
「確かに今日は食べ過ぎですね」
 それから琥珀は、そう笑う藍をじいっと見上げる。
 ――どうしたらいい? って。
 そんな純粋な視線に尊さを感じながらも、藍は主の悩みを解決するべく、こんな提案を。
「土産にする、という手がありますよ」
「む、そうか、お持ち帰りにすればいいのか」
「それならば焼きトウモロコシやタコ焼きなども買っていきましょうか」
 たとえ食べきれなくても、帰ってからのお楽しみにもなるし。
 またおなかがすけば、美味しく頂けるし。
 それに何よりも。
「ぜんへのお土産にも、なるしな!」
 留守番している彼も一緒に、楽しめるから。
 そして早速琥珀と共に、彼への土産をチョイスする藍。
「おや、あのカチューシャも良いのでは」
 ぴかぴか光ってみょんみょん揺れている、愉快なカチューシャをじっと見つめて。
 それから琥珀は、藍色の新しい鬼さんの家来と、たくさんのおみやげを抱えながらも、ぐるり。
「ここにはたくさん人がいるが、みんな、とても楽しそうだな」
 周りへと視線を巡らせながら、ふと紡ぎ問う。
「こはくはな、えがおを見るのが、とても好きだ。だからな、こはくも今、とても楽しい」
 ――らんは、どうだ? って。
 そんな主の声に瞳細め、こくりと頷く藍。
「……ええ、私も楽しくて、幸せですよ」
 だって、主から零れた言葉はとても優しくて――そんな貴方の笑顔が、何より嬉しいから。
 けれど……嗚呼、そしてもうひとつ、と。
 藍は主へと告げる……見たい笑顔があるのです、って。
 そしてそれを見たいと思うのは、琥珀も同じ気持ちだから。
「いくぞ、らん!」
「行きましょうか、あの桜の元へ」
 はらりひらりと花弁舞い遊ぶ夜桜の景色を、ふたり並んで歩き出す。
 しっかりと手を繋いで――少女の笑顔を、探しに。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

宵鍔・千鶴
【紫桜】

夜に愛でる桜は特別感があって、俺は好き
シャトも、初めて逢ったとき以来の
懐かしいいろだ

ぐるるとお腹が鳴いて
……何か食べよっか?
綿あめとリンゴ飴…
あ、たこ焼きも食べたことある
シャトは何がすき?
選んで手渡したのはリンゴ飴
ふふ、俺はやっぱり甘味、かな
甘酸っぱくて美味しいんだ

あ、見てみて、綺麗な飲み物がある
ぴかぴか桜色ソーダと夜桜ときみ
指で四角窓を作って覗けば
画になる、って心の中で景色を切り取る
何でも無いって誤魔化して
舞い降りた花弁に嬉しそうに

…本当?じゃあもう少し
俺が大人になるのを待ってて

ヤオフーのかくれんぼ見掛け
過ぎゆく道に桜が舞って落ちてゆく
旅路の果て、屹度、今度は見つけて貰えるように


シャト・フランチェスカ
【紫桜】

ふふ、あの日の僕も夜桜だったね
千鶴が見つけてくれなかったら
今日こんなふうに
桜尽くしの街に出ることもなかったろうな

こほんと小さく咳払い
…僕のお腹も同じことを言ってるよ
やっぱり出店ならではの食べ物に惹かれるな
これが気になる、って指を伸ばす前に
きみが差し出してくれたから目を丸くする

本当だ
どうやって光ってるんだろう
じいっと観察していると視線を感じたような
どうかしたかい?
きみに手渡す桜色ソーダに、花弁がふわりと

お酒もある…けど
せっかくなら一緒に呑みたいし
楽しみに数年待つのもいいかな

未練なんか遺さないよう
全力で隠れるんだよ
呟きはヤオフーに届いたかどうか
僕が宵の彼に見つけてもらったように、きみも。



 うたう花園に咲き誇る春と同じようないろを、ふたりは知っている。
「夜に愛でる桜は特別感があって、俺は好き」
 宵鍔・千鶴(nyx・f00683)はそう紡ぎ、あの時によく似た桜空から彼女へと視線を移す。
 ……シャトも、初めて逢ったとき以来の懐かしいいろだ、って。
「ふふ、あの日の僕も夜桜だったね」
 シャト・フランチェスカ(侘桜のハイパーグラフィア・f24181)は、咲かせた笑みを返してから。
「千鶴が見つけてくれなかったら、今日こんなふうに桜尽くしの街に出ることもなかったろうな」
 沢山一緒に見たさくらの景色を、ひとつひとつ思い返してみる。
 そんな、光纏う幻想的な夜桜が咲き誇る静寂の中で。
 ――ぐるる。
「……何か食べよっか?」
「……僕のお腹も同じことを言ってるよ」
 同時に鳴ったおなかの音に、こほんと小さく咳払い。
 そしてふたり肩を竦め合って、思わず笑ってしまった後。
「綿あめとリンゴ飴……あ、たこ焼きも食べたことある」
 ……シャトは何がすき?
 そう訊ねられれば、もう一度、並ぶ食べ物たちに視線巡らせて。
「やっぱり出店ならではの食べ物に惹かれるな」
 ――これが気になる、って。
 そう指を伸ばす前に、千鶴から渡されたのは。
「ふふ、俺はやっぱり甘味、かな。甘酸っぱくて美味しいんだ」
 ちょうど指そうとした、リンゴ飴。
 そんな差し出してくれたリンゴ飴と彼の顔を、目を丸くして交互に見つめてから。
 そうっと手を伸ばして、シャトは艶やかであまいそれを受け取る。
 賑やかな出店に並ぶのは、定番の食べ物は勿論……ちょっぴり変わった面白いものも。
「あ、見てみて、綺麗な飲み物がある」
「本当だ。どうやって光ってるんだろう」
 千鶴の声と視線を追えば、しゅわり弾けるさくらいろの飲み物。
 ……どうやって光ってるんだろう、なんて、じいっと観察してみるシャトだけど。
「どうかしたかい?」
 視線を感じたような気がして、ふと首を傾ける。
 指で作った四角窓から覗く、ぴかぴか桜色ソーダと夜桜ときみ。
 千鶴は心の中で、その景色を切り取る――画になる、って。
 でもそれは、きみには内緒。
 何でも無いって誤魔化して、差し出された桜色ソーダに手を伸ばせば。
 ふわりと桜色に舞い降りた花弁に、嬉しそうに笑み咲かせる。
 ぴかぴかしゅわりとした桜ソーダも大人気だけれど、また別の出店も人でいっぱいで。
 何があるのか、ふたり覗いてみれば……『桜酔』という名の日本酒の店。
 ふわり優しくて芳醇な香りが漂ってくるけれど。
「お酒もある……けど、せっかくなら一緒に呑みたいし。楽しみに数年待つのもいいかな」
「……本当? じゃあもう少し。俺が大人になるのを待ってて」
 未来の楽しみを約束げんまん、今日はお揃いの桜ソーダで乾杯を。
 それからふと花霞の向こうに見かけたのは、ヤオフーのかくれんぼ。
 ――未練なんか遺さないよう、全力で隠れるんだよ。
 ――旅路の果て、屹度、今度は見つけて貰えるように。
 過ぎゆく道に桜が舞って落ちてゆく中、呟きはヤオフーに届いたかどうか、分からないけれど。
 ヤオフーを見つめる千鶴の隣で、シャトはそっともう一度、彼女へと笑みを咲かせる。
 ……僕が宵の彼に見つけてもらったように、きみも、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴォルフガング・ディーツェ
買い物に夜桜見物、か
少しだけ特別で、とびきり綺麗で。それは生きていれば何度も訪れるだろう幸福
…生きる事は時に眩しく、同じ位残酷でもあるな

辺りを見て回るだろうヤオフーを探しつつ、風に浚われた夜桜の花片を掌に留めて
一緒に買い物に行った時にひっそりと買った透かし硝子の小瓶に詰め、少女に手渡そう

この夜が幻ではなかった証明に
何より、君が何時か望む輪廻の階を昇る事が叶う様に

結末を見届けるのは俺の役割では、きっとない
俺は君を通して亡くした過去を視ているに過ぎない
生者が死者を惜しみ嘆く、哀惜のね

…行動が似た様なモノであっても、それは大きな隔たりだ
だから、行っておいで
君を見て、君を想い、君を惜しむヒトのところへ



 幻想的な光を纏う、夜桜を見上げながら。
「買い物に夜桜見物、か」
 桜花弁舞う空にぽつりと紡ぐのは、ヴォルフガング・ディーツェ(花葬ラメント・f09192)。
 それは、彼女にとっては執着になるほどの憧れであったわけだけれど。
(「少しだけ特別で、とびきり綺麗で。それは生きていれば何度も訪れるだろう幸福」)
 けれど生きている間に、彼女にその幸福は訪れなかったのだろう。
 ヴォルフガングはふるりと小さく首を微か横に振ってから、ヤオフ―のその姿を探す。
 ……生きる事は時に眩しく、同じ位残酷でもあるな、って。そう紡いで。
 刹那、掌に留めたのは、風に浚われた夜桜の花片。
 それを、一緒に買い物に行った時にひっそりと買った透かし硝子の小瓶に詰めて。
 ぴょこりと歩む姿を見つけ、少女へと手渡すヴォルフガング。
『わぁ、ありがとう!』
 そんな満開に咲いた笑顔を見つめ、ヴォルフガングは笑み返す。
 ――この夜が幻ではなかった証明に。
 ――何より、君が何時か望む輪廻の階を昇る事が叶う様に、と。
 いや、ヴォルフガングには分かっているのだ。
「結末を見届けるのは俺の役割では、きっとない」
 そしてきょとりとする彼女へと、こう続ける。
「俺は君を通して亡くした過去を視ているに過ぎない。生者が死者を惜しみ嘆く、哀惜のね」
 ……行動が似た様なモノであっても、それは大きな隔たりだ、と。
 そして彼女が歩むべき道への案内は、ひらり舞い降る桜たちに任せて。
「だから、行っておいで」
 そうそっと、彼女の小さな背中を言の葉で押して見送れば。
 ……うん、いってきます! って。
 恐らくよく分かっていないながらも、元気に返ってくる声と笑顔。
 ヴォルフガングは春の如く柔い笑みを向けてから、最後にこう紡いで、彼女をおくる。
 ――君を見て、君を想い、君を惜しむヒトのところへ、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エリック・シェパルド
【エイリアンツアーズ】
牛串とかあっかね…おっ、焼き鳥も悪くねぇな。買っとくぜ
フライドポテトは好きなやつ多いから好みも多いよな。日向さん、後で串焼きと交換しようぜ

タコ?あ、なるほどな?(苦笑しながら)

あの笑顔なら幸せ以外の感情はねぇな。あぁ、確かに良い笑顔だ
ヤオフーが楽しそうにしてればニッと笑うぜ

その願いに俺も参加できたなら嬉しいぜ、ジャスパーさん


静かに楽しむのも良いが賑やかにやんのも良いもんだな…また遊びに行こうな。


ジャスパー・ドゥルジー
【エイリアンツアーズ】
食べ歩きはパウルと
買い物はそれぞれで楽しんだから
最後はやっぱ皆一緒に花見っしょ

パウルが買ってきてくれたさくらドーナツもあるけど
それ以外のは出店に買いに行こうぜ
甘いのがあるからしょっぱいもん欲しいよな
あっタコ焼…(視線を感じ)…イカ焼き買ってこうっと

出店から定位置のシートに戻る時に
大きな桜の元に向かう彼女が見えたらそっと手を振っておこうっと
楽しそうな足取り
あれならきっと大丈夫だろ

夜桜を見上げつつ皆で買ってきたグルメに舌鼓
肉に揚げ物にうまいもんばっかだ
俺も実は願いが叶っちまったんだよなあ
またエイツアのクルー達とで花見に来てえなって思ってたから
勿論だぜエリック
今後とも宜しくな


パウル・ブラフマン
【エイリアンツアーズ】
いよいよ社員旅行もクライマックス!
お花見本番だよっ♪

皆が出店で買い物をしている間に
【コミュ力】を活かして
地元の方々オススメ夜桜スポットを【情報収集】☆
ありがとーってお礼を言いつつ
ピカピカ桜ソーダを人数分買っていくね。

ハァイ!皆お疲れサマンサ♪
ソーダと桜ドーナツを配って労いつつ
ジャスパーの○○焼きにだけ警戒しておこっと。

ソーダの灯越しに見た夜桜は
ポップながらも幻想的で、つい魅入ってしまいそう。
ヤオフーちゃんへ
餞に渡したいのは桜色の光るヨーヨー。
オレも同じの持ってるんだ~☆また一緒に遊ぼっ!
(触手も使ってハイパーテクを披露しつつ)

魂の巡るこの世界なら
叶わない望みじゃないよね。


嘉納・日向
【エイリアンツアーズ】
ですね、出店行きましょう
ドーナッツも楽しみにしつつ、色々買い歩けたらいいな
とうもろこしに焼き鳥に。迷うな……。あ、フライドポテト。揚げたて、おいしいんですよね。ふにゃっとなったのも好きですケド。よしっ、買ってきます

たこ焼……? ああ、なるほど
ジャスパーさんとパウルさんの様子を交互に見て、なんとなく合点がいったよーな

ヤオフーちゃんもいっぱい楽しめますように
いい笑顔ね、ほんと

買い物終わってお花見のときは、皆さんの買ったのも頂きつつ、フライドポテト分けたりしようかな



 さくら尽くしな春の帝都は、夜になっても賑やか。
 いや、むしろこれからが、春爛漫な一日のメインイベント。
「いよいよ社員旅行もクライマックス! お花見本番だよっ♪」
 そう……パウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)の言う通り、楽しいエイツアの社員旅行もお楽しみ本番。
 光纏う夜桜を愛でながら、わいわいみんなでお花見です!
 帝都グルメはパウルとふたりで、食べ歩きデートをエンジョイ。買い物はそれぞれ、大満足の戦利品をゲットできたから。
「最後はやっぱ皆一緒に花見っしょ」
 桜いろが舞い降る春の夜は、皆と一緒。
 ジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)は賑やかな広場に、桜と揃いのピンクに紫混ざるバイカラーアイを巡らせて。
 何気にうきうきそわりと、桜花弁に飾られた悪魔尻尾を揺らしながらも。
「パウルが買ってきてくれたさくらドーナツもあるけど、それ以外のは出店に買いに行こうぜ」
 グルメはグルメでも、今度は皆と一緒に、並ぶ出店を巡ってみることに。
「ですね、出店行きましょう」
 嘉納・日向(ひまわりの君よ・f27753)も咲き誇る夜桜のように、夜色の髪にしゃらり髪飾りの花を咲かせて。手首を飾る花たちをそっと揺らしながらパウルが買ってくれているという桜ドーナツを楽しみにしつつも、色々買い歩けたらいいな、って。美味しそうな匂いが漂う広場をきょろり。
 色々と目移りしてしまう悩ましさも、また楽しくて。
「牛串とかあっかね……」
 エリック・シェパルド(狼のおまわりさん・f26560)が探すのはやはり、好物の肉!
 肉を求め、食欲そそるもくもくの煙に誘われて出店を覗いてみれば。
「おっ、焼き鳥も悪くねぇな。買っとくぜ」 
 そこは、屋台の醍醐味である、食べ応えのある大きな串に刺さった焼き鳥が。
 そんな早速焼き鳥を購入するエリックの姿を見つめながらも。
「とうもろこしに焼き鳥に。迷うな……」
 やっぱり日向は暫し迷ってしまうけれど。
 青い瞳に、ふと飛び込んできたのは。
「あ、フライドポテト。揚げたて、おいしいんですよね。ふにゃっとなったのも好きですケド」
 色々な味のフレーバーも楽しめる、カリカリほくほくのフライドポテト屋さん。
 ということで――よしっ、買ってきます、と。
 こくりと頷いて決めた彼女に、エリックはこんな提案を。
「フライドポテトは好きなやつ多いから好みも多いよな」
 ――日向さん、後で串焼きと交換しようぜ、って。
 そんな仲良く美味しい交換こも、花見の楽しい醍醐味のひとつだから。
 そして、焼き鳥にフライドポテトというふたりのチョイスを耳にしながら。
「甘いのがあるからしょっぱいもん欲しいよな」
 やはりジャスパーも、何か香ばしくてしょっぱいものをと……視線をふと巡らせれば。
「あっタコ焼……」
 ぱちりと視線が合ったのは、出店の前に飾られた、ねじり鉢巻きした大きなゆるかわタコさんのオブジェ。
 それと同時の、まさに絶妙なタイミングで。
「ハァイ! 皆お疲れサマンサ♪」
 皆が何を買うか悩んでいるその間に。
 すかさず高いコミュ力を活かして、地元の人たちにオススメ夜桜スポットを聞いて情報収集☆
 ありがとーって教えて貰ったお礼も忘れずに、噂のピカピカ桜ソーダを人数分買って戻ってきたのは、パウル。
 そして――にこにこ笑顔は絶やさないけれど、じいっと自分を見つめる彼の視線を感じて。
「……イカ焼き買ってこうっと」
 そそくさとイカ焼きを買いに行くジャスパー。
 どこの馬の骨かも分からないタコさんに浮気は……今日はしません、ええ。
 そんなジャスパーとパウルを交互に見つつ。
「……タコ?」
「たこ焼……? 」
 エリックと日向は一瞬きょとりとするけれど。
 たこ焼き屋の前にいる、ゆるかわタコさんを見つけて。
「あ、なるほどな?」
「ああ、なるほど」
 何となく色々察知し苦笑するエリックの隣で、日向もなんとなく合点がいったような……?
 そして出店で買い物を済ませ、聞いた絶好の花見スポットに向かいながらも。
 ふと天を仰いだパウルは、つい魅入ってしまいそうになる。
 ポップながらも幻想的な、キラキラソーダの灯り越しに見た夜桜の景色に。
 それからジャスパーはふと巡らせていた視線を留めて。
 ひらり桜花弁の中で見つけた彼女に、そっと手を振る。
 大きな桜の元に向かう、ヤオフ―へと。
 そんな彼に気付いて、ぶんぶん手も尻尾も振り返すその姿を見れば。
「……楽しそうな足取り。あれならきっと大丈夫だろ」
「あの笑顔なら幸せ以外の感情はねぇな。あぁ、確かに良い笑顔だ」
 ジャスパーが微か宿した笑みとともに零した声に、エリックもニッと笑って彼女を見送って。
「いい笑顔ね、ほんと」
 日向もそっと、小さな背中を見守るように瞳を細める。
 ……ヤオフーちゃんもいっぱい楽しめますように、って。
 そんなヤオフ―に、パウルはおもむろに駆け寄って。
 ――ヤオフーちゃんへ、って。
 彼女へと手渡すのは、桜色に光るヨーヨー。彼女の旅路が、より楽しくなる餞にと。
「オレも同じの持ってるんだ~☆ また一緒に遊ぼっ!」
『わぁ、すごい!』
 巧みに触手も使ったハイパーテクニックをめっちゃきめて。
 ヤオフ―は、そんなダイナミックでテクニシャンなパウルの凄技トリックに、さらに瞳を煌めかせてから。
 ありがとう! と大事に貰ったヨーヨーを握りしめて。
 覚束ない手付きながらも、楽しそうにヨーヨーを上下させながら、再び歩き出す。
(「魂の巡るこの世界なら、叶わない望みじゃないよね」)
 また一緒に――みんなと、楽しく遊ぶために。
 そんな彼女の姿を、花霞の向こうに消えるまで見送った後。
 夜桜が満開に咲き誇る木の下で、お楽しみの花見と洒落込みます!
「日向さん、串焼きとフライドポテト、交換しようぜ。ジャスパーさんとパウルさんの分も勿論あるからな」
「ありがとう、エリックさん。焼き鳥も買おうか迷ってたからうれしい。フライドポテトと交換ですね」
 ちょこんと黒犬ぐるみを隣におすわりさせてから、尻尾をパタパタさせるエリックに、日向は笑んで返しつつ。
 皆さんもどうぞ、と焼き鳥の隣にフライドポテトも並べて。
「肉に揚げ物にうまいもんばっかだ」
 夜桜を見上げながら、ジャスパーはふと思い返す。
 ずっとこうやってさくらの帝都を遊びたかったのだろう、そんなヤオフ―の想いを。
 きっと満開に咲いたあの笑顔を見れば、彼女の願いは叶っただろう。
 でも、今日想いが叶ったのは、何も彼女だけではないのだ。
「俺も実は願いが叶っちまったんだよなあ」
 それから皆へと順に向けた瞳を細め、ジャスパーは続ける。
 ――またエイツアのクルー達とで花見に来てえなって思ってたから、って。
「その願いに俺も参加できたなら嬉しいぜ、ジャスパーさん」
 エリックは笑みと共に、そう言葉を返して。
「静かに楽しむのも良いが賑やかにやんのも良いもんだな……また遊びに行こうな」
「勿論だぜエリック」
 ジャスパーは、ちょっぴり照れたようにゆうらり尻尾を揺らしながらも笑んで紡ぐ……今後とも宜しくな、って。
「エイツア社員旅行、今後も色々企画しちゃうよ!」
「私もその時はまたご一緒したいな」
 パウルは日向に桜ドーナツを手渡しながら、ふとドーナツの穴から夜桜を見上げてみて。
 ドーナツから瞳覗かせたお揃いのポーズで、今年の桜と大好きなクルーの皆と、記念の集合写真をぱしゃり。
 また一緒に、って――楽しくて新しい、そんな願いを込めて。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

木常野・都月
【KOR】

桜の精霊様がこんなに沢山!
それに美味しそうな屋台の食べ物!
何がいいかな……
ソースの匂い…お好み焼きにしようかな。
沢山色んなものが入っていて、大好きです!

飲み物は…シュワシュワしていれば、俺はお酒でもジュースでもいいんだけれど……
シホさんが桜のカクテル作ってくれるんですか?
それは楽しみです!

ヤオフーはジュースと…お好み焼きに食べてみる?

いただきます!…ん!美味い!

織銀さん?宴会芸?踊る?
それなら!UC【小さな俺分身】!
点狐!
皆、宴会芸だ、同じ様に踊るんだ!

クロムさんの刀を打ち合わせる様子を見ながら、俺も俺に出来る事を。
桜の精霊様にお願い。
どうか、ヤオフーが安心して骸の海に行けるように。


シホ・エーデルワイス
【KOR】

夜桜は幻想的な美しさに溢れて綺麗ですね


有士郎さん
良ければ桜酔を少し分けて頂けませんか?

桜酔と売店で買った食べ物の内ソーダ水、さくらんぼ、生クリーム等を使い
【供宴】で桜をテーマにした甘酸っぱい日本酒カクテルを作る
残しておいた油揚げのラスクも添えて
どうぞ召し上がれ

有士郎さんできました♪
都月さんとクロムさんもどうぞ
お口に合って何よりです

私とヤオフーさんには桜のソーダ水を使ったノンアルコールカクテルを作り
皆さんが買った食べ物と一緒に頂く

桜エビにお餅も入っていて美味しいです♪

ヤオフーさんも如何?
彼女が旅立つ際は安らかに逝ける様祈る

狸神様とミニ都月さん達の踊りには笛で伴奏を楽器演奏
可愛くて微笑む


クロム・エルフェルト
【KOR】
有士郎さんから『桜酔』の瓶を借り、お酌を
手酌は何だか寂しいから……ね
私もお師様譲りの日本酒党、桜を見ながら花見酒を嗜む
酔うと誰かを甘やかしたくなってしまうから気をつけないと
狸さんと小さな都月くん達の踊り、可愛いな
知らず尻尾で拍子をとってしまう

ヤオフー。いずれまた逢おうね。
そして助けが必要な時は、何時でも名を呼んで。
必ず駆けつけるから。ね。

背筋をピンと張り、金打を鳴らす
例え死しても違える事無し
武士の誇りをかけた誓い

見送りは遠目からでもきちんと
目が合えば静かに頷いて
いってらっしゃいと象ろう

ん、カクテル(尻尾ぴくん!)
この前のクリスマスで、甘くて美味しいと覚えたばかり
シホさん、いただきます


織銀・有士郎
【KOR】
さてさて、締めは花見だ。
近くの売店で色々買っておいたぞ。
まずは『桜酔』。少し気になってな。
後はツマミに焼き鳥と、酒が飲めない人用に花見団子だな。

本当に良い桜景色だねぇ、『桜酔』を飲むに相応しいってか。
酌か、ありがとさん。クロムも一杯どうだ。
何か作るのか? シホが飲む訳じゃないなら構わないが。
さて、花見の席には宴会芸が必須だ。狸神様、最高の踊りを見せてくれ。
お、ミニ都月も加わるか。シホの伴奏も合わさって愉快なものになってるな。

ヤオフーに最後の挨拶を……は酒臭いしやめとくか。
まぁ、あの様子ならもう大丈夫だろう。
せめてヤオフーの新たな門出を願って一杯……ああ、シホのカクテルでも貰うかね。



 ひらひらと夜空に踊る、光纏った桜花弁とじゃれ合うように。
「桜の精霊様がこんなに沢山!」
 木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)が見上げる先、はしゃいだように遊ぶのは桜の精霊たち。
 この世界の桜は散る事のない四季咲きであるけれど。
 でも楽しそうな桜の精霊の姿を見れば、桜にとって春というのはやはり、特別な季節なのだろう。
 そんな様子を見ているだけでも、心がうきうきするけれど。
 都月の狐耳をぴこりと立たせたのは、春風に乗って漂う美味しそうな匂い。
「何がいいかな……」
 広場に並ぶ出店には、目移りしてしまうほど沢山の食べ物が。
 けれど一番食欲をそそる香りを辿って、都月が足を向けたのは。
「ソースの匂い……お好み焼きにしようかな」
 じゅうっと香ばしい匂いと沢山色んなものが入っていて大好きな、お好み焼きが買える出店。
 そして、織銀・有士郎(織りなす銀の一振り・f17872)も。
「さてさて、締めは花見だ」
 夜桜が綺麗に見える場所へと皆と共にやって来たその手には、道すがら店で買っておいた戦利品が。
 それからシートの真ん中にそれらを並べてゆく。
「まずは『桜酔』。少し気になってな」
 やはり一番興味を惹いたのは、春限定の日本酒。
 そして酒に肴は欠かせないから。
「後はツマミに焼き鳥と、酒が飲めない人用に花見団子だな」
 美味しそうな戦利品を目の前にすれば、花より団子……とも言うけれど。
「夜桜は幻想的な美しさに溢れて綺麗ですね」
「本当に良い桜景色だねぇ、『桜酔』を飲むに相応しいってか」
 ふと光に照らされて幻想的ないろを増した夜桜を見上げ、紡いだシホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)の声に頷いて。
 早速一杯、『桜酔』を味わおうと……したのだけれど。
 そんな彼女から『桜酔』の瓶を借りたのは、クロム・エルフェルト(縮地灼閃の剣狐・f09031)。
「手酌は何だか寂しいから……ね」
「酌か、ありがとさん。クロムも一杯どうだ」
 折角の花見、共に酒を酌み交わすのもまた乙というもの。
 酒が好きな有士郎は勿論、クロムもまたお師様譲りの日本酒党。
 春の様に淡く香る酒にふわり、酔ってしまうのもまた一興……とはいえ。
(「酔うと誰かを甘やかしたくなってしまうから気をつけないと」)
 そう一瞬緩みかけた頬を、きりり頑張って引き締めるクロムだけれど。
 ついつい、すぐ傍で無邪気に尻尾を振るヤオフ―を堪らずよしよし。
 そんなふたりの様子に青の瞳を細めてから。
「有士郎さん、良ければ桜酔を少し分けて頂けませんか?」
 ふとそう申し出るのは、シホ。
 そんな言葉に、有士郎は瞳をぱちくり。
「何か作るのか? シホが飲む訳じゃないなら構わないが」
 まだシホは酒が飲めない未成年であるから。
 でも有士郎の予想通り、受け取った桜酔をアレンジして。
「飲み物は……シュワシュワしていれば、俺はお酒でもジュースでもいいんだけれど……シホさんが桜のカクテル作ってくれるんですか?」
 ……それは楽しみです! と。
 期待の眼差しをそわり向ける都月が言うように、シホが作るのは、桜のカクテルを。
 桜酔を桜ソーダで割れば、優しい桜の香がしゅわりと弾けて。
 生クリームとさくらんぼで飾ったその傍に寄り添わせるのは、ひとくちサイズのミニ桜餅。
 先程食べた桜クレープみたいに、甘酸っぱいイチゴもおまけで乗せれば。
 まさに『供宴』――桜をテーマにした、甘酸っぱい日本酒カクテルの出来上がり。
 残しておいた油揚げのラスクも一緒に添えて。
「有士郎さんできました♪ ラスクも一緒に、どうぞ召し上がれ。都月さんとクロムさんもどうぞ」
 桜の彩りと美味しさを、3人分。
 そんなシホの声に、尻尾もぴくん!
「ん、カクテル」
 じいっと日本酒カクテルを見つめるクロムは、何気にそわり。
 だって、この前のクリスマスに覚えたばかりだから。カクテルは、甘くて美味しいって。
 ということで、お言葉に甘えて。
「シホさん、いただきます」
 そうっと口を付けてみれば……ふんわりしゅわり、やっぱり甘くて美味しい味。
「お口に合って何よりです」
 シホはぴこぴこゆらりと正直に揺れる狐耳や尻尾に、そう笑んでから。
 いいなぁ、と見つめるヤオフーにも勿論作ってあげる。
 自分とお揃いの、桜のソーダ水を使ったノンアルコールカクテルを。
 そして最後の仕上げに『供宴』を。桜の彩りと一緒に、エーデルワイスを一輪、咲かせて。
 都月は、わぁっと嬉しそうにさくらいろのノンアルコールカクテルを手にしたヤオフ―に、こう声を掛けてみて。
「ヤオフーはジュースと……お好み焼きに食べてみる?」
『うん、たべたい!』
 仲良く一緒に、お好み焼きと各々の桜カクテルを口にしてみれば。
「いただきます! ……ん! 美味い!」
「桜エビにお餅も入っていて美味しいです♪」
 折角だからと、デラックスに沢山具を入れて貰った都月のお好み焼きに、シホもこくりと頷いてから。
「ヤオフーさんもおかわりは如何?」
 ぺろりと平らげたヤオフーにそうお裾分けを。
 そしてやはり花見といえば、美味しい食べ物や飲み物と。
「さて、花見の席には宴会芸が必須だ」
 ……狸神様、最高の踊りを見せてくれ。
 有士郎が喚んでそう促せば、愛らしいまめだぬきの狸神様がぽんぽんっと、陽気に踊り出す。
「織銀さん? 宴会芸? 踊る?」
 都月は愉快に踊り出した狸神様に、ぱちくりと瞳を瞬かせるけれど。
「それなら! 出てこい俺達! 点狐!」
 ――皆、宴会芸だ、同じ様に踊るんだ! と。
 わらわら狸神様の周囲でぴょこぴょこ踊らせるのは、ちっちゃな都月たち。
「お、ミニ都月も加わるか」
「狸さんと小さな都月くん達の踊り、可愛いな」
 クロムはそんな可愛いミニ都月や大きくて愛らしい狸さんをぎゅうと抱きしめて甘やかしたくなるのを我慢するけれど。やっぱり尻尾は正直、知らず知らずに同じようにぴょこぴょこ拍子をとってしまう。
 さらにそんな可愛さに微笑んでから、シホも宴会芸に加わる。
「シホの伴奏も合わさって愉快なものになってるな」
 笛で美しくも楽しい伴奏をつけて。
 ヤオフーも一緒にぴこぴこ、踊る様に楽しく飛び跳ねて笑顔を咲かせてから。
『あーたのしかった! おいしいものも、ありがとう』
 ……じゃあ、わたしいくね!
 そう告げた彼女に、クロムはこくりと頷く。
「ヤオフー。いずれまた逢おうね。そして助けが必要な時は、何時でも名を呼んで。必ず駆けつけるから。ね」
 ――例え死しても違える事無し。
 背筋をピンと張り鳴らすのは、約束を守るという、武士の誇りをかけた誓いの証。
 そんなクロムの刀打ち合わせる金打を聞きながら、都月も思う――俺も俺に出来る事を、って。
 だから、月が見守る夜桜の下、桜の精霊様にお願いを。
 ――どうか、ヤオフーが安心して骸の海に行けるように。転生を果たせるように、って。
 シホも、彼女の安らかな旅立ちをそっと祈って。
(「ヤオフーに最後の挨拶を……は酒臭いしやめとくか」)
 有士郎は手を振って去り行くその姿を、見守るだけにとどめておく。
 だって、ぴょこぴょこ踊る様な足取りやにこにこ笑顔を見れば、わかるから。
 ――まぁ、あの様子ならもう大丈夫だろう、って。
 だからせめて、ヤオフーの新たな門出を願って一杯……ああ、シホのカクテルでも貰うかね、とグラスを傾けて。
 くるりと振り返って最後にもう一度、ぶんぶん大きく手や尻尾を振るヤオフーの姿を、クロムは最後まで確りと見届ける。
 花霞の夜に蕩けて行くように朧に揺れる中、確かに目が合ったから。
 静かに頷いて、そして春の如く優しく象る――いってらっしゃい、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

冴島・類
いばらさん(f20406)と

夜に照らされ浮かぶ桜は、荘厳だね
静かに眺めるのも良いけれど
ヤオフーの指に、とまりに

もういいよ、が聞こえたら探しに
頷き、差し伸べられた手を取り
どこに隠れるかなぁ…
大きい木の影や
逆に、枝垂れる花の影とか?

ひとりで待つのは寂しいけど
探してもらえるのを、待つなら違う気持ちかも
呼びながら探してみるのも良いか
あの子を見つけたら、捕まえて
一日ありがとう

その後は桜を楽しもうか
舞う花弁の儚さや、樹の大きさを眺めて
そうだ
いばらさん、手を出してみて
君にもありがとう
先程の店で買った硝子ぺんをお土産に

掲げてみる表情に和み
散っても終わらずめぐり咲く花のよに
思い出も、君の笑顔の呼び水になれば良い


城野・いばら
類と/f13398
ヤオフ―の指に、とーまった!

かくれんぼは得意よ
オニさんだってちゃんとできるのだから
いってらっしゃいって、あのコを見送って

大きな木…ね、あの一番大きな桜さんが気になるわ
いってみよう?と類の袖引こうと手を伸ばし
優しい温もりにそっと顔綻ばせ

垂れ枝さんは初めて見たの
お花のカーテンみたい
ココかなーって覗いたり
類が挙げてくれた所に注目し乍ら、大きな桜さん目指し

手?
言われる儘に出した手の平の…お土産にきょとり
類が選んでくれたの?
そう、おもったら頬が緩んでしまう
花弁舞うお空に掲げてみれば
キラキラ、…きれい

らんらんな思い出もだけど
このコでね
お手紙する楽しみもできちゃった
ありがとうは此方こそなの



 出店が沢山並ぶ広場や人々が一服する茶屋は、とても賑わっていたけれど。
「夜に照らされ浮かぶ桜は、荘厳だね」
 冴島・類(公孫樹・f13398)がやって来たのは、人の姿も疎らな、静寂広がる花の園の奥。
 そんな静かな春の夜の風景を、静かに眺めるのも良いけれど。
『かーくれんぼするひと、このゆび、とーまれっ』
「ヤオフ―の指に、とーまった!」
 類と一緒に、その指にとまりにきたのは、城野・いばら(茨姫・f20406)。
 そして、じゃああなた鬼ね! とはしゃぐように御指名あれば。
「かくれんぼは得意よ。オニさんだってちゃんとできるのだから」
 そうえっへん、胸を張ってみせて。
 1,2,3……って、数をかぞえはじめる。
 ――いってらっしゃいって、あのコを見送って。
 それから、もういいかい、って訊ねてみれば。
 澄ました耳に聞こえてくるのは、もういいよ、のお返事。
「どこに隠れるかなぁ……大きい木の影や、逆に、枝垂れる花の影とか?」
「大きな木……ね、あの一番大きな桜さんが気になるわ」
 ふと周囲を見回し、首を傾ける類に、いってみよう? って。
 類の袖をくいくい引こうと伸ばしたいばらの手が、ふわり温もりに包まれて。
 大きな彼の掌の優しさに、いばらはそっと顔綻ばせる。
「垂れ枝さんは初めて見たの。お花のカーテンみたい」
 ひょこり、ココかなーってあっちこっち覗いてみたりしながらも。
 類が挙げてくれた所に注目しながら、大きな桜さん目指していばらは歩んで。
「ひとりで待つのは寂しいけど、探してもらえるのを、待つなら違う気持ちかも」
 ……呼びながら探してみるのも良いか、って。
 類はいばらと、顔を見合せ頷いてから。
「ヤオフ―はどこかな?」
「いま見つけるからね、ヤオフ―」
 ちゃんと探してるよ、見つけるよ、って。
 そう彼女の名前を呼びながら探していれば。
 花の園の最奥――見事に咲き誇る、一等大きな桜の木が。
 そしてその木の幹のところに、ぴょこりと見えるもふもふの尻尾。
 そんな尻尾に、ふたり思わず笑んでしまってから。
 ――ヤオフ―、みーつけた!
『あ、見つかっちゃった!』
 隠れていた彼女を見つけて、捕まえて。
 一日ありがとう、ってそう礼を言えば。
 ヤオフ―は満面の微笑みと共に、桜花弁のような涙をぽろりと零す。
 ――みつけてくれて、どうもありがとう、って。
 そしてヤオフ―を見つけてあげて見送った後、類はいばらと一緒に、夜桜を楽しむ。
 ひらり舞う花弁の儚さや、見上げるほど大きな桜の樹を眺めてから。
「そうだ。いばらさん、手を出してみて」
「……手?」
 言われる儘に出された彼女の手の平に類がそっと贈るのは、君にもありがとうのお土産。
 そんなお土産に、一瞬きょとりとするけれど。
「類が選んでくれたの?」
 そうおもったら、頬が緩んで笑みが咲いてしまって。
 いばらは花弁舞う空に、煌めくそれを掲げてみる。
 先程の店で類が買った、お土産の硝子ぺんを。
「キラキラ、……きれい」
 そんな掲げてみる表情に和みながらも。
 類はこう思って止まない――散っても終わらずめぐり咲く花のよに。思い出も、君の笑顔の呼び水になれば良い、って。
 そしていばらは、夜空にすいっと煌めくペンを走らせてみる。
「らんらんな思い出もだけど。このコでね、お手紙する楽しみもできちゃった」
 ――ありがとうは此方こそなの、って。
 そう、満開の笑みを咲かせながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

佐那・千之助
クロト(f00472)も隠れるとよい
私が鬼になるから
敵地…(遠い目

背を向け、目を閉じて。
遠ざかる足音が可愛いから
もういいかい、と優しく呼び掛ける

彼らの『もういいよ』が聞こえて
振り向けば、うたう花の園
声はざわめく桜に重なったか方角も掴めずに
二人とも随分上手に隠れたよう

待つ間不安にさせないよう
二人の名を呼びながら園を往き
…大きな木。彼女が行きたいと言っていた桜?
そっとヤオフ―の名を呼び
少し遠巻きに木の周りを辿り
…はずれ!
安直すぎたか…見られていたら恥ずかしい…
って視線を感じた気が!上か!?
(二人のお話は邪魔しないタイミングで)

クロト、みーつけた
次はヤオフーを一緒に探すのじゃ
笑って彼の手を引いてゆく


クロト・ラトキエ
千之助(f00454)が鬼…
む、僕も隠れる側?
『かくれんぼ』って斥候とか敵地潜入とか…とは、違う。
デスヨネー。

ね、ヤオフー。一緒に隠れません?と、こっそり。
僕、そういうの得意なんで。

花の園の奥。一番古くて大きなさくら。
あっちが目立つから、周囲は隠れるのに最適。
高い所は大丈夫?
きっと古桜もよく見える。
『もういいよ』だって周囲の音に紛れさせて、
簡単に見付かってはあげないのです。

今日はどうでした?
楽しかった?…幸せ?
そんなの知らなかった僕が聞くのは変かもですが…
あぁ、それと。
どうしてここに来たかったの?
内緒話。

足場が揺れたら…おぉっと!
彼女は隠して僕だけ捕獲。
――楽しかったよ。
離れ際、ウインクひとつ



 ――かーくれぼするひと、このゆび、とーまれっ。
 そうピッと桜舞う春の夜空へと掲げられた、小さな可愛い指にとまれば。
「クロトも隠れるとよい。私が鬼になるから」
『じゃあ、あなたが鬼ね!』
「千之助が鬼……む、僕も隠れる側?」
 クロト・ラトキエ(TTX・f00472)は、鬼役をかってでた佐那・千之助(火輪・f00454)をちらりと見て。
「『かくれんぼ』って斥候とか敵地潜入とか……」
「敵地……」
『せっこう? それなーに?』
「……とは、違う」
 ……デスヨネー、って。
 遠い目をする千之助と、きょとりと首を傾げるヤオフーの様子を見遣って呟いてから。
 背を向け目を閉じて、1,2,3……と数え始めた千之助から、ふたり遠ざかる。
 そんなパタパタ遠ざかる足音が可愛いから。
 千之助は優しく呼び掛ける――もういいかい、って。
 それに、まぁだだよ、って答えるヤオフ―に。
 クロトはこっそり、こんな相談を。
「ね、ヤオフー。一緒に隠れません?」
 ……僕、そういうの得意なんで、って。
 確かに、そう簡単には見つからないスキルは激高。
 ヤオフーと共に、クロトは花の園の一番奥までやってきて。
 見上げるのは、一番古くて大きなさくら。
 ――でも。
(「あっちが目立つから、周囲は隠れるのに最適」)
 そう判断したクロトはヤオフ―に訊ねる。
「高い所は大丈夫?」
『うんっ、へいきだよ!』
 そして、きっと古桜もよく見える、って。
 隠れ場所の最適解として導き出した桜の樹の上に、ふたりでのぼってから。
 しーっとお互い人差し指を口に当ててから――もういいよ。
 でも、そんな『もういいよ』だって、周囲の音に紛れさせて。
 クロトはそうっとヤオフーと息を潜め、鬼の気配を探りながら周囲の様子を窺う。
 ……簡単に見付かってはあげないのです、って。
 そんな彼らの『もういいよ』が聞こえて、くるりと振り向けば――千之助の瞳に映るのは、うたう春の花の園。
 そして春風がさわりと吹けば、手掛かりになるはずの声も、ざわめく桜に重なって。
 ……二人とも随分上手に隠れたよう、と。
 方角も掴めないまま、とにかく奥へと歩み出してみる千之助。
 そんな鬼さんがまだ迷っているうちにと、クロトは隣の彼女へと訊いてみる。
「今日はどうでした?」
 ――楽しかった? ……幸せ?
「そんなの知らなかった僕が聞くのは変かもですが……」
 そうちょっぴり苦笑する彼に、ヤオフ―は一生懸命声を押さえながらも満面の笑みで答える。
『うん! すっごくたのしかった、しあわせだったよ』
 それに……いまだって、すごくたのしいよ、って。
 そしてクロトはもうひとつ、彼女に訊ねてみて。
「あぁ、それと。どうしてここに来たかったの?」
 そうっと、ふたりだけの内緒話を。
『ずっとね、ここで『もういいよ』って言ってるのに、見つけてもらえなかったの』
 ヤオフ―はそう言って、一瞬だけ狐耳をぺたりとさせるけれど。
「クロト、ヤオフ―、ふたりはどこに?」
 待つ間不安にさせないよう二人の名を呼びながら園を往く鬼の気配に、ふたりで再び、しーっと。
 それから千之助がやって来たのは。
「……大きな木。彼女が行きたいと言っていた桜?」
 そっとヤオフ―? って、彼女の名を呼んで。
 少し遠巻きに木の周りをぐるりと辿ってみるけれど。
 ……はずれ!
(「安直すぎたか……見られていたら恥ずかしい……」)
 そうそっとさくらのように頬を染めた千之助だったけれど。
 ――って視線を感じた気が! 上か!?
 ゆっさゆさと、あやしい桜の木をゆすってみれば。
「……おぉっと!」
「クロト、みーつけた」
 千之助はそう笑って、笑って彼の手を引いてゆく。
 ――次はヤオフーを一緒に探すのじゃ、って。
 そんな千之助の言葉に、彼女は隠して自分だけ捕獲されたクロトは、そっと笑んで。
『もうひとりじゃないから、へいきだよ』
 ……ありがとう、ばいばい、って。
 見つかる直前に聞いた声と、彼女をさあっと優しく包んださくらいろの花霞を思い返して。
 離れ際、さくら尽くしの思い出にウインクひとつ――楽しかったよ、って。
 満開に咲き誇って正しい輪廻に戻った、彼女へと。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月31日


挿絵イラスト