大祓百鬼夜行⑨〜Boom Boom Bamboo
「皆、お疲れ様だ。早速だが、カクリヨファンタズムの新たな領域に向かって貰いたい」
グリモアベースに集まった猟兵達に、グリモア猟兵、サナティス・ヴァルヴァード(死を告げるもの・f27951)は次なる予知を伝える。
「今回向かって貰うのは竹林区域になる。ここに生えている光る竹の中から『かぐや姫』が大量発生しているので、これへの対処を願いたい」
かぐや姫の大量発生。あまりにも字面の強すぎる事態である。
サナティス曰く。元々、カクリヨファンタズムの竹というのは夜になると好き勝手に光るものなのだが、本来はそれだけで中には何もない。
が、今は百鬼夜行の影響なのか、その光る竹の中から『光るかぐや姫』が次々と生まれてきているのだという。
彼女達は生まれたばかりでありながら高い戦闘力を持っており、他の妖怪達には勿論、猟兵にとっても一定の脅威となる。
「しかも、その領域にいるオブリビオンが、かぐや姫達を支配下に置いて操っているのだ。放置すれば如何なる被害が生ずるやも分からん、オブリビオンを打ち倒し、かぐや姫達共々助けてやって欲しい」
だが勿論、このオブリビオンは戦闘となればかぐや姫達を操り猟兵達へけしかけてくることだろう。彼女達を殺害することなく対処する必要がある。
「しかもこのオブリビオンは『『遮光器土偶妖怪』アラハバキ』。見た目は大きな遮光器土偶だが、中身は高い情報処理能力を持つスーパーコンピュータじみた奴だ」
故に、大量のかぐや姫達をコントロールしながら自身も戦闘する、というマルチタスクもお手の物だろうとサナティスは推測する。
「厄介な事態ではあるが、皆ならば何とかできるだろうと私は思う。どうか、よろしくお願いする」
そう結び、サナティスはグリモアを展開。
猟兵達を、輝く竹の林へと送り出してゆく。
五条新一郎
プリンセスがいっぱい。
五条です。
大祓百鬼夜行、次なる戦いは竹林にて。
飛び回る小さなかぐや姫の大群と、それを操るオブリビオンと化した妖怪を共に救ってあげてくださいませ。
●目的
『『遮光器土偶妖怪』アラハバキ』の撃破。
『光るかぐや姫の群れ』の無力化。
●戦場
カクリヨファンタズムの竹林地帯。
あちらこちらに竹が生えていますが、密度はそこまで高くないのである程度の機動も可能です。
●プレイングについて
OP公開直後からプレイングを受け付けて参ります。
「かぐや姫の大群に対処する」ことでプレイングボーナスがつきます。かぐや姫達は高速で飛び回り、体当たりやレーザーで攻撃してきます。
殺害は非推奨ですが、明らかに死にそうな攻撃や、明確に殺害を意図した攻撃を当てない限りは死にません。
●リプレイについて
5/7(金)深夜辺りから順次リプレイをお返ししていく予定でおります。
それでは、皆様の月光に挫けぬプレイングお待ちしております。
第1章 ボス戦
『『遮光器土偶妖怪』アラハバキ』
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POW : 》敵性存在ヲ確認、力場反転装置ヲ起動。
全身を【物理&射撃攻撃のダメージを反射するバリア】で覆い、自身の【稼働年数】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : 》管理者権限ニヨリ、惑星初期化ヲ実行。
【【混沌】属性のテラフォーミングビーム】を降らせる事で、戦場全体が【原初の惑星】と同じ環境に変化する。[原初の惑星]に適応した者の行動成功率が上昇する。
WIZ : 》エラー発生。直チニ上位管理者二連……ピ……ガ…
骸魂【狂えるアラミタマ】と合体し、一時的にオブリビオン化する。強力だが毎秒自身の【内部メモリストレージの容量】を消費し、無くなると眠る。
👑11
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御狐・稲見之守
こんなにかぐや姫がおっては翁と媼が育児疲れで倒れてしまうナ。
とっとと月に送り返してしまおう。
[UC憑依の術]アラハバキに憑依して乗っ取り、演算領域で弾道計算してもらう。同時に[化術]にてかぐや姫の生まれる竹を竹型ロケットに変異させ月へと打ち上げるんじゃ。
Guidance is internal
Ignition sequence start
All engine running
Saturn-V LIFT OFF
アラハバキでロケットの状態をテレメートして、ストレージを観測データで埋めることとす。
菫宮・奏莉
かぐや姫さんと遮光着土偶、これはスクープなのです。
宇宙人説を裏付けてしまうのでしょうか!?
不思議好きなわたしとしましては、
ぜひお話聞きたいのです!
わ、ほんとうにちっちゃいかぐや姫さんがたくさんなのです。
お話聞くには落ち着いてもらわないとですから、
【禁足結界】で動きを止めて、網で捕まえ、虫籠で保護なのです。
大漁ですね!
ちょっとだけ我慢してくださいですね。
壊れた月からのお迎えは、今直しますですので!
土偶を包帯でぐるぐる巻きにしたら、
おねーちゃんの見よう見まねで修理です。
おねーちゃんは、よく叩いていましたですので、
わたしも【怪力】で叩いて直しますのです!(not攻撃)
あ、あれ? 壊れちゃいました?
「かぐや姫さんと遮光器土偶、これはスクープなのです!」
竹林へと向かう道すがら、菫宮・奏莉(血まみれ勇者・f32133)は何処か興奮気味に語る。
「よもやの逢引、いや隠し子かの? どちらにせよ扇情的な話ではあろうナ」
それに対する御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)の反応に、奏莉は首を思いっきり左右に振り否定。心なしか顔が赤い。
「違うですよ! かぐや姫さん宇宙人説の裏付けになるかもなのです!」
「おお、そういえばそのような話も聞いた覚えがあるナア」
即ち、かぐや姫がそもそも月より更に遠い宇宙の生まれだという説だ。彼女達を操る遮光器土偶妖怪も、何やら古代の超文明を思わす力の持ち主ゆえ、繋がる処はあるかもしれない。
「まあ、浪漫のある話ではあるが。真相は本人たちに聞いてみるのが一番であろう」
「はい! 是非是非お話聞きたいです!」
不思議な物事を好む奏莉としては、非常に気になるその真相。其を確かめるべく、二人は竹林の中へと飛び込んでゆく。
「わ、本当にちっちゃいかぐや姫さんがいっぱいなのです」
竹林に突入して程無く、二人を迎えるのは、視界を埋め尽くさんばかりに飛び交う、光輝く十二単姿の小さな少女。因みに身体のサイズが小さいだけで年齢感は然程低くはない。
「すみませーん! ちょっとお話を……わきゃー!?」
早速インタビューを試みる奏莉だが、気付いたかぐや姫達がいきなり超高速で突っ込んできた。慌てて躱す奏莉。
「おうおう、随分と腕白な娘達ではないか。こんな娘が何十もおっては、翁も媼も育児疲れで倒れてしまうナ」
結界を展開して、かぐや姫達の放つビームから身を守りつつ。彼女らの様相を評する稲見之守。
「話を聞くにせよ、月に送り返すにせよ。まずは引き留めておる輩を何とかせねば――そこじゃ」
そして見出した、この騒乱の元凶を指し示す。奏莉が応えて振り向いた先、そこに居たのは。
「――猟兵存在ヲ確認」
機械的な声を響かす、見上げんばかりの巨大な遮光器土偶。これがこの場のかぐや姫達を操るオブリビオン『アラハバキ』か。
「むう、まずは落ち着かせないとお話も聞けなさそうです」
感情の感じられないその様相だが、敵対の意思は明らかだ。眉根を寄せつつも、奏莉は戦闘の意志を固める。
「うむうむ。あまり多すぎても話にならぬ。話は残った者達に聞くとして、他はとっとと月に送り返してやろうゾ」
稲見之守も戦闘への移行に異論は無し。そんな二人の様子を見定めた土偶妖怪、その大きな目のスリットから真紅の光を迸らせ。
「第一目的:猟兵ノ殲滅乃至撃退。第二目的:百鬼夜行継続ニヨル大祓骸魂ノ存在立証。全軍、状況ヲ開始セヨ」
機械的に発される命令。応えるように、周辺を好き勝手に飛び回っていたかぐや姫達が、一斉に二人の方へとその進路を変え始める。戦いの始まりである。
「まずはかぐや姫さん達を捕まえましょう……!」
奏莉、片腕に巻かれた包帯を解く。生々しい傷跡からは血が滲み、滴り。血に落ち――るより前に、蒸発したかのように消え失せる。
「あなた達を、足止めです!」
そして飛び迫るかぐや姫の群れを指差せば、真っ直ぐ二人を狙っていたその飛翔軌道が一気に下降線へと転じ。そのまま、地面に突き刺さるように落ちてゆく。
「よしよし、お主らの向かう先は此方ゾ」
それらは稲見之守によって、次々とロケットの中へと放り込まれてゆく。手近な竹を化術で変化させたものだ。
「大漁ですね!」
奏莉は虫取り網を振り回し、速度を落としながら尚も飛翔し続けるかぐや姫達を捕えて檻へと入れてゆく。持参した虫籠では流石に小さかったので、稲見之守の化術で用意して貰った模様。
「防衛戦力ノ壊滅ヲ確認。殲滅シークエンスヘ移行。加速装置、力場反転装置起動――」
かぐや姫達が次々と無力化されてゆくのを受け、アラハバキの瞳が警戒めいて輝く。己も戦闘に加わらんと、その身に備わる機能を起動させ――
「おおっと、無粋な邪魔は遠慮して貰うゾ」
――ようとする前に、稲見之守の声が響く。その内側から。同時、土偶の瞳の輝きが赤から黄色へと変じ。橙を経由し赤へと戻り。混乱を示すかのように忙しなく色を変えてゆく。ユーベルコードにて憑依を果たした稲見之守が、かの土偶機械を掌握せんとしているのだ。
「エラー発生、エラー発生。外部存在ニヨルハッキングヲ確認。直チニ上位管理者ニ連……ピ……ガ……」
抗うかのようにエラーメッセージが発される。同時に、その身に宿る気配が急速に禍々しさを増すが、それ以上の動きは無い。只々、システムメッセージめいた機械的音声が漏れ出るのみだ。
「Guidance is internal……Ignition sequence start……」
それはロケット発射のシークエンス。かぐや姫達を収容した竹型ロケット、その下部のエンジンが炎を噴き始める。
「All engine……r……running……Saturn-V……LI……LIF……――LLLLLLLLL」
が。発射コマンド実行直前で音声がバグる。と同時にシークエンスが強制中断、ロケットの炎も消えて地上を離れることもなく。アラハバキの瞳もまた、一瞬で黒に近い青まで明度が落ちた。
「……おお。もうストレージを使いきってしもうたか。容量不足じゃナ」
憑依を解除し、元の肉体に戻った稲見之守が肩を竦める。
「壊れちゃったですか」
そこに奏莉がやってくる。心配そうに土偶を見上げつつ。
「うむ、といってもスリープに近い状態じゃでの、暫くすれば――」
そして稲見之守の返答が終わるより先に、土偶のボディをよじ登りだした。やがて頭部まで登り切った奏莉、何をするかといえば。
「それなら修理しましょう! おねーちゃんがよくやっていたこの方法で!」
徐に掲げた片腕はチョップの形。振り下ろす角度は斜め四十五度。遮光器土偶マシンの頭部を、渾身の力で打ち据えた!
ばきっ。と、土偶の内側で音がした。
「――あ、あれ? ……壊れちゃいました?」
動かぬ土偶。破滅の音。不安げに、奏莉が土偶と稲見之守とを交互に見る。
「――まあ、一度壊した方が良いかも知れぬナ」
骸魂を引っぺがすという意味で。フォローじみて稲見之守は呟いた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
こ、これはまた、何ともカオス且つ厄介な状況ですねぇ。
【万華】を発動、全身を『雷』に変え『竹林』を突破しましょう。
この状態であれば『光速移動』が可能ですから『高速で飛びまわるかぐや姫』より速いでしょうし、『レーザー』に対しても同等の速度で動ける以上、回避しながら進むことも可能ですので、この状態で土偶さんを探しますねぇ。
発見出来ましたら、そのまま『雷撃の体当たり』を仕掛けましょう。
これなら『物理攻撃』では無いですから有効に働くでしょうし、対かぐや姫同様『速度』でも上回れるはずですぅ。
『FMS』のバリアで、かぐや姫達が戦域に入らない様周囲を封鎖、レーザーも混ぜて叩きますねぇ。
ユリウス・リウィウス
なよ竹のかぐや姫なぁ。これだけいると、ありがたみも落ちる。
さて、亡霊騎士団を喚起。
お前達で、飛んでくるかぐや姫を受け止めて押さえ込み、動きを封じておけ。
俺はその間にオブリビオンを討滅する。
原初の混沌か。どこまでを原初の時代とするかは議論したいところだが、ぶっちゃけ足場が溶岩で隕石がほいほい降ってくるような世界なんだろうな。
……竹藪、燃え尽きないか?
では、討滅を始めよう。
根を焼かれて倒れ落ちた竹を足場に跳ね回り、「生命力吸収」「精神攻撃」の双剣で斬りつける。
蹴倒して溶岩に落としてやるのもいいな。
ざくざくと双剣を突き刺してやるから、さっさと骸魂を吐き出して、本来の妖怪に戻れ。
後の始末はそれからだ。
「こ、これは何ともカオス且つ厄介な状況ですねぇ……」
「なよ竹のかぐや姫……これだけいると有難みも落ちる」
竹林を飛び交うかぐや姫の大群。その混沌極まる状況に、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は唖然とし、ユリウス・リウィウス(剣の墓標・f00045)は肩を竦める。
「こいつらにかかずらっている場合じゃない、早いところオブリビオンを討滅するぞ」
「承知しましたぁ。では私は土偶さんを探しに行って参りますぅ」
ユリウスに応えたるこるは両手を合わせ、祈りを以て詠唱を開始。
「大いなる豊饒の女神、その象徴せし欠片の一つを我が身へ――」
詠唱が結ばれると共に、るこるの身は輝きながら人の形を崩し。やがてはその場で渦を巻く無数の稲妻と変ずる。動き出せばそれは正しく光速、一瞬にして竹林を飛び渡ってゆく。
残ったユリウス、周囲を見回せば。飛び交うかぐや姫達が、己を目掛け突撃せんとしているのが認められた。彼女達を抑えねばオブリビオンとの戦いに障る。対処が必要だ。
「――死の顎に囚われ惑う怨念の塊どもよ」
故にユリウスはその手を地へ翳す。ユリウスを中心に、泥濘めいた闇が広がってゆく。
「汝らの憎悪を以て、生あるものを此の場へ押し留めよ」
その闇から這い出てくるのは、腐肉纏うゾンビや、其さえも失ったスケルトン。アンデッドの群れ。纏う鎧と手にした剣や盾は、彼らが生前騎士であっただろうことを窺わせる。
突撃してくるかぐや姫達を、ゾンビ騎士が腐れた肉体とそこに纏う鎧で受け止める。スケルトン騎士がかぐや姫を盾で押さえつけにかかる。
と、そこに飛来した雷光、地に落ちたそれは凝集し、人の形を――るこるの姿を形作る。
「土偶さんを発見しましたぁ。あちらになりますぅ」
「了解した。此方も一先ず落ち着いた、行くぞ」
オブリビオン発見の報。ならば後はかの敵を打ち倒すだけだ。頷き、両者は駆け出してゆく。
「猟兵存在ヲ確認。管理者権限ニヨリ、惑星初期化ヲ実行」
迫る二人の猟兵を認識したアラハバキ、その瞳が金色の光を放つ。と同時、上空から何本もの同じ色をした光の雨が降り注ぎ始める。それが地へと突き刺されば、着弾した地面を融かし発熱せしめ、マグマじみた様相へと変えてゆく。熱に耐えかねた竹が燃え、倒れてゆく。
「これは……生まれたばかりの惑星みたいな環境ですねえ」
熔岩の海の上に浮かぶ、巨大な土偶。かの存在が、この地のテラフォーミングを行っているということだろうか。るこるがのんびりした声音の中にも驚きを滲ませる。
「このままだとこの竹林が燃え尽きかねんな。早急に決めるぞ」
既にこの一角は、燃える竹で火炎地獄じみた有様と化している。放置すれば竹林全体が灰燼と化しかねない。
「分かりましたぁ。では結界を展開すると致しましてぇ」
るこるの周囲へと銀色の円盤が放たれ、戦域に結界を展開。これならば、ユリウスの亡霊騎士団を突破してきたかぐや姫も容易には乱入できず、結界外へのテラフォーミングの影響も減らせられるだろう。
「猟兵存在接近……加速装置、力場反転装置起動」
対するアラハバキ、二人の接近を感知してか戦闘態勢に入る。全身にバリアを纏い、その身が宙へ浮き上がる。
「ですが――私の方が、速いですよぉ!」
るこるの身が再び稲妻へと変じ、そのまま土偶妖怪へと突撃。飛翔し距離を取ろうとする土偶とその身を守るバリアを、諸共に稲妻が貫き、全体へ過剰電圧の衝撃が伝播する。アラハバキの飛行速度は音速を遥かに超えるが、稲妻と化したるこるの速度はそれを更に上回る全き光速。故に逃げることは叶わぬ。
「非物理攻撃ヲ確認、飛来速度、本機ヨリ高速。地上戦ニ移ル」
更にバリアは実体なき攻撃である稲妻を止められない。ならば空中戦は愚策と判じたか、アラハバキは地上へ降下。
「敵地上戦力確認、コレヲ排除スル」
燃えて倒れる竹や、残存する石や岩を跳び渡るユリウス目掛け、その目から立て続けにビームを発射。矢継ぎ早に放たれる光の矢が、黒騎士を襲う。
「ちっ、と、何の……!」
その数発は着衣や鎧を掠めるが、戦闘継続に障りは無い。斜めに倒れた竹を踏み、そのしなりを利してジャンプ台代わりに跳躍。その腰より、双の黒剣を抜き放つ。魂を、血を啜る呪われた剣を。
「これでも、喰らえ……!」
そして地上を滑るアラハバキの、機動の先を目掛けて攻撃。双の黒剣を、双方同時に振り下ろせば。
「ピガ……ッ!? 出力低下、制御AIニ異常発生……!」
生じた異変に機械土偶が困惑気味の音声を発する。物理攻撃故に反射可能、と見て敢えて受けたが、その実態は精神と生命力への直接攻撃。故にバリアは用を為さず。
「こうか、こうすれば骸魂が弱るか!」
「ピガッ、ピガガガガ!!」
そのまま空中で足を使って組みつき、繰り返し黒剣を突き刺してゆく。そのたびに機械土偶の力が衰えてゆくのを、振り切ろうとする動きから察せられる。
「さっさと、骸魂を吐き出せ!」
「これはおまけですよぉ!」
「ピガガガーッ!!」
最後は離れようとしたユリウスに両足で蹴り飛ばされ、更には上空から降下してきたるこるの雷撃に貫かれ。土偶は自ら生み出したマグマの中へと叩き落とされたのである。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
朱鷺透・小枝子
かぐや姫も、土偶妖怪も、操られているだけならば、できれば殺したくはありません。
神器拳銃から出した雷を全身に纏い、体当たりを電撃で迎撃
散弾銃、オーラ弾で範囲攻撃を行いつつ、推力移動で移動、竹を足場に空中を飛びながら攻撃を回避
大群は、キリがない!雲、来い…!
オブリビオンの位置を確認し『曇天雷雨』発動。天候操作で戦場を雲で覆い、視界を封じる。
ここが棲家である以上、排除は敵わないしかし、雲は戦場を覆っている。身に纏っていた雷を、雲を通して全域へ!雷の属性攻撃で一気に感電させ、戦闘力を奪う!
オブリビオン!消えろ!!
同時に、土偶へ接近、散弾銃のオーラ(霊障)弾の重量攻撃を、至近距離から叩き込む!
空亡・劔
この最強の大妖怪である空亡劔を差し置いて大異変を起こすどころか…生まれたてのかぐや姫達がそいつらに従ってるとか生意気極まりないわ!(おこぷん
【天候操作】で濃霧を引き起こすわ
濃霧で見えにくい状態で分断してかぐや姫はぽかって叩いて気絶させて無力化させるわよ!
後できちんと誰が最強か教えてやるわ!
あたしこそ古くより存在する大妖怪よ!覚悟しなさい(尚種族
【戦闘知識】で相手の動きの癖を【見切り】
【残像】を残して回避するわ
原初の惑星になったら
【属性攻撃】で炎を全身と武器に付与して適応
…あつい!!あたし暑いの苦手なのよ!(激おこ
そして時空をも切り裂く斬撃による【二回攻撃】で敵に猛攻を仕掛けさせてもらうわよ
竹林を駆ける少女兵士と少女剣士。やがて竹が倒れ焼け焦げた、まさしく戦場と言うべき光景が見えてくる。
「この最強の大妖怪である私を差し置いて、あんな大異変を起こすどころか……生まれたてのかぐや姫達が従っているとか!」
生意気極まりない、と少女剣士、空亡・劔(本当は若い大妖怪・f28419)は憤慨を露わとする。尚、本来はヤドリガミだがカクリヨファンタズムに至った折に妖怪へと変質したらしい。
「とはいえ、操られているだけならば、できるだけ殺さず救いたい処であります」
隣を駆ける少女兵士、朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)はあくまで冷静に。この世界のオブリビオンの性質。妖怪が憑かれたものであるならば、そしてかぐや姫達もまた操られた存在であるならば。
「無論ね! 最強の大妖怪が誰か知らないまま逝かせはしないわ!」
堂々たる大言。だがそれに見合った実力の持ち主たることは理解できる。故に小枝子もその点に突っ込むことは無く。と。
「――来ます! かぐや姫達!」
周囲で響く、一陣の風じみた葉擦れの音。小枝子の警告が早いか、次々と小さな十二単姿の人影――光輝くかぐや姫の群れが飛翔し、二人を目掛け突撃してくる。更には。
「猟兵存在ヲ確認。惑星初期化ヲ実行」
その先には撃破目標たるアラハバキの姿。上空から無数の光線を降り注がせ、地面を燃え滾るマグマと変じせしめてゆく。
「ええい、この大妖怪の邪魔をするんじゃないわ!」
劔の全身を炎が包む。以て原初の姿に回帰しつつある環境へと適応。飛来するかぐや姫達を拳で打ち、気絶させてゆく。
「ってか、あたし暑いの苦手なのよ! 余計なことしてくれて……!」
憤慨する劔。その熱の出処は己か、或いは敵か。
「邪魔を、するな……!」
一方の小枝子は外套の下より覗くスラスターを吹かし飛翔。神器たる拳銃より放たれる雷を身に纏い、電撃の放出や散弾銃より撃ち出すオーラ散弾にてかぐや姫達を迎撃する。
「ちっ……!キリが無い!」
だがかぐや姫の数はあまりに多く、更にはアラハバキが上空や自身の目から放つビームも襲う。このままではジリ貧だ。
「一人一人にじっくり教えてあげたい処だけど、仕方無いわね……!」
劔もまた地道な対処を諦め、その腰から剣を抜く。地獄の底かと紛うような冷気を纏う氷の魔剣だ。
「……! もしや、劔殿も!」
それを見て取った小枝子、よもやと声をかければ、劔は頷く。
「ええ、視界遮断で分断するわ!」
「承知! 自分も合わせます!」
劔が剣を掲げ、そこに封じた天候操作の力を解放すると共に。小枝子は手を掲げ、ユーベルコードを発動する。
「雲よ、来い……!」
直後、見る間に戦場空間へ水蒸気が満ちる。劔の天候操作によって生じた霧。そこへユーベルコードが注がれれば、霧は一気に濃度を増してゆく。最早雲の中と呼んで良い状況へと至ったそこは、視界のほぼ効かぬ闇の只中の如し。
本来このユーベルコードは、敵をその棲家へ送り返すものだが、かぐや姫の棲家はまさにこの竹林。故にその方法での無力化は叶わぬ。故に。
「そして! 雷よ、迅れ!!」
更に拳銃を掲げ、己の纏っていた雷を雲中へと解放すれば。水蒸気を介して一気に増幅された雷が全体へと伝播して。蜘蛛の中を飛び交う気配が、鎮静化する。
「やったわね! それなら後は……!」
霧を切り裂き貫いてゆくビーム。その出処を目掛けて劔は駆ける。
「機動戦力、反応途絶。全滅ト断定。直接戦闘へ移行」
駆けた先にはアラハバキ。小枝子が先に放った電撃はかの土偶をも襲ったが、有効打と言える損傷は見えない。立て続けに放たれる衝撃波が劔の身を打つが、その身は揺らがぬ。
「原初の惑星だか何だか知らないけど!」
氷魔剣を収め、代わって抜くは殺神魔剣『空亡・紅』。本来ヤドリガミたる劔の本体、異世界の魔剣。
「あたしこそ、古くから存在する大妖怪よ! 覚悟しなさい!」
そして一気に加速、飛翔を開始。尚、古くからと言ってはいるが彼女は分類上『新しい妖怪』である。
「妖怪は救う。だが!」
続いてアラハバキに肉薄した小枝子、改めて散弾銃を構え。かの機械土偶を見据える瞳は爛々と輝いて。
「オブリビオンたらしめる骸魂は! 消えろ!」
「ピ、ピガ……ッ!」
殺気に満ちた咆哮と共に、オーラ散弾を連射する。強い衝撃力を伴う銃撃に、アラハバキの身が揺らぐ。その攻勢は、かの機械土偶ですら逃れ得ぬ強烈なストッピングパワーを発揮していた。
「こんな熱い環境とは、とっととおさらばさせてもらうわよ!」
もがくアラハバキへと上空から一気に肉薄し、劔は殺神魔剣を振りかぶる。その刀身が魔力を帯びて輝いて。
「我が身、我が真体は時を統べし魔剣なり! 今こそ、その力を解放せん!」
吼えると共に、刃を十字に振るい。土偶の肉体を、その中央から切り裂いてみせた。
「ピ……ガ……! 損傷、甚大……! 戦闘、続行、不の……」
その一撃がトドメとなって、遮光器土偶妖怪『アラハバキ』は地に倒れ。その身から黒き瘴気めいた気が溢れるに従って、テラフォーミングされつつあった周辺環境は元へ戻っていった。
「……あー、暑かった……」
それは、原初の惑星となったことで増した暑さに辟易していた劔にとっても救いとなったとか。
●
こうして、猟兵達はかぐや姫達の飛び交い暴れていた竹林の一つを無事制圧することに成功。かぐや姫達も全員無事ではあったようだ。
猟兵達を待ち受ける、次なる戦場とは果たして。
大成功
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