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夜を飾る逢魔が辻

#サクラミラージュ #逢魔が辻


 新たな世界の夜明けが来る前に響く一つの声がある。
「れでぃーす・あんど・じぇんとるめ~ん!」
 真夜中であるというのに、ここサクラミラージュの街の一角にある大通りにおいては、文字通り桜が吹き荒れ、雨も降り、空に至っては星々のみならず鮮やかな色の光がその街並みを飾っていたのである。幻朧桜が一年中咲き乱れるこの世界で、どこか幻想的で息苦しいこの光景が広がる場所こそ、傷ついた影朧たちが救いを求めてはびこる逢魔が辻そのものであった。
「こんな夜だからこそ、楽しいこと、見せてあげる!」
 声の主が指を鳴らせば、紅いてるてる坊主たちがそれぞれ2本の剣を持って集まってきて、綺麗に整列して行進を始める。火夜見たちが見せるのは、紅い色の炎によるパレード。誰に放つでもなく、打ち捨てられた布切れの集まりが、特に何も考えずに大行進。
「素敵なパレードの犯罪を、始めましょ!」
 金髪にモノクルの少女は白い手袋をしたその手で美しい空を指さした。雨がそんな不思議な夜空に照らされ、カラフルに反射しては地に落ちて跳ね返る。
 どんなパーティーがここで始まるというのだろうか。いずれにせよ、ただ事ではないのだろう。そんな、美しい光景だったのだ。

「…サクラミラージュ…桜吹く古き良き世界か」
 久々に見る美しい夢に、グリモア猟兵であるところの糸井・真海もしばらくぼーっとしていた。
「……ああ、そうだったな。呆けている場合じゃない。美しいものは美しいと思うが、悪がはびこる巣窟というのはよろしくないな」
 集まっていた猟兵たちに気付き、自分の役目を思い出したかのように皆に向き合う男。彼が話し出すのは、彼が夢で見た光景『逢魔が辻』についてである。
「サクラミラージュには『帝都桜學府』なる救済機関が存在する。傷つき虐げられし者たちの過去が生み出した荒ぶるオブリビオンである影朧を倒し、桜の精の癒しで以て慰める集団だ…だが、この集団が手を焼く事件がある」
 真海の続ける話によれば、サクラミラージュでは時折影朧が大量発生する箇所があるというのだ。過去の巣窟となったそこが、『逢魔が辻』と呼ばれる場所なのだ。
「お前たちが向かうのはまさにそこだ。大量のオブリビオンを倒し、その場所に平穏をもたらしてもらいたい…既に俺の持つグリモアの力でお前たちを近くまで運ぶ準備が出来ている」
 言い終えた真海の右手は、銀色に光り輝き始めている。それに目を落としながら、彼はまた、こう述べた。
「だが一応気を付けておけ、その場所は桜と共に大雨が降り注いでいる。油断していると…滑るぞ」
 逢魔が辻における影響なのだろうか。大雨と聞くと水たまりのいっぱいできている場面が想像されるだろう。実際に行ってみるまで、どのくらいできているかは謎だが。だが、これを逆に利用することもできるのではないか、そう考えることもできるだろう。
「さあ、話はここまでだ。お前たちはその世界においては『超弩級戦力』として期待されているんだ…立ち向かうのも、少しの工夫があれば難しくはないだろう?」
 ややあって、男は作戦開始の合図を告げる。
「煌びやかな夜に、眩しい夜明けを差し込んでみせろ」


川内主将
 どうもお世話になっております、川内主将です。今回は集団戦2章の後にボス戦1章の構成で、オブリビオンをいっぱい倒すことが目的です。
 今回戦闘の舞台となる逢魔が辻の地形効果に、雨で濡れていて滑りやすい、もしくは水たまりが出来ていたり、夜なのに眩しかったり、というのがあります。これを使うと効果的ですが、第2章では敵が第1章で猟兵さん方のとった対策を流用する可能性があります。
 それをおさえつつ、今回も皆様の楽しいプレイングを心よりお待ちしています!
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第1章 集団戦 『ヒヨリミ』

POW   :    ヒヨリミ台風
予め【二本の刀を掲げて空中でくるくると回転する】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    ヒヨリミボディ
自身の肉体を【刃のように触れるものを切り裂く布】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    無縁火
レベル×1個の【血のように赤い色】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
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茶塚・迅
「良いねぇ、桜吹雪たぁ、かぶくにゃ絶好じゃないか!」

それじゃ早速、一発喧嘩おっぱじめようぜ!
接敵と同時に対一上等!迷路にしちまえば雨も関係ねぇだろ!
さぁ、そしてタイマンだ!
ガラクタ集めて拳に装着、空火・天火・瞬脚ノ怪で急接近し【先制攻撃】!
攻撃は都度都度幻夢ノ怪からガラクタ放り出して盾代わりにして防御!
ひらりひらりと手応えねぇなら、霧槍ノ怪で拳の先槍状に【武器改造】して【串刺し】だ!

一体倒したら次!それ倒したらまた次だ!
常に私と相手、タイマンになるこの迷路。
探さなくても勝手に来てくれるから手間が省ける!何度も同じ系統の敵とやり合ってりゃ嫌でも戦い方覚えるから一石二鳥さ!



 雨降る大通り、水たまりがあちこちに出来たこの場所で、たくさんのヒヨリミたちが何も考えず大行進。
 しかして桜も吹き、そんな綺麗な光景に足を踏み入れるは茶塚・迅。
「良いねぇ、桜吹雪たぁ、かぶくにゃ絶好じゃないか!」
 雨さえも振り切りタイマン上等。ヒヨリミたちの反応もそこそこに、いつの間にか大通りは深き森のマヨヒガと化す。
「雨も関係ねぇ! 一発喧嘩おっぱじめようぜ!」
 どこに転がっていたか、数多の廃棄物は絢爛灰塵となりて拳を形作り、空火、天火それぞれの怪が彼女を一気にヒヨリミの一個体に拳を叩きつけるところまで運んでいくのだ。文字通りひよるぼろぼろのてるてる坊主は血のように赤い火をたくさんぽうっと放つが。
「どうした、手応えがないぜ!? そのままだったら――!」
 手繰るは幻夢ノ怪、豊かな想像で盾代わりのガラクタを創造せよ。火の数個を消して活路を見出し、霧槍ノ怪なる槍もついでに拳に付けて。
「私がお前さんを! 倒しちまうぜ!」
 有無も言わさぬ一瞬での串刺しが、てるてる坊主をただの布切れに逆戻りさせ、後はすぐに次のヒヨリミがひょこりと姿を現すのみ。
 雨で滑ることもない深き森の迷路で、ただ一つ一つ、戦いは続いていくのだ。
「探さなくても勝手に来てくれる。一石二鳥さ!」
 これは英雄になると産声を上げた化け物の骸の、積み重ねられた知恵の一つ。

成功 🔵​🔵​🔴​

御剣・刀也
ははは。ここがサクラミラージュか
桜並木の奇麗な所じゃねぇか。雨が降ってるのが残念だが、晴れてれば格好の花見酒とかできたろうなぁ。
うし。その為に頑張るとするか

「赤いテルテル坊主か?まぁ、何であれ、そんな見え見えの攻撃は当たらんぞ。素人相手ならともかく、な」
ヒヨリミ台風で回転し始めたら、ダッシュで踏み込んで回転を始めたやつから斬り捨てる
そのまま突撃してきたら、第六感、見切り、残像、武器受けで防御するか避けるかして、そのままカウンターを打ち込んで斬り捨てる
「詰まらんな。斬っても歯ごたえがない。さっさと俺を満足させる相手に出てきてほしいもんだね」



「ははは。ここがサクラミラージュか。雨が降ってるのが残念だが、晴れてれば格好の花見酒とかできたろうなぁ」
 そう宣うのが真紅の荒獅子であるところの御剣・刀也。桜並木の綺麗なこの大通りで、彼は今宵も不屈の獅子が如く煌めく刀を振るう。その花見酒の為に頑張るとするか、と気合はそこそこに。
「赤いテルテル坊主か?まぁ、何であれ、そんな見え見えの攻撃は当たらんぞ。素人相手ならともかく、な」
 かのヒヨリミたちのぐるぐる回る様は時の経つに連れてその勢いを増すが、剣豪にはその回り方がよく見える。一歩素早く踏み込み一閃、あちらの刀の当たる前に刀也の方から先を行くのだ。
 ヒヨリミたちの多くがそんな彼に距離を詰めて近寄るも。
「…その布切れは既に紅に染まっているか」
 ぼろぼろのてるてる坊主の紅を認め、直感で以てぐるぐると回る刀の数々を見切り、刃をかち合わせて受け止めてはすぐさま斬り、さらに向かってくるものには残像を残し…。そうした一つ一つの真剣勝負が、彼を剣豪としてさらに鍛えるのだ。
「詰まらんな。斬っても歯ごたえがない。さっさと俺を満足させる相手に出てきてほしいもんだね」
 ぱたりぱたりと倒れる布切れたちを見下ろしながら、さらに次の真剣勝負に出合え、出合え。

成功 🔵​🔵​🔴​

波狼・拓哉
んー…やっぱUDCアース知ってると桜が常に咲いてるってのは違和感凄いな。まあ、気にしなきゃ問題ないか。敵を倒すのはどんな世界でも共通で本当に助かるよね。
しかし雨ねー…延焼辺りの問題を消せるのは大きいよね。(箱型状態のミミックを掴んで投擲)化け焦がしなー。影朧だろうがオブリビオンだろうが布は布なもんで…燃える時は燃えるよね!まあ、雨で火が移り難いだろうけども…火種自体はミミックが化けた炎の性質持った何かだからね。接着すれば…まあ後はお察しってことで。
自分は衝撃波込めた弾で掲げてる刀を撃って武器落とししたり出てきた炎を撃ったりしてサポートに。切り裂く布は第六感で見切ろう。
(アドリブ絡み歓迎)



 続けてUDCアースを知るこの男も戦いに乗り込んでいく。
「しかし雨ねー…延焼辺りの問題を消せるのは大きいよね。ってことで…化け焦がしな~」
 波狼・拓哉が投げるは箱型の生き物。拓哉がミミックと名付けたそれは箱のままヒヨリミたちの方へ。赤いてるてる坊主らの布切れの鋭く変わり伸びる様は恐ろしいが、箱は陽炎となりてその布たちを焼き尽くすのだ。紅く燃える赤の広がる景色は、まことに鮮やかで美しい。
「雨で火が移り難いだろうけども…火種自体はミミックだから、触れればお察しってことで。さて、俺も動かないとね」
 そして彼自身もまた、モデルガンであるところのパレッフを手に、弾を装填するなりヒヨリミたちに放つのだ。弾は雨の中を進み、あっという間に刀まで届いたり、ヒヨリミたちの火に割って入り…その度に衝撃波が雨と共に大通りの上で広がって散る。
「んー…やっぱUDCアース知ってると桜が常に咲いてるってのは違和感凄いな」
 桜と雨の舞う世界の中で、細かいことなど気にせずに。近づいてきた別のヒヨリミの切れ味の良い布が伸びてくるのを直感で以て躱しつつ、男の戦いはまだ続くのである。
「さあ、次は何をしましょうかってね」

成功 🔵​🔵​🔴​

エール・ラヴラドライト(サポート)
『ん……この世界の星空も素敵だ。』
クリスタリアンのフォースナイト × スカイダンサー
年齢 18歳 女
外見 154.6cm 青い瞳 灰色の髪 青い肌
特徴 胸が小さい 男性と間違われる 話好き 知識欲が強い 冷静沈着
口調 抑揚無く(ボク、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )
死を覚悟した時は 変わること無く(ボク、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )

・どんな時でも無表情で抑揚の無い声で話す
・ピンチになっても焦らない

・直接戦闘は苦手
・調査などは【失せ物探し】を活かした占いで行う
・戦闘ではフォースセイバー(青い光の剣)を使う
・クリスタライズで透明化して不意打ちをよく使う
・戦闘でもサポート型


ルパート・ブラックスミス
サクラミラージュ、桜と文化が咲き誇る世界か。
興味深いが、今宵は己のような武骨者が似合う夜のようだ。よかろう、いつも通り振る舞うとしよう。

UC【理異ならす凍炎】発動、鉛の氷を走らせる。
雨で水分に満ちた【地形の利用】、諸共に敵を凍結【属性攻撃】で拘束(【グラップル】)。
敵の動きと回転による強化を阻み、止まったところを短剣【投擲】で仕留める。
こちらの意思で軌道が動く【誘導弾】だ、誤射も外しもしない。

突破してきた敵の攻撃は軌道を【見切り】、大剣に纏わせた氷を斬撃に乗せ、即席の壁を形成し【武器受け】とする。
味方が近くにいるなら【かばう】ことも意識しよう。

【共闘・アドリブ歓迎】



「サクラミラージュ、桜と文化が咲き誇る世界か」
 雨の中、そう零して剣を握るは黒騎士であるところのルパート・ブラックスミスである。
「興味深いが、今宵は己のような武骨者が似合う夜のようだ。よかろう、いつも通り振る舞うとしよう」
 桜と雨の入り乱れる世界でも、結局猟兵としての使命が変わることはないのだ。
「桜、綺麗だな…雨は降ってるけどね」
 色取り取りの空に手を伸ばすは星の言葉の占い師の末裔。星が呼んでいるからこそ、エール・ラヴラドライトは世界を旅するのだ。
「さあ、行こうか。星が呼んでいる」
 抑揚の無い声の次には、少年の如き姿はすっかり景色に馴染んで溶けている。
「…む、面白いな。貴殿は星の言葉がわかるのか」
 ふわふわと寄ってきたヒヨリミたちの火の玉や刀を広げるのを横目に、興味を占い師へと向けながら走らせるは鉛の氷。理異ならす凍炎は雨粒とともに濡れた地面をすっかり凍らせ、赤い布切れを巻き込んで殊更に幻想的な景色を創り上げる。
「一つ、二つ、三つ。誤射も外しもしない」
 氷の塊を砕くように、短剣を投げて凍ったヒヨリミたちを仕留めていく騎士である。溶けるように透明なエールはといえば、凍った地面を転ばないように歩き、滑り、無縁火をかいくぐってサダルスウドを静かに振るうのだ。蒼き輝きのみの走る様は氷に反射して美しく。
「ボクは星の占い師の末裔だからね。様々な世界の星空を見て旅をするんだ」
 ふとルパートの背後、刀を振り下ろそうとするヒヨリミが宙を舞って堕ちたのは、透明になっていることを利用した星の占い師が静かに透明なまま、星の流れるような青の輝きをつうっと不意打ちで描いたから。
「なるほど。良いものだな、夜空も」
 静かなサポートに感謝しながら武骨者な騎士の心は楽しげな一面を見せて。今度は正面からぐるりと迫る刀を、氷の壁を剣を振り上げて形成することで受けてみせる。飛び散る鉛は大剣が浴び続けた燃える己の鉛。
「では、夜明けの為に。剣を構え、行くぞ」
 騎士の準備は出来ている。剣を再度構え直し、正面をしかと見据えることで。
「後ろは気にしなくてもいい。ボクも支えるとするよ」
 星の占い師の助言を胸に、今日も騎士道を行く。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

真宮・響
【真宮家】で参加。

いろいろ忙しくしてたら遅くなってしまった。加勢するよ。随分頑張ってるようだが、そろそろ終わらせようか。

【目立たない】【忍び足】【残像】を駆使して敵の背後に回り込み、敵の背後を取る。奏が正面を抑えてくれてる間に背後から【先制攻撃】【二回攻撃】【串刺し】【範囲攻撃】で竜牙を使う。さあどいたどいた!!ここでたちどまってられないだ!!前座はさっさと退場しな!!


真宮・奏
【真宮家】で参加。

遅くなりました。遅参した分、一杯働きますねっ。まだ戦いが控えているのでそろそろ前座には退場して頂きましょう。

【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】でダメージを軽減しながら、正面から突撃します。敵の攻撃に併せて【火炎耐性】も併用し、【属性攻撃】【二回攻撃】【衝撃波】【範囲攻撃】で攻撃して行きます。接近出来たら、信念の拳で攻撃していきます。怖いてるてる坊主はとっとと消えて下さいです!!強引にでも突破させて貰いますよ!!


神城・瞬
【真宮家】で参加。

いろいろバタバタして遅くなりました。後詰めはお任せを。後の戦いが控えてます。手早く終わらせましょう。

いかにも火属性のようですので、最初から全力で行きます。【高速詠唱】【全力魔法】【二回攻撃】で氷晶の矢を撃ちます。【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】【武器落とし】も乗せます。僕の方に攻撃が来る場合は【オーラ防御】でダメージを軽減します。終わりです、速やかに骸の海へ還りなさい!!



 雨もそろそろ激しくなってきた頃に、三人の家族が大通りに参上するのである。
「随分頑張ってるようだが、そろそろ終わらせようか。やるよ、奏、瞬」
 子供たちにそう声をかけるは母であるところの真宮・響。たとえ遅れてやってこようとも、しっかりと猟兵の務めを果たすことはできる。早速忍び足で行動を始め、気づかれないようにヒヨリミたちの背後に回りこもうとするならば。
「遅参した分、いっぱい働かないとですよね。まだ戦いも控えているので…!」
「手早く終わらせましょう。後詰めは僕たちにお任せを」
 刀を構えながら回転し、ぽうっと火を放つヒヨリミたちに真宮・奏と神城・瞬が正面から立ち向かうのだ。腕に付けた白銀の小盾を前に突き出しながら突撃し、火を防ぎ、刀を受け止める奏の勢いたるや凄まじく、オーラも併せて血のような火などまるで嘘のように耐えてみせる。その攻勢に数の少なくなってきたヒヨリミたちは慌ててまたぽうっと火を増やしていくが、それを放っておくわけもなく、瞬の素早い詠唱による対応がある。降らせるは285本の氷晶の矢。これまでに積み重ねてきた猟兵の経験が本数を伴って表れ、雨と混じる美しい景色がヒヨリミたちから刀を叩き落とし、二度その布を傷つけてみせるのだ。
 地面に響き渡る金属音、弾け飛ぶ水滴、吹き荒れる桜。見れば見る程心を奪われそうになるが、それはそれ。
「すっごく綺麗だけど…今はそれどころじゃないんですっ! 喰らえ~!!」
 ものすごい勢いで衝撃波、属性を駆使してどんどんとヒヨリミたちを蹴散らす奏のパワーは最大限に、籠手を付けた拳によって全速力で発揮される。振り抜く拳が見事にてるてる坊主の真ん中を捉え、それを中心にまた衝撃波が広がる…それによって集団はどんどんと崩れていき、ボロボロとなった布切れがまた転がる。
「む、こちらにも飛んできますか。数は少ないようですが…!」
 まだ余っていたてるてる坊主たちが火を放って瞬の横から迫るが、これもオーラを纏うことでしっかりと油断なく防ぎつつ。
「「響母さん!」」
「ああ、任せな!」
 奏たちと戦って往生していたヒヨリミたちの背後から、赤く光る光剣が竜牙となりその布の一つを串刺しにするのだ。剣はなお魂に応えるように燃え盛り。
「さあ、どいたどいた! ここで立ち止まっていられないよ!!」
 前座は前座であるらしく、響の振りかざす剣は広い範囲を薙ぎ、息をつかせる暇も無く繰り出される切断攻撃にヒヨリミたちは次々と屈していくしかない。しかしそれは紛れもなく運命だったのだ。
「さあ、終わりです。速やかに骸の海に帰りなさい!」
「怖いてるてる坊主は、とっとと消えてくださいです!!」
 家族の絆はさらに強まり、大きくラストスパートに向けて踏み込んでいく3人がいる。さらに降り注ぐ氷によって大方お片付けは終わり、残った最後の3体をそれぞれが射抜き、殴り、刺し貫き。
 これには参ったと、ヒヨリミたちは動かなくなって文字通り速やかに過去に還る。
「…終わりましたね。ですが、まだ次が残っています」
「どんどん行きましょう! この逢魔が辻をどうにかしないとです!」
「ああ。しっかりと頑張らなきゃね!」
 そう、まだ次の戦いが残っていた。それに立ち向かうためにも、家族は無事を確かめ合い、来るべき戦いに備えるのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『古塚の呪い』

POW   :    百手潰撃
レベル×1tまでの対象の【死角から胴から生える無数の腕を伸ばし、体】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
SPD   :    百足動輪砲
【両腕の代わりに生えたガトリング砲】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【銃弾の嵐】で攻撃する。
WIZ   :    百足朧縛縄
【呪いに汚染された注連縄】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
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 いつの間にかヒヨリミたちが倒されているという事実に、モノクルの少女は首を傾げる。先程まで火と雨で賑わうような雰囲気があったのだ、それが止むともなれば犯罪を始められないと思ったのだろう。
「おっかしいなー…邪魔が入っちゃってるのかな? こんな時は…そうだ!」
 しかし彼女にもまだ配下が残っていた。突如猟兵たちの前にどしんと重量感溢れる音を響かせて現れた赤き異形の武者のようなもの。これこそが古塚の呪いである。蛇とも人間ともつかない過去の骸は、両腕に携えたガトリング砲をゆっくりと上げて、破壊の意志を示す。
「もっともっと、楽しみましょ!」
 さて、このオブリビオンに猟兵たちはどう立ち向かえば良いか。それが問題だ。
波狼・拓哉
おや、また強そうなのが。…まあ、やる事はあんまり変わらないですね。
それでは化け喰らいなミミック。『かみ』殺せと。縄とかガトリングとか腕辺りの攻撃に使える部分を重点的に狙って足止めしといて貰えるかな?行けそうなら食べてもいいけど。
自分は衝撃波込めた弾でミミックの止めてくれた部位を部位破壊したり武器落としを狙ったりしようか。
後は縄は戦闘知識、視力、第六感でしっかり見切って確実に避けるようにしておこう。呪いは耐性あるから大丈夫とは思うんだけどミミック消えた瞬間おにーさんの価値ほぼ無くなりますからね!
(アドリブ絡み歓迎)



 先のミミクリーサモナーがどうするかしばし頭を悩ませる。
「おや、また強そうなのが…まあ、やる事は現状把握であんまり変わらないですね」
 探偵の血を引く身であるからこそ全てが分かるに越したことはない。故に猟兵は箱と共に最善を尽くすのだ。
「それでは化け喰らいなミミック。『かみ』殺せと」
 マルチなミーニングをアクセントに、下された命によってミミックと呼ばれた箱は狼と化し、その腕目掛けて濡れた地面を駆け抜ける。武者も無視するはずはなく、注連縄が伸びて狼を、そして拓哉を捕らえようとする。
「捕まるわけには行かないな。呪いは耐性あるから大丈夫とは思うんだけどミミック消えた瞬間おにーさんの価値ほぼ無くなりますからね!」
 狼の方は軽々と避けながら飛び上がり、拓哉は注連縄にしっかりと意識を向けて注意する事で、直感によって間一髪注連縄を避けるのだ。呪いが頬を擦るが、やはりそれほど被害が生じるわけでもなく。
「危ない。さて…そろそろですかね」
 狼が幾つもの影の顎によってドデカく喰らうはそのガトリング砲。存在ごと縛り喰い、動けなくした腕に1発、バレッフの衝撃波銃弾が砲を抉るのだ。更にもう一度、今度は注連縄の一部を千切って…武者が明確によろけて隙を晒し。
「よし、上手くいった。この調子で続けますよ」
 さらに探偵のセンスが、夜の中で光り続ける。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルパート・ブラックスミス
先程のといい炎と鋼を振るう手合いが多い。
無論、自分も含めてな。本領発揮といこう。

凍結解除。青く燃える鉛の翼で飛翔、【空中戦】だ。
これで自分で氷結した足場を気にして戦う必要はない。
UC【燃ゆる貴き血鉛】を短剣・大剣に纏わせ、まずは短剣【誘導弾】を【投擲】。
間合いに入ったならば大剣にて【鎧砕き】【なぎ払い】、同時に斬撃に乗せた燃える鉛を撒き敵を炎上させる。

敵の無数の腕については逆にこちらが掴み(【グラップル】)、そのまま鉛の炎を移して焼き尽くそう。

どうした影朧。雑兵を嗾けるだけで精一杯か、満足なのか。
あまり猟兵を嘗めないことだな。

【共闘・アドリブ歓迎】



 赤き異形の武者を前にして、死した主の魂宿りし騎士もまた感嘆の声を漏らす。
「先程のといい炎と鋼を振るう手合いが多い。無論、自分も含めてな」
 ルパートの本領はここに発揮される。青く燃える鉛の翼が先程の氷を溶かし、鎧は自由に空へ高く、高く。古塚の呪いも対抗するように飛び上がり、胴から、あるいはルパートの死角から無数の腕を伸ばす。その腕の一つ二つが触れようとする時に。
「甘いぞ影朧。腕があるというのならば逆にその腕を燃やし尽くすまで」
 宣言通りにその一つの腕をぐぐっと掴み、鉛の炎が流れ込むことによって熱く青く焼き焦がすのだ。武者の、腕の一瞬動きが止まる様すら見逃さずに、黒騎士の鎧は自らの内からさらに燃ゆる貴き血鉛を二振りの剣に。
「空においても雑兵を嗾けるだけで精一杯か、満足なのか。あまり猟兵を嘗めないことだな」
 短剣は誘導するように突き刺さり、さらに武者がよろめき。そこへ間もなく大剣を振り上げて、その鎧を砕かんばかりの斬撃が夜の大通りを鉛の燃える炎で照らし。
「まだまだ行くぞ。この鎧の中に遺る炎が貴殿を焼くだろう」
 まだ雨が止まぬまま、その雨で炎が消えることがあるかどうかは。

成功 🔵​🔵​🔴​

御剣・刀也
今度はまるで虫みたいな奴が出てきたな
まぁ、何であれ関係ねぇか。俺はただ目の前の敵を斬り捨てるだけ
お前らも斬り捨ててやるよ。雑魚共

腕を伸ばしてきて掴もうとしてきたら、見切り、第六感、残像を駆使して避けるか、腕を斬り捨てるかしながらダッシュで接近して、本体を一刀両断で斬り捨てる。
相手は胴体が長いので、囲まれたり、回り込まれて死角から攻撃されないように注意し、第六感と見切りを最大限活用する
「ムカデみたいな奴だな。まぁ、どんな奴だろうと、頭をつぶされて生きてる奴はいない。戦場では俺は死人。死人は死を恐れんぞ。お前らにはわからんだろうがな」



 その武者が蛇のような様であったとするならばどうするか。
「今度はまるで虫みたいな奴が出てきたな…」
 頭を掻きながらも刀也は己の刀に手をかけ、武者の動きを見る。どうであれ関係は無く、ただ始末すれば良いのだ。
「俺はただ目の前の敵を斬り捨てるだけ
お前らも斬り捨ててやるよ。雑魚共」
 胴から伸びてきた腕が切り離されたのは、腕の動きを流れるように見切った刀也の一太刀が素早く正確であったため。そのままあっと言う間に距離は無くなり、剣刃一閃がきらり、古塚の呪いにあまりに鋭く叩き込まれて。
「よし、上手くいったな。次は頭狙うぞ… しかしムカデみたいな奴だな。まぁ、どんな奴だろうと、頭をつぶされて生きてる奴はいない。戦場では俺は死人。死人は死を恐れんぞ。お前らにはわからんだろうがな」
 叩き込もうとも集団である。武者はまだまだいるのだ。しかし剣豪としての直感を最大限に持つ刀也ならば、死角を理解しつつその頭に鮮やかな一撃を入れることは難しくなかったのだ。
「胴体が長いだけじゃ、潰れるだけだ」
 ひらり、ひらりと刀が夜を舞う。雨粒を弾き続けて。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真宮・響
【真宮家】で参加。

黒幕をすぐ潰したいが、今度はこのデカブツに対処しなければならないか。何か物騒なもの構えてるね。油断せずに行こう。奏、瞬、行くよ!!

素直に正面から挑むつもりはない。【目立たない】【忍び足】【残像】を駆使して敵の背後に周り、背後から【先制攻撃】【二回攻撃】【串刺し】【範囲攻撃】で飛竜閃で攻撃。アタシの方に攻撃が来る場合は【見切り】【オーラ防御】で対応するよ。


真宮・奏
【真宮家】で参加。

むむ、今度は大きくて強そうな敵が出てきました。これを倒さないとお楽しみ中の黒幕に辿り着けないのですね。全力で倒します!!

【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】で防御を固めてから【二回攻撃】【範囲攻撃】で煌く神炎を使います。もし煌く神炎を封じられたら、【属性攻撃】【二回攻撃】【衝撃波】【範囲攻撃】に切り替えて攻撃しますね。大元が待ってますので、邪魔者は退場願います!!


神城・瞬
【真宮家】で参加。

黒幕を真っ先に潰したい響母さんに強く同意しますが、これ程のものを使役できるとなるとかなりの実力者の様子。まずは目の前の敵を倒しましょうか。

【高速詠唱】【全力魔法】【二回攻撃】で風花の舞を発動。杖の攻撃に併せて【誘導弾】【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】で【援護射撃】。味方に敵の攻撃が集中するようなら【吹き飛ばし】で敵を吹き飛ばしますか。僕の方に攻撃が来る場合は【オーラ防御】でダメージを軽減します。



 そして家族のところにも呪いの脅威が迫って来る。すぐさま武者たちのガトリング砲が回り始めるのを見、母は時間が無いことを悟る。
「これは… 黒幕をすぐ潰したいが、今度はこのデカブツに対処しなければならないか。何か物騒なもの構えてるね。油断せずに行こう」
 奏、瞬、行くよ!! との掛け声にはいっ!!と応じた子供たちの動きたるや素早く。響が残像を残しながら静かに歩きつつ背後へと回る気を伺う間に、奏が正面で家族を護る為の守りをオーラと盾によって固め、伸び来る注連縄を防ぐ。しかしその勢いは重く、何とか弾くことは出来るが。
「大きくて強そうな敵ですっ! これを倒さないとお楽しみ中の黒幕に辿り着けないのですね!?」
 その問いに答える瞬の表情は僅かに険しく。
「黒幕を真っ先に潰したい気持ちには強く同意しますが、これ程のものを使役できるとなるとかなりの実力者の様子。まずは目の前の敵から倒しましょう」
 手早く全力で形作る59個の魔法の杖。荒くも景色を埋めつくさんばかりの数の杖が、ガトリング砲と共に宙を舞う。杖は痺れを伴い古塚の武者へ、銃弾の嵐は瞬と奏に飛んで行く。
 奏は築いていた強固な護りで、瞬は己の身体に張り巡らせたオーラでもってその被害を軽減していくが、このままでは戦況は五分五分だとそう感じた。
「…これ以上は埒があきませんね。一気に倒しましょう」
 残っていた杖たちが武者たちに勢いよく降りかかるのがきっかけであった。
「はいっ! この炎が、未来を照らす灯りとなるように!」
 吹き飛ばされる武者たち、散乱する銃弾をよそに、奏の作り出す煌く神炎は2度、広くに渡りその過去を焼くだろうか。この連携は十分に、古塚の呪いに打撃を与えたのである。
「そろそろ終わりだね。トドメと行こうか!」
 このような騒ぎがあったので、母であるところの響はしっかりと正面でなく、武者たちの背後に回ることが出来ていたのだ。しかしそれでも諦めない呪いひとつ、ダメ押しとばかりに放たれる銃弾。
「「危ないっ、響母さん!」」
 2人の声が響くが、宥めるように答えるは母であった。
「大丈夫、確実に当ててみせるさ!」
 銃弾の届く前に、その降り注ぐ軌道すら見切り、オーラを滾らせることでダメージを減らしながら避けるという技。ギリギリだが確実とも呼べるその様はまさに頼もしく。
 構えるブレイズフレイム、その刀身はやはり熱く赤く輝いていた。
「飛竜閃ッ!!」
 夜の大通り、雨と桜舞う風景を彩るは紅の軌跡。一度ならず、二度。串刺しにするが如く真っ直ぐに、あるいは広く敵たちを薙ぎ払うかの如く円を描き。これら家族のチームワークの甲斐あって、武者たちはあっという間に次々と倒れ伏し、ここに2度目の災いが終わりを告げる。
「ふうっ、何とかなりましたね!」
 安堵の息を漏らす奏に、剣を納刀しながら未だ来ぬ夜明けを待つ響。
「あとは黒幕だけだね。最後まで頑張ろう」
「はい。準備はもう出来ています」
 瞬の決意も新たに、いよいよその時が来ようとしている。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『劇場型犯罪者』

POW   :    夜闇に包む(ダアクナイト・クレイドル)
【翻したマントの内側】が命中した対象に対し、高威力高命中の【強固なワイヤーロープでの束縛】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    絢爛分身(アメイジング・イリュウジョン)
【レベル×5体の、自身と同じ姿の偽物】の霊を召喚する。これは【マントの中に隠された閃光弾】や【電流を流す非殺傷の光線銃】で攻撃する能力を持つ。
WIZ   :    劇場型犯罪(シアトリカル・クライム)
【人々の注目を集めるド派手な大犯罪】を披露した指定の全対象に【大犯罪の引き立て役になりたいと言う】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
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 さて、夜を明かしに来る猟兵たちがすぐそこまで。
「何で何で? 私はただ楽しいことを始めたかっただけなのに!」
 駄々をこねるようにも見えるその怪盗、姿を現すは夜の大通り、雨と桜の舞う中。
「まだ夜のままでいようよ! 私がもっと、賑やかにしてあげるから!」
 シルクハットをくるくると回して被りつつ、ひらりと風に揺れるマントを着こなして、劇場型犯罪者がここに参上仕る。
「パレードは終わらないよ!」
 楽しみを望むその瞳は猟兵たちを見据え揺れている。
 救うか壊すか、猟兵たちならばこの金髪のモノクル少女を前にどうしただろう。
波狼・拓哉
おや、今度可愛いらしいレディー…?が。
ま、やることは変わらんですけどね。…化け撃ちな、ミミック。夜明けを迎えに夜を散らす光となりましょうか。パレードらしいし、それっぽくしておいて注意も引けるようにしておきましょう。
自分は衝撃波込めた弾で見える敵全部を早業で撃ち抜いたりしておくかな。どれが本体か分からんしミミックと一緒に乱射してればそのうちあたるだろう…多分。
しかしまあ…ずっと賑やかな夜ってのはそのうち飽きますよ?楽しみってのは偶にあるからドカンと心に響くんですよ。夜が明けるからそれまでの時間を楽しんだりするようにね。お分かり?
(アドリブ絡み歓迎)



「おや、今度は可愛いらしいレディー…?が」
 偽の霊を豪華に多く現す怪盗を前に、ミミクリーサモナーの目はさらに真剣に開かれる。
「…化け撃ちな、ミミック。夜明けを迎えに夜を散らす光となりましょうか」
 パレードの始まる夜。およそ0.16秒で躍り出る箱の、超時空戦闘機に変わる様はまるで夜に彩りを運ぶ美しい船のように。グラディウスを思わせるそれは怪盗たちの目を上手いこと奪って。
「あははっ、楽しそうな船だね!」
 多くが船を追いかけて光線銃を撃ってみたりする中で、拓哉のモデルガンであるバレッフが素早く一人一人を撃ち抜いて、箱と共に多くの衝撃波と光線が雨と桜に混じって大通りを照らすのだ。
「楽しいか…しかし、そんな楽しんでばかりで大丈夫ですかね?」
 くるりくるりとバレッフを扱いながら怪盗たちの撃ってくる光線をひらりとかわしつつ、言葉は紡がれる。
「ええっ? それって、どういうこと? 楽しいこと無くなっちゃうの嫌だよ!」
 思わず反応した劇場型犯罪者の、すっと近付いて来るのが分かる。同時に偽物たちの、閃光弾が舞って煌めこうとしているのも。
「無くならずとも、ずっと賑やかのままじゃ飽きちゃうってことですよ」
 パァンと光の溢れるど真ん中、ごく近くにまで迫ってきた少女のお腹に1発、いつの間にか構えていたノットによるゼロ距離射撃。衝撃波は影朧の隅々を伝わり、分身が消えて宙を舞う少女に向けて拓哉が言う。
「楽しみってのは偶にあるからドカンと心に響くんですよ。夜が明けるからそれまでの時間を楽しんだりするようにね」
 そう不敵に笑う探偵の血を引く男の言葉が、一つ犯罪者の心を解き明かすか。
「夜が、明けるから…」
 そう呟いた少女の瞳に、微かに迷いの色。
「お分かり? ならば結構。もっと心からドカンと響かせてやります」

大成功 🔵​🔵​🔵​

エール・ラヴラドライト(サポート)
『ん……この世界の星空も素敵だ。』
クリスタリアンのフォースナイト × スカイダンサー
年齢 18歳 女
外見 154.6cm 青い瞳 灰色の髪 青い肌
特徴 胸が小さい 男性と間違われる 話好き 知識欲が強い 冷静沈着
口調 抑揚無く(ボク、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )
死を覚悟した時は 変わること無く(ボク、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )

・どんな時でも無表情で抑揚の無い声で話す
・ピンチになっても焦らない

・直接戦闘は苦手
・調査などは【失せ物探し】を活かした占いで行う
・戦闘ではフォースセイバー(青い光の剣)を使う
・クリスタライズで透明化して不意打ちをよく使う
・戦闘でもサポート型


ルパート・ブラックスミス
郷に入っては郷に従えとはいうが。さて、どうなるか。

UC【錬成カミヤドリ】展開。50騎超の複製鎧と共に挑む。
複製鎧たちで敵の分身たちを【おびき寄せ】、自身は【空中浮遊】を継続し敵本体を【追跡】。
速攻で決めるのではなく、【挑発】し【パフォーマンス】を誘おう。

どうした。賑やかに、楽しい夜にしたいのだろう?
行くぞ影朧、猟兵がキャストでありギャラリーの逃走劇だ。
夜桜をバックに精々派手に立ち回ってみせるがいい。

正直これが『転生』の助けになるとは思っていないが、せめて付き合ってやる。夜明けには幕を引こう。

これでカーテンコールだ。満足か?

どう転ぼうが後は大剣で斬り捨てる。

【共闘・アドリブ歓迎】



郷に入っては郷に従えと良くいうものであるが、果たして今はどうなることやら。独り歩きの騎士はそれを見守ろうとしている。
「正直これが『転生』の助けになるとは思っていないが、せめて付き合ってやる。夜明けには幕を引こう」
 錬成カミヤドリ。56の鎧を複製したそれは、同じように内から青く燃える鉛を流しつつ、雨と桜の中を剣を携え行く。再度分身して増えた少女たちが引き寄せられる様子を眺めながら、先の星の占い師の末裔が大通りに躍り出るのだ。
「ボクも手伝おう。随分と多い数に囲まれているね」
「む、貴殿は先ほどの! 恩に着る」
 浮いたままのルパートが空から答えている間に、劇場型の少女本人はといえば、大通りの場所から、不意に近くに見える建物一つを指さして叫ぶのだ。
「私はまだ楽しいことがしたいの、邪魔しちゃうとこうだよ!」
 鳴らした指で、建物から轟音。人気はないものの、煌びやかな景色と相まって猟兵たちの心を視覚から奪おうとする。しかし、その心二つ、揺らぐことは無く。
「どうした。賑やかに、楽しい夜にしたいのだろう? 夜桜をバックに精々派手に立ち回ってみせるがいい」
 騎士の魂は飛ぶまま、少女を逆に誘い込み。鎧たちは舞い始めた数々のフラッシュの中で、剣を振って分身たちを斬り伏せていく。変わらず、猟兵がキャストでありギャラリーの逃走劇。
「こんなに素敵な空と桜、綺麗だと思わない?」
 静かに呟くエールがまた、その姿を景色に溶かすので、つい少女たちも見失ってしまうのだ。焦る影朧、はやる大犯罪。暗くも綺麗で雨に濡れた大通りは、少女の起こす劇場型犯罪で明るく照らされるのだが、それすらも多くが心を揺らがせるには至らない。
「あれあれ、どうしてだろう…夜が明けてほしくないのに、」
 ついそう零す少女に、どこからともなく射す深蒼の星の光。その身を結晶のように透明にしたエールの不意打ちが。
「明けない夜は無いんだよ。だから星々がなお美しく光り輝く」
 不変の夜に終わりがないならば、その闇はずっと深く閉ざされたままなのかも知れず。しかし空より来たる騎士の、鉛滴る大剣を握って向かい来る様はまさに。
「そうだ。だからこそ、この劇場にカーテンコールを告げねばならぬのだ」
 夜を朝へと変える、黎明の到来であるようだと、星の占い師も感じたので。二つの剣が、影を斬るように交わるのであったか。
「…これで満足か?」
 疲弊の息を吐きながら地面に転がる少女に問いかける、今宵の明け方。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

真宮・響
【真宮家】で参加。

アタシ達家族は音楽一家で色んなところで演奏してきたから楽しい時を続けたい気持ちは分かるんだよね。影朧を使役してなければ良かったんだが・・ダメ元で説得してみようかね。

お嬢さん、楽しい時間は長く続けたいよね。でも今のアンタじゃ退治されるだけだ。転生して、また楽しく怪盗として街を駆け回ってみないかい?

まあ、これで納得しないならお仕置きするだけだ。【残像】【見切り】【オーラ防御】で攻撃の被害を減らしながら、【二回攻撃】で炎の拳で思いっきり殴る。少しは反省しな!!


真宮・奏
【真宮家】で参加。

お気持ちは良く分ります!!楽しい時間は長く続けたいですよね。ただ、舞台が逢魔が辻で、進行の仕方が危ない奴を活躍させると凄くツッコミたい有様ですが・・・説得してみますか。

楽しいショーを続けたいなら、平和な帝都で、人々を騒がせる怪盗が絶対いいに決まってます!!今の貴女の進行はダメダメです!!さあ、一度転生してやり直してみませんか?

まあ、一度倒さねばならないので、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】で攻撃の被害を減らしながら、【二回攻撃】で眩耀の一撃で攻撃します。この攻撃で、心の闇を照らして見せます!!


神城・瞬
【真宮家】で参加。

私達家族3人は音楽一家で様々な所で音楽フェスティバルで楽しんできましたから、楽しい時間を長く過ごしたい気持ちは分かります。ただ、お嬢さんが影朧で、やり方が危なすぎるのが難点ですね。説得してみますか。

はっきりいいますが、今の貴女では危険な影朧として消されるだけです。一度転生して、こんな危ない所じゃなくて煌びやかな帝都の夜に活躍してみませんか?

転生するには一度倒せねばなりませんので、攻撃はしなければなりません。【高速詠唱】【全力魔法】【二回攻撃】で裂帛の束縛で危ない攻撃を縛らせて貰います。僕へ攻撃がくる場合は【オーラ防御】でダメージを軽減しますね。



既にぎりぎりな力を振り絞って何とか立ち上がる少女を見ながら、真宮家は彼女の転生を願っていたのだ。
「私達家族3人は音楽一家で様々な所で音楽フェスティバルで楽しんできましたから、楽しい時間を長く過ごしたい気持ちは分かります」
 音楽を通じた楽しみを良く知っている瞬だからこそ。共感できる奏だからこそ。
「お気持ちは良く分ります!! 楽しい時間は長く続けたいですよね。まあ、舞台が逢魔が辻で、御覧の有様だとすごくツッコミたいですが…」
 そして、音楽一家を支える母である響だからこそ、楽しいと感じたい気持ちを理解し寄り添うことが出来る。
「アタシ達家族は音楽一家で色んなところで演奏してきた。だから楽しい時を続けたい気持ちは分かるんだよね」
 ただ影朧を使役していなかったとしたら、もっと別の形で会えたのかも知れない。そんな未来があったかも知れない。その後悔はいつしか、少女の表情に現れていたのかも知れず。
「だったら、私をこのまま、」
 その先は、母が遮る。
「いいや、ダメだよ。少しばかり納得してもらいたいことがあるんだ。楽しい時間は長く続けたいよね…でも今のアンタじゃ退治されるだけだ」
 影朧と猟兵。その立場の壁がどうしても相いれない。しかし転生ならば、その荒ぶる魂も過去も、安らかに慰めることが出来る。
「楽しいショーを続けたいなら、平和な帝都で、人々を騒がせる怪盗が絶対いいに決まってます!! 今の貴女の進行はダメダメです!!」
 厳しく届けるその言葉が少女にう、と呻かせるが、ダメなことはダメなのだと分からせなくては。そう躾けるのだ。
「だから一度転生して、こんな危ない所じゃなくて煌びやかな帝都の夜に活躍してみませんか? その先できっと、あなたは夜の街を駆けまわれるはずです」
 そう招かれて、少女は目を閉じた。その目には何が見えるか。明けぬ闇か、透明な夜か。だが、影朧である身にはいささか希望を灯したような唇の緩みが認められた時には、もはや答えは見えている。
「…いいなぁ。私も、そんな風に楽しんでみたくなったよ。どんな景色が見えるかな? 美しくて楽しいかな?」
 少女は光を望んだ。さあ、あと少し。その魂を鎮め、パレードに幕を引け。家族が頷くと同時にすっと動き出し、響と奏は真っ直ぐに駆け抜け、瞬は後ろから呼吸を整えて魔法を素早く、二重に唱え。それを見た少女の、絢爛豪華に分身するのが見えるか。本物はどれだ、降り注ぐ光線に混じって響と奏に向かいマントを広げ。
「ええ、楽しいですとも」
 伸び来る3つの蔓。アイヴィー、ヤドリギ、藤が折り重なり、異常な速度でその蔓を伸ばして少女のマントにぶつかり、しゅるりと少女を縛ることこそが裂帛の束縛。
「行きましょう響母さん! その心の闇、照らしてみせます!!」
「ああ! もう少しの辛抱だよ!」
 数多の光線の向かう中、閃光弾の光る中、雨と桜の舞い乱れる中、娘は白銀の小盾を構え、母は拳を熱く燃える拳に気合を込めて。光という光を見事に防いでみせ、溢れるオーラと光が共鳴するように強く輝いたりして。
 それこそが夜の闇を照らす光のパレードだと気付くことが出来た時、少女は幸せそうに笑う。
「「とっておきの思い、届けえええええ!!」」
 炎の拳と風の剣の眩耀の一撃、2つが確かに過去を鎮めた時に、いつの間にか、夜は確かに明けていて、雨もその勢いを弱めていた。幻想的な空はいつもの光景へとその姿を戻し、逢魔が辻と呼ばれていたそこは、今やもう普通の大通りと化している。
 かくして悪夢のような夜は終わり、朝という始まりのみが残る。真宮家は皆が皆、少女の幸せを祈った。転生して、平和な街の下で駆け回れるようにと。きっとそれは叶う、そんな気がしている。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年11月08日


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#サクラミラージュ
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#逢魔が辻


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠鏡繰・くるるです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト