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人民革命~#3 再燃の日

#クロムキャバリア #武装ボランティア #斉慶人民共和国 #第二部 #Debriefing要確認


●クリーンナップ・キャンペーン
 斉慶人民共和国 ざいけいじんみんきょうわこく
 武装革命の起因に対する、若すぎる国家元首幼さの残る少女の謝罪。そして自らを含む国賊の終身刑布告。
 ――その国営放送が放送され、どれだけ経ったか。
 “私欲に塗れた国賊”とともに、彼女は地下数千メートルの刑務所へ収容され。
 国家元首も、防衛部隊の有り様も変わっていき――街の様相も激変した。してしまった。
「は、離せ! 俺はただ生活費が必要で――」
「黙れ! お前が医薬品の転売に加担した証拠は揃っている、大人しくしろ!」
 治安の悪かった区画では、この光景も今や日常茶飯事。
 誰もが捕り物劇から目を逸らし、救われた者さえ、見て見ぬ振りをするしかない。

 かつての“無法地帯”は、いまや“極端な管理社会”――暗黒世界ディストピアに変わっていた。

 そんな状況を快く思わなかったのが、“仁義”を貫いた『反社会組織マフィア達』だ。
 前・国家元首の協力の下で、秩序を守るべく裏で国を支えてきた、国内最大規模の組織――参天会トライアドも今や腫れ物扱い。
 だが、それが“マフィア同士の競争を激化させる”と……誰が予想できようか?。
「へへ、噂に聞いちゃいたが実在したんだな。“武装ボランティア”ってやつは」
 参天会を出し抜くチャンス欲しさに、星冠連合せいかんれんごう直属の下部組織・蒼天組そうてんぐみの若衆は、秘密裏に新造キャバリアを地下に搬入していたのだ。
「条件は『試験データを弊社へ提出すること』なんて、こんなのタダ同然だよな?」
「この俺の交渉術あってのことだ。きっと組長も喜んでくれるぜ」
 ――だが、彼らは気付いていない。
 違法に持ち込んだその機体が、かつて斉慶を脅かした存在――オブリビオン・マシンであることを。

●人民国家、再び
「よもや、またこのプラントへ赴くことになるとは……」
 李・蘭玲(老巧なる狂拳・f07136)は、頬に手をつき、困ったように眉を垂れる。
 これから向かう『斉慶人民共和国』――そこは無法が秩序を成す、歪な共和制国家。
 金と私欲に腐りきった議会の下、市民は貧しくも強かに暮らし、マフィア達が秩序を維持していたという。
 革命派の武装蜂起を機に、国家の有り様は良きモノへ変わる……ハズだった。
「現在の斉慶は、ルールを守らせることを強要する、極端な管理社会を強いています。俗に言うディストピア、ってやつですよ」
 だが、そんな状況だからこそ、マフィア達の闘争が激化していた。

「今回は、これまで斉慶で協力してくれた反社組織・参天会トライアドからの要請です。斉慶は複数の組織マフィアが、それぞれ縄張りシマを区切っていたのですが……前元首の退任により、参天会トライアドも影響力が暴落。他の組織マフィアが台頭しようと裏工作を画策している、と」

 そして最初に掴んだ尻尾が、蒼天組そうてんぐみの違法キャバリアだ。
「どうやら、軍事企業を名乗るグループから“提供”されたようで。タダ同然でもらえるなら、そりゃあ貰うでしょうねぇ。経費とかかかりませんし」
 組織の運営には何事も“経費”がかかるというもの。
 それもあって、タダ同然で提供されたキャバリアに手を出してしまった。
「ですが……その機体は“全て”オブリビオン・マシン。放置すればどうなります? 成り上がる野望に燃える者達が、多くのマフィアや公共施設を破壊するでしょう」
 だが、それだけではない。
 参天会トライアドにとって迷惑極まりないことに、『参天会による襲撃だ』と触れ回ろうとしていることだ。
「ネガティブ・キャンペーン――これも経営戦略ではありますが、一歩間違えれば名誉毀損。賠償請求は莫大なマフィア価格となるでしょうね。経営者として失格です」

 蘭玲は呆れつつ、今回の戦場となる区画を義眼でプロジェクションする。
「今回は斉慶の輸送の要である、“地下区画”となります。いわゆる貨物輸送する地下トンネルが張り巡らされているのですが、『飛行する類い、広域に作用するユーベルコード』は使いにくそうです」
 蒼天組そうてんぐみは、輸送する貨物列車を襲撃することで、参天会トライアドのネガティブ・キャンペーンへ発展させることが狙いだ。
「また面倒なことに、参天会トライアド縄張りシマの外なので……こちらの対応が済んでも、シマを仕切る組織は見逃してくれないでしょう」

 そうした事情もあって、参天会トライアドから直接的な支援は受けられない。
「間接的……例えば、輸送列車の進行ルートだとか、発車時刻についてはどうにかできるそうです。ですが、それもあくまで“シマの中だけ”の話。突発的な襲撃を受ける車両は少なからず出るでしょう」
 それでも、参天会トライアドには確固たる信念がある。
 “仁義”――実践的道徳で最も尊ぶべき、仁と義。
 他者を労り、思いやる精神。道徳や倫理に適う行い――それこそが彼らの“秩序”だ。
「武装革命の次は、マフィア同士の抗争……いえ、もしかしたら今後、斉慶政府ともやりあう可能性もあるでしょう。ですが、そのときはそのとき」
 我々は猟兵イェーガー――そこに世界の敵オブリビオンがいるならば、それを断たねばならない。
 世界の破滅、それだけは阻止しなければ。


木乃
 木乃です! 今回はクロムキャバリアからお送りします。
 斉慶人民共和国、第二部。
 マフィアの抗争にオブリビオン・マシンが投入されたため、これを破壊してください!

●エリア情報
 ・斉慶人民共和国ざいけいじんみんきょうわこく(通称・斉慶)
 高さ15mの世界に押し込められた、九龍クーロン城砦のような小国家。
 地下は貨物輸送や、キャバリアの闘技場などを設けられるなど、
 地上よりも地下への拡張を優先しているようです。
 また前元首を含め、汚職議員を収容した刑務所も地下数千メートルに存在します。

 かつて汚職、賄賂が横行する政権下、若き前元首の手回しで、反社組織が“非合法な手段”で秩序を保ちました。
 しかし武装革命が勃発したことで、前元首と汚職議員は総辞職ののち地下刑務所へ収容。

 現在は外交キャンペーンとして、国内を徹底管理し、違法行為は迅速に対処されます。
 が、それを頼りにしていた、貧しい人々も逮捕されています。
(新政権から“低所得層への補助制度は新設されていない”です)
 また、貧困層の治安維持をする参天会トライアドを腫れ物扱いし、活動規模の縮小を余儀なくされ、それによって他組織が覇権を握ろうと暗躍し始めました。

 第二部は参天会トライアド中心となりますが……場合によっては、斉慶の防衛隊とやりあうかもしれません。

●シナリオの流れ
 第1章:👾『ロードランナー』(集団戦)
 蒼天組そうてんぐみの構成員らが操縦するオブリビオン・マシンです。
「俺達は参天会トライアドだー!」と、ネガキャンを展開しながら、
 地下の輸送列車を襲撃するようです。

 第三組織のシマが戦場となるため、参天会トライアドは戦闘支援はできませんが、
 輸送ルートの変更、発車時刻の調整などは一部可能なようです。

 第2章:👿『冥導神機『モルス』』(ボス戦)
 蒼天組そうてんぐみに“提供”された試作機です。
 操縦者は野心も操縦技術も高く、その為なら殺しも厭わない狂気に染まった模様。
 この機体を撃破できれば、蒼天組の狙いは阻止できます。

 第3章:👾『幽衛』(集団戦)
 シマ荒らしを受けた第三組織のキャバリアです。
 オブリビオン・マシンの影響を受け、狂気に染まりかけた状態で襲撃してきます。
 こちらも撃破して、無事に脱出できるよう努めましょう。

 以上です、それでは皆様のご参加をお待ちしてます!
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第1章 集団戦 『ロードランナー』

POW   :    コンバージョン・ウェポン
【各機体ごとに異なる多様な対キャバリア兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    モードチェンジ
自身の【汎用性に優れた形態のスタンディングモード】を【膝を下ろして機動力重視のヴィークルモード】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
WIZ   :    ハルダウン
レベルm半径内の、自分に気づいていない敵を【身を隠しながら対キャバリア兵器や対人兵器】で攻撃する際、ほぼ必ず狙った部位に命中する。
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●会合
 現着した猟兵らを、参天会トライアドの幹部が出迎える。
 第一声は朗らかなものだった。
「久しぶりだな、猟兵諸氏。あの青臭い色仕掛けしてきた小娘、少しはイイ女になったか?」
 どうやら以前に、猟兵の誰かと遭遇したことがあるらしい。
「ああ、名を名乗ってねぇな。そうだな……チョウさん、とかどうだ?」
 大判のサングラスに、仕立ての良いブラックスーツ。そして、コートを肩に掛けた張さん。
 背丈は低めだが、スーツの上からでも解るほど、その肉体は鍛えられている。
 
 地下区画の状況について促すと、張さんはモニターに図面を表示。
「地下は、キャバリアの整備施設だとか、キャバリアを搬送する列車が行き来する。うちで運営してたキャバリアの賭博コロシアムでも使ってたんだが」
 ――そのせいで、あいつら蒼天組の後手に回る失態を演じてしまった、という。
「言ったとおり、キャバリアでも活動できる広さはあるだろうよ。……“よほどの大立ち回りでもしなければ”、だが……ま、“公共交通機関でもある”から、被害は抑えてくれると助かるな。――あえて“爆破事故に見せかける”ってのもアリだが」
 別組織の縄張りシマとはいえ、今回の件で遺恨が残ることは確実だろう。
 参天会トライアドも、星冠連合せいかんれんごうも……だが、未来を憂いても仕方ない。
「連中の狙いは、“うち参天会のネガキャン”と“第三者との抗争発展”だろうなぁ。『参天会トライアド資金調達シノギが苦しくなって、他所に手を出した』――なんて悪評が立ったら、うちのシマでケツ持ちしてる店舗が移りかねないし、住民達も不安がって他所に移るかもしれねぇ」
 それだけは、絶対に避けなければならない。
「一応、防衛隊に偽装した量産キャバリアも数機だが用意した。オーダーがあれば整備士に伝えてくれ……地下エレベーターはこっちだ」
 移動する最中も、張さんは話を続けた。

 参天会トライアドと住民や商売人らは、持ちつ持たれつの関係でもある。
 住民や商売人が安心して生計を立てられる環境を参天会トライアドが維持し、
 それに対して、商売人らは“賃貸料と警備費”を参天会トライアドへ支払う。
「一応言っておくが、うちは薬物とか人身売買はしない主義だから。仁義にもとるだろ? 確かに法に背きはするが、そうしなければ救われない奴がいる」
 そこまで言って、張さんは表情を引き締めた。
斉慶ここに必要なのは正義の味方ヒーローじゃねぇ、悪漢ピカロだ。社会的正義が守るべき連中を、社会が制裁しているのが現状。 ――守れるのは、仁義を貫き、義侠心を抱く“無法者アウトロー”だ」
 この世に本当の意味で、“正しさ”などない。
 はみ出し者達の、はみ出し者達による、はみ出し者の“信念ポリシー”が地下でぶつかり合う。
ノエル・カンナビス
(エイストラ搭乗、装備はライフルx2・キャノン・ミサイル)

ふむ。
まずは参天会に顔を出しましょうか。挨拶は大事です。

ついでに「参天会」の名前を使っても良いかを訊ねます。
OKであれば現場で逆宣伝を掛けます。
参天会を詐称する輩を排除しに来たと。
装備している統合センサーシステムには超音波暗視装置用の高出力スピーカーもありますのでね。
無論、名出しに支障があれば、無理は言いません。
シマの組織の反応も読めませんし。

そして現場へ。
地下施設は私のホームグラウンド、地下都市出身者の高速機動に付いて来られるものですか。
先制攻撃/指定UCからの索敵/見切り/操縦/2回攻撃のプラズマライフルで、だいたい済むでしょう。


シル・ウィンディア
んー…。
法があるだけじゃ、混乱しちゃうっていうのもあるんだね…。
まぁ、冒険者にも盗賊ギルドがあったりするから、それはわからないでもないけど…。

ま、そこは今気にしても仕方ない。
オブリビオンマシンの破壊を目指して頑張りますかっ!

飛べないのなら、それならそれでやり方はあるよっ!
というか、完全に得意技封じられてるんだけどっ!!
広域とか超高出力魔砲とか!

…えーん、でもやるしかないんだよー
推力移動でジグザグ平面機動を行いつつ、バルカン・ランチャーを駆使して射撃戦を。ランチャーも連射モードで手数を増やすよ。
ロングビームライフルは腰にマウントして、ビームセイバーを右手に。
通常斬撃とUCを組み合わせて一閃!


鳴上・冬季
「防衛隊偽装していないキャバリアは全てトライアド扱いになるのでしょうか?」

「一応操縦士には配慮しようと思いまして。それにはキャバリアの方がやりやすいのですよ。それに、仕返しなら同じ事をしませんと」
嗤う

「お待ちしていましたよ、蒼天組の皆さん」
嗤う

仙術+功夫で縮地(短距離転移)
空中戦・空中機動+功夫で軽身功
フッと敵機眼前に現れ前蹴りして吹き飛ばしたり頭部に乗ってそのまま踏み潰したりする

「この程度なら、操縦席に守られて即死しないでしょう?」
嗤う

興が乗ったら敵の攻撃は全て縮地や軽身功で回避しながら
胡蝶双刀八斬刀で脚部腕部武装全て叩き潰し
只の球状にして転がしていく

「恐怖あっての仁義ですから」
嗤う



沈黙の掟Omertà
 地下格納庫に降り、出立前に猟兵らはチョウさんに相談を持ち掛ける。
絶対に使うなダメに決まってるだろ
 参天会トライアドの名を使ってもいいか?
 ――ノエル・カンナビス(キャバリア傭兵・f33081)に、張さんは“断固拒否”の意を示す。
 無理を言うつもりはなかった。だが、迂闊だったと言わざるを得ない……張さんが“本来の姿”を覗かせる程度には。
「弱いから戦闘支援ができないとでも? 間違えるな、“参天会トライアド他人の敷地内他組織のシマで騒ぎを起こした”。
 ――それだけ・・・・で、抗争発展への火種には十分すぎるんだよ。
 だが、猟兵はどこの組織にも与していない……だからあの婆さんグリモア猟兵に相談した」
 ノエルの提案は、平たくいえば――“他人の領土内で、内輪揉めを喧伝する演出”だ。
 例えばの話……ある日突然。友人の友人を名乗る集団が、自宅に乱入してくるや、家具や壁を壊す大喧嘩をし始めた。
 あなたは、その騒動を見過ごすのか? 大抵は警察を呼ぶか、追いだそうと試みるだろう。
 “無関係な争いに巻き込まれた挙げ句、損害が出ている”のに、好ましく思える訳がない。
「顔を洗うならトイレはそっち。それと……信用ってのは金じゃ買えないし、お前らに補填できるモノじゃない」

 ケジメをつける覚悟責任をとる心構えがないなら――絶対に、うちの看板参天会の名を出すな。

 これは確認ではない。“要請命令”である。
「……りょ、りょうか、い、しました」
(「傭兵が雇い主の名を軽々に触れ回っては、背任行為と同義です。これは、裏社会の抗争……信頼関係が重要なのに、失念してしまうとは)
 喉を握り潰される――そう錯覚させる気迫に、ノエルも発声機能が不具合を起こしかけた。
 凄みを利かせた張さんを見て、シル・ウィンディア(青き流星の魔女・f03964)まで硬直する。
(「と、盗賊ギルドの比じゃない怖さ……これがマフィアなんだ。でも、法があるだけでも混乱しちゃう、なんて」)
 正確には『法を執行する体制』に問題がある。
 国家という巨大生活共同体コミュニティには、大小多数の集団が存在するモノ。家族、親族、部族がそう。
 取り決めもなく生活すれば、いずれ各々の利益を追求して、それが揉め事の引き金となる。
 揉め事を未然に防ぐ、共通認識の規則ルール――それが“本来の法”の在り方ではないだろうか?
 ――自由意志を尊重する、柔軟性。それが現在の斉慶政府には、無い。
「ところで、偽装していない機体はないので? 全て参天会トライアド扱いになるのでしょうか」
 話の流れを変えようと、今度は鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)が尋ねる。
 その問いに、張さんは器用に片眉を吊り上げた。
「偽装機体は、借りたい猟兵用の支援物資だ。自前のキャバリアは大歓迎――“うちの機体”じゃないし、身バレ防止できる」
 なぜ、そこまでこだわるのか? それについても、補足される。
「偽装キャバリアは識別番号も、ねつ造してある。侵入経路と、識別番号で、身バレしない対策が必要だからな……だが、猟兵は例外だ。お前さんらは流浪の傭兵に近い。
 被害者の双方参天会と第三組織が“穏便に済ませる意味”でも、防衛隊の偽装キャバリアで出るか、参天会トライアドと無関係の機体が必要でね」
 生身で解決しても「“猟兵が現れた事実”が周知されるだけだろう」と張さんは呟く。
 その発言には、とても政治的な印象を受けた。

 少なくとも今回の一件は、参天会トライアド星冠連合せいかんれんごう、第三組織と猟兵の関係性に――“影響を残す”。
 これは確実視された、変えられない結末だ。
 そして……自分達の猟兵らも行動次第で、敵が味方に、味方が敵になるかもしれない。
 これは、そういった“悪漢小説ピカレスクロマン”と成る事件物語だ。

あの婆さんグリモア猟兵いわく、操縦者はイカれ野郎なんだろ? 俺らで尋問したいけど、第三組織の連中が一番の被害者だ。再起不能にしたら、その辺に転がしといてくれ。丁重にもてなすだろう・・・・・・・・・・から」
 そういって張さんは、心底、愉快そうに声をあげた。
 この手の“おもてなし”は、受けるほうには嬉しくないことが大半だったりするが。
(「裏“社会”というだけあり、想像以上に駆け引きが重視されていますね。まるで外交政策ですよ」)
「では、遠慮なく自前のキャバリアを使わせてもらいます」
 これはオブリビオン・マシンが焚きつけた、ヤクザ者同士の醜い争いだ。
 しかし“その場限りの仕返し”で済む問題ではない。
 領土を侵す者、秩序を乱す者にケジメをつけさせる責任をとってもらう
 実行犯だけではない。黒幕も、だ。――それもまた、『沈黙の掟』である。

●天地騒々
 張さんの指示で冬季は単独、シルとノエルはペアでの行動となった。
 ――正確には、ノエルの監視役にシルが選ばれたのだが。
「傭兵として、実戦で信頼を取り戻してみせます」
「だ、大丈夫だよっ! 私も誰かと一緒のほうが助かる、というか……得意技が完封されてて……」
 空中戦。高速機動戦闘。広域攻撃。超高出力魔砲。
 斉慶の地下区画においては、シルの得意戦術は“足枷”と化す。
 だが、不幸中の幸いか――バディには恵まれた。
「地下施設は私のホームグラウンドです。多少なり、アシストできるかと」
 そうこうしていると、キィィン!と何かが走る音を捉える。
 音源を捕捉すべく、ノエルが統合センサーシステムの感度を上げ、特定の音声へ意識を集中する。
「――音源、捕捉。シル、前方200メートルの十字路を左折します」
「りょ、了解!」
 不安が拭いきれないシル――だが、お前の始めた物語だろ。
 やらなきゃやられる。それは戦場における共通事項だ。

「ヒャッハー! 参天会トライアドのお通りだぁー!!」
 蒼天組そうてんぐみの構成員らは、ヴィークルモードのロードランナーを駆り、無人の線路を爆走していた。さながら珍走団のようだ。
 細いアームで壁を掻き、バルカン砲を無差別に発砲して、地下輸送路にも損傷を残していく。
(「目標、捕捉しました」)
 先陣を切ったノエルは、エイストラのアサルトカービン、プラズマライフルを両腕部で構え、暴徒と化しているキャバリアを撃ち据え、
「なんだぁ、テメェ……参天会トライアドに楯突こうってかぁ!?」
 ヴィークルモードを維持したまま、ドリフト気味に反転すると、鉤爪じみた脚部先端を突き刺そうと猛突進してくる。
 だが、ノエルは《フォックストロット》で舞うように避け、代わりに2段撃ちしたプラズマライフルで機体を大破させる。
「おぉ、慣れてる人はすご「ヒャアアアアアア! こっちにもいるぞォ!!」
 シルの搭乗するレーゼル・ブルー・リーゼもすぐに捕捉され、
「ちょ、待って……えーん、でもやるしかないんだよー!?」
 空中での高速機動戦闘をコンセプトにした機体にとって、地下トンネルは余りにも“低すぎる”し“狭すぎる”。
 しかも普段通りに動こうとすれば、すぐに壁に激突しかねず“動きにくい”。
 スラスターで蛇行しながら、バルカン・ランチャーで牽制するも、立地条件が相手に有利――いや、シルの機体と相性が悪すぎる。
 不意に放たれる対キャバリア兵器が、シルに強烈な衝撃を何度も浴びせてきた。
「こ、のぉ……他人に、迷惑、かけちゃ……ダメでしょーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!」
 ストレスフルな環境に、思わず叫びながら、シルは操縦棍に全体重をかけて引き寄せる。
 台所のアレのように動き回る、車両形態のロードランナーめがけ、ビームライフルを浴びせる。
 同時に、《エレメンタル・スラッシュ》で機関部を一閃。
 シルが注目を引いていたため、それをノエルが抑えにかかる形で、この一団を制圧していく。

●鉄拳制裁
 ……一方、身軽な冬季は参天会トライアドのナビを受け、指定区域で待機する。
 白兵戦用キャバリア・高速機動型巨神『闘神アスラ』の動作は良好。
 待機中、冬季は参天会トライアドの通信士と交信する。
実践的な印象操作ネガティブ・キャンペーンですと、“輸送列車への襲撃”“貨物の強奪”が定石です。
 貴官の進行ルートで運行予定だった輸送会社には、すでに損害補償賄賂を支払ったので、突発的な事故は起き得ません』
「ふ、ありがとうございます」
 悪をもって悪を制す。そういった意味では、とても解りやすい。

 そして対面から、列車にしては大きすぎる光源をハイビームにした、キャバリアの一団が猛スピードで現れた。
「識別番号は?」
『照合結果、該当なし。ですが、状況から鑑みて蒼天組そうてんぐみの構成員と判断してよいかと』
 それを聞いて、冬季が嗤う。
「――お待ちしていましたよ、蒼天組そうてんぐみの皆さん?」
 見たことのない機体だが、ロードランナーを駆る構成員は怯むことなく迫ってきた。
「オラオラ! 参天会トライアド様のお通りだ、道を開けな!!」
『音声録音、開始します。貴官は速やかに撃破してください』
(「……参天会トライアドの皆さんが、いかに“仁義”を重んずるか。よく解りました」)
 無礼軽薄な物言いの構成員と、自分をアシストする通信士を比較し、冬季は静かに息を吐いてから。
「少々付き合って貰いますよ――」
 仙術と功夫を駆使した縮地で一気に距離を詰め、まず一撃。
 右腕部からの正拳突きが、ロードランナーの背部ライトを片方、打ち抜く。
 跳躍移動軽身功を使うには、動きにくい環境だと感じていたが……そも機体出力が桁違いだ。
「この程度なら、操縦席に守られて即死しないでしょう?」
「んだとゴルァ!? こっちは数の暴力で痛ぶれんだぞォ!」
 ヴィークルモードに変形したロードランナーは、闘神アスラを惑わすように、四方から小突く形で攻撃をしかけてくる。
 ユーベルコードによる埒外な力、動きにくい地下道では思わぬ脅威となった。
「少しは愉しませてくれますね、アスラ?」
 ただでさえ刺激された闘争本能が、いっそう掻きたてられていくのを感じる。
 冬季は胡蝶双刀八斬刀を抜き――《流詠春拳・死亡遊戯リュウエイシュンケン・ダンスマカブル》を発動。
 鼠のように駆け回るロードランナーらに、瞬時に迫り、武装を次々と削ぎ落とす。
 ダルマ状態になった機体が周囲に転がされ、再起不能となる。
 おそらく搭乗者は気絶しているだろうが――恍惚として嗤う冬季はポツリと。
「仁義とは、恐怖あってのモノですから」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

カシム・ディーン
やれやれ…皆で必死ぶっこいて革命を果たした結果がこれかよ
アホらしいな
「でもご主人サマ…判ってたんじゃない?」
別に確信があったわけじゃねぇ
だが今まであの形だったのはちゃんと理由があって壊せば相応の齟齬が出るのは判り切ってた事だ

さて…被害を出さねーようにするには…あれだな
UC発動
【属性攻撃・迷彩】
光水属性を機体と竜達に付与
光学迷彩で存在を隠し水の障壁で熱源や匂いや音を隠蔽

【空中戦・念動力・弾幕】
飛び回りながら念動光弾を乱射して打ち込みながら敵機の動きを止めて
【二回攻撃・切断・捕食・盗み攻撃・盗み】
敵一機に竜三体で襲い掛かり手足を食いちぎり無力化して武装等や燃料を強奪!
乗り手は一切殺さない


ジェラルド・エルネイジェ
正しさが人を救うとは限らんか
だが不浄は俺とサラマンダーが焼き尽くそう
オブリビオンという不浄をな

地下の輸送車両が襲撃されるとなれば、戦いの場は地下の鉄道路線上となろう
縦横への機動は制限がかかる
隠れる場所もそうあるまい
加速が得易い環境を生かし、積極的に打って出るぞ

ストライクバックラーで正面を防御
シュトゥルムイオンブースターを起動
敵群へ直線加速で接近し、盾で打撃しよう
体勢を崩した敵機をヒートエッジファングで追撃
反撃を封じた上で脚部のヒートエッジクローで踏み倒す
そして旋回してスマッシャーテイルで周囲を薙ぎ倒し、炎竜爆砕破を放つ
手狭な場所だ
爆炎の威力も増すだろう
加減はするがな
諸共地に埋もれるつもりは無い



●理想と現実
 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)、ジェラルド・エルネイジェ(炎竜皇子・f42257)もツーマンセル二機帯同での活動を要請され、薄暗い地下輸送路を疾駆する。
「アホらしいな」
 カシムの呟きに、「何がだ?」とジェラルドが問う。
 モニター越しに映るカシムの表情は、気だるそうな印象だが、その瞳は失望に染まりきっていた。
「僕はかつての斉慶を知る1人だ。……皆で必死ぶっこいて、“革命”を果たした結果がこれ・・。現状があいつら革命派の“理想”だったのか? ってぇな」
 断定はできない。しかし、カシムの直感が囁く――“否”。
『でも、ご主人サマ……“解ってた”んじゃないの?』
 メルクリウスも通信に割り込んできた。
 本来の姿界導神機となっている今、声だけがコックピット内に響く。
 介入することで、斉慶というプラントの統制バランスが崩れる――それは必然のこと。
「別に確信があったわけじゃねぇ。……だが、今まであの体制を維持したのは、ちゃんと理由があった」

 傀儡の前元首お飾りのトップが、慢性化した汚職に対する手段として、裏社会の統制機関マフィアを利用した。
 “小娘ごときが”と軽んじ、耳を傾けない大人達の、汚いやり口に、前元首幼き少女は同様の手段を用いただけ。
 そうして、貧しい人々も暮らせる環境を、なんとか維持してきた。
 しかし……革命派には、議員らの不法、あるいは不正な行為で“未来”を奪われた者が多かった。
 だからこそ、反旗を翻し、斉慶を転覆させようと試みて――だが、国は傾きすぎている。右から、左へ。

「バランスが崩れれば齟齬が出る歪みが生じる。解りきったことだ」
「……王族の一員として学びのある話だな。愛する故に変革を求めた結果が、予期せぬ未来に成るとは」
 権力――それは正しく用いられれば豊かさを生み、間違った使い方をすれば破滅へ導く“劇物”。
 だが、その強さ権力を得るには“実績”が求められやすい。
 どれだけ優れた人間でも、環境に恵まれなければ……実績さえ作れない。
 富裕層の“強み”はそこ環境にある。――優れた学習環境で才能を育み、多くの経験を得やすい環境に恵まれ、肩書きを持つ者と繋がりやすい環境。
 昨今の若者言葉で言うならば、“天性の優遇環境チート”と言えよう。
 だが、“清廉さ”“高潔さ”を備えているとは、限らない。常識も、品性も、金で買えない。
 金に物を言わせてきた、かつて斉慶に寄生虫……“品性下劣な汚職議員らクソ野郎ども”が適例だ。

 そんなやりとりをしていると、通信士から一報が届く。
『両機、目標地点まで残り30秒。移動経路の誘導は可能ですが、戦況報告が困難である以上、目視での状況確認を推奨します』
了解Over……ふー。んじゃ手早く済ませちまおーぜ」
 そう言って、カシムはユーベルコード《帝竜眼『ダイウルゴス』》を展開。
 地下道を埋め尽くす勢いで、小帝竜の群れが姿を現す。
 青い竜眼には“Ⅰ”と刻まれ、薄暗い道々を見つめる。
「飛び回るのは無理そーだが、援護くらいはしまさぁ」
「承知した。では、焼き尽くすとしよう――この国に埋伏する毒潜むオブリビオンをな」
 通信からまもなくして、前方から迫る無数の機影。
「ヒィーッ・ハァーッ! 参天会トライアド参上だァーっ!!」
 参天会トライアドを騙る、蒼天組そうてんぐみの構成員らはオープン回線でネガキャン中。
 聞くに堪えないダミ声を寛大にも耐え、ジェラルドは戦闘エリアを見渡す。
(「想定通り、地下の鉄道路線上……縦横への制限は厳しく、キャバリアで隠れられる場所はなし」)
 唯一の安心点は、輸送列車の“突発的な事故”を回避できること。
 そんな状況を用意してくれただけでも、ジェラルドとしては有り難い。
 直線距離の長い戦場で、ジェラルドは愛機サラマンダーを前傾姿勢にして、一気に躍り出た。
「先手は譲らぬ。王道我が道を開くがよい!」
 加速装置イオンブースターで急加速すると、シールドバッシュで、ロードランナーを真正面から突き飛ばす。
 間近に転倒した機体を捕捉すると、ヒートエッジファングで機関部を噛み砕いた。
「暴徒ども……己が罪をなすりつける愚行、我が俺の前でまかり通ると思うたか」
「偉そうにほざきやがって、参天会トライアドに喧嘩売ろうってかぁ!?」
 機体尾部スマッシャーテイルに旋回する勢いを乗せ、《炎竜爆砕破エクスプロージョン》でロードランナーを火炙りにかかる。
 その際に生じた、炎と爆風を利用し、蒼天組そうてんぐみも不意打ちをかけようとするが。
「狡い作戦に狡い戦術……どこまでも狡いやり口、みっともねーな」
 炎熱で水の障壁が蒸発したものの、カシムの放った小帝竜ダイウルゴスは、すでに敵の懐に潜りこんでいた。
 一機に対して三尾の竜が迫り、シリンダー型のライトや、細い逆関節を食い千切ろうとする。
 カシム自身も、メルクリスウスに搭載する杖型魔術兵装カドゥケウスを介した、念動光弾で援護射撃を放って迅速果断に攻めかかる。

 カシムの放つ小帝竜と、光弾が戦場をかき乱し、乱れた戦列をジェラルドが焼き斬る。
 土地勘は敵方にあれど、狭い空間を利用したジェラルドの立ち回りが、最後のロードランナーを焼き払う。
「諸共、地に埋もれるつもりはない……大人しく沙汰を待つがよい。この国の裏で取り決められた、掟に則った沙汰・・・・・・・をな」
 転がる残骸を見下ろし、呟くジェラルド。
 カシムも呆れ混じりに大きく溜め息をこぼす。
 ――だが、まだ終わっていない。
 そう告げるように、緊急通信が強制接続された。
『出撃した猟兵各機へ! 輸送路内で襲撃を受けた輸送列車が大破、他組織の管轄にあった輸送列車が破壊されました!』
 その声には、明らかな焦りが見てとれる。
 忘れてはいないだろうか? ――参天会トライアドの干渉できる範囲は、“縄張りシマの中だけ”だと。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『冥導神機『モルス』』

POW   :    RXキャバリアソード『死の運命』
攻撃が命中した対象に【命中箇所から広がり続ける死の呪い】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【生命力・エネルギー枯渇による衰弱の呪い】による追加攻撃を与え続ける。
SPD   :    対生物戦殲滅機構『死の眠りの神』
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【機体全身】から【生命力やエネルギーを奪う死の閃光】を放つ。
WIZ   :    有機生命根絶機構『冥界への導き』
自身の【機体全身】から【死滅の波動】を放出し、戦場内全ての【キャバリアに乗らぬ有機生命の生命活動】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
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●上昇志向の極地
 その輸送列車は、星冠連合せいかんれんごうから発った車両だった。
「く、ハハハハハハ……!! 最っ高の乗り心地だなぁ、この新型機!」
 冥導神機『モルス』を駆る蒼天組そうてんぐみの若衆は、天を仰いで高笑いをあげる。
 足元には、自らの手で破壊した輸送列車。
 搭載された通信機を破壊しようと、男は運転席をキャバリアで踏み潰した。
 運転手ごと踏み潰したとしても、これも参天会トライアドのせいにすればいい。
 彼は既に、オブリビオン・マシンによって狂気に染まり、薬物をキめたような興奮状態にある。
 男は“次の獲物”を狩ろうと、試作機の推進器を噴かす。
「この世は所詮、“弱肉強食”……星冠連合せいかんれんごうでは“強さ”を持てば、身分も育ちも関係なく出世できる」

 ただ強くあればいい・・・・・・・・・
 なんと解りやすく、なんと野蛮な方針スタンスだろうか。
 ……だが、それは“立場に囚われることなく、全てを平等に扱う”ことでもある。
 故に、多くの者に支持されてきた。
 “連合”と呼ばれる共同体となるほどに、成長し続けた!

「貧民育ちの俺だって、上を狙える。チャンスがある! ――のし上がるんだ、俺が大幹部になるんだ!!」
 その“強さ”が誤ったチカラだと、この男は気付けなかった。
 それこそ、自身の“心の弱さ”が招いた失態。
 そう気付いた頃には、取り返しのつかない状況になっているとも。
 ――猟兵は、破壊された輸送列車の位置情報を受信し、狂騒する冥導神機オブリビオン・マシンを追う。
ベルト・ラムバルド(サポート)
ハイカラさんのクロムキャバリア ×今は 宇宙騎士!

普段の口調は私、君、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?

騎士道精神を胸にキャバリア《パロメデス》に乗って戦うぞ
弱きを助け強きを挫く誇り高き光明の暗黒騎士だ!
でも実はお調子者でおっちょこちょいな奴だ!いわゆる残念なイケメンだ!
生身でも戦えるけどあんまし強くないかも…?でもタフな奴!

基本はキャバリアの乗って戦うぞ!
キャバリアに乗れない時は…なんとか生身で頑張って戦うぞ!
時々コミュ力で知り合った異世界の人やモノ?を召喚したりするんだ!

仲の良い想い人がいるけどぞんざいな扱い方をされてるけどめげないぞ!頑張れ!


ノエル・カンナビス
ああ、良い敵ですねー。

己が命を的にしてのし上がろうとするその姿勢、実に結構。
経験から学ぶことができれば、いずれは良き王になれるやも知れません。
ぜひ生き延びて欲しいですね。

だからといって、手加減もしませんけれども。
インクリーザーの増強ビームで粉砕すれば終わりです。
それで死ぬほど運のない御仁ならば、こちらの眼鏡違いということ。

狭い地下施設ではどう動こうとも、直撃範囲からは逃れられません。
こちらにはガーディアン装甲システムがありますので爆圧も防げますし、
頭上が崩れても、もう一挺分のインクリーザーで真上を撃つだけです。

ええ、加減する必要は一切認めません。
見切り/操縦/鎧無視攻撃/範囲攻撃/指定UC。



●狂躁
 斉慶の地下輸送路は平面的ではなく、幾層にも重ね上げることで、何十もの路線レールを巡らせている。
 文字通りの経済を循環させる“血管”であり、その内の一本を、オブリビオン・マシンが“脳血栓”として詰まらせた。
 ――それによって、第三組織も事態に動きだすだろう。

この国斉慶の現状は是非もなし。私はただ、私の騎士道を貫かせてもらう!」
 支援要請を受けたベルト・ラムバルド(自称、光明の暗黒騎士・f36452)も、愛機パロメデスで駆けつけるや、参天会トライアドの用意した侵入経路から合流を果たす。
 エイストラの損傷率を確認し、ノエル・カンナビス(キャバリア傭兵・f33081)は冥導神機『モルス』の襲撃ポイント周辺を索敵。
 列車と思えぬ速度で移動する反応を検知し、
「高速で移動するキャバリアを検知、襲撃ポイントから移動しているオブリビオン・マシンと推測」
 ベルトにも情報共有すると、進路を塞ごうと通信士に誘導してもらい、先回りしていく。

「ヒャッハハハハ! こいつだ、こいつのチカラがあれば……俺は上にのし上がれるんだ!」
 完全にハイになっている蒼天組そうてんぐみの男は、誰に言うでもなく、大きな独り言を口にし続けていた。
「ああ、良い敵ですねー。己の命を賭して、のし上がろうとする……その姿勢。実に結構です」
 百聞は一見に如かず。経験から学びを得れば、大幹部に相応しい人物となり得るかもしれない。
 ――親組織の上部星冠連合から温情があれば、の話だが。
「弱気を助け、強きを挫く……君の行いは無辜の民を傷つけるのみ! なんとしても止めてみせる!」
 そしてベルトが発動したのは、《イイネキマイラ・フューチャーズ》
「ロボVSロボ!? 仮想空間でもアニメでもない!?」
現実ホントのことだよ! 頑張れー! パロメデスー!!」
 ――ロボVSロボの闘争を間近で観戦するキマイラ達、生配信やSNSを通して視聴するキマイラ達がベルトへ声援を送る。
 その声援に男が煩わしそうに反応を示し、
「ギャアギャア、ギャアギャアうるっせぇな……こっちは、遊びでやってんじゃねぇんだよォ!?」
 語気を荒げながら、機体の全身から死滅の波動を放つ。
 対象は、キャバリアに乗らない有機生命。
 影響力は戦場内全てに及び、生命活動を無力化停止させる。

 ――戦闘力のない153名のキマイラ達も例外ではない。“無力化の対象”だ。

「くっ、なんと残忍な……君達はこの場から離れるんだ、急ぎたまえ!!」
 キャバリアエンジンで最大加速するパロメデスベルトが、冥導神機へ当て身の如く吶喊し、死滅の波動を阻止しようとする。
 キャバリアソードとビームセイバーで数合、刃を交えるが、後方のキマイラ達が気になってしまい、ベルトは押し返されていく。
 そこに、ノエルのプラズマライフルが――冥導神機オブリビオン・マシンに向けられる。
「Eバンク・リリース。……インクリーズ」
 大電力供給された銃身から放たれる《インクリーザー増強粒子ビーム》が、一条の光となって薄暗い地下道で閃く。
 薄闇を裂く一射が、冥導神機の装甲を穿つ。――だが、機能停止には至らなかった。

「見たことねぇ機体……っはは、まさか猟兵・・か? あの“革命阻止”の片棒を担いだ連中かぁ?!」
 マフィア連合軍の一員として、轡を並べた者なら、『猟兵』の名を知らぬ者はいないだろう。
 当時は“前元首が秘密裏に派遣した傭兵”という体裁をとれたが、今回は違う・・・・・
「差し金は参天会トライアドか? それとも花族第三組織か? なんでもいい! お前ら猟兵を撃墜できりゃあ、キャバリア乗りとしても箔がつく! ボォォォォォナス・チャァァァァンス!!」
 破格の強さを誇る猟兵を討ち取った“名声”が得られる――実績作りの、いい踏み台が現れた。男は歓喜の雄叫びをあげた。
 操縦席では興奮のあまり、目を血走らせていることだろう。
 パロメデスベルトを押し退け、死滅の波動を放出しながらエイストラノエルへ斬りかかり、実体剣をナノクラスタ装甲が受け止める。
 しかし、オブリビオン・マシンが加速させた狂気によって、男は“全力以上で”攻め立てる。
 加減? ……殺してでものし上がりたい狂人に“加減”の二文字がある訳ない!
 一射で事足りる? ――そんな慢心・・がノエル自身を追い詰め、次撃の射撃体勢へ持ちこめずにいる。
(「野心も操縦技術も高い、でしたか。戦場での油断は命取り、だというのに……!」)
 楽観視した己の隙を埋めるべく、ノエルは体勢を持ち直したベルトと、冥導神機の威勢を抑えにかかる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ジェラルド・エルネイジェ
強き力を求める思いは分からんでも無いがな
キャバリアもまた力だ
だが飲まれるよりも乗りこなしたいものだな

恐るべき呪いの魔剣だ
長期戦は悪手と見える
幸い避けるに不利で攻めるに有利な環境だ
炎竜装甲も良い具合に温まってきている
攻勢の姿勢で臨むぞ

シールドで前面を護り炎竜迅駆で突進する
俺とサラマンダーの二つの火を束ねて炎の雲耀となろう
突進の成否に関わらず敵の元を抜け、呪いの範囲から脱するのだ
その際に背を向けたままテイルビームカノンで追撃と牽制を行い、敵の接近を妨害しよう
そしてヒートエッジクローで急制動を掛けてスラスターで姿勢を反転
再度突進する
ぶつかり合いの力比べという事だな
果たしてどちらの炎が先に潰えるか?


シル・ウィンディア
強さで出世か…。
それって、踏み台にしてのし上がってって感じなんだろうね。
好き嫌いが通用する相手じゃないけど、敢えて言うよ。
わたし、そういうの大っ嫌いだからっ!

装甲が薄くて高機動のリーゼだと不利なのはわかるけど
でも、これがわたしの選んだ道だから!
敵の通常攻撃にはオーラ防御で防御しつつ、推力移動で二次元平面移動で回避行動もとるよ。

高出力ビームは外れると大変だけど…。外さなければいいんだよね?
ビームバルカンとセイバーで攻撃を行いつつ近接戦。
バルカンやセイバーがかすったなら、すかさず蒼の閃光を発動。

外すことを考えなければ、リーゼの高火力は脅威だよね。
それじゃ、わたしの全力全開、遠慮せずもってけっ!!


風雷堂・顕吉(サポート)
アドリブ連携可

約100年前、ダークセイヴァーの人類敗北以来、ヴァンパイアとの死闘を細々と繰り広げてきたダンピール、それが俺だ。
ヴァンパイアを狩るため、あるいは次に狩るべきヴァンパイアの手掛かりを得るためにここにいる。
【世界知識】ダークセイヴァー世界の大抵のヴァンパイア相手ならそれがどのような血族かは知っているし、知らなくとも【情報収集】の伝手はある。
それ以外の世界については物珍しそうに振る舞うことになる。すぐに慣れるだろう。
ダークセイヴァーとスペースシップワールド以外の世界は日差しが強すぎるので、サングラスを着用する。

戦闘は剣士の動きだ。
次に参加する猟兵が戦いやすい状況を作ることも多い。



●無間地獄
 ジェラルド・エルネイジェ(炎竜皇子・f42257)の駆るサラマンダーの肩には、途上で合流した風雷堂トルトニス顕吉フォルトゥナトゥス吸血鬼狩人ヴァンパイアハンター・f03119)が身を屈め、強風に煽られる外套を押さえていた。
「生身での推参、容赦願う。しかし……本当に甲冑じみた機巧が駆けるとは」
「そうだ。ここは荒廃した大地で鋼鉄の騎士キャバリアがときに覇を競い、ときに平和を維持せんと奮励する世界だ」
 ジェラルドの言葉に、顕吉はダークセイヴァーを思い出す。
 闇夜の世界も今や、服従するだけではなくなった。――目指す理想郷は異なれど、近しいモノではあるだろうと。
 それに、今回は地下区画での戦い。サングラスを付けずに済むとあり、顕吉も戦闘に集中できそうだ。
「強さで出世、か……」
 シル・ウィンディア(青き流星の魔女・f03964)はノエル達の音声通信を傍受し、その言葉を耳にしていた。
「今日は物思う者が多いな。シルは強きチカラを求める心を厭うか?」
「だって、他人を踏み台にしてのし上がってる感じでしょ? 好き嫌いが通用する相手じゃないけど……そういうやり方、わたしは好きじゃない」
 不服そうなシルに、ジェラルドは一考してから、口を開いた。

参天会トライアドも変わりないと思うぞ」

 仁義。秩序。――それらをまかり通らせる為に、彼ら参天会は何をしたか。
 弱小組織を排除、あるいは吸収合併し、斉慶で最も大きな組織体へと膨れ上がっただろう。
 それこそ“他者を踏み台にする行為・・・・・・・・・・”に、他ならないのではないか?
「頂点に立てるのは、いつだって一人だ。故に、孤高……遥か高みで、孤立する者もいる。彼ら参天会の“秩序”が理想に適うか? 判断するには、時期尚早ではないだろうか」
 ここは悪漢ピカロが嗤う小国家プラント――夢見る少女の『夢』を粉砕する“魔窟地獄”だと思え。
 そうした心構え覚悟こそが、シル自身の理想を守るのだから。
 重い沈黙を破るように――会話を傍受していただろう――参天会トライアドの通信士から連絡が入り、
『両機、および猟兵一名へ。先行した猟兵は戦闘継続中、まもなく戦闘区域へ突入します。……また、参天会トライアドにとって、現時点で猟兵は例外・・・・・です』
 その判断心変わりを“敵前逃亡”とは見做さない、とも告げる。
 仁の心思いやりか、最後通牒かはさておき、
「問題ない、突入する」
 二人に代わって顕吉が応じ、耳に付けたインカム通信装置を切断する。
(「耳栓越しに遠方と会話ができる。知識があっても、体験してみると不思議だな」)
 小竜公ドラクリヤに手を添え、オブリビオン・マシンとの戦闘に備える。

 ――ヒビの走る装甲にも構わず、狂気に染まった男は、冥導神機『モルス』を駆り続けた。
「俺は、俺は上に昇るんだ! 行く行くは星冠連合せいかんれんごうも俺のモンだァ!!」
 膨れ上がっていく野心は、不相応な願望さえ迷妄させる。
 その広域通信を傍受したジェラルドが、肩部に取りつく顕吉へ「今のうちに飛び降りてほしい」と断りを入れ、推進器イオンブースターを一気に加速させた。
「炎竜装甲も良い具合に暖まってきている。避けられるなら避けてみるがいい」
 バックラーを前面へ押し出し、ジェラルドが《炎竜迅駆ブレイズドライブ》を発動。
 紅蓮の炎はサラマンダー全体を覆っていき、13,800km/hで疾走しながら、シールドバッシュする要領で弾き飛ばす。
「そんなオモチャみてぇな機体に負けるかよぉ!!」
「無礼な物言いだが仕方あるまい。エルネイジェ王国の威光は、貴殿には・・・・高尚すぎるようだ」
 寵愛を受けた者だからこそ、品格を貶めることの“卑賤さ”を知っている。
 ジェラルドは幼稚な挑発を聞き流し、キャバリアソードの呪詛を受けても範囲外まで疾走し、強制解除してから反転し、次撃の用意。

「……炎で目が眩みそうだが、敵は捉えた」
 そして、発動前に飛び降りた顕吉が、白木の杭で脚部モーターにパイルバンカーを突きたて、火炎瓶を投げつける。
「踏み潰されに来たか!」
 振り払おうとした冥導神機は、天井に背面を擦れさせながら、機体全身から生命やエネルギーを奪う、死の閃光を焚いた。
 外套で閃光の直撃を避けたものの、ほんの一瞬、微かに受けた閃光が顕吉を衰弱させようとする。
(「なりふり構わない戦い方……あれもオブリビオン・マシンの影響なの? それとも、そこまでして“強さ”を求めてるってこと?」)
 いまだ得心を得られず、内心に渦巻くモヤモヤを、シルは払拭できずにいた。
 装甲の薄い、高機動型のレゼール・ブルー・リーゼと斉慶の地下区画。相性は最悪だと把握済。
 それでも――これがわたしの選んだ道だ・・・・・・・・・
「斉慶の実情はよく解らない。マフィアの信条も、理想もよく解らない。だけど、敢えて言うよ」
 ビームセイバーエトワール・ブリヨントを構え……目標ターゲット捕捉インサイト
「――わたし、そういうの大っ嫌いだからっ!」
 斬りかかったシルの機体が、冥導神機に迫り、《蒼の閃光ブルー・エクレール》を発動。
 近接戦闘インファイトに対して、男はキャバリアソードで迎え撃ち、剣戟の応酬が始まる。
 だが、狭いトンネル内だ。完全に躱しきるのは難しい――シルも、男も。
 シルの一閃が冥導神機を掠め、魔力マーキングが付与された瞬間、シルの機体挙動が激変。
「このまま、機体を止める……っ!!」
 近接武装と射撃武装のコンビネーションが、冥導神機を襲い、離脱させまいとシルは間合いを詰め続ける。
 防戦一方になりつつあるオブリビオン・マシンへ迫る孤影――顕吉は“最後の一撃”を放つ。
「さすがに心停止はダンピールでも、な」
 的は大きい。急停止するタイミングを狙い、投げ放った『魔除けの香草』が冥導神機のユーベルコードを封じる。
「おい!? どういうことだ、どうして機能不全なんか起こしてるんだよォォ!!」
「愛想を尽かしたのではないか」
 怒り狂う男めがけて、オモチャと誹ったあの機体が超高速で迫る。
「構えろ。どちらの炎が先に潰えるか、力比べといこう」
 どこまでも優雅に。しかし毅然と言い放った、ジェラルドの瞳には、静かな闘志が燃えている。
 ユーベルコードは既に発動している。騎士と騎竜の織りなす炎の雲耀。
 ……その風穴だらけの“機体強さ”で、凌いでみせろ。

 勝負は一瞬で決した。
 顕吉によってユーベルコードを封じられ、先行部隊のノエル達と、シルのユーベルコードで装甲は大破していた。
 ジェラルドが押し負ける要素は、どこにもない。
 装甲が弾け、コックピット部分が剥きだす。……きりもみした衝撃で頭を打ったのだろう。男は気絶していた。
「人命救助――いや、身柄は確保せずに明け渡すように、との要請だったか」
 捨て置くのはどうかと思う反面、連れ帰ってもトラブルの元となってしまう。
 ジェラルドはやむなく、救援信号を発信させておくことにした。
「……花族第三組織、だっけ。やっぱり、方針は違うのかな」
「だろうな。でなければ参天会トライアドか、星冠連合せいかんれんごうの傘下にあるだろう……敢えてここが狙われた理由を知りたいところだが――」
 シルとジェラルドの会話を遮り、通信士から緊急通信が入る。

花族第三組織侵入者猟兵を感知し、防衛部隊が出撃しました……しかし、挙動がおかしいです。離脱しきるまで気を引き締めてください』

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

赤星・緋色(サポート)
なんやかんやで事件を解決に導こうとします
フリーダムかつアグレッシブなアドリブも可

合わせ等も自由にどうぞ



●前兆
(「よかった、これ以上の被害は出ないんだね……けど」)
 インカム通信機器越しに、束の間の安堵を覚える赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)だが、
 これまで名を伏せられていた、花族第三組織が動き出した。
 おそらく猟兵も、“識別不明の侵入者”として認識される。
『猟兵各機へ。急ぎ参天会トライアドの管轄エリアまで帰還し――』
 ――ザザッ!!
 激しいノイズ音が、緋色の鼓膜に突き刺さる。
 思わずビクリと肩を跳ねてしまったが、こちらの動きに気づいた通信妨害ジャミングかもしれない。

「もしもし? ……あの、もしもし!?」
 焦る緋色の声に、雑音まじりの通信が返ってくる。
『大規模――障が――花族第三組織から――注意――くだ……!』

 ――……ブツン。

 それを最後に、参天会トライアドからの通信が途切れ、緋色の耳へ金属のこすれる音が直に飛び込んできた。
(「……! この音、もうこっちに来た!?」)
 緋色の視線の先――深淵のように暗く、長い輸送路の向こうから騒音が迫る。

成功 🔵​🔵​🔴​


●第三組織
 花族かぞく。それは名の通り、花街を取り仕切り、家族を大切にする“慈愛”を重んずる者達だった。
 花街を彩る花々とは誰だ? ――女だ。
 子供を産みだす者は誰だ? ――女だ。
 男系社会の犠牲者は誰だ? ――女だ。
 花園シマで独自の女系社会・・・・を構築していき、男を手玉にとって、裏社会に咲き誇る“悪の華”。
 ――それが花族に属する達だ。

 だが、防衛部隊はオブリビオン・マシンの残した瘴気を受け、強烈な衝動に突き動かされていた。
「花族の花園シマを荒らすなんて……許せない。私達の家族を傷つけようなんて!」
「守らないと。家族を守らないと。家族を、家族をもう奪わせない」
「潰そう。もう奪えないように、これ以上、花園を荒らせないように。――けれど苦しまないように」

 徹 底 的 に 潰 そ う。

 一撃で済ませよう。
 赤子をあやす子守唄より早く寝かせよう。
 コックピットを潰して、恐怖も苦痛もなく逝かせよう。
 暴走する“慈愛”の精神をもって、女達が猟兵を捕捉する――!


第3章 集団戦 『幽衛』

POW   :    鉄撃
【格闘攻撃】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    疾風
自身が操縦する【キャバリア】の【格闘性能】と【回避性能】を増強する。
WIZ   :    覚悟
【格闘】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【手応え】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

●第三組織
 花族かぞく。それは名の通り、花街を取り仕切り、家族を大切にする“慈愛”を重んずる者達だった。
 花街を彩る花々とは誰だ? ――女だ。
 子供を産みだす者は誰だ? ――女だ。
 男系社会の犠牲者は誰だ? ――女だ。
 花園シマで独自の女系社会・・・・を構築していき、男を手玉にとって、裏社会に咲き誇る“悪の華”。
 ――それが花族に属する達だ。

 だが、防衛部隊はオブリビオン・マシンの残した瘴気を受け、強烈な衝動に突き動かされていた。
「花族の花園シマを荒らすなんて……許せない。私達の家族を傷つけようなんて!」
「守らないと。家族を守らないと。家族を、家族をもう奪わせない」
「潰そう。もう奪えないように、これ以上、花園を荒らせないように。――けれど苦しまないように」

 徹 底 的 に 潰 そ う。

 一撃で済ませよう。
 赤子をあやす子守唄より早く寝かせよう。
 コックピットを潰して、恐怖も苦痛もなく逝かせよう。
 暴走する“慈愛”の精神をもって、女達が猟兵を捕捉する――!
シル・ウィンディア
格闘型でさらに軽量型…。
うーん、この戦場に合った機体って感じだね。
しかもオブリビオンマシンときたものだ。
やっかいだなぁ~。

近接格闘型だから距離を取りたいけどさすがに無理だね。
バルカンと左腕ビームランチャー(連射モード)で牽制しつつ詠唱を開始。
オブリビオンマシンの敵意を察知できるなら、これでどうだっ!
UC:エレメンタル・バラージを発動
誘導型なら周りの被害も少ないはずっ!

敵ユーベルコードに対しては、コックピットにオーラ防御を重点的に発動。
狙ってくるところがわかれば、多少防御はしやすいしね。
力が無ければ守れない。
でも、悪意に惑わされない力でないとだめ。
綺麗ごと?そうかもね。
でも、それがわたしだから!


ジェラルド・エルネイジェ
先ほどとは異なる勢力か
花園というには些か陽当たりが悪過ぎるようにも思えるが
オブリビオンマシンの狂気に当てられれば、花も狂い咲くものなのだろうかな

数に潰されるのは愉快ではないな
一挙に焼き払うのが得策か?
ここは場所が悪い
直線の路線まで誘導するぞ

逃走する素振りを見せて後退しよう
敵との距離は格闘攻撃が届かない間合いを維持する
背を向けながらもテイルビームカノンで牽制する事で、如何にも必死に逃げ惑っているという様子を演出するのだ
格闘攻撃を阻止する事にも繋がろう

直線の路線に至れば反転して攻勢に出る
多数を相手取るにも地下の鉄道路では広域に及ぶ技は役に立つまい
だが縦深ならばどうだ?
煉獄の奔流にて焼き払おう



●狂蘭
 電波障害ジャミングにより、参天会トライアドとの通信は叶わず。
 ローカル通信は、かろうじてやりとりできたことが幸いか。
 シル・ウィンディア(青き流星の魔女・f03964)、ジェラルド・エルネイジェ(炎竜皇子・f42257)は同様のルートを経由し、参天会トライアド縄張りシマを目指していた。

「先ほどとは異なる勢力か……花園、というには。些か陽当たりが悪すぎるが」
 狂気に当てられれば、花すら狂い咲く。
 楚々とした乙女も、毒花に変えてしまうのがオブリビオン・マシンだ。
「ノイズでハッキリ聞こえなかったけど、女性ばかりなのかな? 家族愛に溢れてるのはいいけど――」
 そんな風に受け答えるつもりだったシルだが、会話を遮るように、花族の防衛部隊が進路を塞ぐ。
「逃がさないわよ!!」
花園シマを荒らしたからといって、苦しませないからね。一撃で仕留めてあげる」
 攻撃的な意志がスピーカー越しに伝わってきて、シルの表情が曇っていく。
 “護らねば”という想いを、狂気によって歪められている――彼女達も、ある意味では被害者だろう。
(「近接戦向けのキャバリアで、しかも軽量型……地下区画での運用にはうってつけ、って感じだね」)
「距離をとり続けるのは難しそうだけど……っ!」
 相手は殺気立っている。つまり、“敵意”を剥きだした状態だ。
 感情に反応し、《エレメンタル・バラージ》で召喚される複合属性魔力火水土風弾が迎撃する。
 だが、弾数が145発。連射したことで弾切れするなど、本末転倒。
「戦場に立つ意味を知らないとでも!?」
『追尾弾ごときにビビるものか』とばかりに、幽衛を駆る花族の乙女達は突撃をかける。
 鉄拳が、剛脚が、レゼール・ブルー・リーゼシルのキャバリアへ、強烈な衝撃を何度もブチこむ。
 備えていたとはいえ、手応えを覚え、相手の一撃は重みを増していく。

「数に潰されるのは愉快ではないな……ここは場所が悪い。シル、敵の半数はこちらで引き受ける」
「了解、気を付けて!」
 ジェラルドは記憶を頼りに、直線の長い路線を目指して強行突破する。
「逃がさないと言ったでしょ!」
 シルへ攻めていた手が半数、今度はジェラルドを捕らえようと向けられた。
 回避性能を向上させた幽衛には、牽制のビームカノンも潜り抜けられ、背後から鉄拳を叩きつけられる。
(「必死に逃げ回っている振りをするなら、コーナリングで振り切りを試みるか」)
 インコースを攻める形で地下輸送路を駆け回り、ジェラルドを捕らえようとする幽衛らは、僅かに引き離されていく。
(「先のようにユーベルコードで加速していない以上、完全に振り切ることは敵わないか」)
 そう判断し、直線距離の長い線路に突入すると、ジェラルドは推進器をフルスロットルに。
 急加速による圧迫感に耐えながら、間合いを確保したのち――花族側へ向き直る。
「煉獄の奔流にて、その身に取り憑く“狂気”……焼き払う」
 ジェラルドが宣言した直後、《煉獄の奔流バーニングバスター・トーレント》が輸送路内を埋めるように放たれた。
 代償の熱は、ここまでの追走劇で十分に溜め込んでいる。
 放出される炎がオブリビオン・マシンと化した幽衛に、急激な温度変化をもたらし、機体が不具合を起こしはじめる。
「動け、動きなさい! 花園を焼かせない!」
「これは浄罪の炎。少なくとも、その身に潜む厄災狂気だけは、この場で焼失させる」
 機体の熱が収まり、自身の指先から熱が失われようという頃に――やっと幽衛は機能停止した。

 ジェラルドが追っ手を返り討ちにしたのち、撃退できたシルと再度の合流を果たす。
 シルのほうが機体の損傷率は高かったが、半数が離脱したことで、弾切れを回避できたようだ。
「女性のしたたかさ、改めて痛感した。母は強し、だな」
「そうだね……力がなければ守れない。でも、悪意に惑わされない力でないと」
 オブリビオンマシンの狂気汚染は、一般人マフィアに抵抗できるものではない。
 不可抗力だった点は同情に値するだろうが――それを持ち込んだのも、同じ一般人マフィアだ。
(「綺麗ごとだとしても……わたしは、わたしの道を進む」)
 警戒は厳として、再度の襲撃に備えつつ、ジェラルド達は花園から離脱していく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

カシム・ディーン
「わーん!メルシーモルス君と遊びたかったのにー!」
しょうがねーだろ!タイミング合わなかったんだからよぉ!

「ぅー☆あ、でも…ご主人サマー☆男の子を弄ぶ酷いお姉さん達がいるよ☆これはもうあれの出番だよね♥(涎だらだら」
う、うそだろお前…あれをやれってのかよぉぉぉ!?(絶叫

【情報収集・視力・戦闘知識】
女達…悪の華達の位置や陣形と都市の構造を冷徹に把握

【属性攻撃・迷彩】
光水属性を機体と…上空の竜眼号に付与
光学迷彩で存在を隠し水の障壁で熱源隠蔽
竜眼号に逃亡

そして
地獄と絶望のUC発動
1540師団…即ち3000万人以上の幼女軍団出現!
【集団戦術・空中戦・念動力・弾幕・スナイパー】
10師団
竜眼号の護衛
念動障壁展開

地獄の蹂躙開始!
半数が念動光弾を乱射して蹂躙し
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
残りが敵機に群がり分解して資源は根こそぎ強奪して…
「君達メルシーとご主人サマを殺そうとしたよね☆」
「これはお仕置きだぞ☆」
「メルシーはお姉さんもわからせちゃうぞ☆」
とても…とても酷い事を花族達にする幼女軍団


印旛院・ラビニア(サポート)
・境遇的なものもあり、思考や嗜好は成人男性のものです(恥ずかしい境遇なので自分からは喋らない)
・基本的にはヘタレで気弱、慎重な面がありますが、物事がうまくいったり周りに煽てられるとイキり散らかして墓穴を掘ることもあります
・なんだかんだで人がいいので困っている人につい手を差し伸べたりしちゃいます
・やり込みゲーマーで現状を学ぶ【学習力】と自分のプレイに【チューニング】できる応用力が武器

 UCは指定した物をどれでも使用し、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。えっちな展開はコメディ目であれば許容
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●行動には結果が伴う
「わーん! メルシー、モルス君と遊びたかったのにー!」
 喚く界導神機メルクリスウスに、カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)が痛い頭を堪えて進路を反転させていた。
「しょうがねーだろ! タイミングが合わなかったんだからよぉ!」
(「クソ、途中で進路から逸れちまったことに気付いてりゃー……」)
 乱戦に身を置けば“遅きに失する”こともあるだろう。
「ぅー☆ でも……あとは追撃を振り切るだけだよね? これはもうあれの出番だよね🖤」
 スピーカー越しに聞こえるメルクリウスの音声に、カシムは「ぇ」と顔を青くさせていく。
「は? 本気か?」
「本気も本気☆ ぶっ飛ばすぞー!」
 現在、広域電波妨害ジャミングにより敵の配置、および構造を把握することはできない。
 だが……一目で解ることが、ひとつ。
 ここは地下に建造された、閉塞的な空間天井は低く、狭く、収容人数が少ないと。

 余談となるが――筆者と同じように算学が苦手な者へ向けて、ここで解説を挟む。
 ユーベルコード《対軍撃滅機構『戦争と死の神』メルシーハルノヨウジョマツリ》における、1師団の定義を、カシムは25,000人としている模様。
 習熟度レベルから換算し、出現する師団は『1540師団』だ。
 つまり――3850万人から成る戦闘幼女、および同数のキャバリア武装を召喚・・する。
 そう。召喚。“実体として現れる”のだ。
 ここで、7才6ヶ月の女性平均身長を1.217m、平均体重を24.3kgと仮定する。
 3850万人×平均身長=4685万4,500m――だが、これは垂直に並べた場合の数字。
 これを÷100万人としても――およそ46.85mとなる。 5mサイズのキャバリアを、優に越える数値だ。
 さらに質量があるなら重量・・も発生する。
 3850万人×平均体重=9億3555万kg/920.774tとなる。100万人で割っても935.55kg/およそ1tだ。
 なお補足として、3850万人を収容するには、福岡にあるドーム1,000個分の面積が必要だと明記しておこう。

 閑話休題。本筋へ戻るとしよう。
 キャバリアでさえ、天井が低く、狭く、閉塞的な地下トンネルで……“局地的”に法外な大質量が発生すれば、どうなるか・・・・・
 キャバリアすら越える質量が、突如として発現したらどうなるか。
 ちょうさんはこう言った。
『キャバリアでも活動できる広さはあるだろうよ……“よほどの大立ち回りでもしなければ”』
 これは大立ち回りどころではない。

 災害クラスの異常事態・・・・である。

 召喚と同時に、幼いメルシーが地下輸送路を埋め尽くし、互いメルシー互いメルシーを押し合い、密集してなお膨れ上がり――収容しきれなくなった地下輸送路は、ついに崩壊。
 許容量を大幅に超えた“質量”に耐えきれず、上へ、下へ、瓦礫とともに巨大な大穴を空ける。
 さながら脳内血管を破裂させた“血栓”。
 斉慶の地下輸送路は“脳梗塞機能停止”を起こした。
「……あー」
 カシムは目の前の光景に、言葉を失った。
 行動には結果が伴う・・・・・・・・・
 ほんの十数人の相手を撃退するために、3,850万人もの戦力動員は“過剰防衛”であることは明白。
 そして、強大な力にも使いどきがある・・・・・・・・・・・・・。――袖のボタンを付け直すために、太い縄を用いないのと一緒だ。
 さて、これだけの“大崩壊”となれば、轟音と震動が発生する。気付かないほうが難しい。
「貴様らァ!! 花園シマを無差別に破壊する不埒者めェェ!?」
 氾濫する幼女化メルシーは、一斉に飛びかかっていく。
 だが、すぐに通路で目詰まりして、鷲づかみされた一機が投げ飛ばされる。
 数の暴力で蹂躙を試みたことが、結果として、足枷となっていた。
(「竜眼号も殲禍炎剣ホーリー・グレイルで墜とされかねないし、下手すると斉慶ごと消し飛ばす……無闇に飛ばせねー」)
 斉慶は生産プラントに合わせ、全高15mまでの建造物しか建設されない。
 クロムキャバリアに存在する暴走衛星・殲禍炎剣ホーリー・グレイルの、影響範囲を避けるためだ。
 それより上――斉慶上空へ急ぎ戦艦を移動させる、あるいは急ぎ乗りこむなら。
 暴走衛星は間違いなく、撃墜しにかかる。
 そして、生じるだろう周辺の被害規模大勢の犠牲へ――キミは責任をとれるのか・・・・・・・・
 国ひとつ破壊した、語り草にするのもまた一興。大量虐殺を行った、成果を広めるもまた一興。
 だが、“自身に及ぶ影響を、前もって想定しておく”ことを推奨する。
 周囲からの印象や見る目も含めて。そして……この国斉慶で歓迎されたいなら、特に。

 召喚した幼女メルシーも、本来の1/100万人=39人までの活動制限を余儀なくされながら、追っ手の花族かぞくを迎撃する中。
 ……頭上からキャバリアが一機猟兵が一人、自由落下してくる。
「うわああああああああどこまで続いてるのおおおおおおおおおお!? この穴あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 オブリビオンマシン『劫禍ごうか』の搭乗者、印旛院・ラビニア(エタらない人(仮)・f42058)。
 “原因不明”な地下区画の崩壊を“猟兵とオブリビオンマシンによる戦禍”だと判断し、電波障害ジャミングを受けながらも、大穴へ飛びこんだまではよかった。
 が、
 ――――Caution.Caution.Caution.
 画面いっぱいに表示される“アラート警告表示”と、絶叫マシンなどでよくある内蔵が浮く感覚に、絶叫している。
「ご主人サマ! 上からキャバリアが!」
「あれも猟兵だよな? 受け止めてこっちに誘導!」
 幸か不幸か……大幅な余剰戦力のおかげで、機体ごとキャッチされたラビニアは、カシム側へ降ろされて状況を確認する。
「なるほど……ユーベルコードの影響だったんだね。僕もあの子達幼女化メルシーと一緒に足止めするから、その間に離脱して」
「そいつぁ構わねーが、引き際は解ってるよな」
「だ、大丈夫! こう見えてやりこみプレイは得意だから、その内に対応できるようになる……と、思う」
 やや歯切れの悪い返答だが、ラビニアの参戦は、カシムとしては有り難い。
「そんじゃ余剰戦力の……50、いや100人を護衛にすっから。残りは突破させねーよう臨戦態勢で」
 100人の幼女メルシーを連れ、カシムは戦闘範囲外まで離脱しようと移動を開始。
 代わりにラビニアがその場を受け持ち、オブリビオンマシン化した幽衛へ迫る。

「あんたかい!? 斉慶の地下区画ごと、うちらの花園シマをぶっ壊したのは!!」
「そ、その件だけは違うの、落ち着いて!」
 オブリビオンマシンの引き起こす狂気だ――自発的に落ち着けるものではない、承知の上での呼びかけだ。
 ――Complete.Attack Sequence.当方の迎撃準備はできている
「よ、よし……死ぬ気で突っ込めば、意外と死なないもんだよね」
 幽衛の動きが変化すると同時に、《スキルクロス・リユニオン》を発動し、ラビニアも迎撃に打って出る。
 ボクサーじみた格闘戦技を見せる幽衛に、ラビニアは【マキシマムカウンター】で1540倍返し。
 突きだした拳めがけて、重量を乗せたぶちかましを叩きこみ、向けられた腕部を破壊する。
「格ゲー仕込みの後隙硬直フレーム攻め、お見舞いしちゃうからねぇ!」
 数機の幽衛に対し、カウンター狙いの劫禍ラビニア&文字通りに環境破壊した3,849万9900人ほどの戦闘幼女だ。
 幼女化メルシーは墜とした端から、追加戦力が適時投下されていく。……早々に突破できる布陣でないことは確かだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)


リカルド・マスケラス(サポート)
『正義のヒーローの登場っすよ~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
NPCに憑依(ダメージはリカルドが請け負う)して戦わせたりも可能

接近戦で戦う場合は鎖鎌の【薙ぎ払い】と鎖分銅の【ロープワーク】による攻撃がメイン
遠距離戦では宇宙バイク内臓の武装で【薙ぎ払い】や【一斉発射】。キャバリアもあります
その他状況によって魔術的な【属性攻撃】や【破魔】等使用

猟兵や戦闘力のあるNPCには【跳梁白狐】で無敵状態を付与できる
また、無力なNPCが大人数いる場所での戦闘も彼らを【仮面憑きの舞闘会】で強化して戦わせつつ身を守らせることも可能。



小兵ババア大兵仮面
 拠点防衛型キャバリア『ヴェガ』に搭載した、宇宙バイクを操縦席代わりにするリカルド・マスケラス(希望
仮面マスカレイド・f12160)は、参天会トライアドの構成員を借り受け出撃。
 機体の肩には猟兵を一人乗せると、花族かぞく花園シマへ突入する。
 その肩部に乗る老婆――グレナディン・サンライズ(永遠の挑戦者・f00626)は、《サイバーリンクシステム》で、自身の有線接続型電脳と武具を接続し、電波障害ジャミングへの対策を図る。
「フン、無線じゃなけりゃあ出力も安定するってモンさ」
「あ、あのー……マジで生身でやりあうんすか? なんかドえらい地響きが起きてたし、滑落したら危ねぇっすよ」
 リカルドはグレナディンに確認するが、小癪な老婆は、肩を揺らして愉快そうに笑った。
「何言ってんだい? 宇宙船に比べりゃ、キャバリアなんざお人形だよ。それに……こういう場所じゃ、生身のほうが動きやすいんだよ」
 キャバリアサイズでは手狭でも、スペースシップの細い通路に比べれば、ずっと広い。
「……そら、坊主リカルド。正面からお出ましだよ、構えな」

 グレナディンが目視で敵機を捉え、リカルドの機体から飛び降りる。
花族かぞくを潰そうとする不埒者が!! 瓦礫ごと奈落の底へ落ちろ!!」
 防衛本能が狂気によって過熱し、目を血走らせているだろう女戦士の怒声に、リカルドは思わず「ひぇ……」と弱気な声を漏らす。
「反社連中のシマ争いにゃ興味はないがね、その機体オブリビオン・マシンは野放しできないのさ。――それじゃあ、“ジャイアント・キリング”と洒落こもうかね」
 先ほど接続した、不気味に輝くフォースセイバーと熱線銃ブラスターを構えて、グレナディンはキャバリアの股下へ飛びこむ形で突出する。
 格闘戦向けの幽衛は射程こそ短いが、瞬発的な機動性でもって、グレナディンを蹴り飛ばしにかかる。
(「なるほど、近接戦タイプのキャバリアっすか。なら……このユーベルコードとの相性は最悪っすね」)
「そこのお姉様がた、自分とも“踊って戦って”もらうっすよ!」
「これだから男は……ふざけているのか、貴様ァ!?」
 リカルドが口説く挑発すると、予想通りに花族かぞくの幽衛は殴りかかってきた。
 だが――増強したはずの格闘戦技は見切られ、リカルドは至近距離から一撃。
 発動したユーベルコードの名は《絶望の福音》――10秒先の未来を予見したように攻撃を予想し、回避する。
 どれだけ強力な格闘戦技であれ、看破されてしまえば、空を切らされるだけ。

「やるじゃないか、坊主リカルド? そのまま引きつけとくれよ」
「イエス、マムっす!」
 リカルドが陽動する隙に、小兵のグレナディンが攻めあげて翻弄する。
 壊滅状態の防衛隊だが、狂気に駆られた残機は……いまだ“侵入者”を追い続けていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ノエル・カンナビス
もう何がなんだか。まあ、何でもいいですが。
この地の文化はそういうものだ、で済ませておきましょう。

なお、作戦に参加しない依頼人に現場指揮権は与えておりませんので、作戦行動に異論が生じた際には作戦中止命令を出してください。
無論その場合にも作戦完遂時の料金をそのまま請求いたしますから、御注意くださいますよう。

さて、では死んでもらいましょうかね。
この状況下では、可能な限り叩くべきと判断します。
「加減する必要は一切認め」ないと、宣言もしてあることですし。

クローキングで索敵を妨害し、迷彩/ジャミング/索敵/見切り/操縦/推力移動/空中機動の極低高度空戦。
戦場地形が狭かろうと入り組んでいようと飛べるのが地下都市出身者の強みです。
バイブロジェットの騒音も探知妨害に転用できますしね。

あとは範囲攻撃/キャノンで排除するだけです。
2回攻撃(二回目)/ライフルも適宜追加して、確実に撃滅しておきましょう。
UCはあくまでも非常時の保険です。



●残党
 ノエル・カンナビス(キャバリア傭兵・f33081)は、頭が痛む錯覚を覚えていた。
「もう、何がなんだか」
 電波障害ジャミングによって、通信や索敵は機能せず。
 なのに、大きな震動と轟音がスピーカーを通して、伝達されてくる。
 エリア内の戦況も把握できない今……撤退する道中は“自己判断”で動くしかあるまい。
(「とにかく……今はこの場を離脱し、作戦報告を優先しましょう」)

 そう思案しているノエルの思考を遮るように、残る防衛隊が通路を塞ぐ形で姿を現す。
「これだけ荒らしておいて、無事に逃げられると思わないことね!」
「なんの話かは解りませんが……それ・・、オブリビオン・マシンですね」
 オブリビオン・マシンか否か、判別できるのは猟兵のみ。
 無論、ノエルにも知覚できる。
(「遺恨を残しても関係ないですが……しこり・・・を残して動きにくくなると、もっと面倒ですね」)
 ちょうさんの反応を思い出し、責任追及される手段は回避する方針にして、
「どうやら、すでに大ごとになっているようなので……この程度の損害も些末事でしょう」
 そう呟き、ユーベルコードUCAV/ハニービーを発動する。

 710機の武装ロケット砲が姿を現し、武装ロケットを次々と射出していく。
 びっしりと密集し、ノエルへの接近を許すことなく、残存戦力は再起不能となった。
 同時に、戦闘エリアには無数の風穴を残したが、これよりもっと大きな損害が出ていることを、今のノエルはまだ知らない。
「目標、停止……速やかに移動を再開します」
 その後、ノエルは難なく参天会トライアド縄張りシマへ帰還する。

●Debriefing-1
「おう、待ってたぞ。国家予算レベル・・・・・・・の支払い能力に自信があるヤツは挙手しろ」
 ちょうさんは清々しい笑顔で出迎え、開口一番に賠償金を請求する。
 理由は言わずもがな、“地下区画の損害への”だ。

 誰も手を挙げない様子を見て、ちょうさんはモニターを指差した。
「観ろよ、あの斉慶政府トンチキ共が“テロリスト集団による、都市機能を狙った無差別攻撃が発生”って緊急速報を出してやがる。でたらめな連中だとは思っていたが、俺の想像以上だな」
 ニュース速報を観ながら、黒ずくめの男は手を叩いて笑う。
 “こんなの、もう笑うしかねーよ”と。
「猟兵ってのは、“自分の強さを誇示したくて仕方がない”のが多いらしい。少なくとも、花園シマを荒らされて、あいつら花族の評価はドン底。参天会トライアドも評価を改めるとしよう」
 改めるといっても――“下方修正”のようだが。
 それからちょうさんは顎を撫で、
「しかし、星冠連合せいかんれんごう……あいつらだけは気に入ったろうよ。『強さこそ絶対』と考える連中だ。持て余した有能さ・・・を誇示したいなら、うち参天会より気が合うんじゃねぇか?」
 皮肉っぽく口にすると、サングラス越しに視線を鋭くさせた。
「よく覚えておけ、行動には結果責任が伴う。そして、お前らの残した結果影響は、斉慶政府や俺ら・・の中にも記憶されるってな。……次があれば、もうちょい上手く立ち回ってほしいもんだ」

 無法≠無秩序。
 無法≠非常識。
 でたらめな行動は秩序を乱す。部外者・・・の乱した秩序を、一体、誰が治めるのだ?
 猟兵は“戦力として”歓迎されども、“一個人として”歓迎されるとは限らない。
 全ての結果因果は、行動によって示される決まるのだから。

                                         ――to be Continue.

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年06月10日


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 現在は作者のみ編集可能です。
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🔒
#クロムキャバリア
🔒
#武装ボランティア
#斉慶人民共和国
#第二部
#Debriefing要確認


30




種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は槐・白羅です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト