【サポート優先】夢見て眠るは月の裏側
これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。
●
「カショウ」
「うん? どうした社長よ」
「最近、とある競合他社の動きがきな臭いのですよ」
「あー……『ピーターパン・ドリーマー』か?」
「ご明察。貴方は猟兵でもあるでしょう? ですからそちらのコネを利用して、弱みを握ってきていただきたいのです。抑止力としてね」
「ふむ。アテはあるのか?」
「近々、PD主導の超能力者狩りが行われるという情報が入ってきています。表向きは警察と連携しての違法薬物使用者の取締ですが。裏の意図が何なのか、解ったものではありませんからね。
実験動物、或いは愛玩奴隷の確保……特にあそこの社長は美人なら男女問わず手をつけると裏では有名ではありませんか」
「カオリちゃんも社長なりたての頃にセクハラされてたもんねー。我のことも目ギラギラさせながら見てて怖かったぁ。ぷるぷる」
「……こほん。ともあれ。猟兵の皆さんに依頼として、この超能力者狩りの阻止と、記録をお願いしたいのです。やってくれますね、カショウ」
「解った解った。社長には時々生霊として出張ってきて貰っているからな。その借りは返さねばなるまいよ」
「……いや本当に社長使いの荒い秘書ですよ貴方は。私の方が社長の筈ですよね。それにそこは衣食住確保の恩、ではないのですか」
「それに関しては異世界人として我が身を実験体として提供しているという献身がある筈なんだがなぁ?」
「うぐ」
「まあよい。カオリはメガコーポなんて非人道非倫理の真っ只中にありながら、まだ人の道を踏み外してはいないようだからな。感心感心。……まあ、
その上は我らの知るところではないがな」
「何か言いましたか」
「いや? 兎に角、超能力者借りの阻止だな。相分かった」
「よろしく頼みましたよカショウ。……全く、あそこの社長は人を何だと思っているのやら。理解に苦しみます」
「カオリが絶望的に
メガコーポ適性がないだけだと思うぞ」
「ぐぅう……」
●
「と、言うわけなので少々付き合って貰うぞ」
前置きが長かったねえ。
ともあれカショウ・ヘイスティングズ(ターニングムーンチャイルド・f40491)の言うことには、社長秘書として所属するメガコーポ『ルナティクス・コーポレーション』の女社長、
月下・カオリの依頼――超能力者狩り阻止作戦に協力して欲しいと言う。
「
社長は冷徹な女社長として振る舞っているが、根は繊細で本来割と生まれる世界を間違えたレベルでお人好しなのだよ。素直になれないお年頃の娘を助けると思って協力して欲しい」
因みに失礼ですが御年は。
「アラサーだなあ」
お年頃の娘、とは。
「それでも美人だぞ。やる気は出るだろ」
人によると思うよ。
「冗談はさておき、実際悪い話ではなかろうよ。何せ超能力者狩りの最前線に投入されるのはオブリビオンだからな。奴らを過去へと叩き返すことこそ我ら猟兵の本懐。違うか?」
それに放っておけば大量虐殺だ、と肩を竦めるカショウ。確かに放ってはおけない。
猟兵達が頷けば、カショウは一円玉サイズのバッジのようなものを猟兵達の服の何処かにぺたりと貼りつけた。静電気さえあれば強力な吸着力を発揮し貼りつく仕組みらしい。
「これはリアルタイムで社長の元に映像が届く小型カメラでな。皆にはこれを装着したまま現場に向かって貰う。戦闘終了までこれを着けておいてくれれば後日岩盤浴施設の優待客リストに全猟兵を登録するそうだ」
行ってる余裕あるかなあ。
「現場に着いたら、狩りの対象となった超能力者達の元へ向かって貰うが。対象はすぐに解ると思うぞ。何せ全員がアルビノの美少年美少女だ」
だが、それは自身を、大切な人を守る為の力を得る為に投与した薬物の副作用だ。後天的に色素が欠乏し、体力は驚くほどに低い。ギリギリ日常生活に支障が出ない程度のレベルだ。その代わり、超能力自体はかなり強力なもののようだが。
「無理はさせない方がいいだろう。何とか彼らの力は借りずに助けてやってくれ」
無事にオブリビオンを倒し、彼らを保護したら、ルナティクス所有の医療&リラクゼーション施設に彼らの家族ごと匿う用意があると言う。猟兵達もそこで一度、戦いの疲れを癒して貰って。
「で、最後の後始末があるわけだが」
今回の黒幕――
PD社から、超能力者達の足取りを完全に絶たなければならない。彼ら自身が再び危機に曝される可能性が残る他、逆にルナティクスが弱みを握られることも充分にあり得る。
「我としても社長としても、皆とはよい関係を築いてゆきたいと考えているからな。……その上の考えは解らぬが」
流石にトップであるCEOのことは、カショウ達にも情報が流れてこないらしい。社に顔を見せることもないようだ。余程秘密主義なのだろうか。
CEOのことは引っかかるが、今は肝心の後始末の方法だ。
「まあ警察との合同って辺りでお察しの通り、PDとの内通者が警察内にいるようだ。超能力者達の個人情報も警察のサイバースペースに登録されているらしいのでな。そこで待ち受ける番人ごと
焼却処分してやろうというわけだ」
そうして晴れて、超能力者達はルナティクスの庇護の下、安全が確保されることとなるわけだが。
「番人――飛鼠とやらがなかなか曲者でな。雇われの身であるが故に警察組織への忠誠心は低いが、ニンジャとしてその実力は折り紙つきだ。加えて何やら『隠し玉』があるようでな……決して油断はしないことだ」
そう告げるカショウの表情は、幼さの中にも老練たる風格を醸し出していた。
絵琥れあ
お世話になっております、絵琥れあと申します。
ひっそりとサポート優先シナリオを運営させていただきます。
(勿論、通常参加も望外の喜びですので歓迎いたします)
流れと詳細は以下の通りになります。
第1章:集団戦『キラー・ドローン』
第2章:日常『退廃世界のリラクゼーション施設』
第3章:ボス戦『飛鼠』
第1章では、超能力者狩りを行うキラー・ドローンを破壊、殲滅していただきます。
超能力者達は能力自体は強力ですが、体力が低い上に能力も連発出来ないようです。自衛は出来ますが、彼らに頼ることは考えない方がよいでしょう。
猟兵の皆様なら問題なく倒せるレベルです。さくっと終わらせましょう。
第2章では、医療&リラクゼーションスペースで戦闘の疲れを癒やしていただきます。
入れるのはリラクゼーションスペースのみで、超能力者達が休んでいる医療スペースには入れません。ご了承ください。
本物の香りに限りなく近い合成アロマによる癒しが売りで、温泉(岩盤浴含む)やマッサージ、仮眠スペースなどが存在しているようです。
第3章では、警察のサイバースペースに侵入し、個人情報を守る飛鼠との戦いになります!
通常の攻撃手段の他、隠し玉=超能力を駆使する強敵です。
具体的には『【超能力で不可視としたトガリネズミ型手裏剣】から【透明な液状の神経毒】を放ち、自身からレベルm半径内の敵の【心臓のポンプ機能】だけを攻撃する。』能力です。
サポート優先シナリオのため、調子や現行シナリオの進捗と相談しながら自分のペースで執筆していくことになるかと思います。
それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
※余談:お礼として行けるようになる岩盤浴施設は第2章の施設とはまた別の場所です。
第1章 集団戦
『キラー・ドローン』
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POW : スローター・ドローン
【抹殺モード】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【機銃掃射】を放ち続ける。
SPD : バトル・ドローンズ
レベル×1体の、【機体装甲】に1と刻印された戦闘用【重火器搭載型ドローン】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : ファイア・アタッチメント
【飛来する専用強化パーツ】と合体し、攻撃力を増加する【大型ビーム砲】と、レベルm以内の敵を自動追尾する【ミサイル】が使用可能になる。
👑11
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ギャレット・ディマージオ(サポート)
●設定等
ダークセイヴァー出身の冷静沈着な黒騎士です。
かつてオブリビオンに滅ぼされた都市で自分一人だけ生き残ってしまった過去を悔いており、人々を守り、被害を防止することを重視して行動します。
●戦闘において
「露払いは私が努めよう」
(敵に)「貴様らの技で、私が倒せるのか……試してみるがいい」
・牽制攻撃
・敵の攻撃から他の猟兵や一般人を守る
・敵の攻撃を回避してカウンター
・ついでに敵の強さを解説する
など、防御的・補助的な行動を得意とします。
メイン武器は「黒剣」です。
他は全てお任せします。
別の猟兵との交流や連携等も自由に行ってください。
どうぞよろしくお願いします。
ニノン・トラゲット(サポート)
『容赦なんてしませんから!』
『アレ、試してみちゃいますね!』
未知とロマンとお祭りごとを愛してやまない、アルダワ魔法学園のいち学生です。
学生かつ魔法使いではありますが、どちらかと言えば猪突猛進でちょっと脳筋っぽいタイプ、「まとめてぶっ飛ばせばなんとかなります!」の心で広範囲への攻撃魔法を好んでぶっ放します。
一人称はひらがな表記の「わたし」、口調は誰に対しても「です、ます、ですよね?」といった感じのあまり堅苦しくない丁寧語です。
基本的にはいつも前向きで、ネガティブなことやセンチメンタルっぽいことはあまり口にしません。
その他の部分はマスターさんにお任せします!
●
(「弱者が力ある者に虐げられる……そういった一側面は私の故郷とも似ている」)
ギャレット・ディマージオ(人間の黒騎士・f02429)は漆黒の兜に隠した瞳に、このサイバーザナドゥの闇を映してそう思いを馳せた。
しかし、この世界の性質の悪さは彼の故郷のそれとはまた別にある。身を寄せ合い、ドローンから身を守ろうとする超能力者の少年少女らの姿を見て、つくづくそれを痛感した。
「そこまでです! その人達に酷いことはさせません!」
ニノン・トラゲット(ケットシーの精霊術士・f02473)がその時、声を張り上げたが、保護対象の少年少女達には首を傾げられてしまった。どうやら長身のギャレットと並んでしまったせいで、ケットシーである彼女が視認されなかったらしい。
だが、ドローンは正確に二人の存在を感知すると、捨て置けば任務に支障をきたす相手だと判断したのか、標的を変えて襲いかかってきた。
二人を包囲するように布陣し、機銃と大型ビーム砲をガチャリと構える最中。
「詠唱を開始します!」
「……成程、承知した」
ニノンの言葉に、ギャレットは得心したように頷いて。
そのまま彼女を抱え上げると、敵の一機を片手で悠々振り上げた黒剣にて両断。少年少女達を促して、細い路地へと入っていく。
ギャレットが辛うじて通れる程度の細さで、しかも行く先は袋小路だ。観念しろと言いたげに、ドローンは追ってきた。
狙い通りだ。
「抹殺モードによる機銃掃射と、専用強化パーツによる砲撃か。確かに一般人や、ユーベルコードを使いこなせていない者では一溜りもないだろう。小さくとも侮れぬ相手だ……だが!」
ここは、通さない。
ギャレットの纏う気魄――否、神威が。
異端の神々の拒絶の力が、黒鎖となってドローン群を呑み込んだ。
そして、一直線上で身動きの取れなくなったところを狙って。
「まとめてぶっ飛ばしちゃいます!!」
白く燃え上がる一条の光線が、宣言通りに敵を纏めて貫き灼き尽くす――!
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
百地・モユル(サポート)
熱血で好奇心旺盛
本が好きな小学生
正義感が強く困っている人は見過ごせない
UCは業火の一撃や灼熱の束縛を中心に使用
攻撃には怪力、属性攻撃、2回攻撃、グラップルなどの技能をのせる
逆に敵の攻撃をからみんなをかばう、耐えるために
武器受け、挑発、おびき寄せ、時間稼ぎ、激痛耐性なども使用
敵に一撃入れられそうなら咄嗟の一撃や捨て身の一撃、カウンター
みんな大丈夫?助けにきたよ!
そんなの許せない、ボクの炎で焼き払ってやる!
技能の勇気、覚悟、気合いは常に発動状態
アドリブ絡み歓迎
サクラミラージュの影朧などの場合は説得もしたい
ティエル・ティエリエル(サポート)
◆キャラ特徴
ボクっ娘で天真爛漫、お転婆なフェアリーのお姫様です。
王家に伝わる細身のレイピアを使った空中からのヒット&アウェイで戦うのが得意な女の子です。
・冒険大好きお姫様
・珍しいものにも興味津々
・ノブレス・オブリージュの精神で弱者を放っておけないよ
・ドヤ顔がよく似合う
・困ったら動物さんに協力を!
◆戦闘方法
・背中の翅で羽ばたいて「空中戦」や「空中浮遊」で空から攻撃するよ
・レイピアに風を纏わせて「属性攻撃」でチクチクするよ
・対空攻撃が激しそうなら【ライオンライド】
・レイピアでの攻撃が効かない敵には【お姫様ビーム】でどかーんと攻撃
●
(「危険な薬に手を出してでも、大切な人達を護りたかった超能力者のみんな……」)
オブリビオンに囲まれ、危機に瀕している、美しいが不健康的で儚げな、超能力者達。
その姿に、百地・モユル(ももも・f03218)は拳を握り締めた。薬に頼らざるを得なかった境遇。強さと引き換えに脆くなったその身体で敵に立ち向かい、大切な人々を護り――その末路が、この超能力者狩りなのか。
義憤の炎が、その小さくも勇敢な心の中で燃え上がる!
「みんな、諦めないで! 今、ボクが助けるから……!」
身を寄せ合っていた超能力者達が、はっとモユルに視線を向ける。だが同時、超能力者達へと銃口を向けていたドローンが、一斉にモユルの方へ向きを変えた。
だが、今のモユルに恐れるものは何もない。あるとすれば、超能力者達が惨たらしく殺される未来だけだ。そんなことには絶対にさせない!
「さあ、ボクの炎で焼き払ってやる!」
ドローンは強化パーツを取り付け、モユルをミサイル砲で狙っている。ならば、仕掛けられる前に動くのみ!
「オーバーヒートでクラッシュしても知らないぜ!」
機械化された両掌を翳して、ドローン群へと向ける。すると灼熱の炎が獲物を狙う獅子の如く弾け、敵を呑み込んだ。
猛火の威力も然ることながら、その高熱でドローンの各機能を停止させ、動きを封じる。
そして――気づいていた。
ドローン群の、更に遥か上空。小さな身体を利用して、こっそりと忍び寄るティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)の姿があったことに!
「ノブレス・オブリージュの精神がなってないんだよ! ボクがしっかりわからせてあげるよ☆」
地位、権力。そして、力。それらを持ち合わせ、人の上に立つ者は、弱者を守り慈しむ存在でなければならない。それが高貴なる義務というものだ。
それが解らぬメガコーポには、虐げられる人々に代わってお仕置きだ!
未だ過熱に苛まれ、ドローンは索敵も碌に行えていないようだ。つまり、ティエルの存在には未だ全く気づいていない!
「外さないんだよ!」
不意打ちからの的確な刺突。
風を纏うレイピアは、今は敢えて風にその歌声を乗せず、沈黙を貫く。
妖精の影にも気づかぬまま、動けぬ敵は全て地に墜とし切る!
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
シホ・エーデルワイス(サポート)
助太刀します!
人柄
普段は物静かで儚げな雰囲気ですが
戦闘時は仲間が活躍しやすい様
積極的に支援します
心情
仲間と力を合わせる事で
どんな困難にも乗り越えられると信じています
基本行動
味方や救助対象が危険に晒されたら身の危険を顧みず庇い
疲労を気にせず治療します
一見自殺行為に見える事もあるかもしれませんが
誰も悲しませたくないと思っており
UCや技能を駆使して生き残ろうとします
またUC【贖罪】により楽には死ねません
ですが
心配させない様
苦しくても明るく振る舞います
戦闘
味方がいれば回復と支援に専念します
攻撃は主に聖銃二丁を使用
戦後
オブリビオンに憎悪等は感じず
悪逆非道な敵でも倒したら
命を頂いた事に弔いの祈りを捧げます
アルフィリア・ルッフランド(サポート)
ピュアリィ「フェライン」のバーバリアン×パラディン、16歳の女です。
普段の口調は「敬語(私、君、~さん、です、ます、ですよ、ですよね?)」、戦いになると「無口(私、君、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
(「……酷いことを」)
シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)が密かに拳を握り締めた、その隣。
「あの鳥のような機械が、倒すべき敵ですか?」
目覚ましい発展を見せながらも、汚染され切ったこのサイバーザナドゥという世界において、アルフィリア・ルッフランド(ノルウェージャンの獣人戦士・f41295)の存在は異質だった。
汚れがなさすぎるのだ。白銀にも似た灰の髪に毛並み、澄んだ青い瞳。白く細く靭やかな肢体に純白のドレスは余りに眩しすぎた。
そんな彼女に微笑ましい気持ちを覚えながら、シホは穏やかに優しく微笑んだ。
「はい。一緒に頑張りましょうね」
「ええ、よろしくお願いします」
アルフィリアも表情の起伏こそ薄いものの、ひとつこくりと頷く。そして二人、揃って討つべき敵と、護るべき少年少女達を見据えた。
「私は超能力者の方々の保護を行います。ですから……」
「解りました。では私が、敵を殲滅してご覧に入れましょう」
確かめ合い、二人同時に動き出した。
アルフィリアは駆けながら、靴を脱ぎ、その下に履いていたものも脱ぎ捨てた。裸足になり、軽くなった身体で一息にドローン群へと飛び込み、まるで舞うかの如く銀の斧を振るう。
その間にもシホは、超能力者達の元へと飛び込んだ。負傷した者に手早く手当を施し、彼らを背後に庇うようにして敵へと向き直る。
「もう大丈夫ですよ。私の後ろに隠れていてくださいね――守護翼、展開」
祈りを捧げるように、シホは胸の前で手を組む。
純白に輝く翼が広がる。巨大な翼は護るべき者達への盾となり、悪意を通さぬ結界となって包み込む。
「こちらの安全は確保しました、後は――!」
「ええ、これで心置きなく戦いに集中出来るというもの――!」
靭やかに、軽やかに。
アルフィリアがひとつ、銀を閃かせるごとに、ドローンが墜ちてゆく。
描かれた銀の三日月が全て消える頃には、ドローンの姿は空になく。ただ、その成れの果てたる残骸が、散らばっているばかりであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 日常
『退廃世界のリラクゼーション施設』
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POW : 様々な効能の温泉
SPD : エキサイティングなゲーム
WIZ : 高級食材に舌鼓
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アンガンチュール・アルヴィトル(サポート)
えっと…エンジェルのバロックメイカー×死霊術士、28歳の女です。
普段の口調は「僕っ娘(僕、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」。
大切な人には「少女(わたし、あなた、~さん、ね、よ、なの、なの?)」です。
吃音気味です。
…自分で言うのもなんですが、基本的に怖がりで、慎重に動く事を好みます。
自分で何かしようとすると高確率で失敗すると思っているので、可能な限り召喚したバロックレギオンにやらせたがります。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
絡みOK、NGなし。
あとはおまかせします。よろしくおねがいします…。
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「こ、ここまで来れば安全……だと、思います」
召喚したバロックレギオンに安全なルートを辿らせ、アンガンチュール・アルヴィトル(ブロウクンハート・エンジェル・f34491)と超能力者の少年少女とその家族達は指定された施設へと辿り着いた。
正直なところ、アンガンチュールは過去のトラウマから自分に自信がなく、特にその意思決定を酷く恐れるようになっていた。大抵のことはバロックレギオンに任せておかないと、不安でどうしようもなくなるレベルだ。
だからこそ、戦闘の必要がなく避難誘導、というより道案内だけ、それも指定された場所に向かえばいい、今回の仕事は比較的気が楽だった。
少年少女にその家族と別れて、リラクゼーションスペースへ向かう。しかしどうにも手持ち無沙汰になってしまって、ちょこんと隅っこの椅子に腰掛けていると。
「猟兵の方ですね?」
「……あ、……え、えっと、僕……」
施設で勤務しているのであろう女性に声を掛けられ、思わず固まってしまう。
「この度は、ご協力に感謝いたします。どうぞ当施設で疲れを癒していってくださいませ」
「で、でも僕、戦ってはいなくて」
「超能力者の皆様を、無事に案内してくださったと聞いています」
「……ええと、」
そう言ってくれるのはありがたいが、何だか居た堪れない。
女性もそんなアンガンチュールの様子を察したのか、話題を変えてくれた。
「あちらにアロマハンドマッサージのコーナーがございます。軽めで時間も掛かりませんので、是非体験していってくださいませ」
「……あ……」
それだけ言って、女性は行ってしまった。
アンガンチュールはたっぷり悩み、それから小さなバロックレギオンを喚び出して。
「い、行ってもいいのかな」
小動物のようなバロックレギオンはひとつ首を傾げて、それからぴょんとハンドマッサージコーナーに向かってしまった。
それを追いかけて、結局マッサージを受けることになったアンガンチュールであった。
終始気が気ではなかったが、マッサージは気持ちよかった。
成功
🔵🔵🔴
陽環・柳火(サポート)
基本的にはのんびりまったりイベントごとを楽しむ。
酒を飲むのが好きなので、その場所の地酒が飲めるようなら、そういったものを探す。
食事も酒につまみになりそうなものを好んで食べます。
復興の手伝い系であれば、口は悪いながらも面倒見よく手伝います。能力値的に力技が得意ですが、護符衣装の護符を使った小技や、猫車(バイク)を利用した輸送系などが出来ます
●
陽環・柳火(突撃爆砕火の玉キャット・f28629)小さなバーカウンターのスツールにひょいと腰掛けて。
「なあなあ、その後ろの棚に並んでるのは薬酒か?」
「はい、その通りでございます」
バーテンダーらしき男性に問えば、肯定が返ってきたので。
「注文って出来んのか?」
「こちらのメニューからお選びください」
「よっしゃ!」
薬酒と言うと、何かと味が悪いとか癖があるとか、そういったイメージがあるが。
酒好きの柳火は知っているのだ。最近の薬酒は昔と違い、飲みやすく工夫がされているものも出てきているのだと。特に合成食品が広く普及しているこのサイバーザナドゥなら、味の調整はお手の物だろう。
そう踏んで頼んでみたのだが、これが正解だった。
「こりゃあ……ジンジャーエール割りか?」
「はい。果実酒割りや薬酒ワイン、薬酒ビールなどもございます」
「へえ……飲み比べてみるのもいいな」
「心ゆくまでお楽しみください。飲み過ぎはよろしくありませんが、酒そのものの健康に良い効能を引き出せるように、薬も配合してありますから」
「良薬は口に苦し……なんて言うが。ここじゃあそうとも言えないみたいだな?」
左様でございます、とバーテンダーが言うので。
柳火は存分に、楽しむことにしたのであった。
成功
🔵🔵🔴
ステラ・カガミ(サポート)
『よろしくね。』
人間のシンフォニア×サウンドソルジャー、19歳の女です。
普段の口調は「年相応の少女口調(あたし、~くん、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、偉い人には「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
踊り子兼歌姫なので歌ったり踊ったりすることが大好きです。
明るく好奇心旺盛な性格で、自慢の歌と踊りで旅費を稼ぎながら世界を回っています。
戦闘では歌や踊りを使っての援護に回ることが多く、ユーベルコードもそれに準じた使い方をします。
描写NGはありませんので、あらゆる用途で使って頂いて大丈夫です。
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「はぁあ……気持ちいい……♪」
ステラ・カガミ(踊り子兼歌姫・f14046)はマッサージコーナーでアロママッサージを受けていた。
猟兵であり歌姫であり、そして旅暮らしの踊り子でもあるステラにとっては身体が資本。踊りを生業にするからこそ、適度にメンテナンスを行わなければならない。
筋肉が程よく解れ、アロマの香りも好みのものを選んでくれて、まさに至福の時間だった。セラピストも女性で安心安全、何を気にすることもなく日々の疲れを癒すことが出来た。
マッサージを終え、マッサージコーナーから出てきた時には驚くほどすっきりした気分で、身体も軽くなったようだった。今なら何時間でも踊ることが出来そうだ――勿論もののたとえではあるが、本当にそう感じるほど心身共に軽やかだった。
(「うんうん、思い切ってマッサージ受けてみてよかった! 猟兵としても、踊り子兼歌姫としてもこれからますます頑張れそうかも!」)
繁栄の光と退廃の影が入り交じるこのサイバーザナドゥにも、心安らげる場所はある。
ステラにとってのこの世界の見方が、少し変わったような気がしたひとときだった。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『飛鼠』
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POW : 奥義『カクイドリ』
【ニンジャブレードによる斬撃】【重力反転】【義体脚部による蹴撃】を組み合わせた、レベル回の連続攻撃を放つ。一撃は軽いが手数が多い。
SPD : 天地無用・フェノメノン
レベルm半径内を【重力が反転した領域】とする。敵味方全て、範囲内にいる間は【反転重力を活かした全ての行動】が強化され、【飛行または浮遊しての行動】が弱体化される。
WIZ : バットストーム・ジツ
【重力操作の術】を宿した【多数の投擲武器】を射出する。[多数の投擲武器]は合計レベル回まで、加速・減速・軌道変更する。
👑11
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徳川・家光(サポート)
『将軍なんだから、戦わなきゃね』
『この家光、悪は決して許せぬ!』
『一か八か……嫌いな言葉じゃありません!』
サムライエンパイアの将軍ですが、普通の猟兵として描写戴けると嬉しいです。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使いますが、全般的に「悪事を許せない」直情的な傾向と、「負傷を厭わない」捨て身の戦法を得意とします。
嫁が何百人もいるので色仕掛けには反応しません。
よく使う武器は「大天狗正宗・千子村正権現・鎚曇斬剣」です。
普段の一人称は「僕」、真剣な時は「余」です。
あとはおまかせです!
バルタン・ノーヴェ(サポート)
「ご安心くだサーイ! ワタシが来マシタ!」
ご用命あらば即参上! アドリブ連携歓迎デース!
普段の口調:片言口調(ワタシor我輩、アナタ&~殿、デス、マス、デショーカ? デース!)
戦闘スタイル:白兵射撃の物理系
各種武装の中から敵に有効なものを選択して用いてくだサーイ!
刀も銃器も、内蔵兵器や換装式ウェポンも、何でもOKデス!
アタック重視でもディフェンス重視でも対応可能デース!
斬り込み、爆撃、弾幕を張ったり、パリィ盾したり、臨機応変に立ち回りマース!
指定ユーベルコードが使いづらいなら、公開している他のものを使用しても問題はありマセーン!
オブリビオンを倒して、ミッションクリアのために力をお貸ししマース!
●
さて、超能力者達が避難先で体力を回復している間。
猟兵達は、彼らとその身内の個人情報を抹消すべく、警察のサイバースペースに侵入したわけであるが。
「おっと、お客さんかい?」
頭上から降る言葉と共に、徳川・家光(江戸幕府将軍・f04430)の足元に、苦無が一本突き刺さる。
挨拶代わりのつもりだろうか。天井には飛鼠と思しきニンジャの男がぶら下がっていた。
「いいね、退屈してたところだ。丁重にもてなしてやるよ……ニンジャ流にな」
やはり奴を倒さねば、目的は達成出来そうもない。
「今回もよろしくお願いしますね、バルタンさん」
「Yes! 任されマシタ!」
同行していたバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)もやる気は充分。調子も絶好調のようだ。
「へえ、余裕じゃん? けど……こいつはどうだい?」
飛鼠が何かを投げる素振りを見せる。
あれは――視認出来ないが恐らく、先程のように苦無か、手裏剣か何かしらの飛び道具を投げている。一度その挙動を見ていた為にそれを察した家光が、さっと前に進み出た。
身体に何かが突き刺さる。身体が液状の何かに濡れていくのを感じる。
「Oh! 毒液デスネー! 無事デスカ家光殿?」
家光の様子を確認するバルタンだが、特に慌てた様子もないのは。
それを受ける直前、家光が咄嗟に身体の力を抜いたのを見ていたからだ。
「はい、大丈夫ですよ」
「なっ」
驚愕したのは飛鼠の方だった。
その掌から毒素が全て放出されたのだから!
「ご無事で何よりデース! デハ、今度はこちらの番デスネー!」
依頼人の女社長は『
焼却処分』をご所望だ。
ならばオーダー通り、全て焼き尽くしてやろう!
「させるかよ、っと!」
当然、飛鼠は阻止を図る。
振り下ろされるニンジャブレードは、ファルシオン風サムライソードで弾き返し。
反転から繰り出される蹴撃もまた、返す刃で押し留め。
「人間に使うのはマジヤベェ、デスノデ通常時はしないのデスガ……今回はそういうオーダーということで、特例処置デース! 六式武装展開、炎の番!」
「は?」
バルタンのその言葉の意味を問いただす暇は、飛鼠にはなく。
火炎放射器からの火焔に、データ諸共呑み込まれたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
鈴乃宮・影華(サポート)
「どうも、銀誓館の方から助っ人に来ました」
銀誓館学園所属の能力者……もとい、猟兵の鈴乃宮です
かつての様にイグニッションカードを掲げ
「――
起動!」で各種装備を展開
友人から教わった剣術や
体内に棲む黒燐蟲を使役するユーベルコードを主に使用
TPO次第では
キャバリアの制御AIである『E.N.M.A』が主体となるユーベルコードを使用したり
『轟蘭華』や乗り物に搭載した重火器をブッ放したり
「
神機召喚――
起動!」からのキャバリア召喚で暴れます
例え依頼の成功の為でも、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
不明な点はお任せします
●
(「
地元にも忍者はいますけど」)
水練忍者や牙道忍者、そして龍陣忍者などとは別のベクトルで小説に出てきそうな忍者、もといニンジャだなと、飛鼠の姿を見た鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)は思った。
そんな彼女の胸中など露ほども知る由のない飛鼠は、不敵な笑みを浮かべている。
「どしたよオネーサン、こんなトコまで来てぼんやりしてると痛い目見るぜ?」
飛鼠が何かを投げる動作をする。
見えない。卓越した影華の技能を以てしても。
だが――気配を感じ取ることは出来る。
「それだけ解れば充分です――
起動!」
武装解放、リミッター解除。
熱線銃二門、その他各種大型装備を幾つも搭載した、大型武装プラットフォーム――『轟蘭華』を背負いながらも、その重量感を感じさせない軽やかな動きで不可視の手裏剣を見切り回避する!
「な、」
「超能力に頼りすぎですね」
「チッ……じゃあこれならどうだっ!」
頭上から降る斬撃を、黒の葬華の刃にて払う。
直後、ずしりと重くなる身体。見れば重力を反転させ落下の勢いを増した蹴りが影華を狙っている!
だが、影華は狼狽することなく、落ち着いて詠唱を始める。銀誓館学園の能力者として踏んだ場数は、伊達じゃない!
「彼の力を以て世界を固定する――風よ、暫しその自由な心を忘れ、彼の空へ舞い上がれ」
「うおっ!?」
重力によって増した重さすら凌駕する、黒燐蟲により発生させられた強烈な上昇気流。それは完全に飛鼠の身体を宙に打ち上げるが如く、真上に吹き飛ばした。
その時には既に、轟蘭華の銃口が飛鼠に狙いを定めている!
「貴方より優秀な忍者は、母校には五万といましたよ」
少なくとも、これを躱せないようでは彼らの足元にも及ばない――そう告げて撃ち出した熱線が、飛鼠とデータを焼き払う!
成功
🔵🔵🔴
響納・リズ(サポート)
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
おしとやかな雰囲気で、敵であろうとも相手を想い、寄り添うような考えを持っています(ただし、相手が極悪人であれば、問答無用で倒します)。
基本、判定や戦いにおいてはWIZを使用し、その時の状況によって、スキルを使用します。
戦いでは、主に白薔薇の嵐を使い、救援がメインの時は回復系のUCを使用します。
自分よりも年下の子や可愛らしい動物には、保護したい意欲が高く、綺麗なモノやぬいぐるみを見ると、ついつい、そっちに向かってしまうことも。
どちらかというと、そっと陰で皆さんを支える立場を取ろうとします。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです
●
次いでサイバースペースに足を踏み入れた響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)の姿を見て、飛鼠は小馬鹿にしたように嗤った。
「何だよ、握れば折れそうなお嬢さんじゃん。偶然ここに迷ったってこたないだろーケド。戦えんの本当に?」
「そちらこそ、相手の力量を正しく測れないようでは足元を掬われますわよ」
確かに奴は強敵なのだろう。だからこその慢心がある、とリズは見た。
だから挑発には乗らず、冷静に相手の出方を見る。
「へえ、言うじゃん。じゃあまずは小手調べ、っと!」
重力を意のままに操り、それぞれがばらばらに、不規則な速度でリズへと向かう投擲武器。だが、その中に不可視のものが混ざっていることに、リズは気づいていた。
味方の猟兵が、戦いの中で見せてくれた。その予備動作を。あれに自分も対処しなければ。
「……背に腹は変えられませんわね」
あれを避けきれなくては話にならない。
そう判断したリズは、その一瞬で己の内に秘めた魔力を増幅させた。
諸刃の剣――それでも、続く味方に繋げる為に。
その為の一撃を、確実に入れる為に!
「ッ!?」
驚異的なスピードで、超能力で隠したものも含めて全ての攻撃を軽やかに回避したリズに、飛鼠が目を見開く。
そのまま跳躍、羽ばたいて飛翔。重力に物を言わせて天井にぶら下がったままの飛鼠へと。
聖なる力を込めた、全力の魔法をぶつける!
成功
🔵🔵🔴
ステラ・カガミ
これも行き掛かりの縁、あたしも協力するわ。
(決してチケット目当てじゃないからね)
とは言ってもあたしは踊り子兼歌姫、正面切ってのドンパチは苦手だからあたしの歌と踊り(シンフォニック・キュア)での皆の援護に回るつもりよ。
露出度の高い華やかな舞台衣装を着て普段のステージと同じように全力で頑張るわ。
それと、アドリブ・連携何でも大歓迎よ。
どんどん動かしてちょうだい、その方があたしも面白いから。
踊り子兼歌姫・ステラのステージ、楽しんでいってね。
キノ・コバルトリュフ
キノキノ、火力が足りないんだって?
だったら、焼き舞茸はいかが?
キノ!バルくんどんどん焼いていくよ!!
トリュフ!バルくん、いい焼き加減だね。
キノも奉納の舞いを頑張っちゃうよ!
マツタケ!!おいしく焼けたかな?
●
「さて、これも行き掛かりの縁、あたしも協力するわ」
何せ施設でリラックスして絶好調。そのまま、ステラ・カガミ(踊り子兼歌姫・f14046)も続く作戦に同行したというわけだ。
……いえ、決してチケットが目当てなわけではないのです。本当ですよ。
(「……とは言っても」)
ステラは踊り子兼歌姫である。正面切って敵と肉弾戦を繰り広げたり、解りやすく魔法で派手な一撃を叩き込むような戦い方は得意としていない。
そんな彼女の得意分野は勿論、歌と踊りによる援護や支援だ。露出度は高いがその分身軽で、華やかな舞台衣装を身に纏い、普段のステージと同じく、敵も味方も魅せるような戦いを。
さて、肝心の援護対象であるが。
「キノ! 火力が足りないと聞いて!」
はいっ、と挙手しながらやってくるキノ・コバルトリュフ(
キノコつむりの星霊術士・f39074)。その手には何故か舞茸が握られている。
「秋はキノコが美味しい季節だからね、焼き舞茸をお届けに来たよ」
神火大嵐舞でどんどん焼いていきます。ついでにデータも
焼却処分という寸法さ!
「トリュフ! 今日もいい焼き加減だね、バルくん!」
キノが奉納の舞を踊るのに合わせて、星霊バルカンがぐるぐると周り炎の渦を巻き上げていく。
「チッ……舐めやがって!」
流石に余裕がなくなってきたのか、焦りから先程までの皮肉げな調子が出なくなっている様子の飛鼠。
まずはキノの奉納の舞を阻止しようと、不可視のものも含めて投擲武器をお見舞いしようとするが。
「そうはさせないわよ」
キノに合わせて、ステラも和ものの舞を踊り始める。そして歌うのもまた、古き良き和の調べに乗せるようにして。
すると、キノの身体に刺さった投擲武器がぽろりと落ち、見る見る内に傷が癒えていった。毒素までもが心臓に行き渡る前に浄化され、まるで何事もなかったかのように。
「踊り子兼歌姫・ステラのステージ、楽しんでいってね」
「く……ッ」
「エリンギ! こっちの舞も頑張っちゃうよー」
ステラのパフォーマンスが味方を癒し、キノの舞がバルカンの火力を高め――攻めと癒しが途切れず続く今、最早飛鼠には、手がつけられない。
「くそ、くそ……ッ! ぐ、ああああああッ!!」
遂に炎が、飛鼠ごとデータを呑み込んだ。
これで超能力者達と、ルナティクスが今すぐ危機に晒されるような事態は起こらないだろう。
「さっ、行きましょ。立つ鳥跡を濁さず、ね」
「キノ! 舞茸も沢山焼けたよ!」
一仕事、やり遂げた少女達は軽やかに、サイバーシティを駆けていく――。
大成功
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