殲神封神大戦⑩〜輸攻墨守
●止められるか、猟兵よ
「皆様、お集りいただきありがとうございます。世界コードネーム:封神武侠界にて、オブリビオンの出現が確認されました」
シスター服に身を包んだグリモア猟兵が、自分の呼びかけに応じてグリモアベースに集った猟兵達へ語りだす。
「予兆を見た方も多いでしょう。自立型オブリビオンマシン、哪吒が現れました。皆様には、速やかに撃破に動いていただきます」
自身を『殲禍炎剣の代行者』と語ったかの強大なオブリビオンは、建業という都市にて着々とカタストロフを引き起こす為の準備を進めている。
「殲禍炎剣を知らない方も居るでしょうか? ホーリーグレイル……クロムキャバリアに存在する、高速飛翔体を無差別砲撃する暴走衛星兵器です」
それと同じような性質を持つ兵器こそ、哪吒が打ち上げようとしている『九竜神火罩』である。
衛星軌道上から無限にレーザーを放つ大量殺戮兵器の展開を許してしまえば、フォーミュラが起こすカタストロフに等しい世界の破滅を引き起こしかねない。
「哪吒自身が語る通り、彼の成功は世界の破滅に直結します……絶対に阻止しなくてはいけません」
フォーミュラである張角を守る結界の要の一つであると同時に、自分自身が世界を揺るがす恐るべき存在……それが哪吒というオブリビオンであった。
「哪吒は体高5mの自律型オブリビオンマシン。巨体に見合わぬ俊敏さから先手はまずあちらに取られるでしょう。弱点らしい弱点もない、途方もない強敵です」
しかし、今回に限っては哪吒にも急所と呼ぶべきものがある。
打ち上げようとする衛星兵器、『九竜神火罩』そのものだ。
「哪吒がどれほど強くとも、兵器はただの兵器です。皆様が『九竜神火罩』を狙えば、それを守らねばならない哪吒の負担は大きく増えるのです」
無論、それが分かった上で止められるかと予兆で挑発する哪吒の力は侮れない。
弱みを突いてなお強大な敵との、苦しい戦いになることは間違いない。
「それでも、これは負けられぬ戦いです。どうか、あの世界をお救いください」
そう、言葉を結び頭を下げる女の手からグリモアが零れ落ち。
その光が強く瞬いた瞬間、猟兵たちの身体は世界を越えた建業の都に転移していくのであった。
北辰
OPの閲覧ありがとうございます。
哪吒かっけーってなってます。北辰です。
いよいよ幹部戦です。
このシナリオでの相手はオブリビオンマシン・哪吒!
ボスらしく先制攻撃をしてくる上、さしたる弱点も持たないまさしく強敵です。
その上、企むは衛星兵器によるカタストロフ。決して負けてはならない戦いとなるでしょう。
OPの通り、哪吒の唯一と言っていい弱みは衛星兵器そのもの。
兵器を守らねばならない敵の制限を上手く利用して戦っていただきたいと思います。
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プレイングボーナス……哪吒が九竜神火罩を守護する状況を利用し、哪吒の先制攻撃に対処する。
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敵に守るものがあるという戦いは中々ありませんね。
新鮮でちょっと楽しみです。
それでは、炎による世界の破滅を防ぐため。
皆様の勇気あるプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『オブリビオンマシン『哪吒』』
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POW : RX金蛟剪(きんこうせん)
【二刃一対のハサミ型刀剣兵器】が命中した敵から剥ぎ取った部位を喰らう事で、敵の弱点に対応した形状の【新型オブリビオンマシン】に変身する。
SPD : EP風火輪(ふうかりん)
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【両足の火炎車輪型フロートユニット】から【火炎竜巻】を放つ。
WIZ : RXS-A乾坤圏(けんこんけん)
【腕】を向けた対象に、【空飛ぶロケットパンチ】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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メサイア・エルネイジェ
よくもこんな物騒なものを持ち出してくれましたわね!
ぶっ壊してさしあげますわ
開幕ロケパンですわ!鬼ホーミングですわ!
なんですヴリちゃん?なら撃ち落とせと?
なるほど!攻撃は最大の防御ですわね!
ガンフューラーユニットフルバーストですわ!
哪吒よりも九竜神火罩を狙う方が得策のようですわね
でも庇われるのが目に見えてますわ
ヴリちゃん、滅亡の光を使いますわよ
チャージが終わるまでは他の武器で九竜神火罩を撃ちまくりますわ
弾が無くなるまではチャージし続けますわ
回避は捨てますわ
ロケパンは撃ち落として対処ですわ
チャージが完了したら哪吒に庇われても構わず発射ですわ
火力の暴力で無理矢理ぶち抜きますわ!
おくたばり遊ばせ!
●わずか
「よくもこんな物騒なものを持ち出してくれましたわね!」
「サイキックキャバリア。九竜神火罩の力は十分に理解しているようだな、猟兵よ」
開口一番に怒りの声を上げるのは、哪吒の推察通りクロムキャバリアから来た猟兵、メサイア・エルネイジェ(放浪皇女・f34656)だ。
生まれた頃から殲禍炎剣に見下ろされる世界で生きてきた彼女にとって、かの衛星兵器の恐ろしさは不本意ながら身近なもの。
故にこその怒りに燃える彼女の駆る恐竜のような姿をした特異なキャバリア、ヴリトラはまさしく噛みつかんばかりの勢いで哪吒に対峙する。
「ッ、開幕ロケパンですわ!?」
が、それよりも更に哪吒の動きが早い。
業火を推進力に飛翔するロケットパンチの速度は凄まじいと言う他ない。ホーミング性能も考えれば、射撃戦能力強化仕様として重武装を積んだ今のヴリトラが回避するのは極めて困難であろう。
「なんですヴリちゃん? なら撃ち落とせと? ……なるほど! 攻撃は最大の防御ですわね!」
故にメサイア、いや、彼女と繋がるサイキックのパスで伝えられたヴリトラの選択は極めて前のめりなものだった。
ロケットパンチが迫る刹那、敢えて重心を落とし“反動”に備える姿勢を取ったヴリトラの装備する各砲門が開かれる。
「ガンフューラーユニットフルバーストですわ!」
膂力に優れたヴリトラを持ってなお大きな反動によって身を震わせる圧倒的火力量。
シンプルなマシンガンにビーム砲、果てはミサイル弾に至るまでのありとあらゆる武装を全力で叩きつける。
サイキックキャバリアとしての細かな制動も合わせロケットパンチに叩き込まれたヴリトラの渾身の攻撃は、哪吒のユーベルコードを撃ち落とすことに成功する。
だが、そこまでだ。
「敵機の弾薬枯渇を確認。次弾、発射」
「そりゃあ、腕いっぱいありますものねあなた!」
純粋な機体性能で敵ユーベルコードを防いだメサイアの力量は見事なものだ。
しかし、哪吒の腕一本を押しとどめる為にすべての弾薬を吐き出したヴリトラに二度同じことは不可能。
無慈悲な事実の宣告と共に放たれる再びのユーベルコードが今度こそ彼女を仕留めるべく飛翔する。
「(……手は残っていますわ。ヴリちゃんの滅亡の光ならば)」
ヴリトラの主砲とも呼ぶべき国を灼く光。
既にチャージを開始しているこの力を使えば、もう一度哪吒の攻撃を防ぐことはできるだろう。
けれど、それで残るのは今度こそ力を使い果たしたヴリトラと、腕二本を失っただけの無傷の敵。
メサイアの中で、いくつもの選択肢が現れては消える。
そして、彼女が選ぶのは。
「ヴリちゃん、二連装砲を引っぺがしなさい! また今度新しいのあげますから!」
「……愚かな」
ヴリトラの強靭な爪が主の意に従い、自身の武装を引きはがす。
それを盾にせんとロケットパンチに投げつけるものの、哪吒の言葉通り、僅かに威力を削ぐだけに留まる。
そのまま直撃し炸裂する砲弾が、ヴリトラの身体を大きく傷つける。
「そのような小細工、大破が僅かに遠のいただけだ」
「――欲しいのは、その僅かですわ!」
だが、満身創痍のヴリトラはまだ戦闘不能には陥っていない。
回避も保身も捨て温存した主砲のチャージが、たった今完了した。
「いい加減お返しします、おくたばり遊ばせ!」
「高エネルギー砲……この軌道はッ!」
ヴリトラのコクピット内、自身も血を流しふらつきながらも眼の光を失わないメサイアの叫びと共に、極大の荷電粒子砲が放たれる。
その軌道は当然、哪吒の作戦の要となる九竜神火罩。
動けぬ衛星兵器を守る為には、誰かが間に入るほかない。
つい先ほどのメサイアと同じく回避を捨てさせられた哪吒の身体を、渾身のユーベルコードは容赦なく穿つのであった。
苦戦
🔵🔴🔴
ロラン・ヒュッテンブレナー
○アドリブ絡みOK
この世界の空に、あんな危ないものは、打ち上げさせないの
ぼくの全力で、阻止するの
アルターギアに自立プログラム(【索敵・空中機動・残像・ダッシュ】)を作成、正面から【空中戦】なの
ぼくはコクピットじゃなくて背面のスタビライザーの1つの影に、光学迷彩と【オーラ防御】の【結界術】で、隠れながら近づくの
被弾したら、わざと取り付いてるスタビライザーを切り離して残骸に見せ掛けて着地
自立して動くアルターギアに注意を引き付けてる間に、
【ジャミング】しつつ、狼の脚力を活かして、ばれないように近づくね
九竜神火罩を盾にして、【高速詠唱】でUCを【全力魔術】なの
もろとも、撃ち抜くよ
●おとり
「――弱い」
「くぅぅ……! それでも、この世界の空に、あんな危ないものは、打ち上げさせないの!」
伝説にすら語られるオブリビオンマシン・哪吒。
その力と、アルター・ギアと共に現れたロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)との間には残酷なまでの力量差が存在していた。
飛翔し、空中からの魔術弾を放つアルター・ギアに対して、九竜神火罩を守護する哪吒は地上に陣取ったまま対応する。
高度という明確なアドバンテージを取っているのはロランの方であるのだが、その攻撃は哪吒による鋏の一振り、拳一発でかき消されてしまう。
哪吒にとっては牽制であろう単純な火器にも体勢を崩しかけるロランが圧倒されているのは明らかであった。
――もっとも、実際に圧倒されているのはアルター・ギア“だけ”であったのだが。
「(ずっとは持たない……急がないと
……!)」
被弾し、一部が脱落し地上に落ちていくアルター・ギアのスタビライザー。
そこから音もなく跳躍し地を駆ける影こそ、本来コクピットにいる筈のロラン本人であった。
彼の取った戦略は単純明快。
自立プログラムにより自動戦闘を可能にしたキャバリアを囮にし、そこに自分が乗り込んでいると誤認した相手の不意を突く。
それこそ、キャバリア同士でもなお勝ちの目が遠い強大な相手に対する、ロランの用意した奇策であった。
「……おかしい。余りにも戦力が低すぎる」
「……ッ!」
だが、猟兵自身の乗らぬ自立プログラムでの戦いで相手取れるほど哪吒は甘い相手ではない。
なによりも、哪吒自身が猟兵を侮っていない。また一射、アルター・ギアに銃弾を叩き込む哪吒は既に相手に対する疑問と、その先にある答えに手を伸ばし始めていた。
「これは……間違いない、囮だな」
「(バレた!)」
そして、オブリビオンマシンの電子頭脳がその結論にたどり着くために要する時間は長くない。
アルター・ギアに期待した時間稼ぎの半分も過ぎぬまま、哪吒のカメラアイはいずこかに潜んでいるであろう猟兵本人を探し始める。
ロランが目指す目的の場所までは、もう少しの時間がかかる。
そして、その少しは。
「そこだな」
哪吒が生体反応を捉え、容赦なくユーベルコードを打ち込むまでの時間より、長いものである。
ロランが失敗する理由を語るとしたら、伝説に語られるほどのオブリビオンマシンに対して、自立プログラムによる時間稼ぎという無謀な策に出たことだろう。
「――居ない!? ジャミングかっ!!」
そして、成功の理由は。
光学迷彩を兼ねたオーラの防御に、機械を欺くジャミング技術。
その無茶を通すほどの、電子的技術の高さであろう。
「辿り、ついた……!」
電子的幻影に哪吒が気を取られたその刹那、今度こそ本当のロランがその姿を現す。
しかし、その場所は。
「貴様、九竜神火罩を盾に……!」
ここに来て、哪吒とロランの体格差がロランに利する。
破壊規模の大きい哪吒のユーベルコードでは、ロランを攻撃する前に九竜神火罩を壊してしまう。
よって、哪吒がロランを倒す為には、まず接近して肉弾戦に持ち込まねばならないのだが。
「ええい、邪魔をするな!」
「もう少しお願い、アルター・ギア! ぼくの魔術、受けてみて!」
再び立ちはだかるのは満身創痍の自立キャバリア。
それが哪吒を抑え込む間、詠唱が完了したロランのユーベルコードが射出される。
正と負の熱エネルギーをスパークさせた消滅の光は、哪吒の腕を容赦なく撃ち貫いていくのであった。
成功
🔵🔵🔴
トリテレイア・ゼロナイン
搭乗者を必要とするオブリビオンマシン
ですが、そちらは確固たる主体を持っているようですね
騎士として相手取るに不足無し
『哪吒』…その作戦行動、阻ませて頂きます
キャバリア:ロシナンテⅣを操縦
背部サブアームのライフルのスナイパー射撃で九竜神火罩を衛星軌道に上げるブースター狙い防御行動を誘発
敵に射線を塞ぐように接近させ戦闘機動を限定
RX金蛟剪の先制攻撃を剣の武器受けと盾受けで防御
…射撃戦型
Ⅳの射撃武装の威力が低いと分析しましたか!
猛射をスラスター全開の推力移動で躱しつつUC充填
これを当てるのは至難ですが…動かぬ九竜神火罩なら話は別
言った筈です、阻むと
超巨大光刃を振り抜き
割って入らざるを得ぬ哪吒に一閃
●優位
哪吒とは。
意思を持つオブリビオンマシン。
本来オブリビオンであってもパイロットの意思に沿い動くはずのキャバリアにおいてなお特異な伝説の怪物。
その在り方は、もはやキャバリアというよりも……。
「騎士として相手取るに不足無し。『哪吒』…その作戦行動、阻ませて頂きます」
堂々と姿を現した白きキャバリアロシナンテⅣ。
それを操るウォーマシン、トリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)にどこか重なるものであった。
「貴様も芸の無い、九竜神火罩狙いか!」
「ええ、貴方はいくらでもそれに付き合わねばならぬのでしょう!」
ロシナンテⅣに搭載されたサブアームのライフルが、衛星兵器を打ち上げるブースターを狙い撃つ。
機械武者の言は、どちらも正しい。
見えすいている狙撃は哪吒にあっさりと防がれる一方で、彼が防御行動を強制されたのも事実である。
敵の行動を誘導したトリテレイアは、キャバリアのスラスターを一気に解放し、その爆発的な推進力で哪吒へと肉薄していく。
ロシナンテⅣが持つ巨大剣がその勢いのままに振り下ろされ、迎え撃つ哪吒の鋏と衝突し、激しい火花が互いのカメラアイを灼く。
「なるほど……格闘性能だけならば私に比するな」
続く盾による殴打を脚部で受け流しながら哪吒が叫ぶ。
彼の分析に違わず、トリテレイアのロシナンテⅣはセンサー系と格闘運動能力を重点的に高めた肉弾戦仕様。
剣や拳の届く距離ならば、幹部格の有力オブリビオンにも引けを取らない性能を誇る優秀な機体である。
「だが、それだけで勝ちを譲る私では無いぞ、猟兵」
「盾ごと
……!?」
しかし、隔絶した性能を誇るのは哪吒も同様であり、彼の力は格闘戦に留まらない。
ロシナンテⅣの盾を切り裂いた哪吒の鋏から、哪吒の頭脳へと敵機のデータが送られる。
そのデータ分析を元に、敵の弱点に対応した新たな形態へと変身する彼の真価は此処から発揮されるのだ。
「……射撃戦型。Ⅳの射撃武装の威力が低いと分析しましたか!」
その変化が特に顕著なのは、哪吒の背面だ。
それより伸びるのは無数のサブアーム。
千手観音像の如き姿に変化した哪吒の複腕の全てには、敵を撃ち貫く熱線銃が備えられていた。
「貴様の弱点は二つ。射程距離と、一動作の長さだ」
「くっ、この手数は……!」
ロシナンテⅣが剣を振り上げ、猛烈な勢いで振り下ろすその間。
高められた運動性能によるその速度は決して遅くはないが、百を超える砲門からレーザーを放つ哪吒の手数とは比べるまでもない。
攻撃の為に振りかぶる動作を要する格闘戦において、哪吒の変形した連続射撃形態の優位は揺るがしがたく、トリテレイアは全力機動でその猛攻から逃れるのが精いっぱいだ。
このまま追い立てられてしまっては、距離を空けられて一方的に攻撃を受けることになるのは必至だろう。
「――充填、開始っ!」
だからこそ、此処で切るべきは哪吒にないロシナンテⅣの優位性。
パイロットである、トリテレイアの力だ。
「高エネルギー反応!? そのようなそぶり……搭乗者か!」
「言った筈です、阻むと」
キャバリアではなく、パイロットからのエネルギー供給で展開される疑似フォースセイバー。
キャバリアの内側への警戒が不足していた哪吒の虚を突き発動されたユーベルコードの切っ先は、当然オブリビオンの守る衛星兵器に向けられる。
「当てにくい兵装ですが……今この時はそうではありませんよ!」
「おのれ、小癪な……!」
哪吒は、この充填が始まる前にコクピット内のトリテレイアを仕留めるべきだった。
その選択の過ちの代償が衛星兵器に迫る中、彼は意を決して光刃の前に介入するのであった。
大成功
🔵🔵🔵
朱鷺透・小枝子
殲禍炎剣は打ち上げさせない!
カタストロフは起こさせない!!戦え、主よ!!!
亡国の主を【操縦】
人工魔眼の動体【視力】でロケットパンチを捉え【瞬間思考力】で処理。
避けずに、竜骨爪でパンチを【武器受け】し【怪力】で押しとどめ、九竜神火罩へ向けて【呪詛ブレス攻撃】
うううああああああ!!!!
『戦場の怪談』呪詛ブレスの霊物質を増幅。
膨大な霊物質とサイキックエナジーの【念動力】で止めに入った哪吒を拘束無力化し、スラスター【推力移動】突撃!受け止め無力化したロケットパンチの拳に神器:雷降拳銃の雷を流し込み、哪吒へ【属性攻撃】
壊れろぉおオオオ!!!
流し込む雷を【限界突破】、急制動で哪吒と拳から離れ、爆破させる!
久遠寺・遥翔
連携アドリブ歓迎
俺の愛機イグニシオンに[騎乗]して戦う
これまで蓄えた[戦闘知識]と研ぎ澄まされた[視力]からなる観察で
相手が衛星を守護することも念頭に置いて動作予測
さらに[第六感]をも加えた心眼で予想外の動きも[見切り]
[残像]を捕らえさせる形で敵の先制攻撃を回避
さらに[オーラ防御]と[結界術]による多重障壁で守っておく
まぁ当たっても[火炎耐性]である程度は弾くけどな
先制攻撃をいなしたら反撃だ
オーバーフレームとアンダーフレームに分離してUCを起動
高速で大地を駆けながら連携[2回攻撃]で攻め立てるぜ
哪吒と発射台それぞれを狙って攻撃、庇って隙を見せたら再度合体して[斬撃波]で両断だ
白幡・修理亮
伝説に名高い哪吒太子とは、中華風ゴージャスロボだったのでござるか……!!
相変わらず一介の浪人が相手取るには酷な難敵でござるが、それがしは一人にあらず!!
それがし以上の手練れもおられましょう、あるいは違う戦場でも戦いは続きましょう。
そこで今回は、この霊的大甲冑『洩矢』に装備した霊的衝撃砲『G・御柱』にてつかまつる!!
敵が死守すべき九竜神火罩に狙いをつけて、撃ちまくるのでござる!
ただし射程はギリギリで、しかも位置は一定にとどまらず逃げ回る!
敵は無視するわけにもいかず、
あるいは自身を盾とするならそれもよし! 削りになりますゆえな!
決して自分のマシンの修理費をケチっているわけではござらぬぞ。
●爆散
「機体中破……予想以上の力だ、猟兵……!」
猟兵たちとの戦いで、哪吒の機体に刻まれた無数の傷跡。
自己を改変し、変形することで戦闘の継続こそ問題はないが、敵には確かなダメージが蓄積されている。
「しかし、吾を倒す事はお前たちの勝利を意味しない……この九竜神火罩が健在である限り!」
そう、猟兵たちが倒さねばならぬのは哪吒だけではない。
彼自身も張角を守る結界の解除に打倒しなければならない存在であるが、あの衛星兵器の打ち上げを許してしまえば、オブリビオン・フォーミュラを倒してもこの世界は破滅してしまうのだ。
いよいよ発射の準備が完了し、エンジンの駆動で震えだす九竜神火罩。
もはや、この戦場には一刻の猶予も存在してはいなかった。
「伝説に名高い哪吒太子とは、中華風ゴージャスロボだったのでござるか
……!!」
「そこか!? まず気にするの!」
その緊迫した雰囲気を壊すように声を上げたのは、家伝の鎧が憑依したキャバリア、G・洩矢に搭乗する白幡・修理亮(薪割り侍・f10806)だ。
思わずツッコミを入れてしまった久遠寺・遥翔(焔黒転身フレアライザー/『黒鋼』の騎士・f01190)も愛機イグニシオンに乗り込み、哪吒への警戒を強め戦闘態勢に移る。
「む、これは強そうな御仁! いよいよ大一番ですが、よろしくお頼み申し上げますぞ!」
「おう、そっちも頼むぜ……あと、強いのは俺だけじゃないさ」
たまたま居合わせた最新鋭機の姿に快活な声を上げる修理亮に対し、コクピット内で手をあげながら答える遥翔の言葉。
それが意味するものは。修理亮が問う前に、答えは現れる。
がしゃがしゃと鎧武者が走るような、しかしそれには大きすぎる足音。
「殲禍炎剣は打ち上げさせない! カタストロフは起こさせない!! 戦え、主よ!!!」
「おおおお!?」
味方である修理亮すらも驚いてしまうほどの威勢をもって現れるのは、ジャイアントキャバリア亡国の主を駆る朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)。
その雄たけびを狼煙に、既に哪吒の前にたどり着いていた男たちも武器を取り出し、哪吒へと向ける。
「揃ったか……決着をつけよう、猟兵よ!」
その戦意を、電子の心で感じ取り。
紅蓮の旋風を従えて舞い上がる哪吒は、威風堂々と猟兵を迎え撃つのであった。
「さあ、まずはこれを凌いでみせろ!」
スペックの暴力による高機動。
駆け引きではなく、純粋な速度で先手を取る哪吒から、火炎竜巻とロケットパンチが同時に襲い掛かる。
「敵も追い詰められて本気じゃのう! 十分に引き付けて……今!」
対する猟兵の反応はそれぞれだ。
キャバリア操作を専門としているわけではなく、今回は更に大きな火砲を持ち込んでいる修理亮は慎重そのもの。
無理に突っ込もうとはせずに、十分な間合いを取った上で大きくスラスターをふかして回避軌道を取る。
「って、流石に竜巻が大きすぎるでござらんか!? これは一寸躱しきれ……あら?」
「大丈夫か!? どうにか間に合ったみてぇだな!」
しかし、幹部格のオブリビオンのユーベルコードは多少の間合いなどものともしない。
想定よりも大きな破壊を伴い迫る火炎に焦りを見せた修理亮であったが、その竜巻はわずかに彼を外した軌道を飛び、結果回避に成功する。
「残像……! ならば、より多くを制圧するまで!」
「広さを取るなら……そんな攻撃に負けるイグニシオンじゃねえよ!」
その理由は、同じく火炎竜巻に対応していた遥翔がイグニシオンを操作し生んだ残像にあった。
キャバリア戦において、ロックオンを外されることは攻撃の成功を極端に阻害する。
惑わされ、修理亮も含めた攻撃を外してしまった哪吒が今度は両足から竜巻を繰り出し攻撃を仕掛けるものの、拡散し密度の減った攻撃に屈するようでは最新鋭機は名乗れぬと、イグニシオンが装甲に任せた裏拳で竜巻を散らしていく。
「熱への耐性か! しかし、我が拳の質量攻撃までは「させるかァ!」ッ!?」
そして、もっとも哪吒を驚愕させるのは小枝子であった。
炎に紛れ仲間を打ち抜こうとしたオブリビオンの拳を彼女の魔眼は見逃さず、その思考に攻撃に臆する弱気は存在しない。
真正面からロケットパンチの前に躍り出た亡国の主は、硬質ガントレットをもって見事に受け止める。
流石にユーベルコードの勢いが即座に殺される事は無いが、大地に轍を作りながらパンチに押されて後退していく小枝子はしっかりと攻撃を抑え込み、自分と仲間を守ってみせるのだ。
「今だ!」
そして、恐れ知らずの猟兵は小枝子一人ではない。
哪吒の攻勢が途切れたことを見切った遥翔がユーベルコードを発動し、イグニシオンの外部装甲が乖離する。
その変形していたオーバーフレームの正体こそ、彼の相棒たるバイク、フェンリルである。
「生身を晒すとは……!」
「おっと、拙者も居るんでござるよ!」
バイクに乗り込み走り出す遥翔を迎え撃とうとした哪吒に、火砲の一撃が突き刺さる。
射程ギリギリに陣取った修理亮は遥翔のユーベルコード発動をフォローしたのちに、今度は衛星兵器目掛けて砲撃を続けていく。
「さあ、拙者を捉えられるかな! ……決して自分のマシンの修理費をケチっているわけではござらぬぞ」
「おのれ、猪口才な!」
取れる限界まで距離を取り、ふらふらと動き回る洩矢はユーベルコードの高速移動も相まって非常に攻撃しにくい。
哪吒にしてみれば決して対処できぬ相手では無いのだが……今この瞬間においては、継続される砲撃とそれを排除する為に必要な時間と兵力が哪吒にとって途方もなく重いものであった。
「ナイスフォロー! さあ、俺からも行くぜ!」
ましてや、二機となった相棒を操り襲い来る遥翔からのアンカー射出や火炎放射も合わされば、九竜神火罩も守らねばならない哪吒は完全に防戦一方となる。
だからこそ、だろう。
「――うううああああああ
!!!!」
「エネルギ―反応、衛星を破壊する気か!? やむを得ん……!」
驚異的な性能を誇るオブリビオンマシンが、致命的なミスを犯したのは。
「これは
……!?」
パンチを凌ぎ切った小枝子が放った霊物質とサイキックエナジーによるブレス。
その正体は破壊をもたらす性質ではなく、哪吒が割って入る事を前提とした拘束のユーベルコードであった。
「よし、イグニシオン!」
それを見た遥翔は再び愛機を合体させ、漆黒の巨大剣を振りかぶる。
狙うは当然、動けなくなった哪吒とその背後の発射台だ。
「これで終わりだ、壊れろぉおオオオ!!!」
ブレスを放ち終えた小枝子は神器が宿す雷を無力化したロケットパンチに流し込み、即席の電磁こん棒としてオブリビオンへと叩き込む。
漆黒の刃が防御しようと前に出された腕を裂き、限界を超えた雷の塊となった拳が腹へと突き刺さる。
「ぐが、gagaga……! ――emergency! emergency!」
もはや身体はほぼ両断され、電流によって焼かれた内部頭脳から言語プログラムも失われた哪吒が、機械的な警告を流しながらも最後のあがきを行う。
猟兵とて、永劫には戦えない。
この猛攻をしのぎ切れば己が使命であるカタストロフにたどり着くと信じて、なりふり構わず剣と拳を抑え込む。
「……離れるでござる!」
瞬間、仲間からの叫びに、哪吒へと肉薄していた小枝子と遥翔が瞬時に飛び下がる。
その直後、後方にて膝をつき、完全な射撃姿勢を取った修理亮からの砲撃が、哪吒に突き刺さったままのロケットパンチへと突き刺さり。
「emergency! emergency! エマッ――」
その一撃が、拳に満ちる電気エネルギーの臨界点突破の最後の後押しとなり。
爆ぜ炸裂する衝撃は、哪吒の身体を今度こそ真っ二つに両断しながら吹き飛ばす。
九竜神火罩にも届くその爆風は、世界を滅ぼさんと発射の時を待っていた悪魔の兵器を爆炎に飲み込み粉砕するのであった。
大成功
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