18
触らぬ神に祟りなし

#クロムキャバリア #アルシェリア連合帝国 #旧帝国


●最終行動規則
 朕茲に緊急の必要ありと認め帝国憲法第七条第一項に依り帝国戦略魔導軍最終行動規則を裁可し之を公布せしむ。

 (御名御璽)

(勅令第四〇八号 帝国戦略魔導軍最終行動規則)
 皇室を含む帝国政府が無能力化した場合、または、帝国中枢への明確な戦略兵器行使が確認された場合、帝国戦略魔導軍は保有する魔導兵器の全倫理規制限を解除し、遅滞なく開放する義務を負う。この場合において、魔導兵器による浄化対象は帝国及びその同盟国を除く全ての国家及び集団である。

(附則)
 本令は公布の日より之を施行す。

●触らぬ神に祟りなし
「状況を説明いたします」
 集まった猟兵のもとにそれぞれの嗜好に合わせた飲料を給仕し終えると、金髪の奉仕人形ティー・アラベリアは壇上に上がり、猟兵達に告げる。
「クロムキャバリアに存在する国家、アルシェリア帝国の辺境部に存在する遺構において、過去に存在した国家に所縁を持つオブリビオンマシンの反応が観測されました。今回の依頼は、当該オブリビオンマシンの無力化と遺構の破壊となります」
 ティーの振るう銀の短杖の動きに呼応し、敵戦力の情報が虚空に投影される。
「敵戦力は既に滅亡した国家の忘れ形見。敵対する文明の浄化だけを目的とした生体キャバリアと自己増殖型のキャバリア、およびオブリビオンマシンとなります」
 笑顔を顔に張付かせたティーの口調は、どこまでも事務的であった。聞く者によっては酷薄さすら感じさせるソプラノは、淡々と状況の説明を続ける。
「大深度地下で封印されてい遺構が、アルシェリア政府による調査を原因として覚醒し、今は亡き主の最後の命令を遂行し始めた……といったところでしょうね。我が同類ながら、まったく律儀なことです」
 猟兵達が敵の機体情報を確認し終えたことを見て取ると、ティーは短杖を操作し、魔力によって編まれた三次元地図が投影する。
 周辺地形図に対して、予知情報と現地軍から提供された情報が統合された形で表示された戦況図に表示されると、猟兵達の間からどよめきが生じた。
 地を覆わんばかりの赤い光点。軍事的な侵攻ではなく、蝗害を思わせるような情景は、尋常なものではない。
 赤い光点の群れは狭隘な盆地に差し掛かっており、その盆地の先には広大な平野部と人口密集地たる大都市が広がっている。
 ティーは、今回の主戦場となる地図上の盆地を指し示し、告げる。
「現在、現地軍はこちらの隘路に流れる河川に沿った形で複線陣地を構築し、迎撃する準備を進めております。現地部隊が既に戦力展開を完了している他、即応軍に所属する一個重機甲師団が、現在増援として急行しております」
 アルシェリア帝国は地域大国と評価して差し支えない国家である。遺構暴走の報を受けた中央政府と軍組織の対応は、迅速と言ってよい。しかし、物理法則という制約はどこまでも残酷であった。
 ティーは短杖を操り、猟兵が介入しなかった場合の予想戦況推移を三次元地図上に投影する。
 現時点で展開が完了している一個旅団相当の戦力は、敵キャバリアの群れに瞬く間に蹂躙される。盆地を突破し、平野にあふれ出た赤い濁流は、増援として展開される予定であった一個重機甲師団相当の戦力をも飲み込み、後背の大都市に突入していく。敵の目的が文明の浄化であるならば、どのような惨劇が発生するかは想像に難くない。
「まず、皆さまには、現在味方戦力が展開しつつある複線陣地を維持していただき、味方来援までの時を稼いでいただきたく存じます。その後、味方部隊及び重砲の支援を受けつつ前進し、今回の目標たるオブリビオンマシンと遺構の無力化を実施いただければ幸いでございます」
「初戦の脅威は敵の量的な圧力となります。そのため、如何に面制圧を実施できるかが焦点となるでしょう。幸いにして陣地は複線化されておりますので、味方部隊との連携は容易であるかと存じます」
 一通りの説明を終えたティーは、相変わらず笑顔を張り付けたまま猟兵達に向き直り、告げる。
「ああ、それと。今回、敵キャバリア搭乗者の生死は考慮せずともかまいません。敵キャバリアの目的を考慮すれば、理由はお察し頂けるかと存じます」
 グリモアの輝きに照らされながら、奉仕人形はあくまでも笑顔で猟兵達を見送る。
「それでは、皆様のご武運をお祈りしております。どうかご無事で帰還なされますよう」


あーるぐれい
 ごきげんよう皆さま。あーるぐれいでございます。
 今回は、文明浄化を目的とした生体キャバリアの群れを撃退する防衛戦となります。
 味方が構築した複線陣地において敵の攻撃を頓挫させたのち、豊富な火力を背に受けながら楽しい逆撃を実施するシナリオとなっております。
 キャバリアは勿論、生身での参戦も歓迎しております。

 今回の目的は「オブリビオンマシンの撃破」となります。

●第一章
 味方の複線陣地において、敵キャバリアの大群を撃退することとなります。
 既に敵味方は混融し、乱戦状態となっています。
 しかし、陣地は複線化されていますので、味方との連携はある程度容易である状況です。
 陣地戦を考慮したプレイングや、敵の面制圧を図るプレイングは、プレイングボーナスの対象となります。

●第二章
 敵ジャイアントキャバリアとの戦闘となります。
 第一章に搭乗する敵に比して戦闘力は向上していますが、来援した味方師団の重砲や、キャバリアと戦車で構成される重機甲師団からの支援を受けることが可能です。
 上記状況を考慮したプレイングは、プレイングボーナスの対象となります。

●第三章
 敵オブリビオンマシンとの戦闘となります。
 サイキックキャバリアをベースとしたオブリビオンマシンは極めて強大な戦闘力を持ちます。
 しかし、遺構の守護を第一の目標としているため、付け入る隙は十二分に存在するでしょう。
 上記状況を考慮したプレイングは、プレイングボーナスの対象となります。

●プレイング受付期間
 各章とも断章投下後にプレイング受付を開始いたします。
 各章にプレイング受付締め切りを設ける場合は、MSページにてご連絡いたします。
 また、プレイングの採用方針や記載方針等についても、同様にMSページをご確認いただければ幸いです。
79




第1章 集団戦 『エヴォルグ量産機』

POW   :    ヴォイドレーザー
【口内から無作為に分岐するレーザー】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    リボルティックスピア
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【自身から分離した触腕】で包囲攻撃する。
WIZ   :    EATエンジン
自身の【エネルギー補給機能を起動。自身】が捕食した対象のユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、[エネルギー補給機能を起動。自身]から何度でも発動できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

※MSより:第一章断章投下は、12/8(火)を予定しております。もうしばしお待ちいただければ幸いです。
●制限時間付きの拮抗
 四肢を失ったキャバリアの骸が、荒涼たる地に横たわっている。
 その亡骸に腹部は食い破られ、冷却液を循環させるための管が臓物の様にまろび出ている。
 パイロットの運命は論ずるまでもない。愛機であったキャバリアと同様に、生きたまま捕食され、五体を引き裂かれた状態で生体キャバリアの電池として生かされ続けているのだ。
 その無残な姿は、蝗の如く迫る敵の群れに捕らわれた機体とパイロットの末路であった。
 しかし、その姿を目にしてなお、あるいは目にしているからこそ、兵士たちは死力を尽くして抗い続ける。自らの銃後にある者たちが、同様の末路を迎えぬために。
 
「全弾命中、敵キャバリア群沈黙!」
「煙幕弾発射、陣地変換!」
 イルサエル重工製160mm無反動砲を撃ち捨て、キャバリアの中隊が陣地を駆ける。
 一所に留まって抗戦を続ければ、生体キャバリアの群れから放たれる無数のレーザーに撃ち抜かれ、忽ちのうちに撃破される。よしんば爆散を免れたとしても、損傷によって動きが鈍った機体は、生体キャバリアの餌食となるのだ。
 戦闘開始からおおよそ一刻、アルシェリア帝国軍が数多の犠牲と引き換えに得た戦訓は、徹底した機動防御と火力集中以外に、この状況に抗う術はないという事であった。
 後退する小隊の背後、今まで彼らが展開していた前衛陣地に生体キャバリアから放たれる熱線が集中する。決して統制されたものではないが、その数の猛威は一般的なキャバリアとそのパイロットが抗えるものではない。
 放棄された前衛陣地に生体キャバリアがなだれ込み、前進速度が鈍ったその瞬間、大量の榴弾とクラスター弾がその直上で炸裂する。
 閃光と共に発生した熱と衝撃波は、機体を構成する人工筋肉を無意味な肉塊に変貌させ、機体に取り込まれたパイロットであった物を、その苦痛に満ちた生から解放する。
「前衛陣地周辺に敵影を認めず。中隊長殿!」
「陣地に復帰する!第二中隊、前へ!」
 偵察小隊からの報告を受けた中隊長は、すかさず部下たちに陣地復帰を命ずる。
 一分一秒でも長く、今ある陣地を維持する。すべては銃後にいるものを護るために。
 軍人たちの悲壮な決意と、あらん限りの火力に支えられた陣地線は、今この瞬間においては生体キャバリアの群れと拮抗しつつあった。
 限りある弾薬と、人命を代償として。
高砂・オリフィス
アドリブ、連携歓迎

んーっ、なるほどなるほど。戦力差をひっくり返すぐらい活躍すれば問題ないんだよね? まずは目の前のヤツらをなんとかしようか!
ん? 聞いてた聞いてた、足並みは揃えるよっ! 

あははっ、というわけで颯爽登場、ぴかぴかのぼくのクロムキャバリア!
頭しか発掘できてないけどそこは愛嬌でカバーさ! よろしくーっ

装備……おお!? うっそー!? 剣しかないじゃーん!? うわぁコレ信じられるーっ?!
んーま、これなら同士討ちとか誤射の心配はなさそーだし? 斬り込んで陣地をズタズタにする様に動いてみようか
こういう時こそ笑顔笑顔、あははっ!


牙・虎鉄
成る程。
これが鉄火場……いや戦場か。

《カカ 然り!!個の武なぞ易々と飲み込まれ兼ねぬ暴力の嵐!!弾と鉄と血と骸と命散る場よな!怖いか小僧?》

莫迦を言うなよ"シャンユエ"。
命を散らすつもりはないが
懸ける覚悟は出来ている。
俺は俺のやり方であそこに立つ。

《及第点だ――征くぞ小僧》
応。

"シャンユエ"を完全体として顕現し陣中に征く
この質量と敵の多さだ、一匹に多くの時間は掛けてられないだろう

飛翔する触腕は"捉月"(右腕)で受け流し、見切りつつ
"破山"(左腕)での武技一閃、"炸雷"。【グラップル×鎧砕き】

急所を打ち据え破壊する
完全破壊できなくとも最悪足止め出来ればいい――爆撃か火線が始末してくれるだろう。



●戦場清掃
 戦闘開始から数刻。盆地を流れる河川に沿って構築された前衛陣地の一角に籠る二〇四独立装甲旅団第二キャバリア大隊第三中隊の状況は、まさしく末期的であった。
「中隊長より各機へ、旅団砲兵は敵第5波の渡河阻止に失敗した。弾薬が残っている機体は配置に付け。我々は抗戦しうる限りこの陣地を維持する」
 既に現地部隊の消耗は極限に達し、砲兵はおろか陣地に籠るキャバリア部隊が使用する弾薬すら欠乏する状況にまで追い込まれていた。
 彼らが頼る武器は、残り少なくなった突撃銃の弾丸と、大体砲兵の散発的な砲撃。そして機体腰部にマウントされている超硬度金属のサーベルのみである。
「敵キャバリア群、突撃破砕線に到達!」
「各小隊、射撃始めッ!」
 猛烈な勢いで地を駆ける生体キャバリアの群れが、各部隊ごとに割り振られた火力集中領域に突入する。同時に降り注ぐは大隊砲兵と陣地に籠るキャバリアから放たれる突撃破砕射撃である。
 入念に構築された火力戦に捕らえられた生体キャバリアは、瞬く間に大小の砲弾に引き裂かれ、鉄と人工筋肉、血液燃料の混合物が大地を耕していく。
 しかし、弾薬不足に起因する火力の不足によって、生体キャバリアの進行速度は緩まない。黒い波と化した生体キャバリアは、仲間の亡骸を踏み越え、或いは共食いをしながら、浄化すべき人間たちが籠る陣地へと迫る。
「各機抜刀!敵が陣地へ踏み入る瞬間に一斉に突き刺せ!」
阻止射撃によって手持ちの弾薬使い果たした第三中隊は、腰部からサーベルを抜刀し陣地の縁へと身を寄せる。生体キャバリアが陣地の真上に差し掛かったタイミングで、一斉にサーベルを前へと突き刺し、敵手の腹部を切り裂く。
切り裂かれた腹部から、大量の血液燃料と用途のわからぬ有機部品が流れ出し、土埃で汚れ切ったキャバリアの装甲を赤黒く汚す。
統制された戦闘指揮が出来るのはそこまでであった。陣地に躍り込んだ巨大な怪物と鉄の巨人が刃を交え、完全な混戦へと移行する。
脚部を損傷したキャバリアが擱座すると、一斉に生体キャバリアが群がり捕食を開始する。金属が噛み千切られる不快な音が戦場に響くと同時に、群がった怪物を巻き込むようにキャバリアが爆散する。敵に食い殺される前に、搭乗するパイロットが自爆を選んだのであった。
陣地を護っていた兵士全員が玉砕の覚悟を決めたその時、陣地上空に眩い光が走る。
 転移によって真っ先に戦場へと到着したのは、高砂・オリフィスが駆るクロムキャバリア「ガオウ」であった。
「いっくよー!ぴかぴかのぼくのクロムキャバリア!」
 意気揚々と陣地内に降り立ったオリフィスは、すかさず愛剣である「哦王牙」を抜刀する。彼女の機体と同様に輝く刀身を敵に向け、ガオウは猛々しく突貫する。
陣地を護る第三中隊と白兵戦を繰り広げていた生体キャバリアの群れに躍り込んだガオウは、オリフィスの操縦よろしきを得て次々と敵機を両断していく。
「武器が剣しか無かった時はビックリしちゃったけど、これはこれで丁度よかったかなっ!」
 切り口も鮮やかに、次々と生体キャバリアを切り伏せていくオリフィス。陣地内部での乱戦であれば、猟兵とその機体が放つ火器は味方に対しても甚大な脅威となりかねない。その意味では、剣のみで縦横に駆け巡ることができるオリフィスとガオウはこの場において最適の存在であった。
 思わぬ援軍の到着に勇気付けられた第三中隊の兵士たちは、サーベルを握る手に力を込める。
「そうそう! こういう時こそ笑顔笑顔、あははっ!」
 兵士たちを鼓舞するように陣地を駆け巡るオリフィスとガオウ。血飛沫と肉片を跳ねのけながら道を切り開き、ヒトへの悪意のみで構成された群れをかき分けていく。
「さぁて、出だしは上々! お次の味方も来たみたいだしね」
 オリフィスが作り出した傷口を広げる様に登場するはもう一つの閃光。猛烈な勢いで飛び出し、敵を打擲するは、牙・虎鉄が操る魔神拳機「シャンユエ」である。
 一機の頭部を殴り飛ばし、回し蹴りで周囲の敵を吹き飛ばすと、虎鉄はコクピットの中で攻撃の感触を確認する。
 敵を攻撃したときの感触。即ち、有機物である生体キャバリアの装甲と、内部にある人工筋肉がつぶれ、骨格が砕ける感触が、生々しくその手の中に残っている。
 しかし、その感覚に何らかの感情を抱く間もなく、四方から大量の生体キャバリアの触手が刃となってシャンユエに迫る。
 不規則な機動を描いて迫る攻撃を、接触寸前まで引き付けた虎鉄は、絶妙なタイミングでシャンユエを跳躍させ、回避することに成功する。
「これが鉄火場……いや戦場か」
《カカ 然り!!個の武なぞ易々と飲み込まれ兼ねぬ暴力の嵐!》
 オブリビオンマシンたるシャンユエは、主の独白に呵呵大笑をもって応じる。宙を舞う虎鉄とシャンユエの眼下には、鋼鉄の巨人と巨大な怪物たちが殺し合う戦場がある。そこにはただ、純然たる暴力が支配する修羅の巷であった。
「莫迦を言うなよ"シャンユエ"。命を散らすつもりはないが、懸ける覚悟は出来ている」
 自身の僕たる魔神拳機に啖呵を切る虎鉄は、空中で機体の体勢を変更し、落下地点に群がる生体キャバリアの群れに、再度拳を打ち付ける。
「俺は俺のやり方であそこに立つ!」
 主の答えに満足した様に、シャンユエは自らの身体から奔放に闘気をあふれさせる。
《及第点だ。 ――征くぞ小僧》
「……応!」
 かくの如くして、虎鉄とシャンユエは人機一体の阿修羅と化した。
虎鉄の闘気に気圧されたように一斉発射された触手の刃を、右腕「捉月」によって受け流し、雷と化した闘気を左腕「破山」より投射する。虎鉄の技量とシャンユエの能力によってのみ実現可能な武技、その名を「炸雷」。放たれた雷光は敵の群れを一閃し、人工筋肉を焼き焦がしていく。
「――疾ッッッ!!」
残身を取りながら戦果を確認し、攻撃の有効性を確認した虎鉄は、呼吸を整え連続して超常の絶技を連発する。
陣地を圧していた生体キャバリアの群れは、絶え間なく投射される雷光によって動きを制圧され、その隙を突いた第三中隊の機体によって次々に撃破されていく。
「あはっ! すごいすごい、ぼくも負けてられないね!」
 虎鉄とシャンユエの動きに感心しつつ、オリフィスとガオウもまた縦横に陣地を駆ける。
 軽快な動きで生体キャバリアを翻弄し、ある時は豪快に、またある時は優雅さすら感じる動きで敵を両断するオリフィス。この戦闘を通して、血液燃料の飛沫が彼女とガオウの周囲から消えることはなかった。
 かくして、刃と武技の嵐は、生体キャバリアの濁流を押しとどめることに成功する。
 オリフィスと虎鉄は、少なくない数の機体と人命を救うと同時に、崩壊の淵にあった陣地の一部を護ることに成功したのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

荒谷・ひかる
なんて、おぞましい敵……!
あんなもの、一体たりとも都市へ向かわせてはいけません!
この場で、残さず駆逐しますっ!

Guardian Spiritに搭乗し現場の陣地へ急行
低空を浮遊し、俯瞰視点から敵味方の配置をきちんと把握
その上で【本気の炎の精霊さん】発動、総計920本の炎の槍を生成
それらを自分から半径92m以内の敵へ向け一斉に放ち、一気に焼き尽くして制圧する(敵味方識別範囲攻撃)
また着弾した炎の槍は暫く形状を保つので侵入防止の攻性防壁代わりにもなる(撤退及び防御支援)
人工筋肉製の敵機体は戦闘記録を見るに高熱や炎に弱いようですから、きっと有効なはずです
発生する煙も対レーザー攪乱幕代わりになるでしょう


レクシア・ノーレッド
あんなキャバリアもあるんだ。世の中の兵器は色々だね…
…初の実戦運用だ。ド派手に行こう。

私のキャバリア、【スラッグ】はシンプルな機体。大した装甲も無いし、特別な武器も無い廃材製だけど…
今回は廃材製ワイバーン、【リベラ】と合体して、それを補う。
両方の翼を一対の剣に。胴体部などは追加の装甲に回す。

向こうは相応に範囲殲滅能力がある。なら、それを利用して同士討ちを狙うのも悪くはないだろうね。
「ダッシュ」と「見切り」、「野生の勘」を駆使して敵の群れに突っ込む。
そして敵たちのど真ん中で暴れてやろう。わざと囲まれるように動けば同士討ちも狙いやすいハズ。

…本気でヤバくなったら、「捨て身の一撃」で強行突破するよ!



●護りの黒泥精霊
 自らを否定した世界そのものへの憎悪。自分達とは異なるあらゆる文明に対する恐怖と猜疑。ヒトが持つ醜悪さを濃縮したような怪物たちが、荒谷・ひかるの眼下に蠢いている。
 狭隘な盆地とは言え、数キロは優に超える戦闘正面。今やその全てに対して、生体キャバリアの形を取った悪意の波が押し寄せていた。
 亡国の国家理性によって極限まで純粋化された悪意が、愛機の装甲越しに、ひかるの心を叩く。
 ただ、文明を浄化することだけを目的として作られた最悪の兵器。それが、今この場で彼女が相対する敵であった。
「なんて、おぞましい敵……!」
 あのような存在を、無辜の市民が住まう都市に向かわせることなどできない。生体キャバリアの本質を感じ取ったひかるは、決意も新たに悪意の波に立ち向かう。
 果たして、彼女の愛機たるオブリビオンマシン「Guardian Spirit」は、主の願いを正確にくみ取った。味方を護るように機体を陣地直上に遷移させると、主人を促すようにひかるの魔力を増幅させる。
「まずは足を止めないと! 炎の精霊さん、お願い!」
 ひかるはGuardian Spiritによって増幅された魔力を用い、自らと絆を結ぶ炎の精霊たちを呼び出す。彼女とGuardian Spiritによって発せられる強大な魔力によって顕現した炎の精霊は、螺旋を描いて機体の周囲を旋回した後拡散し、醜悪な悪意の波を浄化すべく飛翔していく。
「妄執よ、無に帰りなさい――!」
 ひかるの決意を反映した炎の精霊は、灼熱の槍と化して生体キャバリア達に襲い掛かる。数千度もの高温で飛来する灼熱の豪雨は、地面をガラス化させながら次々と着弾し、生体キャバリアの人工筋肉を焼き焦がしていく。
 炎の精霊による攻撃の効果はそれだけにとどまらない。着弾した炎は消え去ることなく有機物である機体を焼き焦がし続け、次々と倒れた生体キャバリアであった肉の塊は炎の壁と化して群れの前に立ちはだかる。
 後続に押され、立ち止まることができない生体キャバリア達は、次々と炎の壁へと飲み込まれ、悪意の波を浄化する炎の薪と化していった。
 もはや津波の前の小石ではなく、明確な敵としてひかるとGuardian Spiritを認識した生体キャバリア達。雁首を一斉にGuardian Spiritへと向け、ヴォイドレーザーを放つが、その抵抗は徒労に終わる。濃密な煙が攪乱幕の役目を果たし次々と放たれるレーザーを悉く減衰させているのだ。
 密集して突入する敵の量的な圧力を逆手に取ったひかるの作戦は、敵の前進を阻むと同時に、敵の群れから放たれる大量のレーザーを一時的に無力化することに成功したのだった。
 そして、その時間と隙を生かすもう一機のキャバリアが、戦場に出現する。即ち、レクシア・ノーレッドの駆る「スラッグ」である。
「炎と煙、これならレーザーは怖くないね」
 ひかるとGuardian Spiritが作り出した灼熱の壁にもがく生体キャバリア達の群れに、高速で接近するスラッグ。その姿は廃材をつなぎ合わせたような様であり、他のキャバリアの様に特別な武装もない。しかし、それを補って余りある無二の機能が、この機体には存在した。
「さぁ、行くよ! スラッグ、リベラ!」
 レクシアの呼びかけに応じる様に、廃材製のキャバリアとワイバーンが、まるで意志を持つ有機物の様に変形する。彼女の憧れの象徴たるワイバーンの翼は一対の剣となり、強靭な身体は機体を護る鎧へと変貌した。
「……初の実戦運用だ。ド派手に行こう!」
 瞬く間に巨大なキャバリアと化した機体を操り、レクシアは混乱する生体キャバリアの群れへと突入する。
 持ち前の戦闘経験と勘で生体キャバリアの触手の群れを掻い潜ると、手にした剣を横薙ぎに振るい、複数の敵の胴体を真っ二つに両断する。切断された上半身は臓器にも似た生体部品を散乱させながら宙を舞い、血液燃料の雨を降らせた。
「よしっ、いける!」
 初陣にもかかわらず、期待以上の性能を見せたスラッグへの信頼も新たに、レクシアは敵陣奥深くへと機体を前進させる。必然的に彼女とスラッグは包囲され、四方八方から触手の刃が襲い掛かる。
 しかし、それこそが彼女の狙いだった。野性的な勘で触手の機動を読み切ったレクシアは、機体の体勢を大きく沈み込ませる形で攻撃を回避する。虚しく空を切った触手の刃は、物理法則に従って直進し、対面に位置する仲間の人工筋肉を引き裂いていく。
 レクシアは味方の攻撃によって傷ついた生体キャバリアに向けて機体を踏み込ませ、再び大ぶりの刃を振い、さらに複数の敵を葬った。
 ひかるとGuardian Spiritの攻撃によって前進せき止められ、レーザーを封じられた生体キャバリアの一群は、突入したレクシアとスラッグの手によって内部を散々に蹂躙されることになる。
 二人の猟兵による即席の連携によって生じた時間的余裕と圧力の軽減は、周辺の部隊に再編と補給の時間を与えたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

イザベラ・ラブレス
【アドリブ連携歓迎】
心情:昔の映画で同じシチュのがあったけどそれ以上ね…。
さぁ海兵諸君、味方は騎兵隊の到着をお待ちよ。敵に銃弾と炸薬の鉄槌を振り下ろしなさい。

WIZ
乗機:コンバット・バリオニクス「マイティー・バリー」
ヘリ部隊名:グリムリーパー
目的:敵勢力の分断殲滅および混戦地帯の友軍救出

UCで重武装ヘリ部隊を召喚(対戦車ロケット、機関砲装備)
横合いからの強襲後、半数を敵突出群、もう半数を後続群への飽和攻撃を指示。
敵勢力を分断、各個撃破するわ。

私も正面からバルカンキャノンの【弾幕+範囲攻撃】で突出群を挟撃。
周囲の味方と連携して混戦中の友軍に【戦闘知識】で退路に誘導、後方部隊との合流を図らせるわ。



●戦乙女の騎行
「炎と、迫りくる敵……。昔の映画で同じシチュのがあったけど、それ以上ね……」
 そうつぶやくイザベラ・ラブレスの眼前には、まぎれもない地獄があった。
 既に敵味方が混融し、激しい攻防が始まっている陣地付近では、途切れる事なく続く生体キャバリアの濁流に抗い、もがくように戦う帝国軍部隊の姿があった。
 この戦場に身を置くパイロットにとって、機体の大破は死以上に破滅的な結果を意味する。被弾し、動きが鈍った鉄の巨人たちが、瞬く間に生体キャバリアに群がられ、自爆装置によって爆散していく。
 眼前で繰り広げられる光景に対し、イザベラはあくまでも冷静に、自身の内に眠る戦友たちに呼びかける。彼女は一流の戦士であり、この場においてなすべき事を熟知していた。
「海兵諸君、味方は騎兵隊の到着をお待ちよ」
 イザベラが高らかに呼び出すは、大隊規模の攻撃ヘリコプター部隊「グリムリーパー」。
 複数のヘリから響く回転翼の轟音が戦場を圧し、ガンポッドと対戦車ロケットが竜の鎌首が如く地上を這う敵に狙いを定める。
 突如として戦場へと集中投入された大規模なヘリコプター部隊。それは即ち、味方にとっての福音であり、敵にとっての災厄であった。
「さぁ、敵に銃弾と炸薬の鉄槌を振り下ろしなさい。 ワルキューレの如く進撃開始よ!」
「「「apocalypse now !!」」」
 イザベラの号令のもと、戦闘ヘリ部隊は迅速に行動を開始する。彼女の統率よろしきを得て二部隊に分かれた部隊の一方は、彼女の愛機「マイティー・バリー」と共に陣地に取り付いた生体キャバリアの群れに強襲を実施する。
 それは、生体キャバリアの群れにとって黙示録の始まりであった。
 編隊の先頭に立つ戦闘ヘリから撃ち出された大口径のガトリング砲弾と対戦車ミサイルは、死と破壊の豪雨と化して生体キャバリアの群れを襲う。
 ある機体は大口径のガトリング砲弾によって人工筋肉ごと骨格を粉砕され、血と肉で構成された煙へと変換される。
 またある機体は、対戦車ミサイルの直撃を受け下半身を粉砕された後、臓器のような生体部品を周囲に散乱させながら残った前肢を使って這い回っている所を、後続のヘリに搭乗するドアガンナーからの射撃によって頭部を破壊され無力化される。
 上空からの死によって蹂躙されつつあった生体キャバリアの群れは、雁首を上空に向け迎撃を試みるが、編隊飛行を順守する後続のヘリによる射撃や、マイティー・バリーのバルカン、つい先ほどまで蹂躙される立場にあった帝国軍のキャバリア部隊によって次々に撃破されていった。
 そして、イザベラの指示によって別行動を行っていたもう一方のヘリ部隊が向かうは、前方の友軍陣地をレーザーで狙う後続の群れである。
 彼らは編隊を崩さず群れへと突入し、砲列を無慈悲に蹂躙していく。
 イザベラが率いるヘリ部隊の活躍によって生じた僅かな戦場の空白を、戦士であると同時に指揮官でもある彼女は見逃さなかった。
 イザベラは友軍部隊の指揮官に連絡を付けると、直ちに後退を勧告する。
 消耗しきっていた帝国軍部隊にとって、イザベラが作り出した時間は百万の金貨より貴重な物であったことは言うまでもない。
 イザベラ率いるヘリコプター部隊の活躍によって、多くの部隊が混戦状態を脱し、後方陣地に控える友軍との合流に成功したのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

朱皇・ラヴィニア
ふむ、塹壕戦みたいな感じ?
機動戦闘が出来なければジリ貧だね……じゃあやってやればいい

事前に複線陣地のマップを共有
敵の進行速度から戦線の破断点を予測し
各ポイントへの強襲タイミングを合わせるタイマーをセット
目的は優勢に見せかけて敵を分散、各地点へ集結させる
戦線を広げつつ敵を密集させられれば各個撃破の起点になるだろう
ゼルの耐久値をチューニングし666で接続深度を最大化
僅かなズレも致命だ
全武装開放、本気で行くよ

タイマーセットした時間毎に各地点へ空間跳躍
陣地構造を盾にしつつ敵を撹乱し侵攻を遅滞させ
敵群が固まった所に野砲で本命をぶち当てて貰おう
ボクは続々と空間跳躍で攪乱し続け
遅滞と集結、各個撃破の手助けだ


玉兎姫・カグヤ
今回の敵は無人機……なら、ちょっと危険な武装をブッパしても大丈夫という事
テストにはうってつけね
玉兎姫・カグヤ、出撃します!

自分に近づかないよう友軍に警告し
友軍機がいない、あるいは限りなく少ない戦場に移動しUCを使用
殲禍炎剣に生体キャバリアの群れを砲撃
頭上からの砲撃なら味方の陣地を配慮しなくていいし効率よく排除できるはず
殲禍炎剣にアクセス、コード:天軍の剣
接続時間制限120秒にセット
目標、生体キャバリア
……あれ?視界が赤く―――高速飛翔体、感知。排除。排除、排除、排除排除排除……
時間制限まで目につく物を無差別に攻撃

やっぱり、制御するのは無理か……
本当に手がなくなったときの奥の手にしか使えないわね


天音・優歌
いつぞやみた機体の無人機バージョンかな
これは悠長にしてる余裕はなさそうだね
まずは危険に陥っている場所から救助していかないと
最初から全力でいくよ、メソテース!

魔導書からサイキックキャバリアを召喚し乗り込みます
優しき歌より来たりて!无音の世界に……天からの音を降らせよ我が半身!汝、无に還す者!メソテース!

敵に捕まらないように高所を空中浮遊しながら
破られそうな陣地に急行しつつUCを発動
空から剣の雨を降らせ敵を攻撃
今回はパイロットの心配をしなくていいので
広範囲に剣をばらまき面制圧します

舞い剣戟の音を降らせよ、フロネシス・スパーダ!


太刀風・橘花
まさに一進一退の状況だな……ここは【塹壕戦】でこちらの壕に敵を引きつけ友軍を助けよう(『拠点防御』『おびき寄せ』)
相互支援できるよう配置された壕内の銃座や特火点から、対戦車ライフルを装備した妖狐の兵士達に狙撃させるぞ(『スナイパー』『貫通攻撃』)

壕内に侵入した敵は対戦車手榴弾や吸着地雷など、あらゆる火器で歓迎してやる(『集団戦術』『破壊工作』)
随伴歩兵のいない機動部隊は鴨葱だぞ、かかれっ!

充分に敵を引き込んだら、速やかに塹壕地下の掩体壕に退避し付近の友軍に無線連絡をする
こちらは重砲の直撃にも耐える掩体壕に退避済だ
暴露している敵を塹壕ごと集束弾でも榴弾でもありったけの火力を投射して殲滅してくれ!



●誘導、拘束、撃滅
「では、打ち合わせ通りにいこうか。カグヤさん、優歌さん、橘花さん、準備はいいかい?」
 同時に転移した猟兵達に声をかけながら、朱皇・ラヴィニアは担当する陣地線のマップと行動計画を各々に転送する。ブリーフィングの内容と敵の分布を基に立案された彼女のプランは、徹底した機動防御による陣地のケアにとどまらず、敵の殲滅を視野に入れた物であった。
「一方で敵を拘束し、もう一方では敵を誘導。戦線をコントロールし、最終的には集中した火力で殲滅を図る」
 理にかなっている、と頷くはサクラミラージュの将校服を身にまとう妖狐、太刀風・橘花。ピンと張った耳を揺らしながら、愉快そうに戦況図を見遣る。
「”我々”が担当するのは敵の突出部先端か、つまりは、最激戦区というわけだな」
 ラヴィニアのプランは、つまるところ鉄床戦術の大規模な応用であった。意図的に敵の突出部を形成し、火力を集中しやすい領域を作り出すためには、どうしても敵の圧迫を一身に受ける部隊が必要となる。
 その意味では、橘花が持つユーベルコードと部下たちは最適な存在であった。如何に生体キャバリアの群れが膨大であったとしても、既存の陣地線と彼女のユーベルコードによって作り出される塹壕陣地にかかれば、必要な時を稼ぐのは決して不可能ではない。
「いいだろう、万事我々に任せると良い。カグヤ殿は時が来るまで我々と共に戦ってもらおうか」
 橘花に声をかけられた玉兎姫・カグヤもまた、この行動計画における重要なファクターであった。彼女の機体が持つ殲禍炎剣へのアクセス権が無ければ、このプランは前提から崩壊する。
「この機体のテストにはうってつけです。任せてください」
 クロムキャバリアの世界にあって、規格外の隠し玉を持つ機体に乗り込むカグヤは愛機への信頼も露わに請け負って見せる。隠し玉がなくとも、彼女と彼女の機体は凡百の物ではない。
「私とラヴィニアさんは突出部側面陣地のケア、か。大事なのは速度とタイミングだね」
 愛機たるメソテースのコクピット内で情報を確認し、制圧範囲を計算するは天音・優歌。突出部正面に敵を誘導するためにも、彼女とメソテースによる面制圧能力もまた必須である。
 ラヴィニアの原案を拡大し、かつ実現するための理想的な戦力が、今この場に揃っている。後は、各人が全力を尽くすのみであった。
「強襲タイミングセット。1500を基準に時刻整合を行うよ。…1分前」
 ラヴィニアの合図で猟兵達は自らの機体や時計の時刻を操作し、秒単位でお互いの主観時刻を同調させる。時間とタイミングが命の作戦において、必要な下準備であった。
「10秒前、用意。5、4、3、2、1、今。時間整合完了」
「では諸君、あとで見えよう。健闘を祈る!」
 橘花の言葉を最後に、猟兵達はそれぞれの戦場に飛び立っていった。

「強襲時刻30秒前。優歌さん、準備はいいかい?」
「いつでも大丈夫。いこう、ラヴィニアさん!」
 前線の破断面と目される陣地上空に遷移した優歌とメソテースは、眼前に迫る悪意の群れへ視線を落とす。
「あの機体、いつぞやみたことがあるけど、こんな用途にも使用されているんだね。……まずは、この陣地を救わないと」
「手早くいこう。強襲開始まで10秒」
 ラヴィニアのカウントを聞きながら、優歌はメソテースの内にあって魔力を集中する。メソテースは眼前の黒波に向けて腕部を突き出し、魔力を剣状に集約させる。
「パイロットの心配はしなくていい、か……」
 それがどのような意味を持つか、優歌は理解していた。しかし、今は感傷に浸る時間はない。
「舞い剣戟の音を降らせよ、フロネシス・スパーダ!」
 強襲開始時刻到来と同時に、優歌とメソテースは魔力で編まれた剣の雨を敵へと降らせる。光輝く魔力の雨は一切の慈悲なく生体キャバリアの群れへと降り注ぎ、人工筋肉で構成された機体を引き裂いていく。
「――いくよッ!」
 優歌とメソテースの面制圧火力によって乱れた敵陣に向かって、ラヴィニアは空間跳躍を実行。敵の不意を突く形で出現したラヴィニアの愛機は、即座に全武装の安全装置を解除し、敵の群れに向かって即座に撃ち放す。戦果を確認する間もなく次の地点に跳躍を実施すると、同じ要領で敵の群れへと攻撃を繰り返していく。
 絶え間なく位置を変え続けるラヴィニアと、上空から降り注ぎ続ける優歌の魔力は、生体キャバリアの陣形を乱し、進行速度とルートに影響を与え続ける。
「よし、ここはもう大丈夫。優歌さん、次に行こう!」
 優歌は承諾すると、メソテースを次なる陣地へと飛翔させる。陣地を護り、敵を誘導するためには、この戦域全体を絶え間なく転戦し続ける必要があった。

 ラヴィニアと優歌によって流れを変えられた死と悪意の濁流は、少しずつ、しかし確実に、橘花とカグヤが籠る陣地へと近づいていく。
「ふん、随伴歩兵の居ない機動兵器など、鴨葱だぞ。各員、用意は良いな!」
 橘花の発破に、部下たちは気勢を上げて応える。対戦車ライフルや対戦車手榴弾を携行した兵士たちは、機動兵器を無力化する意志と実力に溢れていた。
 塹壕の縁から顔を出し、対戦車ライフルを構える兵士たちの耳に、地響きのような足音が響く。陣地前面に設定された突撃破砕線に、敵の群れが迫りつつあった。
 敵の波がある一定の地点に差し掛かると同時に、割れるような爆音と共に地面が噴火する。事前に配置してあった吸着地雷原に敵が到達したのだ。
「よぉし、来たな!各隊、打ち方始めッ!」
 橘花は腰から軍刀を引き抜き、前方に突き出すと、部下たちへと高らかに号令をかける。部隊ごとに設定された火制地域に向けて対戦車ライフルが一斉に火を噴き、生体キャバリアを次々と撃破していく。
 橘花が率いる陣地から放たれる火力はそれだけではない。事前に調整を行っていた帝国軍の周辺陣地からも援護射撃が実施され、迫りくる敵を次々となぎ倒していった。
 生体キャバリアの群れは散発的にレーザーを放つも、深く掘られた塹壕に身を潜める歩兵たちの上空を虚しく通過していく。歩兵相手に照準が最適化した頃には、友軍から放たれた煙幕弾が展開され、レーザーの出力を減衰させていった。
「敵突撃第一波、破砕した。しかし、後方に第二波、および第三波を確認!」
 橘花は観測壕に籠る偵察部隊からの報告に頷くと、すぐさま後方に控える通信兵へと告げる。
「敵第二波の突撃をいなしたのち、前衛は掩体壕に退避。友軍に砲撃支援を要請!」
 通信兵は慌ただしく背負った通信機から各部隊に連絡を飛ばし、自らの指揮官の意思を過たず陣地全体に伝達していく。
 作戦の要であった敵突出部先端を維持し続けるという目的を、橘花率いる部隊は完遂しつつあった。

 一刻程の戦闘の後、その時は来た。
「部隊長殿、ラヴィニア殿から通信であります! “天軍の剣を解放されたし” 以上!」
 泥だらけになった通信兵を労い、橘花は会心の笑みを浮かべる。
「大変結構。カグヤ殿、準備はできているな!」
「はいっ! 玉兎姫・カグヤ、行きます!」
 作戦の要であるカグヤは、橘花の合図を受けて躊躇なく陣地から飛び出し、敵の群れへと向かう。
 後方からは、残弾全てを射耗する事を厭わないほどの援護射撃が繰り出され、彼女が歩む道を作り出していく。
「接続時間制限120秒にセット。殲禍炎剣、アクセス。一時的同調開始――」
 カグヤが一時的にアクセスするは、クロムキャバリアの空を支配する人工の神、殲禍炎剣。この世界における災いの象徴である存在を、一時的にしろ掌握する、まさにワイルドカードともいうべき能力であった。
 しかし、その代償は小さなものではない。殲禍炎剣に同調したその瞬間、カグヤの意識は暗転し、人造神の狂気に支配される。
「敵生体を感知。――排除。排除、排除、排除排除排除排除排除排除排除排除排除」
 そこから120秒間の出来事は、もはや戦闘と呼べるものではなかった。
 天より飛来する光の洪水は、人間たちが作り上げた悪意の波をいともたやすく飲み込み、数千度の熱量で無へと還していく。
 生体キャバリア達は天を仰ぎ、主の裁きを待つ罪人の様にその前肢を天へと伸ばし、次々と降り注ぐ光によって浄化されていく。
 あるいは、生体キャバリア達に取り込まれた人間たちにとって、今この瞬間、殲禍炎剣は救いをもたらす神であった。苦しみに満ちた生から解放し、生物として正しい循環へと還す救いの神。たとえそれが紛い物であったとしても。
 永遠とも思われた2分が経過した後、あれだけの生体キャバリアが密集していた突出部は、完全なる空白地帯と化した。
 あまりの光景から兵士や猟兵達が立ち直ると、放棄された陣地を奪回すべく前進を開始する。
 4人の猟兵達の活躍は、援軍到来までの時間を稼ぐだけでなく、数多の敵を撃滅する戦果を挙げたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

桐嶋・水之江
◆桐嶋技研
科学畑の人間としては、これほどの生体キャバリアを産み出した遺構が気になって仕方ないわね
是非直接拝んでみたいわ

何をするにしても人手不足…人形機兵隊でウバザメ・デミウルゴス・イカルガを大量配備するわ
初手は私の乗るワダツミで対岸へドカスカ艦砲射撃
これで大多数を駆除する目算よ
抜けた群は河川内でウバザメが処理するわ
水中で動きが鈍った所を高周波ダガーでサクッとね
残りが川から上がって来たらダビングが出鼻を挫いてくれる
そこをデミウルゴスの火炎ブレスで空から丸焼きよ
陸じゃ亞東さんが大暴れしてくれてるから抜かり無いわ
最後の取り残しはイカルガで各個撃破ね


ダビング・レコーズ
◆桐嶋技研
地平線を埋め尽くすほどの敵群か
仮にここで敗退する結果となれば人類の存亡そのものに関わる事態になりかねない
断固阻止しなければ
アークレイズ、出撃する

レーザー照射を警戒しEMフィールドを常時展開
機体をソリッドステートに変形
ウバザメの迎撃網を突破し揚陸する敵群への航空爆撃を行う
河川に沿ってホーリー・グレイルの照射判定域に達しない極低空を反復巡航
メタルレインを継続して連続発射
絶え間無い誘導弾の連射で広域を面制圧する
戦術目的は敵群の侵攻遅滞と擱坐に設定
完全な無力化は水之江博士隷下のデミウルゴスとイカルガ、亞東様に任せる
また戦域を超音速で巡航し続ける事による撹乱効果も狙う


亞東・霧亥
◆桐嶋技研

ワダツミの対岸への集中砲火やウバザメの河川への攻撃を観察し、討ち漏らしを確実に処理すべく行動する。

【UC】
過去の激戦から『帝竜ガイオウガ』に変身する。

92体の【ガイオウガに似た竜の姿】の炎を操作し、弾幕から逃れた敵を各個撃破する。
また、ウバザメを掻い潜り上陸しようとする敵には【超高熱溶岩流の尻尾】で薙ぎ払い消滅させる。

「これくらいやって除けないと、桐嶋技研の研究員を名乗れないからな。気合い入れて行くぜ。」



●周到な計画、適切な配置、当然の結末
「科学畑の人間としては、これほどの生体キャバリアを産み出した遺構が気になって仕方ないわね」
 是非一度拝んでみたいものだと、ワダツミ級強襲揚陸艦の戦闘指揮所でつぶやくは桐嶋・水之江。スペースシップワールドに存在する桐嶋総合技術研究所の主たる彼女は、あれほどの生体キャバリアを生産する能力を持つ施設に好奇心を覚えていた。
 人間の悪意を煮固めた生体キャバリアの波を目の前にしてもなお、彼女の感情が波立つことない。
 猟兵達の活躍によって奪回された陣地線、即ち河川の沿岸に陣を引いた彼女と桐嶋技研の面々は、生体キャバリアの群れを迎え撃つべく着実に準備を整えていた。
「さて、亞東さん、ダビング。お客さんがいらしたわ。準備はいい?」
「アークレイズ、出撃準備よし」
「こっちも問題ない。いつでも初めていいぜ、博士」
 桐嶋の呼びかけに答えるは、ダビング・レコーズと亞東・霧亥。両名共に歴戦の猟兵である。呼びかけに応じる声には気負いも恐怖も存在しない。
「結構。それでは、愉快で悲惨な人形劇を始めましょう」
 桐嶋の返答を合図として、ワダツミのレーダーに連動した火器管制システムが各兵装へ目標を伝達し、対岸から接近する生体キャバリアの群れへと猛然と射撃を開始する。
 古人曰く、艦艇からの艦砲射撃は数個師団の火力に匹敵する。まして、生体キャバリアの群れに相対するはスペースシップワールドの技術で作られた航宙艦である。文明を浄化せんとひたすらに前進を続けるキャバリアの群れは、突如としてこの世界の想像を絶する火力の壁に直面することとなった。
 滑らかに旋回するは、2連装メガビーム砲。砲門から放たれた粒子の奔流は大気によって減衰しながらも生体キャバリア群の只中に着弾し、地面をガラス化させながら人工筋肉で構成された機体をプラズマに変換していく。斉射の度に数個中隊単位のキャバリアが喪失していく様は、クロムキャバリアに住む人間が見れば殲禍炎剣の砲撃をすら連想させるだろう。
 ワダツミが発揮する火力はそれだけにとどまらない。ワダツミの各所に配置された多連装ランチャーシステムから投射されるミサイルの雨は、ビームによって細切れに分解されつつあった生体キャバリアの群れの中で炸裂し、多くの機体を兵器から無意味な人工筋肉と血液燃料の塊へと変換していった。
 しかし、ワダツミの絶大なる火力を前にしてもなお、文明に対する悪意に満ちた波は前進を続ける。仲間の屍を踏み越えて、確率論の女神に愛された多数の生体キャバリア達が渡河を開始する。
 渡河を図る機体に襲い掛かるは、桐嶋があらかじめ放った水陸両用キャバリア「ウバザメ」である。
水流に足を取られながら歩を進める生体キャバリアの脚部を、海月の触手を思わせる支援ユニットによって絡め捕ることで転倒させると、高周波ダガーを突き刺し次々と無力化していった。

 熾烈な艦砲射撃と、河川に潜む無人キャバリアによって数を減らしながらも、猶も大量の生体キャバリアが渡河に成功する。しかし、それは猟兵達の想定を超えるものではない。
 渡河に成功した生体キャバリアに襲い掛かるは、ダビングの駆るクロムキャバリア、アークレイズである。
「地平線を埋め尽くすほどの敵群か。 あるいは、人類の存亡そのものに関わる事態になりかねない」
 空間戦闘機形態を取ったアークレイズは、ワダツミから発艦したイカルガを率いて超音速で飛来する。
生体キャバリアから放たれる対空レーザーの火線を、その速度と絶妙な機体操作によって振り切りながら、ダビングは冷静に敵を捕捉し、領域制圧型の小型ミサイルを発射する。
アークレイズから放たれた大量のSDMM5メタルレインは、その高い誘導性能を遺憾無く発揮し、生体キャバリアの群れへと降り注ぐ。
一発一発の威力は低くとも、その炸薬量は人工筋肉で構成された機体を引き裂くには必要十分であった。炸裂するマイクロミサイル達は、生体キャバリアの四肢を吹き飛ばし、生体キャバリアを次々と擱座させていく。
 忽ちの内に、河川の沿岸は擱座し血液燃料と生体パーツをまき散らしながら蠢く生体キャバリアによって埋め尽くされる。
 生体キャバリア達を襲う空の猛威は、轟音を響かせながら反転し、反復した爆撃を繰り返し続けた。超音速で機動する機体を、殲禍炎剣の探知範囲を避ける形で操るダビングの技量は尋常なものではない。
 アークレイズから投射される火力の雨は、主たるダビングの断固たる意志を表すかのように生体キャバリアの群れへと立ち塞がり、その侵攻速度を大幅に減衰することに成功したのだ。

「さて、仕上げは俺の仕事か。これくらいやって除けないと、桐嶋技研の研究員を名乗れないからな。気合い入れて行くぜ」
 ダビングから放たれた火力の雨を掻い潜り、あるいは体の一部を失い血液燃料をまき散らしながらも前進する生体キャバリアの群れの前に立ち塞がる最後の壁は、ヤドリガミたる亞東・霧亥である。
「貴様らのような穢れには、こちらもそれ相応の穢れをもって当たろう」
 亞東は自身の時を巡る力を覚醒させ、過去の激戦における強大な敵手、「帝竜ガイオウガ」の姿へと変ずる。
 それは、全てを焼き尽くす灼熱の竜。その巨体は悉く溶岩が如き高温を放つ鱗に覆われ、邪悪にして雄大なその姿は、世界そのものを焼き尽くす炎を想起させた。
 かつて、数多の猟兵達を苦しめた帝竜は、亞東の手によって人類の護り手として再び姿を現す。その様を歴戦の猟兵が見れば、恐るべき能力を向けられる敵への同情心すら惹起させうるかもしれない。
 再び現世に顕現した帝竜は、自身の似姿を取った炎を操作し、ワダツミの艦砲射撃に晒されている生体キャバリアの群れへと放つ。猛烈な艦砲射撃への対応に精一杯の群れに、帝竜の炎を防ぐ術はなかった。数千度の高温に成す術もなく蹂躙され、大量の生体キャバリアがグロテスクな炭へと変換されていく。
 渡河に成功した群れに対しても、帝竜の猛威は平等に降りかかる。その巨大な尾で地を薙ぎ払えば、ダビングによって散々に傷つけられた生体キャバリア達はその身を焼き焦がしながら肉塊へと変じる。
 出現からわずか数分で、帝竜ガイオウガはかつて猟兵達を苦しめた能力を十全に発揮し、渡河に成功した生体キャバリアの群れを完全に駆逐せしめたのだった。
 圧倒的ともいえる猟兵達の活躍は、回復した陣地での再展開と補給という黄金より貴重な時間を友軍に齎したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
戦争ですらない無秩序な破壊…惨い光景です
あのような暴走兵器に徒に命を費やされる等、戦機としても我慢なりません

●防具改造で対レーザー処理施したロシナンテⅣにSSW製キャバリアサイズUC装備
重力・慣性制御利用し●推力移動と機体制御●操縦技術で加速・減速自在の鋭い空中機動で乱戦陣地一角に突入

盾で攻撃防御し味方機に組み付いた敵を剣盾で仕留めつつ中央へ
見下ろしセンサーで敵分布●情報収集し見切り
●瞬間思考力でサーチレーザー●乱れ撃ちスナイパー照準合わせ
大量の敵『のみ』一気に圧殺

(追加パーツの動力残量…この調子では次の戦況まで保ちませんか)

今の内に建て直しを

陣地の背後…人々の為に
この苦境跳ね除け共に勝利を!



●重装騎兵
「戦争ですらない無秩序な破壊……惨い光景です」
 大地を覆う生体キャバリアの群れを目にして、トリテレイア・ゼロナインは嫌悪を露わにする。あるいは、ヒトに作られた戦機であるがゆえに、眼前に存在する兵器の在り方に強い憤りを覚えるのかもしれない。
 ブリーフィングから把握した敵の特性に合わせて、対レーザー処理施したロシナンテⅣを操り、騎士は猛然と戦場へと突貫する。
 トリテレイアとロシナンテⅣが、この戦場のために用意した兵装は対レーザー処理だけではない。戦機猟兵用の重力制御兵装装備型強化ユニット、即ち、索敵用レーザーと膨大な出力を持つ背部大型スラスター、そして二門のキャノン型グラビティガンを装備したロシナンテⅣは、重装騎兵が如き威容をもって戦場を圧する。
 最早、騎士と名乗るのも烏滸がましいと自嘲するトリテレイアであったが、この戦場においてはこれ以上ないほど強力かつ最適な装備であった。
 いくら狭隘な盆地とは言え、その戦闘正面幅は数キロにも及ぶ。猟兵達の活躍によって優勢を確保しつつある戦域もあれば、未だ苦戦を強いられている戦域も数多く存在する。トリテレイアとロシナンテⅣが転移した戦域は、まさに後者であった。
 二機の大型スラスターから発生する圧倒的な推力によって、ロシナンテⅣは瞬く間に前線へ到着し、友軍と混戦状態にある生体キャバリア達に相対する。
 友軍機に取り付いた生体キャバリアをその手に掲げる剣と盾で両断しながら、猛烈な速度で戦場を縦横に駆け巡り、現在の戦況を分析する。
 一部の敵は既に陣地内に突入しているものの、未だ多くの敵は味方の阻止射撃によって拘束されている。しかし、猶予は決して長くはない。
 陣地内に侵入した敵をその卓越した技量によって制圧したトリテレイアとロシナンテⅣは、すぐさま陣地外へと飛び出し、敵に向かって照準用レーザーを照射する。
 低出力のレーザーは敵に探知されることなく命中し、生体キャバリアの位置情報をトリテレイアへと伝達する。
 常人では処理不可能な大量の情報を瞬間思考能力で処理したトリテレイアは、すぐさまグラビティガンのトリガーを引き絞った。
 発射命令を受け取ったグラビティガンは、照準用レーザーから齎された座標にあらゆる物質を圧壊させるほどの重力場を発生させる。
 陣地周辺に存在した大量の生体キャバリアは、突如発生した超重力によって圧壊する。生体筋肉と骨格が嫌悪感を催す音を立てて潰れ、漏れ出た生体パーツから血液燃料をまき散らしながら、陣地を飲み込まんとしていた生体キャバリアは意味を成さない有機物の塊へと姿を変えてゆく。
 数秒の間に、死と破壊の濁流であった生体キャバリアの群れは、血液燃料と生体パーツをまき散らす、グロテスクな肉塊へと変換されたのだった。
(追加パーツの動力残量……この調子では次の戦況まで保ちませんか)
 ひと先ずの危機を排除したトリテレイアであったが、このままではジリ貧であることもまた承知していた。しかし、どうすればよいかは心得ている。
「皆さん、今のうちに建て直しを。 陣地の背後にある人々の為に、この苦境跳ね除け、共に勝利を!」
 トリテレイアは、すぐさま周辺部隊に対して部隊再編を勧告する。あまりの光景に言葉を失った軍人たちは、トリテレイアの言葉によって我に返り、次いで眼前の騎士の雄姿と言葉に歓声を上げる。
 今までの戦場で常にそうあったように、トリテレイア味方を鼓舞する騎士としての役割を果たしつつあった。
 その言葉に違わず、軍人達と共にこの苦境を乗り越えるため、彼はただ正面を見据えるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サブリナ・カッツェン
●SPD

今まで蓋をしてた地獄の釜を開けちまった訳か
とんだ災厄だぜ、ちくしょうが
『同感だ。ところでサブ。判明したパイロットの安否についてだが…』
…わかってるよ
楽にしてやろうぜ
MK、アイリーゼ

さて、奴さんが派手に腕を伸ばしてきやがったか
おい、MK!魔導コンバーターを最大限に回せ!
サーカスをおっ始めっぞ、『マニューバ・ツゥルクス』の始まりだ!
【念動力】で魔導光弾を操作しながら、【空中戦】の【推力移動】であやとりの紐みてぇに複雑な触腕を掻い潜るぞ
あたしの【瞬間思考力】を介してアイリーゼをかっ飛ばすぜ
『了解した。こちらは機体出力制御、並びに【索敵】に専念する。ヘマするなよ、サブ』
はっ、お前もヘマこくなよ



●救いの魔導光
「今まで蓋をしてた地獄の釜を開けちまった訳か。……とんだ災厄だぜ、ちくしょうが」
 戦場を駆けるサイキックキャバリア、「アイリーゼ」を操るサブリナ・カッツェンは、愛機のコクピットの内で言葉を漏らす。誰を罵る言葉でもない。しかし、眼前の状況は彼女をしてそのような言葉を吐き出させるに十分な光景であった。
「同感だ。ところでサブ。判明したパイロットの安否についてだが……」
 サブリナの言葉に反応するは彼女の相棒たる小型球形猫型アドバイザーロボット、MKである。言いにくそうなMKの言葉を遮るように、サブリナは機体を加速させる。
「……わかってるよ。楽にしてやろうぜ。MK、アイリーゼ」
「了解した。こちらは機体出力制御、並びに【索敵】に専念する。ヘマするなよ、サブ」
「はっ、お前もヘマこくなよ」
 サブリナはMKに頷くと、愛機たるアイリーゼを生体キャバリアの群れへと突入させる。MKからもたらされる索敵情報を基に、敵と自機の位置を常に把握しながら、サブリナはアイリーゼを猛烈な速度で飛翔させ、大量の魔導光弾を出現させる。
「サーカスをおっ始めっぞ、『マニューバ・ツゥルクス』の始まりだ!」
 生体キャバリアが繰り出す触手の刃が、全方位からアイリーゼへと襲い掛かる。サブリナはMKに指示を飛ばし、魔導コンバータの出力を最大化させると、巧みな三次元起動によって触手の群れを引きつけ、逸らし、絡ませることによって回避する。
 猛烈な速度で機動するアイリーゼに、かくの如き複雑な運動を実現させるサブリナの技量は、その商才に負けず劣らず一流の物であった。
 複雑な機動を描きながら、天へ地へと目まぐるしく動き、アイリーゼへと迫る触手の刃は、徐々に数を減らし、ついには完全に振り切られることとなる。
 全ての触手を回避すると同時に、生体キャバリア群の直上へとアイリーゼを遷移させたサブリナは、展開していた魔導光弾を一斉に解き放つ。
 美しい残光を複雑に絡み合わせながら飛翔する魔導光弾は、その雁首を天へと掲げた生体キャバリアの頭部、即ち、電池と化した者たちが収まる部分へと過たず直撃し、生体キャバリアに捕らわれた命をその苦痛に満ちた生から解放していく。
 頭部を失った生体キャバリアは、その前肢を天へと向け、ゆっくりと地面へと倒れ伏す。
 敵を打ち倒すための兵器である美しくも強力な魔導光弾は、今この瞬間に限っては、哀れな被害者たちにとっての救済の光であったのかもしれない。
「さぁ次だ、MK。このくそったれな戦闘を、早く終わらせに行こう」
 生体キャバリアの一群を無力化したサブリナのアイリーゼ、そしてMKは、すぐさまその身を翻し、次の戦域へと向かう。
 この悪意と悲惨に満ちた戦闘に、一秒でも早く終止符を打つために。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

……こりゃひでぇ。
何を守ってたか分からねぇが、
ここまで過剰に反応するとはね。
ここまで数が増えすぎてるなら、
一気に抑えに行かなけりゃいけない……
まさか、アレを使う事になるとはね。

まずは味方陣地に到着したら、すぐに戦況を『情報収集』する。
特に欲しいのは空白地、敵陣、自陣の三か所。
それが掴めたならさっそく空白地への転進を進言するよ。
なぜかって?
……アタシが戦略兵器をぶっ放すからだよ。

この陣地にも奴らがすぐ来るだろ。
だから最初の「座標」はここにする。
味方の離脱が終わったなら、なだれ込んだ奴らを【宙穿つ穴】で
一網打尽にする!
すぐに元敵陣へ移動しな、次は空白地にぶち込むからよ!



●次元断層
「……こりゃひでぇ。何を守ってたか分からねぇが、ここまで過剰に反応するとはね」
 愛車たるJD-1725と共に戦場に到着した数宮・多喜は、周囲の光景を目の当たりにし、思わずため息を漏らす。
陣地線の外に目を向ければ、そこに広がるは数多の砲火に抉られ、クレーターだらけの荒れ地と化した盆地が広がっている。至る所に悪趣味な肉の彫像と化した生体キャバリアの残骸や、つい数刻前まではキャバリアであった破片達が散乱し、未だ消えぬ火が燻り続けている。
 陣地線内部の様も惨憺たるものであった。無傷なキャバリアや兵士は存在せず、人機共に傷を負い、まともに戦えるものは数えるほどしかいない。
「これは、一気に抑えに行かなけりゃいけないか……」
 ブリーフィングで説明された状況通りの戦況を確認した多喜は、すぐさま周辺の指揮官にコンタクトを取る。
クロムキャバリアの世界にあって、地域大国として君臨するアルシェリア帝国では、ある程度猟兵の存在が認知されていた。それが幸いし、身分を明かした彼女は円滑に周辺部隊の指揮官と会合を果たすことに成功する。しかし、彼女の進言を聞いた指揮官の反応は芳しいものではなかった。
「……それでは、貴殿を一人残して我々は後退しろと?」
「あぁ、その通り。 むしろ残っていた方が危険なのさ」
 猟兵と言う超常の戦力は、常識的な軍人からすれば思考の埒外の存在である。任務に対する義務感から後退を渋った現地指揮官であったが、この戦場における他の猟兵の活躍や、多喜の口から語られた彼女自身の狙いを聞き、最終的には部隊の後退に合意する。彼としても、尋常な方法では破滅を先延ばしにする事しかできないことを理解していた。
「俄かには信じがたいが、これまで他部隊が君たちに助けられたことは事実だ。……貴殿を信頼しよう」
「ありがとう。その信頼に、応えて見せるさ」
「いや、感謝すべきは我々の方だろう。 周辺の地形と陣地情報を送る。君の案を実行するに最適な場所の候補を挙げておこう」
 指揮官は多喜に感謝の念を伝え、その言葉に違わず詳細な情報を彼女に提供した後、自らの部隊へと後退を指示する。死地から一時的に遠ざけられた兵士たちの感謝と声援をその背に受けながら、多喜は迫りくる生体キャバリアの群れと相対する。
「さて、受けた信頼には応えてやらにゃね。……まさか、この世界でアレを使うことになるとは」
 陣地を死の濁流へと飲み込むべく、迫りくる生体キャバリアの群れに向かって、多喜はJD-1725の車体を向ける。実行するは、対星獣殲滅用のシークエンス。地上ではなく、宇宙空間での使用を想定された、広域破壊兵器である。
「発現座標指定。発動承認……! さぁ、一網打尽にしてやるよ!」
 多喜の発動承認と同時に、JD-1725に搭載された戦略兵器「宙穿つ穴」が起動し、指定された座標周辺に広がる空間を、強制的に亜空間へと接続する。空間的及び時空的連続性が歪められたことによる反作用として生じる時空断層は、その歪を正すべく膨大なエネルギーと共に周囲の空間を崩壊させながら急速に膨張していく。
 その膨張に巻き込まれた生体キャバリア達の運命は語るべくもない。ある機体は突如として出現した巨大なエネルギーによってプラズマに変換され、またある機体は空間の崩壊に巻き込まれ、時空間の狭間へと永久に閉じ込められることになる。
 崩壊した空間の質量と亜空間から流入したエネルギー総量が拮抗することで、現実空間と亜空間との間に生じた歪みが完全に修復された時、時空断層はその役目を終え唐突に消滅する。
時空断層の発生から消滅まで、時間にしてわずか数十秒。その数秒の間に発生した事象は、大地を埋め尽くさんばかりに蠢いていた生体キャバリアの群れを塵一つも残さず消滅させていた。
 後に残るは砲弾によって生じたそれとは比較にならぬほど巨大なクレーターと、高熱によって融解した地面のみであった。
 多喜は見事に向けられた信頼へと応え、友軍が戦力を再編する時間を稼ぐことに成功したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

小和泉・佳奈恵
人が食べられ……ッ!! 許さんよ、それは!
敵を阻止するためには犠牲になった軍人さんたちにこの手でトドメを……
これは慈悲の一撃。もっと大勢を守るためやけん、許してくれるよね。
センチネルの本領は対生物、全力で苦しませずに終わらせちゃるけん。

陣地防衛部隊と連携してまず突入してきた敵の先鋒を減らすよ。
20mmでもチェーンソーでも何でも使ってとにかく陣地を確保する。

帝国軍だけで陣地の維持が出来る段階で機体を固定。
予備の燃料電池を誰かに預けて射撃後の電池交換をお願いしたか。
――ジオアームズさんには試作機を無茶言って借りてきたけど、その分戦果は約束する。
視認できるすべての敵機の"動力部"を照準して焼き払う!



●慈悲の一撃
 猟兵達の活躍により、徐々に戦況が好転しつつあるとはいえ、全体を見れば未だ生体キャバリアの量的圧力にさらされている前線は多い。
 小和泉・佳奈恵が転移させられようとしている戦域は、まさにその典型的な例であった。生体キャバリアの前進を複線化された陣地によって粘り強く凌ぎ続けていたその戦域は、その勇戦の代償を数多の火力と人血によって支払い続けていた。
 もはや第何波であるかわからなくなった生体キャバリアの突撃に、兵士たちは屈せず銃口を向け、或いは腰部から抜刀した超硬度サーベルを手に抗い続ける。
 しかし、拮抗を維持するために支払う火力が不足した瞬間、限界の時は訪れる。防衛線の一角を突き崩した生体キャバリアの群れが陣地内に突入し、凄惨な白兵戦が開始される。佳奈恵が戦場に転移したのは、まさにそのような瞬間であった。
 転移を終えた佳奈恵とセンチネルの目の前で、一機のキャバリアが生体キャバリアから放たれる触手の刃を躱しそこね、右脚部を切り落とされる。
 その場で擱座したキャバリアに対して、即座に数匹の生体キャバリアが群がり、哀れな得物を捕食せんとその禍々しい口を開き鉄の巨人をむさぼっていく。
 戦場に鉄が食いちぎられる不気味な金切り音が響き渡り、不運にも自爆装置を起動し損ねたパイロットが、機体共々生体キャバリアの牙によって引き裂かれ、捕食される。
 センチネルの存在に気が付いた生体キャバリアが新たな敵手へと頭部を向ける。
 その醜く歪んだ口は血とオイルに覆われ、人間の脚だったものが垂れ下がっていた。
「人が食べられ……ッ!! 許さんよ、それは!」
 その瞬間、佳奈恵の中に生じた感情は余人が知り得るものではない。彼女が怒りを向けた矛先が、相対する忌むべき敵か、それとも自らの内に存在する物であったのか。事実が奈辺にあるとしても、彼女が20mm機関砲のトリガーを引き絞り、眼前に存在する敵を肉と血で構成された飛沫へと変換したことが、この場における唯一の事実であった。
「もっと大勢を守るためやけん、許してくれるよね」
 もはや変わり果てた姿と化しているとは言え、生体キャバリアの動力となっているのは、紛れもなく生きた人間である。彼らは生体キャバリアが保持している悍ましい機能と、生命が持つ残酷な生命力によって、死ぬことを許されず苦しみに満ちた生を強制されている。
 ならば、せめて苦しまずに終わらせよう。佳奈恵は自らにそう言い聞かせ、怪物と鉄の巨人が争い合う陣地内を駆ける。
 センチネルは正規のキャバリアではない。しかし、対生物との戦闘は、その本領であった。
 軽量な機体で陣地内を縦横に駆け回るセンチネルは、群がる生体キャバリア達を20mm機関砲で薙ぎ払い、噴進式アンカーと高出力ウインチを使用した三次元起動によって生体キャバリアを翻弄しながら内蔵式近接防御旋回刃によって生体キャバリアの人工筋肉と生体パーツを抉り裂いていく。
 センチネルの奮戦に勇気付けられた友軍の粘り強い交戦の甲斐もあり、敵の増援が到着するより前に、陣地内に突入した生体キャバリア群は駆逐される。
 当座の危機をしのいだ佳奈恵とセンチネルは、不意に陣地外へと進出すると、予備の燃料電池を友軍へと預け、急遽用意した兵装を起動する。
「――ジオアームズさんには試作機を無茶言って借りてきたけど、その分戦果は約束する」
 センチネルが手にするは、ジオアームズXM-03 高出力戦術防空レーザー砲。UDCアースの技術の粋を集めて作成された、対邪神存在用兵装である。
「周囲の安全確保よし、予備電源用意よし、全システム最終確認よし――」
 兵装の最終点検を終え、安全装置を解除した佳奈恵は、眼前に迫りくる生体キャバリアの大群に向かって、躊躇なく引き金を引き絞る。
 レーザー砲からは、まず予備照射として低出力の測敵用レーザーが放射状に放たれ、迫りくる生体キャバリアの群れの位置や速度を機体の火器管制システムに伝達する。測敵レーザーによって齎された情報は、即座にセンチネルとレーザー砲内部に内蔵される火器管制システムによって分析され、次の瞬間には敵の予測位置に向けて高出力の熱線を瞬間的に照射する。
 電池と化した人間が収まる生体キャバリアの頭部に命中した高出力のレーザーは、即座に小さな破孔を生じさせ、生体キャバリア内部の有機物を瞬時に蒸発させる。あまりにも速い速度で超高温に熱せられた生体キャバリア内の空気と、人工筋肉が蒸発したことによって発生した水蒸気は、機体内部で急速に膨張する。
 膨張した大気と水蒸気によって発生する膨張圧力は、即座に生体キャバリアの頭部を破裂させ、電池と化した人間を生の苦しみから解放すると同時に生体キャバリアをグロテスクな有機物の塊へと変じさせた。
「……全力で苦しませずに終わらせちゃるけん」
 彼女が放つ光の刃は、生体キャバリアに取り込まれ、生を強制されている人間たちにとっては、まさに慈悲の一撃であった。
 哀れな犠牲者たちを生の苦しみから解放しつつ、佳奈恵は友軍到着までの貴重な時間を稼ぐことに成功したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユエイン・リュンコイス
●連携アドリブ歓迎
地形は隘路、敵は大群…うん、なら取り敢えず選ぶ手は一つかな。大ざっばだろうが何だろうが、一切合切を薙ぎ払うとしよう。

周辺に散らばる友軍機の残骸を素材としてUCを起動。まずは敵の勢いを減じさせる為、大質量による蹂躙を行う。踏み潰し、叩き潰し、サイズ差を存分に生かして立ち回ろうか。
…敵機内部に感じる生体反応から、状態はおおよそ把握している。こういうのは場合に依りけりだろうけど、今回に関しては悪戯に長引かせてやるべきではないと思うから。

もし機体を這い上がってきた場合には『Fエンジン』から魔力を汲み上げ、全身を赤熱化。触れる端から【焼却】する。
有象無象に神を打ち崩せると思わない事だ。



●進撃するは黒鐡の機械神
 既に放棄され、無残なスクラップと化した鉄巨人の残骸が散乱する陣地跡へ、一体の人形が舞い降りる。
 人形の名はユエイン・リュンコイス。彼女が銀色の髪を揺らしながら周囲を見渡せば、地平線まで続くとすら思える生体キャバリアの波が眼前に迫っていた。
「事前の情報通り、敵は大群か。……なら、なら取り敢えず選ぶ手は一つかな」
 悪意と死の濁流を目の前にしてなお、ユエインの表情からはいかなる感情も読み取ることはできない。無機物的な美しさを湛えた相貌を崩さず、彼女はこの場における最適解を実行に移す。
「叛逆の祈りよ、昇華の鉄拳よ、塔の頂より眺むる者よ。破神の剣は我が手に在り――!」
 彼女の詠唱に応えるかのように、周囲に散乱するキャバリアの装甲がユエインの周囲に集う。彼女の能力によって一時的に意志を得た鋼鉄の断片たちは、自らの形状を急速に変化させていく。もはや価値のないスクラップと化していた大量の装甲片は、集まり、変じ、融合することによって、ユエインを核とした巨大な機械人形として再構築されていった。
 かくの如き過程を経て現れたるは、全高50mに届かんとする巨大な鉄巨人。ユエインのユーベルコードによって作り出された、黒鐡の機械神であった。
「一切合切を薙ぎ払うとしよう。……長引かせるのは、得策ではないだろうからな」
 生体キャバリアの内部反応を分析したユエインは、可能な限り素早く、かつ確実に敵を潰滅させるべく機械神に拍車をかける。
 通常のキャバリアをはるかに超える大質量から繰り出される攻撃は、純粋な運動エネルギーの暴力と化して、密集する生体キャバリアの群れを薙ぎ払い、叩き潰し、蹂躙していく。その手が一振りされるたびに、直撃を受けた生体キャバリアの一群が水風船のように破裂し、血液燃料と生体パーツの破片で構成された飛沫となって荒涼たる地を濡らしていく。
 突如として現れた敵手に対して放たれた大量の生体レーザーは、悉く機械神に命中し無数の破孔を生じさせるものの、あくまでも対キャバリア用の出力しか持たないレーザーでは、機械神の装甲を貫徹することは叶わない。
 レーザーによる攻撃が無意味であることを早々に悟った一群は、巨神の攻撃を掻い潜り、その巨体へと取り付くと、分厚い装甲を削り取らんとして次々と醜い牙を突き立てる。
「有象無象に、神を打ち崩せると思わない事だ」
 巨神に群がり、縋るようによじ登らんとする生体キャバリアの群れは、宗教をモチーフとした悪趣味なカリカチュアめいた光景を生み出した。悪鬼に群がられる機械神の中心にあって、ユエインはただ嘆息する。
 彼女の嘆息に呼応するかのように、彼女が持つ魔力炉「ファウスト・エンジン」が全力で稼働を開始する。一種の時空炉の側面を持つファウスト・エンジンは、内部時間を加速させることによって、ほぼ無尽蔵ともいえる魔力を使用者に供給した。
 ユエインはファウスト・エンジンから供給される魔力を即座に熱エネルギーへと変換し、機械神の全身へと伝播させていく。たちまちのうちに高温発光するほどの温度に達した黒鐡は、巨神に取り付いた悪鬼たちを燃え盛る松明へと変じさせていった。
 戯画的な地獄と化した戦場を、炎の巨人と化した機械神が前進する。
 その赤熱した巨体が一歩動くたび、腕を振り下ろすたびに、生体キャバリアの群れは燃え盛る肉の塊へと変換されていく。人工筋肉が焼ける匂いと共に発生した黒煙がビーム攪乱膜の役割を果たし、味方部隊への制圧火力を劇的に低減させていった。
 ユエインが作り出した機械神は、陽炎を背に従えながら、ただひたすらに前へと進み続ける。
生体キャバリアの内部に取り込まれ、燃料として消費され続けていた魂を、炎によって解放しながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エイス・シノノメ
遺構……今は亡き国のプラントが稼働していたのですか
亡国のプラントが生きていた事も驚きですが、滅ぼした国の詰めの甘さも気になりますね
まぁ今の状況に考察は無意味ですか
忘れ去られていた事により増殖し続けていた戦力が解き放たれ彼我の物量さは笑うしかありません
しかし此度の戦さ場は正に過去との対峙に他ならず猟兵としての本懐であると言えましょう

たった一人の英雄的な力で打ち破れるとは夢物語
防衛戦は呼吸が大事、それぞれの大切なモノを守り抜く為に個の力を束ねましょう!

機動防御に加勢しタイミングを合わせ突出してきた敵機を叩いたりライフルやミサイルで弾幕を張り配置転換する友軍が敵機射程範囲に捉われぬよう支援を行います


マリシ・エイトゥム
ひどい有様ですね……あれだけの数だと納品されたキャバリアでは対処できないかも……危険ですが生身で行きましょう。

前衛陣地への引き付け役を手伝います。
前線に飛び出し【トラッキング・プラズマ】で周囲の複数体を撃破後、後退する猟兵か帝国のキャバリアを掴んで一緒に後退。
それを繰り返します。
敵の攻撃は上手く見切って幻影の魔法を使い避けたいですね。本体で受け流すこともできるでしょうけど……なるべくあんなの食らいたくないです。

ここを踏ん張れば支援が来ます!
後ろの市民はもちろん私たちが仲間や家族の元へ帰るために意地を見せましょう!



●意思の力
 いかなる戦闘においても、最終的な勝利のために必要となるは、地を踏みしめ支配する歩兵であり、キャバリアである。如何に猟兵達が一騎当千の精兵であったとしても、その後背を固める兵士たちの奮闘が無ければ、穴の開いた堤防の様に、生体キャバリアという悪意の濁流は後方に住む市民ごと全てを流し去ってしまうだろう。
 その真理を理解し、兵士たちの命を救い奮起させるべく奮闘する二人の猟兵の姿があった。
「此度の戦さ場は正に過去との対峙。猟兵としての本懐であると言えましょう」
 陣地を護るキャバリア達と肩を並べて共闘するはエイス・シノノメである。機獅道を掲げ、正道をもって世を正さんとする彼女は、絶望的とすら言える彼我の戦力差を笑い飛ばす。
 猟兵として、機獅として、オブリビオンという存在を体現するかのごとき敵と戦うは、まさに本懐であった。
 エイスは愛機たるクロムキャバリアを自在に機動させ、陣地を縦横に移動しながら危機的な状況にある味方部隊を次々に救援していく。
 味方部隊の火線を観察し、火力が不足している領域を確認した彼女は、即座に六連装ミサイルポット「RSーS-WM-X06」を起動させ、火力支援を実施する。
 機体のセンサ類から齎された情報を基に「EP統合型射撃統制機体制御システム」によって管制され、ミサイルポット内部に存在するFCSによって複数目標への火力投射を実現している六連装ミサイルは、発射されると同時にそれぞれの目標として設定された生体キャバリアをシーカーに捕らえ、終末誘導装置の導きに従い生体キャバリア群の只中で炸裂する。
 炸裂と同時に弾頭内部から飛び出したタングステンペレットの嵐は、熱と運動エネルギーの刃となって周囲に存在した生体キャバリアの人工筋肉を引き裂き、周囲に血液燃料と肉片の雨を降らせる。
 正面の敵が足を止めたことを確認したエイスはすぐさま機体を他の正面へと移動させ、密集して突撃する生体キャバリアの群れに「BS-1-K-XAK」から発射されるエネルギー弾を叩きこみ、機動の制圧と撃破をバランスよく実施していく。
 クロムキャバリアたる愛機の性能を十全に生かしながら、エイスはまさに猟兵らしい赫々たる戦果を挙げていく。
 しかし、その動きはスタンドプレイを意味するものではない。エイスは常に味方部隊の状況に目を配り、陣地線を護る部隊の戦力を最大化するような立ち回りを常に実施し続けていたのだ。
「防衛戦は呼吸が大事、それぞれの大切なモノを守り抜く為に個の力を束ねましょう!」
 一人の英雄の活躍は、必ずしも全体の勝利を意味しないという戦場における一つの真理を心得た、エイスだからこそ成し遂げられる活躍がそこにはあった。
 そして、エイスと同様に味方部隊を援護し続ける猟兵が一人。即ち、マリシ・エイトゥムである。
「ひどい有様ですね……」
 人間の悪意を凝縮した怪物と鉄の巨人が殺し合う戦場にあって、彼女は納品されたキャバリアではなく、自らの身体を使用した戦闘を行うことを決断する。強力なヤドリガミである彼女は、このような戦場にあってなお、生身での戦闘が可能であった。
 彼女は自らの本体である「神炎剣エイトゥム」と籠手状の魔具である「フューザー」を身に着け、戦場を駆ける。
 マリシの狙いは、孤立した味方の救援である。この戦場において、一機のキャバリアとそれが発揮する火力の大きさがいかに重要な要素であるか理解している彼女は、一機でも多くの味方を救うべく陣地内を転戦し続ける。
 敵に囲まれ孤立している味方があれば、即座にフューザーから高出力の指向性雷撃を放つ。
 マリシの魔力によって生成された雷撃は、ほぼタイムラグなく生体キャバリアへと命中し、機体の一部を炭化させながらその動きを封じる。生体キャバリアが動きを止めたと同時に、マリシの狙いを理解した友軍のキャバリアから支援射撃が実施され、死を待つだけの存在であった数多の友軍を救出することに成功する。
 麻痺から回復し、マリシに向かって傷つきながらもレーザーを投射する生体キャバリアであったが、その決死の抵抗も彼女の幻影魔術によって徒労に終わる。幻影によって作り出された光学的な欺瞞情報に惑わされた生体キャバリアは、見当違いの方向や自らの仲間が存在する地点に向けてレーザーを放ち、群れの中の混乱を助長させていく。
「なるべくあんなの食らいたくないです」
 あるいは、彼女ほどの能力であれば生身であってもレーザーの一発や二発は受け流すことすら可能かもしれない。しかし、友軍の救出を第一の目標としていたマリシは細部にこだわる手間を惜しまなかった。
「ここを踏ん張れば支援が来ます! 後ろの市民はもちろん、私たちが仲間や家族の元へ帰るために意地を見せましょう!」
 生身で生体キャバリアを圧倒し、先頭に立って友軍を救出していくマリシの姿に、帝国分部隊は大いに勇気付けられ、かつ奮起した。彼女の在り方は、自分たちが理想とする軍人としての在り方そのものに思えたのだ。

 彼女達二人の援護によって陣地に展開する部隊の破断点が悉くカバーされ、帝国軍部隊はより効率的に、より少ない犠牲で、より長期間自らの陣地を防衛することに成功しつつあった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

バーン・マーディ
…ああ
こういう類の兵器は何処でもある物だ
核兵器に細菌兵器…どこの世界も変わらぬか

【戦闘知識】
敵の陣形と味方の位置の捕捉

更に優位に殲滅しやすい陣地を見出し
良いだろう

その悪夢…我が終わらせよう
【オーラ防御】展開
【切り込み・武器受け・カウンター】
味方機を庇うように突撃し
軍神の剣で受け止め切り捨てる

一時後退せよ
此処は我が引き受ける

敵陣の密集を捕捉すれば
UC発動!

そのまま更に敵陣に飛び込む

囲まれても【生命力吸収・吸血・二回攻撃・怪力・鎧破壊・鎧無視攻撃】
で切り裂きながら己に密集すれば再度UC発動
物量だけで我とマーズを敗れると思うな
そして
食われる覚悟もしてみるがいい(軍神の剣で血を啜り切り捨て


槐・白羅
…モルスよ
どうやらお前が死を与えるに相応しき者達がいるようだ(飛来する機神

とは言え量が多い
連携と陣地利用が必須だな

味方機が安全に敵を追い込みやすく効率的に殲滅できる位置を見出す

UC発動
追い込まれた味方機の位置を見出せば突撃
【殺気】を放ち敵機を怯ませる
生命を持つ相手なら死は恐ろしいだろうなぁ?

此処は俺が引き受ける
お前達は火力集中を頼む

敵の攻撃を【受け流し】
【貫通攻撃・呪詛・重量攻撃】
超高速で切り裂いては呪詛を仕掛けて動きを鈍らせ
敵を密集させて味方の殲滅攻撃を起しやすい土台を作る
味方の制圧攻撃時は飛んで離脱

時に死は慈悲ともなる
そうだろうモルス

必要時は銃器も拾って弾が切れるまで使い続ける



●餓鬼討滅
 敵味方が入り乱れ、乱戦状態となった陣地線。キャバリアが突撃銃と超硬度サーベルを頼りに餓鬼の如き生体キャバリアとの死闘を繰り広げる修羅の巷に、猛烈な速度で飛来する一機の機体があった。
 機体全体から鋭利な殺気を発し、その存在そのものから死という概念を連想させる神機。冥導神機「モルス」である。
「……モルスよ、どうやらお前が死を与えるに相応しき者達がいるようだ」
 眼下に蠢く餓鬼の群れを見遣り、神機の主たる槐・白羅が自らの僕に言葉をかける。主の言葉に対し、モルスは奔放な殺気をもって応えるモルス。愛機の反応をよしとすると、白羅即座に自らの内に存在する四門を開き、その戦意に飛来する力を形而上の世界から引き出す。
 猛烈な速度で戦場に突入した白羅とモルス。その手には禍々しい呪詛のオーラを宿した愛剣「死の運命」が握られている。
 突入の勢いのままに、白羅は数体の生体キャバリアを切り捨てると、正面に蠢く餓鬼の群れに対して怜悧な殺気を放つ。
 生体キャバリアに感情というものは存在しない。しかし、冥導神機から放たれる禍々しい殺気は、本能的な恐怖を眼前の敵手に植え付けることに成功した。前進し、蹂躙することのみを目的とした生体キャバリアの動きが、竦むように止まる。
「生命を持つ相手なら死は恐ろしいだろうなぁ?」
 白羅は冥導神機から放たれる狂的なまでの殺気を制御し、眼前にある餓鬼の群れに対して死を振りまいていく。
 怜悧なる死そのものと化したモルスと白羅が思うさま愛刀を振るう度、生体キャバリアの頭部や四肢が両断され、血液燃料と生体パーツの飛沫が舞う。以前はその狂気のままに死を振りまくだけであったモルスは、白羅によって巧みに制御され、生体キャバリアの群れを戦場のある一転に追い詰めていく。それは、友軍が設定した火力集中地点であった。
「――やれッ!」
 白羅が友軍に叫びながら機体を大きく跳躍させると、意図を察した部隊からありったけの火力が投射され、追い詰められた生体キャバリアの群れを薙ぎ払っていく。
 かくの如き戦術的な動きを実現できるほどに、白羅は冥導神機を制御する術を確立しつつあった。
「時に死は慈悲ともなる、そうだろうモルス」
 白羅は生体キャバリアの亡骸を一瞥し、自らの僕たる神機に語り掛ける。モルスはただ荒々しい殺気を投げ返すことで、主人の言葉に応えたのだった。

 白羅とモルスが一つの陣地を救った時を同じくして、もう一柱の神機が戦場へと降臨する。即ち、破城神機「マーズ」である。
「……ああ、こういう類の兵器は何処でもある物だ」
 破城神機の内にあって、主たるバーン・マーディは嘆息する。核兵器、細菌兵器、どこの世界にあっても人間とは変わらないものだ。自らと異なる存在への恐怖と、自らを否定した世界への拒絶。ヒトの悪性を体現する生体キャバリアの群れを前にして、バーンはマーズに軍神の剣を抜刀させる。
「良いだろう。その悪夢、我が終わらせよう」
 バーンの決意に応えるように、破城神機の闘気が戦場へと満ちる。背部の光輪から放出された紅蓮の炎はオーラとなってマーズをすすむ。
 バーンはマーズを味方陣地をかばうような位置に遷移させると、軍神の剣を掲げ生体キャバリアの群れへ正面から突入する。
 悪意の濁流から放たれる数多の生体レーザーを紅蓮の闘気によって相殺しながら、マーズは敵陣へと突入する。
「選別を行うまでもない……。我は宣言する。邪悪なるものに、須らく神罰を与えん事を!!」
 マーズの宣言と同時に、破城神機による神罰が執行される。ヒトの悪性を象徴する生体キャバリアの群れが、ただの一機の例外もなく十字の閃光に貫かれ、磔刑に処されていく。
「物量だけで我とマーズを敗れると思うな。……そして、食われる覚悟もしてみるがいい」
 前衛を一瞬にして崩壊させたバーンとマーズは、そのままの勢いで敵後方に突貫し、軍神の剣を思うさまに振るう。断ち切られた人工筋肉から血液燃料が飛び散ることはなく、傷口から動力源たるエネルギーが血液燃料ごとマーズへと吸収されていく。
 機体を喰らい、人を喰らう捕食者であった生体キャバリアの群れは、破城神機の力の前に蹂躙され、捕食される立場へと追い込まれたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『修復型マグゥルMk10』

POW   :    増殖スル脅威
【同型機】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[同型機]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD   :    進化スル憎悪
【同型機と合体し自ら】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ   :    放タレタ殺意
レベル×5本の【無】属性の【ビーム】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

●逆撃
 戦闘開始から数刻。猟兵達の活躍によって生体キャバリアの濁流を押しとどめ続けた陣地線の上空に、突如として数多のローター音が響き渡る。
 今この時、飽きるほどに聞きなれた轟音は、陣地に籠る兵士たちにとっての福音であった。歓声と共に空を見上げれば、数十機の攻撃ヘリコプターがその鎌首を擡げ、地上を蠢く生体キャバリアの群れに猛然と射撃を開始する様が見て取れる。
 猟兵達と第204独立装甲旅団の奮戦は、盆地上での第8重機甲師団の戦闘加入という理想的な未来を手繰り寄せたのであった。
 猟兵達の活躍は、陣地を護る第204独立装甲旅団を壊滅の淵から救い出し、即応軍所属の第8重機甲師団が戦場に到着するまでの時間を稼ぐ事に成功した。それだけに留まらず、同師団が全力を発揮できる状態にまで攻勢準備を整える時間的猶予をもたらしたのであった。
 展開に時間のかかる重砲も含め、全ての準備を整えた第8重機甲師団は、満を持して戦闘に加入する。
 狭隘な盆地上に存在する全長数キロに及ぶ盆地の戦闘正面幅は、旅団級の戦力にとっては広漠であっても、アルシェリア帝国が誇る重機甲師団にとっては小路に等しい。
 重砲・中砲から多連装ロケットに至るまで、この世界に存在するありとあらゆる火力を投じた師団全力による砲撃は、全ての戦闘正面を包むこむ火と鉄の豪雨と化して生体キャバリアを薙ぎ払い、陣地線全域を圧迫していた群れを轟音と共に地上から消し去るだけでなく、後続の群れの陣形を引き裂いていった。
 地形を変えるほどの準備砲撃が完了したと同時に、主力戦車とキャバリアで構成された師団主力が前進を開始する。
 砲弾と人工筋肉、キャバリアの装甲片によって耕された荒れ地を疾駆するは、主力戦車とキャバリアの混成部隊である。主力戦車と重装型キャバリアから編成される4個旅団戦闘団が複数の梯団を成し、準備砲撃によって弱体化した生体キャバリアの群れを蹂躙していく。
 もはや戦場を圧するは生体キャバリアの数の猛威ではなく、極限まで合理的に統制された暴力の奔流であった。
 師団砲兵群による縦深同時打撃と、複数戦闘旅団による同時突破。周辺諸国を震撼せしめるアルシェリア帝国の野戦戦闘教義は、オブリビオンに対しても一定の効果を上げることを証明したのだった。
 しかし、帝国軍が相対するは兵站や後方の概念が存在しない過去の亡霊である。如何に強力とは言え、通常戦力で構成される帝国軍のみでは、生体キャバリアの後方に控える敵戦力とオブリビオンマシンに対して苦戦は免れない。
 前進を続ける第8重機甲師団と共に、猟兵達は敵後方に向けて躍進するのだった。
高砂・オリフィス
アドリブ歓迎

そんじゃま敵後方を叩くとしましょーか! 全速前進ってね!
へぇえ、今度はあんまりナマモノぽくないけど合体するのか、すごー! ぼくらも合体したいよね? ガオウ!
……んまあ同意は求めてないけどさ。キミのそのアンバランス感もチャーミングでぼくは嫌いじゃないよ、あははっ!

引き続き機動力を活かしつつ、味方の支援に回ろうかな
やたらめったらに撃ちまくってるやつを捕捉して、お仕置きに切り刻んであげる!
ぼくと踊ろうよ、せっかくこんな舞台なんだからさ!


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

……被害が増え続けなくて、良かったよ。
それじゃあアタシも進撃の手伝いをするかねぇ?
流石に戦列へ参加するなら、
カブよりもOveredが適任だろ。
亜空間から呼び寄せて『騎乗』し、
部隊の先陣を務めるよ!

飽和射撃が終わった後に控えてるのは、
近接部隊のいわゆる殴り込みだろ?
Overedのサイオニッククローで、重機よろしく障害物を吹き飛ばし、
進攻ルートを開こうじゃないのさ!
名付けて、【道拓く爪】ってね!

ビームの雨あられに吹き飛ばした瓦礫の『範囲攻撃』で応戦し。
そうして均した地面をローラー『ダッシュ』で突き進む!
さあ、アタシに続きな。
一気に畳みかけに行くよ!


マリシ・エイトゥム
はぁ……!持ちこたえた!出番ですよ『Saturn XLVIII』!往きましょう!攻勢です!

キャバリア『Saturn XLVIII』に乗り込み【7-X】を発動。『ITER』をフルドライブさせ敵に切り込みます!
キャバリアに乗っても戦い方は変わりません。『ホープブリンガー』を赤熱化させ敵を焼却、爆撃、切断します!
敵の攻撃はよく見て回避、武器で受け流して防御。
倒せる敵は倒すつもりですが見込みが低そうな敵……例えば大きな相手は体勢を崩すことを狙い軍の方々と連携します。
後は飽和攻撃……でしたっけ。よろしくお願いします!

油断せずいきましょう。切っ先は敵の首元に近づいているはずです!

連携アドリブ歓迎



●先陣
 生体キャバリアの群れを掃討し、忌まわしき遺構を無に帰すべく進撃を開始するアルシェリア帝国軍。対する敵は遺構の防御機構の一部と思われるジャイアントキャバリア「修復型マグゥルMk10」である。進撃の切っ先となる第一梯団の前進を支援すべく、後方の師団砲兵群から撃ち放たれた砲撃が、猛然とジャイアントキャバリアの隊列へと降り注いでいく。
 師団全力の火力投射は、オブリビオンマシンの群れごと大地を薙ぎ払い、過去の妄執をその機体ごと無へと還していく。すくなくとも、眼前の光景を目にした人間であれば、そのような未来を想起するであろう。
 しかし、オブリビオンマシンの狂気に侵されたジャイアントキャバリアは、その様な楽観的な想像を覆す。支援砲撃の爆炎を潜り抜け、姿を現すは巨大な影。修復型マグゥルMk10は多数の同型機と融合し、一個の巨大な機体と化すことによって熾烈な砲撃の嵐を凌いだのであった。
 全高5mというクロムキャバリア世界の常識を覆すほどの巨人は、大地を踏み固めながら帝国軍を迎撃すべく前進を開始する。巨人の群れは第一梯団前衛を捉え、内蔵されたビーム砲によって薙ぎ払わんとする。大量の瓦礫の波が群れへと襲い掛かったのは、まさにそのようなタイミングであった。
「さぁ、殴り込みだ! 進攻ルートを開こうじゃないのさ!」
 ジャイアントキャバリアの群れを襲った瓦礫の波を作り出したのは、数宮・多喜の駆る「Overed」であった。
 多喜は敵の攻撃のタイミングに合わせてOveredのサイオニッククローを起動。その重厚な機体が発生させる出力を生かし、周囲に存在する障害物を悉く吹き飛ばし、ジャイアントキャバリアの群れへと投射したのだ。
 師団前衛を射抜かんとしたジャイアントキャバリアのレーザーは、悉く土と瓦礫の波に飲み込まれ、機体の破片や岩塊を融解させるだけに終わる。物理法則に従ってジャイアントキャバリアの群れを飲み込んだ障害物は、攻撃を防ぐと同時に敵の芽を一時的にくらませ、体勢を崩すことに成功する。
 多喜の作り出した障害物の波。その両翼から挟み込むよように敵陣に突入するは、同じく近接戦闘用の武装を手にした2機のキャバリア。高砂・オリフィスの駆る「ガオウ」と、マリシ・エイトゥムの駆る「Saturn XLVIII」である。
「へぇえ、今度はあんまりナマモノぽくないけど合体するのか、すごー!」
 敵機の機構に感心しつつ、オリフィスは瓦礫の波に乗るようにガオウを跳躍させる。宙を舞う大小の瓦礫を飛び石として利用し、ジャイアントキャバリアの直上へと機体を遷移させたオリフィスは、位置エネルギーを運動エネルギーへと変換し、巨大な質量を持つ敵へと躍りかかる。
「お仕置きの時間だよ! キツ〜い身柱を据えてあげる!」
 ガオウが手にするRXキャバリアソード「哦王牙」を、ジャイアントキャバリアは辛うじてその腕で受け止める。通常のキャバリアとは比べ物にならないほどの分厚い装甲で覆われた腕部であったが、オリフィスの意思の力によって増幅された哦王牙の切れ味は、その剪断力を超越した。数mとあろうかという巨大な腕部は、いともたやすく切断され、瓦礫の一つと化して宙を舞う。
「さぁ、ぼくと踊ろうよ、せっかくこんな舞台なんだからさ!」
 反転攻勢という晴れ舞台をオリフィスとガオウは縦横に駆ける。切り結び、体勢を崩したジャイアントキャバリアを踏み台として跳躍し、周囲に存在する機体へと次々に切りかかっていった。
「出番ですよ、Saturn XLVIII!」
 オリフィスとガオウによって切断され、大きく体勢を崩したジャイアントキャバリアに対して、追撃を行うはマリシの駆るSaturn XLVIIIである。
 瓦礫の波の側面を迂回し、混乱するジャイアントキャバリアの群れの中に突入したマリシとSaturn XLVIIIは、瓦礫の波と上空から躍りかかるオリフィスに気を取られていたジャイアントキャバリア達の虚を突き、その懐に潜り込むと、その手に持つ巨大な剣「ホープブリンガー」を構え、ジャイアントキャバリアの腰部から肩部にかけての逆袈裟に切りつける。
「ITER、フルドライブ! もっと熱く! もっと輝くの!」
 Saturn XLVIIIの主機関たるITERを最大出力で稼働させるマリシ。無尽蔵の出力を誇るITERからもたらされる出力を愛剣たるホープブリンガーへと投入すれば、忽ちのうちに赤熱化し、炎の刃と成ってジャイアントキャバリアの分厚い装甲を融解させていく。融解した装甲から発せられる蒸気は急速に膨張し、発生した蒸気爆発によって表面装甲だけでなくその機体内部をも引き裂いていった。
「油断せずいきましょう。切っ先は敵の首元に近づいているはずです!」
 オリフィスとマリシの攻撃によって大きく体勢を崩したジャイアントキャバリアを、自らが作り出した瓦礫の波を引き裂いて突入するOveredのサイオニッククローが貫き無力化する。ローラーダッシュによる速度と、その機体重力から齎される衝撃力は、ジャイアントキャバリアの分厚い装甲を容易に刺し貫いたのであった。
 3機の近接専用キャバリアによって足を止め、体勢を崩したジャイアントキャバリアの群れに対して、後続の帝国軍前衛部隊から放たれる無数の徹甲弾が次々に命中し、その脆くなった装甲を貫徹していく。
 反撃の第一撃は、ほぼ完璧と言っても過言ではないほどに成功したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

槐・白羅
凄いな…これが集団戦術か
合理の上からくるまさに殲滅戦
善い
(生真面目に学び見据え
しかし…此処にプラントがあるのか…ならば此処の敵を殲滅して我が物としたいところだな

だがそれには先ずは此奴らが邪魔だな

モルスよ…お前の力…見せてくれ

(応えるようにUC発動

【殺気】を放ちながら飛び
敵の銃撃は【受け流し】

【貫通攻撃・重量攻撃】
重量をかけ切り裂き分離
受けたダメージは死の閃光の力で容赦なく回復し
更に周囲に【呪詛】を仕掛けて動きを鈍らせれば
即座に飛んで離脱
師団の砲撃の的へと至

やはり凄いな彼らは
俺達の様なイレギュラーさえ即座に合理的に利用する
つまりあらゆる状況への対応に慣れてる
尊敬するよ

野戦戦闘教義を読んでみたいな



●死の舞踏
 惨禍の元凶となった遺構を無力化すべく進撃する第8重機甲師団。その最前衛たる第一及び第二機甲旅団戦闘団は、その戦闘教義の粋を集めた無停止進撃を敢行していた。
 一定の間隔を保持しながら楔形の陣形を取る主力戦車が榴弾によって生体キャバリアの群れを乱し、側翼に展開する重装キャバリアによる大口径機関銃が容赦なく生き残りを掃討していく。
 後方の師団砲兵群から届く支援砲撃は各旅団戦闘団に所属する偵察大隊からの情報を受け随時砲撃諸元を修正し、前衛の進撃に同期する形で着弾点を修正していく。
「凄いな……これが、集団戦術というものか」
 己の国を打ち建てる事を目論む槐・白羅にとって、眼前に広がる光景は大いに嘱目すべきものであった。
 死の翼を展開する冥導神機の内にあって、戦場を鳥瞰する白羅は、アルシュリア帝国軍の戦闘教義を咀嚼すべく戦況を見据える。
「しかし、此処にプラントに類するものがあるのか。――ならば」
 白羅は過去の遺構が存在するであろう遠方に視線を向ける。地平線上に、新たな敵手が姿を現しつつあった。
「まずは、此奴らを片付けることにしよう」
 主たる白羅の命を受け、主機関からもたらされる莫大なエネルギーが飛行ユニットたる死の翼に伝導される。冥導神機は、冥色の翼を顕現させ、鉛色の空を飛翔する。
 尋常ならざる敵手たる冥導神機を捉えたジャイアントキャバリア、修復型マグゥルMk10の行動は迅速に行動する。周囲の機体が群れ集うように結合し、一機の巨大な存在として屹立すると、無数のレーザー射出孔を開き対空射撃を実施した。
「――モルスッ!」
 白羅は冥導神機に拍車をかけ、その力を解放する。腰部から魔剣「死の運命」を抜刀し、膨大な光束を切り払う。
 熾烈な対空射撃を切り裂き、冥導神機は敵陣の只中へと突入する。神機から発せられる奔放な殺意は、生命としての側面を併せ持つを威圧し、その動きを鈍らせる。
「モルスよ……今こそその権能を示せ……!」
 死という概念そのものと化した魔剣が、慄き立ちすくむジャイアントキャバリアを両断する。生命としての本能から、敵味方問わずに投射されたレーザーは神機の機体を焦がすも、神機の権能によって奪い取った敵の生命力が即座にその傷を癒していく。
 白羅と冥導神機は、周囲の注意と敵意を一身に引き受けたことを確認すると、おもむろに死の翼を展開し、再び上空へと飛翔する。
 白羅と冥導神機の闘気に侵食され、動きを鈍らせたジャイアントキャバリアは、正面に迫る機甲部隊の存在を一時的に失念した。主力戦車から放たれる徹甲弾と、重装キャバリアが放った誘導弾によって次々と射抜かれ、爆散していく巨人を見遣り、白羅は目を細める。
「俺達の様なイレギュラーさえ即座に合理的に利用するか。やはり、戦慣れしているな」
 これが終わったら、彼らの戦闘教義に目を通してみたいものだ。白羅はその様な感情を抱きながら、次なる群れに死を与えるべく冥導神機を躍動させるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

バーン・マーディ
合理に基づく戦術…時代が時代なら…否
この世界と時代においても尋常ならざる強国よ

【戦闘知識】
敵集団の状況把握
【オーラ防御】展開
【切り込み】
敵陣に躊躇いなく突撃
【武器受け・カウンター】で攻撃を受け止めながら襲い掛かり軍神の剣で切り裂き
敵が群がるのも気にせず


機甲師団に撃てと申請
続いての言葉はただ一言「信じよ」

驟雨の如く襲い掛かる火と鉄の蹂躙を耐え抜き(それでも尚無傷なはずはなく壮絶なる姿を晒し
UC発動!

神をも蹂躙すべき恐るべき力だ
故に…我も応えよう
業火へと至る叛逆の刃を

後方の敵陣に襲い掛かる

【二回攻撃・怪力・生命力吸収・吸血・鎧破壊・鎧貫通】
切り裂き破壊し剣を介して血とエネルギーを容赦なく啜り



●凄絶なる神機
 生体キャバリアの群れを掃討し、後方のジャイアントキャバリアの群れとの交戦が本格化した戦場に、一機の神機が顕現する。
 背部の光輪より紅蓮の炎と化した闘気を放ち、禍々しく勇壮な軍神の剣を掲げ戦場を闊歩する様は、誰見違うことがあろうか。
 闘争の具現たるその神機の名は、マーズ。ヒトから神へと至った戦士、バーン・マーディの駆る破城神機である。
「合理に基づく戦術……時代が時代なら……否、この世界と時代においても尋常ならざる強国よ」
 終わらぬ戦火が覆うクロムキャバリアという世界が作り出した戦闘技術の粋。人間たちが多くの人血を代償に培ってきた技術は、戦の化身たるバーンをして瞠目させるものであった。
「マーズよ、貴様もまた高揚するか。……よかろう」
 僕たる神機の闘気の高ぶりを感じ取ったバーンは、破城神機と共に敵陣へと駆ける。
 轟音と共に大地を踏みしめながら迫る神機に対して、ジャイアントキャバリアの群れは猛然と射撃を開始する。
 夥しいレーザーの波を闘気によって相殺し、軍神の剣を振るい切り裂きながら、バーンと破城神機は正面から敵陣に突入する。その進撃には一部の躊躇もなく、紅蓮の刃と化した神機は、集合体と化したジャイアントキャバリアの装甲を易々と切り裂きながら敵陣奥深くへと進撃する。
「群れ集い、軍団と化して尚、この刃を防ぐことは叶わぬと知れ」
 バーンの言が体現ではないことは、その圧倒的な存在感と戦火が証明していた。複数の機体が集合し、個をして軍団となってなお、軍神の剣は容赦なくその巨体を切り裂いていく。
 しかし、それでもなおジャイアントキャバリアの群れは殺意も露わに神機へと迫る。切り裂かれ、倒れた仲間の機体を乗り越え、あるいは再び吸収しながら、巨人の群れはバーンと破城神機を中心に密集していく。
 如何に神機と言えど、これほどの大群を相手に苦戦は必定と思われた。しかし、この状況こそがバーンが望み作り出した光景であった。
「我に続く戦士たちよ。今こそが好機である、撃つがよい」
 バーンの要請の意図は、過たずに後方の装甲旅団戦闘団へと伝わる。事実として、破城神機へと群がるジャイアントキャバリアという構図は、前衛の旅団戦闘団と師団砲兵群にとってはこれ以上ないほどの好機であった。しかし、彼らもまた軍人であった。半ば本能的に、友軍を撃つという事に躊躇する。
「――信じよ」
 躊躇する軍人たちに対して、バーンは告げる。そのただ一言と破城神機の雄姿とが、軍人たちの背中を押した。
 通常のキャバリアであれば一撃で爆散せしめる装弾筒付徹甲弾と師団砲兵群から放たれる大量の収束弾及び徹甲榴弾が破城神機周辺へと一斉に撃ち込まれ、人間の知覚の限界を超えた爆轟と衝撃波が戦場全域に響き渡る。
 それはヒトが作り出した神の雷。神ならぬ巨人たちは成す術もなく、装甲の一片すら残さずに消滅する。
「……神をも蹂躙すべき恐るべき力だ」
 かくの如き破壊の後にあって、バーンと破城神機はその形を保ち続けていた。
 漆黒の粘液によって破滅的な火力を吸収しながらも、破城神機の姿は満身創痍に見える。
 しかし、如何なることであろうか。傷だらけとなってなお、否、傷を負えば負う程に、破城神機の放つ闘気は研ぎ澄まされ、その鮮烈さを増していった。
「――故に、我も応えよう。業火へと至る叛逆の刃を」
 破城神機が一歩大地を踏みしめる都度に、その強大な闘気は戦場を圧し、機械と生命双方の側面を併せ持つジャイアントキャバリアの群れを畏怖させていく。
 まさに軍神と化したバーンと破城神機は、圧倒的な力をもって後方のジャイアントキャバリア達を蹂躙していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イザベラ・ラブレス
ブラーヴォー!最高のタイミングで駆け付けたビッグバンド(師団)に盛大な拍手を!
ついでにベッド(賭け)額の上限が上がったんだからデカく張って、デカく勝つわよ!

SPD:敵が合体したところを一網打尽にする作戦

チマチマと雑兵潰しをしていてもキリがないわ。
合体して狙いやすくなったところを一気に叩く!
重機甲師団には敵を一か所に追い込むように火力支援を要請!
正面はこっちで受け持つ!
敵が合体したことを確認できたらツァーリ・ラケータの【鎧無視攻撃】で表面装甲を破壊。
丸裸になったところでコックピットハッチを開きUCを発動、「XM2082対物対空ライフル」80挺を展開して仕留めるわよ!【砲撃+スナイパー+重量攻撃】



●ローリスク・ハイリターン
「ブラーヴォー! 最高のタイミングで駆け付けたビッグバンド(師団)に盛大な拍手を!」
 愛機たる「マイティー・バリー」のコクピットにあって、イザベラ・ラブレスは上機嫌に手を打ち鳴らす。
 イザベラとマイティー・バリーは、大口径のガトリング砲弾を敵陣に向けて撃ち放ち、師団前衛である第一梯団を先導するように前進する。
 轟音と共に猛烈な勢いで放たれる砲弾は、170mmと言う大口径。小口径ならば艦砲の直撃にすら耐えうるという信じがたい逸話を持つマイティー・バリーだからこそ扱える破壊の嵐は、ジャイアントキャバリアの群れを易々と薙ぎ払っていく。
 しかし、尖兵たる生体キャバリアと同様、眼前に展開するジャイアントキャバリアもまた圧倒的な物量をもって迫りくる。マイティー・バリーの殲滅力をもってしても、一網打尽に出来るとは言い難い。ちまちまと雑魚を潰してもキリがないと判断したイザベラは、後続の師団砲兵群へと支援を要請する。
「ハロー、ビッグバンド。こちらはマイティー・バリー。支援砲撃を要請するわ」
「やぁ、マイティー・バリー。こちらはサーキットハブ。アンタ達の話は聞いてるよ。喜んで砲兵を配分しよう。規模は重砲及び連装ミサイル砲兵各1個大隊」
 一時的にせよ、師団砲兵群の相当部分をイザベラに割り当てるという大盤振る舞いに、思わず笑みがこぼれる。
「ありがとう、サーキットハブ。目標位置、方位はデジタル系で送信中。こちらは観測準備よし。派手にやって頂戴」
「了解した。これなら既に射撃計画調整済みだ。初弾は……いま発射した」
 前衛の進路上であるとはいえ、送信した位置情報に合わせてこれほど早く射撃計画を調整し初弾を放り込むのは尋常な練度ではない。十秒程度の間をおいて飛来した徹甲榴弾と収束弾の嵐が、忽ちのうちにジャイアントキャバリアの群れを包み込んでいく。
「弾着良好。正面はこっちで受け持つわ!どんどんやって頂戴」
「オーケイ、マイティー・バリー。派手に始末してやってくれ!」
 後方の師団との交信を終えたイザベラは、戦意も新たに前方のジャイアントキャバリア群を見据える。
 果たして彼女の狙い通り、激しい砲撃に晒されたジャイアントキャバリアの群れは、その砲火に適合するかのように群れ集い、一個の巨大な個体へと変貌を遂げる。
 的は少なく、かつ大きく。まったくもって、イザベラの目論見通りであった。
 彼女はすぐさま長距離多目的誘導弾「ツァーリ・ラケータ」の安全装置を解除し、発射する。
 マイティー・バリーから撃ち放たれたミサイルの皇帝は、その名に違わぬ圧倒的な炸薬量をもってジャイアントキャバリアの装甲を破砕し、大小の亀裂を生じさせる。
「さぁ、ジョージ! せっかく賭けの上限が上がったんだから、デカく張って、デカく勝つわよ!」
「了解だ主よ。派手な宴を始めよう」
 主の発破に、屍山血河の魔獣たるジョージは如才なく応じる。
 イザベラは迷いなくマイティー・バリーのコクピットを開け放つと、自らの僕たる屍山血河の魔獣の身体を変形させ、大量のXM2082対物対空ライフルを複製する。
 対キャバリアとしては小口径に類する25mm口径弾であったとしても、師団砲兵群の砲撃とツァーリ・ラケータによって打ちのめされた装甲は容易く貫徹されることとなった。
 多数の敵を一か所に纏め、殲滅するという兵法の常道に沿ったイザベラの作戦は、見事成功したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

小和泉・佳奈恵
第一波はなんとかなった。
でも次がまた押し寄せてきたらどうなるかわからんしね。
根を叩くのは理に適っとうと思う。
それじゃあぼくも、前に出ようかな。

予備のセルを装填してセンチネルを再起動。
XM-03はもう使い物にならんね。あとで回収するとして置いていこう。
匍匐跳躍はこういう地形でも役に立つ。練習して無駄にならんで何よりやったね。
第八に先行して偵察、敵の新手を捉えたら師団砲兵その他火力投射源に位置座標を送ろう。
数で押し込まれるとマズそうやし、いけそうなら敵を牽制して誘引、師団に真正面から突入される事態を避けたかね。
敵機とは距離を維持して陽動と観測に徹するよ。



●強行偵察
「第一波は、なんとかなった」
 だが、次が押し寄せてくれば果たしてどうなるか。如何に眼前をすすむ兵力が強大であったとしても、燃料や弾薬が尽きれば、ただ物量の波に飲み込まれるだけの存在と化す。
「根を叩くのは理に適っとうと思う。それじゃあぼくも、前に出ようかな」
 小和泉・佳奈恵は、役目を終えたジオアームズXM-03をセンチネルからパージすると、予備の電源セルを装填し、機体を再起動させる。重装備を捨て身軽になったセンチネルを機動させ、第一梯団前方へと進出する。
 如何に装甲師団と言えど、敵はオブリビオンマシンの影響を受けたジャイアントキャバリアである。その物量と併せて、正面からぶつかれば苦戦は必定であろう。そのように考えた佳奈恵は、砲撃や戦闘で起伏だらけとなった地形にアンカーを射出し、ジャイアントキャバリアの群れに気が付かれねよう匍匐跳躍を行う。
 幸いにして、起伏が豊富となった地形ではハルダウンを取ることは容易であった。
 センチネルの多眼型頭部に搭載された各種センサ情報によって敵の位置と速度を割り出した佳奈恵は、即座に第八重機甲師団のへと連絡を送る。
「師団砲兵へ、こちらはセンチネル。第一梯団前方に迫る敵製キャバリア群を確認した。凡そ旅団規模。後続するキャバリア多数。阻止砲撃を要請する」
「センチネル、こちらサーキットハブ。師団火力調整官だ。了解した、観測情報を送信されたし。直ちに試射を実施する」
「了解、サーキットハブ。こちらはいつでも観測、修正可能。いつでも問題なかよ」
 コンソールを操作し、共有されたデータリンクに観測情報を送る佳奈恵。送信から十秒程度で観測射がジャイアントキャバリアの群れ直上で炸裂する。
「サーキットハブへ、オンターゲット。いい腕やね、そのまま効力射をよろしく」
「了解した、センチネル。直ちに効力射を実施する。アンタはどうする? 後退するなら支援射撃もできるぜ」
「ありがとう、サーキットハブ。でも問題なか。こっちで敵の一部を誘引しながら観測情報を送り続けるけん、前衛の部隊と砲兵に調整をよろしく」
「了解した、センチネル。幸運を」
 佳奈恵はセンチネルにハルダウン姿勢を維持させつつ、多用途誘導弾発射装置から対戦車誘導弾を発射する。噴煙と共に高速でジャイアントキャバリアの群れへと突入した対戦車誘導弾は、複数の機体に命中し、その炸薬量の猛威をもって爆散させる。
 上空からの砲火に気を取られていたジャイアントキャバリア達は、側面から加えられるセンチネルの射撃に対応できず、次々に爆散していく。
 新たな敵手に対応すべく、ジャイアントキャバリアの群れは一斉に砲門をセンチネルへと向け、生体レーザーを撃ち放つ。
 地形を利用してそれらを回避したセンチネルの内にあって、佳奈恵は満足げに微笑む。
「牽制としては十分みたいやね。あとは陽動と観測に徹しよう」
 センチネルから継続的にもたらされる観測情報によって、次第砲兵群は効率的にジャイアントキャバリアの群れを叩き続ける。それだけではなく、地形を生かしたセンチネルの匍匐機動によって攪乱されたジャイアントキャバリア群の隊列は乱れ、接敵した第一梯団によって突破されることになるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

亞東・霧亥
◆桐嶋技研

常世の武器では相手にならぬ敵も、怒号、閃光、灼熱、浴びせ続ければ足止め・撹乱にはなる。

・索敵、情報収集、足場習熟、悪路走破、忍び足、目立たない
宙界の瞳を上空に展開し、索敵及び破壊された足場などを詳細に記録していく。
仲間が師団が攻撃を行う時に、より効果的にダメージを与えられるように。

皆は配置に付いただろうか?

【UC】
7機の宙界の瞳を同時起動、操作に集中する。
戦場全体を補うには足りないが、7機の瞳が映す犇めく敵機と地形の情報をリアルタイムで仲間と師団に送信・共有する。

「これで戦局が有利になれば良いが。」


ダビング・レコーズ
◆桐嶋技研
本隊の到着により戦況は此方側へ傾いた
だがこれは時間制限付きの優位性に過ぎない
攻撃主導権を握っている内に大勢を決しなければならない
弾薬及び推進剤の補給を完了
アークレイズ、再出撃します

戦線を支える前衛として行動
水之江博士のメルトフレアの発射終了後残敵を掃討しつつルドルフ様隷下の無人機を伴い重機甲師団と共に前進
後衛部隊より砲撃支援を受けながら最前線に展開する敵部隊へ攻撃を行う
単体はブレードとライフルを主軸とした高速戦闘で対処
小集団には射撃モードのルナライトで荷電粒子榴弾を発射
亞東様のオペレーティングを参考に攻撃効率の高い地点へ撃ち込む
更に地形破壊作用により敵軍の後続に侵攻遅滞効果を及ぼす


桐嶋・水之江
◆桐嶋技研
一見こちらが優勢に見えるけれど、バイオキャバリアの底が知れないこの状況じゃ気楽になれないわね

ラインを押し上げるわ
ワダツミのメガビーム砲を触媒にしてメルトフレアを正面へ扇状に旋回照射
正面の道を開けてダビングと機甲師団に進んでもらうわ
焼き払った後は更地になるから進軍速度も増すでしょうね
砲撃の管制周りはルドルフさんに丸投げして私は撃つだけだけれどね

進路上の安全が確保されてからワダツミも前進
まあ、プロテクトフィールドもあるし多少の取りこぼしがあっても大丈夫よ
前線に到達する頃には砲の冷却も済んでるから再度照射
今度は最前線よりちょっと奥を狙うわ
後続を途切れさせれば前衛も簡単に押し潰せるでしょう


ルドルフ・エルランゲン
※絡みアドリブ大歓迎

◆桐嶋技研
博士のワダツミに同乗
「ヘリや機甲師団の誘導に手間取りましたが間に合ったようですね」とブリッジに合流
まずは死地を脱したようですが…予断を許す戦況ではない…か
勝手知ったるなんとやらで副長席から部隊の発艦、射撃統制等を担当

■機兵八陣の計:wiz
部隊の1割(約30機)に高機動ブースターを装備、ダミーオプションで外観も偽装しアークレイズに随伴。精鋭ダビング機の隠匿と死守を図る
8割(約300機)は前線に配備、支援砲撃やワダツミの艦砲により生じた空隙を面で圧迫制圧しつつ進軍。亞東さんからのデータも効果的に使用して統制射撃に活かす
残る1割はワダツミ直掩に回し、取りこぼしを排除する



●完成されたシステム
「さて、これで最後だな」
 熾烈な戦闘によって荒廃した大地を、一人の人間が駆ける。仲間たちから先発して前線へと至った亞東・霧亥は、偵察ドローン「宙界の瞳」を上空へと打ち上げていく。ドローンに搭載された各種センサーが、敵の位置や移動速度、地形状況と言った戦場におけるあらゆる情報を取得し、主たる亞東に送信していく。
 亞東は合計7機のドローンを同時並行で操作しながら、それらがカバーする探知範囲内の情報を受信・統合を行い、友軍の戦術データリンクへと送信を行っていく。
 これら一連の作業は、言うは易し行うは難しという言葉の典型例である。複数の偵察機を管理し、それらからもたらされる情報を分析・統合・分配する能力を持った情報基盤の構築は、クロムキャバリアだけに留まらず、古今東西のあらゆる軍隊が大量のリソースを投じて構築を試みている難事であった。
 戦術レベルでのリアルタイム情報連携という難事を、亞東は一個人の能力のみで実現しているのである。
「常世の武器では相手にならぬ敵も、怒号、閃光、灼熱、浴びせ続ければ足止め・撹乱にはなる」
 彼が宙界の瞳を中心として構築した情報基盤からもたらされる情報は、同じ戦場で戦う他の猟兵や後方の師団主力のもとに齎され、より効率的な戦闘を実現させる。
「さて、皆は配置についただろうか」
 亞東が空を見上げれば、彼の戦友たちが座上するワダツミ級強襲揚陸艦が前線へと到達しつつあった。

「やぁ、博士。ヘリや機甲師団の誘導に手間取りましたが、なんとか間に合ったようですね」
 前線へと移動するワダツミの戦闘指揮所に顔を出し、勝手知ったる様子で副長席に収まるはルドルフ・エルランゲン。
 先の生体キャバリアとの戦闘には直接参戦しなかったものの、後続の第八重機甲師団の展開に彼は陰ながら貢献していた。師団が戦闘加入した現在、ルドルフもまた戦場へと復帰したのであった。
「そっちもお疲れ様、ルドルフさん」
 艦長席に収まる桐嶋・水之江は、ルドルフを労いながら戦況図に目を向ける。
「一見こちらが優勢に見えるけれど……、バイオキャバリアの底が知れないこの状況じゃ気楽になれないわね」
「まずは死地を脱した……というところですが、予断を許す戦況ではないでしょうね」
 桐嶋の言に、ルドルフもまた頷く。確かに、一見すれば友軍が優位にあるようにも思える。しかし、過去の遺構から無尽蔵に生体キャバリアが生産されている可能性を考えれば、そう楽観視できる状況でもない。
「なら、やるべきことは一つ。ラインを押し上げるわ」
「正規軍の花道を作って差し上げるとしましょうか。部隊と射撃管制はお任せあれ、博士」
 ルドルフは慣れた様子で戦闘指揮所のコンソールを操作すると、彼自身が掌握する汎用キャバリア部隊をワダツミを中心とする戦術ネットワークへと接続。火器管制システムの状況を確認すると、艦長たる桐嶋へと報告する。
「艦載部隊、出撃準備よし。主機関、戦闘出力への切り替え完了。主砲及び各種兵装、発射準備よし。被曝防護措置……確認。各部状況確認完了。本艦戦闘準備よし」
「大変結構。亞東さん、ダビング、そっちの準備もいいわね」
「アークレイズ、再出撃準備完了。いつでもどうぞ、博士」
「こちらも宙界の瞳の展開が完了した。これから戦術ネットワーク上に情報を送信する」
 僚友たちの返答を受け、ワダツミの艦長たる桐嶋は戦闘開始を決断する。彼女は自らのユーベルコードを発動し、自らの座上艦あるワダツミの主砲に搭載された機能を解放する。
「では始めましょう。ルドルフさん、念のため友軍に警報を上げて頂戴。30秒後にメルトフレアを照射するわ」
 30秒後、ワダツミの主砲内部に装填された粒子ペレットに、主機関から供給された高密度のエネルギーが照射されることで、連鎖的な爆縮による核融合反応が発生する。
 核融合反応によって生じた摂氏5000度を超える超高温の爆風は、主砲の砲門から扇状に解き放たれ、一瞬にして主砲射程範囲に存在したジャイアントキャバリアの群れを地表ごと焼き尽くしていく。
「敵前衛、消滅。しかし、後衛及び後続のキャバリアは依然前進中」
「まぁ、こんなものでしょうね。ダビング、ルドルフさん、あとの始末はよろしく」

 桐嶋の指示を受け、ルドルフは艦載機出撃孔を解放する。格納庫にはルドルフの制御下にある300機以上の汎用キャバリアと、ダビングが駆るクロムキャバリア「アークレイズ」が出撃準備を整え待機していた。
「我が機兵八陣の計、御覧に入れましょう。ダビングさん、よろしくお願いしますね」
「了解しました、ルドルフ様。アークレイズ、出撃します」
 背部ブースターから眩い閃光を放ちながら、アークレイズはワダツミより出撃する。ダビングとアークレイズに続くはルドルフが制御する高機動ブースターを装備した汎用キャバリア、おおよそ30機。個艦防空と残敵殲滅の要たるアークレイズを援護、隠匿するための部隊である。
 猛烈な勢いで発艦し、ジャイアントキャバリアの群れに迫るアークレイズは、その圧倒的な機動力によって対空砲火を掻い潜ると、群れの中心に向かって荷電粒子榴弾を投射する。
 空中から高速で投射された荷電粒子榴弾は、ジャイアントキャバリアの直上で炸裂し、雷神の鎚と化して周囲の地形ごとキャバリアの群れを粉砕していく。
 ダビングの駆るアークレイズは、肩部ベクタードブースターと腰部大型ブースターから齎される巨大な推力と全方向への瞬間的な加速力によって、ジャイアントキャバリアから放たれる対空砲火の雨を悉く掻い潜り、上空からの破壊を振りまいていく。 ワダツミや後方の師団砲兵群から投射される援護砲撃を警戒して群れ集い、一個の巨体と化したジャイアントキャバリアに対しては、リニアアサルトライフルによるピンポイント攻撃と、機体速度を運動エネルギーに変換した荷電粒子ブレードによる斬撃によって確実に無力化し、散開する小型の個体に対しては荷電粒子榴弾による面制圧を実施し、敵キャバリア群の隊列を千々に乱していった。
 半ば壊乱状態と化したジャイアントキャバリアの群れにとどめを刺したのは、ダビング達と別れる形で発艦した、ルドルフが操る汎用キャバリアの主力部隊300機であった。
 数の上では数個旅団相当の戦力は、ダビングとアークレイズが破壊の雨を振りまいたジャイアントキャバリアの隊列を襲撃し、その数を生かした統制射撃によって面制圧していく。
 このように複雑な無人機運用を実現可能たらしめている要素は、ルドルフの電脳魔術師としての素養と、亞東が戦術ネットワーク上にリアルタイム共有する戦況情報であった。この二つの要素が有機的に噛み合うことによって、単独では成しえないほどの戦果を実現しているのだった。
 ルドルフが操る汎用キャバリア部隊は、亞東から提供される正確な敵の位置と地形情報を基に統制射撃及び回避機動を実施し、敵部隊からの攻撃による被害を最小限に抑えながら、最大の戦果を挙げることに成功しつつあった。
 亞東がもたらす情報と、桐嶋が座上するワダツミの圧倒的な火力。ダビングとアークレイズが率いる機動戦力と、ルドルフが操る大兵力。
 戦場において、勝利のために必要とされる全ての要素を満たした4人の連携は、必然の大戦果を掲げることに成功したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

荒谷・ひかる
何とか、押し返せましたか……
ですが、ここからが本番ですね。
行きましょう、皆さん!

Guardian Spiritに搭乗したまま【闇の精霊さん】を展開しつつ先頭に立って前進
わたしにタゲを集め、生み出した指向性マイクロブラックホールを盾代わりにしてビームを吸い込み、二丁拳銃での射撃で反撃
また吸い込んだビームは状況に応じて生成した別のマイクロブラックホールから吐き出すことで攻撃に利用します
無属性であれ、ビームと言うからには何らかの撃ちっぱなしの粒子の束であるはず
であれば、闇の精霊さんで吸い込めないはずがありませんね

そのまま後方からの砲撃と合わせる事で、正面の敵を殲滅します!


天音・優歌
うー、最初のやつも気味が悪かったけど
新手も違う方向で不気味だね
でも、こんなので怯んでいられない
いくよ、メソテース!

高所を空中浮遊しながら回避を重視した立ち回りをしつつUCを発動
空から剣の雨を降らせ敵を攻撃
派手に広範囲に剣をばらまき面制圧しながら敵を誘導
ある程度、集めることに成功したら友軍に支援要請
友軍と同時に攻撃して一網打尽を狙います

舞い剣戟の音を降らせよ、フロネシス・スパーダ!


玉兎姫・カグヤ
新手は周りと合体して大きく強くなるタイプか
でも、少数精鋭的には1カ所に集まるなら逆にやりやすいわね
玉兎姫・カグヤ、ヴォルパーティンガー、いきます!

UCで高速飛行しながら敵の数を減らしつつ
敵がUCで合体し巨大化したら攻撃を避けることを重点に立ち回り
友軍に巨大化した敵の位置を伝え砲撃支援を要請
友軍の砲撃と共に武装の一斉射撃を敵に叩き込みます

デカければ強いと思ったか、バカめ
こっちからすれば的がでかくなっただけだ!
火力一点集中、ファイア!



●少数による包囲
 生体キャバリア程ではないにせよ、大規模な物量を頼みに迫りくるジャイアントキャバリアの群れ。
 第8重機甲師団の第一梯団は当初の陣地線から30kmほどの前進を果たしたものの、兵站上の限界から進撃を緩め、後続の第二梯団に前線を引き継がせるべく伸びきった戦線の縮小を図っていた。
 アルシュリア帝国軍にとって、大規模な戦力の入れ替えは慣れた物であるとはいえ、警戒を要するタイミングである事もまた事実である。
 事実として、部隊の再編成を図る第一梯団の諸部隊に対して、ジャイアントキャバリアの群れが逆襲を図らんとしていた。
 猟兵達が前線へと立ったタイミングはまさにそのような時であった。
「何とか、押し返せたようですが……、ここからが本番ですね」
 荒谷・ひかるは愛機たるGuardian Spiritのコクピットにあって、迫りくるジャイアントキャバリアの群れを見据える。生体キャバリアとはまた別の悪意を発する機体を前に、彼女は表情を緩めることなく機体に魔力を伝導する。
 彼女の言の通り、未だ戦況は楽観できるものではない。第一梯団と第二梯団が入れ変わるこのタイミングで敵の攻撃を許せば、進軍そのものが頓挫しかねない。
「うー……、最初のやつも気味が悪かったけど、新手も違う方向で不気味。でも、ここで怯むわけにはいけないってことだね」
 僕たるメソテースの内にあって、天音・優歌もまた正面を見据える。メソテースは自身の剣を杖として構え、主たる優歌の魔力を増幅させるべく準備を整えていた。
「新手は周りと合体して大きく強くなるタイプか。なら、かえって私たちにとってはやりやすいわね」
 ヴォルパーティンガーを駆る玉兎姫・カグヤは、愛嬌のある愛機の内にあって各武装の安全装置を解除する。
 彼女達三人の戦闘方針は、まさにカグヤの言の通りであった。3機のキャバリア、3人の猟兵の能力を用いて前進する敵の群れの動きを制圧。敵の性質を逆用し、標的を少数に纏めたのち、後方の師団砲兵群と猟兵達の最大火力によって一挙に殲滅する。
 シンプルかつ効果的な手段ではあるが、猟兵達の能力が無ければ実現しえないプランであった。
「では皆さん、行きましょう!正面と援護はお任せください」
 ひかるの言葉が、戦闘開始の合図であった。猟兵達は弾かれたように愛機を機動させ、ひかるは敵陣正面、優歌は敵陣右翼、カグヤは敵陣左翼に向けてそれぞれ前進する。
「お願い、闇の精霊さん。皆を護って!」
 ジャイアントキャバリアから猟兵達に放たれる無数の光線は、猟兵達に届くことはない。レーザーと猟兵達との間に出現した闇の精霊による指向性ブラックホールが機体に群がる光線を次元の狭間へと吸い込み、無力化していく。
「いくよ、メソテース! 剣戟をもって魔を祓えッ!」
 主たる優歌の命を忠実に汲み取ったメソテースは、自らのマントを翻し、敵陣右翼に対して魔力の剣を投射する。柄頭の宝玉が輝く度に、多くのジャイアントキャバリアが魔力の剣によって刺し貫かれ、中央へと圧迫される。
「玉兎姫・カグヤ、ヴォルパーティンガー、いきます!」
 カグヤの駆るヴォルパーティンガーは、白うさぎとも称される愛嬌のある姿からは想像もつかぬほどの大火力を発揮し、敵陣左翼を圧迫する。
 カグヤの正確な操縦技術によって巧みに敵のレーザーを回避しつつ、愛機の大口径のライフルを用いて一機一機確実に敵を屠っていく。
 両翼から猟兵達によって圧迫されたジャイアントキャバリアの群れは、果敢に迎撃を試みるが、その悉くがひかるの使役する闇の精霊によって防がれ、或いは回避される。
 敵陣中央部に敵が密集し、多くのジャイアントキャバリアが融合していったタイミングで、Guardian Spirit、メソテース、ヴォルパーティンガーがそれぞれ信号弾を上空に向かって打ち上げる。
 事前の示し合わせに従った師団砲兵群が敵が密集する中央部に向かい砲撃を開始すと、両翼を圧迫し続けていた優歌とカグヤ、そして中央部で敵を押しとどめていたひかるが自身が持つすべての火力を投入する。
 師団砲兵から放たれるありったけの鉄量が、ヴォルパーティンガーに搭載される全ての兵装が、メソテースから放たれる数多の魔剣が、そして、闇の妖精が時空の狭間に封じ込めたレーザーが、必殺の意思をもって敵の群れへと降り注ぎ、その悉くを焼き払う。
 第一梯団と第二梯団の交代という、一歩間違えば危機的な状況に陥りかねないタイミングでの敵の攻勢は、かくの如き猟兵達の活躍によって阻止されたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

エイス・シノノメ
ふぅ、何とか戦線は持ち堪える事ができましたね
やはり友軍の支援は頼もしいものです
祖国とは違えどもこのアルシェリア帝国軍は良く訓練されているだろう事が見て取れます
これで維持であった戦線を打って出る事が出来ると言う事ですね!
生体キャバリアの後方から出現した新手はどうも互いに合体する模様
巨体となれば友軍ヘリに手が届き、戦車の上面を狙われてしまいかねません
砲弾が耕した地を走るのはキャバリアとて足を取られ迅速を欠くため、前線に近づいた合体した個体から全力を持って叩き、巨体化した敵機を踏み台とするように飛び移りながら解体していきます
撃破できずともバラせられれば生体キャバリアと共に友軍が叩いてくれるでしょう



●ジャイアントキリング
「ふぅ、何とか戦線は持ち堪える事ができましたね」
 第一梯団に代わり、第二梯団として師団前衛を務める第三及び第四機甲旅団戦闘団の主力戦車、キャバリア部隊と肩を並べ前進する愛機のコクピットの内にあって、エイス・シノノメは言葉を漏らす。
 これまで維持することに精一杯であった戦線は大きく前進し、今回の災禍の元凶たる遺構は目前に迫っている。
 しかし、前方に立ち塞がる敵の群れもまた依然として健在であった。師団砲兵群の支援砲撃を巨大化することによって掻い潜ったジャイアントキャバリアは、明確な殺意をもってエイスと第二梯団の前に立ちはだかる。
「事前の情報通り、敵は互いに合体する様ですね……。でも、やりようはあります」
 あれほどの巨体であれば、展開する戦闘ヘリを打ち落とすことも、比較的装甲の薄い主力戦車の上面装甲を狙うことも可能になるだろう。如何に味方が強力であるとはいえ、巨大化したキャバリアの群れは明確な脅威となりうる。
 しかし、エイスの言の通り、対抗しうる手段は存在する。エイスの技量と、愛機たるクロムキャバリアの性能をもってすれば、実現可能である手段が。
「エイス・シノノメ、躍進します! みなさん、後ろはお任せいたします」
 過酷な陣地戦でのエイスの活躍と、他の猟兵が行った第一梯団との共闘を経て、もはや帝国軍の内に猟兵の実力について疑問を差し挟むものは存在しない。部隊を先導するエイスのクロムキャバリアに支援射撃を加えることで、第二梯団の諸部隊はエイスが前進するための道を切り開く。
「……やはり、友軍の支援がある戦場とは、良いものです」
 愛機のコクピットの内にあって微笑みながら、エイスは複雑な機動を描きながら巨人の群れへと迫る。迎撃のために放たれたレーザーを地形を利用することでしのぎ切ると、エイスは機体を跳躍させ、敵部隊上方へと機体を遷移させる。
「いくら巨体でも、接合部を狙えば……!」
 ユーベルコードの影響によって猛烈な速度で起動する機体を巧みに制御しながら、エイスは主兵装のプラズマライフルを使用して敵機体の接合部を狙い撃つ。超高温によって撃ち抜かれた接合部は忽ちのうちに融解し、融合したジャイアントキャバリア達がより小さい単位へと分解されていく。
 エイスは高速機動によって敵の群れを翻弄し、巨体をより細かな単位に分解しながら、敵陣の奥深くへと前進する。しかし、それは彼女の孤立を意味するものではない。エイスに背中を任せられた戦車が、キャバリアが、彼女を援護すべく分解され足を止めた敵機を撃ち抜き爆散させていった。
 エイスと第二梯団による連携戦闘によって、帝国軍と猟兵達は、また一つ敵の防衛線を突破することに成功したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

太刀風・橘花
ふむ、素晴らしい鉄量と練度を誇る機甲師団だ……しかし、いつまでも感心して見ているわけにもいかんな
砲兵火力は足りているようだから、私は戦闘爆撃機隊による【航空支援】を要請しよう

我が航空隊はこちらでは旧型扱いされるだろうプロペラ機が主力だが、搭載する爆弾は対地攻撃に充分な威力を発揮する
私は使い魔の妖狐の兵士達を率い随伴歩兵として友軍機甲師団に同行、立ち塞がる敵に随時爆撃の指示を出して近接航空支援を行う(『索敵』『爆撃』)

元が巨大だというのにさらに合体して巨大化するとは……だが、いい的だ
戦爆隊の急降下爆撃を集中させて撃破してやろう(『集団戦術』『貫通攻撃』)
装甲の薄い上面に徹甲爆弾を叩き込んでやれ!



●近接航空支援
「ふむ、素晴らしい鉄量と練度を誇る機甲師団だ」
 部下の兵士たちと共にタンクデサントの要領で第二梯団の部隊に随伴しながら、職業軍人たる太刀風・橘花は感心するようにつぶやく。
 クロムキャバリアにおいては珍しい主力戦車とキャバリアによる諸兵科連合部隊は、主力戦車とキャバリア互いの長所と引き立て合い、短所を補い合うことによって、その圧倒的な衝撃力を十二分に発揮していた。かの世界と技術レベルを同じくすれば垂涎を禁じ得ない戦力構成ではあるものの、近代戦等において無くてはならない要素が欠けた歪な物でもあった。
「さて、感心してばかりも芸がない。この戦場に足りない華を添えてやるとしようか」
 眼前に迫るジャイアントキャバリアの群れを見据え、部下たちを戦車から展開させると、橘花は即座にユーベルコードを発動する。
「航空隊、出撃せよ! 目標は前方的集団。この世界の戦友に、近接航空支援の頼もしさを教えてやれ!」
 橘花の発破に応えるかのように、前線の空に無数のプロペラ音が響き渡る。ヘリコプターのローター音とは明らかに違うそれは、クロムキャバリアの住人にとっては馴染みの少ない、レシプロ機によって作り出される轟音であった。
 橘花の能力によって出現した無数の航空機から成る戦爆連合は、第二梯団上空でバンクを振りながら旋回すると、一斉に敵集団へと突入していく。
 クロムキャバリアの技術水準からみれば旧式に類するレシプロ機であっても、装備する無誘導弾に込められた250㎏級の炸薬はキャバリアにとっては十分に致命的な脅威であった。
 戦闘機部隊がジャイアントキャバリアのレーザーを引きつけている隙に、近接攻撃機がレシプロ機特有のサイレン音を響かせながら急降下し、次々と無誘導弾を投下していく。
 次々と地上で炸裂する250㎏爆弾は、直撃をせずともジャイアントキャバリアの装甲を切り裂き、擱座させていく。
 突如として出現した空からの脅威に傷つけられた機体は、第二梯団主力と橘花指揮下の歩兵から放たれる対装甲弾によって次々と射抜かれ、爆散していった。
 強力な機甲部隊と航空機による連携。クロムキャバリアの世界においては実現しえない光景が一時的にせよ復活した戦場にあって、彼らの進撃を阻むものはもはや存在しない。
 第二梯団と橘花指揮下の航空部隊によるは、敵の群れを瞬く間に蹂躙し、友軍のさらなる前進を実現させたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱皇・ラヴィニア
悪いけど刈らせてもらうよ
君らには特にね……ゼルが用があるみたいだから

先ずは合体したままで突撃するよ
ヘイロゥで推力移動しつつ323で制圧射撃
散らばるとやられるよと、敵の集結を促す

敵が合体したらセパレート――エルに323、ゼルに147
リモートでエルを暴れさせて注意を引き付け
666接続深度最大……430を解放
ゼルの瞬発力を肉体改造、147を盾代わりに展張し接近

敵の攻撃を見切りグラップルで首筋に組み付いて430で捕縛
147を巨大な鉈状に変形し、重量を乗せた攻撃で装甲を砕く
穴の開いた装甲から内部へエルの射撃貫通攻撃
武器改造――命中精度を上げた狙撃で破壊してみせる
まとめて倒されに来てくれてありがとう……!



●生ある機械
「悪いけど刈らせてもらうよ。君らには特にね……ゼルが用があるみたいだから」
 進撃を続ける第二梯団の前方にあって、朱皇・ラヴィニアは断固たる決意をもって眼前のジャイアントキャバリアの群れへと視線を向ける。
 ラヴィニアの愛機、シュラウゼル・ブラディエルと同様に生ある機械、ジャイアントキャバリア。過去の妄執によって突き動かされる同胞を見て、彼女の愛機を何を思うか。それは、主たるラヴィニアと彼女の僕の心中のみに存在する真実であった。
「行くよ、ゼル……!」
 主の操縦に応え、シュラウゼルは敵の群れに向かい躍動する。有機的なパーツによる柔軟かつ鋭い機動と、反重力推進器「デモンへイロゥ」によって実現される推力移動によって敵からのレーザーを回避し、光輪の跡を残しながら敵陣へと接近する。
 敵を電磁速射砲ラピッドラプターの射程内に捕らえたラヴィニアは、即座にトリガーを引き絞る。電磁投射機構によって猛烈な速度で敵に迫る弾丸は瞬く間に複数のジャイアントキャバリアの装甲を貫徹し、幾つかの機体を爆散させる。
 電磁速射砲の威力を目の当たりにしたジャイアントキャバリア達は、果たして終結を開始し、何体ものキャバリアが融合し巨人へと至る。
「そう、分散は危険だよ。だけど、それが狙いでもある」
 敵の動きを冷静に読み切ったラヴィニアは、融合の隙を突いて敵の懐に潜り込むと、愛機をシュラウゼルとブラディエルの二機に分離させる。
 光輪が二つに分かたれ、それぞれの背に片翼の翼を背負った2機のジャイアントキャバリア。シュラウゼルは剣型近接格闘兵装「ロストオウス」を、ブラディエルはラピッドラプターをそれぞれ手にすると、ラヴィニアの脳波コントロールによって一糸乱れぬ連携戦闘を開始する。
 リモート操作によって操られるブラディエルは引き続きラピッドラプターによる制圧射撃を行うことで敵の機動を制圧すると同時に注意を引く。その隙を突き形でロストオウスを盾代わりにしたシュラウゼルが巨人へと取り付き、ナノスキン製帯状拘束具「テンダーベノム」を解放する。
 テンダーベノムから流し込まれるは、キャバリアの動きを妨害する毒。機会であると同時に生物でもあるジャイアントキャバリアにとって、これ以上ないほどに有効な拘束具であった。
「まとめて倒されに来てくれて、ありがとう……!」
 ラヴィニアはシュラウゼルの人工筋肉を強化し、ロストオウス巨大な鉈状に変形させると、その禍々しい武装を強化された人工筋肉と機体質量を叩きつける形で敵へと振り下ろし、轟音と共にその重厚な装甲を打ち砕く。
 シュラウゼルの攻撃に息を合わせる形でブラディエルが敵へと銃口を向け、打ち砕かれたジャイアントキャバリアの傷口を狙い撃ち形で電磁速射砲を打ち込み、敵機を完全に爆散させる。
 二機のキャバリアによる一糸乱れぬ連携攻撃は、因縁の相手たる修復型マグゥルMk10の群れを翻弄し、完全に潰滅させるまで継続したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユエイン・リュンコイス
◎連携アドリブ歓迎
さて、次はデカブツか。マトモに殴り合うのは骨が折れそうだけれど…なら、『彼ら』も共に連れて行こう。やられっぱなしは癪だろうしね?

機械神を送還し、キャバリアへと搭乗。【月墜】による砲撃を叩き込みつつ、敵を射程圏内へ捉え次第UCを起動。
きっと、キミたちはただ遺命に従っているだけなのだろう。だが、主体なき軍事行動は惨禍を撒き散らすのみ。その応報を受けても貰うよ。

戦場に斃れた兵士、打ち砕かれた兵器、虚空へ散った想い。全ては無駄ではないよ。その全て、遍く纏めて叩き返してやろう

巨大化もどうぞご自由に。こちらとしては当てやすくて助かるよ。
さぁ…報復を望む祈りと共に、叛逆の狼煙を上げようか。



●応報
 猟兵達の第二梯団は、次々に敵の防御陣地を打ち破り、災厄の元凶たる遺構目前まで迫る。数多の犠牲を乗り越え、過去の妄執を打ち砕くべく、未来を求めるヒトとそれに類する生命体の軍勢は、一歩一歩地を踏みしめる。
「さて、次はデカブツか。マトモに殴り合うのは骨が折れそうだけれど……」
 ユエイン・リュンコイスは、塔守の名を関するサイキックキャバリア「Deus Machina Türmer」の内にあって、眼前に迫る巨人の群れを見遣る。
「ならば、"彼ら"を共に連れて行こう。やられっぱなしは、癪だろうしね?」
 ユエインは既にここにはいない者たちへと語りかける。死者と共にあるDeus Machina Türmerは、単発式127mm単装速射砲「月墜」を構え、無造作に打ち放つ。
 大口径、長砲身によって実現される長射程と威力を誇る月墜は、その名に違わぬ性能を発揮し、轟音と共に巨人を打ち据え爆散させる。
 それでも歩みを止めないジャイアントキャバリアの群れに対して、ユエインは祈る。
「きっと、キミたちはただ遺命に従っているだけなのだろう」
 迫りくるジャイアントキャバリアは、過去の妄執。今は亡き国家の断末魔の反響。いまこの時にあるべきではない存在である。
「が、主体なき軍事行動は惨禍を撒き散らすのみ。……その応報を、受けても貰うよ」
 戦場に斃れた兵士、打ち砕かれた兵器、虚空へ散った想い。その全てが無駄ではなかったことを、ユエインはその身を通して証明する。
「世を憎まず、他者を恨まず。これは、ただ然るべき報いだけを願った者達の祈りだ」
 叛逆せよ、報復の祈りは此処に在りて。今はもうここにはいない兵士たちの思いが、物理的な力となって迫りくるジャイアントキャバリアを束縛する。
 動きを止め、地に伏したジャイアントキャバリアに対して、月墜から放たれる127mm砲弾が、第二梯団諸部隊から放たれる徹甲弾が、師団砲兵群から放たれる収束弾が次々に命中し、過去の残滓を無へと還していく。
 この戦場で散って行った命と、今ここにある命。その全てが一つの目的をもって、眼前の敵に応報していく。
 もはや機体の大小を問わず、稼働するジャイアントキャバリアはこの戦域に存在しなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サブリナ・カッツェン
●POW

ヒュウ、派手にやるじゃねぇか
あたしらも負けてられねぇな
『だが、よそ見をしてこの支援砲火に巻き込まれなるなよ?』
わぁってる、心配すんな

今度はカカシかい
MK【索敵】結果を教えろ
『どうやら密集する事で互いを共鳴させ強化するようだ』
集まる…か
なら丁度いい
アイリーゼ、『リヒトシュトラール』をぶっ放すぞ!
狙いは奴の脚、装甲の薄い関節部に破壊力を高めた魔導光弾で【貫通攻撃】
それに群がろうとする奴も【推力移動】で移動しながら攻撃だ
MKは上空で【空中浮遊】させている魔導光弾に、モールス【暗号作成】でよく見えるよう点滅させろ
内容は「敵、コノ下、撃テ」だ
支援砲撃が始まったら、巻き添え食らう前に急速離脱するぞ



●鉄火場を駆ける商人
「ヒュウ、派手にやるじゃねぇか。あたしらも負けてられねぇな」
 景気よく消費される鉄量を目の当たりにし、サブリナ・カッツェンはサイキックキャバリア「アイリーゼ」の内にあって感嘆する。
 金額にしてどれ程の鉄量が消費されているか、そのような想像に至るのは証人としての性であろうか。
「よそ見をしてこの支援砲火に巻き込まれなるなよ?」
「わぁってる、心配すんな」
 相棒たるMKの注意に苦笑いをもって答え、サブリナは眼前に迫るジャイアントキャバリアの群れの情報を分析する。
「今度はカカシかい。MK、索敵結果を教えろ」
 主の求めに従い、MKは素早く返答を返す。それは事前の調査の結果とほぼ同一の内容であった。
「どうやら密集する事で互いを共鳴させ強化するようだ。融合もするようだな。カカシと言うのはあながち間違いではない」
「集まる……か、なら丁度いい。アイリーゼ、"リヒトシュトラール"をぶっ放すぞ!」
 サブリナは迫りくるジャイアントキャバリアの脚部に向けて魔導光弾を放つ。極限まで命中率を強化された魔導光弾は、過たずにその関節部に対して命中し、巨体を擱座せしめる。
 サブリナとアイリーゼは敵のレーザーを回避しながら、群れ集う敵の脚部に対して次々と魔導光弾放ち、敵の群れの動きを止める。仕上げとばかりにMKへと命じ、上空に浮遊する魔導光弾を使用して発行信号を放つ。
 発光信号は後方に控える師団砲兵群に伝達され、「敵、コノ下、撃テ」というメッセージに従った徹甲榴弾と収束弾の雨霰が即座に飛来する。
「よし、こっちの仕事は仕舞いだ。巻き込まれる前に撤収しよう」
 MKの合意もそこそこに、ジャイアントキャバリアの群れの足を完全に止めたサブリナとアイリーゼは、戦場から急速に離脱する。
 後から飛来するは鉄量の嵐は、周囲の空間ごと鉄塊と化したジャイアントキャバリアを薙ぎ払うのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

トリテレイア・ゼロナイン
※ロシナンテⅣ搭乗
(『ガス欠』の1章の追加装備をパージし)

砲火を物量任せに潜り抜けて…
前衛として押し留めますので皆様は遠距離砲撃に専念願います

UCの瞬発力合わせた●推力移動地上走行で割り込み●盾受け武器受け攻撃●かばい防御
その際に性能や挙動、武装を●情報収集●瞬間思考力で解析
敵の攻勢掻い潜り押し留め、一掃する戦闘挙動を●見切り自機●ハッキング直結●操縦で実行

剣で斬り捨て、大盾で殴打
敵を●踏みつけ跳躍し乱戦へ
同時に頭部、両肩部格納銃器とサブアームの二丁のライフル、総計5門の銃口は別々の敵を●乱れ撃ちスナイパー

この機体群も生体機と同じだとしても
今を生きる人々の為、躊躇う暇はありません…!



●乱戦
 ガス欠となった追加装備をパージしたトリテレイア・ゼロナインの駆る「ロシナンテⅣ」は、戦闘出力を発揮した機関から齎される推力をその背に受け、持ち前の推力移動を実施する。
「前衛は私にお任せください。私が敵を押しとどめますので、皆様は遠距離砲撃に専念願います」
 極限の戦場にあってなお、騎士たるトリテレイアの口調は紳士的であった。それは、彼が戦場にあって冷静さを保ち続けている証左であり、彼が歴戦の猟兵である証明でもあった。
 追加装備を取り除いた分軽量となったロシナンテⅣは、猛烈な勢いで次なる敵手、ジャイアントキャバリアの集団へと突入し、その推進力を運動エネルギーの暴威へと変換して、手持ちの長盾を巨人へと突き立てる。轟音と共に巨人の装甲を打ち砕いたトリテレイアとロシナンテⅣは、すぐさまサブアームを展開し、機体各部に隠蔽された銃器と併せ、周囲の敵に対して射撃を開始する。
 持ち前の瞬間思考力でそれぞれ異なる位置にある敵のレーザー発射孔を特定すると、思考直結した操縦系統によって実現される繊細な姿勢制御で機体がその射線へと入らぬよう常に位置を調整していく。
「この機体群も生体機と同じだとしても、今を生きる人々の為、躊躇う暇はありません……!」
 現実主義者としての側面を持つトリテレイアは、この機体に取り込まれた人間の運命をほぼ正確に把握していた。たとえ、哀れな犠牲者がその残酷な生に縛られ続けているとしても、今を生きる人々の為、躊躇することはできない。
 決然たる意志をもって迫りくるジャイアントキャバリアをその手に握る長剣にて切り伏せ、サブアームと隠蔽銃器によって敵の動きを制圧する。
 トリテレイアの操るロシナンテⅣの三次元的な機動と、物理的な制圧力によって動きを止めたジャイアントキャバリア達は、騎士の後に続く第二梯団諸部隊が放った射撃によって次々に射貫かれ、爆散していく。
 敵に乱戦を強要し、自らの機体を囮として味方部隊の攻撃効率を最大化するトリテレイアの狙いは、ほぼ完全に達成されたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レクシア・ノーレッド
思いの外悪くない戦果だね。耐久性も今のところは問題なし。
…え?まだ戦闘あるの?さっきみたいなスクラップにならない相手はヤだよ私。美味しくないしあれ。

…あー、でもあれは悪くないね。今度は固そうだ。ちゃんとスクラップに出来そうじゃん。
結構シンプルな機体は好きだよ……バラすのにも、改造するにも!

ブラックタールのボディは変幻自在!機体の細部に私の一部を仕込んでるんだ♪
というわけで……腕や足に仕込んだ私の一部を【接続/解放】!
機体の負荷ヤバいけど、目の前に素材があるなら何とかなる!
帯電した武器や拳を振り回して敵機を壊しにいくよ!

……後でちょっと味方の影に隠れて壊した機体借りようか。現地改修だよ、うん



○○機一体
「思いの外悪くない戦果だね。耐久性も今のところは問題なし。まぁ、スクラップにならない敵だったことは残念だけど、次の敵は色々と使い出がありそうだね」
 初陣を飾った愛機の性能に一定の満足を覚えたレクシア・ノーレッドは、次なる敵として迫りくるジャイアントキャバリアの群れを見据え、楽しげにその口を歪める。
 集い融合し巨体と化しているとは言え、単体として考えればその機体構造はシンプルなものであるらしい。それならば、色々と使い出はある。そう、色々と。
 機体の現地改修プランに思いを馳せながら、レクシアは自らの身体を液化し、愛機たる「スラッグ」の各部へと浸透していく。
「ふふん、ブラックタールのボディは変幻自在! 機体の細部に私の一部を仕込むことだって思いのままさ♪」
 文字通りタールの身体であるレクシアは、機体各部に身体を浸透させ終えると、薬物によって増幅された魔力を高圧電流に変換し、機体全体に致命的な電流を流すと同時に、その駆動系の性能を極限まで引き上げることに成功する。
「ちょっと、機体の負荷がやばそうだけど、素材は目の前にたくさんあるからね! さあ、いくよ!」
 主人と一体となり、高圧電流を纏ったスラッグは、猛烈な速度でジャイアントキャバリアの群れへと突入し、帯電した拳を敵機へと叩きつける。
 拳を通して放たれた高圧電流は、純粋な熱エネルギーと化してジャイアントキャバリアの装甲を融解させた他、打撃部から浸透した電流がジャイアントキャバリアの駆動系を破壊し、兵器から無意味なスクラップへと変換していく。
「いいね! 現地改修、現地改修♪」
 ジャイアントキャバリアよろしくスクラップと化した敵の機体をそのタールの身体と機体に取り込みながら、レクシアは次なる獲物へとその食指を伸ばす。
 レクシアとスラッグが帯電した機体と武器を振りかざし、猛烈な勢いでジャイアントキャバリアの群れを無力化していく戦場は、もはや彼女たちにとっての狩場であった。
 四半刻の戦闘の後、かつての過去の妄執は、物言わぬスクラップと化して荒野に横たわる事になるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ヴェルディグリース』

POW   :    メラルダの剣
【サイキックエナジーを実体化させて自分の剣】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
SPD   :    ベリドートの鎧
全身を【緑青色に輝く強固なサイキックオーラ】で覆い、自身の【搭乗者を顧みない出力のサイキックエナジー】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ   :    ロムスフェーンの外套
自身の【搭乗者の生命力および精神力】を代償に、【対象の至近距離へテレポートし、サイキック】を籠めた一撃を放つ。自分にとって搭乗者の生命力および精神力を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

●善性に包まれた悪性
 その器の主は、自らを作り出した人々と祖国を愛していた。
 レプリカントたる彼女に自らと同等の権利を与え、道具ではなく仲間と呼んだ人々。多くの善性と、それと同量の悪性とを持った人間たち。
 たとえ自らの人格が疑似的なものであると理解していたとしても、この施設での暮らしの中で、彼女が抱いた人々への情愛は紛れもない真実であった。
 生体部品として一体となった彼女の記憶を通して見た人々の喜びを、怒りを、悲しみを、愛情を、器たるヴェルディグリースは憶えている。
 レプリカントたる彼女が人間に対して抱いたあらゆる感情を、器たるヴェルディグリースは憶えている。
 故に、彼女の器であり騎士たるヴェルディグリースは眼前に迫りくる敵手に刃を向ける。
 ヒトの悪性の極致ともいえる施設の機能を知ってなお、自らの思い出を守ろうとした彼女の善性に包まれた悪性を護るために。
 あるいは、忌まわしい妄執と化した思い出とともに、彼女の命をあるべき場所へと還すために。
 過去の具現たる騎士は、最後の戦いへと臨むのであった。
チトセ・シロガネ
アタシ、スピードなら自信アリアリなんだよね!
つーことでUC【オービタル・ダンサー】ぶっこんでいっちょスピード勝負としゃれこみますか!さぁ、一緒に踊りましょ?ってね!

マント姿で並走、それを脱ぎ捨てると同時に一気にとびかかる!
過去の亡霊には成仏してもらうっショ!

って、こいつ速い上に硬ッ!ヤバ谷園じゃん。
でも、アタシ、そういうを切断するのに燃えるタイプなんだよね。だからァ……。

その鎧ごとブチ貫いちゃうネ♡

戦術パターン変更、BZファントムの持ち手をグルンと逆手持ち、推力移動と早業で勢いつけてせーののタイミングで衝撃波が発生するほどの怪力を込めた鎧砕きの刃を振りぬくッ!



●技術の申し子
 ヒトと猟兵達の軍勢は、ついに災厄の根源たる忌まわしき遺構へと至る。プラントとは似て非なるその遺構は、今もなお過去の怨念によって現世を浄化すべく、悍ましい生体キャバリアの群れを生み出し続けている。
 遺構を護る緑青の騎士の前へと真っ先に挑みかかるは、果たして通常のキャバリアではなかった。
 猛烈な速度で緑青の騎士「ヴェルディグリース」に迫る閃光。輝く光刃を手にしたチトセ・シロガネは、身に纏うマントを脱ぎ捨てると、ネコ科を思わせる鋭敏さで、その優美な躯体を騎士の懐へと跳躍させる。
 如何に猟兵と言えど、全高5m以上のサイキックキャバリアと、生身の人間が打ち合う様など誰が想像できようか。ヴェルディグリースは不遜な挑戦者を両断すべく、その手に握られた愛剣を振るう。
 SSWとクロムキャバリアの技術を結集したチトセの義体と兵装は、凡百な人間が持つ常識を超越した。
 半ば人間サイズのキャバリアと言っていいほどに強化されたチトセの義体は、ヴェルディグリースの重い斬撃を見事に受け止めることに成功する。
 古代魔法文明時代に鋳造された強力無比な魔法剣とチトセの持つブラストザンバーから放たれるフォトンの光刃が衝突し、魔力と物理的な衝撃波が周囲の空間を鳴動させた。
 純粋な斥力では相手に一日の長があると判断したチトセはすぐさま躯体を翻し、衝撃を受け流す。しかし、ヴェルディグリースもまた超常の戦士である。斬撃の反動を利用して緑青色に輝く機体を反転させると、チトセを両断せんと返し刃を放つ。
 その巨体と威容からは想像もつかぬほど俊敏かつ鋭利な機動で繰り出された斬撃。しかし、すんでのところで敵の意図を見切ったチトセは、空中でステップを踏むようにつま先を立てると、脚部に存在するヒール型ユニットからフォトンブレードを発振させる。
 チトセは、空中でそのしなやかな躯体を一回転させる形で脚部のフォトンブレードを振り抜き、自身を両断すべく迫る刃を受け流すと、その衝撃を運動エネルギーに変換ずる形で跳躍し、ヴェルディグリースの間合いから離脱する。
「……ッ! こいつ速い上に硬ッ! ヤバ谷園じゃん。でも――」
 深刻な口調とは裏腹に、チトセの表情は明るい。彼女は眼前の敵手の実力を一度の打ち合いで正確に把握すると同時に、超常の能力を持つ騎士との戦闘に高揚していた。
「アタシ、そういうを切断するのに燃えるタイプなんだよね。だからァ……!」
 馬上試合の要領で――実際のそれよりもはるかに短時間で互いの慣性を殺しながら――チトセとヴェルディグリースは再び交差機動に移る。その速度は一度目の打ち合いよりはるかに高速であった。互いを同格の敵手と認め、それ故に決殺の覚悟をもって刃を構える。
 一度目の打ち合いの後、互いが慣性を殺しきるまでの間に開いた間合いは数kmにも及ぶ。常人であれば広大に過ぎる間合いは、チトセとヴェルディグリースが発揮する超常の速力によって、瞬く間に指呼の間へと迫る。
 アドレナリンによって何十倍にも引き延ばされた刹那の時間。チトセは光子頭脳の能力によって戦術パターンを変更すると、霞に構えたBZファントムを逆手に持ち変え、躯体のリミッターを一時的に解除し、スタードライヴから供給されるフォトンを躯体と光刃の強化に振り向ける。
「――その鎧ごとブチ貫いちゃうネ♡」
 常人であれば、否、猟兵であっても容易には実現できないほどに急激な体捌き。しかし、彼女の人造神経細胞はその様な神技を実現させた。
 ヴェルディグリースが放つ必殺の一撃と、極限まで強化された光刃が再び衝突する。互いの速度はほぼ互角。体躯は圧倒的にヴェルディグリースが勝る。しかし、そのような条件下にあってなお、チトセの全能力を乗せた一撃は過去の妄執によって強化された騎士の一撃を凌駕した。
 魔力によって強化されたヴェルディグリースの刃がまばゆく輝く光刃が生み出す斥力によって押し切られ、騎士の体制が大きく崩れる。そして、その隙を見逃すチトセではなかった。
 光刃を振り抜いた勢いをそのままに、チトセは躯体をくるりと一回転させ、脚部から発振されるフォトンブレードによってヴェルディグリースの胸部装甲の一部を融解させる。キャバリアの巨体では対応不能なほど懐に潜り込んだ彼女は、交差する瞬間に再びBZファントムを振りかぶり、その肩部から胸部にかけての装甲を光刃によって切り裂いた。
 SSWとクロムキャバリア。双方の技術の粋を集めた彼女の躯体と戦闘技術は、古代魔法文明の技術と過去の妄執によって突き動かされる騎士の戦技を凌駕し、その機体に決して浅くはない傷を負わせることに成功したのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

バーン・マーディ
正義は…人を狂わせる
狂信は…人をどこまでも残酷にする
愛は…人が持つべき良識を麻痺させる

…騎士よ
貴様…それを理解して尚…殉ずるか

ならば…我と…マーズのやる事は一つだ

我はヴィラン…悪の神である
そして我が鎧たるマーズもまた悪とされた神である

故に…正義に殉じた貴様を滅ぼす事に一切の躊躇いは無い

【戦闘知識】
敵の動きと癖と性質を把握

【オーラ防御】展開
UC強化とダメージ軽減
そして破壊のオーラを武器にも纏わせる
UC発動
高速で飛びながらも【武器受け】でサイキックエナジーで強化された剣を受け止めオーラで相殺し合い

【カウンター・二回攻撃・怪力・生命力吸収・吸血】
叛逆の猛攻でサイキックエナジーと生命力と血を奪い続ける



●対存在
 正義、愛、信念。それらは全てヒトの善なる側面から生じる概念である。しかし、ヒトの善性より生じたそれらが数多の蛮行の引金となり得ることは、あらゆる生命体の歴史が証明するところである。
 悲劇的ですらある生命の性を、自らと一体化したレプリカントの魂から学んだ騎士は、それを理解して尚猟兵達へと刃を向ける。
 すべては、彼女の最後の願いと共に、過去の残滓たる遺構を護るために。
「騎士よ、ヒトの善性の末路。それを理解して尚、殉ずるか」
 猟兵達に立ちはだかる騎士に相対するは、堂々たる一柱の神機。バーン・マーディの駆る破城神機「マーズ」である。
「我らはヴィラン……悪の神である。故に……正義に殉じた貴様を滅ぼす事に一切の躊躇いは無い」
 堕ちたる正義を滅ぼすべく、悪神たるバーンとマーズは軍神の剣を抜き放ち、敵手たる騎士に向けて構えを取る。背部の光輪から溢れる闘気は、全てを焼き尽くす炎と化して機体と軍神の剣を包み込み、マーズを一柱の神機から破壊の化身へと昇華せしめる。
 対する緑青の騎士もまた、破壊の化身に向けて愛剣を構える。器を操るために生み出され、自らの意思で一体となったレプリカントから供給される莫大な魔力は、美しいサイキックオーラと化して騎士の全身を包み込む。
 神機と騎士。それぞれから発せられるオーラが激突すると同時に、戦いの火蓋が切られた。
「マーズよ、破壊の神としての力を見せるが良い!」
 裂帛の気合と共に躍進する神機と騎士。重厚な機体からは凡そ想像もつかぬほどの速度で飛翔した二体の巨人は、瞬く間に指呼の間へと至り、互いの愛剣を振り下ろす。
 尋常ならざる速度と力で振り下ろされた二つの刃。ぶつかり合う破壊の炎とサイキックオーラ。その瞬間発生した衝撃波は、轟音と共に拡散し周囲に存在するあらゆる物体を破壊し尽くす。
 一般的なキャバリアであればその余波を受けただけで分解する衝撃の中心にあってなお、神機と騎士は小動もしない。互いの斬撃から生じた衝撃を利用し合い、刹那の間にあって一合、二合と刃を交わす。
 バーンは騎士の動きから斬撃の流れを看破し、その悉くを軍神の剣を持って受け止める。一見すれば守勢に徹しているかの様な動きであるが、それはバーンの狙いの一部であった。
 超高速で交差し斬撃を交わし合う度に、騎士の魔力はマーズの権能によって僅かに吸収されていく。互いに実力が伯仲する戦いの只中にあって、その僅かな変化が決定的な差となる時が訪れる。魔力量減少の蓄積によって、騎士が纏うサイキックオーラに僅かな綻びが生じたのだ。
「今ここに叛逆の刃を突き立てん!!」
 優れた戦術眼の持ち主でなければ見落としたであろう僅かな変化を、果たしてバーンは見事に利用して見せた。
 満を持して攻勢に転じたマーズが繰り出した斬撃は、サイキックオーラの綻びを正確に捉え、無敵にも思えた騎士の守りを突破すると、その機体に痛撃を浴びせることに成功したのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

槐・白羅
モルスよ
…憐れんでいるのか
目の前の騎士を…その乗り手を

…哀れみは時に屈辱となる

彼らは己の信念と想いに殉じたのだろう

モルスよ…お前の信念はなんだ?(声なき声を聴く

そうか…悪夢の終焉か
善い…ならば此度だけはお前の想いに殉ずるとしよう

UC発動
【空中戦】で機動力を強化
飛び回りながらもぶつかり合いながら
死の閃光でそのサイキックエナジーを強奪し続ける

残酷な機体だな!乗り手を犠牲にするとは!まるで古代に存在した回天とかいう魚雷のようだ!

敵の攻撃は剣と翼で【受け流し】
距離を詰めて接近戦に持ち込み

【重量攻撃・貫通攻撃・呪詛】
死の運命を振るい装甲を貫き更に呪詛でその身を崩壊させる呪いをかけながら…重量をかけ切り裂



●それは救済にも似て
「モルスよ、憐れんでいるのか。目の前の騎士を……その乗り手を」
 槐・白羅は自らの僕たる冥導神機「モルス」の内にあって、その音なき声に耳を傾ける。
 元来忌むべきものであると同時に、全ての生命に与えられた安息の権利である死の眠りを許されず、滅びた文明の残滓を護り続ける騎士とその主。その有様に、死の眠りを司る神機たるモルスは、憐みにも似た感情を抱いている様であった。
 自らの僕の慈悲深い側面を知ると同時に、戦士たる白羅はまた別の感想を抱く。
「彼らは、己の信念と想いに殉じるのだろう。……哀れみは時に屈辱となる」
 オブリビオンの狂気に侵されてなお伝わる騎士の信念を、白羅は感じ取っていた。誰が祖国とその思い出を思わざることあらんや。自らの義務と信念に殉じる彼らを哀れむことは、むしろ侮辱に当たるだろう。
 では、自らの僕たる冥導神機の信念とは何か。主たる白羅の問いかけに、モルスは断固たる意志をもって答える。遍く生命に悪夢の終焉を与える事こそが、我が義務であり権能であると。
「善い。 ――ならば此度だけはお前の想いに殉ずるとしよう!」
 僕たるモルスの意思を善しとし、白羅は冥導神機を飛翔させる。死の翼をはためかせ、懐へと潜り込まんとするモルスを、緑青の騎士は自らの愛剣をもって迎え撃つ。
 激突するサイキックオーラと死の閃光。猛烈な速度で繰り出される騎士の斬撃を、ブレードウィングたる死の翼によって受け流すと、白羅は機体の重心を低く構え、下から突き刺す形で魔剣「死の運命」を騎士へと繰り出す。
 騎士は絶妙なタイミングでサイキックオーラを部分集中させることにより疑似的な防御障壁を展開し、モルスの刺突を防ぐと、集中したオーラを外に向かって反転させ、敵手たる白羅とモルスへと叩きつける。
 尋常な機体であれば大破を免れないほど強力な魔力の奔流。しかし、冥導神機はその権能たる死の閃光をきらめかせ、自らに放たれた魔力を吸収して見せる。
「残酷な機体だな!乗り手を犠牲にするとは!」
 操り手の魔力を使用・増幅することによって動力を得るサイキックキャバリアの性質を鑑みれば、騎士の放つサイキックオーラの量と質は操縦者を使いつぶす程に強力な物である。人命を完全なリソースと見做すその機体の性質は、人類史に散見される自爆兵器のそれに近しいものですらあった。
「モルスよ、今こそその権能を示せ! 信念に殉ぜんとする騎士に、死の眠りを与えよ!」
 主の発破に応えるかのように、サイキックオーラを吸収し自らの闘気に変換した冥導神機は、美しさすら感じる程の死の閃光を解き放つ。
 それは、忌まわしきものであると同時に救済の象徴でもある死という概念の具現化であった。
至近距離から浴びせられた死の閃光に、騎士の体勢は大きく崩れる。そして、その隙を見逃す白羅ではない。
 必殺の意志と共に再び突き出された死の運命は、騎士が身にまとうサイキックオーラの障壁を貫通し、機体肩部へと至り、機体を蝕む呪詛を流し込むことに成功したのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユエイン・リュンコイス
◎アドリブ連携歓迎
キミの過去に何がありどんな想いを抱いたのか、それは分からない。でも『果てしない物語』など無謬に過ぎる。故に此処でピリオドを打たせて貰おう。

引き続きキャバリアに搭乗。こちらに剣だ銃のと便利な武器はない。鉄拳鋼蹴を活かした【グラップル】をメインに立ち回ろうか。リーチの差は如何ともし難いだろうし、基本は【フェイント】を織り混ぜつつの【重量攻撃、カウンター】狙いだ。多少の損傷なら機人と同様に魔力で編んだ繰り糸で強引に操作。フライならぬキャバリアバイワイヤだ【継戦能力】

そうして隙を窺いつつ、好機と見たら拳を開いてUC発動。至近距離から昇華熱焔を叩き込もう。
塵も残さぬのも手向けだろうさ。



●絶対昇華の鉄拳
「キミの過去に何がありどんな想いを抱いたのか、それは分からない」
 眼前にて自らを迎え撃たんとする緑青の騎士を見据え、ユエイン・リュンコイスは呟く。
 機体に損傷を負ってなお自らの背後に存在する遺構を護らんとする騎士は、たとえこの場の猟兵をすべて退けたとしても、眠ることも、死すことも無く、もはやその名すら風化した文明の残滓を、永遠に守護し続けるのであろう。
「”果てしない物語”など、無謬に過ぎる。 ――故に此処でピリオドを打たせて貰おう」
 過去の妄執と、自らの信念によって永遠に続く騎士の戦いに終止符を打つべく、ユエインはTürmerを駆り騎士へと迫る。
 Türmerには、剣や銃のような武装は存在しない。しかし、機体の右掌を包む超高熱の炎の存在をもってすれば、武装の有無などと言う問題は些事にすぎない。
 果たして騎士は、迫りくる徒手空拳の機体の脅威を正しく見抜いていた。自らと一体となったレプリカントの魔力を十全に引き出すと、放出されるサイキックエネジーを自らの刃に多層的に展開し、刀身を拡大させる。
 結果として生じるは、Türmerと騎士との間における圧倒的なまでのリーチ差であった。
 騎士はユエインとTürmerの接近を拒絶すべく魔力の刃を次々と繰り出し、油断ならぬ敵手の両断を試みる。
 しかし、騎士の戦法はユエインの予想するところであった。彼女はTürmerを運動させ、姿勢制御によって巧妙なフェイントをかけると、次々と迫りくる騎士の斬撃を回避していく。
 それでもなお、サイキックオーラを纏った騎士の斬撃の威力は瞠目すべきものであった。機体を掠めるだけで魔力の余波が黒鉄の装甲を切り裂き、駆動系に無視できぬダメージを与えていく。
「やはりリーチ差は如何ともしがたいか。でも、やりようはある」
 ユエインは損傷した駆動系に自らの魔力で編んだ意図を凝着させ、疑似的な神経回路を構築させ、強引に機体の姿勢制御を実現していく。戦闘中に機体の駆動系を再構築していくという離れ業を実現しながら、ゆっくりと、だが確実にTürmerは騎士との間合いを詰めていく。
 幾度となく繰り出される斬撃を掻い潜り、ついにユエインとTürmerは騎士の懐、即ち彼女たちにとっての必殺の間合いへと至る。
 騎士から放たれる迎撃の斬撃に合わせる形で、ユエインはTürmerの右掌をその魔剣へと叩きこむ。
「白き指先、繋がる絹糸、振るわれるのは昇華の鉄拳」
 Türmerの右掌を包む絶対昇華の炎と、騎士の魔剣に幾層にも重なるサイキックオーラが激突する。猛烈な閃光と衝撃。吹き荒れる熱風と魔力が周囲に存在するありとあらゆるものを気体へと昇華させていく。
「……欠片も残さず、無に還れ!」
 果たして、ユエインとTürmerが放つ絶対昇華の鉄拳は、騎士が身にまとうサイキックオーラをも昇華せしめた。サイキックオーラの守りを失った緑青色の美しい装甲が、想像を絶する高温によって融解していく。
 咄嗟の判断による次元跳躍によって人工的な煉獄から逃れた騎士。しかし、その装甲は、目に見える形で歪み、損傷しているのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

小和泉・佳奈恵
敵の転移強襲攻撃は機体を潰してでも凌ぐ。
一撃を凌ぎ次第、センチネルを媒介に敵機及びそのかつてのパイロットに擬態。
パイロットの人格を模倣しつつ、彼女が旧帝国にそうしたように友軍を護り敵機を迎撃する。

貴女の魂を穢す行いを許して欲しい。けれど少しの間、貴女の心を、貴女の声音を、貴女の顔を、貴女の愛を私にください。
貴女が愛した人の営みは、国が滅んだ今も変わらず続いている。
それを護るために刃を向けることを、私はきっと理解してくれると信じる。

作り物の貴女へ、紛い物の私から。
振るうは一撃。全盛の騎士を模倣して、彼女がきっとそうしたように。

こういうのはあんまり好かんけどね。
死人を騙るなんて罰当たりなのは。



●つくりもの、まがいもの
 懐かしく温かい声が、聞えた。
「君は、作り出された。だけれども、それは君が道具であることを意味しない」
 壊れかけのブラウン管に映し出されたような曖昧な姿。だけれど、彼女はその声の主を憶えている。研究者にしては武骨な顔の作り。皮膚の厚い、硬い手の感触。彼女にかけられる慈愛に満ちた声。
「確かにその身体は人工の物であるかもしれないが、君は皆に望まれて、この世界に生まれ出でたのだ」

 ぶつりと、チャンネルが切り替わるような唐突さで、眼前の光景が切り替わる。

 施設の食堂で、彼女と言葉を交わす人間たち。ある時は仲間として。またある時は娘や妹に接するように彼女に言葉をかける男たちと女たち。無論、すべてが円滑であった訳ではない。時に生じた軋轢も、彼女の周囲にいた人間たちが、彼女の中にある人格を独立したものと認めているが故に起きる類のものであった。

 光景が切り替わる。

 指令室で、施設司令官たる壮年の女性がとある命令書を握りつぶしている。その手は小刻みに震え、普段の冷静な姿からは想像もできないほどに悲し気な表情をしている。
 司令官が彼女にかけるべき命令は、彼女自身が最もよく理解していた。悲しみと苦渋に満ちた表情を浮かべる司令官に、彼女は微笑み、出来る限り優しくその手を包んだことを憶えている。

 光景が切り替わる。

 彼女は、施設の格納庫で幾度となく見た自らの器の内に在った。
 緑青色に輝く美しい機体は、微かに意志のようなものを持っている様であった。
 恐怖と、嫌悪はないのか。器たる騎士は彼女に問いかける。
 無論、恐怖はあった。意志ある者であれば遍く懐くであろう恐怖。しかし、それは彼女がこの国で、この施設で積み重ねてきた思い出によって克服できるものであった。
「私は消えるわけじゃない。あなたと一つになるだけ」
 一つ息を吸い、ゆっくりと吐く。彼女の手足は、既に器と一体となっている。頸椎に接続される最後のアダプタが接続されたとき、彼女と器は真に一つの存在となった。

 光景が切り替わる。

 今までの様に曖昧な映像ではない。紛れもない「現在」の光景であった。
 傷を負いながらも遺構を護らんと立ち塞がる騎士。その後方に存在するは、彼女の思い出の中にあった施設そのもの。
 では、それを見る「私」とは何者か。それは、思い出の中にあった彼女であって彼女ではない。騎士が放ったユーベルコードからその存在を模倣し、器と一体となった彼女に模倣する小和泉・佳奈恵である。
 敵手たる器とその主を模倣する過程で、佳奈恵は彼女の記憶を垣間見たのであった。
「或いは、貴女の魂を汚す行いであるのかもしれない」
 佳奈恵は、思い出の中の彼女に許しを請う。
「だけれども、少しの間、貴女の心を、貴女の声音を、貴女の愛を、私にください」
 模倣の対象となった彼女もまた、佳奈恵の記憶を通してヒトの営みを垣間見たのであろう。時に浅ましく、時に醜く、時に尊いヒトの営みを。
 今や佳奈恵の意識と渾融した彼女の思念は、思い出の中の暖かさをそのままに佳奈恵を包み込む。時と立場は違えども、彼女と佳奈恵の目的の本質は、同一のものであるが故に。
「――作り物の貴女へ、紛い物の私から」
 紛い物の騎士は、作り物の騎士へと足を踏み出だす。紛い物の騎士の手にあるは、敵手たる騎士と全く同一の魔剣。サイキックオーラを纏った刀身は美しく輝き、魔を祓いヒトを護る剣として、全盛の姿を誇る。
 振るうはただ一撃。彼女と佳奈恵が同一の目的をもって振り下ろした一撃は、過去の残滓に突き動かされる騎士の刃と衝突する。
 衝撃と共にぶつかり合う二つの刃。物理的な力と精神的な力が衝突したその刹那、敵手たる騎士の刃が目に見えて鈍る。
 佳奈恵の内に在る彼女が、佳奈恵の肉体と精神を通して、現在にある騎士の残滓へと語り掛ける。
 彼女が騎士にかけた言葉は、佳奈恵のみが知る。
 紛い物の騎士が放った一撃は、過去の妄執と化した作り物の騎士に深手を与えたという光景のみが、余人が知り得るただ一つの事実であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

荒谷・ひかる
テレポートによる接近戦の強要……わたしたちには厄介な相手ですね。
ですが、そうとわかれば罠を張ることもできます。
チャンスは一瞬……
お願いしますね、精霊さん。

ある程度の高度を維持しつつ待機
敵のテレポートに合わせて回避行動を取りつつ【本気の闇の精霊さん】発動
「敵機体の全身装甲及びフレーム」を対象に、重力を一万倍化して飛び込んできたと同時に地表へ叩き落し、そのまま超重力で圧し潰す

……あなたが、なにを思ってこんなことをするのかは知りません。
過去の思い出より、現在を生きる命や未来への希望の方が尊いなどというつもりもありません……けれど。
わたし達にも、守りたいものがあるんです。
容赦は、しませんっ!



●意志の力
 徐々に損傷を増やしつつも、騎士は尚も遺構を背に戦い続ける。ただひたすらに、彼と彼女が存在する理由たる過去の思い出を護らんがために。
 損傷した装甲をサイキックオーラによって補強しながら、騎士は新たなる敵手である荒谷・ひかるとその愛機Guardian Spirit改「ステラ」に相対する。
 外装の改修を経て新たな姿を得たひかるの愛機。無論、その変化は外観だけにとどまらない。彼女の願いを受けて動く謎多きその機体からは、騎士が放出するサイキックオーラと同等の魔力に溢れ、ひかるが絆を結ぶ精霊たちとの親和性をより強固なものとしていた。
「テレポートによる接近戦の強要……わたしたちには厄介な相手ですね」
 精霊の助けを借りた魔術戦を得意とするひかるにとって、高速機動と次元跳躍によって近接戦闘を強要する騎士の戦術は脅威であった。しかし、多種多様な精霊たちと友誼を交わし、あらゆる精霊魔術に通じるひかるは、この困難な状況に対する打開策を見出していた。
「チャンスは一瞬……お願いしますね、精霊さん」
 たとえそれが綱渡りの様に危うい戦法であったとしても、自らの友である精霊とステラと共にあるひかるに恐怖はない。ただ決意と覚悟をもって、ひかるとステラは騎士の発する殺気を正面から受け止めて見せる。
 永遠に続くとすら思える睨み合いの中で、騎士の放つサイキックオーラが瞬間的に増幅される。魔術の心得の無い常人であれば決して察知することはできず、生半な術師であれば見落とすような刹那の変化を、果たしてひかるは捕らえて見せたのだ。それはまさしく、騎士が次元跳躍を実行する予兆であった。
 次元跳躍によって、ステラの直上へと遷移した騎士。対魔術戦闘においてゼロに等しいその間合いは、騎士にとっての必殺の間合いであり、精霊術師であるひかるにとっては死と同義である筈であった。
 しかし、ひかるはあくまでも冷静に、直上に迫る騎士とその刃を見据える。彼女とステラが張り巡らせた罠が、緑青の騎士を絡め捕ったことを確信するが故に。
「お願い、闇の精霊さん……! あなたの力を、私に!」
 眼前に迫る騎士の魔剣が、まるで不可視の壁に阻まれたかのようにその動きを止める。ステラを介してひかるの願いを汲み取った闇の精霊が、その権能たる重力操作によって騎士の動きを阻んだのだ。
 しかし、闇の精霊が発する重力の虜となって尚、騎士の刃は敵手を両断すべくひかるとステラに迫る。騎士から発せられるサイキックオーラが闇の精霊の力と拮抗し、その軛を破壊すべく力を増幅させていく。
「……あなたが、なにを思ってこんなことをするのかは知りません」
 眼前に迫る刃を正面から見据え、ひかるもまた持てる全力の魔力をステラへと伝導させる。
「過去の思い出より、現在を生きる命や未来への希望の方が尊いなどというつもりもありません……けれど!」
 過去への思いと、未来への希望。猟兵たるひかると、オブリビオンマシンと化した騎士の意思が伯仲し、拡散する精神波は形而下の存在に干渉する物理的な力と化して周囲の空間を歪め、戦場全体を包み込んでいく。
「わたし達にも、守りたいものがあるんです。 ――容赦は、しませんっ!」
 互いの魔力は、まさに互角。しかし、ひかるには後に続く猟兵が、兵士たちが存在し、対する騎士はただ一人であった。
 ステラを通して戦場全体に拡散するひかるの意思と精神波に共鳴した人々の思いが、彼女と闇の精霊へと力を与える。拮抗していた魔力はそのバランスを崩し、闇の精霊が放つ重力が騎士のサイキックオーラを圧し、ついにはその堅牢な守りを突き崩すことに成功した。
 騎士は咄嗟に次元跳躍を実施し、致命的な危機を脱する。しかし、闇の精霊によって加えられた一万倍の重力は、騎士の装甲を拉げさせ、その美しい外観に著しい損傷を与えることに成功したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イザベラ・ラブレス
これが騎士道物語であれば『忠義見事』と褒めるべきなんだろうけど、ただ妄執に突き動かされる様は見るに耐えないわ。
火砲による葬送を以て夢から覚めさせてやらなきゃね…!

POW:施設を砲撃。敵の注意を惹いた後、一騎打ち

サシの勝負なんて柄じゃないけど、勝ち筋が見えた以上やるしか無いわ!
空のミサイルポッドをパージして残弾の許す限りで砲撃戦を開始。

敵がこっちに攻撃を仕掛けてきたらターゲットを切り替えて砲撃を繰り出しながら【頭突き】をする為突撃!

攻撃は敢えて受けてUCを発動し、古代のキャバリア達を召喚。
同時に友軍の砲撃をオブリビオンマシンに仕掛けるよう支援要請で一気呵成に畳み掛ける!【砲撃+弾幕+一斉射撃】



●戦士たちの本懐
「これが騎士道物語であれば『忠義見事』と褒めるべきなんだろうけどね」
 愛機たる「マイティー・バリー」の内にあって、眼前に立ち塞がる騎士の奮戦を見据えるイザベラ・ラブレスは呟く。
 主命を護り、傷つきながらも遺構を護り続ける騎士の姿は、確かに忠義の鏡と表現しても遜色ない物ではあるだろう。しかし、守るべき主や文明はすでに滅び、彼の忠義に応えるものはもはやこの世界には存在しない。
「……ただ妄執に突き動かされる様は見るに耐えないわ」
 故に、イザベラは騎士を葬るべくマイティー・バリーを前進させる。騎士の悪夢と矜持を、火砲による葬送を以てあるべき場所へと還すために。
 機体を騎士と遺構へと接近させながら、イザベラはミサイルポッドに残ったツァーリ・ラケータを遺構に向かって打ち放つ。先だっての戦闘にて発揮されたその威力を知るものであれば、命中後の遺構が文字通りの廃墟になることを疑う者はいないだろう。
 騎士は遺構に向けて攻撃が放たれたとみるや、即座に次元跳躍を実行し、見事に飛来するミサイル群を叩き切って見せる。
 高速で飛来するミサイルの信管と炸薬を両断する技量は尋常なものではない。猟兵達との戦いで傷つきながらも、未だ騎士の戦闘能力は衰えてはいないのであった。
 しかし、大威力のツァーリ・ラケータはあくまでも騎士の注意を引きつけるための囮であった。イザベラは機体から空になったミサイルポットをパージさせると、身軽になった機体を躍進させミサイルの対処にかかる騎士に対して170mm三連装ガトリングキャノンを撃ち放つ。
 170mmという大口径の長距離砲から次々と放たれる砲弾は、サイキックオーラごと騎士の装甲を叩き、緑青色の閃光を散らしていく。
 イザベラの意図を悟った騎士は全てのミサイルを叩き切るやすぐさま次元跳躍を実行し、イザベラとマイティー・バリーの眼前へと迫る。
 サイキックエナジーを幾層も重ね合わせ、強化された魔剣がマイティー・バリーへと迫る。しかし、イザベラは回避機動をとらず、そのままの勢いで騎士の懐に潜り込まんとする。
 振り下ろされる魔剣を、マイティー・バリーは強靭な腕部で受け止める。大抵の機体であれば即座に両断される程のエネルギーを持った斬撃を、常識外れの堅牢さを誇るその腕部装甲は見事に受け止めて見せた。
 衝突の勢いをそのままに、騎士へと頭突きをお見舞いするマイティー・バリー。腕部に食い込ませた刃を押しのけながら騎士の機体と組み合うことで、その驚異的な機動力を殺すことに成功する。
「さぁ、お膳立てはここまで。後は頼むわよ、英霊たち!」
 身動きを封じられた騎士の周囲に出現するは、この戦場にて果てた名もなき兵士たち。生体キャバリアの群れから祖国を護らんと殉じた戦士たちである。
 召喚された無名戦士達は、イザベラの発破に応える形様にその銃口を煌めかせる。イザベラによって整えられた舞台の上で、自らの本懐を果たすために。
 動きを封じられた騎士に対して、無数の砲弾が繰り出される。その強靭なサイキックオーラはその悉くを防ぐことに成功するが、イザベラによって加えられた砲撃の余波が綻びとなり、決して少なくない数の砲火がその装甲を傷つけることに成功したのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

天音・優歌
あれが元凶のオブリビオンマシンかな?
あの機体も前に見たやつに似てるね
ワープ攻撃が厄介な強敵だった
油断せずにいこう
いくよメソテース!

真の姿のマギウスモードに変身
剣で斬り結びながら敵のUCを警戒
UCの一撃を防ぎ隙が出来たらUCを使う準備をする
詠唱しながら暴走や周りを可能な限り巻き込まないよう魔力制御に集中
ちょっと魔力制御のために集中しますので援護してくださると助かります
準備が出来たらUCを敵に向かって放ちます

いじらしいね
でも、あなたが自分を道具でないというのなら
それが悪だと分かっていたなら止まらないといけなかったんだよ
おやすみなさい


玉兎姫・カグヤ
あの機体が最後の目標ね!
あれを墜とせばこの戦いも終る
玉兎姫・カグヤ、ヴォルパーティンガー
いきます!

UCを発動し空中戦に移行
相手は剣による近接戦が得意そうなので
一定の距離を保つよう立ち回り射撃武器で応戦
白兵武装は相手の攻撃を受け流すときだけ使用
隙が出来たら全搭載武装の同時攻撃を放ちます

高速空中戦か
面白い、付き合うわ
いくよ、ヴォルパーティンガー!
私達に高速戦闘で敵わないことを教えて上げる!
ターゲットロック!
火力一点集中、ファイア!


エイス・シノノメ
明らかに今までの敵機群とは異質の存在感……
単騎とは言え排除しなければ友軍の被害は悪戯に拡大してしますね
数の論理の通じない手合いにはアタシ達猟兵が相手となります
ここを乗り切れば後は友軍との残敵相当もあと少し
忘れられた遺構によるもはや意味を失った争いは今を生きるアタシ達には不要のものです
アタシ達は明日の為に戦う…それは決して昨日との決別のためではないのです

近接型のキャバリア、此方は只管撃ち続けるだけです
過去に縛られたモノ…もう、貴方の国は無いのです
その背後にあるのは過去の幻影でありもう意味を為していないのです
その力の代償に想いも失われていっているでしょう
過去を断ち切る…其れがアタシ達猟兵の力です!


太刀風・橘花
主がいなくなっても守り続けるその精神に敬意は表するが、この施設の脅威を放置することはできん
この戦いで終わりにさせてもらおう
【火力支援】が必要だな、対戦車砲隊に出撃を命じる!

敵は強大だが施設の防衛という任を抱えている、そこを突く
各砲は施設の構造物に隠れるようにして展開せよ(『地形の利用』)
撃てば位置が露見するだろうが、施設の一部を盾にされては反撃も難しくなるはずだ
各砲は陣地転換しつつ相互に『砲撃』を続け、徹甲榴弾の連続射撃を浴びせてやれ!(『集団戦術』『貫通攻撃』)

歩兵は対戦車砲隊の『援護射撃』だ
小火器では歯が立たんだろうが、センサーの集中する頭部や関節部などに射撃を集中すれば邪魔はできるだろう



●総力戦
「あの機体が最後の目標ね……!」
 猛然と空を駆ける愛機、ヴォルパーティンガーの内にあって、玉兎姫・カグヤは眼下の騎士に照準を合わせる。
 騎士の姿は損傷して尚堂々たるもの。それでも、あの機体さえ落とせばこの悲劇に満ちた戦いも終わる。この戦場に立つ戦士たちの意思と共に、カグヤは騎士に向けトリガーを引き絞る。
 ヴォルパーティンガーから放たれる殺気と武装に対応すべく、緑青の騎士もまたサイキックオーラをきらめかせ、空へと飛翔する。魔術的な推進力をもって重力の軛を振り払いながら、騎士は己が愛刀とサイキックオーラによって、迫りくる兵装を次々と迎撃する。
「乗ってきた! 高速空中戦、付き合ってあげる。いくよ、ヴォルパーティンガー!」
 猟兵であっても捕捉することが困難なほどのスピードで空を駆ける2機のキャバリア。空中と言う広大な戦場で、目まぐるしく幾何学的な機動を描きながら繰り広げられるカグヤと騎士の戦いは、先入観を抱かずにその様を見る者がいればその美しさに感嘆すら漏らすであろう。
 騎士が得意とする近接戦を警戒し、乱数機動をとりながら手にするライフルを撃ち放つヴォルパーティンガー。前後左右からかかる強烈な重力不可に晒されてなお、カグヤの照準は正確であった。
 次々と打ち放たれる銃撃によって、騎士が纏うサイキックオーラは徐々にではあるが減衰していく。
 互いの位置が目まぐるしく移り変わる高速戦闘下では、騎士の権能の一つである次元跳躍も有効打足りえない。このままでは手詰まりであると判断した騎士は、ヴォルパーティンガーが放つ攻撃に対する回避と防御を放棄し、その魔力のほとんどを推進力に変換することで一気に距離を詰めにかかる。
 防御を捨てた一撃必殺の突進。しかし、その意図は地上から放たれたミサイルによって阻止される事となる。

「あの機動力、明らかに今までの敵とは違う存在感……。まさに、アタシ達猟兵が倒すべき敵手ですね」
 騎士の突撃の出鼻を挫いたのは、地上にあって冷静に2機の動きを分析していたエイス・シノノメの駆るクロムキャバリアから放たれた六連装ミサイルであった。絶妙なタイミングで放たれたミサイルは、複雑な機動を描きながら騎士へと突入し、その炸薬と共に解放されたタングステンペレットによってサイキックオーラを削り取っていく。
 相手が近接戦機であるならば、ひたすらに接近を拒絶するよう相手の動きを制圧すればよい。対近接機戦闘の基本は、相手がオブリビオンマシンであれど変わることはない。
 高速で空を駆ける騎士の機動をFCSによって正確にトレースしながら、エイスは自動装填されたミサイルを再び発射し、敵が軌道可能な空を狭めていく。如何にサポートAIの補助があったとしても、常に高速で動き回る敵を地上から捕らえ続ける技量は尋常なものではない。
「過去に縛られたモノ……もう、貴方の国は無いのです」
 過去に捕らわれ、オブリビオンマシンと化した騎士。機獅道を歩むエイスにとって、眼前の敵手たる騎士の在り方は、あまりにも歪で、悲しいものであった。
 騎士を縛る過去を断ち切るべく、エイスは断固たる決意をもって銃口を向ける。猟兵として、そして機獅としての力は、そのためにあると信じて。

 空と地上からの攻撃に挟まれる形となった騎士は、状況を打開すべく地上脅威の排除を決断した。
 自らの権能たる次元跳躍を実行しエイスの駆るキャバリアの懐に転移し、その手に持つ魔剣を閃かせる騎士。しかし、事前にその動きを察知し、回避行動に移っていたエイスは見事に初撃を回避することに成功する。
 エイスが操るクロムキャバリアから続けざまに放たれるプラズマグレネード弾を魔剣とサイキックオーラによって防ぎ、二の太刀を放たんとする騎士の背後に、突如として爆轟が生じる。
 騎士の背後、即ち遺構の方向から放たれた攻撃。本来であればありうべからざる方向からの攻撃である。たとえ猟兵が操るキャバリアであっても、騎士が持つ高度な魔導探知を振り切ることは不可能に近い。
 では何者が騎士を出し抜き、遺構に取り付くことに成功したのか。
 それはキャバリアでも、戦車でもない。強力無比な騎士の虚突いたのは歩兵であった。
 この戦場の重要局面において常に友軍を救い続けた連戦の将校、太刀風・橘花が率いる妖狐兵たちは、エイスとカグヤが敵の注意を引きつけている貴重な時間を利用することで、遺構へと取り付くことに成功していたのだ。
「主がいなくなっても守り続けるその精神に敬意は表するが、この施設の脅威を放置することはできん」
 如何に強大な騎士といえども、遺構の防衛という任はその足枷となり得る。
 騎士が担う防衛という任務を逆手に取った橘花は、遺構を盾にする形で対戦車砲部隊を展開させると、騎士が地上脅威を排除せんとしたタイミングを突いて砲撃を開始させたのであった。
「初弾、弾着よし! されど損傷は認められず。敵機体の障壁に阻まれたらしい」
 観測任務にあたる偵察兵からの報告に頷き、橘花は各砲に射撃継続を命じる。
「よろしい! そのまま射撃を継続せよ。敵の動きを制圧するのだ」
 たとえ有効な損害を与えることがかなわずとも、絶え間なく砲火を絶え間なく浴びせかけることによって騎士の動きを制圧することは可能となる。
 常に一部の砲兵陣地を陣地転換させ、騎士に我の位置を掴ませることなく運動させ続ける橘花の統率よろしきを得て、前線に対する火力支援は成功しつつあった。

 移行方向から絶え間なく浴びせ続けられる火力支援と、カグヤとヴォルパーティンガーによる上空からの全搭載武装の同時攻撃。それは、エイスが邁進する機獅道のひとつの具現であった。
 絶え間なく火力を投射し、敵の機動を制圧する。機獅道の体現者たるエイスもまた機体が持つミサイルランチャーとプラズマグレネード弾を高速発射し、敵の機動範囲を制限していく。
 時には命中させ、時には意図的に外し牽制する。計算され尽くしたその攻撃に、無駄玉と言う概念は存在しない。
 幾度とない戦いを経て洗練されたエイスの戦術は、今まさに強大な敵手を完全に絡め捕っているのだった。

 そして、エイスとカグヤ、そして橘花によって制圧された敵を砕く鎚の役目を果たす存在。天音・優歌の駆る「メソテース」が、その準備を完結させつつあった。
 優美な機体を真の姿たるマギウスモードに変身させた優歌は、自らの魔力をメソテースに伝導させることによって増幅させていく。練りこまれ、メソテースを包む魔力は、今や騎士が身にまとう魔力のオーラを質と量の両面において凌駕している。
 高度な集中を要するその大魔術の詠唱は、優歌の清らかな声と共に最終段階へと至るのであった。
「――其は開闢、其は終焉」
 今は亡き主命を護り、傷つきながらも戦い続ける騎士のなんといじらしいことか。
「全てが始まり、全てが終わり。全てが生まれ、全てが帰する」
 しかし、器たる彼が、そして、彼と一体となった彼女が、自らを道具でないと定義していたのなら、自らの使命が悪であると分かったその時、止まらなければならなかった。
「至尊の頂、究極の光……!」
 悲しき騎士とその主に向けて、優歌とメソテースが放つは葬送の光。
 天地の開闢と終焉という概念の具現たる、始原の灼熱。
 あらゆる属性、あらゆる現象の源たる光は、その莫大なエネルギーと共に、過去の具現たる騎士をあるべき場所に還すべく包み込む。
 極限まで集中した魔力は、猛烈な爆轟と衝撃波を発生させ、騎士の周辺に存在するあらゆる物質を分解し、昇華させていく。
 天地開闢の光を現世へと再現する大魔術が収束した時、果たして騎士は健在であった。
 しかし、猟兵との激戦下にあった騎士が、その時初めて膝を折った。
 4人の猟兵が死力を尽くした戦闘は、強大な騎士に対して体勢を崩すほどのダメージを与えることに成功したのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

高砂・オリフィス
思うところないわけでもないけどさっ、こっちだってなーんにも背負ってませーんってわけじゃないのさ! 握手っ、てできないならぶつかり合おう! 力の限り!

なんかもうオーラビンビンって感じ? ここは……ちょっとヒキョーでも意表をつく! ちょっと貸してね
借り物銃でユーベルコード発動! 使い捨てる覚悟でとりあえず撃つ!
速い子にはこの手に限る! きみはどんな手を使うのかな? あははっ!


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

……この思念、この動き。
そうか……こいつは、この機体は。
あくまで責務を全うしようというんだね。
その意気、その遺志は分からなくもないさ。
けれど、その施設は「あってはならない」んだ。
アンタら自身とは直接関係はないんだろうけど、
だからこそ、そこでの研究成果は見過ごせない。
止めてみせるよ、物理的に……!

致命の一撃を避けるように『操縦』し、
緑の剣戟の真っ只中へ切り込むよ。
サイキックにはサイキックだ、
『カウンター』を仕掛けるように斬撃へクローをぶち込む!
そうして繋いだ思念で『ジャミング』して、
動きを止めた所に最大出力でブラスターをぶち込む。
とっておきを持って行きやがれ!


マリシ・エイトゥム
本丸ですね。あと少しです……往きます!

敵騎士を引き付けます。
……引き付けている間に後方砲兵の皆さんは遺構の破壊を。
引き続き『Saturn XLVIII』に搭乗し『ホープブリンガー』で戦います。撃破よりは足止めを優先します。
よく見て武器で防御、受け流しつつ左腕から【トラッキング・プラズマ】を使い相手を一時的にでもマヒさせましょう。
限界を超えて出力を上げることも考えないといけませんね。Saturn XLVIII……もう少しがんばってくださいね。

どんな理由があろうと今を生きる人たちに仇なす事は看過できません。
……あなたと遺構を破壊して止めさせていただきます。


アドリブ連携歓迎



●ぶつかり合う意志
 猟兵達の背後で、遠雷の如き砲声が響く。間延びした飛来音と共に遺構周辺に着弾するは、友軍の重砲から放たれた榴弾であった。
 猟兵達の後に続き、ついに第8重機甲師団が遺構周辺へと到達したのであった。
 忌まわしき遺構を射程に捕らえた重砲は、次々と砲撃を開始し、遺構周辺の大地をその火力によって耕していく。
 今はまだ遺構に備え付けられた防衛火器と拠点防衛用の魔導障壁が砲撃を防いでいる物の、絶え間なく降り注ぐ砲弾がその守りを突破するのは時間の問題であるかに思われた。
 施設を守護する騎士は、重大な脅威となる砲兵を排除すべく再びサイキックオーラを纏い、猛烈な速度で飛翔を開始する。
 しかし、その挙動を阻むかのように、騎士の側面から一機のキャバリアが躍りかかる。
「思うところないわけでもないけどさっ、こっちだってなーんにも背負ってませーんってわけじゃないのさ!」
 借り物の散弾銃を手に、燕型のオーラブリットを撃ち放つは、高砂・オリフィスの駆る「ガオウ」であった。
 遺構を攻撃する味方砲兵に気を取られた騎士の不意を突く形で放たれたオーラブリットは、物理法則を超越する速度で騎士へと迫り、オリフィスが狙った部位、即ちサイキックオーラが薄いポイントへと過たずに着弾し、騎士の出鼻を挫く。
「握手ってできないならさ、ぶつかり合おう! 力の限り!」
 騎士の進路をふさぐ形で次々と放たれるオーラブリットは、サイキックオーラに防がれながらも騎士の動きを拘束し、味方砲兵への攻撃を食い止めることに成功する。そして何より、通常のキャバリアであれば追いつくことが困難なほどに強大な騎士の機動力をそぐことに成功したのだった。

「動きが鈍った!今ならば――!」
 騎士が動きを止めた一瞬の隙を利用して、マリシ・エイトゥムは愛機たる「Saturn XLVIII」を躍進させ近接戦の間合いへと肉薄する。
 新たなる敵手を迎え撃つべく、騎士は自らの魔剣にサイキックオーラを纏わせ、一閃を放つ。
 度重なる損傷を受けながら、猶も鋭さを失わない騎士の斬撃を、マリシは冷静に見極め、愛剣たる「ホープブリンガー」を用いて受け止める。
「どんな理由があろうと今を生きる人たちに仇なす事は看過できません」
 騎士が守るは、彼らが過ごした暖かい思い出なのだろう。しかし、彼らが護る遺構は、悍ましい兵器を生み出し続ける未来に対する脅威でもあった。
「……あなたと遺構を破壊して止めさせていただきます」
 マリシは断固ある決意をもって、騎士の斬撃を押し返す。二の太刀、三の太刀と繰り出される騎士の斬撃は、一度でも判断を誤れば容易に機体を両断しうる致命の一撃。
マリシはSaturn XLVIIIの体勢を巧みに制御し、時に寸前で回避し、時にホープブリンガーを用いて防御していく。彼女の目的は、あくまで敵の拘束と時間稼ぎにあった。
綱渡りのような戦闘を繰り広げながら、騎士の動きに一瞬の隙を見出したマリシは、すかさず機体左腕からトラッキングプラズマを放出し、騎士の脇腹目掛けて解き放つ。
突如として放たれた猛烈な電流が騎士の纏うサイキックオーラと衝突し、猛烈な閃光が生じる。完全に不意を突く形で繰り出されたプラズマは、サイキックオーラの守りを突き破り、騎士の動きを一時的に止めることに成功する。

 オリフィスとガオウによる妨害、そして、マリシとSaturn XLVIIIの奮戦によって、騎士が動きを止めた一瞬の隙を利用し、懐に飛び込む一機のキャバリアがあった。
 重厚な装甲と特徴的なクローをその機体は、数宮・多喜の駆るサイキックキャバリア「Overed」である。
 多喜はマリシとSaturn XLVIIIの放ったプラズマによって鈍った騎士の斬撃にクローを打ち込み、敵のサイキックに妨害を仕掛ける。
 刹那、多喜と騎士の意識が混線し、騎士の意識が多喜の思念へと流れ込む。
「そうか……こいつは、この機体は――」
 緑青の騎士と、彼と一体となった少女の思い。ただ、この遺構に眠る思い出を愛し、それを護らんとする意志。サイキックを通して流れ込んだ思念のあるがままを、多喜は受け入れる。
「その意気、その遺志は分からなくもないさ。……けれど、その施設は”あってはならない”んだ」
 騎士と少女の思いを、多喜は受け入れ、理解した。しかし、猟兵としてヒトの未来を消し去る遺構を放置する事もまたできない。
 多喜は決然たる意志をもって、騎士に対し、Overedの誇るサイオニッククローを繰り出す。
 唸りを上げて騎士の装甲へと接触したクローは、サイキックオーラの守りを貫通し、その装甲を食い破ることに成功する。
「――とっておきを持って行きやがれ!」
 クローが食い破った破孔に、マルチプルブラスターの零距離射撃が放たれる。装甲内部で炸裂したエネルギー塊は、騎士の機体に大きな破孔を生じさせることに成功したのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ルドルフ・エルランゲン
※絡みアドリブ大歓迎
※前章の汎用キャバリアは敵の強さの引き立て役など演出にお好きにどうぞ

◆桐嶋技研
私の部隊は壊滅か…アレだって安くないんだが…
どうも戦略や戦術でなく感情に基づいた判断で敵は動いているようですね。この際それに殉じさせてやるのも人の情けか…

引き続きワダツミに同乗、敵を撹乱する事で支援

■虚実の計:wiz
工作用レギオンを放ち敵機から見て遺構方向にホログラムと音響を展開
アークレイズの機動力、帝竜ガイオウガの威容、ワダツミの超火力などが遺構を脅かす様をSSW世代のVR・AR技術で臨場感たっぷりに演出

起こった現実に基づく高い確率で発生し得る可能性、その脅威にどこまで冷静で居られますかね…?


桐嶋・水之江
◆桐嶋技研
損害を最小限に抑えたまま来られたわね
最後の門番を成敗したら晴れて入城…楽には通してくれなさそうだけれど

あのキャバリア…遺構を守るように動いてるみたいね
ワダツミの位置は後方に固定、遺構付近をメガビーム砲で砲撃するわ
直撃はさせないわよ
貴重な遺産を壊すなんてとんでもない
遺構の側に敵を磔にして機動力を殺してあげればダビングもやりやすいでしょう
後は前衛の攻撃の隙間を潰すように私の祝福付きのミサイルで援護射撃
射程も威力も強化されてるから単なる牽制じゃ済まないわよ
相手が狙いを変えてワダツミに向かって来るようならそれはそれで良し
三機の護衛とバリアで迎えるわ
ついでに前衛の部隊に背中を晒す事になるわね


亞東・霧亥
◆桐嶋技研と共闘
※ダビング・レコーズに続いて行動

・武器改造
装備中のヴォーパル・ソードFを巨大化する。

【UC】
過去の激闘より、サー・ジャバウォックに変身。
ジャバウォックの巨大化ヴォーパル・ソードと巨大化ソードFの二刀流で、ダビングの攻撃後に1対1で対峙。

・残像、部位破壊、怪力、殺気、ダッシュ、受け流し、切断、武器受け、ジャンプ、スライディング、見切り、悪路走破、カウンター、足場習熟、リミッター解除、限界突破
自分の技を全て用いて戦闘に臨む。

「俺とお前しかいないなら、互いに全力が出せるという事だ。さあ、ぶっ壊れるまで死合おう。」


ダビング・レコーズ
◆桐嶋技研
新たな敵機を確認
遺構の最終防衛システムと推定
これより該当機を破壊する

OBACを起動し敵機の高速化に対処
水之江博士のミサイルの援護射撃に紛れる形でソリッドステート形態で回避運動を取りながらベルリオーズを連射し接近
接近時に得られた加速を維持したままキャバリア形態に変形
ルナライトで連続して切り抜けた後刺突
刺突した状態で最大加速し目標を抑え込む
EMフィールドを左腕に集中展開し貫通跡に腕部ごとルナライトのユニットをめり込ませプラズマキャノンを連射
内部へオーラフィールドを無視した直接打を与える
最後の一射で弾き飛ばすか「撃ち砕く」
以上をUCの一連モーションとして実行する



●神秘対科学
「やれやれ、恐るべきはオブリビオンマシンの戦闘力と言うべきか……。アレだって、安くはないんだが……」
 ワダツミの戦闘指揮所にあって、ルドルフ・エルランゲンは嘆息を漏らす。
 遺構を包囲する形で前進したルドルフの汎用キャバリア部隊は、騎士の恐るべき戦闘力によって散々に蹴散らされつつあった。
 汎用キャバリア達は有機的な連携を維持し、果敢に遺構へと迫るも、ある一定のラインを超えた段階――おそらくは火器の射程が遺構を捉えたタイミングで――悉く騎士の刃に捕らえられ、成す術もなく消耗していく。
 前回の戦闘でいくらかは消耗していたとはいえ、おおよそ数個旅団相当の通常戦力が、一機の騎士によって細切れの肉片に分解されつつあった。
 しかし、汎用キャバリア部隊の損害は、決して無駄なものではない。騎士が行った汎用キャバリアに対する戦闘から、ルドルフはある仮説を導き出しつつあった。
「どうやら、あの機体は遺構に脅威をもたらす存在を最優先で攻撃する様です。 戦略や戦術というよりは……そう、感情ですね」
 騎士が何を思うか、それはルドルフの知る所ではない。しかし、あのような強大な存在が戦術的な判断を超えて縋るものあるのであれば、それに準じさせてやるのも或いは人の情けやも知れぬと、彼は黙考する。
「ならば検証してみましょう。ワダツミはこの場にて固定。メガビーム砲を使うわ」
 ルドルフが立てた仮説を、科学者たる桐嶋・水之江は検証すべくワダツミのメガビーム砲を起動させる。
「出力は7割程度に。目標は遺構至近、ですね」
 勝手知ったるルドルフは、桐嶋の意図を酌み取り照準を遺構そのものではなく、その至近へと設定する。
「大変結構。あんな貴重な遺産を壊すなんてとんでもない」
 桐嶋は満足げに頷き、目標諸元を確認するとすぐさま発射命令を下す。
 ワダツミに装備された二連装メガビーム砲が滑らかに旋回し、筒先を遺構へと向けると、その砲門から強大な熱量を持った粒子の奔流が発射され、数舜の間をおいて遺構至近の地面へと着弾する。閃光をまき散らしながら地面を抉り、荒野に新たな大穴を穿ったメガビーム砲の威力を前にして、遺構の守護者たる騎士は即座にワダツミに向けて攻撃を開始する。
 騎士は自らの魔剣にサイキックオーラを集中させると、虚空に向けて一閃し、魔力の刃として解き放つ。
 騎士の斬撃と共に光波となって迫る魔力の奔流は、ワダツミのバリアと接触すると轟音と共に緑青色の魔力が霧散する。
「ほう、遠距離戦も出来るようですね。色々と器用にこなすものだ」
 騎士の攻撃によって乱れたバリアのエネルギー波長を調整しながら、ルドルフは感心したようにつぶやく。
「感心してばかりもいられないわ。最後の門番、楽に通してくれる気はなさそうよ」
 桐嶋の評価に呼応するかの如く、騎士はワダツミの直上へと次元跳躍を実施し、手にする魔剣をワダツミへと叩きつける。
「近接防空戦闘。MLRSには空対空ミサイルを。上部CIWS、火器管制指示の目標に向け全力射撃」
 恐るべき騎士に接近を許してなお、艦長たる桐嶋はあくまでも冷静であった。ワダツミに搭載され、彼女のユーベルコードの祝福を受けた無数の火器が、巨艦に立ち向かう騎士に向けて一斉に放たれる。
 自らに向けて放たれる無数の火砲を、騎士は時に切り払い、時にその圧倒的な機動力によって振り切っていく。猟兵達の死力を尽くした攻撃を受けてなお、その戦闘力は健在であった。

 CIWSによって構築された火線から逃れるべく、次元跳躍を実施した騎士に対して、MLRSから投射された空対空ミサイルが迫る。騎士は即座に魔剣を横薙ぎに払い、纏わせたサイキックオーラを解放させることで自身に群がるミサイル群を瞬時に爆散させる。
 しかし、それら一連の攻撃は全てが囮であった。直近の脅威を排除し、騎士が再び注意をワダツミへと向けた一瞬の隙を突いて、一機のキャバリアが騎士の懐へと迫る。
「目標を確認した。……これより、該当機を破壊する」
 ミサイルの爆炎を美しく反射させながら騎士に迫るは、ダビング・レコーズの駆るクロムキャバリア「アークレイズ」であった。ダビングはミサイルの爆轟隠れ蓑とし、戦闘機形態であるソリッドステート形態の速度をもって騎士に肉薄すると、リニアアサルトライフル「ベルリオーズ」を連続して撃ち放す。
 機体そのものの速度とベルリオーズの電磁投射機構によって猛烈な速度を得た実体弾は、ミサイルの爆炎を引きながら騎士へと着弾する。
 サイキックオーラが緑青色の閃光と共に減衰したことを確認したダビングは、衝突寸前の距離で機体をキャバリア形態に変化させると、すぐさまプラズマブレードたる「ルナライト」を起動。その名が示す通り月光にも似た美しき刀身を煌めかせ、実体弾が命中した肩部に対して刺突を行う。
 ミサイルの爆散から、数秒にも満たぬ合間で繰り出された連続攻撃。ダビングの超常的な操縦技能によって繰り出された戦闘機動に、如何に強大な騎士と言えども完全に対応することは叶わない。
 ダビングは、実体弾が着弾し、僅かにサイキックオーラが綻んだ肩部装甲にルナライトを突き刺すと、腰部に備えられた大型ブースターを最大出力で噴射し、騎士をワダツミから引き離すと同時に、遺構周辺の地面に向けて叩き落す。
 猛烈な速度で迫る地上。凡百のパイロットであればすぐさま離脱を選ぶ局面において、ダビングは騎士の装甲に突き刺したルナライトをさらに深く差し込み、ほぼ一体化したそのユニットから高出力のプラズマライフルを騎士の装甲内部に向けて連射する。
 如何に強力なサイキックオーラとは言え、装甲内部から拡散する力を防ぎきることはできない。
 内部から破裂するように騎士の肩部装甲が打ち砕かれるタイミングと、ダビングがルナライトを引き抜くタイミング、そして、騎士が地面へと衝突するタイミングはほぼ同時であった。
 ダビングは墜落直前にアークレイズの肩部ベクタードブースターを前方へと緊急噴射し瞬間的な浮力を確保すると、即座にフライトユニットを起動。地面に叩きつけられた騎士を眼下に捕らえながら急速離脱することに成功したのだった。

 ダビングとアークレイズによる猛攻を受け、地面に叩きつけられて尚、騎士は戦闘が戦闘の意思を緩めることはない。
 しかし、彼の眼前には対処すべき脅威が迫っていた。後方に控える巨艦の主砲が、此度は遺構そのものに対して向けられ、その恐るべきエネルギーの奔流が彼の護るべき施設に迫っているのだ。
 騎士は即座に次元跳躍を実施し、自らのサイキックオーラを極限まで増幅しながら、ビームの奔流を切り払うべく愛刀を振るう。しかし、実際のビームを切り払う際に襲い掛かる熱や衝撃は発生しない。
 すべては、ダビングが騎士の注意を引きつけている間に展開した工作用レギオンによって投影された立体ホログラム映像であった。
 SSW世代のVR・AR技術によって構成された疑似映像は、古代魔法文明時代の神秘を用いて製造されたサイキックキャバリアの魔導探知を一時的にしろ超越することに成功したのであった。
 そして、ルドルフが展開した虚実の計によって作り出された隙は、一人の猟兵が騎士の懐に肉薄する猶予を与えた。
 巨大に騎士に一対一で立ち向かう事を選んだ亞東・霧亥は、今まで相対した敵手の中でも最強格にあたる存在、猟書家「サー・ジャバウォック」の姿を取る。
 かの書架の王を除けば、サー・ジャバウォックが最強の猟書家であることを疑う者は絶無であろう。
 その圧倒的な身体能力をもって、騎士が振り抜いた魔剣の上へと降り立った亞東。まるで平地を歩くが如き軽やかさで騎士の装甲を駆けあがると、手にした二振りの剣を巨大化させ、騎士の装甲を切りつける。
 果たして、キャバリアではなく等身大の人間から放たれる斬撃は、騎士が持つ強大なサイキックオーラを両断し、その装甲を切り裂くことに成功する。
 亞東が過去の激戦から得た戦闘経験と、サー・ジャバウォックの理不尽なまでの能力は、今の瞬間古代魔法帝国の英知を超越したのだった。
 騎士から放たれるサイキックオーラの奔流を跳躍して回避し、猛烈な速度で迫りくる一閃をあろうことかその手に持つ二本の剣によって受け流して見せる。
 生身の猟兵の能力が凡百のキャバリアを超越することは数あれども、亞東の敵手は数多の猟兵の猛攻を経てなおその戦闘力を維持する強大なオブリビオンマシンである。
 最強の猟書家たるサー・ジャバウォックとの死闘の記憶は、亞東に対して絶大な戦闘力を与えたのであった。
「俺とお前しかいないなら、互いに全力が出せるという事だ」
 紳士然とした姿を取った亞東は、騎士の機体からその身を放し、軽やかに地面へと着地すると、再び二振りの剣を構える。
「さあ、ぶっ壊れるまで死合おう」
 亞東の誘いに、騎士は自らの剣を掲げ、持ちうる限りのサイキックオーラを放出し応える。
 最強の猟書家を記憶から呼び起こした亞東は、限界まで騎士と打ち合い続け、甚大な損傷を与えることに成功したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

サブリナ・カッツェン
●SPD&真の姿

神輿に担がれた存在の残滓がアレかい
人間の都合で遺伝子を弄って造られたアンサーヒューマンの末裔としちゃ気持ちは分からなくもねぇが…
『とは言え、破壊せねば更なる悲劇が繰り広げられるだけだ』
ああ、奴は回路にこびり付いた残留思念に囚われたマシンに過ぎない
やるぞ、MK、アイリーゼ

ちっ、速ぇな
MK、【索敵】はどうだ
『機体を顧みない出力のサイキックエナジーを感知。こちらよりも出力は上だ』
ハッ、ならこっちも魔力をブーストすりゃいいだけだ
アイリーゼ、【気合い】を入れろ!
力を出し切るんだ!!
アイリーゼの外部装甲を展開、魔導光弾の弾幕と共に奴に追いつけ
追いつきゃ、そのオーラごと爪で斬り裂いてやらァ!



●作られし者
「神輿に担がれた存在の残滓が、アレかい」
 遺構を護る騎士に、昔日の美しさはもはや存在しない。装甲は所々が破断し、緑青色に輝くサイキックオーラは騎士の執念を表すかのように放出され。周囲の存在全てを圧している。
 ヒトによって作られ、その妄執を一手に背負わされた存在の成れ果て。それでもなお騎士は剣を取り、新たなる敵手へと立ち向かう。すべては、自らの背後にある遺構を護らんがために。
「アンサーヒューマンの末裔としちゃ気持ちは分からなくもねぇが……」
 同じくヒトに作り出されし存在と言えるサブリナ・カッツェンは、愛機たるアイリーゼの内にあって嘆息する。ある種の同類として、眼前に敵手として立ちはだかる騎士に対してアイリーゼがどのような感情を抱いたか。それは、彼女の心中にのみ存在する真実であった。
「とは言え、破壊せねば更なる悲劇が繰り広げられるだけだ」
「……ああ、奴は回路にこびり付いた残留思念に囚われたマシンに過ぎない。 ――やるぞ、MK、アイリーゼ」
 相棒の言葉を是とし、アイリーゼを躍進させるサブリナ。敵手たる騎士は迎撃を行うべく空を駆ける。
 サブリナはアイリーゼから無数の魔法弾を発射するが、その悉くが騎士によって回避され、或いはサイキックオーラによって無力化されていく。
「ちっ、速ぇな。……MK、【索敵】はどうだ」
「機体を顧みない出力のサイキックエナジーを感知。こちらよりも出力は上だ」
「ハッ、ならこっちも魔力をブーストすりゃいいだけだ」
 相手が圧倒的な出力を誇るのならば、サブリナとアイリーゼがなすべきことはただ一つであった。サブリナは、僕であるアイリーゼに対して発破をかける。
「アイリーゼ、気合いを入れろ! 力を出し切るんだ!!」
 果たして、騎士と同じく古代魔法帝国時代製のサイキックキャバリアたるアイリーゼは主たるサブリナの意思に応えて見せた。アイリーゼは自らのリミッターを解除すると、アイリーゼの意識とサブリナの精神はより深い段階で同化されていく。
 ある意味では敵手たる騎士と同様の状態。即ち人機一体となったサブリナとアイリーゼは、あふれ出す魔力を投射すべく外部装甲を解放すると、出力される魔力が劇的に増加することにより使用可能となった外部装甲下部の内蔵式魔法科学ユニットが展開する。
「さぁ、奴に本当の弾幕ってやつを見せてやろう。いくぜ、アイリーゼ!」
 サブリナの宣言と共に、通常時の数倍にもなる大量の魔導光弾が猛烈な速度で騎士へと迫る。幾何学的な乱数機動によって迫りくる無数の光弾を回避し続ける騎士。しかし、真の力を解放したアイリーゼから放たれる魔導の群れは、ついに騎士をその術中へと捕らえる。
 無数の魔導光弾に捕捉され、一時的に速度が鈍った騎士に対して、美しく輝く青い燐光を残しながらアイリーゼは肉薄する。
 その腕部からは魔力によって構成された魔爪が展開され、騎士の装甲を捉える。
 アイリーゼから展開された魔力の刃は、騎士のサイキックオーラを先策と同時に、胸部装甲を抉り取ることに成功したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レクシア・ノーレッド
……騎士……?かな。
…あの機体を作った人は、どんな事を考えてたんだろう。
…いや、考えない方がいいか。どうあれ、私たちの倒すべき相手だ。
せめて正面から、相手になるよ……!

さっき撃破した機体、私の戦闘機、ワイバーン、そしてキャバリア。……素材は十分ある。
今こそ私の本領を発揮するとき。
あの機体、かなりパワーがあるっぽいし……正面突破だ、装甲はほぼ捨てて機動力を上げる。
スラスターも使えそうなら増設して、【見切り】で直撃を避けつつ【捨て身の一撃】を狙う。

……大丈夫、私さえ生きてれば何回でも直せるから。
だから今は、全力で突っ込む。
今を生きる人のために、前に進むのが私の役回りだから。



●遍く意志と共に
「……あの機体を作った人は、どんな事を考えてたんだろう。」
 レクシア・ノーレッドは、愛機たる「スラッグ」の内にあって、眼前に立ち塞がる騎士を見据える。
 スクラップ寸前にまで機体を破壊されて尚闘志を漲らせ。あくまでも後背の遺構を護らんと猟兵達に刃を向ける。まるでおとぎ話の騎士の様に、ただ主命を護らんがために。
 眼前の騎士がどのような意志のもとに作られたとしても、猟兵たるレクシアのやるべきことは変わらない。雑念を振り払うようにかぶりを振ると、レクシアはただ敵手を倒すべくスラッグを戦場へと前進させる。せめて、その本懐を果たせるよう、正面からの戦いを挑むために。
 新たな敵手を認めた騎士は、損傷著しい機体から再度サイキックオーラを展開し、正面から迫るレクシアとスラッグを迎え撃つ。
 自らの魔剣に幾重ものオーラを纏わせ、必殺の意思をもって放った一閃は、装甲を捨て機動力に特化したスラッグによって回避されるが、その強大な魔力の余波は、スクラップで構築されたスラッグの腕部を吹き飛ばす。
「……大丈夫、私さえ生きてれば何回でも直せるから」
 通常のキャバリアであれば大破と判定されるような損傷を受けながらも、レクシアは怯まない。彼女の言の通り、スラッグは周囲に転がる無数の残骸を吸収し、切り飛ばされた腕部を修復して見せる。
 自身の存在を顧みない捨て身の突撃は、強大な騎士の不意を突くことに成功した。
この戦場において自らと一体化した無数のキャバリアと、彼女自身が持つ戦闘機、そして彼女の憧れの象徴であるワイバーン「リベラ」。
 今やそれら全ての存在が、スラッグと、そしてレクシアと一体化していた。
 その威容はもはやキャバリアの枠を超え、統一された意志のもとに蠢く一個の巨大な生命体と化している。
 ただ、今を生きる人々のために、レクシアは前へと進む。
 人々の願いと、猟兵としての決意。戦場で彼女と一体となった全ての機械と、それに込められた人間たちの思いが、今この瞬間レクシアと共にある。 
 かくの如くして、騎士の眼前へと至ったレクシアとスラッグは、騎士の一閃をその身で受け止め、捨て身の一撃を放つ。
 その一撃は物理と神秘双方の力を渾融させながら騎士へと命中し、サイキックオーラを易々と貫通すると、装甲に不可逆的な損傷を与えることに成功したのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

朱皇・ラヴィニア
悲しいね……でも、だからこそ
これ以上あなたに過ちを犯して欲しくはない
行くよゼル。ここが正念場だ

ゼルを肉体改造で瞬発力を最大にチューニング
ヘイロゥの推力移動で攪乱しつつ勢いを乗せて
相手の動きを見切り147の重量攻撃で斬り結ぶ
エルの装甲だってある、怖くはないさ
一撃だけでいい……それを、刀身で喰らえば!

グリード・イーター――覚えた技をそのまま返す!
こちらの方が一手多い、やらせはしないよ!
動きを止められれば可能な限り無力化を試みてグラップル
そのまま中の彼女のコクピットブロックを430で捕縛する
引き抜けられれば、後は骸の器だけ
彼女を確保したら323の制圧射撃で目晦ましをしつつ後退するよ
頼む、間に合って!


トリテレイア・ゼロナイン
あの機体、搭乗者は…
いえ
為すべきは変わりません

ハッキングしUC自機体に反映
向上した駆動と推力移動切り返し併用
センサーの情報収集で軌道見切り巨大剣躱し遺構へ突撃
サブアームのライフル後方スナイパー射撃で牽制しつつ背部コンテナ投棄
撃ち抜き爆破し足止め(破壊工作、目潰し)

生体機が出撃した穴から内部へ

瞬間思考力で壁面や構造物把握
操縦技量で踏みつけ跳び回り内部破壊
接近許すまで奥へ

守護の役目を果たす…戦機、騎士としては評価いたします
ですが時が流れた今は搭乗者を縛るだけ
今を生きる人々の為…破壊させて頂きます

中では直線機動も巨大剣も使い難い事利用し動作制限
反応、動作速度で対抗し切り結び
装甲破壊し操縦席を露出

…!



●触らぬ神に祟りなし
「あの機体、搭乗者は……」
 もはやその名すら風化した文明、その遺構にて眠っていたキャバリアが経た年月を思えば、搭乗者の生命は推して知るべきであろう。たとえ搭乗者と一体となった器が、かつての思い出を護らんとしていたとしても、人の世の未来を護るべき猟兵たるトリテレイア・ゼロナインがなすべきことは変わらない。
 如何にトリテレイアの技量が熟練の物であったとしても、眼前に迫る騎士と愛機たる「ロシナンテⅣ」の性能差は歴然たるものがある。
 であるならば、トリテレイアが取るべき戦法は自明である。性能で及ばぬならば、敵から地の利を奪えばよいのだ。
 彼は決断し、ロシナンテⅣの操縦系を自らのコアユニットと一体化させる。
 銀河帝国の技術によって作られたトリテレイアの瞬間思考能力と接続されたロシナンテⅣは、常人であれば生理的な嫌悪感すら覚える程に引き延ばされた主観時間を駆ける。
 目指すは騎士ではなく、その背後に聳える遺構。騎士から放たれる魔剣の一閃を回避し、その余波として迫りくるサイキックオーラの奔流を盾によって受け流しながら、追いすがらんとする騎士に対してサブアームを用いた後方射撃によって牽制を行いながら、背部武装コンテナを投棄する。
 トリテレイアの事前計算通り騎士に向かうコンテナを絶妙なタイミングで射撃し爆砕させると、それを目くらましに遺構内部へと突入する。
 生体キャバリアの射出孔から内部への侵入を果たしたトリテレイアは、瞬間思考能力によって内部の構造を理解すると、臓物を思わせるパイプや生体部品を足場にしながら飛び回り、遺構の奥深くへと侵入していった。

 如何なる因果の導きであろうか。追いすがる騎士がトリテレイアを捕捉した場所は、彼と搭乗者たるレプリカントが一つの存在となった格納庫であった。
 所々が朽ち果て、今や行き交う人間も機械も絶えた伽藍洞にて、2機の機械騎士が相対する。
「守護の役目を果たす……。戦機、騎士としては評価いたします」
 ヒトの未来を護る騎士、トリテレイアは、過去を護らんとする騎士に対して言葉をかける。
「ですが時が流れた今は搭乗者を縛るだけ。今を生きる人々の為……破壊させて頂きます」
 守るべきものを別にする機械騎士達にとって、それ以上の言葉は不要であった。互いに剣を掲げ、敵手と戦いに対して礼を送る。彼らが範とする、古の良き騎士達がそうした様に。
 野外ではなく屋内戦においては、緑青の騎士が誇る高速機動も巨大な魔剣も大きなアドバンテージ足りえない。
 トリテレイアと緑青の騎士は、お互いの技能のみを頼りに剣を振るい、切り結び、薙ぎ払う。
 幾合かの打ち合いの後、トリテレイアに隙を見出した緑青の騎士は、魔剣を上段に構え敵手を両断せんとする。しかし、緑青の騎士が隙と見て取ったその動きは、トリテレイアが巧妙に演出したフェイントであった。
 必殺の意思を込めて大きく身体を開いた緑青の騎士に対し、トリテレイアは即座にロシナンテⅣ体勢を低く構え、下段から愛剣を突き入れる。
胴を刺し貫く形で繰り出されたトリテレイアの刺突に対応すべく、緑青の騎士は体勢をひねり辛うじて回避する。トリテレイアの剣は緑青の騎士を刺し貫くことこそ叶わなかったものの、緑青の騎士の機体の中で最も強固に防御された部分、即ちコクピットの上部装甲へと命中し、その装甲を弾き飛ばすことに成功したのだった。

「……!」
 トリテレイアの一撃によって意図せずに露出された操縦席の光景は、銀河帝国の忘れ形見たる彼をして驚愕せしめるものであった。
 果たして、緑青の騎士と一体となったレプリカントの少女は、途方もない時を経て尚、未だその姿を保っていた。
“保っていた”という表現は適切ではない。彼女の身体は緑青の騎士と一つになったその瞬間の姿で、その操縦席と一体化していたのであった。
 彼女の手足は根元からコクピットへと接続され、その脊椎は無数のアダプタによって緑青の騎士へと接続されている。
 文字通りの人機一体。見るものが見れば悍ましさすら感じる操縦系の中にあって、彼女は静かに瞠目している。
驚くべきことに、時折痙攣するように動く瞼や微かに動く胸元が、彼女が未だにその生命を保っていることを意味していた。
 ある意味では、あの忌避すべき生体キャバリア達が犠牲者を電池として使用するための機構が、生命維持という本来の目的を果たしている姿がそこにはあった。

 あまりの光景にほんの一瞬意識を逸らしたトリテレイアとロシナンテⅣに対して、緑青の騎士から放たれた一閃が迫る。しかし、間一髪のタイミングで格納庫へと至った朱皇・ラヴィニアの操る「シュラウゼル」が、トリテレイアに迫る斬撃を逸らす。
「無事かい!? トリテレイア卿!」
「ええ、ラヴィニア様。助力に感謝します。 ――あれを」
 トリテレイアの指し示す先を見遣り、ラヴィニアもまた息をのむ。常人であればとうに息絶えている筈の年月と激しい戦闘を経て、猶もその搭乗者たるレプリカントの少女は命を保っているのだ。
 搭乗者が生きているのであれば、これ以上彼女に過ちを犯させるわけにはいかない。
 緑青の騎士の搭乗者と同一の存在であるラヴィニアは、決意も新たにシュラウゼルへと語り掛ける。
「……行くよ、ゼル。どうやら、ここが正念場だ」
 ロストオウスをその手に装備したシュラウゼルの変異強化型疑似筋肉を極限まで強化したラヴィニアは、ロストオウスそのものから生み出される斥力と共に緑青の騎士の刃を迎え撃つ。
 サイキックオーラを纏った魔剣とロストオウスが激突し、伽藍洞の空間に衝撃と轟音が響き渡る。
 搭乗者たるレプリカントの少女を護るように繰り出された緑青の騎士の一撃。
 魔力と斥力とが拮抗し、鍔迫り合いにも似た形になったその時、ロストオウスから染み出た黒いオーラが魔剣に纏われたサイキックオーラを侵食していく。
 咄嗟に魔剣をひねり、緑青の騎士はロストオウスを弾くと、続けざまに二の太刀を浴びせるべくシュラウゼルへと肉薄する。
 しかし、その試みはラヴィニアとシュラウゼルを護るべくその間に機体を滑り込ませたトリテレイアによって阻まれる。
「――今です! ラヴィニア様ッ!」
 トリテレイアとロシナンテⅣが、緑青の騎士の魔剣を受け止める。2機の機械騎士から放たれた刃が衝突し、互いの動きが硬直した刹那の猶予。果たしてラヴィニアとシュラウゼルは、その猶予を見事に活用して見せた。
 グリード・イーターによってサイキックオーラを浸食し、その能力を奪い取ったラヴィニアとシュラウゼルは、その魔力によって強化されたRXS-430テンダーベノムを緑青の騎士に向けて解き放つ。
 猛烈な勢いで緑青の騎士に命中したテンダーベノムは、そのコクピットブロックを絡め捕り、捕縛することに成功する。
「トリテレイア卿!」
 サイキックオーラで強化されたシュラウゼルの疑似筋肉を限界まで酷使し、ラヴィニアは渾身の力をもってコクピットブロックを緑青の騎士から分離せんとする。
 ラヴィニアの声を受けたトリテレイアもまた、自らの愛機たるロシナンテⅣの能力を極限まで振り絞り、緑青の騎士の刃を押し返すと、テンダーベノムに手を伸ばしラヴィニアとシュラウゼルへと助力する。
 テンダーベノムによって捕縛されたコクピットブロックは、猟兵が操る二機のキャバリアの渾身の力によって、金属が引き千切れる名状し難い音と共に緑青の騎士から引きはがされる。
 その音は断末魔にも似て、かつて少女と騎士が一体となった伽藍洞にこだまし続けるのだった。
 
 自らの分身たるレプリカントの少女を失った緑青の騎士は、ゆっくりと格納庫の床へと自らの愛剣を突き立てる。
 彼は疲れ果てた戦士がそうするように膝を折り、剣を支えにしてその巨体をトリテレイアとラヴィニアへと向け、首を垂れる。
 それが、緑青の騎士が行った最後の動作であった。
 自らと同一の存在であったレプリカントの少女と離れた古代の騎士は、自らに取り付いた過去の妄執と共に、ただ一人、かつて少女と共にあった格納庫にて朽ち果てる道を選んだのだった。
 
 緑青の騎士が最後に行った所作を目にして、トリテレイアとラヴィニアが何を思ったかは定かではない。
 ただ、今はその名すら忘れ去られた帝国の忘れ形見たる少女が残り、忌まわしき妄執は浄化された。
 この戦場で戦った全ての兵士と猟兵達にとって、それだけが唯一存在する真実であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年01月11日


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#クロムキャバリア
#アルシェリア連合帝国
#旧帝国


30




種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ツェリスカ・ディートリッヒです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト