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雲上の桜の湯(作者 あまね海空
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#カクリヨファンタズム  #プレイング受付は6/25_8:31~6/28_08:29  #再送のタイミングはお手紙で連絡します。  #執筆中 


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#カクリヨファンタズム
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#再送のタイミングはお手紙で連絡します。
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●名前のない温泉宿
 気づけば、男は赤い欄干の橋を渡っていた。
 目の前にはいつの間に現れたのか、小さな提灯がいくつも吊るされた、古びてはいるが小綺麗な木造の宿がある。吊るされた提灯にも、入口の周囲を見回しても、宿の名前らしきものは見当たらなかった。
 どこから、どうやって此処へ来たのか、男には覚えがない。
 振り返れど、道というものはなく、果てしなく広がる靄の浮かぶ――まるで雲の上のような平原と、真っ青な空だけが視界に広がる。
 遠くで、ちゃぷん、と水音が聞こえた。真白のそれは平原ではなく、海のようなものらしい。

 入口の引き戸は軽く、潜れば華やかな四季を描いた金屏風と赤い絨毯が男を出迎えた。すぐに顔を出した笑顔の女将らしきものは狐の顔をしていた。此処は何かと問えば、「温泉宿」なのだという。
 促されるままに宿帳に名を記し、赤い絨毯を辿っていけば廊下は幾手にも分かれていた。手渡されたパンフレットを見れば、露天風呂付きの客室に、大浴場、貸切露天風呂――また大浴場の中に、満開の桜を傍で眺められる湯もあるという。
 ひとまずは、と男が食事処へと足を向ければ、中庭を覗ける回廊に差し掛かった。
 見れば、大きな岩で取り囲んでつくられた池と、レースを幾重にも重ねたような八重桜が、薄紅の花を満開に咲かせていた。木々の合間に見える灯りは、夜になれば白い光で桜を照らし、夜に浮かび上がらせるのだろう。
 中庭を取り囲む回廊には、庭に向けてラタンの椅子が幾つも置かれていた。包み込むようなふんわりとやわらかなクッションをのせたそのパパサンチェアは、ゆるりと夜の花見を楽しむのには心地好さそうだ。花が満開であるのと、外からは姿の透けない仕様である硝子になっているのか、中庭を挟んだ向こうの回廊の様子は窺えないので人の姿も気になることはない。

 男は中庭を眺められる椅子に腰を下ろし、しばしその満開の八重桜を眺めることにした。夜半にのみ供されるという、この温泉宿の名物らしき夜鳴きそばも食べてみたい、と宿のサービスにあれこれと思いを巡らせ始めた時。
 寛いでいた男の耳元で声が、聞こえた。


「君たちには温泉宿に行って欲しいんだよね」
 雨煤・レイリ(f14253)が、転送の用意をしながら一言、そう告げた。
 行く先はカクリヨファンタズム。
 恐らく雲よりも高く、雲の『海』に囲まれた場所にある温泉宿だ。
 猟兵以外はどうやって訪れるのかといえば、大方『迷い込む』のだとか。帰りの際は、帰る先を思い描きながら雲の海に浮かぶ一本道を歩いていけば帰れるのだという。今回の行き帰りは猟兵が転送するので、その辺りに心配はいらなさそうだ。

 そこにある温泉宿は、訪れる客は大半は迷い込む方が多いとはいえ、そこそこ繁盛しているらしい。従業員は住み込みなのだという。
「その宿で、どうも最近お客さんや従業員がふらりといなくなるらしいんだ。そもそもお客さん自体、ふらりと来てふらりといなくなるものではあるんだけど、あまりにも突然らしくて……例えば、寝る前に朝ごはんをしたのに朝になってみたら居ない、っていうのはおかしいと思わない?」
 そういうことが最近よく起こるのだ。ただし、ことが起こる前兆も、どこに行ったのかもまだ見当はついていない。
「手がかりになるような話を聞きだして欲しいんだ」
 多少人は減っているけれど、まだまだ働く者たちは多く、また猟兵以外の滞在客も少しばかりいるという。
 そこに客として入り込み、通りすがりの他の客か、従業員に雑談混じりにちらりと話を聞くと良い。噂話程度のものならば、気軽に話して貰えるだろうから。
 対して従業員として入り込むのはオススメできない。場所柄なのか、客が不意に増えることは多いが、初めから従業員として訪れる者は滅多にいないのだ。不信感を持たれては口も重くなるだろう。
 だからまずはね、とレイリが猟兵達を見て微笑んだ。
「温泉宿で楽しんでおいで。その合間に訊けることもあるだろうから。ことの原因となっているオブリビオンには気取られない方が良いからね。何せ、どんなオブリビオンなのか、どんなことを仕掛けてきているのかがさっぱり分からないんだ」
 気をつけていってらっしゃい。
 その声と共に、猟兵達は転移の光に包まれていた。





第3章 ボス戦 『偉大なる海の守護者』

POW ●深海の歌
【津波を呼ぶ歌】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD ●海の畏れ
【他の海にまつわる妖怪を吸収する】事で【鯨の鎧を強化した形態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ ●災厄の泡
攻撃が命中した対象に【祟りを引き起こす泡】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【恐怖による精神ダメージと祟り】による追加攻撃を与え続ける。
👑11

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はペイン・フィンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 水はなく、海もなく、海の名のつく雲海の中で、それはざぷん、と音を立てて泳ぎ、姿を現した。

 骨を身に纏い、下半身は人魚を彷彿とさせる魚の尾をもつオブリビオン。
 今迄誘われた妖は影に呑まれ、或いは、骨を纏う異形の腹の中へ収まったのだろう。
 まるで大きな魚が跳ねるように、雲の上に一瞬だけその姿を見せ、オブリビオンは再び雲海の中に沈んでゆく。
 姿を見せたのは、欲望<ユメ>に唆され、雲海の果てへ向かおう者が中々現れず、痺れを切らしたに違いなかった。
 時折、ちらりと鈍い青の尾の先を見せることはあっても、宿の周囲である岸辺には近づく様子はない。けれど、完全にその姿を消すこともなく、遠巻きに様子を窺いながら雲海の中を泳いでいるようだ。
 幸いなことに、どうやらこの雲海は――雲海の中だけであれば、オブリビオンに限らず飛行の力を持たない者も、泳ぐように飛べるらしかった。宇宙空間における遊泳と似たようなものだが、雲の中であるため視界は些か悪い。かなり距離が離れたなら、影しか見えなくなったり姿を追えなくなることもあるだろうが、接近の必要があるなら間違いなく雲海に飛び込んだ方が良いのだろう。勿論、雲海の上を飛んで、或いは岸辺から狙い撃ちをすることも可能なはず。
 けれど、あまりのんびりもしてもいられない。
 恐らく日の沈んでいる間しか、このオブリビオンは活発化していないのだろうが、太陽が昇りきる頃には、手痛い妨害を仕掛けてくる猟兵達から距離を置き、姿を隠してしまうかもしれず。
 確実に逃さず倒し切るのであれば今宵のうち。

 されど空は徐々に、白み始めている。