鱈梅
こんにちは、鱈梅です。
今回は秋のサムエンのお話です。
精一杯努めさせていただきますので、どうぞ宜しくお願い致します。
ゆったりのんびり進行となります。
第一章:風を祀る神社で風鈴祭りを楽しむパートです。
風鈴を買ったり、飾られたものを眺めたり、自分で絵付けしたり、食べ歩きや散策を楽しんだり。
行動例はあくまで例ですので、自由にお楽しみいただければと思います。
第二章:黄泉の国の扉を開かんとする、鈴の魑魅魍魎達との集団戦になります。
第三章:魑魅魍魎達を操っていた存在とのボス戦になります。
進行に関するお知らせは雑記に掲載致します。
キャパ等に限りがある&遅筆のため、先着順ではなく、書けそうな範囲での採用になるかと思います。
可能な期間内であれば、再送はいつでも歓迎しております。
それでは皆様のプレイング、お待ちしております!
第1章 日常
『秋空時雨の鈴の唄』
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POW | 食べたり飲んだりしながら祭りを楽しむ。 |
SPD | 買ったり作ったりしながら祭りを楽しむ。 |
WIZ | 涼んだり聴いたりしながら祭りを楽しむ。 |
👑5 |
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●社に集う
秋晴れの空の下、社に柔らかな風が吹く。
境内を行き交う人々の表情は皆穏やかで、今日という日を迎えられた喜びに満ちている。
家に飾る風鈴を選ぶ、仲睦まじい老夫婦。
願いを込めながら、真新しい風鈴を専用の棚へと吊るす娘。
自分で絵付けした風鈴を大切そうに抱えた幼子。
湯気立つ汁椀で暖を取り、紅葉を見上げる青年。
楽しみ方は十人十色だ。
厄災の影はまだ遠い。
祭りを楽しむ時間は十分にありそうだ。
月藤・紫衣
秋風に風鈴、ですか
風情があっていいですね
ちょうど家を飾る物を探していたので、散策してみましょう
絵付けをすることも出来るみたいですが…絵心がある方ではないので、今回はやめておきます
さて、風鈴…そうですね
2つほど、秋にちなんだ草花の柄やトンボ…ああ、猫もいいですねぇ
ふふふ、これだけあると素敵な物がたくさんあって迷ってしまいます
……はぁ、少し寒いですし
身体を温めてくれるような、甘いものの屋台を探しましょうか
焼いたお団子、おしるこ…どれも魅力的ですね
(アドリブ等歓迎)
●楽しい悩み
「秋風に風鈴、ですか……風情があっていいですね」
月藤・紫衣(悠々自適な花旅人・f03940)は、賑わう市をのんびりと散策しながら、耳を擽る風鈴の音に柔らかく目を細めた。
ちょうど家を飾る物を探していたのだ。この機会にひとつ、気に入ったものを迎えるのも良いかもしれない。
「絵付けをすることも出来るみたいですが……」
興味が無いわけではないが、そこまで絵心に自信があるわけでもない。
何より、こんなに沢山の風鈴が並んでいるのだ。今日は新たな出会いを探したい。
「ふふふ、これだけあると、素敵な物がたくさんあって迷ってしまいます」
折角だから、秋に因んだものが良いだろうか。
萩に尾花、葛や撫子、女郎花、桔梗、藤袴といった秋の七草。
華やかな菊に、凛と咲く竜胆。
金木犀など、今にもあの甘い香りが漂ってきそうだ。
ああ、草花も良いが、彼処の猫を描いたものも愛らしい。
蜻蛉柄も捨てがたい。紅葉の下で揺れる様は絵になるだろう。
「なら、これなんかどうだい?」
これが良いか、それともあれが良いか。時に手に取り、音色を楽しみながらじっくりと吟味する紫衣へ、屋台の店主が指したのは、咲き乱れた藤袴の中で遊ぶ猫の柄。
その上でひらり舞う蝶は浅葱斑だろうか。細やかに、だが活き活きと描かれた秋の情景と落ち着いた音色が、紫衣の目を、耳を和ませる。
「これは……ええ、とても素敵です……」
「だろう? うちの取って置きの一品なんだ」
思わず、ほぅ、と感嘆の吐息を洩らす紫衣に、店主も嬉しそうに笑みを返す。
それから、もう少しだけ悩んだあと。包んでもらった藤袴の風鈴を供に、紫衣は屋台を後にしたのであった。
包みを連れ歩きながら眺める祭りは、平穏に満ちていて。
予兆の刻までは、もう少しありそうだ。
このまま、何も起こらないのが一番なのではあるが。
「少し冷えてきましたね……」
まだ息が白む程ではないとはいえ、それでも寒いものは寒い。
身体を温めてくれるような――そう、例えば甘味の屋台は無いだろうか。
ゆるりと辺りを見回した紫衣の目に飛び込んできたのは、芳しく香る焼き団子に、とろりと濃厚そうな汁粉。此方の甘酒も温かそうだ。
「……どれも魅力的ですね」
再び訪れた楽しくも悩ましい時間に、紫衣は口元を綻ばせた。
大成功
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御剣・刀也
POW行動
秋に風鈴ねぇ
風鈴は夏の風物詩だと思ってたが、これはこれで趣があって良いな
音を聴きながらのんびり酒を飲ませてもらおうか
祭りの屋台を巡って一通り食べ物を調達したら風鈴の音が聞こえる静かな場所を探す
見つけたら、酒を飲みながらのんびり食べ物をつまみに風鈴の音と秋の景色を肴に酒を飲む
「祭りは好きだが、たまにはこうして静かに飲むのも良い」
喧騒と風鈴の音を肴に、静かに酒を飲んで秋の夜長を楽しむ
●秋を肴に
「秋に風鈴、ねぇ」
風鈴は夏の風物詩だと思っていたが、これはこれで趣があって良い。
転送陣を抜け、神社の境内に踏み出した御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)は、涼やかに唄う風鳴りの鈴の音に耳を傾けながら、燗酒を売る屋台へと目を向ける。
冷え込みを増してきた今日この頃。暖を取るのにこれ以上のものはないだろう。音を肴に一杯やるのも一興か。
――とは言え、音で腹は膨れぬ故に。
つまみ探して、屋台をぶらり一巡り。
「そこ行く兄さん、酒のアテ探しかい?」「それなら、ウチの湯豆腐なんてどうだ!」
「こっちには芋の煮ころばしなんてのもあるぞ!」
耳に、鼻に訴えかける、威勢の良い呼び込みと食欲唆る香り達。
煮しめに塩辛、味噌田楽。
彼処に見える鍋は、から汁か。
あの男が食っている魚の塩焼きも美味そうだ。あれは何処で売っているのだろう。
思わず、食い倒れと洒落こみたくなるも、ぐっと堪え。持ちきれる分だけ買っていこうか。
一通りつまめるものを調達したら、お次は紅葉酒に相応しい場所探しだ。
風鈴の音が程良く聞こえる、静かな場所が好ましい。
方方から聞こえてくる町人達の会話に耳を傾けてみれば、子供達の楽しげなお喋りの中に求むものの情報はあった。
成程、子供は穴場を見つける天才だ。有り難く楽しませてもらうとしよう。
「ほぼ貸切だな」
子供達の話の通り、その場所は相当な穴場のようで。
紅葉に銀杏に秋空と、すべてがひとところに楽しめる中々の絶景にも関わらず、先客の姿は何処にも無く。
先程買ってきたつまみを広げ、風鈴の音と秋の景色を肴に酒注ぎ。
透き通った青から、夕暮れの赤へと仄かに移り変わり始めた空を見上げ。湯気立つ酒で口潤して。
「……祭りは好きだが、たまにはこうして静かに飲むのも良い」
遠くに聞こえる喧騒もまた、良いものだ。
刀也はゆるり、心行くまで秋のひとときを楽しむのであった。
大成功
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真宮・響
【真宮家】で参加
秋風に吹かれて鳴る風鈴、いいねえ。え?奏と瞬は風鈴絵付けしてみたい?そうだね、いい記念になる。挑戦してみようか。
気軽に挑戦してみたが、小さい風鈴に柄を付けるのは案外難しい。書く絵柄は赤が映える彼岸花。手こずるがようやく完成。奏と瞬も出来たかい?
三人が作った風鈴を風に鳴らしながら、思う。ああ、いい風だ。特に風の力を扱う奏に取って心地よい場所だろう。絶対護って見せるさ。
真宮・奏
【真宮家】で参加
ん~・・・いい風です。母さん、折角だから風鈴絵付けしてみたいです!!細かい作業はちょっと苦手ですけど、三人でやれば!!
勢いで挑戦してみたものの、不器用なので、絵付けに悪戦苦闘。ようやくかけた柄は星らしきもの。歪んだ角ばったシロモノが書かれた風鈴に。
恥ずかしい出来になった風鈴を照れながら鳴らして見ますが、心地よい風に機嫌が良くなります。風は私の友です。この風がいつまでもこの街に穏やかに吹き抜ける事が出来るように。物騒な奴らは必ず退治しますよ。
神城・瞬
【真宮家】で参加
秋も深まり、風も冷たくなってきましたが、こういう時分の風鈴市も乙な物で。あ、家族で風鈴の絵付けですか?記念になりますし、やってみましょう。
細かい作業は得意ですので、苦戦する母さんと奏を横目に矢車菊の柄を風鈴に付けて行きます。(奏の風鈴の出来を見て)まあ、奏らしくていいんじゃないですかね。
三人で作った風鈴を鳴らしながら、風を感じます。精霊使いの僕にとって、この風がとてもいいものだという事が分かります。この風が吹く街。必ず護ってみせますとも。
●秋風に誓う
「ん~……いい風です」
心地好い秋風がさらさらと髪を撫でていく。
見上げた空は、どこまでも抜けるように澄み切った青。
思い思いに祭りのひとときを過ごす人々は、皆一様に笑顔で。
真宮・奏(絢爛の星・f03210)は小さく伸びをしながら、境内に広がる平穏な光景に頬を緩ませた。
りぃん、りぃんと、賑やかさを彩るように唄う涼やかな風鈴の音に、真宮・響(赫灼の炎・f00434)と神城・瞬(清光の月・f06558)の顔にもまた、自然と笑みが浮かぶ。
「秋風に吹かれて鳴る風鈴、いいねえ」
「ええ。夏のイメージがありましたが……こういう時分の風鈴市も乙な物ですね」
この時期の祭りだからだろうか、其処此処で揺れる風鈴は、秋を映した柄も多い。
興味深そうに屋台を眺めていた瞬の目に、一際大きな人の集まりが映る。
老いも若きも肩並べ、真剣な目で机へと向かう人々の傍らに置かれているのは、種類豊かな無地の風鈴と絵筆、色取り取りの塗料に短冊。図柄の手本も様々揃えられている。
成程、そういえば説明では、自分で作ることも出来ると言っていた。「出来た!」と母を見ながら大きな声を上げて喜ぶ幼子が愛らしい。
「こっちでは絵付けも出来るんですね」
「母さん、折角だから絵付けしてみたいです!!」
瞬の言葉に、奏は幼子のように目を輝かせ、響へと振り返る。
「手元に残る思い出にもなりますし……細かい作業は少し苦手ですけど、3人でやればきっと楽しいと思うんです!」
「良いですね、僕もやってみたいです」
「そうだね、いい記念になりそうだ。挑戦してみようか」
家族の思い出の1頁にと。奏の楽しい提案に、2人も顔を綻ばせて頷いた。
気軽に挑戦してみたものの、小さな風鈴に柄を付けるのは存外難しく。
なかなか頭に思い描いた通りとは行かぬ上に、一発書きという緊張感。知らず、掌には汗が滲む。
響と不器用な奏は慣れぬ絵筆と格闘しつつ、ああでもない、こうでもないと試行錯誤しながら硝子に塗料を乗せていく。
一方、細かい作業が得意な瞬は、苦戦する2人を横目に、手本を見ながら手際良く矢車菊の図柄を描いていく。
深い青の塗料をたっぷり使い、繊細な筆遣いで仕上げられたそれは、本物にも負けず美しく咲き誇る。
「早いね、瞬。……よし、こっちも出来た」
響が硝子に咲かせたのは、鮮やかな赤が印象に残る彼岸花。やや粗いタッチで描かれた花弁は、苛烈に燃え盛る炎にも似て。
「奏も出来たかい?」
「あと、もう少し……はい、出来ました!」
奏がモチーフに選んだのは星だ。
悪戦苦闘しつつ、とても丁寧に描かれたそれは、不格好ながらも愛らしく。
「奏らしくていいんじゃないですかね」
奏の渾身の作を見た瞬は、くすりと笑みを零した。溢れ出している真っ直ぐさが、実に彼女らしい。
それに顔を赤らめながら、奏は出来上がったばかりの風鈴を光に透かす。真昼の空に、星が浮かぶ。
やや照れくさい出来となったが、それも味だ。ちょっとした歪みや角張りもまた愛おしい。
はにかみ笑めば、まるで完成を祝うように。優しい風が、ちりん、と鈴を鳴らした。
それから、少し日も暮れて。
手元で揺れる手作り風鈴の音色を楽しみながら、3人並んで茜に染まり始めた小道を歩く。
吹き抜ける風は、昼間に比べると少し冷たさを増してはいるが、それでも尚柔らかく。
「――ああ、いい風だ」
「そうですね。風を祀っている場所だから、というのもあるでしょうか」
精霊使いの瞬だけでなく、響もそう感じているのだ。ならば、風を力とする奏に取っては特に心地好い場所であろう。
「風は、私の友です」
だから、友へと誓おう。
拝殿の方に視線を向け、奏は強い意志を瞳に宿す。
「物騒な奴らは必ず退治しますよ」
平穏が続くように。
人々の笑顔が絶えぬように。
友が――この風が、いつまでもこの町に穏やかに吹き抜ける事が出来るように。
「勿論、絶対護って見せるさ」
「僕も誓います。必ず護ってみせますとも」
決意を新たにする3人を包み込むように。どこか暖かな風が吹いた。
失敗
🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
花盛・乙女
秋祭り、か。
ふふ、楽しんでみるとしよう。
(全身図の浴衣を着て参加します)
風鈴の絵付けが出来ると聞いたな。
絵心はある方ではないが、なにかこう…秋らしいものを描き、一つ貰いたい。
他世界の者で、世話になってる人がいる。
いつかその人が帰ってきたら、見せてあげたいんだ。
出店の食べ物を食みながら、境内を回ろう。
困っている者があれば手を差し伸べよう。
泣いてる子供があれば、笑うまで一緒に遊んでやるのもいい。
エンパイアの平和は一度守られた。
これ以上、その平和を乱すようなことはさせない。
と、決意を新たにするとしようか。
●守るもの
折角だから、と花盛・乙女(羅刹女・f00399)は装いもそれらしく変えて、秋の祭りに華を添える。
緩く纏めた髪は肩に流し、白狐の面で頭を飾り。
落ち着いた緑と黄の地に、紅の帯の浴衣姿は、境内の紅葉にも映えて。
「風鈴の絵付けが出来ると聞いたな……」
巾着ゆらゆら探すのは、案内役に先程聞いた、風鈴の絵付けが出来る屋台。
絵心がある方ではないが、己の手で秋らしい何かを描いたものが1つ欲しい。
図柄より先に思い浮かべるのは、世話になっている人の顔。
(いつかその人が帰ってきたら、)
見せたいな、と乙女は笑う。
己が描いたと聞いたら、一体どんな顔をするだろうか。驚くだろうか。
吟味の末に、乙女が選んだのは紅葉の下で楽しげに飛ぶ蜻蛉の図柄が載った手本。秋らしいし、そこまで難しくもなさそうだ。蜻蛉は縁起物でもあるし。
汚さぬように、襷を借りて袂をたくし上げると、乙女は意気揚々と絵筆を取った。
出来上がった風鈴を、割れぬよう大切に包んで。
食みながら歩くは、この町の名物だという、風鈴饅頭とやら。一口大のそれは口当たり良く食べ易く。かつ、甘過ぎないからいくらでもいけてしまう。
やっぱり、もう2〜3個程買い足して来ようか等と考えながら来た道を振り返ってみれば、今し方転んだのであろう、泣く幼子の姿が目に入った。
「どうした、大丈夫か」
慌てて駆け寄り、助け起こす。どうやら盛大に転がったらしい。怪我は無さそうであるが、手も足も服も土塗れだ。
「泣くな、泣くな。……ああ、そうだ、これを食べると良い。甘くて美味いぞ」
土を払ってやりながら、乙女は饅頭の最後の1つを幼子へと差し出した。
ありがとう、と嬉しげに笑う幼子へ、乙女もまた笑みを返す。
(エンパイアの平和は一度守られた。……これ以上、その平和を乱すようなことはさせない)
子の笑顔に、改めて決意を胸に灯して。
それから暫く。この子の親が迎えに来るまで、乙女は幼子と遊んでやるのだった。
大成功
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岩戸・御影
風鈴が見所のお祭りかぁ、行ってみたい!
【WIZ】
絵付けに心惹かれるのだけれど僕は絵心が全くないんだよね
だから気に入る一品を探して散策するよ
風鈴に似つかわしくない……例えば。地獄柄とか欲しい
そんな風鈴を探しつつ、祭の雰囲気と食べ歩きを楽しむことにするよ
人間って楽しいことを創り出すのが本当にうまいよねぇ
温かい汁物であったまりつつUC発動
「良くないもの」の気配が遠いうちに下準備はしておきたいな
夜鷹に空からの情報を貰いつつ
僕はさり気なく散策時に屋台付近に糸状に張り巡らせた[結界術]で良くないものの侵入を感知するよ
敵が僕の作った結界糸に触れたら、風もないのに一斉にその付近の風鈴が鳴る
※アドリブ・連携歓迎
●宵の気配
「風鈴が見所のお祭り、かぁ」
世界違えど、東方の空気は己の身に良く馴染む。
活気溢れる境内に、けらりと笑み浮かべ。岩戸・御影(赫鬼面・f28521)は祭りの喧騒の中へと飛び込んでいく。
風鈴の絵付けとやらに心惹かれるが、己に絵心は全く無い。
ならば、気に入る一品を探して散策するが吉だろう。
どうせならば、風鈴に似つかわしくない――例えば。
「地獄柄とか?」
これだけ種類も屋台もあるならば、そのような遊び心ある図柄を取り扱っているところだって、1軒くらいはあるはずだ。
食べ物の屋台にしても、取り扱う品は軽食に甘味と様々で。どれも実に美味そうである。
気になるもの全てに手を出していたら、腹がはち切れてしまうかもしれない。
「人間って、楽しいことを創り出すのが本当にうまいよねぇ」
足向く場所に糸張りながら、風鈴の合唱に鼻唄で参加しつつ、饅頭片手に覗いた屋台。
御影はついに目当てのものを引き当てる。
「ああ、あった」
手に取ったのは、揺らめく鬼火に餓者髑髏の図柄。吊られた短冊も、血の池思わせる深みのある渋い紅。
「それにするのかい」
しげしげと眺める御影に、店主の口元もにんまり弧を描き。
「これにするよ」
風鈴にしては鈍めの音を響かせて。御影は小さな地獄を手の中で揺らした。
楽しい祭りもそろそろ終わりの頃合い。
宵の気配に、人々はぱらぱらと帰路へ着き始める。
湯気立つ汁椀を手に、御影は宵闇纏う夜鷹を喚んだ。
「さ、行っておいで」
羽音ひとつさせずに空へと舞い上がった夜鷹を見送り、目を細め。
ついでに、散策時に張り巡らせた結界糸をぴん、と弾く。……大丈夫、術者が触れても音は無い。
「まだ来ないのかな――っ、と!」
その時。
風も無いのに、一斉にその付近一帯の風鈴が鳴り響く。
同時に、空の夜鷹から送られてくる『良くないもの』の情報。
「噂をすれば、だ」
呟いて。御影はもう一度、結界糸を弾いた。
大成功
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