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光も弾も千々に乱れりゃみな花よ(作者 屋守保英
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●弾にビームにしっちゃかめっちゃか
 弾が飛ぶ。
 光線が迸る。
 轟音に、爆音に、爆発音が四方八方から。
 それが戦場ならいざ知らず、そこは神社の参道、辺りには屋台がずらりと並んで。
 否、戦場に似つかわしくない場所とは言え、そこら一帯が全部戦場と言えた。
 妖怪はとにかく死んではならぬと逃げ惑い。
 辺りを飛び回る骸魂に飲み込まれては新たなオブリビオンと化し。
 そんな阿鼻叫喚の地獄の只中、神社の境内に、一体の竜が座していた。
「グォォォォ! 足リヌ、足リヌ! モット砲ヲ、破壊ヲ!!」
 猛々しく吼える竜の背中に積まれた大砲から、閃光がピカリと放たれた。

●そのしっちゃかめっちゃかが日常とな
「新世界、なんだか、大変です……」
 グリモアベースにて。アスター・ファラデー(ルーンの繰り手・f02089)はいつも通りの無表情で言いながら、集った猟兵たちにそう言った。
 新しく発見された世界、カクリヨファンタズム。
 UDCアースに隣接し、UDCアースから移って隠れ住む妖怪や古い神々が暮らす、どことなく懐かしい雰囲気の世界。
 しかし同時に、日常的に世界崩壊の危機に瀕し、妖怪を飲み込んで生まれるオブリビオンが跋扈してはあらゆるものを失わせていく、不安定な世界でもある。
 世界発見と同時に世界崩壊に対処する。なかなかにアグレッシブだ。
「崩壊するのが、日常だからと言って、放置はできません……事件を予知しましたので、対応を、お願いします……」
 そう言って、ケットシーの少女は表情を動かさずにそう告げた。
 彼女が今回予知した事件が起こるのは、カクリヨファンタズムのとある神社周辺。その神社の周辺では「砲」が氾濫し、ひっきりなしに砲弾やらビームやらが放たれては周辺一帯を破壊しているのだという。
 恐ろしい話だ。オブリビオンによる破壊よりも、その砲撃で世界が破壊されかねない。
「砲撃と、オブリビオンの襲撃から、逃げるべく、妖怪たちが参道に殺到し、我先にと逃げようとしています……が、目的地の神社には、その参道を通らなくては、なりません」
 つまり、押し寄せてくる妖怪に何とか対処しながら進んでいかなくてはならない。
 力づくで押し通るのでも、なんとか知恵を巡らせて潜り抜けるのでも、素早く通り抜けるのでも、なんでもいいだろう。とにかく神社に辿り着くことが重要だ。
 しかして神社に辿り着いてからも、困難は待ち構えている。
「神社の中は、オブリビオンの力によって、迷宮と化しています……迷宮を攻略しないと元凶のオブリビオンのところには、行けません」
 そう話すアスターの尻尾が、心なしかへにょりと垂れた。
 迷宮の中には配下のオブリビオンの姿もある。童子姿のオブリビオンが迷宮内をパトロールしては、侵入者への対処に当たっているようだ。
 迷宮を的確に攻略したり、迷宮の構造をうまく利用することが出来れば、戦闘を有利に進めて手早く首魁の元に辿り着けるだろう。
「それと、この世界のオブリビオンは、骸魂が妖怪を飲み込んで、変身したもの、とされています……完全に飲み込まれてしまった妖怪は、助けられないですが、首魁のオブリビオンのように、力のある妖怪を飲み込んだ場合は、助けられます……」
 アスターが、キリッとした表情を見せながら言った。
 曰く、妖怪はあくまで骸魂、つまりカクリヨファンタズムに辿り着けずに死んでしまった妖怪の霊魂に飲み込まれただけなのだ。オブリビオンの骸魂だけをうまく倒すことが出来れば、飲み込まれた妖怪を救うことが出来るという。
 猟兵たちが頷いたところで、アスターが腰の革袋からルーンストーンを一つ取り出す。
「ティール、ですね。積極的に、目標に向かって、恐れずに突破する、勇気と覚悟が求められています……皆さん、無事に、帰ってきてくださいね」
 そう言って、ケットシーの少女はぺこりと頭を下げた。





第3章 ボス戦 『竜撃大砲』

POW ●有り余る生命力
自身の【飲み込んだ竜の生命力】を代償に、【大砲から竜の生命力】を籠めた一撃を放つ。自分にとって飲み込んだ竜の生命力を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD ●強靭な肉体
【竜の肉体】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。
WIZ ●理解が及ばぬ精神
自身の【飲み込んだ竜の精神】を代償に、【理性を失った竜】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【牙や爪】で戦う。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はサフィリア・ラズワルドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●竜も砲も破壊をもたらす故に同一だ
 神社の境内の周辺は、神社の外とは比較にならないほど多数の砲弾とビームが飛び交っていた。
 その弾とビームを放っているのは、境内の前に座す一体の竜だ。背に負った砲が、ひっきりなしにあれやこれやと放っている。
「グォォォォ!!」
 吠えた竜が、虚空をねめつけて叫んだ。
「足リヌ、足リヌ、破壊ガ、破滅ガ、足リヌ……!」
 破壊が足りない。崩壊が足りない。そう吠えて竜は、世界に崩壊をもたらしていた。
 猟兵たちが境内に踏み入った音を察知して、竜の眼がこちらを見つめる。
「貴様ラ、破滅ヲ留メントスル者共カ! 我ガ意ヲ阻ムコト、何人タリトモ叶ワヌ!!」
 猛々しく吠えて、竜は両手を地面にしっかとつける。背の砲が、猟兵たちに狙いをつけるべく、ぎぎ、と動いた。
木常野・都月
何で破壊したいか知らないけれど、世界を壊そうとするなら、アンタは猟兵の敵だ。
その竜の体と心を返して、骸の海にいくんだ!

予知にある敵のユーベルコードを見る感じ、あまり竜自身を消耗させたくない。

骸魂だけを、上手く倒せるように努めたい。

UC【雷の足止め】で敵のUCの効果が切れるまで我慢したい。

敵の攻撃は[多重詠唱、高速詠唱、カウンター]で防ぎたい。
地の精霊様の助力で電磁場を作り、重力操作で動けなくしたい。
砲弾や光線は、雷の精霊様の助力で[オーラ防御]の電磁障壁を作って受け止めたい。

敵が眠りについたら、火の[属性攻撃]で骸魂を倒したい。

竜は、無事だといいんだけど…。


太刀風・橘花
砲が足りぬ、破壊が足りぬというのなら、両方ともくれてやろう
【火力支援】が必要だ、対戦車砲隊の出動を要請する!

現れた妖狐の兵士達に命じて境内の建物や木の陰などに複数の対戦車砲を配置させる
目標は敵背部砲塔、砲を破壊し奴を無力化、飲み込まれた妖怪を助けるぞ

味方の砲が準備を整えるまでの間にやられてしまわないよう、私が敵の注意を引きつける
拳銃で奴の顔、特に目の辺りを撃って砲撃の邪魔をする(『おびき寄せ』『時間稼ぎ』)
射撃しつつ境内の物陰から物陰へと全力で走り抜けながら、敵の反撃を躱すぞ(『ダッシュ』)

対戦車砲隊の射撃準備が完了次第、砲撃を開始する
直接照準射撃だ、外すんじゃないぞ、撃ち方始め!(『砲撃』)


●砲を止めるは弾丸か雷か
「ガォォォ! 破壊、破壊ヲ!」
 喚く竜の背に据えられた砲塔が、幾度となく轟音と火を放つ。
「くっ……」
 四方八方に砲撃を撒き散らす竜を前にして、都月はぎりと奥歯を噛んだ。
 何故かの竜が破壊を求めるのか、それは分からない。
 しかし世界を壊そうと言うなら、それはれっきとした敵対行為。
 何とかしなければ、と思いながら前を見据える都月の横に、拳銃を手にした橘花が並ぶ。
「砲が足りぬ、破壊が足りぬというのなら、両方ともくれてやろう」
「ああ、何で破壊したいか知らないけれど、世界を壊そうとするなら、アンタは猟兵の敵だ」
 橘花の言葉に頷いて、都月も愛用の杖を握った。
 骸魂に囚われた妖怪を助けるには、骸魂を倒す必要がある。なれば、少しの容赦もしてはいられない。
「その竜の体と心を返して、骸の海に行くんだ!」
「火力支援が必要だ、対戦車砲隊の出動を要請する!」
 都月が力強く告げれば、橘花が通信機器に声を張り。しかして神社の境内、拝殿の影や木々の影に、すたっと降り立つ影が複数あった。
 橘花の声を聞いた都月が、おそるおそる彼女の横顔を見やる。
「対戦車部隊……なんだか大掛かりそうだけど」
「この神社の境内や敷地内に隠れられる程度の規模だとも。目標、敵背部の砲塔!」
 都月の声に自信ありげな笑みを返して、橘花は拳銃を握る手を前方に向けた。四方八方から、対戦車砲の照準を合わせる駆動音が、静かに響く。
 その音を耳に聞きながら、都月も自身の杖を竜に向けて構えた。
「骸魂の砲だけを、うまく倒せるようにしないと……」
「無論だ、攻撃させて竜を消耗させるわけにはいかん、貴殿も攻撃を!」
 そう声を発しながら、橘花は前に飛び出した。拳銃の引き金を引き、照準を竜の目に向けながら、牽制の一撃を加えていく。
 対する竜も背の砲を撃っていくが、目で狙いをつけるのを邪魔されているが故に狙いが定まらない。神社の木の枝が一本、砲弾に撃たれて地面に落ちた。
「グォォォォ!!」
「よし……雷の精霊様!」
 忌々しげに吠え声を発する竜めがけて、都月は杖を握っていない左手を突き出す。そこから迸る電撃が、竜の身体に浴びせられた。
 その電流で身体の動きが阻害された竜が、硬直したようにその動きを止める。
「グッ!?」
「よし今だ、撃ち方、始めーーっ!!」
 竜も砲も、確かに動きを止めたそのタイミング。それを見逃さずに橘花は声を張った。
 散々動き回って牽制したところに、都月の電撃による援護射撃。この機を逃すわけにはいかない。
 しかして照準をピタリと合わせた砲撃部隊が、竜の背の砲に向けて一斉に弾丸を放つ。寸分違わず背の砲に殺到した砲弾が、次々に炸裂してはダメージを与えていった。
「ゴァァァ!!」
「次弾、急ぎ装填! この機を逃すな!」
「よし、このまま抑え込むぞ……!」
 苦悶の声を上げる竜を前に、橘花はすぐさま動き出す。第二撃の準備、その一撃をスムーズに届かせるために、都月も自身の仕事をするべく手を突き出す。
 再度、鮮烈な電光が彼の手から迸った。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵