29
帝竜戦役⑫〜A&W帝竜ようちえん・たんれんえんそく!

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #群竜大陸

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アックス&ウィザーズ
🔒
#戦争
🔒
#帝竜戦役
🔒
#群竜大陸


0




●みんな5歳児になーれ!
 ――時蜘蛛の峡谷。
 この場所を通らんとする者の前に張り巡らされている蜘蛛の糸。
 そして、触れた物に決して抗えない糸の効果。

 それは――幼児化。

 ここを通らなければ、「帝竜ヴァルギリオス」の元へは辿り着けない。
 通る者が乗り越えなければいけない試練。
 そう――皆、実戦経験等が奪われてしまう、5歳児程度の幼児になってしまうのだ。
 そんな、幼児化してしまう糸を張り巡らせるオブリビオンはというと。

『お弁当食べるイカクモー!』
『子分行くイカクモ!』
『イカスミぶはーだクモ!』

 時蜘蛛と呼ばれる怪物と化した、だいおーいかたんであった。
 いや、だいおーいかくもたん、と言うべきか。
 5歳児と化した者へと襲ってくるのは、わらわらと出てくるこぶんいかくもたんや、A&W製おこさまランチ弁当を狙ってくるだいおーいかくもたん。
 そして放たれるのは、真っ黒になっちゃうイカスミすぷらーっしゅ。
 幼児になった猟兵は、そんないかくもたんを退けなければいけない。
 勿論、ようちえんじの戦闘服であるスモックも用意してあるし。
 おなかすいては力が出ないから、A&W製おこさまランチ弁当も希望すれば支給される。
 中身は5歳児が大好きなおかず満載の、旗の立ったケチャップライスのお弁当。
 それを奪われるわけにはいかないし、この場所で足を止めるわけにもいかない。

 だから、だいおーいかくもたんへと5歳児たちはいざ立ち向かう。
 それは――A&W世界で繰り広げられる、試練という名の鍛錬遠足!

●時蜘蛛の峡谷
「再び、皆には5歳児になって貰うことになる」
 集まってくれて感謝する、と猟兵の皆へと礼を告げてから。
 いつも通りの涼やかな微笑みで、またそうさらりと言い放つのは、筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)。
 そんな彼の言葉に、その場にいる猟兵はまたまたきょとんとするが。
 清史郎は雅な微笑みを絶やさず、視えた予知の内容を語り始める。
「この地に棲むオブリビオンは皆、手足が増え、自らの寿命を消費して頑丈な糸を紡ぐ『時蜘蛛』と呼ばれる怪物に変貌しているという。そして彼等の放つ糸は、触れた者を『幼児化』させるようだ。倒せば元に戻るようだが、幼児化中は実戦経験等も奪われてしまう」
 時蜘蛛の峡谷――この場所を通る者たちに訪れる試練。
 それは、幼児化!
 皆、5歳児程度の幼児と化してしまうのだという。
 張り巡らされたこの糸を避けることは決してできず、必ず幼児化した状態で敵と戦う事になるのだ。
「そして時蜘蛛化しているオブリビオンは、『だいおーいかたん』。いや、だいおーいかくもたん、というべきか」
 だいおーいかたんは、普段は海でのんびりしてるいかたんだというが。
 でも海にばかりいるのも飽きたイカ、とお弁当持って陸にお散歩しにきたところ、うっかりとこの峡谷に入り込んで、時蜘蛛化したらしい。
「だいおーいかくもたんは、たくさんのこぶんいかくもたんを召喚してきたり、お弁当を食べたり奪って来たり、真っ黒になってしまうイカスミすぷらーっしゅを繰り出してきたりするという。幼児化している身ではあるが、若返りの効果が若干残った時蜘蛛の紡いだ蜘蛛糸宝物「時の蜘蛛糸」というお宝も手に入るかもしれないようであるし、これら行く手を阻むオブリビオンを退けて欲しい」
 そしてやはり、遠足にはこれがつきもの!
「希望者には、『A&W特製おこさまランチ弁当』や、ようちえんじの戦闘服と言われているスモックや黄色い帽子、迷子にならぬようお花型の名札なども支給される。もしよければ、それらで戦闘に備えるのも良いだろう」
 清史郎はそう微笑みつつも真面目に告げた後。
「ところで、バナナは甘味に入るのだろうか」
 そう疑問の呟きを零しながらも、再び5歳児になってしまうたんれんえんそくへと。
 満開桜のグリモアを咲かせ、皆を送りだすのだった。


志稲愛海
 みんなまた5さいになーあれ!
 志稲愛海です、よろしくお願いいたします。

 こちらは、1フラグメントで完結する「帝竜戦役」のシナリオです。

 プレイング受付はOP公開時から開始致します。
 締切等のお知らせはMSページ等で決まり次第お知らせいたします。
 今回はすぐには締めず、物理的に締まるまで長めに受付している予定です。

●プレイングボーナス
 幼児化への対抗策を考える。

●シナリオ概要等
 皆様一律、5歳児程度の幼児となります。
 概ね、内容はOPの通りです。
 おこさまランチ弁当やようちえんじ装備はオプションです。
 希望者の方はどうぞご活用ください!
 勿論これらを受け取らなくても判定が不利になることはありません。
 キャッキャ5歳児としての戦闘を楽しんでいただければと!

●プレイング採用関して
 今回はシナリオ内容を鑑み、プレイング内容や送信タイミング等に問題ない限り全員採用したいなと思っております。
 ですが戦争故に確約ではなく、お返しする可能性もあるかもしれない事ご理解の上、ご参加ください。

 それでは、ご参加お待ちしております!
379




第1章 ボス戦 『だいおーいかたん』

POW   :    子分行くイカ!
レベル×5体の、小型の戦闘用【こぶんいかたん】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
SPD   :    お弁当食べるイカー
戦闘中に食べた【おにぎりや焼き…イカ…?】の量と質に応じて【よくも子分をイカ!と何故か猟兵に逆ギレし】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    イカスミぶはー
【いかたん得意のイカスミすぷらーっしゅ】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を真っ黒に塗りつぶし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。

イラスト:Miyu

👑8
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ポク・ョゥョゥです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フィーナ・シェフィールド
ふぃーな、しぇふぃーるど、5さいです♪
おこさまランチ弁当、たのしみです♪
(以降、台詞は基本的に平仮名になります)

黄色の帽子を被って遠足…じゃなかった、だいおーいかくもたんを退治にいきます。
お弁当はやっつけてから食べます。

イカさんが出てきたら、天使の翼をぱたぱたと羽ばたかせて、ぷかぷかと舞い上がります。
イカスミの攻撃をひらりと避けようとして、うまく避けられず帽子もスモックも真っ黒に。
「う…う…うゎーん!!!」
ショックで泣きながら、きっ、とイカを睨みつけると、
「おしおきです!ひっさつ!ほーりー・ひーる!」
真っ黒になった地形も服も、全て聖印で浄化します。

あ、やっつけたらお弁当を食べてもいいですよね?



 どうぞ、と手渡されたおこさまランチに、青く円らな瞳をぱあっと輝かせるのは。
「ふぃーな、しぇふぃーるど、5さいです♪」
 はい、ちゃんと上手に自己紹介できました!
 蜘蛛の糸に触れ、幼児化したフィーナ・シェフィールド(天上の演奏家・f22932)。
 フィーナは貰ったおこさまランチ弁当にわくわくしながらも。
「きいろいぼうしをかぶって、えんそく……じゃなかった、だいおーいかくもたんをたいじにいきます」
 ようちえんじ装備もばっちり!
 張り切って遠足……もとい、だいおーいかくもたんを、えいって退治します!
 それに、彼女はいい子だから。
「おべんとうはやっつけてからたべます」
 楽しみにしているおこさまランチ弁当は、いかたんたちを退治するまでお預けです!
 そしててくてく、峡谷を頑張って歩いていけば。
『イカスミで真っ黒にしてやるイカクモー!』
 出てきたのは、退治するべきオブリビオン、だいおーいかくもたん!
 フィーナはちっちゃな天使の翼をぱたぱたと一生懸命羽ばたかせて、おそらをぷかぷか。
 舞い上がって、ぶはーっと吐き出されたイカスミを、ひらりと避け……ようとしたのけれど。
「……わ!?」
 ――ばしゃりっ。
 上手に避けられなくて、黄色い帽子もスモックも、真っ黒に。
 そんな全身真っ黒になってしまって、ショックで悲しくなっちゃって。
「う……う……うゎーん!!!」
 思わず泣いちゃうけれど。
 でも、えぐえぐ泣いてるだけのフィーナではありません!
 ぐいっと涙とイカスミを拭って、きっ、とイカを睨みつけると。
「おしおきです! ひっさつ! ほーりー・ひーる!」
『イ、イカー!?』
 黄金に光り輝く聖なるオーラを纏った踵で、がつんっ。
 イカスミで真っ黒になった地形も服も、全て聖印で浄化します!
 そんなすごいひっさつわざを放って、えっへんと胸を張りながらも。
 フィーナはふと、こてんと首を傾けながら、やはり気になっているように呟く。
 ――あ、やっつけたらおべんとうをたべてもいいですよね? って。
 勿論、美味しくいただいてください!

大成功 🔵​🔵​🔵​

シズホ・トヒソズマ
んー、戦闘経験がいらない作戦ですか……ならば、絵面は危険ですがこれでいきますか

ぴっちりスーツでいき、そして糸に触れ

ちっちゃくなっちゃった
こんな指じゃにんぎょーもつかえないけど、だいじょーぶ!
だってわたち、ますくどえむだもん!
ゆーべるこーどで、自分にベルトを巻いちゃうよ!
あん、しばられちゃうけど、ぽかぽかしゅる……きもちいーのー…♪だってしずほ、どえむだから!

きもちよくなったら、ベルトで翼作ってとぶよ!はやいよ!
◆くーちゅーせん、でいかさんたちをどんどんやっつけちゃうぞ!はやくとんでぶつかるだけなら、戦闘経験いらないもんね!

最後はおっきないかさんにベルトで作った拳でどかどか攻撃だー!きもちいー!



 やってきたのは、避けることができないくらい蜘蛛の糸が張り巡らされた『時蜘蛛の峡谷』。
 糸と言えば、ぴっちりスーツ姿なシズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)にとってはある意味、馴染み深すぎるアイテム。
「んー、戦闘経験がいらない作戦ですか……」
 シズホは、ならばこれでいきますか、と
 そう呟きを落とした後、時蜘蛛の糸に触れれば――。
「ちっちゃくなっちゃった」
 ぐぐっと縮んで、5歳児くらいの幼児になっちゃいました!
 勿論、おててもちっちゃくて。
 イカー! と現れた敵と、果たして戦えるのか!?
 けれど、心配無用……?
「こんな指じゃにんぎょーもつかえないけど、だいじょーぶ! だってわたち、ますくどえむだもん!」
 自身にからくり糸をなぜか巻きつけ、からくり人形ではなく自分で攻撃を受けにいく謎の戦闘スタイルは、ちっちゃくなっても健在!?
 節んあ、ゆーべるこーどを発動、自在に先端を伸ばして操作できるベルトで、自分の身体を巻いちゃうシズホ。
 それだと、自分が縛られちゃっている状態だけど、でも大丈夫。
 ――だってしずほ、どえむだから!
 そう満足すれば、ベルトで作るのは、はやーい翼!
 それをばさりはばたかせて、5歳なシズホが展開するのは、くーちゅーせん!
「いかさんたちをどんどんやっつけちゃうぞ!」
 いや、戦闘経験が奪われている今だから、それは単に、はやくとんでぶつかるだけ……!?
『イカー!?』
 でも、こぶんいかたんを、すごくはやいたいあたりでいっぱいシズホはやっつけて。
 きもちいー! と突撃するのは、おっきないかさん!
 ベルトで作った拳で、どかどか攻撃をお見舞いしちゃいます!

大成功 🔵​🔵​🔵​

リダン・ムグルエギ
…正直恥ずかしいけど横に置いておきましょう
服飾師としてあの糸は欲しいもの

で、その『オプション』、弄ってもいいかしら?

アタシの準備は主に二つ
まずは雨合羽よ
イカスミを吸わないし
スモックが汚れるのを防げるわ

スモックには催眠模様の刺繍を仕込んでおくわ
見た者の聴覚を超絶強化しちゃう模様をね

じゃ、遠足いってまーす
この辺り、きまふと違うふいんき
きっとバズる。どーが映えてパパ喜ぶ!

雨降らないけど雨合羽!
アタシ、知ってるよ
冒険アトラクション、最後にバシャーって水かかる、あるんだよね!
お弁当濡れるの、やー

あ、イカだ!
おいしそー!

(イカスミをかけられると)
びえええええええ
(超強化聴覚を粉砕する大きな鳴き声を発する)



 その手には、ようちえんじの戦闘服のスモックや黄色い帽子。
(「……正直恥ずかしいけど横に置いておきましょう」)
 リダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)にとって、5歳児になってしまうということはちょっぴり恥ずかしいのだけれど。
 でも――服飾師としてあの糸は欲しいもの、と。
 行く手に張り巡らされた蜘蛛の糸へと視線を向ける。
 手に入るかもしれないお宝は、服飾師であるリダンにとってとても心擽られる、珍しい時蜘蛛の糸。
 けれど、それを作り出している、だいおーいかくもたんと対峙する前に。
「で、その『オプション』、弄ってもいいかしら?」
 ファッションブランドのデザイナーの腕の見せ所!
「まずは雨合羽よ」
 イカスミを吸わず液体を弾く素材であるし、スモックが汚れるのも防げるというのだ。
 それに、ちくちくとスモックに施すのは、催眠模様の刺繍。見た者の聴覚を超絶強化しちゃう模様を仕込んで。
 ――じゃ、遠足いってきまーす!
 糸に触れちっちゃくなったリダンは、とことこと歩きながらも、周囲をきょろきょろ。
「この辺り、きまふと違うふいんき」
 そしてキラキラ瞳を輝かせて続けるのだった。
「きっとバズる。どーが映えてパパ喜ぶ!」
 ファンタジー満載な風景広がるこの世界はとっても映えて、動画の反響も大きいこと間違いなし!?
 リダンはパパのために、ちいさいおててで、うんしょって。一生懸命、映える動画を撮ってから。
「アタシ、知ってるよ。冒険アトラクション、最後にバシャーって水かかる、あるんだよね!」
 雨は降らないけど雨合羽!
 それは確りリダンを守ってくれる大事な装備で。
「お弁当濡れるの、やー」
 おこさまランチ弁当は、何としても死守します!
 それから、目の前に現れたのは――。
「あ、イカだ! おいしそー!」
『くらうイカー!』
 イカスミをぶはーっと吐き出してきた、いかたん。
 そして、ばしゃっと、イカスミをかけられちゃうけれど。
 纏っている雨合羽でしっかりガード!
 ――びえええええええ!
『イカ!?』
 刹那響くのは、おっきなだいおーいかたんもビックリな。
 超強化聴覚を粉砕する、大きな鳴き声。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ハロ・シエラ
5歳であれば、私も少しは実戦を経験せざるを得なかった頃ですね。
この体にレイピアは重いですし、スモックも慣れませんが、ダガーなら振るえるでしょう。
それに【第六感】は生まれつきユーベルコードと言える程鋭かった気がします。
だからこそ生き残ってこれたのですから。
それを生かして攻撃を回避しつつ、ダガーで敵を斬り裂きます。
5歳の私には理解出来ないでしょうが、このダガーは毒を勝手に纏います。
技術を失い力任せに振るう内に、敵のおにぎり等に毒が偶然付着したりすると、食べられなく出来て良いですね。
勿論敵の体内でも【継続ダメージ】を与えるでしょう。
毒で食べられない敵には悪いですが、私は貰ったお弁当をいただきます!



 時蜘蛛の峡谷――この戦場に張り巡らされている糸には、恐るべき効果があるのだという。
 触れる者を幼児化してしまう、そんな効果が。
 そして、ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)がやって来たこの渓谷に張られている糸は、触れると5歳児程度になるのだという。
 どうしてもこの場所を突破するためには、避けては通れない幼児化。
 糸に触れたハロも例外なく、ぐぐっと5歳児相当に小さくなってしまうけれど。
「5歳であれば、私も少しは実戦を経験せざるを得なかった頃ですね」
 これまでの戦闘経験は奪われてしまったけれど、ハロにとっては、戦い方は既に知っている年頃。
 とはいえ、得物を握るおてても、随分と小さくなってしまったし。
 ようちえんじの戦闘服と言われてはいるものの……スモックは、やっぱり着慣れない。
 ハロはそれから、うーんうーんと考える。
 この体にレイピアは重いけれど、でもダガーなら振るえるだろうことに。
 それに、生まれつきユーベルコードと言える程に鋭い第六感。
 そして選んだ蛇の血と毒で鍛えられた短剣を握りながらも思う。
 ――だからこそ生き残ってこれたのですから、って。
 そんな5歳児のハロの眼前に現れた敵はというと。
『お弁当食べるイカクモー!』
 おにぎりを手にした、だいおーいかくもたん。
 小さくても研ぎ澄まされた第六感を駆使し、振り下ろされたイカ足をひらりと躱して。
『……イカ!?』
 第六感で察知した隙をつき、ダガーで敵を斬り裂かんと、えいっと刃を振るうハロ。
 5歳の彼女には理解出来ていないだろうが、このダガーは毒を勝手に纏うから。
 戦闘経験はなくなっているため、力任せに敵へと向けられる毒纏う斬撃は、いかたんの身体ではなく。
 だいおーいかたんがその手のおにぎりに当たったりもたまにしちゃうけれど。
(「敵のおにぎり等に毒が偶然付着したりすると、食べられなく出来て良いですね」)
 きっとそれは、敵の体内でも継続ダメージを与えるだろうから。
 そして5歳児なハロは、眼前のいかたんを見上げながら、はっきりとこう口にするのだった。
 毒で食べられない敵には悪いですが――私は貰ったお弁当をいただきます! って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御狐・稲見之守
む、ただでさえちっちゃい姿になっておるのに
さらに小さくなってしもたのじゃ。つかよみづらいナ!

たいさく……術とかならまだつかえるしそれでいくゾ。

[UC荒魂顕現]えっと……われなす、いっさい……し、しんじ?
いかん、むつかしくてうまく言えないのじゃ。

とにかくっ カミナリをおこして攻撃するのじゃ。
あ……これぼーそーしちゃうのじゃ。

ま、いっか。

それよりおべんとうたべるのじゃ。
はんばーぐ、はんばーぐっ おいなりさんもほしいゾ♪



 峡谷に隙間なく張られた、時蜘蛛の糸。
 その糸が触れる者にもたらす効果は、誰でも例外なく。
 5歳程度の幼児へと退化させてしまうものなのだというが。
「む、ただでさえちっちゃい姿になっておるのに、さらに小さくなってしもたのじゃ」
 実年齢は秘密だけれど。元から小さくなっている御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)は、もっとちっちゃくなって。
 ……つかよみづらいナ! と思わず零す。
 けれど、ここは戦場。
『イカー!』
 幼児化の元凶……時蜘蛛化しただいおーいかくもたんを倒すべく、思考を巡らせる。
「たいさく……術とかならまだつかえるしそれでいくゾ」
 ちょっと得物を振るうには、握るおててはちっちゃすぎるから。
 5歳児な稲見之守は、荒魂顕現を発動させるべく、颯爽と詠唱する。
「えっと……われなす、いっさい……し、しんじ?」
 幼児には難しすぎて、何と上手く言えません……!
 いかん、むつかしくてうまく言えないのじゃ、と稲見之守はゆらり尻尾を揺らすけれど。
 ――とにかくっ、カミナリをおこして攻撃するのじゃ。
 えいえいっと生み出したのは、轟くような激しい雷撃。
 けれどその衝撃は、あちこちに奔って。
『イカッ!?』
「あ……これぼーそーしちゃうのじゃ」
 上手く制御できない雷を繰り出しながらも、稲見之守は口にする。
 ……ま、いっか、って。
 それに専ら、幼児化した稲見之守の興味は。
「それよりおべんとうたべるのじゃ」
 支給された、おこさまランチ弁当!
 その美味しそうな中身を思えば、稲見之守はわくわくせずにはいられない。
 ――はんばーぐ、はんばーぐっ。おいなりさんもほしいゾ♪ って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カーバンクル・スカルン
きょうは、ときぐものきょうこく、にえんそくにいきました。

いとがいっぱいあってキレイだなとおもいました。でも、あんまりいたくなさそうです。つかえないです。

そしたらくもさんといかさんがやってきてみんなをまっくろにしようとしてきたら、おくからしゃりんさんがやってきてみんなふっとばしてくれました。

おべんとーのケチャップライスはおいしかったです!

……何この報告書は……(帰ってきて、正気に戻ってからの感想)



 大事に受け取ったのは、5歳児が大好きなおかずいっぱいの、おこさまランチ弁当。
 そして時蜘蛛の糸に触れ、幼児化したカーバンクル・スカルン(クリスタリアンのスクラップビルダー?・f12355)は、きょろりと赤い瞳を周囲に巡らせる。
 ――きょうは、ときぐものきょうこく、にえんそくにきました。
 そう、今日は楽しい、たんれんえんそく……!?
 そしてカーバンクルは、てくてくと遠足にやって来た峡谷を歩きながらも思う。
「いとがいっぱいあってキレイです」
 けれどすぐに、こてんと首を傾ける。
 ……でも、あんまりいたくなさそうです。つかえないです、って。
 触れたら幼児化する不思議な糸だけれど、カーバンクルにとっては使えなさそうで。
 じーっと糸を見つめていた円らな瞳がふと、やってきた敵たちへと向く。
『イカスミ、ぶはー!』
 刹那、イカスミを吐こうといかたんが構えた、その時だった。
『クモッ!? イカーーッ!』
 やってきてはみんなを真っ黒にしようとした、悪い子のいかくもたん。
 けれど、そんないじめっこをみんなふっとばしてくれたのは、棘だらけのカタリナの車輪。
 これで心置きなく、おこさまランチ弁当のケチャップライスもウキウキと食べられます!
 そして――きっと帰還後正気に戻り、この仕事の報告書を目にしたカーバンクルは。
 頭を抱えつつも、こう感想を口にすることだろう。
 ……何この報告書は……って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルベル・ノウフィル
ほう
幼い時…病に罹患する前は髪が真っ白で紫の目+エルフ耳でしたが果たして
(どうなるかはお任せ)

ぼく、たたかいよりごはん食べゆのです
食べないとしんじゃうの
でも、おなかすいてる子、いたら
ちょっとだけ分けてあげゆ

あのね
いじわるしたらきゅうけつきがくるんだよ
めっ
ぼく、おともだちがほしいの
ごはんあげたら、おともだちになれりゅ?

そだ、ぼくのおもちゃ、みせてあげゆ
(ウィルワリン、彩花をポイポイ)
あーっ、あやはな
かみついたら、らめぇー(死霊さん暴走)ぼくのおもちゃ、暴れん坊さんなの
サメさんにとめてもらうね
えーい
つよいさめでてくるですー(鮫牙)
(制御できない)みんなぼくの言うこときいてくえないの…わーん(泣く)


黒影・兵庫
※アドリブ、連携OK

(黄色い帽子にスモックを着た幼稚園児がUC【誘煌の蝶々】で召喚した蝶の大群の後ろをしっかりした足取りで進む)

あのねー!ちょうちょさんねー!
ぼくね、むこうぎしまでね
おつかいたのまれたの!
せんせーがおねがいって!
ぜったい、むこうぎしにわたるまで
とまったらだめなんだって!

(蝶は自発的に黒影にとって最適の行動を行うため、『第六感』で敵が近づくのを感知した蝶が『オーラ防御』壁で黒影を覆った後、鱗粉をまき散らして敵を見惚れさせる)

わぁ!きらきらしてる!
あ、いけないいけない!
とまっちゃだめなんだった!
あそぶのはおつかいがおわったあと!
にしし!
せんせーにいっぱいほめてもらうんだ!


数宮・多喜
【あどりぶかんげい・れんけいしたい!】

え?
あれ?あたしちっちゃくなってる?
そっかぁ、これがここのてきしゃんのわるだくみかぁー。
こまったなぁ、こんなのじゃいつもみたいにかぶにのれないよぉ。
なぐったりもできないしー……あ、そうか!

ねーねーようせいさん、でてきてよ!
え?いつもみたいにちんじゅうってよばないのか?
だってあたし5さいだもん!へんしんとかしてみたいし!
あ、なんかうれしそう!よかったぁー!
じゃあいくよ、「らじかる☆まじかる★ちゃーむあーっぷ!!」
ふふん、これであたしはまほうしょうじょ!
……まほうようじょかな?
みんなもへんしんできればいいのにな!

あとはでんげきまほうでびりびりどかーん!だよ!


七那原・望
共闘・アドリブ歓迎。ようちえんじ装備希望

ふぇぇぇぇぇん……わたしの……わたしのしんちょうぅ……

うぅ……わたしはおとなのれでぃーなのですからないちゃだめなのです……おべんとう(果物しか入ってない)たべてがんばるのです。しゃりしゃり。

【第六感】と【野生の勘】にまかせてたたかうのです。あまーびれでねこさんもいっぱいよんじゃうのです。

ねこさんがんばれなのですー!(【動物使い】【多重詠唱】【全力魔法】)

あぅ?ねこさんありがとうなのですー。(【動物使い】【オーラ防御】)

うたを【歌って】みんなを【応援】なのですー!(【愛唱・希望の果実】【全力魔法】)

わるいしょくしゅはさよならなのですー!



 時蜘蛛の糸の恐るべき効果には、いくら猟兵でも抗えない。
 そう……時蜘蛛の糸に触れた人はみーんな、5歳児になっちゃいます!
 そんな、幼児化しちゃった七那原・望(封印されし果実・f04836)は。
「ふぇぇぇぇぇん……わたしの……わたしのしんちょうぅ……」
 ちっちゃくなっちゃって、思わず泣いちゃったけれど。
 ぐすんと涙を拭きながら、自分にがんばって言い聞かせる。
「うぅ……わたしはおとなのれでぃーなのですからないちゃだめなのです……」
 それから、んしょっと取り出したのは、果物しか入っていないお弁当!
 そして、幼い頃のものなのか、それとも今と変わらない姿なのか。
 ルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)はどうなるかちょっぴり興味深げに、時蜘蛛の糸に触れてみれば。
「……!」
 そこには、真っ白な髪をした、紫の目でエルフ耳の5歳児が。
 此処にきたのは、戦いのためだって、なんとなくわかっているけれど。
「ぼく、たたかいよりごはん食べゆのです」
 ……食べないとしんじゃうの、と。
 どこかお弁当が食べられる場所がないか、きょろりと紫の視線を巡らせれば。
「おなかすいたの? ちょっとだけ分けてあげゆ」
 えぐえぐと泣いている望を見かけて、おなかすいているのかと、そう声を掛けるルベル。
 そんなルベルから、ありがとうって、イチゴをひとつだけ分けて貰って。
 しゃりしゃりって、がんばってたべる望。おなかすいていたら、がんばれないから。
 けれど――そんなふたりのお弁当を狙って。
『お弁当食べるイカー!』
 現れたのは、この幼児化の元凶である、だいおーいかたん!
 いかたんはふたりのお弁当を狙って、イカスミを吐いてきたり、意地悪をしようとするけれど。
「あのね、いじわるしたらきゅうけつきがくるんだよ」
 だから、いじわるなこは――めっ。
「ぼく、おともだちがほしいの。ごはんあげたら、おともだちになれりゅ?」
 自分のお弁当といかたんを、ルベルは交互に見つめるけれど。
「そだ、ぼくのおもちゃ、みせてあげゆ」
 そうだいおーいかたんへとポイポイ投げるのは、ウィルワリンと彩花――精霊蝶が宿る古いコインとオブリビオンを怨む死霊の無念怨念が籠められた手製の札。
 けれど、だいおーいかたんは、いじわるなオブリビオンだから。
『……イカー!?』
「あーっ、あやはな。かみついたら、らめぇー」
 かぷりとイカに噛みつき暴走する死霊さんに、ルベルはそう声を掛けるけれど。
「ぼくのおもちゃ、暴れん坊さんなの。サメさんにとめてもらうね」
 ――えーい、つよいさめでてくるですー。
 今度は、海の生物と言われて5歳児が想像するような、強くてかっこいい自由な鮫さんにお願い!
 ……してみたものの。
『イ、イカー!!?』
「みんなぼくの言うこときいてくえないの……わーん」
 死霊さんもサメさんも、色々制御できなくて、泣いちゃうルベル。
 そんなルベルを、応援するべく……La~♪ La la la~♪ La la la la la~♪ って。
 全力でおうたを歌う望。
 戦闘経験は奪われている5歳児だけど、第六感と野生の勘にまかせて戦います!
 そして望は、鈴の付いた白いタクトをふるふると一生懸命振って、いっぱいの魔法猫さんを喚べば。
「ねこさんがんばれなのですー!」
 イカさんにサメさんと一緒にかぶりつく猫さんたちも応援!
『イタ、イタッ!? く、イカスミをくらえイカー!』
 刹那、だいおーいかたんはスミを吐いて、また意地悪しようとするけれど。
「あぅ? ねこさんありがとうなのですー」
 ねこさんが守ってくれました!
 そんな中――ひらひら、きらきらと。
 蝶の大群の後ろをしっかりした足取りで進んでいたのは、黄色い帽子にスモックを着た幼稚園児。
「あのねー! ちょうちょさんねー! ぼくね、むこうぎしまでね、おつかいたのまれたの! せんせーがおねがいって!」
 ……ぜったい、むこうぎしにわたるまで、とまったらだめなんだって!
 そうおつかいを頑張るべくてくてく歩いていた、幼稚園児装備万全な黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)が通りかかれば。
 兵庫の周囲を舞う蝶たちの第六感がいち早く、敵のだいおーいかたんの存在を感知して。
 守りの気で成した壁で黒影を覆った後、ひらりと鱗粉をまき散らす。
 そのキラキラを浴びた、いかたんは。
『イ、イカ……?』
 暫し、その煌めきに見惚れて、ぼーっとしてしまって。
 ――わぁ! きらきらしてる!
 兵庫もそう、声をあげて立ち止まろうとするけれど。
「あ、いけないいけない! とまっちゃだめなんだった! あそぶのはおつかいがおわったあと!」
 そう自分に言い聞かせて、再びてくてくと先を歩いていく。
 ……にしし! せんせーにいっぱいほめてもらうんだ! って。
 そして次に、まだうっとりしているだいおーいかたんを見つけたのは。
「え? あれ? あたしちっちゃくなってる? そっかぁ、これがここのてきしゃんのわるだくみかぁー」
 やっぱりちっちゃい5歳児になっている、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)。
 多喜は、わるだくみするてきしゃんを見つけたものの。
「こまったなぁ、こんなのじゃいつもみたいにかぶにのれないよぉ。なぐったりもできないしー」
 死霊さんやサメさんやねこさんにガジガジされつつも、蝶々さんたちにまだ見惚れているいかたんを見遣りつつ、こてんと首を傾けるけれど。
 ……あ、そうか! って。
 ピンと閃いた多喜は、えっへん胸を張って声を上げる。
「ねーねーようせいさん、でてきてよ!」
 そして現れたようせいさんこと不思議な生物は、多喜を見つめ首を傾けて、きょとん。
 ……誰だテメェ!? なんて、そういつもならば言われているから。
 でも、今日は特別!
「え? いつもみたいにちんじゅうってよばないのか? だってあたし5さいだもん! へんしんとかしてみたいし!」
 変身は、5歳児の憧れ!
 ということで、何だか嬉しそうな不思議な生物さんの力を借りて。
 ――じゃあいくよ、「らじかる☆まじかる★ちゃーむあーっぷ!!」
 兵庫の誘煌の蝶々のキラキラ効果も手伝って。
「ふふん、これであたしはまほうしょうじょ!」
 めっちゃキラキラな魔法少女に!
 いや、5歳児だから……まほうようじょ??
 そして。
『イ、イカァァッ!?』
 ――びりびりどかーん!
 でんげきまほうで、わるだくみするてきしゃんを、おしおき!
 それから今度は、みんなで一緒に。
「あのね、いじわるするこは、めっ、なんだよ」
「わるいしょくしゅはさよならなのですー!」
 いじわるするだいおーいかたんを、やっつけます!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミラリア・レリクストゥラ
切り立った崖…あの迷宮とは問題が違いますが、私の唄の出番!…え?5歳?

【WIZ】

(気付いた時には既に遅く、触れたミラリアは5歳相当。
スペースシップワールド出身のクリスタリアンであれば、人型種族としての成り立ちが大いにあった。
だが、ミラリアは違う。彼女は純粋にアルダワ世界出身であり、親も無く育ってきた。
人の形を取り、人の真似をし、各地を旅して回る。
そんな生活を始めたのは、実はそんなに遠い過去ではない。

故に、5歳の彼女は人型ですらない。
そこに、糸の上で動かなければいけないという状況が襲ってきた。
わけもわからない、敵意の視線がこちらを向いている。
――経験の無いその赤い石は、ただ力の限り、叫んだ――)



 足を踏み入れたのは、深く険しい地形の峡谷。
 そんな戦場をオパールの瞳で見遣りながら、ミラリア・レリクストゥラ(目覚めの唄の尖晶石・f21929)はぐっと気合十分。
「切り立った崖……あの迷宮とは問題が違いますが、私の唄の出番!」
 けれども、ふと気が付けば。
 ……え? 5歳??
 張り巡らされた時蜘蛛の糸の影響で、5歳相当に!
 スペースシップワールド出身のクリスタリアンであれば、人型種族としての成り立ちが大いにあったのだけれども。
 けれども、ミラリアはそれとは違い、純粋にアルダワ世界出身で。親も無く育ってきたという生い立ちで。
 人の形を取り、人の真似をし、各地を旅して回っているという彼女だけれども。
 だがミラリアがそんな生活を送り始めたのは実のところ、そんなに遠い過去ではないのだという。
 だから5歳児となった彼女は、人型ですらないのであった。
 けれども、そんなミラリアへと容赦なく襲う状況。
 それは、糸の上で動かなければいけないこと。
 ――さらに。
『イカスミをくらえイカー!』
 わけもわからない敵意の視線が、自分に向いていることに気付いたから。

 ――ッ……AAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaahhhhhhhhhhhh!!!!!!!!!

 戦闘経験のないその赤い石――5歳児相当のミラリアは、ただ力の限り叫ぶ。
 抑えきれない感情を、奔流するように。
 けれど、切り立った崖である戦場に響いたその叫び声は。
『イカッ!?』
 だいおーいかたんへ向けられる衝撃となるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

才堂・紅葉
まったく、幼児化とは難しいわね
でも残念、物心ついた時から訓練は受けてるから、最低限の銃器は扱えるのよね私
事前の準備で『おハジキ(デリンジャー)』を持っていきましょう
これでターゲットをセンターに入れてズドンよ。当てにしてるわ、5歳の私

わーい、お菓子だー。遠足だー
今日はしゅぎょうない日だー
すっかり幼児化してるけど、大人の私がメモに『大きなイカさんをおハジキするゲーム』を絵付きで残してるから平気
いかさんが出てきたら、野生の勘的なものでリュックから『おハジキ』を抜いて、点数の高い目と目の間狙うねー

「あ、おたからー!!」
純真なのでお宝に気を取られ、崖を転がり落ちます

「馬鹿者め」
なんか懐かしい声がしました



 帝竜の元へと辿り着く為には、避けて通れぬ場所――『時蜘蛛の峡谷』。
 けれどそこは、ただ深く切り立った谷ではない。
 予知に聞いた内容を思い返しながら、才堂・紅葉(お嬢・f08859)はひとつ溜息を零す。
「まったく、幼児化とは難しいわね」
 そう――幼児化。
 この峡谷に張り巡らされている糸に触れれば、たちまち5歳児になってしまうというのだ。
 幼児と化してしまえば、これまで培った戦闘経験も奪われてしまう。
 けれども紅葉に、動じる様子は一切ない。
 時蜘蛛の仕掛ける幼児化、それには抗えないのだけれども。
「でも残念、物心ついた時から訓練は受けてるから、最低限の銃器は扱えるのよね私」
 そして持参するのは、『おハジキ』――デリンジャー。
 きっと5歳児のおててはちっちゃいけれど、小型のこれならば。
「ターゲットをセンターに入れてズドンよ」
 ……当てにしてるわ、5歳の私。
 そう小さくなった自分を信頼して。紅葉は張り巡らされた糸へと触れる。
 ――そして。
「わーい、お菓子だー。遠足だー。今日はしゅぎょうない日だー」
 そこには、すっかり童心に返った、5歳児な紅葉の姿が。
 思考もどうやら幼児と化しているようだけれど。
 けれど、平気! 5歳児の彼女をやるべきことに上手く誘導するのは、大人だった時の紅葉。
 5歳児の紅葉は、あるメモを見つけて、こてんと首を傾ける。
 そのメモに大人な彼女は残していたのは……絵付きの『大きなイカさんをおハジキするゲーム』!
 そこに、飛んで火に入るだいおーいかくもたん。
『子分行くイカクモ!』
 紅葉は野生の勘的なもので、リュックから素早く『おハジキ』を抜いて。
『……イカ!?』
 いざキャッキャ遊ぶのは、メモにあった、大きなイカさんをおハジキするゲーム!
 やはり狙うは高得点!
 点数の高い、目と目の間をしっかりと狙って……ズドン!!
 そして、このゲームの景品らしき蜘蛛の糸をふと見つければ。
「あ、おたからー!!」
 何て言っても純真な5歳児、お宝に気を取られて。
「……!?」
 ころころーっと崖を転がり落ちちゃいました!?
 そして、ふと聞こえたのは。
「馬鹿者め」
 何だか聞き覚えのあるような――そんな、懐かしい声。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クラウン・アンダーウッド
前準備として、連れていくからくり人形を二体(α、β)までに制限して状況判断に必要な思考力の水準を下げつつ、人形の記憶域と演算能力を通常よりも拡張させて半ば自立型の設定にしておく。

よろしくね。あるふぁおねえちゃん、べーたおにいちゃん♪
5歳児のクラウンはα、βと共に戦場へと赴く。

えい、やぁ!
クラウンはその体格に見合わない怪力をもって、戦場で拾った石等を相手に投げつけて攻撃する。二体の人形は相手の動きや戦況等の情報を集積し、クラウンから離れすぎない位置にて敵に対してナイフ又は素手による攻撃を実施する。

身の危険を感じた場合αを呼び守って貰う。その間心なしか攻撃の苛烈さを増したβが相手を滅多打ちにする。



 通り抜けようとする者を阻まんと、峡谷に張り巡らされているのは、蜘蛛の糸。
 けれど事前の予知で、クラウン・アンダーウッド(探求する道化師・f19033)はその効果を知っている。
 触れれば、5歳相当の幼児と化し、これまでの戦闘経験が奪われてしまうことを。
 だが、それが分かっているから、前準備を万全に。
 連れていくからくり人形を、αとβの二体までに制限して。
 幼児化の影響を考慮し、状況判断に必要な思考力の水準を下げつつも、人形の記憶域と演算能力を通常よりも拡張させて半ば自立型の設定にしておくクラウン。
 そしていざ、時蜘蛛の糸に触れれば。
「よろしくね。あるふぁおねえちゃん、べーたおにいちゃん♪」
 ちっちゃくなったαとβとおてて繋いで一緒に。
 時蜘蛛と化したオブリビオンがいる、戦場へ。
『さぁ、子分行くイカー!』
 刹那、こぶんいかたんを戦場へと解き放つ、だいおーいかたん。
 確かに、戦闘経験は奪われているかもしれないが。
「えい、やぁ!」
『イカッ!?』
 クラウンは、その小さな5歳児の体格に見合わない怪力をもって、戦場で拾った石を、ぶんっといかたんへと投げつけて。
 クラウンがえいえいっと石をぶん投げている間に、二体の人形は相手の動きや戦況等の情報を集積、幼児化した彼から離れすぎぬよう位置取りから。
 だいおーいかたんへと、ナイフの刃を閃かせる。
 そして、わらわらと出て来た子分の攻撃を、喚んだαが防ぎ守る間に。
 心なしか苛烈さを増したβの攻撃が、敵を滅多打ちに。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シュデラ・テノーフォン
アレって確か
宿敵主のぽっくんが宿敵ってなーにーって聞かれた時に見た子だなァ
ちょっと変わってるけどまァいいや狩ろ…え?
5歳児??

わァ凄いひねくれる前の俺だ毛並みふわふわだ
幼稚園児の服?良いよ汚れなさそうだね
お弁当も美味しそうだけど海産物と昆虫が混ざったアレも食べられるのかなァ

ねぇイカ?君さ、君らのおにぎり中身何?
俺の弁当の中身と一つ交換しようよ
ソノ焼きイカも…えぇ?
いや俺のせいじゃないよソレ
逆ギレされたので飛んで広い所まで逃げよう

あのね今狭い所だと狙い難いから
ココなら平気かなって
複製銃を空中操作なら腕力無くても撃てるよね?
て事で、マスケット銃の集中砲火でイカ?を倒すよ
静かになったらお弁当食べよう



 戦場に足を運べば、そこには倒すべき敵の姿が。
 時蜘蛛の峡谷へとやってきたシュデラ・テノーフォン(天狼パラフォニア・f13408)は、そんなオブリビオンを見遣る。
「宿敵主のぽっくんが宿敵ってなーにーって聞かれた時に見た子だなァ」
 このだいおーいかたんは、シュデラにとって、ちょっぴり知っている敵であるけれど。
「ちょっと変わってるけどまァいいや狩ろ……え?」
 ふと己に起こった変化に、金の瞳をぱちくりとさせる。
 ――5歳児?? って。
 そう、この峡谷にうっかり迷い込んでしまっただいおーいかたんが時蜘蛛化してしまって。
 触れた物を5歳児にしてしまうという糸を戦場へと張り巡らせているというのだ。
 そんな自分に起こった幼児化という変化に。
「わァ凄いひねくれる前の俺だ毛並みふわふわだ」
 シュデラは5歳児の自分を物珍しそうに眺めつつ、ふわふわな尻尾をふわり靡かせて。 
「幼稚園児の服? 良いよ汚れなさそうだね」
 すぽっと、スモックを難なく着用するシュデラ。
 それから、首をこてんと傾ける。
 ……お弁当も美味しそうだけど海産物と昆虫が混ざったアレも食べられるのかなァ、って。
 そしてシュデラは、だいおーいかたんを見上げて。
「ねぇイカ? 君さ、君らのおにぎり中身何? 俺の弁当の中身と一つ交換しようよ」
 いかたんが持っているおにぎりと、交換この交渉……!?
 そして、さらに。
「ソノ焼きイカも……」
 焼きイカもと、提案してみれば。
『焼き……イカ……?』
 ぴくりと反応を示した、瞬間。
『よくも子分をイカーー!!』
「……えぇ? いや俺のせいじゃないよソレ」
 謎に逆ギレされ、ぱたぱたと5歳児の翼で飛んで、広い所まで逃げろーって。
 シュデラは怒り散らすいかたんから距離を取るけれど。
 それはただ、理不尽にキレられたから逃げたのではなくて。
「あのね今狭い所だと狙い難いから、ココなら平気かなって」
 それに複製銃を空中操作するのならば、腕力がない5歳児でもきっと撃てるだろうから。
 まだキレている、イカ? クモ?? へと、ちっちゃいシュデラはぶっ放つ。
『……イカーッ!?』
 空から浴びせる、マスケット銃の集中砲火を。

大成功 🔵​🔵​🔵​

弦月・宵
せんそーとか、つらいことはちょっとのあいだわすれちゃおー!

お弁当と、おやつのきな粉棒は渡さないんだからねっ!
支給されたものは素直に受けとるよ。
お返しは…持ってるものが少ないけど、途中で拾ったキレイな小石とかお花をあげる~っ

けんか好きって訳じゃないけど、男の子並みに育ってるので、
お弁当とられたら取っ組み合いは普通だよ!
羅刹なりに普通よりは力が強いから、ちょっとやそっと相手の数が多くてもへこたれないっ
でも、怪我して血から炎【UC:ブレイズフレイム】が出たら、驚いちゃうかもね。
自分は熱くないと分かったら、ニヤリと笑って形勢逆転!
意地悪なイカの子達は焼いて食べちゃうぞー!

覚えていたらお宝を探したいな~



 峡谷に張られた糸は、この場を通り抜けようとする者へと、ある効果を及ぼす。
 そしてこの糸に触れることは、避けられないのだという。
 時蜘蛛の糸がもたらすのは――幼児化。
「せんそーとか、つらいことはちょっとのあいだわすれちゃおー!」
 そう早速5歳児になった弦月・宵(マヨイゴ・f05409)は、楽し気にお弁当を持って遠足へ。
「お弁当と、おやつのきな粉棒は渡さないんだからねっ!」
 そんなお弁当とおやつを大事に抱えながらも。
 宵は支給されたものは素直に受けとって、そのお返しに、途中で拾ったキレイな小石やお花をあげてから。
 峡谷を、るんるんと進んでいけば。
『ごはんよこせイカー!!』
「! あげないよっ!」
 だいおーいかたんが放ったこぶんいかたんと、お弁当を巡っての取っ組み合い……!?
 喧嘩が好きというわけではないけれど、男の子並みに育っている宵。しかも羅刹であるから、力自慢。
『……イカーッ!?』
 ちょっとやそっと相手の数が多くたって、へこたれないっ!
 けれど、こぶんいかたんの頭突きをくらって、ちょっぴり怪我をしちゃえば。
「!?」
 流れる血から噴き出した炎に、思わずびっくりしちゃうけれど。
 自分は熱くない炎なんだと分かれば、ニヤリと笑って。
「意地悪なイカの子達は焼いて食べちゃうぞー!」
『イ、イカァ!!』
 形勢逆転! 次々と焼きイカにしていきながら。
 宵はふと、きょろきょろ視線を巡らせてみる。
 そういえば、お宝があるって聞いたことを思い出して。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
ごさいじになったのでこどもむけあにめのようなゆめのせかいをさいげんしてあそびます☆
まだまだごさいじなのでまほうのあつかいがうまくいかなくてぼうはつしたり、もりのおともだちといっしょにカートゥーンアニメのようなりふじんでりあるでやったらちめいてきないたずらをだいおーいかんにしかけたりしてあそぶわ♪でも、これはあくまであそびでひせんとうこうどうです。
だいおーいかたんがじぶんでたべたくせにわたしのせいにしていぢめてくるの。かぜさんくもさんたいようさんかみなりさん、おねがいこらしめてあげて。これもおしおきだからひせんとうこうどうです。
エナジーがわたしのごはんなのできゅうしゅうもひせんとうこうどうです。



 通り抜けようとする者が決して抗えぬ、時蜘蛛の糸の効果。
 それは……触れた者を幼児化させ、戦闘経験を奪うというもの。
 けれど、必ず糸に触れてしまうことになって、折角5歳児になるのだから。
 ――ごさいじになったので、こどもむけあにめのようなゆめのせかいをさいげんしてあそびます☆
 アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)はそう、暫しの幼児化を抜かりなく堪能します!?
『イカーッ!?』
 まだまだちっちゃい5歳児ゆえに、どかーんっと魔法の扱いがうまくいかずに暴発したり。
『え、それはちょっとリアルでは……イカー!!?』
 森のお友達と一緒に、どこぞのアニメのような、理不尽ないたずらごっこをだいおーいかたんに仕掛けたりして。
 きゃっきゃ、無邪気に遊びます!
 でも5歳児だからしかたない、これはあくまで遊びで非戦闘行動です、多分!
 そんな玩具状態な理不尽にもめげず、だいおーいかたんは声を上げる。
『よくも子分をイカー!!』
 何故か、猟兵に逆ギレして。
 そんないかたんに、アリスはふるりと大きく首を横に振って。
「だいおーいかたんがじぶんでたべたくせにわたしのせいにしていぢめてくるの」
 ――かぜさんくもさんたいようさんかみなりさん、おねがいこらしめてあげて。
『え、イカッ!?』
 そんなおしおきも、きっと非戦闘行動!
 そしてアリスは、いかたんのエナジーをぱくりっ。
 これもごはんなので勿論、きっと多分、非戦闘行動なのです……!?

大成功 🔵​🔵​🔵​

三上・チモシー
アドリブ歓迎

だいおーいかくもたん……イカでクモ?
だいじょーぶ? 足減ってない?

お弁当をもらって、出発しんこー!
いぇーい、ちっちゃくなったよ! ふしぎだねー

巨大熱帯魚のライ麦ちゃん(1メートルくらい)に乗ってのんびりおさんぽ

おべんとうどこでたべようかなー
ライ麦ちゃんもおなかすいたよねー
あっ、ライ麦ちゃん、イカさんがいっぱいいるよ
たべほうだいだよ! とつげきー!(『鯰遁走曲』使用)
いっぱいたべられるね、よかったねライ麦ちゃん
チモシーもおべんとうたべようっと



 触れる者を幼児化させてしまうという、時蜘蛛の糸。
 そして『時蜘蛛の峡谷』で、時蜘蛛と化してしまったのは。
「だいおーいかくもたん……イカでクモ?」
 そう首をこてりと傾げた三上・チモシー(カラフル鉄瓶・f07057)が呟いた通り、イカなのかクモなのか……?
 海から偶然散歩していて時蜘蛛化したという、だいおーいかたん。
「だいじょーぶ? 足減ってない?」
 何気にイカの方が多い足の本数がどうなっているのか、チモシーはそう呟いた後。
 ――お弁当をもらって、出発しんこー!
「いぇーい、ちっちゃくなったよ! ふしぎだねー」
 きゃっきゃはしゃぐように、巨大熱帯魚のライ麦ちゃんに乗ってのんびり遠足という名のおさんぽを!
 それからきょろり、視線を巡らせて。
「おべんとうどこでたべようかなー。ライ麦ちゃんもおなかすいたよねー」
 ふと見つけたのは、すいたおなかに丁度良さそうな。
「あっ、ライ麦ちゃん、イカさんがいっぱいいるよ」
 おおきないかくもたんと、いっぱいのちいさないかくもたん!
『イカッ!?』
 ――たべほうだいだよ! とつげきー!
 そう、だいおーいかたんとこぶんいかたん目掛け、巨大熱帯魚『ライ麦ちゃん』の体当たりと捕食攻撃!
 そしてはむはむと、ライ麦ちゃんが、いかたんたちをもぐもぐしている間に。
 くうっと、おなかが鳴ったから。
 おもむろに広げるのは、旗がぴょこりと立った美味しそうなお弁当。
 ――チモシーもおべんとうたべようっと、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サン・ダイヤモンド
【森】
「ぶらっど、だいじょーぶ?」

躰の動き、息遣い、声音、瞳の温度
あなたがどんな姿でも僕にはわかる、感じる
あなたの心
僕への信頼

嬉しくなって、ぎゅーっと抱き締めて
「ぶらっど、らいすきよ」

もー!わらわないれ!ぷんぷん!

彼へお揃いの帽子を被せ手を繋ぎ
いざ帝竜の元へ
僕達の世界を護るんだ

固まった彼を見て俄然力が湧く
「ぶらっどは、ぼくがまもる!
いかたんは、どいて、なの!」

しかし猟兵として今まで培ってきた防御も立ち回りも忘れ愚直なまでに真正面
あえなくイカ墨の餌食に!きゃー!

「ぶらっど!」
焦燥が、怒りが
だけど彼の言葉に心臓が高鳴って

【愛】の【嵐】
イカも糸も全てハートの花弁で切り裂いて
ぎゅうと彼を抱き締め

大好き


ブラッド・ブラック
【森】
「またか…!」
融合を解かれ
薔薇色の瞳を残し蕩けた泥のようになった俺

傍らには天使のような愛し子の気遣わしげな瞳
「…嗚呼、大丈夫だ」
人型になれず蔑まれ虐げられていた過去
だが今なら、
俺のありのままを受け入れてくれたお前が居る
だから何も怖くないと思うんだ

温かい温度に抱き締められ
回らない舌に少しだけ笑み零し
「嗚呼、俺も大好きだ」

躰の一部を一生懸命伸ばしてサンと手を繋ぎ
しかしいかたんを前に竦んでしまう
昔の俺に力は無く
脅威を前に唯怯え隠れ震えているだけだった

が、サンの危機には咄嗟に庇う

「―何を奪われようと
どうやらお前への愛は無限に湧いてくるらしい

嗚呼…綺麗だ
俺の、唯一のたからもの
お前が無事で良かった」



 峡谷に張り巡らされた時蜘蛛の糸。
 それにふいに触れた刹那、ブラッド・ブラック(LUKE・f01805)の身は崩れるかの様にとろりと蕩けて。
「またか……!」
 融合を解かれ、蕩けた泥のようになった彼が残したのは、瞳に咲いた薔薇の色だけ。
 けれど、同じ様に時蜘蛛の糸に触れ、小さくなったって。
 ――躰の動き、息遣い、声音、瞳の温度。
(「あなたがどんな姿でも僕にはわかる、感じる」)
 サン・ダイヤモンド(apostata・f01974)には、分かるのだ。
 それは……あなたの心。僕への信頼、と。
 ブラッドへと、いつもと変わらぬ微笑みを向け、その手を伸ばす。
 そんな傍らの天使の如き愛し子の瞳に、ブラッドは言葉を返す。
「……嗚呼、大丈夫だ」
 人型になれず蔑まれ虐げられていた過去。
 だから己のこの姿は、ただ地を這うばかりの落ち零れだと……ブラッド自身もそう思っていたけれど。
 ――だが今なら、
「俺のありのままを受け入れてくれたお前が居る」
 だから、ブラッドはこう思えるのだ。何も怖くない、と。
 そんな彼の言葉に、サンは嬉しくなって。
 ぱあっと笑顔を咲かせながら、ブラッドを抱き締めて、ぎゅーっ。
「ぶらっど、らいすきよ」
 伝わるのは、ふわり優しい温かさ。
 そして回らないその舌に少しだけ笑み零しながら、ブラッドは花色に天使を映して紡ぐ。
「嗚呼、俺も大好きだ」
「もー! わらわないれ!」
 サンは零れた彼の笑みに、そうぷんぷんするけれど。
 そっと彼へと被せるのは、お揃いの帽子。
 それから、一生懸命伸ばされたブラッドの躰の一部と、しっかり手を繋いで。
 ――いざ帝竜の元へ。
 ふたりで一緒に……僕達の世界を護るんだ、って。
 そんなふたりの前に立ちはだかるのは。
『通さないイカクモ―!』
 時蜘蛛と化した、だいおーいかくもたん!
 そんないかたんを前に、思わず竦んでしまうブラッド。
 だって、昔の自分には力は無くて。
 脅威を前に唯、怯え隠れ震えているだけだったから。
 けれどそんな彼の前へと出たのは、サン。
 固まった彼を見て俄然力が湧いて。
「ぶらっどは、ぼくがまもる! いかたんは、どいて、なの!」
 そうびしいっと言い放つけれど。
 今のさんは5歳児、猟兵として今まで培ってきた防御も立ち回りも忘れてしまっていて。
 えいっと立ち向かおうとするも、その動きは愚直なまでに真正面。
『イカスミぶはー!』
 そんなサンへと放たれるのは、いかたん得意のイカスミすぷらーっしゅ!
 きゃー! と、あえなくイカ墨の餌食……かと思った、その時だった。
「!」
 ぎゅうっと思わず瞳を瞑ったサンが、そうっと瞳を開けば。
「――何を奪われようと、どうやらお前への愛は無限に湧いてくるらしい」
 サンの危機をブラッドは咄嗟に庇って。
 向けた薔薇色に安堵の色を映し、紡ぐ。
「嗚呼……綺麗だ。俺の、唯一のたからもの」
 ――お前が無事で良かった、って。
 イカスミなんかで、宝物の天使を汚すわけにはいかないから。
「ぶらっど!」
 サンは自分を庇ってイカスミを浴びた彼の姿に、瞳を大きく見開いて。
 焦燥が、怒りが、湧き出すけれど。
 でもそれ以上に――向けられた言の葉に、心臓が高鳴って。
 吹き荒れるのは、ハートの花弁……愛の嵐。
『イカッ!?』
 まもるって、そう言ったから。
 いかたんも張り巡らされている糸も全部、舞い踊らせる花弁のハートで切り裂いて。
 ぎゅうと彼を抱き締め、サンは心に満ちる想いを言の葉に。
 ――大好き、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

真宮・響
【真宮家】で参加。

(記憶は退化。5歳児になったら性格が大人しくてお嬢様らしくなる。おどおどして人見知りに。18で家出するまでは箱入りお嬢様だった)

ここはどこ?(一応スモックを着てお子様お弁当を持つ)あ、あなたたちは誰?(おどおど)あたし響。ここで1人ぼっちなの・・・

あ、奏さん、瞬さん、お弁当一緒に食べてくれるの?うん、3人で手繋げば怖くないよね?

あ、とてもおおきないかさんが・・・怖いけど、通せんぼするなら・・・奏さんと瞬さんがいれば怖くないから!!え~い!!(無意識に【怪力】でブレイズランスを持ちあげて)邪魔する奴、とんでいけ~!!【真紅のゲイボルグ】。(投げた勢いで転ぶ)


真宮・奏
【真宮家】で参加。

(記憶は退化。キョトンとした表情の5歳児。そのまま幼児化した感じ。ただ、口調がおてんばな女の子風に)

(丁度置かれているのでスモックを着用、お子様ランチお弁当を持参)

わたし、奏、あ、響と瞬というんだ!!よろしくね!!一緒にお弁当たべよう!!うん、皆で手繋げば怖くない!!(奏と瞬の手を引く)(無意識に絢爛のクレドでステップを踏む)

おっきいイカだ~!!通せんぼしてる~!!いけないんだ~!!皆でやっつけちゃおう!!(無意識に【怪力】でブレイズセイバーを持ちあげてぶんぶん振り回す)(そしていつの間にかブレイズセイバーから出る【衝撃波】)


神城・瞬
【真宮家】で参加。

(記憶は退化。髪は短髪に。口調はお坊ちゃんらしいおっとりとした口調に)

ふえっ!?ここはどこ?(一応スモックを着用し、お子様ランチ弁当を持参)

響ちゃんと奏ちゃんっていうんだ。うん、3人でお弁当食べよう!!うん、3人で手繋いで歩こう!!えへへ、嬉しいな。

ふええ、おおきいいかがいる~。僕は何にも出来ない~!!(5歳児化で戦闘術の扱いを忘れてる)そうだ、僕に出来る事がある!!(サウンド・オブ・パワーで精一杯の声で応援する)響ちゃ~ん!!奏ちゃ~ん!!頑張って!!(手をぶんぶん振って応援)



 辿り着いた峡谷を通るには、避けては通れない蜘蛛の糸の効力。
 それは――。
「ここはどこ?」
 そうきょろりと不安そうにおどおど、周囲を見回しているのは真宮・響(赫灼の炎・f00434)。
 いや、正しく言えば、時蜘蛛の糸を触って、5歳児になった響である。
 今は豪快な肝っ玉母ちゃんである彼女も、実は18歳で家出するまでは箱入りお嬢様であったのだ。
 なので5歳児の響は、大人しくて人見知りな性格なのである。
 そして、響と同じ様に。
「ふえっ!? ここはどこ?」
 赤の瞳をぱちくりとさせる、金の短髪の男の子――5歳児の神城・瞬(清光の月・f06558)の姿が。
 そんなふたりの傍に、もうひとりの5歳児が。
 きょとんとした表情で、やはり不思議そうに周囲を見回している真宮・奏(絢爛の星・f03210)。勿論彼女も、ふたりと同じ5歳児である。
 そんな3人が着ているのは、ようちえんじの戦闘服であるスモック。手には、おこさまランチ弁当を持っている。
 響は、そんな自分と同じ格好をしている瞬と奏に、そろりと視線を向けて。
 おどおどした様子ながらも、勇気を出して訊ねてみる。
「あ、あなたたちは誰? あたし響。ここで1人ぼっちなの……」
「わたし、奏!」
「響ちゃんと奏ちゃんっていうんだ。僕は瞬だよ!」
 同じくらいの年の、何故か同じ格好をした子たちに、そうそれぞれホッとしたように自己紹介しあってから。
「響と瞬というんだ!! よろしくね!! 一緒にお弁当たべよう!!」
 にぱっと笑んで奏がそう誘えば。
「あ、奏さん、瞬さん、お弁当一緒に食べてくれるの?」
「うん、3人でお弁当食べよう!!」
 勿論、ふたりも賛成! 一緒に、おこさまランチ弁当を食べることに。
 けれどもやっぱり、こどもだけではちょっぴりだけ不安だから。
「3人で手繋げば怖くないよね?」
 そっと小さくなったおててを差し出す響の手を、奏と瞬も取って。
「うん、3人で手繋いで歩こう!!」
「うん、皆で手繋げば怖くない!!」
 ……えへへ、嬉しいな、って笑む瞬の隣で、ふたりの手を積極的に引く奏。
 何だかこうやって手を繋ぐのが、3人とも、不思議と初めてじゃない気がしながらも。
 奏が無意識に、でも楽しそうに踏むステップは絢爛のクレド。
 そして、どこかお弁当を食べるのに良さそうな場所を、きょろりと探してみるけれど。
『この先はイカせないイカクモー!』
 現れたのは、時蜘蛛化しただいおーいかたん!
 3人の行く手を塞いで、いじわるを。
 でも、今はひとりじゃないから。
「あ、とてもおおきないかさんが……怖いけど、通せんぼするなら……奏さんと瞬さんがいれば怖くないから!!」
「おっきいイカだ~!! 通せんぼしてる~!! いけないんだ~!!」
 響と奏がそう、いじわるにも負けず、ぐっと前へ出る中で。
「ふええ、おおきいいかがいる~。僕は何にも出来ない~!!」
 すっかり5歳児化して戦闘術の扱いを忘れている瞬は、一瞬おたおたするけれど。
「そうだ、僕に出来る事がある!!」
 はっと顔を上げると、同じ様にだいおーいかたんを見据える。
 今の瞬ができること、それは。
「響ちゃ~ん!! 奏ちゃ~ん!! 頑張って!!」
 無意識に発動するのは、ふたりの戦闘力を増強する、精一杯の声。
 ぶんぶんっと手を振って応援するその声に、元気が湧いてきて。
 え~い!! と無意識的な怪力を駆使し、気持ちに呼応するように赤熱したブレイズランスを響は持ちあげて。
「皆でやっつけちゃおう!!」
 奏も同じ様に、護るという熱い信念と怪力でブレイズセイバーを持ちあげ、ぶんぶんと振り回せば。
『イカー!?』
 いつの間にか振り回している剣から放たれる衝撃波に、だいおーいかたんが怯んだ瞬間。
「邪魔する奴、とんでいけ~!!」
 ありったけの情熱を込めて、響が発動させるは真紅のゲイボルグ。
 威力増し増しになった槍の鋭撃が、だいおーいかたんへと投擲されて。
「わ……!?」
 投げたその激しい勢いで――響は思わず転んで、こてんっ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シリン・カービン
【WIZ】

そーっと、そーっと近づいて…
「わっ!」
あはは、だいおーいかくもたん、びっくりしてるー
おっと、スミはくらわないよ。
じゃあね、これでもくらえー♪(ヒュンヒュン)

◆解説
【スプライト・ハイド】で姿を消し、忍び足で接近。
背後から不意を突き、動揺しているところを弓で狙撃。

子供時代を過ごしたエルフの集落では、
5歳になる頃には簡単な狩りをしていました。
遊びの延長戦の様なレベルでしたが、
それでも日々の糧を自分で得ることを
徐々に身に着けていた時期なのでした。

「あなたはわたしのエモノ!」
ちょこまかとスミを躱しながら再び透明化。
しかし、地面には踏んだスミの足跡が点々と…

(参加記録は最重要秘匿事項)



 時蜘蛛の紡いだ糸も、此処を通る者たちに、幼児化という悪戯を施すけれど。
 ちっちゃくなった5歳児のシリン・カービン(緑の狩り人・f04146)は……抜き足、差し足、忍び足。
 いたずら妖精さんたちと手を繋いで姿を消して、そーっと、そーっと近づいて……。
「わっ!」
『……イカッ!!?』
 突然発せられたシリンの声に、びくうっ! とめっちゃびっくりする、だいおーいかくもたん。
 5歳児は、いたずら盛りのお年頃ですから!
「あはは、だいおーいかくもたん、びっくりしてるー」
 そう満足気に笑うシリンに、むきーっと悔しそうに、いかたんは得意のイカスミすぷらーっしゅをビュビュッと飛ばすけれど。
「おっと、スミはくらわないよ」
 ちっちゃくなってより身軽になったシリンは、いかたんの墨もひょいひょいっと避ける。
 これまでの戦闘経験は奪われてしまったけれど。
 シリンが子供時代を過ごしたエルフの集落では、5歳になる頃にはもう、簡単な狩りをしていて。
 遊びの延長戦の様なレベルだとはいえ、それでも日々の糧を自分で得ることを徐々に身に着けていた――シリンにとって、5歳とは、そんな時期。
 だから、そんな狩りのような感覚で。
『イカスミ、ぶはー!』
 再び吐き出されたイカスミすぷらーっしゅも、さっと躱して。
「あなたはわたしのエモノ!」
『!?』
 素早く背後に回り、だいおーいかくもたんがまたびっくりした隙を見逃さず。
 ――じゃあね、これでもくらえー♪
 ぐっと番えた弓で、ヒュンヒュン狙撃します!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヘルガ・リープフラウ
・ヴォルフ(f05120)と

わたくし、5歳の頃はレディとして恥ずかしくないよう
……それ以上に裏の支配者の吸血鬼に睨まれないように厳しく躾けられてきたから
こうして青空の下で野山を駆け回ってピクニックなんて初めてですわ

ヴォルフの子供の姿は初めて見たけど、とても可愛いわ

……いかたんのイカスミを浴びて、お洋服が汚れちゃった……
えーんえーん

がんばれー、ヴォルフがんばれー

たいへん!ヴォルフ、怪我してる!
本当にごめんなさい。わたくしの服なんかより、ヴォルフの方がずっと痛いんだもの
痛くないようにおうた歌ってあげる!痛いの痛いの飛んでけーの歌!

……ありがと、ヴォルフ
助けてくれた王子様のほっぺに「ちゅう」をするの


ヴォルフガング・エアレーザー
・ヘルガ(f03378)と

俺は「本当の両親」を知らない
5歳の頃には既に、血煙舞う荒野で狼の群れに育てられていた
時に狼として、時に人として
生き残る術、獲物の狩り方、戦う技術を学んだ

だから今も「野生児」だった当時そのままに
多少の怪我も泥も気にせず、野原を駆け回る

「かわいい」? それはほめ言葉なのか…?
男の俺が言われてもあまりうれしくないぞ

よくもヘルガをいじめたなー!
この【怒れる狼王】がゆるさない!
おまえなんかイカ焼きにしてやるー!
(ボコボコ殴ったりガブリと噛み付いたり)

ヘルガ、大丈夫か?
俺なら平気だ。気にするな

え、ほっぺに「ちゅう」……
俺、大人に戻ったら、今日のこと思い出して恥ずかしくなりそうだ…



 決して避けて通ることはできない、時蜘蛛の糸。
 けれど、此の場所――『時蜘蛛の峡谷』を抜けなければ、打倒帝竜は果たせない。
 ヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)は欲しくしなやかな指で張り巡らされた糸へと触れる。
 刹那……ぐぐっと身長が縮んで。まるで時が戻る様な感覚。
 それは常に彼女と共に在るヴォルフガング・エアレーザー(蒼き狼騎士・f05120)も同様だけれど。
 時蜘蛛の糸の効力――5歳当時のふたりの在り方は、全く違うものであった。
 きょろりと周囲を見回すヘルガの円らな瞳に宿るのは、物珍し気で興味津々ないろ。
「こうして青空の下で野山を駆け回ってピクニックなんて初めてですわ」
 そして、こう続ける。
「わたくし、5歳の頃はレディとして恥ずかしくないよう……それ以上に裏の支配者の吸血鬼に睨まれないように厳しく躾けられてきたから」
 領主の家に生まれ、大事に育てられてきたヘルガ。けれどそれは犠牲の上に成り立っていて、息を潜め過ごしていた幼少期であった。
 逆にヴォルフガングは、「本当の両親」を知らない。
「5歳の頃には既に、血煙舞う荒野で狼の群れに育てられていた。時に狼として、時に人として……生き残る術、獲物の狩り方、戦う技術を学んだ」
 だから5歳児となった今の彼も、当時そのままの「野生児」。
 多少の怪我も泥も気にせずに、野原を駆け回らずにはいられなくて。
 そんな姿に、ヘルガは微笑まし気に笑む。
「ヴォルフの子供の姿は初めて見たけど、とても可愛いわ」
 ヴォルフガングは聞こえた言葉に、ぱちくりと瞳を瞬かせてから。
 首を傾けつつ、彼女を見つめ返す。
「「かわいい」? それはほめ言葉なのか……? 男の俺が言われてもあまりうれしくないぞ」
 けれども、すぐにハッと顔を上げるけれど。
 戦う術や技術はこの年の時から既に学んではいたものの……これまでの戦闘経験は失われているから。
『イカスミすぷらーっしゅ!』
 ――ばしゃり。
 現れただいおーいかくもたんのイカスミが見舞われれば。
「……いかたんのイカスミを浴びて、お洋服が汚れちゃった……」
 真っ黒になったお洋服に悲しくなって……えーんえーん、と思わず泣いちゃうヘルガ。
 そんなヘルガを泣かせたいじわるないかたんに、ヴォルフガングは果敢に立ち向かう。
「よくもヘルガをいじめたなー! この怒れる狼王がゆるさない!」
 めらめらと燃えてヴォルフガングを覆うのは、地獄の業火。
 その怒れる狼王の炎纏い、ヴォルフガングはいかたんの元へと駆けだす。
「おまえなんかイカ焼きにしてやるー!」
『イカッ!?』
 大きく地を蹴り、ボコボコといかたんを殴ったり、ガブリと噛み付いたりする、その戦い方はまさに野生児。
 そんな姿を見て、ぐすんと泣いていたヘルガも頑張って泣き止んで。
「がんばれー、ヴォルフがんばれー」
 そう一生懸命、彼を応援!
 ヴォルフガングはいかたんが喚んだこぶんいかたんと、ぼかすか激闘を繰り広げて。
「ヘルガ、大丈夫か?」
 べしべしイカ足で殴られても一歩も引かず、背中に護るヘルガへと声を掛ければ。
「たいへん! ヴォルフ、怪我してる!」
 ヘルガは大きく瞳を見開いた後、その瞳をうるうると潤ませながら彼に謝って。
「本当にごめんなさい。わたくしの服なんかより、ヴォルフの方がずっと痛いんだもの」
「俺なら平気だ。気にするな」
 返って来た優しい言葉に、ふるりと首を横に振る。
 いくら大丈夫だと言われても、大好きなヴォルフが痛いままなのは、ヘルガはいやだから。
「痛くないようにおうた歌ってあげる! 痛いの痛いの飛んでけーの歌!」
 天使の歌声を持つ歌姫は、そっと大きな彼の両手を取って。
 守ってくれたその傷を癒すべく、彼の為だけに、歌声を響かせる。
 それから――何よりの癒しを、彼に。
「……ありがと、ヴォルフ」
 助けてくれた王子様のほっぺに――「ちゅう」を。
 そんな柔らかな感触に、ヴォルフガングは瞳を何度もぱちくりさせるけれど。 
 嬉しさと照れとで頬を仄かに褒めながらも、呟くのだった。
 ――俺、大人に戻ったら、今日のこと思い出して恥ずかしくなりそうだ……って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フリル・インレアン
ふええぇん、ヒヨコちゃんがフリルのお弁当食べちゃった。
まだお弁当の時間じゃないのに食べちゃったら先生に怒られちゃうよ。
ふえ?ヒヨコちゃんのお弁当をフリルにくれるから、フリルは先生に怒られないの?
でもでも、それじゃぁヒヨコちゃんが先生に怒られちゃうよ。
ふわぁ、ヒヨコちゃんの分もちゃんとあるから、ヒヨコちゃんも先生に怒られないんだね。
よかったね。


(遠足から帰ってきた後で)
あのアヒルさん、さっきのいいお話のように終わってますけど、持って行ったのは私が作ったお弁当(お菓子)ひとつだけで、アヒルさんの分は私と分け合う予定でしたよね。
そして、アヒルさんが持ってきたというお弁当はおにぎりと焼きイカ・・・。



 びっしり避けられぬよう糸が張り巡らされた、時蜘蛛の峡谷。
 その深い谷に響き渡るのは、幼女の鳴き声……!?
「ふええぇん、ヒヨコちゃんがフリルのお弁当食べちゃった」
 すっぽり、余計にぶかぶかになった大きな帽子を押さえながら。
 時蜘蛛の糸の効力で5歳児となったフリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)は、えぐえぐと隣へと目を向ける。
 そこには、アヒルさん……が雛化した、ヒヨコちゃんの姿が。
 そして、涼し気な顔をしているヒヨコちゃんに、フリルは口にする。
「まだお弁当の時間じゃないのに食べちゃったら先生に怒られちゃうよ」
 けれど、ふるふる首を横に振るヒヨコちゃんの様子に、フリルはきょとん。
「ふえ? ヒヨコちゃんのお弁当をフリルにくれるから、フリルは先生に怒られないの?」
 ……でもでも、それじゃぁヒヨコちゃんが先生に怒られちゃうよ、って。もう一度こてんと首を傾げるフリルだけど。
「ふわぁ、ヒヨコちゃんの分もちゃんとあるから、ヒヨコちゃんも先生に怒られないんだね」
 よかったね、って、ちょっぴりホッとするフリル。
 でも――きっと、遠足から帰ってきた後で。
 こう、5歳児から元に戻ったフリルは、アヒルさんに言うに違いない。
「あのアヒルさん、さっきのいいお話のように終わってますけど、持って行ったのは私が作ったお弁当というかお菓子ひとつだけで、アヒルさんの分は私と分け合う予定でしたよね」
 しかも、アヒルさんが持ってきたというお弁当。
 それは――そう、おにぎりと焼きイカ……であったのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

薬袋・布静
【徒然】
あかんぼうのつぎはごさいじ
なんなんこんかいのせんそう
なめちらっ…〜っまにしゃべりくいわ!

呂律が上手く回らず舌を噛むだけに留まらず
戦闘服一式を着せられ地団駄踏む
ぷんすこキレ散らかしても5歳児
何しても可愛いが勝る現場に八千代を殴る
5歳児だから理性より手が出る
ついでに解毒剤飲ませておく

うっさいわ、ボケェ!
はーーーっやってられん
なぁーにがだいおーいかくもたんや!
いいにくいんじゃあほんだらっ
はよいねや

怒りのままに【蛟竜毒蛇】で同胞を呼び
八千代が付けた噛み傷を抉るように捕食
【潮煙】の青煙に痺れ薬と毒を仕込ませ
宙を游ぐホオジロザメを呼ぶ

おまえェ…ええかげんにしぃーや!
くうか!おまえとはかいさんじゃ!


花邨・八千代
【徒然】
いやー、ごさいじでもかわいくてこまっちまうぜー
そんなわけでスモックとぼうし、おはなのなふだでかんぺきだ

んふふ、ぬーさんもかぁいいなー!
おれとしんちょうかわんないの、しんせん!
てぇつないでいこうぜ!

だいおーいかくもたんがでてきたらおれの弁当をやるぞ
うんうん、おれはやさしいんだ

かわりにおまえらがおれのメシになるんだけどな

こぶんいかたんをよけてほんたいにくらいつくぞ
かたっぱしからくいちぎってやる
あばれるんなら【落花】でふりまわす

あたまっからおどりぐいしてやっからかくごしろ!
なまでたんのうしたらのこりはもってかえってのこさずくうぞ
やいて!むして!にて!ほして!くう!

ぬーさんもくうか?
うまいぞ!



 足を踏み入れた峡谷に幾重にも張られた蜘蛛の糸。
 けれどそれは、ただの蜘蛛の糸ではなく。
「あかんぼうのつぎはごさいじ」
 そう――5歳児!
 触れた者を幼児化させてしまうという、時蜘蛛の糸であった。
 既にその糸に触れ幼児化が完了している薬袋・布静(毒喰み・f04350)は、やはり5歳児になっても、黙ると多分死ぬっぽい。
「なんなんこんかいのせんそう。なめちらっ……〜っまにしゃべりくいわ!」
 相変わらずよく喋りまくるけれど、何せ5歳児だから。
 呂律が上手く回らず舌を噛んではまた、喋り散らかして。
 謎にようちえんじの戦闘服一式を着せられ、地団駄を踏んで。
 ぷんすこキレ散らかしているけれど――やっぱり5歳児。
 いや、赤ん坊であった時は、抱っこという魔法の言葉に抗えず素直におぎゃるベイビーであったけれど。
 5歳となれば、口も達者な生意気三昧。
 けれど、5歳児なには何も、布静だけではない。
「いやー、ごさいじでもかわいくてこまっちまうぜー」
 スモックに黄色い帽子、やちよってちゃんと自分で書いたおはなの名札を付けて……完璧!
 そうえっへんと得意顔な花邨・八千代(可惜夜エレクトロ・f00102)を、とりあえずぽかっと殴る布静。
 5歳児だから理性より手が出ちゃいます!
 ついでに解毒剤も飲ませておいて。
 けれどそれでも何しても、5歳児かわいい――その一言で済んでしまうかわいい空間。
 そしてめっちゃつよかったオカンは、今回は同じ5歳児。
「んふふ、ぬーさんもかぁいいなー!おれとしんちょうかわんないの、しんせん!」
 ――てぇつないでいこうぜ!
 そう差し出されたちいさなおててに、布静はまた減らず口を叩くけれど。
「うっさいわ、ボケェ!」
 やっぱりおこさまがひとりでは、ちょっぴり寂しいから。
 すちゃっと何気におてては繋いで。
 ……はーーーっやってられん、そう盛大に溜息をつくけれど。
『ここから先はイカせないイカー! イカだけに!』
 出て来ただいおーいかくもたんに、すかさず布静はやっぱりキレ散らかす。
「なぁーにがだいおーいかくもたんや! いいにくいんじゃあほんだらっ。はよいねや」
 けれどそんな彼を後目に、八千代は自分の弁当をずいっといかたんに差し出す。
「おれの弁当をやるぞ」
『え、くれるの?』
「うんうん、おれはやさしいんだ」
 ほら、とあっさり渡される弁当に、いかたんは驚いたようにきょとんとするけれど。
 八千代はだいおーいかくもたんに笑んで続けるのだった。
「かわりにおまえらがおれのメシになるんだけどな」
『えっ、ちょっ……ぎゃあ!?』
 慌ててこぶんいかたんを放つだいおーいかたんだけど。
 5歳児で身軽な八千代は、ひょいっとこぶんいかたんを避けて――だいおーいかたんに、がぶり!
 片っ端から食い千切り、じたばたするいかたんを掴んで持ち上げてはぐるんぐるんと振り回す。
 そして布静も怒りのままに、同胞――アオミノウミウシの霊を喚んで、八千代が付けた噛み傷を抉るように捕食させんと差し向けて。
 ……さあ、食事の時間だ、と。
 ゆうらり潮煙から燻らせる青煙に痺れ薬と毒を仕込ませて。
 喚ぶのは、宙をゆらり、ゆらりと揺蕩い游ぐホオジロザメ。
「あたまっからおどりぐいしてやっからかくごしろ!」
 生で踊り食いし、堪能するのは勿論だけど。
 でも、5歳児にはちょっぴり、眼前のいかたんは大きいから。
「のこりはもってかえってのこさずくうぞ」
 ――やいて! むして! にて! ほして! くう!
 ちゃんと全て余すことなくいただくつもりです!
 そんな雑食な食いしん坊さんの八千代の様子に、布静は大きく溜息をつきつつも言い放つ。
「おまえェ……ええかげんにしぃーや!」
 そんな彼の声にこてんと首を傾けながらも、八千代はいい笑顔でこう訊ねる。
「ぬーさんもくうか? うまいぞ!」
 そしてその提案に、布静はこう、やはり喋り散らかすのだった。
 ――くうか! おまえとはかいさんじゃ! って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

オズ・ケストナー
リグリグ(f10093)と

ぼうしがとんでいかないように
ぎゅぎゅ、と
スモックも名札もシュネーもばっちり
リグリグ、いこうっ
手を差し出し

えんそくーえんそくー
即席の遠足の歌を歌いながら
助けて貰ったら
ありがとうっ

だいおーいかくもたんっ
おべんとうはだめっ
リグリグといっしょにたべるんだもの

がじぇっとしょーたいむ
スコープ付きの銃
中身は

わあ、きれいっ

カラフルなインク
ホルスターにインク瓶
ぴゅー
え、おいしいの?

指についたのぺろり
リグリグ、これおいしいよっ
おやつのたこせんに塗って一緒にぱりぱり
黒はソース、赤はいちご

あれ?
ちいさい子がいなくなっちゃった
いかたんたべちゃったの?
おやつ、いっしょにたべたかったのに
しょんぼり


リグ・アシュリーズ
オズりんと(f01136)

オズりんと遠足!
スモックを頭からすっぽり着て、帽子はゴム紐で止め。
でも動き回るから気づけば背中に回ってそう。
名札は私、ひまわりがいいな!
うん、オズりん、いこっ!

遠足のおうたに足並みを合わせ、登るの難しいとこは先回りしてお手伝い。
だいおーいかの頭にだって登っちゃうわ。
かわいい子イカを追いかけ回して、一緒に遊ぶの!

オズりんの作ったたこせん見て、それ、わたしもほしい!と手を伸ばし。
さっきの子イカさんと分けようとして、姿がないのを不思議に思い。
そだ!こういう時、オオカミさんつかってきけばいいのよね!

ねーねー。
さっきのちいさいイカさん、どこ?
(嘘=ダメージ、真実=心にダメージ)



 深く切り立った谷に、避けられないほど張り巡らされた蜘蛛の糸。
 その時蜘蛛の触れれば、誰でもたちまち――5歳児に!
「オズりんと遠足!」
 5歳児になったリグ・アシュリーズ(風舞う道行き・f10093)はそう、わーいと笑むけれど。
 その前に、ちゃんと準備も頑張ります!
 ようちえんじの戦闘服であるスモックを頭からすっぽり着て、黄色い帽子はちゃんとゴム紐で止めるリグ。
 オズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)も黄色い帽子が飛ばないように、しっかりぎゅぎゅ。
 遠足で動き回るから、くるって気付けば背中に回ってそうではあるけれど。
「名札は私、ひまわりがいいな!」
 迷子になった時のために、きゅきゅっとそれぞれ、自分のお名前を書いた名札もつけて。
 スモックも名札もシュネーもばっちり! 笑んだオズは、ちいさくなったおててをリグへと差し出す。
「リグリグ、いこうっ」
「うん、オズりん、いこっ!」
 リグも同じくちいさくなったおててで、オズとしっかりきゅっと手を繋いで。
 ――えんそくーえんそくー。
 即席の遠足の歌を歌うオズのおうたに足並みを合わせ、いざ遠足です!
 遠足を楽しむこの場所は、深い峡谷。
 ようちえんじには結構のぼったりおりたり、大変かもしれないけれど。
「はい、オズりん!」
「リグリグ、ありがとうっ」
 リグはひょいっと登るのが難しいところは先回り、お手伝いのおててをオズに差し出して。
 るんるんと進んでいたけれど。
『お弁当、よこすイカー!』
 現れたのは、お弁当を横取りしようとする、だいおーいかくもたん!
「だいおーいかくもたんっ。おべんとうはだめっ、リグリグといっしょにたべるんだもの」
 そうふるりと首を横に振ったオズは、がじぇっとしょーたいむ!
 しゃきんっと構えるは、スコープ付きの銃。
 その中身は――。
「わあ、きれいっ」
 ホルスターにインク瓶――カラフルなインク!
 けれど、それは綺麗なだけではなくて。
 ぴゅーっと、いかたんへと発射させれば。
『……ん? おいしいイカ!』
「え、おいしいの?」
 オズはいかたんの言葉にきょとり。
 そして試しに、ぺろりとインクを舐めてみれば。
 だいおーいかたんの頭にだってよじよじ登る勢いで、かわいいこぶんいかたんをキャッキャ追いかけ回し遊んでいたリグへと、声を掛ける。
「リグリグ、これおいしいよっ」
 それから手にするのは、おやつのたこせん!
「それ、わたしもほしい!」
 そう手を伸ばすリグと一緒に――黒はソース、赤はいちご。
 お好みの味のインクを塗り塗り、ぱりぱりっと口にして、おやつタイム!
 折角だから、リグが一緒に遊んでいた、こぶんいかたんにもお裾分け……しようと思ったのに。
「あれ? ちいさい子がいなくなっちゃった」
 オズの声に、リグも首を傾けるけれど。
 ぱっと名案を思い付き、ぽんっと手を打って口を開く。
「そだ! こういう時、オオカミさんつかってきけばいいのよね!」
 そしてリグは喉笛に喰らいつく魔狼さんを放ちながら、いつの間にか焼きイカを手にしているだいおーいかくもたんに訊ねる。
「ねーねー。さっきのちいさいイカさん、どこ?」
 ……正直に答えてね? さもなきゃ――って。
 そんな問いに、謎に逆ギレしながらも、いかくもたんは答える。
『焼き……イカ……? よくも子分をイカ!! って、いたっ!?』
 そういかたんが言った刹那、今度は嘘喰み狼さんが、だいおーいかたんをがじがじっ。
 真実ではないことを言ったいかたんがリグの狼さんに食べられんとしているその様子に。
 オズはこてんと首を傾けながらも、しょんぼり。
「いかたんたべちゃったの?」
 ――おやつ、いっしょにたべたかったのに、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クラウン・メリー
ライラ(f01246)と

帽子をぎゅっと被って
スモックをきゅっと掴んでくるりと一回転
ライラもおれもちっちゃいね!
えへへ、きょうだい!
不思議な心地だけどなんだかとっても嬉しい気持ち

おべんとうはバックの中に
しっかり入れてあるからだいじょーぶ!

――ライラおててつなごっ!
おててをつなぐとねちからがみなぎってくるんだ!
きっとあるきつかれないよ!

さぁ、れっつごー!

だいおーいかたんくもさんおっきい……!
こぶんさんもたくさんいる!
そうだ!みんなであそぼっ!

ライラ、おえかきじょうず!
みてみて!おれはたまのりできるんだ!
バランスがうまく取れずこぶんさん達をぽこぽこ倒す
わわ!ごめんね!

えへへ、はなまるもらっちゃった!


ライラック・エアルオウルズ
クラウ(f03642)と

装いは珍しく、幼さは懐かしく
そわそわと御披露目に拍手して
こうしてならぶと、きょうだいみたい
同じ視線が不思議で、思わず笑う

おべんとう、たのしみだから
おとさないように、しないとね

然して、体力無しは早速御疲れ
不安になれど、繋ぐ手に瞬いて
――ほんとにげんきになった
これなら、どこでもゆけるかも

ふふ。れっつ、ごう!

なんだか、おおきくみえるね
けれど、あそぶのはできるはず
たくさんあそんでもらおう

くろより、あかいろ
いかより、ねこさん
画用紙代わりと敵に落書き、
汚れも気にせず絵具踏んで

ほんと?うれし――わっ
クラウのたまのり、すごいねえ
いちもうだじん、かっこいいよ

だから、はなまるもかいちゃおう



 どうやっても避けられない、時蜘蛛が紡いで張り巡らせた糸にひとたび触れれば。
 ぐんぐんと背丈が縮んで――みーんな、5歳児に!
 ライラック・エアルオウルズ(机上の友人・f01246)は物珍し気に、ようちえんじの戦闘服を眺めつつも着て。
 名札をなかなか上手に付けられないちいさなおててや低くなった目線など、その幼さは懐かしく。
「ライラもおれもちっちゃいね!」
 どう? と、帽子をぎゅっと被り、スモックをきゅっと掴んで、くるりと一回転!
 上手にお洋服を着れたクラウン・メリー(愉快なピエロ・f03642)がそうお披露目する姿に、そわそわとライラックは拍手してから。
「こうしてならぶと、きょうだいみたい」
「えへへ、きょうだい!」
 ぱちり、同じ視線の円らな瞳同士の目線が合えば、何だかとっても不思議で。
 でもとっても嬉しい気持ちでもあって、思わずふたり一緒に笑っちゃう。
 そして大事にぎゅうっと両手で握るのは、おこさまランチ弁当!
「おべんとう、たのしみだから。おとさないように、しないとね」
 そうそろっと慎重にお弁当を仕舞うライラックに、こくりと大きくクラウンは頷いて。
「おべんとうはバックの中にしっかり入れてあるからだいじょーぶ!」
 準備が出来たら、いざ遠足にしゅっぱーつ!
 けれど……ただでさえ、体力にはあまり自身がないのに。
 うんしょっと一生懸命進まないといけないのは、深い峡谷。
 ライラックはふーふー早速、ちょっぴり疲れちゃって、不安になるけれど。
 ――ライラおててつなごっ!
 そう差し出されたのは、クラウンのちっちゃくてやわらかいおてて。
「おててをつなぐとねちからがみなぎってくるんだ! きっとあるきつかれないよ!」
 そしてそうっとライラックもおててを伸ばして、クラウンのものと繋いでみれば。
 紫色のおめめを思わず、ぱちくり。
 ――ほんとにげんきになった、って。
「これなら、どこでもゆけるかも」
 こくこくと頷くライラックに、クラウンはにぱっと笑って。
 繋いであったかいその手を引き引かれ、元気に一緒に、張り切って声を。
「さぁ、れっつごー!」
「ふふ。れっつ、ごう!」
 けれど、ふたりの行く手を立ち塞がる、いじわるさんが。
『通さないイカー!』
 そしてだいおーいかくもたんが放つのは、たくさんのちいさなこぶんいかくもたん!
「だいおーいかたんくもさんおっきい……! こぶんさんもたくさんいる!」
「なんだか、おおきくみえるね」
 5歳児になっている今、眼前のいかたんは、うんっと首を伸ばさないといけないくらい大きいけれど。
「そうだ! みんなであそぼっ!」
「あそぶのはできるはず。たくさんあそんでもらおう」
 だいおーいかくもたんやこぶんいかくもたんと、楽しく遊びます!
 ライラックがだいおーいかくもたんと遊ぶのは、お絵描き。
 おおきなからだのいかたんには、画用紙代わりにたくさん絵が書けそうだから。
 ――くろより、あかいろ。
 ――いかより、ねこさん。
 ぱしゃり、汚れも気にせず楽し気に絵具踏んで。
 いかたんの身体に、赤白混じるペンキで、にゃーっとねこさんを落書き!
『きゃはは、くすぐったいイカー!』
 すいすいと走る筆のこしょこしょ感覚に、そう黒のイカスミを吐くのも忘れて、堪らず身を捩るいかたん。
「ライラ、おえかきじょうず!」
 クラウンは、上手なねこさんの絵に目一杯拍手してから。
「ほんと? うれし――わっ」
「みてみて! おれはたまのりできるんだ!」
 褒められて照れたように笑んだライラックは、クラウンを見てちょっぴり最初だけびっくりするけれど。
「クラウのたまのり、すごいねえ」
 ――さぁ、楽しいショーが始まるよ!
 そう、えいっと玉乗りを披露する彼に、感心するようにライラックは言ったけれど。
「わわ! あっ、ごめんね!」
 5歳児のからだはいつもと違うから……バランスがうまく取れずに、あっちへこっちへと。
『イカー!?』
 こぶんいかたんたちを、ぽこぽこ意図せず倒していけば。
「いちもうだじん、かっこいいよ」
 ライラックはねこさんの隣に、くるくるーっと。
 ――だから、はなまるもかいちゃおう。
「えへへ、はなまるもらっちゃった!」
 クラウンのだいかつやくに、一等大きな花丸を!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リカルド・アヴリール
ライナス(f10398)と
アドリブ歓迎

スモックを被って、お弁当を持って
普段よりもひ弱な身体を見てから
前を進む姿を慌てて追い掛けようと
ら、らいなす、まって!おいてかないでー!

ぼく、そんなに食べられない……
らいなすは、ぼくが無くなったら、いやなの?
じゃあ……ぼくのおべんとの、ミートボールあげる
おにくだよ?と差し出しながら
らいなすがくれたものも、いっぱい、たべる
……すぐにお腹いっぱいになっちゃうし、頬につめつめだけど

く、クモ!?あれ、イカ……?
やーだー!どっかいけ、いっちゃえ!
『虐』でおもいっきり!らいなすに、ちかづくなー!
(とても怖いので、べそをかきながら殴りかかる

おべんと、たべる……ぐすっ……


ライナス・ブレイスフォード
リカルドf15138と

ぶかぶかになった服の中渋々支給されたスモック等に着替えるぜ
りかるど、おまえ泣き虫だからな!おれの後ろからはなれるなよ!と前に立ち進むも腹が減ったら弁当タイム

俺のお子様らんちはおまえが食えよとリカルドに押し付ける
おまえ、ちっこいから齧ったらなくなっちゃうだろ
沢山肉つけろよ、にく
りかるどの背後から血を飲みつつ弁当にフォークを刺せばりかるどの口に押し込もうとする…も
蜘蛛が現れればりかるどの前に立って守ろうと

ぼ、ぼく…おれの配下になるなら見逃してやんよ…っ(ぷるぷる)
弁当を奪われ掛けたら【這いよる毒虫】を敵へ
これは、りかるどがでかくなるための弁当なんだっつの…!奪わせねえからな!



 時蜘蛛の糸に触れた者にもたらされる、抗えない効力。
 それは――幼児化。
 ぶかぶかになった服の袖をぶらんと揺らしながら、ライナス・ブレイスフォード(ダンピールのグールドライバー・f10398)は仕方なく着替える。
 支給されたようちえんじの戦闘服・スモックに腕を通し、ちょこんと黄色い帽子をかぶって、おなまえを書いた名札をつければ。
 そう、完璧な5歳児です!!
 そして、くるり振り返って。
 んしょんしょ、とまだお着替えしている、5歳児なリカルド・アヴリール(遂行機構・f15138)に言い放つ。
「りかるど、おまえ泣き虫だからな! おれの後ろからはなれるなよ!」
「ら、らいなす、まって! おいてかないでー!」
 普段よりもひ弱な身体を見てから、慌ててスモックを被って、お弁当も持って。
 前に立ち進むライナスをわたわた追いかけるリカルド。
 けれど、勇んでとてとて進んでいたライナスは、おなかがすいちゃって。
 早速、お弁当タイムに!
 けれど、もらった自分の分のおこさまランチ弁当をリカルドへと押し付けるライナス。
「俺のお子様らんちはおまえが食えよ」
 そう、ずいっと渡されたお弁当と自分のとを、リカルドはきょろり交互に見て。
「ぼく、そんなに食べられない……」
 困り顔でぽつり、呟くけれど。
「らいなすは、ぼくが無くなったら、いやなの?」
「おまえ、ちっこいから齧ったらなくなっちゃうだろ。沢山肉つけろよ、にく」
「じゃあ……ぼくのおべんとの、ミートボールあげる」
 おにくだよ? とリカルドはまんまるミートボールを、こてり首を傾けつつも差し出しながら。
 ライナスはリカルドの背後からかぷりと血を飲みつつ、持っているフォークでたこさんウインナーをぷすり。
 彼の口へと押し込もうとして。
「らいなすがくれたものも、いっぱい、たべる」
 そう頑張ってもぐもぐしようとするけれど……すぐにお腹いっぱいになっちゃうし、頬につめつめ。
 そんな楽しいお弁当タイムを邪魔しにきた、お弁当を奪ういじわるさん。
『そのお弁当、全部よこせイカー!』
 それは、おっきなだいおーいかくもたん!
 ライナスはお弁当を奪わんと現れたいかくもたんから、リカルドを守るように。
「ぼ、ぼく……おれの配下になるなら見逃してやんよ……っ」
 ぷるぷるしながらも、一生懸命がんばって前に立って。
「く、クモ!? あれ、イカ……?」
 リカルドは、どっちつかずのその姿に、不思議そうに瞳をぱちくりさせるけれど。
「やーだー! どっかいけ、いっちゃえ!」
 とても怖いから、えぐえぐとべそはかいているけれど。
 ――らいなすに、ちかづくなー!
 そう思いっきり殴りかかり、だいおーいかくもたんやこぶんいかくもたんに、全力の『虐』を叩き込んで。
『くっ、お弁当よこせイカー!!』
「これは、りかるどがでかくなるための弁当なんだっつの……!」
 性懲りもなく弁当を狙ってくるいかたんに、這いよる毒虫をお見舞い!
 そして、奪わせねえからな! って。
 そうお弁当死守するライナスを、まだ涙目ながらも、リカルドはちらりと見て。
「おべんと、たべる……ぐすっ……」
 ライナスがおおきくなってほしいって、言うから。
 おなかいっぱいだけど……がんばってお弁当を食べるべく。
 リカルドはライナスの虫さんたちに動きを止められたいかたんへと、えいっと。
 お弁当じゃなくて、思いっきり全力の『虐』をあげる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月舘・夜彦
【華禱】
倫太郎殿と参加します
前回と同じくお弁当を持っていきましょう

このいとはさけられないですね
しかし、たたかいのけいけんがないとなると
いつもどおりにかたなをつかえるか……

だいじょぶです、りんたろどの
あのおいしいおいしいおべんとうを、うばわれるわけにはいきません
がんばりましょう!

かたなをふるのはむずかしいです
『しすい』にてつだってもらいましょう

よびだした『しすい』のすがたもこざかなになっていますが
じゅつはもんだいないはず
みずのかべでわたしたちをまもってもらいながら
どくのしぶきではんげきしましょう!
ちいさくなっても、れんけいはだいじです

りんたろどの、いきますよ!
おわったら、おべんとうたべましょうね


篝・倫太郎
【華禱】
夜彦と弁当持って参戦

いとにふれなきゃ
いいんだろうけどむりだもんなぁ

せんとうけいけんはゼロじょうたい
でもきおくはあるからどうにかなるだろ

やひこ、やひこ
だいじょぶか?
べんとーはちゃんとしまっとけよ
イカ?くも?にたべられちゃうからな

こぶんのイカたちをたおしながらすすむぞ
けいけんゼロになってるからかな?
すぱっ!とたおせない(ぐぬぬ)

やひこもちょっとたいへんそうだから
きょうりょくしてたおす

おっきいイカ?くも?だ!
こいつだな!
ここまで、きょうりょくしてきたのとおなじようにたたかう

こんかいは!(詠唱を)かまないからな!

拘束術使用
縛めて夜彦と同一対象を華焔刀で攻撃

うん!やひこはべんとーきにいったのか?



 前回は、ピヨピヨダケという魔法のキノコだったけれど。
 今度は渓谷に張り巡らされた、時蜘蛛の糸。
 月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)と篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は、今回も弁当を持って。
 やってきた『時蜘蛛の峡谷』を見遣り、そっと手を伸ばせば。
「このいとはさけられないですね」
「いとにふれなきゃ、いいんだろうけどむりだもんなぁ」
 ぐぐっと背丈が縮んで――再び、5歳児に!
「しかし、たたかいのけいけんがないとなると、いつもどおりにかたなをつかえるか……」
 そう真剣な顔で言った夜彦に、せんとうけいけんはゼロじょうたい、と倫太郎もこてんと一瞬首を傾けるけれど。
「でもきおくはあるからどうにかなるだろ」
 ちょっぴり不安げな夜彦に、そう声を掛けてから。
『通せんぼイカ! 子分行くイカ!』
 現れただいおーいかたんを見遣った後、ふと念の為、夜彦へと言っておく。
「やひこ、やひこ。だいじょぶか? べんとーはちゃんとしまっとけよ」
 ……イカ? くも? にたべられちゃうからな、って。
 そんな彼の言葉に、夜彦はこくこくと深く頷いて。
「だいじょぶです、りんたろどの」
 それから、ぐっと気合十分に続ける。
「あのおいしいおいしいおべんとうを、うばわれるわけにはいきません。がんばりましょう!」
 お弁当、超大事!
 だから、イカかクモかもわからないいかたんになんか、奪われるわけにはいきません!
 倫太郎は差し向けられたこぶんいかたんたちを、握る華焔刀でばっさばっさ……薙ぎ払っていきたい、ところだけど。
「すぱっ! とたおせない」
 ……けいけんゼロになってるからかな? って、ぐぬぬ。
 夜彦も、自分のちっちゃくなったおててを見つめて。
「かたなをふるのはむずかしいです。『しすい』にてつだってもらいましょう」
 そう、水霊『紫水』を喚んでみるけれど。
 ゆらりと空を泳ぐ紫水も、かわいい小魚に!
「ですが、じゅつはもんだいないはず」
 成した水の壁で守って貰い、毒の飛沫で反撃!
 そして勿論、お互いちっちゃくなっていてちょっと大変だからこそ、協力しあって。
「ちいさくなっても、れんけいはだいじです」
『イ、イカー!』
 こぶんいかたんたちを蹴散らして。
「おっきいイカ? くも? だ!」
 ――こいつだな!
 倫太郎はおっきないかたんを見上げながらも。
「こんかいは! かまないからな!」
 ――いましめをくれてやる。
 何気に、慎重に慎重に。今度は詠唱を噛まずにちゃんと言えました!
『く、弁当をおとなしくよこせイカ!』
 そして、そうまだお弁当強奪を諦めていないいかたんへと、頑張っていつもと同じ様に。
「りんたろどの、いきますよ!」
 ――おわったら、おべんとうたべましょうね。
 そう言って、絶妙な呼吸で連携をはかって。
 うん! と返事をした倫太郎も彼に合わせ、えいっと華焔刀で攻撃を繰り出しながらも。
 もう一度、ふと首を傾げる。
 ――やひこはべんとーきにいったのか? って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レザリア・アドニス
はわわ、また小さくなっちゃう…

とはいえ、戦闘服OK、弁当OKとチェックしてから
怯えもせずに踏み込んでいく

だいおーいかくもたーん、どこにいるのー?はやくでてきてー!
はやくたおしてかえりたいの!
何度も五歳児になって、段々慣れて心も五歳児に…とか、きっとそんなことない
れざりあ、りっぱなりょうへいだもん!
…えっ

あなたは、そのだいおういかくもたんなの?
いかなのにくも、いったいどっちなの?

飛んでくる墨を鈴蘭の花嵐で吹き飛ばし、地面にも落ちさせない
たべないけど、やきいか…くも?にしてやるの!(ピシっと)
小さなおててで炎の矢を沢山作って、串刺し焼きイカにする

終わったら満足そうに蜘蛛の糸を拾い、帰って弁当を満喫



 この間は、ピヨピヨダケという謎の魔法のキノコ。
 そして今回は、眼前の『時蜘蛛の峡谷』に張り巡らされている糸。
 この糸に触れた者は、そう!
「はわわ、また小さくなっちゃう……」
 レザリア・アドニス(死者の花・f00096)が思わず口にしたように、ちっちゃくなってしまうのだ。
 幼児に……年で言えばそう、5歳児相当に。
 とはいえ、これがはじめてではないレザリアは手慣れたもの。
 ――戦闘服OK、弁当OK!
 そうちゃんと抜かりなくチェックしてから。
 びくびく怯えるなんてこともなく、峡谷の遠足へいざ踏み込んでいくレザリア。
「だいおーいかくもたーん、どこにいるのー? はやくでてきてー!」
 むしろ、時蜘蛛化しただいおーいかくもたんを呼んでいます!?
 ……いや、だって。
「はやくたおしてかえりたいの!」
 だから、てくてくきょろきょろ、深い谷を歩きつつもいかたんを探すレザリア。
 それからふと、一瞬だけ思う。
 ……何度もこうやってちっちゃくなって、段々慣れて心も5歳児に……とか。
 いやいや、きっとそんなことはない。
 だって、何故ならば。
「れざりあ、りっぱなりょうへいだもん!」
 そう、えっへんと胸を張った――その時だった。
 ……えっ、とレザリアの口から呟きが漏れて。
 ぱちくりと緑色の瞳が見開かれれば、そこには。
『通せんぼするイカクモー!』
「あなたは、そのだいおういかくもたんなの?」
 行く手を阻む様に現れたのは、多分、探していただいおーいかくもたん……?
 レザリアはそんないじわるする敵にも怯まず、こう疑問を投げかける。
「いかなのにくも、いったいどっちなの?」
 それに今度は、いかくもたんのほうが、えっ、と声を思わず上げるけれど。
『そ、それはともかクモ! 真っ黒にしてやるイカー!』
 ちょっとオタッとしながらも放たれるのは、いかたん得意のイカスミすぷらーっしゅ!
 けれど、いかたんの攻撃方法は予知で聞いているから。
 ぶはーと飛んでくるイカスミを、舞わせ躍らせた鈴蘭の花嵐で吹き飛ばして、地面にすら落とさせずに。
「たべないけど、やきいか……くも? にしてやるの!」
 やきいかはともかく、やきくもは全く美味しくなさそうだから。
 ピシっと言い放ったレザリアが、ちっちゃくなったその手に作るのは炎の矢。
 ちっちゃいけれど、それをいっぱい作って。
『……イ、イカー!?』
 レザリアはえいっと、串刺し焼きイカにするべく数多の炎の矢をいかたんへ!
 そして、串焼きいかたんになっては堪らないと、一旦退いただいおーいかたんを後目に。
 満足そうにお宝だという時蜘蛛の糸を拾い、弁当をゆっくり満喫するべく帰ろうとしながらも。
 ふとレザリアはもう一度、こてんと首を傾けるのだった。
 ――いかとくも、けっきょくどっちだったの? って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

春日・釉乃
魅夜(f03522)と共に出撃した筈だが、なんだこれは
躰がおもうように…


みゃー、わたしにも焼きイカ!
わたしの方がごしゅじんなんだから、ちゃんととってくるんだぞ

え、わたしもてつだえ? なまいきだな、みゃーは
けど…こまっているこぶんをたすけてやるのもごしゅじんのつとめだからな!

早業でみゃーのとってきただいおーいかたんのごはんをたべてよこどりするぞ
ええっと、このよくわからないうごくいた(シールドスレイヴ)で盾受けするからしょくじのじゃまはさせないもん

たべおわったら鎧無視攻撃の咄嗟の一撃でカウンターにかたなをふりまわしてやる
みゃーのくさりでてきをおさえてくれてたら、いまのわたしでもきっとあたるぞ!


黒城・魅夜
釉乃(f00006)と一緒に

まさか過去を持たないこの身が幼児化するとは
わたしのふくはサイズがかわるので
ちっちゃくなってもへいきです

くさり……うまくなげられない……
でもおどかしにはなりますね
あいてがおどろいたすきが、ちゃんす、です
たとえくさりがてきをはずしても、いとにくっつきますから
それをたぐって
いっきにじゃんぷ

イカさんはおべんとうをたべるとつよくなるのですね
あんまりはやくないですが早業、それから先制攻撃も使って
さきにおべんとうをたべちゃいます

くさりをぜんぶぶつけます
……どれかはあたりますよね?
ゆの、いまですよっ

……それはそうと、ちいさいゆのも、かわいいですね
しばらくそのままでいませんか?



 此処は『時蜘蛛の峡谷』――時蜘蛛と化したオブリビオンが潜む戦場。
 時蜘蛛によって張られた糸は決して避けることができず、触れたものに必ず変化をもたらすという。
 そう――幼児化という変化を!
「魅夜と共に出撃した筈だが、なんだこれは」
 躰がおもうように……そう呟いた刹那、みるみる春日・釉乃(蒼薔薇のPrince・f00006)の身体が縮んで。
「まさか過去を持たないこの身が幼児化するとは」
 服ごとちっちゃくなった黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)も、そう呟いて自分のちっちゃなおててを見つめる。
 そして、この現象の元凶。
『お弁当食べるイカー!』
 現れたのは、時蜘蛛化したという、だいおーいかたん。
 その手には、美味しそうな焼きイカが!
「みゃー、わたしにも焼きイカ!」
 ……わたしの方がごしゅじんなんだから、ちゃんととってくるんだぞ、って。
 そう言った釉乃にこくり頷いて、魅夜はえいって、鎖をなげてみるけれど。
「くさり……うまくなげられない……」
 ちっちゃくなっちゃったおててでは、思う様に上手に投げられません!?
『!?』
 でも、急にじゃらって鳴った鎖の音に、一瞬びくっとするいかたん。
 ――あいてがおどろいたすきが、ちゃんす、です。
 例えいかたんが鎖を外したとしても、糸にくっつくはずだと。
 魅夜はそれを、んしょっと一生懸命たぐって……いっきにじゃんぷ!
「……どれかはあたりますよね?」
 そう、108本の鎖を全部いかたんへとぶつけて。
「ゆの、いまですよっ」
「え、わたしもてつだえ? なまいきだな、みゃーは」
 釉乃はそう言いつつも、いかたんに向き直って。
「けど……こまっているこぶんをたすけてやるのもごしゅじんのつとめだからな!」
 美味しそうな焼きイカを持っているだいおーいかたんを見遣ってから。
「イカさんはおべんとうをたべるとつよくなるのですね」
 魅夜は一生懸命、頑張ってできるだけ早業で、先制して。
『イカッ!?』
 すかさずだいおーいかたんのお弁当である焼きイカを強奪!?
 先にさくっと食べてしまおうとするけれど。
『!? 弁当がイカー!』
「ええっと、このよくわからないうごくいたで、しょくじのじゃまはさせないもん」
 釉乃はよくわからないうごくいたことシールドスレイヴで盾受けをして。
『くっ、お弁当かえせイカ……!』
「みゃーのくさりでてきをおさえてくれてたら、いまのわたしでもきっとあたるぞ!」
「くさり……がんばります」
 ぺろりと焼きイカを食べてご馳走様をした後、釉乃は近づいてきたいかたんに、咄嗟の一撃!
 ぶんっと、頑張って握る大きな刀を敵へと振り下ろして。
 そんな頑張る釉乃をふと、じーっと見つめ、魅夜は呟く。
「……それはそうと、ちいさいゆのも、かわいいですね」
 ――しばらくそのままでいませんか? って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クロト・ラトキエ
千之助(f00454)と

(無防備な銀髪が居て
眩しそうだったから
伊達眼鏡を掛けてやる
…ちったあマシになるし
俺、平気だし)

空と、おなじ?

(…変な奴)

(この場所もあの生物も怪し過ぎ
既に戦場育ち
似た歳の子なんて殆ど知らない5歳
シビアだしガラも悪い
だが顔はいい)

まもるとかゆーちょーなことは、
じぶんのことができてからいえって。
(そう言われた
弱肉強食
生きてる奴が、勝ち)

(手には短剣
逃げても良い
でもやれるなら、

静かに…よく視て…考え動け
墨は横に飛び退き
俺のたった一つの魔法(UC)
囮に横から斬る
で、逃げる!)

おこってねーし。
ほら、べんとう。
…おまえもけっこーやるじゃん
(笑って)

おれ、男――
おいしっかりしろー!?


佐那・千之助
クロト(f00472)と

(白銀の髪、紅眼、吸血鬼

え(世界の色彩に驚愕
おそら、あ、お…い
あれは…ランプ?(太陽初見ダクセ民(直視(目が眩む

眼鏡にきょとん
らくになった…ありがとうっ
ねえ、君ここのこ?
きれいな目、そらとおなじいろだから

いかさん!くもさん?かわいい!
(追いかけ転ぶ(奪われる弁当
うぇ…
いたくない…(強がる
わるいいかくもさんだ
まもってあげる

だめなの…おこってる?
おなかすいてるのかな…
お弁当取り返さなきゃ

武器は小刀(拷問具
血を刀に吸わせ棘びっしり大鋸化
大鋸に半分振り回され気味にぶつぎり
ぎゅるりん投げてずっばーん

ありがとう、一緒にたべ…
あ。わらった。かわいー(笑顔
あぅ…(きゅう(太陽にのぼせた



 峡谷に張り巡らされているのは、時蜘蛛が紡いだ糸。
 これに触れれば、誰でも問答無用に時が巻き戻されて。
 幼児化……5歳児になってしまうのだという。
 その効力は、陽光のいろをした髪を靡かせ、時蜘蛛の峡谷へと足を踏み入れた佐那・千之助(火輪・f00454)の身にも、例外なく。
 いや、ぐぐっと背が縮んだ刹那、靡くいろは陽光から白銀へと変化し、藍と紅重なる瞳は紅で満たされて。
 5歳児と化した千之助は、え、と思わず声を漏らし驚愕する。紅に映った万彩の世界に。
 うんっと首を伸ばして天を仰いでみれば、見たことのない空のいろ。
「おそら、あ、お……い。あれは……ランプ?」
 空と言えば、故郷のものである漆黒の闇のいろしか知らなくて。
 そんな闇空を照らす光と言えば、妖しい月か瞬く星くらいであったから。
 青空に浮かぶ太陽を物珍しそうに見つめる千之助だが、初めてみたから知らなくて、モロに直視してしまう。
 そんな、くらりと目が眩んでいる、無防備な銀髪のちいさな吸血鬼を見つけたのは、クロト・ラトキエ(TTX・f00472)。
 勿論クロトも時蜘蛛の糸に触れ、5歳児であるのだけれど。
(「……ちったあマシになるし、俺、平気だし」)
 そうすちゃりと、眩暈を起こしている千之助に掛けてあげるのは、伊達眼鏡。
 そんな突然与えられた眼鏡にきょとんとして、紅の瞳をぱちくりさせる千之助だけれど。
「らくになった……ありがとうっ」
 くらくら揺れていた視界が落ち着いた事に気付き、そうぺこりとクロトへと礼を言って。
 眼鏡越しに、じっと彼を見つめつつ、訪ねてみる。
「ねえ、君ここのこ?」
 どうしてそう、クロトを見てそう思ったのかといえば。
 ――きれいな目、そらとおなじいろだから、って。
「空と、おなじ?」
 今度は、クロトがきょとりとする番。
 そして思う……変な奴、って。
 でも、ふたりの目の前に現れたのは、もっともっと変な存在。
『通さないイカクモ! 子分行くイカ!』
「いかさん! くもさん? かわいい!」
 ぱあっと瞳かあぎゃかせ、とてとてと、いかさん? くもさん?? を追いかける千之助だけれど。
「……っ!?」
 すてーんと転んじゃった上に、お弁当をいかくもたんたちに奪われてしまいました!
「うぇ……いたくない……」
 けれど、千之助は泣かずに、ぐっと強がりつつも。
 いかくもたんたちへと視線を投げてから、クロトの前へと出ようとする。
「わるいいかくもさんだ。まもってあげる」
 ……この蜘蛛の糸だらけの場所も、あのイカかクモかわかんない生物も、怪し過ぎ。
 そもそも、5歳の時のクロトは知らなかった。似た歳の子なんて。
 そうじっと戦況を見守るその瞳は幼児らしくなく、シビアだしガラも悪い。
 けれどやっぱり、5歳になっても顔はいいクロトなのだが。
「まもるとかゆーちょーなことは、じぶんのことができてからいえって」
 クロトはそう千之助に言い放つ。
 そう、自身が言われたのである。弱肉強食――生きてる奴が、勝ち、って。
 そしてクロトが手にするは、藍柄薔薇紋様の短剣。
(「逃げても良い。でもやれるなら、」)
 ――静かに……よく視て……考え動け。
『くらえ、いかたん得意のイカスミすぷらーっしゅ!』
 そう、びゅびゅっと放たれる墨を、横に飛び退き躱して。
 ――俺のたった一つの魔法。
 刹那、成された身代わりの水晶群を囮に、横から斬りつけて。
「だめなの……おこってる? おなかすいてるのかな……」
 だったら、お弁当取り返さなきゃ、って。
 千之助が握る小刀に己の血を吸わせれば、棘びっしり大鋸化。
 ちいさなおててでそれをしっかり握って、えいって振るうけれど……半分振り回され気味にぐるんっ。
 その勢いでこぶんいかたんがぶつぎりにされ、さらに、ぎゅるりん投げてずっばーん!
 そしてふたり、おおきなだおーいかたんの隙をついて、逃げるべくダッシュ!
 それからクロトはちらりと、空のいろの瞳を千之助に向けて。
「おこってねーし。ほら、べんとう」
 すかさず取り返しておいた彼のおこさまランチ弁当を差し出せば。
「ありがとう、一緒にたべ……」
「……おまえもけっこーやるじゃん」
 そう向けられたクロトの言の葉と笑みに、千之助は紅の瞳をぱちりと瞬かせた後。
「あ。わらった。かわいー」
 嬉しそうな笑顔を宿し、そういうけれど。
「おれ、男――」
「あぅ……」
 太陽にのぼせて、きゅう、とのぼせたちいさな吸血鬼に、クロトは瞳を見開く。
 ――おいしっかりしろー!? って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と

…!しょう!きちんと名札をつけられるようになったぞ!
戦闘服を身に纏い綺麗に付けられた名札を誇る様に胸を張りつつ宵を見つめる
だが、僅かにずれていた帽子が視界を遮ればあわてながらも
宵の手が伸びなおしてくれれば照れくさそうに瞳を細めつつありがとうと、礼を言おう
…く…っ!完璧だと思っていたのだが

その後は宵と手を繋ぎながら峡谷へ
くも…くもが弁当をくうのか?
子分の蜘蛛はしょう、さがっていろと前に出つつ【鍛錬の賜物】で投げていこう
…すこし、すこしだけ背にのってみたいと思ったなど…ひみつ、だぞ!
あと宵の視界が遮られればあわてたように両手で拭い拭い
しょう、しょう。俺がみえるか?だいじょうぶか?


逢坂・宵
ザッフィーロ(f06826)と

汚れないようにスモックを着て
名札をひとりでしっかりつけられたきみには笑っておめでとうございますと
きみの名札をなおすのが好きだったんですが……
いいことですよね
あ、帽子がずれていますよ
ちょっとだけずれていた帽子を直して嬉しげににっこり
それからお手手つないで峡谷へ

敵が現れたならかれのやや後ろに立ちつつ
かくごするのです、だいおーいかくもたん!
ふふ、背にのれたらきっと気持ちがいいですよね

それから「属性攻撃」「全力魔法」を込めた【天撃アストロフィジックス】を放つも、
イカスミすぷらーっしゅをまともに顔面に喰らってしまえば
あわわわわ……まえがみえません!とおろおろ



 眼前に紡がれた時蜘蛛の糸の効力には、通る者誰も抗えない。
 必ず触れてしまい、そして変化してしまうのだ――5歳児に!
 けれど、ザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)にとっては、5歳児になったのはこれが初めてではない。
 今まで5歳児になったときは、なかなかうまくいかなかったけれど。
 ぱあっと笑顔を浮かべ、ザッフィーロは喜びの声を上げる。
「……! しょう! きちんと名札をつけられるようになったぞ!」
 身に纏うようちえんじの戦闘服・スモック。それにすちゃっと付けられた『ざっふぃーろ』と書かれた名札。
 そして、ちゃんと綺麗に付けられたそのお花型名札を誇るように、ザッフィーロはえっへん!
 胸を張りつつ、同じく一緒にちっちゃくなっている逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)をキラキラ見つめれば。
 ――おめでとうございます。
 名札をひとりでしっかりつけられた彼にそう、言葉と笑みを返してから。
「きみの名札をなおすのが好きだったんですが……」
 宵は何処か寂し気にぽつり呟くけれど。
 これも、がんばった彼のせいちょう。
 いいことですよね、って、星瞬く深宵の瞳を細める。
 けれど、名札は上手につけられたけれど。
「……!?」
 急に視界遮られ、眼前に広がったそのいろは黄色。
 僅かにずれていた黄色い帽子に視界を塞がれて、慌てるザッフィーロだけれども。
「あ、帽子がずれていますよ」
 んしょって、宵は腕を伸ばして。
 帽子を直してあげれば……嬉し気に、にっこり。
 そしてスッと、ちいさくなったおててを差し出して。
 そんな黄色い帽子を直してくれた宵に、照れくさそうに瞳を細めつつ、ザッフィーロは紡ぐ――ありがとうと、礼を。
 それから差し出された手を、これまたちいさいおててで、すちゃっと繋ぎつつも。
「……く……っ! 完璧だと思っていたのだが」
 ちょっぴり悔しそうにザッフィーロは言うけれど。
 宵はそんな彼を微笑ましく見つめながらも、お手手つないで峡谷の遠足へ!
 けれどそんなふたりを、いじわるに通せんぼするのは。
『お弁当はいただくイカー!』
 そう、だいおーいかくもたん!
 宵は現れた敵に、ザッフィーロのやや後ろに立ちつつもビシィッと言い放つ。
「かくごするのです、だいおーいかくもたん!」
 大事なおこさまランチ弁当を、奪われるわけにはいかないから!
 いや、そもそも。
「くも……くもが弁当をくうのか?」
 そう宵と手を繋いだままで、こてんと首を傾けるザッフィーロだが。
『子分行くイカ!』
「しょう、さがっていろ」
 前に出つつ、がしっと、こぶんいかくもたんを掴んで持ち上げて。
 ぶんっと振り回しては、えいえいってなげていく。
 そしてふと銀の瞳で、おおきなだいおーいかくもたんをうんっと見上げてから。
 そうっと、ナイショ話。
「……すこし、すこしだけ背にのってみたいと思ったなど……」
 ――ひみつ、だぞ! って。
「ふふ、背にのれたらきっと気持ちがいいですよね」
 そんなナイショ話に、宵はそう彼に笑って。
 いじわるな敵に、お星さま属性の流れ星の矢をびゅびゅーって放つけれど。
『イカスミぶはー!』
「あわわわわ……まえがみえません!」
 いかたん得意のイカスミすぷらーっしゅをまともに顔面に喰らってしまって、おろおろ。
 そんな真っ黒けになっちゃった宵に、ザッフィーロもわたわた。
「しょう、しょう。俺がみえるか? だいじょうぶか?」
 あわてたように、両手で拭い拭いしてあげるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ロカジ・ミナイ
【🍑桃黒】

うんうん、3回目の5歳もキュートにいこうじゃないの📛

…うわぁ、共食いきもちわるっ
幼少時のトラウマになったらどうしてくれるんだろうね全く!

5歳の僕はねぇ、つよいよ
だって日々襲い来る野犬やキモい虫と戦ってたからね
二刀流(木の棒)だったしね
こども剣術学校に通う前だけど、なんつーの?型にはまらないっつーの?
まぁつよいよ
しかも俊足で、隣の門番に追っ掛けられても捕まったことがない
やり手ババァに散々ケツを叩かれてるから耐久力にも自信ありときてる

よし、黒羽!
わるいやつらはやっつけなければならない!
力を合わせて弁当の旗を死守するのだ!
痛くされたら全力で泣き真似してやるからな!

うおー!


華折・黒羽
【🍑桃黒】

三回目…
戦闘服📛(スモック)も慣れた気がします

今回はだいおーいかたんさんですか
ロカジさん見てください
なんか共食いしてる…

経験値?問題無いです
むしろいつもより身体が軽いですから
イカスミも簡単には当たりませんよ
ひょい
ひょい
(どやぁ)

野犬に門番にババァ…さん
ロカジさん追っ掛けられすぎじゃ…
鍛練の一種ですか?
…おしり、痛かったです?(こそりと)
ああでも俺も足じゃ負けませんよ
木登りにかけっこに狩り
遊びがそのまま鍛練の様なものですから

俺まだ玉子焼き食べてないんです
たこさんうぃんなーも
食事のじゃまするわるいやつらは遠慮せず引っ掻きます
旗は渡しませんよ

悪いことをしたら
ごめんなさい、ですよね?



 この前は、ピヨピヨダケっていう魔法のキノコ。
 そして今度は、峡谷に張り巡らされている時蜘蛛の糸に触れば。
 ぐぐっと縮んで、また5歳児に!
 けれど、もう5歳児も随分と板についてきて。
「戦闘服も慣れた気がします」
「うんうん、3回目の5歳もキュートにいこうじゃないの」
 すっぽりようちえんじの戦闘服・スモックにスムーズにお着替えしながらも言った華折・黒羽(掬折・f10471)に。
 黄色い帽子も名札も忘れずにちゃんとつけながら、ロカジ・ミナイ(薬処路橈・f04128)はこくこく頷く。
 そんなふたりは、やっぱりすっかりちっちゃくなって。
 最初は意外だったロカジの髪の色を見るのも、黒羽はもう慣れっこ。
 そして、ふたりの前に立ちはだかる敵は。
『子分行くイカ!』
「今回はだいおーいかたんさんですか」
 そう、焼きイカをはむはむ食べている、だいこーいかたん!
 そんないかたんを黒羽は見遣って。
「ロカジさん見てください、なんか共食いしてる……」
「……うわぁ、共食いきもちわるっ。幼少時のトラウマになったらどうしてくれるんだろうね全く!」
 ふるふる、首を横に振るふたり。5歳児には刺激が強いです!?
 けれど、そんなことでは怯みません!
「5歳の僕はねぇ、つよいよ」
 えっへん胸を張り、ロカジは5歳の頃の武勇伝を口にする。
「だって日々襲い来る野犬やキモい虫と戦ってたからね。二刀流だったしね」
 いつも、えいえいって振り回していたのは二刀の木の棒。
「こども剣術学校に通う前だけど、なんつーの? 型にはまらないっつーの?」
 そしてロカジは再び得意顔、まぁつよいよ、って。
 でも、木の棒を巧みに操る剣術だけではありません!
「隣の門番に追っ掛けられても捕まったことがないし、やり手ババァに散々ケツを叩かれてるから耐久力にも自信ありときてる」
 しゅたたって素早い俊足に、頑丈な耐久力もすごいんです!
「野犬に門番にババァ……さん。ロカジさん追っ掛けられすぎじゃ……」
 鍛練の一種ですか? って黒羽はそう首を傾けるけれど。
 ちらりと改めて彼へと視線を向けると、一番気になっていることを、こそりと。
「……おしり、痛かったです?」
「そりゃあ猿みたいに腫れるほど痛かったさ。でも僕だからね、へっちゃらだよ」
 そう、どやぁっと言うロカジへと、黒羽も負けじと口を開く。
「ああでも俺も足じゃ負けませんよ」
 きっと一緒に、門番から逃げられるくらいに。
 木登りにかけっこに狩り、遊びがそのまま鍛練の様なものだったから。
 そんな、5歳児だけどつよいふたりだから。
「よし、黒羽! わるいやつらはやっつけなければならない!」
 ――力を合わせて弁当の旗を死守するのだ!
 打倒するは、楽しみなおこさまランチ弁当を狙ってくる、わるいいかたん!
 ロカジが上げた高らかな声に、黒羽もこくこく頷いて。
「俺まだ玉子焼き食べてないんです、たこさんうぃんなーも」
 食事のじゃまするわるいやつらは、遠慮せず引っ掻きます!
 そして、勿論。
 ――旗は渡しませんよ。
 A&W仕様の、かっこいいドラゴンの旗は絶対死守します!
 5歳児になれば、これまでの戦闘経験は失われるって言われているけれど。
『くらうイカ! イカスミすぷらーっしゅ!』
「経験値? 問題無いです。むしろいつもより身体が軽いですから」
 足じゃ負けないと言った言葉通り、簡単にはイカスミに当たったりしません!
 ひょい、ひょい、っと上手に避けては、どやぁ。
 そんな黒羽と共にヤンチャに立ち回っていたロカジだけど。
 頭だって使います!
 こぶんいかたんに、ぺちっと叩かれれば。
 ――うおー!
 そう、全力で泣き真似です!
 そして、うおーうおーっと泣き真似するロカジの様子におたおたするこぶんいかたんたちを、黒羽は何気に引っ掻きながらも。
 びしっと、こう言い放つのだった。
 ――悪いことをしたら、ごめんなさい、ですよね? って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

終夜・嵐吾
あやくん(f01194)と

(性格はやんちゃガキ大将)

あやくん、はやくいくんじゃよ!
おべんともって、だいおーいかくもたんをたいじするんじゃ!
ふんすふんす、鼻息荒く

どこにおるんかの?
あっ、あやくん、いとさわる、めっ!じゃよ!(手をぺちーん)

? はなれてしもた、さっさと…むー
むう、めめ?きゅうけい?おべんと?
そいえば腹へっとるの(きゅう、と鳴らし)
あやくんがくるのをまっておべんと広げ

…あやくん、おたべ!
いちばんのたこさんうぃんなーあげよ!
なかなおりじゃよ!
ぺちんしてわるかったの
む、くれる?からあげ!

おにー?
わしは鬼じゃのうてきつねのたいしょーじゃよ!

いかやきにしておやつにするんじゃ!
めめ!もやそ!


浮世・綾華
らんごさん(f05366)と

※性格も幼児化、人見知りに

どの弁当にするか迷い目移り――
…あ、まって

彼の後を追いおそるおそる進めば
張り巡らされる糸に興味をそそられる
(もうよーじ化してるし、さわってヘーキ?)
手を伸ばせば

――!?
ぺちーんとされて一瞬固まる
…わか、わかった
何て頷きつつも目を逸らし少し離れて歩く
(俺がわるかった、かも、だけど)

わ…ララ?
隣を飛ぶララがらんごさんの方に行くから
…え、
くれるの?
俺もさわろうとしてごめんなさい
なかなおり。繰り返して
ありがと

…俺のもあげる
…その
どれがいい?(弁当差し出し
おにーちゃん
あ、鬼じゃなくて
でも狐大将さん(こく

いかやき(こくと頷き
ララ、とびきりおいしくして



 一番人気のおこさまランチ弁当も美味しそうだけど。
 でも、ほかのお弁当も、美味しそうで――。
 そろり窺う様に、でもきょろきょろと。
 5歳児になった浮世・綾華(千日紅・f01194)は、どの弁当にするか迷い目移りするけれど。
「あやくん、はやくいくんじゃよ!」
 ――おべんともって、だいおーいかくもたんをたいじするんじゃ!
 自慢の灰青なふわもこ尻尾を勇ましくゆらゆらさせながら。
 ふんすふんす、鼻息荒く張り切っているのは、同じく5歳児の終夜・嵐吾(灰青・f05366)。
「……あ、まって」
 綾華はわたわたお弁当を慌てて貰った後、ゆうらり揺れる尻尾をおそるおそる追い進めば。
 ふと瞳に飛び込んできたのは、キラキラな蜘蛛の糸。
(「もうよーじ化してるし、さわってヘーキ?」)
 そう興味そそられるまま、手を伸ばしてみれば。
 ……どこにおるんかの?
 そう振り返った嵐吾は瞬間、ぴこりとお耳を立てて。
「あっ、あやくん、いとさわる、めっ! じゃよ!」
 綾華のおててを、ぺちーん。
「――!?」
 ぺちーんとされた綾華は、びっくりして一瞬固まっちゃうけれど。
「……わか、わかった」
 ちらり一瞬だけ嵐吾を見た後、ふいっと目を逸らして。
 てくてく先を進む彼に遅れて、少し離れて歩く。
(「俺がわるかった、かも、だけど」)
 そんな、歩みが遅くなっている綾華の様子に、嵐吾はこてんと不思議そうに首を傾げつつ。
(「? はなれてしもた、さっさと……むー」)
 そうちょっぴり不服気に、むぅ。
 けれど、そんなちょっぴり開いちゃった距離を縮めたのは。
「わ……ララ?」
「むう、めめ? きゅうけい? おべんと?」
 フードをかぶった、双子の精霊さんたち。
 ぴゅーっと嵐吾とメメの元へと飛んでいたララを一生懸命綾華は追いかけて。
「そいえば腹へっとるの」
 きゅう、と鳴ったおなかに正直に。
 綾華が追いつくのを待ってから、お弁当を広げる嵐吾。
 そしてまだちょっぴりだけ俯いている綾華へと、とっておきをあげる。
「……あやくん、おたべ! いちばんのたこさんうぃんなーあげよ!」
 そう差し出されたたこさんウィンナーに、綾華は顔を上げて。
「……え、くれるの?」
 そうぱちくりさせた瞳で自分を見る綾華に、嵐吾はこくりと頷いてへらり笑む。
 ――なかなおりじゃよ! って。
「ぺちんしてわるかったの」
「俺もさわろうとしてごめんなさい」
 ……なかなおり。
 そう綾華は繰り返してから。
 そうっと嵐吾へと視線を向けて、ちゃんと言えました……ありがと、って。
 それから、とっておきのお返しを。
「……俺のもあげる。……その、どれがいい? おにーちゃん」
「む、くれる? からあげ!」
 嵐吾は綾華から貰ったからあげをもぐもぐしながらも。
 ふと、首を傾げて続ける。
「おにー? わしは鬼じゃのうてきつねのたいしょーじゃよ!」
「あ、鬼じゃなくて……でも狐大将さん」
 鬼じゃなくておにーちゃんだけど。
 でもそんなおにーちゃんは確かに、頼りになる狐大将さん!
 そして綾華がはむり、貰ったたこさんを口にした――その時だった。
『お弁当よこせイカ! 真っ黒にしてやるイカ!』
 現れたいじわるなだいおーいかたんにも、負けません!
「いかやきにしておやつにするんじゃ!」
 ――タコさんもイカさんも、おいしくいただいてしまお。
「いかやき」
 そう言った嵐吾に、綾華もこく、と頷いて。
「めめ! もやそ!」
「ララ、とびきりおいしくして」
 ふわさっとフードが外れた、イケメン双子精霊達が繰り出す炎が。
 きっと、こんがりいい焼き具合に燃やしてくれます!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

コノハ・ライゼ
たぬちゃん・f03797と

こんなこともあろうかともってきた

すちゃり取り出す鏡
何故って記憶の無い身、子供姿など自分でも初めて
あらかわいい
覗けば今をまんま幼くした姿
隣見て誰?ナンて知ってて問う意地悪さもそのままダケド

たからさがしする!おべんとも!
お子様味覚で食べるお弁当にウキウキワクワクいざ出発
スモック汚れてもお構いなし

敵に出会えばイカだ!でっかいイカ!と大はしゃぎ
料理、となった所でこの姿じゃ出来ない事に気付いてちょっとしょんぼり
でもきつねびならオレもつかえるよ!と指先に灯す小さな月白の焔
この体じゃもぐもぐも上手くできないケド
小ささ活かしてあっちに隠れこっちに隠れ
ぺったんぶつけて焼きイカにしちゃお


火狸・さつま
コノf03130と

現在の姿に結びつかぬ程の
くりくりぱっちりおめめ
可憐な幼女の如き姿
鈴を転がすような美しく響く澄んだ声音
ああやぁ幼なてしもた、ね…
少し恥ずかし気に俯いて
スモック裾きゅっと握る

コノ、かぁいらしぃねぇ
ちぃさぁなてもべっぴんさん
ぇえっ、もぅ、いけず…

ねぇね、おたからさがし、しぃひん?
はにかみ笑顔向け
まずは、もぐもぐさん、やね
お弁当ぺかーっとかかげ
しっぽちたぱた振り


糸、いっぱいやね、おべべ汚れてまうね
燃やしてしまおか…炎、上手ないのやけど…
あ!わわ、見つかてしもた
敵の姿見てあわあわ
幼き頃から出来た事といえば小さな狐火
コントロールは良く無いから
墨避け至近距離で、えぃ!
こぉばしぃええにおい…



 峡谷を通り抜ける為には、時蜘蛛が張り巡らせた糸の効力をその身に受けなければいけないという。
 決して避けて通れぬ変化――それは、幼児化!
「こんなこともあろうかともってきた」
 5歳児になったコノハ・ライゼ(空々・f03130)は、すちゃり、準備してきたそれを手に取る。 
 それは……鏡??
 ちっちゃくて柔らかなおててで、ぎゅっと鏡を握り、眺めるコノハ。
 ……何故って?
 それは記憶の無い身のコノハにとって、子供姿など自分でも初めてだから。
「あらかわいい」
 覗けばそこに映るのは、大きかった頃の姿をまんま幼くした美しい男の子。
 そして、その隣で。
「ああやぁ幼なてしもた、ね……」
 そうっと響くのは、鈴を転がすような美しく響く澄んだ声音。
 本来の姿がそのまま縮んだ様なコノハとは逆に。
 5歳児な火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)は、現在の姿に結びつかぬ程の可憐な幼女の如き姿。
 くりくりぱっちりおめめは麗しく、少し恥ずかし気に俯く様はちいさいけれどお淑やか。
 そしてきゅっとスモックの裾を握って、ちらりコノハへと円らな瞳を向ければ。
「コノ、かぁいらしぃねぇ。ちぃさぁなてもべっぴんさん」
「――誰?」
「ぇえっ、もぅ、いけず……」
 知ってて問う変わらないそんなコノハの意地悪さに、さつまは瞳をぱちくり。
 けれど、気を取り直して。
「ねぇね、おたからさがし、しぃひん?」
 そうはにかみ、笑顔向けて。
 ――まずは、もぐもぐさん、やね。
 ぺかーっと掲げるのは、5歳児だからこそ食べられる、おこさまランチ弁当!
 そしてうきうきそわり、しっぽをちたぱた振るさつまに。
「たからさがしする! おべんとも!」
 お子様味覚で食べるおこさまランチは絶品の御馳走!
 スモックが汚れても全然お構いなし。むしろ、汚してなんぼといわんばかりに。
 コノハもウキウキワクワク、いざ遠足に出発!
 さつまはちまっとコノハのスモックの端を掴みながら、きょろりと視線を巡らせて。
「糸、いっぱいやね、おべべ汚れてまうね」
 無邪気なコノハとはちょっぴり違って、スモックの汚れを気にしつつも。
「燃やしてしまおか……炎、上手ないのやけど……」
 そう、ふと呟けば。
『そうはさせないイカァ!!』
「あ! わわ、見つかてしもた」
 現れただいおーいかくもたんの姿を見て、さつまはあわあわ。
 そんな隣の彼とは対照的に。
「イカだ! でっかいイカ!」
 興奮した様に瞳をキラキラ、大はしゃぎするコノハだけど。
 ふとあることに気が付いて、ぽつり。
「料理……この姿じゃ出来ない」
 そして、ちょっぴりしょんぼりしちゃうけれど。
「でもきつねびならオレもつかえるよ!」
 そう指先にぽうっと灯すは、冷たき月白の炎。
 そしてさつまも、幼き頃から出来た事といえば小さな狐火だから。
『イカ!?』
 ふたりの手に宿る炎に、こんがり焼かれてはたまらないと。
 得意のイカスミすぷらーっしゅを放ってくるけれど。
 ふたりの美しいお顔を、真っ黒になんかするわけにはいかないから。
 コントロールは良く無いけれど、だからこそイカスミをひょいっと避けたさつまは至近距離で、えぃ!
 小さな狐火を、いかたんへとお見舞いして。
 コノハもちっちゃくて、いつものように、もぐもぐも上手くできないけれど。
 逆に小さいからこそそれを活かして、あっちに隠れこっちに隠れ。
「ぺったんぶつけて焼きイカにしちゃお」
 さつまに続いて、いかたんを料理するべく月焔を叩きつければ。
 漂ってきた香りにくんくん、お鼻をひくり。
 ――こぉばしぃええにおい……って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

千桜・エリシャ
【桜蛇】
おどおど引っ込み思案なお姫様

ふえ…なんでわたくち…あぅ…
わたくし、こんなとこにいるのかしら…
おにいさま、どこ…?

今にも泣きそうになっていれば
自分の名前を呼ばれてきょとん

どうちて、わたくしのなまえを…?
う?よんじゅさんごさん?むずかしいおなまえ…
じゃあ、おてて…ぎゅっとして、くださいまし?

手を引かれて彼の背中に隠れるように着いていく

おたからさがし、ですのね
いと、どこかしら?
…!
やーっ!おっきないかさん、こあい!

我慢していた涙が零れて
それが桜花弁に変わってイカを斬り刻む

…?わたくしは、なにを…?
よんじゅさんごさん、まもってくださって、ありがとっ
わたくし、つかれましたわ
おべんとたべましょ?


フォーリー・セビキウス
【桜蛇】
聡明で無機質で超然的な浮世離れした子供

時蜘蛛の力を得たイカ…ったくクソ面倒…いや面妖な。
だが時の蜘蛛糸とやらは気になるな。
まぁ良い、後は5歳の私に任せて休むとしよう。

…なるほど、だからボクが居るのか。
状況は理解しました。
スモックは必要ないけど…汚れるのも嫌ですしね。

君がエリシャだね?よろしく。ボクの事は…43号とでも呼んで。
ああ、怖がらないで。
安心して、ボクが君を守るから。
さぁ、手を出して。

とはいえ奴を倒さないとダメか。武器は…矢張り使えない。
ならば射出かな。頭悪い方法だけど。

コレが糸か、ようやく戻れそうだ。
戻りたくはありませんけど、あんな大人に。

そうだね、その前にお弁当を食べようか。



 やってきた峡谷をぐるりと見回せば。
 避けて通る隙など微塵もない、張り巡らされた蜘蛛の糸の光景。
「時蜘蛛の力を得たイカ……ったくクソ面倒……いや面妖な」
 そう面倒……いや面妖な様子に、フォーリー・セビキウス(過日に哭く・f02471)は大きく溜息をつく。
 これから自分の身に降りかかること――それは、幼児化。
 けれど、ただ縮むだけならば冗談ではないが。
「だが時の蜘蛛糸とやらは気になるな」
 若返りの効果が若干残っているというお宝には、興味をそそられなくもない。
 けれど、色々と考えているだけでは仕方がないから。
「まぁ良い、後は5歳の私に任せて休むとしよう」
 そしてふっと手を伸ばし糸に触れたフォーリーは……ちっちゃい5歳児に!
 けれど見目はちっちゃいけれど、聡明で無機質で超然的な浮世離れした子供。
「……なるほど、だからボクが居るのか」
 状況は理解しました、とこくり頷いてから。
 特に必要はないけれど……汚れるのも嫌ですしね、と手に取るのはスモック。
 いや、5歳児になったのは、何もフォーリーだけではない。
「ふえ……なんでわたくち……あぅ……わたくし、こんなとこにいるのかしら……」
 ――おにいさま、どこ……?
 小さくなって舌ったらずながらも、一生懸命言い直しながら。
 きょろり不安そうに周囲を見回すのは、今にも泣きそうになっている、おどおど引っ込み思案なお姫様。
 そんなやっぱり5歳児になった千桜・エリシャ(春宵・f02565)へと、声を掛けるフォーリー。
「君がエリシャだね? よろしく。ボクの事は……43号とでも呼んで」
 そう自分の名前を呼ばれて、桜の如きつぶらな瞳で彼を見つめて、きょとん。
「どうちて、わたくしのなまえを……? う? よんじゅさんごさん? むずかしいおなまえ……」
「ああ、怖がらないで」
 じいっと不安げに自分を見る彼女に、フォーリーはそう言ってから。
 ――安心して、ボクが君を守るから。
 そう紡げば、そろりとエリシャはこんなお願いを。
「じゃあ、おてて……ぎゅっとして、くださいまし?」
 そんな言葉に、フォーリーは頷いて手を差し出す……さぁ、手を出して、って。
 そして手を引かれ、彼の背中に隠れるように着いていきながら。
「おたからさがし、ですのね。いと、どこかしら?」
 一緒に探すのは、話に聞いているお宝!
 けれど、そんなお宝探しの遠足を邪魔するのは。
『ここから先は、通さないイカー!』
 面倒で面妖な、だいおーいかたん!
 そんな、ぐんと首を伸ばさないとお顔が見えないくらいおっきいいかたんに。
「……! やーっ! おっきないかさん、こあい!」
 エリシャの瞳からぽろり、我慢していた涙が零れた刹那。
『イカッ!?』
 その雫が桜花弁の刃となり、いかたんを斬り刻んで。
「とはいえ奴を倒さないとダメか」
 フォーリーは今の状況と敵を交互に見遣り、思考する。
(「武器は……矢張り使えない。ならば射出かな」)
 ……頭悪い方法だけど、と。
 エリシャが巻き起こす桜花弁に揺れるいかたんに、有効的な投擲した刃と転移による包囲連撃の射出を見舞って。
 堪らずいかたんが退散した後。
「コレが糸か、ようやく戻れそうだ」
 ――戻りたくはありませんけど、あんな大人に。
 そうぽつりと紡ぎつつ、お目当ての煌めく時蜘蛛の糸の束をフォーリーは手にして。
「……? わたくしは、なにを……? よんじゅさんごさん、まもってくださって、ありがとっ」
 そうこてんと首を傾げながら、エリシャは彼にぺこりお礼を言った後。
「わたくし、つかれましたわ。おべんとたべましょ?」
 ふうっと疲れたようにひとつ息をつくも、ちょっぴりわくわくお弁当を取り出す。
 そしてそんなエリシャに、フォーリーはこくりと頷いて返すのだった。
 戻ろうと思えば、もう戻れるのかもしれないけれど。
 ――そうだね、その前にお弁当を食べようか、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月居・蒼汰
ラナさん(f06644)と

あああ、またちぢんでしまうなんて…
(戦闘服とお弁当を装備しつつ)
いかとくもがあわさるなんてつよそうだけど…?
でも、さけてとおれないならば、うけてたちます!
がんばりましょうね、らなさん!(えいえいおー!)

とりあえず、炭でラナさんが真っ黒になったら大変なので
庇えるよう頑張りつつ
もちろんおべんとうもまもります!あとでおいしくいただきます!
ケチャップライスだいすきです!
うう、つばさがおもくてじょうずにとべない…(よろよろ)
普段どういう風に戦ってたか思い出せないけど…
きっと、おれのやせいのかんはうまれつきだから…えーい!
おれだって、やるときはやりますからーーー!(願い星の憧憬)


ラナ・スピラエア
蒼汰さん(f16730)と

わわ、この姿はなんだか懐かしいですね
やっぱり杖が持ちにくいですけど…
この先に行く為です、頑張りましょうね
(一緒にえいえいおー)
汚れないように戦闘服はしっかりと

敵の姿は少し気持ち悪くて
あんまり近付きたく無い感じで後ずさり
でも、蒼汰さんが前に出る姿を見て武器を持ち直して

私は、生まれつきそんなに魔法が使えたほうではないから
戦えるか、心配です
だけど…
大丈夫、魔法は心も大切です
蒼汰さんを支えたいって想う心はいつもと同じ
だから、きっと戦えます!
蒼汰さんを真っ黒になんてさせません

春咲ノ花片でなるべく多くの敵を狙って
ああ、お弁当はあげられません!
後で一緒にピクニックをしたいんです!



 辿り着いた場所は、深く切り立った谷――『時蜘蛛の峡谷』。
 そこに張り巡らされているのは、決して避けて通ることができない蜘蛛の糸。
 けれど、これはただの糸ではなく……触れる者全てを幼児化させてしまうのだという。
 でも、5歳児になっちゃうことは、ふたりにとっては初めてではない。
 そっと一緒に手を伸ばし、その糸に触れれば。
「あああ、またちぢんでしまうなんて……」
 そうちっちゃくて柔らかくなったおててで、月居・蒼汰(泡沫メランコリー・f16730)は一生懸命、ようちえんじの戦闘服であるスモックにお着替えして。
 黄色い帽子もお花の名札もばっちり、そしてちゃんとお弁当も持って、遠足の準備は万端!
「わわ、この姿はなんだか懐かしいですね」
 ラナ・スピラエア(苺色の魔法・f06644)も汚れないようにと、蒼汰とお揃いの戦闘服をしっかりと着てから。
「やっぱり杖が持ちにくいですけど……」
 ぎゅっと握るのは、ちょっぴり今のラナのおててには大きな、星に夢見る花を閉じ込めた杖。
 けれどこの峡谷には、楽しい遠足を邪魔するいじめっこがいるらしい。
「いかとくもがあわさるなんてつよそうだけど……?」
 そもそも、いかなのか、くもなのか。
 でも何だかつよそうなイカでクモな敵に、蒼汰は金の瞳を思わず瞬かせるけれど。
 ――でも、さけてとおれないならば、うけてたちます!
 そう、ぐっと気合を入れて。
「がんばりましょうね、らなさん!」
「この先に行く為です、頑張りましょうね」
 ふたりで一緒に、えいえいおー!
 そして、てくてく仲良く、峡谷を並んで進んでいたら――。
『真っ黒になるイカー! ここから先は通さないイカー!』
 行く手を阻むのは、大きなだいおーいかたん!
 でもその姿は少し気持ち悪くて、あまり近付きたく無い感じだから。
 思わず後ずさりしてしまうラナ。
 けれど、そんなラナを庇えるように。
 そして、彼女と一緒に食べるお弁当を守るために!
「おべんとう、あとでおいしくいただきます! ケチャップライスだいすきです!」
 そう颯爽と翼をはばたかせ、前へ! ……出ようとした、蒼汰だけれど。
「うう、つばさがおもくてじょうずにとべない……」
 5歳児にはちょっと大きな翼に、よろよろ。
 けれど、それでも前に出る彼の姿を苺色の瞳に映したラナも、ぎゅっとおおきな杖を持ち直して。
 頑張って一緒に、いかたんを撃退します!
 とはいえ今の二人は、これまでの戦闘経験を奪われている5歳児。
(「普段どういう風に戦ってたか思い出せないけど……」)
(「私は、生まれつきそんなに魔法が使えたほうではないから。戦えるか、心配です」)
 一瞬過ぎるのは、そんな不安。
 ……でも。
「きっと、おれのやせいのかんはうまれつきだから……えーい!」
 ――おれだって、やるときはやりますからーーー!
 ちっちゃくなっても、蒼汰のこころにしっかりあるのは戦う意志。
 刹那、彼方の空から降るのは、いかたんをやっつける星の輝き。 
「大丈夫、魔法は心も大切です」
 自分を守る様に前に立って星を降らせる彼を見つめ、ラナもこくりとひとつ頷く。
(「蒼汰さんを支えたいって想う心はいつもと同じ」)
 ――だから、きっと戦えます!
「蒼汰さんを真っ黒になんてさせません」
 同時に、星と共に降るのは、導きの光を宿す甘い魔法。
 舞い踊る春色の花びらが、お弁当を横取りしようとするいかたんたちを包み込んで。
「ああ、お弁当はあげられません!」
 ラナは一生懸命大きな杖を握りながら、蒼汰とお弁当をしっかりと守る。
 ――後で一緒にピクニックをしたいんです! って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ベイメリア・ミハイロフ
シチカさま(f21761)と

おかしいですわ、執事のフジモトが傍にいないだなんて
不思議に思いつつ、綺麗な瞳の男の子のその瞳に惹かれ
わたくしベイメリアと申しますわ(恭しくお辞儀)
まあ、シチカさま、と仰いますの?

一緒におべんとうをもって
はぐれないようにお手てをつないでいきましょう

イカスミをうけたら
な、なかないです…だいじょぶです(震え声)
おべんとうをとられても、まだだいじょぶ
でもシチカさまをいじめたりされたら
もう!わたくし、おこりました!
持っていた赤い本がばらのお花に変化し相手に向かっていきます

ええ、大人になったら、また、必ず
約束ですよ?
真似してチュッとお返ししてみるものの
ぽぽぽと赤くなっちゃいます


シチカ・ダンテス
ベイメリアさん(f01781)と

ボクね…シチカっていうんだ!
元気に笑い可愛い女の子にご挨拶
懐かしい雰囲気を感じるけどボクには分からない

ベイメリアちゃんって言うんだ!一緒に遊ぼっ♪
おてて繋いでおべんとを持ちながら仲良くすすむ!
イカスミを浴びたら楽しげに笑って
でもベイちゃんが泣きそうになったらそわそわ…
「だいじょうぶ?悪いイカさん、ボクがやつけてあげるから泣かないで!」

うう、でも数が一杯で囲まれちゃうと泣いちゃうかも…えーん!

コンも小さくなって子供になっちゃうよ

🐺「うまそうな焼きイカ、おれにもよこせー」

ベイちゃんとやっつけて
大人になったらまた会いましょうとお約束
ぎゅーてしてほっぺにチュってする!



 峡谷に時蜘蛛が張り巡らせた糸は、触れる者の時を巻き戻す。
 そう――この場所を通り抜けようとする者から戦闘経験を奪う、5歳児にしてしまうというのだ。
 そして決して避けられぬ蜘蛛の糸に触れて。
 ちっちゃくなったベイメリア・ミハイロフ(紅い羊・f01781)は、不思議そうにこてんと首を傾ける。
「おかしいですわ、執事のフジモトが傍にいないだなんて」
 いや、彼女の傍にいたのは、執事のフジモトではなくて。
 思わず惹かれてしまう、綺麗な青の瞳をした男の子。
「わたくしベイメリアと申しますわ」
 そうぺこり、恭しくお辞儀すれば。
「ボクね……シチカっていうんだ!」
 声をかけてきた可愛い女の子に元気に笑い、男の子――シチカ・ダンテス(オウガブラッドの殺人鬼・f21761)もご挨拶!
 5歳児になっている彼には分からないけれども……でも、何だか懐かしい雰囲気を感じて。
「まあ、シチカさま、と仰いますの?」
「ベイメリアちゃんって言うんだ! 一緒に遊ぼっ♪」
 はぐれないように仲良くおてて繋いで、勿論しっかりお弁当も忘れず持って。
 いざ、遠足にしゅっぱつ!
 けれど、そんなふたりの行く手を阻むのは、真っ黒なスミを吐く、いじわるないかたんたち。
『くらえイカ! イカスミすぷらーっしゅ!』
 ――ばしゃりっ。
 だいおーいかたんが放ったイカスミを、ふたりは浴びちゃうけれど。
 楽し気に、はしゃぐように笑うシチカ。
 けれど、ふと隣を見れば。
 泣きそうな顔をしているベイメリアに気付いて、そわそわ……。
「だいじょうぶ? 悪いイカさん、ボクがやつけてあげるから泣かないで!」
「な、なかないです……だいじょぶです」
 ふるふる、震え声で頑張ってそう返すベイメリア。
 そんなベイメリアを泣かせるいかたんは、やっつける!
 ――うまそうな焼きイカ、おれにもよこせー。
 一緒にちっちゃくなったコンも、いかたんをはむはむするべくぴょこんっと戦場を駆けて。
 シチカはコンと一緒に一生懸命、えいっ! って、こぶんいかたんたちを倒そうとするけれど。
「うう、でも数が一杯だよぉ……えーん!」
 たくさんいるいかたんの囲まれちゃって、思わず泣いちゃいました。
 そんなシチカを泣かせたいかたんたちに、ベイメリアは目を向けて。
「もう! わたくし、おこりました!」
『イカッ!?』
 持っていた赤い本が、はらり解けた刹那。
 綺麗で鋭利な薔薇のお花に変化して、こぶんいかたんたちを、めっ!
 そしてみんなで一緒に、いかたんたちを退けた後。
 シチカはベイメリアに、こうお約束を。
 ――大人になったらまた会いましょう、って。
 そして、ぎゅーってして。ほっぺにそうっと……チュッて。
 そんなシチカの言葉や誓いのキスに、ベイメリアはこくりと頷いて。
「ええ、大人になったら、また、必ず」
 お返しに、チュッと……彼の真似っこするけれど。
 まるで薔薇の花が咲いたみたいに、ぽぽぽとお顔が真っ赤に。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

呉羽・伊織
【保護者不在】
――なぁみっちー、やれると思う?
何でまたこんな面子が揃ったかな~!(遠い目)
因みに俺も、此処だと何かアレな感じになるっぽいんであしからず――何が起きても、みんななかよくがんばろうね?
(天使追った瞬間、わぁちょこ可愛い☆とか思う間もなく縮んだ)

(何気にわくわくと一緒に頂きますしたのも束の間)
それは、たべちゃだめだよ!(色々と)
喧嘩もだめ!
だめなのに…あっ…俺の、たこさんが…!
(たべられた!いかくも――じゃなくて更に横からきた狐にがーんって感じの目)
ありがとみっちー!…これはやっぱりおやつなの?

ねぇまって、色々とまって!
(がんばってちゃんばらに応じつつも)
それ(財産)おもちゃなの!?


千家・菊里
【保護者不在】
こんなに楽――もとい頼もしい仲間揃いだというのに、みっちーさんにだけ話しかけるなんて酷いですねぇ?
あ、俺は昔からこんな感じなのでご安心を(?)
(以下ひらがな――混じりながらも安定ののんびり)
はいはい、じゃあお巡りさん?お母さん?をなかせないよう頑張りましょうね

(うきうき頂きますして)
美味しいですねぇ――あといかさんも美味しそうですねぇ?
(お弁当奪いに来たのを暢気に見つつ、伊織のたこさんがいかくもたんに共食い?される前にさっと援護――代わりに食べてあげた!横取じゃないよ)
ふぅ、危ないところだったね?

おや、おやつの為なら俺も頑張るしかないですね(いか焼きにしてあげたいなぁと思いつつ)


重松・八雲
【保護者不在】
うむ、戦は最早待ったなしなれば、此処は行動あるのみ!
ああ、ちょこにゃんは迷子の迷子の子猫ちゃんにならぬよう儂の腕へ!
むぅ、では泣かせるようなわるいこにはならぬと証明してみせよう!
(勇んで先陣切り――以下全ひらがなもーど)
いいこで頑張るで、ちゃんとできたら御褒美に遊んでの!

ではいざ出陣!
の前に腹がへっては何とやら!
頂きます!(わぁい!)
ばななはおやつでもでざぁとでも花丸と思うんじゃが、いかくもは食物に入るんかのう?(きょとん)
はっ、そうじゃぞ、喧嘩はめ~っ、じゃ!

致し方ない…ご馳走様したら、このばななとそのちょこにゃん希望の綾取紐(財産です)を賭け、ちゃんばらごっこで勝負とゆこう!


鈴丸・ちょこ
【保護者不在】
ちびになるとは厄介だよなぁ?――敵よりも寧ろ味方が
おう、なめるなよ児爺
犬のお巡りさんなら適任がいるだろ(さっと道明の肩のもふもふに乗り!)
お前こそお巡りさん泣かせになるんじゃねぇぞ

ん?ごはん?(突然すごく可愛い声で猫缶さいずのお弁当に目を輝かせ)
おいしいにゃ~
あっ、あれもたべてみたいにゃ!
ぼくは突然変異してるからへいき!
(迫り来るいかくもたんに更に目を爛々)
あっ、これはぼくのだぞ!
(ふしゃー!と一人前に威嚇しお弁当死守、したら伊織の方へ流弾もとい共食いもとい友食い事故)
よくも舎弟(伊織)を泣かせたにゃ(たぶん泣いてない&犯人違い)

その紐くれたらゆるす!
紐はおもちゃにきまってるよ!


吉城・道明
【保護者不在】
(大人状態でも既に色々と手に負えぬのだが)――やるしかなかろう
なせばなる、と信じるしかない
まぁ何があれど若気の至り(?)という事で、一つ
(腹を括って踏み込み)
…俺の目指すところはもののふだ、お巡りさんでもお母さんでもない(でも頑張ってちょこを守るようにきりりと)

そうだな、腹拵えはだいじだ
(きちんと一緒に手を合わせ、密かにわくわくお弁当広げ)
…菊里はともかく(?)、ちょこ殿にいかは体に毒では?(つっこむところがそこ)
む、折角のお弁当を前に喧嘩はよくない
伊織は俺のおやつ(?)をあげるから、元気を出せ(そっとバナナ渡し)

そして喧嘩でなく、正々堂々の鍛練ならつきあおう
その後は綾取もいいな



 帝竜の元へと向かうべく、戦火交え駆ける猟兵達。
 その戦いは次第に激しいものとなっているが、いかなる困難が待ち構えていようとも、足を止めるわけにはいかない。
 どの様な敵が現れようとも、退く気もなければ負ける気もしない。
 けれど、呉羽・伊織(翳・f03578)は足を踏み入れた戦場を見回しながら、吉城・道明(堅狼・f02883)へと訊ねる。
「――なぁみっちー、やれると思う?」
 その声に滲むのは、何処か不安な色。
 道明はそんな伊織に視線と共に返す。
「――やるしかなかろう」
 ……なせばなる、と信じるしかない、と。
 そんな言の葉に、伊織はそっと頭を抱えて。
 どうしても心に抱いてしまう不安を零してしまうのだった。
「何でまたこんな面子が揃ったかな~!」
 相変わらずの遠い目で!
 だが、やるしかないのだ。
(「大人状態でも既に色々と手に負えぬのだが」)
 ある意味カオスと心労の入り混じるだろう戦場に、そっと道明はひとつ溜息を落とす。
 よりによって、また。
 やってきた峡谷にて抗えぬ時蜘蛛の糸の効力は……そう、幼児化!
 そんなこれからの展開を憂うふたりを後目に。
「こんなに楽――もとい頼もしい仲間揃いだというのに、みっちーさんにだけ話しかけるなんて酷いですねぇ?」
 言葉とは裏腹に、さして気になどしていないマイペースな様子を相変わらず崩さずに。
 千家・菊里(隠逸花・f02716)はそうにこにこ笑みながら伊織へと言った後、続ける。
「あ、俺は昔からこんな感じなのでご安心を」
 そんな菊里に、ウン知ってる……とさらに遠い目になりながらも。
 伊織はこれまで何度か経験してきた己の5歳児履歴を思い返しつつ言っておく。
「因みに俺も、此処だと何かアレな感じになるっぽいんであしからず」
 ――何が起きても、みんななかよくがんばろうね? って。
 そして一番ナチュラルにカオスを生みだしそうな、無邪気な重松・八雲(児爺・f14006)に目を向ければ。
「うむ、戦は最早待ったなしなれば、此処は行動あるのみ!」
 そう、これは戦争! だから気を引き締めて。
「ああ、ちょこにゃんは迷子の迷子の子猫ちゃんにならぬよう儂の腕へ!」
 鈴丸・ちょこ(不惑・f24585)を迷子の子猫ちゃんにさせるわけにはいきません!
 そんなちょこにゃんは、小さくなる前からすでにアレな面子を見遣って。
「ちびになるとは厄介だよなぁ? ――敵よりも寧ろ味方が」
 すごくあいらしい見目に反しためっちゃしぶいイケボでそう、ごもっともなことを紡いだ後。
 ちらりとつぶらなおめめを八雲へと向けて。
「おう、なめるなよ児爺。犬のお巡りさんなら適任がいるだろ」
 ……お前こそお巡りさん泣かせになるんじゃねぇぞ、って。
 そうさっと乗るのは、道明の肩のもふもふ!
 そんな犬のお巡りさんが、困ってしまって……とならぬように。
「むぅ、では泣かせるようなわるいこにはならぬと証明してみせよう!」
 やっぱり勇んで先陣切り、時蜘蛛の糸に八雲が触れれば。
「いいこでがんばるで、ちゃんとできたらごほうびにあそんでの!」
 ぱあっと眩いほど純真なスマイルを迸らせる大天使が、再び降臨です……!
 そんな天使な元爺様を、やはりつい道明は二度見してしまうけれど。
「まぁ何があれど若気の至りという事で、一つ」
 もふもふに乗っているちょこと共に、腹を括っていざ、踏み込んで。
 伊織は、早速きゃっきゃしている天使を追った瞬間、わぁちょこ可愛い☆ ……なんて、思う間もなく縮んで。
「はいはい、じゃあおまわりさん? おかあさん? をなかせないようがんばりましょうね」
 飄々と皆に続きちっちゃくなった菊里は、安定ののんびり。
 そんな、犬のお巡りさんだったりお母さんだったり言われている道明も、5歳児になりながらも。
「……俺のめざすところはもののふだ、おまわりさんでもお母さんでもない」
 そう皆に言っておくけれど。きりり、肩にちょこんと乗っているちょこは頑張って守ります!
「ではいざしゅつじん!」
 そう無邪気すぎる5歳児すまいるで言った八雲だけれど。
 ――の前に腹がへっては何とやら!
 ということで、早速お弁当タイムです!
「そうだな、腹拵えはだいじだ」
 わぁい! と笑顔全開で、頂きます! する天使に、道明もこくり頷いた後。
 きちんと一緒に手を合わせると、密かにわくわくお弁当広げて。
「ん? ごはん?」
 道明の肩からぴょんっと降り、突然すごく可愛い声で猫缶さいずのお弁当に目を輝かせるちょこ。
 そして既にちゃんとうきうき頂きますし終え、ぱくりとおこさまランチ弁当を堪能している菊里は。
 美味しいですねぇ、とご満悦ながらも、こう続ける。
「――あといかさんもおいしそうですねぇ?」
『美味しそうなお弁当よこせイカ!』
 菊里の視線の先には、おいしそうなイカさん……もとい、だいおーいかくもたん!
 ちょこはめっちゃ可愛い声で、おいしいにゃ~って幸せそうに呟いてから。
 現れただいおーいかくもたんに気が付いて。
「あっ、あれもたべてみたいにゃ!」
 食べ応えありそうなおっきないかたんに、円らな瞳をさらにキラキラ。
 そんな二人に、お巡りさんもといお母さんもとい道明は、すかさずこうツッコむ。
「……菊里はともかく、ちょこ殿にいかは体に毒では?」
 菊里は謎に何食べても大丈夫そうな気がするから、まぁともかく。
 にゃんこであるちょこは大丈夫なのかと、そう目を向けるけれど。
 つっこむところ、そこ……??
 そんな真剣にずれたツッコミをする道明に、ちょこはえっへん!
「ぼくはとつぜんへんいしてるからへいき!」
『お弁当よこすイカ!』
 そうお弁当を狙い迫り来るいかくもたんに、更に目を爛々とさせて。
「ばななはおやつでもでざぁとでもはなまると思うんじゃが、いかくもはたべものにはいるんかのう?」
 八雲ははむりとおこさまランチを食しながらも、きょとんとキュートに首を傾けて。
 何気にわくわくと、皆と一緒に頂きますしたのも束の間。
「それは、たべちゃだめだよ!」
 伊織は赤の瞳を見開いて、慌てて食いしん坊な皆が色々と食べようとするのを止める。うん、色々と。
 それから、お弁当を狙って放たれたこぶんいかくもたんたちへと言い放つ。
「けんかもだめ!」
「む、せっかくのお弁当を前にけんかはよくない」
 道明も伊織の声に、ぱくりとわんこ型のポテトを食べながら頷いて。
 八雲もいかたんたちへと言い放つ。
「はっ、そうじゃぞ、けんかはめ~っ、じゃ!」
 けれど、相手はおぶりびおん。言う事を聞かない悪い子です!
「あっ、これはぼくのだぞ!」
 お弁当を奪おうとしたいかたんに、ふしゃー!
 ちょこの可愛い見目から繰り出された一人前な威嚇に、いかたんはびびって。
 その流れ弾……いや、とっておきのタコさんウィンナーがいかたんたちに奪われちゃったら可哀想だから。
「けんかはだめなのに……あっ……おれの、たこさんが……!」
 悪いいかたんに気を取られている伊織のたこさんが、いかくもたんに共食いされる前に。
 ――ぱくり。
 菊里はすかさずさっと援護!
「ふぅ、あぶないところだったね?」
 代わりにたこさんを食べてあげました! 横取じゃないよ?
 そんなたこさんに、たべられた! と、がーんって感じの目をする伊織。
 ええ、たべられちゃいました。いかくもたん――じゃなくて、更に横からきた狐さんに。
 そして道明は、ちいさくなっても不憫さを拭えない伊織に、そっと差し出す。
「伊織は俺のおやつをあげるから、げんきを出せ」
 取り出したおやつ? のバナナを。
 しょぼんとしていた伊織も、渡されたバナナに嬉しそうに笑みつつ。
「ありがとみっちー! ……これはやっぱりおやつなの?」
 そうふと、きょとり。
 そしてそんな伊織の様子に、ちょこはいかくもたんたちに言い放つ。
「よくもしゃていをなかせたにゃ」
 ……たぶん泣いていないし、犯人違う気もしますけど……?
 まぁ、そんな細かいことは置いておいて。
 ちょこは猫の本能を擽られ、つい。
「そのひもくれたらゆるす!」
 いかくもたんたちが紡ぐ時蜘蛛の糸に、にゃにゃっとじゃれてしまいつつも言えば。
 すくりと勇ましく立ち上がるのは、きちんと御馳走様をした天使。
「いたしかたない……このばななとそのちょこにゃんきぼうのあやとりひもをかけ、ちゃんばらごっこでしょうぶとゆこう!」
 おやつっぽいバナナと、実は財宝な綾取紐を掛けていざ、いかくもたんたちと尋常に勝負!
 そして同じく真面目にご馳走様した道明も頷いて続く。
「けんかでなく、正々堂々のたんれんならつきあおう」
 ――その後は綾取もいいな、と。
 いや、えっと、それ財宝……!
 そして、まだご馳走様をする気配が全くない様子で。
「おや、おやつのためならおれもがんばるしかないですね」
 ……いか焼きにしてあげたいなぁ。
 そう可愛いおててにちっちゃい狐火を生み出す菊里。
 そんな愉快なみんなの様子に、いかくもたんと頑張ってチャンバラしながらも。
 ちっちゃくなっても、やはり伊織はツッコまずにいられない。
「ねぇまって、いろいろとまって!」
 多分、いかくもたん食べても美味しくなさそうだし、毒かもしれないし。
 そもそも、伊織のたこさん食べたのは、いかくもたんじゃないし。
 さらに。
「それ、おもちゃなの!?」
 にゃにゃっと糸にじゃれてる、言い出しっぺのちょこへと目を向ければ。
 ちょこは金貨950枚の価値のある綾取糸をべしべししながら、何を当たり前のことを、という感じの視線を伊織に向ける。
 ――ひもはおもちゃにきまってるよ! って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

蘭・七結
【春冬華】

みなさんおそろい、ね
りりしいあなたも
うつくしいあなたたちも
いまだけはおんなじ
せたけだって、こんなにちかしい

おこさまらんち
といろのゆめがつまっているわ
もちろんよ、すぐるさん
ひとくちでなくとも、いくらでも
ああ。おなかがすいてしまう
たんれん、をおえないとね

おおきいイカさん
『あなたのおいしいところは?』
はりと、あかいいと
すぐるさんのおともだちにわたすわ
ふわもこさん、よろしくね
なゆはぐるぐるちくちく
ぬいつけましょう

リルさんのうた
ヨルさんがいっぱい
ひ、ふ、み――かぞえるのはやめ
サヨさんのミコトさんもやわいのね
ふわふわしましょう

ふれるふわもこさん
ぎゅうとしたのなら、あたたかだわ
だっこしても、いい?


リル・ルリ
【春冬華】

みんなちいたい!
みんなとおそろいの、すもくを着てうれしい気持ちでいっぱいだ
短い尾鰭でぴるぴる泳いで一生懸命ついていく

さよとなゆは、おこさまらんちなんだ
さよ、ぼくにもちょうだい
あーん
おいしい!
ぼくは、すぐるといかをたべるよ
やくとおいしいんだって
さよとなゆにもあげるんだ!
ヨル、がんばっていかをつかまえるぞ!

「ヨルの歌」を歌ってたくさんのヨルをよびだして、えーい!とつげきだー!
ちくちくするふわもこさんと、大きいねこ(ちょっと怖い)といっしょだ
ふわふか、きもちいいね
あ!ヨル、つまみぐいはいけないよ!

たくさんのヨルにぎゅうとうもれてしあわせきぶん
ぴぃ!?
さよのねこに、ぺろりと舐められ飛び跳ねる


誘名・櫻宵
【春冬華】

英、すもっくにあってるわ
あなたが着てるからわたちもはずかしくないもん
七結もリルもかわいいわね

英とリルはいか狩りなのね
わいるどだわ
わたちは七結とおこさまらんちよ
旗がたってるのが、えらいんだから
しょうがないわね、リル
あーん。おこさまの力をつけて、ちゃんといかを狩るのよ

じゃあわたちは、ミコトちゃんにてつだってもらうわ!
ぼわんとあらわれたおおきな猫が、いかを弄んでるわ
英のふわもこも可愛くて抱っこしてみたいわね
たくさんのヨルに、ふわもこさんに、七結はちくちくするのがおじょうずね!
はなよめしゅぎょうは、ばっちりかしら!

ふかふかにふわふわにつつまれて
おねむになりそう――ミコト、リルはたべちゃだめ!


榎本・英
【春冬華】

帽子にスモック、まるで本物の幼児
いや、今は幼児だった……。

りる、ヨル、あれをたおしてイカをたべよう
イカやきは、とてもおいしいのだよ
さよとなゆは……おこさまらんちかい?
一口だけ、きになるのだよ

あんなに小さなふわもこたちも
この身だと大きく見えてしまう

きょうはなゆの、はりといと
ふわもこたち、たべやすい大きさにしてくれたまえ
できるね?

たくさんのヨルは、かわいいものだ
さよのネコもかわいらしいね
みんなまとめて、ふわふわしよう

しかし、こんなにたくさんのヨルがいたら
イカのとりあいになるね
私のイカもわけよう

なゆのほっぺにふわもこをおしつけてふわふわ
あたたかいだろう?



 やってきた峡谷に張り巡らされた蜘蛛の糸。
 けれどこれは、ただの糸ではない、時蜘蛛の糸。
 触れた者を、例外なく本来の姿から変えてしまうのだという――5歳児の姿に。
「みなさんおそろい、ね」
 そう笑む蘭・七結(まなくれなゐ・f00421)も勿論、ちっちゃな5歳児。
 勿論それは、七結だけではない。
 ……りりしいあなたも、うつくしいあなたたちも。
「いまだけはおんなじ。せたけだって、こんなにちかしい」
 そう、みーんなおなじ!
「みんなちいたい!」
 リル・ルリ(『櫻沫の匣舟』・f10762)もぱあっと嬉しそうな笑顔を宿して。
 ご機嫌な様子で、ちいさい月光ヴェールをぴちぴち。
 みんなちいたい上に、おそろいのすもくを着て――うれしい気持ちでいっぱいだ、って。
「帽子にスモック、まるで本物の幼児」
 榎本・英(人である・f22898)は少しずりずり下がってきた黄色い帽子をくいっと上げつつ。
 そうっと揃いのようちえんじ装備に身を包む身をを見遣り、続ける。
 いや、今は幼児だった……って。
 そんなスモック姿に何処か落ち着かず、そっとそわっとしている英に。
 誘名・櫻宵(貪婪屠櫻・f02768)も、にぱっと微笑む。 
「英、すもっくにあってるわ。あなたが着てるからわたちもはずかしくないもん。七結もリルもかわいいわね」
 そして七結と顔を見あわせ微笑み合って。
 短い尾鰭でぴるぴる、一生懸命泳いでついてくるリルに手を伸ばし、ちっちゃなおててをぎゅう。
 みんなでいざ、たんれんえんそく!
 けれどてくてくみんなで歩いていれば、おなかがくぅ、って鳴ったから。
 ちょっぴり休憩を兼ねた、お弁当タイム!
 ぱかりと七結が蓋を開けば、重箱に咲くのは5歳児の心を掴む美味の花。
「おこさまらんち。といろのゆめがつまっているわ」
 櫻宵もちょこんとお行儀良く七結とお隣に座って。
「わたちは七結とおこさまらんちよ。旗がたってるのが、えらいんだから」
 ケチャップライスに立っている可愛い猫さん柄の旗をそっと摘まんで、ちょっぴりえっへん。
「さよとなゆは、おこさまらんちなんだ」
 リルはヨルと一緒にふたりのお弁当を見つめ、そうくるり薄花桜の瞳を柔く瞬かせれば。
『美味しいお弁当よこすイカー!』
 やってきたのは、だいおーいかくもたん!
 英はそんないかたんをじーっと見つめてから続ける。
「りる、ヨル、あれをたおしてイカをたべよう」
 ……イカやきは、とてもおいしいのだよ、って。
 そんな美味しいお誘いに、リルもヨルもこくり頷き、櫻宵へと嬉しそうに告げる。
「ぼくは、すぐるといかをたべるよ。やくとおいしいんだって」
「英とリルはいか狩りなのね、わいるどだわ」
 櫻宵の言葉通り、わいるどなごはんにありつくためには、体力をつけておかなければならないから。
「さよ、ぼくにもちょうだい」
 リルはそう、櫻宵におこさまランチのお強請りを。
 そんなリルに淡い微笑みを咲かせながら。
「しょうがないわね、リル。あーん」
 ……おこさまの力をつけて、ちゃんといかを狩るのよ。
 そう、いかたさんたちを狩るべく。タコさんウィンナーをひとつ、あーんしてあげれば。
「あーん。おいしい!」
 ぱくり、食べたリルの笑顔は満開。
 そして英も、そろりとふたりのおこさまランチ弁当を見つめて。
「さよとなゆは……おこさまらんちかい?」
 ……一口だけ、きになるのだよ。
 そう続いた言の葉に、七結は彼にもお裾分けしてあげて。
「もちろんよ、すぐるさん。ひとくちでなくとも、いくらでも」
 七結は英にもたこさんウィンナーを差し出した後。
 あかいイチゴもそっと、彼の口に運びながら紡ぐ。
 ――ああ。おなかがすいてしまう、って。
「たんれん、をおえないとね」
 それから、タコさんを貰って元気もいっぱい。
「さよとなゆにもあげるんだ!」
 ――ヨル、がんばっていかをつかまえるぞ!
 そう張り切るリルに、キュッと鳴くヨルだけど。
 リルが一生懸命楽しく『ヨルの歌』のおうたを歌えば――えーい! とつげきだー! って。
 戦場を勇ましく歩くのは、いーっぱいのヨル。
 そんなヨルたちを、ひ、ふ、み、と七結は数えてみたけれど――でもいっぱいだから、かぞえるのはやめ。
 そして英も、毛糸玉じみた愉快なふわもこたちを喚べば。
 ――あんなに小さなふわもこたちも、この身だと大きく見えてしまう。
 改めて実感する、5歳児の目線。
 七結はそんな英のふわもこたちに渡す為に、おおきいイカさんに問う。
 ――『あなたのおいしいところは?』って。
『下足かなイカ、それともエンペラ……?』
 うーんと曖昧に応えるいかたん。
 そしてつむいだ言葉から七結が召喚するのは……はりと、あかいいと。
 それを英のお友達に七結は手渡す。
「ふわもこさん、よろしくね」
 それから七結も、いかたんをぐるぐるちくちく。
 英は、はりといとを渡されたふわもこたちに、こう紡ぐ。
「ふわもこたち、たべやすい大きさにしてくれたまえ」
 ――できるね? って。
 そんないっぱいのヨルや頼もしいふわもこたちを目にして。
「英のふわもこも可愛くて抱っこしてみたいわね。たくさんのヨルに、ふわもこさんに」
 ――じゃあわたちは、ミコトちゃんにてつだってもらうわ!
 刹那、ぼわんとあらわれたのは、おおきな猫さん!
『イカッ!?』
 そして、いかを弄んでいるミコトを後目に、ちくちく上手な七結へと笑む。
「七結はちくちくするのがおじょうずね! はなよめしゅぎょうは、ばっちりかしら!」
「ちくちくするふわもこさんと、大きいねこといっしょだ」
 おっきな猫さんは、リルにはちょっぴり怖いけど……でも、一緒にイカを捕まえるべく頑張って。
「いっぱいのヨルさんも、サヨさんのミコトさんもやわいのね」
「たくさんのヨルは、かわいいものだ。さよのネコもかわいらしいね」
 ――ふわふわしましょう。
 ――みんなまとめて、ふわふわしよう。
 七結と英は、同じ考えを紡ぐなかよしさん。
「ふわふか、きもちいいね」
 リルもぽふり、もふもふに埋もれながらも。
 ハッとふと顔を上げて、おおきなおめめをぱちくり。
「あ! ヨル、つまみぐいはいけないよ!」
「しかし、こんなにたくさんのヨルがいたら、イカのとりあいになるね」
 私のイカもわけよう――そう英はもふもふしながらも、ヨルにも、狩ったイカをお裾分け!
 それから……もっふり。
「あたたかいだろう?」
 七結のほっぺにふわもこをおしつけて、ふわふわ。
 ――だっこしても、いい?
 そのふわふわを七結がぎゅうとしたのなら、ふんわりあたたかで。
 櫻宵と一緒に、きゅきゅーっといーっぱいのヨルにぎゅうと埋もれて、幸せ気分だったリルだけど。
「――ぴぃ!?」
「おねむになりそう――ミコト、リルはたべちゃだめ!」
 ぺろりとミコトに舐められ、飛び跳ねてぴょこんっ。
 そんなリルに、櫻宵はびっくりしつつもミコトに言って聞かせてから。
 改めてみんなで、ふかふかにふわふわ包まれながら――今度は、すやぁっとおひるねタイム。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジャスパー・ドゥルジー
【邪蛸】
だいすきなパウルとあそびにきたぜ
ミツル?ちがうちがう
きょうはちゃんと『ジャスパー』

せんとうふくでおこさまランチ
さいしょに食べるのはもちろん…!
パウルはどれがすき?
あはは、おれもだいすきだぜ

おはなのゆびわをもらおうとしたところで
ゆびわがイカにつぶされちゃう
ゆるさないぞ!
ぐらんつにのるパウルのうしろ
黒いさんりんしゃ(宇宙バイクFinsternis)でくっついてく
おれのはな、ふぃんしゅ(噛んだ)
…『ふぃん』だぜ!

『げへな』でイカとたたかう
イカよりタコとおれのほうがつよいもん!

ぶじたおしたら
ゆびわがだめになっちゃっておちこむパウルに
たんぽぽでつくったゆびわをあげる
おれのもあるんだ
おそろいだよ!


パウル・ブラフマン
【邪蛸】
ジャスパーとおでかけだよ☆

いっしょにおべんと♪
ジャスパーのすきなミートボールあーんしたげるね。
ハンカチでおくちぷきぷきもしたげる!
オレのすきなのはジャスパーだよ!えっ、ちがう?

なまえのしらないおはなでつくったゆびわ。
ジャスパー、おっきくなったらオレとけっこん…
やっ…いかさんなにするの?!
ジャスパーにあげるゆびわ…ぺしゃんこになっちゃった…

ゆーべゆこーどはつどう!
おまえぜったいにゆるさないぞ!!
ぐらんつ(三輪車)のさびにしてやる!!!

ぐらんつで【ふみつけ】たら
くらーくの【いっせいはっしゃ】で
いかどもをあなあきちーずにするね。

きれいなゆびわ…
ふぇ、おそろい?
ぐすんっ…ジャスパーだぁいすき♪



 今日は、深く切り立った峡谷でたんれんえんそく。
 時蜘蛛さんが張り巡らせた糸に触れれば……みーんな、5歳児になっちゃいます!
 ジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)はだいすきなパウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)と、この峡谷に遊びに来たのだけれど。
 ……ミツル? ちがうちがう。
 そうふるふると首を横に振って、パウルとこいびとつなぎでおててをぎゅっ。
 5さいは5さいでも、きょうはちゃんと『ジャスパー』だから。
 そんなジャスパーはいいこだから、ちゃんとパウルとお揃いで、ようちえんじの戦闘服にすちゃっとお着替えして。
 てくてく歩いていたけれど、おなかがすいたから。
 大事に持っていたおこさまランチ弁当を取り出して、おひるごはん!
 それから、ぱかりとお弁当のふたをあければ、ピンクと紫の瞳がキラキラ。
 さいしょに食べるのはもちろん……!
「ジャスパーのすきなミートボールあーんしたげるね」
 パウルにあーんしてもらった、大好物のミートボール!
 でも、いつもミートボールは美味しいけれど……だいすきなパウルにあーんしてもらったら、もっともっとおいしくて。
「パウルはどれがすき?」
 そう今度はお返ししようと思って、訊いてみれば。
 パウルは、ぱあっと笑んで即答!
「オレのすきなのはジャスパーだよ!」
 それから、えっ、ちがう? って、こてんと首を傾けるけれど。
「あはは、おれもだいすきだぜ」
 ジャスパーはそう笑ってから。
 ミートボールも勿論大好きだけど……でも、やっぱりこれもだいすき、と。
 次に口付けるのは、タコさんウィンナー。
 パウルはそんなジャスパーへと、そっと手を伸ばして。
「ハンカチでおくちぷきぷきもしたげる!」
 ミートボールのソースがついているふにふにほっぺを、ぷきぷき拭ってあげる。
 それからふたりでおてて合わせて、ごちそうさましたあと。
 たんれんえんそく、再開!
 そしてお花畑でちょっぴり休憩を。
 なまえはしらないけど、でも、とってもきれいだったから。
 パウルは見つけたお花を摘んで、編み編みして。
「ジャスパー、おっきくなったらオレとけっこん……」
 作った指輪を、そっと手を取ったジャスパーの指にはめてあげようとした……その時。
『ここから先は、通さないイカー!』
 現れたのは、いじわるなだいおーいかたん!
「やっ……いかさんなにするの!?」
 ――ジャスパーにあげるゆびわ……ぺしゃんこになっちゃった……。
 そう、しょんぼりしちゃうパウルだけど。
 ……ゆーべゆこーどはつどう!
「おまえぜったいにゆるさないぞ!!」
 そして幼いながらもカッと見開いた瞳をいかたんに向ける。
 ――ぐらんつのさびにしてやる!!! って。
 そんな三輪車仕様のぐらんつに乗る、パウルのうしろ。
「ゆるさないぞ!」
 ジャスパーも一生懸命キコキコ、あいしゃの黒いさんりんしゃでくっついていきます!
 そして颯爽といかたんに言い放つジャスパー。
「おれのはな、ふぃんしゅ……ふぃ、えっと……」
 ――『ふぃん』だぜ!
 噛んじゃって言えなくても、問題なし!
 だって。
「イカよりタコとおれのほうがつよいもん!」
 刹那、ゆびわをぺしゃんってしたいかたんへの怒りを糧に、『げへな』をぶわーって燃やして。
『……イカッ!?』
 パウルは、ぐらんつで容赦なくいかたんをぺちゃんこに踏みつけた後。
「いかどもをあなあきちーずにするね」
 くらーくの一斉発射!
 そして、だいおーいかたんがわたわた退散した後。
「いかさんはたおしたけど……ゆびわ……」
 そうぽつりと呟いて、またしゅんとしちゃうパウル。
 けれど、パウル、って声を掛けられてふと顔を上げれば。
「きれいなゆびわ……」
「たんぽぽでつくったゆびわをあげる」
 ジャスパーはパウルの薬指に、たんぽぽの指輪をはめてあげて。
「おれのもあるんだ。おそろいだよ!」
「ふぇ、おそろい?」
 そうそっと手にしたお揃いの指輪を、今度はパウルがジャスパーの薬指にはめてぁら。
 ふたりで、誓いのたんぽぽ咲いた、おそろいのちっちゃなおててを並べて。
 たんぽぽみたいに笑顔を咲かせながら、パウルはジャスパーをぎゅーっ。
 ――ぐすんっ……ジャスパーだぁいすき♪ って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴォルフガング・ディーツェ
千織(f02428)と
※精神ごと退行
※生まれからイカを見たことがない

えんそく…ってなんだ?そとでめしくうの?
…しかたねーな、まいごになりそうだから、て、つないでやる!(赤面ぷいっ)

なんだこれ、まーもらえるもんはなんでももらうぜ(スモックに尻尾穴をがつっと空けつつぼうしもいそいそ着る)
…ちおはぶきようだな(見かねて手伝う)

ん、いいけしきだな、べんとーくうか!
おれはさんどいっちとぽてとふらいだ…そだな、いがいとわるくねーかも

あー!くろいなんかはいてきやがった!!
おい、なんかよくわかんねーいきもの!ちおをなかせるんじゃねーぞ!

ぷんすこしながら怒りで【指定UC】を無自覚発動
魔獣の手でイカをぶん殴る


橙樹・千織
ヴォルフガングさん(f09192)と
※精神ごと退行

ぼるふとえんそく!
そう!みんなであそびにいって、おべんとたべるのよ!
ちお、てつなぎたいなー
なんてにこにこ

ぇ、すもっく…きなきゃ、だめ?
着るのにもそもそ四苦八苦
えへへ、ありがとー
ぼるふ、にいさまみたい

ぼーるふ、おべんとたべよ!
なにがはいってるかなー?
ふふ、おいしーね

ちおの、でざーと…
真っ黒けなお弁当に俯きふるふる
※好きな物は後に取って置く主義

ちおはひめみこだからなかないもの!
めっちゃ涙目で敵を睨み
…ぁ
何かを思い付く

ちおのかあさま、いかにごはんつめるおりょーりじょーずなの
あなたにごはんをつめたら
みーんなでうたげができるね
にっこり笑えば燐椿が咲く



 やってきた峡谷は、時蜘蛛さんの糸でいっぱい。
 そしてそれに触っちゃったら――たちまちみんな、5歳児に!
「ぼるふとえんそく!」
 るんるん尻尾を揺らしながら言った、5歳児の橙樹・千織(藍櫻を舞唄う面影草・f02428)に。
「えんそく……ってなんだ? そとでめしくうの?」
 こてんと首を傾げつつ、これまた5歳児なヴォルフガング・ディーツェ(花葬ラメント・f09192)は瞳をぱちくりさせるけれど。
「そう! みんなであそびにいって、おべんとたべるのよ!」
 こくこく頷いた後、千織は、ちっちゃくてふっくらしたおててを差し出して。
 ――ちお、てつなぎたいなー。
 そう、ほわほわ、にこにこ。
 そのかわいいおててと、千織の顔を交互にちらちらっと見てから。
「……しかたねーな、まいごになりそうだから、て、つないでやる!」
 ぎゅっと手を握りしめながらも、ふわもこ尻尾をゆらり。
 赤面ぷいっしたヴォルフガングは、あるものを見つけて。
 もう一度首を傾けつつ、繋いでいない方の手で広げてみる。
「なんだこれ、まーもらえるもんはなんでももらうぜ」
 それは――ようちえんじの戦闘服、スモック!
 ヴォルフガングはスモックに尻尾穴をがつっと空けつつ、黄色いぼうしもいそいそ着て、お花な名札もすちゃりと装着。
「ぇ、すもっく……きなきゃ、だめ?」
 千織も彼に倣い、もそもそスモックに腕を通そうとするけれど。
「……ちおはぶきようだな」
 四苦八苦している姿を見かねて、お手伝い。
 そんな彼に、えへへ、ありがとーって千織は笑んで。
「ぼるふ、にいさまみたい」
 装備完了すれば、またおててつないで――いざ、遠足に出発!
 しばらくてくてく歩いていたけれど、おなかがきゅうって鳴ったから。
「ぼーるふ、おべんとたべよ!」
「ん、いいけしきだな、べんとーくうか!」
 見晴らしのいい峡谷で、おべんとうタイム!
「なにがはいってるかなー?」
「おれはさんどいっちとぽてとふらいだ」
「ちおのでざーとは、いちご!」
 そうきゃっきゃとふたりで、おかずの交換ことかもしながら。
「ふふ、おいしーね」
「……そだな、いがいとわるくねーかも」
 楽しく美味しく、お弁当を食べていた――その時だった。
『おいしいごはんの邪魔してやるイカー!』
 ――イカスミすぷらーっしゅ!
 突如現れた、だいおーいかたんのイカスミが、ばしゃりっ。
 刹那、ふるふると震え、俯く千織。
「ちおの、でざーと……」
 折角、最後の楽しみにと、大好きなデザートを取っていたのに。
 無残にもお弁当は、真っ黒け。
「あー! くろいなんかはいてきやがった!!」
 ヴォルフガングはそう瞳を瞬かせながらも、しょんぼりしている千織を見てから。
「おい、なんかよくわかんねーいきもの! ちおをなかせるんじゃねーぞ!」
 呪詛で変貌させた魔獣の四肢や尾をぶんぶん、ぷんすこ!
『……イカッ、いたっ!?』
 無自覚発動させた魔狼傀儡の魔獣の手で、いじわるないかたんたちを、ぼこぼこぶん殴ります!
 デザートが真っ黒になっちゃって、すごく悲しかったけれど。
「ちおはひめみこだからなかないもの!」
 そう、めっちゃ涙目で敵を睨みながらも。
「……ぁ」
 何かを思い付いた千織は、こう続ける。
「ちおのかあさま、いかにごはんつめるおりょーりじょーずなの」
 ヴォルフガングがいい具合に叩いたいかたんに、にっこり。
 瞬間、ふわり燐椿を咲かせ灯しながら、千織はいかたんを見つめる瞳を細め続ける。
 ――あなたにごはんをつめたら、みーんなでうたげができるね、って。
 そう……5歳児でも、たべもののうらみは、こわいんです!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヘスティア・イクテュス
【宙花】
わたし、ヘスティア・イクテュス。5さい!
お父しゃまみたいなりっぱなかいぞくになるため、おたからを手に入れるわ!(園児服フル装備)


澪のお弁当をもったイカにティターニアで飛んで空から奇襲【空中戦】
ミスティルテインで撃ち抜いてお弁当を奪取!ふふふ、かいぞくらしくいただいていくわ!

返してって言ってる5歳時に
このおべんとうはわたしがとったからわたしのよ!と返答
ってうるさいわ!?(澪のUCに両手で耳を覆い澪の元へお弁当を落とす)

トドメはエネルギーMAXブラスターモード【力溜め】
おべんとうはおとしたから代わりに糸を狙うわ

元にもどったら
わーい!おこしゃまランチ~等澪の言ってたことを声真似し全力で煽る


栗花落・澪
【宙花】
※ようちえんじフル装備

わーいおこしゃまランチー!
はたはボクのだからねっ

支給されたお子様ランチを大事に抱えていたが
いかたんにお子様ランチ取られてぷんすこぴょんぴょん

わーん、それボクのだよ!
かえしてぇ!

翼の【空中戦】で取ろうとしても
短くなった小さい手では上手く取れなくて
更にヘスティアさんに奪われたらいかたんとヘスティアさんを交互に見てから
瞳をうるるっと潤ませ
うぅ…ボクの、ぼくのおべんと…ぅ
ふええぇーーー!!

うっかり【指定UC】を発動して
鳴き声がそのまま巨大な文字(物理)になっていかたんにどーん
でもおべんと戻ってきたらぐずぐす泣き止む

記憶が戻ったら真っ赤になって崩れ落ちることでしょう



 深く険しい谷には、キラキラ輝く蜘蛛の糸。
 その糸……時蜘蛛の糸に触れれば。
 ――わたし、ヘスティア・イクテュス。5さい!
 そう、みーんなヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)みたいな、5歳児になっちゃいます!
 そんなヘスティアは、すちゃっとスモックに腕を通して、黄色い帽子もお花名札もばっちりな園児服フル装備。
 それから、びしいっとこう宣言!
「お父しゃまみたいなりっぱなかいぞくになるため、おたからを手に入れるわ!」
 そしてヘスティアがお宝ゲットに意欲を燃やしている隣で。
「わーいおこしゃまランチー!」
 ……はたはボクのだからねっ。
 そう支給されたお子様ランチを大事に抱えているのは、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)。
 今度はどんな旗が美味しいケチャップライスに立ってるんだろうかと、そう、わくわくそわそわしながらとてとて歩いていた澪お子様ランチだけれど。
『美味しいお弁当、よこせイカー!』
「……!?」
 突然現れただいおーいかたんに、おこさまランチ弁当を奪われてしまいました!?
 そんないじわるするいかたんに、お子様ランチはぷんすこぴょんぴょん一生懸命ジャンプして。
「わーん、それボクのだよ! かえしてぇ!」
 お弁当を取りかえそうと、翼をばさり。
 空中からいかたんの握るお弁当を返して貰おうとするけれど……短くなったちっちゃなおててでは、なかなか上手く取れない。
 そんな澪を後目に、ヘスティアはティターニアで飛んで、澪のお弁当をもったイカに狙いを定めると。
『……っ! イカッ!?』
 空から奇襲! 可変型のビームライフル・ミスティルテインでいかたんを撃ち抜いて。
「ふふふ、かいぞくらしくいただいていくわ!」
 見事、美味しいお弁当を奪取!
 そんなヘスティアといかたんを、澪は交互に見てから。
「うぅ……ボクの、ぼくのおべんと……ぅ」
 返して……ってそう、円らでおっきな瞳をうるるっと潤ませるけれど。
「このおべんとうはわたしがとったからわたしのよ!」
 ヘスティアは澪にそう返して。
 その言葉に、澪はえぐえぐ泣きながら。
「ふええぇーーー!!」
 うっかり発動させてしまう『彩音』!
 その泣き声がそのまま巨大な文字になって、物理的にいかたんにどーん!
「ってうるさいわ!?」
 その声に堪らず、ヘスティアが両手で耳を塞げば。
 ぽとりと、澪の元へと無事戻って来るお弁当。
 澪は戻って来たお弁当をぎゅうっと抱きしめながらも、ぐずぐす泣き止んで。
 ヘスティアがいかたんへのトドメにとぶっ放つのは、エネルギーMAXのブラスターモード!
 お弁当は落としちゃったけれど――代わりに、お宝の糸を狙います! 
 そしてきっと、ふたりが元に戻ったら。
「わーい! おこしゃまランチ~」
 澪の言っていたことを声真似し、全力で煽るヘスティアと。
 真っ赤になって崩れ落ちる澪の姿が、容易に想像できるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月待・楪
氷月(f16824)と
アドリブ等歓迎

ひづ、すもっくにきがえるぞ
すみでよごれたくねーもん
なふだもわすれんなよ
きもちわりー、あっちとおろーぜ

ひづ、おれのおべんとう、すぺーすしゃとるのゆでたまごはいってたから
あとでこうかんな!
ぅ…びりびりすんの?
せっかくのばなな、まっくろにすんなよ?

うわ、こっちくゆないかやろー!
だいじょーぶ
おまえのせなかはまもるから

じっせんけーけんがないほーがつごーいい
…いつも、あとがいたいのやだから
さいきっく、ふるぱわーしねーよーに、しちまうし
こんとろーるできなくてもこれならいける
かげんできねーふるぱわーの【ねんどうりき】で【きゃっつてーる】だ!

ん…さんきゅ、のぞむ
(頬にキス)


氷月・望
楪(f16731)と
アドリブ等歓迎

ゆじゅと、ゆじゅのお弁当は
ボクがまもるぞー!(ふんすふんす!
うん!すもっく、おきがえたいむ!
これでおっきなイカでも、こわくな……
あれ?イカ?クモ?

A&W製のおこさまランチ!
おほしさまあるかな、あるかなー?
すぺーすしゃとりゅ!すげーっ、かっこいー!
えへへ、おほしさまポテトはゆじゅにあげるんだー
おやつのバナナ……ビリビリで、メラメラしたらあまあま?

わっ、でたー!?
(反射的に楪の後ろに向かおうとして、ぴたっ)
ま、まもるもん……!ゆじゅがいるんだもん!
このこの!どっかいけー!(ワイヤーぶんぶん)

……終わったら、ゆじゅに『煌花』
いたいのいたいのとんでけー、だよ?きゅふふ



 険しくて深い谷も、いっぱい張り巡らされている時蜘蛛の糸も、なんのその!
 その糸に触れれば、みんな幼児化……5歳児になってしまうというけれど。
「ゆじゅと、ゆじゅのお弁当はボクがまもるぞー!」
 そう、ふんすふんす!
 元気いっぱい、気合十分なのは、5歳児になった氷月・望(Villain Carminus・f16824)。
 そう張り切る望に、やっぱり5歳児な月待・楪(Villan・Twilight・f16731)は目を向けて。
「ひづ、すもっくにきがえるぞ。すみでよごれたくねーもん」
 なふだもわすれんなよ、と声を掛ければ。
「うん! すもっく、おきがえたいむ!」
 んしょんしょ、とスモックにお着替えして、名札を付けて黄色い帽子をぺかっとかぶれば、完璧な園児装備!
 望はちゃんと上手にお着替え出来て、えっへん!
「これでおっきなイカでも、こわくな……」
 そしてふと、こてんと首を傾ける。
 ……あれ? イカ? クモ? って。
「きもちわりー、あっちとおろーぜ」
 何だかだいおーいかたんがいそうなところを避けつつ、とてとてとふたり、峡谷を歩きながら。
 やっぱり遠足と言えば、お弁当!
「A&W製のおこさまランチ! おほしさまあるかな、あるかなー?」
 そうウキウキそわそわする望に、楪はにっと笑んで。
「ひづ、おれのおべんとう、すぺーすしゃとるのゆでたまごはいってたから、あとでこうかんな!」
「すぺーすしゃとりゅ! すげーっ、かっこいー!」
 望はそう興奮気味に言った後、えへへって笑う。
 ――おほしさまポテトはゆじゅにあげるんだーって。
 それから、お弁当のあとのおやつはこれ!
「おやつのバナナ……ビリビリで、メラメラしたらあまあま?」
 そもそも、バナナはやはりおやつ??
 そう首を再び傾げる望を、楪はちらっと見る。
「ぅ……びりびりすんの? せっかくのばなな、まっくろにすんなよ?」
 あまあまはいいけれど、まっくろはちょっと食べられそうにないから。
 そうこうふたりで暫く、楽しく遠足していたけれど。
『ここから先は、通さないイカー!』
 行く手を塞ぐのは、おっきなだいおーいかたん!
「わっ、でたー!?」
「うわ、こっちくゆないかやろー!」
 思わず反射的に楪の後ろに向かおうとして、ぴたっ。
 そう頑張って踏みとどまった望に、楪は笑んで言葉を投げる。
「だいじょーぶ、おまえのせなかはまもるから」
 こんな声に、望はこくこく頷いて。
「ま、まもるもん……! ゆじゅがいるんだもん!」
 ――このこの! どっかいけー!
『イ、イカ!?』
 ワイヤーをいかたん目掛け一生懸命、ぶんぶん!
 そんな頑張っていかたんに立ち向かう望の背中を護りながら、楪は円らな瞳をそっと細める。
「じっせんけーけんがないほーがつごーいい」
(「……いつも、あとがいたいのやだから。さいきっく、ふるぱわーしねーよーに、しちまうし」)
 でも――こんとろーるできなくてもこれならいける、って。
 刹那、イカスミを吐こうとしただいおーいかたんへと楪が放つのは。
「かげんできねーふるぱわーのねんどうりきで、きゃっつてーるだ!」
『……イカーッ!』
 子どもだから加減できない衝撃で、いかたんを追い払いました!
 それから、とてとてっと楪の傍に駆け寄って。
「いたいのいたいのとんでけー、だよ? きゅふふ」
 望が楪にあげるのは、あったかい色がいっぱいの火花。
 そして、楪のお返しは。
「ん……さんきゅ、のぞむ」
 やわらかいふにふにのほっぺたにそっと触れた、ありがとうのキス。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

落浜・語
【狐扇】

幼児化するって、言ってもヤドリガミだとどうなるんだ…?
まぁ、アルダワでも同じことやったし今更、なのか……。

あーここだと俺のまま小さくなるのか…(右目は常盤色に)
んーとえーと…どうしようか。
UC【紫紺の防禦】をつかう。自分でできなくても、こはくがくれたこれがまもってくれるもん。
いじわるなイカは、やいちゃおうね!
でも、やいたイカだと、アザラシさんはきらいかな?
じゃあ、こりゅう、かみなりでイカのうごきを、とめてね。
あとでみんなで、ごはんにしよう。


吉備・狐珀
【狐扇】

墨で汚れては困りますし戦闘服?と帽子をお借りした方が良さそうですね
それとA&W特製おこさまランチ弁当ははずせません!

遠足の邪魔するだいおーいかくもたん、めっです!
このお弁当はかたりくんと食べるんだからとっちゃだめっ
いじわるする子はお仕置きなの!

こはく知ってるの、あざらしさんはイカが好物なんです(UC【一獣当千】使用)
あざらしさん、遠足の邪魔するこぶんいかくもたんとお弁当とろうとするだいおーいかくもたんをやっつけて!
終わったら、こはく達と一緒にお弁当食べよ?(お魚あるよ!)
墨で地面が汚れたら座れなくなっちゃうから、ウカ、ちょっとだけ雨を降らして洗い流してね

この糸お土産にしてもいいのかな?



 辿り着いた『時蜘蛛の峡谷』。
 そしてこの場所に張り巡らされているのは、時蜘蛛が紡いだ糸がびっしり張り巡らされていて。
 此処を通り抜けんとする者たちの姿を変えるのだという――5歳児に!
 そう予知でも聞いていた落浜・語(ヤドリガミの天狗連・f03558)は、ふと疑問に思う。
「幼児化するって、言ってもヤドリガミだとどうなるんだ……?」
 とはいえ、5歳児になるのは、これがはじめてではない。
「まぁ、アルダワでも同じことやったし今更、なのか……」
 何らかの魔法の、何らかの効力で、そうなるに違いありません。
 色々と細かい事はまぁとりあえず。
 まずはこの地を抜けるべく、吉備・狐珀(狐像のヤドリガミ・f17210)と共に糸に触れれば。
 ふたり仲良く、ぐぐっと縮んで、ちっちゃい5歳児の姿に。
「あーここだと俺のまま小さくなるのか……んーとえーと……どうしようか」
 常盤色に変わった右目で自らの変化を確認した語はそう、考え込むけれど。
 狐珀は、きょろりと視線を巡らせて。
「墨で汚れては困りますし戦闘服? と帽子をお借りした方が良さそうですね」
 スモックや黄色い帽子やお花な名札、園児装備を一通り身に着けてから。
「それとA&W特製おこさまランチ弁当ははずせません!」
 受け取ったお弁当を大事にそうっと持ってば、これで遠足の準備は万端。
 語と一緒に、てくてく遠足を!
 そしてふたり並んで歩いていれば。
『通せんぼイカー!』
 立ち塞がるのは、いじわるするだいおーいかたんとこぶんいかたん!
「遠足の邪魔するだいおーいかくもたん、めっです!」
 けれど狐珀はそんないじわるに負けません。
 だって、楽しみにしているから。
「このお弁当はかたりくんと食べるんだからとっちゃだめっ」
 ――いじわるする子はお仕置きなの! って。
 そして、どうしようかって思っていた語だけれど。
「自分でできなくても、こはくがくれたこれがまもってくれるもん」
 そうゆらり揺れたのは、守護の花を飾った青と緑煌めくループタイ。
『! イカッ!?』
「いじわるなイカは、やいちゃおうね!」
 ひらり舞い踊る花弁に触れれば、いかたんが焼きいかたんに!
 それから狐珀が喚ぶのは、あざらしさん。
「こはく知ってるの、あざらしさんはイカが好物なんです」
 ――あざらしさん、遠足の邪魔するこぶんいかくもたんとお弁当とろうとするだいおーいかくもたんをやっつけて!
 そんなあざらしさんをみて、語は再び首を傾げてから。
「でも、やいたイカだと、アザラシさんはきらいかな?」
 ――じゃあ、こりゅう、かみなりでイカのうごきを、とめてね。
 瞬間、雷がどっかーん、戦場に奔って。
「終わったら、こはく達と一緒にお弁当食べよ? お魚あるよ!」
「あとでみんなで、ごはんにしよう」
 あざらしさんにもぐもぐさせて、こりゅうに雷落として貰って、ウカに地面が真っ黒にならないよう雨を降らせてもらいながら。
『くっ、イ、イカ……!』
 みんなで、いじわるなだおいーいかたんたちを撃退!
 楽しくて美味しいお弁当タイムにわくわくしながらも。
「この糸お土産にしてもいいのかな?」
 狐珀はちょこんと首を傾げつつ、落ちていたお宝もゲットです!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィヴィ・ユーニアーナ
【兎の庭】で連携 アドリブ歓迎
アイシャ、も、千種、も、何だか、様子、が、ちょっと、変…?
なんだか、ヴィヴィ、と、同い年、位に、なった、みたい…
そっか、この、蜘蛛の、糸…が、原因、なの、かな…

ヴィヴィ、は、未だ、丁度、5歳位、の、子供、の、つもり、だから
素のまま、で、大丈夫…もしか、したら、体も、縮んじゃう…かも…?
(エル絵師さんの真の姿
みんな、で、お弁当、持っていく、なら、ヴィヴィ、は、お茶の、準備……一緒に、お弁当、食べながら、皆で、ヴィヴィ、の
淹れた、お茶、を、飲んで、貰う、ね……
イカさん、も、お弁当、食べてる、みたい、だけど…怒り、出しちゃった…動き、遅く、なっちゃう、よ、イカ、さん……


空葉・千種
【兎の庭】
アドリブ歓迎

んーとね、きょうはおともだちのゔぃゔぃちゃんとあいしゃちゃんとあそびにきたの!
きょうはおべんとにわたしのすきなからあげをいれてもらったから、すっごくたのしみなんだ!
…こらー!いかくもたん、ひとのごはんのじゃまをしたらだめなんだよー!
あんまりひどいと、UCでえいってしちゃうんだからね!
(身体強化系UCなので戦闘経験がなくても割となんとかなる)

…はっ!
なんか、戦闘経験以外にもいろいろな記憶が曖昧になってた気がする!
そういえば私、昔は野山を駆け巡るアクティブ系な女の子だったっけ…

それにしても、ちっちゃいふたり可愛かったなぁ…
(ぼそっ)…一応時の蜘蛛糸は多めに持って帰っとこ


アイシャ・ラブラドライト
【兎の庭】
WIZ

わぁぁ…!ヴィヴィさん、ちーちゃん…とってもかわいいです!
えへへ、いまはみんなと同い年ですね!…嬉しいなぁ
私、5歳のころの記憶はないけど、きっといまの方が幸せなんじゃないかな
こんなにすてきなおともだちがいてくれるから
忘れてしまった5歳の思い出をつくろう

おこさまランチ弁当、みんなで食べましょう
何歳でも、ヴィヴィさんのお茶はおいしいですね
イカさんあばれてますね…
ヴィヴィさんのおかげでゆっくりだからこわくはないけど
そろそろお歌の時間にしますかね

UCを発動させて歌を歌う
いつもより無邪気に楽しい歌を、muguetを鳴らしながら
お歌の時間のあとは、少しお昼寝タイムだけど
すぐ目覚めますからね



 やってきた峡谷には、不思議な糸がいっぱい。
 けれど、それに触った瞬間。
「アイシャ、も、千種、も、何だか、様子、が、ちょっと、変……?」
 ――なんだか、ヴィヴィ、と、同い年、位に、なった、みたい……。
 そうこてんと首を傾けるのは、ちっちゃくなったヴィヴィ・ユーニアーナ(☆*:.NEVER.END.T.PARTY*・☆・f20157)。
 いや、ちっちゃくなったのは、ヴィヴィの言う通り、彼女だけではなくて。
「わぁぁ……! ヴィヴィさん、ちーちゃん……とってもかわいいです! えへへ、いまはみんなと同い年ですね!」
 ……嬉しいなぁ。
 そうにぱっとあどけない笑みを宿す、アイシャ・ラブラドライト(煌めく風・f19187)も。
「んーとね、きょうはおともだちのゔぃゔぃちゃんとあいしゃちゃんとあそびにきたの!」
 思考まで幼くなって無邪気にはしゃぐ、空葉・千種(新聞購読10社達成の改造人間・f16500)も。
 みーんな同じ、5歳児に!
 アイシャには、5歳の頃の記憶はないけれど。
(「きっといまの方が幸せなんじゃないかな。こんなにすてきなおともだちがいてくれるから」)
 だから、アイシャは一緒にちっちゃくなったヴィヴィや千種を見つめ、思う。
 ――忘れてしまった5歳の思い出をつくろう、って。
 ヴィヴィはきょろりとつぶらな瞳を巡らせて。
「そっか、この、蜘蛛の、糸……が、原因、なの、かな……」
 キラキラ煌めく糸を、じーっと見つめてみる。
 そう――これは、この峡谷に張り巡らされた、時蜘蛛の糸のいたずら。
 それから、身体はぐぐっと縮んじゃったけれど。
 ぎゅうっとおにんぎょうさんを抱きしめながら、ヴィヴィは思う。
(「ヴィヴィ、は、未だ、丁度、5歳位、の、子供、の、つもり、だから……素のまま、で、大丈夫……」)
 時蜘蛛の糸の効力は、触れた者をみんな、5歳児相当に幼児化させるものだけれど。
 どういう影響がでるかは、個人差があるみたい。
 でも、折角みんなで5歳児になったのだから。
「きょうはおべんとにわたしのすきなからあげをいれてもらったから、すっごくたのしみなんだ!」
「おこさまランチ弁当、みんなで食べましょう」
 ぱあっと笑顔を宿す千種に、アイシャも頷いて。
「みんな、で、お弁当、持っていく、なら、ヴィヴィ、は、お茶の、準備……」
 一緒にお弁当を楽しく食べながら、ヴィヴィの淹れたお茶でほっこり。
「何歳でも、ヴィヴィさんのお茶はおいしいですね」
「うんっ。あ、ゔぃゔぃちゃん、あいしゃちゃん、おかずのこうかんこ、しよ!」
 みんなで仲良く、美味しくて楽しい遠足を満喫!
 けれど……楽しくできない、悪い子が。
『美味しいお弁当、もっとよこせイカー!』
 いつの間にか現れ、暫くはもぐもぐとお弁当を食べていた、だいおーいかたんだったけれど。
 もっともっとと、暴れ出しました!?
「イカさんあばれてますね……」
「イカさん、も、お弁当、食べてた、みたい、だけど……怒り、出しちゃった……」
 でも、ヴィヴィの淹れたお茶をいい子に楽しめない子は、めっ!
「動き、遅く、なっちゃう、よ、イカ、さん……」
 ヴィヴィの発動させていた『紅茶の時間』で、動きはゆるーっとゆっくりな、いかくもたんだけど。
「……こらー! いかくもたん、ひとのごはんのじゃまをしたらだめなんだよー!」
 戦闘経験は奪われても、身体強化系のひっさつわざだから、大丈夫!
 ――あんまりひどいと、えいってしちゃうんだからね!
『イカッ!?』
 千種は、いじわるしてわるいことするいかくもたんを、えいっとおしおき!
「ヴィヴィさんのおかげでゆっくりだからこわくはないけど、そろそろお歌の時間にしますかね」
 アイシャが響かせるおうたは『Heartache』。
 鈴蘭咲かせるmuguetを鳴らしながら、いつもより無邪気に、楽しい歌を聞かせてあげる。
「お歌の時間のあとは、少しお昼寝タイムだけど、すぐ目覚めますからね」
 おなかいっぱいになったら、やっぱり次は、すやすやおひるねタイムだから。
 そして、悪い子だったいかくもたんを撃退してから。
 千種は、こてんと首を傾けながらも、だいおーいかたんが紡いだ糸をちょっぴり多めに拾ってみれば。
「……はっ! なんか、戦闘経験以外にもいろいろな記憶が曖昧になってた気がする!」
 ちょっぴり思考が戻り、それからふと思い返してみる。
(「そういえば私、昔は野山を駆け巡るアクティブ系な女の子だったっけ……」)
 そして改めて、ヴィヴィとアイシャと、遠足の続きを楽しみながら。
 ちっちゃくなっているふたりをを見て、微笑まし気に思うのだった。
 ――それにしても、ちっちゃいふたり可愛いなぁ……って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

荻原・志桜
🌸🐺
お子様オプションフル装備
ディアナちゃんと仲良く手を繋いで満面笑顔

えへへ、しおもたのしみにしてたんだぁ
うん、いっしょにたべよう!
でぃあなちゃん!おはなさいてるよ!きれいだねぇ
あっ!むこうにとりさんがいる!かわいいねぇ
? ねえねえ、あっちになにかいるよ?

お弁当狙ういかたんとディアナの攻防に思わず涙目

ひくっ……ううっ
いかたんきらい!でぃあなちゃんをなかせるなぁ!
うわぁあああああん!(泣

泣きながら身に宿る少ない魔力を爆発!
赤く染まる瞳で睨みつけ強化した杖で叩く
魔法は知りません。ひたすらに叩く!べしべし!
幼子なのですぐ魔力切れ

終えればお弁当!
しおのうさぎさんりんごあげるね
さっきかっこよかったよ!


ディアナ・ロドクルーン
🌸🐺
POW

みんな小さくなって可愛くなるんでしょ?凄く楽しみだわ

幼児に変身すれば思考も幼児並みに
お子様オプションフル装備

ねーねーきょうのおべんとうたのしみだねぇ~
しおちゃんと、たべるの、とってもたのしみにしていたの~
えへへ、おててつないでいっしょにいこうねぇ

イカたん、あたしのおべんとうとっちゃいやぁーー
めーーっ!💢 これはしおちゃんといっしょにたべるのー💢💢


(お弁当を狙うイカと押し合いへし合い
最後は涙目でギャン泣きしながらぽかぽか叩いてイカと戦う
お弁当を守り切ったらにぱっと泣き止んでニコニコお弁当を楽しむ)

おいしいねぇ~しおちゃんありがとー
じゃーあたしのういんなーとこうかんしよーねぇー



 辿り着いた峡谷に張り巡らされている蜘蛛の糸。
 けれど、これは普通の糸ではなくて。
「みんな小さくなって可愛くなるんでしょ? 凄く楽しみだわ」
 そう笑むディアナ・ロドクルーン(天満月の訃言師・f01023)は、避けては通れない蜘蛛の糸にそっと触れれば。
 ぐぐっと、みるみる小さくなる、からだ。
 いや、からだだけではなく……スモックに黄色い帽子、お花の名札のお子様オプションフル装備、幼児に大変身すれば。
「ねーねーきょうのおべんとうたのしみだねぇ~」
 思考もすっかり、5歳児に!
 そんなディアナと仲良く手を繋いで、満面の笑顔を咲かせるのは、荻原・志桜(桜の魔女見習い・f01141)。
「えへへ、しおもたのしみにしてたんだぁ。いっしょにたべよう!」
 勿論、志桜もディアナとお揃いの、完全なるようちえんじ装備!
「しおちゃんと、たべるの、とってもたのしみにしていたの~」
 ……えへへ、おててつないでいっしょにいこうねぇ。
 そう笑むディアナも、志桜との手をぎゅっと手を握って。
「でぃあなちゃん! おはなさいてるよ! きれいだねぇ」
 ふたりでとことこ、楽しい遠足です!
 それからきょろり、わくわくと周囲を見回す志桜だけれど。
「あっ! むこうにとりさんがいる! かわいいねぇ」
 でも、見つけたのは――とりさんだけではなくて。
「? ねえねえ、あっちになにかいるよ?」
「なんだろー、しおちゃん、いってみる~?」
 とてとて、歩いて近づいてみれば。
『お弁当、よこせイカー!』
「!!?」
 突然襲い掛かって来たのは、お弁当を狙った、だいおーいかたん!
「イカたん、あたしのおべんとうとっちゃいやぁーー」
 ディアナはいかたんにお弁当を取られないように、ひしっと死守しつつも。
「めーーっ!💢 これはしおちゃんといっしょにたべるのー💢💢」
 お弁当を狙ういかたんと、と押し合いへし合い!
 そんな攻防に、志桜は思わず涙目になって。
「ひくっ……ううっ。いかたんきらい! でぃあなちゃんをなかせるなぁ!」
 ――うわぁあああああん!
『!? イカッ!?』
 刹那、泣きながら志桜は、身に宿る少ない魔力を爆発!
 キッといじわるないかたんを赤く染まる瞳で睨みつけ、強化した杖でばしばし!
 まだ5歳の時は魔法は知らないから。
『いたっ、イタ!?』
 ひたすらに叩く! 叩く!! べしべし、叩きまくります!
 幼子だから、すぐ魔力も切れちゃうけれど。
 ディアナも負けずに、涙目でギャン泣きしながらも、いかたんをぽかぽか!
『く、う……逃げるイカ!』
 必死な5歳児たちの抵抗に、お弁当は諦めて、ふらふらと逃げるだいおーいかたん。
 そんな守り切ったお弁当を見つめ、にぱっと泣き止んで。
 ふたりはにこにこ、お弁当タイム!
「しおのうさぎさんりんごあげるね」
 ――さっきかっこよかったよ!
 そう言った志桜から貰ったうさぎさんを、ぱくりとディアナは食べながら。
「おいしいねぇ~しおちゃんありがとー。じゃーあたしのういんなーとこうかんしよーねぇー」
 仲良く笑顔で、うさぎさんリンゴとタコさんウインナーを、こうかんこ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レイブル・クライツァ
小さ過ぎて上手く動けない
武器を上手く扱えなくて、どうしようって頭がぐるぐるするの
…でも、あの敵は倒さないと皆が困ってしまう
私は敵を壊す為のお人形さんだから、頑張らなくてはならないの

二人共、お願い来てと(彷徨の螺旋で)呼んで
攻撃が当たると折角呼んだのに居なくなっちゃうから、死神の肩に乗せてって手を伸ばして特等席へ
戦う時は、敵味方を問わず様子を確認するのが大切って、教えてくれたから
剣聖に指差しで向かう先を教えるわ
早い動きが必要なら、ちゃんと見えるように死神にしがみつくから
私の事は気にせず、剣聖を絶対に迷子に(独りに)しないでねってお願いするの

二人が強いの、私が一番知ってるんだから…ずっと、大好きよ



 峡谷に足を踏み入れれば、避けられないほど張り巡らされている蜘蛛の糸。
 その糸――時蜘蛛の糸の効果で、レイブル・クライツァ(白と黒の螺旋・f04529)も、からだがぐぐっと縮んで。
 5歳児相応に、ちっちゃくなってしまう。
 そして見つけたのは、他の5歳児たちにいじわるしていた、だいおーいかたん。
(「小さ過ぎて上手く動けない」)
 おててもちっちゃくて、力も出なくて……武器を上手く扱えなくて。
 どうしようって、そう頭がぐるぐるするけれど、
「……でも、あの敵は倒さないと皆が困ってしまう」
 幸い、これまで5歳児の反撃にあって、眼前のいかたんは満身創痍。
 レイブルはこくりとひとつ頷く。
(「私は敵を壊す為のお人形さんだから」)
 ――頑張らなくてはならないの、って。
 それに、ひとりじゃないから。
「二人共、お願い来て」
 夕焼色の死神と片眼鏡の剣聖も、一緒。
 そして、攻撃が当たると折角呼んだのに居なくなっちゃうから、って。
 死神の肩に乗せてって、うんっと頑張って手を伸ばして……特等席へ。
(「戦う時は、敵味方を問わず様子を確認するのが大切って、教えてくれたから」)
 だから、レイブルはちっちゃくなっても、がんばって。
 片眼鏡の剣聖に一生懸命、指で差しで向かう先を教える。
 そして……ぎゅっと、ちゃんと見えるように死神にしがみつきながら、こうお願いする。
 ――私の事は気にせず、剣聖を絶対に迷子に……独りには、しないでねって。
 そんなレイブルや死神や剣聖をなかなか捉えられずに。
『ぐっ、くらうイカ! いかたん得意のイカスミすぷらーっしゅ!』
 イカスミを吐き出さんとした、だいおーいかたんだけれど。
 ――二人が強いの、私が一番知ってるんだから。
 それに、レイブルは敵を壊す為のお人形さん。
『!? ぐはァ!!』
 レイブルは強いふたりと一緒に、だいおーいかたんを全力で壊す。
 もう、みんなが困らないように。
 そして峡谷の景色に消えゆくだいおーいかたんを後目に。
 レイブルは、もう少ししたら元に戻るだろう小さなおててを二人へとうんと伸ばし、紡ぐ。
 ……ずっと、大好きよ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月17日


挿絵イラスト