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甲冑征駆~せめて一度だけ、この脚で

#サクラミラージュ #幻朧戦線 #影朧甲冑 #幻朧将校の暗躍


●病室
「こんな病人に何の用だ?」

 雷が轟く夜、濡れた外套を解いた軍服の男へ問いかけた。
 生まれた時からベッドと共の人生であった。
 いつか治ると信じていた。
 けれど希望は二十年超えても実らず、誰からも見放され、家督も成人した弟が継ぐことになった。
 金がなければ死んでいただろう――むしろ殺してほしかった。
 だが、皮肉にも家には必要のない人間すら生かす金は潤沢にあった。
 これからはただ息をする人生――そう思っていた時だった。

「一度でいいから、地面を歩いてみたくはないかね?」

 男の問いかけは光にあふれ、そして引き返せないほど深い闇を見せていた。

●輸送トレーラー内部
「傾注!」
 リーダーシップにあふれる黒い鉄の首輪を嵌めた青年将校の言葉が僕を夢から引き戻した。
「作戦内容を確認する」
 将校が同じように首輪をした同志達へ説明を始めた。
「今から三十分後、目的地である帝都療養院へと攻撃を開始。同志諸君らはグラッジ弾を使用、『本来の使い方』を実行し、目標の排除を行う」
 視線が僕の方へと集まった。
「次に影朧甲冑による攻撃により療養院を破壊、目標達成後はグラッジ弾を全弾使用、影朧を呼び、混乱の中撤退を図る――同志よ、頼りにしている!」
 将校の情熱が自分にも伝わった。
「ああ、任せてくれ。歩けるというのなら……僕はなんだってしてやるさ」
「心強いな。だが影朧甲冑が燃料にする影朧の力を以ってすれば、君は大地を踏みしめることが可能となろう――幻朧戦線に栄光あれ!!」
「幻朧戦線に栄光あれ!!」
 若者たちが唱和した。
 夢が――始まろうとしていた、人の屍を糧にした夢が。

●グリモアベース
「やられた! 二方面作戦だ!」
 柄にもなく声を上げたグリモア猟兵、氏家・禄郎(探偵屋・f22632)の足元には大量の紙が散乱している。
「幸いもう片方の予知は別の猟兵がやってくれた。後で彼女の説明も聞いてくれ」
 少々大掛かりになりそうな雰囲気の中、グリモア猟兵がタイプライターのキーを叩き、資料を作り上げる。
「敵は影朧甲冑を持ち出した幻朧戦線。狙うのは病院と競技場――私が予知したのは病院の方だ。正直、骨が折れるぞ」
 探偵屋が紙を人数分投げる。受け取った紙は『帝都療養院』という文字が書き込まれた地図。
「病院と言ってもサナトリウム――動けない者が多い、特に此処はそういう患者が入院している……もう分かるだろう?」
 全員の避難が難しい――渋面のグリモア猟兵は暗にそう告げている。
 多数が言葉の意味を理解したと悟れば眼鏡の位置を直した探偵屋は普段以上に意地悪い笑みを浮かべる。
「なので君達には総力戦をやってもらう。悪いが苦労してくれ」

「作戦的には最近、影朧甲冑が起こしている事件と変わらない。まずは幻朧戦線の排除。ただの人間だから殺さないでおいてくれ。熱狂的な若者にとって殉教者が生まれることは火に油を注ぐものだ」
 グリモア猟兵の皮肉も辛みが効きすぎるのは気のせいか?
「次に影朧甲冑だ。これは他の事件でもそうだが、まず影朧を纏って現れる。最初はそいつを引っぺがすために戦って、そして甲冑本体と戦う。連戦だ、気を付けてくれ」
 作戦を説明した後、探偵屋は一枚の資料を取る。
「それと……一応、話しておくか」
 思考の後、それを猟兵へと押し付けた。
「甲冑の乗り手は『死ぬことを知らされていない』――これをどうするかは君達に任せるよ」
 骨張った手がタイプライターのレバーを倒すとグリモアが道を繋ぐ。
「任せると言ったが支払う命は一つで十分だ。犠牲者も殉教者も出さないでくれ、それじゃ――時計を合わせて、作戦を開始してくれ」


みなさわ
 読みは『かっちゅうせっく』
 込めた意味は『甲冑は死に向かって駆けて往く』
 微かな望みを叶える代償は悪行。報いは死。

 こんにちは、みなさわです。
 今回はサクラミラージュにてかやぬまMSとの合わせシナリオです。
 二方面作戦の体で行きますので両方行くと過労とやりがいが待っていると思います。

●今回のお話
 俗にいうホットスタートというものです。
 戦闘に始まり、戦闘で終わります。
 無常というスパイスを後半に混ぜていく予定です。

●影朧甲冑
 影朧を燃料に動く動力甲冑で、操縦する人間を必要とします。操縦者は影朧の呪いに肉体を蝕まれ、降りることは死を意味します。
 非人道、不退転の軍神作成装置。
 乗り手はこの事実を知らされてはおりません。

●第一章
 幻朧戦線が病院を襲撃します。
 長期入院を必要とする患者が多く、介助無しでの全員避難は難しいと思います。
 このような状況下で幻朧戦線の若者はグラッジ弾の本来の使い方である『傷病人への射撃から影朧の召喚』を試みます。
 人々を守りつつ、幻朧戦線も殺さずに制圧してください。

●第二章
 病院施設破壊を企む、影朧甲冑との戦いになります。
 甲冑は強力な影朧の姿を纏っています。
 これを打ち倒し、外套をはぎ取ってください。

●第三章
 影朧甲冑本体との戦闘になります。
 決着をお願いします。

●その他
 マスターページも参考にしていただけたら、幸いです。

 それではかやぬまMSとみなさわの甲冑征駆、よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『幻朧戦線の襲撃』

POW   :    襲い来る幻朧戦線の一般兵を肉壁となって阻止し、重要施設や一般人の安全を守ります

SPD   :    混乱する戦場を駆けまわり、幻朧戦線の一般兵を各個撃破して無力化していきます

WIZ   :    敵の襲撃計画を看破し、適切な避難計画をたてて一般人を誘導し安全を確保します

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●制圧

 ――もし、この病院が都市部にあったら、死者は確実に出ていただろう。
 たった一つの幸運。
 サナトリウムとして建てられたこの病院が広大な敷地を持ち、そして入り口に鉄の門扉があったということだろう。
 ちょっとした重要人物の療養にも使われるが故に、名ばかりの警備員がそこにいて、形ばかりのチェックをする。
 だが、今回ばかりは違った。

 猛スピードで飛び込んでくる、大型トレーラー。
 明らかな脅威に対し、この時ばかりは警備員も給金に見合った働きをする。
 咄嗟に閉じられる門扉。
 もちろん、それで幻朧戦線が止まるわけではない。
 けれど、時間を稼ぐことができた、人々が襲撃を察知することができた。

 ――虐殺開始まで十分。
 君達は何をすることができるか?
逢坂・理彦
療養施設の襲撃か…また厄介なところを襲撃してくれたものだね…まぁ、それが狙いなんだろうけど。
敵を殺さず施設の人の安否もとなると相当骨が折れるだろうけれど…やりがいがあるってものだ。

UC【誘い桜】
上手く眠ってくれるとありがたいんだけど…その後は患者さんを優先して【救助活動】だ。
とりあえず影朧戦線の人たちから距離を取ろう。
効率は良くないけど一度に二人くらいなら抱えて運べるかな。

…眠らせた影朧戦線の人以外とは戦わないと行けないだろうから【戦闘知識】で状況を把握しつつ出会ってしまったら墨染桜の柄で攻撃。

連携は必要だろうから積極的に協力しよう。


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
また面倒くさいことをしてくれるねえ。
まあいいや、さっさと片付けてしまおう。

さて、避難誘導が得意というわけでもないし、敵を黙らせる事に集中しようか。
使う武器が銃で大勢いるんなら、【轟閃縛封】を使うとしようか。
敷地が広いなら、入り口の門付近で使えば病院まで巻き添えにはならないかな。
閃光と轟音で目と耳を塞いだら、銃なんてまともに扱えないだろうし、
後は手から出した蜘蛛の糸で縛り上げていこうか。
もし動ける奴が残ってたら、順番に殴って気絶させよう。

ああ、全く。
なんでオブリビオンでもない人間なんて相手にしなきゃいけないんだか。
いらない仕事を増やさないでほしいよ。



●撃退

「療養施設の襲撃か……」
 逢坂・理彦(守護者たる狐・f01492)が首元の襟巻に触れながら背後の白い建物を見上げた。
「また厄介なところを襲撃してくれたものだね……まぁ、それが狙いなんだろうけど」
 守護者の気質が弱い者を狙うという戦争における定石を理解され、さらに溜息をつかせる。
「また面倒くさいことをしてくれるねえ」
 ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)も理彦の言葉に対しのんびりとした口調で同意の意を示す。
 そう、動けない命を守って戦うのは骨が折れるのだ。だから――
「まあいいや、さっさと片付けてしまおう」
 逆に単純であろうとした。
「そうだな」
 守護者たる狐もその意見に賛成を示した。
 戦いはシンプルに考えられる者こそが勝利するのだから。

「同志諸君よ! 何も考えるな、今は走れ!」
 指揮を預かった男が苦渋の表情を怒声で隠し、仲間を叱咤する。
 トレーラーが門扉を破壊できたのは幸運だった。
 だが、そこで足を止めてしまった以上、自分達が走らなくてはならない。
 気づかれていないなら、まだ良い。
 けれど、この音で気づかない馬鹿は居ない。
 だからこそ、叱咤した。
 情熱こそが幻朧戦線の武器なのだから。
 しかし、その情熱を受けとめるものがあった。
「――花?」
「幻朧……いや、違う桜か」
 口々に呟く同志達。
 その声もやがて、途絶え、そして倒れ行く。

 誘い桜

 ユーベルコードで芽吹いた花が彼らを夢の戦野へと誘う。
「ユーベルコヲド使い? 超弩級戦力か!?」
 戦場把握のため、一人後ろにいた指揮官が呻くように声を上げた。
「――伝令だ! 『攻撃、察知サレタシ』これだけ伝えろ、急げ!」
 傍らにいた同志に怒鳴れば、飛び跳ねたように若者が走る。
 それを確認すれば指揮を預かった男は軍刀を抜く。責任を取る必要があるからだ。
 化鳥のような雄たけびを上げ、幻朧戦線の男は襟巻を巻き墨染桜の長刀を持った男へと走った。

「班長殿! 五メートル先に人物一名!」
 先頭を走る幻朧戦線の同志の声が別の部隊を指揮する男へ届く。
「この場所に一人でいるならユーベルコヲド使いだ! 構えろ!」
 指揮官はすぐに状況を理解し、武器の使用を許可する。
 だが、放電による閃光が全てをかき消した。
 直後、咆哮が轟音となって場の全てを塗りつぶす。
 全てが終わった頃には、皆が蜘蛛の糸に絡めとられていた。

 Trinity disturb
 轟 閃 縛 封

 目と耳を潰され、身体を糸に囚われた幻朧戦線の若者達。
「近寄って殴るばかりが能じゃないのさ」
 彼らの耳には、その声は届かず、情熱に浮かされた瞳は彼女の姿を捉えることができない。
「超弩級戦力っ!」
 怨嗟に満ちた声に彼女――ペトは振り向く。
 視界の先には若者達を指揮していた男が一人。
 レバーを引き、短機関銃を構える。
「ああ、全く」
 混沌なる身を持った女は袋に手を突っ込み。
「なんでオブリビオンでもない人間なんて相手にしなきゃいけないんだか」
 中に入っていた、石を投げた。
「いらない仕事を増やさないでほしいよ」
 顔面に硬いものを受けた男はアスファルトへその身を委ねた。

「おわったよ」
「こちらもだ」
 ペトの言葉に理彦が答える。
「これからどうする?」
「俺は避難を手伝う、そちらは?」
 問いかければ問いが戻る。
「避難誘導は得意じゃないし、ここを確保しておく」
「分かった」
 襟巻を巻いた守護の狐はそれだけを確認すると病院へと走った。
「ああ……面倒くさい」
 混沌なる身を持った女は深く息を吐くと、これからやってくるであろう熱狂的な若者を迎え撃つべく、歩を進めていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
【WIZ】
人の死は娯楽なんかじゃない。
だから、一人も死なせたくない。

受け取った地図で病院施設の間取りを確認し【地形の利用】で守りに適した場所を探し、同時に各病室からそこまでの移動ルートも割り出してシャーリーと協力して患者達をそこへ避難させる。
比較的症状の軽い患者なら自力で移動できるだろうけど寝たきりの重病患者だとそうはいかないからカーテンなどで包む形で患者の身体をベッドに固定し、そのまま台車に乗せる形で転がして移送する。
段差は【料理の鉄刃】で手近な家具などを切断して調達した板でスロープを作り、階を超える時は窓や非常口からベッドを外に出してシャーリーに運んでもらう。


シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
(WIZ)
これだけの患者を全員助けるとなると大変かも
でも、少なくともここには「死んでいい人」なんていない

まずは安全な場所(ボクたちが守りやすい場所)を探し、【鼓舞】で患者たちを勇気づけながらウィーリィくんと一緒にそこへ避難させる
寝たきりの人は【ロープワーク】で痛くない様にロープでベッドに縛って【エクストリームミッション】で窓の外(敵が攻めてくる方向の反対側)からベッドごと【空中浮遊】で移動して運ぶ

虐殺開始まで十分しかない
それでも、ここは死に抗うための場所だから
ボクたちも全力で抗うよ!



●避難

「始まったな」
 窓ガラス越しに轟音が響く方向へ視線を向けて、ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)が呟いた。
 人の死は娯楽なんかじゃない、だから誰も死なせる気はなかった。
「ウィーリィくん」
 聞きなれた声がして振り向けば、駆け寄ってくるのはシャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)。
「見つけたよ」
 彼女が伝えるのはウィーリィと探した防衛に適した場所。
 そこへ患者を含めた一般人を避難させる作戦であった。
 人数は多いかもしれない、それでもここには『死んでいい人』はいない。
 シャーリーもまた胸中に含んだもの口に出さず、窓を見た。
 気持ちは同じだった。

「大丈夫です! 皆さんこちらへ!」
 シャーリーの声が病棟の人間を勇気づける。
「動けるものは何とかなるが……重症者はどうすればいい?」
 人々が動き出す中、医師の一人が代表して問う。
「こちらで何とかするよ! ウィーリィくん!」
「任せろ! 担架の数は足りないよな?」
 代わってウィーリィが医師の前に出て、少女は動ける者を導いていく。
「ああ、元々重傷者全員を運べるほど担架はないし、移動型のベッドもごく一部の患者だけだ」
「なら、台車を用意してくれ、ありったけだ!」
「それだって、足りないぞ!」
「大丈夫だ」
 尚も声を上げる医師へ、少年は告げた。
「窓まで運べればいい、そうすれば何とかできる」
 ――希望の言葉を。

 人々が避難を開始した。
 ある者は一人で、ある者は看護婦や他の患者に付き添われ。
 それに遅れて車椅子や担架、台車に括りつけられたベッドが続く。
 避難はスムーズに進んでいった。
 誰もが足を引っかけることもなく、整然と、それでいて速く。
 先頭を走るシャーリーが人々を鼓舞し、不安を打ち消した。
 障害物は事前に排除されており、段差などはウィーリィの包丁で作られたスロープによって埋められている。
「動けない患者さんはこっちへ!」
 階段へと進んでいく患者とは別に少年は重症者を窓際へと連れていく。
「エレベーターはこっちじゃないぞ?」
「エレベーターだけじゃ時間がかかる! 俺達に考えがあるんだ!」
 医師の言葉に対してウィーリィが毅然と答える。
 その言葉を医療従事者達は信じることにした。
 窓へと運ばれるベッド。
 少年がガラスを開けば、そこには――
「間に合ったね!」
 サメ……いや、シャーリーがサメ型パワードスーツに身を纏って、空中に浮遊していた。
 避難にあたり、二人が懸念したのは重症者の階下への移動。
 エレベーターは時間がかかり、担架での移動は人員を必要とする。
 ならばどうするか。
 パワードスーツで外から運んでしまえばいい。
 ロープを使って、ベッドごと患者を外に出せば、あとはゆっくり降下するだけ。
 それも足元に集った看護師達がサポートすることでスムーズに患者を下すことができ。
 そこにエレベーターも併用すれば効率はさらに上がった。

 ――虐殺開始まで十分しかない。

 患者を運びつつ、シャーリーは人が動く音へ神経をとがらせる。

 それでも、ここは死に抗うための場所だから――ボクたちも全力で抗うよ!

 少女と少年の決意は人々の勇気によって報われた。
 この病棟からは誰一人犠牲者無く、避難は完了した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

木常野・都月
敵が敷地内に入る前に止められたのは運がよかった。

患者さんは避難が難しい。
なら、逆に先手を打ちたい。
敷地内に入る前に敵の人数を減らしたい。
…多少の怪我ならセーフだよな?

UC【雷の足止め】で敵を無力化したい。

撃ち漏らしは、闇の精霊様の[催眠術]を、風の精霊様の力で拡散させて、敵を眠らせたい。

付近に木が多いなら、植物の精霊様に蔓や根で捕縛を、木が無いなら、地の精霊様に敵の下半身を埋めて貰いたい。

反撃されたら[気絶攻撃]の[カウンター]で敵を無力化したい。
銃弾を撃ってくるなら、雷の精霊様の[オーラ防御]で電磁障壁を展開したい。
グラッジ弾も、表面は金属のはず。
金属なら障壁に吸い寄せて受けとめたい。


トリテレイア・ゼロナイン
グラッジ弾の適正運用…戦機としては評価しましょう
騎士としては最早語る口も持ちませんが

完膚なきまでに打ち砕かせて頂きます

屋内は不利
敵集団に真っ正面から姿を晒す形で病院をかばう為、敷地で仕掛け数を減らします

UCも併用した●限界突破の出力で地を●スライディング移動
攻撃を●盾受けで防御しつつ突撃
センサーでの●情報収集で包囲状態を●見切り
●怪力で振るう剣での武装破壊や格納銃器での●スナイパー射撃●武器落としで無力化
更にワイヤーアンカーをトレーラーに撃ち込みUC●怪力で振り回し示威

投降して頂けますか?

此度の乗り手は事実知らぬある意味被害者
生かして罪を償わせることが出来れば良いのですが…
(甘い希望的観測)


御堂・銀
幻朧戦線とやら、悪しき兵器を持ち出して何を望むかは知らぬが。例え道理があろうと分別の付かぬ叛乱に国が、人が頷くものか。
連中の扱うグラッジ弾は覚えが在る。自我が目覚める前とは言え伊達に大戦に参加したわけではない。あれは絶対に撃たせるわけにはいかぬ。
連中の正面に陣取りて、雪崩込む反乱分子を一人でも多く峰にて打って叩き伏す。退避の時間を稼ぐのだ。


我が名は筑後御堂守月銀、皇国武者なり! 弱者を撃つ前に我を討ってみせるがいい!
武者一人を無視する卑怯者の集まり、軟弱者の集まりならば蜂起は為らぬと弁えよ!
さあかかってくるがよい、憂国に酔いし青年どもよ! 貴様らの父祖が築いた大正ぞ! 何故崩すを望むか!!



●迎撃

「遠からん者は音にも聞け! 近くば寄って目にも見よ!」
 病院入口。
 その真ん中に立つのは武者姿の女。
「我が名は筑後御堂守月銀、皇国武者なり! 弱者を撃つ前に我を討ってみせるがいい!」
 施設への侵入を果たそうとした幻朧戦線の集団が遭遇したのは御堂・銀(筑後御堂守月銀・f26080)。
 その傍らではトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)が従者の如く膝を着き、銀の言葉に耳を傾ける。
「武者一人を無視する卑怯者の集まり、軟弱者の集まりならば蜂起は為らぬと弁えよ!」
 裂帛の気勢。白い戦機がそれに呼応するかのように立ち上がる。
「さあかかってくるがよい、憂国に酔いし青年どもよ! 貴様らの父祖が築いた大正ぞ! 何故崩すを望むか!!」
「言わせておけば……総員、グラッジ弾を装填せよ!」
 激高の叫びと共に指揮を任された男が軍刀を振り上げた。
「……多少の怪我ならセーフだよな?」
 直後、電撃が憂国の若者達を襲った。

 カミナリノアシドメ
 雷の足止め

 木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)の手から放たれた高圧電流が次々と幻朧戦線の戦士を無力化する。
 動きの止まった一瞬、それを逃さぬトリテレイアと銀ではなかった。

「敵が敷地内に入る前に止められたのは運がよかった」
 切り込んでいく二人の猟兵を横目に都月が呟いた。
 幻朧戦線の集団はトレーラーを止められた直後、一部を残して散開した。
 門の傍で撃退できれば幸いだが、うち漏らす可能性が多分にあった。
 ならば、迎え撃たなくてはならない。
 故に三人は病院の入り口で待ち受けることにしたのだ。

   エイゲツ
 ――鋭月

 大上段から振り下ろされた一撃が小銃を寸断し、若者の肩を破壊する。
 尻もちをついた男を蹴り飛ばし、銀は次の相手へ飛び掛かる。
「幻朧戦線とやら、悪しき兵器を持ち出して何を望むかは知らぬが。例え道理があろうと分別の付かぬ叛乱に国が、人が頷くものか!」
 大正の世が平和になるまで幾つもの争いがあった。
 それを潜り抜け、見守ってきた鎧のヤドリガミである銀にとってグラッジ弾は覚えがあり、そして『使い方』も知っていた。
 だからこそ、撃たせるわけにはいかない。
 別の若者を峰で叩き伏せると、晴眼に構えた女武者に幻朧戦線の闘士達はたじろいでいく。

「一班、そのまま! 二班、側背から狙え。三班――突撃用意!」
 冷静さを取り戻した指揮官が状況を打開させるべく指示を飛ばす。
 だが、回り込もうとした集団へ一筋の風が吹くと彼らは銃を持った手をだらりと下げ、その場に倒れ伏した。
 都月の呼んだ闇の精霊が幻惑を誘い、眠りの世界へ彼らを招待したのだ。
「伏兵か……突撃中止! 三班、一斉射撃だ!」
 軍刀を持った男が精霊使いの存在に気づき、刀を向ける。
 直後、一斉に放たれる銃火。
 だが、呪われし鉛の弾丸は閃光と共に、都月の目の前で止まった。
「電磁障壁!?」
 指揮官が異常の正体を見抜き呟く、そこに隙が生まれた。
 全てを終わらせんとばかりに白い戦機が一人飛び出してきたのだ。

「グラッジ弾の適正運用……戦機としては評価しましょう」
 間隙を突いたトリテレイアがスラスターを全開にして滑り込むように飛び込んでいく。
「騎士としては最早語る口も持ちませんが――」
 混乱の中、戦慣れした若者が銃で迎え撃つが人より大きい盾に全てを阻まれ、逆に跳ね飛ばされる。
「完膚なきまでに打ち砕かせて頂きます」
「着剣!」
 剣を振り上げる白い戦機を前に指揮官の指示が飛ぶ。
 だが、混乱の中に飛び込んだトリテレイアの方が速い。
 重厚な儀礼剣が若者の銃を叩き折り、格納されていた銃器が展開し、正確に彼らの武器を射抜く。

 ――Oath of Machine knights
 機械人形は守護騎士たらんと希う

 この戦況下で騎士であろうとする白の騎士に戦いの女神は味方する。
 ワイヤーアンカーが指揮官の腕を絡めとると、膂力を以って振り回し地面に叩きつけた。
「投降して頂けますか?」
 答えを聞く必要は無かった。
 誰もが戦う意志を失い、地面に叩きつけられた男は戦意ごと意識を絶たれたのだから。

「大分時間を稼いだか」
「多分、大丈夫だと思う」
 銀の言葉に都月は答えた。
 このあたりにもう人の気配はない。
 間隙を抜かれた可能性を考え、戦場を変える必要がある。
 しろがねのヤドリガミがその可能性をトリテレイアに告げようと視線を向ければ、戦機は遠くを見て沈黙を守る。
「どうした?」
 銀が問う。
「此度の乗り手は事実知らぬある意味被害者、生かして罪を償わせることが出来れば良いのですが……」
 以前に影朧甲冑と戦った時に乗り手の運命は知っている。それでも騎士は有情であろうとした、それが甘い考えと言われても。
「ならば、できるだけ早い段階で引き離すしかあるまい」
 けれど、しろがねのヤドリガミはそれを尊重した。
「そうだね、急ごう」
 精霊使いが、そのために行動を促す。
 トリテレイアは心の中で礼を述べ、彼らとともに走った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ニコ・ベルクシュタイン
誰一人として殺さず場を収めよ、中々難儀なご注文だが
応えてみせてこその猟兵というものよな

一般人が病床から動けない、という状況を逆に利用しよう
他の猟兵が幻朧戦線とやり合っている隙を突かせてもらい
各病室を回って発動するのは【桜兎の隠し部屋】だ
「礼儀作法」で驚かせぬよう心掛けつつ、患者達には
動けぬ傷病者を狙ったテロ行為が発生したと正直に話し
嘘のような話だが、このオルゴールに触れれば避難が出来ると
誠実に話して内部の書斎に移動して貰えれば僥倖
言う事を聞かぬ者に効果は無いので、其の時は身を挺して守ろう

敵への応戦は精霊銃による炎の「属性攻撃」での銃撃
グラッジ弾を俺達猟兵が受けたらどうなるか?
はは、興味があるな


御桜・八重
病院を襲うなんて、どんな理由があるにしろ許せない!

自分では動けない病人を素早く避難させるのは難しいよね。
なら、わたしのUCで厚く護って皆が幻朧戦線を掃討するのを待つのが良策かな。

重症患者の病棟に駆け込み、看護師や介護者にも声をかけ、
病室の隅に皆一塊になってもらう。
「護りの花よ、咲きほこれ!」
【花筏】を発動し髪飾り『八重桜』の複製を召喚。
幾つもの桜色オーラの傘を広げて人々の盾にする。
突入してくる幻朧戦線は、幾つか残しておいた髪飾りを飛ばして迎撃、
昏倒させるね。
それでも掻い潜ってくる敵や弾は、身を以て防ぐ!
誰も死なせないし、誰も殺させない。
「大丈夫だよ。わたしがずぇーったい護るから!」



●隠蔽

 門扉にて迎撃し、病院の入り口で打ち倒してもなお、幻朧戦線の集団は浸食していく。
 それは超弩級戦力である猟兵を想定しての行動。
 単純な数、そして幅広く潜入していく浸透力。
 人間の集団という一個体が個を集として動く猟兵へと対抗しうる数少ない方法であった。
 だが広がった枝葉が幹に集まるように、幻朧戦線の人間も狙う個所は決まっている。
 そして必然とそこには居るのだ、ユーベルコヲドの使い手が!
 どちらにとっても戦いは避けられないものであった。

「護りの花よ、咲きほこれ!」
「――桜? いや、髪飾り!?」
 凛とした声が響き、病棟へと突入を果たした集団を八重桜の吹雪が阻む。
「病院を襲うなんて、どんな理由があるにしろ許せない!」
 髪飾りが作り出す桜色の傘。
 それによる盾の向こうで御桜・八重(桜巫女・f23090)が叫ぶ。
「防御陣という訳か!」
「突破しろ!!」
 八重桜の垣を前に若者達が声を上げる。
 響き渡る声に八重の心臓が高鳴り、こめかみを冷たいものが流れる。

 ――大丈夫、時間を稼げばいい。
 もうこちらの作戦は始まっているのだから。

「動けぬ傷病者を狙ったテロ行為が発生した」
 時計の歯車を思わせるような精緻さで足音を刻みながら、ニコ・ベルクシュタイン(時計卿・f00324)が口を開いた。
「勿論、狙うのは君達だ。分かってると思うが」
 ベッドの奥から小さく弱いざわめきが返ってくる。
 それを耳にして、ニコは小さく息を吐いた。
 立つことを失った身体、歩くことが苦痛になった身、時には……と駆られる誘惑を払いのけ、それでも日々を生きる人間達。
 それがここの住人だった。
 故に時計卿が感じ取った気配は諦観、つまりは――もう、これでいいんじゃないか?
 と考え、生という舞台から降りる選択肢であった。
 だが紆余曲折の末、未来を視、不幸なる決定事項が覆るのを何度も目にした懐中時計のヤドリガミは別の選択肢を持ってきていた。
「嘘のような話だが」
 何故なら
「このオルゴールに触れれば避難が出来る」
 そのために彼は来た。
 後は――人々がそれを選ぶかだ。
 ふと気づけばニコは自分が笑みを浮かべていることに気づいた。
 皆が自分と同じ選択肢を選ぶと理解したからだった。

「突破!」
「させない!」
 八重が放つ幻朧桜の髪飾りが憂国の使徒の額を撃ち込まれ、男が昏倒する。
 だが若者達は倒れた同志を踏み越え、一人、また一人と歩みを続ける。
「なに……これ……」
 百戦錬磨の猟兵の足が一歩、二歩と下がる。
 大義、憂国、正義、どれも人々を奮い立たせる単語だ。
 もし、世界中に咲く花の名を自らの集団に冠すれば……それは酒よりも箍を外し、熱狂に酔わせる甘美な麻薬となろう。
 八重を下がらせたのはその狂信的ともいえる熱情だった。
「だから、殺しちゃいけないんだ……」
 桜の巫女は理解した。
 この燃え上がる炎に仲間の死という燃料を投じればどうなるか……だからこそ、誰一人死なせてはいけないという事も。
「ここは通さない。わたしがずぇーったい護るから!」
 だからこそ、気勢を吐く。
 敵味方、全ての命を護る為。
「ああ、そうだな」
 肯定の言葉と共に銃声が病棟に響いた。

「間に合ったようだな」
 銃口から煙を吐き出した精霊銃を片手にニコが歩く。
 視線の先には右腕を炎に覆われた幻朧戦線の若者が尻餅を着き、同胞がそれを消しにかかる。
「うまく行きました?」
 仲間の到着に緊張から解き放たれた八重が安堵の息を吐き、そして問う。
「ああ、応えてみせてこその猟兵というもの。ここにいた人間は皆、この中に避難した」
 時計卿の掌には兎の装飾が刻まれた木製オルゴール。
「でしたら――もう大丈夫だね!」
「ああ、片付けよう。グラッジ弾を食らってみたくもあるが時間が惜しい」
「それは止したほうがいいと思うよ!?」
 冗談とも本気ともとれる口調にさすがに桜の巫女は窘めの声を上げた。

 炎と桜が舞う。
 ゆがんだ炎を払い、生きるべき命を助けるため。
 花が散り、火が絶えた時、そこに立つのは猟兵二人のみだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

満月・双葉
検体がいっぱい…となるわけにもいかないか
死人なしにしろと請け負ったからにはそうすべき

避難させることに重点を置きましょうか
音に注意し、今騒動が起きているのはどの辺りか把握
その上で【野生の勘】も使用し襲ってくる脅威も鑑みつつ、建物の構造を把握して医療関係者に指示を飛ばしつつ避難させる
盾には僕がなりますよ
【オーラ防御】を使用して防ぎつつ【激痛耐性】でダメージは耐える
敵は【医術】を用いて殺さないように捕縛し空いた部屋に監禁していく。師匠仕込みの合気道も役に立てられれば良いな

希望を与えられねば生きていけたか、それでも与えられたなら仕方がないのだろうね
一時夢を叶えられるのなら…か
本人がそれで良いのならね


アイン・ツヴァイ
…気に入らないな。
「自分の命を投げ捨てるのなら、容赦なく屠ってやるだけだが…」
他人のその命を利用すると言う愚行は、各々で購って貰おうか。
【SPD】
とは言え、俺に出来る事なぞ高が知れている。
猟兵としての活動も今回が初めてなのだからな…。
兎に角、グラッジ弾とやらを撃たれる前に89式で関節でも撃ち抜かせて貰おうか。
患者を狙う弾道は、指定UCを使用しつつ【見切】れたものを89式やコンバットナイフで相殺、最悪は自分の身で以て受けて肉壁になるしかあるまい。
「所詮、この身は血の通わぬ鉄の身体…問題は無い」
可能ならば【乱れ撃ち】と【制圧射撃】の併用で他の奴等を制圧したいものだ。


ニノマエ・アラタ
病室へ続く廊下に陣取り、兵を一歩も通さない。
UCを使いグラッジ弾を持っているヤツを優先的に倒す。
……倒すとは、峰打ちや近接技で気絶させることだが。
倒したヤツらはそのまま、バリケードにもなる。
足元に転がってるのを踏み越えるか、またぎ越すか……
いずれにせよ無駄な動きが出てくるだろう。
俺は常に自分の足場を意識し、前へ進ませないようにする。
膠着状態になったら敵であれ己を取り戻すための時間稼ぎを。
「自分より弱い、反撃できない相手を狙って殺す。
……それがアンタらのやりたいことか?
手段が違うんじゃねえの」
俺にかなわないと知れば、興奮も冷めて
恐怖だけが残るんじゃないだろうか。
逃げ出すなりお好きにどうぞってな。



●代償

「検体がいっぱい……となるわけにもいかないか」
 満月・双葉(神出鬼没な星のカケラ・f01681)が遠くより響く足音を聞き留め、独り、苦笑した。
「死人なしにしろと請け負ったからにはそうすべき」
 ベッドを倒し、間に合わせで作られたバリケードに背を向けると逃げ遅れた患者達へ指示を飛ばす。
「あと少しで敵が来ます。今から避難を開始すれば、間に合います――早く!」
「わ、分かった!」
 双葉の言葉に慌てて行動する医師達。
 カエルのマスコットを手で押さえながら、オラトリオは改めてバリケードへ向き直る。
「敵の数は三十名程度、軍隊でいう小隊規模? みんな銃を持っている」
「よくわかるな?」
 アイン・ツヴァイ(失いし者・f26129)は小銃片手に問いかけた。
「……ただの勘だよ」
 山猿の弟子たるそのユーベルコードを一言で表せば、双葉は遮蔽物へと近づいた。

「会敵!」
「撃てぇ!!」
 遭遇と同時に幻朧戦線の若者が声を上げ、指揮官は命令を発した。
 大量のグラッジ弾が業を練って放たれ、対するバリケードからは小銃弾が火を噴く。
 火薬の破裂音に金属のぶつかり合う音が混ざった。
「損害!」
 憂国の隊長が状況を確認すれば帰ってきたのは――
「皆無!」
 損害無しの知らせ。
 馬鹿なと視線を敵に向ければ、そこにはオーラによって銃弾を叩き落した双葉、そして。
「……気に入らないな」
 迫りくる弾丸を小銃とナイフで叩き落したアインが居た。

 Zweig Zeit Rei
 分岐時間の射線

 精神力を代償に全ての行動を成功させるユーベルコード。
 いわゆる集中力の極致、そして実現化。
「自分の命を投げ捨てるのなら、容赦なく屠ってやるだけだが……」
 引鉄が引かれ、5.56ミリ小銃弾が幻朧戦線の若者達の膝を撃ち抜く。
「他人のその命を利用すると言う愚行は、各々で購って貰おうか」
 鋼鉄の男が代償を求めた直後、影が動いた。

 指を鳴らす音が聞こえた。
 次に負傷していなかった同志が蹴り飛ばされた。
 返す刀でニノマエ・アラタ(三白眼・f17341)の拳が別の若者の顔面を砕き、床へと転がした。
「……速い」
 指揮官が呆然とする。
 それほどまでにアラタの動きを捉えることは困難であった。

 ――Clockup Speed

 命を削る高速戦闘モード。
 三白眼の男が前衛を陣取った幻朧戦線の同志達を昏倒させれば、力を解き、指揮官を睨む。
「自分より弱い、反撃できない相手を狙って殺す」
 アラタの目に潜むのは
「……それがアンタらのやりたいことか?」
 怒りか?
 それとも憂国の戦士から熱を奪うための時間稼ぎか?
「手段が違うんじゃねえの」
 それは彼のみが知る……。
 故に指揮を預かる男は嗤いを返した。
「我々は帝都に戦乱を呼ぶために動いているのだ……なあ、君? 我々は戦争をしているのだよ?」
 それは相手を馬鹿にしたものではなく。
「戦争でまず狙うのは兵士だと思うのか? 違うのさ、まず狙うのは補給部隊――戦力を割けない部隊だ」
 戦いではなく戦争を好むが故の笑み。
「ならば帝都を戦争の舞台とすれば狙うのは分かるだろう――グラッジ弾だって本来の使い方を望んでいる。君はどう思う?」
「――それだけか」
 直後、指揮官の両膝に孔が穿たれた。
「幾多の戦争の末、この世界は平和を得たという。それをむざむざと壊すのか?」
 平穏を望むが故、アインの引鉄は戦争賛美の言葉に対して容赦なく解放される。
「――くっ! 皆、怯むな! 影朧を一つでも出せば戦況は変わる! 撃て、撃つんだ!」
 血だまりに転がりながらも指揮を預かる男が叫ぶ。
 それに応えるかのように幻朧戦線の戦士が前進を開始した。
「勝てないと知れば、興奮も冷めると思ったのにな」
 アラタが苦虫を嚙み潰したような表情で指を鳴らす。
「無理だよ」
 双葉が呟いた。
「あれはそういうものじゃない」
 そして三白眼の男に続くように幻朧戦線の中へと進みゆく。
「希望を与えられねば生きていけたか、それでも与えられたなら仕方がないのだろうね」
 呟く言葉は喧騒にかき消される。
「一時夢を叶えられるのなら……か」
 銃剣を振るう若者を投げ飛ばし、オラトリオは尚も進む。
「本人がそれで良いのならね」
 夢の代償が何かを知っているかのように……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

荒谷・ひかる
……どうして。
どうしてあなた達は、こんなことができるのですか?
無力な人を襲い、傷つけ、死に至らしめ……
その先にあなた達は、何を望んでいるのですか?

敷地内、交通の要衝となる地点に陣取り【精霊さんのくつろぎ空間】発動
周辺に多数存在しているであろう、幻朧桜の花弁も巻き込んで
幻想的な花吹雪を作り出し、その光景と癒しの風で以て心を落ち着けさせ、戦意の喪失を狙う

どうして。
どうして、平然と人を騙せるのですか?
それが乗った人の命を奪うものだということを、何故隠せるのですか?
そんなものによって築かれる栄光に、どれほどの価値があるのですか?

わたしはあなた達の事を……とても哀しく、そして憐れだと思います。



●憐憫

 狙うべき対象を探し、幻朧戦線の戦士達が走る。
 グラッジ弾が野戦病院への攻撃へ使われたのなら、その通りに使ってやるのが当然だろう。
 使命と大義の熱病の侵された憂国の使徒。
 その姿は獲物を求める獣が如く。
 中庭を見つけた時、指揮を預かる男の顔に笑みが浮かんだ。
 重要な中継地点を確保できれば、作戦上有利となりうる。
 戦略的意義を見出し、庭へ踏み込めば辺り一面を桜が舞った。

「どうして」
 荒谷・ひかる(精霊寵姫・f07833)が問いかける。
「どうして、平然と人を騙せるのですか?」
「それが世界のためだからだ!」
 華舞い散る幻想的な風景の中、一人、指揮官は中庭で叫ぶ。
 これがユーベルコヲドだと気付いていた。
 だからこそ皆が銃を捨てる中、一人刀を握っていられる。
「それが乗った人の命を奪うものだということを、何故隠せるのですか?」
「それが……奴のため……だからだ」
 涼やかな風が熱を冷まし、森を思わせる静けさが戦意を奪っていく。それでも嘯く、そうしなくては心折れてしまうから。
「そんなものによって築かれる栄光に、どれほどの価値があるのですか?」
「ならば、この怠惰な平和に価値があるのか!」
 幻朧戦線――大正の平穏を愚とみなし、戦乱を起こすことが是と信じていた。
 それが揺らいでいく。
 そんな男の目をひかるは真っすぐに見つめた。
「わたしはあなた達の事を……とても哀しく、そして憐れだと思います」
 憐憫が全てを断った。

 ――ならば、我々のしたことは何だというのだ?

 指揮官が心の中で叫ぶ。
 だが、何も返ってこない。
 誰も答えを用意していないのだから。

 うなだれる男達をひかるは見下ろす。
 無力な人間を襲い、傷つけ、死に至らしめ……その先に彼らは、何を望んでいたのか?
 なぜ、凶行に走ったのか?
 理想や大義と言った言葉では片づけられない澱んだ何かを感じつつも、只人の猟兵は彼らと同じ名前を持つ桜を見上げた。

 ――幻朧は何も答えてくれなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『不退転浅鬼・賀楪猿』

POW   :    咲かずば裂こうか赤い華
【相手を叩き潰し、引き裂く素手】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    傾国への執念
【強さを追い求める羨望と怒り】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
WIZ   :    植え込まれた妄執
【攻撃を受けた際、悪の心を増大する炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【炎に触れた者は暴走し、また】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
👑11
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●裸足

 願えるなら、土の上を歩きたい。
 ……誰の手も借りず。
 叶うなら、土の上を歩きたい。
 ……靴を履かずに裸足で。
 甲冑越しではあるが、今、その願いは叶う。
 こんな話を聞いたら馬鹿にされるだろうけど、僕には大事な事なんだ。
 そのためならどんな悪行だってやってやる……。

 外で炎が上がり、振動が病棟を揺らした。
「出てこい、超弩級戦力。勝負をしようじゃないか!!」
 外より声が響いた。
 誰かが窓を覗けば、そこには――鬼が居た。

 ――傷だらけの身はこれまで生きてきた証なのだろう
 ――強大な身体は望んで得られなかった物なのだろう
 ――大地を踏みしめる足に何も履いていなかったのは

「これが影朧甲冑――なるほど、僕が望んだ姿になったという訳か!」

 ――裸足で歩きたかったのだろう。

 影朧を纏った呪われし動力甲冑。誰かが皮肉るは『軍神作成装置』
 死んで御国に仕えるための鎧。
 それが燃え盛る輸送トレーラーの炎に照らされ、赤銅色の肌をさらに赤く見せる。
「いいねえ、これがあれば僕も歩ける! 影朧が力になって影朧エンジンの代わりに足を支えてくれる、僕の一部になるんだ!」
 一歩進むごとにグラッジ弾や甲冑に呼び寄せられる影朧が鬼へと取り込まれ、その巨体をさらに大きなものへと変えていく。
「さあ、来いよ。僕は夢のためにここを壊すぞ」
 為したいことをなすために。
 そんな乗り手の心を映すかのように鬼は嗤う。
「だって、彼らにはこれから息をするだけの人生が待ってるだけだろう?」

 影朧が作る姿の名は――賀楪猿。
 甲冑の乗り手の名は――不明。
 だが、狙いはこの病院。
 猟兵を誘うためか、目的を果たすためかは分からない。
 けれど、鬼は病棟の入口へと立った。

 選択の余地は無きに等しかった。
逢坂・理彦
影朧甲冑の乗り手は甲冑に乗れば死ぬと言うことを知らないとのことだけど…。
知ってもなお本望な何かがあったりとか。
その上でどうせ死ぬなら一花咲かせて…なんて思考にならなきゃいいんだけど…。

先ずは甲冑を止めようか。

【防御拠点】【かばう】で病棟を守り。

【戦闘知識】で戦場を確認しつつ技と相手のUC範囲内へ。
【第六感】【早業】【見切り】で攻撃を回避後
UC【狐火・紅薔薇】発動し薔薇の蔦で行動を制限。
そのまま墨染桜で【なぎ払い】


トリテレイア・ゼロナイン
止まりなさい!
幻朧戦線は貴方に真実を…その甲冑から生きて二度と降りれぬことを伝えておりません!
戦えば影朧の呪いで確実に命を落とします
今ならば未だ間に合います、投降を!

……っ!

例え異形の甲冑を纏おうと、生きることは出来ます
世の為、人の為、己が身の性能を活かす方法もあるかもしれません
断じて無力な人々の命を身勝手に奪い、ここで貴方が命散らす理由にはならぬ筈です!
(SSWのウォーマシンが故に生身への執着の理解が薄い)

……どうしても止まらぬと
その夢、騎士として打ち砕きます

殴り掛かる敵に格納銃器での●スナイパー射撃で●目潰し
同時にUCで脚部に●だまし討ちし転倒誘発
空振りした拳を●見切り●怪力による近接攻撃



●夢念

「止まりなさい!」
 賀楪猿の前進に対し、まずトリテレイア・ゼロナインが立ちはだかった。
「幻朧戦線は貴方に真実を……その甲冑から生きて二度と降りれぬことを伝えておりません!」
 普通の人間なら避けたがるであろう言葉をあえて口にする。
 それは騎士故か、それとも戦争人形故か。

 ――影朧甲冑の乗り手は甲冑に乗れば死ぬと言うことを知らないとのことだけど……。
 その後ろでは逢坂・理彦が思考する。
 ――知ってもなお本望な何かがあったりとか。
 それは守り手として培った経験が教える懸念、戦うなら当然の想定。

「戦えば影朧の呪いで確実に命を落とします」
 ――その上でどうせ死ぬなら一花咲かせて……なんて思考にならなきゃいいんだけど。

 説得と思考が重なり合う中、鬼は沈黙を守る。
「今ならば未だ間に合います、投降を!」
 切実に訴えるトリテレイア。
 だが、それは……。
「何を言っているんだ? 僕はそんなことを聞かされてはいない! 君達、嘘をついているだろう? 僕が戦えなくなると思って?」
「……っ!」
 盲信による拒絶によって報われ、騎士は言葉を失う。

「さあ、勝負をしよう! 超弩級戦力よ! 君達と戦うほど、僕の身体に影朧が入り込む……歩けるようになるんだ!!」
 鬼が一歩踏み込んだ。
「例え異形の甲冑を纏おうと、生きることは出来ます」
 それでもトリテレイアは一歩も引かずに声を張る。
「世の為、人の為、己が身の性能を活かす方法もあるかもしれません」
 それは機械故の思考。
「断じて無力な人々の命を身勝手に奪い、ここで貴方が命散らす理由にはならぬ筈です!」
 鉄として生まれ、騎士として生きる男に無いものがあった。
「それじゃあ、駄目なんだよ!」
 それは……
「僕は生身で歩きたいんだ、裸足で歩きたいんだ。ねえ、靴も靴下もなく土の上を歩く感触ってどんな気分なんだい? 僕はそれを知りたい」
 ――肉への執着。
 歩けるようになる。だからこそ甲冑へ乗った、真実を知らされず。
「……っ!」
 何かを言葉にしようとしたトリテレイアの腕を理彦がつかむ。
 振り向けば、狐はただ首を振るのみ。
 夢により願いは無念へと変わった。

「先ずは甲冑を止めようか」
 理彦が迫りくる鬼の歩幅から間合いを計算する。戦うための知識とは細かいところの観察あって活かされる。
 甲冑の乗り手が素人なのだろう、動きは単調であった。
 けれど纏った影朧が生み出す圧力と膂力による爆発力から生まれる攻撃は生半可には止められない。
 だからこそ、狐も打ち合おうとはせずに、その腕をかいくぐるように前へと踏み込んだ。
 まるで、人同士がすれ違うかのように。
 ――直後、炎が弾けた。
「薔薇に棘があるのは知っているかい?」
 振り向きざま、理彦が問いかけた。
「おのれ……おのれ!」
 怨嗟の声が応えであった。
 鬼を縛するは薔薇の蔓。

 キツネビ ベニソウビ
 狐火・紅薔薇

 狐火が生み出した蔓の端は生み出した狐の手に。
 左手で引くと、影朧の体を崩す、そこへ間合いを詰め薙ぎ払われるは墨染めの桜。
 薙刀の一撃が鮮血が薔薇と共にアスファルトを汚した。

「はは……痛くない、痛くないじゃないか」
 腹より紅を零し、賀楪猿が笑う。
 影朧を纏いし甲冑は痛みを断ち切り、損傷を厭わず進ませる。
 故に不退転。
 代償は帰ル場所アラズ。
「……どうしても止まらぬと」
 薔薇の縛めから逃れた鬼の前に騎士が立った。
 答えは赤黒い腕から振り下ろされる拳。
「ならば!」
 頭部から炎が噴き、機銃を賀楪猿の目を貫いた。
「その夢、騎士として打ち砕きます」
 トリテレイアの腰の装甲が跳ね上がり、腕が飛ぶ。
 ワイヤー制御の隠し腕が鬼の足に絡みつけば、視界を失った影朧が転倒する。

 ……何かが聞こえた気がした。
 甲冑の乗り手が声の咆哮へと影朧を動かすとそこに迫るのは白い騎士。
 振り下ろされた儀礼剣の一撃が賀楪猿の鎖骨を砕いた。

 夢を砕くのは信念の一撃。
 ――故に夢念。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

満月・双葉
理不尽を理不尽にて解決しようとすれば、もう誰もお前の理不尽を理不尽とは思ってくれないぞ
どの道死をもって贖う事になるが、後悔しないか?なら良いけどな、別に僕はどうでも

【スナイパー】で精度を上げた遠距離攻撃を光弓の首飾りにて放ち、敵を翻弄することで他の猟兵の攻撃が当たりやすいようにする
【虹瞳】による【生命力吸収攻撃】を命を視る魔眼による【鎧無視攻撃】で放ち、敵を確実に弱らせ更に加勢とする

敵の攻撃の射程範囲に入らずにおき、【闇に紛れる】ことで【騙し討ち】による【掩護射撃】で作戦の成功率をあげていく
間合いに寄られた時には【咄嗟の一撃】で大根による爆発の【属性攻撃】を放つ


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
夢、ねえ。
見るだけなら好きに見ればいいと思うけど、
それに向かって進むなら、目の前にあるのは現実だよ。

さて、相手は分かりやすく力に優れた鬼。
ならこっちもそれに対抗できる力と大きさがあればいい。
【獣相変貌】で、大きな熊にでもなろうか。

変身が終わったら、大きな咆哮をあげて敵に突っ込むよ。
相手の攻撃は全て無視して、喉笛に食らいつく。
出来る限りの殺気をこめて、恐ろしい怪物に見えるように。
戦うって事は怖い事だと、身に染みるように。

口ぶりから察するに戦いに慣れ親しんでるようには見えないし。
恐怖で浮かれた頭を冷やしてやれば、
この先どう扱うにしろ色々とやりやすくなるだろうからね。



●夢想

「夢、ねえ」
 ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストードが間延びした口調で片目から泡を吹いている賀楪猿へと歩いていく。
 取り込んだ影朧を引き換えに眼を再生させた鬼が視線をペトへと向ければ、そこには――熊がいた。
「見るだけなら好きに見ればいいと思うけど、それに向かって進むなら、目の前にあるのは現実だよ」
 獣からはやはり間延びした声は聞こえた。

 Wild Awakening
 獣 相 変 貌

 影朧と対抗できる力、その象徴。ペトが混沌より選んだのは熊。
 獣は咆哮を上げて、突進を開始する。
「そうだ、現実だよ! 歩けるという現実。これを成し遂げれば、それが待っているんだ!」
 熱情に浮かれたような声が響き、鬼もまた進む。
 けれど、光の矢がそれを阻む。
「理不尽を理不尽にて解決しようとすれば」
 満月・双葉の声が響けど、姿は見えず。
「もう誰もお前の理不尽を理不尽とは思ってくれないぞ」
 賀楪猿が姿を追えば、それを牽制するかのように鬼の背中に矢が穿たれる。
「お前に僕の何が分かる!」
「どの道死をもって贖う事になるが、後悔しないか? なら良いけどな、別に僕はどうでも」
「死ぬ方がマシだった人生より、こっちの方が良いさ! どうでもいいなら黙っていろ!」
 甲冑の向こうから乗り手が叫ぶ。
 そこへ、熊の咢が鬼の喉へと食らいついた。

「くそっ……くそっ!」
 賀楪猿の奥から焦りが聞こえる。
 痛みはない、けれどこの状態で戦えるわけがない。
「この野郎!」
 言葉を吐き、鬼が力づくで熊の咢を引き剥がす。
「これでも女だぞ」
 獣が答えた。
 その目に殺意を込めて。

 ――おまえなど、いつでも殺せる。

 そう訴えかけるような眼が甲冑の奥に潜む心臓を射抜く。
「う……わあああああああ!」
 影朧が叫んだ、咆哮ではなく、それは蛮声。
 恐怖を紛らわす、人が人であるが故の叫び。
 例え痛みを感じなくとも。
 例え、食い破られた喉笛が影朧によって再生を果たしても。
 戦素人たる乗り手にはその視線は耐えられるものではない。
 視界よりペトを排除すべく、鬼が拳を握れば、何かがその胸を射抜いた。
「影朧が……消えていく?」
 それは魔眼。
 双葉が睨みし命の魔眼が影朧甲冑に巡りし影朧の流れを断つ。
「貴様ぁ!!」
 視線に気づいた賀楪猿がオラトリオへと迫る。
 その視界を何かがふさいだ。
「大……根?」
 直後、爆炎が顔を覆った。

「恐怖で浮かれた頭を冷やしてやれば」
 炎に包まれる影朧を見つつ獣は呟いた。
「この先どう扱うにしろ色々とやりやすくなるだろう」
「だといいのですが」
 大根を投げた双葉が口を挟めた。
「そのためにはもう一息必要かもしれません」
 二人が見た鬼の目は殺意に染まっていた。

 あてもなく思うが故に人は現実に再び打ちのめされていく。
 ――その様を夢想と呼ぶ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御堂・銀
我は貴殿を憐れまぬ。
如何なる理由があれど、御国に仇為す者は斬る。
我は貴様を憐れもう。
御国を護るべくして生まれた我が同胞よ、せめて我が手で斬り捨てる。
かつて共に大戦を駆けたものよ。これよりは機甲甲冑として貴様を成敗せん。

此の世をば 我が世とぞ思ふ望月の 虧けたる事も無しと思へば



中隊、空対地射撃戦用ォ――意!
八○式に上空からの射撃掩護を命じ、我は懐へ斬り込まん。

貴殿がうらみを抱いて二十余年と生きられたのは、父祖が身命を賭して八紘一宇を為したが故!
大正の世が不具とて万人に生を許すのは、我ら皇軍が戦ったが故!
恨めしいか、憎いか! ならばまず我を壊すがいい!
鬼を鎧いし武者よ! 駆けよ、疾走れ、闘争せよ!


アイン・ツヴァイ
誰の手も借りず、自分自身の肉体(からだ)で歩く──
「嗚呼…その気持ちは痛い程理解が出来る──」
俺とて、この『機械仕掛けの肉体(からだ)』に為った時は夢想したものだ── ─だから、虚しい。
「だが、まずはあの鬼を倒さなければ、な」
如何に性根が人間であれど── ─敵は狩るしか無いのだから。
【POW】
意図的に接近戦を挑む振りをして、大威力の一撃を誘発させ、俺は指定UCを使いながらの【見切り】で回避。
その後は【念動力/闇に紛れる】で適切な距離を保ちながら【誘導弾】等で攻撃。
精神力が切れてきたら【限界突破/クイックドロウ/鎧無視攻撃/零距離射撃】で突撃する!
「突破口を開く─── 後は任せた」



●夢情

 誰の手も借りず、自分自身の肉体(からだ)で歩く――か。
「嗚呼……その気持ちは痛い程理解が出来る」
 アイン・ツヴァイが一人、呟いた。
 それは自分が『機械仕掛けの肉体』に為った時は夢想していたこと――だからこそ虚しくもあった。
「だが、まずはあの鬼を倒さなければ、な」
 納得させるようにつぶやき、小銃に新しいマガジンを叩きこむ。
 如何に性根が人間であれど――敵は狩るしか無いのだから。

「我は貴殿を憐れまぬ。如何なる理由があれど、御国に仇為す者は斬る」
 御堂・銀が甲冑の奥にいる者へと勧告する。
 それは国を守りし、ヤドリガミが故。
「我は貴様を憐れもう。御国を護るべくして生まれた我が同胞よ、せめて我が手で斬り捨てる」
 筑後御堂守月銀が告げる。
 かつて護国が故に作られた同胞にして、外法の軍神製造機へと。
「かつて共に大戦を駆けたものよ。これよりは機甲甲冑として貴様を成敗せん」
 纏うは八○式機甲甲冑『柳月』、陸軍が作りし航空機甲武者鎧。
「此の世をば 我が世とぞ思ふ望月の 虧けたる事も無しと思へば」
 謳うは傲慢なる貴族の歌か、それとも事を成し遂げれば、満ち足りるのか? と問う言葉か。
 それを知るのは機甲甲冑の奥の魂のみ。
「ハチマルか……憧れたよ! 僕もそれを着たかった、でも無理だった」
 賀楪猿より聞こえるのは羨望の言葉だった。
「だから、邪魔するお前も壊す」
 けれど、それは一時の何か。
 殺意が鬼に拳を握らせた。

「中隊、空対地射撃戦用ォ――意!」
 銀の叫びと共に空が黒く陰る。
 青を黒く染めるのは八○式柳月――航空機甲甲冑の軍勢。
 攻撃ヘリよりも小回りの利く機甲挺身が影朧へと次々と対地銃撃戦を展開した。

    アマミツルツキ
 人、之を『天 満 月』と呼ぶ。

「――今だ」
 地を駆ける柳月を先導するようにアインが走る。
 制圧射撃の中、分岐時間の射線によって弾丸の雨を潜り抜け、賀楪猿へと迫る。
「邪魔……だぁ!」
 空より叩かれることに苛立ちを隠せない鬼が拳を振るう。
 だが、鋼鉄の男は銃床で拳の軌道をそらし、距離を取り引鉄を引く。
 5.56ミリを収めた真鍮の筒が反動と共に余熱を帯びて地面に転がる。
 それだけでは終わらない。
 一気に距離を詰めれば、アインは小銃突撃を敢行する。
「突破口を開く!」
 火薬が燃え、ガスが遊底へと導かれると撃針を雷管へと走らせる。
 銃火が吠え、ダブルカラムに収まった弾丸を全て吐き出すと、ボルトが解放される音と共に賀楪猿がたたらを踏んだ。
「後は――任せた」
 同時に鋼鉄の男は倒れる、精神力の限界を使い果たし。

     Ein
 アインがただのモノへと変わり果てた直後――機甲武者が斬り込んだ!

「貴殿がうらみを抱いて二十余年と生きられたのは、父祖が身命を賭して八紘一宇を為したが故!」
 銀が吠えるのは世の仕組み。
「大正の世が不具とて万人に生を許すのは、我ら皇軍が戦ったが故!」
 しろがねが称えるのは屍によって建てられた平和の礎。
「恨めしいか、憎いか! ならばまず我を壊すがいい!」
 敢えて恨みを誘うのは世の無情を知るが故。
「鬼を鎧いし武者よ! 駆けよ、疾走れ、闘争せよ!」
 導く道は戦道――それは人として生きることを望むが故か、それとも……。
「歴史の講義は沢山だ! だったら、ひと一人歩かせてみろ!!」
 心を解き放たせるためか。

 夢は無情にも打ち砕かれようとしていた。
 腹を薙がれ、影朧でできた臓物を引きちぎる鬼の様を例えるなら。
 ――夢情。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
「お前にも、夢があるんだよな」
でなけりゃ願してそんな物に乗りたがらないだろう。
だけど。
「それでも、ここの人達にも夢はあるんだ」
たとえそれが叶えられなくても、それを否定する事は許さない。
だから。
「ここで、お前を止める」

シャーリーと協力し、まずは奴が纏う影朧を引き剥がす。
【神火の竈】の炎で奴を焼き払いながら同時に【物を隠す】でその炎で視界を遮って大威力の一撃を回避し、【カウンター】でその腕に【二回攻撃】で斬りつけてダメージを与えていく。
そして俺の炎が隠しているのは俺の姿だけじゃなく、シャーリーが周囲に張り巡らせたワイヤーもだ。
奴の動きが止まったところへ【捨て身の一撃】を叩き込む!


シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
影朧甲冑は乗ってる人を呪いで蝕み、最後には死に至らせる
でも、彼はそれを知らない
「教えて。キミの『夢』って、何なの?」
助けられるかどうか分からないけど、一縷の望みに賭けてみたい
だからウィーリィくんと一緒に彼を止める

甲冑のパワーに対抗するため【エクストリームミッション】で戦いを挑む
飛行してブラスターの熱線を浴びせながら周囲を飛び回り【罠使い】+【ロープワーク】でワイヤーを張り巡らせて、それで動きを封じて転倒させ、その隙に【クイックドロウ】+【乱れ撃ち】でありったけの熱線を撃ち込んで影朧をひっぺがすよ!



●夢視

「教えて。キミの『夢』って、何なの?」
 傷口より闇を垂れ流す鬼へ、シャーリー・ネィドが問いかける。
「聞いても笑わないなら、教えてやる」
「……いいよ、笑わない」
 少女の声に甲冑の奥の人物は思考し、言葉を紡いだ。
「……裸足で地面を歩いてみたい。ただそれだけだ――そのためには!」
 賀楪猿が一歩、踏み込んだ。
「この影朧甲冑を駆って、この身に影朧を循環させる必要があるんだ!」
 縋った希望に与えられた嘘、それが鬼を動かす。
「お前にも、夢があるんだよな」
 大包丁片手にウィーリィ・チゥシャンが呟いた。
「でなけりゃ願してそんな物に乗りたがらないだろう――だけど」
 少年の目が巨大な影朧を睨む。
「それでも、ここの人達にも夢はあるんだ」
 たとえそれが叶えられなくても、それを否定する事は許されない、だから――。
「ここで、お前を止める」
 夢を止める戦いが始まった。

 大包丁から炎が迸り、周囲を覆う。
 強火の炎が賀楪猿を捕らえると、皮膚を焼き、視界を封じる。
 二人もそうだが、猟兵達は堅実に行動を封じ、着実に攻め立てていた。
 身体能力の強大化や悪心による炎を使わせる発想を封じ、力業だけで戦わせるように。
 それ故に甲冑の乗り手は影朧の力を完全に引き出すことができず、翻弄される。
 今回もそうであった。
「火の中へ……飛び込んだ!?」
 燃え盛る炎の中を切り裂くように飛び込むウィーリィ。
 咄嗟、鬼が拳を振るうが、それは空を切り、代わりに包丁が剛腕へと突き立てられる。
 二条の斬撃を賀楪猿の腕を切り裂くと、鬼が咆哮を上げて少年を追いかける。
 ――そこへ。

 CODE:Extreme Mission!
 エクストリームミッション

 バレルロールに跳躍するシャーリーを包み込むように宇宙バイクがパワードスーツへと変形し、サメのシルエットと共に飛び、炎の中をブラスターの引鉄を引く。

 ――助けられるかどうか分からない、けど。

 熱線を打ち込む中、シャーリーは一人考える。

 ――一縷の望みに賭けてみたい、だから!

 視線の先には常に共にいるパートナー、ウィーリィを信じ、そして。

 ――一緒に彼を止める!!

「ええい! ちょこまかと!」
 的確に熱線を叩きこむ少女へ苛立ち交じりに鬼は拳を繰り出す、だがそれは……。
「う……動かない!? どうしてだよ!」
「腕を見ろ」
 料理人の言葉の通りに視線を腕に落とせば、影朧の全身はワイヤーによって作られた檻のなかへと囚われていた。
 ウィーリィの放つユーベルコードは賀楪猿を焼き、少年が攻撃に至る隙を作り、そしてシャーリーのワイヤーを隠した。
 その技の名前は神火の竈、またの名を。

 プロメテウス  レンジ
 熟慮する者の間合い

 料理が魔法に例えるなら、鬼は炎の魔法に魅せられていたのだ。
「――今ぁ!」
 すれ違った少女がスプリットSにて空中からロール、地を這うような低空飛行から、ブラスターを乱射する。
 怯んだ影朧がワイヤーにつかまり尻餅を着くと、そこへ浴びせかけられるありったけの熱線。
 それは望みにかけるエネルギー。
「ウィーリィくん!」
「――ああ!」
 鬼の目前の急上昇したシャーリーが叫ぶと代わりに飛び込むのは相棒の少年。
 叩き込むは曲がった夢を止める捨て身の斬撃。

 人は夢を視る。
 だから、戦うのだ。
 夢視の証は地面に転がる賀楪猿の片腕。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ニコ・ベルクシュタイン
威勢の良い事だ、勝負を挑まれたとあらば受けて立とう
ただし、まともに取り合うとは言わぬよ
より強く希い望む者こそが勝者たり得る、其れを競おうではないか

【此の時進むべからず】、お前を此れ以上先には行かせない
虎の威を借る狐とは良く言ったものだが
お前の心の底には、果たしてどれだけの迷いがあるか見せてみろ
多少なりとも「時間稼ぎ」にはなろう
他の猟兵が攻め手に回ってくれるなら任せるが
俺一人なら精霊銃での炎の弾丸による「属性攻撃」をくれてやる
「誘導弾」での必中と「焼却」の意志を込めたぞ、耐えられるか?

…命ある限り、誰もがお前と同じように何かを希い生きている
其れを軽んじる言葉だけは聞き捨てならぬ、撤回して詫びよ!



●夢望

 片腕を斬り落とされ這いつくばるようにワイヤーの檻から抜け出した賀楪猿。
「威勢の良い事だ」
 声を聞き、頭を上げる。
 そこに立つのはニコ・ベルクシュタイン。
 唸り声をあげ、鬼が威嚇するが時計卿は意に介さず、重厚な懐中時計を片手に言葉を紡ぐ。
「勝負を挑まれたとあらば受けて立とう、ただし!」
 立ち上がり、影朧が拳を振るう。だが直撃を受けたはずのニコは変わらずにそこに立っていた。
「まともに取り合うとは言わぬよ」

 ――Time Keeper.
 此の時進むべからず

 時間を止め、迷宮となすユーベルコードが賀楪猿をミノタウロスが如く封印する。
「より強く希い望む者こそが勝者たり得る、其れを競おうではないか」
 別の方角より声が響き、振り向けばそこにはやはり時計卿。
 先ほどまでのは止まった時に居たニコ、そして新たな場所に立つのは。
「うるさい!」
 鬼が視線を送れば時計卿の周りは燃え、姿が消える――やはり、凍った時に居た存在。
 影朧を周囲を見渡せば、周りを歩いたニコの姿が凍結された時間の象徴として次々と立っていた。
 時間が凍結すれば未来は変わらない、だから壁は硬い。
「でてこい!」
 だが、炎は時を溶かし、時間を狂わせる。故に壁は溶ける。
 けれど迷宮は深い――当然であった。
 それは遥か迷宮深くに居た懐中時計が長い時を経てみてきたものなのだから。

「虎の威を借る狐とは良く言ったものだが」
 鬼の炎が迷宮を切り開く中、時計片手にニコは呟いた。
「お前の心の底には、果たしてどれだけの迷いがあるか見せてみろ」
 それは心を探り、闇を潜り、光明を見出すためか。
 ……想い、幾つあれど、時計はただ、時を刻むのみ。

「きぃさぁまぁあああ!!」
 言葉にならない叫びと共に迷宮を抜けた賀楪猿が走る。
「定刻だ」
 懐中時計のヤドリガミ、その右手の精霊銃が火を噴いた。
「がぁああああああっ!!」
 焼却の意志を込めた炎が影朧の肉を焼き、甲冑の奥から子供のように苛立つ声を響かせる。
「……命ある限り、誰もがお前と同じように何かを希い生きている」
 ニコが静かに告げる。
 怒りを込めて。
「其れを軽んじる言葉だけは聞き捨てならぬ、撤回して詫びよ!」
「軽んじてきたのは……」
 甲冑の乗り手が声を絞り出す。
「お前達のように立って歩くものだ! いつか立てるという餌を吊り下げ何もかもうまく行かなかったと、言い訳したお前達こそ詫びろ! 地に伏して詫びろ!」
 それもまた怒り、彼が幻朧戦線に選ばれた情念。
「ベッドから落ちればコンクリートの冷たさしか感じられない、白い天井に向かって息をするだけの人生になんの未来があったというのだ――応えろ!!」
 答えはなかった。
 ニコ・ベルクシュタインは時を稼ぎ、真実を引き出す役故に。

 夢、望み――夢望に答えを出すのはもっと後であろう。
 そのためには影朧という外套を剥がす必要があるのだから。
 最後の猟兵がそこに立っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

荒谷・ひかる
……その人生の『価値』を決めるのは、決してあなたではありません。
例えそれだけの人生だとしても、最期まで生きようとする命を……理不尽に奪わせはしません!

【水の精霊さん】発動
水の精霊さんにお願いして、周辺の水道や河川から呼び寄せた水で以て巨大な「水の龍」を形成
ブレスを吐くように水を撃ち出し、周辺の消火並びに敵への攻撃を行う
優先するのは消火及び防火目的の水散布
霧状水により熱を奪い、酸素を遮断し、可燃物を水の膜で覆うことで敵の炎を徹底的に妨害
敵へは極細高圧水流による切断攻撃を狙う
わたし自身は水の龍の中に入り、炎から護ってもらう

何も知らなかったあなたの手を、汚させるわけにはいきません。
ここで、止めます!


木常野・都月
ふざけるな…
俺が元狐だから、こんな風に怒りを感じるんだろうか。
人という生き物は、ここまで自分勝手なものなのか?

息をするだけの人生だろうと、その人生に、何を想い、何を見出すか。
死ぬ間際、意識が遠ざかる間も、その命が終わるその瞬間まで。
全ての命の時間は、その人だけのものだ。
貴方が勝手に決めて奪っていいものじゃない。
狐だった俺でも分かる理屈だぞ。

奪っていいのは、命を繋ぐための捕食行動だけだ。

地の精霊様の[属性攻撃]で、磁場、重力で敵を地面に押し潰したい。

UC【精霊の矢】を氷の精霊様の助力で攻撃したい。

敵の攻撃は、氷の精霊様の助力で[属性攻撃(2回攻撃)、高速詠唱]の[カウンター]で対処したい。


御桜・八重
【POW】

裸足で土の上を歩きたい。
その夢は決して悪いものなんかじゃない。
自分に無いものに焦がれるのは当たり前。
出来るものなら声を上げて応援したい。

でもね。
人の価値を、人生を勝手に決めるのはダメだよ。

病院には、他の患者さんの元へは行かせない。
両腰に下げた二刀の束に手を添え、真正面に仁王立ち。
毛先がチリチリするような感覚にも怯まない。

絶対に負けてなんかやらない。
力に溺れたあなたを必ず止める。

至近距離で迫る『赤い華』の手を闇刀で受け流し、
懐に飛び込んで神速の八連撃を見舞う。
「いざ吹き荒れん、花嵐!」
堂々と、真っ直ぐに、真正面から打ち砕く!

さあ、出てきて。
そんな力に頼らずに、あなたの力で夢を叶えてよ。



●夢常

 炎が晴れると、まず二人の猟兵が待ち構えていた。

「ふざけるな……」
 木常野・都月が牙を剥くのは人という生き物の身勝手さ。
「息をするだけの人生だろうと、その人生に、何を想い、何を見出すか」
 元狐という生まれ故に人の生きざまに焦がれ。
「死ぬ間際、意識が遠ざかる間も、その命が終わるその瞬間まで。全ての命の時間は、その人だけのものだ」
 その一生に憧れる。
「貴方が勝手に決めて奪っていいものじゃない」
 だからこそ都月には許せなかった。
「……その人生の『価値』を決めるのは、決してあなたではありません」
 荒谷・ひかるが言葉を継いだ。
「例えそれだけの人生だとしても、最期まで生きようとする命を……理不尽に奪わせはしません!」
「――だったら!!」
 影朧の向こうから誰かが叫んだ。
「なぜ、僕を殺してくれなかった……僕の人生を奪ったのは、お前達のように立っている者だったぞ!」
 そして鬼が歩く、夢のために。
 同じく猟兵も歩く、命のために。
 世の中は儚く、非常である。
 影朧という名の夢を砕く――その時が、今訪れようとしていた。

 ――裸足で土の上を歩きたい。

 その夢は決して悪いものなんかじゃない。自分に無いものに焦がれるのは当たり前。

 ――出来るものなら声を上げて応援したい。

「でもね。人の価値を、人生を勝手に決めるのはダメだよ」
 後ろに控えた御桜・八重が両腰に下げた二刀の柄に手を添えて、賀楪猿の姿を見る。
「病院には、他の患者さんの元へは行かせない」
 毛先がチリチリするような感覚がした。
 鬼の視線が突き刺さる中、その場に立ち対峙する。
 その振る舞いは逆にここまで来いと言わんばかりに。
 ――戦いが始まった。

「精霊さん!」

 Aqua Elemental
 水の 精霊さん

 ひかるの願いに応え、水は龍へと変わり、燃え盛るトレーラーを鎮火させ、霧を呼ぶ。
 同時に都月が地の精霊に願えば大地は陥没、直後発生した磁場と重力が檻となって影朧を閉じ込める。
 すかさず羅刹の精霊使いが陥没した大地へと霧を集めれば、霞みが鬼の視界を奪い取る。
「この野郎!」
 歩みを止められた賀楪猿が残った腕から炎を投げる。
 だが、妄執が生み出す炎が霧の中を走り、そして霧散する。
「……酸素を断ちにきたのか?」
 甲冑の乗り手は意図を理解した。
 大気中の水分量上昇による、酸素割合の減少及び、水の膜の即時形成。
 霧が作る檻はそのためにあるようなものだった、そこへ――。
「――えっ」
 龍から吐き出された高圧水流が影朧の右足を切断した。
 甲冑の乗り手の視界が揺れ、転倒する。
 見上げた先には龍と共にある、ひかるの赤茶色の瞳。
「何も知らなかったあなたの手を、汚させるわけにはいきません」
 覚悟を決めた羅刹の少女。
「ここで、止めます!」
 それに呼応するかのように氷の矢が降り注いだ。

 セイレイ ノ ヤ
 精霊の矢

 氷の精霊の助力を得た都月の矢が雨となって、鬼の頭へと叩き込まれる。
「奪っていいのは、命を繋ぐための捕食行動だけだ」
 獣の生き方――それ以外の命を奪う行いを止めるため、妖狐の精霊使いは果断なる制圧射撃を叩きこむ。
 さらに偶然が戦況を加速させる。
 霧の中を縫って撃ち込まれた矢の影響で霧もまた凍りつき、刃へと変わる。
 それを見たひかるは躊躇いもなく、霧を嵐へと変えた。
 天地より氷が襲う地獄がそこに完成する。
 精霊使いが生み出した、死の吹雪。そ
 の中を鬼は傷つき這って進み、陥没した大地を這いあがる。
 そこへ――八重が走った。

 ――絶対に負けてなんかやらない。
「力に溺れたあなたを必ず止める!」
 右に陽刀・桜花爛漫。
 左に闇刀・宵闇血桜。
 二つの桜を手に握り、八重桜が赤華の鬼へと迫る。
「止まるものかぁ!!」
 賀楪猿が残った拳で八重を華と散らんとさせれば、左の闇刀がそれを受け流す。
 力強い足音と共に一歩踏み込み、そして二刀を以って咲かせるのは――

 ――ハ ナ ア ラ シ
「いざ吹き荒れん、花嵐!」

 花が舞い、影は散り、朧は霞む。
「さあ、出てきて」
 黒塗りの下駄が着地と共に音を鳴らす。
「そんな力に頼らずに、あなたの力で夢を叶えてよ」
 願う向こう側には鋼の動力甲冑が、蒸気を吹いていた。

 人が願う夢は儚い。物事が移り変わる様を無常と呼ぶのなら――夢が果たせないこれは夢常也。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『影朧甲冑』

POW   :    無影兜割
【刀による大上段からの振り下ろし】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    影朧飛翔弾
【甲冑の指先から、小型ミサイルの連射】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    影朧蒸気
全身を【燃料とされた影朧の呪いが宿るドス黒い蒸気】で覆い、自身が敵から受けた【影朧甲冑への攻撃回数】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
👑11
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●甲冑征駆・破られし夢

 纏いし影は朧と消え、残るのは鋼とリベットによって形作られた、動力機関を背負いし古の甲冑。
 かつて影朧を力として戦場に数々の勝利と死者をもたらした、それの名は影朧甲冑。
 またの名を――軍神製造装置。

「くそっ! くそっ! くそぉ!!」
 伝声管を通して聞こえるのは抑えきれない感情の発露。
「何だってんだ……お前達何なんだよ!!」
 夢破れた男はただ、吠える。
「これに乗れば必ず歩けると! これに乗れば立ち上がれると! そう僕は聞いたのに何故邪魔をする! そんなに人が立ち上がるのを邪魔したいのか……死ぬなんて脅しまでかけて!」
 望みゆえに歪んだ心は猟兵の請願すら拒み、刀を握る。
「殺してやる……ころしてやる……コロシテヤル」

 何も知らされていない男。

 目的のために踊らされた男。

 そんなことは露知らず、感情は怨嗟に代わり、甲冑はただ動く。
 たとえ影朧なくとも、そこにあるのは一騎当千の動力甲冑にして影朧を燃やす不退転。
 誰が皮肉るか、軍神製造機。
 まさに回天を成すために――甲冑は黒い煙を吐いた。
 空のように青く、望んだものを、影朧が浸食していくように。
逢坂・理彦
嗚呼…君には夢が叶うなら死してなお本望とそう思える覚悟はないのか…。
甲冑に乗れば死ぬと言うのは脅しなんかじゃない…事実だよ。
何も知らされていないのは君の夢をだしに程のいい捨て駒として扱うためだ。
覚悟のない君に誰かを傷付ける資格はない。

その夢ここで終わりにしよう。

UC【狐神楽】
中空を舞いながら強化した墨染桜で【なぎ払い】に【だまし討ち】をまじえながら攻撃。
【戦闘知識】を駆使しつつ【第六感】などで【見切り】


アイン・ツヴァイ
「…済まない」
如何にUCが理解の外にあるものか、改めて痛感させられたな…
少々意識が飛んでいた様だが問題はない。
この説得と戦闘が終わるまで、倒れる訳にはいかないのだから…!
【SPD】
「嗚呼───」
幻朧戦線の連中に鉛玉を撃ち込みたくなるな───
「───殺せるものなら殺してみろ」
指定UCと各種技能を酷使して、初撃は意地でも回避する。ミサイル等地面と対面していろ!
「その甲冑が、乗り手を道連れに崩壊する事を知っているか?」
「嘘であれば───何れ程良かった事か!」
「死はお前の目前にある──精一杯足掻いてみせろ!」
───願わくば、彼の者の次の生は、健やかなるものである事を───



●甲冑征駆・未だ、夢に縋りて

「嗚呼……」
 逢坂・理彦は嘆息する。
「君には夢が叶うなら死してなお本望とそう思える覚悟はないのか……」
 甲冑の奥にいるのは只の人。
 烈士でも憂国の士でもない操り人形。
 だからこそ……。
「甲冑に乗れば死ぬと言うのは脅しなんかじゃない……事実だよ」
 真実を告げる。
「何も知らされていないのは君の夢をだしに程のいい捨て駒として扱うためだ」
 それは戦意をくじくため、そして――
「覚悟のない君に誰かを傷付ける資格はない」
 志無き刃を断ち切るため!

「……済まない」
 意識を取り戻したアイン・ツヴァイがまず口にしたのは、倒れたことへの謝罪。
「少々意識が飛んでいた様だが問題はない」
 初戦闘故の緊張、連戦が精神をすり減らす。
 そしてもう一つは―― 
「この説得と戦闘が終わるまで、倒れる訳にはいかないのだから……!」
 未だ立つ鋼鉄の棺桶に向けられていた。

「嘘だ、嘘だ……うそだぁ!!」
 甲冑の指より発射された誘導弾が二人を襲う。
「嘘であれば――何れ程良かった事か!」
 アインが分岐時間の射線の中へ身を置き、全ての技術を酷使しつつミサイルの雨を駆け抜ける。
「来るなぁ! 殺すぞ!」
「嗚呼――」
 脳が焼き切れるような痛みに耐えながら、鋼鉄の男は
「――殺せるものなら殺してみろ」
 答えを返す。
 本当なら甲冑の奥にいる男ではなく、彼を操る幻朧戦線へと鉛弾を叩き込みたいと悔やみながら。
「その甲冑が、乗り手を道連れに崩壊する事を知っているか?」
 それでもなお、棺桶に入った男へとアインは呼びかけた。
「知らない、聞いていない、僕は歩けると聞いただけだ!」
 振り回す日本刀を掻い潜り、空っぽの薬莢を大量に地面へ転がし、鋼鉄の兵士は尚も叫ぶ。
「死はお前の目前にある――精一杯足掻いてみせろ!」
「ふざけるなぁ!!」
 弾丸を叩きこまれながらも、甲冑から返って来たのは怒り。
「死ぬと言いながら、足掻けというのか! 身勝手もいい加減にしろ!」
 鉄の棺桶の左腕からミサイルが飛び、周囲を爆炎に包み込む。
「結局助けるのは歩ける奴と歩けない奴! 自分で歩こうとした人間に何もしないんだろ! 何が――超弩級戦力だ!」
 男が叫ぶ。恨み、怒り、何一つ報われなかった人生へと。
「だからこそ」

 ――願わくば。

 爆炎の中祈るアインの視線にあるのは
「その夢ここで終わりにしよう」
 狩衣姿の理彦。

 ――彼の者の次の生は、健やかなるものである事を。

 空中より振り下ろされた守護者たる狐の一撃。
 墨染桜に薙刀が甲冑を薙ぎ払うように吹き飛ばし、火薬と恨みにまみれた空気を鈴の音が清める。

 キツネカグラ
 狐神楽

 奉納の舞が、戦士の祈りが、届くのはまだ後。
 今はまだ――終わりの時ではない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

満月・双葉
旨い話には裏があるってだけの話だろ
人の話聞けよ
…さぞかし扱いやすかっただろうな

怨嗟に染まるか、じゃあまぁ、僕が必要とする未来の邪魔だから
理不尽を振り撒いたんだ
もうお前の感じていた理不尽は知らん

【野生の勘】による攻撃の感知を継続
【オーラ防御】を展開しつつ、【見切り】を最優先に動く
ダメージは【激痛耐性】をもって無視する
敵の隙を視れば光弓の首飾りで遠距離から【スナイパー】で精度を上げ射撃し動きを乱し味方への【掩護射撃】とする
虹瞳で【生命力吸収攻撃】を命に直接叩き込み【鎧無視攻撃】を放ち更なる加勢とする

死ぬのが怖いか?
お前が害そうとした人達も同じだったんだぞ


てか神様量産されちゃあ神様の立つ瀬もなかろう


トリテレイア・ゼロナイン
こうなってしまっては…もう…

何故邪魔をするか…
分からないのですかとはもはや言いますまい
背後の人々を護る騎士として、その暴挙を阻みます

これまで相対した影朧甲冑は3体、死を見届けたのも3名
センサーでの●情報収集に頼らずとも性能を●見切る手助けとなるでしょう
UC使用
歩みより攻撃誘発
時に躱し、時に●武器受け●盾受け
反撃も鋭く、しかし決定的な一打は出さず
そのまま後退し、「後一手で押し切れる」と思わせ此方の思惑のままに歩かせ病院から遠ざけて

この時間が私が彼に出来る唯一の行為
…なんと傲慢な独善!
御伽の騎士なら彼に…彼らに何をしてやれたのか

それでも
優先順位を違うことだけはせぬ戦機の騎士として
決着の一撃を



●甲冑征駆・恐れ、心へ刻み込み

 ――何が超弩級戦力だ!

「旨い話には裏があるってだけの話だろ」
 満月・双葉が利己に満ちた罵りを切って捨てる。
「人の話聞けよ……さぞかし扱いやすかっただろうな」
 けれど、次に続く言葉には少しだけの憐憫。
「こうなってしまっては……もう……」
 トリテレイア・ゼロナインの機械の手が自らの仮面を覆う。
「何故邪魔をするか……分からないのですかとはもはや言いますまい」
 悔やむ時間は既に終わりを告げ、今立つのは。
「背後の人々を護る騎士として、その暴挙を阻みます」
 ――騎士として。
 守るべきものを守り、倒すべきものを倒す戦いが始まった。

「怨嗟に染まるか、じゃあまぁ、僕が必要とする未来の邪魔だから」
 双葉が下がり、トリテレイアは前に進む。
「邪魔なのはそっちだ! 自分の未来が良ければ他人のは良いのかよ!」
 棺桶の向こうより男が叫ぶ。
 生きることしか与えられなかったと勘違いした男。
 夢を果たせる鋼の棺桶。
 甲冑は命を蝕む代わりに、彼が為したいことをなるために影朧の呪いに満ちた煙を吐き出す。
「理不尽を振り撒いたんだ」
 首飾りを手に持ったオラトリオがそれを弓に変え
「もうお前の感じていた理不尽は知らん」
 矢の如し光を放つ。
「うわああああああ!」
 矢に怯み、たたらを踏む甲冑、だが咆哮としては未熟な蛮声を上げると鉄の足を踏みしめ駆ける、その黒い鎧の前に歩み寄るのは白き鎧。

 ――これまで相対した影朧甲冑は3体、死を見届けたのも3名。

 不退転を選んだ男、鬼となった女、兄を慕う弟。
 過去がデータベースから引き出され、甲冑の情報を提示する。
 大振りの刀がトリテレイアへ向けて振り下ろされた。
 だが、騎士は歩むだけで太刀筋を避け、大盾が刃を弾き飛ばす。

 MachineNights Battlewaltz
 それは機械騎士の――舞踏

 円舞曲には武骨な、けれど戦場には軽やかな運足が次々と甲冑の刀に空を切らせる。
 カウンターの大剣が鋼の棺桶を叩き、ひしゃげる音を響かせた甲冑が揺らぐ。
「くそっ! くそっ! くそぉ!!」
 いたずらに刀を振り回す甲冑。
 騎士はたまらず、一歩、また一歩と後ろへ下がる。
「よし、動いてくれる! 甲冑が動いてくれるぞ!」
 興奮に満ちた声が棺桶の向こうより聞こえれば、トリテレイアのバイザーは只、緑に光るのみ。
 ――それが騎士にとって、彼に出来るせめてものことだから。
 それを傲慢な独善というのなら、トリテレイアはあえて受けとめるだろう。
 御伽の騎士なら、何を成せるかと思いつつ……。
 けれど、白い戦機には使命がある。
 人々を守るという騎士としての!
 甲冑の乗り手がそれに気づいたのは黒焦げになった輸送トレーラーの残骸を見つけた時。
「お前! わざと引き離し――」
 直後、言葉を遮る勢いで、トリテレイアが走る。
「おのれぇ!」
 打ち伏せるために怒りの刃金が振り上げられた時、甲冑の奥を何かが射抜いた。

 ――思い出すのは病棟。
 白い天井、腕につながれた管。
 告げられたのはもう一生このままだという事。
 ……嫌だ。
 嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ。
 もう、あそこには戻りたくない!

 乗り手の視界が鋼の揺り籠の中へと戻る。冷や汗を拭い、股間を濡らし、震えを抑えつつ、見回せば、そこに立つのは双葉。

 Anger of Persephone
 冥界 の 女王の怒り

 魔眼が撃つのは死よりも恐ろしい恐怖。
 それは絶望を知った日から続いた何もない、息をするだけの人生。
 直後、甲冑に衝撃が響き、男は空と白い建物を見た。
 ――かつて自分が生涯の大半を過ごしたコンクリートの地獄を。

 騎士が叩き込んだ決着の一撃は、オラトリオの魔眼も伴い、男に恐怖をよみがえらせた。
 報いの時が訪れようとしていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

木常野・都月
ただ立つだけなら、良かったんだ。
人を襲うのがダメなんだ。

任務を受けた時は、仮にこの人を下ろして、呪ってる影朧を木の精に癒して貰ったら助かるかもと考えた事もあった。

でも人の命を奪おうとするのを見逃す訳にはいかない。

ただ…本当はこの人も、守られるはずの、今の世界を生きてる人だ。

だから、少しでも苦しみを減らしたい。
これ以上、絶望させなくてもいいと思うんだ。
それに、恨まれてる方が殺しやすい。

UC【黒の狐火】で敵を破壊したい。
乗せる精気は戦闘可能ギリギリまで乗せたい。

敵の攻撃は[高速詠唱、カウンター]で対処したい。

まだ死なないなら[全力魔法、属性攻撃]で追撃を…光の精霊様にお願いして、敵を焼き切りたい。


ニコ・ベルクシュタイン
…先ずは非礼を詫びよう、地にこそ伏せぬが頭を垂れて
確かにお前の言う通りだ、見てきた地獄の数があまりにも違う
故に、だ
「今度こそ立てる」という致命的な悪夢を見せた其れを壊し
お前の夢を蹂躙することで、しかし救いと為すことを決めた

眼鏡を外し、真の姿へ※ステシ内画像参照
「傲慢なる時の支配者」にて双剣を複製、切っ先を全て敵に向け
――そう、お前は俺の、俺達の、そして世界の敵であるが故に!
「一斉発射」で串刺しにしてくれよう
装甲が厚ければ先に刺さった剣の柄を突くように、深く穿て
ミサイルは「ダッシュ」からの「スライディング」で
回避を試みつつ間合いを詰める

最期に、どうか君の名を
決して忘れぬ故、教えてはくれまいか



●甲冑征駆・君、人の名は

「……先ずは非礼を詫びよう」
 起き上がる甲冑に対しニコ・ベルクシュタインが頭を垂れる。
「確かにお前の言う通りだ、見てきた地獄の数があまりにも違う」
「謝って……何が変わるというんだ?」
「故に、だ」
「――っ!?」
 力強い言葉が、伝声管の向こうの口を封じた。
「『今度こそ立てる』という致命的な悪夢を見せた其れを壊し」
 ニコが眼鏡を外し、時刻みの双剣を構える。
「お前の夢を蹂躙することで、しかし救いと為すことを決めた」
 時計の針を模した二つの切っ先が触れ合った時、時計卿の服は弾け、ヤドリガミは真の姿となる。

 ――ただ立つだけなら、良かったんだ。
 人を襲うのがダメなんだ

 トケイビトが大量の双剣を錬成する姿を見つつ、木常野・都月は一人考える。
 呪ってる影朧を木の精に癒すことで助けをえられると思った事もあった。
 だが人の命を奪う行為を見逃す訳にはいかなかった。
 けれど、けれどだ……。
「本当はこの人も、守られるはずの……今の世界を生きてる人だ」
 一つの決意を胸に狐は歩みを始めた――黒の焔を右手に紡いで。

「僕の夢を壊して――何が救いだ!」
 甲冑の右腕からミサイルの雨が降り注ぐ。
「そうだな、だが!」
 ニコが答えた直後、複数の刃が飛翔する弾丸を撃ち落とし、二人の間に炎と煙のカーテンを作り上げる。
「お前は俺の、俺達の、そして世界の敵であるが故に!」
 炎が消え、煙が晴れ、幕が開けば立つのは時を刻む者。

 Nikolaus=Bergstein
 傲慢なる時の支配者

 ニコラウスが走りだせば、先を行くのはミサイルを撃ち落とした刃、彼が持つ二つの剣を模した、過去をという時を切り刻む炎と氷の剣。
 次々と甲冑に突き刺されば装甲を穿ち、鋼に食い込んだ刃にはさらに一本、剣が撃ち込まれ、装甲深くへ刃を穿つ。
「最期に、どうか」
 遅れて飛び込んだトケイビトが突き刺さった剣を握り
「君の名を――決して忘れぬ故、教えてはくれまいか」
 さらに奥へと突き立てた。
「僕は……僕は……」
 影朧蒸気噴き出す中、伝声管から伝わるのは。
「国分原だ! それがどうした!」
「――ありがとう」
 自棄が混ざった答えにニコラウスが頷いた直後、甲冑は炎に包まれた。

 ――少しでも苦しみを減らしたい。
 都月が今、望むのはそれだけ。
 これ以上の絶望は最早、酷であろう、それに――恨まれてる方が殺しやすい。

 トケイビトが鋼の揺り籠へと飛び込む中、自らの精気を燃やして膨大な魔力と妖気を練り上がれば、それを炎となす。

 クロノキツネビ
 黒の狐火

 解き放たれた黒き炎が棺桶に直撃し、影朧をも糧にして鋼を焼き尽くす。
「あ……がぁああああああああ!」
 悲鳴が上がった。
 痛みはなくとも熱は伝わる、鋼と鉄で作られた甲冑は即座に燃えはしないが、中の人間を蒸し焼きにし、その命を断ちにかかる。
「嫌だぁ!!」
 恐怖の叫びを上げた鉄の棺桶が倒れ込む。
 地面へと転がることで、身にまとった炎を消し、地獄から逃れる。
「嫌だ、嫌だ、嫌だ」
 うわごとのように伝声管から聞こえるのは全てを拒むかのような悲鳴。
 けれど、時は進む。
 報いの時はもう始まっているのだ。
 知らないのは――今、立ち上がろうとする甲冑の奥にいる男のみ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
死ぬとかよりも前に、これ以上戦うつもりでいるんなら、
殺すって言われてるんだけど、伝わってないのかねえ。

さて、武器が刀なら懐に入れば届かない。
全速力で走って近付きながら、大上段に構えた刀に石を投げつけて、
刃筋を逸らしてその隙に懐に飛び込むよ。

そのまま甲冑の隙間に手を突っ込んで【断裂剥撃】で装甲を引き剥がして、
乗ってる本人の所までこじ開けられないか試してみようか。
本気で殴ったら頭潰れちゃいそうだし、手が届いても多少は手加減しとこう。

直に殴られて痛みを感じれば、今やってるのは殺し合いだって実感も湧くかねえ。
ああ、まったく、面倒な話だよ。


ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
誰にだって夢はある。
たとえそれが叶えられなくても、それを否定する事は許さない。
だからこいつの夢と人生を歪め、汚したこの鎧を許さない。
痛みも、怒りも、恨みも、俺が引き受けてやる。
せめて安らかに眠ってくれ。

刀を振り下ろすタイミングを【見切り】、鉄鍋の【盾受け】で防ぐと同時に鉄鍋を投棄し身代わりにし、【カウンター】で甲冑の腕部を【料理の鉄刃】の【部位破壊】で切断。
そのまま大包丁の峰での【鎧砕き】で甲冑の装甲を破壊し、【料理の鉄刃】の【部位破壊】で四肢を破壊して戦闘能力を奪い、甲冑から引きずり出した彼に流れる涙もそのままに告げる。
「お前は悪い夢を見ていたんだ。……お前の望みを歪めた悪夢を」


シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
でも!
『それ』はキミの足じゃない!
『それ』はキミの夢なんかじゃない!
だから、ボクは、ボクたちは、『それ』を止める!

【エクストリームミッション】で飛び回りながら【見切り】で攻撃の瞬間を狙ってウィーリィくんとタイミングを合わせて【スナイパー】+【鎧無視攻撃】+【クイックドロウ】でウィーリィくんと反対側の腕の関節部分を狙って攻撃し動きを阻害する
同じ様にウィーリィくんとは別の腕や脚の関節部を狙撃して無力化を狙う

本当なら救ってあげたかった
でも、ボクたちに出来るのは悪い夢を終わらせて、ゆっくり眠らせてあげることだけ
「…ごめんね」



●甲冑征駆・揺り籠、壊れるとき

「嫌だあ!!」
 男が叫ぶ。
 二十数年生きた中で、初めて叫ぶ、心の奥からの悲鳴。今にも肺は張り裂けそうだが、蝕む影朧が痛みを消してくれる。
「僕は嫌だ、僕は嫌だ……歩けない人生なんて嫌だ!」
 甲冑が起き上がる、煤けた装甲は歪み穴だらけ、所々むき出しになった配線から火花が弾ける。
 それでも立てるのは燃やすのが過去だから、生命だから。

「誰にだって夢はある」
 ウィーリィ・チゥシャンが腕を組み、甲冑の前に立つ。
「たとえそれが叶えられなくても、それを否定する事は許さない」
「黙れぇ! だったらお前らが僕を否定することは許されるのか!?」
「でも!」
 ウィーリィの言葉を鋼の棺桶の向こう側から男が否定する。そこへ――
「『それ』はキミの足じゃない! 『それ』はキミの夢なんかじゃない!」
 シャーリー・ネィドが言葉を繋げる。
 男が籠る鉄の揺り籠が欺瞞のかげ、おぼろにすぎないことを。
「だからおまえの夢と人生を歪め、汚したその鎧を許さない」
「うん! ボクは、ボクたちは、『それ』を止める!」
 二人の言葉に応えるように、飛翔した宇宙バイクはアーマーとなってシャーリーを包み、ウィーリィは一振りの大包丁を抜く。
「させない……させない……させるものかぁ!!」
 甲冑の伝声管より声が響き、棺桶は抗うために前に踏み出した。

「死ぬとかよりも前に、これ以上戦うつもりでいるんなら、殺すって言われてるんだけど、伝わってないのかねえ」
 ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストードが呟く。
 だが、そういう事もあるという事は知っていた。
 戦うことが日常なら、理を説いても人が動かず、刃を持って襲い掛かることはありえないことではないのだから。

 甲冑が迫りくる中、正面から飛び込むのはウィーリィとペト、シャーリーは鉄の揺り籠の左サイドへと周りブラスターを構える。
「懐に入れば、刀は届かないな」
 甲冑が大上段に刃を振り上げたところへ、ペトが牽制の石を投げ、隙を作って懐へもぐりこむ。
 続くのはウィーリィ。
「痛みも、怒りも、恨みも、俺が引き受けてやる!」
 飛び込むのは鋼の棺桶の右側、そこへ刀が振り下ろされた。
 金属がかち合う音が鳴り、黒い半円状の何かが割れて飛ぶ。
 転がるのは中華鍋、少年が盾代わりに使う調理器具。
 それを身代わりにウィーリィは甲冑の右腕関節部に刃を立て――銃声を耳に聞きながら断つ。
 転がり落ちる、二つの鉄腕。

 ブレイドワーク・オブ・アイアンシェフ
 右を断つのは料理の鉄刃

 左を断つのは――シャーリーの狙撃。

「本当なら救ってあげたかった」
 少女が呟く中、ウィーリィが装甲の隙間に包丁を差し込んでこじ開け、さらにペドが強引に手をかける。

 Forcible Tear
 断 裂 剥 撃

 もはや技ではない、力という名のユーベルコードが鋼を引きはがし、揺り籠の奥に隠れる人間をむき出しにする。
「やめ……」
 伸ばされた手を拒む、甲冑の乗り手。
 その顔面を混沌の獣が殴りつけた。
「よせっ!」
「直に殴られて痛みを感じれば、今やってるのは殺し合いだって実感も湧くかねえ」
 腕をつかんで止めるウィーリィに対し、ペドはいつものように間延びした口調で答えた。

「嘘だ……嘘だ……畜生、畜生!」
 地面に転がる男。
 その身は死病と影朧の呪いに侵され、叫ぶのが精一杯。
 いや、叫ぶことすら負担であった。
 咳込み、身をくぐもらせる甲冑の乗り手だった男。
「あ……うで……うごかな」

 ……報いの時が来た。

 影朧の呪いが蝕んだ四肢は最早機能せず、やがて灰になって崩れんばかりに黒ずみ、炭のように変わっていく。
「いやだ……いやだ、いやだ、嫌だ!」
「……ごめんね」
 シャーリーに出来るのは只謝るだけ。
 ウィーリィは悪夢と告げたかった、けれど今、まさに起こっていることが悪夢に等しかった。
 故に言葉を失う。
「ああ、まったく、面倒な話だよ」
 ただ一言、ペドが呟いた言葉が全てを物語っていた……。

 ――しかし、物語は終わらない、
 報いは足りず、救いはこれからなのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

御堂・銀
影朧甲冑、我が同胞よ。
活力ある若者を神に召し上げる貴様はこの八紘一宇の世には無用である。

影朧甲冑の膂力は脅威であるが、銃撃に徹したとて青年に響くことはあるまい。それではただ殺すしかできぬ。
ならば切り込み相対しよう。
太刀を操り青年の斬撃を受け流すに徹する。殺気を放ち、本職の軍機へ恐怖を刻め。
成程貴殿は幸運にも呪いに負けぬやもしれぬ。
が、猟兵や軍兵に殺されるかもしれぬとは思わなんだか? その驕り、まるきり子供であるな。
揺さぶりを掛け、渾身を誘い反撃を。装甲の隙間を縫いて脇差を突き立てん。

喚く前に歩いてみせよ、貴殿にはそれができるのだから。
命蝕む影朧甲冑の呪いと貴殿の病、この月銀が確かに斬った。



●甲冑征駆・肉、無きが故

「影朧甲冑、我が同胞よ」
 四肢の炭化に怯える男の前に御堂・銀が立つ。
 見上げるのは、もはやガラクタと化した、かつての戦友。
「活力ある若者を神に召し上げる貴様はこの八紘一宇の世には無用である」
 銀が黒鉄に告げ、その死を悼むと視線を男へ落とす。
「成程貴殿は幸運にも呪いに負けぬやもしれぬ」
 脇差を抜き、切っ先をやせ細った只人へ向ける。
「が、猟兵や軍兵に殺されるかもしれぬとは思わなんだか? その驕り、まるきり子供であるな」
「――ひぃっ!」
 文字通り子供のような悲鳴を上げ、男が逃げようとするが四肢はもう動くことは無く、ただ天を仰ぐのみ。
「う……わぁああああああああああ!!」
 恐怖に怯える若者へ機甲甲冑は脇差を突き立てた。

「喚く前に歩いてみせよ」
 脇差を抜き、銀は刃を鞘へ納める。
「貴殿にはそれができるのだから」
 男が自らの腹を覗くと、傷はなく、血も流れていない。
 代わりに――
「命蝕む影朧甲冑の呪いと貴殿の病、この月銀が確かに斬った」
 炭となっていた四肢は人の色を取り戻し、血潮の赤が白い肌に朱を挿す。

 ツキヨミ
 月読

 霊力を籠めた脇差による、生命を蝕む源を殺す活人の剣。
 若者の顔が喜びに満ちる。
 そして立ち上がろうとした時――
「えっ……」
 男は力なく身を崩し、地へ伏すが如く倒れた。

 例え、呪いを断ったとしよう。
 例え、死病を斬ったとしよう。
 だが、二十年を超える歳月を病床で過ごしたその身体が立ち上がる力を持つわけではない。
 人が立ち上がれるのは年月をかけて生き、筋肉を着け、骨を育てるが故だから。
 銀がそれに気づかなかったのは仕方がないのかもしれない。
 彼女はヤドリガミ、人の身を授かった時からもう立ち上がれたのだから。
 鋼より生まれしものと肉から生まれしもの。
 その差が悲劇を呼んだ。

「うぅ……くっ……」
 大地に顔面を打ち付けた若者より嗚咽が漏れる。
 だが、影朧の補助を失った弱い肺が上げる声は小さい。
 確かに息をするだけの人生は終わった。
 だが、これからは罪を償う以上の人生が待っていた。

 だが、それを打ち砕くのもまた――猟兵である!

成功 🔵​🔵​🔴​

御桜・八重
【POW】

桜色のオーラを纏い、真正面から【スクワッド・パレヱド】で
甲冑を受け止める。
「あなたの夢をバカになんてしない。するもんか!」
だって。
「あなたの夢が悪事に利用されて汚されるのを、
黙って見てなんかいられない!」
人の血を流して夢を叶えた後ろ暗さにつけ込み、
幻朧戦線はこれからもいいように使うだろう。
「だから、止めるっ!」
オーラ全開で甲冑を弾き飛ばす!

「言ったよね。あなたの力で夢を叶えて、って」
無茶言ってることはわかってる。
歩けない病であることも。
生きて甲冑を脱げないことも。
でも、夢を叶える機会はもう今しか無い。
「あなたの夢は無意味じゃない。だから…」
手を伸ばす。自分の足で一歩をと祈りを込めて。


荒谷・ひかる
……もう、手遅れなのはわかってます。
けれど、わたしは彼を救いたい。
命は無理でも、せめて……心だけは!

精霊銃から種子弾を放ち、草木と水と大地の精霊に祈り願う
急速に成長する蔦植物と、先程大量に撒いた水で緩くなった地面を更にぬかるませて動きを妨害し止める

他の猟兵の攻撃等も込みで完全に停止させたら、男を甲冑から引っ張り出しつつ【世界に希望を】発動
願うのは男の救済、彼の本当の願いの成就……『彼自身の足で土の上を歩くこと』
力尽きるまでの僅かな間だけでもそれが叶うよう、心から願う

この後の死を信じないならそれでもいい
きっと色々あって疲れたんだと、力尽きる彼に言い聞かせて見送る

おやすみなさい、良い夢を。



●甲冑征駆・せめて一度だけ、この脚で

 もう手遅れなのはわかっていた。
 それでも、荒谷・ひかるは近づいた。
 彼を救うが故に、命は無理でも、せめて……心だけはと!

「あなたの夢をバカになんてしない。するもんか!」
 けれど、ひかるの諦めを桜吹雪が吹き飛ばした。
 御桜・八重の叫びがそれほどまでに希望に満ちていたのだ。
「だって……あなたの夢が悪事に利用されて汚されるのを、黙って見てなんかいられないもの!」
 人の血を流して夢を叶えた後ろ暗さにつけ込み、幻朧戦線が彼や彼のような人間をこれからもいいように使うと分かっていた。
 だからこそ止める――影朧甲冑の宿業を!
 呪いは月の銀が断ってくれた、ならば――。
 決意も新たに羅刹の巫女は呼びかける。

 ホシニ――ネガイヲ
 世界に希望を

 願うのは男の救済、彼の本当の願いの成就――『彼自身の足で土の上を歩くこと』

「言ったよね。あなたの力で夢を叶えて、って」
 ひかるが祈る中、桜の巫女は膝を着いて、男を見る。
 無茶を言ってることはわかっていた。
 歩けない病であることも。
 生きて甲冑を脱げないことも。
 けれど、それは最早消え去った、だからこそ力足りず立てない只人の夢を叶える時なのだ。
 八重が手を伸ばし、男はそれを掴む。
 ゆっくりと、不安定ながらも自分の足で、裸足で大地に立った。

 ――祈りが届いた。

 パレヱドが始まった。

             スクワッド
 桜の巫女と羅刹の巫女、二人の手を支えに若者は歩く。

 いっぽ。
 にほ。
 さんぽ。
 
 やがて男は手を離し自らの足で歩く。せめて一度だけでもと祈ったことがユーベルコードの重なりによって実現する。

 暴走を止める刃、炎、技、魔眼。
 呪いを断ち切る刃。
 願いをかなえる祈り、そして歩み。
 全てが重なってこそ、夢は叶う。 

「あなたの夢は無意味じゃない。だから……」
 八重の言葉に若者は頷き、そして初めて笑った。
「ありがとう」
 その一言が魔法の終わり。体力の限界を迎えた只人はその場に崩れ落ちる。
「きっと色々あって疲れたんですね」
 男を支えながらひかるが口を開けば、桜の巫女も頷く。

 これからは償いの人生が待っている。
 事件は未然に防がれた以上、大逆罪とはならない。
 騙されていたのならば実行犯としても罪は重くないだろう。
 けれど償いの時は避けられない。
 だが、裸足で歩いた土の感触を歩んだ時に受けた風を覚えている限り、人は正面を向いて生きていられる。
 だからその時まで――
「おやすみなさい、良い夢を」
 そう、羅刹の巫女は囁いた。

 ここに終わるは甲冑征駆にして甲冑節句。
 呪われし鎧が往生へと駆け出す時代が過ぎ、人が人生という名の靴で歩く時代の始まり。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月08日


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🔒
#サクラミラージュ
🔒
#幻朧戦線
🔒
#影朧甲冑
#幻朧将校の暗躍


30




種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ブライアン・ボーンハートです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト