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おいでよセキセイランド

#UDCアース #感染型UDC


●ばーどらヴぁーえでん
 ででんと。其処には見上げるほどに巨大な青いセキセイインコが鎮座していた。しかも何故か頭頂には王冠を戴いていた。
『よくぞ私を見つけてくれました。迷える小鳥よ』
「は、わわわ、おっきなセキセイインコがしゃべった……!!」
 偶々。偶々巨大セキセイインコとエンカウントしてしまった少女は。まるで信じられないモノを見たかのような目で眼前の巨大セキセイインコを見る。
『これからあなたに――』
「ふぇえええええモフモフふかふか羽毛だぁああああ」
 言い終わらぬ内に、両手を広げ巨大なセキセイインコの胸に飛び込んだ少女は。もっふもっふと、幸せそうに全力で羽毛を堪能する。
『……話を聞きなさい迷える小鳥よ』
「ふぁぁああい何でしょうかぁ?」
 この人間を利用して、自身の噂を拡めなければならないのだ。多少の羽毛の乱れは、今は我慢しなければなるまいと。巨大セキセイインコは己を抑えていた。
『良いですか。私にはまだまだ鳥を愛する者達の力が足りないのです……ですが、私の存在が世に広まれば、力を得ることが出来るのです』
「すべすべもふふうううぅうー!」
『力さえあれば鳥を愛する者達の楽園を創ることが出来ます』
「もふもふもふもふ……」
 話聞いていないなコイツ。そんなことを思いながら、それでも巨大セキセイインコは話を続ける。
『なので、あなたには私の存在をもっと広めて貰う必要があるのです。そう、たった今からあなたは、伝道師となるのです』
「あったかぬくぬくして最高ぉおおお!!」
 どうしよう、この人間離れようとしない。このままじゃ計画倒れだと、もふられながら巨大セキセイインコは遠い目をする。
 そこで、一つ案を思いついた。
『……私の存在がもっと世に認知されれば。私は更にふわもふの加護を得ることが出来ます。つまり羽毛マシマシになります。ついでに優先モフ権付けます』
「ましましもふ優先モフ権んんん?!! はい!! 私伝道師になります!!」
 そして少女は素早く巨大セキセイインコから離れると。すぐさま背を向けて走り去った。
 やっと離れてくれたかと。巨大セキセイインコは座った眼をして見送っていた。

●至極真面目にネタ依頼です
「UDCアースで感染型UDCの発生を予知したから、ちょっと退治してきてもらえるかな」
 グリモアベースの片隅で。長い白髪を持つ娘が、集まった猟兵達を前にそう口を開く。
 そして白髪の娘――月華は、白い手帳を服の袖から取り出して広げ、説明の前準備をする。

 今回も例に漏れず。感染型UDCの第一目撃者は、噂を広めさせるために生きて逃がされていると。月華は手帳へと視線を落とし説明をする。
「で、今回の第一目撃者はね。ウェブログでその話を広めてるんだけれども」
 悲しいかな。訪問者が日に一人来るか来ないか故に、あまり拡散されずにいる。
 それが不幸中の幸いか。しかし何かの切欠で、大拡散されてしまう可能性が無いとは言い切れない。
「まぁ、放置していたら大変なことになるから。感染型UDCだもの。それと今回退治してきてほしい感染型UDCは、大きなセキセイインコの姿をしているんだけれど……」
 つまりそのまま今回の感染型UDCの強化が許されてしまうとね? と。月華は小首を傾げて。淡々と、冗談のようなことを告げた。

「世界が羽毛で包まれることになるんだ」

 月華と猟兵達との間に沈黙が流れる。だがそんなことを全く意に介さず、月華は話を続ける。
「いいかい? 世界が羽毛で包まれるという事は、UDCアースで暮らしている人達がUDCに支配されてしまう事と同じなんだ」
 それだけは絶対に許してはいけないんだと、月華は少し語調を強めて猟兵達を見つめる。
「でも……君達ならば羽毛の誘惑に負ける事無く、感染型UDCを退治してきてくれるって信じているから。それじゃあ、行ってらっしゃい」
 最後にそう言って。月華は猟兵達を送り出すのだった。


雪月キリカ
 お目にとめて頂き有難うございます。はじめまして、もしくはまたお会いしました。雪月です。
 今回はネタシナリオです。
 敵については深いこと考えず、もふったりもふったりむしったりすればいいと思います。

 ※プレイングの受付開始は2月26日の8時31分からとなります。

 さて、ざっくりなまとめをば。
 一章は集団戦。セキセイさまとの戦闘になります。
 時間帯は昼間。場所は郊外の森の中となります。流れ的には、感染型UDCの所在を突き止め、其処へと向かう途中です。
 しれっともふってサクッと退治すれば良いと思います。

 二章は冒険。霧の中を進んで頂くことになります。
 霧の中からは様々な鳥達が現れて、猟兵達を愛くるしさや羽毛で誘惑します。
 とはいえ。その鳥達はまだ完全に力を得ていない感染型UDCが生み出した、触れる事の出来るまがいもの。
 遊んでも、誰も怒りません。
 時間が経てば霧が晴れ、まがいものの鳥達を作り疲れた感染型UDCが姿を現します。

 三章はボス戦。感染型UDCとの戦闘になります。
 巨大なセキセイインコ型オブリビオン「きんぐセキセイさま」との戦闘になります。
 もふり、むしり、ダイブすればよいと思います。
 けれどもきちんと、退治するのをお忘れないよう。
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第1章 集団戦 『セキセイさま』

POW   :    ガブリジャス
【嘴で噛み付くこと】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    あわだまおいしい
戦闘中に食べた【あわだま】の量と質に応じて【全身の羽毛】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    セキセイまみれ
【沢山のセキセイインコ】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
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『ぴっぴ、ぴぃー?』
『ぴちちちち』
 森の中へと踏み入れたならすぐに、セキセイさまたちの囀りが聞こえてきた。
 見渡せば。樹々の枝にぎゅうぎゅうとすずなりに止まっていたり。地に舞い降りて、落ちている木の実を啄んだりしていた。
 そして何故か森の中は暖かく、思わず眠ってしまいそうだった。おそらく、セキセイさま達が過ごしやすい気温に調整されている。
 
『ぴ……』
 パートナーのセキセイさまに羽繕いをしてもらい、気持ち良さそうに羽毛を膨らませるセキセイさまがいた。しかしその幸せは突然破られる。
『ぎゃぎゃっ!』
 パートナーが間違えて羽毛をむしってしまったのだ。
『ぴっ!?』
 大事な羽毛をむしられてしまったセキセイさまは瞳を吊り上げ、パートナーに容赦の無い嘴アタックを喰らわせた。
 パートナーであっても許せない事があるのは、鳥も人も同じらしい。

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 つまり。セキセイさまたちはフリーダムです。
 セキセイさま達は、人慣れしたインコ程度の頭脳です。割とちょろい。
 可愛らしく囀っていますが、場合によっては謎単語を発したりします。
 もふったりむしったりしつつ、さっくり倒しましょう。
浅間・墨
やはりこれは…素直に通して…くれませんよね?
…撫でたら満足して還ってくれるでしょうか…。
…やり難いです。とてもやり難い…どうしましょう。
襲ってきたセキセイさまのみ『国綱』で反撃します。
…刀を鞘に納めたそのままで極限まで力を抜きます。
セキセイさまを斬るのには…やはり抵抗があるので。
「…ごめ…な…さい…通して…ださ…い…」
セキセイさま達の攻撃UCは【鏡映】で相殺します。
相殺してから反撃…をせずそのまま走って通過します。
ぽこ…っとされたセキセイさまが蹲ってしまったら…。
なんだかそのまま通り過ぎていけないので撫でます。
「…ほ…本当…ごめ…なさ…。痛…ですよ…ね…?」
時々可愛い方が相手だと困りますね。



●とりのなみ
『ぴょろ……』
 セキセイさま達は警戒しながらも興味深そうに、墨(沈黙ダンピール・f19200)のことを樹の枝から見下ろしていた。沢山のつぶらな瞳による視線が墨を射抜く。
「やはりこれは……素直に通して……くれませんよね?」
『ぴちちちちちっ!』
 撫でたら満足して還ってくれるだろうか。そんな事を考えていた内に突然、セキセイさま達は少し強めに鳴き声を上げ、ばささっと墨の周囲に舞い降りてきた。あっという間にセキセイ包囲網が完成する。
「ひぇっ……」
『ちちちっ!』
 セキセイさまの一羽が、たたたっと更に墨の近くへと歩み寄ると。首を傾げながら墨を見上げ、よぉく観察をしようとしていた。
 ……やり難い。これは非常に、やり難い。
 迷う間もセキセイさまは、値踏みする様な瞳でじっと墨のことを見つめている。
 墨は『国綱』を鞘から引き抜こうとして、ゆっくりと息を吐き全身の力を抜いた。ふわもふで愛くるしいセキセイさま達を斬ることには抵抗があったのだ。
『ぎゃぎゃっ!!』
 だが。墨の動きを不審な動きとして受け止めたセキセイさまは、その場で羽ばたくと沢山のセキセイインコを召喚する。黄緑の波が森の奥から現れて、けたたましい鳴き声と羽ばたきの音が墨に近付いて来る。 
 それでもやはり斬る事はできぬと。墨は全てをうつし返す業である『鏡映』を使用して、セキセイさまの放った業と全く同じ業を返す。
『ぴぴぴぴ!!』
『じじっ!!』
 其処はもう、鳥、鳥、鳥、鳥だらけ。あっちでインコがこっつん。こっちでセキセイさまがこっつんと。鳥達で収拾がつかなくなる。
「……ごめ……な……さい……通して……ださ……い……」
 墨はその黄緑の波に紛れると、反撃をすることなく駆け出して、その場から抜け出そうとする。

 ――ぽこんっ。
「ぴぴっ?!」
『あっ……』
 間の抜けたような音がして、二つの声が同時に響く。駆けていた墨と、パニックで飛び回っていたセキセイさまがぶつかってしまったのだ。
「……ほ……本当……ごめ……なさ……。痛……ですよ……ね……?」
 ぶつかった反動で地へとぽんと転がったセキセイさまへと、墨は歩み寄る。流石にそのまま通り過ぎるのは、気が咎めてしまった。
『ぴ……』
 震え蹲るセキセイさまを、慰めるように撫でてみれば。ふわふわとして暖かく、すべすべと撫で心地が良い。
 可愛らしいもの相手だと、対応に少々困ってしまう等と思いながらも。ついつい撫で撫でタイムに入る墨なのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シビラ・レーヴェンス
今回は放置していても問題ない気が力一杯する。
まあグリモア猟兵殿がいうことだ。脅威なのだろう。
しかし魔術でセキセイさまを倒すのはしのびない。
餌で交渉しよう。摂取するものをスマホで検索する。
ふむ。穀物の種子かドライ化工した餌か。なるほど。
所在の情報を収集している時に寄り道をし少し買い込む。
セキセイさまと無事ここを通過できるように交渉だ。
「この道を通りたい。私達を襲わなければこれを進呈しよう」
と。少し高価だった餌を見せる。どういう反応を示すか。
もし奪い取る選択肢をした場合はしかたがない焼き鳥だ。
全力で【白炎の矢】を行使し排除する。
もし応じれば渡そう。だが。
喧嘩しないように多めに購入したが…足りるか?



●だってとりだもの
(「今回は放置していても問題ない気が力一杯する」)
 感染型UDCが存在するとされる森へと向かいながら、シビラ(ちんちくりんダンピール・f14377)はそう思った。
 けれどもグリモア猟兵のいうことなのだから、脅威なのだろうと認識を改めると。スマホの『トマト』を手に取りブラウザを開く。
 検索ボックスに『インコ 餌』と入力して検索ボタンを押せば。真っ先に『インコちゃんのオススメフード』なるページがトップに現れたので、シビラはそのリンクをタップする。
 何故シビラはそのような事を調べ始めたかというと。セキセイさま達を魔術で倒すのはしのびなく、餌で交渉を試みたかったからだ。
「ふむ。穀物の種子かドライ化工した餌か……なるほど」
 シビラは次に付近のペットショップの所在を調べ、そのルートを辿る。勿論、セキセイさまの餌を買い込む為である。

 森へと足を踏み入れたシビラはすぐに、目的のその姿を見つけることができた。
 他よりは大きく立派な樹の枝。其処に黄緑のふわもこはずらりと、居た。そのふわもこことセキセイさま達は、首をかしげてシビラを見やる。
『ぴぴ……?』
『ぴぃー』
 鈴なりにぎゅうぎゅうと、沢山並んでいるセキセイさま達をシビラは見上げると。いつもよりは少し声を張る。
「この道を通りたい。襲わなければこれを進呈しよう」
 そう言って掲げる手には『高級志向 ワガママな小鳥もご満悦』と、明朝体フォントで描かれた餌袋があった。高級とあるように、通常の餌よりも少々値が張ったものだ。
 セキセイさま達がどのような反応をするか、シビラは観察する。初めは何の袋かわからなかったのだろう。首を傾げていたが、袋の透明窓から見えた餌に気付いた瞬間。セキセイさま達はバサバサと舞い降りてシビラを取り囲んだ。
 もし強奪しに来るようだったら白炎の矢で焼き鳥にすることをシビラは考えていたが、それは杞憂だった。
 少しだけシビラから距離を置きつつ、セキセイさま達は『それ頂戴!!』と言わんばかりに羽搏きをする。
 羽搏くだけで攻撃をしてくる気配がなかった事から、シビラは袋の端を切ると餌を少し手に取り。セキセイさま達の前へとばら撒いてみる。
『ピョロロロッ!!』
『チチチチチッ』
 わささっと物凄い勢いでセキセイさま達は餌へと群がり、啄ばみ始める。シビラはその光景に既視感を覚えた。そうだ、これは寺社仏閣や公園の鳩と同じだ。
「喧嘩しないように多めに購入したが……足りるか?」
 餌に夢中な黄緑のまるもふをさり気無くもふりながら、ぽつりとシビラは呟いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シン・クレスケンス
世界が羽毛で包まれる…言葉だけ聞くと少し緊張感に欠けますが、世界の危機は放っておけません。

第一目撃者の彼女には申し訳ないですが、拡散防止として【ハッキング】してブログにアクセス出来ないようにしておきましょうか。今回の件が解決するまでの一時的なものですので、ご安心を。

それにしても、この「セキセイさま」どれ程良い触り心地なんでしょう。
…飽くまでUDCの情報を集める為ですよ、なんて言い訳めいたことを言いながら、近くにいた子を控えめに、もふもふもふもふ。

相手が集団なら木の実やパンくず等鳥の好きそうなものである程度一箇所におびき寄せて、【指定UC】で鎌のような武器を召喚して倒します。



●やっぱりふれたい、そのもふもふ
「世界が羽毛で包まれる……」
 言葉だけ聞くと少し緊張感に欠けるが、世界の危機となるならば放っておけないと。シン(真実を探求する眼・f09866)は森の近くの公園の東屋で、『ガジェットトランク』から投影されるホロ画面を見ながらキーボードを叩いていた。
 第一目撃者たる少女には申し訳ないが、何らかの拍子に拡散されてしまうのは防がねばならないと。シンは少女のブログへとハッキングすると、誰も閲覧出来ないように一時的にアクセスロックを施す。
 これは今回の件が解決するまでの短い間だ。おそらく少女も気が付くまい。
 軽く一仕事を終えたシンは、その足で森へと向かう。

 シンは茂みから、セキセイさま達の様子を窺っていた。
『ぴょろろろっ』
『ぴちちちちっ』
 視線の先の地面では、セキセイさまの一団が囀り合っている。井戸端会議でもしているのだろうか。そんなことを思いながら、そろりとゆっくり。シンはセキセイさま達へと近付く。
(「それにしても、この『セキセイさま』、どれ程良い触り心地なんでしょう」)
 突然。一羽のセキセイさま囀るのを止めると、シンの方を見た。つられて他のセキセイさま達も黙ると、皆して視線をシンに向ける。
『…………』
「…………」
 シンも黙してぴたりと動きを止める。けれどもセキセイさまはじっとシンを見つめただけだった。
 少しするとまたセキセイさま達は囀り始め、それに合わせシンは動く。それを数回繰り返して、シンはセキセイさま達のすぐ近くまで辿り着いた。
「……飽くまでUDCの情報を集める為ですよ」
 なんて、言い訳めいた口実を作って。シンは一番近いセキセイさまへと手を伸ばす。
 もふんと、手と羽毛は触れ合った。
『ぴー』
 控えめに、怖がらせないように抱えて。もふもふとその羽毛を堪能してみれば。程よいセキセイさまの体温と、柔らかな羽毛がシンを幸福の海へと誘う。これは魔性だ。
 もう少し触れていたかったが、そうするわけにはいかない。魔性の海から戻れるうちにと、シンはセキセイさまを解放する。

 そして木の実とパンくずをミックスしたものをばら撒けば。セキセイさま達は鳩みたいにそれへと群がる。
 一か所に集まったところを見計らい、シンは手の紋から魔方陣を展開させると。その魔方陣から出現した鎌の様な得物を手に取る。
 セキセイさま達はエサに夢中で、シンのことなど眼中に無かったのは幸いか。
 正直、倒してしまうのは勿体無い。けれども骸の海へと還さねばと、シンは握った得物をセキセイさま達へと振り翳した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

舞音・ミケ
よくわからないまま来ちゃったけど。
感染型UDCって何だろうね?(連れてる猫に向かって)

……あ、まるい鳥だ。
直接聞いてみよう。

あなたたちはここで何してるの?
噂が広まるとどうなるの?
大きいセキセイってどれくらい大きいの?
食べていい?

一応聞いたけど返事は気にしないよ。
だってお腹空いてるから。

猫たちと猫霊たちと。
「元気な猫が来て遊ぶ」で呼んだ元気な猫霊たち。
みんなで狩りするよ。

届く高さなら飛び掛かり。
届かないなら樹から飛んだり猫霊に任せたり。
みんなは爪と牙で、私は短剣「ネコノツメ」も使って。

羽毛は斬ってればそのうち中に届くし。
あわだまは……それおいしい? 食べていい?

食事と運動いっぱいした。まんぞく。



●捕食するもの。されるもの
「よくわからないまま来ちゃったけど、感染型UDCって何だろうね?」
 連れている猫に向かって訊ねながら、ミケ(キマイラのサイキッカー・f01267)は森の中をさくさくと進んで行く。
 訊ねられた猫は『感染型UDC? なにそれ?』と言っているように。こてんと首を傾げる。
 そうこうしている内に。見覚えのある黄緑のまるもふが地に落ちた木の実を啄ばんでいるところに遭遇した。
「……あ、まるい鳥だ」
 直接聞いてみようとセキセイさま達へと近付けば、セキセイさま達は素早く後退した。何故か飛ばなかった。
『キャアアネコヨォオオ!!』
『テンテキヨォオオ!!』
 セキセイさま達の反応は仕方無いのかもしれない。猫は捕食者側であり、鳥は捕食される側なのだ。
(「……何だかこの台詞。聞いたことがある気がする」)
 それは海だったか公園だったか。けれどもミケはそんな事はすぐに頭の片隅に投げ置く。
「あなたたちはここで何してるの? 噂が広まるとどうなるの?」
 ミケは離された距離を一気に詰めて、セキセイさま達に矢継ぎ早に質問を繰り出す。
「大きいセキセイってどれくらい大きいの? 食べていい?」
『ヤッパリタベルキヨォオオ!!』
 とりあえず質問はしたが、ミケは答えを全く気にしていないし聞いていない。兎に角空腹だったのだ。鳥は食糧だった。
『ニゲナキャタベラレルゥウウ!!』
 セキセイさま達はミケに背を向けると、今頃慌ててバサバサ飛んで行く。だが、そんなの許される訳が無かった。だって鳥は捕食される側なのだから。
「みんなもお腹空いてるよね」
 ぽつり、ミケが呟けば。ミケの周りには沢山の猫と猫霊達が現れる。

 さ ぁ 、 狩 り の 時 間 だ 。

 猫達はしゅばっとセキセイさま達に飛び掛かると、その爪を羽毛に喰い込ませ、牙で噛みつく。
『イヤァアアハナシテェエエ!!』
 少々記載が憚れる阿鼻叫喚の光景が森に広がる。もうセキセイさま達涙目である。
 しかしセキセイさま達だってやられてばかりいられない。何処からともなくあわだまを取り出すと、それを食して羽毛の増強を図る……が。
「えい」
『イヤーッ!!』
 ミケは短剣『ネコノツメ』で、近くに居たセキセイさまをぷすりと刺した。羽毛が増えようが気にしない。羽毛は斬っていればそのうち肉に届く上に、刺さる時は刺さる。
「あわだまは……それおいしい? 食べていい?」
 セキセイさま達にとっての地獄は、まだ始まったばかりだった。

 ……しばらくして。そこにはよく遊び、よく食べた猫達だけが残っていたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

山梨・玄信
………オブリビオンの癖にリア充とは…爆破してくれるわ!

【POWを使用】
褌一丁になり、脱ぎ力と序でにRB力も高め、UCを発動じゃ!
ファーストダンジョンの3-Eで更に鍛えた脱ぎ力の冴えを見せてくれるわ!

敵の攻撃は見切りで読み、強化したオーラ防御で受けてやるぞい。
同じく、UCで強化した気の放出(範囲攻撃+鎧無視攻撃)で片っ端からリア充セキセイさま(巻き添えで他の個体も)全て粉砕するのじゃ。

(変態扱いされた場合)
「その扱いにはもう慣れたわい。つまらん!」
(その他の反応)
「珍しい反応じゃな。お主…変人…いや、変鳥と呼ばれとらんか?」

RBの反動は零殿(f03921)にお任せするぞい。

アドリブ歓迎じゃ。


高柳・零
WIZ
さあ、玄信。脱衣だヌギ。
ヌギカル☆玄信に…そっちヌギ⁉︎

「と、とにかく。ヌギカル☆玄信が来たからにはリア充は爆発…じゃなく、悪は許さないヌギ」
前に出て、敵の攻撃を引き受けつつ、指をどんどん指して光を落とします。遠距離攻撃は便利ですね。

放たれたセイセイインコも容赦なく光で撃ち落とします。
もちろん、オーラと盾で身を守りながら。

戦闘が終わったら、何故か手に盾ではなく、手作りブラックジャックを持っています。
画面には、黒髪お下げの眼鏡っ娘が映っています…。
「山梨君…覚悟はいいですね?」

アドリブ歓迎ヌギ!



●RBの炎は種族すら関係が無かった
 ヌギヌギランドの戦士である玄信(ドワーフの破戒僧・f06912)と妖精の零(テレビウムのパラディン・f03921)は、森に訪れていた。
 上記の文面だけでも割とカオスが過ぎるが、これはまぁまだ序の口である。
 二人の目の前には、いちゃつくセキセイさま達の一団が……つまりリア獣御一行が、もふもふとそりゃあ本当に仲良くしていた。羽繕いだけど。
『ぴっぴ』
『ぴぃ』
 もふっと丸っこく可愛らしい見た目だが、それでもオブリビオン。サクッと骸の海へと還さねばと、零は玄信へと声を掛ける。
「さあ、玄信。脱衣だヌギ。ヌギカル☆玄信に……」
「……オブリビオンの癖にリア充とは……爆破してくれるわ!」
 玄信は早業でスパァンと褌一丁になり、その全身に輝きを纏う。いやぁ、すげぇツヤツヤだぜ!!
「ファーストダンジョンの3-Eで更に鍛えた脱ぎ力の冴えを見せてくれるわ!」
 あれだけ脱ぎまくっていれば、そりゃあ鍛えられるというものだ。青いって思ったもん。
「そっちヌギ?!」
 思わずツッコんでしまう零。今日の玄信はヌギヌギランドの戦士というより、RBの団員のようだ。
『キャァアアアヘンタイヨォオオ?!』
 リア獣(多分メス)達が両翼で自身の瞳を隠し、リア獣(多分オス)達は『なんじゃワレ、いいトコ邪魔すんなや』と言わんばかりの視線を二人へと送った。
「その扱いにはもう慣れたわい。つまらん!」
 玄信が一喝すれば、リア獣(多分メス)達はパートナーの背後へと隠れる。ナチュラルに見せつけていた。玄信の纏うオーラの勢いと脱ぎ力がさらに増した。
「と、とにかく。ヌギカル☆玄信が来たからにはリア充は爆発……じゃなく、悪は許さないヌギ」
 気を取り直して、零はセキセイさま達の前へと出ると。リア獣達を指差す。さすれば天からリア充(でなくてもそうなのだが)の再生を封じる光の柱が、セキセイさま達を貫いた。
『ンナァ?!』
『チョ、エンキョリハズルイゾ?!』
 反撃にばっさばっさと沢山のセキセイインコが二人へと放たれる。
 零は盾で迫りくるインコを防ぎつつ、死角から迫ってきたインコはオーラ防御で弾き飛ばして。隙を見てはどんどん指差して光を落としていく。
 一方、玄信の方はというと。オーラで迫るインコを吹き飛ばしていた。RBの勢いというものは恐ろしい。
「はぁああああーーーーっ!!」
 RBの力を最高値まで高め、全身からそれを放出しながら飛翔して片っ端から吹き飛ばしていく玄信。これはある意味鬼神降臨である。
『ヘンタイガクルワヨォオオ!!』
『オレニマカセロ!!』
 勿論そんなのフラグでしかなかった。リア獣は一瞬にして迫った玄信のRBオーラにあっという間に吹き飛ばされる。
 直後。視界の端に捉えた木の影から、黒いオーラが滲んでいたのを玄信は見逃さなかった。しゅばっと瞬で様子を見に行けば、其処には泥水の様に濁った瞳を持つセキセイさまが居た。
『リアジュウ……バクハツ……ドウシ……』
 その言葉だけで、玄信は全てを察した。
「珍しい反応じゃな。お主……変人……いや、変鳥と呼ばれとらんか?」
 まぁまぁ、オブリビ界にも……いるのだ。

 そうして周囲からリア獣達が消え失せて、辺りにはふわふわの羽毛が落ちているのみとなったその頃。玄信は背後からドスの効いた声を掛けられた。
「山梨君……覚悟はいいですね?」
「そ、その声はまさか……!!」
 振り返れば。零はその手に手作りブラックジャックを持ち、それをひゅんひゅんと振り回していた。
 零のテレビ画面にはいつもの表情ではなく、何故か黒髪お下げの眼鏡っ娘が映っている。彼女の眼鏡は光を反射して、眼鏡の向こうの表情を窺い知ることは出来なかった。
 零の身には義勇軍の少女が憑りついていた。そう、零は、零でない。
 そして玄信は、本能でその三つ編みおさげの少女を知っていた。
 RB活動を行う者には、必ず反動が待っている。だがその反動で自滅する事まで楽しむのがRBだという信念を、玄信は持っていた。
 なのでこれから起こる事を、玄信は予想はしていた。
 ……しかし、何だ。今回の義勇軍の得物の破壊力は……ヤバそうである。手作りブラックジャックは、籠っている。絶対色々籠っている。オーラが……そう、念が。
 というか、義勇軍も種族関係なかったんだね。で、強制的に〆させていただく。その後の玄信がどうなったかは、玄信のみぞ知る。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

吉備・狐珀
感染型UDCがそこまで拡散していないのは幸いでしたね。
世界中が羽毛に包まれる前に…羽毛…ふかふか…。
はっ、いけません。危うく目的を見失うところでした。
UDC恐るべしです。
恐るべ…ちょっとだけ、ちょっとだけもふもふしようかな。ちょっとだけ…。

…うぅ、ウカごめんなさい。ちゃんと仕事します。
UC【協心戮力】使用。
仔龍の月代に風を倉稲魂命のウカに雨を降らしてもらって台風を発生させます。
濡れた羽でこの強風はうまく飛べないでしょう?
ウカの宝玉で風(属性攻撃)をさらに強化させ、そのまま骸の海まで吹き飛ばしてしまいましょう。

飛び散った羽は集めてお持ち帰りしますから、皆、あとでお手伝いお願いしますね?



●羽毛は人を惹きつける
「感染型UDCがそこまで拡散していないのは幸いでしたね」
 世界が羽毛に包まれる前に対応できることに胸を撫で下ろし、狐珀(狐像のヤドリガミ・f17210)は歩を進めていた。
 しかし、羽毛……ふかふか……。
 ――ぱきり。
「はっ、いけません」
 枝を踏み割った音が、狐珀を現実へと引き戻す。
 危うく目的を見失うところだった。狐珀はUDC恐るべしと慄くと、気合を入れなおして更に奥へと進んで行く。

『ぴぴぴぴ』
『ちっ、ちっ』
 少し開けた場所へと出たならば。其処にはどう見ても、凶悪とは縁遠そうな姿をした、ふわもふでまるっこいUDCが群れて囀っていた。セキセイさま達だ。
「恐るべ……ちょっとだけ、ちょっとだけもふもふしようかな」
 その姿とつぶらな瞳はとても可愛らしく、狐珀は思わず警戒を解いてしまう。
 ちょっとだけ……本当に、ちょっとだけと。狐珀はセキセイさま達へと歩み寄る。
 セキセイさま達は近付く狐珀の方を向くと、首を傾げながらまじまじと見つめた。
 沢山の瞳に射抜かれても、狐珀は歩みを止めない。魅惑的なその羽毛に触れたいという思いが強かったからだ。
『ぴよっ』
 狐珀はその黄緑の羽毛に、もふんと触れる。それは空気を含んでふわふわで、すべすべとしたその手触りは絹の様にも思えた。
 そのままきゅっと抱きしめれば、即もふもふタイムにご案内である。
 本当に恐ろしいのはUDCではなく、その身を包むもふもふかもしれない。

 そうして少し、経った頃。
 しびれを切らした倉稲魂命『ウカ』は飛び跳ねると、黒い尻尾で主である狐珀の頭をぺちんと叩く。
 狐珀がはっとして振り返れば、ウカは何時までもふっているつもりだと言いたげな視線を狐珀に向けていた。
「……うぅ、ウカごめんなさい。ちゃんと仕事します」
 そう。もふりに来たのではなく、仕事をしに来たのだと自身に言い聞かせて。狐珀は仔龍の月代に風を吹かせる様にと、ウカに雨を降らせる様にと求める。
 雨と風。二つの力が合わされば、それは『台風』となる。
『ぎゃぎゃっ!』
『ぴょぉおー!?』
 叩き付けるような雨雫はセキセイさまの羽毛を湿らせ、その身を重くさせた。身軽さを失ったセキセイさまは、ころころと地を転がるしかない。
 ウカの持つ宝玉がカッと輝けば、風がさらに強くなり、セキセイさま達はそのまま一気に骸の海までころころり。一方通行で案内される。

 台風が止んだ頃には、周辺には飛び散ったセキセイさまの羽根が残るのみとなっていた。
「飛び散った羽根は集めてお持ち帰りしますから、皆、あとでお手伝いお願いしますね?」
 収集用の小瓶を片手にする狐珀の表情は、台風一過の太陽の様に輝いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

タビタビ・マタタビ
最近アルダワの戦争で忙しかったからもふもふしたい!
あーこの森、なんだかぬくぬくしてて気持ちいい……

見つけた、セキセイさま! ところでなんで「さま」付けなんだろう……??
【おびき寄せ】でこっちに来てもらいつつ、【早業】で捕まえる!
【範囲攻撃】【二回攻撃】でセキセイさま達をまとめてもふる!
はー、もふもふだよ……
(なんとかセキセイさまの機嫌を損ねないようにもふもふを続けたい)
(けれど何かが癇に障ったらしい)
うわっ!? なんか怒ってる!?
仕方ない……戦おう! 心を鬼にして!

うわーセキセイインコの皆さんが押し寄せてくる! 幸せ……じゃなくて!
【ブレイヴソード・オブ・ザ・サン】で一気に決着をつけるよ!



●もふ on もふ
「あーこの森、なんだかぬくぬくしてて気持ちいい……」
 とても暖かく、思わずお昼寝してしまいそうな森の中をタビタビ(若き猫黒騎士・f10770)は進む。
 けれどもそれはダメダメと。タビタビは首を振って眠気を吹き飛ばす。
 最近アルダワの戦争で忙しくてもふもふ出来なかった分を取り返すべく、今回は沢山もふもふするのだ。
 きょろりと見回せば、大きな樹の枝で絶賛集団お昼寝中のセキセイさま達を見つけることが出来た。
『すぴょ……』
『……zZ』
「見つけた、セキセイさま!」
 正直、お昼寝に少し混ざりたいと思いつつ。タビタビは両手を叩き、セキセイさま達を起こす事から始める。
 籠手のぶつかり合う音が響いた。その音で目を覚ましたセキセイさま達は、一体なんだろーと、寝ぼけ眼で音の元を探す。
 セキセイさま達は見慣れない黒いもふもふ――タビタビを瞳に捉えた。
『ぴょ?』
 もふもふだ。もしかして新しい仲間? と、セキセイさま達はタビタビの許へと舞い降りる。未だ寝ぼけ眼のまま。
 タビタビを囲んだセキセイさま達は、寄り添うとまたお昼寝タイムへと戻った。もふもふ、おん、もふもふである。
 眠っているその隙に。タビタビはしゅばっと素早くセキセイさま達を両手で抱え、もふり始める。セキセイさま達はもふもふであるタビタビにもふられながら、気持ち良さそうに眠っていた。
「はー、もふもふだよ……」
 森はぬくぬく暖かい。セキセイさまもふわふわ温かい。
 なんて幸せな時間なのだろう……そんな事を思った時。ふわっと疑問が頭に浮かんだ。
(「あ、なんで『さま』付けなんだろう……??」)
 それは……鳥は崇高な存在だからです。

 だが、幸せな時間は突然に終わりを告げる。
『ぎゃぎゃっ!』
 斬り裂くようなセキセイさまの叫びが響き渡る。
 偶々タビタビが触れたもふどころが悪かっただけなのだが、鳥というのはそれだけで急に態度を変えるものである。セキセイさま達はタビタビの許から飛び跳ねて距離を取ると、臨戦態勢に入る。
「うわっ!? なんか怒ってる!? 仕方ない……戦おう! 心を鬼にして!」
 セキセイさま達は激しく羽搏くと、数多のセキセイインコを放つ。黄緑の生きた波が、タビタビを飲み込まんと迫った。
「うわーセキセイインコの皆さんが押し寄せてくる! 幸せ……じゃなくて!」
 タビタビは眩き金色の姿へと変身すると。一時的に巨大化した剣を振り上げ、一気に決着を付けに行く。
 ギリギリまで引き付けたところで、剣を思い切り振り下ろせば。巨大なその一撃は数多のセキセイインコも、セキセイさま達も纏めて骸の海へと還した。

 せっかくのもふもふ……と、タビタビは空を仰げば。ふわりと一枚、黄緑色の羽根が鼻に舞い落ちて来た。

大成功 🔵​🔵​🔵​

樹神・桜雪
※絡み・アドリブ歓迎

セキセイさまだ。可愛いなあ。
ボク、あの丸いフォルムに弱いんだ。ふくふくしてて可愛いんだよね。

こちらに向かってくるなら、しれっと1羽捕獲してもふもふ具合を堪能しよう。
もふもふ、ふかふか、幸せ。多少つつかれても、もふもふ堪能中はあまり気にしない。痛すぎるならお札でべちんとやるけども。
あ、沢山呼んでくれるの?それならボクと遊ぼうか。
薙刀を氷花に変換するUCを発動させて凪ぎ払うね。少し動けなくなるくらいの威力で。
ちょっとそこで待っててね。
すぐにもふりに行くから。
順番にもふり終わったらもう一度UCを発動させて一気に仕留めにいく。
相棒以外の鳥をもふった証拠は念入りに消しておかなくちゃ。



●禁断の味とも言う
『ぴっちちち』
『ぴっ、ぴっ』
(セキセイさまだ。可愛いなあ……)
 樹の影からこっそりと。桜雪(己を探すモノ・f01328)はセキセイさま達が囀り、仲睦まじく羽繕いし合う様子をじっと見守っていた。
 桜雪はセキセイさま他、丸いフォルムをした存在に弱かった。ふくふくとしていて、時たま更に空気を含ませてもふっと膨らむその姿はとても可愛らしい。おそらく、はっきりと嫌いだと言うものも居ないだろう。

『ぴょろっ!』
 ――こちらから近付こうか。それとも、もう少し見守っていようか。
 少し悩んでいたら、セキセイさま達の方から桜雪に近付いてきた。どうやら視線に気付いて、何だろうと皆して窺いに来た様子。
 とてて、と好奇心旺盛な一羽が桜雪の前に出てくると。首を傾げながら桜雪を見上げる。
「あ、セキセイさまの方から来てくれたんだ」
『ぴょっ?!』
 近付いてきたそのセキセイさまを、桜雪は両手でしっかりと掴むと。そのもふもふ具合を堪能する。
 その羽毛、やわらかもふもふ。指から伝わる、あったかふかふか。今にも天にも昇りそうな触り心地である。
『ぴぴょっ!』
 桜雪の手から逃れようと、じたじたとするその動きさえ。桜雪の手に新たなふわもふの感触を伝えるに過ぎない。
『ぴぴぴぴっ!!』
 捕らえられた仲間を助けんと。他のセキセイさま達が、ばさばさと羽搏いて大量のセキセイインコを喚ぶ。
「あ、沢山呼んでくれるの? それならボクと遊ぼうか」
 もふっていたセキセイさまを解放し、その代わりに手に握った愛用の薙刀である『華桜』を、桜雪は瞬時に氷の花弁へと変え散らせる。
 きらきらと舞った冷たき花弁は。優しくセキセイさま達を凪ぎ、動きを封じた。
 何故その程度威力で放ったのか?
「ちょっとそこで待っててね。すぐにもふりに行くから」
 勿論、セキセイインコやセキセイさま達を捕獲&もふもふとする為に決まっていた。

「相棒以外の鳥をもふった証拠は、念入りに消しておかなくちゃ」
 ひとしきりもふもふを満足した後、桜雪は自身に付いたセキセイさまの羽毛を掃うと。動きの鈍った鳥達へと、今度は容赦なく手加減無しで氷の花弁を放ち、纏めて仕留める。
 鳥という生物は愛情深い。故に嫉妬深くもある。
 例えば。飼い主が複数羽いる内の一羽を愛でていたら、他の鳥が愛でられている鳥へとダッシュで迫り、つつくなんてことがザラにある。ついでに飼い主へと嫉妬アタックを繰り出すこともある。
 ……なので。他の鳥を愛でていたという事実が、同じく鳥である『相棒』にバレた場合。色々な意味で不味いのだ。
 服や髪に羽毛一枚残さぬ様、それは念入りに隠滅処理をする桜雪なのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真幌・縫
マクベス(f15930)くんと♪
マクベスくんマクベスくん!セキセイさまがいっぱいだよー!可愛いねぇ♪
それになんだかこの辺りだけぽかぽか暖かいよ。
暖かいからこんなにいるのかなぁ…。
…あっ、そうだよねこの子たちUDCだもんね!
この子たちの影響だよね?
ちゃんと依頼なのらわかってるよー?
やっぱり倒さなきゃなんだよねー…(もふもふしつつ)
あっ、喧嘩してる子もいる。喧嘩だめだよー。
いっぱいいすぎると喧嘩も起きちゃうし。
…倒しちゃおう。
UC【虹色の魔法】!!
次は仲良くしなきゃダメだよ。

アドリブ歓迎。


マクベス・メインクーン
縫(f10334)と
うわぁ、なんかすっごい数だなっ!
てかコイツら自由過ぎね?!
てかこんなに暖かい場所でこんな数のモフモフ
昼寝したら気持ちよさそうだよなぁ…
いや、オレも依頼なのはわかってるぜ?…枕に良さそう
(近くのやつをモフモフしながら)

ま、確かにこんなに数いるとなぁ…
ちょっと数減らそうぜっ
進むにしてもちょっと邪魔になりそうだし
魔装銃でUC使用して雷【属性攻撃】する
オレたちは奥に用があんだよ、通してもらうぜ
さっ、縫も喧嘩の仲裁も終わったなら行こうぜっ

アドリブOK



●せきせいいずふりーだむ
『ぴょろろろろっ』
『……ギョリ……ギョリ……』
 暖かな森の中、其処では枝の上で楽し気に囀るセキセイさまも居れば。団子の様に寄り集まり、眠っているセキセイさまも居た。
『ぴ……』
 地ではパートナーと羽繕いし合う仲の良いセキセイさまも居る。それは見ているだけで和んでしまう光景だった。
「マクベスくんマクベスくん! セキセイさまがいっぱいだよー! 可愛いねぇ♪」
「うわぁ、なんかすっごい数だなっ! ……てかコイツら自由過ぎね?!」
 沢山のセキセイさま達を指差して、縫(ぬいぐるみシンドローム・f10334)ははしゃぎ。その傍らのマクベス(ツッコミを宿命づけられた少年・f15930)は縫に同意しつつ、セキセイさま達のフリーダムっぷりに目を丸くする。
「それになんだかこの辺りだけぽかぽか暖かいよ」
 暖かいからこんなにいるのかなぁ……と、縫は首を傾げる。
 そうである。今二人が居るこの森は、何故か妙に暖かい。この時期、もう少し寒くてもおかしくないというのに。
 鳥というのは暖かい場所が大好きだ。だから集っているのかと縫は思ったのだが、マクベスがそれは多分逆じゃないかと指摘を入れる。
「コイツらが居るから暖かいんじゃね……?」
「……あっ、そうだよねこの子たちUDCだもんね! この子たちの影響だよね?」
 改めて、二人はセキセイさま達へと視線を向ける。けれどもやはり、セキセイさま達は自由に過ごしているだけだった。

「てか、こんなに暖かい場所でこんな数のモフモフ……」
『ぴょっ』
 マクベスは、丁度近くに居たセキセイさまの頭へと手を置く。そしてそのままふんわり柔らかなその羽毛に逆らわぬ様撫でてみれば、するんと背中まで手が滑った。
 もう一度撫でれば、セキセイさまは羽毛をぶわわと膨らませる。これは怒っているのではなく、心地良いからだ。
 一方。縫は両手で抱えるようにして、三羽のセキセイさまをもふもふとしていた。もふもふよくばりセットである。
「ねぇマクベスくん! この子達すごくふわふわもふもふしてるよー♪」
 マクベスへと話しかける縫の瞳は、とても輝いていた。まとめてもふられるセキセイさまトリオは、縫にむぎゅもふされる度にぴよぴよと鳴く。
 依頼で来ている事を忘れていないかマクベスが確認を取れば、縫は「ちゃんと依頼なのはわかってるよー?」と。変わらずセキセイさまトリオをもふもふしながら返事をした。
 
(「昼寝したら気持ちよさそうだよなぁ……」)
 撫でていたセキセイさまをむぎゅりもふもふともふりながら、マクベスは胸中で言ちる。此処はぽかぽかと暖かく、昼寝するには丁度良い。
(「いや、オレも依頼なのはわかってるぜ?」)
 先ほど縫に言った手前、昼寝するわけには……とマクベスは首を振る。だが。手元には良さそうなふわふわの枕が、居る。
 つい誘惑に負けてしまいそうになったその時、セキセイさま達の荒い鳴き声がマクベスを現実へと引き戻した。
『ぎゃぎゃぎゃっ!!』
『ちっちちちちち!!』
 その方を見ればバサバサと羽搏き、何やら言い争い(?)をしているセキセイさま達が居た。二羽の間には見えぬ火花が散っている。
「あっ、喧嘩してる子もいる。喧嘩だめだよー」
 縫が仲裁に入ろうとするも、二羽の謎の怒りが収まることは無い。そうなってしまうと、残る選択は一つしかなかった。名残惜しそうに縫はセキセイトリオをラストもふした後、心を決める。
「やっぱり倒さなきゃなんだよねー……」
 その数が多ければ多いほど、衝突が起きる可能性というのは比例して高くなる。ひとりであれば誰ともぶつかり合うことは無いけれども、ひとり以上であればそれは起きてしまう。
「いっぱいいすぎると喧嘩も起きちゃうし……倒しちゃおう」
 数え切れぬほどの虹色に輝く矢が、縫の手からセキセイさま達へと放たれる。
 虹色の輝きは争うセキセイさま達も、その周囲に居た無関係なセキセイさま達も。纏めて皆貫いて、骸の海へと還して行く。
「ま、確かにこんなに数いるとなぁ……ちょっと数減らそうぜっ」
 セキセイインコの大群が羽搏く音が二人へと迫っていた。このまま数ばかりが増えてしまっては、先に進むにしても道の邪魔になりそうだ。
 マクベスも縫に同意して、魔装銃『ファフニール』と魔装銃『リンドブルム』を両手に握ると。セキセイインコ達へ向け銃口から雷の弾丸を発射する。
「オレたちは奥に用があんだよ、通してもらうぜ」
 雷光纏う弾丸は小さな雷と同じ。少しでも触れ感電したなら周囲を巻き込みバチリと弾け、それは先へと進む為の道を拓いた。

 ――それからしばらくして。音は全て収まった頃。
「さっ、縫も喧嘩の仲裁も終わったなら行こうぜっ」
 仲裁(物理)を終えた縫へとマクベスは声を掛けると、先を行く。
「うんっ」
 縫は頷くと一度振り返る。もう、そこには何もいないけれども。
(「次は仲良くしなきゃダメだよ」)
 心の中でそう呟いて、縫はマクベスの後を付いて行くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

真宮・響
【真宮家】で参加。

なんて凶悪な事件なんだ・・・特にもふもふ大好きな奏に取っては天敵だね・・・世界が羽毛で埋まるのは勘弁だ。心を鬼にして倒すしかないね。

奏がセキセイさまの群れに飛び込むのはいつものこと。抱いていいなら、2匹程抱いて【歌唱】で鼻歌を歌う。存分にもふったら、【二回攻撃】【範囲攻撃】を併せた竜牙でひと思いに薙ぎ払う。いや、UDCだったら一匹ぐらい連れ帰っても良かったんだが。残念だよ。


真宮・奏
【真宮家】で参加。

セキセイさまが一杯・・・・もふもふの楽園・・・それもいいかも・・・はっ!!UDCが世界を埋めるのは防がないといけませんよね!なんて凶悪な事件なんでしょう・・・

UDCでももふもふの群れには抗えません・・・・セキセイさまの群れを見た途端、群れに即座に飛び込んで存分にもふもふ。ああ、幸せですっ!!もふもふの時間を満喫したら、名残惜しいですが、【二回攻撃】【範囲攻撃】を併せた信念の拳で倒して行きます。幸せな時間をありがとうございました。


神城・瞬
【真宮家】で参加。

まあ、もふもふ大好きな奏にとっては天敵ですよね・・・奏、可愛いセキセイの姿していても邪悪なUDCですからね。あれで世界を埋める野望は阻止するべきなんですよ?分かってますよね?

まあ、奏がセキセイさまの群れに飛び込むのはとめません。僕もセキセイさまの輪の中で精霊のフルートで【楽器演奏】。くるくると回るセキセイさまをみて微笑みます。ついでに撫でていいですよね?楽しい時間を過ごしたらひと思いに氷晶の槍で突き刺します。来世はまともな鳥に生まれ変われることを祈って。



●もふもふは魅了する
「セキセイさまが一杯……もふもふの楽園……」
 脳裏に浮かぶは沢山のセキセイさま達が思うままに過ごしているパラダイス。それもいいかも……と。奏(絢爛の星・f03210)はつい、ふにゃりとした笑みを浮かべる。
「まあ、もふもふ大好きな奏にとっては天敵ですよね……奏、可愛いセキセイの姿していても邪悪なUDCですからね」
 瞬(清光の月・f06558)は奏に、それは分かっていますよねと。あのもふもふで世界を埋める野望は阻止するべき事象であることを理解しているか確認する。
「はっ!! UDCが世界を埋めるのは防がないといけませんよね! なんて凶悪な事件なんでしょう……」
 瞬の問いに奏ははっとする。そう、今回は依頼で来ているのだ。もふもふだらけになるだけであればまだ良かったのだが、正確にはUDCだらけとなってしまうかもしれない事件の対応であることを奏は思い出す。
「なんて凶悪な事件なんだ……特にもふもふ大好きな奏に取っては天敵だね」
 世界が羽毛で埋まるのは勘弁だと、響(赫灼の炎・f00434)はきゅっと表情を引き締めて。倒す時は心を鬼にすることを誓う。いくらもふもふとして可愛かろうと、やるべき時はやらねばなるまい。

『ぴょっぴょろろ』
『ぴぃぴぃ』
 少し歩いた真宮家一行の視界に入った光景は、沢山のセキセイさま達だった。
 まるまるもふもふとしたセキセイさま達は気ままに飛び回り、ころりと転がり。自由に囀り合っていた。
 それを見てしまった奏はもふもふの群れの誘惑に抗えず、即座に近くのセキセイさまの群れへと飛び込む。
 瞬は奏を引き止める事はせず、響もそれはいつもの事だからと見守る。二人とも奏の事を良く分かっていた。
『ぴっぴぃ?』
 セキセイさまは奏を特に気にしても居なければ、危害を加える気配も無かった。
「ああ、幸せですっ!!」
 二人に見守られる奏は、セキセイさまの群れを存分にもふりもふもふする。その羽毛は柔らかなふかふかもふもふ。とても心地よい肌触りだった。
 思わず夢見心地になりながら、奏はまるで鳥の雛みたいにそのまま羽毛に埋まる。
 瞬は精霊のフルートを取り出すと、セキセイさまの達の輪の中に入り音色を奏でる。セキセイさま達はフルートの音色に合わせ囀り、楽しそうに瞬の周りを跳ねまわった。可愛らしいその様子に、瞬の顔から自然と微笑みが零れた。
 撫でても大丈夫だろうかと、瞬が手をそろりと伸ばしてみれば、セキセイさまは拒むことをしなかった。
 そのまま触れ、撫でてみれば。ふわふわとした羽毛の感触が瞬の手のひらに伝わった。
 その頃。響は二羽のセキセイさまを抱きかかえて地に座り、鼻歌を歌っていた。
 抱きかかえられたセキセイさまは、目を閉じてすやすやと眠っている。森の暖かさと、響の鼻歌の相乗効果で、ついついお昼寝タイムに入ってしまったのだろう。そしていつの間にか響の周囲には、セキセイさま達が集まっていた。もしかするとゆらゆらと抱かれたいのかもしれない。

 叶うのであれば、ずっともふもふと出来れば良いけれど。しかし、ずっとセキセイさま達と過ごすことは叶わない。叶えてはいけない。
 何故ならセキセイさまはオブリビオンであり、オブリビオンは過去の残骸。過去が現在、そして未来に存在してはいけないのだ。
「幸せな時間をありがとうございました」
 奏はセキセイさま達へと感謝の言葉を告げる。
 名残惜しいけれども、楽しい時間は此処迄と。奏は強き意思を籠めた拳をセキセイさまへと叩き込んだ。
 その思いを受け止めたセキセイさま達は次々ぽふんと弾け、骸の海へと還る。
 それを見た瞬も、頃合いかと受け止めて。六花の杖をセキセイさまへと向ける。
 ――来世は、真面な鳥に生まれ変わらんことを。
 祈りを籠めて、杖を祓う様に振れば。宙に氷晶で作られた槍が現れる。そして槍達は弾けたようにセキセイさま達へと真直ぐに向かい、貫いた。
「いや、UDCでなければ一匹ぐらい連れ帰っても良かったんだが……残念だよ」
 響は抱えていたセキセイさま達を下ろすと立ち上がる。そして赤く輝く光剣を手に握ると、一切の容赦無くセキセイさま達を薙ぎ払った。
 UDCでなければ、一家に一羽のまるもふとして癒しを齎してくれたかもしれないだろう。けれども倒して来てくれと依頼されている以上は、最終的には倒さねばならぬと響は割り切っていた。

 そうして其処からは囀りも、もふもふも、無くなった。
 三人は更に奥へ進むべく、振り返ることなくその場を後にする。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と

もふの伝道師に、わたしはなる
(拳を掲げ宣言

セキセイランド
まつりん、ぴちぴちな鳴き声聞こえる
嬉しそうにまつりん呼んで

近付くとびびって逃げちゃうから
ん、これ、作ってきた
乾燥ハーブと粟、ひえを小麦粉で混ぜたインコ用クッキー
うさみん☆に持たせて
セキセイさまにそっと差し出してみる

どうぞ?
興味持ってついばむまでじっと待つ
食べてくれたら
おいしい?と聞いてそっと頬をかきかきしつつ、もふっ
ん…インコくさい(嬉しそうに)

セキセイさまたくさん増えたけど
クッキー、足りない
仲良く分け合え…ない?(仲間割れする姿を眺め)
…ん、骸の海ではちゃんと分け合ってね?
残った本体をむぎゅうと抱きつぶす


木元・祭莉
アンちゃん(f16565)と!

わあ、セキセイさまがいっぱいだー。久しぶりー!
ぶわってしてる……コロリン、元気かなあ?

確認しとかなきゃ。おとなしそうなのは……いない、っと。
じゃあ。倒しちゃってもいっかな♪

アンちゃんは、餌付け中だね。
おいらは曲芸やろっと♪
はいはい、注目ー。

扇投げるから、避けてねー♪(突然)

そいやー(しゅぱー)
もひとーつ(しゅぱー)
らすとー(しゅぱしゅぱー)

はい、当たったねー♪
そのまま絆でぐるぐる巻きにしてっと。

このへん?(アンちゃんの真似してカキカキしてみる)
そっか、ココがいいんだ♪
ほれほれ♪

あー、でろんとしちゃったー。
……帰ったら、たまこ(飼雌鶏)にもやってみよっと!(拳)



●継承者たち
 ぽかぽかと不思議に暖かく、溶けてしまいそうにもなるその森で。手を繋いだ双子の兄妹が、とてとてと道を行く。
「もふの伝道師に、わたしはなる」
 歩きながら、ぐっと拳を頭上に掲げると。杏(杏どら焼き・f16565)は高らかに宣言する。
「伝道師になるぞー♪」
 祭莉(まつりんこ・f16554)もにぱっと笑い、杏に倣って拳を掲げた。
 もふの伝道師。それはセカイにもふもふの素晴らしさを広めるもふりすとの事を指す。決してUDCを世に広める者を指すのではない。
 二人は正当なるもふの伝道師となるべく。落ち葉や枝を踏み分け奥へと進む。

『ぴっちちちちち』
『ぴょろ、ぴょろろっ』
 やがて遠くから、鳥達が囀る声が聞こえて来た。杏はセキセイさま達の鳴き声だと、嬉しそうに祭莉を呼ぶ。
「まつりん、ぴちぴちな鳴き声聞こえる!」
 こっちこっちと駆け出して、開けた其処に広がるはセキセイワールド。見上げればばさばさとセキセイさま達が舞い、目の前ではぴぃちよ囀り合っている。
「わあ、セキセイさまがいっぱいだー。久しぶりー!」
 ぶんぶんと手を振って、挨拶をする祭莉。それで双子の存在に気付いたセキセイさま達は、ぶわわと羽毛を膨らませ、じっと二人を見つめた。どうやらちょっぴり警戒しているようだ。
「ぶわってしてる……コロリン、元気かなあ?」
 セキセイさま達を見た祭莉の脳裏に、過去に保護し、UDC組織に預けたUDC-Pのセキセイさまの姿が浮かぶ。大丈夫、コロリンは元気です。

「近付くとびびって逃げちゃうから……ん、これ、作ってきた」
 ごそごそと、杏は紙袋を取り出す。袋の中身は乾燥ハーブ、粟、ひえを小麦粉で混ぜたインコ用クッキーだった。
 杏はそのクッキーをうさ耳付きメイドさん人形の『うさみん☆』に持たせると、そっとセキセイさま達へと差し出させてみる。
「……どうぞ?」
『ぴよ……?』
 少し訝しみながら、差し出されたクッキーをまじまじと見るセキセイさま達。杏はセキセイさま達が啄ばむまで、辛抱強く待つ。
 やがて、一羽のセキセイさまが何かに気付いたようにクッキーを啄ばみ始めた。
『ぴぴぴ!!』
 差し出されたクッキーを食べられるものだと認識したそのセキセイさまは、かりかりと食べ進める。
「ん、おいしい?」
 そう訊ね、そっと近づいてセキセイさまの頬をカキカキする杏。カキカキされたセキセイさまは、気持ち良さそうに目を細めるとふわりと羽毛を膨らませる。
 今ならもふれる。そう確信した杏はセキセイさまを抱きもふもふと、存分にもふる。柔らかな羽毛が杏の肌を包み込んだ。
「ん……インコくさい」
 鳥類独特の癖になる香りが杏の嗅覚を撫でる。その香りはインコ臭とも呼ばれ、鳥マニアを夢中にさせる香りでもある。思わず杏の顔から嬉しそうな笑みが零れた。

(「アンちゃんはー……餌付け中だね」)
 餌付けしつつ、もふもふも楽しむ杏に祭莉は目を細める。けれども同時に、コロリンと同じようなセキセイさまかどうかの確認をする。
 どうやら、その様な平和な個体は居ない様だった。
(「じゃあ。倒しちゃってもいっかな♪」)
 少し祭莉は考えを巡らせて。そしてぴこんと思いついた。
「おいらは曲芸やろっと♪」
 はいはいちゅうもーく、と。祭莉は声を張り上げると。突然両手に扇を広げて。
「扇投げるから、避けてねー♪」
 そしてしゅぱぱっと、セキセイさま達へ向け投擲した。
「そいやー」
『ぴっ』
 先ず一番近いセキセイさまへ、すこーんと。
「もひとーつ」
『ぴょっ?!』
 次に空を飛んでいたセキセイさまへ、ぱしーんと。
「はい、当たったねー♪」
 ちなみにさり気に、扇を当てられたセキセイさまは爆発しています。
 扇を当てたことで、祭莉とセキセイさまの間にはオトナには見ることが出来ない夢色の絆で繋がれた。
 その絆でまだ健在なセキセイさまをぐるぐると巻いて、身動き取れないようにする。
『ぴぃよ?!』
 あまりにも突然のことで、セキセイさまは事態をうまく飲み込めていなかった。そのどさくさに紛れ、祭莉は杏の真似をしてセキセイさまをカキカキしてみる。
「このへん?」
『ぴ……』
 確か頬の辺りだったと、そこをカキカキとしてみれば。セキセイさまはふわふわと羽毛を膨らませた。カキカキの心地よさには抗えないのだ。
「そっか、ココがいいんだ♪ ほれほれ♪」
 更にカキカキしてみれば、のけ反る様にしてとろけてしまった。
「あー、でろんとしちゃったー……帰ったら、たまこにもやってみよっと!」
 ぐっと拳を握る祭莉。しかし、たまこは触れる事を許してくれるのだろうか。

『ぎゃぎゃぎゃっ!!』
『じじっ!!』
「仲良く分け合え……ない?」
 杏の周りはいつの間にか。クッキーを求め、争い合うセキセイさま達でごった返していた。
 そうなのだ。セキセイさまが増え過ぎ、クッキーが足りなくなってしまっていたのだ。
 いがみ、突き合うセキセイさま達の姿を目の当たりにした杏の瞳から光が消えたその時。祭莉の声が響いた。
「らすとー」
『ぴぴょっ!?』
 扇がセキセイさま達へとすここーんと当たると爆発して、物理的に仲裁がなされる。
「……ん、骸の海ではちゃんと分け合ってね?」
 帰還を見届けた杏は、もふもふとしていた最後のセキセイさまをむぎゅうと抱き潰すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『五里霧中』

POW   :    力技で幻影を倒す

SPD   :    いないものと無視して幻影を振り切る

WIZ   :    論理的に否定して幻影を打ち消す

👑11
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 2章導入は3月3日の正午過ぎに投稿致します。
 導入が投稿され次第、プレイングを送信していただいて大丈夫です。

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 森の奥へ、更に奥へと進んでいたならば。次第に白い霧が現れ、周囲を包み込み始めたことに気が付くだろう。
 敵の術かと警戒しながら進めば。ぼんやりと何者かの影が見えた。
 それはじっと動くことなく、ただ只管に佇んでいる。
 正体不明の影に慎重にゆっくりと近付けば、影の形ははっきりして。人の形ではない事に気が付いた。
 その形は鳥だった。しかも、あまり動かないことで有名な。

 ハシビロコウだった。

 何でハシビロさんが居るのだと駆け寄れば、ハシビロコウは相変わらず動くことなく。けれどもまばたきはしているところから、剥製の類では無い事がうかがえる。

 ――バサバサッ!!

 突然。頭上を何かが通り過ぎる。音の主が向かった方を見れば、それは美しく長い緑の尾羽をなびかせていた。幻の鳥とも呼ばれるケツァールだ。
 はっとして周囲を見渡せば、妙に南国チックな木の枝にはオニオオハシが止まっている。
 別の木の枝には、中型インコであるコガネメキシコインコやウロコインコが興味津々に此方を見つめていた。
 いつの間にか存在していた池では、コールダックやマガモがすいすいと泳いでいる。

 此処は、鳥の園と化していた。

 何故、本来ならば居るはずのない存在が居るのか。そういえば感染型UDCは、周囲の環境を書き換えて自身に近付かせまいとするという。今回もそういう事なのだろう。
 とはいえ、まだ十分な力を取り戻していない筈だ。それを逆手に取り、引き摺り(?)出してやろう。

 ……何故か鳥用ジュースが入ったカップと鳥用のエサが収納されているボックスがあるが、鳥達に与えてみたらどうなってしまうのだろうか。

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 まやかしの鳥の園で自由に過ごしちゃいましょう、というパートです。
 能力値選択は特にお気になさらず存分に楽しんで大丈夫です。まやかしを作り疲れさせる事が目的ですので。

 鳥の種類の御指名在りましたら、どうぞ。
 ペンギンでも大丈夫です。だってまやかしだもの。
 餌やジュースは与えたら、ものすごい勢いで中型インコ達に集られます。勿論エサは水鳥達など他の鳥にあげることもできます。
 
浅間・墨
な、なんだか凄く睨んでくる鳥さんに出会いました…。
詳しくないので名前はわかりませんが…とても怖いです。
敵意は無いようなので警戒しつつ進んでみます。怖い。
視界が霧で真っ白で進む道がよくかわかりません…。
「じ、自販…機…?」
鳥用の餌と飲み物の箱をみつけました。これは…?
機嫌をとって霧を晴らせ…ということでしょうか?
しかたがないので飲み物と餌を一つずつ手に取ります。
「…あ」
綺麗な跳ねで尾がある鳥さんが上を飛んでます。凄い…。
とりあえず餌を遠い場所へ投げ撒いてから様子をみます。
飲み物は…地面に置いて距離をとってみましょうか…。
もしその前に飲み物へ群がって来たら硬直して…耐えます。
「あ…あぅ…ぅ」



●ハシビロさんはお辞儀する
『…………』
(「な、なんだか凄く睨んでくる鳥さんに出会いました…」)
 突然辺りが霧に包まれたと思ったら、大型で濃灰色の鳥が現れた。しかもじっとして動く気配が全く無く……正面顔が怖い鳥だった。
 墨(沈黙ダンピール・f19200)は足を止めると。別に悪い事をしたわけではないけれども、ぺこぺこと頭を下げる。発せられていた威圧感が凄かったのだ。
 鳥にはそれほど詳しくなかった故に名前は分からない。けれども、その目つきがとても怖いのは分かる。
『…………』
 すると一体どうしたことか。睨みつけてきていた鳥は頭を震わせながら、ぺこりと頭を下げたではないか。ほんのついさっきまで微動だにしなかったのに、いきなり動き出したものだから墨はもっと吃驚する。
 相変わらずその鳥の目つきは鋭くて怖い。けれども、敵意は感じられなかった。濃灰色の鳥を後にして、墨は警戒を怠らず先へと進んだ。

 視界は白い霧のせいで良いとは言えず、進むべき道がよく分からない中。それでも墨は前へと歩を進める。このまま進んで大丈夫なのかと思った矢先、ぼんやりと四角い何かが霧の奥から浮かび上がってきた。
「じ、自販……機……?」
 自販機と言っても、ボタンを押してがこんと落ちてくるタイプではなく。一昔は前にあった、扉を開けて中身を取り出し、レジに持って行くタイプのものだ。
 場違いな物体が現れたことに、墨は戸惑いを隠せない。しかもよく見れば、この中には鳥用の餌と飲み物しか無いではないか。
「これは……?」
 ――鳥の機嫌を取って、霧を晴らせという事なのだろうか?
 墨は首を傾げる。だがこうしていても仕方が無いと、鳥用の餌と飲み物のカップを一つずつ手に取った時。一瞬視界が翳った。
「……あ」
 見上げれば、美しいエメラルド色の羽と長い尾を輝かせた鳥が通過したところだった。
 とりあえず餌を投げ撒いてやれば、その鳥は優雅に地に舞い降りて餌を啄ばんだ。思わず息を飲んでしまう程に姿は美しく、その瞳はつぶらで愛らしい。
 よく観察してみれば、その鳥は全身の羽がエメラルド色という訳ではなく。胸の下から腹、尾羽の付け根にかけてはルビー色をしていることが分かった。

 今度は飲み物の入ったカップを地面に置き、距離を取ってどんな鳥が集まるか観察してみようかと思ったのだが……それは叶わなかった。
 墨の持っていた飲み物目掛け、カラフルな羽を持つゴシキセイガイインコ達が突撃をしていたからだ。それを見てしまった墨は、その場に硬直するしか無かった。
「あ……あぅ……ぅ」
 頭からつま先までゴシキ達に集られた墨は、飛び去るまで只管に耐えるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シビラ・レーヴェンス
周囲を厳重に警戒しつつ直ぐにゴーグルを装備。
霧を妨害と判断。UCと技能で分析し突破を試みる。
使用UCは【電子の精】。技能は()内の全てだ。
(高速詠唱、範囲攻撃、情報収集、ハッキング)
(見切り、鍵開け、失せ物探し、継戦能力、限界突破)
霧の正体と安全を確認しないと一歩も進まない。
相手は鳥類とはいえ感染型のUDCだ。
電脳を駆使し私を惑わすことくらい簡単なことだろう。
…と思ったが無害?ふむ?何か別の罠が隠れている?
閉じ込めるような細工もなさそうだ。はて。何の意図が?
とりあえず。
私に接触し転倒した鳥(コウテイベンギン)を起こす。
「…君も…害はなさそうだな」
抱きかかえてそのまま進もう。警戒は怠らない。



●ペンギンを眺める時、ペンギンもまた君を眺めている
(「……何だ、この白い霧は」)
 辺りを覆い始めた白い霧に気付いたシビラ(ちんちくりんダンピール・f14377)はその場で立ち止まると、厳重に警戒した上で素早く電脳ゴーグルを装備する。
 霧の正体も、安全性も不明。だが、視界を奪う以上は妨害であると判断したシビラは、霧を分析して突破する事を試みる。
 周囲の状況がよく分からない時に、無暗に動き回るのは得策とは言えない。故にシビラの取った判断は、正しいと言えよう。

 ――相手は鳥類とはいえ、感染型のUDCなのだ。電脳を駆使し自身を惑わすことくらい、簡単な事だろう。
 ……と、シビラは思ったのだが。妨害される事は無かった上に、ゴーグルによる分析結果は意外な答えを弾き出した。
(「……無害?」)
 ――不正接続、無。主成分、水分。毒性、無。
(「ふむ? 何か別の罠が隠れている?」)
 周囲に物理的、もしくは魔術的罠が無いか見回してスキャンをかけるも。その様なものも一切見つからなかった。
(「……閉じ込めるような細工もなさそうだ。はて。何の意図が?」)
「わっ」
 敵の真意が全く読めず、思わず眉を顰めた時。ぽよんと何者かがシビラへとぶつかった。
 電脳ゴーグルを外して、ぶつかってきたモノの正体を肉眼で確かめてみれば。其処にはずんぐりむっくりとした、コウテイペンギンが転がっていた。
 フリッパーをぱたぱたとさせ、ころんと地に転がるそのペンギンをシビラはとりあえず起こすと、まじまじと見つめる。
「……君も……害はなさそうだな」
 一応念のため軽くゴーグルでスキャンしてみたところ、フリッパーにはしっかりと骨が通っている事が判った。つまり、何かの間違いでビンタされたならば結構痛い。
 だがその姿、雰囲気からは敵意など一切感じられず、殆ど無害であると言って良いだろう。
 そろりと手を伸ばし、ぺたとその身体に触れてみれば。ペンギンは首を傾げただけで抵抗せず、触れられるがままで。
 抵抗する素振りも無い事を確認すると、シビラはペンギンを抱きかかえて、けれども警戒を怠ること無く先へと進む。
 霧もペンギンも無害という事が判明したのだ。警戒しながら先へと進めば、何ら問題無い上、進展もあるだろうという判断からだった。

 ……さて。ペンギンという鳥は、二足歩行の存在を仲間だと判断してついて行く習性がある。南極に住むペンギン達が、探検家の後に付いて歩いている写真があるのはその習性の為だ。
 ペンギンを抱きかかえ歩くシビラの後に付いて。木陰から現れた他のペンギン達も列を作り、ぺたぺたと歩いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シン・クレスケンス
「何だこの変な奴は…生きてんのか?」
僕が使い魔の如く従えている闇色の狼の姿のUDC「ツキ」がハシビロコウの匂いを興味深そうに嗅いでいます。
今は仔犬くらいの大きさで顕現させていますが、ハシビロコウが驚いては可哀想なので抱き上げて先に進みます。
「犬扱いすんじゃねぇ」とか「下ろせ」とか暴れてますが、聞こえない振り。

それにしても見事ですね…現実では有り得ない光景です。
「静かにしていてくださいね」
抱き上げたままのツキの頭をぽふ。

シマエナガ、なんているでしょうか?
ネットで話題の白い小鳥です。
野生だと見るだけですが、ここなら触れて、餌をあげることも出来ますね。
「またまるい鳥かよ…」と胸元ではツキの呆れ口調。



●とりだんご
『…………』
 シン(真実を探求する眼・f09866)が見守っている中。ハシビロコウは、闇色をした仔犬に興味深そうにすんすんと匂いを嗅がれていた。
 だが今のところ、ハシビロコウは動じている様子は無く。相変わらず不動であった。
「何だこの変な奴は……生きてんのか?」
 突然、闇色の仔犬は言葉を発する。その仔犬は仔犬ではなく。シンが従えるUDCの『ツキ』だった。仔犬程度の大きさで顕現させているが故に仔犬に見えてしまうが、本来は狼の姿である。
 流石にずっと嗅ぎ回られてしまったらストレスになるだろうし、何かの拍子に驚かせてしまっては可哀想だと。シンはツキを抱きかかえて先へと進む。
 ハシビロコウはまばたきのみをして。シン達へと振り返る事はしなかった。
「犬扱いすんじゃねぇ、下ろせ」
 ツキはもだもだと足をばたつかせて暴れるが、シンは知らないふりをして奥へと進む。
(「それにしても見事ですね……」)
 現実ではありえない光景に、シンは目を丸くする。
 極彩色の鳥からモノクロームの鳥まで、様々な種類の鳥達が自由に過ごしていた。
 南国に住む鳥から北国に住む鳥まで存在するのは本来あり得ない。これも感染型UDCの不思議なチカラが成せる業か。そんなことを考えていたが、胸元から聞こえた「下ろせ」「犬じゃねぇって言ってるだろ」というツキの声に、思考は中断される。
「静かにしていてくださいね」
 まだじたばたと抗議を続けていたツキの頭を、手のひらで軽くぽふと抑えた。

 ふと。シマエナガなんているだろうかと、シンは周りを見渡す。
 白く小さく、つぶらな瞳が可愛らしい、雪の妖精とも呼ばれている鳥だ。インターネットで話題になり一気に存在が世に認知され、今では写真集やグッズが存在するほどの人気ぶりだ。
 さすればとある枝に、ずらりとシマエナガが並んでいるのが瞳に入った。
 俗にエナガ団子と呼ばれる光景だ。巣立ち雛の頃にしか見られない光景で、愛好家の間で人気のある光景でもある。思わずシンも頬が緩んだ。
 野性であれば、只観察する事しか叶わない。しかし此処であれば、触れて餌を与えることが出来る。
 シンは片手で器用にボックスから小鳥用の餌を取り出し、若いシマエナガ達に見せてみれば。「頂戴! 頂戴!」と言わんばかりに大きく嘴を開いた。
 これは差し出さねばなるまいと、一羽一羽順番に餌を与えるシン。一生懸命に餌を飲み込むその光景は、癒されるものがあった。
 手のひらでシマエナガ達を撫でてみれば、それはとてもふわふわとしていて。そして餌となでなでに満足したのか、気持ち良さそうに眠りに入った。
「またまるい鳥かよ……」
 胸元のツキが呆れ気味に零したが、シンが気にする事は無かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

タビタビ・マタタビ
たくさんまやかしを作らせて疲れさせればいいんだね?
タカとか孔雀とかコンドルも見られるかな?
せっかくだし、幻の鳥ケツァールを観察したいな。普通の双眼鏡も持ってきたし準備万端!
あ、早速発見! わっ、あっちにも! こっちにも! 向こうにも……。

レア感が薄い……。

うわ、みんな寄って来た! 餌はないよ! あっちの箱だよ!
おしくらまんじゅうみたいにされてる~せめてもふもふのフクロウとかだったら……
って、いつの間にかフクロウがこっち見てる! しかもメンフクロウ! 顔怖っ!
メンフクロウさんには悪いけどもっと普通に可愛くもふもふはいないかな!?
あ、あっちにいる……って急に細くなった! 警戒されてる!?(がーん)



●フクロウとミミズクの違いは羽角の有無
「たくさんまやかしを作らせて、疲れさせればいいんだね?」
 そう、此処は偽りの鳥の楽園。いるのでは無いかと思えば、それを叶えようとする。
「タカとか孔雀とか、コンドルも見られるかな?」
 ああ、けれども。こんな機会は滅多に無い。ならば狙うは希少度の高い鳥にしようと、タビタビ(若き猫黒騎士・f10770)は幻の鳥とも言われるケツァールを瞳に捉えようと決める。

 双眼鏡も持ってきているし、準備は万端。いつでもケツァールばっちこーいと意気込めば、きらきらとエメラルドに輝く羽と長い尾羽を持つ鳥がタビタビの目の前を横切った。
 ケツァールだ。それは噂をすれば影の体現だった。
「あ、早速発見!」
 飛び去るその姿を見失うまいと、タビタビは急いで双眼鏡を装備して、ケツァールが向かう先を追う。
「わっ、あっちにも! こっちにも!」
 追った先は、なんとケツァールの園。彼方此方には、ケツァール達がいるではないか。
 視線を移せば必ず目に入るそのエメラルドとルビーの体躯に、最初は大喜びするけれども。時間の経過で次第にタビタビは冷静さを取り戻す。
「向こうにも……」
 希少と呼ばれるものは、中々その姿を見せないからこそ希少価値があるのだ。それが沢山となってしまうと、価値は希少から普通へと反転してしまう。
 双眼鏡を下ろすと、タビタビは一言呟いた。
「レア感が薄い……」

 現実へと戻りかけていたその時。タビタビの視界に、信じられないものが映った。
 何故かケツァール達はタビタビへと群れで向かってきていたのだ。うん、何故だろう。
「うわ、みんな寄って来た! 餌はないよ! あっちの箱だよ!」
 タビタビは鳥用の餌とジュースの入ったボックスを指差すも、ケツァール達はそんなことお構い無しである。
 もしかしたらさっきの呟きが聞こえてしまったのか? いやでも言葉がわかるのだろうかと瞳をぐるぐるさせていたら。あっという間に集られ、むぎゅむぎゅとおしくらまんじゅうされる。
「せめてもふもふのフクロウとかだったら……」
 思わず口からそう零した時。タビタビは背中に熱い視線を感じ、もみくちゃにされながらも振り返る。其処に居たのは――。
「……って、いつの間にかフクロウがこっち見てる! しかもメンフクロウ! 顔怖っ!」
 メンフクロウの面の様な顔には、表情らしい表情が見えなかった。ガン見されると少し怖いものがある。
 メンフクロウには悪いとは思いながらも、もっと普通に可愛いもふもふは居ないかと頑張って見渡してみれば。ふかふかのアフリカオオコノハズクを見つけることが出来た。
「あ、あっちにいる……」
 しかしコノハズクの方は、タビタビに見られたと認識した瞬間シュッと細くなった。
「って急に細くなった! 警戒されてる!?」
 警戒された事にショックを受けフリーズしたタビタビの視界が、緑と赤で染まった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

吉備・狐珀
セキセイサマの羽たくさん集まりましたね。
これだけあれば、またぬいぐるみが作れそうです。

ずいぶん奥へ進んできましたけど…。ここは…?
わぁ、鳥がいっぱい?というか、こんなに色んな種類の鳥がいるって…。
これも感染型UDCの能力なんですね。
…って、月代!ムジルリツグミですよ。きれいな青色の羽をしていますね!
それに世界一美しい鳥といわれるケツァールまで!
こんなに珍しい鳥を見られる機会そうそうないですし、ちょっと嬉しいかも。
あ!トノサマペンギンがお散歩しています!可愛い!
鳥用の餌はありますけど…、このお魚はペンギンさん用でいいの、かな?
月代、ちょっと餌をあげに行きましょうか?仲良くなれるかもしれませんよ!



●ペンギンの口の中は覗いてはいけない
「セキセイさまの羽、たくさん集まりましたね。これだけあれば、またぬいぐるみが作れそうです」
 ほくほく笑顔の狐珀(狐像のヤドリガミ・f17210)は、森の奥へと進んでいる内に周囲の様子がおかしくなっている事に気が付く。
「ずいぶん奥へ進んできましたけど……ここは……?」
 先程までは一本だって無かった、南国にあるような樹々が生えている。それに加え、沢山の鳥の鳴き声が聞こえた。
 辺りをよく見渡せば、様々な種類の鳥達が一堂に会しているではないか。

「わぁ、鳥がいっぱい? というか、こんなに色んな種類の鳥がいるって……」
 これも感染型UDCの能力なんですねと感心しながら、どんな鳥がいるだろうときょろきょろとすれば。空に溶けてしまいそうな程に美しい青色の羽を持つ鳥が、羽繕いをしているのが狐珀の視界に入った。
「……って、月代! ムジルリツグミですよ。きれいな青色の羽をしていますね!」
 興奮しながら月白色の仔竜に話しかけて、狐珀はその鳥を指差す。
 童話に出てくる幸せの青い鳥を体現したようなその姿に見惚れていたら、別の鳥の鳴き声が背後から聞こえてきて。思わず狐珀は振り返る。
 其処にはエメラルドとルビーの羽を持つ鳥が枝に止まっていた。それは世界一美しいと言われるケツァールだ。非常に珍しい鳥との邂逅に、狐珀は目を輝かせた。
 こんなに珍しい鳥達を見られる機会はそうそう無い。狐珀の心は自然と舞い上がらずにはいられなかった。

「あ! トノサマペンギンがお散歩しています! 可愛い!」
 少し歩いて探検してみれば。今度は列をなして、ぺたぺたと歩くペンギン達を狐珀は見つけた。時折フリッパーをぱたつかせるその姿は非常に愛らしく、自然とふにゃりとした笑みが零れてしまう。
 そういえば。先ほど見つけた不思議なボックスの中には、鳥用の餌があったことを狐珀は思い出す。もう一度そこへと戻り、よく探してみれば。魚の入ったバケツを見つけることが出来た。
「このお魚はペンギンさん用でいいの、かな?」
 まぁ、多分ペンギン用だろうと判断する狐珀。食べなかったら、その時はその時だ。
「月代、ちょっと餌をあげに行きましょうか? 仲良くなれるかもしれませんよ!」
 狐珀は付属していたゴム手袋を装備して、月代と共に魚バケツを片手にしてペンギン達が居た所へと戻る。

 戻ってみれば、ペンギン達が一休みをしていた。丁度良いタイミングだと、狐珀はバケツから魚を一匹取り出して見せてみる。
 すると、少し早足でペンギン達は近付いてきた。魚が欲しいのだ。
 月代も魚を一匹掴み、宙からぶら下げて見せる。ペンギン達はぐいんと首を伸ばして、月代の持つ魚を追った。
 ペンギン達のその仕草がとても可愛らしくて、狐珀は堪らずに満面の笑みをあふれさせたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

舞音・ミケ
とりたくさん。
敵はいないのかな。遊んでいいの?

猫と猫霊の皆は遊びたそうなインコとか色んな鳥たちと遊んでて。
追いかけっこしたり、背中に乗せて歩いたり、一緒に寝たり。
私は……この子(ハシビロ)に用があるから。

……気になる。
ぜんぜん動かない。なのにすごい存在感。
そしてすごい見てくる。
私も負けずにじっと見返す。

じーーーー。
……見てるだけなのに押し負けてる気がする。
服の裾を掴んで羽のようにばっ、と広げて威嚇してみよう。
どう返してくるかな。

勝負?の勝ち負けがどうなるかはわからないけど。
遊んでくれてありがとう。

私も猫も、あなた達を食べたりしないよ。
だっておなかいっぱいだから。
なにでいっぱいかは聞かないでね。



●勝敗が行方不明
「とりたくさん」
 思わず聞き惚れてしまいそうな鳴き声から、ぎょっとしてしまいそうな不気味な鳴き声まで。それは様々な鳴き声がミケ(キマイラのサイキッカー・f01267)の頭上で飛び交っていた。
 もしかすると、遊んでいいのだろうか。
 一応敵は居ないかと辺りを見回すも、目に入るのは鳥ばかり。オブリビオンらしい存在が居る気配は今の所無かった。
 敵が居ないのならば、よし、遊ぶことにしようと決めて。ミケは沢山の猫と猫霊達を喚び出す。

 現れた猫と猫霊達は、枝の上で様子見をしている鳥達へとゆっくり近付いて、ごろりと転がってみせる。
 捕食しないよ、だから遊ぼうというアピールである。
 様子を見ていた鳥達は猫達に害なす意思が無いと判断すると、ばさばさと枝から舞い降りた。その鳥達は色鮮やかなナナクサインコだった。
 一羽のナナクサインコがゆっくりと猫達へと近付くと、嘴でちょんと突く。
 ちょっかいをかけられた猫が、前脚でてしっと優しくアタックをかけようとすれば。そのナナクサは駆けて逃げる。
 けれど、ゆっくりと打ち解けたならば。ナナクサインコは猫の背に乗ったり、仲良くくっ付いてお昼寝したり、追いかけっこをしたりして。自由に過ごすのだった。

 一方のミケはナナクサ達とは触れ合う事なく。別の鳥を見ていた。
「私は……この子に用があるから」
 そう言って、ミケは視線の先のハシビロコウの前へと出る。
「ぜんぜん動かない。なのにすごい存在感」
 ハシビロコウはミケに近付かれても、全く動じる気配が無くて。只々、じっとミケのことを見つめているだけだった。
(「……すごい見てくる」)
 ミケもそれに負けじと、じっと見つめ返す。

 じーーーー。
 じっ……。

 ミケとハシビロコウとの間で。にらめっこならぬ見つめ合いっこが、音もなく勃発した。
 しかし。ただ見ているだけなのに、ミケは何だか押し負けている気がしていた。
 ふと、服の裾を掴み翼のように広げてみたらどうなるかと思い立って。裾を掴むとそれを思い切りバッと広げ威嚇して見せた。
『…………』
 何の反応も、無かった。ハシビロコウは瞬きしかしなかった。
 これには少し、ミケはしょんもりとする。

 見つめ合いっこの末、この勝負には終わりが無いとミケは悟る。終わらないものは、どちらかがギブアップ宣言するしかない。
 ハシビロさんは喋れない。なので、ミケの方からギブアップ宣言をする。
 けれども遊んでくれたことには感謝していた。ミケはハシビロコウへとその旨を伝える。
「遊んでくれてありがとう」
 そして、その後に思い出したようにこう付け加えた。
「私も猫も、あなた達を食べたりしないよ。だっておなかいっぱいだから」
 何でお腹いっぱいなのかは、聞いちゃいけないお約束。

大成功 🔵​🔵​🔵​

樹神・桜雪
※アドリブ歓迎

鳥の餌や水を見て相棒を呼び出すよ。食べられるかな。やっぱり幻なのかな。

わあ、わあ、すごい。鳥が一杯…!
可愛いなあ、きれいだなあ。
…………ところで相棒、さっきから視線が痛いのだけど…?
浮気じゃないからね??相棒が一番だからね?

あ、あれオオルリだよ!青い羽がすごくきれい。
こっちおいで、ご飯あげる。
綺麗な羽だなあ、すごくふかふかもふもふ…。
あ、あっちはルリビタキだよ!ツンデレで可愛いんだ。

しばらく青い羽の小鳥を堪能した後に、我に返って恐る恐る相棒を見るね。
……決して浮気じゃないんだからね??
あ、あとで沢山もふもふするから、今だけこの子たちを堪能したいんだ。
…だ、ダメかな?



●機嫌繕うの難しく、崩すの容易し
「わあ、わあ、すごい。鳥が一杯……!」
 様々な種類の鳥達が彼方此方を飛び交う光景に、桜雪(己を探すモノ・f01328)は驚きを隠せない。
 桜雪は何故か存在している鳥専用の水飲み場や、餌やジュースカップの入ったボックスの存在に気が付くと。『相棒』であるシマエナガを喚び出す。
 用意されているこの餌は、食べられるのだろうか。それともやはり、幻なのだろうか。なんとなしに触れてみるが、それらは全く幻とは思えなかった。

 視界に入るどの鳥達も珍しく。桜雪の視線はあっちこっちを行ったり来たり。
 ついつい口からは「可愛いなあ、きれいだなあ」と、感嘆の言葉が零れてしまう。その度に、相棒の瞳は吊り上がっていった。
 嫉妬である。刺々しく相棒から発せられるそのオーラは、やがて桜雪へとちくちくと刺さる。流石にそれに気付かぬ桜雪では無かった。
「ところで相棒、さっきから視線が痛いのだけど……?」
 ご機嫌取りでも、今相棒に触れたらおそらく、突かれる。桜雪はそんな気がした。
「浮気じゃないからね?? 相棒が一番だからね?」
 他の鳥は、相棒よりも順位が低い事を伝える桜雪。けれども次の瞬間には桜雪の視線は別の鳥へと奪われた。
「あ、あれオオルリだよ! 青い羽がすごくきれい」
 その鳥は瑠璃に輝く青い鳥、オオルリだ。桜雪はご飯をあげるからこっちにおいでと、餌を手に呼び寄せてみれば。オオルリは素直にその手へと舞い降り餌を啄ばむ。
「綺麗な羽だなあ、すごくふかふかもふもふ……」
 撫でてみれば、ご機嫌そうにオオルリは羽毛を膨らませた。
 頭上からピィピィと聞こえて来た鳴き声に桜雪は顔を上げ、その方へと視線を移す。そこにはオオルリよりはやや小さく、差し色の様に黄色の羽毛を持つ鳥が枝に止まって居た。
「あ、あっちはルリビタキだよ! ツンデレで可愛いんだ」
 あの子の青色もきれいだと見惚れてしまっていた桜雪は。現在相棒からどのような視線が送られているのか、気付く事が出来なかった。

 暫くして。
 桜雪は青い鳥達を堪能した後。はっと我に返り、恐る恐る相棒の方を見やる。其処には先程よりも更に刺々しく、もっと瞳を吊り上げた相棒が居た。
「……決して浮気じゃないんだからね?? あ、あとで沢山もふもふするから、今だけこの子たちを堪能したいんだ」
 こんな機会は滅多に無いからと、おずおずと言い訳めいた理由を並べる。だがそれでも、相棒の瞳は吊り上がったままだった。射抜くような相棒の視線に、桜雪は少し胸が痛くなる。
「……だ、ダメかな?」
 上目遣いで鳥用ジュースを差し出し、問いかけてみれば。相棒は荒々しく鳥用ジュースのカップへと嘴を突っ込んだ。ぴちゃりとジュースが跳ねる。
 相棒のご機嫌が直るには少し、時間が掛かりそうだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と

ハシビロコウせんせいに駆け寄りごあいさつ
ふふ、まつりんの負けー♪
極彩色な落ち羽をまつりんの頭にさして
ふふ、鳥っぽいまつりん
これならたまこ(飼い鶏)も懐いてくれる?

水辺にフラミンゴさん、ヨウムくんに…ルリコンゴウインコさん!
ルリコンゴウさんは青い羽に、お腹の方は黄色で…きれい
見てて飽きない

ばさっと飛び立てば、ひゃっとして
見上げる空には沢山の鳥達
様々な色彩に目を細めて

ジュースに餌を手に
本命のオカメインコの群れに
驚かさないように、そーっと、そーっと…


(まつりんの声に驚き逃げてくオカメ達)


涙目でゆっくりまつりんを振り返り
ぷぅーっと頬を膨らませて
まつりんポカポカ(叩く)


木元・祭莉
アンちゃん(f16565)、大喜びしてたね♪
今度も……うわあ。

えーと?
どうかしまシタカ?
(ハシビロコウ先生の前で)

えーと。(じーっと)
あのー。(じーっと)

あ、動いたー! 勝ったー!!
(ばんざーい)
え、おいらの負け? にらめっこだったのー!?
(がーん)

ばさっと音がするたびに、びくっと。
鳥さん多いね……あ、孔雀さん……うわあ!(威嚇されてる)
なんかさ……鳥さんたち、やっぱコワイ……(しくしく)

アンちゃんは……あ、インコさんがいっぱい。
あー、いっぱいたかってきてる!
助けなきゃ! トリは凶暴!(だっしゅ)

救助! あっちいけー!(追い払い)
アンちゃん! だいじょぶだった?
……あれ? なんか怒ってる??



●トリサン、ゼンゼン、コワクナイ
(「アンちゃん、大喜びしてたね♪」)
「今度も……うわあ」
 きっともふもふなものが……と思った矢先。思わず真顔になった祭莉(どらまつりん・f16554)が見つけたそれは、ハシビロコウだった。
 大きい、厳つい、動かないの三拍子のハシビロコウは、じーっと双子を見つめている。
「ハシビロコウせんせい……!」
 祭莉の視線の先にハシビロコウが居る事に気がついた杏(杏どら焼き・f16565)は、駆け寄るとにっこり笑顔でぺこりと頭を下げる。一方の祭莉の方はというと、緊張しながら近付いた。
「えーと? どうかしまシタカ?」
 ぎこちなく、ハシビロコウへと問う祭莉。けれどもハシビロコウは只々じーっと見つめるだけだった。
「えーと……」
 3分経過。無言でずっと見つめられると、流石に気まずくなってくる。
「あのー……」
 更に3分経過。こうなったらだるまさん勝負だ。どちらかが先に動いたら負けだぞーと、祭莉は心の中で宣言し、試合を始める。

 ――そこから更に、3分後。
 唐突にハシビロコウは、ふるふると首を振った。
「あ、動いたー! 勝ったー!!」
「ふふ、まつりんの負けー♪」
 ハシビロコウが動いた事にファイター祭莉は笑顔で喜ぶが、レフェリー杏が下したのは敗北ジャッジであった。
「え、おいらの負け? にらめっこだったのー!?」
 確かにハシビロコウは首を振っただけで、一切笑っていなかった。
 杏はショックを受ける祭莉の頭へと、拾った極彩色な羽根をさし込む。さされる度に、祭莉の頭部はカラフルになっていった。
「ふふ、鳥っぽいまつりん。これならたまこも懐いてくれる?」
 笑いながら楽しそうに言う杏は、鳥達が懐いてくれるかもしれないと。カラフルな頭のままで他の鳥達と触れあう事を祭莉に提案する。

「……そういえば、この辺り鳥さん多いね」
 祭莉は自信無さげに呟きながら出歩いてみれば。ばったり、孔雀とこんにちはする。
「……あ、孔雀さん……うわあ!」
 孔雀はばさっと目玉のような模様のある大きな羽を、いきなり広げ出した。祭莉はそれに驚き飛び跳ねると駆け出す。
 駆ける間もばさばさ音がする度に、先ほどの孔雀の事が思い出されて仕方が無かった。
「なんかさ……鳥さんたち、やっぱコワイ……」
 アンちゃん、ダメみたいだよ……と、半べそをかく祭莉なのだった。

 祭莉と別れた杏は、ばさばさという羽音にひゃっとして空を見上げれば、沢山の鳥達が飛び立ったところだった。様々な色彩に目を細め、ほっこりした後に地を見渡してみると。其処にも様々な鳥達が居た。
「フラミンゴさん、ヨウムくんに……ルリコンゴウインコさん!」
 水辺にはスマートなフラミンゴ達が、樹の上にはお喋りなヨウムが、そしてしっかりとした樹の枝からは、ルリコンゴウインコがぶら下がっていた。
 ルリコンゴウインコの背中側の羽は美しい青色で、腹側の羽は黄色という原色の組み合わせは、見ていて飽きないものがあった。
 ふと、口笛の様な鳴き声が杏の耳に入って。そちらの方へと視線を向ければ、沢山のオカメインコ達が自由に歌っていた。
 杏は瞳を輝かせてそちらへと近寄る。その途中、置いてあった不思議なボックスの中には、鳥の餌とジュースが入っていた。杏はそこからエサとジュースを手に取ると。オカメインコの群れへと、驚かせないように近付く。
 そっと、そーっと……。

 杏がそっとオカメ達に近付いていたその頃。
「アンちゃんは……あ、インコさんがいっぱい」
 杏の許に帰りたいと祭莉はきょろり、周りを見回し探してみれば。オカメインコの群れに近付く杏の姿を見つける。そして直ぐ、オカメ達は杏へと集り始めた。
「あー、いっぱいたかってきてる!」
 先程の孔雀や、何故かたまこの事が祭莉の脳内を駆け巡る。今の祭莉の中では、鳥=凶暴という式が出来上がっていた。
(「助けなきゃ! トリは凶暴!」)
 急いでだっと駆け出して、祭莉は杏の許へと向かう。
「救助! あっちいけー!」
 半ば叫びながら駆けつければ、オカメ達は驚いて一斉に飛び去って行く。
「あ」
 瞬間、杏の顔が翳った。
「アンちゃん! だいじょぶだった?」
 ゆっくりと、祭莉へと振り返る杏。その目には涙が湛えられていた。
「――~~っっ!!」
 その涙は恐怖心から溢れたものではない。怒りから溢れたものだ。
(「せっかくオカメさんたちと仲良くできそうだったのに……!」)
 杏はぷぅーっと頬を膨らませ、無言で只管に祭莉の胸をポカポカと叩く。
「……あれ? なんか怒ってる??」
 怒りを向けられているその理由がわからなくて、困惑する祭莉だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マクベス・メインクーン
縫(f10334)と
おお…なんかいろんな種類の鳥がいっぱいだなっ
ハシビロコウって…
なんか知ってる友人に似てるから苦手なんだよなぁ
(とある自称聖職者なヤドリガミを思い出しつつ)

あー、小さい鳥は可愛いって思うな
ペンギンも嫌いじゃねぇし
まぁ実際こんなに集まってたらヤバそうだしな
鳥同士でも縄張りとかあるだろうし
てか猫科なオレらだと実際なら割と避けられそうだし

いいんじゃね?少しくらい楽しんだってさっ
それに、ボスも餌に釣られて出てくるかもな
ってうわっ!インコめっちゃ来た!!

アドリブ歓迎


真幌・縫
マクベス(f15930)くんと♪
ハシビロコウさんだ!!やっぱりハシビロコウさんは大きいね。
セキセイさまの他にも鳥さんがいっぱいだよ。
シマエナガさんにメジロさんにフクロウさんに…!すごいペンギンさんもいるよ!
こ、ここは鳥さんの楽園では!?
うん、でもやっぱり幻なんだよね沢山鳥さんがいるのは楽しいけど。住んでる場所とか気候が違うから本当は一緒にいられないもん…。

ねぇ、マクベスくん、幻だけど…幻だからちょっとだけこのありえない鳥さんの楽園を楽しんじゃってもいいかな?
ふふ、よかったらマクベスくんも一緒にオヤツをあげよう。みんなすごく可愛いよ。

アドリブ歓迎。



●幻は楽園の夢を見せる
「ハシビロコウさんだ!!」
 縫(ぬいぐるみシンドローム・f10334)はたっと駆け出して近寄ると。やっぱりハシビロコウさんは大きいねと、まじまじ見つめる。
「ハシビロコウって……」
 濃灰色の鳥の姿を見たマクベス(ツッコミを宿命づけられた少年・f15930)の脳裏に、自称聖職者なヤドリガミの友人の姿が過る。ハシビロコウという鳥はその友人の雰囲気に似ている故、何だか少し苦手だった。
 縫とマクベスの視線を受けてもハシビロコウは不動を貫いていた。仕方ない、それがハシビロコウなのだ。
「セキセイさまの他にも鳥さんがいっぱいだよ」
 気付いた縫が指差す先には、様々な種の鳥達がその姿を見せていた。
 雪の妖精シマエナガは小さな木の実を丸飲みにしようとし、時に鶯と間違われるメジロは花の蜜を吸っている。少し影になっていた枝の上では梟が瞳を閉じうたた寝をし、地では何故かぺたぺたとペンギンが闊歩していた。
「シマエナガさんにメジロさんにフクロウさんに……! すごい、ペンギンさんもいるよ!」
 時季、種類、生息地域など関係なく。それは様々な鳥達が一堂に会していた。
「おお……なんかいろんな種類の鳥がいっぱいだなっ」
「こ、ここは鳥さんの楽園では……!?」
 小さい鳥はまるもこしていて皆可愛らしく、ペンギンもこんな間近で見ることが出来る事も中々無い。非常に珍しい光景にマクベスと縫の瞳はきらきらと輝く。

 しかし、これは本来あり得ぬ事。
(「うん、でもやっぱり幻なんだよね……」)
 沢山の鳥達が居るのは楽しい。だがよくよく考えてみれば、生息地域や気候、環境が違う。一緒に存在出来る筈が無い。今姿を見せている鳥達は皆幻であると、縫は直ぐに悟った。
「ねぇ、マクベスくん」
 少しだけしゅんとした縫は、偶々近付いてきたコウテイペンギンの雛をもふもふとしていたマクベスへと話し掛ける。
「幻だけど……幻だから、ちょっとだけこのありえない鳥さんの楽園を楽しんじゃっても……いいかな?」
 揺れる銀の瞳に訊ねられたマクベスは、雛をもふもふとしていた手を止めて縫の方を見る。
「いいんじゃね? 少しくらい楽しんだってさっ」
 縫を見つめたその青い瞳には、否定の意はこれっぽっちも無かった。その答えに、縫の表情が再び明るさを取り戻す。
「まぁ、実際こんなに集まってたらヤバそうだしな。鳥同士でも縄張りとかあるだろうし」
 幻だから、あり得ない共存が実現しているのだ。
 それに猫科なオレらだと実際なら割と避けられそうだし、とマクベスは付け加える。マクベスも理解していたのだ。この嘘みたいな状況は、幻が作り出している事に。事実ペンギンの雛をもふもふすることなんて、普通であれば出来ない。
 けれど、幻だからこそ普段は出来ない事が出来るのだ。だから今は存分楽しめば良い。

 縫はボックスからドライフルーツを選び取り出すと、枝に止まっていたウロコインコに見せた。ウロコインコ達はぱたぱたと縫の腕に集うと、仲良くドライフルーツに噛り付く。
 腕に乗ってきた一羽の耳周りを、縫は掻いてみる。とてもふわふわで柔らかな羽毛の感触と、少し高めの体温が指に伝わる。
 ウロコインコは羽を膨らませ気持ち良さそうに目を閉じて、もっと掻いてと指に身体を押し付けてきた。その愛らしさに縫は癒されてしまう。
「ふふ、よかったらマクベスくんも一緒にオヤツをあげよう。みんなすごく可愛いよ」
 マクベスは頷くと。縫に倣って、ボックスから鳥用ジュースの入ったカップを取り出す。
「もしかしたら、ボスも餌に釣られて出て来るかもな」
 ……まぁ、たまたまコガネメキシコインコ達はそれを見ていた訳で。枝から皆一斉にばささと飛び立つと、マクベスの持つジュース目がけて集りに行く。
 何故か餌やジュースに目敏いというのは、インコあるあるである。
「って……うわっ! インコめっちゃ来た!!」
 橙色の小さな波がマクベスに迫ったと思ったら。あれよあれよという内に、マクベスの頭や肩、腕にはジュースを求める橙色のふわもこ達で一杯になる。触れる羽毛部分はふわふわしていて心地良いのだが、喰い込む爪が少し痛い。
 一気に沢山の嘴を突っ込まれ、あっという間にカップは空になるのだが……橙色のインコ達はマクベスから離れる気配が無かった。次のジュースを取り出すのを待っているのだ。
 コガネメキシコインコに集られ慌てるマクベスの姿を見た縫は、たまらず笑みを零した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

真宮・響
【真宮家】で参加。

何故本来一緒にいないはずの鳥がそこら中に飛び回ってんだ!?違和感しかないよ。奏、これは罠・・・行ってしまったか。戻ってこれるかね、これ。

まあ、少々乱暴な手段で突破しようか。赫灼のアパッショッナートで全力で叫ぶ。「ところかしこに色んなものがとびかって目が痛い!!ピーチクパーチクうるさいんだよ」と鬼母のように叫んで鳥の幻影を退散させる。そしていつまでも夢の世界にいる奏に拳骨を一発して強引に正気に戻して引っ張っていく。もふもふしてる場合じゃない!!先いくよ!!


真宮・奏
【真宮家】で参加。

ああ、沢山の鳥さんが一杯・・・楽園があった・・・罠だとは分かっていますが・・・我慢できません!!(鳥用のエサを持って駆け出して行く)

沢山の鳥さんにエサをやって、ついでに絢爛のクレドでくるくると鳥さんとダンス。肩や手に鳥さんを止まらせて笑顔。母さんの絶叫にもどこ吹く風。しかし、母さんの拳骨で我にかえったら、周りにいた鳥達は消え失せます。痛さで頭がくらくらしながら母さんに引っ張られていきます。


神城・瞬
【真宮家】で参加。

何故に色んな鳥が一箇所にいるんですかね?違和感しか感じません。奏、これは罠・・・行ってしまいましたか。まあ、奏にとっては楽園ですよね・・

ちょっと強引ですが、月光の狩人を発動。72羽の狩猟鷲と鳥達と対面させます。違和感あれば鷲は攻撃するでしょうから、幻影は必然的に破れるかと。鷲が狩猟する図になりますから凄まじい光景になりそうですが仕方ない。さあ、先へ進みましょうか。



●鳥モフランドの誘惑
 真宮家の一同が霧を抜け、更に奥へと進んだ先で目にしたのは、鳥の楽園だった。
「何故に色んな鳥が一箇所にいるんですかね?」
「何故本来一緒にいないはずの鳥がそこら中に飛び回ってんだ!?」
 瞬(清光の月・f06558)と響(赫灼の炎・f00434)は、すぐさまその楽園の異常さに気付く。種類も生息地域も関係なく様々な種類の鳥達が一堂に会し、自由気ままに過ごし飛び回っているのは、あり得ぬ事。
 瞬と響は、先ほどのセキセイさま達との遭遇時の事を思い出して。奏(絢爛の星・f03210)へとこれは罠だと知らせようとして、その方を見やるのだが……。
「ああ、沢山の鳥さんが一杯……楽園があった……」
 其処には至極幸せそうに目を細め、うっとりとしている奏が居た。どうやら一歩遅かった様だ。
 奏はこんな事はあり得ぬ筈で、瞳に映る楽園は罠だと分かっていた。けれども、まるで夢の様な鳥モフランドには瞳を輝かせずには居られなかった。
「……我慢できません!!」
 丁度良く置いてあったボックスから、鳥用の餌を取り出した奏は。だっと駆け出すと、鳥の群れの中へと満面の笑みで飛び込んで行った。
「まあ、奏にとっては楽園ですよね……」
「戻ってこれるかね、これ」
 二人はやれやれと奏の背中を見送りながら。「奏だからしょうがない」と、ため息を吐いた。

 奏が飛び込んだのは、強い光沢の羽を持つミノバトとカラフルな羽を持つクロオビヒメアオバトの群れの中だった。
 餌を手のひらに広げれば、瞬く間に奏の肩や腕にハト達は集う。もふもふとした羽毛が頬や腕に当たる度、ふにゃふにゃとした笑顔を溢れさせる奏。
 その場でくるくると回り、両手を広げ鳥達を止まらせたり、飛び立たせたりしながら絢爛華麗に踊る様は、まるで一つの舞台劇のようだった。

 さりとて、このまま延々と留まり続けるわけにもいかない。ずっと夢見心地な奏に業を煮やした響は、ここは少々手荒な手段を使ってでも突破するしかないと腹を決めると。深く息を吸い込んだ後、声を荒げ叫ぶ。
「ところかしこに色んなものが飛び交って目が痛い!! ピーチクパーチクうるさいんだよ!!」
 熱き思いを籠めた、鮮烈なるその叫びは。瞬く間に空間に響いて鳥達を無へと還していく。
 瞬もまだ残る鳥達を散らさんとして72羽にも及ぶ狩猟鷲を喚び出すと。幻でしかない鳥達と対面させる。
「さあ、獲物はそこですよ!! 容赦は不要です!!」
 狩る側たる鷲達が現れた時、狩られる側たる鳥達の空気が変わった。
 ――これは逃げなければ、食われる。
 急ぎ羽搏き、その場から逃げようとする鳥達を。眼光鋭き鷲達は黙って見過ごす訳が無くて。
 獲物達に爪と嘴を突き立てるために、弾丸の様に轟と飛ぶ。
(「凄まじい光景になりそうですが……仕方ない」)
 心の中で瞬は言ちる。事実。詳しくすると少々記載が憚られる凄まじい光景が広がることになるが、それは割愛させていただく。だが鳥達は幻故に、『痕跡』が残ることは無かった。

 しかし。鬼母の叫びと狩猟鷲の狩りを以てしても、奏が見ている幻は解けることが無かった。霧は奏が現実に戻らない限り、幻を見せ続けるのだ。
 こうなってしまったら強引に正気に戻さねばなるまい。響はカツカツと奏の許まで歩くと、ゴツンと一発。奏の頭に拳骨を落とす。
「きゃっ?!」
「もふもふしてる場合じゃない!! 先いくよ!!」
 重い衝撃と痛みが脳天から真下に走る。それにより奏は一気に現実へと引き戻された。
 頭の中がぐわぐわと揺れて、とてもくらくらとして目が回る。それが収まらぬ内に、奏は響にぐいと強引に手を引かれた。
「……さあ、先へ進みましょうか」
 響に引っ張られる奏を横目にしながら、瞬も並び前へと進むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『きんぐセキセイさま』

POW   :    王の一閃
【靡くマント】が命中した対象を切断する。
SPD   :    ちいさな従鳥
レベル×5体の、小型の戦闘用【ちびセキセイ】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
WIZ   :    王の輝き
【王冠から光】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

 鳥の楽園は、不完全なものだった。楽園が自壊を起こし始めたのだ。
 カタチを維持できなくなったまやかし達は、次第にその姿を薄れさせて。ふわり霧散し霧へと還る。
 まやかし達が霧散すると、霧はゆっくりと晴れて行って。次第に周囲の景色は足を踏み入れた時と同じ様、見慣れた森へと戻る。
 手や身体に残った羽毛の感触と、瞳に焼き付いた鳥達の姿だけが、楽園はあったと物語っていた。

 霧が晴れた、その奥に。大きなまるもふが見えた。
 その両翼を地に付かせ、息を切らせた――王冠頂く巨大な青いセキセイさまが、居た。
 もとは立派にぱりっとしていたであろう赤いマントは、ふにゃりとヘたっている。
 そして従鳥であるちびセキセイさま達を羽搏かせて風を起こさせ、扇風機代わりにしている。ちびセキセイさまはちょっぴり大変そうだった。

『ちょっと……楽園は維持や創造に……力を使うんですからねまったく本当に……』
 ぜぇぜぇと羽を震わせながら独り言ち、地を見つめているその鳥は。感染型UDCである『きんぐセキセイさま』だった。
 きんぐセキセイさまは猟兵達に気付くと、はっとした顔をして素早く威儀を正す。
『おっと、私としたことが来客に気付きませんでした……』
 頑張って威厳に満ちた態度を見せているが、まだぷるぷるとしていた。
『しかし、あなた方は……どうやら私の大事な臣民達を蹴散らして、此処に来たようですね?』
 じろりとジト目で、王たるセキセイさま猟兵達を見やると。ばさっと翼を広げ、マントを靡かせる。
 臣民達というのは、セキセイさま達や幻影の鳥達だろう。
 何故蹴散らしたことを知っているのかって? それは王パワーである。
『王の役目は、臣民を守ることです。大事な臣民たちを傷付けたモノには……制裁です!』
 そう言って。きんぐセキセイさまはピカッと後光を輝かせた。


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 3章はきんぐセキセイさまとの戦闘になります。
 まるっこいでかもふです。大きさは縦横3メートルくらいと考えていただければ。
 きんぐセキセイさま周辺は遮蔽物が無く、いい感じに戦闘に適した空間となっております。
 ですが、きんぐから距離を取り過ぎると、森の樹々が視界の邪魔をします。
(逆に樹々を利用するのはOKです)

 両手を広げても抱ききれないもふもふです。
 触れた感触は……人をダメにします。
 なんとか耐えて(もしくはもふに沈んで)しれっともふったり羽毛抜いたりしつつ、サクッと倒しましょう。

 プレイングは11日の8時31分から受付開始となります。

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樹神・桜雪
※アドリブ等歓迎

大きなセキセイ様…すごくふかふかそう。
飛び込んだら気持ちいいんだろうなあ。いいなあ、飛び込みたいなあ。
…こほん。さっき相棒に怒られたばかりだから、誘惑には負けないよ。
ゆ、誘惑には負けな…………ちょっとだけなら良いよね。大丈夫だよね。

これもきんぐセキセイさまを倒すためだからと言い訳して、大きなお腹に飛び込んでもふもふするね。
あ、ダメ。この肌触りは人形もダメにするヤツだ。
すごく素敵なもふもふ具合、これ最高…持って帰りたい。
って、持って帰ったら相棒にまた怒られちゃうよ!!
我に返った勢いで思いきり羽毛を抜いて、UCをぶちかます。
きんぐセキセイさま…恐ろしい敵だよ…危なかった…。



●人形をダメにするセキセイ
「大きなセキセイ様……すごくふかふかそう」
 自身の倍近くの大きさの『きんぐセキセイさま』を見上げて、桜雪(己を探すモノ・f01328)はぽつり呟く。
(「飛び込んだら気持ちいいんだろうなあ。いいなあ、飛び込みたいなあ」)
 もふもふとした王の羽毛を、桜雪はまじまじと見つめる。羽毛の一枚一枚には手入れがよく行き届いていて、ツヤがある。自分自身で羽繕いしているのだろうか、それとも従鳥に羽繕いさせているのか。どっちなのだろうと思惟を巡らせる。
『どうしたのですか、そんなに私をじっと見つめて』
 もふんと羽毛を膨らませて、王は桜雪を見下ろす。声をかけられた事で桜雪ははっとして、現実に戻った。
「……こほん。さっき相棒に怒られたばかりだから、誘惑には負けないよ」
 ひとつ咳払いをして、自身に言い聞かせるように言う桜雪。それを見た王は、桜雪の本心を見透かしたように目を細めた。
『ほう……貴方もあの伝道師の少女と同じように、私をもふりたいのですね……? もふもふしても、いいのですよ?』
「ゆ、誘惑には負けな……」
 ぶわっと羽毛を膨らませて、『さぁ、どうぞ飛び込んでみなさい』と翼を広げる王。
 空気を含んだ羽毛はとてもふわふわとしていて、けれども枚数が多いので飛び込んだならば確りと抱き留めてくれそうな、魅惑のもふを桜雪に見せつける。
「……ちょっとだけなら良いよね。大丈夫だよね」
 これも王を倒す為だからと、その場限りの言い訳を取り繕って。
 相棒に怒られたことは何処へやら。一名様陥落である。

『さぁ、貴方も楽園の伝道師となるのです』
 だが王の言葉は桜雪の耳に一切入っていなかった。既に王の空色の腹へと飛び込み、羽毛の中にもふもふと埋もれていたからだ。その肌触りは人形もダメにした。
 埋もれた先は適度に温かく、羽毛はふわりと身体を包み込む。付け根のふわ毛は特に柔らかく、思わず頬擦りしたくなる。
「すごく素敵なもふもふ具合、これ最高……持って帰りたい」
 桜雪は想像する。一家に一羽のきんぐセキセイさまを。
 扉を開ければいつでももふもふ羽毛が待っていて、飛び込んだならば優しく身体を包み込み、癒される毎日を。

「……って、持って帰ったら相棒にまた怒られちゃうよ!!」
 つい先刻の相棒の吊り上がった瞳を思い出し、桜雪は夢うつつから我に返ると。その勢いで思い切り王の羽毛をぶちんと引っこ抜いた。
『私のロイヤル羽毛がぁああ!!』
 まぁ、身体が大きいので羽毛を一握りくらい引っこ抜かれても、ハゲが目立つことは無いだろう。多分。
「雪よ風よ、今一度、ボクに力を貸して……!」
 悶絶している王へと向けて、桜雪は雪と雹混じりの暴風を叩きつける。雹は王冠に当たるとカンコンといい音を立て、雪は羽毛に当たるとすっと溶けて浸み込んで、ふわふわをぺっとりとさせた。それにより目立たないかと思われていた引っこ抜いた箇所が、心なしか――。
『羽毛って乾かすのはいいとしてもその後のお手入れが大変なんですよぉお??!』
 そんな王の絶叫何のそので、うっかり本当に陥落してしまうところだったと。額にかいた冷や汗を拭う桜雪。
「きんぐセキセイさま……恐ろしい敵だよ……危なかった……」
 拭うその手には、引っこ抜いた羽毛が握られたままだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

真宮・響
【真宮家】で参加。

うわ、流石に大きすぎるね。奏、しっかりするんだ、こいつは倒さなければいけ・・・遅かったか。まあ、奏がもふもふしている内に邪魔者は片づけておくか。

飛んでくる多数のセキセイが物凄く邪魔なので、それに奏がもふもふしている所に乱入されるのは可哀想なので、【残像】【見切り】【オーラ防御】で攻撃を捌きながら、【二回攻撃】【串刺し】【範囲攻撃】で飛竜閃で薙ぎ払っていく。周りに群がってうざい時は【衝撃波】で纏めてふっ飛ばす。まあ、奏は必ず戻って来るだろうから、やることやっとくか。


真宮・奏
【真宮家】で参加。

ああ、大きなもふもふがっ・・・そのお腹に埋もれたい!!(その見た目の衝撃にくらくらした頭も覚醒する)ああ、我慢出来ない!!(ダッシュしてきんぐセキセイさまにダイブ)

ああ、ふかふかのお腹がたまりません!!こんな極楽があったんですね・・・しかし、マントの一閃の痛みで正気に戻ります。あ、これは人を傷付けることもある危険なもふもふなんですね。心苦しいですが、【怪力】を込めた全力の信念の拳をお腹にぶち込んで勢いで後退して尻餅。ごめんなさいっ!!たとえもふもふでも人の害になるものは倒さなければいけないんですっ!!


神城・瞬
【真宮家】で参加。

これは極めつけの大きさですね。奏、これは罠・・・・(敵にダイブしていく奏を見て)まあ、止めても無駄だと分かっていましたが。まあ、奏が存分にもふもふ出来るように邪魔者を排除しますか。

また狩猟鷲を使ってもいいのですが、凄惨な光景を見て流石に気の毒と気付いたので、風花の舞を発動。72本の杖の攻撃と共に【誘導弾】【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】を【範囲攻撃】で攻撃します。【オーラ防御】でのダメージ軽減も忘れません。奏が戻って来るまでに仕事はしておきますか。



●もふもふの誘惑恐るべし
『貴方がたも楽園の平和を脅かす存在ですね? 私は容赦致しませんよ』
 でーんともふっと構える『きんぐセキセイさま』を見上げた真宮家一同は、王の言葉など右から左で。まずこう思ったそうな。
 ――大きい。と。
「うわ、流石に大きすぎるね」
「これは極めつけの大きさですね」
 響(赫灼の炎・f00434)は思わず呟いて、瞬(清光の月・f06558)はそれに同意する。
『王なのだから巨大で当然なのです』
 王はもっふりと羽毛を膨らませて胸を張る。それを見た二人は、この巨大な感染型UDCが鳥型であり、羽毛でもふもふである事を理解した瞬間、奏(絢爛の星・f03210)の方へと勢いよく振り向いた。
「奏、しっかりするんだ、こいつは倒さなければいけ……」
「奏、これは罠……」
 が。やはり。もふもふに対する反応速度は、奏の方が速かったのだ。
「ああ、大きなもふもふがっ……」
 その大きさと、もふもふとした見た目に。奏のくらくらとしていた頭は一気に覚醒し、一瞬にして王へと目を奪われていた。
 奏にとって、これは衝撃的な出会いだった。こんなにも巨大なもふもふがこの世に存在するのだろうか。いや、現に目の前に存在しているではないか。
「ああ、我慢出来ない!! そのお腹に埋もれたい!!」
『えっ、待ちなさいまだ準備が……』
 王の制止などよそにして。自身の心に素直になり、奏は王へと猛ダッシュした後に思い切り跳躍。そのもっふりとした腹へとダイブした。

 王へと思い切り飛び込んだ奏を、残された二人は見送るしか出来なかった。
「……遅かったか」
「まあ、止めても無駄だと分かっていましたが」
 王の腹を存分にもっふもっふとして、至上の笑顔を浮かべる奏を見やりながら二人は顔を見合わせた。
「ああ、ふかふかのお腹がたまりません!! こんな極楽があったんですね……」
『ちょっ、いきなりは無礼ですよ!? 忠実なる私のしもべ達よ! 集いなさい!!』
 王がそう呼びかければ、何処からか沢山の『ちびセキセイ』がぱたぱたと羽搏いてきて。思い切り奏にもふられている王を見るや否や、慌てて救わんと王へと向かっていこうとする。
 その様子を見た瞬と響が考えた事は同じだった。

 ――奏が存分にもふもふと出来るように、邪魔者は排除する。

「娘が幸せそうにもふもふしている所に、乱入されるのは可哀想だからね!」
 どんどんと増えて行くちびセキセイ達を、王と奏に近づけさせんと。響は『ブレイズランス』を握ると精神を集中させる。
 響は澄んだ感覚でちびセキセイたちの軌道を見切り躱しながら、纏めて骸の海へと還す為の最適解を導き出す。最小の動きで、しかし及ぶ効果は最大のひと薙ぎを繰り出せば。ちびセキセイ達はぽこぽこと弾ける。
(「また狩猟鷲を使ってもいいのですが……」)
 先刻の凄惨たる光景を思い出し、それは流石に気の毒だろうと。瞬は愛用の『月虹の杖』を72本複製すると、其々をちびセキセイ達目がけて放つ。
 その杖がちびセキセイのおでこに当たれば、ぽこりぽこりとちびセキセイ達は弾ける。
 運よく躱すことができたちびセキセイが、とりあえず安心と一息ついても。瞬の意のままに動くその杖は、宙でくるりと方向転換すると、背後からぽこんと頭を叩いてちびセキセイを骸の海へと還す。
「まあ、奏は必ず戻って来るだろうから」
「戻って来るまでに仕事はしておきますか」
 二人は背中合わせに言葉を交わして、奏が戻り来るその時を待つ。

『いい加減に離れなさい無礼者!』
 王は翼で奏を翼で叩き飛ばすと、その身をくるりと回転させて。もふもふファーの付いた赤いマントをふわりと靡かせる。
 それは、触れた者を切断する鋭き一閃。だが動揺で目測を誤ったのか、マントは奏の頬を切った程度だった。
 つ、と。皮膚の切れ目から赤が流れる。それはじんじんと熱を持ち、痛みとして奏に知覚される。
(「あ、これは人を傷付けることもある危険なもふもふなんですね……」)
「ごめんなさいっ!!」
 勢いよく頭を下げる奏、しかしそれは王をいきなりもふったことへの謝罪ではなかった。
 このもふもふが存在する事を許せば、世に危険を齎す。非常に心苦しいが、倒さねばならぬ事への謝罪だった。
『ふふ、わかればよいのです……って、その拳は何ですか貴女!!』
 慄き羽毛を逆立てる王へと一気に迫り、有りっ丈の思いを拳と籠手に籠めると。その青いもふ腹目掛けて拳を叩き込まんとする。
『待ちなさい貴女! この世からもふもふが一つ失われることになるのですよ?!!』
「たとえもふもふでも、人の害になるものは倒さなければいけないんですっ!!」
 王の説得は聞く耳持たず。奏の信念を籠めた拳は、王の腹へもぎゅんと捻じ込まれる。その反動で、奏はゴム鞠の様に後方へと跳ねると尻餅をつく。
『はぅっ?!』
 一方の王はごろんと思い切り一回転してごつんと樹にぶつかり、目を回していた。
 奏は無事にもふもふの国からの帰還を果たし、瞬と響の許へと戻ったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

タビタビ・マタタビ
お、大きい……とんでもないでかさだよ……これがきんぐの威容!
(自分が小さいだけ?)

ここで臆病になってちゃダメだ、前向きに考えないと。
そう、ボクが懐に飛び込めば、小さすぎてきっと見えないはず!

というわけでまずは、【ナイツオブネコチャン】でちびセキセイに対抗!
相手はほどほどの強さだけど、こっちもまあまあの強さだからほぼほぼ相打ちだよね……。
けど、ちびセキセイが減ったところで、小型ネコ騎士のみんなは合体だ!
これなら、きんぐとの背比べにも負けない!
そうやって合体ネコ騎士に気を取られてる間にきんぐのふところに飛び込んで、とどめの……
もふもふ~
あ~ケットシーもダメになる~



●ケットシーもダメになるもふもふ
「お、大きい……とんでもないでかさだよ……これがきんぐの威容!」
『ふふふ……この大きさとロイヤルブルーの羽毛こそが王たる証なのです……!』
 見上げたその姿に、タビタビ(若き猫黒騎士・f10770)は圧倒されていた。きらりと王冠輝かせ、もっふり構える『きんぐセキセイさま』の大きさは、タビタビの身長の凡そ8倍。そりゃあ大きく見えてしまうものだ。
 王の証は王冠でなく色と大きさなのかというツッコミはしてはいけない。
(「あ、本当はもしかして……自分が小さいだけ?」)
 そんな事が一瞬脳裏を過ぎったけれど、ここで臆病になってはいけないと。タビタビは直ぐに思考を切り替える。

 小さいなら、小さいからこそできる事がある。
(「そう、ボクが懐に飛び込めば、小さすぎてきっと見えないはず!」)
 タビタビには一つ、案があった。それに至る為にぐっと意気込んで、きらりと光を反射する『ゆうしゃのつるぎ(仮)』を高く掲げる。
「集って、猫さん達! この剣の元に!」
 声を上げ、招集をかければ。何処ともなく52体の小型のネコ騎士達が現れ、タビタビの元へと集う。
『ほう、小さいながらも立派な騎士達ですね。私も負けていられません。来なさい、忠実なる従鳥達!』
 王の方も対抗し、数多のちびセキセイ達を喚び出す。王の声に応えた従鳥達は、ぱたぱたとネコ騎士達へと立ち向かう。
 それは後に、鳥猫合戦と言われる戦であった。ミニマムながらも、真剣にお互いの誇りをかけてぽこぽこと戦い合うその様は、側から見ればじゃれあっている様に見えなくもなかった……らしい。
 数ではちびセキセイ達が優勢だったが、一撃で消滅してしまうというデメリットを抱えていた。その為、ネコ騎士達が剣の柄でぽこんとすると、簡単に消えてしまう。
 対してネコ騎士達はその様なデメリットを抱えてはいない。初めはちびセキセイ達優勢に思われたが、どんどんネコ騎士達が押して行く。

「よし、いい感じに数が減って来たから……みんな、合体だ!!」
 タビタビのその一声で、ネコ騎士達は集まり合体するとどんどんと大きくなって。最終的には王とも競い合える大きさになった。
「これなら、きんぐとの背比べにも負けない!」
『いいでしょう、王の私が直々に前へと出ましょう!』
 ふぁさっとマントを翻し、巨大化したネコ騎士達の前へと出ると翼を大きく広げる。
 ……緊張感がないとか言ってはいけない。結構真面目なんだから。
 王が合体ネコ騎士ともふバトルをしている隙に、タビタビは王の死角へ回り込む。小さいからこそ死角に身を潜めやすく、故に相手からも認識され辛いというもの。
(「とどめの……」)
 機を窺い、そして見定めると。タビタビはそのもふもふな青い懐へ飛び込んだ。

 ――もふんっ。

 まぁ、飛び込んだら待っていたのはもふの海である。
「もふもふ~」
 王に気付かれぬ様にと、言葉を発さずにいたけれども。もふもふに飛び込んだ瞬間、つい声が出てしまった。
 王は未だ合体ネコ騎士に気を取られている為に、声にも飛び込んできたタビタビの事にも気付いていない。
 その柔らかく暖かいもふもふの感触に、タビタビの意識は瞬く間に支配される。ふわふわで、しかし頬擦りすればすべすべとするその感触は魔性であった。
 至極幸せな顔で、タビタビはもふの海へと沈みゆく。
「あ~……ケットシーもダメになる~……」
 最初からもふることを狙っていたのではない筈だ。きっと渾身の一撃を喰らわせようとしていたに違いない。
 もふもふがタビタビをダメにしてしまったのだ。多分、おそらく。

成功 🔵​🔵​🔴​

シン・クレスケンス
「臣民を守る、か。ただ他のまるい鳥よりデカいから〝きんぐ〟って訳じゃないんだな。恐れ入ったぜ」
僕が乗れるくらいの巨狼の姿に戻したツキが言います。

【制圧射撃】で従鳥を攻撃、きんぐが飛び去るのを防止する為に【神縛の枷鎖】(何本か射出可能)で地に縛り付け足止め、ツキの背中に乗ってきんぐの頭に移り(フック付きロープで落下防止)、【指定UC】で攻撃という作戦です。ツキは従鳥を減らしに行ったようですね。
この世界に住む者として、きんぐの計画はこのままにしておけません。
羽毛は少し惜しいですが―
「臣民達と一緒に骸の海に還っていただきます」
(自動詠唱銃をきんぐに向け)
――【破魔】を込め、詠唱銃の引き金を引きます。



●大きいだけでは王にはなれない
 シン(真実を探求する眼・f09866)の傍で、シンが騎乗出来る程はあろう闇色の巨狼が口を開く。
「臣民を守る、か。ただ他のまるい鳥よりデカいから〝きんぐ〟って訳じゃないんだな。恐れ入ったぜ」
 その巨狼はシンが従えるUDCの『ツキ』だった。此処ではもう仔犬の大きさである必要はないと判断したシンが、本来の大きさへと戻したのだ。
『ただ大きい。それだけでは王の器たり得ません。臣民を導き、守る……それも王の役目なのです』
 威風堂々と『きんぐセキセイさま』は告げる。流石セキセイさま達を統べる王だけはあった。

 ぱたぱたと、王を守護する様に従鳥達が王の周囲に集う。それを見たシンは白銀色をした美しい銃を構えると、一羽一羽を撃ち落とす。あまり敵の数が増え過ぎては困るというものだ。
『むむっ?!』
 危機を感じた王が翼を広げる。一旦退避しようと思い至ったのだろう。しかし飛び去るのを防ぐ為に、シンは白銀の鎖を放つと王を雁字搦めに縛り付ける。
 しっかり地へと固定され、身動きが取れなくなった王。
『王になんたる狼藉を働くのですか!』
 王に絡みつく鎖を解こうと。従鳥達は寄り集まり、頑張って王を解放しようと試みる。
 その様子はちょっと可愛かった。けれどどんなに頑張っても、鎖はびくともしないのだ。
「この世界に住む者として、きんぐの計画はこのままにしておけませんから」
 シンはにこやかに王へと告げると、ツキの背に騎乗して。そしてツキは王へと真っ直ぐに駆け出した。
『ちょっ、迫る前にこの鎖を解きなさい! 臣民達の力では全くもって解けないのですから……!』
 慄きながら『止まりなさい!』と言う王の制止をよそに、一人と一匹は王へと迫る。
 ツキが王の少し手前で高く跳躍したところで、シンは王の頭へと飛び移ると。何かの拍子に振り落とされるのを防ぐ為に、フック付きのロープで王に絡みつく鎖と自身の身を固定させた。羽毛だと固定は難しいが、絡む鎖であれば固定は容易だ。
 シンが王に飛び移ったのを見届けたツキは、鎖に纏わり付く従鳥達を減らしに向かう。
 自身の倍の倍はある大きさの捕食者に、従鳥達は逃げ出そうとするも。ツキはそれを許さず、爪と牙を用いて骸の海へと還してゆく。攻撃すればすぐにぽこぽこと弾ける為に、従鳥達は次々と数を減らしていった。

 頭部であっても、そのもふもふは健在。同時に羽毛はすべすべとしている為に、身体をうまく固定していなければシンは滑り落ちていただろう。
 少しならばもふもふとしてもいいだろうと、シンは手のひらを羽毛に沈めてみる。
 非常に、もっふりふかふかだった。このまま羽毛にダイブしてしまいたい衝動がシンを襲う。
『無断で触れるなど王は許しませんよ?!』
 けれども王の声にハッとしたシンは。目の前の現実を処理しなければと、輝く王冠へと銃口を向けた。
『貴方、土足で王の頭を踏み付けるなど無礼にも程があります!! 降りなさい!!』
 けれども、シンはその言葉を聞き流す。正直なところ羽毛は惜しいのだが――。
 王冠は明滅し、今にも眩く輝きそうだった。迷う時間は無い。
「臣民達と一緒に骸の海に還っていただきます」
 シンは引き金に指をかけ、魔を撃ち破る力を込めた弾丸を放った。

成功 🔵​🔵​🔴​

舞音・ミケ
歩いてたらおなか空いた。
あ、にくだ。おおきいにくだ。

臣民……さっきのセキセイたち?
あの子たちは……私と猫、みんなと共に在るよ。
命は巡るんだよ。

ところでおなか空いてるんだけど……いい?
(短剣・ネコノツメを構え空腹の猫たちと共に近付く)

鳥出してきたら短剣とパンチ、猫たちの一斉攻撃(UC)で撃退。
食べられそうなら掴んで食べる。

近付けたら猫たちといっしょにかぶりつく。
大きいままじゃ食べ辛いかな。短剣で斬ろうか。
羽毛は斬ってればそのうち……これさっきもやった気がする。

でも大きいのそのまま食べるのも幸せだよね(がじがじ)

ついでに羽むしれそうならむしってお土産に。
綺麗な羽根だね。
ありがとう、大切にするね。



●捕食するもの、されるもの。その2
 鳥達と沢山遊んでいたら、突然いなくなってしまったものだから。ミケ(キマイラのサイキッカー・f01267)はとてとてと森を歩いていた。
 そうしたら、なんと、大きな大きな鳥肉と出会った。
「あ、にくだ。おおきいにくだ」
『誰が肉ですか誰がぁ!!』
 王のツッコミは右から左。ミケは歩いていてとてもお腹が空いていたのだ。だから『きんぐセキセイさま』を見ても、食用鳥肉としか思っていなかった。
『猫……もしやまさか、貴女が大事な臣民達を……』
 脳内で作った式と、導き出された予測にぷるぷると震え出した王。臣民と口にした王に、ミケはこてんと首を傾げた。
「臣民……さっきのセキセイたち?」
 そういえば先刻、沢山のセキセイさま達に会ったなとミケは思い出す。
「あの子たちは……私と猫、み?なと共に在るよ。命は巡るんだよ」
 その言葉は、王へと無情に突きつけられた解であった。
『なんてことを!!!』
 両翼を頬に当て、わなわなと嘴を開いて王は慄く。その様は某叫びの絵画のようでもあった。けれどもミケはそんなことを気にもしない。
「ところでおなか空いてるんだけど……いい?」
 ミケは短剣の『ネコノツメ』を手に、じりじりと王へと近付いていた。
 目の前に鳥肉がある。そしてミケはお腹が空いている。つまりは捕食タイムに入っていいかの確認である。
『許されません……許されませんよそんな事!!』
 そうして沢山のちびセキセイ達を喚び出す王。しかしそれは……間違っていた。

「にくがふえた……!」
 ミケは瞳を輝かせ、沢山の猫と猫霊達を喚ぶ。さぁ、みんなでごはんタイムだ。
 ミケは短剣でぷすっとしてちびセキセイを捕らえようとする。けれども、攻撃を受けた途端にちびセキセイは弾けてしまった。残念そうにそれを見送って、そして思いついた。
「……そっか、攻撃しなければいいんだ」
 そう、攻撃さえしなければ。そのまま生け捕りにしてしまえば、ちびセキセイ達は消えることがない。
 一羽をわしっと引っ掴むと、ミケは――。
 とりあえず、とても記載できないような光景が広がった為にここは規制させて頂こう。

『来るんじゃありません。ストップ、リターン!!』
 色々と落ち着いた時。ミケと猫達は王へとじりじりと迫っていた。
(「大きいままじゃ食べ辛いかな。短剣で斬ろうか」)
 きらり、短剣を輝かせ。どんどん、どんどん近付くミケ達。
(「羽毛は斬ってればそのうち……これさっきもやった気がする」)
 そんなことを思いながら、ミケ達はしゅばっと勢い良く王へと飛びかかると。短剣、そして爪や牙を王へと突き立てた。
『あ゛ーー!!!』
 王の大絶叫が響き渡る。この世は弱肉強食。なんて無情なのだろうか。
(「でも、大きいのそのまま食べるのも幸せだよね」)
 ガジガジと齧り付きながらそんなことを思っていたミケは。ふと、ぶちりと王の羽毛を毟り取った。
『また私のロイヤル羽毛がぁあーー!!』
「綺麗な羽根だね」
 毟った青い羽毛を掲げるミケは、王の悲痛な叫びをまたも右から左で流す。
「ありがとう、大切にするね」
 だが、王の耳にミケの礼の言葉は届いていなかった。
 そりゃあ、大絶賛食われている最中なのである。そんな余裕は王には無かったのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

シビラ・レーヴェンス
ほう。これがセキセイさまを統べる王か。巨大だ。
…態度をみるにやはり放置していても問題ない気がする…。
そうだ。戦闘前に気になった王の言葉を訂正しておこう。
こちらに非はない。なのに制裁を受けるのは納得がいかない。
「いや。餌を条件にして通過したんだ。喜んで通してくれたぞ?」
訂正して満足した。さて。戦闘の手段だが…。
「…王よ。セキセイさまの王よ」
楽園を人の立ち入らない秘境などにつくれないか聞いてみよう。
その力はその楽園を護る為につかってみては…と問いかけてもみる。
もしも難しい場合は仕方がない。
「そうか。ならば、覚悟して貰おう」
【影手】で戦おう。不可視の素手のソフトタッチで接触する。
危険回避は技能で。



●もふの王でも鳥は鳥
「ほう。これがセキセイさまを統べる王か。巨大だ」
 自身の三倍はあろう大きさの『きんぐセキセイさま』を見上げ、シビラ(ちんちくりんダンピール・f14377)は呟いた。
『そう、私がセキセイさま達を統べる王なのです……!』
(「態度をみるに、やはり放置していても問題ない気がする……」)
 もっふりと胸を張って答える王を見て、シビラはそう思う。一応威厳はあるが、邪悪さが感じられないのだ。
『全く。臣民達を蹴散らすなど、ひどい事を……』
(「そうだ。気になった王の言葉を訂正しておこう」)
 王のぼやきを聞いたシビラは、それは違うと待ったをかける。
「いや。餌を条件にして通過したんだ。喜んで通してくれたぞ?」
 そうである。シビラはセキセイさま達に餌を差し出してここまでやって来たのだ。非は無いのに、制裁を受ける事に納得がいかなかったのだ。
『なんですとー?!』
 驚く王をよそに、シビラは訂正出来たことに満足していた。

「……王よ。セキセイさまの王よ」
『はい、何でございましょう』
 シビラの呼び掛けに、王は居住まいを正すと声に耳を傾ける。敵であろうと、呼び掛けられたならば確りと耳を傾ける。それが王たりえる証だろうか。
「楽園を人の立ち入らない秘境などに作ることは出来ないのだろうか?」
 同時にその力はその楽園を護る為に使ってみてはとも、シビラは提案をする。
 けれども、王はそれに眉尻を下げて。至極残念そうに口を開いた。
『その提案を、飲むことが出来たならば飲みたいのですが……』
 王は語る。自身の存在を知る者がいなければ、存在が保てぬことを。
 それを例えるならば、他の細胞に寄生せねば増殖することが出来ぬウィルスと同じであるという事を。
『秘境は知られぬからこそ秘境……ですので、秘境に楽園を作るという事は、私達の自滅を意味してしまうのです』
 それを聞いたシビラは、さっくりと決断をした。
「そうか。ならば、覚悟して貰おう」
『えっ』

 提案を飲む事が無理ならば仕方が無い。けれども、もふもふがこのまま失われてしまうのは惜しい。
 もふもふが失われるならばその前に、どの様な方法であってもそれに触れる事をシビラは決める。
「少々手荒な真似になってしまうが……」
 シビラは不可視の魔力で造った手を、王のもっふりとした腹へと放つ。見えぬ何者かに触れられるその感触に、王は目を白黒させた。
『だっ、誰ですか私の身体に無断で触れている者は?!』
 わたわたと慌てる王は、赤きマントを縦横無尽に靡かせる。しかし、マントはへにゃりとしている様に見えて、触れたモノを切断するとても危険な布だった。事実、マントに当たってしまった樹々には大きな傷跡が残っている。
 だが手当たり次第に靡かせても、既に王の懐に潜り込んでいるシビラの不可視の手に当たることは無い。
『ほあっ……』
 不可視の手を鳥類の弱点(?)である耳へと移動させ、優しくカキカキとしてみれば。王は動きを止めて、ぶわりと羽毛を膨らませた。
 王であっても鳥は鳥。触れられて心地よいところをつかれてしまっては、動きが止まると言うもので。その隙にマントに触れぬ様に気を付け、風で靡いた時は見切り躱しながら。シビラは王へと近付くと、その腹へと手を伸ばす。
 それはふわふわもふもふな羽毛が、優しくシビラの手を包み込んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

浅間・墨
「…わ…ぁ…v」
これが王様の威厳ですか。冠を頂いているだけはあります。
そしてセキセイさまよりも羽がふわふわ気持ちよさそうです。
「あ…。ごめ…な…い。怪我…させて…いま…たか?」
傷つけるつもりはなかったのですが…怒るのは尤もです。
あの蹲っていたセキセイさまが大丈夫なのか…聞きます。

私の想像を裏切らずとても可愛いので闘うのは気が退けます。
鞘に納めたままの『国綱』の【鏡映】で王様の攻撃回避です。
こちらの攻撃は…鞘でとんっ…と軽く突いてみようと思います。
「…ごめん…さい」
悪い王様ではないと思いますが…その夢は妨害させて貰います。
世界を羽毛で包むのは…呼吸ができなくなるのは困ります。



●羽毛でセカイが包まれたなら
「……わ……ぁ……」
 もっふりででんと構える『きんぐセキセイさま』を、墨(沈黙ダンピール・f19200)は感嘆の声を上げて見上げる。王は兎に角大きく、威風堂々とした佇まいだった。
(「これが王の威厳ですか。冠を頂いているだけはあります」)
 そしてセキセイさまよりも羽毛がとてもふわふわとしているのが見るだけでも判る。触れたら気持ち良さそうだ。

『臣民達から聞いていますよ。全く、近頃の知的存在は荒っぽいですね』
「あ……」
 王の言葉に、墨は誤ってぶつかってしまったセキセイさま達の事を思い出す。
 怒るのは尤もだ。傷付けるつもりは全くなかったのだが、間違いでもぶつかってしまった事は事実なのだ。
「ごめ……な……い。怪我……させて……いま……たか?」
 墨は頭を下げると、あの時ぶつかって蹲ってしまったセキセイさまが大丈夫か訊ねた。
『ほう、貴女が……セキセイネットワークで聞いていますよ』
 小さな声でも、王はきちんと聞き取っていた。セキセイネットワークとは何だろうと墨は思ったが、口を挟むことはしなかった。
『あの時貴女は、兎に角駆け抜けていたと聞いています。その際に、件のセキセイさまとぶつかってしまったとも』
 キロリと王から向けられた視線に墨は射抜かれる。罪悪感で胸が痛かった。
『しかし、アフターフォローがしっかりしていた様ですね。蹲るかのセキセイさまを放置することなく、確り慰めていたと聞きました。御安心なさい。かのセキセイさまは元気にしています』
 それを聞いた墨はほっと胸を撫で下ろす。あのセキセイさまが大丈夫ならば、この上ない事だ。

 墨は『粟田口国綱』の柄を握るも、それを抜けずにいた。
 墨の想像を裏切らないそのまるもふな姿は、とても可愛い。正直、王と戦うのは気が引けてしまっていた。
『おやおや、そちらが来ないというのならば、こちらから行きましょう……! 世界を羽毛で包むために!!』
 そう言って、王はその頭頂部に頂く王冠をぴかっと輝かせる。その輝きは周囲の存在を無差別に焼く怖ろしき光だった。その光に包まれてはいけないと墨は直感的に判断すると、その威力の及ばない場まで急ぎ退避する。
 悪い王には思えないが、その夢は妨害せねばならない。覚悟を決めると、墨は鞘に納めたままの国綱をぎゅっと握り、王の前へと出る。
「映し返せ……」
 国綱を前へと掲げて墨は呟く。すると国綱は、先ほど王が放った光と全く同じ光を放ったではないか。
 その輝きは墨の『鏡映』によるもので。王の光を一度「見た」からこそ、正確無比にうつし返すことが出来たのだ。
 王はまさか、全く同じ業を放たれるとは一切予想していなかった。油断し直視してしまった光は王の眼を焼く。因みに比喩であって本当に焼いてはいないので、その点はご安心していただきたい。
『目が、目がぁああ!!』
 叫んだ王は両翼で自身の目を押さえるとごろごろと転がる。何処かの大佐みたいとか言ってはいけない。ごろごろとする王へと墨は近付く。
「……ごめん……さい」
 国綱の収まる鞘で王をとんと突くと、王の回転は止まった。
 世界が羽毛で包まれたならば、呼吸が出来なくなる。それは、UDCアースに住まうすべてのイキモノが困るのだ。
『ふふ……貴女は、心根優しき小鳥なのですね……』
 両目を押さえながら、王は優しい声音で呟いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

吉備・狐珀
この可愛いモフモフが感染型UDC…。
かわい…じゃなくて、触りた…でもなくて。
まだもふもふしていないのに思考能力を奪うとは、きんぐセキセイさま恐るべしです。

…少しだけ触ってみようかな。ちょっとだけです。ちょっとだけ。

うぅ…、ウカ、ウケごめんなさい。ちゃんとやります。
UC『協心戮力』使用
先程、暑がっていらしたようですので涼しくして差し上げましょう。
ウカの宝玉とウケの巻物で氷(属性攻撃)を強化した私の霊力と同じく風(属性攻撃)を強化した月代の(衝撃波)で作るのは猛吹雪。
王冠からの光も見えないくらいの猛吹雪で視界を塞ぎ(全力)で攻撃します。

例によって飛び散った羽は回収するので皆、協力お願いしますね



●ちゃーみんぐ・もふ
「この可愛いモフモフが感染型UDC……」
 どぉんと構える『きんぐセキセイさま』を見上げ、狐珀(狐像のヤドリガミ・f17210)は思わず呟いた。
(「かわい……じゃなくて、触りた……でもなくて」)
 いや、そうではない。そうではないのだ。もふもふとしてとても愛らしい見た目でも、一応恐ろしいUDCなのだ。狐珀はふるふると首を振って、なんとか正気を保とうとする。
 しかし、まだ触れていないのに思考能力を奪ってしまうとは……このUDC、なんという魅了能力を持っているのだろう。
(「きんぐセキセイさま、恐るべしです」)
 そんな、ゆらゆらと心の揺れる狐珀を見た王は、目を細めて口を開いた。
『ほうほうほう、其処の貴女。私に触れたいのですね?』
 心が見透かされて、狐珀はぎくりと身を強張らせる。
『触れても良いですよ? もっふりもふもふしたいでしょう?』
 王はもふんと羽毛を膨らませると、いつでも飛び込んでいらっしゃいと言わんばかりに翼を広げた。
 罠かもしれない。けれど、次に触れる事が出来る機会がいつ来るかわからない。狐珀の心は、非常に激しく揺れていた。

 堂々と羽毛に空気を膨らませて隙だらけのその様は。多分、騙してはいない。王も触っていいと言っているし、そう。少しだけならば……。
「……少しだけ触ってみようかな。ちょっとだけです。ちょっとだけ」
 おずおずと、狐珀が王の腹へとその手を伸ばそうとした時。主人を正気に引き戻す為に、ウカとウケは動いた。
 ウカはぴょんと跳ねると、黒尻尾で狐珀の後頭部をぽこんっ、と叩いて。続いてウケもぴょんと跳ね、ウカに倣って白尻尾で同じ個所をぽこっ、と叩く。
 ウカもウケも、今はそんな場合じゃないと狐珀に視線を向けていた。
「うぅ……ウカ、ウケごめんなさい。ちゃんとやります」
 涙目でぽこんとされた箇所をさすりながら、狐珀は至極残念そうに王から距離をとると。しゃらりと鉾鈴の音を鳴らして構える。

「先程、暑がっていらしたようですので涼しくして差し上げましょう」
 しゅるりとウケの巻物が広がり、ウカの宝玉が目映く輝き始めると。それに呼応したように空気が冷え始めた。狐珀が鉾鈴を振るえば空気中の水分が凝固し始め、月代が翼で風を巻き起こせば空気は不可視の大きな波となる。
 それらが合わされば、生まれるのは猛吹雪。痛き氷雪は意思を持ったように王を飲み込まんと疾る。
『ぬぬぅ?! 南方育ちに吹雪はきついですよ?!』
 その大きな身体で吹雪を受け止めてしまった王は、ぶるぶると震えていた。吹雪のせいで殆どわからないが、実は羽毛にも霜が生えていた。
 南方育ちというのは、セキセイインコの原産地の事を言っているのだろうか。骸の海に送り込まれる以前は、もしかすると南方に存在していたのかもしれない。
 王は頭頂部の冠から光を放とうとするけれども。王冠に雪が積もり、同時にその視界も雪で容赦なく包み込まれていた。
『ゆ、雪で前が見えません……! それにやはり……寒ぶふぉお?!』
 王に一体何があったかと言えば。どん、と。王に巨大な雪玉が転がってそれに思い切り吹き飛ばされたのだ。その雪玉は狐珀が全力で放った霊力により生まれたものだった。
 ぽーんと。王冠と羽根を舞い落としながら跳ねた王は巨木にぶつかると、頭上に星を回して沈黙する。
「例によって飛び散った羽は回収するので皆、協力お願いしますね」
 くるくると目を回す王を前に、狐珀はにっこり笑顔でウカ達に告げるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と

(見上げ)王さま…きんぐ
……
まつりんだって、にわとりきんぐになるっ
(ハロウィンの仮装を思い出し

ん、もふの誘惑よりも対抗心が勝った
うさみみメイドさんズ
ちびセキセイさまに一体ずつ飛びかかり、ぎゅっと抱き潰して?

まつりん、今

王さまがわきわきしてる隙に
息を合わせてきんぐにダッシュ&ジャンプ
脇の下にぎゅっと抱きついて
…ここ、もふっとしてみたかった(うっとり

きんぐとまつりん少し似てる
臣下を大切に思うきんぐ
まつりんもふわっと皆を大事にするから
たとえ、たまにオカメを追い払っ…、て、も……(思い出して少し頬ぷうっ)

(はっ)(こほん)
きんぐ・おぶ・もふ
骸の海でセキセイさまと仲良くね


木元・祭莉
アンちゃん(f16565)、こっちー。

へえー、セキセイさまのきんぐ!
じゃあ、おいらはうるふまん・ぷりんす!(尾っぽを靡かせて対抗)
え、にわとり? うるふだもん!

いけー、うさみん☆じゅにあー!
おいらもメカたまこ呼ぼっと♪
いざ、もふvsメカ大決戦!
(果敢に飛び上がりインコに空中戦を挑むロボたち)

アンちゃんと一緒に、ダッシュ&ジャンプ!
マントの下に潜り込む!
ふわふわであったかいー♪
けど……やっぱトリの匂いがする……ううう(色々フラッシュバック中)

王様は、セキセイさまとは色違いなんだねー。
産まれたときから? 高貴な色なの?
それじゃ、羽根いっぽん記念にもらって帰ろっと♪
(ぷちっとして頭に挿す)



●現王VSみらいのおう
「アンちゃん、こっちー」
 杏(杏どら焼き・f16565)が祭莉(どらまつりん・f16554)に手を引かれて、進んだ先。そこでは巨大な青色セキセイさまが王冠を拾い、頑張って頭の上に乗せている最中だった。
 王冠を乗せる事に集中しているのか、その巨大セキセイさまは近付く双子には気付いていない様子だった。
「王さま……きんぐ」
 王冠を見て零した杏の呟きに、きんぐこと『きんぐセキセイさま』はしゅばっと双子へと振り返った。
『はい、私がきんぐです!』
 少し王冠がずれている気がするが、まぁ置いておこう。双子が見上げるほどに大きな王は、もふんと羽毛に空気を膨らませると威儀を正す。
「へえー、セキセイさまのきんぐ! じゃあ、おいらはうるふまん・ぷりんす!」
 尾っぽをふぁさっと靡かせて。相手がセキセイの王なら、自分は人狼の王子だと祭莉は対抗する。
「まつりんだって、にわとりきんぐになるっ」
 けれども。王の姿を見て杏が真っ先に思い出したのは、ハロウィンの時の祭莉の仮装だった。
『ほう! にわとりの王ですか!』
「え、にわとり? うるふだもん!」
 あの仮装と王の姿は……そう、似ていたのだ。杏のその言葉に、ずぎゃんと祭莉は衝撃を受けて。すぐさまちがうもんと訂正をする。
 そんな祭莉の訂正、杏はどこ吹く風で。もふもふの誘惑よりも、対抗心が勝った事に満足していた。

 対抗心が勝ったところで、杏はうさ耳付きメイドさん人形の『うさみん☆』達を71体複製すると、ずらり、前へと整列させる。
『な、なんと。貴女も従者を従えていたのですか……!』
 王にだって対抗心は有る。従鳥である数多のちびセキセイ達を何処ともなく喚び出すと、杏と祭莉目掛けて放つ。
「ちびセキセイさまに一体ずつ飛びかかって、ぎゅっと抱き潰して?」
 ぴしっと指差して、杏はうさみん☆達をちびセキセイ達へと向かわせる。うさみん☆達は駆け出すと、ぴょんとちびセキセイ達に飛びついて。両腕でむぎゅりと抱き締めた。さすればちびセキセイは、ぽふんと音を立てて骸の海へと還る。
「いけー、うさみん☆じゅにあー!」
 拳を上げて、複製うさみん☆達を応援する祭莉。けれども見ているだけでは物足りなくなり、勢力の追加投入を決める。
「おいらもメカたまこ呼ぼっと♪」
 祭莉が喚び出したのは、機械式にわとり『メカたまこ』。守護神にして天敵を模倣した69体のメカたまこ達はコケコケ鳴いて駆け出すと、果敢にばさっと飛び上がって。ちびセキセイ達へと屈強な脚を向ける。
「いざ、もふvsメカ大決戦!」
 にわとりというのは嘴も恐ろしいが、脚も恐ろしいのである。メカたまこ達がどすりと鈍い音を立て蹴り飛ばすと、ぽこぽことチビセキセイ達は弾けて消えるのだった。

 むぎゅり。ぽこぽこ、どすん。
 様々な音を立てながら、うさたま同盟はちびセキセイ達の数を着実に減らしていく。ちびセキセイ達は一撃で消滅してしまう程に耐久力が低い故に、数が多くともそれ程脅威ではないのだ。
『むむむむ……! 私の従鳥達が減って行く……!』
 王はわなわな震え、翼をわきわきとさせて。戦を見守っていた。
 その隙にそろりと、祭莉と杏は王の死角へと回り込んで。じっと王の様子を窺う。
「まつりん、今」
 機が来たという杏の言葉に祭莉は頷く。そして、二人はダッシュで一気に王に迫り、跳躍すると。ぽすんとしがみついて、もそもそと王のマントの下へと潜り込んだ。
『ほぁっ?! あ、貴方達一体何処に?!』
 もそもそ、ごそごそ。王はマントの下で動き回られる感触にわたわたと慌てる。
 動き回る二人が目指すは、トリスキーであったならば誰もが一度は挟まれてみたいと思う脇の下。魅惑のその場所へと潜り込んだならば、すべすべでふかふかな羽毛が二人を包み込む。
「……ここ、もふっとしてみたかった」
「ふわふわであったかいー♪ けど……やっぱトリの匂いがする……ううう……」
 うっとり顔で幸せそうにぎゅっと抱き着く杏。そして祭莉は最初、気持ち良さそうにしていたけれども。沢山の鳥達に威嚇されたトラウマが蘇り……うなされていた。

(「きんぐとまつりん、少し似てる」)
 もふに包まれて半ばうとうとしつつ、杏はそう感じていた。
 ――王は臣下を大切に思い、祭莉もふわっと皆を大事にしている。仲間を大事に思うその点が似ているのだ。
(「たとえ、たまにオカメを追い払っ……、て、も……」)
 オカメインコ騒動の事を思い出したら、杏の腹の底からふつふつ、むかむかが湧き上がってきて。ぷうっと頬を膨らませる。祭莉に悪気が無かったのは分かっているけれども――。
『ちょっと貴方方?! 勝手に王の脇の下に入り込むのは許されませんよ?!』
 王の怒れる声に、杏ははっとすると祭莉を引っ張りモフの海から脱出する。名残惜しいが、あまり長く沈み過ぎるのは宜しくない。
 見渡せばちびセキセイ達は粗方片付け終わり、うさたま同盟のメンバーは次の指令を待っていた。
 こほんと一つ咳払いをして、杏は告げる。
「きんぐ・おぶ・もふ。骸の海でセキセイさまと仲良くね」
 その号令で、うさたま同盟は一気に王へと駆け出して。一斉に跳躍すると飛び蹴りを喰らわせる。
『待ちっ……!!』
 制止なんて意味も無く。容赦ない蹴りをぼこぼこと喰らった王は、この日何度目かになる星を頭上に飛ばす。あはれ諸行無常。
「王様は、セキセイさまとは色違いなんだねー。産まれたときから? 高貴な色なの?」
 きゅうと目を回した王に祭莉は話し掛けるが、返事は無くて。しかしお構いなしに祭莉は話を続ける。
「それじゃ、羽根いっぽん記念にもらって帰ろっと♪」
 祭莉は綺麗で丈夫そうな羽を一本、目星を付けて手を伸ばすと。根元を持ちぷちっと引っこ抜く。
『ンぎぇっ』
 もしかして起きちゃった? と祭莉は王の顔を覗き込むが、相変わらず目を回したままで。王の声は只の反射だったようだ。
 引っこ抜いたその羽根を祭莉は自身の頭に挿して、見て見てと杏の許へと駆けるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

真幌・縫
マクベス(f15930)くんと♪
あれがきんぐセキセイさま…!
…えっと、さっきの幻のせいで疲れてるのかな?
鳥さんの楽園はとっても楽しかったよ…ありがとう♪
うん、そうだよね…ぬいたちが臣民さんを傷付けちゃったのは本当しセキセイさまたちはUDCだから倒さなきゃいけないんだ…ごめんね。

あのおっきいもふもふは凄く誘惑されるけど耐えなきゃ…!
UC【ぬいぐるみさん行進曲】だよ!

…マクベスくんには正直に言うね…ぬいぐるみさんとセキセイさまが一緒に戦うの可愛いよねって思ってあのUC使いました…!
もふもふしても大丈夫?
じゃあちょっとだけ♪


マクベス・メインクーン
縫(f10334)と
うわ、でっかいセキセイインコ!
幻では…なさそうだな

いやまぁ傷つけたって言われてもなぁ…
UDCを倒すのが仕事だし
放置したら放置したで後々大変な事になるしな
ま、運命だと思って諦めて退治されてくれ
小刀に雷の精霊を宿して雷【属性攻撃】【鎧無視攻撃】で
UC使用するぜ
分厚い羽毛だろうが貫通してやるぜっ!
敵のUCは【オーラ防御】で防ぐぜ

ん゛ん゛っ!!
ぬいぐるみとセキセイが戦うの可愛いっていう
縫が可愛い…!
いや、まぁ少しくらいモフモフしてもいいんじゃね?
こんだけデカければ後ろとか見えねぇだろうし



●可愛いの連鎖
「あれがきんぐセキセイさま…! ……えっと、さっきの幻のせいで疲れてるのかな?」
 ぜぇぜぇと息を切らし、地に両翼をついている巨大な色違いセキセイさまを見て。縫(ぬいぐるみシンドローム・f10334)は自身の口許に手を当てる。
「うわ、でっかいセキセイインコ! 幻では……なさそうだな」
 余りの大きさのセキセイさまに、マクベス(ツッコミを宿命づけられた少年・f15930)はもしや幻ではないかと疑ってかかるも。かなり疲弊しているその様子を見て、幻が疲れる筈が無いだろうと疑う事を捨てた。
『私は幻ではありまっせんよ!! セキセイさま達を統べる王にして、鳥達の楽園の創造主です!!』
 マクベスと縫に向き直ると、『きんぐセキセイさま』は胸をもふんと張る。もふんとさせたのは、一応威厳を見せたい為だろう。
「鳥さんの楽園はとっても楽しかったよ……ありがとう♪」
 王が楽園の創造主と聞いた縫は、先程鳥達と触れあえた事の礼を言う。様々な鳥を見、触れあえたのは。とても楽しい時間だった。
『楽園を楽しんで頂けたのは何よりです。ですが……臣民達ことセキセイさま達を傷付けましたね?』
「いやまぁ傷つけたって言われてもなぁ……UDCを倒すのが仕事だし」
「うん、そうだよね……ぬいたちが臣民さんを傷付けちゃったのは本当だし、セキセイさまたちはUDCだから倒さなきゃいけないんだ……ごめんね」
 向けられた王の視線と言葉に、マクベスは縫を庇うように前に出ると。仕事である以上は仕方ないと返し、縫はマクベスの背後からちょこんと顔を出すと、謝罪の言葉を王にかけた。
『ぐぬぬ……謝罪が出来る良い子を怒るなど……』
 縫の謝罪を聞いて、王の御怒りゲージがぐっと下がる。謝られたならば、理不尽に怒る事をしない辺りは王の器なのだろう。

「ま、運命だと思って諦めて退治されてくれ」
 もふもふな王であっても、UDCはUDC。このまま見逃して放置したなら放置したで、後々大変になる。主に世界が羽毛に包まれる的な意味で。
 マクベスは小刀の『ゴルトリンクス』と『シルバーリンクス』を握り、雷の精霊の力を宿すと。電光石火で王へと斬りかかりに疾る。
「あのおっきいもふもふは凄く誘惑されるけど耐えなきゃ……! さぁ、ぬいぐるみさん達! ぬいと一緒に戦って!」
 王のもっふりとした腹に飛び込みたくなる衝動を縫は抑えると、305体にも及ぶぬいぐるみ達を召喚する。ぬいぐるみ達の姿は白兎や黒猫。灰色の翼猫など、様々であった。
「せーの! 攻撃開始ー!」
 縫が号令をかければ。とてとてと一斉にぬいぐるみ達は王へと駆け出す。沢山のぬいぐるみ達は王へとよじ登ると、ぽこぽこと叩いたり、つんつんと突いたりしていた。
 ぬいぐるみ達のアタックに対して王は、目を閉じて何か耐えているような表情をする。もしかするとむず痒いのかもしれない。
『いいでしょう。攻撃をしてくるならば、応戦するまでです。見なさい! 王の威厳を!!』
 突然。カッと瞳を見開いて、王は王冠を激しく明滅させる。周囲一帯に光を放ち、無差別に焼き払うつもりなのだ。
「させねぇよ!」
 王の手前でマクベスはだんと、高く跳躍して。宙で一回転し王冠を思い切り蹴飛ばす。王冠はカコーン、と良い音を立てて遠くへと飛んで行った。
『あぁっ?! 私の王冠がっ!!』
 王冠が無ければ、王は光を放つことが出来ない。つまり今の王はただの鳥である。未だ宙のマクベスは、両の手に握る双刀の切っ先を王へと向けて。重力に従いながらその加速度を利用し突き刺さんとする。
「分厚い羽毛だろうが貫通してやるぜっ!」
 刃はざくりと王の脳天に刺さり、籠められた雷がその身体を芯まで貫く。雷の効果によって王の身体は麻痺し、思うように動けなくなった。
『ふぬぅ?! 身体がびりびりと……!!』
 身体が痺れて動けぬ王に、縫のぬいぐるみ達が更にどんどん集まって。ある意味でファンシーな光景が広がった。

 ――ややあって。
「……マクベスくんには正直に言うね」
 ぬいぐるみ達に集られる王を見て、縫は口を開く。
「ぬいぐるみさんとセキセイさまが一緒に戦うの可愛いよねって思って、あのユーベルコード使いました……!」
 てへっと告白する縫を見たマクベスの心臓が、きゅんとときめいた。縫が余りにも可愛いすぎたのだ。
(「ん゛ん゛っ!! ぬいぐるみとセキセイが戦うの可愛いっていう縫が可愛い…!」)
 思わず胸を押さえそうになるも、マクベスは何とか平静を装う。縫はそんなマクベスへと小首を傾げて訊ねた。
「もふもふしても大丈夫?」
 そう、今の王は痺れて動けない。もふもふするなら今が好機なのだ。
 マクベスが瞳で王の様子を窺ってみれば、まだまだ王は痺れて動けない様子で。もふもふとしても大丈夫だろうと判断した。
「いや、まぁ少しくらいモフモフしてもいいんじゃね?」
 あれだけ大きければ、後方を見ることもままならないだろうと。背後からのもふもふを勧めれば、縫はぱっと顔を輝かせる。
「じゃあちょっとだけ♪」
 縫は嬉しそうにスキップして王の背に回り込むと、マントの下に潜り込む。そのままもふんと王の羽毛にダイブしてみば、柔らかな羽毛が縫の全身を包み込んだ。
『むむむ……!! 痺れて動けぬせいで、追い払う事が出来ません……!!』
 ふわふわで暖かくて、すべすべで。つい、うとうとしてしまいそうなそのふわもふ。王だけあって、最高のもふ心地だった。
「……?」
 もふもふと羽毛を堪能していたところで、縫は王の身体がきらきらとした虹の光を放ち始めた事に気付く。
 それは、終わりを告げる光だった。

●王の魂は廻りけり
 猟兵達の怒涛のアタックを受けたことで、王の存在を維持する為の力が底を付いた。虹の光を放ち始めたのは、少しずつ存在を失い始めたしるしだったのだ。
 伝道師の布教が、あまり芳しくなかったこともある。もっと世に噂が知られていれば、更なる存在の力を得られたはずだったろう。だが、王は抗う事無く運命を静かに受け入れる。
『私の野望がここで潰えるとしても、もふもふの羽毛を求める者が世に居る限り。私という存在はまた蘇る事でしょう……!』
 突然射しこんだ天からの光に包まれ、王はゆっくりと実体を失ってゆく。
『それまで、暫しの別れです。さようなら、羽毛を、もふもふを求める者達よ……!!』
 そして天から舞い降りて来た、天使の輪を頂いたちびセキセイ達に囲まれて。王はすぅっと天へと昇って行った。
 骸の海って、お空にあるの……? などという質問は野暮である。

 猟兵達の尽力により、世界が羽毛に包まれる危機は去った。
 けれども、世界に羽毛……もふもふを求める者が居る限り。また王は姿を現す……のかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年03月19日


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
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 大失敗[評価なし]

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 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
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※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
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※このボスの宿敵主は💠鈴・月華です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
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挿絵イラスト