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黒い襲撃者と白銀の世界

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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●白に覆われた街
 剣と魔法の世界『アックス&ウィザーズ』
 竜の復活が噂されているが、人々の生活に影響を及ぼすような大きな脅威は未だ訪れておらず。冒険者がダンジョンに挑んでは、盗賊や悪に染まった魔法使いを倒す、平和な日々が続いていた。
 はらはらと、雪が舞う、とある街。
 近くを流れる川から、もくもくと白い湯気が立ち上っている。湯気からは硫黄の独特の匂いが立ち込めており、近くには宿と土産を扱う店が、多数並んでいるのが見て取れた。
 周囲を山に囲まれたこの街は、温泉街としてそこそこに有名であった。
 何時からだろうか。小さき、黒き竜の姿が見られるようになったのは。仔竜は、小さな悪戯をしては逃げていく。土産物を倒したり、宿の看板を倒したりと始めは些細な物であったが、人が害を成さないことに味を占めたのか。どんどんと内容がエスカレートしていった。
 このままでは、人に被害が及ぶのも時間の問題。また、山の中で不思議な獣の姿を見たとの証言もある。
 そう、安心して温泉を楽しむことが出来ないのである。

●淡々と。そう、淡々と。
「…出現。…オブリビオンが、温泉街に、現れた、よう、です」
 手にしていた資料を机に広げ、神宮時・蒼(終わらぬ雨・f03681)が説明する。
 自然と共存する、街の一つ。温泉街として密かに有名なこの街に、少し前から黒い仔竜が悪戯をして回っているという。
 未だ子供が行うような悪戯のみで、人的な被害こそ出ていない。
 しかし、それも時間の問題だろう。また、黒き幻獣の姿を見たとの噂もあり、このままでは何かが起きてしまうかもしれない。そうなる前に、何とかしてほしい、と。
「…推測。…街に、現れる、仔竜の、数は、15匹、程度、です。…人が、見ていない、ところで、悪戯を、する、との事、ですので、其処を、狙って、貰えれば…」
 仔竜を倒せば、黒い幻獣と遭遇出来るだろうと蒼は告げる。仔竜と幻獣の関係がどのようなものか分からないが、今後の事を考えて、早めに倒してしまった方がいいだろう。

「…報酬。…終わったら、自由に、街を、散策したり、温泉に、入ったりして、いいそう、です」
 街には幾つもの温泉があり、効能もそれぞれだという。女性には嬉しい美容の湯もあるとの事。勿論、露天風呂も楽しむ事が出来る。
 また、街を散策して土産物を一緒に選ぶ等、交流を深めてもいいし、街自体が自然に囲まれているので、景色を眺めてのんびり足湯に浸かるでもいい。特に、朝焼けと雪のコントラストが美しい、らしい。

「…祈願。…大変かと、思いますが、皆様なら、無事に、戻って、こられる、はず、です。…よろしく、お願い、します、です」
 ぺこりと頭を下げるのだった。


幽灯
 幽灯(ゆうひ)と申します。
 今回は、剣と魔法の国の、温泉街のお話をお届けします。
 事前に話を通している為、周囲に人の姿はありません。

 ●1章
 仔竜の数は15体。
 2~3体程度で固まって悪戯をしているようです。個々の能力は大した事がありません。

 ●2章
 仔竜を操っているかもしれない幻獣です。仔竜との戦闘後、街から外れた場所で戦闘を行います。

 ●3章
 ご一緒する方は「お名前」か「ID」、旅団で参加する場合は「旅団名」を記載してください。
 蒼をお誘いいただいても構いません。その旨をプレイングに記入してください。

 それでは、良き冒険となりますよう。
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第1章 集団戦 『戯れる仔竜』

POW   :    じゃれつく
【爪 】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    未熟なブレス
自身に【環境に適応した「属性」 】をまとい、高速移動と【その属性を纏わせた速いブレス】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    可能性の竜
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●仔竜は嗤う
 閑散とした温泉街。辺りに漂うは白き湯煙と硫黄の香り。
 普段と違った街の様子に仔竜は小さく、可愛らしく鳴き声を挙げた。
 しかし、さしても気に止めた様子もなく、嬉々として本日の悪戯対象を探すべく街へと繰り出していった。
 出会いが、在り方が違えば、或いは。
 だが、仔竜は悪へと染まってしまった。ならば、猟兵としてやるべき事は。
 残された答えは、たった一つしかないのだ。
四軒屋・綴
改変絡み歓迎

……ままならんな、生まれが違えば人の友に……

ともあれお仕事開始だッ!悪戯っこの始末は大人がつけるものと決まっているッ!

マスク単体の状態で布かなんかを被ってその辺りをうろついて接敵したらユーベルコード発動ッ!防御力重視の蒸気機関車系ヒーローに変身するぞッ!

戦闘は……そうだなッ!【オーラ防御】で耐えて【グラップリング】と【怪力】で捕まえたらおしおきタイムッ!上から下に打ち下ろすオールドタイプなげんこつを食らわせてやろうッ!お説教込みでッ!おしりペンペンだけは勘弁してやろうッ!

「あーどうしよう黒い竜が出てきたら怖いなー!」

「……次に会うときは、友達になろう。」


龍統・光明
『迷彩』を使い仔竜に近付き可能なら奇襲を掛ける。
「総餓流当主・龍統光明、推して参る。」

攻撃の際は『二回攻撃』『生命力吸収』等有効に使い攻撃。
回避も『迷彩』『残像』等惜しみ無く使い少しでもダメージを抑える。

蓄積ダメージが8割を越えたら撤退



 小豆色のヘルメットを隠すよう目深にフードを被った四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)が、閑散とした土産物屋の前を通る。
(…ままならんな、生まれが違えば人の友に…)
 綴の胸中を占めるのは、街を荒らす仔竜の事。だが、アックス&ウィザーズに存在する竜種は全てオブリビオン。―倒さなければならない、敵。
 遣る瀬無い思いを胸に、己がやらなければならない事を言葉へと乗せる。
「ともあれお仕事開始だッ!悪戯っこの始末は大人がつけるものと決まっているッ!」
 その隣には、迷彩で姿を溶け込ませた龍統・光明(千変万化の超越者・f02421)の姿も在った。
 光明にとって、竜は馴染み深い種族であり、己の根底である。今では刀のヤドリガミであるが、その名残であろう。其の姿には竜であった頃の名残が見て取れた。
 土産物屋を巡る事、数分。視界の端に、小さく羽ばたく黒い翼が映った。

 現れた仔竜は4体。此方を敵と認識したのだろう。威嚇の声を挙げる。
「来たれマイボディッ!蒸騎構築ッ!」
 綴がユーベルコードを発現させると漆黒の外装がその身を覆う。胸部には、―煙室ドアを模したのだろうかー金色に印字されたプレートが。肘部分から伸びた2本の安全弁から白き煙が廃熱された。
 その変身に驚いたのか、仔竜の1体が氷の礫が混じったブレスを吐き出した。綴が眼前に腕を交差させ、その身にオーラを纏う。装甲に礫が辺り、鈍い音が響く。
 ブレスが収まるとふらついた仔竜の姿。
 その隙を見逃さず。すかさず光明が一歩、前に踏み出す。
「総餓流当主・龍統光明、推して参る」
 刀に手を掛け、仔竜の前へと肉迫する。
「存分に咲き誇れ、総餓流禁術【蓮華】」
 刹那、目にも留まらぬ速さで刀を一閃し、納刀する。更にもう一閃。鞘が軽快な音を立てると同時、光明が瞬時に後退する。
 元居た位置へと戻ると、ずるりと仔竜の首が地へと落ちた。…悲鳴は、響かなかった。
 残りの個体は、何が起こったのか分からないようで、倒れた同胞が居た場所を見つめる。
 ブレスを耐えきった綴が仔竜の前に立ちふさがり、その両手で2体の仔竜を鷲掴む。
 そのまま地へと叩き伏せ、仔竜の頭に向け、勢いよく拳を振り下ろした。-それはさながら、拳骨のようで。
「人の物をッ!壊したらいけませんッ!」
 お説教が仔竜の耳に届いていたかは分からないけれど…。
 
 後には何も残らず。
 只、静かさだけがその場を支配していた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ジョー・グラム
悪戯ってのは笑って許せるまでが限度だぜ。

まずは仔竜の出てきそうなポイントを近所の人に聞いて、そこを見張れるポイントに身を隠す。
ガジェットを使って身を隠したり仔竜を捕まえたり、蟹型とか面白そうだな。


現れたら一匹ずつ攻撃を集中して倒す。
熱線銃をメインに使う。
「さぁて、お仕置きの時間だぜ」



 温泉宿の、その一つ。ジョー・グラム(サイボーグのブラスターガンナー・f02723)が宿の従業員に仔竜がよく現れるポイントは無いかと問いかける。
『そうですね…。この周辺に宿が固まっているので、其処の看板がよく悪戯されるって言うのは聞いた事がありますね』
 宿の人間へ礼を告げ、ジョーは教えられた温泉街へと足を運ぶ。
 なるほど、確かに其処は宿が幾つも連なっており、人が居れば大層賑わっているだろう。…今は人払いをして貰っている為、響くのは温泉が流れる音のみ。
 ―つまり、とても静かだった。
「…お」
 身を隠せる場所は無いかと散策していた所、丁度いい広さの隙間があった為、其処に身を滑らす。
 煙を燻らせようとして、今は身を潜めている最中だと思い、手を再びポケットの中へ。

『きゅい?』
 可愛らしい鳴き声を挙げ、数体の仔竜が普段と違った街の様子に首を傾げる。
 幸い、此方の様子には気が付いていない様子。ジョーが熱線銃を構えると引き金を絞る。熱線がそれぞれ、仔竜の頭部、腹部へと風穴を開ける。
『ぎゃう!』
 仔竜が地に伏せたところで、残りの仔竜が一斉にジョーの方を向く。そのうちの1体が、物陰から姿を現すと同時。爪を振り上げ迫ってくる。
 ジョーは特に慌てる様子もなく、―蟹を模したのだろうか。巨大な鋏型のガジェットで難なく爪を受け止める。
「さぁて、お仕置きの時間だぜ」
 仔竜の爪を振り払い、そのままガジェットで仔竜を掴み、鋏に力を籠める。小さな体はいとも簡単に二つへと裂けた。

 この場に、もう仔竜はいないようだった。
 ポケットから葉巻を取り出し、火を付ける。硫黄の香りも悪くは無い。
「俺にはこっちの方が合ってんな…」
 慣れ親しんだ煙を吐き出し、ジョーがぽつりと呟いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真宮・響
仔竜達は本能の赴くままに行動しているだけなんだろうけど、悪戯が過ぎるようだね。人の生活圏がこれ以上荒らされる前に、なんとかしようか。

奏(f03210)に仔竜達の攻撃を受けるのを任せ、瞬(f06558)の術の詠唱が終わるまで、アタシは少しでも敵の数を減らして置くよ。【忍び足】と【目立たない】と【忍び足】で敵の視線からはずれながら、【2回攻撃】【範囲攻撃】を併用しながら、竜牙を使うよ。


真宮・奏
むむ、人に多大な迷惑をかけるとは、たとえ仔竜でも許しませんです!!今は生活圏に悪戯するだけですが、酷い状況に発展する可能性があるなら何とかしませんと。

私は主に防御役を務めます。トリニティエンハンスで防御力を高め、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】で爪の一撃を受け止めます。【拠点防御】も併用してブレスと自然現象にも対応したいですね。。余裕があれば、【属性攻撃】【2回攻撃】で攻撃にも参加しますね。


神城・瞬
まあ、好奇心の赴くままに行動しているだけなんでしょうけど、悪戯もエスカレートすると大事になります。人が害される前に何とかしませんと。

響母さん(f00434)と奏(f03210)が敵の攻撃を引き付けてくれている間に氷晶の矢を【高速詠唱】。【全力魔法】で矢を放ちます。数が多いようですので、【二回攻撃】と【範囲攻撃】も併用しますね。



 普段は人の出入りが多いであろう温泉街の入り口を真宮・奏(絢爛の星・f03210)と神城・瞬(清光の月・f06558)が並んで歩いていた。
 周囲を警戒しながらも、奏が何処か憤った表情を見せる。
「むむ、人に多大な迷惑をかけるとは、たとえ仔竜でも許しませんです!!」
 そんな彼女を落ち着かせるように、瞬が奏の肩を軽く叩く。
「まあ、好奇心の赴くままに行動しているだけなんでしょうけど、悪戯もエスカレートすると大事になります」
 そんな2人に同意するように、少し後ろを歩いていた真宮・響(赫灼の炎・f00434)が歩を早め、奏と瞬…、大切な娘と、大切な義理の息子へと向き合う。
「仔竜達は本能の赴くままに行動しているだけなんだろうね。…人の生活圏がこれ以上荒らされる前に、なんとかしようか」
 気が付けば3人は街の中心部の広場まで歩いていたよう。響が目線を向けた先。
 滾々と湧き出る温泉を利用した噴水。濛々と湯気が舞う其の噴水で遊ぶ仔竜達の姿が見て取れた。幸い、仔竜は此方の姿には気付いてない様子。
「さあ、始めようか」

 そう告げたのは誰だったか。まず、前に出たのは響。
 温泉噴水が飛沫を上げると同時。気配と足音を最大限に殺し、ゆっくりと確実に仔竜へと近付いていく。
 赤に輝く光剣を横に薙ぐ瞬間、仔竜も襲い掛かる物に気付いたのか。
 ふわりとその場を離れようと飛翔する。しかし、咄嗟の事で回避は間に合わず、響の竜牙が仔竜の足を斬りつけた。
 痛みに反応してか、回避する仔竜の動きが僅かに鈍る。それを見逃す響ではなく、更に上へ向け光剣を薙ぐと、柔らかな仔竜の腹から赤い水が滴り落ちた。
 しかしてそれは、致命傷とはならず。傷付いた仲間の姿に同様したのか、仔竜が響に向け吹雪のブレスを吐き出した。
「瞬兄さん、後はお願いします。私は母さんを…!」
 奏が瞬へ言葉を掛けると、母である響の前へと躍り出る。自然の力を身に纏い、自身を護る糧とする。
 奏が眼前に盾を突き出し、自然の護りの上に自身のオーラを重ね、更なる護りの力を得る。
 仔竜のブレスが盾に弾かれ、拡散する。
 そんな奏を邪魔者と認識したか。傷を負っていた仔竜が小さな腕を振りかぶり、鋭い爪で奏を斬りつけようとするが、其れよりも先。響の光剣が仔竜の首を貫いていた。
 仲間を倒された事に激昂したか。他の仔竜たちとは少し離れた位置にいた、最後の1体が、低いうなり声をあげていた。

 大事な妹である奏に怪我が無かった事に安堵しながら、瞬の唇はすさまじい速さで精霊術の詠唱を唱えていた。彼を中心に、ひんやりとした冷気が集い、鋭い矢へと変じていく。ありったけの魔力を矢に乗せ、瞬が間宮母娘に合図を送る。
「響母さん、奏!準備が、整いました!」
 刹那、凄まじい冷風が響と奏を襲う。最後の仔竜が、全力を持って眼前の敵を排除せんと氷の竜巻を生み出さんとしていた。
「瞬!やれ!」
「瞬兄さん!」
 2人がその場を離脱すると同時、仔竜と瞬の魔法が炸裂する。
 轟々と唸りを上げ近付く竜巻が襲い掛からんと猛威を振るうも、瞬の放った精霊術ーさながら、氷の雨だろうか。
 残りの仔竜を貫く方が先だった。
 弱弱しい声を発し、仔竜だった物が地へと伏せた。
 先ほどまで広場に吹き荒れていた暴風は、何事もなく消え去っていた。
「やりましたね、瞬兄さん」
「お疲れ様。さすが私の息子だ。…頼りにしていたよ」
 響と奏の心からの言葉に、瞬の心が温かくなる。
 例え、血が繋がらずとも。彼女たちは、本当の親子なのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ヴォルフガング・ディーツェ
【SPD】

人は人、竜には竜の生きる世界がある。踏み越えたなら、言葉が通じないのなら、血で血を洗うしかないね

これが「自分の意志」ならまだ救いはあるだろうけど、はてさて、ね

先ずはいたずらっこ達の探索から
ブラックドッグを召喚して二人で見る方向を変えつつ探していくよ
さあ、わんこ。お散歩の時間だよ。ごほうびは竜の肉と膓かな、ふふ

上手く遮蔽物も使いながら囲まれないよう立ち位置には気を付けるよ

戦闘では鞭と爪による「傷口を抉る」で相手の注意を逸らしつつ、苦手としそうな「属性攻撃」…雷か土かな、を叩き込んでダメージを重ねていくよ

わんこにも離れ過ぎない範囲で手近な対象を噛み砕いたり、爪で切り裂いたりして貰おう



 橋の上から温泉が流れる様を、ヴォルフガング・ディーツェ(咎狼・f09192)がぼんやりと眺めていた。
 今まで様々な世界を渡り歩いたけれど、こうして温泉街をのんびり眺めるのは初めての事かもしれない。…ただ忘れているだけなのかもしれないけれど。
(人は人、竜には竜の生きる世界がある)
 そう独り言ちながら、傍らに己の相棒である黒犬を召喚し、背へと跨る。
「さあ、わんこ。お散歩の時間だよ。ごほうびは竜の肉と膓かな、ふふ」
 彼方は仔竜。移動の理は此方にあると踏んで。ヴォルフガングと黒犬は街へと駆けた。

 思いの外、仔竜はすぐに見つかった。街から少し離れた、飲食店が並ぶ区画に仔竜は居た。
 硝子を割らんとするその直線。黒犬が仔竜の真横へと肉迫し、低い唸り声を挙げ、爪を揮った。
 僅かに怯んだ仔竜へ、ヴォルフガングが黒の鞭を振るう。黒犬が抉った翼への打撃は、思った以上に仔竜へダメージを与えたよう。
 もう1体の仔竜が、背後から爪で斬りつけようとするが、爪型へと変形させたガジェットで難なく受け止め、振り払う。
 ガジェットに地の力を籠め、仔竜へとヴォルフガングの爪が振り下ろされた。
 その横では、黒犬が怪我を負った仔竜を鋭い牙で噛み砕いていた。
 人にも、獣にも。生きるもの全てに、越えてはならない境界は存在する。
「踏み越えたなら、言葉が通じないのなら、血で血を洗うしかないね」
 ぽつりと零れた言葉は、誰に聞かれることなく音となって空へ消えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リダン・ムグルエギ
【異形の花畑】
温泉、いいわねー
入るのもいいし、楽しいデザインの場所も多いし
何より、お友達がどんな風にお風呂に入るか…興味が尽きないわ

アタシはミシンオブゴート等アイテムを使い防具を作成
状況から察するにこの龍達のブレスの属性は氷(雪)、熱(温泉)、酸(硫黄)辺りかしら
耐熱性と耐酸性に優れた糸を中心にして作るわ
全員分の…浴衣を!(防具改造・アート)
ブレス対策に袖類は心持ち長めにしておきましょ

えぇ、楽しみなんだもの。なんだか温泉旅行ご一行っぽくなったけれど気にしないわ
事実そうだしね

ナハトさん、明石さん、頑張れー!そこよレティアちゃん!
戦闘中は邪魔にならないよう避け回りつつ戦闘を撮影するわ

アドリブ大歓迎


明石・鷲穂
【異形の花畑】で参加。
竜……まだ幼いのは何かやり辛いな。でも皆で温泉入りたいからな。しょうがないよな。

仲間が支援をしてくれるから、俺はそのまま、安心して前衛について仔竜を迎え打とう。
仔竜の攻撃については『野生の勘』に頼って、攻撃が来たら距離を取り、また攻めるという形を取るつもりだ。

「ごめんなあ。俺、温泉入りたいんだ。」
「一瞬で済ませるからな」
攻撃範囲に入ったら、距離を取られないよう『グラップル』で捕まえつつ、1匹ずつ【灰燼拳】を叩き込んでいこう。


ナハト・ダァト
【異形の花畑】で同行

さテ、温泉前の竜退治ダ。
張り切っていこウ。

[六の叡智・美麗] 今回共感を得られそうな心理はこれかナ
「温泉を楽しみたイ」…おっト、私の願望も混じってしまったヨ

ウチには有能なアーティスト、リダン君がいるかラ皆浴衣で戦意もさらに倍増ダ

[かばう][激痛耐性][武器改造]
私は身体を流動的に変化させられるからネ、前衛で盾役をしながら
広げた体で小竜に対しテ[目つぶし]するヨ

はハ。聖者の光は眩しいだろウ?
こんな外見でモ…とは言ってはいけないヨ


越喜来・湊偲
【異形の花畑】の皆さんと同行します
見た目はちょっと可愛いなって思うんですけど
あの数で悪戯されたら結構厄介っすよね……
温泉の為もあるんですけど、今回は旅団の皆さんと戦うんです
皆にかっこ悪い姿は見せられないっすよ
さぁて、頑張りますよ!

前衛に配置し、味方と連携して敵を追い込んでいきます
悪戯好きって言うし、隠れてたりするのかもしれないから
【野生の勘】も使って見つけだし、敵を味方の居る方に追い込んで一網打尽っすよ!
こいつ等を片付けたとしても、ボスみたいなのが居るんでしょう
ふふん、良い準備運動っす!
攻撃はC・H・Sでバクッと喰らい付いてやります


カイジ・レッドソウル
【異形の花畑】で同行
攻撃ヲ受ケソウナ味方ヲ【かばう】
戦闘もーどノ本機ハ口調ハ冷タクナル
「だめーじ軽微、戦闘続行」
「本機ハ耐性ハ多イ問題ナイ」
「じゃれつく」ノだめーじヲ受ケナガラモ【天獄の雷(コード・ユピテル)】発動、高圧電流デ燃ヤソウ
黒剣、呪剣に二刀流で【生命吸収】デ傷ヲ癒シナガラモ、味方ノだめーじ軽減スル動キヲカンガエルガ、怒ラレルノダロウナ。
「次回ハ穏ヤカニ生キテホシク思ウ」

協力、あどりぶ歓迎



 静かな温泉街に、突如賑やかな声が飛び交う。種族も年齢も、何一つとして共通点がない彼らだが、皆、旅団【異形の花畑】に所属する一員だ。
「竜……まだ幼いのは何かやり辛いな。でも皆で温泉入りたいからな。しょうがないよな」
 討伐対象である仔竜への苦い思いを口にしながらも、明石・鷲穂(門前の山羊・f02320)は温泉への期待が隠し切れない様子だった。…というか、願望が駄々洩れだった。
「見た目はちょっと可愛いなって思うんですけど、あの数で悪戯されたら結構厄介っすよね…」
 鷲穂の言葉に同意する越喜来・湊偲(綿津見の鱗・f01703)だが、彼もまた温泉への魅力に抗えない1人のようだ。
 共に歩く仲間より頭一つ抜きんでた巨体を揺らしながら、カイジ・レッドソウル(プロトタイプ・f03376)も、何処かそわそわとした雰囲気が隠し切れないでいた。
「希望ノ湯ガアレバ、本機ヘドウゾ。ドンナ秘湯モ探シテ見セマショウ」
 そもそも隠すつもりがなかった。
 今回のメンバーの中での紅一点、リダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)。
「温泉、いいわねー。入るのもいいし、楽しいデザインの場所も多いし!」
 -何より、お友達がどんな風にお風呂に入るか…興味が尽きないわ!!
 気の合った、何もかもが違う仲間。同じ事などきっと何もない。新しい発見があるに違いない。リダンの好奇心は最高潮にまで高められていた。
「さテ、温泉前の竜退治ダ。張り切っていこウ」
 ナハト・ダァト(聖泥・f01760)も勿論、温泉を楽しみにしている1人である。
 しかし、彼にとって共に過ごす仲間が隣にいるという事実の方が、何よりも素敵で楽しい出来事であった。
 仔竜を探し、5人が街を練り歩く。しかし、仔竜の姿はなかなか見当たらない。
 表通りが駄目ならば、裏通りを。宿の従業員の出入り口や、土産物屋の裏口など、様々な場所を探し、ついに彼らは仔竜を見つけた。…温泉と外界を隔てる垣根の傍に。

 垣根を壊さんとする仔竜たちを前に、各々が戦闘態勢を…。
「ちょっと待って」
 取ろうとする前にリダンから制止の声がかかる。
「せっかくの温泉街だもの。折角だから、浴衣で戦闘しちゃいましょ」
 ―終わったらすぐに温泉に行けるようにね!
 そんな副音声が聞こえた気がするが誰もかもが気のせいだと割り切った。
 やや離れた位置で、リダンが凄まじい勢いで浴衣を縫い上げていく。デザイナーの彼女にとって、仲間の身体に合わせた浴衣を縫い上げるなど朝飯前だった。
 その間に、ナハトが六ノ叡智・美麗にて仲間が思い描くー温泉を楽しみたいーという気持ちを一つに紡ぎ、それぞれの力としていた。
 鷲穂と湊偲は次々と出来上がる浴衣に目を輝かせていた。唯一、カイジだけが仔竜の動向に目を向けていたが、彼方が気付く様子は特に見られなかった。

 仔竜を見つけてから、小半刻。人数分の浴衣が出来上がり、リダンに着方を教わり身に纏う。
 ちなみに、この浴衣。耐熱性と耐酸性を備えている。
 己の役目は終わったと言わんばかりに、リダンがカメラを構え、撮影の態勢に入る。
 準備は整った。後は目の前に立ちふさがる敵を倒すのみである。

 垣根に爪を立てていた仔竜の一が、此方に気が付くと、周りに集っていた仔竜も一斉に此方に振り向いた。
 遊びを邪魔されると思ったのか、半数の仔竜が、熱の籠ったブレスを吐き出した。
 仲間の前に、カイジが立ち塞がり、放たれたブレスをその身で受け止めた。いくら複数の耐性を持つとは言え、複数のブレスを耐えきるまではいかなかったよう。
「だめーじ軽微、戦闘続行。本機ハ耐性ハ多イ問題ナイ」
「ありがとっす!ただ、無理はしないで欲しいっす」
 湊偲がカイジへ礼を告げ、鷲穂と共に仔竜の群れへと向かっていく。
「ごめんなあ。俺、温泉入りたいんだ。」
 やや憂いを含んだ声で鷲穂が仔竜へ言葉を紡ぎ、仔竜の頭を鷲掴みにし、そのまま、逆手で全力の灰燼拳を放つ。凄まじい轟音が周囲に響き、僅かに地が揺れ、鷲穂の拳を受けた仔竜はピクリとも動かなくなった。…その背後に別の仔竜が迫り、鷲穂の背に爪を振り下ろさんとする。
「そぉら、喰らい付け!」
 刹那、湊偲が自身の手を鮫の頭部へと変化させ、迫っていた仔竜へと鋭い牙を突き立てた。反しが付いている鮫の歯は、仔竜がもがく程に柔らかな腹へと食い込み、やがて、その身を真っ二つに食いちぎった。
「きゃー!明石さん、越喜来さんすごーい!」
 
 ブレスが途切れると、仔竜の身体がふらついた。ブレスの使用は寿命を削る。その反動が来たのだろうか。それを好機と取ってか、ナハトが仔竜の目の前へと迫り、ローブを翻す。
 同時に、神聖な白き光が仔竜を襲う。強烈な光を目にした仔竜の視界は、白で埋め尽くされ、よもやその竜眼は意味を成していない。
 カイジが黒剣と呪剣に天獄の雷を通す。其れは身を焦がす炎熱の剣と成りて、仔竜の生命力を奪いながらも、一刀両断…、断ち切った。
「ナハトさん素敵ー!カイジさん、痺れるぅー!」
 はたはたと、眺めに誂えた浴衣の袖が翻る。
 リダンの黄色い声援が響く中、仔竜は全て地へと伏せていたのだった。
 ―旅団【異形の花畑】の完全勝利である。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『ヒューレイオン』

POW   :    ディープフォレスト・アベンジャー
【蹄の一撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【自在に伸びる角を突き立てて引き裂く攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    チャイルド・オブ・エコーズ
【木霊を返す半透明の妖精】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
WIZ   :    サモン・グリーントループ
レベル×1体の、【葉っぱ】に1と刻印された戦闘用【植物人間】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ミレイユ・ダーエです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●寄り添い、共に歩むもの
 街で悪さをしていた黒き仔竜は全て討伐され、このまま街はいつも通りの日常を送る筈だった。
 ―街の中心部。温泉噴水のある広場に、黒い幻獣が現れるまでは。
 幻獣は、怒りの籠った瞳で猟兵たちを睨む。全身から沸き立つ怒りのせいか、その体は何処か震えているようだった。

『――――――――――――!!!』
 突如、幻獣が天を仰ぎ、高い声で嘶いた。
 それは、仔竜を悼んでのものだったのか…。
 同じ、黒を纏った異形の物。もしかしたら、幻獣にとって、仔竜は守るべき、慈しむべき存在だったのかもしれない。幻獣の孤独を癒す、唯一の存在だったのかもしれない。
 ―それが正解なのかどうなのか。その答えを知る由もないのだけれど…。
 彼らの事情がどうであれ、今眼前に迫るのは人に害を為そうとする獣。ならば、武で語り合うほかないのであろう。
真宮・響
「竜を狩る者達」で旅団仲間と共闘するよ。

ああ、こいつもアタシと奏(f03210)と瞬(f06558)のように仔竜とは親子のような関係だったかもね・・・でも禍になるなら、倒さねばね。

今回は旅団長の光明も一緒だ。どうやらアタシと光明の戦法は良く似てるようなので、併せるように動こうか。【忍び足】【目立たない】で徹底的に敵の目標から外れながら、光明と二人で敵を挟むようにして【先制攻撃】で竜牙を叩き込む。敵の攻撃に対しては近接なら【武器受け】して【カウンター】を試みるよ。


真宮・奏
「竜を狩る者達」で旅団仲間と共闘。

この幻獣にとって仔竜達は子供のようなものだったのでしょうね。響母さんと瞬兄さんのように。せめて、仔竜達の元へ送って差し上げますね。

今回は旅団長の光明さんも一緒です。同じ接近戦を挑む響母さんと共に安全に敵に接近出来るように、防御役を務めますね。トリニティエンハンスで防御力を強化した上で【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】で敵の攻撃を【かばう】で引き受けますね。場合によっては【拠点防御】も併用します。2人の攻撃の邪魔はさせませんよ!!


神城・瞬
「竜を狩る者達」で旅団仲間と共闘。

子供のように慈しむ存在を殺された悲しみ、良く分ります。せめてその怒りを全力で受け止めましょう。気高き者に最大の敬意を込めて。

今回は響母さんと旅団長の光明さんの2人の接近戦メインがいますし、何より防御役の奏の負担が大きいので、【高速詠唱】で【全力魔法】、後ろから氷晶の矢を撃って3人を援護します。【二回攻撃】も使って追撃の矢を撃ちたいですね。


龍統・光明
・同じ旅団の皆とチーム【竜を狩る者達】を結成し参戦

・『迷彩』等を使い他の皆と挟み込む様に展開
攻撃は『迷彩』『見切り』『残像』等を駆使して回避

・攻撃は『2回攻撃』『生命力吸収』『一斉射撃』等を駆使しタイミングを合わせて放つ

・どんな理由があろうと「邪魔するヤツは喰い散らかすよ」



 黒き幻獣―ヒューレイオンが、再び高く嘶く。其の声に呼応してか、彼の獣の足元に木枯らしが吹き荒れる。
 風が収まると額に『1』と刻印された、顔が枯葉で出来た植物人間が現れる。
 悲しみが籠った音を聞き、真宮・響(赫灼の炎・f00434)は、そっと胸を痛めた。
「ああ、こいつもアタシと奏と瞬のように仔竜とは親子のような関係だったかもね…」
 柔らかな笑みを称え、大切な宝物である真宮・奏(絢爛の星・f03210)と神城・瞬(清光の月・f06558)へと視線へ向けた。
「この幻獣にとって仔竜達は子供のようなものだったのでしょうね。響母さんと瞬兄さんのように…」
 目を伏せ、奏が何処か泣きそうな表情をヒューレイオンへと向けた。
「子供のように慈しむ存在を殺された悲しみ、良く分かります。せめてその怒りを全力で受け止めましょう。気高き者に最大の敬意を込めて…」
 奏の傍らに、そっと瞬が寄り添う。嘗ては瞬も遺された者だった。だからこそ、分かる痛みがある。
 そんな親子3人の姿を、何処か懐かしむ様に龍統・光明(千変万化の超越者・f02421)は見つめていた。其れは何処か羨望にも似て。
「でも禍になるなら、倒さねばね」
 響の声で光明は我に返る。そう、目の前にいるのは、哀しい、倒すべき生き物。
「せめて、仔竜達の元へ送って差し上げますね」
 奏が精霊の力を宿した剣を構える。
 …孤独な獣に、終焉を。

 小さな植物人間が身に宿る数字を増やそうと身を寄せ集まろうと動く。当然、此方の妨害を予想してだろうか。半数の植物人間たちが猟兵の邪魔をすべく立ち向かってくる。
 風の魔力を身に纏い、己を護る糧とした奏が植物人間の前に立ちはだかる。
「ここは、私が守ってみせます」
 植物人間の木の葉が鋭い波状の刃と変じ、奏を襲う。身に纏った風と、同じ属性の剣を持ちて、迫る植物人間の刃を弾く。
 奏が盾となり、注意を引き付けているその隙に。
 響が気配を消し、足音を殺し。光明が其の身を周囲に溶け込ませ、ヒューレイオンとの距離を縮める。
 合体しようとしていた植物人間は、瞬の素早い詠唱で放った全力の氷晶の矢にてその身を縫い留められ、塵となり消えていった。
 植物人間を討ち取った氷晶の矢は、奏を襲っている植物人間へと矛先を向ける。
「さて、これを見切れますか?」
 瞬が六花の杖を振るうと、氷の矢は意志を持ったかのように植物人間を追い貫いた。
「ありがとう、瞬兄さん」
 その身に幾らかの傷を負いながらも、奏は瞬へと柔らかな笑みを浮かべた。

 植物人間が全て塵となって消えた頃。
 音もなくヒューレイオンへと迫っていた内の1人。響が背後から、朱く輝く槍を突き出す。
「この一撃は竜の牙の如く!!喰らいな!!」
 鋭い突きは、しかし既の所で身を躱したヒューレイオンの背を、共生する枝を浅く切り裂くに留まる。
『―――グゥ、ル!!』
 低い唸り声を上げ、敵意の籠った瞳を響へと向ける。その背後から、声が響いた。
「残念だが、俺を忘れてもらっては困る」
 響と相対する形で光明がヒューレイオンに肉迫する。一歩踏み出し、抜刀。其の斬撃は胴を薙ぎ、返す刃で下段から掬うように逞しい大腿を切り裂いた。
 大地に牡丹のような大輪の血の華が咲く。ヒューレイオンの体躯が僅かによろめいた。
 さらに追撃せんと響と光明が一歩踏み出すが、ヒューレイオンが蹄を掲げた事でその動きを止めた。警戒すべきは、蹄ではなく其の頭部に生える青金の大角。
 痛みに息を荒げながらも、ヒューレイオンの瞳は尚、敵意を失わず。寧ろ、燃え上がってるようにさえ見えた。
「響母さん、光明さん!」
 瞬の手にて、簡単な応急処置を受けた奏が2人の元へと駆け寄る。
 更なる増援に、此処は分が悪いと悟ったか。蹄を鳴らし、ヒューレイオンは一歩後退すると、その身を翻し山の方へと跳躍する。
 
…一旦は退ける事が出来たのだろうか。
 しかし、黒い獣は未だ健在。怒りに呑まれた獣は、もう自身の身など顧みないだろう。そんな予感が4人の胸を走った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ナハト・ダァト
【異形の花畑】で同行

[バウンドボディ][武器改造]デ身体の一部を変化させた触腕を皆に配置しておこウ 形のイメージは手のひらサイズの私ダ

[世界知識][情報収集]で精度を上げた[三ノ叡智・理知]で敵の攻撃や次にとる行動を触腕を通じて伝達するヨ

敵のUCには次の実証を行うヨ
POW
初撃を外せばいイ、引き付けて躱す。鉄則だネ

SPD
逆に捉えれば感覚は敏感な状態…私の持つ聖者の光を使った目くらましや、耳元での爆音が苦手のはずだヨ

WIZ
簡単サ、一つ一つの戦力は小さい
合体前に蹴散らしてしまえば問題ないヨ

実証完了。目覚めたまエ、大賢者

仔竜を悼む気持ちは分かるヨ
でもネ、人間にも彼らにもこれからはルールが必要なのサ


ショコラ・リング
【異形の花畑】で同行

人々を傷付けるオブリビオンである以上、ボクは人々の守護者として貴方と戦います!

仲間と連携して相手に攻撃を仕掛け気を引きながら街の外へと誘導するようにしますね
力を示せばボク達が仔竜を倒した者達だと気付くでしょうし
その際も流れ弾等で逃げ遅れた人々、周囲の建造物に危害が加わらない様にと、射線を確保するためにルートや位置取りに絶えず注意して動くのです

戦闘中は後衛から援護射撃として相手の呼び出す植物人間を狙撃していきますです
合体されると厄介なことになりそうですからね
召喚されている植物人間が居ない場合は本体を狙っていきますね
相手が激しく動く場合は自分の第六感を信じて狙撃していきますです


ムー・リンラン
【異形の花畑】で同行。

仲間がいなくなってしまって寂しいのかい…?なんとなく分かるよ。自分も同族とは会うことはめったにないから、その寂しさは自分も知っている。だから少しでも君の助けになりたい、【仲間】になろうよ。

召喚するのは敵を覆い囲むカワセミ達。敵の姿が見えるようになるころには自分の【仲間】、マンゴーになってるよ。蹄も角もない、マンゴーにね。一時的な妨害にはなるはず。
【仲間】といいつつも竜たちに被害を出させてる以
上、敵だから猟兵として倒しはするよ。和解できれば一番だけどね。

妨害が失敗もしくは完了したら援護射撃へ。幽体捕えの紋があるから空気の塊を投げつけたりはできる。
アドリブはご自由にー


リダン・ムグルエギ
【異形の花畑】
黒を纏った異形のモノ…(仲間を見て)お知り合い?
冗談よ、作戦開始と行きましょ

まずは誘い出しね
どうせチャイルドオブエコーズで追跡してくるでしょ?
仲間と素直に逃げてヴィーさんの潜みやすく周囲に迷惑の掛からない町の外への誘導を図るわ
街中で破壊行為を敵が働いてくるならその場で迎撃する他ないけどね

アタシは戦闘は参加せずに撮影を継続しつつ応援するわ
だって、「デザインは既に終わってる」の

アタシは仲間に渡した浴衣の模様に仕込んでいた暗示で
相手の五感、特に視覚の遠近感を操って、相手の蹄の一撃やエコーズの五感を狂わせて攻撃のミスを誘発するわ

これなら、ナハトさんの左手の発動を補佐できるしね

アドリブ歓迎


ヴィサラ・ヴァイン
【異形の花畑】で同行
少しかわいそうだなって思いますけど……人に危害を加える『怪物』は『英雄』に討伐されるものです。……私達の見た目じゃどちらが『怪物』なのか分からないですけど……
異形の花畑の人達が幻獣さんの目を引いてる間に、目立たないよう【ハデスの隠れ兜】で透明化し近付き、【野生の勘】で皮の1番薄い場所を探ります
そこを【隠された恐怖】で噛み付かせ、出血毒・神経毒を流し込みます
(目立たない9、マヒ攻撃1、毒使い5、暗殺1、野生の勘1使用)

ごめんね。仲間になってあげられなくて。……でも温泉の為だから仕方なかったのです!


カイジ・レッドソウル
異形の花畑ノめんばート行動
「目標視認、誘導位置スタンバイ」
ショコラ案二ヨル誘導作戦了解
【サイコキネシス】デ誘導地迄の横道ヲ塞ゴウ

目標地点ト同時二【黒風鎧装】ヲ使用
呪剣、黒剣ヲ構エ近接戦闘ヲ行ウ
めんばートノ連携シテイキタイ
「戦闘開始」

【串刺し】【生命吸収】【2回攻撃】カラノ【怪力】デ【なぎ払い】ヲ狙ウ

仲間ノ援護ハ【サイコキネシス】ノ援護攻撃ト【武器受け】【かばう】ダ
「今のウチ二攻撃ダ」

あどりぶ歓迎


越喜来・湊偲
【異形の花畑】で参加
かっこいい奴が出てきましたね!でもすごく強そうっす
でも俺達も負けないっすよ!
敵を攻撃したり声を掛けて気を引かせ、町の外まで誘導
誘導は味方と協力して行い、周囲の安全を確保しますよ

蹄による攻撃に警戒、【野生の勘】を使って動きを予感して避けます
その後に角が来るので受けないように、しっかり回避しますよ
味方が狙われそうな時は横から攻撃して妨害を図ります
もし攻撃を躱せたなら隙を見て反撃
【ドラゴニック・エンド】で攻撃します!
植物人間を召喚した時は【鎧砕き】で攻撃を通り易くして援護
かっこよく決めちゃってくださいね!



蹄を打ち鳴らし、手負いの獣が地へと降り立つ。零れる吐息は白く、荒い。 
 ―このままではいけない。まずは傷を癒さねば…。
 住処である山に戻らんと、足取り重くヒューレイオンは歩を進める。
 嘗て、己と同じ黒き竜がいた。今は、誰もいない音の消えてしまった、山へと。
 そんな獣の背を見つめる瞳が、ひとつ、ふたつ…、合計ななつ。
 揃いの浴衣を身に纏った、旅団【異形の花畑】のメンバーたち。
 傷だらけの姿を写し、その姿見がグリモア猟兵の告げていたものと同様であると思い出す。
 この幻獣が、仔竜を従えていた存在なのだと。その場に集う彼らは確信する。
 そう。共に在る為に、生きる為に、きっと種族や見た目など関係ないのだ。幻獣と仔竜がそうであったように。
 …この旅団に集った者たちが、そうであるように。

 ぼんやりとした瞳をヒューレイオンへと向けるリダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)が、小首を傾けつつ仲間に問うた。
「黒を纏った異形のモノ…お知り合い?」
 何処からか、小さく苦笑する声が挙がる。其れを聞いたリダンが軽く肩を竦める。
「冗談よ、作戦開始と行きましょ」
 そう零すと、翡翠色の瞳をヒューレイオンへと固定する。一挙一動に注意し、相手の心の隙を探るように。
「仔竜を悼む気持ちは分かるヨ。でもネ、人間にも彼らにもこれからはルールが必要なのサ」
 何処か感情の読めぬ声で、ナハト・ダァト(聖泥・f01760)が告げる。喪うのは勿論悲しい。それが、親しき者であれば、尚の事。
 しかし、生き物にはそれぞれ不可侵の領域がある。今回、其れを踏み荒らしたのが仔竜だった。…ただ、それだけの事。
「少しかわいそうだなって思いますけど……人に危害を加える『怪物』は『英雄』に討伐されるものです」
 ナハトの言葉にヴィサラ・ヴァイン(人見知りなゴルゴン少女・f00702)は、あちこちに視線を彷徨わせながらも同意する。
 斯様な見た目の自分たちが、果たして英雄になれるのか。…無意識のうちに、そんな言葉が零れてしまったけれど。
「仲間がいなくなってしまって寂しいのかい…?なんとなく分かるよ。自分も同族とは会うことはめったにないから、その寂しさは自分も知っている」
 そっと目を伏せ、ムー・リンラン(放浪マンゴー・f06630)は、両手を胸にあてた。心の奥底に沸く寂しさを隠すように。
 ―会いたい、…会いたい。
 どんなに強く願っても、己が出会った同族は数えるにも少なくて。
 だからこそ。その寂しさを、空虚さをムーは誰よりも理解出来た。
 けれど。世界はそんなに、優しくない。害ある者は滅される。今も、昔も。その仕組みだけはずっと変わらない。
「人々を傷付けるオブリビオンである以上、ボクは人々の守護者として貴方と戦います!」
 決意を言葉に秘め、ショコラ・リング(キマイラのアーチャー・f00670)は強く宣言する。
 オブリビオンは倒すべき存在。倒さねば、護れない。自身の故郷を護った時のように。
 どのような事情があったとしても、ショコラの決意は決して鈍る事は無い。
 初めて見る幻獣の姿に、越喜来・湊偲(綿津見の鱗・f01703)の気分は高揚する。
「かっこいい奴が出てきましたね!でもすごく強そうっす!でも俺達も負けないっすよ!」
 負けられない理由がある。それがどんな理由であれ、その身を奮い立たせるには十分だった。
 生きる意味を模索するカイジ・レッドソウル(プロトタイプ・f03376)に、ヒューレイオンの心情は今一つ理解する事が出来ない。
 だから、カイジは自身に出来る事を。それが、今の彼に出来る最善だと、信じて。
「目標視認、誘導位置スタンバイ」
 だって。この場にいる皆の心は、ひとつだから。
 ―温泉を楽しみたい。
 たった、それだけ。

 中心から離れたといっても、普段は賑わう街の一角。 
 建物を壊されては敵わないと、リダンが街の外への誘導を提案し、満場一致で可決された。
 ショコラが鈍色に輝く弓を構え、弦を絞る。矢を必要としないこの弓は、一連の動作を行うのみで矢を射たという現象を起こす事が出来る。
 ヒューレイオン本体は狙わず、その足元へ。視認出来ぬ矢が、地に衝撃を与える。
 此方の姿を目に留めるヒューレイオンの瞳が怒りに燃える。
 低い嘶きを喉から響かせ、敵を、猟兵たちを殲滅せんと向かってくる。此方が一に対し、彼方は七。ヒューレイオンとて、勝てる見込みがないのは分かっている。
 ―けれど、悲しいのだ。どうしようもなく。この胸を、寂しさが焦がすのだ。
 気が付くと、門を越え、場は荒野へ。人の姿もなく、壊される物の心配もない。
 思う存分、戦う事が出来る。
 カイジが、黒剣を地に突き立てると黒い旋風がその身を覆い、自身の糧とする。灯っていた感情を全て消し去って、淡々と、事務的に。
「戦闘開始」

 それが、戦いの合図となった。同時にリダンが輪から離れ、カメラを構える。撮影は続行する構えのよう。
 何故なら、彼女の戦いは仲間に浴衣を渡した時から始まっていた。…手製の浴衣に仕込んだ暗示は相手の視覚を狂わせる。
 ヒューレイオンが白く透き通った妖精を傍らに呼び出す。先は、奇襲にて手傷を負った。ならば、先に感知すればいい。
 先に予想していたのか、ナハトがローブを翻し、白く神聖な光をヒューレイオンへと解き放つ。暗示にて視覚に異常をきたしていた瞳に、その光はあまりにも強烈で。
 ぐらりと頭が揺さぶられたのか。ヒューレイオンの足元がふらつく。
 その隙をついてカイジと湊偲が前線へ。カイジの黒剣が、湊偲の槍が。彼の獣を貫かんと、風を切り、迫る。が、僅かな音を頼りに、上空へ跳躍し、致命傷を避ける。
 代わりに、腹へ二筋の切り傷を残した。その後ろから、ショコラが本体を射抜かんと弦を放つ。首に、背に、数本の不可視の矢が突き刺さる。
 大地に鮮血が散る。黒き体躯が、血に濡れて光沢を増した。
 ムーが召喚したカワセミが、ヒューレイオンの姿を覆うよう集うも、身体を捩り、角で散らしていった。
「駄目かー、残念」
 ヒューレイオンが小さな植物人間を無数召喚する。先の戦いのように、半数は撹乱を、半数は戦力を強化せんと、その身を合わせる。
 わらわらと寄ってくる植物人間を、ショコラの弓が的確に射抜いていく。
「合体は阻止しなくてはいけませんね」
 ひとつ、またひとつと植物人間の姿が塵へと帰っていく。ムーも光り輝く紋様の力を借りて、空気の塊を握り、植物人間へと投げつけ、妨害する。
 次々と召喚される植物人間の絡繰りをナハトが見破る。
「簡単サ、一つ一つの戦力は小さい。合体前に蹴散らしてしまえば問題ないヨ」
 ―実証完了。目覚めたまエ、大賢者。
 鈍い光がヒューレイオンへ吸い込まれたかと思うと、植物人間の増殖が止まった。

 合体していた植物人間の数字が『3』から『4』へと変わる頃。其の身は倍以上に膨れ上がり、人と同じ大きさにまで成長していた。
 湊偲の槍が、植物人間を護る力を打ち砕く。
「カイジさん、トドメをお願いするっす!」
 次いで、カイジの黒剣が植物人間の胸に深々と突き刺さり、溢れる生命力を己の力へと変換する。
「ナカナカ手強イ相手ダッタ」
 こうして、植物人間が次々に討伐されていく中。
 身を隠し、機会を伺っていたヴィサラの頭部に蠢く蛇がヒューレイオンの柔らかな喉元へ噛みつき、毒を流す。
「ごめんね。仲間になってあげられなくて。……でも温泉の為だから仕方なかったのです!」
 やはり、視線は合わせぬまま、ヴィサラが申し訳なさそうに告げた。彼女が流した毒は神経毒。
 ぐらりとヒューレイオンの身が倒れそうになるが、高く蹄を打ち鳴らし、なんとか持ち直す。
 火事場の馬鹿力とでも言うのだろうか。最後の力を振り絞るかのように、ヒューレイオンが異形の花畑の面々へと迫り、高く蹄を掲げる。
 各々が、角の攻撃を警戒する中、毒が回りきってないのか、ヒューレイオンが踵を返し、街の中へと逃げ込む。
 しかし、その場にいる誰もが思う事は一緒だった。
 ―あれは、もう永くない。

 張りつめていた空気が弾ける。ひとまずは、皆が無事である事を喜ぶ【異形の花畑】の面々であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

四軒屋・綴
…歪なれども親心、か。

ならば俺達は曲がりなりにも世界の守護者ッ!後は拳で語るのみッ!

【ダッシュ】で駆け込み接近戦を仕掛けるッ!【オーラ防御】で反撃の初撃を受けて二撃目を【怪力】と【グラップリング】で受け止めるッ!そのままブースターを吹かして相手と相撲ッ!【吹き飛ばし】てやるぞッ!

「譲れないものは…俺たちにもあるッ!」


ジョー・グラム
急に出てきて騒がしい奴だね、全く。

おいおい、勝手にブチ切れてんのは結構だが、それならその小さいのの面倒くらい見ておけよ。
保育園じゃねぇぞここは。

煽って攻撃を町の方から遠ざけつつ、戦闘を行う。
熱線銃を使いながら、相手が接近してきたり、他の奴が防御に間に合わないようならクイックドロゥで素早く攻撃する。

なるべく攻撃は回避したいが、喰らったらできる限り立ち上がる。
「へっへっへ、朝飯しっかり喰ったからな。コレくらいはヘでもねぇぜ」

まったく、葉巻くらいゆっくり吸わせて欲しいねぇ。


ヴォルフガング・ディーツェ
【SPD】

海の青にも染まれず、空の青にも染まれずと呼んだ詩人がいたらしいね
キミは黒だけれども…本当は分かっていたろう?
染まれやしないと、仲間になれやしないと

相手の動作をつぶさに観察
可視し辛い精霊や植物人間を呼び出した事が分かれば、猟兵達を巻き込まないように立ち位置に留意しながら【人狼咆哮】でまとめて撃破

幻獣に対しては爪型に変異させたガジェットで【傷口を抉る】、その後【属性攻撃】を連ねて仕留めに掛かる

焦らず、牽制を混ぜながら相手の隙を伺い捉えたなら速やかに踏み込むよ

温もりに焦がれる気持ちも分かるさ
一時でも慰めになるのもね

でも、そう思うなら止めなくてはならなかったんだ
悲劇の立役者はオレ達と、キミ




 それは偶然か、はたまた必然か。
 土産物屋が立ち並ぶ区画から歩いてきた四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)と、宿の区画から仔竜の残りはいないかと葉巻の煙を吐きながらジョー・グラム(サイボーグのブラスターガンナー・f02723)が源泉の湧き出る湯畑へ辿り着く。
 其処には、ぼんやりと湯が流れる様子を眺めるヴォルフガング・ディーツェ(咎狼・f09192)の姿も在った。
 出会った3人は、それぞれ目を瞬かせる。同時に悟る。
 ―きっと、彼らも目的は同じなのだ、と。
 各々が、それぞれ軽く自己紹介を交わした後、ふわりと鉄錆の香りが硫黄の匂いに紛れる。これは、そう、血の匂いだ。
 人狼だからこそだろうか。その匂いに最初に気が付いたのは、ヴォルフガング。ぼんやりとした表情は一辺、目線は鋭く、得物を狙う物へと変わる。
 音に例えるならば、そう。まるで、着地に失敗するような…。
「…なんだ?」
 ジョーが愛用の熱線銃を構える。
 元々は美しい獣であったのだろう。黒い体躯は血に染まり、また首からは止めどなく赤い液体が流れ続けていた。
 一同が、その様子に目を見張る。次いで、ヒューレイオンが猟兵の姿をその瞳に映す。ごぽり、と喉元から多量の血を吐き出し、そして。
『―ッ!』
 この身朽ちるならば、せめて。せめて、あの仔を殺した誰かを。…そんな決意に満ちていた。其の視線を受け、綴は拳を構える。
「…歪なれども親心、か。ならば俺達は曲がりなりにも世界の守護者ッ!後は拳で語るのみッ!」
 熱線銃を構えたまま、ジョーは紫煙を吐き出す。
「急に出てきて騒がしい奴だね、全く」
 そういうと同時、葉巻を地に落とし、磨り潰す。また、感情の乗らぬ瞳でヴォルフガングが、何処か哀れむようにヒューレイオンを見やる。
「海の青にも染まれず、空の青にも染まれずと詠んだ詩人がいたらしいね。キミは黒だけれども…本当は分かっていたろう?」
 黒は、黒以外には染まれないのだと。

 ヒューレイオンが咆哮をあげる。最後の力を振り絞るように、強く、強く。蹄を高く振り下ろし、角を突き立てんと迫る。
 綴がダッシュで肉迫し、振り下ろされる蹄を受け止める。ぴし、と小さく機関車型のユニットが軋む。しかし、彼は怯まない。何故なら、彼はヒーロー。
「譲れないものは…俺たちにもあるッ!」
 ユニットから蒸気が吹き荒れる。勢いに任せ、綴がヒューレイオンを押し戻す。
 ぐらりとバランスを崩した獣を、ジョーの熱線銃の銃口が捕らえる。引き金を絞り、狙うは胸元。
「勝手にブチ切れてんのは結構だが、それなら小さいのの面倒くらい見ておけよ」
 熱線が放たれるも、僅かにヒューレイオンの反応が早かった。身を捻り、身体をずらす。心臓を狙ったはずの光線は、脇腹を貫くに留まる。
 なりふり構わず、手近な者を引きずり倒そうとヒューレイオンが近くにいたヴォルフガングへ迫る。
 しかし、ヴォルフガングに焦りの表情は無く。鋭い爪を持つガジェットに雷を纏わせ、脇腹を、喉元を抉る。
「温もりに焦がれる気持ちも分かるさ、一時でも慰めになるのもね」
 だからこそ。そう思うならば、幻獣は諌めなければならなかった。害あるものは、いつか倒されてしまうのだと。
 重い音を響かせ、ついにヒューレイオンが地へ伏せる。ぶすぶすと黒い煙を立ち上らせ、ついに動かなくなった。

 綴が、勝利のポーズを決め、ジョーは新しい葉巻に火を付け煙を燻らせる。そっとヴォルフガングが目を伏せる。
(悲劇の立役者はオレ達と、キミだ)
 其れは、何処か黙祷を捧げるようにも見えた。

 護った者たちと、護れなかった者。
 双方の戦いに終止符が打たれた。街は平穏を取り戻し、変わらぬ日々が動き始める。
 猟兵たちは、この日常を護りきったのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『天然・雪見・露天風呂』

POW   :    心ゆくまで温泉に浸かる

SPD   :    せっかくなので他者とスキンシップをしてみる

WIZ   :    美しい景色を眺めつつのんびり

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●哀愁、時々休息
 かくして、温泉街での脅威は去った。…何処かほろ苦い気持ちを残しながら。
 結局、彼らの関係は何だったのか。今となっては答えを知る事は出来ないのだけれど…。
 しかし、それが何であれ。きっと、いずれはこうなる運命だった。
 だって、猟兵とオブリビオンは、決して相容れない存在なのだから…。

 街のあちこちから、賑やかな喧騒が聞こえる。其れは、不安や恐怖ではなく、期待と希望の声。
 今は勝利の余韻に浸り、この街を護れた事を誇りに思おう。
 街の人の好意で、無料で温泉を解放してくれるよう。
 戦いに特化している猟兵とて、休息は必要である。
 さあ、街に繰り出し思い思いの時間を過ごそうではないか。
ジョー・グラム
やれやれ、良く働いたっと。
そんじゃちぃっとのんびりさせてもらうかね。

風呂よりシャワー派なんだが、足湯ってのは少し試してみるとするか。
男の裸眺めてるより、街中見てる方がいくらかマシだろ。
「っと、お前さんも案内ゴクローさん」
蒼を捕まえて温泉饅頭と温泉卵を押し付ける。

「あー……いい天気だねぇ」
雲と流れる煙を見上げてだらだらと過ごす。
「もう少し休んだら、美人でも探しに行くか」



 静かだった街は、以前と変わらぬ賑やかさを取り戻していた。
 四方から、様々な声が飛び交う様子を見ながら、ジョー・グラム(サイボーグのブラスターガンナー・f02723)は己が取り戻した平和な情景を眺め、街を歩いていた。
 そんな前方、湯棚をぼんやりと眺める蒼を見つけると、先程店の人間に勧められて購入した土産物をぽすり、と彼女の頭に乗せてやった。
 突然の事に困惑する少女に、一言ねぎらいの言葉を。
「っと、お前さんも案内ゴクローさん」
 後ろ向きに手をひらひらを振りながら、ジョーは街の散策へと戻った。視界の端で、白い頭がぺこりと頭を下げる様子を横目に見ながら。

 其処は気軽に楽しめるスペースの為か、人の数も多かった。
 普段のジョーは、シャワーで身を清めてしまうけれど、たまにはこういうのもいいかと独り言ち、人の輪の中、…足湯のスペースへと向かう。
 足元を寛がせ、人肌よりもやや熱い湯に足を浸ける。じんわりとした温かさが足元から、やがて上半身へと染み渡る。
「あー……いい天気だねぇ」
 空は快晴。響く声に、恐怖や不安は感じられない。
「もう少し休んだら、美人でも探しに行くか」
 程よく身体も温まった。足湯から上がると、ジョーはこの後の予定を組み始めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真宮・響
少し歯車が違ってれば、仔竜やあの黒い獣とも・・・まあ、終わった事にいつまでも拘ってる訳にはいかないね。折角の厚意だ。奏(f03210)と親子水入らずで温泉を存分に楽しむよ。

そういえばこの一か月、戦い続きでゆっくり奏と語り合う時間も取れなかった。奏の頑張りを褒めて、身体を張りがちな奏を労わるよ。盾として踏ん張ってくれたからね。今くらいは、ゆっくりしようか。


真宮・奏
あの仔竜と黒き獣ももしかして、助けられる可能性はあったかも。いや、そう信じたいですね。けっして相容れないなんて、悲しすぎます。

まあ、今はそんな事も頭の隅っこに置いて置いて。久し振りに響母さんと温泉でゆっくりできます。今まで一か月戦ってばかりでしたからね。ここで一息つくのもいいですよね。響母さんの誉め言葉に照れながら、母さんが攻撃を担ってくれるから安心して護りに専念できるんですよ、と返す。親子水入らず、とことん温泉を満喫しますよ。



 温泉地と銘打つだけあって、温泉の種類も豊富なこの街で、真宮・響(赫灼の炎・f00434)と真宮・奏(絢爛の星・f03210)の母娘が選んだ温泉は、こじんまりとした、しかし何処か風情ある旅館の温泉だった。
 旅館の扉を潜れば、其処にはまばらに人の姿が見られた。事前に話は通っているのか、受付で声を掛ければ、旅館の人間が笑顔を浮かべ簡単に温泉の場所を案内してくれた。
 
 硫酸塩泉に分類される湯は、怪我にも良いと旅館の人間が二人に告げていた。
 わずかに湯煙が視界を覆う中、木の温もりが感じられる浴槽が目に見えた。色は透明、何処か甘い薫りがする湯の中へ響と奏はゆっくりと浸かった。
(少し歯車が違ってれば、仔竜やあの黒い獣とも…)
(あの仔竜と黒き獣ももしかして、助けられる可能性はあったかも…)
 母娘だからこそ、だろうか。僅かに頭をよぎったのは、先の戦闘で相手取った仔竜と獣の事。
 しかし、ふわりと漂う温泉の薫りが二人の意識を浮上させる。
 そう、今はこの休息の時間を楽しもうと。その為に、今此処にいる事を思い出す。
「奏、お疲れ様。いつも前線でアタシらを護ってくれてありがとう」
 響が柔らかな声で、娘である奏へと告げる。後ろを護ってくれる奏が居るから、アタシは安心して後ろを気にせずに戦う事が出来る、と。
 母の心からの労りの言葉に、奏の頬に赤みがさす。
「い、いえ。私こそ母さんが攻撃を担ってくれるから安心して護りに専念できるんですよ」
 面と向かって褒められるのは何処となく照れ臭いのか。やや早口で奏が響へ告げる。
 その言葉に、カラカラと響が笑う。
―思えば、戦いに明け暮れた一か月であった。母娘二人、…いや、家族三人で様々な世界を渡り歩き、戦い、救ってきた。
 今この場にいないもう一人の家族も何処かで湯を満喫しているのだろうか。
「気持ちいいですねえ…」
 ぐっ、と奏が伸びをするとその動きに合わせて、温泉の湯に波紋が広がる。
「こういうのんびりな時間は久しぶりだね」
 息を吐き、肩の力を抜きながら響が力の抜けた笑みを浮かべる。
 それから。
 話題は尽きることなく、心行くまで温泉を楽しんだのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神城・瞬
かつて故郷と両親を弔った僕にとって黒い獣と仔竜はかつての僕と重なるものがありました。せめて、彼らの生き様を胸に刻み、温泉を提供してくれる好意に甘えましょう。

僕は仔竜と黒き獣の生き様を目に焼き付ける為に足湯に浸かります。朝焼けに照らされる雪。これらを彼らは駆け回ったのでしょうか。忘れません。彼らが確かに生きていたこととその足跡を。



 戦いに廻った場所を辿りながら、神城・瞬(清光の月・f06558)は一人街を散策していた。
 仔竜と幻獣の姿は、何処か過去になくしたもの思い出させた。亡くした痛みを抱える瞬だからこそ、分かる痛みがあった。
 …ならば、己に出来る事はきっと。
 そう考えながら街を散策していると、街の一角から立ち上る白い湯気に気が付く。
 足湯のスペースとして開放している其処には、雑談しながら足を湯に浸ける人間の姿が多数見て取れた。
 ちょうど、其処は幻獣と戦った場所の近くで。想いを馳せるには丁度いい場所でもあった。

 脱いだ靴を傍らへと置き、そっと湯に足を付ける。ややぬるめの湯は、じんわりと身体を温めてくれた。
 陽に照らされた雪が、キラキラと光を反射する。
 もしかしたら、仔竜はこの山を駆けまわったのかもしれない。その後を、幻獣が追ったのかもしれない。
(…忘れません。彼らが確かに生きていたこととその足跡を)
 湯に浸けた足はそのままに、瞬はそっと目を閉じる。
 願わくば、次の生があるのならば。今度こそ、共に在れる世界を、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

四軒屋・綴
アドリブ改変絡み歓迎

……俺達は猟兵で、彼らはオブリビオンだった、それ以外になにかを求めるの は些か傲慢というものだろう……

ところで温泉卵をつまみにお酒を飲めると聞いたんだがッ!しかも温泉を堪能しながらッ!

これはもう日頃の疲れを落とすしかないなッ!丁寧に体を洗ってから湯に使って存分に楽しむぞッ!ヒーローマスクの体がなにかなんてそんなことは気にしないッ!

『あぁー……これは……』
『良いな……』



 幾つかの旅館は、温泉内での飲食を禁止しているが、中には湯につかりながら酒を楽しむ事が出来る旅館も在った。
 四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)が選んだのは、その中の一つだった。宿の人間に希望を伝えると、頃合いを見て持ってきてくれると言う。
 その言葉に、何処か胸をときめかせながら綴が温泉へと続く戸を潜る。瞬間、硫黄の薫りが鼻を抜ける。硫黄泉に分類される湯は、何処か白く濁っているようにも見えた。温泉へと浸かるマナーとして、綴は丁寧にその身を清めた。

 露天風呂がお勧めですよ、という受付の人間の言葉を思い出し、大浴場から外へと続く扉を抜けると、なるほど、其処には壮大な自然が広がっていた。
 タイミングを見計らったかのように、宿の人間が盆にのせた酒と、源泉を利用したという温泉卵が一つ、小鉢に入って提供された。
 温泉の淵に、盆を置き、まずは湯を楽しむ。何処かとろりとした湯は、宿主の身体に、そして綴の本体であるマスクに染み渡るようであった。
 そっと、盆へ手を伸ばし、酒を僅かに口に含む。ほんの少し冷たい其れは、温まった体によく沁みた。
「あぁー…これは…」
 次いで、温泉卵を口へと運ぶ。柔らかい白身はやや甘く、するりと喉を通る。濃厚な黄身は、味が濃く、やや辛めの酒との相性は抜群であった。
「良いな…」
 くいっと酒を呷ると、身体の芯まで温まってくるよう。しばし、癒しの時を綴は堪能したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ガリヤ・アルディージャ
【異形の花畑】アドリブ○
(一人で依頼を受けて戦っていたらしい)

ああ、温かい湯船…一人で温泉…なんて贅沢なのかしら…!
普段は仕事柄、強かであろうと努力しているけれど…
今はそんな仮面も脱ぎ捨てた…ありのままの私…!人の目も気にしなくていい…!

縁に顎を乗せて頭にタオルも載せちゃうわ
あー極楽極楽…疲れ超溶けるー…


…もし知り合いから不意打ちを受けたら?
キャーーーーーえっなに!?なに!?
ふふ…いいい悪戯なんてしちゃだめよ…他のおお客様もいらっしゃるのよ…?
温泉は流れる湯けむりのようにゆったり静かに楽しむもので…ちょどこ連れてくの!イヤーー!恥ずかしいからやめてー!


明石・鷲穂
【異形の花畑】で参加
温泉…やっと温泉だな!
温泉への期待大きく、髪をまとめて服を脱ぎ、直ぐに小走りで温泉へ。

俺は身体でかいからなあ。少しずつ、入らないとお湯が溢れそうだ。
全身浸かるために深めのところまで行き、ぬくぬく。暖かいけどすぐ逆上せるから、すぐ上がるぞ。

……なんだか女性陣賑やかだな。俺らも背中の流し合いでもするか!
背の順で並び背中の流し合い。加減がわからないため恐る恐る。
……背中流すってこうか?痛くないか?

入浴後は、女性陣と合流。
…えー…風呂の後に牛乳飲むと美味いのか?
半信半疑で実践。
あまりの美味しさに以後暫く、自身の中で牛乳ブームに。


ナハト・ダァト
【異形の花畑】で同行
事前に、戦闘後の治癒、手当は済ませておこウ
傷口にお湯が染みてハ、楽しめないからネ

あア、不埒な輩は[バウンドボディ][目潰し]で成敗ダ
場合によっては真の姿ダ(イェーガーズカード参照)
何、怪我はさせないとモ

◆まずは男性陣で温泉を楽しもウ。勿論、男湯だヨ
身長順で背中を流しあおうカ。
…届かないカイジ君ハ、皆で流すか私ガバウンドボディで触手を伸ばして洗ってあげればいいだろウ

◆入浴後は団員で集まって楽しむヨ
マッサージ機があれバ使おウ
頭や体を使うかラ、こういうのは有難いヨ
あ、そうそう。その辺り流れが凝っていてネ。
最後に脱水を起こした者がいないか確認するヨ
本業を忘れないのが医者だからネ


ショコラ・リング
【異形の花畑】で同行
皆様との温泉、とても良い思い出になりそうです

温泉は男湯の皆様とお背中を流しっこしますね
(皆様の大きなお背中を見て、いつか自分もこんな風に大きく頼り甲斐のある姿になりたいなと思いつつ)

身体を洗い終わったら露天風呂で雪景色を見ながらのんびり浸かるのです
こういう景色は観た事ないので、新鮮なのととっても綺麗でいいなぁと思いますです
他の方々の温泉の入り方もちょっと気になったりです

温泉から出たら凍らないように尻尾と髪とお耳をしっかりと乾かしてから皆様と合流し、お土産を見て買い食いなどしてみたり、食べ物を交換こしても良いかもしれません
踏青さんには牛乳の飲み方を教えて貰ったりでございますね


華頂・踏青
【異形の花畑】で同行
フフフ、温泉と聞いて先に行ってた皆と合流するよ~!
この為にバスグッズとか持ってきたもんね!
どんなグッズ持ってきた~?とか聞いてみたり、
背中の流しあいっこしたりしたりとか…!
「なんか修学旅行みたいで楽し~!!」
照れちゃって逃げ出しちゃいそうな子は…
あたしが捕まえます(ガオーポーズ)
あれ…あの灰色モフモフ…見覚えが…!

わいわい楽しんだ後は湯船にのんびり浸かって、
今回の武勇伝を聞かせてもらったりしたいな!
ほんでポカポカになって男子組と合流したら持ってきた牛乳瓶を配るよ!重かったよ!
UDCアースではお風呂後に腰に手を当てて、
これをぐい~っと飲むのが乙なんだってさ~!
アドリブ可です!


ヴィサラ・ヴァイン
【異形の花畑】で同行
温泉……! 背中の流し合いっこ……! お友達ができる……!
……こほん、落ち着きましょう。冷静にナハト先生に、体に傷が無いか診てもらいます。温泉に私の血が染み出したら危ないので……
その後は温泉を目一杯楽しみます! 背中の流し合いっこなのです! 逃がしませんよ!
温泉から出た後はみんなで牛乳ぷは〜……お土産も見て回らないと……! やりたい事多過ぎです……!
……そうだ、さっきの戦いで頑張ってくれた蛇さんにも、美味しいもの食べさせてあげないと
……お疲れ様。ありがとうね
※異形の花畑が人外仲間で親近感もあり自分をさらけ出せる為、リラックスしてる
温泉に入る時は帽子も外して蛇髪を晒してる


オクタ・ゴート
【異形の花畑】で同行
旅団の皆様が湯治にいらしゃると聞いてやってきましたが……温泉は初めてですね。ナノマシンのお陰で油が浮く事はないでしょうし、楽しませて頂きましょう。

温泉では被った頭蓋骨を外し、ゆっくりと湯浴みをしましょう。お背中を流しあうという事で、私も参加させて頂けると嬉しいですねーーー首から上がない事に驚かれないのでしたら、ですが。

温泉から上がったら牛乳を飲んでいる皆様と合流し、土産物を物色しましょうか。特に珍しい飴が見つかれば、買って皆様にもお配りできればと思います。

【SPD判定・アドリブ歓迎】


リダン・ムグルエギ
【異形の花畑】
さ、のーんびりお風呂を堪能しましょ

あ、ガリヤさんにかちょーさん
これは連行しないと、ね!(左右から挟み込んで)

えー、背中の流しあいっこなんてやーよ面倒臭い
アタシはヴィーさんみたいに若くなーいーのー
迫りくるヴィーさんからの凶行?をさっき連行した生贄一号(ガリヤさん)と盾壱号(華頂さん)らを盾に逃げ回るわ
な!?裏切り者ー!?

ふぅ、熱い戦いだったわ…のぼせそう
宇宙山羊の尾は魚の尾
普通に浸かりつつのんびり揺らして温泉を堪能するわ
あ、他の人がどんな風に浸かるか興味があるしその光景も眺めるわ

上がったら当然、コーヒー牛乳でしょ
プハー
あ、ナハトさんらもやっほー
どんな風に浸かってたか教えてくれない?


越喜来・湊偲
【異形の花畑】と一緒に参加します
待ちに待った温泉タイムっすね!
戦いで汗もかいたし、汚れちまったからさっぱりしますよっ

温泉は癒されますねぇ……
俺としては水がやっぱりある方が落ち着くっていうか、なんというか
ずーっと入っていたくなるんすよね
おっ、背中流しっこですか?任せてください!
痒い所とかあればどんどん言ってくださいっす
……そういえばブラックタールはどうするんですかね
とりあえず洗ってみましょう

ひとしきり楽しんだら、女湯へ行った皆さんと合流
一仕事終えた風呂は格別でしたね
風呂上がりの牛乳は最高ですよ?一杯いかがですか?
また皆と出掛けられたらいいなって思います
ただ戦うだけじゃ、つまらないですからね


カイジ・レッドソウル
【異形の花畑】ノめんばート行動ダ

男女二別レル様ヲぼんやり見ナガラ足湯二浸カッテ居ルト、ナハト医師ラニ引っ張らレル形デ男湯二
顔ヲ剥ガサナイノカ聞カレタラ
「部品ガ濡レルカラ」
機械故、気持チ良イトカハ分カラナイガ、ミンナ楽シソウダ
ぼんやりシテルト、イツノ間ニカ背中流サレテタリト、コレが心地ガ良イノダロウ
全員ト合流シタラ、油ヲ飲ミナガラノンビリ話ヲスルノハ楽シソウダ
「飲ムカ?」
油差し出ス(人間でも飲める油)
「冗談ダ、人間ニハ牛乳トカノ方ガ良イノダロウ」
ト牛乳ヲ進メぼんやり眺メナガラ楽シモウ



 広い大通りを、旅団【異形の花畑】の面々が楽し気に雑談しながら歩く。そう、彼らは温泉の為に先の戦いを駆け抜けた。一仕事終えた後の楽しみはひとしおである。
 大きな風呂が有名であるという温泉宿へ向かう途中、リダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)は見知った二人の顔を見つけ、駆け寄る。
 がばり、と勢いよくガリヤ・アルディージャ(未練の代行者・f05648)の左腕と華頂・踏青(桜花絢爛・f02758)の右腕に抱き着いた。
 目の前の様子など目に入らないかのようにヴィサラ・ヴァイン(人見知りなゴルゴン少女・f00702)の心は踊っていた。頭髪の蛇もウネウネ踊ってしまうくらいには。
 そんな女性陣とは別に、男性陣も皆、何処かふわふわとした様相だった。
 戦闘での怪我や医師であるナハト・ダァト(聖泥・f01760)の手によって全て治癒済みである。
 まだ見ぬ温泉に心を馳せる明石・鷲穂(門前の山羊・f02320)と越喜来・湊偲(綿津見の鱗・f01703)の周囲には何処か花が舞っているような錯覚さえ受ける。
 ニコニコと笑顔のショコラ・リング(キマイラのアーチャー・f00670)の尾も僅かに揺れており、どれほど楽しみにしていたのかが伺える。
 ひっそりと戦闘後、一行から離れ足湯を楽しんでいたカイジ・レッドソウル(プロトタイプ・f03376)も、気が付いたら連行されていた。傍らには、山羊の頭骨を被ったオクタ・ゴート(八本足の黒山羊・f05708)の姿。
 此処に集った誰もが、まだ見ぬ温泉へ心を馳せていた。
 
 有名なだけあり、其の温泉宿はとても広かった。それこそ、【異形の花畑】の面々が全員集っていても、余裕があるくらいに。
 はしゃぎ過ぎないよう、湯あたりしないよう、ナハトが旅団長として念を押してから、それぞれ女湯と男湯へと歩を進めた。
 此処からはその模様をそれぞれお送りします。

―side・女性陣
 当然ながら、脱衣所も広く四人の他にも何名か利用者の姿が見られた。
「どんなグッズ持ってきたー?」
 踏青がウキウキした気分を隠し切れないようで、傍らにいたリダンとヴィサラへと問いかける。ガリヤの姿が見えなかったが、先に温泉の方へと向かったのだろう。
 踏青の問いに、ふわふわと答えながら、ヴィサラの頭の中は別の事でいっぱいだった。
(温泉……! 背中の流し合いっこ……! お友達ができる……!)
 密かに拳を握るヴィサラの姿を、リダンが微笑ましく見守っている事には気付かず。
 三人揃って浴室へと足を踏み入れる。むわりと熱気が押し寄せる。石造りの大浴場は、暗い印象を受けそうであるが、其処は光源と、窓から差し込む陽の光が床を反射し、逆に明るい雰囲気に彩られていた。

 まずは、洗い場にて身を清めようと、三人が並んで座る。何処か、修学旅行を連想されるその様相に、踏青が背中の流しあいっこを提案する。
 その提案にリダンが僅かに顔を歪める。
「えー、背中の流しあいっこなんてやーよ面倒臭い」
 夢にまで見た光景。自身の願いが叶いそうな場面。普段の気弱さは何処へやら、鬼気迫った顔で、ヴィサラがリダンへと迫る。
「背中の流し合いっこなのです! 逃がしませんよ!」
「アタシはヴィーさんみたいに若くなーいーのー」
 踏青を盾にし、逃げようとするも、両手をわきわきさせた彼女に逆に捕獲されてしまう。
「逃げちゃう悪い子はあたしが捕まえます!」
「な!?裏切り者ー!?」
 結局、背中の流しあいっこは実施され、キラキラとした表情のヴィサラと、けらけら笑う踏青。何処となく疲れた表情のリダンの姿が其処に在った。

 先に大浴場へと足を踏み入れ、早々に身を清めたガリヤは、露天風呂へと向かい、のんびりと湯の中に。
(ああ、温かい湯船…一人で温泉…なんて贅沢なのかしら…!)
 温泉の淵に顎を乗せ、タオルを頭に乗せているその姿は、完全にリラックスモード全開であった。
「あー極楽極楽…疲れ超溶けるー…」
 普段の強かな面は何処へやら。そんな物は今は脱ぎ捨て、ありのままの自分を曝け出す。何故なら!そんなガリヤを知る人間は此処にはいない。何も気にしないでいいのだから。
 が、そんな平穏は背後から忍び寄る影によって打ち砕かれてしまうのだけれど。
「灰色モフモフ…、発見!」
 がばりと背後から踏青がガリヤへと抱き着く。
「キャーーーーーえっなに!?なに!?」
 慌てて背後を振り返ると、其処には見知った仲間の姿。
「ふふ…いいい悪戯なんてしちゃだめよ…他のおお客様もいらっしゃるのよ…?」
 ―温泉は流れる湯けむりのようにゆったり静かに楽しむもの、え、あの、ちょっと、何処さわって…。
 踏青が湯に濡れてしっとりとしたモフモフを堪能する様子を、リダンが何処か面白げに観察する。その視線には、先ほどの流しっこの現場にいなかった恨みが込められているようだった。
 賑やかな様子に、笑みを深めながら普段は隠している蛇の頭髪と湯を楽しむヴィサラの表情は晴れやかだ。念願適った、自分を曝け出せる仲間との温泉。笑みが浮かばないほうがどうかしている。
「イヤーー!恥ずかしいからやめてー!」
「あははははは!」
 そんなガリヤの絶叫と踏青の笑い声が、空へと吸い込まれていった。

―side・男性陣
 垣根を越えて、賑やかな女性陣の声が響いてくる。
「…なんだか女性陣賑やかだな。俺らも背中の流し合いでもするか!」
 女性陣と違って、男性陣のさっぱりした様子である。賑やかさに負けぬよう鷲穂がそう提案する。
「おっ、背中流しっこですか?任せてください!」
 その提案に湊偲が賛同し、ナハトが続き。
 背の高い順番にという提案の元、湊偲、鷲穂、オクタ、ナハト、ショコラの順に並ぶ。…カイジは背が高い為、後で皆で流しあいをしようと言う結論へと纏まった。
「…背中流すってこうか?痛くないか?」
 恐る恐る湊偲へと鷲穂が問いかける。その声に、全然痛くないっす!と返答が有り、安心する。
 オクタが山羊の頭骨を外すと其処には何も存在しなかった。しかし、其れに驚く者は誰もいない。ナハトがブラックスライムの身体を崩さぬよう優しく丁寧に流していく。
 各々が恐る恐る流し合いを行う中、己の倍の身長を持つ面々を見て、ショコラは小さな願望を抱く。
(いつか自分もこんな風に大きく頼り甲斐のある姿になりたい)
 頼れる仲間の背中はとても大きく、広い。いつか、自分も同じように。決意新たに、ショコラはナハトの背中を流すのだった。
 四人が背中を流し終えると、カイジを囲んで背中を流す。三m近い彼の背中を流すには、やや身長が足りず。届かない部分は、ナハトがバウンドボディで触手を伸ばし補った。
 やや遅れて、カイジがその事実に気が付く。機械の身に、洗われている感覚はあまり感じないが、何処か心の奥が温かい。
(…コレが心地ガ良イノダロウ)

 全員で、露天風呂へと身を沈める。
 海洋生物を見に宿している湊偲には、やはり温泉も相性がいいのだろう。暖かい湯に身も心も癒される。隣にはカイジの姿。
「その顔、剥がさないっすか?」
 疑問を思わずぶつけてみる。
「部品ガ濡レルカラ」
 確かに、ウォーマシンの彼にとって、部品が濡れる事は死活問題であろう。
 湯が大量に零れてしまわないよう鷲穂は恐る恐る湯へと身を沈める。やや深めの場所にて、その身を全て浸からせる。
 しばらく温まったのち、ざばりとその身を湯から上げた。あまり浸かっていると逆上せてしまうとの懸念からだった。
 山羊の頭骨を外したまま、オクタも湯へとその身を滑らせる。その横にはナハトの姿。二人とも、温泉の温もりを楽しんでいる様子だった。
 そんな様子を、景色を楽しみながらショコラが眺める。初めて見る景色、そして、仲間のリラックスした姿。それはとても新鮮で。
 賑やかな向こう側とは違って、とてものんびりと、ゆったりとした空間がそこには広がっていた。

 そして温泉を楽しんだ一行は、宿の入り口で再び合流する。
 とても艶々表情の者、何処かぐったりとした者と、様子は様々だったけれど。
 そんな面々へ、踏青が持っていた牛乳瓶を配る。曰く。
「UDCアースではお風呂後に腰に手を当てて、これをぐい~っと飲むのが乙なんだってさ~!」
 その言葉に、鷲穂は半信半疑な様子。ショコラもその言葉を聞き、実践の構え。
「…うまい」
 風呂上がりの牛乳がこんなにおいしいとは思わなかったのか、しばらく鷲穂の中で牛乳のブームが巻き起こったそう。
 コーヒー牛乳を一気に呷ったリダンが大きく息を吐き出す。
「ぷはー!上がったら当然、コーヒー牛乳でしょ!」
 そんなリダンの目に、オクタと談笑するナハトの姿が目に映る。好奇心の塊である彼女は、男性陣の入浴事情が気になる様子。
「あ、ナハトさんらもやっほー。どんな風に浸かってたか教えてくれない?」
 彼女からの申し出に、何処か苦笑いを浮かべつつ、ナハトとオクタは応じるのであった。
 ヴィサラも、牛乳をちびちびと飲みつつ、この光景に心を和ませる。頭の蛇にも少し牛乳を分け与えながら、これからの予定に思いを馳せる。
(…お土産も見て回らないと……! やりたい事多過ぎです……!)
 時間は有限。蛇をいたわりながらも、しっかりと今後の予定を立てるのであった。
 さすがに、カイジは牛乳を飲むわけにはいかないので、持参した油を片手に持っていたけれど。
 その姿を見て湊偲がカイジを見つめる、差し出される油。思わず、ぎょっとする。
「冗談ダ、人間ニハ牛乳トカノ方ガ良イノダロウ」
 まさか、カイジが冗談を告げるとは思わず、湊偲がころころと笑いだす。そんな様子に驚いた他の面々が近づいてくるまで数十秒。その話を聞き、同じように笑いだすまで後―。
 飲み終わった瓶を処理すると、オクタとショコラから土産物を見たいとの声が挙がる。
 あちこちから賛同の声があがり、一行は揃って街へと繰り出す。
 賑やかな、楽しげな声が、街の喧騒へと吸い込まれていった。
 つかの間の休息は、彼らの結束を更に強いものへと結び付けた。
 きっと、彼らの絆はどんなことがあっても壊れないものへと変じた事であろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月22日


挿絵イラスト