転がる物と転がり落ちた者
「皆様、アルダワの地下迷宮から大量のオブリビオンが上の階層へと攻めあがってきます」
ルウ・アイゼルネ(マイペースな仲介役・f11945)は真面目な顔で書類を見つめていた。
「今回のオブリビオンはアルダワ魔法学園の元生徒、オットーフォンです」
オットーフォンははるか昔にガジェッティアとしてこの学園で学んでいた少女だった。
そして彼女の名前は現地で学んでいる生徒や教師の頭の中に色々な意味で刻まれていた。
「彼女は地下迷宮の授業中に使う教科書に必ず出てくる人物です。ただし偉人としてではなく、大量殺人者であり迷宮の被害者として、です」
ある日、地下迷宮の探索中に謎の人形を手に入れた彼女は、その人形に込められていた呪詛に飲まれた。
呪詛によって暴走した彼女は湧き上がる食欲を満たす為に自作の特製ガジェットを駆使し、近くにいた同学生達を美味しい料理に変身させて食べるという凶行に及んだ。
当時の魔法学園は抑えられなくなった私欲によって殺人鬼となった彼女を災魔として討伐した。
そして地下迷宮で出土するアイテムの危険性を伝えるために彼女のことを歴史の教科書や地下迷宮で起きた悲劇の一つとして語り継いでいるという。
そんな彼女がオブリビオンとして甦り、地下迷宮だけでなく魔法学園にある物全てを食らいつくそうと迷宮を昇ってきている。
「彼女が従えているオブリビオンは『エゴコンダラー』と呼ばれています。自分の前にいた物体を自分の体の下に引きずり込むことで対象を圧し潰して平らにしてくるそうです。彼女は潰した物でクレープとか巻き寿司を作る気なんですかね?」
エゴコンダラーが潰す物は生物だけではなく物体も含まれているそうで、迷宮内にある階段や段差は全て圧し潰され綺麗な坂になってしまう。そのため放置していると陸地を走る者たちにとって非常によろしくない迷宮に作り替えられてしまうという。
しかしその行動パターンは転がって体当たりしてくるだけと読みやすく、肝心の体当たりも壁を砕くほどの破壊力は無い上に飛び跳ねたり遠距離攻撃をしてきたりもしないため、間近で接敵しない限りは一方的に倒すことが出来るらしい。
「生徒たちはてっきりエゴコンダラーだけが侵攻していると思い込んでおり、エゴコンダラーが作った坂にガジェットで雪を積もらせて遊ぼーぜー、的な会話をしていました。ですがそうは問屋が卸さない、というお話ですね」
ルウは息を吐くと、読み上げ終わった書類を机の上に置いた。
「というわけで今回は学生達と遭遇する前に侵攻してくるオブリビオンを全て討伐してきていただきます。その後のことは皆様にお任せします。全部片づけた後、生徒達に混ざって楽しんできてはいかがですか?」
平岡祐樹
皆様お疲れ様です、平岡祐樹です。
今回は何もかも圧し潰すオブリビオンと何もかも食べようとするオブリビオンの討伐に向かっていただきます。
問題の少女ですが、説得を試みても目の前にあるもの全てが食材に見え、聞こえるもの全てが調理中の音に聞こえている様子で、一切手を止めようとしなかった……らしいため恐らく無駄足に終わるでしょう。
甦った死者に、永遠の安らぎを。皆様よろしくお願いいたします。
第1章 集団戦
『エゴコンダラー』
|
POW : 展延であれ
【圧し潰されて平たく伸ばされた物や者】を披露した指定の全対象に【コミカルな状況に緊張感を削がれた慢心の】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
SPD : 平滑になれ
【全てを平らにするという自身の存在意義】を籠めた【転がって轢く事】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【形状…厚み】のみを攻撃する。
WIZ : 平坦よあれ
【転がり】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【や障害物を圧し潰して平らにし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(アドリブ/連携可)
「いくら人手不足でもオブリビオンは雇わないと思うわ」
■作戦
フォルセティと連携。エゴコンダラーの動きを止めて氷系のUCで凍結粉砕する
■行動
「不用意に近寄らないのよ、フォルセティ」
エゴコンダラーの転がり攻撃に巻き込まれないように注意を促しつつ
オートフォーカスで敵をロックオン
弟のUCで動きを封じた隙を狙って(全力魔法&範囲攻撃)で【フィンブルの冬】を展開。
氷雪の竜巻にエゴコンダラーを巻き込み、凍結粉砕する
ドレス姿から元の衣装に戻りながら静かに着地。
「残りもさっさと片付けるわよ、フォルセティ」
生徒たちに危害が及ぶ前にオットーフォンを引っ張り出さないと
フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】(アドリブ・共闘可)
「ねーねー、あのオブリビオン、道路工事に使えないかな」
フィオ姉ちゃんと一緒にエゴコンダラーをやっつけちゃうよ
【行動】()内は技能
「大丈夫だよ。もー、すぐ子供扱いするー」
エゴコンダラーが転がってきたら、帽子をふるって(先制攻撃)の
バーラ・スーペルノーバだよ
重力磁場でローラーの動きを止める作戦だよ
「動きが鈍くなった今がチャンスだよね」
(ダッシュ)で接近して(全力魔法)からのイスベル・ウラーノを
叩きつけるよ。
外しても地形破壊でエゴコンダラーがまともに動けないようにするんだ
「あとはまかせたよ、フィオ姉ちゃん」
ドレス姿のフィオ姉ちゃん、カッコいいよね!
「ねーねー、あのオブリビオン、道路工事に使えないかな」
「いくら人手不足でもオブリビオンは雇わないと思うわ」
「だよねー」
フィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)とフォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)がそんな会話を交わす中、エゴコンダラー達は無言でゴロゴロと坂を登ってくる。
その坂の上にあった大小様々な段差や砂利は総じて押し潰されて坂と一体となっていた。
フォルセティは被っていた魔道帽を脱ぐと指の上で回転させた。
「『常闇の淵に彷徨う黄昏よ。其に捧げるは原初の神韻』バーラ・スーペルノーバ!」
銀河を象った魔道帽の頭を被せる部分から大量の漆黒の魔力弾がエゴコンダラーに向けて放たれる。
ゴロゴロと真っ直ぐ転がるだけのエゴコンダラー達は一切避けることが出来ず、魔力弾に込められた重力によってその動きを遅くさせられる。
完全に動きを止められたわけではないが、ここまで遅くなっていればもし足をうっかり巻き込まれてしまったとしてもすぐに抜くことが出来るだろう……その後同じように動けるかどうかは抜きにして。
「動きが鈍くなった今がチャンスだよね」
「不用意に近寄らないのよ、フォルセティ」
「大丈夫だよ。もー、すぐ子供扱いするー」
そう言って口をとがさせたフォルセティは箒を回しながらエゴコンダラーに向かって行った。
「『星霜纏いし冷厳の天王。黄天より招くは無窮の霊氷』イスベル・ウラーノ!」
フォルセティはフィオリナを心配させないためか、安全第一を考えたのか、エゴコンダラー達の手前に箒を叩きつける。
するとその奥にある空白地帯に天空から召喚された氷塊が叩きつけ、坂に大穴が空いた。
地形に沿ってしか進めないエゴコンダラー達はその凹みに従ってノロノロと転がっていく。明らかなタイムロスである。
「あとはまかせたよ、フィオ姉ちゃん」
穴の中にエゴコンダラーの一群が全部入った所でフォルセティが下がり、代わってフィオリナが前に出る。
その姿は先ほどまでの普段の服から、光り輝く白銀のドレスに変わっていた。
氷雪の力を得たフィオリナが深く息を吐くと同時にその体が宙へと浮かび上がる。
『氷の檻に閉じ込めてあげる。氷結へ導け、黄昏の吹雪よ!』
そして左手で撫でられた杖の先端が光り輝き、大きな穴の中のみに照準を絞った氷雪の竜巻が吹き荒れた。
なす術なく巻き込まれたエゴコンダラーは凍結しながら宙を舞い、すぐ近くに飛んでいた同胞の体と接触して粉砕されていく。
硬い物がぶつかり合う音が小さくなったところで竜巻が収まる。すると穴の中は灰色の物体が核となっている大小様々な氷で満杯になっていた。
「ざっとこんな物かしらね」
ドレス姿から元の衣装に戻りながら静かに着地したフィオリナに一人分の拍手が送られる。
その発生源の満面の笑みに内心喜びながらもフィオリナは平静を装い、谷間越しに見える別の進路を行くエゴコンダラーに視線を向けた。
「残りもさっさと片付けるわよ、フォルセティ」
「了解だよ、フィオ姉ちゃん!」
2人はそれぞれのバイクに跨ると反重力エンジンを起動させて次の厄介者達を倒しに飛んだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
真宮・響
【真宮家】で参加
何もかも押し潰す奴と何もかも食い尽くそうとする奴か。どっちも厄介で、危険だね。大怪我どころか命も危ないだろうね。被害が出る前に、対処しないとね。
槍を構えて【ダッシュ】敵の転がってプレスする攻撃を【残像】と【見切り】で回避、回避しきれない場合は【オーラ防御】でダメージを軽減。【二回攻撃】【範囲攻撃】を併せた飛竜閃で蹴散らしていくよ!!さあ、物騒な集団はどきな!!アンタらがいる場所は無いんだよ!!
真宮・奏
【真宮家】で参加
何もかも押し潰して食材にして食べる、ですか?胃袋ブラックホールの私には際限なく湧き上がる食欲という気持ちは分からなくもないですが、道を間違えてしまいましたね。被害が広がる前に、何とかしましょう。
【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】で転がって来る敵を踏ん張って受け止めて流星のタックルでポンポンと吹き飛ばして行きます。このままにしておくと犠牲者が出る故、容赦はしません。骸の海まで飛んで行ってください!!
神城・瞬
【真宮家】で参加
全てを潰そうとする者と全てを食い尽くそうとする者。いずれも放置すれば、多大な犠牲と、被害が出ます。禍が広がる前に倒してしまいたいところ。頑張りましょう。
月読の同胞を発動、同胞に転がって来る敵を押し返して貰いながら、【誘導弾】【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】で攻撃し、【吹き飛ばし】でどんどんふきとばして行きます。僕の方にも転がって来る場合は【オーラ防御】でダメージを軽減しながら【二回攻撃】【属性攻撃】で杖で【吹き飛ばし】して対応。
「何もかも押し潰す奴と何もかも食い尽くそうとする奴か……。どっちも厄介で、危険だね」
真宮・響(赫灼の炎・f00434)は頭を指でトントン叩きながら真宮・奏(絢爛の星・f03210)と神城・瞬(清光の月・f06558)を連れて問題の迷宮内を進んでいた。
「いずれも放置すれば、多大な犠牲と被害が出ます。禍が広がる前に倒してしまいたいところですね」
「ああ、大怪我どころか命も危ないだろうね。被害が出る前に、対処しないとね」
「胃袋ブラックホールの私には際限なく湧き上がる食欲という気持ちは分からなくもないですが、オットーフェンさんは道を間違えてしまいましたね。被害が広がる前に、何とかしましょう」
「確か、変なアイテムを手にした結果狂ってしまった……だったよね。もしオットーフェンがそれを持ってたら絶対奏が触れないようにしな。二次災害待ったなしだ」
「分かりました」
「ちょっと、どういう意味なのそれ」
生真面目な顔をして話し合う親と義兄に奏が頬を膨らませる中、ゴロゴロと何かが転がってくる音がしてきた。
「噂をすれば何とやらかな? うっかり潰されるんじゃないよ?」
「当然!」
「もちろん、『月読の同胞、力を借ります!!』」
瞬の呼び出しに応えて通路を塞ぐように展開された弓兵達が一斉にエゴコンダラーに向けて矢を放つ。
チクチクと突き刺さる矢にエゴコンダラー達の回転方向が変わって後退させられる中、真宮親子が一斉に飛びかかる。
『流星のごとく突撃しますよ!! 喰らえ~!!』
『確実に当てて見せるさ!!』
蒼い闘気を纏った突進で空中に吹き飛ばされたエゴコンダラーに向けて研ぎ澄まされた槍技が次々と炸裂する。
傷をつけられたエゴコンダラーは砕かれることなく一群の一番後ろに墜落していった。
「さあ、物騒な集団はどきな!! アンタらがいる場所は無いんだよ!!」
「このままにしておくと犠牲者が出る故、容赦はしません。骸の海まで飛んで行ってください!!」
しかし後ろに下げられたエゴコンダラーを含め、一群は全く臆することなく進んでくる。瞬の遠距離攻撃により視界を失い、痺れているはずなのだが本当に転がることしか興味がないのだろう。
全然終わりが見えない攻防戦に発展していった戦いの中、撹乱するために走り跳び回っていた真宮親子にもだんだんと疲れが見え始める。
すると一瞬の集中の切れが仇となり、響の足が槍技を耐え切ったエゴコンダラーの体の下に引き摺り込まれた。
「しまった……!」
「母さん!」
その異変に気付いた子供達の攻撃により、問題のエゴコンダラーが即座に吹っ飛ばされる。
しかしすでに響の右足は膝の辺りまで平面と化し、自由な動きは出来なくなっていた。
「大丈夫、母さん!?」
「ごめん、やらかした……」
その様を見た奏の足が思わず止まる中、エゴコンダラー達は勢いを増すことも落とすこともなくマイペースに侵攻を図る。
「奏、母さんを頼む! 逃げるだけの時間は俺が稼ぐ!」
「わ、分かった!」
瞬の叱責に我を取り戻した奏が響が杖代わりにしている槍を持つ右腕の間に入って支えとなる。
大量の矢と魔法弾による援護を受けながら、響は潰れた自分の右足に苦々しい視線を向けつつ、奏の肩を大人しく借りながら瞬の後ろへと引き下がった。
「瞬兄さん、これって治るの!?」
「治らなきゃ学生が『余裕余裕』とか言わないだろう! お前と本気の母さんの脚なら俺がやられるより早く戻ってこれるだろう!」
その言葉の裏の意味を感じ取った奏は問答無用で響の体を持ち上げると迷宮の出口に向けて全力で走り出していった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
シャルボン・フランヴェルジュ
【人形館で参加】
【アドリブ、絡み歓迎】
もし潰されても戻れるように回復UCの準備をしておこう。
取りあえず攻撃は他の人に任せて、魔剣の【属性攻撃】で適当なのを燃やして回復用の灰を作っておいてと…
…今思ったけど、ロードローラー型なせいで、敵が接近してるかどうか音で普通に分かるね。
目視してなくても攻撃をかわせるし、これならわざわざ回復UCの準備をしなくてよかったかもね。
後ろからゴゴゴときてる敵も普通にかわして……あれ、敵はローラーだよね?あんな巨大なフリスビーじゃ…っ!
(ミトン製の円盤オブリビオンの倒壊に巻き込まれる。その後、回復UCで戻りました。)
テフラ・カルデラ
【人形館】で参加
アドリブ・絡み可
なんでも潰してぺらぺらに…このままだとみんな潰されちゃいます…!
こうなればユーベルコード『固化塗料粘液散布』でどうにか足止め…できません!?
つ…潰されちゃ―――むぎゅぅぅ~~~!?
(塗料まみれのままペラペラに潰されたテフラの姿が…その後ミリアのミトンに回収される)
ミリア・プレスティール
【人形館】で参加
ミリアの守護霊の手袋型UDC『ミトン』がUCを使い、エゴコンダラ―を粘土の様に成型する。
転がるエゴコンダラ―の両側を挟むことでろくろの要領で円盤状に広がり、やがて転がることができずに倒れてしまうのだが…
【ミリアの心情】
これ以上被害が出ないようになんとかしないと…お願いミトン!
あ…平らになった敵がこっちに倒れて…!?
【ミトンの心情】
敵の攻撃は単純だ。要は前に出なければいい。横に両手を添えるだけ…あとは勝手に平皿の出来上がりだ。
※変形した敵の下敷きになり『ミトン』に回収される展開でお願いします
凄まじい勢いで横を通り過ぎていった奏達の姿を見てテフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)は思わず顔を青ざめさせていた。
「なんでも潰してぺらぺらに……このままだとみんな潰されちゃいます……! こうなれば、『キマフュ製特殊塗料!浴びると固まるよ!触れても固まるよ!』
テフラはバケツいっぱいに入った塗料を思いっ切りエゴコンダラーに向けてぶちまける。
しかし盛大に塗料を被ったエゴコンダラーは一切止まることなくテフラに向かって転がり続けた。
「足止め……できません!? つ……潰されちゃ―――むぎゅぅぅ~~~!?」
「て、テフラさーん
!!??」
容赦ない返り討ちにあったテフラの姿にミリア・プレスティール(守護霊憑き被虐性少女・f16609)が思わず悲鳴を上げる。その様を見てシャルボン・フランヴェルジュ(契約魔剣(ただしご主人募集中)・f22312)は手で目を覆いながら首を振った。
「もし潰されても戻れるように回復の準備をしておいて良かったよ……。で、どうするんだい? あれだとしばらくは救出できないよ?」
現在進行形でテフラがいると見られる場所にはエゴコンダラーの大群がゴロゴロと通りまくっている。もし全員が過ぎるのを待っていたら先頭の物が学園内に侵入してしまうのは目に見えていた。
「どどど、どうしましょうミトン! これ以上被害が出ないようになんとかしないと……」
勝手にパニックになっているミリアに引っ張られるミトンは素早くスマートフォンにフリック入力をした。
『敵の攻撃は単純だ。要は前に出なければいい。横に両手を添えるだけ……』
「なんかどこかの漫画みたいなこと言ってるけど、勝算はあるんだよね?」
シャルボンの問いかけにミトンはサムズアップで返し、群れに向かって突撃していく。その中、シャルボンは自身の器物に炎を纏わせて近くに自生している植物に着火し始めた。
「な、何をやってるんですか!?」
「ミトン君が頑張ってる間に回復用の灰を作っておこうかな、って。……今思ったけど、ロードローラー型なせいで、敵が接近してるかどうか音で普通に分かるね」
その頃先頭に躍り出たミトンはエゴコンダラーの側面に体を合わせて一気に潰しにかかっていた。
粘土のような材質に変異させられていたエゴコンダラーの両側を挟むことでろくろの要領で円盤状に広がっていく。
そして手を離せば勝手に倒れるはず……だったのだが縦幅は維持しても横幅は真っ平になったエゴコンダラーは止まることなくミリア達に向けて転がり続ける。
「シャ、シャルボンさん、早く逃げましょう!」
「何言ってるんだ、ゴゴゴときて無いだろう……ってあれ、敵はローラーだよね?あんな巨大なフリスビーじゃ……っ!」
設置面積が少なくなったことにより勢いを増しながら無音に近い状態で転がってきたエゴコンダラーに気付くのが遅れたシャルボンと、それに付き合ってしまったミリアは大急ぎで後退を始める。
そんな2人を追い抜いたエゴコンダラーは自分の側面よりも大きくなってしまった岩につまづき、勢いよく倒れてきた。
「あ……平らになった敵がこっちに倒れて
……!?」
ミリアの悲鳴を最後に、2人の体は平面化したエゴコンダラーの下敷きとなった。
いつまでも倒れないエゴコンダラーの姿に業を煮やしたのか、ミトンは潰し終わったエゴコンダラーの体を掴むと豪快にフリスビーのようにして後ろにいるエゴコンダラーに投げ込んだ。
側面をぶつけられたことにより後ろにいたエゴコンダラーも回りながら平面と化したのだが、転がっている面に当てられたことで今度は縦幅が薄くなったことにより自ら転がることができなくなってその場で倒れ伏した。
ミトンが手当たり次第にエゴコンダラーをひっくり返しては積み上げ、持ち上げては紙飛行機にして投げているとテフラが目を回して潰れているのを見つけた。
自分が撒いた塗料を後に続いたエゴコンダラー達によって全身に塗りたくられた結果、板のように固い体と化したテフラをくるくると回しながら、ミトンは進路を逆に進む。
そしてさっき自分が整形した、動いている面が地面に接しなくなったためもがくことしか出来ないエゴコンダラーを持ち上げてみた。
「ミートーン……!」
そこには恨めしそうな目でミトンを見つめるミリアと仰向けの体勢で潰れているシャルボンの姿があった。
苦戦
🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
第2章 ボス戦
『暴食少女のオットーフォン』
|
POW : みんな美味しいお握りにして食べてあげる!
【握ったものを何でもお握りに変化させる状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : 全て美味しい食材になぁれ!
レベル分の1秒で【ヒッポ君から何でも食材に変身させる魔道弾】を発射できる。
WIZ : それいけヒッポ君!美味しい料理を作るのよ!
【カバ型ガジェットによる捕食攻撃】から【捕食したものを何でも料理に変身させる技】を放ち、【腹部のドアから出来た料理を排出する事】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
「あはは、美味しそうなノリがいーっぱい!」
カバ型ガジェットに乗っていた赤毛の少女はそこらへんの岩を掴むと両手で握り込む。すると見るからに固い岩はほかほかの握り飯へと変化した。
「やっぱりノリにはおにぎりだよねー」
そう言っておもむろにミトンによって潰されたエゴコンダラーのうちの一体を拾い上げ、握り飯に纏わせると自分の顔を巨大化させて一口で飲み込んだ。
「うん、おーいし♪」
その味に満足そうに微笑んだオットーフェンの狙いは視線の先にある猟兵達に移っていた。
真宮・響
【真宮家】で参加
このお嬢さんの目にはアタシ達は食材に見えてるみたいだね。率直に身の危険を感じたよ。本気で行こう。(真の姿解放。黒髪金目になり、赤いオーラを纏う)ああ、足は大丈夫だよ。心配かけたね。
無敵の相棒を隣に呼び出して、理性を失った敵の攻撃目標にならないようにあえてその場から動かず、【オーラ防御】を纏った状態で【槍投げ】【串刺し】【二回攻撃】で攻撃。強化した敵ごとぶっ刺したいね。無敵の相棒にも追撃を頼む。良く食べるのはいいが、限度というものを知るんだね!!暴食が過ぎる子はお仕置きだ!!
真宮・奏
【真宮家】で参加
まあ、胃袋ブラックホールの私には敵の気持ちは分からないでもないですが、人を食材にして食べる悪食はさすがに理解できません。率直に身の危険を感じたので、本気出しましょう。(真の姿解放。黒髪金眼になり青いオーラを纏う)
トリニティエンハンスは攻撃力を高める事を選択。【オーラ防御】【武器受け】【盾受け】【拠点防御】で防御を固め、その場にとどまったままで【属性攻撃】【二回攻撃】【衝撃波】で攻撃。家族をおにぎりにさせる訳にはいかないので、攻撃が家族に当たりそうな時は【かばう】で代わりにおにぎりになる覚悟もあります。大丈夫、後で家族が治してくれますし!!
神城・瞬
【真宮家】で参加
食欲が過ぎて暴走した末の悪食ですか・・・とりあえず食べられる訳には行かないので全力で抵抗させて頂きます。(真の姿解放。両目が赤くなり、銀髪になり銀のオーラを纏う)母さん、足は大丈夫ですか?無理はしないでくださいね。
まず【オーラ防御】を展開してから、【高速詠唱】【全力魔法】【二回攻撃】【範囲攻撃】で風花の舞を発動、杖で弾幕を張って全力で魔導弾を防御・迎撃します。追撃で【誘導弾】【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】【武器落とし】を放ち、あわよくば本体に攻撃を届かせることを狙います。食材になっても・・・家族が無事であれば。
「母さん、足は大丈夫ですか? 無理はしないでくださいね」
「ああ、足は大丈夫だよ。心配かけたね」
瞬の問いかけに響は元通りになった右足を槍の柄で突っついてみせた。
「で、あれが問題の子ですか」
奏の視線の先には猟兵達の姿を認めて、よだれを垂らすオットーフェンの姿があった。
「このお嬢さんの目にはアタシ達は食材に見えてるみたいだね」
「食欲が過ぎて暴走した末の悪食ですか……とりあえず食べられる訳には行かないので全力で抵抗させて頂きます」
「まあ、胃袋ブラックホールの私には敵の気持ちは分からないでもないですが、人を食材にして食べる悪食はさすがに理解できません」
「率直に身の危険を感じたよ。本気で行こう」
そう言って得物を握り直した瞬間、3人の髪色や目の色が物理的に変わった。
『少々乱暴な手段ですが、行きます!! 避けないでくださいね?』
右目が赤くなり、銀髪になり銀のオーラを纏った瞬が杖を翳すと周囲に同じ形の杖が何十本も浮かび上がる。
『さあ、アンタの力を借りるよ!! 共に戦おう!!』
黒髪金目になり、赤いオーラを纏った響の隣に立つように自身の身長の2倍の男性の姿を模したゴーレムが地面をかき分けて現れる。
そして黒髪金眼になり青いオーラを纏った奏が地面に思いっきり足を叩きつけた。
地面から噴き出した青い衝撃波を浴びたオットーフェンはのけぞった後に自分の手についた米粒を舐めとるとニンマリと笑みを浮かべてヒッポ君に跨り、真宮親子に突っ込んできた。
「撃ち落とせ!」
目潰しや麻痺など様々な属性を詰め込んだ大量の魔導弾が杖から一斉に放たれる。
それを食べてしまおうとオットーフェンは手を伸ばしたが、魔力は白米にならずにその場で霧散し爆発する。
「あれー、なくなっちゃったー。美味しそうなのに、雪みたい」
しかしヒッポ君の口から放たれる魔導弾と相殺したところから飴がポトポトと落ちてきたため、そこまで機嫌が損なわれることは無かった。
「良く食べるのはいいが、限度というものを知るんだね!! 暴食が過ぎる子はお仕置きだ!!」
助走をつけた響が思いっきり槍をぶん投げる。放物線を描いた槍は魔導弾の雨の間を縫うように、オットーフェンに向けて真っ直ぐ飛んでいった。
「串を投げるんなら、ちゃんと具材も刺してほしーなー」
細い槍はオットーフェンの手が届く前にその体を貫く。しかしオットーフェンは痛みを感じてないのか、平然と自分の体に突き刺さった槍を引き抜いて丸め出した。
そしてそのまま口の中へ持って行こうとしたが、その前にゴーレムによる薙ぎ払いが行われたことによってそれは塞がれた。
「あ、あたしのおにぎり!」
「ありがとう!」
触れられる前にすぐに戻ってきたゴーレムが自分の槍を響に渡す。オットーフェンはその後を追って猛然とヒッポ君を走らせるが、その間に奏が割り込んだ。
「通しません!」
「まぁ、いいや。こっちから先にたーべよ」
攻撃を食らわせてきた奏の顔面をオットーフェンが握り、いとも容易く潰した。
「ん、んんー!」
「奏!」
米に変換されても頭を潰されても意識は残っているのか奏は呻き声をあげながらも暴れ続けるが、オットーフェンは全く気にせずに流れるような手つきで奏の体を絡めとり、丸めていく。
「はい、かんせー」
あっという間に白い三角形の大きなおにぎりと化した奏を掲げた姿に、堪忍袋の尾が切れる音がした。
「その汚い手を離せぇぇぇぇ!!」
赤い目を光らせた瞬の攻撃がさらに激しさを増し、オットーフェンが乗るヒッポ君の足を砕け散る。
ヒッポ君のバランスが崩れたことにより体勢を崩したオットーフェンの体をいつの間にか近づいていたゴーレムが蹴り上げ、奏が宙を舞う。
そこへ杖を足場に駆け上がってきた瞬が抱き抱えるように受け止めた。
「あ、まだ中の具も見てないのにー!」
奏の行方に視線がいっていたオットーフェンに向けて響の槍が振るわれた。
「私の子を、食べさせると思うなぁ!!」
同時に振るわれたゴーレムの拳と挟み込まれたオットーフェンの腹から口へと空気が逆流する。
しかしオットーフェンは懲りずに響の手を取ろうと、届くはずもない手を伸ばした。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
赤嶺・ふたば
【人形館】で参加
食べらるんじゃなかったらむしろ食べ物に変えられて遊んでいたんだけどねぇ。そういうの好きだし
デバイスを複数展開してヒットアンドアウェイ戦法で行ってみよう。ショットガンの弾はバードショットに換装しておき、接近戦に備えてドローンマチェットも展開しおく。あっ・・・まずい、おにぎりにされてしまった・・・。まずい、逃げなきゃ
(体を元に戻してもらって)くっ・・・普通に攻撃したところでやはりまたおにぎりにされてしまうはず。ここは変身魔法による攻撃で無力化を図ってみるか。
テフラ・カルデラ
【人形館】で参加
アドリブ・絡み可
わたしは確かに石化されたり凍らされたりするのは好みですが、食べ物にされて食べられちゃうのは勘弁なのです…!
しかしあのカバさんも癖モノです…ならば食べ物は食べ物で対抗するのです!
ユーベルコード『あま~いちょこれーとらびりんす』でチョコ迷路に閉じ込めて…
あわよくば彼女をチョコ漬けにしてチョコレート像に変えてあげたいましょう♪
あ、皆さんも気を付けないとチョコレートにされてしまいますので気を付けてください…!
でないと…あ…ちょ…チョコスライムさんわたしじゃないですやめ―――
(相手を甘いチョコレート像に変えてゆきつつも、うっかり自分もチョコレート像に変えられてしまう)
ミリア・プレスティール
【人形館】で参加
ミリアは後方に控え、食品化した仲間たちが敵に食べられる前に『ミトン』がかっさらい救出する。
救出した仲間たちを介抱している間、『ミトン』が敵を挑発して注意を引く。
【ミリアの心情】
私まで前に出たら、またミトンがイタズラしちゃいそう…ミトン、皆さんを援護してあげて!
私が歌で皆さんを回復します!
【ミトンの心情】
ミリアは前に出ないか…仕方ない、ちゃんと仕事をするしかない。
どうだ?目の前でご馳走をかすめ盗られて怒ったか?生憎、手癖が悪くてね。そんなに怒っても腹は満たされないぞ?
シャルボン・フランヴェルジュ
【人形館】で参加。
アドリブ可、絡み歓迎。
敵は見る限り二体一組の存在みたいだね。
なら引き離せば弱体化が狙えそうだ。
という訳でUC"灰の舞踏装束"で下の電子レンジカバを拘束して、回避しやすい大振りな斬撃で上の子を攻撃するよ。
大降りな攻撃を回避するのは大きく動かなきゃいけないからね。
回避をなんども誘発させて動けないカバから引き離すよ。
もし十分に引き離すことができたら、今度は魔剣に【属性攻撃】の炎を付与して攻撃を当てに行くよ。
「食べられるんじゃなかったらむしろ食べ物に変えられて遊んでいたんだけどねぇ。そういうの好きだし」
「わたしは確かに石化されたり凍らされたりするのは好みですが、食べ物にされて食べられちゃうのは勘弁なのです……!」
赤嶺・ふたば(銃と魔法が好きな傭兵魔術師・f15765)の言葉に、復活したテフラが勢いよく首を左右に振る。
攻めの数を減らされた真宮親子が若干押され気味の中、シャルボンは黒い刀身の刺突剣を向けた。
「さっきから見る限り二体一組の存在みたいだね。なら引き離せば弱体化が狙えそうだ」
「わっかりました! しかしあのカバさんも癖モノです……ならば食べ物は食べ物で対抗するのです!」
真宮親子がオットーフェンの周りから離脱したタイミングでテフラは地面に手をつける。すると平らな地面から大量のチョコレートの壁が飛び出してきた。
その壁とぶつかった衝撃でオットーフェンとヒッポ君が分断された所で視界はチョコレートに遮られた。
「あわよくば彼女をチョコ漬けにしてチョコレート像に変えてあげたいましょう♪ あ、皆さんも気を付けないとチョコレートにされてしまいますので気を付けてください……!」
「了解」
「合点!」
チョコレートの迷路の中から聞こえてくる3人に向かって外にいたミリアは手を合わせていた。
「私まで前に出たら、またミトンがイタズラしちゃいそう……ミトン、皆さんを援護してあげて!」
それを聞いたミトンは心外だと言わんばかりにミリアを小突いてからチョコレートの壁より上に飛行していった。
「……あ……ちょ……チョコスライムさんわたしじゃないですやめ―――」
すると早速テフラが自分で仕掛けていたトラップに引っかかっていた。
あっという間にチョコで塗り固められたテフラの姿に満足そうに頷いたスライムと入れ替わるようにヒッポ君が現れ、難なく飲み込む。
ヒッポ君はしばらく震えると、腹の中から巨大なホールのチョコケーキを出し、オットーフェンを探すために去っていった。
そうして出来たチョコケーキを確保するとそそくさとミトンはミリアの元にとんぼ返りしていった。
戻ってくるのがあまりに早過ぎだと思ったのか、チョコケーキを押し付けられたミリアは思わず頭を抱えながらも癒しの効果のある歌を歌い始めた。
その頃、ショットガンの弾はバードショットに換装し、接近戦に備えてドローンマチェットも展開していたふたばはオットーフェンと接敵していた。
「見つけたぞ!」
そう言ってオットーフェンにバードショット弾を炸裂させる。しかし全身に散弾を受けてもドローンマチェットの攻撃を受けても目の前の食材に目の色を変えていたオットーフェンは一切臆することなく突っ込んできた。
「あっ……まずい」
伸ばされた手に握られた左腕が潰される。そして引き寄せられたふたばの頭を小さな胸と腕で挟み込んで押し潰した。
「む、むぐっ!?」
見開かれた目も緑色の髪も丸ごと全て白い米粒に変換され、反抗していた手足もまとめられていってしまった。
「さて、ご飯ごはー」
大きなおにぎりと化したふたばに噛みつこうとしたオットーフェンの顔面にミトンの右ストレートが炸裂する。
吹っ飛ばされたオットーフェンの手から離れたふたばの体をもう一方の手で受け止めたミトンはそのまま浮上し、迷路を脱出していった。
「あ、また盗られた! まてー!」
オットーフェンの叫び声をバックに戻ってくると、ミリアの作業はケーキからの復元から塗り固められたチョコの掘削に入っていた。
「自分が呼んだスライムにこうされるなんて……オブリビオン相手だったらともかく! バーナーでも用意しておけば良かったでしょうか……」
ミリアがその辺にあった石で一心不乱にチョコを砕いている頃、シャルボンは噛みつこうとしてくるヒッポ君の口撃を必死に避けていた。
『ほら、君にドレスをプレゼントだよ!』
シャルボンは先程せっせと作っていた灰塵から生成した石灰をヒッポ君に思いっ切りぶちまける。
そして漆喰の要領で覆い固めることでヒッポ君の動きを封じてみせた。
するとそこにチョコレートの壁を食い破ってきたオットーフェンが現れた。
「あっ、あたしのヒッポ君が土まみれに!」
「来たか!」
先程の動きを見ていたシャルボンは剣を構えながら触れないようにわざと大振りに刺突剣を振り回す。
「わぁ、元気が良い食材だね!」
そうしているとオットーフェンの後ろから茶色いスライムが飛びかかろうとしてきた。
「あ、美味しそうな匂い!」
オットーフェンがその甘い体臭に気付いて振り返ったところでシャルボンは刀身に炎を宿し、切りつけた。
「うっ……!」
無防備な背中を傷つけられたことでようやく呻いたオットーフェンにチョコスライムが覆い被さる。体中を覆うチョコを舐め切るよりも早く塗り固められたオットーフェンにさらにシャルボンが斬りつけた。
その熱により固められたチョコが溶けていく。すると石灰で固められていたヒッポ君も体を震わせて振り払い、脱出していた。
「ヒッポ君、やっちゃえー!」
チョコをせっせと舐めるオットーフェンの呼びかけに応え、ヒッポ君がチョコスライムを飲み込む。しばらく振動しているとレンジの扉部分から板チョコが勢い良く飛び出し、シャルボンの額に激突した。
そこへミリアの介抱によって元の姿に戻ったふたばがミトンによってデリバリーされてきた。
「普通に攻撃したところでやはりまたおにぎりにされてしまうはず。ここは変身魔法による攻撃で無力化を図ってみるか。『これは自分の研究成果だ。楽しんでくれ』」
ミトンに抱え込まれたままふたばは空中でスコープを覗き込み、魔の力が込められた弾を放った。
チョコに夢中になっていたオットーフェンはその銃弾をモロに受け、その場で茶色い円錐台と化した。
「あ、あれ、あたしの体どうなっちゃったの?」
チョコムースになったことに気付いていないオットーフェンがその場でプルプル震える中、シャルボンはヒッポ君の追撃を躱しながら迷宮を脱出した。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(連携・アドリブ可)
「アルダワの教科書に登場するだけあるわね」
見た目とは違って油断ならないオブリビオンとして気を引き締めて戦う
■作戦
距離を保ちながら弟との連携攻撃をオットーフォンに撃ち込む
■行動
「不用意に近づくと餌食になるわよ」
フォルセティに注意喚起しつつ、カバ型ガジェットの動きを注視。
攻撃を[見切り]つつ、捕食攻撃を繰り出したところで[高速詠唱]の
【アイギスの盾】を展開して相殺する
「次は私たちの番ね」
フォルセティに合図を送りながら銀翼杖を素早く構えて [全力魔法]で
【ロンギヌスの槍】を発動
無数の閃槍でオットーフォンをカバ型ガジェットごと[串刺し]にする
フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】 (連携・アドリブ可)
「どういう原理で食べ物になっちゃうのかさっぱりだよ」
フィオ姉ちゃんと一緒に暴食少女のオットーフォンを戦うよ
【行動】()内は技能
「うん、わかったけど、あれってどうみても電子レンジだよね?」
不用意に近づかないように距離をとって戦うよ。
カバの攻撃はグアルディアン・サトゥルノを(高速詠唱)で展開だね。
危ないときは(ダッシュ)で後ろに下がったり、(見切り)で躱しつつ
(カウンター)のタイミング狙うよ
「任せてよね、フィオ姉ちゃん」
隙を見せたところでフィオ姉ちゃんと阿吽の呼吸で(全力魔法)からのロンギヌスの槍だよ
ガジェット、人形と(スナイパー)で狙うんだ
「さすがはアルダワの教科書に登場するだけあるわね」
オットーフェンが突然現れた巨大なチョコの壁を蹴破るのではなく食べ破ってきたことに対し、見た目とは違って油断ならないオブリビオンとして、フィオリナは気を引き締めていた。
「不用意に近づくと餌食になるわよ」
「うん、わかったけど、あれってどうみても電子レンジだよね?」
フォルセティの視線はチョコを口一杯に頬張るオットーフェンの後ろに付き従うカバ型のガジェット、ヒッポ君に向かっていた。
「どういう原理で食べ物になっちゃうのかさっぱりだよ」
「そこは学者先生に考えてもらいましょ。禁忌扱いされてロクに研究されてないかもしれないけど」
少なくともそれを研究しているという先生の存在を2人は聞いたことは無い。オットーフェンの事件があったから禁忌となったのか、初めから禁忌扱いだったのか、はたまた迷宮に住む物にしか使えない物だったのか。
しかし今はどうでもいい。それを使って人々を害するのであれば、その前に叩き潰すのみである。
「うーん、甘い物ばっかりじゃ飽きちゃうよね。ヒッポ君、しょっぱいの作ってー」
オットーフェンの呑気な声にヒッポ君が大口を開けてソルレスティア姉弟に突っ込んでくる。
「『暁闇を統べる星刻の大神。七界を照らすは虹鱗の彩光』グアルディアン・サトゥルノ!」
道を塞ぐように現れた虹色に輝く魔法の盾が食い破られ、腹の扉から様々な種類のシロップが大量にかけられたかき氷が飛び出してくる。
「しょっぱいの、って言ったんだけどなぁ」
不満を口にしながらもかき氷に手を伸ばすオットーフェンの期待に今度こそ応えるべく、ヒッポ君はフォルセティに向かって飛びかかった。
『そんな攻撃当たらないわよ。防げ、アイギスの盾よ!』
下がったフォルセティがいた所に光り輝く魔法の盾が生成され、ヒッポ君の口に挟まる。今度は盾を噛み砕くことが出来ず、上の歯と下の歯に突き刺さってしまう。
「次は私たちの番ね」
「任せてよね、フィオ姉ちゃん」
戦闘はヒッポ君に任せて氷をかき込み、頭を痛めている様子のオットーフェンに向けて姉弟はそれぞれの得物を指した。
『フォルセティ、行くわよ』
『フィオ姉ちゃん、任せて』
『全てを貫け、ロンギヌスの槍よ!』
アイコンタクトでタイミングを合わせた2人の詠唱が合わさると氷と雷の槍が地面からどんどん突き出し、範囲内に突っ立っていたオットーフェンとヒッポ君を巻き込んでいく。
するとオットーフェンの服からコック帽をかぶっていた人形がこぼれ落ち、それも貫いた。
「あっ……!」
その人形が貫かれた瞬間、オットーフェンの口から短い声が漏れ、消滅していった。
「あの人形が本体だったのかな……」
フォルセティは雷に焼かれていった人形に想いを馳せる中、生き残ったエゴコンダラーがどんどん後退していく。
指揮官役か捕食者かは分からないが、その行動がオットーフェンがいなくなったからだというのは容易に想像がつく。
「さあね……。とにかくもう今後、登ってこないのを祈るしかないわね」
フィオリナはその後ろ姿を追いかけずに息を吐いた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 日常
『雪で遊ぼう!』
|
POW : 特大雪だるま、雪像、かまくら、大物も細工物もお手のもの!(遊び方は一例です)
SPD : スキー、スノーボード、早さを活かしたウインタースポーツ!(遊び方は一例です)
WIZ : 雪合戦や、雪面へのお絵かき、雪に埋めるアイスキャンディー、雪活用法あれこれ。(遊び方は一例です)
👑5
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
|
全てが終わった後、エゴコンダラーに襲われた人がいること以外知らない学生達が人工降雪機を持ち込む。
蒸気の力で動き出した降雪機から押し固められた坂に雪が降り積もった。
「さぁ、みんな遊ぼうぜー!」
ブレイ・アッシュアウル(サポート)
「よし、きばるか」
フリーの冒険者。褪せた金の髪。屈強な歴戦の体。
遠距離ではロングボウによる【力溜め】【スナイパー】で【援護射撃】
中距離では【戦闘知識】と【第六感】を活用し、立ち回りながらUc『シャープシューター』による【スナイパー】
近距離では【早業】の【盗み攻撃】、UC『ナウティハンド』、UC『シャープシューター』でダガーとショートボウによる近接戦闘を行う
探索では戦場知識を応用して臨機応変に行動する。
マリーノフカ・キス(サポート)
「やあ、待たせたね、お姫様」
気取った台詞を平然と吐く爽やかな騎士
女性に甘く、美女にはもっと甘い
男には普通に親切程度
「やれやれ、どうせならレディの盾になりたかったな」位は言う
戦闘外も涼やかな態度だが、必要なら汗を流すことは厭わない
いかにもな格好で魔法学園に通うが、生まれ育ちは現代日本風世界(TW4)
いつも堂々としているが、内心では結構勇気を振り絞っている
それでも戦うのは、(性別に関係なく)力のない誰かを守るため
◆能力
基本スタイルは居合い
刀身に過剰に込めた魔力を推進力にし、一息に切り伏せる
その他、炎や雷の魔法も使う
種族特徴は竜っぽい力(飛んだり火を噴いたり)を使うときに
◆NG
残虐な行為
誘惑に負ける
「よし、きばるか」
大量に積み上げられた雪玉の山を前に数字が書かれたゼッケンを着たブレイ・アッシュアウル(フリー冒険者・f22044)はぶんぶん腕を回していた。
傾斜の無い平地で行われるのは雪合戦。単純に雪玉を投げ合うのではなく、積み固められた雪の壁に隠れつつ、敵を全員倒せば勝利。各チームに1人ずつ助っ人として猟兵がサポートメンバーとして組み込まれており、臨時に持ってこられた物見台から当たったかどうか確認する審判が複数人いるなどわりとしっかりしていた。
「さて、来週のスペシャルメニューがかかっている。全員きばっていくぞ!」
学園生でもあるマリーノフカ・キス(竜星のコメットグリッター・f01547)は輪になったチームメイトと手を重ならせ、号令をかける。どうやらここで優勝したチームには学園の食堂から美味しいご飯が出されるらしい。
「それではこれよりAチームとBチームの対戦を始めます。各選手は陣地内に入ってください!」
審判役の学生の声に従い、作戦を練っていたチームメイト達が初手の位置に散らばっていく。その動きが止まったところで審判は叫んだ。
「では、よおい……はじめ!」
号砲が鳴り響くと同時に壁の裏に隠れていたブレイが顔を出し、雪玉を投じる。
「先手必勝、いくぜ!」
投じられた雪玉が相手の攻撃役の顔に迫る。するとその横にマリーノフカが突如現れ、立ち塞がった。
マリーノフカは思いっきり息を吸うと雪玉に向けて火を吹いて蒸発させた。その様をみたブレイは思わず審判に向けて叫んだ。
「おい、審判、今のありかよ!」
「直接プレイヤーに当ててないのでセーフです! Aの21番アウト!」
てっきりNGだと思い込んで自分の腕前だけの勝負だと思い込んでいたブレイは苛立たしげに歯を食いしばった。
「ああ、そうかい! ならこっちにも考えがある!」
ブレイは飛び交う雪玉に警戒しながら進み、敵方の陣地に入る。そしてマリーノフカと壁一枚隔てた場所にたどり着くと、炎を吐いた瞬間に飛び出した。
その姿に気付いたマリーノフカは咄嗟に刀の柄に手をかける。
『一刀の下に、切り伏せてみせよう』
魔力とサイキックエナジーを込めた居合いがブレイの体すれすれの所を通過する。当ててはいけないため、わざとすれすれを狙っていることは分かっていても、その風圧はブレイの身をのけぞらせた。
しかしその手にはいつの間にかマリーノフカが居合のためにすぐに戻していた剣が鞘ごと握られていた。
『いたずらっ子でな、手癖が悪いんだ』
そう言ってブレイは武器がいつの間にかすり取られたことに固まったマリーノフカに雪玉を優しく投じた。その直後、ブレイの顔面にも他の者が投じた雪玉が当たった。
「Aの44番、Bの47番アウト!」
「やれやれ、どうせならレディの盾になりたかったな」
被ってしまった雪を払いながら47番のゼッケンを着ていたマリーノフカはぼやいた。
「マリーノフカがやられたぞ!」
「他にも陣地に入られているかもしれない、戻られる前に倒せ!」
審判の声で防御役が倒されたことに気付いたBチームのメンバーが口々に叫ぶ。
陣地内に注意が向かってしまったがために、自軍の仲間が投じた雪玉が面白いように命中する知らせを聞きながら44番のゼッケンをつけていたブレンも両手を挙げながら自軍の陣地に下がっていった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
真宮・響
【真宮家】で参加
いやあ、アタシの足が平面のように潰れたり、奏がおにぎりにされたり、色んなトラブルがあったが、何とかなってよかった。奏は意識がしっかりしてるようで。まともに顔面殴られたからね。
前は身長よりデカい雪だるまを作ったが・・・え?今度は大きなかまくらを作って一緒に入りたい?そうだね、今回は大分痛い目にあったからかまくらの中で反省会だ。・・・そういえば、今回の一番の貢献者はヒールを使える瞬だったかも。心配かけたね。これからも宜しく頼むよ。(かまくらの中で奏を真ん中にして寄り添う)
真宮・奏
【真宮家】で参加
顔面に強い衝撃を受けたらおにぎりになってました・・・気付いたら瞬兄さんの腕の中で(顔真っ赤)母さんの足は平らになっちゃうし、今回の戦いは色々衝撃的でした。
なので、今回はかまくら作って、三人で寄り添いましょう!!三人の手にかかればかまくらはすぐ出来るはず!!そしてかまくらで寄り添います!!凄く安心します~。今回は瞬兄さんばっかり苦労かけてしまいましたね。これからは少し気を付けますね。
神城・瞬
【真宮家】で参加
いつも勇敢に前に出て戦うのは母さんと奏の良さですが、母さんの足が潰れたり、奏がおにぎりにされたり、僕も心臓が止まるかと思いましたよ。まあ、無事で安心しましたが。
あ、前は雪だるまでしたが、今回はかまくらですか。いいですね。三人でつくればすぐでしょう。かまくらで三人でくっついて初めてホッとします。ああ、母さんと奏が大切な存在って再確認しました。2人の為なら何でもするつもりですが・・・今回のように多大な心配はかけないでくださいね?
「前は身長よりデカい雪だるまを作ったが、今回はどうするかね?」
しっかりと積もった雪景色を前に響が問いかけると奏が元気よく手を挙げた。
「はい! 今回はかまくら作って、三人で寄り添いましょう!! 三人の手にかかればかまくらはすぐ出来るはず!! そしてかまくらで寄り添います!!」
「あ、前は雪だるまでしたが、今回はかまくらですか。いいですね。奏の言う通り三人で作ればすぐでしょう」
「そうだね、今回は大分痛い目にあったからかまくらの中で反省会だ」
母からの容赦ない提案に奏は悲鳴を上げた。
しかし意見がまとまったとなれば行動は早い。三人はそこら中にある雪をかき集めて山にした。
その後、長い木の枝を十本くらい用意して、中心に向かって直角になるように差し込み、水を軽くかけて表面を少しだけ溶かしてから氷魔法で凍らせ、外枠の強度を上げる。この工程がなければ掘り進めるうちに入口部分の雪が重力に負けて落ちてきてしまうのだ。
そこから有志の学生によって貸し出されている大きなスコップでどんどん掘っていき、先ほど刺した枝先が見えてきたら小さなスコップに切り替え、慎重に壁面を削り出していく。
すると大人五人は余裕で入れそうなかまくらが完成した。
「凄く安心します~」
奏を中心に、同じく貸し出されていたこたつに三人で入る。余裕はあるが、三人は特に何も言わずに横一列になるように陣取っていた。
「さて、反省会だが」
そう言って響はこたつの上におにぎりから元に戻った自身の得物を置いた。
「まずは私からだな。穂先がエゴコンダラーの突進で潰されていることに気付かずに突撃し続け、落ちている威力に焦ってしまい必要以上に前に出てしまった。その結果、足を潰された」
その言葉通り、鋭かったはずの刃は潰され、奏が指で擦ってみても血は全く出てこなかった。投げた勢いだけでオットーフェンを突き刺すことには成功したが、もしオットーフェンとこの状態のまま戦っていたら響も槍と同じ運命を辿っていたかもしれない。
「功を焦った結果、武具の状態に気が付いてなかった。ここは完全な私のミスだ」
「奏も直接殴ったり蹴ったりしていたらそうなってたかもしれませんね」
「エゴコンダラーを学生達がどのように普段倒しているか。余裕そうにしているってだけでくみ易い相手だと思ってしまったのも年長者としてはダメだったね」
「それじゃあ次は私……ですね」
響の話が終わったのを感じ取った奏も恐る恐る話し始めた。
「私は正面からオットーフェンと母さんの間に入ってしまったのがダメな点でした」
「母さんを守ろうとしたのは良かったが、反射的に動きすぎてたな。相手に先制を取られたのも焦りの部分が強かったからだろう。あと、もし横から突進していれば相手の体勢を崩せていたかもしれなかった」
「そういえば奏は意識がしっかりしてるようで。まともに顔面殴られたと思ったら握られるまで手足ブンブン動かしてたし」
「顔面を握りしめられたと思ったらおにぎりになってました……気付いたら瞬兄さんの腕の中で」
「そうだね、瞬がすぐに動いてくれたおかげで歯を立てられずに済んだ」
奏は顔を真っ赤にしながら体を縮みこませる横で響は深々と頷く。
「いつも勇敢に前に出て戦うのは母さんと奏の良さですが、母さんの足が潰れたり、奏がおにぎりにされたり、僕も心臓が止まるかと思いましたよ。まあ、無事で安心しましたが……」
瞬のため息交じりの言葉に間宮親子は申し訳なさそうな表情を浮かべた。
「今回の一番の貢献者はヒールを使える瞬だったかもな。心配かけたね。これからも宜しく頼むよ」
「今回は瞬兄さんばっかり苦労かけてしまいましたね。これからは少し気を付けますね」
示し合わせたわけでもないのにほぼ同時に頭を下げた二人に瞬は優しく微笑んで見せた。
「2人の為なら何でもするつもりですが……今回のように多大な心配はかけないでくださいね?」
「はい」
頷く二人の姿を見ながら瞬は頭の中で自分の反省点をまとめていた。
それは二人が窮地に追い込まれたとき、思わず大声を出し、飛び出してしまったこと。
二人が自分にとって大切な存在であるからこそ、我を忘れてしまった。だが今回こそ上手くいったが、大声で怒鳴られた奏が驚いてさらに混乱してしまったら、奏を取られたオットーフェンがすぐに次の行動を取っていたら、さらに被害を拡大させてしまっていたかもしれない危険な行為だった。
だからこそ、どんな状況に陥っても冷静であり続けること。それが瞬の次への宿題だった。
響と奏が寄り添うように左に傾く。右肩に温かな重みを感じられることに安堵しつつ、瞬はその温もりを自分のミスで失ってしまわないよう、心の中で誓いなおした。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
久遠・翔(サポート)
『俺は男っすよ!』
人間のシーフ × 探索者
年齢 17歳 女
外見 153.3cm 黒い瞳 灰色の髪 色白の肌
元男の現女。遺跡調査で罠にかかりこうなったとの本人談
現在元に戻る為日々色々試している
語尾や文中に「~っす」と付きやすく、ツッコミ体質
「俺は男っす!」というのが口癖になりつつある
技的には力技系統が苦手で魔法関連も得意ではなく、素早く動くシーフの技や隠密行動を得意としている
また諜報活動もそこそこあるのでそちらでの行動も可
無自覚に他者を魅了するほどの誘惑フェロモンを持っており、特に女性相手には効果が高く、本人もラッキースケベ体質の為そういう目にあいやすい
本人的には女性が苦手の為酷い時は鼻血が出る
「いくっすよー!」
体のラインが分からないほどモコモコのスキーウェアに身を包み、頭にかけていたゴーグルを目に移した久遠・翔(性別迷子・f00042)は勢いよく雪で覆われた斜面に滑り出した。
大きな弧を描きながら手慣れた様子で勢いよく下っていく翔の姿に歓声が湧く。それを聞いていた翔は平静を装っていたが、内心は鼻高々だった。
「ふっふっふっ、このカッコいい姿を見たら皆俺が男だってことに納得するはずっす……」
……訂正。声も漏れていた。
さらに勢いをつけようと弧を描く間隔を短くし、速度を上げた翔の行く先にスノーボードで転んだ女性が勢い良く割り入ってきた。
「まずっ……!」
翔は骨折しないように気をつけながらもとっさに体を倒してわざと転ぶ。しかし思いっ切りつけていた勢いを殺し切ることは出来ず、翔は上を見るために起き上がっていた女性の胸元に飛び込んでしまった。
「ご、ごめんなさい!」
受け止める形になってしまった女性が慌てて謝る。しかし女性の胸元に沈んだままの翔から反応が返ってこない。
「あ、あの……?」
女性がおそるおそる翔の肩を掴んで胸から引き起こすと翔の首は後ろに傾いた。
どうやら女性の胸にダイブしてしまったことにより理性が吹っ飛び、気絶してしまったらしい。鼻血が出てなかったのはせめてもの幸運だっただろうか。
「だ、誰か、助けを呼んでください!」
しかしそんなことを知らない女性は「自分と衝突した衝撃で気絶してしまった」とある意味合っているし間違っているおかしな状況に陥りつつ周りに助けを求めるのであった。
成功
🔵🔵🔴
フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【POW】(アドリブ可)
「うあー、雪の迷宮もすごく綺麗だね」
【行動】()内は技能
「巨大なかき氷作るのはどうかな?」
むー、お腹壊すからダメだって。それなら大きな『かまくら』を作るんだ。
ディオス・デル・ビエントで雪を吸い集めて(?)、天井まで届くくらいの
雪山を作ったら、イスベル・ウラーノで穴をあけて部屋にするんだ。
あとは形を整えて完成だね!
「じゃじゃーん、ボクのかまくらの完成だよ」
気が付いたらフィオ姉ちゃんがクリスマス風な飾り付けにしてくれたよ
「すごーい、ジャガイモたっぷりのポトフだ!」
フィオ姉ちゃんの料理、とっても美味しいよ、『かまくら』の中で温かい食事って楽しいね♪
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【POW】(アドリブ可)
「そうね、思ったより風情があるわね」
■行動
かき氷は絶対にお腹壊すからNGとフォルセティを諭しながら『かまくら』作りの手伝いをする。
せっかくだから『かまくら』の周囲を赤や緑のクリスマスカラーのレースで飾り付け、
中にランタンの灯りと小さなツリーを設置
簡易のイスとテーブルを備え付けて、あとは温かい[料理]ね。
「クリスマスディナーとはいかないけど、温かいポトフを用意したわよ」
腕によりをかけて弟の好物を詰め込んだポトフを並べる
「はい、あーん」
ポトフを頬張るフォルセティの笑顔を見ながら、細やかな幸せに浸る。
入口には『関係者以外立ち入り禁止』看板をこっそり。
「うあー、雪の迷宮もすごく綺麗だね」
「そうね、思ったより風情があるわね」
美術部の生徒による雪像を使った即席の展示会を堪能したソルレスティア姉弟は人の姿がほとんどない雪原へと足を運んでいた。
「ねーねーフィオ姉ちゃん、この雪で巨大なかき氷作るのはどうかな?」
「一度地面についてる物なんか食べたらお腹壊すからダメよフォルセティ」
先程オットーフェンが頬張っていたことによって思いつかれた案は笑顔でやんわりと、しかし一切折れる気配のない威圧感によって却下された。
口を尖らせたフォルセティは気を取り直すと、ならばと言わんばかりに聖箒を天に向かって構えた。
「『闇を纏いし河漢の煌星よ。我が聖箒へ導け断絶の風瀑』ディオス・デル・ビエント!」
聖箒の先に一切変わらない吸引力でお馴染みな掃除機が装備され、周囲にある雪を一気に吸い込む。
掃除機の熱で少しだけ溶けた雪は、開けっ放しになっているタンクから垂れ流しになっており、フォルセティの後ろで小高い山と化す。
「『星霜纏いし冷厳の天王。黄天より招くは無窮の霊氷』イスベル・ウラーノ!」
周囲の雪原が元の地面の色を見せ始めたところでフォルセティは掃除機を止めて振り返り、氷塊を雪山の下腹部辺りに叩き込む。
豪快過ぎる掘削作業に入口の雪が少しだけ崩れ落ちたが、元の積み上げている量が量だけに一応の体裁は保った。
しかしその様があまりに歪だと思ったのか周りのかまくらと見比べて微妙だと思ったのか、首を傾げたフォルセティは雪山を吸い込み直すと、他の人がやっているように枝を刺したり表面に水をかけたりし始めた。
「じゃじゃーん、ボクのかまくらの完成だよ!」
そして出来た渾身の出来映えに声を上げていると、かまくらを作っている間どこかに行っていたフィオリナが戻ってきた。
「どうかな、フィオ姉ちゃん?」
「すごい立派ね。でもせっかくだから……」
フィオリナがタクトを振るうと、かまくらの周囲を赤や緑のクリスマスカラーのレースで飾り付けられる。さらに中にはランタンの灯りと小さなツリー、さらに簡易のイスとテーブルも備え付けられた。
「うわー、すっごーい!」
「あとは温かい料理ね」
そう言ってフィオリナは一気に華やかになったかまくらに歓声を上げるフォルセティを置いて再びどこかへと去っていく。
フォルセティが大人しくかまくらの中で待っているとフィオリナは大きな鍋を持って戻ってきた。
「クリスマスディナーにはまだ早いけど……」
フィオリナはテーブルに鍋を置き、隣に座ってから蓋を取る。するとコンソメの良い匂いを纏った湯気がそこから出て来た。
「温かいポトフを用意したわよ」
「すごーい、ジャガイモたっぷりのポトフだ!」
鍋つかみを外したフィオリナは腕によりをかけてフォルセティの好物を詰め込んだあつあつのポトフを皿に取り、大きな匙ですくい取ると、それを冷ますために一度二度息を吹きかけてからフォルセティに向けた。
「はい、あーん」
「あーん」
大きな口を開けて待ち構えるフォルセティに匙を突っ込む。しばらく無言で頬張るフォルセティにフィオリナはおそるおそる話しかけた。
「……どう?」
「うん、とっても美味しいよ! かまくらの中で温かい食事って楽しいね♪」
フォルセティの満面の笑顔にフィオリナも笑顔で返し、細やかな幸せに浸る。
そんな二人の姿を隠すように、入口には『関係者以外立ち入り禁止』と書かれた看板がいつの間にか突き刺さっていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴