帝都櫻大戰㉕〜桜我映鏡、追憶の枷
創造されし侵略新世界『サンサーラナラーカ』。
そして、その世界を完全に満たした骸の海から、幻朧帝が無造作に引き摺り出した敵。
それは相対する猟兵自身の姿をした存在……つまり、貴方自身であるのだという。
だがそれは今のものではない、『過去の姿』のあなた。
――現れる『過去の姿』は、どのような姿の自分なのか。
――そしてそんな過去の自分に、どう打ち勝つのか。
未来など必要ないと言うイティハーサ。
そんな帝が引き摺り出した過去に、過去の姿の己に、打ち勝たぬ限りは。
幻朧帝に攻撃が届くことはないというから。
この
櫻花幻朧界の危機を……いや、全ての生命の危機を救うために。
過去の姿の自分との戦いが、幕を開ける。
●記憶の涯
「過去の自分、と聞いて、皆様はどのようなご自身の姿を思い浮かべるのでしょうか」
……私は正直、過去の自分が現れると言われても想像が沸きません、と。
冷泉・辰乃丞(青の鎮魂歌・f42891)は微か首を傾けた後、説明を始める。
「帝都櫻大戰も佳境を迎えており、今が正念場、という現状ですが。幻朧帝イティハーサは、エンシェント・レヰス『神王サンサーラ』と融合することで「意志」を獲得し、侵略新世界『サンサーラナラーカ』を創造したようです」
そして、サンサーラの圧倒的な威光により広がり続けるこの「
広大無辺の無限地獄」は具現化した骸の海……これをどうにかしない限りは、幻朧帝と戦うこともままならないというが。
「侵略新世界を完全に満たした「骸の海」の中から、幻朧帝は1体の強力なオブリビオンを無造作に引きずり出します。それは、相対する猟兵自身――皆様の「過去の姿」そのものだといいます」
外見や思考こそ完全に猟兵自身が知る「過去の自分」であるというが。
その戦闘能力は現在の自分にも引けを取らないという。
そして、この「過去の自分」をどうにかして倒すなり消滅させるなりしない限り、幻朧帝に攻撃が届くことはない。
「ですので、皆様には、幻朧帝が骸の海から引きずりだした「過去の自分」に打ち勝つなり、過去の自分の性格や思考の裏をかくなどして、幻朧帝に何とか一矢を……攻撃が届くようにしていただきたいのです」
この地に降り立てば現れるのは、自身の描写した「過去の姿」。
そんな過去の自分に打ち勝ったり、過去の自分の性格や思考の裏をかく……そうすれば、幻朧帝にも刃が届くかもしれないから。
つまりは、現れる己の過去の存在を倒して欲しい、という依頼である。
「どのような自分が出現するのか……ご自身のことはよくご存じではあると思いますので、皆様ならばきっと成してくれると信頼しております」
辰乃丞は掌に青龍のグリモアを喚びながらも。
よろしくお願いいたします、どうぞお気をつけて……と丁寧に頭を下げて皆へと託す。
帝都櫻大戰の決着を――この世界の命運と、生命の未来を。
志稲愛海
志稲愛海です。
よろしくお願いいたします!
こちらは、1フラグメントで完結する『帝都櫻大戰』のシナリオです。
受付は【9/23(月)朝8:30~9/26(木)23:59まで】です。
追加冒頭はありません。
●プレイングボーナス
自身の「過去の姿」を描写し、これに打ち勝つ。
または、過去の自分の性格や思考の裏をかく。
●シナリオ概要等
オープニングの通り、皆様が思い描く「過去の自分」と対峙します。
どのような「過去の自分」が現れるのか。
また、そんな過去の自分にどう打ち勝ったり、性格や思考の裏をかくか。
純粋な殴り合いでも、問答交わすでも、心情系シリアス、カオスコメディ等でも。
皆様それぞれが思うやり方で、「過去の自分」を打ち破ってください。
ご自身が描く過去の姿なので、必ずしも正しい過去でなくともOKです。
現れるご自身の過去の姿の詳細を、プレイングにて記載をお願いします。
今回のシナリオは、ご自身の過去の姿との戦いの行動のみで構いません。
おひとり様から何名様ででも、ご自由にどうぞ!
おひとり様で、じっくりと過去の自分の姿と向き合うのも良し。
複数名様で臨む場合も、お好きなシチュでプレイングかけていただいてOKです。
過去の自分と相対するのは個々で、乗り越えた後に合流を果たす、でも。
タッグマッチやグループ戦でも構いませんし。
お相手の過去が見えても見えなくても、言葉が聞こえるかどうか等々もご自由に!
●お願い
同行者がいる場合は【相手の名前(呼称可)と、fからはじまるID】又は【グループ名】のご記入をお願いします。
グループ参加の人数制限はありません、お一人様~何人ででもどうぞ!
ですが、同行者が参加していない場合は返金となる可能性もあります。
公序良俗に反する事、他人への迷惑行為など常識に反することは厳禁です。
あとは皆様らしく、どうぞご自由に!
ご参加お待ちしております!
第1章 ボス戦
『イティハーサ・サンサーラ』
|
POW : 天矢『サンサーラナラーカ』
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【大焦熱地獄の炎を纏った天羽々矢】で包囲攻撃する。
SPD : 神鷹『サンサーラナラーカ』
レベルm半径内を【神鷹の羽ばたきと共に八寒地獄の冷気】で覆い、[神鷹の羽ばたきと共に八寒地獄の冷気]に触れた敵から【生命力や意志の熱】を吸収する。
WIZ : 骸眼『サンサーラナラーカ』
【神王サンサーラの力を再現した姿】に変身する。変身後の強さは自身の持つ【完全性】に比例し、[完全性]が損なわれると急速に弱体化する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
羆嵐・来海
成程、これが過去の私……随分と瘦せっぽちで小汚いです。目付きも野良犬のようで生意気です。
今思い出すと、初めての殺人はこんな感じでしたね。
アレはそう、母上が汚らわしい淫売婦に成り下がったあの日。
今まで信仰し続けてきた母の純潔、ある意味では私の半生を否定されたような気分だったモノです。
だから汚らわしいその女の頭を煉瓦でガツンとカチ割って食べました。
客もついでに食べました。腹が減っていたのですから。
いやあ、肉と命の味がして美味しかった……
さて……過去の私はどんなお味かしら?
羆になって私の喉笛に食らい付きます。食べられたいってずうっと思っていたのですが、ある意味では夢叶いましたねえ!
嬉しい限りです。
幻朧帝イティハーサが創造した、侵略新世界のひとつ『サンサーラナラーカ』。
エンシェント・レヰス『神王サンサーラ』と融合することで「意志」を獲得した幻朧帝は、サンサーラの圧倒的な威光により「
広大無辺の無限地獄」をホロげ続けているのだという。
そして――具現化した骸の海ともいえるこの世界から、イティハーサが引き摺り出したという強力な敵は。
「成程、これが過去の私……」
そう、それは相対する猟兵自身の「過去の姿」そのもの。
羆嵐・来海(大体腹ペコなクマの軍令暗殺者・f43414)は眼前に現れた過去の己を暫し見遣ってみて。
「……随分と瘦せっぽちで小汚いです。目付きも野良犬のようで生意気です」
そんな印象を抱くけれど、ふと思い返してみれば納得する。
……今思い出すと、初めての殺人はこんな感じでしたね、と。
眼前の己の「過去の姿」を見れば、来海の脳裏に蘇ってくる。
(「アレはそう、母上が汚らわしい淫売婦に成り下がったあの日」)
初めてこの手にかけて人を殺した時のことを……「あの日」の母の姿を。
それまで信仰し続けてきた母の純潔。だがそれは脆くも儚く、一瞬にして打ち砕かれたのだ。
汚らわしい存在に落ちたその姿を見た、あの時に。
(「ある意味では私の半生を否定されたような気分だったモノです」)
だから――あの日、殺した。
眼前の鋭き眼光をした貧相な自分は、煉瓦でガツンとカチ割ったのだ。汚らわしいその女の頭を。
そして赤に塗れた肉塊となった母であったものを、来海は食べたのだった。その時母と共にいた客もついでに一緒に。
だって、腹が減っていたから。
それからその時のことを思い出せば、同時に蘇ってくるのだ。
「いやあ、肉と命の味がして美味しかった……」
夢中で喰らった、恍惚として酔い痴れたはじめてのその味を。
それから改めてその赤の瞳で眼前の「過去の姿」の自分を見れば、湧き出す衝動。
――さて……過去の私はどんなお味かしら?
『……!!』
刹那、羆と化した来海は激しく爪や牙を立て、そして食らいつく。眼前の己の喉笛に。
飢えと空腹は恐ろしいものであるし、それに、ずうっと思っていたから――食べられたいって。
だから来海は己が流す錆臭い赤に塗れ、その痩せっぽちな身体の肉を食らいつき貪りながらも、嬉しくなる。
――ある意味では夢叶いましたねえ! と。
だって、自分自身のものという最高に興奮する肉と命の味を味わってみたくて……そして何より、味わわれたかったのだから。
大成功
🔵🔵🔵
鵜飼・章
過去の僕と対決か
ついに過去不明故郷不明職業不詳住所不定な僕の
真実を明かす時が来たようだね
あれ
何かおかしい
僕はこんなに背が低くない
僕より眉毛が短いし目も大きくて怖い
髪の毛も少し短くて焦茶色だし
ヒラヒラじゃなくスーツを着ているし
僕はこんなに真面目で勤勉っぽくない
職業エクスブレインで武蔵坂学園の生徒?
きみって…
おかしい
なぜ僕の過去がこの人なんだ
赤の他人だと断言できるのに
『何だ貴様の体たらくは。許さんぞ鵜飼章!』
どうしよう殴りかかってきた
具体的には六年前ぐらいの
過去からの殺意がすごいよ
殴られたら死ぬから逃げるけど
僕闇堕ちしてるの?そうかも
疲れた
空気を読んで説教を受けます
反省して勝った事にしてもらおう…
『世界を創造するもの』幻朧帝イティハーサ。
そして、そんな幻朧帝が創造した侵略新世界のひとつ『サンサーラナラーカ』を満たした骸の海から、無造作に引き摺り出されるという敵はというと。
「過去の僕と対決か。ついに過去不明故郷不明職業不詳住所不定な僕の真実を明かす時が来たようだね」
鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)の言うように、己の「過去の姿」。
いや、その字面だけ見れば、謎の流浪のニートのような響きであるが。
言っている間に、章の前に刹那現れる敵。
今こそ、鵜飼・章という存在の真実が明かされる時――のはずであるが。
「あれ、何かおかしい」
眼前に現れた己の「過去の姿」を見て、首を傾ける章。
だが、それもそのはず。
「僕はこんなに背が低くない。僕より眉毛が短いし目も大きくて怖い。髪の毛も少し短くて焦茶色だし。ヒラヒラじゃなくスーツを着ているし。鳥が好きそうな感じは僕かもしれないけど」
何よりも、ふるりと章が首を振る、自分と眼前の彼との違いは。
「僕はこんなに真面目で勤勉っぽくない」
『誰が、過去不明故郷不明職業不詳住所不定だ。武蔵坂学園在学のエクスブレインだ』
「職業エクスブレインで武蔵坂学園の生徒?」
それを聞いて、そしてその姿を見て、きみって……と紡ぐ章。
だって、過去の自分だという姿は――。
「おかしい。なぜ僕の過去がこの人なんだ」
だが、そんなはずはない。赤の他人だと断言できるのに、なんて思っていれば。
『何だ貴様の体たらくは。許さんぞ鵜飼章!』
「どうしよう殴りかかってきた」
案の定、暴力で解決しようとしてくる彼。
具体的には六年前ぐらいの過去からの殺意がすごい。
けれどただでさえ殴られたら死ぬのに、この人に殴られたら確実に死ぬ。
だから、逃げる章だけれど。
(「僕闇堕ちしてるの? そうかも」)
そう思いつつもちょこっと逃げてみるも、暴力界隈の筋肉から逃げられるわけもないから。
――疲れた。空気を読んで説教を受けます。
(「反省して勝った事にしてもらおう……」)
ということで。
『何だその体力のなさと諦めの早さは。そもそも飯、主にたんぱく質の摂取はしているのか?』
「そういえば締切に追われて、三日三晩何かを食べた記憶がない。いや、食べたかもしれないけれど覚えてない、が正しいかな」
『三日三晩だと……それで、締め切りのものは終わったんだろうな』
「もちろん、終わっていない。申し訳ないくらいに真っ白だ」
『!? 三日三晩の意味……そもそも、ごめんで済むなら公安はいらない!』
「ごめん、反省しているよ」
『……言った矢先から、空気が全く読めていないのだが』
そして理解できないとばかりに……ええい、もういい! と消えるその姿。
章的に反省したら、過去のあの人が呆れて、打ち勝ちました……!?
大成功
🔵🔵🔵
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
他の人たちと協力して参加するわ。
過去の自分・・・ね。
能力は同じだけれど、今の私と決定的に違う所があるわ。
過去の私は…他の人とは関わったりしない。信用しない。全て自分で片づける。
だから同じ力を持つ今の私の動きを警戒して、後の先ができるユーベルコード【因果応報の鏡】で待ち構える。
なら、同じく私も待ち構えて千日手に持ち込むわ。
ただ、今の私なら他の人の協力が期待できる…期待する。
「一人では…生きていけないのよ。望むと望まずと関わらず、ね」
過去の敵を叩ければ、あとは他の人の過去退治に協力しましょう。
ええ、その時には因果応報の鏡は別の敵を移すことになるのでしょうけど。
足を踏み入れしこの戦場は、幻朧帝イティハーサが創り出した侵略新世界。
そして新世界『サンサーラナラーカ』を満たす骸の海から、幻朧帝が引き摺り出した存在。
そんな、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)の前に現れた敵は。
「過去の自分……ね」
過去とは言っても、ヴィオレッタはヤドリガミ。
故に過去の姿ではあるのだろうが、今と変わらない見た目。
そしてその姿だけでなく、能力も鏡映しのような存在であるだろう。
だが、ヴィオレッタは知っている。
(「能力は同じだけれど、今の私と決定的に違う所があるわ」)
過去と今の、己の大きな違いを。
それに、その動きを見れば。
(「過去の私は……他の人とは関わったりしない。信用しない。全て自分で片づける」)
――だから同じ力を持つ今の私の動きを警戒して、後の先ができるユーベルコード【因果応報の鏡】で待ち構える、と。
そしてやはり思った通り、受け止めたユーベルコードをコピーするべく、銃を構えて待ちの体勢に入る過去の自分。
だから、今のヴィオレッタも敢えて、銃を構えて。
(「なら、同じく私も待ち構えて千日手に持ち込むわ」)
……だが、それでは勝負がつかない?
いや、それは違う。
(「ただ、今の私なら他の人の協力が期待できる……期待する」)
それこそが、今と過去とで決定的に違うところ。
同じ【因果応報の鏡】を発動するふたりのヴィオレッタでも、全く違うのだ。
他の人を信用せずに自分で片付ける過去のヴィオレッタと、他の人たちと協力して挑む今のヴィオレッタでは。
周囲の仲間が、自分が引き付けている間に敵を攻撃してくれると、信頼しているのだ。
『……ッ、!』
そう、今みたいに、敵を撃ち抜いて援護してくれるということを。
そして仲間からの一撃で大きくよろめく自分の「過去の姿」に銃口を向ければ。
「一人では……生きていけないのよ。望むと望まずと関わらず、ね」
そのことを知る今のヴィオレッタは、それを知らない過去の自分へと引き金をひいて。
過去の敵を叩いた後も、侵略新世界を駆ける。
……ええ、その時には因果応報の鏡は別の敵を移すことになるのでしょうけど、と。
過去の自分とは違う――他の人の過去退治に協力するために。
大成功
🔵🔵🔵

ミルナ・シャイン
過去の自分…は白紫陽花の髪飾りを着けていませんから、あの御方と恋に落ちる前ですわね…でしたら!
貴女の未来の恋人について聞きたくはないかしら?
『未来の恋人!?聞きたいですわ!』
ほら食いついた!
異例の速さで最高の位に登りつめた才覚溢れる平安貴族様で…グリモア猟兵と陰陽師探偵の顔もありお忙しいのですけれどちゃんとデートの時間も作ってくれますの。
一途な愛、っていう花言葉を込めてこの髪飾りを贈ってくれましたのよ!
恋バナに夢中になってる隙にこっそり指定UCで【宝石化】の状態異常を与え、好きな宝石パライバトルマリンの彫像状態になったところを斧で叩き割る。ごめんなさいね、未来のわたくしは幸せですからご安心を!
幻朧帝イティハーサが創造した侵略新世界『サンサーラナラーカ』の話は聞いている。
それに――この世界を満たす骸の海から、幻朧帝が引き摺り出すという敵の姿も。
だからミルナ・シャイン(トロピカルラグーン・f34969)は特段驚いたりはしない。
青からピンクへと移ろい、光の加減で緑にも見える南国の海色の髪を持つ人魚――自分の「過去の姿」が目の前に現れても。
いや、でもひとつ。
今の自分と眼前の過去の自分が、明らかに違うと言えるもの。
(「過去の自分……は白紫陽花の髪飾りを着けていませんから、あの御方と恋に落ちる前ですわね」)
そう――彼の光る君より贈られた、何色にも染まらぬ白い紫陽花の髪飾りの有無。
過去の自分の海色には咲いていない花。
それに相手は自分自身、愛しき君に出会う前ならば、なおさらのこと……でしたら! と。
ミルナは眼前に立ち塞がるように現れた自分の「過去の姿」に、こう持ち掛ける。
「貴女の未来の恋人について聞きたくはないかしら?」
それを聞けば、ぱっと明確に表情が変わって。
瞳をキラキラさせながら、こう返してくる過去のミルナ。
『未来の恋人!? 聞きたいですわ!』
そして即そう返ってきた言葉を聞けば――ほら食いついた! って。
自分の「過去の姿」が興味津々、知りたがっている彼の事を、ミルナは教えてあげる。
「異例の速さで最高の位に登りつめた才覚溢れる平安貴族様で……」
『平安貴族様?』
「新しく繋がった世界の御方ですわ。グリモア猟兵と陰陽師探偵の顔もありお忙しいのですけれどちゃんとデートの時間も作ってくれますの」
『そんな立派で素敵な御方と、私は未来では恋人に!?』
「ええ、とても立派で素敵な御方で、一目惚れでしたわ。一途な愛、っていう花言葉を込めてこの髪飾りを贈ってくれましたのよ!」
そんな、過去の自分も大好きな恋バナをすれば思った通り、夢中で聞いているし。
――貴方はどんな宝石が好み?
そう訊かずとも、自分の過去であるというのならばわかるから、こっそりと。
ジュエリートークを発動させたミルナは、過去の自分を宝石化させて。
『それで、その御方とは
……、!?』
好きな宝石パライバトルマリンの彫像状態に。
そして宝石となった過去の身を、ミルナは斧を振り下ろし叩き割る。
……ごめんなさいね、未来のわたくしは幸せですからご安心を! って。
煌めき砕け散る海の如き青に、そう告げながら。
大成功
🔵🔵🔵
七那原・望
黒絶・望。灼滅者だった頃のわたし。
あぁ、そういえばこの頃はまだ死にたがりでしたか。大切な恋人がもういるというのに。
それでも自分が嫌いで憎くて、だから隙あらば世界中の悪人を道連れにして自害してやろうって。
くだらないですね。
第六感と気配感知で敵の動きを見切り対処。過去のわたしの戦法は熟知している。
距離を取って空を飛びながら影業や魔法使いや神薙使いの遠距離攻撃系サイキックを結界術で弾けば完封出来ます。
詠唱は十分ですね。彼からもらったユーベルコード、カドラプル・プリズム・レインボーで吹き飛ばしましょう。
生憎、死に損なったあなたの未来は大切な彼や友達がいたりして、結構幸せなのですよ。ご愁傷様なのです。
幻朧帝イティハーサが創り出した新しき世界。
そして侵略新世界『サンサーラナラーカ』を満たす骸の海から、引き摺り出された存在。
七那原・望(比翼の果実・f04836)はそんな彼のことを、勿論知っている。
(「黒絶・望。灼滅者だった頃のわたし」)
望の眼前に在るのは、そう――彼女の「過去の姿」である彼。
そんな過去の姿を見れば、望は灼滅者であった日々のことを思い出す。
「あぁ、そういえばこの頃はまだ死にたがりでしたか。大切な恋人がもういるというのに」
――それでも自分が嫌いで憎くて。
だから隙あらば世界中の悪人を道連れにして自害してやろうって。
この時の、黒絶・望であった過去の自分は望んでいたのだ。
自分と、『セカイ』の滅びを。
けれど今の望は、過去の自分のそんな考えをこう断言できる。
「くだらないですね」
この当時だって大切な恋人であったけれど、今の望はえくるんの
妻。
比翼連理の灯火であるふたりは、共に未来を生きていくのだから。
けれど「過去の姿」の自分は、自分の滅びを願っていたから。
地を蹴り、七那原・望となった今の自分をも滅ぼさんと攻撃を仕掛けてくるも。
(「過去のわたしの戦法は熟知している」)
第六感と気配感知で敵の動きを見切り、過去の自分の攻撃に対処するべく動く望。
灼滅者であった己を完封出来る手段も知っている。
距離を取り、ばさりと広げた翼で空を飛びながら、影業や魔法使いや神薙使いの遠距離攻撃系のサイキックを結界術で弾いて。
威力を上昇させるための詠唱も十分……七那原・望は、黒絶・望を吹き飛ばす。
――カドラプル・プリズム・レインボー!
『……っ!!』
刹那輝き、過去の己へと見舞うは、火・風・土・水属性の7本の超破壊光線。
彼から継承したユーベルコードをもって、そして望は勝利の果実となる。
「生憎、死に損なったあなたの未来は大切な彼や友達がいたりして、結構幸せなのですよ」
死にたがりであった過去の自分に、そう教えてあげながら……ご愁傷様なのです、と。
大成功
🔵🔵🔵
酒井森・興和
目の前に居るのは
恐らく葛城戦で捕虜になり学園入りするまでの僕だ
傍目には随分憔悴してたのだね
まあ…ヒトの歳で12か13の頃に一族も身内も皆殺しの中一人残ったと思えばやつれもするか
あの頃は「現代」の言葉もよく解らず絶望感しか無かった
守るはずだった蜘蛛童の弟妹達も屠られ
頼るべき興安嶺小父さんも
国見の女王様さえ居ない…
故にあれの攻撃は全て捨て身の一撃
武器は同じく鉄槌の三砂と牙
僕の優位は手の内を解し
あの頃死を願ってばかりいた事を知るのみ
打撃をいなし【カウンター】に脇を撃つ
ふらつく隙にUCで耳下から喉を食い破り仕留める
反撃に瀕死の牙を立てられても抱き留め見送る
今は僕も娘を守る身
過去に殺されてはやれないんだ
眼前に広がるのは、幻朧帝イティハーサが創り出した侵略新世界。
その世界『サンサーラナラーカ』は骸の海に完全に満たされ、幻朧帝は1体のオブリビオンを引き摺り出す。
此の世界へと足を踏み入れた者の「過去の姿」を。
そして酒井森・興和(朱纏・f37018)は、目の前に居る自分が、いつの頃の自分か思い至る。
(「恐らく葛城戦で捕虜になり学園入りするまでの僕だ」)
それから改めてその姿を見れば、思うのだった。
……傍目には随分憔悴してたのだね、と。
だが、そう眼前の自分自身を客観的に見ながらも、当時の状況を思えば。
「まあ……ヒトの歳で12か13の頃に一族も身内も皆殺しの中一人残ったと思えばやつれもするか」
それも納得するし、過去の己の表情を、その眼光を見れば、思い出すのだ。
――あの頃は「現代」の言葉もよく解らず絶望感しか無かった、と。
(「守るはずだった蜘蛛童の弟妹達も屠られ、頼るべき興安嶺小父さんも、国見の女王様さえ居ない……」)
だから、興和にはわかっている。
『……ッ!』
封印前から共に在る手に馴染む鉄槌の三砂と、獲物へと突き立て齧る牙。
今の己と同じ得物で向かってくる
あれの攻撃が、全て捨て身の一撃であることが。
だって、守るものも頼るべきものも、何もかも眼前の自分は失っているのだから。
そして興和は、今の自分に分がある点を自覚している。
――僕の優位は手の内を解し、あの頃死を願ってばかりいた事を知るのみ、と。
それに何より、相手へと向ける得物や戦い方は互いに同じであれど。
過去と今の自分には、決定的な違いがあるのだから。
興和は過去が繰り出す打撃を見極めいなし、そして素早く攻勢に転じれば、その脇へと一撃を撃ち込んで。
『! ……ガッ!?』
上体を大きく揺らしふらつくその隙をつき、容赦なく牙を剥いて仕留めにかかる。
鋏角衆のその牙――獲牙を以て、耳下から喉を食い破って。
そして引き裂かれ赤に塗れながらも尚、顎に力を集め齧りつかんとするそれを興和は受け留めながらも。
反撃の瀕死の牙を立てられても抱き留め、そして見送る。
そう……今の己が眼前の過去よりも優位だという理由であり、そして過去と今の決定的な違い。
「今は僕も娘を守る身。過去に殺されてはやれないんだ」
後に現代についての教育を受け、人間への好奇心や知識欲が沸き、人間を理解する努力をするのだけれど。
事切れるのを見送る目の前の過去は、絶望に陥り死を願っている時の己であり。
そして今の自分には、生きるべき理由があるのだから。
大成功
🔵🔵🔵
小千谷・紅子
その桜は人も影朧も訪れず
女学校が建ち、少女達の声で目を覚ましました
形を真似ても心は得ず
救う為に生まれ、慰める想いを知らず
故に影朧を癒せず、一人の悪魔として繋ぎ止めた
貴女は過去の私
手を差し伸べ、未来と未練の分岐点で、時に自らを擲つ慕情を見送った
―来世で逢いましょう
少女達の言葉
やっと逢えました、と過去が云う
感傷は無く、この先も芽生えず、温度を知らぬ貴女
少しだけ多く受け取ったもの、貴女にも届けませう
咎は共に、過去を抱き寄せ、桜の焔に私と貴女をくべて
真似事の様に赤い糸を結び、今度こそ『癒し』を
今生の別れでも、未来を希った彼女達の言葉が正しく巡る為
常春の世界を、守る為
―遅い、と読めぬ声色で傘の君が云った
在りし世界に咲く常桜は、真なる事実を隠す幻朧の花。
そして幻朧帝イティハーサが創り出した侵略新世界『サンサーラナラーカ』に咲くは、紅のいろ。
人も影朧も訪れず、女学校が建ち、秘め事をそっと芽吹かせる少女達の声で目を覚ましたのだけれど。
だが癒すべく花開いたはずの桜は、形を真似ても心は得ず、そして知らなかったのである。
……救う為に生まれ、慰める想いを。
そして、故に。
(「影朧を癒せず、一人の悪魔として繋ぎ止めた」)
刹那、小千谷・紅子(慕情・f27646)は眼前の紅へと、その手をそっと差し伸べる――貴女は過去の私、と。
未来と未練の分岐点で、時に自らを擲つ慕情を見送った。
――来世で逢いましょう。
そう咲かせる少女達。
来世でまた結んでくれるって、乙女の間では専らの噂であったから。
――やっと逢えました。
そう過去が云う。
それは、感傷は無く、この先も芽生えず、温度を知らぬ貴女。
だから紅子は、さらりと結んでいた赤を解きその手に落として。
「少しだけ多く受け取ったもの、貴女にも届けませう」
針の一刺で染まる己の紅で紬ぐは、赤き糸。
そして……咎は共に。そう過去を抱き寄せれば、桜の焔に己と自分の過去をくべて。
紅子は祈る、真似事の様に赤い糸を結んで――今度こそ『癒し』を、と。
今生の別れでも、未来を希った彼女達の言葉が正しく巡る為。常春の世界を、守る為に。
刹那、広がり続ける
広大無辺の無限地獄で燃ゆるは退紅の花弁たち。
そうして咲いた桜の焔の只中で、傘の君は云った――遅い、とそう読めぬ声色で。
大成功
🔵🔵🔵
真宮・響
【雷炎の絆】で参加
過去のアタシか。元々箱入り娘でねえ。お高く止まってた。用意された立場を脅かす奴いれば邪険にしてたっけ。まあ、馬車で外出してた時暴漢に襲われたのはそうとう恨まれていたんだろう。
だから自分の身が危ないなら死ぬ気で戦ってくるだろう。敵の攻撃もしんどいので【オーラ防御】【結界術】【残像】【心眼】【回復力】で頑張って耐える。まあ、過去のわがままに屈するわけにはいかないし。
律も手こずってるねえ。こちらも負けてられない。【限界突破】と【怪力】で真紅のゲイボルグ!!もう娘も結婚してるしねえ。小さな恋人たちのためにも過去なんかに囚われてられない。容赦無く槍で【串刺し】!!
真宮・律
【雷炎の絆】で参加
おや。大層な御託をならべてるな。まあ、過去の俺は報酬次第でなんでもやる傭兵だった。まあ、この身と過去は血に塗れている。響と会ったのは転機だったな。響と奏を庇って一度死んだのも罪の報いだと思った。
まあ、慈悲なし傭兵モードの俺、本当強いだろうな。【オーラ防御】【残像】【迷彩】【回復力】【勝負勘】【心眼】で必死に斬撃に耐えながら、【グラップル】で蹴り付ける。本当にきついな。血も涙もない。
でもなあ。一度死んで魂人になった時点でみにつけた力は予想できないだろうな。黒雷の意志!!【部位破壊】【限界突破】で全力の【電撃】!!
響も手こずったなあ。まあ、お互い共に生きていくのは変わらない。
侵略新世界のひとつ『サンサーラナラーカ』。
足を踏み入れたそこは、幻朧帝イティハーサが創造した世界。
幻朧帝イティハーサはエンシェント・レヰス『神王サンサーラ』と融合することで「意志」を獲得したというが。
融合したサンサーラの圧倒的な威光によって「
広大無辺の無限地獄」を広げ続けているのだという。
そして、やってきた猟兵の前に、骸の海から引き摺り出したという存在。
それは――。
『報酬さえ貰えれば何だってやる。情で何か食べる物が手に入るか? 裏切らないのは金だ』
「おや。大層な御託をならべてるな」
……まあ、過去の俺は報酬次第でなんでもやる傭兵だった、と。
真宮・律(黄昏の雷鳴・f38364)の前に現れたのはそう、己の「過去の姿」。
そして眼前にいる自分がいつの頃の自分なのかは、その言動でわかる。
「まあ、この身と過去は血に塗れている。響と会ったのは転機だったな」
戦場を糧として生きてきた流浪の傭兵であった頃の律。
報酬さえ貰えれば、何にだって手を染めてきたあの頃。
そして、ある令嬢を……若かりし頃の妻の真宮・響(赫灼の炎・f00434)を暴漢から助ける前の自分であり。
何より、過去の自分を見れば、律は思う――ヴァンパイアの操る魔獣から、響と奏を庇って一度死んだのも罪の報いだと。
そんな律と同じく、勿論響の前にも。
『邪魔をするなら、許さない』
「過去のアタシか」
そう、若い頃の自分の姿が。
目の前にいる過去の自分の言動を見聞きすれば、響はその頃の自分を思い出しつつ。
「元々箱入り娘でねえ。お高く止まってた。用意された立場を脅かす奴いれば邪険にしてたっけ」
それから、改めて思う。
(「まあ、馬車で外出してた時暴漢に襲われたのはそうとう恨まれていたんだろう」)
その時に助けてくれたのが、共に今ある律というのも運命的なのであるが。
だが、立ちふさがっている自分は、彼に出会う傲慢な箱入り娘の頃の自分。
そして響にはわかっている――だから自分の身が危ないなら死ぬ気で戦ってくるだろう、と。
そう思った刹那、今と引けを取らぬ動きで迫る過去の自分。
その攻撃が熾烈なのもわかっているから、守りの気を纏って結界術を施し、残像や心眼や回復力……使える手段を駆使し、頑張って耐えんと迎え撃つ響。
同時に律も、確りとオーラ防御で守りを固めて。
(「まあ、慈悲なし傭兵モードの俺、本当強いだろうな」)
残像や迷彩や回復力で何とかやり過ごさんと、勝負勘や心眼を使っては必死に過去の自分の斬撃に耐えつつ。
グラップルで蹴り付けて、何とか対抗しながらもやはり我ながら思う――本当にきついな。血も涙もない、と。
(「律も手こずってるねえ」)
そんな彼の様子を視界の端で捉えつつも、響は攻めてくる過去の自分を改めて見遣る。
……こちらも負けてられない、と。
そして踏み込んでくる隙を突いて放つは、性能が増幅したブレイズランス。
「アタシのありったけの情熱を込めるよ!!」
そう――限界突破と怪力を乗せた、真紅のゲイボルグ!!
『!! なっ……うっ!』
「もう娘も結婚してるしねえ」
叩き込んだ攻撃によろめく自分に、躊躇なく続けて見舞う響。
だって、小さな恋人たちのためにも過去なんかに囚われてられないから。
『ぐっ!!』
だから――容赦無く槍で串刺しに!!
そして律も、過去の自分の猛攻に耐えていたが。
「でもなあ。一度死んで魂人になった時点でみにつけた力は予想できないだろうな」
――これをただの雷と思ったら大間違いだ!!
刹那、戦場に降り注ぐは黒い雷……黒雷の意志!!
『何っ、ぐはっ!』
部位破壊と限界突破で見舞う、全力の電撃!!
そして轟き落ちる雷に打たれ感電し、広がる骸の海へと沈む過去を後目に。
(「響も手こずったなあ」)
けれど確りと過去を打ち倒した彼女の姿を瞳に移しながらも、律は改めて思う。
血も涙もなかった傭兵時代の自分は確かに強い。
だが、過去は決して今の自分を倒すことはできないから。
(「まあ、お互い共に生きていくのは変わらない」」)
そう――今の律には、今みたいに戦場に並び立って共に生きていく妻と、大切な家族という存在があるのだから。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
真宮・奏
【星の絆】で参加
過去の私ですか?まあ、護りの騎士として確立するまではやんちゃで暴走して逆に守られていましたよ?好き勝手で我儘でした。星羅はとても大人びた子ですがとても寂しがり屋です。やんちゃと寂しさの全力攻撃ですか・・私がしっかりしなきゃですね。
攻撃痛いです・・・冷気の攻撃なら防具の防御は効果薄いですか。【オーラ防御】【結界術】【鉄壁】【氷結耐性】【激痛耐性】【回復力】往生際の悪さなら自信あるんですよ!!寂しがりの星羅の前で倒れてられません。
光耀の雨で私と星羅の身を保たせながら、【限界突破】!!星羅、大丈夫ですか!!一矢報いますよ!!息をあわせて【衝撃波】!!絆見せますよ!!
神城・星羅
【星の絆】で参加
生命全否定な上に過去を抉り出すと。私は5人きょうだいの末っ子でした・・・まあ、一人になるのが怖い、です。猟兵の任務は使命ですから一人で平気ですけど、生まれ故郷以外で一人で出歩くのが怖い、です。なので恐怖のあまり全力で攻撃してくるんでしょうね。
姉様は・・・今は大分落ち着いたんですね。自分の相手は自分でします。守護の神楽衣装発動!!【オーラ防御】【残像】【幻影使い】【回復力】で耐えます。
でも感情に任せて攻撃してるだけあって攻撃の精度が悪いですね。しっかり【集中力】で狙って調律の弓で【一斉発射】。【矢弾の雨】降らせてやります。
ええ、姉様、いけます。【援護射撃】で全力の一矢を!!
これまで家族で駆けてきた帝都櫻大戰。
そして、侵略新世界のひとつ『サンサーラナラーカ』を創造し、遂に姿をみせた幻朧帝イティハーサ。
けれど、そんな幻朧帝と自分達の前に立ち塞がっているのは、広がり続ける骸の海と。
「生命全否定な上に過去を抉り出すと」
そう……神城・星羅(黎明の希望・f42858)の視線の先にいる、自分の「過去の姿」である。
それは、幻朧帝イティハーサが骸の海から引き摺り出した、未来や生命を否定するモノ。
そして真宮・奏(絢爛の星・f03210)も、現れた自分の姿を見遣って。
「過去の私ですか? まあ、護りの騎士として確立するまではやんちゃで暴走して逆に守られていましたよ?」
……好き勝手で我儘でした、と。
自身の過去をそう思い返せば。
星羅も、己の身の上をぽつりと語る。
「私は5人きょうだいの末っ子でした……」
……まあ、一人になるのが怖い、です、と。
そしてそんな耳に届いた声を聞きながら、奏は改めて思う。
(「星羅はとても大人びた子ですがとても寂しがり屋です」)
彼女は年の割にとてもしっかりしている子。でも、その心は寂しがり屋だと。
それに星羅も、眼前の過去の自分を見つめて。
「猟兵の任務は使命ですから一人で平気ですけど、生まれ故郷以外で一人で出歩くのが怖い、です」
……なので恐怖のあまり全力で攻撃してくるんでしょうね、と。
自分自身のことだからこそ、それがよくわかるし。
「やんちゃと寂しさの全力攻撃ですか……私がしっかりしなきゃですね」
「姉様は……今は大分落ち着いたんですね」
今でも元気な印象の奏だけれど、もっと猪突猛進な感じの彼女の過去の様子に、星羅はそう紡いでから。
自分達へと迫る過去の動向を確りと視線で捉える。
奏も、積極的に怖い物なしで攻撃を仕掛けてくる過去の自分と対峙しながらも。
(「攻撃痛いです……冷気の攻撃なら防具の防御は効果薄いですか」)
過去の自分の動きや攻撃手段を冷静に見据えつつ。
オーラ防御や結界術や鉄壁で守りを固め、氷結耐性や激痛耐性、回復力で耐えてみせて。
「往生際の悪さなら自信あるんですよ!!」
地を踏みしめ、過去の猛攻を凌ぐ……寂しがりの星羅の前で倒れてられません、って。
そして、己の身だけではなく。
――このキラキラはただの光じゃないですよ?
戦場全体に流星雨を発生させれば、その星の光の力で、自分だけでなく星羅の身も保たせながら。
『なっ!? ……っ!!』
過去のやんちゃな自分へと見舞うのは、限界突破の流星の攻撃!!
そしてそんな奏の、光耀の雨の力を受けながらも。
「自分の相手は自分でします――守護の力を!!」
星羅が発動させるのは、守護の神楽衣装!!
さらに、オーラ防御残像と幻影使い、回復力も駆使して、過去の自分の攻撃を耐えんと鳥の羽を生やして。
(「でも感情に任せて攻撃してるだけあって攻撃の精度が悪いですね」)
寂しさや不安や恐怖の気持ちで攻撃を仕掛けてくる自分自身の動きを見極めれば。
確りと集中力を保ち、狙いを定めれば――調律の弓で一斉発射!
『……!』
戦場に刹那星羅が降り注がせるは、矢弾の雨。
そして見せつけ叩きつけるのは、過去の自分達と今の自分達の明らかな違い。
「星羅、大丈夫ですか!! 一矢報いますよ!!」
「ええ、姉様、いけます」
眼前の過去の様に、ひとりで戦っているのではなく……今はふたり一緒に、戦っているのだから。
――息をあわせて衝撃波!!
――援護射撃で全力の一矢を!!
もう寂しくないし、寂しい想いだってさせない。
だから奏は……絆見せますよ!! と。
過去へと連携攻撃をお見舞いし打ち倒す。ひとりではなくふたりで、星羅とともに。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
神城・瞬
【双月の絆】で参加
過去の僕ですか?まあ視野狭窄で生まれ故郷の無念を晴らすことで血気にはやっていたでしょうねえ。僕はダンピールですし、朔兎も意図的に妖の力が体にいれられています。目の前の僕と朔兎はただ邪魔者を排除しようとするでしょう。朔兎、共に乗り越えましょう。
朧月夜の狩人発動。最初なら完全なら幾らでも弱体化できるはず。狩猟鷲に【鎧無視攻撃】【目潰し】【部位破壊】【マヒ攻撃】を付与して突撃させます。
僕は【オーラ防御】【結界術】【回復力】で耐えますね。朔兎、大丈夫ですか!!治療のためにも一矢報いましょう!!【全力魔法】【限界突破】でダブル【電撃】!!
ええ、朔兎。君がどんな事になっても傍にいますよ。
源・朔兎
【双月の絆】で参加
おお、超上から目線。あのな、アンタの視点では無価値だろうが知ったこっちゃない。自分の生き方は自分で決める。ただでさえ変なもの混じって生まれてきても、今隣に瞬さんがいるし。
ああ、過去の俺は自分をほぼ見失っていたしな。いらだちをぶつけるように突撃してくるだろう。敵本体の攻撃もあると。きつい。【オーラ防御】【結界術】【残像】【回復力】【根性】で耐える。過去の俺の力任せの攻撃に正直に付き合うと切り飛ばされるからな。遠距離戦で迎撃する。
まあ、今の俺は遠距離から攻撃するすべも学んだからな。成長やめた奴には負けないぜ。【限界突破】で月白の輝き!!
瞬さん、ありがとう。俺、もっと強くなる!!
骸の海で完全に満たされた、侵略新世界のひとつ『サンサーラナラーカ』。
幻朧帝イティハーサは未来を否定し、過去をもってこの世界を創造して。
そして、満たした骸の海から引き摺り出したのだ。
己に刃を向けんとする猟兵の「過去の姿」を。
故に当然、源・朔兎(既望の彩光・f43270)の眼前に在るのは、朔兎自身の過去であるのだが。
『そんな無意味なもの、俺が全て切り飛ばしてやる』
「おお、超上から目線」
過去の自分の見下すような言動や視線に、朔兎がそう肩を竦めてみせれば。
その隣に並び立つ神城・瞬(清光の月・f06558)も目を向ける。
「過去の僕ですか? まあ視野狭窄で生まれ故郷の無念を晴らすことで血気にはやっていたでしょうねえ」
思い込み激しく視野が狭くなっていると見てわかる、過去の自分の姿に。
そして朔兎は、過去の自分へとはっきりと言い放つ。
「あのな、アンタの視点では無価値だろうが知ったこっちゃない」
……自分の生き方は自分で決める、と。
それから、胸を張ってこう言い切る。
「ただでさえ変なもの混じって生まれてきても、今隣に瞬さんがいるし」
その言葉を耳にしながら、瞬は改めて過去の自分達を見遣って。
(「僕はダンピールですし、朔兎も意図的に妖の力が体にいれられています」)
だからこそ、過去がどう動くかは分かっているし。
「目の前の僕と朔兎はただ邪魔者を排除しようとするでしょう」
そして自分達がそんな過去の自分達に対しどうするか、それは瞬の中で言わずもがな。
迷うことなく、魂が似ていると感じる彼に声を掛ける。
「朔兎、共に乗り越えましょう」
それに勿論、朔兎も即座に頷いて返して。
「ああ、過去の俺は自分をほぼ見失っていたしな。いらだちをぶつけるように突撃してくるだろう」
過去の自分自身を振り返り、その行動を予測して。
瞬と共に過去と対峙するべく、己にオーラ防御や結界術を施せば。
(「敵本体の攻撃もあると。きつい」)
残像や回復力を有効に使い、そして根性で敵からの猛攻に耐え、地を踏みしめながらも見極める。
(「過去の俺の力任せの攻撃に正直に付き合うと切り飛ばされるからな」)
故に、遠距離戦で迎撃する立ち回りを常に意識して。
そんな朔兎と共に過去を迎えうちながらも。
(「最初なら完全なら幾らでも弱体化できるはず」)
――さて、この子らの攻撃に耐えれますか?
瞬が発動するは、朧月夜の狩人。
戦場に喚んだ狩猟鷲に鎧無視攻撃や目潰しを嗾け、部位破壊やマヒ攻撃を付与して突撃させれば。
「まあ、今の俺は遠距離から攻撃するすべも学んだからな。成長やめた奴には負けないぜ」
過去の自分に、朔兎は接近させることを許さずに。
――輝け!!この世界を照らし出す為に!!
掲げた双月の剣から刹那放つは、青白い月光の斬撃……限界突破した、月白の輝き!!
『何っ!? く、視界が……!』
攻撃を見舞いつつ、瞬の狩猟鷲と共に敵の視界をその輝きで奪う。
だが過去は自分達に引けをとらぬ戦闘力、それでも尚、強烈な攻撃を仕掛けてくるも。
「朔兎、大丈夫ですか!!」
オーラ防御や結界術や回復力で耐えていた瞬は、すかさずそう声を掛けて。
……治療のためにも一矢報いましょう!! と。
撃ち出すは、全力魔法の限界突破でのダブル電撃!!
そしてふたりですかさず過去の自分達へと攻勢に転じれば。
「瞬さん、ありがとう。俺、もっと強くなる!!」
朔兎は強敵の自分の過去を相手を圧倒する。
瞬と共に戦場に在る今、そして上からの目線や言動などしない今、過去に負ける気など微塵もしないから。
同じく瞬も、そんな彼と絶妙の連携をはかり、過去を打ち倒すべく動きながらも。
魂が似ている者同士、改めて頷きつつも告げる。
……ええ、朔兎。君がどんな事になっても傍にいますよ、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
白矢羽・尭暁
また渋い顔で送りだされてしまった
でも過去の僕に会いにいかねば
おそらく皇族の私たる僕、だろう
――小さい僕だな
父上を亡くした頃か
僕…いや、私は皇族としてこうあらねばとあがいていた頃の…弱い僕
あの頃の僕なら戦う間でもない
君は大丈夫なのだと教えればいいだけ
君はそのうち、支えてくれるものと出会うからと
けれどその言葉を払い、成長してしまうなら戦わねばならないね
きっと君は出会っても切り捨てる
そういう性格だろう、思うままにふるまえるのは主としての資質だけれどそれでは駄目なのだ
君からの攻撃はいくらでも受けよう
でも僕も、手心は加えない
矢…それは父上の真似かい?
でも激しすぎる
父上の矢はもっと研ぎ澄まされた矢だったよ
足を踏み入れた、幻朧帝イティハーサが創造した侵略新世界のひとつ『サンサーラナラーカ』の只中で。
白矢羽・尭暁(金烏・f42890)がふと思い返すのは、此処へと自分を導いた際の従者の顔。
(「また渋い顔で送りだされてしまった」)
それは自分にしか分からない機微。
けれど従者は自分のことを止めることはしなかったし。
何より、尭暁は思うから――でも過去の僕に会いにいかねば、と。
そして引き摺り出される「過去の姿」がどのような自分かは、分かっている。
(「おそらく皇族の私たる僕、だろう」)
自分達が在るべき世界を守らんと思い詰めてしまえば、今だって陥りかねないと自覚したばかりで。
でも今の尭暁は、そんな皇族たる私ではない、僕で在れているから。
現れた自分の「過去の姿」と真っ向から向き合う。
そんな自分の過去姿は、幼き頃の『私』。
(「――小さい僕だな。父上を亡くした頃か」)
だが幼く小さいが、子供らしさが皆無で。尭暁自身、この頃の自分に思う。
(「僕……いや、私は皇族としてこうあらねばとあがいていた頃の……弱い僕」)
でもわかっているからこそ……あの頃の僕なら戦う間でもない、と。
冷たい目をした幼子の目線に屈み、過去の自分へと伝える。
「君はそのうち、支えてくれるものと出会うから」
君は大丈夫なのだと、教えればいいだけ……と。
現に従者は渋い顔はしたものの、今の自分に必要だと理解してくれて、此処へと送り出してくれたから。
けれど幼き『私』である過去はその言葉を払い、成長してしまうけれど。
伝えたいことは伝えた、尭暁の心に迷いはない。
「なら戦わねばならないね。きっと君は出会っても切り捨てる」
……そういう性格だろう、と。
そして、思うままにふるまえるのは主としての資質ではあるだろうが。
でも、今の尭暁にはわかるから――それでは駄目なのだ、と。
「君からの攻撃はいくらでも受けよう。でも僕も、手心は加えない」
だから過去の自分に知らしめるためにも刃を向ける。
今は隣にこそいないけれど、ひとりではない自分は強く輝けるのだと、そう証明するために。
それに今の尭暁も、改めて過去の自分を見れば思うから。
「矢……それは父上の真似かい? でも激しすぎる」
皇族の私たる自分は、何も成せないと。
ただ上辺だけ父を真似た、皇族として大切なことが欠落している『私』では駄目だと。
そう――記憶の中にある父のそれは、決して今刃で弾いた一矢のように激しくなどなく。
「父上の矢はもっと研ぎ澄まされた矢だったよ」
純粋で真っすぐで、月のように優しく――何ものをも貫く、凛とした輝きを放っていたから。
大成功
🔵🔵🔵

ヘルガ・リープフラウ
※アドリブ歓迎
現れた「過去の自分」は幼い日の姿
まだ世界の悪意や絶望を知らなかった頃の、無垢なる魂
だけど戦闘力以上に戦いを困難にするのはその「純真さ」
人の善意を一片も疑うことなく、幸福と希望を信じるその姿は
わたくしの主たる攻撃手段――「神罰」の行使を躊躇わせる
「皆仲良くすれば争いなど起きないのに
皆が優しく、笑顔でいられれば幸せなのに」
ええ、確かにそうね
でも、それだけでは人は、世界は救われない
異なる望み同志が交われば、そこに争いが生まれる
命は限りあるが故に、その終焉は悲しみを齎す
大切なのは厄災から逃げるのではなく
ままならぬ現実と向き合い、挫けず立ち上がること
わたくしは往くわ
あなたの願いも共に連れて
――最早世界を創るのに、新たな『未来』など必要ない。
そう告げた幻朧帝イティハーサが創造した侵略新世界のひとつ『サンサーラナラーカ』。
骸の海で完全に満たされたその世界へと、ヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)は足を踏み入れて。
そして、引き摺り出されたその存在を目にする。
現れた幼い日の「過去の自分」の姿……まだ世界の悪意や絶望を知らなかった頃の、無垢なる魂を。
同時に、改めてその姿を見れば、感じるから。
(「だけど戦闘力以上に戦いを困難にするのはその「純真さ」」)
人の善意を一片も疑うことなく、幸福と希望を信じる過去の様は、ヘルガ自身を何よりも躊躇わせる。
(「わたくしの主たる攻撃手段――「神罰」の行使を」)
それほどに純真で、穢れを知らぬ過去の己。
それは紡がれる言の葉からも明白で。
『皆仲良くすれば争いなど起きないのに。皆が優しく、笑顔でいられれば幸せなのに』
けれど、今のヘルガは、知っているから。
過去の自分へとこう紡ぐ。
「ええ、確かにそうね。でも、それだけでは人は、世界は救われない」
――異なる望み同志が交われば、そこに争いが生まれる。命は限りあるが故に、その終焉は悲しみを齎す。
それを知らしめられ、時に傷つき、大いに悩んで、涙を流した。
でも、だからこそ今のヘルガは、眼前の過去よりも強く優しく在れるのだ。
「大切なのは厄災から逃げるのではなく。ままならぬ現実と向き合い、挫けず立ち上がること」
そしてそれはひとりでは成せず、そんな自分のことを理解して支え、守ってくれる人が傍にあるからこそで。
支え合いながら辛い現実と確りと向き合い、立ち上がることの大切さを……それを乗り越えたからこそ得られた今の強さや優しさがあることを、知ったから。
天空に響き渡る祈りの聖歌から、導きの星の力を宿した光の欠片を煌めかせながらも。
迷うことなく、今のヘルガはこう迷いなく言い切れる。
「わたくしは往くわ」
……あなたの願いも共に連れて、と。
大成功
🔵🔵🔵
夜刀神・鏡介
自分自身を越えていく、文字通りの意味で。そういう事ができる機会は中々存在しない
幻朧帝の事は気に食わないが――少しだけ、感謝しようか
現れるのはごく近い過去。それこそ数日とか、数週間前くらいの俺
こうなると、思考なんかはそう変わるもんじゃない……真っ向勝負で乗り越える他ないな
神刀を抜き、移動しながら斬り結ぶ。互いに動きが同じなら、とりあえずは凌げる
俺と過去の自分に違うところがあるとすれば
アレは俺であっても、あくまで過去の存在であり、オブリビオンである事
即ち――未来を掴もうとする意志の有無
だから迷いを捨てて前に出る。一撃食らう事になるのも想定内だ
それを乗り越えて、斬る――澪式・奥義【無念】
幻朧帝イティハーサが創造した侵略新世界『サンサーラナラーカ』。
その世界に足を踏み入れた夜刀神・鏡介(道を貫く一刀・f28122)の前に立ちはだかるのは、よく見知った姿。
未来を否定し、幻朧帝が過去から引き摺り出したのはそう、鏡介自身。
鏡介の過去の姿であった。
だが出現するその存在のことは予め聞いていたし。
(「自分自身を越えていく、文字通りの意味で」)
……そういう事ができる機会は中々存在しない、と。
眼前の己の動向から目を逸らさずに、けれど鏡介は思うのだ。
(「幻朧帝の事は気に食わないが」)
――少しだけ、感謝しようか、と。
よく知る相手でもあり、また相手も自分のことをよく知っている。
何せ、骸の海かた引き摺り出され現れたのはごく近い過去……それこそ数日、数週間前くらいの自分であるから。
(「こうなると、思考なんかはそう変わるもんじゃない……真っ向勝負で乗り越える他ないな」)
そう神刀を抜けば、全く同時に、過去の鏡介も同じ刀を抜いて。
同じ呼吸で、互いに地を蹴って刃を振るう。
そして移動しながら斬り結び、刀を交えながらも見極める……互いに動きが同じなら、とりあえずは凌げる、と。
だがそれでは、決着はつかぬまま。
けれどこの力の拮抗は破れると、鏡介は勝算を見出す。
(「俺と過去の自分に違うところがあるとすれば。アレは俺であっても、あくまで過去の存在であり、オブリビオンである事」)
それは即ち――未来を掴もうとする意志の有無。
だから迷いを捨てて、果敢に前へと出れば。
繰り出された過去の己の刃がすかさず閃き、肩口を容赦なく貫くけれど。
『……!』
瞳を一瞬見開いたのは、斬撃を見舞ったはずの過去の鏡介の方。
一撃食らう事になるのも想定内、負った傷に怯むことも退くこともなく、むしろぐっとさらに前へと出て。
それを乗り越えて、斬る――そう過去の己へと刹那、鏡介が見舞ったのは。
必殺の無念無想の太刀、澪式・奥義【無念】。
そして振るうその剣を以て、鏡介は紕いを断つ。
この数日数週間の間にも多くの場数や経験を踏み、過去よりも今の方がより強い己であって。
何より過去の存在にはない、未来へと前へ踏み出す意思と乗り越える力を、今の鏡介は持っているのだから。
大成功
🔵🔵🔵
雨野・雲珠
【白蛇衆】
……!!
放置すれば大惨事の予感
頷いて、先に自分を片付けにいきます
…もし、一人で来たのだったら。
俺は俺に思うことがたくさんあるし、
それはあの俺も同じでしょう
でも!『今それどころじゃない俺』は強いですよ!
(【四之宮】で瞬時にぎっちぎちに拘束。一旦放置してダッシュ)
かみさまー!深山さーん!
お待たせしっ…うわー遅かった!
さすがかみさま、敵に回したくない嫌攻撃
あ、俺(過去)が今巻き添えになりましたね…(合掌)
これは本丸狙い一択でしょう
鳥の眷属さんの視野をお借りしながら
【枝絡み】と再度の【四之宮】を張り巡らせて相手の視界を塞ぎ、
同時に対象へ向かって一直線の道を作ります
…深山さん、お願いします!
朱酉・逢真
【白蛇衆】
心情)おふたりサンよ、頼みがある。あのな…俺は敵に回るとクッソウザい。俺対俺だと被害が広がる。なモンで、頼む。俺が全力で
サポッから、さっくり自分の過去を斃して俺の過去を潰してくれンかえ?
過去)楽しげに病毒を撒き散らし、【死出の行進(レミングズ・マーチ)】を使用して新世界ごと破壊しようとする。本人は一発入れれば死ぬが、いれるまでが大変。
行動)坊と旦那に魔力印を施し、専用の眷属をつける。マ・こいつ自身は大したこた出来ん。が、こいつらが死ぬとしばらくおふたりサンの攻撃が威力倍になるからな。便利だろ? それまで俺は俺を全力の結界で抑えてる。俺同士で話すこともねェしな。
深山・鴇
【白蛇衆】
あー、ああー…
二人の言葉に納得しかない顔をして、さっさと過去の自分を倒しに
過去の自分ね、未熟が過ぎて少し恥ずかしいくらいだな…
(二十歳くらい、眼鏡はなし)
過去の自分と今の自分、戦闘能力の差はなくても経験値が違う
しかも逢真君のサポートがあるからね!どう差し引いてもこちらが有利ってものさ(UC使用)
さて過去の逢真君を放っておくと碌なことが…はぁ、過去の君も楽しそうな顔してるな…
(やってきた雲珠君にこの通りだよ、と視線を向け)
花道ってところかな
雲珠君の作った道を駆け抜け、病毒は毒耐性と逢真君の加護に任せ一気に距離を詰め――
楽しそうなところ済まないけどね、そろそろ還る頃合いだよ
――首を落とす
新たな『未来』など必要ない。
そう断言する幻朧帝が作り上げるのは、これまで形作られた『過去の断片』を組み合わせた新世界。
そんな侵略新世界『サンサーラナラーカ』の只中で、朱酉・逢真(朱ノ鳥・f16930)はこう切り出す。
……おふたりサンよ、頼みがある、と。
「あのな……俺は敵に回るとクッソウザい。俺対俺だと被害が広がる」
幻朧帝が骸の海から引き摺り出した『敵』を見遣りながら――なモンで、頼む、と。
「俺が全力で
サポッから、さっくり自分の過去を斃して俺の過去を潰してくれンかえ?」
そう、恐るるは、サンサーラの圧倒的な威光により広がり続けるこの「
広大無辺の無限地獄」よりも。
そこに具現化した骸の海――かみさまの「過去の姿」。
「……!!」
届く声を耳にしつつも、ふたりのかみさまを見れば、雨野・雲珠(慚愧・f22865)にだってわかる。
かみさまにこの戦場は、やばやばのやばな気も元からしていたが……放置すれば大惨事の予感、と改めて。
そして深山・鴇(黒花鳥・f22925)も、引き摺り出されたその姿を見れば。
「あー、ああー……」
聞こえる言葉に納得しかない顔をして、雲珠と共にまず向かうは。
さっさと過去の自分を倒しに。
年は二十歳くらいの頃だろうか、メタルフレームのスクエア型眼鏡もかけてはいない、そんな自分の「過去の姿」を改めて見遣れば。
「過去の自分ね、未熟が過ぎて少し恥ずかしいくらいだな……」
むしろちょっぴり精神的なダメージの方を負いそうな、過去の己の若さ故のこそばゆさ。
逢真からの頼み事もあるし、鴇にはわかっているから。
「戦闘能力の差はなくても経験値が違う。しかも逢真君のサポートがあるからね!」
過去の自分と今の自分の、決定的な差を。
さらにかみさまの支援まで加われば……どう差し引いてもこちらが有利ってものさ、と。
それに何よりも、ちょっぴり恥ずかしい若かりし頃の自分は、できるだけ早く消えて貰いたいから。
初手から手など抜かず閃かせるは、一刀開眼――そんな強い意志で踏み込んでの連撃と重ねた経験による的確な急所突き、そして積み上げた努力の結晶である一撃をもって、未熟な過去の己を鴇は叩き切る。
そして雲珠も、過去の己と相対して……もし、一人で来たのだったら、と心に思う。
(「俺は俺に思うことがたくさんあるし、それはあの俺も同じでしょう」)
だがしかし。
「でも! 『今それどころじゃない俺』は強いですよ!」
現状はそんな悠長なことしていられないのだ。
『……!』
瞬間、背中の箱宮から放たれるは、蠢く無数の桜の根。
早速四之宮をもって、ぎっちぎちに己の過去を拘束した雲珠は、そんな過去を一旦放置してダッシュ!
急ぎ駆け付ける先に在るのは、そう。
「さて過去の逢真君を放っておくと碌なことが……はぁ、過去の君も楽しそうな顔してるな……」
「かみさまー! 深山さーん! お待たせしっ……うわー遅かった!」
この通りだよ、と肩を竦め鴇が苦笑するような――ある意味無邪気な、その姿。
楽しげに病毒を撒き散らし、
死出の行進をもって新世界ごと破壊しようとしている、逢真の過去。
そしてそんな過去と今の彼が相対すれば、もっと酷いことになるだろうし。
「さすがかみさま、敵に回したくない嫌攻撃。あ、
俺が今巻き添えになりましたね……」
そう、嬉々と世界を壊さんとする過去のかみさまは、誰にも考慮する必要がないのだ。
ということで、拘束して放置していた過去の雲珠が滅されたわけであるが。
眼前の過去の逢真は一発入れれば死ぬ。だが、いれるまでが大変なわけで。
逢真がふたりに施すは、専属の眷属を与える魔力印。
「マ・こいつ自身は大したこた出来ん。が、こいつらが死ぬとしばらくおふたりサンの攻撃が威力倍になるからな。便利だろ?」
そうわらってみせながらも、全力の結界で抑える役を担う。
ふたりが己の過去を倒すまで、俺は俺を、と。
「俺同士で話すこともねェしな」
というわけで、これは本丸狙い一択でしょう、と。
鳥の眷属の俯瞰の視界を借りて、雲珠は桜の枝や根たちを張り巡らせる。
過去のかみさまの視界を塞ぐべく、シガラミ君と、再度の四之宮による、意のままに蠢くそれらで。
いや、それだけではない。
同時に対象へ向かって作るは、一直線の道。
「……深山さん、お願いします!」
刹那、雲珠君の作ったまさに花道を駆け抜け、好き放題巻き散らされる病毒は毒耐性と逢真の加護に任せて。
一気に距離を詰めた鴇が、迷わず刃を閃かせれば。
「楽しそうなところ済まないけどね、そろそろ還る頃合いだよ」
刎ね飛ばした首が、骸の海満ちる世界に落ちて。
ごろりと地に転がっても尚、楽しそうに笑み宿したまま――過去の己たちは、在るべき場所へと還っていったのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

クロム・エルフェルト
【狐々】
顕われた過去の私は
覚えたての剣術に酔ひ
向かふ処敵無しと己に酔ふ
――嗚呼確か
「ちゅうにびょう」或いは「黒歴史」(両手で顔を覆う)
剣こそ全てなのに色恋なぞ、とな
……剣こそ全て、か
ならば現在の私を以て、その歪んだ信念を討ち砕く
私の "愛しきみ"
彼の御陰で、私は
意念を強く保……え?
何処まで進んだか?接吻?褥?
は、はて、自分はこうも耳年増だったか
(お目目ぐるぐる)
……ん、黙秘
破廉恥? 失敬な
兎角、彼への想いが支えに加わった剣
其の強さ、抜かずとも威圧で判る筈
そう
恋をして、強くなったんだ
過去の
私が、こんなにも
私も、恋をしてみたら佳い
そこの、過去の彼が頷けば……だけれど

木常野・都月
【狐々】
俺は今も過去の記憶がない。
過去の俺は、猟兵なりたての頃か。
過去の俺に無いもの。狐じゃなく、人だった俺と今いる人。
それはイトシキミ。クロムさん。
クロムさんか?
そうだな……番?パートナー一歩手前の大切な人だ。アイシテルなんだ。
え!?待て、俺もちゃんと本能はあるぞ!?繁殖期が狐と違うんだ!
狐の感覚だと分からないよな。
人は万年繁殖期だから、1人の個体をずっと深い想いでアイシテルなんだ。
多分、人の繁殖期は本能だけじゃないんだ。まだ俺も難しい。
でも胸がドキドキキューってなって、心がポカポカで、手を繋ぐだけで幸せで。
とても強くなるんだ。
(過去のクロムさんと俺を見ながら)試してみるか?
幻朧帝イティハーサが創り出した侵略新世界『サンサーラナラーカ』。
そしてその世界を完全に満たした骸の海から引き摺り出されし敵は、己の過去の姿。
そう聞いてはいたけれど、木常野・都月(妖狐ヒト見習いの精霊術士・f21384)には、今も過去の記憶がない。
だから、眼前に現れたその姿は。
(「過去の俺は、猟兵なりたての頃か」)
それほど今と見た目は変わらない自分なのだけれど。
でも都月は、目の前にいる過去の自分と今の自分で、大きく違っていることを自覚している。
(「過去の俺に無いもの。狐じゃなく、人だった俺と今いる人」)
……それはイトシキミ。クロムさん、と。
そう、共に赴き、今だってすぐ傍に並び立つイトシキミ――クロム・エルフェルト(縮地灼閃の剣狐・f09031)の存在。
そして、そんなクロムであるが……両手で顔を覆い、天を仰いでいる。
何せ、覚えたての剣術に酔ひ、向かふ処敵無しと己に酔ふ――そんな、顕われた過去の自分はまさに。
「――嗚呼確か、「ちゅうにびょう」或いは「黒歴史」」
ちょっと、我ながら心がこそばゆくなるような、それ。
そして、ちゅうにびょうを患っている過去のクロムは紡ぐ……剣こそ全てなのに色恋なぞ、と。
それを聞けば、クロムが過去に示す手段は唯一つだけ。
「……剣こそ全て、か」
……ならば現在の私を以て、その歪んだ信念を討ち砕く、と。
だって、自分はひとりではない。そしてそれこそが、過去よりも強いという自負であるから。
「私の "愛しきみ"。彼の御陰で、私は
意念を強く保……え?」
剣を構えて今こそ斬り結ばん――とする、その前に。
ふたりの関係について、思いのほか食いついてくる過去に、クロムは思わず瞳を瞬かせて。
「クロムさんか? そうだな……番? パートナー一歩手前の大切な人だ。アイシテルなんだ」
都月はそう過去の自分達に答えてみせるも、やはり瞳をぱちり。
「え!? 待て、俺もちゃんと本能はあるぞ!? 繁殖期が狐と違うんだ!」
「何処まで進んだか? 接吻? 褥?」
……は、はて、自分はこうも耳年増だったか、と。
完全に狐基準な過去の都月と、予想以上に耳年増である過去の自分に、クロムはお目目ぐるぐる。
それから、ゆらりらと尻尾を揺らしながらも、過去の自分達をちらりと見た後。
「……ん、黙秘。破廉恥? 失敬な」
火照った頬を誤魔化すようにふいっと逸らして、黙秘です。いや、破廉恥じゃありません、ええ。
そして、よく色々理解できずにきょとりとしている過去の自分に、都月は紡ぐ。
「狐の感覚だと分からないよな。人は万年繁殖期だから、1人の個体をずっと深い想いでアイシテルなんだ」
……多分、人の繁殖期は本能だけじゃないんだ。まだ俺も難しい、と。
だが、まだ今の都月にも、それがちゃんとわかっているわけではないのだけれど。
これだけは、とてもよくわかるのだ。
「でも胸がドキドキキューってなって、心がポカポカで、手を繋ぐだけで幸せで。とても強くなるんだ」
「そう、恋をして、強くなったんだ」
――過去の
私が、こんなにも、って。
クロムも彼の言葉に頷いて、そっとその大きな手と手を重ねれば。
彼の言うように、胸がドキドキキューってなって、心がぽかぽかしてきて。
過去の自分よりも今の自分の方が強いって、改めて確信する。
(「兎角、彼への想いが支えに加わった剣」)
……其の強さ、抜かずとも威圧で判る筈、と。
そして自分達の言っていることがやはりまだ理解できない様子の、過去の彼女と自分を見ながら。
都月はこう、告げてみる――試してみるか? って。
「
私も、恋をしてみたら佳い」
クロムもそんな彼に頷いて、そう口にしてから。
相変わらず厨二病全開な過去の自分から、いまだきょとんと首を傾けている過去の彼へと視線を向けて続ける。
そこの、過去の彼が頷けば……だけれど、と。
いまだ恋を知らぬ過去の自分達の姿に、尻尾と耳をゆらゆらぴこりと揺らしつつも。
今の自分達の方がずっと強いと、戦場を駆ける――あたたかくて揺るがぬ想いを剣へと込めながら、 "愛しきみ"と一緒に。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ウーヌス・ファイアシード
終末に満ちた世界…!
それにあれは…!
半身を黒き陽と変え、至る所に火を纏う、輪廻の果てに「終末の炉」と化した、かつての我の姿…!
今の我の比ではない火の激しさに、武装でもある炉の断片も完全なもの…
…なれど、それは、かつて人に倒されしもの…!
その時の軌跡を追憶し、追いかけるようにすれば…!
流石に今は仲間と力を合わせて、とはゆかぬが、決して諦めず、力の限り戦おうぞ!
無論、力押しでは押し負けよう
かわし、防げる攻撃はできる限り凌ぎ、それでも傷ついたなれば
「灰は復燃し、再び火を紡ぐ」で体を紡ぎ直し戦い続けよう
そうして凌いだ先に見えた隙を見逃さず、渾身の一撃を!
数多の未来を、灰にはさせぬ!
断片的な過去を繋ぎ、新しい世界を作る。
そんな幻朧帝によって作られし侵略新世界『サンサーラナラーカ』と、そして骸の海から引き摺り出された存在。
それを目にすれば、ウーヌス・ファイアシード(復燃せし灰化の火・f37284)は思わず紡ぎ落す。
「
終末に満ちた世界……! それにあれは……!」
その存在を、知っているから。
それは、終末世界を灼き新たな世界の礎へと還す「
灰化の炉」。
半身を黒き陽と変え、至る所に火を纏う、輪廻の果てに「終末の炉」と化した、そう――。
(「かつての我の姿
……!」)
その燃え盛る火の激しさは、今の己の比ではなく。
武装でもある炉の断片も、完全なもの。
だがウーヌスは、終末世界を灼き、そして終末を齎す炎となる、激しい灰化の輪廻を前にしても、怯まない。
「……なれど、それは、かつて人に倒されしもの……!」
だって、眼前の過去が辿った結果と今を知っているから。
だからその分をもって勝機を見出す――その時の軌跡を追憶し、追いかけるようにすれば……! と。
「流石に今は仲間と力を合わせて、とはゆかぬが、決して諦めず、力の限り戦おうぞ!」
かつての己へと立ち向かうべく、戦場を駆ける。
とはいえ、過去の己だからこそ、わかっている。
(「無論、力押しでは押し負けよう」)
骸の海で満たされし世界で地を蹴ってはかわし、防げる攻撃はできる限り凌がんとするけれど。
「……っ、!」
やはり完全体である過去の火は熾烈で、傷を負うのは避けられぬことであるが。
――灰は再生の礎……生きるものも、世界も……そして、火もまた再び紡がれるのだ……。
火と灰で傷ついた部分を紡ぎ直しながらも、その身に纏う火をいっそう滾らせて。
ウーヌスは燃ゆる戦場を必死に踏みしめ、己の過去と戦い続ける。
決して諦めず、力の限り戦うと。そう覚悟をもって、過去の己との戦いに今、身を投じているし。
それに凌いだ先に見えるだろう隙を、倒れぬ限り見逃す気はないから。
かつて英雄達に倒された眼前の過去を、今度は己の手で、ウーヌスは還るべき場所へと送り返す。
『――!!』
「数多の未来を、灰にはさせぬ!」
より勢いを増した火を限界まで滾らせて灼く、渾身の一撃をもって。
大成功
🔵🔵🔵

御桜・八重
今より背が小さくて。
顔だちも子供っぽくて。
でも、誰かを助けることに一生懸命で。
あれは、猟兵に覚醒する前のわたしだ。
なんでも出来ると思ってた。
必ず助けられると思ってた。
まだ何の力もない子供なのにね。
でも純粋で。我武者羅で。
ある意味今のわたしよりも強かったのかもしれない。
でもね。
わたしは知ったんだ。痛みも。悲しみも。
猟兵になってからこれまで、本当にたくさん戦った。
人の涙も苦しみも沢山見てきた。
だから、わかったんだ。
辛いことに挫けない、あなたの強さがあったから、
今のわたしになれたんだ、ってこと。
その手を取って抱きしめる。
ありがとう、昔のわたし。
わたしも、未来のわたしのために、頑張るね。
骸の海が満ちる侵略新世界『サンサーラナラーカ』。
そして、その只中にふと咲いた、小さき花のような存在。
御桜・八重(桜巫女・f23090)は、幻朧帝によって具現化されたその姿を青の瞳に映す。
今より背が小さくて。顔だちも子供っぽくて。
(「でも、誰かを助けることに一生懸命で」)
そう……そんなまだ幼さ残る姿の少女を八重はよく知っている。
――あれは、猟兵に覚醒する前のわたしだ、と。
「なんでも出来ると思ってた。必ず助けられると思ってた。まだ何の力もない子供なのにね」
まだ子供だからこそ、眼前の過去の自分はそれでも……純粋で。我武者羅で。
だから八重はこうも思う。
(「ある意味今のわたしよりも強かったのかもしれない」)
そんな、まだ何も知らないからこその、過去の己の無垢な強さは認めるけれど。
「でもね。わたしは知ったんだ。痛みも。悲しみも」
今の八重は、そんな過去の自分が知らなかったことを、沢山知ったのだ。
「猟兵になってからこれまで、本当にたくさん戦った。人の涙も苦しみも沢山見てきた。だから、わかったんだ」
時に理不尽に打ちのめされ、時に無力さを感じることもあったり、決して幸せとは言えない光景だって目にした。
でもだからこそ、今の八重はそれらを観てきて、わかったのだ。
「辛いことに挫けない、あなたの強さがあったから、今のわたしになれたんだ、ってこと」
だからまだ純粋なその小さな手を取って、八重はぎゅっと抱きしめる。
「ありがとう、昔のわたし」
……わたしも、未来のわたしのために、頑張るね、って。
明るく真っ直ぐに、そう約束の花を咲き開かせる――はらりと過去の己が還るのを、見送りながら。
大成功
🔵🔵🔵
劉・久遠
※コミカル
●過去
海外研修2年目、作業着姿の19歳
遠距離恋愛中のフリッカーダイヤ、今より戦闘センス有り
……わりと最近!!
は? 7年前を最近っていうのはオッサン?
──泣かす
サックスから放たれる音響弾を同じく音響+マヒ攻撃でいなしつつ
お前音響弾に毒仕込むなや、めんどい奴!
褒めてへんわムカつく
など口喧嘩してたら音響弾に混ざったアビリティ【響音弾】に気付くのが遅れ、気絶効果で一瞬グラつく
まずい、と覚悟した瞬間UC発動
妻はパイルバンカー構えた可憐なゴーストチェイサー
驚きつつどこか幸せそうな顔で、無防備にデッドエンドされる過去の自分
海外2年目……あっ(察し
恋しいよなぁ……安心しぃ、花嫁姿もまた格別やったぞ
幻朧帝が引き摺り出すという、自分の「過去の姿」。
劉・久遠(迷宮組曲・f44175)は侵略新世界『サンサーラナラーカ』に現れたそんな過去の自分を、じいと見つめてみて。
――海外研修2年目、作業着姿の19歳。
絶賛遠距離恋愛中のフリッカーダイヤで、今より戦闘センス有り――。
「……わりと最近!!」
そう、いつ頃の自分かを確認して声を上げるも。
過去の若造の自分の言葉を聞いて、決意する。
「は? 7年前を最近っていうのはオッサン?」
──泣かす、と。
とはいえ相手は、今よりも若さに溢れた戦闘センスある自分。
サックスから放たれる音響弾を同じく音響とマヒ攻撃でいなしつつも、思わず顔を顰めて。
「お前音響弾に毒仕込むなや、めんどい奴!」
『そんな褒められると照れるわ』
「褒めてへんわムカつく」
なんて、自分と口喧嘩していれば。
「……!!」
気付くのが遅れ、気絶効果で一瞬グラつく――音響弾に混ざったアビリティ・響音弾が放たれたことに。
そして、まずい、と一瞬覚悟したのだけれど。
――うわボクの嫁さんボクより雄々しい……っていつの間に仕込んだんコレ!?
久遠が喚んだのは、パイルバンカー構えた可憐なゴーストチェイサー。
愛する妻の若かりし頃の幻影――そう、つまり眼前の過去の自分の、遠距離恋愛中の彼女である。
そしてそんな恋する特攻乙女にぼこられれば、驚きつつどこか幸せそうな顔で。
過去の自分が無防備にデッドエンドされる。
それからその幸せと嬉しさいっぱいな顔を見れば。
「海外2年目……あっ」
久遠は当時のことを思い返して、察するのだった。
何せ当時は遠距離恋愛、会いたくても会える距離ではなかったから――恋しいよなぁ……と。
それから、骸の海へと還る前に、己の過去へとこう教えてあげるのだった。
……安心しぃ、花嫁姿もまた格別やったぞ、と。
そう『サンサーラナラーカ』の中心で、大いに惚気つつデレながら。
大成功
🔵🔵🔵
火狸・さつま
狐姿で参戦
人語は話せず、きゅヤこヤ狐鳴き
対峙したのは、それはそれは小さく可愛らしい幼狐
並んでオスワリして…
二匹でぼ~~~っと、まったり
時々、きぅ…と鳴けば、キュ~…と返ってくる
こャ……
キュゥ……
独り言のような掛け合いのような交互の鳴き声の間隔が
じわじわと狭まり、そして…
二匹同時に息を吸って…
こャ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
キュ~~~~~~~~~~~~~~~~
同時に鳴き始める
昔してた遊び
長く鳴いた方が勝ち、な、勝負
当時、成狐相手でも十分競えてた
姿勢や呼吸法が勝敗を決するけれど…
戦闘能力が同じで、技術の差がないならば
体格差が、肺活量の差が勝敗に出る
勝負ついたらお互いに健闘をたたえ、お別れを
幻朧帝イティハーサが創り出した侵略新世界『サンサーラナラーカ』に、ちょこんと。
引き摺り出され現れたのは、ちびっこのもふもふ。
火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)が対峙したのはそう、それはそれは小さく可愛らしい幼狐!
てててっとその側まで歩み寄れば、こャーンと並んでオスワリして。
二匹でぼ~~~っと、まったりひとやすみ。
そして時々、きぅ……と鳴けば。
『キュ~……』
返ってくるちびっこさつまの鳴き声。
それからふいに、まるで独り言のような。
「こャ……」
『キュゥ……』
掛け合いのように交互に響く、狐さんたちの鳴き声であるが。
「こャー……ン」
『キュ―……ン』
その間隔がじわじわと狭まり、そして。
尻尾をゆらゆら、お耳をぴこり。
刹那、二匹同時に息を吸ったかと思った……瞬間。
――こャ~~~~~~~~~~~~~~~~~~。
――キュ~~~~~~~~~~~~~~~~。
突然同時に鳴き始める、今のさつまとちびっこさつま。
いや、相手は自分の過去、だから互いに知っているのだ。
これは、昔していた遊び――長く鳴いた方が勝ち、という勝負であると!
側にいる仔狐はちびっこではあるけれど、その鳴き声は思いのほか立派。
だがそれもそのはず、当時から成狐相手でも十分競えていたのだから。
そしてそんな過去の自分をそっと見遣りつつ、さつまは尻尾をゆらゆらさせながらも思う。
(「姿勢や呼吸法が勝敗を決するけれど……戦闘能力が同じで、技術の差がないならば」)
……体格差が、肺活量の差が勝敗に出る、と。
それからまた、同時に大きく息を吸い込めば――いざ勝負!
――こャ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ン。
――キュ~~~~~~~~~。
これまでも全力で鳴いていたふたりだが。
さつまの読み通り、身体の大きさによる体力で明らかな差がついて、勝負あり!
『! キュゥ……』
それから、お耳をぺしょり、負けを認めてしょんぼりするちびっこへと。
さつまが優しくぽふぽふすれば、ちびっこさつまもてしてし。
そして互いに健闘をたたえあった後――こャ~キュ~と鳴きながらお鼻をちょこん、過去の自分とお別れを。
大成功
🔵🔵🔵
リサ・ムーンリッド
アドリブアレンジokです
●心情
過去の組み合わせだけで閉じ、未来を潰してしまう考えは、一滴の揺らぎさえ追加されずやがて枯渇するのを待つだけだろう
そこには探究心や好奇心や高揚感がない。端的に言えばワクワクがない。浪漫がない
●過去の自分
故郷を飛び出す前の私だろう
あの頃の私は、世間体や家族の顔色を伺って行儀よくし、口調や服装も世間が求める理想の淑女を演じていた
弓も魔法も常識内の実につまらない使い方だ
だから、セオリーから外れたものや正解が無いものにうまく対応できない
●対策
私がUCで召喚した知らない誰かの語り(何かしらの属性やキャラの好き語り、例えばプレジデント愛など)の情報と熱量で混乱させよう
強い好きの行き着く先はどうあがいても混沌…。解釈や有り無しに細か過ぎて伝わらない様々があって、受け入れるほどよく分からなくなりがち
終いに価値を拒否しようものなら、ソレこそ完璧から遠ざかる行為。つまりどうあがいても弱体化していくはず
今の私なら多様な好きも好奇心のままに楽しめるが、過去の私ではそれは無理だろう
幻朧帝イティハーサは言う――最早世界を創るのに、新たな『未来』など必要ない。
新世界は、これまで形作られた『過去の断片』を組み合わせるだけで、容易に作り出せる、と。
そしてイティハーサは創り出した。
完全に骸の海で満たしたこの侵略新世界『サンサーラナラーカ』を。
けれど、リサ・ムーンリッド(知の探求者・エルフの錬金術師・f09977)は、眼前の侵略新世界とやらに、微塵も心を揺さぶられない。
(「過去の組み合わせだけで閉じ、未来を潰してしまう考えは、一滴の揺らぎさえ追加されずやがて枯渇するのを待つだけだろう」)
そう、そこには探究心や好奇心や高揚感がないのだ。
端的に言えばワクワクがない。浪漫がない――実に面白くない、好奇心を擽られぬ世界であるから。
いや、つまらないのはそんな侵略新世界だけではない。
骸の海から幻朧帝が引き摺り出したというオブリビオン……自分の「過去の姿」を見れば。
(「故郷を飛び出す前の私だろう」)
現れた「その頃」の自分のことをリサは思い返す。
(「あの頃の私は、世間体や家族の顔色を伺って行儀よくし、口調や服装も世間が求める理想の淑女を演じていた。弓も魔法も常識内の実につまらない使い方だ」)
……だから、セオリーから外れたものや正解が無いものにうまく対応できない、と。
今のリサは過去の自分を、故に容易に混乱させることができる。
『……!?』
「私が記録した人々の持つ「想いのエネルギー」、その一端をお見せしよう」
深淵ナル愛情ノ歴史――発動させたユーベルコードをもって召喚した、知らない誰かの語りの情報や熱量で。
それは、何かしらの属性やキャラの好き語り、推しへの愛などだ。
「強い好きの行き着く先はどうあがいても混沌……」
それらは解釈や有り無しに細か過ぎて伝わらない様々があって、受け入れるほどよく分からなくなりがちで。
終いにその価値を拒否しようものなら、ソレこそ完璧から遠ざかる行為。
(「つまりどうあがいても弱体化していくはず」)
特に、行儀の良い視野や思考しかまだ持てない、眼前の過去の自分ならば尚更のこと。
『な、これは……っ、!?』
理解など到底できずに混乱し、精神を大きく疲労することだろう。
そう、今のリサにはわかっているから。
――今の私なら多様な好きも好奇心のままに楽しめるが、過去の私ではそれは無理だろう、と。
そして実に面白みのない過去の自分は思った通り、情報過多や熱量のやたら高い幻の霊の攻撃に成すすべもなく、溢れ出る混沌に困惑して沈んでいく。
何せむしろ、そのような混沌などへの興味や好奇心は、今のリサの奇行……もとい行動の原動力に他ならないのだから。
大成功
🔵🔵🔵
朝沼・狭霧
【風月華】から参加・絡みアドリブOK
うーん、見るのも恥ずかしいですが
あの過去の姿は不良でぼっちだった頃の私
昔の私は孤独だから
誰かと連携すれば勝そうですが
昔の自分に負けたくない
ここは堂々と真正面から力勝負で
過去の自分が一番得意だった技「ブラストボイス」で無数の歌声の弾丸を放ちねじ伏せます
「大丈夫、今、私はこんなにも頼もしい友人と共にいるから」
翔ちゃんの敵に声をかけてみます。
おーい、目の前で戦ってるボインボインのお姉さんは未来の貴方ですよー
信じるでしょうか?
フィーナちゃんは…
あ、なんか昔の自分見てダメージ受けてる?
「ガンバレーフィーナ、フレフレフィーナ♪」
サイリウムをふり応援、あと二人の姿を激写
響華さんは…あれ?もう終わってるみたいですね
さっき撮ったフィーナちゃんと
ヤングフィーナちゃんの写真いりますか?
ミューちゃんはなんか凄いのと戦ってる!?
あれはフィアちゃん?大丈夫かな?(はらはら
なんかみんな過去の自分見てダメージ受けたみたいだし
寮に帰ってぱーっと美味しいものでも食べましょう
ごはんですよー
伊澄・響華
【風月華】
過去のわたし。
大切な人を手にかけさせた、
育ての親であり、わたしに暗殺技術を叩きこんでくれた奴らに復讐することだけを考えていた頃。
あ~…こんな姿、みんな…特にわたしの天使たちには見せたくないわ…
そりゃ、過去のわたしの方が、今より若くて生き生きしてるかもしれないけど…今の鍛え抜かれたナイスバディのが魅力的なんだからね(ウィンク)!
それに。
暗殺技術だって、復讐心で視界が狭くなっていた頃のわたしには負けないわよ。
「…死撃必殺」
フェイントと目くらましで完全に視界から消え去ると共に、過去のわたしを4連撃で仕留めます。
それにしても。
狭霧さんの過去、なかなかヤンチャだったのね…昔からかわいかったし。
翔さんは…うん、お子様。坊や、もっといい男になってきなさい…って、女になっちゃったか。
フィーナさんの過去…わ、マジ天使♪来てよかった!持って帰りたかった!
あくあちゃんも、ミューちゃんも。自分の過去と向き合って…よくがんばったわね。褒めてあげるわ。
さぁ、みんな一緒に、帰りましょう♪
フィーナ・シェフィールド
【風月華】
アドリブ絡み歓迎です。
あれが、過去のわたし。
十代の頃の、純粋でまっすぐで、恋に恋するキラキラした姿。
…うう、まぶしすぎる…
色々あれやこれやあったせいで、あの頃の純真さをまっすぐ見れません…
(半分くらいは響華さんのせい)
過去のわたしの純粋さから生み出される歌の力に圧倒されかけるけど、今のわたしだって、負けてないから!
「Amore Mio…♪」
灼熱の恋。
現実の恋を…別れと出逢いを経た、今のわたしだから歌える曲を。
何も知らないわたしには、絶対に負けません!
情熱的な歌でわたしを圧倒し、骸の海へ還します。
って、狭霧せんせー、なに写真撮ってるんですかー?!
…ちょっぴりやさぐれてた狭霧せんせーもかわいかったですけど。
翔さんはあれですね。お子様。世間知らずと言う意味では、過去のわたしと変わらないかな…。
あくあちゃんたちも、うん、がんばったね!
ミューさんと響華さんの過去は…あんまりよく見えなかったけど…うん、今はわたしたちが居るから、元気だしてくださいね!
ふふ、帰ったらみんなでご飯、食べましょ!
澄清・あくあ
【風月華】アドリブ絡み大歓迎
余計な物が混ざった結果の「何かあった」朱色の子、黄色で片目緑色の子
過去に呑まれて輝きを喪い、くすんだ色となった二人
朱色の子の体内にはちぎれたカセットテープが見えた
「…せっかく取れたのにね」『…落ちちゃったのね』
曰く「一周目」を終え、必要な刃を得た者を越える為
私達は高く飛ぶ為、友達を、目の前の子私達苦しませない為
「一撃で何もかも一切合切決着させるよ。あるまちゃん」
『うん。すぐに終わらせるよ、あくあちゃん』
ふたりで光輪と結晶翼を展開、麗波紋と魔力の増幅を開始
あくあは射撃と近接であるまを守りながら
黄色あるまの近接無に還す闇刃の発動を誘発
全部の攻撃を核致命に当たらない最低限の回避で防ぐのです
闇刃に斬られても関係なしです!
あるまちゃんと手を繋いで力を開放、増幅した力を伝えて…
『お手本をありがとう!さようなら!』
選択UC(変質)無光の闇刃、抜刀!周りの空間ごと削るのです!
帰れたらご主人様に皆の事、いっぱい話したいから
「狭霧せんせー!」『がんばったよー!』
今を楽しく歩くよ
久遠・翔
【風月華】
絡みアドリブOK
過去の自分…なら、あの時代か
出てきた過去の姿はUDCアースに行く前のシーフの自分
他人を信じずほとんどの大人を憎み嫌っていた
遺跡から発掘した闇渡りのククリナイフ片手に不意打ちや毒煙玉などの搦め手で力の無さをカバーしていた
服装は短パンとジャケットにキャスケット帽のショタ
後狭霧さん?挑発しているつもりかと思いますがあの頃の俺にその手は意味ないっすよ?と会話中も不意打ちを仕掛けるのを庇い受けながら
不意打ちも背後ばかりだし毒煙も発動範囲はわかっているので回避は容易、ならばカウンターを差し込む
仲間の過去の姿を利用し不意打ちを仕掛けて着たり、こちらの攻撃を他人に押し付けたりなどと生き残る為なら何でもするか…手が止まった隙にUCを起動し姿を眩ませ真正面から攻撃する
昔の俺なら不意打ちを警戒するなら背後か側面だと思うからな
磨かれた技術は受け継いでる。手札も増えた
そして居場所も出来た。だから恨みで視野が狭くなった自分には負けないっすよ
…あと、何で皆さん不思議そうな顔してるんっすか?
ミュー・ティフィア
【風月華】
アドリブ絡み歓迎
無数の竜の骸から巨大な歌姫の上半身が現れてるような異形のフィアとあの頃の私。
あの頃は皆で幸せになる事を諦めてた。自分も皆も犠牲になっても世界が救われるなら仕方ないって。
『私はミューを生かすためなら他は全部いらないって思ってたよ!』
でも今は
『違うよね!』
真の姿に変身して私そっくりの真の姿を顕したフィアを召喚!
あっちの私の狙撃とフィアの闇の波動とかとにかく攻撃密度が高すぎて近づけないから
『ミュー!防御はまっかせてー!』
フィアの全力魔法の闇属性結界術とポリフォニーの結界術の重ね掛け、さらにアドリビトゥムの盾受けでガードです!
あ、狭霧が心配そうにこっち見てる。
フィアと一緒に大丈夫って手を振っておこうかな。
あの頃の私達纏めて絆紡ぐ光の矢で撃ち抜きます!
私とフィアは今ではこんなに仲良しだし、ここにいる風月華の皆みたいな大切な友達に囲まれた楽しい毎日が待ってるし、あの日見捨てたあの子ともまた友達になれる。
未来を諦める必要なんてないんです!
消えた……私の思い、届いたかな。
幻朧帝イティハーサが、過去の断片をもって創り出した侵略新世界『サンサーラナラーカ』。
そしてその世界を完全に満たした骸の海から、幻朧帝が無造作に引き摺り出した存在。
朝沼・狭霧(サギリ先生・f03862)はそんな眼前に立ちふさがる敵のことを知っている。
「うーん、見るのも恥ずかしいですが」
……あの過去の姿は不良でぼっちだった頃の私、と。
イティハーサが骸の海から引き摺り出すというオブビリオン、それは自分の「過去の姿」なのだという。
勿論、伊澄・響華(幻惑の胡蝶・f44099)の前に現れた「彼女」だって同じ。
「あ~……こんな姿、みんな……特にわたしの天使たちには見せたくないわ……」
流し目が艶っぽい黒髪の美女の姿は、そう――過去のわたし、と。
そして皆に見せたくないと思うのは、目の前の自分がいつ頃の「過去」か、響華にはわかるから。
(「大切な人を手にかけさせた、育ての親であり、
わたしに暗殺技術を叩きこんでくれた奴らに復讐することだけを考えていた頃」)
けれど、だからこそ、気を取り直して。
「そりゃ、過去のわたしの方が、今より若くて生き生きしてるかもしれないけど……今の鍛え抜かれたナイスバディのが魅力的なんだからね」
ぱちりと、眼前の自分にはきっとできない、大人の魅力溢れるウィンクをひとつ。
それから狭霧は、他の子たちが対峙している、それぞれの己の姿をくるりと見回してみて。
思わず瞳を見開いて、ミュー・ティフィア(絆の歌姫・f07712)の前に現れた敵を見遣る。
「ミューちゃんはなんか凄いのと戦ってる!?」
それは、無数の竜の骸。
そしてその骸から巨大な歌姫の上半身が現れてるような、異形のフィアとあの頃のミュー。
澄清・あくあ(ふたりぼっちの【原初の一】・f40747)は、過去と言われてもよく覚えてはいないから。
眼前に出てきた敵が、本当の自分達の過去かは、分からないのだけれど。
見つめる視線の先には、余計な物が混ざった結果の「何かあった」朱色の子と、黄色で片目が緑色の子。
そんなふたりを見れば、あくあとあるまはこう紡ぎ落す。
「……せっかく取れたのにね」
『……落ちちゃったのね』
それは、過去に呑まれて輝きを喪い、くすんだ色となった二人であり。
朱色の子の体内にはちぎれたカセットテープが見えたから。
そしてまた、久遠・翔(性別迷子・f00042)の前にも。
「過去の自分……なら、あの時代か」
そう、過去の翔自身が出現したのだけれど。
出てきた過去の姿はUDCアースに行く前のシーフの自分。
(「他人を信じずほとんどの大人を憎み嫌っていた」)
身に着けているのは、短パンとジャケットにキャスケット帽。
色々とあって女の子な姿である今とは全く違った、尖った視線のショタである。
そんな翔の過去を、響華はまじまじと見遣って。
「翔さんは……うん、お子様。坊や、もっといい男になってきなさい…って、女になっちゃったか」
「翔さんはあれですね。お子様」
フィーナ・シェフィールド(天上の演奏家・f22932)も響華の声に頷きながらも。
「世間知らずと言う意味では、過去のわたしと変わらないかな……」
彼の過去から視線を移すのは、自分の過去の姿――あれが、過去のわたし、と。
そして思わず呻いてしまう。
「……うう、まぶしすぎる……」
だって現れた自分は、十代の頃の、純粋でまっすぐで、恋に恋するキラキラした姿であったから。
「色々あれやこれやあったせいで、あの頃の純真さをまっすぐ見れません……」
そして、そんな昔のキラキラピュアな自分をフィーナが直視できないのは。
「フィーナさんの過去……わ、マジ天使♪」
半分くらいは、そう声を弾ませている響華のせいである。
それから、昔のキラキラフィーナにテンションが上がりながらも。
「それにしても。狭霧さんの過去、なかなかヤンチャだったのね……昔からかわいかったし」
響華がふと視線を移すのは、今とは雰囲気が全然違う狭霧の過去。
可愛いのは変わらないが、セクシーで柔らかな印象の教師である今と比べて、昔の彼女はなかなかはっ茶けている。
けれど、狭霧はそんな自分の過去の姿を改めて見遣りながらも思う。
(「昔の私は孤独だから、誰かと連携すれば勝そうですが」)
……昔の自分に負けたくない、と。
だから狭霧が過去の自分に挑むのは、堂々と真正面からの力勝負。
――貴方の魂を打ち砕く。
そう、敢えて過去の自分が一番得意だった技「ブラストボイス」で迎え撃って。
『……!!』
同じ無数の歌声の弾丸を放ち、そしてねじ伏せる。
そんな完全に圧倒する今の自分と撃ち抜かれる過去に生じる、大きな差。
だって、昔のヤンチャな頃の自分はひとりだったけれど。
「大丈夫、今、私はこんなにも頼もしい友人と共にいるから」
今はこうやって共に戦場に立っている、信頼できる皆と一緒なのだから。
響華だって、過去の方が若くて生き生きしているかもしれないけど。
今の鍛え抜かれた身体の自分の方が魅力的だし……それに。
(「暗殺技術だって、復讐心で視界が狭くなっていた頃のわたしには負けないわよ」)
幼少の頃より仕込まれた殺人技巧をもって、的確に攻撃を仕掛けてくる過去の攻撃を確りと見極めて。
『!? なっ……!』
――舞い飛ぶ胡蝶、あなたが最後に見る光景よ。
刹那、完全に視界から消え去った自分を見失い生じた隙を、決して見逃さずに。
フェイントと舞い飛ぶ胡蝶の幻覚を目くらましに、超高速の突進で間合いに踏めば。
「……死撃必殺」
響華は過去の自分をきっちりと仕留める。容赦なく放った4連撃全てを見舞って。
それから、過去の自分とのタイマンに勝利した狭霧がふと目にするのは。
「フィーナちゃんは……あ、なんか昔の自分見てダメージ受けてる?」
キラキラ恋に恋する乙女な自分を、まっすぐに見れないでいるフィーナ。
そんなフィーナを元気づけるために、狭霧はすちゃりと。
「ガンバレーフィーナ、フレフレフィーナ♪」
サイリウムを手にして、ふりふり応援!
それから――ぱしゃりと、二人のフィーナの姿を激写しておきます。
そんなフィーナは、過去の自分の純粋さから生み出されるキラキラな歌の力に圧倒されかけるけど。
狭霧の応援の声や一緒に戦う皆の姿を見れば、大きくひとつ頷いて。
――今のわたしだって、負けてないから!
「Amore Mio……♪」
うたいあげるのはそう、灼熱の恋。
それは、誰にも手を出すことが叶わない、心の奥底から熱く燃えるような恋を描いた情熱的な歌。
(「現実の恋を……別れと出逢いを経た、今のわたしだから歌える曲を」)
――Amore Mio 永遠なんてない 恋だから燃えたい
「何も知らないわたしには、絶対に負けません!」
『!? こんな恋、わたし知らな……っ、!』
フィーナは過去の自分を圧倒し、骸の海へと還す。
眼前の過去の自分には決して表現することなんてできない、情熱的な歌で。
そして。
「って、狭霧せんせー、なに写真撮ってるんですかー!?」
ぱしゃぱしゃっと自分達にシャッターを切る狭霧へと声を向けつつも。
「……ちょっぴりやさぐれてた狭霧せんせーもかわいかったですけど」
いつも通りの狭霧とはまた違っていた、やんちゃな彼女の姿を思い返すけれど。
「響華さんは……あれ? もう終わってるみたいですね。さっき撮ったフィーナちゃんとヤングフィーナちゃんの写真いりますか?」
「勿論全部いるわ! 来てよかった! 持って帰りたかった!」
「狭霧せんせー!? 響華さん!?」
ヤングフィーナはお持ち帰りできないけれど、ふたりのフィーナの激写写真はゲットです……!?
それから狭霧が次に目を向け、声を掛けてみるのは。
「おーい、目の前で戦ってるボインボインのお姉さんは未来の貴方ですよー」
……信じるでしょうか? と首を傾けつつも、翔の敵である彼女の過去である彼に。
そんな大人を信用していない視線を向ける過去の翔は、そう声を掛ける狭霧へと不意打ちを仕掛けんとするけれど。
「狭霧さん? 挑発しているつもりかと思いますがあの頃の俺にその手は意味ないっすよ?」
会話を交わしつつ、今と違ってお色気が通じない過去の自分のそれを庇い受けながらも。
『……ッ!』
すかさずカウンターを差し込む翔。
過去の自分は、遺跡から発掘した闇渡りのククリナイフ片手に、不意打ちや毒煙玉などの搦め手で力の無さをカバーしていることを知っているし。
(「不意打ちも背後ばかりだし毒煙も発動範囲はわかっている」)
よって、回避も反撃も用意。
それでも尚、仲間の過去の姿を利用し不意打ちを仕掛けたり、こちらの攻撃を他人に押し付けたりなどせんとする過去の自分を見遣りながら。
「生き残る為なら何でもするか……」
だが、それだってお見通し。
(「昔の俺なら不意打ちを警戒するなら背後か側面だと思うからな」)
そして、相手の手が止まった隙を決して逃さずに。
――銀雨の俺……力を貸してくれ。
刹那、闇纏の一撃を発動させれば、その身を覆うのは不可視の闇。
姿を眩ませ、戦闘能力と技の「概念」を奪えば。
『!? ……ガッ!』
真正面から過去の自分へと攻撃を叩き込む。
――磨かれた技術は受け継いでいる。手札も増えた。
そして今の自分には、居場所も出来たから。
「だから恨みで視野が狭くなった自分には負けないっすよ」
それから、青い過去の自分を撃破した後、翔は改めて周囲を見回して。
「……あと、何で皆さん不思議そうな顔してるんっすか?」
何だか自分をそれぞれ見ている皆の視線に気づき、こてりと首を傾ける。
そして、あくあとあるまもまた、くすんだ色となったふたりと対峙して。
――曰く「一周目」を終え、必要な刃を得た者を越える為。
――私達は高く飛ぶ為、友達を、目の前の子私達苦しませない為。
「一撃で何もかも一切合切決着させるよ。あるまちゃん」
『うん。すぐに終わらせるよ、あくあちゃん』
ふたりで展開するは、光輪と結晶翼。刹那開始するのは、麗波紋と魔力の増幅。
そしてミューも、異形のフィアとあの頃の自分を前にしつつも、思い返す。
「あの頃は皆で幸せになる事を諦めてた。自分も皆も犠牲になっても世界が救われるなら仕方ないって」
『私はミューを生かすためなら他は全部いらないって思ってたよ!』
……けれど。
「でも今は」
『違うよね!』
瞬間、骸の海から引き出された真の姿に変身したミューは、自分のそっくりの真の姿を顕したフィアを召喚!
過去の自分の狙撃やフィアの闇の波動は、とにかく攻撃密度が高すぎて近づけないから。
『ミュー! 防御はまっかせてー!』
フィアの全力魔法の闇属性結界術と自律して宙を舞う魔導書・ポリフォニーの結界術を重ね掛けして。
さらには、翼の装飾が施された宙を舞う大盾・アドリビトゥムの盾受けでガード!
「あれはフィアちゃん? 大丈夫かな?」
「あ、狭霧が心配そうにこっち見てる」
はらはらと自分に向けられた狭霧の視線に気が付けば、ミューはフィアと一緒に、ひらひらと手を振って返した後。
……一緒に歌いましょう。私達の、絆の歌を! Ah~♪
あの頃の自分達を纏めて撃ち抜く。
『――!!』
「私とフィアは今ではこんなに仲良しだし、ここにいる風月華の皆みたいな大切な友達に囲まれた楽しい毎日が待ってるし、あの日見捨てたあの子ともまた友達になれる」
……未来を諦める必要なんてないんです!
そう、以心伝心すらも可能なほどに強い、絆紡ぐ光の矢で。
そして同じ時、あくあも射撃と近接であるまを守りながらも。
誘発するのは、黄色あるまの近接を無に還す闇刃。
そんな全部の攻撃を、核致命に当たらない最低限の回避であくあは防ぐ。
――闇刃に斬られても関係なしです! と。
そしてあるまとふたり、ぎゅっと手と手を繋いで。
刹那、開放する力、増幅した力を伝えて……。
『お手本をありがとう! さようなら!』
繰り出されるは、
高周波波紋刃。
「『着剣! です!』」
蒼碧色の界世破断を発動すれば――無光の闇刃、抜刀!
『! ……ッ!』
変質した闇刃をもって、周りの空間ごとごっそりと削る。
そしてミューたちの光の矢と、あくあたちの闇刃が、それぞれの過去を貫けば。
「消えた……私の思い、届いたかな」
「狭霧せんせー!」
『がんばったよー!』
そうふっと紡ぐミューと、ぼろぼろになりつつも狭霧へと駆け寄るあくあたち。
「あくあちゃんも、ミューちゃんも。自分の過去と向き合って……よくがんばったわね」
響華も、そんなふたりを褒めてあげて。
あくあは今を楽しく歩く。帰れたらご主人様に皆の事、いっぱい話したいから。
「あくあちゃんたちも、うん、がんばったね!」
フィーナも響華と共に、そうあくあへと声を向けた後。
「ミューさんと響華さんの過去は……あんまりよく見えなかったけど……」
でも、彼女たちの過去はわからなくても、今の彼女たちのことは知っているから。
「うん、今はわたしたちが居るから、元気だしてくださいね!」
それぞれの過去を打ち倒した皆がひらいた先、この帝都櫻大戰の元凶を討つ。
「さぁ、みんな一緒に、帰りましょう♪」
「なんかみんな過去の自分見てダメージ受けたみたいだし、寮に帰ってぱーっと美味しいものでも食べましょう」
「ふふ、帰ったらみんなでご飯、食べましょ!」
――ごはんですよー。
そんな狭霧の声に微笑み合って頷いて、共に戦場を駆ける。
幻朧帝が否定する未来を、これからも一緒に皆で、歩んでいくのだから。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
雨絡・環
【雲蜘蛛】
過去の姿、ですか
一体何が見えるやら
少々楽しみですらある
現れたのは現在の己とそう変わらぬ姿
けれどアルフィードさんを『糧』と見て秋波を送るその姿
確かに嘗ての己
唯一のあの御方に出会う前のわたくし
全ては糧か、否かとしか見えぬ
はしたないこと
それにアルフィードさんがわたくしなどに易く堕とせる等と考えるなど
何と未熟
お恥ずかしい限りです
あらあら
過去のアルフィードさん?確かに少し幼いような
愛らしいじゃありませんの
あの刺青は所属を示すものでしたか、成程
わたくしを殺して下さる?まあ素敵
アルフィードさんたら本当にお口がお上手、ですが…
今のわたくしに艶が無いとでも?
と、わざとらしく頬膨らませて
艶でなくツヤ?
なら宜しいです、と態度をころり
美味しそうですよ
食べるのが勿体ない位には
では互いを
いらっしゃいな、坊や
優しく抱いてあげましょうね
正確無比にわたくしの喉を心臓を、腑を狙いにくる
お上手だこと
機械的と言って良い程に
『勝虫』
雨霞で姿を消し気配を惑わせ
正面から擁き絲で切り刻んで
嗚、矢張り
今の貴方様の方が美味しそう
アルフィード・クローフィ
【雲蜘蛛】
今度の敵ってどうなだろう?
ズルズルと出てきたのは…
アレ?俺??と首を傾げる
似てると思ったら過去の俺かぁ
ちょっと幼い?
瞳が何処か虚
あの頃の俺は何も見てない
ただ依頼されたモノを殺すのみ
それが仕事
背中を魅せる様に髑髏と蛇
秘密結社、とういか殺し屋集団のマーク
環ちゃんみてみて、背中の模様超ダサい!
過去の俺の視線は俺じゃなく環ちゃんへ
殺しのターゲットは環ちゃんなのかな?
環ちゃんは可憐で可愛いくて美人だけど強いだぞー!
もう一人の環ちゃんと目線が合う
今よりも妖艶で美人さんでクール!
艶?今の環ちゃんもツヤツヤプルプルだよ?
俺を食べるの?環ちゃん、俺って美味しい?
じゃお互いをやっつけちゃおー!
俺は過去の環ちゃん!
偽物環ちゃんから糸がこちらに絡めようとする
それをスルリと避けて
薄雲(ウスグモ)
蜘蛛の糸を絡めて動きを止める
ふふっ、俺から自分の蜘蛛の糸が出てきてビックリした?
じゃ偽物環ちゃんを料理するよ!
ナイフでサクサク
わぁ、どっちもバラバラになったね!
俺も美味しく食べてね?
君と一つにナレルなら面白そう!
幻朧帝イティハーサは、未来も生命さえも否定して。
過去の断片から作り出した侵略新世界『サンサーラナラーカ』を完全に骸の海で満たす。
そして、そこから幻朧帝が引き摺り出すという敵は。
(「過去の姿、ですか」)
そう、雨絡・環(からからからり・f28317)が思い返す通り、自分の「過去の姿」であると聞いているが。
でもいつも通り、ふわりと笑み宿して。
「今度の敵ってどうなんだろう?」
「一体何が見えるやら」
やはり普段通りなアルフィード・クローフィ(仮面神父・f00525)と共に、そわりと胸の内で思う。
……少々楽しみですらある、なんて。
そして、ズルズルと骸の海から出てきたのは――。
「アレ? 俺??」
アルフィードは思わず首を傾ける。
眼前に、まさに自分の姿をした敵が現れたのだから。
いや、改めてじいと見てみれば、少しだけ、今の自分とは違和感があって。
「似てると思ったら過去の俺かぁ」
現れたのはそう、過去のアルフィード。
そしてもう1体――環の過去の姿も、今とほぼ変わらぬ姿。
「確かに嘗ての己。唯一のあの御方に出会う前のわたくし」
けれどやはり、目の前に現れた彼女は、今の環とは違う。
そんな過去の環が視線を向けているのは、アルフィードの方。
全ては糧か、否かとしか見えぬ……彼を『糧』と見て秋波を送るその姿を見れば、過去の己に環は思わずその瞳を細める。
……はしたないこと、と。
「それにアルフィードさんがわたくしなどに易く堕とせる等と考えるなど。何と未熟」
微かふるりと首を横に振り……お恥ずかしい限りです、とそう続けるけれど。
ふっとその表情が少し気持ち緩むのは、次に過去の彼を目にしたから。
「あらあら、過去のアルフィードさん? 確かに少し幼いような。愛らしいじゃありませんの」
「ちょっと幼い?」
アルフィードは環の声を聞いて、再び自分の過去の姿を見てみれば、その瞳は何処か虚ろで。
でもそんな自分に、アルフィードはとても心当たりがある。
あの頃の俺は何も見てない。ただ依頼されたモノを殺すのみ――それが仕事で。
背中を魅せる様に描かれているのは、髑髏と蛇。
それは秘密結社、というか殺し屋集団のマークで。
アルフィードは思わず指さしては、ちょっぴり笑ってしまう。
「環ちゃんみてみて、背中の模様超ダサい!」
過去の自分達の姿はある意味、面白いけれど恥ずかしい。
それからアルフィードは、過去の己の視線に気づく。
自分ではなく、環へと向けられていることに。
「殺しのターゲットは環ちゃんなのかな?」
「わたくしを殺して下さる? まあ素敵」
「環ちゃんは可憐で可愛いくて美人だけど強いんだぞー!」
そしてそう言っていれば、アルフィードはぱちりと過去の環と目線が合って。
「アルフィードさんたら本当にお口がお上手……」
「もう一人の環ちゃん、今よりも妖艶で美人さんでクール!」
「今のわたくしに艶が無いとでも?」
続いた彼の言葉を聞けば、前言撤回?
ぷくり、わざとらしく頬膨らませる環だけれど。
「艶? 今の環ちゃんもツヤツヤプルプルだよ?」
「艶でなくツヤ? なら宜しいです」
アルフィードの声に再び、態度をころり。
それからアルフィードは、過去の環が自分を『糧』と見ていると言っていた彼女の言葉を思い返し、訊いてみれば。
「俺を食べるの? 環ちゃん、俺って美味しい?」
「美味しそうですよ」
環は迷いなくそう答え、微笑みを湛える。
……食べるのが勿体ない位には、って。
ということで互いの過去はどちらも、自分ではなく相手の方に興味があるみたいだから。
「じゃお互いをやっつけちゃおー! 俺は過去の環ちゃん!」
「では互いを」
互いの過去を対処することにして。
環は自分へと刃を閃かせる少し幼い彼へと、愛し気に紡ぐ。
「いらっしゃいな、坊や。優しく抱いてあげましょうね」
そんな過去の彼は、背中の模様こそちょっとダサいけれど。
正確無比に喉を、心臓を、腑を狙いにくる。
「お上手だこと」
そう、機械的と言って良い程に。
だから――参りましょう、って。
そんな子を、姿を隠す雨霞で惑わせて。
『!!』
正面から擁けば刹那、絡め捕ったその身を、蜘蛛の絲で切り刻んであげる。
そして過去の環も、アルフィードを己の糸で絡めんとしてくるけれど。
それをスルリと避けて――其の意のままに。
『……っ、!?』
「ふふっ、俺から自分の蜘蛛の糸が出てきてビックリした?」
逆に薄雲の如く周囲に張り巡らされた蜘蛛の絲を以て、その動きを止めれば。
「じゃ偽物環ちゃんを料理するよ!」
ナイフでさくさくと切り刻んであげて。
「わぁ、どっちもバラバラになったね!」
環の勝虫によって綺麗に切断された、過去の自分を見れば。
アルフィードは本物の彼女へと笑みを向ける。
「俺も美味しく食べてね?」
……君と一つにナレルなら面白そう! なんて。
それに環も笑んで返し、そしてうっとりと紡ぐ。
「嗚、矢張り」
……今の貴方様の方が美味しそう、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
サン・ダイヤモンド
サクラミラージュがあると聞いて僕は嬉しかった
浮かばれない魂にも転生という道があると知れたから
それまではただ、殺し合うしかないと思っていた
だからサンサーラ、誤りだったなんて言わないで
殺し合わずに済む道を探ってくれて、僕は嬉しい
現れたのは獣のような金の隻眼、青白く輝く長い髪、悪魔のような角と翼を持つ男
僕じゃない
だけど僕は君を知っている
出逢う度手に掛けた
哀しい目をした君を、誰かを必死に護ろうとしていた君を
君は過去で、僕は猟兵だったから
『君』は『僕』だったんだね
君の攻撃に迷いは無い
きっと幾つもの戦場を越えてきたんだろう
以前の僕は君と戦う覚悟が持てなくて逃げ回ってばかりいた
だけど今は
【全力魔法・オーラ防御・祈り・UC】
全身全霊で受け止める、君の全てを!
黒く染まった君の拳を正面から受け止める
一歩も引かず、どれだけ傷付いても君の手を離さずに
全てを照らす光を放つ
君の強さも想いも連れて、僕は未来へいくよ
そしていつか、
僕は
過去を救いたい
『本当に君は……』
困った子だと、君は本当に困ったように微笑んだ
それは森羅万象、魂や生は巡り、森へと還る。
森と共にいきてきたサン・ダイヤモンド(黒陽・f01974)にとって、それは自然な摂理であったから。
だから、サンは嬉しかったのだ。サクラミラージュがあると聞いて。
「それまではただ、殺し合うしかないと思っていた。でも、浮かばれない魂にも転生という道があると知れたから」
そして、オブリビオンも摂理のひとつと考え、殺す事ができずに。彼等が命と出逢わなければ良いと考え、ひたすらに
広大無辺の仏国土を広げていったというサンサーラ。
そしてそれは誤りだと紡ぐ神王へと、サンは言葉を向ける。
……だからサンサーラ、誤りだったなんて言わないで、って。
確かに、その所為で、時は無限に過去を生み続けたかもしれない。
でも、それでも。
「殺し合わずに済む道を探ってくれて、僕は嬉しい」
サンはサンサーラの想いに寄り添いたいって思うのだ。
だが、今在る侵略新世界『サンサーラナラーカ』を創造した幻朧帝は未来を否定して。
過去の断片で創り上げた世界を満たす骸の海から引き摺り出したのは――獣のような金の隻眼に、青白く輝く長い髪。
悪魔のような角と翼を持つ男であった。
予知によれば、現れるというのは、自分の描く自身の「過去の姿」。
でもサンは、その姿を目にすれば紡ぐ。
「僕じゃない」
だけど――僕は君を知っている、と。
だって、出逢う度手に掛けた。
「哀しい目をした君を、誰かを必死に護ろうとしていた君を。君は過去で、僕は猟兵だったから」
そしてサンは、ようやくわかったから。
「『君』は『僕』だったんだね」
そんな、自分へと向けられる彼の攻撃に迷いは無くて。
(「きっと幾つもの戦場を越えてきたんだろう」)
そのことが、サンにはわかるし。
逆に以前の自分は、彼と戦う覚悟が持てなくて、逃げ回ってばかりいた。
――だけど、今は。
「全身全霊で受け止める、君の全てを!」
もうサンは、彼から逃げない。
全力魔法をもって、その身に守りの気を纏って――祈りを。
『……!』
黒く染まったその拳を、正面から確りと受け止める。
重い衝撃に掌は軋み、滲んだ赤が滴り落ちるけれど。
それでも一歩も引かず、地を踏みしめて。どれだけ傷付いても君の手を離さない。
(「これはきっと、僕のわがまま。――だけど、」)
そして放つは、全てを照らす光。
傷ついても尚真心を向ければ、魂を癒す柔らかな光が迸って。
大きく揺らいだ、再び手に掛けた彼へと、サンは告げる。
「君の強さも想いも連れて、僕は未来へいくよ」
――そしていつか、
「僕は
過去を救いたい」
だって今の自分はひとりではない。
今だってそう、大切な存在がいつだって在って、自分を強くしてくれる。
だから何度だって、君を手に掛けるし――いつか、きっと。
そしてサンは目にするのだった。
『本当に君は……』
……困った子だと。
本当に困ったようにそう微笑んで、再び過去の海に沈んだ、君を。
大成功
🔵🔵🔵
蓮見・津奈子
対峙せる過去の私は、最も輝いていた頃の私。
スタアとして絶頂を極めていた頃の私。
自信と希望に溢れ、なれど驕らず酔わず、今より素敵な未来を信じて疑わない私。
…そんな私が、未来を否定する幻朧帝の手駒となっているのは皮肉ですが。
その力で、易々と私を追い詰めることでしょう。
けれど、過去の私は知らない。知識として知ってはいても、感覚として理解していない。
その輝きは、あまりにも突然に失われたことを。
そんな理不尽が、世界には当たり前のように存在していることを。
であれば――自分は絶対にそんなことにはならない、そんな考えが、過去の私には、僅かであってもある筈です。
故に、圧倒的有利な状況においては、何処かで過去の私は隙を生じるでしょう。
【激痛耐性】で攻撃を耐えつつUC発動、肉鉤でのカウンターで過去の私を仕留め。
こんな私でも、明日は欲しい。
この世界がどんなに残酷であっても。
例え浅ましいと言われても、それが生命の強さなのです…!
【限界突破】した肉体と精神で八寒地獄を突破し、幻朧帝を肉鉤で引き裂きます…!
侵略新世界『サンサーラナラーカ』、それは幻朧帝イティハーサが過去の断片から創り上げた世界。
そして幻朧帝は、その世界を完全に満たした骸の海から引き摺り出す。
蓮見・津奈子(真世エムブリヲ・f29141)の「過去の姿」を。
津奈子はそんな対峙した過去の自分が、いつの頃の自分かを知っている。
――最も輝いていた頃の私。
――スタアとして絶頂を極めていた頃の私。
自信と希望に溢れ、なれど驕らず酔わず、今より素敵な未来を信じて疑わない私であることを。
それから周囲を見回した後、そっと紡ぎ落す。
「……そんな私が、未来を否定する幻朧帝の手駒となっているのは皮肉ですが」
そんな絶頂の時と違って……人ではなくなり、何処か暗い影が差すような微笑みを湛える今の自分。
だから過去はその輝きと力を以て、今の津奈子を追い詰めんと迫る。心も体も、易々と。
けれど、今の津奈子は己の過去を見遣り、思うのだ――過去の私は知らない、と。
(「知識として知ってはいても、感覚として理解していない」)
眩いほどの、強い力や自信が迸る、スタアとして選ばれし者の光。
だが――その輝きが、あまりにも突然に失われたことを。
そんな理不尽が、世界には当たり前のように存在していることを……身をもって、今の自分は知っているのだ。
だからこそ、眩い過去に対して、津奈子は勝機を見出す。
(「であれば――自分は絶対にそんなことにはならない、そんな考えが、過去の私には、僅かであってもある筈です」)
圧倒的な力で今も尚、自分を追い込む過去の自分。
けれど故に、この圧倒的有利な状況において、必ずや何処かで生じるだろうと。
津奈子は激痛耐性を駆使しその猛攻にを耐えつつも、その機を待つ――過去の自分にできる、隙を。
そして止めとばかりに、僅かに大振りになった攻撃を見切れば。
『……! なっ、!!』
「――これ、痛いですよ」
鉄すら引き裂く程の強度と力を有した肉鉤をもって、過去の己を仕留めにかかる。
変異・圧搾巨鉤――効果や威力が増幅した、カウンターの一撃で。
そして崩れ落ち、過去の海に再び沈みながらも尚。
『何で、どうして……そんなになってまで……?』
そう問う過去の自分へと、津奈子は教えてあげる――こんな私でも、明日は欲しい、と。
「この世界がどんなに残酷であっても、例え浅ましいと言われても」
それが生命の強さなのです……! と。
そして道が開ければ、津奈子は今度は、幻朧帝にもそれを示してみせる。
神鷹の羽ばたきと共に襲い来る八寒地獄の冷気を、限界突破した肉体と精神で突破して。
『汝らに、最早生命は不要。そのすべてがオブリビオンとなる……、ッ!!』
津奈子は全力をもって、イティハーサを向けた肉鉤で引き裂く。
どんなに理不尽で、ままならない世界でも――それでも、幻朧帝が否定する未来を切り開き、先へと歩んでいくために。
大成功
🔵🔵🔵