2

帝都櫻大戰⑨〜焼肉、焼肉、GO焼肉！

作者：黒代朝希

---

「諸君、焼き肉をたらふく食べるのだ」
　一見すると、意味の分からない言葉だった。
「タンパク質の補給とチートデイ、そして士気高揚。これらの観点から焼肉は非常に効率の良い栄養補給手段だ」
　だが、トライアスロン・フォーミュラ『時宮・朱鷺子』は至って本気だ。
　純粋な出力と爆発力で言えばベースボール・フォーミュラ『Mr.ホームラン』が最強かもしれないが、総合力とスペックで言えば彼女が最強という見解が出来るだろう。
「自分が生きる世界の民を信じるのだ、皆の者。見たところ、この世界には立派な力持ちがゴロゴロいるではないか！　今から私が地元の民を特訓して回れば、六番目の猟兵が来るまで持ちこたえる程度の戦力にはなるだろうと確信したのだ。誇るが良い！」
　そんな彼女が激闘――文字通りの命のぶつけ合い。
　瞬間的な時間遡行を使い、鉄神の『世界そのもの』と言える攻撃を単騎で凌いでいく。
「そこで皆の者にはタンパク質と栄養の補給として焼き肉を食べて貰いたい。筋トレや有酸素運動は私の時間遡行で行えばいいからだ」
　その間の、時間稼ぎは背負ってくれるとの事。
「では、90分だ。90分で出来る限り、然し気持ち悪くない範囲で焼き肉を食べてくれ。キャンピーくんからBBQ用のセットは借りてある」
　お茶会を楽しむアリスや不思議の国の住人の為に、アフタヌーンティーも用意している様だ。
「90分は好きに楽しんでくれ……何故なら、私は最強のダークリーガーであるが故に、『世界そのもの』を相手にしても死なないからだ」
　そうして、トライアスロン・フォーミュラは『時間稼ぎ』を敢行する。
「さぁ、焼き肉を食べていけ！――時間は、90分だ！」

第1章 冒険 『永遠のお茶会』

POW   :    歌やダンスで楽しませる SPD   :    料理や飲み物を振る舞って楽しませる WIZ   :    話芸で楽しませる 👑7 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「折角の焼き肉のお誘い、断らない訳にはいきませんね。つまりは、焼き肉食べ放題９０分、と言う事でしょうか？――時間稼ぎ、どうもありがとうございますね！」
　高階・茉莉（秘密の司書さん・f01985）はトライアスロン・フォーミュラに礼をして焼き肉を食べ進めていく。
「普段は食の細い、文化部系の私ですけど……沢山食べていいのでしたら遠慮なく頂きますね」
　キャンピーくんからBBQ用のセットを借りて、沢山肉を焼いていく茉莉。
　ちなみに、茉莉の好きな焼き肉の部位は内蔵ホルモン系……特にセンマイの部分を好んでいる。
「んー、このコリコリした食感に、噛めば噛むほど味が出て来る……正に至高ですね」
　センマイ等を食べ進めながら、焼き肉とは別に用意されていたアフタヌーンティーも堪能していく茉莉。
　香り高い紅茶の薫りは、戦争中という事もある中で精神的な安らぎを与えていくれるだろう。
「そうですね……アフタヌーンティーも用意されているなら、私も一つ――皆様にご披露しましょうか」
　茉莉はユーベルコード『感動の童話ハッピーエンドノストーリー』を発動。
　共に焼き肉を食べた不思議の国の住人とアリス達に『童話の読み聞かせ』を行っていく。
「余興の一つになれば幸いです」
　やがて『童話の読み聞かせ』を聞いていた不思議の国の住人とアリスは『童話の続きを聞いてみたいという感情』を震わされ、続きを茉莉に促す。
　そうして、茉莉達は焼肉とお茶会を同時に、交互に堪能していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「90分、ただ焼いて食べるだけとは……しかし、それが力となるならば、全力で取り組みましょう！――来たれ楽団！！」
　朱鷺透・小枝子（亡国の戦塵ジカクナキアクリョウ・f29924）はユーベルコード『機楽団セラ・コロス』を発動。
　158体の『小人型演奏メカニックマシン』を召喚し……召喚した『小人型演奏メカニックマシン』達に肉焼きを行ってもらいながら、楽器演奏とパフォーマンスによる軽快な音楽奏で肉を焼く音に混ぜて食欲を煽り、愉快な仲間たちが楽しんで肉を食べる事に集中できるように小枝子は取り計らっていく。
「国を守るため、世界を守るためとはいえ、無理に食べすぎる事の無きようご注意ください！」
　焼肉奉行として、愉快な仲間達が機嫌を良くしたまま焼き肉を食べ進められる様に指揮を執っていく小枝子。
「お好みの焼き加減があればお伝えください！　その機械がその通りに焼きます！」
　どの肉も美味しく焼かれて提供されていき、またジュース等も即座にリクエストに応じて『小人型演奏メカニックマシン』が取り揃えていく。
「食事は気負って食べるより、ただ楽しんだ方がより食べられるのです！　なにより美味しいのですから！！」
　そんな風に気負う事の無い様に愉快な仲間達が楽しく焼き肉を食べられる様、小枝子は『小人型演奏メカニックマシン』を指揮していく。
　その姿は配膳用の無人機を操作する事でワンオペの現場を回す飲食店のチーフを想起させたとか何とか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「やったー、焼き肉いっぱい食べればいいんだね。ありがたく美味しくいただいちゃうよー♪」
　90分間の制限時間の中、シウム・ジョイグルミット（風の吹くまま気の向くまま・f20781）……時計ウサギの六番目の猟兵はのんびりし過ぎに注意しながら焼き肉を食べていく。
　元より、魔法のウサギ穴を通れる力を利用して色々な「国」を旅し、美味しいものに巡り会うことを生き甲斐としていた時計ウサギであるシウムはこの戦場の概要を聞いて参戦したという。
「猟兵くん達も来てるみたいだし、仲良く食べようね……んー、やっぱり脂がのってるお肉サイコー！」
　一緒にご飯も食べたら、文句なしな幸せ空間の完成……シウムはそう断言する。
「お肉は忘れずに、全種類コンプリートしていくね……あ、ボクのお肉は取っちゃダメだよ？」
　愉快な仲間達に焼いた肉を取られそうになったら、ぷくーっと頬をふくらませて釘を刺すシウム。
　やがていい感じにお腹がふくれた頃……シウムはユーベルコードを発動。
「これお腹減るから普段はあんまり好きじゃないんだけど、今使う時だよね♪」
　――『Hungry Dumpty』。
　発動条件は『自身の腹を減らすこと』であり、その対価として『触れた対象を菓子化』及び『汎ゆる存在を咀嚼可』という能力を持つ『手足がある巨大な口』を召喚するユーベルコードだ。
「ダンプティの力で、デザートも用意してみようかな……その辺に大きめの石とかが落ちてれば、アイスクリームに変えてみたりね」
　そうして、腹ごなしのデザートも用意していくシウム。
「よかったら、一緒に食べてる皆もどうぞー♪」
　やがてその輪は、広がっていく――

大成功 🔵​🔵​🔵​

「焼肉パーティ、美術講師のお給料じゃなかなか食べられないのよね……（最近、殺しの仕事もあんまり行ってないし）」
　伊澄・響華（幻惑の胡蝶・f44099）……復活ダークネス専門の殺し屋稼業を営む灼滅者は、折角の機会としてこの依頼に参加する。
「焼肉パーティ！楽しみです♪」
　それはフィーナ・シェフィールド（天上の演奏家・f22932）に誘われたのも一因である。
「焼肉。トレーニングの時の食事として……まぁ、筋肉つきそうですね」
　シン・ドレッドノート（真紅の奇術師・f05130）はそう言ってBBQの道具と食材の具合を確かめていく。
「まぁ、キャンピーくんの用意したものだから安心ですね。特にお肉はしっかり厳選されているようで」
　一応確認を済ませた後、シンは肉を部位ごとに最適な焼き方、焼き加減で焼いていく。
　肉にも当然種類があり、あまり火を通さないで、表面だけ炙るくらいがよいもの……或いは表面をしっかり焼いたあと、火から遠ざけて中に火を通すもの。
「あ、これ食べごろですよ」
　やがて焼き加減が丁度良いものをシンはフィーナと響華に提供。
　二人は手を合わせて焼き肉を食べていく。
「わ、シンさんが焼いてくれたお肉、とっても美味しい……焼き具合が完璧です」
「さすがキャンピーくん。いいお肉ばかり揃ってるわね……」
　キャンピーくん……新生フィールド・オブ・ナインが登場したのは今年の一月。
　灼滅者が六番目の猟兵と合流したのは今年の初夏と季節は一致しないが、それでもキャンピーくんのキャンプにおける審美眼を響華は信頼していた。
「お肉はレアで食べる派。赤いところがあってもおかまいなし。だって柔らかくて美味しいでしょ……と、思っていたけど」
　しかし、シンが焼いた肉の焼き加減は……びっくりするくらい美味しい。
　加えて玉ねぎやポテトも、絶品だ。
「わたしも料理修行中……この機会に、焼き加減とかしっかり勉強したいな」
　フィーナは六番目の猟兵……ユーベルコードの域に到達した音楽家ではあるが、料理はまだ精通していない様だ。
　故にシンの料理の腕を見習い、己の力に変えるべく食べ進めながら勉強していく――
「あ、響華さん、そのお肉はわたしの育てたのですー！」
「ごちそうさまです！……なんてね、ちゃんと交換こしましょうか」
　タンやハラミ等も堪能し、焼肉のタレもＢＢＱソースだけではなく和風な大根おろし等の複数の種類も楽しんでいくフィーナ達。
　そこに一通り肉と野菜を焼き終えたシンが同席し、冷めて硬くならない内に食べ進めていく。
「フィーナさんも楽しそうだし、楽しく食べましょう！」

　やがて焼き肉を終えた後、残り時間でアフタヌーンティーを堪能する三人。
　キャンピーくんは紅茶にも明るいようで、茶葉やお茶請け等も一級品であった。
「フィーナさんの淹れてくれた紅茶、美味しいわね……」
「ポットに茶葉は一杯余分にいれて……味も香りも楽しんでください。ジャムもありますよ！」
「あ、ミルクもください」
　しかし最後は『淹れる人の腕』が問われるのが紅茶だ。
　フィーナは見事な腕前の紅茶の入れ方で響華とシンに一級品の紅茶を披露。
　やがてゆっくりとしたアフタヌーンティー……お茶会が始まり、腹ごなしとなっていく……

　そうして、食べ放題の90分間は終了を迎える。
「さぁ、食べ終わったら、みんなでレッツ、トレーニングです♪」
「あ、この後はトレーニングなのね。運動した後に飲むプロテインも用意してあるわよ♪」
「さぁ、食べた分、しっかりトレーニングしましょう！」
　これより始まるのは、アリスラビリンスを襲撃するエンシェント・レヰス『護国鉄神零號』に対抗するためのトレーニングである――

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2024年09月16日