帝都櫻大戰⑱〜完全無傷のテニスプレイヤー
●キマイラフューチャーにて
キマイラフューチャーを侵略すべく、無数の幻朧桜を発生させ、同時に自らも降臨するエンシェント・レヰス『神王サンサーラ』であったが、思わぬ妨害を受ける事となった。
「恐るべし、システム・フラワーズ!だがこうまで野放図かつ未整理では、いずれ骸の海に飲み込まれ朽ちるが必定……何だ? 出鱈目な配列が、急激に組み上げられてゆく……」
キマイラフューチャーの特異性は承知していたが、制御不可能だと思われたシステムが何者かの存在によって、変化していく様子に神王サンサーラも戸惑いの表情を見せる。
「例え世界変動規模のコンピューター・プログラムだろうと、高度に構築されたそれはもはや儀式魔術と大差はない……ならば、テニスに操れぬ魔術なし!二天一流・宮本武蔵、見参……!」
そこへ現れたのは2本のラケットを手にした、アスリートアース最強のアスリートにして大魔導士、テニス・フォーミュラ『宮本・武蔵』である。
宮本武蔵は究極の
大魔術詠唱儀式によってシステム・フラワーズのプログラムを高速修正し、広がりつつあった骸の海を競技場にへと上書きさせたのである。
戸惑っていた神王サンサーラだが、システム・フラワーズが明確な形を成したことにより、逆に冷静になる。
「大魔術詠唱儀式《テニス》に従って勝負せよということか…いいだろう、テニスであろうと無限の力を手にしてしまったのだ私を倒すことはできぬだろう」
状況を瞬時に理解した神王サンサーラは、背後に浮かぶ無数の腕にラケットを持たせ、システム・フラワーズが形成したテニスコート場に立つ。
「舞台は整えた。間もなく、猟兵たちも来るだろう。任せたぞ!」
宮本武蔵は修正したプログラムを維持しつつ、猟兵たちの到着を待つのだった。
●グリモアベースにて
「…という状況になっているから、皆は早速キマイラフューチャーに向かって欲しいんだ」
金髪のグリモア猟兵のリリスフィアが、キマイラフューチャーで起きている状況を一通り説明する。
エンシェント・レヰス『神王サンサーラ』によって骸の海による浸食されていたキマイラフューチャーだが、キャンプ・フォーミュラの『キャンピーくん』に呼ばれて駆け付けたテニス・フォーミュラ『宮本・武蔵』によって食い止められている。
システム・フラワーズのプログラムを大魔術詠唱儀式によってテニスコートを形成させ、神王サンサーラの力を制限させているのだ。
「今のサンサーラはテニスコートの上でしか力を発揮する事が出来ない。そしてテニスのゲームでサンサーラから1ゲームでも獲得すれば、サンサーラは一旦諦めて撤退するようだね」
完全無傷であるが故に、覆されるような事態が起きれば、サンサーラは本能的に危機を察知しての行動なのだろうとリリスフィアは説明する。
だが神王サンサーラの無限の力はテニスにも及び、無敵のテニスプレイヤーとなって猟兵たちの前に立ちはだかる。
無数の手にラケットを持つサンサーラに死角は存在せず、更にどのような打球でも引き寄せられるかのようにサンサーラの手元にまで向かってしまうのだという。
サンサーラはこれを『天地開闢の理』と呼んでいるとのことである。
攻撃面でも対戦相手の五感を奪い、かつ触れたラケットを消滅させてしまう必殺の魔球『神王球』を放ってくることが予知されている。
「システム・フラワーズのおかげでサンサーラの力も限定されているけれど、その反面皆の力もテニスに限定されてしまうから、サンサーラへの直接攻撃は無意味になってしまうことにも注意だね」
テニス上でならUCの使用も問題はないとリリスフィアは付け加える。
非常に危険なゲームとなるが、それでも力が限定される為、互いにテニスで命を落とす事はない。
「宮本武蔵はプログラムの修正を維持する為に、審判役に徹するようだけれど、望めば一緒に試合してくれるよ。ただその場合はサンサーラの分身体が現れ、ダブルス形式でのゲームとなるかな。例外的に3人以上で試合する事も出来るけれど、その場合も同じ人数だけサンサーラの分身が出現するみたいだね」
完全無敗にして完全無傷のテニスプレイヤーとなった神王サンサーラに1ゲームでも取得することは、困難を極める事だろう。
「でも最後にものをいうのは勝利への想いかな。皆の健闘を祈っているよ」
説明を終えたリリスフィアは、志願する猟兵たちをサンサーラが待つテニスコートにへと送り届けるのだった。
吾妻 銀
吾妻 銀です。
帝都櫻大戰の5本目のシナリオとなります。
戦争シナリオとなりますので、1章構成となります。
キマイラフューチャーを舞台に、神王サンサーラとのテニス勝負となります。
指定がない限りは1対1でのリプレイ形式となります。
希望するなら宮本武蔵とのダブルスも3人上の同時参加も可能です。
ただOPにもあります通り、参加人数分だけ神王サンサーラの分身体が出現します。
(サンサーラ自身のUCではなくシステム・フラワーズの修正プログラムによるものとします)
能力もほぼ変わりはないものとします。
テニスの細かいルールはあまり気にしなくて問題ありません。
サンサーラの守りを突破できれば得点できたものとします。
またサンサーラからの攻撃の対策も必要です。
記載がない場合は不利な判定となります。
プレイングボーナスは「
究極の大魔術詠唱儀式で書き換えた地形や環境を描写し、それを利用して戦う/武蔵と協力して戦う」となります。
参加は公開直後から受け付けます。
締め切りは参加状況を見て、タグや雑記に記載します。
それでは皆様の参加をお待ちしております。
第1章 ボス戦
『神王サンサーラ』
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POW : サンサーラディーヴァ
自身の【眼前】を【広大無辺の仏国土】化して攻撃し、ダメージと【神王サンサーラへの到達不能】の状態異常を与える。
SPD : サンサーラノヴァ
【かざした両掌の間】から、詠唱時間に応じて範囲が拡大する、【五感封じ】の状態異常を与える【神王光】を放つ。
WIZ : 強制転生光
レベル秒間、毎秒1回づつ、着弾地点から半径1m以内の全てを消滅させる【サンサーラの光】を放つ。発動後は中止不能。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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ツォーナ・ロチェアーダ
ラケットで触れればラケットが消え、仮に打ち返せたとしても絶対に打ち返される…ならば、触れなければいいだけです!
このユーベルコード、ディメンションロックは本来は空間湾曲を用いて穴を
開ける技…今回はその空間湾の方を利用します!
空間を湾曲させることで、こちらのコートを縮めたりボールの軌道を歪めて外に出したり、サンサーラさん側のコートを無限に広げてそもそも届かなくしたり!
名付けて…ツナファントムです!
無限の強さを誇ろうと、そもそも届かないならば意味がない…それはサンサーラさん自身が証明してるはずです。
あ、今回の戦術的に必要なのでサーブは譲ります。
無限の強さを持つならそれぐらい良いですよね?
かくしてキマイラフューチャーの命運を賭けた
大魔術詠唱儀式が始まった。
エンシェント・レヰス『神王サンサーラ』は、宮本武蔵の儀式によって、今は一人のテニスプレイヤーとして猟兵達の対戦相手となっている。
打球をラケットで触れればラケットが消え、仮に打ち返せたとしても絶対に打ち返される、今の神王サンサーラは完全無敗にして無傷のテニスプレイヤーである。
「…ならば、触れなければいいだけです!」
とある少女が使っていた剣のヤドリガミ、ツォーナ・ロチェアーダ(世界を渡る大海の剣・f01913)の脳裏に一つの対策が閃く。
「あ、今回の戦術的に必要なのでサーブは譲ります。無限の強さを持つならそれぐらい良いですよね?」
「私を食い止める手立てがあるというのか?…いいだろう」
正直なツォーナの要望に神王サンサーラは表情一つ変えずに承諾する。
オブリビオンと化した神王サンサーラは、自分の意志では止まることは出来ない。
だからこそ猟兵達が止めくれることを望んでいるのが本心なのである。
そしてサーブから放たれたのは、目が眩むほどの輝きと同時に、対戦相手の五感を奪い、かつ触れたラケットを消滅させる魔球『神王球』である。
「空間ごと穴を開けちゃいますよ!」
ツォーナは鍵型ガジェットを用いて空間湾曲を発生させた。
空間を湾曲させることで、ボールの軌道を歪めて『神王球』をコートの外にへと移動させる。
その結果、神王サンサーラのサーブフォルトとなった。
UCによりツォーナはコートの距離を自在に広めたり縮めたり出来るのである。
「ほう…」
「名付けて…ツナファントムです!」
無限の強さを誇ろうと無敵の魔球であろうと、そもそも届かないならば意味がない…それはサンサーラさん自身の能力が証明してるのだ。
だがツォーナがポイントを得るにはもう一度、神王サンサーラのサーブを凌がなければならない。
「これならばどうだ」
再び放たれる『神王球』サーブに対して、ツォーナは空間を歪めて球だけをコートの外に移動させようとした。
だがその直後、コートが広大無辺の仏国土が広がっていくのをツォーナは目の当たりにする。
空間を湾曲出来るのはツォーナだけではないと言わんばかりである。
「…危なかったです!」
だが眼前に広がっていく光景が、五感を狂わせているものによることに気付いたツォーナは、『神王球』がコースに入る前に、空間を歪曲させて再びコートの外にへと追い出すことに成功するのだった。
ダブルフォルトとなり審判役の宮本武蔵から、ツォーナにポイントがカウントされる。
これまでの常軌を逸した攻防も、宮本武蔵にはしっかりと見えているのだ。
「見事な能力だ…だがまだ勝負はこれからなのだろう?」
神王サンサーラに負けを認めさせるには、1ゲームを取得しなければならない。
「その通りです。そしてサンサーラさんからのサーブも変わらないですよね」
サーブ交代となれば、ツォーナの戦法は不向きとなるが、シングルスでは1ゲームの間、サーブ権は変わらないのである。
「その通りだ。だが次は同じ手は通用するとは思わない事だ」
「ええ望むところです!」
両者による白熱のテニス勝負は、まだこれからも続くのであった。
大成功
🔵🔵🔵
遠藤・修司
『あの宮本武蔵とテニスができるのかい!?』
「うわ、やっぱり出てきた」
『ねえねえ“僕”! 身体貸して!!!』
「……まあ、いいけど」(ため息をつきつつ人格交代)
最近の学説だと、宇宙の誕生はテニスによるビッグバン現象と言われてるんだよ
僕は今、それを目の当たりにしているのか……
詠唱する時間を与えないことが肝心だね
なら速攻で決めるよ
【ムナールの五芒星石】を入れたボールを打ち出す!【UC使用】
打ち返すためにボールに触れたらUC封じと捕縛
避けたら僕の点だよ
代償がキツいから、点を入れたらすぐ解除
石自体は複製品だから数は用意できる
このやり方で相手のUCをキャンセルして、あとは普通に試合をするよ
僕もテニスしたいし
『あの宮本武蔵とテニスができるのかい!?』
「うわ、やっぱり出てきた、っていうか対戦相手はあっち!」
多重人格者の遠藤・修司(ヒヤデスの窓・f42930)がテニスコート場に立った直後、別の人格が表に出てこようとする。
修司は対戦相手はテニス・フォーミュラ『宮本・武蔵』ではなく、エンシェント・レヰス『神王サンサーラ』であることを指摘するが、別人格の意識はそれで引っ込む様子はない。
『ねえねえ“僕”! 身体貸して!!!』
「……まあ、いいけど」
ため息をつきつつ修司は人格を交代する。
どの道テニスのルールも良く知らない、修司の主人格では勝負にすらならないのだから。
「準備は出来たか?」
そう問いかける神王サンサーラからはまばゆい程の後光が差し、それだけで修司の五感が封じられるような感覚を覚える。
「最近の学説だと、宇宙の誕生はテニスによるビッグバン現象と言われてるんだよ」
『僕は今、それを目の当たりにしているのか……』
そんな中でもマイペースに学説を語る別人格に対して、主導権を交代した修司は適当に相槌を打つ。
「詠唱する時間を与えないことが肝心だね。なら速攻で決めるよ」
幸いな事にサーブ権は修司にある。
別人格に主導権を渡した修司は、ルールも知らなかったとは思えない程の、手慣れた動作で鋭いサーブを打つ。
それもただのサーブではない。
打球には修司のUCである【ムナールの五芒星石】の力が込められている。
ボールに触れた対象のUCを封じ、捕縛するのだ。
「そして避けたら僕の点だよ」
「避ける必要はあるまい!」
神王サンサーラは恐れる事無く、自らのラケットで打球を打ち返した。
『うわ、打ち返された!』
ボールと共に打ち出す事で威力は倍増するが、同時に狙われた対象に打ち返される事で反射されてしまうのだ。
「すぐに勝負がつくとは思っていないよ!」
UC封じこそ反射されたものの、ラケットを消滅させる魔球『神王球』を発動させないことには成功した。
修司の別人格も負けじと神王サンサーラのレシーブを打ち返す。
五芒星石自体は複製である為、数は用意している。
何度でもUC封じの球を打つ事が出来るのだ。
「代償がキツいから、点を入れたらすぐ解除したかったのだけれどね」
ボールをUCと共に打ち出すこと自体には代償はないが、打ち出すUCが強力であればあるほど、その代償は払わなければならない。
「でも、僕もテニスしたいし。普通に試合をするためにもね!」
『寿命が縮むのは勘弁して欲しいのだけれど…』
修司の主人格がげんなりする中、修司の主人格と神王サンサーラによるラリーは長いこと続いた。
互いに決定打を出せずに、普通にテニスの実力だけでゲームをしなければならなくなったからである。
「これで私を幾許かでも食い止めることができるのだろうか……」
「テニスに限界なし!このまま熱い戦いを続けるのだ」
『……早く終わらないかな?』
神王サンサーラと宮本・武蔵、そして修司の主人格の想いをよそに試合は続く。
修司の別人格が神王サンサーラから、1ゲームを獲得するその瞬間まで。
成功
🔵🔵🔴
国栖ヶ谷・鈴鹿
【苦集滅道リヰンカネイシヨン】
テニス勝負か、なら、ちょっと目に悪い感じの光やめてもらおうかな?
ユーベルコヲド、苦集滅道リヰンカネイシヨン、効果の反射で五感を奪わせないし、反射で一瞬でも隙作ってポイントを奪って行くよ。
打ち合いになったら、こっそりときこやんの式神をボールに貼り付けて、軌道を地に這わせてドロップ。
残像を作り出す、式神の軌道変化、持てる技能を生かして、テニスで勝負を決めるよ!
不到達の状態異常も逆に利用出来るから、相手のUCは有効には使わせないよ。
「テニス勝負か、なら、ちょっと目に悪い感じの光やめてもらおうかな?」
テニス・フォーミュラ『宮本・武蔵』の究極の
大魔術詠唱儀式によって、形成されたテニスコート場に立つ、国栖ヶ谷・鈴鹿(命短し恋せよ
乙女・f23254)だったが、対戦相手であるエンシェント・レヰス『神王サンサーラ』から放たれる後光の光によって、視界はおろか五感を奪われそうになる。
それに対抗すべく、鈴鹿はユーベルコヲド『
苦集滅道リヰンカネイシヨン』を発動する。
「世界に満ちる、艱難辛苦を祓う時!ぼくの光は全てを糺す!」
鈴鹿の放った反射の光が、神王サンサーラの放つ光を相殺する。
「さあ、どんどんポイントを奪って行くよ」
そこからようやくテニスの試合が始まった。
勝負はボールの打ち合い、そしてユーベルコヲドの潰し合いとなった。
「テニスであろうと無限の力を手にしてしまったのだ私を倒すことはできぬだろう」
神王光を反射され思うように神王球を打つ事が出来ない神王サンサーラだが、天地開闢の理は健在であり、鈴鹿がいくら打ち返そうとも打球は、神王サンサーラの手元にへと飛んでしまう。
「そろそろいいかな?」
延々と打ち合いが続いた所で、鈴鹿は普段は彼女の狐耳と尻尾になり、強力な加護と祝福を与えている稲荷狐『きこやん』の式神をこっそりとボールに張り付ける。
そして軌道を地に這わせたドロップショットを放つ。
「小細工など無駄である」
「それはどうかな?」
多少軌道を変えた所で、手元に飛んでくることには変わりはないと踏んでいた神王サンサーラであったが、飛んできた打球から無数の残像が発生し、その表情を曇らせる。
「小細工は無駄だと言っただろう?」
意志を持っているかのように残像を出しながら軌道変化し続ける打球を、神王サンサーラは無数の腕とサンサーラの光によって見破り、そして打ち返した。
「これを待っていたんだよ!」
だがその返球を予想していた鈴鹿は、全力でジャンプしてラケットを振りかぶる。
打ち返されたボールは式神によって、スマッシュを打つのに丁度いいポイントにへと引き寄せられる。
「これで決めるよ!」
そして鈴鹿の全力のスマッシュによって打球は光の速さで、神王サンサーラ側のコートに突き刺さった。
「そ…そんな!」
あまりの速さに神王サンサーラですらも反応出来なかったのである。
文句なしの鈴鹿のポイントであることが、審判役の宮本・武蔵からも告げられる。
「この調子でパーフェクトゲエムだね♪」
「く…見事だ…だがまだ終わりではない」
その後も試合のペースは終始、鈴鹿が握る展開となり、完全無敗にして完全無傷が打ち破られる瞬間も間近に迫るのだった。
大成功
🔵🔵🔵
戒道・蔵乃祐
そうですね…滅びし世界『サンサーラディーヴァ』が嘗ては在ったように、此処は
ちょうてんさいの度が過ぎる欲望によって滅び、再生された
しかし今を生きる人々が誤った存在だとは微塵も思いませんし、ましてや貴方に否定される謂われもありません!
◆錬金創造
限界突破の念動力で第六感を発動!
野性の勘+読心でボールを追い、心眼でスイートスポットに快打して五感封じを突破
ラケットは消失する度に代替品を生み出して対処
結跏趺坐の瞑想を保ち、移動せずに相手の力を利用しているならば!
見切り+早業でフェイント、クイックドロウの
ストップボレーを神王のコートへ返します
「そうですね…滅びし世界『サンサーラディーヴァ』が嘗ては在ったように、此処は
ちょうてんさいの度が過ぎる欲望によって滅び、再生された」
戒道・蔵乃祐(荒法師・f09466)が語っているのは、キマイラフューチャーの歴史である。
人類は滅亡したが、人類の遺したポップなサイバーパンク都市で、
破壊をも乗り越え、生き残ったキマイラ達が現在も楽しく暮らしているのだ。
「しかし今を生きる人々が誤った存在だとは微塵も思いませんし、ましてや貴方に否定される謂われもありません!」
「ならば、このサンサーラを止めてみせることだ」
キマイラフューチャーの侵略者である、エンシェント・レヰス『神王サンサーラ』はテニスコート場に立ち、後光を放つ。
「この大魔術詠唱儀式の前ではテニスこそが全てである。頼んだぞ猟兵よ」
テニス・フォーミュラ『宮本・武蔵』も審判役として、勝負の行方を見守っている。
「では始めましょうか!」
テニスコートに立った蔵乃祐は念動力を限界まで引き出して、第六感を発動する。
五感を封じられるのなら、それ以外の感覚で勝負に出るつもりなのだ。
そして神王サンサーラから放たれた魔球『神王球』に野性の勘で追いつき、そして心眼でスイートポットを見つけ出して、ラケットの消失もお構いなしに打ち返した。
「土生金。木生火。火剋金。地精より生じ木精より生まれ熔鋳せよ火精」
そして消失したラケットは錬金創造によって、すぐに代替品を生み出して神王サンサーラの返球に備える。
あくまでも模造品ではあるが、ラケットの金属部分に関しては本物よりも精巧であり、消失した本物を補うには十分な出来であった。
「だが所詮は一時凌ぎに過ぎない」
ラケットの消失を代償に返したボールも、吸い込まれるかのように神王サンサーラの手元に飛んでしまい、すぐにまた神王球が返される。
「いつまでも付き合うつもりはないですよ!」
結跏趺坐の瞑想を保ちつつ、蔵乃祐は再度心眼で神王球を打ち返すスイートポットを見つけ出して、早業で打ち返した。
その際に代替品のラケットの例外なく消失してしまう。
「何度打ち返そうとも同じこと…」
同じようにボールを引き寄せて打ち返そうとする神王サンサーラであったが、飛んできた打球は
ストップボレーとなって手元に届く前に、神王サンサーラ側のコートにツーバウンドするのであった。
「これがテニスですよ」
「……油断していたことは認めよう」
純粋なテニスの技で見事ポイントを獲得した蔵乃祐であったが、神王サンサーラは触発され目の色が変わる。
「まだ気を緩めるわけにはいかないようですね!」
更に強力になった神王球に対抗すべく、蔵乃祐は更に第六感を研ぎ澄まし、錬金創造で再度ラケットを複製する。
それからも両者の激しいテニスバトルは続くのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ミュー・ティフィア
正直めちゃくちゃっていうか、本当にこんな相手にテニスで勝たないといけないんですか?
でも、そっちがその気ならこっちだって!
精霊転身・光と闇の歌姫!
フィア、行ってきますね!
『応援してるね!頑張って!』
まずはポリフォニーとリチェルカーレを使って準備です。
ラケットは限界突破全力魔法オーラ防御結界術でコーティング。これで撃ち返してもラケットの消滅は免れるはず。
ラケットの消滅さえ免れるなら五感は必要ない。
多分試合が終わった時には体感時間がすごいことになっているし五感ないの怖いけれど必要なのは覚悟。
覚悟し、代償を払えるなら必ず打ち返して点を入れられる。
どれほど理不尽な手を使われても、私は必ず貴方に勝ちます!
「正直めちゃくちゃっていうか、本当にこんな相手にテニスで勝たないといけないんですか?」
闇の精霊フィアと共に世界を駆ける少女、ミュー・ティフィア(絆の歌姫・f07712)が不安になるのも無理からぬことである。
テニス・フォーミュラ『宮本・武蔵』の究極の
大魔術詠唱儀式によって、エンシェント・レヰス『神王サンサーラ』の骸の海を無限に広げる能力は封じられ、その強大な力でもテニスでしか発揮できないでいる。
だがそれは猟兵側も同じことで、テニスのプロではないミューにとっても歌姫としての力を発揮できない厳しい戦いとなる事は間違いないだろう。
「…やはり私を食い止める手立ては無いだろうか?」
ミューの様子に神王サンサーラはラケットを手にしながら、どこか失望したような表情を見せる。
「心配は無用だ。全力で挑めば必ず応えてくれる。それがテニスなのだ!」
そして宮本・武蔵から、激励の言葉が飛ばされ、ミューは覚悟を決める。
「そうですね!そっちがその気ならこっちだって!」
ミューは神王サンサーラに対抗すべく、自律して宙を舞う魔導書『ポリフォニー』と翼の装飾が施された美しい杖『リチェルカーレ』を取り出して準備を整える。
取り出した2つの道具を使用して、可能な限り強固な結界で、神王サンサーラの魔球『神王球』を受けても消滅しないよう、ラケットにコーティングを施す。
「フィア、力を貸して!」
『本当にいいの?わかった!それじゃあいっくよー!』
そして闇の精霊フィアにお願いして、彼女との魔力リンクを完了させる。
「それじゃフィア、行ってきますね!」
『応援してるね!頑張って!』
全ての準備を整えたミューは、神王サンサーラが待つテニスコートに足を踏み入れる。
「……お待たせしました」
「それでは始めよう」
神王サンサーラは特に待ちくたびれた様子も無く、サーブのポジションに移動する。
かざした両掌の間から光り輝くボールを出現させると、ミューが立つコート側に向けて、強烈なサーブを放った。
ミューの五感を奪い、触れたラケットを消滅させる魔球『神王球』である。
「必要なのは覚悟です」
だが事前準備の甲斐あって、ミューは五感を奪われながらも、ラケットに施した防御結界によって、ラケットは消滅することなく、レシーブに成功した。
「そうこなくては!」
ミューが決死の覚悟で返したレシーブは、『天地開闢の理』によって引き寄せられるように神王サンサーラの手元にへと飛んでしまう。
そしてミューの元に再び神王球が飛んでくるが、ミューは懸命に返し続けた。
「フレ~!フレ~!」
闇の精霊フィアからの精一杯の応援が聞こえてくる。
神王球を打ち返すごとにミューの五感も奪われ続け、もはやどれほどの時間が経ったのかわからない中、フィアの声援だけははっきりとミューに届いていた。
テニスに必要なのは技術や経験だけでなく何よりも覚悟が必要なのだと、実際にテニスを続けて、ミューは実感する。
「どれほど理不尽な手を使われても、私は必ず貴方に勝ちます!」
その言葉通り、ミューは神王サンサーラに勝利する事となる。
だがその結果が得られるまで、どれほどの体感時間そして代償を払う事となるのか、五感を失ったミューには知る由もなかった。
大成功
🔵🔵🔵
雪華・風月
テニスは初心者故に宮本・武蔵さんに協力をお願いします
武蔵さんは前、動き回るのが得意【ダッシュ】なわたしが後ろという感じでいきましょう
必殺の魔球『神王球』、その威力、五感を奪う…恐ろしい魔球ですが…
それに合わせて此方も柳緑花紅(ラケット)を対応
自身の身体を回転させ衝撃を『受け流し』威力の軽減
五感を奪う魔球を『カウンター』で返しましょう…
逆に相手の五感が失われてしまえば無数の手の防御だって隙ができるはずです…
高速でボールをぶれさせ惑わす『分身』、相手の影にボールを打つことで縫い留める『影縛り』
そういった技も合わせて1ゲーム頂きます
「わたしはテニスは初心者故、宮本・武蔵さん!ご協力をお願いします!」
「いいだろう!丁度、テニスがしたいと思っていた所だ!」
帝都桜學府所属の侍少女、雪華・風月(若輩侍少女・f22820)の要請に、テニス・フォーミュラ『宮本・武蔵』は、その言葉を待っていたとばかりに喜々として応えた。
「ならば私『達』がお相手しましょう」
エンシェント・レヰス『神王サンサーラ』は、ダブルスを成立させるべく、自らの分身を作り出し、前衛と後衛に分かれる。
「武蔵さんは前をお願いします」
対して猟兵側は宮本・武蔵を前衛に配置させ、動き回るのが得意な風月が後衛を担当することなった。
キマイラフューチャーの命運を賭けた前代未聞のダブルスが今始まる。
「まずは小手調べだ」
サーブ権を得た神王サンサーラが、早々に必殺の魔球『神王球』を放つ。
五感を奪う光を纏った魔球は前衛の宮本・武蔵をすり抜け、後衛の風月に向かって一直線に飛ぶ。
「その威力、五感を奪う…恐ろしい魔球ですが…」
風月はラケットに変化した大太刀『柳緑花紅』を、手に自身の身体を回転させる。
神王球による衝撃を回し受けによって軽減させ、同時に打ち返すだけの勢いを得る為である。
「お返しします!」
風月は五感を奪われながらも、妖刀が変化したラケットは消滅することなく、神王球をそのままの威力で打ち返した。
「今度はあなたが五感を奪われる番です!」
「自分の力で敗北する程、愚かではない」
神王サンサーラは『天地開闢の理』を発動し、返ってきたボールを自分の手元に引き寄せて打ち返す。
呪詛返しによる反射を受けなかった訳ではないが、神王サンサーラは五感を乱されても、防御の隙を簡単には見せない。
「それならこれはどうです!」
再び自分に向かってきた魔球を風月は懸命に打ち返す。
今度は反射させただけでなく、高速でボールが分身したかのように、ぶれ惑わしながら神王サンサーラの方にへと飛んでくる。
「打ち返せない球ではない」
しかし神王サンサーラは無数の手を駆使して、分身したボールを全て打ち返すようにして、辛くも凌ぐのだった。
「次は返させません!」
続けて風月は神王サンサーラの影に向かってボールを打つ。
影縛りの応用で神王サンサーラの動きを縫い留める算段であった。
「その考えはお見通しだ」
だが後衛の神王サンサーラに向かって落ちるはずのボールは、前衛の神王サンサーラが割って入る形で、またしても返されてしまう。
「この宮本武蔵が居る事を忘れてもらっては困る!」
だが今度は宮本・武蔵が超反応で、風月に向かって放たれた打球を割って入る形で得意の二天一流で打ち返す。
「そんな!」
前衛後衛共に風月だけに気を取られていた神王サンサーラは虚を突かれ、打ち返す事は出来なかった。
神王サンサーラとその分身は能力に違いはなく、意思の疎通も自在である。
一見連携に隙はないように思えるが、思考も同じである為に、今回のような隙が生まれてしまうのである。
「武蔵さん、ありがとうございます」
「その見事な返しがあってこそのポイントだ。これからダブルスの楽しさと奥深さを知っておくといい」
その後も風月は宮本・武蔵と共に、ダブルスの利を活かして神王サンサーラを追い込み、やがて勝利する事となる。
そしてテニスの楽しさを存分に教わるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
御桜・八重
「わはっ、どうかな、似合うかな?」
初めて着るテニスウェアにウッキウキ。
うん大丈夫、試合戦いは真剣にやるから!
足の速さを活かしてコートを縦横無尽に駆ける。
機動力なら負けない…んだけど。
コートがどんどん広がってる!?
ああ、サンサーラさんがあんな遠くに…
武蔵さんが大魔術詠唱儀式で普通のコートに
書き換えてくれてるけど、このままじゃ…
「!」
審判席の武蔵さんの瞳が訴えている。
お前ならできる、と。
今度こそ覚悟した。勇気を奮い起こし雄叫びを上げる。
「うおおおっ」
今はこのラケットがわたしの刀。
体を最大限に捻り、強烈な回転力で球を打つ。
「いざ吹き散らさん!」
広大無辺を気合いでねじ伏せ相手のコートに叩き込む!
「わはっ、どうかな、似合うかな?」
普段は古神社で巫女の修行に励んでいる、御桜・八重(桜巫女・f23090)は、初めて着るテニスウェアにウッキウキの様子である。
「うむ、良く似合っているぞ。これで立派なテニスプレイヤーだ」
テニス・フォーミュラ『宮本・武蔵』も、真新しいテニスウェアを着た八重を賞賛している。
「そろそろ始めていいだろうか?」
その一方でエンシェント・レヰス『神王サンサーラ』は、テニスコート場に立ち、猟兵がコートに入るのを待っていた。
「うん大丈夫、試合戦いは真剣にやるから!」
神王サンサーラの様子に八重は気持ちを切り替えて、テニスコートに入り、試合を開始する。
だが試合の展開は神王サンサーラの一方的な展開となった。
「コートがどんどん広がってる!?」
足の速さを活かしてコートを縦横無尽に駆けるつもりでいた八重だったが、神王サンサーラの『天地開闢の理』によって、まるでコート上が広大無辺の仏国土と化したかのように広がるばかりで、飛んでくるボールに追いつく事が出来ずポイントを許してしまう。
それでも食らいついて反撃しようにも、コートがあまりにも遠すぎて、渾身のレシーブも神王サンサーラ側のコートに入る事すらもなく、空しく広大無辺のテニスコート場に転がるのだった。
「ああ、サンサーラさんがあんな遠くに…」
明るく真っ直ぐ元気が取柄の八重に、焦りの表情が浮かぶ。
これまでは魔球『神王球』による破壊力で攻めていた神王サンサーラが、ここに来て戦い方を変えているのだ。
同時に宮本・武蔵が
大魔術詠唱儀式で封じていた、『骸の海を無限に広げる能力』が蘇りつつあることを示している。
「…どうやらそろそろタイムアップが近いようだな」
広大無辺に広がったコートを普通のコートの広さに戻す、審判役の宮本・武蔵であったが、それも限界が近づいているようだ。
「このままじゃ…」
八重の脳裏に敗北が浮かぼうとしたその時、宮本・武蔵の瞳が何かを訴えていることに気付いた。
「!」
お前ならできる、と言葉にはしなくとも、はっきりと八重には伝わった。
「うおおおっ」
今度こそ覚悟した八重は、勇気を奮い起こし雄叫びを上げる。
「気合だけでは私を止めることなど出来ぬ」
そんな八重の覚悟を否定するかのように、神王サンサーラは再び八重側のコートだけを広げにかかる。
そして無慈悲に炸裂する魔球が、広がったコートのすれすれの位置にへと落下しようとしている。
このままではまたしてもポイントを許してしまう。
「今はこのラケットがわたしの刀!」
八重は限界を越えた脚力で、魔球に追いつき、体を最大限に捻り、強烈な回転力でレシーブを打った。
「いざ吹き散らさん!」
強烈な打球は広大化したコートを突っ切り、神王サンサーラ側のコートにへと突き刺さる。
「く…油断したか!」
コートを広げることに意識が向いていたばかりに、打球を手元に引き寄せる間もなく、ポイントを取られたことに、神王サンサーラの表情が曇る。
「ここから逆転だよ!」
1ポイント返したことで勢いづいて、UCの名の通り花旋風と化した八重は一気に追い上げをかける。
神王サンサーラは止むを得ず、これまで通り相手の五感を奪い、破壊力でねじ伏せようとする戦法に戻そうとするが、それでも八重の勢いは止まらず、超高速回転した打球が何度も神王サンサーラ側のコートに突き刺さる。
「うおおおっ!!」
五感を奪われても、八重が無我夢中で試合を続けた。
それからどれほどの攻防が続いたのか、八重は憶えていない。
八重が五感を取り戻し目を覚ました時には、神王サンサーラの姿はなかった。
「皆、見事なテニスだったぞ!」
宮本・武蔵の言葉と元の空間に戻ったキマイラフューチャーの様子に、八重は自分達が勝利したのだと確信するのだった。
大成功
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