獣人世界大戦⑧〜ネオンサインに照らされて
「獣人戦線の世界で全ての超大国が大きく動き始めているのはもう聞いていると思う」
君たちに説明を始めたヴォルフガング・ケーニヒバウム(オオカミの戦闘猟兵・f39969)は言う、始まった獣人世界大戦の一戦場に赴いて欲しいと。
「向かって欲しいのは、人民租界に多数存在する
須弥山型都市……ひとつの山を改造した仙術サイバー都市、この一つだ」
現在その仙術サイバー都市は「有頂天道人」によって制圧されてしまっている。
「他にも制圧されてる須弥山型都市はあるけどね。どういう絡繰を使ったのか……仙術サイバー都市の数々に『有頂天道人』が同時に現れて、その結果現状に至るという訳さ」
制圧されたシュミセンを奪還するためには、「サイバー化」と「渾沌化」、2つのまるで異なる異形を纏った超強敵こと有頂天道人を撃破する必要がある。
「有頂天道人は派手なネオンサイン輝く
須弥山型都市の山頂……
有頂天天蓋で君たち猟兵を待ち構えているようだ」
接触に関しては難しいことを考える必要はない。
「サイバー化による人外の膂力と反応速度を有し、渾沌化のもたらす『自在に変化する肉体』を余すところなく使いこなす、加えて恐るべき功夫を駆使して襲ってくる相手だからね、有頂天道人は強敵と言っていいだろう」
もっともサイバー化による強化された反応速度も人外レベル、こちらがユーベルコードを使う前に先制攻撃してくる程の速さはないようで。
「そこも踏まえて有頂天道人の『サイバー化』と『渾沌化』を利用した功夫殺法にうまく対処できれば優位に立ち回れるんじゃないかな」
どのようにしてそれを為すかは君たち次第だが。
「私もグリモア猟兵として本作戦をサポートする。獣人戦線を救う為にも――」
よろしく頼むよとヴォルフガングは君たちに頭を下げたのだった。
聖山 葵
ネオンサインって聞くと都会ってイメージがあります。
それはさておき、今回は有頂天道人と戦っていただくお話となっております。
尚、このシナリオフレームには下記の特別な「プレイングボーナス」があり、これにのっとった行動をすることで、戦いに有利になるようです。
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プレイングボーナス:敵の「サイバー化」と「渾沌化」を利用した功夫殺法に対処する。
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ではご参加お待ちしておりますね。
第1章 ボス戦
『有頂天道人』
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POW : サイバネ殺法 undefined cyberne
【機械化義体でカンフー技】を放ち、命中した敵を【undefined】に包み継続ダメージを与える。自身が【中国拳法の構えを】していると威力アップ。
SPD : サイバー渾沌拳 undefined kungfu
【サイバー化した肉体】と【渾沌化した肉体】を組み合わせた独自の技能「【サイバー渾沌拳】」を使用する。技能レベルは「自分のレベル×10」。
WIZ : 渾沌波動弾 undefined aura
レベル秒間、毎秒1回づつ、着弾地点から半径1m以内の全てを消滅させる【undefined】を放つ。発動後は中止不能。
👑11
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鳴上・冬季
「年経た狐は虎より強いと証立てる。何とも素晴らしい依頼ではないですか」
嗤う
「流石に戦法を5通り試したところで私も策が尽きまして。大変申し訳ありませんが、似た策を取ることをお許し下さい。尤も、それを知る貴方は別人ですが。…壊せ騒霊、式鬼神招来急急如律令」
760体の騒霊式神召喚
敵の武装及びサイバー義体に次々取り憑かせ破壊
サイバー混沌拳を使用出来なくする
「それでは死合いましょうか」
嗤う
仙術+功夫で縮地(短距離転移)し接敵
空中戦及び空中機動+功夫で軽身功
敵の攻撃した蹴り足の上にふわりと乗り嗤う
寸勁寸勁前蹴り裏拳回し蹴りとどんどん連撃
敵の攻撃は縮地や軽身功で回避
「その程度ですか、貴方の功夫は」
嗤う
バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎
有頂天天蓋を駆け回って幾数日……。
そろそろ須弥山型都市利用の延滞料金を支払ってもらわなければなりマセンナ、有頂天道人!
身命、情報、尊厳! 好きなものを提出してくだサーイ!
オーウ!
支払いを拒否するとは何てひどいコンキスタドール!
許せマセーン! ファルシオンを構えて応戦しマース!
通常技の応酬の果て、サイバネ殺法のカンフー技を放とうと中国拳法の構えをする瞬間に、迎撃カウンターでUCを打ち込みマース!
「六式武装展開、光の番!」
これがワタシの! 全力全開デース!
サイバー化の圧倒的なパワーも、当たればデンジャラスな渾沌化も!
使わせる前に吹き飛ばせば何ということはありマセーン!
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
これはまた派手ですねぇ。
お相手致しますぅ。
『FAS』を使用し飛行、『FLS』により
全『祭器』召喚後『空間歪曲障壁』を展開し、『気弾』等の遠距離攻撃を逸らして防げる状態にしますねぇ。
更に『FPS』の探査で道人さんの動きを把握しつつ『刀』を抜き【皍劊】を発動しましょう。
遠距離攻撃対策に加え【殺法】の『功夫技』という性質を併せれば、まず『近接攻撃』を仕掛けてくるはずですので、『先制攻撃』で放たれる前に斬りますねぇ。
道人さんが相打ち上等で仕掛けても『斬撃動作中完全無敵化』により無効化が可能ですぅ。
後はそのまま『FRS』『FSS』の[砲撃]で[追撃]し叩きますねぇ。
「これはまた派手ですねぇ」
ネオンサインに彩られた
有頂天天蓋の光景の中で夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は自身の言葉に振り返る人影を見た。
「有頂天天蓋を駆け回って幾数日……。そろそろ須弥山型都市利用の延滞料金を支払ってもらわなければなりマセンナ、有頂天道人!」
バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)に見据えられ、その人影ことコンキスタドール『有頂天道人』はるこるに向けていた視線をバルタンへ移動させる。
「身命、情報、尊厳! 好きなものを提出してくだサーイ!」
「カカッ……借りたのであれば料金が発生してもまあおかしくはないが、ここは俺が制圧したのだ。そこに家賃やら延滞料金が発生するはずもなかろう」
要求を突き付けられながらも笑い飛ばし。
「オーウ! 支払いを拒否するとは何てひどいコンキスタドール! 許せマセーン!」
とバルタンが憤る一方で、鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)は嗤う。
「年経た狐は虎より強いと証立てる。何とも素晴らしい依頼ではないですか」
方向性は違えど、幾度か有頂天道人と戦っていること、そして此度も討たんとする意思を持っていることは共通していて。
「流石に戦法を5通り試したところで私も策が尽きまして。大変申し訳ありませんが、似た策を取ることをお許し下さい。尤も、それを知る貴方は別人ですが」
「ほう」
冬季が断りを入れると、ファルシオン風サムライソードを構えたバルタンに向きかけていた有頂天道人の視線が冬季の方に向く。
「虚言としても聞き捨てならんな」
脅威となりかねないものは排除するべきと決断を下したのかもしれない、ただ。
「……壊せ騒霊、式鬼神招来急急如律令」
有頂天道人の初動は遅すぎた。
「なに?!」
「式神の使い方にも色々あるということです」
「おのれ!」
繰り出す筈のサイバー化した腕に冬季の式神らが取り憑き動きを阻害していることに気づき、有頂天道人は式神らを振り払おうとするも、760もの式神すべてを振り払うのは困難で。
「お相手致しますぅ」
しかも式神のみをどうこうすればいいという話でないのは
3対のオーラの翼で
有頂天天蓋の空に舞い上がり空間歪曲障壁を展開するるこるが向かってきていることからも明らかだ。
「嫌な状況でしかけてくるものだ」
「そちらの動きは把握しておりましたからぁ」
「ぐっ」
るこるの近くに浮かぶ
浮遊する涙滴型の水晶を見て何か察したのか有頂天道人が苦々しい表情をし。
「ワタシを忘れて貰っては困りマース!」
「忘れてはおらんわ」
ファルシオン風サムライソードを構えたまま距離を詰めてくるバルタンに言い返した直後だった。
「それでは死合いましょうか」
再び嗤って冬季が一瞬で肉薄し。
「させぬわっ!」
半身を満足に動かせぬ身で蹴りによって有頂天道人が応戦すれば、ふわり浮かんだ冬季は振り抜かれた有頂天道人の足へと乗り。
「ぼっ」
寸勁から始まる怒涛の連続攻撃が有頂天道人を襲う。
「がっ、ぐ、がふっ、ぬがっ」
「その程度ですか、貴方の功夫は。それなら」
一通り連撃を叩き込んだ冬季は嗤うと仕上げとばかりに蹴り飛ばし。
「大いなる豊饒の女神、あなたの使徒に『飛将の加護』をお与え下さいませ」
吹っ飛んだ有頂天道人を追いかけるように飛びながらるこるは祈り刀を抜く。
「ぐあああっ」
振り抜かれたるこるの横薙ぎを防ぐこと能わず。
「次はワタシデース!」
「ぐ、俺がやられっぱなしで居ると思うな!」
るこるに続かんと近づいてきたバルタンへ身を起こし、有頂天道人は逆に返り討ちにせんと中国拳法の構えを取ろうとする、ただ。
「六式武装展開、光の番!」
ファルシオン風サムライソードの間合いに入る前にバルタンが足を止め光り輝く斬撃を飛ばしてくるのは恐らく有頂天道人も想定の範囲外だった。
「なん」
「これがワタシの! 全力全開デース!」
これはもう先手を取ってカンフー技を当てるどころではない。
「ぐっはぁぁぁ」
「サイバー化の圧倒的なパワーも、当たればデンジャラスな渾沌化も! 使わせる前に吹き飛ばせば何ということはありマセーン!」
まさにバルタンの言葉の通り使わせてもらえなかった有頂天道人だったがこれで終わりではない。
「では追撃しますねぇ」
るこるの持つ
浮遊する20台の球体と対になる一対の腕輪は砲台へと変形し、
12枚の小型ビームシールドの中央にある砲門共々に跳ぶ斬撃を受けた有頂天道人に向けられていたのだ。
「始めましょうかぁ」
有頂天道人が何か言うより早く、砲声は連なり、轟いた。
大成功
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神酒坂・恭二郎
相も変らぬ厄介さだな
まともに相手をしたら相当に厳しい相手だ
地の利を活かすとしよう
刀を天蓋に刺して風桜子を注ぐ。都市電脳網を龍脈と見立て刺激し、場を雷気で満たす事で『サイバー化』の動きを阻害するのだ【竜脈使い、結界術】
やっつけ仕事なんで5秒も持たないお粗末な代物だが決着には十分
奴の攻勢に対し、両手を打ち鳴らして微弱だが場を満たす風桜子の波で『渾沌化』を揺らがせる事で応じたい【破魔、衝撃波】
拝むように頭を下げ、そのまま刀を引き抜いての斬り上げで勝負と行こう
「初見なら、ちょっと勝てなかったかもしれねぇな」
叢雲・凪
暗闇の中から静かにエントリー。
『ドーモ はじめまして ジンライ…』(覇気+礼儀作法+威圧を組み合わせたアイサツ!
一呼吸の間を空け…目を閉じる
『フォックスです』
おぉ! 見よ! 見開かれた妖狐の瞳!地獄めいた赤黒のスパークが瞳に灯った!
『なるほど…お前もカラテを心得ているか。面白い』
有頂天道人の容姿はさながら『キメラ』。しかし…これはおそらく十二形拳… その中でも虎形拳、白鶴拳、蟷螂拳に特化させているか。
『ならばボクは…』(UC:叢雲流ジンライカラテ:陰陽の型 対象技能をLV1470に変更)
腕を交差させ正面に突き出し 左腕に白雷 右腕に黒雷が帯電する。
形容するならこの様は睨み合う『キツネと猛獣』!一触即発のサツバツ空間が出来上がっている!
踏み込むと同時に最大速度で攻撃をしかける。(ダッシュ+残像+リミッター解除)一気に至近距離まで接近し大鎌めいた首狩りトビゲリ!!
「イヤッーーー!!!」
そのまま一気に正拳・回し蹴り・膝蹴り!!
「キツネを…甘く見るな!」
超光速で繰り出される防風の如き連打!!
「ぐ、効きはした……だが、まだだ」
爆発の煙を引き裂き、有頂天道人は再び姿を見せる。
「手傷は負ったが、こちらの腕も自由になったのでな」
「相も変らぬ厄介さだな」
サイバー化した腕で中国拳法の構えをとる有頂天道人に神酒坂・恭二郎(スペース剣豪・f09970)は唸る。まともに相手をしたら相当に厳しい相手であることは理解していた、故に。
(地の利を活かすとしよう)
声には出さず、刀を天蓋に刺す。
「何のつもりだ?」
などとこれを有頂天道人が問うてくることもない。これ幸いとネオンサインの色に染まりながら恭二郎は刀へ風桜子を注ぐ。無論、有頂天道人とて黙ってこれを見ていたわけではない。
「ぬっ」
ネオンに照らされる範囲から外れた暗闇の中から静かにエントリーしてきた叢雲・凪(断罪の黒き雷【ジンライ・フォックス】・f27072)の存在を唐突に放つ他を圧倒する威と覇気から気づかされたのだ。
「ドーモ はじめまして ジンライ……」
振り返る有頂天道人の前で凪は一呼吸の間を空け、瞑目し。
「フォックスです」
今一度見開けば、妖狐の瞳に地獄めいた赤黒のスパークが瞳に灯る。絢爛なネオンに照らされたイクサの場で凪は有頂天道人を見据えた。
「なるほど……お前もカラテを心得ているか。面白い」
「カカッ……先のアイサツ、ニンジャというものか」
手傷を負いつつもどこか楽し気な有頂天道人を観察し、その言葉には答えず。
(さながら『キメラ』。しかし……これはおそらく十二形拳…… その中でも虎形拳、白鶴拳、蟷螂拳に特化させているか)
視認する敵の容姿を凪は声には出さず合成獣と言い表し、構えから考察、推測することで動きを予測せんとした。
「ならばボクは……黒雷と白雷……陰と陽を合わせれば……!」
「言葉は要らぬと言うのだな。それも良かろう」
両腕を交差させて正面へ突き出せば左腕に白雷、右腕に黒雷が帯電し、これを見た有頂天道人もまた構える。まさに睨み合うキツネと猛獣、構築された一触即発のサツバツ空間の均衡は壊れかけたネオンからのものであろう音によって崩される。
「イヤッーーー!!!」
「カカッ……残像か」
地を蹴った凪の姿が連なるように増えた。相手の間合いに踏み込みながら最大速度でなおも近づく。最後の一歩以降は足の裏が土に触れない。トビゲリ、大鎌めいた首を狩るようなソレへ有頂天道人は笑いながら渾沌化した肉体を腕を挟み込んで受け止めんとす。その上でサイバー化したもう一本の腕で反撃をしようと言うのであろう、だが。
「っ」
「やっつけ仕事なんで5秒も持たないと思ったが、まさかこうなるとはな」
恭二郎が両手を打ち鳴らし、場を満たす風桜子の波が有頂天道人の渾沌化した肉体に干渉したのだ。
「卑怯とは言ってくれるなよ」
「見くびるな。これは俺の落ち度だ」
拝むように頭を下げ、そのまま刀を引き抜いて恭二郎は斬り上げる。凪の蹴りを凌がんとする最中の有頂天道人を。
「グワーッ!」
「一人で初見なら、ちょっと勝てなかったかもしれねぇな」
首には跳び蹴りを、背には刀を受けた有頂天道人を前にして恭二郎は後方へ跳ぶ。凪の方はまだ終わっていなかったのだ。
「キツネを……甘く見るな!」
「ガッ、ゴッ、グハッ、ゴッ」
体勢が崩れたところへ正拳、回し蹴り、膝蹴りと超光速で繰り出される防風の如き連打。恐るべきワザマエ。
「イーヤッー!!」
「ぐああああっ」
しこたまどつき回された有頂天道人は蹴り飛ばされて地面を跳ね転がったいくらかの義体パーツをバラ撒いて。
大成功
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火土金水・明
聖山 葵マスターにおまかせします。かっこいい火土金水・明をお願いします!
人間のウィザード×マジックナイト、17歳の女姓です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、機嫌が悪いと「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。特に、R18に抵触する行動等は、絶対にしません。
使い魔の黒猫「クロ」も依頼では一緒に行動していますが、戦闘でダメージを受けそうな依頼の時はお留守番をしています。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
高柳・零
POW
褌純化?それはまるで…!
「などとボケても仕方がないのでやりますか」
盾と魔導書を構えて、全力でオーラ防御を張ります。
功夫の構えを衝撃波を当てて邪魔しつつ、敵の攻撃は敢えて受け激痛耐性で耐えながらUC発動。
見切りでサイバー接続しているコードを狙い、カウンターのビームで焼き切ります!反応速度?こちらのビームは「必中」ですから無駄です!
「さて、まだやりますか?」
褌…もとい、渾沌化は鎧砕きで破壊し、攻撃して来たらカウンタービームで攻撃、攻めて来なければ相手の功夫を見切りつつ2回攻撃で魔法弾(魔導書からの衝撃波)で攻めます。
アドリブ大歓迎です。
山梨・玄信
SPD
なんじゃ!その意味不明な間違いは!(誰かに対するツッコミ)
確かに「渾」と「褌」は間違いやすい漢字ではあるが…。
素早い…とはいえ絶対先制出来るほどではないか。
ならばこちらは最初から最高速で対抗じゃ。
褌一丁で現場に赴き、いきなりUCを使って高速戦闘をしかけるぞ。
第六感とUCのスピードで敵の攻撃を躱し、躱せない攻撃はオーラで受けるのじゃ。
攻撃を受けながら見切りで敵の機械の脆い所を見抜き、ダガーで壊していくぞ。
機械が機能不全を起こしたら一気に攻勢に出るのじゃ。
UCに2回攻撃を乗せ切り刻んでやるわ!
「色々ゴテゴテと付けているのう。己の肉体だけで勝負出来んとは哀れじゃな」
アドリブ歓迎じゃ。
「褌純化? それはまるで……!」
思わず、高柳・零(
テレビウムのパラディン・f03921)は戦慄していた。
「なんじゃ! その意味不明な間違いは!」
と既に褌一丁の山梨・玄信(3-Eの迷宮主・f06912)にツッコまれるまでは。
「まあボケても仕方がないのでやりますか」
「確かに『渾』と『褌』は間違いやすい漢字ではあるが……と、わしのツッコミをさらりと流すでない!」
まだ地面に倒れたままの有頂天道人の方に向き直り、しれっと盾と魔導書を構えオーラで身を守る零へ頷いてから玄信はもう一度ツッコミを入れ、有頂天道人目掛け駆け出していた。
(起き上がってさえおらぬなら好機じゃからな)
有頂天道人はサイバー化による人外の膂力と反応速度を有していると玄信もグリモア猟兵から聞いていた。故に玄信は最初から最高速で仕留めにかかっていた。こう、コントめいたやり取りを挟んだ気もするが、そこはご愛敬である、そして。
「カカッ……俺を前に戯言とは暢気なものだ」
持ち得た情報が故、自身の一撃が届く前に有頂天道人が跳ね起きても玄信に驚きはない。
(素早い……とはいえ絶対先制出来るほどではないか。ならば、このまま)
予定の変更もない。既に衣服の殆どを脱いで加速した自身とサイバー化による人外の膂力と反応速度を有す有頂天道人との速さの勝負。
「おおおっ」
「ぬああああっ」
ダガーとサイバー化した腕による貫き手が互いを狙う。
「っ」
この内貫き手の軌道が変化したのは渾沌化によって有頂天道人が体の一部を変化させたのだろう。見れば足の長さが変わっていることがわかったはずだ、その余裕があればだが。
「サイバー渾沌拳の恐ろしさ、思う存分知ってゆけ」
軌道を変えた貫き手は容赦なく玄信を貫かんと襲い掛かって。
「遠慮しておくぞ」
「な」
自分を貫かんとした有頂天道人の指先を第六感を頼りに玄信は躱す。
「カカッ、そうでなくてべっ?!」
だがこれにも動じることなく、再攻撃をはかろうとした有頂天道人に衝撃波がぶち当たる。
「自分を忘れて貰っては困りますよ?」
先ほどから身を守り続けていた零は衝撃波を放った姿勢のまま、言う。
「玄信、今こそ反撃ヌギ!」
「うむ。しかし、ボケても仕方がないのではなかったのか?」
促されて頷きはしたものの、どうにも腑におちなかったのかつい指摘してしまう玄信だが、今は戦闘中。ダガーを有頂天道人の義体に突き立て、抉り。
「おかしなことを言うヌギ。お供の妖精はまじめにやってるヌギ!」
「いや、どの辺がまじめなんじゃ?!」
思わず三度目のツッコミを入れてしまった玄信と首を傾げたままの零。
「お二人ともまだ相手は戦えますよ」
そんな二人に声をかける者が居た、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)だ。
「ああ、すみません」
「うむ、すまん。少々気が抜けて負ったようじゃ。しかし、火土金水殿とも戦場で出会うことになるとはのう。いや、前も何度かあった気はするが」
揃って謝る二人の内、玄信の方は有頂天道人に向き直ってポツリ呟き。
「よく知っている相手との共闘はやり易いですからね」
「そうじゃな」
明の言葉に同意し、地を蹴って後ろに飛ぶ。それまで居たところを渾沌化した腕が薙ぎ払っていった。
「躱されたか」
「それだけではありませんよ」
有頂天道人の言葉に訂正を加えるのは、明。
「な」
「新たな属性を収束して、今、放つ!」
有頂天道人が真意を問う前に1520本、10の属性からなる魔法の矢が幾何学模様を描きながら包み込むように有頂天道人へ迫っていたのだ。
「山梨君がちょうど離れてくれましたからね」
「おのれぇっ! だが、この程度っ!」
有頂天道人の身体が溶ける。正確には渾沌化によって身体を変形させたのだろう。
「なるほど、形をなくし水たまりか何かの様になってしまえば魔法の矢の大半は当たらなくなるという訳ですか、ですが」
全く当たらなくなるという訳でもなかった。魔法の矢は水たまりのような有頂天道人へ殺到し、突き刺さる。
「ぐあああああっ」
既に何人かの猟兵と戦いいくつもの傷を負ったあとの身だ。ハリネズミの様に矢を突き立てた水たまりもどきは悲鳴と共に本来の姿に戻って。
「終わりにするぞ」
「ヌギっ」
玄信とその声に応じた零が地に倒れ伏す有頂天道人へ肉薄する。
「この程度で終わると思ったら、見くびられたものだな」
背中に突き立つ魔法の矢が消えぬままに起き上がる有頂天道人は迎え撃とうとし。
「せぇい!」
振るった腕は、確かに届いた。ただし、零が構えた盾に。
「お返しヌギ!」
「ぐ、小癪な」
即座に眼鏡から零が放った反撃のビームを有頂天道人も躱そうとするも。
(人外の反応速度? こちらのビームは「必中」ですから無駄です!)
零の視界の中、有頂天道人の回避は間に合わない。放ったビームは有頂天道人の義体と肉体を接続しているコードを焼き切り。
「腕が」
「貰ったぞ」
反応の鈍った義体側の腕に玄信が連続でダガーを振るい、切り刻む。
「っがああっ」
「色々ゴテゴテと付けているのう。己の肉体だけで勝負出来んとは哀れじゃな」
破損した義体のパーツを地に零し膝をつく有頂天道人を玄信は見据え。
「さて、まだやりますか?」
零の問いかけは誰へ向けてのものであったのか。
「そうですね、これで終わりにしましょう」
少なくとも応じたのは明であり、再び1500を超える魔法の矢が出現する。
「『第六の猟兵』、十分に油断ならぬ奴のようだぞ……」
もはや先ほどのような方法で被弾を減らすことも出来ないのであろう。ネオン輝く空を見上げ呟いた有頂天道人は魔法の矢の雨の中にたおれた。
大成功
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