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鉄火燦々

#サイバーザナドゥ


 やあ、猟兵諸君、元気かい。
 あぁ、それなら結構結構、元気ついでに、ひとつ仕事を頼まれてくれないか。
 サイバーザナドゥでの案件なんだけどねぇ。
 あそこはさ、ありとあらゆる違法賭博の聖地だろう?
 金も、人の尊厳も、命も――ぜーんぶ巻き上げる、情け容赦ない娯楽装置さ。
 嵌まる方も嵌まる方でね、破滅するまでのめり込んじゃうんだから、きっと催眠術にでも掛けられてるんだろうね、怖い怖い。
 正味、それくらいしか娯楽がないっていう人らも多いんだろうけどね。
 ――結局、それで潤うのは、メガコーポさ。
 どんなに優れた博徒が集おうと、胴元が損することはないからねぇ。

 でも、だ。
 時々いるんだよねえ……猟兵なら結構いるよねえ、凄まじい天運の持ち主達が。
 どんな悪意も、仕掛けも、正々堂々、偶然、或いは相手を上回るイカサマで――打ち砕き、勝ってしまう本物ってヤツさ。
 さて、前置きが長くなったね。
 つまるところ、そんな博徒が、ふらりとある賭場に紛れ込んで――胴元に殺されちゃうのを、阻止して欲しいって話だよ。
 胴元の企みを阻止して、堂々とメガコーポの活動資金を奪っちゃおうっていう話でもある。

 段取りは、こうだ。
 博徒と一緒に賭場を引っかき回すんだ。
 勝って勝って勝ちまくれば、ご破算狙い、大量のオブリビオンが襲撃を仕掛けて来る。こいつらを全部倒せば大勝利、博徒は守れるし、メガコーポは大損、というか、この賭場は暫く使えない。
 シンプルだろう?

 君達に潜って貰う賭場なんだけどね、ぱっと見は、ごく普通のカジノさ。
 ただ、血液一リットルが、ワン・チップだ。
 『血液』があるなら、金を持ってなくても遊べるっていうんで、予想以上に大賑わいだ。
 ゲームは……機械仕掛けのディーラー相手に、ルーレットだったり、バカラだったり……定番だね。
 ただ、内容はひどいもんだよ。ルールのギリギリを攻めた設定で、常人じゃあ、計算追っつかないんだから。
 更に相手が機械なせいで、これがシステムだといえば、不服も申し立てづらい。
 基本、十ゲーム挑んで一ゲーム勝てれば良い方かな?
 それを全勝できるんだから、天才博徒ってのは凄いよね。
 尤も……件の博徒くんは、そんな自分の天運に嫌気がさしてて、かなり自暴自棄らしいんだけど。

 ……――え、血も涙もない種族は、チップどうするんだって?
 どっかで輸血パックとか仕入れてくればいいさ、彼らが求めているのは生体の価値じゃないみたいだし。
 だから、君達もバカ正直に血液を提供しなくていいんだよ――血の気をぬいておきたいっていうんなら、オジサンも止めないけど。
 ま、巧く博徒君を救ってやってくれ。頼んだよ。


黒塚婁
どうも、黒塚です。
前に出したサイザナシナリオへの既視感……から、バトロワ路線は辞めました。

●1章
血液をチップに、ギャンブルをします、以上。
ゲームはプレイング次第です。私はギャンブルものを読むのは好きですが、賢い勝利を書く能力はないので、お手柔らかに。
大体のカジノにありそうなゲームなら、何でも指定可能です。

●2章・3章
胴元・賭場の支配人であるオブリビオンとその兵隊達とのバトルになります。

●プレイングに関して
各章、導入公開後の受付となります。
受付日時は特に設けませんので、プレイングの集まり方によって長丁場になる可能性もあります。

スポット参加も歓迎しておりますが、書けるものを書けるだけ、という方針でおります。
プレイング内容問わず、全員採用はお約束できません。
ご了承の上、参加いただければ幸いです。

それでは、皆様の活躍を楽しみにしております。
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第1章 冒険 『賭博場に挑め』

POW   :    多少不利な状況からでもゴリ押して勝つ

SPD   :    フェイントやイカサマを駆使して勝つ

WIZ   :    緻密な計算と戦術で勝つ

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●負けたがりの博徒
 そうして訪れたカジノは、廃ビルじみた建物の地下にあった。
 かつて病院だったような雰囲気もある――なれど、重い鉄の扉を開けた先は、薄暗くも絢爛な遊技場であった。
 じゃらじゃらと何かを混ぜる音。
 ルーレットを走る球の音……皆、顔色は優れぬが、夢中になってゲームに勤しんでいる。
 チップを引き換えるには、専門の機械へと、血液を供給せねばならぬ――傍には、ボーイ姿のレプリカントが佇んでいて、無感情に機械の針を消毒している。
 猟兵ならば、これを如何に欺くことも可能だろう……ここで、いくらのチップを手に入れるかも、自由である。
 見渡せば、ディーラー役は皆、目も鼻も口も見当たらぬ、つるりと仮面を付けたレプリカントばかりだ。
 綺麗どころも、ドリンクサービス的な、ホスピタリティの気配もなく、ただ病人のような博徒達が幽鬼のようにうろうろと彷徨っている。
 はたして、そんな、何処かホラーじみた賭場で。
 たった一人だけ、生命力に溢れた存在が、いた。

「また勝ったねぇ、勝っちゃった」
 つまらなさそうに男は呟く。
 バカラのテーブル。開示されたカードは、A、1、8――対峙するバンカーは、K、Q、J……極端すぎる。
 何度やっても、必ず、9が巡ってくる。
 そんなはずはないと、バンカーであるレプリカントは奥歯を噛みしめる。
 このカジノでは、殆どのゲームが全自動だ。
 席に着き、同意を得れば、自動で専用マシンからカードを配られるシステムであり――これは基本、彼に有利に働くように設定されている。
 レプリカント達がつけている『仮面』に反応し、特別なプログラムが働くのだ。
 言うなれば、公式なインチキである。
 だが、この男の前では、それが機能しない。
 まるで、カジノの主が入れ替わってしまったかのように。
 既に男はルーレットで有り得ないレベルの連勝を重ねている――嘘のように積み上がる彼のチップは、たった一リットルの参加料で稼がれた。
「そろそろ、このテーブルからも追い出されちゃうかな?」
 大勝しているにも関わらず――彼はどうにも不機嫌そうだ。
 レプリカントの仮面を一瞥した瞳は、冷ややかで、失望を隠さず伝えている。
 屈辱に、電子音声が震えそうになるのを堪え、レプリカントは慇懃に首を振る。
「いいえ。――しかし、よろしければ、特別なお席にご案内いたします……」
「へぇ! それは楽しみだなぁ。さぞかし、悪辣な罠が仕掛けてあるんだろう――」
 白々しく喜んでみせる青年は、機械化義体の指先で、チップを弾く。
「派手に負かせてほしいな。俺は負けるまで、賭け続けなきゃいけないんだからさ」
 ギャンブルには飽き飽きしているのにさ、と。
 肩を竦めて、昏い瞳で――笑った。
冴島・類
いかさまって言うのも色々ありますよね
全自動の方が、やり易いかな?

医療用輸血ぱっくと
黒曜を使い抜いた己の血も200mL混ぜ必要量にしたものを用意
求められる理由がわからぬ以上
最悪何かに使われた時の準備
現地で抜かれるなら…直に刺されるの見えるの苦手だとでも嘯いて
針を服の下に導いて準備した袋から吸わせ

座る卓は、るーれっとを
仕掛けられてるのは…球にか、穴か
どちらにしても最初は素で賭け、動きを注視
その後は…球に、綾繋で見えぬ糸を繋ぎ
適度に勝ち負けし
ここぞの時に賭けた先に跳ね落ちるよう操って
疑われても、勝負後は解き痕跡は残さず

何故そんなに不思議そうなのです?
賭け事に絶対なぞ、ないでしょうにと仮面さんににこり



●勝利を手繰り寄せる者
(「此所が、かじの……」)
 冴島・類(公孫樹・f13398)は周囲を静かに眺めると、チップを引き換えに行く。
 チップと血液を引き換えるのも、また機械で――注射器を管理しているのは、仮面のスタッフだ。
 しかし、慣れた者は自分で針を刺して血液を提供する――衛生的な配慮として、針を交換するため……或いは、躊躇う者の血液を抜くために、このレプリカントは此所にいるらしい。
 じっと監視されている様子も無い――何処かに、監視カメラなどがあるかもしれないが。
 どうせ、主な客は機械に不正などできぬと考えているのか。
 理由は兎角、自分達にとって都合はよい。
 類は針を袖で隠しつつ、
(「医療用輸血ぱっくから……と」)
 輸血パックをセットする。
 パックの中には、元から充填されている血液に、類自身の血液を少々混ぜている。
(「何を求めて血液を集めているのか解りませんしね」)
 何に利用されるか解らないがゆえの、保険として。
 彼の、真剣な眼差しでチップを引き換える様は、ギャンブルに挑む者の緊張感を思わせる。
 機械は何のエラーも訴えず、類へと、数枚のコインを吐き出した。

 翠の瞳が捉えたのは、ルーレットだった。
 聴いていた通り、全自動――ベットする台だけはアナログだが、近くに仮面のレプリカントが佇んでいるけれど、ルーレットは自動で回り、球も機械から投入されるようだ。
 形式は、ヨーロピアン。
 澄ましたディーラーの役割は、淡淡と敗北した者のコインを回収するだけだ。
 なるほど、ディーラーサイドが一切ルーレットに触れていないのなら、一見、かなり公平であるように見える。
 スツールに腰掛けた類へ、仮面のレプリカントは無機質な声音で問いかけた。
「ベットなさいますか?」
「ええ、まず、一枚」
「構いませんよ。どうぞ、お好きな処へ」
 ちらりと、類は黒と赤に分かれたレイアウトに目を走らせる。
 この表やスポットには、仕掛けはなさそうだ。
 一ゲームは、類も手を出さず、様子を見ることに決めて、適当な場所にベットしてみた。
 他の参加者のベットを待ち――愈々、ディーラーがノーモアベットと宣告し、ルーレットは回り出す。
 インサイドベット、アウトサイドベット、どちらも数字がある状態で、さて何処に転がるか――静かに見守る。
 滑らかに回るルーレットに、小気味良い音が響いて球が投入され――ルーレットは滑らかに止まる。
 レプリカントがマーカーを動かし、配当を言い渡す。
「赤、25番……おめでとうございます」
 類に言い渡された言葉ではない――今回は、色にベットした者がいたのだ。
 ふむ、と類は顎に指を当てて、考える振りをする。
 尤も、端から真っ当に勝負するつもりはない。
「お次はどうされますか?」
「……では、僕はこれで」
 ディーラーに問われ……類は、コインを重ねて、一点に賭けた。
 周囲が微かに動揺する。
 無謀、そういう空気感に、彼は困惑の笑みを浮かべて見せる。
 ギャンブルを――否、このカジノをよく知らない素人、そう思わせた方がいいだろう。
(「――全自動の方が、やり易い」)
 類は先程と同じ、飄々とした態度の儘、ルーレットの開始を待つ。
 ディーラーと、他の博徒と、回り始めたルーレットを見守りながら。
 球が投入される瞬間を狙って、類は不可視の糸を、球に絡めた。
 後は、不自然にならぬよう、球を導く。
 先程観察していた感じでは、球が出てくるタイミングそのものが、出したい数字に合わせられているようだ。
 ――仔細は兎角。ルーレット側に引っ張られるようなシステムではないのなら、類の細工は防げぬだろう。
 ルーレットの回転が緩まり、球がスポットに転がっていく――瞬間、類は糸を引く。
 ころん。
 隣のマスで終わるはずだった球が、不意に、類の指定した数字の上に乗る。
「……」
 ディーラーは絶句する。バカな、こんなことが何度も……という呟きを、類は聞き漏らさなかった。
 なれど、彼は指摘せず、心底不思議そうに問いかけた。
「何故そんなに不思議そうなのです?」
 そして、仮面のディーラーに向け、にこりと類が浮かべた微笑は――邪気のない、晴れやかなものであった。
「賭け事に絶対なぞ、ないでしょうに」
 ――互いに同じ欺瞞を腹の底に抱えながら。
 役者として上回る、涼やかな笑みを。

大成功 🔵​🔵​🔵​

趙・藍樹
血でチップを、ですか
…悪趣味な
馬鹿正直に己のものを使う必要はないでしょうね
その後何に使われるやら
袖に隠した輸血用パックから血を抜きます

ゲームはバカラを
得意では無いですが、門前の小僧という奴で多少の心得はありますので
全自動、という事は全て向こうに有利なように設定されていると考えるべき
一度は普通に様子見、二度目からは確率演算を翠鏡(義眼の解析用コンピュータ)を使って
それでダメなら、配札の機械を乗っ取りましょうか
電脳控制
全てこちらに有利に出来なくとも、向こうの狙いを狂わせる事が出来れば十分
引っ搔き回してやりましょう
このような結末の決まった勝負を行う場所は面白くないと、我が主も思うでしょうから



●仇なすのは
「血でチップを、ですか……」
 薄い唇で囁いて――趙・藍樹(圈养的牡丹・f40094)は息を吐く。
(「……悪趣味な」)
 カジノ自体は、珍しいものではない。
 その代償に生体なりなんなり奪われることも――サイバーザナドゥでは、日常的に見られることだ。
 しかし、だからといって、それを容認するかどうか。
 清濁で言えば、濁の中で過ごしてきた藍樹とて、不快なモノは不快である。
(「馬鹿正直に己のものを使う必要はないでしょうね――その後何に使われるやら」)
 目標達成のために身体の部品を犠牲に出来ても、安売りするつもりはない。
 チップ交換の機械を前に。
 藍樹は腕に針を刺す振りをして、袖下の輸血パックの血液を供給する。

 そして、藍樹は手にしたちっぽけなコインを手で玩びながら……バカラのテーブルに着く。
(「得意では無いですが、門前の小僧という奴で――」)
 無機質な思い出が、ざらりと胸の奥を掻き交ぜ、再び沈殿していく。
 ややあって――視線を向けられた気配に、彼は貌を上げた。
 仮面をつけたバンカー役をつとめるレプリカントを前に、にこり、と花が綻ぶような笑みを向けた。
「ルールのご説明は」
「結構です――ただ、カードは自動で……此所から出るのでしょうか?」
 カードの排出口を指さし、問いかけると、レプリカントは肯く。
「同じカードデックから、バンカープレイヤー双方同時に、三枚排出される仕組みとなっています」
 それだけを聴くと、一見平等であるが。
 口元こそ、微笑みを維持しつつ――双眸を……否、義眼を、鋭利に耀かせ。
(「言うまでも無く……全て向こうに有利なように設定されているんでしょうね」)
 チップは充分にある。
 ひとまず、普通に戦ってみようと、藍樹はゲーム開始に同意する。
「では、お手柔らかにお願いします」
「それでは――ベットをお願いします」
 促され、ベッティングエリアに……ひとまず、自分の勝利に賭ける。
「はい。……最初の手札を」
 レプリカントは、視線を何処かに向けると、さっと互いの場にカードが滑り落ちてきた。
 手が切れそうにぴんと張った新品のカードのように見える。
 落ち着いた手つきでカードを裏返していく。
 ――3、A、1……4点。
 相手の手札は、2、2、3……7点。
 追加カードが、勝手に排出された。
 藍樹が繰るは、Qのカード。バンカーは1。バンカーの勝ちだが、際どい数字が出た。
(「一見、良い勝負ですが」)
 更なるベットを促すための、誘い水に思える。
 一度で決め打つつもりはない――涼しい貌で、藍樹は次のベットを決める。
 相手の勝利。
 同時、右目の義眼で、演算を開始する。何処までの誤差が出るか楽しみだと、笑みを深めて、次の札を待つ。
 結果だけいえば、藍樹はまたしても負けた。
 際どいカードが出るのだが、出過ぎる。デックが一巡するには変な数字では、と思ったが、もしかすると、ワン・ゲームで毎回新規デックなのかもしれない。
(「嘘は、言ってないとでも?」)
 そっと、溜息を零す。正面のレプリカントは、勝負に熱中しすぎている自分を諫めるような吐息だと思っているだろうか――。
(「――電脳控制」)
 その時、藍樹は義眼の力を解放し、システムの一部を奪わんとハックを仕掛けていた。
 考えてみれば……脳にコンピューターを飼っているような客とて、多く訪れるだろう。だが、それを巧くいなすシステムを組んでいるはず。
(「それを利用させてもらいましょう」)
 自動で演算を組み上げて、反映させる。
 システム同士の反発はレプリカントにも気付かれぬよう静かに行われ――、配られるカードの質が、反転する。
 藍樹のベット通り。勝敗が決まる。様子見の間に半分崩したチップを、すっかり取り戻し、困惑する仮面のディーラーを婀娜っぽく見つめる。
「どうやら今日はツイているようです」
「……」
 いらえはない。必死に優位になるようシステムに働きかけているはずだが、それを藍樹は悪戯に掻き乱す。
 決して、一人勝ちはしない。相手にも花を持たせてやる――ただ、この場に混乱を齎すように、手札を狂わせる。
 やはりゲームはこうでなくては、彼は楽しそうに、そう嘯いて。
「……このような結末の決まった勝負を行う場所は面白くないと、我が主も思うでしょうから」
 本物の笑みに双眸を細めて――ただ美しく、そこに在った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

双代・雅一
1Lとは随分抜くな…致死量寸前、自立歩行もやっとだな
負けが込んでもマトモな思考出来なきゃのめり込む…悪趣味だけど良く出来てる

面前で手の甲に針を刺し
採血は時間かかるし最後まで見張りはしないだろう
隙を見て血液パックに切替
チップを得たら前髪かき上げて惟人と交代

…サイザナの科学は進んでるが使い方が碌でもない
ま、このイカサマが電気仕掛けのプログラムなら俺の得意分野だ
手始めにスロットの席に着き、操絲にて掌握
負けを織り交ぜながら時々中当たりでチップを徐々に増やし

その間に向こうのカードテーブルの機械にもちょっかいかけ様子見
頃合見て俺も其方に
ディーラー氏は本日不調か?
しれっと席に着き
俺も適度に勝たせて貰うがな



●勝利は、自ら掴むモノ
 説明を受けた双代・雅一(氷鏡・f19412)は眉根を寄せ、呟く。
「一リットルとは随分抜くな……」
(「致死量寸前、自立歩行もやっとだな」)
 ちらり、と前を見る。
 青ざめた病人のような男が、レプリカントと何やら話し込んでいる。
「……――ですので、もう血液の前借りは五百リットルになっております。あなたが五十回全身の血を絞り出しても足りません――いえ、今のあなたなら、百回でも足りないでしょう」
「今更同じだろう! さあ、血を、血を……!」
 苛立ちに声を荒げても、迫力は無い。
 レプリカントも素知らぬ顔だ。
 そもそも、雅一にしてみれば、こんなに必死にチップを得ようとするこの客も不気味だ。
 細い腕をしきりに指さし、少しでも血をとってくれ、と今までのやり方を通そうとしている。
(「負けが込んでもマトモな思考出来なきゃのめり込む……悪趣味だけど良く出来てる」)
 深い溜息を吐く。
 代わりに吸い込むこの場の空気は不快だが、今は耐え、前へと踏み出す。
「そろそろ、そこをどいてもらえるか?」
 目に強い意思を籠め。粘る先客へ、冷ややかに告げる。
 有無を言わさぬ気配に押され、男は雅一に場所を譲る。
 彼は、未使用な清潔な針を無造作に掴むと、慣れた手つきで右手の甲に針を刺した。
 レプリカントは何も言わず、未練がましい客を追い払いにかかっている。
 見計らって、所持する輸血パックに針を刺し直す。
 ちりんと排出口から落ちてくるチップを受け取りながら――「右手に刺しやがって」と小さく愚痴ると、惟人は片手で前髪を掻き上げ、眼鏡を掛けた。

 惟人は不機嫌さを隠さず、肩風を切ってカジノ内を歩いて行く。
 機械仕掛けの賭場。すべて自動化されている代わり、すべてを胴元の意の儘、結果を出すカジノ。
(「……サイザナの科学は進んでるが使い方が碌でもない」)
 挙げ句搾り取るのが、搾取されきった市民相手なのだから、彼の凍りめいた眼差しが柔らかくなることはない。
 そして、他のテーブルよりも、比較的賑わっているスロットを前に、足を止める。
 ディーラーのいないスロットマシンは、博徒らにとって精神的に楽なのか。
 じゃかじゃかと血と引き換えたコインを投じている様は、恐ろしくもある。
 当たりが皆無ということはないだろうが……渋いだろうことは、観察するまでもない。
 しかし、惟人は躊躇うことなく、開いたスロットの前に陣取る。
(「ま、このイカサマが電気仕掛けのプログラムなら俺の得意分野だ――」)
 まずは、普通にコインを入れてベットを決める。
 制御は全部ボタンのようだ――光り出すボタンに触れれば、リールが回り出す。
 もっとも、これもデジタル画面に表示される映像に過ぎない。
 惟人は冷めた眼差しで見つめる。
 見つめながら、念じる――通常では感知されない電波を発し、操ることで、スロットを掌握する。
(「相当、えげつない設定にしてるな」)
 リールは彼の操作に従って止まる……まずは小さな当たりで、弾を増やし。
 素知らぬ顔で吐き出されたコインを、スロットに投入し、続行する。
 後は意の儘だ。
 ジャックポットは狙わない――まずは損失を出さず、ゲームを続行させて、徐々に中当たりさせていき、着実にコインを増やし続けた。
 周囲の視線が集まってくる。露骨に何か因縁をぶつけられることはないが、強い敵意のようなものも感じ取れる。
 涼しい貌で頃合いか、と呟いて、惟人は立ち上がる。
 ――すぐ近く、ポーカーのテーブルに、真っ直ぐ歩いて行き。
 彼らの勝負具合を見物すると、珍しい勝利に喜び合う薄倖そうな博徒らの様子を眺めて、口元を微笑ませた。
「ディーラー氏は本日不調か?」
 問いかける声音に揶揄が宿る。
「いいえ、そんなことは」
 ディーラーはぎこちなく否定する。
 スロットに近いカードゲームのテーブル……惟人は、そのシステムにも、スロットを玩びながら茶々を入れていた。
「俺も適度に勝たせて貰うがな」
 稼いだチップを露骨に並べ、お手柔らかに、悪い表情で微笑んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シキ・ジルモント
チップとして使う血液は輸血パックを持参
ついでにこれを使い切ったら自身の血も提供する、とでも言っておく
本気で稼ぐつもりでいると印象付けて、本当の目的を悟られないよう気を付ける

ブラックジャックのテーブルへ
AI『フォル』を搭載した対人随伴型兵器「ムーンフェイス」を隠して持ち込む
フォルの力を借りる為、カモフラージュグラスに仕込んだカメラやコンピュータと接続
場のカードや相手についての情報をフォルに記憶させる

場に出されたカード、デックに残っているカード、相手のパターン等を記憶させ、眼鏡のレンズにカモフラージュしたモニターに表示
攻めるべきか、耐えるべきか、どのカードを出すべきか…AIに分析させながらゲームを進める

カジノという体裁を整える為なら、客にも少しは希望を見せる必要がある
全くのノーチャンスにはならない筈だ
その数少ない好機を逃さず大きく賭けて、勝ちが見込めない時は被害を抑える張りを心がける

カジノ側が機械仕掛けのディーラーで勝ちに来るなら
こちらの『相棒』の方が優秀だと信用して、同様に頼らせてもらおう



●切り札
 チップ交換の機械の傍に立つレプリカントは、今日は変な客が多いな、と思い始めていた。
 肌の色艶の良いものが次々と、こんなカジノに――それも、大量のチップを交換していく。それなのに、皆平然としている。
 どんな不正を働いているのかと訝しんで機械をチェックしてみれば、血液はきちんと貯まっている。ならば、文句はないと、彼は綺麗な針を消毒する。
 そして次に訪れた客もまた――並みならぬ気配を持つ者であったが。
 レプリカントは何も言わず、そっと機械の前から離れて、一礼する。
 丁寧に見せながら、おざなりな動作――カモフラージュグラスの下、青い眼差しに鋭く一瞥されても、動じぬふてぶてしさ。
 しかし、新たなる客――シキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)は機械の前に立つなり、輸血パックを堂々と手にして、レプリカントに話しかける。
「こいつの使用は、不正に当たるのか?」
「――いいえ。本物の血液を提供いただけるのならば、何の問題もございません」
 シキの問いに、レプリカントは戸惑うことなく、滑らかに答える。
 此所の主な客層に、医療用輸血パックを手に入れられる者は少ないが――闇医者崩れや、生体ブローカー崩れなどが持ち込んでくることがあるらしい。
 いずれも、支配人は気付いていながら不問としていると、説明を受ける。
「しかし、堂々と使用を公言なさるのは、ご遠慮いただければ……チップ一枚手に入れるために、よからぬことをしでかす者も、おりますので」
「……心得ておく」
 そう神妙に頷き、機械に触れながら。
 こいつを使い切ったら、自分の血を提供すればいいか――と、聞こえるよう呟いておくのも忘れない。
 レプリカントや、何処かで監視しているやもしれぬ敵へ、本気で稼ぐつもりで来ているのだという印象を与えるため……。
 本当の目的は、まだ知られてはならぬ。
 忌々しい血の臭いを仄かに感じ取りながら、シキは出てきたチップを、無造作に掴んだ。

 シキが選んだのは、ブラックジャックのテーブルであった。
 視線が合ったディーラーは、恭しく……先のレプリカントとは違う、本当に丁寧な所作で、頭を下げる。
 つるりとした仮面のデバイスを、シキはただ見つめ。
 慣れた様子でスツールに腰掛ける。
「ルールのご説明をさせていただきましょうか?」
「不要だ」
「承知いたしました……ベット完了後、ゲーム開始となります」
 ディーラーの声は機械的で、淡淡としている。
 どうベットするか、暫し悩むような素振りを見せながら、シキは眼鏡に軽く触れた。
 彼のかけているカモフラージュグラスは、人相を隠すためのものではなく……伊達眼鏡に見せかけた、高性能デバイスである。
 カメラやコンピューターを搭載しており、シキが相棒とするAI『フォル』との接続も可能……そしてそれは、彼が隠し持つ“切り札”にも影響する。
(「頼んだ、フォル」)
 唯一言、念じる。
 ブラックジャックの読み程度の駆け引きは、AIに頼らずとも、シキでも出来る。
 しかし、敵は、カジノのシステムそのものである。
 シキがベットを終えると、ディーラーはやや溜めてから「ノーモアベット」とコールした。
 よろしいですか、という細やかな配慮のある間に、僅かに口の端を持ち上げ、OKとサインを出す。
 カードはすぐに排出される。本来ならデックを収納するカードシューは、物々しい機械と接続されていた。ぱっと視線を走らせた結果、複数デックが混ざっているような気配はない。
 シキが手札を見ると、10と8――まずまずの手だ。ディーラーの一枚は5であった。
 勝てないかもしれぬ。だが、一回目はいいだろうと、彼はスタンドを示し、勝負する。
 ディーラーの二枚目は3、次に8、最後に3が出た。
 彼は、すっとチップであるコインを回収し、「如何いたしますか?」と問うてきた。
 躊躇いなく、次のゲームのためのベットをすると、ディーラーもまた粛々と応戦する。
 新たに配られたカードを見るや……シキの視界に、数字が浮かぶ。モニターに表示され始めたのは、勝利の確率。
 攻めるべきか、耐えるべきか、どのカードを出すべきか――それらの全て、フォルが計算した結果、予測される手札などがシキに提示されている。
(「カジノという体裁を整える為なら、客にも少しは希望を見せる必要がある」)
 最後はカジノが丸儲けするにしても、チップをつぎ込ませるための呼び水は必要だ。
 実際、ダブリングダウンで勝てるターンもあれば、サレンダーも許可されている。
(「――全くのノーチャンスにはならない筈だ」)
 そうして、暫しゲームを続けていくうちに、ディーラーが怪訝そうに手札を見る――仮面で表情は隠れているが――ことが増えていく。
 それでもディーラー優位の札が手配される中で……エースのカードを確認したシキが、インシュアランスで、ディーラーのブラックジャックでの損失を防ぎ。
 すぐさま次のゲームで、高額ベットから、ダブリングダウン――更に、21ブラックジャックでシキが勝利してみせると、旗色の悪さに、ディーラーの吐き出す声が、錆びたようにぎこちなくなった。
「そ、そんな……まさか」
「そんなはずはない、とでも?」
 往々にして違法カジノとはそういうものだが――、積み上げられたチップを手に挑発するようにシキが問う。
 ディーラーは絶句するより他にない。
「……こちらの『相棒』の方が優秀だったようだな」
 隠し持った銀色のカード型ドローン……そこに宿る“切り札”フォルを誇り――ささめいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『武装医師団』

POW   :    患者を発見、治療を開始する
【蛇型手術用ロボットビースト】と合体し、攻撃力を増加する【大型殲滅用レーザーメス】と、レベルm以内の敵を自動追尾する【注射器ミサイル】を射出する【ランチャー】が使用可能になる。
SPD   :    汚染を確認、該当区域を閉鎖する
【致死濃度の超高水圧消毒液ブレード】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を行動の自由を奪う閉鎖区域にし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ   :    市民よ、健康であれ
戦場内に「ルール:【健康でない者は治療する】」を宣言し、違反者を【完治が認められるまで出られない隔離病棟】に閉じ込める。敵味方に公平なルールなら威力強化。
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●武装医師の診断
「あはは、騒がしいね、楽しそうじゃないか」
 特別室とやらに連れて行かれるはずだった博徒は――賭場がにわかに盛り上がったことに、足をとめ、へらりと笑う。
 仮面のレプリカントは、それを無視して扉に手をかけたが。
 向こうから、がちゃがちゃと騒がしい音が響いたことで、手を離し、一歩下がった。
 重い鉄製の扉が、鈍い音を立てて開く――姿を現したのは、“白衣”の者達であった。
「病人が出たようだな」
「疾く治療せねば」
「ギャンブル依存症の異常者どもめ」
「今すぐ大人しく治療を受けろ」
 口々に唱える彼らは、カジノを制圧するように散開し、全ての博徒へと超高水圧消毒液ブレードを突きつける。
「おやおや……っと、君も行ってしまうのかい」
 暢気に、博徒が呟く。自分を置いて、ディーラーもボーイも、運営側のレプリカントらは、皆、部屋の片隅へと集まり、カジノから脱出しようとしている――荒事になると確信している動きだ。
「さて、こんなのが待ち構えている特別室ってのは、どんなギャンブルが出来たんだろうねえ」
 などと肩を竦める男の元に。
「集まれ。患者は一斉処分だ」
 ブレードを突きつけた武装医師が、高圧的に告げた。
冴島・類
何らかの依存症って
精神面の問題やら投薬治療では?
ばらばらにされそうなものつきつけられて
処分…破壊されるのはやだなぁ

博徒さんを守るにも繋がるとのことだし
存分に抵抗と、参りましょう

あちらの得物は近接だけでなく
追尾弾もあるのか…厄介な
光線は残像交え狙いずらし
見切りで避けるなどしたいが

注射器に対応する為に
風の魔力を黒曜に降ろし攻撃強化
薙ぎ払いに風を乗せることで
追ってくる其れが至近にくる前に斬る

一発ずつやっていたらきりがない
爆発などで相手の視界が塞げたり
攻撃を回避した後の隙ができたら

一気に近付き、射出口付近へ向け
全力魔法で練った風の刃で断ち破壊を

勝たれたら病人呼ばわりとは
とんだ賭場ですね

※アドリブ歓迎



●制裁は、我に
「大人しく治療を受けろ」
 武装医師団に囲まれた冴島・類(公孫樹・f13398)は、頬を掻く。
「何らかの依存症って、精神面の問題やら投薬治療では?」
「我らが診断に口答えする気か」
「ならば処置なし、殺処分だ」
 とことん、彼らは一方的に言葉を投げつけてくる――。
 はぁ、溜息を零し。軽く頭を振って、類はぼやくように、言う。
「ばらばらにされそうなものつきつけられて――処分……破壊されるのはやだなぁ」
 刀身から柄まで全て黒いナイフを手に。
 ぱっと黒い刃を閃かせるや、武装医師らは即座に後ろへと飛び退いた――双方の距離を稼いで、類は視線で自分を囲む敵を数えた。
「存分に抵抗と、参りましょう」
「貴様ァ!」
 凄まじい声量で怒鳴りつけながら――武装医師は、蛇型手術用ロボットビーストと合体し……大型殲滅用レーザーメスを構え、背負うランチャーが起動したと解る戦闘形態となる。
「念入りに滅殺する!」
 叫ぶや、突っ込んできた。
 類はナイフを片手に間合いを計る。
 レーザーメスを大仰に振りかざし……その熱線は長く伸びるが、あくまで直線ゆえに、類には見極めやすい。
 レーザーメスが、近くにあったポーカーテーブルを真っ二つに焼き切る。威力は充分すぎる。
「到底、治療ではありませんね――」
 困惑混じりの笑みを湛え、類は、焦らず。
 軽やかなステップで相手の攻撃を潜ったところに、着弾する注射器ミサイル。
 それは彼が全力で横に跳ぼうと、追いかけて来る。
(「近接だけでなく、追尾弾もあるのか……厄介な」)
 しかし、焦りはない。
 貌は敵を正面を見据えた儘、ナイフを真横に滑らせれば、風の魔力がひゅう、と躍る。
 彼を追うミサイルは不可解な風の抵抗に遭いながら、次には真っ二つとなって、虚空で爆ぜる。
(「通じる――けど、一発ずつやっていたらきりがない」)
 まずは一人。どれだけの時間で捻じ伏せられるか。
 ぐっと畳んだ膝に力を籠めて、前へと奔る。
 類の身体を包むのは――相棒の抱く風の魔力。
 呪詛の力を持つ凶悪なナイフを振りながらも、清涼なる、しかし犀利な風を、彼の一挙一動に従って、触れるすべてを引き裂く。
 武装医師は、その瞬間――凄まじい突風に衝突されたように、蹌踉めいた。
 メスは下を向いており、医師の体勢から見て、とても振り上げられそうにもないが――逆に、ランチャーの銃口は、此方をかっちり捉えている。
 一息に。
 類は深く踏み込み、ナイフを斜めに滑らせた――。
 医師の白衣が、真っ赤に染まり。ずるりと、斜めに身体がずれていく。
「キ、ザ、マァァ……」
 フードの奥、マスクの隙間から、ごぶりと吹き出す鮮血と、怨嗟の声。
 それを涼しく受け流し――隙無くナイフを構えた儘、自分を囲む、残った武装医師らに色違いの視線を鋭く投げつける。
「勝たれたら病人呼ばわりとは、とんだ賭場ですね」
 そちらがそのつもりならば、こちらも譲りません、と。
 告げる声音に灯るのは、いつもの柔らかさではなく――厳格な、怒りであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

双代・雅一
藍樹さん(f40094)と

残念ながら俺も医者でね
依存症は精神科の分野の筈だけど…貴方達の装備は外科医のそれでは?
確かに言った所で無駄みたいだな
負傷が嫌な者は下がると良い――怪我の治療をする余裕は俺も彼らも無さそうだ

純粋なエタノールの凝固点は相当低い筈だ、と言う惟人の声に礼述べつつ
翳した手より威力高めに吹雪を放つ
水流ごと彼らを凍てつかせ、身動き一つ出来ない様にしてやるか
氷像と化した所を槍で足元薙ぎ払い砕いて差し上げよう
運が良ければ生きてられるんじゃないかな…なに、同業者の情けだよ

藍樹さんはもう少し自分の身を大事にして欲しいんだけどな…
俺も惟人で貴方の両面の負傷を治してやれるとは言え…程々に願うよ


趙・藍樹
双代さん(f19412)と

物騒な見た目の何かが出てきましたねえ
生憎とギャンブル依存症でも無ければ、治療が必要なほどの健康被害も持ち合わせてはいないはずですが
話を聞いて貰えそうには無いでしょうか
…ああ、巻き込まれそうな方がいますね、下がっていたほうがよろしいかと

さて、無駄な血を流す必要はないでしょう
隠し持っていた細身の短剣を抜いて前へ
左手の鞭で牽制を入れつつ、排除に向かう
死亡先驱
邪魔をするなら殺します、退きなさい
多少の攻撃は身体で受けつつ、数を潰す方向で動く
…血を流したとしても、使い道がありますから

…それなりに大事にしてるつもりではいるんですけどねえ
私の戦い方ではこうなってしまうんですよ



●情無情
「物騒な見た目の何かが出てきましたねえ」
 のんびりと……趙・藍樹(圈养的牡丹・f40094)は、はっきり呟く。
 相手に聞こえようがお構いなしなのは、どうせ敵だと割り切っているからか――眼鏡を外した双代・雅一(氷鏡・f19412)は咳払いひとつ、
「残念ながら俺も医者でね――」
 勝手な診断を下す武装医師らを、じろりと一瞥し、言う。
「依存症は精神科の分野の筈だけど……貴方達の装備は外科医のそれでは?」
「外科的処置により、精神にも影響を及ぼせる」
「不健全な身体に、不健全な精神が宿るのだ」
「よって、処置は一択である」
 彼らは次々、滑らかに喋り出す。
 くすっと思わず吹き出して――藍樹が肩を竦めて、問いかける。
「生憎とギャンブル依存症でも無ければ、治療が必要なほどの健康被害も持ち合わせてはいないはずですが――」
「素人は医師の診断に従えば良い」
 けんもほろろであった。
 医師と――百歩譲って、この世界で正式に通用する肩書きではないかもしれないが――名乗った雅一の言葉とて無視である。セカンドオピニオンは当然許さぬという殺気。
「話を聞いて貰えそうには無いですね」
「確かに言った所で無駄みたいだな」
 藍樹が眉根を寄せ、雅一は頭を振った。
 そして二人は、確かに病人のような博徒らを振り返る。
「……ああ、巻き込まれそうな方がいますね」
「負傷が嫌な者は下がると良い――怪我の治療をする余裕は俺も彼らも無さそうだ」
 二人が前に出ると――武装医師らも、前に出る。
 その中央に、ひゅっと風斬る音が響く。
「さて、無駄な血を流す必要はないでしょう」
 藍樹が、隠し持っていた細身の短剣を抜き――左手には鞭を。
「――邪魔をするなら殺します、退きなさい」
 一応、そう警告を放ってみるが、無論、聴く相手ではない。
「健康でない者は治療する!」
 宣言するや、彼へと躍り掛かる。ブレードは垂直に藍樹の頭部を狙ってくる――治療というには物騒すぎよう。
「残念ながら、私はとっても健康体ですよ」
 隔離病棟の世界に跳ばされる理由はないと、花のような微笑み浮かべ、藍樹は医師の懐へと跳んだ。
 低めに、猫のごときしなやかさで、身体を捻り、短剣を医師の喉へと突き立てる。
 藍樹が殺す、と告げたのだから、そうなる――そんな一瞬の交錯。
 血が噴き出し、仰向けに倒れる敵の体を足蹴に、彼は次の武装医師を狙う――なりふり構わぬレーザーメスが、空間を一閃した。
 それを彼は、無意味に避けなかった――身体を盾に、次の攻撃に繋げる。
「無茶をする……」
 思わず苦々しい声が出て、雅一は唇を結ぶ。
 目を逸らすように、敵を見れば、武装医師らは、超高水圧消毒液ブレードを起動させ――激しい水圧で、床を穿ちながら、雅一へと斬りかかる。
 吹き出しているのは、致死濃度の消毒らしいが――それがエタノールなのか、塩素なのか、それ以外なのかは解らない。
 まあ、なんであれ……オブリビオンのユーベルコードによる攻撃として放たれる高水圧の刃に触れるつもりはない。
(「……しかし、凍るか?」)
 雅一の脳裏に疑念が過った瞬間、
(「純粋なエタノールであるなら……凝固点は相当低い筈だ」)
 裡から、惟人の声が響く。
 身体を共有する弟の助言に、雅一は軽く礼を告げ――手を前へと翳す。
 前へ、ブレードを振り上げんとする武装医師らに向けて差し出し、
「何もかも全て、凍り付け――」
 万物を凍てつかせる吹雪が、残る間合いを埋めた。
 ブレードは瞬く間に凍り付き――本来、ただ零下に置かれただけでは凍らぬであろうが、白く激しく、世界を狂わせる氷雪は、ユーベルコード。
 世界の摂理と道理を捻じ伏せ合い。
 打ち破って、医師らを容赦なく凍らせる――万一、負ければ、雅一が真っ二つだったとも言えるが……。
 骨まで凍えるほどの冷えた世界で、心地よさそうに双眸を細めた雅一は、いつしか槍を手にして、かつんと靴先を鳴らす。
「重度凍傷、更には低体温症ってとこか」
 だけど、あなた方は確りと武装しているし――言うや、深く踏み込んだ彼は……凍り付いている彼らの足元を、薙ぎ払う。
 氷像が次々と倒れ込み、床に、硬質なものがぶつかる重い音が、次々と響く。砕ける音が混ざった気もするが、彼は一顧だにしなかった。
「運が良ければ生きてられるんじゃないかな……なに、同業者の情けだよ」
 ――尤も、そのまま死んだところで、同情するわけでもない。
「貴様っ……!」
 新手が、睨み付けて来る。レーザーメスと超高水圧のブレードと――メス振りかざす医師に突進を仕掛けた藍樹が、笑えば。
「おや、私を前に、余所見とは――冷たいじゃありませんか」
 彼の手元で、ぱっと、赤い花が咲く。
 首を掻き斬られた医師のものとと……疵を恐れず距離を詰めたがために、白い腕に刻まれた赤い一筋から伝う鮮血。
「……血を流したとしても、使い道がありますから」
 ぺろっとそれを舐めた藍樹に、雅一は苦笑する。
「藍樹さんはもう少し自分の身を大事にして欲しいんだけどな……」
「……それなりに大事にしてるつもりではいるんですけどねえ――私の戦い方ではこうなってしまうんですよ」
 藍樹は悪びれず、にこっと微笑む。
 媚びる風でもないが艶やかな貌立ちを前に、雅一は、ただ深い溜息を零す。
「俺も惟人で貴方の両面の負傷を治してやれるとは言え……程々に願うよ」
 医師であるからこそ、守れるものがあるとはいえ、周囲の仲間は、身を削って戦う者が多すぎて、気が休まらぬ。
 だからこそ、人の命や身体を、何とも思わぬ武装医師どもを――その指揮をとる者を、放置できぬのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シキ・ジルモント
負ければなりふり構わず、か
カジノとしてはどうかと思うが、こちらとしてもその方がやりやすい

エンチャント・アタッチメント【Type:I】を拳銃に装着、ユーベルコードを発動
足元への凍結で動きを封じ、ついでに消毒液ブレードを凍結させて行動妨害を試みる
消毒液の射出口、ブレード部分、タンク等の凍結を狙っていく
どこかに凍結が及べば使用不能の陥らせることも出来るかもしれない

動きを止めたらそのまま射撃で仕留める
敵の数が多い、周囲への被害を防ぐ為にも時間は掛けられない

戦闘中、対人随伴型自編律ビーム兵器「ムーンフェイス」を放つ
先はギャンブルの手伝いを頼んだが、フォルの得意分野はこの兵器を制御しての戦闘だ
博徒へ敵が向かうようなら、ムーンフェイスを割り込ませて盾にして守る
消毒液も金属であるムーンフェイスには効果が薄いだろうし、24枚あるのだからもし数枚落とされても問題は無い

件の博徒はずいぶんと落ち着いているな
少し負けただけで動揺するディーラー達とは大違いだ
…この騒ぎで怪我もなく無事なら、それも豪運の裏付けだろうか



●彼の、仕事
 武装医師団に囲まれようとも、シキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)は落ち着いていた。
「負ければなりふり構わず、か」
 呟く言葉に感情の色は無く――同時、その青い双眸は隙無く賭場を一瞥した。
 これより戦場と化す場所の……護衛対象含む一般博徒らや、敵の配置。
 万全な仕事を――彼の思考は感情を越えて、切り替えられている。
「カジノとしてはどうかと思うが、こちらとしてもその方がやりやすい」
「黙れ――稼ぐために、健康を捧げる。ゲームのために、健康を捧げる愚か者どもが」
 武装医師の言葉に、シキは内心で、苦笑する。
 自分達――猟兵は、皆、潜入のために輸血パックを使ったが、此所の博徒らには正論である。
 だが、そんな博打に奔らせたのは、他ならぬ此奴らなのである。
「よく言う――」
 つと、言葉は零れたが。
 流れるような手順で銃を抜き――エンチャント・アタッチメント【Type:I】を装着し、構える。
 銃を見た武装医師らは色めき立って、何事かわめきながら、超高水圧消毒液ブレードを起動させ、シキとの間合いを詰めようと駆け出す。
 しかと、それを見つめ。それらへと腕を伸ばしたシキは。
「止まれ」
 一度目の銃弾を、全て吐き出す。
 氷の魔力を纏った弾丸が、駆ける医師どもの足元に着弾するや、床も巻き込み、広範囲に凍結させる――。
 絶えず高水圧で吹き出す消毒液もまた凍結し、さも、床と繋がるアンカーと化し。医師らは不本意な体勢で、ぎくりと動きを止めざるを得なかった。
 それらが、まずはブレードを手放し腕の自由を確保して――足元の凍結に対処しようとするのを前に。
 素早くマガジンを取り替えたシキは、そのまま発砲する。
 動きを止めただけで、見逃すはずもない――。
 次々、額が弾かれ、白いフードを赤く染めていく。
 シキはそのまま――カジノ内のテーブルの影に身を潜めると、代わりに、宙に銀色のカード型ドローンが浮き上がり、四方八方、ビームを放つ。
 それがオブリビオンを仕留めることを狙ったものではなく――仕留めても良いのだが――周囲の博徒を守るための牽制だ。
 AI“フォル”に全て任せているため、シキにも、正確な射撃タイミングや方角はわからない。
 だが、シキはフォルに絶大な信頼をおいている――相棒、と呼ぶほどに。
 何より……フォルはギャンブルより、ムーンフェイスの制御の方が得意なのだ。
 二十四枚のカードからなるドローンは、すべてバラバラに動き、博徒らを守ったり、隙を見せた武装医師へと鮮烈な一撃を見舞う。
 光が乱れる戦場をシキは駆け抜け、先程と同じように、凍結の魔弾を放つ。
「そこか!」
 直後、横から、消毒液のブレードが薙ぎ払われる――。
 それを受け止めたのは、銀のカード。
 純粋な威力でいけば、どんな金属すら斬り、穿つだろうブレードを受けて、甲高い音を立てて地に落ちたが。
 難を逃れた一瞬で、シキは敵の喉を撃ち抜く。
 鮮血を撒き散らし崩れ落ちた医師と。暫く機能停止となったカードが一枚。
 どちらの犠牲が重いだろうか――などと、無益なことが過ったが。シキは狼耳を欹てると、すぐに身を屈めた。
 医師らのブレードは、カジノの設備なら、容易に断裁できるのは、既に解っている。
 最早、治療ではなく処分にかかっているのは明白である――失敗すれば、敗北すれば、すべてを武力で捻じ伏せなかったことにする……実にメガ・コーポらしい考え方だと、皮肉に思いながら。
 身体は、淡淡と湧き出る武装医師団の排除に勤しむ。
 凍らせる部位は、何も足元に限らぬ。
 ブレードを無力化するため、消毒液の排出口を。
 或いは背負うタンクを。
 臨機応変に、ムーンフェイスのレーザー照射と二段構えで仕掛け、着実に沈黙させていく。
 半病人のような客達は、逃げ惑う体力を持たぬがゆえに守りやすい――武装医師らは反抗的な猟兵を優先に襲ってくるため、向こうの攻撃の流れ弾にさえ気を遣えば、事足りた。
 フォルにとっても、易い仕事だろう。
 ――それにしても、と。
 シキは、敵ではない者へ、視線を向けた。
(「ずいぶんと落ち着いているな」)
 その“博徒”は、極めて無防備に。
 安いスーツ、両手はポケットに突っ込んだ姿勢で、棒立ちで――面白そうに猟兵達の戦いぶりを見物している。
 だが、その強烈な幸運ゆえか。武装医師らの攻撃も、猟兵からの流れ弾も――これはあってはならないが――逸らしているかのように、平和である。
「少し負けただけで動揺するディーラー達とは大違いだ」
 ディーラー達スタッフは、カジノからも一目散と逃げ出していることを考えると、格段の差である――尤も彼らが、そのまま無事でいられるかは、解らぬが。
 血と、怠惰の臭いが充満した、ずっと不快な空間の中で――シキは僅かに笑みを浮かべた。
「……この騒ぎで怪我もなく無事なら、それも豪運の裏付けだろうか」
 放っておいても平気そうなのは、良いのか悪いのか。
 ――いずれにせよ、守り切るために。
「しかし、これでお終いだ」
 最後の医師の胸を、容赦なく貫いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『天耳の工学者』未丘・春真』

POW   :    宸碧玉
自身と武装を【光学迷彩結界】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、[光学迷彩結界]に触れた敵からは【視力と戦闘意欲】を奪う。
SPD   :    国士無双
レベルm半径内に【火風水地電氷毒樹鋼光闇無の十二属性の鉱石】を放ち、命中した敵から【ダメージと共に運と活動エネルギー】を奪う。範囲内が暗闇なら威力3倍。
WIZ   :    天衣無縫
自身の【機械内耳に仕込まれた音響兵器システム】から【脳を揺さぶる程の超高周波音】を放出し、戦場内全ての【生物に大ダメージを与え一時的に聴力と発音】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●天命は其処にあるか
 パチパチと拍手が響く。
 その音質がおかしいのは、彼の腕が生体ではないからだ。
 しかし、機械義手を叩き合わせているとは思えぬ、不思議な音色であった。
「いや、素晴らしい……図らずも、猟兵のデータも取れたが――それ以上に」
 いつの間にやら、カジノの、戦闘でぐちゃぐちゃに破壊された機械群に優雅に腰掛けた白衣の男が、余裕の微笑みを浮かべている。
「本当に、豪運なんていうものがあるのかな……?」
 白衣の男は、興味深そうに、博徒を見る。
 彼は終始棒立ちで。
 猟兵達に守られていた面はあろうが――彼の周辺には、戦闘の余波も及ばなかったかのように、綺麗なままであった。
 男の言葉に、博徒は深い溜息を吐き、
「僕は不運の下に生まれているよ。一向に楽になれない……こんな危険な場所に居合わせても、さ」
 勝ち続けてしまう――と。
 心底疲れたように答える。
「最悪だよ。最悪のツキ巡りだから、此所を選んだのに」
「ふぅむ。死にたがりは感心しないな。俺は、偶然・必然を知りたいという上司命令に従っている身分だが……」
 肩を竦め、男――『天耳の工学者』未丘・春真は、瓦礫の玉座から、するりと降りる。
 その足元には、いくつかの血液タンク。
 彼自ら選りすぐったと思われる、サンプル。
 こればっかりは、カジノ運営しか能の無い部下に任せられないんでね、と困ったように言い。
「DNA情報から再生した人間が死にたがりになったら、クライアントから怒られてしまう――さて、撤収するために、もう一仕事と行こうか」
 ホルスターより銃を抜き、猟兵達と対峙した――。
冴島・類
自暴自棄、とは聞いてはいましたが
天運、豪運と言うのも…過ぎると
本人からすれば、か
こう言う手合いに狙われる面倒とかも多そうだし

血を奪っていた目的を察し
成る程ね、あれを持って行かれるのも防ぎたい

抜かれた銃…だけでもなさそうだが
飛び道具相手なら

弾や、放たれる鉱石を防ぐ為
写しを喚び、結界術で守護の力を強め
操り盾として活用
軌道見て、直撃せぬように受け弾き
心配無用かもでも
博徒さんに向かう攻撃があれば同様に防ぐ

また、護りだけでなく相手の視界を遮り
隙を作るのにも使えたら

とは言え防ぐばかりでは埒があかない
掻い潜り、近付くことが叶えば
生体部分ねらい黒曜で攻撃を
浅くとも傷を与えたら、呪詛で負荷をかけ
動きを制限目指す



●十二と、百五十と
 博徒と『天耳の工学者』未丘・春真の会話を耳にした冴島・類(公孫樹・f13398)は、
「自暴自棄、とは聞いてはいましたが、天運、豪運と言うのも……過ぎると、本人からすれば、か」
 そう呟き零す。
 こう言う手合いに狙われる面倒とかも多そうだし――彼が、この境地に至るまで……彼の身の上に様々なことがあったかもしれない。
 だが、今は。
 類は、春真を見た。
 そして彼が大事にケースに収めた血液。類は、自分の血を混ぜておいたことを思い出す。
「何のために血液を……とは思っていましたが」
(「――成る程ね、あれを持って行かれるのは防ぎたい」)
 もし、自分が関与していなかったとしても、その先の研究は阻止せねばならぬ。
 春真の武器は、二挺の銃だ。
 それだけを警戒すればいいと感じるほど、類の猟兵歴は短くない。
「いい勘だ」
 警戒に半身を引いた類を見て、春真はうっすら笑って、天に銃を突きつけ、撃つ。
 照明が砕け、賭場は一段、昏くなる。
 薄闇の中――敵の周囲に、色とりどりの鉱石が浮かぶ――火風水地電氷毒樹鋼光闇無の十二属性の鉱石が、不気味に耀く。
「――此処に、現れ給へ」
 類の一言は、低く、厳かに。
 彼の写し――本体である古鏡がずらりと、賭場に舞う。
 配置は、自分と敵の間が基本だ。
 更に、一部の鏡を、博徒の周囲にも配置する。理由は当然、守るため、だ。
(「心配無用かもしれませんが――でも」)
 豪運があるからと、放っておくのは、類の信条に反する。そうした類の気配りも、彼の天命の一部なのかもしれないし、余計なお世話なのかもしれないが。
 春真の銃撃を警戒しながら、鉱石の攻撃を弾くための盾として用意したのだ――類は、対峙する位置を崩すように、駆けながら、障害物と成り果てたポーカー台を跳び越える。
 鉱石は、ぱっと鮮やかに。花火のように広がるや、十二方向から、類に迫る。
 それは次々に、鏡によって弾かれる。
 一枚で足りないなら、二枚、三枚。数は、相手の手数を遙かに上回っている。
「その百を超える鏡は、念力で動かしているんだろう? 本体はおろそかにならないのかな」
 春真の問い掛けに、
「見たままですよ」
 類は静かに返した。実際、苦では無い――集中が欠けるかどうかは、相手次第だ。
 四分の一ほどの鏡を、春真の前に寄せて集める。それが視線のすべてを奪ったが、彼は余裕めいた笑みを浮かべた。
「考えたね――しかし、悪いが、俺は聴力特化だ」
 言うや、まっすぐ真横に、銃を突きつける。
 そこには、ナイフ……刀身から柄まで全てが黒いそれを構えた類が、低く鏡の影より飛び出して来た。
 唇を引き結び――類は、銃口を見つめて、躊躇わず、踏み込む。
 赤い鉱石が、背後から飛来し、類の肩を掠めた。鈍い痛み、小さな脱力感――だが、類の運は、こんなことで尽きぬ。
 緑の眸に、鈍色の銃弾が向かってくる。
 それを撥ね除けたのは、類の写し。直ぐ近くに動かしていたものを、鉱石への盾に使わず、銃弾を弾いた。
 そのまま、腹に――ナイフを捻じ込む。
 図らずも、春真が作り出した薄闇は、類の得物にも巧く作用した。刀身の長さが掴めず、後退すべき距離が足りなかった。
「……っ」
 僅かな息づかいと、微かな血の臭い。
 手応えは柔らかかったが、鮮血は零れなかった。ナイフが吸って、呪詛を代わりに吐き出す。
「一説に、運は、自ら引き寄せるものでもあるとか――」
 刃を思い切り引いて、類は微笑む。この言葉は、博徒にも届くだろうか。
「喩え、奪われても。無にはならない」
 尤も運任せに戦っているわけじゃありませんけど、類は目を眇め、構え直す。
 その周囲には無数の鏡が。薄闇の中で、耀いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

趙・藍樹
双代さん(f19412)と

……おや

知り合いとよく似ている方が
しかし、聞いていた話とは違うようですねえ

目的はわかりませんが、一般人に対し危害を加えるという発言をした以上は排除せねば

それと
そこの死にたがりのような貴方は、ここで何をしたところで死ねませんよ
貴方の運に加え、放っておかないおせっかいがそれなりの数いますから

竜酔紅華
流した血を使い、竜を呼びだす
屋内なので一体程度で良いでしょう
属性は双代さんと同じ氷を
全て凍らせてしまいなさい…壊すのが楽になりますので
鉱石の攻撃も、氷の壁を作らせ防ぎ
双代さんのメス投擲に合わせ、投擲用の毒針を放つ

…動けなくなってから、ゆっくり刻まれるのはどうですか?


双代・雅一
藍樹さん(f40094)と

そうだな、似てる
藍樹さんは手心加える気なぞ無さそうだな
本来の彼じゃないだろうし、ね

其処の貴方は…医者の前で安易に死にたがらないで欲しいな
そうして生きて在る事こそ何らかの運命なのだろう…なら、その命を賭けねばならない時が来る、と俺と賭けてみないか?

さて
運の良さを遺伝子解析出来るのなら、是非その研究レポートを拝見したい所かな
血液型占いを科学で語るよりは面白そうだ

照明落とされる前に位置関係把握し
藍樹さんの竜と共に氷の結界形成
注意すべきは炎の石
右手で受け止め、逆手でUCのメス投擲
藍樹さんの投擲に紛れさせ感知を鈍らせ
狙いは顔側面
三半規管から切り刻んで立てなくして差し上げるよ



●二と、一
 『天耳の工学者』未丘・春真の姿を見て、
「……おや」
 趙・藍樹(圈养的牡丹・f40094)は目を瞬かせた。
「知り合いとよく似ている方が」
「そうだな、似てる」
 同意に、双代・雅一(氷鏡・f19412)は頷き、目を細める――何処かで、煙管を手にした知り合いが、派手なくしゃみしたような予感がする。
 しかし、と春真をしげしげ見つめ、藍樹は首を傾げる。
「――聞いていた話とは違うようですねえ」
 随分と、印象が。
「……まあ、思い出話は個人の主観が入るからな」
 言外のことばを汲み取って、雅一は片頬を上げる。
 さりとて、目の前のオブリビオンは、意味ありげな彼らの視線を、気にした様子も無い。会話は聞こえているだろうが、興味すらもっておらぬようだ。
 まあ、どうせ全くの他人ですしね、と藍樹は思う。それどころか――、
「目的はわかりませんが、一般人に対し危害を加えるという発言をした以上は排除せねば」
「藍樹さんは手心加える気なぞ無さそうだな――本来の彼じゃないだろうし、ね」
「主が語った方なら、ええ、考えますが」
 肩を竦めた雅一に、藍樹はふわりと笑って。
 ああ、それと――思い出したように、軽く振り返る。
「……――そこの死にたがりのような貴方は、ここで何をしたところで死ねませんよ。貴方の運に加え、放っておかないおせっかいがそれなりの数いますから」
 声を掛けられた博徒は、少しだけ驚いた顔を見せ――皮肉げに、「そうかい?」と笑う。
「赤の他人の命を、気に掛けるとは」
 奇特な人々だ、と彼は茶化すように呟く。
 そんな彼に、雅一は軽く頭を振った。
「俺は医者だ……医者の前で安易に死にたがらないで欲しいな」
 そして、挑発的な微笑みを浮かべて、続ける。
「そうして生きて在る事こそ何らかの運命なのだろう……なら、その命を賭けねばならない時が来る、と俺と賭けてみないか?」
「賭け、ね――いつも通り、僕が勝つなら即ち?」
「勿論、平穏に生きることになるな」
 命を賭けねばならぬ時は、来ないのだから、と飄々と言い。
「ほぅら、お節介でしょう?」
 閉口した博徒に、藍樹は笑った。
「では、あちらもこれ以上お待たせしては申し訳ないので――」
 嘯き、春真へ、冷ややかな青き眼差しを送る。
「さあ、これからが本番ですよ――破壊し、喰らい尽くせ」
 先の戦いで負った……疵口から、流した血を捧げ。
 彼の身体より、何かが引き剥がされるように、巨大な影が浮かび上がる。
 それは、刺青に封じられた精霊竜。
 氷で象られた竜が一体――春真に向かって咆哮を浴びせながら、大きく牙を剥いて、襲いかかる。
「全て凍らせてしまいなさい……壊すのが楽になりますので」
 そう告げる藍樹の声は、冷え冷えとしている。
「同感だね」
 春真は、そう、ふっと息で笑って、右手を突き出す。
 銃撃で竜を迎え撃つ――同時、その周囲に浮かび上がる十二属性の鉱石、敢えて氷属性と樹属性の石を、ぶつける。
 凍結に強そうな石を喰らった竜は、躊躇わずそれらを氷の鱗で弾き飛ばしながら――周囲に強烈な冷気を撒き散らし、春真自身の動きを阻もうとする。
「これでも各属性、耐久性は高めてある――“運悪く”とか、洒落にならないだろう?」
 自分の周囲に、熱を伴う赤い石を残して、そう笑った。
 その視線は雅一を見ていないが、彼の慎重な立ち回り方は、今、二人と同時に戦っていることを忘れていない証拠だ。
(「冷静だな、とっとと突き崩せ――」)
 内なる弟の声に、貌には出さず笑って……雅一は、何も持たぬ手に、氷を発生させる。
「手術の時間だ、覚悟は良いかな」
 氷はたちまちメスとなり、形がくっきりするや、駆けながら投じる――藍樹の紡ぐ竜の影、砕ける氷粒に紛れるように。
「三半規管から切り刻んで、立てなくして差し上げるよ」
 囁きが届くよりも、早く。
 春真は、そのメスに銃弾を向けていた。
「おっと、危ない」
 激しい音を立てたメスと銃弾の衝突は、その軌道を少し変えた。側面部狙いの一刀が、勢いを殺され、肩にぶつかる。
 そこに刻まれるのは、重度の凍傷を伴う切開創――「聴覚機関狙いは困るよ」と言葉で戯け、返す様々な属性鉱石の跳弾を、雅一は冷静に見極める。
 自分にとって致命的なのは、炎属性。それだけは半身の力を宿す右手で御しながら、「運に頼まない堅実的な戦い方をする」と、相手に水を向ける。
「さて、運の良さを遺伝子解析出来るのなら、是非その研究レポートを拝見したい所かな――血液型占いを科学で語るよりは面白そうだ」
「まったく同感だよ」
 雅一の、皮肉とも本気ともとれる言葉に、春真は淡い苦笑を向けた。
「目下、血液型占いより統計がとれないのが悩みだよ――君達のようなイレギュラーも混ざるとね!」
 言って、春真はデタラメに銃撃すると、照明がまたひとつ、撃ち抜かれ消える。
 同時に十二の宝石がぎらりと輝き、二十四と分かれ――藍樹と、雅一に飛来した。
 二人はそれぞれに……竜の力を借り、氷の壁を作った藍樹と。槍で捌く雅一と、正反対の方角へ走りながら、鉱石の弾丸を凌ぐ。
 転じ、竜が薄闇に、吹雪のような冷気を奔らせる。
 その巨躯が、全速力で春真に迫る余波のようなものだ。それに合わせ、雅一も再びメスを作る。高圧に圧縮された氷の立てる音は、竜に掻き消されているはずだ。
 当たれ、念じて投じる。
 ――タイミングも位置関係も、きちんと狙い済ましているが、それで当たる方が、皮肉だからだ。
 何より……博徒の存在が脳にちらついた。
 雅一の言葉を前向きに受け止めたならば。
「……っ!」
 押し殺した苦痛の声が、確かに聞こえた。
 メスは、右やや後頭部、首との境目に突き刺さっている。少しずれているが、広がる凍傷は影響を与えるに違いない。
 そして、その腰には、針が一本――。
「……動けなくなってから、ゆっくり刻まれるのはどうですか?」
 見せびらかすように毒針を指に挟んで、藍樹は悪い微笑みを浮かべる。
「悪いが、この程度なら、効かないようにチューンされているよ」
 敵もふてぶてしく――しかして研究者らしく、冷静に言ってのけるが。
「遠慮無く。効くまで撃ち込んで差し上げます」
「俺も言を違えるつもりはないからね」
 更に華やぐ笑みを浮かべた藍樹を、敵越しに見て、雅一は新たな氷仕立てのメスを作り出す。
「両耳潰せば、あなたは何も感知できないだろう? それこそ、運にでも頼まない限り」
 三半規管を潰すと告げた――それを叶えるまで続けると、宣告し。
 強がってはみたものの、凍傷を広げつつある春真の動きは鈍く。氷竜の顎と氷刃が、同時に襲いかかり――儘、機械化義体で強化された身体は、次々貫かれ……半身を凍結されるまでに、追い込まれたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シキ・ジルモント
DNA情報から人間を再生?
…させるか、必ず阻止する

残ったムーンフェイスを周囲に配置、遮蔽物として鉱石の飛ぶ射線を制限
ユーベルコードを発動
自身の反応速度を増大させ、飛んでくる鉱石を撃ち落とす
射線を制限すれば鉱石の飛ぶルートもある程度予測がつく

鉱石を減らしたら距離を詰め、獣人の姿に変じて爪の一撃を叩き込む
先の戦いを見ていたならリロードの隙は狙われる危険がある、獣の姿を晒してでも接近戦で決着を付けた方が良い

ユーベルコードは人狼の能力を引き出すもの、この姿も人狼の特性そのものだ
望まず得てしまった力でも、それなりに役に立つ場面もある

…人狼の特性に振り回され続ける自身を顧みれば、求めたわけでもない『豪運』を与えられて持て余すのは分かる気がする
お互いままならないものだと、ある種の同情すら湧く

今後も破滅するまでギャンブルを続けると言うなら止めはしないが
どうせギャンブルでは勝ち続けてしまうのだろうし、ギャンブル以外の豪運の使い方でも模索してみてはどうだ
戦闘能力に偏る俺の力より、余程使い勝手が良いと思うがな



●一の、天命
 ふう、と『天耳の工学者』未丘・春真は息を吐く。
 身体は凍り付き、夥しい血液が流れ、活動状況は最悪である。
「……まあ、俺の状態はどうとでも――此所から脱出して、データを引き渡せば、任務完了だから……」
 ぶつぶつと独りごち、天井からパラパラと落ちてくる破片を払う。
 そんな男に睨みを利かせ、退路に立ち塞がるのは、シキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)――彼の瞳は、照明の殆どが落ちてしまっても、敵影を捉えている。
「DNA情報から人間を再生? ……させるか、必ず阻止する」
 告げるや、彼は地を蹴った。
 先の戦闘から引き続き、銀色のカード型ドローン、ムーンフェイスは――制御AIフォルの判断で、戦場に展開されている。
 いくつかは先の戦闘の影響で修理が必要だが、ひとりを包囲するなら、充分な数残っている。
「来い」
 シキは、銃口を春真に向けた。
「やれやれ」
 疲弊を隠さず、嘆息した春真だが。
 その周囲に十二種の鉱石が浮かび上がる――属性を顕すような力を纏った数々の鉱石は、迷う事無く、シキへと飛来する。
「――」
 シキは、ただ呼吸を整えた――しかし、その瞳は剣呑に耀き、銀色の耳や尾が、殺気に逆立つ。
 十二色の軌跡を、人狼の、尋常ならぬ視力で捉え、考えるより早く身体を動かす。
 視力と連動した反射的な射撃は、まさに電光石火と。
 薄闇に次々と火花を散らし、鉱石を撃ち落とす。
 それを可能としたのは、ドローンを適切に配置して射線を絞る工夫をしたことと……獣の反応速度。
 そして、次に――獣の脚力で、春真へと踏み切った。
「っと、……これは」
 春真が怯んだ――一呼吸もおかぬ隙に、シキが眼前にいる。
 人狼の力を解き放った彼の姿は、猛々しく、荒々しい。際立つのは、その腕、指先――常であれば、銃を握っている爪が、凶悪に伸びている。
 斜めに走った爪は、硬質な身体を抉り、血液なのか、循環液なのか解らぬ赤い液体を宙に撒き散らす。
 望む望まぬに関わらず、研ぎ澄まされた嗅覚が反応し、粗暴な欲が喚起される。
(「だが――」)
 シキは脳に過った破壊衝動を抑える。
 敵の、表情がまだ笑っている。
「こんな瞬間に勝負を賭けるのは、俺らしくもないが――仕方ない」
 そう言う春真の周囲に、十二の鉱石がずらりと並ぶ。
「俺もただじゃ済まないけどね」
 自嘲と同時、シキの身体に、熱や冷気、感電から、毒の苦痛――十二の痛みが襲いかかる。
 鉱石の力そのものは、繰り手である春真に害を与えぬだろうが、シキの眼前で爆発が起きるとしたら、その衝撃は伝わるだろう。
 その瞬間、フォルは――春真を逃さぬよう、レーザーを撃った。
 今までに散々、狙われた彼の聴覚機関。
 首回りから、大きく亀裂を走らせた疵をなぞるように、光線は刹那に駆け抜けた。
「……っ!」
 小さな爆発音と共に、春真は明確な苦痛に、顔をしかめた。
 それだけの隙が生じれば――否、そんなものが無かろうと、シキは、痛みをそのままに、爪を振るった。
 殴り抜けるよう拳を突き出し――爪で、敵の心臓部を破壊する。
「この戦い。始めから終わりまで……運の要素はなかった」
 ぽつりと。しかし、はっきりとシキが告げる。
「運に頼まなきゃ、逃げられなかったのは、俺か……」
 分の悪い賭けだと苦笑し――サイボーグ技術工学者は、ボロボロと崩れ落ちた。

 そしてシキは、血液タンクを破壊するために、再び銃を握ったが――爪こそ戻したが、その姿は、まだ獣じみた気配を維持させたままであった。
 なれば、一瞬で終わらせることも可能であろうに、彼は一歩一歩、人間の歩調を維持して歩きながら、口を開く。
「――望まず得てしまった力でも、それなりに役に立つ場面もある」
 此所に残るのは……強運に守られた博徒ただ一人。
 怪訝そうな彼を、横目に、シキはタンクを撃って破壊する。
 流れ出る血液の色……そして臭いが、不穏な感情を再び揺り動かす。
(「人狼の特性に振り回され続ける自身を顧みれば、求めたわけでもない『豪運』を与えられて持て余すのは分かる気がする」)
 人狼に生まれた――その、獣性を。詛われた凶暴なる欲望を、逃れられぬ満月の夜を、シキは何よりも疎んじている。
「お互いままならないものだ」
 博徒へ抱く、同情と――共感から。苦笑ともつかぬ笑みが浮かんで、シキは緩く頭を振った。
 しかし博徒は、怪訝そうだ。
「お互い?」
「俺は望まぬ『破壊衝動』を……『破壊』する相手を限定することを生業にした」
 シキは――自ら選んだ道を、簡略に告げると、今度は博徒へ、問いかけの眼差しを向ける。
「今後も破滅するまでギャンブルを続けると言うなら止めはしないが、どうせギャンブルでは勝ち続けてしまうのだろうし――ギャンブル以外の豪運の使い方でも模索してみてはどうだ」
「……」
「戦闘能力に偏る俺の力より、余程使い勝手が良いと思うがな」
 静かに告げるや、銃を納め。
 壊れたカードを拾い集めているシキを、博徒は何ともいえぬ表情で見つめた――ちらりと、視線をあげたシキは、続けて問う。
「それとも……本当はギャンブルが好きなのか?」
「それは、どうかなぁ」
 いらえは早かった。しかし、ノー、ではないらしい。
「君達の言う通り……暫く離れて、別の道を模索してみるよ。つまり、“今回、本来僕は負けていた”らしいしね」
 そう語る博徒の表情は。厭世の憂いが薄れたような……同時、結局死に逃げることはできぬ諦観に到ったような、曖昧な表情ではあったものの。
「ところで、世界に役に立つ、運の使い方……思いつくかい?」
 問われたシキは――密かに、フォルにも訊ねてみたが、答えは想定通りで――溜息のような笑いを零し、頸を振った。
「――俺には解りかねる」

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年05月05日


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#サイバーザナドゥ


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠未丘・柘良です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト