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バトル・オブ・オリンピア⑧～命を懸けた氷上バトル

作者：ゆうきつかさ

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●アスリートアース
　一年中運動会を開催する為に作られた巨大な『運動会専用の学校』には、アイススケート場が存在していた。
　氷上には、ダークガンナー達がおり、猟兵達を挑発するようにして、華麗に滑っていた。
　ダークガンナー達の、依頼成功率は、１００％。
　今まで一度も依頼を失敗した事がないため、気迫だけで一般アスリート達が白旗を上げてしまうほど凄まじかった。
　彼らは、どんな状況であっても、狙いを外す事はない。
　故に、氷上でも、無表情。
「……俺は狙いを外さない」
　クール系スナイパー、サカモト・コバヤシが、氷上を舞った。
「……」
　それに合わせて、スズキ・コバヤシが無表情のまま、標的を追っていた。
「ハハッ、みんな、もっとリラックス！」
　その隣には、イトー・コバヤシがおり、能天気な笑みを浮かべた。
　彼らは狼に拾われ、猫に育てられたと噂される奇特な兄弟。
　彼らの狙撃が、非常に正確で、どんなに小さい的でも、確実に仕留める事が出来ると噂されるほどの凄腕揃い。
「こ、これは……ちょっとヤバイか」
　一般アスリート達がゴクリと唾を飲み込み、ジリジリと後退していった。
「諦めて、そこに並べ。そうすれば、楽に殺してやる」
　サカモト・コバヤシが一般アスリート達に、素早くライフルを向けた。
　だが、三兄弟には、秘密があった。
　引き受けるのは、確実に成功する依頼のみ。
　自分より弱い敵しか相手にしなかったため、失敗する事がないだけだった。

第1章 集団戦 『ダークガンナー』

POW   :    バトルハッキング レベルm半径内の、敵が制御していない装備・設備を自身の【仲間と同型の通信機器】と接続し、命中率と処理速度を増加させる。 SPD   :    イモータルスナイパー レベルm半径内の、自分に気づいていない敵を【バトロワ式スナイパーライフル】で攻撃する際、ほぼ必ず狙った部位に命中する。 WIZ   :    トキシックペイント弾 【有害な物質の混入したペイント弾】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を塗りつぶし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

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「ハハハッ、まさか、たったひとりで俺達に勝負を挑んでくるとは、な。だったら、俺達が相手をしてやるぜ！」
　氷上を華麗に滑りながら、ダークガンナー達が高笑いを響かせた。
　ダークガンナー達はショットガンや、マシンガンで武装しており、ジグザクに走行しながら、一斉に襲い掛かってきた。
「あらら、ここはなんだか殺伐としてるねー」
　シウム・ジョイグルミット（風の吹くまま気の向くまま・f20781）が体操服のブルマ姿で、肉付きの良い脚を晒しながら、プルプルと身体を震わせた。
「おい、見ろよ！　コイツ、ブルっているぜ！」
「ハッハー、そりゃあ、そうだろ。俺達は最強だしな」
　ダークガンナー達が上から目線で、次々と誘導弾を発射した。
「うわあ……、これは絶体絶命の大ピンチってヤツだよね？」
　シウムが【Lucky Star（ラッキー・スター）】で、野生の勘、見切り、学習力、早業の技能レベルを上昇させ、野生の勘で誘導弾を見切って、コミカルな動きで、軽々と回避した後、転んでペタンと尻餅をついた。
「……残念だったな」
「これで終わりだ、ヒャッハァァァ！」
　ダークガンナー達がニヤリと笑い、再び誘導弾を撃とうとした。
「えっ？　そうなの？　でも、ボク……飛べるよ？」
　それに合わせて、シウムがヒョイッと飛び上がり、Delicious（目と口がある60cm程のステーキナイフ）で弾丸を受け止め、次々と吐き出した。
「うわっ！」
「ぎゃあ！」
　その一撃を喰らったダークガンナー達が、次々と悲鳴を上げて息絶えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

●
「……獲物か」
　凄腕ハンター、スズキ・コバヤシが無表情のまま氷上を滑って、一気に距離を縮めてきた。
　スズキ・コバヤシは、常に落ち着いており、獲物以外はまったく見ていないようだった。
「確か、ダーク化選手って、倒せば元の一般人に戻るんだよね？　そう言った意味で、殺さなくていい分、この世界って気が楽だけど……」
　そんな中、印旛院・ラビニア（エタらない人（仮）・f42058）が、飛んできた弾丸を見切って、勢いをつけて飛び上がった。
「この状況で……飛んだ……だと！？」
　スズキ・コバヤシが信じられない様子で、ラビニアを目で追った。
「気分悪くしちゃったらごめんね。でも、必ず元に戻してあげるから」
　その間に、ラビニアがシュタっと氷上に降り立ち、【ガンバレル・コマンダー】で、自らの機動力をアップさせつつ、一般アスリート達の攻撃回数などを増加させ、連携を取りながらスズキ・コバヤシに攻撃を仕掛けてきた。
「……クッ！　このままでは！」
　その事に危機感を覚えたスズキ・コバヤシが再びライフルを構え、一般アスリート達を狙撃した。
「……」
　それに合わせて、一般アスリート達が素早い身のこなしで、軽々と弾丸を避けた。
「ば、馬鹿なっ！」
　スズキ・コバヤシが、ポカンとした。
「何も驚く事ではないよっ！　僕が指揮をすれば、絶対に負ける事はないから！」
　その隙をつくようにして、ラビニアがアサルトライフル（サバゲ用）の銃弾を撃ち込み、スズキ・コバヤシをダーク化から解放した。
「ここは一体……」
　その途端、スズキ・コバヤシが我に返って、目をパチクリさせるのだった。

●
「さて……、それじゃ殺っちゃいますかねぇ」
　サカモト・コバヤシがライフルを構え、栗花落・澪（泡沫の花・f03165）を狙い撃った。
「……って、いきなり頭を狙ってくるなんて。まあ、分かっていたけどね」
　その気配と音に気づいた澪が、ダンスで培ったバランス感覚で、スケート場全体をステージに見立て、優雅に滑りながら軽々と弾丸を避けた。
「おいおい、マジか！　でもな。こういう時には、これだよ、これ！」
　サカモト・コバヤシがライフルを放り逃げ、二丁拳銃で澪を再び狙い撃った。
「いくら撃っても無駄だよっ！　だって、絶対に当たらないから！」
　澪がステップを踏み、踊るように滑り、サカモト・コバヤシを挑発した。
「そ、そんなはずは……。つーか、俺の狙撃は百発百中だぞ！」
　サカモト・コバヤシが、二兆拳銃と澪を交互に見た。
「……知ってるよ、スナイパーに必要なのは、高い集中力だから……」
　澪が催眠術を乗せた歌唱で、サカモト・コバヤシを惑わせた。
「お、お前、何しやがった！」
　その影響を受けたサカモト・コバヤシが激しい眩暈に襲われ、頭をクラクラとさせた。
「もう動く事が出来ないようだね？」
　次の瞬間、翼を広げて飛び上がり、【Fiat lux（フィーアト・ルクス）】を発動させた。
　それと同時に、全身から魔を浄化する光が放出され、サカモト・コバヤシの身体を包んだ。
「ぎゃああああああああ……ん、んん？　んあ？　俺は一体……」
　サカモト・コバヤシが驚いた様子で悲鳴を上げた後、我に返ってポカンとするのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●
「みんな、逝ったか。まあ、いい。元々、俺は孤独だ。例え、ひとりになっても、戦いを止める事はない」
　クール系スナイパー、サカモト・コバヤシが、華麗に氷上を滑りながら、バトロワ式スナイパーライフルを構えて狙いを定めた。
　この状況であっても、サカモト・コバヤシは、狙いを外さない。
　いつもであれば、そのはず……だった。
「スケートリンクと聞いてきたのに競技がバトロワなんて」
　そんな中、五十川・静華（雪女の「フィギュアスケート」アスリート・f42400）が、ションボリと肩を落とした。
　次の瞬間、サカモト・コバヤシの弾丸が頬をかすめたものの、静華にとってはどうでもイイほど些細な事だった。
「……今のは警告だ。死にたくなければ、全力で戦え！」
　サカモト・コバヤシが再びバトロワ式スナイパーライフルを構え、猟兵達に狙いを定めた。
「相手にとって不足なし。……僕も全力で戦うよ」
　ロビン・バイゼ（芸術と鮮血・f35123）が、巨大絵筆をグッと握り締め、サカモト・コバヤシを牽制するようにして、ジグザグに滑っていった。
「ならば、ひとり残らず、仕留めてやろう。今からお前達は、俺の獲物だ」
　サカモト・コバヤシが冷たい波線を送り、バトロワ式スナイパーライフルの引き金を引いた。
　その弾丸が風を切りながら、猟兵達に襲い掛かった。
「獲物……ねぇ」
　虹ヶ崎・夜見（止めうるもの無し・f37905）が斬撃波を繰り出し、サカモト・コバヤシが放った弾丸を斬り裂いた。
「まさか、ここまでやるとはなっ！」
　サカモト・コバヤシがイラついた様子で、ギチギチと歯を鳴らした。
　それでも、何とか落ち着こうと深呼吸をしたものの、沸々と怒りが湧き上がってくるため、感情のコントロールが出来なくなっているようだった。
「ひょっとして、まぐれだと思っているの？　だったら、考えを改める事ね。そうでなければ、奇跡でも起こらない限り、あなたに勝ち目はないから……」
　仇死原・アンナ（処刑人、地獄の炎の花嫁、焔の騎士・f09978）が冷たい視線を送りながら、力任せに鉄塊剣を振るって、サカモト・コバヤシに斬りかかった。
「……クッ！」
　その事に気づいたサカモト・コバヤシが氷上を滑って、ギリギリのところで避けた。
　だが、上手くバランスを取る事が出来なかったため、バトロワ式スナイパーライフルを構える余裕はなかった。
「このまま仕留めさせてもらうわね」
　それに合わせて、詠雛・歩音（光奏神姫・f21126）が、シンフォニーソードでサカモト・コバヤシに斬りかかった。
「そう簡単に、やられてなるものか」
　その間に、サカモト・コバヤシがバトロワ式スナイパーライフルを構え、猟兵達を狙い撃った。
「随分と馬鹿にされたものね。あれだけ言ったのに……まったく理解しようとしないなんて……」
　アンナが【疾走する地獄の炎（フィアンマ・デ・インフェルノ）】を発動させ、肉体より生じる赤く燃える地獄の炎を纏って、鉄塊剣でサカモト・コバヤシに斬りかかった。
「……うぐ！」
　その一撃を喰らったサカモト・コバヤシが、バランスを崩してヨロめいた。
「まだまだ、いくわよ」
　そこに追い打ちを掛けるようにして、歩音が【鳴眩激奏（エネルジコ）】で大音量の音波を放ち、サカモト・コバヤシから五感、戦意、装甲の耐久性を奪った。
「こ、小賢しい真似を！　こんな事をしたくらいで、勝った気になるなよっ！」
　サカモト・コバヤシがイラついた様子で、有害な物質の混入したペイント弾を放った。
「だったら、パルクールの持つ無限の可能性を、見せてあげる！！」
　夜見が【パルクールコンバット】で、猛烈な吹雪を発生させた。
「うぐぐ……、身体が……。ゆ、指が……動かない」
　その影響を受けたサカモト・コバヤシが、バトロワ式スナイパーライフルを落とした。
　それでも、必死にバトロワ式スナイパーライフルを拾い上げようとしたものの、思うように指を動かす事は出来なかった。
「……いい加減に諦めてくれないかな？」
　ロビンが【グラフィティスプラッシュ】を発動させ、サカモト・コバヤシの顔面に塗料を命中させた。
「うぐ……、め、目がああああああああああああ！」
　その拍子に、サカモト・コバヤシがバランスを崩し、バトロワ式スナイパーライフルから遠ざかっていった。
「ま、まだだっ！　まだ、やられる訳には！」
　サカモト・コバヤシが歯を食いしばり、意地と根性で氷上を滑ってバトロワ式スナイパーライフルを拾いに向かった。
「まさか、氷の上で私に勝つつもり？　……ご冗談でしょう？　そのライフルを拾う前に終わらせてあげる」
　静華が【氷雪地獄】で猛烈な吹雪を発生させ、それに紛れ込ませるようにして、早業で結晶輪を飛ばした。
「う、うぐっ！　まさか、吹雪の中に得物を紛れ込ませるとは……ぐはっ！」
　その一撃を喰らったサカモト・コバヤシが両目をギョッとさせ、血溜まりの中に倒れて息絶えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2024年01月12日