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河の流れに揺られて

#封神武侠界 #戦後


●ささやかな風流を
「ちょっと封神武侠界にのんびりしにいかない?」
 お出かけの装いでクーナ・セラフィン(雪華の騎士猫・f10280)はグリモアベースに集まった猟兵達にそう切り出す。
「人界の大河近くのとある街でお祭りやるらしくて、結構いい雰囲気みたいなんだよね、川の上を大きな船で揺られて風流? な空気を味わいつつ料理を楽しんだりできるみたい。因みに川魚料理は絶品。オススメ」
 とにかく川の上でのんびり楽しめるのがいいと、クーナは言う。
「で、船は夜になると岸に着くんだけど、そこから霧の立ち込める森を通って祠に予め置かれていたお守りを取りに行く肝試し……あんまり怖くはないけどだいたいそんな感じの試練があるみたい。挑戦するのは若者とか恋人が中心で恋人同士で参加してる人もいるみたいだけど、一人で挑戦する人も多いから気にしなくていいよ」
 森の中は特に迷うようなところはないけど割と曲がりくねっていて人によってはちょっぴり怖く感じるかもね、と騎士猫は冗談めかし。
「因みにその霧、試練というからにはそれらしい特徴があって、中に居ると欲望に応じた幻が見えるんだ。別に深刻な感じじゃなくて、眠ければふっかふかのお布団が見えたり、お腹が空いてたら豪華な料理が見えたりとか、そんな感じだね。その誘惑を振り切ってお守りを手に入れることができたら試練達成な感じ。囚われても特に害はないけどちょっと残念な気分になるくらい。まあ気楽に挑むといいよ」
 そう説明したクーナはグリモアを取り出し転送の準備を始める。
「戦い続きだったからね。ちょっと休むのもいいんじゃないかな。気楽に楽しんできてね」
 そう締め括ったクーナはグリモアを輝かせ、猟兵達を人界の街へと転送した。


寅杜柳
 オープニングをお読み頂き有難うございます。
 川でゆったり過ごすのはいかがでしょう。

 このシナリオは封神武侠界の人界の街でお祭りを楽しむシナリオとなります。
 第一章は大きな客船でゆったり過ごして下さい。
 秋らしい空気で時間帯は夕暮れから夜、釣りなどもできるようです。

 第二章はお守りを取りに霧の森の中を歩きます。
 道はそこまで複雑ではなく肝試しなノリのようです。霧の中ではちょっとした幻が見えるそうで、害はないようですが、適当に切り上げて進まないとちょっと残念かもしれません。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 日常 『ゆったり河の旅!』

POW   :    大自然を全身で味わう! 河を泳ぐ!

SPD   :    幽玄な景色が最高の肴! 船上でくつろぐ!

WIZ   :    気分は太公望! 釣りを楽しむ!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
鳴上・冬季
「船旅は依頼でしかしたことがありません。いえ、これも依頼ですが」
嗤う

「風がかなり吹くので涼を取れるのは素晴らしいと思いますよ?」
甲板で黄巾力士にビーチパラソル持たせ読書

読書に適さない薄暮になったら食堂へ
「魚が有名、でしたか。松鼠桂鱼はありますか。甘いものなら何でも構いませんが」
食は生存に必須ではないため趣味レベル
甘味しか口にしないため一応確認

「グリモア猟兵のお勧めです、食べないで帰るのも悪いでしょう?」
嗤う

後は甘い酒と甜点心を延々食べ続ける
特に甘くて持ち帰り可能な物があれば十人前購入
壺中天の時のない部屋にしまい込む

「宴で長の時間を過ごすには、ありふれた地元のものを摘まむのが1番ですから」
嗤う




 陽は天頂よりやや傾いて、大河を進む大船には祭りを楽しむ一般の人々が乗り込んでいた。
 船の揺れや涼やかな風、釣りや料理。各々楽しむ彼らをちらりとみやりながら鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)は甲板で書を読み耽っていた。
 船旅は依頼でしかしたことがない、いや、これも依頼か考え嗤う彼の傍には彼の自作宝貝である『黄巾力士』、二足歩行の人型のそれにビーチパラソルを持たせ日よけさせている彼は、実にゆったりとした在り様である。
 遮るものがないからか、風は気持ちよく冬季の頬を撫でていく。まだ残暑の厳しいこの季節、涼を取れるのは実に素晴らしい。
 読み進めるうちにその内更に陽が沈みかけて、文字を読むのが少々辛くなった薄暮に冬季は書を収納して船の中へと入っていく。
 中は人々が賑やかに楽しんでいる食堂のようになっていて、料理のいい香りが鼻をくすぐる。
 どうやら料理人に伝えれば、この船にある材料の範囲で希望の料理も作ってくれるようだ。
 グリモア猟兵曰く、魚料理が絶品との事。
「魚が有名、でしたか。松鼠桂鱼はありますか。甘いものなら何でも構いませんが」
 そう冬季が超級料理人らしい料理人に尋ねれば、驚くほどの速さで料理を仕上げていく。
「グリモア猟兵のお勧めです、食べないで帰るのも悪いでしょう?」
 そう嗤い、如何にも辛そうな赤い外見からは想像もつかない松鼠桂鱼の甘味を堪能する冬季。
 他にも甘味の強い酒と胡麻団子や桃包などの甜点心も頼んで、冬季は黙々延々と静かに堪能する。
 彼にとって食事は生存に必須ではない。趣味ではあるけれどもだからこそ楽しみたいというもの。
 更にこの甜点心は持ち帰りも可能との事で、料理人に十人前を包んで貰いユーベルコード【宝貝・壺中天】を起動して式神に触れさせて時の経過しない東屋風の倉庫へと収納する。
「宴で長の時間を過ごすには、ありふれた地元のものを摘まむのが1番ですから」
 そう嗤って、冬季は船が目的地へと到着するまで、再び甘味を楽しむのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん

霹靂にねだられたんですけど。たしかに、船ってあまり乗ったことないんですよねー。
なので、来ました。せっかくなんですからー。
あと、クーナ殿がオススメ、と言っていた川魚料理も味わいましょう。
魚って、地域によっても味が変わったりしますからねー。味わわなければ損というものですー。


霹靂「クエ!」お船に乗りたい!
ゆらゆらするのに気持ちよく。さらに川魚料理味わうのが楽しい。
陰海月「ぷきゅ!」
こういうところ、いつもは泳いでるけど…お船からの景色もいいね!
料理は2人前食べる。陰海月は大食漢!




 のほほんとした雰囲気の馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は甲板に船内から運んできた料理をテーブルに並べていた。
 彼の傍には彼の影から姿を現したこげ茶の毛並みのヒポグリフ『霹靂』、そしてぷかぷか空に浮かぶミズクラゲの『陰海月』。
「霹靂にねだられたんですけど。たしかに、船ってあまり乗ったことないんですよねー」
 なので折角なので来てみた、というのが義透自身の動機である。
『クエ!』
 お船に乗りたい! と主張していた霹靂が機嫌よく鳴き返す。ゆらゆら揺れる船の感覚がどうやら気に入っているようで。
『ぷきゅ!』
 普段空中を泳いでいる陰海月も、このお船から眺める景色は新鮮で楽しいようだ。
(「楽しんでいるようで何よりですー」)
 船旅を楽しんでいる両者を微笑ましく見ながら、運んできた料理を前にいただきます、と手を合わせる。
 義透が川魚料理で料理人に希望を伝えたところ、作られた料理は煮魚や焼き魚と割とシンプル。
 中華の魚料理では香辛料等で魚の原型が分からないレベルに味付けされる事も多い。だが、この料理はそれ程強い味付けはされていないように見える。
(「魚って、地域によっても味が変わったりしますからねー。味わわなければ損というものですー」)
 早速義透は食す。川魚という事で泥臭さを感じるかと思いきや、魚そのものの性質か料理人の下準備が上手なのか、えぐみも臭みもまるでない。
 よく締まった身とやわらかく感じられる魚の風味、そしてそれらを引き立てる香草――基本的にこの大河の魚の良さを引き立てる調理で、クーナがオススメと言っていたのも何となく納得できる。
『クエッ!』
 霹靂もどうやら気に入った様子で義透に頭を摺り寄せてご機嫌さをアピール、陰海月もいつもの大食漢ぶりを発揮して、すごい勢いで皿の上の料理が空になっていく。
 それは義透も予想していたから陰海月の分は二人前、しかしもう少し追加してもいいかもしれないとのんびりと考えて。
 空を見上げれば立派な月が輝いている。そして大船は岸に着き、お守りを目指す霧の中の冒険が始まろうとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『雲霞幻影奇譚』

POW   :    心を無にし、幻影を払う

SPD   :    雲の薄い箇所を探して進む

WIZ   :    魔術や仙術で幻影を破る

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

●霧の森へ
 そして祭りを楽しむ住人たちと猟兵達は船から降りて、眼前に広がる森へと入っていく。
 薄っすらと立ち込める霧は夜の闇に挑む者達に、少しばかり幻を見せるもの。
 決して深層を抉るようなものではなく、表層の可愛らしい欲望に応じた幻で足を止めさせて、霧が晴れる朝には何もなかったかのように元に戻れるもの。
 この祭りの締め括りでもあるそれはその楽しい幻を振り切って目的地にたどり着けるかを試すもの。
 一人でも誰かとでもそれは自由、友情だとか絆とかで乗り切る程の事ではないのだが、それでも悪くはないのだろう。
 そんなちょっとばかりの冒険へと、猟兵は各々挑むのであった。
ミーヤ・ロロルド(サポート)
『ご飯をくれる人には、悪い人はいないのにゃ!』
楽しいお祭りやイベント、面白そうな所に野生の勘発動させてくるのにゃ!
UCは、ショータイムの方が使うのが多いのにゃ。でもおやつのUCも使ってみたいのにゃ。
戦いの時は得意のSPDで、ジャンプや早業で、相手を翻弄させる戦い方が好きなのにゃよ。

口調だけど、基本は文末に「にゃ」が多いのにゃ。たまににゃよとか、にゃんねとかを使うのにゃ。

食べるの大好きにゃ! 食べるシナリオなら、大食い使って、沢山食べたいのにゃ♪ でも、極端に辛すぎたり、見るからに虫とかゲテモノは……泣いちゃうのにゃ。
皆と楽しく参加できると嬉しいのにゃ☆

※アドリブ、絡み大歓迎♪ エッチはNGで。




 夜の月が霞む森の中を、いつもの明るい調子でミーヤ・ロロルド(にゃんにゃん元気っ娘・f13185)は歩いていく。
 楽しいお祭かどうかはともかく、何やら面白そうなお祭りと聞いてやってきた彼女。船旅の時に魚料理があったと聞いてちょっとだけがっかりしているが、このお祭りの試練を果たして帰ればたっぷりと堪能できるとのこと。
 そんな訳で前向きに試練に挑む彼女の周囲に立ち込める霧が濃くなって、何かが見える。
「あれは……美味しそうなお魚料理にゃ!」
 森の中に突然現れた業火な料理の並ぶテーブル、それもご自由にどうぞと書き置き付きだ。
 ついつい惹かれて周囲を見て、一口いただけばミーヤの大好きな味わいが口に広がる。
 けれど、
「……お腹いっぱいにならないのにゃ」
 これは霧が見せる幻、直前に魚料理の話を聞いていたからそれに反応してこのような物が見えたのだろう。
 幻ではお腹は膨れない、少々残念に思いながら、試練の先に待つ本物の魚料理を目指し、お守りのあるという祠を目指し森を進むのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

厳・範(サポート)
長年の修行で誘惑に強いお爺です
食べ物に制限はありません。
話し方は古風です

亡き親友との約束(世界を守る)で、封神武侠界のみで活動していましたが、『仁獣』性質と親友の幻影の後押しで決意し、他世界でも活動し始めました
「放っておけぬのよ」

動きとしては、主にサポートに回ります
【使令法:~】では、麻雀牌を利用して、対象生物を呼び出します

また、半人半獣もしくは本性の麒麟形態だと、背に人を乗せることがあります
なお、武侠の血が騒ぐと足技が出ます

阳白、阴黒は大人しいです
「クエ」「ピィ」

花雪は個別行動可能です
「お爺様と共にでも、別にでも行けます」

依頼達成のためとはいえ公序良俗に反する行為はしません
あとはお任せします




 霧立ち込める森の中を黒麒麟の瑞獣、厳・範(老當益壮・f32809)が静かに歩いていく。
 霧は周囲に立ち込めていて、いくらか欲望を掻き立てるような幻を浮かべて範を足止めせんとするが、長らく修業を重ねている彼を誘惑することはできない。
(「……何も出ぬ、か」)
 表層的な欲望を満たすような幻を見せる霧、それに何も見えないのは彼の欲望自体がそれほど強いものではないのかもしれない。
 或いは――世界を守るという、亡き友との約束は欲望なのかもしれないが、この霧では満たせるような幻を見せられないということか。
 推測するにこの森の霧は鏡のようなものだ。写し撮るのは表面の浅い部分、鏡では深い部分は映せないように、だからこそ祭りでのちょっとした試練には丁度いい、ということだろう。
 そんな事を考えながら進めば、見えてくるのはこじんまりとした祠。あれがこの試練での目的地、お守りとやらは祠の前に置かれていて、手に取れば桃の柔らかい香りが周囲に広がった。
 そのまま範は祠を後にし、試練の達成を住人たちに伝えに戻ったのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

馬県・義透
引き続き『疾き者』にて

はてさてー、何が見えるのやら…。
と思ってたんですがー。クラゲ&ヒポグリフグッズがたくさん見えますねー…。
(内部三人も同じの見えてる)
まあ最近、見かけたら買ってて…部屋の一つがグッズ部屋になってますからねー。
ただ、ここにないのもわかるんですよー。
なにせ…霹靂と陰海月が別の見てるので…。
そのまま行きましょうかー。案外、別の場所に似たようなグッズがあるかもしれませんねー?


陰海月「ぷきゅ!?」
さっき食べた美味しい川魚料理が見えてる。我慢我慢。裁縫得意。
霹靂「クエ!?」
ぬいぐるみがたくさん見えてる。今度、友の陰海月に提案してみよう。




 そしてゆっくりと歩く悪霊、そしてヒポグリフと空をふよふよ泳ぐミズクラゲが最後に祠へと向かう。
「はてさてー、何が見えるのやら……」
 試練の内容を聞いて、そんな事を呟きながら歩く馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)と陰海月と霹靂の二匹。たっぷり魚料理を堪能した三者は試練に挑んでいて、そして見たものは、
「……クラゲ&ヒポグリフグッズがたくさん見えますねー……」
 二匹の絵柄入りのマット、ストラップ、その他諸々のグッズが霧の中に見えている。他の悪霊三人も同じものが見えているようで、なぜそうなったのか首をひねる。
「まあ最近、見かけたら買ってて……部屋の一つがグッズ部屋になってますからねー」
 自分の最近の行動を思い返し、即座に納得する彼。
 だが、これだけ沢山のグッズが見えるけれども、ここに存在しないということも分かる。
 なぜならば、
『ぷきゅ!?』
 陰海月が見ているものは先程食べた川魚料理――大食漢である。
『クエ!?』
 霹靂が見ているのは沢山のぬいぐるみで、自分をデフォルメしたそれらに興味津々のよう。
 同じものを見ているはずなのに別々の反応、つまりそれはまともな存在しているものではないということ。
 これは幻と看破した義透は幻に混乱する二匹に行きましょうかーと先を促す。
「案外、別の場所に似たようなグッズがあるかもしれませんねー?」
 そんな事を考えながら、悪霊は祠へとたどり着いてお守りを手にし、船へと帰還を果たした。

 空の月はもうすぐ満ちる。決戦まで、もう少し。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年09月29日


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#戦後


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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト