バトルシップ・オブ・オールドマンズ
●戦艦の眠る島
ミデリオ連邦 首都エル・ミデリアスから500kmの沖合 スティール島。
近隣諸国において並ぶもの無しと讃えられる海洋国家であるミデリオの、その海軍艦船整備拠点を有するこの島で働く退役軍人、ホセとアントニオは沖合から近づく一隻の軍艦を発見した。
ミデリオ連邦海軍駆逐艦「サンドヴァル」。
対キャバリア戦闘に特化した最新鋭艦で、今頃は演習に参加しているはずの艦船である。
「ありゃ大変だ、アントニオ!サンドヴァルが火ィ噴いちょるぞ!」
「見てりゃわかるよホセ。人かき集めて救助と艦の収容急がせにゃならんな。」
「また戦争でも始まったんかな?」
「そりゃわからんわい。」
一体何が起きているのか?ホセとアントニオ、そしてスティール島で働く全ての者達がそれを知るのはそれからすぐ、具体的には駆逐艦サンドヴァルの士官、カルロス・シャビエル大尉の報告を受けてからであった。
●
「みんな揃った?じゃあブリーフィング始めるわね。」
グリモア猟兵、イザベラ・ラブレス(デカい銃を持つ女・f30419)は集まった猟兵達に説明を始めた。
「クロムキャバリア世界、ミデリオ連邦領海でオブリビオンマシンの発生が確認されたわ。既にミデリオ連邦海軍の艦船数隻が戦闘に入り少くない犠牲が出てる。彼らの救援が今回の依頼内容よ。」
ミデリオ連邦は南北に長く狭い国土でありながら屈指の長さを誇る海岸線と中小無数の諸島群を有する海洋国家であり、特に海軍力は高く、周辺国家の中でも群を抜いていた。
「交戦勢力は不明、そもそもどこの国家や組織どころか話の通じる相手かもわかってないわ。完全に
正体不明。戦闘でミデリオ海軍は艦載キャバリア部隊と母艦『ドン・パブロ』、駆逐艦『アルフォンソ』を喪失。戦闘から脱出した駆逐艦『サンドヴァル』は最寄りのスティール島に避難。現在は整備を受けて反撃の準備中よ。」
サンドヴァルが持ち帰った情報によれば敵は無数のキャバリアを艦載した潜水母艦であり、浮上した際にアルフォンソが撃ち込んだ魚雷が有効打となり敵艦を中破させたとの事だ。
「敵の目的がわからない以上本土に近づかれる前にケリをつけたいってのが海軍の注文よ。…でも三隻を相手に優勢を取れるなんて相当のバケモノね。ミデリオ海軍は軍艦の一種と断定しているみたいだけど、これ自体がオブリビオンマシンである可能性も捨てきれないわ。十分に注意してね。」
イザベラの説明が一区切りしたところで一人の猟兵から質問が上がった。
――ミデリオ海軍の反撃戦力は駆逐艦一隻だけか?
それを聞いたイザベラは何かを思い出したかのように答えた。
「あぁ、そうだったわ。駆逐艦に加えて戦艦が一隻。大艦巨砲主義思想バリバリのデカブツよ。」
艦の名は――。
●エル・ドラード
「シャビエル大尉、マジですか…?」
「俺の推理が間違ってなければヤツに一泡吹かせるのはミサイルでも魚雷でも、ましてやサンドヴァルでもない…戦艦の艦砲だ。それも馬鹿デカいやつがな。」
駆逐艦サンドヴァルの艦長、カルロス・シャビエル大尉は先の戦闘を思い返す。
艦載キャバリア部隊とその母艦ドン・パブロは敵のキャバリア――おそらく
無人機に群がられやられた。
サンドヴァルと同じく対キャバリア戦に優れた駆逐艦アルフォンソはミサイルレーダーの不調に陥り、小口径速射砲で応戦するも敵艦の堅牢な装甲に傷一つつけられなかった。唯一の有効打は肉薄しての魚雷戦。しかし、やはり一歩及ばずやられてしまった。
つまり倒せない相手ではないのだ。しかし、圧倒的に火力が足りない。それが問題であり、故にスティール島はそれを解決することができるのだ。
「この島じゃ幸運にも乗組員や整備兵に事欠くことがない。政府のシルバー人材政策に感謝だな。」
カルロスはサンドヴァルの生き残った乗員たちと、続々と集まるスティール島の老人達――まだ戦艦が戦場の華と呼ばれていた時代のベテラン達を見渡し、続けて背後に控える一隻の『軍艦』を見やる。
戦艦『エル・ドラード』
退役から30年近い年月を経てもなおミデリオ海軍のシンボルとして国民、水兵達から愛される超大型『双胴』戦艦。
主砲は40.6cm三連装砲九基。幾度の海戦を戦い抜き一度の大破もなく、艦砲の殴り合い、爆雷撃に晒される戦艦という存在において異例の「幸運艦」である。
現在は記念艦として首都に停泊しているが、老朽化と整備費の高騰から今回の整備を最後に博物館に改装されることになっていた。
「まぁ結局その改装予算が下りなくて戦艦の機能はそのまんまじゃけどな。」
「隠居しても結局金に縛られ続けるとは世知辛いもんだよ全く……しかし、
エル・ドラードも最後のお勤めができるって喜んどるじゃろうな。」
そういうホセとアントニオも嘗てはエル・ドラードの乗組員であり、今は孫の進学費を稼ぐために政府のシルバー人材登用制度を使いスティール島に出稼ぎに来ていた老人達の一人である。
そして彼らを始めとするスティール島の老人達は「最新鋭艦を負かす強敵との戦い」に恐ろしく乗り気で、カルロスの話を聞くやいなやエル・ドラードの出港準備に取り掛かった。
「戦艦が簡単に沈むわけがないだろ!」
沈められるもんなら沈めてみろと、海を知る古強者達は高らかに謳うのである。
マーシャル後藤
合言葉はチキン・ブリトー。
どうもマーシャル後藤です。
某名作戦艦映画の影響をバリバリに受けたクロムキャバリアシナリオになります。
脳内でサンダーなストラック、もしくはお好きな海戦系BGMを鳴らしながらご参加いただくことをオススメします。
第一章は出港シーンとなります。
ミデリオ海軍の駆逐艦「サンドヴァル」戦艦「エル・ドラード」に群がる敵キャバリアを撃退し、外洋へと脱出しましょう。
第二章は敵潜水母艦から射出される航空キャバリアとの戦闘になります。
敵艦の誘き出しを行うサンドヴァルが撃沈されないように注意して戦うことをオススメします。
またエル・ドラードの甲板はキャバリアの足場として機能するのでご利用ください。
第三章はオブリビオンマシンとの戦闘になります。
水上、水中戦を得意とする強敵ですのでご注意を。
そして第三章ではエル・ドラードが加勢します。
ぜひこちらもご利用ください。
●プレイング募集について
第一章は断章追加後から募集開始となります。
また受け付け締め切りや、第二章以降の募集開始、再送受付開始等についてはタグにてお知らせします。
それでは皆様のご参加をお待ちしております!
第1章 集団戦
『殉情の特攻機』
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POW : 自爆特攻「我が命は故国の為に」
【高速疾走突撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【自爆】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 殉国の伝染病「我らの命は仲間の為に」
自身が戦闘不能となる事で、【抱きついている】敵1体に大ダメージを与える。【仲間へと伝染する、殉国の精神】を語ると更にダメージ増。
WIZ : 参角念願「平和の為に」
【心からの願い】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【自爆。敵目掛けて高速飛翔する、三本角頭】に変化させ、殺傷力を増す。
イラスト:猫背
👑11
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●Weigh anchor
「何だこれは……!本島に接近する識別不明の個体多数!全守備隊は持ち場につけ!」
「艦の出港を急がせろ!補給班!積み込み切り上げて撤収!」
スティール島全域に非常サイレンが鳴り響く。
守備隊のレーダーが島に接近する影を見つけ、島全体に緊張が走る。
『こちら監視艇ドンキー7、海面下にキャバリアを確認――総員退艦、退……っ!』
『こちら東海岸陣地、沖合のドンキー7が爆発炎上!何かが船体に取り付いて爆ぜた!
自爆攻撃だ!――総員迎撃開始!上陸される前にやれ!』
その爆発は島の東海岸から山一つを挟んだ港まで響いた。
自爆。報告の中でその言葉を聞き、出港準備中のサンドヴァル艦橋でカルロス・シャビエル大尉は戦慄した。
「ヤツらだ!ドン・パブロを沈めた自爆野郎どもだ!ここまで追ってきたっていうのかよ!?」
自爆野郎――その正体は某国で開発されたキャバリア、通称「殉情の特攻機」である。
その攻撃は特攻の名に相応しき自爆攻撃。標的まで無感情的に突撃するドローンめいたその攻撃方法はキャバリアサイズの魚雷やミサイルに等しく、先の戦闘においては艦載キャバリア母艦『ドン・パブロ』に水面下から群れで取り付き轟沈させたのである。
『守備隊観測基地よりサンドヴァルとエル・ドラード、東海岸から分かれた集団が迂回を開始。港湾施設に向かっている。敵の攻撃目標は貴艦達と考えられる。速やかに出向せよ。』
「言われなくてもだ!サンドヴァル出撃、最大船速で外洋に脱出だ!」
「やっぱり戦争なんじゃねェのかァ!?」
「わかんねぇっての!――こちら機関室!いつでも出港可能!」
エル・ドラードの機関室にてアントニオが伝声管にむけて叫ぶ。
伝声管の向こう側はエル・ドラード艦橋、臨時艦長のイグナシオ・アルマディナス元中将。現役時代のエル・ドラードの最後の艦長である。
「総員傾注、本艦はこれより所属不明の敵勢力との戦闘に突入する。久々の戦闘だ。各員が海軍軍人の名誉にかけて任務を全うすることを願う。……エル・ドラード出撃!サンドヴァルに続け!」
イグナシオの号令とともに老船員達が慌ただしく動き始める。老いたとはいえ、その身体に染み付いた技は朽ちることなく、寧ろ水を得た魚の如く若い水兵以上にテキパキと動いていた。
しかし、それ以上の速さをして、「殉情の特攻機」の群れがサンドヴァルとエル・ドラードに近づきつつもあった。
ジェイ・ランス
【SPD】※アドリブ、連携歓迎
■心情
おーおー、どこの誰だか知んないが、命を粗末にすること!
そういうのはよくないぜ? つっても、戦術としては有効なんだろーなー。
さて、サンドヴァルとエル・ドラードに打診打診。
「聞こえるかい。こっちの言うとおりに回避行動してくれ!」
■行動(キャバリア"レーヴェンツァーンTypeⅡ"に乗って登場)
"事象観測術式”にて【世界知識】に【ハッキング】、UCを介して【情報収集】します。
その結果を味方に伝え回避行動に役立てつつ、自身は"機関砲"や"砲塔"にて敵機を迎撃。また、自身含む味方に重力障壁(オーラ防御)を施します。
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
コイツら……!?
無人機の動きかよ、これが!?
ヒトが載ってればあの悪名高い回天じゃねぇか!!
どんだけ資源に余裕があればこんな頭悪い戦法が執れるんだよ!
けど戦果は悔しいけど挙がってるか……これ以上やらせるかよ。
甲板を借りるよ、Overed……出る!
アタシもマルチプルブラスターの『属性攻撃』で『弾幕』を張るけどさ、
サンドヴァルとエル・ドラードにも電磁爆雷の投下を頼みたいね!
そのままじゃ範囲が広すぎて網をすり抜けられるだろうから、
アタシがテレパスで後押し!
水中に展開するのは初めてだけど、【超感覚領域】で放電の指向性を誘導して特攻機にぶち当てる!
この隙に全速で進んでおくれよ!
●セント・エルモの灯
『機関砲を三番ドックに回せ!敵をサンドヴァルとエル・ドラードに近づけさせるな!』
『18番倉庫で火災発生!消火活動急げ!』
戦闘開始から僅か数刻、スティール島は混乱の渦中にあった。
『殉情の特攻機』は東海岸に展開した守備隊の陣地を突破、そのまま港湾部とを隔てる山を越えると湾内のサンドヴァルとエル・ドラード目掛け突撃を開始した。
最短を駆ける特攻機は立ちはだかる障害を自爆で吹き飛ばし、それ以外を全く意に介さずただ只管に島を駆け抜ける。防衛隊はルート外からの迎撃射撃に切り替えるが、それでも自爆による可燃物への引火、誘爆被害とその処理対応に人手を割かれる事態に陥っていた。
また迂回してきた集団も次々と港の内へと侵入し、対潜攻撃手段を有するサンドヴァルがこれを迎撃し外洋への突破口を切り開こうと奮戦していた。
「艦砲を味方に向けるなど以ての外だが…コレほどもどかしいと思ったのは何時ぶりだ…!」
「ここはサンドヴァルに任せる他ありません艦長…。」
「6時方向より当艦に接近するキャバリアを確認…友軍識別です!」
「おーおー、どこの誰だか知んないが、命を粗末にすること!」
「コイツら……!?ヒトが載ってればあの悪名高い回天じゃねぇか!!どんだけ資源に余裕があればこんな頭悪い戦法が執れるんだよ!」
ジェイ・ランス(電脳の黒獅子・f24255)と数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)はそれぞれの乗機『レーヴェンツァーンTypeⅡ』『Overed』でスティール島をその上空から見渡し、戦況を確認していた。
「だけどアレだけド派手に吹き飛ぶんだからやられた方は溜まったもんじゃないでしょうよ。精神攻撃としてもよく機能してる。」
「空母…というかキャバリア母艦が沈められてる以上脅威に変わりなし、ってか。とにかく立ち往生してるサンドヴァルとエル・ドラードを救援に行くよ!」
「合点!」
状況を把握した二人の猟兵は高度を落とし、エル・ドラードへの着艦体勢に入る。
「あーあー、サンドヴァルとエル・ドラードへ。こちら猟兵ジェイ・ランス。救援にやってきたぜ!」
「猟兵だって!…失礼、エル・ドラード艦長のアルマディナスだ。支援感謝する、貴官達の着艦を許可しよう。状況は見てのとおりだ。」
「こちらサンドヴァル艦長のシャビエル大尉だ。
猟兵の噂はかねがね聞いている。早速で悪いが我々が外洋へ脱出する手助けをしてほしい!」
ジェイの通信に応答する艦長二人は安堵した声を上げるが切羽詰まる状況に変わりはなく、声には緊張の色が見て取れた。
「オーケーオーケー、これから敵集団との接触を最小限に抑えるルートをリアルタイム送信する。航路は針の穴に糸を通す繊細さが求められるだろうけどミデリオ海軍の操船は優秀って聞いてるから安心だネ!」
「…なるほど上等だ。聞いたな水兵ども!税金で無駄飯食ってないってことを証明してやれ!」
「こちらも了解だ
守護聖人殿。老兵の腕が錆びてないということをご覧に入れてみせよう。」
ジェイは軽口めいた口調で二人の艦長に伝えた航路はこれから生じる因果の先読みをもとに算出されたもの。即ち敵の群れる方向、潮位、猟兵や友軍の攻撃で生じる誘爆等々…、あらゆる現象を二隻の艦艇が何とか避けられるであろう道筋であった。
一方多喜はエル・ドラード前方甲板に陣取りOrveredのマルチプルブラスターを構え特攻機の迎撃支援を開始していた。
とは言え状況は『多勢に無勢』である。二隻の航路を算出中のジェイも弾幕で支援はしているものの圧倒的物量の前に効果は今ひとつという感が否めなかった。
あとひと押し、何かしら爆発力のある攻め手があれば――そう思った矢先、多喜はあることに気がついた。
「サンドヴァル、エル・ドラード両艦の火器管制さん!爆雷はあるかい!?」
「…なるほど、了解した猟兵!右舷に電磁爆雷投下!」
「こちらエル・ドラード、爆雷は無いが…待てよ、後部副砲用に防空パルス砲弾が数発あったはずだ!後部甲板のリフトに運ばせるから自由に使ってくれ!」
多喜の呼びかけの意味を理解したサンドヴァルは特攻機の進攻方向に向け次々と爆雷の投下を開始。
「爆雷の放電範囲に砲弾を投下すれば…!」
さらにエル・ドラードから提供された特殊砲弾を海中に放り込むと、多喜はテレパスを発動し爆雷を強制起動し、電撃の壁を形成した。
「敵キャバリア反応、次々と消失!放電効果あり!」
「っしゃあ!この隙に全速で進んでおくれよ!」
放電に加え電磁波を受けた特攻機は広範囲で次々に機能を停止させ、結果サンドヴァルとエル・ドラードの脱出口が確保された。
後は後続の特攻機に追いつかれる前に脱出するだけである。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
菫宮・理緒
【ネルトリンゲン】
こちらの戦力は戦艦1,駆逐艦1。
となれば、わたしが空母をデリバリー♪
【ネルトリンゲン】を出して戦力拡充を図るよ。
せっかくだし、戦闘艦は多い方がいいよね!
フィラさんと錫華さんの母艦になりつつ、
対空迎撃で特攻してくる機体を墜とさせてもらうことにしよう。
敵の第一波は特攻機での攻撃だっけ。
やっかいだけど、無人機だし遠慮はいらないね。
こちらも【Density Radar】で敵機を補足して、
【E.C.O.M.S】での突撃と【M.P.M.S】をCIWSモードにして対処させてもらうよ。
『希』ちゃん、対空迎撃は任せた! わたしはデッキに回るね。
フィラさん、錫華さん、コースクリア。出せるよ!
フィラ・ヴォルペ
【ネルトリンゲン】
久しぶりに戦場に戻ってきたら
すげーめんどくせーのが出てきたなオイ
ちっ、復帰戦にしちゃ派手になりそうだ
ヴォルペ頼むぜ
「フィラ、ヴォルペ・リナーシタ出るぞ!」
対空防御は理緒に任せておけば大丈夫か
錫華は…飛んでるな
目立ちたくない割にはやること大胆なんだよなアイツ
ばーか、俺はそこらにいるイケメンだから目立たないんだよ
じゃあ俺はここから撃ち落としていくとしますか
半分と言わずに全部任せてくれてもいいんだぜ?
え?お前からの褒美ってなんか怖いんだよ…
いくぞヴォルペ!
【リモート・レプリカント】で起動させた『カーネ』を僚機に
ネルトリンゲンの甲板から敵機の群れに弾幕叩き込むぞ!
近づけると思うなよ?
支倉・錫華
【ネルトリンゲン】
いきなり特攻機での攻撃とか、
目的が勝利ではなく、こちらを沈めることとしか思えない感じだね。
ん、理緒さんありがと。支倉錫華、でるね。
【スヴァスティカ】に【フレキシブル・スラスター】を装着して、
『殲禍炎剣』に捕まえられないように注意して飛ぶね。
【FdP CMPR-X3】は榴弾弾頭を選択。
特攻機が飛び出してくるところを、上空からまとめて叩いていくよ。
派手、かな?
フィラさんのプライベートくらいには派手かもだね。
それにしてもさすが空母、こっちも目立つね。
かなりの数、こっちに引きつけられたっぽいかな。
フィラさん、半分任せていいよね?
って、全部任せたら、ご褒美とか要求されそうなんだけど?
●ネルトリンゲン
「艦長、湾外の猟兵から支援の申し入れが来ています。」
「願ったり叶ったりだ。我々は寡兵、今は一人でも多くの助けが必要だ。受け入れを表明しろ。」
「空母…え、空母!?りょ、了解した。貴官らの支援に感謝する。…艦長、猟兵一個空中機動部隊による支援攻撃が行われます。」
「…………何だって?」
――スティール島沿岸洋上、ミネルヴァ級戦闘空母『ネルトリンゲン』。
「こちらの戦力は戦艦1,駆逐艦1。となれば、わたしが空母をデリバリー♪せっかくだし、戦闘艦は多い方がいいよね!」
ボトルシップから開放された空母の甲板上で菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)はスティール島の激戦に目を遣る。
既に他の猟兵による支援介入が始まったとはいえまだ脱出には時間を要し、その間もサンドヴァル、エル・ドラードの二隻が特攻機の脅威にされされ続ける事になる――。
「いきなり特攻機での攻撃とか、目的が勝利ではなく、こちらを沈めることとしか思えない感じだね。」
「実際ミサイルとか魚雷みたいな運用してるみたいだからな…久しぶりに戦場に戻ってきたらすげーめんどくせーのが出てきたなオイ。」
同じくネルトリンゲンの甲板上で支倉・錫華(Gambenero・f29951)とフィラ・ヴォルペ(レプリカントのアームドヒーロー・f33751)はそれぞれの乗機「スヴァスティカ」「ヴォルペ・リナーシタ」の出撃体勢に入る。
――ならばやはり数なのだ。物量なのだ。
さらに今であれば
航空優勢は取ったもの勝ちである。
「よし、それじゃあ二人とも『
殲禍炎剣』の捕捉圏に入らないようにね!目標、特攻機!攻撃開始!」
理緒の号令とともにまずは錫華のスヴァスティカが、続けて無数の小型無人機「Octagonal Pyramid」が発艦した。
「まるで魚群ですね…海面近くに密集していて見つけやすいのは助かります。」
フレキシブル・スラスターにより十分な航空機動力を得たスヴァスティカは港湾部に侵入する群れの上空に到達すると榴弾弾頭を装填したライフル「FdP CMPR-X3」を港湾出入口付近に向けて発射。
直後に巨大な水柱、衝撃波が周囲を巻き込む。
「……復帰戦にしちゃ派手な戦いになりそうだな。」
「派手、かな?……フィラさんのプライベートくらいには派手かもだね。」
「錫華さん!海面から熱反応多数来てるよ!」
フィラの軽口に軽口を返していると理緒の叫ぶような報告に意識を切り替える。
誘爆した特攻機から切り離されたであろう物体がスヴァスティカに接近していたのだ。
理緒の管制下にあるOctagonal Pyramidがその身を挺し防御するが守られっぱなしでは意味がない。
「ありがとうございます理緒さん、引き続き航空攻撃を続行します。」
「おっと、敵さんが
こっちにも気がついたみたいだな…フィラ、ヴォルペ・リナーシタ出るぞ!」
スヴァスティカから送られてくるレーダー情報を受け取ったフィラは敵の群れから外洋に方向転換してきた群れを探知し迎撃を開始した。
艦砲よりも射界に自由が利くキャバリアならではの撃ち下ろし戦術は特攻機に対して十分な戦果を出し、さらにはヴォルペ・リナーシタの隣にはスクラッチ・キャバリア「カーネ」が並び立つ。射撃型のキャバリアという特性と、フィラの遠隔操作ユーベルコードにより
銃塔として機能していた。
そして特攻機から射出される爆弾も
CIWSとOctagonal Pyramidにより的確に防御が行われ、ネルトリンゲンはこの戦場における海上トーチカとしての役割を確立したのである。
「猟兵のみんなもこのあとの戦闘で足場や補給拠点が必要になるだろうし、頑張らないとだね!」
「あぁ、特攻野郎どもは絶対近づけさせねェ!」
「エル・ドラード、港湾出入口の水柱を確認できるか!?あの先に友軍艦が待機している、そこを目指すぞ!」
「こちらエル・ドラード、了解したサンドヴァル。引き続き
引率を頼む。」
湾内を進むサンドヴァルとエル・ドラードにとって理緒達の作り出した状況は願ってもない、それ以上の好機だった。
ネルトリンゲンに向かう群れが生じたことで港湾内の敵数が減り、それにより航路上の障害が激減したのである。
二隻はまだ脱出行の最中、しかし間違いなく出口の光を見出したのである。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
デブラ・ヘックシュバイン
まずは偉い人に挨拶!
この場の最先任はどなたか!?
自分は猟兵のデブラであります。
存分にお使い潰し下さい、サー!!(敬礼)
ご機嫌取りってんじゃねェぜ。
あくまでも主役はこの世界の人間っすからね!
あと今回は戦艦も!
渡り鳥の自分らは、痒い所を掻く存在っす。
挨拶が済んだら……博物館予定の艤装を完全破壊じゃあああ!!
ウダラ売店の屋台がー!!(ぐわしゃー)
今この瞬間からこの娘は戦う艦じゃあコラー!!
さん! だー! すとらっく!
……別に壊さなくてもよいのでは、と?
あーあー聞こえなーい♪
よし。準備は整った!
「備えあれば嬉しいな」孫子の言葉っす。
今回はいかに戦艦に気持ちよく砲撃して貰うか、それだけを考える!
つまり自分は「動ける対空砲」!
ユーハブ、『赤狼』! 自律戦闘開始!
キャバリアモードで撃ちまくれ!
お前の撃ち漏らしは、私が叩く!
敵の自爆を完全に防ぐには、墜とすか避けるしか無い。
だが戦艦は避けられない(今のところは)
ならば! 終末誘導に乗った敵には、こちらから組み付く!
誰かが! コレを! やらにゃあならぬ!
ノア・クレムリィ
火力不足は巨砲で補う、とても素敵な作戦です。彼らの意気に、私も報いましょう。敵が数で攻め込むならば、こちらも数で対抗です。虎の子の無人機を全部出しましょう。
速やかに【UC:群機大隊】(WIZ)を発動。《ガンド》に搭載された遠隔操作システムと〈瞬間思考力〉の高速処理で複数機を操ります。艦隊に遠い敵は自爆ドローンの〈捨て身の一撃〉で、接近する敵は無人攻撃機による〈自動射撃〉〈砲撃〉で対処します。
こちら《リヴァイアサン》、援護に参りました。近づく敵はお任せを、構わず港から離脱してください。直ちに航空支援を開始します、
至近砲撃に注意!
(愛機搭乗/アドリブ連携等々全て歓迎)
●Give more guns !
『こちらスティール島守備隊観測所、東海岸から上陸していた敵機の進路に変化あり。徐々に港湾出入口に移動している模様。注意されたし。』
「こちらサンドヴァル、了解した。……当戦域の猟兵へ、聞いてのとおりだ。このままだと合流される可能性が出てきた。幸い敵上陸部隊の横断ルートはこの先無人地帯だ。ド派手にやってくれ、責任は俺が取る!」
「こちらエル・ドラード。私達も副砲で援護しよう。」
猟兵に向けてサンドヴァル艦長のシャビエル大尉から通信が入る。確かに港湾出入口付近の東側は細長い岬で、先端部の灯台を除いてほぼ未整地が広がっており、ミデリオ海軍守備隊の識別反応も出ていなかった。
「こちら猟兵、デボラ・ヘックシュヴァインであります!この場の最先任はどなたか!?」
二隻に並走するように飛翔してきた猟兵、デブラ・ヘックシュバイン(捨てがまれず・f03111)は通信機越しにサンドヴァル、エル・ドラードに呼びかけを開始する。
「サンドヴァル艦長のシャビエル大尉だ。貴官はエル・ドラードの直掩についてくれ。中将、構いませんね?」
「勿論だとも。こちらエル・ドラード艦長のアルマディナス元海軍中将、臨時で再任官中だ。支援感謝するヘックシュヴァイン。聞いての通り、これから入水してくる敵機への迎撃を敢行する。右舷に着艦後、加勢してほしい。」
「了解であります!存分にお使い潰し下さい、サー!!」
そういうとデボラはエル・ドラード右舷へと降り立つのであった。
さてここで話は逸れるが、ミデリオ連邦で今一番熱いコメディアン『セルジオ・ウダラー』の話をしよう。
ミデリオ連邦海兵隊出身で退役時の最終階級は伍長。町のクラブショーや新人タレント発掘番組での活躍を経て全国デビューを果たした苦労人である。
彼の芸風は過激な『髪型いじり』である。時には政財界の重鎮達をネタにするせいでお叱りを受けるのだが、その芸風が視聴者にウケがよく、なぜか先輩風を吹かせる彼は『ウダラー先輩』と親しまれているのだ。
さぁいよいよもってどうしてこんな事を話しているのかというと、エル・ドラードの博物館化にあたり彼の名前を冠した屋台が出店予定なのだ。
その名も『ウダラー先輩のサザエの壺焼き屋 エル・ドラード右舷店』である。海軍軍人でもない海兵隊員がなぜ?と思う方もいるだろうが、軍事に無理解な中央政府高官の不幸な勘違いのせいである。役所仕事ってヤダね。
「ウダラー
売店の屋台がー!!」
……そしていま丁度デボラの戦車『赤狼』がぶっ壊した屋台が正にそれである。
「今この瞬間からこの娘は戦う艦じゃあコラー!!」
ウダラー先輩のサザエの壺焼き屋を皮切りに次々と戦闘に関係のない設備がキャタピラの餌食と化す。
キャンディーマシン、大破。
お土産屋台三基、大破2、落水1。
『ウダラー先輩』と一緒に写真の撮れるパネル、粉微塵。
その他諸々、見る影もなし。
「派手にやるねぇ、猟兵の嬢ちゃん。」
「あの芸人嫌だったんだよ!清々したぜ!もっとやれーっ!」
デボラの
暴れっぷりを老兵達は囃し立て、あれよあれよと言う間にエル・ドラード(の右舷)は戦闘艦らしさを取り戻しつつあった。
「こちら《リヴァイアサン》、援護に参りました。近づく敵はお任せを、構わず港から離脱してください。」
一方その頃、ノア・クレムリィ(海駆ける鋼鉄の竜騎兵・f30572)のキャバリア『ガンド』率いる無人機部隊「
群機大隊」が艦隊上空に飛来していた。
「こちらサンドヴァル、支援感謝するリヴァイアサン!航路掃討用の爆雷が底を尽きそうだ、艦隊前方の敵を排除してくれ!」
「了解しました、直ちに航空支援を開始します。
至近砲撃に注意!」
攻撃目標を指示されたノアはすぐさまに無人機を引き連れ艦隊前方の海面に向けて攻撃を開始する。
サンドヴァル目掛けて突撃してきた特攻機は突如猛禽のごとく飛来したノア達の、槍衾めいた砲撃に次々と穿かれ爆ぜる。後続の特攻機がノア達を排除しようと飛翔体をけしかけてくるが群機大隊の自爆ドローンによる肉弾防御や無人機の自動射撃機構の前に尽くが無効化されていった。
「数には数を。虎の子とは言え出し惜しみなどしません!」
オブリビオンマシンに対するミデリオ連邦海軍の切り札が戦艦であると知ったノアは、同じく海洋国家の軍人として、また一人の船乗りとしてその心意気を称賛していた。
殲禍炎剣が天から睨み、航空技術の多くが失われているクロムキャバリア世界といえどキャバリアの空中機動力は大艦巨砲主義の幻想を打ち壊すには十分であり、国家の金食い虫の象徴ともいうべき戦艦はこれからも姿を消し続け、いつかは「戦艦の時代」も終わるのであろう。
しかし、今ここに戦艦が求められている。
老兵達が求められている。
彼らの、本来の役割が求められているのだ。
「決して彼らに指の一本すら触れさせない、させてやるものか…!」
必ず無事に脱出させる――。ノアが胸に掻き抱いたその熱量は、すぐさま投射火力として特攻機の群れに降り注ぐのであった。
「ユーハブ、『赤狼』! 自律戦闘開始!キャバリアモードで撃ちまくれ!」
「右舷副砲、機銃、撃ち方始めぇ!」
ノアの攻撃開始と時を同じく、デボラとエル・ドラード右舷副砲、機銃座による敵上陸部隊への攻撃が開始される。
大量の火薬が弾け、轟音と共に大質量を次々吐き出し、次々と岬の特攻機達を一網打尽に吹き飛ばしてゆく様は正に『派手』の一言に付きた。
「次弾装填急げ!」
しかし、とは言え半世紀近く前に設計された旧式艦である。ある程度の近代化改修を受けたとはいえアナログが基本であり、当然装填に時間がかかる。
そこでデボラの本領発揮である。
「あくまでも主役はこの世界の人間っすからね!あと今回は戦艦も!そして戦艦が気持ちよく砲撃して貰うには……つまり自分の役目は隙消し重点な「動ける対空砲」!近づく一切合切をブっ飛ばァーす!ッス!」
捨てがまり上等、されど捨てがまれずは単純に悪運の強さか、それとも猟兵たる所以か。
ドン尻の豚とは良く言ったものである。
持ち前のクソ度胸に加え携行砲「08式機動詠唱速射砲」を引っ提げれば、『赤狼』お供に雑魚退治の始まりだ!
「お前の撃ち漏らしは、私が叩く!」
赤狼の砲弾が発射されたらデボラの携行砲が、デボラの携行砲が発射されたら赤狼の砲弾がと、交互にしかし正確無比に陸上、海中を問わず接近する特攻機を撃ち抜いてゆく。
「装填完了!第二射、撃てェ!」
右舷副砲全砲門のほぼ同時の斉射が再び岬の特攻機を吹き飛ばす。かなり密集していたのか、誘爆の衝撃波がサンドヴァルとエル・ドラードをもろに襲った。
「こちらリヴァイアサン、東部岬の上陸部隊が一掃されたことを確認しました。仕上げに湾内の敵を掃討していきます。」
艦隊前方の掃討を終えたノアが砲撃観測の結果を伝え、その足で右舷側海面への砲撃を行ってゆく。これで暫く――極めて僅かながらの安全は確保され、艦長以下の乗組員達は安堵した。
「こちらサンドヴァル、猟兵の手厚い支援に感謝しきれないな。」
「エル・ドラード艦長のアルマディナスだ。私からも感謝を伝えさせてくれ。若者達がこうして頑張っているのだ。我々も老体に鞭打ってでも気張らねばミデリオ海軍軍人の名折れというものだ。」
「自分達は痒い所を掻く存在っすからね!……っと、どうやら敵さんも形振り構ってられなくなってきたみたいっす!港湾出入口の敵性反応急激に増加!
封じ込めだ!」
猟兵間の通信チャンネルで齎された情報にデボラが叫んだ。
外洋に繋がる唯一の出口に、特攻機が夥しい群れを成していた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ロラン・ヒュッテンブレナー
〇アドリブ絡みOK
相手は海の中で、まだ全貌がわからない…
とにかくたくさんの無人機で攻めてくる…
撃破のための火力を求めて、巨大戦艦を海域に…
概要、了解なの
まずは無事に出航しないとね
戦艦『エル・ドラード』の中央甲板に陣取るの
ここでぼくが、最後の守りを担当するの
ヒュッテンブレナー式結界魔術と、魔術補助に特化したアルターギアの力を存分に見せるの
魔力接続、システムチェック開始、オールグリーン
アルターギア、起動
魔導レーダーに感あり
UC詠唱開始
AIに魔術演算補助を任せて、装甲表面に施した魔術回路で魔力を増幅して、魔術陣を多重展開
エル・ドラード全体を結界範囲に指定
仲間の攻撃を潜り抜けてきた敵機を結界に捕らえ、ジャミングして戦闘能力をそぎ落とすよ
あとは艦砲射撃で撃ち落としてもらえば大丈夫
ぼくの役目は、無事にエル・ドラードを海域に送り届けること
必ず守り切ってみせるよ
朱鷺透・小枝子
既に犠牲も出ているのか。
お前らが……オブリビオンマシンが!
壊れても、壊れても壊れても壊れてもまだ、死に足りないと言うのか!!
……壊してやる!戦え!!ディスポーザブル!!!
特攻機が既に艦隊を落している事、
特攻機達が存在している事に一人で勝手に憤慨しつつ、ディスポーザブル02操縦。
『戦従亡霊』ディスポーザブル02群を引き連れ【推力移動】戦場へ突撃。
自身からレベルの二乗m半径内の味方艦を02群で【かばう】
【召喚術】減った分は
人工魔眼で虚空から追加の群れを召喚、補充。
何としてでも、壊れてでも食い止めろ02共!
戦え!壊せ!!亡ぼせ!!!壊れてろ!!!!
RS-Aファウダーで【弾幕】六腕による銃撃を、
【集団戦術】複数機体で、隙間なく間断なく延々と弾幕を放ち広範囲をカバー、【呪詛】の弾丸で機能不全に陥らせて撃ち落とす。
川西・晴空
●POW
うっひゃぁ、コイツぁデッケぇ船だ
人を乗せる船じゃなくてキャバリアを乗せる船なら、狭い船倉の中で缶詰にならなくてすむじゃねぇか
ここが足場となりゃ、おいらが大暴れしてもそう簡単に壊れはしねぇだろ
デッケぇ火の玉がワラワラと雲霞の如く纏わり付くが、どんどんと海の中に叩き落としていくぜ
鬼包丁鋼丸で叩っ斬るが、間近で誘爆しちまえばおいらの身もアブねぇ
うまく爆弾を抱えた部分と切り離した上で、そいつを力の限り海に向けて遠くまで投げ落としてやるよ
もしキャバリア用の武器か使えそうな船の備品がありゃ、そいつも有り難く借用して使わせて貰うぜ
突撃する相手にゃ『ROCKET DIVE!』でぶちかましてやるぞ!
●│鋼鉄《くろがね》の狼煙
「つまりあれか、あそこで│塊《ダマ》になってるやつが一斉に爆発すると島の半分が吹き飛ぶってことか?」
「可能性は十分あります。」
「なんて事だ、あぁ神よ……。」
外洋への出口を目前にしたサンドヴァルとエル・ドラードの前に立ちはだかったのは特攻機の群れで構成された『壁』であった。
この敵の奇行に艦隊の誰もが不可解に思い、しかし一網打尽のチャンスではないかと考えたが、そこに待ったがかかった。
「確か火山だったか地底世界のドラマか映画でな……球体の内側で高威力の爆弾を連続爆発させると、その衝撃波が増幅する……みたいな事を言うとった。」
「あぁ、ワシもそれ見たかもしれん!探索船の船長が序盤であっけなくくたばっちまうアレじゃろ!?」
エル・ドラードの老兵達が見た映像作品とは十数年前のSF作品であり、その演出の中で衝撃波を効果的に利用するシーンがあったというのだ。
「奴等は一個の巨大爆弾ってことか。」
「港湾内海底に微かながら敵性反応を確認しています。増幅が成功してしまえばスティール島が危ないです。」
「エル・ドラードよりサンドヴァル、話は聞かせてもらった。爆発の衝撃波はこちらで受け止めよう。双胴戦艦のタフネスを見せるときだ。」
この状況を打破するため、艦隊は前衛をエル・ドラードに交代。猟兵が特攻機の漸減を行い、衝撃波の増幅が期待できない数まで減少したところを主砲による砲撃で突破口を切り拓き、無理矢理外洋へと抜ける作戦が実施されることになった。
「お前ら……お前らアアアアァッッ!」
それは最早、朱鷺透・小枝子(
亡国の戦塵・f29924)にとっては余りにも見知り、そして憎むべき存在であった。
小枝子の故国にして亡国が狂気の果てに見出した『
殉情の特攻機』。
殉情で民心を拐かす外道のオブリビオンマシン。
その正体が彼女のよく知るものだとして、これだけの数をどこから揃えたのか?如何程の人命が弄ばれたのか?
冷静であればこの異常さに疑念を抱くであろうが小枝子には些事であった。
「壊れても、壊れても壊れても壊れてもまだ、死に足りないと言うのか!!……壊してやる!戦え!!ディスポーザブル!!!」
ただ許せなかった。それが存在することが、それが
戦果を齎したことが。
だから壊す。一切合切をぶち壊す。徹底的にブッ壊す。
雄叫びを上げる小枝子が駆るは、六腕を備えし「ディスポーザブル02」。そして率いるもまた「ディスポーザブル02」の
群である。
「何としてでも、壊れてでも食い止めろ02共!」
号令というよりは小枝子の魂の叫びと呼ぶのが相応しいだろう。それに呼応するように
02達は特攻機へと襲いかかる。
02群が携える6つの銃口から絶え間なく吐き出される弾が特攻機を穿ち、吐き出される呪詛が特攻機を蝕む。
対する特攻機も02群を敵と認識してか自爆攻撃で群れを巻き込む反撃を開始する。
「戦え!壊せ!!亡ぼせ!!!壊れてろ
!!!!」
そして小枝子の人工魔眼が02群を虚空から引きずり出す。対する特攻機もやはり外洋から新たな増援が湧き出してくる。
壊し、補い、壊し、補い、壊し……互いに一歩も引かぬ狂気の千日手。その間、湾を埋め尽くすは爆ぜず朽ちた特攻機の骸、爆ぜて朽ちた『
使い捨て』の骸の2つであった。
「ほうほう、なるほど……。うまく刃を滑り込ませりゃ起爆はしなさそうじゃあねぇか。」
小枝子の熾烈な戦いを顎に手を当て観察するは川西・晴空(日出る国の鬼武者・f36334)。エル・ドラードの艦上に陣取り、迫りくる敵を斬り捨てようと思ったものの当の敵が籠城めいた戦術に切り替えてきたので、はてどう攻めたものかと考えあぐねていたのであった。
自爆に対しては自爆される前に切り刻んでしまえば良い事はわかった。後はどう近づくかである。
と、そこで海面を漂う特攻機の骸を見てふと晴空は考える。
「こいつらを足場にすれば行けるか……?いや、行けそうだな……良し、行くか!」
晴空は腹を決めるとエル・ドラードの甲板を駆け出し、手近な特攻機の骸目掛けて飛び出した。特攻機の浮力は晴空が思っていた以上に残っており、浮島程度に使えるようだ。
「足場にゃ困らなくなったがチンタラしてたら味方の砲撃に巻き込まれちまうしな……パパッと斬り捨てて行くぜ!」
浮島頼りに岬の先端まで辿り着いた晴空は得物たる「鬼包丁鋼丸」を手に取り、背負うロケットに火を入れると壁を形成する特攻機目掛けて切り込んでいった。
「チェスト!チェーストォ!」
対する特攻機もこの捨て身めいた襲撃者を迎え撃とうとするが組み付く前に斬り捨てられ、自爆する前に斬り捨てられ、不意を打とうにも隙がなく次々と一刀両断のもとに斬り伏せられていった。
「壊す壊す壊す壊す!――壊せぇ!」
「チェストチェストチェストチェストチェ―ストォ!」
小枝子と晴空の猛攻による殲滅速度が特攻機の補充を上回り戦局は猟兵達の優勢に切り替わる。
「敵個体数、推定攻撃可能値まで減少を確認!」
「猟兵達が作り出したチャンスを無駄にするな!エル・ドラード、主砲用意!機関全速前進!」
その機を逃すまいとアルマディナスが号令を出し、エル・ドラード前部甲板の主砲二基が特攻機の壁に照準を合わせ、その巨体を外洋へ向け進め始めた。
この脱出作戦に先立ちエル・ドラードの防御支援を担当するのはロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)の「アルター・ギア」である。
「ぼくの役目は、無事にエル・ドラードを海域に送り届けること……必ず守り切ってみせるよ。」
それは船員だけではなく、エル・ドラードそのものへ向ける言葉か。
ロランはひとつ深呼吸をすると早速準備に取り掛かった。
魔力接続、システムチェック開始、オールグリーン……
アルターギア、起動……
魔導レーダーに感あり……
『届けこの言葉、響け森の彼方まで。風を越えて寄り添う。あなたの心が返る。讃えよ、互いの存在を。――ヒュッテンブレナー式封印結界、唱和。』
詠唱による魔術の発動とともにエル・ドラードの周囲がエネルギー波によって覆われていく。
古い歴史を持つ由緒正しきヒュッテンブレナー式結界魔術、その得意とするところの電脳による魔術であろうか。
「エル・ドラードへ、艦全体への結界展開が完了しました!砲撃いつでもどうぞ!」
「壊せぇ!壊せぇ!」
「よし、おめぇさんも退却だ!――こっちも大丈夫だ!いつでもいいぜ!」
最前線の晴空からの連絡を受けアルマディナスは決心し砲撃を命じた。
「各自衝撃に備えよ――主砲、撃てぇ!」
次の瞬間、スティール島の空気が震えた。
二基計六門の砲から飛び出した砲弾が正確無比に特攻機の壁を穿ち、次の瞬間爆発を起こす。
エル・ドラードの巨体を爆発の衝撃波が襲うがロランの展開した結界が全てを吸収し、無傷でこれを凌いだ。
「こちらスティール島!沿岸部建物のガラスが吹き飛んだくらいで衝撃波の被害は軽微!」
そして当初危惧されていたスティール島への衝撃波被害もエル・ドラードが前面に出たことで難を逃れたようであった。
「敵機の再集結を確認!」
「そのまま蹴散らせ!」
エル・ドラードは船速そのままに出口を目指す。当然特攻機はそれを阻止せんと航路上に躍り出てくるが、ロランの展開した結界の餌食となり機能を停止させ、エル・ドラードの巨体に次々とすり潰されていった。
「こちらエル・ドラード艦長、アルマディナス。当艦および僚艦サンドヴァルは無事にスティール島の脱出に成功した。皆の支援に感謝する。艦隊はこれより敵潜水母艦が出現した海域へ進出する。各員は引き続き警戒を厳にせよ。」
『こちらスティール島、両艦の出港を確認した。幸運を祈る!』
特攻機殲滅にあたっていた猟兵の回収、外洋で待機していた猟兵との合流を果たしたミデリオ海軍の面々は次なる戦いの場へと歩を進めるのであった……。
大成功
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第2章 集団戦
『ハルピュイア』
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POW : タロン・クロー
【猛禽類の爪を思わせる鋭いクローアーム】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD : マルチプル・コンバット
【対キャバリア用三連装チェーンガン】が命中した対象に対し、高威力高命中の【無誘導式ロケット弾】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ : ツインローター・アングルチェンジ
自身の【二基のティルトローター・ユニット】を【戦闘中に角度を垂直と水平のどちらかへ同時】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
イラスト:柿坂八鹿
👑11
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●インビジブル・エネミー
スティール島脱出から数刻。
少数の特攻機から追跡を受けるも暫くすると全機が活動を停止し、襲撃は止んだ。
「文字通り片道分のエネルギーしか積んでいなかったんだろう。」
「こちらとしては願ってもない事だな。……さて、シャビエル大尉。敵潜水母艦を攻略する作戦を聞かせてもらおうか?」
『敵潜水母艦は何かしらのジャミングを作動させているのかレーダーには映らなかった。俺達は群がってくる敵機を振り払うことしかできなかった。』
戦艦エル・ドラードにて二隻の上級クルー及び猟兵を交えた作戦会議が開かれ、その中でシャビエル大尉が発した言葉である。
「だが奴等は
幽霊船ってわけじゃあない。質量がある以上捉えることは可能なはずだ、理論上はな。そこでだ……フアレス軍曹!」
シャビエルは一人の下士官を呼び、彼に説明を任せた。
「フアレス軍曹です。ここからは私が説明させていただきます。我々は国際通信企業『海洋公社』が海底に設置している潮流測定器をハッキングし海底周辺の潮流データを入手、潮流データのノイズから海底に潜む敵潜水母艦の位置を特定します。」
『海洋公社』はミデリオ連邦の他の沿岸数十カ国以上が共同出資している通信網管理企業であり、スティール島周辺海域も例に漏れず何十本もの海底ケーブルが敷設されている。
これらケーブルには公社職員が断線などのトラブルが発生した際に安全なメンテナンス作業を行うための各種計測器が等間隔で備えられており、潮流測定器はケーブル周辺での作業に影響を与える潮流の乱れの発生を計測するための機材である。
「相手はあの数のキャバリアを搭載できる超大型艦です。存在するだけで嫌でも潮流に影響を与えているでしょう。それにこれはレーダーのように電波に頼らない索敵技術です、ジャミングの心配もありません。」
「加えてこの海域は大陸棚の真上、深く潜ろうとも水深200メートル、十分対潜ミサイルの射程内だ。まずはやつの居所を探り対潜ミサイルのパルス攻撃で外殻にダメージを与えて浮上させる。」
「そして浮上したところにエル・ドラードの砲を食らわせる…ということか。相手にこちらの手がバレない事を祈ろう。」
二人の艦長は互いに頷き、そしてシャビエルが猟兵たちに向き直った。
「それじゃあ次に猟兵諸君、説明した通りサンドヴァルは当該海域に到達後敵潜水母艦の索敵に入る。動力の殆どを電算に回す都合で防御は裸同然になるし、敵も航空キャバリア…推定『ハルピュイア』を投入してくるだろう。先の戦いでは艦載キャバリア中隊を物量攻撃で撃破していきやがった連中だ。諸君とエル・ドラードにはその間敵の攻撃からサンドヴァルを守ってほしい。」
陣形としてはサンドヴァル単艦が最前線、エル・ドラード及び猟兵部隊はその周囲から援護するという形になるだろう。
当然サンドヴァルへの着艦や潜水母艦を狙った攻撃は索敵行動に影響を及ぼす可能性があるため避けたほうが良さそうだ。
「なおサンドヴァル乗員は艦長の俺を含みCICを稼働させる最低限の人員を除きエル・ドラードに避難させる。……各員準備に取りかかれ!大物を釣り上げてやるぞ!」
斯くして艦隊は遂に反撃に転じるのであった。
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
まさかソナーやレーダー以外に、
こんな抜け道があったとはね!
シャビエルさんよ、アンタのその機転は悪かない。
きっと将来、でっかい軍艦も指揮しちまうんだろうさ!
……だから、こんな所でアンタを海の藻屑にさせはしないよ!
水中戦闘じゃないんなら、アタシもそこまで不得手じゃなくてね。
さあOvered、本領発揮の時間だよ!
マルチプルブラスターのリミッターを解除して【多層重砲展開】状態に移行し、エル・ドラードの甲板上で砲台になる。
そうして複数の属性を組み合わせた『属性攻撃』の『弾幕』を、
ハルピュイアどもへ『制圧射撃』のようにばら撒くよ。
大物釣りの餌に雑魚が群がるなってんだ!
ノア・クレムリィ
了解です、キャプテン・シャビエル。サンドヴァルの索敵が完了するまで、敵はこちらで引き受けます。
【UC:竜騎換装】(POW)を発動。バイタル部分の装甲を残しあとはパージ、防御を代償に移動力を5倍にしましょう。航空キャバリアの脅威は祖国の戦争で痛感しました、機動力を高めれば水上でも彼らを屠れます。
敵機の接近に合わせて〈遊撃〉開始。水上戦は私の得意分野、複雑な波の動きすら〈地形の利用〉によって回避を各自なものにしましょう。濃密な〈弾幕〉を張り、一機でも多くの敵の動力を破壊します。
こちらの弾が底をつくか、貴殿らが海の藻屑になるか。どちらが速いか勝負です。
(愛機搭乗/アドリブ連携負傷等々歓迎)
白幡・修理亮
たまにはキャバリアで戦いたいと鎧が言うので来ましたでござる……
ひいい、めっちゃ砲火が激しいー!?(もう泣いた)
護衛対象が任務を全うするまで護り切る……耐久戦でござるな。
それがしと、この霊的大甲冑は、耐久性だけには自信がござれば……
肩の霊的衝撃砲が届く範囲に、ひたすら撃ちまくりますぞ……
サンドヴァルの近くの敵機には非実体弾、
比較的こちらに近い敵機には実体弾を浴びせてやるのでござる。
聞けば、かの船は潮流の変位で敵の位置を探っているとか。
無暗に弾体をばら撒くわけには行きませぬからな。
決して敵が恐ろしいから砲撃に徹しているわけではござらぬぞ! たぶん!
●第一次防空戦
駆逐艦サンドヴァル、
CIC内。
「これが公社から発表されている最新の地形図だな。」
「はい、この多重層3Dデータにリアルタイム更新されている潮流情報を被せます。」
「海底計測器への回線接続完了、立体モニターに出力します!」
技官がデータを打ち込み、シャビエルはモニターを見守る。
すると中空にレーザー光が目まぐるしく走り青い地形図と、潮の流れを白の矢印で示す。
そして赤は異常反応――潮流の乱れの発生を示した。
「データ反映成功!更新速度の遅延は許容値内です!」
「よし、上手くいったぞ!エル・ドラードと猟兵にもデータリンクだ。電算室、機器に問題はないか?」
「こちら電算室、フル稼働中。かなり室温が上がってきてます。」
作戦がうまくハマりシャビエルは僅かに笑みを浮かべた。
「…海底から高速上昇反応!敵艦載機来ます!」
「合図の警笛を鳴らせ!……戦闘は彼らに任せるしかない!」
しかし、戦いはここからであった。
戦艦エル・ドラード、艦橋。
「サンドヴァルから防空戦闘要請を確認!各自戦闘に備えよ!」
「主砲、近接信管弾頭装填完了!」
「各砲は指定された方位に向けろ!」
「若いの!ありったけ弾もってこい!」
艦上を老兵だけでなくサンドヴァルから避難した士官達が駆け回る。
「なるほど、こんな抜け道があったとはね……!シャビエルさんよ、その機転がありゃでっかい軍艦を任される日も近いんじゃないかい?」
サンドヴァルから送られてきたデータに感心した多喜がそう伝えると、当のシャビエルから返答が来る。
「ははっ!猟兵のお墨付きなら間違いなさそうだな。戦いが終わったら首都の海軍本部宛に推薦状を書いてくれないか?」
「いや、推薦状なんか無くたって上り詰められるだろうよ。……だから、こんな所でアンタを海の藻屑にさせはしないよ!」
「そうですよキャプテン・シャビエル。敵はこちらで引き受けます。サンドヴァルは索敵を。――リヴァイアサン出撃します!」
「それがしも、微力ながらお助けしますぞ……!」
多喜のOveredが甲板に陣取るのに続き、ノアのガンドが飛び立ち、白幡・修理亮(薪割り侍・f10806)の大甲冑「G・洩矢」も肩部左右の砲を展開し戦闘態勢に入る。
「サンドヴァル艦首前方に敵攻撃隊出現!」
「5番、6番主砲発射用意!――撃てぇ!」
サンドヴァル右舷前方で次々に水しぶきを上げて飛び出してくる「ハルピュイア」の群れ。その夥しい数からは潜水母艦の脅威の搭載力が窺える。
サンドヴァルへの攻撃をさせるものかと艦長アルマディナスの号令とともにエル・ドラードの40.6cm三連装砲二基、計6門が咆哮を上げる。
「非実体弾と実体弾を使い分け……あれ、右が非実体弾で左がひいいっ、怖いいいい!」
「こっちも負けてらんないね!さあOvered、本領発揮の時間だよ!」
エル・ドラードの砲撃に続き修理亮と多喜もそれぞれ攻撃を開始する。
サンドヴァルの真上を通り過ぎた砲弾がハルピュイアの群れの周囲で炸裂し、搭載された子爆弾が弾き出される。
「リヴァイアサンよりエル・ドラード、敵攻撃隊への効力射を確認、砲撃を続行してください。」
「了解だリヴァイアサン、次回砲撃前に連絡する。それまで存分に平らげろ!」
観測報告を終えたノアがハルピュイアへ襲いかかる。先の戦いから身軽になったガンドによる
空中格闘戦だ。
メルビレイによる先制攻撃でサンドヴァルからハルピュイアの注意を逸らす。
「そのまま食い付いてきなさい。
妖鳥に遅れを取る
海龍ではないことを教育してやりましょう……!」
純粋な空中機動戦能力であればハルピュイアに軍配が上がろう。しかし海はノアの庭である。海面まで高度を落とせば飛沫がハルピュイアの視界を奪い、大波が壁となり妖鳥を足止めし、波を破ったガンドがハルピュイアを叩き落とす。
ハルピュイアは次々と
ノアの餌食となった。
「ぎゃあああ!砲火怖いいい!」
「あんた何でそんなに怖がってんのさ!」
その頃エル・ドラード艦上でも戦いが続いていた。多喜のマルチプルブラスターによる重砲撃は徹甲弾や
電撃弾など複数の属性を有した
散弾と化し遠近の区別なく射程全域をカバーする。
そして修理亮の混合砲撃がサンドヴァルとエル・ドラード周辺に群がるハルピュイアを攻撃し続ける。
「涙の数だけ、泣けば泣くほど強くなれる
性質のせいでござるよぉ……!」
「道端に咲く花のように……、じゃなく難儀な性質だねそりゃ……。」
そんな歌謡曲のフレーズにありそうな修理亮の性質に同情しながらも、しかしそれが紛れもない真実であることを多喜は理解した。
G・洩矢の武装は肩部の霊的衝撃砲『G・御柱』2門。それによる言わば
二丁撃ち戦法で、しかも一つはサンドヴァル、もう一つはエル・ドラードの援護で使い分けているのだ。
等距離での命中率ですら難があると言われる二丁撃ち、しかしそれを誤射無く修理亮は行っているのだ。
「……よし、もっと泣くんだ修理亮!」
「そんなご無体なぁ〜!?」
「エル・ドラードより全猟兵へ。敵攻撃隊第一陣の壊滅を確認した。各自次の襲来に備えよ!」
敵潜水母艦の姿は未だ海中、しかし確実に索敵は進んでいる。
この第一次防空戦の勝利はそれだけの時間を稼ぎ出したのだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ジェイ・ランス
【WIZ】※アドリブ、連携歓迎
■心情
ははーん、潮流から位置を特定とか考えたねえ。いいねえいいねえ、応援するぜぇ。
じゃ、オレも応援だけじゃなく、支援するかねえ。
『―――Ubel:Code Welt_Löwen Dame.』
■行動
サンドヴァルの甲板にて、UCを展開。艦CICの演算を物理力として具現化し、バリア(オーラ防御)とします。さらに、自身も【ハッキング】を支援し、CICの演算力を高めます。
一方で、攻撃として"ツェアライセン"を召喚。破断の概念(切断)を情報として放射することで、敵機への攻撃とします。
さてさてさて、大物はどーこだ? jackpotと行こうじゃないの。
ロラン・ヒュッテンブレナー
○アドリブ絡みOK
作戦は第二段階だね?
サンドヴァルの防衛、任せてほしいの
アルター・ギア、ロランからエル・ドラード管制へ
甲板カタパルトの使用許可をお願いするの
フライトシステム・グリーン
ブースターチャージ開始
I have control.
アルター・ギア、出撃するの
カタパルト射出されたらブースターを全開
脚部を収納してサンドヴァルの元に急行なの
機体装甲表面に刻んだ魔術回路で魔力を増幅して、AIにも演算補助を受けてサンドヴァル上空で重力魔術でホバリング
ドーム状の結界を広域展開するの
多重詠唱で結界は何度でも重ね掛けして張り直しして受けきるの
同時にUC詠唱
ターゲットマルチロック
この槍からは逃げられないの
●第二次防空戦
「海底から上昇反応あり、敵攻撃隊第二陣です!」
「警笛鳴らせ!……潜水母艦は動く気配なしか。防空戦闘の隙をついて仕掛けるぞ。対潜ミサイルハッチ1から3番発射準備、座標指示を待て!」
海底に留まる赤い表示を睨みシャビエルは反撃を決断する。
「敵攻撃隊第二陣、同方位から出現!」
「対空戦闘開始!右舷各砲、撃ち方始めぇ!」
サンドヴァルから警笛が鳴り響き、ハルピュイアを待ち構えていたエル・ドラードの砲が一斉に火を噴く。
主砲、副砲合わせ数十門からなる一斉砲撃は空中に爆炎のアーチを描き、ハルピュイアは散り散りになる。
「砲撃終わったな!じゃあ索敵のお手伝いに行ってくるぜ!」
「ブースターチャージ開始、I have control.アルター・ギア、出撃するの。」
そして砲撃が終わると同時にエル・ドラードの甲板カタパルトから勢いよく飛び立つはジェイの「レーヴェンツァーンTypeⅡ」とロランの「アルター・ギア」。二人は防空戦闘とは別に、共通の目的を持ち出撃したのである。
「演算補助……よし、反撃の精度を上げられるなら願ってもない申し入れだ。」
「もちろん対空防御も任せてなの。」
「猟兵はマルチタスクも何のそのってね。レーヴェンツァーンの解析装置を経由させるからそっちの電算機に負担はかけないはずだぜ。」
サンドヴァル上空到達と同時に電子及び魔術的な即席回路を構築した二人はホバリングを開始し、飛来してくるハルピュイアへの対応を開始した。
編隊を組んだハルピュイアのチェーンガン一斉掃射、続いてロケットによる集中砲火がサンドヴァルを襲う。
「広域結界、展開なの。」
しかしロランが展開する多重結界がハルピュイアの攻撃を尽く防ぎ――。
「――ヒュッテンブレナー式殲滅結界、射出。」
結界が防御とともに吸収したエネルギーは無数の槍へと変換され、回避行動を取るハルピュイアを次々と穿つ。
「おっと、こっちも忘れてもらっちゃあ困るね。」
さらに槍から逃げ回るハルピュイアを飛来する大剣が一刀両断のもとに打ち落とす。ジェイの放ったツェアライセンである。
猟兵二人の駆るキャバリアによる近接対空防御、そして索敵能力の向上はサンドヴァルの生存率と作戦成功度を大きく高めた。
「敵影の鮮明化を確認、移動見られず!」
「よし、座標確定!
D-14をマーク!」
「D-14了解、発射待機します。」」
「レーヴェンツァーンよりサンドヴァルへ、雑魚の掃討が完了したぜ。早速
大当たりを狙っていこうじゃないの!」
ジェイからの報告を受けたシャビエルは意を決し攻撃命令を下す。
「ミサイル発射!」
それと同時にサンドヴァル前方甲板に設置された
VLS三基からミサイルが射出され、座標目掛けてトップアタックモードで巡航する。
「ミサイル潜行まで3、2、1……着水。ロケットからバブルジェットへの切替を確認!」
「依然敵艦に動きなし、バレていません!」
経過報告に耳を傾け固唾を呑むシャビエル。立体モニター上では三本の軌跡が赤い表示目掛けて進んでいた。
40…30…20……
「……水中爆発を確認!」
水中音をモニターしていた士官が叫ぶ。同時にモニター上でもパルス発生に伴う潮流の乱れが赤く表示され、それは敵潜水母艦周辺で発生していた。
それは紛れもない攻撃成功の証であった。
「………しゃあっ!」
たまらずシャビエルが叫び、それを皮切りに完成が上がった。
モニター上では敵艦を満遍なくパルスが襲っており、並大抵の潜水艦であればそのまま圧壊するのは間違いないものであった。
「ちょっと待って下さい……海底への落着物あり。敵艦の外殻と推定されます!」
「追加装甲を付けた潜水艦って事か?聞いたことがないぞ……。いや、それよりもこの流れを絶やすな!次で仕留める!」
しかし、追加報告が浮かれた空気を落ち着かせた。それは即ちそれは有効打に足り得なかった可能性が出てきた証である。
とは言え作戦がハマった事実にサンドヴァルCIC内の士気は最高値に高まる。
海上に引きずり出すまでは至れなかったが次こそは、と着々と準備を進めるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フィラ・ヴォルペ
【ネルトリンゲン】
母艦があるってーのはありがたい
俺の損傷は軽微っと
よし補給をしたらすぐに出る
錫華のチューニング時間くらいは稼いでやるよ
海の中の敵は理緒にお任せだ
いや、近づいてきたら叩くから安心しろって
空に向けてミサイルポッド全弾一斉発射!
牽制だけどな…本命はこっちだ!
【SC・SW】…よっしいくぜ!
グラビティ・ブラスター、拡散モード
攻撃有効範囲、最大で発射だ!!
一撃で終われば楽なんだがそうもいかねぇよな
おっと錫華が出撃か
そんなに空飛び回ると下から覗かれるぞー
待て意図的なフレンドリーファイアをするな
ばっか、俺の方が残しておいたんだよ
ありがたく全部食ってもいいんだぜ?
だからこっちを狙うなっての!
菫宮・理緒
【ネルトリンゲン】
敵潜水艦の索敵と、航空キャバリアの迎撃ってことだね。
わたしはこのまま【ネルトリンゲン】で行くね。
前線での拠点と補給・休憩場所って感じで使ってもらえると嬉しいな。
希ちゃんには、『サンドヴァル』とリンクしてもらって、
【Density Radar】で海中の密度の変化を捉えたデータを提供させてもらうね。
『希』ちゃん、こっちでも捕まえられたらロックよろしくね。
敵の航空キャバリア……予想では『ハルピュイア』だっけ? は、
【フレーム・アドバンス】で動きを遅く、できれば止めてから、
【M.P.M.S】を対空ミサイルモードで迎撃していこう。
フィラさん、錫華さん、思いっきりやっちゃって、ねー!
支倉・錫華
【ネルトリンゲン】
今度は航空キャバリアか、
地に足着けて戦う方が好きなんだけどな。
まずはいちどネルトリンゲンに帰って、
空戦用に【スヴァスティカ】を調整。
アミシア、【ライフル】は徹甲弾、それと【スネイル・レーザー】もお願い。
チューンと補給がが終わったら、出撃するね。
支倉錫華、でるよ。
相手はまた……多いね。
敵の攻撃は【アウェイキング・センシズ】で回避。
回避しながら弾ばら撒けばいいかな?
空中戦だしどこかにあたれば戦闘不能になるよね。
『……火器管制、こちらにください』
アミシア、怖いからジト目やめて。あと敵だけ撃ってね。
あ、でも、全部墜としちゃうとフィラさん拗ねちゃうから、
少しは残しておいてあげてね。
●第三次防衛戦
「敵潜水母艦、移動を開始!」
「並びに敵攻撃隊第三波の発進を確認!……本艦とエル・ドラードの間に出ます!」
「何っ!?クソッやられた!エル・ドラードに連絡、分断されるぞ!」
士官からの報告に悪態をつくシャビエル。敵艦が動くのは想定内だったが、このような
ゴリ押しは想定外だった。
「まだ隠し玉を持ってるかもしれん……猟兵側との通信も密にしろ!何が来ても対応できるようにするんだ!」
戦艦エル・ドラード、艦橋。
「近接信管弾頭ではサンドヴァルが巻き添えになってしまう……敵め
こちらを封じてきたか!」
「しかし艦長、逆に言えば高角砲や対空機銃の射程に敵が飛び込んできたようなものです!まだ幾らでもやりようはあります!」
サンドヴァルより齎された情報に苦虫を噛み潰す艦長アルマディナス。しかし副官の言う事も一理あり、その決断は早かった。
「艦内に配置変換発令!
猟兵部隊空母に防空戦闘の支援要請を出せ!」
「はっ!」
ベテラン揃いとは言えエル・ドラードの乗員は定員を大きく下回っており、一部対空兵装の稼働にあたっては欠員が出ている状態であった。
そこで操舵、機関手、主砲要員を除く人員を対空兵装稼働に回し緊急配置を実施するに至ったのである。
ミネルヴァ級戦闘空母「ネルトリンゲン」
「フィラさん、錫華さん!エル・ドラードから支援要請来たよ!すぐに出撃できる!?」
エル・ドラードと同じく敵出現位置情報を受け取った理緒が甲板で備えていた二人に状況を伝える。
「二隻を分断するような所に出てくるのか……本格的に上がられたらマズそうだな。こっちはすぐ出撃するぜ。」
「私は地に足着けて戦う方が好きなんだけどな。空戦用への換装が終わり次第出るわ。アミシア、ライフルの徹甲弾、それとスネイル・レーザーもお願い。」
「錫華のチューニング時間くらいは稼いでやるよ、
海の中の敵は理緒にお任せだ。」
「二段攻撃だね、了解。フィラさん、錫華さん、思いっきりやっちゃって、ねー!」
理緒のその言葉を合図にネルトリンゲンの戦闘は開始された。
「敵攻撃隊出現!対空戦闘開始!」
「衝撃に注意!船体スレスレで飛び出すぞ!」
エル・ドラードとサンドヴァルの間の海面から無数のハルピュイアが飛び出してくる。
その密度は極めて高く、噴き上がる水飛沫が機銃座要員を濡らす。
「うぉっ!思った以上に数が多いじゃねぇか!なら最初っから大放出だ!ミサイル
発射、
発射!」
ネルトリンゲンの甲板上に陣取るヴォルペ・リナーシタは壁と見間違う程のハルピュイアの群れに対し、即座に背面ポッドからミサイル
全弾を発射。ミサイルは群れの側面に直撃し、脱落した個体が海面に叩きつけられる。
「敵攻撃隊、なおも海面から出現中!」
「牽制とは言え焼け石に水かよ!SC・SW、グラビティ・ブラスター、拡散モード!――だったらこいつで決めてやる!」
乗機の動力源たるブラックボックスの限定解除により溢れ出すエネルギーはヴォルペ・リナーシタの胸部へと集中、そして重力波がハルピュイアの壁を呑み込んだ。
「支倉錫華、でるよ。」
「おっと錫華が出撃か。」
その直後、フィラの背後で錫華がカタパルトから出撃。
重力波砲撃を逃れたハルピュイアへの接敵を開始する。
「相手はまた……多いね。だけどバラ撒いてれば飛行能力は奪えそうだね。」
ハルピュイアの機動力は二基のティルトローター・ユニットに依存する。これらを自在に可変させることで有人飛行では困難を極める
空戦機動を実現しているのだ。
とは言え相手は機械、プログラミングされた以上の能力は発揮されない短所を有する。
そして錫華は
それを上回る能力を有していた。
ハルピュイアとの
空中格闘戦に入る錫華のスヴァスティカ。一機に対し複数で追撃と襲来を繰り返すハルピュイア。
対キャバリアチェーンガンがスヴァスティカに向けられるもその全てが空を切る。
「全部見えてる。そう、全部。」
第八感。生物に備わる五感、本能的感覚と呼ばれる第六感、いわゆる「虫の知らせ」と呼ばれる第七感に続く超自然的感覚である。
理屈や計算ではなく、ある種の「覚り」に近い未来予測に従い、ライフルとビームマシンガンの掃射がスヴァスティカに近づくハルピュイアの悉くを撃ち抜き、そして機体を飛ばせばハルピュイアの
爪も
銃もスヴァスティカに掠らせる事はかなわなかった。
「よぉ、そんなに空飛び回ると下から覗かれるぞー。」
『錫華……火器管制、こちらにください。』
「待て待て!意図的なフレンドリーファイアを画策するな!」
フィラのセクハラ発言に機嫌を悪くしたのは錫華の
パートナーユニット、「アミシア」。錫華の眼の前に実体化しジト目で顔を覗き込んできた。
「アミシア、怖いからジト目やめて。あと敵だけ撃ってね。」
「こちらサンドヴァル、問題発生だ。敵潜水母艦がモニターから消失した。ニンジャみたいにドロンだ。」
ネルトリンゲンの理緒のもとにサンドヴァルから通信が入り、その内容を聞いた理緒は眉を顰める。
「ネルトリンゲンよりサンドヴァル。状況を聞いてもいいかな?」
シャビエル曰く、敵攻撃隊が海面への上昇を始めた直後に、無数の
赤い表示が検出された。しかしどれも潜水母艦の規模よりも極めて小さい反応なのだという。
「……
希ちゃん、サンドヴァルの観測データを解析、考えられる原因と解決策を提示してくれる?」
『原因、計測器の計測可能範囲から目標が離れすぎている事。解決策、
小反応が目標の移動に伴う現象と想定し、航路の再計算を推奨します。』
サポートAI「希」の答えを聞いた理緒は再びサンドヴァルへの通信を開く。
「……シャビエル大尉、ネルトリンゲンで観測してる海中密度のデータを提供するから、新たに発生した反応と密度変化の動きを見てもらえるかな?」
「このデータだな?待ってくれ……。こいつか!水深100メートル付近で巨大物体が写った!新しい反応の軌跡とも一致している!」
「ハルピュイアの上昇に紛れたのかもしれないね。上空の残敵掃討は暫くしたら終わるから、潜水母艦への第二次攻撃お願い、ねー!」
「助力感謝する!――次で引きずり出すぞ!対潜ミサイルハッチ、4から9発射準備!座標
K-14、15マーク!」
「K-14、K-15マーク。発射待機します。」
「全機撃墜するつもりだったけど残弾切れ……でもフィラさん拗ねちゃうから良かったかも。」
「ばっか、俺の方が残しておいたんだよ……って言いたいところだがこっちもカンバンだ。理緒、ネルトリンゲンの迎撃兵装で残敵を頼めるか?」
上空のハルピュイアは残りわずかと言え、猟兵二人がかりで全弾消費してもすり潰しきれない物量であった。
幸いエル・ドラードの対空弾幕がサンドヴァルから残りのハルピュイアを遠ざけているが、しかし有効打とは言い難かった。
「まかせてー!M.P.M.S起動!目標、上空のハルピュイア!発射!」
故に理緒の号令に合わせ、とどめとばかりに艦載ランチャーシステムから発射された無数のミサイルがハルピュイアを落とし、3回目の防空戦闘を終わらせた。
「対潜ミサイル発射!発射!」
そして時を同じく、サンドヴァルから6発の対潜ミサイルが海中を潜航する。目指すは敵潜水母艦の通過予想航路上だ。
「40…30…20……水中爆発を確認!……さらに圧潰音です!潜水母艦外殻にダメージ!」
「水中センサー
緊急排水反応を検知!敵艦、急速浮上中!」
この報告に戦場の全ミデリオ海軍人、猟兵から歓声が上がる。残すはエル・ドラードによる敵艦への飽和砲撃のみだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
デブラ・ヘックシュバイン
グリッド座標を指定して攻撃、相手の位置を探る……
さながら大昔のアナログ海戦ゲームって感じっすねえ。
対潜ミサイルで衝撃波をボンボコ浴びせてやりゃあ、敵さんビビるだろうなあニヒヒ!
まあ、ビビってくれる神経を持った相手なら、の話っすけど。
よっし、『赤狼』!
今回は搭乗して戦うぞ! アイハブ!
戦斗機動!!
こちとら空は飛べない、ドッグファイトは専門家に任せた!
サンドヴァルに近づく敵をひたすらに撃ち落とすしか……
いや、逆転の発想!
下手に狙ったってどうせ当たらないんだから、敵の機動を邪魔する嫌がらせに徹するぜ!
孫子いわく、『急がばマーガリン』
すなわち、危急の時こそ落ち着いて、
まるでパンに塗られたマーガリンの様に地道な仕事をしろってこった!
友軍機のケツを狙うヤツがいたら、そっちを優先しつつ……
こちらの射程でカバーできる一定の空域を、
弾幕で「立ち入り禁止」にしてやるっすよ! 抜けられたらメンゴ!
やっぱ飛行ユニット欲しいっすねえ…
クリスマス商戦にゃ早いけど、パワーアップしたいっすー!
朱鷺透・小枝子
回点号に操縦変更『戦塵侵撃』発動。
スラスター【推力移動】で敵集団へ飛翔!
敵を引きつけサンドヴァルから狙いを逸らす!進め!回点号!!
チェーンガンの弾幕を【空中機動】で回避。
回避しきれない攻撃はBXサイキックシールドで【オーラ防御】
クローアームの掴みかかりを【シールドバッシュ】で払いのけ、
RSパルスマシンガンで【貫通攻撃】・【制圧射撃】を【早業】で行いつつ、【エネルギー充填】
撃て、撃て!撃て!!ぶちかませぇえええ!!!
BXS-Bウィングキャノン、【呪殺弾レーザー射撃】
溜め込んだエネルギーを一対の高出力サイキック砲から解放し、巨大レーザーを照射!
【念動力】で射線を動かし、海上の敵機をなぎ払い壊す!
川西・晴空
●POW
海底けぇぶるだかれぇだぁだかよく分からねぇが、要はこの鉄船に敵を近づけるなってこったな
合点承知之助だ
籠城戦はオイラの性に合わねぇから打って出るのは大歓迎さ
そんじゃ、ひとっ飛びしするぜ
ほーん、あれがはるぴゅいあって奴か
胴体だけが飛んでる妖怪みてぇな野郎だ
そんじゃ、軽く【空中戦】で揉んでやって海の藻屑に…って消えた?
ちっ、ただ飛んでるだけかと思いや、両肩に付いている風車見てぇなモンで上下左右自在に動けるのかよ
オマケにすれ違いざまで鷹みてぇな爪で鎧を掠めてきやがるし、風車が邪魔で迂闊に近寄れねぇな
ンなら、 敢えて【切り込み】死中に活を見出すまでよ
噴射筒を最大加速させた『智恵捨賭』、決めるぜ!
●第四次防空戦
「ふ、浮上中の敵艦から攻撃機反応!……バカな!まだこんなに溜め込んでたのか!?」
「オイオイオイ……オイオイオイオイ!巫山戯んな!さっきまで以上だと!?」
直後エル・ドラード左舷側洋上にハルピュイアの群れが出現した。
それは余りにも馬鹿げていると言って然るべき大群であり、塊とか壁とかそんな規模ではない。
もはや「山」である。
「第一、第二主砲、左舷全砲塔攻撃開始!とにかく奴らを寄せ付けるな!」
「おぎゃー!!敵をビビらせまくったらヤケクソしてみたってかぁ!?というかもう艦載とかいうレベルじゃねーぞコレぇ!?」
「まだこれだけの数が
……!?」
浮上してきた敵艦を万全の体勢で迎え撃とうと、赤狼に乗り込み左舷のウダラー先輩屋台を海に還していたデブラは飛び出た目玉がサングラスのレンズをぶち破りそうなレベルで驚きの声を上げた。
そして防空戦闘に備え「回天号」に乗り換えた小枝子もまた驚きを隠せていなかった。
「……おーおー、最後っ屁にしちゃあ上等じゃねぇか。『えるどらぁど』と『さんどばる』を一気に呑み込もうって腹なんだろうが……そうはさせねぇぜ!」
そんな中で晴空はというと、ハルピュイアの群れを見るやいなやエル・ドラードの甲板をだだっと駆け出し、背中の
噴射筒に火を入れ飛び出した。
ここは戦場、ならばやることは唯一つである。
「よっし、『赤狼』!アイハブ!
戦斗機動!!」
「『戦塵侵撃』発動。…進め、回天号!」
デブラも小枝子も
臨戦態勢となり、「最後の防空戦闘」が始まった。
「おらぁっ!」
ハルピュイアの群れに斬りかかる晴空。間合いに入った敵機を次々と斬り伏せるが、それ以上に周囲からの攻撃が彼を攻めあぐねさせていた。
「やりづれぇったらありゃしねぇなコイツら!風車見てぇなモンで上下左右自在に動くうえに爪で鎧を掠めやがるし!あと風車が邪魔だ!」
まさに多勢に無勢。尋常の戦であれば敗色濃厚どころの話ではない。
「撃て、撃て!撃て!!ぶちかませぇえええ!!!」
だが猟兵とは一騎当千の者である。
エル・ドラードからの砲撃に紛れハルピュイアの群れに突っ込む
回天号が晴空の視界に入る。
手にしたパルスマシンガンから発射される弾幕で無理矢理道を切り拓き、巨大な怪物の臓腑を食い尽くさんと群れの中を蠢くは鬼神、戦鬼のそれである。
「……おいらとした事がブルっとさせられちまったぜ。こちとら鬼武者、あんなの見せられて『攻めあぐね』なんかしちゃあ名が廃るってもんだ!」
小枝子の戦働きに思わず感銘を受けた晴空もまた覚悟を決める。
(……雑念を捨てろ。智を捨て、意識を剣と化させ研ぎ澄ませ。賭するは己の命にあらず……真に賭すは空と無我の一撃のみ!)
生と死以外のすべての無駄を削いだ思考、即ち無念の境地にて人剣一体の極みに致るは
智恵捨賭の極意。
「チエェストォオオ!」
一人の武者。
否、一振りの刀。
否、唯一無二の斬撃が
妖鳥『群』を斬り裂いた。
「……やっぱ飛行ユニット欲しいっすねぇ。って無い物ねだりはしない!『欲しがりません、タフだから!』孫子もそう言ってるっす!
空中格闘戦は
専門家に任せた!」
エル・ドラードの左舷から洋上のハルピュイアに向けて砲撃戦を挑むデブラは自分を励ましながら戦っていた。
「飛べねーデブはただのデブ、だけどデブにはデブの戦いってモンがあるんすよ!……名言できたっす!」
……案外余裕があるのかもしれない。実際サンドヴァルという護衛対象を守るに当たりエル・ドラードが壁になっている状況である。抜けられても右舷対空銃座の射程内であり、他猟兵の展開戦域だ。
「つまり『急がばマーガリン』!墜とせずとも通さなければこっちの勝ち!パンに塗られたマーガリンの如く、地道に戦う孫子の兵法っす!」
孫子は米よりパン派だった……?
閑話休題。
とは言え勢いづいたデブラの活躍は凄まじく、「墜とせずとも」と言いながら単独撃墜やエル・ドラードとの共同撃墜など次々とハルピュイアを墜としスコアを稼いでいた。
「……でもやっぱりパワーアップしたいっすー!」
そしてエル・ドラードの上で要望を叫ぶデブラであった。
そのころ洋上では小枝子と晴空がハルピュイアを絶賛掃討中であった。
デブラやエル・ドラードからの砲撃も重なり、山の如しと評されたハルピュイアの大群は今や見る影もない。
だからといって手心を加えるような猟兵はこの場にいない。
「チェストォーッ!」
「フォイアーッ!」
「吹き飛べぇーっ!」
晴空のチェストが、デブラの砲撃が、小枝子渾身の巨大レーザーが。
最後のハルピュイアに至る全てを斬り裂き、粉砕し、消し炭へと変え防空戦闘は幕を閉じた。
●
「敵艦、海上に現れます!」
「第一から第六主砲、射撃用意!」
最後の防空戦闘が終わり、それから数分と経たないうちに敵潜水母艦は遂に艦隊の目の前に姿を表した。
それは島と見間違う程の巨大な潜水艦だった。超大型双胴戦艦という
分類のエル・ドラードを優に超える船体に誰もが息を呑む。
「俺達は何てものと戦ってたんだ……?」
「化け物艦が……!撃ち方始めぇ!」
アルマディナスの号令とともに計18門の砲口から徹甲砲弾が潜水母艦目掛けて発射された。
「全弾命中!爆発を確認!」
「続けて第二射、撃てぇ!」
追い打ちの18発の砲弾が潜水母艦に降りかかる。それが致命打となったのか船体中程での大爆発をきっかけに遂に超巨大潜水母艦は破壊された。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『機動殲龍『激浪』』
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POW : 戦域一掃機構『激浪』
【背部激奔流砲と口内精密奔流砲】から【圧縮した水の大奔流】を放ち、【命中時大幅に対象を戦場外まで吹き飛ばす事】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD : 国土洗浄機構『国鳴』
【周囲の水を艦装化し全武装の一斉砲撃】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を一時的に海洋と同等の環境に変え】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ : 無限起動機構『満潮』
【周囲の水を自身に変換する修復形態】に変身する。変身の度に自身の【生命力吸収能力を強化し、水の艦装化限度】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。
イラスト:右ねじ
👑11
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●バトルシップ・オブ・オールドマンズ
作戦目標、敵潜水母艦の撃破。
確かにそれは達成され、しかし老人達はその余りにもな呆気なさに何か得体のしれない不安を覚えた。
「敵艦内部に高エネルギー反応!」
「自爆か!?……いや、あれは…!」
サンドヴァル艦橋に出てきたシャビエルはCICからの突然の報告に耳を疑うが、直後その意味を理解した。
エル・ドラードの主砲一斉射の直撃を受けた潜水母艦、その船体が崩壊を始め、その中から出てきたのは一機の巨大キャバリアである。
「種別判明!『機動殲龍』シリーズ、『激浪』です!」
世界中でキャバリアの巨大化競争が盛んに行われていた時代の忘れ形見たる機動殲龍。激浪は海龍めいたフォルムからもわかるように海戦に特化したキャバリアである。
潜水母艦そのものが破壊された今となっては何故激浪が潜水母艦内に格納されていたのかはわからないが、しかしこれこそが敵の
最終兵器であることは誰の目をしても明らかであった。
「くっ…!最大船速で海域を離脱!」
「駄目です!敵攻撃きます…!」
予想を超えた事態に艦の生存を図ろうとするシャビエルであったが、直後サンドヴァルに狙いを定めた激浪が放つ奔流砲が直撃し、その船体を大きく抉った。
「サンドヴァル!シャビエル大尉応答せよ!被害状況を報告しろ!」
エル・ドラード艦長アルマディナスが無線機に叫ぶ。
「……こちらサンドヴァル!艦首が吹っ飛んだみたいだ……!船体が傾き始めた、航行不能!これより艦を捨てる!」
「了解だ大尉!奴は我々と猟兵が引き付ける!」
シャビエルの無事に安堵するアルマディナス。しかしそれも束の間、新たな敵『激浪』を一睨みすると、マイクを掴みエル・ドラード船内に向けて通信を行った。
「諸君、一仕事終えた矢先に新しい任務だ。本艦はこれより新たに出現した敵大型キャバリア『激浪』の攻撃により行動不能となったサンドヴァル乗員の撤収援護、並びに『激浪』の撃破を行う。敵は強大だが我々には幸運なる
黄金卿がついている。……全乗員は
祖国の興廃がこの一戦に懸かっていると肝に銘じ、各員一層奮励努力せよ!戦闘開始!」
遂にスティール島の老人達は最大の強敵に見えた。
敵は艦にあらず、規格外の怪物キャバリア。その奔流砲の偉力を目の当たりにした者たちはその威力に衝撃を受けることを禁じ得ず、しかしこうも嘯いた。
「3、4発くらいなら耐えられるだろう」と。
歴戦の老人達はその顔に不敵な笑みを浮かばせながら戦闘配置につき、エル・ドラードは激浪との戦闘に入った。
フィラ・ヴォルペ
【ネルトリンゲン】
全然休む暇ねーなおい
理緒みたいなかわいこちゃんに頼まれたらしゃーねえ
救出の間、時間稼ぎといこうか
【飛蝗】いくぜ!!
つっても水中の相手に有効な射撃武器ねーけどな!
視界とレーダーを狂わせる程度だが悪くはないはずだ
錫華がいい感じにヘイト集めてるな
さすが煽りの天才
黙ってりゃ美人なんだけどなー
いつも『へたれ』ってうるせーよ
だからといって男にモテたいわけねーだろ!!
とかなんとか遊んでいる間に救出終わったみたいだぞ
それじゃ一気に行くとしますか
『ライトニング・パイルバンカー』ブースト!
そこだ!【毒蜂】食らいな!!
ハズレても電流全開で流し込んでやるぜ
錫華、後任せた!
機動力はお前の方が上だからな
菫宮・理緒
【ネルトリンゲン】
なんだか大きいのが出てきたね。
わたしはこのまま【ネルトリンゲン】で動くよ。
『サンドヴァル』の乗員を救助しつつ、海中を探査して情報共有。
救助中は錫華さんとフィラさんにお願いして、
『激浪』を近づけないようにしてもらわないとね。
「2人ともごめんだけど、少し持ちこたえてー!」
救助が完了したら、反撃開始。
艦自体を囮におびき寄せ、錫華さん、フィラさんと連携しながら、
【M,P,M,S】でホーミングミサイルを撃ち出して攻撃していくよ。
とはいえ、こちらには救助した船員さんもいるし、
いざとなったら空中へ避難して、上空からの攻撃に切り替えるね。
『激浪』が魚みたいに跳ねたら、そこがチャンス、かも?
支倉・錫華
【ネルトリンゲン】
今度は海中か……。
スラスターから【サラスヴァティ・ユニット】に換装して、
水中戦……はいいんだけど、救助中は無理できないか。
『激浪』の周囲を挑発するように動き回って、
こちらに引きつけておかないといけないかな。
フィラさん、援護は任せたよ。
へたれもバレてないし、
救助が成功すれば、きっと乗組員にモテモテ間違いなし!
……女性がいれば、だけど。
ま、男性にでもモテるのは嬉しいよね?
救助が終わったら、みんなと連携して反撃にでるよ。
ライフルは水中銃モードで相手の動きを牽制しながら、
【Low Observable Unit】で姿を隠して、
ユニットで全力機動しながら【歌仙】で斬りつけていこう。
●
「ネルトリンゲンよりエル・ドラードへ、後方支援は私達に任せて!これからサンドヴァル乗員の収容作業に入ります!――フィラさん、錫華さんは補給後エル・ドラードの直掩について!」
『感謝する、敵の攻撃はこちらで引き付ける!』
「次から次へと忙しいなオイ、休む暇が無ぇ。……まぁ、理緒みたいなかわいこちゃんに頼まれたらしゃーねえ。救出の間、時間稼ぎといこうか。」
「
水中戦兵装への換装完了よ。激浪を潜らせはしないわ。」
防空戦闘から帰還したフィラと錫華はネルトリンゲンでの補給と簡単な整備を済ませるとすぐさま飛び立つ。
それを確認した理緒はサンドヴァルの乗員を載せた救命ボートの収容を開始した。
『主砲、目標補足!撃てぇ!』
「目標『激浪』視認!近接射撃いくぜ!」
エル・ドラードの砲撃にヴォルペ・リナーシタのガドリングキャノン斉射が続く。巨大潜水空母の耐圧装甲を穿った砲撃は確かに激浪の装甲を穿き、そしてガドリングキャノンから吐き出される無数の徹甲弾がその傷を抉る。
『効力射確認!第二射急げ!』
『目標キャバリア、潜行の兆し有り!』
「やっぱり
水中に入るか、だったら嫌でも引きずり出すまでだ!
飛蝗行くぜ!」
激浪の潜行に合わせフィラはガトリングとミサイルを海面へと打ち込んでゆく。当然ながら勢いを殺された機関砲弾や水中適正のないミサイルは有効打にはならない。しかし海面着弾によるノイズが激浪の索敵能力を大幅に削いだ。
「フィラさんご苦労さま。こっちでも激浪を確認したよ。」
激浪を捉えたスヴァスティカが交戦状態に入る。激浪はエル・ドラードの砲撃で大破した部位の修復をしようとしているようだ。
「理緒、サンドヴァル乗員の収容状況は?」
「順調にネルトリンゲンに収容中だよ!あとはシャビエル大尉達のボートだけ!」
「ありがとう、これから敵を海面には浮上させるから連携お願いね。フィラさんは格好つけるチャンスを不意にしないように。」
「よっしゃまかせとけ!」
「……と言ってもエル・ドラードの
ベテラン達相手だけどね。」
「あのなぁっ……!」
フィラの反論を待たず錫華はサラスヴァティ・ユニットをフルスロットルに激浪の真下から突撃、水中戦用のライフルと細剣「歌仙」の執拗な追撃で潜行と修復行動を妨害しながら海上へと押し上げてゆく。
『激浪、左舷後方より再浮上!』
「はい、フィラさん!肝心なところでへたれないでよ!」
「いつも『へたれ』ってうるせー!」
激浪の背が海面に現れるとヴォルペ・リナーシタは右腕パイルバンカーを起動し急降下、激浪の背面にその先端を引っ掛けると、装甲をひっぺ剥がすように打ち込み、さらに電撃による追撃をしかける。
「エル・ドラード、ネルトリンゲン!追撃頼んだ!」
『支援感謝する!後部主砲撃て!』
「M.P.M.S、対艦ミサイル全弾発射!」
フィラが激浪の機体上から退避すると間髪入れずエル・ドラードの主砲が、ネルトリンゲンのミサイルランチャーが火を噴き、激浪に鋼鉄の乱打を繰り出す。
対して激浪も反撃に転じようとするもエル・ドラードとネルトリンゲンの挟撃じみた猛攻、そしてフィラと錫華による妨害により手も足も出すことができない状況に見舞われ、この戦闘により激浪は優位性を一つ奪われることとなった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ジェイ・ランス
【WIZ】※アドリブ、連携歓迎
■心情
んー、大ボスって感じ。王道、嫌いじゃないぜ。じゃ、行きますか。(真の姿へ)
自己修復能力を制圧する。エル・ドラードは指定位置へ砲撃を。
『―――Ubel:Code stille_Löwe Dame.』
■行動
自身に熱光学【迷彩】をし(目立たない/ジャミング)、【偵察】して敵機の特性を【情報収集】。UCにて敵UCを妨害(破壊工作/データ攻撃)します。
その後、”ツェアライセンと融合して”真の姿へ変身し、エル・ドラードの方による攻撃と、自身の”ツェライセン”による【貫通攻撃】(&鎧無視攻撃)にて破壊を狙います。
自身は重力障壁(オーラ防御)と破断の概念(切断)を纏います。
●
猟兵とエル・ドラードの激しい攻撃により一時的に潜行能力を失った激浪、早期決戦のためにもこの機を逃すわけにはいかない。
「レーヴェンツァーンよりエル・ドラード。敵には自己修復能力があるみたいだ。」
『マズいなそれは……、こちらも砲弾は有限だ。ジリ貧は勘弁だな。』
激浪上空を旋回するジェイは先の砲撃で損傷した部位が徐々に修復されゆく様子を確認するとすぐさまエル・ドラード艦長のアルマディナスに連絡する。
「幸いダメージは通ってる……。側舷一斉砲撃のできるポイントでやつの動きを止めるから攻撃準備を頼むぜ!」
『了解した、武運を祈る!』
潜行能力を失ったとはいえ機動力において激浪の
優位性は健在だった。
「デカブツのくせにすばしっこいな…!」
ジェイはレーヴェンツァーンで激浪を追い
対オブリビオンマシン・ウィルスを仕掛けるタイミングを図っていた。
しかしジェイの思惑を読んでいるのか、激浪はそのタイミングをズラすように蛇行し、水飛沫を上げレーヴェンツァーンを寄せ付けないように動く。
そして何よりも、そうしている間に激浪の修復が進むことにジェイは舌を打った。
故にジェイはすこしばかり無理を通してみせる。激浪を追うのではなく、真正面から迎え撃つように針路をとったのだ。
「ちょっと脳筋だけど……こっちのほうが確実だぜ!」
的も大きく、向こうから近づいてくる。ジェイの読みは正しく、ウィルスの仕込みは完璧だった。
――ただ、すれ違いざまに激浪との接触で機体制御を失ったことを除けば。
『レーヴェンツァーン!大丈夫か!』
「ヘーキ、ヘーキ!……機体はそうでもないけど。それよりも激浪の動きは止めた!早く砲撃を……!」
直後、アルマディナスはレーヴェンツァーンとの通信が途切れたのと同時に同機の着水を確認した。
「クッ……右舷射撃開始!勇敢なる彼の犠牲を無駄にするな!」
アルマディナスの号令とともに十数門以上の主砲、副砲
が火を噴き激浪へと砲弾を撃ち込む。
圧倒的鉄火が激浪の装甲を殴りつけ、そしてその装甲を吹き飛ばす。
「反撃の隙を与えるな!」
『サンキュー、エル・ドラード。本命打を入れやすくなった。』
激浪を文字通りの滅多打ちにすべく号令を出すアルマディナスはその声にハッとする。
直後、砲煙を切り裂き激浪に一閃を叩き込む影がエル・ドラードの前に現れた。
可変式対艦概念破断剣「ツェアライセン」と一体化したジェイであった。
「猟兵は結構タフなのさ。
オレの機体は後で回収するとして、まだまだ
叩き込んでいくぜ!」
エル・ドラードが破壊した装甲の下。その内をジェイは抉り、切り裂いてゆく。
例え修復機能が復活しても相当の時間を要するだろう。
大成功
🔵🔵🔵
川西・晴空
●POW
うひゃあ、まるでバケモンみてぇな姿だ
アレがキャバリアってんなら、おいらと同じ背丈の巨人が乗っててもおかしくねぇデカさじゃねぇかよ
艦長の好意に甘えてサンドヴァルの救助はエル・ドラードに任せて、おいら達はバケモノ退治と行くか!
出来るだけ狙いをサンドヴァルトとエル・ドラードから反らしてぇし、【悪目立ち】する軌道を描きながら激浪の照準をこちらに向けさせるぜ
ぶっ放してきたら噴射筒を噴かした【空中機動】で射線を掻い潜り、【切り込む】要領で外装に取り付いてみせるぜ
あとは、仲間が与えた損傷で中身が見えた装甲の切れ目を【傷口をえぐる】ように鬼包丁鋼丸を突き刺す【剣刃一閃】で機構をぶっ壊してやるぞ!
数宮・多喜
シャビエル艦長……立派だったよ、
けどきっちり生きて帰ってきておくれよ。
その為の帰るべき
黄金郷が、
あの
怪獣をぶち壊すからさ!
一発や二発なら直撃を受けても大丈夫そうなのはいい事さ。
やっぱり戦艦が簡単に沈む訳ないもんな!
激浪の一斉砲撃を広範囲『衝撃波』の『弾幕』である程度往なし、エル・ドラードへの直撃弾をなるべく減らすよう立ち回りつつ距離を測るよ。
零距離射撃ができそうな間合いに入れば、アタシのクローの出番さ!
【射出駆動】で撃ち出したサイオニッククローを激浪に打ち込む!
アタシは、至近距離の打撃戦での「錨」になってやろうじゃないさ。
さあ古強者さんよ、ブチ込んでおくれ!
●
「見ろ!
敵の装甲が弾けたぞ!」
救助されたサンドヴァルの
乗員が猟兵達、そしてエル・ドラードの戦果に歓声を上げる。
「だから言っただろ?戦艦が一泡吹かせてくれるって。」
その中には同艦艦長のシャビエルの姿もあった。しかし、喜びながらも何処かやりきれない表情を浮かべていた。
「艦長、
サンドヴァルが沈みますっ……!」
乗員の誰かがサンドヴァルを指差し呟いた。
破壊された艦首からの浸水により艦尾を空に向けたサンドヴァル。
彼らの剣であり砦、そして家である駆逐艦が急速に海中へと飲み込まれてゆき、シャビエルは掌に爪が食い込むのも構わず力を込め、それを見つめていた。
「……シャビエル艦長、アンタ達は立派だったよ。」
「あぁ。艦長も、そしてサンドヴァルも
武士していたぜ。」
多喜と晴空もその光景を目撃していた。
当初の任務を捨て身の状況ながらも達成した彼らの功績は確かであり、故にサンドヴァル撃沈に対する彼らの無念は計り知れない。
二人の猟兵はそれをひしひしと感じていた。
「……さぁ、仇討ちのバケモノ退治と行こうぜ!」
「応よ!」
故にここからは猟兵のつとめであると同時に弔いの
戦である。
二人は激浪へと向かった。
「さぁバケモノ、お前さんの相手はこっちだ!」
噴射筒の勢い任せに激浪に一太刀を入れた晴空はそのまま注意を引くための挑発をする。
エル・ドラードが頑丈とはいえまともに食らわせて戦闘能力を削ぐわけにはいかない。最後まで万全に備えてもらわねばならないからだ。
晴空の思惑通り、激浪が奔流砲を彼に向け発射する。サンドヴァルを沈めたそれをまともに喰らえば巨人の肉体であろうとただでは済まされぬ。掠らぬように細心の注意を払い躱した晴空はそのまま激浪の機体へと取り付いた。
晴空を振り落とそうとする激浪が出鱈目に奔流砲を含めた全兵装の使用を開始し始めた。周囲の海水がある限り無限の継戦能力を有する激浪相手に長期戦が不利となる所以がそれだ。
「次はあたしの番だね!エル・ドラード、直撃弾はこっちで減らさせてもらうから耐えておくれよ!」
『戦艦がそう簡単に沈むものかよ!任せておけ!』
「そいつぁ頼もしいや!」
故に多岐はエル・ドラードの側面防御に努めながら激浪への接近を図る。
サイキックにより放たれる衝撃波の壁が水塊を弾きながら多岐は「
とっておき」必中の間合いへと到達した。
「そんじゃあ……!」
「せーのっ!」
示し合わせたかのように二人は激浪へ同時攻撃を行う。
晴空の鬼包丁鋼丸が機関部を抉り、多喜のOveredから射出されたサイオニッククローが杭のごとく打ち込まれ激浪を足止めする。
それは限りなく致命打であり、同時にエル・ドラードによる追撃チャンスが到来した合図であった。
「さあ
古強者さんよ、強烈なのをありったけブチ込んでおくれ!」
『最高のシチュエーションを作り出してくれたことを感謝する!全砲外すなよ!撃てェ!』
側舷全砲一斉射が激浪に殺到。砲弾は晴空がさらに抉りこじ開けた破損部へと集中的に浴びせられ、内から怪物を徹底的に破壊していった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ロラン・ヒュッテンブレナー
・アドリブ絡みOK
大きい…、あれもキャバリアなの?
海戦用なら、魔術で補っても水中では不利だね
なら、極大の一撃を撃ち込むまでなの
エル・ドラード管制へ
こちらアルターギア、ロランなの
これから大規模魔術砲の準備に入るの
牽制と退避をお願いね
インフェルノランチャーMg、転送、左腕部ドッキング完了
殲禍炎剣があるから高度は取れない…
可能な限り上昇して制止、UC発動、モードチェンジ!
対反動吸収結界展開、フロントスタビライザー変形(頭部にバイザーのごとくドッキングする)
ランチャーへ魔力をチャージ開始
ロックオン警告!?
砲撃がくるっ!防御結界多重展開、ジャミングフィールド形成
チャージ完了まであと10!
センサーと魔導感知開始
サンドヴァルとエル・ドラードからもデータを受信して解析
ターゲッティングスタート
ぐ、うぅ、アルターギア、持ちこたえて!
ターゲットインサイト
ぼくの魔導砲からは逃げられないの
インフェルノランチャー、フルバースト!
物理法則も無視する、魔と邪を浄化滅却する灼熱の炎を撃ち込むの
●
急所への直接攻撃、それの有効性を今更語る必要はないだろう。
しかし激浪、尚も健在。破損箇所から致命打の証ともいうべき炎と煙を上げながらもその機動力に陰りを見せず。
『バケモノめ!不沈艦どころの話じゃないぞコレは……!』
「なら、極大の一撃を撃ち込むまでなの。エル・ドラード管制へ、こちらアルターギア、ロランなの。これから
大規模魔術砲の準備に入るの、牽制と退避をお願いね。」
『了解だアルターギア。敵の攻撃に十分注意せよ!』
「点」への攻撃が駄目であれば「面」で吹き飛ばすしかない。如何に
頑丈とはいえ大部分を消し飛ばされればたまらないだろう。
ロランはインフェルノランチャーを装備したアルターギアを海域全体が見渡せる高度へと押し上げる。
眼下には激浪の背と、激浪から距離を取るように舵を切り、次々と砲撃を開始するエル・ドラードの姿がある。
「高度は……うん、大丈夫。対反動吸収結界、展開。射撃準備開始……。」
『アルターギア!敵の砲塔がそちらを向くぞ!』
「……!防御結界展開っ……ぐうっ!?」
インフェルノランチャーの射撃姿勢に入ったロランのもとにロックオン警報とほぼ同時にアルマディナスから緊急通信が入った。
エル・ドラードの牽制射が何発も掠める中、頭部と背の奔流砲が空を、アルターギアを向き周囲の海水を取り込む激浪。
対するロランも急ぎ結界を何重にも張り巡らせ迎え撃つ。
辛くもアルターギアへの直撃を免れるも奔流砲の衝撃は結界越しにロランを呻かせる。
機体自体へのダメージは無く、魔力のチャージも変わらず進行中だ。しかし、それ以上の問題が起きた。
「……もしかして、押し上げられてるの!?」
徐々にであるが、奔流砲の水流がアルターギアを押し上げていたのだ。
元から
殲禍炎剣の捕捉高度ギリギリに陣取った
代償というべきか、絞首台の十三階段の如く
限界は直ぐ側まで迫っていた。
大海原のド真ん中といえど殲禍炎剣が発射されればエル・ドラードは勿論、発射の余波で引き起こされる天災が周辺国を飲み込むであろう。
それは何としても避けたいものであった。
(チャージ完了まで
あと10!)
「ぐ、うぅ、アルターギア、持ちこたえて!」
ロランは防御結界を一枚残し全てを解除、スラスターをフルスロットルでふかし奔流砲に抵抗する。
何とか拮抗に持ち込み、僅かながらに稼ぎ出した猶予。此処から先は一つのミスも許されない。
最後の
結界が崩れ始める。
(まだ……焦っちゃだめ……。)
遂に結界が壊れた。
結界を破った一滴の飛沫がアルターギアの表面を――。
「インフェルノランチャー、フルバースト!」
正に紙一重というべきか。
結界が破られると奇しくも同時に引き金を引いたロラン。アルターギアの
魔導砲が奔流に相対し、その水量を物ともしない熱量が喰らい尽くす。
獄炎の奔流はそのまま海面に至り、激浪は水の中にありながら灼熱に焼かれるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
デブラ・ヘックシュバイン
あっはァ〜❤️
主砲様の斉射、すんごぉい❤️
…ってせっかくイイ気持ちだったのに、なんだあ!?
とりま略式ながらサンドヴァルに敬礼!!
んで、すぐさま仕切り直しだ!!
戦斗機動!!
しかしなんなんだあのデカブツぁ……
周囲の水を武器にも艤装にも転用できるってのか!?
しかも「シリーズ」って事は同型機が複数存在するって……この世界、マジやべえな……
こちとらはどんだけ気張っても艦載機単位の火力しか出せねェ。
他の猟兵と、エルドラードの主砲様が頼りだぜ!
ってわけでオフェンスは任せた。
ディフェンスも任せた!
戦艦が数発で沈むかよ!
当機は援護に回る!
具体的には、敵艦周辺の水面を叩く!
周囲の水を利用するなら、その邪魔をしてやるぜ!
暑くなって来た…上着なんか要らねえぜ!
この海のプレイガールの座は頂きだァー!!
(大変マニアックなセクシーを発動)
敵艤装が完成しちまったら、細かい砲座から叩く!
エルドラードの射撃の邪魔はさせねェ!!
これでも意外と尽くすタイプでな!
●
――少し前。
―――……具体的には
激浪が出てくる少し前。
「あっはァ〜❤️主砲様の斉射、すんごぉい❤️
全弾着弾至極感謝ァ❤️」
デブラは『40.6cm主砲の鉄と硝煙の香り、咆哮を添えて』にそれはもう昇天するかのような法悦に浸り、恍惚とした表情を浮かべていた。
潜水母艦を吹き飛ばすだけの火力である。ロマン砲の極致ともいうべきそれに感動を覚えぬロマンチストはいないだろう。
思わず「やったか!?」と言い出したい程に。
しかし、その感動も束の間。
『敵艦内部に高エネルギー反応!』
「ファッ!?」
『……こちらサンドヴァル!艦首が吹っ飛んだみたいだ……!船体が傾き始めた、航行不能!これより艦を捨てる!』
「は……、はぁあああっ!?」
デブラが我に返ると同時に
激浪出現、サンドヴァル撃沈である。
――そして現在。
「あんなのの同型機が複数存在するってのか……
この世界、マジやべえな……。とりま略式ながらサンドヴァルに敬礼!!んで、
戦斗機動!!」
恍惚モードから戦闘モードに切り替わったデブラは愛機に乗り込むと戦闘を開始した。
「エル・ドラード、こちら焼豚!アンタ達の大砲が頼りだ!ヤラれる前にやれの
一撃離脱はできるか?」
『古き良き近接戦闘か……悪くない、実に悪くない!――船速最大、対ショック姿勢用意!振り落とされるなよ、猟兵!』
デブラの
焼豚、そのスペックは基となった
赤狼に相当する。
毎度トンデモキャバリア博覧会めく猟兵の戦場においては若干の火力不足は否めず、ましてや今回は海戦、そして相手は規格外の巨大キャバリアである。単純戦力差が天と地ほどあり、さらに地の利すらも奪われている。
『両舷主砲、戦列戦闘用意!』
故に殴り合いはエル・ドラード任せである。
現に40.6cm砲の有効性は実証済みだ。ならばデブラのすることは一つ。
両者の「殴り合い」ではなく、エル・ドラードによる「
一方的な殴り」を実現することであった。
対する激浪もエル・ドラードの接近に対し周囲の海水を取り込み奔流砲の射撃準備に入る。
「させるかぁ!」
激浪の周囲に水柱が立つ。規模は小さく、艦砲による至近弾ではないのは明らかだ。
仕掛けたのはデブラである。しかも水着姿の。
「暑ェー!上着なんか要らねえぜ!」
「おい、見てみろよホセ。
お前さんの嫁さんにそっくりじゃねぇか。」
「バカ言えアントニオ、うちのワイフはもっとふくよかだ。」
激浪の周囲に打ち込まれた榴弾の破片は絶え間なく高熱状態を維持し、周囲の海水を蒸発させ奔流砲の
射撃準備を阻害していた。
この隙を突くようにアルマディナスの指揮のもと、エル・ドラードは激浪へ向け接近を開始する。
『敵主砲に発射兆候有り!衝撃に備えよ!』
艦橋からの警告、その直後艦全体を衝撃が襲う。
「うおおおお!?」
『押し切られるな!取舵一杯!』
激浪の背面砲の一つがエル・ドラードの左舷艦首に直撃したのだ。
双胴戦艦という構造上、横波への耐性は十分なエル・ドラードであったが、奔流砲の一撃はそれすらも転覆させかねない威力である。現にデブラは振り落とされないように踏みとどまるので精一杯であった。
『各所損害報告!』
『左舷艦首、被害軽微!』
しかしエル・ドラード側もベテラン揃いである。特に老兵達はパニックも起こさず、アルマディナス艦長の指揮をそつなくこなす。
気がつけば奔流砲の直撃を受けながらも遂に
超近接圏に到達していた。
『敵第二射、目標左舷中央!』
「敵砲はこっちで受け持つ!エル・ドラード、やれェ!」
激浪の背部砲と口内砲がエル・ドラードの腹に向けられる。しかしその先にはデブラの姿。
「エルドラードの射撃の邪魔はさせねェ!!」
焼豚主砲から放たれた榴弾は正に針穴に糸を通すが如き精密狙撃により奔流砲内部へと吸い込まれた。
そして内部での破砕、さらに高熱化に伴う圧縮タンク内気圧の急上昇が原因で激浪は致命打を受けた。
『斉射開始!』
デブラが激浪の脅威を取り除いたことにより、エル・ドラードは
飽和攻撃の機会を得たのであった。
大成功
🔵🔵🔵
朱鷺透・小枝子
大きくとも壊してしまえば良い!
壊して壊して壊し尽くしてしまえばガラクタだ!!あんなものは!!!
回点号に引き続き【操縦】
ウィングキャノンで【呪殺弾】一時機能不全で攻撃を止める。当らなくとも次の動きが見えたら良い!
【早業】ブースター変形【推力移動】敵の機動に喰らいつきながらRSパルスマシンガンで【制圧射撃】敵の推進装置に重点的に攻撃を加え、
『破傷戦』発動。推進装置を崩壊させる。『満潮』の修復を阻害する
壊れたままでいろ!壊れてしまえ!!
あんな物使う奴ら全部壊れて消えてしまった方が良いんだ!!!
【シールドバッシュ】全身に纏ったシールドを円錐状に変形、
【念動力】回転、高速で『激浪』へと【貫通攻撃】
壊れろ!!壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろォオオオ!!!
敵機体内部に喰い込み、過去に負った傷が、傷を負った部位の崩壊が早まるように、生命力吸収能力を阻害する【
闘争心】籠る【呪詛】を吐きだす
●
小枝子は激怒した。
必ず、かのオブリビオンマシンを滅さねばならぬと決意した。
理由は単純明快であった。
「
あんな物を使う奴らは全部壊れて消えてしまった方が良いんだ!!!」
全くもってその通りである。
外道オブリビオンマシンなど積んでるオブリビオンマシンが良いオブリビオンマシンな訳がない。
故に
激浪壊すべし。
単騎回天が激浪に向けて飛び立った。
対する激浪は、海中への逃走はおろか、持ち前の修復能力の発揮も許されず深刻なダメージを受けていた。
幸いにも戦闘の継続は可能、しかし状況はジリ貧である。激浪は立て直すためにエル・ドラード、猟兵部隊から距離を取り最終攻撃に備え回復を行おうとするが……。
「逃ィがァすかあァァァ!逃ィげるなァァ!卑怯者ォォォ!」
――あぁ!
猟兵からは逃げられない!
小枝子の駆る回天が激浪頂上から急降下、さらに一対のサイキック兵器「ウィングキャノン」からは
並々ならぬ呪念や怨念で筆舌に尽くしがたいエネルギー密度の火力が投射された。
蟻が巨象を脅かす。激浪、強襲に対し打つ手なし。
「大きくとも壊してしまえば良い!壊れろ壊れろ壊れろォ!」
小枝子はここからウィングキャノンの直撃で硬直した激浪の背に着地。武装をパルスマシンガンへと持ち替えると、先の戦闘で猟兵達やエル・ドラードの攻撃により破壊された部位を目指す。
しかし激浪も反撃に転じる。これまでの奔流砲による攻撃を旨とした巡航からうって変わり、海洋哺乳類めいた生物的機動を開始した。
三次元の変則的機動。さらに浅いとはいえ潜行からの急浮上による体当たりは脅威である。
「ガラクタの成り損ないがァァァ!」
小枝子は巻き込まれまいと激浪にピタリと張り付くように
戦闘機動を開始する。
ほんの僅かに触れでもすれば木っ端微塵になる危険もあった。
しかし激浪の我武者羅な機動に対し回天は怯みを見せずただひたすらに喰らいつく。
それは最早、『執念』という名の牙を持つ獣が如きであった。
幾度かの激浪の体当たりを躱した回天は、とどめと言わんばかりの
反撃打を打ち込む。
激浪、二度目の硬直である。
小枝子はこの機を逃さず、激浪の推進装置、即ち取水ユニットを捉えパルスマシンガンの斉射を叩き込んだ。
「壊れろ!!壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろォオオオ!!!」
何度も、
何発も、
執拗に。
この戦場にこれほどの怒りを持ち込んだものは後にも先にも小枝子を除いて他にいただろうか。
いや、いなかった。
その証左に、激浪の挽回の鍵たる
『満潮』は見るも無惨なガラクタと化した。
大成功
🔵🔵🔵
ノア・クレムリィ
奔流砲、凄まじい威力です。ですが、あれだけの一斉砲撃には大きな隙が生まれます。そこに最大火力を叩き込めれば――
【UC:渦龍吶喊】(SPD)を発動、〈ランスチャージ〉を敢行します。側面から目立つように接近、砲撃の前兆を感知したら〈リミッター解除〉の〈推力移動〉、駆動部が焼き付く程の緊急回避です。余波による損傷は許容内、《ノーチラス》の〈爆撃〉〈貫通攻撃〉を叩き込めれば構いません。それに、私を狙ったということは、エル・ドラードに側面を晒すという事。
リヴァイアサンからエル・ドラードへ、砲撃支援を要請。コイツの無防備な横っ腹に貴艦の
40.6cm砲をぶっ食らわせて差し上げろ!
(アドリブ連携負傷等々大歓迎)
●
激浪、活動限界は目と鼻の先。文字通りの『崖っぷち』である。
しかし同時に腐ってもオブリビオンマシンである。仕留め損なえば近い将来への禍根を残すことになり、再び周辺地域の脅威をなりうるであろう。
「奔流砲……。
サンドヴァルを一撃で破壊し、
エル・ドラードの質量をして跳ね返される高威力一斉砲撃。……やはり砲撃後の隙は大きいですね。」
ここまでの戦闘からノアが見出したのは奔流砲の仕組みの弱点である。
奔流砲を始め激浪の兵装の多くは機体周囲の水を大量に取り込み、更に鋼鉄の船体に通用する威力を生み出すための高圧縮する必要があった。
本来ならば機動力と潜行と浮上を繰り返すことで無防備を晒すことを防げていたのであろうが、それら頼みの綱は既にない。
『エル・ドラードから猟兵へ、本艦の残弾はあと側舷一斉射分だ。次で決着をつけるぞ。』
「こちらリヴァイアサン。了解です、艦長。ヤツの注意はこちらで引き付ける。貴国の軍事作戦です、とどめはお任せします。」
『……恩に着る。行くぞ!』
故に彼らはこの機に全てを賭けた。
XRX-007 試作対艦突撃槍《ノーチラス》
製造:聖共和連邦《セインツ》親衛海軍工廠
対艦白兵戦を想定した
竜騎兵用兵装。
最大の特徴は空洞構造となっている巨大な穂先に炸薬が充填されている点であり、標的装甲を破り侵徹した穂先が標的内部で炸裂し大打撃を与える事を想定した兵器である。
ノーチラスを構え洋上を走る
竜騎兵。
その先にはオブリビオンマシン『激浪』、接近する脅威を迎撃せんと奔流砲の発射準備に入る。
ノーチラスの間合いには未だ遠く、しかし奔流砲の射程内である。
(それでいい……『コレ』で良い!)
背部砲が口内砲がガンドを、ノアを捉える。
しかしノアの突撃は止まらない。
『この場における最大脅威』を演じ続ける。
「
撃ってこい!
撃てよ!」
ノアの挑発に乗るように、激浪の奔流砲が放たれる。
これまで観測された中でもずば抜けた大水量。標準的なキャバリアであれば触れただけで粉微塵になるだろう。
「……ッァアアアッ!」
だがノアは『コレ』を待っていた。
それが来ると分かっていたからこそ、その無謀な――急制動と急発進を組み合わせた奔流砲回避運動を行うことができた。
急激な横Gとブラックアウトに耐えながら手足を動かしガンドを駆るノア。
その酷使にガンドの駆動系が悲鳴を上げるも、
操縦者の無理難題に無理を通して応えてみせた。
「
竜騎士の華、御覧じろ!」
奔流砲を無駄に撃たせたノアがその流れでノーチラスを激浪の機首に叩き込み離脱、直後大爆発が起きた。
「エル・ドラード!今です!」
そしてノアは役割を成し遂げ、戦闘は遂に
終幕を迎えようとしていた。
ノアの視線の先には激浪を挟んでエル・ドラードが、
エル・ドラードの右舷全砲が激浪を射界に捉えていた。
「貴艦の
40.6cm砲をぶっ食らわせて差し上げろ!」
『俺達の
40.6cm砲にアイサツしやがれ!』
アルマディナスが放ったミデリアン・スラングを合図に主砲が、副砲が、ありったけの砲弾を激浪へとブチ込んだ。
●そして老人達の戦いは終わる
「激浪撃破!繰り返す、激浪撃破!」
「やったぞ!勝ったんだ!」
エル・ドラード、最後の攻撃が遂に
激浪を討った。
潜水母艦撃破の時以上に盛大に火を吹き上げ、盛大に爆発してみせる激浪。
遂に悪夢のバケモノが討ち取られた。その報せはこの場の全ミデリア海軍人に歓喜を齎した。
『こちらエル・ドラード艦長、アルマディナス元中将より猟兵及び全将兵へ。敵巨大キャバリア激浪の撃破を確認した。現時点をもって本作線の完了を宣言する。……ふぅ、老人にはかなり刺激が強すぎたな今回の戦争は。シャビエル大尉、我々に機会を与えてくれたこと、感謝するよ。』
『恐縮です閣下。』
『こちら機関室のアンドレ!誰か腹減ってるやついねぇか?厨房の冷蔵庫で山盛りのチキンブリトーを発見。よく考えたら昼飯食いそびれてたんだ。皆で食べようじゃないか。』
チキンブリトー。
トルティーヤを用いた料理「ブリトー」の一種。
ミデリオ連邦の屋台料理として知られており、近年は電子レンジで温めるタイプの商品も開発されている。
なぜエル・ドラードにチキンブリトーが?
艦内の改修作業を行っていた作業員が間食として持ち込んだのだろう。……多分。
『ハハハ……チキンブリトーか。……よし、私は食うぞ。止める医者もおらんからな。猟兵諸君、祝杯のかわりにチキンブリトーは如何かな?』
『閣下、小官達もお供します。――サンドヴァル全クルー、エル・ドラードに移乗開始!』
こうして老人達の戦いは幕を閉じた。
そしてチキンブリトーは彼らの腹の中に収まるのであった。
大成功
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