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侵略のおじさん

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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●その日、平和は崩れ去った
 集まった猟兵達に我孫子・堅はいつものように笑いかけた。手に持っているのは羊紙の地図だ。広げれば乾いたインクの香りと共にどこかの地形図が現れる。その右上部に描かれた四角い場所を指差し、我孫子は要件を語った。
「今回はアックス&ウィザーズでの事件になる。この世界に存在する廃墟に最近人影が散見するようになった」
 その廃墟、昔はドラゴン討伐の拠点と使われていた場所だったようだ。今も所々に罠や物資の残骸が散らばっているらしい。物資の残骸は時に魔物が食う糧ともなる故に、小型の魔物を見ることもある。要は危険区域だ。その為、隠し財宝目的の盗賊以外は滅多に近寄らないと嫌厭されていたのだが、最近幾人もの影を見たと冒険者達の間で噂となり始めているのだ。事情の知らない者が入るにしては大人数、そしてそれが外と中を行ったり来たりするのだから誰も彼もが驚く。
「罠があるのにどうして大勢がそこを出入りするのか。小型とはいえ魔物がうろつく廃墟にいる理由が分からん。……が、仮定として廃墟に秘められた情報を握っているからなのではないか、過去の幻影……オブリビオンだからではないか、という可能性が出てな。皆には是非調査して欲しいんだ」
 廃墟の奥まで進めば相手が何者で、どういう目的でここを根城としているのかが分かるはずだ。道中の障害は猟兵であれば解決して進むことができるだろう。
「魔物との共同戦線は今のところないようだが、今後どうなるか分からん。被害が出る前に調査と対策を立てた方が良いだろう。どうか、よろしく頼む」
 羊紙を纏めた我孫子は改めて、猟兵達にそう願いを掛けた。


楪カジ光
 お世話になっております。カジ光でございます。今回は廃墟探索から、集団出入り謎の人物達の調査を行ってもらいます。
 え? 謎でもなんでもなくタイトルでお察し? いいえ、最後まで分かりませんよ!!
 第一章の廃墟探索では廃墟の奥を目指してもらうシンプルな内容です。罠や魔物は猟兵が一人で立ち向かえる程度のものなのでご安心を。もちろん、共闘プレイングもできます。
 それでは、どうぞよろしくお願いします!!
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第1章 冒険 『廃城に隠された秘密を追え』

POW   :    魔物を掃討。探索に集中できるように露払いといこう

SPD   :    侵入者を撃退する罠等は今も生きている。トラップや開錠を試みる

WIZ   :    ○○がどこにあるか地図などを使って怪しい場所、隠し通路などがないか探してみる

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

タン・ウォン
WIZで挑みます。

謎の人影が大勢で廃墟へ出入りしているのなら、その痕跡が残っているかもしれません。
注意深く観察しながら、廃墟の奥へと進むルートを調査します。
もし足跡のひとつすら見つからなかったら、きっと人影は幽霊なんでしょう。
怖いですね!
そうでないことを祈ります。

魔物が出てきたら「無影腕」による連打をくれてやります。
殴り合いは得意なんです。

罠については専門家じゃありませんので「野生の勘」に頼りつつ、ロッドで床や壁をつつきながら進みます。



 廃墟近くの茂みから出入口を窺うタン・ウォン(キマイラの格闘家・f14628)は目当ての人影がないことを確認する。確たる証拠がいないということは、逆に言えば調べ放題とも言える。
「ふむ……作りは古いものですね。人が使った形跡こそあれど、それは古い跡とも言えるでしょう」
 石壁を触り感触を確かめるが、これといった特徴はやはりない。出入口に立ち、中をじっと見つめてみるも、風が吹き抜ける音がするだけで生き物の気配すらなかった。
「魔物もいるとは聞いていたのですが……ここまで静かだと幽霊相手になる感じがしますね」
 はは、と苦笑が廃墟に響く。返事はない。それどころかもっと風が冷たくなった気がする。
「……失言でした。こういうのは言えば本当になってしまうとか。いや、呑気に喋っている場合でもないか」
 何せここは敵の砦かもしれない場所。いつ危険が降り注ぐか分からない。例えばそれはすぐ頭上に忍び寄っているかもしれないのだ。
「……!!」
 何かの金切り声が耳に届いたと同時に殺気を感じる。瞬発的に身を翻したタンが見たものは自身の半身近く大きな蜘蛛であった。どうやら天井で獲物がかかるのを待っていたらしい。正体現せばキマイラ通背拳で倒すことができたが、あと一歩反応が遅ければ確実に餌食となっていた。
「やれやれ……この先、こういうのが多いんでしょうか」
 正々堂々がやりやすく好ましいと感じるタンにとって死角との攻防はやりにくさを感じざる負えない。それでも引き返すことはできないと知っている。
「やるしかない、か」
 意を決した足が一歩、一歩と廃墟の中へ進み始めた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ニオク・イグズヴィ
ノトス(f03612)と一緒に参加だ
さて、たまにはシーフらしい仕事をしてみようかね

○SPD
罠を仕掛けるっていやぁ、相場は床か扉か……
床は石材か木材かにもよるが、不自然に材質や色が違ったりする場所がないかを調べる
不自然な箇所がありゃ、そこに何らかの仕掛けがある可能性が高い
侵入者には解らなくても、仕掛けた側には解る目印があるはずだからな
そういった所に10フィートぐらいの長さの棒か、そこそこ重い石でも落としてやれば、多分罠が発動するだろ
罠の箇所が解ればチョークか何かでバツ印でも書いてやれば、間違って踏むこともない
道具があればじっくり解除することもできるんだが、多分そんな時間の余裕はないだろうからな


ノトス・オルガノン
アドリブ、絡み歓迎です
ニオク・イグズヴィ(f00312)と同行
冒険仲間

なかなか入り組んだ構造のようだ……
足元も悪そうだし、気を付けて進もう

【WIZ】
ユーベルコードWhite Lilyを展開
まあ何を攻撃するとか、そういう訳ではないが……
なんとなくだが、こういったところでは地下室とかありそうだ
風の流れを確認して抜け道がないか探してみよう
(攻撃以外でのユーベルコードが使用不可なら蝋燭等を持ち込み、煙で代用)

後はニオクのトラップ解除等の補佐をしよう
……それと邪魔をしないように、だな
トラップにひっかからないよう、なるべく気をつけよう



 コツコツ。壁をノックする音が響き渡る。ニオク・イグズヴィ(コインの裏面・f00312)の手が罠を調べている合図だ。
「床は石材。ま、籠城なんかで使われていたなら妥当な作りか。木材は特に使用なし。こういう分かりやすい場所の罠ってのは不自然に材質や色、触った感触が違ったりする場所によく設置されているんだよな」
 故にまずは壁がどんなもので作られているか把握する必要がある。ノトス・オルガノン(白百合の鎮魂歌・f03612)はその説明にいたく納得していた。
「成程、何もないところにこそ罠があるんだな。……知識として持たない部分だ、とても助かる」
「いいってことよ。……あ、ここ怪しいな」
 笑ったニオクの指先に、石壁の色が違う部分がある。あからさまなそれは実に他人を陥れるものに違いなかった。
「こういうのは仕掛けを切るか、わざと発動させるかによるんだが……天井にも床にもそれらしいのは無し、どう解除しようかね」
 発動する罠だとして、何がどうなるか予測がつかない。ニオクの邪魔をしないようにと一歩下がっていたノトスも辺りを見渡してみる。
 天井、何もなし。正面の壁、何もなし。来た道、何もなし。床……。
「とりあえず押してみる。下がっててくれ」
「……ニオク!」
 ノトスが叫ぶが早く、ニオクの足が前の床を踏んだ。若干の沈む感覚が伝わる。
「……っ!?」
「No.496……うるわしき、白の花。咲き誇れ!」
 唱えた【White Lily(ホワイトリリィ)】が飛来する弓矢を撃ち落とした。カラカラ、と落ちた矢の先端は酷く紫がかっている。
「……毒矢か」
「悪ぃ。ダミーだったとは」
「気にするな。私も言われて見回していたからこそ見つけられたんだ」
 試しに壁の方を押してみても何も起こらなかった。
「性悪な仕掛けだぜ……。これじゃあシーフの面目丸つぶれだ。次はないように気を付ける」
「ああ、頼りにしている」
「……どーも」
 床を念入りに調べ、何もないことが確認できた二人は緊張の面持ちで進んでいく。この先、まだ何かあるのだろうか。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

最上・空
廃墟に美幼女が降臨です!

罠や敵が生きているのに大人数が出入りしてるみたいですし、案外廃墟の中を進まずとも、周辺に隠し通路やショートカット的な道があるかもしれませんので、空は廃墟に入らず廃墟外周を探索してみますよ!

とりあえず、「美幼女ブル-ム」に跨り、地面に足跡を付けないようにしてから、外周の地面に多人数の足跡や馬車や馬の跡が無いか探して、あればソレを辿り、可能なら【影の追跡者の召喚】で足跡を追跡してみます。無いなら隠し通路がありそうな、井戸や納屋辺りを地図で探して中を確認ですね!

それでも無い場合ですか? 外周には隠し通路が無いと言う情報が入手出来ますよ!

※アドリブ&まとめご自由に



「廃墟に美幼女が降臨です!」
 最上・空(美幼女・f11851)の声が高らかに響き渡る。当然、誰の返事もない。
「まぁ、ここで襲われたりしたらそれこそ困るので返事はなくて大いに結構。さて、と。罠や敵が生きているのに大人数が出入りしてるみたいですし、案外廃墟の中を進まずとも、周辺に隠し通路やショートカット的な道があるかもしれません。故に空は廃墟に入らず廃墟外周を探索してみるのです!」
 気合十分、ぐっと拳を握り締める。取り出した『美幼女ブル-ム』に跨り、所々穴の開いた壁をぐるりと一周。特段広くない敷居はすぐに元の位置に戻ってきた。
「風化が激しいですね。ですが、元々の形は失せていない様子。こういった狭い場所こそ隠し通路を利用した地下室等が重宝されそうですが……」
 今のところ外周に怪しいものは見当たらない。内部にあるのか、それとも存在しないのか。果たして。
「これは外周には隠し通路が無いと決定付けても……おや?」
 箒をゆっくりと下降させ、ある一点に降り立つ。廃墟の出入口とは真逆の場所。穴の開いていない壁が空の目の前に聳え立つ。が、空の視線は足元から動かない。
「足跡、でしょうか。新しい上に随分大柄です。大人の……男性ぐらいの足幅ですね」
 泥を踏みつけた跡が複数点在している。それも靴の方向は全てちぐはぐ。まるで何度も何度も幾方向に歩き出したような。
「……怪しい。実に怪しいです。ここにこのようなものがあるということは、一番怪しいのはこの壁……。ですが、この壁自体は普通なんですよね」
 押しても引いてもただの壁。悩む空はいつの間にか何度も地面を踏みつけていた。
「……あ、もしかしてこれ、迷ってウロウロしてた跡……?」
 空のように同じ場所をぐるぐる回っていれば多くの足跡が付く。それにしたところで、何故壁の前で往生する思考を巡らせる必要があるのか。
「謎が更に謎を呼んでしまいました……。ですが、廃墟につい最近誰かしらが立ち寄った痕跡があったのは間違いない事実。これは大きな一歩です!」
 もしやもすれ、まだ外側から有力な手掛かりが見つかるかもしれない。空の拳は一段と握り締められた。

成功 🔵​🔵​🔴​

最上・空
謎を解明する為に美幼女が参上です!

穴の開いていない壁、露骨に怪しいのでUCで吹き飛ばしたくなりますが、美幼女的にソレをやってしまうと、全力で脳筋に堕ちてしまうので、地道に謎解きですね!

壁は目印で周囲に何かあるのか、それとも壁にギミックがあり、解除するのにウロウロしたのですかね?

とりあえず、壁を背に周囲や地面を観察して、怪しい場所や何かギミックが隠されていないか調査してみますよ! ついでに、地図を片手に地図に記載が無い怪しい物が無いかも確認ですね!

無い場合、壁を念入りに観察したり軽く叩いて、壁自体に隠し通路とか壁を開閉する隠しスイッチ的な物が無いか調査ですね!

※アドリブ&まとめご自由に



「謎を解明する為に美幼女が参上です! って、これさっきもやりましたね。勿論、返事はなくて結構」
 空の現在地は先程調べた壁の裏側。つまり廃墟内である。何故外からここにいるのかと言えば。
「まさか足元のほんの小さなところに踏むタイプのスイッチがあるとは思いませんでした。しかも壁が扉の様に開いただけでただの廃墟内への入り口だなんて」
 あの後、調べに調べた結果の成果と言える。しかし、秘密の通路というよりは本当に隠し通路なだけでこれと言って特別な場所に出たわけではない。普通に入り口からでも入ってこれる場所だ。
「ですが、こんなところを開閉式にするのには何か理由があるはず。籠城の砦だったのなら尚更外から中に入れる仕様などおかしいですし」
 鋭い観点から視察するに、空はこのギミック壁の存在意義について予想を立てる。「恐らくは本来の入り口よりもこちらの入り口の方が都合がいいからという理由で開閉されていたのでしょう。では、その都合とは。例えば、重要拠点への近道だったとか。だとしたらここの近くに同じようなものがあるはずですね」
 辺りは通路で右と左に壁がある。地面は土埃被ったレンガであり、秘密の何某を隠すにはうってつけの装飾だ。
「スイッチがあったとしても罠の可能性を考慮すればあまり多様に押すのは良くないですね。慎重に見極めないと」
 もう一度壁を調査する羽目になってしまったが、空の好奇心は意気揚々とスイッチを探す。謎の解明は時に少女を探偵たらしめる魅惑の力であるのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

小宮・あき
共闘歓迎します!

洞窟だと暗いかもしれない。【暗視】【視力】で意識持って目を凝らし【聞き耳】で周囲の音を拾う。【忍び足】で音を消して歩くようにしましょう。

罠については、まず、技能【世界知識】でこの世界の罠の系統を探る。これまでアックス&ウィザーズで多くの依頼を受けているで大体は判っていますが、念の為。

私は【罠使い】の技能を持っています。罠についての知識はあるので、設置しやすい場所、罠を掛ける効果的な場所は何となく判る…はず! ああ、毒を使ってくる可能性もありますね。【毒耐性】が役立てばいいなあ。

解除時にトラップを仕掛けるものもあるので【第六感】と【野生の感】をフル活用して【早業】で解除します!



 カチャリ、作動バネが音を立てたと同時に通路に穴が開く。穴の底にはいくつもの針山が険しく立っていた。
「ふー……やれやれ。細かい作業になってしまいました。ですが、なんとか二つ目もクリアですね!」
 小宮・あき(人間の聖者・f03848)の声が朗らかに響く。事前に調べた罠の知識と持前の器用さで来るべき罠を解除しながら進んでいる彼女は、今し方落とし穴の罠を突破したところだ。
「でも、本当に専門技術がなくても解除できる罠で助かりました」
 罠使いの知識は得ているものの、やはり知識だけでは扱いが難しい罠が存在していることも確か。しかしホテルのオーナーたる者、手先が器用であれば損することはないと一通りに努力をした身だ。自分の出来ることが増えたと自信が灯る。
「この調子で行けば、この建物内を未作動罠なしで自由に歩くことも可能になるかもしれません。慎重に、かつ大胆に行かなければ」
 ここで負傷してしまえば損害は大きい。と、頭の隅に宿った思考をいけないいけない、と取り払う。商売勘定で図ってしまう癖だ。時に良く、時に悪い癖である。
「ともかく! 通路確保と対象散策と事件解決に向けて!」
 あきの声が一層回廊内に響いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニオク・イグズヴィ
ノトス(f03612)と引き続き探索

さっきは不覚を取ったが、もう油断はしない
とはいえ、もしうっかりヤバいの踏んじまったら、また教えてくれな、ノトス

ノトスの地図を確認しながら、怪しい所を虱潰しに見ていくか
行き止まりやくぼみ、不自然な空き部屋なんかに隠し部屋や落とし扉があったりとか
でもって、そういう所にはちゃんとした手順を踏まないと発動する罠が張ってあったりするだろう
ちょいと力業だが、真の姿になってバウンドボディを使う
怪しい隙間に身体の一部を潜り込ませて、解除を試みてみよう

……こういう任務用のユーベルコード編み出したほうがいいかね、やっぱ

(アドリブ歓迎です)


ノトス・オルガノン
アドリブ、絡み歓迎です
引き続きニオク・イグズヴィ(f00312)と同行

【WIZ】
とりあえずこのまま奥に進もうか
一度地図を確認してみよう
そうだな…不自然な行き止まりがあれば、隠し通路がある可能性が高いかもしれないな
その辺確認しながら進んでいこう

またトラップがあれば、よろしく頼むな

何かあれば、ユーベルコードを使用



 カンカン。壁の音が変わっている。
「もうさっきみてぇな失敗はなしにしてぇけど。こりゃ怪しいな……」
 壁を叩いていたニオクの表情が歪む。場所は先程の罠の場所から遠く離れた通路の壁。誰かが開けた別の出入口が近い。
「押すスイッチだろうか」
 顔を覗かせるノトスに、ニオクの首が横に振れる。見立ては違うようだ。
「壁のスイッチで作動するタイプの罠はほとんどがダミーだった。さっきみたいな足で作動するものが多い。多分、内部に侵入した魔物を撃退させるのにちょうどいい罠だったんだろうな。どんな姿のもんでも床は踏むだろ」
「……成程、本当に防衛目的の罠が残っていたのか。しかし、そうならこの壁の作動スイッチは床にあるなら罠、それ以外なら罠でないと判別できそうだな」
「ああ。んで、この壁の怪しい場所っていうのがなー」
 ニオクの目が壁一面を滑っていく。スイッチのようなものはない。ノトスの目も同じようにぐるりと回る。二人の目をもってしても見つからない。
「んー……やっぱこれもダミーか?」
 他の物を隠そうとしているだけのもの。そう断じざる負えないが、ふとノトスの目が何かを見つけた。
「あ、これは」
 壁の隙間。足が入るか入らないかギリギリの位置にある出っ張った石。
「なんだ、これ。挟まってるのか?」
 壁に石が挟まっているのも構造上おかしい話だ。思い切ったニオクの足が石を蹴る。
 ガコン。
「あ」
「まさか、スイッチ……!」
 言うがもう遅い。大きな音を立てて壁が動く。まさか、挟む罠かと二人は退路を必死に目視する。……が、壁は真横にスライドしていった。現れたのは新しく下段に下がる通路と足場。
「…………」
「…………」
 深い沈黙が二人の間を抜ける。これは喜ばしいことなのか、それとも自分たちの仮定を踏みつぶされ怒るべきなのか。
「面倒だからってスイッチの仕様を同じにしてんじゃねぇよ!!」
 突如、ニオクの怒号が響く。ノトスの肩が引き攣ったが、勿論返事はない。静がな砦があるだけだ。
「くっそ! 馬鹿にされてる気しかしねぇ!! 行くぞ、ノトス!!」
「あ、ああ……。この先に、きっと元凶がいると思うしな……」
「ぜってーぶっ飛ばす!!」
 二人の足はそれぞれの歩幅で階段を下っていく。その先に待つのは恐怖か絶望か。はたまた誘惑の宝だろうか。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『山賊』

POW   :    山賊斬り
【装備している刃物】が命中した対象を切断する。
SPD   :    つぶて投げ
レベル分の1秒で【石つぶて】を発射できる。
WIZ   :    下賤の雄叫び
【下卑た叫び】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●逝かない個、誰ダ(ねないこ、だれだ)

 砦の地下。かつて物資倉庫だった広い場所。そこに複数の影がうろついている。
「ああ、まだまだ足りねぇ」
「もっと、もっとだ」
「積みあがるまでもっともっと」
 吐き出すような醜い声は欲望の怨嗟を零すだけ。そこに明確な意思はなく、はっきりとした目的もないのだろう。
 欲しいものとは? 分からない。
 積み上げたいものとは? 分からない。
 分からない。分からない。分からない。
「ああ、うるせぇうるせぇうるせぇ!!」
 一人が呻き始める。それが感染していき、辺りは一面地獄のような声が響き始めた。
 猟兵達はこの光景を苦々しく見つめる。部屋の中心に集められた骨の山に気分を害したのもある。が、肝心なのはこの狂った集団が砦の外に出ていた可能性があるということ。こんなものが蔓延ったらどうなるか。想像に苦しすぎる。
 武器を取って戦わなければ。終わらせなければきっと、この場所に朝日は永遠に昇らないだろう。
小宮・あき
●連携・アドリブ歓迎。
前衛さんがいらっしゃれば、ぜひ連携を組みたいところ。
私は後衛で戦います!

UC【愛雨霰】で攻撃。
愛用のマスケット銃をレベル分(24本)を宙に浮かせ【一斉発射】の【援護射撃】。
高さ・距離をバラバラにし【フェイント】【だまし打ち】をしたかと思えば【零距離射撃】も。

自身は両手杖を握り【全力魔法】のUC【神罰】を。
聖職者の私の【祈り】は、広範囲の光の柱で現れます。
(UC1つしか採用されない場合は愛雨霰優先で)

洞窟内なので暗視ゴーグルで【暗視】【視力】を補強。
【聞き耳】で音を逃さず【第六感】【野生の勘】を重視。
【ダッシュ】【ジャンプ】【逃げ足】【スライディング】で回避します。



 何故砦に巣食うのか、ここに一体何があるのか。どの問いへも答えは返ってこないだろう。もう、言葉すら通じるような精神を持っていないのだ。
 うろつく邪悪な影を背に、あきは散らばった物資の残骸へしゃがみ込む。標的は一人、二人、沢山。どれも牽制する為にはある程度の準備が必要だろう。手にしたマスケット銃がカチャリ、と鳴る。愛する者を刻んだ得物。己の愛の体現。その一つがあきの意思で複製されていく。一つ、二つ、沢山。
「この愛は一つだけ。真実は一つだけ。虚像のものは毒になる。……それでも、亡いよりはましでしょう。逝き先への餞別品です」
 飛び出した少女の姿を確認した目は、果たして何を思う前に銃弾の嵐に巻き込まれる。
「私、愛されてますから」
 本日は晴天なり。愛の日柄もよく、【愛雨霰(アイ・アメ・アラレ)】が降るでしょう。
「だから、本命はなしです」
 微笑むあきの手に、一丁のマスケット銃。どの山賊も最後までその銃を引かせることは出来なかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニオク・イグズヴィ
引き続きノトス(f03612)と

ブラックタールの真の姿に変身
敵の真ん中に飛び込んで【黒荊の暴風】を発動
【2回攻撃】で【傷口をえぐる】
慈悲はない。容赦もしない。
そもそも亡霊相手にそんな必要もないからな。

まぁ、相手を選びも出来ないからな
巻き込まれねぇえように気をつけろよ、ノトス!

敵の攻撃は【敵を盾にする】事で回避
黒荊の棘で敵の身体をひっかけて、自分の方へ引き寄せる
狂気と恩讐しか残っていない相手なら、遠慮なくやれるってもんだ
テメェらのつぶてなんぞ、一発も喰らってやるものか


ノトス・オルガノン
アドリブ、絡み歓迎です
引き続きニオク(f00312)と同行

やっと正体を現したか…
しかし異様な光景だ
見ていて気持ちのいいものではないな
だが、こいつらもある意味では囚われの身、か
ここまでくると、哀れにも感じる
せめて、開放してやろう

【SPD】
ユーベルコードOrganumを使用
影ごと切り裂いてやろう
※セリフ省略可
ニオクと連携しつつ、広範囲に攻撃を
とはいえ確実に仕留めたい
ニオクの攻撃で傷を負った奴がいれば、止めを刺すのに回ろう

敵の攻撃がきたら防御に一部のパイプを回す
そのまま打ち返せたらそれはそれで一興か?
試すだけの価値はあるだろう



 誰かが言った。それは宝であると。誰かが言った。それはゴミであると。誰かが言った。それは俺達であると。
「悪趣味だな。まっ、狂気と恩讐しか残っていない相手なら、遠慮なくやれるってもんだ」
 ニオクが吐き捨てた言葉に山賊達は返事も寄越さず襲い掛かってくる。柔軟な体に変化した身はその哀れを嘲笑うかのように輪の中心に降り立った。
「てめぇら、全員串刺しだ!」
 言うが早く、軟体は鋭い棘となって山賊らの身を穿つ。黒い剣山はまるで地獄の亡者の戒めに伝わる針山だ。
「他愛無しっと。……ああ、自分で避けてくれよ? ノトス」
 掛けられた声にノトスは短く頷くだけだ。あまりの暴風たる様に少しばかり驚いていたとは言えまい。
「慈悲はなく、か。……いや、慈悲在りてのことなのだろうな」
 存在を消すこと、痛みを感じぬままに屠ること。それが万物を救う手立ての一つとかつて唱えた人がいる。綺麗事だと吐き捨てる者もいれば、然り然りと肯く者もいた。ノトスは思う。今はまさに肯く時であると。
「……しかし異様な光景だ。見ていて気持ちのいいものではないな」
 化身でもあるオルガンのパイプ。振り抜けば風と共に音を発する。
「風の裂かれる音、聞いた事があるか?」
 それが幾つもの螺旋となりて山賊達を殴り付けた。鈍器故に攻撃は頭のみに限定されていたが。
「そして何よりしぶといな」
 叩けど穿てど立ち上がる者は這い上がり、ただ意味のない言葉を発し続ける。目はあり、こちらをしっかり見ているはずなのに。まるで別のどこかを視ているようで、限りなく不気味だ。
「こいつらもある意味では囚われの身、か。ふむ、ここまでくると、開放してやろうという気も怪しくなる」
「なぁに呆けてるんだ、ノトス。目の前の敵なんざに使ってやる頭なんざねぇだろ」
 ノトスの思考を一蹴して再び敵陣へ突撃するニオクの背は迷いがない。その姿にノトスは少しばかり微笑んだ。
「その通りだ。死んだ者の為に考えるより、生きる者の為にこそ考えねばな」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

真宮・響
【真宮家】で参加。

思い通りにいかないからっていちいち喚き散らすんじゃないよ、やかましい。まあ、略奪しか頭にない奴らに容赦する要素はこれっぽっちも無い。叩き潰してやるよ!!

倉庫だから竜を呼び出すには狭いね。違う手で行くか。【目立たない】【忍び足】で敵の視線から逃れつつ、敵の集団の背後に回り込み、【先制攻撃】【二回攻撃】で竜牙を使うよ。【範囲攻撃】も使うよ。敵は集団だからね。正面から突破は奏に、遠距離援護は瞬に任せ、アタシが一番動きやすい戦法で行くよ。


真宮・奏
【真宮家】で参加。

おじさん達、凄くうるさいです~!!まあ、山賊だから手加減する理由は無いんですけどね!!もう叫ばなくてすむように、倒しちゃいます。

背後に回り込む響母さんから注意を惹き付ける為、トリニティエンハンスで防御力を強化して、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】を攻撃の被害を抑えながら、敵の集団から正面突破するように、【属性攻撃】【二回攻撃】【範囲攻撃】で攻撃します。遠距離攻撃が必要なら【衝撃波】を使いますよ。


神城・瞬
【真宮家】で参加。

ああ、凄い恨み節の連呼が聞こえますねえ・・・まあ、貴方達の事情なんて知ったことではありませんので。これ以上愚かな行為を繰り返す前に終わらせましょうか。

前にでる奏の負担減の為に【高速詠唱】【全力魔法】で氷晶の矢で【範囲攻撃】を。【二回攻撃】で攻撃回数も増やして、【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】も乗せましょう。余裕があれば、奏の攻撃に【援護射撃】しましょう。



 一つの戦場を思い浮かべる。全てが地獄で、全てが悪魔の恐ろしい場所。そんな場所に立っていた人を思い出す。
「ったく、思い通りにいかないからっていちいち喚き散らすんじゃないよ、やかましい」
 真宮・響(赫灼の炎・f00434)はそうごちた。山賊達が何を目的として何に憤り何へ狂っているのかは分からない。それでも、彼女は山賊達が『目的があり、憤り、狂っている事実』だけを感じ取る。
「おじさん達、凄くうるさいです~!! まあ、山賊だから手加減する理由は無いんですけどね!! もう叫ばなくてすむように、倒しちゃいます!」
「ああ、凄い恨み節の連呼が聞こえますねえ……。まあ、貴方達の事情なんて知ったことではありませんので。これ以上愚かな行為を繰り返す前に終わらせましょうか」
 真宮・奏(絢爛の星・f03210)、神城・瞬(清光の月・f06558)の二人も母の感情を読み取ったが如く、山賊達をねめつけた。勿論、山賊達はその意図に気付かない。
「略奪しか頭にない奴らに容赦する要素はこれっぽっちも無い。叩き潰してやるよ!!」
 母の意気込み。それを汲んだ子らの動きは速い。奏は『エレメンタル・シールド』を構え、山賊の塊へ突撃し、瞬は自らが作り上げた【氷晶の矢(ヒョウショウノヤ)】を奏の身を援護するように解き放つ。振りかぶられた攻撃に多少の痺れを感じるが、奏の盾は何人たりとも止めることができない。そのまま押し出されるように山賊の数名が圧死する。幸運にも盾の攻撃から逃れられた個体は、瞬の得物の餌食だ。
「いてぇ、いてぇよ、いてぇ、イテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェイテェ」
 一人が二人、二人が三人、三人が大勢。波紋の様に広がる怨嗟の声はやがて全員の口から漏れ出始めた。まさに、狂気。
「子供達の前でそんな奇声を上げるんじゃねぇ」
 低い声音が小さく響く。それは怒り。響の怒り。竜の怒りだ。それは正しく烈火の如く槍の牙となって山賊達を穿っていく。
「アタシはねぇ、寛容的だよ。自分で言っちゃあなんだが、大抵の粗相は大目に見るさ。だが、今回は許さない。子供達に聞かせるものじゃない」
 大勢が三人、三人が二人、二人が一人。呪いの言葉の様に全員が口にする音を、響が確実に消していく。やがて誰もいなくなったところで、やっと静寂が訪れる。
「聞くか聞かないかを選べなきゃならない。……まぁ、あの子達なら聞く方を選びそうだけど」
 遠くで自分を呼ぶ声に響はそう微笑んで締めくくった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『山賊親分』

POW   :    強欲の叫び
【酒!】【金!!】【女!!!欲望に任せた叫び声をあげる事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    剛斧一閃
【大斧】による素早い一撃を放つ。また、【服を脱ぐ】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    手下を呼ぶ
レベル×5体の、小型の戦闘用【山賊子分】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルル・アークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●素敵な一人組(ただの男)

「んだぁ? 誰もいねぇのか」
 山賊が踏み荒らした跡、そこに立ち入る男が一人。奥の扉から出てきたそれは猟兵達が相手取っていた山賊よりも幾分か体躯の大きい者だった。
「馬鹿の一つ覚えみてぇな奴らだったしなぁ。そりゃあ、すぐにいなくもなるわな」
 男はそう言った。そう言ってどっかりと腰を据えた。
「ここの宝は良かったぜぇ。可愛い姉ちゃんに守られててよ。ははは! つっても、もうねぇけどな。姉ちゃんもいねぇし、宝もねぇ。それでもまだまだ俺は足りねぇのよ。だからこうやって荒探しして罠も利用して抜け道見つけてやってるのによぉ。あいつ等は勝手に湧くし、宝になりそうなもんもねぇし、宝ってどこにあんだろうなぁ、知らねぇか?」
 猟兵は気付いただろう。この男の矛盾を。話の歪さを。この男もまた、狂気にて思考が定まらない過去の幻影なのだ。
「あいつらよぉ、山賊の身なりしてよぉ、ほんとはここの守り人だったんだぜぇ。笑えるよなぁ。俺を殺しに来ておいて自分達でお宝探し始めるんだもんなぁ。笑えるぜ。笑える。いひひ、あはは、あっはっはっはっは!!」
 どこからが本当でどこからが嘘か。全てが本当で全てが嘘か。猟兵達には関係のない話だが、せめてこの狂った男の言葉に墓を建ててやろうと各々が武器を手に取った。
「お、なんだ、やるかぁ? なら、どっこいしょ。俺もやるかぁ」
 立ち上がった男は腕に持った斧を軽く振り回し、そして獣が如く咆哮を放った。
真宮・響
【真宮家】で参加。

山賊共の奇声で頭がくらくらするよ・・・で、アンタ誰?何か色々喚いているようだけど、アンタ倒せば終わる。相当イライラしているんでね。やかましい男は好きじゃない。

まあ、ムカついてはいるけど、頭領だから手強いのは間違いない。奏に敵の引き付けを任せて、【目立たない】【忍び足】で敵の背後に回り込んで【残像】も利用しながら、【先制攻撃】【二回攻撃】で容赦なく奥の手で動きを止めさせて貰うよ。まあ、すぐ外される可能性もあるが、少しでも動きを止め、黙らせることが出来れば良しとするか。後の猟兵が戦いやすいように場を整えるよ!!


真宮・奏
【真宮家】で参加。

えっと、何をお話ししてるかさっぱり分からないです・・・分かんないので深く考えずに倒しますね。だって、母さんのイラつきようが半端ないですし・・(怖いよ~)早く倒れた方が身の為ですよ。はい!!

言動はああですが、強化されると厄介ですね。トリニティエンハンスで防御力を強化して、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】で攻撃に耐えながら正面から【属性攻撃】【二回攻撃】で攻撃して攻撃する暇を与えないようにします。遠距離攻撃が必要なら【衝撃波】を使いますね。一番槍はお任せを!!


神城・瞬
【真宮家】で参加。

自分で何言ってるか分からなくなってるようで。最早狂気の怪物ですね。何より母さんが凄く怒っているので・・(怖いです)早く倒した方が色々いいでしょう。

まずは先陣として少しでも敵の動きを鈍らせますね。【高速詠唱】【全力魔法】で氷晶の槍を【二回攻撃】で撃ちます。狙うのは四肢。【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】も乗せましょうか。僕達は先陣です。少しでも後続の方が戦いやすいように全力を尽くします。



「自分で何言ってるか分からなくなってるようで。最早狂気の怪物ですね」
 瞬はそう言った。
「何をお話ししてるかさっぱり分からないです……」
 奏はそう言った。
「山賊共の奇声で頭がくらくらするよ。やかましい男は好きじゃない」
 響はそう言った。
 三人がそう言ったので、山賊は斧を構えてにやついた。
「へはは。そう、分かんねぇよな、分かんねぇ。俺が分かんねぇのに、お前らが分かるわけねぇもんな。そうだな。じゃあ、痛いってのは知ってるか。あれは嫌だよな。痛いと何にも出来なくなっちまうもんな」
 喋りつつも己の得物から手を放さず、しっかりと三人を見据えている顔は狂気にあるとは思えない。その口ぶりだけで錯覚しそうなある種の戦法のようにも思えてくる。が、親子も戦闘態勢を崩さない。とかく、彼奴に対しての怒りが収まらない響を背にする二人は早々と事を終わらせたいと願っている。
「母さんのイラつきようが半端ないです……」
「凄く怒っていますね……こわ、いや、失礼。こちらとしても早く倒した方が色々いいでしょう」
「おお、おお。やるってか。んじゃ、やろう。そうしよう!」
 瞬間、山賊の怒号と共に小さな山賊の幻影が飛び出してきた。声を張り上げる彼奴の間に壁ができてしまう。
「逃がしませんよ!! 貫いて見せます!!」
 その声が瞬の『六花の杖』を呼び覚ます。振り上げた先の幻影に狙いを向ければ、先端から放たれた冷気が槍となって対象を貫く。刺突は幻影を幾つか殺し、一本の道を作り上げた。それを駆けあがるのは奏だ。
「早く倒れた方が身の為ですよ!!」
 自身の手に握られた二対の剣が舞うように幻影の壁を切り裂いていく。氷の槍と剣舞に、山賊幻影は次々と消え失せていく。
「やるじゃねぇかやるじゃねぇか。楽しくなってきたなぁ、ん?」
 ガキンッ、彼奴の斧が背に忍び寄った何かを弾いた。まるでそこに投げられるのを知っていたかのように斧は地に落ちた『手枷』を叩き割る。
「チッ」
「ぎはは。うーん、バレバレだ。うん、バレバレだ。もうちっと隠れておくべきだったな」
 【奥の手(オクノテ)】の初撃を防がれた響の顔は歪んでいる。考えなしに棒立ちしているかと思ったが、どうやら違っていたようだ。
「頭はまだ回っているのか。いや、勘で躱したのか……どっちにしても厄介この上ないね……」
「隠れん坊はもうお仕舞か。そりゃ残念。無念。ひひひひひ」
「気色悪い! その笑い声を止めな!!」
 『猿轡』と『拘束ロープ』を愛用の槍に持ち替えた響に山賊が笑い声を含んだまま近付いていく。一気に叩き込むか、しかし弾かれる可能性も捨てきれない。弱点を探すか、戦闘を終わらせたいがこのままでは長引く一方だ。響の頭が素早く状況を整理する。しかし。
「母さーーーーん!!」
 それは響の思考を奪うに十分な衝撃だった。今目の前、自分が槍で貫こうとしていた敵の横っ面が愛娘の盾による打撃を受けて歪んだのだ。そう、これは。
「ひでぶっ!!」
 そう叫んでも仕方がない。そのまま床を転がっていく巨体を見つめ、そして奏に向き直る。
「怖かったので思わず盾に装備を替えて突撃しちゃいました……」
「あ、ああ、うん。いや、よくやったね」
 時に子供は自分の想像から斜め上の姿を見せるものである。戦闘中だが思わず撫でた頭が嬉しそうに弾んだ。
「いてぇ、いてぇな。いてぇよ」
 起き上がった彼奴はそれでも笑っている。痛いような、苦しいような、寂しいような、怒っているような。
「奏……いきなり突撃は驚きます」
「ご、ごめんなさぁい……」
「お説教は後。まだ来るよ!!」
 構える三人に巨体の男ははっきりとギラついた目でこう言った。
「イテェんだよ。よし、血祭りを始めるか」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

触叢・アン
仲間らが戦ってるのを確認し、忍び足7・暗殺4・騎乗11・操縦10を駆使し、敵の脇腹目がけ鎧無視攻撃13っ、で宇宙原付ど~~~ん!
「ほれ、ど~~~ん」
その弾みで…騎乗11、操縦10、逃げ足13、ジャンプ、地形の利用、等と機体に付いたワイヤーを活用し高い場所に移動

「ほんなら、ここで決めちゃらぁ!(タンクトップ破り捨て)」
ミリオンライドアタック(+鎧無視攻撃13)、それは宇宙エネルギーをその身に吸収し体内生成した幻影分身を放出…つまり露出が多いほど分身が増えその威力が増すのだ!
「とぉ!ふぅらっしゅ、Ah~~~♪」
敵目がけ降り注ぐ無数の原付サーフィン乗りセクシーネーチャン、それが1点に集束し蹴り貫く!



「骨身に染みな。そんで消えちまえ」
 まるで正気を取り戻したような声音は一瞬にして自身の周りに切り刻みの跡を付けていく。旋風に近い動きは触れる者容易に無し、と言わんばかりであった。が、その猛攻も露と消える。
 それは一つの影だった。戦い抜く嵐の中、嘶きが如く片輪走行で突撃する鉄の塊。それが絶妙な角度を持って刃から逃れ彼奴の体に当たったのだ。
「なんっ……!?」
 どうして自分は痛みを受けているのだろう。どうして自分は地に伏せているのだろう。
 答えは『彼女』が知っている。『彼女』が全て教えてくれる。
「色気が足りんのじゃあ色気が。もっとこう、血に湧き、肉に踊り、心に響くトキメキロマンスエロティックがなきゃあつまらん」
「て、テメェ、何者だ!!」
 名乗るほどの者ではないが、それでも問いには答えよう。触叢・アン(銀河疾風・f01011)は自身の愛機ごと飛び上がってそう高らかに言った。
「原付サーフィン乗りセクシーネーチャン。それがわしじゃ! 冥途の土産さんに覚えとけぇの!」
 彼女の豊満な経験と肉体からなる渾身の一撃は巨体を易々と貫いた。その姿を最期に収めた盗賊の顔は完全に床と接吻を交わしており窺うことは出来なかったが、伏せられた右手の親指が持ち上がっていたことを見れば想像に容易い。
 つまりはそう言うことなのである!!

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年03月31日


挿絵イラスト