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砦をなおそう!

#アックス&ウィザーズ


●過去が牙を剥く
「そんな、この辺りにはいない筈なのに」
 暗闇の中燃え盛り、崩れ落ちる石の要塞。その最前線で倒れ、鎧を着込んだ今にも生き絶えそうな男が、無念の嘆きをあげる。
「どうして、こんな、こんなに、魔物が――」
 男は呻き声をあげ、力尽きた。その亡骸を踏み越え、引きちぎり、要塞の中へ雄叫びをあげる数十の影。立ち向かう他の鎧の男達。彼らは懸命に戦い、決して腕は悪くないものの……魔物になすすべもなく。
「フフ、フフフフフ」
 何かがその光景を見下ろし、嘲るように笑っていた。

●能天気な守護天使
「はーい、じゃあみなさんご注目ー!」
 バーン!と黒板張り付けた一枚の紙を、手に持つ槍の柄側でトントンと叩いてやかましく叫ぶは、最近オラトリオに覚醒したというグリモア猟兵見習いの星宮・亜希。
「ビビッと電波来ちゃいました! ここがピンチみたいなんです!」
 示されたのは街道のど真ん中、のほほんとした平原を遮る様にそびえたつ古びた一つの石造りの砦。後ろには岩山が見えるが、そこに魔物の影はない。
「まあ、どこが危ないかって話ですよね……この建物は『アックス&ウィザーズ』の世界――まあ、大体剣や魔法、ドラゴンとかがいる感じの世界だと思ってください――の砦なんです」
「この砦は街道を塞ぐように建てられていて、大きな町と町の間で魔物や怪しい人を食い止める一つの関所のようになってるんです……ここは」
「1週間以内にぶっこわれちゃいます! ついでに守ってる人たちもやられちゃいます」
 いや、ぶっ壊れるってあんた。
「あはは、これがまあ予知能力って奴だから仕方ないじゃないですか! なんか人型の魔物が大量に押し寄せていましたよ? たぶんあれに壊されるんでしょうねー」
 亜希は能天気というよりは、まだ予知に慣れていないようでこれから現実に起こると思ってすらいないという様子で笑い。
「……と、いうわけで! 猟兵のみなさんにはこれからこの砦を修復して魔物に備えてもらいます!」
 バンッ!という音と共に張られるは2枚目の資料。どうやらこの砦の周囲を示した『アックス&ウィザーズ』世界製の地図のようだ。なるほど、言われてみれば確かに大きな町と町の間を幾つかの山を介してつながっており、安全な道を通るにはこの砦の中を通り抜ける必要があるであろう。
「他のグリモアさんに聞いたんですけれど、ここの老朽化には世界の人達も困ってるみたいで修復できる人たちを探して依頼を出しているみたいなんです。そこでみなさんはその依頼を受けた冒険者達という事にして。
「だが、城の修復などした事がないぞ」
 そう猟兵の一人が亜希に言うと、ですよねえと頷き……一つのポイントに丸を付ける。
「そこは砦の人に教えてもらえば大丈夫です……ちょうどこの近くには石切り場があって、素材には困らないんです! だから力仕事が得意な人がいれば石を切り出して、運んでいけば何とか砦を修復できる気がするんです!」
 亜希の提案は行き当たりばったりだがこのままでは砦はあまりにも脆く小さすぎる。確かに砦の材料を確保し、建設にあたるのは大切であろう。
 石切り場の他にも、周囲の山には木々が生い茂る森林もあるという、もしかしたら活用できるかもしれない。
 石を切り出し運ぶ他にも、足の速さを生かして周囲を探索し罠を用意したり狩りで食料を確保する、或いは砦の設計を考えてさらに守りを固めれるように『リフォーム』する能力も重要になってくるであろう。
「まあ大体のするべき事はそれくらいです。後はみんなで行って、砦さんを直してあげるだけです! ……もしかしたら砦を修復し出したことで敵さんが焦って、全軍突撃ー! ってやってくるかもしれませんけど」
 亜希は自らの結界魔法とグリモアの力を組み合わせ、手早く『転送結界』を展開する。
「では行きましょうか! この結界に入れば世界線を超えて、目標の砦の地下室に行けるので、後はささっと敵さんの襲撃に耐えれるような砦を作ってくださいね! 心配なくとも私は最後に行きます、この結界が閉じないように護る役目がありますから」
 亜希はそう言うと、結界内に飛び込む猟兵達を笑顔で送り出すのであった。


糸こんにゃく
 どうも、初依頼です。
 第六のシステムに不慣れな点もありますが頑張りますのでよろしくお願いします。

●目標
 ボロボロの砦を修復します。敵が来れば、倒します。

●詳細
 ボロボロの砦を修復し敵を倒してください。石造りの砦は石を必要とします。また、城の形状も敵を迎え撃つには少し不安があるようです。

●グリモア猟兵『星宮・亜希』
 皆様のサポートをするべく、異世界への転送や傷ついた仲間の緊急避難、そして報告書の執筆を行う予知能力者。(つまりNPCです)
 普段は結界魔法の使い手でもあるが依頼中では『転送結界』の維持に魔力を消費しているので地下室から離れることはできない。(シナリオ参加はできません)
 敵の襲撃がない間は多少は話しかけてもいいですが少し話した後「さあ、キリキリ働いてください!」と追い返されてしまいます。(その後砦の修復に向かった後の手段を記載していれば判定は出ます)

●執筆ペース
 18日まではゆっくり。
 19日以降は、そこそこ早くなると思います。
 早めにシナリオのリソースが欲しい方はご注意ください。
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第1章 冒険 『砦の建設』

POW   :    砦の建設に必要な力仕事を行う

SPD   :    周辺の探索を行う、仕掛け罠を用意する

WIZ   :    砦を利用した戦い方を提案する

👑11
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●古びた砦と猟兵と
 猟兵達が無事修理先である砦の地下室に到着し長く古い石段を登り切った先に初めて見た物は、砦の天井にぽっかりと空いた大穴から顔をのぞかせる太陽であった。
 諸行無常の響きあり。かつてはしっかり機能を果たしていた砦であったのだろうが、襲来する魔物も荒くれ者もずっといなかったという『安心感』が、この有様を生んでしまったのだろう。
「あ、あなた達が依頼を受けた『冒険者』のみなさんですね!?」
 砦の警備をしていたのであろう男性の兵士が一人、あなた達に話しかける……どうやら砦の修復は骨が折れそうだ。
真宮・奏
探索とか罠とか細かい作業は苦手なので、力仕事でお役にたちましょう!!はい、長い旅暮らしで岩どかしたり、倒木動かしたりしましたので、資材運びはお手のものです!!ど~んとお任せください!!



「助かりました! 見ての通り砦はひどい有様で猫の手も借りたい状態なのです! どうか修理をお願いできませんか!?」
 頼み込む兵士に真宮・奏が快諾する。
「はい、資材運びはお手のものです!! ど~んとお任せください!!」
 細かい作業よりも力仕事で腕を振るおうと、胸を張る奏に対し兵士はおぉと歓声をあげ、一つ頼みをする。
「それでは、砦の外に積まれている石材を運んできてもらえないでしょうか?」
「もちろんです!」
 兵士の頼みに二つ返事で承諾すれば、勢いよく砦の外へと飛び出し大きな石を一つ二つ見つけると、軽々と持ち上げ砦の中へと運んでいく。猟兵という存在を知らない兵士はその光景に驚き、思わず感嘆の声をあげてしまう。
「これほどまでの力自慢がいるとは……!?」
 兵士の驚きの声に砦に居た他の兵士達もまた何の騒ぎだろうと集まり、彼らもまた奏の働きぶりに驚かされてしまい。
「すごい怪力だ、一体どこから彼女は来たんだ!?」
 驚く兵士達を気にすることなく、奏は手についた埃を落とす。再び兵士達の方へと向き直り。
「次は何のお手伝いをしましょうか?」
「そ、そうだな……それじゃあ私達と一緒に少し離れた石切り場に石材を取りにいかないか?他の仲間たちがそこで作業をしているはずだ……おい! お前たちもぼさっとしないで助っ人たちを助けるんだ!」
 突然現れた『助っ人』達に負けてたまるかと士気が上がったのか兵士達は続々と集まり、砦の修復作業を急ピッチで進めていく。どうやら初対面で好印象を与えることに成功したようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アベル・クレメンテ
「力仕事……は出来なくもねぇが。狩りのほうが楽だ」
SPDを生かして主に周辺の森を探索しつつ、石材以外にも砦の建築に使えそうな木々があればチェックし、建設班へと伝える。
また、合間合間に食料になりそうな獣が居ればそちらも、過剰にはならない程度に狩猟する。

・口調
一人称「俺」二人称「あんた」



「俺もその冒険者の助っ人だ。何か手伝えることはないのか?」
 アベル・クレメンテが役割分担で盛り上がっている兵士に声をかけると、兵士達は喜びアベルに話しかける。
「ああ、たくさんある! 何せ備蓄の干し肉もちょうど切らしてしまって無い上に砦は崩壊し、おまけにかつての設計図も失われている状態なのだ」
「そんな状態であんた達は魔物から街を守ろうとしていたのか? まあいい、力仕事……は出来なくもねぇが。狩りのほうが楽だ」
 アベルは若干呆れながらも兵士から受け取った地図で近くの目ぼしい森にあたりをつけると「少し行ってくる」と得物であり相棒でもあるドラゴンを肩に乗せ、砦の入り口から街道へと駆け出していった。
 1時間もしなかっただろうか、兵士達が運ばれた石材を丁寧に丁寧に積み上げ、屋根の大穴が何とか塞がり切った頃。アベルは狩ってきたのであろう小動物や草食獣の死骸を大きな袋に詰め、戻ってくる。砦の床に袋を置くと、印を大まかに付けた地図を広げる。
「これぐらい狩ればいいだろう、あんた達、木材は十分なのか? いくつか使えそうなポイントを見つけた」
 兵士達に手渡した。兵士達はその地図をしばらく眺めた後、アベルの方へ向き直り。
「ありがとう、冒険者殿。ちょうど足場や薪に使う木が不足してきていたのだ。すぐに回収に向かおう」
 感謝の言葉を述べながら、兵士達はいそいそとアベルが持ってきた食料と資材の回収に取り掛かるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

伝農・エルナちゃん
「よーし、それじゃ試し切りといくかのう?」
石切場にて、サムライブレイドを使って石の加工を行う。
事前に砦を守備している人達に必要なサイズや形状を聞いておき、多少曲芸ではあるが、「剣刃一閃」のユーベルコードを使い、石を断面滑らかに割っていく。
「いい汗かいたのじゃー! しかし、ひとっ風呂浴びたいが、そうもいかんかのう……」
終わったらそう言いつつ、大きく伸び。
「おっといかん、刀の刃溢れなどはないじゃろうな?」
来たるべき戦闘に向けて、サムライブレイドの切れ味をしっかり確認しておく。



場所は変わり、太陽が空でかんかんと照り付ける砦の近くの石切り場では、伝農・エルナちゃん(ちゃんまで名前である)が切り出した石の加工に汗を流していた。
「よーし、それじゃ試し切りといくかのう?」
 エルナちゃんは見た目に似合わぬ野太い声で美しい刀を振り上げると、大きな石の塊に全身全霊を込め一刀両断。さらに横に薙ぎ払い切断。
 美しく、かつも大胆に石を運び出す兵士の注文通りの大きさ、形に素早く整えていく。
 そうして幾分か刀を振り回すうちに、辺りはすっかりきれいな石の山になっていた。
「いい汗かいたのじゃー! しかし、ひとっ風呂浴びたいが、そうもいかんかのう……」
 一仕事終えたエルナちゃんは刀を置き大きなため息をつくと、パタパタと手で仰ぐようにして身体を涼めてから大きく伸び。
「おっといかん、刀の刃溢れなどはないじゃろうな?」
 突然思い出したかのように慌てて得物のメンテナンスを行おうと刀に手を伸ばした瞬間――
「グオオオオオオ――!」
「なんなの!?」
 どこからともなく響いた突然の咆哮――エルナちゃんは慌てた勢いで、口調も乱れてしまった上に石の地面へと尻もちをついてしまう。
「いたたた……もう少し急いだ方がいいようじゃのう」
 エルナちゃんは、尻もちをついたお尻を抑えながら、咆哮が響いた方角を眺める。あれは獣の遠吠えではない、もう少し急がなければ――そう思いなおし、エルナちゃんは再び刀を振り上げるのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​


獣のそれでは無い異形の咆哮に兵士達が慌てふためき、動揺が石切り場に広がっていく。
「何だ今の咆哮は!? 魔物か!?」
「馬鹿言うな……何十年も来ていないのだぞ!?」
「何にせよ急げ、お前達! 砦の修復はまだまだかかるのだぞ!」
百地・モユル
急ぎの力仕事?
ボクも手伝うぜ!
こう見えてけっこう力持ちなんだぜ

POWでエルナちゃんが切り出してくれた石材を運んで
兵士さんや先にいる猟兵さんたちにどこに配置すべきか聞いて
作業を進めてくぜ
えっほ、えっほ…

敵が近いなら急いだほうがいいな…
気配を感じたらトリニティエンハンスで攻撃を高めて戦闘に備えておく
力も強くなって石材運びのペースも上げられないかな?



そこに百地・モユルが駆け付け、へへっと笑って自らを親指で指さす。
「急ぎの力仕事? ボクも手伝うぜ! こう見えてけっこう力持ちなんだぜ」
 百聞は一見に如かず。モユルは驚く兵士達の目の前でエルナちゃんが切り出していた石材を勢いよく持ち上げる。
「さあ、石材をどこに運べばいいか教えてくれ」
「やるな小僧! 今は街側の門が脆弱だから砦のそちら側に運んでくれないか?」
「わかったぜ! えっほ、えっほ……」
 モユルはさらに1山、石材を抱え込むとその力を生かし大急ぎで砦へと駆け出していく。
「さっきの鳴き声、魔物かもしれないっていってたよな? 敵が近いなら急いだ方がいいな……」
 そう独り言を言うと、モユルはユーベルコード【トリニティ・エンハンス】を発動。3種の魔力を身体に宿し、兵士達の視界から見えなくなったのを確認すると地面を思い切り蹴り――跳躍。通常の人間ではありえないほどのスピードで砦に向かって行く。
 仕事の合間ではあるもののサイボーグの身体で自由に動き回る喜びを噛みしめたモユルの表情は明るかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルーレイ・バーンシュタイン
探索者の知識を生かして「レプリカクラフト」のユーベルコードで【仕掛け罠】を作るよ。
偽の進入路か、手薄になりそうな所に罠を設置したいんだけど、どうかな?
あっ、でも私ポンコツだから町の人たちに迷惑かからない設置場所に関しては『星宮・亜希』さんに相談させてほしいかな。



猟兵達が運び込む資材や食料により、砦の修復は着々と進んで行く。ボロボロだった砦は猟兵達の助力もあり。今ではすっかりほとんど立派な砦の形を取り戻していた。内部は関所の様に1本の通路でつながっているものの、中が迷路のように曲がり広がり偽の誘導路もあるそれを突破するのは決して楽ではないであろう。
「まあ……ここじゃ外の様子わからないんですけどね」
 そんな事をぼやく地下室の亜希の元にルーレイ・バーンシュタインが、即席で作った砦の設計図を手に【仕掛け罠】について相談する。
「亜希さん、手薄になりそうな所に罠を設置したいんだけど、どうかな?」
 ルーレイが提案したのは、砦を安易に突き破ろうとした魔物を吹き飛ばす火薬を仕込んだ偽の扉を設置する事であった。ポンコツと嘆いているものの、確かにルーレイの手にかかればそれなりの罠を魔物の襲撃までには用意できるであろう。
「なるほど、悪くないと思います」
 ルーレイの設計図を亜希は眺め、頷き――1つのポイントに丸を付ける。
「この行き止まりに爆薬の扉を設置すれば、敵さんは焦って開けそうな気がするのでしょうがどうでしょうか?」
「なるほど、ありがとうございます」
 ルーレイは亜希の言葉を聞くと、素早く罠の制作に取り掛かる。アベル達が用意した材木を切り出し、組み立て、火薬を仕込まれた偽者の扉が作られていく。
「……早いなあ」
 その様子を亜希は少しうらやましそうな目で眺めるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エリク・セブンスヒル
「出遅れましたか。さて、放って置いてもなんとかなりそうですが、駄目押しと行きましょう」
砦の周辺をささっと探索し、敵がルーレイさんが設置した爆薬の扉へ誘導されるように、所々へ「レプリカクラフト」で作成した【仕掛け罠】を敢えて見つかり易く設置します。
アホな敵がミエミエの罠に引っかかっても良し、爆薬の扉を作動させてくれても良し。
「出来るだけ罠で敵を減らしたいですねぇ。人が死ぬのは避けたいです」



「出遅れましたか。さて、放って置いてもなんとかなりそうですが、駄目押しと行きましょう」
 工事も終盤に差し掛かった夕暮れ時、エリク・セブンスヒルはルーレイが設置した仕掛け扉へと誘導されるように『偽の罠』を作製していた。知能の低い魔物であっても判別できるようにデザインされた『いかにもな爆弾』『いかにもな矢の罠』と言ったような見た目のそれをエリクは作っては次々と枝分かれする道の一つ一つへと置いていく。
「これで敵は怪しんでこの道を避けてくれるでしょう」
 エリクは設置した罠の数々に異常が無いか、道を間違えてないかチェックしながら、砦の中を歩きなおして確認する。
「問題ないですね、もう少し作っておきましょう」
 デコイと舐めてかかった魔物がそのままひっかかれば問題ない、気付いてうまく避けて爆薬の扉に触れてもらえれば万々歳。もっと作って、兵士や猟兵達に犠牲が出ないように更に制作しよう――エリクがそう思い、罠を再び作成しようとした矢先――。
「う、うわあああ!!!!」
 響く爆音と爆風、続いて吹っ飛ばされる兵士。
「……まさかあれに引っかかる人がいるとは思いませんでした」
 不幸中の幸いか大きな怪我はなかったものの、これでは罠を作り続けるわけにもいかない。
 先に兵士達に罠について説明しよう。そうエリクは思いなおすと、吹っ飛ばされた兵士を介抱し罠について注意喚起をするために駆けていくのであった。

失敗 🔴​🔴​🔴​

ユリウス・アルバート
砦の修理や罠の設置は問題無さそうですかね?
それならば戦い方の提案をしましょうか、兵士もいるって事ですし本当に提案だけですけどねぇ

基本は壁上にて射程距離に入った相手を矢やスリングを使った投石を用いて数を減らす事、敵の数が多いのならば狙いが大雑把でもあたらないと言う事は無いでしょうしね
攻撃する時は斉射でお願いしますね
それに空を飛ぶ敵が出ないとも限りませんしね
あとは壁面を上ってきたり梯子を立て掛けてくる事も考えられるので、剣とは別に槍が欲しいですね
槍なら昇ってくる相手を上から突き刺せますし、リーチもあるので掛けられた梯子を倒すのにも使えますしね

後は見張りを立てて相手の進行の確認も必要ですかね



砦の修理は1日にして終わり、また罠も多少トラブルはあれど無事設置が終わり砦の至る所に設置されていた。だが、まだ敵を迎え撃つにあたり足りない事があった。
「戦い方の提案をしましょうか、兵士もいるって事ですし本当に提案だけですけどねぇ」
 他の猟兵達が一仕事終えひと時の休息を取っている間、ユリウス・アルバートは兵士達を呼び集め、砦に迫る敵達に対し作戦の指示を行う事にしたのだ。
「基本は壁上にて射程距離に入った相手を矢やスリングを使った投石を用いて数を減らす事、敵の数が多いのならば狙いが大雑把でもあたらないと言う事は無いでしょうしね」
 敵が来る方角を予測し、砦の見取り図に印をつけていく。頷く兵士達。
「攻撃する時は斉射でお願いしますね、それに空を飛ぶ敵が出ないとも限りませんしね。あとは壁面を上ってきたり梯子を立て掛けてくる事も考えられるので、剣とは別に槍が欲しいですね……ありますか?」
「問題ありません、冒険者殿」
「ならそれを使いましょう。槍なら昇ってくる相手を上から突き刺せますし、リーチもあるので掛けられた梯子を倒すのにも使えますしね」
 兵士達にこれから起こる事はわからないが、猟兵達は知っている。ユリウスは兵士達を一人ひとり指名し、配置につかせると、最後の一人を見張りにつかせた。
「この砦を見て、魔物が逃げてくれればいいのですが」
 ユリウスは兵士達がそれぞれの持ち場についたのを確認すると、自らも戦いの準備をするべくどこかへと向かうのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『ゴブリン』

POW   :    ゴブリンアタック
【粗雑な武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    粗雑な武器
【ダッシュ】による素早い一撃を放つ。また、【盾を捨てる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    足払い
【低い位置】から【不意打ちの蹴り】を放ち、【体勢を崩すこと】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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夜、猟兵達は兵士達から受け取った報酬の金貨や銀貨の袋を手に、ささやかなお礼という事で干し肉と少しばかりのジュースやお酒を楽しんでいるところであった。
「皆様お疲れさまです、お仕事は終わったみたいですね」
 一仕事終え、地下室からのんきに出てきた亜希がニコニコと猟兵達に話しかける。
「ここまで立派な砦さんにしてくれたんですから、きっと魔物が来ても大丈夫ですよ! さあ、帰りましょうか――」
 亜希がそう言い、急かすように地下室への扉を開けた瞬間――。
「う、うわあああああああああああ!? ゴブリンだあああああああああ!」
「何だこの数!? 何十いるんだ!? 助けてくれえええ!」
 悲鳴が上がった……どうやらこのまま帰るわけにはいかないようだ。
「あ、あはは……皆さんには期待してますよ!」
 大慌てで地下室の結界を護るべく逃げ出す亜希、ため息をつく猟兵達。どうやら簡単に帰るというわけにはいかないようだ。
●ゴブ、ゴブ
 亡骸や奪ったのであろう、使い古された装備を手に緑色の小人が数十も押し寄せてくる。
 ゴブリン――弱く知能も低いものの、恐ろしい繁殖力を持つ、恐ろしい敵だ。
 兵士達が与えられた戦術と罠を生かし、それを迎え撃つも、このままでは数に押しつぶされてしまう。
 ……こうなっては手伝わないわけにはいかないだろう!
アベル・クレメンテ
「ったく、次から次へとめんどくせぇが……乗りかかった船だ、やるしかねぇよなぁ!!」

兵士や村人の救助を最優先とし、咎力封じにてゴブリンの行動を妨害。
特に傷ついた兵士や村人に近いゴブリンを最優先とする。

勿論、妨害だけでなく、ドラゴンランスを用いての殺傷も忘れず。



「フフ、フフフフ……」
 気味の悪い笑い声が響く中、砦に組まれていた木の足場が燃え盛る。どこからともなく現れたゴブリン達が砦の力尽きた兵士や一般人にトドメを刺そうと素早く襲い掛かる。
 火の粉を振り払い、アベルがゴブリン達を無力化するべく拘束道具を手にとびかかる。
「ったく、次から次へとめんどくせぇが……乗りかかった船だ、やるしかねぇよなぁ!!」
 自らの身を呈して倒れそうな兵士をとっさに庇い、ゴブリンのさび付いた剣を諸に喰らう。
「俺がこの程度で倒れるわけ……ないだろ!」
 出血に怯むことなく、即座にゴブリンの動きを拘束ロープで縛り上げ拘束。更にロープを縛られたゴブリンごと振り回し、別のゴブリンにぶち当てる。
 2匹のゴブリンはうめき声をあげ地面に延びる。その体を踏み越え、盾を捨て身軽になった別のゴブリンがナイフを手にアベルへととびかかる。
「次から次へと……めんどくせぇ!」
 次の瞬間、アベルの肩に乗っていたドラゴンが竜槍へと姿を変える。その槍を強く握りしめ、アベルはそのゴブリンを返り討ちにするべく速攻勝負をしかけるのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ユリウス・アルバート
皆さん焦らないでください、相手は遠距離攻撃を持っていないので落ち着けば対処できます
槍持ちは上ってくるゴブリンを突き刺して落としてください
射手は上る前のゴブリンを攻撃して槍持ちの援護を、兎に角上に上げないでください
それと重症者は後ろに下げてください
さて、私たち猟兵もお仕事の時間ですかねぇ
『穿ち破裂せよ』
ユーベルコード:ナパームアローを使っての面攻撃を射手の攻撃とずらして敢行
この矢は爆発属性、そして同時に大量の矢を放つ事が出来ますからね
前衛組が暴れる前に密集している場所へばらして打ち込みましょうかねぇ
以後はナパームアローを撃ちながら決壊しそうな所への救援や、此方の手薄な所への応援に回りますかねぇ



「皆さん焦らないでください、相手は遠距離攻撃を持っていないので落ち着けば対処できます」
 ユリウスが自らの知識を生かし、先述した戦術を的確に指示していく。
「槍持ちは上ってくるゴブリンを突き刺して落としてください。射手は上る前のゴブリンを攻撃して槍持ちの援護を、兎に角上に上げないでください……それと、重傷者は後ろに下げてください」
 次第に士気を取り戻し、戦果を挙げだす兵士達――しかし、それはユリウスに対してゴブリン達の警戒心を上げてしまう結果となる。
 迫りくるゴブリン達にユリウスが気付けば、武器を構え、攻撃の準備をする。
『穿ち破裂せよ』
 そのままユリウスは、ユーベルコード【ナパームアロー】を発動した――。
「っ……!」
 が、その矢はゴブリンへと突き刺さる事は無かった。
 ユリウスはナパームアローを確かに放ったものの、その矢はあらぬ方向へと飛んでいったのだ。決して、彼は手が滑ったわけではない。矢を放つ直前、彼の利き腕に鋭い『何か』が突き刺さっていたのだ。それに気を取られ、ゴブリンの不意打ちの蹴りを受け、倒れてしまったのだ。
「これは……羽ですか? 一旦この場は引く事にしましょう」
 腕を抑えながらもその目は冷静、ユリウスはチャンスと迫ったゴブリンを何とか1、2体倒し……傷が癒えるまで一時的に撤退するのであった。

失敗 🔴​🔴​🔴​

ダーシャ・アヴェンダ
沢山のゴブリンが襲撃を仕掛けてきたみたいね?
あちらが数で来るつもりなら、私も数で対抗するわ。
兵士の皆様を守る為にからくり人形を複製して【援護射撃】と【一斉射撃】で人形に仕込んだガトリングガンで蹴散らすわ。
例え倒せなくても【毒使い】の私なら人形に仕込んだ武器の毒で動けないはずよ。



兵士達が必死にゴブリンを食い止めるも、彼らの勢いは止まらない。
 最悪、砦の内部に設置された罠があるといえど、このままでは最悪数に押し出されてしまう
「あちらが数で来るつもりなら、私も数で対抗するわ」
 ダーシャ・アヴェンダが10体のからくり人形を伴い現れ、それぞれの人形は別々のゴブリンへと照準を合わせる。
「いくわよ!」
 ダーシャの合図に合わせて、兵士達と交戦するゴブリン達へ向けて、一斉射撃。
「ゴブ、ゴブウ?!」
 人形に仕込まれた毒の弾丸によりあるものは倒れ、あるものは痺れ動けなくなったところを兵士にトドメを刺されていく。次々と、ゴブリン達はなぎ倒されていく……も、更に次々とゴブリンが現れていく。
「この数は……少し厄介ね」
 成果は上々、しかしこのままではキリがない。ダーシャは人形を破壊しに高速で迫る無防備なゴブリン達を別の人形で倒しながら、猟兵や兵士達に声をかける。
「皆様、いったん中へ退きましょう。仕掛けた罠を使わなければならないようよ」
 その言葉に反対する者はいなかった。外で迎え撃つ兵士やメンバーを残し、猟兵達は砦の中へと次々と入っていくのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​


砦の迷路内部、仕掛けられたデコイの爆弾が炸裂し、ゴブリン達は吹き飛ばされていく。
 あるものは力任せに突っ込み爆死し、あるものは火薬の扉に見事派手に吹き飛ばされる。
 しかし、彼らは決して止まる事は無い……まるで何者かの意志に操られているかのように、不気味に全身を続けていく。
ラム・ワン
ううーん、大変そうっすねえ。ええと、いち、にい、さん……たくさん!
うわあホントに大変っす!助太刀するっすよ!これじゃあ面白おかしくない!

ゴブリンは兎に角数が多い、ひとまず俺は攻撃に集中するっす!
負傷者から気をそらす為に、少し高くなった所に陣取って目立つように立ち回るっす。ちょっと高くなってれば小柄なゴブリンも乗り越えるのに時間がかかる……かも?
まあ兎に角背中にも注意しつつぶんぶん暴れるっすよ。

ゴブリン達からの注目が最高に集まったタイミングで、ユーベルコード【其れは逃れられぬ運命】を発動するっす。
この世で一番綺麗なものは何だと思うっすか……それは何も気負わず笑顔になれる時間っす!それを守るっす!



「ううーん、大変そうっすねえ。ええと、いち、にい、さん……たくさん!」
 ラム・ワンはその操られたかのように砦に侵攻するゴブリンの数を数え、頭を両手で押さえる。
「うわあホントに大変っす! 助太刀するっすよ! これじゃあ面白おかしくない!」
 ラムはゴブリン達を惑わし負傷者から気をそらすために、砦内部の高い地形にどっしりと構える。
「こっちっすよ~!」
 そして見た目のわりに素早いダンスでゴブリン達を挑発する。
 挑発するラムに気が向いたのか、ゴブリン達は進軍をやめ、ラムへ刃を突き立てようと必死に壁にしがみつき、よじ登っていく。そこを逃すことなく、ラムは次々と手に持ったダガーで叩き落す。
 時折背中から襲い掛かる奇襲をなんとかかわしつつ、何体も何体も蹴落とし、切り付け、塗りつぶし……怒りが最骨頂に達したその時、ラムはある『奇策』を繰り出した。
「この世で一番綺麗なものは何だと思うっすか……それは何も気負わず笑顔になれる時間っす! それを守るっす!」
 ラムの言葉に一瞬びくつき、静まり返るゴブリン達。その瞬間をラムは見逃さなかった。その時ラムがした事、それは……指を鳴らす事である。
 パチン、と静かな砦内に心地よい音が流れる、一体どんな攻撃が繰り出されるのか……そうゴブリン達が身構えた瞬間――砦の天井が崩れ落ちた。
「……!?」
 その光景をみた兵士が呆然としたのも無理はない……それは、大きなゴムのニワトリの玩具を持った、半裸のムキムキの男だったのだ。男はゴブリン達を見据えると、ニワトリを構え……手に力を込めて――
「ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ーーーー!!」
 握りしめた。突然響き渡るだらしない、気が抜ける音にあるゴブリンは手を滑らせ落下し、あるゴブリンは抱腹絶倒で動けなくなってしまう。
「やっぱり笑顔が一番っすよ!」
 マッチョの男の前で、満足げに笑みを見せるラムの姿がそこにあった。

成功 🔵​🔵​🔴​

百地・モユル
ゴブリンがこんなに…
数じゃかなわないかもしれないけど今はみんなを守るために戦うしかない!


避難した人々がいるところまで攻め込まれないよう戦場の最前線に行き
罠の爆弾を避けた位置に陣取りつつ業火の一撃で
直近の敵から次々と攻撃していく
延焼で他の敵にもダメージがいけばもうけものだ

属性攻撃と怪力も使って炎と力で攻めていきたい

砦の木材や爆弾などへの引火を避けるため視界内の敵以外へ延焼しそうになったら消しておきたい
火がついたまま逃げようとする敵も同様

真の姿…見せちゃっていいのかなぁ
真紅の機械鎧をまとった半ばロボットのような姿
まだ兵士が残っているようならなるべく見せたくない



「ゴブリンがこんなに…数じゃかなわないかもしれないけど今はみんなを守るために戦うしかない!」
 ラムがかなりの数のゴブリンを食い止めることができたとはいえ、砦の中に攻め込まれてしまっている事実に依然変わりはない。
 モユルは歯を食いしばり、剣を握りしめると近くにいるゴブリン達を次々と薙ぎ払っていく。
 ゴブリンからゴブリンに火が燃え広がり、うめき声をあげる。
 燃え上がったゴブリン達は高熱の炎にもがき苦しみ砦の壁につぶかり自分ごと燃やし尽くそうとするも、修復されきった石の壁を燃やす事など当然できず、せめてもの反撃と爆弾に接近……するも、モユルの意志によってあっけなく鎮火し、倒れ込んでしまう。
「兵士の皆さんは後ろの方へ逃げていてください! 怪我している人たちのところへ!」
 より多くのゴブリンを食い止めるためには更なる力が必要だ。兵士の方へ振り返り、モユルは撤退の合図を送る。兵士達は頷き、ゴブリン達の攻撃を食い止めつつじりじりと下がっていく。
「……見せちゃっていいのかなぁ」
 兵士の目線が気になるのか、後ろを確認し……誰もいないことを確信すれば、プログラムを起動。
 直後、モユルの内側から鎧の様なパーツ群が現れ、その身体を覆っていく。それはあたかも真紅の機械鎧に覆われたロボット……より高熱を発揮する事ができるような身体で。
「いくぜ!」
 換装を終えたモユルはより強い爆炎を宿した得物を掲げると、群れるゴブリン達へ向けて激しく切りつけるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​


真の姿を現したモユルの活躍により見事に数を減らしていくゴブリン達。だが、その執念はより恐ろしく、はっきりと現れだす。
 致命傷をもらいながらも、よろよろと町へと通じる最後の門を破らんと寄るもの。罠を解除しようと命を懸けるもの。
 その異常さに兵士達だけではなく、猟兵達も怯えだす。なんとか食い止めなければならない、あと1,2回。その運がこちらにさえ向いてくれれば――!
伝農・エルナちゃん
「……ここは、あちきが出るしかなかろう。そうじゃろう?」
強さ「1」の刀剣を8本先行させ、走ってくるゴブリンに対し、足を狙った攻撃で、ダッシュの機動力を削ぐ。
刀剣は手元に返さず、次々にゴブリン達の足元を襲わせ、転倒やバランスを崩すのを狙う。
そこに強さ「2」の刀剣をトドメとして、致命的な場所に叩き込む。
それでも近づいてきた対象には、サムライブレイドを使い、的確に迎撃。
「エルナちゃん、と覚えおけ! これが我が剣技の妙じゃ!」



「……ここは、あちきが出るしかなかろう。そうじゃろう?」
 曲がりくねった砦の出口、最後の門。
 兵士達と共にエルナちゃんがイケボでゴブリン達を食い止めるべく立ちふさがる。
「ゴブウウウ!」
 涎を垂れ流し、砦を壊さんと全速力で迫るゴブリン達に対し、エルナちゃんは構え、12本の『1』と刻まれた刀剣を召喚。
「あちきのオート剣舞、避けてみろなのじゃ!」
 ゴブリンを食い止めるべく、信念を込めて勢いよく飛ばした。
【電光重刀・飛燕剣】――『1』と刻まれた8本の刀剣は舞い飛び、次々とゴブリンの足元を貫き、破壊していく。
「ごぶうっ!」
 8本の飛び交う刀が次々とゴブリンを貫く中、エルナちゃんは両手に二本ずつ刀を持ち……重ね合わせる。
「エルナちゃん、と覚えおけ! これが我が剣技の妙じゃ!」
 重ねあわされた『2』の刀は貫くのではなく、回転――空を切る音と共に動けなくなったゴブリンの急所をまるで羊羹を切るかのようにあっさりと切り裂き、次々と止めをさしていく。
「あと少しじゃ……この門さえ壊されなければ何とかなるのじゃ!」
 飛び交う10本の刀剣を潜り抜けたゴブリン達を自らの手で仕留めつつ、荒く息を吐いたエルナちゃん――最後に笑うのは猟兵達か、ゴブリン達か……それは運命の女神のみが知っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

伝農・エルナちゃん
「やらせはせん! やらせはせんぞ!」
門を死守するべく、奮闘する。真の姿たる、電子の精霊の姿……全身から発光し、オーラを纏う姿になり、愛刀である「伝鉄」でがむしゃらに斬りまくる。
「ここであちきが折れれば、そこで試合終了なのじゃ! なんとしても、何としても勝ち抜く!」
『2回攻撃』で素早く連撃を見舞い
、『ダッシュ』で敵より機先を制して攻撃し、『残像』で敵の攻撃を掻い潜る。
獅子奮迅の勢いで戦い抜く。
「皆、あちきに力をくれーっ!!!」
膝折れるまで。



「やらせはせん! やらせはせんぞ!」
 エルナちゃんは二本の刀を手に、唸りを上げる……次の瞬間、エルナちゃんの全身が光り輝き、激しいオーラが吹き上がる。
「ぼ、冒険者様!?」
 猟兵に疑問を抱かぬとは言え、その真の姿に兵士たちは驚いた……動揺したのではない、魅了されてしまったのだ。
「ここであちきが折れれば、そこで試合終了なのじゃ! なんとしても、何としても勝ち抜く!」
 一太刀、また一太刀、目にも止まらぬ速さで繰り出される一刀両断の一撃は、ゴブリンの生命に一瞬で苦しむ間も無く終焉を与えていく。
 残るゴブリン達も何としてもと全力を振り絞ったのだろう、激しく剣を振り上げ、全身全霊でエルナちゃんの刀を迎え撃つも……へし折られる。
「皆、あちきに力をくれーっ!!!」
「お、おおおおお!」
 兵士達もその姿に奮起し、自らの命も惜しまず、ゴブリンへと突撃する。無限にいたと思われていたゴブリンどもも、猟兵達の活躍の前についに数を減らしていってしまう。
「ご、ごぶううう!」
 最後の一匹が断末魔を上げ、門へと剣をぶん投げた。
 剣は門の錠前へと突き刺さる。門は――

 ――それでも、開かなかった。

「はあ……はあ……やりきったのじゃ……」
 戦いが終わり、そのエネルギーが尽ききったのか、元の姿に戻り膝をつくエルナちゃん。
「冒険者殿! 大丈夫ですか!」
「あれだけの数を無傷で裁ききるとは……いったい何者なのだ!」
 エルナちゃんは膝をつき、しばらく動く力を失ってしまった。だが、その表情は明るかった。
 運だけでは彼らに決して勝つことはできなかった。最後に勝利へと導いたのは、意地でもこの世界の民を護ろうと食らいついた自分の意志であったのだと。
「あちきの、あちきの勝利じゃ!」
 刀を掲げ、勝利を高々と宣言する。兵士達がそれに応えるように、雄叫びをあげた。ひとしきりそれが続いた後、一人の兵士がエルナちゃんへと声をかける。
「冒険者殿、あなた達はよく頑張りました。なんとお礼を言えばいいか……」
 だが、エルナちゃんの顔からは先ほどの明るさは消え、真面目な表情になっていた。
「……いや、まだ大物が残っておったようじゃぞ」
「え……?」
 兵士達が戸惑ったその瞬間……ズシン、と、大きな音が砦中に響き渡った。
「どうやらとんでもない奴が、癇癪をおこして砦ごとぶっ壊すようじゃ」
 先ほどまでの疲労も何のやら、エルナちゃんは再び立ち上がると、刀を構える。
「お前さんたちは砦の中にいるといい……あればかりは、あちき達の仕事じゃ」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ハーピー』

POW   :    エキドナブラッド
【伝説に語られる『魔獣の母』の血】に覚醒して【怒りと食欲をあらわにした怪物の形相】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    ハーピーシャウト
【金切り声と羽ばたきに乗せて衝撃波】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ハーピーズソング
【ハーピーの歌声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑17
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●妖艶なる怪鳥
「フフ、フフフフ……♪」
 猟兵達が再び砦の外に出てきた時に見た物は――砦全体を揺らし、壊そうと暴れる黒い竜の姿であった。
 だが、竜は砦から猟兵達が出てきたのを見つけると、砦から離れ……解放的な姿の女性の魔物の姿になる。
「ねーねー、急に静かになったんだけど、もしかしてあいつら殺しちゃったの?」
 女性の魔物……ハーピーは猟兵達の方へとゆっくりと高度を下ろし、猟兵達を小ばかにした目で眺める。
「ま、ゴブリンじゃ仕方ないか。あいつら簡単に増えるし操れるけどよわっちいもんねー」
 そうゴブリン達を罵り、高笑いを上げる妖女……彼女を倒さない限り、この砦に平和は訪れそうにないようだ。
「あなた達を倒したら、またゴブリンを増やしに行かなくちゃ」
ルーレイ・バーンシュタイン
なんだか強そうなのがでてきちゃったな。時間稼ぎしかできないだろうけど油断できないし出し惜しみはしない。
『私を助ける力をここに!』ユーベルコード「一輪の花」を使う。
召喚される花を手にする姿は本当にどうしようもなく滑稽で場違い。それでも失敗するなら早い方がいいと先陣を切る。危なくなったらすぐ逃げる!みんなが集まって態勢が整うまでの時間を稼ぐ。



「なんだか強そうなのがでてきちゃったな。時間稼ぎしかできないだろうけど……」
 ルーレイは他の猟兵達が集まるまでの時間稼ぎをするべく、ハーピィの前に躍り出る。
 クスクスと笑うハーピィ、しかしルーレイは勇気を振り絞り、「私を助ける力をここに!」
 ユーベルコードを発動し、閉じた利き手を開いた時に現れたのは……見た事が無いような一輪の花。
「……あら、何かと思ったら……花? あはは、もしかしてプロポーズのつもりかしら?」
 ハーピィは大笑いをしながら、ルーレイの持っているそれを確認しようとし……「うぐっ!?」
 突然後ろに飛び跳ね、距離を取った。
「もしかして、効果があったの?」
 戸惑うルーレイに対し、鼻を抑えにらみつけるハーピィ……どうやらその花は鳥魔にとって一種の毒であったようだ。
「よくも変な真似してくれたわね……喰らいなさい!」
 次の瞬間、激しく放たれる鼓膜が破れかねないほどの金切り声と衝撃波……思わずルーレイは耳を抑え、衝撃波に大きく怯む。次に出す花はまた別の物が必要であろう……ルーレイは一旦、集まってきた猟兵達の後列に移動するのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ヤド・ヴァシェム
標的確認。
脅威度測定Aを検知。
戦術を再構築開始。
電撃ドクトリンを採用。
これよりCODE:Blue Ghostを発動準備を開始。
付近の生命体は活動を控えてください。


電撃ドクトリンプロトコル展開。
標的の活動高速化を目的とした射撃を開始。
標的の回避運動を高め、短時間のユーベルコードを発動します。

標的は銀河帝国ではありませんがゴブリンをクローン兵と拡大解釈することによりそれを統率する標的へ銀河帝国タグを付加。
銀河帝国は滅ぼします。
灰は灰に、塵は塵に。

ミッションを開始します。



「標的確認。脅威度測定Aを検知。戦術を再構築開始」
 ウォーマシンのヤド・ヴァシェムが、ルーレイとすれ違いの形でゆっくりと接近していく。
「電撃ドクトリンを採用。これよりCODE:Blue Ghostを発動準備を開始。付近の生命体は活動を控えてください」
 まさしくその動きは機械。感情を揺れ動かすことなくヤドは魔物を捕らえ、ユーベルコードの発動の準備を整えていく。
「また奇妙なのが出てきたね……とっとと始末してあげる!」
 そういうと、鉤爪を立て、ヤドへと急降下をする……が、異変に気付き、足を止めた。
「何、あれ!?」
「標的は銀河帝国ではありませんがゴブリンをクローン兵と拡大解釈することによりそれを統率する標的へ銀河帝国タグを付加。銀河帝国は滅ぼします」

「灰は灰に、塵は塵に」
 ヤドは今、まさにユーベルコードを発動せんとするべくその姿を変形していたのだ。
 青白く光り輝く戦闘機へと姿を変えたヤドに危機感を覚えたハーピィもとっさに自らの血を解放――ブラックドラゴンの姿となる。
「グラアアアアア!!!」
 巨大な竜と、敵を滅ぼす為の兵器が相対する。
 怒りと食欲、そして悪の権化と化した竜は、ヤドを食い止めんと襲い掛かる――が。
『ミッションを開始します』
 直後、放たれる機銃掃射と地面に設置された固定砲台からの砲撃の嵐には、たとえ竜の姿であろうともなすすべもなく、蜂の巣と化してしまった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エリク・セブンスヒル
「怪我した兵を看病していたら、とんでもない展開になっているようですね」
古びた短剣を構えつつコートを脱ぎ捨てて、ユーベルコード「シーブズ・ギャンビット」を動きの鈍った敵へ発動させる。
ついでに「技能:盗み攻撃」で羽を毟り、追い打ちをかける。
「手負いの獣は何をするかわかりませんからね。やるなら徹底的にです」
と言つつ、後続の仲間の邪魔にならないよう退避する。



「怪我した兵を看病していたら、とんでもない展開になっているようですね」
 外の騒ぎに異変を感じたのであろう。エリクが砦の中よりゆっくりと現れて……倒れ込んでいる敵の姿を見つめる。
「なるほど、これがゴブリンが暴走していた理由ですか」
 目の前の魔物が敵と理解したのであろう。そうと決まればとエリクは使い古された短剣を構え、ハーピィに接近する。
「よくも……やったわね! 人間どもめ!」
 元の姿に戻り、怒りのハーピィが再び叫び声をあげるが、エリクはコートを盾にする形でそれを防ぐ。
 直後、エリクの姿が歪み……一瞬の内に彼女の背後に移動、会心の一撃を叩き込む。
「きええっ!」
 苦悶の表情を浮かべるハーピィ、振り返れば、エリクはハーピィから同時に十数枚抜き取っており。
「手負いの獣は何をするかわかりませんからね。やるなら徹底的にです」
 そして、ダガーを構えれば、更にハーピィに瞬殺の一撃を加え、むしり取る。
「よくも、やってくれたわねえっ!」
 自慢の羽をむしり取られ、再びハーピィが大きく羽ばたくも、エリクはあっさりと回避し、疲労を回復する為に撤退した。
「さあ、次の先生、お願いしますよ」

成功 🔵​🔵​🔴​

ユリウス・アルバート
ゴブリンの様子が可笑しいと思っていたらハーピィの歌声で洗脳に近い事をされて居た訳ですか
「ゴブリンと戦ってきたときに羽根で私の邪魔をしたのも貴女ですね?」
それにしても酷い事になってますねぇ、いえざまぁ見ろって感じですが

先ほど邪魔をされたこいつでリベンジと行きますか
『穿ち破裂せよ』
全てのナパームアローをハーピィへ、確りと『技能:傷口をえぐる』事も忘れずに

あぁナパームアローの爆発に『技能:衝撃波』を乗せれるならより効果的ですかね?
まぁ此方としては一杯食わされたままと言うのは冒険者としても面子ってのがありますからねぇ



「ええ、ご苦労様です。エリクさん」
 ユリウスがエリクに感謝の言葉を述べながらかつかつともがくハーピィの前に立つと、その顔を眺め、「なるほど、ハーピィと」
「ゴブリンの様子が可笑しいと思っていたらハーピィの歌声で洗脳に近い事をされて居た訳ですか……ゴブリンと戦ってきたときに羽根で私の邪魔をしたのも貴女ですね?」
 ユリウスの言葉にハーピィはハッと笑い、再び舞い上がる。
「ええ、そうよ。あの時のあんたの顔は最高だったわ?」
 思い出し笑いをすると、大きく息を吸い込み……魅了の歌を歌い出す。
 するとどうだろう、不思議なことに、ハーピィの歌声に気絶していたはずのゴブリン達が起き上がり、虚ろな目でユリウスを取り囲む。
「さあかかりなさい、ゴブリン達。そしてあなた、次は羽じゃなくてこの爪で切り裂いてあげる」
 ゴブリン達はハーピィに応えるように吠え、ユリウスへ一斉に飛びかかった!
 だが、一方のユリウスは冷静……否、復讐の1発を浴びせれると確信し、内心喜んでいたのであった。
「やれやれ、それでは私は先ほど邪魔をされたこいつでリベンジと行きますか……『穿ち破裂せよ』」
 ユリウスが再び魔法矢の構えを撮るのを見たハーピィは慌て、再び残った羽を飛ばし妨害しようとする……だが飛ばすはずの羽は、既に毟られた後であった。
 魔法矢は先ほどよりも威力も貫通力も、そして本数も格段と増えており、飛びかかったゴブリン達を貫き、さらに減速することなくハーピィの元へと直進。
「やばっ……!?」
 ハーピィが慌て、翼で身を護る。だが、ユリウスは初めからそれが狙いであった。
 ユリウスの魔法矢はエリクによってむしられた傷口の部位へと容赦なく命中……爆発。衝撃波と爆風により傷口を広げられ、ハーピィは更に翼に大きな傷を負う事となる。
 そして魔物は苦しみからか、妖艶な女性の体からは考えられないようなうめき声をあげ、地に落下していった。
「まぁ此方としては一杯食わされたままと言うのは冒険者としても面子ってのがありますからねぇ……それにしても酷い事になってますねぇ、いえざまぁ見ろって感じですが」
 翼から血を流し、呻く妖鳥。これで、ハーピィが空を飛び逃げきれる可能性は失われた。後はトドメを刺し、砦に平和を取り戻すだけだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルーレイ・バーンシュタイン
地上に落ちてきたなら私でも当てられる。
金切り声対策の即興の耳線をつけ、衝撃波の範囲に警戒しながら近づく。
ユーベルコード「スチームエンジン」の【蒸気エンジン】を搭載した銃火器は本来私の手に余る。
それでも、この距離で『技能:2回攻撃』ならなんとかなるだろうか。
「どんな命だって誰かにとっての大切なんだ。だからあなたが死んでもお花くらいは供えてあげる。」
相手からの返事は聞かない聞こえない。だからそっと引き金に手をかける。



「地上に落ちてきたなら私でも当てられる」
 ハーピィが地に伏したその瞬間、傷を癒したルーレイが再び得物を手に魔物の前に躍り出る。金切り声対策の耳栓を詰め、怒り交じりにハーピィが放つ衝撃波を次々とかわしていく。
 当てるなら再び飛べるまで回復する前の今、当てるしかない……ルーレイは自らの重火器に蒸気エンジンを取り付け、起動する。
「どんな命だって誰かにとっての大切なんだ。だからあなたが死んでもお花くらいは供えてあげる」
「そう、私は大切なの。ゴブリンを見なかったの? ……すっごく幸せそうだったでしょう?」
 小言を言いながら唄いだす怪鳥、致命傷を受け、もはや息絶える寸前であったはずのゴブリン達が起き上がり、ハーピィを護るべく立ちふさがる。
 ルーレイは目をつぶり、そっと引き金に手をかけた。相手が何を言おうと聞こえないし聞くつもりもない。ましてや死の直前まであそこまで洗脳されていたゴブリン達が幸せなどであるはずがない。
 炸裂する無数の弾丸。ゴブリン達の身体は今度こそ本当に粉々に砕かれ、後ろにいたハーピィごと吹き飛ばしていく。
「く……う……!」
 苦しみの声をあげながら、ハーピィは再び飛び上がり、ルーレイの攻撃範囲から命からがら逃げだした。

成功 🔵​🔵​🔴​


「次から……次と……!」
 ハーピィは必死に滞空し、連携を取って追い詰める猟兵達をにらみつける。
「この砦はぶっ壊すのよ……私達魔物にとってそいつはあっちゃいけない存在なのよ! 奥の町には操りがいのあるよわっちい人間どもがいるもの……絶対、あんたらを殺してぶっ壊してやるんだから!」
 圧倒的劣勢……それでも彼女は、命ある限り砦を壊すことをあきらめようとはしない。
百地・モユル
ついにボスキャラまでおでましってわけか…
あのゴブリンたちはおまえが操っていたんだな!

これ以上ここは攻めさせない、みんなを守るんだ!

次はボクが相手してやる!
物語のように悪い魔物は勇者に倒されるのがスジってもんだぜ?

ヴァリアブルウェポンで両手から出したビームサーベルをさらに武器にまとわせて攻撃したい
さしずめ四刀流って感じだな

技能の怪力で攻撃力を上げたり
武器受けで相手の攻撃を受け流せたりしないかな?
前衛で耐えつつ相手を後衛に近づかせないように
進路を塞げるといいんだけど

ボクが少しでも時間を稼ぐから、みんなも攻撃の準備をしててくれ!



「これ以上ここは攻めさせない、みんなを守るんだ!」
 モユルが剣を手にハーピィにとびかかり、ハーピィは間一髪のところで躱す。
「ついにボスキャラまでおでましってわけか……あのゴブリンたちはおまえが操っていたんだな!」
 地面に着地したモユルは、ぼろ雑巾になったゴブリンを見つめ、ハーピィの方へと向き直る。
「フフフ♪」
 既に必死なのか、或いはモユルと一戦を交え油断は出来ぬと判断したのか、再び姿を変え、モユルを喰らおうと全力でとびかかる。
「物語のように悪い魔物は勇者に倒されるのがスジってもんだぜ?」
 その変身におびえることなくモユルは両手からビームサーベルを出し、両手の剣に纏わせると、竜へと化したハーピィの鉤爪を全力で食い止める。モユルの目的は、ダメージを与えつつも防衛を続け、少しでも確実に止めを刺せる猟兵が来るまで持ちこたえる事であった。
「ボクが少しでも時間を稼ぐから、みんなも攻撃の準備をしててくれ!」
 光線剣と鉤爪が何度も交差し、激しい光を放つ……そうするうちに制限時間が来てしまったのだろう。ハーピィは元の姿へと戻ると、苛立たしくモユルから離れ、羽を飛ばして攻撃した。

成功 🔵​🔵​🔴​

伝農・エルナちゃん
「おうおう、ダンスはまだ終わっとらんようじゃな」
 と言いつつ、ハーピーに絡みに行く。
「この程度の猟兵も倒せんようでは、オブリビオンとやらの質も大したものではないのう?」
「お前さんを侮る訳ではないが、どうも最初に当たるオブリビオンがお前さんではなー」
「いっそ焼いて鶏肉にでもなった方が、世のためではないかえ? ぐふふふふ」
挑発を繰り返し、攻撃を執拗に誘う。【残像】で基本的に回避し、致命的なスキを待つ。
スキを見せたら一転攻勢。【・名刀・伝鉄】を構え、【電光尖刀・栄華】にて突撃、爆砕する。【ダッシュ】のスピードを乗せた【カウンター】を叩き込む。
「下らんな、オブリビオン。も少しボスらしくせいよ?」



「おうおう、ダンスはまだ終わっとらんようじゃな」
「……!」
 その低い声の主へとハーピィが視線を動かすと、エルナちゃんの姿がそこにあった。
「この程度の猟兵も倒せんようでは、オブリビオンとやらの質も大したものではないのう? お前さんを侮る訳ではないが、どうも最初に当たるオブリビオンがお前さんではなー」
「なっ……!」
 エルナちゃんは攻撃をするわけではなく、和解をするわけでもなく、ただハーピィを挑発しながら、彼女の周りを歩き続ける。
「まだお前さんに操られていたゴブリン達の方が強かったのぅ、いっそ焼いて鶏肉にでもなった方が、世のためではないかえ? ぐふふふふ」
「ふふふ……そう……鶏肉ね……」
 挑発を続けるエルナちゃんに対し、ハーピィもまた自分自身に呆れたように笑う……そして、風が止んだ直後。
「餌になるのはあんたの方よ! 後悔なさい!」
 吹き荒れる暴風、現れたのは自らの寿命を極限まで削り、先ほどよりも遥かに大きくおぞましい黒竜と化したハーピィの姿。
「どのような姿になろうとも所詮見掛け倒しじゃ、あちきの敵ではないわ」
 エルナちゃんは決して狼狽えることなく刀を構え続け、一撃をたたき込むその瞬間を待ち続ける。怒りのままに、敵がその大きな口を開けてエルナちゃんを丸呑みにしようと迫ったその瞬間に――
「見切った!」
 エルナちゃんの姿がぶれた、一瞬の間に姿が消えた彼女に気付く事なく、黒竜の牙は空を切った。
「盛衰を極め、そして散れッ!!」
 それが敵にとって、致命的なミスとなった。エルナちゃんは既に電光を宿した刀をその手に構え、竜の背に立っていたのだ。
「……!」
 竜が振り返ったその瞬間に、刀身が叩きこまれ、激しい閃光と爆炎が巻き上がる。とっさに腕で目を隠す他の猟兵達。
「……下らんな、オブリビオン。も少しボスらしくせいよ?」
 猟兵達が再び視界を取り戻した時に見た物は、よろめき、もはや飛ぶ力を無くしていたハーピィの姿であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベンジャミン・ナカガワ
(場違いな奴が空気を読まずにやってくる)

「ヒャッハー!俺、推参ですぞー!」

最初は砦を直すだけの簡単なお仕事と聞いておりましたが、強大な敵が現れたと聞いて助太刀に来た次第ですぞ!

「んー?でも既に終わってしまったようですな!あとは雑魚しか残っていないご様子!ですぞ!」

無自覚に【挑発6】!

「しかし皆様は強大な敵との戦闘でお疲れでしょうな!せっかくなのでここは俺にお任せあれ!ですぞー!」

炸裂するドヤ顔!

「ヒャッハー!」

俺の【ガトリングフィーバー】が火を吹きますぞ!ゴブリンもハーピーもまとめて蜂の巣ですぞー!

抵抗しても無駄ですな!【武器受け】【盾受け】【見切り】で攻撃を防いで【カウンター】ですぞ!



「ボス、らしく、ですって……この……人間どもが……あなた達は私の餌になるのが」
 ハーピィから殺意の波動が巻き上がる。
「お似合いなのよ!」
 血まみれになりながらも、最後の力を振り絞り、再び変身のユーベルコードを発動する。だが、その姿ですら既に傷まみれである。
「喰ってやる……喰ってやるゥゥ!」
 竜の姿と化したハーピィは吠え、最後の力を――。

「ヒャッハー!俺、推参ですぞー!」

 ――振り絞るには場違いな奴がやってきた!
「最初は砦を直すだけの簡単なお仕事と聞いておりましたが、強大な敵が現れたと聞いて助太刀に来た次第ですぞ!」
 見た目に反してあまりにもハイテンション過ぎる日本人風のサイボーグ、ベンジャミン・ナカガワはびしっと決め、辺りを見回し――。
「んー? でも既に終わってしまったようですな! あとは雑魚しか残っていないご様子! ですぞ!」
 どや顔を決めるベンジャミン。彼にとってはまったくの無自覚であるが、死にかけのハーピィには効果的な挑発だった模様で――。
「グアアアアア! ブッ殺ス! ブッ殺シテヤル!」
 吠えた。直後、更にどこからともなくゴブリンが押し寄せ、一斉に地面を踏み荒らしトドメを刺しに突っ走る。だがベンジャミンは冷や汗一つ書くことなく、竜に背を向けたまま呆然としている猟兵達に向けて労いの言葉を投げかけ――
「しかし皆様は強大な敵との戦闘でお疲れでしょうな! せっかくなのでここは俺にお任せあれ! ですぞー!」
 ジャコン!
「ヒャッハー!」
 一瞬でどこからともなくガトリングガンを取り出し、振り向くとハチャメチャに撃ちだした!
 吹き飛ばされるゴブリン達、辺りに漂う硝煙の中を、血まみれの竜が接近し、爪を突き立てる!
「おっと! 抵抗しても無駄ですな!」
 ベンジャミンはその攻撃を見極めるととっさにガトリングガンで食い止め――。
「ゴブリンもハーピーもまとめて蜂の巣ですぞー!」
 更に取り出したガトリングガンの嵐を浴びせた!
「ぐ、グエアアアアアアア!?」
 竜の全身に弾丸が食い込み、血が噴き出す。黒竜はよろめくと、妖鳥の姿に戻り……ばたり。

 そのまま力尽き……二度と動く事は無かった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2018年12月16日


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アックス&ウィザーズ


30




種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト