戦争の疲労回復にはもふもふがいいと聞きました
●
「デビルキングワールドでの戦争、お疲れ様」
遠野・路子(悪路王の娘・f37031)はグリモアベースで集まってくれた猟兵たちを労う。そんなお疲れの猟兵たちに何を頼むというのか。もちろんグリモアの予知が見えたわけだが。
「ケサランパサラン。知ってる?」
特にひねりはない。つまり、あのふわっふわの白い毛玉のヤツである。正体不明の謎の生物というケサランパサランであるが。
「グリモアが示すのはサムライエンパイア。そこの村では普通に現れる」
普通に、春先になると空から降ってくるらしい。そして捕獲する。穴の開いた桐の箱の中でおしろいを与えて飼うらしい。いっぱい。
「ケサランパサランの成長でその年の豊作を占うみたい」
数と大きさで。全滅すると悲惨なので、飼育係も結構必死である。そして成長したケサランパサランをご神体に、豊作祈願のお祭りをする。
「藤の花でお花見とも、ただお酒を飲みたいだけとも言う」
ちなみに豊作以外にもお願いは有効らしい。無病息災とか恋愛成就とか一攫千金とか、まぁ欲望のままに。叶うかどうかは別とする。
そしてこの季節は藤の花がとても美しい。神社には大きな藤棚があって、ここでお花見も通例だ。この時期は田植えも終わって、少し余裕ができる。ここから先は田んぼの管理とかで大変になるので、宴をするなら今しかないのだ。
とまぁ。ここまでならお祭りで遊んできて、というただの情報提供になるわけだが、この情報の発信源はグリモアである。
つまり。
「ケサランパサランたちを狙ってオブリビオンが現れる」
結局オブリビオンは現れるらしい。
●
「出てくるのは『まっくろピヨたろう』。もふもふ」
最後の情報要る? いや、要るのだ。何故かと言えば、ピヨたろうはそのもふもふをパワーにして襲い掛かってくる。
「オブリビオンだからね。普通に痛い」
もふもふだけど、痛い。猟兵ならもふれるが、一般人ではもふを感じた瞬間に潰されてしまう。比喩表現ならいいが、文字通り潰されるのだ。ぐちゃっ、と。
「そんな事させるわけにはいかない。その前に退治してほしい」
だが、ピヨたろうはケサランパサランたちを食料として狙ってくる。ピヨたろうは食べ物のためなら手段を選ばない……猟兵の介入なくばケサランパサランを食い尽くされ、そのついでに村人たちも全員食い散らかされるだろう。
「でもそのお祭りを中止するとその後がどうなるかわからない。だからお祭りの時に返り討ちにして欲しい」
作戦はシンプルでいいだろう。出現したら村人を避難させて、それから叩く。それなりに強敵だから、今の猟兵たちが苦戦する敵ではない。なお、もふは除く。
「ちなみに、ケサランパサランたちも食べられたくないと思っている。なので手伝ってくれる」
どうやら、ピヨたろうの力を抑え込んでくれるらしい。ただし、それには条件がある。
「ケサランパサランたちに皆の力を分けてあげて欲しい。そうすると急成長する」
すると大きく急成長したケサランパサランたちは大量に分裂するらしい。タンポポの綿毛みたいな感じで、ぶわっと分裂する。これがピヨたろうに纏わりつくと、もふもふ度は変わらず、攻撃の威力だけ下がるらしい。
「まっくろピヨたろうから、まだらピヨたろうになったらもふり放題」
仮に体当たりを受けようが、ひっぷあたっくされようが、問題ない。弾き返せる。というか受け止めてもふれる。後は適当なタイミングで倒してもらえたら。
そんなイージーモードにするためにはケサランパサランたちに猟兵たちの力を分け与える必要がある。
「方法は二つ。ひとつ、皆の手ずからでおしろいをあげる」
猟兵の素手に乗せたおしろいを食べることで、ケサランパサランが猟兵たちの力を取り込むらしい。いっぱい食べると思う。
「ふたつ、もふる」
もふるらしい。ケサランパサランももふれるらしい。
「ちなみに。こっちはもふもふというよりふわふわ」
もしくはふかふか。おしろいを乗せずに手を差し出せばケサランパサランたちの方から掌に乗ってくる。そういう流れであれば村人たちも怒らないので、存分にもふってほしい。もふった分だけ、ケサランパサランたちが皆の力を取り込む。
「うぃんうぃんの関係。もふは世界を救う」
●
そんなわけでやって欲しいことはふたつ。
ひとつ目はケサランパサランたちに皆の力を分け与える。
ふたつ目はまっくろピヨたろうを倒す。
しかし、そんなにガチガチに構える必要はなく、どちらかといえばお気楽にお祭りを楽しんで欲しい。楽しめば楽しんだ分だけ、ピヨたろうは無力なもふもふと化す。
ちなみに両者のもふ感を路子評で言うと、ケサランパサランはビーズクッションみたいに『やめられない』感じで、ピヨたろうは『人をダメにするもふ』の感じらしい。グリモアの予知から得た情報である。
「私は、確認する事が出来ない……皆に託す……」
悲し気な表情で告げる路子。仕方ないね、グリモア猟兵は戦闘が終わるまで出れないものね。ミコ食べていよう?
まぁともあれ。
お祭りを楽しみながら、ふかふかともふもふを楽しみつつ、事件を解決してほしい。
「色々とごちゃ混ぜなお祭りだけど、楽しんできて」
そう言って。路子は猟兵たちをサムライエンパイアへ送り出すのであった。
●
そんなわけでやってきましたサムライエンパイア。
既にお祭りは始まっているらしい。村人が並び、村長の口から祝詞が紡がれ、豊作を祈る言葉が続く。その後ろに並ぶ猟兵たち。
その隙に境内を見渡す。
お祭り、といってもどちらかと言えば『豊作祈願祭』に近いのだろう。縁日のように屋台などは並んでいない。その代わりと言っては何だが、神社の境内には見事な藤棚がある。
その藤棚の下に並ぶ、様々な食べ物、飲み物――これはお花見の用意だろうか? 地べたに並べたものもあれば、椅子や机のように置かれた石や丸太の上に並べられているものもある。今、見えるのは……日本酒、お団子、芋の干したもの、魚の干物といったところか。
そろそろお祭りの『儀式』部分が終わりそうだ。これが終われば、後はお祭りを楽しむことが大切な力となる。猟兵たちはもちろん、村人たちにもだ。何故かって、田植えが無事終わった祝いの宴も兼ねているからね。
それではグリモア猟兵が言ったように、お祭りを楽しむとしよう。
お花見もいいし、ケサランパサランたちと遊ぶのもいい。どちらも次の戦いに繋がるものだ。
そして、まっくろピヨたろうを倒すのだ!
るちる
まいどです。いつもありがとうございます、るちるです。
『7thKING WAR』お疲れさまでした! 無事勝利ですね!
というわけで毎度おなじみの戦争後もふもふ依頼です。のんびりお楽しみいただければ幸いです。
●全体
2章構成の【戦後】【Q】シナリオです。
リプレイの雰囲気はいつもながらにプレイング準拠。何も指定無ければ、もふもふ・まったり・コメディのいずれかに寄ると思います。
目的はオープニング参照。
アイテム・ユーベルコードともに使用制限はありませんが、広範囲殲滅兵器系は建物(特に神社とケサランパサラン)と一般人を巻き込まないようにご注意ください。
●1章
日常『お花見』となっていますが、お祭りです。
ひとつ目の目的『ケサランパサランたちに皆の力を分け与える』が該当。
直接的にパワーを分け与える方法はオープニングに記載済ですが、それに拘らずにお祭りを楽しんでいただくとケサランパサランがパワーアップします。ケサランパサランご神体ですしね。食べ物飲み物持ち込みオッケーですし、お花見せずにひたすらケサランパサランと遊んでいても全然オッケーです!
POW/SPD/WIZの選択肢はご参考程度。
●2章
ボス戦『まっくろピヨたろう』
戦闘になりますが、ゆるゆるっとした感じで考えています。1章でケサランパサランやお祭りを楽しんでいただいた分だけ弱体化します。これはお祭りの会場である神社に蓄積される『ハレの霊力』によるものです。
たぶん、普通に1章を楽しんでいただくと、目の前に現れるのはおっきなくろいもふもふ(もふられるだけの存在)となります。
●
1章は冒頭説明なし。2章はプレ受付開始前に状況や補足などをアップします。ご参考に。
採用人数は決めていないのですが、1日の執筆人数が多いと採用できない人が出るかも? 多少ずらしてもらえるとありがたい。プレ受付開始や状況なども含めて、タグでお知らせします。
のんびり運営になると思います。
それでは皆さんの参加をお待ちしていまーす!
第1章 日常
『お花見』
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POW : たくさん飲み食いしたり、お花見ついでに散策したり、めいいっぱい楽しもう!
SPD : 手作り料理や飲み物(買ってきた物もOK)を持ち寄ってお花見パーティ
WIZ : 咲き誇る花や周囲の風景を堪能しよう
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鹿村・トーゴ
へ~
ケサランパサラン、だってさユキエ
『…(相棒の白鸚鵡ユキエに話を振るが拗ねた様子で腕から動かず。足にぎゅーっと力を入れてくる)
ちょ…イテテ。痛いって
『白いふわふわ?ユキエも白いのに浮気かな?』
いや浮気とか違うし
見つけると幸運に恵まれるってさー縁起のいいふわふわなんだぜ
『…(ご機嫌斜め
あら。ユキエは虫の居所ワルそ
ま、いーや
お祭りもあるってゆーしちょっと寄ってこ
旅のモンだけど、これを
と、
許可が出たらはちみつ飴を3合ほどお供え
手ずからおしろいをあげよ
お、ふわふわだ
あはは手がくすぐったい
いやホントこそばい
くしゃみも我慢しないとねー
『ふわふわね
ユキエも機嫌直した?
あとでお下がりの干し芋食べよ
アドリブ可
●
まっしろふわふわに成長したケサランパサラン。それをご神体に、豊作祈願のお祭りが進んでいく。具体的にはお祭りの『儀式』部分が。そしてそれが終われば、神社の境内が賑わいを増していく。
その中を転送されてきた猟兵のひとり、鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)が歩いていく。わいわいとする境内の中でも、ご神体であるケサランパサランが入っている桐箱(拝殿の前に積まれている)はとても目立っている。
「へ~、ケサランパサラン、だってさユキエ」
トーゴが腕に乗っている相棒にして白鸚鵡『ユキエ』に話しかけるが。
『……』
返ってくるのは無反応……ではなく。
「ちょ……イテテ。痛いって」
なんか腕を掴んでいる足っていうか爪っていうか。そこにひたすらぎゅーっと力を入れてくるユキエにトーゴが困ったように反論する。だがユキエがひたすらぎゅーっ、である。ぎゅーっ!
どうやら拗ねているらしい。
とはいえ、トーゴも困ったように苦笑するばかりで話が進まない。……と思ったらユキエが口を開いた。
『白いふわふわ? ユキエも白いのに浮気かな?』
ユキエは賢くてよく喋るし、音真似が非常に巧いのだ。
「いや浮気とか違うし」
なのでトーゴと会話する。いや、もしかしたら会話ではないのかもしれないが、会話は『成り立っている』のだ。
なので、トーゴも弁明する。
「見つけると幸運に恵まれるってさー」
『……』
「縁起のいいふわふわなんだぜ」
『…………』
何度話しかけてもユキエから色よい返事はこない。だいぶご機嫌ナナメらしい。
(あら。ユキエは虫の居所ワルそ)
これは今すぐどうにかなるものじゃないっぽい。
(ま、いーや。お祭りもあるってゆーしちょっと寄ってこ)
時間が解決してくれることを頼みにしつつ、トーゴは境内を歩いていく。
桐箱が積まれている拝殿の前まで歩いてきたトーゴは手を合わせて拝み。
「旅のモンだけど、これを」
そう言って、はちみつ飴を3合ほどお供えする。
すると、桐箱の中からもそもそっとした気配とともに、穴からまっしろふかふかな毛が見える。ケサランパサランだ。
「……」
それを見て、ケサランパサランを驚かさないように、ゆっくりと手を差し出すトーゴ。掌にはもちろんおしろいが乗っている。
「♪」
箱からひょこっと外に出てトーゴの掌に乗るケサランパサラン。1匹が呼び水となって、数匹がふわふわと外に出てきて、トーゴの掌の上でおしろいを食べていく。
「お、ふわふわだ。あはは手がくすぐったい」
もふもふふわふわ。ふわふわもふもふ。そんなケサランパサランが入れ代わり立ち代わり。
「ふふ……いやホントこそばい」
その感触に思わず声が漏れるトーゴ。
(くしゃみも我慢しないとねー)
と思いながら、じーっとケサランパサランを見ていたわけだが。
『ふわふわね』
ばさっと翼を広げて態勢を入れ替えたユキエがトーゴの腕の上からじーっとトーゴの手を見つめている。ちなみに小さな羽ばたきでちょっとケサランパサランが押し流されそうになっているが必死にトーゴの手にくっついている。もふ度アップ。
なのだが、トーゴの視線はユキエに向いて。
「あとでお下がりの干し芋食べよ?」
機嫌を直したらしいユキエにそう話しかけて。
トーゴはケサランパサランたちがおしろいを食べ終わるのをしばし待つのであった。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
陰海月に『ぷーきゅー!(もふるー!)』とねだられました。
戦争では陰海月も霹靂も頑張ってましたのでねー。ご褒美お疲れさま会です。
友というか、孫的存在ですしー(気分は祖父)
というわけで、まずは私からになりましてー。手を差し出しまして、乗ったらふかふかと。
ハレの気、というのは…悪霊ですから苦手といえるのですが。
楽しみますよー。滅多にない機会ですしね、ケサランパサランもふるの。
※
陰海月、真似して触手差し出して、潰さないようにさわさわ。ぷきゅー!(もふるー!)
霹靂、もふれないので、前足に白粉のせてあげる。クエクエ。
●
まっしろふわふわに成長したケサランパサランに豊作祈願のお祭り。賑わいを増していく神社の境内をのほほんと歩いていく猟兵がひとり。馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)である。その足はまっすぐ拝殿に向かっている。目的はケサランパサランの入った桐箱。ちなみに、その穴の空いた桐箱は拝殿の前に大量に積まれている。
てくてくと歩いていく義透……の影の中で、もぞりと何かが動く。と同時に飛び出してくる。
「ぷーきゅー!」(訳:もふるー!)
出てきたのは大きなミズクラゲ。名は『陰海月』という。空中オッケーな様子です。そしてこの雰囲気は……義透におねだりしている? その様子を見て義透の影から現れるのは金色混じりの焦げ茶の羽毛が美しいヒポグリフ。
「クエ」
こちらは『霹靂』、本日の義透の連れその2である。
「戦争では陰海月も霹靂も頑張ってましたのでねー」
陰海月と霹靂の頭を撫でながら、義透が微笑む。
「ご褒美お疲れさま会です」
義透の気分的には『頑張った孫を連れて遊びに来たお祖父ちゃん』である。
猟兵なので周りにクラゲが浮いていようと人が乗れるような獣がいても特に違和感を与えないというのはとても素敵なことである。
というわけで。
桐箱の前に立つ義透、陰海月、霹靂の3人。人という単位が最適かどうかはお見逃しいただきたい。
「まずは私からになりましてー」
桐箱の前に手を差し出す義透。その掌にはもちろん真っ白なおしろいがこんもり。それを見て桐箱の中からケサランパサランが顔をのぞかせる……ふっかふかの毛玉である。
「……」
そして無言で掌の上に乗っかってくるケサランパサラン。
「ほぅ……」
その様子を興味深く見つめながら掌に感じるふかふか具合をもふもふふかふかする義透。ケサランパサランも美味しそうにおしろいを食べている。
その様子を見て、陰海月と霹靂も前に進み出る。とはいえ、体の構造上の問題で人の身である義透と同じことは出来ないので。
陰海月は触手差し出して、ケサランパサランを潰さないようにさわさわ。
「ぷきゅー!」(訳:もふるー!)
もふる意志は鉄のごとく硬く、変わらないらしい。
そして霹靂はもふれないので、前足に白粉のせてあげている。
「クエクエ」
こっちはこっちで楽しそう。
そんな様子を楽しそうに見守る義透。
問題があるとすれば……。
(ハレの気、というのは……悪霊ですから苦手といえるのですが)
相性の問題と言えよう。まぁ出自がサムライエンパイアとカクリヨファンタズムと違うし、致命的ではないと思われる、たぶんめいびー。
それでも今日は滅多にない機会なのだ。
(楽しみますよー。ケサランパサランもふるの)
そんなわけでもふもふふかふか、ケサランパサランを楽しむ3人であった。
大成功
🔵🔵🔵
ラスカル・ノース
ケセランパサラン??
人をダメにするモフモフがどれほどのものか試してやるぜ。
俺っちも、モフモフだから、どんな感触か気になるってところだぜ。
まぁ、その前に、食いもん食ってからだぜ。
なぁ、おっさん、なんか肉ねぇか?
誰が狸だゴルアァ…あ、この世界、アライグマもレッサーパンダもいねぇんだったぜ…
あと、アナグマでもねぇからな。
んじゃ、ケセランパサラン、モフッてやるぜ!
ほあぁああああああっ!!(溶けるような声を出す)
すげぇ気持ちいいぃ…
モフりまくってやるぜ。堪能するぜ!!
いやぁ、すげぇ気持ちいいぃ。
アドリブ歓迎
●
賑わいを増していくお祭りの中を。村の子供よりも小さい生き物がてくてく歩いていた。
「あ、狸」
「だれが狸だゴルアァ!!」
「!?」
何気ない子供の言葉に速攻振り返ってツッコむ四足歩行な獣。しかし喋る。喋ること自体は猟兵特有の能力で不思議に思われないのだが、ツッコミの言葉があまりにも滑らかかつ威力が高かったので周りはびっくりしたのだ。
そう、彼は猟兵。アライグマの猟兵、ラスカル・ノース(アライグマの機械技師・f37198)である。
『あ、狸は禁句だな』って察した村人たちは子供を回収して平穏を作り出す。
その様子に満足したラスカルも自身の目的へと視線を戻す。
「人をダメにするモフモフがどれほどのものか試してやるぜ」
グリモア猟兵評の『人をダメにするもふ』……はピヨたろうの方なんだけど、しかしケサランパサランもまた人を魅了してしまうのでダメになる可能性はある。いや、なるかもしれない。そんなわけでそれを確認すべく、てくてく歩いていくラスカル。
(俺っちも、モフモフだから、どんな感触か気になるってところだぜ)
いや、どっちかっていうとモフモフ対決だった。ラスカル、そこに意地はあるんか?(某CM風)
しかし対決するならばその前にしておかねばならぬことがある。
「まぁ、その前に、食いもん食ってからだぜ。なぁ、おっさん、なんか肉ねぇか?」
「お? それなら向こうに……」
まずは腹ごしらえ。藤棚の下で宴会している村人たちの中へ潜り込めば。
「あ、狸」
「誰が狸だゴルアァ……あ」
さっきと同じようにツッコミかけてラスカルは気付く。
(アライグマもレッサーパンダもいねぇんだったぜ……)
その事実に気づく。たぶん村人たちはラスカルの種族が本気で分からないのだ。だから狸という類似種にしか辿り着かない。
「え、じゃあアナグ」
「あと、アナグマでもねぇからな」
次に出てきた答えを速攻で封殺するラスカルであった。
というわけで、鹿と猪の肉をたらふく食ったラスカル。
「んじゃ、ケセランパサラン、モフッてやるぜ!」
気合とともに桐箱の前に立ち、モフっとした手を『そりゃっ』と差し出す。もふもふの手におしろいは危険すぎるので無手である。見た目、パンチを繰り出したかのような動き。それに対してケサランパサランたちが白いふわもふの壁を作ってラスカルの手を包み込む。
もふっ。
「ほあぁああああああっ!!」
絶叫にして溶けるような声を出すラスカル。足元ががくがくと震えてもふに飲み込まれそうになっている。待って耐えてラスカル頑張って!
「すげぇ気持ちいいぃ……」
どうやら最初の一戦は越えたようだ。手に集ってくるたくさんのケサランパサランのもふ具合。だがまだ片手だ。ラスカルにはもうひとつ手がある。
器用に立ち上がって桐箱を支えにしつつ、両手で包み込むようにケサランパサランたちをもふり始めるラスカル。
「モフりまくってやるぜ。堪能するぜ!!」
ケサランパサランにしてラスカルのパワーを取り込めるのでもふられることに抵抗が無い。
ふかふかもふもふ。もふもふふかふか。
「いやぁ、すげぇ気持ちいいぃ」
ラスカルが満足そうに呟くのであった。
大成功
🔵🔵🔵
稲宮・桐葉
此度の戦争で大した活躍をしたわけではないが、ただただ、もふもふしたいのじゃ…との胸中は隠し、大人しく並び祝詞を聞くのじゃ
ふむ…もう田植えは全て終わっておるのか。まだならば、とっておきのUCを披露できたのじゃが…
万が一、日照り続きで田畑が干上がった時は、当てにしてもらえれば手助けするのじゃ
うむっ、やはり『花より団子よりもふもふ』じゃな!
さあさあ、わらわのもとに来るのじゃ~♪
両手をかざし、ケサランパサランが集うのを待ち構えるのじゃ!
集まってくれたならば、早速、頬ずりして感触を楽しむのじゃ
このフワフワ感…わらわの尻尾にも取り入れたいのう!
思わず、わらわも9本の尻尾を全て出しフリフリモフモフなのじゃ♪
●
古来より人は『まつり』とともにある。それは祭かもしれないし、政かもしれないが、とにかく『まつり』とはすぐ側にあるものなのだ。ゆえに手間がかかってもお祭りをするし、そこに願いを託すということもする。
そんな想いの顕れなのか、ちょっと厳かなお祭りの『儀式』部分。
(此度の戦争で大した活躍をしたわけではないが、ただただ、もふもふしたいのじゃ……)
そんな胸中は隠し、大人しく整列しながら祝詞を聞いているもふもふ……じゃなかった、猟兵は稲宮・桐葉(戦狐巫女・f02156)である。活躍したかなんて関係ないよ、だってそこにもふもふがあるんだもの。
儀式が終われば、辺りを支配していた緊張感がぷつりと切れて、境内に広がる解放感。境内の林の合間から見える田んぼには、青々とした苗が綺麗に並んでいる様子が見える。
「ふむ……もう田植えは全て終わっておるのか」
桐葉の声音は少し残念そう。というのは彼女は戦巫女。巫女神楽には自信がある。つまり、とっておきのユーベルコードがあったのだ。
「万が一、日照り続きで田畑が干上がった時は、当てにしてもらえれば手助けするのじゃ」
近くを通りかかった村長にそう告げて。
桐葉は当初の目的を果たすべく、拝殿に向かう。
そんなわけで!
「うむっ、やはり『花より団子よりもふもふ』じゃな!」
名言が出て参りました。もふもふは世界を救うっていうのはあながち間違いではないかもしれない。
拝殿の前に積まれた穴の開いた桐箱を前にして、桐葉は両手を広げて立つ。ポーズはさながら走ってくる子供を受け止める構え。しかして受け止めるのはケサランパサランである。
「さあさあ、わらわのもとに来るのじゃ~♪」
桐葉が楽しそうに声をあげれば、ケサランパサランたちがもふもふっと姿を現わす。お互いの合意(?)が取れた以上、遠慮する必要はないんです。
ふわふわもふもふ~~~っとケサランパサランたちが桐葉の両手に集まっていく。ちょこんと乗っかった子もいれば、袖から露わになっている手首にくっついてくる子もいて。
「ふふふ~~♪」
そんなケサランパサランたちを掬い上げるように自分の頬へ運ぶ桐葉。当然のように頬ずりする。しないわけがなかろ? だってもふもふだもの。
「このフワフワ感……わらわの尻尾にも取り入れたいのう!」
そんな欲望(?)に反応したのか、思わず桐葉のもふもふ狐しっぽもぶわっと9本に増量(普段は1本にしているのです) 空間のもふもふ密度が一気に上がる!
「~~♪」
それに反応したのはケサランパサランたちである。どうやら霊力溢れる桐葉のしっぽも手と一緒らしい。
「!?」
桐葉がふと気づけば、しっぽがケサランパサランまみれになっていた。狐色と白の見事なコラボレーションである。
「遠慮はいらんようじゃな♪」
字面と声の調子&表情が全然あってない桐葉。
「フリフリモフモフなのじゃ♪」
ケサランパサランたちと遊ぶように、しっぽをゆっくり揺らす桐葉。そして掌で大きく、よりふかふかもふもふになっていくケサランパサランたちを頬で堪能するのでした。
大成功
🔵🔵🔵
菫宮・奏莉
もふを育て、もふを纏わせ、もふる!
まさにもふりすととしては理想のヘブンリーですね!
むふーっ、と鼻息荒くおしろいをバッグに詰め込準備万端。
粉舞ってない? というのもご愛敬。
お祭りではもちろんケサランパサラン狙いなのですよ。
「毛玉さん♪ 毛玉さん♪ もっふもふー♪」
と、歌いながらケサランパサランを探し、
見つけたら、すーぱーだっしゅ(本人命名)で突撃しますが、そこはドジっ子。
みごとに躓き、地面に頭突きをかまして、おしろい塗れになっちゃうね。
すると、それを見たケサランパサランに集られ、
その感触に復活すると、ぎゅむったり、頬ずったり、
人にはお見せできない感じ蕩けたりして、もふの海に沈んでいきますですね。
●
猟兵たちの訪問。お祭りに外の人が混ざるのはなんら不思議の無い、むしろ自然なことで村人たちも歓迎している。……のだが、ケサランパサランたちの様子がどうもおかしい。なんかでかくなってない??
いや、ケサランパサランが大きくなるのは良いことなのだ。何故かと言えば、この村にとってケサランパサランは豊穣を約束するものだから。まっしろふかふかな毛が増えれば増えるほど稲穂も増えると言われているのだから。
だが待ってほしい。それにしてもでかくない??
若干、村人たちが距離を取って様子を窺い始めたのとは対照的に、ずずいと進み出た小さな影……それは菫宮・奏莉(血まみれもふりすと ときどき勇者・f32133)であった。
「もふを育て、もふを纏わせ、もふる! まさにもふりすととしては理想のヘブンリーですね!」
ジョブ:もふりすと。『むふーっ』と鼻息荒く立つ奏莉はこの地に訪れるべくして訪れた勇者である(ただし、もふりすと)
そんな奏莉の背中に背負ったバックパックには大量のおしろいが詰め込まれている。歩くごとにバックパックが揺れて、合間から粉が舞っているのはご愛敬ということで。
奏莉の狙いはもちろんケサランパサランをもふることである。というか、もふりすとにとってそれ以上の目的はあるだろうか、いやない。
「毛玉さん♪ 毛玉さん♪ もっふもふー♪」
楽しそうに歌いながら軽快なステップで桐箱が積まれている拝殿の前まで……おっと、すーぱーだっしゅ(本人命名)にかわったぞ?
だだだだだーーーっと猛突撃する奏莉だが、しかし奏莉ちゃんは天性の不幸呼び寄せ体質のドジッ子である。つまり……コケる。
「はわーっ!?」
ずざざざーっ。見事なヘッドスライディングをかましながら桐箱の前で静止する奏莉。と同時にばっさーっとバックパックの口が開いて、そこら中におしろいが散布される。っていうかぶちまけられる。
「けほっ、けほっ」
もちろんおしろい塗れになる奏莉。
その時、桐箱の中で動く気配。それを感じて奏莉が顔をあげると、桐箱の穴から顔をのぞかせているケサランパサラン……がたくさん。
そして降ってきた。
「~~~~っ?!」
ケサランパサランの洪水に声も無く、押し流される奏莉。いや、勢いが、とか、量が、とかじゃなくて、あまりにも目の前の光景がもふもふだったから。
肌に触れるふかふかもふもふ。
「ほわ~~~~……」
顔についているおしろいに集まってくるケサランパサランをはしっとつかまえて、ぎゅむぎゅむもふもふ。頬ずりしてほんわか、奏莉の表情が溶けていく。
その幸せ具合を吸収(?)して、大きく成長していくケサランパサラン。もふもふ度も超アップ。
「ふふ、うふふふふ……」
おっと、奏莉ちゃんがかなり蕩けている。とろかなり。
あまりのもふもふ具合に『でへへへ』と人にはお見せできない表情になっているわけだが、その頃には顔も見えないくらいケサランパサランたちに集られているので無問題!
こうして、もふりすとはもふの海へ幸せそうに沈んでいくのでした。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『まっくろピヨたろう』
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POW : 超もふもふひっぷあたっく
単純で重い【もふもふなお尻 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : ぱくぱくもぐもぐ
戦闘中に食べた【食べ物 】の量と質に応じて【眠くなってしまうが】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ : もふもふあたっくはいぱー
【もふもふ体当たり 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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●
盛況を博すお祭り。わいわいと賑やかに田植えが終わった労いと今年の豊作を祈って、お花見は続いている。
その時。
ずぅぅぅぅぅぅんっ。もふっ。
大きな何かが着地する音と大きさの割に柔らかすぎる音が響く。
拝殿の前、人だかりがなく空間となっていたそこへ空から落ちてきたのは『まっくろピヨたろう』……巨大なまっくろいひよこであった。もちろんオブリビオンである。
それがじーっと拝殿の前に積まれた桐箱を見つめている。その中にいるケサランパサランたちの力を感じているのだろう。それを喰らえばより強くなれる、と。
だが、小さな桐箱の中にいるケサランパサランたちは……すでにピヨたろうが知っている『普通の』ケサランパサランではない。
もそっ、と。桐箱の中でケサランパサランたちが動く気配。そして直後!
ぶわーーーーーーーっと、小さな小さな綿毛のようなモノが桐箱の穴から噴き出していく。猟兵たちのパワーを吸い取って、超巨大化の後、増殖&分裂したケサランパサランたちがピヨたろうに纏わりつく。
そしてまだら模様になるピヨたろう。
『ピ……ヨ……』
動きがとっても鈍い。しかもよろよろしている。ケサランパサランたちがピヨたろうの力を抑え込んでいるのだ!
ケサランパサランたちの献身(?)を見た村人たちは歓喜しつつ、藤棚の方へ皆退避している。
よーし、今ならもふり放題だ! 猟兵、頑張って!
※シナリオ補足※
ピヨたろうは(シナリオの)最後に倒せば特に問題ないです。
もふり倒していても倒せます。
菫宮・奏莉
白の次は黒もふ……と思ったら、白黒もふに!?
こ、これは、パンd(ひよこです)
目をきらーんと輝かせ、ててっ、といちど距離を取ると、
今回は自発的に、すーぱーだっしゅ(自称)からの【頭突き】なのです!
もふに頭から突っ込むと、足先だけ外に出ているような状態になりそうですが、それもありですよね。
そのまま、もふ潜りでもふの中に潜って、
もふ平泳ぎでもふの海をもふ観光するのです!
泳ぐのに疲れたら、身体を丸めてもふ転がりとかしちゃいましょう。
前回りー♪ 後ろ回りー♪ 横周りー♪ なのです♪
ときどき本体にぶつかっている気はしますですけど、
もふ泳では壁にタッチしてターン、みたいなものなので、問題ありませんですね!
●
ケサランパサランをご神体とした豊穣を願うお祭り。そこへケサランパサランを狙って現れた『まっくろピヨたろう』は、捕食しようとしていたケサランパサランたちの抵抗を受けていた。
『ピ……ヨ……』
具体的にはケサランパサランたちに集られてまだらになっていた。まだらピヨたろうの爆誕である。
「白の次は黒もふ……と思ったら、白黒もふに!?」
ケサランパサランたちのもふもふの泉に沈んで(?)いた菫宮・奏莉(血まみれもふりすと ときどき勇者・f32133)はその様子を見て驚愕した。というか、ケサランパサランたちのもふもふから離れることがまだできていない。それほどにもふの吸引力は落ちない。
だが別のもふが現れたとなれば別だ。
「こ、これは、パンd」
奏莉ちゃんすとーーーーーーーーーっぷ!! それ以上は言ってはいけない。これはひよこです。ピヨたろうです。
さておき。
もふりすとの前にもふが現れたならば、もふられる運命にある。
新たなもふの予感に、もふの泉からしゅぽんっと抜け出した奏莉は、目をきらーんと輝かせて。ててっ、とピヨたろうから距離を取る。
おや? 奏莉さん? どうしまし……。
「とつげきなのです!」
しゅぱーん、と飛び出すもふりすと。今度は自発的に『すーぱーだっしゅ(自称)』からの頭突き突撃をかます奏莉。
ええ、見た目は。
奏莉的には頭からもふに突っ込んだだけである。なので、まだらピヨたろうのもふっとしたお腹の部分から足先だけ外に出ているような状態になっている。足をばたばたさせているのも困っているからではない。もふを堪能しているよ頃日から。『これはこれでありなのです!』とはもふりすとの信条らしい。
だがここで終わらないのがもふりすと。
徐々に奏莉の体が……もふの中に沈んでいく。というか、奏莉ちゃん、自分で潜ってますね?? そしてついに奏莉がもふの海に沈んだーーーー!! と思ったら、ぷはっ、と水中から浮上した時のように、もふから顔を出す奏莉。
「わーい♪ もふ平泳ぎでもふの海をもふ観光するのです!」
まったく身動きの取れないピヨたろうの体を海に見立てて、もふもふの中で泳ぐ奏莉。だがもふの海は広い。というか、奏莉ちゃんが小さい。制覇する前に疲れが来る。
そしたらどうするかっていうと。
泳ぎを止めて、身体を丸める奏莉。そのままもふの上を転がっていく。
「前回りー♪ 後ろ回りー♪ 横周りー♪ なのです♪」
めっちゃ楽しそうである。というか、ピヨたろうをプールか体育館と間違ってませんかね??
時折、本体(?)にぶつかっている気がするが、それはそれで。水泳のターンみたいに本体へていやってぱんちを叩き込んでその反動で反転したりする。たまに失敗して頭突きしてる。
「問題ありませんですね!」
もふもふなので何の問題も無かった。そして再びもふの海で安らかにお昼寝をする奏莉ちゃんなのでした。
大成功
🔵🔵🔵
鹿村・トーゴ
うーわ
なんかすごいゆるい奴現れたじゃねーか
相棒のユキエも冠羽を立てて『ギャーッ』と鳴く
お?今めちゃ素で鳥だったなー【動物と話す】
『ユキエは鳥よ。でっかいから驚いた』
敵さんも鳥みたいだがやりずらいぜ
『なんで?』
オレさぁ
戦うンとかそゆのは好きだけどもふり倒すとかかわゆい敵をふかふかするとかはどーも苦手でさぁ
『何なら出来るの』
(クナイをパシッと握り替え)
ケサランパサランに抑えられてるやつの背後から寝首を掻k『敵でも今は殺伐な暗殺ヤメテ村の人も見てる』
『鳥と喋る変人羅刹の殺戮現場とかお祭にダメよ、ほらモフって』
説教食らった…
【忍び足】で接近(癖だ)
うりうりうり、とお腹をモフる
んーフカフカだな
アドリブ可
●
お祭りの中、ケサランパサランを狙って現れた『まっくろピヨたろう』はしかし、そのケサランパサラン(猟兵のパワーを取り込み済)のもふ津波に飲み込まれた結果。
『ピ……ヨ……』
まだらピヨたろうとなっていた。巨体以外の、本来の軽やかさや威力はほぼ無くなり、代わりにもふ度がアップしている。そう、ピヨたろうは今やもふられるだけの存在となったのだ。
「うーわ、なんかすごいゆるい奴現れたじゃねーか」
『ギャーッ』
鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)がピヨたろうを確認してそう呟いたのと、トーゴの相棒、『黄芭旦のユキエ』が冠羽を立てて鳴いたのが同時だった。
「お?今めちゃ素で鳥だったなー」
『ユキエは鳥よ。でっかいから驚いた』
トーゴのツッコミに対して、平静を取り戻したのか、一度羽根を広げた後、いつも通りに澄まして答えるユキエ。返しが冷静である。
それはさておき。
「敵さんも鳥みたいだがやりずらいぜ」
ピヨたろうから距離を取りながら、しかしじりじりと間合いを詰めてタイミングを計るトーゴ。
『なんで?』
そんなトーゴにユキエが首を傾げる。
「オレさぁ、戦うンとかそゆのは好きだけど……もふり倒すとかかわゆい敵をふかふかするとかはどーも苦手でさぁ」
そういうトーゴの表情は確かに困った感じになっている。攻めあぐねている時のあんな感じ。
そんなトーゴとピヨたろうを見比べてユキエが口を開く。
『何なら出来るの』
ユキエの問いかけに応えるように、クナイを腰から引っ張り出してパシッと握り替えるトーゴ。
「ケサランパサランに抑えられてるやつの背後から寝首を掻k」
『敵でも今は殺伐な暗殺ヤメテ村の人も見てる』
間髪を入れる隙すら無く、ユキエに却下されるトーゴ。
『鳥と喋る変人羅刹の殺戮現場とかお祭りにダメよ』
「……説教食らった……」
事の一部始終を聞いていたら、なんでやねん、とツッコミが入ることだろう。しかし幸い(?)にも村人たちは遠巻きに避難していて見えるのは動作のみ。つまり、クナイを構えたところまでだ。
『ほらモフって』
ユキエに促されるままにピヨたろうに接近するトーゴ。忍び足なのは癖なので見逃していただきたい。
そして動かないピヨたろうの腹を触る。
もふっ。ピヨたろうはぴくっと動いたきり、身じろぎすらしない。
「……」
うりうりうり、とお腹をモフり始めるトーゴ。全然動かないし、羽毛はもっふもふの上に、ふっかふかであった。
「んーフカフカだな」
もふもふもふもふ。
『モフモフ』
いつの間にかピヨたろうを羽根で叩いているユキエ。もふもふを感じているわけではないだろうが、まぁもふもふしているように見えるのでオッケー。
そんな感じで真正面からもふり倒すトーゴとユキエであった。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
引き続き『疾き者』にて
おやおや、本当に斑模様…。しかし、これがもふもふ好機なんですよねー。
まずは、私が確かめるように、手でさわさわもふもふと。ふかふかでいいですねー。和みますし、疲れも飛ぶような気がしますねー。ね、皆さん?(内部呼び掛け。応の返答あり)
では陰海月、いってらっしゃいなー。
※
もふもふ大好き陰海月、うきうきわくわく!なもふもふタイム!
「ぷっきゅ、ぷきゅぷきゅきゅー!!(わーい、待ってましたもふもふタイム!!)」
全部の触手使ってのもふもふもすもす!喜びすぎてUC発動!輝き躍りながらももふもふ!
霹靂、友のもふもふタイムを見ていたが…我慢できなくて顔ですりすりもふもふ。なるほどもふもふ。
●
猟兵のパワーを吸ったケサランパサランたちのもふ津波に飲み込まれた結果。『まっくろピヨたろう』はまだらピヨたろうとなった。
『ピ……ヨ……』
本来であれば、その巨体であっても軽やかに飛び上がり、もふに似合わぬ威力の体当たり攻撃を仕掛けてくるピヨたろうは今やもふられるだけの存在となっている。
「おやおや、本当に斑模様……」
すっかり孫を連れてお祭りに来た雰囲気になっていた馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は、ピヨたろうの出現に一瞬気を引き締めるも、まだら模様になったピヨたろうを見て、思わず気を抜く。まぁ本当に気を抜いているわけでは無かろうが。
「しかし、これがもふもふ好機なんですよねー」
しばらく見ていたが激しく動く気配はない。ならば、とまずは義透が。
ゆっくりと近づいて手を差し出す。
『……』
ピクッ、とピヨたろうが動くがそれだけだ。じー、と義透を睨んでいる以上、攻撃対象としては認識しているのだろう。でも動けない。
もふっ。
義透が確かめるように、手でさわさわもふもふ。
「ふかふかでいいですねー。和みますし、疲れも飛ぶような気がしますねー。ね、皆さん?」
その呼びかけは自身の内……中にいる人格に対して。どうやら返事は『応』だったらしく、義透は笑みを浮かべる。
安全は確保されているようだ。なら、今度は。
「では陰海月、いってらっしゃいなー」
「ぷーきゅー!」
後ろで『待て』されていた孫……じゃなかった、もふもふ大好きな大きなミズクラゲ『陰海月』が突撃するのであった。
そんなわけでもふもふ大好き陰海月の『うきうきわくわく!』なもふもふタイムである。
「ぷっきゅ、ぷきゅぷきゅきゅー!!」
訳:わーい、待ってましたもふもふタイム!!
自身が持つ、ありとあらゆる触手を伸ばしてピヨたろうの体を触る陰海月。全力のもふもふもすもす! である。おっと、何か光ってきたぞ?
「あー、喜びすぎて」
義透曰く、喜びすぎて【それは虹のように】が発動したようだ。1680万色に輝き躍りながら、なおももふもふしている。もふもふもふもふ。
そんな様子の影海月をじーっと見ていたのは、もうひとりの孫……じゃなくて、金色混じりの焦げ茶の羽毛が美しいヒポグリフ『霹靂』であった。
「……」
まぁ我慢できんよね。
てってってって、と近づいていって、そのまま顔からもふにダイブ。すりすりもふもふ。
「……」
むふー、といった感じでご満悦の霹靂。
「おやおや、楽しそうですねー」
そしてそんな様子を見守るお祖父ちゃんなのでした。
大成功
🔵🔵🔵
稲宮・桐葉
おぉ…なんという巨体じゃ!
じゃが、ケサランパサランたちが、わらわたちの力を得た今、巨大なだけの、ただの黒いもふもふに過ぎぬ!
いざ、参らん!
白黒斑模様のもふもふが繰り出す、ひっぷあたっくを全身で受け止めに行くのじゃ!
未知なるもふもふとの遭遇に心を躍らせながら、仁王立ちで両手を開いて待ち構えるぞ
例えるなら綿毛のようなサラリとしたケサランパサランのもふ具合に比べ、くろピヨは、きめ細かい泡のような、しっとりとしたもふ具合…これはケサランパサラン成分が加わったからかの(個人の感想です)
散々もふもふを堪能した暁には、あたっくはいぱーを受け止め、解除させぬよう抱きしめ返し、もふもふしながら追い詰めるのじゃ!
●
ケサランパサランたちのハレの気によって、『まっくろピヨたろう』はまだらピヨたろうとなり、そして身動きが取れなくなっていた。本来であれば俊敏な羽ばたきと突撃でもふもふ体当たりをかましてくるのだが、もはやもふ地蔵と化している。
そんな巨体を見上げるもふもふ妖狐さんの稲宮・桐葉(戦狐巫女・f02156)。
「おぉ……なんという巨体じゃ!」
たぶん、キリンを足元から見上げている感じの高さ感。しかし、野生の動物にそこまで近づくのは基本的には危険だ。何故なら見た目大人しそうでも凶暴であることが多いから。
ピヨたろうもまた、その野生の例に漏れない。
「じゃが、ケサランパサランたちが、わらわたちの力を得た今、巨大なだけの、ただの黒いもふもふに過ぎぬ!」
そう、野生とて身動きが取れなければ、ただのもふもふである。サ○ァリパーク的な感じになるのである。
「いざ、参らん!」
すっごいカッコよく決めつつ、桐葉はピヨたろうへと突撃したのである。
しかしピヨたろうもただでもふられる……じゃなかった、オブリビオンである。猟兵の突撃を静観しているはずもなく、どうにか動くお尻でひっぷあたっくを繰り出す。
だがそれこそが桐葉の狙い! 桐葉は仁王立ちで両手を開いて待ち構えている。
あえて言おう……! 楽しみである、と!!
曰く、白黒斑模様のもふもふが繰り出す、未知なるもふもふとの遭遇。それに心を躍らせない者がいるだろうか、いやいない。
とか哲学している間に、ピヨたろうのひっぷが桐葉に直撃する。
もふっ。
ケサランパサランのハレの気のおかげでダメージ部分はゼロ。残ったのはもふだけである。
「例えるなら綿毛のようなサラリとしたケサランパサランのもふ具合に比べ、くろピヨは、きめ細かい泡のような、しっとりとしたもふ具合……これはケサランパサラン成分が加わったからかの」
注:個人の感想です。
受け止めた瞬間、桐葉の口から流れるように溢れ出るもふもふの総評。っていうか、両手のもふセンサーすごいな!? さすがもふもふ堂の主。え? 関係ない?
もふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふ。
その間にも桐葉はずーっともふもふしている。ピヨたろうからの反撃を封じるために【妖狐秘術 柔毛籠絡術】によって放たれるもふもふ霊気。それによって友好的になったピヨたろうは成すがままにもふられている。見た目、抵抗を諦めた風に見えるとか言ってはいけない。一応、もふもふ体当たりをかましたのだが、あっさり受け止められたとかそんなことはないのだ。たぶんめいびー。
「このまま追い詰めるのじゃ!」
ピヨたろうを押し出そうとする桐葉。見た目はピヨたろうを排除する動きだが、具体的には抱きしめ返しつつ、もふもふしながらもふの海に沈んでいく行為である。
そんなわけでまだらピヨたろうのもふもふを存分に堪能する桐葉さんでした。
大成功
🔵🔵🔵
葛折・菖蒲
「お祭りを楽しまれてるなら、もう過剰戦力かもしれませんけれど」
不測の事態はありうるかもと参戦する
「人をダメにするならガジェットなら問題ありませんわね?」
UCでガジェットを換装、回避率を高め敵のUCに備える
「体当たりも当たらなければ問題ありませんの」
飛翔も出来るので遊撃として手が足りなそうなところや緊急性の高い場面に乱入して建造物や一般人、ケサランパサランを巻き込まぬよう近接攻撃系のガジェット(うねうねした黒光りするナニカ)による白兵戦で攻撃していきます
「『もふもふ』もいいですけれど、『うねうね』だって素敵だと思いますの!」
「ここで活躍すれば、『うねうね』の地位向上にも一役買えますわよね?」
●
ケサランパサランを食べてパワーアップを目論む『まっくろピヨたろう』。しかし、その目論見は事前に現地入りしていた猟兵たちのパワーを取り込んだケサランパサランたちによって阻まれていた。
あんなにもふもふだった黒い羽毛はいまやまだら模様になって、もふもふ度はパワーアップしている。
『ピ……ヨ……』
そして動きがめっちゃ鈍い。よたよたっと歩くのが限界である。そんなところへ猟兵たちが入れ代わり立ち代わりもふり倒すものだから、もはやまだらピヨたろうの毛並みもさすがに乱れ始めていた。
だが依然として、ピヨたろうは拝殿の前でもふっと鎮座している。
「お祭りを楽しまれてるなら、もう過剰戦力かもしれませんけれど」
葛折・菖蒲(多重人格者の探索者・f18540)はそのピヨたろうの前に立つ。いかに有利な戦況であろうとも不測の事態はありうる。それに備えて参戦した菖蒲であるが、どうも杞憂だったらしい。
しかし目の前にいるのは『人をダメにするもふもふ』と名高い(?)ピヨたろうだ。
「人をダメにするならガジェットなら問題ありませんわね?」
手はある、と。菖蒲が【ガジェット換装・天駆】によって自身のガジェットを換装する。
「体当たりも当たらなければ問題ありませんの」
回避率を高めてピヨたろうの攻撃に備える菖蒲。さらには空へと舞い上がり、滞空した状態で芸的態勢を整える。
『……ピヨ』
そこまでされたならピヨたろうも黙ってやられるわけにはいかない、と。自分を押さえつけるケサランパサランのパワーを振り払うように力を振り絞って羽根を開き、空へと飛び上がる。
もふもふあたっくはいぱー! ……は非常にゆっくりともふっと空へ。ケサランパサランに力抑え込まれてるからなー。
ふんわり山なりの軌道で菖蒲に迫るピヨたろうだが、あまりにもふんわりしているのでさくっと回避される。そして隙だらけである。
「……」
ちょいと上昇して回避した菖蒲が自身の下を通り過ぎるピヨたろうにぺしっと攻撃を仕掛ける。ピヨたろうに向かって伸びるのはうねうねした黒光りするナニカ――先ほど一緒に換装した近接攻撃系のガジェット。
ぺしん、とクリティカルヒットしたため、成す術もなく地面に叩きつけられるピヨたろう。もふっと着地。そこへ追撃のうねうねが迫る。一応ケサランパサランの位置は外して攻撃を仕掛けているらしい。
ぺちぺちぺしぺし。
「『もふもふ』もいいですけれど、『うねうね』だって素敵だと思いますの!」
そう叫びながら攻撃を仕掛け続ける菖蒲。いかにグリモア猟兵が『もふもふしてきて』といっても、個人の趣味趣向は自由だし、主張も自由である。
「ここで活躍すれば、『うねうね』の地位向上にも一役買えますわよね?」
いやー、そればっかりは見ている人に聞いてくださいな?
大成功
🔵🔵🔵
ラスカル・ノース
こいつが、今度のオブリビオンか…
でかっ!
にしても、こいつも、モフモフだよな。
鳥類だから当然か。
あ、ケセランパサランが纏わり付いたぜ。
よっし。
今の内にモフってやるぜ!
おぉおおおっ!
まるで、動く天然の羽毛布団!
惜しむらくは、倒さないといけないことだぜ。
こうなれば、ガジェットもいらねぇな。
噛み付いて倒すだけだぜ!!
オレっちも、肉食獣なんだぜ。
獲物を屠れる牙を持ってるんだぜ。
コレで終わりにしてやるぜ。
●
本来であれば、拝殿の前に積まれた桐箱――ケサランパサランの住処はこの『まっくろピヨたろう』の体当たりで微塵に破壊され、その中にいたケサランパサランたちもあっさりと食べられたのであろう。
しかし、そうはならず、猟兵たちの助力を得たケサランパサランたちは大きく、よりふかふかに成長して、逆にピヨたろうの動きを封じにかかる。タンポポの綿毛が風に乗って広がるように、ピヨたろうの周りにぶわっと広がったケサランパサランたちはそのままピヨたろうにくっついて力を封じる。
『ピヨ……』
動けん、って感じのピヨたろう。そこにいたのは『まっくろピヨたろう』ではなく、『まだらピヨたろう』であった。そこに猟兵たちが攻撃(主にもふもふ)を叩き込んでいくのだから、ピヨたろうの体力は削られるばかり。あと少し……。
「こいつが、今度のオブリビオンか……でかっ!」
最後と言わんばかりにピヨたろうの前に立ったのはラスカル・ノース(アライグマの機械技師・f37198)であった。森から出てきたような動きだがタヌキじゃないよアライグマだよ。
「にしても、こいつも、モフモフだよな。鳥類だから当然か」
体格差からだいぶ距離を取って状況を把握するラスカル。
普通の人が見てもピヨたろうは見上げるほどに大きい。アライグマのラスカルと退避すると、もはや大怪獣もかくやというレベルの大きさになる。マジで踏みつぶされるレベルだが、ケサランパサランたちが纏わりついているおかげでピヨたろうは動けないし、仮に踏まれても威力ゼロ。もふもふなだけなので安心。
「よっし。今の内にモフってやるぜ!」
そんなわけでアライグマダッシュで巨大なもふもふに突撃するラスカルさん。
「おぉおおおっ!」
第一声は驚愕の叫びでした。
「まるで、動く天然の羽毛布団!」
そして安心してしまう仄かな温かさ。超がつくほどの体格差がこの場合は利点となる。何故かっていうと、羽毛の中で遊び、潜り、走り回れるからさ。
「ふぉおおおおおおっ!!!」
ちょっと感極まってきたらしい。声のトーンが一段階あがっている。
『ピヨ……』
ラスカルの様子を口惜し気に見つめるピヨたろう。ケサランパサランの1匹でもぱくぱくもぐもぐできていたら、この状況はひっくり返されるのかもしれない。だがケサランパサランは絶対にピヨたろうの口元に行かない。ゆえに動けないピヨたろうに現状をひっくり返す術は無く、成されるがままに弄ばれて(?)いる。
そんな状況下なのでもふもふを堪能し尽くすラスカル。おお、泳いでますよ羽毛の海を。ふっかふかの海である。
「惜しむらくは、倒さないといけないことだぜ」
そんな言葉がラスカルの口から零れる。そう、ピヨたろうが、人に危害を加えないただのもふもふだったらよかったのに。
しかし、現実としてピヨたろうはオブリビオンでケサランパサランたちもいつまでもまだら模様になっているわけにもいかない。
心を鬼にして(?)倒さねば。
「こうなれば、ガジェットもいらねぇな」
そう言ってラスカルが羽毛の海の底へ潜り込む。このもふもふが羽毛である以上、底まで行けばそこには鳥肌がある。そこへ辿り着いたラスカルは……大きな口を開けて勢いよく噛みついた! ぶちぶちっと肉を噛み千切る音がする。
「噛み付いて倒すだけだぜ!!」
自身の言葉を実践するように次々とピヨたろうの肌へ噛みつき、食いちぎるラスカル。
『ピヨーー!!』
ピヨたろうが身じろぎするが、それ以上にケサランパサランたちによって動きが封じられている。これまでの猟兵たちが叩き込んだダメージ(?)も積み重なっている。
「オレっちも、肉食獣なんだぜ。獲物を屠れる牙を持ってるんだぜ」
【智慧ある獣の牙】は敵を覚え、次なる攻撃の命中力と威力を増強する。何度も繰り返せば例え相手が巨体であろうとも。蟻とて象を倒すことだってあるのだ。
「コレで終わりにしてやるぜ!」
『ピーーーヨーーーーッ!!!』
トドメと言わんばかりに、盛大に勢いよくラスカルの牙がピヨたろうの喉元に突き立てられる。絶叫(?)するピヨたろう。ラスカルが喉元を噛み千切ると、ピヨたろうの体がゆっくりと地面に倒れ込む。
ずぅぅぅぅぅぅんっ。もふっ。
土煙があがるとともに、ケサランパサランたちがピヨたろうの体がふわりと離れていく。ふわふわもふもふ。そしてオブリビオンの体が骸の海へと還って、その場に残るのは白いもふもふのみ。
「ふー。惜しいもふもふを亡くした」
戦闘を終えたラスカルがその一部始終を見届けて、そう呟く。
ふわっ、と。風が吹いてケサランパサランたちが空に舞う。ふわりふわりと空を漂うケサランパサランたち。
それが夏の空から雪のように降ってきて。
このお祭りが、豊穣のお祈りが大成功に終わったことを示すのであった。
大成功
🔵🔵🔵