●速報:チョコレート山が噴火しました
ここはアリスラビリンスにある不思議の国の一つ、ラクトパラディア。木にはフルーツ味のアイスが生り、空からは粉砂糖のような雪が降る、甘くて冷たい氷菓子の国です。
この国の住人、歩く雪だるまのような愉快な仲間、通称『ピーノくん』達は、バレンタインに先駆けて肉体労働に勤しんでいました。
「掘って掘って、マタ掘ってー」
「そろそろ休憩でよくないデス?」
「疲れマシター」
元来怠け者の彼等ですから、作業は全然捗っていないようですが、それでも毎日少しずつ、慣れぬツルハシで茶色の大地を掘り進んでいました。ラクトパラディア郊外にあるチョコレート山、猟兵の皆さんには秘密にしていましたが、ここからはなんと、名前の通り上質なチョコレートが採れるのです。
国も平和になったところで、彼等は事業拡張に手を出し、このチョコレートで一発当てようと……していたわけではなく、時期的にも来客を歓待するのに相応しいと考え、こうして発掘チームを派遣するに至ったようです。
のんびりとしたペースで振るわれていたツルハシが、その時、カツンと妙な音を立てました。
「ン?」
「ナンカ変な音しませんデシタ?」
よくわかりませんが、ちょっと打ち所が悪かったのかもしれません。ゴゴゴ、という重い地鳴りと共にチョコレート山が震え始め、ついに。
「アーーーーーーーーーーッ
!!!!???」
噴火しました。
天高く打ち上げられたチョコレートのマグマが、空中で固まり火山弾のように降り注ぎます。ついでに打ち上げられた発掘チームも、彼等の街まで吹き飛んできたようです。
勿論噴火の影響はそれでは収まらず、噴き出したチョコレートのマグマは、どろどろと周囲のアイスを溶かしながら、山の斜面を下ってきます。このままでは、せっかく発展してきたアイスの国が、チョコレートアイスの国に変わってしまうかもしれません!
「エー、まじデスカ?」
「ドーしましょーかねえ」
●食べ放題コース
「やあ、諸君。バレンタインは楽しめているだろうか?」
グリモア猟兵、八津崎・くくり(虫食む心音・f13839)がチョコレートを頬張りながら問いかける。
「日頃の感謝と慰労を兼ねて、諸君らがより楽しめるよう、アリスラビリンスの住人も一肌脱いでくれる、とのことだよ」
名乗りを上げた国の一つは、あらゆるものがアイスで出来ているという氷菓子の国、ラクトパラディアだ。建国からして猟兵の助けがあったこともあり、バレンタインらしく恋を応援し、そうでなくても甘味を楽しめるように、と歓待の準備を整えてくれているらしい。
「彼等の用意してくれたデートコースは、フルーツアイスの森の散策と、氷の街でチョコレートを使ったお茶会……だったのだけどね」
少しばかり手違いがあったらしい、と呟いた彼女は、しばし考えてからこう付け加えた。
「近くの休火山が噴火したらしいのだよ」
大惨事に聞こえるが、お菓子の国らしく、火山から噴き出したのは溶けたチョコレート、とのことだ。どろどろとしたマグマのようなチョコレートは、このままでは麓の結構な範囲を溶かし、チョコレートコーティングしてしまう……かもしれない。
「この噴火を収めるには、火山の溜め込んだ熱を他所へ逃がしてあげるのが有効とのことだ。チョコレートのマグマを、フルーツやマシュマロなんかで掬ってやれば丁度良いと思わないかね」
それはつまり、チョコレートフォンデュが食べ放題ということでは。
悪くないだろう、と目で問うて、彼女はアリスラビリンスへの扉を開いた。
つじ
ハッピーバレンタイン、ということでこちらはアリスラビリンスデートコースです。お一人様でもお友達とでも、ご自由にお楽しみいただければ。
●ラクトパラディアデートコース
降りくる甘い雪やオーロラが見どころで、アイスが食べ放題です。たまに火山弾みたいにチョコが降ってくるほか、、火山からチョコレートのマグマが流れてきますので、スケールのでかいチョコレートフォンデュが楽しめるでしょう。
流れてくるマグマは湯煎したチョコレートくらいの熱量になっています。美味しく食べるだけでも十分ですが、堰き止めてあげたりしても住人に喜ばれます。
●氷菓の国『ラクトパラディア』
アリスラビリンスにある不思議の国の一つ。凍った湖の真ん中にある島で、木や岩、花に果実、建物まで全て甘いアイスで出来た国です。確認は不要ですが、過去作は「#ラクトパラディア」で見れます。
●愉快な仲間『ピーノ・オブコート』
ピーノくん。黒い防寒着を纏う雪だるま、といった見た目の愉快な仲間です。基本的に気の良い怠け者達で、猟兵達にはお茶やコーヒーを振舞ってくれるでしょう。
火山は噴火しましたが危機感はなさそうです。
それでは、皆さんのご参加お待ちしています。
第1章 日常
『アリスラビリンスのバレンタイン』
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POW : 不思議で美味しいお菓子を食べる
SPD : 沢山のお花を摘み集める
WIZ : 愛を伝える詩やお手紙を書く
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雨野・雲珠
菱川さんと!/f12195
降ってくる雪を待ち構えてぱくり
…本当に甘い…!
チョコかけ放題と聞いて伺ったわけですが…
(のんきなピーノくんから熱いお茶を頂きながら)
これは…結構な一大事なのでは…?
あ、でもこの温度なら俺の枝でもせき止められるかも
【枝絡み】出力大!
うまく範囲を狭めて水路(?)を作り、
ところどころにわざとチョコだまりも作って、
おいしいダムの完成です!
長い串でバナナをぷすっと刺し
チョコにとぷっと漬け
…はいこれ!菱川さんに。
餌付けしてるみたいと内心こっそり笑って
俺もいただきます
…んんー…!次、次は苺も食べましょう
ふふふ、夢みたい
ね、菱川さん
しばらくこちらの住人になるというのはいかがでしょう?
菱川・彌三八
雲の字と/f22865
此れ好きだぜ、氷菓子
しょくらとをってのもよ、海で食った
水物潜らすと旨いし、酒に合う
氷菓子が溶けちまうんじゃねえなら此の侭でも良いんじゃねえか…
(目の前に石礫)
…てェ訳でもなそうだ
枝?
あァ…頭のでなく
したが俺ァ天狗の力でしょくらとをを曲げてみる
此奴も天"地"のひとつってえ事でよ
枝で出来た道を通せば丁度好いだろ
差し出された串は受け取らず其の侭食いつき、同じ様に白い餅みてえなふわっとしたのをしょくらとをに潜らせて差し出す
俺ァちいと、氷菓子にも付けてみてえ
白い奴にゃ殊更合うに違えねえ
旨ェのにゃ変わりねえが、くらゝゝしやがる
お前ェ、こねえな処に住んだらほんにまん丸になっちまうぜ
●桜風味チョコレートダム
ゆるゆると降り来る細かな雪の粒を見上げて、雨野・雲珠(慚愧・f22865)は口を開く。狙ったそれをぱくりと一口、舌に乗せれば。
「……本当に甘い……!」
「何でェ雲の字、気に入ったか?」
いやいやそんな、雪がじんわり甘いくらいで心動かされるなんて。菱川・彌三八(彌栄・f12195)の問いにそんな風に答えながら、彼は例の火山の方へと視線を移す。話にあった通り、噴火したチョコレートのマグマがどろどろと流れてきているわけだが。
「お茶ドウゾー」
「あ、はい……」
当の住人は呑気に熱いお茶を配っている。それを一口啜ってから、雲珠は白く息を吐いた。
「これは……結構な一大事なのでは……?」
「まあ、氷菓子が溶けちまうんじゃねえなら此の侭でも良いんじゃねえか……」
しょくらとをってのも食ったことがあるが、水物潜らすと旨いし、酒に合うしで悪くなかった、と彌三八が呟く。
「チョコかけ放題なら俺も……」
続けて雲珠が言いかけたそこで、打ち上げられ空中で冷えたチョコレートの塊が、二人の前に着弾した。
「……そうも言ってらんねェか」
「そうみたいですね……」
危ないノデ頭上気を付けてクダサーイ、などと今更な警告が飛んでくる中、二人はとりあえずこの流れをどうにかすることにした。
「この温度なら、俺の枝でもせき止められそうですね」
そう言って雲珠が広げたのは、【枝絡み】――彼の意のままに根を張り伸びる、桜の枝だ。マグマの範囲が膨大過ぎて完全に堰き止めることは難しいが、一部の流れを集めて秩序立った形にすることはできるはず。
「あれ、枝の伸びがいまいち……?」
寒いせいですかね、と首を傾げて、「菱川さーん」と連れに声をかけた。
「あァ、ちいと待ってな」
こちらはこちらで大天狗の絵札を貼り付けて、天変地異とも言える『流れ落ちるマグマ』を曲げてみせる。集まる熱によって俄かに気温の上がったそこで、絡み合う枝が即席の水路を作りだした。
「途中にチョコだまりとかあると良いと思うんですよね」
ところどころ、流れを受け止める広がった箇所を設ければ、チョコレートダムの出来上がりである。
「ワー、スゴーイ!」
「仕事がハヤーイ!」
「呑気なモンだなお前ェ等……」」
拍手喝采するピーノくん達に呆れ声を返しつつ、二人は完成したダムの方へと歩み寄った。この辺りは流れも緩やかで、フォンデュをやるのに丁度良い。長い串に用意してきたバナナを刺して、とぷっと漬ければ良い感じにチョコが絡んだ。
「……はいこれ! 菱川さんに」
雲珠の差し出したそれに、彌三八が直接食いつく。少し驚いた様子の雲珠は、「餌付けしてるみたい」と内心笑いながら、今度は彌三八の差し出したマシュマロの串に齧りついた。
「……んー……!」
「氷菓子にも付けてみようぜ」
思った通り美味しい、と感激の声を上げる雲珠の横で、彌三八は積もった雪のアイスを固めて、チョコレートの中を潜らせ始めた。合うに違いない、という確信の通り、出来上がりは素晴らしいものだった。しかしながら、もはや逃げ場の無いほどに広がった口内の甘さに、彌三八は苦笑を浮かべる。
「旨ェのにゃ変わりねえが、くらゝゝしやがる」
「菱川さんも気に入りましたか?」
一方こちらは夢心地で、雲珠はチョコレートを纏わせた苺を頬張っていた。広がる甘さと、苺の酸味が絶妙――いくらでも食べられそうだ。
「ね、菱川さん。しばらくこちらの住人になるというのはいかがでしょう?」
「お前ェ、こねえな処に住んだらほんにまん丸になっちまうぜ」
まん丸な雪だるま達を横目に、彌三八が噴き出す。それはちょっと困りますね、と雲珠はもぐもぐしながら眉根を寄せた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ヴァネッサ・ラドクリフ
今は困っていないようだけど、今の内に力になれることはしておきたい
それもあたしの目指す王子様だよ!
街や観光地に流れ込もうとするチョコの流れが無いか探索するよ
あったらピーノくんに聞いておいたチョコが流れても良さそうな、新しい観光地になれそうな場所にチョコが流れ込むように流れを変える為にUCで攻撃するよ!
クルクルの髪の毛は大事だけど、成長期だからすぐ伸びるし、アイスの地形こそ掛け替えがないから平気だよ!
うまく街や観光地へ流れないように堰きとめられたらチョコもアイスもいただきます!
フルーツ味の実ったアイスでチョコフォンデュに挑戦してみたり……アツアツとヒンヤリ、でもどちらも甘くて幸せだよ!
●王子様として
「いらっしゃいませ猟兵サーン」
「お茶ドウゾー」
「えっ!? う、うん」
情報集めのためにこの国の住人に接触したところ、いきなりお茶を出されてしまった。若干面食らったヴァネッサ・ラドクリフ(希望のプリンスを目指して特訓中・f30475)だが、とりあえず急いでそれを啜る。この住人……ピーノくん達からは全く困った様子を読み取れないが、今の内に力になれることがあるなら、手を尽くすべきだと彼女は考える。
何故なら、それが彼女の目指す『王子様』の姿だから。
「このままだと、皆の街にもチョコレートが流れて来ちゃうんだよね?」
「そうなんデスヨー」
「実は此処にも迫って来てるんデスヨネー」
「それって大変じゃないの
……!?」
一息にお茶を飲み干して、彼女は早速チョコレートのマグマが流れてきているという、火山の方へと向かった。道中聞いた限り、チョコレートを流し込むに相応しい場所はこれと言って無いようだ。しかしながら、流し込んだらマズそうな場所と、他の猟兵が作ったという即席のダムの場所はわかった。まだマグマの一部しかカバーできていないそれに、協力する形で動くのが丁度良いだろう。ヴァネッサはそう判断し、ピーノくん達のお茶会場に迫るマグマの流れと向き合った。
迎え撃つは、『循環せし新緑光』。霊力を込めた一撃がアイスで出来た地面を捲り上げ、チョコレートの行方を逸らす。もう何回か同じことを繰り返せば、お茶会場へと流れ込むはずだった分のマグマを、ダムの方へと誘導することが出来るだろう。だが威力の高いその攻撃には、反動が付きまとう。
「ワーッ、猟兵サン! 髪の毛なくなっちゃってマスヨ!?」
くるくるとした彼女の長い髪が、攻撃の度に短くなっていた。
「成長期だからすぐ伸びるし、アイスの地形こそ掛け替えがないから平気だよ!」
献身的にそう返して、構わずヴァネッサは決めた役割を全うするべく、攻撃を続けていった。
「本当に助かりマシタヨー」
「ありがとうゴザイマース!」
一通り流れを収めたところで、ピーノくん達は改めてお礼を言って、下の果樹園から摘んできたと言うアイスの果実を山ほど譲ってくれた。
「それじゃ、いただきます!」
早速いただいたそれをチョコレートの流れに付けて、溶けてしまう前に引き上げる。外側はまだあついけれど中身はひんやりとして、どちらも甘い。そんな不思議な味を、ゆっくりと楽しむ。
髪が短くなったこともあり、背中や首元が冷たい風をより強く感じる。けれど、気持ちは不思議とあたたかだった。
大成功
🔵🔵🔵
リュカ・エンキアンサス
晴夜お兄さんf00145と
…チョコレート山
……火山
ちょっと良くわからない
とりあえず現地に行って……ぅゎぁ
お兄さん、とりあえずそこに立ってくれる?
そうその辺。そのまま動かず…(マグマに突き落とそうとする
…ちっ
え。何って…
定番らしいから…かな
いやお兄さん型のチョコはいらない怖い
冗談はさておきチョコは嫌いじゃない
カロリー高いし
フルーツがおすすめらしいけど…お兄さんは何持ってきた?
俺はあり合わせで、苺とか生海老とか生肉とか
お兄さんも食べる?はい海老
焼いたら海老の風味が損なわれるんじゃない?
(お兄さんわかってないなって顔してた
まあいいや。そのお菓子分けて
かわりに生肉をあげよう
とか言いながらのんびり頂こう
夏目・晴夜
リュカさんf02586と
リュカさん、チョコレート山って火山でフォンデュできるそうですけど意味わかります?
このハレルヤ並みにミステリアスな話ですよね
素晴らしい、そのままの意味だったとは!
では早速フォンデュを…え、この辺ですか?
さては記念撮影ですね。この絶景と頼もしい背中を、危なっ!(ぎりぎりセーフ
…えっ何故こんな暴挙を?
こんな事して生まれるのはハレルヤチョコと戦争だけですよ!
さておけない冗談でしたけど、まあいいや
私はお菓子を沢山用意しました!
リュカさんのは…新鮮さは凄い
あ、食べます!その苺を下さ…海老ですかあ
後で焼いて食べましょう
はい、ではマシュマロをどうぞ!
かわりに苺を…生肉
いや苺を下さいよ!
●対応が甘くない
「リュカさん、チョコレート山って火山でフォンデュできるそうですけど意味わかります?」
「え……ちょっと良くわからない」
夏目・晴夜(不夜狼・f00145)の言葉に、リュカ・エンキアンサス(蒼炎の旅人・f02586)が聞き間違いかという顔をする。それを見て、晴夜は「ですよね」と頷いてみせた。
「このハレルヤ並みにミステリアスな話ですよね」
「……」
それも良くわからない、とスルーして、とにかくリュカは現場に向かうことにした。
「……ぅゎぁ」
「素晴らしい、そのままの意味だったとは!」
アイスの国の火山から流れ落ちるチョコレートのマグマ。そこには話に聞いていた通りの光景が広がっていた。
「お兄さん、とりあえずそこに立ってくれる?」
「……え、この辺ですか?」
「そうその辺。そのまま動かず……」
ああ、さては記念撮影ですね。良いでしょう、この絶景と頼もしい背中を是非記録に「――危なッ!?」
良い感じのポーズを決めたところで背中を押され、体勢を崩した晴夜だったが、かろうじてマグマに突っ込む前に踏み止まった。振り返れば、こちらを押し出したポーズのまま、リュカがいつもと変わらぬ表情で立っていた。
「……ちっ」
舌打ちは聞こえなかったことにしたい。
「……えっ何故こんな暴挙を?」
「え。何って……定番らしいから……かな」
「あんまり聞いたことが無いんですけど……こんな事して生まれるのはハレルヤチョコと戦争だけですよ!?」
「いやお兄さん型のチョコはいらない」
怖いし。あんまりと言えばあんまりな対応で、リュカは首を横に振った、
「冗談はさておき」
「さておけない冗談でしたけど、まあいいでしょう……」
気を取り直して、二人は流れるチョコレートのマグマに歩み寄る。少なくとも横に並べば突き落とされることはないだろう。多分。きっと。
「フルーツがおすすめらしいけど……お兄さんは何持ってきた?」
「私はお菓子を沢山用意しました!」
クラッカーやマシュマロ、定番とも言えるラインナップを広げる晴夜に対して、リュカは独特のものを並べだす。
「リュカさんは……」
「俺はあり合わせなんだけど、苺とか生海老とか生肉とか」
「新鮮さは凄いです」
この国寒いですから、生鮮食品も持ち運びしやすいですよね。普通ならコメントに詰まるところを、晴夜は見事に乗り越えた。
「お兄さんも食べる?」
「あ、食べます! その苺を下さ」「はい海老」
海老かあ。海老をチョコレートにくぐらせるのは生まれて初めての経験になるだろうが、そんな経験しない方が良い。渡された海老をそっと隣に置いた。
「後で焼いて食べましょう」
「焼いたら海老の風味が損なわれるんじゃない?」
当のリュカは「わかってないなあ」という顔で、苺を串に刺し始める。
「まあいいや。そのお菓子分けて」
「はい、ではマシュマロをどうぞ!」
白く柔らかいそれを差し出して、晴夜は赤いそれを代わりに求める。
「かわりに苺を……」「はい生肉」
生肉かあ。チョコレートでしゃぶしゃぶをするのは生まれて初めての経験になるだろうが、多分そんな経験しない方が良い。
「いや苺を下さいよ!」
この国特有の冷たい風と一緒に、晴夜の訴えを聞き流して、リュカはのんびりとマシュマロを口に運んだ。
うん、思った通り、カロリーが高くておいしい。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
月舘・夜彦
【花簪】
チョコレートの山が噴火とは
このままではチョコレートの国になってしまいます
アイスが溶ける程の熱なのですから、このままでは国が溶けてなくなってしまいますよ
今回も助けに向かいましょう
……チョコアイスは私も好きですが、オオカミ殿が思うようなものではなく
ドロドロの溶けたアイスに混ざったチョコになると思います
噴火を収める為には食べ物で掬って頂いていけばいいのですね
私は果物を頂いて、フルーツチョコにしてみます
苺やバナナ、ブドウ、キウイ……どれも、きっと合いますね
オオカミ殿が持っているマシュマロも美味しそうです
このマシュマロで段差を作り、チョコが流れ込まないようにすれば
被害を減らせるかもしれませんよ
ジョン・フラワー
【花簪】
ハーイ! アイスなアリスたち!
今度は何して遊んでるの? チョコ? また豪快だね!
簪のアリスはやっぱりこれ止めに行くの?
僕だんだんわかってきたんだ! アリスすっごくいいやつなんだって!
それでどうすれば止まるの? 食べる? なるほどね!
チョコアイスの国はそれはそれで素敵じゃない?
なんか違う? 美味しいと思うのにな!
すごいねアリス! まるで白いバラをチョコで塗っているようだよ!
女王様に怒られちゃうんだ! 首をお刎ねってさ! うふふ!
マシュマロの木から枝を一本拝借! チョコで掬うと……おっと僕がバラを塗ってしまったようだね!
怒られないうちに食べちゃおう! バレなければ大丈夫さ!
●前向き
「ハーイ! アイスなアリスたち! 今度は何して遊んでるの?」
「ワー、おおかみサンじゃないデスカー」
ジョン・フラワー(夢見るおおかみ・f19496)のかけた声に、緩い感じの返事が飛んでくる。
「ちょっと皆で次の国名どうするか考えてマシター」
「ははあ、それは楽しそうだね! 僕も参加して良い?」
「国が亡ぶ前提ですか……?」
この世界の感性はまだ馴染めない、などと考えながら、月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)は噴火したチョコレート山を見上げる。どろどろと、甘い匂いを漂わせながら流れて来るマグマに目を細めて。
「簪のアリスはやっぱりこれ止めに行くの?」
「それは、そうでしょう。このままでは国が溶けてなくなってしまいますよ」
「んー、チョコアイスの国はそれはそれで素敵じゃない?」
「……チョコアイスは私も好きですが」
そう上手くいけば良いですが、と夜彦は答える。あの噴火の熱と量次第では、『ドロドロの溶けたアイスに混ざったチョコ』、という如何ともしがたい結果になる可能性だってあるのだ。
「うーん、それでも美味しいなんだよねえ……」
などと軽い会話を交わしながらも、夜彦の足はどんどんマグマの流れる方へと向かっている。「やっぱり止めに行くんだね」などと応じながら、ジョンもそれについて来ていた。
「僕だんだんわかってきたんだ! アリスってすっごくいいやつなんだね!」
「そうでしょうか……」
これを放っておくわけにはいかない、と感じるのはそんなに珍しい事だろうか。色々と考えてしまうところだが、その前に二人はチョコレートの流域に辿り着く。粘度が高くゆっくりと、ではあるが、マグマは確実に麓の方へと向かっていた。
「でもさ、これどうすれば止まるの?」
「食べ物で掬って頂いていけば良い、という話でしたよ」
「なるほどね! 簪のアリスは賢いなあ!」
ということで、店開きだ。夜彦の選んだのは定番のフルーツ類。苺やバナナ、ブドウにキウイ……この国冷気のせいか宝石みたいに輝くそれらを流れるマグマにくぐらせれば、果肉を閉じ込めたフルーツチョコの完成である。
「へー、すごいねアリス! まるで白いバラをチョコで塗っているようだよ!」
ああ、でもそうすると、女王様に怒られちゃうかな? 首をお刎ね、なんて言われると困っちゃうね! いつも通り絶え間なく喋りながら、ジョンは近くの木から良く冷えたマシュマロの生る枝を折り取った。夜彦に倣ってチョコで掬うと――。
「おっと、僕がバラを塗ってしまったようだね! 怒られないうちに食べちゃおう!」
ぱくりとそれを食べて証拠隠滅。
「オオカミ殿のそれはマシュマロですか、美味しそうですね」
「美味しいよ! でも僕はアリスの果物も気になるなあ!」
交換しようか、ということで、マシュマロの生る枝を、夜彦もその手に取った。白く柔らかいそれの形は、記憶の中の何かを連想させるようで。
「……このマシュマロで段差を作り、チョコが流れ込まないようにすれば、被害を減らせるかもしれませんよ」
「アリスも結構楽しい事を考えるねえ」
土嚢かなにか? それじゃあ早速やってみよう!
「でもこれちょっと積みづらくない?」
「そうですか?」
「えっ器用だねアリス……!」
そんなこんなでマシュマロの堤防を作りつつ、二人は地から湧き出る甘い熱を、味わう形で消費していった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
終夜・嵐吾
【灰紅】
おお、噴火しておる…チョコが
メメ、あれは炎ではないんじゃよ、チョコじゃ
そいえばチョコ食べたことなかったかの?
ではあや君…この国を助けにいこ!
チョコの川はせき止めたりしたほうがええかな
なに?メメ、燃やせばいいと?
わしら燃やすの大好きじゃけどね、今日はチョコを堪能しに、もといこの国を助けにきたんじゃよ
ほら、メメもマシュマロを持っての、こうしてこう…ぱく!
美味~
あや君、このへんのチョコええ感じじゃよ、ちょいビターじゃ
いちご好きじゃもんねと笑って
アイスと合わせても美味いし、パフェも名案じゃな
ん?なんぞごごごと…噴火じゃ!
チョコが降ってくる!メメ、キャッチじゃ!
一緒にキャッチするのも楽しく
浮世・綾華
【灰紅】
すげー
湧き出てんの全部ちょこ?
ふふ、メメ、ララ
あれぜーんぶ食べ放題だぞー
はーい、たくさん…食べれるだけ食べましょ
燃やすの大好き
確かにそーですケド
改めて口にするとヤバくてちょっとうける
ちょこが焦げ焦げになった匂いで充満したら台無しだし…
ララも燃やすのは我慢な
ましゅまろで掬ってララの口元へ
んまい?そ、なら良かった
場所によって味も違う感じです?
ほんと、いい感じの溶け具合
いちごでもフォンデュしたい
うま、いくらでも食えそー
いいですネ
アイスとかフルーツとか盛って
パフェとか作りたい
!え、あれそのままキャッチできます?
ララもいける?マジ?
あはは、すげーじゃん
ないすきゃっち
よし、俺も――
楽しく狙いを定め
●精霊達のが上手い
訪れたのは氷菓の国。砂糖菓子みたいな粉雪を踏むと、その下の冷たい地面が細かく震えているのが感じ取れた。鳴動の根元はやはり、断続的な噴火を続けているあの火山だろう。
「おお、噴火しておる……チョコが」
「すげー、湧き出てんの全部ちょこ?」
終夜・嵐吾(灰青・f05366)と浮世・綾華(千日紅・f01194)は、どろどろと流れるチョコ色のマグマを眺めながら、感心したような声を上げる。
「メメ、ララ、あれぜーんぶ食べ放題だぞー」
とは言ってみたものの、当の妖精達はピンときていない様子。
「そいえばチョコ食べたことなかったかの?」
それなら良い機会だろうと気を取り直し、嵐吾は火山の方へと足を踏み出した。
「ではあや君……この国を助けにいこ!」
「はーい、たくさん……食べれるだけ食べましょ」
緩やかな坂を上っていけば、甘い匂いと共に流れるチョコレートの川に行き当たる。先のことを考えれば、この辺りで堰き止めたいところだが。
「なに? メメ、燃やせばいいと?」
連れている精霊の訴えに、嵐吾は首を横に振る。
「そりゃあ、わしらは燃やすの大好きじゃけどね」
「いや、確かにそーですケド」
その言い方もうちょっと何とかなりません? そんな事を言いながら、綾華もそれに補足を加える。
「ちょこが焦げ焦げになった匂いで充満したら台無しだし……」
今回は燃やすのは我慢な、と自らの連れた精霊にもそう伝えた。今回は炎を使わず、チョコレートを堪能――もといこの国を助けに来たのだ。「見ておれ」と付け足して、嵐吾は取り出したマシュマロでチョコレートを掬って、口に運んだ。
「美味~」
「ララも食う?」
もう一つお手本代わりに綾華がチョコにマシュマロをくぐらせ、食べさせてやる。おっかなびっくりそれに齧りついた精霊も、どうやらそれが気に入ったらしい。
「んまい? そ、なら良かった」
「あや君、このへんのチョコ、さっきのよりビターで良い感じじゃよ!」
「へー、場所によって味も違う感じです?」
呼びかけに応じて川上に向かい、綾華もしばしそれを堪能した。
「いちごでもフォンデュしたい……」
「ああ、いちご好きじゃもんね」
何の成果だかわからないが、流れるチョコレートは丁度良い溶け具合をしている。これなら、いくらでも食べられそうだ。
「アイスとかフルーツとか盛ってパフェとか作ったら美味しそうじゃないですか?」
「あー、名案じゃな……?」
そこで、ふと気付いた気配に、嵐吾が耳をそばだてる。何やら最初に此処に来た時よりも、大きな地鳴りが響いているが――。
「噴火じゃ!」
彼の察した通り、未だ活発に動いている火山が、一つ大きな爆発を見せる。高く打ち上げられたチョコレートは、空中で冷たい風に冷まされ、細かな塊となって降り注ぐ。
「メメ、キャッチじゃ!」
「! え、あれそのままキャッチできます?」
雪の合間を突き抜けるようにして降り来るそれを、精霊達は見事空中で抱き留めた。
「ララもいけるの? マジ?」
ないすきゃっち、と賛辞の拍手を送ってやって、綾華は自らも前に進み出る。
「よし、俺も――」
「お、やる気じゃな?」
だったらわしも、とそれに並んで、二人は共に、降ってくる甘い欠片に狙いを定めた。
「――あや君! これ直撃すると結構痛いんじゃが!」
「気を付けましょう……!」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
オズ・ケストナー
【咲日花】
きたよクロバ、チョコレートっ
事前にガジェットショータイムで出していたのは
アイスの地面をかき集めるための除雪車みたいな乗り物
壁を作っておいて
どーっせいっ
押し出し進路を誘導、流れを緩める作戦
クロバ、さすがっ
うんうん、チョコレートフォンデュもそんなかんじだよ
チョコでコーティングっ
今のうちだっ
じゃーん
これをこうやってチョコにつけるんだよ
おいしいっ
声弾ませもぐもぐ
カステラにもたっぷりつけて
もちろんアイスとくっついてるところもちょっと味見
クロバ、チョコがパリパリになってるよっ
もくもくと食べるクロバに笑み浮かべ
ほっぺがマシュマロみたいにふくふくだ
喜んだ姿を見るのがうれしくて
うん、すごくおいしいねっ
華折・黒羽
【咲日花】
来ましたねオズさん
チョコレート
甘いにおい
眸に映るとろりとした液体
そわそわ既に待ちきれぬ様子で身体は動く
オズさんが作った壁が溶けてしまわぬよう
氷花織で次々と壁を新たに形成
製菓作りの本で見たことがあります
えっと…あ、こーてぃんぐ、ですよね
…こう、ですか?
オズさんの行動を見よう見真似でましゅまろにチョコつけぱくり
ふわふわ、とろり
その美味しさに眸見開き輝き増す
ぱくりぱくり
どんどん口の中へと消えてゆくましゅまろ
オズさんの真似してアイスの方もぱくり
これも美味しい
やっぱり此処には美味いものばかりだ
そして獣手はまたましゅまろへ
ましゅまろを大層気に入った様子
ひたすらに頬張る
オズさん
美味しいですね
●壁づくり
「きたよ、クロバっ」
「来ましたねオズさん」
オズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)と華折・黒羽(掬折・f10471)が待ち構えていたそこへ、火山から溢れた甘い香りが迫り来る。待ちきれないとばかりにそわそわしている黒羽の目が、あたたかなチョコレートのマグマを捉えたところで、オズは展開していたガジェットにGOをかけた。
「どーっせいっ」
除雪車にも似たそれで、集めたアイスを壁にして押し出し、流路を誘導、ついでに流れの速さも緩やかにする算段だ。とはいえ材料がアイスである以上、チョコレートの流れの当たったところから溶けていってしまうだろう。その辺りの対策は黒羽の担当。冷気を纏わせた『屠』を次々と振って、氷の花弁でアイスの壁の表面を守っていく。
「さすがクロバっ」
「製菓作りの本で見たことがあります。えっと……あ、こーてぃんぐ、ですよね」
「うんうん、ちなみにチョコレートフォンデュもそんなかんじだよ」
チョコレートで表面を覆う、コーティング。なるほど、と頷く彼を連れて、オズはアイスの壁の上へと登った。少し足元が滑るけれど、慎重に。
「わ、すごいねっ」
「こんなにもたくさん……」
そこからは、流れ来るチョコレートの大河が良く見える。一朝一夕で食べ切れるような量には見えないが、他の猟兵達も事態に取り掛かっていることから、主要な建物が被害に遭う心配はなさそうだ。
「それじゃ、いまのうちにっ」
じゃーん! と取り出したマシュマロを黒羽にも渡して、オズはお手本を示すようにチョコの流れの中をくぐらせる。
「これを、こうやってチョコにつけるんだよ」
「……こう、ですか?」
そうそう、上手上手。見様見真似でチョコを付けた黒羽と一緒に、ぱくりと一口。
「おいしいっ」
声を弾ませるオズの横で、黒羽は目を丸くしていた。とろりと絡むチョコレートの味を越えると、ふわふわのマシュマロが舌の上で溶けていく。心なしか、驚きで見開いた目も輝いて見えた。
「クロバ、どう?」
そう覗き込むオズにこくこくと頷いて返し、彼は次の一個に手を伸ばした。次々と口の中に消えていくマシュマロを、オズもにこにこと眺めて、こっちはカステラだよ、と分けながら次の味を楽しんでいった。道中で採れたアイスの果実も味わったところで、次に気になるのはこのチョコレートのマグマの端、アイスで出来た壁とぶつかる部分だ。
「わ、チョコがパリパリになってるよっ」
アイスによるものと、クロバの纏わせた冷気によって、その辺りは固まったチョコの層が出来ている。アイスと一緒にそれを摘まんで、「これも美味しい」と二人は笑みを交わした。
色々と食べたけれど、どうやら黒羽はマシュマロが殊更気に入ったものらしい。黒い獣の腕は、次々とマシュマロを摘まんで、休む暇も無いような勢いでそれを口へと運んでいく。
その様子を見れば、こちらも自然と笑顔になるもので。
「クロバ、ほっぺがマシュマロみたいにふくふくだ」
「……!」
頬張りすぎてリスみたいになった様子を自覚したか、頬を少しばかり赤らめて、黒羽はそれでも手にしていた一個を口の中に放り込んだ。もぐもぐと、じっくりそれを味わって。
「オズさん」
ようやく口を開いてはみたけれど、出てくるのはやっぱりシンプルな一言だった。
「美味しいですね」
「うん、すごいおいしいねっ」
友人の喜んだ姿を見るのは嬉しいもの。さあ、まだまだいっぱいあるからね、とオズは黒羽に笑いかけた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
冴島・類
エドガーさん(f21503)と
甘い香りがすごいなぁ
前に来た時より、色合いが変わってるのは溶岩のせいか
あ、エドガーさん
上見てください
噴火して降って来てますよ
ぴーの君達や国が飲み込まれたら
一大事!ってほどの緊迫感は漂ってないが
食べて減らしちゃいましょう
既視感があるなら、貴方の足跡のひとつなんでしょう
彼らが覚えていて声をかけてくれるかも
足を滑らせ
僕らがちょこ像にならぬよう気をつけつつ
オスカー君も頭上注意だよ
何につけてみます?
僕はあいすの果実をいただき
つけて食べてみよう
うん、甘酸っぱさに合いますよ
あなたもおひとつ
ははっ、本当だちょこだらけ
……ところで
この量は、中々遥かな道では?
了解ですとも、出発進行!
エドガー・ブライトマン
ルイ君(f13398)と
ほんとうだ、甘い香りばかり漂ってくるよ!
あの茶色の部分は全部チョコレートなんだっけ
すごいことになってしまったねえ~
おや、ほんとうだ。オスカー、キミは食べちゃダメだよ
ピーノ君か
なんだか見覚えがあるような、無いような…
ともかく、困っているのなら助けてあげよう
私は王子様だからね
あっはは、滑ってしまったら大変だ!
私も気を付けなくっちゃねえ。おっと…
へえ、アイスの果物か~。私にもくれるかい?
ありがとう、確かに甘酸っぱい!
私はこのマシュマロでチョコを掬って食べてみよう
中にもチョコが入っているんだ。もうチョコだらけさ
遥かな道だけれど、終わらない旅はないんだよ
がんばって進もう!ルイ君!
●遥かなる旅路の途中
色とりどりのアイスの果実を、降り積もる雪が覆い隠す。住民たちは白と黒で、氷で出来た家々が冷たい輝きを見せる――このラクトパラディアという国は、そんな彩を持っていたように思うのだが。
「前に来た時より、色合いが変わってるのは溶岩のせいかな?」
「あの茶色の部分は全部チョコレートなんだっけ」
冴島・類(公孫樹・f13398)の言葉に、「すごいことになってしまったねえ」とエドガー・ブライトマン(“運命“・f21503)が返す。元々のそれよりも、甘い匂いは随分色濃くなっており、以前は気にも留めなかった小高い山が、今はチョコレートを天高く噴き上げていた。
「あ、エドガーさん上見てください、噴火して降って来てますよ」
「おや、ほんとうだ。オスカー、キミは食べちゃダメだよ」
高く打ち上げられたチョコレートは空中で冷やされ、彼等の傍にも降ってきている。
「イターーーイ!?」
その内の一つが見事命中して、近くに居た愉快な仲間の一人がひっくり返った。
「ああ、キミ、大丈夫かい?」
「オスカー君も頭上注意だよ」
そうそう命中することもないだろうが、気を付けるに越したことはない。そうツバメに呼び掛ける類の隣で、エドガーは引っくり返った雪だるまみたいな住人を助け起こした。
「ウーン、此処なら寝てるダケでチョコが手に入ると思ったのにー」
いかにも怠け者らしいことを言い出す彼に、「もうちょっと離れていた方が良いよ」と促す。痛い思いをしたせいか、素直にお礼を言って、ピーノくんは二人に手を振って避難していった。
「王子サマ、また綱引きしましょうネー」
「……運動会でもやってたんですか?」
「いや、どうだったかな……」
そんなこともあったような、なかったような。かつての足跡の気配を感じつつ、二人はピーノくんとは逆に、流れるマグマの方へと歩み出した。
流れるチョコの熱気のためか、この辺りは一部アイスの地面が溶け始めているらしい。
「足を滑らせないよう気を付けましょう」
「確かに、転んでしまったら大変だ!」
「間違って、ちょこの方に倒れてしまったら……」
「チョコレートの像として飾られてしまうかもねえ」
それはさすがに遠慮したい。危うく足を滑らせそうになりながら、二人は流域付近まで辿り着く。これを掬って食べることが、噴火を止めることに繋がるということで、類は途中で収穫したアイスの果実を取り出した。
「それでは早速……」
「良いね、私にもくれるかい?」
チョコレートに落ちないようにしながら、鮮やかなフルーツアイスをチョコレートに付けて、溶けてしまう前に口に運ぶ。表面に絡みついたチョコの甘さと、フルーツの甘酸っぱい風味が、混然一体となって口の中に広がった。
「うん、やっぱり合いますよ」
「本当だね!」
それじゃあお返しにこれを、とエドガーはマシュマロを手渡す。これもまたフォンデュの定番、マシュマロの白とチョコレートのコントラストを楽しめる。何よりもその味は――。
「このマシュマロのすごいところはねえ、中にもチョコがぎっしり詰まっているんだ」
「ははっ、本当だちょこだらけ」
何でそれ選んだの? 逃れようのない濃厚な甘味に、思わず笑みが零れる。そうしてしばし、二人は持ち寄った食材を楽しんで。
……ところで、と類が火山の方へと視線を移す。小康状態というやつだろうか、噴火の轟音は一時途絶え、今のところ上から火山弾が降ってくることもないのだが。
「この量は、中々遥かな道では?」
溢れ出るマグマは止まることなく、次々と甘い香りを運んできていた。「そうだね」と、エドガーもさすがにそれには頷いて返す。
「でもね、終わらない旅はないんだよ」
そして、絵になるような笑顔で彼はそう言った。どう考えてもただの根性論だが、良い事言ってる風に聞こえるのが不思議だ。
「がんばって進もう! ルイ君!」
「了解ですとも、出発進行!」
というわけで気合を入れ直し、困っている(はずの)ピーノくん達のため、二人は次々とチョコレートフォンデュの味を楽しんで行った。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
栗花落・澪
チョコの噴火…
ごめん、危機的状況はわかってるんだけど
ちょっと面白いなって思ってしまった
折角だからチョコフォンデュしたいなー
と言っても僕だけじゃ小食だし
折角来たならしっかり役にも立っていきたいよね
というわけで
はーいいらっしゃい住民達ー
【指定UC】でこの世界の親衛隊達を召喚
人数を数えるのはもう諦めました
だって気づくと増えてるんだもん
皆で一緒にチョコフォンデュー
僕はオーロラが見たくて来たっていうのもあるので
食と景色堪能両立させていただこうかな、と
あ、人数いるんだからちゃんと譲り合いながら食べてねー?
後で氷魔法で防波堤でも作ってみようかな…
えへへ、皆で食べるとなんかパーティーみたいだね
あ、僕お茶でー
●ファン感謝デー
チョコの噴火ってどういうこと? そんな思いで現地に赴いた栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は、文字通りの光景を目にすることになる。火山の噴火となれば危機的状況なのは明らかなのだが、半分冗談みたいに見えてくるから不思議だ。
実際問題流れるチョコでコーティングされていく火山の様子は、そういうデザートみたいに見えなくもない。
「折角だからチョコフォンデュしたいなー……」
こんな状況に出会うことは滅多にないだろう、とはいえ澪が一度に食べられる量はさして多くない。できるだけ役に立っていきたいところ……と考えると、必要なのはやはり人手だろう。
「はーいいらっしゃい住民達ー」
澪の呼び掛けによって、アリスラビリンスの様座な愉快な仲間――その中でも彼のファンを通り越した親衛隊達が、ウサギ穴を越えて集まってきた。現行の隊員の人数までは把握しきれていないようだが、今数えたところでまた勝手に増えるのだろう。その辺を気にすることはとうに諦めている。
何にせよ、現状でその人数は大きな武器になる。
「さあ、皆で一緒にチョコフォンデュしよう!」
彼に手伝って、と言われて断れる者は親衛隊には居ないし、共に楽しもうと言われればなおさらだろう。わーい、と歓声が上がって、彼等も各々食材を手にチョコレートのマグマに向かっていった。
「あ、人数いるんだからちゃんと譲り合いながら食べてねー?」
混乱が起きないように気を遣いつつ、澪もまたそれに加わる。チョコレートの噴火に彩られたオーロラ、というのは望んだ光景とはちょっと違うかもしれないけれど。
「ワー、いつの間にかお客サンがメチャメチャ居ますよ」
「お飲み物要りマス?」
「あ、僕お茶でー」
忙しなく働く現地の愉快な仲間から温かいお茶を受け取って、一息。
「えへへ、皆で食べるとなんかパーティーみたいだね」
わいわいと、賑やかな人々の中心で、澪はそう微笑んだ。
大成功
🔵🔵🔵
揺・かくり
【幽明】
君から賜った色硝子…所謂コンタクト、だね
其れを双眸に宿して往こうか
常の霞んだ視界の内に、鮮明な景色が映るよ
之はまた、見事なものだね
見渡せる先にも氷菓が拡がって居るよ
なつめ、君は何れから食べるのかな
……全部。其れは見応えが有りそうだ
氷結の呪符を纏わせてみるかい?
土産に出来るかもしれないよ
おや、先を見通されたのかと思ったよ
残念だが“まだ”何も仕掛けては無いさ
敏感な嗅覚が捉えるのは纒わり付く様な甘香
……彼の噴火は、貯古齢糖かい?
次から次へと不可思議な出来事が起こる様だ
死霊諸君、力を貸して呉れるかい
なつめの補助を頼んだよ
ああ、任せてお呉れよ
君の頭部では無く口内を目掛けて甘味を放とう
味は如何かな
唄夜舞・なつめ
【幽明】
おわーーー!すっげ!!
マジで全部アイスじゃねーか!
こりゃ食い甲斐がありそうだァ
かくり、どれ食う?
俺は全部一通り食ってみる!!
ふふん、そーだろ!
俺の食いっぷりよく見てろよ~!
気になるのあったら俺が味見してやンぞ~
…お、この花のアイスいいな。
これ、持って帰る頃には
流石に溶けっかな
土産に欲し…えっ、呪符って
そんなのもあンの?じゃあ頼む!
…イテッ!チョコ…?
かくりお前また念で投げつけたろ!
…まだってお前なァ
じゃあ一体誰が…って
あの山噴火してね!?
このままじゃこの街がヤバい…気がする!
『終焉らせてやる』!
龍の姿になって
マグマを身体で堰き止める
…かくり、念で
ふぉんでゅ口の中に入れてくれ
──ウグッ!
●溢れる食欲
「おわーーー! すっげ!! マジで全部アイスじゃねーか!」
「ああ、見事なものだね」
唄夜舞・なつめ(夏の忘霊・f28619)の歓声に続いて、揺・かくり(いつつい・f28103)が氷菓の国をぐるりと眺める。いつもの霞んだ視界の内に、その彩は鮮明に映っていた。果実もアイスなら草木も同様、建物だって氷で出来ている。見渡す限りもその先も、きっと同じように甘い香りが漂っているのだろう。
「こりゃ食い甲斐がありそうだァ」
ショーウインドウを眺めるような物言いに、ふむとかくりが頷く。
「なつめ、君は何れから食べるのかな」
「俺は全部一通り食ってみる!!」
「……全部」
剛毅な回答に、思わずそう繰り返す。
「其れは見応えが有りそうだ」
「ふふん、そーだろ! 俺の食いっぷりよく見てろよ~!」
気を良くしたなつめは早速雪の中へと駆け出していった。色とりどりの果実も良いが、咲いた花もまたそれに相応しい風味を秘めたアイスになっている。いくつも試食する内に、気に入ったものを見つけたらしい彼は、その花を一本指先で摘んだ。
「土産に欲しいとこだが……」
触れた部分から既に溶けつつあるそれを見て、まあ無理だなと呟くが。
「氷結の呪符を纏わせてみるかい? 土産に出来るかもしれないよ」
「そんなのもあンの? じゃあ頼む!」
それでは早速、と土産を一つ包んでみたところで、空高くから降って来た何かが、なつめの頭に命中した。
「……イテッ!」
飛んできたそれがチョコレートの塊だと気付いて、彼は半眼でかくりを見る。
「お前また念で投げつけたろ!」
「残念だが“まだ”何も仕掛けては無いさ」
いずれやる気はあったのか? 冗談かどうか判別のつかないそれになつめが首を傾げる。とはいえ、それならいったい誰がこんなイタズラを、と視線を巡らせて。
「……あの山噴火してね!?」
「ああ、そうだね」
かくりの鋭敏な嗅覚は、最初からこの国に香るチョコレートの匂いを捉えていた。それが今、より濃くなったという事は、小康状態にあった火山がまたぞろマグマを溢れさせ始めたのだろう。噴火して出てくるのが貯古齢糖、というのはこの世界らしいというべきなのか。
「このままじゃこの街がヤバい……気がする!」
「……」
そうだね、とこれにも答えてあげたいところだが、さっきからこの国の住人が呑気に歩いているのを見ているため、何とも言えない。
「アッ猟兵サン、頭上気を付けてクダサーイ」
今更飛んでくる警句を聞きながら、なつめが龍の姿へと変じるのを目で追う。様々に対処している他の猟兵達に合わせる形で、彼は長大なその身を呈し、地面に横たわる形でマグマの流れを堰き止めにかかった。
「死霊諸君、力を貸して呉れるかい。なつめの補助を頼んだよ」
かくりも『彼等』に呼び掛けて、龍の身体が押し流されないよう手を貸す。
「熱くはないのかい?」
「大したことねーよこんなの」
それよりも、と彼は別の件で助力を求めた。
「……かくり、念でふぉんでゅ口の中に入れてくれ」
この状態でも食欲を優先するのは見上げた根性ではないだろうか。とにかく、かくりはそれに頷いて返す。
「ああ、任せてお呉れよ」
堰き止められたマグマの溜まりに食材を通して、次々と彼の開いた口の中へ。ウグッ、みたいな呻きが聞こえたが、多分気のせいだろう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
千家・菊里
【盛】(お供のおたまも一緒に)
休火山が噴火――麓の危機――そして溢れに溢れたチョコレート
此処は間違いなく俺達の出番ですよね、ええ
チョコを掬って麓を救う――人助けしてお腹も満ちる、実にウィンウィンな一石二鳥
さぁ、気合いを入れて頑張りますよ
おたま、万華達、そして伊織(フルーツやマシュマロを山盛り抱えてきりっっ)
フルーツチョコ、マシュマロチョコ、フルーツチョコ、箸休めにチョコアイス、そしてマシュマロチョコ――いやぁ、こんなマグマを前にすると、此方も実に滾りますね
おやおたま、ナイスキャッチです(甘い雪やチョコ弾もすかさず余さずもぐもぐ!)
ふふ、ある意味程好い熱々感で良いでしょう?
いやぁ、最高ですねぇ
呉羽・伊織
【盛】(とりあえず何でも食える鴉を連れては来たものの――)
なんかもうお前一人でどーとでもなりそうな勢いだよネ
てか下手したら勢い余って食べ尽くして、逆に滅ぼしかねない気が…わかってる、ダイジョーブ??
くっ、そもそもバレンタインのステキデートコースに何でこんな絵面(食気しかないアニマルズ+色んな意味でかわいそーなオレ)で~!
最早毎度過ぎるケド、箸休めがオカシイ…(鴉とちみちみフルーツつついてる間に何周した??とサイクルがヤバイ狐達見て)
もう堰き止める必要すらない食いっぷりだな…!
(鴉も負けじとキャッチし始め益々混沌)
うう…可愛い女子にあ~んとかされたいだけのフォンデュだった…
食気熱気強すぎだろ…!
●熱気
眠っていたはずの休火山が噴火――流れ出たマグマは麓を襲うのみならず、熱さに弱いこの国を滅ぼしかねない災害だ。全てがこのマグマに飲まれる前に、逃げ惑う人々を救うために、誰かが立ち上がらなくてはならない。
「――此処は間違いなく俺達の出番ですよね、ええ」
「まあ……こういうの得意だよナお前は」
やる気に満ちた千家・菊里(隠逸花・f02716)の言葉に、呉羽・伊織(翳・f03578)が溜息混じりに頷いた。
人助けの方法が食事、という辺りが特に良い。WIN-WINの関係ならば何も気兼ねなく思うさま食べられるのだから。
「おたま、万華達、そして伊織――行きますよ」
「ちょっと恰好付けて言うのやめろ」
どれだけキメ顔で言われても、菊里が大量のフルーツやマシュマロを抱えている事実は変わらない。
「そもそもバレンタインだぞ? なんでステキデートコースにこの構成で……」
連れは勿論、お供の管狐達も食い気しかない。可愛い女子成分とか夢のまた夢だ。ていうかもうこれ一人で良くない? 帰っても良い? とか聞きたいところだが。
「遅れてますよ、急いでください伊織」
「はいはい……」
げんなりとした表情で言って、伊織は菊里が持ち切れなかったという食材の山を抱え直した。
うん、荷物持ちは多い方が良いからね。
フルーツチョコ、マシュマロチョコ、フルーツチョコ、箸休めにチョコアイス、そしてマシュマロチョコ。謎のローテーションが組まれ、持ってきた食材が次々と菊里の口の中へと消えていく。
「最早毎度過ぎるケド、箸休めがオカシイ……」
それを横目にしながら、鴉と一緒にフルーツをつついていた伊織が呟く。ペースの差がすごいことになっているが、それこそ今更指摘するほどのことでもない。
「――いやぁ、こんなマグマを前にすると、此方も実に滾りますね」
「ヨカッタネ……」
冷たい世界の中を流れる熱、どろどろとした粘度の高いチョコレートを掬った菊里は、とても爽やかな笑みを浮かべていた。もはや堰き止めるとかそういうことより、周りの食材の枯渇を恐れた方が良いかも知れない。
凄まじい消費者に対抗したわけでもないだろうが、小康状態にあったチョコレート山がそこでもう一度噴火を起こす。溢れ零れるだけでは収まらなかった爆発に、チョコレートが空高く打ち上げられ、彼等の方にも欠片となって降ってきていた。
「おやおたま、ナイスキャッチです」
だがそれすらも食欲の糧。おたまがそれを空中で迎え撃ったのを見て、伊織の鴉も遊び半分で参加し始める。賑やかになったその様子を、お腹も満たされてきて上機嫌の菊里が微笑まし気に眺める。
「うう……可愛い女子にあ~んとかされたいだけのフォンデュだった……」
それに対し、伊織は嘆きの声を零していた。打ち上げられたチョコレートの塊ではそんな風情すら感じられない。
いつもそう。頭に描いた構わぬ夢が、アイスと一緒に溶けていった。
「ふふ、ある意味程好い熱々感で良いでしょう?」
「食気熱気強すぎだろ……!」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
チル・スケイル
【GOATia】
はじめまして、ピーノさん。私は冒険者のチルです
涼しくて過ごしやすそうな国…ですが、チョコの火を噴く山は初めて見ました
あっさり固めてしまっては無粋というものですね
防壁はリダンさんに任せるとして、たまには女子らしくいきましょう
それでは私も壁に飛び乗り、チョコフォンデュを味わうとしましょうか
ふむ…チョコとスイーツの2種の甘み、そして優しい苦みが溶け合った味です
柔らかなマシュマロやスポンジは硬いチョコに覆われて、ぱりぱりふかふかの食感が楽しいですね
コップに氷ですね、はいどうぞ(指先から氷が出る)
食べきれないチョコは氷の洞窟に保管
しっかり冷やしておきますね
ショコラ・リング
【GOATia】の皆様と参加します
アイスでできた国で、火山と吹き出る溶岩はチョコでございますか
まさに夢の国でございますね
ピーノさん、お邪魔いたしますですよ
フルーツフォンデュですと、今の時期は苺が定番でございましょうか?
柑橘類やバナナも美味しそうですね
フルーツ以外ならマシュマロの他にも、バームクーヘンとかポテトチップスも良さそうです
バニラアイスに掛けて混ぜてみるとかもやってみたいのです
リダンさんの立てた壁の上でフォンデュを美味しくいただきますね
この壁もチョコが冷えれば、きっと映えという感じになるかもしれません?
チョコシェイク!? チルさん、ボクもお願いしますです!
リダン・ムグルエギ
【GOATia】さぁ、今日はぞーんぶんに食べましょ
潜水服も持ってきたわ。チョコ溶岩の中、泳いでみる?(ピーノ君へ差し出し
一応仕事はするわ
コードで作った壁で溶岩?を堰き止め愛着ある町を守るの
あと、壁の凹凸を動物っぽい型風にしてみたわ
冷えて固まった後は可愛い動物型チョコになるんじゃない?
全部終わった後に食べたり展示したりしましょ
で、レプリカ壁で堰き止めた溶岩が川のように流れる道を作って
これで気軽に壁の上からフォンデュし放題ね
今回はフルーツを中心に攻めるわ
しょこりん、糖質控えめで美味しいヤ…
…オススメ全部食べるから教えて!
あ、予想以上にアッツアツね
チルちゃーん、コップに氷入れてチョコシェイク作ってー
●街の防衛
「ピーノさん、お邪魔いたしますですよ」
「はじめまして、ピーノさん。私は冒険者のチルです」
「イラッシャイマセー」
「ご丁寧にドウモー、歓迎いたしますデスヨー」
氷の街を訪れたショコラ・リング(キマイラのアーチャー・f00670)とチル・スケイル(氷鱗・f27327)が、この国に暮らしている愉快な仲間、ピーノくん達と挨拶を交わす。開拓初期に猟兵達と協力して建てたこの辺りは、氷を積み上げた素朴な住居と、特徴ある模様の入った改築後のものが入り乱れている。
「涼しくて過ごしやすそうな国ですね……」
そんな日々の営みを感じ取りながら、チルはそう溜息を吐く。身を切る寒風も、降り来る雪も、氷使いの彼女にとっては馴染み深いもの。とはいえ、さすがに初めて見るのが、巷を騒がせているアレだ。
「火山と噴き出る溶岩、でございますか」
ショコラもそちらに視線を移す。噴火したその火山から生まれる炎……ではなく、あったかいチョコレートは、どろどろと流れてこの街にも向かってきているのだという。
「お話に聞くだけですと、夢のような場所なのですが……」
「ソウなんデスヨー」
「困っちゃいマスヨネー」
まあ、当の住人達はこの様子である。「お茶が入りマシタヨー」などと声が聞こえて、二人はテーブルへと案内されていった。
「良いんですかね、こんな風に休憩してて」
「あちらはお任せしましょう」
熱を奪う矢を使えるショコラは勿論、チルも普段通りの力を出せば、冷気で流れ来るチョコレートを固めてしまえるだろう。しかし、あっさりと解決してしまっては無粋では? 具体的に言うと、フォンデュの機会がいきなり失われてしまうのでは? ということで、対策はもう一人に任せてあった。
『レプリカクラフト』、街へと流れ来るマグマをそこで遮るべく、リダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)贋作の壁を生み出していく。
「ワースゴーイ!」
「がんばってクダサーイ」
「あなた達も少しくらい手伝ってくれて良いんじゃない……?」
でもユーベルコード使えませんし、とごろごろしているピーノくん達を横目に、遮ったチョコレートが流れていく道を作成、ここを使えばこの辺りでもチョコレートフォンデュを楽しみやすくなるだろう。
「壁の凹凸も動物っぽい型にしておいたから、固まったら取り出しましょう」
その後は食べても良いし、記念品として飾っても良い。他の猟兵のがんばりのおかげか、随分と緩やかになったチョコの流れを引き受けて、街の防衛は完了である。
「……そういえば潜水服も持ってきたわ。ピーノくん、チョコ溶岩の中、泳いでみる?」
「エー、やってミターイ」
とりあえず気掛かりだった点は解決したので、と両者の間でそんなやり取りが交わされた。
「ワースゴーイ、チョコの中って何にも見えマセンヨー」
「まあ……そうよね……」
「でも、これはこれでよく眠れソウデ……zzz」
お疲れ様ですと労いの言葉をかけて、チルが壁の上に降り立つ。隣のリダンからは、今日はもう働きたくないオーラが漂ってきていた。
「それでは、あとは女子らしくいきましょう」
「そうね、今日はぞーんぶんに食べましょ」
気を取り直すように頷いた彼女は、ショコラの方へと声をかける。
「今回はフルーツを中心に攻めるわ。しょこりん、糖質控えめで美味しいヤ……」
でも今日は十分頑張ったわよね。そんな内なる声が聞こえた気がして。
「……オススメ全部食べるから教えて!」
「フルーツフォンデュですと、今の時期は苺が定番でございましょうか?」
柑橘類やバナナも美味しそうですね、と付け加えつつ、ショコラも壁の上に食材を運んで、フォンデュの準備を整えた。
「フルーツ以外ならマシュマロの他にも、バームクーヘンとかポテトチップスも良さそうです」
カロリーの話を始めるととても候補に上げられない者達だが、それはそれで間違いなく美味しい。もう加減はしないと決めたのだから、早速出てきた甘い食材達を、皆でチョコの流れに付けていく。
「ふむ……チョコとスイーツの2種の甘み、そして優しい苦みが溶け合った味です」
「イチゴは酸味も加わって丁度良いですね」
それぞれの食材を自由に、ゆっくりと味わう。オススメと言うだけあってフルーツも美味しいけれど、マシュマロやバームクーヘンの食感も捨てがたい。
「バニラアイスに掛けて混ぜてみるとかもやってみたいのです」
「あの辺りに積もった雪がバニラ味って言ってましたよ」
ショコラの言葉に、チルが壁に守られた後方を指差す。
「あー……良いわね」
リダンもそれに乗り気のようだが、これまでの感じから言ってチョコが少しばかり熱すぎるか。それなら。
「チルちゃーん、コップに氷入れてチョコシェイク作ってー」
「チルさん、ボクもお願いしますです!」
「はい、どうぞ」
どれくらいが良いですかね、などと吟味しながらチルが指先を立てると、そこから生じた氷が、グラスの底で音を立てた。
いろんな味をじっくりと楽しんだ後は、食べ切れない分をチルの氷の洞窟に流し込む。しっかり冷やして保存して、街への被害はゼロに抑えられた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
九之矢・透
よ!ピーノ君ひっさしぶりだなー!
元気してた?
流石、ココの山が噴火するとチョコが出てくるんだなァ
めっちゃ羨ましい
ケド、ピーノ君たちが溶けたら困るし
国全部がチョコアイスになっちゃうのも困るな
バニラが食べたい日もあるしさ
お、小さめのマグマ吹き出し口発見
これも放っておくと流れ続けちゃうよな
――って事で!
エレメンタルディザスターで氷の柱状節理を作るぞ
同じ長さに割れば、即席!氷のレンガの完成だ
次は積む作業なんだけど……ピーノ君、ちょっと手伝ってくれない?
億劫?そこを何とか!
周りを氷のレンガで池みたいに囲って完成だ!
こーしたら冷えて固まるし、
吹き出し口から溢れるチョコレートがアレみたいじゃん?
ええと、ほらアレ何だっけ
ちょこれーと、ふぁ、ふぁうんてん……?
フルーツやマシュマロ、クッキーなんかも貰ってきた!
ピーノ君たちも一緒に食べようぜ
あっはっは、こればっかりはちゃんと動くのな
苺やミカンの酸味があるやつはチョコとの相性抜群だし
マシュマロは……やばい
コレ、何かを成し遂げたヤツしか食べちゃダメな味では……?
●チョコレートファウンテン
「よ! ピーノ君ひっさしぶりだなー! 元気してた?」
九之矢・透(赤鼠・f02203)が声をかけると、ピーノくん達は早速手を振り返してきた。
「ドーモー、お久しぶりデスヨー」
「とっても元気デース!」
――まあただちょっと、火山が噴火しちゃってるくらいで。照れ笑いのような調子で示された方角では、火山が丁度良い音を立てて噴火していた。
「……流石、ココの山が噴火するとチョコが出てくるんだなァ」
降ってくる火山弾と甘い香り。脳が理解を拒みそうになる光景だが、アリスラビリンスでは多分よくあること。むしろ羨ましいのでは? と彼女は思い直した。
「危なくないの?」
「さあ……試しに潜ってミマス?」
「ワー、それ楽しソー」
いやそれはやめた方が良くない? アンタら溶けちゃったりしない? このまま国全体がチョコアイスになってしまうのも困りものだと、透は噴火の影響を留めるために、火山に向かうことにした。チョコレートは美味しいけれど、バニラアイスの気分の時だってあるのだから。
「お、これはマグマ吹き出し口かな?」
熱のせいか少し緩くなったアイスの地面を踏みしめて、火山を登っていく途中で、透は小さくチョコレートの吹き出すポイントに気が付いた。頂上の火口とは比べ物にならないが、これはこれで放っておいてはまずいように思える。とはいえ、単純に塞ぐだけでは結局火口から噴き出すだけ。
「よーし、それなら……!」
エレメンタルディザスターを発動し、透は小さな吹き出し口の傍らに、氷の柱状節理を生み出す。柱を格子状に敷き詰めたようなそれを、同じ長さにすれば即席の氷のレンガの出来上がり。後はこれを積み上げ、囲ってやれば――。
「……」
そこで彼女はふと気づく。これ思ったより大変じゃない?
「……ピーノ君、ちょっと手伝ってくれない?」
「エー」
「力仕事じゃないデスカーヤダー」
「そこを何とか! ね?」
六体集めれば手っ取り早いのだろうが、生憎火山からは粗方避難した後だろう。めちゃめちゃ素直な返答に苦笑しながら、彼女はどうにか宥めすかして彼等を動かす。
「しょーがないデスネー」
「がんばりマスカー」
氷切りのノコギリを取り出したピーノくんにレンガの追加は任せて、透はもう一人と一緒にレンガを積み重ね始めた。
ぐるりと池のように周りを囲って、ピーノくん達の吐息で隙間を凍らせれば、チョコレートマグマ用のため池の完成である。
「こうすればちょっとしたマグマの噴きだしにも対応できるし、見た目もアレみたいじゃん?」
「アレって?」
「ああ、ピーノくん達にはわからないかもしれないな。ええと、ほらアレ。ちょこれーと、ふぁ、ふぁうんてん……?」
「ハハーン」
「噴水みたいなアレですネー」
「知ってんの……?」
アリスラビリンスにもあるの? 微妙な疑問が生まれたところで、僅かな地鳴りと共に、池の中心でチョコレートが噴き上がった。
「丁度良いや、ピーノ君たちも一緒に食べようぜ」
元々このつもりで、フルーツやマシュマロ、クッキーなどを持参してきている。
「ワーイ! ヤッター!」
「あっはっは、こういう時は反応良いのな」
そう笑って、彼女等は皆でチョコレートフォンデュに取り掛かった。フルーツの中でも苺やミカン、酸味のあるものはやはりチョコレートとの相性が抜群。クラッカー何かも食感が楽しめて丁度良い。
「仕事の後だとより美味しく感じるよな?」
「そうデスネー」
などと言葉を交わしながら、透はチョコレートにつけたマシュマロを口に運んだ。
「……えっ……?」
口の中に広がるそれに、しばし愕然とする。混然とした甘味の暴力。本能で感じ取れるハイカロリー。しばらくこれだけ食べていたいけれど、コレ何かを成し遂げたヤツしか食べちゃダメな味では? そんな疑問が頭に浮かぶ。
「アッ、でも働かないで食べる甘味も格別デスヨー」
「え、なにそれ……?」
それは人として許されるの? 聞いてはいけないことを耳にしてしまった気持ちになりながら、恐る恐る彼女は次の一口を舌に乗せた。
大成功
🔵🔵🔵
神埜・常盤
さつま君/f03797
此の国を訪ねるのも
随分と久しぶりだなァ
アイスの花を摘まめば
口に拡がる甘い蜜の味
――ハニィナッツかな
はは、気遣い有難う
寒くなったら君の毛皮を貸しておくれ
冬毛でとても温かそうだ
御機嫌よう、ピーノ君たち
火山が噴火したんだって?
僕も少しばかり力を貸そうじゃァないか
氷の吹雪を招いて
火山を堰き止めてあげよう
凍ったチョコレェトは
削ればアイスに成るかもよ?
ふふ、もう少し滑らかな方が
アイスらしくなるかね
押し寄せる分には果物浸し
僕は林檎に絡めるのが好きだなァ
マシュマロも一押しだが――
個人的にはコレも
パンケェキにバニラアイスを包み
チョコレートでディップ
ウン、なかなか行ける
さつま君も食べるかね
僕のお手製だよ、口に合うと良いンだが
君のオススメは求肥かい
ソレも試してみよう
カスタァド味のアイスを包んで
チョコに潜らせて――
ウン、実に背徳的だ
少し冷えて仕舞ったら
ピーノ君たちから茶を
否、濃いめの珈琲を戴こうか
ほら、ちらつく甘雪と
飛び回るチョコが
ぽちゃんとカップの中へ
斯ういうカフェモカも乙じゃないかね
火狸・さつま
常盤f04783と!
らくと、ぱらでぃあ~!!!(万歳ぽーず!
流れるようにアイス収穫ぱくんっっ
常盤、寒く、ない?だいじょぶ?
ふわやか尻尾ふりふり
うんうん!いつでも!
わくわく尻尾毛繕い
あっ!ピーノ君達!
お久し、ぶり!!げんき?元気?
見掛けるたびに、てててーっと駆け寄ってご挨拶。
チョコ100%アイス!!
尻尾に雷火の雷纏わせて
ぺちんっっ!と粉砕
アイスとしては、ちょと粗い、かな?
でも、美味し!
よぃせよぃせと堰き止め手伝いつつ
押し寄せたチョコへフルーツをとぷり
掬ってアイスにかけたり
常盤、常盤、それなぁに?
わくわくきらきら尻尾ぶんぶんっ
ぱん、けぇき…!
ぱぁああっと目輝かせ
貰て、良い、の?お手製…!!
わぁあい!ありがと!!いただき、ます!
まずは何もつけずに一口!
次はチョコつけて
アイスも乗せたり
どれもこれも美味ひ……!
常盤、ありがと!!
しっぽ回転する勢いで振りたおし
にっこにこ!
求肥で包んだアイスもとぷり!
常盤、常盤、これも、あう!!!
やてみて!とおすすめ
常盤の真似っこして
あったか珈琲
うんうん、美味し、ねっ
●お気に入りの味
「らくと、ぱらでぃあ~!!!」
謎の万歳ポーズを取る火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)について、神埜・常盤(宵色ガイヤルド・f04783)もまた、冷たい風の流れる地へと足を踏み出す。
「此の国を訪ねるのも随分と久しぶりだなァ」
流れるようにアイスを口にしているさつまに倣って、こちらも花を一つ摘む。舌に乗せたと同時に広がる甘味はハニィナッツのそれだろうか。この感覚もやはり久方ぶりだと笑ったところで、さつまがこちらを見ていることに気付く。
「常盤、寒く、ない? だいじょぶ?」
「はは、気遣い有難う。寒くなったら君の毛皮を貸しておくれ」
嬉しそうに振られる尻尾の様子から、それはとても暖かそうだと常盤は頷いた。
「あっ! ピーノ君達!」
そこでようやく住人の姿を見かけたようで、さつまはそちらへと走っていった。
「お久し、ぶり!! げんき? 元気?」
おひさしぶりデスネー、元気デスヨー、などとやりとりをしている彼等にゆっくりと追い付いて、常盤もまた彼等に声をかける。
「御機嫌よう、ピーノ君たち。火山が噴火したんだって?」
「そうなんデスヨー」
「困っちゃいマスヨネー」
そう言って示された先では、確かに火山が派手に火を吹いており、チョコレート色の甘い溶岩が、麓に向けて流れ始めていた。
「それなら、僕も少しばかり力を貸そうじゃァないか」
『夜王より給わす喝采』、常盤が呼び寄せたのは、氷の吹雪だ。吹き荒れるブリザードが流れ落ちるチョコレートのマグマを撫でて、その熱を奪い取っていく。寒風が行き過ぎた後、冷えて固まったそれに歩み寄った常盤は、良く冷えたそれを指先で摘まんだ。
「……削ればアイスに成るかもよ?」
「チョコ100%アイス!!」
その呟きに急激に反応し、さつまは雷火の雷を纏わせた尾で手近なそれを粉砕した。早速細かく砕けたそれを掬って味見をしてみるが。
「アイスとしては、ちょと粗い、かな?」
「ふふ、もう少し滑らかな方がアイスらしくなるかね」
でも、これはこれで美味しいと笑うさつまを連れて、常盤は固まったそれらを確かめるように歩く。やがて、先のUCでは届かなかった箇所――チョコレートが未だ流れている場所に辿り着くと、それを押し留めるべくフルーツを取り出した。色とりどりのそれらはどれから口にするのか迷うほど。選び取ったものをチョコレートの流れにとぷりと付けて、二人分け合って順番に食べていった。
「常盤は、どれが好き?」
「僕は林檎に絡めるのが好きだなァ。マシュマロも一押しだが――」
個人的にはコレも、ととっておきを示して見せる。パンケーキにバニラアイスを包んで、チョコレートでディップ。思った通りなかなかいける、と頷く彼にさつまが興味深げに問う。
「常盤、常盤、それなぁに?」
「パンケェキ、僕のお手製だよ。さつま君も食べるかね」
「貰て、良い、の?」
目をきらきらと輝かせる彼へ、「口に合うと良いンだが」などと言いながらそれを差し出す。
「わぁあい! ありがと!! いただき、ます!」
ぶんぶんと尻尾を振りながら受け取ったさつまは、アイスを乗せたりチョコをつけたり、色々な形でそれを味わう。
「どれもこれも美味ひ……! 常盤、ありがと!!」
嬉しそうに笑う彼の様子に、常盤もまた笑みを返した。それからまたそれぞれに、用意してきた食材を試していく。そうしている内に、やがてさつまはとびきり美味しい組み合わせを見つけたようで、雪の上で元気に跳ねた。
「常盤、常盤、これも、あう!!!」
「なるほど、君のオススメは求肥かい」
それじゃあ早速試してみよう、と常盤もそれに倣う。降り積もるアイスの中からカスタード味のものを選んで包み、チョコを潜らせれば。
「――ウン、実に背徳的だ」
気に入った? と問うさつまに首肯して、常盤はもう一口それを味わった。
一通り、色々な味を楽しんだところで、少しばかり風の冷たさが滲みるようになってきた、と、常盤が襟元を手繰る。アイスを食べる機会も多かったためだろうか、そんな様子に、さつまは待っていましたとばかりに胸を張った。
「マフラー、する?」
「あァ、それはとても魅力的なンだがね」
まずは一息つこうじゃないかと、通りかかったピーノくんに温かい飲み物を頼むことにする。
「熱い茶を――否、濃いめの珈琲を戴こうか」
「ハーイ、少々お待ちクダサイネー」
ぱたぱたと駆けるピーノくんが淹れてくれたそれ、熱くて苦い珈琲を一口啜って、常盤はほうと白く溜息を吐いた。少しばかり温まったところで、カップの上を塞がないように、両手で包む。何も加えていない珈琲だけれど、こうして待っているだけで、降り来る甘い粉雪が、空で冷えたチョコレートの欠片が、カップに味を足していくのだ。
「――斯ういうカフェモカも乙じゃないかね」
「おもしろ、そうっ」
さつまもそれを真似っこして、あったかい珈琲を入れてもらった。
それはこの時、この国の、この場所でしか作れない味。和やかに笑みを交わして、その香りを忘れないようにと、二人はゆっくりとそれを味わった。
●ラクトパラディアチョコレート味
猟兵達の活躍のおかげで、火山の噴火は無事収まり、断続的に続いていた地鳴りも止んだ。流れ行くマグマも堰き止められ、行く手を誘導されて、国の主要部を溶かすことなく固まっていった。
「猟兵の皆サーン、ありがとうゴザイマシター!」
「マタ来てくださいネー」
……というわけで、今年のバレンタインも無事に過ぎていく。
大成功
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