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殲神封神大戦⑧〜黒に染まりし香港〜

#封神武侠界 #殲神封神大戦 #殲神封神大戦⑧ #コンキスタドール『編笠』


 租界。それはコンキスタドールによって征服されてしまった地域。
 コンキスタドールの知識によって20世紀初頭レベルの文明が発展した一方で、ばらまかれた銃火器や阿片によって頽廃してしまった、コンキスタドールが周囲に与える影響が陰陽はっきりとついている場所でもある。
 そのうちの一つ「香港租界」。
 豪華な飯店や陽気な長屋がある一方で一つ路地を逸れれば未亡人が蘇った旦那のオブリビオンと経営する安宿や迷宮の如く鏡を並べた鏡屋が門戸を開き、賭場やダンスホールで華々しい者達が遊ぶ裏で阿片窟やごみ溜め場で落ちぶれた仙人が悪態をつきながら煙を吐く。
 そんな港町を支配する者こそ先日長沙を混乱に貶めたコンキスタドール「編笠」であった。
「残念ですが、地の利は圧倒的にあちらにあります」
 そう言ってルウ・アイゼルネ(滑り込む仲介役・f11945)はテーブルに置いていたかつての香港を記した地図を片付けた。
 聞けば何十年も前に描かれた骨董品だという。わざわざ見せる価値もない代物であるが、逆を返せばそれぐらい古い情報しか集めることが出来ていないという証明でもあった。
「編笠自身とその配下組織『香港マフィア』は神出鬼没。我々の姿を一度見つければ路地裏や雑踏の中、看板や屋根の上などあらゆる所からアクロバティックな動きで攻撃を仕掛けてくるでしょう」
 香港の街は常に暗く、ネオンの光が辺りを照らしている程度だという。あちら側からすれば隠れ場所には全く困らないだろう。
「しかもあちらは猟兵の存在を『霊気』なるものの有無で判別してくるらしく、隠密行動ですり抜けるということも不可能です」
 ならばどうするか。その問いにルウは眉間に皺を寄せながらも答えた。
「まあ、一部の猟兵には日常茶飯事なことかも知れませんが……目には目を歯には歯を、『アクロバットにはアクロバットを』でしょう」
 建物と建物の間が非常に狭く、大通りと呼ばれる場所でも両端の建物の看板や屋根、ベランダが好き勝手に飛び出していて空が見えにくいというのが香港の建設事情。アクロバット・アクションを行うには非常に好都合な場所である。
 あちらに使える物をこちらが使えない道理は無い。
「正攻法の攻撃や防御に入れば間違いなく袋叩き、相手の虚を突くしか香港に雪崩れ込む術はありません」
 そう断言したルウはここまで話を聞いていた猟兵達の姿をぐるっと見回してからテーブルに右手を置いた。
「香港の地に入ったら見知った猟兵以外は全て敵だと覚悟してください。……それでは、よろしくお願いします!」


平岡祐樹
 暗くも深い映画の舞台へようこそ。お疲れ様です、平岡祐樹です。
 このシナリオは戦争シナリオとなります。1章構成の特殊なシナリオですので、参加される場合はご注意ください。

 今案件にはシナリオボーナス「敵の先制攻撃ユーベルコードに、アクロバット・アクションで対処する」がございます。
 これに基づく対抗策が指定されていると有利になることがありますのでご一考くださいませ。

 プレイング内容によっては編笠よりも、配下である香港マフィアとの戦いが主軸になってしまう可能性がございます。ご了承ください。
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第1章 ボス戦 『『編笠』inノワール』

POW   :    紫煙龍降臨
自身の【煙管の煙から具現化した「紫煙龍」】が捕食した対象のユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、[煙管の煙から具現化した「紫煙龍」]から何度でも発動できる。
SPD   :    拳銃挽歌
【改造モーゼル銃】から、戦場全体に「敵味方を識別する【無数の銃弾】」を放ち、ダメージと【大量出血】の状態異常を与える。
WIZ   :    「今だ、私の家族(マイ・ファミリー)!」
【編笠の命令】を合図に、予め仕掛けておいた複数の【香港マフィア】で囲まれた内部に【銃弾の雨】を落とし、極大ダメージを与える。
👑11
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アウローラ・ボンジョルノ
(アドリブ・連携歓迎です!指定以外のアイテムやユーベルコードの使用もOKです!)
どれどれ・・・結構高いが、このコンクリートの迷路は、昔私の暮らしてた街を思い出せるね。
さてと、私【軽業】には自信があるし、一応建物と建物の間、ベランダなどを中心に飛び回しながら、一気に距離を縮めたり開きたりして隙を探ってみよう。
隙を見つけた後は素早く反撃を!状況次第に「ドレスアップ・プリンセス」を使って起動力と攻撃力を補強しよう。
あ、でも多少の怪我はしょうがないね。【オーラ防御】である程度軽減出来るといいけど・・・



「どれどれ……結構高いが、このコンクリートの迷路は、昔私の暮らしてた街を思い出せるね」
 見上げられるように角度を調節されたアウローラ・ボンジョルノ(ヒロイン帽子のプリンセス・f36055)からの感想に相棒は大して興味がない様子で鼻を鳴らす。
 そんな様を編笠は事もなげに眺めていた。
『今だ、私の家族』
 口の中に溜まった煙を吹き出し、中に溜まった灰を皿の上に落としたタイミングで潜んでいた香港マフィア達が一斉に動く。
 そしてアウローラ達が気づいた時にはすでに四方八方から銃弾が迫っていた。
「おっとっとぉ!? もうちょっとくらい郷愁に浸らせてくれてもよくない!?」
 服がオーラによる防壁で勢いを殺されたはずの銃弾によって破かれていく。アウローラ達は深手を負ってしまう前に軽快な身のこなしで建物の壁を蹴ると対面の壁に着地して再び跳び、どんどん登っていった。
 一番端までたどり着いたら最寄りのベランダに着地し、足を止めずにさらに遠くへと跳び移る。
 突然の来訪に純粋に驚いたり、銃から近接武器に持ち替えようとしたり、そのまま連射してきたりと、先にいた者の反応は様々だ。
「たぶん、私達がいたところから見える場所にいたはずよねぇ?」
 そう当たりをつけて弧を描くように引き返していくとある建物のベランダで、見覚えのある編笠を被った黒眼鏡の女を見つけた。
「行きましょう、相棒ちゃん!」
 ボロボロの服から一瞬で豪華絢爛なドレス姿に変身したアウローラ達は花びらを舞い散らせながら編笠に殴りかかる。
「おっと、冬に花見とは風流じゃないか」
 煙管を口に挟みながら口角を上げた編笠は近くにあった丸椅子を蹴り上げて、拳の射線に割って入らせた。
 木片が辺りに散らばる中、編笠は机の上に置いてあったモーゼル銃を素早く掴み、その引き金を引く。放たれた弾丸は後方にあったネオンの照明や看板を次々に割っていった。
 避けるのが一瞬でも遅ければ眉間が撃ち抜かれていた事実に肝を冷やしながら距離を取ったアウローラ達と編笠の元に、マフィア達が追いついてきた。
「私の元に簡単に辿り着かせるなんて、ダメじゃないか私の家族達。最近緩い連中ばかりだったからって怠けちまったのかい?」
 煙と共に溜め息をついた編笠の指摘に、マフィア達は申し訳なさそうに縮こまる。
「今度はしくじらないでおくれよ? 私はこんなところでくたばっちまいたくないんだ」
 最寄りにいた者の肩を叩いた編笠は扉の奥にあった階段の奥へ消えていった。
「待ちなさい!」
 アウローラ達もすぐに後を追おうとしたが、名誉挽回を狙う殺気だったマフィア達がまずは体でその行く手を阻む。
 続けて振るわれる武器の数々にアウローラ達は一時的な退却を余儀なくされた。

成功 🔵​🔵​🔴​

大豪傑・麗刃
困った。今回の場合、相手の先制攻撃の手段が見当もつかない。まあアクロバットすればいいのだろう。(意味ないけど)忍び足で歩きつつ、なんか攻撃飛んで来たら第六感で察知して物陰から物陰へダッシュしパフォーマンス的に回転なんか加えつつの建物から建物へのジャンプ。さらに二刀流で武器受け。

敵に遭遇したら大喝

きみが雨傘くんとやらかね!
違ったかね?雨ざらしくん。

しかしここは埃っぽいねえ。
おかげでせきが出るのだ!コンコンって。
香港でコンコン!

とギャグで敵の精神を乱し普段通りの実力出せなくなったところを刀で斬る

さて今回の相手はわたしのユベコをコピーするらしいのだ。
よろしい見せてみたまえ。きみの最高のギャグを!!



 アウローラ達と対峙した建物から出た編笠は煙管を口から離し、煙を吐く。
「いきな」
 すると宙に舞った煙は霧散することなく、巨大な龍の姿に転じて空を泳ぎ出した。
「困った」
 その頃、意味がないとは分かりつつも忍び足で裏路地を歩いていた大豪傑・麗刃(23歳児・f01156)は思わずそう呟いた。
 道に迷ったわけではない。相手の先制攻撃の手段が見当もつかなかったからだ。
 中華らしく拳法で殴りかかってくるのか、マフィアらしく弾幕を張ってくるのか、長沙の時のように阿片の煙を蔓延させて正気を狂わせるのか……まあルウが言っていた通り、アクロバットすればいいのだろう。
 そんなことをぼんやりと考えていると建物の間に張り巡らされていた洗濯紐と服を蹴散らしながら龍が急降下してきた。
「ふおおおおっ!?」
 空気を震わす龍の咆哮に負けじと麗刃は大声を上げ、物陰から物陰へダッシュし建物から建物へのジャンプを繰り返す。
 奇人変人の集いと周知されている大豪傑家であるが、実力が無ければ知られる前に断絶してしまうのが戦国の世。そしてその血は後継である麗刃にもしっかり受け継がれており、パフォーマンス的に回転なんか加える余裕もあった。
「これはちょっと、挟み込む必要がありそうだね」
 龍に一切追いつかれる気配のない麗刃に痺れを切らしたのか、行く手を阻むように編笠が現れる。その姿を認めた麗刃はついに足を止めた。
「きみが雨傘くんとやらかね!」
「編笠だ」
「おや、違ったかね? 雨ざらしくん」
「……あんたの耳が遠いってことは分かった」
「なにおー!?」
 侮辱する言葉だけは拾うのか、プンスカ怒る麗刃を食らおうと龍が大口を開く。
 しかし咄嗟に反転しながら抜かれた二刀によって牙と牙は合わさることは無く、宙を舞った。
 のけぞった龍から再び編笠に視線を戻した麗刃はわざとらしく口の前に握り拳を添える。
「しかしここは埃っぽいねえ。おかげでせきが出るのだ! コンコンって。香港でコンコン!」
 香港の裏路地に空っ風が吹く。しかしあまりにくだらない駄洒落のせいか、龍の動きが止まった。
 いや、止まらされたのだ。
「さて、きみはわたしのユベコをコピーするらしいのだ。よろしい見せてみたまえ。きみの最高のギャグを!!」
 喜色満面の笑みを浮かべて編笠へ手招きする麗刃の後ろで龍が震え出す。そして半ばヤケクソになりながら叫んだ。
「歯が欠けちゃったよ、歯っ歯っ歯ー!」
 気恥ずかしさからか怒りからか、何の工夫もない突進を仕掛けてしまったた龍が3枚に下ろされる。
 そしてその一部始終を見せられた編笠は眼鏡を取って眉間を摘むと、大きなため息をついた。
「……こんな紫煙龍、見たくなかったね」

大成功 🔵​🔵​🔵​

リオ・ウィンディア
あら怖い、こんな幼気な少女に襲ってくるなんて…良心痛まない?
なんてね、そんな気持ち持ち合わせていないわよね

銃弾の嵐に【早業、空中戦】で対応
点の相手だと思った?面で向かってこなきゃかなわないわよ?
そして、面で攻撃するってことは…
くるくる飛び跳ねながら同士討ちを狙うわ
さぁて、ひとしお逃げ回ったところで私の番
カーネーションを【恐怖を与える、精神攻撃、呪殺弾】に見立てて範囲内の敵を乱れ打ち
ふふ、素敵な舞台でしょう!

おっと、編笠さん、貴方も逃がさないわよ?
ダガーによる近接戦【切断、2回攻撃、属性攻撃:水・風】の鋭い刃でサクッと切り込むわっ

花が舞う世界で黒服の少女は華やかに【歌唱】
誰も逃しはしないのだから



 夕食時の人々の喧騒を掻き消すように走っていた香港マフィア達はとある広場でその足を止め、銃を構える。
 銃口の先には近くの屋台で買ったであろう焼き菓子を頬張る小柄な少女の姿があった。
「あら怖い、こんな幼気な少女に襲ってくるなんて……良心痛まない?」
 近くにいた群衆が悲鳴をあげながら逃げ出す中、少女——リオ・ウィンディア(黄泉の国民的スタア・f24250)は最後の一口を頬張りながら首を傾げるが、香港マフィア達の顔に動揺や躊躇する様子は浮かばない。
 どれだけ子供だろうと小さかろうと、目の前の存在は埒外の力を振るう猟兵だということは分かっているからだ。
「なんてね、そんな気持ち持ち合わせていないわよね」
 飲み込んでから微笑んだリオに向け、銃弾の雨あられが撒き散らされる。しかしまるで舞うように跳ねたリオのドレスにそれらは一切当たる気配はなかった。
「点の相手だと思った? 面で向かってこなきゃかなわないわよ?」
 そう言ってマフィア達の間にわざとらしく割って入っては間髪入れずにまたすぐ跳ぶ。
 リオが同士討ちを狙っていることをマフィア達は敏く感じ取って先の方へ弾丸を放つが、その予想を嘲笑うかのようにリオは決まって反対の方向へ跳んでいた。
 そうやって無駄に消費している内に引き金を引いても弾が出なくなり、マフィア達が弾倉の交換を始める。
「さぁて、私の番」
 その様子を覗き込みながら建物の間に引っ掛けられていた洗濯紐から跳んだリオの周りに突如カーネーションの切り花が現れる。そして捻りを加えた宙返りをするとカーネーションは幾何学模様を描きながらマフィア達の元に降り注いだ。
「ふふ、素敵な舞台でしょう!」
 花弁だけならまだ華やかな見栄えだったろう。しかし鋭利に切られた茎がマフィア達の手に突き刺さり、込められた呪詛が心の奥底に潜む恐怖を煽らせる。
『¡Miren! この舞台、彩ってあげる!』
 花が舞う世界で黒服の少女は華やかに歌う。その声に最後の堤防が決壊し、マフィア達は遁走していった。
「情けないねぇ……こんな子供にいいようにやられちまうなんて」
 そんな様子を煙管片手に眺めていた編笠は目を細めながら立ち上がろうとする。しかしその背後にリオが着地した。
「おっと、編笠さん、貴方も逃がさないわよ?」
 懐から素早く取り出したダガーの鋭い刃が編笠の煙管とぶつかり合う。水と風の魔力が込められた連撃を受けても煙管は折れなかった。
「それ、中々良い代物だね。でも私のも凝ったやつだから、そう簡単には壊れないのさ」
 そう言って編笠はリオの顔面に煙を吹きかける。前世でも吸い慣れていない匂いと煙たさにリオが咳き込んでいるうちに、編笠はどこかへと姿をくらましてしまった。
「……誰も逃しはしないのだから」
 誰もいなくなった広場で、涙目のリオは決意を新たにしながらも唇を拭った。

成功 🔵​🔵​🔴​

バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!

ヒャッハー!
乱戦でありますな? 参戦しマース!
敵の拠点に殴り込むならば、派手に参りマショー!

チェインハンマーを振り回して、出てくるマフィアを吹き飛ばして回りマース!
銃撃は素早く逃げて、跳んで、そしてハンマーをプレゼントデース!
壁に限らず空中も滑れマスゆえ、縦横斜めと機敏に機動しマース!

編笠の出現に対しては、待っていましたとチェインハンマーを叩きつけるカウンターを食らわせマース!
これで《鉄拳制裁》がコピーされてしまうかもしれマセンガ……。
グーには、パーであります!
「六式武装展開、風の番!」
風の見えざる手で紫煙龍を鷲掴みにして、そのまま編笠に向けてシュート! であります!



「ヒャッハー! 乱戦でありますな? 参戦しマース!」
 チェインハンマーを振り回して突入したバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)によってすでに別の猟兵と対峙していた香港マフィア達が薙ぎ払われる。
 これだけ派手に立ち回ると敵にこちらの位置がバレる恐れがあるが、もうすでにバレていることが分かっている現状出し惜しみする理由はどこにもない。
「敵の拠点に殴り込むならば、派手に参りマショー!」
 そう言って意気揚々と拳を天に突き上げるが、敵討ちをしようと出て来るマフィアの姿はない。
 ならば炙り出すまで、とバルタンは物陰に自ら踏み込み、そこに集っていた黒いスーツを着たいかにも怪しそうな面々に襲いかかった。
 編笠からの指示がいつ出ても良いように待機していたマフィア達は突然の襲撃にも驚くことなく銃を構えたが、壁に限らず空中も滑るように縦横斜めと機敏に跳んで逃げるバルタンを捉えることが出来ない。
 口角を上げたバルタンは宙を蹴って急降下しながらハンマーを振り回し、範囲にいたマフィア達を吹っ飛ばした。
「さあさあ編笠サン、次はアナタの番デスヨー!」
 裏路地に煙が満ち始める。その匂いを感知し、待っていましたと言わんばかりにバルタンは振り返りながらチェインハンマーを叩きつけるカウンターを食らわせた。
『六式武装展開、鉄の番!』
 頭でそれを受けた煙の龍は霧散せずにバルタンを睨みつけると、片腕を振り上げて巨大化させていく。
「オゥ……質量保存の法則もあったもんじゃありまセーン……」
 ただ【鉄拳制裁】がコピーされてしまうことはすでに覚悟の上だった。
「ならばグーには、パーであります!『六式武装展開、風の番!』」
 腕に内蔵された掃除機が音を立て、振り下ろされた煙の大槌の軌道をずらさせながら受け止める。どれだけ重さや破壊力を再現できたとしても、圧縮された空気で作られた見えざる手は粉砕出来なかったと見える。
「よいやっさー!」
 投げ飛ばされた煙の龍は壁に叩きつけられ、今度こそ霧散した。しかし煙が晴れた先にも編笠の姿はない。
「手下がバッタバッタ倒されてるのに尻尾巻いて出てこないんデスカー? こんな臆病な首領の下についちゃってタイヘンデスネー?」
 伸びているマフィアを突きながら話しかけてみるが、どこからも反応が返ってくる気配は全くない。
 これは編笠が適当に放った煙の龍と偶然出会したか、マフィア達を完全に見捨てたかの2択であろう。【異門同胞】の威力がどれほどかは分からないが、敵前逃亡が出来るならばもうすでにやっているだろう。
「あれが相当の距離を移動できてたら、いる場所の絞り込みも中々難しそうありマスな……」
 肩をすくめたバルタンは気絶したマフィア達が酔っぱらいにうっかり踏まれないように体を端に寄せてからその場を後にした。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャロン・シープホーン
アクロバットなら得意だよ!
この街がいくら入り組んでいようと、スーパーロボットが邪魔をしてくる障害コースに比べたら簡単簡単!
行くよ、メリー君! 街の構造や敵の動きを見切りながら、地を、壁を、天井を、看板を、電線をダッシュで駆け抜け、敵は踏みつけ、吹き飛ばしながら、香港租界を疾駆するぞ!

街中を走り回って編笠を見つけられたら、一気に勝負だ!
こっちのユーベルコードをコピーして使う暇なんて与えないよ!

【すーぱースタンピード】を発動!
超次元の門が開き、メリー君の友達である何体もの羊型スーパーロボットが出現!

編笠に対して飽和攻撃を仕掛ける!
全方位から踏みつけて、吹き飛ばし、串刺しにするぞ!



「アクロバットなら得意だよ!」
 シャロン・シープホーン(シープ・ジョッキー・f33470)が跨るメリー君の蹄が地面を蹴る軽やかな音と、それを追うように銃声と罵声がこだまする。
「行くよ、メリー君!」
 街の構造や敵の動きをその場で見切りながらも、メリー君は地を、壁を、天井を、看板を、電線を駆け抜け、弾丸には当たらず、立ちはだかったマフィアは蹴るか走行風で吹き飛ばし、香港租界を疾駆する。
 この街がいくら入り組んでいようとも、どこから飛び出てくるか分からないマフィアが銃を連射してこようとも、シャロン達が普段走っている地元のスーパーロボットが邪魔をしてくる障害コースに比べたら簡単なものであった。
 そしてマフィア達を置いてけぼりにしたシャロン達はついに編笠の姿を捉える。
「見つけたよ編笠、正々堂々と勝負だ!」
 どんどん距離が近づく中、振り返った編笠は近くの建物の中に逃げ込まずにその場で仁王立ちとなって煙管を口に咥えた。
「おやおや可愛らしいお嬢さんと勇ましい羊くんだ。……だけど、十二支では羊より龍が先に終点へたどり着いてるのさ」
 編笠の吐いた煙が龍の姿を形取る中、シャロン達と並走するように超次元の門が開き、メリー君の友達である何体もの羊型スーパーロボットが雪崩れ込む。
 その指揮に専念するために急ブレーキをかけたメリー君の上でシャロンは龍を指差して叫んだ。
『行っけー!』
 羊達の突進を受けた龍の周りにも対抗するように新たな門が開いたが、出てくるのは編笠に与する存在ではなくメリー君のお友達。
 相殺するどころか倍増してしまった大群を前に龍は成すすべなく潰されて、その身を煙へ戻した。
「……これは、まずったね」
 そして羊達の標的は舌打ちをしながら汗を一筋垂らした編笠へと移る。
 先程の走りを見て逃げても無駄だと覚悟したのか、編笠は愛銃を連射したが機械の羊達の津波を止めるにはあまりにも非力過ぎた。
 金属で作られた硬い角が編笠の腹を穿ち、ふわふわの綿に似た素材の奥に潜んでいた質量が撥ね飛ばし、落ちた先にも全速力で駆けつけて蹄で踏みつける。
 まるで玩具のような扱いを受けた編笠は元から赤かった服をさらに赤く染め、ゴミ袋が積み重ねられた街の一角に沈めさせられた。
「ああ、こんなんでも再孵化の面子に選ばれたら嬉しいけどね……」
 辛そうに喘ぎながら呟いた編笠は口から血を大量に吐き出すと、俯いたまま動かなくなる。
 せめて首領の遺体だけでも取り返そうと、周囲に陣取る羊達の群れへ飛び込んでくる命知らずのマフィア達の姿はどこにもなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年01月17日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト