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メガリス創造の南洋南瓜

作者：黒代朝希

「皆、もうハロウィンの時期になっている事は知っているかな？」
　そうにこやかに水着姿(晩秋なのに寒くないのだろうか)で猟兵達を迎えたリオン・ゲーベンアイン（四大副王北方担当『神弓侯』・f23867）はグリードオーシャンにてメガリスが発見された事を告げる。
「正しくは、メガリスが『創造』される予知かな。グリードオーシャンにハロウィンの時期になると巨大な南瓜が生える島……通称『ハロウィン島』って島が確認されたんだ」
　ただの巨大な南瓜ではない。
　ハロウィン島は「ハロウィンの時期にだけ封印が解かれるメガリス」の伝承が伝わっており、巨大カボチャはそのメガリス出現の前兆なのだとか。
「その「ハロウィン島」の伝承を聞いたコンキスタドールの残党がハロウィン島に乗り込んで略奪行為を行おうとしている予知が見えたんだ。これを阻止し、メガリスを回収してきてね」
　ちなみに、今回のハロウィン島で確保できるメガリスは二種類あるらしい。
　リオンはグリモアを使って二種類のメガリスを取り出し、猟兵達に開示する。

　――『立体的に機動する奴ぽいの』と『メモリ』であった。

「UDCアースとかでは似た様なものがあるかな？これのメガリスバージョンが今回赴くハロウィン島では封印されたメガリスとして鎮座されているんだ」
　何でも、封印されている『立体的に機動する奴ぽいの』と『メモリ』のメガリス以外にもそのハロウィン島では封印されている物に比べれば格は落ちるがそれでも強力な『立体的に機動する奴ぽいの』と『メモリ』が遺跡内にはあるらしい。
　悪用防止の為にもそれらを使ってコンキスタドールと渡り合うのが良いだろう。
「オブリビオンに渡すのは論外だけど、一般人に渡しても手に余るからね。目的のメガリス二種以外にもそれらを回収して頂戴ね。何なら各自で確保しちゃっても大丈夫だよ」
　ちなみに封印されている二種はハロウィンの前後にしか使用できないが、猟兵達が確保した『立体的に機動する奴ぽいの』と『メモリ』を凄まじく強化する機能を発揮する。
「それを見る為にも、コンキスタドールの残党を撃破したら封印されているメガリス二種を探しにハロウィン島の洞窟内を散策してみてね」

第1章 集団戦 『カミカミドラゴン』

POW   :    雷神・雷怒紫（かみなりおこし） 【激しく暴れ回り、摩擦によって生まれた電撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。 SPD   :    暴君・八噛（やっかみ） 【目に付く全てに対して鋭い噛みつき攻撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。 WIZ   :    連獅子・髪縛維（かみしばい） 自身からレベルm半径内の無機物を【自身の身体の一部として髪の毛】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「さて、件のメモリも手に入った。ケリを着けるか、コンキスタドール！！」
『シャーク!!』
　ウィスパー音が鳴り響くと同時、荒れ狂い雷を放つドラゴンを見上げてニヤリと笑う男がいる。
　それは赤い機械鎧を身に纏う快男児、空桐・清導（ブレイザイン・f28542）の姿。
　その後ろ姿は正に千切れそうな空に虹をかける様な英雄――否、番犬の如く。
「超……変身ッ！！」
　手に持った結晶体――『メモリ』から光輝が瞬くや否や深紅の機械鎧が変形していく。
　レザーが鋭いヒレ状のブレード、足腰がより強靭に。そしてサメを模したようなマスクを空桐は装着する。
　そして機械の装甲は更に分厚くなり、紅い鎧の色彩は――青色へと変わった。
「空はお前だけのもんじゃないんだよ！」
　変形した蒼き機械鎧に黄金のオーラを付与し、気合と根性を燃料と炉心として飛翔の力へと稼働させていく。
　雷は黄金の意志を反映した色の莫大なオーラで防ぎ、ヒレ状のブレードを振り回して切り刻んでいく空桐。
「超必殺！ダイナミック・バイツ！！」
　連撃によって髪を切り裂いてコンキスタドールの本体を露出させるや否や両腕を上下に構え、嚙み砕くが如く交差する。
　それはブレイザインの纏う蒼き鎧が『シャーク』のメモリの内包する記憶によって『鮫』の概念を再現しているが故か。
　バクンッ！
　漫画だったらそんな擬音を出るような勢いと動作でコンキスタドールを挟み砕くブレイザインの両腕。
　今回相手取っているコンキスタドールは集団戦級オブリビオン故、その一撃は複数の『カミカミドラゴン』を瞬時に骸の海へと還すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「『立体的に機動する奴ぽいの』と『メモリ』は以前何処かの依頼で使用したような……?」
「ついに両方同時に来ちゃったの……」
　幼い声が海上に響く。
　七那原・望（封印されし果実・f04836）と七那原・エクル（ツインズキャスト・f07720）がハロウィン島の海中洞窟……その中に存在する空間内を『立体的に機動する奴ぽいの』で飛翔している。
　望が使っている『立体的に機動する奴ぽいの』はスタンダードなワイヤー式のもの。エクルは空間に足場を生成して移動するタイプの『立体的に機動する奴ぽいの』を用いてそれぞれ空中戦をコンキスタドール相手に仕掛けている。
「まぁ、深く考えても仕方ないや、今はコンキスタドールの残党を倒さないと」
　猟兵二人へと放たれた電撃攻撃ユーベルコード。それを『ストレンジバウンサー』の『ユーベルコードそのものへと干渉し、ユーベルコードの現象そのものを『掴む』事で攻撃と防御を突破する』力で文字通り『掌握』して投げ返していく。
「メモリの方はえくるんへの支援特化だし、今はまだ使わなくてもいいかな？」
　望が使うメモリは『ギフト』。
　『祝福の記憶』のメモリであるこれは『使用者の姿を果実に変換し、その果実を手にした人に取り込まれる事で取り込んだ人の能力を大幅に進化させる』という、望が言った通りの『支援特化型』のメモリだ。
　しかし今の所エクルは問題なく自身の『立体的に機動する奴ぽいの』を操り『カミカミドラゴン』を次々と撃破していっている。
「(望ほど軽快に機動力を発揮することはできないけど、そこはやり方次第でカバーできるからね)」
　望が有するスタンダードなワイヤー式の『立体的に機動する奴ぽいの』はワイヤーの巻き上げ効果を利用した高い機動力が売りのタイプ。
　対してエクルが所有するタイプは安定性こそあれど『爆発力』という意味ではワイヤー式には敵わない。
　だが、心中でエクルがそう呟いた通り……何事も『相性』と『発想力』、つまりは『使い手が上手く使いこなせるか』が全てを左右する。
「流石に使うのは4度目だし、その程度の電撃ではわたしは捉えられないのですよ？」
　それは望がワイヤー式が有する高機動力を活かした『絶・蘇威禍割（アブソリュートリィ・ディバイド）』による超高精度かつ神速の一刀と命中した箇所を概念的に粉砕する無数の剣閃による魔法剣。
　二つを組み合わせての遊撃的超高速魔法剣術の成立が良い例だろう。
「流石は望……ボクも負けられないね」
　比翼の凛とした姿に見惚れながらユーベルコードの電撃を掴み、それを『支え』として新体操の如く宙を舞うエクル。
　着地マットの代わりは『立体的に機動する奴ぽいの』が足場を空間そのものへと働きかけて生成し、その足場へと着地する。
「さて、気を取り直してカボチャ割りに行くの！」
「望、違うよ」
「え？違う？」
　超高速と機動力を活かした望の魔法剣。
　巧みな体捌きと戦術眼で翻弄するエクルのユーベルコード干渉型カウンター。
　そんな二人の超絶技は……夫婦の語りあいと同時にコンキスタドールへと繰り出されていくのであった。

「ハロウィン島！巨大南瓜だけでも面白いしメガリスまで出来るなんてね。これは見に行かなくちゃ！」
　強い好奇心に満ちた声色で『立体的に機動する奴ぽいの』を使っていくのはイスラ・ピノス（セイレーンの冒険商人・f26522）。
　彼女は全身を雷を発電吸収する泡のオーラで覆い、9600km/hに達する飛翔速度を獲得している。
　そんな超高速の速度の軌道を補佐しているのが、イスラが装着している『立体的に機動する奴ぽいの』なのだ。
「これ、普段だと速すぎて飛ぶ時動きが大味になっちゃうんだけどね……そこで『立体的に機動する奴ぽいの』！ここまで小回りや微調整、方向転換に活用して敵を翻弄できるとはね！」
　コンキスタドールの迎撃自体は当の超速度とオーラから放たれる雷を放出する事で事足りる。
　故に、イスラにとって今回の戦いは『立体的に機動する奴ぽいの』の操縦への慣らしと操縦することそのものを楽しむこと……それともう一つ。
「いやっほー！UDCアースの漫画で見たけど、相当機動力が出ているね！」
　本来はワイヤーを巻き取る際に出る力を利用して高速機動を実現させる装置なのだが、イスラが使う分には『高速の飛翔能力における微細な調整・操縦』を担う装置となっている。
　イスラは冒険商人らしくこの『立体的に機動する奴ぽいの』の利便性を己が利用する事で確認し、装置の使い方の方針を定めるのであった。

「成程成程。メモリはこの『マトリクス・メモリ』があるから良いけど……立体機動システムはキャバリア用アンカーに転用もしたいね」
　蒼き量産型キャバリア……の改造品たるキャバリア『ナインス・ライン』を等身大装甲ドレス化して空中を舞うのはリーゼロッテ・ローデンヴァルト（リリー先生って呼んでよ・f30386）。
　彼女は『立体的に機動する奴ぽいの』の利便性を猟兵の中でも屈指の技術力と戦術・戦略眼で見抜いていた。
　放電・溶断・トラップ・急制動……移動以外も用途多数にして最上の性能を持つ『立体的に機動する奴ぽいの』。
　それらをドレスの両脇に組み込み、更に前から有するメモリ『マトリクス』……『発生源の記憶』を内包するメモリを用いて改造していく。
「この『マトリクス』は利便性や汎用性……いや、万能性が売りのメモリ。『発生源』であるなら何でも再現可能なのさ」
　例え、それが『ワープゲートの発生源』であってもだ。
　竜の眼前に多数構築されたゲート。その出口に見えるのは……竜の己の尻尾。
「ソレで共食いさせて暴走している所をワイヤーで立体機動ってワケさ♪」
　空間を蹴って更に軌道変更、混乱させつつ両手のビーム銃で蜂の巣にしていくリーゼロッテ。
　キャバリアを変換させた等身大装甲ドレスを身に纏っている事もあり、リーゼロッテが放ち行った銃撃と立体機動は尋常ならざぬ速度で行われた。
　つまり、瞬殺という訳だ。

　こうして猟兵達の介入によってまた一つコンキスタドールの残党はこの強欲の大海から骸の海へと還っていった。
　だが、まだハロウィンの事件は終わらない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

第2章 冒険 『潜入、海中洞窟』

POW   :    けっこう素潜りでもなんとかなるよ SPD   :    道具を使えば楽勝さ WIZ   :    魔法を使えばどうにかなるさ 👑7 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「どうやら、運よくメモリを活かせそうな場所にあるみたいだな」
『シャーク！！』
　英語で『鮫』を意味する言葉が洞窟内に鳴り響く。
　その『シャークメモリ』を手にする空桐・清導（ブレイザイン・f28542）は鮫の能力を得ている。
　よって『人間』という肺呼吸を行う生物種でありながら、今の空桐は水中でも呼吸可能な生物へと変わっている。
　故に海中洞窟内の水場へと潜り込み、鰓呼吸が成す長時間の潜水によってショートカットを行っているのが現在の空桐のルートだ。
「しかしまぁ……入り組んでんなあ。さて、メモリは何処かね」
　一旦空気がある場所へと帰還して肺呼吸を再開。
　空気を本来の種としての方式で取り込んでいく。
「やっぱ空気が旨い……さて、空気がある所も散策しなきゃならないからな」
　瞬間、虚空に光焔が灯る。
　ブレイザインとしての能力である光焔の点火で視界を確保したのだ。
　そうして光源を手にして洞窟内を進んでいく空桐。
　途中、謎の転がる巨石に追いかけられ、弓矢が飛び出してくる罠に在って散々な目にあったのだがそれはまた別のお話。
「……ん？あの方向か！？」
　やがて目にするは、眩いばかりの光。
　その輝きは光焔とは異なる燦然さであり、メガリスについては造詣がそれほど詳しくない空桐であっても一目でその価値が分かる程の位階。
「そうそう、こういうのがロマンだよなあ」
　うきうきした声で回収しに向かっていく空桐。
　その彼が手にしているメモリが、『シャーク』から『ギガ・シャーク』に変じていることに気が付くのは、後のことであった。

「すんなり戦いも済んだね！流石皆歴戦！」
　それじゃ海中洞窟へレッツGO！……と言いかけてから一旦ユーベルコードの起動準備を行っていくのはイスラ・ピノス（セイレーンの冒険商人・f26522）。
　今回使うユーベルコードはセイレーンである彼女にとって馴染み深いとも言える術式。
「――『シェイプ・オブ・ウォーター！』」
　ソーダ水の雨や渦潮、ソーダ水槍を戦場内に振らせる事で味方を自由に動ける泡に包んだ上で深海と同じ環境へと改竄するユーベルコード。
　即ち環境改竄型系統のユーベルコード。
「皆それぞれ行く方法持っているだろうしそれに余計な事は言わないものの……泡に包んで進めるようにも出来るから良かったらね？」
　他の同族に気を配った旨の言葉を告げ、『立体的に機動する奴ぽいの』のワイヤーを駆使し洞窟内部を飛翔していくイスラ。
　この『立体的に機動する奴ぽいの』は歩くのが危なそうな場所や徒歩では歩き辛い穴も通りやすくなる機動性・足回りの良さがやはりウリの装置。
「これなら、皆で確認していけばそんなに苦戦せずに見つけられそうね」
　回収出来たらお仕事完了だね♪と機嫌良く鼻を鳴らして洞窟内部を立体的に飛翔していくイスラ。
　『立体的に機動する奴ぽいの』と『メモリ』のメガリスの回収も、ハロウィンの開幕も、猟兵達にとってはもうすぐの事であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「よしっ♪邪魔をするコンキスタドールはいなくなったね。そいじゃ、メガリス探索いってみよー！」
「カボチャを割るんじゃなくて二種類のメガリスを探していたのだったのー。すっかり忘れてたの」
　そんな幼い声が二つ。その主は七那原・エクル（ツインズキャスト・f07720）と七那原・望（封印されし果実・f04836）の二名。
　エクルは事前に用意していたヘッドライトを装備し、空間に足場を生成するタイプの『立体的に機動する奴ぽいの』を用いて洞窟内を飛翔。
　望は鈴の付いた白いタクト『共達・アマービレ』を振って大量の魔法猫を召喚して人海戦術を取っていく。
「と、望はユーベルコードも使うみたいだね」
「『不退の超重甲兵（モーロン・ラベ）』、防衛指令発動」
　更に望がユーベルコードを用いて召喚したのは114体の堅牢な装甲と巨大盾を装備した防御型機械兵。
　魔法猫の魔術行使だけでなく防御型機械兵の防御性能も活用し、望は指示を出していく。
「こちらも『オルタナティブ・ダブル』。ヒメ」
　そこにエクルも多重人格者の猟兵として女性人格である「ヒメ」を召喚。
　二人で協力してメガリスを探索する際にマトリクスバイザーの視覚機でメガリスが放つエネルギーの波動を探知を試みていく。
「あれ～……微弱な反応はあるみたいだけど、見つからない……え？仕方ないからワタシの超感覚と併せて探すから、バイザー貸せって……？」
　そうしてエクルのバイザーを奪い取ろうとするヒメとエクルの攻防が始まる。
　バイザーを巡る攻防は一瞬でヒメに軍配が上がり、エクルからバイザーを奪う。
「そんな簡単に見つかるわけ……え」

　同時刻、望はワイヤー式の『立体的に機動する奴ぽいの』をを用い、召喚した魔法猫や防御型機械兵では散策が難しそうな場所を飛翔していた。
「そう言えば……えくるんを凄まじく強化するギフトのメモリを凄まじく強化するメガリスという話なのです」
　比翼を強化するのが望のメモリ『ギフト』の力。
　ただそれのみに特化している故に、その出力は現在の状態でも強力なものだ。
「それらの恩恵を受けたえくるんがどこまで強くなっちゃうのかなんだかとっても楽しみなのー」
　第六感と野生の勘を頼りにしながら次のアンカーの射出する場所とタイミングを見計らっている望。
　そこに魔法猫が魔術でオラトリオの少女の傍へと寄り添っていく。
「どうしたのです？……そうですか。見つかりましたか」
　満足そうに魔法猫の毛並みを撫でる望。
　そうして『立体的に機動する奴ぽいの』で進んでいく方向を変え、一旦比翼の元へと戻っていく。
　やがてエクルを見つけた望。エクルの方も向かってくる望を見て声をかける。
「望、メガリスが見つかったよ……！」
「えくるん、メガリスが見つかったのです……！」
　その二重奏が終わると一瞬だけ静寂が洞窟内に満ち、やがて二人の笑い声が重なっていくのであった。

「さて、立体機動システムはメモリで改造完了……次はレア物で両者の強化と行こうか♪」
　水着に身を包んでリーゼロッテ・ローデンヴァルト（リリー先生って呼んでよ・f30386）は海中洞窟の中を進んでいく。
　まずは『マトリクス・メモリ』を取り込んで『呼吸の発生源』を宿し、潜水能力を確保。
　次に潜水状態でキャバリア副腕と換装するワイヤー機構と化した『立体的に機動する奴ぽいの』、『RX-B-856DM-LEX 立体機動用メガリス・ワイヤー『アウロラ』』を用いて水中を突破していく。
「と、上陸早々広い地下空間へと出たようだね」
　好都合と微笑むリーゼロッテは体内の『マトリクス・メモリ』を起動。
　再現する発生源は『超音波の発生源』。ソナー探査能力を得た彼女は立体機動テストを兼ねて海中洞窟内で高速ワイヤー移動を始めていく。
「成程ねぇ。中々に風を切る感覚が楽しいじゃないの……♪」
　そこにユーベルコード『Op.LIX:F.HUMMING [V]（フィーンドハミング・ヴィンテージ）』も同時に発動させ、洞窟内に隠されていた封印庫の扉。それらを全てメモリの権能で干渉して一時的に解錠していく。
「お？そこに在ったか。なら急いで行くとしますかねっと」
　唇を舐めてキャバリアをドレス化した衣装の機能に干渉するリーゼロッテ。
　瞬間、今までの立体起動を更に最適化した行動をドレスは『アウロラ』に演算出力させていく――

　そして、猟兵達五人は辿り着いた。
　『立体的に機動する奴ぽいの』と『メモリ』の二種類のメガリス。
　そのハロウィン島にて封印されていた特級品の元へと。
　それは封印が解除されると同時、ハロウィン島を光輝で包んでいく。
　やがて現出した光景は――猟兵とハロウィン島に住む人々の記憶に輝かしい思い出となって顕現するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2021年10月30日