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桜ノ匣庭~甘く美味な巡礼

#サクラミラージュ #桜ノ匣庭

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#桜ノ匣庭


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 彼女は、この日をずっとずっと、待ち焦がれていた。
 もう数年出版されていない、大好きな作家の新作が発売される日を。
 そしてファンとして、いつかは巡りたいと、そう思っていた。
 所謂、聖地巡礼……好きな作家に纏わる、ファンならば一度は行っておきたい場所を。
 けれど残念ながら、それはもう叶わない。
 だって彼女、朝倉・リコという女学生は――。
『櫻居先生の、新刊……なんで……こんなに、待っていたのに……!』
 推し作家の新作が発売される前に、死んでしまったのだから。

●彼の足跡
 聖地巡礼の定番、ひとつ目。
 かの作家は、この店がいたくお気に入りで、よく通っていたのだという。
 通称――『カスタマイズ朝ごはん屋さん』。
 その日の気分や好みに合わせた朝食が楽しめる、『ふくふく堂』という名の店に。
 和食な気分であれば、好きな具を乗せたおにぎりを。
 洋食がいいと思えば、美味なパンに好みの具を好きなだけ挟んだサンドイッチを。
 中華を楽しみたいのならば、様々な味付けでほっこり頂けるおかゆを。
 此処は、家庭の味に溢れた沢山の総菜や汁物も楽しめる、美味しい朝ごはんやさん。

 かの作家のファンならば外せない、ふたつ目。
 そこは、彼が作家としてデビューする前に働いていたという店。
 宝石の様に艶やかに熟れた果実たちで飾られた、美味で甘い芸術。
 帝都乙女たちの心と胃袋を掴んで離さない、人気のタルトの店『ビジュ・ドゥ』。
 ぎっしりイチゴ尽くしに、美しく螺旋状に並べられた桃、ねっとり濃厚なマンゴー、様々な果実が散りばめられたフルーツアラカルト、さっぱり味のシトロンのティラミスに、甘いものが苦手な人でも美味しく頂けるチーズや珈琲のタルト、季節の旬をふんだんにつかったものや、そして店の看板であるという桜のモンブランタルト等々。
 きっと好みのものが見つかる、沢山の種類の甘味が並ぶタルト屋さん。
 好きなものをがっつりでも、色々な味を少しずつでも、自由に好きなだけ楽しめる。

 彼のファンならば誰しもが憧れる地、みっつ目。
 以前はその作家の別荘であった、帝都の喧騒から離れた地に佇む立派な洋館。
 そこは、近隣の人々の手により提灯が灯された、夜の桜並木の奥にあるという。
 洋館の広大な庭では、提灯に照らされた桜の花見ができる。手入れされた見事な庭を散策し夜桜を楽しむのも良いし、最も桜が美しく見える場所を探すのも良いだろう。
 また、この館の中には、中庭を望めるお洒落な大正浪漫カフェー『桜廻廊』がある。
 だがこのカフェーは商品を渡すカウンターしかなく、決まった席はないという。
 贅沢豪華な装飾の椅子や、ふっかふかのソファー、人をダメにするクッションで埋め尽くされたカウチソファー、ちょっとヘンテコなチェアー等々、様々な種類の椅子と備え付けのテーブルが屋敷には点在しており、好きな椅子や場所で飲み物や軽食が頂けて。
 そして、この洋館にあるのは――沢山の本。
 洋館の棚に並んだ本たちは、自由に手に取って読めるという。
 また、自分の持参した本を寄贈したりもできるようだ。
 提灯が燈された庭でおこなう夜桜の宴にも、カフェーのものや館の本は持ち込めるし。
 館内でゆったりと、気になる本を読みながらお茶の時間を過ごしても良いし。
 本は読まずとも、レトロな洋館の空気感に酔いつつ、楽しくお喋りするも良い。
 窓から提灯に照る桜を眺めつついただくお茶も、風情があるだろうし。
 ふかふかのソファーにどっしり腰掛けて、贅沢に全メニュー制覇も良いだろう。
 作家の新作発売を記念した館オリジナルスイーツ『桜と苺のマリトッツォ』は帝都からはるばる買いに来るファンも多数で、ノンアルコールにもできる夜桜カクテルは定番の人気メニューだとのこと。

 そして聖地巡礼の定番である各名所は、いつもよりも余計に沢山の人で賑わっていた。
 だって、ここ数年ぱたりと活動が止まっていた、櫻居・四狼という名の作家の小説が。
 リコもずっと待ち望んでいた、彼の待望の新作が発売されたのだから。

●女学生の執着
「聖地巡礼、か。作品だけでなく、作家の足跡を追うのもファンの浪漫なのだろうか」
 筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)は予知を聞きに来てくれた皆に礼を告げた後、視た予知の内容を語り始める。
「帝都に、ことさらに傷ついた影朧が現れることが予知された。影朧は皆、多かれ少なかれ傷つき生まれる「弱いオブリビオン」なのだが、その中でもこの影朧は特に儚く、弱く感じられる。余程の辛い「過去」が具現化したのだろう」
 そんな儚く弱い影朧が帝都に現れた理由、それは。
「この影朧は、生前は朝倉・リコという名の女学生で、「果たせなかった執着」を叶えようと、雑踏でごった返す帝都の只中に現れるようだ。彼女は、人気作家である櫻居・四狼の熱烈なファンだというが。彼の新作が発売される前に死んでしまい、それを読めないという未練が、強い執着となったのではないかと」
 通常ならば、帝都を脅かす影朧は即座に斬るのが掟。だが、ひとたび無害と分かれば、帝都桜學府の目的である「影朧の救済」を優先するべきだ。
「なので今回は、「果たせなかった執着」を叶えるために歩き始める影朧……リコを、目的地まで導いて欲しい。そのためには、影朧が現れたことでパニックになる帝都の人々を安心させることが必要だが。猟兵の姿があれば、人々は安心するだろう。そしてリコは、作家の新作を読み、作家ゆかりの場所を巡る聖地巡礼を果たすことが望みであり、それが果たされれば己の死を受け入れる」
 つまり今回の依頼は、歩き始めたリコに同行し、帝都の人々の不安を取り除きつつも。
 リコの「執着」を果たさせてあげて欲しいと、そういうわけだ。

 そんな彼女の「執着」は、大好きな作家の新作を読み、彼にゆかりがある地を巡る事。
「まず巡礼一軒目は、通称『カスタマイズ朝ごはん屋さん』と呼ばれている『ふくふく堂』という名の食事処だ。二軒目は作家デビュー前に彼が働いていた人気のタルト店『ビジュ・ドゥ』、三軒目は彼の別荘であったという大正浪漫溢れる豪華な洋館にあるブックカフェー『桜廻廊』だ。発表された彼の新作は、洋館カフェーの本棚にあるので、そこでリコに読ませることができるだろう。あとは、かの作家のファンである彼女の執着を各所で満たしてあげれば、最後は死を受け入れリコは転生するだろう」
 発売されたのは、リコも大好きな櫻居・四狼の代表作――短編集『桜ノ匣庭』の新装版。
 櫻居・四狼は、この世界で売れっ子の人気作家で。繊細で独特な作品の世界観は勿論、整った容姿も相まり、絶大な人気を誇っている。そして急に姿を消したミステリアスさが、今でも熱烈な信者の心を掴んで離さないのだというが。
 大きな話題になっている理由は、『桜ノ匣庭』の新装版に、数年活動が見られなかった彼の書きおろしの新作『輪廻桜』という小説が収録されているからである。
 そして彼の新作を待ち望んでいたリコにとって、それを読む前に死んでしまったことは大きな未練となり、執着となっているというわけである。
「新しい巡りへと旅立っても……相変わらずの人気者なのだな」
 清史郎はそう呟きを落とし柔く微笑みつつも、リコの執着を果たしてやってくれ、と。
 掌に満開桜を咲かせ、甘やかで美味な常桜の世界へと猟兵達を導く。


志稲愛海
 志稲愛海です。
 よろしくお願いします!

 ※ご連絡※ 第1章は、7/20(火)朝8:31より受付開始します。
 第1章の追加冒頭をOP公開後に掲載致します。

 今回の依頼内容は以下で、全章イベシナ風です。

 第1章:血まみれ女学生(ボス戦)
 第2章:はかない影朧、町を歩く(冒険)
 第3章:夜桜の宴(日常)

 全章POW/SPD/WIZは気にせず、お好きな章のみのご参加も歓迎です。

 全章、影朧に必ずしも同行せずOKです。
 猟兵がいるだけで、十分な安心感を一般人に与えられるので。
 存分に楽しんでいただく行動で大丈夫です!

 第1章は、カスタマイズ朝ごはんやさん『ふくふく堂』で朝食がいただけます。
 和洋中華、それぞれお好みで選べ、朝食にぴったりのおかずや汁物も選べます。
 詳細は追加冒頭にて掲載致します。

 第2章は、人気店『ビジュ・ドゥ』で美味なタルトがいただけます。
 宝石の様な美しい果実などで飾られた、様々なタルトがいただけます。
 好みの1品を味わうも良し、少しずついくつも頼む事もできます。
 同行者とのシェアもご自由に! 各種飲み物も勿論あります。
 メニューの詳細等は、断章に掲載致します。

 第3章は、作家の別荘であった洋館で過ごすひとときです。
 夜になると近隣の人々が館に続く桜並木に提灯をともして。
 夜桜を鑑賞する『夜桜の宴』が館の庭で開かれます。
 庭で美味なものを持ち込み、花見や散策をしたり。
 豪華でレトロ感溢れる館内から景色を愛でてもOK。
 館にある本をお供にお茶を楽しんだりも。
 桜と苺のマリトッツォや夜桜カクテルが人気らしいです。
 詳細等は断章にて掲載致します。
 この章に限り、お声掛けあれば清史郎もご一緒させて頂きます。

 作家の櫻居・四郎は、#桜ノ匣庭 付き依頼に登場していますが。
 該当依頼未読でも全く問題ありません。

 公序良俗に反する事、他人への迷惑行為、未成年の飲酒喫煙は厳禁です。
 締切等はMS個別ページやTwitterでお知らせします。

●お願い
 同行者がいる場合は【相手の名前(呼称推奨)と、fからはじまるID】又は【グループ名】のご記入をお忘れなくお願いします。

 グループ参加の人数制限はありません、お一人様~何人ででもどうぞ!
 ですが、ご指定の同行者が参加していない場合は返金となる可能性もあります。

 可能な限り皆様書かせて頂きたく思っています。
 お気軽にご参加ください!
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第1章 ボス戦 『血まみれ女学生』

POW   :    乙女ノ血爪
【異様なまでに鋭く長く伸びた指の爪】が命中した対象を切断する。
SPD   :    血濡ラレタ哀哭
【悲しみの感情に満ちた叫び】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    応報ノ涙
全身を【目から溢れ出す黒い血の涙】で覆い、自身が敵から受けた【肉体的・精神的を問わない痛み】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●カスタマイズ朝ごはんやさん
 朝食、とひとことに言っても、好みや食べたい量はひとそれぞれ。
 その日の気分で、食べたいものだって違ってくる。
 慣れ親しんだ家庭の味や、育った世界などの環境でも、大きく違うもの。
 自分は朝食はパン派だ、いやいや朝は白米と味噌汁でないと……なんて。
 3食のうちで、最もその人の好みというものが色濃く出てくるものかもしれない。
 そう――それが、朝ごはん。
 これからはじまる、今日という一日を元気に乗り切るために。
 自分の好きな物を、好きなだけ食べて欲しい。
 また、自分のおすすめ朝食を、誰かに食べて貰ったり選びあったりなんてことも。
 そんな小さな幸福を提供してくれる、それがこの店『ふくふく堂』。

 やはり朝はごはん派! という貴方には、おにぎりがぴったり。
 羽釜で炊かれたふっくらごはんに、こだわりの塩をぱらり。
 ぱりっと鳴る海苔をお好みでくるりと巻いて、絶妙な力加減で握られたおにぎり。
 選べる具も沢山、定番の鮭や梅、おかか、昆布や明太子、じゃこ等は勿論のこと。
 ツナマヨやエビマヨ、イクラ、ねぎ味噌、チーズ、カルビ、そぼろ、すじこ、高菜、天ぷら、葉唐辛子、みそ納豆……豚キムチやミートボールやオムライス風なんかの変わったものも。
 定番×定番の組み合わせも可能、梅おかかやチーズおかかや昆布おかか、鮭明太や鮭チーズや鮭味噌、ツナマヨコーン等々、いわゆる味変も無限大。
 玄米おにぎりや五穀米、具なしの銀しゃりも当然頼めるし、焼きおにぎりにだってしてくれる。

 いや、朝はパンでないと……という貴方には。
 サンドイッチやトースト、ホットドック、ハンバーガーはいかがだろうか。
 シャキシャキレタスや新鮮なトマト、ぴりっとオニオンスライス、色鮮やかなパプリカと一緒に。
 ハムやたまご、ツナ、ソーセージや肉のパテなどの定番を挟むのもいいし。
 チーズやケチャップやマスタード、チリソースやカレーソースで味付けしてみても。
 がっつりトンカツやハムカツやチキンカツ、生ハムやポテトサラダやローストビーフやスパム、中には焼きそば等々も入れられるし。
 また、きんぴらごぼうや厚焼き玉子、豚味噌、鮭と菜の花などの和風味にしてみてもいいだろう。
 イチゴやキウイやバナナ、マンゴーやブルーベリーやミカンなどのフルーツと、生クリームや餡やカスタードやチョコなどを挟んだ、甘いフルーツサンドでも。

 ちょっとさっぱりと食べたいならば、おかゆがおすすめ。
 シンプルな玉子粥は、ほっこりと胃にとてもやさしいし。
 蒸し鶏やフカヒレや海老ワンタン、ふわりとした白身魚のつみれ、ピータンや牛すじ、キノコ、鮭等々、選べる具も沢山。
 チーズでリゾット風や、ピリッと辛い坦々風、身体に良い薬膳粥などもできるし。
 白ネギやザーサイ、なめたけやジャコや辛子味噌、パクチーなどの薬味も豊富だ。

 そして、用意されている主菜や副菜も豊富。
 和食ならば、定番の焼鮭や鯖の味噌煮等の魚メインでも、肉じゃがや豚の姜焼きや角煮や肉詰めなどの肉メインでも。
 玉子焼き、おひたし、きんぴら、和え物や酢の物、煮物、納豆、海苔などの副菜やごはんのお供も。
 洋食ならば、スクランブルエッグやポーチドエッグ、目玉焼きやオムレツ、ベーコンやソーセージ、ハッシュドポテト等々。
 点心や包子、蒸しものや炒め物などの中華風のおかずも用意されている。
 汁物も、味噌汁やお吸い物、コーンスープにクラムチャウダーにミネストローネ、玉子スープやワカメスープ等々、沢山の種類があるし。
 おにぎりと洋風のおかず、パンに和食や中華、など好きに組み合わせて、好きな物を好きなだけ選んで食べて貰って構わない。
 緑茶や玄米茶やウーロン茶、珈琲や紅茶、ジュースや牛乳などの飲物も勿論用意されている。

 何せ此処は――『カスタマイズ朝ごはんやさん』。
 そしてこの『ふくふく堂』が、客に提供するのは。
 美味しい朝ごはんと、おなかいっぱいの小さな幸せ。

●聖地巡礼
「櫻居先生は、ご出身地で食べ慣れている朝食は和食だとおっしゃっていましたが。とても甘党な人ですので、クリームたっぷり増し増しにした苺のフルーツサンドがお気に入りでしたね。飲み過ぎた翌朝は、玉子粥に生姜とおろしを加えたみぞれ粥をよく召し上がっていました」
 ふくふく堂の店主は慣れたように、そう色々と訊ねてくるファンと雑談を交わして。
「ええ、最新作『輪廻桜』は私も読みましたよ。侍の国からやって来た主人公の作家はまるで先生を思わせるようで、この店を元にした朝食シーンもあって。エピローグは、主人公が大事にしていた硯箱の目線から書かれていて……さすが先生の紡がれる物語は、繊細で美しいなと」
 それからふと、懐かしそうに瞳を細めてから。
 壁に飾ってある作家の、ちょっとちゃらい雰囲気のサインを見つつも続ける。
「最近はいらっしゃっていませんが……新作が発表されたということは、先生もお元気そうでなによりです」
 けれど店主は、すぐにハッと顔を上げて表情を変える。
 いや、店主だけではない。周囲の客も一瞬、揃って息を飲む。
『櫻居先生が、お好きだった……憧れの、朝ごはんやさん……!』
 推し作家の聖地巡礼という執着を果たすべく、朝倉・リコがやって来たから。


◆マスターより
 第1章は、お好きな朝ごはんが食べられる『ふくふく堂』で朝食が楽しめます。
 自分好みのものを好きな量食べていただけます。おかわりも歓迎です。
 誰かのためにおすすめの朝食を選んであげることも楽しいでしょうし。
 互いに選び合った朝食を交換こ、なども勿論お気軽に。
 OPや追加冒頭に出ていないものでも、食事処の品として違和感ないものであれば、ご自由に設定して食べていただいて構いません。
 食べ放題形式なので、好きな物を好きなだけどうぞ!
 形式にとらわれず、おにぎりの次はパン、とかでも構いません。
 リコに関しては、聖地巡礼ということなので。
 推し作家が好きなものを食べて貰うと喜ぶかもしれません。
 周囲の一般人は、最初は影朧にびっくりしたり怖がったりするかもしれませんが。
 猟兵がいるとわかるだけでも、随分不安は解消されるので。
 リコや一般人に構わずとも、店内で朝食を普通に楽しんで頂くだけで大丈夫です。
 その他に関しましては、OPやOP公開時のマスターコメントをご確認ください。
 送信締切等の連絡事項も、MS個別ページやタグ、Twitter等でお知らせ致します。
御園・桜花
「あまり帝都を離れたことがなかったので…朝から中華粥、にとても興味があったのです」
中華粥に海老雲呑とつみれとじゃこと辛落花生に搾菜、白髪葱投入
「三分粥なのに、味がはっきりして美味しいです…何杯でも食べられそう」

「白粥や卵粥は胃腸が弱った時に食べるので味も薄めでしょう?こんな美味しいお粥があったのですね…癖になりそうです」
2杯目は皮蛋と牛スジと輪切油条と白髪葱
3杯目は解し鮭と肉味噌と白髪葱
副菜は一口ずつ全制覇しようと意地汚い食い意地見せる

リコが来店したら手を振る
「貴女も聖地巡礼ですの?霙粥を食べるつもりが、つい中華粥に目移りしてしまって。貴女が霙粥を食べるなら、どんなだったか教えて下さいね」



 ひらりと桜花弁が舞い遊ぶ、見慣れた世界の朝の景色。
 けれど、辿り着いた目的――『ふくふく堂』という名の店へとやってきた御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)は、心なしかわくわく。
 そんな『ふくふく堂』が提供してくれるのは、カスタマイズ朝ごはん。
 和洋中華、自分で好きな朝食を好きなだけいただけるのだという。
 いや、一応此処を訪れた理由は、影朧の執着を果たしてあげて転生して貰うという、猟兵のお仕事なのだけれど。
 リコという影朧の執着を叶え、影朧に怯える帝都の人々に万一危害が加わらぬように。
 彼女が訪れたい場所……推し作家にゆかりのある場所へと同行すること、これが今回自分達がなすべき事で。
 所謂、ファンの聖地巡礼1軒目が此処、ふくふく堂であるというわけなのであるが。
 仕事は勿論、純粋に桜花は楽しみにしていた。
「あまり帝都を離れたことがなかったので……朝から中華粥、にとても興味があったのです」
 この世界では少し珍しい、中華粥の朝食をいただいてみたくて。
 お粥とひとことにいっても、乗せる具や味付け、ことこと炊き具合も好みがあるから。
 桜花は三分粥に海老雲呑とつみれとじゃこ、辛落花生に搾菜、白髪葱も入れて。
 いざ、はむりとひとくち、味わう様に口に運んでみれば。
「三分粥なのに、味がはっきりして美味しいです……何杯でも食べられそう」
 優しい口当たりだけど、ほわりと口の中に広がる味わいに笑み咲かせる。
 普段、わざわざこうやってお粥を選んで食べることも少ないし。
「白粥や卵粥は胃腸が弱った時に食べるので味も薄めでしょう?」
 お粥といえば、あまり食べ物を口に出来ない時にさらりと食べられるもの、みたいなイメージがあったけれど。
 でも、好みの具たちとお粥をさらさら口に運びながらも桜花は紡ぐ。
「こんな美味しいお粥があったのですね……癖になりそうです」
 そして1杯目を難なく完食すれば、おかわりの2杯目は違った味を。
 皮蛋と牛スジ、輪切油条と白髪葱を入れて。
 さらにそれもするりと食べてしまえば、まだまだいけそうだから。
 3杯目は解し鮭と肉味噌と白髪葱を入れてみる。
 勿論、中華粥だけでなく、美味しそうな副菜もいただきます!
 どうせならと一口ずつ全制覇しようと、ちょっぴり意地汚い食い意地を見せつつも。
 あれもこれもとちょこっとずつ皿に盛っていれば、ざわりと一瞬店内が騒めいて。
『先生……櫻居先生が、いらっしゃってたお店……!』
 桜花は不安そうにしている帝都の人々を安心させるべく。
 来店した影朧・リコへと手を振って、声を掛ける。
「貴女も聖地巡礼ですの? 霙粥を食べるつもりが、つい中華粥に目移りしてしまって」
『みぞれ……先生がお好きなもの?』
「ええ、よく召し上がっていたそうですね」
 桜花は友好的に彼女の推し作家の話を交えつつも、3杯目を頂きながら続ける。
 ――貴女が霙粥を食べるなら、どんなだったか教えて下さいね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黄・依恋
【桃虎】
ふふ♪可愛いお店だなぁ

ってなわけであとは分かってるよね、フェイ?(にこっ
そうそう、上出来♪
でも「はい」は一回で良いんだよぉ

待つ合間
足をぱたぱたさせながら
佇むリコさんと、作家さんのサインを順番に見て

死んでもなお
憧れの人の縁を辿ることに執着するなんて
それってもう「恋」だよねぇ

…なぁに、フェイ
じーっと見つめちゃうくらい僕の顔は可愛いけどぉ

へー
僕と言えば映えなやつ!…ってくるかなぁって思ってたから
そっかそっか~
…今日はおかゆの気分だったし、及第点かな♪

でも「聖地」では「推しの好きなもの」を食べなきゃね
そういうとこ察しなきゃセンス無し男だよ~?

ってことで
店員さ~ん、苺のフルーツサンドくださぁい♪


云・翡翠
【桃虎】
はいはいはぁい
お花畑なご主人様にぴったり~な
かわい~いヤツを選んでくればいいんでしょ

己はあまり食に興味無いため
種類があってもときめかない
でもここで間違ったらあとが怖ぇんだよなぁ
めんどくせぇなぁ…

あの顔
絶対「いいなぁ僕も死んでも焦がれるくらいの恋がしたいなぁ(はぁと)」とか思ってんだろーなぁ

…ソーデスネ
そいじゃ、しもべが選んだ朝食をドーゾ

海老とホタテの中華粥
桃まん&ゴマ団子に水出し茉莉花茶

こいつ意外と奇を衒うより食べつけたやつがいい派なんだよなぁ
見た目より爺さんだからかね
…あぶね、口に出しそうになったわ

…あっそ
後学のために覚えときますネー

テーブルに肘つき頬杖ついて
くわぁと大きな欠伸ひとつ



 店のマスコットキャラクターであるのだろうか。
 所謂ゆるキャラという類の、ぽてっとした愛らしいひよこさんが吹き出しで告げている。
 ――ココは朝ごはんやさん『ふくふく堂』だピヨ、と。
 そんなほっこりゆるかわな看板を掲げた店の中へと足を踏み入れて。
「ふふ♪ 可愛いお店だなぁ」
 どこかほのぼのキュートな雰囲気の店内を満足気に見回すのは、黄・依恋(ただひとつ・f33845)。
 それから桃色の瞳を、共に在る云・翡翠(まさかさかさま・f33248)へと向ければ。
「ってなわけであとは分かってるよね、フェイ?」
 ――にこっ。
 言わなくても分かるよね的な、とってもいい笑顔。
 そしてそんな彼の言動にも慣れたように、でもわざとらしい溜息をひとつ落としつつも。
「はいはいはぁい。お花畑なご主人様にぴったり~な、かわい~いヤツを選んでくればいいんでしょ」
「そうそう、上出来♪」
 言った翡翠に、こくりと頷く依恋だけれど。
 彼を見つめたまま、こてりと首を傾けてこう続ける。
 ……でも「はい」は一回で良いんだよぉ、って。
 そんな依恋がご所望の、かわい~いヤツを選ぶべく。
 翡翠はずらりと並ぶ主菜やおかずたちを見回してみるけれど。
 正直、あまり食に興味がないため、種類があってもときめかないし。
 かといって、適当にちゃちゃっと選ぶわけにもいかない。
(「でもここで間違ったらあとが怖ぇんだよなぁ」)
 とりあえず、盛り付ける皿は可愛いゆるかわひよこさんが描かれたものにしながらも。
「めんどくせぇなぁ……」
 そうぼそりと呟き、再び大きく溜息をつく翡翠。
 そんな彼が、かわい~いヤツを選んで戻ってくるのを待ちながら。
 依恋は足をぱたぱた、もう一度店内へと桃色の視線を巡らせてみるけれど。
 その瞳にふと、順に映すのは――。
『はわ、わわわ……櫻居先生の、サイン……』
 そう感激し語彙力を失って佇むリコと、彼女の推し作家のサイン。
 そして、ぽうっと頬を赤らめ、ひたすら作家のちょっとちゃらいサインが書かれた色紙を眺めているリコを見て。
(「死んでもなお、憧れの人の縁を辿ることに執着するなんて」)
 ――それってもう「恋」だよねぇ。
 そう両手を頬に当てた可愛い頬杖をつきながらも依恋が漏らすのは、はぁっと憧れるような溜息。
 そんな様子を、ちらり。
 朝ごはんを盛り終わって席に戻りながら、翡翠は依恋を見つつも思う。
(「あの顔、絶対「いいなぁ僕も死んでも焦がれるくらいの恋がしたいなぁ(はぁと)」とか思ってんだろーなぁ」)
 ええ、その通りの大正解です!
 そして、自分をじぃっと見ている彼の視線に依恋は気付いて、もう一度首をこてり。
「……なぁに、フェイ。じーっと見つめちゃうくらい僕の顔は可愛いけどぉ」
「……ソーデスネ」
 これぞ棒読み、みたいな声色で翡翠は返してから。
「そいじゃ、しもべが選んだ朝食をドーゾ」
 選んできたものを、彼の前へと並べる。
 そんな翡翠が見繕った、かわい~い朝食の献立は。
 ぷりぷりの海老とホタテが入った中華粥に、桃まんとゴマ団子。飲み物に、水出し茉莉花茶を添えて。
 すごく普通に、美味しそう。
「へー、僕と言えば映えなやつ! ……ってくるかなぁって思ってたから」
 依恋は彼の選んだ朝食へと目をやりつつも、そっかそっか~、とこくこく。
「……今日はおかゆの気分だったし、及第点かな♪」
 そう満更でもなく頷く依恋に、翡翠はそっと思う。
(「こいつ意外と奇を衒うより食べつけたやつがいい派なんだよなぁ」)
 ――見た目より爺さんだからかね、なんて。
(「……あぶね、口に出しそうになったわ」)
 寸でのところで、ぎりぎり踏み止まりました!
 いえ、翡翠の選んだ朝ごはんは、とても美味しそうな及第点ではあるのだけれど。
 依恋は微笑み宿したまま、こんなダメ出しを……?
「でも「聖地」では「推しの好きなもの」を食べなきゃね。そういうとこ察しなきゃセンス無し男だよ~?」
「……あっそ、後学のために覚えときますネー」
 翡翠はそんなセンス無し男呼ばわりにも構わず、テーブルに肘つきの頬杖をついて。
 くわぁと、大きな欠伸をひとつ。
 そんな翡翠の様子を後目に、依恋は通りかかった店員を手招いて。
「ってことで――店員さ~ん、苺のフルーツサンドくださぁい♪」
 かわい~い追加注文を!
 そう……これは、リコの推し作家の聖地巡礼なのだから。
 作家が好きだという、クリーム増し増しな苺のフルーツサンドを様式美に則って頼みながらも。
 依恋は可愛く、もう一度――にこっ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルーシー・ブルーベル
【月光】

セーチジュンレイ…って、なあに?
ゆぇパパはしたことある?
さすがパパ物知り!
…?もしかして、この作家さんご存じ?

ちゃんと朝ごはんはぬいてきたわ!
お腹ぺこぺこ
ふくふく堂さん行きましょう、パパ
くいと繋いだ手をひいて

うーん色々な朝ごはんある…どうしようかな
あっ、おにぎり!
うん、一緒おにぎりする!
具はね、おかかが好き
おかかって鮭の細かいものでしょ?あれ、ちがう?
鮭じゃなくカツオブシってお魚なのね
えっ、パパ作れるの?

パパのもおいしそう
ね、ルーシーのと一つ交換しない?
えへ、やったあ
口いっぱいにモグモグ
これが鮭ね、おいしい!

大好きなパパと朝からおでかけ朝ごはん
作家さんではないけれど
良い案がひらめきそう


朧・ユェー
【月光】

聖地巡礼というのは、書いた作者さんの行った場所や物語で出てきた場所などを行って
同じ様に感じたりするのですよ
した事はないですが
えぇ、バレてしまいましたか

楽しそうに手を引く娘にふふっと笑って
今日の朝ご飯を楽しみにしてましたものね
では一緒におにぎりにしましょうか?
おかかは鮭では無く、かつお節を醤油で味付けしたものですよ
そういう魚では……かつお節はどんなものか今度作りますね

僕ですか?そうですね
では、鮭を
えぇ、では一つ取り替えっこですね
焼きおにぎりも美味しいですよ
沢山食べてますか?

娘どの朝ご飯
一人で食べるよりも美味しく感じますね
ふふっ、ルーシーちゃんが書く物語、見てみたいですね



 今日もひらりと花弁が舞う、常桜の世界を並んで行きながら。
「セーチジュンレイ……って、なあに? ゆぇパパはしたことある?」
 ルーシー・ブルーベル(ミオソティス・f11656)はこてりと首を傾げつつも、手を繋いでいる朧・ユェー(零月ノ鬼・f06712)を見上げて。
「聖地巡礼というのは、書いた作者さんの行った場所や物語で出てきた場所などに行って、同じ様に感じたりするのですよ」
 した事はないですが、と付け加えつつも、ユェーが教えてあげれば。
「さすがパパ物知り!」
 そう感心した様に声をあげるけれど、ふともう一度首を傾けるルーシー。
「……? もしかして、この作家さんご存じ?」
「えぇ、バレてしまいましたか」
 そんな彼女の声に、ユェーはふふっと笑んで返す。
 今回の案件は、この作家の熱烈なファンであったという影朧の執着を叶えてあげること。
 彼の新作を読ませてあげて、聖地巡礼を果たさせてあげるのがお仕事であるが。
 ルーシーは、心得ているといわんばかりにひとつ大きく頷く。
「ちゃんと朝ごはんはぬいてきたわ!」
 でもだから、お腹ぺこぺこで。今にもお腹の音が鳴ってしまいそうだから。
 ――ふくふく堂さん行きましょう、パパ。
 ルーシーは、くいと繋いだ彼の大きな手をひいて。
「今日の朝ご飯を楽しみにしてましたものね」
 楽しそうに手を引く娘にふふっと笑って、ユェーは彼女と仲良く並んで歩く。
 聖地巡礼の1軒目……カスタマイズ朝ごはんやさんこと、ふくふく堂へと。
 そして店に辿り着けば、聞いていた通り、美味しそうなものがいっぱい並んでいて。
「うーん色々な朝ごはんある……どうしようかな」
 ルーシーはそう思わずきょろり、色々と目移りしてしまうけれど。
「では一緒におにぎりにしましょうか?」
「あっ、おにぎり! うん、一緒おにぎりする!」
 今日の朝ごはんは、ふたり一緒に、おにぎりに決定!
「具はね、おかかが好き」
 ルーシーはお目当てのおかかを見つけて、こう続ける。
「おかかって鮭の細かいものでしょ?」
 でもすぐに……あれ、ちがう? って、きょとり。
 そんな彼女に、ユェーはおかかの正体を教えてあげるのだけれど。
「おかかは鮭では無く、かつお節を醤油で味付けしたものですよ」
 ルーシーはまた、物知りな彼へと感心した眼差しを向けて。
「鮭じゃなくカツオブシってお魚なのね」
「そういう魚では……かつお節はどんなものか今度作りますね」
「えっ、パパ作れるの?」
 具としておいてあるおかかとユェーを交互に見つつ、ルーシーは瞳を思わずぱちくり。
 それから再び、彼に訊ねてみる。
「パパは、何のおにぎりにするの?」
「僕ですか? そうですね……では、鮭を」
 そしてふたり、おかかと鮭のおにぎりを握って貰って。
 いざ、いただきまーす! ……したのだけれど。
「パパのもおいしそう。ね、ルーシーのと一つ交換しない?」
 じいっとユェーの鮭おにぎりを見つめ、そうお願いしてみるルーシー。
 そんな申し出に勿論、ユェーは微笑みと共に頷き返して。
「えぇ、では一つ取り替えっこですね」
「えへ、やったあ」
 ルーシーは貰った鮭おにぎりを早速、ぱくりっ。
 口いっぱいにモグモグしてから、ぱあっと笑顔を宿して。
「これが鮭ね、おいしい!」
「沢山食べてますか? 焼きおにぎりも美味しいですよ」
 香ばしいやきおにぎりも、彼女へと勧めてみる。
 それから、すぐ目の前でほわほわ幸せそうに美味しい朝ごはんを食べている様子に、ユェーはそっと瞳細め紡ぐ。
 娘との朝ご飯――ひとりで食べるよりも美味しく感じますね、って。
 そして、大好きなパパと朝からおでかけ朝ごはん。
 ルーシーは大好きなおかかは勿論、焼きおにぎりもはむはむ。
 美味しく沢山いただきながら、目の前の彼へと笑って紡ぐ。
「作家さんではないけれど、良い案がひらめきそう」
「ふふっ、ルーシーちゃんが書く物語、見てみたいですね」
 朝ごはんは、一日を頑張るための元気の源になるっていうから。
 もしかしたら、かの作家の小説のようにベストセラーになっちゃう物語もピンと閃く……かも、しれません?

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

インディゴ・クロワッサン
カスタマイズ朝ごはん!良いねぇ…
私服に着替えてお邪魔しまーす!

うん、洋食も食べたくなるんだ、でも…
「何でかいっつも和食(コレ)選んじゃうんだよねー」
おにぎりは焼き鮭とすじこにして、おかずはとろとろのスクランブルエッグ!
「自分で作るとも少し火を入れたくなっちゃって、結果 炒り卵になっちゃうんだよねぇ…」
あ、後はベーコンときんぴらにしよーっと
「朝からお味噌汁って贅沢だし、最高だよねぇ…」
僕は王道のワカメとお揚げさんとお豆腐推しだなぁ…
「あ、玄米茶あるじゃーん!」
時期的に冷たいのってありがたいねぇ…

「んー 幸せぇ… もっかいごはんセット食べよーっと!」
具材もおかずも、色々変えていっぱい食べるぞー!



 なにかとさっと済ませてしまうこともありがちな朝食だけれど。
 1日の始まりに、好きな物を好きなだけ食べて欲しい。
 そんな、自由に自分好みの朝ごはんがいただける店――それが『ふくふく堂』。
 この店に足を向ける理由は、猟兵としての仕事でもあるのだけれど。
「カスタマイズ朝ごはん! 良いねぇ……」
 私服に着替えてやって来たインディゴ・クロワッサン(藍染め三日月・f07157)は、お邪魔しまーす! と朝ごはんやさんへとわくわく入店する。
 猟兵である自分が満喫している姿を見せれば、帝都の人々の不安も解消できるから。
 和洋中華、沢山並ぶ美味しそうな主菜やおかずへと早速ぐるり視線を巡らせてみて。
(「うん、洋食も食べたくなるんだ、でも……」)
 インディゴが箸を伸ばしたのは、やはり。
「何でかいっつもコレ選んじゃうんだよねー」
 朝はごはん派? 和食のものを。
 おにぎりは香ばしい焼き鮭とすじこにして。
「自分で作るとも少し火を入れたくなっちゃって、結果、炒り卵になっちゃうんだよねぇ……」
 おかずはプロ仕様の、とろとろ半熟なスクランブルエッグ!
 いや、おかずはそれだけでは勿論ありません。
「あ、後はベーコンときんぴらにしよーっと」
 カリッと焼けたベーコンと優しい味付けのきんぴらも皿に入れて。
 そして主菜、副菜と選べば……これも欠かせません。
「朝からお味噌汁って贅沢だし、最高だよねぇ……」
 そう、やはり和食の朝ごはんといえば、味噌汁は必須です!
 味噌汁とひとことにいっても、色々な具を楽しめるけれど。
「僕は王道のワカメとお揚げさんとお豆腐推しだなぁ……」
 インディゴが選ぶのは、定番だけど絶対に間違いがない、揚げと豆腐の味噌汁。
 それを椀によそってから、食べたいものの取り忘れがないか、もう一度見回してみれば。
「あ、玄米茶あるじゃーん! 時期的に冷たいのってありがたいねぇ……」
 香ばしい味わいの冷たい玄米茶を添えれば、インディゴだけの特別な朝ごはんが完成!
 いただきますと手を合わせ、早速はむはむ口に運んでいけば。
「んー 幸せぇ……もっかいごはんセット食べよーっと!」
 思わずほうっと溜息が漏れるほど、朝から楽しめるささやかな美味しい贅沢。
 インディゴはおかわりもまた、ごはんセットにしようと思うけれど。
 ぐっと気合十分ながらも、わくわくと心躍らせる。
「具材もおかずも、色々変えていっぱい食べるぞー!」
 同じごはんセットでも、また全然違った味だって、まだまだ沢山楽しめるのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「あら、来たのね」

…食事系のお話だけど、今回は大丈夫。
だって。

「知っているかしら。櫻居先生は玉子粥に生姜とおろしを加えたみぞれ粥がお好きだそうよ?」

ええ、リコさんにしっかり食べてもらうわ。
食べるのは私じゃないから問題ないわね(最近体重計が敵なのです)

そしてこれはお仕事を進める事にもなるから、一石二鳥よ。

「先生と同じクリームたっぷり増し増しにした苺のフルーツサンドはどうかしら?」

周囲の人を安心させつつ、おススメ連続よ。



 キュートなゆるかわひよこさんの看板が目印の、ほっこり家庭的な佇まい。
 そんな『ふくふく堂』からは、今日も朝から、とても良い匂いが漂ってきている。
 この店は、カスタマイズ朝ごはん屋さん――お好みのものや量を自由に選べて、客も大満足な朝食を提供してくれるのだという。
 そしてこの店は、サクラミラージュの人気作家が一時期通っていたと言われていて。
 ファンの間では、所謂聖地だと言われている。
 そんな作家の、熱烈なファンのひとり。
「あら、来たのね」
 ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は、刹那ざわめく帝都の人々の不安がる視線の先を見遣って。
『……櫻居先生も、よくいらっしゃっていたお店……!』
 興奮気味にそう紡ぎつつ入店してきた彼女、リコへと色の違った瞳を向ける。
 リコも、櫻居・四狼という作家の作品が大好きで、所謂聖地巡礼をしたいのだというが。
 問題は――彼女が、影朧であるということ。
 とはいえ、その力は弱く無害だというから。
 ヴィオレッタは、そんな彼女の執着を全力で叶えてあげるべく。
 ……食事系のお話だけど、今回は大丈夫。
 そうこくりと頷いた後、リコへと声を掛ける。
「知っているかしら。櫻居先生は玉子粥に生姜とおろしを加えたみぞれ粥がお好きだそうよ?」
『! 私も先生とおなじものが、食べたい……っ』
 何かやはりずっと何かしら食べている気がするけれど、今回はきっとそうはならないはず。
 ――だって。
(「ええ、リコさんにしっかり食べてもらうわ。食べるのは私じゃないから問題ないわね」)
 最近のヴィオレッタの敵は、体重計であるから。
 しかも、そんな体重増加という恐ろしい攻撃を避けられるだけでなく。
(「そしてこれはお仕事を進める事にもなるから、一石二鳥よ」)
「先生と同じクリームたっぷり増し増しにした苺のフルーツサンドはどうかしら?」
『それも、もちろん……いただきたい!』
 ぱあっと瞳を輝かせるリコの執着を果たしてあげるという、猟兵としての目的も満たせます!
 それに猟兵である自分が傍についていれば、周囲の人達だって安心するから。
 ヴィオレッタは興奮するほど喜ぶリコへと次々繰り出す。
 ――おススメ連続よ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳴上・冬季
「朝から甘味ですか。それは素晴らしい。私もそこそこ甘党なので、甘党の方が好んだ甘味にはとても興味があります」

最初は作家定番のクリームマシマシ苺のフルーツサンド
緑茶にニッキとたっぷり砂糖を入れたものを飲みながらいただく

「なかなか程よい甘さでした。ただ目覚めの朝の食ですので、もっとパンチのきいた甘さでも良いかもしれません。私はこのくらいの甘さが普通なのですが、もっと甘いクリームや甘いサンドイッチはありますか」
主人に仙丹(激甘)を渡す

その後も甘い卵焼き、甘いフレンチトースト、激甘煮物等甘いものだけを食べ続ける

「貴方には少々我が儘も叶えていただきましたから。今後のお近づきの印にどうぞ」
店主に仙桃渡す



 朝食とひとことにいっても、実はかなり奥が深いものなのかもしれない。
 ごはん派もいれば、パン派もいて、簡単に済ませたい人もいれば、がっつり食べたい人も。
 そんな好みに個人差がある朝食を、ひとりひとり好きなように楽しんで貰いたいと。
 好みの朝ごはんがいただける店……それがこの『ふくふく堂』であるが。
 ごはん派、パン派、それに――甘味派。
 どんな好みの朝食でも、楽しめる店なのである。
 実際、この店が気に入っていた人気作家も、大層な甘い物好きだったというけれど。
「朝から甘味ですか。それは素晴らしい。私もそこそこ甘党なので、甘党の方が好んだ甘味にはとても興味があります」
 話を聞きつけ、満を持して入店したのは、鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)。
 勿論その言葉通り、迷いなくチョイスするのは、あまーい朝ごはん。
 最初は軽く、作家が定番で頼んでいたという、クリームマシマシ苺のフルーツサンドを頼んでみて。
 それに添える飲み物も、当然あまーいもの。
 クリームましまし苺フルーツサンドと共にいただくのは、緑茶にニッキとたっぷり砂糖を入れたもの。
 ごはん派やパン派からしたら、胸やけしてしまいそうな朝ごはんだけれど。
 冬季は涼しい顔でぺろりとそれらを完食してから、店主へと声を掛ける。
「なかなか程よい甘さでした。ただ目覚めの朝の食ですので、もっとパンチのきいた甘さでも良いかもしれません」
「え!? もっと甘いものですか?」
「ええ、私はこのくらいの甘さが普通なのですが、もっと甘いクリームや甘いサンドイッチはありますか」
「もっと甘い方がお好みなら、勿論お作りしますけど……櫻居先生みたいな朝から甘い物を召し上がる方が、他にもいらっしゃるんですね……」
 件の作家も甘い物が好きだったようだが、冬季の言葉にさらに驚きを隠せない店主。
 そんな店主に、仙丹を渡す冬季。ええ勿論、激甘です!
 そして彼のご所望通り、その後も怒涛の甘いもの三昧。
 めちゃめちゃあまーい卵焼きに、これまた砂糖たっぷりなどろ甘フレンチトースト、激甘煮物などなど……。
 ちょっと箸休めに違う味、なんてしません。
 とにかくひたすら、甘いものだけをもぐもぐはむはむと、平気な顔で食べ続ける冬季。
 それから激甘盛り盛りデザートまで美味しくいただいた後。
「貴方には少々我が儘も叶えていただきましたから。今後のお近づきの印にどうぞ」
「えっ、あ……有難うございます」
 帰り際に冬季は、甘い物を出し続けてくれた礼にと店主へと再び渡す。
 やっぱりよく熟れた、超激甘な仙桃を。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真宮・響
【真宮家】で参加

ふむ、件の櫻居・四狼は転生先でも上手くやってるようで。新作出たようで。思いがけずあの男の影響は広いね。聖地というらしいが、そういうものも残されているなんて余程だよ。

まあ、まずは朝ごはんといくか。アタシはキノコと鮭のおかゆにオムレツにコーンスープ。かなり豪勢だが折角カスタマイズできるから。まあ、アタシより子供達が楽しそうだが。

今日のお出かけは長くなりそうだが・・・物騒な事はどうやらなさそうだしね。件の影朧の娘は注意してみておくが、純粋に聖地巡礼を楽しんでいるようなら手を出さないでおいて、家族で楽しむとするか。


真宮・奏
【真宮家】で参加

櫻居・四狼先生、無事転生して新作を出されたようで。影響の大きさは知ってたつもりですが、聖地まで存在するとは。彼の先生は性格はさておいて、偉大な作家だったようですね。

まずは朝ごはん。おかかとすじこのおにぎりに梅の焼きおにぎりと豚の生姜焼きにおひたしに味噌汁!!これだけ食べれば一日の巡礼の旅にも耐えれます!!美味しくてしあわせ~。

今回は武器を取る必要はなさそうですし、影朧の娘さんに心残りがないように聖地巡礼の旅が出来るように、お姿を確認したら邪魔しないで、家族で聖地巡礼の旅を楽しみましょう!!これからどんな事が待っているのかなあ。


神城・瞬
【真宮家】で参加

「輪廻桜」は僕も読みましたが、素晴らしい小説でした。聖地が存在するとは結構色んな所出歩いていたんですね、あの先生。読者としては、聖地巡礼はぜひしておきたいところ。

まず朝ごはんはハムとツナのサンドイッチとブルーベリーのフルーツサンドに春巻き、わかめスープ。結構豪勢ですが長い聖地巡礼の為にはパワー付けないと。

件の影朧の娘さんは同じファンとして気持ちは良く分かるので、お姿を確認しただけで何もしないで置きます。長年待った新作、読まないで死ぬとは死んでも死に切れませんよね。僕は家族三人で、ゆっくり楽しみましょう。



 1日の始まりに、好きなものを好きな量食べられること。
 足を踏み入れたこの店『ふくふく堂』は、そんな朝ごはんを提供してくれる店で。
 人気作家である櫻居・四狼も通っていたのだという。
 そして、その話を聞きつけ訪れる彼のファンたち。
『……この店で、よく先生が朝ごはんを……』
 影朧となってまで彼の足跡を辿らんと、やってくるのだ。
 そんなリコという影朧が強い執着を持ってしまったのは、そんな推し作家の新作が数年ぶりに出たからである。
 見回してみた店内には、店に飾ってある彼のサインをキャッキャ眺めたり、彼の小説の話をしている者たちも見受けられる。
 けれど……そんな熱狂的なファンたちであっても、知らない。
「櫻居・四狼先生、無事転生されましたが。新作を出されたようで」
「ふむ、件の櫻居・四狼は転生した後も上手くやってるようだね。新作も出たようで」
 ファンたちの様子を眺めながら、真宮・奏(絢爛の星・f03210)と真宮・響(赫灼の炎・f00434)が言ったように。
 彼の残影であった存在が転生の道を受け入れ、正しい輪廻に戻ったということを。
「影響の大きさは知ってたつもりですが、聖地まで存在するとは」
「思いがけずあの男の影響は広いね。聖地というらしいが、そういうものも残されているなんて余程だよ」
「彼の先生は性格はさておいて、偉大な作家だったようですね」
 実際に影朧になった作家が起こした事件に関わったことがある奏と響も、感じてはいた。
 ちょっぴり性格はちゃらかったけれど、でも彼は人気作家で、影響力もある人物だったことを。
 それはやはり彼の書くものが、人々の心に何らか刺さるようなものだからであるのだろう。
「『輪廻桜』は僕も読みましたが、素晴らしい小説でした」
 数年ぶりに発表された彼の話題の新作を実際に読んだ神城・瞬(清光の月・f06558)は、彼が紡いだという物語を思い返しながらも奏や響の言葉に頷く。
「聖地が存在するとは結構色んな所出歩いていたんですね、あの先生。読者としては、聖地巡礼はぜひしておきたいところ」
 誰かが、言っていた。彼はまるで蝶のように、花から花へと飛び回る人だと。
 そしてそんな彼の足跡を辿ってみたいと思うのが、読者心というわけである。
 そのひとつが此処、『ふくふく堂』であるのだが。
「まあ、まずは朝ごはんといくか」
 影朧のリコは非常に弱い存在の影朧、見張っていれば問題はなさそうだから。
 響は訪れている人を安心させるためにも、店で朝食をとることに。
 和洋中華、好みのものが並ぶメニューを一通り見回して。選んだのは、キノコと鮭のおかゆにオムレツにコーンスープ。
(「かなり豪勢だが折角カスタマイズできるから」)
 けれど、自分よりももっと楽しそうなのは。
「まずは朝ごはん。おかかとすじこのおにぎりに梅の焼きおにぎりと豚の生姜焼きにおひたしに味噌汁!! これだけ食べれば一日の巡礼の旅にも耐えれます!!」
「僕は、ハムとツナのサンドイッチとブルーベリーのフルーツサンドに春巻き、わかめスープに。結構豪勢ですが長い聖地巡礼の為にはパワー付けないと」
 それぞれ、好きなものを好きなだけ皿に盛っている子供達。
 奏は早速、瞳をキラキラさせつつ手を合わせてから。いただきます、ともぐもぐ口にすれば。
 ……美味しくてしあわせ~。
 そう、ほくほくと満面の笑み宿す。
 楽しくて美味しい朝ごはんを食べれば、これから1日の幸せな活力に。
 いや、この店を訪れている理由は、影朧のリコの案件が予知されたからなのだけれど。
「今日のお出かけは長くなりそうだが……物騒な事はどうやらなさそうだしね」
「今回は武器を取る必要はなさそうですし、影朧の娘さんに心残りがないように聖地巡礼の旅が出来るように、邪魔しないで、家族で聖地巡礼の旅を楽しみましょう!!」
 勿論、件の影朧の娘・リコのことは注意しておくけれど。
 ……これからどんな事が待っているのかなあ、なんて。
 はむりとおにぎりを食べながら言った奏に、響と瞬も同意するように瞳を細める。
(「純粋に聖地巡礼を楽しんでいるようなら手を出さないでおいて、家族で楽しむとするか」)
(「件の影朧の娘さんは同じファンとして気持ちは良く分かるので、お姿を確認しただけで何もしないでおきましょうか」)
 有事にはすぐに動けるようにしておきつつも、でも基本はリコの執着が果たせるよう、好きなようにさせる方針の真宮家。
「長年待った新作、読まないで死ぬとは死んでも死に切れませんよね」
 作家の新作はチェック済なほど読書が好きな瞬には、その気持ちが分かるから。
 嬉しそうに店内を見回すリコの様子を窺いながらも、フルーツサンドを口にする。
 ……僕も家族三人で、ゆっくり楽しみましょう、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ロカジ・ミナイ
有ちゃん(f00133)

二日酔いの朝っていったら味噌汁じゃない?
僕はほとんど毎朝、起きたら味噌汁を作るのよ
どんなお薬より効くからねぇ……
……あっ、これは君と僕の企業秘密よ
……まぁおっしゃる通りですけども?全くつれねぇんだから
ニシシ!

具はねぇ、ワカメとネギとキノコとジャガイモ
なんだってそこにあるものぶち込みゃあ最高になる
君の好みはなんだろね?
とうふかい?僕もとうふ好きよ
あと大根とかぼちゃと肉と、まぁなんでもいいな
なんでもいいよ

そもそも朝飯食うの?
何派?タバコ派?あコーヒー派
毎朝僕の味噌汁飲む?
そりゃ薬屋の味噌汁だもの、二日酔いには覿面に効くさ
お試しあれ
ニシシ!

あ!店員さん、白飯とお新香ちょうだい


芥辺・有
ロカジ(f04128)

そういうような話はまあ、聞いたことあるね
ほんとに効くのかは試したことないし知らないけど
薬屋がそう言うんならそうなのかな
……はいはい、ひみつね
どうせなら、ひみつの間にもっと効く薬でも開発しなよ

たしかに、何いれてもいいのは助かる料理だなことだ
面倒くさくないもんだし
特別好きなやつとか、別にないけど
とうふとかは嫌いじゃないかな……
ロカジは好きな具とかあんの

……まあ、お察しの通りってやつかもしれないが、そもそもあんまり朝食べないからね
タバコかコーヒーか、そんなもんさ
みそ汁くらいなら入るかもしれないけど
みそ汁食わせたいの?奇特だね
それともよっぽど自信あるのかい
試すのも別に悪かないけど



 気持ち良く浴びるように飲み過ぎてしまって、翌朝まで酒が残ってしまった時に起こること。
 身体がやたらだるく重たくて、ガンガンと痛む頭。
 そう、二日酔いである。
 けれど、ロカジ・ミナイ(薬処路橈・f04128)は何てったって、あなたのまちの薬屋さん。
「二日酔いの朝っていったら味噌汁じゃない? 僕はほとんど毎朝、起きたら味噌汁を作るのよ」
 どんなお薬より効くからねぇ……って。
 やはり今朝も、並ぶ様々なメニューの中から迷わず、まずは味噌汁へと手を伸ばせば。
「そういうような話はまあ、聞いたことあるね」
 芥辺・有(ストレイキャット・f00133)はひとつ首を捻りながら、いつものように気怠げな視線をロカジへと向けつつも続ける。
「ほんとに効くのかは試したことないし知らないけど、薬屋がそう言うんならそうなのかな」
「……あっ、これは君と僕の企業秘密よ」
 ロカジはそう人差し指を己の口元にあてて、内緒のポーズ。
 そんな様子をちらりと見遣ってから。
「……はいはい、ひみつね。どうせなら、ひみつの間にもっと効く薬でも開発しなよ」
「……まぁおっしゃる通りですけども? 全くつれねぇんだから」
 いつも通り素っ気なく言った有にロカジは笑う。ニシシ! と楽しそうな表情で。
 ということで、美味しくいただく今日の朝ごはんは、酒のみの良い薬でもある味噌汁に。
「具はねぇ、ワカメとネギとキノコとジャガイモ」
 ……なんだってそこにあるものぶち込みゃあ最高になる、って。
 出汁がよくとられた程良い濃さの味噌汁の中に、目についた具をぶちこみながらも。
「たしかに、何いれてもいいのは助かる料理だなことだ。面倒くさくないもんだし」
 そう言った有に頷きつつも、ロカジはふと彼女に向けた青色を細めてみせる。
 ――君の好みはなんだろね? なんて。
 そんな彼の声に、小さくこてりと首を傾けてから。少し考え、返す有。
「特別好きなやつとか、別にないけど。とうふとかは嫌いじゃないかな……」
「とうふかい? 僕もとうふ好きよ」
「ロカジは好きな具とかあんの」
 今度は逆にロカジが首を捻る番だけれど。
「あと大根とかぼちゃと肉と、まぁなんでもいいな」
 なんでもいいよ、とうんうん頷いてから。
「そもそも朝飯食うの?」
 味噌汁の具以前の問いを投げるのだった。
 いや、いかにも朝食はとらなさそうで、とったとしてもさっと簡易的に済ませていそうな感じしかしない彼女に。
 そしてやっぱり、案の定。
「……まあ、お察しの通りってやつかもしれないが、そもそもあんまり朝食べないからね」
 タバコかコーヒーか、そんなもんさ、と続けた有にロカジはまた笑う。
「何派? タバコ派? あコーヒー派」
 ――毎朝僕の味噌汁飲む? って。
 そんなロカジの言葉に、有は再び首を傾げて。
「みそ汁くらいなら入るかもしれないけど、みそ汁食わせたいの? 奇特だね。それともよっぽど自信あるのかい」
「そりゃ薬屋の味噌汁だもの、二日酔いには覿面に効くさ」
 えへんと得意顔する彼へと、濃い珈琲をひとくち飲んで紡ぐ。
「試すのも別に悪かないけど」
「お試しあれ、ニシシ!」
 ロカジも具だくさんの味噌汁をいざ、口へと運ばんと……する、その前に。
 丁度通りかかった帝都美人へと、景気よく声を掛ける。
 ――あ! 店員さん、白飯とお新香ちょうだい、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

嘉納・日向
【朋】
……うわ、おいしそう。テンション上がる
三日月さん、ついてきてくれてありがとね。私だけだとこう、タガ外れちゃうっつーか。はは。

サンドイッチにしようと思ったはいいけど、沢山あると迷うな
ハムとチーズを挟み、お皿にはベーコンに目玉焼きと洋風ごはん

三日月さんは何食べるの?……あぁ、それいいな。卵焼きおいしそう
ああいうの挟んで、和風サンドイッチも次作ってみよっかな

ごはんにベーコン、バター醤油ちょっとかけてみるとかも美味しそうな気がする。休みとかに偶に作ってたヤツなんだけどさ……あぁ、言ってたら更にお腹減ってきたんだけど

リコちゃんは楽しそうかな
折角の推しの聖地巡りってやつ、いっぱい楽しんでるといいな


月隠・三日月
【朋】
こちらこそ、お誘いありがとうね嘉納さん。この店の食事はどれもおいしそうだね、楽しみだよ。
朝餉は活力のもとだからね、多少はタガを外してもいいのではないかな?

私はやはり和食が落ち着くな。ご飯と漬物と味噌汁……けど、変わったものも食べてみたいな。チーズやエビマヨのおにぎりとか。ああ、玉子焼きは外せないね。大根おろしのかかったやつ。

ああ、嘉納さんのもおいしそうだね。私もベーコンもらってこようかな、ご飯にも合うし……なるほどバター醤油、それは試したことがなかったな。けれど、間違いなくおいしいね。

最後は苺のフルーツサンドをいただこうか。かの作家先生の好物なのだよね、影朧の方にも勧めてみようか。



 ごはん派でもパン派でも、好きなものを好きなだけどうぞ――と。
 一日のはじまりを心もおなかも、ささやかな幸せで満たしてくれるような。
 それが、このカスタマイズ朝ごはんやさんこと『ふくふく堂』という店であるが。
 ぐるりと店内を見回してみれば思わずそわり、見つめる瞳もキラキラ。
「……うわ、おいしそう。テンション上がる」
 嘉納・日向(ひまわりの君よ・f27753)はそう呟きを落としてから、隣に在る彼へと改めて告げる。
「三日月さん、ついてきてくれてありがとね」
「こちらこそ、お誘いありがとうね嘉納さん。この店の食事はどれもおいしそうだね、楽しみだよ」
 それから、そう返してくれた月隠・三日月(黄昏の猟兵・f01960)を、日向はちらり。
「私だけだとこう、タガ外れちゃうっつーか。はは」
 ちょっぴり照れたように笑ってみせつつも紡げば。
「朝餉は活力のもとだからね、多少はタガを外してもいいのではないかな?」
 そんな柔く優しい言葉に、逆に甘えてしまいそう……かも?
 それからふたりはそれぞれ、好みの朝ごはんをカスタマイズしてみることに。
「サンドイッチにしようと思ったはいいけど、沢山あると迷うな」
 早速、どれもこれも美味しそうな具材に、頭悩ませる日向だけれど。
 迷った末に選んだのは、間違いのない王道。
 ふわふわしっとりの生パンに挟むのは、ハムとチーズ。
 ベーコンに目玉焼きと皿に乗せていけば――洋風朝ごはんの出来上がり。
「三日月さんは何食べるの?」
 日向はそう、隣で選んでいる三日月の皿へと目をやってみれば。
「私はやはり和食が落ち着くな。ご飯と漬物と味噌汁……けど、変わったものも食べてみたいな。チーズやエビマヨのおにぎりとか」
 彼が選んだのは、和食ごはん。
 定番だけでなく、クリームチーズ入りやエビマヨの普段あまり食べることのないおにぎりにも、果敢に挑戦したいと目を向けて。
「ああ、玉子焼きは外せないね。大根おろしのかかったやつ」
「……あぁ、それいいな。卵焼きおいしそう」
 ひょいとひとつ彼が摘まんだふっくら焼きたての玉子焼きを、日向はじいっと見つめて。
 ……ああいうの挟んで、和風サンドイッチも次作ってみよっかな、なんて。
 早速、次に作りたいサンドイッチをほわほわ頭の中で思い描けば。
 三日月もそんな彼女が選んだ洋風ごはんを見つつ、ぽつりと呟きを落とす。
「ああ、嘉納さんのもおいしそうだね。私もベーコンもらってこようかな、ご飯にも合うし……」
 程良くカリッと焼かれたベーコンも、見ただけでも美味しいだろうってわかるから。
 けれど、ふたりで探してそれぞれ選べば、見つける美味しいものも何気に2倍で。
「ごはんにベーコン、バター醤油ちょっとかけてみるとかも美味しそうな気がする」
「なるほどバター醤油、それは試したことがなかったな。けれど、間違いなくおいしいね」
「休みとかに偶に作ってたヤツなんだけどさ……あぁ、言ってたら更にお腹減ってきたんだけど」
 お互いストッパーどころか、食欲が加速してしまいます……!?
 でも、こうやって悩みながら、ふたりで色々選びつつもあれこれ話すことも、楽しくて。
 日向は何気にいつの間にか美味しそうなもので盛り盛りになってしまった自分の皿を見た後。
(「リコちゃんは楽しそうかな」)
 ふと視線を、きょろり周囲を見回している、この店に誰よりも来たがっていた彼女へと向ける。
 ……折角の推しの聖地巡りってやつ、いっぱい楽しんでるといいな、って。
 それから三日月が最後に取ったのは、苺のフルーツサンド。
 そして、どれを食べていいものかと迷っているリコへと声を掛けて。
「かの作家先生の好物なのだよね、これ」
『櫻居先生の、好物……!』
 そう嬉々と瞳を輝かせるリコに勧めてみながらも。
 甘いフルーツサンドを何気にちらり。
 ちょっぴりそわりと見ている日向へと瞳を細め、続ける。
 ……嘉納さんもひとつどうかな? なんて。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

新山・陽
 いつの頃でしたか…それは朝に欲しかったな。と夜会の席で思ったものをひとつカスタマイズいたしましょうか。私は、王道の鮭茶漬けをアレンジした和モノ、炙り鮭の出汁茶漬けをいただきます。
 
 型崩れしないよう、程よく焼いた白ごまおにぎりの上に、炙ってじゅわっとなった炙り鮭をのせ、鮭の上に上質わさびが添えられた品。出汁は白出汁でアオサと煎ったあられが入っており、口当たりがよく、味わいが優しく、朝食要素の食材で構成されていて、ボリュームは慎ましいものですが、一椀完結の上品な仕上がりというイメージです。

 着席し、綺麗な所作でおにぎりを崩し、わさびを溶かし、小さな幸福と向き合って静かに朝食を楽しみます。



 朝は何かと慌ただしかったり、億劫になりがちであるが。
 だがいつも通り、綺麗な姿勢と流麗な所作で、ピシッと身なりも美しく。
 カスタマイズ朝ごはん屋さんこと『ふくふく堂』へと足を運んだ新山・陽(悪と波瀾のお気に入り・f17541)は艶やかな黒の瞳で、様々な種類の主菜や副菜を見回しつつも思考を巡らせる。
(「いつの頃でしたか……それは朝に欲しかったな。と夜会の席で思ったものをひとつカスタマイズいたしましょうか」)
 それは夜の食事の締めとして出てきたもの――さらりといただける、鮭茶漬け。
 けれどただそのまま、あの時のものを再現するのではなくて。
 王道の鮭茶漬けをアレンジした和モノ、炙り鮭の出汁茶漬けを仕立ててみることに。
 ごはんも普通によそったものではなくて。
 型崩れしないよう、程よく焼き色をつけた白ごまおにぎりにして。
 その上に、炙ってじゅわっとなった鮭を乗せれば。
 さらにそれに添えるのは、ぴりりとしたアクセントになる上質わさび。
 その上から注ぐ出汁にも、勿論手は抜かない。
 良い香り漂わせる澄んだ白出汁のものに、アオサと煎ったあられが入っていて。
 口当たりがよく、味わいも優しい、深くも上品な味わいである上に。
 抜かりなく、朝食要素の食材で構成されている。
(「ボリュームは慎ましいものですが、一椀完結の上品な仕上がりというイメージです」)
 あまり重くなくさらさらいただけそうなそんなところも、朝ごはんにぴったり。
 そして鮭茶漬けが完成すれば、すとんと着席し手を合わせて。
 綺麗な所作でおにぎりをそっと崩し、わさびを溶かしてから。
 陽は静かにゆっくり、贅沢な朝食のひとときを楽しむ。
 これからの1日も頑張れそうな、小さな幸福と向き合いながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夜鳥・藍
あの作家さん、不思議で面白い方でしたよね。
人格と作品は結びつかないとはもうしますが、それをすごくあらわしていた方だと短時間でもお会いした感想ですね。

で。今日はしっかり朝のお散歩をして、お腹を空かせて参りました。
このぐらい空かせておけばおかゆぐらいなら食べきれるはず。(普段朝はスープ1杯で済ます程度)
シンプルな白がゆにたくさんの種類の薬味で少しずつ味を変えて……刻んだザーサイって結構好みの味だわ。塩気と辛みが食欲を誘うのね。おかゆの供はたまごスープ。
んー、お腹を空かせてきたけどここまでが限界ね。おかずも選んで食べるには私の胃が小さすぎるわ。後程甘い物も食べたいし。
食後は烏龍茶ですっきりとして。



 以前、夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)も櫻居・四狼という作家に……正確に言えば、彼の残影であった影朧が起こした案件に携わったことがあるけれど。
(「あの作家さん、不思議で面白い方でしたよね」)
 黙々と机に向かっているというよりは、風のようにふらふら気侭であったその様子を思い返しながら。
(「人格と作品は結びつかないとはもうしますが、それをすごくあらわしていた方だと」)
 それが、短時間でも彼と接したことのある、藍が抱いた感想で。
 そんなちょっぴり変わった人だからこそ、人の心を掴む何かが、あったのかもしれない。
 藍はそうこれまでのことに思い巡らせながらも、桜舞う帝都を歩いて。
(「で。今日はしっかり朝のお散歩をして、お腹を空かせて参りました」)
 辿り着いたのは、今回の目的地――好きなものを好きなだけ食べられるという、カスタマイズ朝ごはん屋さん。
 そして、ほわり優しくも良い匂いが漂ってくる『ふくふく堂』へと入店すれば。
 ぐっと、さり気なく気合いを。
 ……このぐらい空かせておけば、おかゆぐらいなら食べきれるはず、と。
 だって、普段の彼女の朝ごはんは、スープ1杯で済ます程度なのだから。
 けれど朝の散歩も頑張って来たし、気合も十分。
 いざ、お目当てのお粥をいただくべく、器を手にして。
 シンプルな白がゆをよそって、たくさんの種類の薬味で少しずつ味を変えて楽しむ作戦を。
 そして、いただきますと手を合わせて、まずはザーサイと一緒にそっと口に運んでみれば。
「刻んだザーサイって結構好みの味だわ。塩気と辛みが食欲を誘うのね」
 ぱちくりと宙色の瞳を瞬かせた後、口に広がった好みの味わいに、ふっとその双眸を細める。
 そんなおかゆの供は、定番のたまごスープ。
 それを少しずつ、ゆっくりと味わって楽しんでいたけれど。
(「んー、お腹を空かせてきたけどここまでが限界ね。おかずも選んで食べるには私の胃が小さすぎるわ」)
 けれど、この後は甘い物も食べたいから――朝ごはんは、ご馳走様。
 でも、藍なりにそのあさごはんは美味しく丁度よくいただけたし。
 食後に烏龍茶ですっきりとすれば、次は甘い物を食べるべく。
 それまでまた、桜咲く帝都をお散歩です。

大成功 🔵​🔵​🔵​

椚・一叶
【美羽音】

自分好みに選べる…
人生で一番の朝飯になりそうな予感、しかしない

儂はやはり、力の湧くごはん
梅おかかおにぎり
主菜はがっつり、豚の角煮
副菜はさっぱり酢の物、欠かせない味噌汁
どうだ
この中で一番良い組み合わせ、選んだ気する
ふふん、鴇は見る目ある

皆が選んだやつも覗きこみ
儂は普段通り好きなもの選んだが
貴様らも普段通りか?
美味そうなのあったら、儂も後で取ろう
おかわりする気、満々
お裾分けも、見返りがあるなら断らない
トリス以外にも大食いが居たとは驚き、疑ったまま円を見る
まさか、かんろも…?
高身長の秘訣は朝ごはんに…?

朝飯は一日の中、最も重要な飯
美味い…毎朝ここで食べたい
それか万々斎に作らせるか


鳥栖・エンデ
【美羽音】

色んな朝ごはんが食べられるなんて最高〜
ボクはパン食派だけど
フレンチトーストにしたりフルーツサンドに
サンドイッチで色々挟むのも楽しいよね
合わせるのはカリカリに焼いたベーコンとか
ソーセージだとかオムレツに目玉焼きに
そのままオカズに食べても良いし
挟んでも美味しいで一石二鳥!

みんなの好きな朝ごはんが知れるのも
充分楽しいことだし色んな食べ方があるものね
いっぱい食べると大きくなるのかぁ

おにぎりも具材が色々挟めて
中身は開けてのお楽しみって感じだし
和食のおかずも美味しそ〜と
堂々分けて貰いにいくよぅ
ホットサンドも良いよね
お返しはこちらのなんでもサンドイッチで…!
美羽音にも色々メニューが増えたら嬉しいな


釈迦牟尼仏・万々斎
【美羽音】計6名 財布役

わいのわいのと大所帯だ。影朧と客の間に位置取っておこうか!

多くの中から好みを選ぶ様は、其々の性格が垣間見えて実によろしい。大いに食したまえ。一日の始まりは朝食からと言うだろう。しかし朝から角煮が入るかそうか。若いなー、胃が……。
リサーチ兼ねて一通り味わってみたい。店主の勧めに従いまずはみぞれ粥からエレガントに頂こう。(中年アピールをした口で一番食べる)

フム……帝都に店を構えて十年弱。常連客とくだを巻きつつ適度に暇で、マスターお客さん来ませんよ潰れちゃうんじゃないですか~と給仕にぼやかれる様式美を求めてここまで来たが。
満を持してモーニングを始めるのもありかもしれんな……。


百鳥・円
【美羽音】

自分好みのカスタマイズ朝ごはん!
なんて贅沢な朝なのでしょう
何時もより早起き頑張っちゃいますよう

たっぷり睡眠を取って朝ごはんは控えめに
ヨーグルトにフルーツ、温かなスープ
……が、いつも通りなのですが
なんだか、家庭的な和食を食べたい気分です

鮭と明太子、高菜のおにぎりに
わかめのお味噌汁と、玉子焼き
きんぴらやおひたし、納豆も良いですねえ
瑞々しい果物と、ほっと温かい緑茶も忘れずに!

皆さんの朝ごはんもステキですねえ
個性が出てとっても楽しい!

んふふ、実は大食いなんです。わたし
たーんといっぱい食べますよう

毎朝此処で、って気持ちには同意ですよう
美羽音にメニューが増えたのなら
ますます通ってしまいそうですん


世母都・かんろ
【美羽音】

朝ごはん
どれも迷っちゃうけど

普段のパンより少し豪華に
レタスやお肉のパテ、ケチャップ等詰めてホットサンドを4つ切
副菜はポーチドエッグ、ミニサラダとクラムチャウダーにします
飲み物はお茶

あ…マス、ター、おかゆ、美味し、そう
少しだけ、おかゆ、も、追加注文、し、よう、かな

一叶、さん、と、鴇、さん
和食の、バラン、ス、綺麗…
勉強、に、なり、ます

円さんが意外に沢山食べられるのに内心驚き
だって華奢で綺麗
わ、たしは、小食、です、よ!
…た、多分(自信ない

エンデ、さん、のサンドイッチ、セット
フルーツ、サンド、が、魅力的
ホット、サンド、で、交換、しても、いい、です、か?(そわ

帝都のカフェーで朝ごはん
…いいなぁ


深山・鴇
【美羽音】
好きなものを選べるってのは中々に贅沢だな
普段はトーストと目玉焼きくらいなものだが、折角だから和食といこうか
鮭のおにぎりとツナマヨのおにぎり、お味噌汁は豆腐とネギで
肉じゃがと玉子焼きも摘まんでおくとしようか

椚君のチョイス、バランスも良くていいんじゃないか?
百鳥さんも和食の王道って感じだし、鳥栖君とマスターはめちゃくちゃ食べるな?(鳥栖に玉子焼きをお裾分けしつつ)
世母都さんはどれが美味しかった?

本当に色々あるんだな、フルーツサンドも美味そうじゃないか
そういや美羽音にもフルーツサンドがあったが、食べ比べも悪くなさそうだな
ワンコインのモーニングがあれば助かるんだが、検討してみないかマスター



 ひとりでゆったりと取る朝ごはんも贅沢ではあるけれど。
 朝から既に沢山の人の姿がある、ふわり良い匂いが漂う食事処。
 そんな賑やかな店内に、わいのわいのと。
 入店し席に案内されているのは、大所帯の団体さん。
「6名だ。此方の席で良いだろうか」
 朝からいつも通りの洒落たスーツを纏い、朝の眠たさも覚めるような美声で店員に告げたのは、釈迦牟尼仏・万々斎(ババンババンバンバン・f22971)。
 普段はパーラーを営む彼も、今日は客……皆の財布役である。
 そしてさり気なく自然に、座る席を指定したのは。
『……櫻居先生が、お好きな……店!』
 害はないとは言うが念の為に。推し作家の通っていた店に滾っている影朧と彼女を見て不安げな一般客の間に位置取っておくため。
 自分達が猟兵と分かれば、慌てたりなど下手な行動はしないだろう。
 そんな、猟兵としての仕事のためでもあるのだけれど。
「自分好みのカスタマイズ朝ごはん! なんて贅沢な朝なのでしょう。何時もより早起き頑張っちゃいましたよう」
「色んな朝ごはんが食べられるなんて最高〜」
 訪れたこの店『ふくふく堂』はそう――カスタマイズ朝ごはん屋さん。
 自分が好きなものを好きなだけ選んで食べられるという店なのである。
 仕事のためでもあるけれど、これは楽しむしかありません。
 しかも財布役を担ってくれるマスターも一緒となれば、なおさらのこと。
 わくわくと言った百鳥・円(華回帰・f10932)と鳥栖・エンデ(悪喰・f27131)の言葉に、椚・一叶(未熟者・f14515)もこくり。
「自分好みに選べる……人生で一番の朝飯になりそうな予感、しかしない」
 ということで、皆でわいわいキャッキャいただく、一番の朝ごはんタイムのはじまりです。
 朝ごはんとひとことに言っても、実は奥が深いもの。
 慌ただしい朝は軽く済ませる人もいるだろうが、ごはん派もいれば、パン食派、その他な派閥も存在する。
 そしてその趣向は環境によるものも多く、他の時間帯の食事よりも、各々の譲れない拘りが垣間見えるが。
 この店であれば、ごはん派もパン派も、どちらも自分好みなものが存分にいただける。
(「朝、ごはん、どれも、迷っちゃう、けど」)
 そわりと皆と同じ様に、しゃぼん玉の瞳をきょろり巡らせながらも。
 世母都・かんろ(秋霖・f18159)は、普段のパンより少し豪華に作ってみることに。
 レタスやお肉のパテを詰めて、ケチャップをかけて。良い感じの焼き色がついたホットサンドを四つ切にして貰う。
 それに合わせて選んだ副菜はポーチドエッグ。それにミニサラダとクラムチャウダーと茶を添えれば……いつもよりちょっぴり豪華な、洋食あさごはんの出来上がり。
 そんなかんろと同じ、パン食派なエンデであるが。
「フレンチトーストにしたり、フルーツサンドに、サンドイッチで色々挟むのも楽しいよね」
 同じパン食でも、また色々と違ったチョイス。
 そして何気に気になったパンを全部いただきながらも、それに合わせるのはやはり、洋食あさごはんの王道たち。
 カリカリに焼いたベーコンにソーセージ、オムレツや目玉焼きのたまご料理も欠かせません。
 いや、それを普通に食べるのもいいのだけれど。
(「そのままオカズに食べても良いし、挟んでも美味しいで一石二鳥!」)
 これぞ、パン食の醍醐味です。
 そして円は、たっぷり睡眠を取った後の朝ごはんは控えめに。
 ヨーグルトにフルーツ、温かなスープ――。
(「……が、いつも通りなのですが」)
 けれど今朝は、折角のカスタマイズ朝ごはんだから。
「なんだか、家庭的な和食を食べたい気分です」
「好きなものを選べるってのは中々に贅沢だな」
 深山・鴇(黒花鳥・f22925)も、洋食に中華にピザ等々、様々な主菜や副菜をぐるりと見回してから。
「折角だから、和食といこうか」
 円と同じように、和食の朝ごはんにしてみることに。
 羽釜で炊いたふっくらごはんで握ってくれるおにぎりの具も豊富で、思わず目移りしてしまうけれど。
 円が選んだのは、鮭と明太子、高菜のおにぎり。
 鴇も円と同じ王道の鮭のおにぎりと、もうひとつはまた系統が違うツナマヨを。
「肉じゃがと玉子焼きも摘まんでおくとしようか」
「きんぴらやおひたし、納豆も良いですねえ」
 おにぎりに添える副菜も、和のおかずに。
 鴇とお揃いの玉子焼きは勿論、和食朝ごはんに欠かせないわかめの味噌汁を円は取りつつも。
 他の気になった副菜も、全部いただいちゃいます。
 食後にいただく瑞々しい果物と、ほっと温かい緑茶も忘れずに!
 そして一叶も一通り、ずらりと並ぶ美味しそうな主菜や副菜を見回してから。
(「儂はやはり、力の湧くごはん」)
 これからの一日を乗り切る力が湧くようなものを選ぶべく、満を持して手を伸ばす。
 おにぎりは梅おかか、主菜はがっつり豚の角煮。
 けれど、そんな濃い目の味に合わせる副菜はさっぱりと酢の物に。
 そしてやっぱり、味噌汁は欠かせません。
 それをトレイに並べて、自分の選んだ朝ごはんを改めて眺めてみれば。
「どうだ。この中で一番良い組み合わせ、選んだ気する」
「椚君のチョイス、バランスも良くていいんじゃないか?」
「ふふん、鴇は見る目ある」
 鴇の言葉にえっへん、一叶は自分だけの最高の朝ごはんに大満足。
「一叶、さん、と、鴇、さん、和食の、バラン、ス、綺麗……」
 ……勉強、に、なり、ます、と。
 かんろも皆のバランス良い和食あさごはんに、感心したように目を向ける。
 そんなかんろの出来立てホットサンドは勿論、一叶もやはり皆が選んだ朝ごはんも気になるから。
「儂は普段通り好きなもの選んだが、貴様らも普段通りか?」
「普段はトーストと目玉焼きくらいなものだが、折角だからね。違うものにしてみたよ」
「わたしもいつもの朝ごはんは、控えめなのですよう」
「普段、より、も、少し、豪華、に、作って、みました」
 成程、と皆のチョイスを覗き込みながら、返る言葉に頷く一叶。
 いや……何も和洋中華、どれかひとつに絞る必要は、この店ではないのだ。
「おにぎりも具材が色々挟めて、中身は開けてのお楽しみって感じだし。和食のおかずも美味しそ〜」
 そう和食も堂々分けて貰わんとするエンデ。
 そんな彼に、見返りがあるならお裾分けしてやらないでもない、なんて言いながらも。
 何気に一叶は張り合うように、勿論、おかわりする気も満々。
 そして仲良さげな様子に、こくりと金狼犬の頭を大仰に揺らし頷きながらも。
「多くの中から好みを選ぶ様は、其々の性格が垣間見えて実によろしい。大いに食したまえ」
 一日の始まりは朝食からと言うだろう、と紡ぐ万々斎。
 それから、一叶の朝ごはんを見つめながらしみじみ。
「しかし朝から角煮が入るかそうか。若いなー、胃が……」
 そんな中年が滲みまくる発言をしながらも。
 パーラーの店主としてここは、リサーチ兼ねて一通り味わってみたいと。
「店主の勧めに従い、まずはみぞれ粥からエレガントに頂こう」
「百鳥さんも和食の王道って感じだし、鳥栖君……とマスターもめちゃくちゃ食べるな?」
 何気に中年アピールしているマスターの皿が、一番盛り盛りです……!?
「あ……マス、ター、おかゆ、美味し、そう。少しだけ、おかゆ、も、追加注文、し、よう、かな」
 かんろもそうじいっと万々斎の盛り盛り朝ごはんを見つめた後、ちょっぴりだけおかゆの追加も心に決めるけれど。
「エンデ、さん、のサンドイッチ、セット、フルーツ、サンド、が、魅力的……」
 エンデのフルーツサンドも美味しそうで、そわり。
「ホットサンドも良いよね」
「ホット、サンド、で、交換、しても、いい、です、か?」
「じゃあお返しは、こちらのなんでもサンドイッチで……!」
 交換この交渉、成立です!
「本当に色々あるんだな、フルーツサンドも美味そうじゃないか」
「儂も後で取ろう」
「皆さんの朝ごはんもステキですねえ。個性が出てとっても楽しい!」
「円さん、意外、に、沢山、食べられる、のですね……だって、華奢、で、綺麗、だから」
「……トリス以外にも大食いが居たとは」
「んふふ、実は大食いなんです。わたし。たーんといっぱい食べますよう」
「まさか、かんろも……? 高身長の秘訣は朝ごはんに……?」
「わ、たしは、小食、です、よ! ……た、多分」
「世母都さんはどれが美味しかった?」
 エレガントにぺろりとみぞれ粥を完食しつつ、何気に角煮を口にしながらも。
 そんなキャッキャと朝ごはんを楽しむ皆の様子に、ウム、と頷く万々斎。
 沢山食べてくれて、何よりも楽しそうであれば――財布役としても、払い甲斐があるというもの。
 帝都のカフェーで朝ごはん……いいなぁ、なんて。
 交換こや追加注文でさらに豪華になった朝ごはんを前に、そうほわほわ笑むかんろ。
 いや、勿論、かんろだけではない。
「美味い……毎朝ここで食べたい」
 朝飯は一日の中、最も重要な飯、と。
 一叶も最高の朝ごはんを前に、そう呟くけれど。
「それか万々斎に作らせるか」
 めちゃめちゃ誰よりも食べているマスターをちらり。
「毎朝此処で、って気持ちには同意ですよう」
「そういや美羽音にもフルーツサンドがあったが、食べ比べも悪くなさそうだな」
 円と鴇も、そう一叶に続いてから。
「ワンコインのモーニングがあれば助かるんだが、検討してみないかマスター」
「美羽音にメニューが増えたのなら、ますます通ってしまいそうですん」
「美羽音にも色々メニューが増えたら嬉しいな」
 続いたそんな言葉に、エンデも頷いてこくこく。
 そして万々斎は、パーラーでも出しているフルーツサンドをはむりと試食してみながらも。
(「帝都に店を構えて十年弱。常連客とくだを巻きつつ適度に暇で、マスターお客さん来ませんよ潰れちゃうんじゃないですか~と給仕にぼやかれる様式美を求めてここまで来たが」)
 フム……と皆の様子を見回しつつ、一考してみるのだった。
 ――満を持してモーニングを始めるのもありかもしれんな……、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鵜飼・章
【WE】
#柊くんとデートなうに使っていいよ

写真こんな感じでいい?
後であっちのSNSにアップしようと思って…
迷惑がる割にご飯ですぐ釣れるよね
男子高生の哀しい習性だ

まあそう言わず
櫻居先生転生記念だよ
楽しい事が好きなひとだったから
楽しくやろう

柊くん…
冒涜的な食べ方をしているけど
ごはん派?パン派?と一応訊いてみる
朝ごはん…そもそも朝起きてないから
僕は抜いていることが多い
せっかくだし櫻居先生セットを頼もうかな
このお粥寝過ぎて怠いお腹にも優しそう

リコさんを見たら例の絵本を一冊あげよう
誰の作品かきっとすぐ分かってくれる筈
これは先生の名では出ていない幻の作品なんだ
きみは大事にしてくれると思うから
大切に読んでね


柊・はとり
【WE】
おいやめろ勝手に何してんだお前
アポカリプスヘルにこんな飯屋あるか
毎日芋芋草芋レーション芋缶詰だよ
は~早くも帰りたくなってきた
だが飯がうまい…

しかしあの櫻居が転生か…
オチは鵜飼から聞いたが中々笑えた
転生してもやらかす予感しかないが
今は飯がとにかくうまい…

ハンバーガーはパテ三段重ね
間にチーズとベーコンエッグを挟んで
角煮おにぎりと交互に食いながら
味噌汁とコーンスープを摂取
バカだ…完全にバカの飯
カロリー過多だ…最高すぎる

学生寮に住んでたから朝夕は基本日替わりで…
聞いてないなこいつ
まあ『両方食う』一択だろ

あの本…俺も貰ったが
全然詫びる気感じないし許さないからな
飯うまいから櫻居は許…
いやまだだ、次



 ――#柊くんとデートなうに使っていいよ
 そんなタグをつける気満々で。
「写真こんな感じでいい?」
 もう載せること前提、みたいな聞き方をする鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)に。
「おいやめろ勝手に何してんだお前」
 あからさまに堂々と盗撮され、同じくあからさまに眉を顰めるのは、柊・はとり(死に損ないのニケ・f25213)。
「後であっちのSNSにアップしようと思って……」
 章は全く悪びれのない様子で言ったあと、ふっと笑みを向けて続ける。
「迷惑がる割にご飯ですぐ釣れるよね」
 ……男子高生の哀しい習性だ、って。
 そんな章と一緒にテーブルを囲んでいるという現状に、は~早くも帰りたくなってきた、と。
 盛大に溜息をつくはとりであるけれど。
 だが章のいう通り、彼は食べ盛りな男子高校生。しかも彼が在る世界は、絶賛食糧難。
「アポカリプスヘルにこんな飯屋あるか。毎日芋芋草芋レーション芋缶詰だよ」
 芋芋草芋レーション芋缶詰芋芋草芋レーション芋缶詰、みたいな芋責めな日々はちょっとかなり辛いし。
 帰りたい衝動には駆られているけれど、でも。
(「だが飯がうまい……」)
 美味しいごはんには、抗えません。
 そんな習性に素直な男子高校生に、章は笑んだ顔をしてみせたまま。
「まあそう言わず。櫻居先生転生記念だよ」
 ――楽しい事が好きなひとだったから、楽しくやろう。
 そう続ければ、はとりが思い出すのは件の作家のこと。
「しかしあの櫻居が転生か……」
 影朧のくせにめっちゃエンジョイしていたあの作家が転生したとは、最初聞いた時は耳を疑ったが。
(「オチは鵜飼から聞いたが中々笑えた。転生してもやらかす予感しかないが」)
 きっと新しい巡りでも、どうせろくでもないに違いない。
 いや、それよりも何よりも。
「今は飯がとにかくうまい……」
 しみじみと、男子高校生の欲望に素直に、眼前の美味しいごはんをはとりは頬張る。
 年を取ったらテキメンに胃にくる、パテ三段重ねのハンバーガー。
 その間にチーズとベーコンエッグを挟んで、トリプルチーズベーコンエッグはとりバーガーを作成して。
 こってり味がしみしみな角煮のおにぎりと交互にはむはむ。
 さらには、味噌汁とコーンスープを摂取すれば。
(「バカだ……完全にバカの飯」)
 芋はさっとスルーして、そう――完全にバカの飯!
「カロリー過多だ……最高すぎる」
 そんな芋や草を食べている反動からか、そんなバカの飯を食するはとりを見つめて。
 柊くん……冒涜的な食べ方をしているけど、と思いつつも。
「柊くんは、ごはん派? パン派?」
 一応、今更訊いてみる章。
「学生寮に住んでたから朝夕は基本日替わりで……」
「せっかくだし櫻居先生セットを頼もうかな。このお粥寝過ぎて怠いお腹にも優しそう」
「……聞いてないなこいつ」
 そんな別に興味ないけど聞いてみた感満載な章に、まあ『両方食う』一択だろ、と律儀に返すはとり。
 そして、そもそも朝起きてないから抜いていることが多い章にも優しいみぞれ粥を食しながらも。
「これは先生の名では出ていない幻の作品なんだ。きみは大事にしてくれると思うから、大切に読んでね」
 みかけたリコに章が手渡すのは、例の絵本。
『ありがとう……あっ、これ……先生が大好きな、へらへら!』
 ――誰の作品かきっとすぐ分かってくれる筈、って。
(「あの本……俺も貰ったが、全然詫びる気感じないし許さないからな」)
 はとりはそう思いながらも、飯うまいから櫻居は許……そう言いかけるも。
 ――いやまだだ、次、と。
 まだ続くバカの飯の時間に、そう思いなおすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シホ・エーデルワイス
【KOR】

豪勢な朝食を頂くのは初めて
目を輝かせっぱなし

苺のサンドを中心に様々な種類を少しずつ
皆のも勧められたら頂きます



クロムさん
都月さん
油揚げのラスクもありますよ

確かに学園や列車の殺人事件の登場人物が似ていますね


慧華さんは
見ていて楽しくなる食べっぷりです


夏輝さんは多国籍な組合せですね


冬青さんとアヤネさんの仲睦まじさにほっこり



リコさんの巡礼成功を【輝喘】で願い
コミュ力で優しく
一般人が落ち着いて接せれる程度に影朧の脅威が目立たなくなる
催眠術の結界付『聖紗』を被ってもらい
序でに身形も整える事を提案

良ければ巡礼が終わるまで付けていて下さい

長い爪も切った方が食べ易くなると思うのですが…

澪さんありがとう♪


木常野・都月
【KOR】
お腹空いた…いい匂い…
朝ご飯に拘りはないけれど、いつも朝起きると腹ペコなんだ。

味噌汁が好みの匂い。油揚げかな?
そしたら、味噌汁とお米、卵焼きに、ウインナーつけて、そうそう、葉っぱも食べないと。
焼き魚も…パリパリジュワーなやつ。

チィは?
パンとミルクだな?
待ってろ、持ってくるから。

クロムさんのプリン…プリンいいな。
俺もプリンたべます!

シホさん!あの油揚げのラスクですか?ラスクも食べます!

栗花落先輩のフルーツみてたら果物も美味しそう。
フルーツ盛り合わせも食べようかな。

そして、最後は牛乳だー!
腰に手を当てて飲むと美味しいらしいですよ!
ぷはー?
なっちゃん先輩の真似して、飲み直して…ぷはー!


クロム・エルフェルト
【KOR】
こうして先生の足跡を辿るのは、不思議な気持ち
思い出に浸りながらみぞれ粥を頂こうか、な
プリンで潰したり
将又、プリンで潰したり
金平糖を食べたり
え、ええっと
最後まで刀を交える事は無かったけど
それでいいと思う
「ヒト」を斬る刀は、生憎持ち合わせて無いのだもの

皆も、リコさんも、良かったら一緒に。
セットに付いている小鉢のおかずを分け合って楽しむ
油揚げのラスク、これ好き
有難う、シホさん(狐耳がぴこぴこ)
都月くんも、プリン食べる?
冬青さんのちりめん山椒 、美味しそう
私も追加で注文、しよう
此処の面々が、『桜ノ匣庭』の登場人物に似てる?
……そうかなぁ。どうなんだろう、ね。(愉快そうに尻尾をふぅわり揺らす)


栗花落・澪
【KOR】
どれも美味しそうで迷っちゃうねー
んー僕はどうしよう
朝はやっぱりご飯…おかゆもありだなぁ

迷いながら視線を巡らせ…あ、フルーツサンド気になる

結局甘味の誘惑には勝てず
クリーム増し増し苺のフルーツサンドとミネストローネを
野菜も少しは取らなきゃね
え、いいの? 食べたーい!

夏輝君のお言葉に甘えておかずもつまみつつ
どちらかといえば小食なため無理ない程度に

リコさんにも笑顔で話しかけてみようかな
こんにちは
このフルーツサンド、先生が気に入ってたんだよね
とっても美味しい
僕も気に入っちゃった
リコさんは何食べてるの?

シホさん単独で爪を切らせてもらうのが難しそうな場合は指定UCでフォロー
お話聞いてほしいな


朱雀・慧華
【KOR】
すっごーい、どれも美味しそうー!

見た目に似合わず【大食い】少女
食べ放題にハイテンション

フルーツサンドも食べたいし、チキンカツサンドも美味しそう!
おにぎりはいくらとエビマヨとー、あっ、おかゆっていうの?
あれもいいなぁ

リコさんなら詳しいんだっけ
なら聞いてみよっかな!
せんせーの好きなものってなにがあるの?
私それ全部頼んでみる!辛くなければなんでも好き!
あとは肉じゃがと卵焼きと野菜炒めと包子と…あ、シューマイあるかな!
夏輝も美味しそうなのいっぱい取ってるー
…一口ずつちょーだい♪
ぶーぶー、わかってるよぅ

リコさんにも、オススメ教えてもらったお礼
一口あーんしてあげるねっ♪(無邪気

※指定UCは判定用


小林・夏輝
【KOR】
俺は朝飯といえばご飯派だにゃー
おにぎり…二つくらいいけっかね
ツナマヨとー…天ぷらにしよ
生姜焼きに、目玉焼きとベーコン、ソーセージ…あ、点心もうまそ
あとはコーンスープも欲しいな
飲み物は勿論コーラで!
丁度食べ盛りだし、まぁこれくらいはな

澪が小食なのは知ってるので声掛け

いいよ、気になるおかずあったらつまんでも
無くなったらまた取ればいいし
はいはい慧華は先に自分で取った分終わらせてからなー
クロムはなんか交換したいのある?

都月の牛乳をほほえまし気に見つつ
腰に手当てて飲むのは王道だよな
(大体風呂上りな気がすっけど)
飲み終わったらぷはーって言うんだぜ
常識常識♪

※指定UCは判定用で使用無し


城島・冬青
【KOR】
先生、甘党なんですね
朝っぱらからフルーツサンドを頬張る姿が目に浮かぶ
私はフルーツサンドは大好きだけどおやつかなー
朝ごはんはやはり和食派です
でもつまめるのならみんなのも食べます…!
白いご飯!
味噌汁!
卵焼き!
焼き魚!
おひたし!
ひじきの煮物!
そして大好きなちりめん山椒
ザ・日本の朝ごはんです
時間がない時とかはパンだったりしますですけど
んんー!この卵焼き美味しい
食べてみて下さい
そしてちりめん山椒もピリリと山椒が効いててご飯が進む
リコさん
このちりめん山椒とても美味しいです
この店の手作りなんですか?

アヤネさんはちょっと緑が少ないですね
野菜も摂るといいですよ
フルーツサンド…
う、やっぱり私も食べます!


アヤネ・ラグランジェ
【KOR】

朝ごはんといえばバターとチーズたっぷりのトーストでしょ
それにソーセージとスクランブルエッグまでついたら上等

さすがソヨゴはたくさん食べるネ
ソヨゴの和食をつまみ食い

他のみんなもずいぶん食べるなあ

え?野菜が少ないって?
じゃあそのクリームマシマシのフルーツサンドもいただこう
これはほぼ野菜!



 朝起きたばかりだと、何となく朝ごはんは沢山は食べられないという人もいれば。
「お腹空いた……いい匂い……」
 ……朝ご飯に拘りはないけれど、いつも朝起きると腹ペコなんだ、と。
 ふわり漂ってくる美味しそうな匂いに、くぅ、とおなかを鳴らす木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)のように、朝からおなかをすかせるタイプまで様々あるけれど。
 それぞれが自由に好きなものを好きな量、堪能できる朝ごはんを提供する店――それがここ、『ふくふく堂』。
「すっごーい、どれも美味しそうー!」
「豪勢な朝食を頂くのは初めて」
 朱雀・慧華(純真天使・f17361)とシホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)も、ずらりと並ぶ美味しそうな主菜や副菜たちにキラキラと目を輝かせっぱなし。
 いや、美味しい朝ごはんを目一杯楽しむ、それも目的なのだけれど。
 この店に皆でやって来たのは、一応猟兵としての仕事のためでもあって。
 害はないとはいうけれど影朧であるリコの、推し作家の聖地巡礼に同行し、彼女の執着を果たしてあげることが今回の依頼内容であるのだけれど。
 そんなリコの推し作家、櫻居・四狼と何度か顔を合わせている人も多い。
「先生、甘党なんですね」
 城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)も、そのひとり。
 あの作家が朝っぱらから甘いフルーツサンドをもぐもぐ頬張っては、おいし~なんて言っている姿が容易に目に浮かぶ。
 けれど、そんな甘いものが好きな作家とは違って。
「私はフルーツサンドは大好きだけどおやつかなー。朝ごはんはやはり和食派です」
 冬青の好みは、和食な朝ごはん。
 けれどそんな冬青の隣にいるアヤネ・ラグランジェ(十二の結び目を解き放つ者・f00432)の朝ごはんは、甘い物でも和食でもなく。
「朝ごはんといえばバターとチーズたっぷりのトーストでしょ。それにソーセージとスクランブルエッグまでついたら上等」
 パン食な、洋食派である。
 朝ごはんは特に、育った環境が大きく影響すると言っても過言ではないかもしれない。
(「こうして先生の足跡を辿るのは、不思議な気持ち」)
 クロム・エルフェルト(縮地灼閃の剣狐・f09031)はふとあの作家の人懐っこい笑みを思い返し、彼が酔った翌朝に食べていたというみぞれ粥を頂くことに。
 彼との思い出に、浸りながら――。
(「プリンで潰したり……将又、プリンで潰したり、金平糖を食べたり……」)
「……え、ええっと」
 ええ、とても愉快なひととき……では、多分あったと思う。
 そんな、言ってしまえばろくでもない作家であったモノとは、何度か顔を合わせたが。
(「最後まで刀を交える事は無かったけど、それでいいと思う」)
 ……「ヒト」を斬る刀は、生憎持ち合わせて無いのだもの、って。
 クロムはそう思うから。胃にほわり優しい、彼も好きだったお粥をほっこり味わいながら。
 そんな作家に、プリンをどーんとお見舞いした張本人。
「フルーツサンドも食べたいし、チキンカツサンドも美味しそう!」
 見た目に似合わず大食い少女である慧華は、好きなものを好きなだけ食べ放題な現状に、ハイテンション!
 おにぎりはいくらとエビマヨとー、なんてあれも食べる気満々できょろきょろ忙しく視線を巡らせて。
「どれも美味しそうで迷っちゃうねー」
 栗花落・澪(泡沫の花・f03165)も慧華にこくり頷きつつも、首をこてりと傾ける。
 ……んー僕はどうしよう、って。
「朝はやっぱりご飯……おかゆもありだなぁ」
「あっ、おかゆっていうの? それもいいなぁ」
 澪の言葉に、慧華は勿論、お粥にも興味津々。
 そんなあっさりお粥にも心惹かれるけれど。
 苺のフルーツサンドを中心に、様々な種類のものを少しずつ食べてみることにしたシホの皿をみれば。
「……あ、フルーツサンド気になる」
 ますます視線を巡らせながら、澪は迷ってしまう。
 そして……自分と同じ様にフルーツサンドが気になっている様子の彼女へと、笑顔で声を掛けてみる。
「こんにちは。このフルーツサンド、先生が気に入ってたんだよね」
『ええ、櫻居先生は……すごく甘い物が、お好きだから』
 大好きな作家の話を振られ、ぱあっと笑みを宿すリコに澪は笑って。
「先生も好きだったフルーツサンド、とっても美味しそうで僕も気に入っちゃった。リコさんは何食べるの?」
 そんな澪とリコの会話を耳にした慧華も、彼女へと目を向けながら。
(「リコさんなら詳しいんだっけ、なら聞いてみよっかな!」)
「せんせーの好きなものってなにがあるの?」
 そう、訊いてみれば。
 熱烈なファンであるリコは、興奮する様にぺらぺらと推し作家のことを喋り出す。
『先生は、和食の朝ごはんが、馴染み深いって……そう雑誌のインタビューで、みたの。でも、美味しいものならジャンル拘らず好きだけど……生トマトだけは、どうしても苦手なんですって……子供みたいで可愛い……』
「先生は、乙女みたいなものもお好きですね。パンケーキとかフルーツとヨーグルトたっぷりのシリアルとか、アボカドのサラダとか」
 たまたま通りかかった店主が、そう付け加えれば。
「私それ全部頼んでみる! 辛くなければなんでも好き! あとは肉じゃがと卵焼きと野菜炒めと包子と……あ、シューマイあるかな!」
 大食い少女の食欲は止まらない……!?
 けれど、小林・夏輝(お調子者の珍獣男子・f12219)だって食べ盛りなお年頃。
「俺は朝飯といえばご飯派だにゃー」
 ごはん派だという彼がまず選ぶのは、やはりおにぎり。
「おにぎり……二つくらいいけっかね。ツナマヨとー……天ぷらにしよ」
 そう決めてから、今度は沢山並ぶおかずをひと通り見回して。
「生姜焼きに、目玉焼きとベーコン、ソーセージ……あ、点心もうまそ。あとはコーンスープも欲しいな。飲み物は勿論コーラで!」
 ……丁度食べ盛りだし、まぁこれくらいはな、と。
 食べ盛りな男子の食欲も止まりません……!?
 そんなふたりの盛り盛りな皿を、シホはまじまじと見つめて。
「慧華さんは見ていて楽しくなる食べっぷりです。夏輝さんは多国籍な組合せですね」
 その食欲に、そう微笑まし気に瞳を細める。
 けれど、自分や慧華とは違って、澪が小食なのは夏輝も知っているから。
「野菜も少しは取らなきゃね」
 そう悩みつつも、結局甘味の誘惑には勝てずに。
 クリーム増し増し苺のフルーツサンドとミネストローネを選んだ彼に、こう声を掛ける。
「澪、俺の少しずついる?」
「え、いいの? 食べたーい!」
「いいよ、気になるおかずあったらつまんでも。無くなったらまた取ればいいし」
 ぱあっと笑みを向ける澪に、こくこく頷いて返す夏輝。
 そんなお言葉に甘えて、どちらかといえば小食なため無理ない程度に、澪はひとくちずつ気になったおかずを摘まんでお裾分けして貰って。
「夏輝も美味しそうなのいっぱい取ってるー」
 ……一口ずつちょーだい♪
 そう慧華も、お強請りしてみるけれど。
「はいはい慧華は先に自分で取った分終わらせてからなー」
「わかってるよぅ」
 返ってきた彼の言葉に、ぶーぶー。
「皆も、リコさんも、良かったら一緒に」
 そんな、むぅとちょっぴり不服気な慧華やリコに、クロムも自分の選んだものをお裾分け。
 美味しいをもっといっぱい楽しむべく、セットに付いている小鉢のおかずを皆の前に差し出せば。
「クロムはなんか交換したいのある?」
「つまめるのならみんなのも食べます……!」
 楽しくて美味しい、交換このはじまり!
 冬青はそう皆の朝ごはんを見ながらも、やはりチョイスするのは――。
 白いご飯!
 味噌汁!
 卵焼き!
 焼き魚!
 おひたし!
 ひじきの煮物!
「そして大好きなちりめん山椒……ザ・日本の朝ごはんです」
 そう、ザ・和食定番な朝ごはん!
 とはいえ、朝は何かと慌ただしい女子高生。
「時間がない時とかはパンだったりしますですけど」
 でもやはり朝ごはんといえば、冬青も和食派だから。
 ――はむり。
「んんー! この卵焼き美味しい、食べてみて下さい」
 ひとつ食べてみた絶妙の味の卵焼きに、ほこほこ。
 さらに、大好物なちりめん山椒も口にしてみれば。
「んんんー! ピリリと山椒が効いててご飯が進みます」
「冬青さんのちりめん山椒 、美味しそう」
 クロムも尻尾をそわりとさせてしまうくらい、幸せそうな笑顔が。
 そして……私も追加で注文、しよう、と。
 クロムがそう心に決める中、冬青はリコに視線を向けて。
「リコさん、このちりめん山椒とても美味しいです。この店の手作りなんですか?」
 通りかかった店主にそう訊いてみれば、ええ、と返る声。
 そんな店主と話している冬青を、ふと見つめて。
「さすがソヨゴはたくさん食べるネ」
「あっ、アヤネさん……!」
 アヤネが伸ばした箸が、すかさず卵焼きを攫って……ひょいぱく。
 冬青の和食をつまみ食い!
 都月もぐるりと一通り見回して、お耳をぴこり。
「味噌汁が好みの匂い。油揚げかな?」
 大好きな油揚げの味噌汁にごはん、卵焼きに、ウインナーもつけて。
「そうそう、葉っぱも食べないと。焼き魚も……パリパリジュワーなやつ」
 油揚げの味噌汁に合うおかずに、野菜も勿論、さらには魚も選んで……バランスの良いあさごはんに。
 そして、チィは? と聞けば、チィチィ、と尻尾をふりふり。
 その声に、こくこくと頷く都月。
「パンとミルクだな? 待ってろ、持ってくるから」
 それから自分のものとチィのもの、どちらも取って来た都月だけど。
「クロムさん、都月さん。油揚げのラスクもありますよ」
 シホの言葉を聞いて、ふたりのお耳が一緒にぴこんっ!
「シホさん! あの油揚げのラスクですか? ラスクも食べます!」
「油揚げのラスク、これ好き。有難う、シホさん」
 ふたり並んで、狐耳をぴこぴこ、ぴこぴこ。
 そんなラスクにそわりとしながらも、都月はふとクロムの朝ごはんを見て。
「クロムさんのプリン……プリンいいな」
「都月くんも、プリン食べる?」
「俺もプリンたべます!」
 プリンのお裾分けに、尻尾をぶんぶん。
 いや、それだけではありません。
「栗花落先輩のフルーツみてたら果物も美味しそう。フルーツ盛り合わせも食べようかな」
 しっかり朝ごはんに油揚げのラスク、プリンだけでなく……フルーツ盛り合わせも追加です……!?
「……みんな、ずいぶん食べるなあ」
 そんな盛り盛りな皆の朝ごはんを見て、そう呟くアヤネであったが。
「アヤネさんはちょっと緑が少ないですね」
「え? 野菜が少ないって?」
「野菜も摂るといいですよ」
 おかんみたいなことを言ってくる冬青をちらりと見て、手を伸ばすのは。
「じゃあそのクリームマシマシのフルーツサンドもいただこう」
 ――これはほぼ野菜!
 フルーツサンドという、ほぼ野菜!?
「フルーツサンド……」
 そんなアヤネが手にしたフルーツサンドを、じいっと見つめる冬青。
 いえ……フルーツサンドは大好きだけどおやつ、という主張もぐらぐら。
「う、やっぱり私も食べます!」
 アヤネと一緒に、フルーツサンドをいただきます!
 そして、はむっと頬張った冬青を見つめ、アヤネはくすりと笑ってから。
「ソヨゴ、クリームがほっぺについてるネ」
「えっ、どこですか……あっ」
 すいっと指先で掬ったクリームを、はむり……口に運んで、瞳を細める。
 ――甘いネ、って。
 シホはそんな冬青とアヤネのやり取りを見て、仲睦まじさにほっこり。
 それからそっとリコへと、明日を迎えるための一押し――輝喘で願う。彼女の巡礼の成功を。
「良ければ巡礼が終わるまで付けていて下さい」
 そうコミュ力で優しく語りかけるように声をかけ、被って貰うのは、催眠術の結界付『聖紗』。
 一般人が落ち着いて接することができる程度に、影朧の脅威が目立たなくなるから。
『こうかな……? どうもありがとう』
 リコは素直に言われた通りにしてみつつ、礼を告げて。
 さらにシホは、こんな提案も。
「長い爪も切った方が食べ易くなると思うのですが……」
 序でに、身形も整える事を。
『えっ、爪……?』
 リコは一瞬、そう瞳を瞬かせるけれど。
「お話聞いてほしいな」
 すかさず澪がじいっとリコに向けるのは、無意識の誘惑を湛える視線。
 さらに、慧華もにぱっと笑って。
「リコさんにも、オススメ教えてもらったお礼……一口あーんしてあげるねっ♪」
 彼女の警戒も解けるような無邪気さで、あーんっ。
 そして……爪も切ってみようかな、なんて頷いたリコの呟きを聞いて、シホは礼を言う。
「澪さん、慧華さん、ありがとう♪」
 そんな仲良くリコの身だしなみを整え始めたシホ達を後目に。
「そして、最後は牛乳だー!」
 満を持して、都月が手にするのは……牛乳!
「腰に手を当てて飲むと美味しいらしいですよ!」
「腰に手当てて飲むのは王道だよな」
 そう言った都月にほほえまし気な目を向けつつ。
 ……大体風呂上りな気がすっけど、と呟きながらも、夏輝は腰に手をあててから。
「飲み終わったらぷはーって言うんだぜ。常識常識♪」
「ぷはー?」
 都月はこてりと首を傾けるも。
 夏輝の真似をし、牛乳を飲み直して……彼に続いて、ぷはー!
 そんな楽し気な皆の様子を見て、くすくすとリコは笑って。
 そして、こう続ける。
『みなさん……何だか、先生の作品に出てくる人たちに、似てる……特に『帝都学園殺人事件』とか『桜雪ミステリートレイン』とか……』
「此処の面々が、『桜ノ匣庭』の登場人物に似てる?」
「確かに学園や列車の殺人事件の登場人物が似ていますね」
 クロムはシホと顔を見合わせ、そう言ってから。
 愉快そうに尻尾をふぅわり揺らして、リコに微笑む。
 ……そうかなぁ。どうなんだろう、ね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

千家・菊里
【花盛】
一日の元気は朝食から――ふふ、実に良い香りが漂っていて、今日も幸せな幕開けとなりそうですねぇ
伊織も斜め下に飢えたり渇いたりしてないで、しっかり食べないと駄目ですよ
そんなだからいつまでたってもひょろっこいもやしなのです
(やはり一般人――と、伊織の視線からリコさんを庇う様に座り)

女性陣はこの世界らしい取り合わせですねぇ
俺は悩んだ結果、先ずは具沢山おにぎりを――そしておかわりにやはり具沢山中華粥、合間に副菜や汁物や飲物も楽しみつつ、デザートに噂の苺のフルーツサンドわけっこに参戦で参ろうかと

ああ、良いですねぇ
リコさんの思い出もまた、楽しいものとなりますよう
(ほくほく笑顔でほくほくごはん頂き)


永廻・春和
【花盛】
ええ、良き朝食は健やかな体のみならず、心も育んでくれるもの
ゆるりと幸いなる一時を堪能させて頂きましょう
(爽やかな朝鳥の囀りが愛らしいなと思いつつ
――つまる誰かの寝言は耳に入っていない模様
で、ふと誰か――ではなく、件の彼女に微笑み)
ええ、リコ様も宜しければ是非ご一緒に
(何だか騒がしい同席者を放置しつつ
周囲の不安拭う様に平和な女子会布陣を)

私も和洋折衷に慣れ親しんでおります故、何を頂く形でも楽しく――今日はスモークサーモンとクリームチーズのおにぎりにしようかと
後は折角ですから、各先生縁のお品も皆で分け合いつつ頂きますか?

ふふ、食事も歓談も本当に幸いで――リコ様の心身もどうか満ち足りますよう


千百秋・清明
【花盛】
うんうん、幸先良くスタート切る為にも朝ごはんは大事よね!
呉羽さんは折角の晴れやかな朝に何寝惚けてるの?寝言も程々にね!
(誰かの寝言やら周囲の不安を吹き飛ばすように、不意に明るく手を振り!)
あ、リコちゃーん!良かったら私達と女子会しよー!

さてと、普段は気分次第で和洋まちまちだけど、今日はどうしようかなー
あ、じゃあ私和風サンドにするから春ちゃん交換しよー!
ふふ、巡礼メニューわけっこも勿論乗る!
(まだ寝言紡ぎかけた口には、すかさずサンド押し込み封じた!)

そうだ、店主さん!
良かったらリコちゃんや私達にも先生の思い出話を聞かせてもらえないかな
美味しい朝食に楽しい歓談で、お腹も幸せも一杯にしてこ!


呉羽・伊織
【花盛】
皆して朝から元気だな~
あ、今日は勿論此処の朝食を堪能するケド、ソレなら明日は春チャンの手料理でオレの心に活力を!

ああ寝言だよ今日も儚い夢に終わったよ!
あと食気狐もこんな時だけ口を挟むな~!
くっ、こーなったら――リコチャン、一緒に食事でm(かきけされました)

(このいつもの流れも平和な空気作りの一端ダヨ、ウン)
相次ぐ心労やら酒宴やらで色々弱りきったオレは、噂のみぞれ粥にしとくネ
優しい味が色々沁みる…!
ああ、苺サンド分け合うならオレにも一口あ~(やっぱりかき略)

幸せそーに食べる姿見てるとつられて一層楽しくなるな
あ、思い出話は確かに興味深いかも
この品々の如く、巡礼も一層彩り豊かに進むと良いな



 好きな物を好きなだけ食べられれば、きっとこれからの1日だって幸せだろうと。
 その人に合った朝ごはんを提供する店、それが皆で訪れているこの店――『ふくふく堂』。
 そんな美味しそうな匂いで満ちている店内で、早速ほくほく幸せそうなのは、千家・菊里(隠逸花・f02716)。
「一日の元気は朝食から――ふふ、実に良い香りが漂っていて、今日も幸せな幕開けとなりそうですねぇ」
「うんうん、幸先良くスタート切る為にも朝ごはんは大事よね!」
 千百秋・清明(晴雲秋月・f22617)も、菊里に大きく頷いて。
「皆して朝から元気だな~」
 呉羽・伊織(翳・f03578)は、朝からわくわくな様子のふたりを見遣った後。
「あ、今日は勿論此処の朝食を堪能するケド、ソレなら明日は春チャンの手料理でオレの心に活力を!」
 くるりと元気に、永廻・春和(春和景明・f22608)へと視線を移すけれど。
 ――爽やかな朝鳥の囀りが愛らしいな。
「ゆるりと幸いなる一時を堪能させて頂きましょう」
「…………」
 鳥さんの可愛さに気を取られて、明日は手料理云々とか心に活力とか、春和の耳には明らかに入っていない模様。
「……あのー春チャン? ウン、鳥も愛らしいケド……明日は手料理でオレの――」
「呉羽さんは折角の晴れやかな朝に何寝惚けてるの? 寝言も程々にね!」
「寝言? 呉羽様はまだ寝ていらっしゃるのですか?」
 ちょっともう一度チャレンジしてみた伊織の言葉をびしっと遮って言った清明の声に、ようやく鳥さんから視線を伊織へと戻した春和はそうきょとり。
 ということで。
「ああ寝言だよ今日も儚い夢に終わったよ!」
 明日のうきうき手作り朝ごはんは、やはり儚い夢と消えました。
 そんないつもの様子に、ふうっと溜息をついてみせて。
「伊織も斜め下に飢えたり渇いたりしてないで、しっかり食べないと駄目ですよ。そんなだからいつまでたってもひょろっこいもやしなのです」
「あと食気狐もこんな時だけ口を挟むな~!」
 伊織はそう言い返しつつも、何気に自分の視線を遮るように座る菊里を何とか避けんとしながら、ちらりとほんのちょっぴりだけ見えた彼女に声をかける。
「くっ、こーなったら――リコチャン、一緒に食事でも……」
「あ、リコちゃーん! 良かったら私達と女子会しよー!」
 誰かの寝言やら周囲の不安を吹き飛ばすように、不意に明るく手を振った清明に続いて。
 ふわりと微笑み向ける春和。
「ええ、リコ様も宜しければ是非ご一緒に」
『女子会……? わたしも、いいの?』
 誰か……では勿論なく、リコへと。
 そして何だか騒がしい同席者を放置しつつ、周囲の不安拭う様に平和な女子会布陣を敷いて。
 店内にいる一般人……と、伊織の視線からリコを引き続き庇う様に位置取りながらも。
「よろしければご一緒しませんか?」
 美味しいものもいっぱいありますし、と菊里もにこにこ。
 そんなまた寝言をかき消され、色々再び夢と終わった伊織を後目に。
「さてと、普段は気分次第で和洋まちまちだけど、今日はどうしようかなー」 
 そうこてりと小さく首を傾ける清明に、春和は一通りくるりと並ぶごはんを見回して笑む。
「今日はスモークサーモンとクリームチーズのおにぎりにしようかと」
「あ、じゃあ私和風サンドにするから春ちゃん交換しよー!」
 私も和洋折衷に慣れ親しんでおります故、何を頂く形でも楽しく……と紡ぐ春和に、清明は交換こを提案して。
 仲良くキャッキャ、楽し気におにぎりと和風サンドを交換するふたりをほのぼの見つめながら。
「女性陣はこの世界らしい取り合わせですねぇ」
 菊里は悩んだ結果、選んだ具沢山おにぎりを……いつの間にか、綺麗に食べ切って。
 そしておかわりにと、やはり具沢山な中華粥、その合間に副菜や汁物や飲物も余すことなく存分に楽しんで。
(「このいつもの流れも平和な空気作りの一端ダヨ、ウン」)
 そんなやっぱり結局、安定の展開となった平和(?)な現状に、遠い目をする伊織。
 それから、相次ぐ心労やら酒宴やらで色々弱りきったと言う彼が口にしたのは、噂のみぞれ粥。
 ひとくち食べてみれば、ほっこりぬくぬく。
 ――優しい味が色々沁みる……!
 思わずほろりとするくらい、やっとお粥に優しくしてもらいました。
 けれど……再び訪れた機会を、懲りずに伊織は聞き逃さない。
「後は折角ですから、各先生縁のお品も皆で分け合いつつ頂きますか?」
「ふふ、巡礼メニューわけっこも勿論乗る!」
 そう、わけっこです!
 ということで、早速。
「ああ、苺サンド分け合うならオレにも一口あ~……ん!!?」
 まだ寝言を紡ぎかけた口にすかさず突っ込まれたのは、あまーい苺サンド……ではなく、清明が押し込んだ和風サンドです!
 そんなまたかき消された寝言などなかったかのように。
 デザートにと、噂の苺のフルーツサンドわけっこに参戦する菊里。
 そんなキャッキャとフルーツサンドを春和や菊里やリコとわけあっていた清明は、通りかかった店主へとこう声を掛けてみる。
「そうだ、店主さん! 良かったらリコちゃんや私達にも先生の思い出話を聞かせてもらえないかな」
 ――美味しい朝食に楽しい歓談で、お腹も幸せも一杯にしてこ! って。
『さ、櫻居先生の……!』
「あ、思い出話は確かに興味深いかも」
 そうほわほわ夢見心地に、苺サンドをはむりと口にするリコへと、伊織は視線を向けながら瞳を細める。
 幸せそーに食べる姿見てるとつられて一層楽しくなるな、って。
「ああ、良いですねぇ」
 ……リコさんの思い出もまた、楽しいものとなりますよう。
 菊里も彼女と一緒にほくほく笑顔でほくほくごはん頂きつつ、店主の話に耳を傾ける。
「櫻居先生は、無類の甘い物好きですね。でもたこ焼きもお好きで、あの形が可愛いんだよ~っておっしゃっていましたね。あ、そうそう……基本的に好き嫌いはない方でしたが、生のトマトだけは苦手ですね」
 何だか同じような人を知っている気が、菊里と伊織にはしながらも。
(「ふふ、食事も歓談も本当に幸いで――リコ様の心身もどうか満ち足りますよう」)
 キラキラと憧れの人の話を聞いている彼女に、春和はそっと笑んで。
(「この品々の如く、巡礼も一層彩り豊かに進むと良いな」)
 伊織もそう思いつつ、みぞれ粥を口に運ぶけれど。
「ああ、先生はよくそのみぞれ粥も召し上がっていらっしゃいましたが……昨日はこんなかわいこちゃんと飲んだ、一昨日はこんな美人さんと~なんて、よくお話してくださいましたね」
「くっ……」
 無自覚モテ男な作家の思い出話を聞いて、再び心で咽び泣きながらも。
 残りの朝ごはんも、美味しくいただくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

篝・倫太郎
【幽焔】
え?そこ気になるの?どんな字でも良くない?
そもそも、ひらがなの『ふくふく』って
字面が柔らかくて優しい感じだし
漢字はないのかもしれないぞ?

言うだけ言って
とっとと席について注文を始めるマイペースさには
呆れ半分、諦め半分

あ、俺もおにぎりで鮭と高菜
味噌汁は同じでいいけど……
つか、ウチは合わせだったろ?ずーっと

玉子焼きと胡麻和えどっちにも付けて?

師匠の問いに答えつつ、注文を済ませ
届いた朝食には手を合わせていただきます!

ふと見れば、お弁当を付けて幸せそうにもぐもぐしてるから
手を伸ばして米粒とったらぱくり

あんた、ほんとに俺の旦那と同い年なの?
と言ってやりたくなったけど飲み込んで

はいはい、次は皆でな?


ユーレィ・ユージィン
【幽焔】
ねぇ、倫太郎
『ふくふく』って漢字だとどんなだと思います?
俺すごく気になって!
ほうほう、ふむふむ……確かに
柔らかくて可愛いかも……!

あ、俺おにぎりが良いです!
チーズとおかかの合わせ技のやつと
きゃらぶきの佃煮の!
後、お味噌汁は豆腐とわかめとねぎ!
味噌は……家は何遣ってるの?
合わせ?なら合わせ!

出てきたご飯はおにぎりとお味噌汁
それから玉子焼きにほうれん草の胡麻和え

いただきまーす!(ぱっくん!)
ふふ、美味しい~

なんてもぐもぐしてると
倫太郎の手が伸びて
口の端の米粒を取ってくれるから
えへへ~とご機嫌に笑えば
呆れた顔は以前と変わらずいつもの事

美味しい美味しい朝ごはん

ねぇ、今度は皆で一緒に来ましょう?



 桜舞う世界の、爽やかな朝。
 美味しそうな匂いに満ちているその店に足を踏み入れたものの。
 篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は琥珀の瞳をぱちくりさせつつ、隣にいるユーレィ・ユージィン(ルイ・リール・f17625)へとちらりと視線を向ける。
 いや、だって――あの師匠が、何かをじいっと考えている様子なのだ。
 そして、暫く様子を窺っていれば。
「ねぇ、倫太郎」
 ふと顔を上げたユーレィが、ようやく口を開く。
「『ふくふく』って漢字だとどんなだと思います?」
 ――俺すごく気になって! って。
 それからまた『ふくふく堂』と書かれた店の看板を、じー。
「え? そこ気になるの? どんな字でも良くない?」
 思わずそうツッコミつつも、倫太郎もちょっぴりだけ考えてみて。
「そもそも、ひらがなの『ふくふく』って、字面が柔らかくて優しい感じだし。漢字はないのかもしれないぞ?」
 そう思ったことを答えてみれば。
「ほうほう、ふむふむ……確かに。柔らかくて可愛いかも……! あ、俺おにぎりが良いです!」
 言うだけ言って即、とっとと席について注文を始めるユーレィ。
 とはいえ、そんなマイペースすぎる行動には慣れてはいるから。
 呆れ半分、諦め半分で、大人しく倫太郎も朝ごはんを選ぶことに。
 そんな彼の心も知らず、うきうきとユーレィはメニューを眺めて。
「おにぎりは、チーズとおかかの合わせ技のやつときゃらぶきの佃煮の! 後、お味噌汁は豆腐とわかめとねぎ!」
「あ、俺もおにぎりで鮭と高菜」
 倫太郎も、おにぎりの朝ごはんに。
 そして、味噌は何にしますかと聞かれれば、ユーレィはきょとり。
「味噌は……家は何遣ってるの?」
「味噌汁は同じでいいけど……つか、ウチは合わせだったろ? ずーっと」
「合わせ? なら合わせ!」
 ……うん、放っておくと飲食も忘れて電脳空間に引きこもってしまう、周囲のお陰で今日も何とか生きている彼には、家の味噌汁美味しい~くらいしか分からないのだった。
 そんな師匠の問いに答えつつも。
「玉子焼きと胡麻和えどっちにも付けて?」
 ちゃんと栄養バランスを考えて、追加で加える倫太郎。おかんの鑑です……??
 それから注文を済ませ、暫くすれば――運ばれてくるのは、おにぎりと味噌汁、玉子焼きにほうれん草の胡麻和え。
 とても美味しそうな朝ごはん。
 ――いただきまーす!
 早速ふたり手を合わせ、はむり。
「ふふ、美味しい~」
 ぱっくん! と頬張って、もぐもぐ。
 そんな幸せそうなユーレィをふと見た倫太郎は、ふいに手を伸ばす。
 そして頬に付けているお弁当をとったら、ぱくりっ。
 最初は伸びた手に瞳を瞬かせていたユーレィだけど、えへへ~とご機嫌に笑う。
 だって、口の端の米粒を取ってくれるから。
 倫太郎はその笑みを呆れた顔で見つつも、いつもの事に言ってやりたくなる。
 ――あんた、ほんとに俺の旦那と同い年なの? って。
 けれど……そういう旦那も、年上だけどめっちゃ可愛いことなんてざらにあるから。
 とりあえず、それは言わずに飲み込んで。
「ねぇ、今度は皆で一緒に来ましょう?」
 美味しい美味しい朝ごはんに、そう、にこにこほわほわ笑みながら言ったユーレィに。
 倫太郎は琥珀の瞳を細め、合わせ味噌の味噌汁を飲みながらも返すのだった。
 ――はいはい、次は皆でな? って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

終夜・嵐吾
しーちゃんの聖地巡礼か~
わしも縁あったし、後ろついてって共に巡らせてもらお

迷うの……
いや、どちらも趣がある
ごはんもパンもどちらも美味い
迷うの……しかしわしは決めねばならぬ……

……自分で羽釜ではごはん、炊けんしな…
たまごで包んでおるそぼろのおにぎりと、高菜にしよ
あとはお任せしよかな
何でもおいしくいただけるし、オススメを頼むとしよ

ほかほかごはんのおにぎりに心のこもったおかず
うまい~、出汁の味がちゃんと出とる…いくら食べても飽きん味
しあわせじゃ~
しーちゃんもこうして、せーちゃん連れて食べよったんじゃろな

にしても、他のもおいしそじゃ…
なるほど、これは通ってしまうの
仕方ない、また来よう
次は、友も一緒にな



 店内へと足を踏み入れれば、ふわりと食欲をそそるいい匂い。
 そして琥珀の視線を巡らせ、リコの姿を確認しつつも。
 彼女がうっとりと見つめている、やたらちゃらいサイン色紙へとちらり目を向けながらも、終夜・嵐吾(灰青・f05366)は思う。
(「しーちゃんの聖地巡礼か~」)
 ……わしも縁あったし、後ろついてって共に巡らせてもらお、って。
 そう――ここは、しーちゃんこと、人気作家である櫻居・四狼のお気に入りの店のひとつだと聞いたから。
 彼のことを推しているリコの執着を果たしてあげることが、今回の目的ではあるのだけれど。
 案内された席で嵐吾は、うぬぅと頭を悩ませる。
「迷うの……」
 朝ごはんは、ごはんか、それともパンか。
(「いや、どちらも趣がある。ごはんもパンもどちらも美味い」)
 ごはんに味噌汁に……という和食も美味しいし。
 パンに目玉焼き、なんて洋食もまた捨てがたい。
 けれど、嵐吾にはわかっているのだ。
 迷うの……しかしわしは決めねばならぬ……、と。
 そしてちらりと厨房を見遣って、こう決断を下す。
「……自分で羽釜ではごはん、炊けんしな……たまごで包んでおるそぼろのおにぎりと、高菜にしよ」
 それに付ける副菜もまたどれも美味しそうで、悩んでしまいそうだけれど。
(「何でもおいしくいただけるし、オススメを頼むとしよ」)
 おにぎりの具だけ指定して、あとはお任せに。
 運ばれてきたのは、具を指定したふたつのふんわりおにぎりと。
 夏に食べたくなる梅でさっぱり煮た茄子の煮浸しに、人参とくるみのきんぴら、桜海老入りの玉子焼きにシャキシャキ大根のサラダ。シンプルだが塩辛さが絶妙な焼き鮭、そしてあさりの味噌汁。
 ほかほかごはんのおにぎりに心のこもったおかず、それをはむりと口にすれば。
「うまい~、出汁の味がちゃんと出とる……いくら食べても飽きん味」
 しあわせじゃ~と、尻尾もゆうらり。
 そしてあさりの味噌汁を飲んでみれば……お耳がぴこり。
(「しーちゃんもこうして、せーちゃん連れて食べよったんじゃろな」)
 ぐてぐてに飲み過ぎて介抱された翌朝に友が作ってくれるものと、同じ味がして。 
 それからほこほこ、美味しい朝ごはんを堪能しつつも。
「にしても、他のもおいしそじゃ……なるほど、これは通ってしまうの」
 まだまだ気になる品も、いっぱいあるから。
 嵐吾は後ろ髪ならぬもふもふ尻尾を引かれながらも、呟きを落とす。
「仕方ない、また来よう」
 ――次は、友も一緒にな、って。
 きっと、おすすめのものや裏メニューなんかも、もしかしたら知っているかもしれないから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

灰神楽・綾
【不死蝶】
梓は朝ご飯は和食派?洋食派?
いいこと思い付いたんだけどさ
俺が洋食、梓が和食の朝ご飯を取ってきて
それをシェアするっていうのはどうー?

サンドイッチやトーストも魅力的だけど
何より心惹かれたのは、ちょうど焼き上がったふかふかパンケーキ
トッピングは…シンプルにバターと蜂蜜も良いけど
生クリームにアイス、苺ジャムとかもそそられるなぁ
そうだ、梓とシェアするんだから両方取っちゃえばいいんだ
あとはスクランブルエッグ、ポテトサラダ、ミネストローネ
よし、これでばっちり

まずはメインのパンケーキを頂く
んーっ、熱々のふわふわで絶品っ
梓の持ってきた味噌汁も具沢山で優しい味がするね
えへへと蕩けた笑顔で堪能


乱獅子・梓
【不死蝶】
うーむ、和食も洋食も違った良さがあるから悩むな
…シェアと言いつつお前がほとんど食べそうな気がするんだが
気持ち多めに盛ってこよう

雑穀入りのご飯に、味噌汁、焼き鮭
他にはだし巻き卵に、ほうれん草のおひたし、きんぴらごぼう…
栄養バランスを考えて色々なメニューを取っていく
というのも、あいつのことだからきっと
栄養とか気にせず「映え」とか勢いで選んでいるだろうからな
…どこからともかく「オカンか」とツッコミが聞こえてきそうな

予想通り派手なパンケーキが出てきた
これはもう朝食というかデザートでは??
カクリヨで串料理食った時もこんなツッコミしたような
…まぁ綾が幸せそうな顔で食ってるからいいか



 何かと忙しい朝、出来る限り1分1秒でも寝ておきたい……なんて人もいるだろうし。
 朝ごはんはごはんじゃないといやだ、いやいやパンでしょ、と個人的な好みも様々だ。
 けれど、1日のはじまりに、自分の好きなものを好きな量だけ食べられれば、幸せな気持ちでこれからの1日を送れるのではないかと。
 カスタマイズできる朝ごはんを提供している店、それが今ふたりが訪れている『ふくふく堂』である。
 店の中に漂うのは、食欲をそそるいい匂い。
 灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)は一通り並ぶ献立をぐるりと見回してから、乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)に訊ねてみる。
「梓は、朝ご飯は和食派? 洋食派?」
「うーむ、和食も洋食も違った良さがあるから悩むな」
 ごはんに味噌汁も捨てがたいし、パン食もまた良い……。
 そう首を傾ける梓に、綾はにこにこ、こんな提案を。
「いいこと思い付いたんだけどさ。俺が洋食、梓が和食の朝ご飯を取ってきて、それをシェアするっていうのはどうー?」
 それだったら、和食も洋食も食べられる、何という名案……!
 というか。
「……シェアと言いつつお前がほとんど食べそうな気がするんだが」
 今までのことを思えば、そうなる予感しかしないけれど。
(「気持ち多めに盛ってこよう」)
 特に梓は反対することもなく、早速ふたりでそれぞれ、朝ごはん選びを。
 梓がまず選んだのは、雑穀入りのご飯。
 それに、味噌汁と焼き鮭をつけて。
(「他にはだし巻き卵に、ほうれん草のおひたし、きんぴらごぼうも盛っとくか……」)
 栄養バランスを考えつつも色々取っていけば、王道な和食朝ごはんに。
 ……いや、梓には分かっているから。
(「あいつのことだからきっと、栄養とか気にせず「映え」とか勢いで選んでいるだろうからな」)
 いや、オカンか……!
(「……どこからともかく「オカンか」とツッコミが聞こえてきそうな」)
 梓は案の定、知らずに、予想通りそうツッコまれつつも。
 バランスや彩りを考えて、オカンの朝ごはんを完成させる。
 一方、洋食朝ごはん担当の綾は。
「サンドイッチやトーストも魅力的だけど」
 でも、何より心惹かれたのは――ちょうど焼き上がったふかふかパンケーキ。
 それからきょろりと、迷ってしまう。
「トッピングは……シンプルにバターと蜂蜜も良いけど。生クリームにアイス、苺ジャムとかもそそられるなぁ」
 けれど綾は、その悩みを秒で自己解決する。
「そうだ、梓とシェアするんだから両方取っちゃえばいいんだ」
 ということで!
 シンプルにバターと蜂蜜のものも、生クリームにアイスや苺ジャムを乗せたものも……どっちもいただきます。
 さらに、スクランブルエッグ、ポテトサラダ、ミネストローネ……洋食朝ごはんに相応しい献立を選んでいって。
「よし、これでばっちり」
 満足気に、こくり。
 そして、えっへんとテーブルに並べられた梓作のパンケーキを見つめ、梓はぽつり。
「……予想通り派手なパンケーキが出てきた」
 しかも、ふたつ。
 ひとつはシンプルだが、とろーり蜂蜜が何気にすごく甘そうで。
 生クリームにアイスも苺ジャムもトッピングされたもうひとつのものは、あからさまに甘そう。
「これはもう朝食というかデザートでは??」
 ……何だか、カクリヨで料理を食べた時もこんなツッコミしたような気が……ものすごくする梓だけれど。
「んーっ、熱々のふわふわで絶品っ」
 早速、まずはまずはメインのパンケーキを頂く綾。
 それをぱくぱくっと食べていきながらも、梓が選んできた和食朝ごはんにも勿論手を伸ばして。
「梓の持ってきた味噌汁も具沢山で優しい味がするね」
 ふっと幸せそうに溜息を落としながら、にこにこ。
 えへへと蕩けた笑顔で色々と堪能色々と綾を見て、梓は改めて思うのだった。
 朝から甘々は、ちょっと胃がヘビーだとはいえ。
 ……まぁ綾が幸せそうな顔で食ってるからいいか、って。
 まさか、このあとのデザートも勿論余すことなく取ってこよう、なんて……そう梓が思っていることは、今はまだ知らないまま。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フリル・インレアン
ふわぁ、ここが櫻居先生がよく通っていた朝ごはん屋さんなんですね。
それじゃあ、私もここで朝ごはんを食べていきますね。
私はサンドイッチにしますね。
アヒルさんは、同じでいいんですか?
別に遠慮しなくてもいいんですよ。

あ、すみません、お水をいただけますか?
ふふ、そういえばミステリートレインで櫻居先生から頂いたお水はいかにも危ないお水でしたよね。
それにあの時・・・唇同士ではなかったですけど櫻居先生にキスをしてしまって、顔を合わせられなくなってしまいましたね。

アヒルさん、大丈夫です。
これはリコさんにとっての聖地巡礼でもありますが、私にとっても聖地巡礼なんです。



 大きな帽子をそっと押さえながら、おどおどきょろり。
 食欲をそそるいい匂いがする店内を、ぐるりと見回したフリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)が見つけたのは、何だか凄くちゃらいサイン。
 そしてそんなアイドルみたいなサインが誰のものか、フリルは知っている。
「ふわぁ、ここが櫻居先生がよく通っていた朝ごはん屋さんなんですね」
 人気作家の櫻居・四狼の熱狂的ファンであるという影朧の姿も、勿論店内にはあるし。
 見回せば、彼の作品の話をしている人もちらほら見受けられる。
 今回は、彼のファンだというリコの執着を果たすべく、聖地巡礼をさせてあげること。
 そしてこの店も、その聖地のひとつだから。
「それじゃあ、私もここで朝ごはんを食べていきますね」
 リコの様子を窺いながらも、フリルも案内された席について。
「私はサンドイッチにしますね」
 そう言ってから、隣のアヒルさんをみれば、大きく頷いてこくこく。
「アヒルさんは、同じでいいんですか? 別に遠慮しなくてもいいんですよ」
 けれど、それでいいとツンツンするから、お揃いのサンドイッチを選んで。
「あ、すみません、お水をいただけますか?」
 そう店員にお願いして、美味しいお冷を持ってきてもらえば。
 ふと思い出すのは、数か月前に、かの作家が起こした事件に赴いた時のこと。
「ふふ、そういえばミステリートレインで櫻居先生から頂いたお水はいかにも危ないお水でしたよね」
 自分のことを毒殺せんと、すごく泡立っていてツンと鼻をさすような臭いがする、いかにも毒です! みたいな水を出されたことを思い返しながらも。
 そして――作家とその時、勢いよくぶつかって。
(「……唇同士ではなかったですけど櫻居先生にキスをしてしまって、顔を合わせられなくなってしまいましたね」)
 そうそっと頬に、はわわと手を添えながらも。
 フリルは、普通の美味しくて冷たい水を口にしてから。
 大丈夫かといわんばかりに見つめるアヒルさんに、こくりと頷いて返す。
「アヒルさん、大丈夫です」
 ――これはリコさんにとっての聖地巡礼でもありますが、私にとっても聖地巡礼なんです、って。
 すごく満足そうに先生のサインを見つめた後。
 彼の好きだった苺サンドを大事そうに少しずつ、何よりも幸せそうに食べている、リコの姿を見守りながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『はかない影朧、町を歩く』

POW   :    何か事件があった場合は、壁になって影朧を守る

SPD   :    先回りして町の人々に協力を要請するなど、移動が円滑に行えるように工夫する

WIZ   :    影朧と楽しい会話をするなどして、影朧に生きる希望を持ち続けさせる

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 まるでそれは、キラキラ輝く甘い宝石が飾られた芸術品。
 その華やかな見た目もさることながら、口に運べば至福の味わい。
 そんな帝都の人たちの心を掴んで離さない、絶品タルトが味わえる人気店――『ビジュ・ドゥ』。
 常桜の世界にぴったりな、レトロアンティークな上品な店構えがお洒落で。
 リンと小気味良い鈴の音を鳴らして開いた扉の先に、一歩足を踏み入れれば。
 まず目に入るのは、美しい宝石箱の如きショーケース。
 そこにずらりと並べられているのは、沢山の種類のパティシエ拘りのタルトたち。

 まずは定番、イチゴ尽くしのタルト。艶やかに煌めく苺がこれでもかとふんだんに使われており、ブルーベリーが良いアクセントに。上品な甘さのカスタードとアーモンドのクリームとの相性抜群な逸品。
 また同じイチゴのタルトでも、帝都乙女も大好きなピスタチオクリームのものも大人気。
 白桃を花のようにぎっしり飾ったホワイトムースのピーチタルトも、見目も味も絶品で。桃とヨーグルトのタルトは爽やかで甘やかな味わい。
 濃厚マンゴーとパイナップルのタルトも、今の時期におすすめ。
 カスタードとバナナのタルトは、こってりしすぎない、ほど良い濃厚さ。
 様々な果実が散りばめられたフルーツアラカルトは、イチゴやマンゴーやぶどう、パイナップルにブルーベリー、バナナや桃やシャインマスカット……定番のものだけでなく今は夏のフルーツでいっぱいに色とりどり飾られていて。
 生チョコレートクリームのタルトは、敢えて濃厚なチョコレートだけを存分に味わえる。
 逆に、さっぱり味のシトロンのティラミスも夏の時期にぴったりであるし。
 レアチーズのタルトや、ほろ苦い抹茶と黒豆のチーズタルト、ヘーゼルナッツが効いているビターチョコとコーヒーのタルトなど。
 勿論、甘いものが苦手な人でも美味しく頂けるものも。
 そして、この店の看板であるという一番人気のタルトが、桜のモンブランタルト。この世界に満ちる春色のモンブランを飾る、イチゴと桜花の塩漬け。
 そっとお願いすれば、好きなフルーツを使ったオリジナルタルトも作ってくれるかもしれないという噂も。

 そんな、きっと好みのものが見つかるだろう、沢山の種類のタルトが並ぶ店。
 カットも好きな大きさでしてくれるというので。
 好きなものをがっつりでも、色々な味を少しずつでも、自由に好きなだけ楽しめる。
 誰かとシェアしても楽しいかもしれない。

 そしてこの店が、帝都の人達に人気であるもうひとつの理由。
「この店で、あの櫻居先生が働いていらっしゃったんですよね!?」
「ええ、この桜のモンブランタルトは、彼と私で考えた逸品ですよ」
「じゃあそれ、ください!」
 そう――リコの推し作家が、作家デビュー前に働いていた店であるというのだ。
 店主のこれまたイケメンパティシエ店長は、にこにこ愛想良く彼の話もしてくれる。
「先生は何て言ったって顔が良い上に愛想も良いので、乙女たちの心を掴みまくるのではと。そう思って、カフェのホール担当で採用したのですが。彼はよく言っていましたね、僕はすごく有名になるから数年後この店は大人気店になるよ~なんて。顔が良くてちゃらい見目なのでイケメン店員がいるとすぐ噂になりましたし、銀幕スターか何かかと思いきや……まさか作家になるとは。今思えば、彼の独特で繊細な感性を思えば、作家は天性ですが……すぐにデビューして大人気になって、びっくりしましたね」
 そんな彼を採用した私も、見る目があると思いません? なんて。
 そう笑いながらも、店主は続ける。
「先生は作家になってからも暫くは、客として通ってもくれましたが。かなりの甘党で、これはもっと甘くした方がいい、なんてよく言っていました。だから先生用に、激甘仕様のものなんかも作りましたが……ふふ、食べてみますか? 先生はイチゴがお好きなので、イチゴの乗ったものをよく選んでいましたし、あんなにスタイルも良いのに量もよく召し上がっていましたね」
 美味しいタルトも頂けて、そんな作家の昔話まで聞けるとなれば、ファンにとって聖地と言われるのも納得だ。
 そんな何気に商売上手な店長は、お飲み物も各種ありますのでセットでいかがですか、なんて笑みながら。
「先生が数年ぶりに新作を出したので、この店もいつも以上にお客様が足を運んでくださって嬉しい限りですが。最近お姿を見なかった先生がお元気に執筆されている、それがいちファンとして私も嬉しいですね」
 ではどうぞごゆっくり、と。タルトのようなキラキラのスマイルを向けて軽く会釈する。
 そして――もうすぐ、彼の熱狂的なファンである影朧・リコが来店することを。
 今は、この店にいる店主も客も、まだ知らないから。
 猟兵達は不安がるだろう彼らを安心させるべく、甘やかなひとときを楽しまんとメニューを開くのだった。
ユーレィ・ユージィン
【幽焔】
なるほど、宝石ですね
キラッキラしててどれも美味しそう

倫太郎はどれにします?
俺はね……倫太郎が頼まなかったのを頼みます(キリッ)
だって、折角だから色々な味食べたい!

俺は苺尽くしと白桃とあと、夏限定の!
期間限定は攻めないと(もう一度キリリッ)
残りはそれを完食してから追加で考えます

飲み物はアイスティ
甘くしないで、タルトの甘さを堪能する

来たタルトは頬が落ちそうな美味しさでうっとり
頭脳労働に糖分大事ですもの

ふふ、倫太郎、それ下さい
(あーんするも皿を差し出され)
ちぇー……
(美味しそうなところを遠慮なくもぐぅ!)

ふふ、あーんしてくれないからそうなるんです
ここも、皆で来た……
いいですね、そうしましょ?


篝・倫太郎
【幽焔】
あぁ、ナパージュだっけ?
キラキラにする艶出し的な……

と返したら
まぁた、マイペースにどれにするか聞いてくる
ほんっと、この人は……

あんたどれにすんの?
俺は桃とヨーグルト
和風なのあればそん中でお勧めも一つ

あぁ、俺は珈琲かな……アイス珈琲
俺も無糖で

来たタルトに蕩けるように笑う師匠は
いつも通り、普段以上にお子様状態
まぁ、甘いもの好きだしな……

でも、今、頭脳労働してないデショ?
腹回りに贅肉付くぞ?
そう脅かしても効きやしない

挙句、雛みたいに口開けて
何してんのと呆れつつ皿ごと差し出した、ら……

あー!一番美味しそうなとこ遠慮なく行きやがったな?!
くっそー……

いいもんよ、テイクアウト用意して貰うから……!



 足を踏み入れたお洒落な店内は、帝都乙女をはじめ、沢山の客で大盛況。
 そして、様々なタルトたちがずらりと並ぶショーケースを、じぃと見つめて。
 ユーレィ・ユージィン(ルイ・リール・f17625)はこくりとひとつ、頷きつつも紡ぐ。
「なるほど、宝石ですね」
 ……キラッキラしててどれも美味しそう、と。
 そんなユーレィの声に、篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は返すのだけれど。
「あぁ、ナパージュだっけ? キラキラにする艶出し的な……」
「倫太郎はどれにします?」
 会話のキャッチボールとか、やっぱりそういうのお構いなし。
(「まぁた、マイペースにどれにするか聞いてくる」)
 ほんっと、この人は……なんて、思いながらも。
 でも、師匠がマイペースであることは知っているし、今にはじまったことではないから。
「あんたどれにすんの?」
 ちらりと視線向け、倫太郎が訊ね返せば。
「俺はね……倫太郎が頼まなかったのを頼みます。だって、折角だから色々な味食べたい!」
 そう、きりっと返ってきたから。
 改めて、タルトが並ぶショーケースを一通り眺めてみて。
「俺は桃とヨーグルト。和風なのあれば、そん中でお勧めも一つ」
「じゃあ俺は、苺尽くしと白桃とあと、夏限定の!」
 倫太郎が言えば、すかさずユーレィはもう一度キリリッ。
 ――期間限定は攻めないと、と。
「和風でしたら今は、抹茶と黒豆のチーズタルトがおすすめですね。お飲み物など、他にご注文は?」
「残りはそれを完食してから追加で考えます。飲み物は甘くないアイスティで」
「じゃあ、和風はそれで。あぁ、俺は珈琲かな……アイス珈琲。俺も無糖で」
 店員にそう注文するふたり。
 飲み物を甘くしないのは、タルトの甘さを堪能したいから。
 そしてテーブルを飾るのは、キラキラ甘い宝石が飾られたタルトたち。
 早速ユーレィは夏限定タルトをわくわく、口へと運んでみれば。
 頬が落ちそうなその美味しさに、うっとり。
 そんなほわほわ、蕩けるように笑う眼前の師匠は、普段以上にお子様状態で。
「まぁ、甘いもの好きだしな……」
 そしてそれがまた、いつも通り。
「頭脳労働に糖分大事ですもの」
 はむりと苺や白桃も食べてみては、幸せそうににこにこと笑む師匠のその言葉に、倫太郎は首を傾けてみせて。
「でも、今、頭脳労働してないデショ?」
 ……腹回りに贅肉付くぞ?
 なんて、そう脅かしてみるけれど、案の定効きやしない。
 むしろ、挙句に。
「ふふ、倫太郎、それ下さい」
 ――ぱかり。
 いつだって、あーんされる準備万端……!?
 そんな雛みたいに口を開けて、キラキラそわりと期待の眼差しを向けてくる師匠に。
「何してんの」
 倫太郎は呆れつつ、あーん……ではなく。
 皿ごと差し出した、ら――。
「ちぇー……」
 ――もぐぅ!
「あー! 一番美味しそうなとこ遠慮なく行きやがったな!?」
「ふふ、あーんしてくれないからそうなるんです」
 あーんしてくれないなら、一番美味しそうなところを遠慮なくいただきます!
 そして、くっそー……と呟きを落としつつも。
「いいもんよ、テイクアウト用意して貰うから……!」
 ぐぬぬ、とそう言い放ち、自分がはむりといただいた桃とヨーグルトのタルトを頬張る倫太郎に。
「ここも、皆で来た……いいですね、そうしましょ?」
 ユーレィはほわほわ笑みを向け、こくりと頷く。
 一緒に来たいお店がまた増えたし――持ち帰った甘い幸せを家でもまた、今度は皆と楽しみたいから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

真宮・響
【真宮家】で参加

あの男、物凄い甘党だったんだねえ。甘党である瞬に通じる所があるというか。まあ、あの男で無くても夢中になりそうな品揃えだ。なにより奏と瞬の目の輝きが半端ない。

アタシは渋めの味でいこうか。さっぱり味のシトロンのティラミス、抹茶と黒豆のチーズタルト、ビターチョコとコーヒーのタルトにアイスコーヒーを添えて。

まあ、アタシはこれでお腹一杯になる。何より奏と瞬の幸せそうな顔を見ただけでお腹一杯だ。ああ、甘くて幸せな時間だねえ。


真宮・奏
【真宮家】で参加

なんと、カフェでも働いていたんですね、櫻居先生。まあ、あの方の性格なら十分あり得ますね。ああ、美味しそうな甘いものが一杯!!(目を物凄くキラキラ)

まずイチゴのタルトは2種類制覇します!!フルーツアラカルト、マンゴー、2種類のピーチタルト・・・ああ、美味しくて幸せ・・・あ、名物の桜のモンブランタルトも!!ドリンクはアイスココアで!!

こんな楽園が存在したとは・・・兄さんも結構食べてますね?甘党の兄さんには最高ですよね!!ああ、なんて幸せな時間なんでしょう!!


神城・瞬
【真宮家】で参加

カフェで働くついでに自分を宣伝するとかお茶目で抜け目ないというか。まさに櫻居先生らしいというか。まあ、細かい話は抜きにして・・・この甘いもの、満喫しましょう。

マンゴーとパイナップルのタルト、カスタードとバナナのタルト、生チョコレートのタルト、レアチーズのタルト・・・甘党の僕には幸せ過ぎです。あ、飲み物はアイスティーで。

僕は甘いものは幾らでも食べれますので、メニュー全制覇もいけますが、母さんの財布の都合もありますし。ああ、最高に幸せな時間ですね。



 聖地巡礼、それは好きな作品や人物に縁のある場所などを巡り、その足跡を辿ること。
 影朧となってまで熱狂的なファンであるというリコは勿論なのであるが。
「あの男、物凄い甘党だったんだねえ」
 真宮・響(赫灼の炎・f00434)は、様々なタルトが並ぶショーケースを眺めつつ、そう件の作家のことを思い返す。
 自分達が会ったことのある人物の意外な一面を知ることのは、特にファンではなくても、全く知らないよりは少しは面白く感じるし。
「甘党である瞬に通じる所があるというか。まあ、あの男で無くても夢中になりそうな品揃えだ」
 ……なにより奏と瞬の目の輝きが半端ない、と。
 一応、猟兵としての仕事で店に訪れているのだが、自分達が楽しめば周囲の一般人も安心するから。
 響は瞳をキラキラさせている子供たちを見て、つられるようにそっとを笑み宿す。
 そんな母が微笑ましく見つめる、真宮・奏(絢爛の星・f03210)と神城・瞬(清光の月・f06558)は、並ぶタルトに心躍らせながらも。
「なんと、カフェでも働いていたんですね、櫻居先生」
「カフェで働くついでに自分を宣伝するとかお茶目で抜け目ないというか。まさに櫻居先生らしいというか」
「まあ、あの方の性格なら十分あり得ますね」
 作家の話題を交わしながら、ふたりで何となく納得するように頷いた後。
「まあ、細かい話は抜きにして……この甘いもの、満喫しましょう」
「ああ、美味しそうな甘いものが一杯!!」
 物凄く瞳を輝かせて、目一杯甘くて美味しいひとときを、勿論楽しみまくる所存。
 ということで早速、それぞれが気になったタルトを選ぶことに。
「まずイチゴのタルトは2種類制覇します!! フルーツアラカルト、マンゴー、2種類のピーチタルト……ドリンクはアイスココアで!!」
「僕は、マンゴーとパイナップルのタルト、カスタードとバナナのタルト、生チョコレートのタルト、レアチーズのタルト……あ、飲み物はアイスティーで」
 奏が最初に選んだのは、定番のイチゴのタルト。イチゴはイチゴでも、カスタードとアーモンドのクリームのものも、ピスタチオクリームのものも……当然、両方とも頼みます!
 他にもいっぱいのタルト達や飲み物を、瞬と一緒にあれもこれもと注文して。
「アタシは渋めの味でいこうか。さっぱり味のシトロンのティラミス、抹茶と黒豆のチーズタルト、ビターチョコとコーヒーのタルトを」
 響も、甘さ控えめのタルトを中心に選んでみて。それに添える飲み物は、アイスコーヒー。
 そして沢山のタルトが運ばれてきて、眼前のテーブルを埋め尽くせば。
 早速わくわく、いただきます!
「……ああ、美味しくて幸せ……」
「甘党の僕には幸せ過ぎです」
 ぱくぱくもぐもぐ、自分の注文したものを次々と平らげていきながらも。
 甘い物が沢山いただけるひとときに、瞬とともに奏はほわり、幸せを感じて。
 通りかかった店員を呼び止めて、続ける。
「あ、名物の桜のモンブランタルトも!!」
 そんな食欲旺盛、甘い物好きな子供たちを見ながらも、響は頼んだものでお腹一杯になるけれど。
 美味しいタルトは、勿論の事。
「こんな楽園が存在したとは……兄さんも結構食べてますね? 甘党の兄さんには最高ですよね!!」
「僕は甘いものは幾らでも食べれますので、メニュー全制覇もいけますが、母さんの財布の都合もありますし」
 ――ああ、なんて幸せな時間なんでしょう!!
 ――ああ、最高に幸せな時間ですね。
 そう同時に口にする奏と瞬のふたりに、こくりと頷きつつ。
「ああ、甘くて幸せな時間だねえ」
 アイスコーヒを飲みながらも、響は思うのだった。
 ……何より奏と瞬の幸せそうな顔を見ただけでお腹一杯だ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アン・アイデンティファイ
【PCK】
人気店か……僕も俗っぽいやつでね、人並みには期待させてもらおうかな
まずは紅茶、それに酸味を感じられるタルトを店員さんにいくつか見繕ってもらおうかな
デート? ああ、これはデートだったんだね、なるほど、そういうものか。と一人で納得しながら

タルトが届けば空虚な瞳に、ほんのわずか光をたたえる。静かな挙措で一口
ん、美味しい……
甘いだけでないタルトに好食感
一口? いいよ。はい、あーん
平然とこなして、丁寧の切り取った美味しさを互いに共有する

うん、お腹を空かせてきた甲斐があったよ。さて追加の注文は出来るかな? もう少し、楽しませてもらうとしよう(彼女の問いに返答はせず、微かに笑んで)


リオ・ウィンディア
【PCK】
苺たっぷりのタルトとおすすめの桜のモンブランタルトを
外でデートってなんだか落ち着かないわ
でも、アンが美味しそうに食べる仕草が好き
「ねぇ、私にも一口ちょうだい?」
はにかみながらねだってみる
えへへ、たまにはこういう可愛いことをしてみたかったんだ
「その・・・アンもどうぞ?」
タルトを一切れフォークに乗せて彼と食べさせ合いっこ

キラキラのタルト
黒々とした彼の闇色の瞳を柔らかい月の瞳で見つめ返す
紅茶で喉を潤す仕草はどこか上品で
不思議な雰囲気を纏った小さな子供が二人楽しげにお菓子を頬張る
柔らかく、くすぐったい刻
アンとは対照的にほんのり頬を染める少女
楽しみはケーキそれとも私との時間?
私は両方よ



 アンティーク調の扉を開けば、チリンと聞こえる可愛らしい鈴の音。
 そして、扉を潜ったその先。
 宝石箱のようなショーウインドウを見つめているのは、沢山の客たち。
「人気店か……」
 アン・アイデンティファイ(デザイン・ベイビー・f33394)は、嬉々とタルトを選ぶ帝都の人達を見遣って。
(「僕も俗っぽいやつでね、人並みには期待させてもらおうかな」)
 案内されたカフェースペースの席へと座ってから。
 何だかそわそわとしている、目の前のリオ・ウィンディア(黄泉の国民的スタア夫人・f24250)へと視線を移す。
 そしてリオは、苺たっぷりのタルトとおすすめの桜のモンブランタルトを注文してから。
 愛くるしい表情にちょっぴり照れたような微笑みを宿し、紡ぐ。
「外でデートってなんだか落ち着かないわ」
「デート?」
 まずは紅茶と、それに酸味を感じられるタルトをいくつかお願いした後。
 アンは彼女の言葉にきょとりと一瞬、微か首を傾けるけれど。
(「ああ、これはデートだったんだね、なるほど、そういうものか」)
 そうひとりで納得していれば、運ばれてくるタルトたち。
「苺たっぷりのタルトと桜のモンブランタルト、そして紅茶に酸味が合うブルーベリーのレアチーズタルトとシトロンのティラミスです」
 眼前に並べられたそんなタルトたちへと視線向ければ。
 アンの空虚な瞳が、ほんのわずか光を湛えて。
 静かな挙措で一口、まずはブルーベリーのレアチーズタルトを口へと運んでみれば。
 注文通り、ブルーベリーとレアチーズの、絶妙な酸味と控えめな甘さがふわりと口の中に広がって。
「ん、美味しい……」
 甘いだけではないタルトに、好食感。
 リオは、そんな彼の姿を嬉しそうに見つめる。
 だって、アンが美味しそうに食べる仕草が好きだから。
 そしてはにかみながら、おねだりを。
「ねぇ、私にも一口ちょうだい?」
「一口? いいよ」
 ――はい、あーん。
 リオのおねだりに、アンは丁寧に切り取った美味しさを彼女にもお裾分け。
 平然とした所作でこなして、口元へと差し出せば。
 そっと口にしたリオは瞳を細め、嬉しそうに笑み零す。
 ……えへへ、たまにはこういう可愛いことをしてみたかったんだ、って。
 そして自分の頼んだ、甘酸っぱい苺のタルトも一切れ。
「その……アンもどうぞ?」
 フォークに乗せて、あーん……彼と、食べさせ合いっこを。
 それからリオは、柔らかい月の瞳で見つめ返す。
 キラキラのタルトを映す、黒々とした彼の闇色の瞳を。
 そっと紅茶で喉を潤すその仕草はどこか上品で。
 楽しげにお菓子を頬張るのは、不思議な雰囲気を纏った小さな子供が二人。
 それは――柔らかくてくすぐったい、ふたりだけの甘い刻。
 それから、静かにタルトを味わう彼とは対照的に。
 愛らしい苺のようないろに、ほんのりと頬を染めて。
 リオは彼へと問うてみる。
「楽しみはケーキそれとも私との時間?」
 ――私は両方よ、と咲って。
 アンは黒を湛えた双眸に、彼女の柔い月色を映しながらも。
「うん、お腹を空かせてきた甲斐があったよ。さて追加の注文は出来るかな?」
 彼女の問いには触れずに、微か笑んで返す。
 ――もう少し、楽しませてもらうとしよう、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

嘉納・日向
【朋】
最ッッ高じゃん……
思わずそんな感嘆を零す

まだタルト選んでもないのに言っちゃう?とか脳裏で親友がツッコミ入れた気がするけど、浮ついた視線はタルトの方。言ってもいいでしょこの、宝石みたいな果物づくしとか……ハイ、甘いもの大好きなんです……珍しくテンション上がるくらいには

気を取り直して、三日月さんは何選ぶんだろ。いろいろ折角だから食べたいよね。私も色々少しずつ取ってこ

三日月さん、オススメしてくれんの?マジかー助かる。参考しちゃお。マスカットの美味しそうね
あ、三日月さんこれ美味しかったよ、お花みたいな桃のタルトと、ピスタチオクリームとイチゴのやつ。勧められるばかりもアレだしさ。


月隠・三日月
【朋】
ここのタルトは正に宝石のようだね。あまり綺麗だから食べるのがもったいなく思えてしまう……けれど、こんなに美味しそうなタルトを食べずにはいられないね。

種類が多くて決めきれないな。小さめに切ってもらって、少しずつ色々な種類をいただこうか。
果物にチョコレート……抹茶やコーヒーの甘さ控えめのタルトも気になるな。一番人気の桜のモンブランタルトは外せないね。

特に美味しいタルトは嘉納さんにおすすめしよう。この淡い色のぶどうのタルト……あ、マスカット? 甘くておいしいから嘉納さんも気に入るのではないかな。
おや、嘉納さんもおすすめしてくれるのかい? フフ、ふたりだと美味しいものを2倍見つけられそうだね。



 ――最ッッ高じゃん……。
 アンティーク調の扉を潜って一歩、店内へと足を踏み込んだ瞬間。
 早速蕩ける、嘉納・日向(ひまわりの君よ・f27753)の語彙力。
 思わずそんな感嘆を零す日向に、まだタルト選んでもないのに言っちゃう? なんて。
 脳裏で親友がツッコミを入れた気がするけど、それよりも何よりも。
 そわそわちらり、浮ついた視線の先には、沢山の魅惑的な甘いタルトたち。
「言ってもいいでしょこの、宝石みたいな果物づくしとか……」
 日向は脳裏の親友のツッコミに、そう言い訳するみたいに返してから。
 タルトに視線を向けたまま、ちょっぴり照れたようにこくりと頷く。
「……ハイ、甘いもの大好きなんです……珍しくテンション上がるくらいには」
 そんな彼女に、月隠・三日月(黄昏の猟兵・f01960)は柔い微笑みを向けて。
「ここのタルトは正に宝石のようだね」
 日向の言葉にそう黒の瞳を細めてから、こう続ける。
「あまり綺麗だから食べるのがもったいなく思えてしまう……けれど、こんなに美味しそうなタルトを食べずにはいられないね」
 そんな彼の言葉に、こくこくと再び頷いてから。
 日向はようやく気を取り直し、美味しそうなタルトたちをくるりと見回した後。
 ちらりと、ショーケースをへと視線を向けている三日月の横顔を見つめてみる。
(「三日月さんは何選ぶんだろ」)
 そんな心を知ってか知らずか、小さく首を傾けながらも。
「種類が多くて決めきれないな。小さめに切ってもらって、少しずつ色々な種類をいただこうか」
 言った三日月に、日向も勿論大賛成。
「いろいろ折角だから食べたいよね」
「果物にチョコレート……抹茶やコーヒーの甘さ控えめのタルトも気になるな。一番人気の桜のモンブランタルトは外せないね」
「私も色々少しずつ取ってこ」
 ふたりで楽しく悩みながら、あれもこれもと、気になったものを少しずつ選んでみて。
 席に付けば、手を合わせて……いざ、いただきます!
 はむりとまずは、桃のタルトを口にしてみれば。
「……最ッッ高じゃん……」
 再びふにゃりと蕩けてしまう、日向の語彙と表情。
 三日月もそんな幸せいっぱいな彼女の様子に笑みながら、はむり。
「この淡い色のぶどうのタルト……あ、マスカット? 甘くておいしいから嘉納さんも気に入るのではないかな」
 特に美味しいタルトは、彼女にもおすすめ。
 そんな彼の言葉にキラキラ瞳を輝かせ、ぱっと笑み咲かせて。
「三日月さん、オススメしてくれんの? マジかー助かる。参考しちゃお。マスカットの美味しそうね」
 ……次はマスカットのタルト、と。
 日向は、タルトのおかわりにそっとそわり、気合いを入れながらも。
「あ、三日月さんこれ美味しかったよ、お花みたいな桃のタルトと、ピスタチオクリームとイチゴのやつ」
「おや、嘉納さんもおすすめしてくれるのかい?」
「勧められるばかりもアレだしさ」
 向けられた黒の瞳に、こくりと頷いて返す。
 そして、そんな彼女へと視線向ける三日月が宿すのは。
 ――フフ、ふたりだと美味しいものを2倍見つけられそうだね、って。
 大人びた言動の中に垣間見える、楽し気ないろ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

インディゴ・クロワッサン
※引き続き私服
「どれもこれも美味しそう…」
よーし、片っ端から六分の一ずつ食べちゃうぞー!
あ、飲み物はストレートの紅茶でお願いしまーす

カスタードとアーモンドのWクリーム苺タルト最高~…たまんなーい…
ホワイトムースと桃は見た目だけじゃなくて相性も最高だし、
ヨーグルトと桃は柔らかさっぱりで僕好みだなぁ…
フルーツアラカルトを季節と王道で食べ比べられるのって最高じゃない?
シトロンは夏向きだよねぇ…売れるの分かるぅ…
レアチーズは王道なんだけど、だからこそ腕前が分かるって言うね…

「あ、薄切り林檎と生クリームのタルトとかあるかなぁ…?」
食べたくなってきちゃったし、紅茶のお代わりとあわせて店員さんに頼もうっと!



 眼前にキラキラ煌めいているのは、まるで宝石が飾られているようなタルトたち。
 そんな甘いタルトが並ぶショーケースを、金の瞳でじいっと見つめて。
「どれもこれも美味しそう……」
 そう呟きを落とすのは、インディゴ・クロワッサン(藍染め三日月・f07157)。
 どれも全部美味しそうで、到底どれかに絞れず、頭を悩ませてしまうが。
 こういう時の解決法は、これです!
「よーし、片っ端から六分の一ずつ食べちゃうぞー! あ、飲み物はストレートの紅茶でお願いしまーす」
 少しずつ、全部いただきます!
 そしてストレートティーと共に、タルトをずらりテーブルに並べてから。
 いざ、いただきます……!
 まずは、定番の苺をぱくり。
「カスタードとアーモンドのWクリーム苺タルト最高~……たまんなーい……ピスタチオクリームの方も美味しいー」
 そして桃のタルトを、はむりもぐもぐ。
「ホワイトムースと桃は見た目だけじゃなくて相性も最高だし、ヨーグルトと桃は柔らかさっぱりで僕好みだなぁ……」
 さらに、ぱくぱく、はむはむ。
「フルーツアラカルトを季節と王道で食べ比べられるのって最高じゃない?」
 甘くないタルトだって勿論、全部美味しくいただきます!
「シトロンは夏向きだよねぇ……売れるの分かるぅ……抹茶と黒豆のタルトは濃厚なほろ苦さが大人の味だし、ビターチョコとコーヒーのタルトはナッツが効いてていいなぁ……レアチーズは王道なんだけど、だからこそ腕前が分かるって言うね……」
 いや、けれど……味わうのは、取って来たタルトだけに留まりません。
 紅茶のおかわりをお願いしている最中、こうぽつりと呟きを落とすインディゴ。
「あ、薄切り林檎と生クリームのタルトとかあるかなぁ……?」
 食べたくなってきちゃった、なんて続いた藍色の食いしん坊さんの言葉に、店員はにこにこと笑んで返す。
 ……薄切り林檎と生クリームのタルトですね、かしこまりました、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
さらなる甘味…恐ろしい強敵がここには揃っているわね…。
…ええ、体重計が悪いのよ。

ということで色々な味を少しずつアラカルト。
合わせて激甘仕様のものももちろん準備よ。

そしてリコが来たらすかさず勧めるわ。
もちろん先生のお気に入りである逸話も取り混ぜながら次々と。

ミソは私が食べないことよ。
アイスティーでも飲みつつ乙女の最悪にして最良の敵をリコにお任せするわね。



 やって来たアンティーク調のお洒落な店で、ぶるりと。
 思わずそっと震えてしまうのは、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)。
「さらなる甘味……恐ろしい強敵がここには揃っているわね……」
 朝は何とか、食べすぎという脅威を躱せたヴィオレッタであるが。
 帝都乙女達にも大人気だというタルト屋のショーケースはキラッキラ。
 甘くて美味しそうな強敵が抗いがたい魅了を放ちながら、ずらりと並んでいる。
 いや、厳密にいえば、眼前のタルトが恐ろしいのではない。
 真に恐ろしいのは……そう。
(「……ええ、体重計が悪いのよ」)
 体重計です!
 ということで選ぶタルトは、色々な味を少しずつ取ったアラカルトにして。
 合わせて激甘仕様のものももちろん準備しておくヴィオレッタ。
 そんなこんなテーブルが丁度華やかになった時――店内にやってきたのは、リコ。
 影朧の彼女に、周囲は騒めいて一瞬緊張感がはしるけれど。
「リコさん、こっちよ。このタルト、櫻居先生のお気に入りだから取っておいたわ」
『! 先生のお気に入り……!』
「先生はとても甘党だから、これはさらに甘くした先生用の特製タルトなんですって」
『先生が甘党なのは知ってたけれど……はむっ、あ、あまい……! はわ、幸せ……っ』
 ただでさえ甘い桜モンブランをさらに甘くした作家仕様のタルトを、リコは頬張って。
 その甘さに驚きながらも、幸せな様子。
「先生は苺が好きだったみたいだから、こっちの苺タルトも食べてみたらどうかしら」
『貴方は食べなくていいの? いただきます……!』
「私は大丈夫よ、全部食べてちょうだい」
 ヴィオレッタはそうリコへと、どんどんタルトを勧める。
 彼女が推している先生のお気に入りである逸話も取り混ぜながら、次々と。
 そう――これも、ヴィオレッタの綿密な作戦でなのある。
(「ミソは私が食べないことよ」)
 リコに食べて貰えば、体重計だってこわくない!
 ということで、アイスティーを飲みながら。
 リコに、甘ーいタルトをひたすら勧めるヴィオレッタ。
 乙女の最悪にして最良の敵は、喜ぶ彼女にまるっとお任せです!

大成功 🔵​🔵​🔵​

鵜飼・章
【WE】
何言ってるの柊くん
まだ櫻居先生許してないんでしょ
タルトの圧に屈するとは所詮男子高生…
引きずって連行する

せっかくの聖地巡礼だし
僕は激甘桜のモンブランに苺をトッピングして
櫻居先生気分を味わってみようか
猛烈に甘いというから口直し用の抹茶タルトと
やっぱりアラカルトも贅沢で気になるよね…
ピーチタルトと生チョコタルトも美味しそう
全部頼んでおこう…ホールで
ドリンク何がいい?僕クリームソーダ

ああうん多分入るよ
さっきのは準備運動みたいなものだから
どれもとても美味しい…
イケメン店長さんの話も聞きたいね
櫻居先生もこれくらい食べてたのかな

頼んだ物はきちんと完食
あ、片付けてくれたんだ
柊くんもここでバイトしたら?


柊・はとり
【WE】
た、タルト専門店…
女子と一緒じゃないとすげえ入り辛いんだが
お前よく平気だな…やっぱ帰っていいか?

甘い物はあんまり得意じゃないんで
俺はビターチョコとコーヒーのやつで

おい鵜飼それ全部食うのか…?
ホールで?
さっき粥もそもそ食ってたろ…俺手伝わないからな
クリームソーダ合わせるとか正気じゃねえ
烏龍茶とかにしとけよ

とか言ってるうちにどんどん皿が減ってる
怖…
桜モンブランどんだけ甘いのか
怖い物食べたさで少し気になるな
一口だけ食ってみるけど甘ッ
俺はこれ無理だわ…大人しく自分のタルト食べてる

食うだけで片付けないしこいつ…
待ってる間に机片付けとく
バイト?無理無理絶対無理
俺にはハードル高すぎる…イケメン怖い



 一言でいうと、めっちゃキラキラ眩くて辛い。
「た、タルト専門店……」
 女子力のカタマリ、みたいな洒落た店構えに怖気づいているのは、柊・はとり(死に損ないのニケ・f25213)。
 いや、せめて連れが女の子であればなのだけれど。
「女子と一緒じゃないとすげえ入り辛いんだが」
「何言ってるの柊くん。まだ櫻居先生許してないんでしょ」
 何せ、連れも野郎。しかも、あの鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)である。
「お前よく平気だな……やっぱ帰っていいか?」
 いやむしろ空気が読めない彼だからこそ、全然平気なのだろうけれど。
 タルトの圧に屈するとは所詮男子高生……と、案の定引きずられ、店内へと連行されるはとり。
 そんなお年頃な男子高生代表みたいなはとりと、何も気にしない章は、お洒落オーラを放っている店員に席に案内されてから。
 早速、タルトを頼むことに。
「せっかくの聖地巡礼だし、僕は激甘桜のモンブランに苺をトッピングして、櫻居先生気分を味わってみようか」
「甘い物はあんまり得意じゃないんで、俺はビターチョコとコーヒーのやつで……」
「猛烈に甘いというから口直し用の抹茶タルトと、やっぱりアラカルトも贅沢で気になるよね……ピーチタルトと生チョコタルトも美味しそう」
 ただでさえちょっとこの空気感で呼吸の仕方とか迷子になっているのに、イチゴとかキラキラ可愛くて甘いものとか無理。
 そんな男子高生を後目に、章は沢山並ぶタルトに一通り目移りしてから。
 選んだ結論は、これ。
「全部頼んでおこう……ホールで」
「……おい鵜飼それ全部食うのか……? ホールで?」
「ドリンク何がいい? 僕クリームソーダ」
「クリームソーダ合わせるとか正気じゃねえ。烏龍茶とかにしとけよ」
 先程の朝ごはん屋では、もそもそおなかに優しいみぞれ粥を食べていたのに。
 ……俺手伝わないからな、と。
 自分はカロリー過多なトリプルチーズベーコンエッグはとりバーガーバカの飯セットを朝ごはん屋で食べていたことは棚に上げ、言っておくはとりであったが。
「ああうん多分入るよ。さっきのは準備運動みたいなものだから」
 しれっと章が言ってのければ、運ばれてきたタルトの女子力で、途端に眩くなるテーブル。
 まさに、#柊くんとデートなう、のタグにぴったりなシチュエーション。
 だが、はとりにではなくタルトに意識が完全にいっている章は、キラキラ甘いタルトをはむり、もぐもぐ。
 朝ごはんの時はまだ、朝に弱すぎて真価を発揮できていなかった章だが。
「どれもとても美味しい……」
 あんなに沢山並んでいた女子力たちがどんどん駆逐されていく様子に、怖……と戦慄するはとり。
 けれどやはり、彼は好奇心旺盛な男子高生。
「桜モンブランどんだけ甘いのか、怖い物食べたさで少し気になるな」
 そうフォーク握る手を伸ばして、桜モンブランタルトを一口、ひょいぱくしてみるも。
「……甘ッ」
 悶えるほど、甘かった。
 そんなぷるぷるするはとりを見遣り、クリームソーダを飲みながら。
「柊くん、大丈夫? 甘くない芋のタルトがあるけど、いる?」
「……俺はこれ無理だわ……大人しく自分のタルト食べるわ」
 芋を勧めてくる章は華麗にスルーして、ちまちまビターチョコとコーヒーのタルトを口に運ぶはとりであった。
 そんな様子に首を傾けつつも、章はふと、通りかかった店主に訪ねてみる。
「櫻居先生もよく食べる人みたいだけど、これくらい食べてたのかな」
「ええ、櫻居先生も超甘党の健啖家で。お客様のように、甘さましましの桜モンブランにクリームソーダや、ココアフロートを合わせていましたね」
「……いろんな意味でカロリー過多すぎる」
 章とあの作家はやはり何処か似ていて、ちょっとアレだし。
 そんなふたりが一緒にいたら、カロリー過多にもほどがありすぎる。
 そしてそれを知っているのは、何気にはとりだけである。
 そう思いつつも、自分のタルトを美味しく食べ終わってから。
「食うだけで片付けないしこいつ……」
 章が食べ終わるのを待っている間に、テーブルの上を片付けておくはとり。
 そんな気遣いもできる男子高生に、章と店主は目を向けて。
「あ、片付けてくれたんだ。柊くんもここでバイトしたら?」
「君みたいなイケメンくんが来てくれるなら、喜んで採用しますよ」
 お洒落な店で、はとりもキラキラ店員デビュー?
「バイト? 無理無理絶対無理」
 ……は、しないみたいです。残念。
 そしてはとりは、容姿は美しいがバイトとか絶対不適合すぎる連れと、にこにこ圧がすごいイケメン店長を見つつ、例の外見だけはいいろくでもない作家の顔を思い出しながらも思うのだった。
 ――俺にはハードル高すぎる……イケメン怖い、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夜鳥・藍
あの作家さん、もててらしたのね。あまり人の美醜はわからないから、というかそれ以前に実家では家の結びつきで結婚もあるから気にする必要がなかったというか……。

そんな感想も思い出も目の前のタルトを見ればどうでもよく。
ああ本当にあまり入らないお腹が恨めしい。
別腹とは言うけれど私には無縁な言葉だから、おすすめを少しずついただこうかしら。
夏らしい柑橘類の……レモンがいいかしら、それと果実系中心で。でもチーズ系も捨てがたいわ。きちんと味分ける量で5~6種類が限度かしら。
(甘い物は好きですが量が食べられないので、菓子としては種類を知らないのでお任せします。果実ならご近所と分け合ったりでよく食べるのですが。)



 桜咲く賑やかな帝都には、数え切れないほどの店が並んでいるが。
 次の目的地は迷うことなく、ここがそうであると分かる店構えをしていた。
 いや、見た目のお洒落さや女子力などはよく分からなくても。
 店へと入っていく帝都乙女達が、櫻居先生の……などとキャッキャはしゃいでいる声を聞けば。
 此処が彼が作家デビュー前に働いていたタルト専門店であろうことは、夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)にもすぐに分かったのである。
 そして藍も店内に足を運びながら、夢中で作家の話をしている乙女達の声を耳にして。
(「あの作家さん、もててらしたのね」)
 藍自身も見たことがある彼の顔を思い返しつつ、ふと首を傾ける。
(「あまり人の美醜はわからないから、というかそれ以前に実家では家の結びつきで結婚もあるから気にする必要がなかったというか……」)
 そんな作家のイケメンさはよく分からないけれど。
 でも、そんな感想も思い出も、どうでもよくなってしまうくらいに。
 藍も刹那、帝都乙女達と同じ様に、宙色の瞳をそっと輝かせる。
(「ああ本当にあまり入らないお腹が恨めしい」)
 目の前にずらりと並べられた、沢山のタルト達を見れば。
 甘い物は別腹、とはいうけれど。藍には無縁な言葉で、実際全く別腹ではないから。
(「おすすめを少しずついただこうかしら」)
 じいっと甘い宝石箱のようなショーケースを見つめ、自分のおなかのキャパとおすすめの文字がついているものと食べてみたいものを慎重に考慮しつつ。
「夏らしい柑橘類の……レモンがいいかしら、それと果実系中心で。でもチーズ系も捨てがたいわ」
 シトロンのティラミスタルト、フルーツアラカルト、レアチーズのタルトを選んでみて。
(「きちんと味が分かる量で5~6種類が限度かしら。甘い物は好きだけど、よく菓子の種類はわからないわ……果実ならご近所と分け合ったりでよく食べるのだけど」)
 あと種類ほど食べてみたいけれど、何にすればいいかと迷っていれば。
「甘い物がお好きでしたら、桜のモンブランタルトは当店一番人気ですよ。ホワイトムースのピーチタルトもおすすめですね」
 そう店員に勧められた、桜のモンブランとピーチタルトを追加して。
 少しずつ美味しそうなタルトが盛られた皿を眼前にすれば、宙色の瞳も再びキラキラ。
 そっとひとくち運んでみれば……口に広がる甘さに、ほわり幸せな心地。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フリル・インレアン
ふわぁ、ここで櫻居先生がアルバイトをしていたんですね。
あの櫻居先生もアルバイト時代はいろんな失敗をして、あの店主さんに怒られていたんでしょうね。
ふえ?あの櫻居先生が怒られて黙っているはずがないって、・・・そうですよね。
細かいことは気にしないで、すぐに忘れて
別の大きなことで返してきそうですよね。
だから、こんな素敵な桜のモンブランタルトなんて考え付いちゃうんですよね。



 アンティーク調の扉を、そうっと開いて。
 お洒落な店内に足を踏み入れるのは、フリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)。
 主に帝都女子達で賑やかな店の中を、オドオドしながらもくるりと見回せば。
 やはり見つけるのは、チャラいサインがしてある作家のサイン色紙。
 そんな色紙にスマートフォンを向け、作家のファンらしき帝都乙女達が必死に写真を撮っている姿を見遣りながらも。
「ふわぁ、ここで櫻居先生がアルバイトをしていたんですね」
 デビュー前に、作家が働いていたという店をくるりと見回してから。
 愛想良く接客している、あの作家とはまた違った系統のイケメンな店長を見つめ、フリルは思う。
「あの櫻居先生もアルバイト時代はいろんな失敗をして、あの店主さんに怒られていたんでしょうね」
 新人アルバイトあるある、な失敗を、あの彼も沢山したかもしれないし。
 あの先生のことだから、可愛い女の子のお客さんを口説いたりして。
 あの店長に怒られたなんてことも、かなりありそうである。
 そんなことをフリルが思っていれば、アヒルさんがツンツン。
「ふえ? あの櫻居先生が怒られて黙っているはずがないって、……そうですよね」
 怒られて大人しくしゅんとしている姿なんて、確かに全く想像ができない。
 アヒルさんの主張に、フリルも同意するようにこくりと頷いて。
「細かいことは気にしないで、すぐに忘れて、別の大きなことで返してきそうですよね」
 めげるとか、そういった様子もなく。
 むしろ、人懐っこさと発想力の豊かさでぐいぐいと。
 アイディアをだしたり、自分をぐいぐい売り込んだりしていそうだ。
 いや、実際そうであったのだろう。
 だって、この店の一番人気なタルトだと、そう店長が謳っている桜のモンブランタルト。
 それをひとつ注文してみながらも、あの作家のことを思い返しつつも。
 フリルはアヒルさんと顔を見合わせ、続ける。
 ――だから、こんな素敵な桜のモンブランタルトなんて考え付いちゃうんですよね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳴上・冬季
「何かあったら、襲われた方を庇っておきなさい」
有事のフォローを黄巾力士に放り投げ
目眩く甘味探訪へ

「とりあえず苺のタルト2種と桃のタルト2種、それから桜のモンブランタルトを。飲み物はカフェスアかカフェチュンで」

「たおやかな淑女のような甘さでした。美味しかったですよ。それでは次はチョコレート2種を舐めない方のロシアンティーで」
最終的には店にあったタルトは一通り食す

「私もタルトにガテン系の甘さを求めるのは間違っているだろうと思いますから。飲み物と合わせて楽しめる甘さで良いのでは?」
言いつつ飲み物は激甘

「身体の維持ではなく嗜好の追及としての食なので。私の舌はあまり参考にならないでしょう。ご馳走さま」



 数多ある世界の中で、この常桜の世界の甘味が一番口に合うと。
 そんな趣向の鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)にとってまさに此処は、舌に合う店に違いない。
 普通の甘党は勿論、かなりの超絶甘党な人用のタルトなんかもあると聞いたから。
 けれど、安心して甘やかなひとときを楽しむために、まずは。
「何かあったら、襲われた方を庇っておきなさい」
 冬季がそう告げるのは、自作宝貝『黄巾力士』。
 一応此処を訪れた目的は猟兵の仕事で、この店にやってくる影朧のリコは、害はない存在であるとはいうけれど。
 万が一の有事のフォローをさせるべく、念には念をと。
 とてとてと言われた通り警戒にあたる黄巾力士に、色々と放り投げれば。
 いざ、目眩く甘味探訪へ!
 冬季は一等甘い物を吟味するかのように、ぐるりとタルトが並ぶショーケースへと視線を巡らせて。
「とりあえず苺のタルト2種と桃のタルト2種、それから桜のモンブランタルトを。飲み物はカフェスアかカフェチュンで」
 それぞれ違った様々な種類の甘さが楽しめる苺と桃のタルトを2種類ずつと。
 甘党であったという作家仕様なさらに甘くした、桜のモンブランタルトを頼んで。
 添えるカフェスアは勿論、甘ーいコンデンスミルクたっぷりに。
 いや、朝ごはんもこれでもかと甘い物を食べてきたはずの冬季であるけれど。
 さらに甘々なタルトや飲み物も、涼し気な顔ではむはむ。
「たおやかな淑女のような甘さでした。美味しかったですよ。それでは次はチョコレート2種を舐めない方のロシアンティーで」
 ぺろりと難なく完食した後、さらに甘いもののおかわりを……!?
 そして今度は、やはり甘ーいジャムをたっぷり入れた紅茶をお供に。
 最終的には、店に並べられたタルトは一通り食して、制覇しました!
 それから、ふと食後のドリンクを口にしながらも。
「私もタルトにガテン系の甘さを求めるのは間違っているだろうと思いますから。飲み物と合わせて楽しめる甘さで良いのでは?」
 それなりに満足気に瞳細め、紡ぐ冬季。
 勿論、いただいている飲み物は激甘。美味だけれどドロ甘な、チョコレートドリンクです!
 けれど、そんなこれでもかというほどの甘い物尽くしを堪能している自分を、ぱちくりと見つめる店員へと。
「身体の維持ではなく嗜好の追及としての食なので。私の舌はあまり参考にならないでしょう」
 そう言った後、冬季はあっという間に飲み干したカップを置きながらも告げる。
 ――ご馳走さま、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アヤネ・ラグランジェ
【KOR】
みんなどれにするか迷ってるネ
ソヨゴはどれにする?
もったいないなら食べずに飾るかい?
と悪戯っぽく笑い

えっ?僕がタルト一個なわけないでしょ

しかし困った
種類が多過ぎる
全部食べたいけど食べたら後がつらそう

おや小分けにしてもらえるって?
それなら全種類制覇できるかもしれない
ソヨゴのマスカットの美味しそう
少しちょうだい
油揚げのタルトというのは初耳だけど
それもちょっといただこう

大食いだって?
僕は別に好きなものは際限なく食べられるだけで
そうそう別腹ってやつだネ


城島・冬青
【KOR】

うわぁどれも宝石みたいに綺麗なタルト
このまま食べるのがもったいないような
いえ!食べますよ!食べます!
どれにしようかなー
迷っちゃう
このみずみずしいマスカットのタルトにしようかな
ちょうど旬ですし
みんなは何にするんです?
あ!写真!皆さんの可愛いタルト撮らせて下さい

アヤネさんはタルト一個で足り…ないですよねー
まぁ私もお代わりすると思うんですが
朝ごはんにたくさん食べたとはいえやはり甘いものは別腹ですね
はいはい、一口どうぞ
アヤネさんのも下さいね?

油揚げ?!
そういうのもあるんですね
いや食べてみたら案外いけるのかも…

しかしシェアするとタルト一つはあっという間に無くなっちゃうね
次は何を食べようかな〜


シホ・エーデルワイス
【KOR】

朝食よりも目が輝く
実は甘いお菓子大好き

一番好きなのはブルーベリーのタルト

皆さん
分け合いませんか?

澪さんどうぞ♪
大勢で分け合えると一杯楽しめてお得です


リコさんが直接注文できなければ代わりに注文します


慧華さんは桜のモンブランタルトにしたのですね
少し頂けますか?

ふと思いつき
油揚げを使ったオリジナルタルトを頼んでみる

ええ
ラスク以外のお菓子をと思いまして

クロムさん
都月さん
食べてみますか?

もちろん皆さんもチィさんもどうぞ
夏輝さんと冬青さんも食べてみます?


写真撮影はOKです
後でデータを下さい


冬青さんとアヤネさんに自分と恋人を重ね
クロムさんの呟きに
ええ
羨ましいですね

澪さんと夏輝さんも…雰囲気が違う?


栗花落・澪
【KOR】
タルトは大好きー!
うわわ、どれも美味しそうで目移りしちゃうなぁ…

きょろきょろと色んなタルトを見つつ
あれもこれも食べたいけど自分が小食なのも自覚あるから
どうにか…どうにか絞っ……ううぅ~

悩んでいたが皆の言葉に瞳を輝かせ
いいの!? ありがとー!
じゃあ僕は……このいちごとピスタチオのやつにしようかな
やっぱりいちごは定番だもんね

夏輝君のあーんは素直に受けつつ
朱雀さんは体のどこにそんなに入るのか
ちょっと羨ましい気もする

席に着いたら早速タルトを食べて
一口ずつもらったタルトも幸せそうにもぐ
ん~どれも美味しい~♪
やっぱり乗ってるものが変わると風味も全然違うよね
僕のも一口ずつあげるー(順番に差し出し


朱雀・慧華
【KOR】
甘いものがいっぱーい!
私全種類食べるー!
あ、でもテーブルに乗らないかな
じゃあ後でまたお代わり来よー

あとね、今回もオススメあったら聞きたいな
自分で選ぶのもいいけど
やっぱり誰かのお気に入りは食べたいしお話も聞きたいもんね
桜のモンブランタルト? じゃあそれも食べる!
激甘も気になるー!

子供のコミュ力を生かして店員さんにもお客さんにも話しかけに行く
勿論話しかけてほしくなさそうな人は避けるよー

澪も一口食べるー?
いっぱいあるから選んでいいよー

え、なにそのタルト!
油揚げ? 気になるー、私も食べたーい!

写真もいいねー、タルト並べる?
私持って来たのも全部並べていいよ!
テーブルにいっぱい盛り盛りタルト!


小林・夏輝
【KOR】
朝ごはん食い放題からタルトまで
なんか贅沢な一日だにゃー
え、慧華あれだけ食ったのにまだ食えんの?
すげーな
俺は朝いっぱい食ったし、ちょっと控え目にしとくかな
生チョコタルト食おー

お、また交換する?
澪ーほれほれ、あーん(餌付け

オリジナルってそういうのも作れるんだな
油揚げタルトなんて聞くのも初めてだわ
え、マジ? あ、じゃあ…一口だけ…

あ、そういや俺もカメラ持ってんだよね
タルトもだけど、皆の食ってるとこ撮っていい?
記念ってことで

許可が出たら全員の美味しそうに食ってる顔
楽しそうに話してる顔
全部大切に撮影

あ、そーだ
折角だしリコも撮ってやろうか?
先生との思い出、一つくらい形に残る記念があってもいいだろ


木常野・都月
【KOR】

いっぱいケーキがある!
ケーキもタルトも、美味しいですよね!
タルトは、サクサクのクッキーのお皿が凄く美味しい!

どれも目移りする…
普段は果物いっぱいのを食べるんだけど……
ここはやっぱり珍しい桜のもんぶらんタルトは食べておきたい。
1番人気なら、きっと美味しい。

皆んなで分け合いっこすれば、色々味わえますよね!
そしたら、他に抹茶と黒豆のやつと、バナナのやつも!

えっ!シホさん、油揚げのタルトですか!?
それも食べたいです!
あ!えっと、チィも食べたいって!

色んなタルトがいっぱい。
こんなに沢山美味しいのが食べられて、なんか嬉しいな!


クロム・エルフェルト
【KOR】
なんて、煌びやか。和菓子も好きだけれど、洋菓子も好き
沢山の艶々な苺は、ふと何時かの「くれえぷ」を思い出させる
あれもフワフワ甘くて、大変美味しかった

白桃のタルトの見事な造詣に目を見張る
――凄い
エンパイアでは、まず御目にかかれない
これの大き目のを一つ頂こうかな

澪ちゃん、目移りしてる
白桃のタルト。良かったら、少しどうかな
都月くんとチィちゃんも。ちょっと大きすぎたから
手伝ってくれると嬉しい、な

油揚げのタルト……?
狐としてはとても気になる
頂けるのなら、こわごわ一口
……おいしい……!(尻尾ブンブン)

アヤネさんと冬青さんは、仲良く分けっこ
二人の空間、羨まし……い?
や、私は、何を(頭を振る)



 桜咲く帝都にある、アンティーク調の店の扉を開けば。
「いっぱいケーキがある!」
 甘い香りにお耳もぴこり、木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)が尻尾をゆらゆらさせれば。
「朝ごはん食い放題からタルトまで、なんか贅沢な一日だにゃー」
 美味しい朝ごはんの次は、ずらり並ぶ沢山の種類のタルト。
 そんな小林・夏輝(お調子者の珍獣男子・f12219)の言うように、確かに朝ごはんもとても美味しかったけれど。
 朝ごはんの時よりもさらに瞳をキラキラと輝かせているのは、シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)。
 実は甘いお菓子大好きな彼女にとって、タルトが並ぶショーケースはとても心が躍るから。
「タルトは大好きー! うわわ、どれも美味しそうで目移りしちゃうなぁ……」
 栗花落・澪(泡沫の花・f03165)も沢山のタルトたちを順にきょろり。
 どれにしようか、とても悩ましくて。
「ケーキもタルトも、美味しいですよね! タルトは、サクサクのクッキーのお皿が凄く美味しい!」
 甘い果物やクリームは勿論だけれど、都月の言う様に、さくさくのクッキー部分も美味なタルト。
 そんな都月の隣で、同じく尻尾をゆうらゆら。
「なんて、煌びやか。和菓子も好きだけれど、洋菓子も好き」
 クロム・エルフェルト(縮地灼閃の剣狐・f09031)も、宝石の様な果物たちが乗っているタルトをじいっと見つめながらも。
 タルトを飾る沢山の艶々な苺を目にし、ふと思い出すのは、何時かの「くれえぷ」。
(「あれもフワフワ甘くて、大変美味しかった」)
 くれえぷも、とても美味しかったから。眼前のタルトも楽しみだと、お耳をぴこぴこ。
 そして、ぐるりと一通りタルトを皆と同じ様に見回してから。
「甘いものがいっぱーい! 私全種類食べるー!」
 早速、迷うことなく全制覇宣言するのは、大食い少女な朱雀・慧華(純真天使・f17361)。
 けれど、慧華はこてりと首を傾けて。
「あ、でもテーブルに乗らないかな」
 テーブルとショーケースを交互に見遣るけれど。
 でも、そういう時にどうすればいいか、慧華は知っています!
「じゃあ後でまたお代わり来よー」
 お代わりすれば、万事解決です。
 そんな慧華に、瞳を瞬かせて。
「え、慧華あれだけ食ったのにまだ食えんの?」
 朝ごはんの時の彼女の様子を思い返しながら、すげーな、と呟きを落とす夏輝。
「みんなどれにするか迷ってるネ」
 アヤネ・ラグランジェ(十二の結び目を解き放つ者・f00432)は思い思いにタルトを見つめる皆の姿に、そう言ってから。
「ソヨゴはどれにする?」
 自分のすぐ隣で、やはり色々と目移りしている様子の城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)に訪ねてみるけれど。
「うわぁどれも宝石みたいに綺麗なタルト。このまま食べるのがもったいないような……」
「もったいないなら食べずに飾るかい?」
 冬青の言葉に、そう悪戯っぽく笑って。
「いえ! 食べますよ! 食べます!」
 冬青はぶんぶんと首を大きく振りつつ、美味しそうなタルトと改め向き合うも。
「どれにしようかなー、迷っちゃう」
 やっぱり、目移りしちゃいます。
 けれど、ふと瞳に飛び込んできたタルトを見つめて。
「このみずみずしいマスカットのタルトにしようかな。ちょうど旬ですし」
 選んだのは、まさに宝石の様にキラキラ艶やかなマスカットが乗ったタルト。
 それにやはり、気になるから。
「みんなは何にするんです?」
 そう訊ね、皆の様子を見回してみれば。
「俺は朝いっぱい食ったし、ちょっと控え目にしとくかな。生チョコタルト食おー」
 夏輝が選んだのは、濃厚な生チョコタルト。
 そして、クロムが見つめているタルトは。
「――凄い。エンパイアでは、まず御目にかかれない」
 花弁のように飾られた、見事な造詣の白桃のタルト。
 そんな芸術のような職人技が光る美しさに目を見張りつつも。
「これの大き目のを一つ頂こうかな」
 大きめに切って貰った白桃のタルトを皿に乗せて。
「どれも目移りする……」
 都月もきょろりとタルトたちへと視線をいったりきたりさせて。
「普段は果物いっぱいのを食べるんだけど……」
 普段食べ慣れている果物のものも勿論美味しそうなのだけれど。
 目に留まったのは『当店一番人気!』の文字。
 ……1番人気なら、きっと美味しい。
「ここはやっぱり珍しい桜のもんぶらんタルトは食べておきたい」
 都月が選んだのは、帝都乙女たちの心を掴んで離さない桜のモンブランタルト。
 そんな皆みたいに、自分で選ぶのもいいのだけれど。
「あとね、みんなのオススメあったら聞きたいな」
 ……やっぱり誰かのお気に入りは食べたいしお話も聞きたいもんね、って。
 今回も慧華は子供のコミュ力を十分に発揮し、店主や周囲の客におすすめを訊いてみれば。
「やはり、桜のモンブランタルトは当店自慢の一品ですね」
「櫻居先生のアイディアで作られた一品だもの、桜のモンブランは外せないわ!」
「桜のモンブランタルト? じゃあそれも食べる!」
「普通の甘さもですが、激甘も用意できますよ」
「激甘も気になるー! それも!」
 一番人気のタルトは、やはり皆のおすすめでもあるから。
 普通のも激甘のも、どちらもいただきます!
「慧華さんは桜のモンブランタルトにしたのですね。少し頂けますか?」
 そうお願いするシホにお裾分けする分も、慧華が大きめに切って貰っている間に。
「アヤネさんはタルト一個で足り……ないですよねー」
「えっ? 僕がタルト一個なわけないでしょ」
 じいっと自分を見つめ言った冬青に、当然とばかりに返すアヤネだけれど。
 すぐに、しかし困った、とショーケースのタルトと再び睨めっこ。
 何せ、並ぶタルトの種類は多すぎるほど豊富だから。
「全部食べたいけど食べたら後がつらそう」
 そうぽつりと呟きを落とせば。
「小さく少しずつ切り分けることもできますよ」
「おや小分けにしてもらえるって? それなら全種類制覇できるかもしれない」
 声を掛けてきた店主の言葉に、再び全制覇の野望を胸に抱きつつも。
「ソヨゴのマスカットの美味しそう」
 ……少しちょうだい、と。
 冬青の皿をちらり、チラ見すれば。
「はいはい、一口どうぞ。アヤネさんのも下さいね?」
 お互いに分けっこの約束を。
 そんないつものタルトのように甘ーい様子を見つめつつ。
「二人の空間、羨まし……い?」
 ふとぽろりと自分の口から零れ落ちた言葉に、クロム自身、瞳をぱちくりとしてしまって。
 ……や、私は、何を。
 そう、頭を振ってふるふる。
 けれど、そんなクロムの声に。
「ええ、羨ましいですね」
 シホは大きく頷いて……冬青とアヤネのふたりにそっと重ねるのは、自分と恋人。
 それから、一番好きなブルーベリーのタルトを頼んだ後。
「どうにか……どうにか絞っ……ううぅ~」
 きょろきょろと色んなタルトを見つつも、何だか唸っている澪を見て。
「皆さん、分け合いませんか?」
 シホはそんな提案を、皆に。
 あれもこれも食べたいけれど、自分が小食なのも自覚ある澪にとって、それは嬉しい申し出で。
「皆んなで分け合いっこすれば、色々味わえますよね!」
 ……そしたら、他に抹茶と黒豆のやつと、バナナのやつも! と。
 頷きつつも都月が追加で注文すれば。
「澪ちゃん、目移りしてる。白桃のタルト。良かったら、少しどうかな」
 そう言った後、クロムは澪だけでなく、都月やチィにも助っ人を。
 ……ちょっと大きすぎたから、手伝ってくれると嬉しい、な、って。
「澪も一口食べるー? いっぱいあるから選んでいいよー」
 慧華もずらり並べたタルトを澪にお裾分け。
「いいの!? ありがとー!」
「澪さんどうぞ♪ 大勢で分け合えると一杯楽しめてお得です」
 散々悩んでいたけれど、皆の言葉に瞳をキラキラ輝かせてから。
 じゃあ僕は……と澪が選んだのは。
「このいちごとピスタチオのやつにしようかな。やっぱりいちごは定番だもんね」
 定番はやはり外せません……!
 そして皆で楽しく選んで、いざいただきます――の、その前に。
「あ! 写真! 皆さんの可愛いタルト撮らせて下さい」
「写真撮影はOKです、後でデータを下さい」
「写真もいいねー、タルト並べる? 私持って来たのも全部並べていいよ!」
 冬青は映え写真を撮るべく、スマートフォンを構えて。
 シホや慧華が頷く中、皆が並べるのは、テーブルいっぱいの盛り盛りタルト!
 そして存分にタルトの撮影会が終われば。
「ん~どれも美味しい~♪ やっぱり乗ってるものが変わると風味も全然違うよね」
 澪は自分の選んだものをはじめ、一口ずつもらったタルトも幸せそうにもぐもぐ。
 そして勿論、貰うばかりではなくて。
「僕のも一口ずつあげるー」
 順番に皆に差し出しては、お裾分けを。
「お、また交換する? 澪ーほれほれ、あーん」
 夏輝が餌付けかのように、澪の口にタルトを持っていけば。
 彼のあーんを素直に受けて、ぱくりっ。
 それから嬉々と食べ進める慧華を見て、ぽつりと呟きを落とす。
「朱雀さんは体のどこにそんなに入るのか」
 ……ちょっと羨ましい気もする、と。
 そしてシホは、推し作家監修の桜モンブランを食べたそうにしている影朧のリコの様子に気付いて。
 彼女の代わりに注文する際に、ふとシホは、思いついたこれも一緒に頼んでみる。
「油揚げを使ったオリジナルタルトを作っていただけませんか?」
 ……ええ、ラスク以外のお菓子をと思いまして、と。
 そんなお願いに、油揚げでタルトとは珍しいですね、と言いつつも店主はすぐに了承して。
 作ってくれたのは、クリームチーズとたまごを合わせたエッグタルト風のオリジナル油揚げタルト。
「クロムさん、都月さん、食べてみますか?」
「油揚げのタルト……?」
「えっ! シホさん、油揚げのタルトですか!? それも食べたいです!」
 狐なふたりは、同時にお耳をぴこっ。
 尻尾もそわそわ、狐としてはとても気になる一品を見つめて。
「……頂けるのなら」
「あ! えっと、チィも食べたいって!」
 こわごわ、口へと運ぶクロムと一緒に、都月もはむり。
 瞬間、もう一度ふたり一緒に、お耳がぴこんっ。
「……おいしい……!」
 口に広がる美味しさに、尻尾もぶんぶんご機嫌に。
 そうなれば、勿論。
「え、なにそのタルト! 油揚げ? 気になるー、私も食べたーい!」
「もちろん皆さんもチィさんもどうぞ」
 真っ先に反応した慧華をはじめとして。
「もちろん皆さんもチィさんもどうぞ」
「オリジナルってそういうのも作れるんだな。油揚げタルトなんて聞くのも初めてだわ」
「油揚げ!? そういうのもあるんですね」
「夏輝さんと冬青さんも食べてみます?」
 興味深々な夏輝や冬青にも、シホはお裾分け。
「え、マジ? あ、じゃあ……一口だけ……」
「いや食べてみたら案外いけるのかも……」
 そんな皆の様子を見てから。
「油揚げのタルトというのは初耳だけど。それもちょっといただこう」
 アヤネも、ひとくち貰うことに。
 そして、アヤネさんはまだ足りないのでは、なんて冬青に目を向けられれば。
「大食いだって? 僕は別に好きなものは際限なく食べられるだけで」
「まぁ私もお代わりすると思うんですが。朝ごはんにたくさん食べたとはいえやはり甘いものは別腹ですね」
「そうそう別腹ってやつだネ」
 朝ごはんも沢山食べたのだけれど、それはそれ。
 あっ、アヤネさん口元についてますよ、なんて。今度はその頬に手を伸ばした後。
「しかしシェアするとタルト一つはあっという間に無くなっちゃうね」
 冬青はぐるりと視線を巡らせ、わくわく。
 ……次は何を食べようかな〜、って。
 そんな嬉々とタルトを食べる皆を見ながらも。
「あ、そういや俺もカメラ持ってんだよね。タルトもだけど、皆の食ってるとこ撮っていい?」
 ……記念ってことで、と。
 夏輝が許可を得た後、カメラで撮るのは。
(「全員の美味しそうに食ってる顔。楽しそうに話してる顔」)
 タルトを飾る果物にも負けないくらい、キラキラしている皆の瞳や表情。
 それを全部大切に撮影しながらも。
「あ、そーだ。折角だしリコも撮ってやろうか? 先生との思い出、一つくらい形に残る記念があってもいいだろ」
『えっ、わ、わたしも……? ありがとう! じゃあ、先生のサイン色紙と一緒に……!』
 ぱあっと嬉し気な笑み咲かせるリコも、ぱしゃり。
 そんな和やかな空気は、周囲の帝都の人々も安心させるし。
 都月は改めてテーブルを見回して、尻尾を大きくゆうらゆら。
「色んなタルトがいっぱい」
 ――こんなに沢山美味しいのが食べられて、なんか嬉しいな! って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

灰神楽・綾
【不死蝶】
櫻居先生、作家だけじゃなく
パティシエもやってたなんて意外だよね
顔が良くて、愛想が良くて、小説とお菓子作りの才能もある…
いやー天は二物も三物も与えたってわけだねー
そんな雑談をしつつショーケースを眺める

美味しい朝ごはんのあとにデザートも食べられるだなんて最高だなぁ
うーん、苺尽くしタルトも濃厚なチョコタルトも捨てがたい…
悩んだ末に選んだのは店主さんと櫻居先生が
考えたという桜のモンブランタルト
今回は櫻居先生の聖地巡礼でもあるわけだからね
優しいピンク色が目を引くタルト
彼は本当に桜が好きなんだねぇ

あっ、梓の選んだタルトも可愛くて美味しそう
この後、梓の予想通り「シェアしよ~」と言い出す俺だった


乱獅子・梓
【不死蝶】
あれだよな、クラスに居たら
異性にはモテて同性にはめちゃくちゃ妬まれるタイプだよな…
かの大作家がどんな学生生活を送っていたのかは想像もつかないが

お前さっきの朝食屋でもたらふくデザート食っていたがな??
シェアという名目で俺の朝食も大量に食って
デザートも追加して、更に意気揚々とタルトも食おうとは…
日々胃袋がブラックホール化していく相方恐るべし

俺が選んだのは一つ一つ違うフルーツが乗ったプチタルトのアソート
綾のことだからまたあれも食べたいこれも食べたいで
俺とシェアしようとするだろうからな
それなら色々な種類があった方がいいだろう
…って朝食屋の時といい、綾を中心に回ってないか俺…?



 ずらりと美味しそうなタルトが沢山並ぶ中、『当店一番人気!』と謳われる一品。
 それはこの店で働いている時に、かの作家が思いついたものなのだという。
 そんないかにも帝都乙女の心を掴みそうな、キュートな苺が乗った桜色のモンブランをじいっと見つめて。
「櫻居先生、作家だけじゃなく、パティシエもやってたなんて意外だよね」
 灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)は、あの作家のことを思い返しながらも続ける。
「顔が良くて、愛想が良くて、小説とお菓子作りの才能もある……いやー天は二物も三物も与えたってわけだねー」
「あれだよな、クラスに居たら、異性にはモテて同性にはめちゃくちゃ妬まれるタイプだよな……」
 ……かの大作家がどんな学生生活を送っていたのかは想像もつかないが、なんて。
 乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)も、綾の言葉にひとつこくりと頷けば。
「確かに、先生を妬む人も多かったでしょうが。あの人は子供みたいな人ですからね、どこか憎めないんですよ」
 ショーケースを眺め雑談を交わすふたりに、愛想良くにこにこと店主は訊ねる。どのタルトがお好みですか? って。
 そんな店主の言葉に、美味しそうなタルトたちを改めて眺めつつも。
「美味しい朝ごはんのあとにデザートも食べられるだなんて最高だなぁ」
 綾はわくわく、あれもこれもと目移りしちゃうけれど。
「うーん、苺尽くしタルトも濃厚なチョコタルトも捨てがたい……」
「お前さっきの朝食屋でもたらふくデザート食っていたがな??」
 うきうきタルトを選ぶ隣の彼に、梓はツッコまずにはいられない。
「シェアという名目で俺の朝食も大量に食って、デザートも追加して、更に意気揚々とタルトも食おうとは……」
 ……日々胃袋がブラックホール化していく相方恐るべし、って。
 そんな自分を見て、ちょっと戦慄している梓を余所に。
「店主さんと櫻居先生が考えた、桜のモンブランタルトにしようかな。今回は櫻居先生の聖地巡礼でもあるわけだからね」
 悩んだ末に綾が選んだのはやはり、桜のモンブランタルト。
 目を引くのは、春のように優しいピンク色。
 綾はそれを皿に切り分けて貰いつつも、見つめる赤い瞳を細め、続ける。
 ――彼は本当に桜が好きなんだねぇ、って。
 そして梓が注文したのは、プチタルトのアソート。
 一つ一つ違うフルーツが乗ったこれを選択した理由は、美味しそうだからというだけではなくて。
(「綾のことだからまたあれも食べたいこれも食べたいで、俺とシェアしようとするだろうからな」)
 ……それなら色々な種類があった方がいいだろう、なんて。
 そう、思ったからなのだが。
 同時に梓は、ふと気付くのだった。
(「……って朝食屋の時といい、綾を中心に回ってないか俺……?」)
 自分の好きなものというよりも、綾が好きそうなものをことごとく選んでいることに。
 けれど、やっぱり。
「あっ、梓の選んだタルトも可愛くて美味しそう」
 綾は次に、こう言い出すのだった。
 梓の予想通り――「シェアしよ~」って、にこにこと。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

朧・ユェー
【月光】

おや、本当ですね
とても綺麗なショーケース
ますます美味しく見えますね

確かに悩んでしまいますね
おや?それはとても楽しそうです
ルーシーちゃんはブルーベリー
僕は……向日葵の種を
えぇ、とても美味しいですよ
ほらリスさんが食べているでしょう?
僕たちのオリジナルタルトですね

楽しそうに待つ娘をにこにこと珈琲を飲みながら
おや?とても美味しそうですね

はんぶんこの魔法?
それは美味しさアップの魔法ですね
娘の優しさにほっこりとしながら

えぇ、幸せも一緒ですね


ルーシー・ブルーベル
【月光】

ゆぇパパ…すごい
ショーケースの中がぴかぴか!

うーん、今回も悩んで決められない…そうだ!
ねえパパ
オリジナルのタルトを作ってもらえるのですって
パパとルーシーで一つずつ食材を指定して
新しいタルト作ってもらうのはどう?
作家さんの真似っこよ

ルーシーからはもちろんブルーベリー
パパは?
ヒマワリの種…って、あの?食べられるの?
食べてみたい!
二人だけのオリジナルね

ミルクコーヒーを楽しみながら待ち
到着したタルトは、わあ…!なんてステキなの
パパ、二つにカットしていっしょに食べよう?
あのね、はんぶんこの魔法っていうの
そう、はんぶんこにして食べるとね
とても美味しく感じる魔法なの

一口含めば美味さで
幸せいっぱい!



 タルトに飾られた果物たちもキラキラしているけれど。
「ゆぇパパ……すごい。ショーケースの中がぴかぴか!」
 タルトたちが並ぶショーケースを見つめるルーシー・ブルーベル(ミオソティス・f11656)の青い瞳もキラキラぴかぴか。
 そんな感嘆の声を上げた娘に……おや、本当ですね、と笑み返して。
「とても綺麗なショーケース。ますます美味しく見えますね」
 朧・ユェー(零月ノ鬼・f06712)がそう紡げば、こくりとひとつ頷くルーシー。
「うーん、今回も悩んで決められない……」
「確かに悩んでしまいますね」
 沢山ある眼前のタルトは、どれもとても美味しそうだから。
 けれど、このままだと、延々ショーケースのタルトたちと睨めっこしたままになってしまいそうだから。
 ――そうだ! ねえパパ、って。
 ルーシーはピンとひらめいたこんな名案を、ユェーへと持ち掛ける。
「オリジナルのタルトを作ってもらえるのですって。パパとルーシーで一つずつ食材を指定して、新しいタルト作ってもらうのはどう?」
 ……作家さんの真似っこよ、なんて笑って。
 そしてそんな彼女の提案に、勿論ユェーは。
「おや? それはとても楽しそうです」
 すぐにそう、笑んで返して。
 親子仲良く、世界でひとつだけのオリジナルタルトをいざ、作って貰うことに。
 そして迷うことなくルーシーが選んだのは。
「ルーシーからはもちろんブルーベリー」
 甘酸っぱくてコロンとした、艶やかなブルーベリーたち。
 それから、パパは? と目を向けられれば。
 ユェーが選んだのは。
「ルーシーちゃんはブルーベリー。僕は……向日葵の種を」
 ナッツのような、向日葵の種。
 そんな意外な選択に、ルーシーはぱちくりと瞳を瞬かせて。
「ヒマワリの種……って、あの? 食べられるの?」
「えぇ、とても美味しいですよ」
 ユェーはそう訊ねる娘へと続ける。
 ――ほらリスさんが食べているでしょう? って。
 そんなリスさんと同じように。
「リスさんと同じ……! 食べてみたい!」
 ルーシーはそう、瞳を再び輝かせた後。
 ふたり顔を見合せ、笑いあう。
「僕たちのオリジナルタルトですね」
「二人だけのオリジナルね」
 自分達だけのオリジナルタルトの完成に心躍らせながら。
 そしてミルクコーヒーを楽しみつつも、わくわく待つ彼女の姿を見つめて。
 にこにこと珈琲を口に運んでいたユェーは、ふと顔を上げる。
「おや? とても美味しそうですね」
 完成したタルトが運ばれてくるのが見えて。
 そんな彼の視線を追い、ルーシーもぱっと笑顔を咲かせて。
「わあ……! なんてステキなの」
 ブルーベリーと向日葵の種がアーモンドクリームの上に散りばめられた、特別なオリジナルタルトが運ばれてくれば。
「パパ、二つにカットしていっしょに食べよう?」
 ルーシーは嬉々と笑んでこう紡ぐ。
 ――あのね、はんぶんこの魔法っていうの、って。
「はんぶんこの魔法?」
「そう、はんぶんこにして食べるとね、とても美味しく感じる魔法なの」
 そんな娘の優しい魔法に、ほっこりとしながらも。
「それは美味しさアップの魔法ですね」
 ふたりで仲良く半分こ、一緒に手を合わせて――いただきます!
 はむり、ぱくりと口にしてみれば。
 ルーシーは思わずほわほわ、両手で頬を押さえてしまう。
 だって、一口含めば美味さで、幸せいっぱいだから。
 それは勿論、ユェーも同じ。
 倍々の増し増しになる魔法がかけられたその美味しさに、金の瞳を柔く細め頷く。
 ――えぇ、幸せも一緒ですね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

終夜・嵐吾
あの激甘が当たり前じゃと思っておる友がおらんから、美味なるケーキをいただくチャンス…!
は~、いろいろあって迷うの…
…朝ごはんでもそう思うたが

うむ、ここはしーちゃんが考えたモンブランと桃のタルトにしよ
花のよになっとるのがええ感じじゃし
飲み物は紅茶を

やってきたケーキとかは写真とっとこ
さて、お味…これはそんな甘くないじゃろう
激甘もあるっぽいが…それは頼んでおらんしな

一口食べて表情綻ぶ
ふふ、美味い
そう、甘さとはこれくらいなんじゃ
やはりこれにクリームましましなどするのはおかしい
絶対におかしい
やはり、わしの味覚がおかしいわけではない
それだけでも大きな収穫じゃな

そう、甘味とはこのくらいが正しい
んまい(切実に



 甘い物は決して嫌いではない。むしろ、好きである。
 それが……程良い、普通の甘さのものであれば。
 けれど、きっと本人は善意であるのだろうことも、分かってはいるのだけれど。
「あの激甘が当たり前じゃと思っておる友がおらんから、美味なるケーキをいただくチャンス……!」
 終夜・嵐吾(灰青・f05366)はもふもふ尻尾を、ゆらりと揺らして。
 早速うきうきと、沢山の種類のタルトが並ぶショーケースへと琥珀の瞳を巡らせてみるけれど。
「は~、いろいろあって迷うの……」
 ……朝ごはんでもそう思うたが、と。
 やはり此処でも、どれも美味しそうで、つい目移りしてしまう。
 けれど、いつまでも迷ってばかりでは、美味な甘さのタルトにありつけないから。
「うむ、ここはしーちゃんが考えたモンブランと桃のタルトにしよ」
 聖地巡礼に倣って、作家が考えたというこの店一番人気の桜のモンブランタルトと。
 花のよになっとるのがええ感じじゃし、と、飾られた桃が花を成すタルトを選んでみる。
 そして並べられた甘味たちを、ぱしゃりと写真に収めてから。
 紅茶をお供に、いざ実食。
「さて、お味……これはそんな甘くないじゃろう」
 何だか、激甘もあると、不穏な情報も聞いてはいるのだけれど。
 激甘もあるっぽいが……それは頼んでおらんしな、と嵐吾はこくり頷いて。
 ――ぱくり。
 ひとくち食べれば……ふにゃり。
「ふふ、美味い」
 思わず綻ぶ表情と、零れ落ちる言葉。
 そして、改めて思うのだった。
「そう、甘さとはこれくらいなんじゃ」
 ……やはりこれにクリームましましなどするのはおかしい。
 ……絶対におかしい。
 いや、あまりにも平然と嬉しそうに、友が激甘を食べるものだから。
 わしの方が変なのかもしれん……なんて、思ったり思わなかったりだったが。
「やはり、わしの味覚がおかしいわけではない。それだけでも大きな収穫じゃな」
 自信を持って、今の嵐吾は言える――やはりどう考えても、友がえぐいのだと。
 それから、ご機嫌に尻尾をゆらゆら揺らして。
「そう、甘味とはこのくらいが正しい」
 もう一度確かめる様に、はむりと普通の甘さのタルトを味わいながら。
 切実に、それはもう切実に、呟きを落とすのだった。
 ――んまい、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

千百秋・清明
【花盛】
リコちゃん、良かったらまた女子会の二次会をしない?
これまた見てるだけでも楽しくなってくるよね!
(煌めく宝石タルトにぱあっと笑顔咲かせ)
よーし!リコちゃん、春ちゃん、またシェアして幸せを分け合おうー!

リコちゃんはやっぱり桜や苺系で行く?
私は夏らしいものを一通り、と――ね、店主さん、リコちゃんの巡礼と門出の為に、もひとつサービスもお願い出来ないかな?
極上の甘味に、極上のエッセンス――先生の昔話を添えてあげてほしいの!

流石というか、雰囲気も調度品もタルトも、更にはエピソードまでも、乙女心をくすぐってやまない感じね!
また一つ楽しい話が聞けて、良い思い出も増えて良かったね――リコちゃんも、皆も!


呉羽・伊織
【花盛】
ああ、これも何かの縁だし、改めて一緒に…(と、またも自然に遮られがくり)
しっかし店主サンもタルトも色んな意味で甘そーな雰囲気…纏ってるな…!(気を取り直し色々眺め――既に色んな意味で敵わない気がしてまためげた!)
あっオレにも一口恵んでネ、春!…駄目だ完全に女子の世界に入ってる!

くっ、んじゃ傷心のオレは優しい甘さので――と、ああそーだな、手土産にゃとびきり甘いのを!間違いなく口に合うよな

(商売上手の話上手に耳傾けつつタルトも楽しみ)
ああ、ウン、コレは色んな意味で女心ってのを掴んでならぬ気配――!
あと序でに何かの胃袋も掴んでるネ

ともあれ!一際味わい深い時間になったなら、俺達としても幸いだな


千家・菊里
【花盛】
此処でも嬉しいメニューと零れ話に出会えると良いですね、リコーさん
(普通に伊織の言葉に被せつつ笑いかけ)
それにしても、本当に――食事も歓談も巡礼も、また楽しく進みそうですねぇ
はいはい、野望も叶わなければ店主さんにも敵いそうにない人は良い子にしてましょうねぇ(伊織に生温かい視線送り)

あ、俺は全部お願いします(即決)
ふふ、それと一際甘いものはお土産用に包んで頂けますか?
きっとばっちりお口に合う方がいるので

(桜から苺から何から幸せ一杯に堪能し)
商品開発秘話や昔話を窺うと益々楽しくなりますねぇ
これはおかわりと、是非自分用土産も追加せねば

リコさんも、お腹もお心も満たされたなら何よりです(ほくほく)


永廻・春和
【花盛】
ええ、宜しければ引き続き、私達にヱスコートさせてくださいね
シェアも勿論、喜んで
此処でも嬉しいお食事とお話に出会えそうで、良い一時を過ごせそうですね
(リコ様とタルトを眺めるのに忙しく、後ろの声はやはり届かず)

桜に苺、いずれも愛らしくて素敵ですね
私も是非共にと
果実や甘味の魅力のみならず、昔話まで詰まった逸品――見事なものですね
この巡礼も一層輝かしく満ちるよう、私からも昔話や秘話の彩りを、お願い致します

リコ様をはじめ、今尚此程に幸せそうに味わったり、楽しげに足跡を辿る方々に愛されているとなれば――先生も、本当に人気者の幸せ者ですね

リコ様の物語も、このまま華やかに進み、良き結末へと至りますよう



 帝都女子にも大人気だという、アンティーク調のお洒落な店構え。
 店内に足を踏み入れれば甘い香がふんわり漂い、ショーケースに並ぶのはキラキラ眩いタルトたち。
 そしてそんな店の中できょろりと視線を巡らせているのは、ひとりの乙女。
 呉羽・伊織(翳・f03578)は早速、店内を見て回っている乙女・リコへと。
「ああ、これも何かの縁だし、改めて一緒に……」
 声を掛けようとした、ものの。
「此処でも嬉しいメニューと零れ話に出会えると良いですね、リコさん」
「リコちゃん、良かったらまた女子会の二次会をしない?」
「ええ、宜しければ引き続き、私達にヱスコートさせてくださいね」
 またもすかさず言葉を被せられ、自然に色々と遮られて、がくり。
 そんな、肩を落とす伊織を後目に。
「これまた見てるだけでも楽しくなってくるよね!」
 煌めく宝石の如きタルトたちに、ぱあっと千百秋・清明(晴雲秋月・f22617)は笑顔咲かせて。
「よーし! リコちゃん、春ちゃん、またシェアして幸せを分け合おうー!」
「シェアも勿論、喜んで」
 にこにこ、こくりと頷く永廻・春和(春和景明・f22608)。
「それにしても、本当に――食事も歓談も巡礼も、また楽しく進みそうですねぇ」
 そしてちゃかりナチュラルに女子会の輪に加わりつつも、眼前のタルトたちを眺めて。
 ほくほくにこにこ笑むのは、千家・菊里(隠逸花・f02716)。
 そんな狐にしれっと阻まれたり、言葉を被せられたりしながらも。
 気を取り直し色々と眺めつつも伊織は紡ぐ。
「しっかし店主サンもタルトも色んな意味で甘そーな雰囲気……纏ってるな……!」
 いや……一度は取り直した気も。
 女子の心を掴んで離さない甘やかなタルトや、イケメンオーラ纏う店主をみれば……へにゃり。
 既に色んな意味で敵わない気がして、またもやひとりめげる伊織。
 いいえ、伊織だって店主に全然負けていないほどの、容姿は無駄に整った男前なのです。
 ……なのだけれど。
「あっオレにも一口恵んでネ、春!」
「此処でも嬉しいお食事とお話に出会えそうで、良い一時を過ごせそうですね」
 完全に、自分に背を向けて。
「……駄目だ完全に女子の世界に入ってる!」
 リコとタルトを眺めるのに忙しい春和には、やはり全く声は届かない模様。
 そんないつも通りの調子の伊織に生温かい視線を送りつつも。
「はいはい、野望も叶わなければ店主さんにも敵いそうにない人は良い子にしてましょうねぇ」
 注文を取りに来た愛想の良いリア充オーラ纏った店主へと、菊里は迷いなく告げる。
「あ、俺は全部お願いします」
 ええ、即決で。
 それから、こうも付け加える。
「ふふ、それと一際甘いものはお土産用に包んで頂けますか? きっとばっちりお口に合う方がいるので」
「くっ、んじゃ傷心のオレは優しい甘さので――と、ああそーだな、手土産にゃとびきり甘いのを! 間違いなく口に合うよな」
 タルトくらいはと優しい甘さのものを切実に所望しつつも、伊織も、菊里の土産のお願いには同意するように頷いて。
 女子達もキャッキャ、話に花を咲かせながら、タルト選びを。
「リコちゃんはやっぱり桜や苺系で行く?」
『そうね……やっぱり、櫻居先生が考えた桜モンブランは、いくつでも食べたいの』
「桜に苺、いずれも愛らしくて素敵ですね。私も是非共にと」
 清明の言葉に、リコは楽し気にこくり首を縦に振って。
 春和も一緒に、愛らしく甘やかな一品をお揃いで。
「私は夏らしいものを一通り、と――」
 清明はそう爽やかな夏の季節らしいリクエストをしつつも。
「――ね、店主さん、リコちゃんの巡礼と門出の為に、もひとつサービスもお願い出来ないかな?」
 店主へともうひとつ、こんなお願いを。
 ……極上の甘味に、極上のエッセンス――先生の昔話を添えてあげてほしいの! って。
 春和も、そんな清明の言葉に続いて。
「果実や甘味の魅力のみならず、昔話まで詰まった逸品――見事なものですね。この巡礼も一層輝かしく満ちるよう、私からも昔話や秘話の彩りを、お願い致します」
 甘やかなタルトたちを見つめる瞳を細め、そう所望すれば。
「この店で先生の話をとおっしゃるのなら『桜ノ匣庭』は読まれているかと思いますが。その中の『桜の憧憬』という作品には、この店がモデルの洋菓子店がでてくるんですよ。あと先生は、意外と凝り性で。『桜の君』のような桜色はこれじゃない、なんて桜モンブランの開発時に何度待ったがかけられたか……でもおかげさまで、当店一番人気の品ですからね。お土産にいかがですか?」
 ちゃっかりと店や店の商品の宣伝をしつつも、色々なことを話してくれる店主。
「流石というか、雰囲気も調度品もタルトも、更にはエピソードまでも、乙女心をくすぐってやまない感じね!」
「リコ様をはじめ、今尚此程に幸せそうに味わったり、楽しげに足跡を辿る方々に愛されているとなれば――先生も、本当に人気者の幸せ者ですね」
 作家の足跡を辿り訪れているファンたちを見つつ、乙女ふたりが何処か納得したように紡げば。
「ああ、ウン、コレは色んな意味で女心ってのを掴んでならぬ気配――!」
 伊織は、商売上手で話上手なイケメン店主の声に耳を傾けながらも、タルトの甘い優しさにほろり。
 そして、遠い目をしがちなそんな伊織とは逆に、にこにこと。
 桜から苺から何から、幸せ一杯に堪能しながらも。
「商品開発秘話や昔話を窺うと益々楽しくなりますねぇ」
 菊里は続けて颯爽と、きりり使命感に満ちた響きで言い放つ。
 ――これはおかわりと、是非自分用土産も追加せねば、と。
 そう……イケメン店主が掴んでいるのは、何も乙女心だけではありません。
「あと序でに何かの胃袋も掴んでるネ」
「リコさんも、お腹もお心も満たされたなら何よりです」
 伊織の言葉はしれっとスルーしつつも、菊里はそうほくほく。
 まぁそれは今に始まった事ではないし、今日はわくわく食道楽な同盟を組まれたりなどでは辛うじてないから。
『わわ……先生のお話がたくさん……桜モンブランにはそんな秘話が……!』
「ともあれ! 一際味わい深い時間になったなら、俺達としても幸いだな」
「また一つ楽しい話が聞けて、良い思い出も増えて良かったね――リコちゃんも、皆も!」
 推し作家のあれこれを聞いて夢見心地なリコに、伊織と清明も笑み向けて。
 春和は、優しい桜色をした甘やかなモンブランと苺をひとさじ掬い上げながら、そっと願う。
 ――リコ様の物語も、このまま華やかに進み、良き結末へと至りますよう、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御園・桜花
「最後のカフェで無双するには少しセーブするべきでしょうか…あ」
リコ見かけたら手招き

「貴女、先程も見かけましたけど。もしかして、新刊発売記念に先生縁の店舗を3軒はしご、なんて予定はありません?」
苦笑しつつ
「実は私がそうですの。ここは先生発案の激甘仕様があるでしょう?聖地巡礼である以上、勿論全部味見したいですけれど…一人で食べたら最後のお店に行けなくなりそうですし、体重もその…激増しそうですし。同じ予定の方とシェアなら行けるかな、と思いましたの」
「私は御園桜花と言いますの。貴女は?」

「それじゃリコさん、桜モンブランから順にシェアしていきましょう?」
横に座り頼んだタルト全て次々半分こして食べる



 先程は、カスタマイズ朝ごはんやさん。
 そして次は――キラキラと宝石の様な果実で飾られた、沢山の種類の果実たち。
 けれど、御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)はふと思案する。
 だって今日のお出かけは、ここで終わりではないのだから。
「最後のカフェで無双するには少しセーブするべきでしょうか……あ」
 そう呟きを落とした桜花は、ふと顔を上げて。
 店内をきょろきょろ見て回っている彼女――影朧のリコを見かけ、手招きをする。
 それから、きょとりとしながら歩み寄って来た彼女へと、こう告げるのだった。
「貴女、先程も見かけましたけど。もしかして、新刊発売記念に先生縁の店舗を3軒はしご、なんて予定はありません?」
『えっ? もしかして……あなたも、櫻居先生のファン?』
 そう返って来たリコの言葉に、桜花は苦笑しつつも。
 こくりと大きく頷いて、さらに続ける。
「実は私がそうですの。ここは先生発案の激甘仕様があるでしょう? 聖地巡礼である以上、勿論全部味見したいですけれど……一人で食べたら最後のお店に行けなくなりそうですし、体重もその……激増しそうですし。同じ予定の方とシェアなら行けるかな、と思いましたの」
『確かに……おなかいっぱいになることも、体重も、気になるかもしれない……』
 影朧である彼女にとって、それが本当に気になることなのかはともかく。
 やはり執着を抱くほどの、憧れの人の聖地を巡る乙女心というものは、失われてはないようで。
 シェアはいい考えかも、なんて頷くリコに、改めて桜花は紡ぐ。
「私は御園桜花と言いますの。貴女は?」
『わたしは、朝倉・リコ……同じ作家先生のファンの子と知り合えて、嬉しい』
 他のファンの人との出会いも、まさに聖地巡礼の醍醐味。
 瞳をキラキラと嬉しそうに輝かせているリコに、桜花も笑み返して。
「それじゃリコさん、桜モンブランから順にシェアしていきましょう?」
『ふふ、先生の考えた桜モンブランタルト……本当に、嬉しいわ』
 そう幸せいっぱい、満足気に呟きを落とす彼女の横に座ってから。
 桜モンブランタルトは勿論、頼んだタルト全てを次々半分こして食べてゆく。
 この店に対するリコの執着や憧れも――きっとすっかり満たされるくらい、一緒に楽しみながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『夜桜の宴』

POW   :    花見に適した場所を確保する。

SPD   :    周囲を散策しながら夜桜を楽しむ。

WIZ   :    提灯の灯りを調整し、最も桜が美しく見える光量を模索する。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●エピローグ
 賑やかな帝都の外れ、小高い丘の上にその洋館『桜灯館』はあった。
 此処は元々、彼が執筆するための別荘のひとつであったというが。
 今はかの作家、櫻居・四狼の記念館を兼ねたブックカフェーとして開放されている。
 そこは、近隣の人々の手により提灯が灯された、夜の桜並木の奥にあるという。

 美しい桜が咲き誇る広大な館の周囲の庭では、夜桜の花見が楽しめる。
 星月夜と満開桜と数多の提灯。
 そんな見事な夜桜の景色をを眺めながらぶらり散策するも良し。
 設置してあるベンチなどに座ってのんびりとでも、またシートを敷いて宴会などに興じても良いだろう。
 飲食物を持参してもいいし、洋館の中にあるカフェー『桜廻廊』でも調達できる。

 この『桜灯館』は広い敷地を活かし、周囲の庭とはまた別に、中央に中庭を配置した珍しいロの字型をしている。
 舘のどこにいても見えるこの庭は、実に見事な大きな一本の幻朧桜が咲いている――まさに、桜の匣庭。
 そんな庭を臨む館内にあるのが、ブックカフェー『桜廻廊』であるのだが。
 一般的なカフェーのように、整然と並んだテーブルや椅子が此処にはなく、商品を受け渡しするカウンターのみの店である。
 かわりに、作家が様々な場所や店から調達してきた、色々な形のソファーや椅子やテーブルが、本が並ぶ洋館の空間のあちこちに置かれている。
 館の中も飲食は可能であるし、周囲の庭や中庭などに此処で買ったものを持ち込んでもオッケーだ。

 そんなカウンターしかない『桜廻廊』では、食事からスイーツ、飲み物が買えるというが。
 特に人気なのが、『桜廻廊』限定のメニュー。
 作家の新作発売を記念した館オリジナルスイーツ『桜と苺のマリトッツォ』は、帝都からわざわざ買いに来るファンも多数だという。
 各種夜桜カクテルも定番の人気メニューで、大人な味と甘めな味わいとノンアルコールのものがある。
 ひとつは『桜マティーニ』。シャープなジンの味わいの中、桜リキュールの風味がふんわりと花開く大人な一品。
 もうひとつは『桜フローズンカクテル』。桜色のイチゴリキュールが甘い、マルガリータをフローズンにしたカクテル。
 ノンアルコールのものは『夜桜レモネード』。薄紫から桜色へと変化する、バタフライピーとレモンとさくらのシロップをソーダで割ったもの。
 他にも、甘い桜と苺のパンケーキや夜桜パフェーなどのスイーツは勿論、少しおなかがすいているのならばホットサンドやキッシュなど、カフェー定番メニューも揃っている。

 そして、解放されている館に並ぶのは、いくつもの本棚。
 並ぶ本は相当の蔵書数を誇る。
 かの作家の作品は勿論、この館は本の寄贈も受け付けている。
 作家曰く、まだ僕の知らない色々なみんなのおすすめの本を見せて欲しいなーという一言から始まったというが。
 小説だけでなく、絵本や図鑑等々、おすすめならば何でもいいらしい。
 自分の著書でも推し作家の本でも、それも問わない。
 そんな見ているだけでも多種多彩で面白い本たちは、自由に読むことができるし。
 飲食のお供にでも、庭への持ち込みもオッケーであるので。
 アンティーク調な館内の好きな場所でゆっくりでも、庭の夜桜の下ででも、気になった本をゆっくりと読めるという。
 かの作家の新作『輪廻桜』が収録されている『桜ノ匣庭』の新装版も、何冊も置かれているので。
 取り合いになることもなく、リコにもゆっくり読ませてあげられるだろう。

 そんなカフェー『桜廻廊』が商品を渡すカウンターしかないかわりに。
 本の並ぶ館内の至る所には、様々な椅子が置かれている。
 座れば沈んでしまいそうなふかふかのソファー。人をダメにするクッションで埋め尽くされたカウチソファーに、雰囲気の良いレトロなコーナーチェア。普通のカフェーにあるようなお洒落なアンティーク調の椅子とテーブルもあるし、簡易的に座れるローチェアーもそこかしこに置かれている。かと思えば、王族が座っていたかの様なやたらキラキラしている玉座風の椅子や、どう座ればいいのか謎な斬新な形をした宇宙的チェアなどの変わったものもある。それぞれの椅子にはテーブルやサイドテーブルが備え付けてあるので、本や飲み物と共にゆったり過ごせるだろう。

 かの作家――櫻居・四狼は、己の生い立ちや本名を決して語らぬ人物であったが。
 この館に関して、過去の雑誌のインタビューでこう語っていたことがある。
『僕は自分の生い立ちからね、物は大事にしたい性質なんだよねー。結構幼い頃は苦労したからさー』と。
 それこそ、ひととしてモノが人の身を得るくらいに。
 別荘であるこの館を長い間空けることが多くなり、使わず痛むくらいならばと記念館にしたらしいが。
 自分が死んでから建てられた記念館だったら僕自身が見れないでしょー、なんて言った作家の言葉で、記念館になったともいわれている。
 そしてごくたまに、本人もひょっこり顔を出すこともあったようで。
 故に此処は、ファンとしては一番の聖地なのである。
 そんな館の中には、彼の作品の熱心な読者の姿が沢山。
「先生の新作『輪廻桜』、最高でしたね! サムライの国で全く作品を認められず顔の良さで何とかヒモ生活をしていた主人公の作家が、ある日美しい硯箱『桜の君』と出会って。『桜の君』を手にした時、満開桜に包まれてこの桜の世界にやってきて……すごく、ファンタジックな始まりだし」
「この桜の世界ではあっという間に作品が認められて、富も名誉も得ていく作家のシンデレラストーリーも気持ちがいいし」
「ラストも最高よね……全てを手に入れた作家が、美しい人となった『桜の君』と心中して、物語の幕が閉じる……しかもラストだけ、人となった『桜の君』の視点から書かれているのがまた、先生って天才よね……!」
 なるべくネタバレにならないよう、小声で新作の感想を述べあうファンたちだが。
 この館を訪れている者は大抵読んだ後だろうので、何とか事無きを得ているし。
 まだ彼の新作を読んでいないリコは、聖地を訪れた嬉しさで、そんなネタバレも耳に入ってはいないようだ。
 引き続き、周囲の人達を安心させるべく自由に館でのひとときを楽しみながらも。
 この場所で見届けて欲しい――桜咲く物語の、完結を。
真宮・響
【真宮家】で参加

色々と訳が分からない男だったが、掴めない性格故に魅力的な小説を書けたんだろうね。振り回されたが、確かに惹きつけられる所はあったね。聖地巡礼の終着点、ゆっくり過ごそうか。

あ、奏はカフェのメニューを頼みたい?そういうと思った。『桜と苺のマリトッツォ』に『桜マティーニ』。コーナーチェアに座ってデザートを頂きながら本を読みふけるか。こんななりしていても知識が得られる本には興味が会ってね。歌を歌う身だから歌に関する本が読みたい。世界柄、伝承に伝わる歌や歌自体に不思議な力がある場合があるだろう。歌い手として、知識を深めておきたい。

あの男の足跡が残る館。ゆったり満喫するか。


真宮・奏
【真宮家】で参加

こんな別荘まで持ってたんですね、櫻居・四狼先生。行動が奇抜過ぎて分かりにくいんですが、本当に偉大な作家だったんですね。聖地巡礼の終着点、とことん楽しみますか。

『桜と苺のマリトッツォ』に『夜桜レモネード』と夜桜パフェ。お腹空いたのでホットサンドも。

人をダメにするソファーに座って食事を頂きながら、読むのは恋愛小説!!サクラミラージュには馴染み深いですが、サクラミラージュに住む方の心はまだまだ知らない事が多いです。サクラミラージュの方の恋愛模様、ぜひ知りたいです。

聖地巡礼で改めて櫻居・四狼先生の影響力を知りました。願わくは今生は少しマシな人生歩んで欲しいですね。


神城・瞬
【真宮家】で参加

あの人を振り回す飄々とした櫻居・四狼先生、別荘まで持ってたんですね。やはり良い意味でも悪い意味でも影響力の強い人ですね。読者として楽しみますか。

『桜と苺のマリトッツォ』に『夜桜レモネード』にパンケーキを添えて。アンティークな椅子に座ってテーブルに置いたデザートを頂きながら本をゆっくり読みます。興味があるのは星空と月に関する本。このサクラミラージュなら色々と不思議な伝承が残ってそうですよね。

聖地巡礼で櫻居・四狼先生の色んな面を見れました。そして多くの人に与える多大な影響も。まあ、彼の行動が齎す事は大きいですから、今度の生はまともな生き方をして欲しいですね。



 夜空にはらり、ひらりと舞い遊ぶ薄紅のいろ。
 燈された提灯の明かりが、踊るように吹雪く桜吹雪を仄かに照らしながら。
 桜並木の奥にある洋館『桜灯館』へと、作家の足跡を辿るべく訪れた者たちを導く。
 そんなアンティーク調の豪華な館へと足を踏み入れ、きょろりと視線を巡らせながら。
 やはり、まず口にしてしまう感想はやはりこれ。
「こんな別荘まで持ってたんですね、櫻居・四狼先生」
「あの人を振り回す飄々とした櫻居・四狼先生、別荘まで持ってたんですね」
 そう同時に、仲良く同じことを口にした真宮・奏(絢爛の星・f03210)と神城・瞬(清光の月・f06558)に、真宮・響(赫灼の炎・f00434)は微笑まし気に瞳を細めてから。
「振り回されたが、確かに惹きつけられる所はあったね」
 子供たちの言葉に同意するように、こくりと頷く。
 何度かかの作家と顔を合わせたが、彼は風のように掴みどころのない自由人で。
「行動が奇抜過ぎて分かりにくいんですが、本当に偉大な作家だったんですね」
「色々と訳が分からない男だったが、掴めない性格故に魅力的な小説を書けたんだろうね」
 あの理解しがたい言動も、人を惹き付けるような物語を描ける感性故に……と言えるのかもしれない。
「やはり良い意味でも悪い意味でも影響力の強い人ですね」
 瞬も勿論、奏と響の言葉に頷きながらも。
 改めて館内をぐるりと見まわし続ける――読者として楽しみますか、って。
 そんな瞬の声に、今度は奏と響が首肯して。
「聖地巡礼の終着点、ゆっくり過ごそうか」
「折角ですし、とことん楽しみますか」
 響に続いて言った奏がとことん楽しみたいと、まず視線を向けたのは、当然ここ。
「お腹空いたので、カフェに行きたいです!」
「あ、奏はカフェのメニューを頼みたい?」
 響は張り切って言った奏に、ふっと思わず笑んでしまう。
 ……そういうと思った、って。
 ということで、早速気になったものを注文します!
「『桜と苺のマリトッツォ』に『夜桜レモネード』と夜桜パフェ。お腹空いたのでホットサンドも」
 特に激しい戦闘などは生じてはいないし、朝ごはんやタルトを食べたりはしているけれど。
 今日は依頼とはいえ、朝からずっと作家の聖地を巡っていたから……やっぱり、お腹はすいちゃうから。
 奏は、見つけた人をダメにするソファーにぽふりと埋まるかのように座って、食事を頂きながら。
 手に取り、読むのはそう……心ときめく、恋愛小説!
(「サクラミラージュには馴染み深いですが、サクラミラージュに住む方の心はまだまだ知らない事が多いです」)
 奏も年頃も乙女、是非知りたいって、そう思ったのだ。
 胸がときめく言の葉で綴られた、サクラミラージュの方の恋愛模様を。
 そんな瞳を輝かせ、はむはむ美味しいものをいただきながら、うきうき恋愛小説のページを捲る奏に笑みながらも。
(「デザートを頂きながら本を読みふけるか」)
 コーナーチェアに座って響が楽しむのは、『桜と苺のマリトッツォ』と『桜マティーニ』。
 ……いや、それだけではない。
(「こんななりしていても知識が得られる本には興味があってね」)
 そっと探して手に取った、一冊の本も一緒に。
 ――歌を歌う身だから歌に関する本が読みたい、と。
 そして、家を飛び出す前までは箱入り娘の深窓の令嬢であった彼女は、知っているから。
(「世界柄、伝承に伝わる歌や歌自体に不思議な力がある場合があるだろう」)
 本には沢山の知識が詰まっていて。踊る文字を目で追っていけばつい夢中になってしまう、不思議な力があることを。
 だから……歌い手としても、知識を深めておきたい、と。
 開いた本へと視線を落とす。
 甘いものが好きな瞬も、『桜と苺のマリトッツォ』に『夜桜レモネード』にパンケーキを添えて。
 テーブルに置いたデザートを頂きながら、アンティークな椅子に座ってゆっくり、読書を楽しむ。
(「このサクラミラージュなら色々と不思議な伝承が残ってそうですよね」)
 日頃から興味を抱いている、星空と月に関する本を手にして。
 そんな、3人それぞれ好きな本を選んで、桜の彩り咲く甘いものやスイーツをいただきなからも。
 響は改めて思うのだった。
(「あの男の足跡が残る館。ゆったり満喫するか」)
 作家の足跡を辿り巡ってきた、彼のファンたちにとっては聖地であり……そして沢山の物語の終着点でもある桜灯館を、楽しもうと。
(「聖地巡礼で改めて櫻居・四狼先生の影響力を知りました」)
(「櫻居・四狼先生の色んな面を見れました。そして多くの人に与える多大な影響も」)
 奏と瞬も、櫻居・四狼という作家の影響力を強く感じつつも。
 同時にやはり、こう思わずにはいられないのだった。
(「まあ、彼の行動が齎す事は大きいですから、今度の生はまともな生き方をして欲しいですね」)
(「願わくは今生は少しマシな人生歩んで欲しいですね」)
 正しい輪廻に戻った、才能に溢れているけれどろくでもなかった彼へと……そう、そっと。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鳴上・冬季
「…ふむ」
レトロなコーナーチェアに陣取りマリトッツオと夜桜レモネードから始める

「黄巾力士はゆっくりこの屋敷内の巡回を。襲われた相手が居れば庇いなさい。式神は櫻居・四狼の全著作を持ってくるように。読み終わる頃までには、ここの決着もつくでしょう」
非常事態への対応も一応示唆して、閉館まで全力で読書と甘味堪能
本はサイドテーブルに積み上げ読み終わる度に式神に片付けさせる
「…次は桜マティーニとパンケーキをもらって来なさい」
式神にメモと財布渡し読書に集中
飲み物やお菓子が切れるたびに式神に購入に行かせる

「良いですね、桜廻廊。大変気に入りました。次の休みから、ここに入り浸るとしましょう」
閉館まで居座り結末確認



 陣取ったのは、窓の外に桜舞振る匣庭が見える、レトロなコーナーチェア。
 そんな座り心地も良さそうな、雰囲気の良い椅子に腰かけながらも。
「……ふむ」
 鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)はやはり、まずはこれから始める。
 限定であるという、クリームたっぷり『桜と苺のマリトッツォ』と移ろう彩りが美しい『夜桜レモネード』から。
 けれど、帝都でも流行りだという甘ーいスイーツをいただく、その前に。
「黄巾力士はゆっくりこの屋敷内の巡回を。襲われた相手が居れば庇いなさい」
 念のため再び、冬季は自作の宝貝・黄巾力士を、万が一の際のフォローにあたらせてから。
 二足歩行の戦闘用人型自律思考戦車が、言った通り館内をゆるりと巡り始めたことを確認した後。
 次に呼び出した式神へと、こう紡ぐ。
「式神は櫻居・四狼の全著作を持ってくるように。読み終わる頃までには、ここの決着もつくでしょう」
 式神使いは、そこそこ荒い……かも、しれない。
 そして、んしょんしょと、式神が運んできた結構な冊数の本を受け取って。
 早速、彼のデビュー作だという『幻朧心中』という本を開きながら、はむり。
 平然と冬季が口へと運んでいくのは、結構な甘さなはずな、桜と苺のマリトッツォ。
 ……いえ、これも猟兵として、非常事態への対応も一応示唆した行動なのである。
 全力で読書と甘味堪能しつつ、記念館の閉館まで居座るための。
 そして、読了した本はサイドテーブルに積み上げていって。
 読み終わる度に式神に片付けさせる、やはり式神使いがそこそこ荒い冬季であった。
 いや、それだけではない。
 何せ、甘いスイーツが乗っていた皿も夜を思わせるレモネードが入っていたグラスも、いつの間にかすっかり空になっているから。
「……次は桜マティーニとパンケーキをもらって来なさい」
 式神にメモと財布渡し、再び読書に集中。
 そんな、飲み物やお菓子が切れるたびに式神をおつかいに行かせながら。
「良いですね、桜廻廊。大変気に入りました。次の休みから、ここに入り浸るとしましょう」
 冬季は、甘さ増し増しトッピングにしてもらったパンケーキを、美味しそうにもぐもぐ。
 非常に満足げに、この桜廻るブックカフェーをお気に入りの場所に認定しながらも。
 閉館までじっくりと、手元の物語に没頭するのだった。
 甘いものと桜咲く飲物をお供に、切らすことなく……猟兵として、読者として、結末を確認するために。

大成功 🔵​🔵​🔵​

嘉納・日向
【朋】
レトロなブックカフェとオリジナルスイーツ。……なんていい響き。……へ?スイーツが?違うし。さすがにお菓子ばっかり見てるわけじゃ……
なんて、頭の後ろにいる親友からしっかり揶揄われつつ
メニューもだけど、気になるのは本も
マリトッツォをしっかり注文して、ふかふかソファの近くに席を取り
はぁ、桜と苺のクリームうっま……(また語彙力が溶ける)

三日月さんは小説って読むの?
私はあんまり読まないんだけど、気になるよね。
リコちゃんみたいなファンもいる、櫻居先生の小説
櫻居四狼というひとを知ったのって、この依頼をキッカケになんだけどさ。リコちゃんがきっかけで作品気になってもいいよね。読んでみようかな。


月隠・三日月
【朋】
お茶しながら本を読むカフェーか。景色もいいし、食べ物もおいしそうだし、素敵なお店だね。
私もここの……マリトッツォ? をいただこうかな。

私も小説はあまり読まないな。けれど、櫻居先生にゆかりのある場所を巡ったら、彼がどんな作品を作ったのか気になってきてね。
どんなきっかけであっても、何かに興味を持つのはいいことなのではないかな。今回のことで櫻居先生のファンが増えたのなら、あの影朧の方も喜んでくれるかもしれないね。

せっかくだし、話題の『輪廻桜』を読んでみようか。
……何となくだけれど、このサムライの国ってサムライエンパイアに似ている気がして親近感を覚えるよ。硯箱の『桜の君』はヤドリガミなのかな?



 桜の庭が広がるアンティーク調の洋館に、並ぶ沢山の本棚と本たち。
 そして……ふわり漂う、あまーい香り。
 その香りに誘われるかのように、嘉納・日向(ひまわりの君よ・f27753)の表情は早速ふにゃり。
「レトロなブックカフェとオリジナルスイーツ。……なんていい響き」
 思わずうっとり口にすれば、すかさず入るツッコミ……?
 ……へ? スイーツが? って。
「違うし。さすがにお菓子ばっかり見てるわけじゃ……」
 日向はふりふり首を振って口にするけれど、でもやはり。
 そんな頭の後ろにいる親友からしっかり揶揄われつつも、ちらりと見つめる先は。
「お茶しながら本を読むカフェーか。景色もいいし、食べ物もおいしそうだし、素敵なお店だね」
 そう、ブックカフェーの美味しそうなスイーツたち……?
 月隠・三日月(黄昏の猟兵・f01960)はそんな日向と共に、視線を落として。
「私もここの……マリトッツォ? をいただこうかな」
 じぃと真剣に見つめる日向とふたり、頼んでみたのはそう『桜と苺のマリトッツォ』。
 ブリオッシュ生地にたっぷり挟まれている、桜色のイチゴクリーム。
 しかも、この店『桜廻廊』限定スイーツだと聞けば、日向がわくわくそわそわしちゃうのも仕方ない。
 いえ……勿論、あまーいマリトッツォもなのだけれど。
 数え切れないくらい並ぶ本も気になっていますよ、ええ!
 日向は、しっかり注文した桜と苺のマリトッツォをほこほこと受け取ってから。
 身体がずぶり沈むようなふかふかソファの近くに席を取ると――はむりっ。
「はぁ、桜と苺のクリームうっま……」
 ――最ッッッ高じゃん……。
 口の中いっぱいに広がる甘さに、あっという間にまた溶ける語彙力。
 いえいえ、確かにマリトッツォはほわほわ笑みが零れる程、美味しいですけれど。
 ちゃんと、本だって気になってますから……!
「三日月さんは小説って読むの? 私はあんまり読まないんだけど、気になるよね」
 はむはむ、噛みしめる様に桜と苺のクリームの甘さを味わいながら、そう日向がそう口にすれば。
「私も小説はあまり読まないな」
 三日月はぐるり、周囲の本棚を見回した後。
 ひとりの作家の著書だけを集めた本棚へと視線を留め、続ける。
「けれど、櫻居先生にゆかりのある場所を巡ったら、彼がどんな作品を作ったのか気になってきてね」
 今日一日、猟兵の仕事でとはいえ。
 彼のファンだというリコと一緒に辿って来た、ひとりの作家の足跡。
 それほど小説を読まない日向にとって、触れたことのなかった名前や作品たちだけれど。
「リコちゃんみたいなファンもいる、櫻居先生の小説。櫻居・四狼というひとを知ったのって、この依頼をキッカケになんだけどさ。リコちゃんがきっかけで作品気になってもいいよね」
 ……読んでみようかな、って。
 そう、日向が続ければ。
「どんなきっかけであっても、何かに興味を持つのはいいことなのではないかな」
 三日月は、今日一番と言っていいほど瞳を輝かせているリコの姿を見守りながらも紡ぐ。
「今回のことで櫻居先生のファンが増えたのなら、あの影朧の方も喜んでくれるかもしれないね」
「リコちゃんもだし、他のファンの人もいっぱい。櫻居先生の小説、きっと面白いんだろうな」
 桜と苺のマリトッツォの最後のひとくちを、ちょっぴりだけ名残惜し気にはむりと食べ終え、言った日向に。
 三日月はふと笑み返す。嘉納さん、口元にイチゴクリームが……って。
 もう、いくら甘いもの好きでもテンション上がりすぎ、なんて。脳裏でまた親友がツッコミを入れた気がするけれど。
 ……うわ、マジか三日月さんありがとうね、と慌てて口元を拭き拭きする日向に、もう一度笑ってから。
 三日月はが手に取ってみるのは、桜の装丁が美しい一冊の本。
「せっかくだし、話題の『輪廻桜』を読んでみようか」
 そしてぱらりとページを捲ってみれば。
「……何となくだけれど、このサムライの国ってサムライエンパイアに似ている気がして親近感を覚えるよ」
 繊細で巧みな描写をされている物語の始まりの世界は、三日月にとって馴染みの深いものに感じる風景で。
 文字を追っていけば、主人公の作家が運命の出会いを果たした一幕。『桜の君』と彼が呼ぶ、美しい硯箱との。
 そして物語を読み進めつつも、ふと三日月は呟きを落とす。
 ……硯箱の『桜の君』はヤドリガミなのかな? なんて。
 自分達と同じ様に――作家が『桜の君』の満開桜に導かれ、この世界へと辿り着いたシーンを目にしながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ロカジ・ミナイ
有ちゃん(f00133)

ブックカフェーだってよ
一応聞くけど、有ちゃんは本読むの?
僕はもちろんそこそこ読むよ
僕の店にも部屋にもいっぱい積んであったでしょ
絵が多いやつが分かりやすくていいね
勝手に開いて読んでいいよ、見られて困る本はない
……なかったはず

僕のお気に入りの推理小説はあるかな
イケてる男が出てくんのよ
僕似だからそりゃ好みよ

そんで、本読む?酒飲む?
僕アレがいいな、桜まてぃーにっての
そそ。酒ってことでいいの

せっかくだし桜が見えるベンチに座って
はい、カンパーイ
君とはなんだかしょっちゅう花見してるけども
毎回新鮮よ
なんでだろうねぇ
そうね、理由はさておき
飽きないのは、いいことだ


芥辺・有
ロカジ(f04128)

聞くまでもなく読まないね
ブックカフェーなんてのも初めて見るくらいだし
本なんてロカジの部屋だのにあった一山すら読んだことない
意外と読書家ってヤツだったとはね
推理小説なんて小難しそうなもの、読んだことないけど
よっぽど好みの奴だったかい?
そんなにお気に入りの本なら探してみたら

私は酒飲むけど
結局本より酒ってことでいいの?
あの中ならそうだな、マティーニが1番いいかな

変わった椅子も多いね、なんか
座り心地が良きゃ形なんかどうでもいいけどさ
たしかに花見も結構してたのかな
見てるモンが違うから新鮮なんじゃない?
話はそれなりに真新しいし
……まあ、なんでかなんて知らないけど
飽きないのは悪くないよ



 仄かな提灯の燈火に導かれた、桜並木の奥。
 大正レトロ感溢れた『桜灯館』に足を踏み入れれば。
 目に映るのは、窓の外に見える桜の匣庭と数えきれないほどの本を収めた本棚。
「ブックカフェーだってよ」
 ロカジ・ミナイ(薬処路橈・f04128)はそうぐるりと一度、周囲を見回してから。
 何となく、返ってくるこたえはわかる気はするけれど。
 傍に在る彼女へと青の瞳を向け、訊ねてみれば。
「一応聞くけど、有ちゃんは本読むの?」
「聞くまでもなく読まないね」
 当然のように即返ってきた芥辺・有(ストレイキャット・f00133)の声に、笑って続ける。
「僕はもちろんそこそこ読むよ。僕の店にも部屋にもいっぱい積んであったでしょ」
 確かに、彼の言う様に思い返してみれば。
 暖簾くぐればハーブの香り漂う店や部屋には、本の山ができていたような、そんな気がそういえばするけれど。
「ブックカフェーなんてのも初めて見るくらいだし。本なんてロカジの部屋だのにあった一山すら読んだことない」
 勿論、有はそれを手に取って開いてみたことすらない。
 店を訪れる時は大抵、二日酔いだの頭痛だので、本どころではないし。
 本よりも、酒やタバコに手が伸びるから。
 そんな有に、ロカジはまた笑って。
「絵が多いやつが分かりやすくていいね。勝手に開いて読んでいいよ、見られて困る本はない」
「意外と読書家ってヤツだったとはね」
 ちらりと視線向ける彼女に、一度は大きく頷いてみせるけれど。
 ふと顎に手を当てて、ロカジは首を傾け思い返してみる。
 ……なかったはず、って。
「僕のお気に入りの推理小説はあるかな」
 そんな見られて困る本の心当たりがあったりなかったりする彼が続けた言葉を聞いて。
 有は気が向いて、こう訊ねてみれば。
「推理小説なんて小難しそうなもの、読んだことないけど。よっぽど好みの奴だったかい?」
「イケてる男が出てくんのよ。僕似だからそりゃ好みよ」
「そんなにお気に入りの本なら探してみたら」
 返って来た答えに、そう、と。いつも通り気怠げにひとことだけ。
 けれど、そんな彼女の興味をそそるものを、ロカジは知っているから。
「そんで、本読む? 酒飲む? 僕アレがいいな、桜まてぃーにっての」
 そう口にすれば、有はこてりと首を傾けて。
「私は酒飲むけど。結局本より酒ってことでいいの?」
 そんな様子に、ロカジは楽し気に笑って返す。
 ――そそ。酒ってことでいいの、って。
「この中ならそうだな、マティーニが1番いいかな」
「せっかくだし、桜が見えるベンチに座って飲むかい?」
「変わった椅子も多いね、なんか」
 ……座り心地が良きゃ形なんかどうでもいいけどさ、なんて。
 桜マティーニ片手に、ちょっぴり奇天烈な、でも座り心地の良い椅子に腰を下ろして。
「はい、カンパーイ」
 桜舞う空にグラスを掲げて、今夜も乾杯。
「君とはなんだかしょっちゅう花見してるけども、毎回新鮮よ」
 ……なんでだろうねぇ、って。
 酒を呷りながら笑うロカジの言葉に、有も首を傾けてみる。
「たしかに花見も結構してたのかな。見てるモンが違うから新鮮なんじゃない? 話はそれなりに真新しいし」
 今日も聖地巡礼とやらで、この桜の世界を巡ってきたけれど。
 これまでだって、この世界で四季を巡り、桜の残影を辿りながらも。
 その度にこうやってふたりしてきたのは、大抵決まって酒盛り。
 だから今日もいつもと変わらずに、当然のように酒を呷るのだけど。
「……まあ、なんでかなんて知らないけど」
 有は桜マティーニを口にしながら、こう続ける。
 ――飽きないのは悪くないよ、って。
 そんな彼女の言葉に、そうね、とロカジは瞳を細めてから。
 これまで辿って来た桜の御噺の終着地……満開に薄紅咲く匣庭を眺めながら。
 やっぱり今宵も、酒を飲みながら楽し気に笑うのだった。
 ――理由はさておき。飽きないのは、いいことだ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

朧・ユェー
【月光】

えぇ、とても素敵なカフェですねぇ
ふかふかクッションに一緒に並んで座り
マリトットはシュークリームの様な生地の間にたっぷり生クリームを入れたお菓子ですよ
じゃ僕は、桜と苺のパンケーキと珈琲を

美味しそうに食べる子に
それは良かったですね
このパンケーキも美味しいですよ
一口食べますか?
僕も?ありがとうね
おや、本当に美味しいですね

えぇ、そんですね
眠れない夜は本を読んで過ごしてますね
ふふっ、その本僕が読みましょうか?

彼女をひょいと自分の前に座らせて
前で本を広げる
素敵な世界の始まりですね
ルーシーちゃんの読み聞かせきっと素敵な世界がみえらのでしょうね
楽しみにしてますね

君が花の様に笑う
本と娘がいる幸せな世界


ルーシー・ブルーベル
【月光】

ステキなカフェね、ゆぇパパ!
ふかふかクッション二つに、桜のマリトッ…ト?
パパは何でもご存じね!
ミルクコーヒーと
気になってた黄昏色のご本
準備OK!

マリトットを一口
パパ大変よ、コーヒーに合う…!
いいの?パンケーキ一口ほしい!
お返しにマリトットもどうぞ!
んふふ、おいしいね

ルーシーご本すき
パパもお好きなのよね
どんな時に読んでいらっしゃるの?
ルーシーは寝る前とか、寝られない時とかは夜間中ずっと
ステキな世界につれていってくれる
いいの?お願いします!
お礼に今度パパが寝れない時はご本読んであげるね

背にパパの温み、
目の間で黄昏色の表紙が開かれる
ひらり桜の花弁と共にパパの声が降って来て
夢みたいに幸せな世界



 まるで此処だけ、桜の魔法がかかっているみたいに。
 ゆっくり、ゆるりと時間が流れているかのようで。
 アンティーク調の館内をくるりと見回して。
「ステキなカフェね、ゆぇパパ!」
 ルーシー・ブルーベル(ミオソティス・f11656)が青い瞳で見上げれば、朧・ユェー(零月ノ鬼・f06712)も金のいろを見つめ返し重ね、細める。
「えぇ、とても素敵なカフェですねぇ」
 そんなふたりが仲良くぽふりと座っているソファーには、ふかふかクッションがふたつと。
「えっと……マリト、桜のマリトッ……ト?」
 注文しようとしているのは、桜と苺のマリトッツォならぬ――桜のマリトット?
「マリトットはシュークリームの様な生地の間にたっぷり生クリームを入れたお菓子ですよ」
「パパは何でもご存じね!」
 そんな物知りなユェーは、桜と苺のパンケーキと珈琲を。
 ルーシーは、教えて貰った桜色をしたイチゴクリームたっぷりのマリトットと、ミルクコーヒーを頼んで。
 それともうひとつ、抱えているのは、気になっていた黄昏色のご本。
 頼んだものが運ばれてきて、眼前を甘く美味しそうに飾れば……準備OK!
 ルーシーがはむり、マリトットを一口頬張ってみれば。
 円らな瞳を一瞬、ぱちくり。
「パパ大変よ、コーヒーに合う……!」
 瞳をキラキラ、大発見をしたかのように声を上げるルーシーに。
「それは良かったですね。このパンケーキも美味しいですよ、一口食べますか?」
「いいの? パンケーキ一口ほしい!」
 ユェーは桜のパンケーキを、お裾分け。
 そして美味しそうに食べる子に、微笑んでいれば。
「お返しにマリトットもどうぞ!」
「僕も? ありがとうね」
 差し出されたマリトットを、ぱくり。
「おや、本当に美味しいですね」
「んふふ、おいしいね」
 甘くて美味しい交換こに、ふたり顔を見合わせ笑っちゃう。
 そんな、美味しいスイーツも大好きだけれど。
「ルーシーご本すき。パパもお好きなのよね」
 早く開いて読みたいのは、黄昏色のご本。
 彼女の問いかけに、ユェーは頷いてみせて。
「えぇ、そうですね」
「どんな時に読んでいらっしゃるの?」
「眠れない夜は本を読んで過ごしてますね」
「ルーシーは寝る前とか、寝られない時とかは夜間中ずっと」
 ……ステキな世界につれていってくれる、って。
 そうぎゅうと本を抱きしめる彼女に、ユェーはこんな申し出を。
「ふふっ、その本僕が読みましょうか?」
 届いたその声に、ルーシーはぱあっと笑み宿して。
「いいの? お願いします!」
 大切に抱えていた本を差し出す彼女を、ひょいと自分の前に座らせてから。
「『黄昏森の魔法のぼうけん』……ふふ、面白そうな本ですね。素敵な世界の始まりですね」
 そう、黄昏色の表紙を見つめてみれば。
 わくわくしながらも、ルーシーはこう返す。
「お礼に今度パパが寝れない時はご本読んであげるね」
「ルーシーちゃんの読み聞かせきっと素敵な世界がみえるのでしょうね」
 ……楽しみにしてますね、って。
 そう笑みながらも、今日は黄昏森の世界へいざ、だいぼうけん!
 じわり背中から伝わる温みを感じながらも、ルーシーは開かれた黄昏色の物語に嬉々と耳を傾けて。
 ひらり桜の花弁と大好きなパパの声が降ってくれば――夢みたいに幸せな世界。
 そんな世界の只中で、花の様に笑う君。
 ユェーは黄昏色の物語を紡いであげながらも、金の瞳をそっと細める。
 本と娘がいる、幸せな世界に。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

篝・倫太郎
【幽焔】
……は?何言ってんの……?
いや、いやいや、あんたが割と突拍子もないのは判ってるけど
今なんて?

つーか、そんな風にちらっとこっちを見たって
読み聞かせはしてやんないからな?

にしたっていきなり何?

声を潜めて話すなんて空気を読む芸当を
この人に求めるだけ無駄だから
カフェーで飲み物と甘味を受け取ったら庭へ誘導
これ以上喧しくなる前にマリトッツォを師匠の口に捻じ込む

適当に、夜桜も空も綺麗に見える場所を見つけたら
その根元に腰を下ろして

体験はさせてやんねーよ
あれはウチの子の特権だか……(ぶふっ)

師匠の言葉に思わずレモネードを噎せて

……馬鹿なの?

そう返すも既に別の事に夢中な様子だから
呆気に取られながらも笑って


ユーレィ・ユージィン
【幽焔】
本が沢山……
これ、庭に持ち出しは出来ないんですかね?
折角なら、夜桜の下で読み語りして欲しかったんですけど
(倫太郎をちらり)

俺ね……子供達から聞いてるんですよ?
倫太郎、時間がある時に読み聞かせしてあげてるでしょう?
体験したいなぁって思うのは駄目なんで……むがっ

喧しい、と言いたげに
口に捻じ込まれたその甘さに思わず黙ってもぐもぐ

あ、これ美味しいですね

もぐもぐしながら
ひょこひょこと倫太郎の後を素直について歩けば
櫻も空も綺麗に見える場所を見つけるから
なんとなくその様子に笑って

えー?旦那は子供じゃないでしょう?
でも、子供しかだめなら倫太郎の子供になろうかなぁ、俺

あ、ねぇ、これもお土産にしましょう?



 沢山並ぶ本棚と数えきれないくらいある本をくるりと見回してから。
「本が沢山……これ、庭に持ち出しは出来ないんですかね?」
 ユーレィ・ユージィン(ルイ・リール・f17625)は、篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)をちらり。
 こてりと首を傾けながら、続ける。
「折角なら、夜桜の下で読み語りして欲しかったんですけど」
「……は? 何言ってんの……?」
 いや、よーく知っている。知っているのだけれど。
 琥珀の瞳を瞬かせ、倫太郎は返す。
「いや、いやいや、あんたが割と突拍子もないのは判ってるけど、今なんて?」
 そして、ちらちらっと見てくる師匠に、はっきり言っておく。
「つーか、そんな風にちらっとこっちを見たって、読み聞かせはしてやんないからな?」
 ――にしたっていきなり何? と。
 そんな倫太郎の反応にも、ユーレィはにこにこ。
「俺ね……子供達から聞いてるんですよ?」
 ……倫太郎、時間がある時に読み聞かせしてあげてるでしょう? って。
 いきなり予想斜め上な言動をしたり、声を潜めて話すなんて空気を読む芸当をこの人に求めるだけ無駄だ、って……そう、倫太郎は知っているから。
 カフェーで飲み物と甘味を受け取ると、夜桜咲く庭へと師匠を誘導しながらも。
「体験したいなぁって思うのは駄目なんで……むがっ」
 桜と苺のマリトッツォを、その口へとすかさず捻じ込む。
 これ以上喧しくなる前に、って。
 そんな、喧しい、と言いたげに突っ込まれたマリトッツォをもぐもぐ。
「あ、これ美味しいですね」
 口にほわり広がるその甘さを、ユーレィは大人しく味わいながらも。
 なんとなく、見つめるその様子に笑ってしまう。
 ひょこひょこと素直について歩いた先……倫太郎が、櫻も空も綺麗に見える場所を見つけるから。
 そう、自分を見てにこにこしている師匠を、今度は倫太郎がちらりと振り返って。
 もう一度念を押しておくべく、口を開くけれど。
「体験はさせてやんねーよ。あれはウチの子の特権だか……」
「えー? 旦那は子供じゃないでしょう?」
 刹那、ぶふっと、思わずその言葉にレモネードを噎せてしまう倫太郎。
 そんな彼へと、さらにユーレィはこう続ける。
「でも、子供しかだめなら倫太郎の子供になろうかなぁ、俺」
 冗談なのか、まさか本気なのか。
 ままー、なんて笑顔で言われれば、もう出る言葉はこれしかない。
「……馬鹿なの?」 
 でも倫太郎はそう返すも、やっぱり知っているから。
「あ、ねぇ、これもお土産にしましょう?」
 爆弾発言をぶっこんできた当の本人は案の定、もう既に別の事に夢中。
 倫太郎はそんな様子に、呆気に取られながらも笑って。
 甘味をはむはむ食べる師匠に、ハイハイそうだな、なんて答えておく。
 満開桜が咲く匣庭の風景を、一緒に眺めながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夜鳥・藍
POW
なんだか知れば知るほどつかみどころがないお人だったのね。
知ると言っても残した軌跡だけだから限界があるのだけど。

『桜廻廊』さんでおすすめの飲み物をいただいて。
座り心地の良いソファーで窓越しに夜桜と星月夜を眺めて過ごしましょう。
流石にもう食べ物は入らないわ。あとは甘みのある飲み物だけで十分。
それにお腹をこれ以上満たしたらきっと眠くなっちゃう。
いくらなんでもたった一人だものそんなの不用心すぎるわ。

桜……世界を越える……死による一つの終わり。
どことなく他人事には感じられない。けど全く違うともはっきり言える。
……考えてもしょうがないのかも。でも本人が納得の上でならきっとそれが一番なのかもしれない。



 目的は猟兵としての依頼で、なのだけれども。
 今日一日、影朧となったリコの執着を満たしてあげるべく、共に巡って来た彼の足跡。
 そして色々な場所で、彼――作家である櫻居・四狼の逸話を聞いて。
 彼の過去に触れてきた夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)は思うのだった。
(「なんだか知れば知るほどつかみどころがないお人だったのね」)
 ……知ると言っても残した軌跡だけだから限界があるのだけど、と続けて。
 そんな彼女が今赴いているのは、彼の別荘であったという『桜灯館』。
 今はこの館は、かの作家の記念館となっているというが。
 周囲をそっと見回してみれば、沢山並ぶ本棚と本。
 そして『桜廻廊』と洒落た看板がかかったカウンターで頼めるのは、美味しい食べ物や飲み物。
 いや……もう朝からずっと、色々なものを沢山食べて回っているから。
(「流石にもう食べ物は入らないわ。あとは甘みのある飲み物だけで十分」)
 おすすめされた、グラデーションが美しい『夜桜レモネード』を受け取って。
 座り心地の良いソファーにぽふりと腰をおろせば、窓越しに見えるのは、夜桜と星月夜。
 少し甘みのある飲み物をちびちび少しずつ口に運びつつも。
 眼前の桜の匣庭の風景を眺め、暫しゆったりとしたひととき過ごす。
 限定の桜と苺のマリトッツォも確かに美味しそうではあったのだけれど。
(「お腹をこれ以上満たしたらきっと眠くなっちゃう。いくらなんでもたった一人だものそんなの不用心すぎるわ」)
 ふわふわソファーでほわりと感じる心地良さに、宙色の瞳を擦って。
 夜の桜空を仰ぎ、ぽつりと呟きを落とす。
「桜……世界を越える……死による一つの終わり」
 それは藍にとって、どことなく他人事には感じられないもので。
 けれど、全く違うともはっきり言える。
 それからふと、視線を手元のレモネードへとふと戻してから。
(「……考えてもしょうがないのかも」)
 そう思いつつも、改めて藍は心に思うのだった。
 ――でも本人が納得の上でならきっとそれが一番なのかもしれない、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

新山・陽
 こちら、程よく知的な刺激を受ける趣ある館と、自然美に富んだお庭のバランス感覚が素晴らしいですね。私は館の名にちなんだ、夜桜とそれを灯す景色に寄り添うような散策をいたしましょう。
 ファンの方々から漏れ聞こえるに、ファンタジックなフィクション作品なのでしょうか…このように見事な匣庭から着想を得た作品であれば、真に迫る魅力があるのやもしれません。ノンフィクション派としては手が伸びず…少し惜しい気もしますが、ファンの方々を見守ることに注力できますし、まぁ良しです。
 ベンチに腰掛け、自前の浄水を飲みつつ夜桜を愛でたりして、のんびりとした時間を過ごします。



 やはり作家という職業柄、この館の主の感性は研ぎ澄まされているのか。
(「こちら、程よく知的な刺激を受ける趣ある館と、自然美に富んだお庭のバランス感覚が素晴らしいですね」)
 新山・陽(悪と波瀾のお気に入り・f17541)が足を踏み入れたのは、提灯が照らす桜並木の奥――悠然と佇む『桜灯館』。
 そして一通り、アンティーク調の館内を見回してから。
 ――私は館の名にちなんだ、夜桜とそれを灯す景色に寄り添うような散策をいたしましょう。
 そう向かうのは、ぐるりと館に囲われた、満開の花咲く桜の匣庭。
 そして燈火に照らされ輝く桜花弁たちをまったりと眺めながら、歩いていれば。
「どの場面が好き? 私はサムライの国で『桜の君』を手にした瞬間、主人公の作家が満開桜に包まれて、この世界に導かれるところね」
「私はやはり、ラストで『桜の君』が人の身を得るところかな。ラストの章だけ、『桜の君』の視点で書かれているのが素敵」
 聞こえてくるのは、この館の主であったという作家の書いた、新作の小説の話題。
(「ファンの方々から漏れ聞こえるに、ファンタジックなフィクション作品なのでしょうか……」)
 陽はそんなことを思いながらも、眼前に広がる景色を改めて見つめて。
 ……このように見事な匣庭から着想を得た作品であれば、真に迫る魅力があるのやもしれません、なんて思うけれど。
(「ノンフィクション派としては手が伸びず……少し惜しい気もしますが、ファンの方々を見守ることに注力できますし、まぁ良しです」)
 そう楽し気に過ごしている人々たちを微笑まげに見守る事にする。
 小説は事実より奇なり、とはいうけれど。事実より小説は奇なり、なんてことも有り得るかもしれない。
 実際に陽も満開桜に導かれて、この桜の世界へとやってきているのだから。
 けれどそれがただの物語かどうなのかは、書いた本人たちにしかわからないから。
 陽はベンチに腰掛け、自前の浄水を飲みつつ夜桜を愛でたりしながらも。
 自然美に富んだ匣庭をじっくり堪能し、のんびりとしたひとときを暫し過ごすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
(ようやく食べ物抜きで本のお話だけできそうね)

ちょっとほっとしつつ新作『輪廻桜』が収録されている『桜ノ匣庭』の新装版を確保。
夜桜の下の椅子を2つ確保したらリコを手招きするわ。

「はい、新作よ」

ゆっくり読み始めたら、私もしっかり見守るわ。
何かトラブルがあれば対応する為でもあるけど、たぶんその必要はないでしょう?

「…未練はもうないかしら?」

どのような答えが来るかはわからないけど、最後まで目に焼き付けるつもり。



 朝から、美味しいカスタマイズ朝食が食べ放題。
 さらには、宝石のような甘いタルトの誘惑。
 それを何とかしてこれまで躱して来た、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)だけれど。
 元はかの作家の別荘であったという、アンティーク調の豪華な屋敷『桜灯館』を訪れて。
(「ようやく食べ物抜きで本のお話だけできそうね」)
 ヴィオレッタは内心、そうちょっとほっとしつつも。
 手を伸ばしたのは、ずらりと何冊も並んでいる美しい桜の装丁の本。
 それは勿論――新作『輪廻桜』が収録されている、『桜ノ匣庭』の新装版。
 それをしっかりと手にしてから。
 ヴィオレッタはぐるり、藍と紫の異なる色の宝珠の瞳を巡らせて。
 彼女の姿を見つければ、確保した夜桜の下の椅子へと手招く。
 そして、彼女……リコへと、ヴィオレッタは手渡すのだった。
「はい、新作よ」
『!! あっ、もしかして……櫻居先生の、新作!?』
「新作、読みたかったんでしょう? ここで、ゆっくりと読んでいいわ」
 瞳をキラキラ、興奮気味なリコにそう告げてから。
 言われた通りゆっくりじっくり、夢中で推し作家の新作『輪廻桜』を読み始めたその姿をヴィオレッタは見守る。
 これは、猟兵としての仕事。
 けれど……何かトラブルがあれば対応する為でもあるのだけれど。
 ヴィオレッタは彩りの異なる瞳を細め、リコの姿を見つめながらその心に思う。
 ――たぶんその必要はないでしょう? って。
 そして暫くして、はあっと感嘆の溜息をつき、読み終わったリコへと訊いてみる。
「……未練はもうないかしら?」
 影朧である彼女から、どのような答えが来るかはわからなかったけれど。
(「最後までその姿を目に焼き付けるつもり」)
 そう見守っていれば、返って来たのは嬉しそうな笑顔と。
『やっぱり、櫻居先生の作品は最高ね……新作、素晴らしかったわ。だから、未練はないけど……でもあともう少しだけ、読みたいわ』
 少しだけの、我儘。
 けれど、ヴィオレッタは最後までそんな彼女のことを見守るつもり。
 眼前の笑顔を見れば――きっともうすぐ、彼女は正しい輪廻に還れるだろうことが分かるから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

インディゴ・クロワッサン
※更に引き続き私服
桜と苺のマリトッツォー!!!
「うーん、まずはマティーニかなぁ…」
レモネードも気になるけど、まぁ、それは追々。
ヒトをダメにしちゃいそうなクッションで埋め尽くされたカウチソファーのテーブルに、諸々が乗ったトレイを置いたら、まずはクッションに背中からぽふん!
「あー…最高…」
お楽しみのマリトッツォは先に大口開けてもぐもぐと。
合間にマティーニで甘いのをリセットしつつ、桜の風味を満喫。
ごちそうさましたら、桜ノ匣庭の新装版の…なんだっけ、輪廻桜?を読んでみようかなー
「さーて、たまには読書に勤しむとしますかー」
今回は、色が変わる甘めの爽やかレモネードをお供にして、まったりと読むぞー!



 ここを訪れたのは、猟兵としての仕事ではあるけれど。
 今日は一日、私服姿で臨むインディゴ・クロワッサン(藍染め三日月・f07157)。
 影朧事件の解決や、帝都の人々を安心させるため……ではあるのだけれど。
 カスタマイズ朝ごはんに、宝石のようなタルト。
 これまでのひとときを、インディゴは目一杯美味しく堪能していた。
 いや……これも、周囲の帝都の人々の不安を和らげるための立派な任務。
 ということで、やって来た『桜灯館』でも。
「桜と苺のマリトッツォー!!!」
 引き続き、人々を安心させるべく、勿論全力で楽しむ所存!
 この館にあるカフェー『桜廻廊』限定の、桜色をしたイチゴクリームたっぷりのマリトッツォは欠かせない逸品であるので、迷いなく注文するとして。
 でもインディゴは刹那、悩んでしまう。
「うーん、まずはマティーニかなぁ……レモネードも気になるけど」
 飲み物を何にするか、と。
 薄紫から桜色へと変化するグラデーションが綺麗な、夜桜レモネードも捨てがたいけれど。
 やはりここは、桜が香るシャープな大人の味わいの桜マティーニにするべきか。
 そして、まぁレモネードも追々、と。まず選んだのは、桜マティーニ。
 それから、ヒトをダメにしちゃいそうなクッションで埋め尽くされたカウチソファーを見つけて。
 テーブルに、諸々が乗ったトレイを置いた刹那。
 ――ぽふん!
 まずはクッションに、背中からもふりと埋まります!
「あー……最高……」
 そしてあーんと、先に大口開けて。
 もぐもぐと堪能するのは、お楽しみの桜と苺のマリトッツォ。
 桜色のイチゴクリームがたっぷりの流行りのスイーツは、やはりとても美味で。
 合間に桜マティーニで甘い口の中をリセットしつつも、楽しむのは桜の風味。
 それからぺろりと完食し、ごちそうさまをしたら。
「桜ノ匣庭の新装版の……なんだっけ、輪廻桜? 読んでみようかなー」
 ……さーて、たまには読書に勤しむとしますかー、と。
 かの作家が書いた新作を見つけ、手にしてから。
 今回は、色が変わる甘めの爽やかレモネードをお供に、再びぽふりとソファーに身を預けつつも。
 ――まったりと読むぞー!
 美しき物語世界への1ページを、ぱらりと捲り始めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アヤネ・ラグランジェ
【KOR】
へえこれはすごい
僕の書庫とどちらが多いだろうネ
そういえば先生の書いた文章というのは読んだことがなかった
いい機会だから新作含めて何冊か借りてみよう
シホのおすすめも一冊手に取る

ソヨゴは飲み物?僕は小腹が空いたのでホットサンドも一緒に持っていこう
花見もしたいから中庭を見下ろせる場所を探す
ちょうど眺めの良いところにカウチがあるからここにしよう
ごろごろできて気持ちいい

ロマンがあって良い作品だネ
そう言えば僕も気になっていたけど新作というのはどういう訳だろうネ

フカフカのカウチでソヨゴに寄りかかって本を読んでいるうちにうとうと
ん?なんか変な姿勢に?押し倒したつもりはないんだけど
ちょっと照れる


城島・冬青
【KOR】

朝ごはんにタルトも食べた
飲み物でまったりしながら読書しようかな
絵本、いいですね!
しかしここは櫻居先生の本を読んでみようかな
先生の本ってまだ読んだことがなかったし
リコさんにオススメの本を聞いてそれを手に取ってみます
あとでみんなの読んだ本の感想を聞きたいので教えて下さい

桜ラテとマカロンをお供に読書タイム
……アヤネさん、その椅子で読書するんです?
人をダメにするソファーの形をしてますよ
絶対途中で寝るじゃん
と思いつつも座って一緒に読書
ふむふむ
これが先生の書く物語

肩に重みが…アヤネさん寝てる?
まぁ最近疲れてるようだったし
?!
超押して来る!
私がソファーにされるー?!
…ってシホさん、誤解ですよぉ><


木常野・都月
【KOR】
カフェーだ!
カフェーは…このマリトッツォーとレモネード!
…チィも同じでいい?
2個ずつください。
クロムさん、マリトッツォ…難しいです?

美味しい…クリームの中にソースが入ってる。
最後にレモネードの酸っぱい甘いを飲んで…
流石に満腹。
ご馳走様でした!

ちょっと食べ終えたら、本を見に行きたいな。
栗花落先輩!慧華ちゃん!読んで欲しいです!

櫻井先生…この世を去っても、こうして物と想いは、残るんだな。

人…うん、人だな。
人の想いは、本当凄いな。
その……物語に想いが宿るんだな。

リコさんの想いは…きっと先生の作品と一緒に在るんだな。

俺も、今度先生の本、頑張ってみようかな。
今なら読めそうな気がするんだ。


シホ・エーデルワイス
【KOR】

桜と苺のマリトッツォと夜桜レモネードを頂く

慧華さん
良ければ私のどうぞ


皆と一緒に本棚へ

凄い!まるで図書館ね

澪さん
博識なのですね

都月さん
櫻居先生監修の絵本がありますよ

私のお勧めは蛍の迷ひ路
美しくて切なくて…愛の重さを感じます


今回は新作を読む

主人公は櫻居先生がモデルなのね
最後の結末も望んだ心中ね
でも
先生は転生したと聞いたけど
新作は誰が書いたのかしら?

極彩浄土の報告書を読み納得し微笑む

現実は先生らしいコミカルな結末ね


ア!アヤネさんが冬青さんを!?
人前でなんて大胆な

紅潮するも目が離せない


リコさんが旅立ち残った聖紗を拾い
クロムさんの賞賛に賛同しつつ
転生先の幸を祈る


夏輝さんが寝ていたら優しく起こす


小林・夏輝
【KOR】
俺も読書はそんなに…挿絵多いのならなんとか
PC絡むものならいけるんだけどな
システム組んだり、ハッキングしたり
活字になると…眠くなる
へへ、慧華とお揃いだな

うわ、まだ食うのか
お腹いっぱいって知ってる?
まだ追加の話が出るだけ充分すげぇんだよな
俺は流石に飲み物だけでいいわ
レモネードで

流石にシステム系の書籍とかは…無いよなー
ある?
読めそうなのがあれば先生の本読むのもありだけどな
流石に自分の知識が偏り過ぎてる自覚はあるから
少しくらいは……うん
もし途中で寝たら誰か起こして

…慧華の隣で読んでれば眠気吹っ飛ぶかね
ある意味、胃もたれで

はは、まぁ自分に正直なのはいいことだな
俺も腹減ってれば気持ちはわかる


朱雀・慧華
【KOR】
本も嫌いじゃないけどぉー
私むずかしいものは読めないなぁ
読んでるとどーしても眠くなってきちゃって…
皆頭いいねー

それよりどうしても甘いにおいが気になっちゃう
ここでも色々食べれるんだよね?

パフェもパンケーキも美味しそう!
私それ食べるー!あとレモネード!

えー、これでも抑えたよう
全部は頼んでないもん
キッシュも気になったけどさー
また食べれそうだったら追加するー

あ、都月絵本読むの?
絵本なら私も読めるかなぁ
ねぇねぇ、都月が良かったら一緒に読もうよ
難しいの読めない仲間ー

にこにこ笑顔で話しかけつつ
あ、そのまりとっつぉ?も美味しそうだね
どれかと一口交換しない?
気になるものは全部食べたいじゃん


クロム・エルフェルト
【KOR】珈琲の香りに、甘い匂い
はしゃぐ都月くんを見守りながら、自分も尻尾が大きく振れる

この、まりと……
まりとっと
……くりーむぎちぎちの、二つ(敗北感に打ちひしがれる)
一つは清史郎さんへお土産
都月くんがすらすら言えてる
お洒落だな、格好良い

シホさんのお薦め、「蛍の迷ひ路」を手に取る
初めて読むお話だけれど
枕投げに迷宮探索
賑やかな描写がとっても楽しそう
……あれ?蛍は?(首を傾げる)

輪廻の輪に還った後も、こんなにも色濃く貴方が残っている
リコがその残り香に触れて幸せそうにしているのを見ると
作家って、凄いなって
そんな賞賛の言葉を、貴方に捧げたくなるんだ

リコ
櫻居センセ
貴方方の往く旅路に、善い風が吹きますよう


栗花落・澪
【KOR】
勉強大好き、歴史大好きな僕としては
作者の生きざまや想いの全てが詰まった本の山は
何よりの宝の山に見えて

よ、読みたいものがいっぱいで悩むな…
とりあえず先生の新作から見てみようかな
時間があれば他も…

木常野さんの注文を聞いて
あ、僕もレモネードくださーい
木常野さん、何か気になるものあったら読んであげようか?
自分の勉強にもなるから大歓迎だよ
あぁ、絵本とかはいいかもね!

皆と話すのもいいけど
静かに過ごせる場所でゆったりくつろごうかな
レモネードの色の変化を楽しみながら
飲む時は万一にも本を汚してしまわないよう一度膝上に伏せて
両手でしっかりと持ちながら

慧華ちゃんまた食べてる…カロリーいずこ…?



 仄かに燈る提灯たちに導かれた、桜並木の奥に。
 満開桜にいつだって包まれながら佇んでいるのは、今はかの作家の記念館になっているという『桜灯館』。
 そして、その『桜灯館』の中にあるのは。
「カフェーだ!」
 わくわくぴこり、お耳と尻尾を揺らす木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)の言うように、カフェーです!
 ロの字型に囲った匣庭を臨む『桜廻廊』という名のカフェーには、限定メニューもあるという。
 そんなカフェーに、わぁわぁはしゃぐ都月を守りながらも、ゆうらり。
(「珈琲の香りに、甘い匂い」)
 彼と一緒に思わずそわり、尻尾を大きく揺らしてしまうのは、クロム・エルフェルト(縮地灼閃の剣狐・f09031)。
 それから都月は、早速カウンターで注文を。
「このマリトッツォーとレモネード! ……チィも同じでいい? 2個ずつください」
 問えばすぐに、嬉し気にチィ、と。
 やはり尻尾をゆらゆら、そう返してきた精霊のチィの分も一緒に、都月が注文を済ませれば。
「あ、僕もレモネードくださーい」
「私も都月さんやチィさんと同じ、桜と苺のマリトッツォと夜桜レモネードをお願いします」
 栗花落・澪(泡沫の花・f03165)とシホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)も続けて注文を。
 そんな美味しそうなスイーツや飲み物が用意されている『桜廻廊』であるが。
 このカフェーに、普通の喫茶店のような整然と並んだ椅子やテーブルはない。
 あるのは、沢山の本棚と本……点在する椅子に座り、甘味や飲み物と共に本を楽しめるブックカフェーである。
 けれど、朱雀・慧華(純真天使・f17361)にとっては勿論。
(「それよりどうしても甘いにおいが気になっちゃう」)
 きょろりと周囲を見回してから。
「ここでも色々食べれるんだよね?」
 キラキラ輝く瞳を向けるのは、カフェーのメニュー。
「パフェもパンケーキも美味しそう! 私それ食べるー! あとレモネード!」
「うわ、まだ食うのか」
 慧華の注文に、思わずツッコまずにはいられない小林・夏輝(お調子者の珍獣男子・f12219)。
 いや、それも無理はない。
 好きなだけ食べまくった朝ごはんと甘いキッシュを堪能した後の、このカフェーであるのだから。
 そんな留まることを知らない大食い少女に、夏輝は思わずこう訊ねるけれど。
「お腹いっぱいって知ってる?」
「えー、これでも抑えたよう。全部は頼んでないもん」
 全部ください! って言わなかっただけ、実は抑えているのです!?
「キッシュも気になったけどさー。また食べれそうだったら追加するー」
「まだ追加の話が出るだけ充分すげぇんだよな」
 結局は全部食べてしまいそうな彼女の様子に、そう紡いでから。
「俺は流石に飲み物だけでいいわ。レモネードで」
 おなかいっぱいだからスイーツはやめておいて、夜桜レモネードを。
 そして皆に続き、クロムも満を持して。
 限定だという甘味をいざ注文……しようと、思ったのだけれど。
「この、まりと……まりとっと、まり、まりとっ……」
 それから暫くその名と戦ってみるも、結局、敗北感に打ちひしがれながら。
「……くりーむぎちぎちの、二つ」
 その名を正しく口にすることは諦め、見た目で何とか伝えました!
 そのうちのひとつは勿論、自分のもの。
 もうひとつは、きっと館の何処かにいる、此処に送り届けてくれた満開桜咲かせる彼へのお土産に。
 そんなマリトッツォが言えなかった彼女へと、都月はきょとりと首を傾けて。
「クロムさん、マリトッツォ……難しいです?」
 その声を聞いたクロムは、瞳をぱちくりさせた後。
(「都月くんがすらすら言えてる」)
 ……お洒落だな、格好良い、って。
 そう感心したように彼を見つめれば。
 向けられたクロムの視線に気づかず……はむり。
「美味しい……クリームの中にソースが入ってる」
 チィと共に、桜と苺のマリトッツォを頬張った都月は、口に広がる美味しさに一層尻尾をゆうらゆら。
 そんな食べ物や飲み物をそれぞれ調達し終えれば。
「凄い! まるで図書館ね」
「よ、読みたいものがいっぱいで悩むな……」
 思わずそう声を上げたシホに、澪もこてりと首を傾けつつ周囲を見回して。
 逸る様にわくわく、心弾ませる。
 だって、勉強大好き、歴史大好きな彼にとっては、何よりの宝の山に見えるのだから。
 並ぶ本棚を埋め尽くしている、作者の生きざまや想いの全てが詰まった本の山は。
「とりあえず先生の新作から見てみようかな。時間があれば他も……」
「澪さん、博識なのですね」
 気になる本をそっと少しだけ引き出しては仕舞い、また気になった本へと伸ばす澪の様子に、シホはそう紡いで。
「へえこれはすごい。僕の書庫とどちらが多いだろうネ」
 アヤネ・ラグランジェ(十二の結び目を解き放つ者・f00432)はぐるりと周囲を見回しつつも、ふと口にする。
「そういえば先生の書いた文章というのは読んだことがなかった」
 ……いい機会だから新作含めて何冊か借りてみよう、と。
 そんなアヤネに、こくりと頷きつつも。
 城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)も、数え切れないほどの本たちに目を向けて。
 食べたい物を存分にいただいた朝ごはんの後、美味しいタルトも沢山堪能したから。
「飲み物でまったりしながら読書しようかな」
 此処ではまったり、飲み物片手に読書タイムを楽しむことに。
 シホは、この館の主でもある作家の作品の中で、思い入れの深い一冊を皆に勧める。
「私のお勧めは蛍の迷ひ路。美しくて切なくて……愛の重さを感じます」
 そんなシホのおすすめの一冊も、アヤネは手に取ってみて。
 クロムも『蛍の迷ひ路』を手にして、ぺらりと捲ってみれば。
「初めて読むお話だけれど、枕投げに迷宮探索、賑やかな描写がとっても楽しそう」
 それからふと、首を傾けるのだった。
 ……あれ? 蛍は? なんて。
 そして、本を選んでいる皆へと目を向けて。
「本も嫌いじゃないけどぉー。私むずかしいものは読めないなぁ」
 慧華は、はむりとパンケーキを食べながらも続ける。
「読んでるとどーしても眠くなってきちゃって……皆頭いいねー」
 ふっかふかのソファーに座って本を開けば……うとうと、つい誘われるのは夢の中。
「俺も読書はそんなに……挿絵多いのならなんとか。PC絡むものならいけるんだけどな」
 夏輝も、システム組んだり、ハッキングしたりすることなら、なのだけれど。
「流石にシステム系の書籍とかは……無いよなー。ある?」
 意外と多種多彩な種類の本を見て、少し探してはみるものの。
「読めそうなのがあれば先生の本読むのもありだけどな」
(「流石に自分の知識が偏り過ぎてる自覚はあるから。少しくらいは……うん」)
 そう、皆と同じように、櫻居・四狼の著書を取って見つつも。
「へへ、慧華とお揃いだな」
 ……もし途中で寝たら誰か起こして、と皆にお願いを。
 夏輝も慧華と同じく、活字になると……眠くなるタイプである。
 そんな中、都月は、最後にレモネードの酸っぱい甘いを飲んで……流石に満腹になれば、ご馳走様でした! と。
 ちょっと食べ終えた後、くるり見回して思う。
 ……本を見に行きたいな、って。
 でも、元は狐であるから、色々と難しそうなものは読めなさそうで。
「木常野さん、何か気になるものあったら読んであげようか?」
 ……自分の勉強にもなるから大歓迎だよ、と。
 そう声を掛けてくれた澪に、都月がぱあっと笑顔を宿せば。
「あ、都月絵本読むの? 絵本なら私も読めるかなぁ。ねぇねぇ、都月が良かったら一緒に読もうよ」
「栗花落先輩! 慧華ちゃん! 読んで欲しいです!」
 難しいの読めない仲間ーっ、と。続けた慧華の言葉に、都月も嬉し気にそうお願いを。
 そして彼の声に、澪もこくこく。
「あぁ、絵本とかはいいかもね!」
「都月さん、櫻居先生監修の絵本がありますよ」
「絵本、いいですね!」
 小説だけでなく、彼が幅広く監修もつとめたという絵本をシホが教えてあげれば。
 冬青も同じく、読みやすそうな絵本たちへと目を向けるけれど。
「しかしここは櫻居先生の本を読んでみようかな。アヤネさんも言ってましたけど、先生の本ってまだ読んだことがなかったし」
 見つめる視線の先にはやはり、かの作家・櫻居四狼の作品が。
 けれど沢山あって、どれがいいか分からなかったから。
「リコさんのオススメはどれですか?」
 瞳をキラキラと輝かせるリコへと訊いてみれば。
『やっぱり、先生の代表作『桜ノ匣庭』が良さそうだけど……敢えて、先生のデビュー作『幻朧心中』はどうかな!』
 そう手渡された一冊を見れば、ふと蘇ってきたのは……アヤネと赴いた、ある依頼の思い出。
 それからふと気を取り直し、こう続ける。
「あとでみんなの読んだ本の感想を聞きたいので教えて下さい」
「ソヨゴは飲み物? 僕は小腹が空いたのでホットサンドも一緒に持っていこう」
 アヤネは、櫻居・四狼の本とホットサンドを手に、再び館内を見回してから。
「ちょうど眺めの良いところにカウチがあるからここにしよう」
 花見もしたいと思っていたから、中庭が見下ろせる場所に置かれたカウチソファーへと身を沈めて。
「ごろごろできて気持ちいいネ」
「……アヤネさん、その椅子で読書するんです? 人をダメにするソファーの形をしてますよ」
 桜ラテとマカロンをお供に読書タイム……にしようと思っていた冬青は、こう心の中で、ぽつり。
 ――絶対途中で寝るじゃん。
 けれど、ソヨゴ―と手招かれれば、一緒にぽふんと座って。
 暫し読書に興じて、ぱらりとページを捲っていけば。
「ふむふむ、これが先生の書く物語」
「ロマンがあって良い作品だネ」
 ふたり揃って、繊細で情景豊かだという彼の物語の世界へ。
 そしてシホも、彼が発表したばかりだという新作『輪廻桜』を読んでみながらも。
「主人公は櫻居先生がモデルなのね。最後の結末も望んだ心中ね」
 そう紡いだ後、ふと青い瞳を細めて紡いでみる。
 ――でも、先生は転生したと聞いたけど、新作は誰が書いたのかしら? って。
「そう言えば僕も気になっていたけど新作というのはどういう訳だろうネ」
 アヤネもその声を聞いて、ふと首を傾けるけれど。
 シホは先日解決したばかりの、ある依頼の報告書の内容を思い返してひとつ、頷く。
 今、手にしている『輪廻桜』のラストは、彼らしい心中で物語の幕を下ろしているけれど。
「現実は先生らしいコミカルな結末ね」
 この新作を書いたのは誰か……納得したように微笑みながら。
 けれど、最初こそちゃんと読書に勤しんでいたけれど。
 フカフカのカウチで冬青に寄りかかって本を読んでいるうちに、うとうと。
(「肩に重みが……アヤネさん寝てる?」)
 ……まぁ最近疲れてるようだったし、なんて。
 冬青は、そのままに――するつもりが。
「!?」
 ――ぐいぐい、ぐぐっ。
(「超押して来る!」)
「わっ、私がソファーにされるー!? アヤネさーん!?」
「……ん? なんか変な姿勢に?」
 いつの間にかうとうとしているうちに、上にのしかかっているような姿勢になっていることに、アヤネもようやく気が付けば。
 ……押し倒したつもりはないんだけど、と紡ぎつつも、柔らかな感触にちょっぴり照れてしまう。
 そんなふたりの様子を見ていたシホは、思わず大きく瞳を見開いて。
「ア! アヤネさんが冬青さんを!?」
 紅潮するも、目が離せない。
 ……人前でなんて大胆な、って。
 そして自分達をじっと見つめ言ったシホの言葉に、慌てて首を横に振る冬青。
「……ってシホさん、誤解ですよぉ」
 アヤネの下敷きになっている、説得力のない姿で。
 そんな中、やはりひとり揺るがぬのは、慧華。
「あ、そのまりとっつぉ? も美味しそうだね。どれかと一口交換しない?」
 ……気になるものは全部食べたいじゃん、って。
 にこにこ笑顔で言った彼女に、シホは桜と苺のマリトッツォを差し出して。
「慧華さん、良ければ私のどうぞ」
「……慧華の隣で読んでれば眠気吹っ飛ぶかね。ある意味、胃もたれで。はは、まぁ自分に正直なのはいいことだな」
 俺も腹減ってれば気持ちはわかる、なんて頷く夏輝を後目に、澪は瞳をぱちくり。
「慧華ちゃんまた食べてる……カロリーいずこ……?」
 そんな、賑やかな皆と話すのもいいけれど。
(「静かに過ごせる場所でゆったりくつろごうかな」)
 まるで窓の外から見える夜桜の景色のような、移ろうレモネードの色を楽しみながらも。
 飲む時は万一にも本を汚してしまわないよう一度膝上に伏せて両手でしっかりと持ちながら、本も飲み物もきっちり満喫する澪。
 そして都月は、絵本を読みながらも思う。
「櫻井先生……この世を去っても、こうして物と想いは、残るんだな」
 ――人……うん、人だな。人の想いは、本当凄いな、って。
 まだ、先生の作品は自分には難しそう、とは思うのだけれど。
 でも、これだけは都月にも分かったのだ。
「その……物語に想いが宿るんだな」
 だから、楽し気に彼の作品を読んでいるリコの想いは。
(「……きっと先生の作品と一緒に在るんだな」)
 そしてクロムも、彼が綴った物語を辿りながら。
(「輪廻の輪に還った後も、こんなにも色濃く貴方が残っている」)
 リコがその残り香に触れて幸せそうにしているのを見ると……自然と、言の葉が零れ落ちる。
 ――作家って、凄いな、って。
 そんな賞賛の言葉を、貴方に捧げたくなるんだ、と。
「俺も、今度先生の本、頑張ってみようかな」
 都月もクロムの声を聞きながら改めてリコの笑顔を見つめれば、こう思えるのだった。
 ……今なら読めそうな気がするんだ、なんて。
 シホはやはりうとうとしている夏輝を優しくそっと揺り起こしながらも。
 クロムの賞賛に賛同しつつ、満足するまで先生の作品を読み終えたリコが聖紗を残し旅立つだろう近い未来に祈る。
 ――転生先の幸を、と。
 そして……でぇとの約束だって、交わしたのだから。
 クロムは夜空に咲く満開桜を見つめ、櫻居センセ、と彼の名を呼んで。
 そっと、舞い踊る桜花弁と共に、想いの言の葉を風に乗せて綴る。
 ――貴方方の往く旅路に、善い風が吹きますよう、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

呉羽・伊織
【花盛】
ああ、そーだな――彼女の心が満ちるまで、桜の癒しの時が満ちるまで、物語を見届けるとしよう

…別に拗ねてないデスー!
てか清史郎もご機嫌良う!
(リコ見守りつつ、カウチソファーに埋まり――クッションへ“因みにオレの癒しはキミだけダヨ”とか囁いてたのは気のせい)

くっ…ソレは勿論貰うケド、自棄酒とかシマセン!
(桜マティーニを手に、玉座見てまたも完敗…コホン、乾杯と姿勢正し)
そーだ、甘いのといえば清史郎に土産もあったな!
夜食にでもドーゾ――清史郎も一区切り、ついた?
(穏やかに匣庭見遣り、一言だけ)
…って何つー話思い返してんの!
春も待ったー!?

全く――この調子で其々、新たに楽しい物語が続いてくと良いな


千百秋・清明
【花盛】
(彼女の物語も、彼女が望む通り、皆が祈る通り、どうか――
そう想いつつ、最後までリコちゃんの傍へと)
(男性陣は男性陣で、今は横槍入れずとも大丈夫だろうと踏んで)
ふふ、万感の想いって言葉がぴったりな表情してるね、リコちゃん

読書の時間がより一層楽しくなるように、僭越ながら――はい、差し入れ!
(買っておいた人数分の夜桜レモネードを並べ、自分も件の新作を手にして)
読む前のこのどきどき感も良いけど、全て見届けた後もきっと最高の心地が待ってるんだろうね

そうだ、もし良かったら、後で感想教えてね!
――彼方の玉座の方にも、なんて
(漸く男性陣に手を振り)

貴女自身の物語もまた、良かったと笑顔で結べますように!


永廻・春和
【花盛】
(駄目駄目な方と食べ食べな方はそっとしておき、引き続きリコ様の巡礼を見届けに)
ふふ、念願ですものね
良き一時となるよう祈っておりますね、リコ様(最高の場所で、最高の結末を――物語の結末、彼女の結末、双方を想って)

(私からも彩を、とマリトッツォ添え、一緒に本開き)
宜しければ最後まで、楽しい気分を分かち合えましたらと
――ええ、きっとあの満開の桜の如く、更に万感咲く読後となるのでしょう

感想会も素敵ですね
あ、私は呉羽様秘蔵絵本(かめとひよこのだいぼうけん)の感想も伺ってみたいのですが――ふふ、それはまたいつか

ずっと追い続けた物語の果て、貴女の夢の果て――その先に続く道までも、幸いでありますように


千家・菊里
【花盛】
最後まで――願わくは桜が導く先まで、あの笑顔が続きますよう
俺達も心行くまで楽しみつつ、見届けましょうか

ところで伊織
また不貞寝ですか?
そこからうっかり同族のおじさんが生まれたらどうするんです
あ、清史郎さんは良ければ玉座にどうぞ
(優雅に謎宇宙椅子に座りつつ
突然清史郎さんに声掛け)

ほら、良い子にしてないとお酒あげませんよ
自棄酒は駄目ですからね
(フローズンカクテルとマリトッツォをちゃっかり手に)
ふふ、この甘そうな雰囲気は清史郎さん好みと見ました
流石の聖地ですねぇ
こうして匣庭を眺めていると、色々と――蒟蒻とか悪戯とか事件とか思い出しますね

作者も読者も、廻り廻った先、また良き一頁を進められますよう



 窓の外には、匣庭に咲き誇る満開桜。
 そして嬉々とページを捲るのは、推し作家の作品を沢山小脇に抱えた少女の姿。
「ふふ、念願ですものね。良き一時となるよう祈っておりますね、リコ様」
 永廻・春和(春和景明・f22608)はそう、彼女……リコへと微笑みを咲かせながら、そっと心に綴る。
(「最高の場所で、最高の結末を――物語の結末、彼女の結末、双方を想って」)
(「彼女の物語も、彼女が望む通り、皆が祈る通り、どうか――」)
 千百秋・清明(晴雲秋月・f22617)も、きっともうすぐ正しき輪廻への旅立ちを迎えるその姿に、そう想いながらも。
 春和とともに、リコの傍に寄り添って。
(「最後まで――願わくは桜が導く先まで、あの笑顔が続きますよう」)
 ……俺達も心行くまで楽しみつつ、見届けましょうか、と。
 紡がれた千家・菊里(隠逸花・f02716)の言葉に、呉羽・伊織(翳・f03578)も頷いて返す。
「ああ、そーだな」
 ――彼女の心が満ちるまで、桜の癒しの時が満ちるまで、物語を見届けるとしよう、って。
 それからふと菊里は、そんな伊織へと視線を向け、首を傾けて。
「ところで伊織、また不貞寝ですか?」
 リコを見守りつつもぽふりとカウチソファーに埋まっている、その姿を見遣れば。
「……別に拗ねてないデスー!」
 ――因みにオレの癒しはキミだけダヨ?
 なんて、クッションさんに囁いていたとか、きっと気のせいデス。
 けれど気のせいにしてくれない狐さんは、にこにこ。
「そこからうっかり同族のおじさんが生まれたらどうするんです」
「なんでおじさんなの!? カワイ子ちゃんかもしれないしっ」
 ぎゅう、とおじさん……いえ、カワイ子ちゃんになるかもしれないクッションを抱きしめていれば。
「あ、清史郎さんは良ければ玉座にどうぞ」
「おお、とても煌びやかな椅子だな。では失礼」
 優雅に謎宇宙椅子に座りつつも突然そう声を掛けた菊里に、いつの間にかいた清史郎は笑み返して。
「てか清史郎もご機嫌良う!」
「伊織はまだ夏バテか?」
 カウチソファーに埋もれている友へと善意しかない心配の言葉をかけつつ、玉座に何気に座る。
 そんな男性陣は男性陣で、今は横槍入れずとも大丈夫だろうと、そう踏んでから。
「ふふ、万感の想いって言葉がぴったりな表情してるね、リコちゃん」
 わくわくが隠せないリコに、清明はそう言ってから。
 並べるのは、買っておいた人数分の夜桜レモネード。
 そして自分も、彼女の推し作家の新作を手にしてから。
「読書の時間がより一層楽しくなるように、僭越ながら――はい、差し入れ!」
『わぁ、ありがとう!』
 駄目駄目な方と食べ食べな方はそっとしておきつつも、嬉しそうにぱあっと笑顔咲かせる彼女へと春和も差し出す。
「宜しければ最後まで、楽しい気分を分かち合えましたらと」
 私からも彩を、と――桜と苺のマリトッツォを添え、一緒に本開いて。
「読む前のこのどきどき感も良いけど、全て見届けた後もきっと最高の心地が待ってるんだろうね」
「――ええ、きっとあの満開の桜の如く、更に万感咲く読後となるのでしょう」
 清明の言葉に、こくりと頷きながら。
 そんな女子たちの様子を微笑ましく見守りながらも。
「ほら、良い子にしてないとお酒あげませんよ。自棄酒は駄目ですからね」
 桜のフローズンカクテルと桜と苺のマリトッツォをちゃっかり手に、言った菊里に。
「くっ……ソレは勿論貰うケド、自棄酒とかシマセン!」
 桜マティーニを手に、玉座を何気に見遣れば。
 煌びやかな椅子に雅やかに座っている友に、またも完敗……いえ、コホンと姿勢正せば。
 カチリとグラスを合わせて、完敗ならぬ乾杯を!
「ふふ、この甘そうな雰囲気は清史郎さん好みと見ました。流石の聖地ですねぇ」
「そーだ、甘いのといえば清史郎に土産もあったな! 夜食にでもドーゾ」
 ほくほく笑みつつも言ったそんな菊里の言葉に、伊織は友へと甘い土産を手渡して。
 穏やかに匣庭見遣り、友へとこう一言だけ――清史郎も一区切り、ついた? って。
「ああ、おかげさまで。皆にも、世話をかけたな」
 そして続ける――俺の主が、と微笑みながら。
 菊里は甘いマリトッツォを味わいつつも、どこか安堵したようなその顔を見ながらも。
 思い出に浸る様に、口にする。
「こうして匣庭を眺めていると、色々と――蒟蒻とか悪戯とか事件とか思い出しますね」
「……って何つー話思い返してんの!」
「そうだ、もし良かったら、後で感想教えてね!」
 男性陣が何だかまたわちゃわちゃしている気配を感じつつも、清明はリコへと笑んで。
 ――彼方の玉座の方にも、なんて。
 漸く男性陣に手を振ってあげれば。
『えっ、あっ、櫻居先生!? ……じゃ、ない?』
「感想会も素敵ですね。あ、私は呉羽様秘蔵絵本の感想も伺ってみたいのですが」
「春も待ったー!?」
 清史郎を見て瞳をぱちくりさせるリコには、敢えて何も言わずに。
「――ふふ、それはまたいつか」
 伊織の秘蔵絵本『かめとひよこのだいぼうけん』『はにわはボクのこころのとも』等々の感想は、また後日に。
 そして自分をじいっと見つめるリコに……あの人を好きでいてくれて有難う、と。
 そう玉座から届いた声に、清明は笑み宿しながらも最後までリコを見守る。
 ……貴女自身の物語もまた、良かったと笑顔で結べますように! って。
 春和も、もう執着のいろなど見えぬ彼女へと、そっと言の葉を送る。
(「ずっと追い続けた物語の果て、貴女の夢の果て――その先に続く道までも、幸いでありますように」)
 クッションさんと相変わらす寄り添いながら、伊織も皆を見つめる瞳を細めて。
「全く――この調子で其々、新たに楽しい物語が続いてくと良いな」
 菊里は甘やかな桜を堪能しながらも紡ぐ。
 ……作者も読者も、廻り廻った先、また良き一頁を進められますよう、って。
 これまで、どうも有難う――そう改めて感謝を紡ぐ友に、微笑みを返しながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御園・桜花
「リコさん、リコさん」
手振る

「もう回廊を一周なさいました?素敵ですよねぇ、流石先生の作られたブックカフェです」
目キラキラ

「宜しかったら、一緒に回廊を一周して、座る場所と本を選んで食べながらお話ししません?」
アンティークに惹かれた事伝え最終判断はリコの望んだ場所へ

マリトッツオとレモネード食べ
「私、心中物って男女だけだと思ってましたの。本当に迂闊でした…目から鱗です」

「それに、寄贈しようと思っていた本がもうあって。又探して来ようかと。リコさんもご一緒しません?」

「転生、なさいませんか」
「私も本も…この場所も、ずっとリコさんをお待ちしますから。貴女を、忘れませんとも」
UC使用
リコの望みが叶うよう願う



 幻朧桜が満開に咲き誇る匣庭が臨める、窓際の席で。
「リコさん、リコさん」
 そうふと手振るのは、御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)。
 丁度、何冊か推し作家の本を読み終え、本棚へと返す途中のリコへと。
 そしてタルト屋でも話をした桜花の元へと、リコは手招かれるまま、やって来て。
「もう回廊を一周なさいました? 素敵ですよねぇ、流石先生の作られたブックカフェです」
 目をキラキラさせる彼女と一緒に、ぱあっと笑顔を咲かせて、こくこく。
『さすが櫻居先生のお屋敷だわ、本当に素敵……』
 そんなリコに、桜花はこんな提案を。
「宜しかったら、一緒に回廊を一周して、座る場所と本を選んで食べながらお話ししません?」
 その誘いの声を、リコが断る理由などどこにもないから。
 喜んでくるり、踊る様な軽い足取りで、館の中を並んで巡るふたり。
 そして――より一等美しく、匣庭の幻朧桜が眺められる場所のソファーにリコが座れば。
 桜花も共に、隣へと腰掛ける。
 アンティークに惹かれた事を伝え最終判断はリコの望んだ場所へと、そう元より思っていたから。
 それから仲良く、桜と苺のマリトッツオを食べ、夜桜レモネードを飲みながら。
「私、心中物って男女だけだと思ってましたの。本当に迂闊でした……目から鱗です」
『でも、さっき読めた『輪廻桜』のラストは『桜の君』も美しい人になった、ってあるから。男女の心中もの、でも間違ってないかも、なんて』
 小説の世界の話を嬉々と口にするリコに、桜花は笑み返しつつも。
「それに、寄贈しようと思っていた本がもうあって。又探して来ようかと。リコさんもご一緒しません?」
『そうなの? うん、勿論』
 こくりと頷いたリコへと、こう紡ぐのだった。
「転生、なさいませんか」
『……え?』
「私も本も……この場所も、ずっとリコさんをお待ちしますから。貴女を、忘れませんとも」
 そんな申し出に、リコは少しだけ、考えて。
 笑顔で、こう答えるのだった。
 ……あと1回、先生の新作を読んでからでもいい? って。
 それから、推し作家の新作をじっくりと噛みしめるように読むリコの望みが叶うよう、願いながらも。
 ――消えゆく貴方に最後の夢を……どうか心安らかに。
 桜花が餞として彼女へと手向けるのは――『幻朧桜夢枕』。
 そして読了し、約束通り、はらりひらりと。
 大好きな作家の後を追う様に、正しい輪廻へと還っていくリコの姿を、桜花はしっかりと最後まで見届けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鵜飼・章
【WE】
お洒落な別荘だ…
僕部屋汚いし物の扱いも雑だから
ここは全然似ていないな

マリトッツォとフローズンカクテルを買いつつ
柊くんはレモネードでいいよね
いたいた雅さん…そう筧さんだ
きみ筧清史郎さんっていうんだね
知らなかったよ
でも雅さんは雅さんだよね
どこかに座ろう

『輪廻桜』
あれを書いたのやっぱり雅さん?
櫻居先生の生涯とても興味深かったよ
特に序盤のヒモ生活なんて修羅場満載で…

一番印象的だったのは最後だけど
どんな想いで書いたのか聞きたいな

そうそう
きみは多分読んでいないだろうから
ヘラヘラの絵本も見せに来たんだ
一緒に読めると嬉しい

読み終わった絵本はそっと本棚へ
いつかここへ帰ってきた先生が
手に取る日を思い浮かべ


柊・はとり
【WE】
うわいかにも殺人事件起きそう
立派な屋敷を見ると寒気が…
また鵜飼がやらかさないか警戒しとく

レモネードすげえ甘そう
口直し用にコンビーフマヨのホットサンドも頼む
筧じゃん
鵜飼とも知り合いだったのか…雅さん?
確かに雅だが見たまんますぎる
本名知らないとかさすが鵜飼

知る切欠が何かあった事は察し
鵜飼の口ぶりからすると
あの作家の本名が筧…そんな所か
…は?
書いた?
その辺りは俺全く説明されてないが

輪廻桜は一応読んできた
櫻居の人生は波乱万丈だったんだな
苦労が多かったからこそ物を大切にし
楽しさに執着したのだろうと
今日一日を通して少し理解できた
筧の奴に対する想いも

げ、ヘラヘラ…
実はまだろくに見てない
俺も今読むか…



 アンティーク調の豪華な洋館、といえばやはり。
「うわいかにも殺人事件起きそう」
 立派な屋敷を見ると寒気が……なんて思わず腕を擦る、柊・はとり(死に損ないのニケ・f25213)。
 そしてちらり、隣の連れを見遣って思う。
(「また鵜飼がやらかさないか警戒しとく」)
 というか、殺人事件、鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)、櫻居・四狼のコンボといえば。
 そう……あの豪華寝台列車で起こった、色々な意味で悲惨な殺人(?)事件をつい思い出してしまうはとりだけれど。
「お洒落な別荘だ……僕部屋汚いし物の扱いも雑だから、ここは全然似ていないな」
 はとりの心境もいざ知らず。何気にろくでもない作家よりも人としてどうかという事実を、しれっと口にする章。
 それから、カフェーへと足を向ければ。
「柊くんはレモネードでいいよね」
「レモネードすげえ甘そう。口直し用にコンビーフマヨのホットサンドも頼む」
 桜と苺のマリトッツォと桜のフローズンカクテルを買いつつも言った章に続いて、口直しのホットサンドも追加するはとり。
 そしてふいに聞こえた、桜と苺のマリトッツォ5個とクリームソーダと桜のフローズンカクテルを、と。
 涼し気にさらりと紡ぐその声に心当たりがあって、声の主へと視線を向ければ。
「筧じゃん」
「いたいた雅さん……そう筧さんだ」
「おお、はとりに章」
 にこやかに笑んで返してくるのは、雅さんこと清史郎であった。
「鵜飼とも知り合いだったのか……雅さん?」
 しれっとそう呼ぶ章と、普通にそれを受け入れている清史郎の様子に首を傾けながらも。
 はとりはこう思わずにはいられない……確かに雅だが見たまんますぎる、と。
 それに。
「きみ筧・清史郎さんっていうんだね。知らなかったよ」
「丁度今から二年前ほどか、初対面の時はバナナと会話をしていた故に、自己紹介をしていなかったかもしれないな。改めて、俺は筧・清史郎という」
「え、二年って……本名知らないとかさすが鵜飼。筧も今までそれでよかったのかよ。って、バナナと会話ってなんだ」
 そんな傍から聞くと謎会話以外のなにものでもないやりとりに、はとりは律儀にツッコむも。
「でも雅さんは雅さんだよね。どこかに座ろう」
「ああ、参ろうか」
「いや、だからそれでいいのか」
 何だか例の寝台列車の時の、章と作家の会話を思い出してしまうはとりであったが。
 二年と聞けば、普通ならば大概であるが。
 あの章が二年で気付けたという、知る切欠が何かあった事は察する。
(「鵜飼の口ぶりからすると、あの作家の本名が筧……そんな所か」)
 それは――そう、はとりもざっと話や結末だけは聞いていた、先日章が赴いた案件でのことだろう。
 そして何故か3人並んで、満開桜が咲く匣庭が臨める謎の宇宙椅子に座りながら。
「『輪廻桜』――あれを書いたのやっぱり雅さん?」
「……は? 書いた?」
「櫻居先生の生涯とても興味深かったよ。特に序盤のヒモ生活なんて修羅場満載で……」
 声を上げた自分を置いてけぼりにしつつも話す章に、視線を送る。
 ……その辺りは俺全く説明されてないが、と。
 そんなはとりを後目に、章はこう訊ねてみるのだった。
「一番印象的だったのは最後だけど、どんな想いで書いたのか聞きたいな」
 それに清史郎は、やはり雅やかに笑んで。
「ふふ、『輪廻桜』は、櫻居・四狼の作品だ」
 そしてこれだけ、付け加える。
 ――あの『輪廻桜』は、或る作家と『桜の君』の巡りを綴った物語だからな、と。
「まぁあの人は見栄っ張りなところがあるからな。ヒモ生活も、実際はもっとろくでもなかったが」
「え、それ聞きたい。先生の暴露本出してよ、雅さん」
「小説じゃなくて暴露本かよ」
 そうツッコミながらも、はとりはふと、一応読んできた『輪廻桜』の内容を振り返りつつも思う。
(「櫻居の人生は波乱万丈だったんだな。苦労が多かったからこそ物を大切にし、楽しさに執着したのだろうと。今日一日を通して少し理解できた」)
 ……筧の奴に対する想いも、と。
 大切にされたモノが人の身を得る、それがヤドリガミという存在だから。
「『輪廻桜』の最後……そうだな、敢えて言うなら。『桜の君』はこう思っているかもな。ろくでもない迷子の主と一緒にいたひとときはなかなか楽しかった、と」
 そんな清史郎に、そう、とだけ返した後。
「そうそう。きみは多分読んでいないだろうから、ヘラヘラの絵本も見せに来たんだ。一緒に読めると嬉しい」
「げ、ヘラヘラ……」
 章が取り出したのは、作家とコラボしたというか作家に書かせた、例の本。
(「実はまだろくに見てない。俺も今読むか……」)
 そうそっと、はとりは絵本を開いてみながらも。
「おお……ヘラヘラではないか。カブトムシさん、特にヘラヘラは格好良いな」
「雅さんもヘラヘラ好き? やっぱり先生と同じだね」
 ばっちり『鵜飼・章 作』と書いてあるのはいいのかと密かに思うのであった。
 そして章は、読み終わった絵本を、そっと本棚へ。
 いつか――ここへ帰ってきた彼が手に取る日を、思い浮かべながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フリル・インレアン
ふわぁ、ここが櫻居先生の別荘なんですね。
ここで櫻居先生も執筆したりしていたんですね。

櫻居先生と出会っていろいろなことがありましたね。
最初はアヒルさんがサインを貰って
櫻居先生を理解しようと先生の本を読んだり
いろいろと恋?物語を綴ってきました。
あれが恋かと言われると自信はないのですが、私にとっては憧れの人でした。
そして、最後に綴るのは恋日記です。
先生、今までありがとうございました。
まだ、心中の美学は分かりませんが、先生といろいろしたことは楽しかったです。

ふえ?その恋日記はここに置いていかないのかって、誰に読まれるのかわからないのにそんな恥ずかしいことはできません。



 提灯に照らされた桜並木の奥に佇む、お洒落で豪華な洋館。
 足を踏み入れれば、沢山の本と、ロの字の廻廊に囲まれた桜の匣庭が。
「ふわぁ、ここが櫻居先生の別荘なんですね」
 フリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)はそう、ぐるりと雰囲気の良い館内を見回して。
「ここで櫻居先生も執筆したりしていたんですね」
 真面目に原稿用紙に向かう、その姿を想像しながらも。
 近くに置いてあったお洒落なアンティーク調の椅子に、すとんと座ってから。
「櫻居先生と出会っていろいろなことがありましたね」
 満開桜咲く匣庭を眺めながら、思い返してみる。
「最初はアヒルさんがサインを貰って。櫻居先生を理解しようと先生の本を読んだり、いろいろと恋?物語を綴ってきました」
 イケメンで、人懐っこくて。知的だけど、ちょっと抜けているような。
 今も帝都の人の心を話さない、そんな大人気作家へと抱いている気持ちを。
 自分の心にある想いを、フリルははっきりと口にする。
「あれが恋かと言われると自信はないのですが」
 ――私にとっては憧れの人でした、と。
 そして、フリルが綴るのは。

 ――先生、今までありがとうございました。
 まだ、心中の美学は分かりませんが、
 先生といろいろしたことは楽しかったです――。

 最後に綴るのは、そう……恋日記。
 そんな大きな帽子を被った少女の秘密の恋日記を、フリルはそっとしたためた後。
 ツンツンと突くアヒルさんに、瞳をぱちくり。
「ふえ? その恋日記はここに置いていかないのかって」
 それから大きな帽子を押さえた後、頬を仄かな桜色に染めて。
 恋日記をぎゅっと抱き、ふるふると首を振りながらもこう紡ぐのだった。
 ――誰に読まれるのかわからないのにそんな恥ずかしいことはできません、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

終夜・嵐吾
せーちゃんとも後で話せたら

マリトッツォと桜マティーニをもらい、ふかふかソファへ
身が沈む…しあわせの心地…
寝そうじゃが、本も借りてきたし読まねば

これはしーちゃんの物語か
しかし、桜の君に笑ってしまうの
わしの頭の中では美人な女ではなくせーちゃんになってしまうからの

おや、せーちゃん
いや、今日は桜の君〜
いつのまにか作家さんになっておったん?なんて揶揄い

この館もせーちゃんも過ごした場所か
気に入りの場所なんかもあるかの、と話しつつ
主を葬り、箱の友にも多少は感じ入るもんがあるんかのーと思うが
いや、なんもなさそじゃな
あるいは、わしがわからん程度の機微か

まぁ、ええか
せーちゃん、マリトッツォあげよ
やはりわしには甘い



 ――ぽふり。
「身が沈む……しあわせの心地……」
 桜と苺のマリトッツォと桜マティーニを貰い、終夜・嵐吾(灰青・f05366)がその身を投じたのは、狐もダメにするかもしれないふかふかソファー。
 その包み込まれるような心地に身体を預ければ、ついうとうとしてしまいそうになるけれど。
 ハッと琥珀の瞳を擦って、ソファーに負けないふわもふ尻尾をゆらり。
「寝そうじゃが、本も借りてきたし読まねば」
 早速、作家の新作『輪廻桜』を読んでみるが。
「これはしーちゃんの物語か」
 或る作家の一生を描いた、美しくも繊細な物語……のはずなのだけれど。
「しかし、桜の君に笑ってしまうの」
 嵐吾は思わず吹き出しそうになってしまう。
 だって、それは仕方ない。
「わしの頭の中では美人な女ではなくせーちゃんになってしまうからの」
 そんなことを言っていれば。
「らんらん?」
「おや、せーちゃん」
 何だか楽しそうな様子だからか、自分を見つめつつ、首をはたと傾ける友の姿が。
 そんな友は、いつもの友ではあるのだけれど。
「いや、今日は桜の君〜」
 揶揄うように笑みを向け、すぐ隣にぽふんと座った『桜の君』に嵐吾は続ける。
 ……いつのまにか作家さんになっておったん? なんて。
 そんな嵐吾に、何のことだ? なんて、惚けてみせる『桜の君』に。
「この館もせーちゃんも過ごした場所か。気に入りの場所なんかもあるかの」
 そう訊いてみれば、にこにこと。
「ああ。ふふ、後で秘密の隠し部屋にでも案内しようか」
 冗談めかして言う友に、ちらりと嵐吾は視線を向けつつも、ふと思う。
 ……主を葬り、箱の友にも多少は感じ入るもんがあるんかのー、って。
 ちょっと……いや、あまり人の感情の機微がわからないという、変わった箱である友であるが。
(「いや、なんもなさそじゃな」)
 感傷的になっている様子もないし。
 喜びや寂しさなんかも、特にみられない気もするけれど。
 ……あるいは、わしがわからん程度の機微か、と。
 その横顔を見つめつつ、思ったりするものの。
「まぁ、ええか。せーちゃん、マリトッツォあげよ」
「有難う。だが、らんらんの分はいいのか?」
 やっぱり、いつもと何ら変わらない様子で。
 嬉々と甘味に瞳を輝かせる友に、嵐吾はこくりと大きく頷くのだった。
 ――やはりわしには甘い、って。
 そしてそれを有難く受け取り、涼やかな顔ではむりと食した後。
 ……少し、桜の廻廊を巡ってきてもいいだろうか、と。
 ひらり立ち上がった『桜の君』を嵐吾は見送る――うむ、いっといで、と。
 物語の結末を、見届けるように。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クロト・ラトキエ
清史郎さんをお見掛けしたら、
「こんばんは、センセ」
…なぁんて。
こそり小声で呼び掛けてみたい。
悪戯半分…
彼の方に少しばかり関われた、楽しい思い出半分。
「ま…とり?まり、とっ、と…?えっと…マリトッツォ!」
「もうお召し上がりに?」
各所で甘味がお好きな姿をお見掛けしていたから、今夜も?なんて興味津々。
僕は…
本のある場所で飲食は、少々苦手で。
だから、手土産に。

輪廻、桜。
その物語の着想、生まれなんて、無粋は無しナシ!
「凄く…あの方らしい館ですよね」
いつかの謎解きの舞台を思い、ただ感じた事を。
サイン入りの一冊は、今も確り手元に。
新装版も勿論…あ。
聞きたかった事、一つだけ。
「やっぱり、心中なんですね」
笑って



 きっとこれまで、何度も同じように声を掛けられたのだろう。
「こんばんは、センセ」
 そうこそり、クロト・ラトキエ(TTX・f00472)が小声で呼び掛けてみれば。
「すまない、俺は櫻居・四狼では……」
 雅やかに振り返った彼は、瞳をぱちくりとさせて。
 クロト、と赤に青混ざる双眸を細めて、彼の名を呼ぶ。
 そう見かけた清史郎に声を掛けたのは、悪戯半分。
 そして――。
(「彼の方に少しばかり関われた、楽しい思い出半分」)
 それからクロトは、ふとすぐ傍のカフェーの看板へと目を向けて。
「ま……とり? まり、とっ、と……? えっと……マリトッツォ!」
 何とか、その甘味の名を紡いだ後、清史郎へと訊ねてみる。
「もうお召し上がりに?」
 ……各所で甘味がお好きな姿をお見掛けしていたから、今夜も?
 なんて、興味津々に。
 ――けれど。
「ああ、7個ほど頂いたな」
「えっ、7個?」
 しれっとそうにこにこ笑みとともに返ってきた声に、今度はクロトが瞳を瞬かせてから。
「クロトは食してみたか?」
「僕は……本のある場所で飲食は、少々苦手で。だから、手土産に」
 逆に訊ねられれば、桜柄の紙袋を微か掲げて見せて。
 そうか、と笑む彼と、暫し語らいのひとときを。
「凄く……あの方らしい館ですよね」
「そうだな、この館は確かにあの人らしい。至る所に遊び心がある」
 たとえば……桜の匣庭を巡る廻廊とかな、と。
 届いた穏やかな声に、クロトはふと思う。
 ――輪廻、桜。
(「その物語の着想、生まれなんて、無粋は無しナシ!」)
 だからただ、ただ感じた事を……いつかの謎解きの舞台を思いながらも。
 サイン入りの一冊は、今も確り手元に。勿論、新装版も――。
「……あ」
 クロトは刹那、清史郎へと視線を向けて紡ぐ。
 聞きたかった事、一つだけ。
「やっぱり、心中なんですね」
 そんな言の葉に、ふふ、と清史郎は微笑んで。
 そして、こう返す――それが、櫻居・四狼という作家が綴る、彼らしい物語だろう? って。
 かの作家が一目惚れした『桜の君』の如く、綺麗に笑んで。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年08月12日


挿絵イラスト