猟兵警備網四六時中~不幸剣豪守護決行~
●妖狐の休まらぬ夜
時は空の赤きの端に夜の暗きが見え始めた、魔に今逢うべく時だった。
濃紺の石畳紋様の着流しを纏い、腰には刀を下げた、短く切り揃えた赤髪の、鋭い眼差しの女は己が不運を嘆いていた。
思えば幼少の頃から、何かにつけて自分にばかりが不幸に見舞われる。回避の為に動いたことは悉く裏目に出る始末。
今回もなるべく誰にも会わぬように、人通りの少ない外れの森を選んで道を進んで来たのだが。
「……はぁぁ……」
気が付いたらいつの間にかに現れた陰陽師めいた敵――しかも伝説の武将を傍らに浮かべた悪夢の如き強敵が数を為して取り囲み、彼女を襲っていた。
されどもされど、見舞われてきた困難を乗り越え続けた力は強敵の魔手から彼女を生きながらえさせていたが――それでも、彼女は感じていた。これは、乗り越えられぬと。
「こんなことなら、もう少し柔に産まれてくれば良かったのに」
諦めを交えた笑みを浮かべ、抜き放った刀で亡霊の一つを斬り捨てても、苦しみは長く続くばかり――結果の見えた抗いたれど、剣豪は抗い続けるのだ。
●警備網説明
「世の中ね、自分の意志でどうにもならないことがある」
艶やかな黒髪を気だるげに手で挙げ、其処に咲いた山百合を僅かに上下させ、猟兵スフィーエ・シエルフィートは唐突に語り出した。
「だからこそ嘆くのか、だからこそ諦められるかは、出来事と当人次第かもしれないのだが……さて」
彼女が突拍子もなく語るのはいつものこと、とん、と鞘に納めたままの西洋刀で床を軽く叩けば秘宝(グリモア)が予知の光景を映し出す。
「さぁ語ろうか。舞台は剣と武士の奇譚サムライエンパイア。君達にはとある剣豪の命を守り抜いて貰いたい」
猟書家幹部【真田神十郎】は滅びたが、未だその意志は絶えず、剣豪の命を狙い強力な亡霊を産み出そうとしているのだという。
今回もまた意志を継いだ者が一人の剣豪に目をつけ、夕暮れ時と夜の境目の時、外れの森を行く剣豪を殺しに行くとのこと。
「全く厄介という他無いのだが……何はともあれ、一つの命が失われて良い訳じゃない。彼女を守って欲しい」
そう言ってスフィーエが映し出すのは赤髪の女性だった。
名を愛子といい、何かにつけて騒乱に見舞われやすい体質をしているが、その都度退ける力もあり、剣豪として力をつけてきた。が、その所為で目をつけられるという何とも悪循環なものだと苦笑し。
今から転送を行えば丁度、彼女が取り囲まれようとする寸前に間に合うので、その身を守って欲しいのだと語る。
「注意して欲しいのは、最初の敵は【上杉謙信】の力を宿している。その軍略によって、君達に不利な場所へ追い込んでくるだろう」
そう言ってスフィーエは愛子を取り囲むこととなる、陰陽師のような姿をした亡霊の姿を映し出していた。その傍らには、かつて軍神と呼ばれた武将の幻影が浮かび、集団相手の雑魚とはいえ限りなく強化されているのだという。
その上、軍神と呼ばれた者の軍略も併せ持ち、今回の森ならば植生の濃い場所に追い詰めて来たりなど、猟兵達に不利な状況へ追い込もうとするだろう。
それでも何とか退けて貰いたい、と語った後に。
「然る後、幹部の意志を継いだオブリビオンを倒して貰いたい」
流石に幹部よりはやはり力は劣るだろうが、それでもかなりの強敵――こちらは上杉謙信の力は宿してはいないようだが、それでも間違いなく強いので油断しないようにと語り。
「後は、愛子女史の強さは君達程じゃない。最初の敵なら……一対一ならやりあえるだろう。だが数で押されればそれまでだし、黒幕に対しては言わずもがなだ」
更に性質が悪いことに敵は優先して愛子を狙ってくる傾向がある。
最初の敵群ならばまだしも、大将首が牙を向け、無策でいればほぼ確実に殺されるだろうと警告し。
「飽く迄目的は彼女を守ることだ。それを忘れないようにね」
撃破も大事であるが、それにかまけて彼女を見殺しにしては本末転倒――くれぐれも気を付けるようにと、スフィーエは改めて念を押した。
「何というか、不幸を嘆くな、受け取り方次第と慰めるのは簡単なのだがね」
望まぬ不幸に見舞われ続けた剣豪への同情か、やや複雑そうに頭を抱え、眉間に皺を寄せてスフィーエは息を吐き出した。
かの剣豪を何と言ったら良いか――暫く考えた後、諦めたように頭を振ると、スフィーエは秘宝を輝かせ戦場へと続く門を作り出し。
「まぁいい。兎にも角にも、少々苦労の絶えない剣豪を救ってやってくれ。頼んだよ」
裏山薬草
どうも、裏山薬草です。
何で自分ばっかり、どうして自分だけとか、色々と不幸が重なると沈んでしまいますね。
しかし禍福は糾える縄の如し、良いこともその内あると信じて頑張りましょう。なんて。
今回は猟書家幹部の意志を継いだオブリビオンより、剣豪を守るシナリオとなっております。
舞台としては外れの森で、時間は夕暮れと夜の間ぐらい。
丁度オブリビオンが現れ、剣豪を取り囲んだ辺りからの開始となります。
●第一章『集団戦』
剣豪を守りながらの集団戦となります。
敵は上杉謙信の力を宿し、軍略に優れております。
植生の濃い狭い場所に追い込んだりするなどして、皆様に不利な状況に持ち込もうとするので、その辺りを対処すると追加でボーナスになります。
●第二章『ボス戦』
猟書家幹部の意志を継いだオブリビオンとの決戦になります。
上杉謙信の力は宿していませんが、幹部の意志を継ぐだけあって強敵です。
剣豪を優先して狙ってきますし、剣豪も流石に敵いませんので、上手く守りながら戦ってください。
最後に狙われる剣豪の簡単な設定を乗せておきます。参考までに。
●剣豪
名は愛子。年齢は二十代前半。きつい眼をした赤髪の美人。
何かにつけて事件に巻き込まれることが多く、それを退け続けていた結果、相応の技量を持つ剣豪として知られてしまった苦労人。
全章通して彼女を守りながら戦うとプレイングボーナスになります。
彼女自身の戦闘力は集団敵の一対一なら危なげなくやりあえる程度です。
プレイングの受付状況に関しては、タグにてお知らせします。
それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
裏山薬草でした。
第1章 集団戦
『安倍清濁』
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POW : 形代封じ・大威徳
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【符術を操る自分自身】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
SPD : 悪業罰示・無為識神
自身の身長の2倍の【霊獣、または十二神将】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ : 毒するは濁り酒、分つは清刀。
【祝詞と呪詛】を向けた対象に、【角を持つ種族を殺める酒と刀】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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水鏡・怜悧
詠唱:改変・省略可
人格:ロキ
軍略家……ならば戦闘手段を変えながら戦いましょう
「助太刀します」
風属性の魔銃で周囲の敵を牽制。愛子さんの背後をカバーする位置で戦います。祝詞は風を強くしてかき消し、呪属性の触手で呪詛返し
愛子さんの防衛を優先し遠距離主体で攻めつつ、少しずつ敵の手薄な方へ移動
誘い込むなら誘いに乗りましょう
一気攻勢が来たら愛子さんを金属壁で囲い防衛
「あとは任せますよ、アノン」
人格:アノン
UDCで狼耳と尻尾を象る
手は氷属性の触手、足は雷属性の触手で覆って近接格闘
雷や氷でマヒした相手を喰い殺してやるぜ
退けたら愛子は金属壁から解放
「不幸だなんだって他人と比べて何が楽しいんだ、下らねェ」
●その時不思議な風が吹いた
亡霊に目をつけられるだけあり、剣豪の実力たるや相応のものであるが、剣豪も流石に軍神を宿した相手とならば分が悪過ぎるというものだろう。幾人かを斬り伏せても、奮戦や虚しく追い詰められた彼女が背を木に着けられ、周囲は陰陽師が迫る。
「くっ……!」
取り囲む陰陽師達が、一斉に更なる呪詛を以て愛子を害さんとした、その時だった――。
木の葉が舞い散り踊る風圧が陰陽師達を退かせ、続けて撃ち込まれ行く銃弾が陰陽師の肩を貫いていった。
「!!? 其方は、一体……」
「それは後で――今は助太刀します」
場に現れた青年――水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)が内に眠る魂の一つ、ロキは驚愕する愛子が木から背を離すと、その背後を補うように背中合わせに陰陽師達と相対する。
「背後はお任せください」
「……分かった。何処の誰かは知らぬが、感謝する」
このまま追い詰められては元の木阿弥、放たれる祝詞を銃よりの風で掻き消し、伸ばした触手の呪詛がそのまま放たれた呪いを逆に返すことで、呪わば穴二つの摂理を教え込み。
自衛に専念する愛子をさりげなく、敵の追い込みから離すや否や――ロキは今が好機と、地面より円筒状の金属による壁を隆起させ愛子を取り囲んだ。
「そこに隠れてください!!」
尤も有無を言わさぬ形となったが――それでも壁越しに戸惑い交じりの同意を聞き入れると、彼は軽く呼吸を整え。
「後は任せますよ、アノン」
準備は整った。後は全てを喰らい尽す人格に任せるだけ――腕輪の宝玉が異なる輝きを魅せると同時、彼の貌が変わった。
「――ヒャハハハハハッ! 喰らい尽してやるぜ!!」
異形を宿したが故か、頭部に獣の耳を、後方に尾を生やした姿こそ猛々しくも、顔立ちは殆ど変わらぬ――されど受ける印象は百八十度変わる。
其処からのアノンの奮戦は正に魔獣――手に氷を、脚に雷を纏い超電導を以て敵を痺れさせては、身動きとれぬままの血肉を喰らい尽す。
戦いですらない、獣の一方的な蹂躙が始まる中、壁の中の愛子はその音を聞きながら。
「……すまない。不幸に巻き込んでしまった」
下唇を噛み締め愛子が自らの境遇を儚み、俯きがちにアノンへと謝罪の言葉を口にした。
それでもアノンはけっ、と吐き捨て彼女の言葉をこう斬り捨てた。
「不幸だなんだって他人と比べて何が楽しいんだ、下らねェ」
「……かもな」
苦笑する愛子の元に、アノンの咀嚼音が響く――今も、変わらずに亡霊を喰らい尽す獣の声にそこはかとなく安堵の息を漏らし。
程なくして、一頻りの亡霊が無くなった後に、壁から解き放たれた愛子は僅かに憑き物の落ちた顔をしていたという。
成功
🔵🔵🔴
夜鳥・藍
かの真田の名を持つものが猟書家に居たんですね。既にお会いできない状況なのは少しもったいない感じがいたしますが。
転移しましたらすぐさま青月をかかげ雷光天絶陣によるマヒ攻撃を放ちます。
追い込まれる前に狩ればよいのです。ついでに軽く植生を焼き払ってしまえば。延焼には気を付けます。
向こうの攻撃は占い師としての直感、要は第六感で回避します。ただし回避する事で愛子さんに害が及ぶようであればあえて受けます。回避しきれない場合は呪詛耐性で耐えます。
幸も不幸も気持ち次第、それだけの事なのよね。
ただ受け止める心の強弱も関係あるのもまた事実。
だけど、悲観するだけでは良い事嬉しい事も見逃してしまいがちになりますから。
●行く末
一時敵軍を退けたといえども、終わりの見えない亡霊の数々は情けも容赦もなく息を乱れさせた剣豪を追い詰める。
執拗な陰陽師の呪いが今にも、剣豪・愛子を手に掛けようとした刹那――暗き森の影に淡い金色の輝きを伴い、精緻な方陣が現れた。
そしてそれが一つの人影を通したその瞬間――暗き森の中が、一瞬にして眩い閃光に満たされていた。
その閃光が近隣の村々にも及びかねぬ爆音を伴い、迸る衝撃と高熱が森の木々を薙ぎ倒し炎に包み込む。当然、その中には陰陽師達も含まれており、雷に呑まれた陰陽師達と、傍らに有る軍神の霊も雷の残滓が言葉を紡ぐことを阻害する。
(かの真田の名を持つ者もいたのですね。既にお会いできない状況なのは少しもったいない感じがいたしますが……)
侍帝国の有名所としてまず挙がるだろう、かの名前――されど最早滅びた存在となってしまったのは、時の巡り合わせに恵まれなかったか。
掲げられた刀の、仄かに青白き朧光が森の木々を焼く炎に照らされ色を際立たす――夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)はそれを嘆きながらも、今行うべきは剣豪の命を救うことと目的を忘れず、続けざまに刀を輝かせた。
軍神の知略を以て追い込もうとした所で、現れると同時に放った雷は既に植生の濃い箇所を焼き開けた土地と化した以上、戦場に制限は何も無く。
更に迸る雷に身を打ち据えられ、動きを硬直させていく陰陽師達を、藍と愛子は斬り伏せていきつつ、愛子は白髪に宙色の眼をした女へと疑問を投げかけた。
「其方も?」
「ええ」
簡潔に藍が答えれば、愛子は重たく感じてきた刀を下げ大きく息を吐き出した。
「本当に……すまない。はぁ……」
「占い師として言わせて頂ければ」
されども無情に続く、わらわらと湧いて出てくる陰陽師達の呪詛を占い師としての、言葉に出来ない超感覚が先んじてその気配を察し、解き放たれる呪いと愛子の間に藍はその身を割り込ませ。
陰鬱になりかねぬ空気に喝を入れるかのように、藍は剣豪へと語る。
「幸も不幸も気持ち次第。ただ受け止める心の強弱も関係あるのもまた事実」
打刀を真横に、刀身を盾とし迫る呪いより愛子を守り抜きながら、三度、掲げた刀の青白い煌めきが揺らぎ――迸る雷が木々の密集した箇所を軽く焼き払いながら亡霊を薙ぎ倒す中で藍は更に諭す。
「だけど悲観するだけでは、良い事、嬉しい事も見逃してしまいがちになりますから」
――少なくとも、ここに救いの手が間に合えたことは幸運ではないか?
爆雷の輝きに照らされながら、宙色の輝きの真っ直ぐな視線に赤髪の剣豪は不器用に頷いた。
成功
🔵🔵🔴
四季乃・瑠璃
【破壊の姫君】で分身
二人で飛翔翼で飛行し、空中から奇襲・不意打ち気味に取り囲む敵へ向かって同時に可能な限りの【範囲攻撃、爆撃、蹂躙、早業】感知式ボムによる空爆を実施。
広域爆破で地形ごと一気に爆破粉砕して攻撃を仕掛け、後は愛子の前後を二人で挟む様にして護衛に着き、仕掛けてくる銃撃(K100)と機巧大鎌やボムによる爆撃で敵を迎撃、殺戮するよ。
緋瑪「狭い場所に誘導するっていうなら、こちらも好都合だよ。逃げ場がなくなるからね。罠も地形も粉砕するけど」
瑠璃「軍略は確かに脅威だけど、謙信はあくまで武将。陰陽師じゃ力を発揮しきれないでしょ」
●奇襲こそ道理
森の木々が巧みに場を覆い隠そうとも、激戦の声や逃げ惑う剣士を煽り追い立てる声は鮮明にその場所を伝えてくれる。
逢魔が時の朱光を背に受け、侍帝国の世ならざる鋼の翼を広げた、二つの魂を二つの肉体へと受肉させた殺人姫――四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)と、その半身の緋瑪は激戦の狙いを定めると、それぞれが掌に拳大の爆弾を生成すると。
――行くよ、緋瑪。
――行こう、瑠璃!
「「さぁ、わたし達の破壊を始めよう」」
森の木々を激しい熱風が薙ぎ倒し、焼け落ちては火花の爆ぜる音も強かに、投げ落とされた爆弾が陰陽師達を灰と変えていた。
一気に開けた戦場と化した森の中、呆気に取られた愛子の下へ、金属の翼を背に備えた瑠璃と緋瑪が、背中合わせに、その中点に愛子を挟むように降り立つと。
「間に合った!」
「大丈夫、後は私たちに任せて」
呆気に取られる愛子の返事を聞くその前に、爆撃で空いた穴を塞ぐように迫り行く陰陽師達に躊躇いなく瑠璃と緋瑪は大型拳銃を向ける。
悍ましき妖怪変化だろうと討ち得る鉛弾が陰陽師が反撃に移ることも許さずに、その体を撃ち抜いては膝を着かせ。
間髪を入れずに陰陽師達が立ち上がるべく、膝に力を入れたと同時、殺人姫達が取り出した大鎌より、仕込まれた炸薬が爆ぜた。
すれば自然と、爆発の勢いは二人で一人の死神を躍らせ、それぞれが優雅に弧を描く如き軌跡で、薙ぎ払うという表現が正しいぐらいに陰陽師達の首を焼かれ行く森の炎へ舞い上げていく。
当然、僅かに離れた隙へ割り込むように陰陽師も呪いの手を伸ばすが、其れよりも尚早く、殺人姫達の放つ銃弾が、爆弾が――体を射抜き、そして爆炎が一気に身を包み灰に変える。
それでも、陰陽師達は宿した軍神の叡智のままに、彼女達を追い込もうとするものの。
「狭い場所に誘導するっていうなら、こちらも好都合だよ。逃げ場がなくなるからね。罠も地形も粉砕するけど」
「軍略は確かに脅威だけど、謙信はあくまで武将。陰陽師じゃ力を発揮しきれないでしょ」
それこそ全てが仇、宝の持ち腐れに他ならない――策士策に溺れる、という程の策でもないが彼女達に対しては無駄に他ならず。
増してや元来の軍神とも戦ったことがある以上、宿した程度では所詮は偽物の実力に過ぎない――つまり、油断はせずとも恐るるに足らず。
「「さぁ、紛い物との戦いは終わらせよう!」」
切り札として投げ放たれた、殲滅を銘打たれた爆弾がその銘に偽り無きを示すように、広がり行く破壊の熱圧が無粋な陰陽師を滅していくのだった。
成功
🔵🔵🔴
シーザー・ゴールドマン
「やあ、お嬢さん。私も通りすがりの助太刀だ。」
愛子に軽く挨拶をして戦いに介入。
指を一つ鳴らして『ヤーヌスの双顔』を発動。
不可視の力で範囲内の敵を全て破壊します。
また、破壊するのは敵自身だけではなく彼等の意図を見切り、それを挫く為に彼等が利用しようとした地形そのものを破壊して見せます。
愛子も範囲内におくよう動き、これまでの戦闘で負傷しているようなら回復。自身の庇護下に入った後は傷一つつけさせるつもりはありません。
「彼等は優秀な剣豪の命が欲しいという事だ。君は評価されているようだね」と愛子に世間話のように話しかけたりしつつ。
●指先一つで十二分
「やあお嬢さん」
未だに終わらない剣豪と陰陽師の戦いの最中、それも限りなく色濃い戦の様相も一切合切を無視したかのような、暢気にも聞こえる声が澄み渡る。
偉丈夫シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)は、両腕を僅かに広げ社交場入りをするかの如く現れ出でた。
彼の姿に思わず水を打ったかのように静寂に染まった戦場であったが、ざっと地を踏み鳴らす陰陽師の足音に目を見開き、愛子はシーザーへ叫んだ。
「おい! 早く逃げ……」
「ハハハ、安心したまえ。私も通りすがりの助太刀だ」
かような状況であっても彼を迷った一般人と勘違いしたか、愛子の叫びに対して悠然と微笑みながら彼は両掌を広げて見せた。
呆気に取られる愛子と裏腹に、冷徹な陰陽師達は一斉にその隙を狙わんとするも――シーザーの黄金色の眼が即座に向けられた。
それと同時、指の弾く音が軽やかに響き渡ればまるで手品のように――ある意味邪法はそうしたものであるが――愛子を取り囲んでいた陰陽師は塵も残らず消え失せた。
あっという間に敵軍を払ったか、否。
「成程、軍神の力を得ているか。だが何の意味も無いのだよ」
――気配をよくよく探れば十二分に分かる。この恵まれた植生の中、気付かれる前に剣豪を仕留めんとする敵の気配が。
されどそれも全て予測済みと言わんばかりに、再び彼が指を弾けば影に潜む為の植生は悉く消え失せた。
「大方奇襲でも仕掛ける心算だったのかな? 残念だったね」
どさり、どさりと。次々と墜ちていく陰陽師達の存在は、彼等が明らかに木々の間に潜み隙あらば奇襲を仕掛けんとしていたことが丸わかりであった。
当然、墜ちた彼らにシーザーが容赦をする筈も無く――ゆっくりと、途切れ途切れにも見える如き動きを以て、指を弾けば。
苦しみの声も挙げられる暇もなく、陰陽師達は軍神諸共塵も残さず消え失せていく――正しく一方的な覇王の蹂躙であった。
「まあ君も大変だったね」
「……かたじけない」
されど覇王は唯々に蹂躙するだけに非ず。
同じように指を弾いては傷つき消耗した剣豪の身を、一瞬で傷や疲れがあったのかと疑う程に鮮やかに治療し、保護下へと置く。
「彼等は優秀な剣豪の命が欲しいという事だ。君は評価されているようだね」
「その結果が此れなら……」
幾許かの平穏の中、世間話を語るように穏やかに話すシーザーの言葉に、愛子は尚も下唇を噛み締めた。
ある意味災難ではあるが――同情もしていられないと、シーザーは愛子の背を叩くと。
「兎に角無事を喜びたまえ。まだ終わってないぞ? 色々とね」
――探ればまたもや無粋な気配が一つ、二つと。
改めて彼らはまた、襲い来る脅威へと立ち向かっていくのだった。
成功
🔵🔵🔴
ハルア・ガーラント
●WIZ
愛子さんと急いで合流
警戒心を和らげて貰う為にも名乗りますね
わたし、ハルア・ガーラントといいます
助けに来ました!
植生濃い場所へ誘い込まれるように移動
愛子さんには〈咎人の鎖〉を傍に漂わせ[浄化のオーラを纏わせた障壁を展開し防御]手段のひとつに
わたしは〈銀曜銃〉から[誘導弾でマヒ攻撃]を放ち足止め兼[援護射撃]
酒と刀は殺気を[第六感]で捉え木々の影に隠れて回避
不利な場所へ追い込まれたらUCを発動
足元と視界の悪いこの環境の影響を受けるのは敵だけになる筈
この木々じゃ集団で襲うのも難しいんじゃないかな
愛子さん、反撃しましょう!
不幸せの次には幸せが訪れるもの
それを感じる為にも、乗り越えないと
●天使は導く
重厚な風切りの音を奏で、純白の分厚い翼がはためけば、鮮烈に舞い散る羽が戦の熱に眩みかけていた女剣士の目を覚まさせた。
未だ周囲に殺気のありありと伝わる敵に油断を解くことはなくも、緩やかに距離を詰めていく天女ハルア・ガーラント(宵啼鳥・f23517)に愛子は思わず一歩を引いた。
「わたし、ハルア・ガーラントといいます」
――何とも絆されてしまいそうな笑顔だった。だが、だからこそ安心も出来ると愛子は確かに感じていた。
「お嬢さんもか? 何というか……」
「大丈夫です! 行きましょう!」
言うが早いか、戸惑う愛子の手を引きハルアは森の中を駆け抜けていく。
当然のことながら陰陽師達も標的を狙うべく呪詛と刀を振り翳していくも、揺れ踊る金色の鎖とそれより発せられる清浄な輝きが、陰陽師より放たれる呪詛を清め阻み。
彼女達を追い立てる陰陽師の下へと、銀曜銃から放たれる銃弾が麻痺の術式を以て動きを鈍らせる。
時に背の羽毛が立つような殺気を感ずれば、適宜に木々に身を隠し凶刃から逃れていく。
確かに攻撃は見事に防いでくれている、牽制として放たれる銃も確かに陰陽師達の行く手を阻害してはいる。しかし、陰陽師達の導き通り着実に閉所に追い詰められようとしているのではないか――浮かんだ疑念に従い、愛子は口を開いた。
「おい、このままでは」
「いいんです。それが【狙い】なので」
「何……?」
崩されることのない微笑みのまま、ハルアは質感豊かな白き翼を大きく広げてみせた。
「天獄の祝福、この地に降らせましょう」
天上から柔らかく降り注ぐ、無数の淡い光輝く羽根が戦場を優しく照らしていく。
真夏の夜の奇妙な初雪のように、幻想的に美しい光景に暫し敵味方問わず目を奪われ――不意に戦に意識を取り戻し、慌てて刀を構え直す愛子へとハルアは告げる。
「手に取るように分かるでしょう? どう動けば良いかも、分かるでしょう?」
――暗くて、植生が濃くて狭く動き辛い場所だった。それがどうだ。光差さぬ場所に於いて尚、真昼とまではいかなくとも敵の姿がしっかりと見える。
張り出した根も、密なる植生も、どこをどう動けば良いのか分かる――地の利は今やここにあることが確かに感じられた。
「愛子さん、反撃しましょう!」
「……心得た!」
ハルアの声に、確かに女剣士は自身を取り戻しては、時にハルアの銃による援護を受けながらも着実に強敵である軍神を宿した敵を斬り伏せていく。流石の力量だ。
それ故に苦労も多く重ねてきたのだろう――それでも、不幸の後には必ず幸福もやってくるのだから。
(まずはこれを乗り越えないと)
必ず良いことありますから――無責任な言葉にも、思いにもさせないと、天女は刀を振るう女剣士を後ろから支え、立ちはだかる不幸に抗うのだった。
成功
🔵🔵🔴
御剣・神夜
かつての名将が堕ちたものですね
まぁ、良いでしょう。総大将を討つ前に、貴女方から滅してあげます
こんな姿をしてますが、式を使うより刀を使う方が得意なので
あ、愛子さんは伏せててください。まとめて斬り捨てますので
形代封じ・大威徳で気絶、あるいは志望した者を操られてもあせらず野太刀のリーチと、範囲攻撃、衝撃波、なぎ払いで周囲の物も纏めて敵事なで斬りにする
「数で来ると言うなら、見せて上げましょう。圧倒的武力による蹂躙を。貴女方はつまらないです。早く敵将とまみえたいものですね」
●一撃必殺
かの軍神といへば噂に名高き歴史に残る名将たれど、斯様にして力を増幅する為の装置として扱われ、有象無象で女一人を追い立てるとは何たることか。
黒髪を上で括り、巫女と剣士の中間のような――比較的に背の高い女でも引きずる様な野太刀を腰にした女は、ゆっくりと現れた。
「かつての名将が堕ちたものですね」
優雅な余裕を匂わせる笑みを崩さぬ女の、御剣・神夜(桜花繚乱・f02570)の値踏みするような視線と言葉に分かりやすく、陰陽師達の宿す軍神は顔を歪め吐き捨てる。
「我々もこのような形の登板は不本意なのだがな」
「……まぁ良いでしょう。総大将を討つ前に、貴方がたから滅してあげます!!」
相手が誰であろうと、斬って捨てて滅するのみ――斯様な身なりたれど、式よりも剣が得意なる身の上。
じりじりと、円陣を以て愛子諸共に神夜を取り囲む陰陽師達の気配にも、殆ど動揺することなく彼女は野太刀を抜き放つ――。
「あ、愛子さんは伏せていてください。纏めて斬り捨てますので」
言うが早いか、愛子が咄嗟に伏せると同時、この場にて猛る竜が顎門を開きその牙を以て一瞬で陰陽師達の胴と足を食い千切る幻影が見えた。
ただし巻き起こる風の圧による木々や草草の揺らぎ、そして両断される陰陽師達の姿は幻影に非ず――神夜が一瞬で抜き放ち振るった野太刀の技と、龍の牙が如き刃の輝きがそのように魅せていた。
「す、凄いな……」
同じ刀を使う剣豪として、神夜の魅せた一撃は格の違いというものを見せつけられた形となったか。
徐々に下げた頭を上げて空いた口が塞がらぬといった表情で、愛子が嫉妬混じりに神夜を称えれば、神夜は口角を僅かに挙げて応えた。
たったの一太刀で生み出された数多の死体があっても尚、陰陽師達は嗤う――
「態々増やして貰えて有難い限りだ」
戦場に増える夥しい死体の数々、神夜のあまりにも鮮やかにして痛烈な斬撃が生み出してしまったそれが仇となったと言わんばかりに。
陰陽師達は祝詞を紡ぐと――たった今、命を終えたばかりの骸が目を悍ましく輝かせて立ち上がり、符を手に顕現する。
「数で来ると言うなら、見せてあげましょう」
されど神夜は余裕を崩すことなく、幽鬼として立ち上がる亡霊を前にして、今一度野太刀を軽く持ち上げると。
「圧倒的武力による、蹂躙を!!」
再び龍の幻影が走ったかのように、鮮やかに鋭い――災害の如き野太刀の一撃が大気を揺さぶりながら振るわれて。
ぼとり、ぼとりと断ち切られた体を崩し、骸の海へ還っていく体を見送り、最後に神夜は驚愕を浮かべた陰陽師へ言い放った。
「貴方がたはつまらないです。早く敵将とまみえたいものですね」
成功
🔵🔵🔴
鹿村・トーゴ
猟書家も遺業継ぎの奴もエンパイアの方々で悪さしやがって…
狭い森は…不意打ち奇襲が得手の忍びにも都合の良いとこだ【視覚/暗視/地形の利用/忍び足】活用して樹上から接近
敵を目視したら
…ユキエ、いっちょ頼むぜ?
相棒の鸚鵡ユキエに敵と剣士殿(愛子)の間を割って高速で飛び過ぎさせる(ユキエはそのまま飛び去らせる)
一瞬でも気を引けたらいい【だまし討ち】
敵背後から手裏剣やその辺の石や折れて鋭い枝も【念動力/投擲】し敵に当てUCに繋げる
動く敵が居れば優先して手にしたクナイでトドメを【串刺し】
女一人に多勢に無勢…難儀な敵に目ェつけられたねェ
剣士殿、助太刀するよ
毒を撒いたが油断せず近いヤツから斬ってくれ
アドリブ可
●彼、先んじて潜み
木々から木々へ乗り移り暗きに紛れる間でさえも、飛び移る音も、着地する際の枝葉の騒めきも全てを隠し。
鍛え上げられた忍びの眼は、己が気配を狭き森の中に完全に溶け込ませ、眼は暗きに於いて尚、確かに彼の――鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)へと敵の存在を映していた。
(猟書家も遺業継ぎの奴もエンパイアの方々で悪さしやがって……)
企てた首謀者が潰えども、意志を継ぐ者が斯様にして同じ事件を起こすのであらば、根本的な解決に至らず。
されど嘆きて変わるのならば、今ここで手に掛けられようとしている女剣士はとうに助かっているだろう――故に彼は樹上にて息を潜めつつ、相方の鸚鵡を腕に乗せ。
(……ユキエ、いっちょ頼むぜ?)
鸚鵡は相棒の意を組んで音も立てずに頷くと、トーゴの腕より降りる際に一切の音を立てず。
されど愛子と、それを追い詰める陰陽師達のその間に差し掛かる刹那――突如として翼をより強くはためかせ、一瞬で軍神の眼を以てしても捕えられぬ程に素早く翔け抜けていった。
「!!」
風切り音のけたたましきと、舞い散る羽根の唐突に過ぎ去る様に一瞬気取られ、敵味方問わずに一瞬の硬直をしてしまったが命取り。
――千鳥砂嘴ひと刺し浅しニワトコに、天地五感を掠め狩る。
「ぐぁっ!?」
無音のまま樹上より降り立ち、気付かれぬままトーゴは投げつける。
手始めの忍びの嗜み、手裏剣を陰陽師達の背に叩き付け。
それが切れれば手近な石を、鋭い枝を拾い上げては、時に不可視の思念の補助も伴いながらそれを飛ばし、陰陽師達へ一気呵成に畳みかけていく。
「何奴……と、答える筈も無し、か……っ!」
――至ってその通り、答える義理も義務もない。
痛みはなくも三半規管を狂わす毒をも共に叩き込まれ、忌々しく吐き捨てる陰陽師達の足取りも覚束ず。
更に性質の悪いことに、ついでにばら撒かれた撒菱の痛みと毒が、尚更に亡霊の動きを阻んでいく。
されど未だ効き目が薄いのか、ゆらり、ゆらりと歩を女剣士へと進ませる陰陽師の背後を音もなく取ると。
「──なに、些細なかすり傷さ」
呟かれた言葉の反論も許されぬままに、吸い込まれるように頸椎に苦無が深々と突き刺されていた。
絶命の証に一際大きな痙攣をした後に、崩れ落ちた陰陽師から苦無を引き抜き、血糊を軽く振り払うとトーゴは愛子に向けて柔らかく微笑むと。
「剣士殿、難儀な敵に目ェつけられたねェ……助太刀するよ。毒は撒いたが、油断せず近いヤツから斬ってくれ」
「感謝する。忍者殿」
言葉通りに体を一切動かせぬ陰陽師を、油断なく不幸を脱却しつつある剣士の刃が首を刎ねていった。
成功
🔵🔵🔴
リコリス・ガレシア
●プレイング
異世界を旅する明るい少女
クールな鬼の人格を持つ
「愛子さん、発見なのです!」
帽子が飛ばないように手で押さえ駆け出す
敵が襲ってきたら、残像で回避
「『主は無防備すぎる』と常々忠告しているのだがな」
漆黒の長髪、血のような赤眼、彼岸花模様の着物、飛んで行った帽子の代わりに般若の面を斜めに被った少女に姿が変わる
「『愛子』と言ったか。主の命に従い、守らせていただく」
右手で左腕を掴むと天叢雲剣に変化
「貴様ら、我が同胞殺しの酒と剣を持っているな?」
「不愉快だ」
UC使用。上空に暗雲が立ち込め、吹き荒れる暴風が敵の動きを鈍らせる
「俺が動く必要はない。纏めて薙ぎ払う」
右腕で神剣を振るうと無数の雷撃を放つ
●鬼神
女剣士とそれを巡る軍神を宿した陰陽師の戦いは佳境を迎え、今しがた彼女を取り囲む者と多少の残党を払えば終いか。
されど最後の最後でしくじれば意味も無きこと、疲労の色も濃くなってきた女剣士の姿を目に映すと、少女は帽子を抑え駆け出した。
「愛子さん、発見なのです!」
「駄目だ! こいつらは強……」
桃色髪の少女リコリス・ガレシア(多重人格者の神器遣い・f28348)が一本調子で走り傍に寄らんとするが、無粋な邪魔立てをこれ以上に許す陰陽師達ではなく。
祝詞と共に紡がれた鬼殺しの刃が、愛子の忠告も間に合わずリコリスを斬り捨て――たかと思われた、その時だった。
「『主は無防備すぎる』と常々忠告しているのだがな」
刃は虚しく空を斬り、押さえつけていた帽子が空に舞い踊ると同時、黒々と艶めく髪が流れ出していった。
蘇った亡霊を黄泉に送り返す地獄花模様の絵柄も艶やかに、流れる髪の間に覗く朱の眼、そして帽子の代わりに斜めと被った般若の面から伸びる角が鬼を思わせる。
一転して姿形も纏う気配も変わったリコリスは、息を飲んだ女剣士へと向くと。
「『愛子』と言ったか。主の命に従い、守らせていただく」
「……、ほんっっっとうにっ……かたじけないっ……!」
「気にするな」
何かが切れたかのように、がっくりと肩を落とす愛子の背を叩くと、リコリスは――【鬼】は右手で左腕を掴んで見せた。
すれば彼女の魂を形成する神器が――左腕が剣の形へと転化し、それを突き付けながら酒と刀を構える陰陽師達をねめつけた。
「貴様ら、我が同胞殺しの酒と剣を持っているな?」
「左様。天敵だろう」
じりじりと、じりじりと。二人の女を取り囲む陰陽師達がにじり寄る。
角有る者を滅する刀と酒を手に、“鬼”を滅ぼす機会を今か今かと伺い油断なき殺気を向けてくる陰陽師達と、酒と刀の放つ匂いに彼女は顔を顰めると。
「不愉快だ」
陰陽師達が地を足で強く踏みつけた刹那、神剣が力強く掲げられた。
すれば、天の唸り、神の鳴る声という由来に正しき轟音が天より響き渡り黒雲が立ち込める。
それと同じくして黒雲が渦を巻くのと同じ軌跡に、風が荒れ狂い陰陽師達の動きを強引に縫い止めた。
角殺しの酒毒も刀も、届かせることを許されぬまま脚を止めさせられた敵を更に人睨みすると。
「俺が動く必要はない。纏めて薙ぎ払う」
有言実行、無造作に薙ぎ払われた神剣より幾重にも紫電が迸り。
渦巻く風に乗って走るそれが、陰陽師達の身を強く打ち据えていき――これが鬼の怒りと確かに示し。
雷が晴れる頃には、最早新たな増援が来ることも無く、ここに彼女は無事に剣豪を守り抜いていた。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『零輪・破旺丸』
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POW : 次元撃
単純で重い【一撃必殺を重んじた流派による奥義 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 奥州旋風剣
【六本の刀を使った斬撃エネルギー 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 過去からの模倣
【過去に死亡した剣客の技を真似た技 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑11
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●真打登場!警備網最終決戦!!
無事に女剣士愛子を襲う敵群を退けた猟兵達、未だ油断は許されない状況であれども、暫くは大丈夫だろう――次なる戦いに備え、各々準備を整える中で女剣士は猟兵達は見回すと。
「本当にすまな……いや」
ばつの悪そうに後頭部を掻き、整っていても険しさの見える顔を赤らめ、言いかけた言葉を飲み込むと。
「ありがとう。助かった」
深々と頭を下げる愛子の纏う空気には、最初の頃に見られた悲壮な、不幸を嘆くような不穏なものは見られなかった。
はにかみ笑いを不器用にぎこちなく見せる愛子の姿に、和やかな空気が訪れようとしたその時であった。
「ひゅーっ、さっすがー」
ぱち、ぱち、ぱち、と態とらしい柏手を打つ音の響きと共に、調子の良い男の声が場に響き渡っていった。
「やっぱ相手にならんのね。しゃーないしゃーない」
現れたのは蛇の鱗を思わす着流しを纏い、刀を下げた奇しくも愛子と同じく赤髪の剣士だった。
彼は一切の配下の気配が消え去った戦場と、標的を守る猟兵達の存在に気が付くとさもありなん、といった風に頷いてみせて。
一瞬で鞘より刀を抜き放つと、彼は中指を立てて舌を出し猟兵達を煽る。
「てなわけで、ここからは俺ちゃん、零輪・破旺丸(れいわ・はおうまる)が相手でぇーっす! へいへい猟兵ちゃんに剣豪ちゃんはぁ」
……軽薄にも見える見た目と言動と裏腹に、その立ち振る舞いに隙のようなものは微塵も見られない。
曲がりなりにも意志を継ぎ、尚且つ軍神を宿した敵群より遥かに強いと称されるだけはあるか――緊張の走る猟兵達の視線を、破旺丸は心底楽しそうに嗤うと。
「さっさと、死ねや」
――響き渡る嘲りと冷徹の声と、解き放たれた膨大な殺気にさしもの剣豪の愛子も顔を青褪めさせて脚を震わせる。
だがここで猟兵達すらも怯んでしまえば、ここまでの奮戦は全て無となってしまうのは言わずもがな。
この物語を、不幸体質の女剣士の行く末を【悪しき結末】とさせぬ為に今、最後の戦いが始まった――!
御剣・神夜
真の姿、目の下に左右対称の戦化粧の様な緑のオーラの目が現れる
苦難上等。と言うは簡単ですが、実際にそれに会うと気が引けます
ですが、その苦難の一つ一つが貴方を強くしたと思えば、無駄ではないのでは?
取り合えず、現状の苦難は私が何とかしましょう。猟兵冥利につきる相手のようですしね
次元撃は勇気で失敗を恐れず、武器受けで受け止め様としている様に見せて、腕から力を抜き、相手の体勢を崩し、そこに下段からの斬り上げを打ち込む
「一撃必殺。誰もが憧れる道ですが、それを成し遂げるのは容易ではありません。楽しい時間でしたが、私の中の鬼は満足出来なかったようです。日の本一の兵でもなければ、満足できないでしょうね」
●愉悦の鬼
其れは宛ら染料を伸ばすかのように、指先を目の下に滑らせる。
その指先が描くは左右対称の緑の紋様――宛ら戦化粧のように輝く気による眼を浮かばせ、神夜は真の姿を解き放ちつつ愛子と破旺丸の間に割り入った。
「苦難上等、と口で言うのは簡単ですが」
実際に相対すれば気の引ける面も又確かなものであり、乗り越えるのも一苦労。
何度も襲いくれば辟易の一つや二つも至極当然か。
未だ脚の震える姿を見せる愛子へ視線のみを後ろへと向けるようにし、神夜は静かに問うた。
「その苦難の一つ一つが貴方を強くしたと思えば、無駄ではないのでは?」
「……だったら、良いんだが」
「取り合えず、現状の苦難は私が何とかしましょう」
宛ら四つ目の神が死の定めを睨みつけるが如く、軽くも冷たい雰囲気を放つ黒幕の剣士へと彼女は眼を向ける。
――この迸る殺気、強さを信じる覇気……何とも猟兵冥利に尽きる実力者か。
柄に掛ける手にも熱が籠り自然と胸の高鳴りに肌が赤らみを見せる神夜に、破旺丸は鼻で嗤ってみせてから。
「あーん? 誰が誰を何とかするってー?」
言うが早いか、破旺丸は一瞬で距離を地を縮めたかの如く迫ると、愛子を一思いに両断せんと刀を打ち下ろす――が、派手な金属音と火花を散らし、野太刀の刀身が其れを受け止めていた。
何とも流石、実力は伊達ではない――踏ん張った足が地にめり込み、支える腕の筋肉が【ある意味で】悲鳴を挙げる一撃に刀と刀が文字通りに鎬を削る。
「っ……!」
「む・だっ!」
鍔迫り合いの中、顔を近づけ舌を突き出し嗤う破旺丸は、そのまま押し切り神夜諸共に愛子を真っ二つにせんとする――が、最初から神夜に真っ向から受け止め押し返す心算もなく。
「おっ、おっ
……!?」
不意に力を抜き、風に舞う木の葉の如く技の伴う剛力を柔らかく受け流して見せれば、破旺丸はつんのめり体勢を崩す。
出来た隙は本当に極々僅か――凡百な剣士なら破旺丸はそのまま崩した体勢の儘振るった刃で切り捨てるだろうが、生憎と神夜は凡百ではない。それは一定の技量の持ち主ならば致命的な隙。
「一撃必殺。誰もが憧れる道ですが、それを成し遂げるのは容易ではありません」
だからこうして無様に斬り付けられる――言葉を発する一瞬前に、既に振り上げられた神夜の野太刀が龍の昇るが如く、硬い地面を抉り噴き上げさせる程の、速く力強い斬り上げの一撃が放たれていた。
そのまま血を流し崩れる破旺丸を視界に収めながら、振り上げる勢いで刀身の血糊を振り払い、神夜は冷たく言い放った。
「楽しい時間でしたが、私の中の鬼は満足出来なかったようです。日の本一の兵でもなければ、満足できないでしょうね」
大成功
🔵🔵🔵
夜鳥・藍
猟兵として経験が浅い私ですがどうしてでしょう?その殺気では何も感じられません。
殺気は殺した後に出すものではないかと思うのです。まして戦争では殺すつもりがなくとも命は奪えるので。殺気など意味がありません。
神器鳴神を投擲し竜王の召喚を試みます。投擲での攻撃が外れても念動力で操作して確実に当てます。掠る程度でも当てれば呼べますから最低でもそれ狙いです。
そして雷撃の中を潜り抜けて私も直接青月で攻撃を。相手に攻撃させる隙は与えません。
先程同様向こうの攻撃は占い師としての直感、要は第六感で回避します。ただし回避する事で愛子さんに害が及ぶようであればあえて受けます。回避しきれない場合は呪詛耐性で耐えます。
●油断大敵
――決して自分でも猟兵として経験豊富な方ではないとは、自覚はしている。
それでも経験の無いなら無いなりに、占い師として培ってきた一種の第六感的な超感覚を張り巡らせたとしても、目の前の巫山戯た様子の剣士に対しては――
「なんといいますか、全く感じるものがありませんね」
文字通りの虚無、空虚、かの態度に何の怯えも感慨も湧くことも無し。
ただ黙って藍は打刀を取り出し、未だ足の竦む様子を見せている愛子と、襲来者の剣士との間を補うように己を置いた。
そして――戦の派手な始りを告げるように、藍の刀と破旺丸の刀が激しく打ち合い文字通りの火花を散らしていた。
激しく打ち下ろされた刃と刃の、文字通りの鍔迫り合いを繰り広げつつ破旺丸は嗤う。
「乗り悪ぅーい、びびってよぉ。剣豪ちゃん見習ってさぁ?」
「ッ……」
「…………」
この場で藍が受け止めなくば、愛子は無惨に両断されていただろう――未だ緊張が解けず冷や汗ばかりが滲み、動けぬ彼女を庇う形となりつつ、藍は破旺丸の言葉に言葉を返さず。
互いに足に力を籠めて一瞬の押し合いを経た後に、はじかれ合いの様相を見せつつ、藍はすかさず追撃に神器を投げ放った。
「そもそも殺気は終わった後に出すものでは? 無くても奪えますし」
「ひゅー、心の中で思ったならって奴ぅ?」
鋭く弧を描きつつ飛翔し、牙をむいた其れを破旺丸は刀で弾き返すも、宙に投げ出された其れはすぐさまに停止し。
風を切る音もしなやかに、藍の不可視の思念が神器を動かし破旺丸の顔の横を勢いよく過ぎ去っていった。
「うぜぇ」
頬に刻まれた紅を親指で拭い嗤いを崩さぬまま吐き捨てた言葉が指すのは、果たしてどこにか。
――いづれにしろ好きなだけ、嘲っていればいい。愛子を怯えさす殺気とやらも、網を吹き抜けていく風のようにただ己を過ぎ去っていくばかりならば、意味も何もない。
突如として、神器より出でた荒ぶる竜王が吼え、咆哮と共に凄まじい雷撃を放った。
嵐の王が吼え、追い縋るかのように放たれ行く雷の反撃を許さぬ暴威が巫山戯けた剣士の身を打ち据え、その身体に苦痛を刻み付けていった。
「……このように」
「てめえ……」
掠めた程度の傷も引鉄には変わらず。
幾度となく身を打ち据え思うがままの動きを阻む雷に、憎悪を滾らせる破旺丸に雷の中を静かに駆け、藍は一気に青白い軌跡を破旺丸に通らせた。
「やはり、何も感じられませんね」
振り抜いた青白い軌跡に、滴る赤黒が地に吸い込まれる様も淡々と見送って。
道化めいた殺気の剣士を文字通りに彼女は切り捨てるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
鹿村・トーゴ
厄介で手強い敵に違いない…ので
敵が口上を述べる間に【忍び足】接近しつつUCで強化
代償の流血を【目潰し狙い投擲】
虚仮威しなのは承知で
回避等の反応の間に
クナイを手に張り付く距離で前面どこかを掻き切り返しで肩や腿の付け根等に突き刺し、叶えば【念動力】で押し込み【傷口をえぐる】
>敵UC
無差別なので【野生の勘/武器受け】で精々躱し、弾き被弾は【激痛耐性】で凌ぐ
ヤな感じだが強い奴だ
羅刹としちゃ興が乗るねぇ
けど気分の良い戦いなんて出来そーに無い
剣士殿
あんたも強いんだろー怯むなよ
オレが仕掛けて
奴が少しでも隙見せたらその剣奮ってくれ
人に死ねとか偉そーに言う奴だしホント簡単に殺しに来るもん
斬っても罰は当たらねーさ
●殺す者はいつか殺される
色の濃い殺気、覇気――様々な言い方もあれど確実に分かるのは、かの破旺丸なる剣士が相応な実力者であることか。
馬鹿笑いを下劣に響かせ威圧する破旺丸の姿を横眼に、体を震わす愛子の傍へトーゴは寄ると耳元で囁いた。
(あんたも強いんだろー、怯むなよ)
(し、しかし……)
ある程度の強さを持っているからこそ、逆に恐ろしさが分かるか。
さりとて怯えてばかりもまた、愛子の為にもならないとトーゴは更に囁く。
(隙は作ってやるからさ。あんな奴だよ? 斬ったって罰は当たらねーさ。ていうかあんたを真っ先に狙ってきてんだし)
(う、ううむ……)
(じゃっ)
言うが早いか、破旺丸がけたけたと嗤っている最中にトーゴは気配を限りなく殺し駆け出して行った。
その中で、血筋に憑き代償を喰らう化生を降し彼自身の力を限りなく高めていく――されど強大な力を降ろした代価として、体より流れる血が否が応でも砂時計のように限界を暗示する。
だがそれでいい。
流血を手に取り、射程距離に入り次第に破旺丸の目を目掛け、それを投げ放つ――
「わぶっ……! なんちってー」
しかし彼はわざとらしく、寸での所で上体を逸らし血糊を躱しながら掛かった風な声を挙げた。
煽るような姿にも動ずることなく、忍びは冷徹に破旺丸が体勢を立て直す前に苦無を逆手に、その額へ紅を刻んだ。
続け様に脚を封ずるべく腿の付け根を狙うも、破旺丸は苦無を刀で弾き。されど動揺することもなく、再びトーゴは滴る血を放った。
「二度は通じねえって!」
今度は態とらしい声もあげずに、刀を旋回させるよう振っては放たれた血を絡め取り。そのまま破旺丸は六振りの刀を取り出すと。
次々と、次々と容赦なく、六つの刀が振るわれる度に寸での所でそれを躱しつつトーゴは思う。
(ヤな感じだが強い奴だ。羅刹としちゃ興が乗るねぇ)
――だからといって、このやり合う時が楽しい戦いとは到底思えない。
だから、さっさと終わらせてやる――荒れ狂う刃の大嵐の中、意を決して踏み込み。時に掠めた刃の苦痛に顔を顰めるも、それを気合で捻じ伏せ、振るわれる刀の僅かな硬直を目掛け腿の付け根へと苦無を突き立てる――!
そして間髪を入れずに、突き立てた苦無を、不可視の念動力を以て更に深く、もっと深くと破旺丸の身体へと沈み込ませ。
「ぎゃっ……!」
「剣士殿!!」
「はっ
……!?」
激しい苦痛に膝を着いた破旺丸の姿に、今だとトーゴは愛子に力強く告げる。
残響の澄み渡る程に鮮明な響きと、膝を着いた恐ろしき剣士に愛子はこの一時、宛てられた殺気から自らの身を振り払うように駆け出して。
「恨みが……というか憤りはとっくと感じているのでな、喰らっとけ!!」
恐怖と不幸を拭い去るような愛子の刀が、袈裟懸けに激しく破旺丸の身より血飛沫を舞い上げた。
大成功
🔵🔵🔵
水鏡・怜悧
詠唱:改変・省略可
人格:アノン
UDCで狼耳と尻尾、獣の手足を象って獣人の姿になるぜ
イイ殺気だ
「殺れるもんなら殺ってみろよ」
殺気で応じ、獣の爪で攻撃。斬撃は腕で受け止めるぜ。液体金属すら貫くなら激痛耐性で耐え、カウンターで腕を掴み怪力で地面に叩きつけてやるぜ
動きが止まったら肩の肉を喰い千切る
「せっかくの殺し合いだ、楽しもうぜ。ヒャハハハハハハ」
人格:ロキ
20cmほどの妖精人形に意識を移します
愛子さんの近くで待機しつつ剣筋を情報収集
斬撃が来たら液体金属の羽を盾にしてお守りしましょう
「無事生きていられるのなら、それだけで幸運ではありませんか?」
少なくとも、獣に生きたまま食べられるよりは。
●殺意の獣
笑うという表情の原型は、獣の攻撃性を意味する説もあり――その観点で行けば、彼の、アノンの表情(かお)は正に正にといふところか。
口角を釣り上げ尖り歯の煌めきも妖しく、身体に降ろした異界の怪物の力を以て自らの身を獣の如く変容させていく。
闘争本能に昂る獣の姿と変えたアノンは、獣めいた腕を見せつけ生暖かい吐息を漏らし、破旺丸を誘う。
「殺れるもんなら殺ってみろよ」
「ひぇー、お宅いけてるぅー!」
嬉々として言葉よりも疾く、駆け出した剣士の刀をアノンの腕が受け止めて。
金属音も甲高く打ち合いながら、獣の爪が破旺丸の肩を斬り裂けば。
滴る血に昂った破旺丸が乱れ撃つように刀を振るい、無差別に斬撃を解き放つ――!
咄嗟に引いたアノンだったが、斬撃の無差別なることは自然と愛子へと向き、彼女を凶刃に――
「おっと、愛子さんはやらせませんよ」
「ちぃっ……!」
されど刃が届くことはなく、その魂を妖精型の人形に宿し、愛子の周囲を警戒していたロキより咄嗟に広げられた流体金属の盾が、斬撃を阻んでいた。
思わぬ伏兵と、それによって必殺の確信を崩された破旺丸の顔が歪む。
「ヒャハハハッ! 余所見してんじゃねェッ!!」
一瞬の歯噛みは致命的な隙。
間髪を入れずに破旺丸の頬を、アノンの拳が強く殴り飛ばしていて――されど直に、破旺丸も負けじと一撃に全てを賭けてアノンへ刀を打ち下ろす。
それを流体金属を纏わせた腕を交錯させ、真っ向から受け止める――やはり伝わってくる痛みは相応だ。しかし、だからこそ滾る。
「せっかくの殺し合いだ、楽しもうぜ。ヒャハハハハハハッ!」
刀が引かれる前に、激痛を昂揚で吹き飛ばしながら、アノンは躊躇いなく斬り捨てられることも頭から捨て去り破旺丸の腕に手を伸ばす。
一瞬のことにさしもの破旺丸も対応は出来ず、掴まれた腕へ、更にアノンの爪が突き立てられ獣の剛力が破旺丸の骨を軋ませる。
無論それで終わる訳もなく――その勢いでアノンは一本背負いで剣士の背を地面に強く叩き付け。そのまま馬乗りになり、開かれた顎門より覗く牙の輝きを向けて。
――そして、咀嚼音が響き渡る。
響く咀嚼音と苦痛の叫びよりも色濃く、響き渡る哄笑にやや引きがちな愛子へと、ロキは肩の傍に寄りながら。
「無事生きていられるのなら、それだけで幸運ではありませんか? ……少なくとも、ああなるよりは」
くい、と顎で指された先にある、アノンの牙が肌と血肉を引き裂き咀嚼する響きと、液体金属と刀が火花散らし打ち合う音と。
そしてまだまだに続く、突き立てられる牙が骨に至り罅と砕きを入れていく鈍い音を奏でる捕食の光景に。
「全くだ……」
眉尻を下げ確かにああはなりたくない、と、比べることの幸運を噛み締めるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
リコリス・ガレシア
軽薄な男の放つ膨大な殺気を受け、鬼の少女はニヤリと笑みを浮かべ
「なるほど、楽しめそうだ」
愛子に対し、気遣うように
「ここからが正念場だ。意識を保て」
敵が愛子を狙ったり、こちらへ近接戦闘を挑むなら、残像を生み出すほどの高速の剣技によるカウンターで鍔座り合いに持ち込み、隻腕の怪力で薙ぎ払う。
「させると思うか?」「良い腕だ。こちらも本気で行くぞ」
敵がUCを放ったら、こちらもUCを使用。
「なるほど、面倒だな」
天叢雲剣を掲げると暗雲と暴風雨を生まれ、雷が轟く。
大きな竜巻を生み出し、台風の目の位置に愛子を隠す
「愛子、その風がお前を守る。動くなよ」
敵に向かって神剣を振るい、別の竜巻を放つ。
「全力で行くぞ」
●風雷の激怒
この軽薄な男の、軽薄な表情の裏に秘めた凄まじいばかりの殺気は、ふざけた態度と裏腹に相応の実力者であることを雄弁に示す。
「なるほど、楽しめそうだ」
これは確かに心躍るモノを感じる――引き続きに天叢雲剣を手にしながら、口角を釣り上げつつ破旺丸に目を向けて。
息を荒げ僅かに顔を青くしている愛子を気遣うように、その背を軽く叩くと。
「ここからが正念場だ。意識を保て」
「……ああ」
「ざぁーんねん! 俺ちゃんが殺っちゃうもんね!」
ぐっと刀の柄を握る手の力を強め、意識もまた繋ぎ止めるかのように唇を真一文字に強く結んだ愛子を目掛け、尚も陽気な剣士が斬りかかっていた。
だが――当然のことであるが、それを易々とさせてやる筈もなく、神剣をその手に真っ向から鬼の少女は破旺丸の唐竹割りの斬撃を受け止め、口角を釣り上げながら言い放った。
「させると思うか?」
「思わねぇな」
同様にして口角を釣り上げ、一瞬の押し合いの後に金属の打ち合い、火花を散らしては互いに後退し。
「良い腕だ。こちらも本気で行くぞ」
更に踏み込み斬りかかる破旺丸の刃を返しの刃で受け止めると、そのまま隻腕の剛力を以て薙ぎ払い、強く彼を退かせた。
「うぇぇいっ! お宅もやるねェーッ! じゃあちびーっと本気出しまっすかぁっ!」
舌を覗かせ何処か狂っている覇王の、血沸き肉躍るといった表現の正しい動きを以て彼は次々と六本の刀を振るっていった。
「なるほど、面倒だな」
振るわれる刃より無差別に、只管に範囲の広い鋭い刃が飛び交う――敵味方問わずの刃も、敵が一人だけならば欠点は無いのと同じで、迂闊に踏み入れたが最後、待ち受ける末路は【賽子排肉】か。
なればと――鬼は神器を掲げると力を解き放ち、天を唸らせる。黒雲が空を覆い尽し、雷の閃光が迸り一瞬目を眩ますと。
そして次の瞬間には、激しく風が渦を巻き、破旺丸の刃を悉く散らし弾いていた。
「愛子、その風がお前を守る。動くなよ」
丁度、渦巻く風の目――無風地帯に愛子を置けば、渦巻く風は彼女を守る防壁となる。
「本気を出すと言ったな……ならこちらも全力で行くぞ」
一閃。
振るわれた神剣より、渦巻く暴風が破旺丸を飲み込まんと地を削り迫る――それに対し、楽しむように破旺丸は嗤い斬撃を飛ばすが。
だが斬撃を飛ばして尚、竜巻は破れず――それどころか、寧ろ其れを喰らっていくかのように勢いを肥大させていく。
「おっおっ……おおぉぉお!!?」
終(つ)いには破旺丸の身体は暴風の渦中に呑み込まれ、滅茶苦茶に乱れ狂う暴風の圧が身動きの一つも許さず、彼の骨を罅入らせ体中に悲鳴を挙げさせて行き。
竜巻の螺旋に投げ出された体が暫し、天空を舞ったその後――落とされた雷が投げ出された剣士の身体を、地に陥没を作り出す程に強く叩きつけていた。
大成功
🔵🔵🔵
四季乃・瑠璃
UCで分身&能力・武装強化
敵が嘲りの言葉と殺気を解放した瞬間に瑠璃が(特に感情も見せず)即座にK100で脳天と心臓目掛けて銃撃【ドロウ、早業】。
瑠璃に併せて緋瑪も機巧大鎌の機巧【推力移動】で銃弾と共に一気に接近し、容赦なく大鎌で首を狙って斬撃【切断、早業】。
敵の攻撃を【見切り、第六感】で回避しながら緋瑪が大鎌で接近戦を仕掛けて敵に攻撃の隙を与えない様にし、瑠璃がK100と接触式ボム【爆撃】で援護。
ボムの爆破を回避した隙を突いて一気に仕掛け、全身切り刻んだり穴だらけにしてあげるよ!
緋瑪「そんな殺気全開でシロウトかな?」
瑠璃「冷たく鋭い殺気だけど…その殺気を活かせてるとは言えないね」
●最後に爆ぜるが華
有無を言わさないという表現が正しい程に、唐突に爆ぜた火薬の音と共に、破旺丸を目掛けて大型拳銃の弾丸が飛んでいった。
大気の壁を容易くぶち破り、鉛弾の鋭きが彼の眉間と心臓を、そのまま一思いに貫いてしまうか――と思われたが。
二連に響き渡る金属の打ち合う澄んだ響き。
へっと舌を出し、中指を突き立てた破旺丸の、一瞬にして弾丸を斬り捨てた様に続けて死神の鎌が迫る――。
大型拳銃の発砲と同時、文字通り爆ぜるがままに強く駆け出した殺人姫の片割れが、手に携えた大鎌の刃を首へと目掛け振り抜いていた。
「ひゅーっ、お宅あれですかぁー? 言葉はいらない、的なー?」
――が、それすらも嬉々と笑い、金属の打ち合う響きも鮮烈に破旺丸の刀が上へとかち上げて弾いていた。
されど殺人姫達の――瑠璃と緋瑪の猛攻は終わらず、かち上げた刀が元の位置へ戻る一時すらにも割り込むかのように、瑠璃からの妖怪変化も打ち倒す大型拳銃の弾丸が突き刺さる。
流石に破旺丸も苦痛に呻き、僅かに体勢を崩せば其処へ更に、留まらぬ緋瑪が大鎌に仕込まれた炸薬を再度爆ぜさせ、勢いをつけた刃を袈裟懸けに振り下ろした。
「ひえぇーっ、怖い怖ぁいっ! 死にたくねー、死にたくねえよおっ!!」
咄嗟に身を退き、緋瑪の斬撃を躱す破旺丸であったが、流石に全てを躱し切れなかったのか彼の身体より盛大な血飛沫が爆ぜた。
されど未だ致命傷には中々に至らぬが、それでも殺人姫達は容赦も情けも躊躇いもなく、立て続けに銃弾と大鎌の追撃を行う。
されど――慣れを見せて来たのか、次第にではあるが破旺丸もまた放たれる弾丸に、振るわれる刃を己が刀で弾き、受け止めると。
「だからお宅らが死ねや、猟兵ちゃんさぁ」
痺れを切らした、もう終わりにしようと言わんばかりに、一撃必殺の流派より学びし必殺の横薙ぎ一閃を放つ。
大気を歪ませ走る刃の剣圧だけで、地を抉り木々を斬り裂く程の一撃だった。
だが破旺丸の刃が彼女達を斬り裂くことはなく、彼の放った刃は虚しく空を斬っていた。
「そんな殺気全開でシロウトかな?」
「冷たく鋭い殺気だけど……その殺気を活かせてるとは言えないね」
――殺しの姫君二人にしてみれば、武人としての強さは兎にも角にもとして、殺しという点に於いては、次の評価を下す他なかった。
それに――これ以上、この喧しい耳障りな声を聞きたくもなく。
「「死ぬのはそっちの方だよド三流」」
振り抜いた刀が下げられるよりも早く、投げ放たれた爆弾の熱と衝撃が破旺丸を一瞬で包み込み。
彼が炎と圧に呑まれ、焼かれ行く中に容赦なく大鎌を、銃弾を斬り込ませ撃ち込んでいき――粛々と殺しの一手を刻むのだった。
大成功
🔵🔵🔵
シーザー・ゴールドマン
オーラセイバーを顕在かして戦闘態勢へ。
さて、愛子君は下がっていたまえ。うん、もう少し後ろが良いかな。
(と愛子を戦闘の余波で傷つけない位置に悠然とした態度で誘導。ただし、この際に破旺丸が動いた場合はその隙をついて両断する気ではある)
やあ、待たせたね。それでは始めようか。
敵POWUC次元撃、その太刀筋を見切り、『ラハブの割断』を纏わせたオーラセイバーを下段から跳ね上げる様に振るってその刀を縦に二つに。
そして、上段に振り上げられたオーラセイバーを神速の振り下ろし。
(怪力×鎧砕き×功夫)
まあ、こんなところだろうね。
●紳士と陽気男と
「さて、愛子君は下がっていたまえ。うん、もう少し後ろが良いかな?」
淑女優先と界を隔てたる世の流儀たれど、この侍帝国なれば男子たるもの淑女の前へ出でて守るもの。
その手に光り輝く剣を顕現しながら、偉丈夫シーザーは愛子を下がらせていた。
毅然とした態度を以て頼もしく前に出でるシーザーに、自然と彼女は従い言われるがままに、シーザーの意図する戦に巻き込まぬ場へと身を置かせ。
「こ、こうか?」
「よろしい。今暫く、落ち着いていると良い。……やあ待たせたね」
後は任せ給え――自信を表情にしっかりと浮かばせたまま、シーザーは光剣を片手に力強いその背を示す。これで如何に激戦を繰り広げられようと守り切る自信がある。後は――。
そこへぱち、ぱちと破旺丸が柏手を打ちながら、漸くその存在を顕としたように出でると、シーザーと愛子を交互に見比べてわざとらしく囃し立ててみせた。
「わぁお。姫様守る侍気取りって奴ですかー? ふぅー、やるぅー」
「ハハハ。態々待ってくれる辺り、君も中々の紳士と見えるがね。……それとも、君の方こそ……」
元々、襲撃を掛けてこようと寸分の狂いもなく迎え撃つ心算であったし、それを可能とするシーザーであったが、幸運にも仕掛けられることもなく。
尤も破旺丸当人にそれが分かっていたが故に、機を伺っていただけなのか――言外に臆病と謗る前に強気な笑みを浮かべた破旺丸の、次元すらも斬り裂く真っ向からの斬り落としが放たれていた。
「ふむ。図星を突かれたのかな?」
されど当然のことのように、打ち下ろされた刀は虚しく空を斬っていた。
破旺丸が迫り、刀を振り上げ下ろす、その一時の間に即座に地を蹴り、横跳びに躱し――優雅に廻りながら、光剣の斬撃を繰り出す。
されど破旺丸はへっ、と舌を出して嘲笑し、シーザーの剣と刀で真っ向から打ち合う――理力と鋼刃の打ち合う奇怪な火花を散らし。
一度、二度……と続く、幾許かの打ち合いを経た後に、片足を崩れさせたのを好機と、破旺丸は次元すらも断ち切る斬り下ろしに掛かる。
――されど、打ち下ろされた刃は又もシーザーを断ち切ることは無く、空を斬った刀は根本から折れていた。
それを為したるは、空に残る光輝く斬撃の軌跡――万物断ち切る魔力を込めたシーザーの刃が、そのまま返しの刃として破旺丸の刀を断ち切っていたのだ。
そして更に続く剣を以て、意趣返しの如くシーザーは力強く、魔力を纏わせたまま光剣を振り下ろす――!
「まあ、こんなところだろうね」
文字通りに斬り捨てられた剣士の、血飛沫と苦悶の表情を流し見、シーザーは息を軽く吐き出しては光剣の血を振り払った。
大成功
🔵🔵🔵
ハルア・ガーラント
●WIZ
さ、殺気なんて何度も受けています
だから平気!
愛子さんを守り庇うように前へ
翼の羽毛が逆立つのは許してください
惜しみなく放たれる殺気の揺らぎを[第六感]で捉え攻撃の時機を把握していきます
愛子さんの腰後部辺りに≪咎人の鎖≫を漂わせておき[オーラの障壁を纏わせて防御]を
一際強い殺気を感知したら鎖の先端を敵に向け即席のミニ槍衾で[マヒ攻撃]
タイミングをずらし僅かな隙を生み出し、そこへUCを発動
愛子さんばかりを狙うので装置は彼女周辺に設置しておきました
≪パニッシャー≫で攻撃、追撃を愛子さんにお願いします
愛子さん
不幸せの直ぐ傍や何でもないところに小さな幸せがあったりします
貪欲に掴んでいきましょう!
●禍福は糾える……
――確かに怖い。怖くて竦み上がってしまいそう。だけれども、それは【戦えない】ということではない。
重厚感のたっぷりとした翼が、文字通りに総毛立つ光景に、その背に隠れていた形となっていた女剣士は不安そうに生唾を飲み込んだ。
「へいへいお嬢ちゃん。びびってるぅ? ひぇーっ、大丈夫ぅーっ?」
「ぜ、全然平気だし!」
揶揄うように刀の切っ先を突き出しては引っ込めを繰り返す破旺丸に、巫山戯た様子と裏腹に迸る冷たい殺気。
金色の鎖を愛子の周囲へと、彼女を守る柵として張り巡らせながらも、ハルアは息を飲み相対する剣士の殺気を探る。
惜しみなく放たれ、自分と、愛子へと向けられる恐ろしき敵意から目を逸らさずに――
「ッ……!」
やがて膨れ上がる殺気に、心臓が止まりそうになるような感覚に襲われるも、それは明らかな攻撃の前振り。
「ひょぅっ! こえーこえー」
躊躇わず愛子へと斬りかかってきた彼へと、咄嗟に鎖の尖を用い、即席の小さな槍衾として突き出せば破旺丸はすぐ様に後方へ跳び、蜂の巣となることを回避する。
「いい加減に……」
「あ……?」
それでも未だ巫山戯た様相の裏にある、苛烈な敵意と殺意を迸らせ続け再度斬りかかろうとしている破旺丸へ、体を僅かに震わせながらハルアは確りと彼を睨みつけた。
「天に怒られてください!」
その一喝は正に神々の怒りに等しくもあるかもしれない――ハルアの心からの叫びに呼応し、愛子を取り囲んでいた空間から少しずつ光が灯る。
只ならぬ気配に巫山戯ていたように見えていた破旺丸も、咄嗟に距離を取らんとするが、時は既に遅かった。
仕掛けられた不可視の増幅装置は過去よりの亡霊を捕え離さない、天獄の檻――そしてその内に迸り、亡霊の身体を打ち据えていくものは。
防御も回避も不可能な、叛逆の叶わない天獄よりの裁きの光――それが今、殺意に満ちた亡霊に相応しき罰を与えていく。
「愛子さん」
成功して良かった――安堵しながらもまだ戦いは終わっていない。
未だに喧しい心臓の激しい律動を感じ、乱れた息を整え額に浮かぶ汗を拭い、それから狙撃用の銃を取り出すと。
ハルアは凛と破旺丸を見据えながら愛子へと声を掛けた。
「不幸せの直ぐ傍や何でもないところに小さな幸せがあったりします。貪欲に掴んでいきましょう!」
だから、今です――断罪の名を冠する長銃の弾丸が、悪しきを裁く杭のように破旺丸へと撃ち込まれ、花開くかのようなハルアの笑顔に絆された愛子が、静かに刀を手に破旺丸の下へ寄り。
「……そうだな。少しずつだが、悪い物じゃないと思えてきたよ」
だからこの不幸の象徴を、今断ち切る――擦れ違い様に閃いた刀の一撃が、様々な意味での悪しき過去を斬り伏せていた。
●猟兵警備網此れにて閉幕
最後の一撃が巫山戯た様子の剣士を今度こそ、骸の海と帰し、暫くの間に静寂が余韻として残る。
塵一つ残らず消え失せた身体が、ついには乱れ飛んだと示すかのように一陣の風が吹けば、緊張の解けたように腰を抜かした女剣士の姿が其処に在った。
「…………色々と、ありがとう。本当に」
心配した猟兵の手を借りつつ、何とかに立ち上がった女剣士・愛子の顔には最早不幸を嘆く悲壮は無く。
最大級の不幸を潜り抜けられ、自身を取り巻く重圧やら何やらに多少の折り合いがつけられたからだろうか。
憑き物が何処か落ちたかのように、満面とは言えなくも非常に穏やかな様相を見せていた。
「貴殿らと出逢えたこと、きっと幸運なのだと思う。……世話になった。いつかまた、逢いたいものだ」
今は難しくとも、これからは困難に遭おうとも決して消極的に、投げやりになることもないかもしれない。
猟兵達のことを頻りに振り返り、手を振りながら別れる笑顔を、猟兵達はそれが見えなくなるまで見送った。
さてもさても、不幸体質なる女剣士を無事に守り抜いた猟兵達。
願わくばこの事件を機に、不幸と自らを嘆く女剣士の心の在り様に少しでも救いあれと。
手を振り別れる彼女の人生、どうか幸福であれと。
継いで欲しくもない意志を継いだ亡霊の企みを討った猟兵達は、侍帝国を後とするのであった。
大成功
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