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大祓百鬼夜行④〜Master of Specter

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行


「――来たにゃ」
 その屋敷の奥座敷にて、少女は瞑っていた瞳を静かに開いた。
 感じる。妖怪達とも、骸魂とも異なる大きな力の接近を。
 己らに代わって、カクリヨを、UDCアースを救い得る者達の接近を。

「さあ、勝負の時ぞ。猟兵さん達」
 立ち上がる。猫の下肢が力強く床板を踏みしめ、四本の猫尾が踊る。
 いつの間にか、何体もの妖怪達が彼女に随い歩みだす。その数は十、二十、一歩ごとにまだまだ増える。

「お前達! 待たせたにゃ!」
 広間を横切り、障子戸を両手で力強く開け放つ。
 広大なる白砂の庭園、その白を埋め尽くさんばかりに居並ぶ数多の妖怪、妖怪、妖怪。
 その全てが、彼女――東方親分『山本五郎左衛門』に随い、彼女に倣って自ら骸魂を取り込んだ妖怪達だ。

「儂らはこれから、猟兵さん達と戦う! そして倒される! 以て、大祓骸魂への道を開く!」
 庭園に轟く、五郎左衛門の大音声。全ての妖怪達が静まり、その語りに耳を傾ける。
「だが手加減は無しにゃ! 猟兵さん達を殺すつもりで行けい! 本気の儂らに勝ててこそ、大祓骸魂への勝ち目が見えるのだからにゃ!」
 静聴する妖怪達に殺気が滲む。殺すつもり、との言葉に反応したか。だがそれは今ではない。
 全く、己に付き合って良く耐えてくれる。内心に苦笑を零しつつ、五郎左衛門は続ける。
「当然、倒されれば死ぬやもしれん! それが怖い者は疾く此処より去れ、其を恥とは誰にも言わせん! 二つの世界の未来の為、命捨てても構わぬという者のみ此処に残れ!」
 最後通告となる言葉に、その場を辞さんとする妖怪は一体とて無し。尤も、骸魂を取り込んだ以上は今更か。
「――良し。それでは、彼方を見よ。もうすぐにゃ」
 示すは門扉。この屋敷――サンモトのマヨヒガ、その正門が、開かれる。己等が出る為ではない。近く訪れる『客人』を迎える為だ。
(最早、儂らの生殺与奪の権は儂らの手には無い。猟兵さん達の手の中よ)
 生きるも死ぬも猟兵次第。なれど死ぬは恐れぬ。
(殺されたとて恨みはせん、どちらであれ、それが未来に繋がるならにゃ)
 故に――遠慮なく、殺し合おうぞ。猟兵さん達。
 二つの世界を救う為に。



「皆、妖怪親分の一人『東方親分』の居場所――『サンモトのマヨヒガ』への道が開いた」
 グリモア猟兵、サナティス・ヴァルヴァード(死を告げるもの・f27951)が集った猟兵達へ告げる。
「東方親分『山本五郎左衛門』。彼女と戦い、これを打ち倒す。此度、皆に願うはそれだ」
 無論、其は口で言う程易い事ではない。
 元々強力な妖怪であった山本五郎左衛門。かつてUDCアースでは魔王の一角とも呼ばれた、正しく大妖怪と称し得る存在。それが、骸魂を喰らいオブリビオンと化したのだから、力の程は推して知るべし。
 更に、敵は山本五郎左衛門一人ではない。彼女の有する大妖としての威風に惹かれ、彼女と運命を共にするを良しとした東方妖怪の大群が、共に襲い掛かってくるのだ。無論、全てオブリビオンと化している。
 数多の妖怪を率い、自らも強大なる力を振るう化生。まさしく、魔王と称するに相応しい様相。
「何より、彼らは皆、我らを殺すつもりで襲ってくる。これを跳ねのけられねば、大祓骸魂に勝つなど絵空事でしか無い、という事だ」
 即ち、この戦いは猟兵達の力を計る戦いでもある。なれば。
「叶うならば。五郎左衛門も、配下の妖怪達も。一人とて命を落とさぬよう立ち回って貰いたい」
 不殺は鏖殺より尚困難。故、成し遂げられればより強き力の証立てとなろう。五郎左衛門が生き延びたとて、彼女との戦を制することができれば、目的は果たせるのだ。
「この戦いに勝利し、我ら猟兵が大祓骸魂に勝利し得る存在であると、かの大妖に示してやって欲しい」
 宜しく頼む。と。
 グリモアを展開しつつ、サナティスは願うのであった。


五条新一郎
 仁義ありき戦い。
 五条です。

 大祓百鬼夜行、その一大局面。
 妖怪親分が一角、東方親分『山本五郎左衛門』との対決をお送り致します。

●このシナリオについて
 このシナリオの難易度は『やや難』です。
 普段より厳しい結果が出やすくなっておりますのでご注意ください。

●目的
 東方親分『山本五郎左衛門』と配下妖怪達の撃破。

●戦場
 カクリヨファンタズム、サンモトのマヨヒガ。
 江戸時代風の立派なお屋敷です。白砂の敷かれた庭園が主戦場となります。

●プレイングについて
 OP公開直後からプレイングを受け付けて参ります。締め切りはタグにて掲示を。
「親分と妖怪軍団の両方と戦い、誰も殺さないようにする」ことでプレイングボーナスが得られます。
 妖怪達は明らかに死ぬだろうという攻撃や、明確に殺害を意図した攻撃を繰り出さない限り、基本的には死にません。

●リプレイについて
 5/18(火)いっぱいで書ける限りの方を採用したいと思います。

 それでは、皆様の決断的なプレイングお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『東方親分『山本五郎左衛門』威風形態』

POW   :    どろん衆きませい!
レベル×1体の【東方妖怪のどろんバケラー 】を召喚する。[東方妖怪のどろんバケラー ]は【化術(ばけじゅつ)】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD   :    獄卒衆きませい!
対象への質問と共に、【マヨヒガ(屋敷)のあちこち 】から【東方妖怪の地獄の獄卒軍団】を召喚する。満足な答えを得るまで、東方妖怪の地獄の獄卒軍団は対象を【嘘つきに対して威力増加する鬼棍棒】で攻撃する。
WIZ   :    悪霊衆きませい!
自身が装備する【号令懐刀(ごうれいふところがたな) 】から【東方妖怪の悪霊軍団】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【妖怪憑依】の状態異常を与える。
👑11
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「おいでなすったにゃ、猟兵さん達」
 サンモトのマヨヒガ、その門扉を潜った猟兵達を、並み居る妖怪達の群れが迎える。
 全てがオブリビオンと化し、ただならぬ気配を纏う彼らの中心に立つは、猫の耳と下半身を具えた少女。なれど纏う気配の禍々しさ、漂う威風は、周囲に控える妖怪達の比ではない。
 彼女こそが東方親分『山本五郎左衛門』。かつてUDCアースにあった頃から今に至るまで、数多の東方妖怪を束ね率いる大妖怪。そして、自らオブリビオンと化すことで大祓骸魂への道を開くという策を立案し、真っ先に実行した者。
「――んむ、皆良い面構えにゃ。昔、儂を負かしたあの童を思い出す」
 満足げな笑み。だが、その身より滲む殺気が瞬く間に膨れ上がってゆくのを、猟兵達は感じる。彼女も今やオブリビオンである以上、必然であろう。
「だが、意志は兎も角力は如何か!」
 目を見開き、吼えると共に。周囲の妖怪達もまた一斉に殺気を解放する。殺戮と破滅の化身と化した妖怪の群れが、今、猟兵達に牙を剥く。
「殺らせて頂きます、猟兵さん達! 者ども、征かれませい!!」
 号令一下、溢れる殺意の怒涛と化して、妖怪達が襲い来る――!
アリス・フェアリィハート
アドリブや連携等も歓迎です

貴女が
山本五郎左衛門さん…
それだけの妖怪さん達を
従えてらして…

配下さんに慕われていらっしゃるんですね…

敵さん達に囲まれない様布陣

自身の魔鍵
クイーンオブハートキーでの【精神攻撃】を使っての
【破魔】【浄化】の【属性攻撃】【範囲攻撃】等の
外傷等与えない
精神・浄化系等の魔法攻撃で
山本五郎左衛門さんには
上記に加えUCで攻撃し
妖怪軍団さん達や
山本五郎左衛門さん
誰も殺さない様に攻撃

敵の攻撃は
【第六感】【見切り】【早業】【残像】【呪詛耐性】
【オーラ防御】等
総動員し
防御・回避

『私なんかが…どこまでやれるのか判りません…けど、貴女がたのそのご矜持に…私達も…全力でお応えしなきゃです…!』


天御鏡・百々
なるほど……其方の想いは受け取った
なれば、全力で相手をしてやろう!

先ずは『天神遍く世界を照らさん』を発動だ(破魔、浄化、結界術、除霊)
この清浄なる神域の中では、悪霊軍団はまともに動けまい
(多少動けたとしても、呪詛耐性で憑依を防御)
これで妖怪軍団を無力化し、山本殿と一騎討ちだ!

『真朱神楽』の峰打ちで近接戦を挑むぞ
広範囲をなぎ払い、防御の隙間を狙って攻撃していこう
(なぎ払い、鎧無視攻撃)
防御は武器受け15と、神通力(武器)の障壁だ(オーラ防御)

一騎討ちでも容易には倒せまい
決め手として神鏡から放つ光の目潰しから、渾身の一撃を見舞おう

●神鏡のヤドリガミ
●アドリブ連携歓迎
●本体の神鏡へのダメージ描写NG



 妖怪軍団と猟兵達の戦端が開かれてより間もなく、戦場へ眩い旭が昇る。否、それは鏡。天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)の本体たる神鏡が、眩く神々しき光を放っているのだ。
 光はマヨヒガの庭園を遍く照らし、空間を満たしていた禍々しき邪気を祓い。代わって清浄なる大気をその場へと広げてゆく。
「これにてこの地は神域と化した、悪しき骸魂宿せし者よ、ひとたび鎮まるがよい!」
 神鏡の下、百々の宣告が響き渡る。抗い、彼女へと襲いかからんとする妖怪達だが、オブリビオンと化したことで尚更に魔性を強めた彼ら、清浄なる聖域が如き空間では挙動が著しく鈍る。とりわけ、元より魔性であった悪霊衆は、ほぼ身動きの取れぬ状態にまで弱ってしまっていた。
 なれど、比較的魔性としての性質の薄い、妖狐や猫又などからなる軍団――どろん衆には比較的影響が薄く。彼らは光の主たる百々を狙い、化術で生み出したおもちゃの銃や弓矢――本物以上の殺傷力を持つであろう得物を百々へと向ける。
「私なんかが……何処までやれるのか判りません、けど……!」
 しかし百々の傍らに現れた今一人の猟兵が、彼らを迎え撃たんとハートを意匠した大きな鍵を掲げる。アリス・フェアリィハート(不思議の国の天司姫アリス・f01939)の掲げた黄金の鍵は煌めく光を放ち、迫るどろん衆をその光以て照らしだす。
 すると光を浴びたどろん衆が一人、また一人と得物を取り落とし膝をつく。アリスが放ったこの光は、百々のそれとはまた性質を異とする浄化の光。邪心を浄め、戦意を奪う光だ。
 と。
「にゃははは! 流石は猟兵さん達にゃ! 儂の見込んだ配下共を一瞬で退けてしもうた!」
 前方から駆け迫るは五郎左衛門。速い。視認したと思えばその姿は瞬きの間に二人の眼前。
「ならば! 次は儂の相手をして貰おうか!」
 懐の刀を抜き打ち一閃。一瞬の見切りで躱したアリスだが、その腕に紅い筋が走ると共に血が漏れ出る。
「くぅ……っ、流石に速い、です……!」
 呻くアリス。退くに入れ替わるかのように、百々が前に出る。
「良いだろう! 我の全力で相手をしてやろう!」
 朱塗りの薙刀を大きく振るい、五郎左衛門の周囲を纏めて薙ぎ払う。五郎左衛門は跳躍して回避するも、その後ろから現れた獄卒衆が代わりに斬られ倒れる。どうやら連携しての攻撃を意図していたらしい。
「これだけの妖怪さん達が、貴女と共に……」
 傷の痛みを堪え、アリスは再び金鍵を掲げる。放たれた光が、周囲から迫り来ていたどろん衆達に膝を折らせる。
「……とても、慕われていらっしゃるんですね……」
「まあにゃ! 儂の無茶にここまで付き合ってくれる、得難い配下共よ!」
 アリスの感嘆に呵々、と笑いながら、東方親分はその身より幾つもの鬼火を生成。懐刀で百々を示せば、青白き炎が一斉に地上を目掛けて飛翔を開始。その速度はまさにロケットが如し。
「あれは……! アリス、こっちだ!」
「え!? あ、はい……!」
 その危険性を見て取った百々、己の身の神通力を全開として障壁を形成。アリスもその後ろへ隠れつつ、自らも魔力を高め障壁の強度上乗せを図る。障壁の前面、ダイヤのスートが浮かび上がる。
 そして鬼火が着弾。と同時に庭園に轟く爆音と激震。一発一発が戦車主砲の砲撃じみた破壊力を持つ蒼白の爆撃。爆発に伴い舞い上がる砂塵が、二人の姿を一時、隠す。
「――これで終わりではなかろう、猟兵さん達! よもや、儂の見込み違いという事はあるまい!」
 土煙の向こうへと呼びかける五郎左衛門。そう、彼女は託さんとしているのだ。二つの世界の命運を、猟兵達に。ならば。
「――無論だとも!」
「貴女がたのご矜持に……私達も、全力でお応えしなきゃです……!」
 返ってきた答え、そして飛び出してきた二人の少女猟兵を前に、大妖怪は口角を上げる。――それでこそ、と。
 二人の装いは、爆炎に焼け焦げ所々が破れ。彼女達自身も到底無傷とは言えない。だが、この程度の負傷は覚悟の上だ。
「二つの世界を、そして皆さんを救う為に……!」
 アリスが再び金鍵を掲げる。だが光は周囲に放たれるのではなく、その先端へと集束する。先程までとは異なる術か。身構える親分。
「我らの力、今こそ見せよう……!」
 だがそこに更なる光。百々の本体たる神鏡が飛び来り、激しい光を五郎左衛門へと浴びせかけたのだ。
「ぬおっ!?」
 予想していなかった訳ではなかった。それでも反応が一瞬遅れたのは、アリスに意識を向けていた為か、未だこの場に残る清浄なる気ゆえか。
 視界を光に満たされ、怯む五郎左衛門。それを逃さず、アリスが金鍵を向ける。
「その身に宿した邪なる業、祓って差し上げます……!」
 それは金色の光線。ハートを象った光の一撃が五郎左衛門の胸を撃てば、その身より溢れ出る禍々しき気配が僅かずつだが薄れてゆくようにも見え。
「其方の想い、しかと受け取った!」
 尚も動けぬ東方親分、その元へと百々が駆け出す。薙刀を振りかぶり、あらん限りの力を籠めて。
「これが――我の、全力だ!」
 振り下ろされた、渾身の一刀。親分が咄嗟に掲げた懐刀の守りも躱し、その胸へと袈裟懸けの傷を、確かに刻み込んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

岩永・勘十郎
「さて……行きますかぁ」

敵の親玉を前に臆さぬ姿。その瞳には敵に【恐怖を与える】【殺気】が燃え上がる。

「いざ参る!」

ゆっくりと刀を構えUCを発動。勘十郎の人斬りとしての本能が浮かび上がり、それは【第六感】的な物にも作用する。五感では得られない、見えない物が見える仏の境地。敵の攻撃をまるで【読心術】で読んだかのように【見切り】、回避していく。そしてすれ違いざまに斬り裂いていく。

だが敵は斬れない。UCを駆使し敵の戦意や自尊心だけを斬り裂いたが故。
それは大将相手にも同じ事。【残像】が残る程の速度で懐に入り込み、目にも留まらぬ【早業】でUCを纏った剣で斬り裂いた。殺意と救い両方を兼ね備えた技だろう


ユリウス・リウィウス
やっと東方親分のところまで歩を進められたか。いいだろう。死合おうじゃないか。

「降霊」で亡霊騎士団を喚起。そちらが数で来るなら、俺も数で応じさせてもらおう。
常に敵一体に対して複数で当たれ。戦力を無駄にするな。相手はどれだけいるか分からんのだからな。

乱戦の場となった庭園を進み、東方親分を探し出そう。
大した人望だな、東方親分。存分に俺たち猟兵を値踏みするがいい。俺たちは必ず、お前の想像を超えていく。

「生命力吸収」「精神攻撃」の双剣撃で、東方親分に斬りかかろう。親分を戦闘に釘付けに出来れば、配下たちの統制は難しくなるはず。
すぐにも楽にしてやろう。大祓骸魂のことは、俺たちが引き受けた。後はゆっくり休め。


山根・桜桃
東方親分、その覚悟に敬意を表して、ゆすらちゃんの全力でお相手するにゃ

ゆすらちゃんの刀葉林は、悪行を捌く針山の針、親分さんたちは悪じゃにゃいから、ぶっ倒しはするけど、殺しはしにゃい!

親分さんが召喚した妖怪軍団を、刀葉林で捌きいなして避けながら、こちらも刀葉林の複製を召喚し続け
【審判「刀葉林」】
ゆすらちゃんを中心に、穂先で美しく円を描く軌跡に展開した数多の刀葉林が、それぞれが意思を持つかのように散って、面の弾幕で襲い掛かるゆすらちゃん必殺の弾幕ごっこ

槍は急所を外して、地面に縫い留め、殺さずに制していくにゃ
そして東方親分には弾幕を密集させて、急所は避けつつ全身を針の山に

これがヤマネコの裁きにゃ!



 先行した猟兵に続き、更に三名の猟兵達が戦場へ突入する。迎え撃つは、庭園を埋め尽くす程の妖怪軍団。
「さて……行きますかぁ」
 駆けながら腰の刀を抜く岩永・勘十郎(帝都の浪人剣士・f23816)。敵はかつて魔王とも称された大妖怪、更にその麾下の妖怪群。紛い無き強敵、なれど勘十郎の心中に恐れは無し。紅瞳が殺気に燃え、迫る妖怪達にも恐怖を感じさせる。
 なれど妖怪達は退かぬ。元より死を当然のものとして集った者達、最早恐怖になど屈さぬというのか。
「やっと東方親分のところまで歩を進めたが――」
 それらを見て取り、ユリウス・リウィウス(剣の墓標・f00045)は眉根を寄せる。数の差は圧倒的。なれば差を埋める手段が必要だ。
「俺も、数で応じさせてもらおう」
 掌を掲げれば、喚起されるは亡霊騎士団。ゾンビとスケルトンとからなる総勢93名の死せる騎士が、迫りくる獄卒衆を迎え撃つ。槍矛と鬼棍棒がぶつかり合い、火花を散らす。
「常に複数で当たれ。戦力を無駄にするな。相手はどれだけいるか分からんのだからな」
 亡霊騎士達はユリウスの命令に従い、多勢で以て獄卒衆を押し込む。その上を飛び越え、山根・桜桃(ヤマネコ・f28269)が駆けてゆく。
「皆の覚悟に敬意を表して、ゆすらちゃんの全力でお相手するにゃ!」
 掲げるは衆合地獄が一角、かの針の山に生える針の一本。その複製が、桜桃の頭上から複雑怪奇な軌道を描きながら妖怪軍団を包囲。一斉に突き刺さってその身を地へと縫い留める。
「汝に罪無し。故に死も無し。暫し衆合地獄に留まるべし」
 一瞬、その声音は低く重く。其は、嘗て地獄の獄卒として衆合地獄に在った頃の姿であろうか。
 針塗れとなって倒れる妖怪達、だが全て急所は外しており致命傷ではない。その傍らを、勘十郎が駆ける。
 目の前に鬼めいた妖怪が複数体、立ち塞がる。足を止めた勘十郎、携えたる刀を構え。
「いざ――参る!」
 踏み込む。鬼達が棍棒を振るう。横殴りの一撃、屈んで躱す。叩きつけられる打撃を、前に跳び鬼達の間に入って回避。
 勘十郎の、人斬りとしての本能が、第六感を研ぎ澄ます。その知覚、本来ならば見えぬ物を見抜く仏の境地。鬼達の攻撃、その全てを、彼らの心を読んだかのように躱し。
「――万有を返す!」
 そして鬼達の間を抜けつつ刀を振れば。その全てが倒れ伏す。傷は無い。彼らの戦意や自尊心等、戦闘に要する心理的要素だけを斬り裂いたのだ。
 そこへユリウスと桜桃が追い付く。前を向けば、腕組みして三人を待ち構える東方親分と、随う妖怪達。
「――大した人望だな、東方親分よ」
「にゃはは、全く嬉しいことよ。これでこそ――」
 ユリウスの言葉に、呵々と笑う五郎左衛門。なれどその目は殺気に満ちる。「存分に殺りあえる」、と言わんばかりに。無論、其を恐れる猟兵達ではない。
「存分に俺達猟兵を値踏みするがいい。俺達は必ず――」
 双剣を抜き、かの親分へと突き付けて――宣言する。
「お前の想像を、超えていく」
「期待させて貰おうぞ!」
 そして――両者が激突する。

「ゆすらちゃん必殺の弾幕ごっこにゃー!」
 五郎左衛門目掛けて突き付けた針山の針――刀葉林が次々と複製されては飛翔し、桜桃を中心として外向きに針先を並べてゆく。針先が、美しき円形を描くように展開してゆく。
 直後、それらが一斉に撃ち出されれば。面の弾幕となって妖怪達を襲いゆく。
「獄卒出の猟兵さんか! また魅せる業を編み出したモンだ!」
 随う妖怪達が次々と針に倒れてゆく中、五郎左衛門は寧ろ弾幕の中を突っ切り駆ける。嵐の如き針の中、無数の残像と共に迫りくる勘十郎を捉える。
「親分殿、その身に宿す悪念、斬らせてもらおう」
 弾幕を抜けるが先か、勘十郎が親分の懐へ潜り込むが先か。超速で振るわれた刀は――澄んだ音と共に、懐刀に止められた。
「面白い剣よ。殺気はある、太刀筋も迷いなく殺意充分。なのに斬られても死なぬと分かる」
 差し詰め、殺意と救いの双方を兼ね備えた剣だにゃ、と。評して跳び退いた五郎左衛門、続いて斬りかかったユリウスと斬り結ぶ。
「ほほう、こいつはまた禍々しき剣よ。命と魂を啜る剣、だにゃ?」
 振るわれるユリウスの双剣を懐刀で凌ぎながら、返しの刃を繰り出す親分。ユリウスの身に斬痕が幾つも刻まれるが、致命でなければ構いはせぬ。ユリウスは尚も双剣を繰り出し続ける。
(ぬ……これは)
 一瞬、視線を傍らへ。回り込まんと動く勘十郎を捉える。迫るユリウスの黒剣。しゃがみ躱す。反撃の斬り上げを放ちながら、再度の弾幕を繰り出す桜桃を視界に捉える。
 だがそこまでだ。ユリウスの手数に対応せんとする親分は、敵の動きに的確な指示が出せぬ。配下の妖怪達も己の判断でよく動いてくれるが、それでも己の統制下にあるときには及ばぬ。
 飛来する無数の地獄針。交戦域の妖怪達を撃ち抜いた分の残りを、全弾五郎左衛門へ差し向けたものだ。
「ぬおっ、これは拙いか!」
 跳躍で仕切り直さんとする五郎左衛門、だがその頭上より降る影。勘十郎だ。
「――殺った」
 着地と共に、一閃。神速の一太刀が、東方親分の纏う絶大なまでの骸魂の気配を断ち。
「ヤマネコの裁き、受けるが良いにゃ!」
 果たして飛び来た地獄針が全身に突き刺さり、東方親分をよろけさせて。
「――大祓骸魂のこと、俺達が引き受けた」
 故に、ゆっくり休めと。願うような双剣の斬撃が、骸魂纏う大妖怪を斬り裂いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

ふむ、これは付け焼き刃ではどうにもならないわね。私の得意分野で挑むしかないか……いや、まぁ、確実に不殺はできるけど、見た目が、ね、うん……
サンモト親分の心意気に応えるべく生命力を燃やす。その生命の煌めきをもって妄想結界術を展開するわ。
で、レベルドレインってーのは要するにアレな技です。ええ、ええ、仙術にもある性魔術的なアレでございます。だが、これが私の全力の本気なのだ、許せ。煌めく生命エネルギーを親分を始め妖怪達にエネルギー充填し、骸魂を押し出しましょう。
……流石に気まずいわね。いや、中途半端だから最後まで面倒見ろというのなら従うけども。



「……っとと。これは付け焼き刃じゃどうにもならないわね」
 獄卒衆の棍棒を屈んで躱し、どろん衆の砲撃を跳び退き逃れながら、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)は思案する。流石に妖怪親分の一角とそれが率いる大群となると、対抗するには己の尤も恃みとする技を以て挑むしかない。
 だが。アリスの得意分野といえば。
(……いや、まぁ、確実に不殺はできるけど、見た目が、ね……うん……)
 これまで多くの強大なオブリビオンを男の娘化させて己の不可思議空間に引きずり込んできたアリスだが。完全に敵というわけではないこの軍勢にその類の業を用いるのは些か気まずいらしい。
(……でも、そうも言ってはいられないか)
 己の命を賭してこの戦を成り立たせた五郎左衛門。彼女の心意気に応える為ならば、形はどうあれ全力を尽くす。そう己を納得させ、アリスは己の生命力を燃やし――妄想結界術を展開する。

「……な、何事にゃ!?」
 直後、驚愕する五郎左衛門と妖怪達。それまで己らが戦っていた戦場が、突如桃色の不思議な空間と化したのだ。かの大妖とて、このような不可思議空間の知識は無かったらしい。
「ふふふ、経験を略奪する私の『せい』騎士の力の応用。篤と味わってもらいましょう♪」
 尚、その具体的な力というのは要するに『アレ』である。だが、それがアリスの全力の本気である以上、そのような手段を用いるのはやむを得ないことなのである。
 例え、無数の触手が彼女達に襲いかかり、アリスの煌めく生命エネルギーを注ぎ込むというのが具体的手段であったとしても。それは彼らの取り込んだ骸魂を押し出す為なのだ。
「……でもやっぱり、流石に気まずいわね」
 ばつが悪そうなアリス。だがここで終わりにするのも中途半端で良くない。一通りのキリがつくまで、その場で見守ることにしたアリスであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

蒼・霓虹
山本親分も取り巻きの皆さんも誰一人死なない様に、それなら……この手が行けそうでしょうか?

[WlZ]
【高速詠唱】で【オーラ防御&結界術&呪詛耐性】込め〈レインボークローバー〉【弾幕】を【念動力】操作し広範囲【盾受け】展開

これは山本親分や悪霊軍団達を抑える&防ぐ為

〈彩虹(戦車龍)〉さんを【悪路走破&推力移動】【操縦】しつつ【威嚇射撃】しつつ【第六感&瞬間思考力】で【見切り】回避しつつ【龍脈使い】の力で【魔力溜め&幸運】の【エネルギー充填】頃合い見て〈プチキュリオス〉さんの力借り【高速詠唱】で【属性攻撃(光)&全力魔法&浄化】込めUC【範囲攻撃】で骸魂だけ剥がし無力化

[アドリブ絡み掛け合い大歓迎]


オリヴィア・ローゼンタール
義に厚き東の御大将、二つの世界は必ずや救います
しかし、その世界にはあなた自身も含まれるのです

刀を持つセーラー服の姿に変身
魔法は使えないが、身体能力に特化したモード

庭園を駆け抜け間合いを詰める(ダッシュ)
群がる配下妖怪たちを殴り(怪力)、蹴り飛ばし(吹き飛ばし)、跳び越える(ジャンプ)

悪霊に憑依されても【気合い】で堪え、間合いを詰めるのを優先する
刀圏に捉えれば――金剛不壊、抜刀

【怪力】を以って刀を振るい、号令懐刀と斬り結ぶ
鍔迫り合い、金属音に宿る魔除けの力で取り憑いた悪霊を祓う(破魔・除霊)
その刀、なかなかの業物と見ました
いざ、尋常に勝負――!

全霊の【轟衝穿裂破】を以って骸魂を突き穿つ


シズホ・トヒソズマ
貴方達の覚悟は受け取りました。
その上で、命を奪わずに決着させます!

まずはできるだけ獄卒を誘き出さないと
ライダをバイク形態に変形し◆騎乗
◆早業で◆運転し屋敷から現れる敵を誘き出し◆フェイントを交えたり◆ダッシュしたりしての回避で凌ぎます

大分数が出て来たらライダを飛行形態に変え飛翔してからUC発動
バルバロス兄弟の力を使用
私の目にオルキヌスの瞳の力を宿し
見下ろす事で集まっていた集団を凝視
精神・肉体両方を退化させ無力化

親分にも使いますが完全に効くとは油断せず
シュヴァルツヴィアイスで未来予測演算し動きを◆見切り
予測位置にロミンの鎖を放ち◆捕縛
ヴィアイスの偽三呪剣で斬り裂き
過去である骸魂を深く傷つけます



 庭園の白砂を巻き上げて、一台のバイクが疾走する。搭乗者たるシズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)操る人形『ライダ』の変形した姿だ。
「あなた達の覚悟は受け取りました。その上で、命を奪わずに決着させます!」
 彼女を捉えるべく次々と獄卒衆が出現し、彼女を追いかけ、或いは追い詰めんと回り込みにかかるが、素早いハンドル捌き、緩急をつけた走行を以て切り抜けてゆく。
 そんな獄卒衆の一人が、突如横合いから殴り飛ばされる。倒れた彼を足蹴に跳躍するはオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)。此度は常の修道服ではなくセーラー服を着用しての参戦。曰く、魔術戦闘には不向きだが、身体能力に特化する場合の装いとの事。
「義に厚き東の御大将とその配下の御歴々。二つの世界は必ず救います……!」
 然し救うべき世界には彼ら自身も含まれる。その意志のもと、立ち塞がる彼らを殴り倒し蹴り飛ばし飛び越えてゆく。
 そんなオリヴィアの頭上から迫る悪霊衆。彼女へと憑依し、その足を止めさせんとする彼らだが――突如、横合いから飛来した虹色の三つ葉の弾幕に行く手を阻まれる。それらはまるで意志持つかのように悪霊衆へと纏わりつき、その挙動を抑えにかかる。
「山本親分も、取り巻きの皆さんも、誰一人死なせないように……!」
 その主は、二人の後から走り来たる竜型戦車――或いは戦車型竜の搭乗者。蒼・霓虹(彩虹駆る日陰者の虹龍・f29441)である。『彩虹』と呼ばれる戦車竜は断続的に双肩の砲を撃ち放ち、射撃体勢に入ろうとするどろん衆を追い散らしてゆく。
 更に龍脈の力を以て己の魔力と、幸運――嘗て人間だった己と融合した竜の権能――とを高め。来たるべき機に備える。
「よし、ここが頃合いですね……!」
 己の周囲全てが妖怪に囲まれ、いよいよ逃げ道を失ったシズホ。だが、それは彼女が狙った展開。己の切り札を最大に活かす作戦。
 ライダを飛行形態へと変形、上空へと飛び上がる。空中で回頭し、地上を見下ろせば、庭園を埋め尽くす妖怪、妖怪、妖怪。これだけ多ければ不足は無い。シズホの跨るライダの身から、陽炎めいて霊気が立ち上る。
 それはシズホの背後で一瞬にして巨大化、明確な像を結ぶ。継ぎ接ぎの肉体を有する、双頭四臂の巨人。羅針盤戦争の折に猟兵達と激戦を演じた七大海嘯『三つ目』バルバロス兄弟。その幻影。
 幻影はシズホに重なると共に消失し、代わってシズホの右目が血涙を流すと共に金色に変化。バルバロス兄弟の弟・ハイレディンが有していた『オルキヌスの瞳』、かの魔眼の力を宿したのだ。
「――っく、皆、退け……!!」
 痛みに苦悶しながらも、金色の右目で以て妖怪群を凝視する。発動するはオルキヌスの瞳に宿る魔力――即ち肉体と精神双方の退化。
 動物型の妖怪は獣に近づき、鬼はより低級な鬼へ、悪霊はその存在が希薄と化す。
「此方は任せてください! オリヴィアさんは親分さんの方へ……!」
 退化を免れた妖怪達もいたが、其方へは霓虹の展開するクローバー弾幕と彩虹の砲撃とが足止めを図る。
「感謝します……!」
 そうして無力化された妖怪達の間を駆けるオリヴィア、ついにその先に在る猫の耳と下肢持つ妖怪を捉える。即ち、山本五郎左衛門。
「東方親分殿、いざ、尋常に勝負――!」
 抜刀するは金剛不壊、常の武装たる聖槍に代わり携えた、魔人の手になると云われる日本刀。
「良かろう! 存分に殺し合おうぞ猟兵さん!」
 山本五郎左衛門、口角を吊り上げ懐刀を抜く。袈裟懸けの初太刀を受ける。オリヴィアの膂力、オルキヌスの瞳による退化。それらの要因があって尚、鍔迫り合いは互角――否、五郎左衛門が僅かに優勢か。
「やはりオルキヌスの瞳もあまり効きませんか……!」
 そこへシズホが加勢し、騎士人形『シュヴァルツヴィアイス』を嗾ける。未来予測演算を以て、オリヴィアから離れる動きの先を読んで偽三呪剣にて斬りつけるが、回避速度が上回った。
(これは……拙いでしょうか)
 五郎左衛門の攻防は、オリヴィアとシズホ、歴戦の猟兵たる二人を向こうに回しても尚劣勢とは至らず。オリヴィアの剛剣を巧みに受け止め、受け流し。シズホの繰り出すシュヴァルツヴィアイスの未来予測斬撃はそれを上回る速度で以て躱してみせる。更には反撃をも繰り出し、二人の身に少なくない傷を刻む。
「如何した猟兵さん達! お主らの力はその程度じゃあなかろうよ!」
 更に、周囲からはオルキヌスの瞳による退化を免れた妖怪達が集結しつつある。シズホも適宜用いてはいるが、やはり交戦中には十全な効果を発揮できない。
(であれば――今こそ、力を解放する時!)
 今こそ、龍脈を通じて高めてきた力を解放する時だ。霓虹の背中から、一体のぬいぐるみが飛び出してくる。帝竜ヴァルギリオスを可愛らしくデフォルメしたようなそのぬいぐるみは、然し本物譲りの強力な魔力を有し。高めてきた霓虹の魔力へ更なる上乗せを与える。
「――どうか苦痛を知らぬまま、その意志に救いを――!」
 妖怪達の命を奪うことなく、この戦いに勝つという意思。その慈悲と不殺の意思が、溢れ出した魔力に形を与える。彩雲が飛行機の形を取ったそれの名は『イリディセントコントレイル』。霓虹の不殺の意思を形とした、送り手の彩雲機である。
 彩雲機は妖怪群を包囲するように飛翔、その全てが一斉に光線を撃ち放つ。命中した妖怪達からは次々と骸魂だけが弾き飛ばされ、片っ端から無力化されてゆく。
「ぬぅ…っ、力が……!」
 光線は五郎左衛門にも命中、なれど彼女の肉体からは一撃で骸魂を弾き出すこと叶わず。それでも力を削ぐことは叶った。
「今だ……っ! ヴィアイス!」
 好機と見たシズホが、シュヴァルツヴィアイスに渾身の斬撃を繰り出させる。やはり未来予測地点へと繰り出されたその斬撃が、ついに東方親分を捉えその身に傷を刻む。
「おおおおおお……!!」
 更にオリヴィアも吶喊する。構えは刺突。大きく後ろへ引いた手に刀を構えるその姿、或いは弓を引く騎士にも似て。
「――突き穿つ!!」
 そして繰り出された渾身の刺突、その速度は神速。衝撃波すらも伴う一撃が、過たず東方親分の胸を捉え。確かな傷を、そこに刻み込んだのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

空亡・劔
あんたらの覚悟は知った
それでもあたしは言うわ
最強の大妖怪であるこの空亡劔を差し置いてこんな大異変は親分であろうと生意気よ!(ばばん

対軍団
【天候操作】で猛吹雪に変更して動きを鈍らせ
嘘はつかないわ!
あたしは最強の大妖怪!あんたらの親分も死なせるもんか!
あんたらにはあたしが異変を起こした時に挑んで貰うんだから!(心からの叫び
【属性攻撃】で二刀に氷属性を付与
【戦闘知識】で軍の陣形と山本五郎左衛門の捕捉
【弾幕】氷の弾幕を展開して軍団を迎撃(不殺徹底。是は正に何時もの弾幕ごっこ

時刻みを使用
左衛門!親分であるあんたにあたしは挑む!
二刀による【二回攻撃】で強化された斬撃で【切断】
基本不殺徹底よ


エィミー・ロストリンク
【POW】
サンモトの親分さん、猟兵の討ち入りです!
殺すつもりでいいよー、ただしわたしは全力で倒すだけだから!

どろん衆に対し、UC「メガリス海嘯拳奥義・大海氾濫掌」を発動し、拳を突き出した方向に大津波を発生させて、水圧打撃で気絶させる

それに多数制圧はメガリス海嘯拳の得意分野だからねー!

拳が突き出す方向に大津波を発生させつつ、攻撃していく様を見せる
そして死角から敵が攻めてくるのを見て、上からの大瀑布で圧し潰して制圧

悪いけど、どこからでも出せるんだー

親分さんの動揺が誘えたら、津波と共にセイレーン人魚になって泳ぎ、骸魂無骨で、骸魂を貫く刺突

ちょっと痛いけど、悪いオブリビオンを追い出すねー!

アドリブ歓迎


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【POW】
※アドリブ大歓迎
※キャバリア搭乗
※別称を好む

不殺は狙えど手加減も無し
アタシの真打たる『大鎧』卑怯とは言うまいね
ん…キユ、おいでっ(ユベコ起動)

「リリ母上、よんだ?キユ、たいくつ」

お城作りを邪魔する遊びがあるよ
後、アタシにもおまじない欲しいな
…終わったら花街で遊ぼうね♡

「う、わかった♡」

この娘は愛でたオブリビオン達との絆
猟兵は殺しだけが能じゃないのさ♪

『フレア・ヴェンデッタ、戦闘モードを起動します』

後は副腕のヒートソード二刀流で親分と剣戟さ
いざ尋常にっ

◆キユ
「あそぼ♡」
【妖姫の仙術】で命中率向上&浄化術式付与
【邪毒の香気】でどろんバケラー達を弱らせ
【暴竜の咆哮】で城の部品ごと吹き散らす



 サンモトのマヨヒガに、激しいブースト音が響く。見上げれば、青き重装備の機械兵士――キャバリア。リーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)の乗機『ナインス・ライン』だ。
「おう……そうか、猟兵さん達の中には、あんな大鎧の持ち主も沢山おるって話だったにゃ」
 東方親分、山本五郎左衛門は得心のいった様子で、降下してくるキャバリアを見上げる。決して軽くはない負傷を負いながらも、その立ち振る舞いには衰弱など微塵も見えぬ。
「丁度良い、この大鎧の力、見せてもらおうかのう!」
 此に頼ることを卑怯とは言わぬ。使えるものは何でも使って来い、と言わんばかりに五郎左衛門は構えてみせる。随う妖怪達もまた同じく。
 と、ナインス・ラインの機上には更に三人の人影。ナインス・ラインの着地と共に、そのうち二人が飛び降りてきた。
「サンモトの親分さん、猟兵の討ち入りです!」
 握った拳をぐっと突き出し、エィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)は堂々と宣言してみせる。殺すつもりで来るなら構わぬ、己は全力で打ち倒すのみと。
「最強の大妖怪であるこのあたしを差し置いて! こんな大異変は親分であろうと生意気よ!」
 五郎左衛門に指を突きつけ、空亡・劔(本当は若い大妖怪・f28419)は言い放つ。無論、彼女も親分達の覚悟は知っている。その上での発言だ。
「にゃははは! 威勢の良いことだ! 結構、結構!」
 呵々、と笑う五郎左衛門。相手にとって不足はなし、と言わんばかりの様相。
 と。
「……リリ母上、キユ、たいくつ」
 ナインス・ライン機上に残るもう一人。幼い顔立ちに豊満な肢体を巫女装束に包んだ銀髪の少女が呟く。名を『喜結』。
「ああ、お城作りを邪魔する遊びがあるよ。後、アタシにもおまじない欲しいな」
 そんな彼女にリーゼロッテが囁く。更に何事かを囁きかければ。
「……う、わかった♪」
 満面の笑みと共に頷く喜結。飛び降りてエィミーや劔と並ぶ。曰く、彼女が愛でたオブリビオン達との絆の化身、それが喜結であるという。殺すだけが猟兵ではないのだ。
「――というわけで、やるとしようか!」
『フレア・ヴェンデッタ、戦闘モードを機動します』
 機械音声と共に、ナインス・ラインの腕が展開。その下からヒートソードを構えた副腕が現れ。戦闘態勢に入る。
「よーし、いっくよー!」
「その心に刻んであげるわ! あたしの最強の大妖怪たる所以を!」
「あそぼー♪」
 と同時に三者もそれぞれに駆け出し。決戦の開幕である。

「メガリス海嘯拳奥義・大海氾濫掌! うおりゃーーーー!!」
「天よ応えよ、冬の嵐を巻き起こせ!」
 エィミーが拳を突き出せば、その足元から巨大な津波が溢れ出し、立ちはだかる妖怪達を一気に押し流す。
 更に劔が氷の魔剣を掲げたことで、戦場には猛吹雪が巻き起こり、妖怪達の動きが目に見えて鈍る。
 それでも吹雪を突っ切り側面から攻撃を仕掛けんとする妖怪達もあったが。
「悪いけど、どこからでも出せるんだー」
 エィミー、今度は拳を振り下ろせば、上空から降り落ちてきた大瀑布が迫ろうとした妖怪達を打ち据える。対多数の制圧戦、メガリス海嘯拳の得意とする戦い。その猛威の前に、妖怪達は為す術がない。
「あんたらには! あたしが異変を興した時に挑んで貰うんだから! こんなところで死なせるもんか!」
 一方の劔は、何やら聞き捨てならぬことを叫びながら、氷の弾幕で妖怪達を制圧にかかっていた。カタストロフを起こすつもりなのだろうか。
 次々と倒されてゆく妖怪達。残った僅かなどろん衆達はそれらの広域攻撃を凌がんと、化術を用いてバリケードを建造にかかるが。
「がおおーーーーーーーっっ!!」
 喜結が放った咆哮により、それら諸共吹き飛ばされてしまった。

「妖怪軍団は総崩れ、ってところかな。さあ、後はあんただけだよ」
 壊滅状態に陥った妖怪群を乗り越え、リーゼロッテは愛機を操り五郎左衛門へと肉薄。ヒートソードを以て斬りつける。
「にゃはははは! 流石は猟兵さん達だ! だが、まだ儂がおるでにゃ!」
 その力量を称えながらも、五郎左衛門の戦意は未だ衰えず。跳躍して剣を回避。そのまま空中から鬼火を立て続けに射出してゆく。
「っと、っく、い、意外と痛いねこれ……!」
 熱量の密度から危ない、とは思っていたリーゼロッテだが。実際に受けてみればミサイル爆撃めいたその破壊力に驚愕する。だがまだ戦闘には障りなし。
「五郎左衛門! 親分であるあんたにあたしは挑む!」
「おう! かかってくるが良いにゃ!」
 ユーベルコードにて飛翔速度を加速させた劔が肉薄すると共に、氷魔剣と時空斬撃の二刀攻勢をかけてゆく。懐刀を抜き、攻勢を捌いてゆく五郎左衛門だが、徐々にその動きに陰りが見えてくる。
「よーっし、一気に決めに行くよー!」
 そこを好機と見たエィミー、己の起こした津波に乗って五郎左衛門へと一気に肉薄。下半身をセイレーン人魚と化させ、十字槍を得物としたその姿は海の戦士の如し。
「いっけぇぇぇぇぇ!!」
 そして突撃を仕掛けるエィミー。そのままでは今の五郎左衛門でも十二分に躱せそうではあったが。
「おっと、逃がさないよ。このまま喰らって貰おうか!」
「ギリギリまで付き合いなさい!」
 ナインス・ラインと劔、一人と一機が操る四刀が、檻を形作るかの如く振るわれ、五郎左衛門に回避行動を許さない。そして。
「ちょっと痛いけど、悪いオブリビオンを追い出すね……!」
 最早エィミーは目の前。大津波に足を取られ、回避は間に合わない。繰り出された渾身の刺突が、東方親分の胸の中心を撃ち抜いた。
「ぬおぉぉぉぉぉ!? ……お、おお……?」
 だが五郎左衛門は訝しむ。貫かれた際の衝撃こそあれ、刃自体の痛みは無く。血が抜けてゆく感覚も無い。彼女には知る由も無いが、この槍『骸魂無骨』は霊体や呪詛等の実体なきもののみを断つメガリス。故に、肉体そのものへは影響が無いのだ。
「……なるほど、儂の中の骸魂だけを……。……本当に、儂らを殺すことなく倒してしまいおった……」
 納得すると共に、驚嘆の声を漏らす五郎左衛門。その身の禍々しき気配が薄れてゆく。彼女に宿る骸魂が、消え失せてゆく。
「……想像以上の力よ、猟兵さん達……。……これなら、きっと……」
 何処か、安堵するような笑みを浮かべながら。東方親分『山本五郎左衛門』は、一時、その意識を手放した。
 以て、猟兵達はかの軍勢との戦に勝利を収めたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月19日


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#カクリヨファンタズム
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#大祓百鬼夜行


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト