大祓百鬼夜行⑩〜集まれカレー星人2
●カクリヨのある一角にて
先日騒動に巻き込まれたカレー店の屋台。店主の猫娘と顔馴染みの妖怪達が復帰祝いも兼ねて立ち寄った。
「店主、復帰おめでと・・・う?」
屋台の中を覗き込むと・・・あれ?誰だ?死神っぽい女の子がいそいそとカレーの仕込みをやっている。その女の子と目が合った、合っちゃった。
「いらっしゃい、カレー食べていく?」
「あ、あぁ・・・せっかくだからそうしようか。・・・店主、またいなくなったのか?」
「・・・気が付いたらいなかったわね。仕方ないから私が店番しているの」
「そう・・・なのか?まぁ・・・まさか、二度も同じような事には・・・ははは、ならないよな・・・あはは・・・」
この馴染みの妖怪達、先日の騒動の際に猟兵達の戦う(?)様を応援していたギャラリーの一部だ。それゆえ、その戦いの結末を知っている。もしや・・・とは思うが。
「はい、お待たせ」
「じゃあ、いただきます。・・・いつも通りの味だ。うん、いつも通りの・・・」
少女から手渡されたカレーを食べて愕然とする妖怪達。あぁ、嫌な予感が当たってしまった・・・と。
まただよ、またどうやら店主はオブリビオンになってしまったようだ。そういう体質なのだろうか?まぁ、それはともかく・・・。という事は・・・だ。
「俺達・・・解放はしてもらえなさそうだな・・・」
先日のような猛者の猟兵達が救出しに来てくれる事を祈りつつ、涙目でカレーを食べ進める妖怪達だった。
●ところ変わってとある場所にある夕闇亭にて
「なんだろうな・・・うん。俺は動物に好かれやすい体質みたいだけど・・・。骸魂に憑かれやすい体質、とかあるんでしょうかね」
食堂に集まった猟兵達に話し掛ける鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)。
「先日、カレーの屋台を営む猫娘さんが骸魂に取り込まれるという事件が発生しまして・・・。その際はご協力いただいた猟兵の皆さんのおかげでなんとかなったのですが・・・」
ひりょの顔色が優れない。先程の『憑かれやすい体質』という発言といい、この話の流れが簡単に想像出来てしまった。
「皆さんのご想像通りです。どうやらまた、同じ猫娘さんが骸魂に取り込まれてしまったみたいでして・・・。今度は『『グリムリーパー』グリメネーラ』という名のオブリビオンとなっているようです。前回と同様『おもてなしの心』が増幅されて過剰な接待を行っているみたいですね。どんどんカレーを食べさせられるようで・・・。既に近隣の妖怪達が巻き込まれてしまっているみたいです」
どうやら同じような事件が再び・・・という事のようだ。そのままでは辺り一帯がカレー塗れになってしまうので、それを阻止する、と。前回と同様の事件であれば、対処の方法も同じなのだろう。詳しくひりょより聞き出す事にした猟兵達。
「戦闘は避け『カレーを食べまくる事でおもてなしの心を発散させて骸魂を除去する』という形を取ってください。前回の任務で分かったのですが、屋台の出る場所は妖怪達の住処の周辺らしく、戦闘には不向きみたいでして・・・。くれぐれも戦闘は避けて下さい」
つまり、戦闘は行わず「カレーを食べまくる事」で解決を目指す、という事か。合点がいった猟兵達は早速出立の準備を始める。
「やれやれ・・・また飯テロですか・・・。うぅ、俺も食べに行きたいのに行けないなんて・・・。泣けてくる・・・」
「まぁ、次は平和になってから屋台に食べに行けばいいんじゃない?」と落ち込むひりょを慰めた後、彼の準備した転送陣にて猟兵達は現地へと飛ぶのであった。
黄昏空
MSの黄昏空(たそがれ・そら)です。このシナリオは戦争シナリオ、一章のみで完結となります。また、このシナリオは『ボス戦ですが非戦闘系シナリオ』になっております。
前作の『大祓百鬼夜行⑩〜集まれカレー星人』、沢山の個性的なプレイングが送られて来て採用を決めかねた経緯から、第2弾をお送りする事になりました!よろしくお願いします。
さて、前回に続きまたも骸魂に飲み込まれてしまった猫娘さん。前回とは異なるオブリビオンとなったようです。しかしやる事は変わりません。
このシナリオで『グリムリーパー』グリメネーラと交戦する事はありません。
「カレーを食べまくりましょう!」これに尽きます。
プレイングボーナスは「カレーを食べまくる事」です。
カレーの種類・味・辛さなどは各自プレイングに盛り込んでもらえればそれを基にリプレイを書かせていただきます。逆に『辛いの苦手』とかで、『辛さ:お任せ』みたいな感じで書いていただくのもオッケーです。お任せ要素のある内容の場合は、こちらでダイスを振って決めてみたりしてみます。
尚、前回の『大祓百鬼夜行⑩〜集まれカレー星人』にご参加の方で、残念ながら採用出来なかった参加者の皆様、是非、このシナリオへその時のプレイングをご送信ください。そのままの内容でも問題なくリプレイを書ける内容にしてあります。
無論、新規の参加者様も歓迎です。
プレイング受付はOP公開と同時に開始とします。プレイング締切は特に設けていませんが多くて6人くらいまでの採用とし、5月11日の16時までには完結させるつもりでいます。送られて来たプレイングをお一人ずつリプレイ公開していきます。
それでは、皆様のご参加、お待ちしております!
第1章 ボス戦
『『グリムリーパー』グリメネーラ』
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POW : ロスト・ディスティニー
【一時的に対象の運命・記録を改編する力 】を籠めた【デスサイズ】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【アカシックレコード】のみを攻撃する。
SPD : ソウル・イーター
【骸魂『夢魔』 】【骸魂『ヴァンパイア』】【骸魂『鴆』】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ : バーンアウト・カリスマ
レベル×1個の【才能に反応する赤の炎彩 】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11
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アイ・リスパー
「カレーと聞いたら黙っているわけにはいきませんね!
UDCアースでも至高の料理のひとつであるカレーは、私が食べてみせます!」(くわっ
SSWの研究施設で実験体として生まれ育てられたのが、この私。
そこの食事は味気ないものが多く……
たまに食べることができた『伝統の調味料』であるカレー粉を使った宇宙食は何よりの楽しみでした。
猟兵となりUDCアースに来てから初めて食べたカレー。
本物のカレーの味を私は一生忘れないでしょう。
「というわけで、【チューリングの神託機械】発動!
万能コンピュータで水を飲むベストなタイミングを計算しつつ、カレーを食べていきましょうっ!」
神託機械の副作用で吐血しつつ、カレーを食べます!
「カレーと聞いたら黙っているわけにはいきませんね!UDCアースでも至高の料理のひとつであるカレーは、私が食べてみせます!」
くわっと目を見開き盛大な決意表明をするアイ・リスパー(電脳の天使・f07909)。
アイはカレーに対して並々ならぬ思い入れがある。SSWの研究施設で実験体として生まれ育ったアイ、生命維持の為の食事は非常に味気ないものが多かった。そんな中でも唯一ともいえる楽しみが、『伝統の調味料』であるカレー粉を使った宇宙食だったのだ。味気ない食事の中でもカレー粉を使った宇宙食の時だけはどこか違って思えた。
(猟兵となりUDCアースに来てから初めて食べたカレー。本物のカレーの味を私は一生忘れないでしょう)
猟兵となった事で様々な世界を行き来する中で、粉ではない本物のカレーを食べる機会にも恵まれた。
その刺激的な味はアイを虜にした。アイという名のカレー星人の誕生した瞬間であった。
それ故、グリモア猟兵より話を聞いた際に二つ返事で即答したアイ、先陣を切って転送陣へ飛び込んだのだった。
そして屋台へ到着するなり、身を乗り出すように店主に詰め寄るアイ。
「店主さん、カレーを一つください!」
その迫力に思わず後ずさりながらも応える店主。
「そ、そんなに食べたかったのね。直ぐに準備するわね。…はい、お待たせ!」
アイの目の前に置かれた至高の料理に目を輝かせる。
「そう、これです!この刺激的な薫り!この食欲をそそられる薫りこそが至高の料理たる所以!」
「ふふ…、まさかそんなに喜んでもらえるなんて。料理人冥利に尽きるわね。ささ、しっかり味わってね。どんどん作るから!」
お代わりに備えて準備を始める店主。
「では、いただきます!…、やはりこの味、癖になりますねっ!あぁぁ、堪りません!」
ちょっと陶酔しかけたアイはグリモア猟兵の話を思い出し我に返る。
(い、いけません。思わず感動からトリップしかけました。任務で来ていたのでしたね)
それなりの長期戦を強いられる事も視野に入れねばならない。ならば辛さ等に対し、適切な水を飲むタイミングなども重要になるだろう。水の飲み過ぎでカレーが食べれなくなってしまっては本末転倒だ。
「というわけで、【チューリングの神託機械】発動!万能コンピュータで水を飲むベストなタイミングを計算しつつ、カレーを食べていきましょうっ!」
万能コンピュータが水を飲むタイミングとなったら、すぐに教えてくれる親切機能付きだ。なんという才能の無駄使い!だが、そこがいい!
これで対策は万全!アイはカレーを食べ進めていく。だが…。
「やはり、カレーは美味しいで、ガハッ。いくらでも食べれ…ゴフッ」
食べながら吐血するという恐ろしい光景が展開される事となった。
実はこのUC副作用があるのだ。この吐血はその副作用。だが、そのような事など店主やギャラリーは知る由もなく…。
「だ、大丈夫かあのお嬢さん?吐血してるぞ!おい、医者を医者は居ないかっ!」
「お客さん、お客さん、大丈夫っ!ま、まさか私のカレーに拒絶反応しているわけじゃ…」
騒然とするギャラリー達とおろおろとパニくる店主。
「大丈夫です、いつもの事です!」
キラッと無駄にいい笑顔で応えるアイであった(吐血しながら)ゴフッ。
大成功
🔵🔵🔵
樹・怜惺
カレー?
食う食う、めっちゃ食う。大食いだし結構いけんだろ。
辛いの平気だから辛さとかトッピングとかはお任せすんぜー。
水だけ手元に置いといて、ひたすら食う。
カレーっても色々あるよなァ。お代わりの度に味変とかってアリなん?
スパイス系とかルー系とかで変えてけば、かなり食べやすくなるんじゃね?
満腹なっても気合で食うわ。
なんつーか、巻き込まれ体質?っているんだなー。
悪さってわけじゃねェし、食べるだけで済むならまだましだわな。
めっちゃ美味いわ、ここの屋台通っちゃおうかなー。
色々思った事話しつつ、全力で大食いチャレンジ。頑張るわ。
「カレー?食う食う、めっちゃ食う。大食いだし結構いけんだろ」
グリモア猟兵からの要請に快く応えた樹・怜惺(Guardiano della Dea Verde・f31737)。
現地に転送され屋台へ顔を出すと早速カレーを注文した。
「お、店主カレーを一つ頼む。辛いの平気だから辛さとかトッピングとかはお任せすんぜー」
「あ、はいっ!(うわぁ、凄いイケメン、どきどき)」
慌てて怜惺にカレーを提供する店主。ハイカラさんな怜惺にどきどきしながら、その食べる様子を眺めている。カレーを食べ進めるのに重要である水は手元にしっかり確保し、いつでも飲めるように準備万端。準備を整えた怜惺はカレーを食べ進めていく。
「カレーっても色々あるよなァ。お代わりの度に味変とかってアリなん?」
「あ、はい、もちろん!楽しんで食べて欲しいですし」
「んじゃ、お代わりの際にはよろしく頼むわ」
「はい、喜んで!」
(味は普通に美味いし、スパイス系とかルー系とかで変えてけば、かなり食べやすくなるんじゃね?飽きが来ないままどんどん食べられるわ、これ。まぁ、満腹になっても気合で食うけどな)
若干店長の表情が乙女モード入っているようだが、食べ進めている怜惺は気が付かない。
(話してみた感じ、悪い奴じゃなさそうだしなー。なんつーか、巻き込まれ体質?っているんだなー)
本来の『グリムリーパー』グリメネーラというオブリビオンは、このような存在ではないのだろう。他人に危害を加えるタイプの様子ではない事から、その事が伺える。ただ、おもてなしの心だけがブーストが掛かっている、というか…。そんな感じに怜惺も思えたのだ。
人が好過ぎる奴は厄介事を抱え込みやすい、という話を聞くが…どうやらオブリビオンの母体となっている件の猫娘も、その類なのかもしれない。
(悪さってわけじゃねェし、食べるだけで済むならまだましだわな)
元の猫娘がそういう人の好い存在だというなら無理やり殴って解決、というのも気が引けるもの。そう言う意味ではこういう解決法が取れたのは良かったのかもしれない。
「あ、お代わり頼むわ。味変で」
「はい、少し待ってくださいねっ(あせあせ)」
「めっちゃ美味いわ、ここの屋台通っちゃおうかなー」
「え、本当ですか!(がたっ)」
なんだか凄く嬉しそうな店主の表情に思わず良い事をしたな、と思ってしまう怜惺。無論通う、と言っても事件解決してからの事になるわけなのだが。
その後も怜惺は色々思った事を店主に話し掛け、それに対し嬉しそうに応えるという傍目から見たら微笑ましい状況が続き…。怜惺の全力大食いチャレンジは大成功に終わるのだった。
尚、後日談だが…。怜惺が後日この屋台を訪れ猫娘の店主と話をしていた際、何故か次第に元気をなくしていく店主を見る事になるのだった。
首をかしげる怜惺だったが、「シスコンだったんだ、がっくり…」などと店主が呟いていたのを聞いた常連がいたとかいなかったとか。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
カレーですか、美味しいですよねぇ。
それでは、折角ですし頂いて参りましょう。
【豊饒佳饌】を発動、[大食い]と[早食い]を強化して、しっかりと頂きますねぇ。
辛さは過剰でなければ大体大丈夫、飲み物は『ラッシー』でお願いしますぅ。
同時に[料理]や[グルメ知識]も強化されておりますので、此方を利用して『食べ易いトッピング』を施したり、『ビーフ』や『シーフード』等の『食べる順番』を調整することで、途中で飽きがこない様注意して注文しますねぇ。
まずは屋台にある品の『全種類制覇』、それ以降は『気に入った品』を主体して2週目に突入しましょう。
色々な意味で、お互いに満足出来ると良いのですが。
「カレーですか、美味しいですよねぇ」
残念がっていたグリモア猟兵の姿を思い出しながら、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はそう呟いた。だが強要するのはいけない。皆が好きな時に好きなだけ食べられるように…、そうあって欲しいと思うるこるだった。その為にも事件を解決せねばならない。
「すみません、カレーを一ついただけますかぁ?辛さは辛すぎないくらいがちょうど良いのですがぁ」
「は~い、ちょっと待ってね。今日は千客万来だね。嬉しい限り♪」
店主としては張り合いがある!という所なのだろう。イキイキした表情でカレーの準備を始めた。
(さて、一皿目が出てくるまでの間にまずは下準備、でしょうかぁ)
早く多く食べる為の準備を抜かりなく進めるるこる。飲み物も水ではなくラッシーを頼むあたり、沢山食べる事に慣れている感じで侮れない。
「大いなる豊饒の女神、豊かなる恵みを齎す叡智をお貸しくださいませ」
るこるはUCを発動し自身の食べる量のキャパシティと速度を一気に強化した。こういう状況に特化させたUCを持って居る辺り、その本気度が伺える。
「はい、お待ちどおさま。辛さは中辛にしておいたわよ?」
るこるの準備が終わったのを待ったかのようなタイミングで一皿目が配膳された。
「ありがとうございますぅ。それでは、頂いて参りましょう」
そうして行儀よく手を合わせた後…、るこると店主の激しいバトル(?)が開始されるのだった。
るこるはあっという間に一皿目を平らげる。メニュー表をちらりと見て、次のメニューを何にするか決定しながら食べ進めていたので、二皿目の注文も迷う事無く即答であった。
るこるは先程発動させたUCで料理やグルメの知識も強化されている。カレーも色々と種類がある。オーソドックスな『ビーフ』・『ポーク』・『シーフード』などの他にも少々変わった種類のものも。自身の知識を総動員し、『どの順で食べ進めればいいか、トッピングはどうするか』など必勝法を頭の中で構築済みだ。素早く食べ進めつつ、適度にラッシーを飲み、再び食べる。その一連の動きには淀みがない。
「あ、貴方、凄いわね…あともう少しでメニュー全部制覇しちゃうじゃない」
るこるの注文に対し待たせぬ為、全力で準備する店主。るこるの淀みない一連の動きに、最初は笑顔を浮かべていた店主だったが、次第にその表情は真剣なものとなっていった。今では結構息も上がってきている。それだけハードなのだろう。
おもてなしの甲斐がある、という表情をしてはいるが。
そしてついに…、完全制覇を達成するるこる。ギャラリーからも大歓声があがる!
「すげぇ、本当に制覇しちまいやがった!」
「おめでとう、うちのお店のメニュー制覇しちゃうなんて、びっくりね」
「ありがとうございますぅ。それでは、次なのですが…これをお願い出来ますかぁ?気に入りましたので」
周りが一斉にずっこけた。まだ、食べるんかいっ!
衝撃の事実から素早く立ち直った辺りは料理人としての意地なのだろうか?店主が慌てて注文の品を準備し始める。その頃には見ていたギャラリーも胸焼けがしてきていた。
「…なんか、今日は夕飯いらないかもな、俺」
「あぁ、オレも…。なんか既にお腹一杯だ…」
そんな周囲の感想もものともせず、るこるはその後も一通り食べた中で気に入ったものをお代わりし続けるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
菫宮・奏莉
カレーはわたしも食べたいのです!
ひりょさんの分も食べてきたいと思うのですよ。
できれば甘口とかありませんでしょうか?
お家では、けっこう……かなり辛めのカレーが多いのですけど、
実は甘めのカレーが好きなのです
と、甘口のお家カレーをリクエスト。
つくってほしいなー、と視線で訴えちゃいます。
もっと! もっと甘いのがいいのです!
もっともっともっともっとー!
たくさん作り直してもらって。行き着いたのは、
ハヤシライスじゃないかと思うくらいの、甘口カレー。
それを美味しそうに食べますのです。
おかわり2回くらいまではいっちゃうのですよ!
んー……。
これ、辛い方、テイクアウトできませんでしょうか?
お土産にしたいのです!
アルファ・オメガ
がう、食いしん坊が必要と聞いて!
(スプーンを右手に、フォークを左手に荒ぶるケットシーのポーズ!)
猫的にも困ってる猫を見捨てておけないしね
大丈夫だよボクが来たからには
この屋台の食材在庫は大ピンチになるから!
そんなわけでさっそくカレーだー
猫的に激スパイシーはマズイので
甘口でお願いします
あ、美味しいねー
甘口だけどちょっと辛い
絶妙な加減がとっても美味
これならいくらでも食べられそうだよー
でも今日の相手は本気(?)だ
というわけで骸合体【妖怪プリンおいてけ猫】!
説明しよう
これを使うと美味しいものが口に入れた瞬間消えていくのだ
……ダメだよね?ボク食べれてないよね?
しまったー!
お腹いっぱいにならないよー(涙
「今日のお客さん、凄い人が多いわね。危なかったわ、大量にストックを作っておかなかったら底尽きていたかも」
普段なら今までの猟兵達の猛攻(?)で既に店じまい状態だったのだろう。だが、その辺りは抜かりがなかったようだ。虫の知らせ…なのか、どうかはわからないが…。
まだまだガンガンおもてなしは可能な状況だ。あとは店主の体力次第…、かも。
(トレーニングのおかげね、これも。まだまだおもてなし出来そうだわ)
そんな店主の元へやって来た猟兵は2人だった。
「がう、食いしん坊が必要と聞いて!」
スプーンを右手に、フォークを左手に荒ぶるケットシーのポーズ!で登場したアルファ・オメガ(もふもふペット・f03963)。彼は既に戦闘準備万端であった!
(猫的にも困ってる猫を見捨てておけないしね)
オブリビオンの宿主である店主は猫娘、同じ猫であるアルファとしては見過ごせないという気持ちもあったのだ。
そしてもう一人。
「カレーはわたしも食べたいのです!ひりょさんの分も食べてきたいと思うのですよ」
自分達を涙目で見送っていたグリモア猟兵の分までカレーを食べようと心に決めてやってきた菫宮・奏莉(血まみれ勇者・f32133)。彼女も気力十分のようだ。
屋台へ入ると早速に店主へ注文する奏莉。
「できれば甘口とかありませんでしょうか?お家では、けっこう……かなり辛めのカレーが多いのですけど、実は甘めのカレーが好きなのです」
彼女の家庭事情はちょっと特別だ(特に味付けの方面では)。それ故に普段の家での食事はかなり、というか相当辛い味付けが多いのだが…、その反動でもあるのだろうか。外食をする時くらいは甘口の料理を食べたいと思う奏莉だった。
「甘めのカレーね。…一番甘いのにしてみる?このくらいの辛さなのだけど」
見た目も幼い(と本人に言うと「立派なレディーです!」と怒られてしまうのだが)奏莉に合わせ、店主も味の調整をした方が良さそうかと判断したようだ。味見用に一口分を差し出してくれた。その辺りはやはり料理人として「お客様に満足してもらいたい」という心の表れなのだろう。
差し出された一口分のカレーを口にする奏莉。だが、その表情はやや険しい。
「もっと甘いのが欲しいです!」
「…じゃあ、お嬢ちゃんには特別ね…。…このくらいならどう?」
「もっと! もっと甘いのがいいのです!」
「う、う~ん、じゃあこれでどう?」
「もっともっともっともっとー!」
「こ、困ったわね…」
だが、そんな店主もうるうるとした表情で「つくってほしいなー」オーラを発している奏莉に根負けし、彼女の理想に近い甘口のお家カレーを作る為に試行錯誤を続けて行く。
そして最後になんとか到達する事が出来た。ハヤシライスじゃないかと思うくらいの、甘口カレー。一口食べた奏莉の表情がぱあぁっと明るくなる!思わずガッツポーズの店主。だが…。
「ここまで調整の段階で出来たカレー、どうしようかしらね…。普段出さないレベルの甘さなのだけど…」
ちょっと途方に暮れていた。思わず奏莉に乗せられて作り続けてしまった店主、ハッと今さらながらに気が付いたようだ。
そこで救いの手が差し伸べられる。それまで店主と奏莉のやり取りを眺めていたアルファだ。…決して忘れ去られていたわけではない、たぶん。
「その甘口カレー、ボクが食べるというのでどうだろう?」
「え、いいの?私としてはありがたいのだけど…」
店主としては願ったり叶ったりである。
「猫的に激スパイシーはマズイので、ちょうど甘口を頼もうと思っていたしね」
ちょうど好みに合致したようだ。まぁ、確かに猫に刺激物はあまり良くないだろうし…。
奏莉同様に一口サイズで味見をし、手頃な甘みの段階を選択する。
「うん、このくらいの甘口ならちょっと辛いくらいで絶妙なバランスだねー」
「じゃあ、この段階のカレーを準備するわね。助かったわぁ、ありがとうね」
持ちつ持たれつ、である。
そして奏莉とアルファ、共にちょうどよい甘さのカレーが分かった所でやっといただきます、である。
「美味しいです。凄く美味しいです。幸せです!」
見ている方がなんだか幸せになりそうな笑顔で食べ進める奏莉。なんだかギャラリーも我が子を見るかのような温かい雰囲気で見守っているような気がする。よほど美味しかったのだろう、奏莉はお代わりをし最終的に3皿を平らげた。
アルファの方も負けていない。
「うん、美味しいねーこれならいくらでも食べれそうだよー」
自分に合った味付けの為か、食べ進められるようだ。だが、ふとアルファは思い出す。
これは任務でもあるのだ、と。相手も本気(?)で来る、それに猟兵として立ち向かうのだ。こちらも本気を出すべきだろう。
アルファはこういう時の為の決戦(?)UC、骸合体【妖怪プリンおいてけ猫】を発動する!『説明しよう。これを使うと美味しいものが口に入れた瞬間消えていくのだ!』(ナレーション風)
「さぁ、店主。ジャンジャンお代わりするよー。メニュー外に作っちゃったこのカレー。ボクが来たからにはこの屋台の食材在庫が大ピンチになるくらいの勢いで食べまくるから!」
「ありがとうね。本当に助かったわ。沢山あるからどんどん頼んでね」
本当のホッとした表情の店主を横目にどんどん口にカレーを放り込んでいくアルファ。
だが、しかし…。
「あれ…口に入れた瞬間消えていってるから…ボク、食べれていないよね?しまったー!」
とんだウッカリさんである。大見得を切ってしまったのもあるし、店主も頼りになる!という表情で見守っている。今さら引くに引けない…。
(お腹いっぱいにならないよー)
涙目で口にカレーを放り込むアルファだった。
一方、3皿食べ終え満足した奏莉の方は一息ついていた。すると前方に見えたのはアルファも食べられなかった辛さのカレーの残り。
「ん~……」
作ってもらったものをそのままにしておくのも…、でも自分では食べられない。
あっ!と閃いた奏莉は店主に提案する。
「これ、辛い方、テイクアウトできませんでしょうか?お土産にしたいのです!」
奏莉の頭に浮かんで来たのは辛い物大好物の姉と涙目で見送っていたグリモア猟兵の2人の顔だった。
交渉の末「その日のうちに食べる事」を条件にテイクアウトを許された。
その提案にそっとアルファも乗りたい所だったが、甘さ的にNGだったので泣く泣く断念せざるを得なかったという。合掌。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
朱鷺透・小枝子
甘口カレー…なるもの。頂けますか?
香辛料をふんだんに使った汁物。
自分はいまだ食した事がないのであります。
……美味しいと聞きます。それでは、えっと、頂きます?
…!!……これは、美味しいであります!兄弟達も、きっと気に入った事でしょう…!
そう述べて、無言で無心で食べ進める。
一皿完食。
小食なので、普段ならば、これでもう十分。とてもこれ以上は食べられない。だが、これは戦争、もっと、もっと食べなくてはならない!
……おかわりをお願いします!
既に、『戦蛸』軟体化で、胃袋の拡張を、そして、医術・闘争心、薬と興奮作用で事前に満腹中枢を麻痺させました。
継戦能力、まだ、食べれます!
……おかわりを!お願いします!
その場で作った規格外の甘口カレーが何とか無くなる見込みが立った事でホッとした店主に1人の猟兵が声を掛ける。朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)だ。
「店主殿、甘口カレー…なるもの。頂けますか?」
「いらっしゃい。…規格外じゃなくていいのよね?」
「自分はいまだ食した事がないのであります。香辛料をふんだんに使った汁物と聞き及んでいますが…」
「あら?これが初めてなのね。…ひとまず、一番甘いのを出してみるわね」
先程の規格外の甘さのカレーを準備する必要はとりあえずなさそうだろうか?基本店主としては皆が普通に食べれる甘さの物を提供するよう心掛けている。問題はないはず、と準備を始める。
一方、甘口カレーなるものが出て来るのを今か今かと待ちわびる小枝子。小枝子は生い立ちが特殊なものであった為、猟兵となるまでの間にカレーなるものを見る機会さえなかった。
そして猟兵となった今は見る機会はなかったものの、同僚の猟兵達から話を聞き知識としては知っていた。そのカレーをついに、今この時、食すのだ!
小枝子が甘口カレーを頼んだのも、同僚達からかなり辛い食べ物だという話を聞いていたからだ。だが、その辛さが癖になる美味しい食べ物だ、とも。
辛さは段階があり、甘いものも存在するという事だったので、その話を基に甘口の物を頼んでみたのだ。
期待に胸を膨らませている小枝子の元へとうとう念願のカレーが届いた。
「はい、どうぞ。お口に合うといいのだけれど」
「それでは、えっと、頂きます?」
一口、口に入れ咀嚼する。
「…!!……これは、美味しいであります!」
「そう、良かったわ。さ、遠慮なく食べてね」
香辛料がふんだんに使われているが、それが見事に調和している。甘口ではあるが、それでもどこか他の料理には感じない辛さを感じる。こんな料理が、世の中にはあったのか…。感動した小枝子。
(兄弟達も、きっと気に入った事でしょう…!)
今は亡き兄弟達の分までしっかり味わって食べる小枝子。一心不乱に食べ進める小枝子を見て店主もどこか嬉しそうだ。喜んでくれたのが余程嬉しかったのだろう。
そうしているうちに小枝子は一皿を完食する。水を飲み、一息つく小枝子は満ち足りた気分に浸った。小食の小枝子としては普段ならばこの量でもう十分、なのだ。とてもこれ以上は食べられないし、辞退していたであろう。そう、普段ならば…。
だが、ここに来たのは任務の為。この戦いに勝利する為には、そう。もっと、もっと食べなくてはならない!
戦いに挑む兵士の目になった小枝子。ここからは戦闘モードへ入った。
「……店主、おかわりをお願いします!」
「え、ええ。待っててね、直ぐに準備するから」
急に表情が引き締まった小枝子に若干戸惑いつつも次の準備に取り掛かる店主。
その間に素早く戦闘モードへ自身を切り替えていく小枝子。普段のままではここが限界。だが、胃袋を拡張させてしまえばさらに食べられるのだ。小枝子はUC『戦蛸』を発動させ胃袋を軟体化・拡張した。さらに精神面にもメスを入れる。小枝子の持つあらゆる技術を総動員し満腹中枢を麻痺させた。もうこれで小枝子には怖いものなどない。
(継戦能力、まだ、食べれます!)
店主より受け取ったカレーを無心で食べ進め、完食。そして鬼気迫る戦士の表情でさらなるオーダーする小枝子。
「……おかわりを!お願いします!」
小枝子の戦いはまだ始まったばかりだ!
大成功
🔵🔵🔵
メンカル・プルモーサ
カレーと聞いて……良いよねカレー…バリエーション豊かで…
…そういう訳でカレーを食べに来たよ……
…ふむ…メニューにもカレーのバリエーションが沢山…
…ではまずは…メニューの一番上の奴を…トッピングは卵で…
次はそのしたのやつを…今度はチーズ載せで…
(例えるならどんぶりの山盛りを1度に食べるのではなく延々とお代わりを要求するタイプの大食い)
===暫く経過===
…一番下まで食べ終わった…これでメニューやトッピング・サブメニューを制覇…
勿論ただ制覇しただけではない…次からは最適なトッピングの組み合わせを【数理導く知性の眼】で解析…
最適なメニューを上から純に頼んでいくね……
「け、結構皆さん食べるわね…。追加でストックしていて良かった。団体さんも残りお一人っぽいし…なんとかなりそうかしら?」
そんな安堵の表情を浮かべた店主にとどめを刺す猟兵が屋台へ顔を出した。メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)だ。
「カレーと聞いて……。良いよねカレー…バリエーション豊かで…。…そういう訳でカレーを食べに来たよ……」
どこか眠たげな表情のメンカルを出迎えた店主は、団体客の最後の一人である事を再度目視で確認する。なんとか今日は凌ぎきれる。
メンカルは席に着くとオーダーをざっと確認する。
「…ふむ…メニューにもカレーのバリエーションが沢山…。…ではまずは…メニューの一番上の奴を…トッピングは卵で…」
「はい、直ぐに準備するわね」
このお客様がラストオーダーとなるだろうと、最後の気合をいれ素早く配膳する店主。
それを黙々と食べ立ちどころに完食した。間髪入れず次をオーダーする。
「次はその下のやつを…今度はチーズ載せで…」
「はいはい。…、お待たせ!」
そしてまたメンカルは食べ進めていく。
…、……。
暫く時間は経過し…。
「…一番下まで食べ終わった…これでメニューやトッピング・サブメニューを制覇…」
淡々と呟くメンカルに店主は驚愕していた。大食いというのも2パターンある。特盛を頼んでそれを完食するタイプ、そして延々と食べ続けるタイプ。目の前の少女は後者のタイプであるのは途中で気がついてはいた。だが、まさか…。わんこそばでも食べるかのように、全くペースが落ちないのだ。全メニュー制覇されるまでの時間もそこまで長時間掛かってはいない。それを表情も全く変化なく食べ進めていくのだ。ある意味恐怖を感じた店主。どこにそんな量の食べ物が入っていっているのだ。
しかも、この展開…。先程も似たような状況があったような…。嫌な予感がする。
ずっと状況を見守っていたギャラリー達も「おい、まさか。この展開は…」などと顔を見合わせている。
その予感は的中した。
「…次、これで…トッピングはこれ…」
今度はメンカルは単純な上から順ではなく組み合わせを変化させてきた。
「お、おい…。やっぱりまだ食べるのかよ…。うっぷ…」
胸焼けがするギャラリーが続出し始めた。まったく表情が変わらないメンカルなので、周囲は未だどの程度の余力を残しているのか、一切わからないのだ。
一方のメンカルは淡々と注文を続けて行く。先程全メニューを制覇したのは情報収集の為でもある。蓄積された情報を基にUC【数理導く知性の眼】で解析し、最適なメニューを頼み始めたのだ。未だペースは全く落ちていない。メニューを全制覇したにも関わらず、だ。
2周目も上から順に最適なトッピングを選びつつ無表情で食べ進めていく。
その一種異様な光景に店主も表情が強張っていく…。これはまずい…かも、と。最後のお客がリーサルウェポンだった!そして、ついに…。
「…まだいけるけれど…無くなった?」
「ご、ごめんなさい。もう店じまいですぅ…」
ストックしておいた、余裕があったはずの貯蓄も全て平らげたメンカル。平謝りしながらもどこか燃え尽きた感がある店主。
「…じゃあ、仕方ないね…」
「ほんと、ごめんなさいっ!」
(まさか、まさかあれだけの量を食べきられるなんて…。悔しいけど…どこか満足…)
真っ白に燃え尽きた店主から何かが立ち上っていく。それは魂のようで…。
猟兵達が店主を再度眺めると、そこには満足げな表情で燃え尽きている猫娘の姿があった。
ミッション、コンプリート!
【完】
大成功
🔵🔵🔵