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羅針盤戦争~『二の王笏』カルロス・グリード迷宮決戦~

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #カルロス・グリード #オブリビオン・フォーミュラ #二の王笏島


●グリードオーシャン・二の王笏島
「これが蒸気迷宮、かの大魔王が力の一端か」
 そう言いながら構築された蒸気が溢れ出す迷宮を見ている『二の王笏』カルロス・グリード。十分な迷宮と思いつつも最後までトラップの設置を忘れることはしない。
 なぜならば外敵である猟兵はこの島を発見し乗り込んでくる、と配下から報告を受けたからだ。その侵攻速度は驚くに値するスピードであり、カルロスの警戒度を強めている。
「なればこそ、ここで時間を稼がねばな」
 カルロスは自身を過少に評価し、猟兵を過大に評価する方針に変換する。つまりここで足止めをし、分身体の本体である『終の王笏』の発見を遅らせる。その方針さえ達成できればここで散ることも覚悟の上である。
 それだからこそアルダワ地下迷宮の如き、蒸気迷宮を作り出した。身に着けた魔法装置「ダンジョンメーカー」が造りし「水龍」「放雷」「回炎」のトラップは猟兵を苦しめ、またカルロスを大いに助けてくれるだろう。
「我は覚悟を決めた。さあ、猟兵よ。この迷宮にて惑うがいい」

●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「迷宮まで利用してくるなんて、本当に大魔王みたいだよねー!」
 そう言いながらグリモア猟兵見習いエィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)は構築されていく蒸気迷宮を電脳ウインドウに映し出しながら説明を始める。『二の王笏』カルロス・グリードは今、アルダワ魔法学園のような蒸気迷宮のような場所にいるという。
「その迷宮はカルロスが身に着けている魔法装置のおかげで作って、おかげに罠だらけって話なんだー!」
 魔法装置「ダンジョンメーカー」。まるでアルダワ地下迷宮を作り上げた大魔王の力の一端のような能力を再現する装置である。そしてそこで創り上げたのが、罠だらけの迷宮。確認できるのが「水が龍のように自在に動き、動きを止めるもの」「設置場所から強力な雷を放電するもの」「回転する炎が通路を通過する」などのトラップである。
 このトラップに対処しつつ、地の利を生かしてこちらの先手を取ってくる大魔王の対処が必要となる。アルダワ地下迷宮の如き、広大な迷宮と化しており、仕掛けられた罠を利用し優位に戦いを繰り広げるカルロスを如何に攻略するかがカギとなるだろう。
「でも迷宮といっても大魔王よりかは劣るはずだよ! だから皆も絶対に攻略できるってわたしは信じているから!」
 そう言いながらエィミーは転移術式で二の王笏島に創造された蒸気迷宮へと猟兵達を送り込む。数々のトラップを潜り抜け、『二の王笏』を倒す為に、創意工夫の戦いが始まろうとしていた。


ライラ.hack
 蒸気オルガンを背負って楽団と化したコンキスタドールの王。
 どうも皆様こんにちは。ライラ.hackです。

 このたびは七大海嘯の一人であり、オブリビオン・フォーミュラ『王笏』カルロス・グリードの一形態との決戦です。
 難易度は普通より高めなのでご注意ください。
 『二の王笏』は、「アルダワ魔法学園」の力を具現化しており、魔法装置「ダンジョンメーカー」を使い、島全体を「罠だらけの蒸気迷宮」と化しています。
 トラップは「水が龍のように自在に動き、動きを止めるもの」「設置場所から強力な雷を放電するもの」「回転する炎が通路を通過する」などです。
 島に張り巡らされた罠の数々を掻い潜り、カルロスを倒さなくてはなりません。

 以下、特殊ルールとなります。
 プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードと「蒸気迷宮」に対処する。

 以上です。迷宮と連動して襲い掛かってくるカルロスですが、ホームグラウンドを攻略し撃破しましょう。
 それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『『二の王笏』カルロス・グリード』

POW   :    黄金なる王者
【背部に装着された魔導砲】が命中した対象に対し、高威力高命中の【連鎖するダンジョントラップ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    ゴールデンレオ
いま戦っている対象に有効な【武装を生やした、機械仕掛けの黄金獅子】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    スチームエンチャント
自身の装備武器に【罠と連動して威力を増す蒸気魔導装置】を搭載し、破壊力を増加する。
👑11
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死之宮・謡
アドリブ歓迎

んー…アンティーカかな…?アルダワテイストも久し振りだな…
私にとっては戦争以来か…相も変わらず罠だらけで面倒な場所だ…
だがまぁ…それが戦に必要だというのなら、総てを踏み潰して唯進むのみ…
さぁ、久方振りのダンジョン攻略を始めようか…

先ずは膨大な「呪詛」で正面から迷宮を侵食し、通り道の罠を片端から潰していく
そのまま周囲を呑み込みながら戦闘開始
隠蔽と幻惑の呪術で身を潜めながら呪い人形を出して攻撃の肉壁に
そのままレ・イドラを構えて吶喊し、刺突と薙ぎ払いで連撃
最後は【覇神滅槍】を叩き込んでフィニッシュ


播州・クロリア
罠があると分かって踏み込まなければならないのは嫌な気分ですね
どんな罠があるのか判明しているのは僥倖です
水龍の罠は『念動力』で流れを操作しましょう
ついでに一部をくみ取り炎の床を渡る際の盾にしましょうか
雷は『電撃耐性』を付与した『オーラ防御』で防ぎましょう
さて...
(目を閉じ、すっと手を真横にピンと伸ばすと{絢爛の旋律}で『ダンス』を始める)
敵の先制攻撃にはこのリズムが良いでしょう
暗い巣穴を陽光で照らし焼け尽しましょう
{絢爛の旋律}で生み出した光による『催眠術』で認識阻害を引き起こすことで生まれた『残像』を囮にして『衝撃波』を推進力に一気に接敵し
UC【蠱の翅】で跳ね飛ばすことにしましょうか


スピカ・ネビュラスター
これがアルダワのダンジョンか
初めて見たけど、中々悪辣な罠だらけで素敵だね
(デビルキングワールド的感性)

でも、この状態のボクに通じる罠がどれほどあるかな?
敵が『スチームエンチャント』で武器を強化している間に、
『ミューテーション・ダークマター』を発動して、全身を暗黒物質へ変異させるよ
そうしたら、迷宮の罠を構成する蒸気装置の隙間に潜り込んで進んでいこうか
ダンジョンそれ自体である装置を自ら破壊する罠は少ないはずだ
これなら安全に近づけるはずだよ

そうして接近したら、魔法弾で奇襲を仕掛けるね(全力魔法5、高速詠唱3、誘導弾3)
流石にその時は反撃されるとしても、暗黒物質となったこの身体に通常の罠は無意味だよ



 二の王笏島。アルダワ魔法学園世界の力を得た『二の王笏』カルロス・グリードの本拠地であり、今やその男によって複雑な蒸気迷宮と化している。
 曰く、侵入者を溺死させる水龍あり。曰く、侵入者を感電死させる電気あり。曰く、侵入者を焼き殺す回転する炎あり。
 それらのトラップ群を巧みに使いこなし、『二の王笏』は猟兵達を撃退する。まさしく地の利を正しく生かした方法と言えるだろう。
「んー…アンティーカかな…? アルダワテイストも久し振りだな…」
 死之宮・謡(存在悪:狂魔王・f13193)はその蒸気迷宮に足を踏み入れて、かつての大魔王と戦ったアルダワ魔王戦争のことを思い出していた。そこで一番に想像したのは第一魔王のアウルム・アンティーカだ。
 アルダワ世界の蒸気迷宮となると謡にとってはその戦争以来となる。そしてそれがカルロスの迷宮であってもトラップだらけなところは変わることはない。
「だがまぁ…それが戦に必要だというのなら、総てを踏み潰して唯進むのみ…さぁ、久方振りのダンジョン攻略を始めようか…」
 とはいっても謡がやることはただ一つとも言える。自身に宿る膨大な呪詛を放出し、迷宮の壁を侵食していく。そこに巣食う強力な雷を放電するトラップが見るも無残に腐食していく。
 目に見えるほどの強烈な呪詛を吐き出せる謡だからこそできる芸当ともいえるだろう。そんな謡の呪詛の影響を受けないように播州・クロリア(リアを充足せし者・f23522)は同じ道を進む。
「罠があると分かって踏み込まなければならないのは嫌な気分ですね」
 本来ならばトラップがある道を進むのは得策ではない。それを避けて安全な道を進むのが上策ではあるが、ここはカルロスが作り上げた悪意の迷宮である。
 安全ルートに見えるのが最も悪質な道である可能性も考えるとクロリアにとっても逃げることはできない。故にトラップを真正面から食い破る他ないということだ。
「どんな罠があるのか判明しているのは僥倖です」
 一応雷対策として対電流のオーラを身に纏っていたが、それを謡が潰してくれるのならば、他のトラップに集中できる。そしてクロリアはこちらを溺れさせようと迫る水龍の罠に対応する。
 クロリアの念動力は水に干渉し、その流れ自体を変えさせることでこちらを回避するように仕向ける。あくまで流れを変えるだけなので力は最小限に済ませることができる。
「猟兵め、小癪な真似をする」
 そこにこの蒸気迷宮の主、カルロス・グリードが姿を現す。迷宮のトラップに引っかからないのであれば、自身が動く他ないと言わんばかりに二人を迎撃すべく背部に装着された魔導砲を放つ。
 これを喰らえば、連動してトラップが襲い掛かる仕組みだ。だが謡は獰猛なる笑みを浮かべて、呪詛を広範囲にばら撒いていく。
「私の目の前に現れるとは……死ぬが良い」
 その呪詛を媒介に隠蔽と幻惑の呪術を発動させ、謡はその姿を眩闇にて眩ます。そしてカルロスの魔導砲が捉えたのはデコイとして差し出した呪い人形であった。
 それが回転する炎に巻き込まれるのを見て、謡は吶喊する。攻撃の肉壁には目もくれず、呪殺神槍レ・フィドラを振り上げる。刺突と薙ぎ払いの連撃でカルロスのガードをこじ開ける。
「がら空きよ…!」
 そしてその脇腹に能力「覇神滅槍(オール・キリング・スティンガー)」を発動させ、致死の呪いと闇を籠めた槍の連撃を繰り出す。大魔王の力を呼び起こし、迷宮の主となったカルロスでも、その致死の呪いとその与えられた傷の影響は大きい。
 その謡の凄まじい槍の連撃に釣られるように、クロリアはステップを踏む。目を閉じ、すっと手を真横にピンと伸ばすと蒼天に輝く太陽と陽光に照らされ輝く大地を表現した栄華のリズム「絢爛の旋律」のダンスを刻む。
「さて……」
 暗い巣穴を陽光で照らし、周囲を焼くような影響を及ぼすクロリア。それによって水龍は蒸発し、さらに生み出した光による催眠術で認識阻害を引き起こす。
 クロリアを近づけないように魔導砲を撃ったが、それはクロリアの残像であった。そして本体は衝撃を推進力として一気にカルロスへの間合いを詰める。
「虫ですからね。飛べますよ。準備は必要ですが」
 能力「蠱の翅(コノハネ)」。ダンスの時間に比例した戦闘能力向上を与える旋律のオーラを身に纏うクロリア。その力が脅威的な推進力となっていたのだ。
 そしてそのまま一直線にカルロスへ当たり、迷宮の壁へと叩き飛ばすような蹴りを放って、カルロスを跳ね飛ばす。まさに交通事故にあったのではないかと思うほどの惨状であった。

「これがアルダワのダンジョンか。初めて見たけど、中々悪辣な罠だらけで素敵だね」
「うちの技術もあるわよね……当然」
 そして跳ね飛ばされた先で待っていたのでは、この蒸気迷宮を意気揚々に攻略しようとするスピカ・ネビュラスター(銀河の魔女・f31393)であった。
 スピカはデビルキングワールド的感性を持って、蒸気迷宮に対して心躍らせている。それはまさしくラスボス的思考であり、圧倒的強者として蹂躙する側の立場のものであるだろう。
「何もさせぬ」
 そう言って魔導砲を撃って対応しようとするカルロスに対して、スピカはその攻撃を受けることになる。スチームエンチャントで強化してくると思っていた故の、選択ミスであったと言えるだろう。
 だがその血塗れになった身体でも十分な耐久力があった。回転する炎に焼かれながらも不敵な笑みを浮かべて能力「ミューテーション・ダークマター」を発動させる。
「でも、この状態のボクに通じる罠がどれほどあるかな?」
 その能力によって全身が暗黒物質へと変わり、変幻自在の物質へとその性質を変異させるスピカ。そのまま迷宮の罠を構成する蒸気装置の隙間に潜り込んでいく。
 カルロスすらも予想できない出来事。ダンジョンそれ自体である装置を自ら破壊する罠は少ない故に、このスピカに対応する術が即座には取れない。
「これなら安全に近づけるはずだよ」
 そう言ってすでにカルロスの傍へと接近していたスピカは、全力の魔力を持ってカルロスへと攻撃する。魔法弾の連射がカルロスの身体へと突き刺さり、謡に傷つけられた身体がさらに傷口が広がる。
 反撃の魔導砲を撃つも、暗黒物質となっているスピカへの有効打にはなりえない。さらに通常のトラップではもはや効果が薄い存在になっている故に、その身体を駆使して退路も完璧に確保するスピカ。

 ラスボスの高笑いが響き渡る中、まずは蒸気迷宮の第一ラウンドは猟兵が制することとなった。トラップの対応も出来ており、カルロスもその蒸気迷宮のテリトリーを生かし切れていないことを露呈した。
 この戦いはどちらに転ぶかはまだわからない。だがこのトラップを制し続けることができれば、勝利はより近づくことになるだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ハルア・ガーラント
●WIZ
狙いを絞るなら水の龍の罠
向かってきたところに〈咎人の鎖〉を埋め込みます
鎖から思考を流し且つ動きの芯に
[念動力]も使い龍状態を維持したまま切り離し操作

「敵は罠と連動した動きをする」を意識
片方の挙動を[視力や第六感]で捉えこの水の龍や[オーラの障壁で防御]
回転する炎はこの龍を盾状に前面に押し出し防御
新たな水の龍が生まれたらこちらの龍に取り込みましょう

雷の放電はオーラを維持したまま水の龍から離れ、竜の尻尾を地面に触れさせる事で雷の通り道を作り威力軽減を図ります

合間に〈銀曜銃〉から光属性の[マヒ攻撃]効果のある[誘導弾]を射出、僅かに動きの鈍る瞬間にUC発動

迷宮内、逃げられないのはあなたの番!


シャルロット・シフファート
さぁ、決戦よ『二の王笏』!!
エレクトロスピリットキャバリア・『アティルト』を用いて罠と連動した蒸気魔導装置の猛攻を増幅された幻属性と空属性で時空間を変容させて蒸気迷宮の罠そのものを消し去っていくわ。

そしてUC起動。
来なさいアルダワのフォーミュラ。
展開しなさい我が蒸気迷宮。
蒸気迷宮には蒸気迷宮を上書きして展開し、私はモルトゥス・ドミヌスの力を引き出す第五の形態を模したアリスグラム(黒ニーソの絶対領域)を装着。
真言現実化の能力を用いて攻撃。

『アンタ』はひとまずは『ここ』で『終わり』よ――!!

そう言って真言を用いて『二の王笏』の存在そのものを否定して消去させていくわ。


黒城・魅夜
罠だらけの迷宮ですか
コンキスタドールなどやらずに
遊園地でも開園した方がその才能を生かせますよ、ふふ

「早業」で鎖を舞わせ「範囲攻撃」しつつ「衝撃波」を撃ち放ちます
これはいわばアクティヴソナー、罠の在り場所を探知するためのね
反響を「第六感」で探知して罠をかわしていき
同時に周囲を破壊したことで起こる粉塵を利用し
そこへ「残像」を投影して攻撃を回避
要は武器と罠を連動させなければいいだけのことです
無数の残像により罠と王笏とのターゲッティングをずらすことが狙い
それでも追尾してくる攻撃は
「オーラ」で防御しながら間合いを詰めていきます

では遊園地屋さん、お別れです
あなたの存在そのものを食らい尽くしてあげましょう


メンカル・プルモーサ
…迷宮に籠ったかぁ…この蒸気迷宮を抜けないといけないというのは少々手間だね…
…罠に対しては水の竜は氷結弾で凍らせて対処…放電は設置場所を把握してアースで電撃を余所に流して回避…回転炎はルートを把握すればいいけど…
…折角だし…これらの罠の仕掛けを解析して(必要なら)魔術的なハッキングをして自分に都合の良い物としてしまおう…カルロスと罠の連動も潰せるからね…
…カルロス戦はこちらの物とした罠を逆用して攻撃を凌いで時間を稼ぎつつ…【尽きる事なき暴食の大火】を発動…
…まだ掌握していない罠を燃やしつつカルロスへと暴食の大火を殺到させるよ…



 蒸気迷宮のトラップは数多く仕掛けられている。それこそ『二の王笏』カルロス・グリードすらもその数を把握しきれないほどである。
 それもそのはず。すでに蒸気迷宮が自動的にトラップの数を増やすことに邁進しているからだ。つまりカルロスも意図せずにどんどんトラップは増え、連動できる数も増えていく。
 自動的に戦力が増殖し続けていることを意味するその蒸気迷宮は、完成に近づく前に叩かなければカルロスを倒すことが容易ではなくなっていく。そんな中でハルア・ガーラント(宵啼鳥・f23517)は先陣を切る。
「うぅ、ちょっと怖い、けど……やってやります!」
 その言葉とは裏腹に、ハルアは対応するトラップを絞っていた。その罠とはこちらを溺死させようと迫ってくる水龍である。
 ハルアに対して向かってきたところに聖鎖「咎人の鎖」を放って埋め込む。鎖から思考を流し且つ、その動きの要となっている箇所に念動力を使って制御権に干渉する。
「よかった……うまくいった」
 そしてその水龍を使い魔状態にすることに成功したハルアは鎖を切り離し、回転する炎に当てることでトラップを相殺する。
 小癪と言わんばかりにカルロスが新たな水龍を放ってくるも、その龍と激突することでそこからハルアの思念を流して水龍の味方を増やすありさまである。
「ならば放電だ!」
 地面から流れ出る放電で仕留めようとするが、ハルアはオーラを纏ってその場を離れ、水の龍の尻尾を地面に付けて放電を引き受ける。地面に触れさせる事で雷の通り道を作り、避雷の役割を果たす。
 その時点でハルアはカルロスへの接近に成功し、銀曜銃を構える。放たれるは麻痺効果も付随した光の誘導弾である。避ける間もなく被弾し、僅かに動きの鈍るカルロス。
「迷宮内、逃げられないのはあなたの番!」
 能力「マイヤーズ・ポゼッション」。これから行う攻撃をその身が占有する証が弾丸を受けた箇所に付随し、ハルアから仄昏く光る刃羽根が放たれる。
 無数の刃がカルロスを切り裂くが、効果はそれだけではない。その羽根は時間経過と共に威力が増す効果ももっており、この場に留まれば如何にカルロスであっても無事では済まない。
「さぁ、決戦よ『二の王笏』!!」
 その場を離れようとするカルロスに問答無用で襲い掛かるのは、シャルロット・シフファート(ツンデレの国のアリス・f23708)。いや、正確には彼女が乗ったエレクトロスピリットキャバリア『アティルト』である。
 ハルアが丁寧に対処したのに対して、シャルロットのやった方法は至って真正面である。罠と連動した蒸気魔導装置の猛攻を、アティルトによって幻属性と空属性の魔法によって空間を変容させて、蒸気迷宮の罠そのものを消し去っていくという力技だ。
「来なさいアルダワのフォーミュラ」
 そして能力「蒸気の最果てに、我が希望は反証者の力を体現する(ホーププルヴァー・ウィズ・アルダワアークエネミー)」を発動させる。その身をかの大魔王に変質させていくシャルロット。
 任意の災魔十属性属性を組み合わせた形態の中から選んだのは、第五形態モルトゥス・ドミヌス。その力を引き出して、自身の蒸気迷宮を構築していく。
「展開しなさい我が蒸気迷宮」
 蒸気迷宮には蒸気迷宮を。領域を侵す勝負を仕掛けるシャルロットに対して、カルロスも負けてはいない。
 スチームエンチャントを装着して罠と連動させることで、蒸気迷宮の耐久力を上げる。シャルロットも迷宮の力が押されているのを感じ取ると、第五の形態を模したアリスグラム(黒ニーソの絶対領域)を見せつけて、真言を放つ。
「『アンタ』はひとまずは『ここ』で『終わり』よ――!!」
 モルトゥス・ドミヌスの真言現実化の能力を放ち、カルロスの迷宮に滅びの肯定、存在の否定を突きつける。その力が後押しとなってシャルロットの迷宮が勢力を広げていく。
 このままシャルロットの領域に入れば、『二の王笏』の存在否定に巻き込まれる。さらにハルアの刃羽根も今だ襲い掛かってくる。なれば蒸気魔導装置と共に足止めとして抵抗領域を残す選択するカルロス。

「罠だらけの迷宮ですか。コンキスタドールなどやらずに遊園地でも開園した方がその才能を生かせますよ、ふふ」
 だが逃げの一手を放とうとするカルロスに対して強烈な衝撃波が放たれる。それは悪夢を纏いし希望の魔性、黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)である。
 目にも止まらない鎖の舞が衝撃波を放って周囲を破壊していく。それはアクティヴソナーの役割を果たし、罠の位置を確かめるものでもあった。
「…迷宮に籠ったかぁ…この蒸気迷宮を抜けないといけないというのは少々手間だね…」
 そしてトラップに対処するのは稀代の灰魔女メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)。罠の在り場所を反響のようにあぶり出した魅夜に呼応するように、そのトラップを潰す為に術式を展開する。
 水の竜は氷結弾で凍らせて対処し、放電は設置場所を把握してアースで電撃を余所に流す。場所さえ掴めていれば問題ないと言わんばかりのメンカルは、回転する炎に対しても魔術的ハッキングを行って、支配術式を変更する。
「この方が都合がいい…罠の連動も潰せるからね…」
 そう言って即座に罠の制御術式のパターンを解析できたのは、メンカルの才能ともいえるだろう。そしてメンカルが回転する炎を凍った水龍にぶつけることに起こる水蒸気に紛れて魅夜がカルロスに接近する。
 カルロスも蒸気兵器で対応するものの、類稀なる直感を持つ魅夜に当てることはできない。捉えたとしてもそれは残像によるものだ。
「要は武器と罠を連動させなければいいだけのこと、簡単ですね」
「言ってくれる……!」
 すでにカルロスと罠のターゲットは分断されている。メンカルが罠を引き付けることで、カルロスは魅夜が担当することでその連携は完全に分断された。
 そして魅夜が能力「篠突く雨のごとく罪と罰は降りつのる(デス・ティ・ニー)」を発動させる。対象の存在そのものを喰らう鎖の群れが、周囲のトラップを発動させて味方に付けようとするカルロスを捉え、その力を封じる。
「では遊園地屋さん、お別れです。あなたの存在そのものを食らい尽くしてあげましょう」
 放電が魅夜を襲うが、それもオーラで防御して直撃を避ける魅夜。存在を喰らっていく鎖を引きちぎろうとするカルロス。だがそこにメンカルの能力「尽きる事なき暴食の大火(グラトニー・フレイム)」が迫る。
 カルロスが掌握できていないトラップも巻き込んで、蒸気迷宮の外壁を燃やしつつ、カルロスに如何なる存在も燃料にする白色の炎が灯る。
「暴食の大火…味わうといい…」
 周囲の迷宮すらも焼き尽くさんとするメンカルの白炎。さらに魅夜の鎖が締め上げて存在を喰らっていく。そのダブルパンチがカルロスの生命力を大きく削っていく。
 だがここでやられるのであれば、カルロスはオブリビオン・フォーミュラを名乗ってはいないだろう。辛うじて鎖を強引に引きちぎると新たな蒸気迷宮を出現させて、メンカルの白炎を遮断。一瞬の内に退路を作り出す。

 メンカルや魅夜が追撃に入る前にカルロスはその場を離れていた。シャルロットやハルアが合流されれば厄介と考えたからだ。
 だが猟兵達が力を発揮し、その連携力は着実にカルロスの力を削っていき、その終焉に一歩ずつ進んでいく。迷宮とて抜けられないものではない。攻略できない迷宮などないのが、真理である。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ウィーリィ・チゥシャン
アルダワのダンジョンにはあんまいい思い出ないんだけどな。
流石にあんなトラップや敵が出てくる訳じゃないだろうけどさ。

「水龍」のトラップでシャーリーと一緒に動きを封じられたフリをしつつ彼女に罠の構造を把握してもらい、それを参考に俺も【地形の利用】で水の流れを【見切り】それに乗って流される事で敵の初撃を回避する。
そしてシャーリーと連携して敵に攻撃を加えながら【物を隠す】でシャーリーの動きを奴に悟られない様にし、敵が罠に引っかかったところで【料理の鉄刃】をシャーリーの攻撃と同時に繰り出す。
「罠使いだったらシャーリーの方が一枚上手だったみたいだな」


シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
罠を作り出す魔法装置かぁ
厄介だね
でもね、罠を「作る」のと「使いこなす」のとでは別物って事を教えてあげるよ!

ウィーリィくんとの協力プレイで迷宮を突破してカルロスの元に向かい、水龍のトラップに引っかかったフリをして【罠使い】で罠の構造を把握しそれを逆手に取って【水上歩行】で水の流れに乗ってカルロスの先制攻撃を回避し、熱線銃の【クイックドロウ】+【乱れ撃ち】で反撃!
射撃しながら動き回って【ロープワーク】+【罠使い】で周りにワイヤーを張り巡らせて動きを封じて、【ラスト・チェーンソー】とウィーリィくんのUCとで同時攻撃!


シーザー・ゴールドマン
次はダンジョンアタックか。カルロス君は実に多芸だね。
彼が遅滞行動を採るのであれば、私が目指すべきはRTAかな?

迷宮及び敵POWUC先制対策
水龍と回転する炎を凍らせて砕き、(属性攻撃)放電は普通にオド(オーラ防御×電撃耐性)で散らして迷宮を闊歩。
魔導砲を直感(第六感×見切り×瞬間思考力)を以て見切り回避、あるいは衝撃波を放って軌道を逸らします。

『ウルクの黎明』を発動。超音速で間合いを詰め、オーラセイバーによる渾身の一撃を。(怪力×鎧砕き)



 カルロスは圧倒的なホームアドバンテージを得ている。それは紛れもない事実である。
 蒸気迷宮を構築し、その中で戦うとなれば地の利を得る。さらには無限に増やすことができ、起動できるトラップは彼の大きな武器でもあった。
 それをものともしない猟兵。いや苦慮はしてくるが、必ず突破してくるその大きな力に、『二の王笏』であっても驚く他ない。時間稼ぎができればいいと思っていたが、その気持ちでは足りないのかもしれないとも思っていた。
「アルダワのダンジョンにはあんまいい思い出ないんだけどな」
「罠を作り出す魔法装置かぁ。厄介だね」
 そんなカルロスの思惑とは他所に、過去を思い出して渋い顔しているウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)とカルロスが持つ力に興味を持つシャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)。
 二人のコンビはかつてのアルダワ魔法学園の戦いでダンジョン攻略を手掛けていた。その中でトラップというのにいい思い出がないウィーリィが警戒感を出すが、シャーリーはあまり気にしていないようである。
「流石にあんなトラップや敵が出てくる訳じゃないだろうけどさ」
「そうだよ、ウィーリィくん! 罠を『作る』のと『使いこなす』のとでは別物って事を教えてあげるよ!」
 そう言って意気揚々と突っ込むシャーリーに、ウィーリィが続く。だが協力プレイで乗り切ろうとした矢先に、強大な水龍が二人に襲い掛かりそのまま呑み込んでしまったのだ。
 まさか足を踏み入れて一歩目でここまで派手にやってくるとは。しかしカルロスは今までの猟兵の戦いから経験をしている。
「甘いな。もう気は抜かない。そこで溺死せよ」
 そう言ってカルロスは水龍にそのまま二人を捕縛するように指示する。それでもウィーリィは慌ててはいなかった。シャーリーの目が絶望ではなく希望を持ってせわしく動いているからだ。
 トラップの使い手としてはかなりの腕を持つシャーリーはその罠の構造を把握する為に水龍の中に飛び込んだのである。そして一度それに引っかかれば他のトラップを発動させることなく、溺死させる方に集中させることも読んでいた。
(シャーリー、任せた!)
 そんな水中でのウィーリィの思いに応えるように、シャーリーが動く。水龍の流れを把握を完了し、それを逆手に取って水の中を歩くようにトドメを刺そうとしたカルロスが放つ魔導光線を逆手にとって回避する。
 驚愕の顔を浮かべるカルロスが、放雷のトラップを起動させようとするが、それをさせまいとシャーリーの熱線銃の速射が手を貫く。そして放雷のトラップを潰すかのようなブラスター光線の乱射があちらこちらに突き刺さる。
「こっちだよー!」
 水の流れに乗ってロープワーク技術を駆使したワイヤーで脱出して、空中でカルロスを翻弄するシャーリー。その派手は動きはウィーリィの動きを隠すことになる。
 彼もまたシャーリーの乗った水の流れに乗って脱出することに密かに成功し、カルロスの死角に回り込む。まさしくシャーリーが仕掛けた罠こそ、ウィーリィの奇襲なのである。
「罠使いだったらシャーリーの方が一枚上手だったみたいだな!」
 そして能力「料理の鉄刃(ブレイドワーク・オブ・アイアンシェフ)」の斬撃を繰り出すウィーリィ。大包丁から繰り出される攻撃は何者をも切断する。
 そして息の合うようにシャーリーも同時の能力「ラスト・チェーンソー(ラスト・チェーンソー)」を発動する。フォースカトラスが変形したチェーンソーが、ウィーリィの斬撃によって崩れたカルロスの肉体を抉ることで、さらに大きなダメージをその身に刻む。
「ガッハッ!」
 さすがのカルロスもこの見事な連携攻撃の前には血反吐を吐き、膝から崩れ落ちる。だが蒸気迷宮が崩壊していないということはまだまだ力に余力があるということだ。
 その覇気が以前潰えていないことを確認して、シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)は優雅に歩み寄る。
「次はダンジョンアタックか。カルロス君は実に多芸だね」
 まるでゲームに挑戦するかのような軽い口調でカルロスに問いかけるシーザー。実際、その所業はゲームに近い感覚なのだろう。
 シーザーにとっては如何に簡単に、早く、効率よく攻略するか。オブリビオンを倒すことであっても、そのことはあまり変わりがないのだろう。
「彼が遅滞行動を採るのであれば、私が目指すべきはRTAかな?」
 まるでカルロスの狙いが時間稼ぎだとわかっているような口ぶり。そのことに危険を感じたカルロスは即座に水龍をシーザーに仕向ける。だが強烈な魔力で触れるまでもなくそれを凍らせる。
 そしてそれを盾にして回転する炎を難なく避け、放雷のトラップはオドの魔力を宿した壁を避雷針にすることによって、その雷を難なくいなす。シーザー本人は悠々と迷宮を闊歩する。
「楽しませて貰おうか」
 トラップ単体では相手にならないと察したカルロスが魔導砲を撃ったのを見て、寸前の動向を見てその軌道を予測。即時回避した後に能力「ウルクの黎明(デウス・ポテスタース)」を発動させる。
 真紅のオーラを身に纏って、接近すると同時に再び撃って来た魔導砲を衝撃波を放って軌道を逸らして潜り抜ける。超音速で間合いを詰め、オーラセイバーの刃がカルロスの身体へと突き刺さる。
 ウィーリィ、シャーリーと続いて、シーザーの致命の斬撃。これだけ斬られればオブリビオン・フォーミュラとてただでは済まないのだが、それでも地面に倒れることはない。

 シーザーはその執念を見て後方に下がる。相手は手負いの獅子、下手に追撃すれば身が危ないとその直感が察したからだ。
 真紅の公爵は決して無茶をすることはない。ウィーリィ・シャーリーも追撃はしないようだし、この場は引く。なぜならば、追撃をしようとする猟兵はカルロスの背後から迫っていることを察していたからに他ならなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

朱鷺透・小枝子
回点号に搭乗、操縦。
アルダワの、蒸気機械技術。これは初めてであります!
どんな構造をしているのか…
視力で迷宮内を注意深く観察、不思議な設置物ですね。
小銃形態の戦鎌で遠距離から攻撃。これは放電装置

!…いけない、今はこの迷宮を突破しなくては!
シールド展開、機体に掛る放電をオーラ防御で受け流し迷宮を突破

シールドを展開した回点号、貫通力の高い武装を装着しているか!
…だが、蒸気機械だったな!神器拳銃の力を更に引き出し、天候操作。
機械を動かしている蒸気を雨雲へと変化、低温の雨雲で周辺機械を機能不全に。

今だ!貫け、回点号!
スラスター推力移動、『劫火戦塵』雷を纏った戦鎌で、ランスチャージ。
負傷を厭わず、敵を穿つ


才堂・紅葉
「うちの技術もあるわよね……当然」

■先制対策
迷宮トラップの対応は正直慣れ切っている
錬金科の試作品が出来るたびに迷宮トライアルに駆り出されたのはこの私だ
その経験で蓄積された戦闘知識でトラップを情報収集

襲い掛かる機械獅子は、私を狩る為に特化していて正面戦闘は危険だ
三倍パワーの機構靴で壁や天井を足場に飛び回り、気合で逃走
頃合いを見て、敵の操作するトラップの発動を経験則で見切り、逆に地形を利用する形で機械獅子を突っ込ませたい

「ふふっ……私が、どれだけあの馬鹿共に付き合ってきたと思ってるのかしら?」
心の闇が笑みの形に零れつつ、ゴールを目指す

「初めまして、死ね!!」
挨拶は三倍威力の六尺棒で脳天割りだ


ナイ・デス
そういえば、私も迷宮の主の一人でした
大魔王より劣る迷宮となれば、攻略失敗するわけには、ですね!

キャバリア相当の「ダイウルゴス」に入り視界0
【第六感】を研ぎ澄まし、周辺や罠を知覚して進む
【念動力オーラ防御と推力移動】で水龍を強引に突き抜けて
雷も炎も【覚悟、激痛耐性、継戦能力】彫像の塊という重装甲抜けてきても本体(魂)無事なら死なないから平気と、突き抜けて

ごり押ししてきました!(槍とか矢とかの罠もあれば刺さってるダイウルゴス)

先制攻撃の召喚されたら、偽物レオさん(第二形態)が武装使う前にーと【重量攻撃にダッシュ】して
【だまし討ち】
【エネルギー充填】光となった私が彫像から飛び出てカルロスさんへ!



 数々の用意されたトラップは突破されていく。その姿を見てカルロスは察する。トラップでは猟兵を仕留めることはできない。
 連携できればその威力を十二分に発揮することができるが、同時発動の危険性に気付いている猟兵達はそれをさせじと行動を起こしている。
 ならばこちらも何も考えない獣になればよいとカルロスは考える。その傍らには武装を生やした、機械仕掛けの黄金獅子が召喚されている。敵を狩るには最適な僕というべきだろうか。
「アルダワの、蒸気機械技術。これは初めてであります! どんな構造をしているのか…」
 そんな機械獣が待ち受けているのを知らず、朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)はアルダワ蒸気迷宮の物珍しさに感動していた。その身は生身ではなくクロムキャバリア「回点号」に搭乗して、操縦席にある。
 迷宮内を注意深く観察し、不思議な設置物を発見する。驚くべき視力で視認した後、小銃形態の戦鎌で遠距離から攻撃する。それは爆裂する前に雷を放っていたことから放雷装置であったのであろう。
「!…いけない、今はこの迷宮を突破しなくては!」
 咄嗟にシールドを展開して放電する雷を防御して、受け流していく小枝子。迂闊な行動は反省して迷宮攻略へと突進していく。
 そして帯同するもう一人の猟兵ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)は、小枝子の回点号と同クラスのサイズを誇る機竜「ダイウルゴス」に入り、迷宮を進む。
「そういえば、私も迷宮の主の一人でした。大魔王より劣る迷宮となれば、攻略失敗するわけには、ですね!」
 そんな暢気なことを言いながらも、ナイは迷宮の主の一人に任じられている。視界0であっても、その研ぎ澄ました感覚で罠を察知し、周辺や罠を知覚して進む。
 回避するかと言えばそうでもない。念動力の防御オーラと持前の耐久力と突破力で、水龍を強引に突き抜ける。雷も炎も痛覚が届かない箇所にいるナイにとって、彫像の塊という重装甲と来ている。仮に抜けてきてきても
「本体(魂)無事なら死なないから平気」
 とナイは覚悟を決めている状態だ。ならばと小枝子もその突進に乗じるように進むのみである。だがそんな小枝子の少しの気の緩みを突くようにカルロスと黄金獅子が襲い掛かってくる。
 シールドを展開した回点号に対して、貫通力の高い武装を装着している黄金獅子。機械仕掛けの爪がそのシールドを食い破り、その装甲に牙を突き立てんする。
「…だが、蒸気機械だったな!」
 雷雨の力が宿る神器拳銃に力を籠める小枝子。機械を動かしている蒸気を雨雲へと変化、低温の雨雲で黄金獅子の挙動を弱めると共に機械系のトラップを機能不全にしていく。
「今だ! 貫け、回点号!」
 すべてのスラスターの推力移動を駆使し、能力「劫火戦塵(ゴウカセンジン)」を発動させる。代償を捧げることで、その行動の成功率を上げる能力。
 小枝子は自身の傷を厭わずに、雷を纏った戦鎌で、ランスチャージを敢行する。黄金獅子が回点号の片腕を食い破るも、小枝子の能力によって勢いが止まることはない。強烈な戦鎌が身体を貫き、雷と共にカルロスの身体を焼き尽くしていく。
「ごり押ししてきました!」
 カルロスの身体が血と蒸発した臭いを充満している間に、ナイのダイウルゴスが突進している。所々焼け焦げた痕や破壊された痕があるのはトラップを抜けてきた証拠だ。
 黄金獅子がそのダイウルゴスを突き破ってナイを攻撃しようとするが、その前にその重量を生かした圧し潰しで牙が突きたてる前に叩く。そしてナイは能力「瞬断撃(シュンダンゲキ)」を発動させる。
「ただ速く、もっと速く!」
 彫像の中で光となっていくナイ。それは真の姿ではあるが、強烈なエネルギーを持つ。そしてそれを一気に開放し、恐るべき速さでカルロスの方へと発射する。
 さすがのカルロスもナイの特攻に反応することはできず、神速の黒剣の一閃が片腕を斬り飛ばす。そこからさらに『王笏』の力たる血が溢れ出し、カルロスの顔が苦悶に歪む。

「うちの技術もあるわよね……当然」
 そういってアルダワ魔法学園きっての歴戦工作員、才堂・紅葉(お嬢・f08859)は手負いのカルロスの前に立つ。迷宮トラップの対応など彼女にとっては慣れたものであった。
 錬金科の試作品が出来るたびに迷宮トライアルに駆り出された日々。その経験を元に襲い掛かるトラップを潜り抜けてここまでたどり着いたのだ。
「カルロス・グリード、あなたさえ倒せばこの蒸気迷宮は終わりね」
 そう言って、カルロスの首を狙う紅葉。だがカルロスは即座に機械仕掛けの黄金獅子を召喚して、足止めと仕留め役として放つ。今は傷が深い故に距離を取らなければというカルロスの選択であった。
 襲い掛かる機械獅子は、紅葉を狩る為に特化していて正面戦闘は危険。ならばと、三倍パワーの機構靴で壁や天井を足場に飛び回り、三次元レベルで黄金獅子の牙と爪を気合で回避する。
「ちょこまかと……!」
 その動きに業を煮やしたカルロスが黄金獅子に勝負を仕掛けさせる。黄金獅子が襲い掛かると同時に放雷と回転する炎を同時発動して紅葉を倒そうとする。
 だがそれこそ紅葉にとって頃合いであった。先程まで突破してきた経験則から敵の操作するトラップの発動を見切っており、に地形を利用する形で黄金獅子とトラップの同士討ちを誘発したのだ。結果的に黄金獅子は雷と炎に撒かれて壁に激突する。
「ふふっ……私が、どれだけあの馬鹿共に付き合ってきたと思ってるのかしら?」
 心の闇が笑みの形に零れつつ、カルロスの首というゴールを目指す紅葉。能力「アルダワ学園錬金科魂(ソウルオブマッドアルケミスト)」が発動し、マッド共の魂が宿る。
「初めまして、死ね!!」
 挨拶と共に三倍に威力を増幅した六尺棒の脳天割りが炸裂する。咄嗟に残った片腕でガードするが、その腕の骨を粉砕し、そのまま脳天へと突き刺さる。頭蓋骨が割れ、脳漿に多大なるダメージを与える。
 そして返す刀で側方からの振り抜きがカルロスの頭蓋を完全に粉砕する。もはやカルロスに思考する力は残っていない。残すは断末魔のみだ。
「姫……よ……」
 その言葉と共に膝から崩れ落ち、迷宮に倒れ込むカルロス。『二の王笏』の力を象徴する蒸気迷宮は消滅を迎え、その身体も滅んでいく。
 最後に自分を守るべき者の言葉を発した紅葉は少しだけ哀愁を浮かべながらも、六尺棒の血を振り払う。これ以上の思考はいらない、と勝利をただ喜ぶのみであった。

 『二の王笏』はその使命を果たすことなく、その本拠地で散っていった。蒸気迷宮の消滅と共にその力も影響力も失っていくことだろう。
 アルダワの迷宮作成能力まで行使するカルロス・グリードの力はまだ計り知れないものがあるが、猟兵の対応能力はそれを上回ってみせた。そのことはこれからの戦いの希望になるだろう。
 以前七大海嘯との戦いは続く。だがこの勝利を積み重ねていけば、グリードオーシャンは再び希望の光を照らすことになるであろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年02月15日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト