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羅針盤戦争〜海上BBQ大戦争!

#グリードオーシャン #羅針盤戦争

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#羅針盤戦争


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●天使の海老
 それはどう見ても海老だった。
 海老なのだけれど、それには何故か白く美しい翼が生えていて、いつしか天使の海老とも呼ばれ――大層珍味で美味である、と海賊達はまことしやかに囁き合うのだ。
 けれど、天使の海老……正式名称はライトニングタイガーというそれは、飛翔能力に長けているだけでなく全身に雷光を纏う危険な海老でもあった。
 そんな海老の大群が、渦潮を目指して攻め入ってきたとしたら――。
 あなたは、どうしますか?

●グリモアベースにて
「そんなん食べる以外に選択肢あらへんやんなぁ!」
 そう、勢い込んで言うのは八重垣・菊花(翡翠菊・f24068)である。
「海老やで、海老。生で良し、焼いて良し、煮て良し、揚げて良しや!」
 ええ出汁も取れるしな、とうっきうきで頷いている。
「蟹も貝も食べられるときたら、海老も食べたらええとうちは思うんよ」
 お食事大戦争ではないはずなのだけれど、彼女が予知したのがこれならば、これなのだ。
「今回は海上戦でな、鉄甲船を出すよってそれに乗ってってな。それと今回の戦場なんやけど、飛行や転移が阻害されとってなぁ」
 つまり、飛行戦術や瞬間移動系の力はほぼ役に立たないと言っていいだろう。
「そこんとこだけ気を付けて、海老を料理したらええんと思うんやけど」
 あっ、違うという顔をして、菊花がこほんと咳払いをする。
「そこんとこ気を付けてな、海老を捕獲してから料理したらええと思うんよ」
 あんまり変わってないのはどうしてなのだろうか。
 ちなみに今回、この鉄甲船は甲板でBBQができるようにセットされている上に、持ち込みの野菜や肉も可という完全BBQ仕様である。更には船内の調理場で煮炊き揚げ物まで出来てしまうので、これはもう実質宴会場のようなもの。
 何だったら、海老を倒すついでに魚とか釣り上げてしまえば完璧なのでは?
「ぷりっぷりの新鮮な海老を! 食べに行くで!!」
 おー、と手を振り上げた菊花を先頭に、猟兵達は各自準備を整えて鉄甲船へと乗り込むのであった。


波多蜜花
 閲覧ありがとうございます、波多蜜花です。
 戦争二本目も宴会になりました、美味しくBBQしてきてくださいね!
 プレイングがコメディ寄りだとコメディに、楽しくBBQだと楽しそうな感じになります。
 プレイングの受付と〆切はシナリオタグと、MSページのURL先にてご確認ください。

●今回のシナリオについて
 こちらは戦争シナリオになりますので、この章のみで完結します。またシナリオが成功すると、戦争サバイバルの🏅5000が加算されます。
 まずは海老の捕獲……倒すことが先決ですが、簡単にで構いません。これにプレイングボーナスが含まれていると大成功率が上がります。
 半分以上はどうやって海老食べようとか、調理&食べるシーンで大丈夫です。料理が苦手な方は既に焼かれているBBQの網の上の物を美味しくいただいてください。
 材料の持ち込み可能ですので、肉や野菜やおにぎりなんかもどうぞ。飲酒可能な年齢であればお酒の持ち込みも大丈夫です。
 これもできるやろ! あれもできるやろ! という知恵とノリと勢いのあるプレイングで大丈夫です、なんとかします。
 戦争シナリオということで、なるべく早くお返し&書けるだけの採用の予定です。
 もし予想よりも多いプレイングをいただけた時は、大成功となったプレイングからの採用とさせていただきたく思います。
 また、受付期間外のプレイングと複数参加のプレイングだけどお相手様が来なかったプレイングは誠に申し訳ありませんが不採用となります(通常時であればお手紙で確認させていただく事もあるのですが、今回は戦争シナリオなので一律確認致しません)
 また、成功判定に必要となりますのでUCは必ず選択してください。

●プレイングボーナス
 海上戦、船上戦を工夫する(海上では飛行や転移が阻害されています)をプレイングに組み込むと有利になります。

●同行者がいる場合について
 同行者が三人以上の場合は【共通のグループ名か旅団名+人数】でお願いします。例:【海老3】同行者の人数制限は三名様とさせていただきます。
 プレイングの送信日を統一してください、送信日が同じであれば送信時刻は問いません。
 未成年者の飲酒喫煙、公序良俗に反するプレイングなどは一律不採用となりますのでご理解よろしくお願いいたします。

 それでは皆様の楽しいBBQプレイングをお待ちしております!
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第1章 集団戦 『ライトニングタイガー』

POW   :    雷の槍
【雷光を纏った大角】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    天使の抱擁
【帯電した羽根の竜巻】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    雷の絆
全身を【痛覚情報を共有する電磁波】で覆い、共に戦う仲間全員が敵から受けた【負傷】の合計に比例し、自身の攻撃回数を増加する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

乱獅子・梓
【不死蝶】◎
捕れたての海鮮をBBQだなんて胸が躍るな…!
エプロンも調理セットも持ってきたぞ
いや、お前もちゃんと手伝えよ!

UCで泳ぎが得意な水属性のドラゴンを海へ召喚
海中を泳ぎ回りながら
頭突きや噛みつきで海老を攻撃
甲板へと放り投げてもらう

持ち込んだ材料も使いながら料理開始
そのままの姿でシンプルに焼いたり
他の野菜と一緒にホイルで蒸し焼きにしたり
横にチーズの入った容器を置いて
チーズフォンデュも出来るようにしてみたり
色々なバリエーションが楽しめるように工夫
調味料も塩胡椒、醤油、チリソース、ポン酢などなど
飽きないように色々持ってきた

うむ…美味い!ビールが進むな!
それ、辛さで舌が痺れているだけでは…?


灰神楽・綾
【不死蝶】◎
夏休みもこの世界でBBQしたことを思い出すねぇ
わぁ、さすが梓、用意バッチリ
じゃあ俺はひたすら食べるお仕事頑張るね

…手伝えと言われてしまったから
まずはナイフ1本1本に長い紐を結びつけておき
海老の姿を発見したら
次々とナイフを投げて仕留め
紐を手繰り寄せて甲板へとあげる
予めUCを使って成功率をこれでもかと高めておく
命を犠牲にしてでも男には
やらなきゃいけないことがある…ってね

頑張ったらお楽しみBBQタイム
うわぁ…ぷりぷりでめちゃくちゃ美味しい
まずはシンプルに何も付けずに堪能したあとは
持ち込んだ俺用の激辛ソースを付けて食べる
このピリリと来る刺激的な感覚がたまらないねー
雷を纏う海老だからな?



●第一陣、竜で海老を狩る
 BBQ、なんて心惹かれる言葉だろうか。しかも! それを! 獲れたての海鮮でと言われたならば、ときめきを感じてしまうのも致し方ないこと。
 そして、ここにもそんな言葉に心惹かれた男が二人。
「獲れたての海鮮をBBQだなんて胸が躍るな……!」
「夏休みもこの世界でBBQしたことを思い出すねぇ」
「キャンプにイノシシ肉に……素潜りもしたな」
 乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)が思い出したようにそう答えると、灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)がBBQは何回したって楽しい、と頷いた。
「エプロンも調理セットも持ってきた、抜かりはないぞ」
「わぁ、さすが梓」
 準備バッチリ、と綾が小さく手を叩く。
「じゃあ、俺はひたすら食べるお仕事頑張るね」
 海老、いいよね……としみじみ綾が言うと、梓が呆れたような目で彼を見て。
「いや、お前もちゃんと手伝えよ!」
「ええ……」
「文句言うな、ほら来たぞ!」
 しょんぼりとした綾の頭を軽く叩いて、海の向こうに見えた敵影に梓が言葉を紡ぐ。
「集え、そして思うが侭に舞え!」
 梓の力ある声に召喚された水に属するドラゴンが一斉に声を上げた。
 それに呼応するように、空飛ぶ海老……ライトニングタイガーが鉄甲船へと向かってくると、綾が仕方ないなとばかりにナイフ一本一本に長い紐を結んでいく。
「何やってんだ?」
「手伝えって言われたからね。俺に出来ないことは無い……なーんてね」
 見ててよ、と笑った綾が至近距離に迫った海老へと向けて、次々にナイフを投げていく。それは見事に海老の頭部を貫通するかのように突き刺さり、動きを止めたところで紐を手繰り寄せた。
 成功率をこれでもかというほど高めた一撃で仕留めた海老は、傷みも少なく見事なもので。
 多少の命を犠牲にしてでも、男にはやらなきゃいけないことがある……そう、美味しい食べ物の為なら、と綾が小さく笑いながら梓へと海老を渡す。
「はい、新鮮な海老だよ」
「お、こいつは美味そうだな」
 ちょっと翼が生えてるけど。
 綾が仕留めた海老を調理する為にした処理でもするかと梓が色々している間に、彼が喚び出したドラゴン達も懸命に働く。海中を泳ぎ回りながら、海上スレスレを飛ぶ海老を頭突きや噛みつきといった攻撃で仕留めていくのだ。
 そうして、動きを止めた海老たちをドラゴンがぽいぽーい! と、甲板へと放り上げていく。
「第一陣は終わりか?」
「んー、まだ遠くの方にはいっぱい居るみたいだけど、近くのはこれでいったん終了かな?」
 そうとなれば、次の第二陣が来るまでの間――BBQだ!!
 調理担当の梓が翼ごと殻を剝いた海老を食べやすい大きさに切ったものを、綾が梓の指示のもとホイルに包んで網の上に並べていく。
「こいつは小ぶりだから、そのまま焼くとするか」
「羽はどうするの? 焼けちゃうよね」
「そうだな……さすがに落としておくか」
 トン、と包丁で翼を落としてしまえば、完全に海老だった。
「海老だな……」
「海老だねぇ……」
 軽く塩を振って網に置き、次はソースだと梓が手際よく進めていく。
「綾、焦げないように見ててくれ」
「はーい」
「見てるだけじゃだめだからな??」
 わかってるよー、と綾の返事を聞きながら、梓が網の上でチーズフォンデュができるようにしたり、調味料をテーブルの上にセットしたり、甲斐甲斐しく働いている。
「さすが梓、手際がいいね」
「褒めても何も出ないぞ。ほら、もう出来るからな」
 箸とお皿を持って、梓が綾に渡す。
「もうお腹ぺこぺこだよ」
 いい準備運動もしたしね、と綾が笑った。
 炭火焼の網の上では、良い具合に海老が焼けていた。
 それを梓がトングとキッチンバサミで殻を取り、ぷりっぷりの身をナイフで切って綾の皿へと載せていく。
「いただきまーす」
 まずは何も付けずに一口。
「うわぁ……ぷりぷりでめちゃくちゃ美味しい」
 じっくりと焼き上げられ、殻の中でぎゅうっと旨味が凝縮された食べ応えのある海老の身が口の中で弾けるよう。
「うむ……美味い! こりゃビールが進むな」
 持ってきていた缶ビールをぐっと呷って、梓が息をつく。
「あー、ちょっと塩を付けても美味しい……口の中が海老で満たされてるよ」
 俺はもう海老かもしれない、と綾が呟きつつ今度は自分用に持ち込んだ激辛ソースを付けて食べてみる。
これこれ、「このピリリと来る刺激的な感覚がたまらないねー。やっぱり雷を纏う海老だからかな?」
「それ、辛さで舌が痺れているだけでは……?」
 えーそう? 辛さにも負けない海老の旨味を感じるけど、と綾が梓から渡されたビールを受け取って飲んだ。
「こっちのホイル焼きも美味しそう」
「それには醤油かポン酢だな」
「うんうん、バターと醤油が合う……! 海老ってこんなに美味しかったんだねぇ……」
 しみじみと海老の美味さに舌鼓を打って、二陣目も張り切って倒そうね? と綾が笑うのを、はいはいと梓が皿に焼けた海老を載せながら頷くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カイ・ザァド
良し!!この巨体を生かして漁である!!網の代わりに我が盾がその役目を果たしてくれよう!
55mの巨体で放つは金属粒子竜巻!海上へ竜巻を巻き起こし、傷を負わせながら舞い上げて落ちてきたものを盾の内側で受け止める!

「cancerよ! 出来るだけ多くを確保だ!!」

 海中で潜むのであればミサイルをスナイパーで打ち込み気絶させてまとめて引き上げてくれる!! 環境破壊をするのは心苦しいが、これも皆の食の為だ! 許せ!!

攻撃は全て念動力で威力をとどめ、盾受けで受け止めよう!!エビで蟹に勝てると思うな!



●第二陣、蟹の盾は最強なのだ
 広がる大海原に、カイ・ザァド(猟兵皇帝・f30942)が鉄甲船を守るように立っていた。
「良し!! この巨体を生かして漁である!! 網の代わりに我が盾がその役目を果たしてくれよう!」
 なんて???
 カイの大音声が聞こえていた者は、そう問うたかもしれない。しかし、そう問い掛けたところで、恐らくは同じ返事を丁寧にもう一度言ってくれるだけだろう。
 つまり、彼は蟹座の記号が付いた巨大な盾により、空飛ぶ海老を一網打尽にしようと本気で言っているのだ。
 伊達や酔狂ではない、彼の本気に船の面々も熱く見守るより他にない。ちなみに彼は水上歩行もできるタイプのスーパーロボットなので55mの巨体であっても沈む心配はない、完璧なのである!!
 船を傷付けぬように、カイがライトニングタイガーの群れに向かって歩を進める。その一歩一歩は大きく、あっという間に海老の群れが彼を取り囲むように雷光を纏った角を向けた。
「その程度の雷撃も海老も我の敵ではない!」
 カイの腕が唸り、金属粒子が渦を巻き――やがて海上に竜巻を巻き起こす。
「喰らうがいい、我の渾身の竜巻を!」
 それは空飛ぶ海老を綺麗に巻き込んで、傷を負わせながらぐるぐると、それはもう洗濯機か何かかというくらいにぐるぐると渦を巻き、気絶した海老が竜巻の内部から弾き出されて落ちてくるのが見えた。
「今だ! cancerよ! 出来るだけ多くを確保だ!!」
 盾をまるでブーメランのように竜巻に向かって投げると、意志を持つかの盾は海老をその内側へと受け止めていく。そして海老を船の甲板へと下ろすと、再びカイの手へと戻っていった。
 それを見た甲板の人々はやんややんやの大喝采である。本当に海老が盾で獲れた!! すごい! かっこいい!! そんな声援を背に受け、カイは竜巻を免れたライトニングタイガー達がパリパリと雷光を纏って襲い来るのをその盾で防ぎ止める。
「エビで! 蟹に! 勝てると! 思うな!!」
 受け止めた海老をアッパーの要領で上へと弾き飛ばし、盾を皿のように片手で持つと――落ちてくる気絶した海老を受け止めた。
「海老の捕獲、完了だ!」
 こうしてカイの活躍により、ライトニングタイガー……翼持つ空飛ぶ海老の第二陣は見事捕獲&殲滅されたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

桜雨・カイ
【払暁2】◎
本当に美味しそうなエビですね…
勝負!?ま、待ってください!
慌てつつも楽しげにエビ捕り競争開始

【想撚糸】発動
結界を網のように広げ、跳んでくるエビを傷つけず生きの良いのを確保

勝敗は…私も生きの良いエビがいっぱい捕れてると想いますが
…もう二人で調理しましょうか
(残りは他の人達におすそわけ、その際料理法を情報交換)

まずは塩やバターで焼きましょう
あと、さっき教えてもらった「あひーじょ」という…大量のオリーブオイルと大蒜にエビを入れる料理が美味しいらしいです。作ってみますね

戦争中なんですけど…美味しい香りとお酒があると
やはり乾杯ですよね。
二人でエビ料理とお酒を堪能
美味しいですねお酒がすすみます


杜鬼・クロウ
【払暁2】◎
身軽な服装

アレは間違いねェ
海老だわ
カイ!どっちが多く獲れるか勝負しようぜ
負けた方が海老焼く係な!

戦争中とは思えない無邪気な感じで【蜜約の血桜】使用
海老の生命力奪取し弱らせた所を一気に捕獲

滅茶苦茶獲れたなァ
でも俺の方がでかい海老いるし俺の勝ちじゃね?
二人じゃ食べきれねェから(海賊達へ

次にスマホでレシピ見ながら調理
結局二人で手分け
背ワタ取り皮剥く
さらっと海老を湯でるだけの料理やエビチリ、茶碗蒸し作る

あひーじょ?
凄ェ美味そうな響きしてるなァ
食ったコトねェケド
ン、カイが作れそうなら作ってくれや
どうやら和洋中の海老料理が揃っちまったらしいぜ

酒片手に乾杯
美味な料理に舌鼓

バターの風味が最高だな!



●第三陣、海老獲り合戦
 青い空に青い海、もうこれバカンスなのでは? と思ってしまうような船の上だけれど、近くまで迫り来ようとしている雷光を纏った翼持つ赤い海老がそれを許さなかった。
 許さなかったが、これ完全に海老の為のBBQ会場だな、とは誰もが思っていたのだけれど。
 そして、ここにいるちょっと身軽な服装をした彼、杜鬼・クロウ(風雲児・f04599)もそう思っていた。
「アレは間違いねェ、海老だわ。食える」
「本当に美味しそうなエビですね……」
 ここに来るまではあんまり信じていなかった桜雨・カイ(人形を操る人形・f05712)も、実物を見てしまえばそう思うしかない。本当に海老なんだな、と。
「食べられるんでしょうね、海賊達の間で美味しいと言われているらしいですから」
「見た感じ毒も無さそうだしなァ」
 身も締まっていそうだとクロウが笑い、赤の群れが船の至近距離まで来たところでカイに向かって言い放つ。
「カイ! どっちが多く獲れるか勝負しようぜ、負けた方が海老焼く係な!」
 そう言うや否や、己の血肉を代償に桜の花弁を現出させる。そうして、ふわり舞う桜に軽く口付けて笑うと息を吹き掛けてライトニングタイガーに向けて花弁を飛ばした。
「勝負!? ま、待ってください!」
 カイが突然の勝負宣言に慌てつつも、想撚糸を発動させて結界を織り上げる。そして、それを網のように広げ――こちらに向かってこようとする海老を次々に捕獲していく。
「傷付けず、活きが良いままの海老です」
「やるじゃねェか!」
 クロウはクロウで、花弁によって生命力が弱った海老を一気に捕獲し甲板の上に落とし、数を稼ぐ。あっという間に敵影は消え、甲板にはもりもりの海老が――!!
「……滅茶苦茶獲れたなァ」
「……ちょっと獲りすぎましたか?」
 二人で顔を見合わせ、もう一度甲板の上の海老を見る。
「でも俺の方がでかい海老いるし俺の勝ちじゃね?」
「私も活きの良いエビがいっぱい獲れてると思いますが」
 暫しの沈黙の後、カイが二人で調理しましょうか、と提案するとクロウもそうだな、と頷いた。
「しっかしこれだけの量、さすがに俺達二人じゃたべきれねェな」
「持って帰ればいいんじゃないですか?」
 持って帰るにしたって量が多い、さてどうするかとクロウが悩まし気な顔をしていると、近くの島の海賊が船でやってきて、買い取るというので気前よく分け与えることにした。
「これで勿体無いことにはならねェな」
「ええ、それでも食べ切れない分は船に乗っている他の方にお裾分けもできるでしょうし、持って帰ってもいいですしね」
 まずは塩やバターで焼いて、シンプルに頂きましょうとカイがBBQの網の上に翼を落とした海老を載せる。じっくりと焼いている間に、クロウはスマホで海老、調理、というワードで検索を掛けていた。
「シンプルに茹でる……エビチリ、あ、エビチリいいな。茶碗蒸しも美味そうだ」
「良いですね、全部やりましょう」
 二人で慣れないながらも海老の背ワタを取って殻を剥く。通常の海老よりも大きい為、どこだ? と困ることもない。適度な大きさに切り分け、茹でる分とエビチリにする分、茶碗蒸しにする分と分けていく。
「エビの殻は出汁になるそうですよ」
「やってみるか」
 フライパンをBBQのコンロの上に掛け、殻を焼いて煎る。カラカラになったら、細かく砕いて水を入れた鍋に放り込み、火に掛けた。
「クロウさん、こちらのエビが良い頃合いですよ」
 じっくり焼いた海老は綺麗な赤色で、殻を剥いたその中身はふんわりと湯気を立てていて、塩だけでも濃厚な海老の旨味を感じて箸が止まらないほどの味。
「バターの風味が効いて美味い、なんだこれ」
「新鮮過ぎて意味が分からないくらい美味しいですね……」
 暫し無言で海老を食し、茹でた分も食べてみる。
「焼きとは違うこの……なんて言うんだ??」
「ぷりっとした弾力が堪りませんね」
 エビチリと、丁寧に出汁を取った茶碗蒸しも、何もかもが美味しくて二人の頬は緩みっぱなしだ。
「さきほど、あひーじょ、という……大量のオリーブオイルと大蒜にエビを入れる料理が美味しいと聞いたのですが」
「あひーじょ? 凄ェ美味そうな響きしてるなァ、食ったコトねェケド」
 しかし美味しいのだと聞いてしまえば、食べてみたくなるのは当然のことで。
「ン、カイが作れそうなら作ってくれや」
「ええ、難しくはないようなので作ってみますね」
 深めの小さいフライパンの中にこれでもかとオリーブオイルを入れ、塊の大蒜を適当に放り込む。大蒜の香りが出たら、その中へ具材を入れるのだ。
「これでいい……はず」
 最後に塩を適量入れて、所狭しと自分たちが作った料理の載ったテーブルへと運ぶ。
「良い匂いだなァ」
「ええ、食欲をそそる匂いですね」
 目の前には和洋中の海老料理、そしてお酒! 最高なのではないだろうか。
「戦争中なんですけど……」
 何だったら、ここは戦争中の海域なのだが。
「美味しい香りとお酒があるなら、やはり乾杯ですよね」
「そうだな、海老に酒ときたら乾杯だな」
 互いのグラスの縁を軽く合わせ、美味しい料理に舌鼓を打ちながら酒を飲む。
 なんとも最高な、戦争中のランチタイムなのでありました。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

楊・宵雪
WIZ
同行
神崎・柊一(f27721)

「シュールな敵ね…食欲をそそるわ
船上から船を結界術で守りレーザー射撃での遠距離攻撃
UCで敵UC封じつつ対抗で負けたときの備えで
同行者との同時攻撃+弾幕
痛みを与えない精神攻撃

BBQ
お料理前に刺身で味を確認
「脂っこくないのに味が濃くて美味しいわ

「焼けるまでこちらはいかが?
箸休めに
エビとアボカドと彩のいい各種野菜をマヨネーズと粗挽き胡椒と粉チーズで和え、塩で味を整えたゴロゴロサラダを作る
エビは生でも茹ででもいいので、試食時にどちらが美味しいか判断

恥ずかしいけれど、せっかくだから柊一にあーんしてもらう
「炭の香りがたまらないわ
「お返しにお酌するわね
飲み物をついであげる


神崎・柊一
楊・宵雪と同行

…エヴィ…
いやー、ご馳走がたくさん
こりゃ昼飯は随分豪勢になりそうだね。シャオ

UCを使用、シャオと同じ敵を狙い力をつける前に倒しきる
弾は信管を抜き爆発で身を崩さぬように

BBQ
倒した海老の中でデカいものは腹から開いて背ワタを抜き
そのまま炭火焼きに。塩とレモン汁だけでいける
他にも数があればパエリアやそのまま茹でるものも用意

茹でた海老は食べやすくして先にシャオのお口に

ほい、味見味見。あーんして?

焼いてる時の待ち時間にシャオのサラダを戴きながら出来るのを待つ
出来たら甲板の上で二人の時間
可愛い彼女の手料理と海、最高かな



●第四陣、君の作るものならなんだって
 不安定な天候と海流のせいで荒れ狂うことの多いグリードオーシャンの海なのだけれど、どうもこの辺りの海は近場の島に影響されているようで、楊・宵雪(狐狸精(フーリーチン)と神崎・柊一(自分探し中・f27721)が乗り込んだこの鉄甲船の周囲は青い空と穏やかな海が広がっていた。
 そして、そんな穏やかな海の向こうに見えるのは――。
「シュールな敵ね……食欲をそそるわ」
 見紛う事なき海老であった、ちょっと普通の海老と違う点は翼が生えているところだろうか。
「シュールというか、なんというか……エヴィ……」
 思わず遠い目をしてしまったけれど、よくよく見れば海老だ。
「いやー、ご馳走がたくさんと思えば、うん」
「そうよ、あれは海老よ」
 ちょっと雷光を纏ってはいるけれど。
「こりゃ昼飯は随分豪勢になりそうだね、シャオ」
「ふふ、そうね」
 そう笑みを浮かべた宵雪が鉄甲船に被害が出ないようにと結界を張り、白と黒の二機で一対の浮遊砲台である陰陽玉を操る。
「まずは相手の力を削ぐわね!」
 宵雪の言葉に柊一が頷き、自分も手にした武器をライトニングタイガーへと向けた。
「信管は抜いてあるから、海老が爆発四散ってことにはならないはず……っと」
 軽く確認をして前を向くと、宵雪の投げた護符が接近してきているライトニングタイガー達の角のような部分に次々と張り付いているところで。
「タイミングは?」
「わたくしに合わせてもらえたら嬉しいわ!」
 その言葉に柊一が視線だけで返し、二人はライトニングタイガーに照準を定める。
「いくわよ!」
 その声に合わせ、柊一が全武装を一斉に発射し、宵雪のレーザー射撃も的確に海老を捉えて放たれた。
 空に舞い散る翼持つ海老が、甲板にどさどさと落ちてくるのを眺め、宵雪と柊一はハイタッチをして自分達の戦果に笑い合う。
「上手くいったわね」
「そうだね、それじゃあ早速……」
 味見をしよう、と柊一が気絶している海老の中から特に大きいものを選び、セットされている台の上に載せた。
「ええ、わたくしも……お料理の前にお刺身で味を確認しなくてはね」
 宵雪が海老を一尾手にし、同じように台の上で手際よく捌いていく。
「ん、脂っこくないのに味が濃くて美味しいわ……!」
 海賊達が幻の珍味だと噂するだけのことはある、と宵雪が味見よと柊一へ海老の刺身を載せた小皿を渡す。
「ありがとう、いただくね」
 何も付けずに小皿の上のそれを指先で摘み、口の中に放り込む。静かに咀嚼して飲み込むと、パッと顔を明るくして柊一が宵雪に向かって笑う。
「これは予想以上の美味しさだね」
「ええ、美味しく調理してみせるわよ」
「僕も、シャオに美味しく食べてもらえるように頑張るね」
 ふふ、と笑い合って、お互い手元の海老に集中する。
 柊一が一番大きな海老を腹から開き、背ワタを脱くと炭火の網の上にそのまま置いてじっくりと焼き上げる。
「これは塩とレモン汁でいくとして……あとはパエリアと茹でる用かな」
 やや小振りな海老の殻を剥き、海老を茹で上げる鍋の横で大きめのフライパンでパエリアを作りだした。
 その途中で、茹でた海老を味見するのも忘れない。
「茹でた海老は刺身とはまた違って美味しいね」
 食べやすく切ったそれを摘まんで、宵雪の口許へと寄せる。
「ほい、味見味見。あーんして?」
「……っ」
 頬が海棠のように色付いた彼女に、ほら、と柊一が促すと、恥ずかしそうにしながらも宵雪があーんと口を開けた。
 その口の中に茹でた海老を放り込んでやると、口を閉じて咀嚼する宵雪の顔が見る間に笑顔に変わっていく。
「茹でたのも美味しいわ」
「うん」
 海老は美味しいし、照れる彼女は可愛いし、とは口にせず柊一も笑みを浮かべた。
 負けてはいられないわ、と宵雪がアボカドと彩りの良い新鮮な野菜を食べやすい大きさにカットしていく。
「エビは生も茹でたのも美味しかったけれど、サラダなら茹でた方が良さそうね」
 茹でた海老も同じようにカットして野菜と共にマヨネーズと粗挽き胡椒と粉チーズで和え、仕上げに塩で味を調えた海老と野菜のゴロゴロサラダを作り上げる。
「あとは焼けるのを待つだけかな」
 パエリアも、海老の丸ごと焼きも、と柊一が言うと器に盛ったサラダを宵雪がそっと差し出す。
「焼けるまで、こちらはいかが?」
「ぜひ、いただくよ」
 美味しい、と感想を伝えれば、宵雪が嬉しそうに微笑んでお代わりを盛り付けてくれて、柊一も幸せそうな笑みを浮かべて残さず平らげる。
「そろそろ出来たかな」
 パエリアをお皿に盛り付け、海老の丸焼きは身を食べやすいサイズにしてテーブルへと置く。
「とっても美味しそうね、いただきます」
 塩とレモン汁で味を付けた海老を食べ、宵雪が炭の香りがたまらないわ、いくらでも入りそうだと笑う。それから、そっとソフトドリンクを手にすると柊一のコップへと注ぐ。
「お返しにお酌するわね」
「ありがとう、パエリアも中々の出来だから食べてみて」
 穏やかな海と空、そして可愛い彼女の手料理と笑顔。
 最高かな……と柊一がしみじみとこの幸せを噛み締めて、至福のランチタイムを過ごすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
【🦊🐰🦊】3人

なんで自分達で感電しないんだろうねー?
不思議だねー

海面に対して【高速詠唱】で氷魔法の【属性攻撃】
船に固定するように海の一部を凍結させ足場に
【指定UC】で海老達をまとめて寝かせ
海に落ちた瞬間凍結させれば冷凍海老完成

取れた海老の一部は【料理】!
バーベキュー分が焼けるまでのつまみ程度にね

シュリンプのソース作り
ニンニクとオリーブオイル、塩胡椒を混ぜて
剥いた海老をそこに漬ける
ありがとうクロムさん、助かるよ

木常野さん
冷凍魔法での時短覚えてる?
お願いしていい?

その間に持ち込んだ野菜を使って海老サラダを
終わったら海老はバターとソースに絡めて炒めるだけ
簡易的だけどね

さー残りは盛大に焼くぞー!


木常野・都月
【🦊🐰🦊】

鮮度のいいエビは、やっぱり気絶させて生け捕りがいいよなって、俺思うんだ。

海水の精霊様に氷に変化して貰って、エビにUC【精霊の瞬き】で[気絶攻撃]を。
氷をぶつければ、気を失うはず。

クロムさん、回収ありがとうございます!早い!
沢山狩れましたね!
他に、何か手伝える事あります?
わかりました!足を剥きますね!
エッビ足剥き足剥き〜♪
エッビ足剥き足剥き〜♪

時短の魔法…あれですね!
折角だからさっき作った氷の精霊様に来て貰って、風の精霊様に風を起こして、熱を取りつつ、寝かせておく。
冷える時に味が染み込むんですよね。

エビがきたー!
先輩達、ありがとうございますー!
俺、お腹空きました!

いただきます!


クロム・エルフェルト
【🦊🐰🦊】
……私が間違ってるのだろうか
本当は、あれこそがエビフライ?(お目目ぐるぐる)

近付いてくる海老の群れにUCを発動
視界に納めたエビを峰打ちして失神させる
――むぅ、力加減が難しい。
ちょっとでも強く打ったら、海老の頭が落ちてしまう

澪さんの力で凍った海面に着地、「八咫烏」([空中浮遊])の力で浮いてスケート移動
落ちたエビを回収

都月くん、海老の足を毟って欲しいな
澪さんを手伝って、殻剥きと背わた取り
お塩で揉んで滑りと臭みを取って……こんな感じ、かな

澪さんの手際、魔法を見ているみたい
女子力……って言うのかな
私の如死力(殲滅力)とは大違い
美味しそう……!
手を合わせ、尻尾を振りながら頂きます



●第五陣、海老を美味しくいただく幾つかの方法
 潮風が頬を撫でていく甲板の上で、遠くに見えるフライングタイガーを眺めながら木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)が厳かに言葉を紡ぐ。
「鮮度のいいエビは、やっぱり気絶させて生け捕りがいいよなって……俺、思うんだ」
 その瞳はどこまでも真っ直ぐに、海老だけを見ていた。
「そうだね、僕もそう思うよ。でも、あの海老なんで自分達で感電しないんだろうねー?」
 不思議だねー、と栗花落・澪(泡沫の花・f03165)が海老達がパリパリと雷光を纏っているのを指さして首を傾げている。
「……私が間違ってるのだろうか」
 都月と澪の言葉に、クロム・エルフェルト(縮地灼閃の剣狐・f09031)がもう一度、自分達が倒すべき敵を見遣った。
 どう見ても海老、翼の生えた海老。あとちょっと雷光をパリパリさせている。
「本当は、あれこそがエビフライ?」
 飛んでるだけに、と目をぐるぐるにしてクロムが狐耳をぺたんと伏せ、都月と澪をそっと窺う。楽しそうな二人の顔を見たら、もうあれが敵だとか海老なのに翼がとかそういうのは些事のように思えてきて、クロムが伏せていた耳をピンと立てて頑張って捕獲しよう、と小さく頷いた。
「あ、エビが動きましたね」
 群れがこちらを目指し、その翼を羽ばたかせ始めたのだ。
「頑張って海老を捕獲するよー!」
 澪が可愛らしく拳を振り上げ、海面に向けて氷魔法を撃ち放つ。それを何度か繰り返せば、鉄甲船の近くの海面に分厚い氷の足場が出来上がる。それは軽くスケートリンク程の大きさで、澪が満足気に笑って氷の上に降り立った。
「完璧な狩場ですね!」
 お邪魔します、と都月が飛び降りると、丁度ライトニングタイガーが広い足場の端に到着したところで、目を閉じて集中していたクロムがすっと瞳を鋭く細め、すかさず船上から視認できるだけのライトニングタイガーへ峰打ちを叩きこみ失神させていく。
「――むぅ、力加減が難しい」
 少しでも強く打ってしまえば、海老の頭が落ちてしまう。もう少し加減を……と考えていると、今度は都月が残りの海老を精霊への助力によって気絶させていく。
「精霊様、よろしくお願いします!」
 海水の精霊に氷に変化してもらい、それを海老へとぶつけるのだ。
「これで気絶しなかったエビはいない!」
 それは多分人でも気絶するのだが、その場のノリって大事。
「残った海老は僕にお任せだよ」
 澪がふわりと笑い、優しく甘い香りを放つ花吹雪を放つ。それは氷の足場に押し寄せた残りのフライングタイガーを残らず眠らせて――。
「捕獲完了だよ!」
 海老がいっぱい! と澪が喜んでいると、クロムが颯爽と船から氷の足場に飛び降り、靴底に大気を集め僅かに浮き上がる。阻害を受けているとはいえ、これくらいなら大丈夫のようで、クロエがまるでスケートを滑るかのように移動しては落ちた海老を回収して甲板へと放り投げていく。
「クロムさん、回収ありがとうございます! 早い!」
 あっという間に足場から消えた海老を追い掛け、都月と澪も甲板へと上がった。
「頑張ってお料理しちゃうぞー!」
 BBQ分が焼けるまでの摘み程度だけれど、それでも美味しいものを作るぞと澪が張り切って腕を振るう。
「まずはシュリンプのソース作りだよ」
 オリーブオイルに摺り下ろした大蒜、そこに塩胡椒を混ぜて剥いた海老を漬けるのだ。
「では、私は海老の処理を手伝おう」
「ありがとうクロムさん、助かるよ」
「俺にも何か手伝える事あります?」
 出来ることなら何でもしますよ、と都月が手を上げる。
「では、都月くんは海老の足を毟ってほしいな」
「わかりました! 足を剥きますね!」
 エッビ足剥き足剥き〜♪ エッビ足剥き足剥き〜♪ と、ご機嫌な鼻歌を歌いながら都月が海老の足を剥いていく。
「ふふ、木常野さんの歌、面白い」
「面白い……うん、そうだな面白いな」
 珍妙な歌をBGMにして澪は大蒜を摺り下ろし、クロムは都月が足を取った海老の殻を剥いて背ワタを取って行く。通常の海老よりも大きなフライングタイガーの処理は大変だったけれど、それも皆でやればまた楽しいもの。
「翼は……殻を剥くときに一緒に取れるな」
 でも殻を取る前に落とした方が邪魔ではないし、と悩みつつも、クロムが剥いた身を塩で揉んで滑りと臭みを取って行く。それから、食べやすい大きさに切って澪へと渡していく。
「ありがとう、丁度良い大きさだよ」
 出来上がったソースの中に海老をどんどん漬け込んで、取りあえずはここまでと手を止めると、澪が都月へと顔を向けた。
「木常野さん、冷凍魔法での時短覚えてる?」
「時短の魔法……あれですね!」
 お任せください! と都月が胸を叩き、折角だからとさっき作った氷の精霊様に来てもらう。
「風の精霊様、氷の精霊様、お願いします!」
 氷の精霊が放つ冷気を風で飛ばし、冷風を当てるのだ。
「冷える時に味が染み込むんですよね」
「魔法……時短にも使えるのは便利だな」
 手際よく時短魔法を使いこなす都月に、クロムが感心したように言って笑った。
「あとは持ち込んだ野菜をサラダにして……」
 レタスにキュウリ、トマトを手早く切って、澪が茹でた海老とドレッシングを和えていく。その後は、漬け込んだ海老をフライパンで炒めて出来上がりだ。
「澪さんの手際、魔法を見ているみたい。女子力……って言うのかな」
 私の如死力と書いて殲滅力と読む、とは大違いだな……とクロムが真剣な眼差しで呟く。
「そうかな? えへへ、褒めてくれてありがとう! でも、料理って慣れの部分もあると思うよ」
「クロムさんも海老を剥いていくの、手際が良かったじゃないですか」
「剥く程度なら、私にもできる。調理の過程というか……!」
 見習いたいものだとクロムが言うと、澪がガーリックの良い匂いがするフライパンを火から下ろし、お皿へと盛り付ける。
「それなら、今度お料理教室とか開いてみる? 簡単で美味しいお料理とか」
「ぜひ!」
 食い気味にクロムが頷き、都月が俺は食べる係でもいいですか? と笑った。
「よし、できたよー!」
 お皿に盛り付けた料理をテーブルへと置くと、都月が待ってましたと手を叩く。
「エビがきたー! 先輩達、ありがとうございますー!」
「美味しそう……!」
 目の前のご馳走に、都月とクロムが尻尾を揺らしている。
「食べてもいいですか? 俺、お腹空きました!」
「もちろんだよ、沢山食べてね!」
 いただきます、と声を揃えて三人が料理を口へと運ぶ。
「美味しいです!」
「エビが……エビがすごくプリっとしてて、ソースが絡んで美味しい……!」
 口々に料理の感想を言いつつ、澪の海老料理を胃袋に収めていく。
「美味しいなら何よりだよ、さー残りは盛大に焼くぞー!」
 殻付きのままの海老を炭火焼の網の上に載せ、じっくりと焼き上げるのだ。
 既に焼き上がった海老は殻をトングとキッチンバサミなどを使って取り除き、三人の目の前に白い湯気を立てて鎮座している。
「焼いて塩を振っただけなのに、美味しい~!」
 澪がほっぺたを押さえて幸せそうな笑みを浮かべると、都月とクロムも熱々でほくほくの海老を食べて澪と同じような笑顔になって。
 幸せの海老タイムは、まだまだ終わらない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

真宮・響
【真宮家】3人

海鮮が食べれると聞いてきたんだが、何か海老が雷纏ってるね。食事するのには邪魔だから、一掃するか。

攻撃は【残像】【見切り】で回避、【オーラ防御】を纏いながら【ダッシュ】で船上を走り、敵群れに飛び込んで【範囲攻撃】化した竜牙で一気に薙ぎ払う!!

海で海老食べるならそのまま焼くのが一番だろう。何しろ新鮮だ。材料が揃っているなら海老フライもいいね。何しろ奏の胃袋はブラックホールだから幾らでも食べれるだろう。どれ、焼きおにぎりや焼きとうもろこしも作ろうかね。奏と瞬の嬉しそうな顔見れば、私は満足だ。ああ、いい日だねえ。


真宮・奏
【真宮家】3人

海老が一杯食べれると聞いて!!・・・でもびりびりしている海老ですね。このままだと食べれないので、倒します!!

このびりびり海老が船で暴れ回ったら大変なので、船の出入り口にトリニティエンハンスで防御力を上げて【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】【電撃耐性】で防衛線を張って、片っ端から【範囲攻撃】【衝撃波】で海老を海に落としていきます!!

戦ってお腹空きました!!頂きます!!網焼きした海老には醤油を付けて!!焼きおにぎりも貝も頂きます!!幾らでも食べれますし。ああ、新鮮な海の幸、最高です!!(焼きおにぎりの米粒を瞬に取って貰いながら満面の笑顔)


神城・瞬
【真宮家】3人

胃袋ブラックホールの奏が、海鮮BBQぜひ行きたいと言っていたので来たんですが、あの海老雷纏ってませんか?BBQの前に退治、しないとですね。

船上に敵が群がって来た所に【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】を【範囲攻撃】化して展開、動きが鈍った所を風花の舞で一掃しますね。

海老が何とかなったらBBQですね。新鮮な海の幸である海老と貝を頂きます。この味、幾らでも食べれますね。凄く美味しい。ええ、いい日ですよね。(笑顔で奏の頬に付いたご飯粒を取ってあげながら)



●第六陣、空腹は最高のスパイス!
 戦争中のグリードオーシャン、その戦場で海老が食べられる――。
 そう聞いてやってきたのは真宮・響(赫灼の炎・f00434)、真宮・奏(絢爛の星・f03210)、神城・瞬(清光の月・f06558)の親子三人。
「ここで海老が一杯食べれるんですね!」
 甲板の上で、奏がBBQセットとテーブルを見てテンションを上げていく。この彼女、可愛らしい見た目に反して胃袋がブラックホールなのだ。
 そんな奏の海鮮BBQに行きたい! というおねだりにより、義兄である瞬と二人の母である響もやってきたのだが、目前に広がる海の向こうに見える、雷光を纏う海老に二人が眉根を寄せていた。
「あの海老、雷を纏ってませんか?」
「見間違えじゃなければ、纏ってるね」
 翼の生えた海老が沢山、それらがそれぞれパリパリと雷光を纏わせている。これは大人しく食べられてくれる海老ではないね、と響がBBQを前にはしゃぐ娘を見て笑う。
「まあ、あの海老を倒して捕獲すれば問題ないさ」
「あれがメインディッシュですからね」
 食事の前の運動だと、瞬も頷く。
「ぴりぴりしている海老を倒せば、BBQができるのですよね? だったら、私頑張って倒します!」
 食材が目の前にあり、それが敵意を持ってくるというのなら、きっちり倒して美味しく頂きます! と、奏もいつになく張り切っている。
「来るよ、二人とも」
 ライトニングタイガーが動き出したのを見て、響が瞬と奏にそう声を掛ける。
「このびりびり海老が船で暴れ回ったら大変ですよね」
 奏が自身に炎、水、風の魔力を纏わせて防御力を強化し、ライトニングタイガー達が真っ先に狙うであろう甲板の船首に立ちはだかる。その左右に瞬と響が立ち、それぞれの武器を構えた。
「一掃するよ!」
 芯の通った響の声に、二人がはい! と返事をし、敵を迎え撃つ。
 群れを成してやってきたライトニングタイガー達の攻撃を、まずは奏が武器と盾で一身に引き受けた。
「これくらいの電撃、マッサージ代わりみたいなものですね!」
 時に雷光をいなし、精霊の力が込められた盾で弾き、群れ成すライトニングタイガーをその剣で円を描くように倒していく。
「BBQが掛かっているせいですかね、奏一人で充分な気もしますが」
「はは、張り切ってるのはいいことさ」
 アタシ達も負けてはいられないと、響が奏一人では捌き切れないライトニングタイガーを前に不敵な笑みを浮かべた。
「この一撃は竜の牙の如く!! 喰らいな!!」
 横薙ぎに一閃、ライトニングタイガーの翼と角の部分を一気に断ち切り、無力化していく。
「確かに、負けてはいられませんね」
 小さく笑った瞬が船上に群がろうとするライトニングタイガーに向かって、氷の結晶のように透き通った杖を構える。
「少々乱暴な手段ですが、行きます!! 避けないでくださいね?」
 構えた杖を複製し、九十八本あるそれを念力で操ってライトニングタイガー達へと飛ばしていく。避けようがない数のそれは、見事にライトニングタイガー達を捉えて完膚なきまでに一掃した。
「敵は以上かい?」
「ええと……はい、今のところ他の敵影は見えません!」
「海に落ちていった海老もいましたが、しっかりと止めは刺してありますしね」
 襲ってくることはないでしょう、と瞬が頷く。
「じゃあ、BBQですね!?」
 ぴょん、と飛び跳ねて奏が満面の笑みを浮かべる。
「そうだね、お待ちかねのBBQといこうか」
 娘の様子にくすりと笑って響が頷くと、甲板に落ちているライトニングタイガーを拾い上げていく。
「さあ、二人も手伝っておくれよ」
「はい!」
 真っ先に返事をした奏が海老を両手に抱えて運び、瞬もそれに倣うようにして海老を運んだ。
「さて、どうやって頂きましょうか?」
 これだけ沢山の、大きな海老だ。
 どうやって食べるのが最適か、と瞬が響を窺う。
「そうだねえ、海で海老を食べるなら、そのまま焼くのが一番だろう」
 何せ、獲れたてのピチピチなのだ。
「あとは……海老フライにするのもいいね」
 材料なら船の調理場に揃っているだろうと、響が笑う。
「どれだけ作っても余るってことはないだろうしね」
 ちらりと期待に胸を膨らませている奏を見遣ってから、響が瞬に視線を送る。
「そう……ですね、ではBBQの網の上の海老は僕が見ていましょう」
「私も! 頃合いを見てひっくり返せばいいんですよね!」
 力いっぱい頷いた奏に笑って、響が網の上に乗り切らない海老を持って調理場へと向かった。
 簡単な下処理を済ませ、食べやすい大きさに切る。
「こいつを丸々一匹じゃ、鍋からはみ出しちゃうからねえ」
 切り分けた海老の身を薄力粉と卵液に付けて、パン粉をたっぷりと付けて油の中へと放り込んでいく。そしてきつね色に揚がった海老をどんどん皿に盛り付けるのだ。
 その間に特製のタルタルソースも作り、ディップ用のお皿にたっぷりと盛る。持ち込んだ海老が無くなり、海老フライの山となったお皿を持って響が二人の元へと戻った。
「あ、母さん! 丁度良く海老が焼けました!」
 海老だけでなく、貝やおにぎり、とうもろこしも網の上で美味しそうに焼けている。
「良い匂いだねえ、こっちも海老フライが揚がったよ」
「わあ、母さんの海老フライ大好きです!」
 母さん特製のタルタルソースもあります! と、奏が顔を輝かせている。
「戦ってお腹が空きました、もうぺこぺこです!」
「ふふ、たっぷり食べな」
「僕もいただきます、この匂いを嗅いでいたらお腹が空いてきますね」
 いただきます、と三人で声を合わせ、海老料理へ箸を付けた。
「網焼きした海老には醤油を付けて……んんっ美味しいです!」
 奏の口の中に大きな海老の身が消えて、代わりに彼女の笑顔が弾ける。
「この海老フライもサクサクで、中はジューシーです。タルタルソースが食欲をそそって……美味しいですね」
 口の中でさくさくと音を立て、海老フライが消えていく。その食感と旨味に、瞬も頬を綻ばせて笑顔を響に向けた。
「美味しいなら何よりだよ」
 二人が嬉しそうに食べる顔を見れば、響の胸がこれ以上ないほどの満足感で満たされていく。
「海老フライも、焼きおにぎりも、全部ぜーんぶ美味しいです!!」
 美味しそうに頬張る奏の頬に付いた米粒を、瞬が指先で取ってやりながら笑って頷く。
「ああ、いい日だねえ」
「ええ、いい日ですよね」
 空も海も青く、船の上で最高のご馳走を前に、奏と瞬が笑っている。これ以上はない幸せだと、響が満足気に微笑んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

蝶ヶ崎・羊
ナナ(f02709)さんと向かいます。
『エビフライに塩焼きに…あぁ、確かにお刺身も良いですね。ふふ、考えたらお腹が空いてきてしまいますね。』
料理の腕を期待されたからには頑張って沢山作らないとですね

戦闘はサポート役にまわります
蔦を網のように使い海老をナナさんが攻撃しやすいポイントに集めます(属性攻撃使用)
ナナさんの攻撃を受けた場合はオーラ防御で守ったりUCで回復
今回は元気な歌です
戦闘後は【料理】でエビマヨ、ガーリックシュリンプ、海老の釣上などなどのおつまみを用意してナナさんとお酒で乾杯です
『勝った後のお酒は格別ですね。ふふ、沢山食べてください』
責任は…一緒にランニングしますか


黒瀬・ナナ
羊さん(f01975)と

空飛ぶエビが獲り放題で食べ放題と聞いて!
こんがり焼いても良いし、新鮮ならちょいと山葵を乗せてお刺身も素敵だわ
羊さんはお料理上手みたいだから、おつまみも色々作ってもらえたら嬉しいなぁ♪

と言うワケで
食材をゲット兼お腹を空かせる為に、空飛ぶエビに挑むわね
多少空中戦の心得はあるから多分平気!
雷や竜巻に注意しながら、周囲の物を足場にしてぴょんとジャンプして
薙いで払って突き刺してエビを捕獲していくわよ
ピンチになったら羊さんがなんとかしてくれるって信じてる!

戦闘後は、用意しておいた勝利のお酒で乾杯!
やぁん、美味しいからお酒も料理も進んじゃう!
……わたしが太ったら羊さん責任取ってよねっ



●第七陣、空飛ぶ海老を食い尽くせ!
 空飛ぶエビが獲り放題で食べ放題、それはなんて天国だろうかと黒瀬・ナナ(春陽鬼・f02709)が甲板の上で頬を緩ませる。
「こんがり焼いても良いし、新鮮ならちょいと山葵を乗せてお刺身も素敵だわ……!!」
 思わず漏れ出たナナの言葉に、蝶ヶ崎・羊(罪歌の歌箱・f01975)が柔らかく微笑んで頷く。
「エビフライに塩焼きに……あぁ、確かに獲れたてで新鮮でしょうから、お刺身も良いですね」
「考えただけでお腹が空いちゃうわ。羊さんはお料理上手みたいだから、おつまみも色々作ってもらえたら嬉しいなぁ♪」
 そんな可愛らしいリクエストを受けたとなれば、羊もその腕を振るうことに否はない。
「ええ、ナナさんのお口に合うかはわかりませんが、頑張って沢山作らないとですね」
「ん~~、とっても楽しみ! そうとなれば頑張って海老を倒しちゃうわよー!」
 海老! と、ナナが目の前に広がる青い海の先に見える、翼ある海老を指さす。
「飛んでる海老なんて、最高の珍味の匂いがするわ」
 しかもその海老は、雷を纏って青白く輝いているのだ。
「さすがグリードオーシャンですね、海老が飛んでいるなんて……」
 猟兵として駆け回っていれば珍しい敵も多く見るし、食べられるという敵も珍しくはないのだが――それにしたって、海老が飛んでいるという光景はあまり見られたものではない。
「そのうち、翼の生えた貝とか蟹とかイカとかも出てくるかもしれないわね」
「……冗談にならないところが恐ろしいですね」
 なんて、軽口を叩き合っていると眼前の敵がこちらへ向かってきているのが見えた。
「よーし、食材をゲット兼お腹を空かせる為に、空飛ぶエビに挑むわよ!」
「お気をつけて」
「多少空中戦の心得はあるから多分平気!」
 飛行や転移が阻害されているとはいえ、ジャンプなら平気でしょう? と、ナナが悪戯っ子のように笑って自分の足をぺちんと叩く。
「わたしはあなた、あなたはわたし。今、この脚は、天を翔ける風神様の脚!」
 風神の加護を受け、ナナがお気に入りの薙刀を構え――迫りくるライトニングタイガーに向かって、跳んだ。
「では、オレはナナさんのサポート役にまわりましょうか」
 魔法によって喚び出した蔦を鋼のように使い、ライトニングタイガーをナナが攻撃しやすいようなポイントへ集めたり、足場になるような場所に蔦を伸ばしたりと、ナナと敵の状況を冷静に判断して羊が蔦を操る。
「ナイスアシストです!」
 ライトニングタイガーの纏う雷と放つ竜巻に注意しながら、数多の群れを薙ぎ払い、突き刺していく。ナナが倒した海老は羊が蔦で絡めとって甲板へと運ぶ、なんとも鮮やかな連係プレーだ。
「これで、最後!」
 残るライトニングタイガーの猛攻を物ともせず、ナナが高く飛びあがると一気に花嵐を一閃し、見事海老をゲットしたのであった。
「お疲れ様です、ナナさん」
「羊さんのサポートのお陰よ、ピンチになったら羊さんがなんとかしてくれるって信じてたわ!」
「ふふ、信用していただけているならオレも嬉しいです」
 戦闘で頑張ったナナさんにお料理を振舞わなくては、と羊が蔦を使って海老をBBQのコンロやコンロの近くに設置された簡単な調理スペースへと運ぶ。
「まずはこの海老の殻を剥いていきましょうか」
「簡単な事ならお手伝いするわね」
 二人で大きな海老の殻を剥き背ワタを取り、簡単な下処理をしてから羊が食べやすいサイズに切ったそれを刺身用とエビマヨ用に分ける。揚げる間にガーリックシュリンプの下拵えを済ませ、BBQコンロに捕獲したばかりの海老を丸焼きで食べようと載せて……と、手際よく料理を作っていく。
「わあ、良い匂い……!」
 くぅ、と鳴ったお腹の音に笑って、出来上がったおつまみを羊がテーブルへと並べると、ナナが用意しておいたとっておきのお酒をグラスと共に置いた。
「さあ、出来ましたよ。食べましょうか」
「どれもとっても美味しそう~! 乾杯しましょう、乾杯!」
 勝利の美酒よ、とナナが笑って二人でグラスの縁をコツンと合わせ、お酒を一口。それから、羊の作った海老料理に箸を伸ばした。
「やぁん、美味しいからお酒も料理も進んじゃう!」
「勝った後のお酒は格別ですね。ふふ、沢山食べてください」
 焼き上がった海老の殻を剥き、羊が食べやすいように切って出すと、これも美味しい~! とナナの嬉しい悲鳴が響く。
「……わたしが太ったら羊さん責任取ってよねっ」
 お料理は美味しいし、残すつもりはひとつもないけれど、とナナが笑って羊を見る。
「責任は……一緒にランニングでもしますか」
 そう笑って、羊がナナのお皿にお代わりを盛るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

播州・クロリア
オブリビオンを食べ...いや、おいしそうではありますが
わ、私は他の猟兵の方に差し上げることにします
(直立し目を閉じて両腕で自分を抱きしめるようなポーズをした後{白銀の旋律}で『ダンス』を始める)
焼くか煮るか生で食うか
いずれにしても仕留めないといけませんね
(UC【蠱の宴】を発動し『念動力』で海水を操作し{白銀の旋律}で生み出した冷気で凍らせて海水の氷柱を作ると『衝撃波』と共に敵に向かって射出する)
おいしいんでしょうか?
1匹ぐらいなら...うん
食べても問題ないでしょう


観那月・唯希

天使の羽が生えていて空飛ぶエビがいるんですか!見てみたいですし、味もおいしいなら食べてみたいです。……これ、本当に戦争ですよね?

海上ならフルートの出番ですね。(相棒のシャチを撫でながら)それと事前に近くの海にいる動物さん達とお話してこの島の辺りの海について知っておきます

エビ達に対しては【動物たちとの突撃】を使って一気にやっつけてしまいしましょう!

それで後は調理ですが、ただ焼くだけでいいんでしょうか?周囲にいる人達からお話を聞きながらやってみます

さて料理ができたので食べてみましょうか。……こんなにおいしいエビは初めてです!せっかくですし、他の料理もいろいろと食べてみたいです


バルタン・ノーヴェ
POW ◎ 連携歓迎デース!

さっくりUC《火炎放射器》で飛ぶ海老を焼いて、収穫しマス。
広い海上とはいえ、ぶわっと放射状に炎を撒いたら避けられないデショー。
強行突破してきたらファルシオンで捌きマース!
さあ、本番デスヨー!

まずは活きのいい生エビをお刺身にしてテーブルにセット。これで一時の口は収まりマスネー!
エブリワンが舌鼓を打っている間に【料理】開始デス!
焼き海老として甲羅に海水をかけて炙ったものを用意。
続けてグラタン・エビフライ・炒め飯に調理して行きマース!
オーブン? 自前のキッチンを展開するのでご安心を!
BBQに合わせて、多彩な料理を提供しマース! 

……菊花殿にも可能ならお裾分けできマスカナ?



●第八陣、獲って作って食べて!!
 青空の下、播州・クロリア(リアを充足せし者・f23522)は遠くに見えるオブリビオン、この海の世界ではコンキスタドールというのだったか、を眺めていた。
「翼の生えた海老……確かに、そう言われてみればそうなのですが」
 思わずそう呟いた言葉に、隣に立っていた観那月・唯希(陽光に煌めく琥珀・f01448)が人懐っこそうな笑みを浮かべてクロリアに言う。
「そうですよね、あれ、翼の生えた海老ですよね! ぼく、天使の羽が生えていて空飛ぶエビがいるって聞いて、見てみたくて来たんです! 味もおいしいなら食べてみたいなって」
 これが戦争中の海域なんて、不思議ですよね? と、唯希がクロリアを見上げた。
「食べ……いや、ええと、おいしそうではありますが」
 オブリビオンですよね???? と、困惑したような顔でクロリアが口を噤む。食べたいと言っている相手に、それはどうかなって言うのも憚られたからだ。
「もしよければ、私の倒した分も差し上げます」
「えっ、いいんですか?」
 やったぁ、と無邪気に微笑む唯希に、何だか嬉しくなってクロリアがはい、と頷いた。
「でも、お料理をあんまりしたことがないから、上手に調理できるか不安で……焼くだけでいいんでしょうか?」
「えっと……それは私もちょっとわからないです」
 料理もだけれど、あれを美味しく食べられるのかも。
「お料理でお困りデショウカ? 失礼、お話が聞こえてきたものデスカラ」
 バルタンといいマス、と二人に自己紹介をしてくれたのはバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)で、メイド服の裾を潮風に翻しながら優し気な笑みを浮かべる。
「あ、ぼくは観那月唯希です、そうなんです。お料理どうすればいいかなって」
「私はクロリア、料理は私も詳しくは無くて……焼くか煮るか生か、くらいしか思い浮かばないので」
 唯希とクロリアの言葉にバルタンがうんうんと頷き、瞳をキラーンと輝かせて言った。
「では、よろしければワタシがご一緒致しマショー! お料理ならお任せデス!」
「わあ、よろしくお願いします、バルタンさん!」
「よろしくお願いします」
 ぺこり、と頭を下げた唯希を真似て、長身のクロリアも頭を下げる。
「こちらこそデス! っと、早速海老が動きマシタヨー!」
 まずは料理の前にあの海老を倒すことだと言って、バルタンがファルシオン――正確に言うとファルシオン風のサムライソードなのだが、を構えた。
「はい! 食べる為に倒します!」
 海上ならフルートの出番だと相棒のシャチを撫で、事前に近くの海にいる動物達から聞いていたこの海域についてを頭に描く。穏やかな海域で、魚介も豊富……くらいしか聞き出せなかったけれど、フルートが暴れるのに支障はないということだ。
「ええと、はい。頑張って倒しますね……!」
 クロリアが直立し、目を閉じる。そして両腕で自分を抱きしめるような動きをした後、まるで誰の足跡も付いてい朝日を浴びて光り輝くような雪原を表現した静寂と純真さを秘めたリズムに乗って踊りだす。
 その優雅な動きは、まるで宴で踊る踊り子のように美しく、眼前に迫っていたライトニングタイガー達の動きを鈍らせた。
「素敵なリズムですね、よーしこのリズムに乗って突撃です!」
 一気にやっつけてしまいましょう! と唯希が召喚した動物達と相棒のシャチによる一斉攻撃を放つ。動きが鈍っていたライトニングタイガー達はそれを避けることも儘ならぬまま、次々と気絶するように甲板の上に沈んでいく。
「残りはワタシが収穫しマス! 六式武装展開、炎の番!」
 残り少なくなったライトニングタイガーに向け、バルタンが内蔵している火炎放射器から火焔を放つ。
「ふふ、ワタシの炎からは逃げられないデショー」
 翼を焼かれたライトニングタイガー達が、ばたばたと落ちてくるのを得意気な顔でバルタンが見つめていた。
「さあ、お料理開始、本番デスヨー!」
 ある意味こちらが本命なので、何一つ間違っていないバルタンの掛け声が響く。
「お料理はワタシにお任せデス、良ければ海老をこちらまで持ってきていただけマスカナ?」
「それくらいならぼくにもできます!」
「私も、それと……網の上で焼くくらいなら」
 唯希とクロリアの返事に笑顔で頷き、バルタンが調理を開始した。
「まずは活きのいい生海老をお刺身にして……」
 手早く唯希が運んでくれた海老を捌き、殻を剥いて下処理を済ますと刺身にした海老を皿へと盛り付ける。
「さあ、まずはこれを食べるデスヨー」
「わあ、お刺身!」
 わーい、と喜ぶ唯希がテーブルでお刺身を食べている間に、バルタンがグラタンとエビフライ、海老炒飯を同時進行で作り上げていく。
「焼き海老はクロリアさんが焼いてくれていマスカラ、お任せデス!」
「はい、お任せください! うう、良い匂いです……!」
 オブリビオンを食べるという行為に抵抗があったのだけれど、こんなに良い匂いをさせているのなら、もしかして美味しいんでしょうか? と、クロリアが首を傾げて唯希を見遣る。
「あの、唯希さん! 美味しいですか?」
「はい! とっても美味しいです、海老のお刺身! 味が濃くて、身がぷるっとしてて、お醤油が無くても食べれちゃいますよ!」
 生は、生はちょっと怖い。でも、焼いたものなら……大丈夫なのでは? とクロリアが思い始めた時だった。
「はい! まずはエビフライの出来上がりデス!」
 オーブン? コンロ? そんなものは自前のキッチンを展開して解決デース! とばかりに収納型メイド用キッチン、実質バルタン専用キッチンを展開している。
 キッチンを携帯している、なるほど???
「その次は海老グラタンデス!」
「わあ、すごいすごい、バルタンさんすごい! 美味しいです!」
 その賞賛の声にバルタンが笑みを浮かべ、クロリアは陥落する。
「一匹位なら……うん、食べても問題ないでしょう」
 そう言いつつ、お皿に盛り付けられたエビフライを一口。
「……! 美味しいです!」
「素材がいいのデス! 獲れたて新鮮、しかも海賊達が美味しいと言うくらいの海老デス!」
 オブリビオンなんですけどね!
「さあさあ、グラタンも食べてみるデスヨー」
 焼き上がったばかりのグラタン皿をテーブルへ置き、二人の皿へ取り分ける。
「グラタンも美味しいです! ホワイトソースが海老によくあってて、んー美味しい」
「あつ、熱いけど美味しいです……!」
 まだまだこんなものではないですよ、とバルタンが笑って、海老炒飯を作り上げるとお皿に山盛りにしてテーブルへ差し出す。それから、BBQの網の上でじっくりと焼いていた海老も、殻を取って食べやすい大きさにすると二人の前へと置いた。
「ふー、いっぱい作りマシタネ!」
「全部美味しいです、バルタンさんはお料理上手なんですね」
「うん、全部美味しかったです」
 美味しくて幸せといった表情を浮かべる唯希と、食べるまでは葛藤と猜疑心に満ち溢れていたけれど、食べたら美味しくてそんなものは吹き飛んでしまったクロリアが、ご馳走様でしたと手を合わせた。
「まだ残っている分は、他の方と……菊花殿にも可能ならお裾分けできマスカナ?」
 グリモアベースで海老を食べると意気込んでいた少女、なんと鉄甲船の操縦でそれどころではないのだけれど、お土産に包んで持って帰るくらいはできるだろうとバルタンが持ち帰り用のパックに海老フライと海老炒飯を詰めていく。
 残ったのは海老の殻と、満足気な笑みを交わす三人の笑い声だけであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アルデルク・イドルド

…海老だな。
まごうことなき海老だ…。

この戦争が始まってから料理したりだの食べたりだの結構したんだが…これでいいのかねぇ。
まぁ、食べるのも作るのも嫌いじゃないからいいんだが。

さてまずは捕まえないとな。
とりあえずかるーくUC【海神の弓矢】で攻撃して意識を失わせたら網で掬って確保。

海老はどんな料理にしても美味いがとりあえずまずは簡単にバターソテーにしてみるか。
うん、シンプルに美味い。

後は他の奴らが料理しやすいように茹でた海老の殻剥きでもしとくか。


カトル・カール
海老食べ放題と聞いて
…いやまあ戦争だし勝たねばならないからな、張り切って戦うとしよう

基本の戦術は【桜の癒やし】で眠らせて生け捕り
甲板上に来たのを狙ってカウンター攻撃
右往左往になると思うんで人とぶつからないよう声かけしながら
鮮度を大切に食材を集める…違った、効率よく多数の敵を狙って…もう建前はいいか、獲り尽くしてやる!

無事に海老漁が終わったらBBQタイムだな
まずは刺身醤油で生から
縦に割って網焼きに、
羽釜に米と水と海老を入れて炊き込みご飯

出来たら食べる、ひたすら食べる
食べるのに忙しくて無言になる
喋っても『美味い』以外の語彙が無いな

ありがとう食材の群れ
こちらも骨まで海老になった気分だ



●第九陣、だって海老だもの
 グリモアベースで聞いた、海老食べ放題という言葉に惹かれてやって来た者は少なくない。カトル・カール(コロベイニキ・f24743)もその一人で、甲板の上で青い海の向こう側に見える翼の生えた海老の軍団を見て、思わず呟く。
「本当に海老食べ放題だ……!」
 その呟きと同じタイミングで、アルデルク・イドルド(海賊商人・f26179)も誰に言うでもなく海老を見て言った。
「……海老だな、まごうことなき海老だ……」
 赤い甲殻、くるんと丸まったような尻尾、違うところと言えば翼が生えている事と、ちょっと雷光を纏っていることくらいだ。
 そんな、似たような言葉を発した二人は思わず顔を見合わせて――。あ、同士だなと頷き合った。
「俺はアルデルクだ」
「俺はカトル、よろしくな」
 簡単な自己紹介を済ませ、またふよふよと浮いている海老……ライトニングタイガーへと視線を遣る。
「美味そうだよな」
「ああ、この戦争が始まってから料理したりだの食べたりだの結構したんだが……」
 甘いものも食べた、腹ペコのコンキスタドールの気を引く為に海鮮BBQもしたし、ピクニック用のお弁当だって作った。
「その場で獲れたての海老をBBQにして食うことになるなんてな」
 これでいいのか、戦争だぞ? とは思う。思うけれどそれで勝ってきているのだから、これはこれでありなのだ!
「まぁ、食べるのも作るのも嫌いじゃないからいいんだが」
「気持ちはわからなくはないな」
 でも、海老が食べ放題なのだと、カトルが笑顔で頷く。
「これも戦争だし、勝たねばならないからな、張り切って戦うとしよう」
「そうだな、まずはあの海老を捕獲……倒さないと食べ放題もできないからな」
 カトルとアルデルクがこちらへ進軍を開始したライトニングタイガーに意識を向け――戦闘を開始した。
「まずはかるーく、ってな」
 海を属性とする数多の魔法の矢を頭上に展開し、アルデルクがこちらへ向かってきたライトニングタイガーに向けて一斉に掃射する。意識を失う程度の殺傷力に抑えたそれは、見事にライトニングタイガーを撃ち落として海へと叩き落した。
 それを網で、まるで漁業のように掬って甲板へと上げていく。
「お見事! じゃあ俺は……こうだ」
 カトルを中心として、桜の花弁が舞う。それは桜吹雪となって、甲板へ襲い掛かろうとしていたライトニングタイガー達を眠りの淵へと落としていく。落ちてくる海老に気を付けて、と甲板にいる人々に声を掛けつつ、バタバタと甲板の上に落ちていくライトニングタイガーに、カトルが笑顔で言い放つ。
「海老漁、完遂!」
「おー、こりゃ便利だな」
「でも海に落とすと、起きた時に厄介だからな」
 寝てる分、体力も回復してるからとカトルが笑って、起きる前にBBQにしようと海老を運んでいく。
「起きる前に……そりゃ急がないとな」
 アルデルクも自分が捕獲した海老を運び、調理を開始する。
「カトルは何を作るんだ?」
「俺は……まずは刺身醤油で生だな」
 何で食べても美味いだろうが、まずは刺身で食べたいとカトルが瞳を輝かす。
「ああ、そりゃ美味いだろうな……俺は簡単にバターソテーにでもしてみるか」
 バターに大蒜、海老とくれば間違いがない。
 カトルが手際良く刺身にした海老を摘まんで美味い、とアルデルクにも小皿で寄こしてくれる。
「ん、美味いな。甘さと蕩けるような身が……酒に合うだろうな」
「お酒、俺はまだ飲めないからな」
 言いながら、カトルが今度は大きめの海老を半分に割って、BBQの網の上に載せていく。
「そうか、それじゃあソフトドリンクとだな」
 アルデルクが笑って、バターソテーにした海老を味見だと刺身の小皿に載せて返す。
「ああ、バターも間違いがない奴だ……!」
 美味しい、と頷いて味見のお皿に入っていたバターソテーされた海老をぺろりと平らげた。
「俺、あとは炊き込みご飯を作ろうかな」
 米と水、茹でた海老に、剥いた殻と昆布も入れて醤油を少しと――。
「考えただけで腹が減ってくる……作ろう」
 もう絶対食べたい、とカトルが羽釜にセットして、BBQの網の上に置いた。
「釜焚きか、ヤバいな」
 絶対美味しい奴だとアルデルクも頷き、茹でた海老の殻をどんどん剥いていく。こうしておけば、自分達が食べ切れなくても他の奴が調理しやすいだろうとの配慮だ。
 ご飯が炊き上がるまで、二人で焼いた海老をひたすら食べる。焼いただけで美味しい海老ってなんだ?? と、考えてしまう程の美味さ。そうこうしているうちに、待望の炊き込みご飯が炊き上がり、カトルが蓋を開ける。
 濃厚な旨味を含んだ蒸気が、鼻を擽っていく。
「匂いだけでわかる、これは美味い」
 そう言って、海老の殻と昆布を取り出すとしゃもじで軽く上下を返して器に盛り、アルデルクへと渡す。もう一つは自分で持ち、いざ試食とばかりに口に放り込んだ。
「「美味い」」
 えっ何これ海老の炊き込みご飯ってこんなに美味しくなるものなのか? と、無言でアイコンタクトを取る。
 ヤバイ、美味い、以外の言葉が出てこないまま、二人は炊き込みご飯を平らげていく。
「……天使の海老、本当に高級食材だったな」
「ありがとう、食材の群れ……」
 もう骨まで海老になった気分だと、二人は満足気に笑うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

馬飼家・ヤング
うおー!プリップリのエビが食い放題やて?
こんなん乗るしかあらへんやん!

船上は波で揺れて足場が悪いから
ゴム紐を船の縁に引っかけて命綱にするんや
海に落ちてもびよよ~んって戻ってきて復帰できるし
そのままゴムパッチンの要領で一気に突っ込んで捕獲するんや!
はぁ~大漁大漁!!

船の上でBBQできるなんて至れり尽くせりやん!
ほな早速、獲ってきたエビをジャンジャン焼きまひょか
一緒に釣ってきた魚に、ホタテ貝のバター焼きやサザエのつぼ焼き!

あとエビといったら寿司もええなあ!
すし飯を握ってそこへ新鮮なエビをのっけて
生エビ、蒸しエビ、炙りエビ、それぞれに味わいが違うのもまた格別やな

海の幸満載で、正にくいだおれ天国や!


神宮時・蒼
……まさか、オブリビオンを、食べる、日が、来るとは…
…欠片も、予想、して、いません、でした、ね…
…いや、でも、美味しい、なら、問題、ない…?

【WIZ】
…ボク、だけなら、ともかく、味方に、影響が、出るのは、ちょっと…
なるべく「目立たない」ようにして攻撃を受けないように
…海老、いっぱい、撃ち、落とし、ましょうか
「全力魔法」「高速詠唱」「属性攻撃」で白花繚乱ノ陣に火属性付与して、こんがり焼いて…
調理する手間が、…省けませんか、そうですか
じゃあ頭落としましょう

ちなみに、これ、生で食べれるんでしょうか
あまり量は食べれないので、たくさん仕留められたらお裾分け
…茹でる、焼く、…後は、…揚げる…、蒸す…?


宝海院・棗
🌊海で戦闘するにあたって👙
【水中戦】【水中機動】【水泳】【高速泳法】【深海適応】【水上歩行】【環境耐性】を適用

🦐捕獲
【残像】【パフォーマンス】【ダンス】でおびき寄せつつ【範囲攻撃】【なぎ払い】【串刺し】【早業】を活かして鮮度をできるだけ落とさずに仕留める
選択UCも駆使し、攻撃をかいくぐりつつ捕獲していく

🍴食事
エビはスモークベーコン風の味付けで焼いたり、ガーリックバターでアボカドと一緒に炒めたのを、焼いた肉や卵とチーズと一緒にホットサンドにして食べるのもいいかも!エビニラフカヒレ小籠包も食べたい!
あとこれも飲むー?(ビッグクリームソーダなうでソーダを提供)



●第十陣、美味しいは正義なので
 プリップリの海老が食べ放題、そんな美味しい話……乗るしかあらへんやん! と、やって来た者がまた一人。
「いやー、ほんまに海老やな!」
 馬飼家・ヤング(テレビウムのちっさいおっちゃん・f12992)が液晶テレビの顔を笑顔にして甲板から海の向こうに見えているライトニングタイガーを指さす。
「ねー、ほんとに海老だね! 美味しく食べられるって本当なのかな?」
 隣で見ていた宝海院・棗(もち・ぷに・とろり。・f02014)も、ヤングの話し掛けやすそうな雰囲気に思わず問い掛けた。
「そりゃ、海老やで嬢ちゃん。食べられるに決まってるやんか」
 あまりにもきっぱりとしたその答えに、その後ろにいた神宮時・蒼(終極の花雨・f03681)がぽつりと呟く。
「……でも、オブリビオンを、食べる、のは」
「オブリビオン言うても、あんなん海老や」
 よう見てみぃ、とヤングに言われて蒼が彼の隣に立ってライトニングタイガーを見遣った。
「……うん、海老に、すごく近い、けど」
 オブリビオン……と言葉を続けようとして、遮られた。
「な!? 海老やろ? まぁあれや、百聞は一見に如かずっちゅーやつや。実際食べてみたらわかるやろ!」
「そっかー、食べてみないとわかんないもんね!」
「……オブリビオンを、食べる、日が、来るとは……」
 欠片も予想していなかった、と蒼は思う。でも、美味しいと良いなと思いながら、鉄甲船に迫りくるライトニングタイガーを見つめる。
「……来ます」
「よっしゃ! 嬢ちゃん達、一緒に海老を捕獲しよか!」
 わいは馬飼家ヤングやで、と名乗れば、蒼と棗も同じように名乗って、臨戦態勢を取った。
 三人寄れば戦闘方法もそれぞれで、まずはわいからやとヤングが動く。
「船の上は浪で揺れて足場が悪いさかいな、ゴム紐を……こうしてこうや!」
 特にテレビウムであるヤングからすれば、下手すれば転がって海へと落ちかねない。故に、彼が取った作戦はゴム紐を船の縁に掛けて命綱にする戦法だ。
「こうしたらな、海に落ちてもびよよ~んって戻ってきて復帰できるし、そのままゴムパッチンの要領で一気に突っ込んでけるやろ!」
「ごむぱっちん」
「……ゴムパッチン、とは?」
「なんや、ゴムパッチン知らんのかいな。よっしゃ、ひとつわいが見せたるからな、よう見とき!」
 ヤングが意気揚々と宣言し、よいしょお! とライトニングタイガーの群れに突っ込んでいく。
「これがゴム紐に任せて伸ばしてパッチンするあれや!」
 うおおお、と海老を遠心力で薙ぎ払い、ぐるんとゴムで一網打尽にするとびよーーんと伸びたゴムの力で甲板へと戻ってくる。
「どや!」
「……すごい、よく分からなかったけど、すごい、のは、分かります」
「よくわかんないけど、すっごいね! 次は私が頑張るよ!」
 そう言って手を上げた棗が、海上に躍り出る。柔らかい身体を活かした動きで、ライトニングタイガー達を翻弄しながら手にした美しい宝石でできた剣を振るい、できるだけ海老としての鮮度を保つように仕留めていく。
 仕留めた海老はポイポイと甲板に放り投げ、最後は自分の肉体をボールのように変化させてフライングタイガー達を気絶させるように体当たりし、びよーんと伸びた身体で持てるだけの海老を持ち帰る。
「なんや、棗ちゃんはスーパーボールみたいやな!」
 やるやないか、とヤングが褒めると、棗が嬉しそうにぴょんぴょん跳ねた。
「では、ボク、も」
 蒼が残りわずかとなったライトニングタイガーに視線を向ける。
 自分だけならば構わないが、今は味方もいる。なるべく影響が出ないようにと、目立たぬように前に出て、力ある言葉を口にし、杖で陣術を描く。
「……何にも、染まらぬ、誠実なる、白。何にも、染まる、無垢なる、白。……舞え、吹き荒れろ」
 炎の属性を付与した月花の吹雪を、残るライトニングタイガーに向けて撃ち放つ。
「これなら、こんがり焼けて……調理する手間が、…省けませんか、そうですか」
 こんがりどころか焦げ焦げになっているライトニングタイガーからそっと目を逸らし、それならば頭を落とそうと軌道修正を試みる。もう一度月花の吹雪を放てば、今度は残らず綺麗に頭の部分が跳ね飛ばされて――。
「完了、です」
「おお……蒼ちゃんは思いきると中々やな。はぁ~大漁大漁!!」
 中々ってなんだろう、とは思ったけれど、こくりと頷いておく。
「これで、海老が食べられますね!」
 棗が元の姿に戻って、甲板に落ちている海老を集めていく。
「せやけど、中々にでかい海老やな」
 翼も付いとるしな! と、ヤングが笑う。
「ちなみに、これ、生で食べれるんでしょうか」
「いけるやろ! よっしゃちょっとわいが捌いたるからな」
 ヤングがBBQの道具がセットされている場所で、大きな海老の殻を剥き、下処理をして刺身にしていく。
「ほれ、食べてみ!」
「わー、美味しそう! いただきます!」
「……いただき、ます」
 お醤油を軽く付けて、ぱくりと口に放り込む。
「どうや? ちなみにわいは毒見済みやで」
 美味いやろ? と言う風にヤングのテレビ画面が笑い顔を作る。
「すっごーい! 美味しい!」
「……美味しい、です」
「せやろせやろ、他にはどうしたろかな」
「……茹でる、焼く、……後は、……揚げる……、蒸す……?」
 蒼が首を傾げて問い掛けると、そうやなとヤングが頷く。
「私、スモークベーコン風の味付けで焼いたり、ガーリックバターでアボカドと一緒に炒めたのを、焼いた肉や卵とチーズと一緒にホットサンドにして食べるのもいいかも! って思うんだよね!」
「お、聞いてるだけで美味そうやな! ほな、棗ちゃんはそれ作り! わいはエビをジャンジャン焼きまひょか」
 船の上でBBQとは、至れり尽くせりやん! と、ご機嫌でヤングが海老を焼いていく。ついでに、海老を一網打尽にする時に一緒に釣ってきた魚と何故かあったホタテ貝とサザエもバター焼きとつぼ焼きにしていく。
「焼く、ボクも」
「お、手伝ってくれるんか? そないやったらこっちの海老見とってくれるか?」
 こくりと頷いた蒼に任せ、ヤングが寿司もええなと酢飯を用意する。
「生エビに蒸しエビ、炙りエビ……それぞれ味わいが違うんを食べ比べるのも最高やろな!」
 早速とばかりに寿司を握って海老を載せていく。
「こっちもできたよー! じゃーん、特製ホットサンドだよ! あとね、エビニラフカヒレ小籠包!」
 出来上がった料理を皿に盛り付け、棗がテーブルへと並べていく。
「……すごい、美味しそう……、です」
「よっしゃ、ほな食べよか!」
 いただきます、と両手を合わせ、三人で獲った海老を美味しく頂いていく。
「うーん、この濃厚なエビ! 格別やな」
「すごーい、お寿司も美味しいよ! 焼いた海老も魚も貝も、ぜーんぶ美味しいね!」
「……はい、どれも、……とっても、美味しい、です」
 桜色の髪を揺らし、こくこくと蒼が頷く。
「棗ちゃんのホットサンドも美味いなぁ、ほっぺたが落ちそうや」
「えへへ、ありがとう! あ、これも飲む?」
 そう言って、棗がクリームソーダをどこからともなく取り出して、二人の前へと置いた。
「美味そうなクリームソーダやな!」
「……しゅわしゅわ、です」
 美味しい料理に楽しい仲間、それにとっておきのクリームソーダ。
 三人の最高のランチタイムは、まだまだ続くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

朱赫七・カムイ
⛩神歌

リル、海老が空を飛んでいるよ
海老は空を飛ばないと約す神罰で地におとす

食べようか
生憎私は料理が得意ではなくて…カグラッ
じっとしていてくれ!
カグラの方が壊滅的であるから
噫、いつも食事を作ってくれるのは私達の愛しい櫻であり
私の妻である巫女だ…

豪華な料理はできないがシンプルに焼いて食すだけでも美味だろう
素材の味を活かす
それしか出来ないとも言う

塩胡椒とBBQソース、オリーブオイルも合うかもしれない
リル、それは?
レモンもよい

只管に海老を網焼きし味を加えて食べる
皆、良い食べっぷりだね

リル、海老を揚げて?!なんと高等な
海老天と海老フライと、素揚げ?
美味しいよ
幾らでも食べられる

私は本日を海老記念日と約そう


リル・ルリ
🐟神歌

わぁー!海老が飛んでるよ!
ふふー、じゃあ僕も!
歌って搦めてこっちへおいでと誘いおとす

海老ぱてぃをするぞ!
意気込んだ時、気がついた
いつも美味しいご飯を作ってくれるのは僕らの愛しい、僕の夫たる櫻で
僕達は食べる専門であることに

僕らだってできるよ、カムイ!男の料理だ!
とりあえず、焼く
美味しそうー!あついっ
ぷりぷり、じゅあーとして美味しいよカムイ!
お塩もいいね
こっちのそぉすもいい
カムイ、れもん!食べてみてよ、合うよ!

カグラにもカラスにもあげる
ヨルはもう沢山食べてるよ

そうだ!海老を揚げてみよう
そのくらい出来るさ多分
海老フライに、海老天!素揚げもいいよ
褒められた

美味しいね、カムイ
今日は海老記念日だ!



●第十一陣、本日は海老記念日!
 大海原を前に、朱赫七・カムイ(約倖ノ赫・f30062)が真っ直ぐに指をさす。
「リル、見てごらん」
 そう名を呼ばれ、リル・ルリ(『櫻沫の匣舟』・f10762)がカムイの指さす先を見遣る。
「海老が飛んでいるよ」
「わぁー! 本当だね、海老が飛んでるよ!」
 きらっきらの眼差しで、リルが空飛ぶ海老の大群に歓声を上げた。
「あれが、天使の海老と呼ばれる海老なんだね」
「そのようだね、大変美味なるものだとか」
「楽しみだね! カムイ!」
 美味しい海老が食べられる、それはリルの心を浮足立たせていたし、カムイの心もそわそわと擽っていた。
 海老の前には人も神もキマイラも、ちょっと楽しくなってしまうものなのだ――! それを、食欲というのだが。
「動き出したようだね」
「よーし、海老を捕獲するぞ、カムイ!」
 力強く頷いて、カムイが鉄甲船に襲い掛かろうとするライトニングタイガーに向かって、言葉を紡ぐ。
「海老は空を飛ばない」
 それはそうであると約す神罰、春雷と共に降り注ぐ春時雨の如き斬撃でライトニングタイガーの翼を断ち切っていく。翼をもがれた海老に、何が出来ようか。
「ふふー、じゃあ僕も!」
 負けないぞ、と言って、リルが歌を口ずさむ。
 何を見ているの どこを見ているの 何を聴いているの――そんな暇があるなら、僕をみて 僕の歌を聴いて。離して、あげないから。
 澄み切った透徹の歌声がライトニングタイガー達の魂を惹き付け、蕩けんばかりの魅了でその動きを封じていく。
 バタバタと甲板の上に落ちてくるライトニングタイガー達に、リルが大漁だ! とカムイに向かって笑った。
「これだけあればお腹もいっぱいになるだろうね」
「余ったら持って帰るのもいいかもだ。さあ、海老ぱてぃをするぞ!」
 楽しいぱてぃになるぞ、とリルが意気込んだ瞬間、ハッとした顔でカムイを見遣る。
「大変だ、カムイ」
「どうしたんだい?」
 ああ、カムイはまだ気が付いていないんだね、とリルが目を伏せ、意を決したように告げる。
「いつも美味しいご飯を作ってくれるのは僕らの愛しい、僕の夫たる櫻で、僕達は食べる専門なんだよ……!」
「!」
 その言葉に、カムイもハッとしたような顔をしてリルを見つめる。
「噫、そうだった……いつも食事を作ってくれるのは私達の愛しい櫻であり、私の妻である巫女だ……」
 どうしよう? と二人で顔を見合わせると、カムイの世話をしてくれている人形、カグラが動き出す。
「カグラが作ってくれるの?」
「駄目だ、カグラッ! じっとしていてくれ!」
 慌てたようにカムイがカグラを止める。
「どうしたの? お料理を作ろうとしてくれているんだよね?」
「リル、駄目なんだ。私も料理が得意ではないけれど、カグラの方が壊滅的であるから……」
 だから、気持ちだけ受け取っておくよ、とカムイがカグラの頭を撫でた。
「そっか……じゃあ、僕らだけでなんとかするしかないね」
「豪華な料理はできないが、シンプルに焼いて食すだけでも美味だろう」
 獲れたての海老だもの、きっとそれだけでも美味しいはず。……それしか出来ないともいうけれど。
「僕らだってできるよ、カムイ! 男の料理だ!」
 ぐっと握り拳を握って、リルがBBQのコンロの上に海老を載せていく。
「とりあえず、焼く!」
「火を通せば間違いなく食べられるからね」
 リルが焼け具合を見ている間に、カムイがご自由にお使いくださいのコーナーから塩胡椒とBBQソース、オリーブオイルと岩塩を持ってくる。
「焼けたらこれを使おう、きっと美味しい」
「わぁ、いいね! 絶対に美味しいよ!」
 じゅうじゅう、と良い音と良い匂いが網の上から漂ってくる。まだかな、もう少し、これは食べられそう、と様子を見ながら焼けた海老の殻をトングとキッチンバサミで剥いていく。
「食べやすい大きさに切った方がいいね」
 私がやろう、とカムイが慣れないながらも包丁で食べやすい大きさに海老を切る。それをお皿に載せて、リルと自分の分とを用意した。
「美味しそうー! いただきます!」
 あついっ! と、言いながらも熱々の海老にリルがかぶりつく。
「ぷりぷり、じゅあーとして美味しいよカムイ!」
「何も付けなくてもこんなに美味しいとは……塩を少し付けてみようか」
 お塩もいいね、とリルが笑い、色々な調味料を試していく。
「こっちのそぉすもいい、あっカムイ! れもん! 食べてみてよ、合うよ!」
「レモンもよい、うん、どれも美味しいね」
 焼けた傍から次の海老を載せて、どんどん焼いていく。
 そして焼けたものはどんどんカムイとリル、そしてカグラとカラス、ペンギンのヨルの胃袋へと消えていった。
「皆、良い食べっぷりだね」
「美味しいからね! でもちょっと飽きてきたな……そうだ! 海老を揚げてみよう」
「リル、海老を揚げて?! なんと高等な」
「そのくらい出来るさ、多分」
 そう、櫻が作るところを何回だって見てきたのだ、それくらい僕にだって! と、リルが彼の手元を思い出しながら海老の殻を剥いて、海老フライと海老の天ぷらを作る。
 その工程を固唾を飲んでと見守っていたカムイだったけれど、リルの料理は中々様になったもので、カムイの心配をよそにきちんとした海老料理を作り上げていた。
「さあ、どうぞ!」
「海老天と海老フライと、素揚げ? なんと……素晴らしいよリル!」
 さっそく一口食べて、カムイの頬が大きく綻ぶ。
「美味しいよ、幾らでも食べられる」
「褒められた!」
 やった、とリルが笑みを浮かべて自分の揚げた料理を口にする。
「うん、美味しい! 美味しいね、カムイ」
 僕だってやればできるんだ、と満足気だ。
「リル、私は本日を海老記念日と約そう」
 焼くだけでも美味しい海老を、君が料理して食べさせてくれたのだから。
「海老記念日……ふふ、今日は僕らの海老記念日だ!」
 そうとなれば、もっと食べなくちゃね、とリルの笑顔が空に弾けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

蘭・七結
【彩夜3】

おー、と握りこぶしを突き上げるわ
海老――海の幸をたんといただきましょう

海の上は任されたわ
花海月であるふわくらげの背に乗って
ちいさな友人を誘いましょう
ルーシーさん、ご一緒に
ふわふわ、ゆらり
暫しの海上遊泳を楽しみつつ
活きのいい海老たちを船の方へと追い詰めるわ

ときじさん、今よ
統率の取れた作戦だったわね

おー、と二度目の同意を示す
じゅうと焼ける匂いの香ばしいこと
嗚呼、おなかが空いてきたわ

お野菜もおにぎりも焼き目をつけて
どれもおいしくいただきましょう
海老のお刺身もいただこうかしら

――まあ、おいしいわ

チョコレイトのマシュマロをお持ちしたの
ほんの少し炙ってみましょう
とろりとして、とってもおいしいわ


宵雛花・十雉
【彩夜3】

エビをたらふく食いたいかー!
気合十分に拳を突き上げて食い気という名の士気を高める

オレが船上で待機
なゆさんとルーシーちゃんにエビを船まで追い立てて貰い
そこにすかさずUCをお見舞い
どうだい、この完璧な作戦

ふわくらげっていうのかい、可愛いヤツだなぁ
きっとエビにも負けねぇや

捕獲した後は飲むぞ!食うぞ!
とりあえず王道に網で焼いてみるか
醤油垂らしたらすげぇ良い匂いしてきた

へへ、張り切って肉に野菜におにぎりと色々持ってきたんだ

後はエビといえばなんだろ
天ぷらやフライか?
刺身で素材の味を楽しむのもいいよなぁ
お、ルーシーちゃん天ぷらに興味あるかい?
食いな食いな

デザートまであるたぁ贅沢だ
いやぁ、幸せだなぁ


ルーシー・ブルーベル
【彩夜3】

たべ、たい、ぞーー
天に向けて拳をあげるわ

ルーシー達は海からね
ふわくらげ、さん?
なゆさんはステキなお友だちがいるのね
ええ、いっしょに!
がんばりましょう
ゆらゆら海に揺れるのは楽しいな
泳ぐお友だちを喚んで
いっしょに海からエビさんを追って十雉さんの待つ船の方へ集めてね

作戦が決まれば拍手!
わあわあ大漁ね

たべる、ぞー
そう言えばエビさんが生きてる所も
焼く所も始めて見るわ
ひえ、跳ねてる

良い香りがすればお腹が空いて
ルーシーはヤキソバ持ってきたのよ!
お肉もオニギリもとてもおいしい
テンプラ?っていうのも気になるわ
わあい、いただきます

デザートまで!とってもステキ
ふうふうしながら一口
んん、甘くておいしい!



●第十二陣、色気より食い気、それは海老の前では正しい選択である
「エビをたらふく食いたいかー!」
 戦争中の海域ではあるが穏やかな青い海の上に浮かぶ鉄甲船の甲板の上、良く晴れた空に向かって拳を突き上げた宵雛花・十雉(奇々傀々・f23050)の声が響く。
「たべ、たい、ぞーー」
「おー」
 それに合わせ、ルーシー・ブルーベル(ミオソティス・f11656)と蘭・七結(まなくれなゐ・f00421)が十雉に続くように拳を突き上げる。
「よし、食い気という名の士気は充分だな……!」
「ええ、これ以上ないってくらいに高まっているわ!」
「はい、海老――海の幸をたんといただきましょう」
 三人の意志は今一つになっていると言っても過言ではないほどに、海老に――ライトニングタイガーへと向かっていた。
「作戦を確認するぞ」
 十雉の言葉に、二人が頷く。
「まずはオレが船上で待機、なゆさんとルーシーちゃんにエビを船まで追い立てて貰う。こっちにエビが来たら、すかさずユーベルコードをお見舞いする……どうだい、この完璧な作戦」
 追い込み漁、という奴である。
「ええ、海の上は任されたわ」
「完璧だね……! ルーシ達は海からで……海から、どうやって海から?」
 こてん、と首を傾げたルーシーに七結が心配ご無用とばかりに微笑みかける。
「そこはこの子……花海月であるふわくらげにお任せしてもらえるかしら」
 七結の手からふわりと飛んだ、可愛らしい海月が見る間に大きくなっていく。
「ふわくらげっていうのかい、可愛いヤツだなぁ」
「ふわくらげ、さん? なゆさんはステキなお友だちがいるのね」
 花のようにふわり、ゆらり、ふわくらげが宙を舞う。
「ふふ、そう、わたしの大事なお友達なの。ルーシーさん、ご一緒に」
 どうぞ? と、七結がルーシーへ手を差し伸べる。
「ええ、いっしょに!」
 差し出された手を取って、共にふわくらげの上に座る。
「わあ、ステキ!」
 ゆらゆら、ふわり。
 二人を乗せたふわくらげは海に――ライトニングタイガー達が待ち受ける方へと向かって行った。
「はは、これならきっとエビにも負けねぇや」
 十雉が見守る中、ふわくらげの上の二人は暫しの間海上遊泳を楽しんで。
「ゆらゆら海に揺れるのは楽しいな」
「ルーシーさんも同じ気持ちで嬉しいわ」
 ね、と二人で顔を見合わせてライトニングタイガーを誘き寄せるべく、ルーシーが泳ぐお友だちを召喚する。
「おねがい、導いて」
 その願いに応え、宙泳ぐヌイグルミがルーシーの期待に応えるべく、ライトニングタイガーの群れへと向かう。
「海老がきたわ」
「その調子よ! 一気に十雉さんの待つ船の方へ集めてね」
 ふわくらげもライトニングタイガー達を誘い込むようにふわりひらりと舞って、鉄甲船の方へと泳いだ。
「お、来たな」
 ふわくらげとルーシーのお友だちに付いてくるように、こちらへ向かってくるライトニングタイガー達に十雉がニヤリと笑って、ありったけの霊符を準備する。
「ときじさん、今よ」
 七結が十雉とすれ違う寸前でそう声を掛け、ふわくらげを十雉の真後ろに付けた。
「ああ、任されたぜ!」
 眼前に迫るライトニングタイガーの群れに向け、霊符を放つ。
「大人しくしてな」
 そう言って、霊符に気を放つと――符を通して流し込んだ霊力により、ライトニングタイガー達の動きを封じ込めたのであった。
「捕獲完了だ!」
 十雉のその声に、ルーシーがぱちぱちと拍手をする。
「わあわあ、大漁ね」
「統率の取れた作戦だったわね、お疲れ様……海老がいっぱいだわ」
「よーし、飲むぞ! 食うぞ!」
「たべる、ぞー」
「おー」
 なんてったって、まだ生きている海老だもの、どんな調理法だって美味しいに決まってる。
「とりあえず、王道として網で焼いてみるか」
 甲板に落ちている海老を集め、小振りなものの翼をトントンっと落として網の上に載せていく。
「そう言えばエビさんが生きてる所も、焼く所も始めて見るわ」
「そうなのか、じゃあルーシーちゃんには一番最初に食べて貰わないとだな、っと」
 動きを封じてはいるけれど、活きがいいせいか海老がぴちりと跳ねる。
「ひえ、跳ねてる」
「獲れたて、新鮮な海老ってことさ」
 パチパチ、じゅうじゅう、海老の焼ける小気味のいい音、そして――。
「……良い匂いだな」
「食欲をそそる匂いね、おなかが空いてきたわ」
 香ばしい香りが辺り一面に広がって、三人のお腹が小さくクウ、と鳴った。
「お腹が空いたね」
 焼けるまでの我慢だと、ぐっとルーシーが海老を見つめる。
「よし、ここで醤油を……」
 じゅわぁ、という音と、醤油の焦げる香り。
「……やばい、すげぇ良い匂いしてきた」
 大きな海老をトングで取って、十雉が殻をキッチンバサミを使って剥いていく。そしてぷりっぷりの焼き立ての剝き海老をルーシーと七結の皿へと載せた。
 いただきます、と三人で声を合わせ、海老を頬張る。
「……うっま!」
「わあ、おいしい!」
「まあ、とってもおいしいわ」
 美味しい、という感想以外出てこないくらい、天使の海老は三人の心を捕らえて離さない。暫く無言でお皿の上の海老を食べ続け、一息ついて――。
「ヤバい、この海老はヤバイ」
 まだ語彙力が溶けていた。
「エビさんすごいね……あっそうだった、ルーシーはヤキソバ持ってきてたのよ!」
「あ、オレも肉に野菜におにぎりと色々持ってきてたんだ」
 海老を前にしてすっかり忘れていたと、二人が荷物を開いてテーブルへと持ってくる。
「肉もおにぎりも焼いて、たっくさん食べようぜ!」
「ヤキソバも、ソースでじゅーってしようね。エビを入れたらもっと美味しくなるかな?」
 よし、やろう! と、十雉が焼きそばを切った海老と野菜と共に炒めていく。
「なゆさん、ソース頼む!」
「はい、このくらいかしら?」
 丸く円を描くように、焼きそばの上に七結がソースを垂らす。それを十雉がべちゃっとならないように綺麗に混ぜて、海老入り焼きそばの出来上がりだ。
「焼きそばに海老の旨味が加わって、これも美味い!」
「ソース、海老にも合うね」
「香ばしくて、とっても美味しいわ」
 何を食べても美味しいのは、海老の力も大きいけれどきっと皆で食べているからね、と七結が微笑む。
「お肉も、おにぎりもとってもおいしいのも、そうかも!」
「一人で食べるより誰かと食べた方が美味しいって思えるからな」
 よし、と十雉が笑って、次は天ぷらにフライ、刺身でもするかと包丁を握る。
「テンプラ? っていうの、とっても気になるわ」
「わたしはお刺身が気になるわ」
「お、ルーシーちゃん天ぷらに興味あるかい? なゆさんは刺身だな、ちょっと待ってな」
 可愛い女の子二人を前にして、十雉が張り切って海老を捌いて刺身と天ぷらにしていく。
「十雉さんはお料理が得意なのね」
 感心したようにルーシーが言うと、十雉が笑って天ぷらをルーシーの前へ置く。それから、刺身を七結の前へ刺身醤油と共に置いて、自分も味見と刺身を摘まむ。
「あっま!」
「――まあ、甘くて、海老の味が濃厚で……お刺身、すごくおいしいわ」
 ぷりっとした歯応えも堪らない。
「テンプラも、とっても美味しいのよ! さくさくで、お口の中がしあわせなの」
「そりゃ良かった、もっと食いな食いな」
 二人にそう勧めて、自分も摘まみながら持ち込んだ酒を飲む。幸せなお昼ご飯だと十雉が笑う。
「そうだわ、わたしチョコレイトのマシュマロをお持ちしたの」
 皆のお腹が良い具合にくちいてきた頃に、七結がチョコレートのマシュマロを取り出す。
「ほんの少し炙ってみたら、美味しいかしら?」
「デザートまで! 炙るのもとってもステキ!」
「いいねぇ、炙ろうぜ」
 串に刺し、少しだけ炭火で炙ってとろんとしたマシュマロをふうふうして、一口。
「とろりとして、とってもおいしいわ」
「んん、甘くておいしい!」
「贅沢な味だな。いやぁ、幸せだなぁ」
 海老も美味しかった、酒も美味い。女の子達は幸せそうに笑っていて、言うことなしだ。
 来て良かったなと十雉が笑えば、ルーシーと七結もマシュマロを片手に笑顔で頷いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

誘名・櫻宵
桜館A3

海老よー!
天使の海老が大挙して食べられにきたわ!
千鶴、零時!箸は持った?!
狩り尽くし、食べ尽くすわよー!

さぁ海老パーティーの始まりよ
網の上にたんと並べてBBQ

ガーリックバターにシンプルに塩胡椒もいいわよね
千鶴、それ凄く美味しそう…
ひとつ頂いてもいいかしら
カラッと揚げた海老の串揚げも美味だわ
海老天もあげてみようかしら
でもやはり、新鮮であるなら!
酢飯を持ってきたから海老にぎり寿司も握るわよ!
生でも美味しいわー!
この身の甘さとぷりぷり食感…最高ね
零時ったら、すごい勢いね
たんと食べて大きくなるのよ

千鶴と零時にエビを食べさせまくるし私も食べるわ

あー美味しい!
こんな海老なら、毎日降ってきてもいいわ


兎乃・零時
桜館A3

エビ―!
箸!?この段階で用意しててよかったの!?(準備する)
まぁいいや
狩りつくして食べつくすぞ―!

あ、海老は事前に魔力砲とかで撃ち落としたり水泡《バブル》の魔術で包んで運搬します
海老狩りだァ!

海老パーティー!ワクワクだな!
BBQ!
網で焼くのってなんか楽しいよな…
海老をフライにするのも良いし、色んな味付けに変えるのも良い…
海老天も美味しそう…
ほふぅ、美味し…宇宙で海老は食べれないしどんどこ食べていきたい
折角だし生でも食べるか!
もぐもぐ沢山食べてほおばれば美味しいが口いっぱいで幸せだ…
もっと大きくなってかっこよくなってやんのさ!(どやぁ

毎日海老…今度他の奴らにもお土産に持ってきたいなぁ


宵鍔・千鶴
桜館A3

美味しそうなエビの方から
来てくれるなんて好機だね
うん、櫻宵。ばっちり準備出来ているよ!
箸と調理器を持ってそわそわと
さくっと狩ってエビパーティだね

網の上でじゅわっと焼いて
味付けはガーリックや塩胡椒
殻を剥いてとろりチーズを掛けて
勿論!櫻宵も零時もどうぞー

海老天も凄く美味しそうだね…
丼たれ垂らして海老天丼にしてもいい…
櫻宵が持ってきた酢飯に思わず
わーって拍手をしつつ
やっぱり獲れ立ての海鮮は生だよね!
握り寿司に舌鼓
マヨネーズと和えてエビマヨ軍艦アレンジしよう
甘みと歯ごたえに美味しいねえ…って顔がゆるむ
零時にエビをそっと皿に追加
大きくなあれ…育ち盛り…(微笑み)

毎日エビ狩り出来たら夢のようだな?



●第十三陣、海老が食べられにやってきた!
 鉄甲船の甲板の上から、誘名・櫻宵(爛漫咲櫻・f02768)が楽しそうな声で水平線に向けて叫ぶ。
「海老よー!」
 それに続いて、兎乃・零時(其は断崖を駆けあがるもの・f00283)も。
「エビー!!」
 それを横から眺め、楽しそうに微笑んでいる宵鍔・千鶴(nyx・f00683)が、エビだね、と頷いた。
「天使の海老が大挙して食べられにきたわ!」
 見て、本当に翼の生えた海老よ、と櫻宵が満面の笑みを浮かべて、まだ距離のあるライトニングタイガーを見遣る。
「美味しそうなエビの方から来てくれるなんて、好機だね」
 何の? 食の!
「本当に羽が生えてんだな、あの海老」
 しかも、飛んでいる。飛行や転移が阻害されているのだけれど、コンキスタドールには無効なのだろうか? と、零時が首を傾げていると、櫻宵がすちゃっとマイ箸を構えた。
「千鶴、零時! 箸は持った!?」
「うん、櫻宵。ばっちり準備出来ているよ!」
「えっ、箸!?」
 箸と調理器を持って、千鶴がそわそわと海老の群れを見ている。
「どうしたの? 零時、お箸を忘れてしまったのかしら」
 櫻宵が心配そうに零時を見て、予備のお箸を貸しましょうかと首を傾げた。
「いや、この段階で用意してて良かったのかって思って!!」
 箸は俺様も持ってきてるぜ! と、青いお箸を零時が櫻宵に見せる。
「まあ、それじゃあ安心ね! これで海老を食べられるわ!」
「食べる前に狩らなくてはいけないけどね」
 まずはあの海老の大群を倒さないと、と千鶴が動き始めたライトニングタイガーの群れに向き直った。
「そうね! 狩り尽くし、食べ尽くすわよー!」
「おう! 狩りつくして食べつくすぞ―!」
「さくっと狩って、エビパーティだね」
 三人の心は既にエビパーティ、略してエビパに飛んでいる。
「行くわよー!」
 櫻宵の号令を合図に、零時と千鶴がそれぞれ得意な武器を構えて襲い来るライトニングタイガーに立ち向かう。
「海老狩りだァ! 喰らえー!」
 魔力を弾丸とし、零時が杖を構えて砲撃を放つ。それは幾筋もの流星のようにライトニングタイガーを撃ち落とし、零時がガッツポーズを決めながら水泡の魔術で包み、甲板のBBQセットの方へと運ぶ。
「海老だわ! さぁ! 首を……首は駄目ね、翼をはねておしまい!!」
 今日は特別に首は許してあげるわ、と赤を唇にのせて櫻宵が血桜の太刀を振るう。その切っ先は次々とライトニングタイガーの翼を刎ねて、飛行能力を失ったまま甲板に転がっていく。
「残りは俺が片付けようか」
 千鶴が血染め桜の打刀をすらりと抜いて、ライトニングタイガーへと向けた。
「幾度でも咲かせ、葬送ろう、己が身落つる涙が枯れ果てようとも」
 打刀がぶわりと桜の花びらに姿を変え、ライトニングタイガーに向かって襲い掛かる。それは翼を切り落とし、雷光を纏う角のような触覚すらも叩き落し、フライングタイガーを無力な海老へと変えて甲板に落としたのだった。
「さぁ、海老パーティの始まりよ!」
 獲れたての海老をBBQの網の上にたんと載せて、櫻宵がうきうきとした笑顔でエビパの開催を告げる。
「BBQ! 網で焼くのって、なんか楽しいよな……」
 零時が早くもお腹が空いたような顔をして、網の上でぴちりと跳ねる海老を眺めている。
「ガーリックバターに、シンプルに塩胡椒で食べるのもいいわよね」
「うん、網の上でじゅわっと焼いて、味付けはガーリックに塩胡椒……殻を剥いた熱々の海老に、チーズを掛けて炙るのも美味しそうだね」
「まあ! 海老にチーズ……千鶴、それ凄く美味しそう……!」
「海老をフライにするのも良いし、色んな味付けに変えるのも良い……海老天も美味しそう……」
「海老天も凄く美味しそうだね……丼たれ垂らして海老天丼にしてもいい……」
 零時が思いつくままに海老料理の名を呪文のように唱えると、それに頷きながら千鶴も料理の名を呟く。その言葉の羅列に、櫻宵がキリッと顔を上げて自分の胸をぽんと叩く。
「任せて、全部作ってみせるわ!」
 私のお料理の腕の見せ所ね、と櫻宵がたすき掛けをして着物の袖を邪魔にならないようにして、早速調理開始だと包丁を握った。
「じゃあ、俺と零時は網の上の海老を見張ろうか」
「焼けたら、塩振ったりガーリックバターの皿に入れたらいいんだな!」
 焼けた海老の殻だって剥いてみせるぜ! と、零時が元気よく拳を突き上げる。
「大きな海老だから、トングとキッチンバサミを使おう」
 これなら綺麗に殻が剥けると千鶴が笑って、トングをかちんと鳴らした。
 二人が網の上の海老と格闘している間に、櫻宵が日頃のお料理の腕を思う存分に振るう。生の海老の殻を剥き、下処理を済ませてそれぞれ海老フライに海老の天ぷらの処理を加えて……油で揚げる、良い音が甲板に響き渡る。
「カラッと揚げた海老の串揚げも美味よね、ちょっと串に刺すには大きすぎるけど……」
 他には何が良いかと悩み、でもやはり、新鮮であるなら! と、櫻宵が目の前の大きな海老に瞳を輝かせて頷く。
「お刺身、そしてお寿司よ!」
 持ってきていた酢飯を握り、生の海老をお寿司サイズに切り分けて載せていく。
「ちょっと味見よ」
 そう言って、残った刺身を自分の口にそっと放り込む。
「生でも美味しいわー!」
 身の甘さとぷりぷりとした食感、新鮮な生の海老ならではの味わいだと櫻宵が満足そうな笑みを浮かべた。
「さあ、こっちはできたわよー! 二人の方はどうかしら?」
「こっちも焼けたぜ!」
「もう少しで今焼いている分の殻を剥き終わるよ」
 数をこなして慣れてきたのか、その殻を剥く手付きも鮮やかなもの。
「じゃあ、こっちのテーブルにできたお料理を並べたから、剥き終わったらこちらへきてね!」
 そう言われて、ちらりと視線を遣ったテーブルには所狭しと海老料理が並べられていて、思わず二人の殻を剥く速度も上がるほどだ。
 すっかり焼いた海老の殻を剥き終わって、それをもりもりに盛ったお皿を中央に、櫻宵の作った料理をその左右に置いて豪勢なエビパの始まりである。
「わーっ」
 ぱちぱちと、千鶴がその豪華さと美味しそうな握り寿司に拍手を起こす。
「美味そう! 食っていいよな、な!?」
「ふふ、たっぷりあるから、皆でいただきましょう!」
 三人が手を合わせ、マイ箸を持っていただきます! と声を合わせた。
「ほふぅ、美味し……宇宙で海老は食べれないし、どんどこ食べるぞー!」
 口いっぱいに海老を頬張って、どんどんお皿に海老を載せては零時がその胃袋に消していく。
「零時ったら、すごい勢いね……! たんと食べて大きくなるのよ」
 まるで姉か母のような慈愛に満ちた瞳で櫻宵が零時を眺め、彼もまた海老をその胃袋に収めていく。
「やっぱり獲れ立ての海鮮は生だよね! ああ、でも海老フライも海老天も、どれもこれも美味しいね」
 千鶴も二人の勢いに負けないとばかりに、海老の握りや揚げ物を頬張る。そして、零時のお皿にそっと海老を追加して、大きくなあれ……育ち盛り……と微笑んだ。
「んん、この生の海老も美味いし、フライも天ぷらも最高だぁ……! 俺様、この海老を食べてもっと大きくなってかっこよくなってやんのさ!」
 二人の期待に必ず応えるぜ! とばかりに、零時が海老を頬張って、その美味しいで口の中をいっぱいにして幸せそうに笑った。
「あー、美味しい! こんな海老なら、毎日降ってきてもいいわ」
「毎日エビ狩り出来たら夢のようだな?」
「毎日海老……今度他の奴らにもお土産に持ってきたいなぁ」
 こんなに美味しい海老なのだ、仲のいい友人に食べさせてあげたくなるのも道理だ。
「そうだね、持って帰ってもいいんじゃないかな?」
 マヨネーズと海老を和えて、エビマヨ軍艦にチャレンジしていた千鶴が零時の言葉にそう返す。
「そうよ! こんなにあるんだもの、生だと危ないから、茹でたのとか焼いたのは持って帰って食べたらいいわ」
 そうと決まれば、もっと海老フライを揚げようかしらと櫻宵が立ち上がる。
 帰ってからもエビパが続く予感に、三人の笑みは深まるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

橙樹・千織
【迎桜B3】

え、海老に
翼が生えてます…
空飛ぶ海老に呆然

あら、颯も海老食べたいのですか?
なら働かざる者食うべからず、ちょっとお手伝いしておいで
ふわり風を操って、海老達を誘導
その後は気儘に戯れて

さて、次は私の番ですねぇ
刀を構え落ちてきた海老を切断
ヴォルフガングさん、お願いしますねー

どんな海老料理にしましょうか
シンプルに焼いてBBQソースでいただくのと…
色んな料理を思って耳ぴこ

あら、清史郎さんは猫派でしたか
お料理しつつ微笑み
少し自慢げに尻尾をゆらり

ん、どれも美味しい
料理に舌鼓を打ちつつ、そっと乾杯
あら、良いのですか?
では私にもお酌させてくださいな

ふふふ、ほんと。幸せ
友人達とのひとときに尻尾をゆらり


ヴォルフガング・ディーツェ
【迎桜B3】

生えてるね、海老に翼…
まあ毒はないらしいし問題ないない、筋肉に良いのも重要だね!(筋肉友の会同士の清史郎にサムズアップしながら)
俺は【指定UC】で強化した「全力魔法」に詠唱技能を組み合わせルーン魔術を行使
はい、任された!鮫の精霊さんことジベ君に綺麗に海老を水洗いして貰い、氷のルーンで止めの瞬間冷凍

火起しは火のルーンでささっと、背ワタを抜きつつ串刺して焼こう!
MVPの颯は海老、食べられるかな?とジベ君にも差し出しつつ微笑んで
清史郎は猫派、だと…!酷い、犬族の俺を差し置いて浮気だ!とけらけら笑う

2人に乾杯と梅酒を掲げ
ホントにね、大切な友達と楽しめる時間はいつだって最高で楽しいものだ


筧・清史郎
【迎桜B3】

とても美味しそうな海老達だ(にこにこする健啖家
海老は筋肉にも良い食材だしな(筋肉友のヴォルフガングに笑み

では俺は、颯が誘導した海老を水矢で撃ち落とそう
洗えて一石二鳥かと(微笑み
その後は千織と共に刀でさくり捌き
冷凍はヴォルフガング、任せた
…颯とも後で戯れたい(猫さん大好き

料理は好きなので手際良く下拵えと調理
まずはシンプルに串焼きに
酒に良く合うガーリックシュリンプも作ろう
ヴォルフガングの手際はさすがだな
ふふ、猫さんもだが、犬さんも勿論大好きだぞ?(微笑み
もふもふは正義だ(きり

二人と乾杯
千織、良ければお酌しようか
おお、有難う

ふふ、とても美味だ
友人達と過ごす時間はやはり楽しくて良いものだな



●第十四陣、海老は筋肉に良い
 きらきらと光る海の向こう側に、白い天使のような翼を持つ海老がいた。
 それはパリパリと青白い雷光を纏い、渦潮へ向かって進軍するライトニングタイガーの群れ――。
「え、海老に翼が生えてます……」
 その姿を目の当たりにし、橙樹・千織(藍櫻を舞唄う面影草・f02428)が呆然と呟く。
「生えてるね、海老に翼……」
 ヴォルフガング・ディーツェ(花葬ラメント・f09192)も千織の横で同じ光景を目にし、海老に翼か……と目を何度か擦っていた。
「とても美味しそうな海老達だ」
 そんな二人をにこにこと眺め、海老を見て美味そうだと微笑むのは健啖家を自負する筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)だ。
「俺は何でも美味しく食べてしまうからな」
 もちろん、本当に美味しいものならば尚のこと良しである。
「それに、海老は筋肉にも良い食材だしな」
「まあ毒はないらしいし問題ないない、筋肉に良いのも重要だね!」
 高タンパク低カロリー低糖質、筋肉に良い! と、筋肉友の会の同士である清史郎が笑みを向け、ヴォルフガングがサムズアップで返す。
 そんな二人の様子に、海老に翼が生えているなど些事なのかもしれない……と呆然としていた千織が思い直す。ここはグリードオーシャン、欲望の海。海老に翼が生えていてもおかしくない……本当におかしくないのでしょうか? という気持ちには蓋をして、己の横でふわりと飛ぶ朝焼け色の精霊猫の首を撫でる。
「あら、颯も海老を食べたいのですか?」
 ゆらゆらと尻尾を揺らす颯が、にぃと鳴いて意志を示す。
「なら、働かざる者食うべからずです。ちょっとお手伝いしておいで」
 千織の声に応え、颯がその小さな翼を羽ばたかせてライトニングタイガーをこちらへ誘導するべく甲板からと飛び立つ。
「おお、颯は働き者だな」
「一番に海老を食わせてやらないとだね!」
 ふわりと風を操って、ライトニングタイガーをこちらへ向かわせると颯が跳ねるような動きで敵を誘う。その動きに触発されたのか、ライトニングタイガー達は真っ直ぐに颯の向かう鉄甲船――こちらへと押し寄せていた。
「では、俺は颯が誘導した海老を水矢で撃ち落とそうか」
 洗えて一石二鳥……この場合は一矢二海老か? と微笑んで清史郎が目前に迫ったライトニングタイガーに向けて、桜の花弁を纏う水龍の加護受けた無数の水の矢を構え――。
「舞い降れ、桜雨」
 一斉に群れに向けて、水の矢を放った。
「さて、次は私の番ですね」
 颯がきっちりと働いた分、私もそれに応えなくてはと千織が黒鉄の刀身に藍色の装飾が施された日本刀を構える。
「内なるものを刺し留めるは柘榴の荊。汝を縛りて断ち切らん」
 水の矢によって撃ち落とされたライトニングタイガー達を、千織がその海老の身を傷付けずに行動や術に不可欠な神経とエネルギー回路のみを断ち切っていく。
「ヴォルフガングさん、お願いしますねー」
「冷凍はヴォルフガング、任せた」
「はい、任された! 法則を我が意の儘に、戯れの幕を落とさん」
 締めだと笑って、ヴォルフガングが己の魔力を高めつつ、ふわふわと飛行するぬいぐるみのような見た目のジンベイザメの精霊、ジベザベスⅦ世――愛称ジベ君に綺麗に海老を水洗いしてもらい、高めた魔力によって氷のルーンを全力で行使した。
「止めは瞬間冷凍、なんてね!」
 甲板には新鮮なまま凍らせた海老と、すぐ食す為にも生のまま動きを止めてある海老と、それはこの後の海老食べ放題の様相を呈していた。
「さて、どんな海老料理にしましょうか」
 まずはシンプルにそのまま焼いて、BBQソースで……岩塩も……ガーリックバターも絶対に美味しい……色んな料理を思い、千織のツシマヤマネコの獣耳がぴこりと動く。
「では下拵えをするとしようか」
 食べるのも好きだけれど、料理をするのも好きなのだと清史郎が手際よく海老の下拵えを進める。刺身用と、串焼き用と……串はバーベキューの肉を刺す串で足りるだろうか? と海老の大きさに首を傾げつつ、ぶすりと刺してはBBQの網の上に並べていく。
「火おこしは俺にお任せだ」
 火のルーンでさっとコンロの炭に火を点けて、清史郎の手伝いをする為に殻を剥いて背ワタを抜いたりと、ヴォルフガングがせっせと生の海老を処理する。
「串焼きはこのくらいでいいでしょうか? あとはお刺身と……フライパンでガーリックバター炒めもいいですね」
「そうだな、刺身は今切っているから……漬けておいたガーリックシュリンプを炒めるのを頼んでもいいか?」
 清史郎の頼みに頷いて、千織がコンロの上に置いたフライパンに漬け込んだシュリンプをオイルごと入れ、炒まったところにバターを入れて完成させる。
 出来上がったものはお皿に盛ってテーブルへ、刺身も透き通るような身を綺麗に盛り付けて清史郎がテーブルへ運んでくれとヴォルフガングに頼んだ。
「さて、颯にご褒美をやらなくてはな」
 まな板の上に残してあった海老の刺身を軽く茹で、氷水で締めると清史郎が手ずから颯に海老を食べさせてやる。
「おお、美味いか?」
 ぺろりと食べた颯が、清史郎の指先を舐めて、美味しいというように鳴いた。
「MVPの颯が美味いっていうなら、間違いなく美味しいね!」
 その様子にヴォルフガングが笑って、俺達も食べようと焼き上がった串焼きをテーブルへ運んで席へ着く。
 三人揃って手を合わせ、いただきますと海老へと齧り付いた。
「ん、どれも美味しい……!」
「ああ、これすっごく美味しいな、颯がお代わりをねだってもおかしくないね」
 ジベ君も食べるかな、と焼いた海老をヴォルフガングがジベザベスⅦ世に差し出して笑う。
「刺身も甘さが際立って……ん? 颯も食べるか?」
 颯がフライングタイガーを追い立てる前から、颯と戯れたいと思っていた清史郎はここぞとばかりに颯を構い海老を食べさせてやる。
「あら、清史郎さんは猫派でしたか」
 千織が海老に舌鼓を打ちつつ、少し自慢気に尻尾を揺らした。
「清史郎は猫派、だと……! 酷い、犬族の俺を差し置いて浮気だ!」
 ヴォルフガングがそう言うと、ふさふさの尻尾をバタバタとさせ、けらけらと笑う。
「ふふ、猫さんもだが、犬さんも勿論大好きだぞ?」
 何せもふもふは正義だからな、と清史郎が微笑んだ。
「さて、そろそろ酒を飲むとしようかな」
 料理の味をたっぷりと堪能した後は、お酒を飲みながら楽しむのも一興。
「二人とも、乾杯だ」
 清史郎が杯を傾け、二人のグラスに軽く打ち付ける。
「ふふ、お酒にもとっても合います」
「梅酒と海老、合うな!」
「ああ、とても美味だ。千織、良ければお酌をしようか」
「あら、良いのですか?」
 空になった千織のグラスに、清史郎が酒を注ぐ。
「では、私にもお酌させてくださいな」
 酒瓶を受け取って、千織も清史郎の杯へと注いで。
「美味い海老に美味い酒、それに……友人達と過ごす時間はやはり楽しくて良いものだな」
「ホントにね、大切な友達と楽しめる時間はいつだって最高で楽しいものだ」
「ふふふ、ほんと。幸せ」
 千織が尻尾をゆらりと揺らし、ヴォルフガングが狼の耳をぴこりと動かす。
 そしてそんなもふもふを眺め、清史郎が幸せいっぱいの笑みを浮かべるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鴇刄・紫雨
🍶🚬×2


美味いツマミ…じゃねぇ
エビからやって来るとはな
調理は全面的にお前に任せるから俺は兎に角食材狩り

UCの藍の炎で軽めに炙り
新鮮なうちに紫陽の元へ
火加減どーだ?と
シンプルな味付けで焼きも良いが、揚げも捨て難い
チリソースのタレ使った
ピリ辛も酒が進みそうだ
包丁握るお前に
既に期待値高く
結局は――任せるの信頼ひとつ
肉野菜と握り飯あるなら完璧
ひたすら焼きは手伝いつつ
香ばしいエビが焼き上がるまで
……待ちきれ無ぇ
一杯引っ掛けキッチンドリンカーだったか?こういうの
手際良い紫陽へ
口元に盃近づけて
今日はとことん付き合えよ、紫陽?
……んだよ、酔っ払ってねーよ、と抗議

並べられた至高の料理
最高の宴会に成りそうだ


空露・紫陽
🍶🚬×2


足場習熟で船に
環境耐性で海に慣れ
不意の事故は幸運任せ

海老はUCで貫通させて綺麗なカタチ残せりゃ理想
ある程度捕獲したら俺は料理に専念すっかな

お、イイ下拵え
火加減は完璧
チリソース和えって
酒に合うモン解ってんな
ok
代わりに肉と野菜焼くのは任すぞ
握り飯含め持ち込みは其処だと指差し
自前の包丁をくるりと回し料理道具も準備万端

――さぁて、作るかね

って紫雨お前なあ…
とっておきの酒もう空けたのかよ
やれやれ顔で盃から一杯
最後迄付き合うからイイ子で待ってろ酔っぱらい

リクエストのピリ辛なエビ
甘いエビチリ
シンプルな塩焼き
バターソテーにフライも如何よ?
まだまだ有るぜと
作ったモンを並べて

最高の宴に洒落込もうぜ



●第十五陣、海老はお酒の良いツマミである
 戦争、である。
 鴇刄・紫雨(月露・f17470)と空露・紫陽(Indulgence・f30642)が立つ甲板の海域は、蒼海羅針域の破壊に向かおうとするコンキスタドールが通る航路。渦潮に迫らんとする敵をここで食い止めるべく、二人はここにいるのだが。
「美味いツマミ……じゃねぇ、エビからやって来るとは」
「どう見てもエビだな」
 コンキスタドールには見えないが、それでも普通の海老と違う個所はある。翼が生えているし、パリパリと雷光を纏って青白い光を放っているのだ。
 それでも、どう見ても海老だった。
「美味いらしいな」
「海賊共が言うなら、間違いないんじゃねーか?」
 紫陽の問いに、紫雨が答えて唇に咥えていた煙草を離し、遠くに見えるライトニングタイガーに向かって真っすぐに煙を吐き出す。
「食ってみりゃわかるだろ」
「違いない」
 紫雨の言葉に紫陽が笑って、こちらへと近付きつつあるライトニングタイガーに構える。
「じゃ、調理は全面的にお前に任せるから。俺は食材狩りといくか」
「手助けくらいはしてやるよ」
 抜かせ、と笑った紫雨が自身の周囲に二藍の華の炎を多く浮かび上がらせた。
「劫火の紅藍、灼き尽くすまで」
 目前に迫ったライトニングタイガーに向けて、容赦なくそれを放つ。
「軽めに炙っといてやるからな」
 炎を受けて翼が燃やされたライトニングタイガー達が甲板に次々と落ちていく。
「翼が燃えれば飛べなくなる、なるほどな」
 感心したように紫陽が中距離の小型銃を構え、炎をすり抜けてこちらへ来ようとするライトニングタイガーの眉間を狙って白銀の弾丸を放ち、甲板に撃ち落とす。
「こんなもんか、あとは任せたぞ」
「了解」
 残ったライトニングタイガーの処理を任せ、紫陽がさっそく下拵えだと甲板に落ちた海老を纏めてBBQのセットの方へと運ぶ。そこには簡単に調理ができる場も設けられており、紫陽が海老の殻を剥いて背ワタを取って行く。
「しかしでかいな」
 粗方処理が終わったころに紫雨の方も片が付いたようで、大漁だと海老を持ってやってくる。
「軽く炙っといた海老、火加減どーだ?」
「どれ」
 確認してみれば、あとはBBQのコンロの上に少し置いておけば充分な物や、これから炒めるのに使えそうなものまでと絶妙な加減だ。
「イイ下拵えだな」
 そう笑って、コンロの網の上で焼く分を紫雨に渡して、並べておいてくれと紫陽が頼む。それくらいなら、と海老を所狭しと並べれば、じゅうじゅうと焼ける海老の香ばしい匂いが鼻先を擽った。
「……腹減ったな」
「もうちょっと待ってろ。何か食いたいもんあるか?」
 そう言われ、紫雨が思い浮かべるのはお酒に合うツマミ。シンプルな味付けの焼き海老も良いけれど、揚げた海老も捨て難い。
「揚げたのと、チリソースのタレを使ったピリ辛の奴」
「チリソース和えとフライか、酒に合うモン解ってんな。OK、代わりに肉と野菜を焼くのは任すぞ」
「……海老でいっぱいだぜ」
 さっき自分が載せたのだ、焼けるまで場所はない。
「ふっ、はは」
 思わず吹き出して、口元に手をやった紫陽が焼けてからでいいと笑う。
「わかった」
 そう言って、紫雨がバツの悪そうな顔をしてトングを持って海老の焼き加減を見る。焼けた傍から皿に盛り、空いた場所で野菜と肉を焼いていく。ちらりと紫陽に視線をやると、見慣れた包丁を握る姿が見えた。
 美味いもの作るんだろうな、とその包丁捌きに思わず期待が満ちる。そんな期待が掛かっているとは知らず、紫陽が包丁を楽し気にくるりと回して。
「――さぁて、作るかね」
 と、下拵えの済んだ海老をフライ用の大きさに切ったりソテー用にしたりと捌いていく。
「先にリクエストの品を作るとするか」
 茹でた海老をチリソースとサワークリームと和え、ピリ辛なクリームチリソース和えサラダをひとつ。もう一つは甘いエビチリと、シンプルにガーリックバターソテーに、海老フライと、どんどんと料理を手際よく作っていく。
「……待ちきれねぇ」
 香ばしい海老の匂いを肴に、一杯くらい許されるだろうと紫雨が酒を引っ張り出して、盃に注いでくいっと呷る。
「ああ、握り飯はそこに……って、紫雨お前なあ……とっておきの酒、もう開けたのかよ」
「握り飯もあるのか、完璧だな。そう言うな、この匂いに囲まれて我慢が出来ると思うか?」
 こういうのをキッチンドリンカーと言うのだったか、と思いつつ紫雨が笑って紫陽の口許へ盃を近付ける。
「今日はとことん付き合えよ、紫陽?」
「しょうの無い奴だな」
 寄せられた盃に口を付け、傾けられるままに酒を飲んで紫陽が紫雨を追い払う。
「最後迄付き合うから、イイ子で待ってろ酔っぱらい」
「……んだよ、酔っ払ってねーよ」
 これくらいで酔う訳が無いだろ、と抗議の声を上げるが、これ食ってろと海老のクリームチリソース和えを渡されては大人しくテーブルに座って飲むしかなかった。
 少しすると、料理を終えた紫陽がテーブルに出来上がった料理を並べて紫雨の隣に座る。
「バターソテーにフライも如何よ? まだまだ有るぜ」
 追加で作るのだって吝かではないと、紫陽が笑う。
 そうして、二人で乾杯をして並べられた至高の料理に舌鼓を打って。
 二人だけの最高の宴会は、これからが本番――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ウェリナ・フルリール
【鱈腹3】

はわ…菊里、伊織、みてください!
えびさんがとんでます…!
とってもおいしそうなのです!(じー

まずは、えびさんをおとします!
やりのピエールを、えいえいっとなげてしとめるです(脳筋

バーベキュー、リナはじめてなのです!
おりょうりのおてつだいするのです(ふんす
リナはちからもちなので、おまかせください!

おなかすきました!(ぱあっと笑顔でいただきますを
えへへ、みんなでがんばったで賞、なのです
えとえと…菊里、えびさんどうやってたべるのです?(殻に悪戦苦闘
(そうっと口にし)すごくおいしいのです…!
ピエール(竜)、あーんなのです
伊織も、あーんしますか?
ピエールがしてくれるそうです!(にぱっといい笑顔で


千家・菊里
【鱈腹3】
いやぁ、飛んで火に入る冬の海老とは実に珍味…いえ珍妙な光景ですねぇ
(同じくじーっと獲物見つめ)
ふふ、腹も腕も鳴ってしまいますね

炙り焼きはお任せあれ
海上ならば寧ろ炎が活きて良い
UCで空に網張る様に範囲攻撃
早業で群ごとこんがり

ふふ、ウェリナさんは初BBQですか
では一層張り切って、楽しく美味しい体験にしましょう

(てきぱき肉や野菜も焼いて頂きますたいむへ!)
御馳走は力の源――ウェリナさんは力持ちさんとしてお手伝いも頑張ってくれた分、一等大物をどうぞ(殻との戦いを援護つつ)
ふふ、本当に美味しくて幾らでも食べられそうですね
伊織も御褒美頂けて良かったですねぇ(各あーんをそれはもう微笑ましく見守り)


呉羽・伊織
【鱈腹3】
世の中には不思議な食物…いや生物がいるな
海老が手羽先しょってきた、みたいな?
(沸き立つ戦意こと食欲に遠い目しつつ笑い)
全く活きが良い事で!

早業で闇属性UC放ち目潰し先制
続けて2回攻撃で羽も穿ち敵の利を奪う
此方が飛べぬなら彼方を落とすまで!

食材揃えばもとい仕留め切れば打上!
焼くのは任せて、俺は箸休め(?)に活造りでも作るかなー
ウェリナもお手伝いアリガト
初なら一際良い思い出にしないとな!

(良い匂い満ちれば頂きます!)
ああ、お手伝い頑張ったで賞は大事だ
それと上手に殻も取れたで賞も追加だな!
(食べ易そうなのを盛って!)
しかしホント仲良しだな~
って俺も!?(無邪気な心を無下に出来る訳もなく!)



●第十六陣、美味しい海老は誰にとっても等しく美味しい
 広い大海原を行く鉄甲船の甲板の上で、ウェリナ・フルリール(ちいさな花騎士さん・f13938)がぴょんぴょんと飛び跳ねて千家・菊里(隠逸花・f02716)と呉羽・伊織(翳・f03578)の名を呼ぶ。
「はわ……菊里、伊織、みてください! えびさんがとんでます…!」
 海老が飛んでいる、またそんな幻覚でも見たのかな? なんて思いつつ、伊織がウェリナが指さす方を向く。
「……世の中には不思議な食物……いや、生物がいるな」
 海老に翼が生えてる、そして淡い雷光を纏って飛んでいる。百聞は一見に如かずとはこのことかなぁ……なんて伊織が軽く遠い目をしていると、菊里が笑みを湛えた瞳で獲物を見つめて言った。
「いやぁ、飛んで火に入る冬の海老とは実に珍味……いえ、珍妙な光景ですねぇ」
 この船にいる猟兵は、皆海老を食べる事を目的にしてこの甲板に立っていますのに、と菊里が笑う。
「いやぁ、それ以外の目的で来てる人もいると思うけど」
「海老ですよ?」
「そうです、えびさんです! とってもおいしそうなのです!」
「ソウダネ、エビ美味しそうだネ。海老が手羽先しょってきた、みたいな?」
 沸き立つ戦意、もとい食欲に遠い目をして笑いつつ、伊織が徐々に近付きつつあるライトニングタイガーに視線を向ける。ぴちぴちと跳ねる様に翼を羽ばたかせている姿には、シュールを通り越した何かを感じてしまうほど。
「全く活きが良い事で!」
「活きがいい海老、最高ですね。ふふ、腹も腕も鳴ってしまいますね」
「リナも、リナもおなかがなっています!」
 なんたって時間はお昼、お腹も空く頃だ。
「よし、それじゃあ海老を捕獲するとしようか!」
「ええ、抜かりなく」
 参りましょう、と武器を構えていざ――海老狩り!
 目前に迫ったライトニングタイガーに、まずはウェリナが宣言する。
「えびさんをおとします! ピエール!」
 ウェリナが翡翠色のドラゴンランスを構え、えいっと投げる。可愛らしい姿とは裏腹に、ピエールは海老を串刺しにしてはウェリナの手元に戻り、戻った槍を再び投げるという、単純ながらも効果のある脳筋作戦だ。
「やるな、ウェリナ」
 これは負けていられないと、伊織も闇属性を付与した数多の暗器を放ちライトニングタイガーの視覚を奪い、返す動きで羽を穿って甲板へと落とす。
「此方が飛べぬなら彼方を落とすまで!」
「おや、伊織にしてはよく考えましたね」
「褒めてるようで褒めてないな!?」
「伊織、かしこいです!」
「ありがとな!!」
 自棄になったようにライトニングタイガーの翼を切り落としていく伊織に笑って、菊里が己の周囲に狐火を燃やす。
「炙り焼きはお任せあれ」
 海上ならば、寧ろ炎が活きて良いと扇を一振り。それを合図としたように、狐火が空に網を張るように広がって、ライトニングタイガー達を群れごとこんがりと焼いた。
「BBQいらずだな……」
「おいしそうなにおいです! あれはやっぱりえびです!」
 わあい! と喜ぶウェリナが最後だと槍を放ち、ライトニングタイガーの群れは全て甲板へと落ちたのであった。
 食材の確保が済んだら、お待ちかねのBBQタイムである。
「バーベキュー、リナはじめてなのです!」
「ふふ、ウェリナさんは初BBQですか」
 それでは一層張り切って、楽しく美味しい体験にしなくてはいけませんね? と菊里が腕捲りをしてたすきを掛ける。
「リナも、おりょうりのおてつだいするのです」
 ふんす! と可愛らしく息を荒げて、ウェリナも袖をまくった。
「では、俺がBBQのコンロに海老を並べますから、海老を運んでくれますか?」
「はい! リナはちからもちなので、おまかせください!」
 ててて、と走っては腕に海老を抱えては戻ってくるウェリナの姿は頼もしく、あっという間に甲板の海老が菊里の元へ集まっていく。それを網の上に並べ、じっくりと炭火で焼くのだ。
「あとはお肉と野菜も必要ですね」
 持ち込んだそれらも網の上に載せ、タレの準備をしていく。
「焼くのは菊里に任せるとして、オレは箸休め……になるかはわからんが、活造りでも作るかなー」
 どれ、と包丁を持ち大きな海老を捌いて殻を剥いては背ワタを抜く。身はぷりっとして透き通り、刺身にしても絶対に美味しいと思わせる美しさ。それに包丁を入れ、食べ易いサイズにして皿へと並べれば海老の活造りの出来上がりだ。
「頭は……でかくて邪魔だから割愛だな」
「からはこっちのごみばこにすてていいですか!」
「お、ウェリナもお手伝いアリガト」
 そこのごみ箱に纏めて捨てていいと伊織が言うと、大漁の殻をウェリナが捨てていく。
「殻だけでゴミ袋一つ分以上あるな?」
「沢山焼きましたからね」
「たくさんうちおとしたのです!」
 そうだね、いっぱい獲ったね、と伊織が薄い笑みを浮かべて頷く。
「よし、こっちの刺身はできたぜ」
 テーブルに海老何尾分かも分からないほどの活造りを載せた皿を置き、飲み物を用意して伊織が座る。
「おなかすきました!」
 ウェリナがぱあっと顔を輝かせ、海老が満載のテーブルの中央へ、菊里がその隣へと座った。
「御馳走は力の源――ウェリナさんは力持ちさんとしてお手伝いも頑張ってくれた分、一等大物をどうぞ」
「ああ、お手伝い頑張ったで賞は大事だ」
 網の上で炭火焼にした一番大きな海老をウェリナのお皿の上に載せると、ウェリナが瞳を輝かせる。
「えへへ、みんなでがんばったで賞、なのです」
 そして、そのまま菊里を見つめ――。
「えとえと……菊里、えびさんどうやってたべるのです?」
 殻ごといけるのかな、と首を傾げた彼女に菊里が海老の剥き方を教えてやると、ウェリナが悪戦苦闘しつつも殻を剥いてほかほかの身にそうっと口を付けた。
「すごくおいしいのです……!」
 ぱく、と食べて、また一口。また一口と、ウェリナが海老を平らげていく。
「よし、上手に殻も取れたで賞も追加だな!」
 伊織が笑って、ウェリナのお皿に食べやすくした海老を置いてやる。
「俺達も食べるとしましょうか、伊織」
「ああ」
 暫しウェリナが海老を食べる様子を見守っていた二人も、焼いた海老に手を付けて殻を剥き、勢いよく頬張った。
「ふふ、本当に美味しくて幾らでも食べられそうですね」
「これは何も付けなくても美味いな……塩をちょっと、あとレモン……うーん、どうやっても美味いな! 活造りも食べようぜ」
「お刺身も身が透き通って……ん、甘海老みたいに濃厚な味わいですね」
 こちらも、何も付けなくとも充分に美味しいが、醤油と山葵があれば更に食が進むというもの。
「とってもおいしいえびさん、ピエール、あーんなのです」
 竜の姿になったピエールに海老を寄せると、ピエールも美味しそうに海老を平らげていく。
「しかしウェリナとピエールはホント仲良しだな~」
「はい! 伊織も仲良ししますか? あーんしますか?」
「って、俺も!?」
「ピエールがしてくれるそうです!」
 にぱっと笑った幼女の笑顔に、否と言えるだろうか。いや、言えない。
 純粋な厚意を受け取るべく、伊織はピエールにあーんをしてもらう。
「伊織も御褒美頂けて良かったですねぇ」
 なんとも微笑ましい光景に、菊里の頬にも笑みが浮かんでいる。
 煌く太陽の下、楽しいランチタイムは海老を食べ尽くすまで続いたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ロキ・バロックヒート
雲珠くん(f22865)と

何故エビに羽が生えているのか?
その謎を解明するため、我々猟兵はグリシャンの戦地へと向かった――

ナレーションしてたら雲珠くんがすごい悲鳴あげてた
雷駄目なのかなぁってのんびり思う
長靴…雲珠くんが出してくれたから頑張って履くよ
もたもた履いてる間に雲珠くんがエビはなんとかしてそう
鳥型の獣の影を操って魚も獲ってみようっと

お刺身食べたーい
ぷりぷりで絶対おいしいしぜひ捌いてよ
このエビのお造りとか迫力ありそう
羽の飾りやばそうだし
魚とかも一緒にシンプルに塩焼きとかも良いよね
一緒においし~って食べよう

菊花ちゃんにお土産?
んじゃこっちのお魚も持って帰ろうか
帰ったらまた巻き寿司しちゃう?ふふ


雨野・雲珠
ロキさんと!/f25190
※落雷は天敵の一つ

外骨格に翼って仕組みどうなってキャーー!
あーっ海水!水場に電撃!凶悪!
えっと、えっと、こういう時は【六乃宮】――作成、ゴム長靴!…二人分!
ロキさんこれ履けます?やだ?水かからないとこにいてくださいね。
涙目で【枝絡み】を絡み合わせて投網っぽいもの作成。
お覚悟ー!

はぁ…はぁ…怖かった…
これだけ新鮮ならお刺身で食べたいですよね。
家庭【料理】レベルですが、頭とって。背わたもとって…
わぁ…すごい。透けて見えるほど。それにほんのり甘い。
お魚もおいしいです…!

氷を分けて頂いて、何匹か菊花お嬢さんへのお土産に。
へへ、またしたいです巻き寿司。
次はエビフライも作ります!



●最終陣、海老探検隊が見たものは――!
  きらきらの太陽の下、海から照り返す光りを受けながらロキ・バロックヒート(深淵を覗く・f25190)がマイクを持った振りをしながら、海の向こうに向けて言う。
「何故エビに羽が生えているのか? その謎を解明するため、我々猟兵はグリシャンの戦地へと向かった――」
 視線の先には翼の生えた海老、海老、海老の群れ。
「外骨格に翼って仕組みどうなってキャーー!」
 その翼持つ海老が纏う青白い雷光に、雨野・雲珠(慚愧・f22865)が絹を割く女の悲鳴も斯くやといった悲鳴を上げた。
「え、どうしたの雲珠くん」
 ナレーションしてる間に何があったの、とロキが雲珠を覗き込む。
「雷! 雷ですよロキさん!」
「うん、ぱちぱちしてるね」
 ちょっと強めの静電気みたいだなぁ、なんてロキがのんびりと考えていると、真剣な顔をした雲珠が再び叫ぶ。
「あーっ海水! 水場に電撃! 凶悪!」
 運が悪ければ感電じゃないですか! と、桜の精として落雷は天敵の一つな雲珠が若干顔を青くした。
「雲珠くん、雷駄目なのかぁ」
「駄目と申しますか、なんと言いますか、天敵です」
「天敵」
「しかもこちらからはどうすることもできない、当たるとアウトな……!!」
 今は桜の樹ではなく、人の姿だから避けられるんじゃないかなぁって思ったけれど、人の速度じゃ無理かなと思ってロキは言うのを控えた。賢明である。
「えっと、えっと、こういう時は……六乃宮」
 思い浮かべるは長靴、それも漁師が使う様な滑り止めもばっちりなガチのやつだ。
「作成、ゴム長靴! 二人分です……!」
 我ながら良くできたゴム長靴だと頷いて、雲珠がロキへと長靴を渡す。
「ロキさんこれ履けます? やだ?」
「長靴……」
 足にぴったりとしたものが苦手で、常ですら裸足なのだけれど、雲珠が相手を思って作ってくれた長靴を無碍にするようなロキではない。
「ううん、大丈夫。頑張って履くよ」
 よいしょ、と甲板の上で長靴を履く。履くのだが、まず靴の類を履きなれていないので、もたついてしまう。
「あっ海老が!」
 既に長靴を履いて準備万端な雲珠がロキの前へ出て、背に庇う。
「水がかからないとこにいてくださいね!」
「うん」
 中途半端に長靴を履いたまま、ロキがよいしょともう少し後ろへと移動する。それを確認して、雲珠がライトニングタイガーの群れに向き合った。
「ああああ、パリパリして、うう、俺はやれる桜です!」
 ほんのり涙目になりつつも、枝絡み――雲珠の意のままに伸びうごめく桜の枝と根を巧みに使い、投網のようなものを完成させて――。
「お覚悟ー!」
 投網漁とばかりに、投げた。
「やっと履けたー」
 長靴を履いて、とてとてとロキがやってくる頃には大方のライトニングタイガーが桜の枝に絡めとられていた。
「わあ、桜の木ならぬ海老の木だね」
「はぁ……はぁ……怖かった……! 海老の成る木……ちょっと嫌です」
 ぴちぴちと跳ねる海老の成る木を想像して、ふるふると雲珠が首を横に振る。
 そう? と言いながら、枝絡みでは捕えきれなかったライトニングタイガーをロキの影から作られた鳥型の獣が、迅速に捕らえて甲板に落としていく。
「ついでに魚も獲ってみようっと」
「では、その間に俺はお料理をしますね」
 さっそくBBQのコンロの方へ向かい、枝絡みで捕らえたままの海老を一匹ずつ開放して翼を落とし、家庭料理レベルではありますがと海老の下処理を行う。
「雲珠くん、お魚獲れたよー」
 ほら、とロキが見せたのは立派な魚。
「わあ、立派なお魚です! これだけ新鮮なら、やっぱりお刺身で食べたいですよね」
「お刺身たべたーい。海老はぷりぷりで絶対おいしいし、ぜひ捌いてよ」
「はい! お任せください」
 綺麗に殻を剥き背ワタを取って、現れた身は向こう側が薄っすらと透けて見えるほどにぷりぷりの身。
「わー、すごいね、もう美味しそう……このエビのお造りとか迫力ありそう、羽の飾りやばそうだし」
「羽も飾ります?」
「うんうん、飾ろう」
 ロキのリクエストに応え、雲珠が海老の頭を皿の端に載せ、薄く切った身を続けて並べると最後に羽を飾る。そしてそれをテーブルへと並べた。
「……尾頭付きならぬ、羽付きの海老ですね」
「すごーい、豪華ー」
「あとは焼いて、茹でるのも美味しいですよね」
「魚も一緒に塩焼きにしようよ」
 殻付きのまま海老を炭火焼の網の上に載せ、魚は腹の部分からワタだけ抜き、塩を振って網の上に載せてじっくりと焼いていく。
「ロキさん、先にお刺身を食べましょう!」
「わー、食べる~」
 いただきますをして、二人で海老のお刺身を一口。
「わぁ……すごい、ほんのり甘くて海老の旨味がぎっしり詰まってて……」
「おいし~、これならたくさん食べられそうだね」
 はい、と頷いた雲珠が笑みを浮かべて焼いた海老と魚を取り分ける。
「わー、こっちも美味しいね。生とは違う美味しさだよ」
「炭火の良い香りと、海老の香ばしい香りが……! お魚もほくほくです!」
 海老と魚に舌鼓を打って、満足するまで食べると、ふっと浮かぶのはここへ案内してくれた菊のお嬢さんのこと。
「氷を分けて頂いて、何匹かお土産にしてもいいですか?」
「うん、いいよ。いっぱいあるからね」
「あれだけ海老と仰っていたのに、船の運転があって食べられないそうで」
「菊花ちゃんにお土産? んじゃこっちのお魚も持って帰ろうか」
 雲珠がクーラーボックスを六之宮の力で作りだし、海老を詰めていく。
「これだけあれば、先生にも……」
 色々作れると頷くと、ロキも笑って海老をつつく。
「ふふ、帰ったらまた巻き寿司しちゃう?」
「へへ、またしたいです巻き寿司。次はエビフライも作ります!」
 そうしたら、また皆で美味しいものを食べましょうと雲珠が笑って、ロキもそれはきっと楽しいだろうなぁと頷いた。
 海老に翼がある理由はわからなかったけど、翼のある海老が美味しいことだけはわかった、そんな楽しいお昼ご飯でありました。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月15日


挿絵イラスト