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マメクマとダンゴピヨ

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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 ここはズンダ村。
 名産は豆。豆がめっちゃ採れる。
 この豆をすりつぶして出来る、緑色のあんこは絶品。周辺の街道沿いの茶屋では、このあんこを使った、通称『ズンダ団子』がおすすめの品だ。
 そして村では、年に一度、ズンダ団子大食い大会が開催される。大食い自慢が周辺の村や他の藩から参戦し、賑わいをみせるのだ。
 今年もそろそろ大会開催という事で、参加者が集まってきている。
「おい、あれ去年優勝した『団子殺し』じゃねえか?」
「あっちの美人は『団子女将』! 去年は準優勝だったけど今年はわかんねえな!」
「あの巨漢は、無冠の帝王、『ダンゴ・ざ・ぐれえと』!」
 村人達が、集う猛者達を見かけては、記念にサインをもらってる。
 だが、今年の参加者は、人間だけではないようだ。
「くまー!」
「うああクマが出たぞぉぉぉ!」
 突如、村の入り口に押し寄せる、クマの群れ。鮭を抱えてる奴もいる。
 そしてその後方には、巨大な黒いひよこが控えていた。
「団子……食わせるピヨ……」
 その瞳は、飢餓感に満ち満ちていた。

「皆様、今回もお集まりいただき感謝いたします。此度の依頼の舞台は、サムライエンパイアでございます」
 ヴェルタール・バトラー(ウォーマシンの鎧装騎兵・f05099)の言葉に呼応し、風景がのどかな和風の村に変わった。
「年に一度の団子大食い大会が、オブリビオンによって襲撃を受けるというのです」
 多数襲来するのは、近くの森から現れたクマの群れだ。
 そして、それをけしかけているのは、黒いひよこだという。
 そいつを倒し、村を、そして団子大食い大会を守って欲しい、というのがヴェルタールの依頼である。
「まずは、露払いとまいりましょう。ドバーっと殺到するクマの群れを駆逐するのです」
 クマの狙いは、村の名産、豆だ。鮭だけでは、栄養が偏るらしい。
 畑に被害が出ないよう、村に入る前に迎え討つのが良いだろう。
「このクマ、素直な性質らしく、呼ばれるとすぐに近づいてきますので誘導は容易いでしょう。加えて、やたらともふもふで、もふもふするともふもふします」
 もふもふが渋滞している。
 つまり、余裕があればクマに触れ、もふもふの手触りを堪能させてもらうのもいいだろう、という事らしい。
「クマを追い払えば、黒幕である黒ひよこが姿を見せるでしょう。これを撃破すれば、クマの襲撃は収まり、村に平和が訪れます」
 平和になるとどうなるか。
 団子大食い大会がつつがなく開催される。
「無事村を守り通せたなら、皆様もこの団子大食い大会に参加されてはいかがでしょう」
 優勝賞品は、団子一年分。
 そして副賞として、村の石碑にその名が刻まれるのだ!


七尾マサムネ
 お団子美味しいですよね。

 今回の依頼は、「迫りくるクマの群れを撃退し」、「ボスである黒いひよこをこらしめて」、「団子大食い大会に参加する」という三本立てでお送りします。

●クマ
 ぬいぐるみみたいで可愛いけど凶暴。
 「豆食べ放題ピヨ」と黒ひよこにそそのかされて、村を襲います。

●黒いひよこ
 『まっくろピヨたろう』と呼ばれる鳥の妖怪。
 攻撃方法からしてもふもふ。いやおうなしにもふもふ。
 とにかく食い意地が張っている。
 大会のために準備される団子を奪うために、森のクマをけしかけたようです。

●団子早食い大会
 あちこちから、腕というかお腹に自信のある猛者達が集まっています。
 ちなみに、昨年の優勝者は『団子殺し』の二つ名を持つ、中年男性サムライ。
 準優勝者は『団子女将』と呼ばれる細身の謎の美女です。

 それでは、皆様のご参加、お待ちしております!
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第1章 集団戦 『もりのくまさん』

POW   :    もぐもぐたいむ
戦闘中に食べた【鮭 】の量と質に応じて【全身の細胞が活性化し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    たべちゃうぞ! 
【ある日、森から 】【現れた熊が】【かわいい顔に似合わぬ鋭い爪の斬擊】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    みんなあつまれー!
【くま 】の霊を召喚する。これは【くまぱんち】や【くまかみつき】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ナイ・デス
お団子、お団子!
お祭り、楽しみ、ですね

くまさんと、ひよこさんは……仲良く一緒には、食べられませんか
残念。では、撃退です
ぬいぐるみみたいなくまさんは、蜜が好きと、聞いた事があるので……
【蜜ぷに召喚】!蜜ぷに達(花の蜜でできたスライム)くまさんに食べられたりして、お腹を満たしたり、囮になってください!
その間に、私はくまさん、ぎゅっと、してみます
もふもふ……

と、ここから普通のくまさんなら、動物と話す技能で説得したり
蜜や、私の肉体は再生するからお食べと
満足して帰ってもらうですが

帰らないとか、オブリビオンなら
もふもふ……ぐさり
毛皮とか鎧無視攻撃で無視して刃使って、暗殺です
生命力吸収もセットで、命奪います



「お団子、お団子! お祭り、楽しみ、ですね」
 楽し気に、ズンダ村を訪れたナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)。
「でも、くまさんと、ひよこさんは……仲良く一緒には、食べられませんか。残念」
 仕方ないので、森にお帰り頂く事にする。
 どすどす。ちょうど、ぬいぐるみみたいなクマ達が歩いて来るのが見えた。
 クマは蜜が好き。ナイは、両手を広げると、蜜ぷに達を一気に召喚した。
『プニー!』
『タベテプニー!』
「くくくまっ!?」
 びっくりするクマ達。きっと、クマにとっては未知の生物だろう。
 しかし、蜜ぷにの体が花の蜜で出来ていることに、クマ達も気づいたようだ。
「くまー!」
『プニプニー!』
 蜜ぷにを捕まえようと、辺りを駆け回るクマ達。
 今がチャンス。ナイは、蜜ぷにに夢中なクマを後ろから、ぎゅっ、としてみた。
「もふもふ……」
 外見から想像できる通り、いや、それ以上のもふ感だった。体温が伝わるのも良き……。
 ……さて、任務に戻ろう。
 ナイは、動物との意志疎通術を使い、森へ帰るよう説得を試みた。
 相手は、普通のクマではない。命を奪う事もやむを得ない。
 そう覚悟していたナイだったが。
「くまー(わかりました)」
 ナイの話術と、蜜ぷにの相乗効果か。
 説得は大成功。見事、クマ達もナイの心も傷つく事なく、退散させたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シシィ・オクトニーア
ズンダ団子美味しそうですねっ。村の方々のためにもズンダ団子のためにも頑張ります!
可愛いクマさんを攻撃するのは少し心が痛みますが、畑への被害を見過ごす訳にはいきませんから……なるべく追い払うようにしたいです。
クマさん!こっちですよー!と呼びかけて集まって来たところを『瞬きの饗膳』で攻撃します。
クマさんがもぐもぐたいむで鮭を食べようとしたら、『瞬きの饗膳』でフォークを放って妨害します。
普通のお食事ならともかく、戦闘力増加は阻止しないとですね。
余裕があればもふもふもちょっと堪能しつつ、クマさんたちが諦めて森へ帰るまで畑を防衛したいです。
きっと森にも魅力的な食べ物があるはずですから……!



「クマさん! こっちですよー!」
 豆を目指し、村に土足で踏み込もうとしていたクマ達は、シシィ・オクトニーア( 金剛石は宝石箱から旅立つ・f03316)の呼びかけに、思わずブレーキ。
「くまー」
 とてとて。クマ達が寄って来る。情報通りだ。
 ズンダ団子、そして村の人々のためにも、シシィは頑張る。
 ナイフやフォーク……ツールであるカトラリーを召喚すると、近づいて来たクマ達を、次々と撃退していく。
「くまー」
 痛そうな顔をするクマを見て、シシィの心がちくりと痛む。
 かと言って、畑への被害を見過ごす訳にはいかない。なるべく命までは奪わず、追い払うようにしたい。
「きっと森にも魅力的な食べ物があるはずですから……!」
 舞うカトラリー。これはかなわんと、何頭かが森の方へ逃げていく。
 傷を負ったクマを促すついでに、こっそりもふもふさせてもらうシシィ。
 しかし、食い意地の張った奴というのは、どの種族にもいるものだ。
「くまー」
 抱えていた鮭にかぶりつこうとするクマ。戦闘力を上げて対抗するつもりだ。
 しかし、飛来したフォークが、鮭を貫き、地面に突き立った。普通の食事ならともかく、ドーピングはよろしくない。
 シシィの攻撃で心をくじかれたのか、残っていたクマ達も森へ戻っていく。
「よかった……他のクマさんはどうでしょう?」

成功 🔵​🔵​🔴​

ポク・ョゥョゥ
くまー?
ぽくね、ぱんだだよー
あがめよー
両手あげておんなじポーズでご挨拶ー

鮭食べてるーいいなー
ぽくもねー、お団子たべたいのー
ずんだー枝豆ー
お腹が鳴るよー

でも先にーもふもふしたーい
みんなーあそぼー
とうーと飛び込むじゃんぴんぐだーいぶ
わーいもふもふするー
ぽくはぽよぽよだよー

あーそうだー
追い払うんだねー?
それじゃぱくと一緒に追い払うよー
ぱくはドラゴンだからー急に出てきてがおーってしたら
驚いて逃げるかなー?
ぽくもバウンドボディでゆるーく体当たり〜
でもーあっちこっちのくまたんに当たってボールみたいに跳ねまわっちゃったー
めがまわる〜

噛みつかれそうになったらーかぽを取り出してごっくん
硬くなるよー
森へおかえり〜



 畑目指し進撃するクマの前に立ちはだかったのは、ポク・ョゥョゥ(よろしくなの〜・f12425)。
「あがめよー」
「くまー」
 両手を挙げて、ご挨拶。
 まるで鏡写しのようなポクとクマ。
「鮭いいなーぽくもねー、お団子たべたいのー。ずんだー枝豆ー」
 くー。ポクのお腹が鳴った。
 くー。つられてクマのお腹も鳴った。
 さて、お食事の前に。
「みんなーあそぼーとうー」
 クマの群れに、ポクが飛び込んだ。ダイブ!
「わーいもふもふするー」
「くまー(おまえはぽよぽよだなー)」
 もふもふぽよぽよ。戯れる動物達。
「あーそうだー」
 遠目に見守る村人達の視線に気づき、ポクはここに来た理由を思い出した。
 クマを追い払わないと。
「おいでー」
 呼び掛けに応え、ドラゴンのパクが現れる。
 見慣れぬ生き物の威容と鳴き声に、クマ達はおののいた。
「くまー(こいつはやばい)」
 クマならぬクモの子を散らすように、逃げていく。
「森へおかえり〜」
 が、肝が据わっているのか食い意地が張っているのか。
 「ん? やんのか?」と留まったクマに、ポクがバウンドボディで体当たりした。
 ぽよぽよともふもふの相乗効果か。ポクは、あちこちのクマに跳ね返り、ボールみたいに行ったり来たり。
「めがまわる~」
 こっち来んな~とばかり、クマ達が逃げていく。
 結果オーライだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴェイゼル・ベルマン
なんだこのもふっとゆる~い熊は
あまり迫力がねぇっつーか、なんつーか……
まあ戦闘で油断は禁物だ、気を引き締めて行くぜ
頼むぜ《焔々》
ヴェイゼルの周りを楽しげに飛ぶドラゴンが、ハルバードに変わり

村に入る前に迎え討つ
熊ども、かかってきやがれ!と呼びかけ誘導
本当に呼んだだけで来るのか?……って素直だな!
熊達のあまりの素直さにビックリ

近接戦が得意だが……突出し過ぎて囲まれたり、背後を取られる真似はしねぇ
攻撃力重視の【焔斬撃】を使用
なるべく一匹を集中攻撃して数を減らす
隙がありゃあ『盗み攻撃』で鮭を奪っちまおうかな(ニヤリと笑い)
もぐもぐたいむは封印だ!ってな
熊の攻撃は『武器受け』で防ぎ、『カウンター』で反撃



「さぁ熊ども、かかってきやがれ!」
 ヴェイゼル・ベルマン(焔斬り・f13471)が、威勢よく、クマ達を挑発する。
「くまー」
「……って素直だな!」
 あっさり殺到するクマ達に、ヴェイゼルも思わずツッコむ。
「なんだこのもふっとゆる~い熊は。あまり迫力がねぇっつーか、なんつーか……」
 敵の風貌を目の当たりにすると、少々気が抜けた。
 が、ヴェイゼルの表情が、引き締められる。
「なんだ、ちゃんと殺る気の奴もいるじゃねぇか」
 呑気クマを押しのけ集まって来たのは、目を爛々と輝かせたクマ達。武闘派だ。
「それじゃ頼むぜ《焔々》」
 ヴェイゼルの周りを楽しげに飛んでいたドラゴンが、ハルバードに変わる。
「いくぜ!」
 落下してきた得物をキャッチし構えると、ヴェイゼルが斬りかかった。
 最初の標的は、突出していた一頭。
 攻撃力重視の焔斬がクマを薙いだ直後、炎が体毛を燃やす。
 刺突と斬撃を使い分け、複数を同時に相手どるヴェイゼル。よく見れば、大半はあしらうだけにととめ、一頭に攻撃を集中させている。
 相手の爪が来る。それをハルバードで防ぎ、即座にカウンターを浴びせた。まずは一頭。
「くまぁー!」
 鮭を食いちぎろうと吠えるクマ。
 しかし、クマが噛んだのは、自分の腕だった。
 見れば、ヴェイゼルが鮭を盗み取っている。
「おっと、もぐもぐたいむは封印だ!」
 そして、ハルバードが再び軌跡を描く。焔斬撃が、クマを焼き、切り裂いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

真宮・響
【真宮家】で参加。

お腹を空かせた熊は獰猛で危険だっていうね。森から出て来たところすまないけど、一般人に被害が及ぶ前にここで足止めさせて貰うよ。

爪の斬撃をまともに喰らう訳にはいかないから、【忍び足】と【目立たない】で敵の視線から逃れつつ、【ダッシュ】で【先制攻撃】。先手必勝だ。その凶悪な腕と牙を奥の手で封じさせて貰うよ!!もしくまが群がってきた時は【カウンター】と【武器受け】で対抗しながら、【範囲攻撃】。


真宮・奏
【真宮家】で参加。


あれ、熊ってまだ冬眠してるはずですが?まあツッコミたい所は多々ありますが、人を殺す程の力を持った猛獣です。被害が広がる前になんとかしましょうか。

私は主に盾役に。トリニティエンハンスで防御力を強化して、【オーラ防御】【武器受け】【盾受け】で爪の攻撃から【かばう】余裕があれば、【拠点防御】も併用して、くまの霊の攻撃も引き受けたいですね。攻撃が必要なら【属性攻撃】【二回攻撃】に【範囲攻撃】を併用。遠距離攻撃が必要なら【衝撃波】を使用します。


神城・瞬
【真宮家】で参加。

おや、冬なのに、くまの群れが・・・何やら裏に何者かがいるようで。一匹だけでも危険なくまですので、即急に対処しないと。

僕は後衛で援護を担当。まずくまの霊が集団で響母さんと奏に群がると危険ですのでその対処をしますか。【高速詠唱】【全力魔法】で氷晶の矢を【範囲攻撃】で撃ちます。余裕があれば、【援護射撃】で、響母さんがくまに接近するのを援護しましょう。



 さて、こちらで奮闘しているのは、【真宮家】の3人だ。
「冬なのに、くまの群れとは……」
「マイ鮭を持参していたり、豆を狙いに来たり……ツッコミたい所は多々ありますが、敵は、人を殺す程の力を持った猛獣です」
 後方から聞こえた神城・瞬(清光の月・f06558)の呟きに、真宮・奏(絢爛の星・f03210)が応えた。
「ですね。何やら裏に糸引く者かがいるようで。クマは1匹だけでも危険ですので、即急に対処しないと」
「お腹を空かせた熊は、獰猛で危険だっていうしね。森から出て来たところすまないけど、村の人達に被害が及ぶ前に、ここで足止めさせて貰うよ」
 真宮・響(赫灼の炎・f00434)の言葉に、「やれるもんならやってみな!」と言わんばかりに、クマが土を蹴った。
 しかし、そこに飛び出したのは、盾役を担う奏だ。
 炎、水、風。三種のエレメントが巴を描き、奏の体に吸い込まれていく。
 次々と迫りくるクマたちの攻撃を、オーラや武器、そして盾を自在に駆使して、受け止め、あるいは受け流していく奏。
 魔力によって強化された奏の防御力には、クマの力も届かない。
 後衛の瞬と、前衛の奏。
 2人がそれぞれのポジションから応戦する間に、響は目立たぬよう、忍び足を駆使して、敵の注意から外れていく。機をうかがうのだ。
「くまァー!」
 複数のクマを相手にしながら、瞬は見た。1頭のクマが、両手を掲げるのを。
「霊体を召喚するつもりですか」
 瞬の言葉通り、クマの前に別のクマ……少し透けたクマが地面より現れた。
 仲間にならい、他のクマも、次々と霊体を召喚していく。
 集団を為して群がってこられては、さしもの2人も危険。
 瞬は、その対処に取り掛かる。
 敵が接近する間に、高速で詠唱を完了。更に、全力を注いだ魔法により、氷晶の矢を召喚。
 空を埋め尽くす攻性の氷。おののくクマ。
「これを見切れますか?」
 敵が身を翻すよりも早く、瞬は矢を放った。広範囲に降り注ぐ矢が、クマ達を次々と貫いていく。
 霊体が消えていくのを確認していた瞬を、別のクマが狙っていた。
 それを察知した奏は、相手にしていたクマを盾で弾き、瞬の元へ急行。
 敵の眼前に滑りこみ、ガード。攻撃力を相殺したオーラの余波が、弾ける。
 敵の態勢が崩れたタイミングをつかみ、響が行く。後方から一気にダッシュを仕掛ける。
 クマの武器は、その凶悪な腕と牙。それを封じてしまえば。
 響のクマへの接近を、瞬がフォローした。
 援護射撃が、クマの足元を狙う。その場に止まる事を余儀なくされたクマに、響が到達する。
「余り使いたくないんだけどね!」
 そう告げると、響は、奥の手を披露した。
 飛来する手枷、猿轡、そして手枷が、クマに触れた瞬間、四肢を拘束していく。
 自由を奪われたクマは、攻撃はおろか、鮭を食む事も出来ない。
「くまー!」
 仲間を攻撃されて、黙ってはいられない。クマ達が響に群がって来た。
 振り下ろされる爪。が、響は武器でそれを受けると、カウンターを決めた。
 思わぬ反撃に、仰け反るクマ。
 その体が他のクマの邪魔になっている隙に、響は、範囲攻撃で一気にクマ達の体力を削り取った。
 少々敵の数が多いと見た奏は、2人に加勢した。
 敵が密集している部分を見抜くと、まとめて広範囲に属性攻撃を仕掛ける。
 なんとか耐えきるクマを、しかし、第二波が襲った。
 響や瞬の攻撃によって弱っていたクマ達には、それをしのぐ余力はなかった。次々と、倒れていくクマ達。
「これで私達の周りのクマは……はっ」
 不意に感じた殺気。奏は振り返りざま、衝撃波を放つ。
「くまー……」
 どさり。不意打ちを狙ったクマが倒れる。
「……ふう。だいぶ数が減ったみたいですね」
 奏が、他の2人と合流し、周囲を見回した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ダリア・エーデルシュタイン
も……もふもふだね。
しかしクマといえば凶悪な獣。
平和な大会を脅かすというのなら、退治しなければいけないな。

『カード・シャッフル』を使って取り囲み、攻撃する……
攻撃、するよ?
うん、攻撃するとも。
「く、くま……さん」
なんて呼べばいいのかな!?
子供みたいになってしまったじゃないか。
あまりにもふもふだから調子が狂う……。
と、ともかくだ!
クマが向かってきたら、ちゃんと攻撃をするとも。

攻撃を避けた時に、ちょっとよろめいてその、もふっとした体に埋もれてしまうこともあるかもしれないけど、それは不可抗力というやつだ。



「くまー!」
「い、いやあこれは……も……もふもふだね」
 暴れ中のクマ達を見て、ダリア・エーデルシュタイン(反撃の怪盗エース・オブ・ハート・f12598)は思った。率直に。
 しかし、凶悪な獣が平和な団子大食い大会を脅かすというのなら、退治しなければいけない。
 ダリアは1枚のカードを取り出すと、複製。しゃらん、と扇状に広げて見せる。
 中空にばら撒かれたカード達、ダリアの意を受けたそれらが、クマ達を攻撃……攻撃。うん。攻撃。するよね。
 とりあえずこっちに引き付けないと。呼ばないと。
(「……なんて呼べばいいのかな!?」)
 ダリアは悩んだ。
 普段、戦闘中に戦術を考えるのとはまた別の思考回路が、1つの結論を導き出した。
「く、くま……さん」
 くまさん。
 もふもふ過ぎて思考回路の調子が狂った。
 もっとも、クマにとっては『さん付け』でも全然OK。
「くまー!」
 迫りくるクマ達へ、ダリアは、カードの乱舞をお見舞いする。
 そんな中、体を切り裂かれながらも、ダリアへ暴力を浴びせようと、クマが来る。
 身軽な動きでパンチをあしらったものの、反動でよろめくダリア。
 とっさに受け身を取ろうとして……。
「……もふっ?」
 ふかふかが受け止める。
 見れば、別のクマに、ダリアの体が埋もれていた。
 ラッキーもふもふ。これは……不可抗力。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナイ・デス
話のわかってくれる、くまさんでした!
今度、一緒にお団子、食べましょうねー!

ばいばい手を振って
さぁ他のくまさんにも、帰ってもらいましょうと

お腹空いてるくまさんには、さっき召喚した蜜ぷにあげて
傷ついたくまさんいれば……私、本体無事なら再生しますし
自分で刻印を(融合してる心臓ごと)抉り取るぐらいの痛みなら、慣れてますから
傷つく覚悟決めて、攻撃受けても、念動力で吹き飛ばされないようにして
もふっと抱きしめます

大丈夫、大丈夫、です

【生まれながらの光】で私と、くまさん包んで、怪我を癒します
そうして落ち着くまでもふなでして、動物と話す技能で説得、です

……ダメなら、ぐさり暗殺
鎧無視攻撃、生命力吸収で、命奪います



「今度、一緒にお団子、食べましょうねー!」
 森へ帰っていくクマ達の背に、ナイ・デスが手を振った。クマ達も手を振り返す。
 この調子で、他のクマにも帰ってもらおう。
 真っ黒なピヨにそそのかされ、食欲の化身となったクマの前に、スライムのようなものが差し出される。ナイの召喚した蜜ぷにだ。
 そうしてクマ達の空腹を満たして回っていたナイは、草むらでうずくまっていた1頭のクマを見つけた。
 他の猟兵との戦いで、傷を負ったのだろうか。
「大丈夫ですか?」
「くまー!」
 戦いで精神が昂っていたのだろう。
 ナイを乱暴に跳ね除けるクマ。しかし、自分の痛みや損傷くらいならいい。自分はヤドリガミ。本体さえ無事なら再生する事は容易い。
 もふっ、とクマの体を抱きしめると、ナイは優しく語り掛ける。
「大丈夫、大丈夫、です」
 ぽおっ、とナイから、光が溢れた。
 自身とクマをまとめて包み込むと、2人の体から傷を消し去っていく。
「くまー……」
 引いていく痛み。クマが、不思議そうに、自分の体とナイを交互に見る。
 ナイに撫でられたクマの四肢から、こわばりと、敵意が薄れていく。
 落ち着きを取り戻したクマに、ナイが改めて語り掛ける。
「森へ帰ってもらえませんか?」
「くまー(恩人の言う事は聞くぜ)」
 ナイの手をそっとのけると、クマは森へと歩み出したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

神宮時・蒼
…(ぱちくり)
…随分と、可愛らしい、お目目の、くまさん、です、ね。
…でも、結局、くまさんは、くまさん、なの、ですね
…肉球、…つんつん、してみたかった、です…。

可愛いですけれど、害を為すなら放ってはおけませんね。
いや、可愛いのですけれども。
あ、でも鮭を齧る姿は意外とワイルド…ではなく、これ以上鮭を食べられないように此方に意識を向けましょう。
くまさんは近接特化のようですので、近づきすぎずに対応したいですね。
くまぱんちやらくまかみつきなど、名前は可愛らしいですが、当たりたくないので…。
いっそ、その爪を斬ってしまいましょうか。と思い立ち、なぎなたで斬撃を飛ばしてみます。



 あちこちから響き、薙がれて来る戦闘音や土煙が、徐々に収まっていく。
 そして神宮時・蒼(終わらぬ雨・f03681)は、目をしばたたかせていた。
「……随分と、可愛らしい、お目目の、くまさん、です、ね」
「くまー?」
 呼ばれた? と寄って来るクマ。
 違うそうじゃない。いや違わないけど。
「可愛いですけれど、害を為すなら放ってはおけませんね」
 蒼が『可愛い』と言ったそばから、鮭に、頭からかじりつくクマ。
 本来の野生というかワイルドさを垣間見た気がした。
 鮭を食べるという事は、戦闘力を強化するという事。これ以上食事させないよう、蒼は自分に向いた意識を離さぬよう、声をかけ続けた。
「こっち、ですよ」
「くまー!」
 強化クマの右腕が、唸る。
 『くまぱんち』……ネーミングこそ愛らしいが、その衝撃は割と凄く、白の輪が一瞬生じた。
 相手の得意な近接での戦闘は鮭……もとい避け、薙刀を構える蒼。
 唸る剛腕からバックステップで逃れ、蒼は姿を変える。
 神霊体を宿し、薙刀を振るう。霊力が乗算された斬撃が、クマの爪を切り飛ばした。
 武器を失ったクマに、返す刀で第二波を撃つ。
「くまー……」
 どさり、倒れる巨体。
 気絶したクマに、近づく蒼。ターゲットは……肉球。
 つんつん。
「ぷにぷに、です……」
 蒼が、ちょっと嬉しそうにつぶやいた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『まっくろピヨたろう』

POW   :    超もふもふひっぷあたっく
単純で重い【もふもふなお尻 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ぱくぱくもぐもぐ
戦闘中に食べた【食べ物 】の量と質に応じて【眠くなってしまうが】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    もふもふあたっくはいぱー
【もふもふ体当たり 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠御剣・誉です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「見ろ、あんだけいたクマがいなくなったぞ!」
「あの人達が助けてくれたんだ!」
 猟兵達の活躍に、村人達から歓声が上がる。
 これで、今年も団子大食い大会が開催できる……と。
 しかし、危機はまだ去ってはいなかった。
 ごう、と村を駆け抜ける妖の風。村人達に悪寒が走る。
 そして風は黒の塊となって、村の入り口に顕現した。
「ふがいないクマどもピヨ……やはり、ピヨ自身が手を下すほかないピヨ……!」
 黒の塊から、声が響き渡る。
 塊の正体は、巨大なひよこ。……の妖怪。
 真の黒幕の登場だ!
「さあ、団子を食わせるピヨ!」
ダリア・エーデルシュタイン
……もふもふだったなぁ……(はんすう)
……はっ。いけない、まだ敵がいるのに油断していてはだめだよね。
だめなんだけど。
……もふもふだなぁ。

しかし、今度こそ毅然と対応してみせよう。
ピヨたろうに予告状を投げて、こちらも捕縛を試みるよ。
(UC:ハートの予告状使用)

成功したら、周りで戦うみんなに告げよう。
「いまだ……!」
思う存分もふもふしたい人がいるなら、今がチャンスだ。


シシィ・オクトニーア
クマさんたちが村の畑を襲うように誘導したのは許すまじ、です!
でも、まっくろピヨたろうさんも可愛い……い、いいえ、いくら可愛くっても団子を無理矢理奪うのは悪いことですからね!
戦闘では前に出て戦います。
相手はクマさんよりも強そうなので他の猟兵の皆さんと連携して戦いたいですね。
少しでも威力を上げるために瞬きの饗膳を近距離で使用するようにします。
ただ、超もふもふひっぷあたっくで攻撃されそうになったら回避を優先し一旦距離をとり、その後また近づいて攻撃を再開したいです。
団子を食べたい気持ちはわかりますが無理矢理は駄目、ですよ!
諦めて帰ってくださるのなら、手持ちの団子をこっそりお渡ししたいです。


ナイ・デス
妖怪は全てオブリビオン、ということは、私、知ってます
あのくまさん達は、オブリビオンではない普通のくまさん(なら説得するというプレで説得したので、実ははあっても、とりあえずナイの認識は普通のくまさん)なので、にゃーんにゃーんとお話して、平和的に、帰ってもらいましたが

妖怪のひよこさんとは、平和的には、いけない、です!
団子大食い大会に備えて、お腹空かせるのも兼ねて
退治、です!

本体無事なら私、再生しますし
生まれながらの光をまとって、その再生を高速化した状態で
激痛耐性でどんな痛みにも耐えて反撃する覚悟で
勇気を持って、捨て身の一撃、突撃です!

もふ(埋まって消える光)

堪能したら、もふもふ無視の暗殺攻撃します



「……もふもふだったなぁ……」
 先ほどのクマの感触を、脳内で反すうし。
 ダリア・エーデルシュタインの口元が緩んでいた。
「……はっ。いけない」
 まだ敵がいる。クマより強い奴がいる。
 なのに油断するなど、猟兵としていかがなものか。というかだめだよね。
 ……だめなんだけど。
「……もふもふだなぁ」
 ずぉん、と鎮座する巨大妖怪を前に、ダリアはそうつぶやかずにはいられなかった。
「団子を差し出すピヨ……さもないと村ごと食べちゃうピヨ……」
 恫喝する黒ひよこの額に、すとっ、とカードが突き立った。
「ピヨっ」
 カードの正体は、ダリアからの予告状。
 『たった今から、キミ自身を盗ませてもらうよ』……そう書かれたそれを、黒ひよこは引き抜く事も出来ない。
 そもそも、体の自由が利かないのだ。
「こここれは一体どんな術ピヨ!?」
 身動きできなくなった黒ひよこは、唯一動かせる口を使って訴えた。
 これぞ、ダリアのユーベルコード。
 捕縛成功を確かめたダリアは、周りにいる猟兵達に声を飛ばす。
「いまだ……!」
 ひよこを、思う存分もふもふするのなら、今がチャンスだと。
 そしてダリアも、果敢にもふもふを開始したのである。
 捕縛の力と時間の源は、他ならぬダリアの寿命。命をかけたもふもふ。
 合図を受け、ナイ・デスは、【生まれながらの光】を灯した。
 癒しを与える高速再生の加護を、自らに使い強化する。
 勇気を胸に、捨て身の一撃……いざ突撃!
「こ、こっちくんなピヨ!」
 目で必死に訴える黒ひよこ。
 よしんば、ひよこが攻撃出来たとしても、ナイには激痛に耐性がある。それに、ダメージも、受けたそばから見る間に回復していくだろう。
 万全の状態で、ナイが、黒ひよこに直撃!
 ……もふ。
 ナイの姿が、羽毛の中に埋もれた。光も消えた。
 もふもふもふもふもふもふもふもふ。
 羽毛の触感、お肉の弾力、ひよこの温もり。
 まずい。これは癖になる。
 ナイは、ぷはっ、と黒毛玉から顔を出すと、くるくる前転、脱出した。
「堪能しました」
 すっくと立ち上がったナイの目から、感情が消えた。暗殺モードだ。
 ナイは知っている。妖怪は全てオブリビオン、ということを。
 先ほどのクマ達は、にゃーんにゃーんとお話して、平和的に帰ってもらったが、この黒ひよこは、そういう訳にもいかなそうだ。
「団子大食い大会に備えて、お腹空かせるのも兼ねて……退治、です!」
「団子独り占めするつもりピヨ? ピヨにも寄越すピヨ!」
 ようやく束縛から解放された黒ひよこから、クマ以上の執念を感じる。
 これは対話など無理だと、ナイは自分の判断の正しさを知った。
「団子ピヨー!」
 まっしぐら。黒ひよこが、猟兵に襲い掛かる。
「ピヨたろうさん! クマさんたちが村の畑を襲うように誘導したのは許すまじ、です!」
 びしっ。シシィ・オクトニーアが、黒ひよこに言葉を叩きつけた。
「でも、まっくろピヨたろうさんも可愛い……い、いいえ、いくら可愛くっても団子を無理矢理奪うのは悪いことですからね!」
 矢面に立つシシィの肌は、強力な妖気を感じていた。
 何より、その羽毛。距離を置いて攻撃しても、もふもふの羽毛に「おいでませ~」と受け止められてしまうかもしれない。
 そう判断したシシィは、他の猟兵の攻撃に混じり、少しずつ相手との距離を詰めていく。
 今なら。シシィがカトラリーを召喚。巨大な標的目がけ、射出した。
 至近から発射されたツールは、羽毛バリアを突破。ひよこボディに突き立った。
「痛いピヨー! おしおきピヨ!」
 フォークが刺さったまま、黒ひよこはお尻をシシィに向けた。
 これはいけない。飛び込んでくる丸い影から逃れるシシィ。一瞬遅れて、衝撃が来た。
 どぅん!
 大地と空気が震動した後、地面に大きなクレーターが出現していた。
「団子を食べたい気持ちはわかりますが無理矢理は駄目、ですよ!」
 飛んできた石片を払いのけながら、シシィが再び接近を試みる。
 めっ、としながら。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

真宮・響
【真宮家】で参加。

こいつが熊の群れを差し向けた張本人か・・・愛らしい見た目だけど、でかいね。骨がおれそうだ・・・本気を出すとするか!!(真の姿解放。黒髪金眼になり赤いオーラを纏う)

【忍び足】と【目立たない】でお尻と体当たりの攻撃範囲から逃れつつ、【ダッシュ】で敵に接近、【先制攻撃】【二回攻撃】で竜牙を使用するよ。もし奏か瞬がひよこに潰されるようなことがあったら助けてあげようか。


真宮・奏
【真宮家】で参加。


うわあ、物凄く大きいです・・これぐらい大きいと村のお団子全部食べられてしまいますね・・・(ぐぐっ)これは断固阻止です!!(真の姿解放。黒髪金眼になり青いオーラを纏う)

私はお尻と体当たりの攻撃から家族を護るべく、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】を使った上で信念の盾を使います。潰されてしまっても耐えて見せますよ~。もし、響母さんと瞬兄さんが潰されてしまったら助けますね。


神城・瞬
【真宮家】で参加。

こいつがくま達を差し向けた黒幕ですか・・・この大きさだと村のお団子だけではなく、村自体に被害が出そうですね。本気で行きますよ・・・(真の姿解放。両目が赤くなり、銀髪になる)

僕は主に後方支援を担当。【高速詠唱】【全力魔法】で氷晶の槍を撃ちます。余裕があれば、【援護射撃】で響母さんが接近するのを援護。母さんと奏がひよこに潰されたら助けますね。



 【真宮家】の3人もまた、まっくろピヨすけと対峙していた。
「うわあ、物凄く大きいです……」
「こいつが熊の群れを差し向けた張本人か……愛らしい見た目だけど、でかいね」
 真宮・奏と真宮・響が、暴れ回る敵を見上げた。
「この大きさだと村のお団子だけではなく、村自体に被害が出そうですね」
 神城・瞬が、敵の実力を見定める。サイズの違いもあるが、クマ1頭とは比べ物にならない実力を感じる。
 ぐぐっ、と奏は拳を固めると、決意した。
「もし村のお団子全部食べられてしまったら……これは断固阻止です!!」
 髪の全てが黒に染まり、瞳が金色に輝く。そして体から噴き出すのは、青いオーラ。
 これこそ、奏の真の姿だ。
「確かにこいつを倒すのは骨がおれそうだ……アタシも本気を出すとするか!!」
 響の気迫が、膨れ上がった。
 髪が黒に、瞳が金に変容するのは、奏と同じ。だが、響がまとうのは、赤きオーラ。響の気性を反映した色のよう。
「それでは、僕も本気で行きますよ……」
 2人に続き、瞬もまた真の姿を披露する。双眸が赤く染められ、髪は銀に彩られる。
「見た目が変わったくらいじゃピヨはビビらないピヨ!」
 迫りくるピヨを回避し、変貌した3人が、散開する。
 黒ひよこの視界から、音もなく外れていく響。真の姿になった事で、【忍び足】と【目立たない】の力も増し、相手には響が消えたようにさえ見えた。
 そして奏は、盾役を果たすべく、黒ひよこの矢面に立つ。
「お前達はこれでも喰らってるがいいピヨ!」
 くるり、黒ひよこが奏達に背を向けた。逃走……いや、攻撃態勢だ。
「ひっぷあたーっく!!」
 ずむん!
 妖力と体重の合わせ技。黒ひよこ最大ともいえる強力無比な打撃にも、奏は勇敢に立ち向かった。
 盾と武器、そしてオーラによる三重の防御を展開。
「響母さんと瞬兄さんには、傷1つ付けさせません!」
 そして極めつきは、超防御モード……【信念の盾】。背に庇う家族には、衝撃で飛散する塵1つ届かせない。
 ぶつかり合う、力と盾。しかして、吹き飛ばされたのは、黒ひよこの方だった。
「ピヨっ!?」
 真の姿、技能、そしてユーベルコード。
 全てを防御に注いだ奏は、黒ひよこと激突した場所、そこから一歩も動いていなかった。
「後は、アタシに任せてもらうよ!」
「ピヨ!?」
 黒ひよこは強い気配に、羽毛の先を逆立てた。
 金の光が、虚空に尾を引く。気配の主は、疾走してきた響。奏に護ってもらった分、自分は攻撃手としての役目を果たしてみせる。
 瞬の援護に感謝しながら、響が敵の間合いを侵食する。
 黒ひよこに対応1つさせず、響は先制の一撃を放った。
 その凄まじい技は、黒ひよこに竜の姿を幻視させた。そして竜の牙が、鳥の体に届く。
 否、一撃、と言ったが、あれは正確ではなかった。
 なぜなら、響の牙は一度ならず、2度までも黒ひよこを切断したからだ。
 響から次を託された瞬は、後方から攻撃の準備にかかった。
 巨体ゆえ、小回りの利かぬ黒ひよこの攻撃範囲外から、詠唱を開始。
「のんびり呪文を唱えてる暇なんてないピヨ」
「いいえ、もう終わりです」
 瞬の言う通り。
 【高速詠唱】によって魔法の発動準備は、既に終了。
 杖が向いた先、黒ひよこをターゲットとして、氷晶の槍が顕現した。
 後は、放つだけ。真の姿となった瞬の魔力を注いだ【全力魔法】。質、長さともに強化された槍が、ミサイルの如き迫力をもって、射出された。
 虚空を、白の軌跡が駆け抜ける。
「待て、今食事して耐えられるようにするピヨ……」
 黒ひよこが貫かれる。
 直後、槍から魔力が溢れ、全身が氷に包まれた。
「のんびり食べている暇なんてありませんよ」
 瞬の返しに、黒ひよこは、ぐうの音も出ない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ポク・ョゥョゥ
わー
くろーいもふもふー
ぽくもくろいよー
あがめよー

ヒップアタックにバウンドボディで対抗だー
もーっふーん
弾き飛ばしたほうが勝ちだー
ぽくまけないよー
のこったのこったー

なんか食べてるー
ぽくもかぽ食べよーごっくん
かたくなるよーおよ?
眠いのー?寝るー?
ぽくね、子守唄うたってあげるよー
ねーむぇー、ねーむぇー
上手でしょー

もふもふに捕まったら~ちょっと堪能したいのー
もふもふーやわわー
すりすりしたらーでろーんとなって逃げ出すよー
すらいむ?えーちがうよーぽくぱんだだよー
ちょっと柔らかいだけなのー

おかえしだーぱく、おいでー
うるとらぱくきーっく
とどめのぽくぱーんちー

どうだーまいったかー



「わーくろーいもふもふー。ぽくもくろいよー。あがめよー」
「ピヨー」
 やって来たポク・ョゥョゥに対抗して、黒ひよこも羽根を広げた。
「もうお腹ペコペコピヨ。邪魔するなピヨ!」
 ぽむん。
 黒ひよこが、得意のひっぷあたっくを繰り出すと同時、ポクも体当たりを仕掛けた。
 もーっふーん……!
 2人がぶつかった瞬間。そんな擬音が、離れた所で見守っていた村人達まで届いた。気がした。
「ぴ、ピヨ……!」
「ぽくまけないよー。のこったのこったー」
 ぶもふん。
 けったいな音とともに、黒ひよことポクは反対側に弾かれた。
 勝負は引き分け。
「待つピヨ。今栄養補給するピヨ」
 黒ひよこは、隠していたおやつを取り出すと、ぱくん、ついばんだ。
 すると、黒ひよこの目が何だかトロン、としてきた。
「眠いのー? 寝るー? ぽくね、子守唄うたってあげるよー」
「余計なお世話ピヨ……」
「ねーむぇー、ねーむぇー……ほら上手でしょー」
「やかましーいピヨ」
 黒ひよこの無造作な体当たりが、ポクを襲った。
 捕まえた……そのはずが、ポクは体をすりすりしていた。
「もふもふーやわわー」
「ウザいピヨー……!」
 黒ひよこに追い払われそうになると、ポクはでろーんと不定形になって、にゅるっと逃れた。
 スライムではない。蜜ぷにでもない。ポクはパンダ。ちょっと柔らかいだけ。
 そしてドラゴンのパクに乗って、反撃だ!

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴェイゼル・ベルマン
でけぇひよこ。
へぇ、てめぇが熊たちをけしかけていた黒幕か。
団子団子って食いしん坊だな、おい。
だけど、てめぇにやる団子は一つもねぇよ。
大会を無事に開催できるように、ここで倒れて貰うぜ。

【ブレイズフレイム】で攻撃していくか。
もふもふだろうが容赦はしねぇ。地獄の炎で燃えちまいな!

黒ひよこのPOW攻撃、ヤベェな。
もふもふなのに地形が破壊される程の威力ってなんだよ!?
攻撃動作をよく見て『見切り』で全力回避するぜ。
回避が無理なら『武器受け』と『激痛耐性』で耐えるけどよ……衝撃凄そうだよな。
もふ痛そう。(触れた時はもふもふ気持ちいいけど、潰されたら痛そうの意)



「へぇ、てめぇが熊たちをけしかけていた黒幕か」
 武器を担いで現れたヴェイゼル・ベルマンに、黒ひよこが億劫そうに振り返った。
「黒幕でも白幕でも何でもいいから、団子寄越せピヨ」
「団子団子って食いしん坊だな、おい」
 団子。シンプルな行動原理に、呆れるヴェイゼル。
 だが、
「てめぇにやる団子は一つもねぇよ。大会を無事に開催できるように、ここで倒れて貰うぜ」
「歯向かう奴は容赦しないピヨ」
 今までだって容赦してなかったじゃねぇか、ヴェイゼルはそう思いながら、自らの体を切り裂いた。
 傷口から溢れたのは、血液ではなく、炎。
 ただの炎ではない。地獄より召喚されし、いわば獄炎。
「もふもふだろうが容赦はしねぇ。地獄の炎で燃えちまいな!」
 炎を宿し、黒ひよこに向かうヴェイゼル。
 敵の攻撃の脅威は、既に理解している。何せ、もふもふから繰り出されるヒップアタックが、クレーターを作り出したのを見たばかり。見た目と裏腹に、やべえ奴だ。
 とはいえ、攻撃には、予備動作というものがある。黒ひよこと言えど、それは例外ではない。
 相手の体の動かし方を注視し、見切るヴェイゼル。
「ちょこまかするなピヨ!」
「悪いがまともに喰らうつもりはねぇよ。もふ痛そうだからな」
 触れた時はもふもふ気持ちいいけど、潰されたら痛そう、の意。
 そして。
 ひよこ渾身の体当たりを、半歩動いてかわすと。
 ヴェイゼルの地獄の炎が、黒ひよこのボディに炸裂した。
「これで終わりだ」

「……団子、食いたかった、ピヨ……」
 炎に包まれる黒ひよこ。
 ひときわ強く燃え盛った後、その巨体は、溶けるように風に飲み込まれていった。
 妖怪の姿が消えた後、猟兵達は見た。
 掌サイズのひよこが、「ピヨ」と一鳴きして、森の方に走っていったのを。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 日常 『たくさん食べる君が好き』

POW   :    とにかく食べる。ひたすら食べまくる。

SPD   :    味を変えたり切り刻んだりして食べやすくなる工夫をする

WIZ   :    アイテムやユーベルコードを上手く活用する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 かくして、ズンダ村襲撃事件は、無事解決した。
「このでっかい穴ぼこ、観光の目玉にできねえかな」
 ズンダ村の住人は、ポジティブだった。
 かようにして、被害こそ出たものの、全てが村の外であった事と、人的、団子的被害がゼロであった事から、団子大食い大会は無事、開催される運びとなった。
 会場の準備はつつがなく終了。
 串に4つ刺さった団子が沢山用意され、その全てにズンダ餡がかかっている。美味しそう。
 そして、村長が登壇し、大会開催の言葉を発する事となった。
 杖をついていた老人は、突然背筋をピンと伸ばすと、参加者達に呼び掛けた。
「……ヘイヘイ皆の衆! 団子は好きかーい!?」
「「好きだー!」」
「ズンダ村は好きかーい!」
「「好きだー!」」
「そこは『ズンダー!』じゃねえのかヨー!」
 めっちゃノリノリだった。
「……さて」
 こほん、とハッスル村長は咳払いして、威厳のある顔つきになると、
「今年はどうなる事かと思ったがよ、猟兵さん達のお陰で無事大会が開ける事になったわけよ」
 ありがてぇよなあ、と村長は手を合わせた。
「それじゃあ、みんなで団子食って盛り上げてくれや。豆と団子と、猟兵さん達に感謝して……いただきます!」
「「いただきます!!」」
 戦いの火ぶたが切られた。
 制限時間は30分。
 その間に、一本でも多くの団子を食べた者の勝ち。参加資格は特になし!
「これも修行の内でゴザル」
 昨年優勝者、サムライの『団子殺し』。昨年は50本を完食。
「うふふ、おいふいわね~」
 今年はリベンジを誓う、『団子女将』。昨年は40本。
「やるのである! 今年の目標は……5本!」
 そして色物枠っぽさ抜群の、流しの覆面フードファイター『ダンゴ・ざ・ぐれえと』。
 ツワモノ達がひしめいている……そうでもない奴もいるが。
 しかし誰が相手であろうとも、究極的には、自分との、そして団子との戦いなのだ。
 負けるな頑張れイェーガー!

(プレイングには、ご自分の『目標団子数』を記載してください。それを基準として判定を行い、実際食べる事の出来た団子の本数を決定します。なお、『目標団子数』自体は、プレイングの成否に関係ありませんので、お気軽にどうぞ!)
ポク・ョゥョゥ
ずんだー
ずんだー
あがめよー
(ノリにノる感じのムーブ)

目標はー50本だー
大食いぽくだぞー
お手手合わせてーいただきまーす

んぁーんと大きいお口でもぎゅーう
ん〜ごっくん、おいしーよー
ほっぺゆるゆる幸せなの〜
おかわりくだしゃーい

枝豆はーあまくてもーお塩かけてもーおいしーすごーい
そう言えばー枝豆って大豆なんだねー?
もうすぐあれだねーふくわーうちー
あ、勝負中だったーもぎゅもぎゅー

おなかいっぱーい
何だか体もお団子みたーい
わーいころころ〜
優勝したら皆の前であがめよー
しなくてもーたのしかったーねのばんじゃーい

そうだー
帰る前にもう一皿お団子ほしーなー
えへへ、ぱくと森に行くんだー
ぱくとひよこたんにもお団子あげるのー


ヴェイゼル・ベルマン
さーてと、もふピヨを無事倒せた事だし、大会を楽しむとするか

俺の目標団子数は【30本】
そこそこ味わいながら、そこそこの数を食えりゃあなと
あまり勝敗に拘らず楽しむ様子
勿論ガンガン食えそうなら、それ以上食うけどな
作戦?
そうだな……強いて言うなら『気合い』だな(キリッ)

団子を前にして
お、鮮やかな緑だな
こりゃあ美味い、と、もぐもぐ食べつつ味わって

そういや《焔々》も結構食いしん坊だった
黒ひよこみてぇに、団子食わせろー!って感じにギャワギャワ鳴いて訴えてきそうだぜ
後で食わせてやるから、大人しくしてろって言うか

制限時間が来たら
はぁ~、食った食った。ごちそうさん
うまい団子を食べれて満足な様子


シシィ・オクトニーア
ズンダ団子楽しみです!団子大食い大会では楽しく美味しくいっぱい食べさせていただきますねっ!
目標はどーんと高く、100本目指して頑張りますね!
大会ではとにかく食べます。ひたすらに食べます。
美味しいものはどれだけ食べても美味しいものです。
大食いには自信ありますよ!
せっかくですから、上位に入賞できたら他の参加者の皆さんみたいな二つ名が欲しいですね。どんな二つ名かは皆さんにおまかせです。
団子大食い大会の後は、色んなズンダ団子をゆっくりと味わいたいですね。大会の団子とこれは別腹なので大丈夫のはず!
いただきます!と、ごちそうさまでした!の挨拶は忘れずに、です!


真宮・響
【真宮家】で参加。

おやおや、あれだけの災害を受けてもタフな事で。折角の祭りだ、参加させて貰うよ。(退去しようとする瞬を睨みつけて)瞬も、参加すること。いいね?

アタシは・・・そこの女将と同じく、40本を目標としようか。同じずんだじゃ飽きるから胡麻やくるみをかけて食べようか。結果がどうであれ、参加者の健闘を称え合うよ。その何気ない日常が、アタシたちの護るべきものだ。


真宮・奏
【真宮家】で参加。


お祭りが無事開催されるようで何よりです!!頑張ったかいがありますね。(お腹の虫が鳴る)あ、一杯戦ったのでお腹すきました!お団子、好きなだけ食べていいんですか?遠慮なく!

私は大きく見積もって55本を目標!!大丈夫、食べ盛りですし!!たとえ力及ばず負けたとしたって満足です。皆様の笑顔こそが、なによりの糧ですしね。


神城・瞬
【真宮家】で参加。

大変でしたけど、何とかなりましたね。村人の皆さんが無事で良かった。団子ですか(渋い顔)(響に睨みつけられて)・・・はい、参加します。

流石に色物枠には負けたくないですからね。目標本数は「10本」周りの勢いに流されず、自分のペースでクリアしていきますか。こういうのは楽しんだもの勝ちです。勝ち取った平和を、存分に満喫しましょうか。


ダリア・エーデルシュタイン
大会が無事に開催されてよかった。
それにしても……随分とノリノリだなぁ。
もふもふも堪能したことだし、せっかくだから私も気合いを入れて参加しようか。

あちらの方々ほどは食べられないけど、自己最高記録くらいは更新したいな。
5本までは食べたことがあるから、10本くらいは食べられるといいね。

お茶は口直し程度に控えめに。
団子は胃にたまりそうな餡子とかついている系は避けてさっぱりシンプルなものを中心に、幾つかの種類をローテーションでいただこうかな。
大食い大会とはいえ、せっかくのお団子だからね。
美味しく食べられないところまでは無理はしないよ


ナイ・デス
あ……ひよこさん
……あんなオブリビオンも、いるのです、ね

……あとで、くまさんとひよこさんにも、お団子、持っていきたい、です
優勝できたら、賞品のお団子を
できなかったら、何かお手伝いしたり、お金払って、お団子もらって
森に、いきましょう

よし……お祭り後を、決めたところで
楽しむ、です!
お団子、お団子!
優勝、目指して……ちょっと、ずるかも、ですが
【生まれながらの光】をひろげて、複数人を癒して、体力使って、お腹、空かせて
お団子で、補給して、光を強めてより多く、癒す……永久機関になって、ペース落とさず、食べ続ける、です!
お団子パワーで村の怪我、病人0に!
目標は、ちゃんと味わい1本15秒で30分の、120本!



●ズンダの宴
 戦いを終えた【真宮家】も、大食い大会会場に足を運んでいた。
 元気に応援、あるいは参加する村人達の様子を見て、真宮・響が呟く。
「おやおや、あれだけの災害を受けてもタフな事で」
「大変でしたけど、何とかなりましたね。村人の皆さんが無事で良かった」
 神城・瞬が心配するまでもなく、人々は大会を楽しんでいるようだ。
「お祭りが無事開催されて何よりです!! みんなで頑張ったかいがありますね」
 嬉々として真宮・奏が言うや否や。くう、とお腹の虫が鳴った。
「……聞こえました?」
 上目遣い気味の奏の問いかけに、瞬と響はうなずいた。
「あはは……一杯戦ったのでお腹すきました!」
「そんな貴方にズンダ団子! 参加しますよね!?」
 照れつつ正直に告白する奏に、村のお姉さんが話しかけてきた。
 どうやらこの人、大食い大会の司会進行役を務めているらしい。
「お団子、好きなだけ食べていいんですか? じゃあ遠慮なく!」
 そんな幸せな事があっていいのだろうか、と思いつつ、奏はご相伴にあずかることにした。
「それじゃ折角の祭りだ、アタシも参加させて貰うよ」
 響も、やる気のみなぎる表情で、用意された席に向かう。
「団子、ですか」
「……瞬」
 渋い顔をして、こっそり退去しようとしていた瞬を、響が見逃すはずもなく。
 じろり、と睨みつけると、ぐいっ、と首根っこをつかんで、
「瞬も、参加すること。いいね?」
「……はい、参加します」
 有無を言わせぬ響の圧に、瞬が抗う事はできず。
 ダリア・エーデルシュタインも、大会が無事に開催されてよかったと、安堵している。
「それにしても……みんな随分とノリノリだなぁ」
 年甲斐もなくテンション高めの村長はもちろん、それに応じる村人や参加者も。
 祭りめいた雰囲気に身を浸しつつ、ダリアも闘志をのぞかせた。
「もふもふも堪能したことだし、せっかくだから私も気合いを入れて参加しようか」
 ランカー、と呼べる者達ほどは食べられないだろうが、自己最高記録くらいは更新したいところ。
 村人達が盛り上がる中、それに加わる陽気なパンダがいた。
「ずんだーずんだーあがめよー」
 海藻のようにゆらゆら揺らめいたり。
 ノリノリついでにノリ、くらい乗ってる、ポク・ョゥョゥ。
 ナイ・デスは、沢山用意された団子を見て、ふと思う。
 これだけ美味しそうなお団子だ。後で、くまさんとひよこさんにも、お団子を持っていきたい……と。
「よし……お祭り後を、決めたところで、楽しむ、です!」
 お団子、お団子、と、ナイの心も弾む。
「それでは、楽しく美味しくいっぱい食べさせていただきますねっ!」
 シシィ・オクトニーアの目標は、どーんと高く、100本!
 シシィの発言が、参加者達をどよめかせる。
 作戦は……真っ向勝負! とにかく食べる。ひたすらに食べる。美味しいものはどれだけ食べても美味しい。それがシシィのスタンスだ。
「さーてと、もふピヨを無事倒せた事だし、俺も大会を楽しむとするか」
 ヴェイゼル・ベルマンも席に着く。
 目標団子数は30本。
 勝敗云々と言うよりは、そこそこ味わいながら、そこそこの数を食べられればいい、というスタンスだ。
 すると、司会のお姉さんがやってきた。
「ベルマン選手、作戦はありますか?」
「そうだな……強いて言うなら『気合い』だな」
 キリッ。ヴェイゼルの決め顔。
 すると、団子が運ばれて来る。
「お、鮮やかな緑だな」
 ズンダ餡を一褒めすると、ヴェイゼルは気を引き締めた。

●ズンダ、もちもち
 そして。
「それじゃ猟兵さん達もそろったところで、改めて……いただきます!」
30分の戦いが始まった。
「いただきます!」
 シシィが、挨拶と共にいざ勝負!
「大食いには自信ありますよ!」
 次々と団子を胃袋に収めていくシシィの勇姿に、他の参加者達があっけにとられている。
 フードファイターの名は伊達ではない。
「5本までは食べたことがあるから、10本くらいかな。食べられるといいな」
 ダリアも目標に向けて、団子との格闘を始めた。
 参加者ごとに、お茶が配られているが、これは、ある意味罠だ。
 あまり飲み過ぎると、それだけでお腹がたぽたぽになってしまう。口直し程度に控えておくダリア。テクニック。
 胃にたまりそうな、いかにもたっぷりと餡子が乗せられたものは避け、シンプルなものばかりを見繕うと、それでローテーションを組んでいく。
 にしてもこりゃあ美味い、と、ヴェイゼルが舌鼓を打っていると。
 ドラゴンがばたばた騒いでいた。「団子食わせろー!」と訴えている。しきりに。
「そういや焔々も結構食いしん坊だったな。まあ、後で食わせてやるから、大人しくしてろ」
 早く食いたきゃ応援でもしてくれよ、とヴェイゼルに言われた焔々は、ますますパタパタ。応援のつもりらしい。
 ポクの目標は、50本。
 ポクが大きな口をもぁーんと開けると、隣で食べていた村人さんがぎょっとなった。
「ん〜おいしーよー。ほっぺゆるゆる幸せなの〜」
 あっという間にぺろり。おかわりを所望。
「枝豆はーあまくてもーお塩かけてもーおいしーすごーい。そう言えばー枝豆って大豆なんだねー? この世界にもあるのかなーふくわーうちー」
「へいお代わりお待ち!」
「わーい」
 おかわりのお団子が運ばれて来ると、再びもぎゅもぎゅ。
 どんどんお皿と串が積み上げられていく。
 20、30、40……気づけば、ポクの体、最初よりぷっくりしているような。
「何だか体もお団子みたーい。わーいころころ〜」
 さて、瞬は、周りの雰囲気に呑まれぬよう、自分のペースで食べていくつもりだ。
「こういうのは、楽しんだもの勝ちですからね」
 とは言っても、「ようし、いよいよ2本目だ……!」などとのたまっている、覆面の色物枠には、さすがに負けたくない。
 瞬は、目標本数を10本に設定すると、団子を手に取る。
「さて、勝ち取った平和を、存分に満喫しましょうか」
 のんびりマイペースを貫こうとする瞬に対し、奏は……55本。
「そんなに大きく見積もって大丈夫ですか?」
「大丈夫、食べ盛りですし!!」
 瞬に、元気に答える奏。その間にも、次々と団子を頬張っていく。
 嬉しそうな奏の様子に、瞬も思わず口元が緩んでしまう。
 たとえ力及ばず負けたとしても、奏に悔いはない。大会を通してもたらされる皆の笑顔こそが、なによりの糧なのだ。
「アタシは……そうだね、そこの女将と同じく、40本を目標としようか」
 ちら、と女性をうかがうと、響が団子と格闘する。
 名産、名物を謳うのは伊達ではない、
「味もなかなかじゃないか」
 とは言っても、同じズンダ餡ばかりでは、どうしても飽きてしまう。
 そこで響は、胡麻やくるみをかけて、味に変化を付ける作戦に出た。団子自体も美味しいので、この方法はなかなか上手くいった。
 どんな味付けにも対応する団子のポテンシャルが、響を唸らせる。
「うう、もう食えぬ……はっ」
 3本目にして手が止まっていた『ダンゴ・ざ・ぐれえと』は、食べ疲れが消えていくのを感じた。
 見れば、そばのナイが光っている。【生まれながらの光】だ。
 周りの人々を癒す代わりに、ナイは疲労する。だがそれはすなわち、新たな空腹につながるという事。
 消費カロリーを、団子で補給。その体力で、光を強めて、より多く癒す、の繰り返し……これぞ、団子永久機関!
 目標は、ちゃんと味わいつつも、1本15秒計算で、120本!
「……もう食えん」
 ぐれえと氏が突っ伏した。疲労が取れたからと言って、ナイと違ってお腹がすくわけではなかった。
 一方、ナイのペースは、全く落ちる様子を見せない。
 串が数を重ねていくのに比例して、周りの村人達は、どんどん健康になっていく。不思議な光景!

●嗚呼、栄光のズンダ
「そこまで!」
「ごちそうさまでした!」
 制限時間が来たところで、シシィは礼儀正しく、締めの挨拶。
 大会審判員によって、串の集計が行われる。
 ダリアの結果は、11本。
「ふう、目標より1本多く食べられたね」
 大食い大会とはいえ、せっかくのお団子。
 これ以上は、団子の美味しさを台無しにしてしまう、というラインを見極めたところで、ダリアは手を止めたのだ。
「他のみんなはどうかな?」
 ヴェイゼルが完食した数は、37本!
「はぁ~食った食った。ごちそうさん」
 美味しい団子を、それも想定よりたくさん食べられて、ヴェイゼルは満足だった。
 ……おっと、忘れてはいけない。
「こいつの分ももらっていいか?」
「竜さん、ですか?」
 司会のお姉さんは、ちょっと驚いた様子だったが、すぐに団子を用意してくれた。
 たっぷり待たされた分、焔々の喰いっぷりは見事なものだった。
 響は無事、40本を達成。味変化作戦が功を奏した形だ。
 響や奏の食べっぷりを眺めていた瞬は、ちょうど10本を食べきったところで、終了を告げている。
 実に美味しかったです、と司会のお姉さんに、紳士的な笑みを向けた。
「それでは入賞者の発表です!」
 お姉さんの声に、会場が静まった。
「第三位、なんと2人! ポク・ョゥョゥ選手と真宮・奏選手です! 記録は56本!」
 司会のお姉さんが、ポクと奏の手を取り、高く掲げた。
 ポク、喜びの万歳。
 奏、流石、食べ盛り。
「お団子が美味しいので、ついつい手が伸びちゃいました!」
「たのしかったーね。あーもう一皿もらっていーい?」
 団子をもらったポクは、ドラゴンのパクを呼び出すと、背中によっこいしょ。
 向かう先には、森がある。あのひよこにも、お団子をお届けするのだ。
「よろこんでくれるかなー」
 きっと大丈夫。
「続いて、準優勝者はシシィ・オクトニーア選手! 記録はちょうど100本!」
「「おおお!!」」
 この大記録には、歴代入賞者もあ然。色物枠に至っては「俺は引退する……」と覆面を脱ぐ始末。
「今年はすげえ奴らが来たな……。何、二つ名? そうだな、アンタはさしずめ『団子小町』、ってとこだな」
 村長から、シシィに二つ名が与えられた。
「そして栄えある今年の優勝者は……ナイ・デスさん! 記録は何と120本!」
 『団子殺し』も、『団子女将』も。
 これには、素直に称賛の拍手を送るしかなかった。
 かくして、ズンダ村に、ナイの名前が刻まれた。
 それから優勝賞品のお団子を携え、ナイも森に向かった。もちろん、あのクマとひよこに、おすそわけするためだ。
 かくして、大会は幕を下ろした。
 猟兵というゲストを迎えた事もあり、例年以上の盛り上がりを見せたようだ。
「奏、やったじゃないか」
 家族はもちろん、参加者の健闘を称える響。
 この何気ない日常こそが、自分達、猟兵の護るべきものなのだ。
 ……が、シシィの食欲は、とどまるところを知らないようで。
 大会後も、色んなズンダ団子をゆっくり堪能している。
 シシィ曰く、
「大会の団子とこれは別腹なので大丈夫! ……のはずです!」
 だそうです。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月06日


挿絵イラスト