迷宮災厄戦㉑〜父様へ捧ぐ我が悦び
●名誉につけられた傷への報いを
ああ、父様。『魔女』の肚から私を造った父様。
大魔王という蔑称を付けた世界にお怒りだった父様。
わたくしは、いとしいアウルム・アンティーカ父様の無念を果たしたい。
父様が生み出した災魔は未だ彼の地に健在の様です。であれば父様が残したそれをわたくしが引き継ぎましょう。
わたくしが用意するのは『魔導蒸気機関』の技術を用いたもの。
生み出した『蒸気獣』で世界を転げ落とし、父様の無念を果たしましょう。
ああ、いとしい父様。あなたの為に働けるこの悦びは、きっと蒸気獣たちも同じ想い!
わたくしがしたためた『蒸気獣の悦び』……成し遂げて見せます。
どうか、見守っていてくださいね。
●『猟書家『レディ・ハンプティ』』を倒そう!
「集まってくださり、ありがとうございます!『迷宮災厄戦』へ参加するみなさんへ、お知らせです!」
グリモア猟兵のユーノ・エスメラルダ(f10751)はグリモアベースに集まってくれた猟兵たちにぺこりとお辞儀をすると話を続ける。
「ザ・ゴールデンエッグスワールドとおやすみなさいの国……この二か所の制圧によって、猟書家の『レディ・ハンプティ』への道が開かれました!」
続けてホワイトボードに敵の姿を簡単に描いていく。それは、いかにもhump(こぶ)がdump(どしんと落ちる)な魅惑的な体型。
しかし、豊満なソレのすぐ下には巨大な牙が生えていた……。
「彼女は、かつての『アルダワ魔王戦争』に現れたアウルム・アンティーカの腹の口を髣髴とさせる『乳房の下の口』を持っていて、何でも噛み千切ってしまうようです。他にも蒸気機関から蒸気を噴き出し魔導楽器を鳴らす『武装楽団形態』になって自身の速度を爆発的に増大させたり、黄金色の魔導蒸気機関で武装した災魔……オブリビオンの幽霊を乗せた魔導列車を召喚したりするようです」
かの予兆で、大魔王アウルム・アンティーカを父と呼んだ彼女の姿を見聞きしたものも居ただろう。どうやら『レディ・ハンプティ』は、その父の持つ技術の魔導蒸気機関を扱えるらしい。
他にも身体の中央に巨大な口があるなど、外見的な共通点が随所にみられる。
続けてユーノはこの戦いでの注意点を説明していく。
「彼女の実力は高く、『必ずこちらより先にユーベルコードを使う』でしょう。先にこちらがユーベルコードを使うことは出来ません」
ユーノは赤いペンで、『ユーベルコード以外で 対策』と書き込んだ。
そして豊満な乳房の下の口の説明を始める。
「その能力の性能ですが……乳房の下の口での丸呑みは、不思議な空間に繋がっているのか飲み込まれただけで非常に驚異的なダメージを受け、そのまま吐き出されます。その口は、飛び道具の攻撃さえ無限に飲み込んでいくでしょう」
続いての説明は肩の蒸気機関。
「武装楽団形態は自己強化です。回避力や移動力が非常に高まるため、先に強化行動が挟まって攻撃まですこしラグが出来ますが、その隙を一気に詰めていくでしょう。彼女自身は、貫手や腕による叩きつけなどのパワーで戦ってきそうです」
そして最後に、手に持った著書『侵略蔵書「蒸気獣の悦び」』。
「魔導列車がぱーっと現れると、中から沢山の魔導蒸気機関を纏ったオブリビオンが現れます。瘴気こそありませんが、その蒸気は視界を妨害してくるでしょう。蒸気を撒く当人たちは魔導的なあれこれでちゃんと見えているようなので煙に紛れることは難しそうです」
何れの能力も強力だが……対策さえとれたなら対等に戦える筈だ。
●アルダワ魔法学園への脅威を減らすため
「彼女はアルダワ魔法学園の世界の次期フォーミュラーとなることを狙っています……。そして彼女が倒れても、その部下が彼女の計画を引き継ぐため完全にその侵攻を防ぐことは出来ません」
説明を終えたユーノは、ユーノは猟兵たちを転移さる準備を進めていく。
「ですが、力を削ぐことで侵攻の速度は落とせるかもしれません。このアリスラビリンスだけではなく、アルダワ魔法学園へ向かう脅威を軽減させるためにも。どうかこの攻略に皆さんの力をお貸しください」
やがて祈りと共に魔法陣が展開された……ここに乗れば、目的の世界へ転移できるだろう。
「ユーノはみなさんを転移させなければならないので同行はできません。みなさまにご武運がありますように……」
ウノ アキラ
はじめましての方は初めまして。そしてこんにちわ。
ハンプティさんにヤンデレの気配を感じています。ウノ アキラです。
このオープニングに興味を持っていただき、ありがとうございます。
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プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。
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●お得情報
16日(日)、17日(月)にリプレイを書いていくため、プレイングは14日(金)の8:30以降だと採用しやすいです。
他にもマスター紹介のページは一読頂けると文字数を少し節約できるかもしれません。
よろしくお願いいたします。
●依頼について
やや難です。難易度の関係からプレイングボーナスは限られるため、いつもの様なボーナス盛り盛りにはなりにくいです。
全員の採用は難しいですが、16日、17日の二日で書けそうな範囲で書きたいと思っています。
また、『書きやすそうな方から採用する』ためプレイングは不採用になる可能性があります。ご了承ください。
第1章 ボス戦
『猟書家『レディ・ハンプティ』』
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POW : 乳房の下の口で喰らう
【乳房の下の口での噛みつきと丸呑み】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : アンティーカ・フォーマル
【肩の蒸気機関から吹き出す蒸気を纏う】事で【武装楽団形態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 侵略蔵書「蒸気獣の悦び」
【黄金色の蒸気機関】で武装した【災魔】の幽霊をレベル×5体乗せた【魔導列車】を召喚する。
👑11
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●レディ・ハンプティ
魔導列車が走り回り、蒸気建築に埋め尽くされた、大都会のような国……そこはまるで『アルダワ魔法学園』の西方にある諸王国連合の街の様だった。
その国に居た『レディ・ハンプティ』は猟兵たちの侵入を察知する。
「……どうやら邪魔者たちが侵入したようですね。わたくしの……いえ、父様の邪魔をするというのであれば、それは許されざる事」
そう呟くと『レディ・ハンプティ』は『侵略蔵書「蒸気獣の悦び」』を懐から取り出した。
「ああ、父様。いとしき父様。わたくしが必ず、あなたの無念を果たしましょう」
大豪傑・麗刃
&&&
そんなおもしろい所に口があるとはなんと個性的なのだ!
だが個性で負けるわけにはいかのしおから。
先制攻撃対策
近づかれなきゃ大丈夫だろって単純な考えで気合入れてダッシュして逃げユーベルコード解禁まで粘る。とはいえこういう相手は近づくの得意が気がするしいつかは追いつかれる気が。その時は噛みつかれる瞬間を見切り直前に早業で脱衣し服をデコイにして噛ませわたしは生きる!こんなトコでパフォーマンスで身に着けた早着替えが役に立つとは。
ユーベルコード解禁後はギャグ世界の住人を発動し敵の攻撃を一撃耐える。のちにカウンターで二刀流で斬る形で。
敵に攻めさせてカウンター。これぞ待ち軍人戦法なのだ(ちょっと違う気が)
アレクサンドル・バジル
【POW】
大魔王の御令嬢か。
しかし、立派な胸だがあれが開いてパックンチョだろ?
青少年がトラウマにならなきゃいーがな。
まあ、馬鹿話をしてても仕方ない。倒させて貰うぜ。
先制対策
敵のPOWUCは接近して使う技。感覚を研ぎ澄ましてギリギリまで引き付けて発動の瞬間を見切って、残像を残して回避します。
(第六感×見切り×残像)
残像をパックンチョして口(胸?)が閉じた瞬間、カウンター気味に渾身の『一撃必殺』を叩き込みます。(カウンター×怪力×貫通攻撃)
女を殴って喜ぶ趣味はねーが、敵には容赦しないぜ。
●邂逅
蒸気建築に埋め尽くされた、大都会のような国……猟書家『レディ・ハンプティ』が潜むこの街は、どことなく『アルダワ魔法学園』の西方にある諸王国連合の街に似ている。
路面のわだちを魔導列車が走り回り公共交通として機能しているこの街だが、今はある戦闘用の一帯のみ交通が停止していた。
その大通りで『レディ・ハンプティ』は猟兵と相対している。
「…………」
にらみ合う両者。
最初に出会ったのは大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)だった。
ほんの15分ほど前、戦闘前に腹ごしらえをしようと麗刃が街中のカフェに立ち寄ってみるとちょうど戦闘前のティータイムを嗜むレディ・ハンプティと鉢合わせしたのが始まりだ。
「まさかゆっくりお茶を飲んでいるとはおもわなかったのだ」
「そういうあなたもカフェへいらしたではありませんか」
「腹が減ってしまってな」
「余裕は大事ですわ。緊張感だけでは、疲れてしまいますもの」
などと会話をしながらも、じわりと近づこうとするレディ・ハンプティとじわりと距離を離す麗刃。
(確かでっかい口があるはずなのだ……近づかれなきゃ大丈夫っぽいが、向かってきたら気合い入れてダッシュで逃げればいいのだろうか)
とにかく相手の方が一枚上手で先制をされるというのなら、うまく誘えばいいと粘る麗刃。
同様にレディ・ハンプティも不意を突くために隙を伺っている様子である。
そこへ現れる第三者。
「大魔王の御令嬢か」
アレクサンドル・バジル(黒炎・f28861)が余裕を持った表情でゆったり歩いてきた。
吹き抜ける風になびく黒髪。その下に浮かぶ不敵の笑みは金の瞳を妖しく輝かせる。
「……その呼称は撤回していただけますか。父様にはアウルム・アンティーカという名があります」
大魔王、という呼称にレディ・ハンプティは不快感を露わにする。
「その真の正体はわたくしにさえお見せになりませんでしたが……ラクリマ・セクスアリスでもセレブラム・オルクスでも無く。アウルム・アンティーカが、いとしい父様の名です」
僅かに、ニチャァと開かれる乳房の下の口。その牙の隙間にはあらゆるものを飲み込みそうな闇が見える。
その威圧をアレクサンドルは肩を竦めての軽口で返した。
「しかし、立派な胸だがそれが開いてパックンチョだろ? 青少年がトラウマにならなきゃいーがな」
「……良いでしょう。そんなに死にたいのでしたら先にお相手いたします」
「そうだな。馬鹿話をしてても仕方ない。倒させて貰うぜ」
『そんなおもしろい所に口があるとはなんと個性的なのだ!』と麗刃がショックを受ける傍らでレディ・ハンプティはアレクサンドルへ攻撃を開始した。
●始まる戦い
パニエで広がるスカートがふわりと舞う。
一足で距離を詰めたそのステップは、ダンスの様に軽やかで、速い。
そして同時に開かれる乳房の下の口。その口は開かれる際に膨らみ伸びる様に大きく広がった。
それは、どんなものも丸呑みにすることが可能だろうと見るものを直感させる。
ここまでが瞬きをする間もないほどの短い時間での出来事だ。
対するアレクサンドルは第六感も含めたあらゆる感覚を研ぎ澄ませ、その一挙一動を逃さぬよう待ち構えていた。
(――来たか)
その接近を捉えると、口が開くより早く回避行動をとる。
すると先ほどまでアレクサンドルが居た空間で巨大な牙がガチンと閉じられた。
そこへ踏み込むアレクサンドル。相手の接近の勢いが止まる前にカウンターとしての拳を叩き込む。
「女を殴って喜ぶ趣味はねーが、敵には容赦しないぜ」
ゴッ、と響く衝撃音。
カウンター気味に浴びせたアレクサンドルの攻撃はユーベルコード『一撃必殺』による一撃――その力は、拳が命中した箇所を破壊するもの。
それはコルセットの守りを貫いてレディ・ハンプティの臓腑を痛めた。
「――っ!?」
この時咄嗟に振われたレディ・ハンプティの拳の甲が、さらなるカウンターとしてアレクサンドルの顔面に突き刺さる。
それをアレクサンドルは空いていた腕でガードしながらも吹き飛ばされ建物へとめり込んだ。
「……ははっ、やるじゃねーか」
追突した建物の瓦礫から体を起こしながら、アレクサンドルは戦闘屋としての性分が疼くのを感じていた。
大魔王という呼称で頭に血が上っていたレディ・ハンプティは、その間麗刃のことをすっかり忘れていた。
このままだと出番が減る気がした麗刃が叫ぶ。
「個性で負けるわけにはいかのしおから!」
「……そういえば、あなたもいましたね」
ユーベルコードは確実に決まり、レディ・ハンプティの口からは血が零れている……臓器の一部がやられているのは間違いない。
しかしその上で、トン、と軽やかなステップで距離を詰めてきた。
「うぉっ!?」
麗刃が驚愕の声を上げる間にバクン、と閉じられる牙。
「手ごたえあり……あっけないことです」
そう言い、飲み込んだソレを吐き出せばそこには内部の空間で圧縮され潰れた……麗刃の『服』のみ。
「これは……」
「けっこう危なかったのだ……こんなトコでパフォーマンスで身に着けた早着替えが役に立つとは」
レディ・ハンプティの横から麗刃の声が聞こえた。
麗刃は、回避直後の追撃を逃れるため早業で素早く脱いだ服を残像に紛れさせ、デコイにしていたのだ。
●最初の敗走
「二度もわたくしの攻撃が避けられるとは……」
そう言い、振り向いたレディ・ハンプティが見たのは褌一丁の麗刃。
「な、なんて恰好なのです。はしたない! そこの服屋で何か着て来なさいな!」
「おお? そう言うのならちょっと着てくるのだ」
父様一筋のレディには少々刺激が強かった様子。
「父様以外の異性の裸体を見てしまうなんて……」
と動揺するレディ・ハンプティだったが。
「――戦闘中に余計なことを考えるのは危ないぜ」
背後からアレクサンドルの拳が襲う。
「また、あなたですか!」
アレクサンドルの攻撃に反応し防御をしたレディ・ハンプティだったがそこへ更なる一撃――早々と着替え終えた麗刃の一撃が襲う。
「服を着たのでいざ勝負なのだ!」
白タイツの王子様パンツにワイシャツ蝶ネクタイの姿の麗刃が二刀を横に払った。
レディ・ハンプティはそれを耐刃と思われる手袋で受け――。
「元はと言えば急に脱ぐあなたのせいでしょう!」
文句を言い返しながら肘を麗刃の顔面へ。
麗刃はユーベルコード『ギャグ世界の住人』を発動させ、二頭身のデフォルメ体型でその肘を受ける。
「ぶへっ!」
鼻血を盛大にふいて歯とか欠けたけどギャグっぽい雰囲気なのでたぶん大丈夫だろう……。
「ぬおーっ!」
吹っ飛んだ麗刃はそのまま建物にぶつかるとゴムボールの様に跳ね返った。
なお欠けた歯は一コマで戻った。
そのまま元の頭身に戻りながらカウンターを放つ麗刃。
「敵に攻めさせてカウンター。これぞ待ち軍人戦法なのだ! ちょっと違う気もするが!!」
「な――っ!?」
予想外のカウンターに対処できずレディ・ハンプティはその刃を腹に受けた。
相手のペースに持ち込まれたことを悟ったレディ・ハンプティは、場を仕切り直そうと蒸気の中へと姿を消していく……。
しかし受けた傷は浅くない――この消耗は後の戦いに響いていくだろう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ゴロウザエモン・サンモト
&&
【封印の司書隊】
大魔王の娘でございますか…アルダワの一学生としては放っておくわけには行きませんね。
召喚された列車を手斧の加重の【呪詛】で動きを鈍らせ、更に空手形を使い『止まれ』と命令。
幽霊たちにも同様の手順を踏み、召喚存在たちを置物に。
命令があまり効かなかったとしても呪詛の効果である程度は行動の阻害にはなるといいなでございます。
これで皆様への援護にはなるはず。
そしてロラン様のUC発動後にワイアーム様に同乗させてもらいハンプティの頭上を取ったら、UCで強化された大戦斧による空中から飛び降りての【捨て身の一撃】を叩き込むのでございます。※【鎧砕き】【部位破壊】
皆様ご助力ありがとうございました!
アン・カルド
&&
アルダワ魔法学園は今の住処でね、滅茶苦茶にされると困るんだ。
だからここは止めさせてもらうよ、【封印の司書体】として。
…僕自身が目立って動くわけじゃないけどね。
まず二條君に【銀の羽根】をいくつか渡してと、彼女にはこの羽根を撃ってもらう。
ただ風を撃ちだすよりは多少の魔除けや【除霊】につながるはず、車輪も壊せるだろう。
後は、【守り刀】を構えておこう、あれらも魔に連なるものだ…信じてるよサンちゃん。
上手く列車が止まればこちらの番だ。
いくよ、【ライブラの愉快話・骰子】。
運命を捻じ曲げるバズバグ…僕は未だに君の力を見ていない、ここらで一つ転がってみてくれないか?
それが僕が示すべき力の指標になるはずさ。
二條・心春
&&
【封印の司書隊】の皆さんと共に行きます。
不気味な敵ですが、あの本も彼女自身も危険な存在なんですよね。ここを通すわけにはいきません。
私は魔導列車の停止を狙いますね。
「第六感」を活かして列車の場所を察知して、エレメントジェネレーターで作った風の弾丸を拳銃で撃って蒸気を払いつつ列車の車輪を狙い撃って壊しましょう。アンさんの羽根も風に乗せて飛ばせば威力は十分のはずです。
列車を止めて、ロランさんの魔術が敵を引きつけている間に【召喚:蛇竜】で呼び出したワームさんにゴロウザエモンさんを乗せて空から彼女に近づきますよ。私は拳銃とワームさんの尻尾で牽制攻撃です。後はお任せします!
ロラン・ヒュッテンブレナー
&&4*
【封印の司書隊】、対幹部戦なの
【WIZ】
みんな、集まって、来るよ!
少し前に出て【オーラ防御】の【結界術】でみんなを防御
同時に電脳空間にアクセス
相手のUCに【ハッキング】してゴロウザエモンさんの術が掛りやすいように防壁の【封印を解く】
そうしたら、列車への対処は、アンおねえさんと心春おねえさんに任せて魔力を溜めるよ
隙ができたら派手にいくよ?
魔力を出し惜しみしないの
照準を合わせたらUCを【全力魔法】で【乱れ撃ち】なの
列車も幽霊も破滅の光に飲み込むの
魔導触媒たちも全開なの
後ろのレディ・ハンプティも巻き込むの
ぼくが相手を引き付けてる間に、決めてきて
アルダワは、ぼくにとっても大事な所だから、守るよ
●召喚されし魔導列車
「先ほどはペースを乱されてしまいました……このまま負けてしまっては、父様に顔向けできません」
大都会の街並みを、蒸気に紛れ手負いで歩むのは猟書家『レディ・ハンプティ』。
「ですが次はそうはいきません……確実に、仕留めていきましょう」
そう言って『侵略蔵書「蒸気獣の悦び」』を開いたレディ・ハンプティの視線の先には四人――【封印の司書隊】の面々がいた。
蒸気の影に浮かび上がるようにゆらりと何かが召喚される。
魔法陣から浮かび上がったその魔導列車は、街中を走るものと似てはいるが別の存在。
それが乗せるのは、黄金色の蒸気機関で武装する災魔の霊の群れ――。
「着ます!」
二條・心春(UDC召喚士・f11004)の第六感が不穏な前兆を告げる。
心春が振り向いた先へ試作型の『対UDC用特殊拳銃』を打つと特殊な弾丸が周囲の蒸気を吹き飛ばした。
それは『エレメントジェネレーター』を用い、アン・カルド(銀の魔術師、或いは銀枠の魔術師・f25409)の『銀の羽根』を素材として作成したもの。エレメントジェネレーターは近接用であるため殺傷力の範囲は小さくなるが、巻き起こした風で蒸気を飛ばすくらいであれば問題はない。
蒸気を飛ばし視界を確保してみればその地面には召喚の魔法陣が浮かび上がっていた。
間を置かず魔導列車が陣から現れるが、そこへゴロウザエモン・サンモト(『魔王』山本五郎左衛門・f27245)が大きな戦斧『魔王の手斧』を振りかぶって投げる。
「丸見えでございます」
投げた大きな斧は魔導列車のドアのひとつへと突き刺さった。
それはドアの開閉を物理的に阻害し、反対側のドアも手斧に込められた呪詛で動作不良となっていく。
災魔の幽霊たちはすぐに列車から出られなくなってしまった。霊たちは列車から出ようとドアをガタガタ鳴らしている。
「また出てきます!」
心春が特殊弾丸で再び蒸気を晴らせば【封印の司書隊】の四人を囲む様に三つの召喚の魔法陣が現れていた。
●魔導と機械
「みんな、集まって、来るよ!」
ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)は仲間へ防御能力をもつオーラの結界を付与すると、続けて自作の傑作魔術陣『岩穿つ水滴の連なり』を展開する。
「最初に出てきた列車で魔術のパターンは学習できたの。だからハッキングで魔術的な防壁を解除するの!」
「では、私はさらなる妨害を狙うでございます」
ゴロウザエモンは体内の紙『魔王の空手形』を通し呪いに近い命令を放つ。
「『止まれ』でございます」
その空手形は召喚されたものに効力を及ぼせるもの。
敵が召喚したものだが……この列車は召喚されたものではある。条件に当てはまる魔導列車は、ハッキングで魔術的な防御が弱まった事も重なりその影響下へ落ちていった。
……魔導列車はその動きを止め、ドアが開かなくなった。
四両分の、合計四万を超える災魔の霊たちが車両の中に閉じ込められてしまったのだ。
こうなってしまえば猟兵側は十分にユーベルコードを発動できる。
「上手く列車が止まればこちらの番だ」
アン・カルドはそう言うと自身で書き上げた魔導書『魔導書『銀枠のライブラ』』を手にユーベルコード『ライブラの愉快話・骰子<<サイコロノショウ>>』を発動させた。
その魔導書から呼び出す悪魔の名は、古き骰バズバグ。……運命操作をする悪魔だ。
「運命を捻じ曲げるバズバグ……僕は未だに君の力を見ていない、ここらで一つ転がってみてくれないか?」
召喚された悪魔が示した運命とは――。
「おや、あそこに列車の召喚主がいるね」
アンは、列車にかかる呪詛を解除しようと現れた『レディ・ハンプティ』を見つけた。
そんなアンの横でバズバグはころりと転がりランダムに周辺の事象の確率を操作していく。
それは例えば――呪詛により不調を抱えている『機械の故障率』。
修理を試みる『レディ・ハンプティ』は、遠目に見てもトラブルを受けている様子だった。
「なるほど。これが僕が示すべき力の指標か」
アンは従える悪魔に確率を乱れさせながらレディ・ハンプティの妨害を続けていく。
「アルダワ魔法学園は今の住処でね、滅茶苦茶にされると困るんだ。だからここは止めさせてもらうよ、【封印の司書隊】として」
●攻撃開始
「父様が実験と研究を重ねた蒸気科学がこんなことで……! このような不名誉なこと、軽々と受け入れられません」
呪詛そのものは解除した。だがしかし、その魔導の回路は所々が消えあるいはでたらめに書き換えられ、制御方面のバグが新たに作られている。
そして魔導によるソフトウェア面だけでなくハードウェア面である蒸気機関にも不具合が続出していた。
「魔導による制御も直さなければならないというのに、動力にまで影響が出るだなんて。これでは魔導蒸気の持つ馬力と正確な制御が活かせません」
――バキン。
「歯車が割れた!? ああ、それも破片が奥に挟まり全体をロックしています。せめてドアの開閉だけでもと思いましたのに……」
アンが従える悪魔の運命操作により、レディ・ハンプティに不運が続く。
「ああ、父様。解りました。この列車は放棄し新たに召喚せよとのことですね」
意地になっていたレディ・ハンプティだったが、ついに諦めると再び『侵略蔵書「蒸気獣の悦び」』を開いた。
新たに魔導列車が召喚されると、そのドアから一万を超える災魔の霊が街中へと吐き出されていく。
『対消滅術式展開、ターゲットロック、ヒート・コールド、ミキシング。レディ』
抑揚の少ない、機械のような声が蒸気の街に響く。
それは。魔力を溜め終えて照準器型の魔術陣を展開しているロランの声。
「派手にいくよ? 魔力を出し惜しみしないの。魔導触媒たちも全開なの」
眩い光が発生した。
それは二つの相反する魔術をぶつけ合い消滅する際に発生する破壊消滅の光――ユーベルコード『狙い定め撃つ破滅の光<<バニシングロランバースト>>』。別名ロラン砲。
その光はレディ・ハンプティをも巻き込み照準上の霊たちを一斉に焼き払っていく。
「くっ……!」
光に焼かれたレディ・ハンプティは、ロランへ反撃の接近をするために足を踏み出すが――。
「ここを通すわけにはいきません!」
――息をつく間もなく心春による追撃が空から放たれた。
●それぞれの想い
ロラン砲が放たれる少し前のことだ。
心春がユーベルコード『召喚:蛇竜<<サモニング・ワーム>>』で蛇の様な身体をもつ翼竜を召喚すると、ゴロウザエモンと心春の二人はその蛇竜へと跨った。
そんな二人へ、アンはバズバグを従えながら言葉をかける。
「列車も完全に止まってドアが開かないみたいだ。これなら時間を稼げるさ」
ロランも次の手を放つために魔力を溜めながら二人を見送る。
「アルダワは、ぼくにとっても大事な所だから、守るよ。だから、ぼくが相手を引き付けてる間に、決めてきて」
「ご助力ありがとう」
「わかりました、それじゃ行ってきます」
こうしてゴロウザエモンと心春の二人を乗せた蛇竜は蒸気に紛れ空へと飛び上がっていった。
……レディ・ハンプティは何やら意固地になり列車のドアを開けようと四苦八苦いている。しかしいつ、新たな召喚をするか分からない状態だ。
アンは抱えている木製の『魔王の守刀』――ゴロウザエモン・サンモトから送られたもの――を再び抱き寄せた。
(……信じてるよサンちゃん)
空へと舞い上がった二人は、蒸気建築による街並みを見下ろしていた。
その街には蒸気建築による蒸気が薄く広がっており、どこか幻想的な雰囲気さえ感じられる。
『アルダワ魔法学園』の西方にある諸王国連合の大都会を模した街。
この街にそっくりな、実際に人々が住んでいる場所が近い将来襲撃されるという。
「大魔王の娘でございますか……アルダワの一学生としては放っておくわけには行きませんね」
街並みを見下ろしながら、ゴロウザエモンは呟く。
その言葉に反応して言葉を返す心春。
「不気味な敵ですが、あの本も彼女自身も危険な存在なんですよね」
レディ・ハンプティの身体についた大きな牙と口、そして埋め込まれている機械たちはUDCアースのUDC怪物を心春に連想させる。
さほど間を置かず、街にかかる蒸気の合間に新たな列車が召喚されるのが見えた。
レディ・ハンプティが列車のドアの修理を諦めたらしい。
召喚された列車からは次々と災魔の幽霊が現れ、その身に着ける蒸気機関が街の蒸気をより色濃くしていく。
――そこに眩く太い光の帯が生まれた。
「ロラン様のユーベルコードでございますね」
「いきます、掴まっててください!」
光が蒸気を吹き飛ばした一瞬――そこに見えたレディ・ハンプティの姿へ向け、心春は蛇竜を降下させていく。
●受け継がれしモノ
「ここを通すわけにはいきません!」
――空から放たれる心春による追撃。
心春は試作型の『対UDC用特殊拳銃』から『銀の羽根』を素材とした弾丸を放って風を巻き起こすことで周囲の蒸気を吹き飛ばした。
そしてクリアになった視界の先……レディ・ハンプティへ蛇竜の尻尾による鞭のようなしなる打撃を繰り出す。
しかしこの一撃はレディ・ハンプティに捕まえられてしまった。
そしてそのままレディ・ハンプティにより蛇竜ごと投げ飛ばされてしまう。
「わたくしたちの悦びを……父様の為の働きを、邪魔しないでください!」
「きゃっ!」
蛇竜と共に投げられてしまう心春。しかし心春の目的はすでに達成していた!
「後はお任せします!」
こう言い残して蒸気の向こうへ消えた心春と入れ替わるように、ゴロウザエモンがレディ・ハンプティの真上に現れる。
「受けるがいい! 一族の称号、その宝を!」
振り下ろされたゴロウザエモンの大戦斧『魔王の手斧』。この攻撃は高所から重さを加えて加速した着地を考えない捨て身の一撃だ。
対するレディ・ハンプティは【封印の司書隊】と戦う前のダメージがあり対処が間に合わない。
「く――」
このゴロウザエモンの一撃は、咄嗟に防御を行うレディ・ハンプティの上腕を一本斬り落とした。
同時にレディ・ハンプティの肩から突き出る黄金の蒸気機関を片方破壊する。
「――父様とお揃いの黄金の蒸気機関が!!?」
自身のダメージよりも蒸気機関の破損にショックを受けるレディ・ハンプティ。
怒りのままにゴロウザエモンの大戦斧を片手で鷲掴みにすると、ゴロウザエモンごとロランとアンの居る方へと投げ飛ばす。
「こんなものがぁぁっ!」
「うおぁ!?」
四人の猟兵と戦ったレディ・ハンプティは、片腕と肩の蒸気機関をひとつ失った。
「あああああ。父様、……父様、父様……!」
うわ言のように呟きながらレディ・ハンプティは血が混ざる赤い蒸気をまき散らして、再び街の蒸気へ紛れていく。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
蓮見・津奈子
お父様を想う心はご立派ですが、その悪行まで引き継ごうというのはよろしくない、ですね。
ここで、倒させて貰います。
あの大きな口に飲み込まれては一たまりもありません、両腕と…場合によっては両足も使って【怪力】でどうにか押し留めます。
牙が刺さって痛いのは【激痛耐性】で何とか耐えます。いざとなれば【限界突破】で更なる腕力を発揮し乗り切ります。
ユーベルコード発動の機が巡り次第、発現・奇鬼怪力を発動、押し留めた姿勢のまま彼女を持ち上げ、そして床なり手近な障害物なりに叩きつけていきます。
大人しく骸の海に還るがいいでしょう、お父様もお待ちになっているのではないでしょうか?
霧島・絶奈
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◆心情
代理戦争と言うわけですか…
其もまた、戦う理由足り得るのでしょう
◆行動
敵先制攻撃対策として【各種耐性】を高めた【オーラ防御】を球状に展開
直接喰らい付かれない様に注意します
加えて【空中浮遊】で上空に退避
至近距離まで近付く必要があり、胸部である以上、動きの柔軟性に欠けます
仮に蒸気機関で飛翔能力を得て居ようとも対処出来ない攻撃ではありません
喰らい付かれる距離が近付けば【罠使い】として持ち込んでおいた「数珠繋ぎにしたサーメート」を【衝撃波】にて投射
反撃の足掛かりとします
先制攻撃対処後は『獣ノ爪牙』を使用
軍勢と共に【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】
負傷は【生命力吸収】で回復
ミューズ・シルバーピース
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猟書家の一人…そしてアルダワ魔法学園を狙うオブリビオン…!
そこは知らない世界だけど、それでも守るために戦わないと
…それが猟兵としてわたしがすべきことだから
…で、えーと。たしか先制攻撃に対応する必要があるんだよね…
つまり召喚された魔導列車、そこから襲ってくる幽霊の攻撃を防がないとダメだね
まず、蒸気に紛れた敵の位置をスマホのレーダーを使った【失せ物探し】で見つけ出すよ
先制攻撃を防ぐために【空中浮遊】による回避行動と【念動力】【オーラ防御】を用いた防御行動を織り交ぜて対応しよっと
攻撃を捌けたらコードΖを使用しての範囲攻撃と、
同時に生成された武器による飛翔で蒸気を晴らすことを目的にするUCを使うね
●役目
蒸気建築に埋め尽くされた国では常に何かしらの構造物から蒸気が吐き出されている。
しかし元からあるそれらはちょっと見えにくい程度で視界を塞ぐ程では無い――。
そんな街中の蒸気が次第に色濃くなり見えるものを覆い隠していく……。
それは召喚により現れた魔導列車は『侵略蔵書「蒸気獣の悦び」』によるもの。
召喚された車両から一万を超える災魔の幽霊が、黄金色の蒸気機関で武装し街中へと溢れ出していく。
高い建築物の影に居たミューズ・シルバーピース(クイックシルバー・f27543)はその群れの動きを『スマホ型情報端末』のレーダーで把握していた。
サイキックエナジーを利用したそれは対象が何であろうと幅広く探知が可能……もちろん、上記に紛れる猟書家『レディ・ハンプティ』の位置も。
「猟書家の一人……そしてアルダワ魔法学園を狙うオブリビオン……!」
ミューズはそのレーダーで把握した位置を同様に高所に潜んでいた霧島・絶奈(暗き獣・f20096)に伝えた。
「分かりました、ありがとうございます」
「ん……でも、あの災魔たちと蒸気をまずはなんとかしたいね……」
黄金色の蒸気機関で武装した災魔たちの中には銃のようなものや魔術を放つ機構など遠距離攻撃に対応しているモノも見える。
このまま飛行しても見つかれば攻撃をされてしまいそうだった。
「対軍勢であれば私も協力しましょうか」
軍勢を呼び出せる絶奈はそう申し出るが、ミューズは首を横に振る。
「猟書家……オブリビオンに、こちらの手を知られたくない……。ここは、わたしひとりで大丈夫」
そう言うとミューズはふわりと建物から飛び降りる。その背中を絶奈は静かに見送った。
「ご武運を」
建物の高所から空中へと姿を晒したミューズは念動力を纏い防御のオーラを纏う。
敵の位置はレーダーで把握済みだから、何処から攻撃か来るかは解っていた。故に。
「きた……」
蒸気を抜けて飛んでくる銃弾や炎。それをミューズは揺れる様にゆらりと飛行して避ける。
回避できないものは念動力で防ぎながらミューズは災魔の幽霊たちへと向かっていった。
(アルダワ魔法学園……そこは知らない世界だけど、それでも守るために戦わないと……それが猟兵としてわたしがすべきことだから。めんどいけど、それが『役目』だから)
●蒸気の軍勢
街中の蒸気をより一層濃くしながら展開していく蒸気機関で武装した災魔の幽霊たち。
その位置を『スマホ型情報端末』のレーダーで再確認しながらミューズは空中から降下していく。
幽霊たちの武装は金色の蒸気機関という特殊なものではあるが、元より数で攻めてくる戦力。
ひとつひとつの火力は念動力のオーラで防ぐことが出来ていた。
(……全部を防御していたら、さすがにちょっときついけど)
スマホをちらっと見るくらいの時間は問題ない。
(……えーと、ここかな)
ミューズが降り立ったのは、災魔の幽霊たちの群れのほぼ真ん中の地点。
ミューズへ向かい四方から近接武器を備えた災魔たちが一斉に襲い掛かってくる。
「セット、コードΖ……――」
銀の髪がサイキックエナジーに持ち上げられてなびき、琥珀色の瞳が鈍い光を宿した。
「――この慈悲は、刃となりてアナタを包む」
シュ、と風を切り何かが飛翔した。
複雑に飛ぶソレらがミューズを中心に幾何学模様を描くように周辺の敵を切り刻む――それはユーベルコード『コードΖ:ミゼリコルドオブアームズ』。
数百を超える多数の武器が複雑に飛翔すると、巻き起こした風がぶわっと周辺の蒸気を晴らした。
そこには中央に立つ気だるげな少女と、戦闘不能となった無数の災魔だけが残る。
範囲外に居た災魔が銃弾を放つ。
しかしそれはミューズの念動力のオーラが弾き、彼女まで届かない。
ミューズは射撃が飛んで来た方向を眠そうな瞳でじっと見た。
「……そこにも居たんだ」
そう呟くと、ミューズはふわりと浮き滑る様に向かっていった。
地上で戦闘が始まる中、上空を進む絶奈は眼下で戦闘をする軍勢を見ながらつぶやく。
「代理戦争と言うわけですか……」
絶奈は数珠繋ぎのテルミット焼夷弾……サーメートを手にした。視線の先に居るのは、片腕と蒸気機関をひとつ失いながらも侵略蔵書を開くレディ・ハンプティの姿。
これまで見聞きしたレディ・ハンプティの言動……無念を果たすという言葉から、自身の為ではなく心酔する対象のために事を起こしたことはうかがえる。
熱愛による殺戮。求める故の殺戮。その殺意が向く方向に多少の違いはあるのかもしれないが……絶奈はそんなレディ・ハンプティの姿に感じるものがあった。
しかし、『それだけ』だ。特に特別なことをしたい訳ではない。
「……其もまた、戦う理由足り得るのでしょう。平穏を乱すのであれば、屠るのみです」
●その行いの理由
「足りません。まだ、足りません――」
臓腑を破壊され、腕を失い、魔導蒸気機関も半分を失い力が衰えつつある。
非常に不利であるという冷静な思考を抱きつつも、このまま完全に退くという選択は無かった。
身体の蒸気機関が血の混じる赤い蒸気を噴き出す。
「父様の魔導蒸気機関が、父様の名誉が、いま傷つけられています。わたくしはそれを許せません」
ああ、想いはこんなに強いというのに!
朱が混ざる蒸気の中で鈴が転がる様な声が凛と響いた。
「お父様を想う心はご立派ですが、その悪行まで引き継ごうというのはよろしくない、ですね」
蒸気の中から現れたのは、蓮見・津奈子(真世エムブリヲ・f29141)。
津奈子は着用者の存在感を薄れさせるロングコヲトを纏い、ここまで気づかれずに近づいていた。
レディ・ハンプティは蒸気から現れた猟兵を、見る。
「いいえ。先に父様を貶めたのは、愚かな世界の方。父様を大魔王と呼ぶこの世の全てが、そうあれと望んだことが……ああああ、父様! わたくしを見守ってください!」
血を失い過ぎたのか、レディ・ハンプティは少々錯乱している様だった。
そこに上空から投げつけられる何か。
「――貴女の戦う理由は、理解はします。ですが、そのために多くの人々を犠牲にするのは看過できません」
絶奈が空中から接近しながら数珠繋ぎのテルミット焼夷弾を投げつけた。
本来であればそれは巻き付いた対象を高熱で焼く――しかし、乳房の下の口がそのテルミット焼夷弾を飲み込もうとする。
「あああ、父様! いとしいあなたのためにわたくしは、がんばります!」
乳房の下の口がガバと開かれた。その口は開かれる際に大きく膨らみ、伸びる様に広がっていく。
それは、どんなものも丸呑みにすることが可能だろうと見るものを直感させるほど。
焼夷弾の放つエネルギーは内部の空間で虚空へと消費されてしまった。
だがその隙を待っていた絶奈は、すぐさまユーベルコード『獣ノ爪牙<<ロンナ>>』を発動させる。
それは、屍者の軍勢を呼び出すもの。
「顕れ出でよ、親愛なる我が軍勢。其は異体同心の輩にして一騎当千の古兵――」
レディ・ハンプティが再び乳房の下の口を開くより早く、現れた屍者の軍勢がレディ・ハンプティを手足を掴んだ。
そして隙間なく並べた槍がレディ・ハンプティを串刺しにしていく。
「ああああ――!」
苦悶に呻くレディ・ハンプティ。しかし、その目はまだ死んでいない。
黒剣の『【Guilty】』を手に追撃を加えようと迫る絶奈をじっと見ていた。
レディ・ハンプティの残る片方の蒸気機関が出力を上げると掴む屍を振り払った。そして自身に突き刺さる槍を抜くと血を流しながらその槍で絶奈ごと屍たちをなぎ払う。
死力を尽くす反撃に絶奈の口元が思わず緩んだ。
(これが、愛というものでしょうか)
「しかし……長くはもたない様ですね」
満身創痍のレディ・ハンプティは、もはや父への想いだけで死の淵に留まっている。
●そして悪行は潰える
シュゥシュゥと激しく吹き上げる蒸気は血がより混ざり鮮やかに赤く、死の気配を纏っている。
死が色濃い赤き空間は彼岸花の花畑をどことなく連想させた。
それは、もはやどの様に生きるかではなく、どの様に死ぬのかという段階。
ここで津奈子が歩み出た。
散らされた屍の軍勢の、その穴……出来た道を進んでいく。
「ここで、倒させて貰います」
血に染まる赤い空間を亡者たちに囲まれて歩む様はどこか怪奇でいながら幻想的。
死の世界へ誘うような道をスタアの津奈子は歩いていく。
近づく津奈子に対しガパ、と開かれた乳房の下の口が津奈子を飲み込まんと大きく開かれた。
津奈子の眼前に何処と繋がるかもわからぬ闇が、渦巻き奈落へ飲み込まんと迫ってくる。
「飲み込まれてはひとたまりもありませんね」
そう呟くと、津奈子はその牙を掴み、足を隙間へと張った。
しかし自信のある怪力といえど、この顎を抑え込むのはなかなかだいぶ骨が折れる。
「く……」
長い牙が、津奈子の肩を、そして腿を傷つける。
しかしその細い指がもつのは鉄すら引き裂く強度と力。かつてヒトだった津奈子は、ヒトのカタチをした異形の力を発揮させる。
「捕まえましたよ……」
ミシ、と音が鳴つた。その音は果たしてその巨大な牙のものかあるいはそれを押し返す細腕の骨か。
レディ・ハンプティの視界が『回った』。津奈子が上半身を捻り、支えた姿勢から足を外す瞬間に地面へと投げたのだ。
投げる最中も津奈子はその手に掴む牙は放さない。
牙の隙間に挟まった指は潰れかけ、血も流れてはいるが。
(私は、大丈夫)
津奈子は構わずにレディ・ハンプティを二度、三度と大地に叩きつける。
それはユーベルコヲド『発現・奇鬼怪力<<インボヲク・ストレンヂパワア>>』の力。
「まだ……まだです。父様の無念を、果たすまでは……!」
レディ・ハンプティの肩の蒸気機関が再び血煙を噴き出した。
……しかしそれを飛んできたサイキックエナジー製の斧が砕く。それは、災魔の霊たちを引き付けていたミューズのものだ。
「幽霊、途中で消えちゃったから」
それはレディ・ハンプティの力が、侵略蔵書を扱えないほどに失われたことを意味していた。
津奈子は血に濡れた姿で涼やかに言う。
「大人しく骸の海に還るがいいでしょう、お父様もお待ちになっているのではないでしょうか?」
穏やかで淑やかなその物腰と表情からは、彼女が何を想っているのかを読み取ることは出来ない。
解るのは、悪行を引き継ごうとするおろかものが、いまここで成敗されるという事実のみ――。
ブオンと風が鳴り、レディ・ハンプティの頭蓋が再び大地に叩きつけられた。
●
猟兵たちの活躍によりこの場の『猟書家『レディ・ハンプティ』』は倒された。
猟兵たちの躍進により『迷宮災厄戦』の戦いは、すでに『オウガ・オリジン』との戦いまで進んでいる。
……無数の不思議の国が連なる『アリスラビリンス』。その命運を賭けた『迷宮災厄戦』はどのような結末を迎えるのか。
成功
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