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迷宮災厄戦⑯〜リンゴっておいしそう!

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦

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●食べ盛りの鳥たち

 そこは黄色かった。
 薄黄色がかって透明な壁。柔らかいそれを、ジャブジャブ鳥の鋭い牙が抉り取る。
 もぐもぐ。
 …………。
 もう一回かじり取ってもぐもぐむしゃり。

「味しねぇ!」

 鳥が吠えた。
 そう、リンゴの蜜の部分って美味しくないんですよ。
 美味しいのはその回りの果実部なんですよ。
 んなこたぁ知らない鳥たちはギャアギャア吠えながら黄色い地面──つまりリンゴの蜜を叩いて回る。

「なんだよもっと美味いリンゴ寄こせよ!」
「ハズレかよこのリンゴはよォー!」

 叫ぶたびにリンゴの壁が抉れ、果汁が飛び散り、甘い香りが強くなる。
 そう、このリンゴは「食べた感想を言うたびに食べた者が強くなる」特性を持つリンゴ!
 美味いも不味いも平等に言った対象を強化する。
 この中で暴れているだけならまだいい。しかし、いつかリンゴを食い破って出ていってしまったら────。


●リンゴが美味しいのはご存知のこととは思いますが

「つまり食レポです」

 穂結・神楽耶(あやつなぎ・f15297)は真顔で言った。心の底から真面目だった。
 何言ってんだこいつ、と言わんばかりの猟兵達からの視線など何のその。
 ほんとに何言ってるか分からねーと思いますがつまりそういうシナリオです。

「『アップル・バトル・フィールド』って、大きなリンゴで出来た国なんです。それこそ、中に住めるくらい」

 その中に洞窟を掘ってリンゴをたくさん食べているのが、予知に出たジャブジャブ鳥。
 なのでリンゴを味わいながらトンネル作って特攻(ブッコ)んでいけば倒せるという寸法だ。
 掘り進める? いやだってリンゴ勿体ないじゃないですか。

「ちなみにリンゴはめちゃめちゃ美味しいらしいです。もしかしたら他の果物とか食べ物の味もするかもしれませんね?」

 それをリンゴと呼んでいいのかさておいて。
 問答無用と輝く幻焔を散らして、刀は満面の笑みで手を振った。

「帰ってきたら味の感想教えてくださいねー!」


只野花壇
 十六度目まして! 携帯はエクス●リア派の花壇です。
 今回はアリスラビリンスより、リンゴの食レポ会場へご案内いたします。

●章構成
 一章/集団戦『ジャブジャブ鳥』

●プレイングボーナス
 『林檎を食べ進み、奇襲する』。
 本シナリオのみ、リンゴの食レポをすると強化効果がアップします。
 あと食レポしているとお腹がいっぱいにならないのでいくらでも食べられます。リンゴってすげー!
 ただ食べるのではなく味わうのだ……。味わって感想を言うのだ……。
 軽めのノリで進行するので雰囲気に添ったプレイングの方が採用されやすいかもしれません。

●プレイングについて
 ある程度のアドリブ・連携描写がデフォルトです。
 ですのでプレイングに「アドリブ歓迎」等の文言は必要ありません。
 単独描写を希望の方は「×」を、負傷歓迎の方は「※」をプレイング冒頭にどうぞ。

 合わせプレイングの場合は【合わせ相手の呼び方】及び【目印となる合言葉】を入れてください。
 一グループにつき最大で二名様まででお願いします。
 詳しくはMSページをご覧下さい。

●受付期間
 OP公開後、即時受付開始。断章等の追加はありません。
 締め切り目安は【8月12日(水) 18:00】頃。
 システム上送信可能な間は受け付けておりますので焦らずにどうぞ。
 ただし、戦争シナリオですので全採用ではありません。確実な採用をご希望される方は参加をご遠慮ください。

 それでは、ようこそ鳥と猟兵の大食い合戦へ。
 皆様のプレイング、心よりお待ちしております。
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第1章 集団戦 『ジャブジャブ鳥』

POW   :    My father he died
【殺戮の狂鳥モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    Who Killed Cock Robin
【狂気に満ちた鳴き声】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    My mother has killed me
【鉤爪】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

イヴォール・ノトス


いくら食ってもいい林檎とか最高じゃんか
食リポってどんな事言えばいいんだ?
味の感想…が、がんばる

戦斧で適当な大きさに切って
敵の方向へ食い進めるのは野生の勘で

食リポ
・林檎の香りが充満している!天然の芳香剤!(例え下手)
・瑞々しい歯応え、これは万人受けするやつ
・齧る度に口いっぱい溢れんばかりの果汁!最早食べるジュース!
・甘酸っぱくて、飽きがこない
・味?林檎、林檎だ。うまい
・喉渇いた時にもよし、空腹の時にもよし、林檎ってスゲー!

僅かな語彙を総動員で何とか感想を言う
敵に遭遇したら、食リポの邪魔すんな!とばかりに
グラウンドクラッシャーでドーンとやって
敵攻撃は武器受けでガッとしてバーンします(失われた語彙



●実況! アップルバトル2020夏!

 さあ、いよいよ始まりました。アップル・バトル・フィールド、最初の挑戦者はイヴォール・ノトス(暴食・f25687)さんです!
 リンゴの前で屈伸、ストレッチ、準備体操の姿も堂に入っていますね。これは期待できそうです。
 では本番の前に意気込みを伺ってみましょう。イヴォールさーん?

「いくら食ってもいい林檎とか最高じゃんか! 楽しみだな!」

 さすがフードファイター、やる気に満ち溢れていますね。大変素晴らしい!
 して、本命でもある食レポの方は?

「……が、がんばります」

 はい、頑張って頂きましょう!
 それでは位置について、よーい……ドン!
 まず振り下ろされたのが武骨なバトルアックス! 巨大斧がさらに巨大なリンゴを掘削! 実際あの形だと立ちながら巨大リンゴを切るには丁度いいと思われます。
 しかし一口……にはいささか大きいか? それがいいのか? 歯ごたえばっちりですもんね!
 それでは最初の一口、かぶりついたァー!
 して、お味はいかがでしょう!

「リンゴの味だ! うまい! ええと……甘酸っぱくて飽きがこない!」

 あ~~~~~素直で可愛らしい!
 ストレートな言葉と笑顔で告げられる感想ほど伝わってくるものはありません! これは口を止めさせるのも無粋でしょう。
 どんっどん食べてくださいね!

「本当にうめぇ……この歯ごたえ本当に“リンゴ”って感じだよ……万人受けするリンゴの味だ……」

 ざくざくざく、武骨ながらも確かな斧使いで切っては食べ、切っては食べ……。って早い早い! 一連の動作が速すぎて目で追えない……なんということだ……。
 あっという間に食べ尽くされた一角から中へ入っていけば、リンゴでできた洞窟です。アリスラビリンスでも珍しい光景ですが……イヴォールさーん?

「すっげぇリンゴの香り! アタシ、ここに住んでもいいくらいだ……」

 うっとり、じゅるり。
 おおっとこれは完全にアップル・フィールドに魅了されていますね……もはやアップルハウスの住人ですよ。
 とはいえ食べ進めないと先には進めな……おや?

「リンゴリンゴリンゴ! リンゴは食い飽きた! アリスを食わせろォ!」

 おおっとここでジャブジャブ鳥のエントリー! 殺戮の狂鳥モードに変身して張り切っているようですが……おや、イヴォールさん? どうしました?

「……だ……」
「あン? なんだこの硬くてまずそうなヤツ……」
「アタシはリンゴの食リポの最中なんだ! 邪魔だっ!!」
「アバーッ!?」

 イヴォールの【グラウンドクラッシャー】!
 飛び散るリンゴジュース! そして鳥挽肉! ドーンとやられたジャブジャブ鳥、あっさり飛び散ったー!
 でもしょうがないよね。ひとの食事の邪魔する奴に正義はないもの。
 というわけでイヴォールさん、足元の方ご覧ください。

「これ……リンゴジュースか?」

 そう、【グラウンドクラッシャー】はその名の通り地面ごと敵を破壊するUC!
 砕けたリンゴ、すなわちリンゴジュースです。奇跡的に鳥成分が混ざってないところをおススメしました。
 すくって、どうぞ。お味の方はいかがでしょう?

「うお、なんだこれ! これが“食べるジュース”って奴か……戦った体に染みるな……」

 ごく、ごく、ごくごくごくごく……。
 おお、飲むのが止まりませんね。間にある果肉の食感も飽きない美味しさを演出しているのでしょう。気に入って頂けて何よりです。
 それでは最後に一言、お願いします!

「喉渇いた時にもよし、空腹の時にもよし、林檎ってスゲー!」

 ───はいっ、素敵な笑顔をありがとうございました!

大成功 🔵​🔵​🔵​

灰神楽・綾
【梓(f25851)と】
なるほど、林檎の食レポ
まぁ黙々と食べ進めるだけじゃ味気ないもんね
何事も楽しい方が良いもんね

どうせ食べるなら、より美味しそうなところ
そう、蜜入り林檎だ
少し見渡すと、狙い通り少し色が濃いめの部分を発見
ナイフで掘って最初の一口をがぶり
うんっ、本当に美味しい
でも生林檎だけだと食レポのネタも尽きちゃうよね

ではここでアレンジを加えてみましょう
梓さんちの焔さん零さん宜しくお願いします
こちらの林檎を焔の炎で炙ると…はい、焼き林檎
そしてこちらは零の冷気を浴びせて…はい、冷凍林檎
冷凍林檎はすり潰してシャーベットにしても良し
一度に色んな味が楽しめます

敵に遭遇したらサクッと林檎パワーで薙ぎ払う


乱獅子・梓
【綾(f02235)と】
パジャマパーティーしろとか
黄金の卵をたくさん持てとか
ヘンテコなバフが多い世界だったが
そうか今回は林檎かー…

おぉ、確かにめちゃくちゃ美味いな
何か甘味料でも入っているのかというくらい
甘みがあって、それでいてくどくない
粉っぽさも無くて舌触り抜群

えっ、何だそのノリ??
綾の謎テンションに困惑していると
ドラゴンの焔と零が飛び出してきて
綾に言われるがまま林檎を調理
ノリいいなお前ら

調理された林檎を食べれば…
うむ、熱くて柔らかくてより甘みが増した焼き林檎
冷たくてシャリシャリ感と甘酸っぱさが
この季節にぴったりな冷凍林檎
林檎の色々な可能性を感じられるな

敵は林檎パワーで焔に焼き鳥にしてもらう



●双焔三分(?)クッキング (♪例のBGM)

 あるときはパジャマパーティー。
 あるときは卵拾い。
 またあるときにはお菓子作り。
 童話めいた世界(アリスラビリンス)というだけあってヘンテコバフの多い戦争。
 いくつかの戦場に赴いて、その理不尽(わけわからん)さにも慣れてきたと……そう思っていた。
 思っていただけだった。

「今回はリンゴかー……」

 乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)も、さすがにそれは予想していなかった。
 目の前にそびえたつリンゴを見上げて吐いたため息は疲労か、はたまた諦観か。

「え、いいじゃんリンゴ。美味いし」

 その隣に並んで同じように眺めている灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)は期待を隠そうともしていないからこれは性格差だろう。
 もうリンゴを切り出すつもり満々でナイフを弄んでいる。いつの間にコートから出したのやら。

「綾……そんなにリンゴ好きだったか?」
「普通くらいだけど。何事も楽しい方が良いじゃん」
「ひたすらリンゴ食うだけの戦場楽しいか?」
「食レポ」
「あー……」

 そう、ここは食レポが力に変わるアップル・バトル・フィールド。
 お喋り禁止で黙々と食べ進めるだけの味気ない戦場など綾が我慢できるわけがない。
 その逆、リンゴを楽しんで味わえるからこそ共にここにやってきたのだ!
 というわけでもう待機時間は終わった。
 綾は少し考えてからリンゴの周囲をてくてく歩き始める。真意の読めぬ梓は首を傾げてその背を追った。

「綾? 何してんだ?」
「蜜リンゴのところ探してる」
「……探す意味あるのか、それ?」
「えー、梓だって食べるなら美味しそうなところのがいいでしょ?」
「いやまあ、そりゃあせっかく食べるなら……」
「お、この辺りが濃くていい色してる」
「お前もしかして聞くつもりないな??」

 その通りである。
 無駄のない流麗なナイフ捌きでリンゴをカット。二人分の食べやすい大きさになったそれを渡して、せーの。

「「いただきまーす」」

 しゃくり。もぐもぐ。
 色硝子の下の顔を綻ばせたのは綾が先。梓も続けて深く頷いた。美味しいものに対して、男たちのリアクションはひどく素直だ。

「お、なかなか美味しいじゃん」
「確かにな。甘味料でも入っているのかというくらい甘みがあって、それでいてくどくない。古いリンゴにありがちな粉っぽさも、逆に若いリンゴの青臭さも無くて舌触り抜群。噛めば噛むほど果汁が溢れてきて、それだけで飲めそうなくらいだ。もう一個行くか」
「……生リンゴひと欠片だけでよくそんなに言葉捻り出せるね?」
「それだけ美味しいんだよ」

 言いながら自分でリンゴを掘り始める梓。肉を解体するくらいの軽さでリンゴを掘っては食べ、掘っては食べ。
 そんな背中を見ていた綾は「まあまあ」と笑ってその手を止める。

「どうした?」
「それだけだとそのうち飽きるでしょ。……なので、ここでアレンジを加えてみましょう」
「は?」
「梓さんちの焔さん、零さん。宜しくお願いします」
「えっ突然何だそのノリ???」
「キュー!」
「ガウッ」
「しかも応じるのかよ……お前らノリいいな……」

 飛び出した二匹の仔竜は本来梓の声に応じる大事な相棒たちなのだが、今日は綾に応じて各々の属性の吐息を吐き出した。
 こいつらもリンゴ食べたかったのか……颯も呼んでやるべきか……? などと梓が逡巡する間もない。
 あっという間に漂ってくるいい香りは余計な思考を取り払って余りある暴力だ。

「梓ー、出来たよ。こっちは焔の炎で炙った焼きリンゴ。シナモンとか蜂蜜はないけど許してー」
「いや、逆に持ってきてたら目的疑ってるわ。一応戦場だぞここ?」
「ないからいいじゃん。召し上がれー」
「おう。……熱っ」
「あははは」

 そりゃあ焼きたてだし熱いに決まってる。
 半ば以上わざとだったが怪我をさせたいわけではない。綾はリンゴを軽く削っておいた箇所を示す。準備はいいのだ。準備だけは。

「リンゴジュースいるー?」
「いや、このままでいい」
「はーい。焼きたてリンゴはどうよ、梓」
「……熱いが、柔らかくてより甘みが増したリンゴは美味いな。蜂蜜とか余分なモンむしろ要らねぇだろ。このままでいくらでも行ける」
「キュ! キュキュキュ、キュー!」
「おう。偉いぞ焔、よく焦がさず美味しくできたな」

 片手に食べかけのリンゴ、もう片手で元気な焔を撫でる。綾はシュールだなと思ったが何も言わずに自分もリンゴを食べた。
 シャリシャリ、という咀嚼音は生リンゴとも焼きリンゴとも異なるそれ。
 一個分の焼きリンゴを味わい終えた梓の目が興味に瞬く。

「梓は何食ってんだ?」
「んー、零の冷気を浴びせて作った冷凍リンゴ」
「なるほどな。……いや硬くないかこれ」
「それが美味しさじゃない? あの辺がそうだから削って食べていいよ」
「おー」

 ガリガリ、もぐ。

「うっわ冷たっ」
「梓はさっきまで焼きリンゴ食べてたしね」
「ん、……けどシャリシャリ感とこの甘酸っぱさは焼きリンゴには出せないな。夏には丁度よさそうだ」
「うん。すり潰してシャーベットにしてもよし、バニラアイスに混ぜればリンゴアイスにもなるし、なんならコップに入れて酒を注いでもOK。一度にいろんな味が楽しめます」
「料理番組か?」
「リンゴの“可能性”は凄いからね」
「綾が自慢するポイントそこじゃないだろ???」
「ガウッ」
「ああ、零もがんばってくれてありがとうな」

 控えめに主張する氷竜をなでやり、まだまだたっぷりと残ったリンゴを見遣る。
 ただ焼いたり凍らせたりするだけでこれだけ食べられるのだからリンゴの可能性は無限大。
 梓と綾はゆっくり目を合わせて頷き合う。

「行くか」
「もち」

 いざ、無限のリンゴの探求へ行かん────!!


「ところで梓、リンゴの中にいるって話だったオウガは?」
「あー……焔が張り切ったおかげで焼き鳥になってる」
「キュー!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

卜一・アンリ
任せなさい。子供の頃、果物の食べ比べに嵌って台所に置いてあったのを喰い尽くしたソムリエアンリちゃんとは…私のことよ!
(後でこっ酷く叱られた)

(エプロン身に着けスプーンで削り実食)
む、この辺りだけ凄く酸っぱい。ぶらむりいみたい。
咀嚼する内に甘みが出る、一般的にリンゴとして連想される品種とは違う、強烈な酸味が特徴ね。
こういうのは生食に向かず、お酒や料理に使うのがいいのよ。
例えば肉のソテーとかに…(ジャブジャブ鳥が目に入る)

…。

拳銃(ダイモンデバイス)からUC【悪魔召喚「アスモデウス」】!
炎【属性攻撃】で、こう、程良く焼いて頂戴!
なるほど、これが噂のオブリビオン食…!

え、召喚の対価?…貴方も食べる?



●ひみつのアンリちゃん

「任せなさい!」

 ドーンと胸を張ったのは卜一・アンリ(今も帰らぬ大正桜のアリス・f23623)、もといソムリエアンリちゃん!
 子供の頃に食べ比べに嵌って、買い置きのブドウから頂き物のちょっと高い桃などなど、台所に置いてあった果物を喰い尽くしたお転婆少女です!
 ちなみに後でこっぴどく叱られた上、おなかを壊して一晩下痢に苦しんだとかいう最悪な思い出もセットでついてきています。

 ま、そんな淡く苦しい思い出は置いといて。
 ここは現実のアリスラビリンス。リンゴで出来ているくらいなら思考を放棄することもない。
 いつもの黒い服の上にシンプルなクリーム色のエプロンを装着。愛用の拳銃の代わりに持ち込んだスプーンを握り締め、リンゴを削りすくって一口。

「すっぱぁ!?」

 吠えた! ちょっと指定アイコンみたいな顔になってますけど大丈夫ですか?
 だが行儀がいいので吐き出しはしない。酸っぱく感じたそのリンゴをしっかり咀嚼、ちゃんと飲み込んで一息。

「……噛んでたら甘くなってきた。ぶらむりいみたいね……」

 んー、と巡らせる思考数秒。
 そもそもぶらむりい、もといブラムリーは料理に使うためのリンゴの一品種だ。
 強い酸味と味わいは酒や料理には抜群の相性だが、単体で食べるには不向きである。せいぜいジャムなんかにするのが関の山。

「お肉のソテーに添えるソースにしたら最高なんだけど……仕方ないわね。ほかのところから食べ進め……」
「こんなクソ酸っぺぇリンゴ食ってられっかァー!!」
「あ」

 リンゴから やせいのオウガが 飛び出してきた!
 グリモアベースで聞いたところによると、その名はジャブジャブ鳥。
 鳥。
 すなわち、鶏肉だ。
 皮をパリパリに、肉をジューシーに焼き上げて、リンゴで作ったジューシーなソースをかけて。ああいや間に果肉を挟んで焼き上げてたっけ。両方? あらやだ絶対美味しいじゃないですか。
 いつぞやレストランで食べたチキンソテーが瞬時に脳裏に描かれる。
 思わず唾を飲み込んだ。
 ならば迷うことはない。

「来なさい、アスモデウス!」
「グェーっ!?」

 クイックドロウ。
 ダイモンデバイスでもある悪魔憑きの拳銃に呼び掛けて獄炎を召喚。
 放たれた炎が一瞬でジャブジャブ鳥を取り巻き、打ち据え、地に落とす。土ではなくリンゴの上なので衛生問題もバッチリ解決。
 ふわりを漂うのはたんぱく質の焼ける得も言われぬ匂いだ。焼肉屋のあの匂いといえば伝わるだろうか。
 想像の中の味と現実の香りは天と地ほどの差がある。口内でわいた唾を落ち着くように飲み込んで。

「これが噂のオブリビオン食……ちょっと楽しみになってきたわ」

 対価に食べる? と聞いたが、アスモデウスの好みはリンゴだったらしい。
 かじり取られるようにリンゴの一部が焼失。
 送還の感覚を感じながらスプーンでジャブジャブ鳥の肉を掬って、焼けたリンゴを乗せて、口の中へと運んだ。
 突き刺すようなえぐみ。しっかり焼いたはずなのに歯にくっついてくるぬめりと弾力の歯ごたえ。火を通したリンゴのうまみがなんともミスマッチで、つまり。

「まっずぅ!?」

 アンリの悲鳴は残念ながら他の誰にも届かなかったそうです。どっとはらい。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鎧坂・灯理
ミスタ・ジャック(f02381)と
(仲間に敬語、ほかは無愛想)

では、よろしくお願いします
私がクチナと道を開き、気を引きます 堂々と不意打ってください

クチナを呼び出し、かまずに飲み込む形で一気に掘り進ませる
元がでかいせいで洞窟みたいになったな
直線上にいた敵はリンゴと一緒に飲み込ませてしまおう
ギャアギャアとやかましい鳥め 『索冥』を起動して私とクチナへの音を防ごう
ミスタに影響が出ても困る 残った敵の喉を念動力で絞めておく

あとはどうぞよろしく、ミスタ
……持ち帰るなら、『玄武』の格納をお貸ししましょうか
(リンゴ果汁が垂れないよう、思念膜で包む)


ジャガーノート・ジャック
◆鎧坂(f14037)と

承った、効率良く行こうか。
では陽動は任せる。
作戦行動を開始する。

(ザザッ)
"Absorber"使用。
熱線銃一機を拡張・改造、掘削機の如くして林檎を掘り進めてゆく(武器改造)。
本機には性質上空腹も満腹も概念として存在しない。遠慮なく静かに掘り食べ進める。
――だが敢えて言うなら、相棒が居たら喜んで口にしたろうか。

さて、不意を撃つならこの辺りからか。
林檎の壁越し、鎧坂に引き寄せられた敵を残りの熱線銃を用い撃ち貫く。(貫通攻撃×スナイパー)

掃討完了。

……(熱線で焼けた林檎を見る。豹頭に食わせる。食味が良い。)
土産に持って帰るか。

――嗚呼、助かる。心遣いに感謝する。
(ザザッ)



●合理主義者達の正攻法

「私がクチナと道を開き、気を引きます。堂々と不意打ってください」
「承った、効率良く行こうか」

 鎧坂・灯理(不退転・f14037)とジャガーノート・ジャック(JOKER・f02381)が共闘するのはこの戦場が初めてだ。
 故に立てた作戦はごくシンプル。
 陽動役と本命役に分かれた電撃速攻。
 ……正攻法? 食レポ? そんなのはやる奴がやればいいのである。邪道上等、勝利を掴めればそれでいい。
 そんな合理的思考回路ばかりは同じだから、その手を取ることに躊躇ない。
 
「行こうか、クチナ」

 【月呑み大蛇】が顔を出す。
 蛇は獲物を噛み砕かない。丸呑みするだけだ。その代わり胴体が飲み込んだ獲物の形に膨れ上がるが……
 灯理はこの問題を「胴体部を召喚しない」事で解決した。
 元の体が大きいのだから満腹など遠い概念にしかならない。
 故に掘削は止まらない。魔法陣から小山ほどある蛇の頭部だけが飛び出してリンゴを喰らい、洞窟を生み出していく絵面は御伽噺の一ページめいた光景だ。

「ま、これでは悪役の絵面でしょうが」

 独り言ちる言葉に応えはなく、クチナはただ進む。
 灯理二人分もある牙で、ひとを一気に五人は飲み込めそうな口で、無害なリンゴを好きなだけ頬張っていく。
 その様子を確かめていた灯理の眉間に不意に皺が寄った。

「来たか。騒音公害鳥どもめ」

 ジャブジャブ鳥の騒ぐ声はリンゴの壁越しにもよく聞こえる。
 不愉快でしかないそれを聞き続けていれば脳が腐る。思念防壁『索冥』に音声遮断を加えつつ思念の手を知覚範囲全てに広げた。
 そうして、絞め潰す。

「ギッ」
「よく鳴く鳥は絞めろと言いますからね」

 うっそりと呟いて、灯理はあらぬ方へ視線を向ける。
 それが『彼』のいる場所だと、哀れな鳥たちに知る術はない。

「あとはどうぞよろしく、ミスタ」


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「───了解」

 リンゴの壁越し、『Jaguar』が吼えた。
 【Absorber】で機械豹の頭部へと変じた熱線銃により掘り進め、狙撃に適した位置にて待機していたのだ。
 『機体』であるところのジャックには空腹も満腹も概念として存在しない。つまり食レポも必要ない。
 駆動音は隠密に適した形に。口を開かなければ音声に混じるノイズが響くこともない。故にその存在が気取られることなどあろうはずもなく。
 思念の形で転送されたジャブジャブ鳥の集合地点へ、焦点を合わせて。

「Fire.」

 ノイズの音も静かに、引き金を絞る。
 放たれる熱線は実体に非ず、しかし恐るべき熱量を持ってリンゴ壁ごとジャブジャブ鳥を貫いた。
 上がるはずの断末魔は思念の手により絞め潰されているから静かなまま。
 怪物の銃は鮮烈に、ジャブジャブ鳥を片付けた。

「────」

 呼吸音めいた溜息に混ざる砂嵐めいたノイズ音。
 熱線上に立ち塞がり、結果焼かれたリンゴの甘い匂いが嗅覚器官をついた。
 そうか焼けるのか、なんて他人事みたいに思う。
 彼の相棒は甘いものが好きだ。焼きリンゴなんて森の恵み、喜んで味わっただろう。

「……」

 少し考えて、豹頭のままにしてあった熱線銃に食わせてみる。
 食味が良い。
 火を通したからか甘みが随分と増していて、それでいて熱された時間が最低限だったせいでリンゴ特有の食感も失われていない。
 つまり相棒が喜びそうな味だ。

「……土産に持って帰るか」
「テイクアウトですか?」
「ああ。残しておくくらいなら役立てた方がいいだろう」
「そうですね。……」

 いつの間にか彼女はそこにいた。
 好きなだけリンゴを食べたクチナはもう送還されたらしい。歩み寄る所作に乱れなど微塵もない。
 考えるような沈黙は数秒、灯理は提げていたアタッシュケースを開いて見せた。

「でしたらこちらの格納をお貸しします」
「――嗚呼、助かる。心遣いに感謝を」
「いえ」

 唇を吊り上げる。
 鮫のような笑みの女に、豹頭の機人は重々しい頷きを返した。

「それだけのものは見せて頂きましたから。ミスタ・ジャック」
「───それこそ、本機の言うべき言葉だ。鎧坂」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リア・ファル
同行:シャーロットさん(f26268)と

(ビジネスチャンスだ、動画で宣伝だ)

はい、今回紹介する商品がこちら!(→)

わあ、アリスラビリンス産なんだね!(→)

見た目もつやつやだし、香りも良いね、さっそく剥いてみようか(→)
(果物ナイフでサックリと)

きめ細やかな果肉!(→)

それでは頂きます!

小気味の良い音を立てて口に広がる果肉に……(→)

しかも、いくらでも食べられる!(→)

動画をご覧の猟兵の方は……って、そこの鳥さん、撮影の邪魔だよ!

敵の攻撃はUC【多元交錯障壁】で防ぎきる(閉じ込める)
(撃退は、彼女の鮫魔術が決めてくれるさ)

と言うワケで、お買い求めは此方まで!


シャーロット・クリームアイス
同行:リアさん/f04685

(派手なSE、VFX、ホログラムのサメが宙を舞い踊る)

今回は果物を、いえ、ただの果物ではありません――見てくださいこの大きなリンゴ!

はい、この国の特産……というかこの国がリンゴらしいですよ!

さすがリアさん、準備がよい!

光を反射して眩しいですね。どんな食感なんでしょうか……

いただきます!

甘酸っぱい果汁――おっと!?
味が変化しました!
このバリエーション、まるで食べられる虹ですよ!

溜まらない、飽きない、なくなりそうにない、と三拍子揃ってますからね!


業務妨害はやめてほしいモノですね
ですが心配ご無用!
警備員! 不審者をつまみ出してください!
(潜伏させてあったサメを差し向ける)



●Dag's@Cauldron & サメール プレゼンツ! 今なら現金一括払いで五パーセントオフ!!

 美しい銀河系の写真をバックに波の音。
 そして飛び交うサメの吼える声! ん、サメって鳴く? 分からないので心眼で捉えよ。
 シンプルな「Dag's@Cauldron」のロゴ、派手な「サメール」のロゴ。
 ここまでくると分かるだろう。
 そう、通信販売である! 猟兵らしくエコでクリーンな商売ですのでご安心ください。
 さて、ロゴがフェードアウトしていけば有機的な赤色を背景に立っているのは二人の猟兵。
 「Dag's@Cauldron」代表、リア・ファル(三界の魔術師/トライオーシャン・ナビゲーター・f04685)。
 「サメール」代表、シャーロット・クリームアイス(Gleam Eyes・f26268)。
 うっわ絵になる! まぶしっ!

「というわけで皆さんこんにちは!『Dag's@Cauldron』と……」
「『サメール』です! リアさん、今日はどんな商品を紹介しますか!?」
「はい、今回紹介する商品は……こちら! リンゴだよ!」

 リアの声と共にバーン! とアップにされた真っ赤な皮。
 これだけでは分からないのでドローン(最新のサメの種類。空を飛ぶものを指す)撮影による遠景映像も表示しておきます。比較用のリアとシャーロットの姿がまるでゴマ粒。それでも全体像が入りきらないのだから、いったいどれだけ大きいのか。

「ただの果物ではありません――見てくださいこの大きなリンゴ!」
「わあ、すごい! さすがアリスラビリンス産、常識じゃ考えられないね」
「はい、この国の特産……というかこの国がリンゴらしいですよ!」
「リンゴでできた国なんてメルヘンそのものだね。すごいなぁ」
「見た目もつやつやだし、香りも良いですね。新鮮そのもの!」
「けど、気になるのは味だよね。さっそく剥いてみようか」

 取り出したのは何の変哲もない果物ナイフ。ざくっと皮に立てて力を入れれば二人分のリンゴの欠片が切り出される。
 「さすがですリアさん」「ありがとー」なんて仲良さげなやり取りもそこそこに、一番おいしそうに見える角度でリンゴをカメラへ翳した。

「見て、このきめ細やかな果肉!」
「果汁が光を反射して眩しいですね。どんな食感なんでしょうか……それでは早速、頂きます!」

 しゃくり、もぐもぐ。
 一瞬の沈黙すら計算のうち。
 直後、ぱっと明るくなる表情がなにより雄弁に“““美味しさ”””を視聴者へと届ける。

「小気味の良い音を立てて口に広がる果肉、とってもジューシー!」
「甘酸っぱい果汁はこれだけでジュースとして飲めそうで――おっと!?」
「シャーロットさん? どうしたの?」

 ぱちりと瞬いた藍色にピンク色が心配の視線を向ける。
 とはいえそれも予定調和。ぱっといっそう華やいだ表情になったシャーロットはカメラ目線で頷きひとつ。

「なんとこのリンゴ、味が変化しました!」
「なにそれ、すっごいね! さすがアリスラビリンス産!」
「ここは柔らかめで甘味の強いゾーンですね。うーん美味!」
「わ……こっちも変わったよ! こっちは酸味が強くて歯ごたえ抜群!」
「このバリエーション……まるで食べられる虹ですね!」
「うん、その例え言い得て妙だね!」

 美味しい、美味しい、なんてタイプの違う美少女二人が言い合う光景はまさに目の保養。
 カメラが引いていって二人のバストアップとリンゴ色の背景を映す。
 いつの間に移動したやら、薄黄色がかった果肉の中で二人は可愛らしいウィンクをキメる。

「しかも、いくらでも食べられる!」
「溜まらない、飽きない、なくなりそうにない、と三拍子揃ってますからね! こんなお買い得なフルーツ、滅多にありませんよ」
「動画をご覧の猟兵の方は……って、」
「ここのリンゴは儂のモンじゃ! 出ていけ!!」

 ARで表示された通販サイトアドレスを突っ切って、虹色が羽搏いた。
 恐らく別方向からリンゴを食べて侵攻してきたジャブジャブ鳥。
 振りかざされた鉤爪はひどく鋭いが恐れることはない。まずリアが右手を翳す。

「そこの鳥さん、撮影の邪魔だよ!」
「貴様らが儂の邪魔じゃあ!」

 【多元交錯障壁】───シャボン色の障壁がジャブジャブ鳥を封じ込める。
 薄く美しいだけに見えるが、その実態は次元を隔てる複合障壁。たかだが一介のオウガに超えられる代物ではない。
 それでも壁に衝突を繰り返すジャブジャブ鳥に向けてシャーロットは肩をすくめた。

「やれやれ、業務妨害はやめてほしいモノですね」

 波の音が聞こえる。
 背ビレが立ち上がる。
 そう。サメは、次元を超えて泳いでくる。

「警備員! 不審者をつまみ出してください!」
「殺ー苦(シャーク)ッ!!」
「アバーッ!? サメナンデ!? サメナンデ!?」

 【忍び潜む海の狩人(ニンジャ・シャークス)】!
 アワレ、鳥ではサメの暴力には敵わない! 次元の壁の中で行われる一方的蹂躙! 次元の海の中で鮫に勝てる生物がいるだろうか。
 だからリアもシャーロットも、もう鶏肉のことは気にしない。視聴者の為にカメラ目線で笑顔を作るのが最優先だ。商人の鑑では?

「それじゃ、今日はここまで!」
「チャンネル登録よろしくお願いしまーす!」

 ちなみにリンゴの売り上げの方は上々だったそうです。めでたしめでたし。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鳴宮・匡
◆コガラス(f18713)と


……不思議の国って言うだけあって理解不能なギミックだよな
まあ、そうした方がいいならそうするけど

さておき、これはリンゴ……なんだよな……??
えーと……このあたりは甘味が強いかな
進んでいくと少しずつ味が変わっていくんだな
……味の是非はどうあれ(明らかに別の食物の味がするので)、
変化があるってのは面白いのかもな
(美味しいかどうかは判断できないが、味の種別はしっかり判定できるほう)

……コガラス、さっきから美味しいしか言ってないけど大丈夫?
俺、味の感想で「実在性がある」って言葉初めて聞いたぞ
それ食べ物に使う語彙で大丈夫?

あ、敵に出会ったら先制の【千篇万禍】で


式島・コガラス
鳴宮さん(f01612)と同行

林檎を食べて感想を言えば強くなる。……なるほど、すごいですね。
本来ならばそんなに食べられませんし、奇襲も難しいところでしたが、満腹にもならないのなら勝機はあります。
行きましょう、鳴宮さん。我々の味覚と語彙が試されています……!

ふむ……この林檎は……美味しいですね。
しゃりしゃりしていて……噛むと味があるので美味しいです。
そう、あと匂いが……ありますね。そして食感があります。噛んだときに歯ごたえが存在します。美味しいですね。
あとはそう、果肉が黄色で……食べた時に音が鳴ります。美味しい音ですね。
つまりこの林檎は実在性が高く、美味しいです。

はい。敵は撃ちます。(パァン)



●このあとリンゴは持ち帰って保存食にしました

 林檎を食べて感想を言えば強くなる。
 このアップル・バトル・フィールドは、つまりそういう仕組みになっている訳で。

「……なるほど、すごいですね」
「……不思議の国って言うだけあって理解不能なギミックだよな」

 式島・コガラス(明日を探す呪いの弾丸・f18713)と鳴宮・匡(凪の海・f01612)はしかし、世界を織り成す巨大リンゴの前で表情をほとんど変えなかった。
 強いて言えば前者は期待、後者は呆れの成分が混入していたようだが……しかし読み取れるほど互いに人間の機微に聡くはないので気付かないまま。
 
「鳴宮さんって大食漢な方ですか?」
「俺? いや、普通ぐらいだと思うけど……」
「私もです。つまり感想を言い続けないとあっという間にお腹いっぱいになってしまいます」
「……コガラス、もしかして結構やる気?」
「行きましょう、鳴宮さん。我々の味覚と語彙が試されています……!」
「ああうんそうだな。落ち着いて隠密重視で行こうなコガラス」

 言い合いながら進む先は白い洞窟。
 ひと二人が入ってもまったく揺るがず迎え入れるそこを果たしてリンゴと呼んでいいのか、匡は少しだけ考える。
 とはいえコガラスはそのあたりに頓着しないらしい。
 サバイバルナイフでざくざく壁を切ったかと思うと躊躇いなく口へと運んだ。

「ふむ……」
「どう?」
「美味しいです」
「そうか」

 幸い毒でもなければ不味い箇所でもないらしい。頷いた匡もまたナイフを手にリンゴの壁を切り開く。
 抉るように切り出した掌大のリンゴを口へと運んで咀嚼。
 抵抗という程ではない、けれどきちんと硬い歯ごたえ。歯で割り裂くと甘い果汁がどっと溢れて喉へと流れ込んでくる。
 コガラスの言うように美味しいかはともかく、新鮮な証拠だ。

「この辺りは甘味が強いな」
「そうですね、噛むとシャリシャリして味があります」

 すでにコガラスは次のリンゴを切り出す作業にかかっていた。
 腕力差も手伝って匡に比べると随分小さく見える果実を次々口へと運んでいく所作は小動物……ぶっちゃけリスを連想させる。
 しばらく夢中で食べていたようだったが、するべきことを思い出したのだろう。考えるように視線を巡らせて、それから口を開いた。

「果肉が黄色で」
「うん?」
「匂いが……ありますね。リンゴの美味しい匂いです」
「そりゃあリンゴだからな」
「噛むと味があります。美味しいです」
「それは大抵の食材がそうだと思うけど」
「食感があります。歯ごたえが存在します。美味しいですね」
「そうだな」
「つまりこのリンゴは実在性が高いです」
「リンゴの実在性って何?? それ食べ物に使う語彙で合ってる???」
「つまり美味しいということです」
「コガラスそれしか言ってないけど大丈夫か?」
「……美味しくないんですか?」
「いやよく分からないけど」

 匡が次に切り取ったリンゴは明らかに酸味が強い。というかこれミカンの味ではなかろうか。
 手の中の果実はちゃんと白く、リンゴだと視覚にも嗅覚にも伝えてくるというのに、味覚だけが別物だと訴えてくる。
 これを果たして「美味しい」と呼んでいいのか、匡にはよく分からない。

「味の是非はともかく、変化があるっていうのは面白いのかもな」
「リンゴ──いえ、この国の生存本能のようなものなのかもしれませんね」
「……」

 音が聞こえる。
 二人の、ナイフで丁寧に切り出すのとは違う。もっと荒々しい蚕食の歯と羽の音。
 リンゴの国の中に巣食っているというオウガの、侵略の音。

「だったらどうする?」
「決まっています」

 目の前に飛び出した虹色へ、閃く銃口は二つ。
 アプスー。地底の底の淡水。湖、泉、川、井戸、そういうものの源と信じられた神の名を冠する呪われたリボルバー。
 Stranrer。その名の意は異邦人。それでも歩むと決めた影の手に在り続けるオートマチック。
 メルヘンには程遠い、ごく現実的な暴力が御伽噺の怪物を蹂躙する。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヨシュカ・グナイゼナウ
大きな林檎!興奮して来ますね!

開闢でサクサク林檎を切って
時折林檎の壁に耳を当てながら
ジャブジャブ鳥の位置を推測。彼らの背後に到達する様に掘り進め

それにしても口に入れると広がる爽やかな香りに(もぐもぐ)
シャキリと瑞々しい果肉。この酸味と甘味のバランスの黄金律…!(もぐもぐ)
わたしは今モモシンクイガの幼虫になっています!(林檎の害虫)(錯乱)
これはそのまま食べるのが一番贅沢に美味しく頂けるタイプ
あ、でもこの甘さならお砂糖少なめでジャムも…!持って帰れないかなあ…


薄壁に小さく穴を空けて覗き
そっと壁に両手を当てて

こんにちは駒鳥さん 
それではさようなら
“I killed Cock Robin.“



●I, said the Cat,

「おいしい!」

 ヨシュカ・グナイゼナウ(明星・f10678)は上機嫌であった。
 軽量鋭利な『開闢』はちょっと硬いリンゴだってさくさく切ることが出来る。
 だからヨシュカはリンゴの洞窟を担当を相棒に進んでいく。もちろん味見だって忘れない。 ただし言葉を放つのはちゃんと飲み込んでから。おばあ様は礼儀にも厳しかったので。

「口に入れると広がる爽やかな香りにシャキリと瑞々しい果肉……!」

 思わず己の片頬を支えた。「ほっぺたが落ちそう」という形容はよく耳にするが、本当にそれくらい美味しいのだ。
 もっともっと、と沸き立つ心が『開闢』を閃かせる。
 ざっくりと切り落とされたリンゴを片手に開いた道を進んでいく。

「この酸味と甘味のバランスの黄金律ですよ! モモシンクイガの幼虫が群がってくるのも頷けますね」

 うんうん、と一人頷く。
 実際、現状はリンゴ果実に群がる害虫のようなものだろう。いやでもオウガを退治に来たのだから農薬の方だろうか?
 それこそ毒にも薬にもならないような思考を巡らせながら次のリンゴを口へ運んでいく。

「これはそのまま食べるのが一番贅沢に美味しく頂けるタイプのリンゴですね。うん、とても美味しいです」

 しゃくさく、咀嚼とスキップを同じリズムで刻んで進む。
 あっという間に食べきってしまうのを残念に思うも、周囲のリンゴはまだまだたくさん。同じように切り取って、ぱくり! 

「あ、味が変わりました!」

 ぱあっと星の瞳が眩しく輝く。
 そういうリンゴだと説明は受けていたけれど、実際に体験してみれば驚きはひとしおだ。予想以上に甘いそれを口の中で味わって、飲み込んで。

「この甘さならお砂糖少なめでジャムを作っても美味しいですね……持って帰れないかなあ……」

 むむむと唸る。
 昨年の誕生日、仲良しの友達からもらったトランクを持ってこなかったのが悔やまれた。あれならタッパーもたくさん入ったろうに。
 持ち帰りは禁止されなかったからするための準備をしておけばよかった。とはいえ一度戻ってまた転送を頼むのも忍びないし。
 なんて、楽しい想像を巡らせながらヨシュカは仕事を忘れない。
 そうっとリンゴの壁に耳を当てる。聴覚パーツ──もとい、88式集音器は優秀だ。目的とする鳥の声が大きいのも手伝ってではあるが、ほとんど無駄な寄り道をすることなく辿り着くことができた。
 千本で小さく、本当に小さく穴を開ける。
 一瞬の眩しさに目を細めてそっと覗き込めば。

「……いた」

 予定通り、ジャブジャブ鳥の群生地が見える位置。
 少しでもあの虹色が見えたなら【針霜】は決して逃がさない。
 ひやりとしたリンゴの壁に手を当てて、小さくマザーグースを口ずさむ。

「Who killed Cock Robin?」

 ───答えは、星だけが知っている。

大成功 🔵​🔵​🔵​

狭筵・桜人
リンゴはそのまま食べても甘くて美味しいですけど
持ってきたはちみつやメープルシロップをかけて味変しながら食べ進みます。
それにほらシャブシャブ鳥でしたっけ?
あとで鳥のシャブシャブも食べられるんですよね?ジャブジャブ?んん?

私のような美少年はアイドルと等しく食リポが雑魚でも画が持ちますからね。
ん~あま~いおいし~って言っておけばバフも撮れ高もバッチリのはず。
……しかし流石にそろそろ塩気のあるものが食べたくなってきました。

あ!あれはシャブシャブ鳥!?
ちょっと全然美味しくなさそうじゃないですか!聞いてた話と違います!
食べられそうな部分が見当らないのでリンゴパワーなUDCで奇襲します。
帰って牛丼食べよう。


ヴィクティム・ウィンターミュート
なるほど、理解した(理解してない)
オレ リンゴ アジワッテ クウ

そう、まず…歯ざわりから違うんだ
なんというか、心地良いんだよ
するっと歯が通っちまうんだ、それでいて柔すぎない
そして溢れ出す果汁の甘美なことか!!
この林檎、スイカ並みに瑞々しいぞ!!?
甘みと酸味の均衡が永遠に崩れないんじゃないかとさえ思うバランスの良い味わいが最高なんだ
何よりも後味が良い…スッキリと、しつこくない
だから次の一口が止まらない。何度でも新鮮な気持ちでジューシーな林檎が楽しめちまうんだ!!

あーもう止まらん腹満たすまで食いまくろう
ん…あぁ、敵ね…おらっ死ねっおらっ
林檎食う邪魔すんな!消し飛べ有象無象が!
…アップルパイも美味そ



●あるいは青春と林檎の相関関係について

「はぁ~~~~~っ! リンゴって奴は最ッ高だな…………」

 恍惚の溜息だった。
 感嘆の表情だった。
 ヴィクティム・ウィンターミュート(End of Winter・f01172)は、アップル・バトル・フィールドを心の底から満喫していた。
 何故ならリンゴである。
 世界の端から果てまで、すべてがリンゴで出来ている。
 しかも食べられるときた! 必要エネルギーが常人より遥かに多いヴィクティムにとってはもはやご褒美ですらある。

「心地いい歯ごたえ……溢れ出す果汁……甘みと酸味の均衡は永遠だし後味までスッキリたあ……リンゴで腹満たしてやるぜ」
「……なんでたかがリンゴひとつでこんなにはしゃげるんですかこの人……」

 その後方、狭筵・桜人(不実の標・f15055)はそんなヴィクティムの姿に完全に引いていた。
 いくら美味しくて味も変わるとはいえ、食感も香りもリンゴなのだ。飽きるに決まっている。
 だが賢い美少年であるところの桜人はそのあたりの対策をきちんと用意しておいた。
 てれれてっててーと某青狸がひみつ道具を取り出す時のSEをセルフで口ずさんで、取り出したるは。

「蜂蜜&メープルシロップ~」
「馬鹿野郎!!」
「へぶっ!?」

 完璧な不意打ちだった。
 横合いから放たれたストレートが頬に決まって桜人は空を飛んだ。ずざざざっとリンゴの地面が削れてジュースが染みる。
 オウガだったらこんな半端な攻撃にはならないから、やるとすればただ一人。
 つい先ほどまでそこでリンゴを貪っていたはずのヴィクティムその人だ。

「な、なにするんですか! そうやって人をすぐ殴る! 暴力はんたーい!」
「おいおい、そりゃあこっちのセリフだ……リンゴに蜂蜜かけるってのはどういう了見だ……?」
「バー●ンドに喧嘩売る発言やめませんか?」
「俺達が食ってるのはカレーか!? 違うだろ! リンゴだぞ!!」
「あなたリンゴの何なんですか!?」

 猟兵という奴らはどいつもこいつも人の話を聞きやしない。
 自分のことを棚に上げて憤慨した桜人は、すぐそこのリンゴを適当に切り出して蜂蜜をたっぷりまぶしてやって、それをヴィクティムへと突き付けた。

「食べてみてくださいよ!」
「チッ、しゃーねーな」

 奪い取るように受け取ったヴィクティムは渋々といった顔でそれを口に運ぶ。
 しゃくり。もぐ、もぐもぐもぐもぐ。
 沈黙が微妙に怖い。知らず桜人の体は震えた。

「…………」
「……ど、どうでしょう」
「さあ先へ進もうか!」
「あっちょっとこらっ、答えを出さないのは卑怯ですよ! っていうか私の蜂蜜を勝手にもっていかないでくださいって!」
「あ゛?」
「ひいっ」

 所詮この世は弱肉強食。桜人ではヴィクティムに敵わない。
 せめてメープルシロップちゃんは確保したまま、ブルドーザーめいてリンゴと蜂蜜を消費していくヴィクティムを見守るばかりだ。
 まるで美少年アイドルが司会を務める大食い選手権である。選手一名優勝確定で視聴率が取れるかどうかは知らない。
 それにしても、と桜人は息を吐く。

「あーあ、そろそろ肉が食べたいですね」
「肉? どうしたよ急に」
「ほら、ここにいるオウガってシャブシャブ鳥って言うんでしょう? デザートが先っていうのは頂けないですが、楽しみは後に取っとくものですよね」
「……何言ってんだ?」
「ん?」

 問い返すヴィクティムの声があまりに真剣だったものだから、桜人はきょとんと小首を傾げた。
 何も知らない哀れな春色にヴィクティムは重々しく告げる。

「ジャブジャブ鳥だぞ」
「……シャブシャブ鳥ではなく?」
「ジャブジャブ鳥だ。ほら」
「はい?」

 最後のリンゴ壁を削り取った機械指が示す場所を桜人は素直にのぞき込む。
 リンゴの国のおおよそ中央部を占拠したオウガ・ジャブジャブ鳥。
 水色の体毛に虹色の羽根。目はぎょろりと突き出し、大きな口でリンゴを手当たり次第に貪っているその様は。

「まったく美味しそうじゃないじゃないですか!!」

 狭筵・桜人(18)、魂の絶叫だった。
 気付いた鳥たちが一斉に振り向く? そんなの構っていれられるか。こちとら期待を裏切られた傷心の男子高校生ぞ。
 ふわふわの可愛らしい少年顔に似合うはらはらとした涙をこぼす桜人。彼の肩をヴィクティムは優しく叩いた。

「だからリンゴを喰えって言ったろ。リンゴは全てを救ってくれる」
「そうですね……オウガなんて信じてはいけませんでした……これだから不思議の国って奴は……」
「ごちゃごちゃやかましい猟兵だな……ワタシの腹の足しにしてやるよ!」
「「は?」」

 だから、そのジャブジャブ鳥は致命的に空気が読めなかった。
 もしかしたらそいつも肉を欲していたのかもしれない。
 だがその挙動は少年たちの怒りに火を着ける行為でしかなかった。

「牛丼になってから出直してきてください!」
「消し飛べ有象無象が!!」

 虚空から飛び出してきたリンゴ色のUDCが鳥たちに喰らい付き抑え込む。
 悲鳴など聞いてやらん。この傷心を知るがいい。
 虚空をなぞる指先が消滅のプログラムを呼び出し叩き込む。
 データ化されたものは現実に干渉できない。電子の塊はコマンドひとつで消滅するが定めだから、それだけの行為をヴィクティムは誇らない。
 だから桜人もことさら軽く踵を返すだけに留めた。

「はーあ……余計な肩透かしで疲れました。帰って牛丼食べよっと」
「え? アップルパイじゃねぇの?」
「どんだけリンゴ好きなんですかあなた……」

 それはまるで、当たり前の下校の光景のように。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

茜崎・トヲル
雲珠ちゃん(f22865)ときーたよ。
りんご、ごりら、らっぱ、ぱえりあ。リンゴ好きだぜ。
殺戮刃物からナイフをとって、切り取って食べる。毒味な。
問題なかったら雲珠ちゃんにあーげよ。
おいしい? よかったなー。おれもおいしいと思う。雲珠ちゃん嬉しそうだもんな。
うん、おれも食べるよ。なんだって食べるんだ。経験済み。

食べてトンネル。スプーンで掘る? ふふふ、脱獄みたいだぁ。
煮ても焼いてもおいしく食べられるんだ。雲珠ちゃんはアップルパイとか好き? 今度食べに行こうか。おごったげる。
雲珠ちゃんはいいひとだから、敵の攻撃はおれが受ける。おれが敵を殺すよ。いいひとはきれいなものを見て、しあわせに笑っていてね。


雨野・雲珠
茜崎さんと/f18631

切り取ってくださった林檎に口を開けます。
林檎大好きです(しょりしょり)
茜崎さんは?

【六乃宮】でシャベルを出してざっくざっく壁を掘ります。
辺り一面天国みたいな香り
食べ物を足蹴にしているようで申し訳ないです。
タッパーとか持ってくればよかった…

小さいスコップも作ってあちこち味見します。
やや、こっちは梨みたいな味がします!ほらここ。
む、ここは酸っぱいけど香りが格別。煮るとおいしそう…
アップルパイ?行きます!食べたいです!

あっまた気軽にそういうことを仰る
じゃあ俺を守ってくださる茜崎さんを俺が守ります!
せーの、で【枝絡み】を蜘蛛の巣状に繁らせて動きを阻みましょう
――お願いします!



●明日にも続くリンゴ狩り

「りんご、ごりら、らっぱ、ぱえりあ。あはは、すっげえ大きいのな」

 ゆらゆらと、上体を揺らしながら茜崎・トヲル(白雉・f18631)はけらけらと笑う。
 アップル・バトル・フィールドは国そのものが巨大なリンゴで出来た不思議の国。
 さしものトヲルも見たことのない景色に自然とけらけらとした笑いが漏れる。
 手慣れた手つきでナイフを取り出し壁に突き立てれば飛び散るのはリンゴ味のジュース。
 その鮮やかさに自然と笑いがこみあげて、トヲルは口にリンゴを運ぶ。
 しゃくり、さくさく。
 新鮮なリンゴの爽やかな甘さは悪くない。五臓六腑に染みわたるとはこのことか。
 はふぅ、と満足げに息ついたトヲルの顔を見上げる視線があるから、彼は新たに切り出したリンゴをそこへ差し出す。

「雲珠ちゃん、リンゴいる?」
「……はい、いります」
「それじゃ口開けてー。はい、あーん」
「頂きます!」

 明るく頷いてリンゴを咀嚼するのは雨野・雲珠(慚愧・f22865)。
 美味しい果物を口にすれば表情が綻んでしまう素直さもトヲルにとっては微笑ましいもの。
 変わらぬ笑みの同行者の考えなど露ほども気付かず、雲珠は空と桜の混じり合う瞳を笑みの形に和らげた。

「リンゴ、美味しいですね。茜崎さんは?」
「うん、おれもおいしいと思うー。雲珠ちゃんうれしそうだし」
「それじゃあたくさん食べましょう!」

 わくわくとした表情を繕わぬまま、虚空より引き抜きたるは【六乃宮】。
 同年代の中では小柄に数えられる雲珠の体躯でも扱いやすいサイズのスコップでざっくざっくとリンゴを掘り進めていく。
 なるほど効率的だ。そんな雲珠の姿にまたトヲルは笑みを深める。

「あっはは、脱獄みてー」
「えっ、俺そんな悪いことしてませんよ!?」
「ちがうちがう。スプーンで掘って脱獄しよーっていう話があるの」
「……活動写真か何かですか?」
「んふふ」

 ざくざく、しゃくしゃく、とことこ。
 ナイフとスコップがリンゴの壁を崩して、二人は進んでいく。
 不思議の国の大冒険。そんな言葉が連想されるから、雲珠は片手サイズのシャベルを作って差し出した。

「はい、茜崎さん。これ使ってください」
「おっきいスプーン?」
「シャベルです。こうやれば食べやす……」

 ガッ、と壁に突き立てて引き抜く。すると真新しいスコップの上には食べやすい大きさの果肉が残るから、雲珠は手本を見せるようにそれを口に運ぶ。
 目を見開いた。

「わ、梨みたいな味がします!」
「へぇ、どこどこー?」
「この辺りです。む、隣は酸っぱいけど香りが格別。煮るとおいしそう……」
「ねー雲珠ちゃん、こっちはイチゴみたいな味がすんぜー」
「リンゴなのに!?」
「リンゴなのに。不思議の国っておもしれーな」

 ざくざくと壁にシャベルを突き立て、リンゴを味わい感想を言い合う。
 どれも美味しく、箸が……もとい、シャベルがよく進む。
 そうやって崩れる壁を開いて先に進みながら、けれど雲珠の表情は少し暗い。
 珍しいな、と少し考えてトヲルは頭二つ小さい雲珠の顔を覗き込む。

「なー。雲珠ちゃん、どうかした?」
「いえ……こんなにたくさんリンゴがあるならタッパーとか持ってくればよかったなって……」
「あははっ」

 庶民的だった。思わず吹き出した自分は悪くない。だってたのしーもん。
 次のリンゴを口に運びながら少し考える。
 今手に持っているのは、雲珠のユーベルコードが作りだした器物だ。疑問がそのまま口をついた。

「このシャベル作ってるユーベルコードで作れねーの?」
「【六之宮】ですか? ……密閉容器みたいなのはうまく作れないんですよ。果汁が零れてしまいそうで」
「ふぅん、そっか」

 本人が言うならそうなのだろう。
 トヲルは言葉の裏を考えない。考えるのはしょげ返りながらそれでもリンゴを無駄にしないとばかりに食する雲珠へとかける言葉。
 そういえば、リンゴは煮ても焼いても美味しいらしい。だったら、

「じゃあ今度食べに行こ。雲珠ちゃん、アップルパイとか好き?」
「え、はい! 大好きです」
「おっけ、じゃあ今度食べに行こうか。おごったげるよ」
「本当ですか! 茜崎さんと食べに行きたいです」

 ぱっと光が差すように笑うものだから、トヲルも楽しげに笑ってリンゴを一口。
 おいしいな、と思う。
 なんだって食べられるトヲルだけど、一緒に食事をとる相手なんて久しくいなかった。

「そのためにも、早く帰らないとね」

 だから引き抜いたのはシャベルではなく殺戮刃物。
 狭いリンゴの洞窟の中でも取り回しやすいナイフが閃く。薄くなった壁を水色の鳥が突き抜けてくる。
 踏み出そうとした白の脇を、不意に古い茶色が抜けた。

「無茶はだめですよ、茜崎さん」

 古い桜の木の根元では雲珠がスコップを構えていた。
 雲珠はトヲルのそういうところが嫌なのだ。
 直るからといって無茶をしていい訳ではない。痛みが無くなるわけではない。
 だから守るために、放射状に広がった枝絡みはジャブジャブ鳥を抱きしめて離さない。

「これで、大丈夫です───お願いします!」
「……本当、雲珠ちゃんはいいひとだなぁ」

 うっそりと、トヲルは笑った。
 きれいなものを見た、しあわせみたいな笑顔で、ジャブジャブ鳥を解体する。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ロキ・バロックヒート
【🐾🐇】
ラビくんと

わぁリンゴ王国だ
しかもリンゴ食べたらさいきょーになれるって
そうそう色んな味がするらしいよ
とっても楽しみだねぇ

どこから食べるか迷っちゃうな
そんなにすっぱい?どれどれ…
すっぱ…と思ったけどにっこり笑顔で甘くておいしいよって
騙されて悩み顔なのカワイー
ふふふ

ラビくんに切り分けてもらいつつ
こっちはジャムみたいな甘酸っぱさ
これはゼリーみたいにさっぱり
あれ、この甘さ…桃っぽい?

アップルパイ食べたくなっちゃうよね
ラビくん作れるの?
いいなーラビくんカットなリンゴ一切ちょうだい
え、アップルパイ味すごいなぁ
不思議林檎でお茶会
それじゃあ終わったらチキンステーキでも食べる?
影はいつもより機嫌が良い


ラビ・リンクス
【🐾🐇】
【ロキ】と

ココかー林檎の国
いくらでも食べれる林檎って罪の果実じゃん…
んじゃ行くかロキ、食い倒そォぜ!

自前のナイフ&フォークで切り出していく
まずは一口、特大のをー…ってすッぱ!!
香りだけかよ騙されたァ
くっそロキにも食べさせてやろ
どォよ!って甘いの!?
あれェ…何でだ…

あ、良かった次は甘い
コレ殆ど蜂蜜の味だわ
桃!交換しよォぜ!

アップルパイいーなァ、作れる作れる
器用さを披露に、実を兎型にカットして味見
…アップルパイの味がする、マジか
紅茶いれちゃおっと、ぜってー合うだろ
不思議林檎でお茶を満喫

飽きねェケド違う歯ごたえのモン欲しくなるな
チキンステーキいいなー
目前の鳥は大鎌で捌こうか



●なんでもない日の「いただきます」

 恍惚の笑みがリンゴを見上げる。
 といっても、ラビ・リンクス(女王の■■・f20888)からしても頂上が見えないくらいに大きいものだから心は自然と弾むのだ。
 ここはアップル・バトル・フィールド。
 食用リンゴのみを国土とする、リンゴでできた国だ。
 隣に並んで同じように見上げるロキ・バロックヒート(深淵を覗く・f25190)の「おおー」という歓声もいささか間が抜けている。

「いくらでも食べれる林檎って罪の果実じゃん……」
「色んな味がするうえに、リンゴ食べたらさいきょーになれるって」
「なんだそれ、すげェなロキ! 食い倒そォぜ!」
「おっけー、それじゃれっつごー!」

 ……とは言ったものの。
 とにかく巨大なリンゴなのだ、どこから食べにかかろうか迷ってしまうのが神の性。
 周囲をぐるぐる回って美味しいところを探そうとするロキを止めたのはラビだ。

「この辺にしようぜ! なんかいい香りするし」
「お、ほんと? ラビくんがいうならそうしよっか」
「さーんきゅ! そいじゃ、頂きま、すっぱあ!?」
「ラビくん?」

 自前のナイフとフォークを使っていたラビが吹き出した。
 訳も分からず彼とリンゴを見比べていたロキの前に差し出されたのはひと欠片のリンゴ。
 今度はそれと、それを突き出してきた涙目のラビを交互に見遣って首を傾げる。

「……そんなにすっぱい?」
「ロキも食ッてみろよ!」
「まあラビくんがそんなに言うなら食べるけど……」

 受け取ったリンゴを口に入れて咀嚼。
 途端に口の中に溢れ出す酸味。舌を容赦なく刺激する味は確かにリンゴのそれなのに、ひどく刺々しく口内を蹂躙した。気のせいでなければ口の中がちょっと痛い。

「……っ」
「どォよ!?」

 だが、このまま正直に言うのは道化が廃る。
 それに、共感を得てほしいという期待を隠さぬラビの思惑通りになってやるのも少しばかり
癪だ。
 気付かれぬように少し息を吸って、にっこり満面の笑顔を作る。

「甘くておいしいよ」
「うッそだろ!?」
「あはははは。ざーんねん」

 ロキが嘘をついているなんて知る由もないラビのショック顔が面白くってロキは手を叩いてはしゃぐ。
 悔しい顔を崩さないラビはしぶしぶ別の場所のリンゴを切り取った。
 さっきのを警戒してか、ごく小さい一口サイズ。ぱくんと放り込んで味わう顔が、今度は安堵に彩られる。

「……あ、よかった。こっちは甘い」
「すっぱくなくってよかったじゃん。ちゃんとリンゴ味?」
「いや……蜂蜜ッぽい?」
「へぇー。すごいねリンゴの国」
「なー」

 ひとつアタリを引いたからか警戒が緩くなったのだろう、ラビのナイフ捌きが見るからに素早いものになっていく。
 そうなると恩恵を与るのはロキの方。落とされる、一口には少し大きいリンゴたちを口に入れては眦を緩めた。
 たくさんのリンゴはひとつひとつ味が違う。それがまた愉快でたまらないから、ロキとラビは味の正体に想像を巡らせる。答えがないから言ったもん勝ちだ。

「ん、おいし。結構甘酸っぱいなぁ……ジャムっぽい?」
「こっちはゼリーみたいなさっぱり系の感じだな。けっこうアリ!」
「いいねー、おいしそ。……ナニコレリンゴの味じゃない…………桃?」
「へ? 桃のリンゴ? 食べてみてェ! 交換しようぜ!」
「いいよー。はい」
「……食感はリンゴだけど、あッほんとに桃の味する! あははなんだこれ!」
「ラビくんたのしそー」
「ロキもな!」

 あははは、と笑い合えば切り出したリンゴがなくなるのもあっという間。
 折角だからと今度は普通の切り方ではなく所謂うさぎリンゴを作ろうと、ラビは器用に手を動かす。
 最初は「おおー」と歓声を上げて眺めていたロキだが、彼の興味は影の移り変わりだ。目線をやった先は皮を剥ぎ取られた白い壁。

「ラビくんさー、アップルパイって作れる?」
「えッ何急に。いちおう作れるけど?」
「じゃあ帰ったら作ってよ。今はラビくんカット一個ちょーだい」
「ほいよー」

 皮を立てて二又に切ったうさぎリンゴに「かわいくて食べられない~」なんていう者はここにはいない。
 二人ともに躊躇なく口へ運んで、同時に目を見開いた。

「……アップルパイの味だ」
「ほんとだ。言ってたから来てくれた?」
「かもな。あー紅茶絶対合うぞこれ、ロキ紅茶飲む?」
「アイスでおねがーい」
「はいよー」

 紅茶を伴に、不思議なリンゴの園の秘密のお茶会。
 けれど楽しい時間はあっという間。
 アリスの夢がそうであったように、終わりはあっさりとやってくる。
 二人にとってのそれは水色をした鳥の形で訪れる。

「リンゴ以外の食事をヨコセェェェェ!!」

 白い壁を突き破って、ジャブジャブ鳥が吼えた。
 常人であれば音圧に負けて意識を刈られそうな声も、しかし二人に害為すものではない。
 立ち上がった黒い影───《過去》の成れの果てが無差別の音を阻む。死霊が負けて悲鳴を上げる程度のことを彼らは異常と捉えない。

「もしかして甘いの飽きちゃった感じ?」
「あー、分かる」

 なぜなら、紅茶が給仕されている。
 ならばここはお茶会の会場。作法に従わないモノに動く権利は与えられない。
 気付かず踏み入ったジャブジャブ鳥の緩慢な動きを見ながら二人は紅茶の入ったグラスを傾ける。

「飽きねェケドさ、違う歯ごたえのモン欲しくなるな」
「それじゃあ、」

 過る色は嗜虐。
 哀れな鳥は捕食者の色に気付かず、その身を影に縫い留められる。
 ああ、だから末路は決まっていたのだ。

「終わったらチキンステーキでも食べる?」
「いいなーそれ。賛成!」

 美味しいリンゴはお腹の中に。
 食べられない鳥は、大鎌の餌食に。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ウェンディ・ロックビル
【幼馴染】
ハルちゃんと!

いいねぇ食レポ!キマフュ民の独壇場だぜっ!
全力で食べちゃうぜぇ。なんせ両手が塞がってても足で戦えばいいのです!かしこい!!
それじゃあ僕も、いただきますっ!

んむんむ……いいねっ、瑞々しい歯応え!最近暑いしこのジューシーさが爽やかで嬉しいよねえ。
この程よい酸味と甘味が林檎の醍醐味だぜ!

はっ、リンゴのお料理!いいなーハルちゃん、一緒に帰ったら一緒にお料理しようぜ、おねーちゃんたちビックリさせ……
っと、敵さんかあ。僕はハルちゃんみたいには食べれないしー……その分、ハルちゃんが食べる前に鳥さん蹴っ飛ばしとこうかな!お肉は叩いて柔らかく、ねっ!

さあさあ、どんどん食べちゃうぜ!


ハル・ウロハラ
【幼馴染】
ウェンディちゃんと!

いいねー食レポ!フードファイターの独壇場ですよ!
ってうおーーおっきいリンゴ(カメラパシャパシャ)映えてます!ていうか画面に赤と黄色しか!
それじゃー実食いってみよ
イタダキマス!

ぱきっと歯切れ良い張り詰めた果肉
噛めば弾けるみずみずしい果汁
わかる…醍醐味…
あっこの辺少し酸味強いですね
こういうところはアップルパイとか調理用に向いてるんですよ
あとは…お肉のソースにしたりとか?

悪いヤツほど、美味しいんですよね。

いいよーウェンディちゃん!
フルコースしちゃおうぜ
ハルだってやればできるフードファイターですよ!

…あれ、鳥どっかにいました?
けぷ。
……何か美味しいの食べちゃった。



●幼馴染コンビ、リンゴの国で暴食す

「いいねー食レポ、キマフュ民の独壇場だぜぃ!」
「いやいや、フードファイターの……ってうおーー! おっきいリンゴ!!」

 もしかしたら彼女たちこそ、このアップル・バトル・フィールドに最もふさわしい猟兵だったのかもしれない。
 面白さを何より重視するキマイラフューチャーを故郷にする二人、ウェンディ・ロックビル(晴天の豹鹿・f02706)とハル・ウロハラ(エンプティ・f03051)。
 その“面白い”のお眼鏡に叶ったのがこの国だ。
 パシャパシャとシャッターを切る手が止まらぬ幼馴染の手の中をウェンディは覗き込む。

「これだけおっきいとフレームに入りきらなくない?」
「でも映えですよ! 画面赤と黄色だけだけど!」
「あはは、これじゃリンゴってわかんないよハルちゃん」
「ですか」
「ですよ」

 あはははは、と笑い合う声は明るい。
 だってリンゴだ。
 写真に入りきらないくらい、いやそもそも自分たちの視界に収まりきらないくらい大きなリンゴだ!
 不思議の国に来なければ拝むこともなかっただろう景色を見上げて感動を飲み込む。写真も大事だが本命はそこではない。
 両手を合わせて拝むポーズ。それでは、いざ。

「「いただきます!」」

 同時に飛びついて、齧り付く。
 まず感じたのは「ぱきっ」という鮮やかなまでの歯ごたえ。噛んだそこから溢れる果汁は瑞々しくも濃厚で、少し硬めの果肉は噛むたびに甘い味が溢れてくる。
 一口? それじゃあ絶対物足りない。二口、三口、四口五口と夢中でかじって、味わって、一息と共に絶叫が零れる。

「おいしいです!!」
「んむんむ……本当、この程よい酸味と甘味が林檎の醍醐味だぜ!」
「わかりみ……醍醐味……」
「あは、ハルちゃんすっかり夢中だね」

 ウェンディは休憩がてら一度口を離したが、ハルは止まらずリンゴをむしゃむしゃもぐもぐ。
 相変わらず食い意地の張った幼馴染の横顔を眺めることしばし、マイク代わりに己の拳を向けてみる。

「ハルちゃーん、お味はいかがですかー?」
「はーい! この辺りは少し酸味強いですねー。そのまま食べるにはあんまり向かないでーす」

 さすがは幼馴染。息継ぎの合間でしっかりレスポンスしてくる。
 本来そのまま食べるには向かないらしい部分まで普通に食べていることはさておいて、ゆるりと首を傾げて疑問を口に乗せる。

「へぇー。じゃあ普通はどうやって食べるの?」
「主に調理用ですね。アップルパイにしたりとか、お肉のソースにしたりとか?」
「なるほどー……───!」

 そのとき、ウェンディに電流走る!
 インタビュアーの皮を秒で投げ捨てて目を輝かす。普通に食べるにも美味しいけど、調理もありっていうなら。
 やるしかない。この好奇心を満たすためにも、さらにいい女になるためにも!

「ハルちゃんハルちゃん、帰ったら一緒にリンゴのお料理作ろうぜ」
「いいよーウェンディちゃん! せっかくだしフルコースしちゃおうぜ」
「……途中で食べちゃわない?」
「しつれーな! ハルだってやればできるフードファイターですよ!」
「あはは、分かってるって! おねーちゃんたちビックリさせ……」
「小娘二人のフルコースとは俺もツイてるなァ!」

 楽しい未来を約束する声を遮る、荒々しい鳴き声。
 そういえばここにあるのはリンゴだけではなかった。
 オウガ、ジャブジャブ鳥───そう、『鶏肉』。
 故にウェンディが判断し行動に移るまでのラグはほとんど存在しない。

「お肉は叩いて柔らかくしなきゃ、ねっ!」
「ギャウッ!?」

 三十六界最速を誇る乱舞は迅速に、悠長にも口を開けていた鳥を蹴り飛ばす。
 リンゴの壁に着弾させればハルがすかさずそこへ喰らい付く。

「……なんかリンゴじゃない美味しいものありました!」
「おっけーハルちゃん、そのまま食べちゃって!」
「あい!」

 だってお腹が空いていて。
 悪いヤツほど、美味しいんだから。
 食べるのを止める理由などひとつだってない。
 【竈神御供(ヴェスタ・ハーヴェスタ)】。
 さあ食べて、食べて、食べて、食べて!

「けぷっ」
「どうだったー?」
「美味しかったです!」
「そかー。よかったね、ハルちゃん」

 すっかり綺麗になったなら、アップル・バトル・フィールドはこれにて完食!
 もちろん最後の挨拶は?

「「ごちそうさまでした!!」」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月16日


挿絵イラスト