迷宮災厄戦⑭〜ここをパジャパ会場とする!
●アリスラビリンス:"おやすみなさいの国"
『た、ただの……ただの道端じゃないですかぁ』
へなへなと崩れ落ちる『グリードキャタピラー』。頭にはナイトキャップ。
ほかにも寝巻やマイ枕、マイベッドなどを持参した奴らがいた。
『いいかぁよく聞けぇ』
猟兵を迎え撃つため、パジャマパーティ会場を用意していたらしい。
比較的スケジューリングとか得意そうな芋虫が、わざわざ言った。
『我々はいまからこの道端で、パジャマパーティをしようって言ってるんだ』
地面を転がりながら爆笑する芋虫。だいぶもう精神がアレになっていた。
オウガ側もオウガ側で、同じ国の中で場所取りとかあるらしい。
『場所を先に見つけてからゆっくり待ち構えればいいんだよ。寝間着より場所!』
『そうです、その通りです……申し訳ございませんでした……』
そんなわけで、よたよたテントを設営(?)する芋虫どもであった。
●グリモアベース:予知者、ムルヘルベル・アーキロギア
「…………いやワガハイ別に風邪とか引いておらぬからな?」
予知をひとしきり語り終えたところで、ムルヘルベルは言った。
誰がどう考えてもかなり熱にうなされたときに見る夢感があったのだが、
それはさておき咳払いし、あらためて猟兵たち(胡乱げな顔だ)に説明する。
「この"おやすみなさいの国"では、敵味方問わず常に強烈な眠気が襲いかかるのだ。
それを防ぐには、パジャマパーティをすればいい……らしい……の、であるが」
だいぶ語尾が弱まっていた。
「なぜかここにいる『グリードキャタピラー』どもは、妙に仲が悪いらしくてな。
道端でテントを設営したり、テントの中で喧嘩を始めたり、言い争ったり、
あとベッドの所有権を主張して口論したり、腹を割って話したりしておるらしい」
よくわからないが、オウガにも色々あるし大変なようだ。
「もちろん戦闘はしなければならないゆえ、あまり相手のペースに呑まれんようにな。
……戦場、どうであろう? いやワガハイパジャマパーティよくわからんのだが」
そう言って、ムルヘルベルは持っていた本を閉じた。
「パイとか食わされんように気をつけてもらいたい。では、健闘を祈る」
そんな感じのアレで、転移が始まった。
唐揚げ
あんこ入りお焼きです。そんなわけで戦争シナリオですよ。
はい、ネタシナリオですね。完結最優先でやっていくつもりです。
パジャパの概念は曖昧です。寝釣りもパジャパに入ると思います。
それでは参りましょう、ハイ3・2・1、キュー!
第1章 集団戦
『グリードキャタピラー』
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POW : キャタピラーファング
【無数の歯の生えた大口で噛みつくこと】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 脱皮突進
【無数の足を蠢かせての突進】による素早い一撃を放つ。また、【脱皮する】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 汚らわしき蹂躙
全身を【表皮から溢れる粘液】で覆い、自身が敵から受けた【敵意や嫌悪の感情】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
👑11
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●アリスラビリンス:"おやすみなさいの国"
……暗闇が広がっている。
かと思うといきなりライトが点いた。
寝ている。
グリードキャタピラーたちが、寝ながら釣り(?)をしている。
「寝ー釣ーり! 寝ー釣ーり!!」
「観客のボルテージも上がっていますよこれは」
「ライトオフ! ライトオフです!」
なんかダメになった感じのテンションであった。ライトは消える。
……こういう戦場どうでしょう?
御狐・稲見之守
(道端で鳥の声が鳴く中、寝間着姿でまんじりとせず寝そべって)
こんな道端でなにしに来てるのか見失ってしまいそうであるが
これは、なにかの刑か?
見に覚えのない刑で懲役二百三十年か?
こうやはりナ、猟兵達が「読みたい!」と思うリプレイをナ?
いいか、今の時代一瞬でも気の抜いた画を描写したら
あっという間に猟兵は離れていくんじゃ。
オイこの画に飽きてみろ、殺すぞ。
●アリラビの刑に処す。敵を斃すまで
「…………」
「「「…………」」」
御狐・稲見之守とグリードキャタピラーの群れは、道端で寝そべっていた。
どこからともなく鳥の声が響き渡る。まんじりともせず寝そべっている。
「……これは、なにかの刑か?」
ものすごく物言いたげな様子で、稲見之守がむくりなうした。
「見に覚えのない刑で懲役二百三十年か? ワシが何をした?」
『寝なさいよもう……』
「寝れねえっつっとるんじゃあ」
稲見之守は大変にご不満そうであった。
というかそもそも、自分は別にここに寝に来たわけではないのである。
そう、戦いに来たのだ。こう、かっこいい感じで無双するアレをしに来た。
……その割にはユーベルコードが指定されてない気がするが、まあいいだろう。
「よいかぁ、ワシはよかれと思って言っとるんじゃゾ。
それをなんじゃお前たちは、ほかの世界のオブリビオンはこういうことせんぞ?
もっとこう、かっこいい場面を提供するゾ? スイートルームとか」
『へぇ~そうなのぉ』
『なんか……ねぇ。変わっちゃったねぇ猟兵さんは』
初対面のはずなのに、なんか旅をしてきた仲間みたいなことを言い出す芋虫。
『変わっちゃったよ猟兵さんはさぁ~』
『僕ら今までこうして四人川の字になってやってきたじゃないのぉ~』
「そもそもただの道端じゃろうがここは
!!!!!!」
ごもっともであった。
「こうやはりナ、猟兵たちが「すごい!」と思うような戦いをナ?
いいか、いまの時代一瞬でも気の抜けた画にしたらもう、あれじゃゾ。
あっという間に猟兵は離れていくんじゃ。そのへんわかっとるのか?」
『ブチブチうるさいなあ鈴虫ぐらいの脳みそしかないくせに』
「誰が鈴虫じゃお前らが芋虫じゃから言っとるんじゃゾ
!!!!!」
稲見之守、キレた!
「アレじゃぞ、戦争勝ったら売り飛ばしてやるゾペットショップとかに」
『お腹空いたなぁ~』
「樹液でも吸ってくればいいじゃろ芋虫なんじゃから」
『おうなんだぁこの鈴虫!!』
グリードキャタピラー、キレた!(ぺちっ)
「なんじゃあ!? いまアレか! お前ワシに、この狭い道端(?)で、暴力を!!」
『蚊がいたんだぁ』
「蚊なんかいるわけないじゃろここ不思議の国なんじゃから!!
おいおいおい芋虫どう見るあいつワシに暴力振るってきたんじゃけど」
『寝なさいよもう……』
「寝れねえっつってんじゃろうが
!!!!!」
うんざり顔の芋虫たちであった。
「この構図に飽きてみろ殺すぞ!! 顔面ランブータンにしてやるからナ!!」
『『『(うるさいなあ
……)』』』
うんざりしながらごろごろと道端で寝そべる芋虫たちであった。
……いやだからそもそも、この国は寝る世界じゃねえよ!?
大成功
🔵🔵🔵
朱酉・逢真
どうでしょうじゃねえんだわ。ここをパーティ会場とするってか。生き地獄ツアーかよ。
ほらほら電気消すぞ。寝ろよ。寝ろって。俺は…俺って寝れんのか…? わからん。寝ちゃだめだから寝ねぇけど。てかなんで道端に電気があんだよここがアリラビだからか? そうか(納得)
ほらもう寝ろって。寝ないとてめぇらの足をスーパーカブ仕様にすんぞ。グリードスーパーカブにすんぞ。ウィリーさせんぞ。すげえな。俺ここ数世紀でいちばん頭使わない発言してっ気がすらぁ。
はいはい寝た子から夢見せてやるからな。とりあえずナマハゲが元気に踊り狂う夢でいいか。よろしく小鳥。
そォいやパジャマ着てねえや。キャタピラーどもなんて全裸だし問題ねえか。
●一生アリスラビリンスします
『ダメだってミスター! 死んじゃうって!!』
なんかよくわからん流れで、甘味早食い勝負をすることになった芋虫たち。
ミスター、と呼ばれるなんか映画とか撮りそうな顔のキャタピラーが、
どこからか用意してきた赤福を口いっぱいに頬張り、すげえ顔をしていた。
『止めなきゃ猟兵さん! ミスター死んじゃうって!!』
「いやァ止める必要ねえしなァ……あと死ンでも俺が還してやるからよぅ」
『!!(赤福を口いっぱいに頬張ってものすげえ顔をするミスター芋虫)』
『そうじゃないんですよ猟兵さん!! ミスター!! ダメだって!!』
「なんだこりゃ生き地獄かよ」
朱酉・逢真は真顔であった。そもそも俺、どうしてこんなとこ来たんだっけ。
深く思い返そうとすると頭がぼんやりしてきてよくわからない。神なのに!
いやもう本当なんでこんなとこ来ちゃったんですか? 釣りバカなの???
「まァとにかくてめぇらあれだもう寝ろ。な。ライトオフすっから」
『!!!!(赤福を頬張ってすんげえ顔をするミスター芋虫)』
『いやでもミスターが』
「寝ないとてめぇらの足をスーパーカブ仕様にすんぞ。おかもちも着けるぞ?
もうそしたらギアいじってロー入っちまってもうウィリーしちまうぞ」
何言ってんだ俺。わからない。数世紀ぶりにかなり頭を使わないでいる。
しかしだるまめいてウィリーさせられると聞くと、芋虫たちは震え上がった。
『集え! 桂浜へ
!!!!』
「いや普通に寝床入れよてめぇら」
『『『わー
!!』』』
芋虫たちがうぞうぞ寝床に入る。テントとか、窓の空いた車んなかとか。
「はい、じゃあライトオフにすっからな。ちゃんと寝ンだぞ」
『ライトオフ!』
『ライトオーフ!!』
『会場のボルテージも上がっております!』
「誰だよ観客。……いやそもそもなんで道端に電気があんだ……?」
アリスラビリンスだからか? そっか、そうだよな。よし考えるのはやめだ。
そんなわけで逢真は電気(?)を消した。すやすや眠る芋虫たち……。
「…………」
『『『…………』』』
「……………」
『……腹を割って話そう
!!!!!』
いきなり芋虫のうちの一匹ががばりと起きた。
「いきなりなんだぁ? 別に俺とてめぇらで腹割って話す必要なんざ」
『いや僕らオウガ同士でこう腹を割って話す必要があるかなーと』
「いよいよ俺関係ねぇじゃねえかそれよぅあとでやれあとで」
『でも猟兵さんもなんか抱えてることとかあるんじゃないですか!?
だったらこう腹を割って話しましょうよ。トランプとかしちゃって』
「いいから寝ろ!」
『お腹が痛くてトイレに行きたい……』
「懐中電灯
(???)で照らしてやっから安心しなぁ」
『照らさなくていいんだよ
!?!?』
ぎゃあぎゃあ騒いだのち、ようやく芋虫たちはおとなしくなった。
「……小鳥、とりあえずいい夢見せてやってやれ」
三匹の小鳥たちは「えっ俺たちこんなとこで仕事すんの?」みたいな顔をしていた。
『う、うう……ナマハゲが……ナマハゲが踊り狂ってる……』
『ケツの肉が……ケツの肉がぼろぼろ取れる……』
『グレーリング飯は……グレーリング飯はやめてくれ……』
完全にうなされている芋虫たち。
「まァ、あれだなぁ。不思議の国で眠ると百年眠りから醒めないっつーしなぁ」
遠い目をしてかみさまは言った。本当なんだこれ。
大成功
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水衛・巽
なるほど、食事より宿を優先という事ですねわかります
しかしツインルームを四人使用とかちょっと訳の分からない事はやめてくださいね
なおかつベッドに差をつけるとか言語道断です
パーティが始まる前から誰だってぼやきたくはないでしょう、芋虫の皆さん
それでは寝ないためにワカサギ釣り対決でもしてもらいましょうか
釣ったら1ポイント
食べたら2ポイント
お酒を飲んだら5ポイントですよいいですね
わかさぎ料理でわかさぎアレルギーになっても私の知ったこっちゃないです
昼間っからお酒なんて飲んでるからそうなるんですよ
どうせ昨日の夜もシャワーも浴びずに飲んでいたんでしょう?
だからそれだけ荒々しい容姿をお見せできているのでは?
●このシナリオおかしいんだよ
『ツッタカターツッタカターツッタカタッタタッタッター!!』
なぜか氷が張り巡らされたエリア。芋虫が妙な節をつけて行進している。
その手にはワカサギが食いついた釣り竿。しかも二匹……つまり、ダブルだ。
『猟兵の皆さんこんにちはー! グリードキャタピラーでございますー!!
はいーツッタカターツッタカターツッタカタッタタッタッター!!』
「これで赤チームさんは2ポイントですね」
そしてこの悪い夢みたいな状況の音頭を取るのは、水衛・巽であった。
心なしかその顔は憔悴しているように見える。一体何があったのだろうか?
「それにしても……おかしくないですかね」
『えっ何がですか猟兵さん』
「さっき私たちが寝そべっていたベッドですよ。明らかにおかしかったですよね?」
ワカサギ釣りをしているキャタピラーたちは顔を見合わせ「?」を浮かべた。
「私が寝ていたものだけスプリングがおかしくて……沈んでましたし……」
『いやいや、でも僕らが寝てたのはちゃんとしてましたし』
「そりゃそうですよ、だってあれツインルームを四人使用してましたよね?
私だってパーティが始まる前からぼやきたくはないんですよ。まだ前乗りです」
そもそも今やってるのも、パジャマパーティではない気がするのだが……。
「芋虫の皆さん、いいですか? いつまで私は若手扱いされて」
『じゃあ僕はこの『大法螺(※お酒の名前)』をいただきますね』
「ちょっとカメラ止めてください、私がいま物申しているんですよ」
物言いたげな巽。だが撮影役(?)のキャタピラーはゲラゲラ笑っている。
そしてお酒を持ったキャタピラーは、それを一気にグビグビ飲んだ。
ほら、グリードだからね。オウガだから。(気持ち程度の戦闘要素)
『大法螺ぁ~!! みなさんもどうぞぉ~!!』
「完全に出来上がっちゃってるじゃないですかもう。とりあえず5ポイント」
それはそれとして、お酒を飲んだのでちゃんとポイントは加算する巽である。
『うぃ~……いやあパジャマパーティっていいなあ あっ』
しかしお酒を飲んでいい気分になっていたキャタピラーは、ALAS!
敵対チームのそばを通りがかった瞬間おもいっきりずっこけてしまった!!
『あー!! あーーーー
!!!!』
しかもその勢いで、せっかく釣ってあったワカサギが氷の下にドボン!
『お前何してんだよ!! お前何してんだよーーー!!』
「あー残念。赤チームさん、4ポイントマイナスですね。これで一匹差ですよ」
『一匹差じゃねえよ!! 一 匹 差 じ ゃ ね え よ
!!!!!』
完全にブチギレ状態のグリードキャタピラーだが、巽は取り合わない。
「文句があるならわかさぎ料理でもすればいいんですよ。こう活き造りとか」
『『『『!!!!』』』』
その台詞を聞いたグリードキャタピラーたちは、次々にワカサギを食べ始めた!
しかも生である! さっそくアレルギー症状を起こして痙攣する芋虫も!
「荒々しいですねぇ、この姿はかなり荒々しいですよ」
そして同士討ちを始めるグリードキャタピラー。巽はしてやったりの顔だ。
グレードの低いベッドをあてがわれた恨みを、彼はさり気なく晴らしていたのだ……!!
大成功
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フェドーシヤ・ロゼストベンスカヤ
北の方からこんにちは。フェドーシヤでぇ、ございます。なのだわ。
オイピロシキ食わねぇか。(料理技能0)
私のピロシキ食えねぇってのだわ?
じゃぁ~、今からお前さんのウチにいってぇ、嫁さんにピロシキ食わすのだわ?
おくさぁん?
ごぞんじぃ、フェドーシヤなのだわぁ?
ピロシキ食わねぇか。(料理技能0)
●シェフ・フェドーシヤ、夏野菜スペシャル
「北の方からこんにちは。フェドーシヤでぇ~、ございます。……なのだわ」
なぜかシェフ姿で颯爽と現れたフェドーシヤ・ロゼストベンスカヤ。
その手にはパン生地を持っていた。なお、彼女の料理技能はゼロである。
「オイ、ピロシキ食わねえか」
『えっピロシキ!? 野菜はどうしたんですか!?』
「いまから植えるのだわ。あなたたちにも農業を手伝ってもらうのだわ」
『『『えっ』』』
ぽかんとしているグリードキャタピラーたちに、鍬が配られる。
あと芝刈り鎌とハンマーも配られた。おもむろにそれをクロスさせると……。
突然あたりが赤くライトアップされ、音割れしたどこかの国歌が!!
パパーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン(めちゃめちゃ音割れしたどこかの国歌)
「こら!! 今はそれは禁止なのだわ
!!!!」
『『『アッハイスミマセン
!!』』』
慌てて鎌とハンマーを下ろす芋虫たち。アカいライトはぱつんと消えた。
「この日のためにお皿も焼いてきたのだわ。私が用意したピロシキなのよ。
……まさか私のピロシキが喰えねぇってのだわ? 私が用意したピロシキを!」
『アイエエエ……』
「じゃあ~、いまからお前さんのウチに行ってぇ、嫁さんにピロシキ食わすのだわ」
『家族に手ぇ出すなよ!!』
「何言ってんのだわ、家族にもおみまいしてやるのだわ!!」
フェドーシヤは静止を振り切り、グリードキャタピラーのテントに乗り込む。
「奥さ~ん、ご存知でしょうなのだわ? フェドーシヤなのだわぁ~」
『アイエエエ!』
「おいピロシキ食わねぇか。子供たちもおいで~、ピロシキ焼くのだわ~!」
『『『アイエエエ!』』』
必死に逃げようとしていた芋虫の子供たちも捕まってしまった!
子供たちはうんざりした顔でピロシキを喰う……すると!
『か、辛っ!! 燃えるような辛さだ!!』
「辛いのだわ~? 私はもっと辛いものをぉ、
あなたのお父さんに食べさせられてるのだわ~。残さず食べるのだわ~」
『私が食べますッッ!!』
妻キャタピラー、泣きながら言った。フェドーシヤはピロシキをおみまいする!
ほかにも増えすぎたパスタやピロシキのオーロラソースがけなどもある。
「次はあなたの実家におみまいしに行くのだわ」
『すみませんもう勘弁してください!』
「おかあさぁん、ごぞんじでしょう? フェドーシヤなのだわぁ~」
無慈悲! フェドーシヤはグリードキャタピラーの実家(?)にも乗り込む!
「おいピロシキ食わねえか、なのだわ」
こうしてピストル……もとい、ビストロフェドーシヤのピロシキをお見舞いされ、
芋虫たちは再起不能となった。恐るべし、シェフ・フェドーシヤ……!
大成功
🔵🔵🔵
アンジェ・アリスナイト
……まだ唇がヒリヒリします、燃えるような辛さでしたね。コクなく後味ただ辛いよりマシですが。
ここはアリスラビリンスですよ。今ここはおやすみなさいの国ですよね? その道端でパジャマパーティというただでさえワケのわからない真似をしなければならないというのに、何故に彼らの料理をお見舞いされなければいけないのでしょうか。
いえまあ。寝入ってしまっても困りますから相手しますけど、料理してくださるのでしたらどうか食材をいじらないでください。食材の無駄になるのでチキンは渡しません。
ああ、シェフがふてくされてしまいました。
ブロッコリーいります?
●シェフキャタピラーのパジャマパーティ
なぜかそこには、一台のバンが停まっていた。
そのバンの後部座席を開放して、パーティ場の代わりにしているのだ。
「……まだ唇がヒリヒリしますね」
そんなパーティ会場とは言いがたい有様のなか、アンジェ・アリスナイトはとてもとてもげんなりしていた。なんなら咳き込んでいた。
自分は料理が得意だと豪語するグリードキャタピラーの飯を食べたのだが、
そいつの作ったエビチリはいやに辛く、そして生焼けだったのだ。
「コクがなく、後味ただ辛い……なんでこんなものを作ったんですか?」
『仕方ないんだよこの鍋じゃあ! こーゆーふうになるの
!!!!!』
シェフ芋虫は逆ギレしていた。
『火力が低いから煮立つまで時間がかかるの!! 道具が悪いよ道具が!!』
「でもあの調味料の蓋を放り込んでいたのはあなたのせいですよね?」
『じゃあもう食べるのやめな
!!!!!』
なんか思春期の息子にキレるおかあさんみたいな口調であった。
「そもそもですよ、いまここはおやすみなさいの国ですよね?
その道端でパジャマパーティというワケのわからない状況なのに、
何故私はこんな料理をお見舞いされなければいけないんでしょうか」
ぶちぶちぶち。アンジェはまだ文句を言い続ける。
「しかも時間かかりすぎですし……もう16時ですよ16時」
『うるさいんだよぉ!! だったらあんたこの鍋で作ってみなさいよぉ!!』
シェフ芋虫、カンカンに怒りながらも次の料理を作り始めた。
『じゃあいまからあの、フランベするから!』
「えっいや火力を調節(ボ ワ ッ)」
『ウワー!!』
「燃えました! 燃えましたよオウガさん!!」
すさまじい勢いで火の柱があがり、シェフ芋虫もマジビビリしていた。
しかも結局、完成したスパゲッティはめちゃめちゃ量が増えていた。
「なんでこんなに量が増えてるんですかぁ……」
『仕方ないの! この鍋じゃこうなるの!! 火力足りないんだから!!』
「……じゃあもう食材は私が用意しますから、それで作ってください」
うんざり顔のアンジェ、食材……というかレトルトの粉末材料を次々取り出す。
カレー。五目ご飯。チャーハン。カレー。
『ご飯物ばっかじゃねえか
!!!!!』
「食材の無駄になるのでチキンは渡しません。グレーリングも禁止です」
『これで何を作れってのよもう!!』
「ていうか私、一服してきていいですか?(お菓子で)」
『一服
!?!?!? 食事作ってる最中に、一服
!?!?!?!?!?』
シェフ芋虫、キレた!!
『もうね~やってけないんだよこの猟兵のところじゃさあ』
「じゃあわかりました、話し合いましょう。それじゃあどうしますか?」
『じゃあじゃあうるさいんだよこのロリはぁ
!!!!!!』
「あれですか? 相撲で決着つけますか? 相撲で」
なぜか布団の上で相撲を取ることになった芋虫とアンジェ。ぶつかり稽古だ!
『グワーッ!!(ズパーン!)』
「私の勝ちですね。じゃあ芋虫さん、締めをお願いします」
ペチ……ペチ……ペチ、ペチ、ペチ、ペチ、ペチペチペチペチ……ペペンッ!
(グリードキャタピラーが腹太鼓めいて自分のお腹を叩く音)
(画面
(???)の右下に『大相撲アリスラビリンス場所 終』の文字)
『『『締まった締まった!』』』
「……もうこれ、まともな依頼しばらく来ませんね私には」
遠い目をするアンジェであった。なんだこの状況。
大成功
🔵🔵🔵
ロク・ザイオン
★レグルス
(歓待船の番人、
絢爛豪華なパーティーと持て成しの精神も日々学んでいるが)
……(ここには草臥れたおっさんみたいな限界イモムシどもが転がるばかり)
どうして。
布団被ってゲームって
正月の、なあ、あれ…(コタツムリ事件)(嫌な事件だったね)
違うのか。走るのか。
……!(成長したな…の顔)
いいよ、相棒。
ここをパジャマパーティーとする(宣言)
(「烙禍」でイモムシ巻き込んでドッカンドッカン地均し)
寝るときはこれ(普段着)着てるから、これはパジャマ。
平らな方が眠れるから、これは寝床。
これ(インク)は枕だから。投げてもいい。
な。
寝ないと。
零井戸・寂
★レグルス
どうしてだろなぁ……(無関心)
まぁとにもかくにもパジャマ着てはしゃげば良いんだろう?任せとけ、得意分野だ。(※迷彩柄パジャマ着用)
パジャマ着て布団引っ被ってやる事
則ち
ゲ ー ム の 時 間 だ 。
いやそんな警戒しなくていいよ
今日はちゃんと動くってば。とにかく……
レディ・プレイヤー?
"準備はいいかい相棒?"
僕らの得意分野だぜ。
とにかく此処をキャンプ地とする!!(どんっっ)
今回のゲームセレクトはイカがブシャーってやる感じの奴。
なんか向こうもネトネトしてるし
逆にこっちが塗りつぶしてやろう。
陣取り合戦は得意だぞ。
あっロクそれ投げて。
そうそう。(爆発するインク玉)ヨシ。
●ゲームやろうぜ!!
『『『…………』』』
「「…………」」
ロク・ザイオンと零井戸・寂は、こっちをじーっと見てくる芋虫の群れを、
極力視界に入れないようにしつつ、ヒソヒソと小声で作戦会議した。
(どうしようロク、なんか転移した瞬間からこっち見られてるんだけど)
(たたかいか? 処すか?)
(いや気が早いよ。ていうかロクだいぶ眠気眼じゃん)
(おれはねむくない)
目元をこしこしするロク。耳はへにゃりと伏せてだいぶ眠そうであった。
そう、彼女は寝るときも普段着で、割とどこでも眠れるタイプだ。
なにせ森のけものなので、アウトドアな寝床には慣れている。
それが災いし、彼女は零井戸以上に眠気の影響を受けていたのだ……!!
それにほら、20歳ってまだ育ち盛りですからね。眠くもなるよね。
親戚のおじさんとかが「育ち盛りなんだからもっと食え」っていうの、
あれなんでだろうね? 高校卒業してもまだ全然言いますよねおじさんって。
閑話休題。
『『『…………』』』
(見てる。めっちゃ見てる。でも攻撃してくる様子はないな……?)
(やるか。処すか)
(だから早いってロク! うーんどうしたものかな……)
零井戸が考え込んでいると、芋虫どもが言った。
『そのゲーム機、栗生んじゃね?』
「えっ」
『これ栗生のだよ。栗生って書いてあるもんここに』
「いや僕のだよ!?」
「相棒……」
ロクは悲しげな目で零井戸を見た。
「かえしてやれ」
「だから僕のだよ!? 返すも何も!!」
まさかのロクからのガチめの言葉に、眠気こええとなった零井戸である。
「何!? 僕のゲーム機ほしいの!? あげないからね!!」
『じゃあゲームしようぜ!!』
「話が支離滅裂すぎない!?」
スチャッ。準備のいいことに同じゲーム機を取り出すキャタピラーたち。
「……ゲーム、するのか。布団かぶって」
「えっ」
ロクは悲しげな目で相棒を見つめた。
「正月の、なあ、あれ……あれ、またやるのか。こたつ、潜るのか」
「違うよ! 今回はちゃんと動くよ!」
『『『一緒にゲームしていいの
!?』』』
「なんでこんなにフレンドリーなんだよこのオウガたちは!?」
しかし零井戸は思った。それって、もしかしてめちゃめちゃ油断するのでは? と。
いやでもオウガとゲームってどうだよ。なんでゲーム機あるんだよそもそも。
『あーあれかなー? もしかして敗けるのが怖いとか』
「は
??????????????????????」
零井戸、キレた!!
「いいよやってやるよ!! ゲームは僕が選ぶからな!!」
『『『グッドッ
!!』』』
「ここをゲーム会場とするっ!!」
そんなわけで、流れでゲーム対決をすることになった零井戸&オウガたち!
「…………ぐー」
ロクは鼻提灯を膨らましそうになっていた。危ないよロク! 起きて!!
でまあ、布団を被りさっそくゲーム大会が開かれたわけだが。
『ぐえー!!』
『キャタ兄ー!!』
『猟兵! 貴様このゲーム、やりこんでいるなッ!!』
「答える必要はない(ニヤリ)」
零井戸は伊達にバトルゲーマーではない。しかもこれは彼の得意分野。
なんかこう……イカがマンメンミ! してる感じのアレなので、
一対多なのにスーパープレイで蹂躙していた。大盛りあがりである。
『くっそー強いなー! やっぱ武器がダメかなー』
『次俺がローラーやるわ!』
『じゃあこっちでランチャー使うね!』
「別に何を使ったっていいよ、負けないからね」
『『『キーッ
!!』』』
ほぞをかむ芋虫たち。いやほぞねえんだけど。
「……ぐー」
(ってロク! 寝てないで起きて! 起きてよ!!)
「はっ」
完全に寝こけていたロクは目を覚ました。
「ねてない。ねてないぞ」
(それでいいから……ほらこれ、投げて)
「あ、うん」
インク玉ぽーい。KA-BOOOOOOOOOOM!!
『『『よーしじゃあ再戦だグワーッ
!?』』』
無慈悲! ゲームに夢中のオウガたちの頭上で破裂するインク玉!
「作戦成功ヨシ!」
「……なあ、相棒」
「え、何さロク」
「これは……違うんじゃないか?」
「えっ」
「勝負はもっと……こう、なあ」
「なんで僕が説教される側なの!? 相手オウガだよ!?」
「そうだけど……でも、なあ」
「いいからいいから、ほら次投げて! 枕(インク)!」
「あ、うん(ぽーい)」
『『『アバーッ!?(KA-BOOOOM
!!)』』』
戦いは非情であった。でもこれ、戦争なのよね……!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
多々羅・赤銅
(寝巻きという名のノースリパンイチ女)(色気無)
寝釣りって何?
寝ながら釣り?でも大騒ぎしてんの?
それはもう釣りじゃなくね〜〜〜???混ぜて混ぜて!あっケツいたい 芋虫!やわらかそうなお前!ケツ布団になって!
あ〜〜〜良い感じ〜〜〜
いやーーお前ら仲悪いって聞いてたけど楽しそうでよかったよかった
え、そんな事ない?場所取りさせられた?
そっかーーーありがとうな私らのために頑張ってくれてぇ!外でパジャマパってのも最高だなー釣りまでできるし 釣れねえけど
あ!?待ってなんかかかってるかかってるお前!ヘイヘイでかいでかいみんな集まれ手伝え大物
!!!!!せーーーーの!!!!
あつめたところで羅刹旋風。
おし!
帰るか!
●激闘アリスラビリンス! 芋虫追い祭り!!
「寝釣りって何?」
多々羅・赤銅が漏らした一言に、芋虫たちは騒然とした。
『マジ!? あの話題騒然の寝釣りをご存知ないと申される!?』
「いや聞いたことないしなー。ていうか寝ながら釣りしてるだけじゃん」
『やれやれ……これだから素人は……』
なんかふーしかたないねーみたいな顔で頭を振る芋虫。ムカつく。
『寝釣りの醍醐味はですね、ライトをオフすることにあるんですよ』
「え? それって魚が明かりで逃げないようにってこと?」
『そう、そうです! そして寝るか寝ないかのデッドヒートですよ!!』
「ライト消してたら何も見えなくね……? そもそも騒いでたら意味なくね~?」
赤銅はそう言いつつ、ニッコニコの笑顔であった!
「面白そ~じゃ~~~~ん!! 混ぜて混ぜて~~~!!」
『『『いーよー
!!』』』
昼休みのドッジボールみたいな受け答えであった。
そんなわけで、赤銅も噂の寝釣りに混ざることになったのだが。
「あっやべえケツいたい! ていうかなんでこの国釣り場あんの!?」
なぜか埠頭風の地形になった国なので、地面はコンクリでありとても痛い。
「ちょ、そこの芋虫! やわらかそうなお前! ケツ布団になって!」
『仕方ないな~(もそもそ)』
のっそり(当然のようにケツを乗せる赤銅)
「あ~~~いい感じ~~~! 重くない、だいじょぶ? 重いっつったら殺すけど」
『えっ』
「重くねえよな?」
『重くないです!!』
悲鳴のような声であった。赤銅はのんびりと釣り糸を垂らす。
「いやーそれにしてもさあ、お前ら仲悪いって聞いてたけど楽しそうでよかったわ」
『いやいや、さっき場所取りさせられたんですよ場所取り!』
『そんなことよりもっと問題ありますよ! こいつらはいつも適当なんですよ!
こないだなんかホテル泊まろうとしたら、なぜかダブルベッド出てくるし……』
『ちゃんとフロントには「ウィーアーオールメン」って伝えたよ!!』
「いやそもそもなんだよアリスラビリンスでホテルって。ウケる!」
けらけら笑う赤銅。男が心をほだされるタイプのいい女であった。
「まーなーあれだなー、ありがとうな私らのために場所取り頑張ってくれてぇ!」
『えっ……(トゥンク)』
「外でパジャパってのもいいなー釣りまで出来るし! 釣れねえけど!」
『あっ待ってこっちなんか来た! でかいの来た!』
「うっそマジ!? おいみんなヘイヘイ集まれ手伝え大物だぞ!!!」
『『『わー
!!』』』
赤銅と芋虫たちは揃って力を合わせ……大物を、釣り上げた!
ざっぱーん! 釣れたのは巨大マグロだ! なんでいるのかな!? わかんねえ!
「やったなー!!」
『『『やったー
!!!』』』
「というわけで〆とくかオラァアアアアア!!」
『『『アバーッ
!?』』』
ナムサン! そこでマグロも含めて吹きすさぶ羅刹旋風!
強烈な斬撃により吹っ飛ばされる芋虫たち! いい感じに〆られるマグロ!
バラバラになったマグロの各部位を、クーラーボックスでキャッチする赤銅。
そのあと、遅れて海にぼちゃぼちゃ落ちる芋虫の残骸。スプラッタだ!
「……おし! 帰るか!!!」
赤銅は額の汗を拭い、いい笑顔で言った。
爽やかな夏の風が吹く。まだまだ、楽しい夏は続きそうだ――。
大成功
🔵🔵🔵
ヒルデガルト・アオスライセン
(あの賢者様疲れてるな…)
ええ、ここ最近血塗れになったり瀕死から蘇生したりえらく働いた気がするのでそろそろ療養したかったところです
皆様の話題ににこやかにわかるーと同意しておきましょう
そう、お母様曰く女の仕事とは男に理解を示すこと
故に話半分でよいのです。私の解釈ではそう
一人生きてきたので頼もしいのがタイプですよ。人でも物でも
芋虫さんににこにこ同意し続けることで力比べな同士討ちが始まるといいなって思います
粗相なきよう、一通りの作法は当然仕込まれておりますので
どこぞの村の唐揚げにポテトをベースデリバリーで持ち込んで皆様によそって分け合いつつ
UC休息パワーを溜めます
生き残った最後の芋虫を剣で星にするわ
●女のマナー、さしすせそ
『でさー、そこで俺は言ってやったわけ! ……ってね!』
「さすが~」
『ところで知ってる? レモン1個に含まれるビタミンCはレモン1個分なんだよ!』
「知らなかった~」
『かーっ辛いわー! 今月2時間しか寝てないからマジつらいわー!』
「すご~い」
『ねえ見てこれ僕が自作したんだ! すごいでしょ!(クソダサセーター)』
「センスいい~」
『実は俺たちって、割と食べないでも生きていけるんだよね』
「そうなんだ~」
『『『『『いやー、キミと話してると気分いいなあ
!』』』』』
「ふふふ、私もそうですよ」
たいへん上機嫌のグリードキャタピラーたち。ニコニコ笑顔であった。
そんな芋虫どもに笑顔を向けつつ、ヒルデガルト・アオスライセンは内心で思う。
(こいつらオウガとは思えないほど俗物的ね。チョロいわ)
く、黒い! 天使のような笑顔の裏側は、あまりに黒い!
しかしこの「さしすせそ」こそ、ヒルデガルトが学んだ女の知恵。
そう、母も言っていた……女の仕事は男に理解を示すことだと。
このさしすせそを使っておけばだいだいどんな状況でも相槌が打てる。
話半分でいいのだ。もしかしたら草葉の陰でお母さん泣いてそうだけど。
『ところでさ~、猟兵さんはどんな男性がタイプなの?』
「…………」
ひくっ、とヒルデガルトの眉が動いたのに気付く芋虫はいなかった。
「……ひとりで生きてきたので、頼もしい方がタイプでしょうか」
『それって虫でも!?』
「ええ、虫でも(虫でもって何よその質問、バカじゃないの?)」
にこにこ笑顔を保ちつつ、ヒルデガルトはだいぶ辟易していた。
これはこれで、血みどろで戦うのとはまた別の筋肉を使う感じがある。
「私、見てみたいですね。みなさんがどのぐらい頼れる方なのか」
『『『『『…………勝負だコラァ
!!!』』』』』
やおらキャタピラーたちは、同士討ちを始めた! 殴り合いだ!
(本当にちょろいわねこいつら、これなら手を汚す必要もなさそうだわ)
血みどろの殴り合いを肴に、いい感じに揚げたからあげとポテトを食べる乙女。
え? こんな時間に食ったら太る? それは常人の話である。
ヒルデガルトほどの聖少女になれば、カロリーは全部消える!
それか多分、健康的な程度に肉がつく。ふじ絵師のイラストだからね!
『ハァーッ! ハァーッ! ハァーッ! 見て猟兵さん、俺が最強』
「そうですねそれではさようなら!!(カッキーン!)」
『アバーッ!?』
哀れ、ボロボロのキャタピラーは星になった。
「この唐揚げ、レモンがあったほうが美味しいわね」
ひとしきり食事を楽しみ、日頃の疲れをすっかり癒やしたヒルデガルトであったという。
大成功
🔵🔵🔵
コルチェ・ウーパニャン
コルチェはパジャマパーティーだいとくいだよ!
ほらほらこれはSNS映えするシートマスク……
これを貼ればお肌をツヤツヤプリプリにしながらコスプレで盛り上がれてしかもバズれるという……
(装着)
えへへーコルチェカワイイーーッ!
いもむしさんにも貼ってあげよう……
いもむしさんにはガイコツ柄を貼ってあげよう……いもむしさんにホネがあるのかは知らないけども……
あっ、しゃべるとずれちゃうから静かにね……
(黙……)
(うと……うと……)
……はっ!?
コココココルチェはパジャマパーティーのタツジン
コイバナしようコイバナ!あっでもしゃべるとずれちゃう……
(黙……)
(うと……)
●こんなトンチキシナリオになんて女子力高いプレイングが
「わーい! パジャマパーティだー!!」
なぜかもっさり増えすぎたパスタ(まずい)をもさもさ食べている芋虫たち。
そんな男やもめの戦場にやってきたのは、コルチェ・ウーパニャンだった。
『『『えっ、いいんですかここに来ちゃって』』』
「えっどういう意味!?」
さすがのオウガたちも、ホントに俺らでよかったのか不安だったらしい。
が、コルチェはすぐに笑顔になると、明るい様子でこう言った。
「コルチェはパジャマパーティーだいとくいだから、だいじょーぶだよ!」
『『『天使だ
……』』』
「えっ」
よくわからないが、芋虫たちは天真爛漫さに心打たれたらしい。
……このオウガたち、割と話せばわかり合えるんじゃないか? 無理かな?
「あのねあのね! コルチェね、パーティーに色々持ってきたの!
ほらほら、これはSNS映えするシートマスクだよ……!」
コルチェのひみつポーチから出てきたのは、美容シートマスクである。
「これを貼れば、お肌もつやつやプリプリ! コスプレにもなるんだよ!」
ぺたりぺたぺた。コルチェは自分の顔にシートマスクを貼る。
「えへへー! どうかな、コルチェ、カワイイ?」
『『『カワイイ
!!!!』』』
「やったー!! いもむしさんにも貼ってあげるね~」
コルチェはにこにこ笑顔で、キャタピラーたちにもマスクを貼ってやる。
しかも特別に用意したガイコツ柄のマスクだ。女子力は用意のよさで決まる。
『な、なんてことだ、僕らこんなかわいい女の子にマスクを……!』
「あっ! しゃべるとずれちゃうから静かにしてて!」
『アッハイ』
「むむむむ……(真面目に集中する)」
(((かわいい
……)))
グリードキャタピラーたちも、でかい口を閉じておとなしくしていた。
無言の時間が流れる。コルチェは真剣な表情で張り続ける……が!
「……ん、んー……」
うとうとと船を漕ぎ出す。いけないコルチェ、それは危険だ!
さすがのオウガどもも、この隙を狙って攻撃してくるはず……!
『……あっ、猟兵さん、大丈夫? 寝るならベッド使う?』
「はっ!!」
船を漕いでいたコルチェは、キャタピラーの声で起きた。
「コココココ、コルチェはパジャマパーティーのタツジンだよ! 寝てないよ!」
『いやでも今がっつり寝て』
「寝てないもん!!」
(((かわいい
……)))
オウガたちは完全にその天真爛漫さに心動かされ、戦いを忘れていた。
平和……平和がここにある……一応これは戦争シナリオなのだが……!
「はい、これでシート貼れたよ! そうだ、次は恋バナしよう恋バナ!」
『『『恋バナ』』』
「あっだめ! しゃべるとずれちゃうよ! 直すね!」
『『『…………』』』
「…………」
『『『…………』』』
「…………すー」
こいでる! 船こいでますよコルチェさん!
『『『かわいい
……』』』
「はっ!」
よだれを垂らしかけていたコルチェは目を覚まし、ぷるぷる顔を振った。
「オトメの寝顔を盗み見なんて、ダメなんだからーっ!(ZAPZAPZAP!)」
『『『グワーッ
!?』』』
そしてピカリブラスター連射! 無慈悲! だがオウガは割と嬉しそうだった!!
大成功
🔵🔵🔵
硲・葎
シャルちゃん(f01440)と
わあ、釣り!
パジャマパーティー……Tシャツ着よう!寝る時に着ればパジャマだよね!「釣る」って書いてあるネタT、まさにこの日の為にあるよ!
釣りは友達に教えて貰えたからね!
おびき寄せを使ってみよう。かかったら怪力で頑張るよ!
わあ、おっもい!以前はイシダイだったんだけどね!シャルちゃんはワカサギ釣りなの?さすが氷を操ってるもんねー。これなんだろ?わあキモイ!突進してきたら見切りとダッシュで避けようね!
攻撃は彼岸花之葬でばっさり切り身にしてしまおう!バイクさんも切り裂いてね!楽しいー!
清川・シャル
f01013りっちゃんと
パジャパですねどんとこい!
強い意志を持って挑みます
でかでかと「寝る」と書かれたTシャツにホットパンツ
夜釣りいいですね、シャルは人生で1度魚釣りした事ありますよ。経験者ですね。でも舐めプはしません、気合い入れます
そーちゃんの先端に糸を垂らして夜釣り。竿が重い?シャルは羅刹ですから軽々ですがハンデ戦ですねどんとこい
誰と戦ってるかは分からない…過去の自分との戦いでしょうか…前はワカサギ釣りでしたし
大物を釣りたいですね…おっと寝てませんよ?ほんとです、寝てない(瞼に目を描く)
魚がかかればフルスイングの勢いでそーちゃん竿を引きます。そのまま攻撃します。力勝負です
りっちゃん釣れた?
●アリスラビリンス・釣りバカナンバーワン決定戦!!
「よーし、釣るぞー! 魚が待ってるなー!!」
「りっちゃんやる気満々ですね! シャルも負けませんよ!」
硲・葎と清川・シャルは、夜の埠頭
(???)でやる気十分であった。
それぞれ「釣る」「寝る」と書かれたTシャツ姿で準備万端だ。
『寝ー釣ーり!』
『寝ー釣ーり!!』
「それにしてもなんなんだろうねあの熱気は……?」
「寝そべってるだけなのに白熱してますね……!」
キャタピラーたちは寝釣りをしていた。ガチで寝ているやつもいる。
そもそもパジャマパーティとは? と疑問を浮かべそうになるが、
葎とシャルはこのムーブメントに全力で乗っていた。若さが力だ!
『さあ猟兵チームとオウガチーム、勝つのはどっちか!!』
「負けられないなー……って、ところでシャルちゃんって釣りの経験は?」
「実は一度だけやったことあるんですよ。つまり、経験者ですね!」
葎は感心した様子でへぇー、と頷いた。
「……あれ? でもフィッシングロッドは」
「これです
!!!!」
シャルは自慢げに、そーしゃんを……どピンク金棒を掲げた!
「ええ……?」
「だいじょうぶ、糸を垂らして待ってれば釣れますよ! 経験者ですから!!」
「う、うん、そうだね……?」
釣りってそんな簡単だったか? と首を傾げつつ、釣り竿を取り出す葎。
そんなわけでふたりは並んで釣り糸を垂らす。金棒と釣り竿。すごい絵面だ。
『その金棒、栗生んじゃね!?』
「え? あげてもいいですけど持てないと思いますよ? ほら(ひょい)」
『(ズシン!!)グワーッ!?』
場外攻撃を仕掛けようとしたキャタピラー、そーしゃんごと地面にめり込む!
「だから言ったじゃないですかー、もう」
シャルはそーしゃんを回収すると、もう一度釣り糸を垂らした。
「……ここまで警戒心のないオウガは、初めて見た気がするなあ」
釣り竿を垂らしつつ、色んな意味で遠い目をする葎だった。
「「…………」」
『『…………』』
『どちらのチームも当たりが来ませんねぇ』
解説役
(???)のキャタピラーの言葉に、寝釣りチームは抗議した。
『ライトを点けてるせいだ! ライトオフにしろ!』
『いやでもせっかく猟兵さん面白いシャツ着てるし……』
『差別だー! 抗議するぞー!!』
と、汚い戦法で足を引っ張ろうとしていた。なんてやつらだオウガ!
「私たち、一応彼らと戦うためにここに来たんだよね……?」
「いいえりっちゃん、私たちは……過去の自分と戦っているんですよ!」
「ええ……?」
「前はワカサギ釣りでしたからね。これで大物を釣り上げて過去を乗り越えるんです!」
「そ、そっか!? そう言われると気合を入れないとだね……!」
シャルのノリに、だんだんと正気を失いだす葎。おお、熱気恐るべし。
ふたりはぎゃーぎゃー騒ぐキャタピラーたちをスルーして、
ひたすら辛抱強く釣り糸を垂らす。そしていよいよ……ぴくりと竿が動いた1
「む!」
「むむ!!」
しかも葎とシャル、どちらも同時に当たりが来たようだ!
なおシャルは、瞼をこすりつつちょっと口元も拭っていた。
「シャルちゃんいまちょっと寝てたよね?」
「寝てない、寝てないですよ。ほんとです(寝起き特有のふわふわした声)」
「まあいいか! これはデカいぞ……よ、い、しょおっ!!」
「こっちもです! せーのぉっ!!」
ふたりは勢いよく釣り竿(と金棒)を振り上げた! ざばぁっ!!
『ああーっと、これはーっ!?』
そしてふたりが釣り上げたのは……!
『シャアアアアアアーーーークッ!!』
『『『サメだーーーーーーー
!?』』』
サメ! サメである! 愉快な仲間なのかオウガなのか別なのか!
「これはデカいなあ! それじゃあこのサメを、あっちへポイしてっと」
『『『えっ』』』
「シャルもリリースです! そぉい!!」
『『『えっ』』』
『『シャーーーーーーーーーーーーーーーク!!』』
『『『アババババババーッ
!?』』』
勢いよく芋虫どもに放り投げられるサメ! 当然のように食いつく!
キャタピラーどもは完全に不意打ちを受けた! なんなんだこのサメどもは!
「これで勝負は私たちの勝ちだね、シャルちゃん!」
「そうですねりっちゃん! それじゃあ仕上げといきましょう!」
『えっ仕上げって一体アバーッ!?』
解説キャタピラーを轢殺して到着するバイク! 葎とシャルは武器を振り回す!
「「皆殺しだーーーーーっ!!(とっても楽しそうな声)」」
『『『アイエエエエ
!!』』』
『『シャーーーーークッ!!』』
『『『アバババババーッ
!?』』』
飛び散る血! いい感じに〆られるサメ! 飛び散る血! 振り回される金棒!
バイクのエンジン音! 轢殺! 撲殺! 惨殺! 地獄絵図だ!!
「いやー、パジャマパーティーって楽しいねシャルちゃん!」
「(釣果も戦果も)大量だとなおさらですねー!」
『『『…………!!!!』』』
キャタピラーたちは抗議しようとした。だがそのまま倒れた。がくり。
「「いえーい!」」
女子たちは楽しそうにハイタッチする。それだけ見ると微笑ましい光景だ。
周りには芋虫だったものが辺り一面に転がっているのだが……。
「ところでサメって、どう料理すればいいのかな?」
「フカヒレとかキャビアとかですよ! それ以外はわかりません!」
そして戦いの片手間に〆たサメを持参のクーラーボックスに放り込むと、
葎とシャルはほくほく顔で帰っていく。台風のような娘たちであった……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵