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泡沫シーサイド

#グリードオーシャン #お祭り2020 #夏休み

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●泡沫シーサイド
 海底島のひとつである海闊島は、夏の賑わいに満ちていた。
 島は大きな空気の泡で包まれている。だからだれもが普通に過ごせるのだが島の端は――泡と海水が入り混じる場所。
 といっても、それも一部で大体の浜辺は地上の其れと変わらない。泡と海の境界は、しばらく泳いだ海の先にあるのだから。
 けれど、この泡と海水が混ざり合ったところに構えられた宿がある。
 そこはお手軽にグランピングのできる所となっていた。
 敷地は広く、小高い丘にはゆるやかに道が奔り、巻貝テントがたっている。そこは様々なものが備え付けてあるので手ぶらで訪れることができるのだ。
 巻貝テントはウッドデッキの上に張られており、デッキには籐で編まれた椅子やテーブルなどもある。
 テントは四人くらいが過ごせる広さがあり、中には備え付けのベッドや、ふっかふかのクッション、皆で囲めるローテーブルがあり快適に過ごせるようになっている。
 デッキではバーベキューをすることもできるので、皆でわいわいと過ごせることは間違いない。
 そしてこの宿はプライベートビーチを擁しているのだ。
 プライベートビーチは泡と海水が入り混じる場所がある。つまり島と、海中との境界に僅かにかかった場所でもあるのだ。
 浜辺から少し泳いだ海には、ゆうらり伸びる大きな海柱がいくつもたっており、そこではカラフルな魚たちが気儘に過ごしている。潜って、その海柱を泳いで上にあがり――途中で飛び出したりなんて遊びもできたりする。
 そして浜辺では、海柱も気儘なもので――突然現れたり、突然消えたりする場所もある。
 そんな場所でビーチバレーをするのはなかなか楽しい物なのだ。
 ジャンプした瞬間に突然現れた海柱に包まれてしまったり、アタックしたボールが攫われてしまったりちょっとばかりスリリング。
 そして昼間沢山遊んだならば――夜はおいしい、シーフードバーベキューはどうだろうか。
 巻貝テントの傍でバーベキューをするならシーフードや肉、野菜、飲物などの手配もばっちりしてくれる。
 ダッチオーブンで調理する魚は香草敷き詰めたり、はたまた塩釜焼きにしてみたり。
 飲物からデザートまで、良い感じに用意してくれるだろう。
 もっとにぎやかで、わいわいした所がよければ浜辺の一角に用意されたバーベキュー会場に足を運ぶと良さそうだ。ここは昼から、夜までずーっとにぎやか。
 ビールやカクテル、ワイン。しぼりたてのジュースなどもあり、好きな串を選んで自分たちの席で炭火焼きに。
 他にも、海の家のように屋台も並んでいる。焼きそばやお好み焼きなどのちょっとジャンクなものもあれば、取れたての魚をさばいてカルパッチョに仕立てた皿なども振る舞われているようだ。
 そして、デザートはアイスクリーム。ヒトデや貝殻、魚の形をしたカラフルな最中にバニラやチョコ、他にもさまざまなアイスを詰めて挟んで食べるのは幸せのひととき。
 もちろん、これらはお願いすれば巻貝テントへ持ち帰りもできるので、ここで食べるものを調達していくのもありだろう。
 そして昼間は遊び、夕方から夜は美味しいものを。夜もまた楽しく過ごし、眠って目覚めたら――朝食の時間だ。
 海底では、朝はじんわりと明るくなっていくくらいだ。
 海の上よりももっとやわらかに少しずつ明るくなっていく。その光景の中で静かに、朝食セットを口にするのもよさそうだ。
 巻貝テントの前にある椅子に座ってみえるのは境界の海。
 泡がはじけて、海と島の境界が揺らぐ様がよく見えるのだ。
 それを見ながら温かなスープと、海の幸のサンドイッチや、マリネやフライ、フルーツなど詰まったバスケットを楽しむのもまた幸せの一時になるだろう。

●案内
「海底にある島に遊びいかんか」
 ふっさふさと尾を揺らして、終夜・嵐吾(灰青・f05366)は猟兵たちへと誘いをかける。
 その手には遊ぶ気満々、ビーチバレー用のボールやほかにも色々なものがあった。
 海闊島という所にある宿は、巻貝テントの誂えでグランピングができる。
 そこに行ってみないか、ということだ。
 面倒くさいキャンプの支度は何もいらない。身一つでいって、遊んで。美味しいものを食べて――要するに楽しい時間を過ごせる場所、ということだ。
「てことで、良かったら案内できるからの、遠慮なく遊びにいっておくれよ」
 ちなみに――と、嵐吾はビーチボールをその手で遊ばせて。
 浜辺は楽しいことになるようじゃから、そこで遊ぶときは色々気をつけてなと口端上げて笑って。
 何はともあれ、仲良しどうしでも、ひとり気まぐれに向かうでも。
 きっと良い時間となるだろうと、嵐吾は笑って紡ぐのだった。


志羽
 お目通しありがとうございます、志羽です。
 プレイング締め切りなどのタイミングはお手数ですがマスターページの【簡易連絡】をご確認ください。

 このシナリオは既に猟兵達によってオブリビオンから解放された島となります。
 また、このシナリオは【日常】の章のみでオブリビオンとの戦闘が発生しないため、獲得EXP・WPが少なめとなります。

 一章まるっと、お遊びシナリオです。
 巻貝テントで過ごす時間でも。
 ちょっといたずら心のある浜辺でビーチバレーをするも。
 海柱に遊びにいってみたりするも。
 バーベキューメインでも。朝ごはんメインでも。
 出来そうなことをどうぞご自由に!
 ただ、やることはひとつかふたつに絞った方が良い感じかなと思います。

 公序良俗に反しない。また他の方に迷惑のかからない内容でしたら問題ありません。
 当然の事ながら、未成年の飲酒喫煙については絶対禁止です。(なお見た目年齢で判断致します)

 グループ参加などの場合は、ご一緒する方がわかるように【グループ名】や【ID】を記入していただけると助かります。また、失効日が同じになるように調整していただけると非常に助かります。

 お声がけあれば志羽のグリモア猟兵も遊びに参ります。

 以上です。
 ご参加お待ちしております。
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第1章 日常 『猟兵達の夏休み』

POW   :    海で思いっきり遊ぶ

SPD   :    釣りや素潜りを楽しむ

WIZ   :    砂浜でセンスを発揮する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

小林・夏輝
【夏星】

海で食うのってなんか特別感あって楽しいよな
場所がどこでも食材の味は変わらねぇのに
景色効果かね

無邪気に笑いながら手慣れた様子で準備
準備した食材を並べ、火加減を調整し

バーベキューに肉は定番だろー?
あとなに食う?
ウインナーとかホタテとか肉とか野菜とか肉とか肉とか…
だって肉美味いじゃん!野菜もだけど
ほら、俺ってば食べ盛りだしぃ?
零も夕夜もちゃんと食えよ?

あ、飲みもん何がいい?
問いかけながら自分用にはコーラを

元の職業柄アウトドアには慣れてんだ
大雑把だけどな

へぇー器用だなお前
チーズ美味そう…(興味津々

食後はビーチボール!
俺球技得意なんだよね
UC使えば人は増やせるし
時間は有効に、楽しく使おうぜ☆


天星・零
【夏星】

enigmaで夕夜と

零『そうですね…。あとは誰かと食べるというのも理由の一つだといいますね。美味しいのは楽しんでる証拠ですよきっと。』

夕夜「ほぼ肉じゃねぇか!?おら、野菜ももっと食えよ!」

零『ふふ、では僕も一つ提案を…』

アルミホイルで円形のお皿を作って中にカマンベールチーズを入れて溶かして簡単なチーズホンデュの出来上がり
同じものでも工夫を凝らせば飽きないように

飲み物は烏龍茶を貰う


食後はビーチボール

指定UCを使って数を合わせて。

『僕達の連携見せてあげますよ。ドッペルも準備できた?』
「よし、負けねぇぜ!正々堂々真剣勝負でいくぞ!!」



「海で食うのってなんか特別感あって楽しいよな」
 場所がどこでも食材の味は変わらねぇのに、景色効果かねと小林・夏輝(お調子者の珍獣男子・f12219)は天星・零(零と夢幻、真実と虚構・f02413)へと――いや、零と夕夜へと笑いかけた。
『そうですね……。あとは誰かと食べるというのも理由の一つだといいますね。美味しいのは楽しんでる証拠ですよきっと』
 と、零は紡ぐ。
 笑いながら準備した食材を手慣れた様子で夏輝は準備していく。
 食材並べて。火加減を調整して。良い感じ、と笑いながら良い匂いをさせていく。
 そんな焼かれている食材の中で一番目につくのは――肉だった。
「バーベキューに肉は定番だろー?」
 あとなに食う? と焼き加減ばっちりの肉を食べながら夏輝は材料を新たに並べる。
 じゅわ、と焼ける音はさらに食欲を誘う音。
「ウインナーとかホタテとか肉とか野菜とか肉とか肉とか……」
「ほぼ肉じゃねぇか!? おら、野菜ももっと食えよ!」
 夕夜は焼けた野菜を皿にとって夏輝へとぐいと押し付ける。
 それを夏輝は受け取りつつ。
「だって肉美味いじゃん! 野菜もだけど。ほら、俺ってば食べ盛りだしぃ?」
 やっぱり肉! と野菜もほどほどに食べつつやっぱり肉メイン。
「零も夕夜もちゃんと食えよ?」
 そう言いながら夏輝はがさごそ、クーラーボックスを開けて。
「あ、飲みもん何がいい?」
 自分用にはコーラを取り出す夏輝。
 そんな様子に零は烏龍茶もらいつつ笑って。
『ふふ、では僕も一つ提案を……』
 アルミホイルで円形の皿を作る零。そしてその中にカマンベールチーズを入れて溶かしていく。
 それで、チーズホンデュの出来上がりだ。
「へぇー器用だなお前。チーズ美味そう……」
 零は早速、ソーセージを貰ってそれをつけ一口。夏輝はそれに興味津々といったところ。
 味の変化は楽しく。もちろん、夏輝にも夕夜にもどうぞと進める。
 同じものでも工夫凝らせば飽きないものになるのだ。
 そして――お腹いっぱいになったならビーチバレー。
「俺球技得意なんだよね」
 人数を増やすのはユーベルコードを使えばいい。
 互いの人数をあわせればゲームスタートだ。
『僕達の連携見せてあげますよ。ドッペルも準備できた?』
「よし、負けねぇぜ! 正々堂々真剣勝負でいくぞ!!」
 ひゅっとビーチバレーボールを頭上へ――すると最初の一打は吹き上げた海の柱が持って行って。
 さぁどちらのコートに落ちるのか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

篝・倫太郎
【華禱】
まるっと一日、充実した時間を過ごしたら
そりゃあ、ぐっすり眠れるってもんで

目を覚ませば、外がほんのり明るい
あぁ、朝か……朝飯の支度しなきゃ

そんな事を寝起きのぼやっとした頭で考えて
夜彦の腕の中から抜け出す

ぐっすり眠ってる夜彦の寝顔なんて
俺だけの特権だな……そんな事を思いながら
抜け出す前に額の端にキスをひとつ

宿に頼んどいた朝食を
デッキのテーブルにセッティング

ん、おはようさん
起きてきた夜彦に挨拶をして
そうでもないさ、そう笑う

スープ、冷めちまう前に喰おうぜ?
空がじんわりと明るさを増していく中
境界の海を眺めて、スープの温かさにほっとして

夜彦と一緒に食事を摂るのはいつも通り
でも少し異なる朝を堪能して


月舘・夜彦
【華禱】
朝から晩まで、随分楽しんでしまいました
陽の光さえ差し込んでも気付かない程に深い眠り
昨日の疲れからか、それとも彼が傍に居るからなのか

それでも腹は空くもので良い匂いに少しずつ覚醒していく
体を起こせば、隣にはもう誰も居なくて
匂いのする方へ向かえば彼の姿

おはようございます
随分長く寝てしまったような気がします

共に眠る時は毎度起きる順が決まっていて
彼が先に起きて、私が後に起きる
そして彼が朝食を用意してくれるのだ

今朝は用意されていたスープ等の軽食
昨夜の食事と同じく、美味なのだろう

えぇ、冷めない内に頂きましょう
明るくなる世界を眺めながらの二人で取る食事
いつも通りのようで、少し違う穏やかな一日の始まり



 朝から晩まで――海のすべてを遊びつくして心を満たして。
 美味しいものも食べて充実した時間を楽しんだら、ぐっすり眠れるというもの。
 うっすらと、テントにそそぐ陽光は海の水を通り抜けてさざめいているようだ。
「あぁ、朝か……朝飯の支度しなきゃ」
 ほんの少し明るくなった、その朝の気配に篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は目を覚ます。
 寝起きのぼやっとした頭で考えて、月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)の腕の中にいることを思い出す。
 夜彦はぐっすり。まだ眠っているようだ。
 それは昨日の疲れからか、それとも倫太郎がそばにいたからか。
 ぐっすり眠ってる、と倫太郎はまじまじと夜彦の寝顔を見詰める。
「俺だけの特権だな……」
 その腕から抜け出す前に額の端に口づけ一つ。
 それを贈っても僅かに身じろぐくらいだ。倫太郎は笑って、朝食の支度に立ち上がる。
 宿に頼んでおいた朝食は、すでに届いていた。
 届いたバスケットを開ければ海の幸のサンドイッチ。小さなガラスの器にはマリネ。それからフライ。果物類も色々と。その中で温かなスープと、湯を沸かしたりするセットもある。
 コーヒーを入れていればその香りが広がって――それは夜彦の鼻をくすぐる。
 腹も減ってきたこともあり、良い匂いに少しずつ夜彦も覚醒して。
 体を起こせば、隣はからっぽ。
 けれどどこにいるのかはすぐにわかる。匂いのする方へと夜彦は向かうのだ。
 そっとテントをまくり上げれば後ろ姿。
「おはようございます」
「ん、おはようさん」
 随分長く寝てしまったような気がしますという夜彦にそうでもないさ、と倫太郎は笑う。
 共に眠る時は毎度起きる順が決まっている。
 倫太郎が先に起きて、夜彦が後に起きるのだ。
 そして倫太郎が朝食を用意してくれる。今日は、宿からの物をセットしただけだが、それは何処でも変わらないのだ。
「スープ、冷めちまう前に喰おうぜ?」
 椅子に先に座って夜彦を手招く倫太郎。
 昨夜の食事と同じく、美味なのだろうと笑って夜彦は隣に。
「えぇ、冷めない内に頂きましょう」
 明るくなっていく――それは海の底でも変わらず。けれど陽の光の恩恵は地上よりも柔らかいだけ。
 明るくなる世界を眺めながら倫太郎と夜彦は二人で食事をとり始める。
「あったかいな」
「ええ」
 スープの温かさにほっとして倫太郎は零す。
 食事を、一緒に摂るのはいつも通りだ。
 けれどここは海の底。いつもとは違う光景を前に、ふたりでいつもと同じように一日の始まりを迎えるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミラ・ホワイト
瑠璃紺の夜が漂う水底から
見上げれば迎える水縹
遥か空の涯から射す光が、微睡みからゆるゆると私を攫って
揺らめく世界にまたたく眸

コーンスープを注いだマグの温もりが
夜の底で冷えた指先にじんわり滲みる
くゆる湯気が泡と昇るはじめての光景は
ずっと見ていても飽きないくらい

この間まで、外の世界なんてこれっぽちも知らなかったの
照り付ける夏の日に絡む水の冷たさも
飛び込めば思いの外ぬくい海の温度も
夏の煌きをぎゅっと詰め込んだ青の世界も、全部

伸ばしたこの手ではまだ、水を掻くことしか出来ないけれど
いつかその先の光に触れて、掴んでみたい思うから
――ね、もっとわたしを目覚めさせてね
ふくふく毀れる笑みひとつ
おはよう、世界



 海底の島――というのは、見上げれば海が揺らめく世界だ。
 泡と海水がはじけあって、天を作りその上を地上の光が辿っていく。
 今は、その光が眠りについた夜――瑠璃紺の夜が漂う水底から見上げれば迎える水縹をミラ・ホワイト(幸福の跫音・f27844)の瞳はとらえていた。
 きっと月の光だろう。遥か空の涯から射す光が、微睡みからゆるゆると、ミラの意識を攫っていく。
 ゆらゆら、やわらかに揺れるその天井に瞬きを返して。
 そしてその手のあたたかさを思い出す。
 コーンスープを注いだマグのぬくもりが夜の底で冷えた指先にじんわり滲みる。
 マグからゆるゆるとくゆる湯気を視線で追えば――泡となってはじけていくよう。
 ずっと見ていても飽きないくらいと、ミラはその瞳を細めて思うのだ。
 この間まで――外の世界なんてこれっぽちも知らなかった。
 照り付ける夏の日に絡む水の冷たさも。
 飛び込めば思いの外ぬくい海の温度も。
 夏の煌きをぎゅっと詰め込んだ青の世界も、全部――知らなかった、そして知ったことだ。
 そうっと手を伸ばす。
 その手が今掴むものは空ばかりだ。
 けれど、伸ばしたこの手ではまだ、水を掻くことしか出来ないけれど――
「いつか」
 その先の光に触れて、掴んでみたい思うからとミラは微笑む。
「――ね、もっとわたしを目覚めさせてね」
 ふくふく毀れる笑みひとつ向けて――ミラは世界のすべてに告げるのだ。
 おはよう、世界――ゆるりと目覚めていく世界へ、そして己が目覚めた世界へと、改めて。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リィン・メリア
ヴァルダさん(f00048)と

はじめての海
とっても広くて綺麗で
ドキドキする気持ちを必死に抑えるの

そうね
ヴァルダさんと一緒なら怖くないわ
……一緒に、傍にいてくれる?

差し伸べる掌にゆっくりと自身のを重ね
まるでエスコートしてくれる王子様みたいね

連れられるまま、興味のままついていくの
足がつかないところはまだ我慢
魚や海柱に釣られて、つい行ってしまわないように

虹がそらを?
……まあ!
すごく元気なお魚ね
触れてもいいの?

ゆっくりと驚かさないように手を伸ばし
飛沫が飛び、お互いの顔を濡らすなら
おそろいね、楽しいわって笑みを零す
子どものようにはしゃぐヴァルダさん
心に近づけたようで嬉しいの

本当に、本当に
出逢えてよかった


ヴァルダ・イシルドゥア
リィンさま(f28265)と
海に身を委ねるのははじめて
母なる翠、母なる海
どちらもいのちを抱くもの

ですから……ふふ
怖がることなど要らないのかも
もちろんです、リィンさま
ともに参りましょう

高鳴る胸、未知なる蒼への期待に満ちて
差し伸べたてのひら
寄せられたことのはに、照れ混じりの笑み滲ませて

足が届く範囲の海柱のそばへ
渦を描くように昇る彩
ちいさな魚の群れだと知れば感嘆上げて

リィンさま、みて
虹がそらへのぼってゆくようです
……ほら!

触れても怖くはないのだと
弾ける飛沫に歓声上げたなら
子どもみたいだと笑われてしまうかしら

ああ、でも。でも!
お揃いね、と燥ぐ声
隠すことなど出来はしないのです
胸を満たす、このよろこびを!



 初めての海――それはリィン・メリア(帰還者・f28265)もヴァルダ・イシルドゥア(燈花・f00048)もだ。
 とっても広くて綺麗で。リィンは胸元抑えてドキドキする気持ちを必死に抑える。
 海に身を委ねるのははじめて、とヴァルダはその水面見詰める。
 母なる翠、母なる海――どちらもいのちを抱くもの。
 ですから、と。ヴァルダはふふと笑い零して紡ぐ。怖がることなど要らないのかも、と。
「そうね。ヴァルダさんと一緒なら怖くないわ……一緒に、傍にいてくれる?」
「もちろんです、リィンさま」
 ヴァルダとリィンは笑いあう。そしてヴァルダはそっと、その掌を差し伸べた。
「ともに参りましょう」
 高鳴る胸、未知なる蒼への期待に満ちて――ゆっくり重ねられる手を見詰める。
「まるでエスコートしてくれる王子様みたいね」
 リィンの言葉に、ヴァルダは照れ混じりの笑み滲ませてぱしゃり、水音させて一歩先へ。
 そしてリィンも、連れられるまま、興味のままについていく。
 ぱしゃぱしゃと、足の甲にかかるくらいから、足首まで隠れて。
 そしてふくらはぎ、ひざとどんどん深くなっていく。
 あっち、とリィンはきれいな魚が泳いでいく様に惹かれて足を向けるが、そっちよりもこっちとヴァルダが手を引く。あちらは深く、足がつかない場所だからと。
 つい行ってしまいそうになるのを我慢して、綺麗な魚に誘われぬようにして。そして二人でたどり着いたのは海柱の前だ。
 ぱしゃりぱしゃり水音跳ねる。
 その中をゆうるり、泳いでいく魚たちの姿に二人の目は釘付けだ。
「リィンさま、みて」
 渦を描くように昇る彩は煌めいて。それは小さな魚の群が海柱を駆けあがっているからだ。
「虹がそらへのぼってゆくようです……ほら!」
「虹がそらを? ……まあ!」
 くるくる、駆けあがって――そしてまた現れて。
「すごく元気なお魚ね。触れてもいいの?」
 と、リィンは首傾げる。
 きっと大丈夫――そう思って、二人でそうっと海柱へと手を伸ばした。
 ゆっくり、脅かさないように触れる。ぱしゃりと指先が海とまじりあってぱしゃりと弾かれた飛沫に二人同時にはしゃいだ歓声を上げた。
 子どもみたいだと笑われてしまうかしらとヴァルダは思う。
(「ああ、でも。でも!」)
 リィンも同じように楽しそうで。
「おそろいね、楽しいわ」
 そう零し、笑み向ける。なんだか、ヴァルダのその心に近づけたようでリィンも嬉しいのだ。
 隠すことなどできはしない。
 ヴァルダの心は跳ねる。胸を満たす、このよろこびは自分のものだけれども、自分だけのものではない。リィンも、その胸に一杯の気持ちを抱えて。
(「本当に、本当に」)
 出逢えてよかったと、ヴァルダの笑みをその瞳に映して、リィンは思う。
 こうして一緒に過ごせる時間は――輝けるもの。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メール・ラメール
フラムくん(f14545)とビーチバレー!

夏だ!海だ!水着だー!楽しみね!
サーブがすごいというか、フラムくんの背を超えられる気がしない…
でも受けて立とう、メルちゃんが勝つよ

えっ、UC使っちゃダメ?
増えようかと思ってたの、見透かされてる?
…………ちぇっ(小声)

アタックしようとしたボールが攫われて
砂浜トラップ厄介ね!今の絶対アタシの得点だったのに!
……って、ちょっと待って知らない勝負が始まってるんだけど!?
しかもフラムくん泳げないの!?溺れない?!

フラムくんが溺れたらある意味勝てるのではとか思ったけど
アタシは優しいからボールを取りに行ってあげるのです
回収したらフラムくんの頭の上に落としちゃお、えい


フラム・フレイ
メール(f05874)

準備は出来ましたか?
僕のサーブはとっても凄いので、メールが倒れても知りませんよ。
スイカのビーチボールで二人ビーチバレーをしましょう。

二人でも悲しくない。
楽しい楽しいビーチバレーです。
ま、僕が勝つんですけどね。
(ビーチボールを構える)

砂浜のトラップも何のそのです。
砂に足を取られても何のそのです。
分かっているとは思いますが、UCの使用は禁止ですよ。
当たり前です。これは勝負ですから。

ちなみに僕は、ビーチバレーがとっても苦手です。
スイカのボールが海に入ることも、あらぬ方向に飛ぶこともあるでしょう。

ボールが海に入りましたよ!
どちらが先に取れるか勝負です!
ちなみに僕は泳げません。



「夏だ! 海だ! 水着だー! 楽しみね!」
 メール・ラメール(砂糖と香辛料・f05874)は浜辺でくるりと回ってフラム・フレイ(黒煙・f14545)へと笑いかけた。
 その手でスイカのビーチボールをくるくる遊ばせながら、フラムはふと笑って。
「準備は出来ましたか? 僕のサーブはとっても凄いので、メールが倒れても知りませんよ」
「サーブがすごいというか、フラムくんの背を超えられる気がしない……」
 でも受けて立とう、とメールは腰に手を置いて胸を張る。
「メルちゃんが勝つよ」
 その言葉にフラムは。
「スイカのビーチボールで二人ビーチバレーをしましょう」
 くるくる、ボールを手の内で回して。
「二人でも悲しくない。楽しい楽しいビーチバレーです」
 そのボールをぴたっと止め、ボールを構えた。
「ま、僕が勝つんですけどね」
 ぽーんとボールを跳ね上げて二人ビーチバレーはスタート。
 砂浜は水柱が突然あがるいたずら仕様。そして砂はもちろん、思うように動かせてはくれない。
 砂浜のトラップも、砂に足を取られてもなんのその――フラムはそうそう、と言葉向ける。
「分かっているとは思いますが、UCの使用は禁止ですよ」
「えっ」
 UC使っちゃダメ? とメールは瞬く。それにはいい笑顔ではいと頷き一つ。
「当たり前です。これは勝負ですから」
 メールは――増えようかと思ってたの、見透かされてる? と思い。
「…………ちぇっ」
 小声で零したそれはフラムにも聞こえぬまま。
 ゆるーくあがったボールは打ち時とメールは駆けたのだが、砂浜から突然現れた水柱が、ボールを攫って弾いて思わぬ方向へ。
「わ!」
 そのボールをどうにか拾って返すメール。
「砂浜トラップ厄介ね! 今の絶対アタシの得点だったのに!」
 ゆるっとあがったボールの正面にフラムは入る。
「ちなみに僕は、ビーチバレーがとっても苦手です」
 それを受けようとした前にフラムは砂に足取られて態勢崩して、それでもボールは手にあたり高くあがったのだが。
「スイカのボールが海に入ることも、あらぬ方向に飛ぶこともあるでしょう」
 方向はメールの方ではなくちょっとはずれていて。
 その上、砂浜トラップでボールは水柱に攫われ高く放り出されて海の方へ。
 それを目で追う二人。
 ぱしゃんと音立てて、ビーチボールは海面の上でゆらゆら。
「ボールが海に入りましたよ! どちらが先に取れるか勝負です!」
「……って、ちょっと待って知らない勝負が始まってるんだけど!?」
 そう言って海へと走り始めたフラム。
 あっ、先に行かれる! とメールは思ったのだがぱしゃぱしゃ、一歩、二歩と波際進んだところでフラムはぴたっと止まる。
「ちなみに僕は泳げません」
「しかもフラムくん泳げないの!? 溺れない?!」
 もー! と言いながらメールは海で。
 フラムくんが溺れたらある意味勝てるのではとか思ったけど――と、ビーチボールを捕まえて。
「アタシは優しいからボールを取りに行ってあげるのです」
 そんなに深くない場所でメールはビーチボールを捕まえた。
 そして浜辺へもどると――えい、と掛け声一つと共にボールを投げる。
 くるくる、スイカはゆっくりまわってぽてっとフラムの頭の上へ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

佐那・千之助
夜が明けるすこし前
まだ昏い海へ
僅かに逸る心を鎮めるのに、冷たい水は丁度いい

境界まで泳いで
空気の泡をこわさないよう海の中から
可能なら、泡の外へ
光も音も重力も置き去りに
天地も解らぬ闇夜の世界にひとり漂う

夜に陽が触れ、闇が薄らぎ
やわらかなひかりが、そっとはいってくる

いつか故郷の空に夜明けの陽を…と
抱きつづけた幼い希み
叶うのならばそのときは
皆が光のはやさにおびえないよう
こんな風にやさしい夜明けだといい

朝は何度も繰り返すのにいつまでも新しい
誰のものでもない宝
憧憬が募り、愛おしさが満ち
眸からこぼれた熱を海にとかして

息の続く限り…できればひとに見せられる顔になるまで此処で
朝のいろに、夜明けのゆめに、揺られて



 夜が明けるすこし前――波の引いては返す音に佐那・千之助(火輪・f00454)は耳を傾けながらまだ昏い海へと足を運ぶ。
 冷たい、その海の水。
 僅かに逸る心を鎮めるのに、冷たい水は丁度いいと進んでいくのだ。
 海を進んで――そこは境界
 この島を包む泡と海の境。せめぎ合うようにその場所は海水と泡がまじりあって、互いを認めて、拒絶して砕けて、散っていくのだ。
 ここはきっと一番海に近くて、遠い場所なのだろう。
 手を伸ばせば、すぐ海へと手が届くのだけれども。
 だから、泡の外へ息止めて出れば、光も音も――重力も置き去りで。
 天地も解らぬ闇夜の世界にひとり漂うだけ。
 けれどそれも朝の訪れで光を得る。
 夜に陽が触れ、闇が薄らぎ。
 己の髪色も色づいていくような――やわらかなひかりが、そっとはいってくる。
 千之助は胸中で零すのだ。
 ああ、このひかりを、と。
 いつか故郷の空に夜明けの陽を……と、抱きつづけた幼い希み。
 それが叶うのならばそのときは――皆が光のはやさにおびえないよう。
 こんな風にやさしい夜明けだといい、と瞳細め口端には笑みが彩られる。
 やわらかなそれで天地も定まる。足元に海底の島を持って、千之助は夜明けを迎えていく。
 朝は何度も繰り返すのにいつまでも新しい。
 誰のものでもない宝だと、思うのだ。
 その心へと、憧憬が募り、愛おしさが満ちる。
 それは――眸からこぼれた熱となって表れて、そして、それは海にとかされて。
 見入ってしまう、そのすべてに。
 千之助は僅かに口の端から吐息零れたけれどもう少し、と思う。
 できれば、ひとに見せられる顔になるまで此処で――と。
 朝のいろに、夜明けのゆめに、揺られて。
 はじまりのいろをこの島で一番に受けるのを、もう少し。

大成功 🔵​🔵​🔵​

砂羽風・きよ
【榊】
おーす、嵐吾
俺が3人まとめて教えてやるぜ!(調子乗る)
嵐吾も雅も普通に覚えたらめっちゃ強そうだな…

何言ってんだよ綾華!
俺と綾華のコンビも雅と嵐吾に負けないくらいいいコンビだろ?
おう、そーしようぜ
雅と嵐吾ともコンビ(?)組みたいしな

おいおい、取り合えずってなんだよ!取り合えずって!

(教えつつ)
や、やべーやべー!2人の笑顔がめっちゃこえー!
雅、嵐吾!後で酒呑もうなー、なー?(何故か宥める)

ぎゃっ
さ、殺人アタック…!

俺はペットかよっ
綾華のトスをスパイクして
アタッーク!

お、え、あ…?!?!(きよしは混乱した)
いてーいてー!俺は砂浜じゃねぇ!つーかこれ技じゃねー!

うおっ
わざとか?!わざとなのか?!


浮世・綾華
【榊】

あ、いたいた嵐吾さん!
きよしがバレー教えてくれるんですって
清史郎さんと嵐吾さんはやったことあります?
嵐吾さんはもしかして…免許皆伝……

いつも息がぴったり(?)なふたりのチームプレイ…
みてみたいと思いつつも、うーん
あ、じゃあじゅんぐり交代でチーム組みましょう
とりあえず、俺はきよしでいーや

清史郎さん、嵐吾さん
叩きのめすのはどうかきよしだけに…(こそ
後で美味しいかき氷奢るんで!(賄賂

よし、きよし、いけ!
ボールをぽーんとあげる
お、俺なかなかうまいじゃん

尻尾あり!?
清史郎さんの球が飛んで来たらひょいと避け
うおー、こわこわ

あ、みすった――
ときよしの顔面にアタック(裏切り

悪気はなかったんだ、許せ


筧・清史郎
【榊】

らんらん、びーちばれーだ(微笑み
きよきよが教えてくれるそうだ
俺は初めてなので、楽しみだな
らんらんは免許皆伝なのか?それは頼もしい

(ルール聞き
地につかぬよう心掛けつつ、ボールで敵を打ちのめせば良いか(微笑み
ああ、皆と順に組もう

ではらんらん、共に参ろう
かき氷に酒か、ますますやる気になるな(微笑み
さすがは綾華、巧みな球運び
おお、らんらんのふわもこ尻尾は万能だな
俺も遅れを取るわけにはいかない(きり
全力で打ち込もう(雅やかに殺人アタック!
ほう、さすがきよきよ、顔面で受ける技とはな

ん?きよしは砂浜なのか…?
裏切りもあるとは奥が深い
けれど、砂浜ならば全力で打ち込んでも大丈夫だな(謎理論で微笑みアタック



 まさに、ビーチバレー日和。ということで早速やらねばなるまいよ、と浜に繰り出した。
「おーす、嵐吾」
「あ、いたいた嵐吾さん!」
 嵐吾の姿を見つけ、砂羽風・きよ(札付きのきよし・f21482)は軽く手をあげ、浮世・綾華(千日紅・f01194)は嬉しそうに笑う。
「三人そろって。これは……よしやるか」
「あっ、状況把握が早い。さすが嵐吾さん」
「らんらん、びーちばれーだ」
 その通りだと筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)はいつもの――いつもよりわくわくの微笑みだ。わくわく。
「えっ、嵐吾なんでわかるんだよ」
「いや、手にビーチボールもっとるしわからん方がおかしいじゃろ」
 なるほど確かに、ときよは思う。その手でくるくる、ビーチビール遊ばせていたらもうやることはひとつ。
 ところでこのメンツ、ビーチバレーを理解してるかといえば。
「きよきよが教えてくれるそうだ」
「きよしがバレー教えてくれるんですって」
 綾華と清史郎、二人の声が重なる。
「清史郎さんと嵐吾さんはやったことあります?」
「俺は初めてなので、楽しみだな」
「それを聞くのは野暮じゃろ……」
 ふ、と笑みたたえた嵐吾。その表情はどこかで見た覚えが――と、綾華ははっとする。
「嵐吾さんはもしかして……免許皆伝……」
「らんらんは免許皆伝なのか? それは頼もしい」
 その答えは、尻尾をゆうらりと揺らして。さてどっちじゃろうなぁなどとぼかしてみせる。相手に情報を与えてはならぬ、すでに勝負は始まっておるのじゃからとでも言いたげな。
 嵐吾、間違いなく初心者だ。それをお察ししたきよは。
「俺が3人まとめて教えてやるぜ!」
 任せろとどんと胸はるのだ。胸張ってから――思う。
「嵐吾も雅も普通に覚えたらめっちゃ強そうだな……」
 これは敵に塩を送る――けれど、ルールがなどがわからなければそれはそれで何か起こりそうでもある。そう思いがら簡単ビーチボール教室。
 清史郎はなるほど、わかったと頷く。
「地につかぬよう心掛けつつ、ボールで敵を打ちのめせば良いか」
 きらきら雅やか~~~な笑顔を浮かべた清史郎。
「あっ、その微笑みは……」
 きっと誰か浜に沈む、と嵐吾はすでに心の内で合掌。それわしかきよ君では? と思ったり思わなかったり。
 そしてチーム決めは大事である。ここで組む相手により勝敗が決する――かもしれない!
「いつも息がぴったり(?)なふたりのチームプレイ……みてみたいと思いつつも、うーん」
 きよしと俺? え? みたいな顔を向ける綾華。
「何言ってんだよ綾華! 俺と綾華のコンビも雅と嵐吾に負けないくらいいいコンビだろ?」
 コンビ? みたいな以下略。
「誰と組んでも楽しいじゃろし」
 まだ時間はある。一度で終わる勝負でもないだろう。そういうと綾華はぱっと顔向けて。
「あ、じゃあじゅんぐり交代でチーム組みましょう」
「おう、そーしようぜ」
 雅と嵐吾ともコンビ(?)組みたいしなと、にかっと笑ってきよは言う。
「ああ、皆と順に組もう」
 清史郎も頷いて、順番に組むことに異論はなく。最初の組み分けは。
「とりあえず、俺はきよしでいーや」
「おいおい、取り合えずってなんだよ! 取り合えずって!」
 チーム決めも終われば実践交えてのきよの続・ビーチバレー教室もしつつ。
 さぁやるぞー! とビーチに走り出すきよ。
「清史郎さん、嵐吾さん」
 その間にこそっと。
「叩きのめすのはどうかきよしだけに……後で美味しいかき氷奢るんで!」
「わしはいちごかの~」
「らんらんはいちごか……俺は何にしよう」
「決めといてくださいね!」
 という賄賂の下――ビーチボールがぽーんと跳ね上がる。
「ではらんらん、共に参ろう」
「おう、ではせーちゃんかるーく」
 かるーくジャンプして――打ち下ろす。
 何かすごい音がした。そのまま砂の中に埋もれている様を見てきよはごくりと息をのむ。
 本当にビーチボール叩いた?
「おー! せーちゃんさすがー!」
「なんとなくわかった、らんらん。次はトスをしてみよう」
 ものすごーく楽しそうに笑いあって。でもやばい音してた。
「次はきよくんがとれぬやつを打ってみよう!」
「そうだな、きよきよに教えてもらったことを見せよう」
 などと言い始め。楽しみにしていてくれ、などと微笑み(雅)向けられる。
(「や、やべーやべー! 2人の笑顔がめっちゃこえー!」)
 やばい。これはやばい、なんかそんな気がした。
「雅、嵐吾! 後で酒呑もうなー、なー?」
 身を守るために、ちょっと意識をそらす――そう、楽しいことを提案して宥めておこう。
「きよしのおごり? やったー」
「なっ、おごりじゃねーよ!」
 と、後ろから綾華の追撃。誘いにはもちろんと清史郎も嵐吾も頷く。
 きよのおごりか、きよくんふとっぱら~と聞こえてくる。
「かき氷に酒か、ますますやる気になるな」
 友の微笑みにそじゃねと嵐吾は笑って尻尾を躍らせる。
 慣れてきたら――いざ、勝負。最初はゆるーく高く上げて様子見。
「そーれ!」
 嵐吾が高く返球して――と思いきや、突如あがった水柱がボールを攫って綾華ときよの方へ。
 ふよふよ、不規則に動くそのボールを綾華は受けうっかり相手の方へ。
「あ、間違えた」
「おい綾華! 俺にだろ!」
 いや本当にうっかり間違えただけ。多分きっと、と言いながらくるぞきよし! と声かける綾華。きよしじゃねーきよだ! と今日ずっと言おうと思っていた言葉がここで出る。
 そして清史郎と嵐吾にはチャンス。
「さすがは綾華、巧みな球運び」
「なんの、狐尻尾浜排球部免許皆伝のわしも上手じゃよ!」
 尻尾がの! とふわもこ尻尾でボールを優しくふわっと上へ。
「尻尾あり!?」
「ありじゃろ! せーちゃん!」
「おお、らんらんのふわもこ尻尾は万能だな――俺も遅れを取るわけにはいかない」
 きり、と表情を引き締めて、雅やかに華麗に美しく強く、清史郎は砂を蹴った。
「全力で打ち込もう」
 あっ、これ正面から受けたら――と本能が働いたか。受けようとしたきよは清史郎の一打を避けた。
「ぎゃっ。さ、殺人アタック……!」
 浜にめり込み、ふわりと砂が舞い上がる――だめだこれくらったらしぬ。
 ビーチボールのはずがおかしいな?
「うおー、こわこわ。ボール返しまーす」
 なんて思ってる間にサーブは清史郎と嵐吾の方へ。綾華は砂にめりこんだボールを投げ渡す。
 そーいと入ったサーブ。
「よし、きよし、いけ!」
 声かけて、ボールをぽーんとあげて。
「俺はペットかよっ」
「お、俺なかなかうまいじゃん」
 上手にきよの頭上へ。
 跳躍も、角度も、すべてのタイミングばっちり――きよはボールに飛びついて、その手を振り下ろす。
「アタッーク!」
 しかし、そのアタックはふたたび現れた水柱がレシーブして戻ってくる。
 ふわっと上がったボールは打ち頃といったところ。
 そに合わせてジャンプしたのは綾華だ。
「よし! 綾華! いけ!」
 くるりと振り向いたきよ。その表情が目に入った瞬間。
「あ、みすった――」
 綾華の手が振り下ろされる。きよのいる方へ。
「お、え、あ……?!?!」
 振り向いているのが悪かった。当たり所もとてもよかった。
 えっ、いま綾華がアタック、あれなんで目の前にボールが、なんて思考は一瞬。
 綾華は味方――いや、敵?

 きよしは混乱した!!

 そしてそのまま、崩れるように砂浜に抱擁される。
「わ、きよ君顔面から……」
「ほう、さすがきよきよ、顔面で受ける技とはな」
 関心する清史郎。あれは俺もできるだろうか、なんて言い始めてやめといた方がええと思うけどやりたいならやってええよ~と嵐吾が言う。
 そして砂浜からきよはばっと顔を上げて。
「いてーいてー! 俺は砂浜じゃねぇ! つーかこれ技じゃねー!」
「悪気はなかったんだ、許せ」
 と、へらりと笑って綾華は言う。
 悪気はない。自然と体が――ということにしておく裏切り。
「ん? きよしは砂浜なのか……?」
「砂浜と一体にはなっとったけど、砂浜ではないの」
 しかしあや君、味方への裏切りも楽しそうじゃなぁと嵐吾が言う。
 裏切り――その響きに清史郎は、それはビーチバレーの作法なのかと理解した。
「奥が深い……けれど、砂浜ならば全力で打ち込んでも大丈夫だな」
 次は外さないと、しゅっ! しゅっ!――空を切る素振りの音が響く。それ絶対あたると痛いやつ。
 試合続行、とゆるっと上がったはずのボールが激しく落ちてくる。
「うおっ、わざとか?! わざとなのか?!」
 きよの周りに。
 綾華ときよ、清史郎と嵐吾――2対2の戦いのはずなのだがなんかこれ1対3――いやいや気のせいと思いながらきよは早くチーム替えしようぜ! とちょっとだけ思うのだった。
 チーム替えしても運命はきっと変わらないのだろうが。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フェレス・エルラーブンダ
【荒屋】
るいとリヒトと浜辺でばべきゅ
そとでものをたべる、でも野宿とはちがう
みんなで囲んで、たのしいになるらしい

にく、さかな、たくさんたべたい
やさいのにがいのはすこしにがて
とうもころしはすき

海に馴染みがなくて、物珍しげに貝を見詰め
勝手に口が開く姿に尾っぽを膨らませ

……たべる!

ふたりもたくさんたべろ
おおきいはつよいからな
たくさんたべて、もっとつよいねこになる

宙を泳ぐさかなを仰ぐ
一匹くらいおちてこないかと見つめたら
『ながれぼし』がみえるかもしれない
るいとリヒトにおしえたら、よろこぶだろうか

焼けたばかりの肉に齧り付く
舌がびっくりして火傷しそう
でも、それは泥の底で啜ったものより
ずっと胸を満たすものだった


冴島・類
【荒屋】

リヒト君の言葉に頷く
本体は海水には気をつけようね
浜辺でばーべきゅー、なら大丈夫かな

ああ、良い匂いだ
僕も好き嫌いはないなぁ…苦いのもいけるよ
折角だし魚か貝食べたいねえ
フェレスちゃんも、野菜全部駄目じゃないなら良かった
お肉と野菜の串沢山あるよ

二枚貝を並べて焼こうかな
ご覧、口が開くよと見せて
調味料たらし
リヒト君からのお魚に、舌鼓うち
こっちもどうぞ、美味しいよ?
興味津々なフェレスちゃんにも

うん、健康に育つには沢山もだし
偏らず!が大事だね

見上げた魚達の煌めく鱗は
成る程、凄い景色
流れ星とはうまいこと言うねえ
流れてきたら…愉快な食卓に乗せてしまおうか

願いを重ねてる横で
あ、後で魚最中も食べてみるかい?


リヒト・レーゼル
【荒屋】

海、あまり近づくと、錆びる。
店主が、言ってた。
浜辺で、バーベキュー。良い匂いが、するね。

野菜も、肉も、魚も、何でも食べるよ。
フェレスは、苦いものが、苦手かな?
苦いのは、俺が食べるよ。
類は、食べれる?

最初に、魚を焼いてみる。
こんがりとして、美味しそう。
焼きすぎないように、気を付けて、それから食べるよ。
……フェレス、食べないの?
魚、おいしいよ。
類も、魚あげる。

野菜も、肉も、一緒に食べなきゃ
店主に、怒られちゃうや。
苦いのも、美味しいよ。

流れ星?
一緒に、仰いで、魚を見る。
すごいね。落ちてきたら、焼いて、食べよう。

お願いしたら、落ちてくるかな。
魚が、落ちて、来ますように……。



 海底――けれどここは泡に包まれた島。
 水にぬれることはなく、地上と同じように浜辺が広がっている。
 違うことと言えば、頭上は海水揺らぐ空だということくらいだろう。
 それを見上げてフェレス・エルラーブンダ(夜目・f00338)はぱちぱち瞬く。
「海、あまり近づくと、錆びる」
 店主が、言ってたと、リヒト・レーゼル(まちあかり・f01903)は紡ぐ。
 だからあの寄せては返す波は、ちょっと気になるけれど距離取って。
「うん、本体は海水には気をつけようね」
 リヒトへと冴島・類(公孫樹・f13398)は頷く。
「浜辺でばーべきゅー、なら大丈夫かな」
 空から海水が降ってくる、なんてこともなさそうだ。
 浜辺で美味しい時間を過ごすのは、夏の醍醐味でもあるからと。
「浜辺で、バーベキュー。良い匂いが、するね」
 リヒトも、賑わいへと視線向ける。皆好きなものを選んで、焼いて楽しく食べているようだ。
 こんな場所もあるのだなと――そして鼻をくすぐり始める、いい匂い。
 ゆらり、尻尾が揺れたのは、ひとりじゃないからもある。
 るいとリヒトと浜辺でばべきゅ、と嬉しくて。
(「そとでものをたべる、でも野宿とはちがう」)
 みんなで囲んで、たのしいになるらしいとフェレスにとって未知の世界。
 類も焼ける音に耳を傾けつつ。
「ああ、良い匂いだ」
 さて、何を焼くか――なんでも好きなものを選び放題だ。
「野菜も、肉も、魚も、何でも食べるよ」
 リヒトは、どれもおいしそうだと視線向ける。
 エビ、カニ、イカ。肉も牛、豚、鶏と色々。野菜も色々だ。
「にく、さかな、たくさんたべたい」
 じゅわじゅわ、美味しそうな音がする。魚介に肉もたくさん並んでいるのだ。
 どれもこれも美味しそう。けれど、焼かれているのはそれだけではない。
「フェレスは、苦いものが、苦手かな?」
 やさいのにがいのはすこしにがて、と小さい声。
 そのみどりのにがいと示したのはピーマン。けれどその隣、黄色いつぶつぶの野菜には尻尾が揺れた。
「とうもころしはすき」
「苦いのは、俺が食べるよ。類は、食べれる?」
「僕も好き嫌いはないなぁ……苦いのもいけるよ」
「フェレスちゃんも、野菜全部駄目じゃないなら良かった」
 リヒト、るい、どうしてもこまったときはたのむ、とフェレスは言う。
 どうしても困ったときはね、とリヒトと類は笑って返して。
「お肉と野菜の串沢山あるよ」
 串を焼きつつ――類の目はあるものに向いていた。
 せっかくだし魚か貝食べたいねえ、と手を伸ばしたのは二枚貝。
 類はそれを網の上へ。
 海には、馴染みがなくて、フェレスは網の上の貝を見詰めていた。
 貝を焼く? と物珍し気――すると閉じられていた口がうっすら開いた。
「ご覧、口が開くよ」
「!!」
 あいた、いきている? うごいたりしないかななんて思っているとゆっくり貝が開いていって、それと同じ速度で尾がぶわわと膨らんでいく。
 そしてそこへ調味料たらせば――良い香り。
 けれど貝はもう少し待った方がよさそうだ。
 そしてリヒトは、最初に魚を。
 串にささった魚は、ひれと尾に塩がたっぷり振りかけられて。
 じゅわじゅわ、その皮目から焼いていけばよい塩梅。
「こんがりとして、美味しそう」
 焼き過ぎないように、気を付けて。じぃ、とリヒトの瞳は魚の食べごろを見定める。
 と、隣でじぃとフェレスも貝を見詰めていて。
「……フェレス、食べないの?」
「……たべる!」
 魚、おいしいよとリヒトは焼けた食べごろ魚を差し出す。
「類も、魚あげる」
 ほくほくの身、川はぱりっと焼けていて香ばしい。そして塩池も絶秒で美味しいと類も舌鼓うてばそろそろ貝も食べごろ。
 興味津々のフェレスにもお裾分け。
「こっちもどうぞ、美味しいよ?」
 貝も焼き立てで美味しい。かぱっと開いた貝から食べるのもまた楽しいのだ。
「ふたりもたくさんたべろ」
 おおきいはつよいからな、と嬉しそうにフェレスはぱくぱく。
 お皿の上に置いたものは次々と消えていく。
「たくさんたべて、もっとつよいねこになる」
 ふんす、とお皿掲げてフェレスはおかわり。
「野菜も、肉も、一緒に食べなきゃ」
 リヒトも、店主に、怒られちゃうやと一緒に色々食べていく。
「うん、健康に育つには沢山もだし。偏らず! が大事だね」
 と、野菜も一緒に。
「苦いのも、美味しいよ」
 その言葉に、苦手な野菜と出会ったフェレスはちょっとうなって、でもぱくり。
 不思議なことに――外で、皆と一緒に食べればにがい野菜も気にならなくて。むしろ美味しい気もする。
 ふと――フェレスの視線は上へ。
 きらきら、輝くものが見えたからだ。
 なんのかがやきだろう、と見たものは天上の海を泳ぐ魚が月の光を受けて煌めいたから。
 宙を泳ぐさかな――一匹くらいおちてこないかな、とフェレスは尻尾を揺らめかす。
 すいすい、泳ぐ様は星がきらきら輝いているようで――『ながれぼし』がみえるかもしれない。
(「るいとリヒトにおしえたら、よろこぶだろうか」)
 もし流れたら、教えようとフェレスは仰ぎ見て、わくわくそわそわと尻尾を揺らしていた。
 揺らしながら、焼けたばかりの肉にフェレスは噛り付く。
 尾がぴん! となったのは熱くて舌がびっくりしたから。舌をやけどしたかも、と思うけれど――でも、かまわない。
 泥の底で啜ったものより、ずっと胸を満たすものだったから。

 その様子を類とリヒトは見詰め、互いに視線合わせて小さく笑いあう。
 そして視線も上へ。
「成る程、凄い景色」
 もうひとくち、と肉を食べながらフェレスがふと見上げたら。
「あっ、るい、リヒト! ながれぼし!」
 慌ててフェレスが指さした先。すいっと一筋、煌めく魚が泳いでいく。
「流れ星?」
 リヒトもその声に一緒に仰いで魚を見詰め。
「流れ星とはうまいこと言うねえ」
「すごいね。落ちてきたら、焼いて、食べよう」
 流れてきたら……愉快な食卓に乗せてしまおうかと類は笑う。
 この頭上の空から、いつ落ちてきてもおかしくないねと類は言う。
 ながれぼし、食べるのか!? なんてフェレスは驚いて。
「あ、もうひとつ」
「お願いしたら、落ちてくるかな。魚が、落ちて、来ますように……」
 頭上を流れていく煌めきを見つけて、願いを重ねる。
 落ちてくるのは、難しいかもしれない。願いを駆けるその横で、類は並ぶ店の一つに気づいた。
 流れ星の魚は難しそうだけれど、魚の形した美味しいものはあると。
 しかも星の形も選べそうだと小さく笑って。
「あ、後で魚最中も食べてみるかい?」
「もなか?」
 そう、と類は示す。色とりどりの最中は、魚に星や貝殻、いろんな形。
 その中にひえひえの好きなアイスクリームを詰めてくれるようなのだ。
 願いの終わりに告げれば、フェレスは瞳輝かせ、そしてリヒトも食べると頷く。
 それはデザート。最後の――お楽しみ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

千波・せら
亮(f26138)

亮と一緒に海柱を目指そう!
潜って行くみたいだよ。潜れる?

ね、ほら、イルカよりも速く!サメよりも力強く!
こうやって水を蹴って向かうんだよ
そうしたら潜って海柱へ行こう!
笑い声をあげて亮を柱まで連れて行くよ

わぁ、キレイ……。
色んな魚が一杯いるね。ここが海柱の中……。
こんなに間近で魚を見たのは初めて
ここから落ちて行く魚もすごくキレイ

あ!あの子!亮、みてみて危ない……!
……ここから落ちちゃった!
海柱から飛び出した魚の鱗が太陽の光を反射して
なんだか少し、眩しくなっちゃった

亮、眩しいね。夏の海はこんなにも眩しい!
けどね、けどね、うん!
私はとっても楽しいよ!
亮も楽しんでくれたなら嬉しいな


天音・亮
せら(f20106)

私も25Mプールはちゃんと周回できる程度には泳げるよ!
と言って伝わるかどうかはわからないけど
大丈夫という意味でもってピースサインをきみに見せる

はりきってせらについていく…
えっと、うん、あの、ごめんなさい
イルカとサメに張り合って泳ぐのはやっぱりむり~~~!!

大人しくきみの手に掴まって海柱を上がっていこう
出来る限りの力で波を蹴って泳いでいけば
カラフルな魚達が取り囲む海は別世界のようで
指差した先
飛び出した魚を目で追って運ばれた太陽の光がきらきらと眩しくて
きみと目を合わせて向けた笑顔で楽しいという気持ちが伝わればいい

海面から顔を出した空の下
心からの声で答えよう
せら、楽しいね!最高!



 浜からそれはすぐに見つけることができた。
 海と、海の空を繋ぐ海柱――それに千波・せら(Clione・f20106)は瞳輝かせる。
 そして天音・亮(手をのばそう・f26138)も。
「潜って行くみたいだよ。潜れる?」
 と、せらが尋ねると、返ってきたのは。
「私も25Mプールはちゃんと周回できる程度には泳げるよ!」
 それはせらがわかるかどうかは、だけれどその笑顔と大丈夫のピースサインも一緒に返せば問題なし。
 ふたりではしゃぎながら、はりきって海の中へ。
 海はせらにとってとても近い場所だ。
「ね、ほら、イルカよりも速く! サメよりも力強く!」
 こうやって水を蹴って向かうんだよとせらはすすいとやってみせる。
 亮もはりきってせらについて――いってたのだけれども。
「えっと、うん、あの、ごめんなさい」
 亮ははふ、と一息ついて。
「イルカとサメに張り合って泳ぐのはやっぱりむり~~~!!」
 せらは笑って、じゃあと手を差し伸べる。
 連れて行ってあげる! と。
 その言葉にせらはよろしく! と手を繋いで。
 せらにひっぱられて進む海の流れは速い。これがせらのみている世界なんだと亮は瞬く。
 そして、海柱の前に来たならば――互いの瞳を合わせて一緒に海柱へ。
 潜って、そして海柱を昇っていく。
 亮も出来る限りの力で波を蹴って泳いで――くるりくるり、目の前を泳ぐ魚たちの色はカラフル。
 亮とせらを取り囲んで、魚たちがあいさつしてくるようだ。
(「わぁ、キレイ……」)
 せらはくるりと、上手に海柱の中を回って。
 こんなに間近で魚を見たのは初めてと瞳瞬かせる。
 あ! あの子! とせらは手を引いて。
 亮、みてみて危ない……! 促した先、勢いあまってなのかそれとも自分からなのか――海柱を飛び出していく魚たち。
 そうすると光をきらきら、きれいにその鱗で反射して魚たちは輝くのだ。
 その様もまた、キレイとせらは思う。
 そして亮が指差した先、つぎつぎと魚たちが飛び出していく。
 ここから落ちちゃった! とせらは瞬く。
 けれどきらきらと輝いて――
 二人顔見合わせて、ふたりでその魚たちの真似。
 意を決して海柱から飛び出せば飛沫も一緒にきらきら輝いて。
 短い悲鳴もちょっとあがってしまったけれど楽しいのだ。
「なんだか少し、眩しくなっちゃった」
 大きな音と一緒にダイブして、海面から顔だして二人で一緒に笑いあう。
「亮、眩しいね。夏の海はこんなにも眩しい!」
 ぱしゃんと水を弾けさせてせらはきらきら、心の底から笑う。
「けどね、けどね、うん!」
 私はとっても楽しいよ!
 そう言って向ける笑みの先で、亮もきらきらの笑顔で答える。
「せら、楽しいね! 最高!」
 心からの声を亮も紡ぐ。
 夏の海は青くて――そして色鮮やかだ。
 もう一回海柱にいく? と笑いあう。まだこの時間は始まったばかりだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

宵鍔・千鶴
菫(f14101)と

海柱で出逢った魚達と夢中で追いかけっこした噺は尽きず
魚型の最中あいすをじいっと見つめて
はっ……つめたいたい焼きだ……(わくわく)
菫はこの貝殻あいすなんてどう?
半分こは当たり前で
美味しいと幸せは共に

巻貝テントのふわふわクッションに包まれるまま甘いあいすを頬張って
きみのこと、俺のこと
想い出を反芻して沢山語らおう
ゆるやかな刻流れ
昼間の心地よい疲れと余韻が夢の世界へ誘い
甘えたなきみの手を重ねて
温もりは何処か懐かしくて
すやりと寝息は何方が先だったか
微睡んでゆく意識の中で
彼女の髪を撫ぜて
一一菫、おやすみ。良い夢を

朝目覚めたなら
一番にきみのおはよう、を聴かせて
ささやかだけど、大切な時間を


君影・菫
ちぃ(f00683)といっしょ!

うたかたの島
昼遊んだ海柱で魚との追いかけっこ楽しかったなんて話しながら
魚の形をした最中とアイスを指差して
ちぃの好きなたい焼き、冷たいの食べれるんやない?
じゃあうちは貝殻にするなあ
半分こしよ?ってそろり覗いて
しあわせは一緒がええの

秘密基地の巻貝テントでふたり
ふわふわクッションに包まれながら
アイスのしあわせ味を頬張って
ごろごろと寛いでは
うちのこと、キミのこと
ふたりの想い出
いろんなこと話そ
ゆうるりと眠とうなるまで
手え繋いでって子供みたいに指先伸ばして
あたたかいぬくもりに
うとうと
おやすみは云えたかどうか

でもなあ
朝は一番におはようって言いたいんよ
それからちぃってキミの音も



 宵鍔・千鶴(nyx・f00683)と君影・菫(ゆびさき・f14101)、昼間遊んだ海、海柱の中で魚との追いかけっこをした話が、二人の間で絶えることはない。
 そんな夕方の海辺にはいろんな店も並んでいる。
 その中で菫はひとつ、素敵な店を見つけて指をさす。
「ちぃの好きなたい焼き、冷たいの食べれるんやない?」
「はっ……つめたいたい焼きだ……」
 それは魚の形をした最中。中は冷たい、アイスクリーム。
 じい、と千鶴はそれを見詰めてわくわくと心躍らせる。
「菫はこの貝殻あいすなんてどう?」
 そして菫の分を選ぶのも、当たり前のこと。
「じゃあうちは貝殻にするなあ」
 半分こしよ? とそろり覗く。半分こは当たり前だ。
 けれど、魚のもなかも貝殻のもなかも、カラフルな色でどれにしようか迷うところ。
 二人で悩んで、決めて。千鶴は笑って、魚の最中をどう割ろうとちょっとだけ思案。
 しあわせは――一緒がいい。美味しいと幸せは、ともに分かちあいたいもの。
 アイスの最中がとける前に巻貝テントに戻ればほんのり灯りはともされて、ふわふわのクッションに包まれてひとくち。
 あまいと千鶴は笑って、菫も冷たいとしあわせ味を頬張る。
 ごろごろとクッションの心地に甘えるままにくつろぎながら、二人で紡ぐ。
 うちのこと、キミのこと。
 きみのこと、俺のこと。
 二人で紡いだ想いでを反芻して、あの時はと思い出を語って、聞いて。
 笑いあって、色々なことを話していく。
 語らいはゆるやかに、和やかに――それと共に昼間の心地よい疲れがとろとろ、夢の世界へといざなっていく。
 うとうと、視界がぼんやりする中で菫は手を伸ばす。
「手え繋いで」
 指先伸ばせば、甘えたさんと千鶴は笑って手を重ねて。
 互いの指先から伝わるあたたかいぬくもりは心地よく、そして懐かしくもあるような。
 ――おやすみは云えただろうか。
 すやりと吐息が眠りに、微睡みの意識の中で千鶴はひとふさ、菫の髪をなでて。
「――菫、おやすみ。良い夢を」
 おやすみは云えなかったかもしれないけれど、その優しい声に菫は微笑んでいた。
 そして千鶴も、いつの間にか眠りについて――二人の目覚めはやわらかに、海の底へと届く光と共に。
 ぱちぱちいと菫は小さく瞬いて少しずつ意識を覚醒していく。
 そう、海底の島に遊びにきて――となりには。
 ころり、と菫は転がって千鶴の姿を視界へ。千鶴も目覚めの時間でうっすらと瞳開いているところ。
「おはよう」
 朝は一番に、おはようと言いたくて。その一言目を菫は紡ぐ。
 そして、菫だけの――千鶴の音も、一緒に。
「ちぃ」
 その声にくすぐったそうに千鶴は笑う。
 そしておはようと笑い返す。
 これはとてもささやかで――けれど大切な時間。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

姫城・京杜
與儀と目一杯楽しむ!

やっぱり海に来たら泳がないとだろ
な、與儀!(はしゃぎ
この前も言ったけど、俺はバッチリ泳げるぞ
ほら見ろ、この華麗なる泳ぎ!(どや

海中の景色も魚達の色も、綺麗だな…
俺は炎の神だけど、水もすげー好き
俺の炎は神の炎だから水中でも灯せるけど
海と合わされば虹が架かるかな?
魚や海のものに影響ないとこで炎灯してみるけど
でもやっぱり、與儀の水と生む虹が一番綺麗だ

與儀!俺、海柱上がりたい!(手差し出し
…手?與儀が迷子になったら困るだろ、俺は守護者だからな!
おわっ、すげー!イルカになったみたいだったな!(はしゃぐ

目一杯遊んだ後の夕食は、俺が與儀の好きな美味いもん沢山作るぞ!
楽しみにしててくれな!



「やっぱり海に来たら泳がないとだろ」
 な、與儀! と満面の笑顔浮かべたわんこ――もとい姫城・京杜(紅い焔神・f17071)は主たる少年へと向き直る。
「お前は元気だなァ……」
 俺は熱くてへばりそう、と英比良・與儀(ラディカロジカ・f16671)は言って、本当に泳ぐのかよといったところ。
「溺れんなよ~」
「この前も言ったけど、俺はバッチリ泳げるぞ」
 ほら見ろ、と京杜は海へと駆けていく。
「この華麗なる泳ぎ!」
 と、どや! と満面の笑みを剥ける京杜。
 與儀も早く! と大きく手を振る様に仕方ねェなァと海へと歩む。
 海は穏やかなものだ。
 ゆるり、泳ぐのも自由。
「海中の景色も魚達の色も、綺麗だな……」
 水を跳ねさせて、京杜は與儀へと笑いかける。
「俺は炎の神だけど、水もすげー好き」
 水は主のモノだ。だからそれが身近にあるのは嬉しいものだ。
「俺の炎は神の炎だから水中でも灯せるけど、海と合わされば虹が架かるかな?」
 そう言って、京杜は炎を灯す。けれど近くを泳ぐ魚や、海のものに影響のないところで。
 海中で揺蕩う炎は綺麗だ。けれど――虹はかからない。
「海ん中で虹が出るわけねェだろ」
 だよなー、と京杜は少し残念そう。その顔へと、與儀は水をばしゃりとかけて。
「よ、よぎ!?」
「虹作りてェならいつでも作ってやるよ、一緒にな」
 その言葉に京杜は嬉しそうにして。
「でもやっぱり、與儀の水と生む虹が一番綺麗だ」
 空にふわりと炎を浮かべたら、與儀が水を遊ばせて虹を生み出す。
 きらきら輝くそれは絆のものだ。
 と――京杜の目を次にとらえたのは海柱。海から、天の海へと通じるそれ。
「與儀! 俺、海柱上がりたい!」
 行こうぜ! と京杜が差し出した手を見て、與儀はなんでだよというような顔。
「繋ぎたいのかよ、手」
「……手? 與儀が迷子になったら困るだろ、俺は守護者だからな!」
 迷子になるのはお前だろ! と――これ前も言ったかと思いつつ。いつまでも引っ込まない手に自分の手を與儀は重ねた。
 そうしないとずーっと差し出してにこにこと、この従者は待っているだろうから。
 海柱へと向かって――そして上っていく。途中で、空にでて海の中へとダイブ。
 海から顔をだしてふるふると京杜は頭を振って與儀も髪をかき上げて視線があうと。
「おわっ、すげー! イルカになったみたいだったな!」
 はしゃいで、楽しそうな京杜に與儀はそうだなと頷いた。
 それを見て――ならもう一回と京杜は與儀の手を取り引っ張っていく。
 目一杯遊んだら、夕食は俺が與儀の好きな美味いもん沢山作るぞ! と笑う。
「楽しみにしててくれな!」
 ああ、と與儀は笑って返す。
 夏の一時の思い出を、今までもともにいたけれどまたひとつ、増やすために。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アパラ・ルッサタイン
【願里】
今年の水着で

空を見れば水光が煌めく
皆とのお出かけだ
目一杯楽しもう

巻貝テントは此処?可愛い
ふふふそうだね
BBQだよBBQ

デッキで準備
タコと茸のアヒージョ
ホタテや海老の炭火焼き

新鮮だし味付けはシンプルに
…だが里の調味料も気になる
試しても?
ホタテは今が食べ時だ!
配する時はドヤ顔も仕方ないんです
美味しく出来たんで

お腹が苦しければ巻貝テントのベッドや籐の椅子で一休み
コレ休憩、まだ食べるから

遂にお腹一杯
でも甘いモノは別腹だよね?

締めは最中アイス
あたしはヒトデ型の最中に苺味のアイス
皆は?えー美味しそう
ほう、故に小豆は少し海水、塩を入れると美味しく……
あ、適当なの?

お披露目会の後は勿論美味しく頂くよ!


ハーバニー・キーテセラ
【願里】

海底にある島とは面白いですね
海中との境界、どうなってるんでしょうか?

水着姿で興味津々に周囲をぐるり見渡し、浮かれていた自分に気付いて咳払い一つ

BBQをするのでしたねぇ。ええ、BBQ
いそいそとお手伝いへと
ぱちぱちりと火を熾し、皆さんの食材からの香りに生唾ゴクリ、お腹もぐぅ~
こんな美味しそうな物を前に、我慢なんて出来ませんからねぇ
熱々に口をはふはふしながらも、堪能させてもらいますよぅ

メインが済んだらデザートへ
お腹一杯? うふふ~。別腹別腹ぁ

最中は貝殻チョイスに中身はチョコ。中心に真珠ならぬクッキー一欠けら、なんてぇ
皆さんのはどんなのでしょうねぇ
見せ合い、食べ比べも楽しみですよぅ


願祈・廻璃
【願里】の4人で

ダークセイヴァーではお目にかかれない素敵な光景ですね。
巻貝テントもとってもお洒落です!
訪れただけで既に気分が高揚してきているのが分かります。

魚の下準備や取り皿なども用意してあるBBQはありがたいですね。
串を通してある魚や烏賊に、願いの里特製の調味料で味付けです。
きっと海の幸にも合うはず…?

美味し過ぎてつい食べ過ぎてしまいますね。
水着なので注意しないといけません…。
デザートもあるのですか?…わっ、私も食べます!(誘惑に負ける)

最中アイスはマンボウという変わった形の魚を選んでみました。
中身はシンプルなバニラのアイスです。
皆さんのチョイスも素敵ですね。折角なので写真に残しましょうか。


リンカ・コーデリア
【願里】

見渡す限りの碧の世界は不思議そのもの
水着姿で気分は海中散歩
可愛い巻貝テントに到着すれば、素敵なひとときを確信しちゃう

では早速バーベキュー
技師らしい火の扱いや手順への拘りも最初だけ、すぐに美味しければ何でも良いの精神が圧勝

アパラに差し出され美味しく頂き
廻璃の里特製の味も美味しく頂き
この景色の中で皆と一緒のバーベキュー、そりゃ美味しいに決まってる!

その後はデザートタイム
はい、当然別腹です

用意した最中アイスはシンプルな魚型の中にあずき味
とある世界では、地上から海に逃げたあずき味の魚の伝承があるとか無いとか……うん、適当に言った

ハーバニーはアイデアの勝利だね
見せ合って食べ比べ、これぞ至福の時!



 ハーバニー・キーテセラ(時渡りの兎・f00548)は頭上を見上げる。
 海底にある島とは、面白い。
「海中との境界、どうなってるんでしょうか?」
 ハーバニーが見上げた先、泡と海水が溶け合うようにまじりあう。
 それが、空だ。
 そしてこの光景は、願祈・廻璃(願い廻る神秘・f04941)にとっても珍しいもの。
「ダークセイヴァーではお目にかかれない素敵な光景ですね」
 見渡す限りの碧の世界は不思議そのものとリンカ・コーデリア(タイニーガジェッティア・f02459)も楽し気だ。水着姿で気分は海中散歩。
 その髪色と同じ。けれど海のきらめきを宿したパレオをアパラ・ルッサタイン(水灯り・f13386)は翻して。
 空を見れば水光が煌めく。
 皆とのお出かけ、目一杯楽しもうとアパラは笑いかけた。
「巻貝テントは此処? 可愛い」
 くるり、角撒くように曲線を描いたテント。
「巻貝テントもとってもお洒落です!」
 ここに訪れただけで、すでに気分が高揚していると廻璃は笑い、ふふふそうだねとアパラは笑い零す。
「素敵なひとときを確信しちゃう」
 と、リンカもぱっと笑み浮かべた。
 くるり、興味津々でハーバニーは周囲を見渡して、浮かれているのがわかりやすい。けれど、そんな自分に気づいてこほんとひとつ、咳払い。
 巻貝テントの中も気になるけれど、今は準備が大事。
「BBQをするのでしたねぇ。ええ、BBQ」
「BBQだよBBQ」
 ハーバニーは火を熾す。ぱちぱちりと軽快な音が響いていた。
 リンカもそのお手伝い。技師らしく日の扱いはお手の物。そして手順も拘り始める。
 準備を手伝う廻璃は、魚の準備も皿なども用意してあるのはありがたいですと紡ぐ。
 廻璃は串を通してある魚やイカに、願いの里特製の調味料で味付けをしていく。
「きっと海の幸にも合うはず……?」
 それは出来上がっての、お楽しみかもしれない。
 アパラが作り始めたのはタコと茸のアヒージョだ。
 それに、とれたてで新鮮、ホタテや海老の炭火焼き。
 新鮮だし味付けはシンプルに、とアパラは焼いていくのだけれども。
「……だが里の調味料も気になる」
 ちらり、視線を向ける。すると、視線が合う。
 今はお願いチャンス。
「試しても?」
 もちろんと廻璃は頷いてお裾分け。
「ホタテは今が食べ時だ!」
 と、網の上から皿の上へ。
 みんなも、と渡すそれはぱかっと貝が開いている。
 絶対に美味しいとアパラが皆に渡しながらドヤ顔になるのも仕方ない。
 だって良い香りが――鼻をくすぐる。
 それだけでわかるのだ。美味しく出来ていることを。
 焼きあがってくる、その香りに生唾ゴクリと先ほどまで言わせていたハーバニー。
 今度は、お腹がぐぅ~と空腹を訴える。
「こんな美味しそうな物を前に、我慢なんて出来ませんからねぇ」
 もらったばかりのホタテは熱々だ。はふはふしながら、堪能する海の恵みは幸せの味。
 リンカも、美味しければ何でも良いの精神でひとつ、ふたつとぱくりぱくり。
 アパラに差し出され美味しく頂き、廻璃の里特製の味も美味しく頂き。
「この景色の中で皆と一緒のバーベキュー、そりゃ美味しいに決まってる!」
 と、思わず声あげてしまうほど。
「美味し過ぎてつい食べ過ぎてしまいますね」
 けれど水着なので注意しないといけない。
 BBQはどれもこれも美味しくて――少し食べ過ぎてしまったかもしれない。
 そんな時は巻貝テントの中でころんと転がってみたり、籐の椅子でアパラは一休み。
「コレ休憩、まだ食べるから」
 置いといて! と皆に一声。
 けれどなくなっていくのが速そう――戦線復帰もすばやい。
 そして、皆お腹に一杯に――だが甘いモノは。
「別腹だよね?」
 アパラが笑いかければ。
「お腹一杯? うふふ~。別腹別腹ぁ」
 ハーバニーは早速、どれにしようかなタイム。
「はい、当然別腹です」
 リンカも大きく頷いて異を唱えることなんてもちろんない。
「デザートもあるのですか? ……わっ、私も食べます!」
 水着だから食べ過ぎはと廻璃も思っていた。
 さっきまでは。でも誘惑に負けてしまうのは仕方ない。
 締めに用意されていたのは最中アイスだ。
「あたしはヒトデ型の最中に苺味のアイス」
 ヒトデの最中も、色味は何種類かある。そこへ苺のアイスをどーんと。
「皆は?」
 アパラが尋ねると、ハーバニーはふふりと笑い零す。
「貝殻チョイスに中身はチョコ」
 けれどそれだけでは終わらない。ぱかっと最中を開ければ、中心には真珠ならぬクッキー一欠けら。
「ハーバニーはアイデアの勝利だね」
「えー美味しそう」
「見せ合い、食べ比べも楽しみですよぅ」
 皆さんのは、とハーバニーもほかのみんなのもみたい! と一声。
「マンボウという変わった形の魚を選んでみました」
 中身はシンプルなバニラのアイス、と廻璃も見せる。
 皆さんのチョイスも素敵と笑って。
 そしてリンカのは、シンプルな魚型の中にあずき味のアイス。
「とある世界では、地上から海に逃げたあずき味の魚の伝承があるとか無いとか……」
「ほう、故に小豆は少し海水、塩を入れると美味しく……」
「ん、適当に言った」
「あ、適当なの?」
 アパラが信じる雨に、リンカはネタ晴らし。
 廻璃は折角なので写真に残しましょうかと提案する。
 最中のアイスをもって、はしゃぎあって笑いあって。
 最中アイス見せあって、写真をとった後は、皆で一緒にあーんと一口。
 これぞ至福の時。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

杜鬼・クロウ
【春告鳥】
水着は全身参照

リルの今年の水着は一段と気合い入ってンなァ
着るの大変だったろ?(くす
ヨルも水着似合ってるぜ(ヨルの頭撫で

水着褒められ嬉々

今日はリルが俺に海の世界を見せてくれるって言うから楽しみにしてたンだぜ
お前しか辿り着けない処へ
連れていってくれよ(手差し出し

シュノーケリング装着
海中探索
リルの後ろを游ぐ
魚眺めたり海柱で遊ぶ
バブルリングに目爛々

見慣れぬ場所を指で示す
広がる絶景
一等の景色を二人+一羽占め

(…綺麗だ
嗚呼、やはり
お前は凄いぜ、人魚様)

游いだ後は巻貝テントへ
贅沢に海産物を食す
留守番してた夜雀や白春(カクリヨ世界の光る竹から生まれた白蛇)も
賑やかに

コイツらの好物なンだろ…(考案希望


リル・ルリ
【春告鳥】
花魁人魚な水着

はじめての水着なんだ!
ん、着るのむつかしいけど、大丈夫(なんたって一人で着られないし脱げないのだ)
クロウは、カッコイイね!
いいなぁ、とっても良く似合うよ

ふふ!じゃあ、竜宮城に案内するように
水底の世界にご案内しようかな
クロウの手を握り、尾鰭翻し

深く、深く潜る

水面を見上げれば光が射し込んで
あぶくが宝石のように浮かび上がる
魚たちは君が好きみたい?
極彩の宝石のような魚が君と戯れて、海底には珊瑚の杜が咲き誇る
ほら!
尾鰭で器用にバブルリングを作ってみせて

海の中も綺麗だろ?

その後は巻貝のテントの中でごはんだ!
ヨルはたくさんお魚食べてるよ
白春達は何が好き?
色んなの食べたら見つかるかも!



 わぁ、と頭上を見上げるリル・ルリ(『櫻沫の匣舟』・f10762)はくるりと回って見せる。
 その姿に杜鬼・クロウ(風雲児・f04599)は笑み向けて。
「リルの今年の水着は一段と気合い入ってンなァ」
「はじめての水着なんだ!」
 クロウの言葉にリルは嬉しそうに答える。
 はじめての、というのは特別なものなのだろう。それがよくわかる表情で。
「着るの大変だったろ?」
「ん、着るのむつかしいけど、大丈夫」
 くす、と笑い零してクロウは問う。そしてリルは胸張ってこたえるのだ。
 なんたって一人で着られないし脱げない――そんな水着。
「ヨルも水着似合ってるぜ」
 と、クロウはヨルの頭撫でる。
 今年の夏は人魚できめる――すいすいぷくぷく、きゅきゅきゅ! とヨルも嬉しそうにぴちぴち。
「クロウは、カッコイイね!」
 いいなぁ、とっても良く似合うよとリルは言う。
 クロウは、ひらりと布を――それは海の様でもあるし、魚のようでもあるものを翻す。
 しゃらりと飾りを揺らして鳴らして、褒められれば嬉しくありがとなと返すのだ。
「今日はリルが俺に海の世界を見せてくれるって言うから楽しみにしてたンだぜ」
「ふふ! じゃあ、竜宮城に案内するように水底の世界にご案内しようかな」
「お前しか辿り着けない処へ連れていってくれよ」
 クロウは手を差し出す。その手をリルは握り、尾鰭翻して行こう、と海の中へとご案内。
 リルはそのままでも海の中は自由だけれど、クロウはシュノーケリングを装着して海中散策。
 深く、深く潜っていく。
 クロウはリルの後ろを游ぎ、ほらとリルが指差した先へと視線向ける。
 くるり、その身を回転させて水面を見上げれば光が差し込んで、あぶくが宝石のように浮かび上がる。
 すると、魚たちが遊びにやってくる。
「魚たちは君が好きみたい?」
 極彩の宝石のような魚が現れて、クロウをちょんちょんつついて戯れて。
 海底へと向かえば珊瑚の杜が咲き誇る。
 天へと上る海柱を見つけたら、勢いよく、跳ねるように飛び出てまた海へ。
 そして、そうだこれをみせなきゃ! とリルはゆるゆる尾鰭を動かす。
 見てて、とクロウに示して生み出すのは――バブルリング。
 ぽわ、と柔らかに表れたリングに目爛々とクロウは輝かせ。それが消えるまで追いかける。
 海の中も綺麗だろ? とリルは笑うのだ。
 見慣れぬ場所、海の中。
 広がる絶景、この一等の景色を二人――
「きゅきゅ!」
 いや、一羽占めかとクロウは笑う。
(「……綺麗だ。嗚呼、やはり」)
 お前は凄いぜ、人魚様とクロウは瞳細める。
 海の碧、その世界をゆうゆう泳ぐリルを瞳に映して。
 そして海で游いだ後は巻貝テントへ。
 お待ちかねの、ごはんタイム。
 そこには留守番をしていた蝙蝠に変化する果実型式神の夜雀、そしてカクリヨ世界の光る竹から生まれた白蛇、白春が待っていた。
 用意されていた海産物を焼いて、食べて。
 おいしい! と笑み零すリル。
 きゅきゅきゅ! とおねだりの声が聞こえれば魚をお裾分け。
「コイツらの好物なンだろ……」
 その様子を見て、クロウはふと思うのだ。
 傍らの夜雀と白春を見て。
「ヨルはたくさんお魚食べてるよ、白春達は何が好き?」
 それは――まだわからない様子。クロウも知らないのだ。
「色んなの食べたら見つかるかも!」
 じゃあまず、お肉! とリルはじゅわっと焼いていく。
 そのままでも良さそうだけでとも、ひとまず焼いて。
 白春は好きといった感じ。夜雀はそっぽを向く。
 じゃあ魚は、というとヨルも並んでもっととおねだり。
 仕方ないなぁと苦笑まじりにヨルにも少し。
 食べられないことはないけれど、普通といった素振りの白春と夜雀。
 ちょっとずついろんなものを食べて、夜雀はどうやら果実が好きな様子。葡萄一粒抱えて美味しそうに食べている。
 好みも色々だね、なんて笑いながらまだ楽しい食事の時間は続く。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ランツェレト・ドゥトロワ
【GBBE】

皆で屋台へ。
大丈夫だとは思うけれど、誰も迷子にならないよう目を配りながら
半歩遅れて皆の後ろをついて行く

…それにしても、色々なものが並んでいるな。
実際に見るのは初めてなものも、名前すら初めて聞くものも。物知りなセラータに度々尋ねつつ。
店員のレディからオススメされたものをいくつか購入し、舌鼓を打つ

うとうとしていたベルを気にかけながらも安全そうな場所を選んで皆で花火を。
バケツ等必要なものも用意して、怪我をしないよう十分留意
皆の様子に気を配りつつ俺も楽しもう。
火を灯してくれたカルディアに礼を言い
「ああ。…そうだね」
嬉しそうな彼女に此方も嬉しく感じた


カルディア・アミュレット
【GBBE】

みんなと屋台…

屋台…初めてみるの…
きょろきょろ辺りをみながら歩く
珍しそうに賑わいを眺める

食べたいもの…
「あ…これ、食べてみたい…」
選んだのはフルーツいっぱいのクレープ

「焼きそばも、たこ焼きも…おいしい、ね…」

花火…わたしの魔法で火をつけてあげたりする…
「手持ち花火……キラキラ、ね…?」
…線香花火…すぐ、火が落ちてしまう…
すこし切ないけど
「綺麗…」

打ち上げ花火は大きな音がして、ほんの少し驚いた…
でも頭上にきらきら光る火の華に「わぁ…」と思わず感動の声が零れる

「…空に、お花…なのよ…」
両手を空にかざして、嬉しそうにほんのり笑った


セラータ・ファルチェ
【GBBE】

皆と連れだって屋台巡り
屋台に気を取られて転ばないように気をつけろ?
万が一転びそうになるなら支えよう

で、何から買おうか。
何か食べたい物とか気になった物はあるか??
俺はとりあえず、たこ焼き。
茶色いパスタ…あぁ、焼きそばか。

食欲が満たされたら花火で遊ぶか。
ベル、寝るには早いぞ。お楽しみはこれからだろう?
色んな色に変わる花火に線香花火、打上げ花火なんかも用意しておこう
あぁ、火が消えて終わったらランスが持ってきてくれたバケツに入れておけ。

打上げ花火、火つけるぞ!
打上げ花火に火を付ける時は耳をぺたりと伏せておこう
楽しそうに過ごす彼らの表情が見られたなら、ひっそりと狼の尾が嬉しげに揺れる


ベル・マグニフィカト
【GBBE】

皆で屋台へ。

賑わう人達の声も、夜の潮風も、心地良い。……なんだか、眠くなってきた。
でも、初めて見るものばかりだし…目に留めておきたい、よな。

…え、じゃあ、俺はあの茶色いパスタ。…なんだっけ?
そう、焼きそば。それにする。

(もぐもぐ、うとうと、)

…はっ、そうだ、まだお楽しみが残ってた。
俺達の為に、セラータが用意してくれた花火。
手持ちのものも…あるんだな。俺は色が変わるやつにしよ、っと。
ここに、火をつけるのか?……おぉ。面白い。

最後は打ち上げ花火。
俺が一番見たかった大きな大きな天の花。
実際に見るのは初めてだけど。こんなに…綺麗、なんだ。
ぼんやりしてた視界が一気に、華やいだ…気がする。



 わいわいと、食事時の時間は賑やかさも一層増すというもの。
「みんなと屋台……」
 屋台は、カルディア・アミュレット(命の灯神・f09196)にとって初めてみるものだった。
 きょろきょろあたりを見回しながら歩く。
 そしてカルディアは賑わいを物珍しそうに眺めていた。
 その背中へとセラータ・ファルチェ(蒼蒼の盾・f03368)が声向ける。
「屋台に気を取られて転ばないように気をつけろ?」
 しかし、一番危なさそうなのはベル・マグニフィカト(No.4・f22386)だ。
 賑わう人達の声も、夜の潮風も、心地良い。
 けれど。
「……なんだか、眠くなってきた」
 ふらふら、足がおぼつかない。
「でも、初めて見るものばかりだし……目に留めておきたい、よな」
 そう呟いてベルは瞬き一回、二回。
 万が一転びそうになるなら支えよう、とセラータは思いつつ今は見守るのみ。
 そんなみんなの後ろを、ランツェレト・ドゥトロワ(湖の・f22358)は半歩遅れてついていく。
 大丈夫だとは思うけれど、誰も迷子にならないよう目を配りながら。
「で、何から買おうか」
 セラータはくるりと見回す。
 どこもかしこも良い匂いをさせているのは確実だ。
「……それにしても、色々なものが並んでいるな」
 実際に見るのは初めてなものも、名前すら初めて聞くものも。
「何か食べたい物とか気になった物はあるか??」
 俺はとりあえず、たこ焼きとセラータは狙いを定めていた。
「え、じゃあ、俺はあの茶色いパスタ。……なんだっけ?」
「茶色いパスタ……あぁ、焼きそばか」
「そう、焼きそば。それにする」
 食べる、買ってきてとベルがお願いすればセラータは笑って、出来立てをひとつ、お届だ。
 それをベルはもぐもぐ、うとうと。その繰り返しで少しずつ食べていく。
 ランツェレトにとってはどれも興味を掻き立てるものだ。
 物知りなセラータに度々尋ねつつ。
「こちらがおいしですよ!」
 と、店員のレディからオススメされたらもらおう、となる。
 そして購入した串焼きに舌鼓を打つランツェレト。
「あ……これ、食べてみたい……」
 屋台は食べたいものを選ぶところ。
 カルディアが選んだのはフルーツいっぱいのクレープだ。
 目の前でクレープ生地を焼いて、そして一杯詰め込んで作り上げてくれたクレープはどこからどうみても美味しそう。
 でも、美味しいものはこれだけではなかった。
「焼きそばも、たこ焼きも……おいしい、ね……」
 ほくほく、出来立てで。そしてみんなと食べるからこそ美味しい。
 そしてお腹いっぱいになれば――次は花火。
 うろうろ、ねむねむなベルを気にかけつつランツェレトは安全そうな場所を。
 ここなら花火をしても大丈夫そうだ。
 バケツなど、必要なものを用意して、怪我をしないように十分注意。
「ベル、寝るには早いぞ。お楽しみはこれからだろう?」
「……はっ、そうだ、まだお楽しみが残ってた」
 俺達の為に、セラータが用意してくれた花火とベルは小さく零す。
 セラータはほら、どれにすると花火を見せる。
 色んな色に変わる花火に線香花火。打上げ花火なんかもあるが、その出番は最後だろう。
「手持ちのものも……あるんだな。俺は色が変わるやつにしよ、っと」
 ここに、火をつけるのか? と火薬の先、ひらひらしているところをちょんちょんと。
 火が付けばしばしのちに燃え上がり、様々な火花を散らせていく。
「……おぉ。面白い」
「あぁ、火が消えて終わったらランスが持ってきてくれたバケツに入れておけ」
 皆がやけどしたりなどないだろうかとランツェレトも気を配るが夏の一時。
 自分が楽しむことも大事だ。
 その手にした花火に火をともしてくれたのはカルディアだ。
 ランタンである彼女にとってはこれくらい簡単なこと。
「手持ち花火……キラキラ、ね……?」
 ありがとうと礼を言う間に花火はもう始まっている。
 そしてすぐに終わってしまうものもある。
「……線香花火……すぐ、火が落ちてしまう……」
 すこし切ないけれど。
「綺麗……」
 カルディアの視線はぽとりと落ちきるまで釘付けだ。
 そして――打ち上げ花火もある。
「打上げ花火、火つけるぞ!」
 耳をぺたりと伏せて、セラータは花火に火をつける。
 そしてダッシュでた退避だ。
 その時には、海の空へと重なる花火。
 大きな音がして、カルディアはほんの少し驚いた。
 けれど頭上にきらきら光る火の華が広がれば「わぁ……」と思わず感動の声。
 そして、両手を海の空にかざして、嬉しそうにほんのり笑う。
「……空に、お花……なのよ……」
「ああ。……そうだね」
 嬉しそうなカルディアの気持ちが、ランツェレトにも伝わってくるようで。ランツェレト自身もまた、嬉しく感じていた。
(「俺が一番見たかった大きな大きな天の花」)
 実際に見るのは初めてだけど、こんなに――綺麗なんだ、とベルの視線は釘付けだ。
「ぼんやりしてた視界が一気に、華やいだ……気がする」
 いつまでも終わらないでほしいなぁ、なんて思うのだけれど夜の中にその光は溶け落ちて。
 名残惜しいけれどその美しさに表情は自然と笑みの形。
 その様子を――楽しそうに過ごす皆の表情を見られて、セラータの狼の尾はひっそり、嬉し気に揺れていた。
 共に過ごす夏は、楽しいものだと。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月08日


挿絵イラスト