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たゆたう猫と海底の花園(作者 篁みゆ
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●海底に広がる
 いくらかの蒸気機械が使用されているこの島では、いつの頃からか、顔や体に塗れば海中でも呼吸ができる魔法薬が使用されている。
 そして、島という限られたスペースを有効に使いゆくうちに人々は、陸に近い海底に花を咲かせることに成功した。
 澄んだ海底に広がるのは、さまざまな花が咲き誇る花園。
 そして海中を悠々と泳いでゆくのは――猫。

●ご案内
 グリモアベースにて、彼女はしなやかに佇んでいる。
 昨年よりは水着による露出が少なく見えるのは、纏った半透明の単によるものか。
 いや、これはこれで逆に……など言う者もいるけれど。
「いらせられませ。グリードオーシャンの島へ、遊びにゆきませぬか?」
 そんなこと、意に介さずに彼女――紫丿宮・馨子(仄かにくゆる姫君・f00347)は目を細めた。
「すでに猟兵達によってオブリビオンから解放された島のひとつなのですが……その島では、近くの海底に花園を作っているのでございます」
 薔薇や百合、金木犀に鈴蘭、水仙、ライラック、スミレ、ミモザ、マグノリア、ゆず、ジャスミン――……多種多様の花が、季節を問わず咲き誇るそこは、まさに花園。
 木に咲く花は、品種改良が重ねられたようで、盆栽程度のサイズとなって海底に咲いている。
「こちらの花、好きな花を好きなだけ――けれども、摘み尽くしてしまわぬ程度――摘んで良いとのことです。そして摘んだ花を使い、島では香料を作ってくださるのです」
 もちろん花をそのまま持ち帰ることもできるけれど。
 蒸気機械を使った特別な精製法で香料を作り出し、香水を始めとした香りのアイテムに変えてくれるという。
「ふふ……マリンテイストの桜の香りなど、気になりませんか……?」
 心なしか、馨子は嬉しそうに微笑して。
「そして!」
「なんと!」
「この島の!」
 突然強まった語気に、何事かと息を呑む猟兵たち。彼らを前にして馨子は、目をキラキラさせて言の葉を紡ぐ。
「この島のっ、お猫様たちは! この島にっ、たくさんいるお猫様たちは! 泳ぐことができるのです……!!」
 猫の島と言っていいほどあちらこちらにいる猫たち(ケットシーではない)は、この島で暮らすうちに独自の進化を遂げたのだろうか、海を泳ぐことができるという。
「海底の花園に行くために、この島の人たちは、独自の魔法薬を顔や体に塗って海中でも息ができるようにいたします。その魔法薬の開発とお猫様の進化とどちらが先かはわかりかねますが、この島のお猫様は水を嫌がらず、人々とともに泳いだり海底の花園へと潜ったりしてくださるのです……!!」
 彼女の勢いが強めなのは、自身でも三匹猫を飼うほどの猫好きだからして。
 馨子によれば猫たちは、だらーんと伸ばした下半身を左右にふりふりするようにして泳ぐのだとか。
「お猫様たちと一緒に水遊びでございますよ……!」
 きっと猫たちは、泳ぐ姿も可愛いのだろう。

 島では海底で育てた花を使用した香り関係の品物の他に、プリザーブドフラワーやドライフラワー、アレンジメントなどの花に関するものがたくさん売られている。
 他にも食用花を使用した料理やスイーツを楽しむことができる。
 島の猫たちの写真を使ったポストカードやキーホルダー、写真集などのアイテムの他、猫モチーフの品物も多く、探せば好みのものが見つかることだろう。
 肉球の形をした落雁や生菓子、ゼリーやマカロンなどは、食べるのがもったいなく感じるかもしれない。
 猫たちとともに海で遊ぶのももちろん楽しい。共に海底の花園を訪れるのも、もちろん。

「――楽園に、参りませぬか?」

 にこにこと笑みを浮かべながら、馨子はグリモアを取り出したのであった。


篁みゆ
 ※このシナリオは既に猟兵達によってオブリビオンから解放された島となります。
 ※このシナリオは【日常】の章のみでオブリビオンとの戦闘が発生しないため、獲得EXP・WPが少なめとなります。

 こんにちは、篁みゆ(たかむら・ー)と申します。
 はじめましての方も、すでにお世話になった方も、どうぞよろしくお願いいたします。

 海底の花園と猫の島へご案内します。

●1章のみの日常フラグメントです
 なので、いろいろなことをするプレイングよりも、したいことを絞ったプレイングのほうが濃い描写ができると思います。
 昼間~夕方までを想定しておりますが、時間指定がある場合はプレイングにてご指定ください。

 海底の花園を鑑賞したり、花を摘んだり、魔法薬を塗り合ったり、お猫様と一緒に泳いだり、お土産を買ったり……他にも思いつく限りで楽しんでくださいませ。
 アイテム発行はありませんが、後日ご自身でアイテム化していただくのはOKです。

 花や香りやお土産物をお任せにしたい場合は『*』マークをプレイング冒頭にご記入ください。
 センスはあまりあてにしないでください。

●グリモア猟兵について
 篁のグリモア猟兵でしたら、お誘いがあればよほど無理な内容でない限り、喜んで可能な限り顔を出させていただきます。

●プレイング受付
 8月24日8:31~。
 締切はマスターページにてご確認ください。

●プレイング再送について
 日常フラグメントという関係上、ご参加いただける方が多くなった場合は、プレイングの再送をお願いする可能性がございます。
 また、採用についてマスターページを更新しておりますので、目を通していただけると幸いです。

●お願い
 単独ではなく一緒に描写をして欲しい相手がいる場合は、お互いにIDやグループ名など識別できるようなものをプレイングの最初にご記入ください。
 また、ご希望されていない方も、他の方と一緒に描写される場合もございます。

 皆様のプレイングを楽しみにお待ちしております。
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第1章 日常 『猟兵達の夏休み』

POW海で思いっきり遊ぶ
SPD釣りや素潜りを楽しむ
WIZ砂浜でセンスを発揮する
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●楽園
 晴れた空に青い海。
 波打ち際で遊ぶのは、白、黒、縞、ぶち……様々な毛色を持つ猫たち。
「にゃっ!」
「みゃーっ!!」
「うにゃ~お」
 パシャパシャと、水しぶきを上げるように跳ねては水を掛け合って遊んでいる。
 この島の猫たちは独自の進化を遂げたのか、水を怖がることがない。
 それだけではなく、水を掛け合って遊んでいる猫たちの横を歩いて深い方へと進んだ猫は――ちゃぽん。
 なんと、器用に泳ぎ始め、そして海の底へと向かっていったではないか。
 彼らが向かったその先には、四季折々の花が咲き誇っており、陸上ですら滅多にお目にかかれぬ景色が広がっている。
 さて、猟兵たちの見る景色は如何に――。