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人魚霊薬奇譚(作者 波多蜜花
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●薬の消えた世界
 妖怪といえど、病はある。それを治す為の薬も。
 病の数だけ、薬は作りだされる。それこそ、月の雫や星の雨、七色に輝く魚の鱗に満月の夜にしか咲かぬ花まで、材料も多種多様。どのような霊薬を作り出すかは作り手である魔女や薬師次第。勿論、薬と謳ってはいるが、妖怪の身に毒となるような御禁制とされた物も数多くある。
 その中でも、とりわけ禁忌とされたのは人魚の霊薬。その秘薬は病を消し去っても悲劇しか残さない。何故なら、材料は人魚なのだから。
 最初は鱗だけだったのに。
 爪を、髪を、血を、眼玉を、肉を、臓腑を、骨を――。
 だから願ったのだ、この世から薬など無くなってしまえばいいと。
 願って、願って、願って。
 願って死んでしまった人魚の骸魂は、罪なき人魚の娘を飲み込んだ。

●グリモアベースにて
「そうして世界が終わろうとしとるってわけや」
 八重垣・菊花(翡翠菊・f24068)が物語の終わりを語るかのように、そう言った。
 新たに発見された世界、カクリヨファンタズム。そこは現代地球……UDCアースと猟兵が呼ぶ世界と隣り合わせになった世界であり、人々に忘れ去られてしまった妖怪と呼ばれる者達が生きる世界。
 そして、驚くほど簡単に滅びの危機を迎えてしまう、そんな少し不思議でどこか懐かしい世界だ。
「人魚が不老不死の妙薬や、なんて話は聞いたことあるやろか?」
 詳しくは知らずとも、聞いたことがある者はいるだろう。人魚の血肉を喰らえば、不老不死になるという伝説は現代地球にも残されている。
「カクリヨファンタズムではご禁制の品になっとるんやけど」
 さすがに同胞の血肉を使った薬はちょっと、といったところだろうか。
「自然に抜け落ちた人魚の鱗とかは、高値で取引されとるらしいけどな!」
 商魂逞しいものは世界が違えど、どこにでもいるものだ。
「せやからな、今を生きとる人魚はそんな恨みとか特にないみたいなんやけど……幽世に辿り着けんと死んだ妖怪の中に、そういった人魚がおったんやろなぁ」
 そうして骸魂と化した人魚は、抜け落ちた鱗を魔女に売ろうとした人魚を飲み込んでしまったのだ。
「そんでな、『薬』っちゅー概念を消してしもたんよ。薬がないってことは、治療もままならんってことらしくて」
 薬の無くなった世界には病が蔓延り、ちょっとした風邪のような病でも死に至るのだという。
「風邪は万病のもとって言うしな、おかしな話ではないんやけど」
 風邪だけではないが、病で滅びゆく世界を救う為に力を貸して欲しいのだと菊花が頷く。
「まずは骸魂に飲まれた雪だるまがよーけ出て来るよって、それを倒すんや」
 可愛らしい見た目の雪だるまと侮るなかれ、雪だるまは剣客だ。
「ちょっと寒いかもしれんから、風邪引かんようにな? あと、雪だるまを倒すと薬の材料になる雪の結晶が手に入るんよ」
 一体につき一つ、と菊花が続ける。
「雪だるまの数がある程度減ると、薬を消してしもた元凶である人魚が出てくるよってな。この人魚を倒すと世界は元に戻るよって、バーンと倒して飲み込まれてしもた人魚を救ったってや」
 せやけどな、と菊花が付け加えるように話を続ける。
「人魚は忘却の力を持っとって、皆の言葉やったり思い出やったり、自分自身やったり……そういうんを忘れさせる力を持っとるんよ」
 これに対抗する手段を考えていけば、倒すのも楽になるはずだと頷く。それと、人魚を倒せば、これも一人一枚くらいの人魚の鱗が手に入るだろうとも。
 薬という概念を取り戻せば、魔女や薬師が作っていた薬も無事に戻ってくるし、新たに薬を作ることもできる。
「魔女や薬師の人らがな、お礼や言うて薬の作り方を教えてくれたり、欲しい薬を作ってくれたりすると思うよって」
 手に入れた薬の素材を使って、魔女や薬師に教えを乞うてみるのは如何だろうか。万能の薬を作り出すことは難しいかもしれないけれど、よく効く傷薬や熱さまし、頼めば魔女の秘薬なんかも教えてもらえるかもしれない。新しい薬を作り出すことも。
「ほな、ちょっと幽世の世界を救ってきたってな!」
 ぱん! と両の手を打ち鳴らし、菊花が幽世への道を開くと、いってらっしゃい! と笑って猟兵達を見送った。


波多蜜花
 閲覧ありがとうございます、波多蜜花です。
 新世界、毎日がカタストロフなカクリヨファンタズムを救っていただき、その後は幽世の魔女達に伝わる不思議な霊薬を作って楽しんでいただけたらと思います。
 一章だけのご参加も、お一人様でもグループでも歓迎しております、下記の説明にもありますが、プレイングボーナスなどありますのでご一読いただけますと幸いです。

●第一章:集団戦『『剣客』雪だるま』
 幽世世界に到着すると、即戦闘となります。
 雪だるまさん(可愛い)がいっぱいですが、そこまで強い個体達ではないのでレベルなど気になさらず挑んでください。
 雪だるまさんがいっぱいなので、寒いです。防寒対策をしていくとプレイングボーナスが加算されます。
 プレイング受付前に断章を挟みます。
 恐れ入りますが、受付期間前のプレイング送信は流してしまう可能性が非常に高くなっております。断章が入り次第受付期間をお知らせいたしますので、MSページをご覧ください。

●第二章:ボス戦『水底のツバキ』
 雪だるまさんをある程度倒すと、元凶である人魚が出てきます。
 忘却を望む人魚は、皆様にも忘却を望みます。こちらは敵のユーベルコードPOW/SPD/WIZを参考にしてください。
 どうしても忘れたい思い出があれば、わざと抵抗せず忘れてしまうこともできます。これはSPDの思い出のみに作用しますので、使用するユーベルコードを選ぶ際はSPDをお選びください。
 完全に忘れてしまうのも、何かの切欠で思い出すのもご自由に! 参加後のフレーバーとしてRPの一助にしていただければと思います。
 プレイング受付前に断章を挟みます、締切などはMSページをご覧ください。

●第三章:日常『魔女の霊薬』
 手に入れた材料を元に、魔女の霊薬を作ることができます。
 欲しい薬があれば、魔女に尋ねてみるといいでしょう。こちらも、アイテムとしての発行はございませんが、皆様のRPの一助になればと思います。
 ただし、公共良俗に反するような内容を含んだプレイングなどは採用自体が見送りとなります、恐れ入りますがご了承くださいませ(大抵のものは通す予定ではおります)
 また、三章のみではありますが、お声掛けがあれば菊花がお邪魔いたします。何かあれば、プレイングにてお申し付けください。
 プレイング受付前に断章を挟みます、締切などはMSページをご覧ください。

●同行者がいる場合について
 同行者がいらっしゃる場合は複数の場合【共通のグループ名か旅団名+人数】でお願いします。例:【薬3】同行者の人数制限は特にありません。
 プレイングの送信日を統一してください、送信日が同じであれば送信時刻は問いません。

 それでは、皆様の物語をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『『剣客』雪だるま』

POW ●雪だるま式に増える
自身が戦闘で瀕死になると【仲間】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD ●抜けば玉散る氷の刃
【その手でどうやって持つんだかわかんない刀】が命中した対象を切断する。
WIZ ●雪合戦
レベル×5本の【氷】属性の【雪玉】を放つ。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●雪だるまの可愛らしさと寒さ、それから風邪にご用心
 目の前に広がるのはカクリヨファンタズムの見慣れぬはずの、どこか懐かしさを感じる景色。それから、一面に広がる白。
『剣客』雪だるまが集団で行動することにより、付属品のような形で雪も付いてきたのだろう。
 暦で言えば夏の世界が多い中、いきなり冬の世界に放り出されたような。……風邪、引きそうだなと、幽世を救う為に訪れた猟兵が心のどこかでそう思った時――。
『寒さに凍えよ!』
『風邪を引いてしまえばよい!』
『お前も雪だるまにしてやろうか!』
 そんな言葉を口々に叫びながら、『剣客』雪だるまが姿を現した。
 見た目は可愛い雪だるまなのだが、時代劇の浪人が被るような深編笠を被り、何処に刺しているのか解らない日本刀を持っている。まずはこの群れを倒さなくては話にならないのだろう、猟兵達がそれぞれ雪だるまへと対峙する――!
黒瀬・ナナ
わぁ、雪だるまがいっぱいで可愛いー……なんて言ってる場合じゃないわね。普通に寒そう!
とりあえず冬用の上着とマフラーと手袋を身に付けて行くわね。
あと、お腹が冷えないように毛糸の腹巻きも。
それでも寒かったら【気合い】で我慢。

氷の刃に斬られないように、風神様のお力をお借りして。
ぴょーんと飛んで避けながら、可愛い剣客さん達を一ヶ所に集めるように動き回るわね。
自慢の【怪力】で薙刀を振い大勢を一気に【なぎ払い】
オマケの【マヒ攻撃】と【衝撃波】で、少しでも多くの敵を倒せるように。

なるべく止まらずに動き続けて、身体を温めながら。
他の猟兵さんとも協力して敵を蹴散らすのよ。
終わったらあったかいものが食べたいなぁ。


空亡・劔
共闘希望(まだまだよわよわだしね?

ふぅ…本当に迷惑よね
この世界に大異変を起こすのはこの大妖怪である劔様だっていうのに!
という訳であんたらに好き勝手させる訳にはいかないのよ!(ばばーんとこれがデビューの大妖怪?

風邪ひけとか…なめるなッ!
妖怪が風邪ひくわけないで…へくちんっ

………よし倒す!
【天候操作】で周辺を夏空にするわよ!
あんまり夏とか得意じゃないけどね!
後は【残像】を残しながら避けつつ
剣刃一閃で切り裂き!

相手の刀と鍔迫り合いしつつ奮闘!

基本的には一対一で確実に数を減らすように戦う

大妖怪がこんなところで負ける訳にはいかないのよー!

ううん…おぶびりおんって奴は手強いのね(まだ集団戦ー!


●雪雲、雪雲、飛んでいけ!
 剣客雪だるまを前に、思うことは人それぞれ。
 鬼の巫女たる黒瀬・ナナ(春陽鬼・f02709)は、雪だるまがいっぱいで可愛い……! と目を輝かせていたし、元は魔剣のヤドリガミであった筈なのに、何故か変質して妖怪になってしまった空亡・劔(本当は若い大妖怪・f28419)は風邪を引けとか舐めているのかとご立腹だ。
 隣り合ったのも何かの縁、と二人の目が合う。
「……寒くないの?」
 冬用の上着にマフラー、手袋。とどめに見えないから大丈夫! と、お腹に毛糸の腹巻まで仕込んできたナナは、特に防寒着を着込んでいる様子もない劔にそう声を掛けた。
「妖怪が風邪ひくわけないで……へくちんっ」
 可愛らしいくしゃみを出した劔の頬が、可愛らしく紅に染まる。
「ええと、これ貸してあげるわね!」
 マフラーをそっと劔の首に巻いて、ナナが微笑む。
「……ありがと。あんた、いい人ね」
「わたしは黒瀬ナナ、よろしくね!」
 いい人だなんて、そんな! と笑うナナに、劔も自己紹介をして改めて雪だるまへ視線を向けた。
「ナナね。あたしは空亡劔、大妖怪よ! お礼ってわけじゃないけど、一緒に戦ってあげるわよ!」
 本当は、一緒に戦ってくださいって言いたいけれど、劔にはこの世界に大異変を起こすのは、この大妖怪である劔様だという自負がある。……まだまだ、駆け出しの大妖怪ではあるけれど、志は大きくだ。
「もちろんよ! 一人より二人の方が沢山敵を倒せるものね!」
 気のいいお姉さんであるナナは劔の提案に快く頷いて、お気に入りの薙刀、迦陵頻伽【花嵐】を構える。それに続くように、劔も自身の本体である魔剣「ソラナキ」を構えた。
「それじゃあ……可愛い剣客さん達を一か所に集めるわね!」
「えっ」
 雪だるまが沢山いるのに? と言い掛けたところでナナが駆け出す。それに気が付いたのだろう、雪だるまもナナと劔に向かって走り出す。……どうやって走っているのかはわからなかったけれど、雪煙を上げてこちらに向かってくるのをナナは好都合とばかりに、口元に笑みを浮かべる。
「わたしはあなた、あなたはわたし。今、この脚は、天を翔ける風神様の脚!」
 空中を蹴り上げ、ナナが雪空を舞う。そうして、なるべく自分の方へ引き付けて纏め上げた。
「あたしだって!」
 負けてはいられないと、劔が天候を操作するべく指先を天へ向ける。
「あんまり夏とか、得意じゃないけどね!」
 一時的に、ナナが駆け回る範囲と劔が立つ場所の雪雲が晴れた。じり、と照った夏の陽射しに、増えた雪だるまが怯む。
「チャーンス!」
 その好機を逃すナナではなく、自慢の怪力を駆使して薙刀を横一閃になぎ払う――! マヒと衝撃波が乗ったその攻撃は、ずぱん! と、見事に集めた雪だるまを沈めてしまい、劔が目をぱちくりと瞬く。
「あ、あたしだってこれっくらい!」
 目の前にいた雪だるまに向かってソラナキによる一撃を与える。ぽんぽん、と増えた雪だるまを残像を残す程の素早さで翻弄し、時に鍔迫り合いを繰り広げながら確実に一体ずつ仕留めていく。
「大妖怪のあたしが、こんなところで負ける訳にはいかないのよー!」
 目の前にいた最後の雪だるまを真っ二つにした劔に、止まることなく敵を引き付け数を減らしていたナナが笑顔で声を掛けた。
「劔さん、お見事!」
「ううん……おぶりびおんって奴は、手強いのね」
 そう言って眉毛をちょっぴり下げた劔に、雪の結晶を拾いながら戻って来たナナが微笑む。
「大丈夫よ、全ては経験だもの!」
 はい、と雪の結晶を劔に半分渡し、また雪空に戻っていく空を見上げる。
「終わったら、あったかいものが食べたいなぁ」
 思わず零れたナナの言葉に、今度は劔が破顔する番だった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

テラ・ウィンディア
共闘OK

不思議な世界だけどなんだか楽しいよな

だけどお薬が無いってのは大惨事だな
それこそどの世界だって滅亡の危機に陥っちゃう

防寒対策
【属性攻撃】
全身と武器に炎を付与
寒さに対抗するのに昔から使われてたのは火だろ?

何…寒いのは得意じゃないけど雪の中遊ぶのはおれは大好きだぞ?

【戦闘知識】で敵の陣形を把握
そのまま中心に突撃して剣と太刀で【串刺し】による刺突
【見切り・第六感・空中戦・盾受け・残像】で可能な限り避け切りつつ厳しいときは盾で受け止め
【早業・二回攻撃】で切り裂き

多くの敵を捕捉すれば紅蓮神龍波発動!

周囲の雪だるまを襲ってその氷ごと溶かし尽くすぞ!

…ちゃんとこいつら倒したら元の妖怪に戻るのかな?


ユキ・スノーマン
わあああ、お友達がいーっぱい!
遊んでくれるの?遊んでくれるの?(きらきら)

ユキ達ジャック・オー・フロストは霜の精、それと雪だるまの化身!
ここは「涼しい」し、オマケに雪だるまのお友達いっぱいだしで、
テンション爆上がりなの!
…ちょっとお友達の雪だるまさん達と雰囲気違う気もするけどっ

チャンバラで遊ぶの?
もー男の子だなぁ、しょーがないから付き合ってあげるー
でも絶対ユキの方が強いから、覚悟してよね?
さあ行くよー【霜符解放『スノーマンズロンド』】!
カチコチに凍っちゃえー!

刀持ってる子達の手とか刀を狙って、冷凍光線をビビビビビ!
氷漬けにして、乱暴な事できなくしちゃおーね

絡みアドリブ連携、ぜーんぶ歓迎だよっ


●無敵の火の子と雪の子で
 カクリヨファンタズム、それは今までに見つかっている世界とはまた少し違う、不思議に溢れた世界だ。
「毎日が滅亡の危機ってのは大変だな」
 でも、この不思議な世界はどこか懐かしくて、なんだか楽しいとテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は人懐っこい笑顔を浮かべる。
「で、あれが剣客雪だるまか」
 無銘の太刀と星の力を宿す小剣を手に、そう言った時だった。
「わあああ、お友達がいーっぱい!」
 テラの後ろからひょっこりと顔を出し、ユキ・スノーマン(白の霜精・f28192)がいっぱいの雪だるまを前にはしゃいだ声を上げたのだ。
「おい、危ないぞ?」
「大丈夫! ユキ達ジャック・オー・フロストは霜の精、それと雪だるまの化身! だから、雪だるまさん達はきっと遊んでくれるの!」
「でもあいつら、剣とか持ってるだろ」
 明らかに遊んでくれる雰囲気ではなさそうな気もするけれど、ユキは遊ぶ気満々だ。
「しょうがないな、寒いのは得意じゃないけど……雪の中で遊ぶのは、おれも大好きだぞ」
「あなたも遊んでくれるの?」
「おれはテラだ!」
「ユキは、ユキよ!」
 人懐っこい笑顔が二つ、並んで雪だるま達に向けられる。
「でも、あいつら倒さないと薬がないままらしいぞ」
 それってきっと、どこの世界だって滅亡の危機に等しいことだ。
「じゃあ、ユキ達が遊んであげたらなんとかなるね!」
 両腕を力こぶを作るようにしてユキが言えば、テラがそうだな! と笑った。
「じゃあ、全力で――」
「遊んじゃおーね!」
 それは中々に物騒な『遊び』の始まり。テラは防寒対策も兼ねて全身と武器に炎を纏い、ユキは元々が霜精ジャック・オー・フロスト、雪の中でこそ最大限のパフォーマンスを発揮する。
「寒さに対抗するんなら、昔から使われてたのは火だろ……って、ユキ……融けないよな?」
「融けない、と思うけど熱いのはちょっと苦手だよー!」
 テラから少し離れて、このくらい離れたら大丈夫! と手で大きな丸を作った。
「よし、それじゃあ行くぞ!」
 ほっとした表情を浮かべたのも束の間、テラはすぐに目の前まで迫っている雪だるま達に意識を切り替えた。
 雪だるま達の動きに規則性はないように見えるけれど、それでも剣客雪だるまと言うからにはそれなりに足並みが揃っている。それを己が知る陣形に置き換え、どのように動くか予測した上で――。
「先手必勝!」
 炎を纏ったテラが雪だるま達の中心へと突撃し、二刀を以てして雪だるまを串刺しにしていく。
「わああ、テラちゃんすごいのね!」
 ちょっと離れた場所でそれを見ていたユキがぱちぱちと手を叩き、じゃあユキも! と自分へ向かってきた雪だるまに微笑む。
「ちょっとお友達の雪だるまさん達とは雰囲気が違う気もするけどっ」
 涼しくて快適なこの気温にテンションが上がっているユキには、大したことには思えない。だって雪だるまだもの、だったらお友達なの! その理論のまま、どうやって持っているのかわからない剣を振り上げた雪だるまに、ユキが『ユキのお友達である雪だるま達』と立ち向かう。
「チャンバラがいいなんて、男の子だなぁ。しょーがないから付き合ってあげるー! さあ、カチコチに凍っちゃえー!」
 一列に並んだユキのお友達から、強い冷気を持った光線が放たれた。
 それは氷すら凍らせるような、絶対零度の光線。刀を狙ったそれは、どうやって持っているかわからない手ごと雪だるまを氷漬けにしていく。
「やったよー! テラちゃん!」
 その声に、雪だるま達から放たれる雪玉を燃える炎で融かしながら陣を乱していたテラが答える。
「おう! おれもそろそろ……っ」
 周囲の雪だるまは充分に集めたと、テラが手にした刀と小剣を地を頭上に向けて掲げる。
「母なる大地よ、闇夜を照らす炎よ……赤き龍神の怒りに応え、我が前の敵を焼き尽くせっ」
 テラの呼び掛けに応じるように、龍の形をした溶岩が大地を割って現れる。それはテラを囲んでいた雪だるま達へ、余すことなく降り注いだ。
「どうだ! 溶かし尽くしてやったぞ!」
「すごーい! けど、やっぱりあつーい!」
 炎と雪、対極に位置する少女たちは顔を見合わせて笑って、それからテラがユキに向かって叫ぶ。
「なあ! こいつら、ちゃんと元の妖怪に戻るのかな!?」
 思いっきり溶かしちゃったけど。
「大丈夫だよー! 雪さえあれば、元に戻るよっ!」
 だって妖怪だもの。
 安心した表情を浮かべたテラが辺りに散らばる雪の結晶を拾い上げながら、ユキの元へと走った。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

メルト・プティング
大好きなお友達のベアータ(f05212)さんと参加です!

カクリヨファンタズムってお化けがいっぱいでおっかないって聞いてましたけど、あんな雪だるまみたいなカワイイのもいるんですね
えへへ、あれならそんな怖くないかなー……でも寒すぎるのはちょっといただけないので、カワイそうな感じもするけどバシバシ倒してくのですっ

ベアータさんが準備を終えるまで、【オーラ防御】+【拠点防御】で雪玉攻撃を耐えるのです
準備が終わったら抱えて飛んでもらって、空からボクの《念動発火》で火の玉をばら撒いて雪だるまをドンドコ燃やしちゃおうって作戦なのです!
あっ、でも怖いから速度と高度は控えめでお願いしますね?絶対です、絶対ですよ!


ベアータ・ベルトット
親友のメルト(f00394)と参加

避暑にはピッタリ(化け物一杯で)の世界って聞いてたけど…いくらなんでも冷やしすぎでしょこりゃ

手始めに液体防具の骨盾を展開。飛んできた雪玉を弾いて往なし、序でに骨を齧って口内にリンを蓄える。よし、準備完了よ
蝙翼機光を起動し、UC効果で飛行形態に変身。メルトを抱えて舞い上がるわ。奴らの制空能力はさほど高くない筈…と見込んで空中からの迎撃に移行
速度と高度は控えめ、ね。わかってるっての。安心なさい。トバしすぎに注意し、機動的な飛行で敵の攻撃を躱す
折を見て口内機構から炎弾を発射し、メルトのUC攻撃を援護
アンタの炎のお蔭であったかいわ。よし、このまま全部溶かしてやりましょ


●寒いけど、寒くない
 ある意味、避暑にはぴったりな世界だとは聞いていたけれど、こんなに冷え込んでいるなんて聞いていないとベアータ・ベルトット(餓獣機関BB10・f05212)が機械の腕を手の平で軽く撫でる。
「カクリヨファンタズムって、お化けがいっぱいでおっかないって聞いてましたけど」
 隣に立つメルト・プティング(夢見る電脳タール・f00394)が前方に沢山いる剣客雪だるまを指さして言う。
「あんな雪だるまみたいなカワイイのもいるんですね」
「物騒なモノ持ってるけどね。それに、いくらなんでも冷やしすぎでしょ、こりゃ」
 雪だるま効果で白銀に染まったという大地は、病を加速させる病的なまでの寒さがあった。
「えへへ、あれならそんな怖くないかなー……って。でも寒すぎるのはちょっといただけないですね」
 だから、とメルトはベアータに視線を合わせる。
「カワイそうな感じもするけどバシバシ倒してくのですっ」
「可哀想かは置いといても、同感。さっさとやっつけちゃいましょ」
 はーい! と手を挙げたメルトに頼んだよ、とベアータが声を掛ける。それにお任せなのです! と答えたメルトが自身とベアータを守るように、ドーム状に力を巡らせる。
「ベアータさんが準備を終えるまで、ボクが相手です!」
 雪玉とはいえ、妖怪が投げてくる雪玉だ。ベアータから防御を任されたメルトが、手を抜くわけもない。それは雪だるま達が投げ付けてきた渾身の雪玉をしっかりと弾き、二人の身を守る。
「さすがメルト」
 期待通りの働きに小さく笑うと、ベアータが餓獣機関が生成し、液体状態で自身の体内を巡るそれを機装から排出し骨盾を展開する。そのついで、とばかりに骨盾の端を軽く齧って口内にリンを蓄えた。
「よし、準備完了よ」
 その声に、待ってましたとメルトの声が弾む。
「死者は闇夜に疾翔る」
 光翼飛翔形態、ベアータの背から光線射出機構が突出し光の翼が現れる。それはどこか神々しく、メルトはそっと息を零した。
「おいで、メルト!」
「はい!」
 雪玉を防ぎながら、メルトがベアータの胸に飛び込む。その身体を抱えると、ベアータが空へと舞い上がる――!
「やっぱりね。奴らの制空能力、大したことないわ」
 空中を飛ぶ二人に向け、雪だるま達が雪玉を投げて来るけれど二人が浮かぶ高さまで届く雪玉は少ない。
「あの、ベアータさん」
「ん? 何?」
 雪だるま達の動きを観察していたベアータが、腕の中にすっぽりと収まっているメルトに視線をやると、おっかなびっくりというような表情を浮かべてベアータを見ている。
「その……怖いから、速度と高度は控えめでお願いしますね?」
 真剣なその声音に思わず笑いそうになってしまったけれど、今は戦闘中だとベアータが小さく咳払いをした。
「ンンッ、速度と高度は控えめ、ね。わかってるっての」
「絶対です、絶対ですよ!?」
 念を押すメルトに安心なさい、と返して再び雪だるま達に視線を戻す。
「それじゃ、反撃といくわよ」
「はい!」
 あまり高く飛びすぎても、今度はこちらの攻撃が当たり難くなる。ベアータは絶妙な距離を取りながら、約束した通り行き過ぎた速度を出さぬように注意して雪玉を避けた。
「今だよ、メルト」
 雪だるま達が狙いやすい位置に固まったのを見てベアータがメルトに合図を出すと、メルトが自身の周囲に火の玉を出現させる。
「できたてホヤホヤアッチッチ、ですよ! くらえー、なのです!」
 メルトのサイキックエナジーによって作り出された、超高温の火の玉が雪だるま達に容赦なく降り注ぐ。撃ち漏らした雪だるまには、ベアータが口内機構から発射した炎弾でカバーしていく。
「アンタの炎のお陰であったかいわ」
「ふふ、そうですか? じゃあもっともーっとあったかくしちゃいますっ」
「よし、このまま全部融かしてやりましょ」
 二人の息の合ったコンビネーションは次々と雪だるま達を倒し、周囲にいた剣客雪だるまは二人によって一掃された。
「あ、これが雪の結晶でしょうか」
 地上に戻ったメルトが、きらきらと輝く結晶を手にしてベアータに見せる。
「あの炎でも融けなかったのなら、そうかもね」
 折角だし拾っておこうかと、二人で雪の結晶を拾い集めるのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

スキアファール・イリャルギ

寒い(身震い)
痩身に沁みるから冬は苦手です
いや夏も苦手ですけど
呪瘡包帯? これ意外と防寒にならないので……

炎(属性攻撃)を纏ったオーラで躰を温めつつ
霊障で雪を飛ばして炎で溶かして足場も確保
此処で風邪をひく訳にはいかないんですよ
雑談、いや定期健診の時に先生に怒られてしまう
あの人煩いし過保護だし……
まぁ怪奇人間が故に薬でも治らない業病を患ってるので仕方ないんですがね
(ポケットの中のピルケース弄びつつ)

雪玉は炎と霊障で防ぎ、呼び出した影手達でも呑み込みましょう
手隙になった影手で雪だるまを捕らえて骸魂を倒します

……あぁ
薬と聞いて思い浮かぶのは、嫌な記憶ばっかりだな……
(チクリ、頚椎が痛んだ気がした)


●冬も夏も、薬も
 寒い、と一言呟いて、スキアファール・イリャルギ(抹月批風・f23882)がぶるりとその痩躯を震わせる。一面の銀世界を眺めて、スキアファールが白い息を吐く。首から下の全てを覆う呪瘡包帯は、思ったよりも防寒にはならない。
「……もっと着込んで来れば良かったでしょうか」
 しかし、あまり厚着をしてしまうと今度は動き難くなってしまう。悩んだ末に、いつもの服装に気持ち厚手の上着を羽織って来たのだ。
 それに、戦闘が始まってしまえば防寒の手段はある。しかし、それにしても――寒い。
「痩身に沁みるから冬は苦手です」
 いや、夏も苦手だけれど。夏は夏で、暑さのあまり普段からあまりない、人間でいうところの食欲が激減するのだ。
 そう考えると、一年の半分以上は自分の身体に優しくないな、とスキアファールはまた一つ白い息を零した。
 まっさらな新雪に足跡を付けながら歩くと、すぐに剣客雪だるまが行く手を阻むように現れる。
「本当に雪だるまなんですね」
 怪奇人間である自分が言えた義理ではないが、と思いつつ、スキアファールを敵だと認識して向かってくる雪だるまと交戦する為に、炎を纏ったオーラを張り巡らせた。
「はぁ、あったかい」
 戦う為の足場を作る為、霊障――ヒトガタの影を操り雪を飛ばし、炎で融かしていく。周囲から雪を遠ざけると、寒さが一層和らぐ感覚にぽつりと零す。
「此処で風邪をひく訳にはいかないんですよ」
 うっかりそんなものを引いてしまえば、定期健診の時に先生に怒られてしまう。スキアファールからすれば、定期健診というよりは雑談に近いのだけれど。
「あの人煩いし過保護だし……」
 目の下の隈をするりと撫でて、でもそれは仕方のないことかとスキアファールは思う。
「まぁ怪奇人間が故に薬でも治らない業病を患ってるので、ね」
 誰に聞かせるでもなくそう呟いて、ポケットの中のピルケースを左手で弄る。プラスチックの、硬い感触。中には一回一錠、一日二回までと定められた彼専用の薬が……無い。
「……持ち込んだ薬も消えるんです?」
 これは拙い、無いと非常に拙い。
「さっさと倒しましょう」
 元凶を倒しさえすれば、薬は戻ってくるのだ。
 スキアファールが影手を呼ぶ。それは朱殷の蓮華咲き乱れる、操り手と同じく痩せぎすの影手。彼の足元から伸びた影手が、雪だるまへと襲い掛かる。幾つもの雪だるまが泥梨へと引きずり込まれ、骸魂を抜かれていく。
 難を逃れた雪だるまが放つ雪玉を炎と霊障で防ぎ、時折それをすり抜ける雪玉は影手が呑み込んだり、スキアファールが紙一重で避けたりと攻防を繰り広げる。
 軍配が上がったのはスキアファールの方で、雪だるまは次第に姿を消していき、最後の雪だるまが泥梨に消えると影手も消えていく。
「まぁまぁ、温まりましたね」
 さて、それでは次の敵を倒せば薬が戻るのだとスキアファールが思考しながら、きらきらと輝く雪の結晶を拾い上げる。
「……あぁ」
 薬、薬か。無ければ困るけれど、脳裏に浮かんだのは嫌な記憶ばかり。
「……ッ」
 チクリ、と頸椎が痛んだ気がして、スキアファールが指先で首の後ろを撫でた。
大成功 🔵🔵🔵

シビラ・レーヴェンス
露(f19223)と。
雪か…。故郷よりも激しくないから問題はない。
防寒対策はほぼ不備はないはずだ。
しかし面白い相手だな。精霊の類だろうか?

私は露のサポートで動こう。彼女と共に行動。
お互いに背中合わせで死角をなくす。
サポートの為のUCは【影手】を使う。
(早業、高速詠唱、範囲攻撃、全力魔法、見切り)
基本は不可視の手で雪だるまの行動を封じ露が攻める。
刀の軌道を逸らしたり柄を抑えて攻撃を止めてみる。
あと捌ききれなくなった場合は行動を制限させてもらう。

雪だるまの攻撃は視認や雪上で動く音で見切り回避する。
…雪だるまがどうやって動くのかわからないが…。
もし視界が悪い場合は野生の勘や第六感を駆使して避けよう。


神坂・露
レーちゃん(f14377)と一緒。
「レーちゃんレーちゃん。この雪だるますっごく器用よ!」
って指さしたけどあきれ顔されたわ。えぇえ…。
うーん。…あの腕で武器もつの凄いと思うんだけどなぁ~。

レーちゃんのサポートで雪だるまさん達を攻撃するわ。
【銀の舞】でぱしぱしぱしし…って片づけちゃうわね。
でもでも雪の上だからあまり素早く動けないかしら?
「あ。レーちゃん、『手』かして~♪」
レーちゃんが創った見えない手を足場にして攻めてみるわ。
動いて暑くなったら装束を脱いで身軽になっちゃうわ。
これならなんとか雪の上を駆けられ…そうかしら。
「うあ。…やっぱり動かないと寒いわ!」
終了して冷えたらレーちゃんに抱き着く。


●雪だるまさん、こちら
 見渡すかぎりに広がる、雪、雪、雪。
 けれど、シビラ・レーヴェンス(ちんちくりんダンピール・f14377)にとっては故郷に比べれば大した事の無い、見慣れた風景。
 そんな彼女だからこそ、防寒対策にも抜かりはない。そしてシビラの隣で、剣客雪だるまを見てはしゃいでいるのは神坂・露(親友まっしぐら仔犬娘・f19223)だ。
「レーちゃん、レーちゃん。あの雪だるま、すっごく器用よ!」
 見てみて! と露が指さした先には、どうやって刀を持っているのかわからない雪だるま達。器用だとかそういう次元を超えている気もするけれど、露からすればあの枝を刺しただけのように見える腕で武器を持つのは、どう考えても凄いのだ。
「露……」
 呆れ顔で露を見るものの、シビラとてあの雪だるまに興味がないわけではない。
「精霊の類だろうか?」
「うーん、ジャックフロストの一種かしら?」
 ああ、なるほど。それなら納得もできるとシビラが頷き、近付いてくる雪だるまを見る。
「どうやらお喋りは終いのようだ」
「あら残念! でも早く倒さないと寒いばかりだものね」
 ふふ、と微笑んで露が一歩前に出た。
「レーちゃん、サポートはお願いね!」
「任された」
 露と背中を合わせになって死角をなくすと、シビラが魔力を練り上げる。
「Lasă orice……」
 シビラが影手と呼ぶそれは、魔力で造り上げた見えない素手。それは雪だるまの行動を制し、露の動きを助けた。
「さあ、ぱしぱしぱししっと片付けちゃうわね」
 手にしたダガーとクレスケンスルーナを構え、それからふっと考える。
「どうした?」
「あ、レーちゃん! 『手』かして~♪」
 雪の上では素早く動けないかもしれない、ならば、と露がシビラにねだった。
 その言葉に彼女の意図を察し、シビラが見えざる手を露が動く範囲に造り上げる。それを足場にし、露が駆けた。
「ほら! 次はこっち! こっちよ!」
 銀色の風のように、手にした武器で目に見えない速さで次々と倒していく。露の動きを阻害しようと、雪だるまが雪玉をこぞって投げ付けるが、それはシビラの影手によって防がれる。
 息の合った連携で雪だるまを倒していると、露がシビラの元へ戻ってきて一言叫んだ。
「あつーい!」
「大分動いたからな」
「脱ぐわ」
 身軽になった方が露の動きは更に速くなると知っているシビラは、特にその行動を止めもせず雪だるまがこちらに向かってこないように影手で牽制し続ける。
「うん♪ これなら動きやすいわ」
 影手の助けがなくても、雪の上を駆けられそうだと露が微笑む。とん、と爪先で地を蹴って、再び駆け出す。先程よりも速度を増した露の動きに、雪だるま達が翻弄されてバタバタと倒れていく。
 シビラはその速さにも後れを取ることなく、雪だるま達の刀の軌道を逸らしたり、柄を抑え込んだりと集中力を切らすことなく露のサポートに務めた。
「しかし……あの雪だるま達、どうやって動いているんだ?」
 足はない、確かにないのだが、滑らかな動きで移動する雪だるまに向かって、シビラがぽつりと零す。
「雪の上を滑っているんじゃないかしら?」
「雪がない場所ではどうするんだ」
「……わかんないわ!」
 不思議ね! と笑った露が最後の雪だるまを斬り伏せてシビラの元へ戻った。
「うあ……やっぱり動かないと寒いわ!」
 シビラが服を着ろ、と言う前に露がぎゅうっと抱き着く。
「ふふ、寒い時は人肌よ、レーちゃん♪」
「私は寒くないんだが……」
 仕方ない、と露を引っ付けたまま彼女の衣服を拾い、シビラがその肩に掛けてやる。
「ありがとう、レーちゃん! あら? これって……」
 露が衣服についていた、きらりと光る何かを手に取った。
「雪の結晶かしら?」
「ああ、そういえば倒すと何か落とすと言っていたな」
 よく見れば、雪だるまを倒した場所に幾つも落ちているのが見えて、服を着こんだ露がシビラの手を取って引っ張る。
「まだあるわ、拾いにいきましょう!」
「わかった、わかったから……」
 引っ張るなという言葉は雪に消え、シビラは露に引っ張られるままに雪の結晶を集めるのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

アルデルク・イドルド
ディルク(f27280)と

雪だるま…ってスノーマンだよな。
一気に気温が下がったがとりあえず戦ってたら体も温まってくるだろうからディルクはいつも通り戦ってくれ。
援護は俺に任せておきな。

UC【海神の弓矢】
雪玉を撃ち抜け。超えられるならさらにその向こうの敵まで突き刺され。
ディルクを狙う敵にはすかさずコインで攻撃。
ハッ、ディルには当てさせねぇ。
俺の周りはキルケの魔法【多重詠唱】でガード。

人魚の霊薬ねぇ。確かに偉い人とかが好みそうな品だな。…俺としては今ある限りを生きれりゃあそれでいいと思うがな。


ディルク・ドライツェーン
アル(f26179)と

おおー、なんかすっごい変な敵だな
まんまるで白くて冷たいとか面白いぞ!
すのーまん…っていうのか?
ん、オレは寒いの平気だぞっ
アルはあんま近づかないようにしててくれよな!

敵のUCを野生の勘で躱しつつ
UC【鬼神の破壊欲】で
右手に力を集中して近くにいる雪だるまを纏めてぶっ飛ばすぞ
(味方には攻撃しない)
怪力と鎧砕きで雪の身体を貫いてやる
オレの隙は動物使いでアインに任せる
アルと一緒にサポートよろしくなっ
アルが怪我しそうなら庇いにいくぞ!

れいやく…って薬のことか?
オレあんま薬好きじゃねぇんだよなぁ…
ま、アルが欲しい薬があるなら手に入れないとな!


●スノーマン、すのーまん!
「これはまた、随分とデタラメな世界だな」
 アルデルク・イドルド(海賊商人・f26179)が、目の前に広がる銀世界に目を細める。話には聞いていたカクリヨファンタズム、しかし百聞は一見に如かずとはよく言ったもので、ここまで法則性のない世界だとは。毎日が滅びの危機というのは、相当スリリングだ。
「何か一つの概念が消えただけで滅ぶって、確かにヤバいな」
 そして、その一端が。
「おおー、なんかすっごい変な敵だな。まんまるで白くて冷たいとか面白いぞ!」
 アルデルクと、ディルク・ドライツェーン(琥珀の鬼神・f27280)の前方にいた。
「雪だるま……ってスノーマンだよな」
 可愛らしい見た目なのに、やたらと勇ましい恰好をしたスノーマン。色々なオブリビオンがいるのは知っているが、スノーマンとはな、とアルデルクが小さく笑う。
「すのーまん……っていうのか?」
「ああ。雪だるま、スノーマン、呼び方は国や世界によって違うだろうけどな」
 面白い敵だ、と楽しそうにしているディルクを眺め、またこちらに向かって来ている雪だるまに視線を戻す。
「一気に気温が下がったが、いけるか?」
「ん、オレは寒いの平気だぞっ」
 寒さで動きが鈍る者もいるだろうが、ディルクには特に影響もなさそうだとアルデルクは判断する。
「とりあえず戦ってたら身体も温まってくるだろうから、ディルクはいつも通りに戦ってくれ」
「任せろっ」
 ディルクがアルデルクを庇うように一歩前に出ると、銀色の毛並みを持つ狼、アインに声を掛けた。
「アイン、頼むぞ!」
 主の声にアインが短く吠えて応える。後ろからその背中を見つめ、アルデルクがクリーピングコインを片手で操る。
「援護は俺に任せておきな」
「へへ、任せた! アルはあんま近付かないようにしててくれよな!」
 今から大暴れするのだ、万が一にもアルデルクに被害がいかぬようにディルクが念を押す。
「わかってるよ。そら、行ってこい!」
 応! と吼えてディルクがアインと共に雪原を駆けた。
「纏めてぶっ飛ばしてやるぜっ!」
 ディルクの右手の甲にあるメガリスが、ぽうっと光を放ち破壊のオーラがディルクの拳を包む。正面突破とばかりに雪だるまに向かい合い、その右手を放つ――!
「いい暴れっぷりだな」
 ディルクの戦う姿は、アルデルクが普段知っているディルクとはまた違って、猛々しくも雄々しい。それを後ろから見るのは悪くないと笑って、アルデルクが雪だるま達がディルクに向かって放つ雪玉を海神の加護が宿った魔法の矢で打ち砕く。
「そのまま、向こうの敵まで……!」
 精神を集中させ、その奥にいる雪だるまを貫いた。
 背後からの援護に、ディルクの口元に笑みが浮かぶ。アルデルクと戦うのは、楽しくて嬉しい。自分は彼の護衛なのだから、守るのは当然だけれど、アルデルクはただ守られているだけの男ではない。怪我をしないように自分の後ろにいてくれた上で、ディルクのことを助けてくれるのだ。
 それだけで胸が熱くなって、ディルクが近付いてきた雪だるまを豪快にぶっ飛ばす。
「そら、もっと掛かってこい!」
 絶好調だ! と思いながら、ディルクがアインを従えて縦横無尽に駆け回り、雪だるまを倒していく。
「あいつ、寒いくらいが調子いいのか? っと! ハッ、ディルには当てさせねぇ」
 ディルクに襲い掛かろうとしていた雪だるまをクリーピングコインで弾き飛ばし、アルデルクが駆け回るディルクとアインを眺めた。
「……なんだっけか、なんかそんな歌があったような」
 ディルクは喜び庭駆け回り……と考えたところで、最後の一体を倒したディルクが何かを拾い集めながら戻ってくる。
「アル、これ!」
 拾い集めたそれは、雪の結晶。手の平一杯に集めたものを、ディルクがアルデルクに差し出した。
「ああ、これも薬の材料になるんだったか」
「いっぱいあるぞ!」
 皮袋にそれを仕舞い、口紐を硬く縛って懐に放り込む。
「人魚の霊薬ねぇ。確かに偉い人とかが好みそうな品だな」
 不老不死の薬なんて、今ある限りを生きられるのならそれでいいと思うアルデルクには、いまいちピンとこない。
「れいやく……って薬のことか? オレあんま薬好きじゃねぇんだよなぁ……」
 苦くて不味いし、とディルクが眉を顰める。
「でも、アルが欲しい薬があるなら手に入れないとな!」
 欲しい薬ねぇ、とアルデルクが胸の内で呟いて、屈託なく笑うディルクを見る。
「ディルクでも飲める、甘い薬があればいいな?」
 そう言って、アルデルクが唇の端を持ち上げて笑った。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

朱酉・逢真
おォ寒ィ。俺ぁ寒いの平気だがね。ここだけのハナシ、俺はてめぇらみてェな雪の塊はニガテなのさ。雪って虫も食わねえし、火が使える“俺”はあんま居ねえもんでな。取れる手が少ねえんだ。
だから似た手になるんを赦してくれよぅ。夜明けの光に焼け解けてくれ。来いシャヘル、奴らを踏み解かせ。氷の刃は溶かして轢き砕け。
そォいや水着の季節だっけなぁ。海は好きだが燦燦日光はニガテなんだよ。その期間だけこっちに逃げ込んでよォかねぇ、ひひ。


●雪を解かすは黎明の
「おォ寒ィ」
 全く難儀な世界だねえ、と呟いて、朱酉・逢真(朱ノ鳥・f16930)がひひ、と笑う。
「どんなに難儀な世界でも、命が消えるのはいけねえよ」
 白銀の世界を前にして、剣客雪だるまを前にして、逢真がそう言った。
 概念が一つ消えてしまえば、それだけで滅んでしまう世界。脆くも愛しい、そんな世界を救う為に、どうやって持っているのかわからない刀を持った雪だるまに向かって、逢真が話を続ける。
「俺ぁ寒いのは平気だがね」
 雪だるまが逢真を囲んでも、彼はその皮肉めいた笑みを浮かべたまま、雪だるまに向けて喋る。
「ここだけのハナシ、俺はてめぇらみてェな雪の塊はニガテなのさ」
 雪は逢真が使い魔とする虫でも食べない、そうとなれば自分で何とかせねばならなくなるのだが、火が使える“自分”はあんまり居ないときたもんだ。
 だからさ、と逢真が低い声で言う。
「似た手になるんを赦してくれよぅ」
 既に一度、この種とは戦っている。毎日滅びの危機を迎えているのだ、同じ種が敵として現れるのはさして珍しいことではない。それだけ同じ種の骸魂がいるのだと思うと、幽世に辿り着けず死んだ妖怪は多くいるのだろう。
 取れる手が少なくて悪いな、なんて呟いて、迫る刀を前に逢真が告げる。
「夜明けの光に焼け解けてくれ」
 とんっと後ろに下がり、それを喚ぶ。
「来いシャヘル、奴らを踏み解かせ」
 逢真の背よりも倍近くある焔馬が二頭、天翔る戦車を引いて逢真の召喚に応えて姿を現す。ひらりと戦車に飛び乗ると、焔馬が高く嘶いた。
 焔馬の蹄は逢真を狙った雪だるまを踏み、その存在を解かしていく。その焔は氷の刃を融かし、慈悲深き無慈悲な車輪が踏み砕く。
「シャヘル」
 短い言葉に曙光の馬車が応える。空を駆け、主の思うままに雪だるまの群れに突進する。白銀の世界に夜明けの眩い光を運ぶ天翔る戦車は、逢真の周囲にいた雪だるまの全てを解かし、引き潰したのだった。
「やれやれ、可哀想なことをしちまったかねぇ」
 それでも、骸玉が抜けた雪だるまはやがて再生するのだろう。難儀だが、逞しい世界ともいえるなと、逢真がゆっくりと晴れていく空を見上げる。
「そォいや水着の季節だっけなぁ」
 夏、というやつだ。
「俺ぁ海は好きだが燦燦日光はニガテなんだよ」
 こんな病弱色白が日光なんか浴びたら倒れちまう、なんて言いながら足元に落ちている雪の欠片を拾う。
「その期間だけでも、こっちに逃げ込んでよォかねぇ、っひひ」
 ああ、でも。
 燦々日光と、毎日のカタストロフ。どっちがマシなのだろうかと、ちょっと真顔になって考えるのだった。
大成功 🔵🔵🔵