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倫敦水晶宮防衛戦

#サクラミラージュ #幻朧戦線 #影朧甲冑

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●狙われたクリスタル・パレス
 倫敦に水晶宮と呼ばれる建物がある。かつて帝都の工業力の粋と帝の栄華を広く人々に知らしめるために開催された博覧会の会場であり、今は当時の技術と文化を保存継承する資料館となっているそこが幻朧戦線の襲撃を受けることになると、華祭・エリナ(転生の水先案内人・f22606)は自らの予知を開陳した。
「攻撃に使われるんは『影朧甲冑』や。最も非人道的な影朧兵器って呼ばれとる」
 機体内部に封じられた影朧の存在そのものを燃料とし、操縦者の肉体を蝕みながら動く禁じられた兵器。帝都による統一がなされる以前に開発されたそれが、いかなる変遷を辿ったのか武装組織「幻朧戦線」の手に渡り、帝都に向けて振るわれようとしている。
「燃料にされた影朧を助けることはできへん。その子のためにも絶対幻朧戦線の好きにさせるわけにはいかん。みんなの力を貸して欲しいんや」
 襲撃決行時刻、水晶宮には多数の人々が見学に訪れている。しかも、その中には倫敦行政府の要人達の子女が含まれているのだ。
「けど、先手を取ってしまうと幻朧戦線は散り散りになって逃げてしまう。奴らが襲ってきたところを迎え撃つしかないんや」
 襲撃されるのを待つということに異論はあるかもしれないが、そのタイミングならば幻朧戦線の兵士を捕らえ、影朧甲冑を確実に無力化するチャンスがある。
「一番優先しやなあかんのは民間人の安全確保や。その次が幻朧戦線を捕まえること。最後が、影朧甲冑の操縦者の確保や」
 影朧甲冑は影朧を燃料とすることで動力やユーベルコヲドを得るが、その代わりに操縦者は呪いに蝕まれ、二度と甲冑を降りることができなくなってしまう。だが、説得によって操縦者の戦意を奪えば機体を破壊することなく影朧甲冑を停止させることができる。
「中から出られへんことには変わらんけど……死ぬのとどっちがましかって言うとなぁ」
 言って、エリナは困ったように微笑んで肩を竦めてみせた。

●戦火と桜花と
 倫敦南郊。幻朧戦線の襲撃部隊が、陽光を反射するきらびやかなクリスタル・パレスを監視している。
「早乙女中尉――こう言うのも妙ですが――ご武運を」
 静かに決行の時を待つ影朧甲冑の操縦士に、一人の兵士がそう声をかけた。彼の目には不退転の出撃に臨む操縦士への敬意と、僅かな躊躇が映っている。
 勝敗とは無関係に決死となる戦場に向かうのが己より年若い者であることを彼が納得していないのは明らかであったから、操縦士はあえて笑顔で胸を張ってみせた。
「わたしたちの一撃が、大正の世を終わらせ新たな進歩の時代を拓くのだ。それ以外に何を望むことがあるだろうか――そうだろう?」
「……」
 返事がない。操縦士は年上の部下を見上げ、首を傾げた。
「どうした?」
「……いいえ。あなたのような人の犠牲がなくては変われないこの時代はやはり間違っている、と思っただけです」
 自分でも予想だにしなかったほど弱々しい声が出て、彼は赤面した。操縦士はくすくすと小さく笑い、首にはめた黒い鉄の輪を指先でなぞる。
「もとより命以外に失うもののない身だ。未来の礎になるのがわたしの定めだったのさ。……さて、そろそろ時間だな。行こう、軍曹」
 彼は退き、道を空けた。規則正しい足音を立てて、操縦士は影朧甲冑の下に向かう。
 その華奢な背中を二度と見ることがないのだと思うと、彼は自然と敬礼していた。


中村一梟
 猟兵の皆様ごきげんよう、中村一梟でございます。
 今回はサクラミラージュより、影朧兵器「影朧甲冑」と戦うシナリオをお届けいたします。

●第1章
「冒険」のフラグメントです。襲ってきた幻朧戦線の一般兵を迎え撃つシーンです。
 幻朧戦線一般兵はユーベルコードを使えないため、猟兵もユーベルコードなしで十分に対処することが可能です。
 また、幻朧戦線一般兵の生死はシナリオの進行および成否に影響を与えません。

●第2章
「ボス戦」のフラグメントです。とある影朧の姿と能力を借りた状態のボスとの戦闘になります。
 この章では影朧甲冑の操縦者は説得に応じませんが、この時点での言動によっては第3章における説得の成否に影響を与えるかもしれません。

●第3章
「ボス戦」フラグメントです。本来の影朧甲冑との戦闘です。
 この章のプレイングとその結果によっては、操縦者が降伏し影朧甲冑が停止するという結末を迎える可能性があります。

 それでは、今回も皆様と良い物語を作れることを楽しみにしております。
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第1章 冒険 『幻朧戦線の襲撃』

POW   :    襲い来る幻朧戦線の一般兵を肉壁となって阻止し、重要施設や一般人の安全を守ります

SPD   :    混乱する戦場を駆けまわり、幻朧戦線の一般兵を各個撃破して無力化していきます

WIZ   :    敵の襲撃計画を看破し、適切な避難計画をたてて一般人を誘導し安全を確保します

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

エルヴィン・シュミット
要人の集まった日時を狙った襲撃作戦ね…平たく言えばテロリズムか。話に出てきた兵器といい、あんまりいい気分にはならないな…。
それよりも、防衛戦か…いいね、まさにこういうのは聖騎士の俺向けって感じの戦場だ。表の方は他の足の速い猟兵さんらに任せて、俺はお偉いさん方の護衛に回るとしよう。
向こうさんの兵隊は木っ端…と言っちゃあ悪いが大したことはなさそうだ。ここでユーベルコードを使って戦ってちゃ後に控えてる大物との勝負に差し支えそうだな。
【ROYAL HEART】の誘導弾の一斉発射で牽制しながら寄って来た敵を蹴散らしていくか!



 幻朧戦線の暴威が迫りつつあることなど素知らぬ風で時を刻み続ける大時計を、エルヴィン・シュミット(竜の聖騎士・f25530)が見上げていた。
(要人の集まった日時を狙った襲撃作戦ね……平たく言えばテロリズムか)
 武力でもって己の思想を押し通すというのは、彼の故郷ではあまり馴染みのない活動だ。だが、それが人々の安寧を無用に脅かすものであることは理解できる。
(話に出てきた兵器といい、あんまりいい気分にはならないな……)
 必ず阻止せねばならない、と決意を新たにするエルヴィンの視線の先で、大時計の針が四時を指す。鳴り響く時報の鐘に合わせて、幻朧戦線の攻撃が開始された。
「いいね、まさにこういうのは聖騎士の俺向けって感じの戦場だ」
 小銃を乱射しながら突如突入してくる十数人の兵士達に、クリスタル・パレスでのひと時を楽しんでいた人々は一挙に恐怖と混乱の淵に叩きこまれた。
「木っ端……と言っちゃあ悪いが大したことはなさそうだ」
 エルヴィンは一切の動揺を見せることなく、逃げ出す人波に逆らって幻朧戦線の銃火の前に立ちはだかる。
「後に控えてる大物との勝負に差し支えそうだ。今回はこの手で行かせてもらうぜ!」
 素早く懐から取り出したカードを宙に放る。描かれたハートのエースが眩く燃えて、大量の魔力弾をまき散らした。
 己が意思を持つかのように獲物を追う魔法の弾幕は、逃げる人々を掠めることすらもなく幻朧戦線の兵士達を撃ち、倒していく。
 その派手な花火が、襲撃作戦崩壊の始まりを告げる最初の一手となった。

成功 🔵​🔵​🔴​

御園・桜花
「それでは幻朧戦線の皆々様には、急ぎ眠っていただくことに致しましょう」

UC「桜の癒やし」使用
幻朧戦線と判断した者(武器を振り回す・首元を隠す・首に鉄輪を嵌めている・一般人を襲撃している)を眠らせ無力化
周囲の幻朧戦線を無力化したらまずグラッジ弾や銃弾等抜き去りすぐテロを行えないようにする
現地の官憲と協力できるなら拘束捕縛
無理な場合可能なら彼ら自身の服で縛り通路隅に退ける(踏まれて圧死防ぐ)

怪我人がいれば踏まれぬよう物陰に移動させUCで眠らせ回復

「皆さん、落ち着いて非常口から退去して下さい。幻朧戦線は私達が鎮圧します」

声かけしながら騒動が聞こえる方へ移動し襲撃者をUCで無力化していく



「皆さん、落ち着いて非常口から退去して下さい」
 喧騒と非常ベルが響く中でも、御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)の凛とした声はよく通る。
 資料館の見学者達が、桜花の呼びかけに導かれて次々とクリスタル・パレスから脱出していく。それらの人々の中に決して少なくない数の負傷者がいるのを桜花は見て取った。
 幻朧戦線に襲われたわけではなく、混乱の最中に、あるいは逃走の途中で負った軽い怪我がほとんどではあったが、銃撃戦の渦中に救助隊が送りこまれてくるわけでもなく、捻挫や打撲であっても悪化してしまう可能性は否めなかった。
「ここでしばらくお休みください」
 老若男女様々、十名ほどの負傷者達の周囲で桜の花吹雪が舞った。桜花のユーベルコヲドにより、眠りに誘われた彼らは、数十分の内に快復するだろう。
「けど、もし奴らが来たら――」
「ご安心ください。幻朧戦線は私達が鎮圧します」
 言われ、彼らは気づいた。目の前の彼女が超弩級ユーベルコヲド使い――猟兵であることに。
 人々の希望を背に受けて、桜花は非常通路を後にした。防備を固められるであろう正面入口を避けたため、侵入してきた幻朧戦線の兵士達の数はそう多くない。
 襲撃の報を受けたスコットランド・ヤードや都市守備隊が到着するまで、後数分は待たねばならない。
「それでは幻朧戦線の皆々様には、急ぎ眠っていただくことに致しましょう」
 人々を追う者、銃を手にした者、そしてなにより、幻朧戦線メンバーの証である黒い首輪を身につけた者。それらを見極めて、桜花は再び眠りをもたらす桜吹雪を放つ。
 影朧兵器を要してはいても所詮常人、超弩級ユーベルコヲドに抗せるはずもない。意識を手放し突っ伏した兵士達の手から桜花は銃を取り上げ、装填されていたグラッジ弾を残らず抜き取る。
 数分後。クリスタル・パレスに到着した倫敦警備隊が見たものは、傷ひとつなく保護された人々と、同じく無傷のまま無力化された幻朧戦線の兵士達の姿だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
第三人格『侵す者』
一人称『わし/わしら』 豪快古風
対応武器:黒燭炎
防衛、されと素早く制圧ならば、わしと『もう一人』の領分!UC使用で手数を増やす!
わしは派手に暴れる故に囮。加減して気絶で終わるようにするが。その他は本気だぞ。
影朧を利用する奴らが気に食わん!
ましてや、平和を乱すなぞ!


第一人格『疾き者』 忍者
一人称『私/私たち』 のほほん
対応武器:漆黒風
暗殺の要領で、ようは気絶させればいいということですねー。
…目立つんですよねー、『侵す者』って。だからこそ、こういうときに私たちは連携するんですよー。
後ろに敵がいないと、いつから思っていました?
影朧と『私たち』。いったい、何の違いがありましょうや。



 降り注ぐグラッジ弾の雨をものともせず、ただ一柄の槍だけを手に幻朧戦線の兵士達を次々に打ち倒していく男の姿があった。
 馬県・義透(多重人格者の悪霊・f28057)――より詳細に言うならば、彼を構成する人格のひとつ『侵す者』である。
「影朧を利用する奴らが気に食わん!」
 咆哮し、『侵す者』の義透は槍を振るう。刺突で仕掛けないのは一対多の戦況に対応するためであり、幻朧戦線側にも死者を可能な限り出さないためであった。
「ましてや、平和を乱すなぞ!」
 しかし、殺意を欠くだけで『侵す者』の戦いは本気だった。十分な勢いを乗せた槍は巨竜の尾の如く幻朧戦線の兵士を薙ぎ払い、一撃で昏倒させる。
「どれだけ腕が立とうと槍は槍だ! 距離を取って蜂の巣にしてやるぞ!」
 リーダー格の兵士が声を上げ、幻朧戦線の兵士達が素早く散開する。誰かひとりを槍の間合いに捉えようとすれば、そこに残りの兵士が一斉射撃を加える心積もりであるらしい。
「後ろに敵がいないと、いつから思っていました?」
 降って湧いた声に、兵士達が思わず振り向いた。途端、鋭い手刀がリーダー格の兵士の意識を刈り取る。
「……目立つんですよねー、『侵す者』って」
 鉄火場にいるとは思えぬのんびりとした言い草で肩を竦めてみせるのは、義透とそっくり同じ姿をした男だった。事実、彼もまた義透だ。ユーベルコヲドによって現されたもうひとりの義透――『疾き者』 である。
「だからこそ、こういうときに私たちは連携するんですよー」
 目にも止まらぬ速度で『疾き者』 が跳躍した。それと同時、『侵す者』が車輪の如く槍を回転させつつ突進してくる。
 片方に対処しようとすればもう片方に無防備な姿を晒すことになり、かと言って逃げようとしても二人の間合いから同時に抜け出ることは叶わない。
『侵す者』を迎え撃つため散開していたことが仇となり、そこにいた幻朧戦線は二人の義透によって瞬く間に制圧されたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

東雲・深耶
「疾走する停滞、実に結構じゃないか。誰かの涙や悲劇が無ければ進めない世界より優しくて平穏に満ちているよ」
それを知らぬ存ぜぬ歪みと断ずる愚者には問答無用
「――来い、言うなれば明日の停滞(ヒカリ)は奪わせん、という奴だ」

一閃、抜刀は距離座標等空間的な制約を一切無視した超遠距離広範囲同時攻撃となる。その上で幻朧戦線の兵士達は戦闘不能になるが命の危機は愚か後遺症すら残さないダメージを

「気づいたか」
と、この剣術の本質を兵士に語る
「何、竹刀を振るのが好きな小娘が至った境地だ。究極生命の肉体や理を外れた異能、唯一無二の所有者を選ぶ遺産でもないただの『技術』だよ」
と、慇懃無礼に韜晦しながら第二撃を続ける



 水晶宮を襲撃した幻朧戦線の中には、銃ではなく刀剣で武装した抜刀隊があった。幻朧戦線の中でも腕利きの剣士で構成された彼らは本来影朧甲冑の直衛が役割であるのだが、倒され捕らえられた兵士が増えたため、猟兵を狙い討伐するために前線へと投入されたのである。
 そして今、幻朧戦線抜刀隊の隊員達はひとりの猟兵と対峙していた。
「疾走する停滞、実に結構じゃないか。誰かの涙や悲劇が無ければ進めない世界より優しくて平穏に満ちているよ」
 襲撃者と同様の、孤剣のみを帯びた少女が言う。殺気立ち刀を抜く抜刀隊に対し、東雲・深耶(時空間切断剣術保有者・f23717)は静かに、そよ風に花枝が揺られるかのような所作で愛刀の鞘を払った。
「――来い、言うなれば明日の停滞(ヒカリ)は奪わせん、という奴だ」
「世迷言を! 戦乱を超克した先にこそ未来があるのだ!」
 軍靴が地を蹴り、先手こそ得手と自負する者達が接近してくる。だが、彼らが初太刀を振るうよりも先に――刃が届かぬはずの間合いで――深耶の一閃が放たれた。
「な、何だ今のは! あれが奴のユーベルコヲドか!?」
 被害を免れた兵士達が驚愕に目を見開く。彼らの目には、深耶が空振ったようにしか見えなかった。だが事実として、先んじた者達は深耶が剣を振った直後、突如として昏倒したのである。
「気づいたか」
 微笑みを浮かべる余裕さえ見せながら、深耶は上段に構え直す。
「何、竹刀を振るのが好きな小娘が至った境地だ。究極生命の肉体や理を外れた異能、唯一無二の所有者を選ぶ遺産でもないただの『技術』だよ」
 距離を無視して飛んでくる斬撃――それはまるで、抜刀隊の彼らが拒んだ銃弾のようだ。銃を相手取る想定はしてきた彼らだったが、深耶の剣閃はその想定には収まらない。
 またしても尋常な間合いの外から、二の太刀が放たれる。己の剣のみを恃む彼らにそれを防ぐ術はなく、瞬時に意識を奪われたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ザガン・アッシム
【アドリブ及び連携歓迎】【POW対応】

えーと…『一般人・要人の避難』に『反乱組織の殲滅』…

なんだ、『戦争(読み:いつもの仕事)』だな!

目立つ体を隠す為に外套(防具に非ず)を纏って水晶宮の入り口近くで客を装って待機し、傭兵の勘と【戦闘知識】で幻朧戦線の侵入経路を割り出しておく

幻朧戦線の侵入を確認したら【機身合体!トリニティスタイル】の【β(防御強化)】を呼び出して即合体(展開して両腕に装着)、一般人と敵の間に立って【かばう】体勢に入る

…所でお前ら、弾薬は十分にあるか?そいつは大切に使えよ?
『それ』がなくなった時が、手前らの命の終わる時なんだからな!

と、敵に【恐怖を与え】つつ護衛と避難を完遂させる



 猟兵達の活躍によって、幻朧戦線の水晶宮襲撃部隊はその大多数が縄についた。業を煮やした彼らは残る全員で、正面入口に向けて玉砕覚悟の突撃を敢行する。
 出入りが目立つ故に、正面入口は脱出に使われていない。安全の確保された出口が側面にしかないことも相まって、そこにはまだ十人ほどの来訪客が残されていた。
 ガラス壁を隔てていても、銃を持ち殺気だった男達が驀進してくる様には恐怖を覚えざるを得ない。人々は互いに手を握り合い、助けが来ることを信じて待つしかなかった。
「……『一般人・要人の避難』に『反乱組織の殲滅』……なんだ、『戦争』だな!」
 救いの手はすぐ近くにあった。この状況を「いつもの仕事」と豪語し立ち上がったザガン・アッシム(万能左腕の人機兵・f04212)は外套を脱ぎ捨て、鋼の腕を露にする。
「β、出動要請!」
 叫ぶや、ザガンはガラスを蹴破り外へと飛び出す。そして、突進してくる幻朧戦線の兵士達の前に立ちはだかった。
「サポート合体、行くぜ!!」
 敷地内に潜ませていた小型重厚装甲車型サポートメカ、β号が要請に応じて到着。分離変形し、ザガンの両腕に装着された。
 クリスタル・パレスの入口前に強固なる盾が聳える。襲撃者達は反射的に引き金を引きグラッジ弾を撃ちこむが、弾き返される虚しい音が響くだけ。
「……所でお前ら、弾薬は十分にあるか?」
 盾を支えるザガンが問う。
「そいつは大切に使えよ? 『それ』がなくなった時が、手前らの命の終わる時なんだからな!」
 幾多の戦場を知る男の、凄絶な笑みが盾の陰から覗く。目が合ってしまった襲撃者は、思わず射撃の手を止めた。
 だが、それこそがザガンの策の内。彼の背後では、取り残されていた客達が一斉に脱出を始めていた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『合成型影朧兵器・亜紋号』

POW   :    大正維新破壊光線発射
【角から破壊光線】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    腐敗体制粉砕ガス噴射
【口から腐食性のガスを吐き出し】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    革命的麻痺毒注入
【相手に突き刺した尾節】から【麻痺性毒】を放ち、【麻痺】により対象の動きを一時的に封じる。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はニャント・ナントです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●影朧兵器、吠える
 ずん! クリスタル・パレスの前に広がる庭園を、巨大な怪異が踏み締めた。
 大槍の如き角を頭に生やし、蝎のような長い尾を持つ影朧。その名を「合成型影朧兵器・亜紋号」という。
 その正体は、内部から溢れ出た呪いによって亜紋号の姿と力を得た影朧甲冑である。仮初ではあるがそのものと同等の力を持つこれを倒し、幻影を剥ぎ取らねば影朧甲冑を停止させることはできない。
 来場者職員を含む一般人全ての退避が完了し、無人となった水晶宮を背に、猟兵達は決戦を開始した。
御園・桜花
「毒や呪詛、狂気ならまだ耐性があるのですけれど…麻痺とは厄介ですね」

UC「桜吹雪」使用
敵の尾も開いた口から内臓も全て容赦なく切り刻む
敵の攻撃は第六感や見切りで躱す
「そう作られたのは、貴方自身の罪ではないけれど。貴方と私達の望みは相容れない、貴方は自分1人では止まれない…だから。私達は、貴方という存在を、完膚なきまでに叩きのめして消滅させます。…本当にごめんなさい」

「貴方達がこんな風に召喚されない世界を、そして貴方達と共存出来る未来をいつか…お眠りなさい、その日まで」
最後は鎮魂歌を歌い見送る

「これでやっと、お目にかかれましたが。覚悟を賭けて、死合いましょうか」
影朧甲冑を睨む


エルヴィン・シュミット
おっと、いよいよ大物のお出ましか…にしても気持ち悪いな。
あのデカい尻尾の針に、この臭い…あの口から吐いてる吐息か!
コイツは接近戦を仕掛けるには不向きな相手だが、そう贅沢を言える状況でもないな。
あの悪臭の吐息、【環境耐性】で凌げればいいが、それでも長時間の接近は危険だろう。
なら、速く踏み込んで強烈な一撃を撃ち込んで距離を取るしかないな!
【見切り】と【武器受け】で尾の攻撃を捌きながらUC【SHOW DOWN】で尾をたたっ斬ってやる!
【第六感】が走れば儲け物だが、この指輪も気まぐれだからなぁ…
アレに打ち倒すには他の猟兵の協力が必要かも知れんが…ま、とにかく…突撃だ!



「おっと、いよいよ大物のお出ましか……にしても気持ち悪いな」
 迫り来る亜紋号に切っ先を向けつつ、エルヴィンが目を眇める。
「あのデカい尻尾の針に、この臭い……あの口から吐いてる吐息か!」
 彼の故郷にも毒を持つ魔物がいないではない。それらに共通するのは、迂闊に近づくのは危険である、ということだ。
「毒や呪詛、狂気ならまだ耐性があるのですけれど……麻痺とは厄介ですね」
 服の裾で口元を覆いつつ、桜花も亜紋号へと視線を向ける。その出所ははっきりしているが、ユーベルコヲドを発動させる隙を狙って繰り出されれば回避は困難だろう。
「コイツは接近戦を仕掛けるには不向きな相手だが、そう贅沢を言える状況でもないな。アレに打ち勝つにはあんたの協力が必要だ」
 振り返るエルヴィンに、桜花は小さく頷いた。
「覚悟を賭けて、死合いましょうか」
「速く踏み込んで強烈な一撃を撃ち込んで距離を取るしかない……突撃だ!」
 芝生を蹴って駆ける二人。その姿を認めた亜紋号が低く唸りを上げるや、頭部の一本角が不気味に明滅した。
 エルヴィンは咄嗟に横手へと身を投げ、桜花は急停止する。次の瞬間、亜紋号の角が稲妻と見紛う眩い閃光を放った!
 足を止めた桜花の靴先、わずか半米の距離を置いて破壊光線が半円の軌跡を描いた。灼熱に沸騰する地面から顔を上げて、桜花は影朧兵器の内に――死も転生も許されぬ虜囚となった名も無き影朧に語りかける。
「そう作られたのは、貴方自身の罪ではないけれど。貴方と私達の望みは相容れない、貴方は自分一人では止まれない……だから。私達は、貴方という存在を、完膚なきまでに叩きのめして消滅させます。……本当にごめんなさい」
 掲げた手の内で、軽機関銃が無数の花弁へと姿を変えた。
「ほころび届け、桜よ桜」
 ふわり、と桜花の手を離れた薄紅混じりの風は、たちまち旋風と化して亜紋号へと叩きつけられた。不可視の刃がその体を切り裂く度に囚われの影朧が上げる声なき悲鳴が、彼女の耳と心を軋ませる。
「貴方達がこんな風に召喚されない世界を、そして貴方達と共存出来る未来をいつか……」
「そうだ! そのためにもコイツで……決めるぜ!」
 苦鳴と桜吹雪を割って、エルヴィンが亜紋号に肉薄する。鞭のような尾の一撃。毒液滴る刺を竜騎士の槍が払い、疾走する錬鉄の刃がその尾部を切断した!
 追撃できる――と囁く闘争心を制して、エルヴィンは素早くその場を離脱する。亜紋号の毒吐息がもたらす疼痛から全身が解放され、彼は文字通り一息ついた。
 低音管楽器のような声で、亜紋号が吠えた。青黒い体液をまき散らしながら、切断面から新たな尾が生えてくる。
 予想はしていたが、そう簡単に倒れる相手ではなさそうだ。この先に続く戦いの困難さを思いながら、猟兵達は次に打つべき一手を見定めた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

馬県・義透
『疾き者』&『侵す者』
「これ、私たちより適任いますねー」
「いや、お前、遠距離いけるだろうに。…しかし、確かに適任はあいつか」
退去&人格交代

第二人格『静かなる者』
一人称『私/我ら』丁寧な物言い
対応武器:白雪林

『侵す者』の中から見ていたので、戦況は理解していますが。
接近戦は不利な上、敵のUCも厄介なもの。連携は必須。
戦闘知識、第六感を駆使して敵のUCに合わせ、こちらもUCを放つように。
間髪いれず、さらに矢での攻撃を続行。
…『我ら』は『我ら』のような者を増やしたくないために戦うのです。
それは、貴方たちとは決して相容れない望みでしょうな。

あと、私も影朧を利用する行為は、嫌いですな。



 猟兵達の攻勢を受けてなお荒ぶる亜紋号を、顎に手を当てた義透はじっと見る。
『これ、私たちより適任いますねー』
『いや、お前、遠距離いけるだろうに。……しかし、確かに適任はあいつか』
 そのような会話が彼の脳内で交わされたことを、誰も知らない。余人にも明らかなのは、義透が手を翻すやその左手の内に真白の長弓が現れたことである。
(接近戦は不利な上、敵のUCも厄介なもの。ならば――)
 義透――第二人格『静かなる者』――は、構えた弓を引き絞る。亜紋号は尾を高くもたげる威嚇の姿勢。きりきりと鳴る弦と、毒に濡れててらてらと光る尾刺が睨み合う。
 先に仕掛けたのは亜紋号であった。必殺の槍と化して尾が伸びる。その到達点は目測できる長さよりもさらに遠く、猟兵達のいずれをも射程圏内に捉えている。
 それに対し『静かなる者』はその名の通り静かに――会を崩さぬまま、影朧の尾が達する先を見極めて――放った。
「これは私が、元より持つ力」
 びぃん、と弦鳴きの音も高らかに、虚空より生まれ出た霊力の矢が翔ける。その鏃は過たず亜紋号の尾の先端、革命的麻痺毒を持つ刺を貫いて攻撃を阻止した。
「……『我ら』は『我ら』のような者を増やしたくないために戦うのです。それは、貴方たちとは決して相容れない望みでしょうな」
 毒の雫が地面に斑を描いた時にはもう、義透は第二矢をつがえ、射っている。今度は霊力ではなく、鋼の鏃を持つ射殺すための矢だ。
「あと、私も影朧を利用する行為は、嫌いですな」
 静寂の中に潜む怒りを宿した矢が、鋭く亜紋号に突き立った。

成功 🔵​🔵​🔴​

ザガン・アッシム
【アドリブ及び連携歓迎】

『武装は『口』に『角』に『尻尾』』他は無し…と。

親玉の登場と聞いてどんな奴が出てくるかと思ったら…

なんだ、殺り易そうだな!(邪笑)

まず敵に向かって真正面から突っ込む…と見せかけて、左手に握っておいた『蹴破ったガラス片』を敵の目に向けて【投擲】し、【目潰し】狙いで怯ませて隙を作る

その後、【ジャンプ】して敵の背中に乗り、馬乗り状態で【トルソー・バズソー】で切りつける

ガスを吐き出そうと口を開けたら殺戮刃物で上から口を縫い付けて妨害し、角、若しくは尻尾からの攻撃は【トルソー・バズソー】で【傷口を広げ】つつ該当箇所を切断して対処する

ある程度傷つけたら敵の背後に着地し、後続に任せる



 亜紋号が吠えた。クリスタル・パレスのガラス壁をびりびりと奮わせる重低音を響かせて、角を振るい突進してくる姿は手負いの獣そのものだ。
「親玉の登場と聞いてどんな奴が出てくるかと思ったら……」
 迎え撃つザガンが笑う。獰猛な、捕食者の笑みで。
「なんだ、殺り易そうだな!」
 ザガンはこれみよがしに左腕を振りかぶり、振り下ろした。その手の先から何かが放たれる。光を反射し、きらきらと尾を引いて。
 彼が投擲したのは文庫本ほどの大きさの硝子片だった。人々を守るために蹴破った水晶宮の壁の破片。決して鋭利でも強固でもない欠片だったが、高速で飛来するそれを咄嗟に躱そうとして亜紋号は頭を下げた。
「掛ったな! 貴様らのデータは頂くぜ!!」
 ザガンは跳躍した。着地点は――亜紋号の背中の上。大型戦車並の体躯の上に飛び乗るや、ユーベルコヲド『簒奪し捕食する内蔵式回転刃物(トルソー・バズソー)』を発動。鋼鉄の万能左腕が狂暴な牙を剥く。
「これでまた新たな飯のタ――」
 高速回転する刃の絶叫にも似た駆動音が、ザガンの台詞を掻き消した。ぎゃりぎゃりと耳障りな音を立て、亜紋号の背を裂く。濃青色の血と石のような骨片が飛び散る。
 ザガンを払い落とそうと尻尾が伸びるが、翻った左の手刀が一閃、切断。腐敗体制粉砕ガスを噴射しようとする顎には殺戮刃物を突き刺して阻止。
 鈍い音と共に、角がへし折られた。半ばから砕けた角を抱えてザガンが再び跳躍、返り血で全身を藍に染めた凄絶な姿で着地。
「新たな『知識』、ゲットだぜ!」
 彼の左腕は、亜紋号の詳細な生体データを取得し脳裏に焼きつけている。後はこれを活かし、最適かつ致死の一撃を叩きこんでやるだけだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マリウス・ストランツィーニ(サポート)
助けが必要と聞いて馳せ参じた!

どんな理由であっても人々に害為す敵は許さん!いや、理由によっては許すかもしれないがとにかく全力で戦う!
我が一族の誇りに懸けて、私の剣で成敗してやる!もしくは銃で成敗してやる!

もちろん敵とは正面から堂々と戦う!
しかし必要とあらば隙を伺って死角から襲ったりもするぞ!これは戦いだからな!

はあはあ、どうだ……!まいったか!
……まいったよね?

(アドリブ連携等歓迎)


藍原・蒼夜(サポート)
 人間の學徒兵×力持ち、18歳の女です。
 普段の口調は「おっとり系(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 偉い人には「敬語(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

のんびり、おっとりした性格で、多少天然ボケな面もあります。
武器は主に退魔刀を使用して戦います。
好きな物は、可愛いぬいぐるみ、綺麗な花、静かな場所。
趣味は小説等の読書。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「助けが必要と聞いて馳せ参じた!」
 クリスタル・パレスに駆けつけたマリウス・ストランツィーニ(没落華族・f26734)の瞳は怒りに燃えている。どんな理由があろうと、人々に害をなすのであればそれが彼女の敵だ。没落したとはいえ華族、そして軍人の端くれ。愚直なまでに高貴なる者の義務を果たさんとする少女は、家伝の太刀の鞘を払い亜紋号へと立ち向かう。
「綺麗な花……あなたたちもちゃんと守ってあげるからね」
 庭園に咲く花々に微笑みを投げて、藍原・蒼夜(蒼き宝刀・f23131)もまた敵の元へと向かう。戦場に似つかわしくないおっとりした雰囲気とは裏腹に、手にした退魔刀は冴え冴えと凄まじい霊力を放っている。
「何事にも前向きに頑張ろうね!」
 その気持ちは蒼夜のユーベルコヲドの源だ。白刃が舞い、銃弾が飛び交い、敵意と悪意が渦巻く戦場にあってもなお輝きを失わない心。砕けぬ宝石のような『ポジティブ・マインド』は、彼女を約束された勝利へと導く。
 鋭い月光となって刃が駆けた。横薙ぎの一閃は亜紋号の右脚を断ち、異形の巨体がぐらりと傾ぐ。
 大口を開けて、亜紋号が腐食ガスを噴射しようとする。接近戦を挑んだ蒼夜達が、広範囲に被害を及ぼすその攻撃から逃れるのは難しいかと思われた。
「霧散せよ!」
 だが、亜紋号のユーベルコヲドはマリウスによって掻き消される。人呼んで『拒戟刃(リフレッティ・ラ・バーラ)』。霊力や魔法の作用、中和物質による無毒化ではなく、ただ刃の疾走のみをもって敵手を斬り払う妙技。
「我が一族の誇りに懸けて、私の剣で成敗してやる!」
 返す刀が亜紋号の胴部を深々と斬り裂いた。その一撃がとどめとなり、合成型影朧兵器が地に伏す。
「はあはあ、どうだ……! まいったか! ……まいったよね?」
 マリウスは亜紋号の様子を窺うが、再び立ち上がる気配はない。彼女がほっと胸を撫で下ろしかけた、その時。
「まだだ――!!」
 亜紋号の骸が内側から弾け飛び、鋼鉄の巨人がその姿を現した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『影朧甲冑』

POW   :    無影兜割
【刀による大上段からの振り下ろし】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    影朧飛翔弾
【甲冑の指先から、小型ミサイルの連射】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    影朧蒸気
全身を【燃料とされた影朧の呪いが宿るドス黒い蒸気】で覆い、自身が敵から受けた【影朧甲冑への攻撃回数】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●咆哮は虚空に響いて
 父が幻朧戦線の幹部だったことを早乙女・静香が知ったのは、数年前のことである。
 生前の父は常に世の中の不条理と退廃に頭を悩ませ、いつも難しい顔をしていた。
 帝都による統一以後、低下し続ける生産力と出生率、そしてそれがもたらす経済格差。こっそり盗み見た父の書簡にそのようなことが書いてあったことを覚えている。
 静香は父のように勉学を修めてはいない。だが、晩年にいたって精神を病み自刃した父を生涯苦しめたのが、数百年に渡って停滞するこの世界であることは理解できた。
 だから彼女は、父が遺した影朧甲冑に乗りこんだのだ。ただひとりの肉親を奪った大正の世を破壊し、自分のような子供を増やさないために。

「我々は、我々の命を犠牲にしても成さねばならないのだ。――革命を!!」
馬県・義透
引き続き『静かなる者』

革命を起こし、何を目指しますか?
…武力での革命は、やがて戦争を呼ぶ。その戦争にて一番犠牲になるのは子供。
孤児になり、武器を手に取るということがあり得る話。
子捨てという話もありますね。
聞きますが。子供に武器を持たせる世を、あなたはお望みか?
無邪気はときとして残酷にもなれてしまう。
戦争という火は、止めようと思っても止められないものなのですよ?

相手の攻撃は見切り、第六感、戦闘知識を使用して避ける。
指定UCは語り終えた後に、破魔をのせて使用。


エルヴィン・シュミット
遂に来たか…!
革命だか何だか知らねえが…ただいたずらに力も持たないものに刃を向けるなんざ正気の奴がやることじゃねえ。
見るからに説得に応じるとは思えねえし、ここは真正面からぶつかって武威を示して戦意を折るより他に無いだろうよ。
だが、こちらからは手は出さん。【見切り】と【武器受け】で攻撃を防ぎ、どうしても避けられないならUC【無敵城塞】で防御する。
暴力では世界は変えられないことを見せてやる!
…これが他の猟兵の邪魔にならないといいんだが。


ザガン・アッシム
【アドリブ及び連携歓迎】

…またか、またこういう手合いか

『理想と現実の区別がついていない』

『愚直、そして盲目』

『自己犠牲精神を至上の美徳と思っている』

手前らみてぇな勢いだけの無能無策な連中は見ていて腹が立って仕方がねぇ…

敗北主義者の雌餓鬼風情が、『戦争』を舐めてんじゃねぇぞ!!

サブマシンガンの【制圧射撃】で敵を足止め、その後【ダッシュ】して敢えて敵の懐に入る

敵が刀を振り下ろした瞬間に【ジャンプ】で飛び上がって避け、その後、空中でUCの【γ(状態異常力強化)】を呼び出し即合体(展開して脚部に装着)、そのまま膝のドリルで背部の蒸気機関に【浄化】の力を乗せた【部位破壊】の【鎧無視攻撃】で【傷口を抉る】



「遂に来たか……!」
 猟兵達が見据える先で、禁断の影朧兵器が立ち上がる。拡声装置を通じて「革命を!」と叫ぶ声は、少女と言ってもよさそうな女の声。
 ぎり、とザガンの奥歯が鳴った。
「……またか、またこういう手合いか」
 吐き捨てるような声は灼熱の色を帯びている。
 理想と現実の区別がついていない。愚直、そして盲目。自己犠牲精神を至上の美徳と思っている。
「手前らみてぇな勢いだけの無能無策な連中は見ていて腹が立って仕方がねぇ……」
「待ってくれ」
 一歩踏み出そうとしたザガンを、エルヴィンが留める。言い返そうとして見返すが、彼の目もまた怒りに燃えていた。
「革命だか何だか知らねえが……ただいたずらに力も持たないものに刃を向けるなんざ正気の奴がやることじゃねえ」
 それはエルヴィンにとって、決して曲げてはいけないものだ。強きを挫き、弱きを助ける。力あるものはそうあらねばならないのだ。
「見るからに説得に応じるとは思えねえし、ここは真正面からぶつかって武威を示して戦意を折るより他に無いだろうよ。だが――」
 己が剣を目の前に掲げて、エルヴィンは一度言葉を切った。
「こちらからは手は出さん。暴力では世界は変えられないことを見せてやる!」
 なるほど、と小さく義透が言った。二人のを受け、『静かなる者』は頷いてみせる。
「彼女達の戦いが世界に何をもたらすのか、彼女達には見えていない。ならば、彼女達とは異なる戦いの在り方を見せるのも良いと思います」
「……わかった。なら、先頭はお前さんに任せるぜ」
「ああ。必ず防ぎきってみせる」
 視線を交わし、男達は迫り来る影朧甲冑に向き直った。

「撤退の算段でもしていたか? ならば――」
「そんなわけねえだろっ!」
 咆哮と共にエルヴィンが突進。火器を使わせる間もなく肉薄。鋼の剣を掲げるや、その背に血脈と力の証が浮かび上がる。
「てめぇは誰も殺せねぇ! 革命ごっこもここでお終いだ!」
「ならばその屍を乗り越えて徃くまで!」
 影朧甲冑が刃を振り下ろす。その装甲と同じ錬鉄の、機械仕掛けでなければ持ち上げることすら叶わぬ巨刀。
「何っ!?」
 操縦席で静香が上擦った声を上げる。大上段から叩きつけられた刃金は、エルヴィンを断つことも押し潰すこともできず、ぴたりと静止していた。
「γ! サポート合体、行くぜ!!」
 跳躍し、身を翻したザガンの脚に、飛来したサポートメカが装着される。
 両脚を覆うくろがねの鎧。その膝には穿ち貫く円錐。
「敗北主義者が、『戦争』を舐めてんじゃねぇぞ!!」
 ドリルが唸る。斬撃を受け止められて動きを止めた影朧甲冑の背部へと、落下の勢いを乗せた両膝蹴りが叩きこまれる。
 甲高い音がした。装甲が――いや、内部に封じられた影朧が泣き叫んでいる。

「革命を起こし、何を目指しますか?」
 耳をつんざくような絶叫の中で、義透の声は静かに、しかしはっきりと響き渡る。
「武力での革命は、やがて戦争を呼ぶ。その戦争にて一番犠牲になるのは子供。孤児になり、武器を手に取るということがあり得る話。子捨てという話もありますね」
 語りながらも、その手に構えた弓は限界まで引き絞られていく。
「聞きますが。子供に武器を持たせる世を、あなたはお望みか? 無邪気はときとして残酷にもなれてしまう。戦争という火は、止めようと思っても止められないものなのですよ?」
「ちが――わたしは――!」
 慌てたような静香の声が拡声装置から聞こえるのを耳にしつつ、義透は弦から指を離した。
「呪詛は、我らが引き受けましょう」
 放たれた矢はザガンの空けた装甲の穴へと飛びこみ、影朧甲冑の機体内でその霊力を炸裂させる。
 ――アアアアァァァァ……。
 長く尾を引く残響を残して、悲鳴が消え去った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

仇死原・アンナ(サポート)
鉄の処女を模した鉄塊剣『錆色の乙女』,妖刀『アサエモン・サーベル』、戦闘用処刑道具『赤錆びた拷問器具』、棘の生えた鉄球が先端に付いている『鎖の鞭』を使います

UCは指定した物をどれでも使います

普段の口調は(私、あなた、呼び捨て、ね、よ、なの、なの?)
戦闘中は(ワタシ、アンタ、言い捨て)

処刑人として敵と戦います。
同行者がいれば協力します
メインは鉄塊剣を振るいボスを倒します
鉄塊剣の使用が不向きな相手・場所では妖刀をメインにして相手をします。拷問器具や鞭を使い敵の行動を阻害して鉄塊剣や妖刀で敵を攻撃します。影朧相手にはできる限り優しく説得しますが説得不能と判断すれば容赦なく屠ります


東雲・深耶
……聞いたところ、この甲冑に搭乗した者は生きて降りれないとのことだな。
なら、その覚悟と是非は問うまい。

敬意は払おう。だが、君の願いは果たさせない。

UCを起動して大上段からの振り下ろしを時空の修正力の反動で相殺し、反撃する。その隙を狙って次々と高破壊力を有した修正力利用の魔剣を放つ。
更に『残像』を使い攪乱を開始。動揺を誘った後に『神罰』で時空切断とは異なる法則のダメージを与えていく。

「さて、終焉(おわり)を終焉(おわ)らせるとしよう――ユーベルコード、抜刀『第三魔剣応用・相克を超克す背反ならざぬ矛』」



 静香の影朧甲冑が受けた損傷は、動力機関の稼動に支障をきたすほどの致命的なものであった。機関内に封じられていた影朧は半ば消滅しかかり、駆動音は喘鳴のようにか細く頼りない。
 そのような状態になってもなお、早乙女・静香は降伏を選ばなかった。幽鬼のように迫り来る影朧甲冑の姿に、深耶は搭乗者の運命を想う。
 一度影朧甲冑に乗りこんだ者は、機体が破壊されるまで解放されることがない。文字通り、影朧甲冑と運命を共にせねばならないのだ。
「なら、その覚悟と是非は問うまい」
 振り切るように歩を進める深耶の隣に、仇死原・アンナ(炎獄の執行人・f09978)が並ぶ。相手が影朧とあれば転生へと導くために言葉を尽くすつもりだったが、半壊した影朧甲冑の中で呪詛の塊と化したそれを説得することはもうできない。であれば残る道はただひとつ。
「購えない罪ならば、それはワタシの領分」
 死をもって罰すること。その刑を処するという役割を継いだ彼女は、錆色の乙女と名づけられた剣で、死に切れぬ影朧甲冑へと斬りかかる。
「これがわたしの罪というなら……世界の罪はもっと重いぞ!」
 動く度あちこちに悲鳴を上げさせながら、影朧甲冑は刀を振るう。があん、と響く音。出力の落ちた機体では、アンナの鉄塊の如き巨大剣とまともに打ち合えすらしない。
 だがそれでも、静香は機体に鞭打ってニの太刀を振るう。技などと綺麗なことは言っていられない。ただ剣を持ち上げ、振り下ろす。単純故に絶命寸前でも放てる、断末魔の一撃。
「敬意は払おう。だが、君の願いは果たさせない」
 刀を鞘に収めたまま、深耶は告げた。必要なのはただ一振り。影朧甲冑と、静香の命脈を断つための。
「さて、終焉(おわり)を終焉(おわ)らせるとしよう――ユーベルコード、抜刀『第三魔剣応用・相克を超克す背反ならざぬ矛』」
 時を超えた一閃は影朧甲冑の刀を折り砕き、そのまま機体を斜めに駆け抜ける。装甲に刻まれたのは一筋の傷痕のみ。だが、搭乗者と封じられた影朧にとっては致命の一撃だった。
 鍔と柄だけになった刀を、影朧甲冑が取り落とす。そのままつんのめるように倒れかけた機体へと、アンナは地獄の炎を噴き上げる拳を叩きつける。
「……眠れ」
 胸部装甲が砕け、絶命した静香の姿が明らかになる。次の瞬間、機能停止した影朧甲冑は烈火に包まれた。
「地獄の炎は、焼き尽くすまで消えない」
 残骸が回収され、再び影朧甲冑が建造されることがないように。そして、早乙女・静香の亡骸に誰かが手を出すことのないように。
 激しく燃え上がる葬送の火を受けて、水晶宮は赤く赤く輝いていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年07月25日


挿絵イラスト