孤独のウェディングフェス(作者 佐和
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「ソリー! 結婚しよー!」
「……え?」
 かけられた声に、ソリ・テュードの名を持つテレビウムは振り返った。
 こちらに走り込んでくるのは、ふわふわな銀の髪を靡かせたネコキマイラな少女。
 孤独に過ごしていた彼にできた、まだ数少ないけれども、友達の1人。
 その中でも一番陽気で、一番話しかけてくれて、一番交友の広い、ソリにとって目標のような憧れのような子だった。
 そんな少女からの誘いの言葉に、ソリはテレビ画面な顔に疑問符を浮かべ。
 すぐに画面は真っ赤になり、疑問符の横に感嘆符が付いた。
「えええええ!?」
「あ、間違えた。
 結婚式行こうよー。ウェディングフェスやるんだってー」
 ソリの焦りに、少女はぺろっと舌を出してあっさりと言い直す。
 同時に差し出されたスマートフォンの画面には、イベントの案内が表示されていた。
「チャペルで模擬結婚式もできるみたいー。
 庭も広そうだしー、パーティーできるくらいの広間も隣にあるってー。
 でもー、ウェディングドレス着るだけでも楽しそうじゃないー?」
 純粋にわくわくとイベントの内容を説明する少女に、勘違いでちょっと気まずかったソリも次第に前のめりになっていて。
「みんなでウェディングドレス着て『いいね!』集めしよー♪」
「うん」
 元気に手を上げ笑う少女に、ソリも頷いた。

「教会で行われるイベントに、オブリビオンが乱入してくるようでね」
 猟兵達を前にして、九瀬・夏梅(白鷺は塵土の穢れを禁ぜず・f06453)は話し出す。
 キマイラフューチャーで行われる楽しいイベントを壊すように、事件が起きるのだと。
「イベントは、ウェディングフェス。
 つまり、結婚式をテーマにしたものらしい」
 チャペルとその周囲の庭園、隣接するパーティー用広間がその会場で。
 その辺りをコンコンすると、結婚式に関するものが出て来るらしい。
 ウェディングドレスであったり、ブーケであったり。
 ウェディングケーキであったり、引き出物であったり。
 エンゲージリングであったり、ウェルカムベアであったり。
 それらで気軽に楽しむこともできれば、結婚式を模擬体験してみたりもできるよう。
 特に女性には喜ばれそうな内容なのだけれども。
 その楽しさをひがむように、オブリビオンまでやってくるのだという。
 となれば、猟兵達の出番。
 フェスに潜り込んで待ち伏せしてのオブリビオン退治。
「ついでに、一緒に楽しんでくるといい」
 面白がるように夏梅は笑って、言った。
「まあ1つ、よろしく頼むよ」


佐和
 こんにちは。サワです。
 ジューンブライドなシナリオの、はず。

 第1章はウェディングフェスをお楽しみください。
 教会で式、広間で披露宴、庭園で二次会、な雰囲気です。
 わいわいとドレスを試着するもよし。
 見た目から特別な料理を食べまくるもよし。
 遊びに来たと見せかけてプロポーズするもよし。
 模擬結婚式しちゃうもよし。
 花嫁さんを攫っちゃうもよし!?
 必要なものは大抵、コンコンすれば出てきます。

 フェスを楽しんでいると、オブリビオンが乱入してきます。
 第2章は、引き出物な『バウムクーヘン怪人』との集団戦。
 第3章は、パーティーでよく見る甘き巨塔『ビッグチョコフォンデュタワー』とのボス戦となります。

 それでは、6月の花嫁を、どうぞ。
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第1章 日常 『Wedding Fes!!』

POWドレスやタキシードを試着する
SPD色鮮やかなフラワーアレンジメントやお祝い料理を楽しむ
WIZブースを出して提供する側に回る(ドレスを仕立てる、フラワーアレンジメントを作る、料理を作るなど)
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


朱酉・逢真
ウェディングかぁ。いいねぇ。おおよそ幸せなやつだろう? 命がいきいきしているのを見るのは大好きさ。
つっても俺は場違いだからなァ。チャペルの屋根の上にでも登っとくか。外側をよじ登る体力も技術もねえが、小路を作りゃいっぱつさ。
眷属《鳥》から鳩でも出して、式場に紛れ込ませようか。色を白くしておけば許されねえかな。キマフュだし。
視界をリンクさせりゃ、楽しそうな場面が見られるだろう。できれば猟兵でなく現地のヒトが楽しんでるとこが見てぇ。命が楽しそうにしてンのを見れば、猟兵業にも身が入るってもんさ。


「ウェディングかぁ。いいねぇ」
 朱酉・逢真(朱ノ鳥・f16930)は、毒々しい程に赤い瞳をにやりと歪めた。
 漆黒の髪は短く風に揺らされて、と思いきや、背中を伝って、座り込んだ派手な色の屋根にまで垂れ下がる程長く、細めの三つ編みに繋がっている。
「おおよそ幸せなやつだろう?
 命がいきいきしているのを見るのは大好きさ」
 やたらとポップに剪定された木々が囲む、均一な緑色を見せる人工芝な庭で、幾つもの白いドレスが笑い、輝いて。
 またそれを迎え入れた者達からも、楽し気な声が弾んでいく。
 そんな光景を、見下ろして。
(「……つっても俺は場違いだからなァ」)
 逢真は笑みを苦笑に変える。
 そう。逢真が居るのは屋根の上。
 幾つかの尖塔がちぐはぐに伸び、ステンドグラスと言うには賑やかでカラフルすぎるガラス張りの壁が目立つ、ホログラフの十字架を掲げた、教会の上だった。
 階段も何も、登るための道が見当たらないけれども。
 ひょろりとした細身の印象の逢真に、ロッククライムの体力も技術もあるようには見えないけれども。
 逢真には、望んだ場所への道を作るユーベルコード『境界の小路』があるから。
 難なく辿り着いたビビッドカラーの屋根の上にゆるりと腰掛け、のんびりとウェディングフェスを眺める。
 まるで天から地上を見下ろす神のように。
「いいねぇ……」
 またぽつりと、逢真の口から笑みが零れた。
 何着もウェディングドレスを試着して、その違いを楽しむ者がいる。
 ウェディングドレス姿を見て、親のように泣き出した連れに慌てる者もいれば。
 赤面して初々しい反応を見せる者もいて。
 種族どころか性別にも関わらず、ウェディングドレスを着て笑い合う者達も、いる。
「ほら、ソリのドレスはこれねー」
「えええええ!? ぼ、僕も着る、の?」
「そだよー。みんなで一緒に『いいね!』集めだよー」
 ネコキマイラな少女に押し切られるテレビウムの少年も。
「うむ。ソリよ。皆で着れば大丈夫だ」
「さ、サイズ、ある?」
「何とかなるっしょ。
 ほら見てソリ。アタシのマスクも白に良く映えてるっしょ」
「……何だか変な儀式が始まりそう……」
 ガタイのよすぎるライオンキマイラの体格におろおろして、ジャングルの奥地こそが似合いそうなヒーローマスクの少女に困ったような感想をもらして。
「だから、ソリもゴー!」
「やっぱり着るんだ……」
 ずりずりとネコ少女に引きずられていくテレビウム。
 それぞれのウェディングドレスを囲んで、それぞれに紡がれる楽しい時間。
 それを眺めるたびに、逢真の笑みが深くなっていた。
「ああ、そうだそうだ」
 そんな最中、逢真は思い立って眷属《鳥》から鳩を出す。
 一応気をつかって、色を白くしておいて。
「よし。行ってきな」
 飛び立つ羽音を聞きながら、細めた赤い瞳の視界を鳩にリンクさせた。
 教会の中へと飛び行けば、見えるのは幼さの残る少年少女の結婚式。
 妖艶に微笑む金髪の少年と、喜びを溢れさせる銀髪の少女は、今の幸せと未来の幸せを繋ぐ約束を互いの唇に乗せて。
 その周囲を、祝福するように白い鳩が舞う。
 教会の外へと飛び出した鳩は、今度は庭を飛び回って。
 羽音を見上げた幾つもの顔が、楽しそうに嬉しそうに微笑んでいたから。
「こうして命が楽しそうにしてンのを見れば、猟兵業にも身が入るってもんさ」
 鳩の視界からも眺めた『楽しさ』に、逢真も満足気に笑っていた。
大成功 🔵🔵🔵

セシル・バーナード
結婚式の体験会だってね。行こう、プラチナちゃん。
『結婚を前提としたお付き合い』、一歩前に進めよう。
とはいえ、ぼくの家は一夫一妻制じゃないけど。

それじゃ、ウェディングドレスに着替えてきてね。ぼくもタキシードに着替えるから。
うん、清楚なドレスがよく似合ってるよ。ぼくはどうかな?

じゃ、模擬結婚式と行こう。誓いの言葉を述べて、指輪の交換して、それからキス。いまさら恥ずかしがらないでね。
愛してるよ、プラチナちゃん。

このまま式場を出てホテルに向かいたいところだけど、この後もお仕事が待ってるんだよね。残念。
せめて早く片付けてホテルに行こう。一晩中愛してあげる。

参考シナリオ:scenario_id=23991


「うん、よく似合ってるよ。プラチナちゃん」
『本当ですか!』
 セシル・バーナード(セイレーン・f01207)の賛辞に銀髪の少女が顔を輝かせた。
 胸元を開けつつもオフショルダーで可愛らしさを添え、Aラインのスカートが清楚なイメージを作り上げ。
 長い長い銀の髪はそのまま綺麗に揺らし、代わりにティアラから広がるヴェールはショートにして、顔周りの華やかさを演出する。
 見立て通りの仕上がりに、嬉しそうな少女に、セシルは満足そうに微笑んで。
「ぼくはどうかな?」
 くるりと回って自分の姿も見せてみる。
 普段から、良家の子息といった印象の貴族的な格好をしているから、少女程の新鮮さはないけれども。
 ピシッと決めたタキシードと、少女の持つブーケと併せた胸元を飾る白い花が、どこかいつもと違う雰囲気を醸し出していたから。
『カッコイイです!』
「ありがとう」
 真っ赤になって褒める少女に、セシルはにっこりと微笑んだ。
「じゃ、模擬結婚式と行こう」
 そして艶やかに差し出された手は、少女の繊手を引き、ヴァージンロードへと誘う。
『けけけ結婚式ですか!?』
「そう。永遠に一緒にいて、愛し合うことを誓う儀式だよ」
(「とはいえ、ぼくの家は一夫一妻制じゃないけど」)
 浮かれる少女に水を差さないよう、そっと付け足すのは胸の内で。
 多くの妻がいても、皆とちゃんと愛し合うなら大丈夫。
 妖狐ゆえか、その生い立ちゆえか、セシルの歪んだ性愛はそう受け止めるけれども。
 それが一般的な感覚でないことは分かっているから。
 セシルは、今は少女だけを見て、妖艶に微笑んだ。
『ですが私の覚えてる中に結婚式のやり方は残っていないのです……』
「大丈夫。ちゃんと教えてあげるから」
 戸惑いながらも嬉しそうな少女に、くすりと笑みが零れ。
「それに、愛は自由だよ。だから間違いなんてない」
『そうですね!』
 ぱあっと晴れた顔にまた微笑む。
 戦場から連れ帰り、ユーベルコードを用いて共に在る、少女。
 それは複製体ではあるけれども、自由になれたことを喜んでいた少女だったから。
 本当の自由を教えてあげたいとセシルはその手を導いた。
 妖艶に紡がれる、誓いの言葉。
 艶めかしく指先が滑る、指輪の交換。
 それから、艶やかな唇が少女へと迫って。
『き、きききキス、ですか!?』
「いまさら恥ずかしがらないでね」
 誓いの口づけ。
「愛してるよ、プラチナちゃん」
『あ……っ』
 深く深く結ばれた唇に、少女の身体から力が抜けていく。
 1つの影になった2人の周囲を、祝福するかのように白い鳩が飛んでいった。
 教会の外へと飛び去っていく鳩を目で追いながら、セシルは唇を離し。
「このまま式場を出てホテルに向かいたいところだけど、この後もお仕事が待ってるんだよね。残念」
 腕の中の少女に笑いかけると、その耳元で熱く囁いた。
「せめて早く片付けてホテルに行こう。一晩中愛してあげる」
大成功 🔵🔵🔵

セレシェイラ・フロレセール
ドレス着放題という夢のような会場は此方ですか
今日は色々なドレスの試着に来ました
ウェディングドレスといえば女の子の憧れ
カタログを見る度に夢と幸せに胸がいっぱいになったあの日々を思い出す

まずはプリンセスライン
ふわっと広がるドレスのなんと素敵なことか
まるでお姫様みたい
嬉しくて思わずくるりと一回転
後ろもとっても素敵、素敵ね!

お次はマーメイドライン
大人びた雰囲気に惚れ惚れしちゃう
美しい人魚のようなドレスのシルエットが本当に素敵!

ミモレドレスはどうだろう?
軽やかで可愛らしいドレスはとても良いね
ミニドレスは着たことがあるけれど、ミモレはまた違う可愛さがあるね

ふふ、楽しいな
さあ次はどのドレスを着ようかな


フリル・インレアン
ふわぁ、ウェディングドレス素敵ですね。
私も着てみたいですけど、絶対似合わないですよ。
こうして、眺めているだけでも・・・
って、ふえぇ、アヒルさん何をするんですか。
いきなり、私の服に水なんてかけて、とりあえずお洗濯の魔法で・・・。
もう、わかりましたよ。
ウェディングドレスを着てみればいいんですよね。

えっと、どうですか?
似合ってますか?
って、アヒルさんなんで泣いているんですか?
これじゃ、アヒルさんがお父さんみたいじゃないですか。


「ドレス着放題なんて夢のようね」
 セレシェイラ・フロレセール(桜綴・f25838)は自身を見下ろして微笑んだ。
 ウェディングドレスといえば女の子の憧れ。
 カタログを見る度に、夢と幸せが胸いっぱいになったあの日々が。
 今、ここにある。
 早速着たのは、まるでお姫様のようなプリンセスラインのドレス。
 ハートカットのビスチェには細かな刺繍が施され。
 ふわっと広がるスカートは柔らかく何枚もの生地が重なっている。
 薄桜に色づいた柔らかな長い白髪も、ドレスにかかればまるでヴェールのよう。
 嬉しくて、思わずくるりと一回転すれば。
 少しだけ長くした後ろのデザインもちらりと見えて。
「とっても素敵、素敵ね!」
 セレシェイラは桜色の瞳で微笑んだ。
 もちろん、この一着だけで終わることはなく。
 続いて選んだのは、美しい人魚を思わせるマーメイドライン。
 Vネックの胸元も大人っぽく。
 露出の少ないはずの長袖は、細かいレース生地で透ける素肌を引き立てる。
 小柄なセレシェイラにはちょっと背伸びした、惚れ惚れする大人びたデザイン。
「シルエットが本当に素敵!」
 逆に、可愛らしさを引き立てるのは、ミモレドレス。
 軽やかなミモレ丈のスカートは、オーガンジーの薄い生地を重ねて。
 綺麗なヒールや、足首に巻いたリボンも魅せて楽しめる。
 半袖のオフショルダーも共に、少し大人しめな女の子らしさを演出していて。
「ミニドレスとはまた違う可愛さね」
 ショートヴェールが合うかしら、とセレシェイラは桜色に微笑んだ。
 さあ次は、と楽しんでいると。
「ふわぁ、ウェディングドレス素敵ですね」
 庭の片隅にあるテーブルから、フリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)のうっとりとした声が聞こえてきた。
 テーブルの上にアヒルちゃん型のガジェットを乗せたフリルは、大きな帽子を被ったいつもの服装のままだったから。
「あなたは着ないの?」
「私ですか?」
 首を傾げて問いかければ、セレシェイラの薄桜の髪と同じように、フリルの銀の髪もさらりと流れる。
「着てみたいですけど、絶対似合わないですよ。
 こうして、眺めているだけでも……って、ふえぇ、アヒルさん何をするんですか」
 話の最中、唐突に、アヒルちゃん型ガジェットが水を吹き出して。
 見る間にフリルの服が水浸しになっていく。
「とりあえずお洗濯の魔法で……ってアヒルさん、またですか」
 ユーベルコードで対処するけれども、その傍からすぐさまガジェットの水がかかり。
 濡らしては乾かし、汚しては落とし、のいたちごっこ。
 その様子を見ていたセレシェイラは、ああ、と気が付いた。
「ウェディングドレスに着替えたら、ってことよね?」
 セレシェイラの指摘に、その通りと言うようにガジェットは胸を張り。
 目を瞬かせたフリルが、ガジェットと何度も濡らされた服を交互に見て。
「もう、わかりましたよ」
 諦めたように席を立つ。
「それならこっちよ」
「ふえええぇ!?」
 そっと手を引くセレシェイラに、嘆きながらも抵抗せずついていったフリルは。
 しばしして、王道なロールカラーのウェディングドレス姿で現れた。
 Aラインのスカートには、ロングトレーンをつけて。
 それよりさらに長いロングヴェールも重ねて。
 ゆえにフリルはゆっくりと、ガジェットを置いたテーブルへと近づいていく。
「えっと、どうですか? 似合ってますか?」
 同じドレスを着たセレシェイラも後を追いかけ、ひょいと様子を覗き込めば。
「……って、アヒルさんなんで泣いているんですか?」
 あわあわするフリルと、水浸しのガジェット。
「これじゃ、アヒルさんがお父さんみたいじゃないですか」
 慌てながらもどこか嬉しそうに頬を染めるフリルに、セレシェイラも知らず微笑んで。
「ふふ、楽しいな」
 長いスカートをちょこんと摘まんで揺らしてから。
 振り返って、後ろに伸びるトレーンやヴェールを堪能して。
「さあ次はどのドレスを着ようかな」
 まだ着ていないのは、エンパイアラインにスレンダーライン。
 ミニやセパレートといったカジュアルなものも気にはなる。
 同じスタイルでも、デザイン違いのものも多々あるし。
 素材を変えても印象が変わるから。
 まだまだ沢山試してみたいと、セレシェイラは次のドレスを選びに向かった。
「アヒルさん、もう泣き止んでくださいよ」
 困惑するフリルの声の上を、鳩の羽音が飛んで行く。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

草野・千秋
彼氏のライアンさん(f02049)と
WIZ

テレビウムのソリさんとキマイラの女の子、ですか
ウェディングをフェスだなんて、いかにもキマイラフューチャーで自由な感じだと思います(にこにこ)

二人一緒だからといって油断はしていませんよ
でもまずはフェスを楽しんでからですよね?
出し物も手伝いましょう
UDCアースから来た僕らは焼き鳥とかお好み焼きとか
屋台的なものを提供しましょう
UC【Sunday Circus Song】で音楽隊を召喚して少しでも人手を確保しつつ材料はコンコンコンでとびきりいいものを
最後はライアンさんがドレスを試着なんて?
似合うと思うのです、僕は撮り専
キャットですか、猫みたいです


ライアン・ウィルソン
WIZ
【猫とネコ】
敵についてはまあみんななんとかしてくれるから任せるわ
そもそもまだ1章よ?バトルパートなんてないもの
とりあえず千秋ちゃん(f01504)にひっついて適当に茶々入れつつ駄弁るわ
あたしちゃんはキャット!気まぐれで自由なの!
でもなんやかんやで彼女には弱いの。メロメロ
あとあたしちゃんは撮られる専!
ドレス全部持ってきなさい!着るわ!
変わったアタシちゃんを見なさい!…やだ、これがワタシ?すごい綺麗…まるで別人みたい…
でもコスプレってある意味別人への変身よね


「じゃあ、ウェディングドレスはお揃いで決まりー。行くよソリー」
「やっぱり着るんだ……」
 ネコキマイラな少女に半ば引きずられていくテレビウムを遠目で見ながら、草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)は眼鏡の下でにこにこ笑っていた。
「ウェディングをフェスだなんて。
 いかにもキマイラフューチャーで自由な感じだと思います」
 何でもお祭りにしてしまうフリーダムな感覚を肌で感じながら、それにしても、と緑色の穏やかな瞳を周囲に走らせる。
「その自由をオブリビオンが奪うのですね」
「それについてはまあみんななんとかしてくれるから任せるわ」
 油断なく、と気を張る千秋に後ろからぎゅっと抱き付いたのは、楽し気なライアン・ウィルソン(美少女美少年傭兵・f02049)で。
 大きな金の瞳をわくわくと輝かせて、肩越しに振り返った千秋を見上げて笑った。
「そもそもまだ1章よ? バトルパートなんてないもの」
 あっ。ちょっとその発言はメタですが。
 それでも弾む声の意図は千秋に正確に伝わったようで。
「まずはフェスを楽しんでから、ですよね?」
「そういうこと」
 ライアンはにっこり満足そうに笑うと、千秋の隣に並んだ。
 覗き込むのはその手元。
 テキパキと手際よく並べられた焼き鳥の串に、興味津々といった視線が注がれる。
 フェスなら出し物を増やして盛り上げるのを手伝おうと、千秋は、庭園のちょっと空いたスペースに幾つかの屋台を出店しているのだ。
 出身であるUDCアースではお祭りの定番。
 焼き鳥にお好み焼きにりんご飴、と手軽に食べられる料理が並ぶ。
 むろん、複数の屋台を千秋1人だけで切り盛りできるはずがないので。
 活用するのはユーベルコード『Sunday Circus Song』。
 本来は演奏を魅せてくれる音楽隊は、今日は楽器を調理器具に持ち替えて、いつもと変わらず周囲に笑顔を生み出していく。
「千秋ちゃん千秋ちゃん。あーんっ」
「はい。丁度焼けましたよ」
 無邪気に開かれたライアンの口に、丁度いい焼き加減となった焼き鳥を、熱くないかと気遣いながらも差し出せば、もぐもぐしながら笑顔が零れた。
 その美味しさを堪能する中で、ふと、ライアンは首を傾げ。
「材料とかってどうしたの?」
 持ち込んだのなら大変だったのではと少し心配するような響きに、千秋はくすりと微笑むと、片手を軽く握って近くの壁をコンコンして見せる。
「なかなか便利な世界ですよね」
 もちろんその中からとびきりいいものを選んだのだと告げながら、ライアンの食べかけ焼き鳥を千秋もそっと口にして。
 残った焼き鳥は、納得の色を見せたライアンが、その串を持つ千秋の手に抱き付くようにして平らげた。
 とはいえ、コンコンコンは場所により出てくるものが代わり、欲しいものがどこから出てくるのかは叩いてみないと分からないシステムで。
 現に今、適当にコンコンした千秋の手に出てきたのは、ウェディングドレス。
 屋台で売るものではないけれども。
「せっかく出てきたので、ライアンさん、試着なんて?」
「でも、ドレス着ちゃうと屋台の中に居にくくならない?
 アタシちゃん、千秋ちゃんの側に居たいのよね」
「そうですか。見てみたいと思ったのですが、残念です」
「すぐに着てくるわよ!」
 ちょっとしゅんとした表情を見せた千秋に、渋っていたはずのライアンは、嬉々としてドレスを受け取り身を翻す。
「いいんですか?」
「アタシちゃんはキャット! 気まぐれで自由なの!」
 言葉通りに猫のように身軽に、ライアンは建物内に一旦消えて。
「変わったアタシちゃんを見なさい!」
 すぐに真っ白いウェディングドレス姿となって駆け戻ってきた。
 細やかなビーズ刺繍が施されたストレートビスチェが華やかに胸元を彩り。
 幾重にも布を重ねたAラインのスカートがふんわりと広がる。
 短い青髪はそのままだけれども、ショートヴェールを髪と共に肩の上で揺らしているだけで、活発な印象が一変していた。
(「……やだ、これがワタシ? すごい綺麗……まるで別人みたい……」)
 通りかかったテレビウムの少女が画面にその姿を映し出してくれるのを鏡代わりに見たライアンは、ほぅ、とうっとりしたため息をついて。
「でも、コスプレってある意味別人への変身よね」
 スカートをそっと持って広げたり、くるりとその場で回ってみたり。
 いつもと違う自分を楽しんでいく。
 そして、一番嬉しいのはもちろん。
「やっぱり似合いますね」
 緑瞳を細めた千秋が、嬉しそうに微笑んでライアンを褒めてくれるから。
 綺麗なライアンを撮ってくれるその様子が本当に楽しそうだから。
「ドレス全部持ってきなさい! どんどん着るわ!」
 ライアンは、次のドレスに手を伸ばしていた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と

チャペルの庭をコンコンコン♪
橙のバラの花束ブーケ
壁をコンコン♪
ふわりプリンセスの真白ウェディングドレス
ん、今日はPPあん
着替えて庭園へ

まつりん、もう目線が同じ高さ
来年はタキシードまつりんかな
ふふ、嬉しいような少し寂しいような不思議な気持ち

あ、まってまつりん
テーブルの黒パン、ヘラジカ肉、クリームスープ
どのお料理も美味しい…至福

ソリの姿を見つけたら駆け寄って
ソリのお友達にもご挨拶
わたしは杏、わたし達もソリのお友達
ふふ、ソリはもう独りじゃない
よかったね(嬉しそうに笑って

いいね、集めてるの?
なら、とテーブルをコンコン♪
出てきたウェディングケーキを囲んで、写真をもう1枚!


木元・祭莉
アンちゃん(f16565)と!

ソリ、結婚するんだってー?
本日はお日柄も良く!
え、違うの?

ドレスの人がいっぱいだー。
楽しそうだし、おいらもやってみる!
アンちゃんもやってみて!

コンコン。
真っ白なフリフリ!
お花も手袋も靴もウィッグも!
もふもふわふわ!

とりあえず出てきたモノ全部、着付けて盛ってみた!
(白いふわもこ怪獣完成!)
へへー、お嫁怪獣まつりんこ! がぉう♪
(かわゆいのポーズ☆)

今日のアンちゃんは、PP(ぷりてぃぷりんせす)だね!
あ、ソリと銀猫ちゃん。一緒に花嫁行列しよー♪
(横並び腕組み行進)

結婚式といえば、お料理。
スカイレストランで北欧料理、ケーキ囲んで4人でピース!
へへー、イイネ貰ったよー♪


 庭園を仕切る壁をコンコンコン♪
 現れたのは、橙のバラの花束ブーケ。
 チャペルの壁をコンコンコン♪
 現れたのは、ふんわりプリンセスラインの真っ白ウェディングドレス。
 そうして出てくるものを楽しみながら。
 木元・杏(食い倒れますたーあんさんぽ・f16565)は手にしたものに着替えて。
「ん、今日はPPあん」
 杏は改めて、庭園に足を踏み入れた。
 もちろんその身に纏うのはウェディングドレス。
 しっかりした布地の上から、軽い布をふわふわと幾重にも重ねてボリュームを増したスカートは本当にお姫様のようで。
 肩先をふんわりと覆うパフスリーブが、可愛らしい優しさを添える。
「ぷりてぃぷりんせす、だね!」
 そんな杏の様子に、にかっとおひさま笑顔を見せたのは、双子の兄の木元・祭莉(とっとこまつさんぽ?・f16554)。
 しかし、兄のはずの祭莉も、真っ白フリフリなウェディングドレス姿になっていて、杏は金色の瞳を瞬かせた。
 ミニ丈のスカートの下で、低めとはいえ白いヒール靴がカツンと鳴り、銀色の細いアンクレットがしゃらんと輝きを添えて。
 レースを散らしたフレンチスリーブから伸びた元気な手は、白く透ける手袋に覆われてちょっとだけ大人しくしている。
 短いクセ毛の赤茶髪は、ウィッグだろう、ふわふわした長髪に変わっていた。
「とりあえず出てきたモノ全部、着付けて盛ってみた!
 へへー、お嫁怪獣まつりんこ! がぉう♪」
 かわゆいポーズをとる、兄か姉か分からなくなってきた祭莉に、でもすぐに杏はふわりと微笑んで。
「まつりん、もう目線が同じ高さ」
 ふと気づいた、服装よりも小さな変化に目を細める。
 自身より小柄だった兄の、兄らしい成長が嬉しいような、少し寂しいような。
 不思議な気持ちに胸を揺らしながら、ぽつりと呟いた。
「……来年はタキシードまつりんかな」
「そしたら、アンちゃんをえすこーと、だね!」
 でもすぐに返ってくるのはいつもの笑顔。
 変わらずに隣にいるよと伝えてくれるおひさま。
 だから、杏の笑みもいつものように綻んでいく。
「結婚式といえば、お料理!」
「あ、まってまつりん」
 そして双子はドレスのまま、料理が並ぶテーブルへと駆け寄った。
 本格的な料理は広間の中で席に座って頂けるようだけれども。
 庭園に面した場所は、ビュッフェスタイルで料理が並べられていて。
 まるでスカイレストラン。
 黒パンに、ヘラジカ肉、クリームスープ、きらきらゼリー寄せ。
 少しずつ小分けに盛られたご馳走を、次から次へと選んでいって。
「どのお料理も美味しい……至福」
「アンちゃん、こっち食べた?」
 北欧料理を中心に、あれもこれもと舌鼓を打っていく。
 一通りお腹が落ち着いて、ようやっと祭莉の目が周囲に向いた。
「ドレスの人がいっぱいだー」
 気付けば庭園にはウェディングドレスが溢れていて。
 様々な種族の様々な人達が白に身を包んでいる。
 中には祭莉のように、ドレスを着た男の子も混じっていて。
「あ、ソリ!」
「……あっ」
 その中に、友人のテレビウムを見つけて双子は駆け寄った。
「ソリ、結婚するんだってー?」
「えっ? ……ええええ!?」
「本日はお日柄も良く!
 ……え、違うの? 花嫁さんになるんじゃないの?」
「ちっ、違います」
 祭莉の衝撃発言に慌てるテレビウムを、杏は嬉しそうに眺めてから。
 その隣で、こちらを興味津々見つめている、テレビウムの友人と同じデザインのウェディングドレスを着たネコキマイラの少女達に微笑んだ。
「わたしは杏。わたし達もソリのお友達」
 途端に巻き起こる驚きの声と歓声と。
「猟兵が友達って、ソリすごいっしょ!」
「あー。そういえば確か遊園地で見たー」
「うむ。ソリよ。誇るべきだな」
 わいわいと皆に囲まれて、慌てながらも楽しそうなテレビウム。
 それは、杏が望んでいた光景そのものだったから。
「ふふ、ソリはもう独りじゃない」
 よかったね、と杏は嬉しそうに笑みを深くした。
 そして、テレビウムの友人も、ネコキマイラな少女も、ライオンキマイラもヒーローマスクも皆ウェディングドレス姿なのに気付いて。
「いいね、集めてるの?」
 こくんと首を傾げてから、杏は近くのテーブルをコンコンした。
 途端に出てくる5段もの高さのウェディングケーキ。
 エディブルフラワーだろう、白を中心に淡い色の花びらで彩られたそれは、大きく、そしてとても綺麗で目を惹くものだったから。
「みんなで写真」
「ほら、ピース!」
 テレビウムを引き寄せた祭莉に、杏もネコ少女達を促して。
 写真映えするケーキを囲むと、ぱしゃり、とシャッター音が鳴り響く。
「そしたら次は、一緒に花嫁行列しよー♪」
「ん、みんなで行進」
「ねーねー、あっちの屋台も気にならないー?」
「うむ。興味あるな」
「それなら花嫁行列で食べ歩きっしょ」
 ぱたぱたと白い鳩の羽音が聞こえてくる中で。
 楽しい笑顔は、庭園中に広がっていく。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

真宮・響
【真宮家】で参加。

ウェディングフェスタね。去年、アタシは子供達からウェディングドレスとフルエタニティリングを贈られたねえ。奏はウェディングドレスを試着したい?いいね、来るべき時に向けて、とっておきのを見立ててやろうかね。(落ち着かない様子の瞬をみてにやにや)

奏はUCで青いプリンセスドレスを着るからねえ。プリンセスドレス型のウェディングドレスがいいんじゃないかい?ブーケはクレッセントと。よし、可憐な花嫁さんの出来上がりだ。奏の手を引いて、瞬の待つ庭園へ連れて行く。おやおや、瞬の顔が真っ赤だ。すぐ結婚式を挙げたくなったんじゃないか?(ドギマギする2人を見て)あはは、冗談だよ。


真宮・奏
【真宮家】で参加

ウェディングフェスタ・・・はい、私ウェディングドレス試着したいです!!誰のお嫁さんになりたいと言えば・・・(瞬をちらりと見て)と、とにかく母さんが選んでくれるなら!!

(プリンセスラインのウェディングドレスを着て)花嫁さんの気持ちが分かります。夢のようです・・・え?母さんどこいくんですか?瞬兄さんに見せに行く?心の準備が・・・(瞬兄さんの顔を見て自分も真っ赤)結婚式を挙げる?そ、それは・・・(色々衝撃的すぎてドギマギ)


神城・瞬
【真宮家】で参加

奏にウェディングドレスですか?青のドレス姿は見慣れていますが、ウェディングドレス・・・・(そわそわ)落ち着け、僕。

庭園でドリンク飲みながら心を落ち着けていると、母さんに連れられたウェディングドレス姿の奏が。はっきりいってこれ程可憐なものをかつて見た事がありません。見惚れていると、母さんの「結婚式挙げたくなるんじゃないかい?」の言葉に胸が爆発する程ドギマギします。冗談にしては質が悪いですよ・・・でも(いずれかは、きっと。(懐にしまったスターサファイアのエタニティリングを大事に握りしめる))


 神城・瞬(清光の月・f06558)は庭園の一角にあるテーブルに座って、ゆっくりとドリンクを飲んでいた。
 ウェディングドレス姿で仲間と楽しそうにはしゃぐ人々や。
 屋台に、ビュッフェに、舌鼓を打つ人々。
 教会からは時折、祝福するような鐘の音が響き。
 誰がコンコンしたのか、うず高いウェディングケーキが聳え立つ。
 そんな光景を眺めながら、そっとグラスを持ち上げて。
 優雅に座って……いる風を装いながら、実は瞬はそわそわしていた。
(「落ち着け、僕」)
 よくよく見ていると、その赤い瞳が何度もちらちらと、広間の方に設けられた試着室へと向けられていて。
 口元へと何度か近づけられているグラスも、中身が全然減っていない。
『ウェディングフェスタね』
 そして、瞬の脳裏には、真宮・響(赫灼の炎・f00434)の声が繰り返されていた。
『アタシは去年、ウェディングドレスとフルエタニティリングを贈られたからねえ。
 それで充分。ここで着ることはないねえ』
 早くに夫と死別し、女手1つで子供を育てた豪快な母は、その子供達からのプレゼントを思い出しながら笑っていて。
『それじゃ、奏だけでいいね?』
『はい、私ウェディングドレス試着したいです!』
 さらりと、愛娘である真宮・奏(絢爛の星・f03210)へと声をかける。
 花嫁さんは女の子共通の憧れだから、奏は1も2もなく頷いて。
『誰の為の試着かねえ?』
『えっ!? 誰のお嫁さんになりたいか、と言えば……』
 響の問いかけに、奏の大きな紫瞳はそっと瞬を映した。
 でも瞬がそれに気付く前に。
 響がにやにやと面白がるように笑っているのを見て。
『と、とにかく母さんが選んでくれるなら着たいです!』
 奏は慌てたように瞬から目を反らし、そして瞬から引き離すかのように響の背を押して試着室の方へと押していく。
『まあ、いいか。
 来るべき時に向けて、とっておきのを見立ててやろうかね』
 おおらかに笑った響は、娘に押されるまま進んで。
『楽しみに待ってなよ、瞬』
 にやにやしながら消えていった。
 それが、しばし前のこと。
 瞬はまたちらりと2人が歩いて行った方向を見て、グラスを持ち上げた。
「ユーベルコードで、青のドレス姿は見慣れてますからね」
 どこか自分に言い聞かせるかのように呟いて。
 でも、戦いのためではない、純真無垢なウェディングドレスだと思うと……
 やっぱり減らないグラスをまたテーブルの上に置いて、瞬は空を見上げた。
 白い鳩がぱたぱたと、青空の中を泳ぐように飛んでいく。
 何となくそれを目で追って、ふぅ、と深呼吸のように息を吐いて。
「瞬、待たせたね」
「待ってください母さん、心の準備が……」
 そこに響と奏の声が戻ってきた。
 とっさに振り向いてしまった瞬の目に映ったのは、純白。
 長さの違う布を幾重にも重ねてボリュームを増したプリンセスラインのスカートに。
 ハートカットのビスチェの丸みが、女性らしさを際立たせる。
 高く結い纏めた茶色の髪にもパールの白が踊り。
 白手袋に覆われた繊手が持つのは、クレッセントのブーケ。
 仄かに色づく赤い頬と艶やかな唇の色が、白いヴェール越しにもはっきり見えて。
 思わず、瞬は言葉を失っていた。
(「はっきりいってこれ程可憐なものをかつて見た事がありません」)
 ドレスのデザインとしては、ブレイズセイバーを手に水色の翼で空を舞う青いドレスとそう変わらない。
 多分、あえていつものドレスに近いものを選んだからだろう。
 それなのに、与えられた衝撃は、いつもの比ではないから。
 もじもじする奏と、硬直する瞬は、しばし無言のまま向かい合っていた。
「おやおや、瞬の顔も真っ赤だ」
 その膠着した空気を破ったのは、にやにや笑いの響。
「すぐ結婚式を挙げたくなったんじゃないか?」
「…………っ」
「そ、それは……」
 衝撃的すぎる直球の言葉に、瞬の胸が爆発するかのように跳ね、奏が慌ててわたわたと手を振り視線を泳がす。
 そんな初々しい2人の様子に響はさらに笑みを深めながらも、今は、と一歩引いた。
「あはは、冗談だよ」
「質が悪いですよ、母さん」
 はぁ、と疲れたように息を吐く瞬。
 悪い悪いというかのように、響の手がその肩をぺしぺし叩いてから、慌てて暴れたことで乱れてしまった奏のドレスを直しに向かう。
 2人の視線から外れて、ようやっと瞬は落ち着きを取り戻して。
 ふと、懐にしまったスターサファイアのエタニティリングへと手を伸ばす。
「やっぱりウェディングドレスはいいもんだね」
「はい。花嫁さんの気持ちが分かります。夢のようです」
「だから早く式を……」
「母さんっ!」
 楽し気に会話を続ける母娘を、そっと目を細めて眺めながら。
(「いずれかは、きっと」)
 お互いが一人前になったその時には、と。
 瞬は、懐に隠したままのリングを、誓うように握り締めた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第2章 集団戦 『バウムクーヘン怪人』

POW ●結婚したのか…俺以外の奴と…
【青春時代の甘酸っぱい思い出】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【バウムクーヘンに仕込んだ苦い涙】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD ●お前と結婚するのは俺だと思ってた…
【失恋の嘆きをたっぷり含んだバウムクーヘン】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ ●涙のバウムクーヘンエンド
【引き出物の入った紙袋】から【涙で濡れているバウムクーヘンの包み】を放ち、【憐れみを誘うこと】により対象の動きを一時的に封じる。
👑7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ドレスを着て、式を挙げて、料理を食べて。
 わいわいと盛り上がっていくウェディングフェス。
「……ねー、ソリ。聞いてくれるー?」
 その喧騒の最中、ソリはネコキマイラな少女にこっそり手招きされた。
「実はー、この機会に告白しよーって思っててー」
「えっ!?」
 至近距離での囁きに、そしてその内容に、ソリの胸が高鳴るけれども。
 少女がちらりと視線を送るのは、ムッキムキな身体を無理矢理ウェディングドレスに包んだ、ライオンキマイラの彼。
(「そう、だよね……」)
 友達になったばかりの自分と、それより前から知り合いだったらしい友人達。
 自分にはないものを持った、憧れてばかりの相手同士だから。
 落胆を感じながらも、仕方ないと諦めて。
 ソリは大事な友人を応援しようと、画面に笑顔を浮かべた。
 しかし、そこに。
「結婚するのか……俺以外の奴と……」
 酷く寂しげな声が響く。
 はっと振り返ると。
 そこには引き出物のバウムクーヘンが……いや、バウムクーヘン怪人が涙を流して、ウェディングドレス姿の女性達を恨めしそうに見ていた。
朱酉・逢真
バウムクーヘンとキマイラねぇ。食うか食われるかの関係ってことかい。残念だったなあ。お前さん、彼女好みの味付けじゃなかったってこった。
グチるだけなら夜が明けるまでだってハナシ聴いてやるが、攻撃してくるとなったら応戦するぜ。
いまを生きる命同士なら攻撃だって止めねえが、お前さん《過去》だもんなぁ。
憐憫なら俺の常態だ。いまさら誘われても動きは止まらんぜ。眷属《獣》から飢えた群れを出して、バウムクーヘン食いつくさせてやろう。
俺は此岸のもんは食えんし、触るとくさっちまうんで。ぜんぶ食ってくれ。
【小鳥】よ、やつにケーキより甘い夢を見させてやりな。理想のかなった幸せな夢に浸りながら、苦痛なく死ぬがいいのさ。


 ウェディングドレスに盛り上がっていた女性達は、近づく気配にはっと振り向く。
 そこにはバウムクーヘン怪人が酷く寂しそうに立っていて。
 手に持っていた大きな袋……引き出物を沢山入れられるような白い紙袋にそっと手を入れると、そこから1つの箱を取り出した。
 涙に濡れた箱の中身は、バウムクーヘン。
 幸せを象徴するかのように、周囲を白くコーティングされたそれを、バウムクーヘン怪人は箱から出して見せ。
 深く。深く。力のないため息をつく。
「これ私、SNSで見たことあるよ」
「あるある。確か、バウムクーヘンエンドとかって……」
「それ、すごく仲の良かった女の子から、突然結婚式に招待されちゃうアレ!?」
「友人代表のスピーチとかやらされちゃうやつでしょ!?」
「それで、式が終わってから、引き出物のバウムクーヘンを1人寂しく食べるって……」
 女性達は互いの認識をひそひそ確認し合いながら、ちらちらと申し訳なさそうにバウムクーヘン怪人を見やり。
 その小さな瞳からぽろりと落ちた一粒の涙に、騒めきが大きくなる。
 どうしようどうしようと慌てながら、動けなくなった女性達に。
 ウェディングドレスを着た花嫁姿の彼女達に、羨むような怪人の手が伸びて……
「残念だったなあ。お前さん、彼女好みの味付けじゃなかったってこった」
 手が伸びた先を遮るように、白い鳩が横切ったかと思うと。
 そこに朱酉・逢真(f16930)が立っていた。
 教会の屋根の上に登った時と同じ手法で、今度は逆の路を辿って地上に降り立ち。
 やれやれ、といった風に首を横に振る。
「グチるだけなら夜が明けるまでだってハナシ聴いてやるんだが」
 それだけじゃねえんだろ? と赤い瞳で苦笑を見せた。
 伸ばされた手は、恨めしく花嫁姿の女性達を狙っていたから。
 攻撃をしようというなら、聴き手に甘んじてはいられない。
 それに。
「いまを生きる命同士なら攻撃だって止めねえが、お前さん《過去》だもんなぁ」
 命を失い、骸の海へ沈んだ存在。
 そんなオブリビオンが、いま命を生きる者へ害を成そうというのなら。
 逢真には看過することはできない。
 だから、逢真は、眷属《獣》から飢えた群れを呼び出した。
「俺は此岸のもんは食えんし、触るとくさっちまうからな。
 代わりに、ぜんぶ食ってくれ」
 無造作に逢真が指し示したバウムクーヘンに、飢餓の獣達が襲い掛かる。
 奪い取り、噛みちぎり、引き裂き壊すように貪り食べて。
 その様子を見たバウムクーヘン怪人が、がくり、と膝をついた。
 好きだった彼女の幸せが壊されているかのようで。
 好きだった彼女の裏切りに天罰が下ったかのようで。
「は……はは……」
 複雑な壊れた笑い声と共に、またバウムクーヘン怪人の瞳から涙が落ちる。
 哀れな男の末路は、それを見る者の心を酷く哀しく揺さぶった。
 けれども。
「憐憫なら俺の常態だ。いまさら誘われても動きは止まらんぜ」
 逢真は、3羽の小鳥の霊を召喚した。
「小鳥よ、やつにケーキより甘い夢を見させてやりな」
 羽ばたく鳥達は、バウムクーヘン怪人の周囲を飛び交い。
 その能力で夢を紡ぐ。
 それは、バウムクーヘン怪人にが望んだゆめ。
 好きだった彼女がウェディングドレス姿で隣に並び。
 祝福する友人達に自分がバウムクーヘンを配る。
 いや、その誰もが幸せな結婚式で配られた引き出物に、涙の味のしないバウムクーヘンに自分がなれた、夢。
 バウムクーヘン怪人は、呆然と、小鳥の舞う虚空を見つめて。
「理想のかなった幸せな夢に浸りながら、苦痛なく死ぬがいいのさ」
 にやり、と赤い瞳で笑った逢真の前で。
 先程とは違う涙を零しながら、バウムクーヘン怪人の姿は消えていった。
大成功 🔵🔵🔵

セシル・バーナード
さあ、お仕事の時間だよ、プラチナちゃん。
プラチナちゃんは金属の投げ槍を後方から投射して援護をお願い。
群竜大陸で両脇に浮かべてたあの手のようなのが使えるなら、それも上手く使ってね。
頼りにしてるよ、プラチナちゃん、と「鼓舞」。

ぼくは、「全力魔法」「範囲攻撃」の空間裁断で一気にバウムクーヘンを微塵切りにする。
悪いね。甘いお菓子は、このパーティーでたっぷり食べたんだ。湿気たバウムクーヘンには用はないよ。

さくさく戦闘を進めつつ、プラチナちゃんの状況にも気を配る。
曲がりなりにも帝竜だから、この程度の相手は対処出来ると思うけど。
危なそうなら、次元障壁で彼女への攻撃を遮ろう。それで出来た時間で彼女に駆け寄る。


「結婚したのか……俺以外の奴と……」
 教会の重厚かつどこかポップな扉をくぐり、庭園へと姿を現したセシル・バーナード(f01207)と銀髪の少女を出迎えたのは。
 祝福のフラワーシャワーではなく、ほろりと涙を零すバウムクーヘン怪人だった。
『え? え? あなた誰ですか? 私、再孵化前のことは全然覚えていないのですがまさか他にも結婚を前提にしたお付き合いを!?』
 過去の記憶が欠落している少女が、突然の展開におろおろするけれども。
「大丈夫。落ち着いてプラチナちゃん」
 セシルは慌てず、ぐいっと少女の腰を引き寄せた。
「プラチナちゃんが愛を誓ったのはぼくにだけ。
 だから、あんなバウムクーヘンの言うことなんて気にしちゃ駄目だよ」
 ウェディングドレスに包まれた小柄な身体を抱き寄せて、その耳元で艶やかな唇を動かし囁けば、どこかぼうっとしたように少女がこくりと頷いたから。
 セシルも笑顔で頷いて、少女の身体を離した。
「さあ、お仕事の時間だよ。プラチナちゃん」
『はい! 私めちゃくちゃ頑張ります!』
 頬を赤く染めた銀髪の花嫁は、ぐっと両手を握りやる気を見せると。
『ジルコニア、プラス、バナジウム!』
 叫んで片手を空に掲げた。
 けれども。
『……あああ! 周りにレアメタルどころか金属が少ないと私役立たず!?』
 何も起こらなかった現状に、銀髪の少女は頭を抱えておろおろしだす。
 そういえば、少女と出会った戦場は、金属に覆われた大地で。
 少女は竜の姿をした超硬装甲に覆われて準備万端の状態だったりする。
 そういった戦場形成をしていないからなのか。
 複製体ゆえ本体に及ばないのか。
 その存在がセシルのユーベルコードとなったからなのか。
 原因は分からないけれども、今この時に、少女はあの時の強大な力を使えないようで。
 慌てふためく少女に、バウムクーヘン怪人から苦い涙が飛んできた。
「何度でも言うけど、大丈夫だよ。プラチナちゃん」
 それが驚愕する少女に当たる直前、セシルが張った次元障壁が遮る。
 飛び散り霧散した涙を呆然と見つめる少女に、セシルはゆっくり歩み寄って。
「ぼくがいるから。落ち着いて」
『でも! 私すっごい役立たずですから……』
「それでもぼくの為に頑張ってくれたんだよね?」
 混乱する銀髪の少女を再び抱き寄せ、唇を重ね合わせた。
『あ……っ』
「ありがとう、プラチナちゃん」
 先程以上に上気した顔で、くたり、と少女の力が抜けていく。
 それを妖艶な微笑みで見下ろしてから。
「悪いね。甘いお菓子はたっぷり食べたんだ」
 セシルは少女を抱いたまま、ほら甘いでしょう? と見せつけるように笑って見せた。
 バウムクーヘン怪人の瞳から、さらに苦い涙がはらはらと流れ落ちていく。
「湿気たバウムクーヘンには用はないよ」
 放たれた不可視無音の空間断裂は、バウムクーヘン怪人の頭部を綺麗に1口サイズへと切り裂いていった。
成功 🔵🔵🔴

真宮・響
【真宮家】で参加

いや、何というか、気の毒に、としかいえないね。既婚者で花嫁姿の奏が傍にいる身としては。ウェディングフェスタを荒らそうとする奴は即刻退場して貰うか。

まあ、奏と結婚するのは・・・(奏と瞬の表情を見て)こういう訳だから、手出しはさせないよ!!【ダッシュ】で敵の群れに飛び込み、敵の八つ当たり攻撃は【オーラ防御】【見切り】【残像】で凌いで、【二回攻撃】【範囲攻撃】を併せた竜牙で攻撃し、【怪力】【グラップル】で蹴り飛ばす。さあ、邪魔者はとっとと退場しな!!


真宮・奏
【真宮家】で参加

えっと、披露宴の引き出物にバウムクーヘンは多いと聞きますが(首傾げ)勘違いしているようで。ウェディングフェスタを荒らそうとする悪党は許せま・・・ウェディングドレスだと動き難い・・・

私の結婚相手・・・(瞬をちらりと見て、頭をぶんぶん)と、とりあえずやっつけます!!トリニティエンハンスで防御力を高め、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】で防御を固めながら、【シールドバッシュ】【二回攻撃】で攻撃、更に【怪力】【グラップル】で追撃のパンチを喰らわせます。幸せで華やかな場所にオブリビオンはいりません!!骸の海まで飛んで行ってください!!


神城・瞬
【真宮家】で参加

(無意識に眉を顰めて)少なくともバウムクーヘン怪人に相手はいませんね。勘違いからの嫉妬は見苦しい。大変迷惑なので倒してしまいますか。

(無意識に奏の前に立ち)絶対奏は護りますからね。(決意の表情)今回の僕は奏と肩を並べて戦います。【誘導弾】【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】【武器落とし】で牽制しつつ、接近出来たら、【吹き飛ばし】を乗せた裂帛の拳で殴ります。敵の攻撃は【オーラ防御】【第六感】で凌ぎます。何かこの敵は絶対許せない気持ちが湧いてきましてね。さあ、退場してください!!


 現れたバウムクーヘン怪人達に、真宮・響(f00434)は困ったように苦笑する。
「いや、何というか。気の毒に、としかいえないね」
 ウェディングドレス姿の娘が傍らにいる既婚者としては、幸せへの勝手な乱入者にどう対応したものかと戸惑うしかできず。
 ふと見れば、神城・瞬(f06558)が眉を顰めてどこか不機嫌そうな表情を見せていた。
 苦笑に微笑ましいものを混ぜた響が、フォローに声をかけようとしたところで。
「えっと、披露宴の引き出物にバウムクーヘンは多いと聞きますが……?」
 ウェディングドレス姿の真宮・奏(f03210)がきょとんと呟き、首を傾げる。
 どうやら、バウムクーヘン怪人が泣いている理由に全く思い当っていないようで。
 原因が自身だとは露とも思っていない様子。
 それだけ一途に思われているということか、と再び瞬を見やれば。
「少なくともバウムクーヘン怪人に相手はいませんね。勘違いからの嫉妬は見苦しい」
 邪魔しようとする者がいること事体気に食わないらしく、さらに険しい表情で、瞬はバウムクーヘン怪人を鋭く睨んでいた。
 その怒りに、奏はおろおろと戸惑い。
「とりあえず、ウェディングフェスを荒らそうとする悪党は許せませんね」
 そういうことですよね? と伺うようにちらちらと瞬を見る。
「大変迷惑なので倒してしまいましょう」
 言い切る瞬の『迷惑』は、フェスにかかったものではないような気がして。
 どこか噛み合っていない2人に響は面白がるようにまた苦笑した。
 その間にも、バウムクーヘン怪人達はとぼとぼと言った足取りでこちらとの距離を詰めていて、また純白のウェディングドレスを見やるとぽろりと涙を零す。
「結婚するのか……俺以外の奴と……」
「そうだね」
 響は使い慣れた槍を手に、出迎えるように1歩踏み出した。
「奏と結婚する相手はもう決まってるんだ」
 そうだろう? と肩越しに愛娘へと視線を送れば。
「私の結婚相手……」
 奏はちらりと瞬を見て、頬を染め。
 すぐに頭をぶんぶん左右に振った。
「と、とりあえずやっつけます!」
 どきまぎする心を誤魔化すように、ぐっとにぎられた拳。
 響は、ほらね? と視線でそれを示すとバウムクーヘン怪人達に向き直り。
「こういう訳だから、手出しはさせないよ!」
 槍を手に、涙を流す群れの中へと飛び込んでいく。
 奏も倣えというように、戦いへと身を投じるけれども。
「ウェディングドレスだと動き難い……」
 いつもの青いドレスと似たデザインとはいえ、戦いなど想定していない、祝福を受けるためだけにある純白の姿に四苦八苦。
 プリンセスラインのスカートを、くるりくるりと回転する動きで上手くさばいていくけれども、装飾も布地も多いそれをあしらうにはやはり限度があって。
 次々と飛んで来る苦い涙を、躱しきれない、と奏は覚悟を決め、その身に纏う3種の魔力で防御力を上げ、待ち構える。
 けれども、涙が当たる前に、奏の目の前に大きな背中が割り込んだ。
「絶対奏は護りますからね」
 怒りよりも決意を強く表した瞬が、苦い涙を叩き落とす。
 そして、奏をエスコートするかのようにその動きを助けながら、瞬は2人でバウムクーヘン怪人へと向かっていった。
 後ろから見守るでもなく。
 前に出て庇うでもなく。
 肩を並べて共に歩んでいくような2人の様子に、響の笑みが綻ぶ。
 そうなれば、親としてなすべきことは1つ。
「この一撃は竜の牙の如く!」
 改めて槍を構えた響はにやりと笑い。
「邪魔者はとっとと退場しな!」
 2人の道行きを阻もうとするバウムクーヘン怪人達を蹴散らすように、鋭く槍を翻して苦い涙ごとバウムクーヘンを切り裂いた。
 残るバウムクーヘン怪人に迫るのは、純白の花嫁。
「幸せで華やかな場所にオブリビオンはいりません!」
 ドレスを、ヴェールを、美しく靡かせて。
 迷いなく煌めく紫の瞳に、微笑むオッドアイが並ぶ。
「僕にも思いっきり殴りたい時がある」
 しかし、穏やかに見えるその表情の裏には、瞬自身にも理解しきれていない、何か絶対許せない気持ちがふつふつと湧いてきていて。
 笑っていない笑顔のまま、放たれる裂帛の拳。
「さあ、退場してください!」
「骸の海まで飛んで行ってください!」
 そこに合わせるように奏の拳も突き出され。
 2人の共同作業を受けて倒れ伏したバウムクーヘン怪人は、はらはらと零れ落ちた苦い涙と共に消えていった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

フリル・インレアン
ふえぇ、あそこにも泣いている人がいます。
あの人も娘さんが結婚する時を考えて泣いてしまっているのでしょうか?
あれ?アヒルさんの姿が見えないと思ったら、アヒルさんあの方のそばでやけ食いをしています。
って、あれはお菓子の魔法用に持ってきたケーキじゃないですか。
それにそばに置いてあったバウムクーヘンまで食べてしまって、どうするんですか?
これって、お互いのユーベルコードで使うものが無くなったから不発ということでしょうか。
あ、アヒルさんだけお菓子の魔法にかかっていないということなんですね。


「アヒルさん、いつまで泣いてるんですか」
 涙の海を泳ぐアヒルちゃん型のガジェットに、ウェディングドレス姿のフリル・インレアン(f19557)はおろおろし続けていたけれども。
 気付けばその周囲にバウムクーヘン怪人が現れていた。
「結婚するのか……」
「ふえぇ、ここにもあそこにも泣いている人がいます」
 苦い涙を零す怪人達を見回して、フリルはまたおろおろすると。
「みなさん、娘さんが結婚する時を考えて泣いてしまっているのですね」
 勘違いしたまま共感を見せ、赤い瞳を悲し気に曇らせる。
 大切に大切に育ててきた娘さんが一番美しく輝く晴れ舞台であり。
 これが終わったら自分の手元から去ってしまう最後の舞台。
 嬉しさと悲しさが入り混じったその心境を想像して。
 バウムクーヘン怪人の涙もそれなのだと誤解して。
 フリルは、ぐるりと怪人達を見やった視線を元に戻した。
 そこにあるのは涙の海。だけ。
「あれ? アヒルさん?」
 一瞬にして見失ったガジェットを探して、改めて周囲を見回すと。
 バウムクーヘン怪人の近くでお菓子に囲まれている小さな姿を見つけた。
「姿が見えないと思ったら、やけ食いですか?」
 次々と消えていくお菓子に、ちょっと呆れたようにため息をついて。
 ふと、フリルは気付く。
「……って、それはお菓子の魔法用に持ってきたケーキじゃないですか」
 それはフリルのユーベルコード・時を盗むお菓子の魔法。
 フリルが給仕したお菓子を楽しんでいない相手の行動を阻害するものなのだが。
 給仕する前に食べられてます。しかも味方に。
「これじゃあユーベルコードが使えないですよぅ……」
 はううう、と困り果てるフリルだけれども。
 バウムクーヘン怪人にそんな事情は関係なく。
「お前と結婚するのは俺だと思ってた……」
 失恋の嘆きをたっぷり含んだバウムクーヘンが次々と生み出されていった。
 それは、頭を抱えたフリルに襲い掛かろうとして。
 それより早く、ガジェットのやけ食いに巻き込まれる。
「あ、あれ? アヒルさんだけ速いです?」
 嘆くバウムクーヘン怪人を先回りするように、ガジェットは生み出された傍からバウムクーヘンを食べ散らかして、次々と攻撃を不発に終わらせていく。
 そのスピードは確実に、周囲の誰よりも速い。
 まるで、お菓子を楽しんでいない者の行動速度が落ちているかのように。
 フリルのユーベルコードが発動しているかのように。
「ふえぇ、どういうことでしょう?」
 事態が掴めず、困惑するフリルの前で。
 アヒルちゃん型ガジェットは物凄いスピードのまま、バウムクーヘンだけでなく、バウムクーヘン怪人をも食べ始めていった。
大成功 🔵🔵🔵

草野・千秋
とんだ引き出物が現れましたよね
バウムクーヘンエンドといえばUDCアースでは青い鳥SNS発祥の言葉です
僕の世界でも青い鳥や虹色カメラのSNSはいいね集めの世界ですが……この話は長くなります、この辺で
『結婚するのか、俺以外の奴と……』ですか
僕達ふたりはそうならないといいのですが
なんにしても傷心のソリさんを放ってはおけませんね
いざ勝負!

仲間はUCを使用し加護を与えておく
炎の属性攻撃でスナイパー、2回攻撃、範囲攻撃、一斉発射で敵を薙ぎ払う

ソリさんのその後が気になりますね
アフターケアに声をかけようと
今すぐは無理かもしれませんが
どうか顔を上げて元気を出して下さい
涙の雨が上がれば虹も出るでしょう


 がさごそと箱の中から取り出された綺麗なバウムクーヘン。
 それをじっと見つめていたバウムクーヘン怪人だが、そのどこか虚ろな瞳からぽろりと苦い涙が零れ落ちた。
 好きだった彼女と共に過ごした青春時代の甘酸っぱい時間が、重ねられた生地のように幾重にも何層にも思い出されて。
 その一番外側を、好きだった彼女がウェディングドレス姿で幸せそうに、他の男の隣で笑っている光景が覆ったから。
 またぽろりと、バウムクーヘン怪人の涙が零れる。
「とんだ引き出物が現れましたよね」
 調理の手を止め、屋台の中から出てきた草野・千秋(f01504)は、眼鏡の下の緑色の瞳で少し困ったように微笑んだ。
 バウムクーヘンエンドは、UCDアースでも、青い鳥のマークを持つSNSを発祥として囁かれている。
 それがキマイラフューチャーだと怪人にまでなってしまうようで。
 いいね集めの世界の現実への侵食っぷりに、千秋は苦笑しつつ呟く。
「僕達ふたりはそうならないといいのですが」
 ちらりと視線を向けた先には、更衣室として使われている場所があり。
 怪人が現れる直前に、猫のように気紛れな背中が、新たなウェディングドレスを楽しそうに抱えて向かっていったばかりだから。
 次はどんな可愛い姿が見られるのかと少し心を弾ませつつ。
 いつの間にか苦笑が穏やかな微笑に変わっていたのに気付かぬまま、千秋はバウムクーヘン怪人へと向き直った。
 怪人が恨めしい視線を向ける先にいたのは、ふわふわの銀の髪を持つネコキマイラな少女と、彼女とお揃いのウェディングドレスを着たテレビウムの少年。
 淡い思いを寄せていた彼女からの思わぬ告白を受け、突然失恋してしまった少年に共感してなのか、バウムクーヘン怪人はふらりとテレビウムに近寄っていく。
「結婚するのか……俺以外の奴と……」
 呟かれる言葉に、テレビウムの少年の画面も揺れる。
(「少し、心配ですね」)
 傷心の少年が気になった千秋が近寄るように歩み出せば。
 それより早くテレビウムの少年へと駆け寄ってきたのは、幼い双子の兄妹。
 友人に囲まれた少年を見た千秋は、微笑みと共に頷いて。
 群青色のギターを手にすると、力強く歌いだした。
 少年を護ろうとする双子の助けとなるように。
 そして、気落ちした少年を励ますように。
 千秋は、生きる者のための歌を紡ぎあげていく。
 それは実際に加護となり、双子や、その周辺で怪人と対峙する猟兵達に力を与えて。
 1つ、また1つと、哀しみのバウムクーヘンが姿を消していく。
 千秋自身も歌の合間に炎を繰り出し、湿ったバウムクーヘンを焼き直すかのように、こんがりと甘い香りを漂わせながら。
 そっとテレビウムの少年へと近づいた。
「ソリさん、でしたか」
 振り向いた少年は驚いたように千秋を見上げ、画面の中の目がぱちぱちと瞬く。
 戸惑ったようなその様子に、千秋は優しく微笑みかけると。
「今すぐは無理かもしれませんが、どうか顔を上げて元気を出して下さい」
 horizon indicumを奏で、鼓舞するような旋律を紡ぎ上げていった。
 力強く、でも繊細に。
 少年のためだけに響く歌声。
 それを聞いていたテレビウムの画面に、ぽろぽろと涙の絵が零れる。
「涙の雨が上がれば虹も出るでしょう」
 悲しみはきっと晴れると伝えるように。
 千秋はまた、歌声に力を込めた。
大成功 🔵🔵🔵

木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と

…まつりん、ソリ、しょんぼりしてる
笑ってるけど、寂しそう
心配しつつも戸惑ってると
…む?
美味しそうなバウムクーヘンが…、まつりん見て泣いてる?

えっと…まつりん、結婚するの?
ん?俺だと思ってた…?まつりん、バウムクーヘンさんとも結婚誓ってたの?
こういうの何て言ったっけ?ふたまた??←混乱中
沢山のバウムクーヘンはうさみみメイドさんズに受け止めてもらう

ん…、わかる
心にぽっかり穴があいたような気持ち、バウムクウヘンさんも感じてる
だって、リアルに穴が空いてるから

泣きたい時は思いっきり泣けばいい
寂しいって言えばいい
ね、ソリ

でも、誰かに八つ当たりはダメだから
骸の海に還ろうね


木元・祭莉
引き続き、アンちゃん(f16565)と。

わあ、なんか出た!
どうしたの、泣いてるの?
だいじょぶ、アンちゃんは急に噛み付いたりしないし。
……今はね?

えっと。
おいら、まだ結婚しないよ?
アンちゃんも、ソリも、まだしないよね?(振る)

ふむふむ。(お話聞くもーど)
約束してたの?
約束はしてない。
告白は?
告白もしてない。

そっかー。見てただけかー。
ヘタレはヘタレなりに、何かしないと伝わらないんだって!

よし!
それじゃ、おいらに告白してみてよ!
どーんと!

ほら、ソリもやってみる?
「毎朝、君のたまごかけご飯が食べたいです」
練習練習♪(にぱ)

あ、まつりんこ、みんな大好きだケド、結婚はできないかな?
ゴメンねー♪(扇が舞う)


「……まつりん。ソリ、しょんぼりしてる」
 焼き鳥を食べていた手をくいっと引かれて木元・祭莉(f16554)が振り向くと、木元・杏(f16565)が焼き鳥を食べ終わってしょんぼりしていた。
 いや、それは悲しみというよりも心配と戸惑いで。
 その金色の視線が向いた先、ネコキマイラの少女と何やら話しているらしいテレビウムの少年の方が、確かにしょんぼりしている。
「笑ってるけど、寂しそう」
「ソリ、どうしたの?」
 2人で首を傾げながら、ぱたぱたとテレビウムの方へと駆け寄っていくと。
「結婚するのか……俺以外の奴と……」
「わあ、なんか出た!」
 声をかけるより早く、涙を流したバウムクーヘン怪人達が現れていた。
「どうしたの、泣いてるの?
 だいじょぶ、アンちゃんは急に噛み付いたりしないし」
 まずは落ち着かせようと祭莉がそう声をかける。
 でも、ちらりと見れば、杏がじっとバウムクーヘン怪人の頭部を見つめていて、その顔に、美味しそう、と書いてあったから。
「……今はね?」
 言い訳のようにぽつりと一言添えておいた。
 そもそも、食べられてしまうことに泣いているわけではないのですが。
 そんな双子の勘違いやどたばたを気にもせず、バウムクーヘン怪人は、ウェディングドレス姿を見回して、はらはらと泣き続ける。
「お前と結婚するのは俺だと思ってた……」
「えっと……まつりん、結婚するの?」
 その言葉を聞き取った杏が、混乱しながらこくりと首を傾げた。
「バウムクーヘンさんとも結婚誓ってたの?
 こういうの何て言ったっけ? ふたまた?」
「おいら、まだ結婚しないよ?」
 可愛い妹から飛び出した俗な言葉に、祭莉もきょとんと首を傾げて。
「アンちゃんも、ソリも、まだしないよね?」
「しない」
「えっ、あっ、はい」
 話を振って確認すると、祭莉は、ほらね、と示すように頷く。
 そして、バウムクーヘン怪人にその答えを示してから。
「どうしたの? お話聞くよ」
「俺は……」
 問いかけから、祭莉の恋愛相談所が開設された。
 好きだった彼女と仲良く過ごした甘酸っぱい青春。
 それが結婚式の招待状で突然打ち砕かれて。
「ん……わかる。
 心にぽっかり穴があいたような気持ち」
 訥々と語るバウムクーヘン怪人に、こくり、と杏は頷き。
 そっと自分の胸に手を当てる。
 ずっと一緒にいる仲良しの双子の兄がいなくなってしまったら、と思うと。
 祭莉の隣にいれない自分を想像すると。
 そこがすごく寂しくて、悲しいから。
「ぽっかり穴、バウムクーへンさんも感じてる。
 だって、リアルに穴が空いてるから」
 同じ気持ちでしょう? とバウムクーヘンの穴を指差して問いかける。
 共感してくれた杏に、バウムクーヘン怪人達は喜ぶようにまた涙を流したけれども。
「それで、結婚の約束、してたの?」
 そこにずばっと問いかけたのは、相談所所長・祭莉。
「……してない」
「告白は?」
「…………してない」
「そっかー。見てただけかー」
 言いにくそうに首を横にばかり振るバウムクーヘン怪人達に、祭莉はズバッと現実を突き付けると。
「ヘタレはヘタレなりに、何かしないと伝わらないんだって!
 母ちゃんが父ちゃんによく言ってた!」
 何かが刺さったかのように胸を押さえて呻くバウムクーヘン怪人達を、びしっと真っ直ぐ指差して、胸を張った。
「よし! それじゃ、おいらに告白してみてよ! どーんと!」
 そして、ぱたぱたと自分に向けて招くように手を振り、促す。
「ほら、ソリもやってみて?
 いくよ? 『毎朝、君のたまごかけご飯が食べたいです』!」
「え? たまご……?」
「ほら、練習練習♪」
 巻き込まれたテレビウムの少年が、唐突な指示におろおろするけれども、祭莉は気にせずにぱっと笑い。
「毎朝、たまこのたまごが食べたいです」
 じゃあお手本、とキリッと繰り返したはずの杏は、鶏に卵をねだっているかのようになってしまったり。
 また何だかどたばたしてきた中で、バウムクーヘン怪人の涙が増えた。
「俺は……他の奴と結婚するくらいなら、俺が……!」
 そして、失恋の嘆きをたっぷり含んだバウムクーヘンが、周囲のウェディングドレスへと襲い掛かる。
 杏は、うさみみメイドさん人形を操って、さらにそれを幾つも複製して、皆を護るように展開させバウムクーヘンを受け止めると。
「泣きたい時は思いっきり泣けばいい。寂しいって言えばいい」
 杏はその嘆きの気持ちも受け止めて、こくり、と頷いてから振り返る。
「ね、ソリ」
「あ……」
 心配するような、優しい金色の瞳。
 その隣では、よく似た銀色の瞳がにかっと向日葵のように笑いかけていて。
 気付けば、テレビウムの少年の周囲に、慰めるように優しく、励ますように力強い、そんな歌声が満ちていたから。
 ぽろり、ぽろりと、画面の顔に涙の画像が零れていった。
 ん、と杏はその涙にまた優しく頷いて。
「でも、誰かに八つ当たりはダメだから。骸の海に還ろうね」
 バウムクーヘン怪人達へと向き直り、数多のうさみみメイドさん達を操る。
「結婚するのは俺と……!」
「あ。まつりんこ、みんな大好きだケド、結婚はできないかな?」
 尚も未練がましく泣き縋るバウムクーヘン怪人には、祭莉がその手の舞扇を広げ。
「ゴメンねー♪」
 舞い踊る扇の幻影が、明るくバウムクーヘン怪人を爆破していった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第3章 ボス戦 『甘き巨塔『ビッグチョコフォンデュタワー』』

POW ●無慈悲な等身大チョコフォンデュ
【オブリビオン本体】から【敵味方問わず捕獲するチョコ触手】を放ち、【チョコフォンデュによるチョコ化】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD ●無慈悲な等身大チョコフォンデュ
【オブリビオン本体】から【敵味方問わず捕獲するチョコ触手】を放ち、【チョコフォンデュによるチョコ化】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ ●無慈悲な等身大チョコフォンデュ
【オブリビオン本体】から【敵味方問わず捕獲するチョコ触手】を放ち、【チョコフォンデュによるチョコ化】により対象の動きを一時的に封じる。
👑7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠テフラ・カルデラです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 苦い涙と共にバウムクーヘン怪人の姿が消えていくのを、ソリはじっと見送る。
 胸はまだ少し痛むけれども。
 それは辛いだけのものじゃなくなっていて。
「うむ。ソリよ。泣いていたのか?」
「誰がソリ泣かせたっしょ!?」
 心配してくれる、ライオンキマイラとヒーローマスクの友人達と。
「ソリ、ごめんねー。何か変なこと言っちゃったー?」
 こちらを気遣ってくれる、ネコキマイラな少女。
 他にもソリに向けられた数々の声を思い出して。
 いつしか涙は晴れていたから。
「大丈夫」
 皆に囲まれて、ソリは画面に笑顔を浮かべる。
 この気持ちは1人でいたら得られなかったものだから。
 孤独に過ごしていたあの日々にはなかったものだから。
「僕は、大丈夫」
 ソリはむしろ晴れやかに笑っていた。
「うむ。それならば」
「もっともっとフェスを楽しむっしょ!」
「そうだねー。あっ、ソリ、別のドレスも着てみるー?」
「いや、もうウェディングドレスはちょっと……」
 そうしてまたわいわいと盛り上がりかけたそこに。
「たのし……い……」
 間延びした低い声が響く。
 気付けば、庭園のほぼ中央にチョコレートの塔が現れていた。
「うっわー。チョコレートフォンデュだよー」
「うむ。大きいな」
「てか、でっかすぎっしょ! 噴水みたいっしょ!」
 見上げる程のその大きさに、ウェディングドレス姿の参加者達が騒めいていると。
「うれし……い……」
 チョコレートの塔の上部に、どこを見ているのか分からない虚ろな瞳が見え。
 流れ落ちていたチョコレートが、手のように伸びていく。
「うれし……い、なら……おい……わい……」
 1本、2本、3本と。チョコレートの手は次々と増えて。
 四方八方へ向いて蠢くそれは、むしろ触手。
 むろん、いかにサイバーパンクなキマイラフューチャーとはいえ、こんなチョコレートファウンテンが普通なわけはなく。
 その正体はオブリビオン、甘き巨塔『ビッグチョコフォンデュタワー』。
「あまい……チョコ……で、おいわ……い……する」
 訥々と紡がれる、よく分からない言葉と共に。
 チョコレートの触手が、純白のウェディングドレスへと襲い掛かってきた。
セシル・バーナード
あはは、これはまた……。チョコレートは嫌いじゃないけど、押しつけられるのはお断りだよ。
プラチナちゃんはぼくの後ろへ。染み一つつけさせないから。

次元障壁でチョコの触手の攻撃を防ぎながら、空間裁断で一気にファウンテンをずたずたにする。
これ、『線』での攻撃が効きづらい。
それなら、「全力魔法」のフォックスファイアで焼きチョコにしてやる。

ああ、しばらくチョコレートはいいや。

――プラチナちゃん、言っておかないといけないことがある。ぼくにはプラチナちゃん以外にも何人もお嫁さんがいるんだ。
もちろん、プラチナちゃんも他のみんなも順番なんてつけられないくらい愛してる。
それでもよければ、このキスを受け入れて欲しい。


「あはは、これはまた……」
 ビッグチョコフォンデュタワーを見上げたセシル・バーナード(f01207)は、少しだけ困ったように苦笑した。
 チョコレートは嫌いじゃない。
 女の子にも好きな子が多いし、フォンデュで一緒に楽しんだり、ほらついてるよとスキンシップを取ることもできるから、歓迎なところもある。
 とはいえ、触手のように伸ばしてこちらに向かってくるのは迷惑だし。
 押しつけられるのはお断りだから。
 セシルはウェディングドレス姿の銀髪の少女の前へと進み出た。
「プラチナちゃんはぼくの後ろへ。染み一つつけさせないから」
『だっ、駄目です!』
 しかし少女は、セシルの腕をぎゅっと掴んで。
『私を使ってください! お役に立ちますから!』
 訴えるその様子は凄く必死で、その瞳も潤んでいる。
 だからセシルは、チョコに対するものより優しい苦笑を浮かべると。
「おいで、可愛い女の子」
 艶やかに手を差し伸べ、自身の傍らに招き寄せながら、発動させるユーベルコードを空間裁断からプラス・プラチナへと切り替えた。
 少女の表情がぱあっと輝き、セシルの手をそっと取ると。
『気付いたんです。これ、金属でした!』
 少女の周囲に、庭園に置かれたテーブルや広間に用意されていた銀のカトラリーが次々と飛び集まった。
 ナイフでチョコレートの触手を切り裂き。
 スプーンで飛び来るチョコレートの飛沫を受け止め。
 フォークがフォンデュタワーの本体へと突き刺さっていく。
「すごいやプラチナちゃん」
『やった! やりました! 私褒めてもらえました!』
 大喜びでぴょんぴょん飛び回る少女の周囲で、カトラリーもぴょんぴょんしています。
 しかし、次々と触手を切り落とし、タワーへの攻撃も当たってはいるものの。
 切れた触手はまたチョコレートを補充してそこからさらに伸びて。
 すぐに上から流れ落ちてくるチョコレートが刺さったフォークを押し流して。
「お……いわい……」
 タワーは何事もなかったかのように蠢いていた。
『そ、そんな……』
「んー。『線』での攻撃が効きづらいんだね」
 ならば、とセシルは狐火を生み出し、広範囲を一気に焼いていく。
 香ばしい焼きチョコを見て、なるほど、と少女も頷くと。
『それなら、こうです!』
 カトラリーを横にずらっと並べるように纏めると。
 大きな一枚板のようになったそれで、流れるチョコレートをせき止めるように、チョコレートタワーを突き刺した。
 流石にチョコレートのバランスが崩れ、ぐらり、と傾ぐフォンデュタワー。
『やりました! 今度こそ効いてますよ! 私がんばった!』
 再び、今度こそとぴょんぴょんする少女に、セシルは優しく微笑んで。
 ふと、その表情を真剣なものに変えた。
「プラチナちゃん、言っておかないといけないことがある」
『は、はい。何ですか?』
「ぼくにはプラチナちゃん以外にも何人もお嫁さんがいるんだ」
『え……っ!?』
 驚愕の表情で振り返った少女の周囲で、一緒に飛び跳ねていたカトラリーが落ちた。
『つ、つまり私の他にも結婚を前提としたお付き合いをされている方が……
 ということは、私のことは遊び……で……私、弄ばれたんですか!?』
「違うよ。もちろん、プラチナちゃんのことは愛してる」
 混乱する少女を抱き寄せ、セシルはその耳元で甘く囁く。
「でも、他のみんなも順番なんてつけられないくらい愛してるんだ。
 それでもよければ、このキスを受け入れて欲しい」
『私だけじゃない……なんてそんな……でも私は愛して……』
 戸惑いながらも顔を背けない少女に、セシルはそっと唇を近づけて。
『あ……っ』 
 チョコレートに勝る甘さをそっと貪った。
大成功 🔵🔵🔵

フリル・インレアン
ふえぇ、チョコレートファウンテンが襲ってきました。
お祝いしてくれるのでしたら、もっと別の方法にしてくれるとよかったです。
それにしても、このままですとせっかくのウェディングドレスが汚れてしまいます。
そうです、美白の魔法を使いましょう。
美白の魔法で摩擦が無くなれば汚れもつかないはずです。


「うれし……い、なら……おい……わい……」
「ふえぇ、チョコレートファウンテンが襲ってきました」
 ぶんぶんと無造作に振り回されるチョコレートの触手をおろおろと見上げながら、フリル・インレアン(f19557)は、ヴェールを被った頭を抱えていた。
 すぐに触手は、何もない虚空ではなく、地上の人々を狙い始めて。
 フリルにも1本向かってきたのを、ふわぁ、とおっとりした悲鳴を上げて、長いスカートとさらに長いヴェールに手間取りながらも何とか躱す。
「あまい……チョコ……で、おいわ……い……する」
「お祝いしてくれるのでしたら、もっと別の方法にしてくれるとよかったです」
 流れ続けるチョコレートは確かに豪華な印象があるけれども。
 それが襲ってくるとなれば、いかに甘いモノ好きな女子といえども喜べるはずもない。
 しかも、フリルは未だ真っ白なウェディングドレス姿のままで。
 同様に試着を楽しんでいた女子も大勢いる状況。
「せっかくのドレスが汚れてしまいます」
 ウェディングドレスが純白なのは、貴方の色に染まります、という気持ちを表すからだと言われる。
 しかしその相手がチョコレートでは、染まる、ではなく、汚れる、だし。
 そもそもチョコレートに嫁入りするわけではないわけで。
 困ったフリルは赤い瞳を彷徨わせ、縋るようにアヒルちゃん型のガジェットを探す。
 しかし。
「ふえぇ。アヒルさん、まだやけ食いしてるのですか?」
 そこには、バウムクーヘン怪人を食べ尽くし、フリルが用意したお菓子をも食べ尽くして尚、フェス会場のご馳走を食べ続けるガジェットの姿があった。
 フリルのお菓子がなくなっているので、その行動がユーベルコードの恩恵を受けることもなくなっている上に、食べ物に夢中でフリルの方すら見ていないかのような状態。
 これは助けてくれそうにない、と判断したフリルは、どうしたものかとまた頭を抱え。
「そうです、美白の魔法を使いましょう」
 思いついたユーベルコードを発動させた。
 本来は、肌をケアして守る蒸気を、ウェディングドレスにまで範囲を広げて。
 白い布地の摩擦抵抗を極限まで減らしていく。
「おい……わい……」
 そこに、チョコレートの触手が伸び、当たって茶色の液体をぶちまけるけれども。
 フリルのドレスにかかったチョコレートは、するすると滑るように表面を流れ、生地を汚すことなく足元へと落ちていった。
「はい、これでチョコレートをかけられても大丈夫です」
 思惑通りの効果に、安堵の笑みを浮かべるフリル。
「きゃー。ドレスが!」
「汚さないでよー」
 その周囲で、他のフェス参加者達の悲鳴が響いていたから。
「ええと……みなさんも美白です」
 ウェディングドレスと、それを着た人々の夢を護るべく。
 頑張って魔法を振り撒いていくフリル。
「わあ、綺麗なままだわ。よかったー」
「ありがとう。貴女のドレスも素敵ね」
「えっと、その……どういたしまして、です……はうぅぅ……」
 口々に褒め称えられる中、人見知りながらにあわあわと対応するフリルを、食べ物の山の中から見つめていたアヒル型ガジェットは。
 フリルにその視線を気付かれぬまま。
 再び食べ物に顔を突っ込み、やけ食いを再開した。
大成功 🔵🔵🔵

真宮・響
【真宮家】で参加

(奏がウェディングドレスを着替えるのを手伝って来た)何だこのデカい茶色の噴水。チョコレートファウンテン?本当かね?確かにそういう形してるが・・こんなのが暴れるとウェディングフェスタの会場が大惨事になるね。茶色の海が出来る前になんとかしないとね。

素直に攻撃を受ける気はないから奏と瞬に正面からの抑えを頼み、【忍び足】【目立たない】で敵の背後に回り込み、背後を取ったら【二回攻撃】【串刺し】【怪力】で竜牙を使い、力任せにぶっ刺す。チョコレートの触手が飛んで来たら【オーラ防御】【残像】で出来るだけチョコまみれになるのを避けたい。洗濯するのが大変だからねえ。さあ、邪魔者は退場しな!!


真宮・奏
【真宮家】で参加

(流石に動き辛いのでウェディングドレスを着替えて来た)え、これ、茶色の大きい噴水・・・チョコレートファウンテンですか?母さん、フォンデュじゃなくてファウンテンですね。甘い物大好きですが、流石にこれは食べる気になりませんね・・

なにより、綺麗なウェディングドレスが汚れてしまいます!!即退場願います!!

【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】で飛んでくる触手を跳ね返し、跳ね返しきれなかったものは【衝撃波】で吹き飛ばします。直接触れたくないので信念の一撃で切断します!!さあ、会場がチョコレートの海になるまえにご退場願います!!


神城・瞬
【真宮家】で参加

いろいろぶっ飛んだものが多いキマイラフューチャーですが、流石にこのチョコレートファウンテンは大きすぎますね・・・これを暴れさせると会場がチョコレートだらけになって大変な事になりますね。

母さんと奏が試着室から帰ってくるまで時間稼ぎ、しておきましょう。

飛んでくるチョコレートの攻撃は【オーラ防御】【第六感】で被害を減らし、裂帛の束縛で行動を制限した後、【誘導弾】【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】で徹底的に敵の動きを邪魔。文字どおり固めて差し上げましょうか。夢が生まれる会場に迷惑な存在はいりませんので・・・骸の海までお帰り願います!!


「いろいろぶっ飛んだものが多いキマイラフューチャーですが……」
 にょきにょきと伸びていくチョコレートの手を見て、神城・瞬(f06558)の笑みは小さく引きつっていた。
「流石にこのチョコレートファウンテンは大きすぎますね」
 フルーツやスイーツどころか、自分自身もフォンデュされそうなそのサイズを見上げ、うねうねと動き始めたチョコレートの手に、また何とも言えない表情を見せる。
 いろいろな世界があって、いろいろな文化があると体感してきたけれども。
 文字通り山のような、しかも勝手に動くチョコレートには苦笑するしかない。
「これを暴れさせると会場がチョコレートだらけになって大変な事になりますね」
 ちらりと視線を流した先には、ウェディングドレスを着て、ウェディングフェスを楽しんでいた人々の姿。
 そこに、大切な真宮・奏(f03210)の笑顔も重ね見て。
 その楽しさをチョコレートだらけにさせるわけにはいかないから。
「動きを縛らせて貰います!」
 チョコフォンデュタワーを真っ直ぐに指差した瞬の周囲から、アイヴィーの蔓が、ヤドリギの枝が、藤の蔓が次々と生み出され、伸びていった。
 うねる触手のようなチョコレートを牽制し、絡めとるように巻き付いていく。
 だが裂帛の束縛は、まとまって動きつつも液体の性質を持つ相手を捉えきれずに、飛び行くカトラリーと共にその動きを多少遮る程度にしかならず。
 さて、どうしたものか、と次の手を考え始めたその時。
「何だこのデカい茶色の噴水」
「……チョコレートファウンテンですか?」
 更衣室から戻った真宮・響(f00434)と奏の声が響く。
 ちらりと肩越しに視線を向ければ、奏はウェディングドレスから着替えていて。
 見慣れたいつも通りの服装に、ほっとするやら少し残念やら。
 複雑な感情の揺れ動きを、だが瞬は表に出さぬまま、いつも通りに微笑むと、奏がその傍らに駆け寄ってきた。
「上から流れてますし、フォンデュじゃなくてファウンテンですよね」
「確かにそういう形してるが……」
 奏に続き、瞬の少し後ろで足を止めた響が、チョコレートが流れ続けるタワーを見上げてどこか呆れたような声で呟く。
 その声の響きに、奏も改めてタワーを見上げ。
「甘い物大好きですが、流石にこれは食べる気になりませんね……」
 こちらも苦笑を見せた。
 そして、ブレイズセイバーを構えれば、響もブレイズランスを手にして。
「じゃあ、茶色の海が出来る前になんとかしようか」
「はい、母さん」
 告げた響に、奏の明るい返事と瞬の頷きが返る。
 そして、先陣を切って飛び出したのは、剣を携えた奏。
 伸び来るチョコレートの触手が、近くで硬直しているウェディングドレス姿のヒーローマスクに伸びるのを、阻止するように断ち切って。
「綺麗なウェディングドレスは汚させません!」
 そのまま触手の元へと方向を変えて地を蹴った。
 迎撃するように迫りくる触手は、奏をも汚そうと迫るけれども。
 捕らわれるどころか触れたくない一心で、奏は振るう剣で触手を受け、切断し、さらに衝撃波で吹き飛ばしていく。
 だが触手は切られた傍からまたチョコレートを補充して伸び、次々と奏に迫ってくる。
 そこに、瞬が蔓を伸ばした。
 ただ絡めるだけでは、先ほどと同様に液体は捉えられないから。
 チョコレートが補填される大元を特に狙って、その動きの阻害を狙う。
 舞うような奏の剣技を、助けるような蔓の束縛。
 そうして真正面から挑む2人からそっと離れるように、響は立ち位置を変えていた。
 触手は四方八方に伸びてはいるけれども、焦点があるのかすら分からないような虚ろな瞳がついている部分がタワーの正面だろうと踏んで。
 死角と思われる位置を目指し、忍び足で進んでいく。
 途中、適当に伸ばしただけのような触手が、偶然のように目の前に降り下ろされてきたけれども。
「洗濯するのが大変だからねえ」
 母親らしい感想と共に、チョコレートまみれはごめんだとばかりに素早く躱しつつ、オーラを巡らせ防御する。
 そうして背後へと回り込んだ響がちらりと視線を向ければ。
 ぐらりと傾いだチョコフォンデュタワーを挟んだ反対側から、声をかけるまでもなく、奏と瞬の瞳が真っ直ぐにこちらを向いていて。
 目を合わせた3人は、同時に頷いた。
 仕切り直したように奏がまたタワーへと走り込み。
 そこに伸びる触手を瞬の蔓が迎え撃つ。
 気付けば周囲を魚の形の煙が舞っていて、液体だったチョコレートが固まっていき。
 好機とばかりに、蔓が枝が、固体となった触手を捕らえ抑えた。
 そうして開けた道を迷わず駆け抜ける奏。
 その背中を押すように、瞬は微笑み、声を上げて。
「夢が生まれる会場に迷惑な存在はいりませんので」
「会場がチョコレートの海になるまえに」
 瞬の言葉に奏の凛とした声も重なり続く。
「骸の海まで」
「お帰り願います!」
 そして振り抜かれたブレイズセイバーは、深く深くタワーを切り裂いて。
 蒼銀の鎧や人形と共に、流れるチョコレートをせき止めると。
「この一撃は竜の牙の如く!」
 タイミングを合わせて背後から飛び込んでいた響は、止めとばかりに、力任せにブレイズランスを繰り出した。
「さあ、邪魔者は退場しな!」
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

朱酉・逢真
なんつゥめでたくねぇチョコだよ。てめぇがチョコになるんだよってか。
せっかく未来ある若者が友情を確かめあったんだ、横槍いれてやんなや。
烟管を吸って吐き出して。行きな【煙魚】ども、エサだぜ。熱食ってカチンコチンに凍らせてやりな。
こんだけ猟兵がいる場でパンピー襲えるって思ってんなら、それこそ甘い考えってもんだぜ。
お祝いはフツウのチョコ噴水でやっからよ。お前さんは骸の海に還りな。

ぜんぶ解決したら、俺ぁさっさと姿を消すぜ。いやさ、扱うモン的に考えて場違いだろ。やっぱしさ。
俺がケチつけちまっちゃいけねえ。めでてえめでてえってンで終わらせようぜ。


 ぶんぶんと無造作に振り回されるチョコレートの触手を見上げ、朱酉・逢真(f16930)は赤い瞳をにやりと細めて苦笑した。
「なんつゥめでたくねぇチョコだよ。てめぇがチョコになるんだよってか」
 目の上にかざした手のひらの下で、眺めるように蠢くチョコレートを見やり。
 その先で悲鳴を上げ、逃げ惑うウェディングドレス姿の集団を眺める。
 その中には、涙を拭ったテレビウムと、彼を囲む友がいたから。
「せっかく未来ある若者が友情を確かめあったんだ。横槍いれてやんなや」
 苦笑を少し穏やかなものに変えながら、逢真は烟管を咥えた。
 ふう、と息と共に吐き出されるのは白い煙。
「行きな、煙魚ども。エサだぜ」
 それはゆらり揺れると何匹もの魚の姿を取って泳ぎ出す。
 水の中ではなく、空の間を。
 チョコレートの触手に群がるように集まって。
 泳ぎ回るそのうちに、触手の動きが鈍くなっていった。
 よく見ると、流れるような液体だったチョコレートが固まっている。
 まるで、煙魚に熱を喰われ、冷やされてしまったかのように。
 固くなったチョコレートの周囲を、煙魚が遊び泳ぐ。
 そして固まった触手へと、蔓が枝が伸び行き、絡め捕えた。
 逢真は、その蔓の伸びる元で揺れる金の髪を眺めて。
 その視線を、彼の前で剣を振るう麗人へと流して。
 銀髪の少女を傍らに置いた少年を。
 ウェディングドレス姿の双子を。
 次々と、面白がるように歪んだ赤い瞳に映して。
「こんだけ猟兵がいる場でパンピー襲えるって思ってんのかい?」
 咥えた烟管を、愉し気に揺らした。
 真っ白なドレスをチョコレートから守る気弱な少女がいる。
 真っ向から勇気で敵に立ち向かう蒼銀の戦士がいる。
 背後に回り込み、虎視眈々と機会を伺う竜牙の騎士がいる。
 そんな光景を示しながら、逢真は笑う。
「それこそ甘い考えってもんだぜ」
 そしてまた、緩く生み出した煙魚が、猟兵達を支援するように泳ぎ回った。
 熱を食われたチョコレートは、どろどろの流体からかちんこちんに凍らされ。
 捉えどころのない液体の性質を奪われると同時に、その動きを止めていく。
 生み出された隙を逃さず。
 剣が、拳が、次々と甘き巨塔に突き刺さり。
「お祝いはフツウのチョコ噴水でやっからよ。お前さんは骸の海に還りな」
 にやりと笑った逢真が、すい、と烟管で指し示すと。
 槍がビッグチョコフォンデュタワーを貫いた。
「……お……しま……い……」
 溶けるように崩れながら、消えていくチョコレートの塔。
 その行く末を見届けた逢真は、さっと烟管を振るい煙魚を散らすように消すと。
「これで一件落着だな。めでてえめでてえ」
 笑みを浮かべたまま、くるりとフェス会場に背を向けた。
(「……俺は場違いだからなァ」)
 チャペルの屋根の上で抱いた想いをまた繰り返し。
 楽しい光景はもう充分に眺めたからと、満足気にさっさとその場から歩み去る。
(「俺がケチつけちまっちゃいけねえや」)
 これこそが最後の仕事と苦笑しながら。
 逢真はひらりと手を振って、歓喜と祝福の地を後にした。
大成功 🔵🔵🔵

草野・千秋
立ち直りかけてたソリさんの心に漬け込むなんて事は僕が許さない!
恋愛というものはたった一人を愛してこそ
でもソリさんの愛は叶わなかった
立ち直って……そして、今すぐには傷が塞がるまでは難しいですけど、でも失恋を癒すのは新しい恋なんです
そして恋愛だけが生きとし生けるものの全てではない
ソリさんにはいいお友達がいるではないですか
最後まで見届けなければ

勇気で敵に立ち向かう
UC【Judgement you only】で防御力を上げる
味方をチョコフォンデュからかばうことを重視
結構溶けたチョコって熱いのでは!?
スナイパー、武器改造、氷の属性攻撃でチョコフォンデュを凍らせる
あとは怪力、2回攻撃で叩きのめす


 右へ左へ。山のような塔から、チョコレートが手を伸ばすように長く伸びて。
 友に囲まれたテレビウムの少年へも迫り行く。
 しかし、触手のようなチョコレートが触れる直前。
「立ち直りかけてた心につけ込むなんて事は僕が許さない!」
 飛び込んできた蒼い影が、テレビウムを庇うように立ち塞がる。
 驚き見上げる少年の画面に映ったのは、蒼銀に輝く背中。
 ボディアーマーとヘルメットにその身を包んだ草野・千秋(f01504)の姿だった。
 サイボーグとしての完全戦闘形態へ変身した千秋は、熱く溶けたチョコレートを力強く受け止める頑健さを見せつつ。
 肩越しにちらりと振り向いたヘルメット越しの緑瞳に、優しさを湛える。
「恋愛というものはたった1人を愛してこそ。でも……」
 テレビウムの少年の愛は叶わなかった。
 想いを寄せた少女は、別の相手への告白を望んでいたから。
 告げる前に砕けてしまった、淡く儚い想い。
 立ち直るのは、傷が塞がるのは、今すぐにとは難しいだろうけれど。
「失恋を癒すのは新しい恋なんです」
 千秋は、少年に前を向いて欲しいから。
 俯き続けるのではなく、次の愛を見つけて欲しいから。
 庇う背中に思いを込めて、少年を護る。
 いや、護るのは少年だけではない。
「そして、恋愛だけが生きとし生けるものの全てではない」
 ネコキマイラな少女も。ライオンキマイラとヒーローマスクも。
 テレビウムの少年を囲む者達をも、護る。
「ソリさんにはいいお友達がいるではないですか」
「……はい!」
 微笑みながら告げた言葉に、少年の嬉しそうな声が返った。
 少年が得た友情という絆。
 叶わなかった愛の代わりに、それは絶対に護ってみせると。
 己が認め信じた者のために。そして、信じてくれた者のために。
 千秋はビッグチョコフォンデュタワーを睨み据える。
 テレビウム達には絶対に届かせないとチョコレートの触手を受け止め。
 アーマーの上からじんわりと伝わってくる熱さに挫けず立ち塞がって。
 そこに、ふわりと魚の形をした煙が漂ってきた。
 千秋に迫る触手に煙魚が纏わりつくと、どろどろだったチョコレートが熱を奪われ固まっていく。
 固体となったチョコレートは、いともた易く殴り壊せたから。
 千秋は触手の動きを見極めて、攻撃へと打って出た。
 氷の属性を纏い、チョコレートを固めた傍から触手を折り壊し。
 煙魚を引き連れるようにして、甘き巨塔へと一気に迫る。
「僕は負けられないんですよ、僕を信じてくれた人の為に!」
 ぐらりと傾いだタワーへと叩きつけた蒼き拳は、触手と同様に、いやこれまで以上の威力を以って、チョコレートを砕き崩した。
「かっこいいなぁ……」
 うっとりしたようなテレビウムの少年の声が聞こえる。
 油断なくビックチョコフォンデュタワーを見据えていた千秋だが、槍に貫かれたチョコレートが力なく溶けるように消えていくのを見て、その拳を下ろし。
 くるりと少年に向き直ると片手を上げて応えた。
「わー。やっぱり猟兵ってすっごいねー」
「うむ。憧れるな」
「かぁっこいいっしょ!」
 少年とその周囲で、拍手と歓声が盛り上がる。
 楽し気な様子に微笑み、護れた実感を噛みしめていると。
 ネコキマイラな少女が、促され、ライオンキマイラへと向き直っていた。
 テレビウムの少年は少し戸惑いながらも笑顔で少女を見守っている。
 それはきっと、少年の淡い恋の終わり。
 でも、新しい恋へ向かうためには必要な傷だと思うから。
(「最後まで見届けなければ」)
 千秋は優しい緑色の瞳で、少年を見守った。
大成功 🔵🔵🔵

木元・祭莉
PPアンちゃん(f16565)と!

わあ、今日はお菓子フェスだね!
ん、ソリもアンちゃんも、いつもどおりが一番!
面白そうで、美味しそう♪

うわ、手がいっぱい!?
ドレスのみんなは、足元危ないから下がって!
おいらはミニドレスだから、だいじょぶ!(にぱ)

コンコンコンっと、汚れ避けエプロン装着っ!(メイド仕様)
SC(スイートキュート)なおいらを見よー♪

いつものように、ダッシュからジャンプ!
チョコ腕は、如意な棒の回転旋風で堰き止め……あ、飛び散っちゃった♪

結局、チョコまみれになりつつ、楽しそうに戦闘。
わーい、美味しかったー♪

うさみん☆からチョコ戦利品いただきつつ。
銀猫ちゃんの公開告白を、ソリと一緒に聞くねー♪


木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と

まつりん、ソリ笑ってる(嬉しそうに報告)
ん。そして…美味しいの来た(じゅるり)
……よだれ垂らしてない、大丈夫(まつりんから目を逸らせ)

白いウエディングドレスがチョコになるのはよろしくない
汚さずチョコもしっかり頂く、大事なこと

ソリ達は後ろに下がって?
わたしはソリ達を灯る陽光のオーラで防御

メイドさん達、フェスの食べ物を手に取って
そして、触手が来たら差し出し捕獲させて?
ケーキやクッキー、フルーツにもチョコがかかり美味しさ倍増

さ、今のうち
うさみん☆、チョコフォンデュツリーにストレートパンチ!

終わった後は、ネコさんの告白、させてあげたい
どんな展開でも、ソリももう大丈夫


「わあ、今日はお菓子フェスだね! 面白そうで、美味しそう♪」
 バウムクーヘンに続いて現れたビックチョコフォンデュタワーを見上げて、木元・祭莉(f16554)は銀の瞳を輝かせた。
 結婚式といえばお料理! と明言していただけあって、まだまだ花より団子なお年頃。
 というか、ミニ丈のウェディングドレスを着てはいますが祭莉は男の子なので。
 食べ物の方に憧れるのは当然と言うか何と言うか。
 純白のウェディングドレスや美しい装飾、神聖な誓いといった結婚式そのものに夢を抱くのは、やっぱり女の子の方だから。
 木元・杏(f16565)は、ふんわりウェディングドレスを揺らしながら呟いた。
「ん。美味しいの来た」
 ……あれ?
「アンちゃん、よだれ垂らしてない?」
「垂らしてない。大丈夫」
 双子の兄の指摘にそっと金の瞳を逸らし、でもさり気なく口元を隠す杏。
 大丈夫、と重ねて言う様子に、祭莉のおひさま笑顔がにぱっと輝いた。
「ソリもアンちゃんも、いつもどおりが一番!」
「ん。ソリ笑ってた」
 友に囲まれ、画面に笑顔を浮かべていたテレビウムの少年を見て、杏もこくりと頷く。
 でもその笑顔は、今は驚きに変わっていて。
 甘き巨塔から次々と伸びるチョコレートの触手に目を瞬かせていた。
「うわ、手がいっぱい!?」
 祭莉も驚きながら、しかしどこか楽しそうに声を上げて。
「ドレスのみんなは、足元危ないから下がって!」
 大きく手を振るジェスチャーと共に告げた指示に、テレビウムの少年が言いにくそうに祭莉の服装を指差した。
「……ドレス」
「おいらはミニドレスだから、だいじょぶ!」
 再びにぱっと笑いかけながら言い切った祭莉は、続くツッコミを待たずに手近な建物の壁をコンコンする。
 ふわりと現れたのは、フリルの揺れる真っ白エプロン。
 すちゃっ、とそれを装着すれば、ミニ丈スカートの純白メイドさんができあがって。
「すいーときゅーとなおいらを見よー♪」
「ん。SCまつりん」
 くるりとその場で回って見せた祭莉に、杏がまたこくりと頷いた。
「白いウエディングドレスがチョコになるのはよろしくない」
 キリッとチョコフォンデュタワーへ向き直るその手の灯る陽光が、テレビウムの少年達を護るようにオーラを広げ。
 盾となるかのように立ちはだかった蒼銀の戦士と共に防御を固めたその傍らに、うさ耳付きメイドさん人形がひらりと舞う。
 人形は杏のユーベルコードを受け、1体、また1体と増えていき。
「うさみみメイドさん達、いってらっしゃい」
 杏の指示に従って、チョコフォンデュタワーへ……と思いきや、飛び行く方向はその脇へと反れて、広間の中へと次々に入っていく。
 戦線離脱のような動きだが、しかしすぐに人形は戻ってきた。
 それぞれ、ケーキやクッキー、フルーツを抱えて。
「汚さずチョコもしっかり頂く、大事なこと」
 再びキリッと告げた杏に応えるように、人形達は今度こそ、チョコフォンデュタワーへと向かっていく。
 伸び来る触手の動きを見切りつつ、だが人形はあえてそこに突っ込んで。
 手にしたクッキーを差し出せば、チョコがけクッキーの出来上がり。
「チョコで美味しさ倍増」
 また口元を隠す杏の前で、次々と、ケーキがチョココーティングされ、フルーツがチョコの中に沈んでいった。
「おいらもいっくよー!」
 そんなうさみみメイド達に続くように祭莉も飛び出して。
 元気に歌いながら走り回り、飛び回る。
 迫り来たチョコレートの触手は、如意な棒をくるくる回転させて盾として、捕らわれないように堰き止めていった。
 けれども。
「……あ、飛び散っちゃった♪」
 ちょっと回転のさせ方を間違えれば、CCまつりんのできあがり。
 あ、ちょこれーとこーてぃんぐ、です。
 でも、ドレスに身体に飛び散ったチョコレートを、ぺろりと舐めれば広がる甘味。
 だから、うさみみメイド人形のようにチョコレートの中へと飛び込んでいく勢いで、祭莉は如意な棒を手に戦っていく。
 そのうちに、甘き巨塔がぐらりと傾いで。
 魚の形をした煙が泳ぎ始めたと思うと、その触手や身体が固まっていったから。
「うさみん☆、ストレートパンチ!」
「おいらもぱーんち!」
 杏が繰るうさみみメイド人形が、そして楽しそうな祭莉が。
 ビックチョコフォンデュタワーへの総攻撃に加わって。
「……お……しま……い……」
 槍に貫かれたのを最後に、甘い巨塔は崩れ消えていく。
「わーい、美味しかったー♪」
 戦いの終わりを見届けた祭莉は、満面の笑顔で杏の元へ戻り。
 その顔に飛び散っていたチョコレートを、杏のハンカチがそっと拭った。
 ありがと、と祭莉は笑って、お礼のように、うさみみメイド人形の1つをひょいと手に取ると、そこに抱えられていたチョコレートがけバウムクーヘンを人形ごと差し出す。
 ずいっと迫った戦利品に、杏も笑って、あーん。
 口の中に広がる甘さに顔を綻ばせた。
 もぐもぐしながらふと振り向けば、テレビウムの少年も友人達と一緒に無事を喜びあっていて、猟兵達の活躍に拍手喝采していたから。
 そっと杏はその輪の中へと近づいて、ネコキマイラの少女の背を優しく押した。
「告白、するのよね?」
「あー……そー思ってたけど、どーしよっかなーって……」
 戸惑う瞳は彷徨って、ちらりとテレビウムの少年にも向いたから。
「つっ、伝えた方が、いい……っ」
 少年はぐっと拳を握って、頑張って応援の言葉を告げる。
 大切な友の決意を尊重するように。
 大好きな人の幸せを願って。
「ソリももう大丈夫」
 だから杏は、テレビウムの少年の肩に手を添えて微笑んだ。
 祭莉も、チョコレートがけオレンジを食べながら隣に並び、にぱっと笑いかける。
 目を瞬かせたネコキマイラの少女は、それじゃあ、と頷いてから踵を返し。
 ライオンキマイラの前へと立った。
「あのねー、ずっと言おうと思ってたんだけどー」
「うむ。何か?」
 その会話をじっと見つめるテレビウムの少年。
(「告白、かぁ……」)
 画面に浮かぶのは、少し複雑ではあるけれども、笑顔。
 淡い思いの終わりを覚悟した悲しさと。
 自分にできないことをしようとしている姿への憧れ。
(「いつか僕もできるようになりたい……」)
 新しい恋をと応援してもらえた。
 いい友達がいると言ってもらえた。
 そんな自分にはもったいないほどの言葉達も思い出しながら。
 テレビウムの少年は、向かい合う友人達を見つめて……
「実はずっと同じネコのキマイラだと思ってたんだー。
 けっこー最近になって、ライオンだって気付いたの。ごめんねー」
「……え?」
 あははー、と軽く笑うネコキマイラの少女に、少年はぽかんとした表情を見せた。
「……告白?」
「うん、そー。罪の告白ってやつー?
 いつもと違う格好なら言えるかなー、ってー」
 白いスカートの裾をひょいと摘まんで持ち上げた少女は、ムッキムキではち切れそうなウェディングドレス姿のライオンキマイラを視線で示してまた笑う。
 つられるように少年も、ライオンキマイラを呆然と見やれば。
「うむ。同じネコ科だ。気にすることはない」
「やったー」
 鷹揚に頷いた姿に、少女がぴょんっと嬉しそうに飛び跳ねた。
「え……? あれっ……?」
 思っていたのとは違う展開に、テレビウムの画面がちかちかする。
 向こうで蒼銀の戦士が転んでいたり、杏が金瞳をぱちくりさせていたり、祭莉が笑い転げていたりするのも見えたけれども。
 そのどれもが何だか遠い景色のように見えて。
「えっと……」
 どうしたらいいのか分からずに、ただただ硬直する少年。
 でも、そこにネコキマイラの少女がひょいと覗き込んで。
「ソリー。ありがとうねー。
 1人だと言う勇気が出なかったからさー」
 嬉しそうな笑顔を少年に向けていたから。
「ソリが居てくれてよかったー」
「……うん」
 気付けば少年の画面には、心からの笑みが浮かび上がっていた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年07月03日
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