●猫ヶ島
サムライエンパイアの近海に位置する、漁業が盛んな小さな島。
そこには住民よりも遥かに多い数の猫が棲み付いており、たいそう可愛がられているという。
いつしか“猫ヶ島”と呼ばれるようになったその島は、まさに猫の楽園。
本土からわざわざ海を渡って、猫を愛でるために訪れる旅人もいるとかいないとか。
●にゃんということだ
「その猫の楽園が、まさに失われようとしているんだ」
グリモア猟兵の火神・五劫(f14941)は、至極真面目な表情で予知した光景を仲間たちに語る。
男曰く。
ぽかぽか陽気のある日に突如、強烈な冷気が巻き起こり、島全体を包み込んでしまうという。
春から冬へと逆戻りどころの話ではない。
「島が丸ごと氷の塊と化す程だ。あんな環境では、猫も人も生きられはしない」
紛れもなくオブリビオンの仕業である。
しかし事が起きると分かっているならば、こちらのものだ。
「なに、簡単なことだ。事前に島にて待ち構え、敵が現れたら討伐してしまえばいい。もっとも待機中は暇だろうから」
猫と共にのんびりしているといい、と五劫は瞳を和ませつつ勧める。
猫たちは人によく馴れており、島のあちらこちらでその愛くるしい姿を見せてくれるという。
白、黒、虎、三毛……様々な柄の猫がいる。
猟兵たちを見つければ、向こうから興味津々で寄って来るだろう。
「傍で過ごしていれば、猫たちを守ってやることもできるからな。島を敵の手に渡さぬ為にも、どうかよろしく頼んだぞ」
藤影有
お世話になっております。藤影有です。
猫の楽園を守るべく、猟兵の皆様の力をお貸しいただけますと幸いです。
第一章は【日常パート】、第二章は【集団戦】、第三章は【ボス戦】です。
●補足
第一章は、猫とのんびり戯れて過ごせます。
一緒に遊ぶもよし、お昼寝するもよし、餌をあげるのもOK。
自由にお過ごしください。
大の字に寝転べば、猫たちが乗ってくれたりするでしょう。
第二章以降(戦闘時)に出現するオブリビオンは、狙いを猟兵に定めます。
猫の安全確保については、プレイングで触れずともマイナスにはなりません。
(触れてあげた場合、猫たちが喜びます)
また、章を通して住民の避難については考慮せずとも構いません。
(オブリビオンの出現地点から十分に離れた場所にいるものとして扱います)
●プレイングについて
各章とも、導入文投下と同時に受付開始します。
〆切予定等はMSページをご確認いただけますと幸いです。
それでは、皆様のプレイング楽しみにお待ちしております。
第1章 日常
『猫たちの島』
|
POW : 目に付いた猫を片っ端から愛でていく
SPD : 猫の通り道や集会所を探してみる
WIZ : 餌や玩具などを用意して、猫がやって来るのを待つ
|
●猫の楽園
猟兵たちが降り立つは、島の僅かな平地部分に作られた集落。
江戸幕府より賜った『天下自在符』を携え事情を話せば、住民らは皆、快く迎えてくれる。
いざ、敵の襲撃に備えんと外へ一歩踏み出せば――。
港に猫。
屋根瓦に猫。
道なき道にも、猫、猫、猫。
寝るわ、伸びるわ、駆け回るわ。
毛玉たちは、まさに自由気まま。
暖かな陽気も手伝って、島は平和を具現したかのよう。
のどかな光景を失わぬためにも、今はのんびり機を待とう。
城野・いばら
●SPD
集落の様子を見てまわろうかな
この世界ならではの習慣や光景は見ていて楽しいの
アリスに島の事を聞いたり、
見つけた猫さんの尻尾を追いかけながら気の向くままに
ぽかぽか日和にいばらもごきげん
だって、お日様は元気の源だもの!
猫さん達もそうかしら?
伸ばした毛玉は光をいっぱい集めて気持ち良さそう
…そういえば、雨や嵐が来たらどうしてるのかなぁ?
雨風しのげる所…軒下?しげみ?うーん?
猫さんの気持ちになって、探してみるの
ふふ、かくれんぼみたい
みーつけた、って
猫さんにあったらご挨拶
コミュ力と動物と話すを使って、驚かせないようにそっとね
*凧さんアリスに、以前遊んでくれたお礼言えたら嬉しいけど
忙しそうならまた今度
●
彼の日の凧揚げの礼を告げてのち、城野・いばら(f20406)はサムライエンパイアへ降り立った。
庭園の薔薇として生を受けた娘にとって、この世界の光景は珍しい。
網を繕う男たち、開いた魚を干す女たち。
潮の香りがする集落からは、青い海が一望できる。
波も穏やか、よき日和。
太陽の光を浴びて、うーんと伸びをしてみれば。
「にゃあ」
「あら?」
いばらの足元から、ふくふく太った茶白の猫が声掛けてくる。
「猫さん達もお日様は好きかしら?」
「にゃん」
屈み込んで目線を合わせれば、猫の方からすり寄ってくる。
そっと触れた毛並みは、光をたっぷり集めてふかふかだ。
「ふふ、あったかい。……そういえば、雨や嵐が来たらどうしてるのかなぁ?」
身を隠すなら何処だろう?
家の軒下? 或いは、茂み?
猫の気持ちになって、いばらがうーんと考えていると。
「にゃーん」
茶白の猫は長めに鳴いて、数歩進んでは振り返る。
ついてこいと言われた気がして、娘はてくてく後を追う。
港近くから、集落の奥へ。
そこかしこで寛ぐ猫たちに挨拶しつつ、家と家の間をするりと抜けて。
角を曲がった茶白の猫を、まるでかくれんぼでもするように。
「ふふ、みーつけた」
ひょこっと顔を出して覗き込めば。
「にゃん」
案内を終えた猫は、ゆっくり瞬きをしていばらを迎えてくれる。
「わぁ!」
倉庫と思しき建物の中に、ずらり並べられた木箱。
一つひとつに手ぬぐいが敷かれ、そのいくつかには猫がみっちり詰まってすやすや寝息を立てている。
この屋根の下ならば、荒れた天気をもしのげるであろう。
「教えてくれて、ありがとう」
眠る子を起こさぬように、いばらがそっと声掛ければ。
「にゃ」
茶白猫も彼女の意を汲んだように、ごく小さく鳴いて応えたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
御園・桜花
「…ふわわわわ」
煮干しをたくさん詰めた小袋を持って
もう片方の手には棒に糸を結んで作った猫じゃらしを持って
逃げない猫に感嘆の声をあげて棒立ちに
「鳥や犬は近所の方が飼っていたので馴染みがありましたけれど…猫は、たまに会う野良の方だけで。皆さま、此方をじっと見て、近づくとささっとお逃げになるでしょう?お近づきになれないのかもしれないと、少し諦めていたので…うれしいです」
「私は樹木精ですから、爪研ぎされたらどうしようという気持ちがどこかにあったのかもしれません。それが伝わっていたのかもしれませんね」
初めての猫との充実したふれあいに大盛上がり
しゃがみこんで満面の笑み浮かべ
逃げない猫を撫でまくり餌やりする
●
「……ふわわわわ」
片方の手に小袋、もう片方には手製の猫じゃらしを携えて。
御園・桜花(f23155)は棒立ち状態のままで動けずにいた。
何故なら彼女の足元には。
「にゃん」
「みゃあ」
「にゃーご」
わらわらわらと猫溜まり。
桜花をぐるりと取り囲んだ毛玉たちは、構って構ってと次々にすり寄ってくる。
(「……うれしいです」)
近所の者が飼っていたゆえ、鳥や犬には馴染みがあった。
だが、猫とは何故だかこれまで縁を結べなかったのだ。
「にゃーん!」
「え、ええ。ちょっと待ってくださいね」
前足の肉球でぺしぺしはたいておねだりしてくる、積極的な子をどうにか抑え。
桜花は小袋の封を解きながら、その場にそっとしゃがみ込む。
小袋から煮干しを一摘み。掌に乗せて差し出せば、たちまちぺろりと平らげられて、もっと欲しいとねだられる。
(「お近づきになれないのかもしれないと、少し諦めていましたけれど 」)
軽く撫でてやれば、ごろごろと喉を鳴らして甘えてくる猫。
過去に出会った野良の子たちは皆、桜花の方をじっと見るだけで、彼女が近づくよりも先にささっと逃げて行ったというのに。
「もし、爪研ぎされたらどうしよう……なんて。そんな樹木精としての恐れが、伝わってしまっていたのかもしれませんね」
肉球をぷにぷにしながら桜花は満面の笑みを浮かべる。
甘える猫の足先に、鋭い爪は出ていない。
「みゃー」
「あらあら。待って、順番ね?」
猫じゃらしに飛びつく別の子を宥めて。
楽しい時間は、まだまだこれから。
大成功
🔵🔵🔵
オリヴィア・ローゼンタール
ねこさんがいっぱいです……!!
白い着物の姿に変身
髪も肌も服も白ければ、白猫さんがお友達と思ってくれるかもしれません
港でお魚を購入してお土産に
青魚はよくないと聞いたので、赤身のお魚を
【守護霊獣の召喚】で黄金の獅子を伴い、【威厳】をもって王さまのように振舞ってもらいましょう
近くのたまり場に驚かさないようにゆっくり近づく
にゃーん、こんにちわですよー(動物と話す)
近寄ってきたら懐からお魚を取り出してお裾分け
私自身も干物や手持ちのチーズをもぐもぐ……あら、こっちは塩分が強すぎるのでダメですよー?
懐いてくれたら日向で大の字に寝転がり、獅子も一緒にお昼寝
猫さんが頭や身体の上に乗ってきても好きにさせてあげます
●
黄金の獅子を伴って、白い着物を身に纏い。
厳かな様相で姿を現したオリヴィア・ローゼンタール(f04296)を出迎えたのは、ころころ太った猫の群れであった。
(「ねこさんがいっぱいです
……!!」)
開けた場所で日向ぼっこしていた猫たちは、オリヴィアと獅子を見つけるや否や無邪気にちょこちょこ寄ってくる。
「にゃーん、こんにちわですよー 」
「「「にゃーん!」」」
オリヴィアに応えてのち、獅子とも匂いを嗅ぎ合う猫たち。
挨拶をきちんと済ませたあとは。
「お土産ですよー」
お魚を取り出してお裾分け。
港にて調達した、新鮮なカツオのお刺身だ。
「にゃ!」
「みゃあ!」
「うふふ、いっぱいありますからね……あら、こっちは塩分が強すぎるのでダメですよー?」
オリヴィア自身も干物やチーズを取り出して、猫たちと一緒におやつタイム。
お腹をいっぱいに満たしたら。
「お昼寝しましょうか……」
悠々と寝そべった獅子に身を預け、オリヴィアが大の字に転がれば、猫たちも一匹また一匹と寄り添い寝息を立て始める。
もふもふ、ぽかぽか。
うとうとし始めた娘の服が、くいっと軽く引っ張られる。
「あら?」
「みゃー」
ふと見れば、真っ白な子猫が甘えるようにしがみついている。
白い衣を纏ったオリヴィアを、仲間か兄弟と思ったか。
「一緒にお昼寝、します?」
「みゃあ」
子猫をそっと抱き上げ、お腹の上にちょこんと乗せて。
娘はぽかぽか陽気に包まれてまどろみ始めた。
大成功
🔵🔵🔵
真宮・響
【真宮家】で参加。
猫の島・・・また凄い場所があったもんだねえ。もふもふ大好きな奏は勿論、猫は愛らしい仕草で和ませる。気まぐれな所も可愛いもので。猫はもちろん、村民の方の安全も守らないとね。・・・まずは猫達と仲良くならないとね。
家族で野原を見繕う。昼寝によさそうな所を。いい陽気だし、昼寝でもしようかと思ってね。猫を膝に乗せて【歌唱】で気持ちよさそうに鼻歌を歌ってそのまま大の字になってごろん。猫達が乗って来ても思うがままに。最近忙しかったからこういう時間もいいねえ。(爆睡)
真宮・奏
【真宮家】で参加。
猫だらけの島っ!!(目をキラキラ)何ですかその楽園!!その楽園を氷漬けにしちゃうなんてとんでもない悪党がいるんですね。・・・その前に、猫さんと遊びたいです!!
うわ、本当にいろんな種類の猫さんがいるんですねっ。片っ端から抱き上げてもふもふします!!猫さん達なら潰されても本望です!!(猫を抱き上げ過ぎて埋まる)ほわ~っ!!幸せです。時間が許す限り猫さんと遊びます!!(目的を忘れかけている)
神城・瞬
【真宮家】で参加。
猫が一杯いる島ですか・・・猫大好きな人には堪らない場所ですよね。もふもふ大好きな奏のように。僕も猫好きなんですよね。密かに楽しみにしてました。
家族で昼寝や遊ぶのによさそうな野原を選びます。楽しそうにしている母さんと奏を見守りながら、猫を膝に乗せて撫でてから精霊のフルートで音楽を奏で、楽しい時間を過ごします。ああ、最近忙しくしてましたからこうしてゆっくり時間を過ごすのもいいですねえ。許されるかぎり、満喫しましょうか。
●
「猫の島……また凄い場所があったもんだねえ」
真宮・響(f00434)が思わず呟くのも無理はない。
集落、港と順に見て回り、ちょうど差し掛かったこの広場まで。
間宮家一行が行く先々に猫の姿があるのだから。
「猫だらけの島っ!! 何ですか、この楽園!!」
「猫大好きな人には堪らない場所ですよね」
娘と息子――真宮・奏(f03210)と神城・瞬(f06558)も猫の愛らしさに頬を緩ませる。
すると、初めてみる人間たちに興味を強く惹かれたのか。
「にゃ?」
路傍で香箱座りしていた三毛猫が、ちょこちょこと奏の足元にやってきた。
「わぁ! 瞬兄さん、猫さんが! 猫さんが!」
「ふ、ふふ……奏、落ち着いて」
瞳を輝かせる少女に、穏やかに微笑む青年。
そんな二人をほっこりと見つめる母。
和やかな雰囲気の一家を囲むように、猫が一匹また一匹と集まってくる。
「にゃあ」
「にゃう?」
白、黒、ハチワレ、サバトラ、キジトラ。
丸々と太った子から、すらりと気品のある子まで。
「懐っこいねぇ。……ああ、良いこと思い付いた」
猫たちの愛らしさに瞳を和ませていた響は気付く。
日当たり良好なこの場所が、絶好のお昼寝スポットであることに。
「よいせっと。ほら、おいで」
草地にごろりと転がれば、猫たちに囲まれもふもふもふ。
「あっ! 私も!」
「僕も、今日はたっぷり遊びましょうか」
奏と瞬も腰を降ろして、日向ぼっこの始まりだ。
「本当にいろんな種類の猫さんがいるんですねっ。ほわ~っ!! 幸せです」
とろけそうな表情を浮かべる奏の膝は今、最初に近付いてきた三毛猫がででんと陣取っている。
順番に抱き上げ、撫で回しても、猫たちは次々に構って構ってとやってきて少女をもふもふの中へ沈めていく。
「猫さん達なら潰されても本望です!!」
「こうして、ゆっくり時間を過ごすのもいいですねえ」
のんびりと呟く瞬の膝にも、しなやかな白猫が収まっている。
綺麗な毛並みを青年がそっと撫でれば、猫は満足げににゃあと鳴いて応える。
「そうだねぇ。最近、ずっと忙しかったから」
大の字に寝転がった響の上には、子猫が集ってわちゃわちゃわちゃ。
鼻歌を歌いながら指先で撫でてやれば、甘えるように吸い付いてくる。
「時間が許す限り、こうしていたいです」
「ええ、全く。せっかくの機会、満喫しましょう」
妹の言葉に頷いた瞬が掲げるは、精霊のフルート。
息を深く吸いこんで、思い込めて奏で始めれば。
――光溢れる地に、春風を想わせる音色が響く。
優しい調べを捉え、猫たちの耳がぴくりと動く。
尻尾をゆったりと大きく振って、まるでリズムを取るように。
「にゃー……」
「みゃ……」
いつしか猫たちは、丸まってとろりと夢の中へ。
そして、温もりが心地良いのは、猫も人も変わらない。
子猫たちを優しく構いながら、身を横たえていた響も。
好奇心旺盛な猫たちをもふもふしていた奏も。
眠りに落ちた愛しい家族の顔を優しく見守っていた瞬も、いつしか。
みんな一緒に、穏やかで暖かな春の夢の中。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鈴木・志乃
……ねこっていいよね
私の知り合いも猫飼ってるんだけどさ、まぁかわいいんだ
(※どちらかというと犬派なことは口が裂けても言わない)
歩き姿も格好よくて……うん、惚れるよね。素敵。(しみじみ)
猫じゃらし振ってしばらく遊ぶよ(ふりふり)
あ~癒される……本当、戦闘なんてしないで毎日こうだといいな……(辛くなって涙ほろり)
……ぁ、ねむぃ……(うとうと)
※気づいたら寝てて毛玉にまみれています。そろそろ敵が来そうなのでどいて……くれない!
おろおろした挙げ句まいっかーとまた惰眠を貪ります。アド連歓迎
●
「……ねこっていいよね」
もふもふにまみれて鈴木・志乃(f12101)が呟けば。
「「「にゃーん!」」」
そうでしょ、とでも言うように猫たちが一斉に甘えた声を上げる。
実は犬派だったりする志乃であるが、猫には猫の良さがあることを間近で触れ合い実感する。
尻尾をぴんと立てて歩く姿は、しなやかで格好良くて。
獣としての気高さを感じさせて、惚れ惚れしてしまうほど。
その一方で、目一杯の愛らしさも兼ね備えている。
「にゃーご」
「ああ、はいはい。待ってねー」
おねだりしてくる子を猫じゃらしで構ってやれば、それはそれは嬉しそうに瞳を輝かせて飛び付いてくる。
(「知り合いの飼ってる子を思い出すなぁ」)
飼われているか、自由に生きているかの違いはあれど、人に対して見せてくれる可愛らしい姿は据え置きのようだ。
「にゃん」
「みゃー」
「ほーら、おいで。あ~癒される……本当、戦闘なんてしないで毎日こうだといいな……」
忙しない日々を思い浮かべ、少しほろりとしてしまう志乃。
ぼんやりと猫を構っているうち、だんだんと眠くなり――。
「……はっ!」
すこしうとうとした隙に、腕にも足にも、もふもふもふ。
「ちょっと、どいてー……」
敵が来ては大変だと猫たちに頼んでみるも。
「みゃ……」
「ぐぅ」
毛玉の塊は何処吹く風、まるで動いてくれそうにはない。
初めはおろおろしていた志乃であったが。
「……まあ、いっか」
腹を決め、再び惰眠を貪ることとした。
人より敏感なところがあるのもまた、猫の特性だ。
危険が迫れば、必ず何かしらの変化が現れることだろうと。
大成功
🔵🔵🔵
天方・菫子
【POW】
猫!猫さま!猫大好き!
いやーん、こんな楽園があったなんてー!
道を歩けば猫、猫、猫!
かわいい三毛猫さんを見つけて一目惚れ
猫さんについていって撫でてかまって
ふわふわの毛、揺れるしっぽ、まんまるの目
あーん、全部がかわいい、この生き物ー!
仕方ない、だって猫だもの!
目についた猫さん、片っ端から撫でるいきおいで
島の地理も一応確認を
ここが港かー、うんうん
港でお魚をいただいて、猫さんたちにふるまおう
むしゃむしゃ食べる猫さんを撫でさせてもらって
ああ、ここはきっと極楽だなあ
絶対守ってあげるからね、猫さんたち!
絡み、アドリブ歓迎です
●
「いやーん、こんな楽園があったなんてー!」
天方・菫子(f17838)は猫が好きだ。
いや、少し訂正しよう。
猫が、大好きだ。
「ああ! 三毛猫さん、待って!」
「にゃ?」
初めに出会った子に思わず声を掛けると、向こうからとことこ寄ってくる。
菫子がそっと手を差し出せば、三毛猫はふんふんと匂いを嗅いで。
「にゃあん」
すりすりと少女に身体を擦り付け甘え始める。
「あ……あーん、かわいい! 全部がかわいい、この生き物ー!」
ふわふわとやわらかな毛並み。
ゆったりと揺れるしっぽ。
くりくりとした、つぶらな目。
ああ、どうしてこんなに愛らしいのか。
答えは一つ――猫だから。
「にゃあ」
「……? どちらへ?」
存分に触れ合ってのち、三毛猫はてててと菫子から離れ、くるりと振り向く。
付いてこいと言われた気がして、後に続くと。
「わぁ!」
行く先々に猫、猫、猫。
色柄も大きさも様々な猫たちに迎えられつつ、着いたところは港であった。
「にゃーん!」
「わ、わ! ここにも猫さん!」
三毛猫が一声鳴けば、わらわらと猫が集まってきて菫子を囲む。
どの子も撫で回したいところだが、生憎と少女の手は二本しかない。
「順番にね。……ああ、ここはきっと極楽だなあ」
毛玉の波の向こう側には、魚を捌く漁師らの姿が見える。
大歓迎してくれた猫たちに、新鮮な魚を振る舞おうと決めて。
「絶対守ってあげるからね、猫さんたち!」
甘えてくる皆が落ち着くまで、菫子はもふもふを今しばし堪能することにした。
大成功
🔵🔵🔵
シキ・ジルモント
何もしないというのも落ち着かない
戦闘に備えて周囲の地形を把握する為、少し歩き回ってみるか
しかし、近付いても逃げないどころか猫の方から近寄ってくるとは、本当に人に慣れているな
…今は仕事中だとわかっている、わかっている、が…
そっとしゃがんで、近寄って来た猫に手を伸ばしてみて、逃げないようなら撫でてみる
…少し無防備すぎはしないだろうか
「こんなに簡単に撫でさせて大丈夫なのか?」
そんな事を言いながら、頬が緩むのを自覚する
そうしている内に寄ってくる別の猫を撫でてみたり、尻尾にじゃれつく猫に付き合ってやったり
すっかり足は止まっているが、猫を守る必要もあると自分に言い訳をして
もう少しだけ、猫達と過ごす事にする
●
集落を一通り見て回ったのち、シキ・ジルモント(f09107)はひとり島巡りへと繰り出した。
敵の方からやってくると頭で理解はしていても、何もせずにいるのはどうにも落ち着かないゆえに。
それが、この仕事人たる人狼の男の性なのだ。
(「しかし、本当に人に慣れているな」)
辺りの地形を把握せんと視線を巡らせる先、何処を向いても猫がいる。
逃げる様子はまるでなく、のんびり昼寝をしていたり、好奇心に満ちた瞳でシキをじっと見つめていたり。
さらには。
「にゃーん」
「……お前、着いてきたのか?」
集落からずっと、お供をしてくる子まで。
仕事中とはいえども、流石に放ってはおけぬ。
そっとしゃがみこんでシキが手を差し伸べてやれば、お供猫は嬉しげにすり寄ってくる。
身体の大きさとキトンブルーの瞳から察するに、まだ幼い部類の猫だろう。
銀灰色の毛並みも手伝って、男の持つ色彩とよく似通って見える。
「こんなに簡単に撫でさせて大丈夫なのか?」
「にゃあ?」
分かっているのかいないのか。
ころんと腹を見せる猫に、シキの頬も思わず緩む。
「にゃー」
「にゃあん」
「みゅー」
いつしか、一人と一匹を囲むように他の猫も集まってくる。
「本当に人懐こいな……お、俺の尻尾が気になるか?」
じゃれつく猫たちの相手も、此度の仕事の一環だ。
彼らを守り抜くためにも、穏やかな時間を今しばし。
大成功
🔵🔵🔵
未不二・蛟羽
あっちもこっちも、いっぱい猫さんっす!
ここは俺も、UCで子虎になって仲間に入れてもらうっす!
ドヤ顔で群れの中に混ざって、猫さん達へ遊んでって話しかけるっす
大はしゃぎで猫に戯れつき、追いかけっこをしたり転がったりと全力で遊び
猫の道を教えて貰って、島の中を皆で探検するっす!猫の秘密基地探したいっす!
で、秘密基地って言ったら、ボスっすよね!できたらボス猫さんのところまで言って、コミュ力を使ってお話しして、一緒に遊ぶっす!
この島、すーっごく楽しいっす!猫も人もみんなきらきらっす!
だから、こんなきらきらな場所を台無しにさせないっすよ
俺が守るっす!だって、ヒーローになりたいっすもん!
【アドリブ連携歓迎】
●
「あっちもこっちも、いっぱい猫さんっす!」
島の光景を目の当たりにし、未不二・蛟羽(f04322)の瞳はきらきら。
気ままに過ごす猫たちも、猫たちと共に在る住民も、とてもとても幸せそう。
まさにここは、パラダイス。
「俺も仲間に入れてもらいたいっす! ……よしっ」
わちゃわちゃと駆け回る猫の一団を目指し、蛟羽はたたっと駆け出した。
「がうー!(訳:入ーれーてーっす!)」
小さな翼と蛇の尾に面影を残した子虎に変化して。
「にゃ?」
「にゃあん?」
突如やってきた子虎――もとい蛟羽を囲み、匂いを嗅いでいた猫たちは。
「にゃーご!」
彼を仲間と認め、快く遊びに誘ってくれる。
「がう!(訳:みんな、ありがとっす!)」
追いかけっこに取っ組み合い、存分に遊び回る最中に。
「にゃあ」
身体の大きなキジトラ猫が、こっちへおいでと蛟羽を呼ぶ。
共に遊んでいた子らも一緒に、キジトラに付いていくと。
(「わあ、探検隊みたいっす!」)
猫には猫の道がある。
積み上げられた箱の隙間を潜り、石垣をひょいと登って向こう側へ。
漁具の立てかけられた家の裏手を抜けて歩いていくと。
(「ここは……もしかして、秘密基地っすか?」)
集落の外れ、木々に囲まれた草地に成猫たちが悠々と寝そべっている。
キジトラ猫が進み出て、蛟羽のところまで連れてきたのは。
「なぁん?」
厳しい顔つきをした、丸々太ったハチワレ猫だ。
こちらを見つめる他の猫たちの視線から察するに、どうやらこのハチワレがボスらしいと見て。
「がう!(訳:はじめましてっす!)」
きっちり挨拶を済ませた蛟羽をハチワレはしげしげと眺め。
「なぁーん」
ざらざらした舌で毛繕いしてくれる――仲間と認めてくれたようだ。
「にゃあ!」
「にゃあん」
猫たちの歓迎の声に、蛟羽の胸もいっぱいになる。
(「……俺が守るっす! こんなきらきらな場所を台無しにさせないっすよ」)
ヒーローになりたい。
この愛らしい仲間たちを守れるヒーローに。
大成功
🔵🔵🔵
逢坂・理彦
煙ちゃんと(f10765)
さすが猫ヶ島なんて言われるだけあるね。猫ちゃんがいっぱいだ。
猫ちゃん達にお土産を持ってきてるんだよ〜。
じゃーん、煮干し!いっぱい遊ぼうね!
(【動物会話】を使いつつ的確に撫でたり遊んだり)
ふふ、煙ちゃんのこと気にいっちゃったこもいるみたいだね。
煙ちゃんに撫でてもらうの気持ちいいよねー俺も狐姿になった時に撫でてもらったからわかるよ〜。でもちょっと焼けちゃうなぁ(ぽつりと呟いて)
暖かくなってきたしひだまりとかでごろごろしてるこも沢山いるね。
なのに凍えるくらい寒くしちゃうオブリビオンが来るなんて。俺達が守ってあげないと。
吉瀬・煙之助
理彦くん(f01492)と
わぁ〜、猫ちゃんたちがいっぱいだね♪
今はたくさん遊んでいいんだよね…?
わ、理彦くん準備いいね…っ!
僕は猫じゃらしとかキャットニップを入れた布製のネズミの玩具とか持ってきたよ
言葉は分からないけど、気に入ってくれると嬉しいなぁ…。
あ、撫でてもいいの?
ふふっ、可愛いね…♪(膝に乗せてなでなで)
ん?(理彦からの視線を感じて勘違いしながら)どうしたの、理彦くんも撫でる?
せっかく日向で気持ちよさそうにしてるのに、猫ちゃんたちの楽しみを奪うのは許せないね…
僕たちで守ってあげようね…!
●
「さすが猫ヶ島なんて言われるだけあるね」
この地に降り立つや否や見つけた見事な猫溜まりに、逢坂・理彦(f01492)は感嘆の声を上げる。
日向でころころ転がっている白、黒、茶色、三毛に煙ちゃん。
おや?
「わぁ〜、猫ちゃんたちがいっぱいだね♪」
理彦と並んで歩いていたはずの煙ちゃんこと吉瀬・煙之助(f10765)は、とっくの昔に猫まみれに。
いつの間に。思わず突っ込みたくなった理彦であるが。
「ねぇ、理彦くん。今はたくさん遊んでいいんだよね……?」
なんて煙之助が言うものだから。
「うん、いっぱい遊ぼうね! 猫ちゃん達にはお土産を持ってきてるよ〜。じゃーん、煮干し!」
「わ、理彦くん準備いいね……っ!」
零れるは、突っ込みの言葉でなく微笑み。
二人一緒に陽だまりへ。
煙之助が数々のおもちゃを取り出せば、猫たちは遊んで遊んでと飛び付いてくる。
「にゃーん」
「みゃー」
「気に入ってくれた? 嬉しいなぁ……あ、撫でてもいいの?」
とろけそうな表情で皆を構っていると、茶色の猫が煙之助の膝に登ってちょこんと鎮座する。
そっと撫でてやれば、茶色猫はうっとりと目を瞑って頬ずりしてくる。
「ふふ、煙ちゃんのこと気にいっちゃった子もいるみたいだね。……はいはい、耳の後ろねー」
かくいう理彦もたくさんの猫に囲まれ、なでなでを所望されている。
次は僕、次は私と言わんばかりに四方八方から肉球ぺちぺち。
動物の言葉を解する理彦が希望通りに撫でてやると、猫は気持ちよさそうにごろごろと喉を鳴らして甘える。
「僕も理彦くんみたいに猫の言葉が分かればなぁ……でも、何となく伝えたいことは分かるね。ふふっ、可愛い♪」
「うんうん、煙ちゃんに撫でてもらうの気持ちいいよねー。俺も狐姿になった時に撫でてもらったからわかるよ〜」
ころりと煙之助に腹を見せる茶色猫を微笑ましく思いながらも。
「でもちょっと焼けちゃうなぁ」
ぽつりと呟く理彦。
その視線が何処か意味ありげに見えて。
「ん? どうしたの、理彦くんも撫でる?」
首傾げ、誘ってみる煙之助。
そうだけど、そうじゃない。
陽だまりはぽかぽか、平和そのもの。
男二人に見守られ、猫たちは安心仕切って眠る。
猟兵たちの想いは同じ――必ず、守ってやらないと。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
彩波・いちご
【恋華荘】
猫じゃらしとかエサを用意して、猫を探しに行きましょう
エサはあげていいか確認しないとですけど
「ふふ、それにしても今日の詞さんは、なんだか可愛らしいですね?」
普段と違う彼女の様子見てニコニコしてます
「ほらほら、猫たちに餌あげましょう?」
用意したエサをあげて猫たちを集めて
ちっちっちっ
おいでおいでー
よーし、いいこいいこ
猫を抱き上げて毛並みをもふもふ、なでなでして可愛がります
隣を見ると同じように猫を可愛がっている詞さんがいて
くすっと思わず笑みがこぼれたり
「笑ってすみません。でもでも、今の詞さんの方が私は好きですよ?」
「可愛いですものね?」(にこっ
もちろん、猫のことですよ?(くすくす
牧杜・詞
【恋華荘】
「猫……の島?
え? あなたもくるの? そう……なに?いつもとちがう?
そんなことないわ。仕事だもの。」
(天国がなくなるなんて許されないから!)
と、変なテンションで参加させてもらうわね。
もちろん美味しい餌は持っていくわ。
島では猫と待機。
餌をあげて良いかを島の人に確認して、
大丈夫なら、食べさせてあげることにするわ。
緩みそうになる頬を必死に抑えつつ、餌やり。
なんとか素っ気なさを保とうとするけど、
可愛いものには勝てす、
「もう、あなたたちってば、あなたたちってばー!」
と、逃げない子を抱きしめちゃいます。
思わず抱きしめたあとで、いちごさんの視線に気づき、
「な、なによ!? なんで笑ってるの!?」
●
「ふふ、それにしても今日の詞さんは、なんだか可愛らしいですね?」
少女と見紛う容姿持つ少年、彩波・いちご(f00301)は共にやってきた牧杜・詞(f25693)の顔を覗き込むように言葉を紡ぐ。
「……そんなことないわ。仕事だもの」
数秒を要しながらも返答し、詞はぷいと明後日の方を向く。
表情に乏しいこの少女は、実は可愛いもの好きである。
ゆえに猫の島と聴きつけて、こうしてやってきたわけであるが。
(「まさか、いちごさんも一緒だなんて」)
彼は己が身を寄せる『恋華荘』の管理人、見知った相手ゆえに調子が狂う面もある。
それでも、成すべきことは成す所存。
(「ええ、天国がなくなるなんて許されないから!」)
そんな詞の様子を、いちごはにこにこと見守るばかり。
彼女の心の動きを知ってか知らずか、果たして――。
餌をあげても大丈夫と、島民にお墨付きをもらって。
早速、猫探しに――繰り出すまでもなかった。
「にゃー」
「みゃあん」
二人の姿を認め、そこかしこから猫たちが現れては寄ってくる。
無表情のまま固まって、ぷるぷると身を震わせる詞。
全ては猫の可愛さゆえ。
そんな彼女の愛らしさに笑みが深くなるいちごだが。
「ほらほら、猫たちに餌あげましょう? 」
いつもの調子は崩さずに、持ってきた餌を取り出しながら詞を促す。
ちっちっちっ。
おいでおいでー。
やってきた猫たちは、本当に人懐こい。
いちごと詞の掌から餌を直接欲しがる程だ。
「よーし、いいこいいこ」
すり寄ってきた一匹をそっと抱き上げてやれば、猫はいちごの腕の中で幸せそうに喉を鳴らす。
優しく微笑み猫を撫で、少年が傍らに視線を送ると。
「……」
表情に乏しいながらも頬を薄紅に染め、猫たちを撫で回す少女がいた。
もふもふ、すりすり。
無邪気に甘えてくる猫たちに、ついに詞は感極まって。
「もう、あなたたちってば、あなたたちってばー!」
ぎゅう、と愛情込めて抱きしめる。
にゃあにゃあにゃあ。
そして、取り零した猫たちに飛びつかれ、もふもふの中に埋もれていく――。
「ふ、ふふ……」
はっと詞が顔を上げれば、いちごがくすくすと笑っている。
「な、なによ!? なんで笑ってるの!?」
「す、すみません。でもでも、今の詞さんの方が私は好きですよ?」
いつもの素っ気なさは何処へやら、年相応の顔を見せる少女。
少年が嬉しげに笑むのも無理はない。だって。
「可愛いですものね?」
勿論、猫のことだと付け加えた言葉。
少年の心の内は、果たして――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
逢坂・宵
ザッフィーロ(f06826)と
猫島というものですか
このような平和な島にオブリビオンとは、見捨ててはおけませんね
用意した猫じゃらしで近寄ってきた猫さんたちとコミュニケーションを取ろうと試みつつ
どさりとした音に振り返ったなら 大の字になってお猫さまたちに群がられるかれの姿を見て目を白黒させ
唇をへの字に曲げつつ投げだされたその片足の上に腰を下ろしましょう
さあて、猫好きのきみがこの島に着いて真っ先に意識を向けたのが猫であることを僕は見逃していませんよ
膝の上に乗ってきた猫さまをあやしつつ呟くも、手が伸びてきたなら唇を尖らせたまま視線を向けて
……拗ねてはいません
ちょっと猫たちが羨ましいなと思っただけです
ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と
猫を愛す島に脅威だと…?
見過ごすわけにはいかん、な…いかん…、…けしからんな、宵…!?
そう島に降り立つと同時。寛ぐ猫達の姿を捉えれば思わず宵を振り返り
そして感動しつつ怖がらせぬ様腰を降ろし持参した液体オヤツを差し出す…も
寄ってきてくれたお猫様達にもし押し倒されれば大の字になりつつ天を仰ごう
ああ…此処が天国なのやもしれん…
腹に肩にと乗る猫を眺めつつぼそりとそう呟くも猫らしからぬ重みが脚に乗れば慌てた様に視線を向け
随分大きい猫が居るものだな?と、そう拗ねたような相手の顔を見れば笑みと共に宵へ手を伸ばしてみよう
俺が愛し慈しんで居るのはお前だと解って居るだろう?…だから、拗ねるな…な?
●
猫を愛す島を襲う脅威。
これを放っておける猫好きなどいるだろうか――否。
「見過ごすわけにはいかん、な……いかん
……、……けしからんな、宵
……!?」
ザッフィーロ・アドラツィオーネ(f06826)の瞳に浮かぶ、並々ならぬ想いを受け。
「ええ、見捨ててはおけませんね。このような平和な島にオブリビオンとは……」
逢坂・宵(f02925)は然りと頷いてのち、辺りに視線を巡らせる。
潮の香り、麗らかな陽気。
爽やかな風、駆けてくる猫。
「「「にゃーん
!!!」」」
もふもふもふ。
客人だ客人だと、我先に猫が駆けてくる!
果たして夢か幻か、極楽浄土か楽園か。
思わず振り返るザッフィーロ、再び頷く宵。
目をごしごしとこすっても、猫たちは確かにそこにいる。
「にゃあん」
「みゃあー」
「にゃーご!」
そして男たちをもふもふの海へと沈めていく。
猫じゃらしをふりふりすれば、やんちゃな子らが次々と飛び付く。
愛くるしい猫たちにふわり微笑む宵の背後で、どさりと重い音がした。
何事かと振り向けば、仰向けで転がるザッフィーロの姿。
そのあまりの無防備さに、目を白黒させる宵に気づいた様子もなく。
「ああ……此処が天国なのやもしれん……」
天を仰いだザッフィーロは、猫を構うのに夢中である。
身体の上に乗ってきた子を撫で、空いた手で液体オヤツをちゅーるちゅーると別の子らに吸わせ。
何とも微笑ましい光景ではあるのだが。
「……」
じゃれ付いてくる猫を抱き上げ、宵はそおっと立ち上がる。
何も言わず腰を降ろした先は、ザッフィーロの投げ出された足の傍。
「さあて」
「……ん?」
大きな大きな宵色の猫が、口を尖らせながらも寄り添ってくる。
「きみがこの島に着いて真っ先に意識を向けたのが猫であることを、僕は見逃していませんよ」
小さな猫を腕の中であやしながら、上目遣いにザッフィーロを見つめる宵猫。
その仕草に察するものがあり、くくっと喉の奥で笑って。
「随分大きい猫が居るものだな?」
ザッフィーロは大きな手を伸ばし、ぽふぽふと宵の頭を撫でる。
猫の扱いはお手の物だ。
「拗ねるな……な?」
「……拗ねてはいません」
表情こそ変えぬが、撫でてくれる手は振り払えない。
「ちょっと猫たちが羨ましいなと思っただけです」
「俺が愛し慈しんで居るのはお前だと解って居るだろう?」
全く、猫というやつは気まぐれだ。
まさにそこが可愛らしいのだが。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鹿村・トーゴ
・勘太郎(f10108)と参加
オレの里、農村だから割と猫は居たけどこんなたくさんなの初めて見たねー
(相棒の鸚鵡に)…ユキエ、お前さすがに落ち着かねーな
餌も充分貰ってるだろうしお前食う事無いだろうけどおもちゃにされるかも…イテっ(耳を噛んだあと自主的に高い所へ飛んで避難、責める目で見られて)あははごめんな、またあとでね
…ここの猫めっちゃ人懐こいなー
あ、こいつハナに似てる
チビの頃の遊び相手でな思い入れあるんだよ
(背にぶちのあるデカい白猫を抱き上げ)あ、でもこの子女の子か
うりうり(耳後ろと喉を搔いて、横腹わしゃわしゃ、懐いてくれたら抱っこして撫でる)
猫って寒さに弱いもんな…何とかしたいねー
アドリブ可
丑三・勘太郎
【鹿村・トーゴ(f14519)】と参加 アドリブ可
猫だらけの島か……
たまにはこういうとこ行って休むのもアリだな
せっかくだし猫がめちゃくちゃいるところを探してみるか
とりあえず島をふらついて猫がいそうなところを探索。
探すコツとかを知ってる訳ではないから、とにかく勘を頼りに探すぜ。
猫の集まっているところを見つけたら、持ってきた猫じゃらしを使う。
適当に振っておけば、乗ってくる猫も何匹かいるだろ。
あとは撫でるなり触るなりして、気が済んだら猫が多そうな場所で寝て休むとするか
●
「探すまでもなかったな」
「だなー。こんなたくさんなの初めて見たねー……あ、こいつハナに似てる」
もふもふもふ。二人の猟兵をたくさんの猫が包み込む。
猫じゃらしを取り出す丑三・勘太郎(f10108)の傍らで、鹿村・トーゴ(f14519)は集まってきたうちの一匹を優しく抱き上げる。
背中に斑の模様が入った大柄な白猫は、トーゴの腕の中に収まってごろごろごろと喉を鳴らす。
「ハナって?」
「ああ、チビの頃の遊び相手でな。思い入れあるんだよ。あ、でもこの子女の子か」
耳の後ろに喉、脇腹と順番に撫でてやれば、ハナ似の猫はころりと腹を見せて甘えてくる。
顔を綻ばすトーゴを見守っていた勘太郎であるが。
「にゃーん」
「ああ、悪ぃ。遊ぶか? 撫でるか?」
構ってくれと寄ってくる猫たちの相手に戻る。
よじ登ろうとしてくる子らは抱き上げ、膝の上に乗せて。
遊びたい盛りの子猫たちには猫じゃらしを振ってみせ。
「たまにはこういうとこで休むのもアリだな」
「だよなー。しっかし、ここの猫めっちゃ人懐こいなー」
二人も猫も、ほっこり幸せ。
しかし、この場で気を張っている者が一人……正しくは、一羽いた。
「……ユキエ、お前さすがに落ち着かねーな」
トーゴの相棒、白い鸚鵡のユキエである。
勘太郎がトーゴの肩に肩にちょんと留まったユキエを見やれば、冠羽を逆立ててしきりに首を上下に振っているではないか。
「怯えてるんじゃないか? 何せ、猫だらけだし」
「んー、餌も充分貰ってるだろうし、お前食う事も無いだろうけど……いや、おもちゃにはされるかも?」
冗談半分ではあったのだが、鸚鵡の気に障るに十分だったのだろう。
「……イテっ!」
トーゴの耳をかぷっと齧ってのち、ユキエは猫溜まりから距離を取る。
離れた位置から相棒をじいっと見つめる視線は、何処か恨めしそうなもの。
「あははごめんな、またあとでね」
トーゴとユキエのやり取りを横目に、勘太郎はごろりと身を横たえる。
目を閉じ、気を研ぎ澄ます。
敵の気配は未だ無い。ならば今は待つのみだ。
妖しい気配の代わりに感じたのは、身体に乗ってくる猫の温もりであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
一度やってみたいことがあったんだが。猫の姿で猫だまりに混ざってみたい。
最初から猫の方がいいかな?それとも逆に懐っこいなら目の前で猫になったほうが驚かせないかな?
いい感じの陽だまり猫だまりを見つけたらUC於菟で白猫に変身する。バディペットの伽羅は猫たちの様子見て、離れたとこで待っててもらうか一緒に昼寝するか決めるか。
せっかくアルダワの戦争も終わったんだし、少しはゆっくり休んで昼寝してもいいよな。
他猟兵とはそっと距離を取るようにして。折角懐っこい子たちが多いんだし、嫌がって気分悪くさせてもしょうがないもんな。
●
「伽羅。少しここで待っててくれな」
相棒の仔龍を一撫でし、黒鵺・瑞樹(f17491)は木陰から立ち上がる。
目指すは程近い猫溜まり。
見慣れぬ青年の姿を認め、猫たちは興味津々で寄ってくる。
まずは屈んでご挨拶。瑞樹が差し出した手の匂いを、猫はふんふんと嗅いで――。
「にゃあん」
「みゃー」
のち、ごろごろと喉を鳴らしてすり寄ってくる。
歓迎してくれているようだ。
「懐っこい子たちだな。……な、柄じゃねぇけど、仲間に入れてくれるか?」
首を傾げる子らの前で、瑞樹はユーベルコードにて白猫へとその身を変じる。
束の間、目を丸くした猫たちであったが。
「にゃあん」
匂いで瑞樹であると理解し、もふもふもふと取り囲む。
陽の光をたっぷりと吸った毛並みに埋もれ、うとうと仕掛ける瑞樹だが。
「にゃ、にゃご!(訳:あ、ちょっと待って!)」
てててと猫溜まりを抜けて、目指すは待っていてくれる相棒の元。
仔龍を連れて戻れば、猫たちは快く迎えてくれて。
みんなで集まり、猫団子の一丁上がり。
(「アルダワの戦争も終わったんだし、少しはゆっくり休んで昼寝してもいいよな……」)
ぼんやりとした思考を手放し、白猫瑞樹は毛玉たちに埋もれ目を閉じる。
彼らを優しく包み込むは、穏やかな春の匂い。
大成功
🔵🔵🔵
プロメテ・アールステット
※未だに無自覚の動物好き
猫ヶ島…そんなところがあるのだな
世界はまだまだ広いな
猫と触れ合ってみたいが…どうすればいいんだろうか
とりあえず座って眺めてみよう
近付いてきてくれたら、手を差し出して様子見
大丈夫そうならそっと撫でるぞ
…うん、家の猫のマリアや子猫達の触れ合い方と同じでも大丈夫そうだ
そういえば連れてきたマリアはどこだろう?
…見事に猫だらけだな
あちこちの猫に挨拶して回っているあれがマリアかな
首にリボンをつけていてくれたよかった
マリアを迎えにいくか…
と思いつつも、足元に寄ってくる猫達をついつい撫でてしまう
まあいいか、マリアもその内戻ってくるだろう
それにしても皆良い毛並みだな
ここは良い環境のようだ
●
相棒の黒猫・マリアを伴い、プロメテ・アールステット(f12927)は猫ヶ島へと降り立った。
「猫の楽園……そんなところもあるのだな」
これまで幾度も足を運んだサムライエンパイアであるが、此度はまた初めての場所。
戦いの中で生きてきた少女人形は、改めて世界の広さに思いを馳せる。
もっとも、一人の時間はすぐ終わり。
「あ、マリア!」
相棒が突然、真っ直ぐに駆け出したゆえだ。
何か見つけたのだろうか――後を追ったプロメテの前には。
「みゃー」
「にゃあん」
色柄様々な猫の群れ。
近寄ってくる子らを脅かさぬよう、少女人形は静かにしゃがみ込む。
触れ合ってはみたいものの、どうにもおずおずとしてしまうプロメテ。
(「……マリアや家の子猫たちと同じ触れ合い方でいいのだろうか?」)
まずは手を差し出して様子見、触れさせてくれそうならそっと撫でてみる。
もともと人懐こいことに加えて、プロメテが猫との付き合いに慣れていると見抜いたのだろう。
もふもふたちは喉を鳴らして、すり寄ったり遊びに誘ってきたり。
こうなれば、プロメテにも余裕が生まれてくる。
家で帰りを待つ三匹の子猫と似た柄を見つけ、瞳を和ませ――。
(「そういえば、マリアは?」)
子猫の母親たる相棒の存在を思い出す。
辺りを見回し、程なくしてマリアは見つかった。
離れた位置で猫同士、挨拶回りをしている様子。
首に付けたリボンの飾りを揺らし、楽しげに過ごしていることが見て取れる。
(「そのうち戻ってくるかな」)
迎えに行かずとも良さそうと、プロメテはその場に完全に腰を下ろす。
何せ、猫たちが離してくれないから。
「ここは良い環境なのだな」
「みゃー!」
一匹残らずふくふくとした良い毛並み、幸せに過ごしていることの証左であろう。
もう少しだけ彼らから、島のことや温もりを学ぼうか。
大成功
🔵🔵🔵
吉備・狐珀
【路地裏】3人
サムライエンパイアに猫の島があるなんて知りませんでした。
たくさんの猫と遊べるなんて夢みたいです!
早速、持参した猫じゃらしの玩具や羊毛フェルトのボールをつかって島の猫達と遊びます!
そういえば、月代は一度にたくさんの猫と対面するのは猫のお宿以来ですね。
ここの猫達も優しい子ばかりだから大丈夫。
ほら、撫でてあげると気持ちよさそうにしているでしょう?
ゴロゴロ喉を鳴らすのは喜んでいるんですよ。
語さんの仔龍も楽しそうですね。あ、カラス殿が…。
津雲殿の後鬼の所にも猫が寄ってきて…(駐車場に停めた車状態ですね)
人懐っこい猫に、島ものどかで良い所ですね。
オブリビオンの手から必ず守ってみせます。
落浜・語
【路地裏】〇人
猫をモフれると聞いて。
いいよな猫。戦争も無事終わったし、息抜きしてこ。
カラス、仔龍、猫を脅かしたり威嚇するな…よ?
むしろ、怖がらせそうなのが…(津雲さんの方見つつ)
本当あっちこっちに猫がいるんだな。
猫を驚かさないようにしながら、餌付けしつつモフる。
あー…モフモフ。幸せ。
仔龍も狐珀や月代たちと猫の宿行ったとき以来だな。埋もれてるけれど、まぁ、楽しそうならいいか。
そういや、カラスは…(石の上と下で猫と睨み合い中)
…だから、威嚇するなって言ったのに…。本能か?本能なのか…。
この後のオブリビオン退治も頑張らないとな。
勘解由小路・津雲
【路地裏】3名
二足歩行戦車「後鬼」の上に乗っかって参上。
なるほど、猫の島というだけあって猫だらけですね。(後鬼に)どうです、こんなにたくさんの猫は見たことがないでしょう。
しかしあまり大きな音をたてるのはよくないでしょうから、後鬼はここにいてください。
「ギギギ……」不満ですか? なに、じっとしていたら向こうから寄ってきますよ。
(語をみつつ)仔龍はともかく、カラス殿は狙われそうな気も。お気を付け下さい。
(孤珀をみつつ)なんだか、いつもより荷物がもこもこしているような……?
(後鬼をみつつ)たぶん、温かいのでしょうね。あの子は猫の護衛に置いておきますかね…… 「ギ!」あ、音をたてると逃げますよ。
●
青い海が一望できる高台にやってきたのは、ヤドリガミが三人。
「サムライエンパイアに猫の島があるなんて知りませんでした」
狐像の化身たる吉備・狐珀(f17210)は、うきうきと心を弾ませる。
何しろこの娘、もふもふふわふわした可愛らしいものに目が無いのである。
「いいよな猫。戦争も無事終わったし、息抜きしてこ」
狐珀の様子に思わず微笑む青年の名は落浜・語(f03558)、高座扇子が化身した存在だ。
「カラス、仔龍、猫を脅かしたり威嚇するな……よ?」
連れてきた一羽と一匹に青年が声掛ければ、翼をばたばた、尾をゆらり。
各々示してくれる了解の意に、一先ずは安堵する語であったが。
(「むしろ、怖がらせそうなのが……」)
懸念は実はもう一つ――紫色の瞳が映すは、巨影。
「仔龍はともかく、カラス殿は猫に狙われそうな気も。お気を付け下さい」
青年の心を知ってか知らずか、のんびりとした声が巨影の上から振ってくる。
声の主は、名を勘解由小路・津雲(f07917)という。
壮年の陰陽師然とした姿を取る彼は、金属鏡の化身である。
「なるほど、猫の島というだけあって猫だらけですね」
巨影――式神を憑けたマシンウォーカーの上からは、島のあちこちで過ごす猫たちや猟兵仲間の様子が見て取れる。
「どうです、こんなにたくさんの猫は見たことがないでしょう。しかし、後鬼はここにいてくださいね」
猫を驚かせるといけないからとの主の言に、式神・後鬼は不満げに金属の身体をギギギと鳴らす。
「なに、じっとしていたら向こうから寄ってきますよ」
男が式神を宥めたのとほぼ同時、がさがさと草を掻き分ける音がして。
「「「にゃーご
!!」」」
彼らの前にも、もふもふたちがお出ましだ。
「あー……モフモフ」
毛玉に埋もれながら、語は幸せそうに呟く。
茶色や三毛の子らに集られ、さながらみたらし猫団子。
見事に具材と化した語の傍で、仔龍も満足げに喉を鳴らしている。
「ふふ、語さんも仔龍も楽しそうですね」
青年らの様子に思わず瞳を和ませる狐珀だが。
「「にゃーん」」
「あら、ごめんね。ちょっと待っててくださいね……」
自身も猫たちに構ってくれとすり寄られ、慌てて荷物をごそごそとやり。
「さあ、遊びましょう」
「「にゃあ!」」
取り出したるは猫じゃらしの玩具や羊毛フェルトのボール。
対するは、やんちゃな白猫の兄弟。
振って、投げて、抱き上げて、もふもふ。
「ああ……夢みたいです!」
いつの間にやら狐珀も、もふもふ毛玉の海の中。
そんな彼女の元に、月白色の仔竜がおずおずと近付いてくる。
「そういえば、月代は一度にたくさんの猫と対面するのは猫のお宿以来ですね」
「ああ、そうか。あの時以来だったか」
語とともに仔龍がすっかりもふもふの虜になる一方、月代は輪に入る機を逃してしまっていたらしい。
猫は竜にも等しく友好的、あとは一歩を踏み出すのみと。
「ここの猫達も優しい子ばかりだから大丈夫。ほら」
狐珀が手本を見せてやれば、近付いてきた月代は主を真似るかのように猫に身体を擦り寄せる。
ごろごろごろ。
心地よさそうに喉を鳴らしたのは、猫と竜のどちらであろう?
「良かったな、月代。……ん? そういえば」
「……カラス殿は?」
顔を見合わせ、青年と娘が視線を送った先。
「カアァァァァ!」
「フシャァァァ!」
石の上と下とで、鴉と猫がにらめっこ。
「だから、威嚇するなって……。本能か? 本能なのか……」
鴉と猫との目と目が合ってしまう数分前。
(「なるほど。彼女の荷物のもこもこは、猫へのお土産だったのですね」)
津雲は巨影の傍らにて若人たちを見守っていた。
何故なら。
「……まだ不満ですか?」
「ギ!」
「あ、音をたてると猫が逃げますよ」
式神が未だにご立腹であったゆえである。
このまま此処に置いていくか、否か。
思考する津雲を救ったのは。
「みゃあ?」
「おや?」
丸々と太った斑猫であった。
「ギギギ」
「みゃ」
音に臆することもなく、ひょいと機械の身体に乗っかっていく猫。
そのまま香箱座りになって、すやすやと寝息を立て始めたではないか。
「みゃあ」
「にゃあー」
すると、他の猫も集まってきては、後鬼を飾るように鈴生りになって。
「これはこれは……たぶん、温かいのでしょうね」
あっという間にマシンウォーカーは、猫たちのお昼寝スポットと化したのであった。
「……ギ」
何処か満足気に聴こえる機械音を背にし、津雲は仲間たちのいる猫溜まりへと向かっていく。
式神の様子を鑑みるに、猫の護衛を任せるに適任であろうと。
*****
降り注ぐ陽は暖かく、春の気配に心は和む。
しかし、穏やかな時間はここまで。
――猫ヶ島に、凍て風が吹く。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『雪女見習い』
|
POW : ふぅふぅしてみる
【くいくいと対象を引っ張る動作】が命中した対象に対し、高威力高命中の【凍てつく氷の吐息】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : とにかくふぶいてみる
【全力で吹雪】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : みようみまねのゆうわく
予め【足を魅せる等の誘惑行動をとって赤面する】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
●凍て風とともに
少しずつ、少しずつ。
辺りの空気は冷たくなって、春の気配が消えていく。
冷たい風が止んだ時、奴らは既に其処にいた。
「ここがあたらしいおうち?」
「広いねー」
「でも、あったかすぎるよねー」
わらわらわら。
小さな人影が群れを成し、何やら好き放題言っている。
着物も肌も雪の色、髪と瞳は冬の色。
ひんやりとした空気を纏うそいつらは、まさしく妖怪変化の類。
幼い顔立ちで妖気も低いが、おそらくは雪女の一種であろう。
ふしゃあと威嚇の声を上げ、尻尾をぶわりと膨らます猫たち。
鬱陶しげな視線を送った妖どもは。
「ああ! 猫といっしょにいるのって!」
「猟兵だ、猟兵だ!」
「じゃまものだー!」
猟兵たちの姿を認めて大騒ぎ。
島全体を覆いつつある冷気と、雪女どもより遥かに強い妖気。
元凶は、果たして何処に――。
「この島にはあたしたちがすむの!」
「でも、猟兵はいらないの!!」
「しんじゃえー!!!」
いや、元凶の位置を捉えたとて、すぐに迎うことは叶わぬだろう。
まずは目の前の妖の群れを蹴散らさねばなるまい。
彩波・いちご
【恋華荘】
どうやら猫たちの楽園を荒らす敵が来たみたいですね?
私達に懐いてくれた猫たちを撫でて、今は危ないから離れていてと諭し
さて、猫たちを巻き込まないように戦いましょう
詞さんの様子は気にしつつ…無茶しないようにフォローもしませんと
詞さんが、なるべく見た眼は傷つけないようにとしているのなら
私もそれは習いましょうか?
「後ろは心配しないで、詞さんは思うままにどうぞっ」
雪女相手なら炎で
【異界の深焔】で…一瞬で燃やし消してあげますね
詞さんがあまり殺しに慣れ過ぎないように
「あまりそちらに堕ちると、猫たちも悲しみますよ?」
声をかけて、少し引き上げましょうか
猫と戯れる詞さんの方が好ましいですしね?
牧杜・詞
【恋華荘】
冷たい……風? 来たってことかな。
「しんじゃえ、か……」
殺す気があるってことは、殺される気もあるってことよね。
それなら、遠慮なく行くよ。
する気もないけどね。
猫さんをひと撫でして離したら、
「少しだけ、待っててね。」
すう、と一度目を閉じ戦闘モード。
【殺気】を纏って猫さんたちを離れてもらおう
見た目女の子っぽいから、
【命根裁截】で命だけ刈り取ってあげる。
背中の心配しないで戦える日が来るなんて思ってなかったけど、
こういうのもいいかも、とかちょっと思っている自分に驚きながら、『殺し』ていくね。
慣れちゃダメだと解ってるんだけどね。
戦闘後には猫のワードにぴくっと反応。
いちごさんをみて少し微笑みます
●
ひょうと冷たい風が吹き、少年少女の頬を撫ぜた。
「来たってことかな」
「ええ……猫たちの楽園を荒らす敵が」
顔を見合わせ頷いた詞といちご、そして猫たちの前に奴らは姿を現した。
「しんじゃえ、か……」
妖どもの言葉を耳にし、詞から表情が消えていく。
殺すつもりがあるというなら、殺される覚悟もできているだろう。
ならば、遠慮なく迎え撃つまで。
年相応の少女から、命を刈り取る存在へ。
堕ちてしまうその前に、腕の中の温もりを優しく撫で、そっと下ろす。
「少しだけ、待っててね」
「今は危ないから離れていて」
詞を不安げに見上げる猫たちにいちごが諭すように言葉を重ねれば。
「「「にゃあ!」」」
二人の心が伝わったのか皆、振り向くことなく逃げていく。
「うふふ、もう思い残すことはないね!」
少年少女が向き直れば、冷たく笑う雪女。
猫たちと今生の別れを済ませたようにでも見えたのだろうか。
「後ろは心配しないで、詞さんは思うままにどうぞっ」
「ええ」
ふわりと笑んだいちごに背中を任せ、詞は束の間目を閉じて。
「――お願いね」
開くとともに、強く地を蹴る。
よく身に馴染んだ殺気を纏いて。
「それじゃーあ……」
「しんじゃえー!」
妖どもが騒ぎ出す。
ごうっと激しい音を立て、吹雪が辺りを包み込む。
荒れ狂う冷気に襲われようとも、詞は真っ直ぐに駆け続ける。
道を開くは、いちごの炎。
「ふんぐるいふんぐるい……、遠き星海にて燃え盛る神の炎よ!」
異界の深きところより喚起した其は、あらゆる敵を滅し、燃やし尽くす神の焔。
少年の操る火炎は妖狐の尾の如く九つに分かれ、氷の術を打ち消して少女を守る――寿命が削れることすら厭わずに。
いちごの術の代償を知ってか知らずか、刃を抜いた詞は不思議と胸が温かくなるのを感じていた。
(「……こういうのもいいかも」)
それはきっと、背中を預けられる人がいる安心感。
いちごは今、いつものように笑っているのだろうか。
それとも、未だ見たことのない表情を浮かべているのか。
揺れる心に驚きながらも、少女は慣れた手付きで短刀を振るう。
慣れてはいけないことであると、解っていても。
積もった雪が赤く染まらぬのは、詞のせめてもの温情だ。
刃に込めた思念が雪女の首筋を断ち、胸を刺し。
一つひとつ、命を丁寧に刈り取っていく。
「う……生意気なー!」
少女に掴みかからんと伸ばされた妖の手は、少年の炎に焦がされ止められる。
そのまま丸焼きにしなかったのは、詞の意を汲んだいちごの温情だ。
(「なるべく外見を傷つけないように、気をつけているようですからね」)
少年は少女のことをしっかりと見ていた。
けして無茶をすることがないように。
この手で支えられるように。
その在り方を尊重しつつも、暗い方へと歩んで行かぬように。
ゆえに。
「これで、終わり」
彼女が全てを刈り取ってすぐ、時間を置かずに声掛ける。
「あまりそちらに堕ちると、猫たちも悲しみますよ?」
明るいところに引き戻せるように。
聞き慣れた声――“猫”。
詞が顔を上げると、そこには見慣れたいちごの笑顔。
「……」
言葉の代わりに僅かな微笑みを返した少女は、素直に少年に連れられ、まず猫の無事を確かめに向かう。
「猫と戯れる詞さんの方が好ましいですしね?」
そう言って笑ういちごは、島にやってきた時と何ら変わらない。
戦いの最中、少年がどんな顔をして少女を見ていたのか。
知る者はきっと、誰もいない。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シキ・ジルモント
◆SPD
更に強力な敵が控えているようだ、ここは手早く片付けたい
同時に周囲に気を配り、猫がいるなら優先して守り保護する
逃げ遅れたり、さっきのように着いてきている猫がいるかもしれないからな
吹雪の範囲の外からユーベルコードで一体ずつ確実に撃ち抜いていく(『スナイパー』)
せっかく遠くから攻撃できる手段があるのだから、わざわざ近づいてやることもないだろう
…ずるいとは人聞きの悪い、射程距離を活かした戦法だ
しかし吹雪の範囲内に猫がいるなら話は別だ
抱き上げて吹雪から庇い範囲外へ一緒に離脱して、
先に逃げた家族や仲間の所へ向かうように言い含めて放してやる
…話が通じるだろうか。とにかく、離れていてくれるよう念を押す
プロメテ・アールステット
雪女か…天敵だな
猫にとっても、私にとっても
「マリア、敵は私がくいとめる。お前は猫達が非難できるよう手伝ってあげてくれ!」
『動物使い』でマリアに告げる
賢い彼女ならばきっと大丈夫
『戦闘知識』『地形の利用』を活用し立ち回る
『拠点防御』や『かばう』で猫達を守りながら戦う
鉄塊剣で炎の『属性攻撃』や『範囲攻撃』
敵からの攻撃は『武器受け』『激痛耐性』でしのぐ
例え氷を宿す者であろうとも、この炎は消えぬ
守る者達が、私の力を必要としてくれる者がいる限り
何度でも立ち上がろう
【断罪の炎火】を発動
全てを溶かしてやる
でも、猫達の毛が燃えないように気を付けないとな
炎の熱に寄ってくる猫がいたら止めないと
ヒゲがチリチリになるぞ
●
着物の裾を上げ、上目遣いでこちらを見つめてくる妖ども。
誘惑効果など欠片も無いが、その在り方は確かに伝承にある雪女そのものである。
(「雪女か……天敵だな。猫にとっても、私にとっても」)
寒さに弱い猫、炎と縁深きプロメテ。
凍て付かせ殺すモノたる雪女とは、けして相容れないだろう。
「マリア、敵は私がくいとめる。お前は猫達が避難できるよう手伝ってあげてくれ!」
プロメテの指示を受け、紫の瞳持つ黒猫は応えるように鳴いて駆けていく。
元は魔女の使い魔であった彼女に任せておけば、きっと大丈夫。
「ねー、ちょっと。無視しないでよ!」
「何か言ってよー!」
相棒を振り返ることなく、プロメテは不満げな様子の妖どもを無言で見据える。
着物の乱れもそのままに、頬を膨らませ睨み返してきたはずの奴らは。
「……まあいっか。あなたはここで」
「しんじゃうものね!」
次の瞬間、けろりと残酷な笑みを浮かべて襲い掛かってくる!
「……」
されど、少女人形は動かない。
金の瞳に敵を映して、静かに巡らせるは思考。
前方、自身の位置より扇形の範囲――敵群が踏み込んだ刹那が、好機。
「罪人よ 過ちを恐れぬ者よ……」
プロメテの妖への答えは、魔術の詠唱を以て。
「……炎に身を焦がし その魂を以て贖え!」
放たれた金色の炎が大地を舐めて燃え広がっていく。
顔を強張らせる妖どもだが、もう遅い。
「あ、あわわわ!」
「熱いのはいやー!」
後先考えずに駆け出した足を止めることはできず、雪女の群れは為す術なく炎の中に飲み込まれていった。
*****
「待て待てー」
「しんじゃえー」
追いかけっこでもしているかのような無邪気な声。
しかし、妖に捕まれば最期――猟兵ならばまだしも、猫は。
(「手早く片付けたい……が」)
時おり背後を振り返りながら、シキは木々の間を縫うように駆ける。
彼の腕の中には、銀灰色の子猫の姿。
逃げ遅れ、不安そうに鳴く命を放っておくこともできず。
「みぃつけた!」
無邪気な声を捉えると同時、地を蹴る。
巻き起こる吹雪から距離を取り続けるも、いつまで持つか――。
「にゃーん!」
(「……黒猫?」)
果たして、救いの神――否、猫は現れた。
シキに呼び掛けるように、紫の瞳の黒猫が離れたところで鳴いている。
首にはリボン、長い毛並みは島の猫のそれとはまた違う。
おそらくは、別の猟兵の――。
「行け」
シキが腕の中へ向け短く呟けば、黒猫も鳴いて子猫を呼ぶ。
地にそっと降ろしてやれば。
「みゃー」
子猫は名残惜しそうに男を見上げてのち、黒猫の方へ駆けていく。
これで一先ずは安心だろう。
(「……さて」)
猫たちを見送るやわらかな視線を、すうっと細めて狙撃手のものに。
“仕事”の時間だ。
「あれぇ?」
「どこいったn」
銃声とともに、雪女の一体の額に風穴が空いた。
「え、えぇ!?」
ぱたりと倒れて溶けていく同族に、大慌てになる妖ども。
「あ、あそこに……」
何処かを指差した別の一体の頭が、また銃声に合わせて吹き飛んだ。
木陰に身を隠しつつ、時には狙いを付け易い位置に移動しながら。
シキは銃撃にて一体ずつ確実に敵を撃ち抜いていく。
愛銃を両手で構え、狙いを定め、引き金を引き、呼吸を整える。
正確な仕事の成果は目覚ましく、妖どもはみるみるうちに数を減らしていく。
「そんな、ずるいわ! ずる」
青い瞳が映した先で、喚く輩の命もそこまで。
(「……ずるいとは人聞きの悪い」)
これも射程距離を生かした、立派な戦術の一つだ。
首尾は上々、お代はこの場の静寂を以て。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
オリヴィア・ローゼンタール
彼女らが黒幕……ではありませんね、圧が弱い
しかしその自分勝手な占領、看過できません!
ねこさんたちは黄金の獅子(アイテム)に乗ってもらって戦闘区域から離脱してもらう(救助活動)
ここは私に任せて、皆さんは安全なところへ!
獅子よ、お願いします!
この衣装はただの仮装ではなく、氷の【属性攻撃】と徒手空拳に特化した真の姿
【氷嵐神楽】で更に氷属性への適性を高め(ダンス)、吶喊
吹雪の流れを読み(見切り)、極寒の嵐をぶつけて相殺(カウンター)
無風状態となったそこを増大したスピードで駆け抜け(ダッシュ)、極冷の闘気を纏った拳を【怪力】を以って振るい、まとめて【なぎ払う】
精密性のない乱雑な吹雪など、恐るるに足らず!
●
「獅子よ、お願いします!」
主命に応えるように吠えてのち、黄金の獅子は猫たちを背に乗せ離脱していく。
心配そうに鳴く子らのためにも、必ず妖どもを狩らねばなるまい。
「あんたひとりー?」
「あ、あたい知ってるよ! “むぼー”って言うんだよね!」
けらけらと雪女らが嘲笑おうが、オリヴィアは動じない。
「どうとでも言いなさい。自分勝手な占領、けして看過できません!」
金の瞳を巡らせて、冷静に敵戦力を把握する。
(「彼女らが黒幕……ではありませんね」)
数こそ多いが、個体の圧があまりに弱すぎる。
島の何処かから届く妖気を作り出すには、彼女らだけでは満たぬはずだ。
「それじゃあ、さっさとしんじゃえー!」
目視で把握できたのはここまで。
唸るような風音に乗せ、妖どもが放つ吹雪がオリヴィアを呑み込んでいく――。
「もうおわっちゃった」
「つまんないのー」
唇を尖らせ、止まぬ吹雪に背を向ける妖の群れ――その一団が、一瞬で吹き飛び。
「では、もうしばし楽しみましょうか?」
後には、金の瞳の雪女――オリヴィア一人が立っていた。
「え、え? うそ……」
「あたいたちより、ずっとつy」
混乱、恐怖、思考停止。
動き出せぬ妖を、オリヴィアは己が身ひとつで次々に狩っていく。
吹雪はとうに止んでいる。
力を解放するにあたり生じた、極寒の嵐をぶつけたゆえだ。
無風となった戦場に、新たな風を起こすはオリヴィア。
突き、蹴り、時には幾体をも巻き込んで。
その戦いぶりは、まるで神楽を舞うように。
「精密性のない乱雑な吹雪など、恐るるに足らず」
舞いが終わった時、戦場に立っていたのはオリヴィア一人。
「“無謀” ――その言葉は、果たしてどちらのことを指していたのでしょうね」
大成功
🔵🔵🔵
星野・祐一
菫子(f17838)と一緒
よっ、助太刀に来たぜ!
まー可愛い顔して物騒な物言いだこって
バイクは(五月蝿いから)置いてきたが戦闘に支障はねえ
行くぞー!
菫子と合流したら後衛として動くぜ
後ろは任せて思いきりやっちまえ!
あ、猫達は危ないから離れててな
UCを発動、雷鳴と流星を構えたなら
【先制攻撃】を仕掛けつつ素早く菫子の目標をスキャンして
【マヒ攻撃、乱れ撃ち、援護射撃】で支援だ
邪魔にならないよう【誘導弾】で菫子の後ろから曲線を描くように撃つぜ
【ダッシュ、空中戦、空中浮遊】で援護に適切な位置をキープしつつ
【2回攻撃】等も織り交ぜていく
菫子なんか何時もより調子良さそうだなぁ
俺も負けてられねえぜ!
アドリブ等歓迎
天方・菫子
■祐一さん(f17856)とご一緒に
うっ、雪女は雪女でもかわいすぎる…
でも猫のためにも情けをかけるわけにはいかないよねっ
この楽園を守るためにー!
合流した祐一さんと連携攻撃
あたしが前衛、祐一さんが後衛
祐一さんに背中を任せられるのは心強いな
まずは猫さんに避難をお願いして
UC【妖剣解放】で花散里を抜き放ち一気に距離を詰めるっ
吹雪いて猫さんたちにはご迷惑をおかけするけれど
その分、一体一体確実に葬り去ることを目的にし
【2回攻撃】なども織り交ぜていく
祐一さん、ナイスアシストー!
ごめんね、猫さん、早く片付けるからねー!
花散里は可愛いオブリビオンだから元気だなあ
わがままを言わないのはいいけれどね
アドリブ歓迎
●
「どうしたどうしたー」
「声も出ないかー」
猫たちを背に庇い、幾匹かを守るように抱きしめて。
動けずにいる菫子へ向け、妖どもは煽る煽る。
猟兵が自分たちに恐れを為していると思い込んでいる様子だが、全くもってそんなことはない。
菫子が動けずにいるのは。
(「かわいすぎる……」)
わちゃわちゃしている妖どもの様は、幼い顔立ちも相まって子供の集団にしか思えない。
しかしながら、感じ取れる殺気も本物。
猫のためにも敵に情けをかけるわけにはいかぬと、少女が心を決めたところで。
「よっ、助太刀に来たぜ!」
菫子の背後――集落の方角から、聞き慣れた声が耳に届く。
「祐一さんっ!」
猫まみれの少女の姿を認め、星野・祐一(f17856)は銀の瞳を和らげる。
だが、それも束の間のこと。
「新手だー!」
「あんたも死にに来たの?」
同じ顔した幼い雪女どもの恫喝の声に、自然と青年の手は銃のグリップへ伸びる。
「まー、可愛い顔して物騒な物言いだこって」
敵に飄々とした態度を見せつつ視線のみで合図すれば、青い瞳の少女は小さく頷いて答えてくれる。
「……たまには徒歩も悪くねぇ」
一歩一歩、大地の固さを確かめて――構え。
「行くぞー!」
「この楽園を守るためにー! 猫さん、ちょっと離れてて!」
猟兵たちの意を汲んで、猫はにゃあにゃあにゃあと逃げていく。
菫子からの贈り物たる魚の切り身をしっかりと咥えて。
猟兵に戦意ありと見て、妖がまた騒ぎ出す。
「やる気だなー!」
「しんじゃえー!!」
ごうっと唸る風、吹き荒れる雪。
「後ろは任せて思いきりやっちまえ!」
「心強いな、お願いね!」
激しい冷気が遅い来れど、二人が臆することはない。
「行くよ――『花散里』」
すらりと妖刀を抜き、菫子は吹雪の中へと駆け出した。
早々に戦いを終わらせるべく、ひたすらに前へ前へ。
少女の足は止まらない。
青年が背を守ってくれるから。
「菫子、なんか何時もより調子良さそうだなぁ」
自分も負けてはいられぬと、祐一は二丁の銃――『雷鳴』と『流星』の銃口の先を見据える。
バトル・インテリジェンス、発動。
戦術ドローン、AI接続。
User,Devices,Target
......Clear.
「吠えろ! 『雷鳴』『流星』!」
トリガーを引けば轟音を残し、光の軌跡が伸びていく――。
じゅうっ、と焼ける音がした。
「え? 何これ」
「溶けちゃった……」
立ちすくむ妖ども。
無理もない。吹雪の向こうが光った刹那、同族の二体が蒸発してしまったのだから。
果たして何が起きたのか、光の正体は何なのか。
思考を巡らす暇もなく、吹雪の中からまた来客が。
「祐一さん、ナイスアシストー!」
意気揚々と声を上げ、菫子はすぱりと雪女の首を落とす。
祐一の放った熱線に守られ、動きもまるで鈍ってはいない。
「ごめんね、猫さん。早く片付けるからねー!」
流れるように構え直して、別の一体を袈裟に斬り捨てる。
咄嗟に距離を取ろうとする雪女らだが、それすらも叶わない。
「わあ!?」
「熱っ……何よこれ!?」
銃撃が宙高くより降り注ぎ、その場に留め置かれたゆえだ。
見上げれば、二丁の銃で眼下を狙い定める祐一の姿を捉えられたであろうが。
「隙ありっ!」
捉えたところで、妖どもが刀の錆となる運命は変わらない。
銃撃の光を反射して、妖刀の刃がきらり輝く。
星の如く、花の如く。
流れ散りゆくは、妖の命。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
逢坂・宵
ザッフィーロ(f06826)と
ええ、暖かく過ごしやすいですね……と
僕としては涼しいほうが過ごしやすいのですが、と首を傾げつつ
かれが撫でてくるのは好きにさせましょう
雪女たちが現れ戦闘態勢をとるなら立ちあがり
猫さんが怖がるならば残念ですが、力ずくでも退去を願いましょうか
ええ、きみと猫さんたちとの穏やかな時間のためにもね
「気絶攻撃」「属性攻撃」「一斉発射」「範囲攻撃」をのせた
【サモン・スタースピリット】で敵を攻撃しましょう
できる限り猫さんと敵の間に割り込みつつ
……戦闘中に歯の浮くようなセリフはやめていただけますかと顎を逸らしつつ
まったく、集中できないでしょう……
静かにしていてください、ご主人様
ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と
寒さが苦手な俺としては本当に過ごし易い良い島だ
その上暖かな宵と猫が居るとはここは天国だろうかと
宵と猫を撫で幸せな時間を過ごしながらも
雪女が現れれば即座に起き臨戦態勢に入ろう
猫を怯えさせるとは何と不埒な
その上冷気を持ち込むとは…
宵、早くこやつらと元凶を倒し寛ぐぞ…!
麻痺毒性のある【罪告げの黒霧】を唇から放ちつつ
宵に近い敵から『マヒ攻撃』にて動きが鈍った敵へメイスを振るわんと試みよう
戦闘中は猫が巻き込まれぬ様『盾受け』にて『かば』い行動
…ん?宵は俺の一番愛しい黒猫だからな
勿論庇うに決まって居るだろう?なあ、宵?余り前には出るなよ…と
…宵、顔を背けては危ないぞ?聞いて居るのか?宵?
●
「寒さが苦手な俺としては、本当に過ごし易い良い島だ」
「僕は涼しいのも好みですが……ええ、暖かく過ごしやすいですね」
互いがいるから、あたたかい。
のんびりと眠る猫たちに埋もれながら、ザッフィーロと宵は二人の時間を慈しむ。
墨を流したような髪を、ごつごつとした指が梳いた刹那――冷気と殺気が、辺りを包み込んだ。
ぷるぷると震えながら、猫が男たちにひっついてくる。
寒さゆえではないことは、尻尾の位置で一目瞭然。
後ろ足の間にくるりと巻き込んでいる。怯えているのだ。
「猫を脅かすとは何と不埒な。その上、冷気を持ち込むとは……」
「力ずくでも退去を願いましょうか」
猫たちを落ち着かせるように優しく撫でて、二人はすっと立ち上がる。
銀の瞳に怒りを宿してザッフィーロが一歩前へ。
彼の背中を守らんと、宵も臨戦態勢へ。
「なまいきなー」
「やる気だなー」
彼らが大人しくやられる気はないと悟ったのだろう。
妖どもは忌々しげに二人を睨み付けて。
「「「かくごー!」」」
声を合わせて叫んでのち、一斉に着物をはだけさせた!
「……宵、何だこれは」
「……何なんでしょう」
首を傾げる二人の前で、妖どもは信じられないといった表情でざわめきだす。
「ど、どうして効かないの!? おとこのひとって」
「こういうのがすきなんでしょう!?」
足やら胸元やら、肌を晒した雪女。
妖怪変化の本能に従った行動は、もう少しばかり妖として成熟していれば効果を発揮したかもしれないが。
「……不埒な。宵、早くこやつらと元凶を倒し寛ぐぞ……!」
「ええ。きみと猫さんたちとの、穏やかな時間のために」
此度はザッフィーロと宵、双方を苛立たせただけであった。
そもそも、愛し合う者たちに誘惑など効くはずもないであろうが。
「わ、わ、こっちくんなー!」
敵がわたわたと着物を整える間に、距離を詰めたザッフィーロがメイスを振るう。
その後ろから飛び出すは、宵の召喚した星精霊の猫と鳥。
星精霊はザッフィーロと雪女との間に割り込むように身体を滑り込ませ、冷たい吐息が届かぬよう彼を守り抜く。
攻防を繰り返し、数を減らすうち、ザッフィーロに攻撃は届かぬとみたのだろう。
妖どもの狙いは、必然的に宵へ向く。
「こうなったら」
「お前だけでもしんじゃえ!」
猫を背に庇いながら精霊を操る宵に、素早い退避は難しい。
ザッフィーロの横をすり抜け、全力疾走で襲いかかれば――。
「罪なき者には効かぬと聞くが……、効果覿面だな」
そう試みた妖から、道半ばで崩れ落ちて動かなくなる。
ぱくぱくと口のみを動かす雪女に、順に引導が渡されていく。
メイスを振り下ろすザッフィーロがうっすら毒霧を纏っていたことなど、妖どもに知るすべは最早ない。
「宵に……俺の一番愛しい黒猫に手を出そうなど、あまりにも罪深い」
「……戦いの最中に歯の浮くような台詞は、その」
顔を背ける宵猫。
最愛の猫の頬を赤く染めさせたご主人様。
二人の世界を守るかのように、星精霊の猫と鳥が雪女を追い回し続けていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
御園・桜花
「お遊びで命を凍らせるのが貴女達の性だと言うのなら…貴女達との共存は難しそうです。どうぞ骸の海へお帰りを」
他の猟兵と共闘
猫が凍えないよう前に出る
UC「桜鋼扇殴打」使用
火の属性を纏わせた桜鋼扇で雪女見習いをぶん殴る
敵からの攻撃は見切りや第六感で躱す
どうしても躱せそうにない攻撃は自分の氷結耐性や環境耐性信じ盾受けして直撃を防ぐ
「冬の時期に備えぬ者への戒め、備えても足りなかった者への哀れみが、人智を超える雪女という概念を生み出し容認した。彼女達を形作る性は、決して彼女達の所為ではありませんのに…儘なりませんね」
可能ならば次は雪にまつわる共存できる事象となれるよう、小声で慰めスキルを乗せた歌を歌う
黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流
島ごと氷って聞いた段階でこの手の妖怪…もといオブリビオンだろうなとは思ってた。
季節が巡るからこそ、雪の美しさも春の陽だまりも価値があるというのに。
自身は【存在感】を消して【目立たない】ように立ち回り、隙を見て【マヒ攻撃】を乗せたUC剣刃一閃で【暗殺】攻撃をし、できれば一撃で倒すか、もしくは倒しきれなくともマヒで動きを鈍らせる。
相手の攻撃は【第六感】による感知と【見切り】で回避。回避できないものは黒鵺で【武器受け】し可能なら【カウンター】を叩き込む。
どうしても喰らうものは【オーラ防御】【激痛耐性】、氷・吹雪は【氷結耐性】で、誘惑は【呪詛耐性】で耐える。
●
「お遊びで命を凍らせるのが貴女達の性だと言うのなら……貴女達との共存は難しそうです」
猫たちを庇うように前へ出る桜花の言葉に、妖どもが突っかかる。
「お遊びじゃないよー!」
「いらないものをおかたづけするだけなの!」
「きょーぞん? 何それ?」
猟兵とオブリビオンという運命だけでなく、常識もまた相容れぬ。
戦いは避けられぬことと分かっていても、桜の精はため息ひとつ。
「……仕方ない、ですね」
虚空に手を差し伸べて、招来した桜鋼扇をくるりと回し。
「どうぞ、骸の海へお帰りを」
強く踏み込んでぶん殴れば、じゅわりと妖の頭が溶けた。
「なっ!?」
「熱い! あれ、熱いよう……」
ひらりひらりと舞い踊れば、雪女らが悲鳴を上げる。
広げた扇で口元を隠し、翠の瞳で敵を見据えて。
「火の属性を宿した鉄扇。とくとお楽しみくださいませ」
ぱちりと閉じたかと思うと、桜花はまた舞い始める。
心の奥底に、切ない想いを沈めたままに。
(「冬の時期に備えぬ者への戒め、備えても足りなかった者への哀れみが、人智を超える雪女という概念を生み出し容認した……ただ、そういう存在なだけのはずですのに」)
じわりじわりと数を減らしていく雪女。
しかし、妖どももやられるばかりではない。
「こっちの方が多いもんね」
「いっせーの、でいこう」
数に任せて桜花に襲いかからんと、幾体かがこそりと画策を始める。
戦いの中心から離れ、そろりそろりと距離を詰め。
「それじゃ、いっせー……」
襲撃することは叶わなかった。
「やらせねえよ?」
何処からか姿を現した、二刀の剣士――瑞樹の奇襲によって。
ぎゃあと明後日の方から上がった悲鳴に、思わず振り向き掛ける桜の精だが。
「動きを止めるな! こっちは任せろ!」
それを言葉で制しながら、瑞樹は次の動作に移る。
(「島ごと氷って聞いた段階でこの手の妖怪……もといオブリビオンだろうなとは思ってたよ」)
右手に打刀、左手には己が本体たるナイフ。
流れるような動きで刃を閃かせれば、雪女らは次々に両断され、ぐずぐずと人の形を失い溶けていく。
「お前、いったいどこかr」
「ね、猫がどうなっても……」
敵の反撃をも許さぬ勢いで存分に刀を振るうことができたのは、瑞樹が猫たちの無事を確信していたゆえだ。
(「あいつら、怖がってないかな」)
白猫の姿のまま戦場に忍び寄る前に、みんな隠れているよう誘導してしまったのだから。
*****
「もう大丈夫だ」
「怪我をしている子は……いませんね。良かった」
その場の妖を手早く片付け、瑞樹と桜花は猫たちの無事を確認する。
未だ怯えてすり寄ってくる子もいるが、害された猫はいないようだ。
「季節が巡るからこそ、雪の美しさも春の陽だまりも価値があるというのに」
瑞樹が猫を宥めるように優しく撫でれば、ふわりと陽の良い香り。
戦いで冷えた身体を、命の温もりが温めてくれる。
「……彼女達を形作る性は、決して彼女達の所為ではありませんのに……儘なりませんね」
その傍ら、桜花は想いを込め小さく歌い出す。
願わくば――冬と雪の化身たちに、もし次があるのなら。
共存できる事象として、この世に生まれてきますように。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
真宮・響
【真宮家】で参加。
おやおや、駄々っ子のお嬢さん達がいるね。ここは猫と猫を愛する人達の島だ。勝手に自分の物にする所ではないんだよ。我儘過ぎる悪い子達はお仕置きだ。
まず引っ張って来る動作を【早業】【残像】【見切り】で回避。回避できなかったら【オーラ防御】でダメージを軽減して、【属性攻撃】で火を纏わせた【串刺し】【範囲攻撃】【二回攻撃】を併せた竜牙で攻撃。可愛いナリだがこいつらは歩く災害だ。即急に始末した方がいい。猫達の居場所を護る為にもね。
真宮・奏
【真宮家】で参加。
ええと、ここは勝手に貴女達が乗っ取っていい土地ではありません。可愛い猫がいる素敵な所なのに(ぐぐっ)猫さんの居場所を脅かす悪党は幼い娘さん達でも許しません!!
トリニティエンハンスで防御力を高め、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【盾受け】【拠点防御】【氷結耐性】で防御を固めてから、くいくい引っ張る動作からの攻撃を受け止めつつ、【属性攻撃】で火を纏わせた【シールドバッシュ】を【二回攻撃】【怪力】で力任せに吹き飛ばします!!放っておいては全てカチンコチンになってしまうので、容赦はしませんよ!!
神城・瞬
【真宮家】で参加。
おや、招かざるお客さんがいらっしゃったようで。ここは猫達が心地よく過ごせる土地です。後から土足で踏み込んで置いて邪魔者とはいい度胸ですね。分かり辛いでしょうが、これでも、怒っているんです。
【高速詠唱】【全力魔法】【高速詠唱】で月光の狩人を発動。狩猟鷲の攻撃に併せて【誘導弾】【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】で攻撃します。反撃でくる容赦ない吹雪の攻撃は【オーラ防御】で少しでも被害を軽減します。
●
「おや、招かれざるお客さんがいらっしゃったようで」
凍て風に乗った妖気を感じ取り、初めに敵襲来に気づいたのは瞬であった。
そこから、雪女らがわらわら姿を現すまでに然程の時間は必要なく。
いつの間にやらそこかしこから届く、無駄にやかましい恫喝(?)の声。
「ええと、ここは勝手に貴女達が乗っ取っていい土地ではありません」
ともあれ、見た目は幼い子供。
言い聞かせるように、一先ずは敵意を見せぬように奏が言葉を紡いでみるが。
「あたい、しーらない」
「住んじゃえば、こっちのものだもん!」
「あんたたちこそ、じゃまものよ!」
妖どもは唇を尖らせ、ぷいっとそっぽを向くばかり。
「後から土足で踏み込んで置いて邪魔者とは……いい度胸ですね」
常より表情変化が控えめの瞬であるが、此度は明確に声に怒りが滲み出している。
「全くだよ。駄々っ子のお嬢さん達もいるものだね」
小さな雪女の聞き分けの無さに、響も頭を抱えるしかない。
親子三人、顔を見合わせ頷く。
最早、言葉は不要であろう。
「我儘過ぎる悪い子達はお仕置きだ」
「猫さんの居場所を脅かす悪党は幼い娘さん達でも許しません!!」
響と奏が一歩前へ、瞬が背を守るいつもの布陣で。
猟兵たちが身構えれば。
「そうこなくっちゃ!」
「せいぜいあがいてみなよ!」
幼い姿に見合わぬ冷酷な表情で、妖どもが嘲笑い――妖気が一点に収束していく。
「……っ! 奏、母さん。来ます!」
「二人とも、私の後ろへ!」
迫り来る吹雪にも臆することなく、奏は真っ直ぐ前を見据え盾を構える。
「とつげきー!」
「しんじゃえー!」
吹き荒れる風と雪の中、妖どもがこちらへ攻めてくる。
親子三人、今は耐え忍び機を伺う。
(「まずは私が一撃。続けて兄さんの魔法……最後に、母さん」)
妖の一体が積もる雪を踏みしめ、跳躍し、盾へと触れた――その刹那。
「――行きますっ!」
奏の踏み込みに乗せ放たれたシールドバッシュが、迫る一団を丸ごと吹き飛ばした!
幾体もの雪女が、どさりと仰向けに倒れると同時。
「さあ、獲物はそこですよ!!」
瞬の命に従って、召喚された狩猟鷹が舞い降りる。
鳥葬の如く啄まれる妖どもには目もくれず、敵群に切り込んでいくは、響。
「可愛いナリだがこいつらは歩く災害だ。即急に始末するよ! ……喰らいな!!」
間合いを詰め、炎の属性込めた刃で一体を両断し、また別の敵に食らい付く。
女丈夫の勢いに押され、妖の群れは瞬く間に瓦解していく。
「放っておいては全てカチンコチンになってしまいますものね!!」
「ええ、容赦は不要です!! ……母さん、奏。敵に掴まれぬよう気をつけて!」
奏もまた攻め手へと回り、瞬は魔法を放って母と妹に伸びる手を払い除け。
言葉のまま、まるで容赦のない戦いぶりを見せる一家の前に妖どもは成すすべも無く――。
「これで全部かい?」
「そのようですね。全くもうっ、可愛い猫がいる素敵な所なのに」
残党がいないことを確かめて剣を収める響の傍ら、奏は遠くから様子を伺う猫へおいでと手招きしてみせる。
一先ずは安全であると判断したらしく、再び一家に寄り添ってくる猫たち。
戦いで冷えきった手を、ふわふわの毛並みが温めてくれる。
皆で猫をあやす中、話を切り出したのは瞬であった。
「猫達が心地よく過ごせる土地を守り抜かねばなりませんね。……元凶は他にいるようですから」
そう。雪女を全滅させたにも関わらず、島を覆う冷気と強い殺気は未だ絶えていないのだ。
この島の平穏を取り戻すためにはまだ、討たねばならぬモノがいる。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
吉瀬・煙之助
理彦くん(f01492)と
せっかく春になるところなのに、また冬に逆戻りは困るね…
うんっ、猫ちゃんたちは僕が避難させるね
みんな安全なところに隠れてて…っ
冷気が来ない離れた壁裏に避難させて僕の羽織りをかけてあげる
避難させたら理彦くんのところに戻って援護するよっ
UCで理彦くんを癒しながら、銃で【スナイパー】【呪殺弾】【2回攻撃】で動きを阻害するよ
ーーくしゅん
う、うん…猫ちゃんたちに自分の羽織り貸しちゃったから少し寒いかも…
アドリブ歓迎
逢坂・理彦
煙ちゃんと(f10765)
小さくても雪女。運んでくる冷気は本物だね。
猫ちゃん達のために春を遠ざけるわけには行かないからね。
猫ちゃん達のことは煙ちゃんに任せるね。
俺は煙ちゃんや猫ちゃんの所まで敵が行かないように戦うから【防御拠点】【かばう】
UC【狐火・椿】
椿は椿らしく美しく落ちようか
UCで討ちもらした敵は墨染桜で【早業】【なぎ払い】
【戦闘知識】【第六感】で敵攻撃【見切り】
【だまし討ち】を織り交ぜながらカウンターを狙う。
煙ちゃん、寒かったら羽織貸すけどいる?
アドリブ歓迎。
●
「ちょっとだけよー」
「めいどさんのみやげよー」
雪色の肌をちらちら見せて、猟兵たちを誘惑する妖ども。
幼い外見も相まって、子供の遊びのようにしか見えないが。
「小さくても雪女。運んでくる冷気は本物だね」
「せっかく春になるところなのに、また冬に逆戻りは困るね……」
理彦も煙之助も、彼女らの危険さを確りと感じ取っていた。
辺りの冷気が徐々に強まり、春の気配が消えていく。
「にゃ……」
妖に怯えて二人にくっついていた猫の一匹が、ひどく不安そうな声を上げた。
「煙ちゃん」
「うんっ、猫ちゃんたちは僕が避難させるね」
抱いていた猫を煙之助に託し、理彦は前へと進み出る。
「あら。冬眠……じゃなくて、永眠? するかくご、きまったの?」
「お生憎様。猫ちゃん達のために春を遠ざけるわけには行かないんだよね」
振り返る必要はない。煙之助になら安心して任せられる。
彼らに危害が加えられぬよう、自身はこの場で戦い抜くのみ。
「何さ! 冬のつめたさ……」
「とくとあじわえー!」
雪女どもが駆け出せば、再び凍て風が吹き渡る。
羽織をひらりとはためかせ、理彦は薙刀を中段に構えた。
散り散りになって駆けてくる妖の群れ。
その視線は、狙いは――今は理彦ひとりに向いている。
ならば、派手に立ち回るが吉か。
「ぽとり、ぽとりと椿の様に……」
高く高くへ放った狐火は。
「……美しく、落ちようか」
妖どもの髪を飾ってのち、燃え上がる。
戦場のあちらこちらに炎の花が咲き誇り、冬の化身を包み込んでは祓っていく。
「こ、このー!」
「しんじゃえー!」
どうにか炎から逃れた妖を相手取るは、薙刀にて。
大きく薙いで吹き飛ばしては、体勢を崩した一体を突き。
「つっかまえたー!」
構えを変えると見せかけて、あえて作り出した隙に釣られた輩には。
「捕まっちゃったー。じゃ、お遊びはお終いね」
「……理彦くん、お待たせっ!」
銃声、のち無音の斬撃。
合流した煙之助からの援護射撃に合わせてだまし討ち。
「煙ちゃん、流石ー」
「えへへ。猫ちゃんには隠れててもらってるよ、早く終わらそっ」
へらりと笑った煙之助は、火縄銃を構え直し照準を合わせる。
阿吽の呼吸の二人の前に、未熟な妖どもは成すすべもなく――。
*****
あっという間に、かしましい雪女らは骸の海へと送り返されたのだった。
「ああ! 理彦くん、怪我してるじゃない! いま治すねっ」
白檀の香を使い、癒しの力を巡らせ始める煙之助。
かすり傷ではあったものの、その厚意が嬉しくて瞳を和ませる理彦だったが。
「ありがとう、煙ちゃ……あれ、煙ちゃん。羽織は?」
あるはずのものがないことに気づき、首を傾げる。
もっとも、疑問はすぐに氷解することとなる。
「ああ、うん。僕の羽織はね……」
ごろごろ、すやすや。
古い倉庫の裏手にて、猫たちが安心仕切った顔で眠っている――煙之助の羽織にくるまれて。
「猫ちゃんたちが少しでも寒くないといいなって」
起きていた子らに囲まれて、ほっとした様子で笑う煙之助であったが。
くしゅん。
長く冷気に晒された身体には、少し堪えているようで。
「煙ちゃん、寒かったら羽織貸すけどいる?」
「う、うん……ありがと」
理彦の申し出を素直に受けて、袖を通せば。
「ふふ、あったかいねっ」
此度浮かべる笑顔はほわりと、まるで春を表したかのような。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鹿村・トーゴ
ん?子どものくせに物騒な事言うねー
そのなりからして雪娘かね?
どーりで。なんか寒くなってきたなーと思ったよ
さっきのハナ似の猫に伝えとこ「ここもっと寒くなるから仲間連れてどっか逃げな?」【動物と話す】
『さむい』と肩に止まった相棒の鸚鵡ユキエの額を撫で一旦戦線離脱させる
お前も気を付けて下がっとくか
『うん』
敵と距離を取りUC虚蜂を仕掛け攻撃、追随して【念動力】で制御した手裏剣数枚も【投擲】し撃つ
うっかり雪娘に近づかれてるかもしれないし…【野生の勘】で敵UCの引っ張る動作に注意し躱す
>躱せたら即反撃、手にしたクナイで斬り付け【暗殺】
>躱せないときは【激痛耐性】で堪えて反撃(同上)するよ
アドリブ可です
●
「ん? 子どものくせに物騒な事言うねー」
トーゴの呟きに、妖どもはぷうっと頬を膨らませ反論する。
「何よ! 子どもじゃないわ、雪女よ! ……見習いだけど」
「あんたよりもずっとおねーさんなのよ! ……たぶん」
「へぇ、どーりで」
寒いと思ったと少年が続ければ、自信無さげであった彼女らはたちまち顔を輝かせ。
「でしょでしょ!」
「もーっとさむくしてあげる!」
けらけら笑って息を吐く。
白く冷たい、凍てつく息を。
「みゃ……」
「さむい」
すり寄る猫たちも、トーゴの肩に降りた鸚鵡のユキエもきっと長くは耐えられない。
「ユキエ、猫たちと一緒に下がってな」
「うん」
額を軽く撫でてやれば、鸚鵡は返事をして飛び立ち、猫を先導するように鳴き声を上げながら離れていく。
大半の猫がユキエの後を追っていくが。
「にゃー」
背に斑模様を持つ白猫だけは、最後まで離れようとしない。
「ここ、もっと寒くなるから。仲間とどっか逃げな?」
今いちど優しくトーゴが声を掛ければ、猫は渋々ながらも従ってくれる。
温もりが消えゆく感覚は、どうにも名残惜しいが。
「おわかれはすんだー?」
「じゃあ、しんでね!」
「悪りーな、そうもいかねーんだわ」
なに、今生の別れというわけではない。
「お前ら片付けて、猫たちの故郷を守ってやんないといけねーからな!」
念を込めた手裏剣を妖に投擲すると同時。
「七針、出番だ」
トーゴの下した指令に従い、不可視の大型蜂が戦場へ繰り出していく。
その数、七。
宙へと上がった蜂が見下ろす先には。
「あっぶなーい」
「あたらないy……ぎゃ!」
距離を詰めんと駆ける雪女の群れ――間抜けにも手裏剣の餌食になったものもいるが。
(「オレの間合いに入ろうって魂胆かね」)
呼吸を整え、勘を研ぎ澄ませ。
「つっかまーえ……ぐうっ!」
袖を掴まれるぎりぎりまで接近を許してのち、クナイを手の中で滑らせ息の根を止める。そして。
「んじゃ、オレの番ね」
軽い調子の言葉に合わせ、蜂が舞い降り妖を転ばす。
一、二、三。
敵が起き上がれぬうちに、距離を詰めて喉を掻っ切り。
四、五、六。
掴みかからんとする手首の先を落とし、小さな身体を踏み越えて。
七。
背後から迫る輩の額に刃を突き立てる。
「さーて、あと何人だ?」
かしましい声が聴こえなくなるまで、トーゴは音もなく戦場を駆け続ける。
大成功
🔵🔵🔵
未不二・蛟羽
さ、寒いの苦手っすー!猫さんは寒いの苦手っすよね?
それに、この島は猫さんと島の人達のものっす
だから、こんなことしたらめーっす!
邪魔なのはそっちっすよ!
大人しく服をくいくいされる、と見せかけて、パーカーになっていた【No.40≒chiot】を武器改造で大きな布にして敵に被さり視界を塞ぐっす
相手が動けない隙にUCで刻印を解放して自分の手足を虎へと変化させ、敵の群れの中に飛び込み爪で攻撃
No.40≒chiotも封印を解き、飢餓の狼の大口へ化わり食い散らかすことで生命力を吸収するっす
寒さ、まだ消えないっすかね
せっかく日向ぼっこしてぽかぽかだったのに
早く元凶を倒して、またみんなであったまるっす!
●
「さ、寒いの苦手っすー! ……けど」
吹き付ける冷気に身を震わせながらも、蛟羽はその場を動かない。
妖に怯える猫たちが自身の背後にいるからだ。
(「猫さんも、寒いの苦手っすよね?」)
ちらりと振り返れば、ハチワレのボス猫と視線が交わる。
「なぁーご」
その落ち着いた低い鳴き声から、真っ直ぐな瞳から。
伝わるは、蛟羽への信頼――それはとても純粋で、きらきらしていて。
「……この島は猫さんと島の人達のものっす。だから」
守りたい想いに駆られ、青年は妖どもに物申す。
「こんなことしたらめーっす! 邪魔なのはそっちっすよ!」
「でかい口たたくじゃない!」
「あんたからころしてあげるわ!」
青年の言葉を鼻で笑って、束になってかかってくる雪女。
多勢に無勢であることは承知の上で、蛟羽は敵群へ飛び込んでいく!
「いいどきょうね!」
その様を無策と捉えたか、妖どもは見下すような笑みを浮かべて青年を囲み。
「しんじゃえ♪」
黒いパーカーを鷲掴みにして、深く息を吸い込んだ。
ふうっと吐息を繰り出されたが最後、蛟羽は氷漬けにされていたであろうが。
「……掛かったっすね」
呟きとともにパーカーは大きな布地へと変化し、大きく大きく広がって。
「わぷっ!」
息を吐くのを遮った上、雪女らの視界を塞ぐ。
「やだ、まっくらー!」
「ひきょうなー!」
獲物を見失った妖どもが藻掻く間に、蛟羽は反撃の準備を整える。
己の手足を虎のそれに、解放せし刻印より漏れ出る血紅色を敵を裂く爪に。
そして。
「俺のターンっす。――No.40≒chiot,解放」
黒い布地を飢餓の獣に。
お膳立ては完了――食事の時間だ。
衝動に身を任せ、未不二・蛟羽は全てを喰らう。
妖の血肉を取り込み、己の生きる糧とする。
牙剥く理由はただ一つ、この楽園を守るため。
*****
「寒さ、まだ消えないっすかね」
妖の群れを食らい付くした後、蛟羽は再び猫まみれになっていた。
「せっかく日向ぼっこしてぽかぽかだったのに……元凶をどうにかしないと駄目っすかね」
「なぁーん」
ちょこんと膝に収まっていたボス猫を軽く撫でてから優しく降ろし。
「ちょっと言ってくるっす。帰ってきたら、またみんなであったまるっす!」
蛟羽はより強い妖気の元を探しに立ち上がるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
丑三・勘太郎
なんだか寝てる間にわらわらと来やがったもんだな。
この島にはもう猫たちが住んじまってんだ。
悪いがお引き取り願おうか!
戦闘前に【大声】で猫たちを逃がす。
伝わるか分からねぇが、「近づくんじゃねぇぞ」って
言っておけばなんとかなるだろ
猫たちを逃がしたら、敵が特に集まって来そうなところに飛び込む。
そしたら相手が仕掛ける前に、こちらから【雷獣撃】を使い、
【範囲攻撃】の雷撃を喰らわせる!
「丑三流奥義! 『雷獣撃』! まとめて吹き飛びな!」
●
あまりの騒がしさと寒さに勘太郎が目を開けると、そこには何やら好き放題言う妖の群れ。
「なんだか寝てる間にわらわらと来やがったもんだな」
寄り添う猫を抱き上げながら、青年が立ち上がったのを見て。
「あれ、あたいらとやりあう気?」
「いのちしらずー!」
雪女らは小馬鹿にした様子できゃっきゃとはしゃぐ。
鈴が転がるような声に伴い、更に強まっていく冷気。
「……っ! お前らさっさと逃げな! 近づいて来るんじゃねぇぞ!」
危険を察し、勘太郎が声を張り上げれば。
「「「にゃあ!」」」
猫たちは彼の意を汲んだように、返事をしてから駆けていく。
戦いに巻き込んでしまう心配もないだろう。
「この島にはもう猫たちが住んじまってんだ。悪いがお引き取り願おうか!」
啖呵を切って、青年は妖の群れへ飛び込んでいく。
狙うはあえてのど真ん中、自身の逃げ場が塞がれるであろう位置。
「わあ、とびっきりのいのちしらず!」
「それじゃ、ころしちゃえー!」
わらわらわら。たちまち勘太郎を妖どもが取り囲む。
四方八方から伸びる手が、彼の着物をがしっと掴んで。
くいっと引っ張ったその刹那。
「丑三流奥義――」
雷電の音、激しい光。
青年の身体を膨大な電流が包み込み。
「――『雷獣撃』!! とくと味わいな!」
咆哮とともに、解き放つは辺り一面へ。
掴まれた着物を通して。
或いは降り注いだ雷撃に穿たれて。
妖どもはこんがりと焼けて、溶けるように姿を消していく。
かしましかったはずの雪女らは悲鳴すら残さずいなくなった。
否、上がった悲鳴すら、雷電に掻き消されてしまったのかもしれない。
大成功
🔵🔵🔵
吉備・狐珀
【路地裏】3人
幼い故に理不尽なことも平気で仰るのでしょうけど、「はい、そうですか」というわけにはいきません。
何でも思い通りになると思ったら大間違いです。
UC【協心戮力】使用
貴女達の力のせいで猫達が凍えては可哀想です。
猫達には「必ず追い払うから安全な後鬼の所へ避難して」と猫語で(会話)をして伝えて、避難誘導。
移動が確認できたら、からくり人形が起こす炎と月代の起こす風で作るのは炎の竜巻。
黒狐のウカのもつ宝玉でそれぞれの(属性攻撃)を強化して。
幼いからそのような理不尽なこともいうのかもしれませんが…。
良い機会です。世の中、何でも思い通りにならないことを身をもって知りなさい。
勘解由小路・津雲
【路地裏】3人
おやおや、これまたかわいらしい雪女だな。ただの妖怪なら別の場所で、など何か方策を考えるところだが、オブリビオンであってみればそういうわけにもいかんな。残念だが溶けてもらうとしよう。(戦闘につき退魔師口調に変化)
後鬼はそこにいろ。猫が暖をとるのにちょうどよかろう。
【戦闘】
【歳殺神招来】を使用。加護を受けた古代の戦士の霊を呼び出す。燃え盛る炎の槍に、【衝撃波】を当てて炎の嵐の【範囲攻撃】を。
全員の攻撃を合わせると、まあちょっとしたもんだな。ちっこい雪女を溶かすには、十分だろう。
(敵の攻撃があれば)うん、当方はヤドリガミにつき、ちょっと人間の仕草はよくわからないな。
落浜・語
【路地裏】3人
だんだんあったかくなってきたってのに、わざわざ寒くしなくていいんだがなぁ…。
とりあえず、猫たちは避難させておかないとな。
で、本題。
数が多いなら、普段は爆破して吹っ飛ばすんだが…ここでやるってしまうと、あとに影響出そうだしな。
UC『紫紺の防禦』で、纏めて燃やしてしまおうか。
花弁で燃やしつつ、仔龍の雷【属性攻撃】やカラスに追い込んでもらって、猫の方に攻撃が飛んでいかないように気を付ける。
花弁は小さいがまぁ、三人まとめればそれなりになるわけでして。まぁ、溶かしきれるだろうさ。
引っ張るのもお断りだからな。【第六感】も使いつつ回避して、しきれなければ【オーラ防御】
●
「おやおや、これまたかわいらしい」
穏やかに言葉を紡ぐ津雲であるが、雪女どもを見つめるその目は全く笑っていない。
彼女らがただの妖怪であれば、交戦以外の道もあり得たやもしれないが。
(「オブリビオンであってみれば、そういうわけにもいかんな」)
討ち祓い、骸の海へと帰してやらねば、この島どころか世界に未来は無いのだから。
「出ていくか、あたいらに抱かれてしぬか。とくべつに選ばせてあげよっか?」
着物をわざとはだけさせ、大人ぶった表情で笑う小さな雪女。
その姿に、狐珀は複雑な心地で首を振る。
理不尽なことを平気で言えるのは、幼さゆえなのかもしれないが。
「はい、そうですか……というわけにはいきません。何でも思い通りになると思ったら大間違いです」
けして譲歩はできぬことだと娘は凛と背筋を正し、妖の問いを突き返す。
「そっかぁ。それじゃ」
「かちこちになって死んでいってね!」
けらけらけら、妖どもの嘲笑う声。
響き渡るとともに、しんしんと辺りは冷え込んで。
「だんだんあったかくなってきたってのに、わざわざ寒くしなくていいんだがなぁ……」
語が吐いた溜息すらも、真冬の如く白いもの。
早急に戦いの火蓋を切り、敵を滅するべきやもしれないが。
「とりあえず、猫たちは避難させておかないとな」
「ならば、こちらへ――後鬼はそこにいろ。猫が暖をとるのにちょうどよかろう」
語の言葉を受けて津雲が愛機を指し示せば、憑いた式神が「ギギギ」と音を立てる――御意、とでも言うように。
「にゃあ、にゃーご(訳:必ず追い払うから、安全な後鬼の所へ避難して)」
狐珀が猫語で避難を訴えれば、猫たちはたたっと後鬼のところまで駆けていき、機械の身体の後ろに隠れる。
一箇所に固まって寄り添っていれば、戦いに巻き込んでしまうこともないだろう。
さて、成すべきことは定まった。
あとは侵略を目論む妖どもを手早く成敗するのみだ。
「あははは!」
「しんじゃえー!」
敵がわらわらと三人の猟兵目掛けて駆けてくる。
その数はひたすらに多い。
(「普段は爆破して吹っ飛ばすんだが……あとに影響出そうだしな」)
ならば取れる手段で敵の弱点を突き、かつ可能な限り纏めて片付ける戦術でいこうではないか。
「何人も呪いも超えられぬ壁となりて」
語が言霊を紡ぐ声に。
「二つの力は一つの力に 我のもとに集いて」
「八将神が一柱、歳殺神の名において」
狐珀と津雲が術を編む声が重なる。
三人とも、導き出した答えは同じ。
「我を護り理に背く骸を還す力となれ!」
「敵を貫く剣となれ!」
「式神、来たれ!」
激しい炎を起こし、中に敵を呑み込んでしまえばいい。
語の言霊に応じ出づるは、守護の花びら。
ひらひらと落ちて雪女の髪を飾ってのち、激しく燃え上がる。
されど悲鳴は聴こえない。
広がっていく火の音に掻き消されてしまったがゆえに。
「――急急如律令」
燃え広がるのを早めたのは、津雲が喚んだ式神の働きだ。
古代の戦士の姿を取った其は、己の槍に炎を纏い大きく振るって風を起こす。
「あついよう……」
「ひやしても、きえ、な」
火に囲まれて逃げ場を失った妖どもに、引導を渡すは狐珀の術。
からくり人形が起こす炎に、 仔竜・月代の起こす風を合わせて。
生まれ出た炎の竜巻をさらに、黒狐・ウカの力を借り強めれば。
ごうっと音立て天高く、炎の龍が舞い踊り。
妖どもを呑み込んで、凍て付いた地を取り戻す――。
「くや、しい……」
忌々しげに吐き捨てて、最後の一体がくしゃりと溶けた。
「世の中、何でも思い通りにはならない……思い知りましたか?」
狐珀の言葉は果たして、幼き妖に届いただろうか。
「全員の攻撃を合わせると、まあちょっとしたもんだな」
ほうっと軽く息を吐き、津雲は常の己へと頭を切り替える。
敵の到達を許さぬ程に派手にやってしまったが、猫たちは――。
「カァッ!」
明るい声色の鳴き声が届く。
視線を送るとそこには、語の連れているカラスと鈍色の仔龍の姿。
そして、さらにその後方では。
「「「にゃーん!」」」
二匹に守り抜かれ、炎舞う中でも傷一つ負わずに済んだ猫たちと。
「ギィ!」
猫たちの居場所としての役目を果たした後鬼が、嬉しげに三人のことを待っているのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『雪鬼と雪女見習い』
|
POW : 『こおらせてみる おねがい』『ぶっとべええ!』
【雪鬼渾身の】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【対象を氷漬けにする雪女見習い】の協力があれば威力が倍増する。
SPD : 『あぶないよ たすける』『すまねえ!』
【客観的に動きを予測し協力する雪女見習い】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ : 『がんばれ まけちゃだめだよ』『うおおお!』
【雪鬼が奮闘する中、雪女見習いの応援】を聞いて共感した対象全てを治療する。
👑7
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●厳冬の化身
猫ヶ島には急傾斜地が多い。
島の中央に向かうに従い、標高は高くなっていく。
港とは真逆の方角、集落の奥に開かれた登り口から。
あるいは己がいる地点より、一直線に斜面を登って。
猟兵たちが各々目指すは山の上、強大な妖気の元凶へ。
*****
木々に覆われた地帯を抜けると、小綺麗な社に辿り着く。
石造りの鳥居が立てられ、狛犬ならぬ狛猫の像が鎮座し。
広々とした境内からは、青い海を一望できる。
妖の出現より前に、集落にて情報を得た者もいるかもしれない――そこは島の守り神を祀るための、人の心の拠り所たる地なのだと。
そのはずなのに。
「ほう? 何時まで経っても暑くて敵わんと思うたら」
今は神でも人でもなく、何故だか冬の色した鬼が大きな顔して居座っている。
「おやかたさまー。みんなの気配が消えてるの!」
「やはりのう。おう、猟兵。娘っ子らを殺りよったな?」
肩にちまっと座る雪女の言葉を受け、猟兵たちを睨めつける鬼。
そこへ。
「ふしゃあ!」
「みゃあああ!」
威嚇の声は社の屋根から。
幾匹かの猫たちが気丈にも、妖どもに抗議する。
しかし、鬼の返答は恫喝を以て。
「じゃかあしいわぁ!」
咆哮とともに吐き出される冷気が、辺り一面を凍て付かせる。
恐怖と寒さで猫たちは身を竦ませて、震えることしかできない。
「ワシらの“雪鬼ヶ島”から……いんや」
猫を、人を守り抜くためには。
猫ヶ島が春を迎えるためには。
「この世からおさらばして貰おうかのう!!」
傍若無人極まりない侵略者を討ち果たせねばなるまい。
逢坂・理彦
煙ちゃんと(f10765)
ここは猫ヶ島とは言われてはいるけど雪鬼ヶ島じゃないんだよね…。
猫ちゃん達もようやく寒い冬を乗り切った所なんだから空気を読んで欲しいかな。
そっちが春を遠ざけてしまうのなら少し早いけれど…桜吹雪と行こうか。
UC【墨染桜・桜吹雪】
攻撃と同時に目眩し、と。
雪鬼の方は俺がなんとかするから肩に乗ってる見習いちゃんは煙ちゃんに任せるよ。
【なぎ払い】で斬り込み【防御拠点】【武器受け】で防御。ここから先へは行かせないよ。
後は【だまし討ち】が決まればありがたいね。
吉瀬・煙之助
理彦くん(f01492)と
君たちも住処が欲しいのかもしれないけど
だからって奪い取るのは良くないよ
それに此処はこれから春になるんだからね…!
雪鬼は理彦くんに任せて
僕は雪女見習いの方を抑えるよ
回復させないように【スナイパー】【2回攻撃】【マヒ攻撃】で
痺れさせて応援を封じに行くよ
こっちは任せて、理彦くん頑張って…!
と【鼓舞】しつつ
理彦くんが怪我したらUCで回復するね
猫ちゃん達の為にも負けるわけにはいかないものね
雪女見習いちゃんを封じたら理彦くんの攻撃に合わせて
【呪殺弾】で【援護射撃】するよ
●
「ここは猫ヶ島とは言われてはいるけど、雪鬼ヶ島じゃないんだよね……」
理彦が言葉と溜め息とともに吐いた紫煙は。
「君たちも住処が欲しいのかもしれないけど、だからって奪い取るのは良くないよ」
煙之助の煙管から出づるそれと交わって、雪鬼のところまで棚引いていく。
「おおん? 住まう土地なんぞ、力で奪うがスジじゃろうが?」
厭うは香りか、それとも熱か。
雪鬼は届いた煙に顔を歪め、金棒をどすりと地に突き立て――ぶわりと風が巻き起こり、猟兵たちの手元の火を掻き消す。
「煙ちゃん。雪鬼の方は俺がなんとかするから、煙ちゃんは……」
「うん、分かってる。まったくもう、煙草が不味くなっちゃうね」
火に代わって、手に取るは得物。
次の一服は、戦いを終えるまでお預けだ。
「こっちは任せて」
「ありがと。さて……猫ちゃん達のために、ちょっと頑張っちゃおうかな」
煙之助にへらりと笑いかけた、次の瞬間。
理彦の薙刀が春へと化身する――。
ひらり、ひらり。
「あぁ、綺麗だねぇ」
理彦の声は、桜吹雪の向こうから。
無数の墨染桜の花びらが、神社境内を舞い踊る。
春の欠片はまるで雪を溶かすかの如く、雪鬼の肌を焼いて焦がしていく。
「ぬうっ……!」
「がんばれ!」
しかし雪女の声援を受ければ、たちまち傷は癒えていき。
「うおおお!」
雪鬼は再び力を取り戻す。
火傷の跡を残した腕で再び金棒を持ち上げ、地に叩きつけ風を起こす。
されども散らされた桜吹雪の向こうに、猟兵たちの姿はない。
「むうっ!?」
「鬼さん、こちら」
春を齎す妖狐の声は、雪鬼の巨体の死角から。
打刀・蒼丸での一閃と、咄嗟に振るわれた鬼の爪が交わって。
猟兵と妖、双方の腕からぱっと血が飛んだ。
ぐらりと体勢を崩す雪鬼、主を鼓舞せんと口を開く雪女。
そこへ。
響く銃声、かろうじて雪女を支える鬼の掌。
僅かに遅れて、戦場に白檀の香りが立ち込める。
(「理彦くん頑張って
……!」)
火縄銃が煙を吐く傍らで、煙之助は遠目に理彦の傷を確認する。
着物を濡らす赤は、もう広がってはいない。
彼に白檀の癒しが届き、十分に効果を発揮した証だ。
ほっと胸を撫で下ろしたところで、煙之助は金の瞳が自分を見ていることに気が付いた。
微笑みを返し、再び銃を構え直す。
次の弾は雪鬼を狙って、理彦の動きをよく見て放つのだ。
(「猫ちゃん達の為にも負けるわけにはいかないものね」)
そして、二人で勝利の一服を楽しむためにも。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
彩波・いちご
【恋華荘】
猫ヶ島ではなく鬼ヶ島と来ましたか…
でも、猫たちを怯えさせて…許せませんねぇ?
「猫さんたち、怯えないで。すぐに怖いのは終わらせますかね?」
脅える猫たちに優しく語りかけて撫でてあげて
そしてキッと鬼を睨みます
詞さん、気持ちはわかりますので、今回はそれ抑えなくてもいいですよ
私も行きます
詞さんが前で切り結んで鬼を引き付けてくれる間に、私は【異界の深焔】を召喚
「雪の鬼なら私の炎で蒸発させてあげましょうか?」
詞さんの攻撃に合わせ、深焔で追撃、連撃、炎の舞
決して消えない異界の炎で、その妄言ごと燃やし尽くします
「この世から消えるのは、さてどちらでしょうか?」
…って、詞さん?
私は桃じゃありませんよー?
牧杜・詞
【恋華荘】
凍えて怯える猫さんを見て、気持ちはめいっぱいまで下がります。
「いまなにを?」
今回はちょっと怒り込みの殺人鬼モード。
【識の境界】を発動させて、ほんとうの氷点下を見せてあげよう。
雪女を殺したか? 愚問。殺すに決まってる。
それがいまのわたしの仕事だし、なによりここは猫さんの島であなたのじゃないわ。
今回は、いちごさんに退治してもらうのがいいかなって思うので、
わたしは動きで相手を翻弄していくね。
鬼ヶ島は、桃太郎に退治されるのが通説。
雪鬼ヶ島は、いちごさんに退治されるってことでいいわよね。
「あなたたち、果物には相性が悪いのね。」
桃ではないけど、いちごさんは甘そう、ね
と、ちょっとだけ微笑みます。
●
雪鬼と雪女とが体勢を整えたところに、黒髪の少女は舞い降りた。
「覚悟っ!」
陽の光を背負い、短刀の刃だけを煌めかせて。
殺人鬼としての衝動に身を任せた詞は、鬼の額を真っ直ぐに狙い――。
「けほっ、下がって!」
「おうっ!」
振り下ろされた刃は、雪女の指示に従った雪鬼に躱される。
されども、詞の猛攻は止まらない。
くるりと前転して受け身を取り、勢いを付けて前へ踏み込む。
「避けられない、受けて!」
喉を狙って繰り出した一撃が、雪鬼の分厚い手の甲にぐさりと刺さる。
「その短刀で娘っ子らを殺ったんか。何ということをしてくれたんじゃ!」
「愚問。殺すに決まってる。それがいまのわたしの仕事だし、なによりここは猫さんの島であなたのじゃないわ」
「ぐぬぅ……生意気なぁ!」
吠える雪鬼に捕まる前に、詞は乱暴に短刀を引き抜いて距離を取る。
共に戦場に立つ“彼”の準備が整ったことを察したゆえだ。
「娘っ子らの弔い合戦じゃあ! おう、猟兵。この雪鬼様直々に、この世から消してくれるわぁ!」
いきり立つ妖へと向けて。
「この世から消えるのは、さてどちらでしょうか?」
いちごの声とともに、神の炎が降り注ぐ――。
猫たちが身を寄せる社の上。
いちごは眼下の雪鬼を鋭く睨め付け、異界の深焔を解き放つ。
最初の一撃は囮。
詞が切り結び、作り出してくれた隙を狙って二、三、四。
消えぬ炎が地を舐める。
其がただならぬ焔であると、妖らが察知し始めた矢先。
「ぎゃああ!? 溶ける、溶ける!!」
「溶ける? いっそ蒸発させてあげましょうか?」
暴虐の限りを尽くす傲慢さごと、ここまでに吐いた妄言ごと。
燃やし尽くさん勢いで、炎は勢いを増していく。
「猫ヶ島ではなく鬼ヶ島、ですか。全く……猫たちを怯えさせて、許せませんねぇ?」
「そんなふざけたことを言うから、いちごさんの手に掛かる羽目になったんじゃないかしら」
呟いた少年の傍には、いつの間にやら少女の姿。
どうやら焦土と化しつつある戦場から、いちど退避してきたらしい。
「鬼ヶ島は、桃太郎に退治されるのが通説だもの。きっと、あの鬼も果物には相性が悪いのよ」
「……詞さん? 私は桃じゃありませんよー?」
戦いの最中でありながら、二人の間の空気はやわらかい。
「桃ではないけど、いちごさんは甘そう、ね」
一度は衝動を開放した詞が、僅かながら年相応の笑みを浮かべるほどに。
猟兵たちのやりとりに、一種のあたたかさを感じ取ったのかもしれない。
「にゃあ……」
未だ不安そうにしながらも、猫たちがそろそろと近付いてくる。
「猫さんたち、怯えないで。すぐに怖いのは終わらせますからね?」
優しく猫に語り掛け、撫でて落ち着かせようとするいちごも。
その様子を見つめる詞も。
二人の瞳には、慈しみの光が宿っていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シキ・ジルモント
◆SPD
ここにも、まだ猫がいたのか
猫の居る方へ敵が向かわないよう、戦いながら位置を調整する
オブリビオンとは積極的に戦い、周囲の猫から注意を逸らしたい
ここを守る為に残っていたのかもしれないが、この場所を守る仕事は任せて欲しい
正面からまっすぐ雪鬼の胴を狙う
…と見せかけて、瞬時に足へ標的を変えたユーベルコードで攻撃を仕掛ける
雪鬼と一緒に肩に乗る雪女の体勢を崩し、一時的でも雪女から正確な指示を受けられない状況を作りたい
その隙に背後に回り込み、雪女の視界外から雪鬼へ、
エンチャントアタッチメントを取り付けた銃で炎の『属性攻撃』弾によって攻撃を行う
退場するのはあんた達の方だ
猫ヶ島に、鬼というのも場違いだろう
御園・桜花
「火を効果的に使うには、前線で殴り合うしかないですよね…」
UC「桜鋼扇殴打」
桜鋼扇に火の属性攻撃のせ前線で殴り合い
敵からの攻撃は第六感や見切りで躱す
寒さ自体は氷結耐性や環境耐性で凌ぐ
「此処は猫ヶ島、絶対に貴方達には渡しません」
「…次は永久凍土で穏やかに生活できる方々になられますよう」
討伐後
共存できる転生願い小声で鎮魂歌を捧げる
「高山地帯なら未だしも、極地にもふもふした方はいらっしゃらないでしょうから…貴方達が羨ましかったのかもしれません。本当によく頑張りました」
凍えた猫を抱えて一生懸命撫でて暖める
猫用おやつも与え猫が元気になるまで手を尽くす
「これからはいつも貴方達の幸せな猫日和です、ふふっ」
●
炎の中から凍て風が吹き、また戦場を厳冬へ塗り替えていく。
「おやかたさま、生きてる?」
「おうよ。……ったくよう。ケツが溶けてなくなるかと思うたわ」
体毛や皮膚の所々が焦げている雪鬼であるが、まだまだ軽口を叩く余裕はあるらしい。
「おう、娘っ子。首んとこも頼むぞい」
雪女の吐息を浴びて、鬼が心地よさげに目を細めたところへ。
「やはり、熱いものはお好きではないのですね」
寒さを堪えて接近した桜花が鉄扇の一撃を繰り出した!
じゅうっと皮膚が焼ける音、獣の如く唸る雪鬼。
桜花を捕らえんと振りかざされた腕を、ぴしりと何かが貫いて止める。
「おやかたさま、あっち!」
雪女が指差す先には、神社を背にして立つシキの姿。
構えた銃口が次に狙い定める位置は。
「胴体! せーので……」
「右じゃな!」
ぎりぎりのところで妖に読まれ、回避行動に移られてしまうが。
引き金を引いて、銃声が轟いて。
真っ直ぐに飛んだ二発の弾は――。
「んなっ!?」
雪鬼の胴でなく、足を穿つ。
胴狙いはあくまで見せかけ、シキの本命は敵の体勢を崩すことにあったのだ。
妖の巨体が揺らいだ時には既に、人狼の男は次の手を打つべく駆け出していた。
(「……この場所を守る仕事は任せて欲しい 」)
束の間、社の上の猫たちへ視線のみで振り返ってから。
たたらを踏む鬼の身体から振り落とされぬよう、雪女が必死でしがみついている。
追撃の好機と見て、桜花は雪鬼の間合いに深く踏み込む。
己の持つ火の術を効果的に叩き込むには、接近戦が最も有効と判断したゆえだ。
(「次は、永久凍土で穏やかに生活できる方々になられますよう」)
繰り出す一撃一撃に想いを込め、桜花は鉄扇を手に戦場を舞う。
されど。
「ぐぅ……終わって、たまるかぁ! ぶっとべええ!」
桜の精の鎮魂の願いを振り払うかのように、雪鬼が渾身の力で突進してくる。
「……っ!」
身を躱すことは容易かった。
猟兵と妖とがすれ違う――物理的にも、精神的にも。
「退け退け、猟兵! この世から永久にのう!」
「退場するのはあんた達の方だ」
妖どもの背後より弾丸が迫り――今度こそ、雪鬼の胴に風穴が空く。
死角に移動し、得物にアタッチメントを装着して。
シキが繰り出した弾丸は、炎の属性を宿したもの。
「猫ヶ島に、鬼というのも場違いだろう」
男に同意するように、にゃあと猫の鳴き声が降る。
「そう、ですね。まずは幸せな猫日和を取り戻さないと」
シキの傍らで呟くは、いちど妖から距離を取った桜花。
口元を隠していた扇をぱちりと閉じ、社を見上げて僅かに微笑んでのち。
「此処は猫ヶ島、絶対に貴方達には渡しません」
凛と姿勢を正し、敵へ向き直る。
猫への慈愛も、妖への願いも、等しく胸の奥に抱いたままで。
(「戦いの後は猫たちを温めて、おやつをあげて元気付けて。そして……」)
相容れぬ存在たちには、鎮魂歌を捧げよう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
プロメテ・アールステット
威嚇の声をあげた猫達へ労いの言葉を
恐ろしいだろうに…よく頑張ったな
後は任せてくれ、お前達の居場所は私が守る
『動物使い』で猫達をマリアに任せる
危ないから安全な場所に隠れていてもらおう
敵を『怪力』で社に被害が及ばぬ場所に投げ飛ばしてみる
『地形の利用』『拠点防御』で周囲に被害が及ばぬよう立ち回り
『戦闘知識』を活かし戦う
武器をルーンソードに変更
炎の『属性攻撃』で『鎧砕き』を狙う
敵からの攻撃は『武器受け』からの『なぎ払い』
逃げ遅れた猫がいたら『かばう』、痛みは『激痛耐性』で凌ぐ
さて、雪鬼ヶ島といったか?
それが希望ならば好きに叶えるがいい…但し、あの世でな
この炎で送り届けてやろう
【ブレイズフレイム】を発動
黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流
鬼が島どころか雪鬼ヶ島って誰得だよ。
変わらず自身は【存在感】を消して【目立たない】ように立ち回り、隙を見て【マヒ攻撃】を乗せたUC剣刃一閃で雪女を優先で【暗殺】攻撃をし、できれば一撃で倒すか、もしくは倒しきれなくともマヒで動きを鈍らせる。
雪女の手助けがないと力を発揮しきれない鬼なんて、ただのでくの坊じゃないか。
相手の攻撃は【第六感】による感知と【見切り】で回避。回避できないものは黒鵺で【武器受け】し可能なら【カウンター】を叩き込む。
どうしても喰らうものは【オーラ防御】【激痛耐性】、氷・吹雪は【氷結耐性】で、誘惑は【呪詛耐性】で耐える。
●
銃撃の音とともに、雪鬼の動きが束の間止まったのを見て。
「……マリア!」
プロメテが呼び掛ければ、相棒の黒猫は小さく鳴いて社の方へと駆けていく。
その背を見送ることもなく、プロメテ自身は敵の元へ走る。
(「恐ろしいだろうに……よく頑張ったな」)
この戦いを制することが、自分が猫たちにしてやれることだから。
雪鬼にがしりと組み付いて、意識を集中するは己の内側。
「あの子たちの居場所は――」
動力源をフル稼働し、細い腕からは想像も付かぬ馬力を生み出して。
「――私が守る!」
鬼の身体を持ち上げて、思い切りぶん投げた!
巨体が宙を舞い、社からだんだんと遠ざかっていき。背中から大地に落ちた時、雪女はまだ落下の最中。
「そこだっ!」
影より姿を現して、仰向けになった雪鬼を足場に跳躍するは瑞樹。
右手に胡、左手に黒鵺。
二刀が狙い定めるは雪女――雪鬼への手助けなど、させはしない。
「ぐぬぅ……娘っ子はやらせんぞ!」
瑞樹の狙いに気づいたのであろう。
立ち上がった勢いに任せ、鬼が慌てて突っ込んでくる。
取り落した金棒を拾うこともなく、やぶれかぶれに一直線。
瑞樹へ向かって巨体が地鳴りとともに迫っていき、止まった。
「……っ、行かせない」
身が軋むのも厭わずに、プロメテが間に割り込んだゆえに。
「助かる!」
仲間に短く礼を告げ、瑞樹は二刀を手の中で滑らせる。
邪魔するものはもういない。
歪んだ雪女の表情は、恐怖かそれとも驚愕か。
さくり。
十字に斬った妖から伝わるは、雪に刃を入れたような感触。
「鬼が島どころか、雪鬼ヶ島って誰得だよ」
音もなく着地した瑞樹の手を、炎の熱が温める――。
軋んだ部品の隙間から出づる紅蓮の炎がプロメテを包む。
「ぬうっ!」
咄嗟に退く雪鬼であるが、少女人形は逃さない。
「さて、雪鬼ヶ島といったか?」
すらりと剣を抜き、刃に炎を纏わせて。
「それが希望ならば好きに叶えるがいい……但し、あの世でな!」
「雪女の手助けがないと力を発揮しきれない鬼なんて、ただのでくの坊じゃないか」
瑞樹もまた音もなく忍び寄り、鬼の首を狙って仕掛けていく。
彼が二刀を閃かせるたび、炎の灯火が刃に映る。
其はまるで、猟兵たちの闘志のように。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
オリヴィア・ローゼンタール
鬼退治、この世界における英雄譚の花形ですね
白き衣の姿を継続
拳大の氷塊を創り出し、【投擲】
ねこさんたちに意識を向けさせないように(おびき寄せ)
貴様たちの縄張りは地の獄、骸の海こそ相応しい!
【オーラ防御】による【氷結耐性】を纏いながら吶喊
凍り付いた地形を滑るスピードを活かして翻弄し(地形の利用・スライディング)、徒手格闘を仕掛ける
雪女に脚を氷漬けにされ、それを好機と見た鬼が突進してきたのに合わせ、【全力魔法】【属性攻撃】で【氷獄滅塵葬】の凍結波動を放つ
反撃を考慮しない渾身のため、直撃は容易
氷像と化した鬼へ、まだ自由な状態の拳を叩き込む(怪力)
私が完全に凍り付く前に、勝ちを焦ったな
――打ち砕く!
未不二・蛟羽
震える猫さん達をかばうように前へ出て、負けずとがうーっと吠え返し
ここは、猫ヶ島!そんな変な名前じゃないっす!
お友達になろって来てくれるなら、きっと猫さんも嫌とは言わない筈っす
でも、全部奪うって言うなら…それ縄張り争い、獣の戦いっすね
戦って、喰って喰われてなら、俺が受けて立つ
悪いやつは喰ってやるっす!
スカイステッパーで跳びつつ空中から速さで敵を翻弄
笹鉄を早業で繰り、肩にいる雪女さんを狙うっす
ロープワークで縛って怪力で引き離せば、手助けも出来ないっすよね
鬼さんは怒るかもしれないけど、こっちだって寒いし、猫さん襲われるしでおこっすよ!
蛇の尻尾をガチキマイラで変化させて、大食いでもぐもぐしてやるっす!
●
「おう、娘っ子。生きとるか?」
地に転がったままの相棒を、雪鬼はひょいと摘んで肩に戻す。
十字に切られてはだけた衣を抑えるように俯いていた雪女であったが。
「う゛~゛く゛や゛し゛い゛い゛」
顔を上げれば涙ぼろぼろ、鼻水ずるずる。
なお、反省の色はまるでないらしく。
「あ゛た゛し゛た゛ち゛の゛し゛ま゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」
「おうよ、雪鬼ヶ島を守り抜かんとのう!」
雪鬼と揃いも揃って未だ好き放題言っている。
「ここは、猫ヶ島! そんな変な名前じゃないっす!」
蛟羽ががうっと妖へ吠えれば、彼が背にした社の上からみゃあっと同意の声が降る。
猟兵皆の活躍に、猫たちも勇気付けられたのだろう。
「お友達になろって来てくれるなら、きっと猫さんも嫌とは言わない筈っす」
「おん? ここは雪鬼ヶ島やぞ? ワシと娘っ子ら以外はいらんわい!」
駄目だこの鬼、早く何とかしないと。
「ああそうっすか。全部奪うって言うなら……それ縄張り争い、獣の戦いっすね」
「ええ、猫さんの縄張り。返していただきましょう」
青年の傍らに立つオリヴィアも、妖どもを真っ直ぐ睨む。
白き衣、流るる銀髪。
彼女の操る氷の力は侵略のためでなく。
「鬼退治、この世界における英雄譚の花形ですね」
人あらざるモノ――鬼を殺すために。
「貴様たちの縄張りは地の獄、骸の海こそ相応しい!」
「戦って、喰って喰われてなら、俺が受けて立つ! 悪いやつは喰ってやるっす!」
オリヴィアが氷塊を投擲すると同時、蛟羽が地を蹴り跳躍へと上がる。
いざ、妖どもを討ち果たさん!
「子、艮、三つ目は……戌の方向だよ!」
「承知!」
雪女の示すままに、雪鬼は腕を振るって氷塊を叩き落とす。
一つ、二つ――しかし、三つ目は。
「よっと!」
鬼の手に掛かることなく、蛟羽の足場となって役目を終える。
「こいつ、ちょこまかと……」
「あら、余所見はいけませんよ?」
青年が敵の目を眩ます間に、オリヴィアが距離を詰め拳を突き出す。
凍て付いた地を滑った速度を乗せて、狙うは雪鬼の皮膚が焦げた位置。
猟兵仲間の火炎の術で傷ついたそこに、氷の拳撃が打ち込まれれば。
「ぐ、ぬぅ!?」
ぐさりと娘の肘までが鬼の身体にめり込んだ。
続けてもう一撃は、放たれない。
強く踏み込むこともできぬ程に、オリヴィアの足は凍て風を受け氷漬けになっていたから。
「ふふっ、あとはお願い」
「おうさ!」
冷風の吐息を放った張本人たる雪女が不敵に嘲笑う。
オリヴィアを押し潰さんと、鬼の身体が前のめりになるのとほぼ同時。
「ふぎゅる!?」
真逆の後ろの方向に、雪女の身体が紐のような物に巻かれ飛んでいく。
「ぬあ!? 娘っ子ぉ!」
「だから、余所見はいけませんってば」
雪鬼の手が空を掻き、巨体がぐらりと倒れていく。
倒れゆくその先には。
「顕現せよ、氷の絶対牢獄。時すらも凍てつかせる永劫の縛鎖となれ――」
神殺しが不敵に笑い、 凍結波動を解き放ち。
「――打ち砕く!」
自由の効く方の拳で渾身の一撃を繰り出した!
伝わるは、硬い物が砕ける感覚。
氷像と化した鬼の身体に、ぴしぴしとヒビが入っていく――。
一方、雪鬼と離された雪女は。
「げほっ、はーなーせー!」
「獲ったどー! これで手助けは出来ないっすよね」
蛟羽の血で形成されたワイヤーにぐるぐる巻きにされ暴れていた。
赤い糸で結ばれた二人。そう形容すればロマンチックと言えなくもないが。
「鬼さんは怒るかもしれないけど、こっちだって寒いし、猫さん襲われるしでおこっすよ!」
当然のことながら、フラグなど立つわけがない。
これは猟兵とオブリビオンの戦い、純然たる生存競争なのだ。
「さーて、覚悟はいいっすか?」
「ひぃ
……!?」
ちろちろと舌舐めずりをしていた蛟羽の尾の先が獅子の頭部へと変わり。
がじがじがじ。
もぐもぐもぐ。
「いやあああ! 顔はやめてー! せめて、ぼでぃにしてー!」
雪女の悲鳴が止むまで、咀嚼は続けられたという。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
真宮・響
【真宮家】
猫達が怯えてブルブル震えているよ。更に猫の守り神様の社に居座って、勝手に島名を変えてるし。傍若無人にも程がある。もう春は終わりだ。迷惑な冬には骸の海にお還り願おうか。
でかい鬼にはでかい物だ。無敵の相棒を呼び出し、鬼と正面から押し相撲して貰う。アタシは鬼の上に乗っている雪女を狙う。連携を断てば動きが鈍るはずだ。雪女の攻撃は【残像】【見切り】【オーラ防御】で凌いで、雪女に向かって【早業】【二回攻撃】で素早い動作で【属性攻撃】で火を纏わせた【衝撃波】で攻撃するよ。
真宮・奏
【真宮家】
この島の守り神様の社に居座って神気取りですか?ああ、猫さんが怯えて震えています・・・ここは猫さんの楽園です。雪鬼ヶ島じゃなくて、猫ヶ島です!!勝手に島の名前を変えるとは最早許せません!!
雪鬼なら炎に弱いはずですね?【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【盾受け】【拠点防御】で防御を固め、【氷結耐性】も併用。【二回攻撃】で煌く神炎を使用します!!回復してくるようですが、それ以上のダメージを与えることを狙います。
神城・瞬
【真宮家】
この島の守り神様の社に居座って、島名も相応しいものに変えて、と、もう自分達の土地になったような言い分ですね?そう思い通りに行きませんよ。猫さん達、この怖い鬼達は退治しますので、もう少し待っててください。
敵は連携して互いの動きを強化するようですので、こちらもサウンド・オブ・パワーで【鼓舞】も込めて仲間を強化。強化が終わったら、【属性攻撃】で火を纏わせた【衝撃波】の波で鬼と雪女を纏めて捕らえた上、【誘導弾】【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】で攻撃します。敵からの攻撃は【オーラ防御】でダメージを軽減しますね。
●
「守り神様の社に居座って、勝手に島の名まで変えるなんてねぇ」
傍若無人にも程があるだろうと、響が呆れた様子で呟けば。
「もうやだ、おうちかえる……」
「……娘っ子、ワシらの家はこの雪鬼ヶ島じゃろうが」
うつ伏せに伸びていた妖どもが、ふらふらしつつも立ち上がる。
「雪鬼ヶ島じゃなくて、猫ヶ島です!! 勝手に島の名前を変えるなんて、最早許せません!!」
「もう自分達の土地になったような言い分ですね?」
社を庇うよう前に出ながら、奏と瞬が相対すれば。
「お前らに許されずとも、知ったことかあ!!」
「おやかたさま、その意気だよ!」
雪鬼がいきり立ち、巨体からは妖気が漲り出す。
肩にのそのそよじ登る雪女の声援もあってのことだろうか。
「この島の守り神様の社に居座って、神気取りですか?」
「精神力だけで立つなんて……妖怪だからこそ、かねぇ」
奏と響が前衛に、瞬が後衛に。
此処まではいつもと同じ。
「じゃかあしい! 猟兵ども、早よ雪鬼ヶ島から出て行かんか!」
「奏、母さん。来ます!」
家族三人とともに妖を迎え撃つは、もう一人。
「さあ、アンタの力を借りるよ!!」
響の声に呼応して具現した者が、雪鬼の突撃を真正面から受け止める。
其が持ち得るは響の倍ほどの体躯、彼女と同じ得物。
そして。
「――父さん!」
今は亡き響の夫であり、奏の実父の姿。
(「家族皆で……戦い抜く!」)
瞬の想い込めた歌の力を受け、響の“無敵の相棒”は雪鬼をぐいぐいと押し返していく。
加えて社の上からも、にゃあにゃあと力強い鳴き声が届く。
猟兵たちを応援しているのだ。
「な、んだと……」
「おやかたさま、まけちゃだめ!」
妖どもも負けじと踏ん張るが、猟兵たちが見ているだけのはずもなく。
「この炎が、未来を照らす灯りとなるように」
奏が神聖な霊気の炎を放ち、ぐるりと組み合う巨影を取り巻いていく。
さながら土俵の如き神炎の輪の中心から、雪鬼はじりじりと押されていき。
「ぬおおぉ!?」
ついには輪の外へと放り投げられた!
「奏、瞬!」
「ええ!
「分かっています!」
妖が立ち上がるより先に、三人は速やかに追撃へ移る。
響は雪女を狙い、奏と瞬が雪鬼を穿つ。
これ以上、敵の連携を許さぬように。
「わ、こっち来ないでー!」
「都合の良いこと言ってんじゃないよ! 不自然で迷惑な冬には骸の海にお還り願おうか!」
響が得物を素早く振るえば、出づるは火の属性宿す衝撃波。
雪鬼にしがみついて抵抗する雪女だが、むなしくぽいっと宙へ放り出される。
雪女と雪鬼が分断された今こそ、鬼により深い傷を負わせる好機。
「猫さんの楽園、返していただきます!」
「あなた方の思い通りには行きませんよ!」
奏と瞬もまた火を操る。
二人の力を合わせて放てば、強力な炎と成りて鬼を祓うかの如く焼いていく。
「ぐ、おおおお!!」
炎の中から雪鬼の悲鳴、果たしてまだ動く余裕はあるだろうか。
反撃に備えて奏が盾を構えれば、社の上から丸みを帯びた影が差す。
猫だ。
「猫さん達。この怖い鬼達は退治しますので、もう少し待っててください」
瞬が声を掛けてやれば、「にゃあ!」と嬉しげな声が返ってくる。
この小さな命を、彼らが住まう地を護るため。
家族三人――否、四人は戦場に在り続ける。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
逢坂・宵
ザッフィーロ(f06826)と
この温かく暖かな猫が島に冬の鬼が居座るとは
寒い冬は四季として必要なものではありますが
永久の寒さははすべてを閉ざしてしまうものです
芽吹きの春、そして萌木の夏が来るためにも、あなた方にはご退場願います
ザッフィーロの援護を行いつつ
猫たちへ被害が及ばないよう立ち位置に常に気を付けましょうか
猫たちに攻撃がいくようならば「オーラ防御」で防ごうとこころみます
一言多いですよ、僕のご主人さま
……ご主人さまに期待されては全力で応えるほかありませんので
星の塵屑となっていただきましょう
「高速詠唱」「属性攻撃」「全力魔法」をのせた
【天航アストロゲーション】で狙い撃ちを行いましょう
ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と
お前達の…?猫と島の者達のだろう
宵の言う様、美しい四季に護られた島を好きにさせる訳には行かんのでな
俺と宵にて確りと還るべき場所へと送り届けてやろう
震える猫が心配ゆえ、雪を解かさんと【狼達の饗宴】―73体の炎の狼達を呼出し敵を囲まんとするかの様にそして、凍てついた大地を少しでも溶かすように放って行こう
凍てついたとて、それ以上の炎で溶かしてしまえばよかろう?
猫達に攻撃が行きそうな場合は急ぎ地を蹴り『武器受け』にて攻撃を叩き落とす様に『かば』おうと思う
雪女の声援による回復など、先の猫の声援(抗議の声)や俺の猫…でなく宵の援護に比べたならば生ぬるい…!
さあ、在るべき場所に還るがいい…!
●
「おやかたさま、起きて! まだ負けちゃだめー!」
こんがりと焼かれた巨体に、雪女が声援とともに冷たい吐息を浴びせれば。
「うおう、すまねえ……」
雪鬼はむくりと状態を起こす。
その拍子に鬼の傷口より妖気が漏れ出し、再び戦場を冬へ戻していく。
「寒い冬は四季として必要なものではありますが、永久の寒さはすべてを閉ざしてしまうものです」
宵の言葉に傍らのザッフィーロも深く頷いて同意を示す。
「美しい四季に護られた島を貴様らの好きにさせる訳には行かん」
そう、これまでずっとこの島は、猫と人は、巡る季節の中で生きてきた。
この冬の化身どもに居座られてしまったが最後、猫ヶ島の営みは終わりを迎えてしまうだろう。
「ごちゃごちゃ煩いのう! ワシらの家をどうしようが」
「あたしたちの勝手でしょ!」
言葉は不要、島を護る手段は一つ。
「お前達の……? 猫と島の者達のだろう。俺と宵にて確りと還るべき場所へと送り届けてやろう」
「芽吹きの春、そして萌木の夏が来るためにも、あなた方にはご退場願います」
冬の化身どもに雪解けを齎し、骸の海へ送り還すより他はない。
「猟兵! 退くのはお前らだと……言うとるじゃろうがああ!」
地に転がっていた金棒を軽々と持ち上げ、雪鬼が猛々しく吠える。
社の上からは不安げな猫の声。
猫たちは猟兵の活躍でだいぶ落ち着いていたはずであった。
しかし、妖どもが居座り続ける限り、恐怖を完全には拭い去れないのだろう。
「不埒な……!」
敵への怒りを滲ませ、ザッフィーロはメイスを握りしめる。
猫に危害が加わるようなら、護りに入れるよう身構えてのち。
「さあ、存分に暴れて来い! 在るべき場所に還してやれ……!」
新たな守り手――否、攻め手を招来する。
身の穢れを滲ませた炎の狼。
その数、かの高名な悪魔らの数より一柱多い――七十三。
炎狼の群れが地を駆ける。
氷を溶かし、熱を残し。冬の気配を消していく。
「ぐむぅ、小癪な」
金棒をぶんぶん振り回し、集る炎を振り払わんと試みる雪鬼。
しかし、見事に取り囲まれて、完全に足が止まっている。
「彗星からの使者は空より墜つる時、時には地平に災いをもたらす」
ザッフィーロの生み出した好機を、宵が逃すはずもない。
朗々と言霊紡げば、手にした杖の先端に星の光が収束していき。
「星降る夜を、あなたに」
詠唱を終えると同時に、解き放つ。
流るる光は流星の如く飛び、雪鬼の身体の一点を示して。
「……なっ!?」
真昼の空が宵色へ変わり、向こう側から隕石が降り注ぐ――。
「な、んのこれし、き……」
隕石を真正面から受け止め、力づくで押し返さんとする雪鬼であったが。
「おやかたさま、負けな……あっ」
雪女の声援も虚しく、仰向けにぐしゃりと潰される。
そのあまりに無様な姿に、思わずザッフィーロは言葉を零す。
「雪女の声など、先の猫たちや俺の猫……でなく。宵の声援に比べたならば生ぬるい……!」
「一言多いですよ、僕のご主人さま……ご主人さまに期待されては全力で応えるほかありませんので」
ご主人さまに寄り添って、そっと手に手を重ねる宵猫。
血が滲むかのような力でメイスを握る拳がそっと解されていく。
二人の元へは、一足先に春が戻ってきたらしい。
大成功
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落浜・語
【路地裏】3人
元々お前らの住みかじゃなくて、神様と猫の場所なんだ。とっととお帰り願いましょう、か……。狐珀がオコだ…。まぁ、もふもふ好きだもんなぁ…
ああ、猫たちは早く避難しろって…。
敵の動きは深相円環での【マヒ攻撃】や仔龍の雷【属性攻撃】で牽制しつつ、UC『紫紺の防禦』を引き続き使用。
二人か誘導してくれるのにあわせて花弁や燃える先を【念動力】でもって調整。ほら、燃えて溶けてしまえば良い。
これから暖かくなってくる季節なんだから、わざわざ寒くすんじゃねぇっての。本当に。それが嫌ならよそでやって来れ。具体的には、骸の海で。
勘解由小路・津雲
【路地裏】3人
おやおや、今度はかわいくないのが出てきたな。ふむ(しばらく観察し)あの雪女見習いの助力がやっかいなようだ。それならば。
【戦闘】
【白帝招来】を使用。(UCで真の姿になったことにより、口調が生来の丁寧なものに戻る)
客観的にこちらの動きを予想しているようですが、それなら人から虎に急に変れば、逆に不意をつけそうです。人の姿ではありえない動きをするわけですからね。
そして雪鬼ではなく、雪女見習いの方を狙いましょう。可能であれば仲間の起こした炎の方にぽんっと投げてやります。
ネコに復讐される気分は、いかがですか? ……まあ、ネコにしてはちょっとだけ大きいかもしれませんがね。
吉備・狐珀
【路地裏】3人
…何が雪鬼ヶ島ですか。傍若無人にもほどがあります!
あんなに怯えて震えて可哀想に。
おさらばするのはあなた達です!招かれざる客は骸の海にお還りさない!
UC【神使招来】使用
保食神のウケに猫達の避難誘導をお願いし、猫を(かばって)もらいながら後方から弓矢で(援護射撃)。
倉稲魂命のウカのもつ神剣に朱雀の力を宿し炎(属性攻撃)で雪鬼と雪女見習いに接近戦を。
降り注ぐ矢と炎で語さんの紫紺の防禦の花びらの元へ追い込むように攻撃。
花びらへ近づいたら応援をして治癒するのを防ぐ為に雪女見習いの体に触れるように、月代に風を起こしてもらいます。
体に触れたら今度は炎の勢いを増す為に再度風を起こします。
●
「ああ、もうっ……何が雪鬼ヶ島ですか。傍若無人にもほどがあります!」
狐珀がおこだ。激おこだ。
常ならば口数が多くはないはずの彼女だが、今は心の内を吐き出さずにいられないのだろう。
(「まぁ、もふもふ好きだもんなぁ……」)
狐珀の心中を推し量りながらも、語は語で物申したいことがある。
「元々お前らの住みかじゃなくて、神様と猫の場所なんだ。とっととお帰り願いましょうか」
そう、戦場となっているここは神社の境内。
唐突な侵略も勿論のことだが、居座っている場所もいただけない。
されど、妖どもが聞く耳を持つはずもなく。
「だーかーら! もうあたしたちのお家なんだってば!」
「さながら、ワシが新しい神様かのう? 神が命ず……猟兵よ、出て行け! なあんてのう!」
猟兵たちに返す言葉と態度は、より大きく傲慢なものに。
もっともここまでの攻防で、雪鬼の顔の半分はひしゃげて遭遇時よりも小さくなり、迫力すらも落ちているのだが。
(「今度は、かわいくないな……色々な意味で」)
津雲が溜め息を吐いたと同時、狐珀の怒りにも火が点いた。
「頭に来ました! この島からおさらばするのはあなた達です!招かれざる客は骸の海にお還りなさい!」
「猛き者達よ 深き眠りから目覚め 我と共に闇を祓う力となれ」
戦巫女に応え、白黒二匹の狐の身体から霊体が出づる。
白狐――保食神は弓兵として。
黒狐――倉稲魂命には神剣に朱雀の力を宿し。
解き放てば、狐たちは社の上と妖どもの方へ分かれて駆けていく。
「仔龍。牽制攻撃できるよう、備えててくれな」
がうっと相棒の同意の声を背に、語もまた攻撃に加わる。
「何人も呪いも超えられぬ壁となりて我を護り、理に背く骸を還す力となれ」
ループタイより放たれた、守護の花びらが戦場に舞う。
狐珀の指揮に従い、狐の矢と刃が妖どもを誘導し。
「ぐぬぅ!?」
その先にて、花びらに取り巻かれて燃やされる。
「負けないで! そのまま突っ込んで!」
思わず足を止めた雪鬼であるが、雪女の鼓舞を受け。
「ぐ、ぬ、ぬおおおおう!!」
真っ直ぐ、がむしゃらに突っ込んでくる。
その巨体が掠りでもしたら、猟兵といえども怪我は免れなかったであろうが。
「西方司る天の四神が一柱、今星界の欠片の力を借りて」
何処かより姿を表した白虎が、当身を食らわして雪鬼を吹き飛ばす。
「ここに顕現せん」
小さな雪女をその牙に捕らえた獣は、紛れなく津雲の声をしていた。
神々しい神獣へ変じた津雲は、その姿とは裏腹に雑な動作で咥えた雪女をぽいっと放る。
「ちょ、待っ、ぎゃー! 熱い!? 熱いー!」
放った先は、語の操る花びらの上。
地に落ちていたそれに雪女が触れた刹那、ごうっと音を立てて炎が上がる。
「ネコに復讐される気分は、いかがですか? ……まあ、ネコにしてはちょっとだけ大きいかもしれませんがね」
丁寧で穏やかな口調でありつつも、敵には苛烈な仕打ちを与える津雲。
神の類の存在とは、こういうモノなのやもしれない。
雪女は雪鬼を支えられる状態にない。
好機と見て、狐珀と語は追撃へと移る。
「月代!」
名を呼ばれ、月白色の仔竜が起こすは風。
花弁や火の粉を念動力でふわりと浮かせ、風の流れに乗せてやれば。
「これから暖かくなってくる季節なんだから、わざわざ寒くすんじゃねぇっての」
雪鬼に届いたものから、強く強く燃え上がる。
戦場に吹く風からは、幽かに春の匂いがした。
大成功
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丑三・勘太郎
【鹿村・トーゴ(f14519)】と参加 アドリブ可
猫たちを追い出して、自分の住処にしようとするとか、鬼の風上にも置けねぇな。
同じ鬼だろうと関係ねぇ。きっちり成敗してやるぜ!
戦闘が始まったら【紅鬼灯】を使用する。
【念動力】により鬼火を操作し、まずは雪女見習いを重点的に攻撃。
雪女見習いがサポート出来なくなるまで追い込んだら、目標を変更。
鬼火を1つに集め、雪鬼にぶち当てる!
「さぁ、燃え尽きなぁ! 『日輪落とし
』!!!」
鹿村・トーゴ
【勘太郎(f10108】と
猫逃がすとき別だった勘太郎と合流しよっか
雪鬼ヶ島ねぇ
共存つうならまだしも皆殺しは横暴じゃね?鬼族の味方したい気もするし雪鬼眷属なりの事情あるんだろーが
やっぱここは生きてる猫と人間優先な
助言役の雪女見習をまず妨害するか
勘太郎の動きを妨げないよう注意する
指定UCで強化、降ろした悪鬼で右腕を黒曜石の鬼の腕に変化させて
代償の流血を雪女に左手で【投擲】して【目潰し】手裏剣も交えて攻撃
指示待ち・迎撃に関わらず雪鬼には接近して右腕で直に殴り鉤爪化した手で引き裂く
羅刹としては内心、頑固親父風の雪鬼とやり合うのがちょっと高揚感あるねー
防御が疎かになりがちで【激痛耐性】で対処
アドリブ可
●
「お、やかたさま……」
雪鬼に這い寄ろうとする雪女の額に、ぐさりと手裏剣が突き刺さり。
続けて放たれた鬼火の炎が、小さな身体を包み込み。
炎の勢いが落ちた時には、そこに何も残っていない。
ただ、雪が解けたかのように、地面が人の形に濡れていたのみ。
*****
「鬼族としちゃあ肩持ちたい気もするし。眷属なりの事情とかあったんだろーが……」
生者を害する妖――オブリビオンとなれば、見過ごすわけにはいかない。
投げた手裏剣の回収は後だと、トーゴが視線を映した先には。
討たねばならぬモノが、もう一体。
幾度も焼かれ、穿たれて。なお息がある化け物の姿。
「畜生っ! ワシらの、島……」
「猫たちを追い出して、自分の住処にしようとするとか。鬼の風上にも置けねぇな」
悔しげに唸る雪鬼へ言葉を返すは勘太郎。
同じ鬼と呼ばれる類の存在であれ、妖どもの考え方は彼にとって相容れぬものであった。
「きっちり成敗してやるぜ!」
「ぐ、お前ら、だけでもおおおおお!」
爛れた皮膚が落ちるのも厭わず、雪鬼が拳を振り上げる。
応じるは、鬼火を以て。
雪女に放ったほかにも、幾重の炎が勘太郎を取り巻いている。
鬼灯のように赤いそれを雪鬼目掛けて一つ、二つ。
ぶつけていけば巨体は少しずつ崩れ、地面に落ちては解けていく。
されども、雪鬼の闘志は消えず。
「う、おおおおお!」
残った拳に全てを乗せて、大振りに殴りつけ――。
「勝負だ!」
悪鬼を降ろして化けさせたトーゴの腕とぶつかり合う。
冬の具現と黒曜石。
拳と拳がぶつかり合えば、拳圧が波動の如く広がっていく。
ほぼ互角の力比べに、トーゴは高揚感を覚える。
羅刹の性を満たすに十分な相手、今しばし戦いを続けたくもあるが。
(「共存つうならまだしも、皆殺しは横暴じゃね?」)
そろそろ終わらせてやらねばならない。
島を巡る争いも、不自然に過ぎる冬も。
「うらあああ!!!」
腹の底からの気合とともにトーゴが拳を突き出せば、雪鬼の身体は後ろに押され、どさりと音を立て仰向けに倒れた。
勝者、鹿村・トーゴ。
「勘太郎!」
「おう!」
準備は整った。
鬼火の全てを掌中に集め、雪鬼目掛けて飛び掛かり。
「さぁ、燃え尽きなぁ! 『日輪落とし
』!!!」
叩き込まれた其は、さながら陽の光の如く。
境内に残るは、大きな雪の塊。
かろうじて鬼の形を残していたそれは、あたたかな陽気に包まれて――少しずつ解けて、やがて大地に染み込んでいった。
にゃあ。
にゃあ。
にゃあ。
島は再び、猫日和。
*****
島を襲った冷気は祓われ、春の香りが満ちていく。
ぽかぽか、うららか。
猫たちは今日ものんびりと生きる。
人々とともに、この楽園にて。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2020年03月19日
宿敵
『雪鬼と雪女見習い』
を撃破!
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